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2002/06/11 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第17号
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2002/06/11 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第17号

#1
第154回国会 総務委員会 第17号
平成十四年六月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     市田 忠義君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     宮本 岳志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    若松 謙維君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       防衛庁長官官房
       長        柳澤 協二君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       総務省自治税務
       局長       瀧野 欣彌君
       財務大臣官房審
       議官       石井 道遠君
       文部科学大臣官
       房審議官     加茂川幸夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に防衛庁長官官房長柳澤協二君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省自治財政局長林省吾君、総務省自治税務局長瀧野欣彌君、財務大臣官房審議官石井道遠君及び文部科学大臣官房審議官加茂川幸夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(田村公平君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る六日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○高橋千秋君 おはようございます。民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。四十分いただきまして、冒頭でごあいさつを、ごあいさつじゃない、御質問をさせていただきます。大変失礼しました。
 今日は地方税法の一部改正ということで、先日の六月の七日に首相の税制改革の骨太の第二弾ということで出されまして、その中にも幾つか出ておりますけれども、それも踏まえて御質問をさせていただきたいなというふうに思っています。
 まだはっきりとした中身も分かりませんが、新聞等の情報でしかございませんけれども、この骨太の中身を見ましても、これまでの論議を見ましても、やはり税金のことについては、取る側の方は一生懸命取りたい、とにかく取れるところから取りたいと、それから払う方は、とにかく余り払いたくないわけでありますから、脱税という声も当然出てまいりますけれども、いわゆる節税も含めて、なるべく払いたくないと、それのせめぎ合いの中で来ているわけだと思いますし、この骨太の方針を見ても、どうやったら取れるのかというふうに四苦八苦しながらも、取る側の論理で来ているというふうに思います。
 私は、取る側にとってみれば、取るということも当然必要なんですが、どうやって使うかということも非常に重要なことだと思います。今回のこの地方税法の改正も含めて、地方税というのは、税源移譲の話は後でさせていただきたいと思いますけれども、非常に、使うということの配慮が少し欠けているのかなと。歳入の方ばっかり一生懸命で、歳出については少し、節約するという部分がどうも欠けているように国民は思っていると思うんですね。日本の税金というのは諸外国と比べてもそんなにめちゃくちゃ高いというものでは実質はないと思うんですが、どうも日本の国民は、日本の税金は高いんだ高いんだというそういう感想になるというのは、やはり自分たちが払っている税金がちゃんと使われているのかどうか、それが一番国民が納得できないから非常に税金が高いというふうに思っているんだと思います。
 後で公共事業のことも触れたいと思いますが、この点について、冒頭、大臣から御所見をお伺いをしたいと思います。
#6
○国務大臣(片山虎之助君) 今、高橋委員言われますように、いわゆる国民負担率から見ますと、アメリカと日本が一番低いんですよね。ただ、それは例の借金分を外しているからなんですね。それを入れると五〇ぐらいになるんですね。
 そこで、税金は高いか安いかという議論がありますが、確かに、高いと思っていることの一つに、国民が、皆さんが支払われた税金が適正に効率的に使われているかどうかについてのやっぱり議論があることも私は確かだと、こう思っておりますので、そこのところをこれからやっぱり国も地方団体もどういうふうに国民のそういう懸念にこたえていくかということが必要じゃなかろうかと。無駄な歳出はこれからカットしていく、できるだけ使う場合には効率的に使うと、こういうことが必要でございまして、しかもそれが透明である、国民の皆さんからよく分かると、こういうことが必要だと、こう思います。
 ただ、国も地方もこれだけもう恒久的な、歳入と歳出に開きがある、乖離がある。もう常時、国も三十兆、地方もそれに近い借金をしないと予算が組めないようなことで本当にいいのかなという気が少ししておりますので、その言わば受益と負担といいますか、サービスと負担の関係についてはもう一遍国民的議論が必要ではなかろうかと、これは私は個人的に思っております。
#7
○高橋千秋君 税金というのは本当に国のために、国民のために使うわけでありますから、これは必要なことだと思いますし、ただ、やはり国民が納得できるように使う側とすれば使ってほしいという、そういう思いは非常に強いと思います。是非そのことを心掛けていただきたいなというふうに思いますし、私たちもそういう思いでやっていかなければいけないなというふうに思っています。
 冒頭に、今回のこの地方税の一部改正についての細かい点で一点だけお伺いをしたいというふうに思っています。
 今回の法人税の連結納税制度導入に伴う改正ということでありますけれども、地方税の取扱いについては従来どおり単体法人を納税単位とするということで、これはやはり地方の側からいえば、当然そうしていただかないと地方は全然税金が入ってこないという可能性も出てまいりますから、当然必要なことだと思います。地方税は応益的な性格のものだというふうに思いますから、その意味で非常に重要なことだと思うんですけれども。
 確認をしておきたいんですが、地方税を連結納税から外したということの理由と、もし仮に地方税も連結納税を採用した場合、どういうふうになっていくのかということも含めて、お聞きをしたいと思います。
#8
○政府参考人(瀧野欣彌君) 今回の地方税法の改正に伴います連結納税についての考え方でございます。
 ただいま御指摘がございましたように、地方税におきましては、地域におきます受益と負担の関係、これが非常に重要なポイントでございます。仮に地方税におきまして連結納税制度が導入されたといたしますと、一つには、地域外の法人の事業活動の結果が税収に反映されまして、受益と負担の関係が損なわれることになってしまう。二つ目には、地方公共団体と当該地域で活動する法人との結び付きを希薄化いたしまして、地域におきます協調関係を阻害しかねないという問題があるということでございます。
 また、技術的に申し上げましても、現在、事業税、特に事業税におきましては、収入金課税と所得金課税というものがございますので、これを連結いたしました場合にどういう形でお互いに損益通算をするのかという問題もございますし、また、幾つかの都道府県に事務所を置いている法人につきましては、分割基準というものを構えまして各府県にこれを帰属させるということにしておりますが、この分割基準が業種によって異なっておるという状況にありますので、そういった面でも、異なった業態を一つのグループとした場合にどういう形で各県に帰属させるかという面でも、技術的になかなか難しい問題があるわけでございます。
 こういったことから、この地方税につきまして、政府税制調査会の答申におきましても、「地域における受益と負担との関係等に配慮し、単体法人を納税単位とすることが適当である。」というふうにされたところでございまして、今回の改正におきまして、こういったことも踏まえまして、従来どおり単体法人を納税単位とするということにしているところでございます。
#9
○高橋千秋君 そのことによって、今回、法人税にリンクしていた法人住民税、法人事業税というのが異なる申告制度になるわけですよね。ですから、納税する側と課税する側の事務負担というのが当然出てくると思うんですが、これについてどういう配慮をされておみえになりますでしょうか。
#10
○政府参考人(瀧野欣彌君) 御指摘のように、国税の連結納税制度につきまして地方税におきまして遮断をいたしますので、若干の事務負担増というものが出てくる中で、どのような形でそういった事務負担につきまして簡素にするかということが課題になるわけでございます。
