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2002/03/26 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第6号
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2002/03/26 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第6号

#1
第154回国会 総務委員会 第6号
平成十四年三月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     渡辺 秀央君     平野 貞夫君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     羽田雄一郎君
     魚住裕一郎君     山本 香苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                羽田雄一郎君
                松井 孝治君
                木庭健太郎君
                山本 香苗君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                平野 貞夫君
                松岡滿壽男君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       総務副大臣    若松 謙維君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  山内 俊夫君
       財務大臣政務官  吉田 幸弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務大臣官房総
       括審議官     板倉 敏和君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       総務省自治税務
       局長       瀧野 欣彌君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       国土交通大臣官
       房審議官     榎本 晶夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (地方財政の拡充強化に関する決議の件)
○恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、渡辺秀央君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村公平君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房総括審議官板倉敏和君、総務省自治財政局長林省吾君、総務省自治税務局長瀧野欣彌君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君及び国土交通大臣官房審議官榎本晶夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村公平君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は去る十九日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩城光英君 初めに、片山大臣に申し上げます。
 このたびの御母堂の御不幸、心よりお悔やみを申し上げます。そういった折にもかかわらず、大臣は精力的に公務に励んでいらっしゃいました。そのお姿を見るにつけ、頭の下がる思いでありました。これからも国家国民のためにどうか御活躍いただきたいと御祈念申し上げます。
 それでは、質問に入ります。
 地方分権の進展を考えましたときに、私は住民にとって一番身近な行政主体であります市町村のその果たす役割はますます大きくなってくるものと考えております。私は以前から、市町村が元気を出すことが日本の活力につながると、こう話をしておりました。大臣も就任以来、同じような趣旨のお話をされていらっしゃいますこと、それも心強く思っておりました。しかしながら、現実には地方財政は極めて厳しい状況にあります。私も自分の県内を回りますと、首長さん方から悲鳴に近い声をお伺いするわけであります。
 そこで、地方財政の問題についてまずお伺いしたいと存じます。
 平成十四年度の地方財政の収支についても巨額の財政不足が生じたようであります。ここ数年、具体的には平成十一年度当初から毎年おおむね十兆円の通常収支の財源不足が生じている現況にございます。国のみならず、正に地方財政も危機的な状況にあるものと考えております。
 そこで、まず大臣の地方財政に対する現状の認識についてお伺いをいたします。
#7
○国務大臣(片山虎之助君) 冒頭、岩城委員から大変御丁寧なごあいさつをいただきまして、恐縮いたしております。ありがとうございます。
 平成十四年度の地方財政は、国も大変な危機的状況でございますけれども、地方も同じでございまして、特に地方財政は三千三百の地方団体の集合体が地方財政と、こういうことでございまして、一様じゃない。大変悪いところもあるわけでございますけれども、お話しのように、十四年度末の借入金の累積残高が百九十五兆円になると、こういうわけでございまして、個々の団体によりましては、先ほども言いましたが、もう極めて国よりも厳しい団体も幾つかあるわけでございまして、我々も憂慮いたしております。
 このような地方財政の状況が悪化しましたのは、一つは景気の後退。地方税収は伸び悩む、国税も伸び悩みますから地方交付税も減ると。ところが一方、地方に対します、地方団体に対しますいろんな財政需要の要請がある。例えば、生活関連社会資本の整備だとか地域福祉政策の充実だとか、こういうことの住民からの要請にこたえなければならない。さらに、景気を良くするためには公共事業をやると。公共事業も国よりは地方がやる部分が多いわけでありますから、公共事業をやる、単独事業もやると。あるいは減税をやると。減税をやりますとそれだけ収入が減りますから、減税のやった財源の補てん債を出すと。この元利償還が大変になると。
 こういう状況でございまして、この状況から一日も早い脱却を考えるわけでありますけれども、それは国の場合も同じように、まず経済の活性化を図るということ、あるいは更に国、地方を通じる行財政の簡素効率化を進めるということ、そしてより根本的には国と地方の税財源配分の見直し等も考えると、こういうことの三点セットで対応していくしかないんではなかろうかと、こういうふうに考えておりまして、現在、個別のいろいろな団体のお考え等も聞きながら、それぞれの対応、適正にしてまいりたいと考えております。
#8
○岩城光英君 経済の活性化始め三点セットで取り組んでいきたいということでございます。何とぞよろしくお願いしたいと存じます。
 それでは、平成十四年度の地方財政計画についてお伺いをいたします。
 今回の計画では、今もお話しありました厳しい地方財政の状況も反映しまして、国と同様にその歳出について相当切り込んだものとなっているようです。歳出全体を見ました場合に、八十七兆五千六百六十六億円で前年度比マイナス一・九%となっているようです。対前年度でマイナスになるのはこの地方財政計画が作成されるようになって以来初めてのことと伺っておりますが、そこで、国の歳出の見直しと歩調を合わせて地方財政計画の歳出についても見直しを行ったようですが、具体的内容について副大臣にお伺いいたします。
#9
○副大臣(若松謙維君) 今、委員も御指摘の初めてのマイナス、地方財政計画の平成十四年の策定になったわけでございます。そして、この地方歳出につきましては、国の歳出予算と歩を一にして徹底的な見直しとそして重点的な配分を行いまして地方財政の健全化を図ることとしたところでございます。
 給与関係経費につきましては、定員の計画的な削減等を行いまして全体として約一万二千三百人の職員定数を減員するほか、国の予算上の取扱いに準じまして給与改善費の計上を見送る等の措置を行いまして抑制しましたところ、前年比〇・二%の微増に抑えたと、このようにいたしました。
 また、一般行政経費、いわゆる単独関係でありますが、これらにつきましても既存の経費を削減、いわゆる重点七分野以外はおおむね一〇%削減と、こういう形になっておりまして、更に先ほどの重点七分野を中心とするいわゆる地方の活性化、循環型社会の形成、少子高齢化への対応、こういったところに対しては財源を重点的に配分するという措置をいたしまして、全体として前年度比〇・三%減に抑制したところでございます。
 さらに、投資的経費に係る地方単独事業費につきましては、国の公共投資関係費と同一の基調によりまして前年度に比して一〇%減額をした上で、事業内容につきましても、従来のいわゆる箱物投資を抑制いたしまして地域情報化等の基盤整備に重点化を図ることとしたところでございます。
#10
○岩城光英君 ただいまお話がありましたもろもろの歳出の削減の努力については敬意を表したいと存じます。
 ただ、若干気になりますのは、今もお話がありました投資的経費の中の地方単独事業ですね、これが一〇%も大幅にカットされていることであります。この地方単独事業については、地方財政の厳しさも反映しましてこれまでも各地方団体における削減が進行しており、地元の経済に少なからぬ影響を与えてきているものと認識をしております。株価は今持ち直しつつあるようですが、地域経済は依然として冷え切っております。私ども福島県にもそういった地域があるわけですけれども、とりわけ公共事業に依存しているような地方の経済は、現実問題としまして地方財政計画での削減に右倣えということで各団体が地方単独事業に大なたを振るうようなことになりますと死活問題ともなりかねない、そういった懸念をしております。
 そこでお伺いいたしますけれども、投資的経費の地方単独事業を減額した理由について改めて、また地方単独事業の落ち込みに拍車を掛けることにならないのか、さらにはこの問題に対して地方団体にはどのような対応を求めていくのか、お伺いをいたします。
#11
○副大臣(若松謙維君) 繰り返すようになりますが、大変国の財政が厳しいということで、この公共投資も国と同じく一割削減をいたしまして、平成十四年度での地方財政対策として十五兆七千五百億円を計上したところでございます。
 この金額でありますが、いわゆる前年比と一〇%減という状況になっておりますが、これも委員も御存じだと思いますが、最近、地方団体の決算額がこの地方財政計画額を大幅に下回っていると、こういう実態にもあることから、やはり地域の実情に即して生活関連基盤の整備とか地域経済の振興等、必要な事業量をしっかり確保していきたいと、そのように考えているところであります。
 さらに事業内容につきましては、いわゆる箱物整備、これはどうしても抑制が必要と考えておりまして、基盤整備への重点化を、やはりこれを大事な観点として、新たに地域の活性化に向けた喫緊の政策課題であります循環型社会の形成、少子高齢化対策、地域資源の活用促進、都市再生、科学技術の振興、情報通信基盤の整備を推進するためのいわゆる平成十四年度からできました地域活性化事業、これ五千六百億円の金額を想定しておりますが、こういったものを積極的に活用して、地方団体のいわゆる事業の重点的かつ効果的な実施に努めていきたいと考えております。
 これらの趣旨につきましては、各種会議等の場で地方団体に対して丁寧に周知を徹底させていただいていると理解しているところでありますが、今後も、様々な機会を通じてこの地方単独事業に対する的確な取組、先ほど申し上げました地域活性化事業、こういった施策についても理解を深めてまいりたいと考えております。
#12
○岩城光英君 いろいろと説明がありましたこの危機的な地方財政に対してですけれども、やっぱり小手先の数字合わせだけではもう対応ができなくなっていくのではないかと、そういった危惧を感じております。抜本的な改革というのがもう避けて通れない、こんなふうに思っております。
 ところで大臣は、税源移譲にも絡んだ抜本改革のイメージとしまして、しばしば次のような手順で進めるべきだということを述べられていらっしゃいます。
 まず、国から地方への税源移譲で地方税の充実を図ること。そして国税が減少する分については、以前からその問題が指摘されてきた国庫補助金の削減で対応する。あわせて、国から地方への大きな財源移転を行っていく。交付税についても削減等の見直しを図る。とりわけ交付税については、起債の元利償還とか単独事業、これらを見過ぎたのではないか、いろんなことをやり過ぎた、そこまで交付税がやるのはいかがなものかと、このようなお話をされていらっしゃいます。私もこの大臣の主張に基本的に賛成であります。
 更に申し上げれば、度々交付税の削減と、こういったことが取り上げられますが、それだけの問題としてとらえても私が意味がないんだと思っております。税制改革とか地方財政の改革とか、あるいは地方制度の改革、これらがすべてセットになるべきものと思っております。
 市町村の側に立てば、法令などによる国の地方への関与が多過ぎるという認識がまずあります。ここの部分の整理がなければ、幾ら交付税を削減するといっても、現実に国が関与して地方でこういう仕事をしろとか、そんなふうに言う限り、国による財源保障はせざるを得ないと思います。また、地方団体の現場の立場からいえば、地方税、地方交付税という一般財源が国の関与による事務に食われてしまうと、そういうことになってしまいます。
 そこでお伺いをいたします。交付税の在り方の議論には、地方公共団体が全国共通で行うべき事務事業を厳選して、それに応じて国の法令等に基づく関与も見直していくことが前提となるべきものと考えておりますけれども、大臣の地方交付税改革へ向けての御所見、併せて国庫補助金の見直しについての御所見はいかがでしょうか。
#13
○国務大臣(片山虎之助君) 岩城委員と私もほぼ同じ考えを持っておりますが、地方交付税というのは何でこういう制度があるかといいますと、もう御承知のように、一つは地方団体間の財政力が大変アンバランスでございますから、地域間格差がありますから、その間をなだらかにすると、その間を調整するということが一つと。それから、今、委員言われましたように、国としてここまではやってほしいと、ナショナルミニマムと言うんでしょうかね、ここまでは標準的に是非お願いしたいということについての財源保障をしてやると。こういう二つの機能がありまして現在のような制度になっておりますが、国がここまでやってほしいというそのレベルは、国が法令だとか通達だとか、あるいは国庫補助負担金の支出に伴う条件、補助条件として決めているんですね。特に、義務教育、それから警察、消防あるいは福祉の中で特に生活保護、児童福祉あるいは公共事業等がそういうことになっているんですね。
 したがいまして、このような経費についてはどうしても国が財源保障すると、こういうことで今地方交付税があるわけでありますけれども、基本的にはやっぱり税を、自前の税を増やしてやるということなんで、税を増やしてやる代わりに国庫補助金をできるだけ合理化して縮減していくと。それからその次に、やっぱり地方交付税というのも国から与える依存財源ですから、これも減らしていくと、こういうのが筋だと思いますね。
 そういうことは、例の昨年までありました地方分権推進委員会が、収入中立で、税を増やして、地方税を増やして、地方税を増やす分だけ国庫補助金を減らす、交付税を減らすと、こういう提言しているんですね。私は全部それがいいとは思いませんけれども、方向としてはそういう方向がやむを得ないと、こう考えておるわけでございまして、そういう意味では、国がこの辺までやってくれというレベルというものの国の関与の度合いをだんだん減らしていくと、地方に任せていくと、均衡ある発展じゃなくて個性ある発展だと。こういう意味では国の注文をだんだん縮小していく必要あると思います。
 そういうことに応じて地方交付税をどう考えていくか。できれば地方税に振り替える方がいいわけですけれども、余り地方税とやっていますと、大きいところだけ増えて、大都市だけ、そうでないところが増えませんからね。その辺が大変兼ね合いが難しゅうございますけれども、せめて私は五対五にと、こういうふうに言っているわけであります。
 それから、補助金の方はできるだけこれは縮減していくと。今の国から出るお金は負担金と補助金と委託金とあるんですね。委託金は国の仕事を委託するんですから、これは丸々面倒見るというのが建前ですね。それから負担金は、国と地方に両方関係ある仕事で両方が負担を分け合うということですから、今言いました義務教育や福祉や公共事業がそうですから、これもなかなか一遍に地方というわけにはいかないんで、一番私は縮小してもいいのは国の補助金だと思う、奨励的補助金。国がこういうことをやってもらいたいから補助金を出すというやつ。これがかなりありますので、これのまず縮減から始めるべきではないかなと。直ちに縮減できないものは総合化してできるだけ地方に裁量の余地を与えて、箇所付け等も地方にやらせてということがいいんではなかろうかと。そういう総合補助金が来年度予算で約九千億に、年々増えておりまして、できるだけ補助金を税に振り替えていく、できないものは総合補助金化すると、こういう方向で今後とも努力してまいりたいと考えております。
#14
○岩城光英君 改めてお伺いいたしまして、大臣のお話、心強く思っております。
 地方分権を一層推進するためにも、国から地方への税源配分、これについて根本的に見直し、そして地方の行政サービス提供に必要な費用は住民自らが負担する割合を、これを高めることを目指すべきであると思いますし、また地方財政制度、地方制度の見直しと一体的に進めていっていただきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いしたいと存じます。
 そこで次の質問に移りますけれども、今申し上げました地方制度改革の一環として、現在、市町村の合併が進められております。何よりも、先ほど申し上げましたとおり、住民にとって身近で直接的な行政サービスを行う行政主体は市町村であります。その規模を適正規模にしないと行政効率も上がってこないわけであります。
 私の地元であります福島県のいわき市ですが、昭和四十一年に五市四町五村が、十四市町村が対等に合併いたしました。以来三十五年がたっております。面積が市の中では日本一なんですね。千二百三十一平方キロメートル、神奈川県の二分の一ございます。でも、これももう時間の問題で、来年の四月には静岡市と清水市が合併されるということで、市の中の日本一というトップの座が奪われてしまうことにちょっぴり私は残念でならないわけでありますけれども、でもこのいわき市の面積は国土の面積の三百七分の一、人口が日本の総人口の三百五十二分の一です。言わば一つのモデル的な規模になっているんではないかなと、こんなふうに思いながら市政を担当してまいりました。
 合併当時、それぞれの市、町、村の議員さんがいわき市議会議員になりました。三百三十三人で二年間議会を運営して、いろんな御苦労もあったようでありますけれども、現在は、法定数は四十八ですが、四十二名の定員で議会も運営されております。そういったいわきの行政を担当しました体験からも、私は基本的には市町村の合併は推進していくべきだと思っております。
 ただ、どうしても合併になじまない島嶼や、それから隣接市町村から著しく距離の離れた山間地域などがあるのも事実であります。また、隣の県の市町村と合併した方が行政効率はいいけれども、これまで同じ都府県内であった関係から効率的でない合併を選択せざるを得なくなったり、あるいは同じ都道府県内でも明らかに非効率的な合併がなされる場合もあるのではないかと、こんなふうに懸念をしております。
 総務省では、合併しないといいますか、できない小さな規模の町村に対しては県にその行政サービスの一部を移管することなども検討されているようですが、こうした地理的な条件のために合併の効果が生じない町村についてはどのように対応していこうとするのか、また客観的に非効率な合併が行われないような方策は取られているのかどうか、その辺についてお伺いしたいと存じます。
#15
○国務大臣(片山虎之助君) 委員はいわき市長をおやりになって、大変大型合併のいろんな苦労をされたことからのいろんなお話でございますので、私たちもしっかりと受け止めさせていただきたいと、こういうふうに思っておりますが、どうしても地理的な制約その他から合併がしにくい町村というのはあるでしょうね。
 ただ、私は、いろんなところで質問を受ける場合に答えているんですが、昔と違いますよ、これからIT社会ですよ、インターネットを使えばもう時間も、空間といいますか距離も一瞬にして飛び越えるんです、行政もどんどんどんどんIT化するんです、そのことをひとつ考えてくださいと。それから、昔に比べると飛躍的に交通条件が直りましたよね。そういうことの前提の上でひとつ考えてください。面積が大きいから大変一つの町村になったらやりにくいと、市町村になったら、そういうことのデメリットというのは少なくなっておりますと、こういうことは言っておるわけでありますけれども、それでもやっぱりどうしても大変難しいところがありますね。
 そういうところを今後どうやっていくかというのは大きな課題だと思っておりまして、これは例えば、今度発足しました二十七次の地方制度調査会でも御議論賜りたいと、こう考えておりますし、総務省の中の研究会でも今御検討を賜っておりまして、大きく、よそは全部大きくなるのに、小さく残るところだけが同じような権限や事務でやれと言ったってそれは無理なんですから、それはだれが補完するか、県がやるのかどこがやるのか、そういうことを含めて是非検討いたしたいと、こう思っております。市町村が再編成された場合にどうしても合併がいろんな制約があってできないようなところをどういう手当てをしていくかをひとつ早急に検討いたしたいと、こう思っております。
 それから、合併は客観的に見てなるほどという合併じゃなきゃいけませんね、無理な合併は。それから、ある程度それによってメリットがなきゃ、合併によるメリットが。それから、デメリットがあるにしても克服できるデメリットでなきゃいけませんので、その辺は今都道府県に合併のパターンを作っていただいておりまして、合併のパターンの中で特に重点的にやるものを合併支援地域にしてもらっているんですよ。
 そういうことの中で、是非効率的な合併、メリットがある合併、将来、一体的な地域社会として望ましい合併を是非お願いするように考えておりますので、今後ともそういうことの検討を慎重に進めてまいりたいと思っております。
#16
○岩城光英君 私が市長に就任しましたのは、いわきが合併して二十数年たったときだったんですが、今思いますと、合併して三十年たって初めて十四市町村の合併前の行政の垣根がなくなって一体化、市民として初めて一体化、一体感を感じるようになったのは三十年ぐらい掛かったんじゃないかなと。もっとも、広い面積、十四市町村の合併ですから余計そうなんですけれども、思っております。
 ですから、今、合併論議の中でも私も申し上げるんですが、当面のいろんな行政の効率化だけじゃなくて、将来、二十年後、三十年後、あるいは五十年後たったときにどうあるべきかと、そういう将来的なビジョンも示しながら皆様方に御理解いただかなければいけないと、こんなふうにも考えております。
 さて、そういった合併について私も県内の首長さんたちにお話をする機会が多いんですが、そうすると、大体話は分かった、我々も努力はすると。だけれども、我々努力するだけじゃなくて、じゃ、国は一体自分たちの行政を、国の行政をどうスリム化していくんだと、こういう話も逆に突き付けられる場合もあります。私は、その答えは、松岡先生が毎回取り上げていらっしゃいます道州制ではないかなと思っております。
 市町村の合併が進めば、都道府県は、面積とかマンパワーのみならず、権限の面においても市町村に対して相対的に小さな存在となっていくことは事実であります。そういう意味で、今後市町村との間の役割分担をより明確化にして、そして現在よりも広域的な行政を担う主体と位置付けなければならないと思っております。
 何よりも根本的な歴史認識としまして、今、日本は大きな転換期を迎えております。明治以来の中央集権的な国家体制から脱皮を図りまして、地方自治体の主体性の尊重と自己責任の原則に基づく真の地方自治を確立して、質の高い行政サービスの提供と併せて国民負担増のない財政再建、これを目指さなければいけないと思っております。現在は、国とか都道府県とか、それから市町村というふうに三つの層の行政主体がそれぞれ担う役割が重複しているために、その行政組織に掛かるコストあるいは国民の負担が過大になっていることも指摘されると思います。
 そこで、国と地方の在り方、これを大胆に見直すと同時に、官と民の役割の分担、関係を再検討して、大幅な民への移行を行うことも課題でありまして、都道府県をより広域的な行政主体とするいわゆる道州制の導入も改革のかなめでないかなと思っております。
 この道州制については、片山大臣も非常に分かりやすい説明をされていらっしゃいます。松岡先生の質問に対する答えであったと思いますが、国そして市町村に対して都道府県は中間的な団体である、国から見ると市町村と同じで、市町村から見ると都道府県は国のような存在だと。一遍に国と市町村だけとなると市町村の方が分が悪いんで、この中間団体の存在をだんだん薄くしていくということですけれども、一遍に国と市町村だけとなると市町村の方の分が悪いんで、やはりより大きな中間団体を作るというのが、これがいわゆる道州制の構想ではないかと。そして、市町村の再編成が終われば次に都道府県の再編の話になるでしょうというふうに大臣もおっしゃられております。
 実は昭和三十二年に、これは久世先生からいろいろ教えていただいているんですけれども、第四次地方制度調査会の答申で、地方の区域に関する試案、いわゆる道州制のブロック割、こういったものが出されているわけでありますけれども、それから四十五年たっているわけでありますが、道州制の導入といったことにつきましては大臣はどのようにお考えでしょうか。改めてお伺いさせていただきます。
#17
○国務大臣(片山虎之助君) 我々は、当面は住民に一番身近な市町村の再編成をやりたいと、こう考えておりまして、その再編成が終われば都道府県制度を考えるということですが、それじゃちょっと時間が掛かり過ぎますから、市町村の再編をやりながらあるべき都道府県制度というものについての検討も始めていかなければならないと、こういうふうに思っております。
 昭和三十二年に地方制度調査会が道州制というのを出しましたけれども、これはちょっとその後の道州制とはちょっと違うんですね。自治と官治を一緒に併せたような道州制でしてね。今言われている道州制はもう広域的な都道府県ですよ、簡単に言うと。知事さんも議会も直接公選で、ブロック単位なような府県を、広域的な府県をイメージした道州制ですけれども。あの三十二年のやつはそういう自治体と国のブロック機関を統合したものを一緒にするんですよね。だから、ちょっと、あの当時としてはそういう議論だったんだろうと思いますけれども、今はまあ少し変わってきていると思います。
 それで、これからはやっぱり地方にできることはできるだけ地方に、まあ小泉さんがいつも言っていますよね。私は、市町村ができることはできるだけ市町村になんですよ。そのためには市町村ができるだけの規模、能力、それを持たなきゃいかぬ。それが合併ですね。だから、できるだけ市町村ができることは全部市町村にやってもらうと。市町村ができないことは都道府県がやると。それで、都道府県でできないこと、国でなきゃどうしてもできないこと、外交だとか防衛だとか通商政策だとか、あるいは刑法、と言うのはおかしいですが、ああいう関係だと刑罰の関係だとか、こういうことだけ国がやると。こういうのがあるべき国と地方の在り方、国と都道府県と市町村の在り方でなかろうかと、こういうふうに思っております。
 それで、仮に千に市町村がなった場合に、四十七も都道府県が要るか要らないかですね、四十七も。あるいは更に三百なり五百なりに市町村がなった場合に、四十七都道府県を維持するというのは私は効率的でないと、こう考えておる。そこで、広域的な中間団体は当面は置いていくと、ずっと将来どうするかはまた別の議論ですけれどもね。
 そういう意味で、まあ昔、廃県置藩というのが行われましたが、これからは廃県、あっ、廃藩置県ですね、明治時代は、これからは廃県置藩か何かそういうことを、逆の、考えていく、検討していくことも一つの選択肢ではなかろうかと、こういうふうに思っておるわけであります。
#18
○岩城光英君 大臣から前向きなお話をお伺いしまして、私も心強く思っております。我々もこれから更に研究を進めていきたいと思いますので、よろしく御指導いただきたいと思っております。
 それでは、残された時間で医療制度の改革と地方財政について触れさせていただきます。
 昨年秋に、政府・与党社会保障改革協議会において医療制度改革大綱が取りまとめられました。その後、医療保険の七割給付への統一やその実施時期にかかわる議論、また医療保険の一元化に向けた議論等様々な議論が行われまして、最終的には、医療保険制度の改革の道筋となるべく、保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の在り方、新しい高齢者医療制度の創設、さらには診療報酬体系の見直しなど将来的な方向性がまとめられ、それらの内容を踏まえました健康保険法等の一部を改正する法律案が国会に提出されております。
 そこで、まずお伺いしますが、今回の医療制度改革を総務省としてはどのように評価されているのでしょうか。
#19
○副大臣(若松謙維君) もう我が国は世界一の急速な高齢化を迎えておりまして、一方、経済の低迷、医療技術の進歩、国民の意識の変化、こういったことを考慮しますと、医療制度を取り巻く環境は大きく変化していると認識しておりまして、将来にわたりまして医療制度を持続可能な制度へと再構築するためにその構造的な改革が求められていると理解しております。
 総務省といたしましては、今回の改革に当たりまして、特に高齢者や低所得者層の増加、小規模保険者の増加など構造的な問題を抱えておりまして、厳しい運営を余儀なくされている現在のこの国民健康保険制度の現状を重視しながら、将来に向け課題の解決に資するものとなるように努力してきたところでございます。
 その結果、二点ございまして、一点目として、市町村がかねてから主張してきました一元化を含む医療保険制度の在り方につきまして具体的な検討を開始し、平成十四年度中に基本方針を策定することとされたところでございます。二点目といたしまして、国保の財政基盤強化策として、高額医療費共同事業の拡充・法定化、さらには新たな保険者支援制度の創設、広域化等支援基金の創設などが盛り込まれることとなりました。
