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2002/05/30 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 農林水産委員会 第11号
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2002/05/30 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 農林水産委員会 第11号

#1
第154回国会 農林水産委員会 第11号
平成十四年五月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     榛葉賀津也君
     八田ひろ子君     市田 忠義君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     宮本 岳志君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     内藤 正光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         常田 享詳君
    理 事
                太田 豊秋君
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                加治屋義人君
                岸  宏一君
                小斉平敏文君
                野間  赳君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                内藤 正光君
                羽田雄一郎君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                宮本 岳志君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  野間  赳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       環境大臣官房審
       議官       松原 文雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
 また、昨二十九日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として宮本岳志君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案の審査のため、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君及び環境大臣官房審議官松原文雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(常田享詳君) 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岸宏一君 おはようございます。
 農林大臣、日夜大変な御苦労でございます。国民の一人として心から敬意を表したいと思います。
 六月二日、全国植樹祭が山形県で行われますが、大臣も出席されると聞いております。実は、山形県の金山町というところで開催されますが、私の出身地でございまして、町民は農林大臣のお越しを心待ちにしておるようでございます。私のこの金山町は、近藤元次前農林大臣のころに第一回の美しい村づくり全国コンクールというので最優秀賞をもらった、美しい村づくりの先駆者とでもいうんでしょうか、そういう町でありますので、その辺是非ひとつごらんになっていただきたいということで、みんな待っているようでございますから、よろしくお願いします。
 それと、全国植樹祭をやる町でございますから、林業をかなり一生懸命やっている町なんですけれども、御承知のように、今の木材価格の低迷というのはとんでもない状況でございまして、林業では到底食べていけないということで、林業関係者の勢いというものは昔から見ますと非常に意欲が減退しておる。この林業の問題が意欲を持たれないような状況でありますと、大臣もお分かりになりますように、山村の活性化なんというのは、当然これ、考えられない話でございます。
 そういうことで、一ヘクタール一万円の施策、新しい施策その他いろいろと林業に関してやっておられることは重々分かるわけでございますが、やっぱり何としても外国からの輸入材の中の不法伐採をどうしても突き止めて、これをやめさせるということがやっぱり政府の林業対策としては僕は一番効率的じゃないかというふうに思うんですね。
 そういうことを、例えばODAか何かを大いに利用してやったらば、もっともっと日本に対する世界からの尊敬の目というんですか、そういうものも集まることでありましょうし、そういうことに是非大臣には思いを致しながら、ひとつ地元の林業関係者ともこの際お会いになって話をお聞きしていただく、そういう機会も作っていただければ誠に有り難い、こういうふうに思っておりますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。重ねて心から御歓迎を申し上げますということを申し上げたいと思っております。
 さて、この法案の御質問申し上げる前に、韓国における口蹄疫の発生状況、これと我が国のこれに対する防疫体制というんでしょうか、これについてひとつお答えをいただきたいと思います。
 何か報道によりますと、今月の四日に韓国で二件の口蹄疫が発生、これが確認されたと。その後、続発をしている。一週間前、十日ぐらい前ですか、二十一日の時点では十二件、発生頭数は六百頭を超えて、十万頭近くが屠殺されたと、こういう情報が流れているようでございますが、現時点でこの口蹄疫というのは拡大する方向にあるか終息する方に近づいているのか、これについての政府としての見解をちょっとお聞かせ願いたい。
#7
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃりますように、韓国内におきまして、五月二十七日現在、十二件というふうに口蹄疫の発生状況は広がりつつあるわけでございます。韓国内におきましては、移動制限、消毒、懸命な防疫措置が取られているわけでございまして、私ども、拡大するかどうかというよりも、防疫措置が奏功をいたしまして、私どもにも影響のあることでございますんで、一刻も早く口蹄疫が収まるということを切望をしているところでございます。
 もちろん、韓国で口蹄疫の発生が確認されましたので、同国からの牛、豚等偶蹄類の肉等の輸入は禁止をしたということでございまして、済州島から積み出されたばかりの豚肉も持って帰っていただいたというようなこともございまして、そういうことを関係機関あてにも通知をしたということでございます。
#8
○岸宏一君 そうすると、終息であるか拡大であるかについてはまだ分からぬということですね。分からないということではこれは結構ですけれども、輸入の禁止もその措置を取って、言わば水際の体制をきっちりと取っているというふうに思うんですけれども、たまたま何ですか、ワールドカップというのがあしたからですか、あさってからですか、あしたから行われると。そうすると、何か韓国と日本の間で人や物の流れが普通よりもかなり多くなるというふうに考えられるわけですね。
 それで、私は、口蹄疫、どういうふうにしてあれするのか、防止するのか分かりませんが、人の往来とか物の往来でこの口蹄疫が日本に渡ってきちゃうという、そういう危険性がないのかどうか。これ少し、というよりもかなり心配をしているんですが、この点どういうふうに考えておるか。つまり、型どおりの防疫体制でいいのか、ワールドカップがあるので特段の対応をする必要はないかどうか、この辺の見解をお聞きしたいんですが。
#9
○国務大臣(武部勤君) まず初めに、植樹祭に触れられましてお話がございましたが、先生のふるさとであるということも承知しておりますし、岸先生が町長時代に大変な善政をしかれたその成果を見させていただくということも楽しみにしております。
 林業関係の皆さん方と御懇談をいただき、率直な御意見等を伺う機会があれば有り難いと、こう思っておりまして、どうぞまたよろしく御協力をお願いしたいと思います。
 韓国の口蹄疫の発生の確認に伴いまして、ワールドカップ開催について、人の往来が激しくなるということについての防疫対策等は万全なのかということについての御質問がございましたが、先般の閣僚懇談会の席でも、私このことを話いたしまして、関係府省の協力を要請したところでございます。
 総理からも直接、この問題を甘く見ないようにという、そういう御指示もございまして、万全の体制を取るべく今いろいろ準備をしているわけでございますが、まず海外渡航者への注意喚起のための空港や海港で看板等を設置する等によりまして情報提供に努めるとともに、家畜関連施設に立ち入った旅行者等に対しましては靴底消毒を実施しているところでございます。
 さらに、水際での検疫の強化のために、先ほど申し上げましたように、財務省、国土交通省、法務省、海上保安庁にも手荷物検査の強化等々について協力を依頼しております。旅行業界、航空会社等にも動物検疫に関するパンフレットの配布等を依頼いたしまして、韓国からの口蹄疫の侵入防止にしっかり努めている次第でございます。加えて、国内措置といたしまして、発生地域への渡航、特に農業視察等の自粛等を指導しているところでございます。
#10
○岸宏一君 大臣のお話をお聞きして理解はできるわけでございますけれども、もっと簡単に国民に対して分かりやすく、例えば普通の状態で韓国で口蹄疫が発生したと仮定して、これだけの体制が必要だと。オリンピック、オリンピックじゃない、ワールドカップだからこういうふうな予算を増やしたとか、あるいはこういう体制を更に強めたとかという、そういう具体的に説明していただいた方が国民には分かりやすいんじゃないんですか、いかがですか。
#11
○国務大臣(武部勤君) 予算を増やすとか増やさないとかということ、やらなきゃならぬことは既定の予算の中でやり得ると、こう思っております。
 また、これはワールドカップの開催ということについて、韓国において口蹄疫が発生したということをこれはどのように国民に伝えるかということについてはいろいろ神経も使わなきゃならない問題も残っていると、こう思いまして、やはり水際で、入管等の際にしっかり検疫をやるということが大事ではないかと、このように考えております。
 いずれにいたしましても、必要な予算措置は既定の予算の中ででき得ると、このように考えておりまして、万全の体制で臨みたいと、このように思います。
#12
○岸宏一君 予算上は既定の予算で十分であるということでございますが、それは分かりましたが、大臣、どうぞ一般の国民の皆さんに、日本にこれが来たら大変だと。BSEでも大分農林省もたたかれたわけですから、今回のこの口蹄疫問題でもまたそういうことがあっては決してならないと思いますから、もう少し危機感を国民にあおって、大変だからもう何とか皆さん協力してくださいというふうなことをやっぱり強くアピールする必要があるんじゃないかと思いますので、どうぞひとつこの点、リーダーシップを発揮されて、皆さんに徹底させていただきたいと、こういうふうに思っております。
 それでは、この野菜生産出荷安定法の改正について質問を申し上げたいと思います。
 この法律の改正に至るには、様々な野菜の置かれている状況、そういった背景というものがあって今回この改正になったんだろうというように思うわけです。
 例えば、国民の消費の動向でありますとか、国民一人当たりの消費量、あるいは生産額、それから野菜づくりの農家の推移、それから、なかんずく野菜の輸入の増大、そういうもろもろの条件、それからさらには流通の変化、こういうものがあって今回の法改正に至ったと、こういうふうに思うわけです。
 特に我々注目しなきゃならないのは、自給率が、今上げようというやさきに、この野菜の自給率は落ちているという、そういう状況などもあって今回この法律改正ということに大臣としても臨まれたというふうに思うわけでありますけれども、どうでしょうか、大臣からは提案の趣旨説明もちょうだいいたしましたが、今までのこれらの経緯や現在の野菜をめぐる情勢を踏まえて、もう一度、国民に御説明をしていただきたい。
 それに加えて、今回の法改正を含めて、今後の野菜農業の展望というんでしょうか、こういったものを含めて、ひとつ総括的に御説明をしていただきたいということでございます。
#13
○国務大臣(武部勤君) この野菜の問題に入る前に口蹄疫のことについて、先生からも再度強い防疫体制を取るようにというお話がございました。念には念を入れて早速、生産局長もおりますから、関係府省と協議をして、どういう体制になっておるか、念には念を入れてその体制を点検したい、させたいと、このように思います。
 特にこのことについて申し上げますと、人間には全く何の影響もございません。しかし、これが偶蹄類に感染しますと、これは空気感染もあり得ます。これはもう直ちに殺処分しなきゃなりません。
 かつて、北海道、宮崎で発生したことがあるわけでありますが、私もその発生農家知っておりますけれども、六百頭、北海道ではですね、もう直ちに殺処分したわけであります。その処分も大変でした。
 そういうふうなことを考えますと、これはもう絶対侵入を許してはならないと、こう思います。もちろん韓国側におきましても、全頭もう殺処理しているわけでございまして、防疫体制が万全だとは思いますが、念には念を入れて。
 同時に、風評といいますか、BSEでああいうような国民の間に心配が高じるほどの問題になったわけでございますので、どういう病気かと。人には影響がないんだと。人の命や健康に影響ないんだということをきちっと知らせることと、それから、これを侵入させないということについての体制についてきちっと伝えることと、念を入れて関係省庁間の点検をさせたいと、このように思います。
 本題の野菜農業の展望についてでございますが、平成十二年三月に農林水産省が公表いたしました「農業構造の展望」におきましては、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う望ましい農業構造の姿として展望しているわけでございます。これは、主たる従事者一人当たりの生産所得が他産業と遜色のない水準を確保し得る経営ということで公表しているわけでございますが、具体的には、平成二十二年度において効率的かつ安定的な農業経営は、露地野菜では二万戸程度、施設野菜では三万戸程度となり、これが野菜経営耕地面積全体の七割から九割のシェアを担うというふうに展望しているわけでございます。
 一方、現在、我が国の野菜農家は、野菜粗生産額で見ますと、その八五%が主業農家により担われているわけでございまして、担い手の集約化が進んでいるというふうに言えるかと思います。一戸当たりの経営規模の小さい農家がしかし大変多く、農家の高齢化等が進む中で、近年、輸入野菜の増加の影響も受けまして、作付面積が減少傾向で推移していると。今、委員から御指摘がありましたように、自給率が八二%まで低下している状況にあるということでございます。このために、国際競争にも対応し得る国内野菜産地の確立を目指しまして、昨年八月に野菜の構造改革対策を取りまとめまして、生産、流通、消費を含めた対策を推進しているところでございます。このような取組を通じ、農業構造の展望の実現に向けて努力してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
 また、今回の野菜生産出荷安定法の改正の趣旨、そのねらいはいかんというお話でございましたが、野菜は、もう御案内のとおり、ビタミン、ミネラル、食物繊維等の供給源でありまして、国民の食生活上重要な役割を果たしているわけでございます。また、農業における重要性も大変高いものがありまして、米、畜産と並びまして、農業粗生産額の四分の一を占める主要な分野となっているわけでございます。
 しかしながら、近年、輸入野菜が増加する中で、消費者の選好する価格、品質での供給が強く求められている一方、我が国の野菜の流通は業務用需要が増大するというような大きな変化が見られているわけでありまして、出荷規格が大変複雑化する等、依然として多段階・高コスト構造ということになっております。
 生産面においては、大規模生産者の増加は見られるものの、生産者の減少、高齢化によりまして産地は弱体化しているという状況にございます。こうした状況を踏まえまして、野菜生産出荷安定法について契約野菜安定供給制度を創設しまして、生産者と実需者の契約取引を推進すると。二つ目には、指定消費地域を廃止しまして、全国の消費者に対して野菜の安定供給が図られる制度とすると。三つ目には、一定規模以上の大規模生産者が制度に直接加入できるようにする等の改正を行うこととした次第でございます。
#14
○岸宏一君 ただいまの大臣の御説明でその骨子というものがよく分かったわけでございますが、須賀田局長にお伺いしますが、今の大臣の趣旨の御説明、骨子について、これをやっぱり予算化しているわけだと思うんですけれども、何か私、調査室からいただいた資料を見ますというと、野菜関係の、野菜の生産高というのは二兆を超えるほどの金額があるんだけれども、農林水産省の予算の中では、一%、百億円にも満たないと、こういう話が出ておった。そこで大臣が頑張られて、何か三倍以上の予算をこの野菜の法律改正に絡めてという部分が強いと思うんですけれども、そういうふうにしたんだと、こういうことを調査室からお聞きしましたが、そこのところを局長さん、ひとつ具体的に、ここの部分ではこういうふうになりますというふうにちょっと説明してくれませんか。
#15
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御指摘のように、昨年、野菜輸入急増問題というのに直面をいたしまして、大臣の御答弁にもございましたように、夏から国内的には構造改革というものに取り組んで、国際競争にも耐え得る体質の強い国内産地体制というものを整備するということが求められておりました一方で、やはり日中間でいろいろな貿易問題を精力的に協議が重ねられていったと、こういう経緯がございます。
 今回の法律改正もその一環ということでございまして、先生御指摘のように、この野菜の予算、いろいろございます。価格安定から生産総合対策からいろいろございますけれども、昨年末に大臣に構造改革予算ということで野菜部分で四十六億円措置をしていただきましたものを含みまして、総額九十億円だった予算を三百億円を超える三百十一億円というトータルの予算にしたところでございます。このうち、この制度改正に絡みます価格安定対策につきましては、従来四十七億円だったものを百三十五億円にしたということでございまして、粗生産額から比べれば小さいものではございますけれども、昨今の厳しい財政事情の中で三倍以上の予算を確保したということでございます。
#16
○岸宏一君 相当思い切った農林省としては対応だったというふうに思っておりますが、これは大臣、どうですか、印象として、今まで野菜の方に農林省としての対応が非常に足りなかったんだと。結果としてこうなったのであって、決して、通常、通常というか、望ましい姿で予算措置をやっておれば、別に急に三倍もすることはなかった、そういう印象は持たれませんでしたか。
#17
○国務大臣(武部勤君) やっぱり近年、自給率が落ちてきているというのは、国内の産地における高齢化でありますとか離農者が続出しているという国内問題よりも、やはり輸入野菜の攻勢という影響が非常に大きいと、このように思います。
 輸入野菜は、およそ、生産対策あるいは流通対策を考えますと、倍ぐらいの、ネギを例に取って考えましても値段の違いがあるわけですね。消費者の方々のアンケート調査によれば、それが仮に中国物と国内産の野菜とどの程度の価格差であれば国内産を選択するかというようなアンケート調査をやりましたところ、三割ぐらいの差であれば国内の野菜を買うという、そういうアンケートの調査結果もあるわけでありまして、そこで私どもは、こういう状況を考えました際に、やはり野菜政策の抜本的な対策を考えようと、つまり野菜農家の方々の協力を得て徹底した構造改革をやらなきゃいけないと。で、セーフガードの問題で中国との交渉をしたわけであります。
 結果的に話合い決着ということになりまして、日中農産物貿易協議会を立ち上げたわけでございますが、そういった日中農産物貿易協議会でいろいろ問題の認識、共通の認識というものを醸成していくと言いながらも、やっぱり根本的には国内の野菜生産の構造改革ということは急がなきゃならぬというふうなことで、財務大臣にも直接話しまして、大臣折衝の段階で五十億上積みしてもらったという経過があったわけでございますが、今まで十分やっていないからこうなったんじゃないかという御指摘でございますが、そういう一面がなかったとは言えないと思います。
 やはりこういう国際化の中で、農産物の輸入についても当然これが増大してくるというふうなことを想定して、もっと前から足腰の強い野菜生産対策というものを構築していれば、もっと輸入を抑えることもできたかもしれない、競争ができたかもしれないということを考えますと、確かに今、岸先生御指摘のような一面もあったと思いますが、同時に、これからのことを考えますと、この構造改革というのは四年ぐらいというふうに当初は考えておりましたけれども、私は、この四年ぐらいで構造改革というものを実現するというのを前倒しして、もう二、三年で所期の計画達成というようなスピードアップが必要だと、こう思って、今般の野菜生産出荷安定法の国会提出をさせていただいたわけでございまして、是非今、一日も早く、一刻も早く成立をお願いしたいと、このように願っているわけでございます。
#18
○岸宏一君 ただいまの大臣の御答弁、非常に率直で、我々に共感を覚えさせるものがあります。
 やっぱり世間では、農林省の今回の法律改正等々みんな総合的に見て、少しアクションが遅いのではないかという、そういうやっぱり評価というんでしょうかね、そういうのは否めないところがあるわけだと思うんですね。ですから、ただいま大臣が答弁なされましたように、そういういつも率直な、何というんですかね、開かれた、正直な行政の対応というんですかね、そういう姿勢を農林省の皆さんに強くひとつ指導していただいて、農林省の体制を立て直していただきたい、こういう思いがいたします。
 そこで、正直な答えを政務官からちょっとお聞きしたいんですが、政務官、いかがですか、今回、契約野菜の安定供給制度というものを創設いたしましたが、そのねらいと、正直、これはどのような効果を及ぼすというふうに考えますか、お答えください。
#19
○大臣政務官(岩永浩美君) 先ほど来、委員から大変哲学的なお話もお聞きし、また町長として長い間行政に携わってこられて、それぞれの地域の特産物の育成にも大変御努力をしてこられたから詳細については御存じだと思いますが、契約取引については、流通コストの削減、生産コストの削減、そしてまた流通の省資源化、生産者と消費者との顔の見える関係の構築をしていくことによって、この安定した供給制度を作り上げていくことができるメリットがあるというふうに考えます。
 そこで、契約取引については、定量供給契約において作柄の変動があることはもう言うまでもありません。その作柄の変動等による供給量を確保できなかったり、あるいは市場の価格連動契約の場合に価格が低迷しても契約出荷のように補てんがないなどの問題が今まではございました。
 そこで、これが取組の障害となっていたので、今回、契約野菜安定供給制度を創設して、契約取引の促進を図っていくことによって農家の安定した所得が得られるようにということで、この制度を設けたものでございます。
#20
○岸宏一君 どうですか、政務官、これによってかなりそのねらいは効果を発揮すると思いますか。
#21
○大臣政務官(岩永浩美君) こういう一つの契約制度があることによって、農家の人たちは一応、やっぱり農産物というのはそういう一つの不安定要素の部分というのがかなりありますので、こういう一つの受皿としての安定供給制度を持っておくことによって、農家の人たちは安心して営農に励めると私は確信をいたしております。
#22
○岸宏一君 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、副大臣に一つお伺いいたしますが、副大臣、今、大臣のお話の中に、輸入の増加に対応をすべくという目的もあって様々な法律改正もやるんだと。それで、例えばアンケート調査をした結果、韓国あるいは中国の食品よりも三割でしたか、高くても安全な日本の野菜を買いますと、こういうお答えがあったので、コストを三割下げる、流通コスト、生産コストも含めて、こういう形で構造改革をするんだと、こういう説明のように受け止めましたが、これらを構造改革することで、それでは中国や韓国の野菜に対抗できる体質というんでしょうか、野菜づくりができると、こういうふうにお考えでしょうか。いかがですか。
#23
○副大臣(野間赳君) 野菜の自給率ということでありますが、生鮮野菜の輸入の増加傾向が続いておりますことから、平成十二年度には八二%まで低下をいたしてまいってきております。
 食料・農業・農村基本計画におきましては、平成二十二年度までに八七%とする目標設定を掲げておるところであります。この目標を達成をいたしますために、輸入野菜に対します、対抗できる国内産地の競争力を強化をしていく必要があると考えておりまして、野菜の構造改革を進めてきておるところであります。
 具体的に申し上げますと、消費と生産の距離の短縮、契約取引によります顔の見える流通、出荷規格の簡素化、通い容器等の利用などを推進することといたしております。
 また、食を支えます農の構造改革を図ってまいりますために、大規模生産者が安心をして構造改革に取り組んでいけるよう野菜価格安定制度への直接加入を可能にしますとともに、低コスト化、契約取引、高付加価値に即した野菜生産、流通の構造改革を進めて、「ブランド・ニッポン」農産物を供給する体制づくりを推進をしていくことといたしておるところであります。
#24
○岸宏一君 お話はよく分かりましたが、ここで私、ちょっとこの法律改正に関しての感想を申し上げたいというふうに思うんですが、それは、例えば、今回、指定消費地というものをなくして、しかし、その指定生産地というのはこのまま温存するということになっていますよね。それから、指定野菜なんかについても全然、特定野菜も含めて今回変更とかなんとかということがない。それをいろいろ考えてみますと、もうちょっと、何かちょっと忙しく作ったんじゃないかという気がしないでもないんですね。
 それからもう一つは、これは私の考えがどうかちょっと分かりませんが、やや疑問に感じることを申し上げると、契約取引を強く進めることによって確かに実需者あるいは量販の皆さんとの関係は良くなるわけでしょうが、じゃ市場の、何というんでしょうか、機能というんでしょうかね、こういうものが一体弱まるということはないのだろうかということを疑問に思うんですよね。
 これらについてはどうですか、局長さん。ちょっと急ぎ過ぎた点はありませんでしたか。それとも大丈夫ですか。
#25
○政府参考人(須賀田菊仁君) 野菜の置かれております環境、構造改革待ったなしという、輸入増、担い手の脆弱化等を含め、需要の減とかそういうのもございますけれども、そういうことから、現状で何が必要かということで措置をしたものでございます。
 若干申し上げますと、やはり、その指定消費地域の話でございますが、元々この野菜生産出荷安定制度といいますのは、大都市であります消費地域が、都市化の進展によって周りの産地がなくなってしまう、そうすると野菜の供給ができなくなるということで、指定消費地域というのを位置付けて産地からそこへの生産・出荷を促進すると、こういう考え方であったわけでございますけれども、先生も御存じのように、もう今や交通網の整備だとか輸送技術の発達ということで遠くから運べるようになった、また国民全般がいろいろなニーズを持つようになったということで、消費地域というのは廃止をして、一方、産地の方は、やはり大都市等へ一定のまとまり、ロットといった野菜を供給するという体制を、現在それを崩すというような状況にはない。個々の大規模生産者が一杯できるというような状況になればそういうことも考えられるわけでございますけれども、今のところ、やはり産地づくりという体制で臨まなくてはならないということで指定産地の方は残したと。
 その中で、やはり今要求されております契約取引、これはやはり生産と消費の間の流通コストが低減できる、生産者にも手取りが確保できる、生産コストの低減にもつながるということで、やはりこの契約取引というのは今後の流通のどの農産物におきましても大きな柱になっていくのではないかということがございます。
 一方で、じゃ市場はどうなのかという話でございますけれども、現在、野菜流通の八割は市場、卸売市場経由でございまして、やはりその市場のそれなりの機能、品ぞろえでございますとか公正な価格形成機能でございますとか、何よりも迅速な資金の決済機能と、こういうものがあるわけでございますので、やはり野菜流通の今後も重要な役割というのを担うのではないかというふうに思っております。
 その中で、やはり契約取引の良さと市場取引の良さがお互いに補完し合うということで多様な消費者ニーズに対応できる体制というものが整っていけるのではないかというふうに考えているところでございまして、決してやっつけだとか急いでだとかというのではなくて、野菜の置かれている状況を見極めて、制度づくり、制度改正を行ったという経緯でございます。
#26
○岸宏一君 まあそういう答弁になろうかと思うんですがね。しかし、私、ちょっと考えますに、例えば、指定する野菜なんかについてもいろいろ考える必要はあったのではないかと。
 つまり、私が言いたいことは、例えば、国民の消費性向というんでしょうかね、消費の変化、こういったものは非常に顕著なものがあるわけですよね。例えばお米なんかで見ますと、最高に食べたころは国民一人当たりで百十八キロぐらい食べているわけでしょう。それで、今では六十三か四ですか、そういうふうになっている。それから、野菜の消費なんかも減っている。それから、乳製品とか何かが倍ぐらいになっているんじゃないですか、肉類とかそういうものの摂取する量が。そういうことを勘案しながら考えますというと、やはり野菜の嗜好というんでしょうか、これもかなり若い人たちと年配の方々の中に差が出てきている。それから、業務用等が増えてくるということによって非常に調理しやすい野菜でありますとか、あるいは家庭にあっては、家庭も外食もそうでしょうけれども、ちょっとおしゃれというか見栄えというか、そういったものが好まれるような傾向に進んでくるのではないかと。
 そういう、ちょっときざな言い方をしますれば、食文化といったものの考察というんでしょうかね、こういったものもちょっと必要ではなかったかと、こういう気がするんですが、これは総合局長ですか、何かお答えありますか。
#27
