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2002/04/11 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第10号
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2002/04/11 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第10号

#1
第154回国会 総務委員会 第10号
平成十四年四月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     山本 孝史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                山本 孝史君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    佐田玄一郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  山内 俊夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務省情報通信
       政策局長     高原 耕三君
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電波法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電波法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省情報通信政策局長高原耕三君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(田村公平君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る九日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○景山俊太郎君 今回の電波の利用状況の調査及び公表制度を導入することになった必要の条件としまして、周波数の逼迫が挙げられております。
 日常生活の中でも、携帯電話が普及いたしましたり電波を利用する通信機器が増加しておることは周知のとおりでありますけれども、利用者として周波数の逼迫の深刻さということを直接に感じることは、私どもほとんどないようなわけであります。
 行政を行っておられる側から見まして、今度の法案を改正するに当たりまして、周波数の逼迫状況というのを、どういう状況であるかということをまずお聞かせをお願いしたいと思います。
#6
○政府参考人(鍋倉真一君) 確かに、どういう逼迫状況かというのは、私どもの宣伝不足もありまして、一般の方々から余りよく理解されていない面があるのかもしれません。そこは反省しなきゃいけないのかと思いますが、現在、先生今御指摘のような携帯電話ですとか、あるいは今後無線によるインターネット利用等の急増が予想されております。
 これらに適した波というのは物理的に決まっておりまして、大体二ギガ帯から五ギガ帯というのが最適な波でございますけれども、現在、首都圏を中心にして、この電波の逼迫状況が深刻化しております。3Gと申しまして、第三世代の携帯電話がサービスを開始しましたが、次の世代と言われております第四世代の携帯電話の波をこの五ギガ帯に見付けようと思っても、今もうすき間がなくて見付からないような、そういう状況になってきております。
#7
○景山俊太郎君 それで、現在、第三世代の携帯電話のサービスの、今おっしゃったように対象地域が順次拡大していましたり、無線LANのサービスが広がっております。例えば、第四世代の携帯電話のサービスの実用化が予定されております二〇一〇年、これまでの期間を考えましたときに、今後の高度情報通信社会の発展のためにいろいろと導入が必要と考えられております通信機器でありますとかサービスとしてどのようなものを挙げることができるか、お話をしていただきたいと思います。
 また、新たなサービスの導入のために必要となる周波数を含めまして、今後どの程度の新たな周波数帯を確保することができるのか、その点について御専門の立場からお聞かせを願いたいと思います。
#8
○大臣政務官(山内俊夫君) 景山先生におかれましては、私の前任者でございます。緊張感を持ってお答えさせていただきます。
 先生の質問の中で、この分野の技術革新というのは本当に著しいものございまして、将来の見通しというのは非常に困難な部分もありますけれども、今後、第三世代の携帯電話が普及、発展するとともに、光ファイバー時代の超高速インターネット、ホットスポットというこれは無線LANでございますが、で使える無線サービスなども考えられます。そして、デジタルビデオ等、コードなしに伝送できる屋内の超高速の無線システムなどがこの第四世代のサービスの実用化に至るまでに出現するサービスとしては考えられております。
 そういったことから、また、無線アクセス用に既に確保した一ギガヘルツ幅を含め、新しいサービスの導入のためには非常に多くの周波数帯域が必要と見込まれております。例えば、第四世代の携帯電話サービスには、平成十三年六月の情報通信審議会答申では、マイクロ波帯で二〇一〇年までに六百七十から八百七十メガヘルツ幅程度、二〇一五年までには一・二から一・七ギガヘルツ幅程度の帯域幅を確保する必要があると考えられております。
#9
○景山俊太郎君 それで、現在の周波数の逼迫状況に対応するために電波の再配分を大規模に行わなくてはいけないということであるわけでありますが、今回、電波利用状況調査と公表制度を導入されるわけでありますけれども、具体的にこれらの二つの施策を実施することと電波の再配分の関係についてまず伺いたいと思いますし、この法案が幸いに今国会で成立すれば、電波利用状況調査をこの秋にすぐにやるというふうに聞いております。これほど急がれる状況というのはどういうことがありますか、この二点について伺いたいと思います。
#10
○政府参考人(鍋倉真一君) 電波の逼迫状況が深刻化であるということで、大規模な新規の電波ニーズに的確に対応するためにはもう再配分が必要であるということでございます。
 この再配分に当たりましては、まず電波の利用状況を正確に把握、評価をしまして、しかもその情報を国民に公表して、国民の理解と協力を得ながら実施をするということが必要だろうと思います。すなわち、その電波の利用状況の調査結果は電波の再配分を検討するための基本的なデータになるというもので、そういう位置付けでございます。
 また、無線局の免許情報の公表でございますけれども、これは新たに電波を利用しようとする者が事前に周波数の利用可能性について検討を行うことができるというために実施をするということでございまして、民間における新規の電波利用を促進させるものだというふうに考えております。
 なお、最後にお尋ねの、なぜこれほど急がれるのかということでございますが、例えば、インターネットに接続するための無線LAN、高速無線LANの導入等はもう待ったなしの、電波に対するニーズが非常に強くなっておりますので、できるだけ早期に調査を実施してこれらの新規需要に迅速にこたえていきたいというふうに考えております。
#11
○景山俊太郎君 無線LANとかPHSについては、現在、無線局開設に当たりまして届出が不要ということがされております。総務省もその実態について把握する手段がないように聞いております。
 しかし、例えば無線LANにつきましては、他の無線局でありますとか高周波利用施設、設備との混信妨害という問題が実際に生じておるということも聞いております。これまで免許不要局としてきたことが、メリットもたくさんあったから免許不要局ということであったと思いますが、しかし、今後総務省において利用状況が、現状を踏まえた場合に、この免許不要局に対して利用状況が把握できないということになりますと、総務省の方も今後の対応についていろいろ検討すべき点があるんじゃないかと思いますけれども、その点についてお聞かせください。
#12
○政府参考人(鍋倉真一君) 今、無線LANですとか、先生御指摘のPHSの端末につきましては、その発射する電波が著しく微弱な無線局ということで、パワーが小さいということで、御指摘のとおり免許も不要ですし、届出も求めておりません。自由に使っていただくという規制緩和の精神と、それから、これを使ってビジネスをよりやりやすくするという意味合いを込めてこういう形にしたわけでございますけれども、ただ、今、先生御指摘のとおり、無線LANですとかそういったものが今後非常に使われるようになりまして、役割が増大をしてくるということが考えられます。数も増大をするというふうに考えられます。
 そうしますと、先生御指摘のように、今でも免許不要だからといって混信状態を放置をして、無線LANの混信状態を放置しておいていいのかどうかといった問題は一つの検討課題になってきているというふうに私どもも認識をいたしております。
 そこで、今回、電波の利用状況調査の一環としまして、こういった免許を要しない無線局につきましてもまず実態調査をさせていただきまして、今後必要な対策の検討資料にさせていただきたいというふうに思っております。
#13
○景山俊太郎君 今、電波利用状況調査の実施の周期につきましてはおおむね三年と聞いております。情報通信分野について、技術の発展、また市場の変化、そういうことを考えますときに、調査の対象者に対しましていささか負担が多いんじゃないかということも言われております。それで、免許を更新するということではなくて、三年ごとという特定の時点、この三年というのはどういうことでなっているのかということを伺わせていただきたいと思います。
 それから、地域別の無線局数については総務省でもいろいろ把握されておると思いますけれども、三年ごとの調査について、さっき言いましたように、免許人の負担を軽減するという観点から、例えば関東とか近畿辺りは非常にたくさんあるわけなんですが、地域によっては少ないところもあるんです。そういう点で、一律に調査をするのがいいのかどうかということも素人考えでは思うわけでありますけれども、その点どうでございましょうか。
#14
○政府参考人(鍋倉真一君) 今回、三年ということでさせていただこうと思っておりますのは、確かに無線局の免許の更新というのは五年でございますから、三年と五年ということで違っているわけでございますけれども、やはりドッグイヤーということで、新たな電波事情に的確に対応していくことが求められているということ、ただ、先生今御指摘のように免許人の負担もございますので、毎年やるというのもなかなかいかないということで、両方を兼ね合わせますと三年ぐらいが妥当かなということと、もう一つは、国際会議で、電波の新しい割当ての国際会議というのが大体三年ごとぐらいに開かれているということでございますので、そういったものを踏まえて、今回調査は三年ごとにやらせていただこうというふうに考えているところでございます。
 また、御指摘の、確かに各地域ごとに、特に首都圏とか関西ですとか、そういったところがやはり電波が逼迫事情が大きいわけでございますので、そういったところを中心にという御指摘だろうと思います。確かにそういうことだろうと思いますが、ただ、今回の調査、予断を持つことなく、最初の調査でもございますので、全地域でまず実態を把握をさせていただきたいというふうに思っておりまして、ある程度こういった調査が積み重ねられた時点で御指摘のような地域ごと、あるいはポイントを絞ってというような検討もしてまいりたいというふうに思っております。
