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2002/04/04 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第8号
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2002/04/04 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第8号

#1
第154回国会 総務委員会 第8号
平成十四年四月四日(木曜日)
   午後零時二十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     鈴木  寛君     松井 孝治君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     西山登紀子君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     西山登紀子君     宮本 岳志君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     南野知惠子君     後藤 博子君
     宮本 岳志君     畑野 君枝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                後藤 博子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                畑野 君枝君
                八田ひろ子君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (特定電子メールの送信の適正化に関する件)
 (特定電子メールの送信の適正化等に関する法
 律案に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、南野知惠子君及び宮本岳志君が委員を辞任され、その補欠として後藤博子君及び畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村公平君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村公平君) 次に、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 業者が不特定多数に広告目的で送信をする携帯電話のいわゆる迷惑メールというものが今大きな問題になっております。
 この問題をめぐっては、既に経済産業委員会で閣法として特定商取引法の改正案が出されておりますが、特定の商取引の広告規制という面だけでなくメール送信という電気通信役務の適正化の観点からも規制が必要ではないか、こういう議論も同時に進められてまいりました。
 まず、総務省に伺いますが、このような観点からの電子メールの送信の適正化を図る法規制の必要性についてはどのようなお考えなんでしょうか。
#7
○政府参考人(鍋倉真一君) インターネットの普及によりまして電子メールがもう国民の重要な通信手段になっているということで、その円滑な利用環境の整備というのは非常に重要なことだというふうに私ども考えております。
 迷惑メールというのは、私どもだとか、あるいは官邸でのアンケートというか苦情がいろいろあるわけでございますけれども、その中で一番多いのが、やはり身に付けておりますので真夜中や早朝でも身に付けているものが鳴っちゃうということで、自分のプライバシーに関係なく生活の平穏を乱されるというような、そういう迷惑ということがございます。
 それから、迷惑メールは多量に受信されるために受信者が本当に必要としているメールというのが遅れてしまう、あるいはメモリーから消えてしまう、肝心なものが消えてしまうというような、そういう迷惑がございます。それから、何よりも頭にきますのは、そういった迷惑メールについて料金を払わなきゃいけないというような、そういったいろいろな苦情が寄せられているところでございます。そういった苦情というのは、望まないメールの受信自体によって電気通信の利用に支障が生じているという状況だろうというふうに私ども考えております。
 また、迷惑メールのために受信者だけではありませんで、電気通信事業者も大幅な迷惑を受けておりまして、と申しますのは、例えば、一つの社名で恐縮でございますけれども、ドコモは一日に九・五億通のメールを受け取ります、メールはサーバーの中に入るわけですが、そのうち八億通があて先不明、要するに迷惑メール業者といいますか発信業者がアトランダムに架空のメールであて先不明なものがわっと送られてくるわけで、その中の一部がメールとして到着すればいいというような、そういう思想で送りますので、八億通があて先不明というようなことでございます。そのために通信事業者のサーバーに負荷が掛かって肝心なメールというのが遅れてしまう、十時間も十五時間も遅延をしてしまうというような、そういった通信手段としての役務の提供に支障を生じているというような大きな問題もございます。
 こういった観点、要するに電気通信の適正化の観点から迷惑メールについて適切な対応をすることが非常に必要ではないかというふうに私ども考えておりまして、その場合には、送信者、それから電気通信事業者、それから受信者、その各段階において必要な対応策を総合的に講じていくことが必要ではないかなというふうに考えているところでございます。
#8
○八田ひろ子君 私どもも、迷惑メールなんというのは本当にとんでもない社会問題にもなっておりますし、またその規制の必要というのは今おっしゃったみたいに総合的に必要だと思いますし、そういう提案がなされれば当然賛成だというふうに思うんですが、しかし、その場合、あくまで営業目的に規制を掛ける、限るべきであるという、こういう規制は、多少とも通信の自由とか、表現の自由の制限にかかわるものである以上、営業目的のものに厳密に限られるべきもので、いささかも政治の活動とか、あるいは言論活動、宗教活動を制限するものであってはならないと、こういうふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#9