 このように今回の改正におきましては、医療保険制度の在り方を抜本的に見直す方向が示されたということになりまして、当面の国保財政の安定化を図るための所要の措置が講じられることとなったと理解しておりまして、意義のある内容と理解しております。
#20
○岩城光英君 ただいま財政基盤の強化策等について何点かお話がございましたが、その内容によりましては平成十七年度までの暫定措置と、こうなっているものもあるようであります。財政基盤を強化するのであれば、さきに述べた赤字額が解消されるまでの間続けていただきたいなと、こういう声もあるわけでございますけれども、この暫定措置とした理由はどういうことでしょうか。
#21
○政府参考人(林省吾君) 今回の医療制度改革の中におきましては国民健康保険の財政基盤の強化策が幾つかの点で講ぜられることになったわけでありますが、そのうちの高額医療費の共同事業の拡充・法定化あるいは新たな保険者の支援制度の創設等につきましては、今回の制度改正後の市町村国保の財政状況が今回の改正によりましてどのようになるのか、また保険者の広域化がどのように今後進展するのか、さらには医療保険制度の在り方の検討状況等を踏まえまして見直す必要があると私どもとしてもそういうふうに考えておりますことから、当面、平成十七年度までの措置とさせていただきまして、平成十八年度の時点で再度国民健康保険制度の状況等を勘案しながら見直すこととさせていただいたわけでありますので、よろしく御理解をお願い申し上げたいと思います。
#22
○岩城光英君 この財政基盤の強化については、今のお話のとおり、今後の動向を見て見直されるということでありますので、そのように期待したいと存じます。
 また、この本になっている問題としましては、保険給付費が多額になっていることが根底にあるわけです。若いころから健康づくりをしている人は年取っても健康で、余り病院に掛からず元気に過ごすことができると、こういうお話もありますが、これは個人の努力や行政又は保険者としての様々な事業の実施による効果と思われます。
 そこで、中には地方公共団体が独自にこのような健康づくり事業を実施しているところもあると聞いているわけでありますけれども、こういった健康づくり事業に対する地方財政措置はどのようになっているのでしょうか。
#23
○政府参考人(林省吾君) 御指摘のように、今後、地方公共団体におきましても、国民、住民の健康づくりに対するいろいろな取組が幅広く行われることになるのではないかと私どもも考えております。
 昨年十一月に政府・与党の社会保障改革協議会で決定されました医療制度改革大綱の中におきましてもそのようなことが記述されているわけでありまして、政府におきましては、これを受けまして健康増進法案を今国会に提出をさせていただいているところであります。
 私ども総務省といたしましても、このような幅広い取組を支援してまいりたい、特に地方公共団体、市町村における役割が重要だと考えておりまして、市町村におきます健康増進計画の策定や普及啓発、あるいは健康診査や健康教育、相談の充実、あるいは体制の整備等の施策を総合的、計画的に推進することを支援していかなければならないと考えております。そこで、十四年度の地方財政計画におきましても、これらに要する経費といたしまして六百五十億円程度を計上いたしたところでございます。今後、地方公共団体におきますこれらの取組を積極的に支援してまいりたいと、こう考えております。
#24
○岩城光英君 最後に大臣にお伺いいたします。
 先ほども大臣のお話にありました市町村の合併に、これ合併を円滑に進める上でも電子行政とか電子自治体、これの果たす役割というのは大きくなってくるし、意義のあるものだと思っております。政府は総理を本部長とするIT戦略本部で二〇〇三年度までに電子政府の実現を図るなど意欲的な方針を打ち出していらっしゃるわけでありますけれども、ですが、これはなかなか具体的に見えるものでないだけに、住民、国民の皆様方に理解しづらい部分もあろうかと思います。
 私も、もう大分前ですけれども、あるところのショールームに行って自分で体験してきて、こんなものかというふうに感じたわけでありますが、そういう意味で、これら電子行政、自治体の推進につきまして住民に理解を求めること、これが必要だと思いますが、電子自治体の意義及び実現後の姿というのをどのようにイメージされていらっしゃいますでしょうか。
#25
○国務大臣(片山虎之助君) IT戦略の中でいろいろなことを決めておりますけれども、一つは、一番国民の皆さんにとって便利で分かりやすいのは、私は電子政府、電子自治体じゃないかと。十四年度と十五年度二か年掛けて申請や届出を全部オンライン化すると。インターネットでやってもらうようにする、原則二十四時間、職場や自宅からできるようにすると。一万六千件あるんですね、全部で申請、届出が。国が一万一千件なんですよ。地方が五千件。
 そこで、国の方はほぼ二か年で全部やると。申請、届出ですよ。地方の方もできるだけやってもらうと。これも九十何%、私できると思っておりますけれどもね。これでやると、今は一々役所に出向いて何か別の証明書をくっ付けてあちこち回ってみたいなことが、全部一遍に職場か家からでインターネット使ってパソコンであれすればいいわけですから、そういう意味では、私は相当便利になるんではなかろうかと。
 しかし、これだけじゃ駄目なんですね。その次は電子入札、電子調達、電子納税、電子投票と。電子投票の方は、御承知のように、先生方のおかげで地方選挙に電子投票が導入できる法案が通りまして、この六月に新見市というところで、岡山県の、やるようですが、全国第一号ですけれども、そういうところまで持っていこうと。こういうことでございまして、それが我々は電子政府、電子自治体と、こういうふうに考えておりまして、入札や何かもこれでやれば、今盛んに言われている談合、口利きというのが事実上なくなるんですよ。できない。現に横須賀市がやっておりまして、横須賀市の場合で見るとコストが相当下がったというのが市長さんの御説明ですからね。
 こういうことをもう少しPRしながらやっていこうと、こういうふうに思っておりまして、この通常国会にこの電子政府、電子自治体関係で四本法律出しますので、どうかひとつよろしく御審議を賜りますようにお願い申し上げます。
#26
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 今日は、まずこの地方税法の改正あるいは交付税法等の改正案について、総論的なところからお話を伺っていきたいというふうに思いますが、最近、与党の事前審査制について様々報道もなされております。
 そこで、今回提案されております地方交付税法の改正案について、あるいは地方税法の改正案について、どのような事前審査を経たかということについて伺っていきたいと思いますが、まず、交付税法についてどのような審査があったか、お伺いしたいと思います。
#27
○大臣政務官(山内俊夫君) 浅尾委員からの事前審査の件についての質問だと理解しておりますが、今回、その両法案については、総務省から与党の各部会等に対して法案の概要説明はいたしております。若干の質疑があったということも聞いております。私もその席にも参加したことがございます。自民党の政調、審議会そして総務会、公明党の政調全体会議については私は出ておりませんが、各部会長から法案の概要を説明し、審議がされたと聞いております。
 ただ、税制調査会については、法案に関する事前審査は行われてはいませんでした。
#28
○浅尾慶一郎君 最後の税制調査会、地方税法改正案について法案の事前審査はなかったということですが、通常の税制調査会の中では議論はされたんでしょうか。
#29
○大臣政務官(山内俊夫君) それは私の方ではちょっと今答えが出せないかと思いますが、私が聞いておりませんので、また聞いてお知らせをしたいと思います。
 ただ、こういった議論は、与党各党においては会議の議事録というものは実はやらないということ、これは申合せがありまして、手元にそういった具体的な証拠となるようなものはない。ただ、メモ的なものは多少あろうかと思います。これは備忘録的なことで残してはおると思いますけれども、具体的な報告は少しできるかどうか分かりません。
#30
○浅尾慶一郎君 それでは大臣にお伺いいたしますが、小泉総理は事前審査制の廃止について積極的と報じられておりますが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
#31
○国務大臣(片山虎之助君) 今は議院内閣制ですから、制度の建前としては内閣と与党は一体だと、こういうことでございますからね。
 それともう一つは、私は国会対策委員長を長くやりまして、そういう経験からいいまして、これ事前審査抜きで国会に出したら物すごい審議に時間掛かるんじゃなかろうか、もうすぐそういうことを考えちゃうんですよ。
 そういう意味では、私は、この前もちょっと記者会見か何かで言いましたが、余り厳重なぎりぎりの細かいところまで全部ぎしぎしぎしぎし決めてしまうような事前審査についてはいかがかなと思いますけれども、しかし、そうでない事前審査は私はあった方が、国会の審議、国会の運営からいってスムーズじゃなかろうかと。だから、今の事前審査と全くやめる、まあ真ん中辺かなと、私限りではそういうふうに思っております。
#32
○浅尾慶一郎君 それでは、今回の地方交付税法の改正、地方税の改正について小泉内閣が掲げておられます構造改革との関連で質問をさせていただきたいと思いますが、今回の改正によって具体的にどういう形で構造改革が進むと考えておられるのか、その点を伺っていきたいと思います。
#33
○国務大臣(片山虎之助君) 今回はやっぱり財政がこういう状況ですから、大きな減税も増税も余りなかったんですよね、今回の税制改革は、国税も地方税も。それで、地方税の場合には公正性だとか透明性を考えた、割に技術的な改正が多うございますから、今回の地方税法の改正をもって直ちに構造改革と、こういうことにはなかなかならないと思いますけれども、基本的な思想は、地方にできることはできるだけ地方に、そのための地方税は充実すると、こういう思想はこの根底にあると思います。
#34
○浅尾慶一郎君 それじゃ、今後のことについて伺っていきたいと思いますが、今後、税制についてもいろいろと改革ということが言われていますが、その中で地方税の改革、改正、あるいは交付税制度の改革について大臣が描かれる、何というか、グランドデザインというか考え方、ビジョンについてお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(片山虎之助君) 私はもう前からこの委員会でも何度も言わせていただいておりますように、収入の方は六対四で、国が六取って地方が四で、仕事の方は国が三六か七で地方が六三か四でと、この収入と支出の乖離、受益と負担の乖離というのはできるだけ直してもらいたいと。せめて五対五にということは、やっぱり地方税源をもう少し膨らませてもらう、移譲してもらうと、こういうことが必要だと思いますね。
 その場合、我々が言っておりますのは、やっぱり地方税は応益で、受益に応じて負担してもらう、国税の方は能力に応じて負担してもらうと。応益性に着目して、安定的でなきゃいかぬし、できるだけ地域の偏在が少ない税金でなきゃいかぬ。そういうことをいいますと消費税制と所得税制になるんですよね。だから、そういう意味では所得税から住民税への税源移譲、消費税は今四対一で分け合っておりますけれども、この比率を高めていくということが当面の課題ではないかと。地方税をせめて五〇にする、半分にすると。
 そういう中で、地方交付税はどうしても残るんです。こんなに日本の国じゅう、経済的な地域間格差がありますから、税源を与えるだけじゃどうも、そういう税源のないところ、そういう企業や団体のないところというのは税が取れませんですね。そうなると、どうしても財政調整という意味では交付税が残るので、ただその交付税もできるだけ国の関与を縮減した中での交付税で、地方で使いやすい交付税で、分かりやすくないといかぬ、透明性がなきゃいかぬと、こういうふうに思っておりますし、その上に実態に即さなきゃいかぬと。
 そういうことで、経済財政諮問会議の骨太方針で今までの段階補正や事業費補正については見直したらどうかと、こういう御提案をもらいましたので、一部実態に合わせるように直させていただいた次第でございます。
#36
○浅尾慶一郎君 是非、今、大臣が御答弁いただきましたせめて一対一にするというような方向で早急に改革をしていただきたいと。そのときにも交付税が残るという部分は私も理解いたしますが、少なくとも地方の比率が高まるように、引き続き努力をしていただければと、このように思います。
 そこで、今回の交付税のことについて伺っていきたいと思いますが、今回の交付税法改正では、せっかく昨年度なくなりましたいわゆる交付税特会による隠れ借金というものがまた再び復活されたというふうに思うわけでありまして、昨年これをなくすんだと、これが一つの改革なんだというようなことで国会の御答弁もいただいたというふうに記憶いたしておりますが、その国会の答弁と、実際今回隠れ借金を、三十兆円の枠ということもあって、復活せざるを得なかったということとの関連性についてお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(片山虎之助君) これも既にあるいは部分的にお答えしたかもしれませんが、平成十三年度の地方財政対策を決める際に、当時の宮澤大蔵大臣と、私は自治大臣も兼務いたしておりましたが、その間の予算折衝で、十三年度、十四年度で交付税特会借入れは解消しようと、取りあえず半分を十三年度でやって、全部は十四年度でやろうと、こういうことで合意しました覚書に署名いたしたわけであります。
 そこで、十四年度の地方財政対策でそれをやろうと思いましたら、まあ大変景気が我々が思ったより悪くなりまして、ぎりぎりの財源不足額は六兆ぐらいではないかと、五、六兆ではなかろうかと思いましたら、八兆を大きく上回ったんですね。そうしますと、それを全部、国でいえば一般会計で調達して加算する、地方でいえば赤字地方債を出すということになりますと、三倍になるんです、十三年度の、十四年度が。
 これは国の方も大変ですよね、三十兆円の枠がありますから、それは関係ないとは言いません、私は。それは、そこがあるからこれは国の方でも大変です。地方だって赤字地方債を、そんなもう好きで出すわけじゃないんですね、やむなく出すわけですから。これも三倍というのは大変ですから、小さな団体にとっては。
 だからせめて、それは全部やめるんじゃなくて、本来やめる予定の半分にしようと。だから、十三年度、四分の二解消したんです。十四年度で四分の三解消して、四分の一だけは特別会計借入れ残そうと、それを十五年度には解消しようと、こういたしたわけでありまして、おまえら見通し悪いじゃないかといえば、確かに景気が良くならずに、相当地方財政計画で支出の方をカットしても八兆何千億というぎりぎりの財源不足が出ると思わなかったという点がございまして、その点は是非、浅尾委員の御理解を賜れば大変有り難いと、こういうふうに思っております。
#38
○浅尾慶一郎君 借金をどこでされても結果としては国の借金であるということですから、三十兆円ということを、今、大臣の御答弁にもありましたけれども、とらわれなければ国の部分については、そこは今までの、去年やられたような形でできたんではないかなと。地方についても、確かに財政力の弱い自治体はどうするんだという議論はあるかもしれませんが、本当はそれは、地方で負担できるものは地方で負担した方がはっきりするんではないかなというふうに思います。
 そこで、今の御答弁で、平成十五年度からは恐らく、できる限り特会借入れを解消されるというような御決意というふうに伺ったんですが、そうであるとするならば、本当は地方財政計画にそのことを書き込むなり、何らかの具体的な、目に見える形の行動というか対策を取られるのが良かったんではないかなと、こういうふうに思いますが、なぜ目に見える形で書き込まれなかったのかということについてお答えいただけないでしょうか。
#39
○国務大臣(片山虎之助君) それは、地方財政計画上それを書いて書けないことは、備考か何かに、それは浅尾委員、ないと思いますけれども、しかし、恐らく国会で与野党の先生方が質問されて、それははっきり答えるわけですね。それから、地方財政計画発表のときにも私はそういうことを皆さんに発表したと思います。
 だから、政府の意思としては四分の一、残った四分の一については十五年度に解消したいと、十五年度からは交付税特会の借入れなしで行きたい、こういうふうに思っております。
#40
○浅尾慶一郎君 それでは、一応確認のために大臣に、確認答弁ということで、政府あるいは総務大臣の意思として、十五年度からは決して隠れ借金、いわゆる隠れ借金という形は取らないという御決意をもう一度御答弁いただけますか。
#41
○国務大臣(片山虎之助君) 今言ったとおりでございまして、十五年度から解消いたしたいと考えております。
#42
○浅尾慶一郎君 そうすると、今までの交付税特会での借金を、じゃ、どうやって返していくかという形で議論を移していかなければいけないと思いますが、借金の返し方は当然、交付税、五税ですか、が景気が回復して飛躍的に伸びるか、あるいは今交付税として法定で割り当てている部分を増やすか、そうでなければ地方財政計画を圧縮するか、多分その三つしかないと思いますが、まず、その三つしかないという理解でよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(片山虎之助君) 基本的にはそのとおりであります。
#44
○浅尾慶一郎君 そこで、じゃ、景気が飛躍的に回復することがもちろん望ましいわけでありますけれども、今ある交付税特会の借金を返すほど早急に回復するかというのは、なかなか見込めないだろうなと。二、三%の成長では今ある部分を早急に返せるということには私はなかなかならないと思いますので、そうだとすると、法定の部分を増やすか地方財政計画を減らすかということだと思いますが、法定分を増やすというのも、これはなかなか国と、つまり財務省との関係でそう簡単にはいかないだろうと。つまり、国の方も相当多くの国債が残高としてあるわけでありまして、そこの部分の返済財源がそうすれば減ってしまうということでしょうから、そうすると、結論からすると、地方財政計画を少し小さくしていくことを考えていかなければいけないんじゃないかなというふうに思いますが、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
#45
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね、一番あれなのは景気を回復して、経済を活性化して、国税も地方税も税収を上げていくと、こういうことですね。それから、地方だけの立場から言うと、国から税源移譲を実態に合ったようにしてもらうと、こういうことですけれども、しかし国だってもうこういう状況ですから、そこで国も地方も歳出の合理化、効率化はやらなければなりません。
 国も、例えば公共事業の一割カットだとかODAの一割カットだとか、いろいろな見直しはやりましたね。それから、定数もかなり国も切り込みました。私のところがやっているんですから、行政管理局が。そこで、地方の方も十四年度の地方財政計画では全体として約一万二千三百人の定数カットをやっていますし、それから給与改善費はもう計上していないと、そういう全体を見直すと、こういうことなんですけれども、やっぱり福祉だとかなんかは増えざるを得ないんですね。そういうことの中で、大変苦労はあるんですが、国の歳出カットも今後努力してもらうとともに、地方も独自で歳出はカットしていくと。
 そこで、単独事業は委員御承知のように一割カットいたしましたし、できるだけインフラ整備で箱物や、そういう不要不急とは言いませんけれども、今直ちにすぐ必要であるとは言えないものについては当初抑制していくということで、地域総合整備事業債も廃止いたしまして、新しい地域活性化事業債というのを起こしたわけでありまして、そういう努力は今後とも続けていきたいと、こう思っております。
#46
○浅尾慶一郎君 是非、単独事業あるいは補助事業についても見直しをして、地方財政計画の不必要な部分については圧縮をしていただければと思いますが、もう一つお伺いしていきたいと思いますけれども、四十七都道府県ありまして、地域によっては、例えば県庁がその地域の、企業というわけではないんでしょうけれども、一番、何というか、その地域の中で平均給与が高いというようなところもいろいろとあろうかというふうに思います。
 最近、NTTがその地域に合わせた形で給与水準を改定していったというようなことを発表いたしておりますが、地方交付税の中で、あるいは地財計画の中で、今の地財計画を前提にいたしますとどうしても現状が高い、高いのを下げるというのはなかなか言いづらいんですけれども、地方財政計画そのものがそれを裏打ちするような計画であっていいのかどうかという議論はしていいんじゃないかなと思います。つまり、それぞれの自治体が判断して、その自治体の給与水準はこうしたものがいいんだという判断があればそれは構わないんですが、その財源の裏付けを地方財政計画の中に盛り込むのがいいのかどうかということは考えていく必要性があるんじゃないかなと。
 質問としては、したがって、基準財政需要額における人件費の算定について、もう少し地域の中で、三千三百の市町村があるとすればそれを反映する方向を考えられたらいかがだろうかと。つまり、今例に挙げましたけれども、NTTさんがやられておるように、地域の、今までは全国一律の体系だったものが、それを地域地域の体制に合わせていったということをやっておられるので、地方財政計画の中でもそうしたことを考えられたらいかがかどうかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#47
○国務大臣(片山虎之助君) 今、地方公務員の給与というのは相当昔と比べて下がりまして、今ほとんど国と同じなんですよ。ラスパイレスが一〇二かな、一〇〇・五ですから、一〇〇・五というのはほとんど国と一緒なんです。特に、普通の市町村は一〇〇を切っているんですよ、ラスパイレスが、九十何パーに。そこで、かなり昔に比べると私は標準化して、適正化して、国家公務員とほとんど同じになってきたと、こういうふうに思いますね。
 そこで、基準財政需要上、市町村の状況によって給与水準に差を付けたらどうかと。これはなかなか大変ですよ。これはやっぱり標準的な給与水準を組ませていただいて、あとはそれぞれの団体が地域の実態を見て考えていただけばいいので。一〇〇・二だったかな、五だったか、でございますけれども、これはもう交付税というのはひもが付いてないんですから、来たものを何に使おうが一緒なので、むしろ給与はできるだけ抑えて、本来の福祉や教育や環境や産業振興や、そういうことに財源を回すというのは私は正しいと、こう思っておりますので。
 せっかくの浅尾委員の提案ですから研究はいたしますけれども、今の公務員の給与というのは基本的には民間準拠で、国でいえば人事院、都道府県でいえば人事委員会の勧告によってやっておりますので、そこはなかなか、ほとんど民間準拠ということは国も地方もまあ民間並みと、こういうことでございまして、NTTさんはアウトソーシングで今度いろいろなことをお考えですけれども、もしそういうことになれば、民間準拠でそれは公務員の方にも反映するわけでございますので、そういうふうに御理解賜りたいと思いますし、御提案は御提案で受け止めさせていただきます。
#48
○浅尾慶一郎君 国家公務員準拠というのはそれはそうかもしれませんが、ただ、先ほど申し上げましたように、四十七都道府県あるいは三千三百の自治体の中でそれぞれの賃金水準、給与水準というのがあるんだと思うんですね。そこは仮に、論評を避けて申し上げますが、賃金水準、所得の低いところで国家公務員準拠ということになりますと、当然県庁なりが一番高い給与ということになるわけであります。民間でできることを民間でやるということを一つのスローガンにしております小泉内閣において、仮にその地域の中で一番高い給与水準が市役所なり県庁であるということになると、一番いい人材をそこが取ってしまう、取ってしまうと言うと語弊がありますが、そこが吸収するという可能性があるんではないかなと。
 そのことは一つ、それぞれの自治体の判断だというのはおっしゃるとおりですが、何もそれができるように交付税で裏保障というか、交付税が付いていれば当然その判断のときにそういう判断を自治体がされやすいんじゃないかなと思いますので、そこは基準財政需要額の計算を変えた方がいいんじゃないですかという提案であります。
 なおかつ、先ほど申し上げました地方交付税特会の中では非常に今までの累積の借金があるわけです。その借金を返すためには、先ほど大臣御自身がおっしゃったように、地財計画を圧縮しないとなかなか難しいだろうと。圧縮するための公共事業の圧縮というのはもういろいろと取り組んでおられると思いますが、もう一つは確かに福祉の部分であると思いますが、もう一方の柱は人件費ということだと思いまして、その人件費について、再三再四NTTさんの例を出すのは恐縮でありますが、そうしたことをもう既に取り組んでおる企業というのもあるわけでありますから、その点について、各自治体が判断するというのは正におっしゃるとおりですが、私はそこは否定しませんが、その判断を、何というか、言葉で言えば、今までどおりできるような形で交付税がそこを保障するというのは少しおかしいんではないかなと思いますが、その点についてどのようにお考えになられますか。
#49
○国務大臣(片山虎之助君) 都道府県の場合でいいますと、これは人事委員会が当該都道府県の民間の状況を調べて勧告しますよね、知事と県議会に、都道府県議会に。そうすると、今度は知事の方は給与条例を出して、議会で議決してもらって、それで給与水準が決まるんですね。交付税はできるだけそれに合わせるように今工夫しておりますから、これはもっと合わせるようにいたします。
 それから、給与を抑えるのは、水準で抑えるのか数で抑えるのか、これは二通りあるんですが、やっぱり今の公務員は労働基本権制約の代償としての人事院や人事委員会がありますから、そこでの勧告はやってやらないと、それは基本権の議論につながってくるんですよね。それが高いか安いかというのは、これは人事院や人事委員会の調査の精度の問題に私はなると、こう思いますので。そういう中でも勧告を少しカットして、給与条例上カットしてやるような都道府県や市町村も出てきていますから、相当今給与については是正的な傾向が強くなっておりますから、私、個人的には結構なことだと、こう思っておりますので。
 なお地方団体の状況を見ながら、今、委員が言われたような趣旨を踏まえて検討してまいりたいと思います。
#50
○浅尾慶一郎君 是非、これは議論に二段階あると思います。都道府県の給与委員会ですかの勧告は、それはそれぞれの自治体がそれを踏まえて給与を改正するというのは当然のことだと思いますが、その議論とは別に、地方財政計画の中に盛り込むべき給与水準ということにおいて、それぞれの地域の実態、平均賃金なりを反映した形を地方財政計画の中に盛り込んだ方がいいんではないかなと、それを何も一律に国家公務員準拠で盛り込むのが果たして本当に適当かどうかというのは議論としてあるんではないかなと思いますので、是非その点について御検討をいただければというふうに思います。
 そこで、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、今回の交付税法の改正において、いわゆる住民税の恒久減税に対して、それを補てんする形で措置が取られておりますが、しかし、そもそも不交付団体も、不交付団体の住民も住民税の恒久減税ということで減税の恩恵にあずかっております。逆に言えば、不交付団体の自治体はその分税収は減っているんですが交付措置は取られていないというふうに思いますが、なぜ住民税については何も措置が取られていないんでしょうか。
#51
○国務大臣(片山虎之助君) そこで、不交付団体への財源措置でございますが、これは恒久的な減税で、しかも額が大きいわけですから、そこでたばこ税の移譲をしてもらいまして、一部。それともう一つは、地方特例交付金というのを作ったんです、そういう制度を、交付税とは別に。東京都なんというのは大変大きな不交付団体ですから、東京都なんかへはそれが行っているんですよ、たばこ税の移譲と地方特例交付金が。そこで不交付団体、交付団体で減税についての補てんが不公平にならないような措置をいたしておりますので、その点はひとつ御理解賜りたいと思います。
#52
○浅尾慶一郎君 是非、交付税制度の見直しの中で更にいろいろと考えていただければというふうに思うわけであります。
 次に、地方財政のことについて伺おうと思っておりましたけれども、官房副長官お越しでございまして、先に、官房副長官のお時間があるということなので、そちらの方の有事法制絡みの点について、質問を少し飛ばして入らさせていただきたいというふうに思いますが、現在、政府において有事法制のことについていろいろと検討をされておられるというふうなことが報道をされております。
 この有事法制に関して、国と地方との間で、地方の自治体との間で様々な責務をこれから区分けをしていく必要性が出てくるということだと思いますが、まずその調整の状況、国と地方の役割の調整の状況について、どのような状況になっているか伺いたいと思います。
#53
○内閣官房副長官(上野公成君) 今、委員おっしゃられたとおり、有事法制につきまして内閣官房を中心に今検討をしているところであります。武力攻撃に対処をするために国が意思決定をするわけですけれども、その意思決定の在り方、それから今おっしゃられたように国と地方公共団体の役割について、今総合的に検討しているところでございます。
 武力攻撃があった場合の、の事態に至った場合の排除等の場面については、これは国が主体的な役割を担っていくということが原則でありますけれども、一方で、地方公共団体もその自分のところの市民の、住民の生命でありますとか、それから身体、それから財産、こういうものを保護する重要な役割がございますので、その地方公共団体についても一定の役割があるということで今検討を行っている最中でございますけれども、まだしっかりとどこからどこまでというところはございませんけれども、地方公共団体の役割も検討しているところであります。
#54
○浅尾慶一郎君 地方自治体が、その結果として、検討の結果、何らかの事務を負担される場合、財政面での措置というのは当然なされると思いますが、そうした理解でよろしいでしょうか。
#55
○内閣官房副長官(上野公成君) 今申し上げましたとおり、基本的にはこれは国の役割だと思っておりますけれども、地方公共団体にも一定の役割を担っていただくということで検討しているところでございます。そういった意味で、基本的には国が負担をするべきではないかと思っておりますけれども。また、その中に地方公共団体が本来役割を担っている部分もありますので、その辺を総合的に勘案、検討しているところでございます。
