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2002/05/23 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 法務委員会 第16号
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2002/05/23 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 法務委員会 第16号

#1
第154回国会 法務委員会 第16号
平成十四年五月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     江田 五月君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高野 博師君
    理 事
                市川 一朗君
                千葉 景子君
                日笠 勝之君
                井上 哲士君
    委 員
                青木 幹雄君
                岩井 國臣君
                柏村 武昭君
                佐々木知子君
                陣内 孝雄君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                角田 義一君
                浜四津敏子君
                平野 貞夫君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       法務副大臣    横内 正明君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  下村 博文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       法務大臣官房長  大林  宏君
       法務大臣官房司
       法法制部長    寺田 逸郎君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       法務省入国管理
       局長       中尾  巧君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省総合外交
       政策局長     谷内正太郎君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (瀋陽総領事館事件及び大阪高等検察庁前公安
 部長の逮捕に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十二日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高野博師君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に法務大臣官房長大林宏君、法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、法務省刑事局長古田佑紀君、法務省入国管理局長中尾巧君、外務大臣官房長北島信一君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省アジア大洋州局長田中均君及び外務省欧州局長齋藤泰雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高野博師君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、瀋陽総領事館事件及び大阪高等検察庁前公安部長の逮捕に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○三浦一水君 自民党の三浦一水でございます。
 瀋陽のこの総領事館事件につきましては、本日、その北朝鮮の五人の家族は韓国に到着をしたということでございます。ただ、しかしながら、この問題の過程の中で、日本に対する、我が国が要求してまいりました身柄の引渡しあるいは身元の確認等、全く我が国の主張は通らず、実際として無視されながらこういう結果を迎えざるを得なかったということは、我が国国民の一人として誠に残念であるということであるし、遺憾であるというふうに感じております。この点については後ほどまたお伺いをさせていただきたい、その点だけ表明を冒頭させていただきたいと思います。
 先に、大阪高検問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 大阪の高検事件につきましては、テレビや新聞では前代未聞の検察不祥事としてこれも報道されているところであります。一方、現職幹部検事を逮捕することに対しては、随分、微罪であるんではないかという議論もあるようでございます。三井氏が検察の調査活動費の不正流用問題を内部告発することを防ぐために口封じでやったんではないかということは度々議論に上ってきたところであります、指摘があるところであります。
 このようなことを含めまして、高検公安部長という立場にあった者がこのような不祥事を犯したことについて、法務大臣としての所感をお聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(森山眞弓君) 御指摘のこの事件は前代未聞の不祥事というふうに報じられていることでございますが、私といたしましても、誠に遺憾というような、そういう言葉ではまだ足りないような気持ちがする、とんでもないひどい話だというふうに思った次第でございます。
 三井元検事は、五月の十日、暴力団関係者と不動産取引をする過程におきまして親密な交際をいたしました上で、詐欺や職権濫用といった違法行為に及んだ事件によりまして公判請求をされました。更には同日、職務に関連して暴力団関係者から酒食等の接待を受けたり、女性との情交の機会の提供を受け、また暴力団関係者から依頼を受けて他人の前科情報を取得するなどした事件によって再逮捕されております。
 暴力団を取り締まる責任者の立場にある高検の現職検事が暴力団関係者と深い関係になり、あるいは検事の権限を濫用して犯罪を犯していたことは、国民の検察に対する信用を著しく傷付けた点におきまして誠に重大でありまして、本当に遺憾でございます。多くのまじめな検察官が真剣に仕事に取り組んでおります中で、このような一人の人のために検察全体に対する信頼が損なわれたということは、何度申しても足りないぐらい全くけしからぬことだというふうに思っております。
 この件について微罪であるといったような批判もあるというお話でございますけれども、そういうことには全く当たりませんし、内部告発を阻止するための口封じの目的で逮捕されたというような事実も全くございません。
 以上です。
#8
○三浦一水君 三井氏はマスコミを通じて様々なことを言われているようでありまして、例えば福岡高検検事長の加納駿亮氏が高知地検検事正時代に調査活動費を私用に流用して頻繁に遊興を行い、一次会、二次会、三次会と行って一晩で三十万円くらいを使っていたなどと言っているようでございますが、これは事実でありますか。
 また、あわせて、加納氏の人事に関しまして、同人を検事長に昇格させるために原田検事総長、松尾事務次官、古田刑事局長が後藤田正晴氏を介して小泉首相と直談判に及んだなどと言われているようでありますが、実際のところ、そのようなものがあったんでしょうか。
 古田刑事局長の名前も挙がっているようでございますので、刑事局長御自身から答弁を求めたいと思います。
#9
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの第一点の、現福岡高検検事長である加納氏が調査活動費を不正に流用して自分の遊興費に充てていたと、こういう話につきましては、既に告発がなされ、それに基づいてそれぞれ捜査が行われたわけでございまして、その結果、そのような私的に調査活動費を自分の遊興費に充てていたというふうな事実はこれは認められないということで、不起訴とされているわけでございます。また、これにつきましては、その後、告発人からそれぞれ検察審査会に審査の申立てがなされましたけれども、検察審査会におきましてそれぞれ不起訴相当という結論が出ているものと承知しております。
 さらに、第二点のお尋ねで、加納検事長の人事に関しまして、ただいま御指摘があったようなそういうふうな話というのが出ているということは私も承知しておりますが、これらは全く虚偽のことでございまして、率直に申し上げまして、なぜそういう虚偽の情報が流れているのかと私自身も非常に不審に思っているところでございます。この問題につきましては、後藤田正晴氏側からも、あるいは法務省も厳重に報道機関に抗議をしたところでございます。
 そういうことでございまして、後藤田氏の抗議を受けまして、当該報道機関においては謝罪をしているというふうに私どもとしては聞いております。
#10
○三浦一水君 本日また発売されました週刊文春にも、調査活動費の不正流用疑惑に関する記事が掲載をされているようであります。そこでは、平成五年の四月、仙台高検事務局長が副検事に対し偽造領収書の作成を文書で依頼をして、これが調査活動費の不正流用に使われていたなどと書かれているようであります。刑事司法の中核を担う検察であります。行政面でも国民の疑惑を招くようなことがあってはならないことは言うまでもございません。
 法務大臣にお尋ねしますが、検察の調査活動費につきまして適正な執行がなされるように現在どのような配慮を行っていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(森山眞弓君) 週刊誌に掲載されました書類につきましては、もう既に十年近く前のことでございまして、資料も残っておりませんし、確認は困難となっておりますが、当時の事務局長は全く思い当たりがないと述べているとの報告を受けております。
 調査活動費につきましては、これまでもそれぞれ各検察庁におきまして適正な執行を確保するための方策が取られてきたところではございますが、現在は、さらに、そのような適正確保の方策といたしまして、各検察庁における調査活動費の執行は検事正と次席検事など必ず複数の検事が実質的に関与することと、調査活動費の執行状況を事後的にも一層適切にチェックできるよう関係書類を整備することを徹底しているところでございます。
#12
○三浦一水君 次に、瀋陽総領事館事件関係について数点、質問をしたいと思います。
 まず、この五人の北朝鮮亡命者の事実関係につきましてでありますが、昨日、マニラ経由で、本朝未明には韓国に着かれたと聞いております。まず、この事実関係と、現在、日中、日韓においていかなる協議を引き続き行われているのか、また外務省としてはこの五人の身元確認、亡命の意思確認は行われなかったと思っておりますが、その点も確認をいただきたいと思います。そしてまた、行っていない場合には、今後、韓国との関係の中でいかなる対応を行っていかれる心積もりか、その点についてもお聞かせをいただきたいと思います。
#13
○副大臣(植竹繁雄君) ただいま瀋陽の総領事事件に関しましては、委員お尋ねございましたけれども、まず冒頭に、お話ございましたように、この点につきましては厳しく、外務省といたしましてもよく認識し対応していくということを申し上げます。
 そして、今、事実関係につきましても、今回の五名が出国に際しましては、中国に申し入れ、また一方では韓国との間で緊密に協議もしてまいったところでございますが、昨日、中国側から人道的な観点から、今申し上げましたように、韓国政府のアレンジによりまして、関係者五名を第三国経由仁川に出ていったということを申し上げます。そういう意味で、韓国とは緊密に連絡を取っておったところでございます。
 そして、その基本と申しますのは、何といっても中国に対する人道上の要請というものが満たされることが重要であるという観点から、我が国の立場につきましても中国側で配慮されてきたということを考えるものでございます。
 なお、それにつきましては、中国側におきますいろいろな問題、事実認識の問題については、日中友好という大局から考えましても、引き続き冷静に対処していくところであり、また韓国側ともいろいろ連絡を取りながらやっていきたいと考えておるところでございます。
#14
○三浦一水君 身元の確認は、我が国としては現段階までに行われたんですか。
#15
○政府参考人(田中均君) 委員御指摘になっておられますのは五人の人から事情聴取をしたかということでございますが、そういう正確な意味での事情聴取はまだ行い得ておりません。これにつきましては、委員の御指摘がございましたように、今後、韓国において時期を見て実施をしていくということを検討をいたしております。
#16
○三浦一水君 日本はこの問題でいろんな主張を行ってきました。その中に、もう日本側として事実上断念をしたのは、先ほど来申しましたように、引渡し、そして第三国への出国に自ら日本が関与しながらという点においても断念をせざるを得なかった。それから、身元の確認でありますが、これは今後検討していくと、是非進めていただきたいと私としても思います。
 ただ、陳謝という点については、今後どうやって中国側に引き続き求めていくのか、これは重大な課題として残るんではないかというふうに考えております。この点、外務省はどういうお考えでございますか。
#17
○副大臣(植竹繁雄君) 今回、陳謝の点についての中国側に対応していく行き方でございますが、その前に、この問題の基本というのが何といっても人道上の問題であるということの解決が最重要であったわけです。この陳謝の点につきましては、日本側も調査を行って、その事実認識に基づく立場に変更はございませんが、他方、中国側におきましてもその結果を尊重してほしいと日本の立場を強く要望しているところでございます。
 そして一方、かつ日中間の大局を踏まえまして冷静に対処していくことでございますが、この点につきましては、意見の食い違いもございますが、日本の立場というものを、今申し上げましたように、毅然として中国に伝え、対処していくつもりでございます。
#18
○三浦一水君 私は、これは後でまた関連のことで述べさせていただきたいと思いますが、現在の我が国のこの外交協議を取り巻く環境というものは、法的には、国際法に基づいては我々は不可侵の侵害ということを主張できたとしても、客観的情勢というものについては全く中国側の主張に理があると言わざるを得ないような状況になっているということを私は認識をするものであります。
 これを踏まえて、中国側も一切の日本の関与を受けず、国際法に照らして適正な処置を行ったという姿勢で今日まであるわけであります。これはよほどの決意をもって臨んでいかなければ、これをただ平行線にうやむやにということは許されないことであるということを私としても強く主張をしておきたいと思います。
 次に、この日中の調査結果というものが余りにも開きがあるということでございまして、こうも見解が真っ向から違うかなということを感じるわけであります。
 中国側の連行について日本側の同意があったかなかったか、その有無については重大な意味を持つわけでございまして、この点に関しましては、先ほど申しましたように、中国側の話は、もう一々申しません、非常に具体的であるということであります。
 武装警官による女性二人と子供の取り押さえ現場で傍観する副領事に、帽子とペンを拾って武装警官側に協力する姿勢はうかがわれても、不可侵を盾に対峙する様子は全くその副領事の様子からも我々も見て感じられなかった。そして、その査証待合室での言動あるいは外の詰所での言動等々を聞かせていただくに当たって、これは日本語で了解ですと、中国語では可以と言うんじゃないかと思います。また、その詰所から出ていくときには謝謝という言葉、御存じのとおりのありがとうという言葉も発せられたと聞かれております。
 様々な状況があるんでございましょうが、これらについて、中国側が了解と取ってもこれやむを得ない状況があったんではないかと思いますが、副大臣、どう思われますか。
#19
○副大臣(植竹繁雄君) 今、委員御指摘の点につきましては、私はその場のところの状況がどうなっているか分かりませんが、ただ、日本側の副領事が取ったその態度というものは中国側による説明とは違っておりまして、その点ははっきりと、同意とかそういうことは言っていないと、これは現地に私ども本省から行きました領事部長なども再三にわたり確認しておるところでございます。
 ですから、この点は、私どもの姿勢、実態を強く中国側に伝えておりまして、中国側におけるそういう回答につきましては私どもとしては了解できないという態度でおるところでございます。
#20
○三浦一水君 国際法に照らして、あるいは外交の正式な表現として、それが同意になっていないということは私も理解ができるところであります。
 しかし、中国側の主張を見ますと、武装警察官が宮下副領事に、中に入り二人を連れ出していいかと聞いたと、副領事はうなずきながら手招きをした、副領事が日本語で話し、そして通訳が入って連れ出してくださいと訳したと。誠にこれは具体的であります。
 これに対して問題なのは、我が外務省、我が外交として全く具体的な反論ができないという今日まで現状にあるわけです。これをもって協議をしようとすること自体が無理だと。私もつたない民間人としての海外経験も含めて、明白に、明確にノーはノーと言わなければ国際間で意思疎通が図れるものではないということなんですね。これが今回のこの日中間の外交協議においてもいかに、副大臣はそうおっしゃっても、我が国の外交を不利な立場に陥れたかということは明白であります。
 この点は、与党といえども決してこれは目をつぶるわけにはいかない事態であります。是非もう一回、その点をお答えをいただきたいと思う。
#21
○副大臣(植竹繁雄君) 委員御指摘の日本人のあいまいさという、イエス、ノーのその回答というものは、ともすれば、この件にかかわらず、一般的に非常に不明確さだと私ども実際に外国へ行って指摘されるところであります。特に、こういうような非常にあいまいな、こういう事件に対処した場合のあいまいさというものは本当にこれはその在り方というものを反省しなくちゃならないと思っておりますし、しかしこの中国の場合には、中国の人たちの通訳を含めたことにつきまして、それに対応した領事の方の意向というものが日本語ではっきりそういうのは言っていないところを言われたということについてのことについては、私どもはこれは了解できないところであります。そこまでも、査察室まで入ってこられてそういったことを言ったということは、領事としての責務上言っていないと私は思います。事実、その点につきましても、小野領事部長が一回ならず、再三にわたりこれを問い合わせし、質問して回答を得ているところでありますので、私はないと思っております。
 したがいまして、ただ、そういう疑いを持たれておるということにつきましては、これはもう猛反省の上、これを毅然としたる対応ぶりをするような今後も指導をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#22
○三浦一水君 私、民間企業に勤めておりましたときに、中国に足掛け四年、仕事を向こうにおってやっておりました。多少の中国語も理解するわけでありますが、その中で、腹割って仕事を離れて中国人の方々と会話をすると、こういうことが言われました。ビジネス、最初は日本人とは何か当たりが良くてやりやすい、これは民間人の経験ですよ。しかし、だんだん日を追っていくと日本人のこのイエス、ノーがはっきりしないことには本当に辟易する、かえって商売を難しくする、欧米の方々は机をたたいてけんかをする、商売上でのけんかをする、しかしその方が結論が得やすいんだと。随分、私も商売上、参考にさせていただいた、おかげで気が荒くなったんじゃないかなと思う面もあるわけでございますが、これは民間人の話。外交のプロであります、そんなことは踏まえてやるべきなのが外務省のすべての職員ではなかろうかなと思います。
 これらの事件を見るに当たって、外務省の職員の中にグローバルスタンダードというものが感じられない、これはもう誠に残念なことでありまして、私も率直に、この事件が起きてあの映像を見たとき、今後、諸外国において何か保護を求めなければいけないときはアメリカの大使館に行った方がいいんじゃないかなと、これは実は私はそれを見て言うわけじゃなくて、何十年前から言われているんです。これは、本当にこれだけ屈辱的なことはないということをあえて外務省の代表者たる方々に今日はお伝えをしておきたいというふうに思います。
 いずれにしましても、教育ということは非常に重要だと思います。この状況でいくならば、外務省で立場を得て、そして外交の舞台で頑張っていきたいと思う若い人たちも次第に減っていくんじゃないか、そういう危惧すら持たれます。これは副領事がどうだった、だれがどうだったという問題ではない、これは外務省のシステムと精神とそしてその確固たる教育のシステム、これらに裏付けられていくことではなかろうかと思います。
 もう今、個別具体的なことはよろしゅうございますので、副大臣としての、残念ながら今日は川口大臣は衆議院の方に取られているということでございますが、決意を聞かせていただきたい。
#23
○副大臣(植竹繁雄君) 委員が御指摘のように、教育の点、特にこれは研修制度がありまして、日本人の顔である、在外公館の館員となるべき基本的な考え方というものを認識が足りなかったという点で深く反省いたしております。
 そして、外務職員ということが日本のどういう立場かと、国際法上、日本人としての自覚を、そういう点もはっきり認識の上、毅然たる態度でもっていかなくちゃならないということを考えまして、私どもは今回の事件というものは本当に深く反省して対応をしていかなくちゃならないと思っておりますし、これは私自身におきましても、とかく日本はあうんの呼吸とかそういうような判断でもって物を処しがちでございますが、そういうことも改めて、外交は外交という点をきっちりと正してまいりたいと思っております。
 そういう意味におきまして、これから省内の対外的に当たる職員並びに本省における職員につきましてもその点を再度研修するように、各員に強い反省と、そして勉強といいますか、自律性を求めていく所存でございます。
#24
○三浦一水君 これらのことをまた具体的に、書信、五人の家族の悲痛な叫びを、訴えを書かれたメモがその場で突き返された。これには本当に私もびっくりしました。人道ということが我が国にはないのかということを諸外国から思われてもやむを得ない、国民全体がそう思ったんではないかというふうに思いました。現場の外務職員が突き返したことは、本当にそういう意味で我が国の人道主義を外交の場で前線で根底から私は否定するものであり、これは許されるものではないというふうに思います。
 言語が理解できるとか、そのどさくさの中でそれを読む時間がないとか、そういう次元の問題ではない。言語は、アラビア語もあれば中国語もあるかもしれません。いろんな言語があります。その状況の中で外交のプロとして、あの混乱の中で悲痛な叫びをしようとするならば、仮に書面がなくとも、言語が仮に発せられない人であっても、それを外務省の職員はあまねく私は受け止めをしてもらいたかったというのが率直な本当に気持ちであります。
 それに加えて、その対応、そのことが報告書に盛られなかった。これは一体どういうことなのか。葬りたかったのかというのを国民は率直に思ったのではなかろうかと思います。
 五月十三日付けの新聞では、アジア大洋州局の幹部の談話として、手紙を見せられたという事実はないと、その時点で記者会見をされております。こういうことが、本当にこんな、私は、これが事実と全く違うとその後に報道官も認められているところでありますが、ことが公然と幹部から言われる。これは大きな私は責任ではなかろうかと思います。
 その点、大臣に御説明を賜りたいと思いますし、今後もこのような問題が起きるのか、その点も大臣の見通しをお聞かせをいただきたいと思います。
#25
○副大臣(植竹繁雄君) その手紙を見せられたそういう事実を、これを否定して報告したということにつきましては、私は、調査のときの盛られていなかったということにつきましては、これはもう調査の際の調査の在り方について、これは私は深く反省し、また注意しているところでございます。
 しかし、その手紙を見せられた館員があの詰所におきまして、領事館の外にある警察官の詰所において見せられたときに、大変これ恥ずかしいことでありますが、先ほど委員御指摘のように、外交官としてふさわしいそういう行為でなかったという点について、特にその手紙の内容が英文で書かれてあった、それをはっきりと言ったら分からなかったということが真実だとしたらこれは大変なことでありまして、その点については、言葉の問題とかということがあって、海外に派遣する場合の、その派遣する人間の資格の問題とか、そういう点の在り方について、これは何と言われても私どもは反省以外にないと、反省して今後ないように、防止するようにやっていく以外ないと。(「反省じゃ駄目なんだよ」「反省の上に立って何をするかということです」と呼ぶ者あり)それは、例えば言葉のこと、最低、英文で書いてあります、今、国際語の場合は、そういうことを研修させて、その上に立って派遣すると。具体的にそういうような処置を取っていかねばならないと考えておるところでございます。
 とにかく、外交は、言葉が最低分からない場合は、今言った点におきましても、そういう不足な態度を取るようなことがあってはいけないと。これは、今後まずそういう点について、研修の際、あるいは例えば外務省プロパーじゃない、ほかから来られる出向の方々につきましても、これは各省と連絡取って、この研修制度の語学の点については改めていくように対処していく所存でございます。
 なお、今御指摘の次の点でございますが、本当に私どもといたしましては、今後再びそういうことがないようなことをやっていかねばならないと、今後の処置に対するものは厳しく対応していく所存でございます。
#26
○三浦一水君 これは、中国は日朝間に難民問題は存在せずというふうな見解を一貫して取られておるようでございます。すべてが不法侵入者だという見解のようでございますが、実態問題として、これはたくさんの難民と目される方が中国国内にいるわけでありまして、これは今後も必ずまた再発をする可能性がある問題、そのときに今後はこのようなことがないと、やっぱり副大臣の強い決意をお伺いしたいと思うんです。もう一回、いかがですか。