○国務大臣(片山虎之助君) 委員の言われますように、あくまでも営業を目的としたものに限って、規制を行う場合も行き過ぎたことをやらない、こういうのが基本的な態度であります、我々の。だから、この法案もそういうことでお作りいただいたのではなかろうかと思っております。
#10
○八田ひろ子君 そこで、総務省に伺います。
 電気通信事業法では、電気通信事業者が電気通信役務の提供について不当な差別的取扱いの禁止ということが定められております。仮に、先ほど御説明がありましたあて先不明というんですか、膨大な架空アドレスの電子メールの送信を規制をするために、第一種電気通信事業者がその送信役務の提供を拒否できるという手法をもし取るとしても、実際には何でもいいというわけではございませんで規制が必要であり、不当に行うことは非常に問題がある、こういうふうに考えますが、その点ではいかがでしょうか。
#11
○政府参考人(鍋倉真一君) 先生今御指摘がありましたように、電気通信事業法第七条におきまして、「電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない。」というふうに規定をされております。ただしかし、迷惑メールの防止の観点から、電子メールの送信に一定の規律を設けるなど合理的な根拠に基づいて取扱いに差を設けることまでこれは禁止をしているものではないというふうに私ども解釈をしております。
 例えば、今、先生御指摘のありましたような一時に多数の架空電子メールの送信がなされまして、先ほども申しましたけれども、電気通信設備の機能に著しい障害が生じて正常なメールの利用者のメールが遅延をしてしまう、言わば利用者に対する電気通信役務の提供に著しい支障が生じる、ほかの人たちに。そういったような場合に限って、しかもそれを約款等に基づいて役務を拒んだとしても、これは不当な差別的な取扱いとはならないんではないかというふうに考えております。
 ただ、先生今御指摘がありましたように、電気通信事業者が恣意的に送信役務の提供を拒否するような不当な差別的取扱いが許されないのはもう当然なことだというふうに思っております。
#12
○八田ひろ子君 分かりました。
 今、大臣も言われて、総務省もそういうふうにお答えがありますので、一定の規制の中でこの迷惑メール、重大な社会問題というのがきちんと規制をする、こういうことが非常に大事だということを今お示しもいただきましたので、私どももそういうふうにしっかりとやっていただきたいということで、質問を終わります。
#13
○又市征治君 社民党の又市です。
 迷惑メール規制について、議員立法で全会一致で出そうということで今進めているわけでありますけれども、できた場合の運用に当たる立場から、立場になる総務省に二、三確認をしたいと思います。
 まず、我々はこの法案を出すに当たって、電子メールの発信の便利さを乱用した迷惑メールの実態を改めさせるということが目的でございますけれども、同時に反面、電波の利用が多くの人に開放されて、だれもが自分たちの主張をアピールできる時代になってきた、このことの民主主義的な側面も大事にしなきゃならぬと、こんなふうに思います。
 そこで、今回の迷惑メール規制によって、我々は営業用の広告宣伝であって、一時に多数の者に対して出される電子メールを特定をして規制しようとしているわけですが、つまり、逆に言えば善意の非営利の通信の送信者が規制をされたり、あるいはそれが営利か非営利かの識別のためという名目で通信の政治的あるいは社会的な内容にまで国のチェックが及んだりすることがあってはならない、こういうふうに思うわけですが、そのような規制乱用にならないために、具体的にどのようにして営業用広告だとか宣伝メールだというものを特定していけるのかどうかその可能性、こんなことについてどのようにお考えなのか、大臣、お伺いしたいと思います。
#14
○政府参考人(鍋倉真一君) 今、先生御指摘のように、中身へのチェック、中身に立ち入るようなことというのは絶対に避けなければいけないことだと私ども考えております。
 そういった意味から、例えば電子メールが営利目的かどうかといったことを中身に立ち入って判断をするということはやはり問題があるんじゃないかというふうに思っておりまして、外形的、形式的に判断すべきではないかというふうに思っております。
#15
○又市征治君 ちょっと具体性がないんですが、いずれにしてもそのような慎重な運用をして、正常な社会的な主張の自由、また国民が情報を受ける自由を侵害しないように努力をお願いをしたいと思うんです。
 次に、こうした個別法を制定して運用するに当たってしばしば用いられているのが指定法人という制度になるわけですが、今回も、やはり総務省だけでというのは無理、こういうことからそんなことを考えているわけですけれども、迷惑メールを受けた者が総務大臣に申出をする、大臣はそれを指定法人に回して、指定法人が指導や助言や調査、情報提供をする、こういう仕組みが考えられるわけですけれども。
 しかしながら、この指定法人制という仕組みが従来しばしば行政の肥大化となったり、監督官庁からの官僚の天下りの場となったり、あるいは過大な補助金や不当な業務の独占によって社会的な無駄を発生してきた例が見受けられることは、今日随分いろんなところで問題にされているところであります。さらに、甚だしくはKSD事件のように特定の政治家への政治資金の還流にまで悪用されてきた実態もあるわけでありまして、これについては私も過日の行政監視委員会でも指摘をいたしました。
 今回の法制定に当たってもこのようなことがあってはならないので、あらかじめ総務大臣の見解をお伺いをしておきたいと思います。
#16