#56
○浅尾慶一郎君 そうすると、私の理解では、例えば周辺事態法においても地方公共団体が様々な責務を、役割を分担するということがあった場合に、これは仮に財政的な措置が必要になった場合に、これは予備費で対応するということがたしか決まっておると思いますが、周辺事態法においては。今度の有事法制においても、これは有事ですから、どこかに入れておくということではなくて予備費で対応するという理解でよろしいですか、地方分についても。
#57
○内閣官房副長官(上野公成君) 今おっしゃるとおり、これは急にやってくるわけですから、そういうことになろうかと思っておりますが。
#58
○浅尾慶一郎君 そうしたら、この有事法制絡みについては以上でございますが、関連して、防衛庁の方来られておりますので、防衛庁の方に少し伺っていきたいというふうに思いますが。
 有事法制との関連で、基地を抱える自治体に対して、基地交付金とか調整交付金というものも重要性が高まるというか、元々あるわけですから再認識されるということなんではないかなというふうに思います。あるいは、先般の九月十一日のテロ以降、米軍基地の周りでは大変な渋滞が起こるといったようなことも現実問題としてあったわけであります。
 そこで、この間、予算委員会で総務大臣にお伺いさせていただきましたけれども、基地を抱える自治体に対して交付される、先ほど申し上げました基地交付金、調整交付金というのは、固定資産税に見合う程度の額が交付されているということであるんですが、そもそもその全体の額を資産台帳で割ると、たしか〇・五四ぐらいだったと思いますが、になると思いますが、基地というものを住宅地や商業地並みの減額された価値で計算するのがいいのかどうかと思うわけであります。つまり、宅地や商業地は固定資産税の一・四に対して減額があって、されているというのは、そこの宅地を持っている、小規模の宅地を持っておられる方をある程度保護するという法の趣旨があって減額されているというふうに理解されますが、基地の交付金や調整交付金ということに対して、何ゆえその減額をしたもので比較をしなければいけないのかということについて、まず、これは多分総務省になると思いますが、お伺いしたいと思います。外務省でも結構です、どちらでも。
#59
○国務大臣(片山虎之助君) 基地交付金や調整交付金は固定資産税と比較するもんじゃないですよ。そういうところは固定資産税が入らないと、そういう状況に着目して、基地を持つことによる財政需要について、固定資産税がないんだから、何らかほかの財政的な対応等してやろうと、こういう性格なんですね。
 だから、評価がどうだとか、宅地と商業地がどうだという比較は良くないんですが、関係者は本来基地でなければということを言いますよ、それは、市町村長さんは。私なんかのところにもそういうことをいろいろ言ってくる。だから、それは、皆さんがお考えのように固定資産税がないんだから固定資産税の身代わり的な性格もあるけれども、それだけじゃないんですよと。基地というのは特殊なあれなんだから。あなた方は基地を抱えているから財政需要があるでしょうと。それを見ているんだから、両方並べて議論してもろうちゃ困りますと、こういうことを私は申し上げておるんで、是非御理解賜りたい。
#60
○浅尾慶一郎君 今、大変重要な御答弁をいただきまして、つまり、基地というものを固定資産税と、基地があるからそういう財政需要があるんであって、それを固定資産税で比較するというものではないと。つまり、基地があることに対する対価として払うべきだというふうに御答弁いただいたというふうに理解をいたしております。
 それは、私も恐らくそういうことで正しいんではないかなというふうに思いますが、財政当局と議論をするときには何らかの尺度が必要なんで、恐らく固定資産税ということを今まで使ってきたということなんだろうなというふうに思いますが。
 先般も実は予算委員会のときに議論をさせていただきまして、これは塩川財務大臣の方から、確かに基地があることによる迷惑料的な側面もあるんではないかといったような御答弁もいただきましたが、是非今の総務大臣の御答弁も踏まえて、そうだとすると、固定資産税と比較ということではなくて、もう少し、何というんですか、その尺度が要るか要らないかは別として、迷惑料的なことも含めて、増額に向けての御決意ということについて御答弁いただければと思います。あるいは財務省の方から伺ってもいいですけれども。
#61
○国務大臣(片山虎之助君) それじゃ、後で財務省当局に答えてもらいますけれども、我々は、固定資産税が課税されていない、代替的な性格もあるということは認めているんですよ。ただ、基本的には基地の財政需要に対する財政補給金だと、こういうふうに考えておりますからね。そういうことの中で財務省といろいろ、財務省と協議をしていきたいと考えております。
#62
○大臣政務官(吉田幸弘君) 同様でございまして、交付金の性格や、また基地の所在する市町村のいろんな事情等を考慮しながら、総務省とも協議の上、今後とも所要額を確保してまいる所存でございます。
#63
○浅尾慶一郎君 所要額というと幅が広いと思うんですが、先般の予算委員会の中で対比の数字として申し上げさせていただいたのは、電源対策費がたしか千五百億円ぐらいあったと思います。電力の発電所と基地とどっちが国にとって大事かというのは、両方大事なのは当たり前の話でありまして、住民に対してどちらが負担があるかというと、これはまあ両方とも負担はあるんでしょうけれども、少なくとも音を出すとか渋滞になるというのは多分基地の方であって、電力の方はまたいろんな不安感というものを持つ方もいるというのが正しい表現なのかもしれませんが、そうだとすると、その片方の五分の一というのは金額としては少し少ないかなという気もいたしますので、是非その点も含めて前向きに御検討をいただきたいと思います。
 そこで、話を元に戻しまして、地方財政の方の話、質問に入らせていただきたいと思います。
 戻らさせていただきたいと思いますが、まず、先ほどの恒久減税の続きでペイオフの絡みについて御質問をさせていただきたいと思いますけれども、仮にペイオフに遭いまして地方自治体の預金が損失した場合には、これは自治体の収入役なりが予見できたという場合には責任をやはり問われるというふうに総務省としてはお考えでしょうか。その当該金融機関の破綻がある程度予見できるという場合には、その自治体の責任者、当然収入役なり財政当局ということになるんだと思いますが、責任を問われるという理解でよろしいでしょうか。
#64
○副大臣(若松謙維君) そういう御質問ですけれども、ですから、そうならないためにも総務省は昨年以来、何度も何度も地方自治体に対して様々なペイオフの際の損害を受けないような対策をアドバイスしているところでありまして、その努力に対して御理解をいただきたいと思います。
#65
○浅尾慶一郎君 仮にそうなった場合には、住民としてはどういった措置を取れるんでしょうか。先般改正されました地方、住民訴訟の中でそれを取り込んでいくことができるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#66
○副大臣(若松謙維君) やはりその行政の責任者等が適切な業務を行っていないということで、その市町村等の機関に対しての損害を与えた、それは当然住民訴訟の対象になると理解しております。
#67
○浅尾慶一郎君 じゃ、具体的に総務省として取っておられる対策について伺ってまいりたいと思いますが、地方自治体に対して一番安心なのは預金に対する担保を取りなさいということなんだと思いまして、その担保を取れと指導をされておるというふうに伺っておりますが、具体的にはどのような担保を考えておられますか。
#68
○副大臣(若松謙維君) 今の担保の話でありますが、地方自治法施行令第百六十八条の二第三項におきましては、「指定金融機関は、普通地方公共団体の長の定めるところにより担保を提供しなければならない。」とされております。この規定は、公金の取扱いを総括する指定金融機関に対しまして、当該機関が破綻した場合も含め、将来発生する債務の履行を確保するための措置の一環として設けられたものでありまして、また担保の種類、価格等は各地方公共団体とその指定金融機関との間で定める、そのような内容になっております。
 そして、「地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応方策研究会とりまとめ」、これが昨年の四月二日に出されたわけでありますが、この取りまとめにおきましては、地方公共団体の公的預金保護のための対応策としてその活用が指摘されておりまして、総務省としては必要に応じてその活用を図るように地方公共団体に対して助言しておりまして、いよいよ来月からペイオフが施行されるということで、再度各自治体に対しての徹底を図っているところでございます。
#69
○浅尾慶一郎君 具体的には、自治体から、自治体、金融機関から自治体への証書貸付けとの相殺とか、自治体が発行する債券を担保に入れるといったようなことが具体的な形では考えられると思いますが、一方で、地方財政白書によりますと、地方債の引受先としては政府債が半分以上あるわけでありまして、当然、政府債、政府が引き受けているものでは相殺の対象あるいは担保にはなりませんので、これを本当はより金利の安い銀行債に借り換えたいということができれば一番いいわけでしょうけれども、それができないというような現実があるようであります。
 それがなぜできないのかということについてお伺いをいたしたいと思います。
#70
○副大臣(若松謙維君) 地方団体が証券発行した地方債を金融機関が担保として地方団体に提供する、そういうペイオフ対応は可能じゃないかという御指摘ではないかと思いますが、民間資金によって調達する地方債につきましては、証券化の一層の推進や償還年限の多様化等により流通性の拡大に今まで努めてきたところでございます。
 この証券発行の地方債を金融機関からの担保として活用することもペイオフ対策の一つと考えておりまして、恐らく委員のアドバイスも含めた問題意識というのはそのとおりではないかと思っております。
#71
○浅尾慶一郎君 ごめんなさい。後段の方は、質問の後段の方は、一方で、実際の地方債の引受先として政府のいわゆる資金運用部が引き受けているものも半分以上あるわけでありまして、本来、それは過去の割と高金利のときに資金運用部が引き受けたものがあって、それを現在の低金利のものに借り換えることができれば、その借り換えてもらったもの、借り換えてもらったものを銀行あるいは信用金庫が引き受けることによってそれを担保に入れてもらうなりすることができるんではないかなというふうに思いますが、それがなかなかできない理由について、それはなぜかという質問であります。
#72
○副大臣(若松謙維君) いわゆる支払利息の軽減策をお話ししたと思うんですけれども、それは、いわゆるこれは財務省に対しても将来の支払利息の軽減等も方策として講じられておりまして、そういう申請によってできるものでありまして、そういった制度の利用等は徹底を図っていきたいと考えております。
#73
○浅尾慶一郎君 いや、過去に資金運用部が引き受けたものについて、たしか平成十二年以降のものについては借換えが可能ですが、その前のものはできないというふうに伺っておりまして、その過去のものの、今政府が持っているものをむしろ民間に放出することによってペイオフ対策にもなるんではないかということであります。
 別の言い方をしますと、ペイオフというのは最近、元々もっと早くに実現しなければいけなかったことかもしれませんが、自治体とペイオフとの問題というのは最近出てきた話でありまして、そうだとすると様々な対策を講じる必要性があるというふうに思います。ところが、地方債の残高のうちの半分ぐらいは現在でもその政府引受けあるいは資金運用部引受けということになっておりまして、これをむしろ民間の金融機関なりに引受先を変えることができればいいんでしょうけれども、それが変えることがなかなかできないということを伺っておりまして、なぜ変えることができないのかということをお答えいただきたいと思います。
#74
○大臣政務官(吉田幸弘君) ただいまの浅尾委員の御質問ですが、この繰上償還を認めてはどうかというふうな解釈を私自身させていただいているわけですが、この繰上償還につきましては、調達資金と、調達金利と貸付金利が同一として利ざやを取らずに、長期固定の貸付けを行いながらこの収支の、収支を相補っていくというような運営をしているところでございます。お尋ねの場合を含めて、一般的にこれを現時点で認めることはできないと。できない、そのような仕組みになっているということを御理解をいただきたいというふうに思います。
#75
○浅尾慶一郎君 いや、それは、おっしゃるのは、過去の高い金利、逆にその政府の資金運用部の立場に立てば、せっかく高い金利での債券を期限より前に償還されちゃったら入ってくる利子が足りなくなって困ってしまうからと、平易な言葉で言えばそういうことなんだと思いますが、だからできませんということをおっしゃっているんだと思いますけれども、一方で、自治体は大変ペイオフの対策で困っていると。困っているけれども、現に担保としてもらえるもの、担保としてもらって相殺ができるというのは自分が発行した債券が一番適しているわけなんですが、そのための材料というか玉が半分以上国が持っているということに少しその原因があるんではないかなと思っていまして、ペイオフというのは最近出てきた話なんで、その点について、少なくとも、じゃ仮に繰上償還を認めた場合に、どれぐらいの財政的なコストが掛かってしまってだからできないんだというような数字を、今は多分お持ちでないでしょうから是非調べていただいて、その費用対効果でそれを認めない方がいいんだということであればそうせざるを得ないわけですから、そのまず数字を出していただきたいと思いますが、政務官、いかがでございますか。
#76
○大臣政務官(吉田幸弘君) 浅尾委員の御指摘でございますが、先ほど御理解をいただきたいというふうに申し上げたわけでありますが、例外的に償還を認めた過去の事例というのはないわけではありません。要は存在をしたというわけでございますが、現時点では、その仕組み上、認めるわけにはまいらないということでございます。
 先ほど、数字を出して具体的に示せというような御指摘であったわけでありますが、その点につきましては検討させていただきたいと思います。
#77
○浅尾慶一郎君 総務大臣にもお伺いをさせていただきたいと思いますが、これは論点としては、債権ですから正確な表現ではないんですが借り手と貸し手がいますと。貸し手にとってみれば高い金利が入ってくる方が当然いいわけでありまして、借り手は低い方がいいという論点が一つと、それからもう一つは、借り手であります地方自治体は一方で金融機関にも預金をしているんですけれども、その預金と相殺あるいは預金の際の担保としてもらうのに一番適しているのは自分の債務である地方債でありますが、その半分以上を国が持っているという二つがあって、であれば、国が持っている地方債について、それを一部金融機関が持つように振り替えられれば少しその問題解決につながるんではないかなと。当然ただそのコストは掛かるわけですから、そのコストがどれぐらい掛かってだからできないんだということであればそれは国民も納得できると思いますが、総務大臣について、その点について是非財務省と数字をベースに交渉をしていただきたいと思いますが、その点についての考え方をお伺いしたいと思います。
#78
○国務大臣(片山虎之助君) 財政投融資の金は大体が郵便貯金と年金の金ですよね、御承知のように。これは長期固定で利率を決めちゃっているんです、何年間か。だから、今の言われるような振替というのか繰上償還というのか、それはなかなか財政投融資の、旧資金運用部にとってはきつい話だと思いますけれども、一遍どのくらいのコストが掛かるか、それが法的に可能なのかどうか、法的に、そういうことを含めて検討は、あるいは研究はさせていただきたいと、こういうふうに思います。
#79
○浅尾慶一郎君 是非その点についての検討、研究をお願いいたしたいと思います。特に、今後自主運用が増えてくるとなると、中身が総務省の中での議論にもなってくる可能性があると思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。
 次に、外形標準課税についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、実は、午後の残った時間で大臣には伺いますが、本日、東京都が導入いたしました銀行などに対します外形標準課税の判決が出まして、一応現段階でのニュース速報では銀行側の勝訴という形になっておりますが、この点の経緯については午後一番でお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 そこで、外形標準そのものについて、今総務省が検討しておられる外形標準についてお伺いをしていきたいと思いますが、大変厳しい経済状況の中で、総務省が前回検討しておりました外形標準課税というものがいったん導入が見送られたということでありますが、見送られた理由は経済状況が厳しかったからという理解でよろしゅうございますか。
#80
○副大臣(若松謙維君) いわゆる外形標準課税の導入に関しては、地方自治体のいわゆる歳入の安定確保という観点から、幅広い関係者の理解をいただいていると認識しております。ただ、今、委員も御指摘のように、大変今時期が悪いと、そういう意見が多いという状況も考慮いたしまして、当面の導入を見送った次第でございます。
 しかし、やはり必要だという大きな議論の流れもございまして、そういった点からの議論も具体的にあるところと了解しているところでございます。
#81
○浅尾慶一郎君 見送った中でその反対の声も多いということでありましたけれども、政府税調ではどういった御意見でしたでしょうか。
#82
○副大臣(若松謙維君) 政府税調におきましては、特に平成十年、十一年のこの二年間で地方法人課税小委員会を設置いたしまして課税の仕組み等について税の専門家の観点から積極的な議論が行われてきたところでありまして、昨年の十二月の平成十四年度税制改正に関する答申、ここにおきましてこう述べられております。「課税の不公平の是正、税収の安定化を図るとともに、努力した企業が報われる税制の確立、真の地方分権の実現に資するため、早期に導入すべきである。」と記されております。
#83
○浅尾慶一郎君 早期に導入すべきであるというふうに政府税調では記されていたということだと思いますが、それでは、先ほどの話でいいますと、事前審査との関係で与党税調、自民党税調ではどのような意見が得られていたんでしょうか。
#84
○副大臣(若松謙維君) 自民党税制調査会を含めた与党の税制調査会におきましては、昨年十一月に総務省が公表いたしました外形標準課税案につきまして様々な議論を行った次第でございまして、私も当時与党におりましたので、その議論に参画させていただきました。
 昨年の十二月の平成十四年度与党税制改正大綱では、「地方税として望ましい方向の改革」というコメントを付しておりまして、「今後、各方面の意見を聞きながら検討を深め、具体案を得たうえで、景気の状況等も勘案しつつ、平成十五年度税制改正を目途にその導入を図る。」と記されております。
#85
○浅尾慶一郎君 この外形標準課税については、赤字法人にも税金を払っていただくということから、逆に言うと、今の構造改革の議論の中で、頑張った、頑張って収益を上げた人はかえって税負担が低くなって赤字のところは税負担が重くなるという議論もありまして、もっと突き詰めると、その結果構造改革が進むということを言われる方もいらっしゃいます。つまり、歴史的な使命を終えたところが外形標準によって厳しくなって淘汰される側面もあるかもしれないというようなことも言われる方もいらっしゃいますが、その点について、果たして本当にそうなのかどうかということも含めて、総務省の、あるいは大臣、副大臣の御所見を伺いたいと思います。
#86
○副大臣(若松謙維君) 御存じのように、現在のいわゆる事業税の課税方式でありますが、いわゆる所得に対しての課税であります。ところが、一方、地方自治体の運営、まあ基金とでも言うんでしょうか、いわゆる歳入はやはり安定したものが望まれるべきものでありまして、かつどうしても応益課税という考え方が原則になるわけであります。
 こういうふうに考えますと、現在の事業税というのは非常に所得税的な観点で、今の特に景気低迷におきましては、御存じのように七割以上の赤字法人ということで、事業税を納められていない方が多いと。しかし、現実には様々な行政サービスを受けているのも事実でありまして、そういった観点からも何らかのやはり外形標準課税を導入すべきではないかと、そういう議論が主流になってきたと理解しております。そういった意味で、この外形標準課税というものを早期に導入したいと私どもは考えております。
#87
○浅尾慶一郎君 外形標準の仕組みはよく分かるんですが、導入することによって、例えば、何というんですか、税金を納めている法人に対しては実効税率、法人事業税の実効税率が下がるという側面もあるんではないかなと思いますが、それはそういう理解でよろしいですか。
#88
○副大臣(若松謙維君) いわゆる、従来ですと一〇〇%所得に対する課税でしたが、それが資本課税になったり、又は付加価値という形になりますので、そういうこともあり得るということでございます。
#89
○浅尾慶一郎君 では、外形標準の具体的な中身について、今検討されている外形標準課税の具体的な中身について伺わせていただきたいと思いますが、以前も、たしか地方行政・警察委員会だったと思いますが、の中の議論で質問させていただいたと思いますけれども、外形標準の、以前、旧自治省が検討されてきた中身の中で、給与というものも外形の標準の算出の項目に入っていたと思います。今検討されているものの中にも入っていると思いますが、私は、給与に課税をするということは、今、特に雇用が非常に大きな問題になっているときに、雇用を多く抱えた企業がそれによって、いろんな考え方があるんでしょうけれども、多く税金を払うということが本当に政策的にいいのかどうかということは考えていかなければいけないと思いますので、できる限り給与の割合というのを下げるべきだと思いますが、その点についての見解を伺いたいと思います。
#90
○副大臣(若松謙維君) 今日に至るまで、総務省といたしまして、様々な外形標準課税案を提案してまいりました。そして、いろいろな関係者の意見も取り入れまして、昨年十一月に総務省が公表した外形標準課税案によりますと、外形基準の一つとして付加価値額を採用しておりまして、この付加価値額の構成要素の一つとして報酬給与額が含まれているのは事実でございます。
 しかし、これは給与そのものを課税標準としているものではなくて、法人の生み出す広い意味での収益である付加価値額を課税標準としておりまして、単純に給与を削減しても付加価値額は変わらないことから税額も変化しないという中立的な性格を、性質を有するものでありまして、人件費の高い企業にとって不利になるというわけではないということと理解しております。
 また、給与はだれが支払われるかによりまして付加価値額が変化するという仕組みになっているわけですが、応益の程度を付加価値で表すという観点からはなじまないという点もございます。しかしながら、御指摘の点も含め、雇用への影響を懸念する意見も大変多いということもありまして、昨年の総務省案では、この付加価値額に加えて資本等の金額を課税標準として補完的に用いることによりまして、一昨年の旧自治省案に比べて法人事業税収に占める給与の割合を大幅に引き下げたところでございます。
#91
○浅尾慶一郎君 特にこれは政策的な議論になってくると思いますが、例えば弱い立場の方を政策的に雇用を増やしていこうという議論があります。障害者の方を積極的に雇用していこうというような政策もあるわけでありますが、そうした中で、少なくとも障害者の方とか、あるいは育児や介護休暇中の、休業中の方の給与、賃金については、福祉的な政策の観点からも外形標準の算定ベースから除外すべきだというふうに思いますが、その点についてのお考えを伺えればと思います。
#92
○副大臣(若松謙維君) いわゆる給与がだれに支払われているかと、今おっしゃった、例えば障害者の方とか育児休業者の方、こういった、そういうだれに支払われるかということによって付加価値額が変化するという仕組みですが、これは、先ほども申し上げましたが、応益の程度を付加価値で表すという観点からなじまないと、このように理解しておりまして、なかなかそこまで配慮するのは難しいかなと、そう考えております。
#93
○委員長(田村公平君) 萩山防衛庁副長官、どうぞ退席して結構です。
#94
○浅尾慶一郎君 それでは、この外形標準課税について最後の質問とさせていただきたいと思いますが、十五年度導入ということで今考えておられると思いますが、大臣の再度御決意を伺いたいと思います。
#95
○国務大臣(片山虎之助君) この外形標準課税は旧自治省の悲願なんですよ。シャウプ勧告以来言っているんですから。いやいや、本当に。もう何十年の歴史がある。やっと議論がホットになってきまして、党の税調なんだけれども、十五年を目途にという年度を明示したのは初めてなんですね。そういう意味では、かなり詰めた議論をこの二年ほどやってきましたから、二、三年、是非十五年度の税制改正では実現したいと。
 そういう意味での、今、人件費課税で、リストラ課税じゃないかと、これをやったらと言うんですけれども、導入は。今の案ですよ、この間までの案、案は変わるかもしれませんが、この間までの案だと、導入後三年間は人件費のウエートが一一%なんですよ。四年目以降は二二%なんですよ。というのは、丸々外形標準にしないんですよ。三年間は七五%は収益課税を残すんですよ、今のまま。それは四年以降も半分にするんですよ。だから、これは外形標準課税というよりも真ん中の案なんですね。外形標準が半分、収益が、所得が半分。そういうことなものですから、今、私は割に誇大に宣伝されていると思うんです。
 それから、これは税収は中立なんですよ。増税じゃありません。今、赤字が、七割赤字ですよ。三割黒字で、三割の黒字だけが全体の法人事業税をかぶっているんですよ。七割は何にも払っていないんですよ。ところが、地方の、地方自治がやっているサービスというのは、赤字であろうが黒字であろうが同じですよ、それは。福祉でも、教育でも、産業振興でも、道路でも、消防でも、警察でも。少しは払ってもらう、広く薄く払ってもらうと。
 今、一番問題は税の空洞化なんですよ。特に、法人税、法人事業税は七割が払っていない。汗している人だけが払っているんですよ。頑張っているものをもう少し認めてやるという税制が、私、必要で、税の空洞化をなくさないともちません。いや、本当に。
 課税最低限の話がありますが、これをやるとややこしくなるので言いませんけれども、少なくとも法人課税については七割払わない。しかも、特に地方税の場合には応益なんですから、受益に応じてなんだから、受益をもらいながら一つも払っていないと。増税じゃありませんよ。
 だから、私は、今の赤字はできるだけ安くせいと言っていますので、恐らく四万円か五万円か、年間、そのぐらいは是非これは地方団体のメンバーである以上払ってもらうということが必要なんで、十五年度税制改正に向かって大いに努力いたしたいと思いますので、御支援のほどをよろしくお願いいたします。
#96
○浅尾慶一郎君 それでは、午前中の質疑の最後の項目であります地方税法の今回の改正について伺ってまいりたいと思います。
 今回の改正が、まず、都道府県あるいは市町村の自治体財政に与える影響というのは、マクロで見るとどのようなものになりますでしょうか。
#97
○副大臣(若松謙維君) 平成十四年度税制改正に伴う地方税制の影響額でございますが、都道府県、道府県税で八十九億円の減収、市町村税で十四億円の減収、合わせて百三億円の減収の見込みとなっております。
#98
○浅尾慶一郎君 では、個別の地方税法の改正の項目について伺っていきたいと思いますが、特別土地保有税の徴税猶予制度の拡充について、その改正理由と税収への影響を伺いたいと思います。
#99
○副大臣(若松謙維君) 今回の改正によりまして、徴収猶予期間中の計画変更などの要件を緩和することによって、土地の有効利用の一層の促進及び土地の流動化に資するものと考えておりまして、その減収額につきましては約二十億円を見込んでおります。
#100
○浅尾慶一郎君 次に、不動産取得税の中の住宅用地に係る税額減額特例の改正について、改正理由と税収への影響を伺いたいと思います。
#101
○副大臣(若松謙維君) 不動産取得税におきましては、住宅建設の抑制となることを避けるために、住宅用地について一定の要件を満たした場合、住宅の床面積の二倍、いわゆる二百平米ですね、限度まで実質非課税とする税額の減税措置を講じております。
 今回、この要件の緩和を行うこととしておりますが、これに伴う不動産取得税収の減収見込額は約六億円と見込んでおりまして、この改正によりまして事業者の不動産取得税の税負担が軽減されることも考えると、住宅の新築に寄与するのではないかと、そのように期待しております。
#102
○浅尾慶一郎君 住宅の新築に関してもう一点伺いますが、新築住宅に係る固定資産税の軽減措置の適用期限の延長について、これも当然住宅の新築を促進するということだと思いますが、税収への影響はどれぐらいですか。
#103
○副大臣(若松謙維君) 新築住宅に係る固定資産税の軽減措置でございますが、一般の住宅につきましては新築後三年間、三階以上の中高層耐火建築住宅につきましては新築後五年間、固定資産税額の二分の一を軽減する措置を講じております。今回の改正におきましては、引き続き新築住宅に係る初期負担を軽減する必要があることから、特例期限を二年間延長することとしております。
 今回の改正は、現行の軽減措置を単純延長するものであるために、制度改正に伴う増減は発生しておりません。この措置によりまして、住宅の新築が引き続き促進されることを期待しております。
#104
○浅尾慶一郎君 次に、個人住民税における土地等の譲渡益に対する九%税率の廃止についての改正理由と税収への影響を伺いたいと思います。
#105
○副大臣(若松謙維君) 土地等の譲渡益課税につきましては、今回、八千万円超の部分の九%の税率を廃止し、四千万円超の部分の税率を一律七・五%とするものであります。これらの税率は、平成十五年度末まではその適用が停止されているものでありまして、当面の税収への影響は生じないものと考えております。
 また、今回の改正は、現下の土地をめぐる諸事情、諸情勢も勘案いたしまして、長期的な視野に立った土地取得にも配慮して行うこととしたものでありまして、こうしたことを通じて経済の活性化に資することになるものと期待しております。
#106