○政府参考人(西藤久三君) 先生今お話がありましたとおり、我が国の食生活、この二十年ぐらいのタームで眺めてみますと、かなり大きく変化をいたしてきております。
 昭和五十年代、ちょうど米を中心として、畜産物、野菜、果実の組合せで、私ども、日本型食生活というようなことで表現させていただいたことがあるわけですけれども、栄養バランスも取れ、国内の農畜産物との組合せもいいと。結果としての自給率も、例えば二十年前の昭和五十五年の総合自給率を見ますと、その当時五三%でございました。現在四〇%まで低下してきていると、そういう状況でございます。
 物の状況を見ましても、御指摘がありましたように、お米はかつて百二十キロ弱、百十八キロが六十四、五キロという水準でございますし、今回あれになっております野菜につきましても、ピーク時には百二十キロを一人当たり年間消費量超えていたものが、昨今は百キロ前後と。かつ、その中身についても大きく変化してきているというふうに思っております。
 そういう中で、食料消費全体ということから見ますと、この背景、いろいろ取り巻く状況の変化、少子高齢化の進展、核家族化、単身世帯の増加、あるいは女性の就業と言うとちょっとあれですが、いわゆる雇用就業、かつては女性の方は自営業なりあるいは農業の中で自家就業という形が多かったんですけれども、近年の就業形態は雇用就業という形での就業が出ていっている。あるいは生活自体が皆さん二十四時間化というような形で、二十四時間販売店が開いているというような状況の中で米の消費が大きく減少を続け、あるいは畜産物、油脂等の消費が増加する中で、栄養バランスという点で見れば、脂質の取り過ぎ、栄養バランスの偏り、あるいは私ども一昨年から調査を開始しておりますが、食べ残しの問題、あるいは自給率低下、さらには昨今の安全、安心問題等々の中で、私ども、そういう状況を消費者の皆様に的確に提供し、一緒になって考えていく枠組みを作っていかなければならないというふうに思っております。
#28
○岸宏一君 時間の関係で、残念ながら、もう少し詳しくお聞きしたかったんですが、これ最後になろうかと思いますが、大臣、私、今日の御答弁、いろいろ皆さんのをお聞きしておりましたが、消費者という言葉が、一回ぐらい出ましたか、余り出てこなかったみたいな気がするんですね。大臣は、この前の記者会見か何かだったんでしょうか、ちょっと忘れましたが、これからの農政は消費者に軸足を置いた農業を、農政をやらなければいかぬというふうな発言をなされたというふうに聞いておりますが、今回の法律改正についても、そういった側面がどういうところで感じることができるかということについて余り国民の皆さんに伝わらないような、そういう気がするんですよね、率直に言いまして。そういう点で、私、いろいろとこの法律に関しては意見があるんですけれども、時間がないのでまたの機会にいたしたいと思いますが、どうですか、大臣、こういった側面からひとつこの法律をどういうふうに説明なさるか。
 それから、もう一つ感想を申し上げますと、これらの構造改革で本当に外国の野菜との競争に耐えていけるのかということについて非常に疑問が私はある。ですから、もう少しやはり外国から来る野菜に対する検査体制なんかを強化をして、向こうにも徹底していただかなきゃいけないと。そうすれば、向こうもこれコストも掛かってくるわけですから、それと同時に、韓国や中国でも例えば高付加価値性の野菜づくりなんというのはもう既に始まっているというように聞いておりますよ。
 そういうふうな意味で、この法律によって万全かといえば、決して私はそうじゃないという心配も持っているんですが、その点、この二つの点で大臣のお話をお聞きして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#29
○国務大臣(武部勤君) 先般、「「食」と「農」の再生プラン」を発表したわけでございまして、その理念といいますか基本になるものは、消費者に軸足を置いた農林水産行政に変えますということでございます。これは、じゃ生産者はどうなるんだという、そういう疑問も残るのでありますが、生産者は消費者あって初めて成り立つんだと、私はこう思うんですね。やはり農産物の生産振興を考える場合にも、消費者が求めるものを供給するということでないと生産者も成り立ちませんし、自給率も上げることはできないということだろうと、こう思うのであります。セーフガードの確定発動とか、あるいは外国からの輸入農産物の検疫ですね、残留農薬等の、徹底的にこれを厳しくやるであるとか、そんなことだけで私は解決できないと思うんですね。
 やはり消費者が求めているものは何なんだということは、まず第一にやっぱり安い。日本は高いでしょう、なぜこんなに値段が違うんですか。我々は、中国と日本と比較したら、労賃だけでも二十五倍は違うんですよと、こう言いましてもなかなか、消費者の人たちはやっぱり安いものを求める。
 安くするにはどうするか。低コスト化であると。低コスト化にするためにはどうしたらいいかということは、生産コストを下げる、あるいは流通コストを下げると。流通コストを下げるためにはどうしたらいいかということになれば、やはり直接契約取引、流通機構を生産者から消費者の間に直接持っていくというようなことが一つとして考えられるわけでございます。
 そういうようなことから、契約取引ということも、特に量販店とは直接この契約取引ができるように、しかも大量にできるようにというようなことについてのこれを促進する方策が一つ込められているわけであります。
 しかし、それだけじゃないと、こう思うんですね。やはり高くても買うと。この間、私、小泉総理がウコッケイの卵が五百円するんだと、それでも売れるんだと。卵一個五百円で売れるんだって、私は、そのウコッケイの卵というのはそれは薬ですよと、そういうふうに、これを食べればエネルギーが倍加するとか、そういうことなんですよと。しかし、総理がそういう話をされた背景に、やはり農業といいますか農産物というのは結構ナウい私は産業という一面があるんじゃないかと。いいものであるならば、日本のようにいわゆる所得水準の高い国であれば、消費者はそういうものも求める人たちもいると。
 安いもの、いいもの、そういったことを考えますと、正に私どもが「「食」と「農」の再生プラン」で申し上げておりますように、消費者と生産者の顔の見える関係ということを構築していくことが大事だと。まあこれ、生産者側からすれば、消費者の皆さん方にもっと生産者の苦労を知ってくださいよと。どういう作り方をするか。有機農業だとか、作り方によってはそういう苦労をし、そういう付加価値を高めるような努力をしているなら、あなたのところのを高くても買いましょうということになっていくんだろうと、このように思うわけでございます。
 この法律の目指すところは、そこに向けて、出荷規格の簡素化でありますとか、通い容器の利用等による流通コストの削減でありますとか、消費者と生産者の距離をいかに縮めていくかというようなことが一つのねらいになっているわけでありますし、大規模生産者が農協等をフリーパスで直接量販店等と取引する際にも、これは野菜価格安定制度への直接加入を認めて、それが円滑に進むようにしようということと、高付加価値化というのは、「ブランド・ニッポン」というような考え方、先ほど三つの戦略について野間副大臣から御答弁ございましたが、そういうような考え方で進めていきたいと、こう思っているわけでありまして。
 また一方、外国と競争できるかということでありますけれども、私、この間、WTOのムーア事務局長と話しまして、そのときに向こうのムーアさんから出た言葉で、あれっとこう思ったことは、中国は十五年後には食料輸入国になりますよと、時間がありませんでしたから詳しい話はしませんでしたが、ですから武部大臣も、今、目先のことだけじゃなくて、将来、十年、十五年のアジアにおける社会経済がどうなっていくのか、そういったことも踏まえて日本の構造改革というのをしっかりやったらどうだろうと、そういうお話もありまして、それは一つの注目すべき発言と私は受け止めてきたわけです。
 いずれにいたしましても、検疫等はしっかりやらなくちゃいけません。やっぱり、消費者が求めているのは何かと、これは安全、安心ですから、我々、BSEで痛いほどそのことを感じたわけでありますので、そういうこと、あるいはおいしいもの、新鮮なもの、そういったことを考えて今後の野菜の構造改革というものをこの法律に基づいて進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
#30
○岸宏一君 今の大臣の御答弁の中で、長期的視野に立って進めているんだと、こういうお話がございましたので、意を強ういたしました。ひとつ長期的に見て、十五年後に武部大臣が言ったことが当たっていたなと国民の皆さんに思われることを心から御期待申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
#31
○加治屋義人君 自民党の加治屋でございます。
 緊急性があると思うことがございますので、一点だけお伺いをしたいと思います。
 現在も沖縄県の広い範囲で発生をしておりますミカン類に大きな被害を与えるというカンキツグリーニング病、これはCG病と呼んでいるんだそうでありますが、今年の四月四日に鹿児島県の与論島で発生をいたしまして、大変心配をされておられます。生産農家にとってはそれこそ壊滅的な被害を受けるのではないかと、こういうことでありますが、生産局長に伺いますが、このカンキツグリーニング病、いわゆるCG病とはどのような病気なのか、かんきつ類にどのような影響を与えるのか、教えていただきたいと思います。
#32
○政府参考人(須賀田菊仁君) 御指摘のカンキツグリーニング病でございます。
 これは細菌、リベロバクター・アジアティカム細菌という細菌によるかんきつ類の病害でございます。この病気に感染をいたしますと、かんきつ類の葉が、黄色くならずに緑のままということでカンキツグリーニング病というふうに呼ばれているわけでございます。この病気が進みますと果実や株全体の生育不良というのを引き起こしまして、ひいては枝とか株全体が枯死するということでございまして、非常に防除すべき重要な疾病でございます。
 我が国におきましては、先生言われましたように沖縄で発生をしておりまして、海外では東南アジア、南西アジア、中近東、アフリカ諸国に分布している恐ろしい病気でございます。
#33
○加治屋義人君 四月の十五日から四日間、国、県、町で与論島全域で発生状況の調査をされたやに聞いているんですが、その調査の結果、また被害状況等について教えてください。
#34
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、四月四日に鹿児島県による調査で、与論島の一戸の庭に植栽をされておりますかんきつ樹六本が本病菌に感染をしているということが判明をいたしました。四月の十五日から十九日の間に、感染状況というものを把握するために、鹿児島県が植物防疫所の協力を得まして与論島内におきます調査を行いました結果、かんきつ樹三十本の感染を確認をしたところでございます。
#35
○加治屋義人君 今、生産局長お話ありましたとおり、昭和六十三年に沖縄の西表島、そして平成六年に沖縄本島に侵入している経過があるわけですが、平成九年から沖縄からのかんきつ類の苗木等の移動規制が行われているんですね。そういう規制の中でこの与論島で発生確認されたというのは大変ショックを隠せないんですけれども、感染源及び感染経路をどのようにお考えになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(須賀田菊仁君) この病気でございます。
 伝播されますのは、やはり苗木でございますとか穂木でございますとか、そういう木とか、この細菌を媒介いたしますミカンキジラミ、昆虫でございますけれども、これによって伝播をするということで、種子とか果実で伝播するものではございません。
 そして、今、先生言われましたように、今回発見された感染樹の感染経路、本病の発生地域からこの与論島へ苗木だとか穂木だとか、媒介昆虫のミカンキジラミが何らかの形で伝播したというふうに推測をされておりますけれども、現在、植物防疫所におきまして調査中でございます。
#37
○加治屋義人君 西表島をさっき間違えまして、御訂正いただきたいと思っています。
 このCG病、いわゆるいったん感染しますと、先ほどの説明等を考えますと伐採するしか方法がないと、こういうことを承知しているんですが、今後のこの撲滅のための方策を具体的に今後どう進められていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
 また次に、この大島地区におけるPCR検定、これは遺伝子診断と言うんだそうですけれども、器具、人材、この確保がどうしても必要だと、そういうふうに思っているんですが、早急にこの検査体制を確立すべきだと思っておりますが、この点についてお伺いしたいと思います。
#38
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、その防除でございます。
 この防除、先生おっしゃりましたように、感染した木を処分する、あるいは媒介昆虫のミカンキジラミを防除する、この方法によってやるわけでございます。現在、この発生地で綿密な発生調査を実施しておりまして、感染樹が発見された場合には速やかに伐採をする、そして本病を媒介するミカンキジラミを防除するという対策を取っているところでございます。
 その現地調査、あるいは採集したサンプル、これをPCR、これはBSEでも出てきたわけでございますけれども、DNAで鑑定をする方法でございます。これ現在、鹿児島県と植物防疫所が協力をいたしまして、この検査体制を整えるということにしているところでございます。現在、与論島のみならず奄美群島全域において調査を実施するということを予定をしているところでございます。
#39
○加治屋義人君 もし仮にこのカンキツグリーニング病が北上をして奄美全体に発生するような事態になりますと、これは、離島というハンディを一生懸命乗り越えて、キビと、最近はかんきつ、ポンカン、タンカンの生産が基幹産業として大きく夢を膨らませているときだけに、島民にとっては正にこれは命だと、生活そのものだと、こういうふうに考えているんですけれども、ひいては本土まで拡大するようなことがあれば我が国のかんきつ生産農家に壊滅的な被害を及ぼすことになる、こういう心配をしておりますが、現段階できちっとひとつ国の対応が望まれるわけですけれども、このカンキツグリーニング病の侵入防止並びに検査体制の整備、防除対策、それから植物防疫法の運用、これらを早急に講じるべきだと、そういうふうに思っているんですけれども、併せて武部農林大臣、御意見、決意をいただければありがたいと思います。
#40
○国務大臣(武部勤君) この病気の発生状況の調査につきましては、与論島では鹿児島県と植物防疫所が協力して今後とも本病の現地調査及び採集したサンプルの精密検定を実施することとしておりますし、奄美群島全域において調査を実施する予定でございます。
 与論島では、平成九年の調査で未発生が確認されておりました。今回発見された感染樹の感染経路については、本病発生地域から与論島へのかんきつ類苗木や穂木、媒介昆虫のミカンキジラミが何らかの形で伝播したものと推測されるのでありますが、現在、植物防疫所において調査中でございます。詳しくは、鹿児島県と植物防疫所が協力して、本病に係る発生源解明、防除対策等に万全を期してまいりたいと、かように考えております。
#41
○加治屋義人君 是非早急な対応をしていただきますようにお願いを申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#42
○田中直紀君 自由民主党の田中でございます。
 今日は、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 同僚の岸議員からポイントは質問がありましたので、私からはそれ以外の項目につきまして順次質問をさせていただきたいと思いますが、六月二日には山形へ行かれるようでありますし、国際会議もメジロ押しという忙しい時期に入ってきたわけでありますが、私は三月の下旬に縁がありまして中国の北京に訪問をしてまいりました。せっかくの機会でありますので、中国のIT産業あるいは軍だとか訪問いたしましたけれども、是非中国の農村を見たいと、こういうことで、北京近郊の、二時間ぐらい、最近は相当高速道路で便利になりましたが、北京の近郊の韓村河というモデル地区の農村を視察をしてきたところでございます。
 報道のように中国は、当然国内に供給をするために農業を重要視をしているわけでありますが、やはりこれからの世界を見た最先端の農業を目指しておるということをまざまざと視察で見てまいりました。その中で、耕地以外で、どんどん数字が増えておるようでありますが、施設栽培、いわゆる大型園芸施設という、これはもう当然、野菜のキュウリだとかトマトだとかピーマンですね、アジアのみならずヨーロッパ等の食材になっております野菜の栽培を手掛けてきているわけでありますが、モデル地区でありますから大変進んでいるなというふうに思いましたけれども、トマトでいいますと、苗が相当たくさん温室で栽培が進んでおりましたけれども、その模範の一つは、私は百八十センチありますが、ちょっと見上げる程度の、苗がそんなに大きくなるのかというふうに思いましたけれども、八千個のトマトが一つの苗から生産をされると。まさか輸出していないんでしょうねと、こういう話をしましたら、北京の周辺だということで、ある程度高値で、収益性も確保しながらやっておると、こういうことでありましたから一安心いたしましたけれども。
 山東省は私も視察をしておりませんが、どんどんモデル地区の農村の、恐らくそういう面では、市場経済の中にも従来からの制度的な、二百世帯ぐらいの農家を一か所に農村の団地を造りまして、そして周辺の農地をみんなで管理をしていくということでありますから、恐らく沿岸地域においては、一部日本の商社も提携をしたというふうに報道で出ておりますが、そういう状況でありますので、私はこの第三回の、本題に入りますが、日中の農産物貿易協議会、野間副大臣、先般中国の方に行かれました。この二十三日に東京で第三回が開催をされたということでありまして、大きな世界の流れ、そしてまた中国というWTOに加入したという影響は、これから五年、十年、将来は先ほど大臣が言われたように輸入国になるんではないかと、こういうことも考えられますが、当面の問題としては、やはり中国のその可能性というものは、国内、中国の国内対策。しかし、外貨獲得という大きな命題も大きな柱になっているわけでありますから、ほかの工業製品にとっても大変脅威なわけでありますが、これが一つの大きな、協議会の一つの大きな試金石になるんではないかということで私は注目をしているところでございます。
 中国側あるいは日本側、いろいろと今回の協議においても主張を重ねておるということでありますが、今までに決定された内容について、そしてまた大いに議論されておる、特にこのネギ等の三品目の協議においてどの程度まで進展をしているかということをまず野間副大臣にお伺いをいたしたいと思います。
#43
○副大臣(野間赳君) 昨年の末に日中閣僚協議におきまして、日中間におけます三品目の秩序ある貿易を促進するための日中農産物貿易協議会の開催につきまして合意をいたしたところであります。これまで委員御指摘のとおり三回、二月、三月、五月にわたりまして、両国の生産者、輸入業者及び政府関係者が参加をいたしまして協議会を開催をいたしてまいりました。また、私も二月の二十七日から三月の一日まで訪中をいたしまして、中国政府の農業部長や対外貿易経済合作部の部長助理と本件問題につきましての意見交換を行ってまいったところであります。
 これまでの日中間の話合いで、双方の関係者の間では、平成十二年のような日本への輸出の急増は日中双方にとっても不利益であるという認識が醸成をされつつあるところでありまして、このような認識を踏まえまして、三品目の生産、需要、価格等について更に検討を深めているところであります。
 その結果、ネギ、生シイタケにつきましては、中国側は日本の需給事情を中国側関係者に周知することを言明したところでありまして、また平成十四年のネギの作付面積は、輸入の急増いたしました十二年に比べましてかなりの減少になる旨の説明があったところであります。
 また、ネギ、生シイタケの秩序ある貿易を実現するための措置につきましては、最低輸出価格の設定、秩序ある貿易を阻害をしております委託販売の防止のための決済条件の見直し等について議論がなされてきたところであります。
 現在、ネギ等三品目の輸入につきましては、セーフガード暫定措置終了以降、増加をしているという状況にはないのでありますが、いずれにいたしましても、本協議会の場を通じまして需給の見通し等について共通認識を醸成することによりまして、日中間の安定をした貿易関係を築いてまいりたいと思っております。
#44
○田中直紀君 なお一層の御努力をお願いいたしたいと思います。
 大臣には、そういうことで、中国にも訪問をしていただいてその現地を是非視察をしていただくと有り難いというふうに思っております。
 協議会の最終的な目標は、秩序ある貿易ということの実現にあるわけでございますので、その実効性についてどういうふうに担保されておるのかなというのが非常に重要な点ではないかと思っております。
 実を言いますと、そのときに日本の関係者に聞きました。昨年は、セーフガードの発動をしましたことによって中国の現地の生産者は大変な打撃を受け、損害を被ったと。しかし、行政にその内容について補償を求めても、当然、それは自由市場という中での行動でありますから、そういう面で日本向けのその対応につきましては、かかわっておる日本の業者といいますか企業といいますか、商社の方々は、やはり引き続き日本に向けて輸出する、今まで手掛けてきた方々には引き続き日本向けの生産をお願いすることによって、その損害をならしていこうというようなことを現地では話し合われていたんじゃないかと。
 これは非公式の話でありますから、どの程度その補償を現地でしておるかということでありますが、せっかく今まで日本向けの農業として研究をし、そしてまた努力をしてきて、一時期セーフガードの発動によって輸出がストップをしたけれども、しかし、この協議会の中で行われるということの中にあっては、やはり今までやっていただいた中国の現地の生産者の皆さん方には、日本向けのその生産をやってもらえるように努力をしていくことによって昨年の大変な損害は解消していこうと、こういうような話も流れてきておると。大変、それは中国との信頼関係というものを一つ一つ築き上げていかなければいけないことでありますが、しかし、この野菜、あるいはこれからの輸入において偏ったものが出てきてはいけないというふうに感じた次第であります。
 その中で、伊藤忠商事が山東省政府と経済協力をしていくということに調印をしたと。農林水産省がどの程度その話について、ちょっと質問が飛んで大変恐縮でありますけれども、話があったか、そしてまた伊藤忠というとどうも協議会の重要な役割を、これは幹事でしょうか、の役割を担っておるということでありますから、いわゆるその協議会の考え方が最終的な決着をしておらない状況の中で、農産物をすぐに山東省の政府との経済産業協力の中でまさか取り上げるといいますか、話を進めていくというようなことがあっては、また秩序ある貿易というものが本当に守られるのかと。
 逆に言いますと、協議会に入っているメンバーであるわけでありますから、伊藤忠商事に対して、その辺は本当に民間としても担保をしていくというぐらいの行政としての御努力をしておく必要があるんじゃないかと、そんな印象を持っておるわけでありますが、その辺の協議会と現地との関係というものにつきまして、どういうふうにとらえられているか、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
#45
○国務大臣(武部勤君) 伊藤忠商事の関係ですか。
#46
○田中直紀君 伊藤忠商事です。そうです。
#47
○副大臣(野間赳君) それじゃ、私の方から、先般報道されておりました伊藤忠商事との提携の問題につきまして、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 今月、伊藤忠商事が中国山東省政府と経済貿易全面合作協議書に調印をして、インフラ、エネルギー等のプロジェクトの推進、二国間、多国間貿易の推進、内需振興を目指した流通機構の整備等、幅広い協力関係の強化を図ることに合意したことは報道で承知をいたしております。その中には、食品関係の対外輸出の促進も含まれておるわけでありますが、具体的な品目が決まっているとは聞き及んでおりません。
 いずれにいたしましても、企業によります経済活動の一環として進められておりますことでありますので、現時点で農林水産省といたしましてコメントをする立場にないと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
#48
○国務大臣(武部勤君) 田中先生の前段の御質問の中に、秩序ある貿易の実現に向けた実効性の担保等についてお話がございましたので、その件について私の考え方や実態どうなっているかということについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
 先ほど野間副大臣のお話にもございましたように、日中農産物貿易協議会において一番のメリットは何かということを一言で言いますと、お互いが問題意識を共有できる、そういう情勢が作り上げられつつあるということです。つまり、中国側からすれば、日本に輸出する際にも、日本の生産量はどうなのか、需要はどうなのか、価格はどうなのか、品質についてどういう関心を持っているかということについて関心があるわけでありまして、そのことについてはこれまでの三回の協議の中でかなり理解が深まってきていると、こう思うわけでございます。
 同時に、我が国にいたしましても、やっぱりしっかりした輸出業者というものを推薦していただくということが大事なんだろうと思うんですね。言わば、アウトサイダーというのは適切な言葉じゃないかもしれませんけれども、正規の貿易関係以外に入ってくると、それが国内の需給のバランスを崩す、価格を崩していくというようなことで、そういった情報交換もかなり進んできているんじゃないかと、このように思います。
 そういったことから、最低輸出価格の設定、中国側の優良輸出企業の推薦、秩序ある貿易を阻害している委託販売の防止のための決済状況の見直し等について積極的な議論が行われているところでございます。
 特に委託販売、日本で販売した後、中国に代金支払を行う販売方法の問題については、平成十二年の輸入急増の大きな原因でもありました。また、これにより、日本国内のみならず、中国の輸出価格も下落しまして、日中双方とも大きな不利益を被ったのでございます。したがいまして、その防止を図るべく、現在、代金決済の方法について、銀行が支払を保証するいわゆるLC決済の導入も含めて議論が行われているところでございます。
 いずれにいたしましても、日中間の安定した貿易関係を築いていくためには、本協議会の場を通じまして、需給の見通しや実効性確保のための措置について共通認識を醸成することが必要でありますので、今後とも協議、検討を深めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#49
○田中直紀君 先ほど副大臣からも交渉の内容についてお伺いをいたしました。
 この二月に野菜の構造改革対策ということで農林水産省が出されまして、今回の法律につながっておるんだと思います。その中に、交渉の中に、これはネギでありますが、最低輸出価格で一トンが七百ドルと、約九万円と、これは据置きをする、そしてまた生シイタケは規格別に設定をしていくと、こういうことで見直す考えが共通認識になってきたというようなことが新聞には書かれておるわけでありますが。
 いわゆる構造改革の中で、低コスト化タイプ、これもちょっとこの基準が、比較、局長で結構でありますが、三割ぐらいの国産品と輸入品の価格体系であれば、そういう面では構造改革の目的が達成をされ、市場が乱されないと、こういうふうに言っておるんでありますが。
 ここで言う国産が、これはネギ三本一束というんでしょうかね、百九十八円、中国産は百円というようなことで設定をいたしまして、目標とする国産価格は百三十円だと。そういう面で、今回の制度で百九十八円を百三十円ぐらいにすれば国際的な競争力に耐え得るんだと、こういう前提が立っているわけでありますが、この中国産の百円というのは、こちらで協議していることからいうとどの程度、百円程度ということになるんでしょうか。その辺のコスト的な、今のこの比較ということからいいますとどのような状況になるんでしょうか。局長の方からで結構です。
#50
○国務大臣(武部勤君) 今、総合食料局長おりませんので、私詳しくは分かりませんが、結論からいうとそういうことになるということでございます。
#51
○田中直紀君 私も前に大田市場に視察に行ったことがございますが、確かにネギは、中国の方の食されるタイプと日本の今の白ネギですか、これはちょっと性格が違うと、こういうことでありますから、いわゆる価格的な傾向で消費者に渡っていくだろうと、こういうことでありますが。
 三か月ほど前の視察でしたか、生シイタケはやはりすみ分けができるんじゃないかと、相当すみ分けができてきておると。日本のシイタケはだんだん大きなものを生産するようになってきたようでありますが、国産のものと、そして中国で今手掛けてきておるもの、量販店が使っておるというものについてはすみ分けができると、こういう状況だということが言われておりました。
 規格別に設定をしていくということからすれば、日本がどんどんどんどん技術というか、日本の嗜好に合わせて生産者が努力をしてきて、相当価格差があっても用途が違う、消費者が違うと、こういうことになってきているんですが、その辺を一つ一つこれから、細かい話で大変恐縮でありますが、タマネギの話もしていこう、何もしていこうと、こういうことでありますから、それぞれの品種によってやはりきめ細かく交渉をしていく必要があるんじゃないかと、こういうふうに思いますので、その辺は御努力をいただきたいと思いますし、局長がちょっといないようでありますから、そのうち直接また局長にも伺いたいと思っております。
 あと、貿易関係でありますが、四月五日に各省が対中国経過的セーフガード措置の運用についてのガイドラインを決められました。昨年のようなことも当然あり、そしてまたWTOに中国が入ったと、こういうことでありますから、当然もう世界の自由主義市場に中国が入ったということでありますが、経過的な措置ができるということがうたわれておりまして、我が国もそれに従って方針を打ち出したというふうに伺っておりますが、この経過的なセーフガードの導入と一般的なWTOのセーフガードの相違点といいますか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
#52