#15
○景山俊太郎君 六番目はやめて七番目にしますけれども、法案の附則において、政府はこの法律の施行後、もう十五分になりますから、十年を経過した場合において、電波の利用状況の調査等の施行状況について電波の管理監督の観点から検討を加えて、必要があると認めるときはその結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると規定をされております。技術変革の大きい情報通信分野でありますが、具体的に十年という比較的長い期間経過後に検討するということを規定したのはなぜか、伺いたいと思います。
 さっきもドッグイヤーというような話もされましたけれども、大体いろいろ聞きますと、六、七年で見直しはできるんじゃないかというふうなことも聞いておりますけれども、その点をお聞かせいただいて、十五分になりましたので終わらせていただきます。
#16
○国務大臣(片山虎之助君) どうも質問の順番まで御指摘いただきましてありがとうございました。
 何で十年かと、こういうことなんですけれども、ある程度電波の有効利用の程度の判断は経年変化の分析が必要で、調査の継続性が要るということが一つと、それから、三年を目安にやるということですから、三年ごとにやるということですから、少なくとも三回ぐらいはやってみた方がいいんではなかろうかと、こういうことでございまして、この調査、公表のこういう制度は十年間で見直すということですが、この調査結果によって電波行政でタイムリーにいろんな対策をやるということはその間も十分やりますので、取りあえず十年でこの調査、公表制度はやらせていただきたい、そこで十年たったら見直すと、こういうことでございますので、是非大局的に御理解を賜りたいと思います。
#17
○景山俊太郎君 終わります。
#18
○浅尾慶一郎君 電波法の改正の質疑に入ります前に、先般、地方交付税の件について質疑をさせていただきまして、若干こちらの意図した答えと答弁とがかみ合っていなかったので、再度確認をさせていただきたいと思います。
 まず、住民税の恒久的な減税によって減収があるわけでありますが、その減収の額について、地方交付税の不交付団体における減収の額の総額をお答えいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(片山虎之助君) 平成十三年度の不交付団体の減税による減収額は四千二百九十億円と、こういうことでございまして、せんだっても御答弁申し上げましたが、この減収額については、減税補てん債による補てんのほか、たばこ税を配分を少し変えまして、地方にもらったのと地方特例交付金をこれに充てることにいたしておりますので、これを念のために答弁申し上げます。
#20
○浅尾慶一郎君 次の質問は、正にその地方交付税の不交付団体に対して国による補てんされている額が幾らかという質問でございます。
#21
○国務大臣(片山虎之助君) 都道府県は東京だけなんですね、不交付団体は。東京都におきましては、大体減収額のおおむね三分の二がたばこ税の増収と地方特例交付金と、こういうことでございまして、残りは減税補てん債と、こういうことでございまして、三分の二がキャッシュで入っていると、こういうことでございます。
#22
○浅尾慶一郎君 そうすると、総額で結構でございますけれども、地方交付税の不交付団体について、住民税の恒久的減税による減税があって、国庫による補てんというのがありますので、その差額というものが幾らあるかということについてお答えいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども申し上げましたが、四千二百九十億が総額で、そのうちたばこ税の一部移譲が百九十四億円、地方特例交付金が二千八百九億円で、その差額が減税補てん債と、こういうことでございます。
#24
○浅尾慶一郎君 そうすると、減税補てん債が将来全額地方交付税で見てもらえるというためには、その当該団体が交付団体にならないと多分見てもらえないということなんだというふうに思います。
 実は先般、ある不交付団体、鎌倉市の市長さんと話をしたところ、面白いと言うと語弊がありますが、分かりやすい話をされていたので御紹介させていただきますが、不交付団体である鎌倉市の市長の公用車は十年落ちのクラウンである、交付団体は新しいプレジデントに乗っている、これはどう考えてもおかしいんじゃないかと。非常に分かりやすい例えですから紹介させていただきましたが、住民税の恒久的減税というのは国の施策でありまして、国の施策によって多くの、すべての自治体が減収になると。減収になった部分について、交付団体については全額結果として地方交付税等を含めて補てんをしてもらえるが、不交付団体については補てんをしてもらえないというような状況について、やはりこれは何らかの制度の中で考えていかなければいけないんではないかなというふうに思いまして、具体的に言えば、本当は特例交付税を不交付団体についてもう少し増額するとか、そうしたようなことを考えられたらいいんではないかなと思いますが、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(片山虎之助君) これは、この恒久的減税に対する補てん、地方財政対策をどうやるか大議論しまして、今のような特例交付金とたばこ税の移管と減税補てん債と、こういうことになったわけでありまして、減税補てん債の場合には全部交付税で見るということは、交付税で見るというんじゃなくて、交付税の基準財政需要額に入れるということなんですね。そこで、基準財政需要額に入れた場合に、不交付団体は収入の方が超過していますから、それを更に別の形で見るということになると取り過ぎということの議論になるんですね、交付税制度からいうと。そこで、いろんな議論があるんですが、今の制度としては私はやむを得ないのではないかと。
 ただ、我々としても特例交付金をもっと取りたかったということは現実ですけれども、これは当時の大蔵省と大変な議論の中で今のような形で決まりましたので、是非御理解を賜りたいと思います。
#26
○浅尾慶一郎君 各自治体がそれぞれ努力をされて不交付団体になったと。なったら減税補てん債の財源の面倒が見てもらえなくなるというのは、やはり制度的にそこに問題があると思いますので、引き続き是非御検討をしていただければと思います。
 そこで、本日の委員会の本論であります電波法について質疑に入らさせていただきたいと思いますが、最後に電波政策についてのビジョンについて伺いたいと思いますので、まずはこの法案の趣旨について伺っていきたいというふうに思いますが、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、電波の逼迫状況というのは具体的にはどういう状況かということを客観的に御説明いただきたいと思います。
#27
○副大臣(佐田玄一郎君) 逼迫状況の基本的な、数値的な逼迫状況の、こういう数字になったからというものはございませんけれども、先生も御案内のとおりで、今、インターネットであるとか、またはモバイルの関係が急速に伸びておりまして、特にUHF帯では非常に逼迫している状況が出現をしておるわけであります。言うまでもなく、この電波の帯域につきましてはITUにおきましていろんな仕様によって決められておるものですから、そういう意味におきましては、今現在ではUHF帯、かなり厳しいような状況になっておるのが現状であります。以上です。
#28
○浅尾慶一郎君 最後の部分のをもう一度伺いますけれども、インターネットあるいはモバイルが伸びそうだというような予測というのは、やはりなかなか総務省として持てなかったということですか。つまり、計画的に割り当てるところを超えてインターネット、モバイルが伸びてしまったというのが現状だというふうに理解しますが、そのような認識でよろしいでしょうか。
#29
○副大臣(佐田玄一郎君) これはかなりの、要するに音信の伝送につきましてはかなり狭いところでやれるんでありますけれども、何といっても何千万という過度の上昇率がありまして、こういうことを考えますと、これからもじっくりこの辺をしっかりとどういうふうな利用状況か、またこれからの要するに伸ばしていく、例えば第三世代の、先ほどのお話にもありましたけれども、第三世代の電波をどういうふうな帯域に持っていくかとか、こういうところをしっかりと議論をしていきたい、こういうふうに思っております。
#30
○浅尾慶一郎君 じゃ、具体的に法律の内容について伺ってまいりますが、改正法の二十六条の二第一項では、総務大臣に電波の利用状況を調査を行う権限が付与されていますが、その具体的な内容については省令にゆだねられております。だれにどんな調査を行うのでしょうか。
#31
○大臣政務官(山内俊夫君) 今現在、電波を利用している免許人などに対して今回一定の周波数帯ごとに調査をしようということでございまして、まず無線局に対する実際の通信量、それとか使用している無線通信技術、デジタルからアナログへ可能かどうか、光ファイバー等への代替性が可能かどうかなど、電波の実際の利用状況を把握するために必要な項目について調査することを検討いたしております。全体では大体十四項目ぐらいあろうかと思います。
#32
○浅尾慶一郎君 同じ二十六条の第四項では、調査及び評価の概要を公表することになっていますが、その内容についても省令にゆだねられています。どこまで情報が公開されるのでしょうか。その中で、現在の免許人が不利益を被らないように、具体的にはどういった政策配慮がなされているんでしょうか。
#33
○大臣政務官(山内俊夫君) 調査、評価の結果の公表については、免許人の有する企業秘密などへの配慮というものがございまして、要請と電波利用についての透明性の向上という、要請の双方を勘案して行うことが大変必要であると我々も認識をいたしております。したがって、調査の結果については、調査で得られた生のデータをそのまま公表するということは差し控えさせていただいておりまして、周波数帯ごと、それとか地域ごと、同種の免許人ごとに取りまとめた上での公表を検討いたしております。
 評価の結果については、電波の有効利用の促進の観点から、改善の余地等が認められる場合については周波数帯ごとにまずデジタル化など電波の有効利用技術の導入の促進が適当かどうか、そして使用帯域の圧縮が適当かどうか、既存の電波利用の光ファイバー等への転換が適当かどうか等の評価をして地域ごとに取りまとめた上、公表を検討中でございます。また、具体的な公表手段としては、報道発表を行うとともに、インターネットを通じて広く公表していくということも検討いたしております。
 いずれにいたしましても、具体的な公表方法は省令で定めることとしておりまして、国会での御議論を踏まえることはもちろんのこと、あらかじめ省令案について広く国民の意見を募集するなど、公平、透明な手続を経て省令を制定する予定でございます。
#34
○浅尾慶一郎君 進ませていただいて、例えば結果として免許人が周波数の変更を強いられる場合、現行の電波法の七十一条で、免許を受けている場合には補償があるということなんですけれども、受けている場合と受けていない場合でいろんな差があるわけですけれども、まず免許人が周波数の変更を強いられるような場合、経済的にはどのような影響が想定されますか。
#35