○浅尾慶一郎君 特に住民生活で一番関心の高い部分かもしれませんが、固定資産税について今回情報開示を推進されるようにされたということを伺っておりまして、これはいいことだと思いますが、改正の理由と、なぜ今回それを行うことにしたのかと。理由と、なぜ今回というところを特にお答えいただきたいと思います。
#107
○副大臣(若松謙維君) 現在、地方分権の推進とともに、行政に求めるニーズが多様化、増大化しているという状況下、その財政的基盤を支える基幹的な税目であります固定資産税の位置付け、これは大変重要になっていると認識しております。また、住民と市町村との信頼関係、意思疎通が極めて大切になっているということで、納税者の申告が原則として必要とされない固定資産税については、特に市町村が固定資産評価や課税の透明性を高め、説明責任を果たすことが強く求められている状況にあると理解しておりまして、これが理由となっております。
 そこで、これまでの課税明細書の納税義務者への送付や路線価公開に加え、今回、縦覧制度などの制度改正を行うこととしておりますので、私ども一借家人として大変いい改正ではないかと理解しております。また、改正した制度の実施につきましては、各市町村で一定の準備期間を必要とするところから、次回評価替え年度である平成十五年度以降情報開示ができるよう、今回改正を行うこととしたものでございます。
#108
○浅尾慶一郎君 済みません、ちょっと後段の、今までも多分こうした改正はやればよかったんだと思いますが、なぜ今回になったのかという部分について、もし、もう少しお答えいただければと思いますが。
#109
○副大臣(若松謙維君) 御存じの住民の情報公開の要求というのは大変流れとして強くなってきておりまして、国のいわゆる行政機関の情報公開、並びに地方自治体も今情報公開条例が次々と成立している中、あるいはこういった固定資産に関する情報も必要ではないかと、こういう大きな流れがあったわけでありますが、今回、ちょうど三年に一回の路線価変更という時期も併せまして、この際やらせていただこうと、そのように結論した次第でございます。
#110
○浅尾慶一郎君 もう一点、今回の改正で、なぜ今回に盛り込んだのかという関連で質問させていただきたいと思いますが、金融証券関連税制についても今回改正が入っております。昨年の臨時国会で措置をしないでなぜ今回になってしまったのかと。本来、まとめて改正した方がよかったんじゃないかなと思いますが、その点について質問をさせていただきたいと思います。
#111
○副大臣(若松謙維君) 昨年秋の改正におきましては、株式等譲渡益課税の申告分離課税への一本化に際しまして、個人投資家の税負担及びリスク負担の緩和に配意いたしまして、上場株式等についての税率引下げや損失繰越控除の創設を行ったところでございます。
 そして、平成十五年一月からの申告分離課税の一本化に際しまして、税負担やリスク負担の緩和に加えて、申告事務負担への配慮も重要と考えて検討を進めてきたところでありまして、平成十五年一月というこの時点、それを今回やらせていただいたという、非常にタイミングとしては重要な時期にやらせていただいたと、そのように理解しております。
#112
○浅尾慶一郎君 午前中最後の質問にさせていただきます。
 個人住民税の所得割の非課税限度額を引き上げておられますが、その改正理由と税収への影響と、そしてなぜ四万円の引上げなのかということも含めてお答えいただければと思います。
#113
○副大臣(若松謙維君) 個人住民税の所得割の非課税限度額でございますが、負担分担の性格を踏まえつつも、低所得者層の税負担に配慮を加える必要があることから設けられているものでありまして、これまで標準世帯における前年の生活保護基準額の水準を下回らないようにと、このように設定してきたところでございます。
 今回の改正も、生活保護基準額の引上げに対応して最小限の限度額引上げを行ったものでありまして、その結果、四万円になったということで、そしてその改正による税収影響額は二億円の減収となっております。
#114
○委員長(田村公平君) 浅尾慶一郎君の午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#115
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#116
○浅尾慶一郎君 本日、東京都の銀行に対する外形標準課税に関しての東京地裁における訴訟の判決が言い渡されまして、東京都に地裁レベルでは銀行税の課税取消しの命令が下され、という判決が下されました。もちろん、地裁の判決でありますが。
 まず、総務大臣にお伺いしたいのは、東京都が今回の銀行税を導入するに当たって総務省とどのような話し合いを行ったのかという点について、所見を先に伺っても結構ですが、まず過去の経緯から伺っていきたいと思います。
#117
○副大臣(若松謙維君) 東京都と関係省庁との議論のお尋ねでございますが、東京都の銀行業等に対する外形標準課税案が発表されて以来、当時の自治省からは、四十七都道府県すべてにおいて幅広い業種を対象に薄く広く負担を求める外形標準課税を導入することを検討している中で、東京都だけが独自に銀行業という特定の業種について業務粗利益を課税標準として導入することが妥当なのかどうか等、幾つかの問題点を指摘し、話し合ってまいりました。
 また、東京都の外形標準課税案につきましては、関係省庁から金融安定化策等の関連で懸念が表明されておりまして、それらの意見も踏まえまして、平成十二年二月二十二日は閣議口頭了解という形で政府見解として取りまとめたところでございます。
#118
○浅尾慶一郎君 そうした話し合いを持たれた後にだと思いますが、平成十二年二月二十二日に閣議口頭了解ということで、今回の東京都の銀行業等に対する外形標準課税について閣議において口頭了解をされておられますが、その口頭了解の趣旨はどのようなものであったでしょうか。
#119
○副大臣(若松謙維君) 東京都の外形標準課税案に対する先ほどの閣議口頭了解の趣旨でございますが、まず一点目が、資金量五兆円以上の銀行に対してのみ外形標準課税を課すこと、二点目として、地方税法における外形標準課税についての規定との関係、三点目に、東京都案により今後の東京都以外の地方団体の税財源が減少すること、四点目として、政府税制調査会を中心にすべての都道府県において幅広い業種を対象に薄く広く負担を求める外形標準課税の導入を検討している中での提案の妥当性、五点目として、政府として進めている金融安定化策等との関連での懸念といった問題があるということが指摘しておりまして、東京都における慎重な対応を求めたものでございます。
#120
○浅尾慶一郎君 五点の問題点があるということで、東京都に対して慎重な対応を求めたいという趣旨の閣議口頭了解をされたんだと思いますが、その後、東京都でかかる銀行等に対する標準課税が導入された。導入されたんですが、今回、東京地裁においてその取消しの判決が下りた。政府の閣議口頭了解と同じような問題意識からの判決だと思いますが、そうした問題意識を持っておられた当時の自治大臣、現在の総務大臣に今回の判決に対しての御所見をお伺いしたいと思います。
#121
○国務大臣(片山虎之助君) 判決が今日の午前中出まして、ここに判決の骨子なり、文がありますけれども、まだ中を詳細に検討しておりませんので。しかし、勝訴ですね、銀行側の、一審は、こういうことだと思います。それで、納めている税金は返せということを言っておりますし、それから損害賠償もしろというふうなことも判決で言っております。
 ただ、理由等につきましては、ざっと見ましたけれども、少しこれは詳細に検討してみないと、判決の理由が、それが適正で合理的なものかどうか、少し検討してみたいと、こういうふうに思いますし、一審ですから、いずれにせよ恐らく東京都が控訴すれば二審あるいはその後というようなことになるのかもしれませんので、現時点で判決自体に対するきちっとしたコメントは差し控えたいと、こういうふうに思いますけれども。
 これは、国の方で外形標準課税がなかなか進まないので、東京都の方がそれじゃ私の方はやると、こういうことで、本来の外形標準課税とはちょっと違うんですけれども、本来の外形標準課税は広く薄く公平になんですが、割に狭い範囲の銀行をねらい撃ちしたような外形標準課税なんですけれども、そういう意味でも、広く議論を調整して、あるべき外形標準課税を導入することが東京都の銀行税についての解決にもなるんではなかろうかと、こういうふうに思っておりますので、十五年度導入を目途に今後とも努力をしてまいりたいと。全国知事会なり全国都道府県議長会なり、その他の関係団体とも連携を取りながら、関係者の御理解を得るように、御協力を得るように今後とも頑張ってまいりたいと思っております。
#122
○木庭健太郎君 小泉総理の施政方針演説では、税制の在り方は経済再生の確固たる基盤を築くかぎであり、税制の再構築が必要であるとされております。もちろん、地方分権にふさわしい地方税の在り方をどう考えるかは重要である、税制を取り巻く重要な諸課題について経済財政諮問会議及び税制調査会で総合的に取り組み、六月ごろを目途に基本方針を示して、十五年度以降に実現していくということになっているわけでございます。
 しかし、地方分権や地方税の在り方にかかわる諮問機関というのは、これ以外にも、特に地方財政にかかわりの大きいのは地方分権改革推進会議、また第二十七次地方制度調査会というのがございます。ここで、国、地方の役割分担、事務配分又は地方制度の在り方を検討があってこそ、ある意味ではその裏付けとなる税制の論議になるんではないかというような主張も現実にございます。
 総務大臣として、そういう意味では四つの諮問機関があるわけですけれども、どのような連携を取りながらこの地方税の在り方を検討していくべきであるというふうに大臣として考えていらっしゃるのか、御答弁をいただきたいと思います。
#123
○国務大臣(片山虎之助君) 小泉総理はダブってもいいと、こういうことなんであれですが、私としては、経済財政諮問会議では、これは骨太の大所高所からの税の基本的な考え方や理念やそういうことをやってもらったらどうだろうか、それから歳出の方も、歳出絡みの、税と歳出の関係、こういうことは経済財政諮問会議にふさわしいのではなかろうかと。それから、政府の税制調査会は、税の基本原則を踏まえた具体的な税制の中身の議論、ミクロの議論、こういうものをやっていただくべきではなかろうかと。それから、地方分権改革推進会議は、これは地方分権の推進のために置かれた機関でございますから、地方の税財源基盤の充実強化という観点から、特に地方税源の充実、あるいは税源の国からの移譲ですね、そういうことを正面から議論していただいたらどうだろうかと。それから、地方制度調査会というのは、これは期限も決まっておりますし、幅広くやるんですね。そういう意味では地方行財政全般をやっていただく、そういう中で税にも触れていただいたらどうだろうかと。
 こういうふうなおおよその役割分担で、あとは総理が言われるように少々ダブっても仕方がないのかなと、こういう感じで考えておりまして、私としては今言ったような形での各機関の御審議をお願いしたいものだと思っております。
#124
○木庭健太郎君 そこで、いろんな意見が出るわけですよね、そうなると。そうすると、これ一体、一応二つの、経済財政諮問会議と税制調査会ね、こちらは六月ということでやっていきますよね。そうすると、残りの部分というのはまたこれ期限がどうこうあるわけじゃないし、この調整の仕方とか、ちょっと私よく分からない部分があるんですよ。それはいろんな議論をいただくのは必要だし。ただ、現実的には六月めどやろうとしていると。
 そうすると、ほかの二つの、ある意味じゃ、総務省の抱えているこの地方制度協議会、分権改革推進会議、これどうなっていくのかなと、ちょっと姿形が見えにくいなという気もするんですよね、一般には。その辺、どう考えますか。
#125
○国務大臣(片山虎之助君) この前の経済財政諮問会議には、政府税制調査会の石会長と、それから地方分権改革推進会議の西室、東芝の会長さんですよね、西室座長さんというのかな、委員長というのか、(「議長」と呼ぶ者あり)議長というんです。西室議長さんに出てもらいまして、経済財政諮問会議のみんなで、我々も入ってフリーディスカッションをやったんです。そこで意見の交換をやりまして、今後ともそういう一種の相互乗り入れをやって意見の調整をしながら進めていくと、こういうことのようで。地方制度調査会は、先ほど言いました、ちょっと違いますから、この三つは連携をして進んでいくんではなかろうかと思っております。
#126
○木庭健太郎君 是非そういう意味で、分かりやすい国民にも向かって議論をしていただきたいし、正に六月までやろうというのはこれは大変いいことだと思うし、どうそこまでに仕上げていくかと。一杯いろんな人たちがいらっしゃるところでまとまるものもまとまらなくなる可能性もあるし、そういう意味じゃ総務大臣が果たす役割もえらい大きいなと思っておりますので、是非その辺をよろしくお願いしておきたいと思います。
 次は、先ほどもちょっと御議論になっておりましたけれども、恒久的な減税の問題でございます。
 これ、当然十四年度は引き続き実施されるわけでございまして、ただ、もし税制改正が十五年度以降実施されるということになると、この恒久的な減税というのは一応形は終了になるんだろうと思うんです。恒久的な減税の中には法人事業税の税率引下げとか個人住民税の最高税率引下げ、個人住民税の定率減税など含まれておりますが、つまりこういう懸案事項が幾つかあるわけですけれども、税目的に言うならば、法人事業税への外形、もうずっと議論今日されましたけれども、外形標準課税の導入であってみたり、個人住民税の課税最低限の問題であってみたり、ある意味では国、地方の税源配分問題がこの税制改革の基本方針においてすべて包括されて、改革の姿というのがじゃそういう意味では明確にされることになるんでしょうか。その辺も逆にこれはちょっとお聞きをしておきたいし、例えばこの外形標準課税の導入だけ見ても、景気動向への配慮ということが最優先課題になっているんですけれども、そうなると、一体この抜本的な改革というのが本当に十五年度ということに向かってどうなるのかなという危惧を抱かざるを得ないところもあるし、特に十五年度以降ということだけ見ると、いつからやるのかなというふうにも見えないこともないわけです。
 その辺を含めて、総務大臣から御所見をちょっと、基本的な在り方ですから、伺っておきたいと思います。
#127
○国務大臣(片山虎之助君) 十一年からやりましたものは、あれは恒久的な減税なんですね。的が入っているんです。恒久減税じゃないですね。だから、この恒久的な的を取るのかどうか、その位置付けは一つ議論があると思いますけれども、今、経済財政諮問会議や政府税調等で議論が始まっておりますのは、いろんなテーマがあるんですが、大ざっぱに言いますと当面の税制改正と中期的な税制改正と長期的なものと、こういうふうに分けて議論する必要があるんではなかろうかというようなことが言われておりまして、当面はやっぱり経済に活力を与えるような、そういうことを中心に一番短いものでは考えていくと。
 それから、中期的にはやっぱり税の空洞化対策ですね。例えば今の法人税や法人事業税は七割が負担していないと。あるいは課税最低限問題、所得税や住民税やではですよ、二五%から二〇%の人が負担しておりませんよね。広く薄くみんなで負担するというのが税ではないかと。こういう税の空洞化対策みたいなことの議論をする必要があるんではなかろうかと。それから、更なる税率の引下げですね、法人税や所得税についての、こういう議論もあります。
 それから、長期的には、やっぱりこれだけ国、地方で恒久的に大幅な財源不足が出るというのは、やっぱり受益と負担の均衡が崩れているんですね。いつも国も大幅な財源不足、地方も大幅な財源不足ということは、あるべき行政サービスと国民負担の関係のバランスが崩れているんじゃないかと、これをどう考えるかと。これは大きい、大変大きい問題で、これはやっぱり中長期のというか、あるいは長期的なプライマリーバランス回復を含めての議論ではなかろうかと。
 まあ大ざっぱに言うとそういう感じで、議論がまだ始まったばっかりですから、経済財政諮問会議は二十九日、今週の金曜日の諮問会議で論点整理を行うと、こういうことでございますので、これから議論が本格化するんではなかろうかと。大ざっぱには今言うたような感じではなかろうかと思っております。
#128
○木庭健太郎君 そのとおりだと思うんですけれども、その一方で、今、大臣おっしゃったように、結局この恒久的減税というのが続けば続くほど、これは先ほども話があった交付税の特会の問題ですね、借入れの問題を含めて、今回は非常に厳しいということで、やむを得なく四分の一という借入金に頼らざるを得なかった状況なんですけれども、ある意味では、これが続いている限りは、毎年度借入れという問題にどうしても、努力はしなければつながっていくというような問題になるわけですよね。そういう意味じゃ、確かに中長期的な課題なのかもしれません、全体構造の問題含めて。
 ただ、この現実を見ると、中長期的な課題でありながら、やはりどれだけ早くこの問題に対して結論を出すかということも大事になってくる。十五年度以降ということなんですけれども、やはりこの問題できるだけ早い段階で結論を出さなければいけないというのが本来の在り方ではないかなと思うんですけれども、この点についても認識を伺っておきたいと思います。
#129
○国務大臣(片山虎之助君) 交付税特会の借入れは十四年度からやめようと思いましたものが、そういうわけにいきませんで、四分の一だけ残りましたので、十五年から借入れはやめたいと、特会借入れは。しかし、やめたって、国の方は一般会計で調達すると言うて、やっぱり結局国債にある程度頼らざるを得ないですね、地方の方は赤字地方債ですから。
 結局、事態は特会借入れをやめても同じようなことが続くんで、基本的には、やっぱり今言いましたように、どのくらい歳出をカットできるか、歳出の見直しができるかということと、あるいは歳入についてどう考えていくか、こういう議論にどうしても私はならざるを得ないんではなかろうかと。
 だから、そのために、いつもは秋に行う税制改革論議を春前から行って方向付けしようと、しかも、政府税調だけじゃなくて経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議や、幅広な議論をやろうと、こういうことになったんではなかろうかと思っておりまして、論議の展開、進み具合を我々も期待いたしております。
#130
○木庭健太郎君 もう一つ、このいわゆる交付税の特会借入れの問題なんですけれども、こういうものを論議する場合に、もちろん今回の場合、その三十兆円の枠の問題があってみたりいろんなこともあった中での問題なんですけれども、副大臣で結構でございますけれども、この交付税特会の問題について、やっぱり特会借入れにしてもらうと地方の責任みたいなものが見えにくくなる部分がある。したがって、これをある意味では停止する。停止すれば、当然どうなるかというと、臨時財政対策債の発行額がその分増加するということになるんだけれども、でも、そのことの方がかえって地方公共団体にとってみればその債務が明確に認識できるというような議論もあるようでございます。その方がある意味ではより節度を守った財政運営ができるんじゃないかという論点だと思うんです。
 こういう点についてどんなお考えをお持ちか、お聞かせいただいておきたいと思います。
#131
○副大臣(若松謙維君) ただいま、財源不足の補てん方式についてのお尋ねでございますが、平成十三年度の地方財政対策におきましては、従来の方式を見直しまして、国と地方の責任分担の明確化、国と地方を通ずる財政の透明性の観点から、国負担分については一般会計からの加算による、地方負担分については特例地方債の発行によると、このような対応を決めているところでございます。
 委員御指摘のとおり、この方式は、借金依存の実態がいわゆる議会や住民に明らかになることによって経費支出の効率化、重点化の必要性についての理解を深めて、地方財政の健全化に向けた取組を促す効果が期待できると、こう考えておりまして、平成十四年度はやむを得ず一部特別会計借入れを継続しなかった、せざるを得なかったわけでありますが、そしてその結果、特別会計借入れへの依存割合を前年度分の半分に引き下げたところであります。
 平成十五年度につきましては、平成十三年度の制度改正を踏まえて交付税特別会計の新たな借入れは行わないということを基本としつつ、先ほど申し上げました国負担分、地方負担分についての原則をしっかりと守りながら最大限の努力をしてまいる所存でございます。
#132
○木庭健太郎君 大臣にお聞きしておきます。
 これから毎年度発生する財源不足の問題ですね。もちろん交付税の改革と関連するわけですけれども、これからの特会の借受けの償還方法の問題、先ほども三つの方法とかいろんな話がありましたけれども、ともかく、ただ、現在の経済状況を勘案するとどうすればいいかといえば、やはり当面は地方債に対する交付税措置などのいわゆる公共投資を助長する仕組みというのを除去していくという制度改革というものにまずはやっていかなくちゃいけないんじゃないかと。そして、景気が本格的に回復していけば今度は抜本的に財源不足解消への抜本的改革と。言わば二段階のような方式がある意味では現実的であり、対応策としては適切ではないかというふうに考えますが、この点について大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#133
○国務大臣(片山虎之助君) 交付税についてはどうするかと、いろんな議論がありまして、これがある意味では普通の地方団体の命綱ですから、これはこれでしっかり額は確保していかなきゃいかぬと思いますね。
 ただ、そこで今見直しをやっていますのは、段階補正は、御承知のように小規模な町村にやや優遇ではないかということで実態を見直すということで、それからもう一つ事業費補正というのは、事業をやった方が得だという議論になって、後先考えぬでお金のことを考えぬで事業に飛び付くというようなことをやっぱりある程度抑制しようと、こういうことでございまして、そういうことをすることによって私は交付税が本来の交付税制度の方に返ってくると、こういうふうに思っておりますね。
 しかし、一方、交付税特会は物すごい借金ですから、これをかなりな年限掛かって返していかなきゃいけませんので、それについてどうするかというのはこれは大きな問題で、基本的には、同じことの繰り返しになりますが、経済の活性化、地方行財政の見直し、歳出カット、あとは国からの税源移譲と、こういうことの中で交付税特会の償還金の財源を確保していきたいと、こういうふうに思っております。
#134
○木庭健太郎君 そういう返済に関連して議論がよくなされている一つの論点は、これだけ多くの過剰債務を抱えたままでは地方財政の運営も厳しいから、平成十七年度限りで廃止するという予定になっています地方債発行許可制度をその後も維持するとか、さらに、あるいは財政融資資金による地方公共団体への資金供給は今後も当分継続する必要性があるとか、こんな議論もありますが、こういった問題について総務省としてどのようにお考えか、若松副大臣、どっち、そっち。
#135
○政府参考人(林省吾君) いわゆる地方分権一括法によりまして、平成十八年度から地方債の許可制度は地方公共団体の自主性をより高める観点に立って廃止をする、そして協議制度に移行すると、こういうことにされております。地方分権を進める観点からは、これは予定どおり実施すべきではないかと私どもは考えております。
 しかしながら、協議制度の下におきましても、例えば起債制限比率が高い団体であるとか、あるいは赤字額が大きい団体につきましてはこれまでどおり起債許可が必要だと、こういう制度にいたしておりますので、地方財政の健全性の確保にも十分配慮しながら運営、運用をしてまいりたいと考えております。
 また、地方債は国の一定の負担の下で行う公共事業等あるいはその他の施設整備に必要な財源となっておりますので、そういったものにつきましては、財政規模や財政力にかかわらず長期低利の地方債資金が必要であることから、財政融資資金を始めとする公的な資金を確保する必要があると考えておりますが、今後ともこういった事業を中心に、地方団体の財政規模やあるいは資金調達能力、こういうものに十分留意しながら、必要な資金を確保してまいりたいと考えております。
#136
○木庭健太郎君 次は、地方債の個人消化の促進というような問題点についてお聞きをしておきたいと思うんです。
 十四年度の地方財政対策には地方債の個人消化、公募化の推進施策が盛り込まれております。購入対象者を地域住民とする住民参加型のミニ市場公募債というのを二百億、発行することが盛り込まれておるわけです。
 四月一日から金融機関のペイオフの解禁の影響を受けて、この市民参加型ミニ市場公募債に対して個人投資家の需要が高まっているようで、私もお聞きしましたら、群馬県ですか、三月六日に県内の個人投資家に限定して発売した愛県債というのは何か発売後十八分で売り切れたというようなことも聞いているわけです。
 地方公共団体の行政運営へ住民が関心を高めるためにも、地方自治に積極的参加という意味でも、意味はあると思うんです。こういったものを更に推進する必要はあるんではないかと。そのいろんなやり方を総務省としても検討していく必要があると思うんですけれども、この点について見解を求めたいと思います。
#137
○政府参考人(林省吾君) お尋ねの地方債の個人消化についてでありますけれども、この個人消化は、地域住民の行政への参加意識の高揚が図られますとともに、地方団体の資金調達の手法を多様化するということにもなりますので、私どもといたしましてはこれを積極的に今後推進してまいりたいと考えているところでございます。
 具体的には、御質問の中で御指摘もございましたが、十四年度から地域住民を購入対象者の中心にした住民参加型ミニ市場公募債の発行を推進することといたしまして、地方債計画上も二百億円の枠を計上いたしているところでありますが、昨年末に調査したところでは十五団体ぐらいが手を挙げてきております。これらの団体に対しまして、私ども、情報提供をしながら具体的な支援をしてまいりたいと考えております。
 また、この個人消化につきましては、既に市場公募債を発行している団体におきましても、例えば横浜市のようなところにおきましては、地元銀行などの協力を得まして、そのうちの個人消化に回す部分を増やしていきたいと、こういうような取組もされているところでございますので、こういう動きにつきましても私ども積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
#138
○木庭健太郎君 次は、ペイオフがもうすぐでございますけれども、もう解禁間近なんですけれども、やはり地方公共団体と地域金融機関との問題、これから始めていく上でいろんな問題点もあり、大変なこともいろいろあると思うんです。
 今までは、ある意味では地方公共団体と地域金融機関というのは蜜月関係みたいなことでやってきたわけですけれども、これからはなかなかそうもいかない問題もありますし、金融機関自体も厳しい目で見るようになってきていますし、そういう意味では、今、直前でございますけれども、いろいろ問題点も指摘されておりました。
 今どんなふうに地方公共団体、対策はなされているのか、総務省、知る限りで結構でございますから、教えていただきたいと思っております。
#139
○政府参考人(板倉敏和君) 総務省におきましては、ペイオフ解禁に係ります預金保険制度の改正を受けまして、平成十二年十一月より、地方公共団体や有識者、金融機関関係者等から成ります地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応方策研究会というのを設けまして、その対応方策を詳細に検討をいたしました。
 昨年三月にその内容を取りまとめまして、通知をいたしますとともに、全国出納長会議や市町村の担当課長会議など様々な会議や研修会を重ねて、地方団体に周知をしてまいったところでございます。
 各地方公共団体の個別の動向につきましては、すべてを調査したわけではございませんが、都道府県や政令市等におきましては、既に研究会等を設けましてペイオフ解禁への対応方策をそれぞれの実情に応じて具体的に検討、実施しているというふうに承知をいたしております。また、市町村におきましても、必要な対応が確保されますよう、去る二月八日にも全国の市町村担当課長に対する説明会を実施をいたしまして、改めて周知徹底を図ったところでございます。
 総務省といたしましても、今後の動向には十分注意を払いながら適正な対応に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#140
○木庭健太郎君 最近、地方公共団体も債券の運用と、このペイオフと絡んでいるわけでもないですけれども、そういう傾向が出てきているわけでございますけれども、一番、最近話題になったというか、極端な例で話題になったのが、地方公共団体の外郭団体ですけれども、アルゼンチン債の購入問題というのが実際に起きました。ある意味では、やはりこれは運用経験とかいろんなことも必要ですし、難しさを本当に感じた一つの問題だったと思うんですけれども、今地方公共団体の運用のこういう基準について見ると、歳計現金であれば、地方自治法の二百三十五条の四ですか、これで定め、保管方法が定められておりますし、そして、先ほども議論になっていた施行令百六十八条の六で保管の具体的方法について、出納長、収入役はこれを確実かつ有利な方法によって保管しなければならない。確実かつ有利と言われても、これ相反するような問題もあるわけですよね。
 そういう意味じゃ、地方公共団体にとってみると、これは自治法の規定でそう言っているけれども、なかなかこれ実際やろうとするときは本当に苦労されているなという気もするんです。そして、逆に言えば、苦労した上にですよ、こんな問題が起きてくれば、資金運用面での責任問題が今度は一方ではまた残ってくると。こんなところも地方自治法と、これ読みながらちょっと感じたんですけれども、そういう規定、今のこの地方自治法の二百三十五条四の第一項、法律施行令の百六十八条の六、こういったものについてどのような御所見をお持ちなのか、聞いておきたいと思うんです。
#141
○政府参考人(板倉敏和君) 御指摘ありましたとおり、歳計現金の保管につきましては、地方自治法第二百三十五条の四及び同施行令第百六十八条の六の規定によりまして、指定金融機関その他の確実な金融機関への預金その他の最も確実かつ有利な方法により保管することとされております。基金につきましては、地方自治法第二百四十一条の規定によりまして、確実かつ効率的に運用することとされております。
 歳計現金も基金も同じく公金でございまして、まずは安全で危険のないと思われる方法での運用を基本としつつ、その中で最も経済的な価値を十分に保全、発揮できる方法で保管することが求められているということでございまして、そういうことからこのような規定が設けられているというふうに理解をいたしております。