 これにつきまして、昨年、政府税制調査会の法人課税小委員会におきまして、納税者なり課税庁双方の事務負担も十分考慮に入れ、基本的には、法人税の計算過程において連結グループ内の各法人に配分される所得金額又は税額を基にして課税標準を算定する仕組みとすることが適当であるという報告が出ておるわけでございまして、今回もこの報告を踏まえまして、法人税におきまして、各法人に配分されます個別の帰属額を課税標準とするなど、できるだけ簡素な仕組みとなるように制度設計を行っているというところでございます。
 また、各連結法人がそれぞれ所轄の税務署に対しまして個別帰属額などを記載した書類というものを提出いたしますが、これを課税庁である地方公共団体が閲覧できることといたしまして、円滑な事務処理が行えるようにも配慮しているところでございまして、今後、制度の周知に努めまして、円滑な事務処理が行われるよう万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#11
○高橋千秋君 次に、地方税全般のことでお伺いをしたいんですが、まず大臣にお伺いしたいんですけれども、大臣の方も、国税、地方税の歳入の比率を現行の三対二から一対一に改めるという目標を示された。これは、大変、地方分権を進めていく上では非常に重要なことだと思います。
 地方分権と言われて非常に久しいんですが、やはり財源を移譲しない限り、財源と権限を移譲しない限り本当の地方分権というのはできないんだと、地方の自立というのはできないんだというその思いは私は非常に強くて、選挙の中でもそういうのを公約の中に入れてきたりもしたんですけれども、是非それを進めていただきたいと思うんですが、まず冒頭、大臣言われた決意についてまずお伺いをしたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(片山虎之助君) 今言われましたように、国から地方への税源移譲というのは地方の自立の私はもう前提だと、こういうふうに思っております。
 二年前に地方分権一括推進法が施行されまして、権限は、まあ完全じゃありませんけれどもかなりな部分が地方ができるようになり、国の関与もかなり縮小され、機関委任事務なんというのも廃止されましたね。法定受託事務と自治事務になったわけでありますが、それだけじゃ駄目なんですね。やっぱり税財源を地方にもっと与えると、こういうことが必要だと考えておりまして、現在の六対四をせめて五対五にというのが我々のかねてからの主張でございまして、経済財政諮問会議でもそのことを繰り返し主張し、せんだっては、あれは五月二十一日でございましたか、片山試案という形で、取りあえず五兆五千億の国税を地方税に移譲させると、こういう案を提案いたしたところであります。
#13
○高橋千秋君 私もそれは当然必要だと思います。まあ十分ではないと思いますが、それを第一歩だというふうにとらえたいなと思うんですが。
 先ほど大臣の方から五月二十一日の諮問会議での片山試案、それ出された中身なんですが、五・五兆円の国庫支出金を削減して国税から地方税へ振り替える税源移譲試案ということでございますけれども、五・五兆円、具体的に移れば先ほどの第一歩になると思うんですが、この中身を見させていただくと、経常的経費に係る国庫負担金を半減して三・二兆円程度減らすと、移すということでございますけれども、この五・五兆円の中に、私は一番必要だと思うのは公共事業の部分、四兆円ぐらいありますが、私はこれを移譲していくべきではないかなと思うんですが、このいろいろな中身を見ていくとどうもそうではないように思うんですが、公共事業についてはこれに含まれておりますでしょうか。
#14
○国務大臣(片山虎之助君) 五・五兆の税源移譲は、所得税で三兆円、消費税から地方消費税へ二兆五千億と、こういうことですね。所得税から住民税に三兆円、消費税から地方消費税に二兆五千億と、こういうことでございまして、国の財源がそれだけ減るわけですから、国の方の歳出をそれに見合ってカットしてもらわなきゃいかぬと。
 何をカットするかということなんですが、私どもはそれは国庫負担金と国庫補助金だと。奨励補助金というのがかなりあるんですね。奨励補助金は、どうしても残すべきものは除いて残りは全部やめたらどうかと。これは地方分権改革委員会というのが前ございましたね、諸井さんが委員長の。そこが提案している案なんですよ。そこが奨励的補助金、いわゆる国庫補助金は特別なもの以外は全部やめると。残りについてはこれは国庫負担金。国庫負担金というのは大きな義務教育と社会保障と公共事業なんですよ。国庫負担金の方で残りは考えたらどうかと。
 こういうことで、今回は、これは各省の所管ですから、これとこれとこれと言うとまた各省がわっといってなりますから、そこは私どももおもんぱかりまして、何で幾ら、何で幾らかという特定はしていないんですよ。しかし、念頭には、奨励金、国庫補助金は今言いましたように七、八割はやめたらどうかと。国庫負担金については、まあそうですね、四割か五割ぐらいを削減の対象にしたらどうかと。それは、公共事業もあるし社会保障もあるし義務教育もあると、こういうことでございますけれども、ただ、高橋委員、公共事業は、これは年によってばらつきがありますし、地域によって物すごい差があるんですよね。だから、こういうものが税源移譲の対象として一律に切り込むのがいいのかというちょっと議論があることは事実なんですね。それは、経常的な方を削減していく方が削減の仕方としてはいいんですね。
 ただ、そこで恐らく各省は、例えば社会保障でも義務教育でも、今の補助金を例えば半分にするとか四割にするとか三割にすると言ったら大変抵抗があるんですけれども、その仕事をやってもらうんですよ。その仕事をやってもらうんで、国から出すお金の比率が下がるんですよ。地方の出すお金の比率が上がるんで、仕事自身をやめるとかということではないんで、特に義務教育なんかについて文部省が大変過剰な反応を示しておりますけれども、私は、文部省にそういうふうに言っているんですよ。文部省は今義務教育の学校の先生方の人件費は半分国が持っているんですね、御承知のように給与の半分を。残りは地方の財源ですよ。だから、これを仮に、今半分持っているのを四割にしても、それじゃ義務教育の先生方に辞めてもらうこと、そんなことできるわけないんで、これは例の定数法で義務付けられているんですから。そこのところはよく考えてもらいたいと思うんですが。
 いずれにせよ、総理からの指示が出ましたのでやらにゃいけません。年内にまず国庫支出金、補助金や負担金の各省がどれだけやめれるかというリストを出して来年度の予算から反映していく、一年掛かって税源移譲と交付税の見直しと国庫補助負担金の整理合理化をやる、一年間で工程表を作ってやると、こういうことですから、いずれにせよ、財務省を始め補助金、負担金をお持ちの関係省庁とは十分な相談をしてまいりたいと。
 結局は、地方の税源を増やすということですから、地方の税源を増やす、地方の税を増やすということですから、そういうことでの御理解と御協力を得たいと考えております。
#15
○高橋千秋君 地方の税源を増やすというのは、当然それはそれでいいことだと思うんですが、地方から見ると、自分のところの使える量がちゃんと確保できるのかどうかということだと思うんですよね。それは、国から出ようが自分のところが出そうが、その絶対量が確保できるのかということが非常に大きなことだと思うんですが。
 それと、さっき大臣から文部省の話出ました。義務教育の部分ですね。今日、文部省から来ていただいていると思うんですが、文部省の義務教育の部分を移譲するということについてどういう見解をお持ちなのかということをお聞きしたいと思うんですが、どなたですか。
#16
○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。
 先ほど片山総務大臣からお話あったわけでございますが、私ども事務的には、税源移譲試案の中の経常的経費に係る国庫負担金の三・二兆円程度削減することの内容につきまして、どのような内容が含まれておるか、想定されておるかということにつきまして、これまで直接また詳細にはお話をお聞きしておりませんでした。
 私どもとしましては、義務教育につきましては、憲法上の要請として、国民すべての子供が全国どこでも無償で一定水準の教育を受けられるようにすることが国の大きな責務だと考えておりますし、この責務を果たす上で、義務教育職員の給与費を二分の一国庫負担しているという現在の義務教育費国庫負担制度については、今後とも維持すべきであると考えておるのが私どもの現在の考え方でございます。
#17
○高橋千秋君 今そういう御意見がございましたが、大臣、いかがでございましょうか。
#18
○国務大臣(片山虎之助君) これは、文部省の高官の方は正にそうですよ。二分の一国が出すことが義務教育について国が保障していることだと、それは一つの考え方ですね。
 しかし、それはそうなんですけれども、全体としてどう考えていくかということなんで、気持ちはそれぞれよく分かるんですよ。負担金というのは、国と地方に関係あるから金を出し合うというのが負担金ですから、補助金とはそこが違うんで、この辺もよく性格を吟味しながら、我々はこの補助金をどうだとかこの負担金をどうだという案は持っていないんです。あるのは地方分権改革委員会の諸井委員会がかつて作った案があるんです。それを下敷きには考えておりますけれども、今案を持っておりませんので。総理の指示がありましたので、これから年内に掛けてと来年一年の工程表で交付税や税を含めて全部考え直そうということですから、その間にしっかりこの負担金についてはどう考える、この補助金についてはどういうふうにやると、こういうふうにしていきたいと、こう思っております。