○副大臣(佐田玄一郎君) その点につきましては今検討中でありますけれども、従来総務省といたしましては、原則五年間とされている免許の有効期間は、これは有限、希少な電波資源の最適な配分を実現するために、社会経済情勢等の変化に対応しまして既存の電波配分を見直すために設けられた期間として、再免許時における電波の再配分に当たっては損失補償はしないというふうにやっておるんであります。
 しかしながら、この点につきましても、先生いろいろ今お話がありましたけれども、この点については、実際電波の再配分を実施すると電波利用者にとっては既存の無線設備が使用できなくなりまして、新たに代替の設備の取得が必要となる場合があるというような実態がありまして、様々な意見が今寄せられております。これは海外においてもいろんな条件が、状況があるわけでありまして、今現在、有識者から成ります電波利用にかかわる研究会では、この辺の負担につきましても今研究、検討しておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
#36
○浅尾慶一郎君 例えば、今後のアナ・アナ変換の中ででも、携帯電話の利用者が、電波利用料を使ってそれを進めていくというような議論もありますので、いろんな方策が、それがいいということを申し上げているわけではありませんけれども、いろんな方策が考えられるんではないかなというふうに思いますので、是非今、副大臣が御答弁になられましたように積極的に御検討いただきますように御要請したいと思います。
 次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、電波といいますとコミュニティーFMというものが一つ入ってくると思います。コミュニティーFMの放送の開局と収支の状況について御説明をいただきたいと思います。
#37
○大臣政務官(山内俊夫君) 現在、平成十三年度末におけるコミュニティー放送局の免許を受けている会社は百五十二社でございます。平成十二年度におけるコミュニティー放送局は、百三十九社の収支状況については、約百二十五億円の営業収益に対して約百二十九億円の営業費用が掛かっておりまして、営業損益は約三億五千万円の赤字、さらに最終的な経費を考慮した当期利益では約四億二千万円の赤字というようなことになっておる。また、百三十九社のうち、単年度黒字を計上しているのは六十八社で、七十一社は赤字の状態でございます。それが現在のコミュニティーFMの開局状況と収入状況でございます。
#38
○浅尾慶一郎君 半分以上の局が赤字なわけでありますが、そうしたコミュニティーFM放送局を支援する事業はどういったものがございますでしょうか。
#39
○大臣政務官(山内俊夫君) ただいま総務省としては、コミュニティー放送に対する支援策としては、コミュニティー放送局の施設整備に対する支援策として財政投融資制度、これは二・一%から二・三%ぐらいの金利でございます、それとか、コミュニティー放送施設の整備事業、こういったものに対して融資制度をやっております。そして二つ目には、テレトピア指定地域においては無利子融資制度、これはもう第三セクターに限るわけでございますけれども。それと三つ目には、地域で初めて導入される事業の実施に必要な資金の政策金融機関からの貸付けに対する利子補給が受けられる地域通信・放送開発事業の施策を講じているところでございます。
#40
○浅尾慶一郎君 基本的には、コミュニティーFMに対する支援というのは財投、つまり融資のみであるということなんだと思いますが、これとの対比の意味で、ケーブルテレビに対する支援事業について、その具体的な中身と予算についてお答えいただきたいと思います。
#41
○大臣政務官(山内俊夫君) 総務省といたしましては、ケーブルテレビに対する支援策としては三つの大きな役割を担っておりまして、財政支援としては、地域に密着した映像情報の提供又は双方向機能を活用したインターネット接続サービス等を行うケーブルテレビ施設整備に対して国庫補助を行っております。新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業、これは平成十四年度の当初予算額でございますが、約二十一億円。そして二つ目には、金融支援としてテレトピア指定地域における無利子・低利融資、通信基盤充実臨時措置法に基づく無利子・低利融資、ケーブルテレビ施設整備に対する財政投融資。三つ目には、財政支援として電気通信基盤充実臨時措置法に基づく光ファイバー等の特別償却等の方策を講じておるところでございます。
#42
○浅尾慶一郎君 使う設備が電波であるかケーブルであるかという違いはもちろんあるんですが、それぞれその地域の情報化という役割を担っているということにおいては変わりがないと思います。なおかつ、電波であっても、今後、技術革新の中でいろんな情報を電波の上に乗せていくことも恐らく可能になってくるんではないかなというふうに思っています。
 例えば、私の地元の神奈川県においても、逗子・葉山コミュニティーFM放送、湘南平塚コミュニティ放送、横須賀エフエム放送、鎌倉エフエム放送、藤沢エフエム放送、かわさき市民放送、エフエムさがみ、大和ラジオ放送、イセハラエフエム放送という、九つのコミュニティーFMがあるわけでありますが、それぞれ非常に経営がなかなか厳しい中、多くのボランティアに支えられているというのが現状だというふうに思います。私の知り合いでも何人か、その経営を支えるためのボランティアをやっている人間がおります。
 先ほど申し上げましたように、今後の技術革新あるいは地域の情報化という観点において、それぞれ重要な役割を担っておると思いますので、是非ともコミュニティーFM放送に対してももう少し光を当てた、つまり、片方は一般会計予算から支援が出るということとの比較でいっても、光を当てた政策を取られてもいいのではないかなと思いますが、その点についての御所見を、是非前向きな御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○大臣政務官(山内俊夫君) 先生御指摘のとおり、確かに今コミュニティー放送というのは、先ほど言いましたように半分が何とかぎりぎり利益を上げ、半分は赤字だと。私も地元でもそういうFMの連中といろいろ議論をやっておりますから、よく分かります。ほとんどがもう赤字という。
 ただ、やはり設備の初期投資が非常に大きいわけでございます。ランニングコストは非常にテレビに比べて安いんですが、そういったところは基本的に地方自治体も、テレビに対しては、ケーブルテレビには非常に理解があるんです、ところが、このコミュニティーFMにしては少し理解度が足りないものですから、なかなか補助金を出すというようなことまでは行っていないのが実態でございますが。
 ただ、考え方を変えれば、コミュニティーFMというのは地域限定でございますから、いろんなことが工夫ができると思うんです。
 例えば、最近は夫婦共稼ぎで家を不在にしておりますから、例えば消防車がサイレンを鳴らして走り始めると、家を不在にしている奥さん方が急いで一斉に消防署へ連絡をしてくる、火事はどこですかという。その対応だけで非常に消防署はパニックになっておりますが、その瞬間にFM放送が、どこそこの火事の発生ですよということを、臨時にラジオ、流すことができますと、非常にその問い合わせ等々も少なくなってくる。
 ですから、そういったことを、非常に地域に密着した、十ワット程度ですから、非常に密着した身近な放送局であるということ、これをもう少しアピールをして、そして、これは放送局側の努力です、それに行政側がある程度対応していくというような、いいコミュニケーションが取れれば、私はFMに関しては伸びてくる要素があると思うし、ただ、制度的に、今後とも我々の方は、地域の情報化におけるコミュニティー放送の重要性にかんがみまして、事業者のニーズの把握に努めて十分な支援策を検討してまいりたい、このように考えております。
#44
○浅尾慶一郎君 確認をさせていただきたいと思いますけれども、ケーブルはいろいろと、ブロードバンドといったような形で着目もされているし、それの重要性も私もよく認識をいたしております。
 ただ、FM放送であっても今後の技術発展によってはある程度インターネットということも、その上に乗せるということも考えられるんではないかなという側面もありますし、今、政務官から御答弁いただきましたように、いろんな地域のそうした情報を乗せて、地域の情報化、活性化につなげていくという側面も持っていると思いますので、ここから先が確認でございますが、ケーブルテレビとの対比で、どうも行政のかかわりがややコミュニティーFMについては弱いような側面もあるものですから、その点について何かもう少し、行政側の支援ができるような部分について考えられるという理解でよろしゅうございますか。
#45
○大臣政務官(山内俊夫君) 今の再度の質問でございますが、総務省としては、コミュニティー放送の普及をもう少し促進していくために、まず財政投融資等の支援措置を創設をしたい。そして、免許申請処理の簡素化ということも図っていきたい、経費の削減ということで。そして、二度にわたる空中線電力の増力、今は一ワットから十ワット、十ワットから二十ワットと来ておりますが、このワット数を広げることによって、コマーシャル料も少々は収益的にはプラスになるのではないか、こういったことを今検討しております。
#46
○浅尾慶一郎君 それでは是非、引き続きその点について御検討いただければというふうに思います。
 次の質問の方に移らさせていただきたいと思いますが、今回の電波法の改正は、先ほど幾つか質問させていただいた中にも出てまいりましたけれども、重要な事柄が省令に委任されております。
 省令を定める際に、パブリックコメント等々、今回の電波法改正においてもいろいろと求めてこられたというふうに聞いておりますけれども、そのパブリックコメントを生かす形でも、やはりその公正さ、透明さというのが必要になってくると思いますが、具体的にはどういう手続で省令を定めていかれるか、その点について伺いたいと思います。
#47
○大臣政務官(山内俊夫君) 今回の法改正に係る委任省令の制定に当たりましては、国会での御議論を踏まえるのは無論のこと、いずれにいたしましても、原案の段階では広く国民に意見募集をいたしまして、これらの意見を踏まえた上で省令を制定することにしている。公平性、透明性の確保を図っていく所存でございます。
 特に、電波の有効利用の程度についての評価の基礎となる調査項目を定める省令の規定については、その制定に当たっての公平性、透明性の確保の要請が特に強いと認められることから、広く国民に意見を募集した上で、更に電波監理審議会に諮問することといたしております。
#48
○浅尾慶一郎君 少なくとも透明性、公平かどうか、公正かどうかというのはまたいろいろな議論があるんですが、透明性ということに関して言えば、パブリックコメントはホームページ上で公開されていると思いますので、それに対応する省令が結果としてこのようになりましたということを公開されるのがいいんではないかなと思いますが、その点についてどのようにお考えになりますか。
#49
○大臣政務官(山内俊夫君) 今後、調査を実施したり、そういった基本のところですね、つまりは調査のそのポイント、基準によっていろいろ不公平が感じられたりする場合がありますから、これはできるだけ透明性を確保したいということもやっておりますから、当然パブリックコメントは十分いたしまして、先ほど言いましたように審議会で、諮問委員会で諮っていく、これが私は省令の一番いいスタイルじゃないかなと思っております。
#50
○浅尾慶一郎君 いや、私が申し上げたのは、結果として出た省令がそれぞれのパブリックコメントに対してこういう形で対応していますよということをもう一度ホームページ上で公開されるのがいいんではないかなと思いますが、その点についてのお考えを伺いたい。