#142
○木庭健太郎君 今後やっぱり大事になってくるのは、今までだったら金融機関に預金してそれなりの収益が出てというようなことだったんだが、これからは、ペイオフ解禁になればもちろんそういう問題もなかなかの厳しさがあって、逆に言えば、これからそのアルゼンチン債のようなケースというものも起こり得ることは十分に考えられるわけです。
 このアルゼンチン債の問題の場合は、地方団体というよりその外郭団体というようなことが多いようにお伺いはしているんですけれども、東京都の場合も、都からはこれは適切じゃないようなことを外郭団体に対して言っていたという話も聞いておるんですけれども、やはり外郭団体といっても、普通地方公共団体に準拠した運用というのが求められると私は思っております。
 今地方団体における資金の管理運用の実態というのがどんなふうになっているのか、またこのアルゼンチン債の問題始め、債券購入というのはどの程度なされているのか、また今後こういうことを考えていくと資金の運用、保管について首長とか職員の責任が問われることが多くなるんではなかろうかと思っておりますが、その辺の認識についてお伺いしておきたいと思います。
#143
○政府参考人(林省吾君) 地方団体及び外郭団体等における資金管理についてのお尋ねにお答えをいたします。
 地方団体におきます資金の管理運用につきましては、先ほど総括審議官の方からの答弁もございましたように、地方自治法等の規定に基づきまして、最も確実かつ有利な方法により保管するよう関係者が努力をいたしているものと思っております。引き続き、地方団体に対しましては、法令の趣旨にのっとった対応をお願いしてまいらなければならないと思っております。
 それから、他方、地方団体の外郭団体あるいは第三セクターにおきます資金の管理運用の実態についてでございますが、私ども全般的な事情は必ずしも詳細に把握はいたしておりませんが、御指摘をいただきましたアルゼンチン国債の保有状況につきましては調査をいたしたところでございますので、その結果を御紹介を申し上げておきたいと思いますが、全国で十九の法人におきまして、三十四億五千九百万円程度保有していることが判明をいたしております。いろいろ実態もお聞きをしてみましたが、これらの法人におきましては、金融商品のリスクについての十分な認識がないままに運用が行われていた嫌いがあるとか、あるいは資金の管理運用のための明確な基準を持たないままに運用がされていたと、こういうような例が多かったと聞いております。
 第三セクターの資金運用につきましては、先ほど申し上げました地方団体の資金の管理運用に係る地方自治法のような規定がございません、現在。第三セクター等のうちの民法法人につきましては法的な規制はないんでありますが、運用方針というものが一般的に定められておりまして、この中で、基本財産についてはやはり安全確実な方法で資金管理を行う必要があるというふうな基準が示されているところでありますが、商法法人の方は全くこのような規制もなく指導もない、こういう状況になっております。
 そこで、私どもといたしましては、今御指摘をいただきましたように、第三セクターにおきます資金運用につきましても、地方団体からの公金による出資等を受けているわけでございますから、こういう実態を踏まえますと、適切な運用がなされなければならないと思いますので、今後、総務省といたしましては、今回の調査結果を踏まえまして、地方団体に対しまして第三セクターの資金の管理運用についても適切な指導を行うよう助言をしてまいりたいと考えております。
#144
○木庭健太郎君 ですから、その意味でも、今地方財政を見る場合どうなるかというと、ある意味では、普通会計のものだけ見てしまって地方の団体の状況が分かるのかというと、とんでもない話で、例えば下水道事業みたいな問題もあってみたり、それから地方の公営企業の中には交通事業なんかもあって、今これ赤字ですわね、厳しくて、規制緩和で。また、今おっしゃった第三セクターの問題とか地方団体での資金運用の問題とか、いろんな問題が周りに派生しているわけです。
 ですから、私はやっぱり普通会計だけ見ているとどうなっているのかという実態が見えてこないと思うんです。特に大都市になってみればそれは余計大きな額になるわけであって、ですから、やっぱり地方団体の活動の実態を正確に把握するためにはそういうものも合わせた形で、普通会計それからその他の会計、連結決算するのかどうかという問題まで私はこんなことも考えたらいいと思うんですけれども、つまり、全体状況を見るようなことをやった上で総合的な財政分析というのをやっていかなければいけないときに、もう本当は前からやっておかなくちゃいけないやつが本当に来ているという気が私はしているんですけれども、そういった問題、すぐやってすぐできる話じゃないんです。でも、こういう問題をやはり少し総務省としても検討課題として挙げてやるべきではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
#145
○政府参考人(板倉敏和君) 申し訳ございません。ちょっと先ほど答弁漏れがございましたので、よろしいでしょうか。
#146
○委員長(田村公平君) いいですか、木庭君。
#147
○木庭健太郎君 はい。
#148
○政府参考人(板倉敏和君) 資金の保管管理に関します首長あるいは職員の責任の問題でございます。
 首長や職員は、適切に歳計現金等の保管、運用を行うべき責務を有することは当然でございまして、歳計現金等について安全性等に問題がある違法な保管、運用がなされた場合には、当該首長や職員の責任が問われることがあるというふうに考えております。したがいまして、首長や職員は歳計現金等について安全で危険がないと思われる方法を基本とした上で有利な保管、運用に努める必要があるものでございまして、その責務を果たしている限りは、首長や職員の責任が問われることがないと考えております。
 これまでも各地方公共団体におきましては適法な歳計現金等の保管、運用が行われてきたと考えておりますが、改めてその責任を自覚した上で適切な歳計現金等の保管、運用がなされることを期待しております。
 以上でございます。どうも申し訳ございません。
#149
○副大臣(若松謙維君) 財政状況の全体的把握や総合的分析についてのお尋ねでございますが、総務省といたしましては、一昨年三月に、地方公共団体のバランスシート作成に係る報告書を取りまとめておりまして、現在、全都道府県がそれに基づいた作成がなされて、約九割の市町村がそのバランスシートの作成又は作成の検討がなされていると。
 それと、昨年三月には行政コスト計算書、また地方公共団体全体のバランスシートに係る報告書を取りまとめて、普通会計のほか、公営企業会計等ほかの会計を含めた地方公共団体の会計全体のバランスシートについていろいろと検討しているところであります。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 率直に申し上げまして、やはり日本の、これは国もそうなんですけれども、特に行政の会計制度というのは大変諸外国と比べると遅れていると思います。特に、昨年の八月、私がオーストラリアに行ったときは、ノースサウスウェールズ州というところがありまして、そこはもう毎月、月次決算で、かつ連結ベースで決算書を作っております。
 いわゆる第三セクターも、今までの経緯ですと、結局、第三セクターですと民間も入っているわけですが、民間がどんどん逃げていって最後は自治体が負うと。そうすると、結果的に一〇〇%自治体が負う第三セクターならば、やはり行政の、自治体のリスクとしてやはり連結も考えなければいけないと。
 やっぱりそういった形の、正に連結を志向した会計制度の改善並びにその公表のスピーディー化、それをこれ大臣と検討しながら進めていかなければならないと理解しております。
#150
○木庭健太郎君 是非そういった点をきちんとすることが、非常にこれから地方のいろんな問題を論議するときの基本のような問題だと思っておりますので、是非御検討をよろしくお願いしておきたいと思います。
 次は、もうすぐワールドカップというのが始まるわけでございます。非常にテレビ報道でも誘致合戦の話題が出ておりました。大体もうほぼ出そろったようでございまして、それはそれでいいことなんですけれども、その誘致合戦の加熱の問題含めていろんな、総務省にとってみるとこれどうなのかなという一面あるようなこともあったと思います。
 幾つか各自治体の誘致費用の支出状況を見てみますと、例えば長野県の松本市ですか、約二億円の運営費を予定したけれども三千万円が不足になって県に補助金を要求してみたり、それから北海道の栗山町でしたか、職員のメキシコ出張旅費等八千五百万円を投入したが、結果的にはほかのところに決まっちゃったと。町民から集めた寄附金が一億円浮いてみたり、いろんなことがあったようでございます。
 大臣もこの件については、一月二十九日の閣議でしたか、おっしゃっていたようでございますけれども、この辺の自治体の財政支出というような問題、どんなふうに把握されて、このような経過をどう見てこられたのか。
 別に水を差そうとして言っているわけじゃありません。やはりこういうやるとき、韓国辺りはちょっとやり方違うんですよね、日本のやり方と違って。これ委員会が主導で組織委員会みたいなのが全国にありまして、そこで候補地を絞り込んで、こんなことはほとんどなされていないんですよ。そういう意味じゃ、非常に差も出た問題ですし、今後いろんなまたこともある、問題もあると思うので、この辺について大臣からお伺いしておきたいと思います。
#151
○国務大臣(片山虎之助君) お話のように、ワールドカップが近づいてまいりまして、各地方団体でキャンプ場誘致が加熱化したんですね。それで、いろんなことを私もお話を聞いたり報道があったりしたものですから、一月の終わりの閣議で、こういうことは、特に文部省が関係あるんですね、文部省と私のところが、十分注意するようにしようではないかと。税金ですからね。それはキャンプ地になれば有名になるとか経済的な見返りがあるとか、いろんなことがありますけれども、事は公金を出す以上、税金ですからね、やっぱりこれは一定の節度がなきゃいかぬと思うんですよ。
 それでいろいろ調べてみましたら、国際サッカー連盟が要請を日本の組織委員会にしまして、各候補地でやるようなところはそういう金は自粛しろという通知を出しているんですよね。にもかかわらず、うまい人がおりまして、競争を助長するようなことをやって、それでたくさん出した方が、競りじゃないんだけれども、そこに行くようなことをやっているので、私は本当にいかがかと思ったんですが。まあ全部じゃありません。全部じゃ、そういうことじゃないんだけれども、やっぱり今言いましたように、地方団体は税金で成り立っている団体だし、税金を出すことですから、是非これは厳重に慎重にやってもらわなければならないと。
 日本がフランスでやったときには一切もらっていないんですよ、日本のチームは。それから、韓国はほとんど出していませんから、日本がほとんどキャンプ地ですよ。こういうことも、韓国の方では面白くない空気がやっぱりあるようですから、是非私どもの方としてはいろんな指導をいたしたいと、こういうふうに思っております。
#152
○木庭健太郎君 最後に、法定外税というやつについて、基本的な見解だけ今日はお伺いして終わっておきたいと思うんです。
 この法定外税を新たに創設する場合、小さな課税につながるとかいろんな御批判もいろいろあるんですけれども、その一方で、やっぱり地域で求められる政策課題や地域固有の課題を解決するためには、それも積極的な活用を図るというのも一つの見解だと思うんです。
 ですから、まず今日最後にお伺いしておきたいのは、この法定外税の積極的な活用という問題について、総務省の基本的見解をお伺いしておきたいこと。
 それともう一つ、この法定外税の中で、特定の政策目的達成のために使うことは税本来の原則からいくとどうなのかという問題ですよね。例えば、例として挙げておきますと、杉並区が今度何か導入しようとしている、レジ袋税というのをやるんだそうです。これ、もちろん廃棄物の減量やリサイクルの推進などのためにレジ袋の配布を抑えるというようなものなんですけれども、目的が達成すればどうなるかというと、税収入は減少するわけですよね。そういう意味では、こういう在り方がどうなのかと。
 この二点についてお伺いしておいて、今日は終わりたいと思います。
#153
○政府参考人(瀧野欣彌君) 法定外税についてのお尋ねでございます。
 平成十二年の四月の地方分権一括法によります地方税法改正によりまして、法定外普通税の許可制が協議制に改められますとともに、法定外目的税が創設されたようでございます。
 法定外税は、地方公共団体にとりまして、課税の選択の幅を広げるという意味を持つものでございまして、個々の地方公共団体におきまして、地域の実情を踏まえてその活用を検討することは、基本的に望ましいことというふうに考えております。ただ、その場合には、納税者の理解も得ながら、議会などで十分な議論を行うということが必要であろうかと考えております。
 いずれにいたしましても、各地方公共団体から個別に協議、相談があれば、法律に定める要件を踏まえまして、情報提供その他の必要な支援を行うなど、適切に対応していきたいというふうに考えております。
 また、特定の政策目的達成のための法定外税はどういうふうに考えるべきかというお尋ねでございます。
 租税につきましては、一般的には行政主体によります財政資金の調達を主な目的とするものであるということでございますが、必ずしも我が国の租税全体を見ますと、これにとらわれてはいない状況にございます。最近では、環境を始めとする政策目的を達成するための手法の一つとして活用することも現実的な選択肢になりつつあるというふうに考えておるわけでございます。
 こうした政策目的達成を主な目的とします法定外税の協議が大臣に対して行われた場合におきましても、地方税法上定められました要件を満たしていれば、総務大臣としてはこれに同意しなければならないという法律上の規定になっているわけでございまして、同意するか否か、個々の法定外税が法令上の要件を満たすか否かということで判断していくものというふうに考えております。
#154
○木庭健太郎君 終わります。
#155
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 まず最初に、段階補正見直しについて質問をしたいと思います。
 人口で十万人以下の自治体の段階補正の見直しを行うとされておりますが、十万人というと相当に大きな市まで含まれます。この対象自治体の数は幾つあって、全体のどの程度なのかということをまずお示しください。
#156
○政府参考人(林省吾君) 今回の段階補正の見直しは、人口十万人未満に係る割増し係数を見直すものでありまして、その影響を受ける市町村は、御指摘のように人口十万人未満の市町村となるわけでありますが、この市町村の数は、平成十三年度の普通交付税の算定時で見ますと、二千九百九十八団体となっておりまして、全団体の九二・九%、人口シェアにいたしまして三九・二%に当たっております。
#157
○八田ひろ子君 九二・九九%というのはほとんどの、全部を対象として見直しが行われる、カットが行われるということですが、大臣、これまでの段階補正は必要があって適切に積み上げられてきたというふうに御答弁もあるんですけれども、小さい団体に優遇し過ぎてきたと、こういうふうには思わないんですけれども、そこのところはどうなんでしょうか。
#158
○政府参考人(林省吾君) ちょっと段階補正係数の策定の仕方につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。
 これまでの段階補正係数も私どもとしては適正に算出してきたと考えておりまして、全団体の平均を基礎として割増し率を算出する方法を取っておりました。
 今回の見直しは、小規模団体にありましても合理的、効率的に行財政運営を行っている地方団体もありますことから、合理化や効率化への意欲を弱めることにならないよう、そのような実態を反映した割増し率を算出しようと、こういうことで行おうとしているものでございます。
#159
○八田ひろ子君 適切であったんだけれども、また補正を削減するということで、適切に事業をそれぞれの自治体がやってきたところでは交付税削られるということで、大変ですよね、それは大臣よくお分かりだと思いますが。
 一月二十二日の全国都道府県財政課長・地方課長合同会議で、報道によりますと、どれぐらい削られるかということが言われて、三年間の影響額は、一千人団体は二千四百万円、四千人団体は五千五百万円の減、八千人団体は五千二百万円の減、一万二千人団体は五千万円の減、二万人団体は五千万円の減、三万人団体は三千万円の減。これは一千人の町や村といいますと単純計算しますと一人二万四千円減る、四千人の町や村ですと一人当たり一万三千八百円減る、三万人団体では一人当たり千円減ると、こういうことになりまして、無論これは単純計算で、お示しになったのを人口で割っただけですが、こういう四千人規模団体など小さい団体ほど影響が大きいと。こういう問題について、どうしてなのかなと私は思いまして、局長はよろしいので、大臣にお答えください。
#160
○国務大臣(片山虎之助君) 今までは全部の団体の平均ですよね。ところが、やっぱりこれだとインセンティブが働かないですよ、改革の努力の。だから、同じ団体でも頑張っているところの上の方から三分の二を取ろうと。三分の二取るんですよ。上の方、二分の一だとか三分の一じゃない、三分の二取って平均でやろうと、こういうことでございまして、私はこれはこれでまた合理的なんじゃなかろうかと、こういうふうに思います。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 交付税全体が大変厳しい状況になって、国は一般会計から、国債ですよ、主として、財源調達は。地方は赤字地方債でしょう。そういう中でやっぱり改革の努力をやってもらうということは必要なんですよ。
 そこで、申し訳ないけれども、今の段階補正を三年間掛かってカットしようと、二千億。段階補正そのものは一兆三千億あるんですから、一兆一千億はまだ小規模町村割増しに全部使われるんですから、そういう中で我々はこういう考え方取ったわけでありまして、これはこれで私は改善の努力だと、こういうふうに思っております。
#161
○八田ひろ子君 九二・九九%の自治体が減らされるということは大きいんですね。とりわけ、四千人程度の小さい団体ほど大きい影響があって、四千人以下の町や村という団体は全国で四百九十四町村あるんですけれども、既に九八年から昨年までの四年間で段階補正の見直しがあって、企画振興費を始めとして、農業行政費や保健衛生費、高齢者保健福祉費など、百六億四千万円減額されているんですね、もう既に。これは一つの自治体でいうと二千百五十三万円ももう削減されてきたんです。
 この上、もっと交付税、今度はもう九割以上のところをもっと減らそうという、平成の大合併の推進のための各種の優遇措置は作られるけれども、そういうところにざっと流れていって、こうした段階補正の見直し、そして交付税を削減していくこと、とりわけ小規模自治体にとっては合併推進の強力な誘導となって、交付税の在り方としても私は納得できないやり方だなということを思うわけでありますが、今日は時間がありませんので、次に移ります。
 今国会では児童扶養手当の削減が提案されております。この削減では、全体の四六%、三十三万世帯で手当額が減額になっております。すべての自治体で暮らす母子家庭の四六%を直撃するんですが、平年度で見ますと国庫負担額というのは三百六十億円削減というふうに聞いております。
 そこで伺いたいのは、こうした児童扶養手当の削減というのが地方交付税に与える影響、これはいかほどになるんでしょうか。
#162
○政府参考人(林省吾君) 今回の制度改正による公的負担の変化についてのお尋ねでございますが、国の負担額は、御指摘がございましたように平成十四年度で百二十億円、平年度ベースで三百六十億円の減少と聞いております。それに伴う地方公共団体の負担額は、平成十四年度で四十億円、平年度ベースでは百二十億円の減少になると見込まれております。
#163
○八田ひろ子君 百二十億円減額になって、これはどこかへ行くお金じゃなくて、単純に減るんですね。先ほど段階補正の見直しの部分で大臣も言われましたけれども、これは地方交付税の総額そのものは削減をされないわけですね。一方、児童扶養手当の削減のように、国の福祉の削減によって地方交付税の総額の削減につながってくると、私、これは重大じゃないかなというふうに思うんです。
 予算委員会で我が党の質問に対して、九八年にもこれ削減がありました。その大改悪の後ですけれども、厚生省は母子家庭の現状について、大幅に所得の改善はないと、こういうことを説明されているんですけれども、母子家庭の世帯収入というのは一般世帯に比べて三分の一程度というふうに言われております。
 私、母子家庭の問題に取り組んでいます市民団体の「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」という方とか、またほかの皆さん方の懇談会でもいろいろと説明を受けて、アンケート調査の書類もいただきました。これで見ますと、平均年収というのが前回の改悪から低下しているんですね。年収二百万以下の世帯というのが九九年では三三%でしたけれども、現在七六%。パートなどの不安定雇用が前回のときは二八%ですが、今は五二%。半分以上が不安定雇用で、ダブルジョブ、トリプルジョブというので非常に大変な実態があります。このアンケート調査を見ますと、生活が苦しいと感じて悲しくなったり、生活意欲をなくしたりすることがあるかという質問に、八七%のお母さんがよくある、たまにあるというふうに答えていらっしゃるわけですね。
 長引く不況の中で、生活意欲というのが大変減退しているというのを見られますけれども、私、これで家計簿も見せていただいたんですが、一か月で御家族、子供さんが一人とか二人、二人が多いんですけれども、食費は一か月大体三万円、多いところでも五万円ぐらいなんですよね。こういうところに、景気が悪く失業率も最悪というときに、なぜ命綱になるこういうものを削っていくのか。交付税をだんだんと縮小していくことはいいことだというのを昨日もその前もおっしゃっているんですけれども、大臣に政治家として見解を伺いたいんですが、結局こういうところを削っていくということになるんですよね。だから、そういうのを平気でいらっしゃるのかどうか、私はちょっと政治家片山虎之助さんにお伺いしたいと思うんですけれども。
#164
○国務大臣(片山虎之助君) 児童扶養手当の見直しについての八田委員の御質問だと思いますけれども、この手当制度もいつまでも変えないということではなくて、やっぱり将来とも持続可能な制度にせにゃいけませんね。そのためには大概の見直しは必要なんですよ。そこで今度は就労支援だとか子育て支援なんというものを充実していくわけですから、だからもう変えるなと、いいことだけ付け加えていけといったら金もちませんよね。だから、時代に合ったように中身を変えていって見直していくということはどうしても必要なんですよ。
 段階補正も同じなんですよ。段階補正制度はなくてもいいという県一杯あるんですよ。我々は必要だということでずっと守ってきたんだけれども、こういう交付税自身が厳しい状況になったら、中を少なくとも、改善意欲が、そういうインセンティブが働くような制度に直していくということなんで、何にも見直すなと、今までの制度に付け加えるだけしていけと、国の財政も地方の財政も地方交付税ももちません。
 私は、児童扶養手当制度の見直しも地方交付税制度の見直しも、そういう観点から行ったもので、それはそれでやむを得ないと思っております。
#165
○八田ひろ子君 それは結局予算を、そういうところの予算を削ればよしというやり方で、全くおかしいと思いますよ。
 就労の場における女性差別とかミセス差別というのは実際に行って、今ありますし、それを直すようにということで皆さんやっているんですけれども、現実には抜本的な解決策ないじゃないですか。
 それで、就労支援と言いますけれども、母子家庭の就労というのは失業率でいっても一般の方の二倍ですよ。実際に就職できないんですよ、今の時代で。どういう就労支援があるのかというのを私は言いたいですし、何しろ支給総額抑制の口実にそういうことを言えばいいという態度というのは、私は、子供の幸福や子供の生活保障という根本的な立場、何のために政治があるのかというそういう立場から全く外れていて、いつもおっしゃっている少子化対策においても全く違うということを思います。
 子供のことで続いて質問しますので、後でまとめてお答えいただければいいんですけれども、次の問題です。
 地方交付税は削減ということに注意が向けられています。削減する削減すると言われているんですが、地方交付税の制度や目的に立って必要な財政需要がとらえられているのか、こういうことが私は大事だと思うんですね。補正の問題でもそうだと思うんです。
 そこで、局長、伺いますけれども、法令上義務付けられている経費以外でも、基準財政需要額に算入し、地方交付税で措置していくことが必要になるものも出てくると思います。そういう場合に措置するかしないかの切り分け、考え方、これを分かりやすく答えてください。
#166
○政府参考人(林省吾君) 基準財政需要額は、地方団体におきます個別具体的な財政支出の実績というものではなく、地方財政計画を基礎といたしまして、国家財政、国の制度等との関連を保ちつつ各団体が標準的な水準における行政を行うための一般財源を算定すると、こういうものでございます。
 こうした観点から、御指摘ございました法令上の義務付けがあるものとか国庫補助負担金の地方負担につきましては算定の対象にいたしておりますが、そうでない経費のうち、基準財政需要額に算入される経費につきましては、地方交付税法の第二条にこういう記述があるわけでありますが、「地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する税」と、こういうことになっておりますので、私どもとしては、地方団体がひとしく行うべき事務として国の制度等との整合性を持った標準的な財政需要を算入すると、こういうことにいたしております。
#167
○八田ひろ子君 そういうのは具体的にどういうものがあるんでしょうか。法令上義務付けがなくても推奨的なものとか、あるいは補助制度なくても基準財政需要額に積算をしようとか、具体的に一、二を挙げてください。
#168
○政府参考人(林省吾君) 交付税の基準財政需要額の算定対象は幅広い分野にわたっているわけでありますが、例えば社会福祉関係費目に例を取って幾つか申し上げますと、在宅介護支援等の在宅福祉事業費であるとか、あるいはホームヘルパー及びケアマネジャーの確保対策等に要する経費であるとか、さらには高齢者の就労促進等の高齢者福祉対策であるとか、また青少年につきましても青少年保護育成関連の経費、こういうものも算定対象といたしているところであります。
#169
○八田ひろ子君 ひとしく各自治体が行っていること、やるべきことというふうに御説明いただきました。
 そこで、今日は厚生労働省においでいただいておりますので伺いますが、今、乳幼児医療費への助成制度が全国の自治体に広がっておりますが、どの程度の自治体で制度が設けられているのか、厚生労働省の対応と併せてお願いいたします。
#170
○政府参考人(岩田喜美枝君) 各自治体におきまして、地域住民のニーズなど、地域の状況を踏まえながら自治体の単独事業として乳幼児の医療費の助成が行われております。
 平成十三年四月の時点でございますが、その内容は、例えば所得制限の有無ですとか、その水準、対象となる子供の年齢の決め方、給付内容などにそれぞれ違いはございますけれども、全国三千二百四十九すべての市区町村で何らかの形の乳幼児の医療費の助成が実施をされているところでございます。
 国といたしましては、厚生労働省といたしましては、乳幼児の医療費全般的な助成ということではなくて、難病の子供、未熟児、障害児といった、特に手厚い援護が必要なそういう子供の疾病について医療費の公費負担を実施しているところでございますが、一般的な乳幼児の医療費の助成は、先ほど申し上げましたように、地方自治体が地域の実情に応じて単独事業としてやられているところでございます。
 また、それに付け加えまして、今般の医療費制度改革の中で、三歳未満の乳幼児に対する医療保険の給付率を一律八割に引き上げるというようなことを予定をした法律の改正を提案いたしているところでございまして、これが実現すれば自治体の負担の軽減にも資するというふうに思っております。
#171
○八田ひろ子君 御説明いただいた、いろいろあるんですけれども、少なくとも三千二百四十九、すべての都道府県、すべての市町村でそれぞれの実情の下にということですけれども、それぞれ実情は子供たちを健やかに育てるという実情だと思うんですね。乳幼児医療費の助成というのは、児童福祉にとって必要だけでなく、すべての自治体がやっているということは広く国民的合意になっているというふうに思うんです。
 先ほど、局長にも地方交付税法の第二条のお話も伺いましたけれども、こういうすべての自治体がやっている経費というのは基準財政需要額に算入をして地方交付税措置ということが実際的には必要だと思うんですけれども、大臣、現状ではどうでしょうか。
#172
○政府参考人(林省吾君) 御指摘の助成についての交付税措置でありますが、確かにかなりの団体でそういう措置を講じておられるということは承知をいたしております。しかしながら、この実態は、先ほど御答弁もありましたが、この乳幼児の医療費につきまして、地方団体が地域の実情に応じて自主的な判断で、しかも内容につきましては様々な方法で助成を行っているところであります。
 これについて国として制度化するかどうか、あるいは地方財政措置を講ずるかどうかということにつきましては、財政状況もございますけれども、この問題が医療制度あるいは福祉制度の根幹にもかかわる問題でありますことから、慎重な検討が必要であろうと私ども考えております。
#173
○八田ひろ子君 局長に聞いていないんですよね。同じ答弁はしないでください。大臣に伺いますから。
 乳幼児の医療費無料化にかかわる地方自治体からの意見ですね。これは大臣はよく御存じだと思いますが、今年の二月八日現在で一千二百五十自治体、六都道府県と一千二百十四市区町村ですね。地方議会というのは三月議会がまだこのときは終わっていませんので、また三月議会が終わったら来ると思います。昨年十一月二十八日にも全国町村長大会というのがありまして、ここでも乳幼児に係る医療費の無料化を制度化する要望が決議されております。全国市長会の平成十四年度の国の施策及び予算に関する要望、ここにも乳幼児の医療費の問題が出てきております。
 これはすべての自治体がやっているからこういうことになるんですね。いろいろありますというふうに言われますけれども、年齢だとか、入院、通院とかいろいろあることは確かです。ただ、共通しているのは子供の医療費の助成なんですよね。