○国務大臣(武部勤君) 対中国経過的セーフガードは、一般的セーフガードと同様に、輸入の増加によって国内産業に被害が生じた場合に、関税引上げ等の輸入制限を講じる措置であるということでは同じでございます。
 一方、両セーフガードの間には、一般セーフガードがすべての国からの輸入に対して適用される輸入制限措置であるのに対しまして、対中国経過的セーフガードは、言うまでもなく、中国のみに対して差別的に措置を取り得るものでありまして、中国のWTO加盟後十二年間に限り維持される仕組みである等の違いがございます。
 また、発動要件についても、一般セーフガードの場合は、輸入の増加によって国内産業に重大な損害が生じていることであるのに対しまして、対中国経過的セーフガードでは、中国産品の輸入の急増により国内産業への実質的な損害が生じ、市場が攪乱されることとなっておりまして、一般セーフガードとはこのところが異なっているということでございます。
#53
○田中直紀君 そうしますと、今回のガイドラインによりまして、活用するといいますか、当面、中国との農産物の全般的な協議も始まっておると聞いておりますけれども、条件としては、国内の市場攪乱のおそれが生じた場合には、中国に対しては対中セーフガードの発動が可能であるという立場を堅持しておるというふうに私は理解をいたしておりますが。
 というのは、今でも当然、対中経過的なセーフガードというものが、条件が整えばと言うとあれですが、そういう攪乱、市場が攪乱されたときには発動が可能かどうかという点についてお伺いをいたします。
#54
○国務大臣(武部勤君) 対中国経過的セーフガードの実施に際しましては、やはり個別事案ごとに調査検討することがまず要件として必要ですね。今はその要件にはないと思います、ネギ等三品目については。また、タマネギについてもないと思います。しかし、ネギ等三品目については、日中農産物貿易協議会を開催しまして、双方の理解がかなり深まってきております。
 今後とも協議会の場で、両国間で共通認識を醸成することに努めまして、セーフガードを検討せざるを得ない事態となることを未然に防止するということが最大限我々の努力すべきことではないかと、このように考えております。
#55
○田中直紀君 中国を始めとして、中国以外のアジアの諸国も農業関係につきましてはそれぞれ努力をしてきているわけでありますので、自給率、我が国の野菜に関係しましては八二%まで来ておると、こういうことでありますが、何とか今、現状をまずは維持をする、できるような価格あるいは需給調整というものを交渉の中でも御努力をお願いをしたいと思います。
 先ほど岸委員からも話がありました。今回の改正では指定消費地域制度を廃止をするということでありまして、契約取引、当然この構造改革の中にも契約取引をしていくそのタイプというものを奨励をしておるわけでありますが、今までの指定野菜あるいは特定野菜について各地域からも適宜見直しが必要ではないかということをよく陳情を受けます。
 今回の制度、急ぎ過ぎではないかというような岸委員も話をしておりましたが、今までのこの野菜対策、いわゆる野菜価格安定制度が果たしてきた効果というものをまず大臣に評価を、この問い八問でありますけれども、評価をしていただいて、今ある制度について、皆さん方も各地域、私は、適地適産、地産地消という大きな柱で、まずは地域の皆さん方に安全で安心な野菜を供給し、そしてまた消費者も自分の地域のものを消費をしていくということから来ているわけでありますので、今までの指定消費地域については非常に私は地産地消ということからいえば実効があったんではないかというふうに認識をいたしておりますし、その中で、問い十の方でありますけれども、指定野菜、特定野菜というものについて、今まで相当各地域からこの制度に評価が加えられておりまして、適宜見直しをする必要があるんじゃないかと、その辺の認識を伺いたいと思います。
#56
○国務大臣(武部勤君) 野菜というのは、委員も御案内のとおり、天候等によりまして供給・価格が変動しやすい上に、作目転換が容易でありますがゆえに作付けも変動しやすいわけでございます。さらに、供給・価格変動が増幅されるという特質を有しておりますが、消費者からは良質な野菜を安定的な価格で供給することが求められているわけでございます。このために、野菜価格安定制度により野菜指定産地を計画的に指定・育成し、野菜価格の低落時に生産者補給金を交付するということによりまして野菜の供給と価格の安定を図ってきたところでありまして、この結果、全国では約一千百の野菜指定産地を形成するに至っております。
 指定消費地域への野菜の安定供給体制が整備されるとともに、野菜は米、畜産と並び農業粗生産額の四分の一を占める重要な農業分野になっているということをかんがみましても、消費者への野菜の安定的な供給と野菜農業の経営の安定に今までの制度も一定の役割を果たしてきたものと、かように考えております。
 しかし、近年、先ほど来御議論ありますように、輸入野菜が増加する中で、消費者の選好する価格、品質での供給ということに対する関心が高まっておりまして、我が国の野菜生産が生産者の減少、高齢化により弱体化するという一方で、流通は規格が複雑化する等、依然、多段階・高コストという構造になっているのが実態でございます。
 こういう状況を踏まえまして、野菜の生産、流通両面にわたる構造改革を進めることが不可欠ということから、今回の野菜生産出荷安定法の見直しということに相なった次第でございまして、これを改正しまして、契約取引による生産・流通コストの低減や指定消費地域の廃止等による生産者補給金制度のセーフティーネット機能の充実による構造改革を推進しようというものでございます。
#57
○田中直紀君 今後の農業関連の諸施策につきましては、いわゆる所得政策というものを重点的にやっていくということも一方であるわけでありまして、農業経営所得安定対策というものに、稲作を始めとして農業を支えていただく農家に意欲のある農業を心掛けていただこうと、こういうことになってきておるわけでありますが、野菜はどちらかというと非常にそういう面では価格の高低が激しい、天候によって量の変動があるということでありますので、今回の制度で保証していくということになっていくわけでありますが、整合性といいますか、やはり最終的には、稲作であろうが、あるいは転作をする、そしてまた野菜を手掛けても所得安定というものが最終的には図られるんだということが大事であると。やはり所得安定対策の中に野菜というものをしっかりと位置付けていただくということが大事ではないかというふうに思っておりますし、それが最終的にこの契約取引の制度の設定によって、消費者にとって、こういう分野でやはり消費者にとってもメリットが出てくるんだと、こういうことになろうかと思いますが、その辺の考え方を、これは問い十二と十三でありますが、一緒にちょっと質問をさせていただきたいと思います。
#58
○国務大臣(武部勤君) 経営所得安定対策の必要性は、水田営農と輪作体系の下での大規模畑作経営において高いわけでありますが、野菜も含むその他の経営類型については、品目別に講じられている対策の運用状況を踏まえながらこれは今後判断するべきことなんだろうと、こう思います。
 この構造改革というのは、低コスト化あるいは高品質化、契約取引というような三つの戦略があるわけでありますが、低コスト化というのは価格を下げるだけじゃありませんで、コストを下げることによって所得を確保するということも当然考えられているわけであります。高付加価値化は言うまでもありません。さらには、この契約取引ということも、これも流通の機構を思い切り改革していくということを踏まえて価格の安定と所得の安定と両面を考えているわけでございます。
 契約取引の推進によりまして、生産者と実需者のこれは直接取引ということに相なるわけでございまして、私はこれは、流通・生産面でのコストの削減による低価格供給ということ、あるいは省資源化というようなこと、それから何といっても消費者と生産者の間の顔の見える関係ということでトレーサビリティーの向上が期待されると思うのでございます。
 私、先般、イギリスやスペインに参りまして、量販店といいますかマーケットを見てまいりましたが、そのときにトレーサビリティーのことで尋ねましたところ、不思議な顔をするんですね。イギリスもそうでした、スペインもそうでした。何でそんなこと尋ねるんだと。私どもの店は全部トレースすることはできますよ、外国のことまでやっていますよと。そこまでやっているという信頼性が消費者にあるんだと。だから、消費者が自ら先の先の生産者までなぜ求めるんですかねというような話を聞いて驚いたんですけれども。
 私どもは、いずれにいたしましても、日本型のトレーサビリティーということを作り上げていきたいと。それによって、単に顔の見える関係じゃなくて、そこで対話が生まれると。
 この間も、私はジャスコへ行って、トレーサビリティーの機械を押してまいりましたけれども、その項目の中には、住所も電話番号も名前も書いてあるわけですよ。あれをコピーしたやつをうちへ持ってきて電話すれば、出荷した生産者と話ができるんですよ、正に。これはすごいことだな、これは日本が変わるなと、こう思ったわけでありますけれども。やはり生産者と実需者の直接取引ということによりまして、低コスト化ということだけじゃありません、消費者と生産者の距離が縮まっていくと。
 あるいは、もう一つ付け加えて考えますと、農協もおちおちしていられないということになるのではないかと。私は、こういったことの導入によりまして農協改革ということも拍車が掛かっていくのではないかと、このようにこれは前向きに受け止めて、そう思います。
#59
○田中直紀君 是非、野菜につきましてもトレーサビリティーシステムの推進を図っていただいて、消費者が安心して購入できるようなそういう体制に御努力をいただきたいと、心強く思った次第でございます。
 その中で、地産地消という活動が、やはり相当全国で、各都道府県、市町村で活発になってきております。全国の女性の協議会でしょうか、各農産物の直売所を開設をして地場産品等を、作った農産加工品等、に活動をいたしておりますから。
 今回の契約取引という制度、どの程度の加入を見込んでおるのかということもあると思いますが、まず第一に、新たな制度につきましては、今までありました補助率が、都道府県に対する、国の補助率を五〇%に下げているわけですね、ですから都道府県の負担が増えるということになるわけでありまして、附帯決議でも都道府県に対する地方交付税措置の確保等所要の措置に万全を期してもらわなきゃいけないじゃないかと。
 この制度について、やはり地方が努力をして、地産地消という中で農家の皆さん方にも地域の対策として大いに計画を立て御努力をいただいてきておるわけでありますが、今回の制度につきましても、やはり生産性を上げて競争力を持てるようなそういうものにしていこうということで、両輪でやっていくべきであろうかと思いますので、その辺の補助率等の制度、これの今後の見通しといいますか、その辺、取扱いについて伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(武部勤君) 契約野菜安定供給制度の負担割合は、国五〇%、県二五%、生産者二五%とするわけでございますが、これに対し、指定野菜制度の負担割合は、国六〇%、県二〇%、生産者二〇%となっているわけでございます。
 これは、契約野菜安定供給制度が対象とする契約取引は、指定野菜価格安定制度が対象とする市場取引の場合と比較いたしまして、中間の流通経費の削減によりまして小売価格の大部分を占める流通コストを削減することができます。一般的に、そのメリットの一部を生産者も享受して、手取り額を増加できるということを考慮いたしまして、本制度の生産者負担割合を指定野菜制度より引き上げるということにしたわけでございます。
 なお、二五%という契約野菜安定供給制度の生産者負担割合の水準につきましては、米、大豆等もそれぞれ二五%でございますので、他の類似制度と比較しても重いものとはなっていないわけでございます。
 また、今、委員御指摘のように、地産地消というようなことを別の言葉で言いますと、最近はやりのスローフードということが、スローフード、スロータウンというようなことからも、今後、都市と農山漁村というものはどんどん接近していくんじゃないかと。あるいは、バイオマス等の生物資源の総合的な活用というようなことから考えましても、そういうスローフード、スロータウンという新しい政策のコンセプトというものを考えることができると、こう思いまして、また、そういうようなことも踏まえて、今後この法律制定に基づく野菜の三つの戦略というものの成果を見極めながら、この地産地消についても更に前向きな検討に努めてまいりたいと、このように考えております。
#61
○田中直紀君 今日は、参議院とそしてまた衆議院と掛け持ちで大変大臣には御協力をいただいたわけでありますので、十二時には切り上げたいと、こういうふうに思いますので、最後の質問にさせていただきます。
 副大臣に伺いますが、これからは需給見通しは全国を対象とするということで、今までの各指定産地の供給体制確立の指針として、各都道府県あるいはブロック別に需給見通しをいろいろと御協力をしていただいてきたわけでありますが、当然連携を取って、問い四十問になりますが、大規模生産を含め、生産者団体等の需給調整活動が適切に行われるかどうかという、そういう指導をしながら、全国の見通しを立て、需給見通しを立てて価格の動向を探ると。そしてまた、輸入のそれぞれの各国との、大変そういう面では交渉をしていくということでありますから、そういう面で非常に今までのことよりも農林水産省が果たしていく役割というのが、今回のこの制度によって、特に野菜についてはこの四、五年の対策を二、三年で大臣は達成していこう、コストの面も、そしてまた消費者への信頼も、そしてまた大規模の野菜農家の育成もという、相当そういう面では多岐にわたり、そしてまた重要な問題をやっていくわけでありますので、是非早めに全国規模の需給見通しというものを立てながら、各都道府県あるいは市町村、そしてまた生産者、流通、消費者というような幅広い、野菜に関係する予算も増えたわけでありますので、是非、今も御努力いただいているわけでありますが、なお一層の御努力をいただいて、将来が見通せるようなそういう体制にしていただきたいと思いまして、副大臣と大臣にお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#62
○副大臣(野間赳君) 指定野菜の需要と供給の見通しでありますが、野菜指定産地を指定をいたしまして国内の供給体制を整備することによりまして、食料自給率目標の達成を図ることが全国レベルの見通しということになります。
 野菜の出荷期ごとの需給調整につきましては、国が毎年示しております需給ガイドラインを踏まえまして、生産者団体等は生産県別、出荷先ブロック別に野菜供給計画を策定をいたしまして、需給と価格の安定を確保してまいりたいと思っております。
#63
○国務大臣(武部勤君) 今回の法改正でありますけれども、交通インフラの整備あるいは情報インフラの整備等によりまして、私は、全国非常に狭くなったのではないか、あるいは産地と消費者という、その間もかなり距離が縮まってきているんだろうと、このように思います。
 先般、私は、政府のタウンミーティングのために淡路島の南淡町に行ってまいりました。私の出身地もタマネギの産地でありますけれども、この淡路島もタマネギの産地であります。淡路の方がなぜか値段は高いんですね、私は残念ながら淡路でタマネギは食べませんでしたが。
 いずれにいたしましても、リレー出荷でありますとか全国の野菜の需給というものの見通しというものは、従来の考え方とは違って、きめ細かく考えながら対応していくと。例えば十月から三月までの、この間に出荷されるタマネギは北海道のシェアが九割なんです。九割も北海道がシェアを占めていながら何でこんなに暴落するんだろうというふうなことに私は少し疑問を持っていまして、今後の対策として、九割北海道ならば北海道だけででも価格形成というものはやる方法があるんじゃないのかなと、こう思ったりもしておりまして、もろもろこの法案について勉強しているうちに新たなる問題意識が次から次と生まれてきている次第でございますが、委員御指摘のようなことを踏まえて、しっかり需給の見通しというものについてこれを確立していかなきゃならないと、こういうふうに思っております。その努力をしたいと思います。
#64
○田中直紀君 以上です。
#65
○委員長(常田享詳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#66
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#67
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 せっかくいい質問を考えてきたんですけれども、ちょっと委員が少ないようで、ちょっと残念です。
 まず、野菜の出荷安定法、この委員会で視察、生産現場も見させていただきました。この世の中が経済効率優先あるいはデフレ、こういう流れにあって、野菜だけがそのらち外に置かれるということもないだろうというのはよく実感をできるわけでありますけれども、ここまで来ちゃったのかという思いも若干させられました。
 それも後でお伺いをするとして、おおむね、生産者の方々ともいろいろな意見交換をさせていただいておりますけれども、当然のことながら、自分たちが生産するに当たって努力をしたくないというふうに考えている人はだれもおりません。消費者の皆さんに安心して食べられるものを出荷したいというふうに思っておられて、そのコストを削減するに当たって、流通の諸段階と一緒に生産現場でもそのコストを削減したいというふうに生産者の方も思っていると思います。
 そういう面でいいますと、おおむね、今回の野菜出荷安定法、限られた条件の下で作られた法律であるということは重々に承知させていただいておりますし、そんな中でよく作り上げられた法律だろうというふうに思っています。生産者の方々も歓迎をしていまして、この制度にのっとって自分たちも努力したい、そんな気持ちも伝え聞いたところであります。
 さて、そんな中で、野菜ということで新たにこういう法律もできて、さあやるぞという気持ちになっているわけでありますけれども、大臣が一番よく分かっております、私も選挙区としております北海道地域、タマネギの暴落の問題であります。
 これも大変厳しい状況でありまして、ざっとキロ三十五円まで行ってしまった。三十五円といいますと、キロですからね、一個三十五円じゃないのかというふうに言いたいぐらいであります。当然のことながら、手塩に掛けて生産したその苦労が実るわけはありません。そして、大きな言い方をしますと、そんな中で収入を得て次の年の生産に入るわけでありますので、その年に取れたものがしっかり売れないと、次の年の生産に結び付かないわけであります。いわゆる予想を超えた大変厳しい事態であります。
 しかしながら、与えられた法律や制度の中でしかこれは行政としても対応できないのはよく承知しているところであります。何とかならないのか。せっかく野菜のいい法律ができるのに、その前提条件となるときに大変苦しい思いをしておられる農家の方々がいる。
 大臣の方から、このタマネギについて、こんな方向で何かいい方法をやったと、あるいはやる、考えている、そんなことをお伺いをしたいと思います。
#68
○国務大臣(武部勤君) 私も正に北見に住んでおりますので、先般も帰りました際に、若い方々とD型ハウスで焼き肉をつつきながらいろんな話をしてまいりました。
 本当に深刻な状況にあるということを、かつてとはちょっと違うなと。なかなか生産者の方々はいいときでもそう簡単にいいと言わないものでありますけれども、今回はこれは相当力のある農家がこんなに落ち込んでいるのかという実感を感じまして、私自身も深刻に受け止めておりますが、何でこういうふうに暴落したのかということは、様々な指標を見ましても、これは輸入量は減少しているんですね。最近のタマネギの輸入量は減少傾向にございます。北海道産タマネギ等の価格低迷はやはり豊作が主な原因と考えられるのではないかと、このように思います。
 価格の低落に伴いまして、野菜価格安定制度に基づく価格差補給金の相当程度の交付が行われることになっておりますが、このまず交付を今急がせているところでございます。一日も早くやっぱり現金が手に入るということが大事だろうと、こう思っております。
 また、今後についてでありますが、今回の法改正によりまして制度の拡充がなされます。この制度のセーフティーネット機能が一層強化されることとなると、かように考えておりますので、さらには野菜の構造改革対策の一環として、コスト低減や契約取引の推進、高付加価値化などの差別化等の各産地の取組を積極的に支援してまいりたいと、かように考えております。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私も先般いろいろ若い人たちと話をしてきたのでありますが、若い方々の反省の弁なども聞かしていただきましたが、そこでお互いに今後のことで努力しようというお話をしたのは、大体十月から三月に掛けては北海道産のシェアが九割あるわけです。こういうことを考えれば、出荷調整等の産地の関係者の主体的な取組ということも重要だろうと思うんです。あるいは加工のこともございます。農林水産省としては、産地の主体的な取組に対してできる限り協力を行ってまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#69
○小川勝也君 今、タマネギ価格の暴落について大臣の御感想も伺ったわけでありますけれども、生産者の方々とも私もいろんなお話をさせていただきました。
 全体輸入量に比べて中国産の輸入が増えている、これも事実だろうというふうに思っています。そして、かねてから野菜価格の暴落、低迷などというのはあったわけでありますが、今、この昨今の状況というのは、国内産だけの競争ではないということ、外国からの輸入のものを含めた市場形成がなされているということ、そして昨年来BSEが発生をしたという特異な状況にあるということ、これは言うまでもないわけでありますけれども、牛肉の消費とタマネギの消費というのを結び付けて考えている人たちもたくさんいます。
 そして、今も大臣触れられましたように、特に北海道産地はロット、シェアが大変大きいものですから、価格形成能力を持つと呼ばれていました。当然のことながら、系統、ホクレンも北海道のタマネギが市場形成能力を持っているということをフルに利用しながら、調整しながら、いわゆる自分たちも生産者も利益が上がるようにするのが当然であります。それなのにこんなふうになってしまったというのも、これは大きな事実だというふうに受け止めていただきたいというふうに思っています。
 そんな中で、今もお話ししましたように、国内だけで、いわゆる産地間競争だとかリレー出荷だとか需給調整だとか、バランスを取れる時代は大変それはうまく機能していたんではないかと思うわけであります。例えば、ネギとシイタケに暫定セーフガードを発動しなきゃいけないぐらいの世の中に突入をいたしました。そうしますと、やはり外国産の野菜とどう向き合っていくのかというのが枢要なテーマになっていくであろうし、今、名前を挙げた品目やタマネギだけではなくて、これからこの法律に基づいて作られる様々な野菜が、中国産と言われる、あるいはほかの国のものと競合していかなきゃいけないということを重く受け止めるべきだというふうに思います。
 それで、例えばタマネギはこれだけ暴落をして、輸入量との関係を比較的消極的に受け止められたというふうに私は思いますけれども、これだけ暴落したんだからタマネギもネギのようにやってほしいと考えている生産者もおられるでありましょう。あるいは、このセーフガード全体を、私はいろんな考え方があろうかと思って、超積極的にセーフガードを何でも掛けろという立場に私はありませんけれども、例えばセーフガードを含めて、あるいは中国との個別協議もこの間行われたようであります。どんな話合いをされたでしょうか、中身についてお聞かせいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(武部勤君) 現在のタマネギの価格の低迷は、今も申し上げましたように北海道産の出荷量が多いということでありまして、基本的には豊作ということが背景にあると、このように思います。
 輸入量について見ますと、昨年末から減少しておりまして、平成十三年十月から十四年三月までの輸入量は、前年同月比で六一%、十四年一月から三月は前年同月比五三%ということからすれば、輸入が増えているということには当たらないんじゃないかと思います。
 ただ、中国からのタマネギの輸入量は平成十三年が十万四千五百十五トンと過去最高であったという意味からしますと、去年と比較して減っているという評価でありまして、本年一月から三月で前年同月比八〇%ということになっているわけでございますが、タマネギについてのセーフガードの発動という状況にはないと、こういうふうに考えております。
 昨年末の日中農産物交渉、セーフガードに係る交渉の際にも、私は、話合い決着ということが至上命令というのは内閣として、また中国政府としてもそういうことでありましたので、我々も話合い決着ということに至ったのでございますが、この中にはネギ等三品目だけじゃなくて、タマネギでありますとかほかの監視品目についても当然協議の対象になっていくというようなことも含まれておりまして、先週の日中農産物貿易協議会におきましても、タマネギについて日中双方の生産、作付け、出荷等の情報を交換するとともに、現在タマネギの価格が低迷し、国内農家が厳しい状況に置かれているということについて日本側から中国側に説明いたしております。今後の作付けや出荷に十分そういう意味で留意するよう中国側に要請しているところでございます。
#71
○小川勝也君 ちょっと、その市場の動向とか価格形成のウオッチというか分析が私は不十分なような気がいたします。
 生産局長に御答弁いただいて結構だと思うんですが、例えばこれ、巷間どんなことが言われているかというと、中国産の輸入タマネギの量が増えている背景には、中国以外の国で生産されたタマネギが中国でむきタマとして日本に入ってきている。これは当然のことながら日本の労働力の高さが成せる業でありましょう。加工業者、外食産業などで人件費の手間を減らすために、新しく、むいてある状態のタマネギの輸入という分野が、あるいはシェアが増えたから国産のタマネギのニーズが減ったのではないか、こういう分析があろうかと思います。このことについてどのような御判断をされておられますか。
#72
○政府参考人(須賀田菊仁君) カットされた野菜の話でございます。
 貿易統計上、品目分類されていないわけでございまして、把握は困難でございますけれども、生鮮野菜の中に含まれて統計分類をされておりまして、この生鮮野菜の輸入というのは平成九年から十三年に掛けての五年間で五十七万トンから九十七万トンということで、一・七倍というふうに増えているわけでございます。
 こういう状況もあるわけでございまして、現在、この法律を提案させていただき、また昨年、野菜の構造改革というのをまとめて、こういうものを含む国際競争力のある生産・流通体制、値段で勝とうというのではなくて、日本で生産した安心して食べていただける野菜をできるだけ消費していただくということで、そういう意味の競争力のある生産・流通体制を確立することが重要ではないかというふうに考えておりまして、このような観点から野菜に関する総合的な対策というものに取り組ませていただいているということでございます。
#73
○小川勝也君 これは私の感想としてとらえていただいていいんですけれども、当然のことながら、コストダウンの努力はすべての人が行うべきことだと思います。しかしながら、この経済市場、こういうことにすべてのっとって農業分野までやりますと、最終的には人件費の安いところにかなわないということになってしまいます。だから、野菜の構造改革などというと、何を構造改革するのかなといいますと、市場原理に合わせて何でも安い方がいいぞというふうに聞こえなくもありません。この農業とか食とか食料の分野が本当にそこまでどっぷりつかっていいのか、私は大いに疑問に感じているところであります。
 そんな中でこの法律を見てみたいと思いますけれども、先ほど来、田中委員の方から地産地消の推進なんという言葉がありました。早い話が、変な話で、流通が進歩する前は当たり前のことだったわけであります。ところが、今、国内の輸送が容易になって、北海道の食卓にも宮崎県の野菜が当然のことながら並びます。これはどんどんどんどん変わってしまったのか、進んだのか、表現の仕方は微妙だと思います。その経済原則の流れにのっとっていきますと、それは中国産の野菜が食卓にのっても、メキシコからアスパラガスが来ても全然不都合じゃないわけであります。
 そこの場面にどっぷりつかっていってしまうのが本当に怖いような気がするわけでありますが、そんな中で、今回の制度改正はある一定程度評価させていただきますが、例えば、生産者の声、特に私は北海道でありますけれども、なかなか評価できる法案なのでこういう制度に乗っかりたいという声をたくさん聞いています。
 しかしながら、先ほど来もお話ありましたとおり、都道府県と国と生産者の負担の割合、生産者は借金はたくさんあってもやる気のある人は頑張るんですけれども、御案内のとおり地方財政が大変厳しい状況にあります。これだけやりたいやりたいという人が集まっても、都道府県にそれだけに財政の裏付けがないと絵にかいたもちになってしまいかねないわけであります。もっと思い切って都道府県と生産者の基金の負担割合を減らした方がもっといい制度になるのではないかと、こんな考え方もあるわけでありますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(武部勤君) 指定野菜価格安定制度におきましては、価格補てんに係る資金造成の負担割合は、原則として国六〇%、都道府県、生産者それぞれ二〇%としているわけでございます。
 都道府県は、野菜指定産地の生産出荷近代化計画の策定等を通じまして地域の野菜産地の振興に重要な役割を有しておりますことから、野菜価格安定制度においては都道府県にも相応の負担をいただくということは私は当然だと、このように思いますが、この負担も他の制度と比べますと都道府県の負担が少ないということになっているわけでございます。
 重要野菜について国庫負担を六五%、都道府県負担を一七・五%としておりますのは、これは国民食生活上の重要性に加えまして、価格の乱高下を生じやすいという特性にかんがみまして設定した制度でございまして、すべての指定野菜について重要野菜と同様の扱いをするということは困難であろうと、かように思います。
 都道府県の負担分に関しましては、今回の制度改正と併せまして地方交付税措置を拡充したところでございますので、このことを都道府県に十分説明すること等に努めまして円滑な制度運営を図ってまいりたいと思います。
 なお、私は先般、立ち話でありましたけれども、北海道のことなども含めまして片山総務大臣に、これはもうBSE以上に深刻だという話はさせていただきました。十二分にこの交付税措置について配慮願いたいということも申し上げている次第でございます。