#51
○大臣政務官(山内俊夫君) それについては十分検討さしていただきますし、公表することはもう大前提を考えております。
#52
○浅尾慶一郎君 時間の関係で次の質問に移らさしていただきたいと思いますが、この法案は予算が計上されておりません。実際に、次年度以降、調査や評価をするとなると予算や人員の拡大というものも予想されるわけでありますが、一方で、総務省というのは国の人員についても所管をされておられるということなので、あるいは現在の行政改革といったようなことを考えた場合には、予算や人員というのは事務や組織の見直しの中で捻出されるといいんではないかなと思いますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
#53
○大臣政務官(山内俊夫君) 今後、電波の利用状況の本格的な調査を実施するためには、調査の実施主体となる地方組織は無論のことでございますが、本省においても調査や評価の実施のための体制整備、さらには所要の予算の確保は当然必要であると考えておりますが、議員指摘のこともございます。こうした体制整備に当たっては、予算、定員管理が大変に厳しい現在、本省、地方を含めた組織全体の問題として職務の見直しを十分やっていく、そして検討を進めていくということを考えております。
#54
○浅尾慶一郎君 それでは、最後の質問に移らさしていただきたいと思いますが、電波法の改正というのがほぼ毎年のように議論をされておるというようなふうに私も理解をしておるんですけれども、そうした中で、できれば中長期にわたった電波行政のビジョンといったようなものを明らかにお示し、総務省としての考えというものを示していただいて、それをしっかりと議論をして、それは国民を巻き込んだ議論をした上で、そして電波行政を進めていくということが必要なんじゃないかなと思いますが、総務省としての電波行政におけるビジョンということについてどのように考えておられるか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(片山虎之助君) いや、本当に毎年電波法の改正をお願いしておりまして、しかもかなり重要なことですよね。去年はデジタル化の電波法改正をお願いしましたし、今回はこういう調査、公表と、こういうことでございまして、毎年そういう意味での御審議をお願いしておりますが、今、浅尾委員言われましたように、電波行政が大変重要なんですね。国民共有の資源でありますし、これがどういう配分をされ、どういう活用をするかということは、私は国民経済にも国民生活にも大変な影響があると思います。
 そういう意味で、より戦略性を持った電波行政の展開をやるために、中長期的なビジョンというんでしょうか、あるべき電波行政、こういうことについて是非検討してまいりたい。どういう形でどういうふうに検討するか、研究会の設置その他を含めまして、現在いろいろと検討している段階でございます。
#56
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終わりますけれども、民主党としても是非とも中長期的な電波ビジョンというものも考えていきたいというふうに思っておりますので、是非、総務省からも中長期的なビジョンをお示しいただきたいと思います。
 終わります。
#57
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎です。
 先行委員の質問でかなり重複する部分がありますので、検討しながら質問をさせていただきますが。
 今の最後の浅尾さんの長期的視野に立ったということも本当に必要なんだろうなと思うところでございますが、毎年毎年改正をする、ただ、電波の利用状況の変遷というのがこの法律案関係資料の中であります。五十二年前の一九五〇年の九月では五千三百十七局、それが今七千二百六万局ですか、大変な飛躍というか、こんなことは敗戦後五年の段階で予測し得たかというとそれは厳しいなという思いもするわけですが、ただ一方、この資源は有限だということ、それで技術革新もどんどん行われると。
 ただ、やはり電波というのは一定の設備を持ってやるものですから、それは事業者であれあるいは投資家であれ、やはり予測可能性を考えながら投資をしてくると思うんですね。そうすると、やはり長期的展望というのが、どの程度が長期かというのは分かりませんけれども、そういう視点に立った見通しというものが一番大事だというふうに思うところであります。
 いま一度、今、大臣のお話もございましたけれども、事務当局としても本当に長期的な、毎回毎回これから研究会やるよと言うんです、じゃ去年、研究会やっていないのかとかそういうふうな話になるわけですから、いま一度、今度は事務当局の立場に立った長期的展望についてどういうふうに考えているのか、お示しをいただきたいと思います。
#58
○政府参考人(鍋倉真一君) 今、先生御指摘のとおり、電波というのは有限で希少な資源ということでございまして、今御指摘ございましたように、この五十年間で飛躍的に使われるようになって社会経済活動に広く普及をしているということで、逆に逼迫状況が大変な深刻な状況になっているということでございます。
 ただ、今後もこうした動きというのは加速するというふうに思っておりまして、今後とも電波を利用したビジネスの拡大というのは非常に想定されているところでありますし、新たな電波ニーズに対して、これらに対して適切に我々対処しなきゃいけないということだろうと思います。
 そういった将来の電波需要を広く見越した長期的な視野に立った電波行政というのが必要だろうというふうに私どもも思っております。そのために、将来の新たな電波需要に適切にこたえるためには、やはり再配分の中長期的な具体化ということが必要だろうというふうに思っておりまして、今回改正をお願いしております電波法の改正は利用状況、その前段の利用状況について調査をするということをお願いをしておるわけでございますが、こういった調査に基づいて電波の再配分計画というものを私ども具体的に立てるということを考えておりますし、それからもうちょっと広く言いますと、今、先ほど大臣の御答弁にございましたように、そういうテクニカルな面も含めまして、将来のビジネス、あるいは電波のニーズを含めた将来展望というものを広くは検討していく必要があるというふうに思っております。
#59
○魚住裕一郎君 大臣、今、浅尾理事の質問、それから私が事務当局からお話聞いて、長期ビジョンと言いますけれども、少ない資源をどう有効に利用するかという、それはもうやり方はいろいろあるし、また技術の進歩もございますけれども、ただ、今後の電波行政についてどういう視点でやっていくのか。
 ただ、これはもう国民がみんなIT革命というような言い方してきたし、経済の非常に大きなインパクトも与えると。昔の十二チャンネルの事件みたいなああいう時代状況とえらい違うわけですね。そういうことを考えて、経済の活性化という観点からも含めて、今後の電波行政についての視点をどこで大臣としてはお考えなのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(片山虎之助君) 今、魚住委員と局長との話も聞かせていただいておりますが、電波は国民共通の資源でございますし、有限な資源ですよね。有限、希少な資源でございまして、これをどうやってうまく活用するかということは、今お話しのように、経済の活性化にも国民生活の向上にも大変な影響があると思っております。
 特に、携帯電話が七千万台を超えているんですよね。しかも、四千万台は全部インターネットにつながっている、携帯が。というような時代になってきますと、国民生活や、国民生活の生活パターンや物の考え方まで私変わってきていると思うんですよね。
 そういう意味で、将来の我が国の経済や国民生活のあるべき姿も念頭に置きながら、この電波をどうやって再配分して利用していくかと。ただ、再配分の場合には、今お持ちの方がおりますから、その方々に対する、移行というのかそういうことも、新しい形に移行することについての影響を最小限度にする、あるいはそれをある程度補てんしていくようなことも考えながら、是非再配分、活用を図ってまいりたいと。
 その一環で今回調査さしていただいて、それを公表さしていただくと、こういうことですから、もう電波行政全般について、国民という視点、利用者を守るという視点ですね、そういうことをしっかり持ってやっていきたいと、こういうふうに思っております。
#61
○魚住裕一郎君 今回、利用状況を調査するというわけでありますが、これも電波の再配分を見越した上での調査と思いますが、これはあれですか、調査して公表する、すぐ再分配という形になるんでしょうか、局長。
#62
○政府参考人(鍋倉真一君) 今、大臣からもちょっとございましたけれども、調査をしてすぐ再配分というのはなかなかいかないのかなというふうに思っております。
 と申しますのは、既存の免許人というのがございますので、その既存の免許人が使っている無線設備というのが使用ができなくなるということでございます。それから、今まで電波を利用していた方が例えば光ファイバーに転換をしていただくということになりますと、そこで生ずる運営費用というのがありますけれども、それをどういうふうに負担するのかといったようなことを解決しなければいけないといった問題がございます。
 ということで、そういう負担の在り方、あるいは今までは十年ぐらい掛けて、負担のないようにして準備期間を置いて移行しておりましたけれども、ドッグイヤーと言われる今日、十年も待つわけにいきませんので、じゃあ何年ぐらい掛けてやるのかといったようなこと、そういったことを今、研究会を設けて検討をしているところでございます。
#63
○魚住裕一郎君 今、既存の免許人の利益ということも話が出ましたけれども、今回、調査するに当たって報告義務といいますか、ありますね。
 ちょっとこれ、通告をしていませんけれども、当然のことなんでお聞きいたしますが、これは罰則付けましたね。三十万円以下の罰金。余りこういう調査に刑罰としての罰金を付けるという、そういうのは余り、まあほかにもありますよ、もちろん。ただ、今回この法律で三十万円以下の罰金を付ける必要性というのは、どういうふうに理解をしているんでしょうか。
#64
○政府参考人(鍋倉真一君) 今回の調査というのは、その調査をされる免許人の、既存の免許人の方にメリットがあることではございません。
 と申しますのは、ひょっとしますと、その免許人の方が使っている電波が非効率的に使われているということになるかもしれません。毎日毎日、目一杯使っているということではなくて、例えば三分の一ぐらいしか使っていないということになれば、三分の二は召し上げることになるとか、そういうことをお願いすることになりますので、どうしても運用の、どのように運用しているかについて虚偽の報告をされる危険性がございますので、私ども、そういったものを含めて真実を私ども把握をし、今後の電波の再割当ての行政に生かしていきたいというふうに考えておりますので、そういった担保をさせていただいたというものでございます。
#65
○魚住裕一郎君 ただ、秩序罰の過料とかそういうのとちょっと違うものですからお聞きをしたわけでありますが。
 次に、有効利用という観点から、本当にちゃんとやっているかどうかというか、利用しているかどうかという、大臣がチェックするという形になると思いますが、そういうような手法よりも、電波利用の経済的価値に見合った使用料を徴していくという、そういうようなやり方の方がより効果的ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#66