 特に補助金については、それがなくなることあるいは一般財源に振り替えることによって地方の自立性は増すんですよね。事業選択がフリーハンドで地方の判断でできるようになるわけで、今は補助金があるから、補助金もらいたいから補助金が付いている事業を優先するという癖がありますから、その点は、補助金については、私はこれはできるだけ縮小した方が地方の自主性が増えて地方が自由に使える金が増えると、こう思っております。
 負担金の方は法令で義務付けられていますから、例えば義務教育だとか社会保障だとか、公共事業は必ずしもそうでもございませんけれども、義務付けられたものもありますので、その辺は整理しながら仕分をして、今後検討して、各省とよく相談したいと、こういうふうに思っております。
#19
○高橋千秋君 義務教育なんというのは、それこそこれは良しあしは別として全国一律同じようにやっていくわけで、これも地方独自のやり方があってもいいと思うんですが。
 さっきのお話では、公共事業なんというのは、その地域が必要なものというのは地域で判断すべきだというふうに思いますし、その意味では今公共工事というのは非常に問題になっていますけれども、毎年金額が変わるにしても、これをやはり優先すべきではないかなと思いますし、さっきの話で、法律で決まっているからということはありますけれども、当然地方から見ると、義務教育の部分を移譲するということで絶対量が確保できるのかどうかという非常に不安があると思いますし、公共サービスという部分でいえば、福祉の部分も義務教育の部分もやはり国民が生きていく上で基本的な部分でありますし、教育というのは更に充実していくべきだというふうに思うんですね。その意味でも、将来的には当然地方に移譲していきながらやっていくということは必要だと思うんですが、やはり今のような状況の中では、地方からは本当に絶対量を確保できるのかという非常に不安があると思うんですね。
 それともう一つは、地方交付税の見直しということもこの中に含まれているわけでありますけれども、そうなると、都会はいいですけれども、田舎へ行くと本当にそんな額が確保できるのかどうか、絶対量を確保できなければ、法律でそういう絶対量の、義務教育に掛かるお金については当然最低線は守るにしても、十分なことができないんではないかという非常に不安があると思うんですね。その意味では地方交付税の見直しも含めてどうお考えなのか、お伺いできますでしょうか。
#20
○国務大臣(片山虎之助君) 税源移譲で一番泣きどころは、税源移譲すると大きいところが、大都市圏を持つ都道府県は増えるんですよね、税が増える。固有名詞を出しちゃいけませんが、東京都が一番増えるんですよ。それから大阪や神奈川県や愛知県が、都道府県で言いますとね。それからまた大きな都市が増えるんですね。
 だから、そうなると税源移譲すれば大都市はもう税だけでやると、大都市を持つ府県は税だけで。今不交付団体は都道府県でいうと東京都だけなんですよ。残りは全部、大阪も愛知県も神奈川県も交付税が行っているんですよ。だから、大きいところはもう税だけでやると。その代わりそうでない経済力の弱い県、そういうところは今よりは交付税が場合によっては増えると、こういうことなんですね。交付税の今財源保障機能と財政調整機能、二つ持っておりますが、そういう意味では財政調整機能の方が際立ってくると。
 財源保障はもちろんせにゃいけませんよ、財源保障するんだけれども、そういうことで、弱いところは交付税のウエートが増して、大きいところはもう税だけで不交付団体になっていくと。こういうことが私はある意味では望ましいんじゃなかろうかと。それが地方の自立ということですね。本当は弱いところも税でいきゃいいんですが、税源がありませんからね。幾ら税源移譲しても取れる税源が限られておりますから、そういうことになっていくのかなと、こう思っておりますが。
 交付税全体も相当大きな額ですからね、今。だから、これをこのまま維持していくというのはなかなか大変な話になってきて、今は中央の財源不足が大きいものですから、国も赤字国債を出して交付税特別会計に入れているんですね、お金を。地方は赤字地方債を出してもらっているんです、去年から。だから、この状況が続くと交付税制度そのものが破綻しますからね。我々としても税源移譲することによって交付税制度を見直していくと、こういうことをやらざるを得ないのかな、こういうふうに思っておりますが。
 ただ、標準的な、ナショナルミニマムというんじゃないんですが、標準的な仕事は、行政はどの地方団体でもできるような、その財源保障は地方税と地方交付税でしていくというのが地方交付税の精神ですからね。これは今後とも、この比率は変わっても国の方である程度責任を持って面倒を見ていくと、ある程度じゃありません、地方財政計画に基づいてしっかりと面倒を見ていくと、こういうことであります。
#21
○高橋千秋君 そういうことも含めて、今総務省、総務大臣、一生懸命になられている市町村合併、平成十七年の三月末までにということで今特例法で全国進んでおりますし、私の出身の三重県でも地方紙、毎日のように合併の話が出ています。あそこの市町村で集まって会議をやっているとか、そういう話が出てまいります。
 ところが、これはだんだん協議を進めれば進めるほどいろんなハレーションが出てくるんですね。スムーズにいくのかなと思っていると、ここが協議会脱退したとか、そういうような話がもう頻繁に最近出てきています。さっきの地方の財政、地方の独立、自立ということを含めれば合併というのは当然必要だとは思いますし、私も是非進めていくべきだと思うんですが、これは平成十七年の三月末までにというお話で、地方のいろんな協議会の中でというかいろんな懇談会の中で出てくるのは、平成十七年の三月末までに合併しないと損しますよという言い方で全部進めているんですよね。だから、平成十七年の三月末までに何とかしないと金もらえぬから損しますよという言い方でいろんな懇談会をやっているんですよ。
 そうなれば、しゃあないな、一生懸命早いところやろうかという話になるのかも分かりませんが、その平成十七年の三月末というのを一度勉強会で伺った話では延長するつもりはないというお話だったんですけれども、例えば平成十七年の六月だったらめどが付くと、ところが三月にはどうしても間に合わぬというようなやつが多分出てくるだろうと、今の状況を見ているとですね。かなりそういうところがあるんだろうと思うんです。そうすると、それじゃ三月末までにせぬと金もらえぬけれども間に合わぬと、じゃ、もうやめておこうかという話もまたひょっとしたら出てくるのかなと。
 そういうことについてどう思うのかということと、この特例法の再延長ということはないんでしょうか。また、間に合わないような場合にどういうふうに対処されるのか、お伺いをしたいと思います。
#22
○国務大臣(片山虎之助君) 合併というのは結婚と同じですからね、そう簡単にいきませんね。いやいや、これはいかぬところが合併だと私は思っているんで、いろんな試行錯誤を含めていろんなことをやりながらまとまっていく。それが一つの自治の、私は、そういうことを言うと怒られますけれども、一種のトレーニングみたいなところもあるんじゃなかろうかと、こういうふうに思っておりますが。
 今、高橋委員言われましたように、全国的には相当機運が盛り上がっていますね。もう今どこに行っても地方の話題は合併ですよ、行ってみますと。合併でなくて私が行きましても、もうみんな合併のことが大変な論議の対象になっているということは、国民的関心が増えてきて私は大変結構なことだと、こう思っております。
 そこで、今の特例法は十七年の三月までなんですね。それで、どこに行っても、延ばすのか延ばさないのか、延ばすならうまくいくんだ、延ばさないならちょっとというようなことをいろいろ聞くんですけれども、十七年の三月まででやってもらうということを我々はお願いしておりまして、やっぱり締切りがずるずる延びるようなことじゃこれはいい作品が、かく場合にもできませんし、やっぱり受験勉強というのはこの日が受験日だからやるんで、そういう意味では是非、申し訳ない点もあるんですけれども、十七年三月をこの締切りの目標と考えていろんなことをお考えくださいと、こうお願いしておりまして、いろんなことを考えると、十四年度と十五年度が私は正念場ではなかろうかと、こういうふうに思っておりますので、ひとつ御理解の上、御協力をよろしくお願いいたしたいと、こう思っております。
#23
○高橋千秋君 結婚と一緒というお話でしたが、結納金もらえぬとやめておこうかという結婚はないかも分かりませんが、ちょっと一つもう一度御確認したかったんです。再延長は考えていないということでよろしいでしょうか。
#24
○国務大臣(片山虎之助君) 考えておりません。
#25
○高橋千秋君 さっき国民的な盛り上がりというお話ありましたが、新聞等に出てまいりますが、盛り上がっているのは実は行政サイドの人間ばっかりでございまして、国民は盛り上がっていないんですよ。国民にとってというか、住民にとって合併でどうなるんだというところまでは、はっきり言ってまだよく分かっていないというのが現状だと思います。