#27
○副大臣(植竹繁雄君) 今御指摘のように、非常に難民の方が百万とかそういうことが言われておりますが、こういうことにつきましては、私ども二度と繰り返さないように現地公館の体制というものを構築していかねばならないということを考えております。
 しかし、一方では、この件につきましては、非常に大局的な見地から意見の相違もありますが、これを冷静に判断して、主張するところは主張するということを毅然とした態度でやっていくということを考えております。
#28
○三浦一水君 今、各議員、同僚からも声が上がったところでありますけれども、私は決してこの言語の問題を、語学力の問題を言おうというつもりはありません。語学力がなくても外交はできる。(「ボディーランゲージもある」と呼ぶ者あり)そうです、できるはずなんです。ただ、今、声が上がりましたのであえて言いますが、これ要請されている文章はただ一文だけなんですね。それも冒頭に置いてある、あとは説明だけだと。これがそのメモと言われるものでありますけれども、これを受け止めをしないというのは何語であれ許されない。私は、その表情を見ても、言葉を、私はもう一回、副大臣、お聞きください。
 言葉を発することができない人が頼って我が国の在外公館に来る場合もあるんだと。それが、やっぱり我が国としては人道的見地で、グローバルスタンダードを持って受け止めをすべきはしていかなければ、日本という国は、本当に我が国そのものが世界で認知をされないという結果につながっていくんだということを是非御考慮をいただきたいと思うんですが、いかがですか。
#29
○副大臣(植竹繁雄君) 今の点、実は私個人にとりましても、外交の基本はまず心の外交ということが基本だと、これは海外においても、私は特命大使にも言っておるとおりでございます。しかし、それを裏付ける言葉というものもまた重要だと思っておるわけです。基本的にはやっぱり人間対人間の付き合い、それがひいては国対国の付き合いということが基本だとは考えておるところでございます。
 委員御指摘の点につきましては、深くその在り方、先ほど来申し上げております日本を代表とする公館に対する在り方というものについては、基本的なそういう外交、対外国人に対する接し方というものも、その点はよく徹底して、分かるように努力してまいりたいと思っております。
#30
○三浦一水君 本当に、引き続いて私、質問する方も嫌になってしまうんですが、それに加えて今度は阿南大使の発言の問題が出てきました。僕もこんな一々くどくど質問したくない。しかし、これは避けられない話だと思うんですね、あえて質問をさせてもらいますが。
 不審者を入れるな、人道問題は自分が責任を取る、これは一体いかがなものかと。私ももう本当に我が耳を疑いました。中国側は、武装警察はテロの可能性もあったんだということを言いました。全く不審な者は中に入れるな、取り押さえろ、これは、この阿南大使の方向に従って中国側は我々に協力をしただけという気持ち以外には持ち得ないんじゃないかと思うような発言であります。これには本当に私も愕然としました。
 中国、日本、韓国、いずれも難民の地位に関する条約の署名国である。そして、どの国も、亡命希望者が戸口に来たら彼らの言い分を吟味し、亡命資格があるのかどうか判断しなければならない、簡単に門前払いはしてはならないと、これは難民条約に基づく緒方貞子氏の見解でありますけれども、こういうことが、基本的なことが私は日本大使の言葉の中には基本的に欠けているんじゃないかと思わざるを得ない。これが本当に我が国の方針なのか、植竹副大臣に確認をしたいと思います。
#31
○副大臣(植竹繁雄君) 難民条約によりましてこれをどう対処していくかというのは、これは国際間の条約にのっとって、日本としては基本的にこれを堅持していかなくちゃならないことでございます。
 なお、阿南大使が取った、発言した点につきましていろいろ誤報がされているという点については、これは阿南大使に対しても説明を求めました。阿南大使が実際に行なったことは、脱北者は中国へ不法入国している者が多いが、いったん館内に入った以上は人道的見地からこれらを保護し、第三国への移動など適切に対処する必要があると。他方、大使館としては、昨秋来、テロに対処するという観点から警戒を一層に厳重にするということは当然であり、不審者が大使館敷地に許可なく侵入しようとする場合には侵入を阻止し、規則どおり大使館門外で事情を聴取するようにすべきであるというようなことを阿南大使は言ったのでありまして、マスコミで一部報道されているような追い出せといったような表現は一切しておりません。
#32
○三浦一水君 不審者が侵入してくるなら阻止せよ、これは追い出せという意味になるんじゃないかとは思うんですね。これは公式の外務省の見解でありますからね、これは取り方の問題。
 ただ、それ以前に、報道各社からの情報によりましても、日本大使館あるいはその他の公館かもしれません、中国国内の。度々、電話による事前の相談等々もこれまで取り合ってきていないんだということがもうこれは報道もされております。そして、諸団体からもそのようなことが表明をされているという実態であります。
 これらを考えると、そのときに言った言わないの問題は、報道官もおっしゃっております、てにをはまでどうだったか分からない。この分からないということから、類推、我々の受け止め方は、これはやっぱり言ったんじゃないかと、客観的状況からですね。これはいろんな状況で中国側の受け止めにつながってもしようがない、受け止め、我々もしてしまう。少なくともこの発言が八日の朝、あの事件の四時間前になされていたということは、日中の協議にはこれは間接的ながら大きな影響を及ぼしたということで、これは責任は免れない、私はそう思っております。
 これを副大臣として弁護をされるというなら、副大臣の姿勢が問われるんじゃないかと思いますが、お考えいかがですか。
#33
○副大臣(植竹繁雄君) 私は、弁護というよりは事実を申し上げているので、一番事実が大切でございます。それから、主観的な意見というものはこれはまた別でございます。この際、私どもは主観ということは一切申し上げないで、事実は事実として申し上げているということでございます。
 しかし、いろんな私が今までの経験からしますと、事実からいろいろ独り歩きいたしましていろんなことが言われていることも確かでございます。しかし、事実であってもその事実の表現の仕方をどうするかということは十分に注意してやっていかねばならないということは、これはこういう外交当局といたしましても深くその点は考え直し、反省をするべきだと考えており、なおこういう点のあいまいさをないように今後するように注意を促しておるところであります。
#34
○三浦一水君 次に、この件から関連をしまして、政治亡命、政治難民の認定に対する我が国の基本的な方針について数点、お伺いをしたいと思うんです。
 全く今回の事件で露呈しましたことは、これらの対応についてガイドラインがないということではないかと思います。致命的な問題は、亡命を求めてきた北朝鮮の住民と思われる五人の、本当に、再三申しますが、意思確認も行われることなく中国側に連行された。これはもう後日でございますが、その意思は明白であるということであります。
 こうした失態と言わざるを得ない背景には、これは現場の教育云々の問題以前に、どういう方針で教育をするか、より本質的な問題、つまりそもそも我が国が政治難民、政治亡命についてこれまで明確な方針を持って明らかにしていなかったということが私はその大きな理由として挙げられると思います。
 特に、在外公館において政治亡命が求められた場合には、これまでの政府答弁では、人道的な見地から好意的な配慮を求める。誠にあいまいな方針、誠にあいまいな方針が述べられるにとどまっているわけであります。
 そこで、まず今回のケースのような在外公館において政治亡命が求められた場合に、従来いかなるその中での原則、方針で対応を図ってこられたのか、まず御確認をしたいと思います。副大臣それから法務大臣にも御確認をしたいと思います。
#35
○副大臣(植竹繁雄君) いわゆる政治亡命に対する今までの対応でございますが、その点はいわゆる一般国際法上確立された定義があるわけではありません。法律の問題はこれは法務省の所管でございますが。しかしながら、外国人が我が国の在外公館に庇護を求めてきた場合の取扱いについては、関係者の人定等の事実関係や希望等を確認した上で、当該者の身体の安全確保等に、すなわち人道的な観点や関係国との関係等を総合的に考慮いたしまして、具体的な問題で対応を検討することが必要だと考えておるところでございます。
 なお、今回の事件を契機といたしまして、いわゆる政治亡命といいますか、亡命の取扱いにつきましては幅広く議論を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#36
○国務大臣(森山眞弓君) 亡命という言葉は必ずしも定義がはっきりいたしておりませんが、法律上は難民という言葉が使われております。
 現在の難民認定制度でございますが、日本におきましては、従来から国際的な取決めであります難民条約等にのっとりまして、個別に審査をいたしまして、難民と認定すべき者は認定しておりますし、今後ともその適正な運用に配意してまいりたいと考えております。
 なお、条約上の難民に該当しない場合でも、人道的観点等から必要と認められる者には本邦での在留を特別に許可するということもかなり最近では増えておりまして、必ずしも国際的な水準からいってその割合が少ないということはないというふうに思っております。
 難民認定制度の下では、難民の認定の申請することができるのは日本にいる外国人に限られておりますので、実際に在外公館で我が国に入国した上で難民認定申請を行うことを希望する者もございますから、そのような場合には、在外公館において査証等の発給を受けて我が国に入国してもらう、その結果、上陸をして、それを許可された上で難民認定申請をさせております。
 しかし、このようなやり方で今までやってまいりましたし、よその国にもこういう例はたくさんございますけれども、今、大変国際化が著しい時代でございますので、もう少し幅のある対応も考え得るのかもしれないというふうに思いまして、難民認定の在り方につきまして、国の内外の事情等を考慮した上で、何か改善すべき点があればということで、法務大臣の私的諮問機関であります出入国管理政策懇談会というのが現にございまして、二か月に一遍ぐらい活動しているわけでございますが、その場に、特にこれをきっかけといたしまして、難民問題の専門部会を作りまして、新たにその専門家をお願いして検討をしてはどうかということで今準備をしているところでございます。
#37
○三浦一水君 これは要請でありますが、出入国管理難民認定法の適用枠外である在外公館での政治亡命に対応する指針作り、もう一部開始したというお話も伺っておりますが、是非きちっと促進をしていただきたい。これは要請をしておきたいと思います。
 今、森山法務大臣のお話がおとついよりは少し前向きになったんではないかという感じをちょっと持ちました。おとついは、認定率では各国に引けを取ることはないと、しかも難民先進国であって受入れ先進国であった欧州各地で今それを厳しくする状況があると、日本はもう粛々と厳しくやってきているからそれは大丈夫だといったような趣旨じゃなかったかと思います。
 ただ、私もその認定率、しかし実態と、我々が国際社会で、これは民間人としてもですよ、受ける感覚と、十分だと言われるのは随分開きがあるんじゃないかと、大臣のおとついの発言どおりじゃないと思いました。
 認定率は、各国見ますと、ドイツ一一%、米国二一%、英国九%、オーストラリア二五%、日本一三%ということのようでありますが──一四ですか、二〇〇〇年ベースでその認定数を見ていきますと、日本の二百十六人に対しまして、ドイツは十一万人、それからアメリカは九万人、英国七万人、オーストラリアは非常にコンスタントに受入れをしておるようでございますが、二万人と、それぞれに百倍、三百五十倍、四百五十倍、五百五十倍といった数字なんですね。これ、ならしてみてもほとんどそういう数字がこの十年間ぐらい出てくるような感じのグラフがここにあります。これはもう圧倒的にその数において違う。日本の評価というのは実はそこにあるんじゃないかなというふうに思っております。
 そういう中で、国連難民高等弁務官事務所、世界難民白書二〇〇〇年版、これにも「庇護申請に厳しい時間的制約が設けられており、並外れて高水準の立証が求められる」と、我が国に対する評価も行われているようであります。今後の認定基準の緩和については、先ほど少し前向きの姿勢が言われました。もう一回、大臣の御見解を賜りたいと思います。
#38
○国務大臣(森山眞弓君) 難民の認定というのは申請から始まるわけでございまして、ドイツとかアメリカとか、そういう国への申請はけた外れに多いわけでございます。ですから、結果として絶対数は非常に日本よりは多くなるというのはもうそういう成り行きでございますが、日本の場合も、申請がありましたものに対する認定ということで申し上げたわけでございまして、それが認定率ということになるんですが、その認定率は日本が一四%、平成十二年におきまして一四%、イギリス一二%、ドイツの一五%、オランダ七%、スウェーデン二%というような数字が分かっておりますが、これらに比べて率としては悪くないということははっきり申し上げられると思うんです。
 しかし、日本が地理的に大変離れているとか、言葉がよその国々と大変違うとかいうようなことがございまして、日本に行って難民を申請したいと思う人が非常に少ないということから来ていると思いますけれども、これらのことで認定率は必ずしも悪くないということはUNHCRにおきましてもそれは評価されていることでございます。
 一方、ヨーロッパ各国におきまして、東西の対立がなくなりましてから、大変、例えばドイツのように東から西へ何万人という人が押し寄せてくる、あるいはその他いろいろなことでこの難民の申請を悪用して非常に社会的な問題を起こすということも最近目に立っているようでございまして、それぞれの、そういう国々では難民認定は一層厳しくするべきであるというような風潮が、傾向が最近出てきたということは先生も御存じのとおりだと思います。
 そういうことが政治的にも反映して、フランスの大統領選挙その他思い掛けないことがいろいろと起こって驚かせられているわけでございますが、そういう国民的な不安といいましょうか、そういうものを醸成しているということも事実でございますし、日本にとりましても、難民を人道的に扱い、できるだけ広く受け入れるという姿勢の反面、日本の国内の秩序の維持とか日本国民の不安ということを解消するというようなことも重要なことでございますので、適正な判断をするべきであるというふうに考えております。
 そのような意味で、しかし今までのやってきたやり方で、このまま全くこのとおりで動かす必要はないのかということは、その折々反省することは必要だと思いますので、そのような意味で、この際少しいろんな方のお知恵をおかりして検討してみようではないかというのが、先ほど私が申し上げた懇談会の皆さんにお知恵をおかりしようという発想でございまして、前向きになったとお褒めいただきましたけれども、必ずしも前向きの結論が出るかどうかはこれからの話でございますので、いろいろな有識者の御意見をちょうだいした上で正しい適切な方向を探っていきたいということでございます。
#39
○三浦一水君 申請そのものが地理的状況、地勢的状況から少ないんじゃないかということも、それはもう事実だと思います。ただ、認定基準が厳し過ぎるから、もう我が国は難民受入れについては国際的な意識で枠外だという意識の方が私は実態論に近いんじゃないかな。その点において、我が国がグローバルスタンダードに達していないこと自体が問題だという認識をもう一回示しておきたいと思います。
 最後に、今回の問題というのは、これは北朝鮮の今置かれた状況からして、決して私は偶発的なものではないというふうに思います。中国、先ほど副大臣は百万人ぐらいの潜在的難民があるんじゃないかというお話もありましたが、ちょっと多過ぎるんじゃないかと。十五万とか三十万ぐらいはあるんじゃないかというお話もありましょう。いずれにしても、これは韓国、そして中国にとりましても、海を隔てるからといって我が国に関係のないことではないというふうに思っております。これは、特に日中間の、この点、本当に意思の疎通というものが今後非常に課題として求められる事柄ではないかと思います。それから、難民高等弁務官事務所との連携というものも、十分に我々は視野に入れながら対応していく必要があることではなかろうかと思っております。
 副大臣に最後にその点、御所見を賜りまして、質問を終わりたいと思います。
#40
○副大臣(植竹繁雄君) この難民問題につきましては、本当に、まず基本的には、難民高等弁務所のお話もございましたが、やはり人道的な問題というものを基本的に考えて対処していかなくちゃならないということが基本だと思います。
 しかし、今回のことを考えますと、具体的な問題につきましていろいろ検討すべきことがあると考えるわけです。例えば、人定問題の認定とか、それから個々の事案というものを聞かないと一概には申し上げられないことであると思います。しかし、一般論は、先ほど申し上げましたように、生命とか、あるいは身体の安全が適切に保障されるとか、いろんな具体的な事案について検討しなくちゃならないという意味で、個々に検討していくことになることだと思っております。
 重ねて申し上げますが、この問題、基本的には、委員御指摘のように幅広い人道的な問題の観点から対応していかねばならないと思っております。しかし、今回の問題を契機といたしまして、殊更慎重に、また適切に対応していくと、反省の上に今後の在り方について進めていきたいと考えておるところでございます。
#41
○三浦一水君 終わります。
#42
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 今、質疑を私も聞かせていただいて、何か本当にちょっともう情けない思いが今しているところです。もう先ほどから、人道上、人道上、反省、反省というその言葉がもうずっと続くんですけれども、本当に人道上という言葉が使われるのであるとすれば、本当に日本の国というのはこれまでそんなことをやってきたんだろうか。しかも、言葉は簡単ですけれども、やっぱり本当にそれを実効あらしめるのであるとすれば、それを制度的に、あるいはシステムの上で、あるいは具体的な行動の上でやっぱり担保をきちっとしていかない限り、言葉で人道上と言っても、あるいは反省してこれからと言っても、結局は空念仏、あるいは本当に言葉、口先だけのことになってしまう。これまでのやっぱりもう経過がそれを表しているんではないかと、こんな私は率直に感想を持ちます。
 そんなことをつべこべ言っていても始まりませんので、今日は高検の問題、そして瀋陽の問題について、限られた時間ではございますけれども、何点か質問をさせていただく次第でございます。
 まず、大阪の高検元検事の問題でございますけれども、これは先ほど御質問がありまして、今の状況などは森山法務大臣から御報告をいただきました。もう繰り返しません。
 しかしながら、決してそれで納得されているわけではない。偶然であるのかもしれませんけれども、例えば逮捕時期がやはり法務省の調査活動費についての何らかの世間への公表時期、公表されるのではないかと言われたときに合わせるような結果、結果的にですけれども、逮捕をされたというようなこともあり、それを契機として、調査活動費の在り方あるいは運用実態などについて様々な疑義が呈せられると、こういう状況はいまだに続いているわけでもございまして、決してそれが納得され、あるいははっきりと分かったというわけにはいかないというふうに思います。
 そこで、処分であるとか、あるいは捜査を厳密にするということは当然のことながら、やはりもう一方で、疑問になりました調査活動費の在り方などについても、具体的にこれからどうしていくのかということを是非検討いただかなければいけないだろうというふうに思います。
 外務省の機密費の問題などでも同じようなことが取り上げられましたけれども、きちっとしていくというだけでは分からないわけでして、例えばこの透明化を図るために制度的にどういうシステムを作っていくのかとか、あるいは一定の期間経過をいたしましたら、すぐには公表できないのは私も承知をいたしておりますけれども、しばらく一定の期間後、何らかの形でその使い方が公表されるとか、やっぱり具体的なシステムあるいは制度などを作ることによって、この問題の疑念とか、あるいは適切な運用などを図っていく必要があろうかというふうに思います。
 今日お答えが出るかどうかは分かりませんけれども、是非そういうことも含めて、今日のお答えだけではやっぱり納得をするというところまでには至りません。今後、更にこの解明やあるいは疑念の払拭に向けてどう取り組んでいかれるか、法務大臣のお考え方をお聞かせをまずいただきたいと思います。
#43
○国務大臣(森山眞弓君) 検察庁の調査活動費につきましては、事件の内偵とか情報の収集等に要する経費でございますので、極秘裏かつ機動的に支出することが認められておりまして、またその具体的な使途を明らかにすることは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
 他方、これまで調査活動費につきましては、各検察庁におきまして、それぞれ責任者である検事正等が管理するようにするなど、適切な執行を確保するための方策が取られてきたところではございますが、現在はそのような適正確保の方策といたしまして、第一に、個々の支払において、検察庁の長である検事正等のほかに必ず次席検事を実質的に関与させ、検事正等と次席検事による相互チェックが図られるようにしておりまして、第二に、個々の支払について、調査活動の具体的な内容及びその決裁過程を記録した文書の作成、保存を徹底いたしまして、事後的にも一層適切にチェックできるようになっております。
#44
○千葉景子君 この問題については、今そういうシステムで行われていると。これで十分かどうかというのは私もちょっとまだ疑問に感ずるところもございますので、また引き続いて、どういう形で透明化を図っていくか、信頼を回復していくかということなどについては今後もまた継続的に意見も申し上げてまいりたいというふうに思っております。
 それでは、瀋陽にかかわる問題についてお尋ねをしておきたいというふうに思いますが、今朝、私も報道等で、瀋陽の総領事館に庇護を求めてきた五名がマニラを経由いたしまして韓国に到着をしたという報道を私も拝見をいたしました。
 これは、この事実、外務省等はどういう形で確認をしているのでしょうか。事前に、こういうマニラ経由で韓国に行くということを、どこから、いつ、どういう形で報告をされているのか。あるいは、今日到着をしたということになりますと、その結果についても、どこからどういう形できちっと報告がされているのか。まず、その事実関係を知らせていただきたいと思います。
#45
○政府参考人(田中均君) 事実関係について御報告を申し上げます。
 日本と中国との間では、不可侵権が侵されたことによって正にこの五名の人たちの人道が非常に心配する状況になっているということもございまして、これは累次、政府の方針として述べてまいりましたけれども、人道を最優先にしてこの問題の処理に当たるということで、中国との間ではかなり長期間にわたって話をしてまいりました。
 それが、二十一日の深夜に至って、外交ルートで、中国としてはこの五名について次の日じゅうに第三国に出国をさせるという趣旨の通報がございました。これにも、ただ、非常に本人の人道上の問題、安全等にかかわりますことでございましたので、その間、非常に保秘といいますか、情報の管理をしてまいりました。同時に、具体的な手配というのは韓国がするということでございまして、その後、韓国との間で緊密な協議を行ってまいりました。
 具体的な手配として、瀋陽から北京、北京からアモイ経由でフィリピン、フィリピンからソウルということで、その都度、館員がその状況を把握するために現場にいたということでございますし、今回につきまして、ソウルに到着しましたときも館員がその到着した状況というのを把握いたしております。
 以上でございます。
#46
○千葉景子君 二十一日の深夜にそういう報告といいましょうか、があったということですけれども、このような中国からマニラを経由をして韓国に送る、こういう考え方といいましょうか、こうしてほしい、あるいはこういう形で身柄を保護しようということは、日本政府としては提起をしてきたことですか。それとも、全くこういう具体的なことは日本政府側として何か提起をしてきたというようなことはなかったんでしょうか。中国が一方的にこういうふうにしたいと、こうしますと報告をしてきたということですか。
#47
○政府参考人(田中均君) 脱北者の人道を保護する、すなわち行きたい国も含めてどういうふうにするかということにおきまして、通常、第三国に出国をさせると、第三国を経由して韓国、ほとんどの場合は韓国でございますが、韓国というのが従来のケースでございます。日本側は第三国への出国を求めていたということは事実でございます。
#48
○千葉景子君 外交の交渉の中でということになるので、なかなか分かりにくいところはあるんですけれども、ただ、やはり今回の一連の経緯を見ても、先ほども指摘がありましたように、結果的には日本の政府はどうも蚊帳の外にいたという受け止め方がされてもやむを得ない。結局、中国側に基本的なイニシアチブは取られていたのではないかと、こう受け止められてもやむないような状況ではなかったかというふうに思います。
 ただ、いずれにしても、五人の結果的には身が保護されたということは私も良かったなと安堵をするところですけれども、改めて日本の外交の在り方というのを考えていく必要があるというふうに思っています。
 そこで、今日はその基本にもなる、先ほども多少触れていただいておりますけれども、いわゆる難民といいますか、亡命というふうなことに対する日本の考え方、ここに大きな問題があるのではないかというふうに思いますので、質問させていただきたいというふうに思っています。
 さっきも法務大臣もおっしゃられましたけれども、一般的に難民の問題、難民認定、それからいわゆる政治亡命、亡命と言われる問題というのは、必ずしもいつもどうもはっきりした概念で語られていないような気がするんですね。