#75
○小川勝也君 これは、今回のこの法律、あるいはこの法律に向けての予算措置、これをどういうふうに考えるかといいますと、やはり先ほど来申し上げているように、外国産の野菜との競合というのがベースにあるんだろうというふうに思います。
 外国産の野菜が入るということに対処するのは国なのか都道府県なのか生産者かというふうに考えると、私は、この大きな力に対応していくのはあくまでも国だろうというふうに思います。そして、国が施策をやるときに都道府県が応分の負担をするという制度に私は異議を挟むつもりは毛頭ありませんけれども、今回は国が輸入農産物と対応するということで予算措置があるけれども、都道府県はそういうことを考慮できるだけの立場にもないし、余裕もないだろうというふうに思います。
 現に、私どもの方にも、北海道や北海道議会から、この負担分が大変きついと、生産者の方々も、輸入野菜や価格の暴落で大変厳しい中、この制度に向かって頑張っていこうとしているんで、できるだけ多くのニーズに、あるいはすべてのニーズにこたえていきたいけれども、大変なんだという話でございました。
 ですから、片山総務大臣にもお話をいただいたということでありますので、先ほど申し上げたように、この輸入野菜との対応、対処ということが都道府県ではなくてやはり国のマターだということにかんがみて、できれば、生産地域や生産者からのニーズの中で、都道府県の財政を理由にしてその指定、あるいはこの制度の利用ができないということがないように、大臣に格別の御理解というか対処というか方針を作っていただければというふうに思います。総務大臣にお話をされたということでございますので、答弁は要らないことにいたします。
 さて、今回、タマネギの暴落の原因が何かということは、私は今の時点で分からないと思います。しかしながら、この新しい制度のシステムの中で、五五%か四五%の最低価格の基準を選択できるというふうになっています。しかし、それは何の価格の五五%か四五%かといいますと、いわゆる過去九年間のその農産物の平均価格ということになっています。私は、過去九年間というと非常に安心を持って聞ける響きがあるんですけれども、未来を起点にして考えたときには、例えば今から十年後の価格というのを考えた場合、未来十年間の価格の平均ということになります。そうしたときに、例えば、国内の産地間競争だとか何県でどのぐらい作付けをしているのかということが分かっている中で未来を若干予想することはある程度容易だろうというふうに思います。しかしながら、ネギ、シイタケにセーフガードを発動しなきゃいけないような状況が起こり得たことをだれが予想したのか。
 そういうことを考えますと、この九年間の平均価格というのも、我々の人知が超えたことも起こり得ないとも限らないというふうに私は懸念をするものであります。
 農産物の価格が、それは市場メカニズムによって決まっていくということも、ある程度仕方のないことかもしれません。しかし、先ほど、産地廃棄をしたタマネギ農家や、あるいは前渡金、概算払金をもらっておいたけれども、また返さなきゃいけないというような状況が起きているということを考えますと、こんなことが、未来に向けてもまた大変なことが起こり得るんじゃないかなというふうに思います。
 今回、制度で、例えばタマネギの場合、最低保証価格が五十三円二十八銭ぐらいだったと思います。先ほど申し上げましたように、三十五円まで価格が下がりました。そうしますと、その間は生産者の負担になりますし、当然廃棄ということにもなってくるでありましょう。せっかくの、この野菜出荷安定法を一部改正するわけでありますから、ある程度予測できることに対処できる法律になってほしい、あってほしいと私は思うわけであります。
 そして、この平均価格から割り出される最低保証額というのは、今の時点で、昨日やおとといや、今年や去年のその野菜の価格というものを基準にして考えると、なるほど、のみ込めるなというふうに思うわけでありますけれども、これからどの品目が中国から集中的に入ってくるかどうか分からないわけであります。これが、例えば生産費であるとかあるいは再生産が可能なその具合はどの辺なのかということで、この最低保証額、これの決め方にもう一工夫あったらどうかなと私は思うわけであります。その辺、大臣の御答弁をいただければというふうに思います。
#76
○国務大臣(武部勤君) 最低基準額の水準は、おおむね生産コストを賄い得るものとして設定しているのでありますが、しかしながら、不測の事態といいますか、価格が五五%水準を下回る例が見られることを踏まえまして、野菜の生産、流通の構造改革に取り組む産地は最低基準額を四五%水準まで引き下げることを選択できるようにするというふうにしているわけでございます。仮に四五%水準を下回ることが懸念される場合には、やはり今行われておりますように、産地廃棄等によりまして価格の維持回復を図るということがしかるべきと、私はかように考えるわけでございますが。
 今、先生から、未来を考えた場合には、これから構造改革によって低コスト化が進めば価格はもう必然的にどんどん下がっていくということになれば、どうも生産者からすれば夢も希望もなくなっちゃうと、今のうちにやめてしまおうかと、こういうような話にすぐなりがちです。
 実際に私も、子供が大学へ行くときには三百万は要るんだと、こういう話を今、小学生、六年生を持っている生産者、つまり父親がそういう話もするわけですから、そういうふうに短絡的に考えずに、やはり今まで、政府も構造改革についてもっと早くから取り組むべきであったというふうに思って、今このスピードアップをしようということなんだから、生産者も今年みたいに悪いときばかりでなかっただろうと、随分良かったときもあったはずじゃないかと、こう言ったら、いや、おやじのときは分からぬけれども、おれが引き継いでからはこのとおり大変なんだと、こういう話で夜夜中までいろんな議論をしてまいりましたけれども。
 政府といたしましては、やはりそういうことも踏まえて、生産者の方々にもこの制度改革に参加してもらって、そして特に北海道なんかの場合にはまだまだ加工ですとか価格形成についても私はやり得るんじゃないかと、こう思います。
 そこにはホクレンの方もおりましたから、むしろ、何をやっていたんだと。私は、逆にホクレンさんに対して、ここまで来るまでにもっとあなたたちは情報を持っているはずじゃないか、やはり農協系統の一番の問題は、むしろ生産者からあなたたちが買ってあげなさい、そしてあなたたち自身が売るというようなことまでこれから考えていかなきゃ駄目だよ、手数料だけもらって、そしてやっているからどうしても情報の取り方も甘くなるんじゃないかというような率直な議論もしてまいりました。
 しかし、今後もできるだけの、産地の新たなる考え方に対しましても協力していきたいと、こう思っておりまして、十分な答えにはなっていないというふうに、小川先生はそうお考えになるであろうと思いますが、いずれにいたしましても、私ども、産地の生産者とも、あるいは流通業者や団体の方々とも、今後の、輸入農産物が増えてくるということを前提に、これにどう向かい合っていくかと、競争していくかということも含めて、あるいは価格で勝負するだけが能ではないよというようなことも含めていろいろ知恵を出し合っていきたいと、このように考えている次第でございます。
#77
○小川勝也君 製造業が価格競争をして、いわゆる日本の製造業の種類もボリュームも相当減ってきたといういきさつがあります。
 本当に農の世界もそれでいいのか。農業というのも、僕はまだ若輩でありますけれども、我々の国の成り立ちとか祖先がどうやって生活をしてきたかというふうに考えると、これは、農と食は生命、生きることに非常に直結しているんではないかと思うわけであります。市場原理とかコストとか競争とかグローバル化とか、今はやりのキーワードを野菜や農産物の方にまでがっちりと当てはめていくのが本当にいいのかどうか、私は大いに疑問を持っているところであります。
 これは私の思いをちょっと伝えますので、大臣、感想だけで結構です。
 例えば、安くするために、例えばネギ切り機なんか出ていますね。それから、ハウスでロットを大きくして、そして管理された栽培方法でやった方がコストが下がっていくわけであります。栃木県に視察に行ったときには、様々なメニューがあって、これは後継者ががっちりいて、あるいは生産法人でコストを下げてがっぽりやるぞという人と、おじいちゃんとおばあちゃんが楽しみながらやろうかというのと、いろいろメニューが作られているというのも聞いています。
 しかし、本当に価格で競争していくということになりますと、やはり大きな資本が大きなロットでマネジメントしながら生産していく方が生産効率が高くなっていくでありましょう。現に北海道ではもう野菜工場というのができました。これは、ガラスのビニールハウスの大きいやつの中で合理的に栄養素を与えて、光を与えて生産されるものであります。
 そうしますと、生きることと農業ということが密接に結び付いているだろうというふうに私は思っていたわけでありますけれども、これもやはり市場原理あるいは企業ということになって、本当に現代の二十一世紀のこの世知辛い世の中の中に農業さえも巻き込んでいくということにほかならないと思うわけであります。
 そして、先ほども、四五%までは保証する、もし四五%を下回るようなことがあれば廃棄するしかないじゃないかというふうに大臣はおっしゃられました。そうすると、輸入したものが安ければ、そこに太刀打ちできなければ、生産費が出なければ廃棄する世の中が来てもやむを得ないという考え方であります。それは、一言で言うと、輸入したものに市場を奪われて、我々のこの大事な食料生産現場、農地で作られたものが土に返される、廃棄されるということであります。市場原理で考えるとそれは仕方ないかなというふうに思うんですけれども、何とも納得がいかない部分があります。
 本当にそんな世の中でいいのか、コスト競争で敗れた今までの本当の農業をやってきた人たちは、本当にその農業の効率化の中で押しつぶされていっていいのか。感想をいただければと思います。
#78
○国務大臣(武部勤君) 私が先ほど廃棄する以外にないということを申し上げましたのは、廃棄してそれですべて終わりだという意味で言ったわけじゃありませんで、今度の制度改正によって、廃棄されたものについてはたしか四〇%補てんすると、そういう道があるわけであります。ですから、それは国が全額生産費を補償するというようなことができればいいですよ。だけれども、そういうようなことはでき得ない話でありますし、これは国民が許さないと思います。
 ですから私は、生産者と消費者の顔の見える関係、なおかつ距離を縮めていく、そこで対話というものが生まれる、そこで合意がなされる、その範囲というものはやはり私は一定の限られたものしか答えとして出てこないんだろうと、こう思うんです。
 同時に、輸入というのは、これは避けられない一つの現実問題でありますから、これには競争していかなきゃならないわけですね。それは、その際には、コストを下げる方法、あるいは輸入農産物に対するいろいろな不安感というのは消費者にあるというのは事実ですから、ですから私はやっぱり、こういった価格、野菜政策についてもそうですが、やっぱり消費者の視点で、消費者がどういうものを求めているかという、そういう意味でも私は、消費者に軸足を置いた野菜政策、農林水産政策というものを考えていかなきゃならないと、こう思うんです。
 それから、これはちょっと話、飛躍するかもしれませんが、私は十年以上も前から、タマネギ生産組合の組合長である私の後輩に、もう法人化したらどうだという話を彼にしていたことがあるんですが、この間行ったら、早くから代議士に言われていたようにみんなで相談して法人化しておけばよかったという、そういう話もしておりました。
 ですから、今直面している問題については、限られた今現状の与えられているセーフティーネットの中でやらなくちゃいけませんし、同時にまた農協は、単協は単協で概算払について、今までは一万円ぐらい来たそうですよ、概算払プラス一万円ぐらいだったんです。今度はその逆だというような話もしておりました。
 ですからこれは、ホクレンだとか、北海道についていえば、農協とかということに対してどういう手当てをしていくかということでありまして、生産者団体としても当然、野菜生産、タマネギ生産についてもセーフティーネットというものを考えながらやっているんだろうと思うんです。どういうことができるか、具体的な相談があればできるだけの相談に乗るような努力はしていきたいと思いますが、基本的にはやはり構造政策というものを進めていかなきゃならないと思います。
 地産地消の問題はまた別だと思います、私は、それはそれとして。なぜ地産地消がいいかというのは、目に見えているところで生産されるから安心していただけるということが一つあるでしょう。もう一つは、流通経費というのがほとんど要らない。生産者と消費者の間はダイレクトで流通するわけですから、その間の流通コストというのは半分ぐらいあるんですね。そういうようなことを考えると、安く買える。道路で、飛行場のそばで野菜売りをやっている奥さんの話を聞くと、そんな話しました。こんなに下がっても、ここで売るとまだまだ手取りがあるんですよと。
 私も多少そういった人の話も聞いておりますので、先生から今どういう感想をということですから、同感はいただけないかもしれませんが、率直に私の感想として申し述べさせていただいた次第です。
#79
○小川勝也君 余り私が期待をしていた感想をお持ちじゃないということですね。
 私は、これ、生産者にお金をということを言っているわけではないんです。日本というこの国で農業が営々として続けられてきた。今正に、お金、経済、効率化、グローバル化の中で、その農業そのものが変質しようとしている。みんながお金もうけのために食料を作るという国で本当にいいのか。私たちの国の農業というのを産業の一環として、どれだけ競争力があって強い産業なのかということで農業をとらえていいのか。そして、我が国農業の元締である農林水産省の責任者がそんな感想でいいのかと私は思います。将来に必ず禍根を残す。しっかり、文明とか歴史とか、生意気なようだけれども、もっと大臣に理解していただきたいと私は申し上げたいというふうに思います。
 さて、効率化優先の食料生産の中でどんなことが今言われているか。例えば、昔の野菜はもっと臭かったよな、あるいは、キュウリなんて畑でもいで食っただけで塩なんか付けなくても味があったと。今の野菜は味がない。そして、ある人はこう言う。フランスに行ったら野菜はうまい、日本の野菜はうまくない、こういうことが言われています。
 例えば、農業を大事にしている国の野菜の味、そして日本でもやっておられるような有機農業、あるいはそれ以外の方法、そして昔と今の比較。これは、食味と栄養価についていろいろ研究しているという分野はどこかでお持ちでしょうか。
#80
○国務大臣(武部勤君) 先生の質問の趣旨というものを私は正確に聞いていなかったのかもしれませんが、私は午前中にも田中委員にお話ししましたが、これからの農林水産省の新たなる方向というのは、農林水産、農水産ですね、これの生産振興対策から、やはり生物資源の総合的な活用という方向にコンセプトを移していくべきだと、こういう考えでありますから。
 それから、都市と農山漁村の共生・対流ということを私は去年以来唱えているわけでありまして、むしろ都市の皆さん方、サラリーマンの皆さん方も含めて、自分で農業をやってみたいとか、農村に住んでみたいとか、それから日常の生活、文明社会にどっぷりつかっている生活の反省からやっぱり自然に帰りたいとかという、そういう性向といいますか、そういう新しいライフスタイルを求めているということに対応した政策はこれから農林水産省としてもやっていかなきゃいけませんし、やっぱりスローフード、スロータウンということも午前中申し上げました。これはもう相当な力を入れて私はやっていかなくちゃいけないと思っているわけです。
 ですから、先ほどのタマネギの話は今置かれている現状をどう打開していくかということに絞ったお話でありますので、そこのところは誤解のないようにお願いしたいと思いますけれども、やはり私は、今までの生産振興一本やりの農政というものを見直して、生物資源を有効に、総合的に活用していくというような、例えば畑でも田んぼでも非食料を栽培するという、菜種、菜の花を植えて農村景観をきれいにして、なおかつバイオマスエネルギーというものをそこで生み出していくと。もうライフスタイルが変わってくるし、変えていくというような発想が非常に大事だというふうに思っておりますので、そのことは、今、先生の後段の御質問に対してはそういう考えを持っているということを申し上げたいと思います。
#81
○政府参考人(須賀田菊仁君) 昔の野菜はおいしかった、あるいは外国はどうか、そういうもののデータを持っているかということでございます。
 私どもが野菜の栄養成分、いろんなところから収集した知見というものがあるわけでございます。例えばホウレンソウでいいますと、従来の収穫時期である冬に取れる昔のホウレンソウ、これと最近出回るようになりました夏に取れるもの、これを比較いたしますと、ビタミンCの含有量、やはり昔のホウレンソウ六十ミリグラム、夏に取れるもの二十ミリグラムということで、冬に取れる本来のホウレンソウの方が高いという知見がございます。また、外国の野菜でいいますと、国産とアメリカ産のブロッコリーについて分析をいたしますと、アメリカ産のものというのは、やはり輸送期間がございますので糖でございますとかビタミンCの含有量は低いと、こういうふうになっているわけでございます。水耕栽培等の特殊な栽培方法、例えばミツバで比較いたしますと、これは普通の栽培方法と特にビタミンCの含有量に特段の差異はないというようなデータを得ているところでございまして、このようなことも念頭に置きながら今後の生産施策というものも考えていかなければいけないのかなというふうに思っている次第でございます。
 特に、今後の野菜の有する、がん等の生活習慣病の抑制効果でございますとか、そういう食育という観点からも、そういう健康の観点からの啓発というものに力を入れていかないといけないのかなというふうに考えているところでございます。
#82
○小川勝也君 私は、何の根拠もないんですけれども、食文化とか食というのは非常に重要だとずっと考えてきました。そして、日本は今、異常な事態だと思っています。ファストフード、特に子供たちの食生活、そして我が日本古来の食生活、古来といっても何百年というタームじゃなくて、我々のおばあちゃん、おじいちゃんがどういう食生活をしてきたかということを考えているわけですが、どれだけ合理的に野菜などから必要なエネルギーを摂取していたのか。これを今見直すという分野でいろんな出版物や研究データが出ています。
 最近これ買った本で、「食の堕落と日本人」と、読んでみると非常に面白いです。どちらかというと先鋭的な表現を使う人なんですけれども、例えば世界各国の中で自分たちの食文化を捨てた国はどこにもないわけであります。今、例えば大学生にアンケートを取って、この中で朝、御飯とみそ汁とおしんこで御飯食べてきた人と聞いたら、十人のうち一・七人だと。ところが、お隣の韓国ではほぼ一〇〇%に近い子供たちが自国の、自国的なライフスタイルで御飯を食べてくると。それで、特筆すべき点は、韓国からの留学生が御徒町から食材を買ってきて自分の部屋でキムチを漬けていると。これはある特殊な例の話でありますけれども。
 日本は、本当に伝統的な食文化をかなぐり捨てて、効率的がいい、西洋がいいと、何もかも捨てて金だけ稼げばいいじゃないかという国に成り下がっているんじゃないかと。これは私の懸念であります。科学的なデータも何もない。食をつかさどっている役所である農林水産省は、そういうことにも当然のことながら注目をしながら、責任を感じながら、未来を見据えながらしっかりと私たちの国の食と農を考えてもらいたい。
 そういう観点から考えると、野菜は安けりゃいいという問題にはならない。自給率が何%になればいいということではない。そして、かつて、これは衆議院の鮫島さんのパーティーで、お友達の、今、日本大学の教授をやっている方の発言でありました。おれと鮫島は日本の食料事情が悪かったときに、その食料生産の研究者になってみんなの腹が一杯になるようにしたいということで農学部に入ったと。光合成の研究をして、その後研究もうまくいったでしょう、農林水産省の行政もうまくいったでしょう。私たちの国に飢えた人はほとんどいなくなりました。
 食料増産、安けりゃいいという時代ではなくて、本当に我々が生きていく上で必要なエネルギーを、そしておいしいものが食卓に上る時代だと。昔はハイインプット・ハイリターンというのが日本農業だった。今は違うと。リトル・インプット・サステーナブル・アグリカルチャー、LISAというんだそうです。これが主流だと。
 こういった方向で、大臣は断片的に有機農業も大事にしていきたい、それからリタイアして農業をやりたいんだという人も大事にしていきたいと。そういったことも含めて、日本全体のやっぱり食料、そして農、食、これをつかさどっていくお立場ですので、そういう点をもっと大事にしていっていただきたいと思います。
 ハイインプットではないということになりますと、いろいろやっていかなければならないこともあろうかと思いますけれども、とりわけ輸入野菜の残留農薬の問題が今消費者の非常に大きな関心になっています。一元的に言うとこれは厚生省の管轄だというふうに伺っています。しかし、私たちもこれ、貿易をする国として、自国の生産物には農薬をどんどん使っていて外国から来る農薬だけ駄目というわけにいかないと思います。私は、段階的に可能な限り国内の生産もなるべく農薬を減らしていく、あるいは化学肥料に頼らない農業にスウェーしていくということも視野に入れていかなければならないと考えています。
 その辺についてのお取組や御感想、御答弁をお願いしたいと思います。
#83
○国務大臣(武部勤君) 私は、今、小川先生のお話しになっていることは、これから我々が、我々というより、農林水産省というよりも政府全体で取り組んでいかなきゃならない。地球温暖化防止対策でありますとか、それから先ほども言いましたように、生物系に由来する資源の活用の問題、バイオマスでありますとか、生分解プラスチックなどもそうでございます。減農薬の問題も有機農業の問題もそうでありまして、上手に説明はできませんけれども、そういう意味で日本はアジアや世界に貢献し得るんじゃないかと、こう思っております。
 もう一つは、水の問題があるんだろうと思いますね。水を輸入しているようなものなんですね。今はもう水の問題が、私は個人的に考えまして、この地球上の最も重大な問題の一つじゃないかと、こう思っておりまして、農産物を輸入するということは、その農産物を作るために莫大な量の水を使うわけですから、水を輸入している、見方を変えれば水を日本が略奪していると、こういうことも考えられるわけでありまして、その反面、日本はどうなんだと。田んぼなんか減反していて、水をしっかり使っているか、生かしているかという問題もあろうかと思うのでございますが。
 残留農薬の問題でありますとか輸入農産物についての検疫については、これはきちっと厳しくやると同時に、その情報は、だから輸入しないとかなんとかというそういうことじゃなくて、対中国で考えた場合には、日中農産物貿易協議会の中でも、品質ということについてもテーマの一つに、項目に入っておりますので、そういったところで情報を提供して、オーバーな言い方かもしれませんが、やっぱり地球的な考え方で農業の問題も食の問題も考えていかなきゃならぬ。
 ですから、私が発表した「「食」と「農」の再生プラン」は、消費者第一のフードチェーンという意味は、そういうことで申し上げているわけであります。
#84
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。よろしくお願いします。
 野菜についてお伺いをする前に、まずBSEの問題についてちょっとお伺いしてみます。
 五月十三日に、四頭目のBSEの発生が確認をされましたよね。それで、その間に、その結果というか、大変痛ましい事件が発生をして、いろいろ報道されました。
 五月二十四日に、新潟県で飼育された乳牛が山梨県内の食肉処理場で生体検査の結果、神経過敏などの症状があると判断をされて、食肉の処理が禁止されたことが大きく報道されました。でも、幸いな結果というか、その後のBSEの検査では、今回、陰性と判断をされました。これは、本当に大変痛ましい事件が発生したそのこととよく比較をしてみると、やっぱりこの山梨県の事件も踏まえてみますと、生体ではBSEは分からないということがきちんと分かったわけであります。
 こんなことからしても、本当に北海道で亡くなられた女性は大変痛ましいし、今後こういうことが絶対に起こらないようなことをしていただきたい、獣医さんたちに過重な、そんな判断を強いるようなことをしていただきたくないという思いがあります。
 そして、五月二十八日に、北海道の農政部からプレスリリースが届けられました。この中で、四十四頭が疑似患畜と決定をされました。この四十四頭、四十一頭と三頭に分かれるみたいなんですが、四十一頭の牛たちは屠殺をされたんですか。予定というふうにいただいていますが。
#85
○政府参考人(須賀田菊仁君) 四十四頭の疑似患畜と認定されまして、順次、そのうちの四十一頭は家畜伝染病予防法に基づきまして殺処分がされていくというふうに聞いております。
 そして、三頭については、直ちに殺処分を行わずに、北海道立試験場において学術研究のために継続して飼養観察をされるということになったというふうに聞いております。
#86
○和田ひろ子君 四十四頭と三頭という分け方はどういう根拠の下にされましたか。
#87
○政府参考人(須賀田菊仁君) 清浄化に向けた措置ということで、原則はBSEの疑似患畜は殺処分ということになっているわけでございますけれども、農林水産大臣が指定した学術研究機関において、試験研究の一環として、臨床症状の確認などのために疑似患畜を飼育できるということとされておりまして、この三頭をどうやって選ばれたかと申し上げますと、患畜と生年月日が近い、これまでの四頭も、九六年の三月、四月生まれでございまして、この三頭は、九六年の五月生まれ一頭と七月生まれ二頭ということで、道立の畜産試験場の方で選択をされたというふうに伺っております。
#88
○和田ひろ子君 私は、四十四頭全頭が実は貴重な学術の検体ではないかというふうに思っています。五月生まれが二頭、七月が一頭ですか、そういうものであるとすれば、本当にもし五月のところに、ずっと育てて、結局死んで、検査した結果、五月生まれは何もないということが分かるんでしょうか。七月生まれが一頭だけ残されただけで、七月生まれはBSEの疑いは何もないというふうに残るんでしょうか。とても変な分け方だというふうに思います。
 同居している牛、そして近くに生まれた牛全頭を、今回は今までできなかったことを、きちんと四十四頭飼っていてこれが大きな検体になるというふうに思いますから、是非これは学術研究のために飼って、やっぱり代用乳がどうだったのか、同居していた牛にはどうだったのか、そして肉骨粉を食べた牛がどうだったのか、そういうことをきちんと見分ける、感染経路を調べるためにも、四十四頭を是非生かして検体にしてほしかったというふうに思いますが、いかがですか。
#89
○国務大臣(武部勤君) BSEについては、先生も御存じと思いますけれども、生体検査というのは外見上の検査しかできないんですね。BSEに感染しているかしていないかというのは、生きている牛はできないんです。
 疑似患畜を何で殺処分するかというのは、これは、BSE検査をして、言わば疑似患畜として認められた牛が全部陰性であれば、我が国の学術的なデータといいますか、BSEに関するサーベイランスのデータの蓄積になるわけなんです。ですから、この殺処分した牛は正に検体として使っているわけです。
 しかし、検査だとか学術的な研究というのは、生きている牛ですね、しかも同居牛の中で生年月日が近いものをなぜ別扱いしたかというのは、これからこの牛が生きたまま何か症状が出てくるのか、神経症状が出てくるのか、そういったことを調べるといいますか検査、調査するということでありまして、これは全部、殺処分した牛も検体を取ってBSEを検査して、これが、中には陽性というものが出れば、やっぱり同居牛というものが、同じえさを食べていたというものに感染する可能性が高いとか低いとか、今までは、三頭目までは全部殺処分して検査して陰性なんですね。それだけじゃデータが足りないからといって死亡牛ですね、ヨーロッパやイギリスの例を見ますと死亡牛の方が確率が高いものですから、これを更に二十四か月以上、できるだけ早く、今日、衆議院の方ではBSE法案通していただきましたけれども、議員立法で委員会で可決されましたけれども、そういうようなことでありまして、私どもとしては、できるだけ数多くのデータを得た上で、それで自信を持って、OIE、国際機関に対して、日本はこれだけのサーベイランスをやってこれだけのデータを持っていて全部陰性ですよ、だから何も同居していたからといって殺さなくていいじゃないですかと。我々としては、これは廃用になるまで、高齢牛として出荷されるまではきちっとそのまま、今まで同様に飼育することにしましたと、そういうことを堂々と言えるにはまだまだ蓄積が足らないということでありまして、猿払の方も、何で牛肉、牛乳・乳製品は大丈夫だというのに、同居していたからといっただけで殺すんだ、かわいそうじゃないか、今まで家族同様に飼っていたのにと。それはもう本当に忍びないんですよ、我々も。しかし、やっぱりデータをきちっとまとめるということが今一番大事なことじゃないかと、こう思って、そのような対処をしているわけでございます。
#90
○和田ひろ子君 そうであると思います、私も。
 それで、あとは今回のBSEの法案が議員立法で通るわけでありますけれども、へい死牛をやっぱり十五年なんて言わないで今すぐに検査すべきだというふうに私はずっと思っておりますので、そのことも踏まえていただきたいなと。その際に、体制の整備の困難な都道府県がたくさんあります。国が責任を持って万全な支援をしていっていただきたいということを申し添えたいというふうに思います。
 それでは、野菜の質問に移らせていただきます。
 先ほど小川議員も言われたように、農家の皆さんは、コストが安ければとか、本当に金のためだけの農業というのを考えておられないというふうに私も思っています。
 私の会津は、冬、本当に三月、四月になるまで畑も田んぼも全部雪に、北海道も同じだと思いますが、すっぽりかぶっています。春になって、土がちょっとでも出てきたら、雪が消え始めたら、もう農家の皆さんは田んぼに出て、畑に出て、一年の仕事始めをされます。そのことを考えると、道路を通っていても本当に頭の下がる思いがいたします。
 そんな農家の方たちのために今回野菜の法律ができるわけですが、大変いい法律であるとともに、きちんとしていかなければいけない面も多々あるというふうに思いますので、順次質問をさせていただきます。
 昨年の四月二十三日から十一月八日までの二百日間、ネギと生シイタケ及び畳表の三品目で一般セーフガードが暫定措置として発動されました。その後、本発動にはならなかった、なれなかった、本当に国民の、農家の皆さん、多くの皆さんが本発動を求めていたというふうに思いますが、なれませんでした。政府の調査期間終了後、終了日である十二月二十一日、日中の閣僚会議で合意を踏まえ、本発動が見送られたんですよね。