 昨年、私、本会議で地財三法の質問をさせていただきまして、この問題を取り上げましたら、今後の課題だというふうに答弁されました。その後、昨年の六月二十二日に参議院の本会議で全会一致で採択をされました決議、ここでも乳幼児医療費の国庫助成等経済的負担の軽減と、こういう決議を本会議でしているわけなんですよね。
 ですから、行政府としても、立法府のこうした意思を重く受け止めて適切な措置を取ることが当然だと私は思うんですよね。ですから、大臣に先ほどから所見を伺っておりますので、大臣、お願いいたします。
#174
○国務大臣(片山虎之助君) 医療保険というのは、基本的には保険給付で、あとは本人負担というのか利用者負担ですよね、その大原則があって、それを多くの地方団体が立て替えてやろうというのがこの公費負担ですから、これは医療保険制度そのものの負担関係を揺るがすようなことなんですよ。だから、ここは慎重な検討をしてでなければ、国が財源補てんするのは説明ができないでしょう。
 だから、現に今の三割を二割にするというんでしょう、三歳児は。そういう抜本改革、見直しは行われているんです。地方は、自分のところはまあ乳児の医療費というのは大切だから特別に肩代わってやろうと、こういうことなんですよ。これを制度化するかどうかはまた別の議論なんですよ。制度化するなら交付税で見なきゃいけません。そうでなくて任意で、任意がみんなかもしれぬけれども、任意で肩代わってやろうというのはもう少し慎重に検討すると、こういうことが必要でございますので。
 それから、交付税というのは何でも全部入れるんじゃないんですよ。そのために二割なり二割五分なりの留保率を残しているんで、そこは各地方団体の選択に任しているんですから、だから、何でも入れる何でも入れるというのは、それはもうそういうわけにいかないんです。御理解を賜りたい。
#175
○八田ひろ子君 これは地方の地方団体からも、そして現実に行われているということで、私は制度を考える姿勢を持っていただきたいということで質問を毎年しているわけなんですよね。
 今、医療保険の今度の二割負担のことを言われましたけれども、実際には、ここ厚生労働委員会ではありませんからその問題に入りませんけれど、子育て世代というのは家族全体でいうと負担が重くなるじゃないですか。全く軽減にはなっていませんよ。そういうことでおっしゃってはいけないというふうに思います。
 子どもの権利条約でも、「到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利を認める。」ということで、「締約国は、いかなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が奪われないことを確保するために努力する。」と、こういうことを求めているわけですよね。
 やっぱり、すべての自治体が現実に行って、国民的合意のある、こういう乳幼児の医療費無料化の制度を国の制度としてお考えになる、今ないから考えれないなんていう、そういう硬直した頭ではなくて、どういう日本を作ったらいいのかという、そういうことを大臣是非お考えをいただきたいと。もう私の時間来ましたので、どうしても言いたいことがあれば御答弁をいただきますけれども、是非強くお願いを申し上げて、終わります。
#176
○国務大臣(片山虎之助君) 一言だけ。そういう制度のことは厚生労働省が責任を持って考えますので、責任を持って考えれば責任を持って我々は対応いたします。
#177
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 今日、地方財政の危機的な状況が各地で深刻になっております。今日は私の地元、泉佐野市の財政問題について質問したいと思います。
 まず、基本的なことについて。関西空港の開港以降、泉佐野市は最近まで地方交付税の不交付団体だったと思います。何年から何年まで不交付団体だったか、お答えいただけますか。
#178
○政府参考人(林省吾君) 泉佐野市の交付、不交付の状況についてでございますが、平成七年度から平成十一年度までは不交付団体でありました。平成十二年度に交付団体に転じましたが、平成十三年度におきましては再び不交付団体となっております。
#179
○宮本岳志君 空港関連税収が一九九五年で六十三億円、以降毎年七十億円台で推移しております。関空開港以前の泉佐野市の歳入規模というのは大体年間三百五十億ですから、ここに七十億もの空港関連税収がプラスされたと、地方交付税の不交付団体になるのもうなずけるんです。ところが、今正にこの泉佐野市が、大阪でも全国でも最も赤字再建団体に近い市と言われるようになってしまいました。
 今日は資料を配っておりますが、資料@は昨年十一月十八日付の朝日新聞です。経常収支比率は、何と泉佐野市が全国最悪の一〇七・四%。つまり、経常一般財源全部を投入しても公債費を含む経常経費が賄えないと、こういう状況です。平成十二年度末の市の会計全体で借金の累積は一千六百七十一億円、市民一人当たり百七十万円、こういう泉佐野市の財政実態について国は承知しておりますか。
#180
○政府参考人(林省吾君) 泉佐野市の財政状況につきましては、実は私どももいろいろ心配をしながら御相談にあずかっているところでございます。
 この泉佐野市の財政状況、平成十一年度決算におきまして実質収支が三億九千五百万円の赤字に転じたわけでありますが、平成十二年度決算におきましても二十七億九千万円と、赤字額が更に増大をいたしております。
 それからまた、財政構造の弾力性を示すいろいろな指標があるわけでありますが、幾つか御指摘もございましたが、経常収支比率は平成十二年度決算におきましては一〇七・四%と、こういうことになっております。また、起債制限比率も一五・九%ということになっておりまして、公債費の累増等によりまして財政構造が硬直化し、極めて厳しい財政状況にあると私どもも認識をいたしております。
 なお、このような厳しい財政状況を踏まえて、泉佐野市におかれましては、自主的な行財政改革の推進計画を定められておりまして、定員管理、あるいは給与の適正化、事務事業の見直し等を進めて財政運営の健全化に取り組んでおられるとお聞きをいたしております。
#181
○宮本岳志君 この理由なんですけれども、私は理由ははっきりしていると。関西空港のインパクトを生かした町づくり、これを最大のスローガンにして、身の丈に合わない巨大な公共事業にのめり込んできたことが最大の要因だと思います。
 その一つが、今日資料Aに付けた総合文化センターというものです。総工費三百億円、世界への情報発信の拠点、世界の玄関口にふさわしい日本一の施設をとこう言って、大ホール千四百席、三百二十一平米のレセプションホール、茶室からハードディスクレコーディング装置まで備えた音楽スタジオまであるという超豪華なホールセンターを造りました。
 もう一つは、市民病院の移改築です。府企業局が関空関連事業として進め、今ではこれも完全に破綻したりんくうタウンに二百八十億円掛けて市民病院を移築いたしました。総事業費二百八十億円のうち二百五十億は地方債で資金調達。幾ら関空からの税収があるといっても、せいぜい年間四百億の予算規模の市が、主に借金に頼って二つで六百億の事業、大臣、大臣、こんな事業をやったら財政破綻は当然だと私は思いますけれども、そう思われますか。
#182
○国務大臣(片山虎之助君) 実情を私も必ずしも詳しく存じ上げませんから余り軽々に発言できませんが、それは市長さんなり市議会、皆さんが、やっぱりりんくうタウンということですか、そういうことで頑張っておやりになったと、こういうことだろうと思いますけれども、しかし結果がこういうことで、例えば、りんくうタウンというんですか、そこへの企業立地等が当初の見込みよりは大幅に状況が変わっていると、いろんな状況ではないでしょうかね。そういう感じがいたします。
#183
○宮本岳志君 我が党は、もちろん市民ホールや市民病院を不必要だと言っているんじゃないんです。全く身の丈に合っていないということを特に強調したい、指摘したいと思います。
 もう一つ例を挙げさせていただきます。異常な市街地再開発計画なんです。
 泉佐野の再開発計画は、一九八二年に基本計画が策定されております。八五年、駅の東側に当たる駅上地区の準備組合が結成されて再開発が具体的に動き始めました。駅上東地区は八七年、駅上西地区は八九年に都市計画決定、そのほか駅前地区とか市場地区とか続々と続くんですが、ややこしいので今日は資料Bに年表にして付けさせていただきました。八二年から九三年に掛けてこうしてずっと計画決定されてきたわけですね。
 それで、これらの計画が進むにつれて一体どんなことが起こったかと。それを下に実は付けておいたんです。
 一九八二年、当初の基本計画では、これは十四階建てと十二階建ての二つのビルで床面積は約七万八千平米。それが八七年には十万平米を超えます。八八年には十三万。九〇年には二十四階建て三つに十七階建て一つ。九二年には市場地区というのが加わって、ついに二十四階建てが三つに二十二階建てが二つ、十七階建てが一つ、実に床面積は三十一万七千九百八平米。八二年から九二年のこの十年間に、ちょうど床面積、これ四倍に膨れ上がったというのがこの泉佐野の駅前の再開発の実態なんですよ。
 大臣、こんな計画が本当に成り立つと、そうお感じになりますか、大臣。
#184
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も申し上げますが、実情がよく、私はそれほど承知いたしておりませんので、しかしこれはちょうどバブルのときですね。バブルの発生する前からバブルの絶頂期、こういう計画になったんだろうと思いますけれども、それはその当時はそういう見込みがあったんでしょうけれども、状況が大きく変わったということじゃないでしょうかね。
#185
○宮本岳志君 これは、実はその後も膨れ上がって、関空開港の時点の構想では、構想という段階ですけれども、一番下に付けた、二十四階建て五つなど計九本のビルで四十四万四千平米というとてつもない計画にまで膨れ上がるんです。こんな計画は成り立つわけはないんです。
 大阪府下で過去一つの駅前に駅前再開発によって三十万平米以上の床が供給されたというのは、人口二百六十万人を超える大阪市の南北の玄関口、大阪駅前と天王寺駅前、この二つなんです。人口十万人にも満たない泉佐野にこんな計画が成り立つわけはないんですよ。結果は、今もこの場所には広大な空き地が残されております。これは一例なんです。泉佐野の財政破綻が空港関連事業にのめり込んだ結果であることはもはや明瞭です。
 これ以外にも、泉佐野コスモポリスの破綻処理に十三億八千万。最近も、大阪府と共同出資している第三セクター泉佐野ウォーターフロントが破綻して民事再生法の適用を申請いたしました。
 これらは、この間、国と府が一体になって振りまいてきた、関空ができればすべてはうまくいく、こういう幻想がこういう結果を招いたのではないのかと、私は率直にそう思うんですけれども、大臣、それはそういうふうにお受け止めになりませんか。
#186
○国務大臣(片山虎之助君) 幻想だけではないんでしょうけれどもね。それは、それなりの手続を踏み、議論してこういう事業をやってきたと思いますけれども、状況が大幅に違って見込みが相当狂ったと、こういうことではないでしょうか。
#187
○宮本岳志君 私は、これ、国がこのことにやっぱり責任の一端を持っているということはもう明瞭だと思うんです。この泉佐野の事業だって、国や府があおってきたという事実は動かし難いんですよ。
 もちろん、泉佐野市の責任はありますよ。市議会では、我が党はこういうやり方に一貫して反対してきましたけれども、しかし、正に大阪ではオール与党というような状況で、すべてを関空に懸けるような事業を進めてきたんです。また、本来必要性のある事業についても全く身の丈に合わないような規模に膨れ上がらせてきたんです。しかし、国の責任も免れないことも明瞭です。
 ここに私持ってきたのは、関西国際空港関係閣僚会議が昭和六十年十二月十日に決定した関西国際空港関連施設整備大綱です。
 これは、今日は国土交通省に来ていただいていますけれども、この国が決定した整備大綱の五、「市街地開発」には何と書いてありますか。
#188
○政府参考人(榎本晶夫君) ただいま御質問の関西国際空港関連施設整備大綱でございますが、関西国際空港の機能を十分に発揮させるため、空港の立地に伴いまして必要になります関連施設を空港施設の進捗状況に対応して計画的に整備すべく取りまとめたものでございまして、当時の関西国際空港関係閣僚会議で決定をされております。
 この大綱の第五、「市街地開発」には、「空港へのアクセス交通の円滑を図るため、大阪市湊町工区、和歌山県和歌山東地区の土地区画整理及び大阪府泉佐野駅上地区の市街地再開発を進める。」とされております。
#189
○宮本岳志君 ここにちゃんと泉佐野の駅上地区の市街地開発を進めると定めて進めてきているわけですよ。昭和六十年というのは、つまり八五年、私の配付した資料のBの年表を見てもらえば、八五年に駅上東地区の準備組合が結成されて具体的に動き出していると。ちゃんと国で決めて進めてきた事業なんですよ。
 だから、こういうことを国もやっぱりかかわって進めてきたということは、これは認めざるを得ないと思うんですが、大臣、これはお認めになっていただけますね。
#190
○国務大臣(片山虎之助君) それはかかわってきたんでしょうね、かかわってきたことは。
#191
○宮本岳志君 たったそれだけですか。
#192
○国務大臣(片山虎之助君) そうですよ。
#193
○宮本岳志君 しかし、その責任の一端はあるということはお認めになりますか。
#194
○国務大臣(片山虎之助君) 最終的には、事業をやるかというのはそれぞれの事業主体が自分の選択と判断で決めるんで、それは恐らく市なりこの組合なりですか、再開発組合か何か知りませんが、そこでは議論をしてそれなりのお考えで決めてきたと思いますよ。
 だから、それはもちろん関係がないとは言えません。かかわり合ったという意味では国や府もありますけれども、しかし最終の責任はそれぞれの当事者だと。そうでなきゃ、地方自治だとか自立だとか自己責任なんというのはなくなっちゃう、みんな人のせいだということでは。決める人の責任ですよ。
#195
○宮本岳志君 それは、実際に泉佐野の今現状というのは冒頭述べたような深刻な事態なんですから、それに対してやはりその責任が問われるということを私は指摘しているわけですよ。
 ちょっと議論の切り口変えますが、国との太いパイプ論というのがございます。
 与党議員の皆さんは、地方選挙、特に首長選挙でよくそういうことをおっしゃいます。この泉佐野市というのは、私が住んでいる岸和田市などとは違って、正にそういう方がおっしゃる国との太いパイプにずっと結ばれてきた自治体であります。国の言うとおりに関空事業に協力をしてきました。その結果がこの事態なんです。そして、大阪府も今ではこの国との太いパイプでやっておられます。関空事業は国との太いパイプの下に進めてきたのではないのかと。
 そして、そのパイプは大阪に、泉佐野に何をもたらしたかといえば、大阪府も財政破綻ですよ、泉佐野市も財政破綻ですよ。どうですか、そういうことになっているということはお認めになられますか。
#196
○政府参考人(林省吾君) 大阪府なり泉佐野市を含めました周辺市町村、それぞれ将来計画を作られまして市街地の整備あるいは地域の発展のための各種の施策をやってこられたと思います。
 もちろん、当時は、例えば泉佐野市の場合、お聞きをしておりますと、市税収入、昭和六十一年度には九十五億円ぐらいでございましたが、平成十二年度には二百十六億円と約二倍に伸びると、こういう情勢下でのそれぞれ関係者の発展計画だったと思います。
 残念なことに、その後の経済情勢、大きな変動があり予期できぬような企業の動きもございまして、今日、大変厳しい財政状況になっていると私ども考えております。もちろん、関係者はそういう財政状況にかんがみまして行財政改革に熱心に今取り組んでおられるところでございまして、私どもそのような動きを地方財政措置等を通じまして御支援をしながら、いっときも早い健全化に向けての努力を促してまいりたいと、こう考えております。
#197
○宮本岳志君 ちょっと念のために、この問題にかかわって総務省に聞いておきたいことがあるんです。国との太いパイプなどが語られるときに、あたかも首長の政治的立場によって地方自治体に国からもたらされる交付税や補助金などに差があるかのような説明を耳にすることがございます。本当にそのようなことはあるんですか、総務省。
#198
○政府参考人(林省吾君) 国から地方団体に交付されます財政資金には様々なものがございます。そのすべてについてもちろん私お答えはできませんが、地方交付税について申し上げさせていただきますならば、その算定は地方交付税法及びこれに基づく総務省令等の定めるところによりまして財政需要等に基づき公平に行われているものでありまして、政治的な立場によって左右されるようなことはないと考えております。左右されることはございません。
 また、各種の国庫補助金等につきましては、直接所管しておりませんが、各省庁におきましては、地方団体からの申請、要望を踏まえて補助金等の趣旨、目的に照らして配分が行われているものと考えているところでございます。
#199
○宮本岳志君 それは当然のことだというふうに思います。
 では次に、それでは不幸にしてそういう破綻状況になったと。それでは少しは反省してかじを切り直しているかということをお伺いしたい。
 関西空港二期事業は依然として続けられております。財政破綻寸前の泉佐野市も大阪府も不思議なことにまだ二期事業の推進を国に陳情しているという有様もあります。そして、今正に審議されている平成十四年度の予算にもこの予算は組まれたままであります。平成十一年十月に国が公表した関西国際空港を活用した広域国際交流圏整備計画、そういうものも新たに作られています。もちろん内容は昭和六十年のものとは変わっておりますけれども、この中身を見ても、やっぱり依然として空港インパクトの活用という議論を繰り返しているわけですね。
 大臣、いつになったらこのかじを切り直して、やっぱり財政再建ということを第一に考えていくのかと。依然としてこういう方向では私は問題だと思うんですけれども、これは大臣、いかがですか。
#200
○国務大臣(片山虎之助君) それは、空港の近所だから空港を利用しない手はありませんよね。ただ、それは適正に見込んで適正に利用しないと。過度に幻想的なことはいけませんね。
 そういう意味では、お聞きしますと、市長さんもお替わりになったようだし、今相当、改革の努力、財政再建の努力をされているようですから、そういう意味では宮本委員言われるかじをかなり変えたんじゃないですか。
#201
○宮本岳志君 では、今進められようとしている財政再建策というのはどういうものか御存じですか。私、それも調べてきましたよ。学校給食の民間委託、保育所の民営化など、福祉、医療、教育の徹底した切捨て、そして幼稚園の保育料の値上げ、駐輪場の値上げ、手当たり次第の公共料金の値上げなんですよ。しかも、これもあなた方の指示の下にやっていることだと言わざるを得ません。
 昨年四月二十日付けの総務事務次官の財政運営通知には、「行政改革の推進」という項を起こして、事細かに通知しております。自治体職員の定員は数値目標を持って削り込め、民間委託を推進せよ、職員給与をもっと下げろ、地方公営企業の料金は受益者負担の適正な徴収を行えと、ずっと並んでおります。その一方で、投資的経費に係る地方単独事業については、前年比減額しているが、地方団体の予算における地方単独事業費の減額を想定したものでないことに留意されたい、必要な事業量の確保に積極的に取り組まれたいと。つまり、投資的経費に係る地方単独事業については減らしてくれるなという一文まで付いております。
 正に今、泉佐野市でやられようとしているのは、この通知で言われている方向でやられようとしているわけですよ。国との太いパイプというけれども、国との太いパイプの下で、財政再建というのは、つまり大規模開発温存、市民サービスの切捨てということではないんですか。
#202
○政府参考人(林省吾君) 現下の地方財政、それぞれの団体にとりまして大変厳しい状況にあると思います。したがいまして、バランス良くやっておられる団体は、当然この状況を踏まえまして、行革に熱心に取り組みながら、しかし元気がなくなっては困りますから、地域の実情に応じて地域の活性化を図るための施策も併せて行う、こういうかじ取りをやっておられる団体が大半だろうと思います。
 ただ、その中には財政が、御指摘の泉佐野市のように、大変厳しい状況にある団体もございます。経常収支比率が全国最上位というようなことからしましても財政の硬直化は相当進んでいるわけでありまして、そういう団体におかれましては、やはりそのうちの財政の再建を第一の重要課題として取り組んでいただく必要があるんだろうと思っております。
 また、財政の再建だけでは市民サービスに支障を来す場合もありますから、それを併せて、地域の活力を維持しながら住民サービスの低下を招かないような工夫もされながらやるわけでありまして、それぞれに当事者として市町村は御苦労をされながら再建と地域の振興に努力されているものと考えております。
#203
○宮本岳志君 実は、先日、ある会合でこの泉佐野市の市長とお会いをいたしました。我が党はこの市長の与党ではございません。しかし、実は市長は私の高校の先輩でございまして、面識はございます。市長は私に、国も府ももっと地方財政の窮状を理解してほしいと率直に語っておられました。
 もちろん、一方で泉佐野市の新年度予算案を見せていただいても、一般会計で投資的事業である普通建設事業費が補助事業と単独事業を合わせれば前年度比で約三・三倍、三十億円に達していると、これまた理解し難い。そして同時に、先ほどの事務次官通知のとおりになっているという面もあるわけですね。しかし、これらが国家プロジェクトを進めるんだといううたい文句で、やはりこの地域で関空のインパクトを町づくりに生かすというやり方で進められてきた財政困難であるということは間違いないと思うんですよ。
 私は、そういう点で国の責任というのはしっかりと受け止めてもらわなきゃならないし、こういう自治体の財政状況について市民サービスを切り捨てることなくしっかり財政再建の道を付けていく、これはやっぱり国の責任でもあり総務省の責任でもあると思うんですが、大臣に最後にその決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。いかがですか。
#204
○国務大臣(片山虎之助君) 今、財政再建のためのいろんな努力をやっているんですよ、泉佐野市は。これは国も地方も皆やっているんですよ、今、日本じゅうが。そういう中で、私は、泉佐野は今までの経緯もあるからもっとやってもらう。それは必要だし、そういう努力については市民が決めるんですよ、最終的には。公共料金を上げるのはけしからぬ、民営化はけしからぬ、委託はけしからぬと、それは市民が決めるんですよ。それは市民が選んだ市長さんがそういう方針を出して、市議会が認めて、市民が支持してやっているので、それは今後とも自主的なそういう判断の下に大いなる財政再建をやっていただきたい、こういうふうに思っております。
#205
○宮本岳志君 ここの案は市議会でも否決をされたということを申し上げて、質問を終わります。
#206
○松岡滿壽男君 小泉総理はいつも中央から地方へということ、それから官から民へ、すなわち、地方でできることは地方でやってもらおう、そして民間でできるものは民間にやってもらおうと、こういう方向性については私は間違ってないというふうに思うわけですし、本委員会でも、そういう面から見て中央と地方との役割をどうしていくのかという点での議論がずっと続いておるわけであります。
 今朝ほども、道州制の問題につきましては、自民党の岩城さんの方から私が言おうと思っておった内容を全部言っていただきましたので、今日はその話は省かせていただいて。要するに、民でできることは民へ、官から民へということは、一つには官のやっている仕事というものは非常に硬直的で、一種の、そういうずっとDNAを持ち続けてきている。そこに民間の経営方法といいましょうか、そういう感覚を導入していくことが必要だということであろうと思うんですけれども、最近はいわゆるニュー・パブリック・マネジメント、地方公共団体へこのNPMを導入しようということでいろんな試みがあるわけであります。特に、福岡市辺りはDNA二〇〇二計画。これは聞いてみますると、市役所の遺伝子を変えようと、DNAを、ということで、Dはできる、Nは納得のできる仕事をしよう、Aは遊び心を忘れずにと、今までの固いイメージを、役所の持っている、変えていこうという発想でやっているわけですね。
 私の地元の山口県でも、宇部市の土地開発公社経営健全化計画とか、宇部、防府市の緑の基本計画があるわけでありまして、経済財政諮問会議の骨太方針の中でニュー・パブリック・マネジメントの重要性を認めて、総務省としても昨年十月には地方行政NPM研究会を発足させて、民間の経営理念とか手法の公的部門への導入を検討しているようでありますけれども、どのぐらいの自治体がこれを取り入れているのか、どの程度これが進んでいるのか、それをまずお答えをいただきたいというふうに思いますが。
#207
○政府参考人(板倉敏和君) 我が国の行財政を取り巻く環境は国、地方ともに極めて厳しい状況にございまして、地方分権や住民ニーズの高度化、多様化などに適切に対応するために、地方公共団体におきましては徹底した行政改革に取り組むことが期待をされておるところでございます。
 各地方公共団体におきましては、これまでも行財政改革の推進のために事務事業の見直し、組織、機構の簡素効率化、地方公社、第三セクターの経営健全化、定員管理、給与の適正化等に努めますとともに、多くの団体におきましては、既にバランスシートや行政評価システム、あるいはPFIやパブリックコメントなどといいました手法の導入を図っているというふうに承知をいたしております。
 総務省としましては、このような自主的かつ主体的な行財政改革を一層推進するとともに、住民の理解と協力の下に一層の行政の改革の取組が不可欠であるとの認識に基づきまして、昨年十月から有識者並びに地方公共団体及び民間企業の実務担当者などから成ります地方行政NPM導入研究会というものを設置をいたしまして、新しい行政手法の在り方について調査研究を進めていると、そういう状況でございます。
#208
○松岡滿壽男君 先ほども経常収支比率の話が出ました。全国平均八四%。泉佐野市の例が出たわけですけれども。こういう自治体によっては、とにかく職員の給与だけ、も入らないというような、税収として、そういう状況が続いているわけですが、欧米のその実例を見ると、NPMの導入では、むしろそういう財政環境が悪化している自治体がそういうものを積極的に取り入れている。日本の場合は、逆に非常に自立できる健全なところが主体性を持ってこのNPMを取り入れているという調査結果が出ているようであります。
 改革が必要とされている都市ではこの取組が遅れていて、それで自立できるところはそれをやっていると、逆に、改革をしているということは、これは自治省としてはどのようにこの問題を受け止めておられるんでしょうか。また、指導されようとしているんでしょうか。
#209
○政府参考人(板倉敏和君) 個々の地方公共団体での取組を私どもで詳細に把握しているわけではございませんけれども、各地方公共団体におきましては、極めて厳しい地方財政の状況を踏まえまして、行財政システムの簡素効率化ですとか行財政運営の透明性の確保を始めとして、徹底した行財政改革に取り組んでいるというふうに私どもとしては考えております。
 しかしながら、より一層の取組が求められるところでございまして、総務省といたしましても、先ほどの研究会等を通じまして先進的な事例の調査等を行いまして、各地方公共団体の取組を一層支援をしてまいりたいと、このように存じております。
#210
○松岡滿壽男君 日本の自治体は、NPM手法の導入に当たって事務事業評価から始まるケースが非常に多いようでありますが、貸借対照表の作成は約六割の自治体で行っているようですけれども、今後一、二年でほとんどの市に普及するというような動きになっておるようです。
 しかし、現状は財政の情報公開や財源と資産の関係を示すものにとどまっていまして、行政経営には生かされていないというのが実情だろうと思うんですね。今後、行政コストの算定の在り方、コスト削減を目指すような地方交付税制度の改革の必要性、それから予算、決算制度の見直しですね、これも絶対必要なことだというふうに思うんですけれども、民間の経営を導入していく場合にはこれはもう避けて通れない問題だと思うんですけれども、行政とNPMとの共同型経営への発展などが検討が必要だというふうに思います。
 行政サービスの成果を重視し、成果を中心に予算配分や行政活動を組み立て、行政活動の努力の過程を住民に分かりやすく提示していくと、このような成果志向といいましょうか、住民志向の行政システムの構築が必要というふうに考えられるわけでありますけれども、この点について総務大臣のお考えを伺いたいというふうに思いますが。
#211
○国務大臣(片山虎之助君) 松岡委員言われるように、私も成果を志向した住民中心の行政システムの構築は必要だと思います。国の方は、御承知のようにこの四月から政策評価が本格的施行になります。これを予算や組織定数管理につなげたいと、こういうふうに思っておりまして、これは評価もやるわけですから、事前と途中と事後の業績評価を。それを全部つなげていくと、こういうことですから、これは地方団体も相当なところがもう既に導入しておりますから、是非これもやってもらいたいと、こう思っておりますし、それから情報公開が行政機関だけではなくて、我々は独立行政法人や特殊法人も情報公開始めようと、こういうことでございまして、そういうものもうまく活用しながら、やっぱり委員が言われるような住民志向の、住民中心の行財政のシステムを作っていくということが今後必要ではなかろうかと。既に幾つかの団体では、言葉は違いますよ、やり方も違いますけれども、似たような発想、目的でいろいろな検討をしているようですから、いいそういう例ができれば、これ全国に広めていきたいと、こういうふうに思っております。
#212
○松岡滿壽男君 福岡市がいみじくもDNA二〇〇二ですか、それは木庭さんの方がよく御存じでしょうけれども、その辺は。何しろ役所のDNAというのがもう連綿として続いているわけですから、これの意識改革というのはそれはそう簡単にできることじゃないと思うんですね。民間のDNAと役所のDNAは物すごい違いますから、これ。だから、それは相当な指導をされたりしていかないと、これはそう簡単に私いかないと思うんですね。
 日本というのは、ある面では、よくゆでガエル現象ということを言われているけれども、ぬるま湯に入っていると気持ちがいいからじっとしているうちに、はっと気が付いたらもうゆでガエルで死んでしまっている。だから、熱い湯にぽんと入れちゃうと飛び出してくる、逆に。そういう土壌があるわけですから、是非ひとつ大臣また総務省、この辺は頑張っていただきたいとお願いをいたしておきたいというふうに思うんです。