○政府参考人(鍋倉真一君) 確かに、今のような割当てというのは、言ってみれば、ちょっと言葉は悪いんですけれども、ただで電波を使っているということになりますので、どうしても技術開発に見合って効率的に使用していくというインセンティブにはやや欠ける面があると、御指摘のとおりだろうと思います。
 そこを、例えば経済的価値ということでお金を、対価を払って電波を使用するということになりますと、そこはもう自然に効率的に使われるということは御指摘のとおりだろうと思います。
 ただ、その経済的価値を勘案する一つとしまして、先生も御存じだろうと思いますけれども、一昨年、ヨーロッパで第三世代の携帯電話についてオークションというものを導入をいたしましたが、これについてはデメリットの方が非常に大きかったんではないかなと、結論的にはそう思っております。
 と申しますのは、そのオークションの額が高騰をして、そのお金さえ払えないような状況に電話事業者がなってしまって、格付も下がるし、あるいは設備投資もできないしと、何のためにお金を払ったのか訳の分からないような状況になってきているということで、この面ではオークションというのは非常にデメリットが大きかったのかなというふうに私どもは思っております。
 ただ、オークションによらず、ほかの経済的価値を勘案した割当てというのが可能かどうか、また、そういうものが可能だった場合に、そのメリット、デメリットというのはどうなのか、私ども検討してまいりたいというふうに思っております。
#67
○魚住裕一郎君 それから、先ほども出ましたが、評価した上で結果の概要というものを公表することになっておりますが、それは中身は省令だということなんですが、そのガイドラインはどういうような中身になりましょうか。
#68
○政府参考人(鍋倉真一君) ガイドラインでやろうというふうには考えておりますけれども、調査の結果でございますよね。調査の結果については、ガイドラインというよりも、調査の結果は、できるだけまとめて地域ごとに、それから同種の免許人、個別の名前が余り出ないように、例えば公益事業なら公益事業でどの周波数帯はどのぐらい使われているというような、又は地域別にというようなまとめ方で公表したいというふうに思っております。
#69
○魚住裕一郎君 それから、今回新たな情報提供制度というのがありますけれども、情報公開法も行政の持っている情報を示すわけでありますが、その辺の整合性はどういうふうに考えているんでしょうか。
#70
○副大臣(佐田玄一郎君) 情報公開法ではいったん開示された情報についてはその利用目的に制限が設けられていないところでありまして、これは当然のことだと思うんですね。そしてまた、これに対して、今回の電波法に基づく無線局免許情報の提供制度では、その情報の提供について無線局の開設に必要な範囲内での利用目的に制限しており、この目的以外に使用したり他人に提供した場合にはこれは罰則が設けられている。ちょっとここはかなり限定をされているということであります。
#71
○魚住裕一郎君 最後に、技術革新というようなことも出てきたわけでありますが、やはり技術革新があるから電波需要が増大するという側面もありますが、やはり技術は技術をもって凌駕していくというか乗り越えていくというそういう側面が必要かと思っておりますが、いろいろ、ナロー技術でありますとか高周波帯の有効な利用とかいろいろお考えになっていると思いますが、それらの技術の現状、それから将来的にどういう促進策を取っていこうとしているのかお示しをいただきたいと思います。
#72
○大臣政務官(山内俊夫君) 委員御指摘のとおり、従来から総務省ではナロー化とかデジタル化など、電波の有効利用を図るための技術開発を積極的に推進してきております。
 例えば、本年度より第四世代移動通信システムの研究開発を開始したところでありますけれども、本研究開発においては、周波数を有効に利用して多くの情報を伝送できる超高速伝送技術、それとか、周波数の繰り返し利用による有効利用を図れるマイクロセル化技術、そういったものを、電波の有効利用に寄与する技術開発を実施する予定でございます。できるだけ技術開発を進めながら有効利用を図っていく、積極的に総務省としては取り組んでいきたいなと、このように考えております。
#73
○魚住裕一郎君 終わります。
    ─────────────
#74
○委員長(田村公平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として山本孝史君が選任されました。
    ─────────────
#75
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 私、まず最初に、携帯電話から出る電波に関して伺いたいと思うんですが、昨年一月三十日に生体電磁環境研究推進委員会の中間報告が出されまして、この報告に対して一部マスコミでは、携帯電話の健康への影響はない、安全宣言がされたと報道されました。ところが、私、この中間報告を見てみますと、「これまでの成果では、」とか「現時点では」という限定的なものです。例えばたばこの発がん性も、昔は発がん性があるかもしれないというランクでありましたが、今では発がん性が明らかであるというランク表示、これは世界共通です。今後、調査研究によって証拠が明らかになれば、この中間報告の認識というのも変わるわけであります。
 私は、電波が健康に悪影響を及ぼすことについての研究というのは、日本でもそして世界でもまだ緒に就いたばかりだと思います。現時点では、絶対にこういった電磁波が危ないとは言えませんが、安全とも言える段階ではない、こういう認識を持ちますが、いかがでしょうか。簡単にお答えください。
#76
○政府参考人(鍋倉真一君) 平成九年から私ども、厚生労働省等と一緒になりまして、電波の人体に与える影響について研究をずっとやってきております。この研究会で、これまでの研究の成果とか、あるいはWHOでもこういったことをまとめておりますけれども、そういったものを受けて、先生、今、先ほど言われた昨年一月の中間報告をまとめたわけでございますけれども、電波防護指針の値を超えない強さの電波によって健康に悪影響を及ぼすという確たる証拠は認められないということに中間報告はなっております。
 緒に就いたばかりとおっしゃいますけれども、実は電波の安全性につきましては国際的にも五十年以上の実は研究の実績がございまして、そういった十分な安全率を考慮した基準値でありますので、それはこの値であれば安全であるということで、問題はないというのが国際的な認識だというふうに考えておりますので、現時点における安全宣言というふうに私どもは意識をいたしております。
#77
○八田ひろ子君 要するに、現時点において、今の研究成果ではということで、将来にわたっても絶対に安全だと言える基準ではないというのが局長の答弁でも分かると思いますし、電磁波一般もまだ未知の部分がたくさんありまして、とても安全だと言える段階ではありませんが、こういう段階だからこそ、国民にいたずらな不安を呼び起こすようなものであってはならない、電磁波による健康被害への国民の不安にこたえる、これが大事だと思うんですね。
 健康や人の命にかかわることなので念には念を入れることが必要で、まず国がやるべきことは、総合的な予防対策も必要だと思います。総務省は今年六月から、携帯電話の技術基準適合証明の特性試験の試験項目に局所SAR値、比吸収率の許容値二ワット・パー・キログラムの基準をお入れになりました。これも私は一種の予防対策として評価するんですが、こういった電波強度と健康に与える、健康についての危険性も含めて国民に開示をする、情報公開、知らせることが大事で、そのための手だてが必要だと思います。
 携帯電話についてですが、国民に電磁波についての正確な知識を知らせること、それに基づいて人体への影響の少ない機種を国民が選択できるような第三者機関のチェックの入った安全基準の正確な表示、こういうのを私は義務付け等が必要で、局所SAR値は使う人が手に取っても分かるように表示をするとか、こういうことが大事だと思います。
 総務省は昨年五月に携帯電話の電波防護指針への適合確認調査というのをされまして、私どもそれを見せていただきましたけれども、その結果を生かして、例えばこの機種はSAR値がどれだけ、アンテナを伸ばすとどうか、頭部右側ではどうで左側はどうかとか、こういったより安全な使い方の広報、こういうものも私は総務省がきちんとやられるというのが大事だと思いますが、そこのところはどうでしょう。
#78
○政府参考人(鍋倉真一君) 昨年五月に、今七十六機種携帯電話の端末ございますけれども、そのすべての局所SAR値について測定をいたしました。その結果を報道発表したわけでございますが、すべてが基準値を満たしていたという確認をいたしております。
 ただ、より安心に使っていただくという環境を整備するために、今まではこれは民間のガイドラインとして活用されてきた基準でございますけれども、私どもは、先生今おっしゃいましたように、六月一日からこれを強制規格化するということを考えております。
 ただ、今申しましたように、この局所SAR値についてはすべての端末が基準を満たしておりますので、私ども自身としては公表する必要はないという認識でございますけれども、ただ、関係の業界におきまして、製造メーカーが自主的にこの局所SAR値の公表について検討しているというふうに聞いております。
#79
○八田ひろ子君 表示の正確さの担保というのも必要ですし、事業者任せでは、昨今虚偽ということもないとは言えないという、それでは国民は何を頼りに安全を判断すればいいのかということになりますので、きちんとされるということが不安をあおられないということだと思いますし、いわゆる安全基準もあくまで現時点の基準ですから、その時点でより安全なものを選びたいという国民が選択できるようにしていただきたいと思います。
 大臣に伺いたいんですけれども、今お話をしております局所SAR値なんかでも、大人も子供も同じなんですよね。現在、電磁波による子供への影響が心配されていまして、小学生でも携帯を持っているというのが言われておりまして、若い方と携帯電話は、とりわけ日本では切っても切れない状況です。例えばイギリスなんかですと、子供は脳組織が発達中なので携帯電話の使用は制限をしたり注意しなさいというリーフレットも作られているそうなんですが、こうした電磁波の知識、安全対策などは、とりわけ子供にかかわっての予防対策が大事だと私は思うんですよね。
 それをどうお考えかということと、また局長に、電磁波がホルモンへの影響を及ぼすとか、いろんな研究があるわけですから、暴露した親から生まれた子供や暴露した子供のその子供の影響、つまり世代間の影響を含めた研究はまだされていないということですが、こういうのもされるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(片山虎之助君) 我が国の局所SARの基準は科学的な根拠や様々な健康状態や子供への影響を見込んで決められたものでございまして、国際的ガイドラインと同じものだと、こういうふうに聞いておりますし、諸外国においても大人と子供の区別はしていないと、こういうふうにも聞いておりますし、さらにWHOは、国際ガイドラインの基準値に付け加えるなと、各国特別に、そういうことも言っておりますので、以上のような理由から、特に子供についての特別の対策を行う必要はないと、こういうふうに考えております。