 暫定措置とはいえ、我が国にとっては初めての一般セーフガードの発動となったわけですけれども、今回の措置が発動された三品目について、また我が国の経済全体、農業だけでなく経済全体について、されなかったことがどんな意義があったんでしょうか。また、発動されたことによってもどんな意義があったか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(武部勤君) 私は、我が国の経済にどんな影響があったかどうかということと、この三品のセーフガード確定発動をしなかったということは連動して考えておりません。
 農林水産大臣としては、守るべきは守らなきゃならないと、こう思うわけでありますが、その後、この日中農産物貿易協議会を設置いたしまして、三回議論をしているわけでございますが、その後の動きは、ネギはちょっと多いですけれども、それ以外は暫定発動してからよりも低い水準になっているわけでございます。
 同時に、その後の協議会の中で率直な意見交換が行われまして、平成十二年のような日本への輸出の急増は日中双方にとって不利益であるという認識が日中双方に、特に中国側にも醸成されてきているということを踏まえまして、今後も生産、需要、価格等について更に共通認識を深めてまいりたい、このように考えているわけでございます。
 なお、先ほど来議論しておりますように、この三品目以外のタマネギ等の監視品目についてもこの協議会の議題になっているわけでありまして、もしあそこでドンパチやって決裂ということになったときに、確定発動したといたしますと、三品目は確かに守られるかもしれませんけれども、それじゃタマネギだとかほかの品目どうなるのかということを考えますと、暫定発動のときよりも今水準が抑えられているということからいたしますと、この日中農産物貿易協議会を設置したということを更に機能させていく、生かしていくということの努力が必要ではないのかなと。
 経済にどういう影響あったかということでいいますならば、日中間にこのことで相互に摩擦が拡大したとか、日中間の経済的な社会的な文化的な交流がむしろ発展的に進んでいるのではないかということは評価できるんじゃないかと思いますが、これは私どもの立場からしますと、そのために話合いで決めたということではないということを御理解いただきたいと思います。
#92
○和田ひろ子君 先ほどからタマネギの話なんかたくさん出ておりますが、WTO上正当に認められている一般セーフガードですから、先ほど大臣は市場の攪乱を未然に防ぎたいというふうにおっしゃっておりますが、この以後、一般セーフガードを機動的に発動する考えはお持ちですか。
#93
○国務大臣(武部勤君) 先ほども話させていただきましたように、今の時点で、権利としてあるんです。権利としてはございますが、しかし今の状況の中で、どれ一つ取っても、いわゆる経過的な発動、中国のWTO加盟による経過的なセーフガードの発動の条件にも要件にもないなと、こういうことでありますし、むしろ日中農産物貿易協議会というものをより機能させて、そういったことにならないように、輸入急増というものがまた再び起こるようなことがないように、秩序ある農産物貿易というものがきちっと守られていくように努力していくことが大事じゃないかと思います。
#94
○和田ひろ子君 日中閣僚会議において、貿易のスキームを早急に構築をして、秩序ある貿易を促進するということが合意をされているんです。それで、民間組織で農産物貿易協議会が設立されたんですけれども、秩序ある貿易というのはどういうことなのか、改めてもう一度お伺いをいたします。
#95
○副大臣(野間赳君) 昨年の末、日中閣僚協議におきまして、日中間におけますネギ等三品目の秩序ある貿易を促進するため、日中農産物貿易協議会の開催について合意をいたしました。これまで三回、二月と三月及び五月に開催をいたしてまいりました。
 秩序ある貿易とは、平成十二年のネギ等の三品目の我が国への輸出の急増が、我が国におけます価格のみならず、輸出価格の下落を招き、日中双方にとりまして不利益となったことにかんがみまして、今後このような事態が生じないように、日本の生産動向及び需給動向を踏まえた貿易を行うことによりまして日中間の安定した貿易関係を築いていくことをねらいといたしておるところであります。
#96
○和田ひろ子君 そういうねらいをどういうふうに促進していかれるおつもりですか。秩序ある貿易を促進する、そういうことをいろいろ考えた上でそういう貿易をしていくということですが、その促進のための努力というのはどういうふうに。
#97
○政府参考人(須賀田菊仁君) 日中間、日中双方間で話合いをしているわけでございます。特に三品目の生産、需要、価格等について議論を進めまして、例えばネギ、シイタケでいきますれば、最低輸出価格の設定、それから秩序ある貿易を阻害している委託販売、丸投げの防止という、そのための決済条件の見直しでございますとか、そういういわゆる秩序ある貿易を双方で実現するためにどうしたらいいかという議論をしておりまして、その結論を、決着を得べく協議継続がされているということでございます。
 現在のところ、先ほど大臣の御答弁にもございました、ネギ等三品目の輸入については、セーフガード暫定措置終了後増加している状況にはありませんけれども、本協議会を通じて需給の見通し等について共通認識を醸成するということが基本であろうというふうに考えているところでございます。
#98
○和田ひろ子君 それでは、この貿易協議会に御出席された副大臣にお尋ねをしますけれども、もしかして、この民間である貿易協議会、政府の関与というのはあるのかどうか、関与できるのかどうか。協議の状況とか、あと、今後の見通しとか、この協議会では三品目だけについて、ほかの品目もやるというふうな先ほどの御答弁もあったようですが、主に三品目だけについて御相談をされているのかどうか、今後の見通しなども含めてお願いいたします。
#99
○副大臣(野間赳君) これまで三回開催をされてまいりました日中農産物貿易協議会は、両国の生産者、輸出入業者の民間関係者に加えまして、関係省庁も参加をいたしてまいっております。
 この中におきまして、政府は、昨年来、日中間の交渉の経緯も踏まえまして、協議が円滑に実施をされ、かつ実効性が高まるよう、必要なデータの提供、助言を行いますとともに、違法貿易等の問題、政府にかかわります事項につきまして問題を提起をして議論を行っておるところであります。
#100
○政府参考人(須賀田菊仁君) この協議会において三品目以外も議論しているのかというお話でございます。
 三品目以外の産品につきましても、紛争の発生を未然に防止するという観点から、中国からの輸入が急増して国内産業に影響を及ぼすおそれのある場合には、このような協議の場等において問題点を提起をいたしまして、協議を実施していくということにしております。
 具体的には、現在までのところ、昨年輸入が増加したタマネギについて、先週の協議会で日中双方の生産、作付け、出荷等の情報の交換等をしたわけでございます。
#101
○和田ひろ子君 今回の件を見ても、セーフガードの発動については、その発動までいろいろ難しい問題がありました。しかし、農産物については、天候とか季節性とか、また腐敗しやすいなどの特性を持っているので、他の鉱工業の製品と同様に扱うのは絶対にアンフェアだというふうに思っています。農産物独自のセーフガードが必要だというふうに考えています。
 平成十二年の十二月に、WTOに日本提案として、農産物については単純で基本的な基準により自動的に迅速に短期間の軽微な措置を発動できる新たなセーフガードの創設を提案しておられるようですが、この問題は外交交渉の問題であって、難しい問題であると思います。その実現に向けて積極的に努力をしていただきたいと思っています。
 これまでこうした国際交渉の場で我が国の主張というのは余り取り入れられていない、押し切られてしまっているというようなことが否めませんけれども、現在、その実現に向けてどのように取り組んでおられるのか、関係諸国の御理解を得られているのか、その現実をお聞きしたいというふうに思っています。
 地元の農家の皆さんなんかの気持ちとしては、日本の国は農業交渉がとても弱い、それはなぜなら、鉱工業の製品を売らなければいけない我が国の現状を踏まえれば農林省が頑張れないのは無理もないよななんという思いがたくさん持たれています。でも、農林大臣は、先ほど、いや、農業は農業だけで頑張るというふうにおっしゃられたんですけれども、本当にそうなのか。新たなWTOの提唱が実現するのか、絶対に農業、そのことだけで頑張っていかれるのか、お聞きをしたいと思います。
#102
○政府参考人(西藤久三君) WTO農業交渉につきましては、先生御案内のとおり、農業分野につきましては、農業委員会の中の特別会合ということで、専門の委員会を作って議論をしている、交渉をしているという状況にございます。その中で、先生お尋ねの言わば農産物の特性に即したセーフガードの取扱いの状況でございます。
 私ども、一昨年、十二年の十二月に日本提案を取りまとめさせていただいております。昨年、その日本提案について、今申しました特別会合の場で説明をし、各国と議論を展開してきている状況にございます。
 日本提案の考え方は、正に農産物については季節性があり、腐敗しやすいなどの特性を持っているので、これについての独自のセーフガードを創設しようという提案でございます。この我が国の提案につきましては、同様の提案を行っているのは、現在、韓国、唯一韓国のみという状況でございます。我が国の提案に対してケアンズ等の輸出諸国からは、言わば保護の拡大であるとして、そういう新しいセーフガードの創設については反対の意見を表明している、そういう状況にございます。
 農業交渉全体は、昨年十一月のドーハの閣僚会議で採択されました閣僚宣言におきまして、農業分野についての今後の交渉スケジュール、これ先生御案内のところですが、要は、来年の三月末までに今後の交渉の取り進め方、モダリティーという言い方をされていますけれども、そういう枠組みを確立するというスケジュールがもう合意に至っております。
 そういう点で、この六月から農業交渉、項目ごとに更に議論を展開するという状況、それで、来年三月のモダリティー確立に向けた交渉が本格化していくという状況でございますが、各国の立場の違いが更に徐々に鮮明になっていって、厳しい交渉が予想される状況でございますが、私ども、このセーフガード問題につきましては、同じ提案をしている韓国はもちろんのこと、私どもの提案に関心を示している国、例えばスイスなんかも大変関心を示しております。そういう関心国への働き掛けを強めることによって農産物の特性に配慮したこのセーフガード創設を含む我が国提案に対する一層の理解を求めていきたいと、そういう努力を続けていきたいというふうに思っております。
#103
○和田ひろ子君 是非そういう方向で頑張っていただきたいというふうに思っています。
 厚生省から来ていただいております。輸入野菜の安全性についてお伺いをしたいというふうに思います。
 先ほど小川委員も言われておりました。我が国もきちんとやらなければいけないというふうに私も思っています。しかし、今、中国の輸入野菜から、サヤインゲンやホウレンソウから殺虫剤の強い濃度が出たり、残留農薬が検出される事例が多く報道されておりますけれども、これまでの違反の検出の状況とか、国民の食の安全を守る上では、本当にこれはきちんとしなければいけないものだというふうに思っています。
 まとめてお伺いをしますけれども、例えばBSEのときも、外国からきちんとした証明書が付いているから大丈夫だ大丈夫だと言いながら、結局はこんなBSEの問題になったことを踏まえれば、そんなことだけでは絶対に駄目だ、作っているところに行ってきちんと見てこなければいけない、そして水際できちんと止めなければいけない、国民がそうでなければ安心できないというふうに思っています。
 そういうことを踏まえてお答えをいただきたいというふうに思います。検査体制はどういうふうになっているのか。水際でどういうふうな仕組みでやられるのか。今後はもっともっと外国にまで行って、作っているところまで見てくるような予定はないのかどうか。お聞きをします。
#104
○政府参考人(尾嵜新平君) 輸入食品、野菜も含めてでございますが、検査体制について簡単にまず最初にお答え申し上げます。
 全国三十一か所の検疫所に二百六十八名の食品衛生監視員を配置いたしまして、食品衛生法に基づいて輸入時の審査・検査・監視業務を行っているところでございます。その際には、輸入食品の輸入重量あるいは過去の違反率に基づきまして年間計画を策定いたしまして、これに基づいたモニタリング検査を実施すると。また、海外の情報等に基づきまして、必要に応じサンプリング率を引き上げたりということで対応しているという部分がございます。
 こういったモニタリング検査をやりました際に違反が出た場合に、モニタリングの率を上げる、あるいは複数回違反が出た場合には命令検査を掛ける、全届出についての命令検査を掛けると、そういうふうな対応をしているわけでございます。当然のことながら、違反が出たものにつきましては、積み戻し又は廃棄と、そういうふうな措置を取らしていただいているというところでございます。
 これまでの中国産の野菜につきましての残留農薬の違反件数でございますが、この一月から強化月間として検査を強化したわけでございますが、それが二月の十八日まで実施をいたしまして、その後、今申し上げましたように複数の違反が認められた野菜については検査命令を継続いたしております。それと、その他違反が認められた野菜についても、全届出、一〇〇%のモニタリング検査を継続していると。あるいは違反が認められなかった野菜につきましても、通常のモニタリング率よりも高い率でのモニタリング検査を現在やっておると、引き続き対応しているという状況でございます。
 それで、違反の件数でございますが、一月の四日からこの五月の二十八日までの中国産野菜の輸入時検査の結果といたしましては、命令検査を掛けたものでは、千二百二十三件の検査を行いまして、そのうち十一件から違反が出ております。それと、モニタリング検査の方は、五千四十九件実施いたしまして、そのうち十三件から違反が認められておるという状況でございます。今、御説明申し上げましたように、引き続き、違反があるものについては、命令検査あるいはモニタリングの率を上げる等の対応をしていきたいというふうに考えております。
 それと、もう一点御質問がございました、現地に行ってというふうなお話がございました。今回の一連の中で私ども一月に中国の方に担当官を派遣した際に、この残留農薬問題につきましても、中国側にその管理の状況につきましての説明なり資料の提出を求めたところでございます。
 また、最近もこういうふうに違反事例が続いておるという状況でございますので、ひとつ私ども、複数回更に重ねて違反があるようなケースにつきましては、在日の中国大使館の方に、そういった品目については輸出しないようにお願いしたいという要請もしておるところでございます。
 また、中国の現地の調査につきましては、来月の早々にでもまた調査に職員を派遣したいというふうに考えているところでございます。
#105
○和田ひろ子君 十一件、十三件というお話がありました。これは農産物ですか。
#106
○政府参考人(尾嵜新平君) 生鮮野菜、それから、それとは別に加工品の野菜につきましても、いわゆる下ゆでと言っておりますが、簡単な湯を通すというふうな状況のものについては残留農薬についての検査が可能でございますので、そういったものからも違反のケースが出ておるという状況でございます。
#107
○和田ひろ子君 国民の食を守る、安心して食べられるという、そういうことを踏まえて、是非きちんとしたモニタリング検査を行っていただきたいというふうに思います。
 厚生省、ありがとうございます。お帰りになって結構でございます。
 野菜出荷安定法の改正の問題点についてお伺いをいたします。
 この出荷安定法の問題点は、モラルハザードの問題、出荷団体を通さないで直接取引とか、大規模農家が契約取引などが対象になっているので、もしかしたらモラルのハザードがあるんじゃないか、交付金の不正な受給ですよね、これがあるんじゃないかということと、大規模生産の制度の対象を露地野菜で十ヘクタールとか、施設野菜で四ヘクタールって、こんな大きい、これが一品目であるとすれば、こんな大きな対象農家ってなかなかないと思うんですが、教えていただきたいというふうに思います。
#108
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもも、契約取引のいわゆる不正受給防止、モラルハザード防止については注目をしておりまして、きちんとした対応が必要であろうというふうに考えております。特に、お金の申請は自己申請でございますので、十分なチェックが必要になろうというふうに思っております。
 そこでまず、この契約取引に参加をするという際に対象となります野菜の取引契約について、価格、契約数量、作付面積が適正であるかどうか、まずは十分審査をしたい。そして、交付金の交付の際にも、生産者と実需者の間での伝票等によりまして、申請どおり出荷がなされているかどうか、これを更にチェックをしたい。さらに、事後にも、野菜供給安定基金が、不正に補助金を取得していないかどうかを必要に応じて調査をするということとしておりまして、もし不正行為が見付かった場合には、補助金の返還はもちろんのこと、不正行為の公表、それから本制度への再加入の禁止等のペナルティーを考えていきたいというふうに考えております。
 次に、大規模生産者でございます。
 先生も御存じのように、この野菜生産出荷安定法、産地の方からある程度まとまったロットの指定野菜を消費に向かって供給するということを基本としておりまして、露地野菜十ヘクタール、施設野菜四ヘクタールといいますのは、十一店舗以上のチェーン店を有する量販店の一日の取扱量を上げ得る経営ということで、全国にそれがどの程度いるのかというお話でございますけれども、約千戸でございます。
#109
○和田ひろ子君 もう本当に時間なくなってしまって、大臣に最後にお尋ねをいたします。
 大臣はよく食育という話をされます。そして、先ほど小川議員も言われたように、日本の農業をどういうふうに考えているかということもずっと質問したいものの一つでした。
 ちっちゃい子供さんが家庭で作ったちっちゃいトマトをすごくおいしく、今までトマトを食べたことのない子供がトマトを食べた。やっぱり子供というのは、外見とか格好の良さとか、そういうことは全然関係なくて、親の作った、いつも見ている野菜がとってもおいしかったんだと思います。そしてそれは、家庭で作るなんというのは、その時期じゃないと取れないんですね。冬でもトマトが取れるということは絶対にないんです。だから、しゅんとかおいしさというのは、それはくっ付いたものだというふうに思います。
 日本の国の農業は、本当に外国に押しつぶされそうな感じがいたしますけれども、幸い日本の国というのは長い国ですから、九州から取れ始めてずっと取れていくんではないかというふうなことを考えれば、もっともっと日本の農業を大事にしていけば絶対に大丈夫だというふうに思っています。日本国民はばかではありませんから、農薬漬けの野菜より日本の国で取れた、地産地消という話も出ていますが、もう本当にその土地で取れる野菜がおいしいということをよく知っています。そういうことを考えて、しゅんとか、そして食育とか、そして日本の農業、野菜をどういうふうに今後考えていかれるのかお尋ねをして、質問を終わります。
#110
○委員長(常田享詳君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
#111
○国務大臣(武部勤君) はい。
 度々申し上げておりますが、「「食」と「農」の再生プラン」を公表いたしましたが、この理念は消費者サイドに軸足を置いた農林水産政策の大胆な見直しということでございまして、この背景には、私は、今、先生御指摘のように、しゅんのお話もされましたが、やはり食を通じて日本の文化とか日本の心とかというものを取り戻そう、そして、自然というものが日本民族の神様ではないかと言っても過言でないと、こう思っているわけでございます。
 そういう意味で、今御指摘ございましたけれども、日本からそういうことを世界に発信していきたいと。先ほども申し上げましたように、今までのように生産振興ということから、生物系の資源の総合的な活用ということ、その原点に戻る必要が今あるのではないかと。これはWTOにおける日本の主張の一環でもございます。そういうふうに努力したいと思っておりますので、また御支援お願いしたいと思います。
#112
○和田ひろ子君 ありがとうございました。
#113
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に関連して質問をさせていただきます。
 まず最初に、中山間地におきましては、野菜などが鳥獣、特にけだもの類によって被害を受けることがあるわけでありまして、山形県でもブドウ畑などが猿の被害に遭うということもあります。
 つい最近、長野県の富士見町近隣でニホンジカ、ニホンザル、あるいはイノシシによる被害が増えているというので、現地の方から要望がありまして懇談をさせていただきましたけれども、これらの野生動物からの野菜等の被害を防御するということは大変に難しいと。被害を受けた農家の方々は、金銭的な損失もさることながら、手塩に掛けて育てた農作物を失った精神的なダメージが大きいということでありました。そして、どちらかというと、やはり野生動物は保護したいんだけれども、効果的な対処策としてはやはり有害獣の駆逐以外にない、これを強化してほしいというような要望が強かったわけであります。
 そこで、以下、関連で質問をさせていただきます。
 このような獣類による農作物の被害面積、被害額の近年の推移について農林水産省にお伺いをいたします。
#114
○政府参考人(須賀田菊仁君) 獣類によります全国的な農作物の被害でございます。
 平成十二年で、面積でございますけれども八万二千ヘクタール、金額が百三十三億円でございます。近年の傾向では、最近十年、被害面積は横ばいでございますけれども、平成十一年度から被害金額の方を調査を開始したわけでございますが、平成十二年度は前年より十億円程度増加していると、こういう状況にございます。
#115
○渡辺孝男君 イノシシとか猿とかシカの被害を見てみますと、どうもやはり統計上も増えているのではないかというふうに思うわけですけれども、この原因についてお伺いをしたいと思います。
#116
○政府参考人(須賀田菊仁君) イノシシ、シカ、猿。イノシシ、増加傾向、シカも増加傾向でございます。猿が横ばいというようなことでございますけれども、総じてその被害の原因、増加傾向になっている原因でございます。
 やはりこの獣類の個体数が増加している、そして移動範囲が広範囲になっている。それから、やはり生育環境の変化、これは里の方にもイノシシが出だしたということでございますので、生息環境の変化ということで被害地域が拡大をしているという面が一つでございます。
 それから、何というのか、人なれが進行しているといいますか、追っ払っても逃げないと。追っ払っても逃げずに作物を食害するというふうに被害内容が悪質化をしている。これが主な原因ではないかというふうに推測をしております。
#117
○渡辺孝男君 これらの動物による農作物被害の対策、いろいろやっているわけですけれども、農水省もやっているし、環境省もやっていると思います。その対策の現状と効果についてお伺いをしたいと思います。
#118
○政府参考人(須賀田菊仁君) この被害対策でございます。
 個別経営としては、共済でございますとか、そういうのが出るわけでございますけれども、まず農林省としての対策といたしましては、まず、モデル的な、モデル地区の設定をいたしまして、被害防止技術の確立、普及に努めるということ。それから、侵入防止さく、電気さく、そういう被害防止施設を整備するということ。それから、住民全般を対象といたしました、鳥獣の生態でございますとか被害防止に必要な知識の普及啓発等を実施しているわけでございます。
 これの効果でございます。
 まず、その対策の実績といたしましては、額にいたしまして、十年度二十四億円、十一年度二十一億円、十二年度二十一億円、十三年度は二十五億円という対策を実施したわけでございます。この中で、イノシシ、シカ、猿といった、先生言われたような大型の獣類による被害に対しては、この防止さくの設置の効果が高く、この防止さく、防護さく、例えば長野県では三十七キロメーター、山梨県では六十二キロメーター設置をしておりまして、具体的にどうだというあれはないんですけれども、地元の関係者からは被害が軽減されたということを聞いております。
#119
○渡辺孝男君 環境省は。
#120
○政府参考人(松原文雄君) 環境省も、農林水産省とよく相談をしながらいろいろと知恵を絞っておるところでございます。
 具体的に今、特に力を入れて推し進めております施策は、鳥獣保護法の改正によりまして、特定鳥獣保護管理計画というものを新しく制度をお作りいただきました。この計画は、鳥とか獣類でございますが、この数が極端に増えたりあるいは極端に減ったりしたような場合に、そういったことを防ぐために、長期的に維持できるような個体数管理を進めていこうというものでございまして、各都道府県におきまして計画を作っていただくということで今進めているところでございます。
 平成十四年三月現在で、二十五の道府県でございますが、そこで二十九の保護管理計画が策定されておるところでございます。現在のところは、シカが十八、それからクマが三、イノシシが三というようなことでございますけれども、これはまだ今、現在進行中でございまして、それぞれの都道府県におきまして次の計画の策定の準備に掛かっておるところでございます。
#121
○渡辺孝男君 私が行ったのは、長野県の方の富士見町の近隣の地域でお話を聞いたわけですけれども、こういう獣類は、一つの県でやっても、県境関係ありませんので、県境をまたいでくるというようなことがありまして、そういう県境の町ですから、長野県の対策とそれから山梨県の対策が必要だということでありますけれども、この長野、山梨では、先ほどの特定鳥獣保護管理計画、イノシシ、猿、シカなどは計画されているんでしょうか。
#122
○政府参考人(松原文雄君) 長野県でございますけれども、これは今、カモシカとシカとクマについて計画を策定済みでございます。カモシカにつきまして平成十二年の十一月に策定、それからシカにつきまして平成十三年の十一月、クマにつきまして十四年の三月ということでございまして、現在、猿につきまして策定の準備を進めておられるということで伺っております。
 それから、お隣、山梨県でございますけれども、これはまだ計画策定に至っておりませんけれども、特にシカの計画策定に向けまして、今、シカの分布でございますとか密度調査でございますとか被害調査、こういった基礎的な調査を進めておられるところだというふうに聞いております。
#123
○渡辺孝男君 いろいろ現場の方のお話を聞きますと、やはり有害獣の駆除が一番効果があるんではないか、電気さくで防御しましても、動物は移動してまた別なところに被害をもたらすということでありまして、根本的な対策にはならないということであります。
 そういう意味で、だれも生物を、そういう生き物を殺すのは嫌なわけですけれども、有害鳥獣の場合はやむを得ないということで、有害鳥獣の駆除のための頭数の決定の条件とか、実際にそれをやったから効果がどのくらいあるのかという、そういう効果の検証、そしてまた、実際、目標を立てて駆除をした場合に目標が達成されないようなときには、そういう猟期の期間の延長等、柔軟な対応ができるのかどうか、その点をお伺いをしたいと思います。
#124
○政府参考人(松原文雄君) 頭数の決定でございますけれども、これは、平成十三年の一月に、私ども環境省の方で第九次鳥獣保護事業計画の基準というものを告示をいたしております。
 その中におきまして、有害鳥獣駆除の頭数を決める場合には、被害などの防止又は軽減の目的を達成するため必要最小限とするというふうにうたっておりますが、具体的には、被害の状況、それから防除対策の実施状況、こういったものを踏まえながら、許可を行います都道府県知事あるいは市町村長が適切に設定するということになっておるところでございます。
 捕獲実績がどのくらいかということについての検証の点でございますが、これは、有害鳥獣の捕獲許可をいたしますときに捕獲許可証というものをお渡しをいたしますが、これを、その捕獲許可期間終了後、返納していただくことになっております。その返納時に、自分のところではどれだけ捕ったかということを御報告をいただくということになっておりまして、それによりまして捕獲数の把握、検証ができるという仕組みになっておるところでございます。
 それから、期間がどうしても、例えば一か月でございますとか、そういったことで区切らざるを得ませんものですから、その期間中に必ずしも目標数の駆除ができなかった場合がございます。この場合には、ただ単に捕り切れなかったという場合もございますし、そこにいた獣類がほかの地域に移動してしまったということもあり得るわけでございますが、そういったことも勘案いたしまして、改めて鳥獣捕獲許可申請を提出していただきまして、更に必要があるということであれば許可をするという取扱いをいたしておるところでございます。
#125
○渡辺孝男君 それで、そういう駆除に当たる場合には猟友会の皆さんにやってもらうということが多いと思うんです。そのほかにも、農業者自らが、そういう猟友会の人数が足りないなんというときには自らそういう免許を取得して捕るというようなこともあると思うんですが、現在のところ、そういう駆除する場合の猟をする駆除員の方の、駆除要員の方の人数が足りているのかどうか、それから今後の見通しとしても充足は大丈夫なのかどうか、その点をお伺いをしたいと思います。
#126
○政府参考人(松原文雄君) 有害鳥獣の捕獲につきましては、今、猟友会を中心といたしまして、ハンターの方々にお願いをしておるところでございます。非常に重要な役割を果たしていただいておるところでございます。現時点では対応できているのではないかというふうに考えております。
 ただ、よく言われることでございますが、ハンターの方々の人数でございますが、かなり減ってきておるのも事実でございまして、特に高齢化が進行しております。今現在で五十歳以上の方が全体の七割を占めるというようなことになっておりまして、今後の課題となるものだということは私どもも認識をしております。
 当面の対策といたしまして、一部の県でございますけれども、複数の市町村を単位といたしまして広域的な体制を組むというようなことで体制を取っていただいておるというようなところも先駆的に始まっておるところでございます。今後、そういったことを進めていく必要があるのではないかと、私ども認識しておるところでございます。
#127