○国務大臣(片山虎之助君) 今回、この法案では指定法人制度もあり得ると、こういうふうな法律の構成になっておりますけれども、その場合に、今、又市先生がお話ありましたように、公益法人全体を今見直そうということで、特に検査や認定や資格付与についてはできるだけ民間にやらせて、どうしてもというものだけ残そうと、こういうことをやっていますしね。それから、いわゆる天下り問題については公務員制度改革大綱の中で適切な再就職のルールを作ろうと。まあ人事院があれするのか任命権者がやるのか、この辺は大綱では任命権者になっておりますけれども、基準を作ってチェックしてと、こういうことでございまして、そういうことも決まっておりますので、仮に指定法人制度を迷惑メール対策のために使う場合にもそういう観点を十分念頭に入れて運用してまいりたいと考えております。
#17
○又市征治君 最後ですが、この問題に関しては既に経済産業省から類似の内容が特定商取引に関する法律の改正案という形で提出をされて審議をされているわけです。それぞれにカバーする範囲が少し違うわけですが、一面では役所同士の縄張争いだという、こういう批判を国民から受けるようなことがあってはならぬと、こう思います。
 国民の権利義務を定めるわけでありますから、だれにも分かりやすく、また市民生活をやたらに煩雑にしたり規制をしないように立法化の段階から国民の立場に立った省庁間の協力というものについても十分にやっていただくようにお願いを申し上げて、私の方からの質問を終わらせていただきたいと思います。
#18
○委員長(田村公平君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#19
○委員長(田村公平君) 次に、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、理事会において協議いたしました結果、お手元に配付いたしております草案を本委員会から法律案として提出することに意見が一致をいたしました。
 まず、草案の趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。
 最近、我が国では、携帯電話やパソコンからのインターネット接続が急速に進み、日常の生活や社会経済活動等において必要不可欠なものとなってきております。特に、携帯電話からのインターネット利用者数は、平成十四年一月末現在、四千九百五十万人と、前年同期と比較すると二千万人以上の増加となっております。しかしながら、利用者が増加する一方で、受信者の求めや同意がないのに広告又は宣伝を目的とした電子メールが一時に多数の携帯電話利用者等に対して一方的・無差別に送り付けられる、いわゆる迷惑メールが社会問題として大きく取り上げられております。
 社会問題化しております事例といたしましては、利用者にとって不要な電子メールのために受信料を負担させられること等種々の問題が指摘されておりますが、本当に必要な受信メールが見付からない、あるいは削除されてしまうといった利用者の通信に係る正当な利益が侵害される状況にあります。また、実在しないあて先のものも含む多数の迷惑メールが送信されることに伴うネットワークのふくそう、電子メール全体の配信遅延の問題が生じており、電子メールの利用についての良好な環境の確保という観点から看過し得ない問題となっております。
 こうしたことから、迷惑メールの受信者及び電気通信事業者に生じさせている問題を解決し、電子メールの利用について良好な環境の整備を図り、もって高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的に、特定電子メールに関する送信の適正化の措置等を講ずる必要があることから、本草案を提出した次第であります。
 次に、本草案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、特定電子メールの定義をあらかじめその送信をすることに同意する旨を送信者に対し通知した者等一定の者以外の個人に対し、送信者が自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メールとする旨の規定を設けております。
 第二に、特定電子メールの送信者に対し、送信に当たっては、特定電子メールである旨、当該送信者の氏名又は名称及び住所、その送信に用いた電子メールアドレス、当該送信者の受信用の電子メールアドレス等の表示を義務付けることとしております。
 第三に、送信拒否をした者に対して、以後送信者が特定電子メールを送信することを禁止することとしております。
 第四に、自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として、送信者がプログラムを用いて作成した架空電子メールアドレスにあてた電子メールの送信をすることを禁止することとしております。
 第五に、総務大臣は、表示の義務、拒否者に対する送信の禁止又は架空電子メールアドレスによる送信の禁止を遵守しない送信者に対し、是正のための命令をすることができることとし、命令に違反した者に対する罰金刑その他所要の罰則を設けることとしております。
 第六に、第一種電気通信事業者は、一時に多数の架空電子メールアドレスにあてた電子メールの送信がされ、電気通信役務の提供に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる場合には、その送信をした者が送信した電子メールにつき、電気通信役務の提供を拒むことができることとしております。
 その他、受信者による総務大臣に対する申出の制度、電気通信事業者による情報の提供及び技術の開発・導入、電気通信事業者の団体に対する指導及び助言等といった規定を設けることとしております。
 以上がこの法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
 それでは、本草案を特定電子メールの送信の適正化等に関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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