 難民の、難民という形で議論をされますと、これは難民認定法などにかかわるということで法務省の管轄ということになります。ところが、その難民というのは、認定するに当たって我が本邦に滞在をする者について適用するという考え方に立っておりますので、例えば今回のように在外公館に庇護を求めるというようなケース、こうなりますと、これは結局その法務省がきちっとそれに対して何らかの認定権やあるいはきちっとした方針というものを持っておるのか、それとも、いやいやこれは本邦に入っての難民申請ではないから在外公館の方で基本的な姿勢を決めているのか、その辺もう一つはっきりしないんです。
 どうでしょう、森山法務大臣。まず、亡命という問題については、基本的にはどういうものだというふうに考えておられ、そしてそれに対しては日本政府としてどういう姿勢を持っているのか。
 今言ったように、難民というのは本邦に滞在をしてそして難民申請がされるということを、厳密に難民認定上からいえばそうなるんでしょう。例えば、在外公館で我が国に政治亡命を求めてくるような場合、あるいは在外公館に我が国以外への亡命を求めてくるような場合と、こういうことが、いろいろケースが考えられます。これは、法務省としてそれぞれにきちっとした対処方針などを持っておられるんでしょうか。
 その辺、法務省サイドとしてはいかがですか。
#49
○国務大臣(森山眞弓君) 先生も十分御承知のことだと思いますけれども、難民といいますのは、難民の地位に関する条約の第一条の規定又は難民の地位に関する議定書第一条の規定によりまして、難民条約の適用を受ける難民をいうということになっておりまして、この条約等におきましては、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であつて、その国籍国の保護を受けることができないもの又は」「その国籍国の保護を受けることを望まないもの」と定義されております。
 一方、亡命という言葉でございますが、亡命についてはこのような確立された定義がございませんで、一般に政治的理由で他国に庇護を求めるという意味で使用されることが多いと思われますが、政治的理由で他国に庇護を求める者の中には条約難民に該当する場合もあると考えられます。
 日本の場合は、よその外国において日本に亡命したいと言うか、あるいは難民になりたいという気持ちを表明した人の場合には、その者が日本に入れるように渡航証明なりあるいはビザなりをその在外公館で出していただいて、そして入ってもらった上で難民申請をしてもらって手続が始まるという仕組みになっておりまして、外国にあります日本の公館において直接これを調べるというような前提にはなっておりませんので、これはそういう理屈ばかりではなくて、現在のところ、そういう体制ができておりませんので、今申し上げたような仕組みで措置しているところでございます。
#50
○千葉景子君 もう一つ、在外公館などに我が国以外へ亡命をしたいというような形で庇護を求めてきたというような場合については、何らか基本的な考え方はお持ちでいらっしゃいますか。
#51
○国務大臣(森山眞弓君) 手続的には今先ほど申し上げたようなやり方でございますが、そのような今おっしゃられましたようなケースの場合は、法務省のマターというよりは外交問題、外交的な問題になるのではなかろうかというふうに思います。
#52
○千葉景子君 そうなりますと、そういう在外公館などに庇護を求めてきたと、他の国へ亡命を求めるようなケースは、直接は法務省はタッチしないといいましょうか、あくまでもそれは在外公館あるいは外務省にかかわる問題だということに意味する御発言だったと、御答弁だったというふうに思います。
 そうなりますと、外務省、この在外公館などに庇護を求めてきた、これには今言ったように他国へ亡命を求めるケースあるいは日本へ亡命なりあるいは難民として入国を求めるケースなどがあろうかというふうに思いますけれども、じゃ外務省としてはこういう問題についてはどんな基本的な方針あるいは対処方をされているんでしょうか。
#53
○政府参考人(北島信一君) お答え申し上げます。
 外国人が我が国の在外公館に庇護を求めてくる場合、具体的な対応ぶりにつきましては個々の事案ごとに異なることは言うまでもなく、個別の事例に応じて対処するという考え方でございます。
 その上であえて一般論を申し上げれば、我が国としては申請者の人定事項等の事実関係をまず確認しまして、同人の希望等を聴取した上で、同人の生命又は身体の安全が適切に確保されるかといった人道的観点、さらには関係国との関係を総合的に考慮しまして、具体的な対応につき検討するということでございます。
#54
○千葉景子君 最終的に事例の判断について個別の事例ごとに判断することは当たり前のことでございます。ただ、基本的に日本の姿勢、あるいは在外公館としてそういうものがあるときにどう基本的な考え方に立ってその個別判断をするのか、こういうことが本当に徹底されているのかどうか。今、そういう方針を持っていると言われました。それはどういう形で省内あるいは各在外公館等に徹底をされているんですか。
#55
○政府参考人(北島信一君) 外国人が我が国の在外公館に対して庇護を求めてくる場合の対応の在り方につきましては、在外職員、在外公館に対して本省から公電という形で周知徹底しております。
#56
○千葉景子君 いつ、それは行われましたか。仮に、直近であるとすれば。
#57
○政府参考人(北島信一君) 従来、考え方を在外公館に徹底しておりますが、さらに、今年になりまして脱北者の問題等いろいろな状況が出てきていますので、それを踏まえて、数回にわたりまして考え方を伝えております。
#58
○千葉景子君 もし、そういうことがこれまでも従来から、それから今年に入りまして行われているとすれば、必ずそれについての何らか具体的な裏付けの資料とか、あるいはこうやったという報告の何らか証拠になるようなものがあるはずだというふうに思いますが、それ、もし必要と考えたら出していただけますか。
#59
○政府参考人(北島信一君) 対処ぶりの具体的内容につきましては、在外公館の警備等にも関する事項であり、説明を差し控えたいと思っております。
#60
○千葉景子君 警備と何ら関係するような問題ではないですよ。亡命等に対してどういう基本的な姿勢で、考え方に立って日本の在外公館は対応するのかと、それをきちっと通達しているというわけでしょう。それは、いつ、どういう形でといったら、去年も今年もやっておるというから、それ、やってきたということ自体についての裏付けがあるでしょうと。そういうことです。
#61
○政府参考人(北島信一君) 承りました。
#62
○千葉景子君 承りましたじゃないんです。それをきちっと分かる形で、資料のような形でこの委員会などにも報告をいただきたいというふうに思いますけれども、お約束いただけますか。
#63
○政府参考人(北島信一君) 分かりました。
#64
○千葉景子君 それじゃ、是非それを出していただきまして、本当に在外公館がきちっと、亡命問題などにどういう姿勢をもって、そしてそれを省内に通達をしてきたのかということを、改めてその時点でまた拝見をさせていただき、こちらの考え方もまた議論させていただきたいものだというふうに思っています。
 ところで、今回、瀋陽というところは、もう御承知のとおり、最近になりまして大変北朝鮮からの難民といいましょうか、そういう人たちが大変増えている、そして周辺の在外公館などにも駆け込んでくるケースが多々見受けられる、こういう事態でございます。だとすれば、外務省としてもそういう事態に改めて備えるための様々な指示などを当然されているものだと、されてきたものだというふうに思います。その点はいかがですか。
#65
○政府参考人(田中均君) 確かに、委員が御指摘のように、特に中国、特に北朝鮮の近隣諸国においては、このような脱北者、非常に多くの数の脱北者がいるということでございますし、なおかつあの辺りでは北朝鮮と中国の中で自由に往来をしているような人々もいる、中国の中ではそれが不法滞在者ということになっていると、こういう実態でございまして、私どもが特に三月以降注視してまいりましたのは、従来の形ではなくて、そういう脱北者の人々が、例えば壁を乗り越えたり、例えば正門のところからスペインのケースのように二十五人の人がだっと入るというような状況があったということでございまして、こういうことを踏まえた考え方の整理はしてまいりましたけれども、一つは、警備との両立性というのは非常に難しい問題。館内に入れば館内で庇護をし、先ほどから御答弁をされていますように、人道上の要請、総合的な見地から処理をしていくということでございますが、館の外というのは基本的に警備の世界が当てはまる世界でございまして、これまでもテロに対する備えとかペルーの事件の教訓とか、そういうこともございまして、警備というのは一種、二律背反的な概念ではありますけれども、やっていたという状況もありますので、その点についても具体的な形で考え方を整理してきたということでございます。
#66
○千葉景子君 そういうことを聞いているのではございませんで、今の瀋陽の地域の実情を踏まえて、例えば日本の総領事館にも庇護を求めて駆け込んでくるような、そういう人がいるかもしれない、そういう事態なども想定をするぐらいのきちっとした認識があったのか。そして、そういう場合にどう総領事館として受け止め、あるいはきちっとした、毅然とした対処をするか。毅然としたというのは、中国側に何だか全部お願いしますという意味ではなくて、きちっと受け止めて、それに対してどう個別な判断をするかと。こういう対応の仕方のようなことについては何か指示をするとか、あるいはきちっとした対応策を取っておくとかはしておらなかったんですか。
#67
○政府参考人(田中均君) 二回しておりますが、一回はスペインの大使館への脱北者が庇護を求めたという事件の後、それから今回の瀋陽の事件を踏まえまして、瀋陽であった具体的なケースを念頭にして、それについての考え方、対処ぶりについて指示をいたしております。
#68
○千葉景子君 具体的にどういう内容で指示をしておられたんですか。
#69
○政府参考人(田中均君) それは、基本的な考え方として、館内に立ち入った人についての具体的な対処ぶりと、それから外、警備との関係での兼ね合いということでございます。
 ただ、これにつきましては、正に関係者の安全、これを全部さらしていくわけにはいかないわけでございますので、こういうことについての具体的な内容の公表は差し控えさせていただきたいというふうに考えます。
#70
○千葉景子君 先ほどこれもございましたけれども、そういう指示をされていたと。それと、言われている、阿南大使が御発言をされたと言われていることとは矛盾はないのですか、一致しているんですか。その点は、その外務省としての方針を阿南大使は、逆に言えば具体的に更に伝えたというような御認識に立たれておりますか。
#71
○政府参考人(田中均君) 本省の方針と矛盾があったとは全く考えておりません。すなわち、一、館内に入った脱北者について慎重な配慮をし、人道上の考慮、関係国との関係、その他を含めて慎重に対処をするということと、それから不審者に対してその立入りを阻止するべきであると、こういう基本的な二つの方針というのが本省の方針と矛盾をしているわけではないというふうに考えています。
#72
○千葉景子君 そうしますと、報道等での、先ほどもありましたけれども、阿南大使が発言された、追い出せというような発言は、あれはあくまでも事実ではないという御認識ですね。
#73
○政府参考人(田中均君) おっしゃるとおりでございます。
#74
○千葉景子君 ただ、これもどちらが本当に正しいのやら、あるいはどういう発言だったのかということがよく分かりません。外に出てきたのは報道による阿南大使の言葉、それは報道どおりだとすれば、外務省がおっしゃっていることが、本当にそういう指示をされていたのかどうか大変疑問にもなってくるわけですよね。何かやぶの中というそういう感じでございまして、やっぱりこれも改めて、具体的にどういう指示をしてきたのか、そしてそれに沿った形で本当に大使が具体的な指示をされたのかということを何らかの形で、やっぱり御本人からお話を聞くなどのことも含めて、明らかにしていかなければいけないのではないかなというふうにも考えたりいたします。
 例えば、じゃ具体的に聞かせていただきますけれども、警備の問題と、それから入ってきた人に対する対処の仕方というんですけれども、非常に入口のところというか、出入りの際というのは微妙ですよね、そこが。具体的に、中国側が外側を警備をしている武装警察官、その武装警察官との関係というのはどういうふうにやられていたのでしょうか。
 今回も、例えば、よく査証にかかわるトラブルなどがあると。外務省の調査報告によりますと、今回のケースもそういうトラブルなのではないかと思ったと、副領事は、そういう調査報告もある。例えば、そういう査証にかかわるトラブル、トラブルというのがよく分からないんですけれども、そういうことで門のところへ来た、入る入らないと例えばいうようなときに、これまでどういう対処の仕方をしてきたんですか、今回のケースではなくて。
 普通に査証を求めにきたと、どうもちょっと怪しいなとか、あるいは外側の中国側の武装警察官が何かむしろ押しとどめるようなことがある、こんなケースのときに一体、領事館としてはどういう対処の仕方をしてきたのか。中国側の武装警察官とか、そういうときにどういう形で協力をしたのか。あるいは、そうではなくて、それはこちらの責任なんだから総領事館の方できちっと対処するといって毅然とした態度を取ってきたのか。従来はどういう形でそういうトラブル等などに対処をしてきたんでしょうか。
#75
○政府参考人(田中均君) これも、先ほども御説明申し上げましたけれども、少なくとも接受国が公館の安全を守るというのはジュネーブ条約上の義務でもあります。したがって、大使館、総領事館の外というのは、警備の世界として相手国の官憲が警備に一義的な責任を持っているという世界であります。したがって、査証の申請その他におきましても、構内に入る人たちが果たしてきちんと身元が確認できるかどうかのチェックをする責任というのは接受国が持っているわけでございます。したがって、これは日本のケースに限らず、ほかの国もすべてそういうことでございます。
 それで、具体的にトラブルということでございますが、トラブルとしてこれまで指摘されてきたのは、例えば申請書類、中国の留学生の方とか、そういう身元は非常にはっきりしているんですけれども、中で申請書類が不備であると、また出直してくるのかというようなことでトラブルになった例だとか、時間がないといって泣き叫んでいた例とか、そういう例。それから、総領事館の館内に強引に入ろうとして、これは中国人の申請者の例として泣き叫んだケース、騒ぎを起こしたケース、こういうケースがあったということでございます。
 それから、武警との間でどういう関係にあったのかという御質問もございましたけれども、これは当然のことながら、例えばいろんな大きな機会、サミットの機会であるとかオリンピックの機会であるとか、今度のワールドカップもそうだと思いますけれども、警備、在外の公館、瀋陽の総領事館もそうですけれども、こういうことについて警備の強化をお願いをするといったようなことは具体的に依頼をしていたのは当然でございますけれども、定期的に何かをやっていたということではないというふうに承知をしています。
#76
○千葉景子君 今の御説明で、本当に確かに在外公館をその国がきちっと警備をするということを別に私も否定するものではありません。ただ、今、これまでのトラブルというのは、むしろ何か武器を持ってきたから危ないとか、そういうことではなくて、査証事務にかかわることで泣き叫んだとか、正に日本側の判断との関係でのトラブルということですよね。
 そうすると、今回のような入った入らないとか、入った者をまた武装警察官が引き出してしまうと、こういうトラブルというのは今回が初めてのケースですか。門のところで出たり入ったりというようなケースなどはこれまで体験もしてなかった、実際にそういうケースは全然なかったということになりますか。
#77
○政府参考人(田中均君) 今回のような事態というのは最初のケースであろうというふうに思います。
#78
○千葉景子君 何かそこが、私は推測で物を言うつもりはありませんけれども、やっぱりどうも出入りについては中国の武装警察官に相当程度何かゆだねていたといいましょうか、そういうところがあったのではないかと。入ってきてからの査証の是非などについては当然、領事館が行っていたということは当然ですけれども、その出入りとか入口でのトラブルなどについてはむしろ中国側がさばいていたというようなことがこれまであったのではないか。どうもそういうことが、今回も、ああ、またそういうことかなと思わせるようなことにつながっていたのではないかと若干考えないところもないんですけれども。
 今回の、査証トラブルとは違う、新しいこれまでになかったような事例だったということでございますけれども、先ほどから話をしているように、基本的な対応の仕方、そういうものが、先ほど指示はしているというんですけれども、やっぱりきちっと浸透していない、あるいはそこがあいまいになっているということが根底にあるのではないかというふうに思います。
 世界からも、そういう意味では、これ、決してそうじゃないと必ずお答えでは出てきますけれども、日本は亡命などは認めない国なんだ、あるいは難民についても非常に門戸が狭い国だと。この間も質疑で出ておりましたけれども、調べるというお話でしたけれども、チェコでも、日本は、大使館員が日本は亡命も難民も一切認めない国なんだという発言をしたとの報道などがされる。やっぱり、あちらこちらでこういうことが、仮にこれが事実かどうか別としましても、報道されたりするということは、日本の基本的な姿勢というものがやっぱり世界に分からない、それからこういうケースでもやっぱりあいまいな形で毅然とした態度が取れないと、こういうことにつながっているのではないかというふうに思っています。
 なかなか時間がございませんので、この程度にして、次に引き継がせていただきたいというふうに思いますけれども、改めまして、難民の問題等も先ほど大臣から多少前向きなお答えがありました。私は、入管何とか懇談会、そこで議論していただくこともいいんですけれども、やっぱり法務省としてもこういう事態も踏まえて積極的な考え方を持っていただきたいというふうに思うんです。
 今日は二点だけ私は提起をしたいというふうに思います。
 一つは、今回のケースとはちょっと違いますけれども、一般的に、迫害を逃れたりあるいはもう本当に命からがら庇護を求めてくる、こういう場合の拘禁というものをできるだけやっぱり避けていくべきではないかと、こういうふうに思います。このところ、アフガンから来て難民申請をしている人々がたくさんございました。この皆さんについても、難民申請がなされてその認定審査がなされる期間等、相当長期間の拘禁がされています。
 私は、難民認定に関しても、収容ということが絶対あってはならないというふうには申しません。しかし、日本の手続の場合には、迫害を逃れてそして庇護を求める人も一般の入管手続の中で拘禁などが継続をされるということになってしまいます。やっぱりこれは全く違う意味合いを持っているわけでございまして、仮に一定の収容等が必要であるとしても、やっぱり難民として、あるいは庇護を求める人間としての別な形での収容の在り方というものを考えるべきではないかというふうに思うことが一点です。
 それからもう一つは、もうこれは基本的なことですけれども、やっぱり出入国管理、それから、今、外務省からもいろいろお話しいただきましたけれども、在外公館というようなところも、ある意味では日本の、一方では国益とか日本の国の安定、安全などを第一義に考える、そういう行政でもございます。しかし一方で、難民とか、迫害を逃れ、あるいは庇護を求める人というのは、国益とかとは別に、やっぱり国際的な人道あるいは本当に国際的な人権という観点での側面が第一義的ということになろうかというふうに思うんです。
 日本の難民制度あるいは政治亡命等についても、基本的には法務省というお役所が、しかも入管行政と一体として行われている。やっぱりここを独立した何らか形で行うことというのが必要ではないかというふうに、そこにやっぱり緊張関係というものがなければ、結局は、人道と言葉では言いながらも、やっぱり国益優先というような形になってしまうのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、先ほどから人道、人道という言葉、あるいは人権というのは、言うは易しいんですけれども、やっぱりそれをきちっと担保できる、裏付けできる制度とかシステム、こういうものがなければ、結局はこれからも繰り返しいろんなこういう人道上に反するような問題が起こり、日本は人道に非常に冷たい、あるいは庇護を求める者に対して非常に門戸が狭いというようなことにもなっていこうかというふうに思います。
 今日はちょっとその二点だけ一応提起をさせていただいておきますので、是非、長い議論を待たずしてもできるいろいろな制度の改革や、あるいはこういう問題提起に積極的にこたえていただきたいというふうに思いますので、大臣のちょっとお考え方を聞かせていただき、次の小川議員の方に質問をタッチさせていただきたいと思います。
#79
○国務大臣(森山眞弓君) 先生の御指摘は、私もこの法務省の仕事を一年近くやりまして、入管にも大変かかわってまいりまして、いろんなケースがあるということを具体的に知りました上で、最近、基本的に先生がおっしゃったような問題意識を同様に感じております。
 人道とか人権と国益が対立するものではなくて、日本が人道を十分留意して人権を尊重する国であるということを示すということは、日本の国全体としてその評価を高めるということでもありましょうから、決して矛盾はしないと思うのでございますが、難民認定手続と退去強制手続というのがございまして、それぞれ別の目的なんでございますが、たまたま難民認定申請をしている者が不法入国であったり不法就労であったりというようなことがございまして退去強制手続も同時に行われるということがあるわけでございまして、そのような場合には非常に分かりにくく、ややこしくなるわけでございますが、しかしその庇護を求めている者の中に迫害を逃れてきた人もいるというわけでございますので、いろいろな配慮が必要であるということはよく承知しております。
 このような観点から、難民認定申請をした者でありましても、そして、しかも退去強制事由に該当する者につきましては、原則として収容の上、今後とも仮放免を弾力的に運用するなどいたしまして柔軟に対応することを心掛けていきたいと思っておりますし、またなお、難民の認定の在り方については幅広い観点から政府全体として真剣に検討しなければいけないというふうに思っているところでございます。
 そのような問題意識も最近特に強くしておりますものですから、先ほど申し上げた懇談会などを通して多くの方の御意見を承ろうかということが準備されつつあるということで御理解いただきたいと思います。
#80
○小川敏夫君 この瀋陽の事件で、政府は当初、領事館内に入ったのは二人で、三人は入らずに阻止されたというような発表をしておりましたが、その後、ビデオが公開されるに及んで、入り損なったという三人も実は敷地内に入っていたということが確認されておりますが、当初そういう誤った情報に至った原因はどこにあるんでしょう。外務省の方、説明していただきたいんですが。
#81
○政府参考人(田中均君) 当初、私どもに受けていました報告では、入口付近で三名の人がもみ合って拘束されたということでございました。ですから、担当した査証担当副領事が総領事館正門付近に到着したときに、正門の門柱や鉄扉に女性が必死にしがみついていたと、それを武装警官が引き離そうとしていたという状況を目撃したわけでございまして、そこからすれば、この三名の人々が総領事館の館内に入ったこと、それから武装警察官が敷地内に入ったこと、そういうことについての認識はなかったということでございますが、テレビその他フィルムの報道におきまして、そこは明らかになったということだと承知しております。
#82
○小川敏夫君 外務省がこの事件の調査結果を公表しておるんですけれども、その中で、「関係者五名が連行された際の状況」という項目がありましたね。そこを読むとこういう部分があるんですよ。「午後二時五十分頃、」、当日ですよ、「この間、外務本省からは、抗議の上、五名の身柄を総領事館構内に戻すよう指示を試みた」、五名を戻せと言っているんですよ。うそですね、この報告は。入ったのが二名という認識なんだったら、二名戻せでしょう。入っていない人間に対して戻せという指示があるはずないじゃないですか。
#83
○政府参考人(田中均君) そこは、私、翌日の会合でも御説明を申し上げた次第でございますけれども、当時は、法的な認識からすれば三名であるというふうに考えていた。ところが、これは人道上の問題があるから、五名について引き渡しをというか、五名の問題であるというふうに、当時、中に入ったか否かは別にして、人道的な問題からして五名という認識を有しておりました。
#84
○小川敏夫君 「五名の身柄を総領事館構内に戻すよう」ですよ、「戻す」という言葉ですよ。入っていない人間を戻すとは言わないでしょう。二名については戻せ、三名については人道上の配慮から引き渡せというのが正しい表現でしょうけれどもね。この報告は、だから都合のいい作文をしているんじゃないですか。
#85
○政府参考人(田中均君) 実は、この中で五名を戻せという指示をしたのは私自身でございます。ですから、そのときの認識を申し上げておるわけですけれども、確かに、そのときに聞いていた客観的な状況からすれば、二名が総領事館の構内に入り、三名は入口付近のことであったという認識でございましたが、同時に、その五名が一緒に来たという認識はございました。したがって、とにかく五名だという指示を出したのは、私は、私の認識としてはそうでございました。
#86
○小川敏夫君 それに関連して質問、時期は戻りますけれども、なぜ私がこの質問をするかというその質問の趣旨を初めに言いますと、要するに、阿南大使が言った、脱北者が侵入してきたら阻止しろという発言、これは誤報だと言うけれども実は誤報じゃなくて、やはり報道されているとおりであって、実際にこの瀋陽の領事館でも、その指示に従った対処がなされたんじゃないかと。それによって、日本が世界の笑い物になるような非人道的な措置が取られたということと同時に、不可侵権がある公館内に中国の武装警察官が入ったという主権侵害に関して、主権侵害の事実があったのに、なかったことにしてしまったという事態が生じたんじゃないかと。それを取り繕うために様々な虚偽の報告がなされているんじゃないかと私は判断しておるわけで、そういう観点から聞かせていただきますけれども。