○渡辺孝男君 日本自然保護協会の野生生物小委員会が本年の三月二十五日に、「野生生物とその生息地を守るための二十七の提言」というのを行っておりますけれども、その提言の第二十二の項目で、農林水産被害に対しての公的な支援を強化することを求めております。
 具体的には、「農林水産業被害に対しては、鳥獣行政だけでは効果的な対応が不可能なことから、農林水産行政においても立法措置を含めた体制整備をする。」、二項目めが、「これらの被害対策に関わる経費に対しては、被害防除策導入コストの相当部分を公的に支援する仕組みを含め、公的資金による支援制度をよりいっそう整備する。」、三番目には、「経済的損失に対する補償制度や共済保険制度の活用を促進するとともに、中山間地域などにおける直接支払い制度や、他の農林水産業振興政策に野生鳥獣被害対策を取り入れる。」と、そういう三項目の提言がなされているんですが、これに関しての環境省並びに農水省の見解、それから、これらの実現のためにどういう取組をしていくのかをお伺いをしたいと思います。
#128
○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいまの提言を体しまして、まず個別の経営対策につきましては、鳥獣害に対する共済金の支払、そして今、中山間地域の直接支払制度がございます。これを活用した鳥獣害の防止活動というようなもの、そして、先ほど来申し上げております被害防止施設の整備への支援、こういうものを取り進めて、一層取り進めていきたいというふうに考えております。
 今後、環境省等と連携を取って、提言の内容を参考としながら鳥獣害対策というものに取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#129
○政府参考人(松原文雄君) 環境省といたしましても、先ほど申し上げました特定鳥獣保護管理計画の策定ということをとにかく第一義的に進めたいというふうに思っておりまして、現在、これの必要な経費の一部を都道府県に対しまして支援をするというような仕組みを設けておるところでございます。
 今後、農林水産省と密接に連携を取っていろんな対策を検討を更には講じてまいりたいというふうに思っておりますが、なお付け加えさせていただきますと、これは特に公的支援ということをねらったものではございませんけれども、本年一月に自然環境局長委嘱の形で野生鳥獣保護管理検討会というものを立ち上げまして、その中では、今御指摘のありました鳥獣被害の問題も一つの大きなテーマといたしまして、今後の被害防除の在り方を含めまして、総合的な鳥獣保護とそれから狩猟制度の検討というものを開始をいたしたところでございまして、何分構えを広う取っておりますのでちょっと時間が掛かろうかというふうに思っておりますが、検討してまいりたいというふうに今進めておるところでございます。
#130
○渡辺孝男君 人間と野生生物が今後も共生していくためには、野生生物が自然の中で生息できる環境づくりが大切であります。そういう対策の一つとして緑の回廊づくりがあるわけですけれども、これを行っていくことによって農業被害も少なくなってくるんではないかというふうに考えているんですけれども、万が一にもこの緑の回廊を通って多くの動物が個体数が増えた場合、多くの動物が移動して被害が増えていってしまうというようなことにならないのかどうかちょっと心配な面もありますので、この点に対する配慮について農水省並びに環境省にお伺いをしたいと思います。
#131
○副大臣(野間赳君) 国有林野におきまして貴重な動植物の生息・生育地のネットワークの形成を図ってまいります緑の回廊、コリドールの設定を行っておるところであります。緑の回廊につきましては、全体といたして多様な樹種、樹齢の森林から構成されますよう、野生動物の生息、育成の場としての機能を高めるなど、人間と野生動植物の共生をします森林づくりを進めることといたしております。
 なお、設定の際に当たりましては、森林管理局におきまして、野生動物の生態に知見を有します学識経験者や関係市町村、農林関係者によります設定委員会を開催をいたしまして意見を求めるなど、農林業被害の防止にも十分配慮をいたしておるところであります。設定後におきましても、モニタリングによりまして野生動植物の生息・生育実態を把握をいたしまして、緑の回廊の取扱いに反映させるなど、適切に対応いたしてまいりたいと思っております。
#132
○政府参考人(松原文雄君) 緑の回廊づくりにつきましては、私どもも現地におきましていろいろと御協力をさせていただいておるところでございます。これによりまして恐らく、動物の生息域がきちっと確保されることによりまして、農林業被害の低減が期待できるものというふうに私どもも考えておるところでございます。これらと併せまして、例えば、実のなる木を植え込むとかいったような野生鳥獣の生息環境の整備、あるいは地域の個体群のモニタリング、こういったものを併せて実施することによりまして、より効果的な対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、人と野生生物の共生が図られるように、農林水産省とも協力をしながら万全を尽くしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#133
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
 やはり野生動物も大変賢いものですからなかなか防御対策が難しいということでありまして、個体数の適切な管理とやはり防御体制も研究を進めていくわけですが、特に個体数が異常に多くなり過ぎて農林の被害が起こらないように、よろしくお願いしたいと思います。
 では、環境省、どうもありがとうございました。
 次の質問に入らせていただきます。
 今回の野菜の生産出荷等に関しての法改正については基本的に賛成の立場ですけれども、念のために法案の改正について二、三質問をさせていただきたいと思います。
 今回の法改正で、国は新たに野菜の供給見通しを立てて公表することになりましたが、この供給見通しを立てるに当たっての調査、数量決定、公表の方針についてお伺いをしたいと思います。
#134
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回の法改正によりまして、指定野菜の需給見通し、指定野菜十四品目を対象に、種類別、出荷時期区分別に、五年後を見通しまして、総需要量と総供給量、そのうちの国内産での供給量、こういうものを策定して公表をするということにしております。
 その際にどういうようなことで見通しを作るかということでございます。
 まず、現状の生産、消費の動向があるわけでございます。それに、政策効果といいますか、野菜で言えば構造改革に取り組んでいるわけでございますので、そういう政策効果と輸入の動向を勘案をいたしまして、まず総需要量は、年間一人当たりの需要量に人口を掛けるということで算出をいたします。それから総供給量は、その総需要量に対しまして減耗率、ロスとそれから歩留り、これは総食料から純食料にするその歩留りの逆側になりますけれども、それを勘案して算出をする。そして、そのうちの国内産での供給量は、国内での作付面積と単収の動向に、先ほど申し上げました政策効果による生産性の向上等を勘案して算出をするという方法を考えているところでございます。
#135
○渡辺孝男君 なかなか、需給のバランスを取りながらやる、輸入もやはりあるということで非常に難しいことになると思うんですが、適正に管理して値崩れ等にならないようにしっかり見通しを立てていただきたいというふうに思います。
 それから、これも確認なんですけれども、さきにも質問の中であったかもしれませんが、改正法案の第十五条では、契約野菜安定供給制度の契約の要件として、天候その他やむを得ない事由により生じた不足とありますけれども、そのその他のやむを得ない事由について具体的にどういうものを想定されているのか、例を挙げて御説明いただきたいと思います。
#136
○政府参考人(須賀田菊仁君) 本件、主としては豪雨、低温等の気象被害、いわゆる天候が主たるものとなろうとは思いますけれども、そのほかの事由といたしましては、一つは病虫害の発生、それからもう一つは、災害等の影響によって輸送手段に支障が生じた、輸送ができなくなって取る時期を逸したと、こういうような場合を考えているところでございます。
#137
○渡辺孝男君 もう一つ法案についてお聞きしたいんですけれども、改正法案では現法より処罰の規定が強化されているわけですけれども、今までに処罰例があって強化しなきゃいけなくなったのか、また別な理由で処罰を強化することになったのか、その点をお伺いしたいと思います。
#138
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回の改正におきまして罰金等の金額を引き上げております。いろいろな処罰に罰金が付いておりまして、これまで罰則の適用があったかどうかということでございますけれども、過去においては適用されたことはございません。
 そして、今回その罰則の金額を引き上げましたのは、昭和四十一年以来引上げを行っていないということでございまして、その後、物価、四十一年からは物価は上昇しておりますし、同じような他の制度の規定との罰則の比較ということで相当均衡を欠いたものになっておりましたことから、そのバランスをも考えまして、罰則の金額を適切な水準まで引き上げたということでございまして、例えば十万円の罰金を三十万、三万円の過料は二十万、一万円の過料が十万と、それぞれ改定をしたということでございます。
#139
○渡辺孝男君 次の質問に入らせていただきますけれども、今回の審議の前に、公明党としましても、農林水産部会とそれから現場の地方議員とともに茨城県の岩井市の農家のところを視察をさせていただきました。また、当委員会におきましても、栃木県の農家の方々のところ、あるいは園芸種苗センター等も視察をさせていただきました。そういう中でいろいろお話を聞いてきたわけですけれども、現場の声では、野菜の契約取引はまだまだ二、三割、良くて二、三割程度かなというようなお話でありました。
 契約取引の抱える現在の問題点と、本改正によってどのような点が改善されるのか、また残された課題についてはどのような対応をされるのか、農水省にお伺いをしたいと思います。一問質問をちょっとカットしましたけれども、よろしくお願いします。
#140
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、契約取引でございます。
 これまで、市場価格連動契約といったような場合には、価格が低落しても市場出荷のように補てんがないというような問題がある。あるいは、量で供給契約をしている場合には、作柄が変動した場合に供給量を確保できないというような問題があるということで、これが契約取引の取組の障害となっていたということでございますので、今般の法改正で契約野菜安定供給制度を創設をいたしまして、一定の場合に所要の補てんをするということとしたところでございます。
 このほかに、残された課題というものはどういうものがあるかということでございます。
 やはり、産地の農協等が主体となって、自分で取引相手を見付けないといけないということでございまして、これまでの取引経験のなさ等からなかなかその相手が見付からないというような問題が一つございます。
 それから、これはよく農家の方から聞くわけでございますけれども、その代金決済でございますけれども、代金回収のリスクを自ら負わないといけないというようなことで、決済の期間が長くなる、回すお金が少なくなると、そういうような問題が指摘されているわけでございます。
 このような問題に対応をするために私ども十四年度で予算を組んでおりまして、一つは契約取引の仲介を行いますコーディネーターの設置、コーディネーターバンクと呼んでいますけれども、そういうものを設置するということ、それから出荷者と実需者の契約取引におきます代金決済を円滑に行うためのシステムの導入に向けての調査、代金決済、それから仲介役、こういうものを進めるということで、残された課題にも適切に対応するよう支援していきたいというふうに考えているところでございます。
#141
○渡辺孝男君 もう一点だけ質問、時間がなくなったので一点お伺いしたいんですけれども、栃木県とか茨城県の農家の視察をしておりまして、環境保全型農業に取り組んでいるそういう野菜生産者の方も多くございました。しかし、都道府県によってはエコファーマーの認定も進んでいない県があるというようなお話も聞いておりますので、今後そういう進んでいない県に対してどのような支援をしていくのか、その点に関して武部農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
#142
○国務大臣(武部勤君) 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づきまして都道府県知事の認定を受けたエコファーマーは、北関東や九州地域に数多く見られるわけでありまして、都道府県で格差があることは承知しております。これは、川下との連携によりまして特別栽培農産物等の環境に優しい農産物を志向する動きがある地域、また県独自の農産物認証制度を設けるなど自治体が積極的に推進している地域、また地域内に湖沼等の閉鎖系水域があるなど公共用水域の水質保全に関心が高い地域などにおいて、早くから地域ぐるみでの認定が進められたことが要因と考えております。
 エコファーマーは、本年四月末現在九千六百七十八名を数えたところでありますが、これは昨年同時期の約八倍というように、現在は同法に基づく取組は軌道に乗りつつある段階と認識しております。
 今後とも、都道府県知事による認定の促進を強力に進めるとともに、消費者や流通業者とのシンポジウムや交流会を通じたエコファーマーの認知度向上や組織化への支援等を行いながら、持続農業法の生産現場への定着普及を図ってまいりたいと、かように考えております。
#143
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
 次に、残留農薬等の対策についてお伺いをしたいと思います。
 先ほども質問、委員の中からあったと思いますけれども、私からは、厚生労働省が中国の冷凍野菜の方、十八品目の残留農薬調査を現在行っているということでありますので、この調査の状況と結果について、現在分かっているところをお伺いをしたいと思います。
#144
○政府参考人(尾嵜新平君) 中国産の冷凍野菜の残留農薬検査につきましては、有機燐系の農薬については三月の二十日より、分析技術が確立した、今御指摘がございました十八種の冷凍野菜につきまして、下ゆでをされたものでございますが、輸入届出の一〇%についてのモニタリング検査を開始をいたしました。その後、四月二十二日に基準値を超えますパラチオンが検出されたことから、生鮮のものも含めましてモニタリング検査のパラチオンについての検査を全届出に拡大したということがございます。
 それと、五月の十四日に、クロルピリホスと申します農薬が、違反が継続して確認されたために、五月十四日以降、クロルピリホスの検査結果が確認された後でなければ輸入を認めないという対応を現在しております。
 また、有機塩素系の農薬につきましては、四月の二十二日より有機塩素系の農薬三種につきまして一〇%のモニタリング検査を開始をいたしておりまして、五月の二十一日に基準値を超えるディルドリンが検出されたために、これも生鮮のものを含め全届出に対しまして有機塩素系の農薬の検査を行い、検査結果が確認された後でなければ輸入を認めないというふうなことで対応しているという状況でございます。
 五月の二十八日までに中国産冷凍野菜六百四十四件の検査を行った結果、冷凍ホウレンソウ十四件、冷凍セロリ一件の残留農薬違反というものが発見されているという状況でございます。
#145
○渡辺孝男君 そういうふうに異常値の把握がされたような調査結果もあるということでありますけれども、今後、外国産の冷凍野菜などの加工品に関しての安全性を確保するための対策の強化という面ではどのように取り組まれるのか、これも厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#146
○政府参考人(尾嵜新平君) 一つは、今申し上げました十八種類の下ゆでの冷凍野菜につきまして輸入時の検査の強化を引き続き実施することを考えておりますが、同時に、加工の野菜品と申し上げましてもこれ以外のものがございます。
 そういったものの検査方法について、技術的にかなり難しい点があるようでございますが、専門家に御相談して、検査の対象になるのか、どういう分析方法を取ればいいのかと、あるいは加工した結果、残留農薬の値が生鮮野菜とは同じ基準値を用いることができないわけでございますが、そういった検討もお願いしたいということで御相談をしている点がございます。
 それと、先ほどの御質問にも、中でもお答えいたしましたが、繰り返し違反品が見付かるようなものにつきましては、大使館の方にそういったものについての日本への輸入をしないようにという要請をさせていただいておるというところでございます。
 それと、現在、私ども、食品衛生法の改正というものにつきましての検討をいたしております。今回、御説明しておりますように、モニタリングをし、また命令検査を掛けると。その際に、検査上違反がなければ国内に入ってくるわけでございます。その結果として、国内で流通している中でまた残留農薬が、違反であるというふうなケースがあるわけでございます、見付かることもあるわけでございます。そういったケースを想定いたしますと、繰り返し違反が見付かり、違反の蓋然性が高いというふうなものについては包括的に特定の国の特定の品目についての輸入をいったん差し止めると、そういったものも法的にきちんと対応できるような措置を、その中での検討の中で私ども整備をしていきたいという考えも持っているところでございます。
#147
○渡辺孝男君 消費者も大変な不安を持っておりますので、冷凍野菜の輸入品に関してもきちんとした検査をしていただきたいと思います。
 次に、武部大臣にお伺いをしたいんですけれども、BSEの調査検討委員会の報告書が出た後に神崎代表、公明党の神崎代表から小泉総理に対して、消費者重視農政への転換に関する申入れというものをしたわけですけれども、その中で、食品の安全に関する意識を、国民の意識を高めるために食の安全週間というようなものを設けたらどうかというふうな提案をしたわけです。その後、今度は「「食」と「農」の再生プラン」、四月十一日公表されたわけですけれども、その中には食の安全月間を設けるというようなお話がございました。
 この食の安全月間について、どの程度検討が進んでいるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#148
○国務大臣(武部勤君) 「「食」と「農」の再生プラン」の公表をいたしたわけでございますが、公明党さんからはやっぱり国民運動ですね、食の安全に関する国民運動の提案がなされました。
 私どもも、従来から、食育という問題とリスクコミュニケーションということについて国民みんなが立ち向かっていくということが大事だろうというようなことで、特に食の安全、安心確保という観点からは、交通安全対策が一つのいい例なんですけれども、食の安全月間というものを設けたり、あるいは食の栄養月間とか三つぐらいのパターンで月間を設けて、それぞれ全国民に声を掛けて進めていこうと。それは、言うまでもなく消費者をパートナーと位置付け、一緒になって政策を作っていくという考え方に立って検討しているわけでございますが。
 現在、食品リスクの実態把握と情報の積極的な開示を行うという意味からも、この食の安全月間についての検討会を設けているわけでございますが、文部科学省、厚生労働省等関係府省とも幅広い取組になるように、今、政府で、関係閣僚会議で法整備と行政組織の在り方について大詰めの議論をしているところでございますので、その検討の論点がまとまったところで具体的に委員といいますか、推進委員といいますか、その検討会を正式に立ち上げて具体的にやりたいと思っておりますが。
 私としては、言わば食中毒のシーズンの前にこういうようなものをスタートしたいなというふうに思っているわけでありまして、できるだけ早く、この一、二か月の間にそういったことができないかというふうに考えておりまして、早期に具体化へ向けた検討を各府省に呼び掛けたいと、このように考えているわけでございます。私どもから呼び掛けるのがいいのかどうかということも含めて、関係閣僚会議でどういう、特にリスクコミュニケーションの問題についての取りまとめになるかということを今見守っているという段階でございます。
#149
○渡辺孝男君 もう一点質問しようと思ったんですが、時間がなくなりました。
 それは、新品種登録に余りにも時間が掛かり過ぎるんじゃないかと、もう少し早く登録の手続を行えるようにしていただきたいという、そういう要望がありましたので質問しようと思いましたが、次回に回させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#150
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。野菜生産出荷安定法の一部改正について質問させていただきます。
 二月、三月と野菜が十二年ぶりという記録的な安値を付けまして、タマネギは四月には北海道で七千五百トン、個数にしますとL玉で三千七百五十万個ということなんですけれども、それから今月、佐賀で千五百トンと、タマネギの産地廃棄がされています。ほかの野菜についても、この間、産地廃棄が続いているわけですが、二〇〇〇年以降の産地廃棄の実態がどうなっているか、まず最初にお聞きいたします。
#151
○政府参考人(須賀田菊仁君) 二〇〇〇年以降の野菜の産地廃棄でございます。総量で四万九百トンということでございます。
 品目別に申し上げますと、キャベツで一万七千四百トン、これは二〇〇〇、平成に直しますと十二、十三、十四と取り組んでいるところでございます。大根で約三千五百トン、十二、十三、十四でございます。タマネギで一万二千三百トン、うち北海道が七千三百四十八トン、白菜で約六千四百トン、十二、十三、十四でございます。レタスで約一千三百トン、十三年だけでございます。
 以上、合計で四万九百トンという状況になっているところでございます。
#152
○紙智子君 すごい量の廃棄がされているわけですけれども、畑でタマネギをつぶすその様子がマスコミでも報道されて、だれが見てももったいないなというふうに思うわけですけれども、やっぱり一番つらいのは、丹精込めて作った作物をつぶさなければならない生産者だと思うんです。
 それで、私は、北海道の北見に参りまして、生産者団体や農家の話を伺いました。廃棄のために農協の冷蔵庫に保管してあるタマネギ、一か所で四百万個で、もうコンテナに積み上げたら天井まで届くような膨大な量のタマネギを見せていただきました。北見地区の農協の資料では、昨年、二〇〇〇年産は、三月三十一日時点で、タマネギで二十キロ、二十キロの一袋ですよね、その単位で千六百五十三円していたものが、今年、一年度産が四月十五日現在で千二百四十五円まで下がっていると。
 この原因は、最初に大臣はこれは豊作だという話をされましたけれども、現地の人にどうしてなんですかというふうに聞きますと、返ってくる回答は、確かにそういう取れているというのあるかもしれないと、しかしやっぱり主な要因は輸入の影響だと、それからこのたびはBSEの影響もあるし、経済全体が落ち込んでいるということもあるということを挙げておられました。
 それで、現地では、生産者には一方で廃棄させると、しかしもう一方で輸入は野放しにしているということに対する怒りというのは大変強いものがあります。
 それで、大臣に、このタマネギの価格下落に対しての輸入の影響についてどのように認識されているか、改めてお聞きしたいと思います。
#153
○国務大臣(武部勤君) タマネギの十三年産は、北海道は大変天候に恵まれまして、ホクレンの取扱量は、対平年比一〇八%、対前年比一一八%という結果でありました。十三年九月以降、タマネギの卸売価格が大きく下回る状況が続いているということは、暴落と言っても過言でない状況にあるということは、私も地元ですからよく承知しております。
 一方で、今御質問のありました輸入量でありますけれども、十三年十月から十四年三月まででは、対前年同月比で六一%、本年一月から三月では対前年同期比で五三%ということでございますので、輸入の影響ということに決め付けるわけにはいかないと。いろんな影響があったということは、これだけ暴落しているということからしてそれはそのとおりだと、こう認識しておりますが。
 先ほども小川委員にもお答えの中で申し上げましたけれども、いずれにしても、十月から三月に掛けて、北海道産が約九割のシェアなんですね。こういったことを考えれば、出荷調整等の産地の関係者の主体的な取組ということも私は最も重要ではないかと、こう思いまして、今後、現地でもいろいろ、二度とこういうことがないように、真剣にどうすべきかというようなことをみんなで検討するということでありますので、私どももそういったことをしっかり支援していきたいと、こう思うのでございます。
 この制度が発動いたしますと、廃棄したものも四割までは補てんするとか、いろいろな基金からどれだけ、面積当たり幾ら出るとか、そういうようなこともございますので、そういったことも含めてできるだけの対策を講じたいと、こう思っております。
#154
○紙智子君 でき過ぎたから生産者の人に反省してもらわなきゃならないというのはおかしな話だと思うんですね。そして、言われましたけれども、確かに最近は輸入は減っていると思います。しかし、五年間のサイドで見てください。五年間の期間で見れば輸入は一・五倍ですよ。それから、中国から入ってきている量を見ますと、この五年間で十三倍になっているんです。
 ですから、先ほど、最初のときに日中協議の話も出たわけですけれども、この日中協議の際に、いろいろ情報は提供したと言いますけれども、輸入に対して、これを規制してほしいと、止めてほしいという話はされているんでしょうか。
#155
○国務大臣(武部勤君) 五年間からすればそうですが、先生のお話だけ聞きますと、中国からの輸入は五年前はどれだけの数字だったのか、なぜ急に中国から増えてきたのかというようなことも解明してみなきゃならないと思うんですね。一説には、アメリカからの代替輸入というようなことが大きい原因だと、こう言われているわけでございます。
 私は、たくさんできたからといって生産者の責任にするなということでございますが、そんなような考えは持っておりません。そういうことにならないように、加工だとか価格形成についてもいろいろと工夫をやっていかなきゃならないことだろうと、こう思うんですね。やっぱり市場経済の中で、こういう生産というものを余儀なくされているわけで、生産出荷というものを余儀なくされているわけでございますので、そういったことを申し上げたわけでございます。
 それから、今、セーフガードのお話をされましたか。
#156
○紙智子君 中国との関係で、輸入を減らすように話をされているんですか。
#157
○国務大臣(武部勤君) 中国との関係については、先ほどもお話ししておりますように、日中農産物貿易協議会で我が国から国内の窮状というものも伝えております。そういったことで、先ほども申し上げましたように、需給でありますとか品質でありますとか価格でありますとか、そういったことを的確に情報を伝えておりますので、中国側と日本側の間に問題意識を共有できるといいますか、共通の問題意識を醸成するというようなことが大分作り上げられつつあるんじゃないかと、こう思いまして、今後も作付けや出荷に十分留意するよう中国側に強く要請したい、このように考えている次第でございます。
#158
○紙智子君 昨年のタマネギの輸入量は全体で二十六万八百九十六トンです。これは生産量にしますと、全国で二番目、三番目というのが兵庫県と佐賀県なんですけれども、この二つの県を合わせた生産量に匹敵するんですね。この十年間で七・五倍になっているわけです。佐賀県と兵庫県に匹敵する大産地が言わば国内に新たにできたということと同じことになるわけです。
 そのうち、中国からは昨年一年間で十万四千三百三トン、加えて冷凍のタマネギソテーという形で一万トンが入っているという報道がされています。BSEによる消費減退も影響しているわけですけれども、消費が減っているにもかかわらず輸入は入ってきている。これによって価格が暴落し、産地が壊滅的な打撃を受けているということははっきりしていると思うんですね。これで国内生産が耐えられるわけがないというふうに私は思うんです。
 北見市はセーフガードの発動を要請しています。現地の農協の組合長も、セーフガードというのは権利だ、勇気を持って発動を大臣にもお願いしたいというふうに言っています。対中のセーフガードも創設されたわけですし、そういう意味では発動を今するべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#159
○国務大臣(武部勤君) 私も現地の組合長からも話は聞いておりますけれども、先生にどういうふうにお話しされたか知りませんが、セーフガード発動の要件にはない、それは分かっている、しかしこういう価格の暴落について何とかしてくれということは言われております。しかし、セーフガードを農協の組合長さんが、この状況で発動できる要件にないということも組合長さんはよく知っているわけでございまして、先生のお話だけ聞くとあれっと、こういうふうに、しかも私は北見出身だから先生のおっしゃっていることも多少オーバーだなと、こういうふうに感ずるわけでありますけれども。
 それから、輸入について中国が急に増えているんですけれども、日本全体として米国の輸入が減って中国に代わっているということでございまして、これは中国から輸入が急激に増えているということはそのとおりでございます。しかし、去年と比較して中国についても、中国も減っているんですね、数字的には。
 いずれにしましても、セーフガードの問題について我々は話合いで決着したわけでございます。ですから、権利は確かに権利としてございます。しかし、話合いで、日中農産物貿易協議会というものを設置して三回会合を持って、その三品目以外にこのタマネギの話も議題に上げて話し合っているわけでございますので、そういうセーフガードを発動しなければならないというようなことにならぬように、未然にそういったことを防止するためにどういう対応策を考えていくかということを真剣に検討していかなければなりません。そういった意味で、やはり野菜についての構造政策ということを進めていかなければならないのではないかと、こう思います。
 これだけの話をすると、工業と農産物とは違うという先ほどの小川先生の議論になるんですけれども、私は、農薬漬けの野菜だとか輸入品だとか、国内にあってもそうです、これからやっぱり、スローフードという言葉に象徴されますように、減農薬農産物あるいは有機農産物、そういった方向に行くのが消費者のニーズにかなった行き方なんだろうと、こう思います。そういうことであれば、多少の価格が高いとか生産コストが高くても私は、ナウいアグリファッションというようなことも言われるんだそうでございます。横文字使うと小泉総理は大変御不満なようでありますが、そういうことも視野に入れた野菜政策の展開ということも必要なんじゃないかと、このように思っております。