 当然、市町村の行政サイドから見れば、自分たちの職場が大きくなったりするし、例えばある村でずっと一生働けるのが、たまたま今度合併することによって遠くまで転勤がひょっとしたらあるかも分からないとか、議員さんにとってみれば自分たちのポストどうなるんだと。町長さん五人いるけれども一人でよくなるから、おれたち首危ないなとか、そういう発想でやっているのが実情じゃないかと思うんですよね。それじゃ住民の人はどうなんですといったら、別にそんなの合併しようがしまいが余りおれたちに影響ないなというような感覚の方が非常に多いと思うんですね。
 その中で、やっぱりこれは行政の区切りの問題かも分かりませんが、私の地元の三重県でも、御存じだと思うんですが、新宮との境の紀宝町というところがあります。それから、愛知との県境のところで木曽岬村というのがございます、木曽岬町になりましたか。むしろ紀宝町なんかは新宮市と合併したらどうなんだという声が非常に強いです、地元は。それで、木曽岬の方は隣の弥富町と、スーパー、買物はみんな弥富町という、愛知県行くんですね。ですから、商圏なんかは全部もう隣の県とひっ付いている。紀宝町の人なんというのは職場はほとんど新宮市へ働きに行っている。
 そうしたら、県は越えるけれども、隣の県と、和歌山に入るのか、それが三重県に入るのか分かりませんけれども、事実、長野と岐阜県ですか、そこでも何かそういう話が進んでいるというように聞くんですが、この県境を越えた合併についてどうお考えでございましょうか。
#26
○政府参考人(芳山達郎君) ただいま県際間の合併のお話ございましたけれども、具体的に市町村の区域を越えて都市的集積の連続があると、また交通通信手段の発達に伴って通勤通学の移動機関もある、また日常生活圏も拡大するというようなことから、今御指摘がありましたような都道府県の区域を越えた議論というのも実際になされております。
 確かに、昭和の大合併、二十八年から三十一年に掛かる大合併においても、全国で六か所において今御指摘のありましたような編入の合併がなされております。
 今回の場合も各地域で協議会なり研究会なり設けられておりますが、その中で現実に都道府県の境界にわたる市町村合併の研究組織、研究会というものの設立も見られてきておりまして、去る三月の二十九日に新しい指針、合併の新指針を出しましたけれども、その中で、県際間における都道府県の支援策ということで具体的に言及をしまして、各都道府県におかれましても、今言われましたような住民の皆様の御意向ないし市町村の意向、議会の動向を踏まえながら十分対応してほしい、支援してほしいということを具体的に言及をしておりまして、我々としてもいろいろそういう面での応援をしてまいりたいという具合に考えております。
#27
○高橋千秋君 六月の四日の日経の夕刊に出ていたんですが、地方制度調査会のまとめということで、小規模町村の権限を縮小すると。実質上もう合併しない小さな市町村については、もう窓口業務だけで権限やらないんだというようなそういう報告があるんですけれども、総務省なんかにこの合併の論議を聞くと、さっきのお金の話ありますが、あめとむちでやっていくと。あめはお金をたくさん出すことだと、むちはありませんといつも出てくるんですね。あめがないことがむちだというふうな話もいつもいただきます。
 よく地元で合併の話が出ると、よく聞かれるのは、あめは分かったと、むちは何だというふうにいつも聞かれるんですね。そういうことで代弁して聞くと、むちはないというようないつも返事がありますけれども、この小規模町村の権限を縮小するという方向でもしいくのであれば、それこそ窓口業務だけのようなことになって、あとは県が全部肩代わりをするというようなことになれば、実質これはむちになるのかなというふうに思うんですが、これについてどうお考えでございますか。
#28
○政府参考人(芳山達郎君) 小規模市町村の在り方についての御議論がこれまでもなされてきておりますが、昨年の六月の経済財政諮問会議の中での骨太の方針の中で具体的に言及されておりますのは、例えば団体規模に応じて仕事や責任を変える仕組みを更に検討するというようなことも言及をされております。今後、市町村合併の進行ないしは地方分権の一層の推進に伴いまして基礎的自治体の在り方についての御議論が幅広くなされるものと。その中で、小規模市町村の在り方論議、また市町村合併が進行した場合の都道府県の在り方論議というのを含めて、地方自治の二十一世紀の在り方が御議論されてくるものと思います。
 昨年十一月に二十七次の地方制度調査会が発足をしまして、今この二十七次における論点整理、どういうものを論議していこうかというのを専門小委員会で御議論しております。その中で、地方自治の新たな仕組みの中で、基礎的自治体の在り方、都道府県の在り方、また大都市制度の在り方というようなのを含めて幅広く御論議をすると。また、それに伴う権限移譲、地方税財政の充実というようなことで御議論していただけるという具合に思っております。そういうことで、中身について初めから限定せずに幅広く地方制度調査会で御論議をしていただこうということになっております。
#29
○高橋千秋君 もう時間が余りないので最後になるかも分かりませんが、外形標準課税について最後にお伺いをしたいと思います。
 骨太の方針第二弾の中でもこの外形標準課税の導入ということが前提というような話が出ております。新聞記事を読むと、千載一遇のチャンスで、これを逃したらもう外形標準課税は実現しないかも分からないという少し興奮した面持ちだったと、総務省幹部、ということで書いてあります。これは大臣ではないのかも分かりませんが。
 この外形標準課税、確かに取る側からすれば安定的な収入になるかも分かりませんが、中小企業団体等いろいろ反対あるのも事実であります。これはどっちかというと、確かにちゃんと申告していれば問題ないのかも分かりませんが、確かに脱法行為の中でそういう払っていないところもあるかも分かりませんが、どうもこれ全部一律取るということになると、実効税率が下がるにしても、弱い者いじめになってしまうんではないかなという懸念があるんですけれども、この外形標準課税についてどうお考えでございましょうか。
#30
○副大臣(若松謙維君) まず、この法人事業税なわけでありますが、現在はいわゆる所得に応じた税制体系になっておりまして、この法人事業税というのはあくまでも地方税という観点からすると、やはり応益税という事実をしっかり重視しなければいけないと考えております。そういうふうにとらえますと、今回の外形標準課税でありますが、やはり企業を行われている事業者、当然それぞれの地方自治体の何らかの行政のサービスを受けている、その応益に対しての一定の負担を受けるというのは、私どもとしては自然の流れかなと、そのように理解しております。
 そういった観点から、今年の一月に閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」、こういったところにおきましても「平成十五年度税制改正を目途にその導入を図る。」と、こういうことも記載されておりますし、また先週の六月七日ですか、総理から政府税制調査会に対して指示があった外形標準課税の導入による法人課税の実効税率の引下げと、こういった来年度改正の主要事項についても具体的な検討の指示があったところでございます。
 これらを踏まえまして、総務省としては、平成十五年度税制改正におきます導入を目指して、現在、全国知事会や全国都道府県議会議長会などと連携を図りつつ、関係方面の理解を得られるように今全力を挙げているところでございます。
#31
○高橋千秋君 今回のこの案を見ると、人件費にも掛けるということでございますんで、雇用創出というのは今非常に重要な問題になっています、これだけ失業率高い中で。そのことで雇用創出をむしろ冷やしてしまうということになりかねないと思いますので、是非慎重に対応していただきたいという御要望をして、私、もう時間が来ましたので、終わりたいと思います。
#32
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。若干質問をさせていただきたいと思います。
 今回、連結納税制度導入に際して、その影響をなくす方向性での地方税法の改正でございますが、地方税収自体が、この間新聞に載っていましたけれども、五年連続で税収見込額を下回る、〇・三%ぐらい下回って六千億ぐらい足りなくなるよと、こういう見通しのようでございますが、そういう中にあって、今回、地方税法の改正でございます。
 連結納税制度の導入で国税としては八千億ぐらい税収が減るということでいろんな手当てをしているようでございますが、その影響をなくすためにいろいろ国税の方でも手当てをしているようでございます。いろんな手当てをした上で、地方税収に対してどの程度影響を与えるものなのか。その仕組みの中でのいろんな取組もあろうと思っておりますし、あるいは連結付加税のようなものが国税的には考えられているようであります。ただ、課税ベースの見直し等というのもございまして、退職給与引当金制度の廃止等を考えると、これでかいなと。これは、そうするとプラスに跳ね返ってくるのかなと思ったりしておりますけれども、その辺を含めて、地方税収に対する影響につきまして御答弁をお願いをいたします。
#33
○政府参考人(瀧野欣彌君) 今回の改正と地方税収に対する影響についてのお尋ねでございます。
 先ほども御答弁いたしましたとおり、今回、地方税につきましては、地域におきます受益と負担との関係に配慮いたしまして、単体法人を納税単位とするということとしておるところでございます。