 ホルモンの方は局長が得意ですから、局長に答えてもらいます。
#81
○政府参考人(鍋倉真一君) 確かに、子供から成長してずっと電波を使っている場合にどうだという影響についての御指摘だろうと思いますので、子供の成長の変化に応じて電波の影響というのはどうなのかということを今年度から動物実験で実施をしたいというふうに考えております。
#82
○八田ひろ子君 二年間ということですが、きちんとやっていただきたいなと思うんです。
 大臣は子供も一緒だとおっしゃるんですけれども、例えば、子供への影響を考えてだと思いますが、ディズニーが携帯電話へのキャラクターの利用許可を取り消すとか、こういうことが行われて、世界的には、とりわけ子供については心配をしているものですから、そういう問題について最善の環境整備をこれから考えていただきたいと思います。
 そもそも、今、安全基準に合っているんだとおっしゃるんですけれども、アメリカはこれ一・六ワットの規制なんですよね。だから、私はそういうものは日本もより厳しい規制にすべきじゃないかなと、こう思うんですが、局長、どうなんでしょう。
#83
○政府参考人(鍋倉真一君) 確かに、今御指摘のとおり、日本では二ワット・パー・キログラムということで、アメリカが一・六ワット・パー・キログラムということでございますので、日本の方が多少甘くなっております。
 ただ、これ、先生御存じだろうと思いますけれども、国際機関としまして国際非電離放射線防護委員会というところがございまして、ここが国際ガイドラインの基準を発表しておりますけれども、我が国の基準はこの基準と同一になっておりますし、欧州の各国はこのガイドラインを採用しておりますので、多くの国で我が国と同じ基準になっているということでございます。しかも、WHO等の国際機関によってこの基準値が妥当だというふうに認められておりますので、私どもはアメリカの基準に合わせる必要はないんじゃないかなというふうに考えております。
#84
○八田ひろ子君 より高い知見での研究を更に進めて、それで厳しくしていただきたい。どうしてそういうことを言いますかといいますと、先ほどお示しいただいた去年の調査、これで実際に頭部左側で測っていただいたこの表を見ますと、〇・一一八が最低ですけれども、一・八六〇というところがあるんですよね。だから、もしアメリカだったらこれは駄目です、失格です。そういう心配も国民の間にはありますので、それをきちんと知らせるということと、基準も見直していただきたいなというのがあるわけです。
 次に移りますが、今、地上波デジタル化に伴って、愛知県瀬戸市では地上波送信タワーの建設をめぐって住民の電磁波健康被害が心配をされています。これは携帯電話とは違いますが、よりパワーは大きいんですが、ここで問題とされております電波の安全基準については、日本は国際基準よりも甘い基準となっております。なぜ低く設定されるのか、国際基準に合わせるべきだと思いますが、いかがでしょう。
#85
○政府参考人(鍋倉真一君) 基本的には、この電磁界強度指針、放送局等を対象としましたこの電磁界強度指針につきましては、私ども、旧郵政省の時代の電気通信技術審議会で科学的根拠等を調査をいただいて決めたものでございます。基本的には国際ガイドラインと同等なものになっているわけですが、今、先生御指摘の一部の周波数帯において多少差異があるということでございます。
 この国際ガイドラインに示された値といいますのは、十分な、五十倍程度以上の十分な安全率を見込んで定められておりまして、我が国の基準も同様に十分な安全率は確保されているというふうに私どもは認識をいたしております。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 なお、今、瀬戸市のお話がございましたけれども、この地上波のデジタル放送用タワーから発射される予定になっております電波につきましては、国際ガイドラインに比べてもまた低い値になっているというふうに承知をいたしております。
#86
○八田ひろ子君 さっき、携帯電話では国際基準に合わせてあるから大丈夫だと、今のこの問題になっている電波、極超短波帯は国際基準よりも低いけれども日本ので安全なんだと。実際に出る大きさ、パワーというのはそういうふうなのかもしれませんけれども、やはり住民の方からすると、国際基準をあるときは旗印、あるときは以下でもいいんだというのでは、無責任のそしりも免れないと私は思うんですね。
 この瀬戸の送信タワー建設については、地元では住民合意がなく突然来たということで、一万八千七十三人署名を集められて、これ三団体あるんですけれども、建設見直しをしてほしいという運動があります。健康被害のことを心配され、住民合意ももっと話をしてほしいということなんですけれども、先ほど来携帯電話のことで確認をしているように、電磁波による健康への影響というのは実はまだ未知数で、マイクロ波が出るということで心配をされているわけですけれども、こういう段階であるにもかかわらず、事業者は突然ここに決めて、そしてこういう、地上デジタル放送の電波は安全ですと、こういうものを言うだけなんですよね。だから、こうしたみんなが不安を持っているときに、それに答えるんじゃなくて、まずデジタル放送の電波は安全ですと、これだけですから、余計に心配されるわけです。
 ですから、私、総務省として、こういう問題があるときには、きちんと住民と話し合うこと、タワーや基地局の周りの住民の皆さんの健康診断とか健康相談、そして周辺の皆さんの声がきちんと届くように定期的な協議会、無論、賛成派の方も反対派の方も入れないといかぬというふうに思うんですけれども、それとここで一番問題になっているのは、これは一・五キロのときに一番何か強いということだそうなんですが、保育園や小学校、中学校というのがちょうど一・一から一・五の中に入っているんですよね。だから、こういう問題もやはりきちんと話合いができるように総務省としてもされるべきだと思いますが、いかがですか。
#87
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生おっしゃいました瀬戸市のデジタルタワーでございますが、これは瀬戸市から強い誘致活動がございまして、地元の放送事業者が昨年七月に候補地に決定したということでございます。
 この建設に当たりましては、その地元の放送事業者は、昨年の夏以降、瀬戸市及び隣接の自治体において約三十回説明会を開催いたしております。このときには総務省の東海総合通信局もかなり共同して説明会に参加をいたしております。
 先ほど先生がおっしゃいましたその電波の基準値でございますが、ここの電波の強さ、一番強いところでも、先生がおっしゃいました一番強いところでも、先ほどから先生がおっしゃっている国の基準値の百分の一以下というデータでございますから、こういうこともるる御説明をして、既に住民との対話も十分進められたものというふうに認識をいたしているところでございます。
#88
○八田ひろ子君 大臣、今、局長はそうやって言っているんですけれども、実はそうではないんですよね。さっきも言いましたように、この一万余の署名を皆さんが集めて議会へ出されましたでしょう。そうしましたら、この一万八千七十三人のところに手紙が送られてきまして、何かというと、このデジタル放送の電波は安全ですと、またこれが送られてくるわけなんですよね。
 だから、やっぱりきちんと納得がいくように話しする。これ国策だということで言ってくるわけですよ。だから、国策か何か知らぬけれども、何で突然なんだと、何で自分たちに納得するように話をしてくれないんだと。もうこれからは話はしないよみたいなふうになっているんだというのがあるものですから、大臣、きちんと話をすべきだというのは、総務省のこれは管轄なんですけれども、どうでしょう。
#89
○国務大臣(片山虎之助君) 放送のデジタル化は国策ですよ。デジタルタワーをどこにどうやって作るかは、これは国策じゃありませんので、それぞれの事業者でお考えいただいて、地元とよく相談して建てていただきゃいいんです。
 そこで、今、局長が言いましたように、相当、三十回以上も説明会をやったりいろんな努力をしておりまして、その中には東海総合通信局も参加しているようですから、我々の方は相当理解をいただいていると思っておりますけれども、まだ理解をいただいていないようなら、もう少しそういう努力をする必要はあるのかもしれないと、こういうふうに思います。
#90
○八田ひろ子君 住民合意や、国策で二〇〇三年までにどうしても建てにゃいかぬというのでこれは問題が起こっているんですけれども、その根本は、地上波テレビのデジタル化移行の問題があるんです。
 今日は私もう時間がないので質問ができませんが、昨年、この電波法の改正の議論のときに、十年たったらテレビがただの箱で映らなくなると国民は全然知らないんだと、こんなことでいいのかということを大臣と議論しました。私どもは、デジタルテレビが十分に普及すること、放送エリアが一〇〇%カバーされること、こういう当然の条件が満たされないままにアナログ波打切りは見直すことを内容とする修正案も出して反対をしたんですよね。大臣はそのときに、副大臣もそうですけれども、予期できぬことが起こったりすれば、何が何でもごり押しするんじゃないんだと、民主主義の世の中だから考えるんだということもおっしゃっているんですよね。
 今、この一年の間で広範な国民の中で中止や延期を求める声がもう本当に一杯あります。与党の中からも公然と新聞や雑誌に出されています。昨日もテレビ局で働く方で組織されている民放労連から緊急提言をいただいているわけなんですよね。
 ですから、私、委員長に申し上げたいんですけれども、他会派からも指摘をされたように、この電波法に関しては長期的な展望が重要できちんと議論をしなきゃいかぬと思うんです。ここの委員会にきちんと説明もされておりませんので、本委員会でも集中審議を行うべきだと考えますので、理事会において、私どもはこの二〇〇一年の打切り計画というのは撤回して、みんなが納得するアナログというのはどうしたらいいのか一から出直すべきだという考えを持っていますし、同じ思いの方も一杯いらっしゃるんですね。だから、是非理事会でお諮りいただいて、集中審議をやっていただきたい、これをお願いをして私の質問を終わります。
 委員長、お願いします。委員長にお願いします。
#91
○理事(景山俊太郎君) また理事会で検討させていただきます。
#92
○松岡滿壽男君 電波法の改正自体はこれはもう当然のことと思いますし、既に先行議員から質問がなされておるわけでありますが、改めてひとつお教えいただくということで、お答えをいただきたいというふうにお願いをいたします。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 昭和二十五年、一九五〇年の制定ということですから、もうそれから五十年たっておるわけでありますけれども、元々電波というのは当時はもう公共目的ということであったと思うんですけれども、その後、民間分野が規制緩和とかいう形で広がってきて、既にこの資料を拝見しますと一万倍以上になっているということでありまして、この逼迫状況、これは大変なものだろうなという思いがいたすわけでありますけれども、どの分野で具体的に逼迫し、ちょっと我々実感としてちょっと分からないんですが、例えば携帯電話がつながりにくいという部分は確かにあるというように思うんですけれども、その辺のどの程度本当に深刻な状況になっているのか、具体的にどういうものにそういうものが表れているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#93