#160
○紙智子君 農水省の農林水産政策研究所がお出しになっている野菜需給安定に関する経済分析、この中間報告の概要が発表されています。それで、この概要によりますと、「諸外国におけるセーフガード政策に関する調査・分析」、この中で、諸外国の発動事例には、調査対象期間中に大幅な減少がある場合や基準年より減少している場合があっても輸入増加として評価等をしている事例があるということも明らかにしているんですね。ですから、短期間輸入が減っているということだけで発動できないと、そういう要件にはならないというふうに判断すべきじゃないというふうに思うんです。
 それで、その上に立って、農水省は、このセーフガードという手段を持っていながらそれは使わないと、輸入急増に野菜の構造改革で対応するというのが方針です。
 それで、確かに今、高齢化しているという中で機械化をし、省力化をするということについては、私もこれは否定するものではありません。しかし、タマネギの大産地では既にこの機械化を進めて、機械に投資をしたけれどもその結果としてどうにもならなくなっているという事態があるんですね。北見では、コストダウンのために、平均七ヘクタールの作付けの面積でタマネギ専用の機械・施設にこの間二千万以上を投入したと。
 それで、私も、改めて、聞いて本当に認識を新たにしたんですけれども、農家の人がどれだけのものに幾ら掛けてきたのかというのを全部書き出してくれたんですね。そうしたら、例えばタマネギだけですけれども、種苗用のハウス二百万、もっとするのもあると。それから、播種機、この間この播種機を栃木で見てきましたけれども。それから、かん水機三百万。移植機が三百二十万。ハーベスター三種、これは根を切ってそれから持ち上げて、そして取ってタッパーといって葉を切る、こういうのがセットでもって八百万と。
 機械化をし、大規模化したその構造改革の先取りとも言えるこの人たちが、結局輸入によって価格がダウンするということで付いていけないと。負債を抱えて離農に追い込まれかねない事態になっているんですね。もうこれ以上の競争は農村破壊だという声まで出ています。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 そもそも構造改革というのは、セーフガードの本発動が前提となった対策だったと思うんです。幾らコストを削減しても輸入規制しなければ更に価格が下がっていくし、それに追い付けないと、そういう経営が維持できない状況になるんじゃないでしょうか。この点、いかがですか。
#161
○国務大臣(武部勤君) 現状、実際には大変な投資がある上に価格が暴落しているわけでありますから、大変な実態にあるということは私も十分承知している所存でございます。
 であればこそ、これからどうしていくかということ、ピンチをチャンスにするということをこれは我々も真剣に考えていかなきゃなりませんし、系統もそのこともしっかり考えて、営農指導を含めた生産者に対する指導ということも大事でありますし、生産者自らも、私はもう、私どもは、先生も恐らく現地を歩いていて感じたんじゃないかと思うんですよ、随分過剰投資でないのかと。隣の農家へ行っても同じもの全部ある。また隣に行っても全部ある。車はもう車庫に入らないで、倉庫の前に一台あるぞと。これは、こんなことを言うと、私が農水委員会で言ったということを先生の方から言われますと、何だ、みんなで応援して農林水産大臣までしてやったのにと、こう言われるかもしれませんが、しかしそういうことの実態をやはり顧みなきゃいけないと思うんですよ。
 それで、どうしたらいいかということについて農林水産省としても真剣に対応したいと、こう思っておりますし、現にこの間、私も三時間ぐらい彼らと焼き肉食べながら議論してまいりましたけれども、先ほども言いましたけれども、皆さん方お笑いになりましたが、十年以上前から、武部さんから、法人化を考えてみたらどうだ、タマネギだけで、タマネギ一本で生きていくということがいつまでできるかよくよく考えないと駄目だぞと。どこも同じようなことで張り合っていて、隣が機械を入れたからまた入れると、おれも入れると。そういうようなことじゃなくて、もっと組織的な法人経営などを考えて、新しいビジネスチャンスということも考えていくということも必要なんじゃないかと。必ずしも息子が後継いでくれるというわけじゃないだろう、だんだん高齢化していった場合にはどうなるんだと。私のことですから、もう言いたいことを率直に言うわけです。
 いみじくもそのときは、そんなこと言ったって、おれたちはこれでこうやってやっているんだということでしたけれども、この間は向こう側から、十年以上も前に武部さんからこういう話を聞いていたわなと、いいときにちゃんと段取りをしておかなかったということについては我々も反省しなきゃならぬという声も出ていますので、私は、このピンチに立っているときに、相当彼ら若い生産者は苦しいながらも……
#162
○紙智子君 時間がなくなりますので。
#163
○国務大臣(武部勤君) 済みません。
 立ち向かっていくと思いますよ。その立ち向かっていくところを支援するということが大事だと、このように思うんです。
#164
○紙智子君 その機械化をして省力化をするとか、今回その三つのタイプですか、構造改革ということで進めている方向があるからこうやって生産者の方々は努力してコストを下げようということでやっているわけですから、だから根本のところは、やっぱり輸入やるに任せて入ってきて価格が下がる、これに対してのきちんとした対応をしなければならないんじゃないかということを私は再三申し上げているわけで、やっぱりセーフガードの発動など輸入規制しなければどうにもならないわけですから、ここはきちんとやっていただきたいということを再度申し上げまして、ちょっと時間ないので次の質問に移らしていただきたいと思います。
 それで、産地廃棄に追い込まれたタマネギの産地は非常に深刻だと先ほどもお話がありましたけれども、タマネギの場合、秋に収穫をして翌年の春に掛けて出荷されるために、生産者は十一月の段階で一回概算払を受けるんですね。それが実は今農家にとっては大変な不安になっているわけです。というのは、六月になると、いつもであれば更にそれに対して追加払いを六月の精算で受けるんですけれども、ところが今回の場合、この価格暴落でもって一戸当たりについて五百万から一千万逆に返さなきゃならないという事態になっているわけです。本当に農家は、これ四%程度の利子が付く借金になるということなんですけれども、話を聞いた農協の方も、農業者の組織だから何としても助けたいと思うと。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
しかし、農協の経営責任が追及されるという中では、回収できる債権なのかどうなのかということでは判断しなければならないときが来る、今回の暴落では支え切れない、離農勧告しなければならない農家が出てくるというのが心配されるということを深刻に話をされていました。
 北見地区の農協組合長会として先日上京して、野菜の規制の問題や価格下落の資金対策含めて緊急経営の対策を、大臣にお会いしますと言っていましたから多分来られたと思うんですけれども、この要求に対してどのようにこたえるおつもりでしょうか。
#165
○国務大臣(武部勤君) 概算払に対して精算払いをするということについては、いみじくも今、先生がおっしゃられましたように、例年ですと精算払いで追加支払というのがあったということはそのとおりでございまして、これは言ってみれば十三年度のことになるわけですね。ですから、十四年度に入って十三年度の負担について国で何とかしてくれと、こう言われてもそういうことは困難だと。したがって、やはり第一義的には農協がどう対応するかだということであり、やはり地域の問題でもあるわけでありますので、北海道がどういうことをするかということが次に、第二義的といいますか、次の段階では大事なことだと思います。
 それに対して、国が道の相談を受けて、地元等の相談を受けてどういう財政的な、あるいは金融的な支援ができるかということで、私のところにも参りましたので、また私からも、道の農政部長が農林水産省に参りました際に、そういったことについてはできるだけきめ細かく相談に乗ってほしいと、また、そのことについて相談に応じましょうというようなことを申し上げているわけでございまして、直接国が十三年度の事業についてどうこうするということは困難であるということは御理解いただきたいと思います。
#166
○紙智子君 国内でもやはり最大のタマネギの産地が危機に瀕しているということなんですけれども、産地廃棄の交付金が廃棄の経費にもならないという実態があります。交付金がキロ当たり三十円ということですね。それで、結局、三十円なんですけれども丸々来ないと。つまり、そのうちの十五円は、半分は再度基金に積まなきゃならないと。手取りは半分ですね。だから、道の生産者団体から、しようがないから十円プラスして出さなきゃならないと。それでも廃棄の経費もままならないという状況なんですね。実際に、廃棄物そのもの、廃棄する農産物そのものには何にも付かないという状況なんです。ですから、このことについてはやっぱり国として交付金の引上げですとか、併せて廃棄農産物に対しての一定の補償をするべきではないでしょうか。
#167
○国務大臣(武部勤君) 今、委員はもう既にこの産地廃棄に対しての対応について、その仕組みを御存じの上で御発言だと、こう思いますので、重複しないようにしたいと、このように思いますが、平均価格の約四割を交付し、そのうちの二分の一を国が助成するわけでありますけれども、この交付金の単価及び補助率については緊急需給調整が、そもそも生産者が、生産者団体が、出荷団体が価格回復を図るための自主的な取組であるわけであります。そういうようなことを考慮してこういう制度を作っているわけでございまして、そういう意味では、これに更に上積みするとかというようなことにはならないと。もしそういう窮状を救うには別の手だてということが必要なんだろうと、こう思うわけでありますが、それは先ほど言いましたように、地元の皆さん方がどういうことをお考えになるか、また北海道がどういうふうな対策を講じようとしているのか、その上で相談に乗るというのが私どもの考え方ではないかと。
 私の選挙区ですから、そんな冷たいことは言えないんですよ。だけど、やはり公平の原則ということから考えますと、そういうことがやっぱり筋だろうということはあえて申し上げなきゃならぬと思います。
#168
○紙智子君 これくらいのことはしていただきたいものだなというふうに思っていたわけですけれども、引き続き何らかの措置ということで検討していただきたいというふうに思います。
 それから次に、野菜価格安定制度の問題ですけれども、価格安定制度が大規模産地にとって最低限の命綱になっていると思います。しかし、保証基準価格は市場の価格趨勢で決まるために、輸入が増えて価格下落が続く、こういう事態の中では保証基準価格も下がる一方なんですね。その中で、算定方法を見直してほしいという要望は生産者からも強く出されてきました。
 ところが、先日、衆議院の質疑で須賀田生産局長が回答になったのは、九年間そういう価格の下で生産者の経営が続けられていたという実態の下に平均的な価格として定めていて、その価格であれば経営が継続され一定の所得水準が確保されるのではないかという考え方に基づくというふうに、つまり過去九年間その価格で農業経営が続けてこられたんだからその保証基準価格の水準で大丈夫だという答弁をされたんですね。
 大臣、これ同じ認識でしょうか。
#169
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私申し上げましたのは、一つは、例えば生産費を償うような方式というものが一般的な価格算定方式の中にあるわけでございます。生産費を償って再生産を確保し得る水準を出すという方式があるわけでございますけれども、野菜の場合には他の作物に比べますと品種が多岐にわたっておりますし、品種ごとの栽培方法の違いに起因する生産コストの差が非常に著しい。それから、経営によって、例えば高能率の機械を導入している人とそうでない人との差が大きくて、標準的な生産費を基に何か算定するということが技術的にも困難だということを申し上げました上で、毎年変動の大きい野菜については九年間というロングのタームを取りまして、その中で輸入品のシェアが高い品目に、例えばタマネギ、里芋、ネギというような輸入品のシェアが高い品目については輸入品を除外するとか、そういう工夫を凝らしながらやっていくことが現実的ではないですかということを申し上げたわけでございます。
#170
○国務大臣(武部勤君) いろんな品目が多種、多岐にわたっているわけでありますし、品種ごとの栽培方法の違いということに起因する生産コストの差もかなりあるんだろうと思うんですね。機械の導入状況についても地域によって個人差があるんだろうと、地域差、個人差というものはあるんだろうと。そういうようなことからいたしますと、生産費、集出荷経費等を基礎として算定して再生産を確保し得る水準にすべきという、そういう考え方は考え方としてありますが、この野菜についてはなかなか難しい問題なんだろうと思いますね。技術的にも困難という生産局長の今の話は、私もそれはそのとおりだろうと、このように思います。
 したがって、長いタームの中で、少しでも長ければ長いほど、毎年、単年で見るといろんな動きがありますけれども、長くなれば大体一つの一定の水準というものを割り出すことは割合容易になるんじゃないかと。そういうようなことから、保証基準価格についてはそういう考え方で行っているわけでございまして、もし先生でこれよりもいい案があれば教えていただきたいと思うわけでありますが、なかなかこれは、公平の原則ということからいたしますと、公平公正の原則からいたしますと難しい問題だろうと思うんです。
 したがいまして、この野菜生産の対策ということも、何か一つの対策ですべて賄い得るといいますかカバーできるということではないんだろうと、こう思うんです。国だけですべてできるものじゃないと思いますし、それはやっぱりいろんな仕組みというものといろんな政策というもの、あるいは国や地方、あるいは生産者の方々と相談しながら組み合わせていくということで対処していくことなんだろうと思います。
 私は、今年のようなことが毎年毎年続くというのであればこれは大変な話でありますので、もう少し経過を見る必要があるんじゃないかというふうに思います。
#171
○紙智子君 私が問題にしたかったのは、結局、その保証基準の決め方ですよね。それで、輸入によって下落するようになった価格を基準にして保証基準価格を決めるやり方が時代に合っていないんじゃないかということを言いたかったわけです。
 この制度は一九六六年に創設をされて、その当時というのは野菜を一〇〇%自給していたと思うんです。七〇年代の後半まで一〇〇%近い水準で維持をして、それでこの自給率が九〇%台に下がったのが九三年と。ほとんど自給しているのであれば、国内で不作だとか豊作だとかというこの凸凹があったとしても、その平均で経営が維持できるということは成り立つと思うんです。しかし、その後、輸入が急増して事態は一変していると。
 全国約百の卸売市場で調べた輸入野菜の占有率を見ると、例えばサヤエンドウでは六七%を輸入が占めているわけですし、ニンニクは六三%、カボチャは五〇%、ブロッコリーは五〇%です。それに伴って価格が下がっていて、サヤエンドウなんかも、これは五年間で見ても七百二十七円から四百三十二円、ニンニクも半分ぐらいに下がっているということになっているわけですから、ほぼ自給していた時期と同じような考えでもって同じ制度であっていいわけがないと。だから、そういうやっぱり変化に合った算定の仕方を考えるべきだということを申し上げたかったわけです。
 それで、ちょっと時間が押してきているので次に移るんですけれども、今回、北海道でタマネギの生産組合や農協の話を聞いたわけですけれども、カバー率七〇%まで拡大しようというふうに思って、この産地では最低基準額、それ以下については補てんをしない、いわゆる足切りですよね、これを七〇%まで引き上げているわけです。まさか今回みたいに暴落すると思っていなかったと、思わなかったからそれが裏目に出たという話をしていましたけれども、衆議院の参考人の質疑を聞いていましたが、長野県でもやっぱり同様に、県の財政が厳しくて資金造成のための予算が組めないということで、対象数量を確保するために最低基準価格を六〇%に引き上げる措置を取っているというお話でした。
 最低基準価格は、指定野菜は平均価格の五五%相当というふうにされているわけですが、特例も認められていると。交付対象拡大、それから資金造成の負担軽減のために最低基準額の引上げの特例を選択しているというのが実態じゃないかと思うんです。農水省は、特例の申込みの実態についてどのように把握しているでしょうか。
#172
○政府参考人(須賀田菊仁君) 最低基準価格、原則として平均価格の五五%を水準とするということを原則としているわけでございますけれども、野菜価格の低落というのは野菜の種類とか出荷時期によってかなり態様が異なるということで、登録出荷団体の選択によりまして三種類、六〇、六五、七〇%の選択ができるということになっておりまして、私ども、平成十三年度で見ますと、交付予約数量の、これ二百六十七万トンでございますけれども、うち六割がこの特例を、百六十万トンでございますけれども、六割がこの特例を選択しているという状況になっているところでございます。
#173
○紙智子君 なぜそういうふうになっているのか、六割と今おっしゃいましたけれども、大臣の受け止めはどうでしょうか。
#174
○政府参考人(須賀田菊仁君) 基本的に、過去どの程度低落したかということを見ながら自分たちの負担というものを考えていくということで、こういう行動に出ておられるというふうに認識をしております。
#175
○紙智子君 価格が暴落をした場合に、平均価格の七割を最低基準価格に設定すると、幾ら価格が下がってもそこまでは保証されないわけで、結局泣くのは生産者だと思うんですね。
 農水省は、今回、最低基準額の特例の下限を下げる措置を取るというわけですけれども、国庫負担率の引上げなど都道府県の負担、ここを軽減する対策を取るべきだと思うんです。そこをやらないと、名目上のカバー率は上がっても実際には薄く広くなるだけで、生産者は価格が下落しても十分補てんが受けられないということになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#176
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、先ほどの特例を選択した場合、実績どうなっているかといいますと、特例を選択してそれを下回ったのは全体の一割でございますので、有効に機能しているんではないかというふうに私どもは認識をしております。
 そして、今回、先生おっしゃったように、五〇%、五五%を更に下回るというケースも見られましたので、平均価格の五〇あるいは四五といった最低基準額の特例措置を設定できるように制度の拡充を図ったわけでございますけれども、この拡充部分についての地方公共団体の負担といったものについては、地方交付税措置についても併せて措置していただくということにしているところでございます。
#177
○紙智子君 衆議院の審議でも、今回の価格安定制度の改正が、構造改革を目指す者への経営へのセーフティーネットの構築という性格を持つというふうに生産局長、この趣旨の答弁をされています。契約栽培を対象に加えたのもその一環だと思います。
 であるならば、大臣にお聞きしますけれども、構造改革で推奨している高付加価値タイプですね、規模拡大は困難だけれども、有機栽培や産地の特産品種など、特色ある野菜栽培に取り組む産地に対してもこの価格安定制度でカバーして当然だと思うんですが、しかしこの指定産地制度というのは継続ということですし、大産地しか対象にならないわけですね。それからまた、特定野菜の制度についても、品目については国が決めている、だから都道府県の判断で地域の特産品を対象とすることができないわけですけれども、これについては見直しが是非必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#178
○国務大臣(武部勤君) これまでも、見直しというものを時代とともに、また消費者のニーズ、地域のニーズ、それに合わせてやってきたわけでありますので、私は、今お話がありましたような今後見直しの検討ということは、当然この需給及び価格の状況等踏まえまして、必要に応じ検討していく必要性を感じております。
#179
○委員長(常田享詳君) 時間が来ておりますので、まとめてください。
#180
○紙智子君 大臣が重要だというふうにおっしゃっている地産地消、これ私も非常に大事だというふうに思っていますけれども、この地産地消というのは大規模産地だけ育成すればいいということではないと思うんですね。地産地消は、生産者と消費者の距離が近いから農産物の移動も短くて済むし、輸送コストも安い、包装コストも軽減できる、環境に対する負荷も低いと。
 ですから、そういう取組もやはり価格安定制度という形で支援すべきだということで、全体を安定制度の中に含めてもらうという見直しを求めて、質問を終わらせていただきます。
#181
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本でございます。
 朝から野菜出荷安定の法律についての御議論でございますが、朝から岸先生を始めとして、皆さんもう既に質問の中に出ております輸入野菜、私もこれについて実は質問を準備したんですが、大分もう私が聞こうと思うことを皆さんお聞きになりましたので、その点は避けて、残った分について聞かせていただきたいなと、こう思っております。
 国内の出荷を安定させるという裏の問題が、輸入をどうするかと、輸入の動向に非常に関連があるということはもう今まで議論の中で出ているわけですけれども、私は輸入野菜の問題を、私自身についてはいわゆる食料自給率という視点からとらまえておりまして、もちろん野菜が、これはカロリー自給率、今盛んに言われているカロリー自給率四〇%だ四五%だというのとは関係はないでしょうけれども、微量栄養素、人間が生活していく上で大変大切な農産物であるというふうに考えておりますので、そういう意味からも、自給率というのはしっかり確保しなければいけない。
 これ午前中の質問の中でも、野菜の自給率、私いただいたのでも、たしか十二年で八二%ですか、カロリー自給率としてはずっと高いわけですが、実は野菜なんというのは私は大体入ってこないんじゃないかというふうな見方をしていたんですけれども、それがこれまで入ってくるとなると、これは大変なことになるんじゃないのかなというような感じがするわけですけれども、こういう数字ですね、数字を見る限りずっと減ってきているわけですね。こういう傾向というのは今後どういうように推移していくとごらんになるのか。いわゆる商取引ですから、WTOの下の商取引ですからやむを得ないと、そのままに任せるのか。それであっても、セーフガードがありますから一定の歯止めはできるんでしょうけれども、まあ商取引としてこういうものでやむを得ないというふうに見るのか。
 私は、食料自給率の問題、前にも申し上げましたけれども、これは価格と品質、価格か品質で勝てないと自給率が上がらないというふうに見ておりますし、その品質の中に安全性と栄養価というもので考えるということが、視点があると思っておりますけれども、まず野菜のこれからの動向について農林省はどんなふうにごらんになっているのか、お聞かせください。
#182
○政府参考人(須賀田菊仁君) 野菜の取引でございます。やはり状況を見ますと、量販店と加工業者、外食業者でほとんどを扱われているわけでございまして、そういう実需者の方々が求めるのは、定量、定質、定価ということでございます。
 私ども、今後の対策を考えていく上で、やはりそういう定量、定質、定価といったものに対応して取り組んでいかなければ、目標であります自給率八七%の達成というのは困難ではないかというふうに考えておりまして、そういう観点で、三種類のタイプの構造改革を推進していくということで、低コスト化タイプ、契約取引のタイプ、高付加価値化のタイプという三つのタイプに分けまして、それぞれの産地でそれぞれ選んでいただきまして、それに即した支援を行っていくということを考えているところでございます。
#183
○岩本荘太君 今のお話ですと、何か価格競争するのかなというような感じで受け取るんですけれども、そうであれば、今までも随分これ努力してきていますよね、農家の方。価格を安くしよう、いい品質のものを作ろうと。それでいて、今自給率がどんどんどんどん減っていく状況であるということは、結局は商取引に任せざるを得ないのかなというように私には受け取られて、今のお話はそういうふうに翻訳されちゃうなと、そういう翻訳しかできないなというふうに思うんですけれども。
 それに対して御意見があればお聞きしたいんですけれども、もしそうであれば、安全性といいますか、品質の面と安全性というものをもっとしっかりと、価格とか何かもいいんでしょうけれども、それは、私が聞かせていただくと、どうもお経でしかないような、過去のあれを見ますとね。それよりももっと、安全性とか栄養価についてのもっと新しい切取り方でやった方がいいんじゃないかと思うんですが。
 まず、安全性なんですけれども、今日もいろいろ議論出ております。安全性をチェックするというのは、私なりに考えますと、いわゆる一つは産地でどういう栽培をしているかということがあろうと思うんですね。それともう一つは、水際でどうチェックするかということになろうと思うんですけれども、産地の対応ですね。
 まず一つとして、私がいただいた資料の限りでは、生鮮野菜については平成十三年度でほぼ中国が五〇%近いシェア、非常に大きいのは分かるんですけれども、これほかの国というのは大体どういうところなんですか。
#184
○政府参考人(須賀田菊仁君) 中国のほかは、米国、韓国といったところでございます。
#185
○岩本荘太君 それで、先ほど来聞いておりますと、中国については現地に行っていろいろ調査されているというようなふうなお話もございましたけれども、これは、一つは、日本に持ってくる産地というのは特化できるんですか。どこのものを持ってきているということは大体特化できるわけですか。
#186
○政府参考人(須賀田菊仁君) 主な産地は山東省でございます。
#187
○岩本荘太君 同じ山東省でも広いと思うんですよね。やっている農業全然違うと思うんですけれども、どこの産品が持ってこれるか分からないと、現地へ行って調べたって意味がないわけだと思うんですけれども。
 その辺で、中国ばっかりでない、アメリカにしたって本当にそうなのかどうか、事は日本人の消費者の、日本の消費者の安全性の問題ですから、アメリカだからといって見逃すわけにいかないと思うんですけれども、その辺の現地の調査というのはどんな対応をされているんですか。
#188
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど来、厚生労働省の方から答弁ございましたけれども、国内の検査におきまして、中国産の野菜から食品衛生法で定める残留農薬基準を超えた農薬が検出されたということもございます。私どもがやっております市販の中国等の輸入野菜を検体といたしまして残留農薬分析を実施した結果、中国産のサヤエンドウ一検体から基準を超過するというものが見付かったと。
 そこで、中国へまず優先的に行くということで、これまで二回、中国の調査をいたしまして、二回目には青島、香港といった産地も訪れまして、中国の担当者からは、輸出用の野菜は、輸出用の野菜というのは中国から見て輸出用でございますけれども、輸出用の野菜は国内向けの野菜と異なりまして輸出先国、日本でいえば日本ですけれども、日本の残留農薬基準を満たすように農薬散布を実施しているんだということ、それから輸出用の野菜は検査に合格しないと輸出しないようにしていると、こういうことを伺ったわけでございますけれども、したがって中国野菜は安全だという説明を受けたわけでございますけれども、裏付けとなるデータ等がまだ得られていないということが一つ。
 それから、香港におきましては、中国本土から移送されます野菜を原因とする食中毒事故、これが今でも一けた台ながら発生をしているというようなことがございまして、これ今回の現地調査で改めて確認されたわけでございます。
 こういうことで、引き続き調査が必要であるというふうに考えておりまして、厚生労働省と連携の上、六月に再び専門家を派遣したいというふうに考えているところでございます。
#189
○岩本荘太君 別に中国のことを非難するわけでないですけれども、現実にいろんな問題が出てきていますよね。それと、やっぱり日本人が食べるものですから、日本の例えば農林省がお墨付きを付けられるようなものであれば、それはひとつ安心して食べられると思うんですよね。
 そういう意味で、今お聞きしますと、必ずしも今まではやってなかったけれどもこれからやるというような感じ、現地調査を。そうしたときに、一つは、やっぱり日本で使っていない農薬を使うというようなことがあったら、それはしっかりと把握されて、場合によってはそういうことを日本の消費者に公表しなきゃいかぬ。安全性、きちっとは分からないでしょうから、そういう周辺情報をしっかり日本の消費者に公表して消費者に選択権を与えるべきだと私は思うんですけれども、そういう意味で、これは外国だからということじゃなくて、私も経験がありますけれども、後ほどもちょっと申し上げますけれども、DDTなんか、日本では国内で使えないときに、東南アジア各国では、どういう理屈か、どういうふうな根拠かは分かりませんけれども、相当使っているという実績があるわけですよね。
 そういうものが分かったら、そういうところから入ってきた野菜、そういうところから入ってきているんですよということで、消費者に選択権を与えなきゃいかぬ。それでも食べるというんであれば、安いからいいというんだったらそれはやむを得ない。だけれども、そういうふうな仕事を是非私は農林省にやっていただきたいと。厚生省と連携される仕事かもしれませんけれども、そういう営農の実態をしっかりと、そこは農林省が専門ですからしっかりとつかんでいただきたいと、こういうふうに思っております。
 それともう一つは、水際の対応、これはむしろ厚生労働省の方なんだと思うんですけれども、これで一つ、大体、食品検疫ですか、これ残留農薬というのはどんなロットというか、どんな検査をされるわけですか、その単位といいますか。
#190
○政府参考人(尾嵜新平君) 基本的には、輸入食品の検疫と申しますか、につきましては、届出単位ごとにやるということでございます。届出件数がその量にかかわらず一件ということであれば一件というふうにカウントいたしまして、例えば十件ございますと、その率で、モニタリング率を例えば一〇%というふうに申し上げますと、十件のうち一件を取るということでございます。その一件も、例えばコンテナで参りますからかなりの数量が参るわけでございます。そういった中から、コンテナの中の箱を、梱包されておりますから、箱の数が何十とか数が多いわけでございます。その箱を、またその中から箱を幾つか取り出して、その中のすべてを検査するわけでございませんで、その中のまた野菜のサンプリングをすると、そういうのが実態でございます。