 したがいまして、法人税につきましては、御指摘もございましたとおり、連結をする関係で損益通算が行われて減収が生じるということでございますが、地方税におきましては、課税標準といたしまして単体課税を維持する中で個別の帰属額というものをとらえて課税をいたしますので、基本的に損益通算を行う前の各法人の個別の所得金額を基に計算するということでございますので、そういった国税におきますような影響というものは及ばないというふうに考えておるわけでございます。
 その結果、国税の方でいろんな手だてを、連結付加税を始めといたしまして手だてを講じておるわけでございますけれども、こういった連結納税制度の仕組みの中での措置というものにつきましては遮断を同じようにしていくということでございまして、連結付加税のほか、連結前の繰越欠損金の持込みというものについて国税の方で制限をいたしますけれども、そういったものについては排除して、連結前の繰越欠損金につきましても地方税の場合には影響させていくというようなことがあるわけでございます。
 ただ、連結納税制度の仕組みの外の一般的な課税ベースの見直しというものにつきましては遮断の仕組みはございませんので、それは自動的な影響は来るものもあるということでございますけれども、基本的に連結納税制度の仕組みの中での措置につきましては遮断していくという考え方に立っておりますので、地方税への、税収への影響ということにつきましては、そういった範囲内においてきちんと遮断できるというふうに考えております。
#34
○魚住裕一郎君 枠組みの外におけるいろんな影響についてプラスになるように願っていきたいと思っておりますけれども。
 先ほどの質問の中で、事務負担が大きくなるんではないかということで、地元の公共団体が課税庁にいろいろな閲覧をするというような御説明があったと思うんですけれども、これ、わざわざ閲覧をしに行くという形になるわけですか、ちょっとその確認なんですが。
#35
○政府参考人(瀧野欣彌君) 税額の計算の仕組みが国税と違うことになるわけでございますので、課税庁におきましても、課税資料の収集ということが当然必要になるわけでございます。
 その中で、連結をされます個別の法人は、それぞれ所轄の税務署にそれぞれの団体に帰属されます税額につきまして書類を提出することが国税の方で決められておるわけでございます。地方団体といたしましては、その書類を税務署の方に閲覧をしに行くということによりまして具体的な課税標準額の確認をするように、国税と連携を図るという制度にしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#36
○魚住裕一郎君 それから、外形標準課税云々という話が出ましたけれども、今回、哲学として、地域における受益と負担との関係等に配慮してこのような立法措置を取るわけでございますけれども、この言い方というのは、やはり外形標準課税というものに通底していくんだろうというふうに思うわけでありますが、この外形標準課税導入ということを考えた場合に、今回の地方税の改正がどのような影響を与えるのか、その辺の御所見をいただきたいと思いますが。
#37
○副大臣(若松謙維君) まず、今回のいわゆる連結納税に関する地方税法の改正案でございますが、地方税につきましては、地域における、今、委員がおっしゃった受益と負担との関係等に配慮して、従来どおり単体法人を納税単位とするものでありまして、法人事業税の課税の仕組みは基本的にはこれまでと同様でございます。したがいまして、今回の法改正は、法人事業税への外形標準課税の導入に特に影響を与えるものではございません。
 外形標準課税につきましては、平成十五年度税制改正導入ということを目指して、今全国知事会等の関係団体との連携を図りつつ、関係方面の理解が得られるように努力しているわけでありますが、そういうことで、今回の法改正が外形標準課税導入に与える影響はないということを御理解いただきたいと思います。
#38
○魚住裕一郎君 この間、土曜日の新聞見ておりましたら、経済財政諮問会議における総理の指示というのがありました。先ほども、骨太方針第二弾ということで質問が出たところでございますが、これについてお聞きをしたいんですが。
 前に、先ほどもお話ございましたが、片山試案ですか、そういうことを前に発表をされておりますけれども、総理のこの指示伺うと、引き下がったようなイメージがあるんですね、片山試案から見ますと。
 例えば、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税財源の在り方を三位一体で検討し云々と、一年内に工程表を作るんだよと、そういうことがございますが、片山試案では、例えば国庫支出金の地方税への振替の先行実施云々というような、そういうようなやり方で、若干ニュアンスが違ってきているんではないかというようなイメージを受けたのですが、この点、大臣、いかがでございましょうか。
#39
○国務大臣(片山虎之助君) 確かに一緒じゃないんですね。というのは、一つは、税源移譲と私どもの方が言いますと、財務省は、国の財政がこういう状況のときに税源移譲すると国債の元利償還にも影響が出ると、こういうようなことを言いますし、それから、国庫支出金、負担金や補助金を持っている役所は、今の文部省の答弁にもありましたように、大変抵抗があるんですね。
 そこで、交付税制度の改革というのは、一方に、私の案は、まず国庫補助負担金を整理縮小して、国税から地方に移譲すると、第一段。第二段は、交付税制度を見直して、交付税から地方税に移譲すると。こういう段階、第一段階、第二段階のそういう案なんですね。ところが、交付税は、交付税だけ二段階目にするのはけしからぬというのがまたこれあるわけ、確かに、マスメディアを中心に。
 そこで、改革をやるんなら、三位一体というのは私が言い出したんですよ、思い切ってやるのはもう三位一体でなきゃできませんと。税源移譲やる、国庫支出金を見直す、地方交付税を見直しますと。総理は、不交付団体が一割にも満たないのは交付税制度がおかしいんじゃないかと言うから、いや、それはおかしいのかもしれぬけれども、現実は税源移譲の状況が六対四だからそういうことになっているんですと、こういうふうに申し上げまして、これはもう三位一体でなきゃできませんよと、こういう発想なんですね。
 だから、そういう意味では、私の、当初、第一段階は国庫支出金やる、第二段階は交付税をやって地方の税源を移譲するというのが、一緒になっちゃったんですよ。ただ、一年で工程表を作って、やるのは十五年から十八年度まででやろうと、いわゆる調整期間内にやろうと。一対一といっても、七兆円動かすわけですからね、今までそういうあれはないんですよ。国から地方への税源移譲という、そういう論議は山のようにありましたよ。具体案の提案がないんです。そういう意味では、私は今回が、そういうことの道筋を付けるためには、少し乱暴だけれども、議論を、問題を提起して、皆さんに議論してもらおうと。
 こういうことで、経済財政諮問会議も大体方向はいいと、こういう話でございまして、総理からの指示も出まして、各省庁も本気でやらにゃいかぬようになりましたので、そういう意味では前進だと思っておりますが、魚住委員言われるように、当初のおまえの構想とはちょっと違うじゃないかと、こういうことはそのとおりでございます。
#40
○魚住裕一郎君 応援団のようなつもりで御質問させていただいたつもりでございますけれども。
 例えば、その税源移譲、これよく見ると、何か、補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについては、税源の移譲額を精査の上、地方の自主財源とする、何かそこだけに限定されているような印象も実は受けるんですね。もっともっと、片山試案はもっと幅広にいろんなことを考えておられたなというふうに思っているものですから、何か後退印象があります。
 それで、歳出改革につきまして、平成十四年度予算については五兆円を削減して云々と、二兆円を重点七分野にと。今度、十五年度予算については云々とずっと書かれておるんですが、先ほども出ました総人件費の抑制云々と。地方のことにも言及をしてくださっているわけでありますが、地方財政計画の歳出を抑制することにより地方交付税を抑制すると。抑制の議論自体は、まず三位一体で今後一年以内をめどに取りまとめたいと。
 でも、来年度予算については今年の夏から議論をして、こんな中からもう地方交付税の抑制というような言葉が出てきているなというふうに思うわけでございますが、この抑制策につきましてどのようにお考えになっているのか、この総理の指示の下でですね。
#41
○国務大臣(片山虎之助君) 魚住委員、後退じゃないんです。むしろ広がったんです。私の方は、まず国庫支出金見合いの国税を地方に移譲してもらって、国庫支出金の方を落としていくと、こういうことなんですが。そういうことなんですが、それに交付税も全部入れて大きい工程表を作って、それを三か年か四か年でもう全部やろうと、こういうことなんですよ。私の方は、一段階、二段階でちょっと時間掛かるんですけれども。
 そういう意味では、私は、後退でなくて、もっと広がって拡大したんだと私どもの方は考えておりまして、あの指示を出すについても、事前にいろいろ協議をしてあの指示を出してもらったということもありますので、是非、魚住委員の期待にこたえるような形で進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