 この報告書を子細に読んで、非常に奇妙なことがあるんですよね。順番に言いましょうか。
 午後二時ごろ、副領事が、門のところで騒ぎがあったと。それから、玄関ホールで清掃していた作業員が事務所内に入ってきたということで、その事務所の玄関を出たと。それで、門の光景を目撃したということですけれども。次に、二時五分ごろ、その副領事が正門付近に到達したということになるわけですよ。二時ごろ玄関を出て事態を目撃して、それで正門には五分ごろ到着しているんですけれども、この玄関の入口から正門まで五分も掛かるんですか。この五分間、少なくともこの事態を確認した副領事が正門付近へ到達する間の五分間、この副領事は何をやっていたんですか。
#87
○政府参考人(田中均君) 私どもは、後でテレビで見ておりますから、その結果に基づいて、こうすべきであった、ああすべきであったという反省は多々あります。ですけれども、当時の状況、正にいろんなことがその後起こってしまったということの状況の中で、この調査報告書自身はそういう人々からヒアリングをしてまとめられたものでありますが、その調査報告書に基づきますと、自分が仕事をしていた領事、副領事の部屋から、トラブルがあるという声を聞いて、彼は通常の、最初はけんかか何かじゃないかという認識があったようでございますけれども、そこからそれを聞いて下りて、失礼、現場に到達をするのに約五分ぐらいは掛かったであろうということでございます。
#88
○小川敏夫君 何か、全然質問に答えてないような感じですけれども。
 私は、要するにこの副領事は、そうした阿南大使の事前の指示の趣旨も十分理解して、要するになるべく事態にかかわらないで済ましてしまおうと。だから、三人についても、本当は入っているのを目撃したんだけれども、目撃しなかったことにして早いところ警察官に連れ出されてしまえば都合がいいやということで黙認したんじゃないか、傍観してたんじゃないかというような疑いを持っておるわけです。あるいは、駆け込んだ二人に関しても、十分事情を分かっていたのに知らなかったことにしているんじゃないかということで、この外務省の調査結果に疑問を持っているから聞いておるわけですけれども。
 じゃ、さらに、この調査結果について聞きますけれども、副領事がこの事態を最初に認知したのは事務所一階の廊下だとあるんですが、これは事務所一階の廊下というのは、査証待合室辺りですか、玄関ホールの近くですか、どこら辺ですか。
#89
○政府参考人(田中均君) 玄関ホールを入った廊下であるというふうに承知をしています。
#90
○小川敏夫君 それから、「玄関ホール付近を清掃中の中国人職員二名が慌てて事務所内に駆け込む姿を目撃した」ということですから、確かに玄関ホールを見渡せる近くにいたんだと思いますが、この男二人が入った査証待合室、ホールを清掃中の職員じゃなくて、脱北者の二人が入った査証待合室というのは玄関ホールのすぐ横ですよね。すると、これやっぱり副領事は脱北者二人が査証待合室に入ったのを目撃したんじゃないですか。あるいは、その直後にその状況を見て、当然分かるべき状況下にあったと思うんですが、どうですか、そこのところは。
#91
○政府参考人(田中均君) それは、現地に行った調査団がいろいろ聞いて確認をしたところでございますけれども、正に、玄関ホールを入った一階の廊下付近にいて、掃除の人たちが声を上げている、それで出ていったというときに、既にその段階ではその二名の人が入っていたということでございまして、彼は目撃をしていないということでございます。
#92
○小川敏夫君 それが午後二時ごろで、正門付近に到達したのが二時五分ごろなわけですよ。だから、そういう異常事態を気が付いた時点から正門付近に行くまでの五分間、この副領事はどこにいたんですか。
#93
○政府参考人(田中均君) 正に、この三人の方が詰所の方に連れられていって、そこでその周りから、あれはまだ二人いるぞという話を聞いて、それで慌てて館内に駆け戻ったということでございます。
#94
○小川敏夫君 質問にちゃんと答えてくださいよ。質問に答えていないじゃないか。
 午前中はこれで終わります。
#95
○委員長(高野博師君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#96
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、瀋陽総領事館事件及び大阪高等検察庁前公安部長の逮捕に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#97
○小川敏夫君 外務副大臣にお尋ねというか確認させていただきますが、婦人二人と幼女一名の三名が、後にビデオテープで確認したところ、明らかに領事館の敷地内に入っている、それから中国の武装警察官が敷地内に入っておるわけですけれども、これはやはり領事館の不可侵権を侵害されたという意味で、広い意味の主権侵害だと私は思うんですが、そういうふうに認識することは、これは外務省もそういう認識でよろしいわけですね。
#98
○副大臣(植竹繁雄君) その点は、領事館館内に入った向こうの武装警官の侵入については、これは私どもは不可侵という考えの下に対応をしております。
#99
○小川敏夫君 ですから、領事館の不可侵権を侵害されたという意味で、広い意味で主権侵害を受けたと、こういう認識でよろしいわけですね。
#100
○副大臣(植竹繁雄君) そういう認識の下で対応しております。
 ただし、そのときの、申し上げますが、副領事自身は、初め入ったときにはそういう認識はなかったかと思っております。入ったということがはっきりしていないと。副領事自身は後でテレビを見て入ったということを分かったということでございます。
#101
○小川敏夫君 当局の方に、外務省の方にお尋ねしますけれども、その副領事は、門の、敷地内に落ちているものを拾ったわけですけれども、前回の質問でも聞いたんですが、「等」という表現があったんで、そういう「等」という表現を使わないで、何が敷地の中に落ちていたのか説明してください。
#102
○政府参考人(田中均君) 地面に落ちていたもの、武装警察官の帽子、女性用の靴、ボールペン等とありますが、これはファイル状の様の、ファイルのようなものということでございました。
#103
○小川敏夫君 そういうものが敷地の中に落ちているという状況を見て、その副領事はどのように判断したんですか。
#104
○政府参考人(田中均君) 本人の認識は、その武装警察官が中に入って落としたものかどうかということについては認識がなかったようでございます。すなわち、武装警察官が中に入ったという認識はなかった、もみ合ったときに落ちていたものだという認識であったというふうに承知をしています。
#105
○小川敏夫君 逆の聞き方をしますけれども、入っていないと断定できる状況があったのか、入った可能性があるという疑いすら持たなかったのかはどうですか。
#106
○政府参考人(田中均君) 残念ながら、本人の認識は、中に入ったという認識は持っていなかったようでございます。
#107
○小川敏夫君 だから、疑いも持たなかったのかと聞いているんです。
#108
○政府参考人(田中均君) そこは分かりません。私どもの調査、聞き取りでは、中に入ったという認識はなかったということでございました。
#109
○小川敏夫君 午前の質問ですけれども、要するに二時に騒ぎがあってすぐ玄関口に出て状況を見たと、それから正門前に着いたのがその五分後だと。相当な状況を見ているわけですね。それで、現場に着いて落下物を現実に確認したわけです。
 で、これはだれに渡したんですか。
#110
○政府参考人(田中均君) 本人からのヒアリングでは、それは現地スタッフに渡して、現地スタッフがそれを武警に返したというふうに承知しております。
#111
○小川敏夫君 女性の持ち物も警察官に渡してしまったということですね、そうすると。
#112
○政府参考人(田中均君) そのようでございます。
#113
○小川敏夫君 そういう落下物を見て、外から飛んできたとしか思わなかったという説明を聞いて、国民のだれも納得しないと思うんですがね。政府は毅然とした態度を取ると言っているけれども、全く正反対の態度を取っていますよね。要するに、主権侵害を受けたけれども、対応が煩わしいからなかったことにしちまおうと。たまたまビデオで明らかになっちゃったからしようがないんでね、実際にはこれ、主権侵害はなかったことにしてしまおうという、そういう行動だったんじゃないですか。
#114
○政府参考人(田中均君) 私はそうではないと思います。すなわち、私どもが本省で連絡を受けたとき、少なくともこの二名の人を捕まえるためにこの武警が中に入ったという認識はございましたし、なおかつそのときに五名を戻せという意識がございましたので、少なくとも不可侵権が侵害をされたという認識は持っていたというふうに思います。
#115
○小川敏夫君 何か、言っていることが全く論理矛盾しているじゃないですか。
 その女性三人が門、敷地内に入らないで取り押さえられたんであれば不可侵権の侵害はないですよね。だけれども、五名について不可侵権の侵害が云々で、五名を戻せというのは、全く言っている意味が相矛盾しているものがあなたの説明の中に入っていますよね。どうなんですか、そこは。
#116
○政府参考人(田中均君) 私が申し上げているのは、武警が総領事館の中に入ったという認識は、この三名のもみ合いのときに入ったという明確な認識は当時なかったわけでございますけれども、少なくともこの二名を捕まえるために入ったという認識はあった。したがって、この件について総領事館の不可侵権が同意を与えることなく侵されたという認識は、当時、八日の日、その一連の抗議の中で当然持っていたわけでございます。確かに、この三名の人を、もみ合っているときに二人が入った、失礼、武装警察が入ったのかどうかということは、それはおっしゃるとおり、テレビを見るまで分からなかった。しかしながら、この二人を捕まえるために武警が入った、不可侵権が侵された、同意なく入ったと、こういう事実について抗議を行っているわけでございます。
#117
○小川敏夫君 その男性二人のことについて聞いていないんで、それとこの女性三人のこととごちゃ混ぜにしないでくださいよ。女性三人を引き出すために入ったこと自体が主権侵害だという認識だということを前提に聞いているわけでね。そうした主権侵害の事実について、どうも副領事の態度は、どうしてもなかったことにしてしまおうというような行動としか評価できないと私は思いますがね。
 話は変わりますけれども、その男性二人が駆け込んでこの待合室に入ったと。で、門にいた警備官が、警備員が追って捕捉して、後、監視したということですね。監視していたのはこの警備官一人ですか、あるいはもっといたんですか。
#118
○政府参考人(田中均君) 監視をしていたのはこの現地の警備官一人でございます。
#119
○小川敏夫君 この査証待合室で、そうすると十五分から二十分間の間、警備員が一人で監視していただけで、それ以外の人間は一切関与していないんですか。
#120
○政府参考人(田中均君) この中国人警備員は、テレビでもございますけれども、二人がばあっと入っていったときに横から追い掛けていって、一人を玄関、正面の玄関前、一人を玄関ホールで捕捉をして、査証待合室の長いすの前に二人を座らせて、その前で監視をしていたと、一人で監視をしていたということでございます。
#121
○小川敏夫君 いや、だから、その今言っている警備員以外の人間は一切関与していないのかと聞いているんです。
#122
○政府参考人(田中均君) 残念ながら、そのようです。
#123
○小川敏夫君 この副領事が、警備員が待合室で二人を監視していることは当然知らなかったということですよね。で、副領事は正門に行く際に、例えば人を呼び集めて、電気工一名も呼んで正門付近に行ったというんですけれども、普通だれでも考えれば、こういうもみ合っているような状態があれば、警備員を一番先に呼んで自分と一緒に行くべきだと思うんですがね。なぜこのとき副領事は、一緒に、警備員に対して自分と一緒に行こうと、正門のところに行こうと言わなかったんですか。
#124
○政府参考人(田中均君) 警備員そのものは総領事館の構内の内側に歩哨的に立っていて、彼が二人が入ってくるのを見て中に行ったということでございまして、その後出てきた副領事は、もちろんスタッフに声を掛けて出ていったわけでございますが、そのときに付いてきたのがたしか二名だったと思いますが、そういうことでございます。
#125
○小川敏夫君 その警備員は二名を監視していたというんだけれども、だれの指示でその二名の監視を続けていたんですか。
#126
○政府参考人(田中均君) 本人からのヒアリングでは、自分は総領事館の警備員であり、こういうことについて自分の役目は、入ってきた人に対して、こういう状況で入ってきた人に対して監視をするというのが自分の役目だということで、自分で監視をしていたということでございます。
#127
○小川敏夫君 普通、こういう事態があれば、副領事はすぐ警備員を同行させると思うんだけれども、その警備員を呼ばないで電気工とかそういった人間を呼んで正門に行っているというのは、警備員が要するに待合室で監視しているから呼ぶに呼べないということを、事情をすべて分かっていたから警備員を呼ばないで正門の方に行ったんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#128
○政府参考人(田中均君) その警備員は正に正門の中に入った、そばにいる警備員であって、玄関のところから出てきたときには正にその警備員はもういなかったという状況でございます。
 もう一人の警備員は公務で外へ出ていたということでございます。
#129
○小川敏夫君 だから、門のところのトラブルを一番対処するに一番ふさわしい警備員を呼ばないで電気工なんか呼んで正門付近に行くというのは、警備員がほかの仕事、すなわち査証待合室で二人を監視しているということを副領事が自分で指示したか、あるいは知っている、分かっているからその警備員を呼ばなかったんだと私は判断しますけれどもね。
 ところで、それで、その査証待合室に男性が二人いて、じゃ、その警備員が監視しているという状態。これは何か、副領事が気が付かなかった、気が付かなかったという副領事のことだけ取り上げますが、ほかの館員は、あるいは査証事務を行っていたほかの館員は当然分かるわけですね。
#130
○政府参考人(田中均君) これは現場の総領事館の造りとかそういうことにもよるわけでございますけれども、基本的に査証待合室というのは査証申請のためにやってくる人が待っているところでございまして、それからこれは従来の警備その他のこともございまして非常にこういう高いところのカウンターがあって、その中に現地スタッフがいると。
 日本人の館員については、大変これも不幸なことではございますけれども、公務あるいは休暇で外に出ている人がいました。それぞれ実は査証を担当しているもう一人の本官、日本から派遣されている者がいるんですが、この人も休暇で外へ出ていたという状況の中で、それに気が付いた日本人はだれもいなかったというのが状況でございました。
#131
○小川敏夫君 この査証室で査証の事務を行っていた担当者はいたんでしょう。
#132
○政府参考人(田中均君) 査証室に現地スタッフの方が数名いたのは事実でございます。
#133
○小川敏夫君 その人たちは十五分から二十分間の間、男性二名が警備員に監視されているという状況を当然これ分かっているわけで、なぜ正門付近にいる副領事にそのことをだれも連絡しなかったんでしょうかね。そこのところの体制はどうなっているんですか。
#134
○政府参考人(田中均君) 現地スタッフに確認をいたしましたが、そのときの状況というのは見ていないということでございまして、確かに何らかの形でこの見張りをしていた警備員が日本人に連絡をすべきであったのではないかという御指摘についてはそのとおりだと思います。
 また、見張りをしていた人がだれかにその見張りを任せて、この場合に、日本人のいわゆる本官として査証をしていたこの査証副領事に連絡を取るべきであったということについても、多分そうだと思うんですが、そういう状況ではないという認識があったんだろうというふうに思います。
#135
○小川敏夫君 査証室からすべて待合室が見渡せるというその中でだれも気が付かなかったなんということを、国民が信用できるはずがないじゃないですか。
 私は、要するに、副領事は男二人が入ったことを知っていると。知っていることをだれもが知っているから、だれもあえてそのことを一々副領事に連絡に行かなかったんだと私は思っていますがね。少なくとも、スタッフのだれもが、査証の事務を行っていた者がだれも、男性二人が駆け込んできて警備員がそれを監視しているという状況を気が付かなかったなんという説明で納得できるはずがないですよ。答弁要りませんよ、時間がもったいないから。
 ちょっと質問が飛びますが、その五人が連れ出されて詰所に入った段階で、うち一人が、男性が要するに上申書を、英文の上申書を副領事に渡そうとしたと。英語が読めないから返したということなんですけれども、ただ、この報告書を見ると、一名は中国語が話せるんですね。副領事は当然、中国語が話せるでしょう。英文が読めないといったって、中国語で会話すればよかったと思うんだけれども、その点はどうですか。
#136
○政府参考人(田中均君) これは警備担当の副領事の方でございますけれども、五人が詰所の中に入ったときに、その警備担当の副領事はこの人たちと話を中国語でしている、努めているわけです。その結果、この五人が北朝鮮から来た家族であるという認識を持つに至ったということでございます。
 その間、この英文のメモが渡されたということでございますが、このメモ、今外に出ているメモと同一のものかどうかというのは確実な確証はないわけでございますけれども、そのものであるとすれば、確かに上のところ、表題を読めば分かるではないかと。ただ、全体を、この二枚の英文すべてを理解する力はなかったということでございますし、かつ、これが北朝鮮から来た人々であるということの認識は持っていただろうと思います。
 ですから、そういう意味では、その英文がそれを裏付けるものであったんだろうと思うし、これは、大臣が答弁をされていますように、受け取っておくべきだったと、それは不適切だったという御指摘はそのとおりではないかというふうに考える次第でございます。
#137
○小川敏夫君 それは不適切であることは当たり前で、でも、そんな不適切だったという一言で済む問題じゃないですよ。
 今のやり取りの中で、北朝鮮からの脱国者であることが分かったというふうに言っていますけれども、もう一言足らないんじゃないですか。要するに、それからアメリカに、あるいは第三国に亡命したいという希望を持ってこの領事館の中に入ったんだということまで説明を受けたんですか。そこまで聞いたんじゃないですか。
#138
○政府参考人(田中均君) ヒアリングの結果によりますと、その査証担当副領事が聞いたこと、中の一人が中国語ができて、それでこの五人の人が北朝鮮から来た家族であるということは聞いたということでございます。
 それ以上、アメリカに行きたいとか韓国に行きたいとかといったような会話をしたわけではないということでございます。
#139
○小川敏夫君 その会話の中で、じゃ、なぜ日本領事館に訪れたのか、入ってきたのか、そのことについては聞かなかったんですか。
#140
○政府参考人(田中均君) そういう会話が行われたとは聞いていません。ただ、当然のことながら、最近、三月以降の状況を見れば、いわゆる脱北者であるという推測は成り立っていたんだろうというふうに思います。
#141
○小川敏夫君 だから、もうその態度に表れているじゃないですか。厄介なことはもうなかったことにしてしまおう、そういう亡命の希望を聞いたらまた処理がややこしいし大変だから、このまま連れていってもらってしまえばいいや、事情は聴かない方がいいと、そういう態度が一つ一つの行動にはっきり出ていると思いますがね。
 英語が読めないというんだったら、突き返す前に英語が読める人を呼べばよかったと思うんですが、この領事館には英語読める人はいないんですか。
#142
○政府参考人(田中均君) もちろん、おると思いますし、全体を見て、このときにこうしておくべきであった、ああすべきであったということについては、正に問題があるがゆえにこの報告書の中でもいろんなところに大きな問題があったということを言っておるわけでございます。
#143
○小川敏夫君 結局、そんな個々的にそのことが不適切だった云々かんぬんじゃなくて、結局、阿南大使の指示が、要するに脱北者は、侵入者は阻止しろという指示に従って、そういう方針で臨んだからこういう結果が起きたんじゃないかと思うんですが。
 ちょっと質問を変えますけれども、どうも納得いかないんだけれども、初めの、査証担当の副領事が、婦人二人と幼女が警察官ともみ合っている状況を見たというときに、ビザに関係するトラブルだと言うんだけれども、ビザに関係するトラブルとはとても考えられないんだけれども、ビザに関係するだれとだれのトラブル、どういうトラブルと認識したんですか、この副領事は。
#144
○政府参考人(田中均君) これは中国の総領事館で多々ある例でございますけれども、総領事館に入ってくるときに、身元、外の世界というのは警備の世界ですから、きちんとした身分証明書を持ってそれを提示してくるわけでございますが、そのときに、必ずしもそうではなくて、どうしても総領事館に入れろとか、そういう形で、中国人でございますけれども、トラブルがあったり、そこでけんかになる事例というのが多々あると、そういうことの一つではないかという認識を持ったということでございます。
#145
○小川敏夫君 その程度のトラブルかどうかはビデオの映像で、正に必死になって中に入ろうとするその状況を見ると、そんな査証トラブルだと判断するような事例じゃないんで。そうじゃない事例だと明らかだと思うんですが。
 話は変わります。
 外務副大臣にお尋ねしますけれども、今日、朝、私、出掛けにテレビを少し見ただけで、いわゆる亡命した、韓国に入った五名のうちの人が空港でインタビューを受けているところだったので、詳細なインタビューじゃないから断片的な部分があるかもしれませんが、自分たちが連行されたことについてどう思うかという質問を受けまして、すべてもうそのことは許すと、こんなことを言っている場面がありました。
 私は、その言葉が今回の件をすごく反映しているなと思うんですよ。普通なら、いや、日本の関係当局の御配慮に感謝していますとか、普通は言うと思いますよ。領事館なり日本がそういう普通の、ごく普通の対応をしていれば彼らは言いますよ、日本当局者に感謝しますと。すべて許すという、そういう言葉を彼らが発しているという、この言葉が私はすべて物語っているんじゃないかと思うんですが。
 その場面、大臣、テレビの場面、見たか見ないか分かりませんが、私が見たところそういうふうに言っている、彼らが連行されたことについてすべてを許すと言っているその感想を、インタビューを聞いてどう思いますか。
#146
○副大臣(植竹繁雄君) 実は、あのテレビ、私も詳細は見ていませんが、ちらっと見まして、非常に安堵したというか、そういったことのテレビを見ました。
 それを見て感じたのは、やっぱり、本当に人間生きるか死ぬか、そういう瀬戸際に追い込まれた方々がこうやって帰ってきたと、それで、ああよかったというその安堵の気持ちというのは、私、人間として本当によかったなと、それは思うわけです。そして、今、委員が言われたことについて、確かにあのときすんなり対応が行われて、そして結果、こういう第三国へ来られたということであれば、そこまでの気持ちのあれはなかったと思います。
 しかし、いずれにしましても、すんなりいかずにいろいろもめ事があった。それは法律上の問題でどうのということは、恐らく五人の方々はそこまで意識していなかったであろうと思いますけれども、そういう生死にかかわる問題を切り抜けてきたというその結果、韓国に帰ってきたというその気持ちがああいう言葉を言われたと思い、その反面、私としましても、ああいうトラブルがあったということを、これが法律的以外にも本当に人道上これは申し訳なかったなという気持ちは感じておるところでございます。
 そして、それと同時に、やはりそういういろんな行き違いがあって不適切であったようなことも含めまして反省し、これはもう二度とこういうことを起こしてはいけないという気持ちになりまして、今後もうそういうことを繰り返さないように関係各部署についても指導していきたいと考えております。
#147
○小川敏夫君 今回の事件、時間も来ましたので質問は終わりますが、今回の外務省の取った非人道的な対応、あるいは主権を侵害されたことに対しての、全く国の立場を無視した、小泉総理は毅然とすると言っていますけれども、全く正反対の対応ということについて、私はこれをこのままやはり単なる反省という一言で済ませるわけにはいかないと思っております。また、この事実に関する報告も実にいい加減で、全く国民が納得できるものじゃないということで、また改めて機会を見てこの点についてはただしていきたいという気持ちを述べさせていただきまして、質問を終わります。
#148
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。
 まず最初に、大阪高検の前公安部長逮捕に関する件について何点か御質問をしたいと思います。
 それに先立ちまして、火曜日の新聞にも報道されておりました、名古屋高検、また同地検、区検の検事、職員で作る名察会という親睦団体があるようでございますが、この団体が税法上、課税対象になります団体保険料手数料が税務署に無申告だったということで大きく報道されておりますが、実情をまず御報告願いたいと思います。
#149
○政府参考人(古田佑紀君) ただいまお尋ねの件につきましては、名古屋高・地検の検察職員団体、これが親睦団体会員の保険料集金事務をしていたわけでございますけれども、これが、団体扱いにすると会員のそれぞれの生命保険の保険料が割安になるということで、意識としては会員一人一人のために行われていたものでありますことや、手数料はレクリエーション活動に対する助成などそれぞれの会員の福利厚生のために使用されていたと、こういうふうな事情からこれまで、誠に申し訳ないことではありますけれども、これが団体に帰属して保険料の集金等事務が課税対象となる団体の収益事業と、これに該当するという意識がなかったというのが実情であったわけでございます。