#191
○岩本荘太君 それともう一つは、これは輸入する場合にかなりずっと系統的といいますか、一回輸入すればずっとその同じルートで同じ会社から入ってくるというようなことが多いと思うんですけれども、そうした場合に、これ大変失礼なことかもしれませんけれども、私、今日こういう質問をするということを申し上げましたら、ある人が、系統的にやる場合は、系統的にずっと入ってくる場合は、最初やれば後はやらないんだと、やらなくていいんだというようなふうな受け止め方をされている人もおるんですけれども、そういうことは絶対ないですね。
#192
○政府参考人(尾嵜新平君) モニタリングのパーセントと申しますか、それをどれぐらいにするかというのは、品目によって異なっておりますが、その際には、例えば今お話がございましたように、一回入ってきて、その後、検査をやっているわけでございますが、そのときの違反がどういう状況であるかという過去の違反状況というものを一つ勘案いたします。それと、入ってくる量が、例えば増加が激しいというふうなものについても、そういうものを勘案してサンプリング率を上げるというふうなことで、すべての輸入食品が同じサンプリング率ではございませんで、今申し上げましたような要素、それと危険度と申しますか、そういったものを勘案した形でのサンプリング率を定めておるという状況でございます。
#193
○岩本荘太君 今のをかみ砕いて私なりに解釈させてもらえば、最初にあるものが入ってきたと、サンプリング率が一〇%だと、そうしたら十分の一のものをサンプリングして検査したと、それ翌年になって同じものが入ってきたと、そのときも同じように検査すると。モニタリング、要するにサンプリング率が一〇%ならそれ十分の一の検査をすると、こういうふうに理解してよろしいですか。
#194
○政府参考人(尾嵜新平君) 必ずしも昨年と同じ数字になるというわけではございませんで、例えば、今申し上げましたように、違反がその年に見付かったということになれば、そのサンプリング率は上げるというふうなこともございます。逆に、違反がずっと出なかったというふうなものについては、サンプリング率をそこの部分では下げるというふうなことはございます。
#195
○岩本荘太君 最初の年だけしっかりやれば後は大丈夫だと、こういうふうになっちゃうんですよ、今のやり方ですと。その辺は、これしっかり監視していただきたいと思いますよ。それは、人間のやることですから、いつも信用をもって、最初やれば全部やるかもしれませんよ。あるいは、食物検疫なんか、いろんな面で安心できればそのままやるという実態は私知っていますよ。知っていますけれども、今言ったようなことをやられるような状況に置いちゃいかぬと。これは私はまさかそんなことないだろうと思ったら、今のお話聞いたら必ずしもないわけじゃないような印象を受けましたので、今愕然としたわけですけれども、これはひとつよろしくお願いいたします。
 それともう一つ、これ、残留農薬検査いたしますよね。私、この残留農薬の基準一覧を見てちょっと愕然としたんですけれども、BHC、DDTという項目が載っているんですよ、一つの基準値として。これをクリアしたらいいんだと。私ども、私と同じ年代の方おられると思いますけれども、これは物すごくDDTとかBHCというのは便利な農薬だったわけですよね、昔は。ノミの、シラミで同年代の女の子なんて頭の毛を真っ白にしてかぶせられたと。こんないいものはないと思っていたのが、これは物すごい危険なものだということで、それでやめたと私は理解していたわけですよ。ところが、今、外国から来るものの中にはこれが入っているんですね。だから、今は外国でこういうものを使っても基準値をクリアすればいいというふうに考えておられるわけですな。
#196
○政府参考人(尾嵜新平君) 確かに、農林水産省の方で農薬取締法で登録をするという手続になっておりますから、国内の農薬についてはその取締法の中での整理がされております。
 私どもの方は、残留農薬の関係につきまして、どういったものが使われているかというのは国々によってかなり差があるわけでございます。今御指摘のDDTなりBHCなり、そういったものにつきましては残留基準を過去に設定をして現在も生きております。それはどうしてかと申し上げますと、国際的な基準を定めるコーデックス委員会、もう岩本先生はよく御存じだと思いますが、コーデックス委員会というのがございます。そこで、こういったDDTなりBHCについては残留基準が定められておりまして、この基準を満たせば人体に対する影響はないという判断がされている中身でございます。
 そういったことで、私どもは、国内の使用されるという前提ではなしに、どちらかといいますと、輸入食品としてDDTがあるいはBHCが使われている国があると。例えば、アメリカではBHCはまだ使われているというふうに理解しておりますが、そういったものについては検査で基準値を超えるものは取り締まると、そういうことで基準値を設けておるという状況でございます。
#197
○岩本荘太君 今のお話で、国内では禁止されているわけですよね。だけれども、外国から来たものはこういう基準値になっていると。これは、こういうことがあっちゃいけないのかもしれませんけれども、国内でこういう基準値が保てるといってDDTなりBHCを申請したら、農林省どうするんですか。
#198
○政府参考人(須賀田菊仁君) これは四十六年の四月に農薬取締法を改正をいたしまして、DDT、BHC、ともに販売禁止ということにしておりますので、そんな申請が来てもそれは受け付けないということでございます。
#199
○岩本荘太君 そうしていただきたいんです。
 だけれども、現実には外国からのはオーケーになっているわけですよね。一つこれから言えることは、恐らく、DDT、BHC、まけた方が殺虫なり何から便利だと思うんですよ。ここで生産者の差が出ちゃうんですよ、小さいことかもしれませんけれども。これだったら、外国から来た、安いの当然じゃないですか。これはだから、僕は日本でDDT使えとは言いませんけれども、こういうものはきちっと、恐らく厚生労働省は、これは科学的な根拠になるんでしょうけれども、それはこういうことをしっかりと消費者に公表していただきたいんですよ。それで選択をさせてもらいたい。そうでなかったら、幾ら抑えようと思ったって、安いのは当たり前ですから、どんどん入ってきちゃう。そういうところに差別性といいますか、そういうものを私は見付けなきゃいかぬというふうに思っております。その辺、ひとつよろしくお願いいたします。
 この点について、もし大臣、何か一言ございましたら。
#200
○国務大臣(武部勤君) 非常に大事な問題でありまして、食の安全、安心という確保のためにも、厚生労働省とも連携を取って、農林水産省には輸入野菜等に対する対策本部も作っておりますが、その本部長は遠藤副大臣でありますけれども、しっかりした対応に努めてもらいたいと、このように思います。
#201
○岩本荘太君 今、一番元気のある大臣だという評判でございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 それともう一つ、先ほど言いました、時間がちょっとありますので、栄養価という面で私はかねがね思っているんですけれども、生鮮野菜というのは時間の経過とともにいわゆるビタミンとか何かですから破壊されやすい、ああいうものは時間の経過とともに随分と変わってくるんじゃないかと、成分がですね。その辺をしっかり消費者にPRでもないですけれども、こうなんですよと言うことによって、言葉の上で地産地消、身土不二と言っておられる、それが具体的な姿になるんじゃないかなと。
 私自身の経験でいいますと、これは、私、県におりましたけれども、なかなかやらないんです。何でやらないのか分からないんですけれども、これは恐らくやるとそういう流通業者から圧力来るのかなという心配もするんですけれども。しかし、今みたいな状況の中では、そういうようないわゆる生鮮野菜なんかをそういう栄養価の面からしっかりとらまえると。たしか栄養分析で有名な何か本がありますけれども、分析表がですね。あれなんかも、最近、時間的経過じゃないけれども、季節によって成分が変わるというようなことに記述が変わってきたというようなことも聞いておりますけれども、この辺の取組について農林省としてはどんなお考えで、将来こんなことも考えていただけるのか、御答弁をお願いします。
#202
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど小川先生からの御質問もございました。野菜に含まれる成分といいますのは、収穫してから時間がたちますと、一般的にはミネラルとかカロテン、こういうものは変化少ないわけでございますけれども、ビタミンCや糖は低下するということが言われておりまして、こういう栄養成分の保持という観点からも、先生言われました地産地消ということを推進することが重要であるというふうに思っております。
 今般大臣策定されました「「食」と「農」の再生プラン」の中でも、新鮮でおいしい「ブランド・ニッポン」食品の提供ということに取り組むこととしておりまして、その一環といたしまして、掛け声倒れに終わらないように、地産地消というものを積極的に推進したいというふうに思っているところでございます。
#203
○岩本荘太君 それと、これ質問じゃないですけれども、地産地消の中で、僕は一つ大きな要素というのは環境問題で、輸送によるCO2の削除という、CO2が発生するその削除という面もあると思うんですね。私、試算してみましたけれども、非常にまだ小さいんですけれども、これは専門的に農林省や何かでその辺の研究もされて、環境問題への取組としてやっていただきたいなと、こんなふうに思っております。
 時間一、二分残しましたけれども、通告したのが終わりましたので、これで質問を終わります。
#204
○中村敦夫君 今日は追及型の質問じゃないんで、リラックスして思うところを答えていただきたいと思います。
 最初に、野菜消費の減少について生産局長にお聞きします。
 近年、野菜の消費が減少を続けていると農水省も発表していますね。特に、国民一人当たりの年間消費量で見ると、緑黄色野菜、これは消費量は増えている。しかし、大根だとか白菜といった伝統的な重量野菜の消費量が減少を続けているというふうになっていますね。
 野菜はビタミン、ミネラル、繊維の供給源で、健康上の観点からもっと消費されてもいいんじゃないかと思いますけれども、政府の健康政策、健康日本21というのに、各栄養素の摂取について、特定の成分を強化した食品より、野菜などの通常の食事によることが望ましいというふうに書かれてありますね。しかし、これだけの健康ブームなんですね。野菜の消費量が減っているというこの理由について、農水省はどういうふうに分析しているのか、またその消費量を増やすために何か対策を練っているのかどうか、ちょっとお答えだけしていただきたいと思います。
#205
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃいますとおり、野菜といいますのは、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む食品でございまして、がん等の生活習慣病の予防にも効果があるというふうに言われております。残念ながら、近年、我が国一人当たりの野菜消費量、若年層を中心に減少をしておりまして、最近十五年間で一割弱減少をしております。
 私ども、この野菜の消費が減少している理由でございます、三点ばかりの要因があるんではないかというふうに分析をしておりまして、一つは、洋食、洋風メニューの増加等によりまして、煮物でございますとか漬物等に用いられる大根、白菜等のいわゆる重量野菜の消費が減少しているのではないか。二つ目に、サラダ等、生食の機会は増加しているわけでございますけれども、生での摂取は加熱調理した場合よりもかさが張るということで量を取りにくくなっているのではないかと、加熱調理を嫌がるのではないかということでございます。三つ目は、やはり独身世帯というんでしょうか、独り世帯だとか共働き世帯が増加する中で、下ごしらえが必要という手間の掛かる野菜料理が敬遠されつつあるのではないかというふうに私どもは分析をしているところでございます。
 こういう状況、アメリカでもファイブ・ア・デーということで、がんの団体とタイアップいたしまして、野菜の消費拡大というものに努めているというふうに聞いております。そういうようなことも念頭に置きながら、食育といったものの一環といたしまして、医学、栄養学、あるいは教育関係の学識経験者に生産者団体等を入れました協議会を設けまして、野菜の摂取の重要性の啓発に関する消費拡大活動というものを推進しているところでございます。特に、そのがん等の生活習慣病の増加などで健康への悪影響が懸念されていることについての啓発でございますとか、無理なく必要量を取るためには生よりも加熱処理をした方がいいとか、あるいは、簡単でおいしい野菜料理のレシピの紹介でございますとか等々の活動を積極的に展開をしていくこととしているところでございます。
#206
○中村敦夫君 対策はやった方がいいと思うんですけれども、もっと食べなさいということなんですよね。しかし、これ不思議な質問かもしれませんけれども、人間というのは胃袋の大きさというのは限界があるわけですから、野菜をたくさん食べましょうと言ったらば、じゃ、その代わりほかの食品食べるのを控えましょうということになるわけですよね。
 農水省としては、野菜をたくさん食べてもらう分に、その分どの食品を控えた方がいいと考えているのか。つまり、全部どの食品もみんな増産して安くして食え食えと言ったら日本人みんな病気になってしまいますよね。ですから、肉か魚介類か穀物か、それぞれの振興政策との整合性を含めてどう考えているのか。
#207
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、食生活、健康面から申しますと、我が国の食生活、近年、畜産物、油脂の消費が増大をしておりまして、たんぱく、脂質、炭水化物、いわゆるPFCバランスが崩れてきておりまして、特に脂質摂取の過多と、たんぱくも少し出ておりますけれども、脂質過多という傾向にあるわけでございます。一方で、カルシウム等の微量栄養素、食物繊維が不足傾向にあるという状況にございます。
 こういう食生活がゆがんだ状態で続きますと、やはり心臓病、糖尿病などの生活習慣病というものを招くという観点から、先ほど先生言われましたけれども、平成十二年の三月に食生活指針、健康日本21といったものを定めまして、まず脂肪の取り過ぎはやめようということで、動物、植物、魚由来の脂肪をバランス良く取るということ、野菜は、ミネラル、ビタミン、食物繊維をたっぷり取りましょうということとしておりますし、特に緑黄色野菜等でカルシウムを十分取りましょうということでございます。
 具体的に品目で言わせていただければ、消費の姿としては、やはり脂質等に影響をいたします油脂、それから豚肉、鶏肉、鶏卵、こういったものを控えましょうということになっておりまして、逆に野菜、果実はもっと取りましょうと。それから、炭水化物が足りませんので、要するに米、麦、これはもっと食べた方がいいと、こういうことになっておりまして、そういうことで望ましい食料消費の姿として食生活指針というものをお示ししておるということでございます。
#208
○中村敦夫君 脂肪とかたんぱく質の多過ぎるものを控えるようにということですけれども、やはりそれと産業政策とある程度整合性を持たないと、そっちはそっちでどんどん振興するという話だと矛盾してしまうわけですね。
 しかし、人間というのはコンピューターで栄養分計算しながら食事をするわけじゃなくて、おいしいものを食べるわけですよね、基本的に。ところが、野菜食べない理由もいろいろ説明されましたけれども、基本的においしくないんですね、最近の野菜が。これは、つまり農薬や化学肥料などを駆使して、とにかくしゅんというものと無関係に大量に画一的に生産しているその結果であるというのが大方の見方なんですけれどもね。実際、有機野菜なんかの場合は、大きさとか形ばらばらですけれども、やっぱりおいしいですよ、全然。味が違うということがあります。
 そこで、こういう驚くべき結果が出ているんですが、四月十九日の日経新聞によりますと、子供が野菜の味を分からなくなってきているというデータが出ているんですね。記事によりますと、子どもの生活科学研究会というのがありまして、三歳児から六歳児までを対象にした調査では、ナス、大根、タマネギ、ネギ、この味が分かる子供は三割以下しかいないんだと。どれもその違いが分からないんですよ、これ。えらい話になっている。世界じゅう私は旅しているけれども、日本人も微妙な味を使い分ける数少ない民族の一つだと思うんですが、この違いも分からなくなってきているような状況があるということだと思うんですね。
 私は、やっぱりこれは、どうも日本の農業、これ農政の方針だったのか知りませんが、どうもアメリカ型の農業にあこがれ過ぎて、その後追いをし過ぎたんじゃないかなと。しかし、そもそもアメリカ農業というと、一戸の農家が千ヘクタールぐらいをヘリコプターで農薬をまき、機械で刈り入れするというような大規模なものですよね。そして種類を一定して、生産性とか経済性とかそういうものを重視してやるということですけれども、実を言うと、これ、一見すごく経済的で効率的でいいように思いますけれども、こういう一つの方法で大規模な土地をやるということは、何か一つ悪い原因があっただけで壊滅していくというリスクが大きいわけですね。
 それと、やっぱり石油をばんばん使いますから、投下したそのエネルギー量と上がってくるエネルギー量とでは全然バランスが悪いと。エネルギー投入過剰になるような、非常に環境に悪い農業方法だと思います。そしてしかも、当然のことながら、食べ物としての危険性は付きまといますよね、農薬や何か非常に多量に使いますから。
 それに比べて日本の農業というのは、本当に一ヘクタールぐらいの土地ですね。狭い土地にたくさんの品種を連作をしたり工夫を凝らして作ってきて非常に生産量が高かった、伝統的な農業というのがあったんですね。それを、何というか、アメリカ型の効率主義の農業に何か切り替えよう切り替えようというふうにして、本来の日本の農業の良さというものを無視している部分が非常に強いんじゃないかと。
 今回の改正案に対して、基本的に私は、いろんな農業の問題の混乱した暫定的な措置として容認いたしますけれども、そこだけがすべてだということになると、通年生産とか大量生産、画一生産という、いわゆる農業の工業化ということをどんどん進めると、まずい野菜が出てくると。つまり、食料じゃなくてえさを作るというような、そういう形であって、本来のあるべき姿に逆行するのではないかなというような気もしますけれども、これは大臣、どうでしょうか。
#209
○国務大臣(武部勤君) 私は、契約取引というのは、今、先生がおっしゃったように、定量、定価、定質を求めることだけではないと、このように思っております。契約取引というと、何かそういう大量生産、画一性ということを追求というふうに思うかもしれませんが、別な角度から見ますと、消費者と生産者の顔の見える関係、直接生産者と消費者がつながるということなんです。
 今、流通システムというのは農協があったり卸売市場があったり、ですからこれは従来の考え方で規定すべきじゃないと思っておりまして、ただ、現行の野菜生産出荷安定法におきましては、大規模・遠隔地から大都市を中心とする都市部へ安定供給を図るというために、卸売市場を経由して規格大量流通する野菜を価格安定制度の対象としてきたところでありますが、やはり消費者のあるいは実需者のニーズが多様化しているわけですし、高度化してきているわけですし、当然それに対応する形で、特色のある多様な野菜や安全性、鮮度、季節感等を求める消費者が増えているということも事実でありますし、実需者側からは、卸売市場経由だけではなくて生産者と直接取引、多様な流通ルートが求められているということからも言えると、こう思っておりまして、そういう意味で、消費者に軸足を置いて消費者第一のフードシステム、フードチェーンということを念頭に置いて構築しているわけであります。
 私は、今年入省した新人の職員の前で言ったんですけれども、五感を働かせと、こういう訓示をしたんです。我々、どうも近代文明に支配されて、どうも視覚の方ばかり行っているんじゃないか。触覚だとか聴覚だとか、耳を澄ませて風の音を聴くとかあるいは味覚だとか、そういったことを私は広めていきたいと、そういうことを取り戻していきたいと。
 それが「「食」と「農」の再生プラン」でも申し上げております「ブランド・ニッポン」農産物の供給と、こういうふうにうたっているわけでございまして、今後、複雑な規格の簡素化による生産、流通の効率化、省資源化の促進、地域特産品種、有機栽培野菜等の高付加価値な野菜供給の推進、多様な流通ルートの整備と地域の量販店への小回りの利いた対応の促進、言わば地産地消の促進ということ等を期待しているわけです。
 契約取引というのは、直接消費者と生産者の間の契約、そこに小売店、量販店等が媒介すると、こういう考え方でございます。
#210
○中村敦夫君 近ごろスローライフという考え方が世界じゅうに広がり始めて、日本でもそういうことに関心を持つ、特に若い人や女性が増えてきているんですね。
 例えば、ここに「スロー・イズ・ビューティフル」という本があるんですが、これは私の知り合いの文化人類学者、辻さんという人が書いていますけれども、これが少数部数で発行したのがどんどん増版を重ねていくというところで、実際にこういうものを求めている人々が潜在的に多いんだというふうに思いますけれども。スロー・イズ・ビューティフルというのは、やみくもの経済至上主義、いつまでたっても競争で明け暮れていって、どんどんその結果、環境破壊をしたり、戦争が起きたりするような今までの社会に対して、もう人間の限界が来たんじゃないか、地球の環境とかあるいは資源の限界が来たと。
 つまり、石油が基本になってきたこの文明、それも埋蔵量ももうあと四十年ですから、二十一世紀はもうそういう時代じゃなくなるんだろうと。そうすると、命の問題というものが本当に一番のテーマになってくるというような時代で、もうみんなで急ぐのをやめようじゃないかと。ゆっくり、健全な食べ物を作り、そしてそれを楽しみながら、人生を楽しもうじゃないかと。一回ここでストップしてUターンしようじゃないかというのが基本的な考え方ですが、最もその中の中軸となっている考えがスローフードの運動なわけですね。
 スローフードというのは、マクドナルドに代表されるファストフードに対峙する考え方ですよね。規格化された大量生産の食品が世界じゅうを支配していくということに対して、やっぱり味というものにうるさい文化を持ったイタリアから始まっているわけですね。イタリアの小さな村から始まって、今はもう世界じゅうにそれが広がってきている運動ですね。
 これは、日本にも身土不二とか地産地消という言葉は昔からあるとおり、そういうものがあったわけですけれども、とにかく、その土地で生産され、その時期に、季節にできるものが一番の有り難いものだと。それを腹八分目。何でもかんでも食い尽くして、何でもかんでも金にするというような浅ましい考え方はやめようというふうに人々が思い始めたということなんですね。
 しかし、日本の国というものはそうじゃなくて、経済成長、効率、それをひたすらに求めて政策というものが今まで出てきて、明治維新以降そうせざるを得なかった部分はあったかもしれないけれども、今や二十一世紀になってそのツケが回ってきた時代に、やはりこうした哲学そのものを転換するというのが、国が、実は必要なんではないかと。しかし、小泉内閣の中では、マクドナルドの株を持っているような竹中さんが経済の中心になって、ある人はマック竹中なんてあだ名を付けていますけれども、そうなると、これは対極の考え方にあるというふうで、どうもこの内閣ではそっちの方向への転換というのは難しいんじゃないかなと思いますが、大臣としてはこのスローフードの運動についてどんなふうな感想を持っているか、お願いします。
#211
○国務大臣(武部勤君) 私は、スローフードとかスロータウンとかというようなことは知らなかったんですけれども、私は、都市と農山漁村の共生・対流ということを就任したときに掲げまして、これは正にスローフードの思想だと自負しているわけでございます。やはり自然、健康、生きがいと。
 農村と都市で行き交う二重生活と言ったら、ちょっと、こっちにも奥さん、こっちに彼女と、こういうふうに言う人もいまして、余りいい言葉でないと。むしろ、アドバイスしてくれた方が、農都デュアルライフと。私も余り横文字を使うのは好きじゃないんですけれども、農都デュアルライフと。ああ、なるほど、その意味は分からなかったけれども、ぴんとくるなと。
 そういう感じでありまして、先ほども言いましたように、「ブランド・ニッポン」とかそういう農都デュアルライフとか、私は市場原理に基づく競争政策というのは確かに大事だと思います。しかし、一方において、公共原理に基づく共生政策みたいな考え方というのは非常に大事じゃないのかな、こう思いまして、「「食」と「農」の再生プラン」、最初は農場から食卓へと、こう言っておりましたけれども、これ、ある人にまたアドバイスを受けまして、まだ武部さん変わっていないと。すかさず、食卓から農場へと、顔の見える関係の構築と、新鮮でおいしい「ブランド・ニッポン」食品の提供ということをこれから努力して大きな政策転換を図っていきたいと思いますが。
 小泉総理も、美しい日本の維持、創造というのが、小泉改革の向こうに何があるんだと私が尋ねたときに、美しい日本の維持、創造と、そういうふうにおっしゃいました。ですから、小泉さんは、今、中村委員がおっしゃったようなスローフード派だ、私はこう思っております。
#212
○中村敦夫君 ほとんど材料も根拠もないのに経済大国再生というのが小泉さんのスローガンだったようですから、ちょっと本当にスローフード派かどうかというのは疑いを持っておりますが、質問は終わります。
#213
○委員長(常田享詳君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#214
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、国井君から発言を求められておりますので、これを許します。国井正幸君。
#215
○国井正幸君 私は、ただいま可決されました野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派並びに各派に属しない議員中村敦夫君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    野菜生産出荷安定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  野菜は国民の健康と食生活及び農業生産において重要な地位を占めているが、近年、野菜をめぐる状況が急速に変化しており、消費者や実需者の多様なニーズに即した国産野菜の安定的な供給を行う体制の確保が喫緊の課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 輸入野菜の急増が、野菜経営に及ぼしている影響を踏まえ、国産野菜の安定的な生産・供給体制への取組を強力に推進するとともに、これと調和した秩序ある輸入体制の確立を図ること。
   また、輸入野菜の安全性等について多くの国民が不安を抱いている現状にかんがみ、残留農薬等の検査体制の強化、その他輸入検疫の見直し等による輸入野菜の安全確保対策の拡充・強化を図ること。
 二 野菜供給体制の構造改革については、生産、流通の両面で施策の効果・実効性があがるように推進するとともに、今後の経営所得安定対策の検討の推移を踏まえ、かつ、消費者の利益にも十分配慮しながら、野菜価格安定制度のあり方について必要な見直しを行うこと。
   併せて、指定産地の指定要件及び制度の対象品目について、生産、消費の実態に即し、適宜見直しを行うこと。
 三 契約取引制度の導入に当たっては、生産者、実需者等においてモラルハザードが発生することのないよう監視体制の整備など万全を期するとともに、野菜供給安定基金及び都道府県の野菜価格安定法人に対しては、契約の様式・内容の適格性審査を含め、新たな制度の円滑な推進のため適切な業務運営が確保されるよう指導すること。
 四 新たに生産者補給金制度の対象となる大規模生産者については、野菜の安定供給及び野菜農業の担い手育成に資するよう適正な基準を設定するとともに、その認定が公正かつ円滑に行われるよう努めること。
 五 野菜の需給と価格の安定を図る観点から、需給調整が適切に行われるよう情報の収集・管理及びその積極的な提供を行うとともに、大規模生産者を含め生産者団体等の需給調整活動が適切に行われるよう指導すること。
 六 野菜消費の減少が国民の健康に及ぼす影響が懸念されることから、「食生活指針」のより一層の普及・定着、学校教育における栄養や健康に関する教育の充実に努めるなど野菜の消費拡大を図ること。
   また、国民の間で食の安全に対する不信が生じている現状を踏まえ、表示の適正化の強力な推進と農薬の適正使用についての指導体制の一層の強化を図るとともに、国民が安心して良質な野菜を選択できるようトレーサビリティシステム(生産・流通履歴情報の追跡システム)の推進について検討を行うこと。
 七 国産野菜を安定的に供給できる産地を育成していくため、国の野菜対策の充実を図るとともに、野菜価格安定制度の重要性を考慮し、都道府県に対する地方交付税措置の確保等所要の措置に万全を期すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#216
○委員長(常田享詳君) ただいま国井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#217
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、国井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武部農林水産大臣。
#218
○国務大臣(武部勤君) ただいまは法案を可決いただきまして、誠にありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
 ありがとうございました。
#219
○委員長(常田享詳君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(常田享詳君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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