 それからもう一つ、先ほど来また地方公営企業の問題も随分先行議員から出ておりました。十四年度予算において地方債務残高が百九十五兆円と予想されるわけでありまして、地方自治体の償還は大変厳しいものになってくるわけです。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 財政基盤の強化を含めた市町村合併も方向性は出ているわけですけれども、なかなか難しいのが状況でありまして、そういう点では意識改革より私は制度とかシステムを思い切って変えると、あるいは道州制の導入とか、その方が私は早いと思うんですけれども、なかなかそうもいかない。多少これは時間が掛かるんだろうと思うんですよ。
 それで、実際に合併の段階でも、自治体が抱えている地方公営企業が足を引っ張っている部分が、実は合併の、問題があるわけですよ。国民生活の基本的インフラとサービス提供を担ってきた地方公営企業が、我が国の社会の社会的成熟に伴って非常にその基盤も非常に危うくなってきている。ここはやはり、そういう時代に合わせて抜本的な改革を避けて通れぬところにもう来ているんじゃないかというふうに思うんですね。
 昨年九月の改革工程表では、平成十四年三月までの措置として、「地方公営企業への民間的経営手法の導入について、地方公共団体の取組みを要請する。」とされておるわけですけれども、要請に対して、これ、その後どの程度そういう問題についての作業が進んでいるのか、その状況についてお聞きをいたしたいというふうに思います。
#213
○政府参考人(林省吾君) 改革工程表で述べられております地方公共団体の取組要請についてでありますが、私どもにおきましては、本年の一月に、まず財政課長名で各団体に通知をさせていただき、あるいはその後もいろいろな機会をとらまえまして地方公共団体に経営健全化のための取組を要請いたしているところでありますが、その中でのキーワードは民間的経営手法の導入ということにしているわけでございます。
 具体的に民間的経営手法の導入ということで地方団体に今機会をとらまえまして助言をしているものといたしましては、例えばアウトソーシング、外部委託であるとか、あるいはPFI等の有効活用を通じた市場競争原理の徹底、あるいはその業績評価手法を活用した業績主義の徹底であるとか、あるいは経営情報を積極的に開示する企業経営の透明化であるとか、さらには、資産をもっと有効に活用していただきたい、それにより収益性向上のための取組を推進していただきたいと、こういうようなことをお願いをいたしているところでございます。
 地方団体における具体的な取組状況、詳細な把握をいたしているわけではありませんが、こういう私どもからの助言も受けまして、地方団体におきましては様々な工夫を凝らして取り組んでいただいているものと承知をいたしておりますし、幾つかの事例もお聞きをいたしているところであります。アウトソーシングの導入事例であるとか、あるいは、特に最近はPFIにつきましては、水道事業の分野でPFIを取り入れるとか、あるいは病院事業においても取り入れるとか、そのような取組が盛んになっているものとお聞きをいたしております。
 いずれにいたしましても、地方公営企業はこれらの民間的な経営手法の導入を通じまして一層の自立性を強化しながら経営の活性化を図る必要があると、こういうふうに考えておりまして、今後、これらの趣旨を踏まえまして、私どもとしても本格的な取組を地方団体に要請してまいりたいと考えております。
#214
○松岡滿壽男君 本年一月二十一日付の日経新聞の自治体調査では、調査した五百八十九自治体の水道、下水道、病院、交通の公営企業で二〇〇一年度収支見通しは全事業の三割が赤字と、これ、前年より四%増加しているわけですね。全自治体では四割の公営企業が赤字と言われているわけです。水道が二一・七%、赤字の比率がですね、下水道が一七・一%、病院に至っては五一・四%、交通が六四%。このアンケートで三百十八自治体が回答した公営企業の債務残高は、全部で二十三兆円を超しているわけですよね。地方自治体の財政を大きく揺るがせかねないリスクになっているわけですよ。市町村合併においても、現実に隣の町や市との水道料金の差というものが非常に、格差が障害になっている場合も非常にあるわけで、これの調整も必要だと思うんです。
 それで、総務省の方としては、これ、全体的に見て、例えば、私も昔市長時代に自治体病院開設協議会の全国の副会長をやったことがあるんですが、毎年、例えば病院については、最近では何か六千三百億円、おととしですか、一般会計から持っていって、それでも一兆三千億の赤字、累積赤字だということでありますが、これなんかは、こういう点で地方公営企業の改革について総務省としてはどのように考えておられるのか。
 それと、あわせて、さっきパーセンテージだけで触れたんですが、それぞれ水道事業、下水道事業、病院事業、交通事業の収支の状況と累積の欠損の額を把握しておられましたら、お教えもいただきたいというふうに思います。
#215
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。
 先に、御質問ございました各会計の決算、累積損失額につきましてお答えを申し上げます。
 水道事業は、事業数三千六百六十一団体でございまして、収支は一千六百四十八億円の黒字となっております。法適用事業数はそのうちの二千二十五事業でありますが、その累積欠損額は一千百一億円となっております。
 下水道事業は、事業数四千六百六十九事業でございまして、収支は六百四億円の黒字となっております。法適用事業百三十事業の累積欠損金の額は二千十二億円となっております。
 病院事業はすべてが法適用事業でありますが、事業数は七百五十七事業、収支は六百四十四億円の赤字、累積欠損金の額は一兆三千二百一億円となっております。
 交通事業は、事業数が百二十五事業、収支は二千三百十億円の赤字となっておりまして、法適用事業七十五事業の累積欠損金の額は二兆五千七百四十八億円となっております。
 このように大変公営企業を取り巻く状況は厳しく、関係者の健全化の努力が強く要請されているところでありますが、我が国の経済社会の状況あるいはその中での構造改革の進展という動きもございます。こういう地方公営企業を取り巻く環境が大きく変化している中で、やはり地方公営企業は、本来の使命にかんがみまして、経営改善等に積極的に取り組みながら、地域における住民サービスの提供に貢献してまいらなければならないと、こういうふうに考えておりまして、具体的には、経営が悪化している事業につきましては、個々具体にその原因を踏まえた本格的な経営健全化対策に取り組んでいただきたいということをお願いをいたしておりますし、今後とも強くお願いをしてまいります。
 それら各事業に共通の課題といたしましては、やはり中長期的な経営計画の策定をする、住民に分かりやすい情報を公表する、あるいは業績評価手法を導入する、こういう民間的な経営手法を強く取り込んだ経営健全計画を基に公営企業の経営に当たっていただきたいと、こう考えております。
 総務省といたしましても、今後とも、これらの地方公営企業の改革を支援する立場からいろいろと御相談に乗りながら、私どもとして応援できるものは地方財政措置を通じてまた応援もしていく。基本は、社会情勢の変化に対応でき、民間企業に負けない地方公営企業になるような努力をしていただきたいと、こう考えているところでございます。
#216
○松岡滿壽男君 これ、局長、その病院事業の一兆三千二百一億円の累積赤字、それから交通事業の二兆五千七百四十八億円ですか、もう大変な金額ですよね。いろいろ分析はしておられると思うんですけれども、どうしてこういう状況になっているのか、分かりやすくひとつ御説明いただけませんか。
#217
○政府参考人(林省吾君) いろいろな要因があろうかと思いますが、基本的にこの累積赤字は、毎年度の財政収支の赤字が繰り延べられ、また建設投資の償還額が累積の負担として残っている結果になっているわけであります。
 これを一挙に回復するというのはなかなか難しいところがあるわけでございますが、私どもとしては、毎年毎年度の病院経営について、まず経営的な手法を導入していただきたいと。単に医療サービスを提供するだけの病院ではなくて、経営的な手法を導入しながらやっていただくことによりまして効果がはっきりと現れている病院が数多く出ております。
 地域における医療需要がだんだん大きくなってきておりまして、その要請にこたえるために、特に公的な病院の場合は、不採算部門について対応するとか、あるいは民間病院で対応してなかなかいただけないような高度医療に対応するとかということで、民間病院に比べますと、なかなか経営的に難しい点があるわけであります。
 しかし、そればっかしを言ってもおられませんので、そういう経営的手法によっては、なかなか改善の難しい分野につきましては、繰り出し基準のような形で公的な支援も考えながら、その他の分につきましては民間病院に負けないような経営的な努力をしていただく必要があると、こういうふうに考えながら御指導いたしております。
 最近は、累積赤字も、先ほど申し上げました単年度の収支も、前年度に比べますと少し少なくなってきていると、こういうような経営努力も見られるところでございますので、経営健全化に実績を上げられております事例等も各病院に紹介しながら健全化に当たっていただきたいと、こういうふうに考えております。
 交通事業につきましても、大きな累積赤字があるわけでございますが、これは過去におきます状況と今日の状況を比べますと、なかなか民間参入との比較におきまして、経営体質の問題もありますし、また公営の交通でありますから、民間の交通事業はなかなか出てこられない地域、条件不利地域のようなところでも公共的な責任を果たす意味で経営を続けていかなければならないと、こういうような要因もございます。また、もちろん交通事業内部の職員の体制であるとか、いろいろ事業者自身が努力をして解決しなければならない問題もありますが、総じて、そういうような問題が積み重なって今日の累積赤字になっているんだろうと思います。
 そういう状況を踏まえまして、これから交通事業につきましては、今後とも事業を続けていくのかどうかというようなことにつきましても真剣な検討が必要とされる時期になっております。交通事業の規制緩和の中で、将来の経営計画も踏まえながら、そういう判断を含めて経営健全化に取り組んでいただきたいとお願いをいたしているところでございます。
#218
○松岡滿壽男君 公的事業がある面ではしょい込んでいる宿命的な部分がやはりこれあることはよく分かるんですけれども、こういう時代が大きく変わってきて、いろんな面でスリムで効率的な仕組みに変えていかなきゃいかぬという段階に来ておるわけでありますから、公営企業が当初からそういう民間が参入しにくい分野を分担してきたという歴史的な使命はこれはあったというふうに思うんですけれども、いろんな面でまだ、今、局長が答弁されたように、民間手法の導入とか自助努力が足りない部分もまだ見られるわけですね。
 経営改善が困難であれば、PFIのように民間の活力に思い切って変えていくという方向も考えられるわけですが、ただ、効率ばっかりまた追っ掛けていくと公益性や安全性を維持することが非常に難しくなってくる、そういう矛盾も抱えているわけですけれども、自助努力にせよ、民間にゆだねるにしても、事業は公正で合理的に執行される環境を整えて、監視するためには官の役割がある面では非常に重要だろうというふうに、監督する方の、この辺は大臣、どのようにお考えになっておられるでしょうか。
#219
○政府参考人(林省吾君) ちょっと私の方から、公営企業の私自身本来的な機能と考えているものにつきまして御答弁を先にさせていただきますが、公営企業は企業でございますから、常に企業の経済性を追求し、経済性を発揮しなければならない性格を持っておりますが、同時に、本来の目的は地域における公共のサービスを提供をするという任務も持っているわけでございまして、この両者を兼ね合いながら経営をしていかなければならない責任を持っている企業体であると思っております。
 最近、私ども、民間的な経営手法であるとか、あるいは民間企業に負けない公営企業になってほしいと、こういうことで健全化をお願いをいたしておりますが、しかし、その中でも、御指摘をいただきましたように、やはり公共的な性格についても十分認識をしておく必要があるわけでありまして、効率性の追求のみに陥ることなく、地域住民のために公正かつ安定的なサービスを合理的な経費で供給していく使命をおろそかにしてはならないと、こういうふうに考えております。
#220
○松岡滿壽男君 次に、地方公営競技ですね、ギャンブルの状況、お伺いしたいと思うんですけれども、最近、大分県の中津市や新潟県が競馬をやめるということにしたり、北九州市でも門司競輪をやめて小倉競輪に一元化するなど、もう公営企業、公営ギャンブルの厳しい経営状態を耳にするわけです。レジャーも多様化して、景気も回復もままならぬというふうな状況の中で新しいファンを獲得するというのは非常に難しいというように思いますし、地方公営ギャンブルをめぐる環境というのは厳しいものがあるというふうに思います。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 地方公営ギャンブルには、競艇それから競輪、地方競馬、オートレースがあるわけですけれども、その売上げや収益の落ち込みがかなり大きくなってきているんじゃないかと思うんですけれども、最近の状況をちょっとお伺いしたいというふうに思います。
#221
○政府参考人(林省吾君) 地方公営競技につきましては、近年、売上げや収益が減少いたしておることは御指摘のとおりでございます。公営競技全体では、売上額がピークでありましたのは平成、最近では三年度でありますが、五兆五千四百四十二億円ございましたが、近時点の平成十二年度におきましては三兆三千七百二十九億円と、およそ六一%程度に減少いたしております。
 収益につきましても、平成三年度は三千二百七十一億円の黒字でございましたが、平成十二年度には二百八十八億円の赤字に転換いたしております。
 また、地方公営競技は本来その収益の一部を普通会計に繰り入れるということを目的にして経営されてきたものでありますが、近年は収益の悪化から逆に普通会計からの繰入れを行っている団体が出てきておりまして、その額は平成十二年度には四十二億円となっております。
 競技ごとにもちょっと御指摘ございましたので簡単に状況を御報告申し上げますが、競輪につきましては、売上げは平成十二年度には一兆二千四百一億円と、平成三年度時点から見ますと六四%程度に減少いたしております。収益も四十億円の赤字となっている状況にございます。
 競艇は、売上げが一兆三千八百九十六億円と、平成三年度当時の六二%程度に減少いたしておりますが、収益は黒字のままでございまして、平成三年度は千六百五十八億円ぐらいありましたが、減少はいたしておりますものの、百三十三億円の黒字となっております。
 地方競馬が売上げが平成三年度に比べますと五六%程度減少いたしておりまして、収益につきましても、平成三年度二百三十億円の黒字であったものが平成十二年度では三百七十六億円の赤字となってございます。
 オートレースにつきましては、売上げは一千八百六十億円となっておりまして、収益は五億円の赤字となっている状況でございます。
#222
○松岡滿壽男君 大臣、今の御報告のように、これ地方、特に地方のギャンブルが良くないんですよね、大都市はいいんだけれども。これを整理するというのはまた大変です、それぞれの地域の雇用につながっているわけですから。
 今後どういうふうにこの公営ギャンブルに対応されるのか。民間の経営手法というものをやはりきちっと導入していくということが大事なんだけれども、そうなってくるとやはり合理化をしなきゃいかぬと。非常にその辺難しいところを皆抱えているわけですが、この問題について大臣としてどのように考えておられるのか、最後にお考えを伺って、私の質問を終わりたいというふうに思います。
#223
○国務大臣(片山虎之助君) 軒並みにかつての五割から六割ですからね。地方の公営ギャンブルを取り巻く環境というのは大変厳しいと思いますね。
 そこで、今、委員も言われるように、できるだけ自助努力でカバーできるところはカバーしていかなきゃならない。民間的な手法、考え方もできるだけ入れていくと。また、いろんな工夫をする、ファンサービスの、というようなことも考えなければなりませんけれども、抜本的に将来を見て、やっぱりどうにもならないものはしかるべきときにはしかるべく考えるということも必要かもしれないと、こういう気がしております。
 この国会にも自動車、自転車の、オートレースを含む競技法の改正案が提出されておりまして、現在審議中でありますが、交付金の支払猶予制度の導入を、経済産業省は余り乗り気じゃなかったんですけれども、開催団体の強い要請に押されまして、そういうことも改正をすると、こういうことになっておりますが、関係、それぞれ監督官庁ありますから、監督官庁ともよく相談をしながら、各団体においてどうするのか、まず自助努力、経営改善のいろんな工夫と、こういうことでございますけれども、各団体ともよく意向を聞いて我々としても適切な対応をいたしたい、こういうふうに思っております。
#224
○松岡滿壽男君 終わります。
    ─────────────
#225
○委員長(田村公平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
    ─────────────
#226
○平野貞夫君 国会改革連絡会の平野でございます。
 今日は渡辺秀央先生が質疑をする予定でございましたんですが、ピンチヒッターとして参りました。国会改革連絡会というのは、御承知のように、無所属の会と、それから自由党の人たちによって構成されておりまして、議題になっております二つの法案についてもしかしたら態度が異なるかも分からぬということで、これは新しいやっぱり参議院の在り方だと思いますが、時間の範囲でその立場から、私は反対の立場から質問させていただきたいと思います。
 この部屋は参議院の憲法調査会を開く部屋でございまして、先般、大臣、ここで地方自治の在り方という公聴会をやったのでございます。大変、経験者や学者や、いい会合だったんですが、何といいましても自治行政の経験者でもあり権威者でもある大臣に、現在の憲法の地方自治の章についてどのような印象を持たれているか、あるいはどういうところを整備しなきゃだめかという御意見を持っているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#227
○国務大臣(片山虎之助君) 今の憲法は、明治憲法下と違いまして、第八章というのを設けて地方自治を規定しておりますね。これはやっぱり、明治憲法下では単なる法律上の担保制度であったものが憲法が保障する制度に大変私は格上げになったと、国の基本的なこれは制度だと、こういう位置付けになったことは大変望ましいと、こういうふうに思っております。
 そこで、憲法の九十二条でございますが、地方自治の本旨に基づいて定めると。この地方自治の本旨というのが何だというのは昔からの大議論でございまして、結局は、今の通説は、これは団体自治と住民自治の二つの側面における地方自治を保障することだと。団体自治と住民自治。団体自治というのは、一つの団体としての意思決定ができて、行動ができて、責任を取るようなことだと。住民自治というのは、その執行機関や議決機関を住民が直接公選で選ぶと。こういうことでございまして、あるいは江戸幕藩体制における藩だとか戦前の県は、団体自治はありましたけれども、それなりに、住民自治はなかったと、こういうことだと思いますが、今は住民自治ができている、住民自治も併せ備えていると。
 それじゃ、今の地方自治制度で百点かというと、これはいろんな議論が私はあると思いますね。そこで、地方分権じゃなくて地方主権だということも出るような、そういう考え方もあるわけでありますが、統治権は国から来ていると、そういう意味では分権なんですけれども、気持ちは地方主権で、地方中心のやっぱりこれからの我が国は内政の構造にしていく、こういうことが必要でございまして、そういう意味では憲法の規定もいろいろあるいはこれから考えていく必要があるのかもしれませんし、それから今の代表制民主主義と直接民主主義、間接と直接のこの組合せも地方自治の場合にどういう組合せでいくのか、こういうこともこれから私議論の対象になるんではなかろうかと思っております。
#228
○平野貞夫君 またいずれ大臣とこの憲法の地方自治の在り方については議論できる機会があると思いますので、分かりました。
 大臣、素人っぽい質問をして誠に恐縮ですが、現在の地方自治体の財政状況、交通信号で言うならば、青、黄、赤と三つあるんですが、どの部分に大臣はあると御認識でございますか。
#229
○国務大臣(片山虎之助君) 累積の赤字が百九十五兆ですからね。地方財政の規模が大体九十兆なんですよね。九十兆。百九十五兆と言えば二年分を超えているんですね。だから黄か。青じゃありません、とても。黄か赤かという段階で、赤と考える人があるいは多いのかもしれませんが、国はもう六百兆ですからね。五百八十何兆ですから、国は。だから、そういう意味では国の方が赤が強いのかなと、こう思いますけれども。いずれにしても、大変な危機的状況であることは国も地方も同じだと思っております。
#230
○平野貞夫君 大変率直なお話、分かりやすかったんですが、ならば、いかなる今後戦略と戦術をもってこれに対処していくべきか、大臣の御覚悟をひとつお聞きしたい。
#231
○国務大臣(片山虎之助君) これがなかなか大変なんですね。大変なんで、いろんなことをこの委員会でも申し上げているわけでありますが、基本的には今の低迷する景気を自律で経済発展できるような民間主導の経済構造に直していく、活性化していくということがあると思いますね。
 それから、国も地方も更なる歳出構造を見直して効率化、健全化を図っている、こういうこともあると思いますし、それから国と地方の関係では、やっぱり今の六対四をせめて五対五の歳入に直してもらうということがあるかもしれませんし、それから、これだけ国も地方も恒久的に、常時これだけの財源不足が出るんですね。国も出ますね、国債であれしなきゃいかぬ。地方も同じですね。こういうことになると、やっぱり行政サービスと負担の間の均衡が大幅に損なわれているんではないか、この辺をどう考えるかと。この議論を延長しますと増税かと、こういうことになりますから、なかなか直ちに増税という議論になりませんけれども、サービスと負担のバランスということについて国民みんなで考えていく必要があるんではなかろうかと、こういうふうに思っております。
#232
○平野貞夫君 もっともなお話なんですが、これはもういっときも許さない非常事態だと思います。
 という状況の中で、この議題となっている二つの法案、もう今年辺りから地方自治体の財政を大改革する、あるいは財源について大臣が御主張されるような配分を行うような体制をもう作らないかぬと思いますが、とてもこの内容ではそれに対応できないというのが私の意見でございますが、この今提出されている二つの法案でその抜本改革はできますか。
#233
○国務大臣(片山虎之助君) これは当面の、来年度の地方財政や地方税制の年度改正でございまして、抜本的なものではありません、それはもう御承知のとおり。我々が言うような本格的な構造改革といいますか、それはやっぱりこれから私は道筋を付けていかなければならない。そのために、例えば経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議や、そこで議論を始めていただいているわけでありまして、こういう景気の状況、財政環境ですから一遍にいきませんけれども、やっぱり議論を重ねて道筋を付けていくと、税源移譲なら税源移譲の、地方の税財政基盤の強化なら強化について、そういうふうに思っておりまして、この二法をもって直ちに我々が日ごろ言うようなものの対策とは考えておりません。
#234
○平野貞夫君 大臣が森内閣のときですか、昨年、一昨年ですか、要するに平成十四年度から地方交付特別会計の民間借入れはやめるということで御決断され、これ私はやっぱり改革の一つの方向だと思いますが、ところが、この法律といいますか、この国会の問題では国の財源不足という、そういう理由で借入れ残しましたですね。これ何回も参議院の本会議でも衆議院でも議論されておるところで、予算委員会でも議論されているところですが、こういうことでは地方財政運営が余りにも無原則、無節操、地方財政運営を犠牲にするやり方じゃないかと。せっかくの片山大臣の改革の御決断がここでは、小泉内閣では殺されているというふうに思うんですが、大臣いかが。
#235
○国務大臣(片山虎之助君) 当委員会でも答弁させていただいておりますが、平成十三年度の予算折衝で地方財政を決めますときに、当時の森内閣時代ですね、宮澤大蔵大臣と私の方で合意しまして、二か年で交付税特別会計の借入れはやめると。借入れはほとんど財投なんですよ、民間じゃなくて財投。財政投融資の借入れはやめると。財投がこれは十四年から廃止になりますし、十四年の四月から財政投融資制度が廃止になりますし、そういういろんなことを考えて決めましたが、これも御答弁申し上げているように、我々が思ったより穴が、財源不足の穴が大きいんですね。先ほど申し上げましたが、大体五兆から六兆ぐらいだと思っておりましたのが八兆を超えることになりまして、これを全部、特会借入れをやめて、国が一般会計で資金を作って加算する、入れると。それから、地方が、赤字地方債というのは三倍になりますので、これはもう大変きつい。国もきついんですよ、地方もきついと、こういう議論になりまして、それじゃ、一遍にというのを四分の一だけ残そうかと。四分の三は借入れを解消したんです。四分の一だけ借入れを残しまして、一年延ばして十五年度で解消しようと。そういう意味ではやや方針が変わったわけでありますが、方向としては同じですから、是非そこは御理解を賜りたいと。基本的には特会借入れはやめていくと、こういう方向でございます。
#236
○平野貞夫君 大臣の御苦労は分かるんですが、小泉総理は施政方針演説で、国と地方の役割や税財源配分の在り方の見直しに取り組むということを、あれ一月でしたか、言明しています。恐らく大臣も総理との間でいろいろやり取りがあったと思いますが、やっぱり小泉総理としては、私は非常に、小泉総理にはこの点については文句の言いたいところでございます。
 それから、問題はやっぱり国の財政の在り方から変えていかざるを得ないと思うんですが、私は、やっぱり国債発行の三十兆枠というのにとらわれているところに基本的な問題があると思っています。この不況、失業の時期に、ある程度の国債を出して仕事を作る、失業をなくするということは私は一番大事な問題だと思うんですが、そこの点、余りにも国債枠三十兆円、これにやっぱり小泉さんがとらわれているところにこの構造改革すらおかしくなるという原因があると思います。
 それと、国債等は別にしまして、例えば、昨年、衆議院の予算委員会で問題になったんですが、愛媛県の八幡浜の県のトンネル工事で、十九億で入札して、地元の建設会社が、それを若築に十三億で丸投げして、二千万ぐらい若築まだそれでも利益出しているという、こういう丸投げ、談合の体質というのは、地方が主体する工事でもかなりあると思います。
 私は、そういう意味で、全体の地方自治体のそういった言わば税金還流のシステム、これこそ真っ先に解体するといいますか、やめなきゃ駄目な問題で、こういうことを直していけばまだまだ十分工夫できる余地はあるんじゃないかという意見を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#237
○委員長(田村公平君) 答弁は結構ですか。
#238
○平野貞夫君 もしありましたら。
#239
○委員長(田村公平君) 片山総務大臣、じゃ、どうぞ、答弁。
#240
○国務大臣(片山虎之助君) 答弁ですか。
#241
○委員長(田村公平君) 答弁です。
#242
○国務大臣(片山虎之助君) 三十兆円につきましては、国債の、いろんな私議論があると思います。しかし、まあいかにも小泉さんらしいところですよね。財政秩序をこれで守ると、節度を守ると、こういうことでそれなりの大きなプラスもあると思いますけれども、なかなか難しさもありますね。そういうふうにひとつ御理解を賜りたいと思います。
 それから、今の税金還流システムは、私も全くそのとおりでございまして、今あちこちで、例えば知事さんや市長さんが逮捕されたりなんかしておりますね。地方の自浄システムをもう少し強化していくと、それから電子入札やそういう仕組みを入れていくということが必要ではないかと考えております。
#243
○又市征治君 社民党の又市です。
 二法案の締めくくりの質疑になりますので、大臣もお疲れでしょうけれども、締めくくり的、前向きにひとつ御答弁はあらかじめお願いを申し上げておきたいと思います。
 まず第一点目は、地方への税源移譲のスケジュールの問題についてお伺いをしてまいりますが、今回の地方税法改正は、株式譲渡益あるいは不動産取得税、特別土地保有税など資産課税関連の細々とした改正が盛り込まれておるわけですけれども、そのほとんどは資産のある人だとか企業の地方税を安くする改正案になっているというふうに思います。
 今、自治体にとって最も改善すべき税制というのは、私が過日この委員会で市町村長の地方分権、自治に関するアンケートの結果でも紹介をいたしましたけれども、国から地方への税源移譲にあると思います。このことは地方分権推進委員会も指摘をされておりますし、既に所得税プラス消費税の各一部との案も出されているわけですが、大臣もこの委員会で何度も、まずは国と地方の税源配分を当面五対五に努力すると、こう明言をされてまいりました。
 大臣の言われるこの五対五なりあるいは所得税等の一部地方移譲は今後どのようなスケジュールで取り組んでいかれようとしているのか、その決意を含めてお伺いをしたいと思います。
#244
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も御答弁させていただいておりますように、当面は国からの税源移譲などによって国税と地方税の比率を一対一にすると、その際には個人住民税や地方消費税など地域の偏在の少ないそういう税を充実していくと、こういうことを言っておりますが、具体的には、経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議で、ここで議論していくと。今まで、秋に政府税調、党税調が中心に、税制改革論議は秋ですよ。大体十月の終わりごろから始めて十二月までと、こういうことでございましたけれども、もう既に政府税調も経済財政諮問会議も、地方分権改革推進会議がちょっと遅れますけれども、いずれも税制改革の議論をスタートしておりまして、是非そういうことの中でこの税源移譲についても道筋を付けていきたいと、こういうふうに私は考えております。