 ただ、同様の問題につきまして、ある自治体について同様の問題が一部報道されたことがございまして、それを見てこの団体におきまして所轄の税務署に相談をして、その指導を受けて今回、税務申告をすることになったと、こういう経緯であると承知しております。
#150
○日笠勝之君 そのある自治体というのは、いわゆるPTA連合会が契約したところの団体保険の取扱事務手数料がいわゆる税務申告してなかったということだと思うんでございますが、埼玉県でも千葉県でも栃木県でも群馬県でもという、多発して続発したわけですね、今年の一月頭からずっと。それらのことを受けて、我が親睦団体もどうなのかと、こういうことで調査をされたと、こういう認識でよろしいんでしょうか。
#151
○政府参考人(古田佑紀君) 名古屋におきましてどの新聞を見たかと申しますと、これはどうやら福井新聞のようでございますが、いずれにいたしましても、ただいま御指摘のような新聞報道を見て、同様の問題があるということを明確に認識したと、こういうことでございます。
#152
○日笠勝之君 これは名古屋高検だけなんでしょうか。ほかにも高検はございますが、そういう親睦団体というのはないんでしょうか。
#153
○政府参考人(古田佑紀君) この団体保険の手数料の問題につきましては、実は庁の規模に応じていろいろございまして、一律に申し上げることが困難でございます。
 しかしながら、こういう親睦団体が扱っているところもございますし、またそうでないところにしても、いずれにしても税務上の処理というのを考える必要があるわけでございます。そういうことで、当局といたしましても、こういう問題につきまして各検察庁に注意を喚起をして、所轄税務署と相談の上、適切な対処をするように注意喚起をしているところでございます。
#154
○日笠勝之君 それにつけましても、この次席検事の方は課税対象との認識がなかったというコメントをされておるわけでございます。司法試験合格された方は税理士の登録もできるわけでございまして、今三百二十七名の方が弁護士でありながら税理士の登録をしておられるというデータもございます。それから、先ほど申し上げました大阪高検の前公安部長もいわゆる住宅を借家に出して収入があったと、こういうことで確定申告を、事業所得ということで確定申告しなきゃいけないのをしてなかったと、こういうことでございます。
 そこで、脱税事案を取り扱う弁護士さんもそうですし、裁判官もそうですし、検事さんもそうです、法曹三曹、脱税事案を取り扱います法曹三曹の方々が、一体、司法試験の試験科目だとか司法修習の中での研修であるとか、今度は法科大学、ロースクールができるわけでございますが、その中でどういうカリキュラムでこの租税法というものを学ぶ、また試験科目にする、研修科目にするということが非常にこれは大切になってくるんだと思います。
 税は国の基でございますから、そのことが分かった上での法曹三曹でなければいかぬと思いますが、今後、この租税法を司法制度改革の中でどのように取り扱うといいましょうか、やっていくか、それについてお答えを願いたいと思います。
#155
○政府参考人(寺田逸郎君) ただいまお尋ねのありました税法でございますが、この問題をこういう文脈で議論しなきゃならないのは大変残念な気もいたすわけでございますけれども、現在、法曹養成制度全体の在り方をどうするかという検討の一環といたしまして、今後、司法試験がどうあるべきか、試験科目がどうあるべきかということが議論されているわけでございます。
 基本的には、法科大学院によって法曹教育を行うということが示されておりまして、その法科大学院でどういう科目を実際に勉強するか、あるいは社会でどういうニーズがあるかというようなことを中心に今後、試験科目を検討していきたいと、このように考えております。
 しかし、一般にはこの税法が非常に実務上も大事な問題だという認識が非常に強まっておりますので、そういう方向で検討したいというふうに考えております。
#156
○日笠勝之君 はい、その方向でひとつ検討を急いでいただきたいと思います。
 次に、大阪高検の問題に行きたいと思います。
 四月二十五日、当法務委員会におきまして集中審議を行いました。そのときには、前公安部長の罪名とその概要ということについてお伺いいたしました。この四月二十五日、当委員会の集中審議以降ですね、以降、余罪もあったようでございますが、再逮捕されたようでございますが、その状況、これをひとつお答えいただきたいと思います。
#157
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの件につきましては、まず、去る五月十日に、当初この委員会で大臣から御報告申し上げました電磁的記録公正証書原本不実記録・同供用・詐欺、それから職権濫用、これは逮捕事実のほかにもう一件付け加わっておりますが、それにより公判請求をいたしたわけでございます。そして同日、同元検事が職務に関連いたしまして暴力団関係者から酒食等の接待を受けたり女性との情交の機会の提供を受けるなどした事件により三井元検事を再逮捕するとともに、併せて贈賄により暴力団関係者を再逮捕いたしまして、現在、ただいま申し上げた事件について鋭意捜査中でございます。
#158
○日笠勝之君 この三井元検事に対する処分というのはどのようになっておりますか。
#159
○政府参考人(古田佑紀君) 三井元検事につきましては、五月十日、先ほど申し上げました公訴の提起の前に、同日付けで懲戒免職処分としております。
#160
○日笠勝之君 これは懲戒免職したわけでございますが、懲戒免職した場合の退職金はどうなっていますか。それから二点目は、共済年金はどうなるんでしょうか。
 二点についてお伺いします。
#161
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 職員が国家公務員法第八十二条の規定による懲戒免職処分を受け、あるいは禁錮以上の刑に処せられた場合は、国家公務員退職手当法の規定により退職手当は支給しないこととされております。
 また、退職共済年金につきましては、職員が、今と同様なんですが、職員が国家公務員法第八十二条の規定による懲戒免職処分等を受け、あるいは禁錮以上の刑に処せられた場合は、国家公務員共済組合法の規定によりその一部の支給を制限することができるものとされております。この判断は国家公務員共済組合連合会においてなされるものではございますけれども、これまでの例では支給の制限が行われていると承知しております。
#162
○日笠勝之君 懲戒免職になって退職金はもらえない、共済年金は一部支給、減額支給と言った方がいいかもしれませんね。そういう非常に厳しい処分がなされたわけでございます。
 それで、御本人はこういう処分が確定したわけでございますが、さきのこの法務委員会でも私、申し上げましたが、検察首脳も何らかのやはり責任問題があるんではないかなということで、それについてどのように対応されますかと申し上げましたら、大臣は、「事実関係が明らかになりました上で、それを踏まえて適正な措置をしたいと思います。」と、こう御答弁をされております。
 三井元検事の方は懲戒免職と、こういう処分が決まりましたが、検察首脳といいましょうか関係者といいましょうか、そういう方々の責任問題というのはもうそろそろそのときが来たのではないかと思いますが、大臣、いかがされますか。
#163
○国務大臣(森山眞弓君) 今なお詳細に調査中でございますので、その調査の結果を見まして適正に対処したいというふうに思っております。
#164
○日笠勝之君 ですから、調査中でしょうが、その調査中でありながら片一方の方はもう懲戒免職にしてしまったわけですから、その関係の人、また、いわゆる監督責任のある方も合わせ技でいかないと、片一方だけは調査を徹底的にするんだというのでは、何となく不合理なといいましょうか、気がいたしますから、やはりこれは五月十日にそういう処分をされたわけでございます。そろそろその時期が来たのではないかというふうに私は思っておりますので、しっかりとした対応を、国民が見て、さすが厳正な対応だったというふうなことを期待をしておるということを申し上げておきたいと思います。
 それで、もう一点、さきの法務委員会でも申し上げましたが、最近のいろんな報道なんか見ますと、三井元検事の行状といいましょうか行動について、昨日今日じゃないんだと、もう何年か前から不動産物件を、それこそ十指に余る不動産物件の売買、これをしておったと、そういうふうな風評といいましょうか、あったようでございます。さすれば、当然、上司なり同僚の方は、そんなに不動産物件を買って、その購入資金はどうなっている、確定申告はちゃんとしているんですかとか、何らかのこれはいい意味の忠告なり助言なりがあってしかるべきじゃなかったのかなと、こう思います。
 前回も申し上げましたけれども、検察官適格審査会というところは三年に一遍、又は大臣の方から請求によって随時審査も行うとなっておるわけでございますが、もう一度お伺いしますが、この審査会の審査というものについては、こういうふうな先ほど申し上げたようなことは一切耳に入らずに今日までクリアしてきたと、こうなるんでしょうか。それとも、そういう話はあったけれども、不問にする程度であったのかということを一つお聞きしたいと思いますが。
 今後、こういうせっかくあります適格審査会というものをどのように活用して検察官の、国民の信頼に足り得る検察官ということへの審査といいましょうか、これの活用といいましょうか、再発防止ということをどうお考えになっているか、併せてお伺いをしたいと思います。
#165
○政府参考人(大林宏君) 三井元検事に関しましては、本年に入ってからの大阪地検の捜査の結果、委員御指摘のとおり、多数の不動産取引を行うなどの問題行動があったことが判明しました。
 検察官適格審査会におきましては三年に一度の定時審査が行われておりますが、三井元検事のこれらの問題行動は、私生活上のものが大半で周囲の者が容易に把握できなかった事情もありまして、これまで検察官適格審査会でこれが取り上げられることはありませんでした。
 同審査会の審査が適正に行われていると考えてはおりますけれども、今回の事件を踏まえて、資料収集の方法等につきましてなお改善すべき点があるかどうかを今後検討させていただきたいと、このように考えております。
#166
○日笠勝之君 秋霜烈日が検事のバッジだそうでございますから、厳正公平にまず自らの身を正していくという意味では、この審査会の活用方をしっかりと再発防止のためにもお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、調査活動費、調活につきまして何点か今回もお伺いをしたいと思います。
 前回もいろいろこのことについてお伺いいたしました。大臣からも、調査活動費は適正に執行されていると、こういう御答弁をいただいております。私もそれを信用を申し上げておるところでございます。
 そこで、大臣、更にこのことについてお伺いしたいんですが、平成十年のピーク時は五億五千二百六十万、調査活動費が計上されておったわけでございます。それから、昨年、平成十三年は一億一千八百五十七万円ということでございました。これらをすべてを精査した上で適正に執行されておったと、こういうふうな御認識での御答弁だったんでしょうか。いかがでしょうか。
#167
○国務大臣(森山眞弓君) 調査活動費が平成十一年度以降大幅に減少いたしましたんですが、これは犯罪情勢の変化等に伴いまして調査対象・方法の見直しを行ったことによるものでございます。すなわち、従来は外部協力者に謝金を支払い、主として公安情報を入手するという執行形態が一般でございましたが、公安情勢が大きく変化する中で、検察庁にはいわゆる特捜・経済事犯への対処とそのための情報収集・分析の手段及び検察庁の事務の効率化のためのコンピューターネットワークの導入、また独自捜査のための内偵捜査の経費の拡充が求められてまいりました。
 これらの事情から、平成十一年度以降、調査活動費の額や執行の在り方を大きく見直すということになりまして、その検討を進め、情報関係予算としては、調査活動費の一部を順次、検察庁の全国的なコンピューターネットワークの整備経費などにシフトしたということによって全体の額が変わってきたということでございます。
 他方、公安情報につきましては、関係諸機関との情報交換会を頻繁に開催するなど、情報収集の多様化、効率化を進めておりまして、全国的なコンピューターネットワークの整備と相まちまして、調査活動費を減額しても検察庁全体の情報収集等に支障を来すことはないというふうに考えておりまして、このようなルールに基づきまして適正に執行されているというふうに考えております。
#168
○日笠勝之君 これ、私が申し上げているのは、例えば平成十三年度は一億一千八百五十七万円計上されておるわけですが、これは十三年度ですから、今十四年度ですから、もう執行が終わったと思うんですね。それらを全部見て、一品ずつといいましょうか、まあ地検ごとでもいいですよ、見て、直接見られて、まあ膨大な資料でしょうけれども、適正に支出されておると、こういう認識でそういう御答弁をされたのか。ある一定の、何か「噂の眞相」とか何かで取り上げられた案件について調査をされたところ、それは違っていますよ、適正に執行されておりましたと、こういうことなんでしょうか。
 全体を見て適正に執行されたのか、一部のいろいろと指摘されたことについて大臣なりに調査されて適正と、こうおっしゃっているのか、そのことを聞いておるんですが。
#169
○国務大臣(森山眞弓君) 前回そのような御質問に対してお答えいたしましたのは、たしか検察庁の調査活動費について、昨年、加納検事長等に対する告発がなされまして、所要の捜査が行われた結果、不起訴処分となって、検察審査会の審査においてもその結論が是認されているということを申し上げたのだと記憶しております。
 そのほか、検察庁の調査活動費につきまして具体的な不正流用の事実の指摘がございませんで、法務省としては、検察庁全体について御指摘のような調査を改めて行ったというわけではございません。
#170
○日笠勝之君 そういうことなんでしょうね。いろいろ指摘されたことについては、いろいろと調査した結果、適切に、適正に執行されておったと。
 しかし、私も週刊誌が言っていることが正しいとは思いませんし、まあ、まゆつばのものも結構ありました、かつてはね。名誉毀損で相当の損害賠償を払っている一部の週刊誌もございますので、それを信用して真に受けて言っているわけじゃございませんが、しかし今日発行の週刊誌も、いわゆる調活の流用といいましょうかプールといいましょうか、そういうものがあったんだという、「調活不正流用の決定的証拠」という見出しで仙台地検の元副検事の方の実名入りの記事が出ておるわけでございますが。
 そこで、その指摘されたことの一部の調活費の調査は適切だったと。ほかのところは、まあ、いろんな部内なり、また会計検査も入っているんでしょう、そういうところの検査でも別に問題はなかったから適切と、こういうふうに大臣はおっしゃっているんだろうと思います。そうすると、それで理解ができるんですね。
 そこで、これは一つの提案といいましょうか、アイデアかもしれませんが、外務省が、今日は外務省が来られていますが、外務省がいわゆるプール金と称するものがどれだけあるかということをアンケート調査といいましょうか、いろいろ聞き取り調査といいましょうか、やられたわけですね。
 それと同じように、この調活というのは平検事の方は余り見たことも聞いたこともないんだそうでございまして、検事正とかいう方々が、また検事長というような方々が実際、手にタッチするといいましょうか、関与するといいましょうか、だそうでございますので、今、法務省職員の中に検事正経験者の方もたくさんいらっしゃると思うんですね、ひょっとすればそちらの答弁席側にいらっしゃるかもしれませんが。その方々に、経験者の方々に、無記名でもいいですからね、この調活で仲間内で内々でゴルフをしたとか、そのお金で、飲食に使ったとか、二次会や三次会へ行ったとか、そのお金でとか、そういうことがあったかないか。まあ無記名でもいいんですよ、一度アンケートをされたらどうですか。そうすると、実際関与されておった元検事正、検事長という方々がありませんと言うなら、私はこれは天下の検事正経験者の方がおっしゃっていることですから一〇〇%御信頼申し上げたいと思います。
 そういう意味で、国民の信頼をかち取るためにも一度省内で御議論いただいて、是非、私が言うような無記名で結構です、かつてのことですし、昔のことですから資料もないかもしれませんが、しかし自分がそういうことで関与したことがあると、あればどういうことだったかということを、まあ無記名でも結構です、一度御報告を大臣のところに直接いただくと。Eメールでもいいんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#171
○国務大臣(森山眞弓君) 検察庁の調査活動費と申しますものは、その経費の性質上、その具体的な使途を明らかにするということがなかなか難しい面がございます。関係者に危害等が及ぶおそれがあったり、また今後の調査活動にも重大な支障があるとも考えられます。このような、これらを具体的に明らかにするということは非常に難しいというふうに私も思うわけでございます。
 もちろん、これまで調査活動費につきまして、各検察庁におきまして、それぞれ責任者である検事正などが管理するようにするなど適正な執行を確保するための方策が取られてきたところではございますが、現在は更にそのような適正確保の方法といたしまして、第一に、例えば地方検察庁の場合、調査活動費の支出に検事正のほかに必ず次席検事を実質的に関与させ、また検事正と次席検事による相互チェックが図られるようにするというようなこともしておりますし、第二に、会計手続上必要な書類以外に、調査活動の具体的な内容及びその決裁過程を記録した文書の作成、保存等を徹底いたしまして、事後的にも一層適切にチェックが行われるようにやっております。
 今後とも、いろいろな方法を考えまして、適正な執行が行われますように工夫してまいりたいと存じます。
#172
○日笠勝之君 大臣が男性ならもっとがっと行きたいところでございますが、私ももうこれ以上のことは申し上げませんが、御提案申し上げたことは、私は、もし何にもなければ、検事正経験者の方は何にもありませんと、無記名ですから出されればいいわけで、私が申し上げているのは、相手への調査活動の、本来の調査活動で相手の名前とか住所とか、そういうものを聞こうというんじゃなくて、俗に言う調活で内々の飲み食いとかゴルフとか、そういうことで使ったことがありますかということを聞いてくれというわけでありまして、それがもしほかの第三者にしていたらその方に危害が及ぶ、そんな話じゃないんですよ。別に相手の名前を書く必要もありません。あったかどうかということ、あればどういうことであったのかと。でないと、恐らくまたぼろぼろぼろぼろ、実は今度は仙台地検へ飛びましたけれども、ほかの地検へまた飛ぶかもしれませんよ、これは。それなりに雑誌の方も一生懸命やっておるようでございますからね。
 そういう意味で申し上げたことでございますが、今後の適正な執行に対する制度設計はできたと、きちっとやりますと、こういう大臣のお言葉を御信頼申し上げて、この調活費についてはこれで終わっておきたいと思います。
 ちょうど時間が半分でございますから、後半は外務省の皆さんに瀋陽総領事館の事件について何点かお伺いをしたいと思います。
 その前に、これは法務省人権擁護局でしょうか、入管かもしれませんね。先日、十七日、ロンドンに本部を置きます国際人権保護団体のアムネスティ・インターナショナルが日本入管の扱いに改善を促す報告書というのが出たということでございますが、このことについて既に入手をされておりますか。
#173
○政府参考人(中尾巧君) 入手しております。
#174
○日笠勝之君 三項目ほど改善項目というのがあるようですが、この三項目についてどういう項目であり、それについてどういう今、入管とすれば認識に立たれておられますか、また今後どう対応しようとされておりますか、お答え願いたいと思います。
#175
○政府参考人(中尾巧君) 御指摘の報道の関係で、種々、例えば外国人嫌いがあるとか、国籍による差別を行っているというような報道等がございますけれども、このような事実そのものがありませんし、この報告自体につきましては、我が国の入管制度に対する理解が必ずしも十分でないことによる点があろうかと思われる点もございます。
 私どもといたしましては、今後とも、こういうことが報道されることのないように、入管行政の遂行に当たり、人権、人道に配慮してまいりたいとは考えております。
 これに対しましては、現在、その報告書の内容、これ英文でかなりのページ数になります。正確に訳した上、それに対して正しく御理解をいただけるように適切に対応したいというふうに考えておりますので、もう少しお時間を賜れば有り難いと思っております。
#176
○日笠勝之君 きちっと対応をしておかないと、日本の国の人権・人道問題の姿勢が問われておるわけでございますから、この点も早期の対応をお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、本日未明でございますか、北朝鮮の五人の家族の方が中国を出国され、マニラ経由で韓国へ無事到着されたと、こういう朝からテレビ等の報道に私、接しまして、取りあえず、今回のこの対応については、中国政府また日本国政府の、外務省のいろんな意味での対応については、このことについてですよ、これは評価をしたいと思います。しかし、いろいろ残された問題もたくさんあるわけでございます。
 そこで、今日、植竹副大臣いらっしゃっておりますが、この評価をすることについてはこれは結構かと思いますが、事実認識に差がありましたですよね。これは今後どうされるんですか。五人が人権・人道的に無事安着したということでよしとしてあとは水に流すと、こう言うのか、事実関係は事実関係でこれからもきちっと両国で詰めていくと、こう言うんでしょうか。今後の対応について、その事実関係の認識の差があったところについてお聞かせ願いたいと思います。
#177
○副大臣(植竹繁雄君) 委員御質問のとおり、今後の対応でございますが、やはり我が国が主張いたしておりますこのウィーン条約三十一条にのっとった不可侵の問題につきましては、これはやはり私どもとしては重要なことであり、毅然たる態度でもって中国側にこれを要求していくことでございます。
 しかし、一方では、今回の問題は、この不可侵の、主権の問題と同時に、この五名の出国という人道上の問題、これは大変重要なことであり、一方が片付きましたので、これはこれとして中国側に要求し、陳謝ということも要求しておるところでございます。
 中国側と意見の違いがあっても、やっぱりこれは我が国の大事な問題でありますので、今申し上げましたように、これを毅然としていくと。
 ただし、一方では今、中日友好という問題もありますし、やはりこの大局的な……(発言する者あり)間違えました。これは中国年、日中年の、これ問題あるので、私がその担当なので、つい間違えました。これは日本からすれば日中年です。それは訂正させていただきます。
 日中間のこの問題につきましては、国交三十周年と、そういう意味で申し上げました。そういう友好関係もありますので、これは大局的見地からも冷静に慎重に対応していかなくちゃならないと考えております。
 くれぐれも今の中日という点につきましては訂正を申し上げます。
#178
○日笠勝之君 そこで、今後、事実認識の差異については詰めていくということは当然だと思いますが、今日、法務委員会として外務省の幹部の方に来ていただいて質疑するのは初めてでございますので、若干私が思うところ、それからまた、外務省のこの危機管理対応能力ということについていかがかなと思う点がありますので、その辺をちょっと何点かお伺いをしたいと思います。
 まず、総領事館の責任者のナンバーワン、ナンバーツーですね、方々の危機管理対応というか、これについてお伺いをしたいと思います。
 まず、岡崎総領事でございますが、八日の前の夜、七日の夜に大連で航空機事故があって、その処理といいましょうか、で、大連にこの事件が起こったときは向かっておったということでございますが、この岡崎総領事は、何時ごろに連絡を受けて、総領事館に何時ごろに戻って、どういう処理を、また対応をされて、それから翌日何時ごろにまた大連に向かっていったのか、そしてまた再び瀋陽の総領事館に戻ったのは何日の何時なのか、この点についてお答え願いたいと思います。
#179
○政府参考人(田中均君) お答え申し上げます。
 岡崎総領事は、五月八日の一時ごろ大連に向けて瀋陽を出発いたしました。それで、午後の二時二十分ごろ、この瀋陽の事件についての第一報を受けました。午後五時三十分に瀋陽に帰着をしたということでございます。
 その後、九日の朝七時ごろ、改めて瀋陽を出発し、十一時ごろ大連到着。それから、この事故、航空機事故に巻き込まれた日本人の家族の方との面会その他関係の事務を処理をして、十日の慰霊祭にも出席の上、十日の十三時に大連発で、夕刻の六時三十分に瀋陽に帰着をいたしました。
#180
○日笠勝之君 そこで、この総領事館の最高責任者である方が五時半には瀋陽へ帰着したと、翌朝の七時に出発されたと。十二時間以上あるわけですが、この間、総領事としてどういう対応、何をされたのか。皆様方からいただいております連絡クロノロジーというんですか、時々刻々のペーパーを見ましても、総領事の方が帰着した後のことは何も書いてないんですけれども、帰着して次の日、大連へもう一遍出発する間、ナンバーワンですから、総領事館の一番責任者がどういう対応をしたのかと。何も書いておりませんから、御報告をお願いしたいと思います。
#181
○政府参考人(田中均君) 瀋陽に帰着をいたしましてから、この事件について基本的な事実関係も含めて館内の対応その他について協議をし、それから、むしろ今後の対応について協議をする中で、体制を、本人は大連に再び向かわなければいけないという事情があったものですから、大使館に支援を求めようということで、我が日本の北京の大使館の一等書記官が九日の午前中に瀋陽に来てその支援をする、それと入れ替わりに大連に戻ったということでございます。
#182