 それで、来年度どうやるかというのはこれから決めるんです、骨太方針で。基本的には今年と同程度の歳出にしようということで今議論が進んでいるんですよ。というのは、国債の発行も、三十兆で収まるかどうかは知りませんけれども、できるだけ抑制しようと。こういう中で、大きいのは社会保障と公共事業と地方財政なんですよね。公共事業はもう一割カットしようというような今議論されているでしょう。今年から見て更に一割カットですね。社会保障もいろんな制度改正を含めて全体を抑制していこうと。こういう中で、地方財政についても、総量としては、拡大しないように歳出を見直し切り込んで、交付税を今年より以下にしようと。
 それ、ほっておいても今年よりは二兆円ぐらい増えるんです。というのは、何でかといいますと、国の方の今赤字国債で入れているやつを一年交付税特会の借入れを残したんですよ。来年はそれを解消せにゃいけません。それで、一兆円は国の方は自動的に増えるんです。ちょっと私の説明が下手だから分かりにくいかもしれませんが、その分は別にして、今ほっておいても二兆円増えるんですよ、交付税が。だから、その一兆円はやむを得ないとしても、もう残りの一兆円はできるだけ切り詰めていくと。
 こういうのが今の骨太のたたき台の案でございまして、これから六月一杯ぐらい掛けてどういうふうに考え方をまとめるか、これから議論していきたいと思っておりますが、私は、来年度、十五年度も地方財政といいますか、地方団体の財政運営に支障がないような、それだけの交付税は確保しようと、こういうふうに思っております。
#42
○魚住裕一郎君 冒頭申し上げましたように、この五年連続して見込額、見積額から不足というような状況の中で、地方も大変だと思いますけれども、しっかり、今おっしゃった趣旨で、単に削ればいいというものではないと私は思っておりまして、頑張っていただきたいと思っております。
 終わります。
#43
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 今回の連結納税の問題に関して、地方税を遮断をし、従来の地方税を確保すると、こういう部分については私ども賛成でございまして、今論議がありました地方の税収とか交付税の問題、いろいろと意見はありますが、今日、私、事務的に法定外税関係だけ一つ伺いたいというふうに思います。
 法定外の普通税なんですけれども、地方分権推進の一環として従来の許可制度というのが廃止になりまして、課税自主権を尊重して同意制度、こういうふうになりました。
 そこで、当初、不同意となった問題点について伺いたいと思いますが、横浜市の勝馬投票券の発売税ということですね。これが不同意になった理由、どのような実害があるということで不同意になったのか、お示しをいただきたいと思います。
#44
○政府参考人(瀧野欣彌君) 横浜市の勝馬投票券発売税につきましてのお尋ねでございます。
 この法定外税につきましては、私ども法定外税制度の趣旨にのっとりまして総合的に検討を行ったわけでございますけれども、地方財政審議会の意見も伺った結果、地方税法六百七十一条三号の「国の経済政策に照らして適当でない」場合に該当して同意できないというふうに判断したわけでございます。
 その根拠といたしましては、第一に、中央競馬につきましては、競馬法などに基づきまして日本中央競馬会が畜産振興なり民間社会福祉事業の振興のために財政資金を確保するということを目的として、刑法の特例として独占的に行うという制度でございまして、特に重要な国の施策に当たるだろうというのが第一点でございます。
 それから、第二点といたしましては、勝馬投票券発売税の課税によりまして、先ほど申しましたような財政資金の確保が行われる一方、日本中央競馬会の国庫納付金というものがございますけれども、この配分などにも当然影響が出てくるわけでございますが、そういう影響が出ることにつきまして合理的な理由というものが十分認められなかったということもございます。
 こういった二点の根拠の中で、国の法律の条文にあります「国の経済施策に照らして適当でない」場合に該当するという判断をいたしたところでございます。
#45
○八田ひろ子君 「国の経済施策に照らして適当でない」というのがあるわけですけれども、そうしますと、総務大臣の裁量権限が非常に広いのではないかと地方には受け取られまして、地方分権、課税自主権、こういうふうにいいましても、そこを通るのが針の穴を通すほどではないかという萎縮効果もあるのではないかと私は思います。
 ですから、どこに判断基準があるのか明確に示していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#46
○政府参考人(瀧野欣彌君) 御指摘のように、法定外税の要件につきまして、その意味内容を明らかにしていくということは重要であるというふうに我々も考えておるわけでございまして、これまでも自治法の二百五十条に基準をきちんと定めなさいという規定もあるわけでございますが、こういう自治法の規定に基づきまして、法定外税の協議の申出があった場合に総務大臣が同意するかどうか判断するために必要とされる基準をきちんと定めまして、公表はしてきたわけでございます。
 さらに、先般、この三月でございますけれども、地方税法の年度内改正について御審議いただいたわけでございますけれども、その際にもこの総務委員会におきまして附帯決議をいただいておるわけでございますけれども、その中でも御趣旨のような決議もございまして、それを受けまして、例えば、この国の経済施策の範囲につきまして、単に経済施策と書いてあるわけでございますけれども、財政施策あるいは租税施策というものも含まれるというようなことを明確に基準に書きまして通知するというような見直しも行ってきたところでございます。
 今後とも、法定外税の事例の積み重ねなどを踏まえまして、基準につきましてきちんと所要の見直しをしていきたいというふうに考えております。
#47
○八田ひろ子君 法定外税の同意に当たっての消極三要件の経済対策というのは政権によって変わってくるというのが非常におかしいんじゃないかなと思いますし、勧告でも具体的な同意の基準を速やかに作成すべきものであるというふうになっているので、私は分かりやすいものをきちんと作るべきだというのをお願いをしておきたいと思います。
 次に、防衛庁の身元調査リスト問題でありますけれども、国民の権利の重大な侵害として今注目をされておりまして、情報公開法も、それから行政機関の電算機処理個人情報保護法、現行法ですけれども、このいずれも所管している総務省としてこの事態に厳正な対処が求められるというふうに私は思います。
 今日、防衛庁に来ていただいておりますので、まず伺いますが、防衛庁としてはこの情報公開請求者の身元調査リスト、思想、信条、病歴などの調査リストが庁内情報通信網、LANに流して、組織的にも利用、閲覧ができた、更にメールで地方連絡部などへも送信をされていた。陸海空幕や内局だけでなく防衛施設庁でもやはりこういうものが作られていて、問題が発覚しますと問題になっていた部分を大急ぎで削ってLANにまた再掲載するというのが報道をされていますが、防衛庁長官会見におきまして、これらの事実は法的な関係で問題のあるところと、こういうふうに言われておりますが、どのような法的問題があると思っているのか。それから、昨年四月から情報公開が行われてから継続的に、一部では六月からとも言われておりますけれども、行われているんですが、なぜ発見ができなかったのか、まずお示しください。
#48
○政府参考人(柳澤協二君) 今、先生御質問で御指摘になりました様々な事柄の事実関係については、今鋭意人事担当部局を中心にする調査を行っております。そして、いろんな種類のものがあることが分かったわけでございますけれども、昨年四月から私ども情報公開の制度を始めるに当たりましては、やはり防衛庁という役所でございますから相当数の請求が来るであろうということで、担当部局は、担当部署としてはいろんな業務上の工夫が必要であるということをそれぞれに考えておったわけでございます。
 その中で、業務の円滑な処理や進行状況の適切な管理をしようということで、その開示請求に係る一覧表といったようなものを整理をし、そしてそれを担当のところにも知らしめる目的を持って庁内LANにも載せるというようなことを基本的に行ったわけでございますが、その中にいろんな、何といいましょうか、あるいは個人情報に該当するようなものも含まれていた可能性があるということで今調査をしているものでございます。
 そして、その法的な問題点ということでありますが、私どもの調査は、今法律との関係で申しますと、現行の行政機関保有電算処理個人情報保護法との関係におきまして、まずそれが個々の個人を特定するに足りるいわゆる個人情報に当たるものか否かといったような点が一つあると思いますし、さらに、仮にそうであるとすると、その個人情報ファイルの保有の目的を超えた情報を保有していなかったかどうかという点。それからさらに、そういう個人情報ファイルを目的外に使用したかどうかという点。あるいは、そういう形で担当職員が知り得た事柄をみだりに他人に伝えたというようなことがなかったかといったような点がこの現行の個人情報保護法との関係で調査の対象になっていると承知しております。
 それから、情報公開法との関係で申しますと、いずれにしても情報公開の開示、不開示の判断というのは、その請求された方の個人の職業とか属性によらずに、文書そのものの内容に応じて判断されてきているものだと思いますけれども、そういう範囲を超えたことがなかったかどうかということも調査をしているところでございます。