○政府参考人(鍋倉真一君) 確かに、電波はいろんな部分がございますので、その全部が逼迫をしているわけではございません。
 これは御承知だろうと思いますけれども、電波というのは低い周波数から高い周波数までありますけれども、低いところと高いところでは物理的な、何といいますか、性格が違います。低い周波数であれば、ぐるっと回っていくというような感じで地球じゅう回ることができますけれども、周波数が高くなればなるほど届きませんし直進をする、あるいは雨に弱いというような、そういう性格がございます。ということで、それぞれ物理的な性格に基づいて使い勝手のいいところにそれ相応の使用の仕方をしているというのが電波の世界でございます。
 ということで申しますと、昨今、先生御指摘の移動体、携帯電話の普及ですとか、そういったところに使われやすい波というのは二ギガ帯から五ギガ帯ということで、そこの辺の波が一番携帯電話には使いやすいということになります。
 ただ、五ギガ帯というのはこれから開発をしなきゃいけない、失礼しました、五ギガ帯はこれから開発をしなきゃいけないわけですが、ただ、そういった状況の中で、特に携帯電話あるいは先ほどから御議論が出ておりますインターネット接続のための無線LAN、こういったものがこれから需要が多くなるわけでございますけれども、そういったところに使い勝手のいい二ギガ帯から五ギガ帯までの波がもう、もし仮に、私、先ほど申しましたけれども、今度の第三世代の携帯電話の次の携帯電話と言われている第四世代の携帯電話を使用しようと思いますと五ギガ帯になるわけですが、そこには空きがございません。ということで、第四世代の携帯電話はどうしていこうかということが、そういう状況にあるということでございます。
#94
○松岡滿壽男君 昨日もクエスチョンタイムでいろいろ政治と金の問題、いろんな議論がありましたが、もう随分前ですけれども、細川内閣のときも、山本君がいますけれども、政治改革ということでいろんな取組をしたわけでありますが、またしてもいろいろな問題が出てきているということを非常に残念に思うんですが、あのときに、意外に忘れられていることですけれども、細川さんのときにたしか携帯電話ですか、自由化を、規制緩和をやったと。当時、百万台ぐらいだったのが一気にもう数千万という形になったということと、もう一つはビールですね、地ビール。この二つが私はある面では大きな功績であったのかなと、地域の産業と無線の携帯の普及という面では。
 これはあのときにはどういう予測を立てて携帯電話の自由化をやられたのか。また、私自身の記憶違いなのか、実際あのときの背景というのはどうだったのか。改めて、せっかくの機会ですから、お伺いしてみたいというふうに思います。
#95
○政府参考人(鍋倉真一君) 私の記憶違いだったらお許しをいただきたいんですけれども、細川政権のそれは恐らく携帯の端末の自由化だろうと思います。
 従来は規制がございまして、自由な端末を作ることがメーカーができなかったわけでございますけれども、大ざっぱに申しますと、どこのメーカーがどんな機種を作って、それは当然技術基準は守らなきゃいけませんが、自由に作れるようになったと。従来は、電電公社の時代ですと、電電公社がすべて端末までも含めて、何といいますか、その仕様を決めておって、そのとおりにしかできなかったわけですが、そういった意味でいろんなカラフルな、またいろんな形の端末が登場したということで、携帯についてもそういうことが行われました。携帯で行われましたので、先生御指摘のとおり、その端末の自由化が一つの起爆剤になって携帯が伸びてきたということはございます。
 その当時の予測で、私どもは、これは恥ずかしい話なんですけれども、その端末の自由化によって非常に携帯が普及するであろうとは思っておりましたけれども、現在のようにまで普及するという予測はいたしておりませんでした。
#96
○松岡滿壽男君 そうすると、その当時も端末の自由化であれだけ急速に伸びるとは予測していなかったと。
 今度、第四世代の問題についてはどういうふうに対応を考えておられるわけでしょうか。
#97
○政府参考人(鍋倉真一君) 第四世代は二〇一〇年からというふうに、世界的には大体そのころから始まるだろうというふうに思っておりますけれども、その前に第三世代というのが昨今始まったばかりでございます。一番早くドコモが昨年から開始をしたわけでございますが、現在、加入者が九万ということで、今年末には十五万という目標を作っているようでございますが、まずは動画が送れる第三世代の携帯電話の普及というものを見ながら第四世代の予測はしていくのかなというふうに思っております。
#98
○松岡滿壽男君 先ほど大臣が携帯電話七千万ということをおっしゃいましたよね。確かにそういう急速な普及の中で、若い人を中心に生活慣習といいましょうか、そういうものも随分影響を受けていますよね。先ほど来、八田さんなんかもいろいろ指摘をされましたけれども。だから、例えばもう電車の中で全く傍若無人にやっているとか、歩きながらハンバーグを食べながら電話掛けている姿を見ていると、これ一体日本というのはどういう国になっていくんだろうかという感じがしないわけでもない。確かに、これが普及したことによって物すごく便利にはなりましたよ。そのおかげで、せっかく沖に出て魚釣りよっても掛かってくるという不便さはありますけれどもね。
 だけれども、それだけ予測せざる普及にぱんとなっていって増えたときに、具体的にどのように対応をして、その増加に対応してこられたのか。予測せざる増加だったんでしょう。端末の自由化によってもう何千万という規模で膨れ上がったわけですから、それにどう対応されて、それで結局逼迫状況、それほど国民が不満を持たない状況で乗り切ってこられたのか、そういう経験を話していただきたいなという気がいたします。
#99
○政府参考人(鍋倉真一君) 要するに波が足りなくなってまいりましたので、従来は八百メガというところで携帯電話は使っておりましたけれども、それが一・二ギガのところで新たに波を出して対応してきたということでございます。
 今回、第三世代の波については二ギガ帯、第四世代になっては五ギガ帯を予測をしておりますけれども、そういったことでどんどんどんどん携帯電話の波を増波をしてきているということで、というか割当てを増やしてきているというのがまず一つでございます。
 それから、ただ波を増やすだけではございませんで、技術開発というのがやはり必要でして、従来と同じ幅であっても例えば二倍入るとか、例えば一つの通話でこれだけの幅が必要であったものを半分にする、半分でも同じ通話ができる、それからまた四分の一にしても同じ通話ができるというような技術開発をずっとやってきておりますし、それから、従来は携帯電話ではなかなか使い勝手の悪かった周波数帯がございます。それは高ければ高いほどそうだったんですけれども、それについても、固定間の通信だけではなくて携帯、移動体にも使えるように波を開発をしてきている、そういう技術開発をしてきております。
 例えば、昔の話で恐縮でございますけれども、昔は、昨今まで、今も使っております八百メガ帯の携帯電話の波というのは、私どもが入省しました三十年前はこんなところは絶対に移動体には使えなかった波です。そういうものを開発をしてきている。今は更に、二ギガ帯、今度からは五ギガ帯ということで、従来は固定間の通信にしか使えなかった波を携帯にも使えるような、そういう技術開発もやってきているということでございます。
#100
○松岡滿壽男君 大臣、かつて大宅壮一が、テレビが普及してきたときに、一億総白痴化するんじゃないかという警鐘を鳴らした時期があるんですね。
 確かに、テレビというのは非常に便利だし、情報を、真実をばっと伝える、画面でですね。そういう点では私は非常にいいことだというふうには思っているんですが、青少年健全育成会議というのがありまして、私は市長時代に、せめて家庭団らんで御飯を食べるときぐらいテレビは切ったらどうだという話をしたら、物すごいひんしゅくを買って袋だたきに遭いました。翌日、孫が学校に行ってからゴールデンタイムを見ておらぬと話題がない、大変おしかりを受けたわけでありますが、携帯電話の扱い方もやはりそろそろ何らかの形できちっとしたけじめといいましょうか、そういう一つのマナーといいましょうか、そういうものをしないと、どんどんどんどん便利な世界になっていって、それは、確かに私はいつでも自由にやれるということは非常にすばらしいことだと思いますよ、一面。だけれども、片方で、やはり人にある面では迷惑を掛けてしまうとかいうことに対するコントロールというものは私はすべきであろうというふうに思うんですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。
#101
○国務大臣(片山虎之助君) 電話も、今第二世代ですけれども、第三世代が出てきまして、これがスピードが幾らか遅いですけれどもかなり普及しつつありますね。それで、十年後には第四世代と。もう第四世代になると携帯電話か何か分からないでしょう、小型パソコンみたいになるんですね。そういうことになりますと、テレビも映れば、切符も買えれば、電子決済はもちろんできるようになるんで、恐るべきことになるなと、こう思うんですけれども、しかし便利になる、機能が高まるということはそれはなかなか阻止できませんよね、それはその方がいいんですから。ただ同時に、今、松岡委員が言われるように、マナーの問題だとか物を考える力だとか人格形成だとか、いろいろなことに私は影響してくると思いますね。
 そういう意味の幅広いすごい研究をやって、私は何か何らかの対応を考えないと、やっぱりまた日本人がおかしくなるなんという議論につながってくるんじゃなかろうかと。テレビがこれだけ普及して、もうテレビばかり見ていますと、これは物を考える力がなくなりますよ。それから、常に受け身なんですね。与えられる情報をそのままうのみにするんですね。跳ね返すあれがなくなる。こういうことで、私は大変最近の子供がそういう能力が衰えているということもテレビや携帯電話の影響があると思っているんですよ。
 それは必ずしも総務省の所管ではないかもしれませんけれども、政府として幅広くそういう議論をしていく必要性は私も十分感じております。
#102
○松岡滿壽男君 今日辺りの新聞やテレビでは、子供だけじゃなくて政治家がそういう感覚が衰えているという批判もあるわけでありますけれども、確かに、お互いにワイドショーを通じてお茶の間と政治が近くなっているということは私はある面では歓迎すべきことだというふうに思いますし、常に人に見られている、チェックされているという意識は大切なことだろうと私も思いますが、やはりそれが過度になってしまうと、確かに反射的に、物を考えずに、今、大臣が言われたような対応をぱっとしてしまうというところが今の日本人の弱点じゃないかな。だから、アメリカ辺りから、自己改革能力がないとか、そういう批判を受けているというところにもつながっておるだろうと思うんですが、いずれにしても、これは民族の知恵でこのところは乗り切っていかなきゃいかぬだろうというふうに思うんです。
 いずれにしましても、先ほども先行議員の議論もあったんですけれども、三年間ですね、利用状況調査。免許人にとっても行政にとっても負担になるという点は理解できるんですけれども、先ほど来お話しのように、もう技術革新は物すごいスピードであっという間に変わっていくわけでしょう。そういう中で、やはり三年間というのはちょっと長いんじゃないかなという感じがするわけですね。