○日笠勝之君 私は思いますのには、一報を受けてまた瀋陽に引き返す、引き返して直ちに遼寧省の外事弁公室へ直接御本人が抗議に行くと。だって、ウィーン条約三十一条は総領事館の長の許可がなければ入れないとなっているわけです。その長の許可なく入ったんですから、当事者ですから、ばっと行って、私の許可なくしてなぜ入ったのかと、こういうようなことから直接抗議をするという、そういう行動があってもしかるべきではないかなと。それが、領事館に戻って、何ですか、連絡取り合って次の対応を指示してまた朝行かれたという。最高責任者が毅然と、まず自らが最高責任者として遼寧省の外事弁公室に直接抗議に行くべきじゃなかったかなと、こう私は個人的に思いますが、副大臣、いかがですか、それは。
#183
○副大臣(植竹繁雄君) 委員おっしゃるとおり、その点につきましては、その対応の点につきまして適切でなかったと、これは総領事以下、我々も反省しております。
#184
○日笠勝之君 続いて、ナンバーツーの首席領事でございますが、この方は健康管理休暇ということで日本の国に帰っておったようでございますが、この方の健康管理休暇とはどういう状況だったんでしょうか。四月二日から休暇に入ったということでございますが、それからどういう段取りでまた帰任というんでしょうか、帰還というんでしょうか、される予定だったんでしょうか。
#185
○政府参考人(北島信一君) 首席領事は健康管理休暇を取っておりましたが、私の承知しているところでは四月二十日から五月十一日まで……
#186
○日笠勝之君 二日じゃないですか。
#187
○政府参考人(北島信一君) 四月二十日だったと思います。
 健康管理休暇の考え方について御説明してよろしいでしょうか。
#188
○日笠勝之君 どうぞ。
#189
○政府参考人(北島信一君) 健康管理休暇と申しますのは、勤務・生活環境の厳しい途上国に長期勤務、生活する在外職員及び家族が肉体的、精神的に健康な状態を維持することを目的として、健康地、これは多くの場合、先進国でございますが、において、健康管理、健康診断、病気治療等を行うために休暇取得することを認めている制度でございます。この休暇は、途上国勤務に対しまして、着任後半年と二年半の時点でそれぞれ年次有給休暇の範囲内で土、日も含めて最長で三十日間取得することが認められているということでございます。
#190
○日笠勝之君 だから、いつから休暇に入って、いつ帰任というんですか、帰還をする予定でおったんですかというのを聞いておるんです。
#191
○政府参考人(北島信一君) この首席領事の場合、四月二十日から三十日間取ることが可能だったわけですが、四月二十日から取りまして、実際には五月十一日に帰任したというふうに承知しております。
#192
○日笠勝之君 じゃ、四月二十日から二か月、一か月か、三十日の予定だったそうでございますね。
 それで、不審に思うことは、まず第一点、総領事は、ナンバーツーの首席領事が健康管理休暇を取っているにもかかわらず総領事館を離れて、大連というところが管轄区域だから、携帯電話もあるしいいと、こう思われたのかもしれませんが、実際、総領事館の中にナンバーワンもナンバーツーも、新聞報道によると、三日間もどちらもいなかったというようなことも大きく活字で躍っておるわけでございますね。そういうようなことが一つ。いつもそういう体制なんですか。ナンバーワンもナンバーツーもともに総領事館の中にいなくても事務とかそういうものは執行はできると、そういうことなんでしょうか。これが一点。
 二つ目は、首席領事は、こういう事件が自分の総領事館で起こったということで直ちに帰任をするということだったそうですが、小野調査団長、移住部長の小野調査団長の瀋陽入りは十一日の何か午前ですか、それからこの首席領事の方が十一日の午後だったと、こういうことだそうですが、何で、自分のナンバーツーの総領事館で起こった前代未聞の恐らく外務省的に見れば大事件だと思いますよ。私たちもあのニュースを見てびっくりしたわけですからね。何でこの首席領事の方が調査団より遅れて、半日も遅れて瀋陽に戻るのかなと。
 以上二つ、理由があれば教えてください。
#193
○政府参考人(田中均君) 第一の御質問に関しましては、こういう瀋陽の事件の前に大連で航空機事故が起こったわけでございまして、大連がたまたま瀋陽の管内であったということもございまして、管内に出るときには代理を作る必要がないという状況にございまして、携帯電話で連絡が取れるとか、いろんな状況もあったと思いますけれども、自分の所管の地域である大連に出張をしたということで代理の指名はされていなかったというのが第一点に対するお答えでございます。
 第二点に対するお答えでございますけれども、確かに総領事はこの瀋陽の事件、それから大連のこと、当然のことながら自分の管内を管轄しているのは総領事でございますから、次席の領事に電話をいたしまして、九日の日にすぐ帰ってくれという連絡をいたしました。その結果、この領事は鳥取の自宅に帰っていて、十日の日に関空にたどり着いて、十日に瀋陽に出発するという手はずを取りあえず整えて関空に来たわけでございますが、結果的に関空からフライトはその日の夜なくて、結果的に十一日に関空から瀋陽にお昼過ぎに着いたということでございます。
#194
○日笠勝之君 もっと簡単に言えば、小野移住部長と一緒に私もすぐ帰りたいんだ、一緒にと言えば外務省は全部切符手配するんでしょう。鳥取から東京まででしたら夜行バスだって一晩で来るんですから、そういう危機管理といいましょうか、すぐ帰らなきゃいけない、調査団より先に帰らなきゃいけない、こういうふうなどうも意識が欠落しておったんじゃないかなと、こういうことを申し上げておるわけでございますね。
 そういう意味では、管理休暇中であろうと、いつ何があるか分からぬわけですから、緊張して絶えず──緊張したら休暇にならないのかもしれませんが、絶えずそういう意味では情報を張り巡らして、いざという場合はどういうルートを通って、どうしてまた帰任すれば一番最短で帰れるかというぐらいは、日本国内でしたらソフトで乗換案内なんというのがありますから、一番速く安く行く方法とありますが、国外は知りませんけれども、是非それぐらいの対応を平素から、備えあれば憂いなし、やっておいていただければと思うところでございます。
 さて、阿南大使の発言がいろいろかまびすしく言われております。
 そこで、これについては既に五月十四日、日本大使館政治部の方から在北京の日本人記者会の御中ということで、張り出しのペーパーがございます。これを見ますと、このように阿南大使は八日、大使館内の定例会議で発言したと、こういうことだそうでございます。しかし、本当にこのとおりなのかなということが今報道いろいろされておるわけでございますね。一つは、追い出せとか、それからビデオを撮られたって構わないとか、そういうことがいろいろ報道されておるわけで、どれが本当なのか分かりませんが。
 この大使館内の定例会議というものは、聞く人によってそれぞれが認識が違ってもいい、そういうものなんでしょうか。例えば、何人聞かれたかは知りません。まあ、そうですね、この定例会議は何名参加されました。その参加された方々がみんなこの発言要旨と全く同じ認識なんでしょうか。どうなんでしょうか。それとも聞く方によってそれぞれ取り方が違うと。ですから、もし外部からの取材があればビデオを撮っても構わないと言ったとか言わないとか、追い出せと言ったとか言わないとか、そういうそごがあっていいような定例会議なんでしょうか。お聞かせ願いたいと思います。
#195
○政府参考人(田中均君) 北京の日本大使館では、毎週の水曜日に館員全員が参加した定例会議、全体会議と称しておるようでございますが、を開催している。ここは基本的には情報の伝達を図るということで、それぞれの部が抱えている諸問題等について報告を、館内全セクションがその意思疎通をするという意味での連絡会議であるということでございます。
 この館内会議、五月の八日の日に館内会議があったわけでございますが、ですけれども、これは従来どおり各セクションというか、各部からそれぞれの部の定例の報告を行われまして、北京の警備担当官の方から、最近の警備の状況、大使館地区の警備体制が強化されているので大使館としても警備強化措置を取ったと、こういう中であった発言でございまして、私どもは館としての報告を求め、館としてこの全体会議の中で阿南大使が発言したところは張り出しによって示されているところであるということでございます。
#196
○日笠勝之君 何人参加されたんですか。本官が七十名いらっしゃるんですかね、この北京大使館には。
#197
○政府参考人(田中均君) 大変申し訳ありません。正確な数字は私、持っておりませんけれども、五、六十名であると思います。
#198
○日笠勝之君 それで、その出席者が大使の意図を、発言の意図がばらばらで取ってもいいような、そういう定例会議なんでしょうか。
 というのは、実は昨日の衆議院の予算委員会で川口大臣は、言った言わないとか、追い出せとか、ビデオを撮っても、撮られても構わないとか、それは電話ゲームと一緒でございますと、こう言ったんですね。電話ゲームというのはよく分かりませんが、電話で例えば何かを注文して、次の方がまた同じことを伝えていくと全然意図の違うものが配達してくるという、そういう意味の電話ゲームという意味でなかったのかなと思うんですが、大臣が言った趣旨はね。
 ということは、定例会議で大使が言ったことが、五、六十名の参加している方がそれぞれ、それぞれに取れば、認識すればいいと、そして対応していけばいいと。そういうものじゃなくて、ある程度ペーパーというものがあり、みんなが恐らくそれにのっとって、今後、北京大使館、どうしていくかということについての意識というものが大使と一緒でなければ、これはもう何も、この危機管理も対応もできないわけでございますが、この大使館内の定例会議というのは、きちっとしたペーパーならペーパーを全員に配るとか、それからそのことについてそれぞれがそれぞれ理解して、ばらばらになるとまた一週間後には集まっていくと、そういう趣旨のものなのか、これはどうなんでしょうか。
#199
○政府参考人(田中均君) 会議そのものは連絡会議でございますから、必要に応じて連絡事項が紙で回されるということもあるかと思います。他方、こういう問題について情勢報告とか、そういうことについては、正にこれは部内会議でございますから、そういう非常に非公式な議論が行われることもあったというふうに思います。
 ただ、この件につきましては、先ほども御答弁を申し上げましたように、警備担当官の報告、警備強化ということについての報告があったときに、その警備は強化をしなければいけない、不審者に対しては万全の備えをしなければいけないと、そういう趣旨。同時に、脱北者の問題については、館内に入ったときにはきちんと対処をしようと。こういうことについては、正に三月のスペインの大使館への二十五人の人が入っていったというときから含めて、館内としての認識、それはきちんとしたものはあったんだというふうに考えています。
#200
○日笠勝之君 時間がなくなりましたので、最後は副大臣に二点。
 一つは、副大臣は、今回の五月八日の現地時間二時ごろにあったと言われるこの瀋陽総領事館の事件の詳細といいましょうか、詳しい内容は、いつ、どこで、第一報といいましょうか、御存じになったか、これが一つ。
 それから二つ目は、今後の対応ということで、やはり日本の国の難民なり亡命問題についての毅然とした対応、対処方針というものが余り聞かれません。ないということかもしれませんね。
 今日、午前中の同僚議員からも発言がございましたけれども、前国連難民高等弁務官の緒方貞子氏は、北朝鮮からの亡命が続出していることについて、亡命希望者が戸口に来たら彼らの言い分を吟味し、亡命資格があるかどうか判断しなければならない、簡単に門前払いしてはならないんだと。政治的迫害を受けた者は本国に送り返さないが、経済難民と判断された人々は送り返すとの姿勢を明確にすれば人々の流出は止まると、これが日本としての原則だと今おっしゃっているようでございます。そういう意味では、今後のこういう難民、亡命という問題についてどう外務省は対応していくか。
 以上、二点をお聞きして終わりたいと思います。
#201
○副大臣(植竹繁雄君) 第一点の問題でございますが、私がこの問題、詳細いろいろ聞きましたのは外務省から聞きました。いろんな面でもって私が知ったとやはり軽率には物を言えませんし、これをいつ、どういうことがあって、どうしたと聞いたのは、外務省内部から秘書官を通じいろいろ連絡を受けましてこれを知ったわけでございます。
 それから、第二点は……
#202
○日笠勝之君 いつか。
#203
○副大臣(植竹繁雄君) これは、八日ですから、翌日です。翌日の朝です。
 そして、第二点の緒方弁務官のお話でございますが、これは人道上の問題でございますから、対応の仕方というものは本当に慎重に考えなくちゃならないと思います。しかし、やはりこの問題だけを取り上げるというか、やっぱり全般的なことも考慮に入れながら対応していかなくてはならない問題であります。
 しかし、そんな中にあっても、繰り返しますが、人道上の問題というのは、これは大変な問題で、その辺を適切に対応していくと。その行き方については、具体的にどういう状態でどうあるかということを考えていかなくちゃいけないと思いますが、しかし、繰り返しますが、人道上の問題、どういうふうにこれを受け入れていくかということは、これは重要なことであり、その辺の問題につきましては、更に私の個人的な考え方とか外務省の全体の考え方を更に精査していかなくてはならないかと思っております。
#204
○日笠勝之君 最後の最後で済みません。
 この関係者ですね、関係者の処分というようなことは何か考えておられますか。それで終わりたいと思います。
#205
○副大臣(植竹繁雄君) 関係者の処分でございますが、これは、この処分の最終的な決裁権というのは大臣にございますので、この点につきましては、この最終のことが終わってからじゃないと、今まだいろいろ進行中の問題もございますので、それからでないと、いろいろやるとかやらないということは私の今のこの場においては申し上げられませんが、非常にこれは重要な問題であり、委員御質問の点をよく解しまして、対応を私どもやっていきたいと考えております。
#206
○日笠勝之君 時間前ですが、終わります。
#207
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、大阪高検の元公安部長の逮捕に係って御質問をいたします。
 今も名古屋高検などの検事や職員で作る親睦団体の無申告だったという問題が指摘をされました。この間の検察官の不祥事、そして大阪高検の問題、さらにはこういう事態と、本当に今、国民の信頼回復は急務だと思います。その点でも、政治家や金にまつわる問題はきちっと摘発もするし、国民の疑惑のある調査活動費、いわゆる機密費についてもしっかり疑惑にこたえることが私は今必要になっていると思います。
 今朝からありましたように、今日発売の週刊誌で新たな事実、告発というのが報道をされております。元々あの逮捕が機密費の問題での口封じではないかという指摘があったわけでありますが、この週刊誌では、逮捕の二日前の夕方に法務省の三田分室にある料亭「かつら」に法務・検察首脳部が集まって会議をしたと、こう報道をされておりますが、法務首脳部ということになりますと、当然、刑事局長ということになるかと思うんですが、こういう会議はあったんですか。
#208
○政府参考人(古田佑紀君) もちろん、高検の幹部についての容疑ということでございますので、それは捜査、検察当局からのいろんな報告を受けてこちらとしてもいろんな判断をするということが必要ではあるわけでございますが、その具体的なやり方あるいは日時等につきましては、これは捜査そのものとも非常に深くかかわることでございますので、今お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#209
○井上哲士君 いや、会議があったのかどうなのか、そのことも答えないんですか。
#210
○政府参考人(古田佑紀君) ただいま申し上げた理由がございまして、いずれにせよ検察当局からのいろんな報告を受けて当方としてもいろいろ判断をすることもございます。そういうことで、協議というものは、これはいろんな形で行われることはあり得るわけですけれども、その具体的な方法あるいは日時、場所等については、これは捜査そのものにもかかわることにもなりますので、お答えを差し控えさせていただきたいと、こういうことを申し上げているわけでございます。
#211
○井上哲士君 会議があったことは否定をされなかったということであります。
 前回の質疑のときには、いわゆる調活費の流用問題というのは否定もされまして、そして平成十年にピークになって以降下がっていくと。これは流用の告発とは無関係だということでありました。私は全く納得できる答弁ではなかったんですが、改めて聞くんですが、公安事件の通常受理人数というのは、平成七年から十二年までどういうふうに推移をしていますか。
#212
○政府参考人(古田佑紀君) いわゆる公安事件の通常受理の人員数は、平成七年が四百三十八、平成八年が二百四十七、平成九年が二百四十六、平成十年が三百三十、平成十一年が三百六十でございます。
#213
○井上哲士君 前回の答弁のときには、この調活費の減額について、公安事件、この公安の犯罪情勢、これが落ち着いてきたからこの調査方法も変わり、減額をしたと、こういう答弁でありました。しかし、今の数にありますように、公安事件の通常受理人数というのは七年から九年に掛けては減っていますけれども、むしろ十年、十一年は増えているんですね。そして、その後見ましても、多少の増減はありますけれども、ほぼ安定をしております。ですから、事件数はそう変わらないのに、この調活費だけが十年をピークに激減をして、六分の一まで減るというのはつじつまが合わないと私は思うんですが、その点どうでしょうか。
#214
○政府参考人(古田佑紀君) 若干御説明が足りなかったような気もいたしますけれども、調査活動費と申しますのは、従来から歴史的にいわゆる公安労働事件を念頭に置いてこれに関連する様々な情報を収集するということを主たる内容としていたわけでございます。
 前回、私が申し上げましたことは、過去、例えば様々な事件がございましたけれども、そういうふうな事件というのは次第に影を潜めてきて、全体にかつてあったような公安関係のいろんな事件というのは、いわゆる公安事件と呼ばれているものは、ここ、長いというか、ある程度のスパンを取ると非常に落ち着いてきていると、これは事実でございます。そういうことを申し上げたわけで、要するに長期的には相当程度減少している。
 それから、先ほど申し上げた数字にいたしましても、近年は以前のような大規模あるいは重大な事件、これが少なくなってまいっているわけでございまして、検挙をされるそういうたぐいの事件につきましても、その多くは実は以前のいわゆる公安事件と呼ばれる重大事件の共犯者であると、そういうふうな実情にもございます。
 そういうことから、公安情勢につきましては大きく変化して落ち着いてきていると、そういうことを踏まえて調査活動の在り方について見直しをすると、そういうことを申し上げたわけでございます。
#215
○井上哲士君 前回、そういう答弁でしたので、私、法務年鑑をずっと読み直してみましたけれども、おっしゃるような情勢が変わったというのはなかなか読み取ることができませんでしたし、例えば平成四年でも五百二十五なんですね。ですから、この平成十年をピークに慌てて減らすような理由が納得できるものとして今も聞こえませんでした。
 もう一つ聞くんですが、じゃ、その調活費の概算要求とそれから実際の予算額、平成十年と平成十一年はどういうふうになっていますか。
#216
○政府参考人(古田佑紀君) ただいまのお尋ねにお答えする前に若干補足的に申し上げますと、その一方で犯罪情勢といたしまして、昔のいわゆる公安事件、これはある意味では社会の全体の治安そのものに非常に大きくかかわる、そういうふうなものが多かったわけでございますが、その後の犯罪に対する検察庁の活動といいますか、こういうのが一つには経済事犯等のこういうものについて更に一層重点を置いていかなければならなくなっていく、そういうような状況がございまして、そういう線を考慮して調査活動というものを考えるに近年至ってきているわけでございます。
 そういうことでございますが、ただいまお尋ねの検察庁の調査活動費の概算要求額につきましては、平成十年度は五億九千七百四十万五千円、平成十一年度は六億一千五百四十四万八千円で、予算額は、平成十年度は五億五千二百六十万、平成十一年度は三億二千二百三十二万三千円となっております。
#217
○井上哲士君 今の数ですと、概算要求でいいますと、平成十年から平成十一年に掛けては増えているんです。そして、平成十一年は六億以上概算要求しておきながら、実際の予算は三億に、半分になっているんですね。
 この間の答弁は、平成十一年の予算要求に反映させるための検討と申しますのは平成十年のかなり早い時期に行わなければ当然間に合わないわけでございますというのが局長の答弁でした。早い時期に検討していたら概算要求にも反映するんじゃないですか。大体、概算要求から半分になるということ自身が大変私は異例だと思うんですけれども、実際にはこの間の答弁と矛盾をする。この概算要求後に慌てて見直しをしたというのが実際なんじゃないですか。どうですか。
#218
○政府参考人(古田佑紀君) 前回は詳細な経緯ということは申し上げなかったわけですけれども、当局といたしましては平成十年の途中から、これは途中と申しますのは後半という意味ではありませんけれども、検察庁の調査活動の在り方の見直しの検討を始めていたわけでございます。その過程、その中の平成十年八月末の平成十一年度予算概算要求の時点では、まだその検討が未了でありましたので、六億余りを調査活動費として請求、要求したわけでございますが、引き続き検討を進め、財政当局の御理解も得て、その調査活動費の一部を検察庁の全国的なコンピューターネットワークの整備経費等にシフトをすると、そういうこととしたものでありまして、私がこの前、予算要求に反映させるということを申し上げましたのは、そういう予算の案の確定に至るまでのいろんな財政当局との調整、そういうことを含めた全体のことを申し上げているわけでございます。
 もちろん、そのためにこれはかなり早い時期から当然検討が必要であったことも事実でございまして、現に検討していたものと理解しているわけでございます。
#219
○井上哲士君 公安情勢の変化は長期的だと言われながら、見直しはこの概算にも間に合わなかったからといって予算で変えるというのは、どう聞いても納得のできる答弁ではないんですね。大体、概算から予算が半分も減るという例は私はほとんど聞いたことがないんです。これは、やはりこの間に何かがあったんじゃないかと思わざるを得ないわけですね。
 今日発売のこの週刊誌では、元副検事が実名で自ら調活費作りにかかわって、裏金作りにかかわっていたという証言でありまして、金額が空欄の領収書に他人の名前を書いて判こを押すことを命じられたと。そして、米沢区検の副検事に異動した後に、仙台高検の事務局長から数十枚の白紙領収書、名前の書かれた偽造領収書の見本と指示書が送られてきて、この指示書には、職務上必要につき、同封の用紙に前回同様、別添えのとおり御記入の上御返送いただきたく、御協力をお願い申し上げますと書いてあったと、こういうことが写真入りで報道をされております。そして、この指示書には事務局長の名前と公印が押されているということなわけですね。これは事実としたら大変な問題であります。
 この週刊誌によりますと、大臣に取材をしたら、法務省を通じて、この指示書については、当該資料がどういう文書なのか確認をしたいと考えていますと、こういうふうに回答を寄せたと報道されておりますが、この文書は確認をされたんでしょうか。これは大臣の発言ですから、大臣、いかがですか。
#220
○国務大臣(森山眞弓君) その文書は既に十年近くたった昔の話でございまして、残念ながらそれを確認することができておりません。
 ただ、それを依頼したという当時の事務局長でしたっけ、の人には確認することができたようでありまして、問い合わせましたところ、その者はそのような記憶が全くないという話であったそうでございます。また、その文書の形式も非常に、何といいますか、考えられないような形でございますので、甚だその存在については疑わしいといいましょうか、不審の点が多く残るところでございまして、その者がどのような意図で何をしようとしておられるのか全く分からないというのが現状でございます。
#221
○井上哲士君 先ほど、平成十年以降のものについて、摘発があったものについては調査をしたという答弁がありましたけれども、こうしていろんな新たな問題も出されているわけですから、私は多分、検察庁は改善をされていると思うんです。外務省とか官房機密費などが改善をされないのと比べますと、これはされていると思うんですね。
 しかし、問題はこの十年以前の問題なんですね。さかのぼって私は調査することが国民の信頼にこたえる道だと思うんですが、さかのぼって調査をする意思はありませんか。
#222
○国務大臣(森山眞弓君) 今申し上げましたように、さかのぼってとおっしゃっていただきましても限界がございまして、できるだけのことを御指摘があったものについては試みたわけでございますが、大変難しいというのが率直なところでございます。
#223
○井上哲士君 本当に検察への信頼が回復できるのかなという疑問を指摘をした上で、次の問題に移ります。
 今回のあの瀋陽の事態も、やはり国民の信頼を揺るがしている問題であります。真相の解明が外交の上でも第一でありますけれども、同時に、この間の不手際の背景に、難民の受入れを拒否してきた政府の基本姿勢があると思います。
 朝の審議でも紹介されましたけれども、二〇〇〇年の難民白書でも、日本について、庇護申請に厳しい時間的制約が設けられており、並外れて高水準の立証が求められているというふうに指摘をしております。この厳しい時間的制約、いわゆる六十日ルールでありますが、その二段階になっている中身等は先日の答弁にもありました。この六十日ルールを決めた立法目的はどういうことだったんでしょうか。
#224
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。
 当時の資料に当たって調べてみますと、議員御指摘の入管法六十一条の二第二項の立法目的についてでございますが、迫害から逃れて他国に庇護を求める者が速やかにその旨を申し述べるべきであるということが国際的に広く理解されていることによるものと承知しております。
 こういった背景につきましては、例えば不法入国後何年もたった後になって初めて不法入国の当時、難民であったことを主張することを認めることということになりますと、その当時の事実を把握することが著しく困難となり、公正な難民の認定を阻害することになるということが一点と、もう一点は、速やかに難民であることを主張して保護を求めなかったという事実自体がその者の難民非該当性を物語っているという考え方によるとなっております。