 それから、なぜそれでは今まで気が付かなかったのか、あるいは削除したのかということでありますけれども、これはもう、経緯全体は調査の過程にございますが、一言で現段階の印象で申し上げれば、やはりLANに載っていたということで多くの職員が見ることができる可能性はあったと思うのでありますが、そういう職員の中から個人情報との関係でいろいろ問題があり得るような指摘も実はほとんどなかったわけでございますし、やはり全体として個人情報に係る意識が非常に低かったという点は指摘されるのではないかというふうに考えております。
 いずれにしても、早急に調査結果を公表すべく、今鋭意調査を継続しているところでございます。
#49
○八田ひろ子君 いろいろおっしゃいましたけれども、官房長は当事者でいらっしゃいますでしょう。だから、反省をされるというのがまず第一に必要なんですよ。
 個人的にLANに長期にわたって違法な情報を流し続けるなんということは勝手にできませんし、組織ぐるみで実行して、組織ぐるみで隠ぺいしているということが今言われているわけですよ。実際に、記者会見でも言われているように、個人情報保護法の十二条との関係、あるいは現行の電算法の第四条第二項に抵触するということは現実に言われているわけですから。実際、外部にも知らされた可能性がゼロかといえばそれは分からないみたいなことをおっしゃっていますので。
 今日は時間がありませんので、非常にそういう、何というんですかね、自覚がない、事は憲法にかかわる基本的人権の問題ですので、非常に残念な答弁ですね。
 そこで、大臣、総務大臣に伺いますけれども、現行法を審査したときにも、個人情報の収集、保有、利用、提供により個人の権利、利益を不当に損なうことのないようにということできちんと調査をしようとか、個人情報保護法の方でもそうですよね。憲法の基本的人権に基づく知る権利の保障で安心して情報開示を求めることができるというのが基本的に、まあ当然当たり前なんですけれども、そういう問題で今調査を、防衛庁と同じようなことがほかにもあるんじゃないかという不安が非常に高いものですから、その調査はどうなっていますか。
#50
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 今回の防衛庁の事案を踏まえまして大臣の方から御指示がございまして、現在、情報公開法の対象となります国のすべての行政機関につきまして調査を始めたところでございます。情報公開法におきましては、総務大臣は各行政機関に施行状況の報告を求めることができることになっておりますし、電算個人情報保護法におきましては、必要な資料、説明を求めることができることになっております。この根拠に基づきまして、今調査を始めたところでございます。
 内容的には、情報公開法の開示請求に関するリストの作成の有無、それからリストを作成していた場合におきましては、その記載の内容や管理の状況につきまして調べまして、情報公開法の施行事務を遂行するに当たりまして個人情報の保護が適切に行われているかどうかについて調査を進めてまいりたいと考えております。
 先ほども防衛庁の方から御説明がございますように、法的には現在の電算個人情報保護法によって保護されておりますのは電算個人情報ファイルでございます。しかしながら、今日の個人情報保護強化の必要性にかんがみ、今抜本改正で法案を提出させていただいておりますが、紙等すべての個人情報、紙等すべてのものに記録された個人情報も対象に拡大をいたしているところでございますので、この情報公開法関係の個人情報につきましても、紙のリストも含めて調査を進めていきたいと考えております。
#51
○八田ひろ子君 きちんとした調査の上に国会での審議も踏まえて、少なくとも再発防止対策というのをきちんとしていただかなければならないということを思うんですけれども、今、現行の個人情報保護法ですね、行政機関の、これは、紙がないから新しい方には入っているというふうに言うんですけれども、実際には今審議されております行政機関の個人情報保護法の中でも今回のような例を防止できるかというとそうではないんですよね。官による目的外利用の歯止めは、官の中だけですと歯止めは掛かりませんよね、大臣。そして、罰則自身も官の中でやっている部分では罰則という形ではないはずであります。そして、そもそもセンシティブ情報の収集の禁止がありませんし、不正な収集に対する禁止条項というのもないわけで、結局、今回の事態に現行法では対処できない、こういうふうに言われておりますけれども、どうなんでしょう。
#52
○国務大臣(片山虎之助君) 衆議院の方でもいろいろ御議論賜ったんですが、私は、現行法よりは相当進んでいると、こういうふうに思っておりますが、しかしそれじゃ今回のようなものは完全に新法で全く根絶できるかというと、それはなかなか制度というのはそれは難しいんですよ。ただしかし、相当な抑止効果があって、私は、今後こういうことを踏まえて各関係の行政機関が考えると、こういうように思っておりますし、それから罰則のことがよく議論されるんですが、民間の場合もストレートで罰則じゃないんですよ。いろいろ注意をしたり勧告したり命令を出したりして、悪質のものだけ罰則なんですよ。国家公務員の場合には、これは守秘義務についてはもうストレートに罰則でしょう。それから、その他については、法令遵守義務や上司の命令聞かない場合には、これはもう懲戒処分の対象ですからね。それからまた、犯罪の構成要件に該当するものはそれでこれはストレートに罰則が掛かるわけで、公文書破棄罪だとかいろんなものがありますから、職権濫用だとか。
 そういう意味で、いろんな議論をして今回の法律の構成を取っているんで、総合的にお考えいただいて、後は運用をしっかりやってこの種の問題が今後起きないように我々としても努力したいと思いますし、防衛庁の方では今十分な調査をおやりになって、それについてこういうふうに直していくんだと、こういうことだろうと思いますんで、今後、今、行政管理局長が言いましたように、各行政機関で調査をしてもらって、事例を集めて、問題があるようなところはもう是非それはやめてもらうし、あるいは改善をしてもらうと、こういうふうにやっていきたいと、こういうふうに思っております。
#53
○八田ひろ子君 対処できないのは仕方がないというのは、ちょっとそれでは困るというふうに思うんですよね。再発防止対策というのはいろいろあるけれども、不備が現実にあるわけですよ。
 私は、今年の八月五日からスタートすると言われております住基ネットなんですが、防衛庁、反省も何かかけらも今日の委員会では見られませんけれども、防衛庁もこの住基ネットからの情報の提供を受ける国の機関になっているわけですよね。これは非常に危険だというふうに思います。国民に十一けたの番号を付けて、全国民一億二千万人の情報が流されるわけですから、後から防ぎ切れませんでしたとか情報漏れがありましたとか、目的外の使用がありましたと、こういうふうでは取り返しが付きません。
 いろいろと考えるというふうにおっしゃっているんですけれども、少なくとも非常に不安が国民が大きくなっている住基ネットの八月五日の施行を凍結すべきだと思いますが、いかがでしょう。
#54
○国務大臣(片山虎之助君) その問題とまた必ずしも住基法、ネットワークの施行の問題は違うんですが、八田委員、コンピューター社会、ネットワーク社会なんですよ。そして、番号を付けるのがすべて悪いということじゃないんですよ。番号を悪用したり、目的外に利用したり、逸脱したりするのをどうやって止めるかということなんですよ。もうネットワーク、コンピューターやいろんなネットワークを全部やめてしまえと、昔のあれでやれというような議論につながるんですよ、そういうことは。
 だから、我々はそのために今の住基法の中で完全に個人情報を守る仕組みを作っておりますし、技術的にもいろんなことで。しかも、これは国がやるんじゃないんですよ。そこがお間違えになるんで、全部の地方団体が共同でやるネットワークで、国が一元的に情報管理なんて全く考えていませんよ。法律よく読んでくださいよ。そういうことなんで、これは法律がそういうことを決めているんですから、八月五日に施行させていただくと、こういうことでございまして、それと今回の問題は別なんですから。
 それから、対処できないから仕方がないなんて一言も言いませんよ。制度というのはいろんな形で完全に作っても、しかしそれでもあらゆることがすべて一〇〇%、重箱の隅まで全部押さえられるということになるかならぬかというのはいろいろ難しいところがあるんですよということを申し上げたんで、我々としては最善のものだと思って今の行政機関の個人情報保護法を出しているんで、その点は対処できない、仕方がないなんて、そんなことは言っていませんよ。こっちが出した法案でできるだけ対処できるということであの法案を出しているわけであります。
#55
○委員長(田村公平君) 八田ひろ子君、時間が来ております。既にオーバーしております。
#56
○八田ひろ子君 はい。住基ネットの審議においては、この参議院では委員会の審議の途中で打ち切られて、実際に大きな問題があります。
 防衛庁でいえば、この法律の別表一にちゃんと書いてあるじゃないですか、防衛庁も使うということで。
 委員長、お願いしたいんですけれども、この住基ネットについては……
#57
○委員長(田村公平君) その前に、もう時間をオーバーしていますんで、ルールを守ってください。