 この辺はどうなんですか、もっと短縮するとか。そうしないと、あっという間に変わりますよ。今のようなコンピューターと同じような形になっていくという、そういう推移になっていくわけですし、その間にやはり我々のいろんな反省も間に入ってくるでしょう。すると、こう行くべきだという問題も出てくると思うんですね。その点はいかがお考えでしょうか。
#103
○大臣政務官(山内俊夫君) 先ほどからドッグイヤーという言葉を大分使われておりますし、確かにこういった調査については、どんどん技術が進歩しておりますから、三年という一つの区切りでやろうとしておりますが、しかしながら予期し得ない新規需要とか技術の出現などが適切に対応できるように、本法案においては、必要に応じまして対象周波数帯域、それとか調査地域等を限定しまして臨時の調査も実施できるようにしておるところでございます。
#104
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。終わります。
#105
○又市征治君 社民党の又市です。
 まず初めに、電波利用調査についてお伺いをしたいと思います。
 電波の逼迫状況に対処するために、今回の改正で利用状況の調査、公表を行おうとすることは理解をいたします。ただ、その結果、三年ごとの調査をすることで再配分につながっていくということですね。
 そこで、第一に、再配分ということは免許の取消しを含むわけですね。今回の改正では、それを直接定めてはいないわけですけれども、大臣権限でいつでも取消しできるという考えなのかどうか。それから二つ目に、この調査が使用頻度ということ以外に、例えば放送や通信の内容にわたって判断をし、事実上の検閲になることはないという保障があるのかどうか。この二点、お伺いをします。
#106
○政府参考人(鍋倉真一君) 今回の法律改正には先生御指摘のとおりございませんけれども、電波の再配分ということになりますと、従来ですと電波が豊富でしたので、例えばAという波を使っていましたけれども、ここにほかのものを割り当てるのでBというところに引っ越しをしてくださいという方式で対処をしてまいりました。
 ところが、今度はAという波からBというBの場所がないというようなことになりますので、結果的には、例えば光ファイバーに移っていただくだとかということで、もう電波を使っていただくのをおやめいただくことに、そういうお願いをするということになるんだろうというふうに思います。ただ、その際にはどういう補償をするかということは今検討をしているというところでございます。
 それから、検閲の話でございますけれども、調査につきましては、どういうふうに効率的に使われているか、技術的に最先端のもので効率的に使っているかどうか、あるいは一日にどのぐらい量を使っているかどうかというその量を把握する、言わば形式を把握するものでございまして、その中身について調査をするというものではございません。
#107
○又市征治君 次に、有事法制の問題と電波の関係についてお伺いをします。
 有事法制という名で、土地建物、船舶などの輸送手段だとか、あるいは医療資源、食糧や燃料、技術労働力の軍事利用というのが来週の十六日にも閣議決定をされて国会に出されようというわけですけれども、こうした中、一つは、今回の電波法改正案による調査が電波の軍事利用優先あるいは民生利用の制限や一時停止あるいは取上げに道を開くものではないというふうに言えるのかどうか。
 第二点目は、現在、有事法制の整備案では電波はどうなっているのか。一九五六年以来の有事法制検討のリストの中には電波の円滑な利用が挙げられているわけですね。総務省は、今回、内閣官房等から意見を当然求められたんだろうと思いますけれども、電波の軍事優先化についてどういう意見を述べられているのか、あればお聞かせをいただきたいと思います。
#108
○政府参考人(鍋倉真一君) 今回の有事法制とそれから今回お願いをしております電波法の改正での調査というのは全く別の次元の話でございますので、結論から申しますと関係がございません。私どもはあくまでもこの調査は将来をにらんだ電波の最適な再配分ということで調査をお願いをしているというものでございますので、有事というものとは関係のない話でございます。
 なお、有事法制について、電波の関係についてどのようなことを考えておられるかということでございますけれども、有事法制につきましては、これまでの研究結果を踏まえまして、現在、内閣官房と調整を進めておりますけれども、今後の整備項目の一つとして、先生御指摘のように電波に関する項目が盛り込まれる方向で検討中でございます。ただ、どういう形で盛り込むかということは、今後関係省庁、特に防衛庁になると思いますけれども、そういった関係省庁と協力をしながら具体的な措置についてはこれから検討していくということでございます。
#109
○又市征治君 このこととの関連で、海上保安庁にもお越しをいただきましたが、えひめ丸事件の問題との絡みでお伺いをしたいと思います。
 電波が軍事優先で運用された場合、どのように人命が軽んじられるかという例が昨年二月、ホノルル沖でのアメリカの潜水艦に一方的に衝突されて九人が亡くなったえひめ丸事件だと思います。
 まず、事件の前の段階での電波の利用の問題でお聞きをいたしますけれども、日本が国際的に参加している船舶交通の安全情報システムとして、国際航行安全情報、ナブテックスがありますけれども、海上での軍の訓練などの情報は事前周知の警報として五日前から流すことに今国際協定では決まっているわけですね。日本ではどのような情報を発信をされているのか、種類、内容など具体例を二、三お聞かせいただきたいと思います。
#110
○政府参考人(縄野克彦君) ナブテックスの航行警報につきましては、IMOと、これは国際海事機関でございますが、それと国際水路機関の共同の決議によりまして、広域にわたることもある航海の安全に影響を及ぼす特殊な作業、例えば海軍の演習、そういうものにつきましては、できるだけ予定される五日前以上に始めなければならない、このようにされておりまして、我が国では防衛庁などが実施します射撃訓練あるいは爆撃訓練などにつきまして、私どもが情報を得てナブテックス航行警報を発信しておるところでございます。
#111
○又市征治君 このホノルル近海での潜水艦グリーンビル号の浮上訓練は、このナブテックス通信でアメリカ沿岸警備当局から予告をされていたのかどうか、まずこれはお聞きしておきたいと思います。されていれば、えひめ丸の事故はなかったんだろうと思うんですね。この訓練について情報を流さなかったとすれば、アメリカ側は重大な義務違反ではないかと思うんですが、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#112
○政府参考人(縄野克彦君) えひめ丸事故に際しまして、私どもからアメリカの沿岸警備隊、USコーストガードに確認をいたしましたけれども、グリーンビルの緊急浮上につきまして航行警報は出されていない、出していないという回答でございました。
#113
○又市征治君 今申し上げたように、だとすれば重大な義務違反だということになりますね。
 そこで、次に、この関連で総務省にお聞きをいたしますけれども、遭難後の電波の問題です。
 グリーンビル号が、すぐに救助できたのは今言うまでもないことなんですけれども、電波の問題に限っても、このグリーンビル号がえひめ丸の代わりに発信していれば、日本でもホノルルでもすぐに受信できたはずです。まず、この点はどういうふうにお受け止めになっておるのか。
 電波法では第六十六条で、遭難通信を受信した者は他の一切の無線通信に優先して直ちに通報しなければならない、こういうふうにあります。また同法第百五条では、それを怠った者に罰則一年以上の有期懲役を定めているわけですね。したがって、このことが一体全体どうなっておったのかということが第一番目です。
 第二に、ところで、電波法に基づく無線局運用規則では、遭難した船以外の者、例えば衝突の相手方や目撃者に対してどんな義務を課しているのか、お伺いをいたします。
#114
○政府参考人(鍋倉真一君) 船舶の事故等を目撃をしまして船舶が遭難していることを知った船舶局は、遭難している船舶が遭難警報又は遭難通報を送信することができないときには遭難警報を送信しなければならない旨、総務省令であります、今、先生御指摘の無線局運用規則に定められておりまして、このような場合には代わりに送信することが可能であるということでございます。
#115
○又市征治君 したがいまして、グリーンビルは、仮に我が国の国内法によるならば、第六十六条及び今御説明あった運用規則で、他の一切の無線通信に優先して直ちに遭難通報しなきゃならないわけですね。また、電波法は各種の国際法規に準拠しているわけですから、米国の国内法でも同様のはずだろうと思います。
 ところが、グリーンビルは、ここが軍隊の官僚的、しかも非人道的なところですけれども、遭難通報しないで、何と自分の上部機関である潜水艦隊司令部にあてて普通の通信で、つまり秘密に報告をしているわけです。これが潜水艦隊から更に普通の通信で救助に当たるべき沿岸警備隊に伝わったのは、えひめ丸の遭難通信の発信から八分たってからやられている、こういう状況だったんだと聞いています。しかし、その二分後にはもうえひめ丸は沈没をしたわけですね。正に軍隊の秘密主義的な電波の利用が人命救助を決定的に妨げている、極めて残念なこういう例だろうと思うんです。
 そこでお聞きを、総務省にお聞きをするんですが、もしこれが日本で起きていたら、電波法違反は明らかじゃないですか。
#116
○政府参考人(鍋倉真一君) 電波法六十六条では、遭難通信を受信した船舶局は、遭難している船舶を救助するため最も便宜な位置にいる無線局に対して通報する等、救助の通信に関し最善の措置を取ることが求められております。また、この電波法第六十六条に違反した場合には一年以上の有期懲役の罰則が設けられておりまして、仮に米軍の潜水艦の例を電波法に照らしたとすると、第六十六条に違反している場合にはこの罰則が適用されるということになると考えております。
#117
○又市征治君 時間がありませんからこれ以上それは言いませんが、最後に総務大臣にお伺いをしてまいりたいと思いますけれども、今申し上げてまいりましたように、軍による電波の独占あるいは電波利用における人権や財産の侵害は、とりわけ戦時下の法体系、今で申し上げるならば有事法制の下でもっとそういうことが拡大をするのは必至だというふうに言われています。その結果、人命が守られるかといえば、今見たように、軍艦は、あるいは軍隊は、目の前の人命を救助しないばかりか遭難通報すらしないという、こういう状況がこのグリーンビルの例で明らかだろうと思うんです。
 したがって、先ほど来から大臣もおっしゃっていますように、国民共有の財産である電波ですから、こうした軍事独占あるいは人命軽視に決して手をかさないよう強く求め、大臣の見解を求めておきたいと思います。
#118
○国務大臣(片山虎之助君) 有事の際における電波の問題につきましては、自衛隊の電波利用の具体的な必要性等を踏まえまして十分協議してまいりたいと思いますけれども、又市委員の言われる点も念頭に入れてまいりたいと思います。
#119
○又市征治君 終わります。
#120
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 電波法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#121
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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