#225
○井上哲士君 難民の申請者の実態と全く合わないことだと思うんですね。
 速やかに出てくるのが当然だと。出てこないからそれは違うんじゃないかということではありますが、実際にはいろんな様々な事情もあり、例えばその六十日ルール自身を知らないとか、精神的な圧迫もあるとか、こういう中で出されていないというのが多くのケースだということがいろんな団体からも指摘されているんです。
 この六十日を過ぎたということを理由に申請を却下したという数はどうなっていますか。
#226
○政府参考人(中尾巧君) この点は、今現在、委員の方から御質問いただきまして、難民の関係のちょっと特殊な角度からの統計でありますので従来取っておりませんでしたので、今、鋭意調査させておりますので、分かり次第御報告させていただきたいというふうに思っております。
#227
○井上哲士君 是非、分かり次第お願いをしたいと思います。
 この日本のこういう難民認定のハードルの高さ、不透明性というのは、いろんなアムネスティを始め関係団体等から改善が求められております。
 例えば、一次審査も入国管理局がやる、それに対しての異議申立ても入管の他の課が行うと、こういう問題。それから、難民調査に第三者的な立場の人が入っていない。こういう問題の改善が求められておりますが、この点での当局の見解はいかがでしょうか。
#228
○政府参考人(中尾巧君) まず、第一点の点からお答え申し上げます。つまり、第一次審査と異議の申出の担当部署が同じ入管内で、入国管理局内であるのはどうかという点でございます。
 これは、難民認定につきましては、難民認定調査官があり、難民認定室というところで第一次審査ということになりますが、異議の申出につきましては私どもの審判課ということで一応部署は違っております。
 そもそも、行政処分につきまして、処分庁より上級庁の行政機関が存在しない場合におけるいわゆる不服申立ての方式、様式の問題につきましては、異議申立てという形式を取った場合につきまして処分庁に対してなされるということは行政上一般に行われていることでありまして、行政救済における一般法であります行政不服審査法も同趣旨の規定を置いております。
 こういうふうな観点から、同一の機関が再審査とするということをもって直ちに公正さが担保されないということにはならないだろうというふうに思っております。
#229
○井上哲士君 難民問題という極めて国際的にさらされている問題ですが、大体、諸外国を見ますと、異議申立てというのは別機関になっておりますし、そうでない場合は、同じ機関でやる場合は第三者機関であり、第三者がこの調査に立ち会う、絡むということになっているわけですね。日本はどっちともなっていません。
 私、これは外務省の人道支援室長の方が書いた「外交フォーラム」に書かれたものを、最近のやつを持っておりますが、この方も、日本の難民制度に対する透明性の確保が大事だ、審査の過程で第三者機関、あるいは独立性を有する組織の関与がないことが認定制度の透明性に関する問題として指摘をされている、こういう制度の透明性を高める努力が求められているというのが、外務省の担当の方も指摘をされているわけですから、私は、これは思い切った改善をこの機にすることが必要だと思います。
 次に、認定のハードルが高いという問題と、認定をされた以降、難民の方の保護といいますか生活が、大変やはり諸外国と比べて遅れているということがあります。
 最近、難民認定申請者等に対する生活実態調査というのが発表されておりますが、この調査に取り組む経緯、それからその結果の概要について、外務省からお願いをいたします。
#230
○政府参考人(谷内正太郎君) お尋ねの調査は、我が国で生活する難民等に関しまして、緒方前国連難民高等弁務官を始めとするUNHCR事務所からの処遇改善の要望や、あるいは昨年三月の人種差別撤廃委員会からのインドシナ難民といわゆる条約難民に対する待遇の違いという指摘等を受けまして、外務省所管の財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部において、難民等の生活状況において実態調査を実施したものでございます。
 調査結果から見ますと、難民等が情報の不足やコミュニケーション能力の制限などによりまして、様々な生活上の困難に直面しているという状況が明らかになっております。
#231
○井上哲士君 初めてこういう調査が行われたと承知をしておるんですが、結果の概要をいただきましたけれども、情報の不足であるとか仕事の問題などで大変深刻な実態がその中で出されております。具体的な提言もされておりまして、難民への情報提供体制の整備とか、就労あっせんであるとか、住居確保のための諸施策なども提言されています。
 先ほどありましたように、インドシナ難民の受入れのときは閣議決定も行われて、内閣官房を中心に共同した各省庁の取組も行われて、日本語研修とか職業訓練などの措置が講ぜられ、アフターケアもされたと思うんですね。今回は、こういう調査を受けて、一体どこが中心になってこれを取り組んでいくということになるんでしょうか。
#232
○政府参考人(谷内正太郎君) 委員御指摘のように、インドシナ難民につきましては、定住を希望される場合でございますけれども、昭和五十四年七月の閣議了解に基づいて、国際救援センターにおきまして、日本語教育、職業あっせんなどの定住支援策を講じてきておりまして、これまで同センターへの入所実績は五千名を超えております。
 一方、いわゆる条約難民につきましては、同センターへの入所は制度化されておらないという現状がございます。外務省では、昭和五十七年以降、生活に困窮している難民認定申請者に対し、生活費の支給などの支援策を講じているところでございますけれども、御指摘の調査結果では、難民認定申請者の多くが在留資格がないために法的に不安定な地位にございますので、就労あるいは医療等の面で困難に直面しているということが報告されておりまして、彼らに対する支援の強化につきましては、外務省を含めまして、政府全体として取り組んでいくべき問題だと思っております。
#233
○井上哲士君 今もありましたように、認定申請者には外務省による保護措置が取られているわけですね。ところが、難民認定をされますと内国民待遇ということになって、こういう保護が受けられない。逆に、難民認定と在留資格の付与というのは連動されていませんから、申請者としての保護は受けられない。そして、難民認定されたけれども在留資格がないということで、例えば内国待遇といったって生活保護が受けられない等の空白が生まれるということになっているわけですね。
 こういう難民認定と在留資格の付与、一体にするようなことが必要だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#234
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。
 この点は、理屈の上では今、委員御指摘のとおりでございますけれども、私どもの実際の運用からいたしますと、リンクさせて運用しております。
 難民認定される者でありまして在留を特別に許可する者については、従来から難民認定の告知後、速やかに在留特別許可を付与しているように努めておるところでありますし、なお今後とも、その点については御指摘を受けるようなことがないように、実際の運用上、速やかに対応していきたいというふうに思っております。
#235
○井上哲士君 実際の支援をされている方のお話を聞きますと、そういう空白期間が生まれたり、そして実際には難民認定を受けても国保に入れるとか生活保護が受けられるとか、そういうことを知らないで大変困っているという事例があるわけでありますから、そうした人たちへの情報提供も含めて各省庁とも連携をして、認定のハードルも下げる、そして認定後もこうした日本語教育や職業あっせんなどの保護を強化をしていくべきだと思うんですが、その点での大臣の御所見を最後にお聞きをして、質問を終わります。
#236
○国務大臣(森山眞弓君) 確かに、条約難民の場合とそれからインドシナ難民は扱いが違っておりまして、これを何とかしなければいけないという問題意識もあるわけでございます。
 そのほか、先生御指摘のような幾つかの問題がございますので、これらについてこの機会によく考え直してみようというふうに思いまして、午前中にもちょっと申し上げました、出入国管理政策懇談会の場をおかりして至急検討に入りたいというふうに思っております。
#237
○平野貞夫君 瀋陽の日本総領事館で起きました駆け込み事件、五人の方の生命の安全がどうにか確保されたということは良かったと思いますが、幾つかの重要な問題が残されておると思います。
 そこで、内閣官房副長官にお尋ねいたしますが、昨日でしたか、二十二日の東京新聞の朝刊の報道で、この事件の二日前に首相周辺の人がNGOの代表の方に電話で、北朝鮮住民の各国大使館への駆け込みの状況について話を聞きたいという要請で一時間ぐらいいろいろ話を聞いたという結構具体的な報道があるんですが、これは事実でございましょうか。
#238
○内閣官房副長官(上野公成君) 政府がNGO等から広く情報収集をしているということは、これは事実でございますけれども、今回の東京新聞の五月二十二日付けの報道のように、特定のNGOから事前に具体的な情報を得たということは、ちょっと調べてみたわけでございますけれども、ございません。
#239
○平野貞夫君 こういう国際情報というのは非常に大事でございまして、内閣報償費もこういうところへ大いに使っていただきたいと思うんですが。しかし、新聞の記事と、それから当事者の関西大学の助教授の李さんのコメントによりますと、官邸の人でないかもしれませんが、政府関係のどなたかが聞いた話だと、私はそう思います。
 そこで、私、この話にちょっとこだわるのは、二つ問題があると思います。一つは、そういう問題が多いから用心しておけというふうに政府が受け取って、追い出せという話になった、なる可能性があるということと、それからもう一つは、この方は、そういうときは決して追い返してはいけないというアドバイスをしたという。
 したがって、この問題はこれ以上取り上げませんけれども、官邸側を代表する人として政府のだれだったかということを確認するお気持ちはございませんか。
#240
○内閣官房副長官(上野公成君) 私が、先生の御質問がありますのでちょっといろいろ聞いてみたんですけれども、少なくとも聞いてみた中ではいなかったんですけれども。
#241
○平野貞夫君 それでは、私たちの方でもこの当人の先生に確認するしかございません。分かりました。この問題はそれで以上にしておきます。
 それから、せっかくの機会ですから、副長官に小泉総理の代わりにお答えいただきたいんですが。
 この事件を、マスコミももちろん政治家も、日本の主権の侵害がされたという報道をされていますが、日本国政府としてはそういう認識ですか。あるいはまた、ちょっと違った認識ですか。
#242
○内閣官房副長官(上野公成君) いわゆる主権、主権というふうに言っておりますけれども、このウィーン条約上は、これは何年だったですかね、この三十一条にあるんですけれども、これ不可侵権ということで領事関係だけなんですね。昔の治外法権とか、いろいろそういうことがあったようでございますけれども、このウィーン条約以降は不可侵権というふうに言っておりますので、その不可侵権が、領事館のですね、が侵されたという認識はしております。
#243
○平野貞夫君 そうすると、我々、政治レベルで今日も随分そういう言葉遣いがあったわけですが、日本国の主権が侵害されたという認識は間違いなんですかね。
#244
○内閣官房副長官(上野公成君) 正確に言いますと、領事機関の公館の不可侵、不可侵権といいますか、そういうものでございますので、一般、厳密の意味の主権ということとはちょっと違うということでございます。
#245
○平野貞夫君 不可侵権というと領事館内の領域が、もちろん日本の、国際法上、日本の領土であるわけがないわけですが、日本の、日本国の統治の権の範囲内であるという、そういう理解はできるんじゃないですかね。
#246
○内閣官房副長官(上野公成君) いわゆる主権というと領域主権ということですけれども、これは領事館の中でも、総領事館の中にもこれ中国の方がそういう領域主権というのがあるわけですけれども、ここでは、ウィーン条約で三十一条にしっかりと書いてありますのは、領事機関の公館ですね、領事、その部分まで書いてあるわけでございますけれども、そこの不可侵権ということでございます。
#247
○平野貞夫君 そうしますと、不可侵権というのは主権そのものではないけれども、やっぱり主権を侵されることにつながるものだというような理解をしますが、国の主権ということになりますと、日本国は、国民主権といいまして、国民に主権があると。となると、今回の問題は、日本国民の名誉なり権威なり、そういったものを中国側が害したといいますか、そういうような理解でいいでしょうか。
#248
○内閣官房副長官(上野公成君) 日本のそういう狭い意味の主権ですけれども、そういうものが侵されたということではないかと思います。
#249
○平野貞夫君 本当は外務省の方に質問すべきでございましょうけれども、私、外務省の人と話する気にならぬものですから、今日はお忙しいところ来ていただいたんですが、どうかひとつこれからの問題処理について、何か分かったような分からぬような、国の主権が侵害されたということでなくて日本国民の誇りあるいは権威、そういうものが侵されたという、それをどう回復するかということ、一番大事なことは外交官にそういう認識をきちっとしてもらうことだと思いますが、そういうことをお願いいたしまして、副長官への質問は終わります。
 法務大臣、突然こういうことを聞いて恐縮なんですが、私、これから大阪高検元公安部長さんの問題を取り上げるんですが、誤解をしないようにしてください。
 私、最近、インターネットであることを勉強しまして、北海道大学の医学部でクオリティー・オブ・ライフという生命の質といいますか、これは例えば病院の検査して何の問題ないという人でも妙に元気のない人がいると。がんを持っている人でも元気な人がいると。要するに、人間の生命力といいますか生命の質というものは、形といいますか格好では分からないんだと。医学の進歩というのは本当に大変なもので、尿のある成分を分析することによってその生命体そのものの力といいますか、そういうものを検出できるという、そういう医学が発達してできているようでございます。QOLというマークで知られているそうですが、私は、同じようなことが人間の社会にもあると。
 それはどういうことかといいますと、社会の質ですね、クオリティー・オブ・ソサエティーといいますか、は検察、警察の機能といいますか、これが本当にまじめにうまく機能しているかと。社会の質というのは検察がまともか警察がまともかに僕はかかっていると思います。本当はQOP、クオリティー・オブ・ポリティックスの方が本当は大事なんですけれども、僕はやがて政治学なんかもそういうような研究になるんじゃないかと思っておるんですが、そういうことをしなきゃいかぬと思っていますが、そういう意味でやっぱり本当に大事なんですよ、検察と警察の質というのは。
 率直に言って、ああいう三井事件のようなことが起こるのは、それは三井さんが本当のことを言っているのかどうか分かりません。それから、三井さんの周りの人たちの問題も、私も生まれが高知で、高知で育っていますからよう分かっています。
 その上で申し上げるんですが、やっぱりああいう人が出てくるということ自身がやっぱり問題なんですよ。それと同時に、こういう問題が起こるということも大変な問題、いずれにせよかなり病んでいるということは言えると思います。
 そこで、今日のこの週刊文春を見て、井上先生もちょっと取り上げたんですが、びっくりしたんですが、刑事局長はこの週刊文春の報道の四月二十日夕刻の最高幹部会議を、このものを認めたわけじゃございません。いろんな協議があったろうという程度のことなんですが、この報道によると、ここで激論が闘わされたと。逮捕していいのか、逮捕するメリットとデメリットのことが、激論が闘わされたということが書いています。まず、その後、逮捕した後、法務大臣の記者会見ではたしか口封じとかそういうものに一切関係ないということをおっしゃっている。この記事が間違っていたら抗議すべきだと思いますね、法務省として。まず、その点から抗議するお気持ち──抗議してください。
#250
○政府参考人(古田佑紀君) 率直に申し上げまして、週刊誌がいろんな考えに基づいてお書きになっているというケースも非常に多いわけでございまして、そういうことについてどの程度、どう対応すべきかということはいろんな問題が、これは非常に、何といいますか、一々対応をするというような話かどうかというようなこともございまして、その点につきましては、今の御示唆もありましたので考えさせていただきたいと思います。
#251
○平野貞夫君 それからもう一つ、この記事で事実関係をちょっと確認したいんですが、四月の二十五日の一回目の集中審議のときに、私、素人ですからね、刑事局長にちょっとこの三井さんの逮捕について、検察が確認して大阪地裁に逮捕状を請求したその時刻と許可になった時刻、教えてくれと言ったら、それは捜査にかかわることだから言えぬという答弁で、それは分かりますがね。それで、ちょっと私、しつこくもう一回聞いたところ、逮捕状の請求から実際の逮捕状の執行まで、一般論としてはそう長い時間を置かないという答弁がございました。
 ところが、この今日の今の週刊文春ですと、「大阪地検が三井・前公安部長の逮捕状を取ったのは十八日とされる」と書いてあるんですよね。そんな、これ、何日前になりますか、四日前になりますかな、逮捕の。これはやっぱり間違っているんじゃないですかな、この週刊誌の方が。その点は何か言えませんか。
#252
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほどから申し上げておりますように、個別の事件の具体的な捜査過程あるいは捜査内容にかかわるようなことにつきましては、これは答弁を御容赦いただきたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、前にも申し上げましたとおり、一般論として申し上げれば、検察庁で逮捕する場合には、いろんな情報漏れとか、そういうふうな問題などもこれが起こらないように、逮捕状の請求からその執行まではできるだけ長い時間を置かないようにするというのが、これは一般的な考えというふうに御理解いただきたいと思います。
#253
○平野貞夫君 余りもうしつこくは言いませんが、メディアの在り方というのはやっぱり問題なんですよ、はっきり言って。私は、個人情報保護法も人権擁護法も反対しているんですけれどもね。やっぱりメディアも健全でなきゃ駄目です。しかし、権力でメディアを規制するということは、これはやっぱり絶対にやるべきでないという意見なんです。
 だから、メディアと権力というのは、あるいはメディアと我々のような政治というのは、常にやっぱり緊張関係がなきゃ駄目だと思います。だから、間違ったことを書いたり言ったりしたら、その場で間違いだと言って、こういう社会にしなきゃいかぬと思うんですよ。
 今後もこの問題というのは相当長引くと思います。いずれ、永遠に三井容疑者も勾留されているわけじゃありませんから、出てきたらまた何言い出すか分からぬ。言い出すと、また我々のところへ周りの人がいろんなことを言ってきて、我々も喜んだり困ったりするわけですよ。ですから、やっぱりびしっと当局は言うべきことは言ってほしいということを要望しておきます。
 そこで、これから時間のある間にちょっと具体的な事実関係をただしたいと思うんですが、三井容疑者が、四月二十六日ですから逮捕されて四日ぐらいの後ですか、弁護士さんを通して声明を出しております。
 この声明文を読みますと、なかなか問題のところがある。私、別に三井容疑者の代弁をするわけじゃございませんが、私の質問に対して、法務当局側の答弁によっては三井さんに対する批判ということにもなりますので、そういう意味で、答弁できる範囲でお答えいただきたいんですが、まず幾つか問題点があるんですが、三井さんの言い分に対して法務当局はどういう考え方かということなんです。
 個別の問題ではございますが、何度も申し上げますように、これはやっぱり検察の姿勢そのものに係る問題でございますので、ある意味では法務当局にいいチャンスを与える話になると思いますので、お答えいただきたいんですが、一点は、こういう言い分ですね。検察庁に連れていかれ、何の弁解も聞かず逮捕状を執行されたと、こういう言い分なんですが、本当なんですか。
#254
○政府参考人(古田佑紀君) ちょっと詳細、私、把握しておりませんし、また具体的な捜査の過程のことでございますが、一般論として申し上げれば、逮捕状を執行する前には、まず通常は被疑事実についてある程度の質問をするというのが普通であろうと思います。
 そういう一般的な取扱いから何か外れるようなことがあるのかないのか、そういうことは通常はないと考えております。
#255
○平野貞夫君 分かりました。
 それから二番目に、三井容疑者に、これは三井容疑者の言い分なんですが、三井容疑者に遺恨を抱く暴力団側の供述に振り回されて犯罪事実を構成しているという、こういう言い方をしているんですが、まさかこんなことはないと思いますが、この点についてはどうでございますか。
#256
○政府参考人(古田佑紀君) 本件につきましては前にも御説明申し上げましたけれども、情報が寄せられてから、検察当局におきましては非常に慎重な内偵捜査をしております。
 したがいまして、その寄せられた情報の中で犯罪になり得るものがあるのかどうか、これについても客観的な証拠を、可能な限り裏付けを固めて捜査を進めてきたものございまして、ここで述べられているような事実は全くないものと承知しております。
#257
○平野貞夫君 大阪というところは非常に恐ろしいところでして、ここに大阪の人がいたらごめんなさい。本当に、立派な国家公務員が大阪へ行っておかしくなるケースというのはもう歴史的にあるんですよね。私はめったにあそこに寄らぬものですから幸いなんですが、いや本当に、大蔵省もそうだったでしょう、立派な優秀な人たちが。
 そこで、三井容疑者の言い分ですが、最近、検察において捜査権の濫用が多発していると。まあ、だけど、検事やっていて、ようこんなことを言うわと思うんですがね。こんなことはないでしょう。
#258
○政府参考人(古田佑紀君) そういうことはおよそあり得ないことだと考えております。
#259
○平野貞夫君 そして、その例として、裏金問題の刑事告発事件の処理だと、こう言っておるんです。
 この裏金問題の刑事告発事件というのは、具体的にどういう事件のことを指しているのか把握されているでしょうか。
#260
○政府参考人(古田佑紀君) これが具体的にどの事件を指しているかということは、これは私どもとしては推定の域を出ないことになりますけれども、推測としては、加納検事長等に対する告発事件のことを指しているのではないかと思います。
#261
○平野貞夫君 そこで、事実関係だけで結構なんですが、私の方も、何か幾つも幾つも告発していますので、ちょっと素人の整理じゃ十分でないと思いますが、終わったことから言っていきますと、昨年の十一月七日とそれから昨年の十一月十三日に、十一月七日の分は大阪の高検で不起訴、それから十三日のケースは高松の高検で不起訴ということになっている、四つの告発といいますか、まあ一つというふうに趣旨としてはまとめていいと思いますが、このことだと思うんです。
 そこで、まず十一月七日に大阪高検で不起訴になった告発の経過といいますか、これ不起訴になったやつだからもう国会で説明できると思うんですが、経過を説明してくれませんか。
#262
○政府参考人(古田佑紀君) ただいま委員御指摘のとおり、告発がかなり入り組んでおりますので、順次御説明申し上げますと、一つは、加納検事長がかつて高知地検の検事正の在任時の問題に関することでございます。これにつきましては、平成十三年の四月二日に最高検に告発状が持参されまして、最高検察庁におきましてはこれを高松高検に回付いたしました。四月二十六日に高松高検において告発を受理しております。同一の事件につきまして、その年の四月三日、高知県警に対しても告発をしております。
 この事件につきましては、検察庁及び警察におきまして所要の捜査をいたしまして、告発事実のほか、要するに私的な遊興費に不正に流用したという内容のものでございましたが、そういう点について必要な捜査を遂げて、そういうふうな私的な遊興に用いたという事実は認められないということで、嫌疑なしということで不起訴処分となっております。
 それから、その事件につきまして更に申し上げますと、告発人から検察審査会に対して不起訴申立てがなされましたけれども、本年の四月十二日に、高松検察審査会におきまして不起訴相当の議決がなされていると承知しております。
 もう一つは神戸地検の検事正の在任時代のものでございますけれども、これは平成十三年五月十四日に最高検に告発状を受け付けております。これを大阪高検に回付いたしまして、五月二十八日、大阪高検で告発を受理しております。これも同様、兵庫県警にも八月十三日付けで告発がなされております。
 この両方につきまして、やはり必要な捜査を遂げた結果、告発にあるような私的な遊興等に使ったというふうな事実は認められないということで、嫌疑がないということで不起訴になっております。
 この件につきましては、やはり告発人から検察審査会に対して審査申立てが行われ、平成十四年二月二十日、不起訴相当の議決が出ていると承知しております。
#263
○平野貞夫君 私の手元にも告発状の写しがあるんですが、高知市内にある高級料亭「城西館」、「浜長」、高級料亭とは思いませんがね、よく私も知っていまして。「城西館」というのは吉田茂先生が元気なころ愛用したところなんです。旅館なんです。「浜長」というのは去年つぶれたんですよ。倒産したんです。だから、これ本当に調活費使ってくれていたらまだもっていると思うんですけれどもね。
 それから、この「浜長」というのも歴史のある、元の「浜長」というのは、西郷隆盛が幕末、土佐に来たときに坂本龍馬と会談した場所でしてね、本当は保存しとかないかぬようなところなんですけれども、どうも高知県人の意識が低いものですから。