#245
○又市征治君 こういう、大臣かなり前からそういう決意を申されておるわけですが、残念ながら、今お話がありましたようにこれについて遅れてきている、あるいは今日の景気動向が大きく変わってきたという、こんなこともあって地方自治体はいろいろと自衛策を講じているんだろうと思うんです。
 その一つが東京都の金融機関に関する法人事業税への外形標準課税の導入ということだったと思いますが、今日、午後の冒頭にもこのことが出ましたけれども、これに対しては銀行業界が提訴をし、本日、その地裁の判決が出されまして東京都が敗訴をすると、こういう結果でした。
 しかし、この東京都の問題提起は、単なる一団体の問題にとどまらずに、自主財源不足に悩むすべての自治体にとって、法に基づいて自前の税収増を図るというよりは、ここ数年の税収減の食い止めを図る貴重な提議だったんだろうと思うんです。
 政府による企業への恒久減税に今日まで取り組んでこられたその影響、こういうものに加えてここ数年の法人関係税、とりわけ法人二税の大幅な減収によって、これを基幹的な税目とする都道府県は大きな減収を被ってまいりました。その原因が法人の利益のみに着目をして課税をする現行の地方税法にあるんだろうと思います。このため、今日午前中も大臣からもお話がございましたけれども、実に約七割の法人が税法上は赤字として課税をほとんど免れているという、こういう実態にあるわけですから、こうした現実を勘案すれば、本来、国が法人事業税の課税標準を外形に求めて都道府県の税収を安定をさせるように地方税法を改正をすべきであったと思いますけれども、今日も残念ながら実現をしていません。
 そこで、大臣に、一つは、東京都の銀行へのこの外形課税条例の意義と判決への感想、二つ目には、外形課税への都道府県の要望はどのようなものになっているのか、三つ目に、それを受けての旧自治省から総務省が提唱してきた全産業にわたる法人事業税の外形標準課税の考え方を改めてまとめてお聞かせいただきたいと思います。
#246
○国務大臣(片山虎之助君) まず、東京都のいわゆる銀行税ですね、外形標準的課税ですけれども、これにつきましては、今、又市委員お話しのように、一審では事実上銀行の勝訴ですね。東京都の敗訴だと、こういうふうに思います。そういう意味で、東京都が問題提起した、外形標準課税というものを天下に知らしめた功績は私は大変あると思います。
 しかし、あれは極めて限られた銀行をねらい撃ちの税でございまして、外形標準課税の理念は広く薄くなんですよ。広く薄くみんなでと。ところが、あれは狭く狭く少なくと、こういうことでございまして、その点、政府としては閣議了解で慎重にやってくれということを言ったわけであります。それが当時の自治大臣、保利自治大臣と石原都知事が会談をしましたけれども物別れになりまして、もう後はそれでやったと。銀行側はそれに対して訴訟を起こしたと。こういうことでございまして、少し判決を丁寧に読んでみないといかぬと思いますけれども、結果としては一審はこうなりましたが、恐らく都の方は控訴されるでしょうし、これから更にそういう意味での議論は続いていくと、こう思いますし、我々はこういうことがないように、制度として外形標準課税を現実化して東京都の税もその中に吸収してしまいたいと、こういうふうに思っておりますので、判決そのもののコメントは、先ほど申し上げましたが差し控えさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
 そこで、外形標準課税についても、何度も申し上げておりますが、特に与党の税制協議会では来年度の導入を目途に行うと、こういうことを決めていただきましたし、経済財政諮問会議も、党の、党ではありません、政府の税調も、経済財政諮問会議の方は十五年を目途にでございまして、政府の税調の方は早期にでございますけれども、いずれも導入に賛成でございますので、来年度は是非これが現実に導入できるように努力してまいりたいと。
 その場合に、中身をどうするのかと。一番最初の案は、人件費課税で、リストラ課税で失業を招くという反対が強うございました。そこで、十四年度の税制改正で出した案は、資本を、資本金を中に入れると。付加価値だけじゃなくて資本金を入れると。元々半分は収益を残すんですから、残りの半分について付加価値だけじゃなくて資本金も入れると、こういう案を作りましたが、これについても賛否半ばいたしましたんで、来年度の、来年度ではありません、十五年度の税制改正については、本年度あるいは昨年度の議論も踏まえて、更に関係の皆さんが納得できるに近いような案を是非作って、関係方面の御了解も得ながら是非推進してまいりたいと、こういうふうに思っている次第であります。
#247
○又市征治君 それでは、この外形標準課税に反対意見も随分とあると。今日の銀行側の話もそうなんですが、反対をされる方々は、当然のこととして、税負担が増える企業側の方が反対意見を述べられているということなんですけれども、増えるといってみても、東京都の例でいいましても、東京都の考え方でいえば、不況前の平均的な課税の状態に戻るにすぎないという、こういうことだったんだと思いますけれども。
 課税標準を利益ではなく外形に求める以上は、好況、不況に影響されずにほぼ一定額の税を納めるということになるわけですけれども、この原理を判決は理解をしていないのか、あるいはまた銀行側、銀行業界はあえてこれを無視しているというのか、ちょっとここら辺のところはどういうふうにお考えなのか。ちょっと下げさせてくれということなのか。その点もう一つお聞きをしておきたいのと、併せて、反対をされる意見に、一つは中小企業の税負担が重くなるという意見と、それから今ほどもちょっとございましたが、外形標準の一項目に賃金を入れるということは、支払賃金の多い企業ほど事業税が高くなり、結果として企業が労働者の賃金を抑制することにつながるからという、こういう説もあるわけですけれども、総務省としては、当然これらへの反論というふうなことか、仕組みといいますか、そこらのところを提案をされておると思うわけですが、改めて税務局長、ここら辺のところを改めて御説明をいただきたいと思います。
#248
○政府参考人(瀧野欣彌君) まず、東京都の外形標準課税、銀行税等と言われている外形標準課税に対します内容についてのコメントでございますけれども、東京都の課税につきましてのコメントでございますけれども、まだ判決の内容につきまして精査しておりませんので、その内容がいかなる理由で東京都の方の実質的な敗訴になったのかということについてはコメントできるような状況にないということをまず申し上げておきたいと思います。
 私どもの方で提案しております外形標準課税につきまして、まず中小企業の負担が重くなるのではないかという点がございますが、これにつきましては、我々の方では大法人全体とそれから中小法人全体の税負担は変わらないような仕組みにしていこうという設計をしているところでまずございます。その上で、それぞれ経営基盤の脆弱な中小法人あるいは創業期のベンチャー企業というようなものについては、担税力に配慮いたしまして、例えば資本金一千万円未満の小規模の法人に対しましては年定額四万八千円を限度にするとか、あるいはベンチャー企業で草創期のものにつきましては最大六年間徴収猶予が受けられるような制度を創設するというような措置を講じることとしておるところでございます。
 また、賃金課税ではないかとか、あるいは労働者が多いところは不利になるのではないかというような議論もございます。こういったものについては、今回の案というものが付加価値というものを課税標準の中に入れているために、その中の構成要素として賃金があるためにこういう議論が出てくるわけでございますが、元々この付加価値というものにつきましては法人の生み出します広い意味での収益を全体として対象にしておるものでございまして、単純に給与そのものを課税対象にしておるわけでもございません。給与を削減いたしましても全体の付加価値額というのは変わらないということでございまして、そういう意味では中立的な性質を有する課税標準というふうに考えておるわけでございます。
 しかし、いろいろ御懸念もあるという中で、先ほど大臣の方からもお答えいたしましたとおり、更に案につきまして、資本割を入れることによりまして全体としての給与に対します課税標準全体の割合を落としていくというような工夫も加えて、御理解を得るよう努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
#249
○又市征治君 それなりに説得力のある説明だろうと思います。
 総務省としては、一歩後れたものの、先ほど来大臣からお答えいただいているように、十五年度の税制改正にこれを盛り込むというお答えでございました。しかし、これまで産業界の反対で何度も実現をしてこなかったということも現実でありまして、先ほど来の御答弁では、政府関係の経済財政諮問会議あるいは政府税調、分権推進会議、それぞれ条件はそういう格好で整いつつあるようですけれども、いずれにいたしましても、地方財政の安定化を図る立場として、是非ともこの十五年度からの外形課税の実現に向けた決意を改めてもう大臣からお願いをしたいと思います。
#250
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も申し上げますように、地方の税は応益でなきゃいかぬと、応益が中心だと、受益に応じて負担をしてもらうと、国の方は能力に応じて負担をしてもらうと、こういうことでございまして、そういう意味から言うと、法人事業税が法人税と同じ構造というのは、やっぱりこれは考え直した方がいいと思います。その方が広く薄く公平に負担していただくようになりますし、また安定するわけですね、ずっと、外形標準の方が。
 そういう意味で、是非これを推進いたしたいと思っておりますが、今までもなかなかこれがうまくいかないのは、経済団体や中小企業団体がやっぱり反対されると、こういうことでございまして、是非こういう関係のところの理解を得たいと。何度も申し上げますけれども、税収中立で、増税するわけじゃないんです、みんなで広く薄く負担してもらうと。したがって、今負担しているところは大体安くなるんです。
 そういう意味で、何度もそのことを御理解を賜るよう努力いたしたいと、こういうように思っておりますし、一番これで利益を受けるのは都道府県なんですね。だから、知事会や都道府県議長会にもう少し頑張っていただいて、少なくとも自分の県内、都道府県内の経済団体や中小企業団体には十分な理解をしてもらうような努力を私はしてもらいたいと、こういうこともお願いしておりますし、全部総務省に任したらどうにかなると、こういうことは地方自治じゃないんですよ。知事さんや議長さんが先頭に立ってやれと、こういうことをいつも知事会やなんかで言っておりまして、是非、委員の方からも強く御要請を賜りますようにお願い申し上げます。
#251
○又市征治君 さて、話を税源移譲のことにちょっと移したいと思いますが、総務省の出されておる資料によりますと、国の所得税から地方の個人住民税への移譲について、幾つかの条件を置いての話ですけれども、その移譲額を三兆円というふうに試算をされておるというふうに思います。
 これだけでは国と地方の税収比率は五対五までは行かないだろうと思いますが、そういう意味で改善は小さいような気がするわけですが、どのようになるのか、御説明をお願いしたいと思います。
#252
○政府参考人(瀧野欣彌君) 平成十一年度の決算ベースで見ますと、例えば三兆円の税源移譲を行った場合、国税と地方税の税収割合でございますが、国税につきましては、現行五八%程度から五五%へ低下いたしますが、地方税につきましては、現行四二から四五へ上昇するというような形になろうかと思います。
#253
○又市征治君 少ないながらもこれが実現すれば一歩前進であることは事実であります。しかし、次の問題は、地方トータルで三兆円入るとしても、税ですから、その取るべき税源が、つまり住民税であれば比較的お金持ちの住民が偏在をしているという、こういう現実もあるわけで、市町村によっては実際の課税対象者が少ないといいますか、いないので取れないという団体も出てくるんではないかという懸念があるわけですが、その点はどうですか。
#254
○政府参考人(瀧野欣彌君) 現在、個人住民税所得割の税率でございますが、道府県民税、市町村民税合わせまして課税所得金額が二百万円以下の場合には五%、それから二百万円超七百万円以下の部分については一〇%、七百万円を超えます部分につきましては一三%というように緩やかな累進構造となっているわけでございます。
 現在、一つの案として出ております三兆円の税源移譲の場合には、一律税率をこれを一〇%に持っていこうということでございますが、この場合、税源移譲としてオーダーが三兆円規模になると、こういうことでございます。その場合には、この七百万円超の部分は税率が一三%から一〇%に落ちるということになりますし、二百万円以下の部分につきましては五%の税率が一〇%に引き上げられると、こういうことになるわけでございます。
 で、現在の税制の下におきましては、大体納税者の六割程度はこの税率五%の所得区分のところにおるわけでございまして、その部分のところが税率が引き上げられるということでございますので、全般的な考えといたしましては、所得水準の高い地域よりも所得水準の低い、税源の少ない地域の方が、これまでの税収と比較して一定の増収効果が生じるのではないかというふうに考えております。
#255
○又市征治君 はい、分かりました。
 それでも、これ大臣にお尋ねしたいと思いますが、府県に比べて市町村の間で税源の偏在が大きいことは変わらぬのでないかと思うんですよ。所得税から住民税への移譲による三兆円の配分は府県よりもやっぱり市町村に厚くし、今後の正に自治の担い手たる市町村が税源が乏しくてもやっぱり自立できるように配分をすべきなんだろうと、こう思います。
 もちろん、一刻も早くこの税源移譲そのものを実現するように努力を重ねてお願いをしたいと思いますが、この府県と市町村との配分についてひとつ大臣の一歩踏み込んだ見解をお願いをしたいと思うんです。
#256
○国務大臣(片山虎之助君) 今のその三兆円というのはだれも決めた数字じゃないんですよ。今のその住民税の税率を一〇%のフラットにすれば三兆円の増収になると、こういうことでございまして、今我々が言っている五対五というのは、六兆五千億から七兆円、国から地方に税を移すということなんですよ。年によって違いますよ、今、国の税収の見込みと地方の税収の見込みは。だから、これは大変な議論でございましてね、すぐばたばたということにはなかなかならないかもしれませんけれども、何度も申し上げますように、我々としては道筋を作りたいと、こういうふうに思っております。
 そこで、委員のお尋ねの住民税も道府県民税、市町村民税とは違うではないかと。今御承知のように三対七ですね、三対七。だから、そういうことはあくまでも税源移譲で都道府県と市町村が分け合う場合にもベースになると思います、そういうことが。
 だから、それはほかの税との絡みがありますからね、そこで最終的にどうするかはこれからの議論でございまして、税源移譲、税源移譲とお題目みたいなことばっかり言っていても駄目ですからね、我々としても、具体的に何をどうしてどうするかというのをこれから検討していきたいと、こういうふうに思っております。
#257
○又市征治君 それでは、最後になりますが、多額の地方財源不足が生じておりまして、それを賄うのに交付税特別会計からの借入れ、それでも無理で地方に特例債を求めるという、こういう方法が取られ、地方交付税制度そのものが破綻に近い状態になってきているんだというのは、私も以前からここで御指摘を申し上げましたし、各委員からもそのような懸念が表明をされてまいりました。
 ただ、法人事業税との関連でいえば、外形標準課税によって都道府県の税収について一定の安定化が実現をすれば、後は市町村の対策に課題が移るんだろうと思います。
 その限りにおいては、市町村、特に独自の税源が望めない非常に乏しい財政力の弱い市町村に重点的に配分することも一定可能になってくるんだと思います。そうすれば、段階補正の圧縮だとか、あるいは財政基盤の確立と称して特別交付税の特例操作を含めた、これ市町村の大合併の強要、こんなことも不要になるんだろうと思うんですね。これらに市町村長さんたちは非常に強く反対をなさっている、あるいは不快な思いをなさっているということは前回もこれは御紹介を申し上げたところです。
 そこで、地方分権、自治確立の観点から、国からの税源移譲で五対五を主張を強くされて、そしてまた外形課税を推進をされてまいりました大臣として、この自主財源の乏しい市町村に対して交付税で、むしろ手厚くするよう算定を改善をしていく、そういうお考えはいかがなものかとお伺いをしたいと思います。
#258
○国務大臣(片山虎之助君) 我々は、何度も言いますように、二十一世紀は地方の時代、地方の時代の主役は市町村だと、こう言っております。
 ただ、市町村が今のままでいいんだ、金だけくれというんじゃ駄目ですよ。市町村がやっぱり、地方分権の担い手になるように強く大きくなろう、頑張ろう、そういう意欲を出さないと。金だけくれと、これじゃいけません。市町村がもっと強く元気に大きくなって、そこに金をやる、権限をやる、思い切って住民のために仕事をやると、こういう体制が望ましいと思っておりますから、我々はあくまでも市町村第一主義でございますから、今後とも市町村にそういうことを強く期待してまいりたいと、こう思っております。
#259
○又市征治君 終わります。
#260
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#261
○委員長(田村公平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君が選任されました。
    ─────────────
#262
○委員長(田村公平君) これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#263
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 まず、地方税法改正案についてであります。
 法案は、特別土地保有税の徴収猶予制度の拡大、土地譲渡益課税の軽減など、土地税制の緩和により民間不動産会社など大規模土地所有者の負担軽減を図るものであります。さらに、新たに、ゼネコンなど民間事業者による都市再開発事業に、いわゆる都市再生という名の下に新たな装いを凝らした手厚い税制優遇措置を取っております。また、担税力のある大企業に対して特例措置を温存、延長しており、容認できません。
 次に、地方交付税法改正案についてであります。
 この改正案は、巨額の地方財源不足が七年連続で生じているにもかかわらず、地方財源を国が保障するという地方交付税制度の大原則に立ち返ることをせずに、財源不足を国と地方で折半して、地方負担分は個々の自治体の赤字地方債で賄わせることを踏襲し、交付税特会の地方負担分借入れも残すということとしています。これでは、国の責任を果たさず、地方に負担を押し付けることとなり、到底認められません。
 また、国の景気対策で取られた恒久的減税による影響分は、国の政策による財源不足として本来国が全額補てんすべきであり、地方負担として押し付けるのは許せません。
 さらに、平成の大合併の推進に向けて、合併するなら各般の優遇措置を、その一方で、小規模市町村はもとより、九割を超える大多数の地方自治体に対しては段階補正の見直しだとして交付税を削減していくことは、自主的とは名ばかりの兵糧攻めで、合併を推進する強力な誘導であり、交付税制度をゆがめるものであります。
 今、必要なことは、無駄な大型公共事業を見直して大幅に削減をし、自治体による福祉、社会保障等の充実を図ることであることを申し述べ、私の反対討論を終わります。
#264
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表しまして、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。
 未曾有の厳しい経済・雇用情勢にある中、住民に密着し、身近な仕事を担う自治体は、地域におけるセーフティーネットのとりでとも言うべき重要な役割を果たしています。
 反対の第一の理由は、二〇〇二年度の地方財政計画が策定以来初のマイナスとなり、国民の期待する不況の克服、不安の解消、暮らしの安定と安心につながるものとはおよそ言えないものとなっていることです。
 反対の第二の理由は、地方財政の財源不足の補てんの在り方の問題です。国は、国債発行三十兆円以下の首相公約を守るために、過去に借り入れた財政投融資資金の償還期限の大幅延長、今年度限りで廃止されるはずだった交付税特別会計借入方式の継続、赤字地方債の倍増など、小手先のつじつま合わせに終始しました。一度廃止を決めた交付税特別会計借入方式の復活は、隠れ借金を作り出すものにほかなりません。
 第三の理由は、赤字地方債で交付税総額を確保することによって、財政調整財源である交付税の総額を自治体が自腹で賄う、正にタコの足食い状態がますます深められたことです。しかも、赤字地方債の利子分について財源補てん措置が講じられていないことは、地方財政計画が自治体の歳入歳出の見込額たり得ていないことを示しています。これらの財源補てん措置は、もはや地方財政調整制度自体の機能不全、破綻を意味しているとさえ言えます。
 反対の第四の理由は、不況だからこそ求められている法人事業税の外形標準課税への転換が先送りされたことです。無責任と言わざるを得ません。
 一方、小泉内閣は、地方行財政は最後の護送船団だ、もう国に甘えるなという自己決定権なき自己責任論を強調し、合併推進のためなら何でもありといったあめとともに、小規模自治体に対する段階補正の見直しによる交付税の削減というむちまで使い、平成の大合併を強行しようとしています。
 しかし、アメリカ流の市場競争万能主義が席巻する中、自治体にも競争原理を導入しようという小泉構造改革は、都市と地方の不毛な対立をあおるだけであり、本当に豊かな地方自治を創造することにはなりません。本来行うべき改革は、自治体の自己決定権の保障のための税財源の自治体への移譲であるはずです。その改革の結果として、地方交付税の機能や総額も重点化されていくのであり、小泉改革は交付税制度と地方自治への無理解ゆえに袋小路に陥っているのではないでしょうか。
 住民税と消費税の移譲、事業税の外形標準化、行政サービスのナショナルスタンダードを守るような交付税の保障の必要性を訴え、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。
#265
○委員長(田村公平君) 以上で討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#266
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
#267
○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、地方税は地方団体の重要な自主財源であることにかんがみ、地方分権改革の進展に対応し、地方団体がより自主的かつ自立的な行財政運営を行えるよう、地方における歳出規模と地方税収入との乖離を縮小する観点から、課税自主権を尊重しつつ、税源移譲を含め国と地方の税源配分の在り方を抜本的に見直し、地方税源の拡充強化を図ること。
 二、法人事業税への外形標準課税の導入については、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化及び地方分権を支える安定的な地方税源の確保等の観点から、中小法人の取扱い、景気の動向や急激な税負担の変動等にも配慮しつつ、早期の実現に努めること。
 三、固定資産税は、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえ、その安定的確保を図るとともに、納税者の理解を深めるため負担の公平に努めること。また、平成十五年度の土地の評価替えに当たっては、負担水準の均衡化・適正化を推進するとともに、最近における地価の変動をより的確に評価額に反映させること。
 四、法定外税については、地方団体の課税自主権の尊重、住民の受益と負担の関係の明確化及び課税の選択肢の拡大等にかんがみ、事前協議に当たっては、協議の事例を踏まえつつ、不同意要件等その基準の一層の明確化を図ること。
 五、税制の簡素化、税負担の公平化を図るため、非課税等特別措置について引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#268
○委員長(田村公平君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#269
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
#270
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#271
○委員長(田村公平君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#272
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#273
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#274
○委員長(田村公平君) 次に、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
#275
○伊藤基隆君 私は、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による地方財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方財政の拡充強化に関する決議(案)
  地方財政の危機的状況及び地方分権改革の着実な推進に資するよう、地方財政の中長期的な安定と発展を図り、地方団体の自主的・主体的な諸施策を着実に実行できるよう、政府は左記の事項について措置すべきである。
 一 累増する巨額の地方債務残高の償還が、地方団体の将来の財政運営を圧迫することが強く懸念されることにかんがみ、地方の一般財源の拡充強化に努め、その財政体質の健全化を図ること。
   地方分権改革の一層の推進を図り、地方団体の財源的自立性を高めるため、国から地方への税源移譲を含め、税源配分の見直しを速やかに検討するとともに、課税自主権を尊重しつつ、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系を早急に構築し、地方税の充実強化を図ること。
 二 地方財政が引き続き大幅な財源不足のため、平成八年度以降連続して地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当する状況にあることにかんがみ、地方交付税の中長期的な安定確保を図る見地から、今後とも抜本的な方策を講ずること。また、国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から、直接、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を検討すること。
 三 交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金残高が看過しえない状況にあることにかんがみ、借入及び償還等の制度的在り方について、根本的に検討すること。
 四 臨時財政対策債の元利償還については、将来において地方団体の財政運営に支障が生ずることのないよう万全の措置を講ずるとともに、公債費負担に苦慮する地方団体の財政状況にかんがみ、今後とも適切な負担軽減措置を講ずること。
 五 国庫補助負担金の整理合理化に当たっては、事務事業の廃止又は縮減を基本とし、同一ないし類似の目的を有する新たな国庫補助負担金を創設すること等を厳に抑制すること。また、国庫補助負担金の一般財源化に当たっては、国の責任を明確にするとともに、その内容、規模等を考慮しつつ必要な一般財源の確保を図ること。
 六 地方公営企業や地方公社等の経営が地方団体の財政に重大な影響を及ぼすことにかんがみ、普通会計及びその他の会計の財政状況等の全体的把握や総合的分析ができるよう検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#276
○委員長(田村公平君) ただいまの伊藤君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#277
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
#278
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ─────────────
#279
○委員長(田村公平君) 次に、恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
#280
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の社会経済情勢等にかんがみ、普通恩給及び扶助料の最低保障額の一部の引上げ等を行うことにより、恩給受給者に対する処遇の改善を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、傷病者遺族特別年金、実在職年六年未満の者に係る普通恩給及び普通扶助料の最低保障額の増額であります。
 これは、低額恩給の改善を図るため、平成十四年四月から、傷病者遺族特別年金については二千八百円増額して四十万四千八百円に、また、実在職六年未満の者に係る普通恩給及び普通扶助料の最低保障額については各千円増額して、それぞれ五十六万八千四百円、四十万円に引き上げようとするものであります。
 第二点は、遺族加算の年額の増額であります。
 これは、戦没者遺族等に対する処遇の改善を図るため、遺族加算の年額について、平成十四年四月から、公務関係扶助料に係るものにあっては三千三百円増額して十四万八千五百円に、傷病者遺族特別年金に係るものにあっては二千六百四十円増額して九万八千九百五十円に、それぞれ引き上げようとするものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#281
○委員長(田村公平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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