 そこで、言う方も言う方、やる方もやる方という感触は持っておりますが、実は肝心なところで時間がもうあと一分しかありませんから、いろいろ質問通告出したやつは今日はやりませんが、言いたいのは、その後、彼らの言い分ですと、加納福岡高等検事長になるプロセスにいろいろ言い分を付けているわけですが。
 ただ、最後に申し上げたいのは、今日の最後、いずれまた折を見て時々やらせていただきたいと思いますが、やはり検察の政治的中立といいますか、特に談合、丸投げ、口利きの非常に政治腐敗、不信の今、時期ですね。加藤紘一さんだって六千万だから起訴せぬなんていう報道が出る。起訴するのは一億円以上なんというようなばかな話ないですよ。国民、この間、自民党の先生が僕に文句言っていましたよ、あんなことはおかしいですわねといって。公平に、やっぱり徹底的に不正をやった人間は、特に政治家については、公正公平、証拠に、法に基づいて、法律に基づいてやってほしいんですよ。それは決して指揮権発動でも何でもないと思うんですが。こういういろんなことが出てくると、そういうことに誤解が生ずるんですよ。それを申し上げて、残念ながら今日は法務大臣の答弁求めませんでしたが、もう時間オーバーしましたから、今日はこれで終わります。
#264
○政府参考人(古田佑紀君) 一点だけよろしいですか。
 先ほど、告発につきまして御説明申し上げましたが、一点申し忘れたことがございまして、実は高知地検検事正在任時代につきましては、これは告発人本人と告発人の代理人と別々に告発が出ております。それで、したがいまして、もう一つ実は告発。その点だけ付け加えさせていただきます。
#265
○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。
 先日、二十一日に、在チェコの日本大使館職員のことについてお聞きをいたしました。チェコの大使館の職員が発言をした中身です。在チェコの日本大使館職員が、チェコのロマ(ジプシー)が日本に来て亡命を求めた場合の対応について、日本では亡命者は一切受け入れられず、数年間投獄される可能性すらあると答えていたという、このチェコ通信が伝えたものですが、これは調査中ということでしたが、その結果はどうなったでしょうか。
#266
○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 御指摘の報道が五月の二日にございました後、チェコ大使館におきまして、チェコ人職員も含めまして、館員全員から繰り返し聞き取りを行うなどの事実関係の調査を行いました。
 この調査の結果、五月二日に、同大使館に対しましてチェコ通信より電話による問い合わせがあったことは判明しましたが、報道のような内容の発言を職員が行ったとの事実は確認できませんでした。
 お許しいただいてもう少し詳しく御説明させていただければと思いますが、チェコ大使館による調査の結果、判明した事実関係は次のとおりでございます。
 五月二日午後二時半から三時までの間にチェコテレビ、チェコ通信じゃございませんが、チェコテレビより在チェコ大使館の領事部に対しまして、最近のロマ人の査証申請の有無、日本に渡航する際の査証の要否、査証を要する渡航目的等につき電話による照会がございました。チェコ人職員が、それぞれ最近、ロマ人からの査証申請はない、九十日以内の観光滞在であれば査証は不要であるが、留学等、長期滞在の場合には必要である等の回答をいたしました。
 また、同じ五月二日の午後三時ごろ、今度はチェコ通信より在チェコ大使館に対しまして、日本へのロマ人の亡命の可能性について照会がございましたが、オペレーターが、担当の日本人館員が電話中で電話がつながらなかったために後刻、電話をしてほしいというやり取りはございましたけれども、その後の連絡はなかったということでございました。
 いずれにいたしましても、報道のような内容の発言をチェコ人職員及び日本人館員が行ったという事実は確認されておりません。
#267
○福島瑞穂君 そうしますと、報道されている様々な中身と違いますので、こちらも今の回答であればまた調査をしてみますが、またお聞きをすることがあるかもしれません。
 では、庇護希望者について、大使館、領事館に出している指示はどのようなものでしょうか。
#268
○政府参考人(北島信一君) 庇護希望者への対応ということでございますけれども、対処ぶりの基本的な原則について在外公館に対し周知しているわけですけれども、外国人が我が方在外公館に庇護を求めてくる場合の具体的な対応ぶりは個々の事案ごとに異なりますので、個別の事例に応じて本省の指示に従って対処するということなんですが、その上で一般的な考え方を申し上げますと、我が国としては申請者の人定事項等の事実関係をまず確認する、さらに同人の希望等を聴取した上で当該者の生命又は身体の安全が適切に確保されるかといった人道的観点、さらに関係国との関係を総合的に考慮して具体的な対応について検討するということでございます。
#269
○福島瑞穂君 でも、瀋陽の事件では、ヘルプ・ミーなどと庇護希望の意思が記載された書面を市民が示したにもかかわらず、総領事館職員が庇護希望者に対する適切な保護をしておりません。いかなる場合に庇護希望者として扱うかのマニュアルが欠如しているのではないですか。
#270
○政府参考人(田中均君) 御指摘の書面については、先ほども御説明申し上げましたけれども、警備担当の副領事が武装警察詰所で関係者五名のうちの男性一名から英語でタイプ打ちされたメモを見せられたと、内容が理解不能であったため返したということでございますが、その警備担当の副領事も北朝鮮から来た家族であるという認識はその段階でしていたわけでございます。
 外務省が在外公館に脱北者、北から来た人の扱いということで、実際にその脱北者が在外公館の中に入った場合に、先ほど官房長から答弁がありましたように、それは外国人が日本の在外公館に対して庇護又は第三国への亡命を求めてきた場合の具体的な対応ぶりという中で、本人の人定の確認であるとか事情の聴取であるとか、そういうことをしながら人道的な観点から何ができるかということを、そういう対処をするというのを基本原則にしているわけでございます。
#271
○福島瑞穂君 英語が書いてあるのが読めなかったというふうに新聞報道などでもなっておりますが、ヘルプ・ミーと英語で書いてあったのか、英語そのものが読めなかったのか、その点を教えてください。
#272
○政府参考人(田中均君) 全体として理解ができなかったということを本人から聞いております。
#273
○福島瑞穂君 細かい点で済みませんが、英語は何と書いてあったんですか。
#274
○政府参考人(田中均君) その見せられたもの自身は既に返されているものですから、果たしてそれが何であったかという確認はできていません。ただ、新聞等で拝見している、これであったというものの中にはアサイラムという言葉とかヘルプ・ミーという言葉があったというふうに承知をしています。
#275
○福島瑞穂君 済みません。英語が読めなかったのか、書いてある英語が理解できなかったのか、例えば字が汚くて読めなかったのか、その点はいかがでしょうか。
 ヘルプ・ミーという英語が見えてアサイラムという英語が読めるんだったら、何を本人たちが言っているか理解できると思うんですが。また、外務省が英語が読めないということも実は個人的には理解不可能なんですが、どうでしょうか。
#276
○政府参考人(田中均君) 私が申し上げているのは、その現場で警備担当の副領事が見た紙と、それから新聞等で報道されている、あらかじめ用意してあった紙というものが同一のものかどうかというのは、今の段階では確認ができていないということであります。
 ですから、実際そのものを、新聞に報道されているような紙について本人が読んで理解が不可能であったということなのか、違う紙なのかということは分かりませんが、ああいう緊迫した状況の中で北朝鮮から来た人であるという認識を持っていた。したがって、多分、私が、これは推測でございますけれども、そういう紙を見る見ないとにかかわらず、この人たちが北朝鮮からいわゆる脱北者であるという認識はあったものだろうというふうに思います。
#277
○福島瑞穂君 ちょっと細かくなって済みませんが、先ほどから庇護希望者についてのマニュアルがあるのかどうか、どういうふうにして庇護希望者を保護しているのかという質問をしているわけです。そして、今回の件については、紙を持っていて、英語でヘルプ・ミーとかいろいろ書いてあった。それをいったん受け取って、それは理解不能で返したということがよく分からないんです。
 調査結果によっても、理解不可能というのは一体どういう意味なんですか。調査をされて、外務省が、書面を返した、その理由が英語が理解不可能だった。そこの部分がやっぱりよく分からないので言ってください。紙が同じものか違うものかという話を聞いているのではありません。外務省が調査をした結果、どんな紙を読んだのか、何と読んだのか。それについて教えてください。
#278
○政府参考人(田中均君) 私たちが今その現場で副領事が見せられた紙を持っているわけではないのです。ですから、我々が理解不能とかそういうことではなくて、現場にいて、その問題の処理に当たっていた警備担当の副領事がその紙を見せられて、ああいう中で紙をめくりながらよく分からなかったから返したということを本人が言っているということであります。
#279
○福島瑞穂君 いや、済みません。副領事であればかなり、領事、総領事の次のポストなわけですよね。そして、現場が幾ら緊迫していても、書面をもらえれば一応自分が読めるわけじゃないですか。つまり、英語が読めなかったのか、中身が分からなかったのか、どうなんですか。つまり、調査をされたわけでしょう、外務省は。だから、どういう書面だとその人は理解したんですか。それとも読めなかったんですか、分からなかったんですか。
#280
○政府参考人(田中均君) 本人は十分読めずに理解ができなかったと言っております。
#281
○福島瑞穂君 済みません。だから、細かい論点に入ってですが、読めなかったのは、例えば字が汚いとかいうので読めないんですか。それとも英語が読めないんですか。
#282
○政府参考人(田中均君) このもの自身はタイプで打った二枚紙であったということでした。ですから、英語として判読不明ということではなくて、英語として読めるものである。だけれども、その本人には理解ができなかったということでございます。
#283
○福島瑞穂君 済みません。それは英語がでたらめで、済みません、やはり庇護希望者の人が必死の思いで書面を出した。だから、それ普通、外務省は読むわけですよね。タイプで印刷された英語であった。それは英文の体を成していなかったのか、どうなんですか、それは。ちょっと済みません。
#284
○政府参考人(田中均君) これは、大臣も答弁を申し上げていますけれども、その手紙を返したことはいかにも不適切な行動であったということは、それはそのとおりだと思います。私もそう思います。ただ、現場で、武警の人、非常に多数の武警の人に囲まれ、かつ、多分そのときには、その本人はこれは北から来た脱北者、庇護を求めてきた人であるということは十分理解をしていたんだろうと思います。だけれども、本人は、その紙について全体を理解できたかというと、自分は理解ができなかったということを言っているということでございます。
#285
○福島瑞穂君 やはり、根本的に考え方や対策を考え直してもらわなければいけないのではないでしょうか。
 つまり、これが物すごく特殊な言語で書かれているというのではなく、英語でヘルプ・ミーとかいろいろ書いてあって、タイプで打ってあって、それを外務省の職員は、副領事は読んだと。だから、私は、返したことが不適切であったという以前に、その英文を見て、これは庇護希望者なわけだから、それに対してどう対応するかという視点がないわけじゃないですか。もし、逆に、多くの人間に取り込まれていればいるほど、それは緊迫した状況だからこれはきちっと対応しなくちゃいけないと思うわけでしょう。英語で書いてあった手紙をなぜもらいながらそれを返して、しかもその人も帰っちゃっているわけでしょう。それを読めなかったからとか分からなかったからという答弁は、実は私には分かりません。そのマニュアルが非常にないか、あるいは返してもいいと思っていたんじゃないですか。
 そもそも、我が国公務員で庇護希望者に接する可能性が高い者、つまり空港、港湾の入国管理局職員、我が国警察官、在外大使館・領事館員に対して、いかなる場合に庇護希望者と認めて扱うかというマニュアルはあるのでしょうか。
#286
○政府参考人(北島信一君) マニュアルというその言葉を使えるかどうか分からないんですが、先ほど申し上げましたとおり、その種の人との接触がある場合に、人定事項等のとにかく事実関係を確認する、その上でその同人の希望等を聴取する、更にその上で同人の生命又は身体の安全が適切に確保されるかといったその人道的観点、関係国との関係を総合的に考慮するという考え方を伝えているわけで、したがいましてその上で判断しているということでございます。
#287
○福島瑞穂君 もしそれがマニュアルだとしたら、英語の手紙を出されてそれを返した副領事はいわゆるマニュアル違反なのでしょうか。
#288
○政府参考人(田中均君) これは、大臣が申し上げているとおり、不適切な行動であったということはそのとおりだと思います。ただ、マニュアルというか、その基本的な考え方というのは、個々の、非常に事細かく、こういう英語の手紙が来たらどうかとかそういうことではなくて、基本的な考え方として示してあるものですから、それはどうしてもその現場で十分な認識を持って対応をせざるを得ないということだと思うんですが、そういうその現場のきちんとした認識が欠けていたということは、その教育面も含めて不十分だったということだと思います。
#289
○福島瑞穂君 法務省としては、入国管理局職員やいろんな人たちに関して、庇護希望者と認める際のマニュアルというのは徹底しているのでしょうか。
#290
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。
 これは基本的なことで申し訳ございませんが、外国人が我が国に入国する場合には入国手続を取らなきゃならないことになっております。したがいまして、手続を抜かなければ退去もさせられないし、入国もさせられないと。基本的には法律に手続が書かれ、そしてそれに規則があり、私どもの方でそれぞれの手続について具体的な通達、要領を発しておりますので、要は、それぞれの職員が、目の前に、それぞれの入国申請等をした者に対して、その法令に従って適切に対応すれば自動的に所要のそれぞれの手続が進行する。庇護希望者につきましても同様であります。
 更に申し上げれば、外国人の場合はいわゆるEDカード、入国記録書を必ず提出しないと入国手続が始まりませんので、それに所要のことを書きますし、渡航目的その他を書くようになっておりますので、必要なところを記載することによって、その者がどういう目的で我が国に来たかということが必然的に分かるというシステムになっておりますので、特段の、そのことに限ってマニュアルというものは作ることは必要性はないものですから、従来の法令に従ってそれぞれの職員が適正にやっているものと承知しております。
#291
○福島瑞穂君 出入国管理及び難民認定法は、いわゆる六十日条項があります。そもそも、我が国では難民認定申請について、原則として難民認定申請書という書面の提出によって行うとされており、日本語、英語を読み書きできない者は独力では申請できませんし、また申請書の用紙を持たない者は申請ができません。また、日本の空港の職員は難民認定申請書式をどのような場合に交付するべきかのマニュアルを持っておりません。書式への記入の補助や通訳、翻訳の保護について定めた規定もありません。これは不備ではないでしょうか。
#292
○政府参考人(中尾巧君) 先ほど申し上げたことが基本的なラインでございますが、私どもでは日本語及び英語を含む十三か国語で難民認定手続などを分かりやすく解説いたしました難民認定手続案内と題する冊子を、各地方局、各管理局はもとより空港の担当のところに配付しておるところでございます。また、書式につきましても、難民認定申請書や異議申立ての書式について、日本語及び英語を含む八か国語で翻訳したものを同様に配付してそれぞれの難民申請をされる方々の利便を図っているところでございます。
 もちろん、それぞれの方が、先ほど議員御指摘のとおり、日本語の分からない、英語が分からないというような場合もございます。その場合には、私どもの方はそれぞれの状況に応じて、通訳の手配もいたしますし、通常のケースで申し上げれば、エアラインとの協力関係は私どもうまくいっておりますので、エアラインの関係者の御協力を得てしかるべく対応をしているところでございます。
#293
○福島瑞穂君 空港などでは一時庇護上陸許可申請という制度があります。これについては、申請方法の教示をいかなる場合に行うべきかのマニュアルというのは存在しているのでしょうか。
#294
○政府参考人(中尾巧君) この一時庇護上陸という制度を取っておる我が国の場合につきましては、かなりそういうところでは、上陸申請の在り方については諸外国と比べましてかなり利便性のある手続を取っておるものと理解しておるわけであります。この一時庇護上陸許可申請につきましても、先ほど申し上げましたようなEDカードを入国審査官に基本的に手続の過程で提出いたしますので、先ほど申し上げたようなことでそれぞれのEDカードに渡航目的等々が書かれることになっておりますので、その手続の一環で上陸庇護の申請ができるようになっております。したがいまして、特段、一時庇護上陸に限ってマニュアル等を作る必要はないと、こういうことでございます。
#295
○福島瑞穂君 二〇〇一年二月二十日、成田空港に到着したトルコ国籍クルド人の人が、同日、口頭で庇護希望を表明したにもかかわらず、同日中、申請用紙の交付も一時庇護上陸許可申請制度の教示も受けなかった。また、同人は二月二十一日、難民認定申請書式の交付を受けたものの、日本語も英語も読めなかったので速やかな申請ができなかった。さらに、二月二十三日、ようやく一時庇護上陸許可申請をしたが、証拠提出の機会も与えられず、わずか三日後の同月二十六日、不許可とされた。しかし、以後、退去強制手続の中で、弁護士の立証活動により在留特別許可を受けたと。これは、弁護士が付いて在留特別許可がもらえたわけですけれども、もしそういうことがなければ全く不許可とされたという部分までですと、何もいろんなアドバイスや教示などはないと思われます。
 こうした例がありますけれども、どのように考えられますでしょうか。また、改善はされたのでしょうか。
#296
○政府参考人(中尾巧君) これは、個々具体的な案件について、その経緯等々について私どもの方から申し上げることは、基本的にプライバシーその他、私どもの業務遂行上の観点から申し上げることは差し控えるべきだと考えるところでございますが、少なくとも、委員御案内の案件につきましても、通常私どもが適正にやっておりますところの一時庇護上陸の申請手続等の例に倣ってやっているものと承知しております。
#297
○福島瑞穂君 では、一時庇護上陸許可申請や難民認定の申請について、先ほどもちょっと説明をしていただきましたが、こちらもまた今後どういう教示が具体的にされているかなどを調べて、またいろいろ教えていただきたいと思います。
 欧州委員会の基準である加盟国内における難民の地位の認定及び拒否のための最小限の手続基準に関する委員会指導要綱案の第五条では、庇護申請者は、その申請に対する決定がなされるまでは、その申請が提出あるいは審査されている加盟国の国境又は領域内にとどまることを認められるものとするとあります。
 送還禁止の原則を効果的に保障するために、この条文はその申請に対する決定がなされるまで加盟国の国境若しくは領域内にとどまることのできる各庇護申請者の権利について規定しておりますが、このように、日本でも庇護を希望する者は排除されるべきではなく、保護をして適切な取扱いを決するために審査の機会を保障するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#298
○政府参考人(中尾巧君) 委員お尋ねの指導要綱案第五条でございますが、これは私どもの仮訳で間違っている場合もあろうかと思いますが、そういう点を含めて申し上げますと、庇護申請者は、申請に対する結論が出されないうちは、庇護申請がなされたか、あるいは庇護の審査がなされている加盟国の国境あるいは領域内にとどまることを許されると、こういうふうな規定でございます。つまり、難民申請の結論が出るまでは、その当該申請者を出国させることのないように配慮すべきであるという趣旨の規定であると考えております。
 しかしながら、この点につきましては、在留資格を有して我が国に正規に在留している者から難民認定申請がなされ、その在留期間が満了するまでに難民認定、不認定の結果が出すことが困難な場合は当然ございます。このような場合には、私どもの取扱いといたしましては、在留期間の更新等を許可することによって支障のないようにしております。
 また、退去強制事由に該当する者から難民認定申請がなされた場合には、退去強制手続と難民認定手続は本来異なる目的に基づく手続でありますので、退去強制手続は一方で進められることになりますが、仮に当該申請者に対しまして退去強制令書が発付された場合にありましても、難民認定、不認定の結論が出るまでは送還は行わないことと実際の取扱いはしております。
 このように、難民認定申請というものに対しては、適法在留者であるか不法滞在者であるかにかかわらず、難民認定申請に係る審査を受ける機会を失わせないように配意しているところでございます。
#299
○福島瑞穂君 難民の不認定の場合に、なぜ不認定なのか、事実と理由を提示すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#300
○政府参考人(中尾巧君) この点は度々御質問をいただくわけでありますけれども、難民認定、不認定処分というこの行政処分というのは、かなり特殊な、一般の行政処分と異なる性格を有するものであるということをまずもって御理解賜りたいというふうには思います。
 難民不認定処分をするときには、理由を付した書面をもって申請者に対して告知しておりますが、一般的に、処分通知の理由付記に当たりましてどの程度の記載をすべきかは、処分の性質と理由付記を命じた各法律の趣旨、目的に照らしてこれを決定すべきものとされているのが一般的でございます、一般的な考え方でございます。
 難民認定申請におきましても、難民であることの立証責任は申請者が負うと解されておるわけでございます。自分が難民であるかどうかという事実の有無は、基本的には申請者本人が最もよく承知しているところでございます。したがいまして、申請者が難民であることを立証できないときは、その旨の理由付記をすれば入管法の要求する理由付記と足るものと従来から考えているところでございます。
#301
○福島瑞穂君 ただ、本人が実はなぜ不認定になったか分からない、知りたいということで、理由を是非示してほしいという希望が出ているので、改めてまたお願いしたいと思います。
 ところで、四月二十八日朝日新聞、横山実国学院大学教授が「法務省改革 検察官のポスト独占正せ」という論考を出していらっしゃいます。ちょっと読み上げますと、「本来、検察官は検察庁に所属し、検察権を行使することを任務としている。しかし、多数の検察官が法務省に出向き、主要ポストのすべてを占めている。たとえば、法務省は矯正(犯罪者や非行少年の処遇が中心)や保護(保護観察が中心)という仕事を所管しているが、それを総括する矯正局長と保護局長のポストは、矯正や保護の現場で働いたことのない検察官によって常に占められているのである。」と。ちょっと飛びますが、「ところで刑事政策に関する国際会議では、矯正や保護の専門家が行動科学を踏まえて犯罪防止策や犯罪者の処遇問題などを議論している。それに対し、日本と韓国だけは、検察官が代表として論議に加わり、矯正や保護の専門家はその補佐をするにすぎなかった。」。
 つまり、どういうことかといいますと、法務省というのは、英語ではジャスティスミニストリーなわけですから、法務、要するに中立的に法務をやると。検察官は捜査をする人たちで、検察庁に所属しているわけです。ただ、主要ポストが検察官が占めるということは、捜査が前面に、捜査の考え方が前面に出てくる。
 つまり、世界的にも、矯正の立場、どうやって社会復帰をさせるかという立場とそれから捜査の立場は時々対立をしたり、価値観が食い違ったりすることがあると。ですから、むしろ、法務省は法務省プロパー、中立的な、何が中立的かはなかなか難しいかもしれませんが、例えば保護や矯正ということについては、かつて非常に有名な、法務省の生え抜きの人たちで有名な局長の方たち、昭和三十年代いらっしゃいますけれども、矯正や保護の場面において、そういうきちっと保護や矯正の現場でやってきた人たちがやるべきではないかと。
 韓国では、最近初めて検察官以外から矯正局長が任命されたと聞いております。このような提言について、いかがお考えでしょうか。
#302
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、法務省の所掌事務の中にはいろんなものがございまして、しかし中でも司法制度に関する法令並びに民事及び刑事の基本法令の立案、訟務事件の遂行、検察に関する事項など多岐にわたって、高度に専門的な法律的な知識、実務経験を要する事務が多数含まれております。
 このような事務を遂行するためには、検察、裁判の実務を経験して、これらに精通している法律家を充てるのが適当であるという考え方から、検察官・裁判官出身者を法務省の事務に従事させることにはそれなりの理由があると私は思っております。
 しかし、必ずしも裁判、検察の実務の経験がなくても遂行し得る仕事は御指摘のようにあるわけでございまして、そのようなところの幹部職員には一般職員からの登用を推進しているところでございます。今後とも、できるだけ有能な職員の育成、登用に努めてまいりたいと考えております。
 また、先生も御存じだと思いますが、弁護士さんや民間の専門家、学者あるいは他省庁の職員など、多種多様な経歴を有する者を積極的に受け入れるように努めてまいりたいと思っております。
#303
○福島瑞穂君 よろしくお願いします。
 時間ですので、終わります。
#304
○委員長(高野博師君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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