#58
○八田ひろ子君 八月五日ですので、是非集中審議をしていただきますようにお願いをして、終わります。
#59
○委員長(田村公平君) 時間を守ってください。時間内で答弁はちゃんと切るようにしてください。
#60
○渡辺秀央君 同僚議員のいろんな質疑を聞いておりまして、なるべくダブらないようにしたいと思うんですが、これ残念なるかな、実は我が党自由党としては賛成しかねる立場なんです。これはもう一々申しません。言うならば、一貫性、そしてやはり根本的、抜本的な方向をしっかり示して、特にこの地方税というのは地域住民の感度の非常に高いものですよね、大臣。それだけに、いろんな整合性がなきゃいかぬことだと思うんです。それは、政府は整合性があると思って出しておられるんだろうと思うんですけれども、そういう意味で、地方財源の非常に重大な時局、特に町村合併、あるいはまた地方の自主、自立、そういう大事なときにこの財源ということは欠くことのできない要件だということもよく承知いたしているつもりです。
 しかし、この法案について一々のことを申しませんで、賛否のことだけまず冒頭に申し上げておいて、大臣に若干の考え方、この際、政治家としての考え方も、さっき幾つか申されておりましたけれども、なぞらうことになるかもわかりませんが、時間の範囲で質疑を交わしてみたいというふうに思います。
 一つは、今申し上げた地方自治、そして地方財源ということを考えると、今まで、いつも私は口癖のように申し上げて、私も自民党で生まれ育った人間ですが、やっぱり考えてみると、(発言する者あり)何、大きい声で言え。やじがあったら大きい声で言いなさい。小さい声で言っちゃ駄目だよ、みんなに聞こえるように。
 考えてみると、これは一律、そして平均という、公平ということを背景にした一種の社会主義的な政策の背景の税制だったような感じがするんですね。日本じゅうどこでも一緒、どこでも大体同じこと。
 これだけ地方自治、独立というか自立という、そういうことで、町村合併まで踏まえてやっていくことを考えたときに、さっき財源の配分も、大臣、図られたことも私よく承知して、非常に結構だと思っている。これはもう大賛成で、バックアップしたいと思いますよ。
 それと同時に、地方自治で独特な財源があっていいんじゃないかと。外形標準課税、後でちょっとまたお聞きしますが、いろいろおっしゃっておられることも分かるんですけれども、温泉税なんというのも一つありますしね、現実に。あるいは、今ではコミュニティーボンドですか、そんなことも言われているようですね。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 だけれども、もっとフランクに、地方自治体にそういう財源の自主的な、自立的な判断を与えるということについてはどんなふうにお考えですか。
#61
○国務大臣(片山虎之助君) そこがなかなか、渡辺委員御承知だと思いますが、難しいところで、税というのは、やっぱりこれは余りばらばらにやられると困るというところが少しあるんですね。
 元々、国会や地方議会というのは、執行部というんでしょうか、国家というんでしょうか、そういうところが勝手に税を取らさないと、租税についてチェックするためにできたんだという説もあるようでございまして、ある程度国が法律で、租税法定主義といいますか、法律でしっかり国民の代表が集まって決めたものだけ取らせると、こういう一方で考え方があるんですが、もう一方で、地方自治というのがありますから、そこで地方に課税自主権をどこまで認めるかと、こういうことなんですね。
 そこで、今、日本の地方税法は、大きい税については全部法律で決めて、国会の御承認を得て法律で決めて、その範囲でやってもらうと。若干のアローアンスはありますよ。税率を変えるとか、何かいろんなアローアンスはあるけれども、基本的には税制というのは国の法律の範囲でやらせると。しかし、特別の必要があるのなら、法律に決めない法定外の普通税や目的税を作ることは認める、課税自主権を認めると。ただ、それを勝手にやられるとまたいろんな問題が起こるんで、国に協議しなさいと、こういうことに今、昔は許可だったんですけれども、今は協議になっているんです。そこで、横浜の勝馬税だとか馬券税だとか、いろんなことが出てくるんで、私らの基本的な考え方は、できるだけ、こういう時代ですから、地方の課税自主権を認めようと、特に法律に違反しない限りは認めると、こういうことで来ているんですがね。
 それじゃ、その法定外普通税でいい税金があるかというと、主な税金は全部、今の国税か地方税になっちゃっているんですよね。だから、今、法定外普通税で大きいのは、核燃料税だとか産業廃棄物の税金だとか、あるいは別荘税だとか、そういう種類のものなんですよね。
 だから、今、渡辺委員が言われたように、もっと課税自主権を広く認めて自由にしたらどうかと、こういうお考えは確かにあると、こういうふうには思っております。
#62
○渡辺秀央君 大臣、それで結構なんです。基本的にやっぱりそうあるべきだと思うんですよ。ただ、もうフリーにしろという意味じゃないんですね。
 だから、地方自治体の長というのは、その地域で信任されて直接投票で選ばれているんです。その人たちを信頼しないで地方自治というのはあり得ないと思うんですね。であるとするならば、当然またそこに議会もある。この間なぞは特別な公務員制度まで決めたわけですから、だから、そういう専門家を擁する。そういういろんなことをやっておられるのは分かるんですが、国の姿勢として、だから我々は、いわゆる補助金制度をなくして一括交付金制度、要するに自治体にそれだけの権能あるいは判断能力あるいは地域住民に対するサービス、直接サービスというようなことがやりやすいようにむしろ裁量権を与えていく。しかし、今おっしゃるように、無秩序になっちゃいけませんから、そこはまあ行政のあるいは中央の裁量の仕方だろうと思うんですけれども、こういう機会なんで、大臣の政治家としての考え方をちょっと問うてみたいと思ったんです。
 私は、実はそういう比較的緩やかなことであることが正に地方の活性化につながるというように思えてならない。そんな意味で今質問を一つさせていただきました。
 次は、地方税の滞納が非常に多いというのを承りました。これは、衆議院の委員会ではかなりそのことも大臣、危惧されて答弁しておられたようですね。十二年度で二兆三千四百四十九億余りですか、滞納である。しかし、国税の方に比べてみると滞納がどんどん増えて、これは景気であることはもうだれしも分かることです。
 分かることですが、同時に、これは固定資産税とかそういうことの滞納だけの問題なのか、あるいはもっとほかに要素がないのか。例えば、税を集める徴税者の職員が足りないとか、足りない場合には例えばどうするのか。二兆三千億となるとこれは相当なことなんで、そこら辺に対しては何か抜本的な考え方というのが出てくるのかどうか、ちょっと伺ってみたいと思います。
#63
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるとおりなんですね。今、地方税の滞納額は平成十二年度決算で二兆三千億円余あるわけですね。それで、そこで税務職員をもっと増やせという議論もあるんですが、今は全体の行政改革で職員を減らしていくという時代でございまして、なかなか難しいと。
 そこで、各地方団体はどういう取組をやっておるかといいますと、例えば茨城県や鳥取県は、一部事務組合を設立しまして、徴収困難な事案につきましてはその一部事務組合が滞納整理を専門にやると、こういうことをやっているところもありますし、神奈川県におきましては、県税の職員と市町村の税の職員がお互い併任をして、両方情報を出して滞納の整理の促進をやると。こういういろんな考え方あるいはやり方でやっているところはありますけれども、それじゃ、そこで極めて顕著な実績が上がっているかどうか。これはなかなか難しいあれでございまして、最終的には滞納の処分をやる、裁判でやると、強制処分をやった上で、場合によっては裁判だと、こういうこともあり得ると思いますけれどもね。
 やっぱり、先ほども御質問がありましたが、税に対してもう少し国民の皆さんにも考え方を変えていただいて、また変えていただくように、役所の方も税の使い方については国民の皆さんが納得できるようなことをやる、あるいは透明度を高めると、そういうもろもろの総合的な対応が必要じゃなかろうかと考えております。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
#64
○渡辺秀央君 もう一つは、危惧されるのは、地方自治体の首長さんがよく分かっているものだから温情的にいくことがどうもありはしないかねと、そういうものがかなりのものになっていやしないかという危惧が一つある。
 そうすると、正直者がばかを見るということにもなりますから、そこら辺は、滞納の非常に多い地域、極端に言うなら市町村、そういうものを資料としては役所はお持ちですか。
#65
○国務大臣(片山虎之助君) それはあると思います。
#66
○渡辺秀央君 いずれ一回見せていただきますが、これは個別で結構です。
 それから、最後に、時間もありませんので外形標準課税について。
 大臣、方向は決まった、いや、若松副大臣の担当であることは分かっているんですが、片山大臣に、この外形標準課税というのは私もかつて特に商工関係をやっていたものだから、ずっと長い間の議論なんです。外形標準課税とは言わずに赤字企業に対する課税という、もう極端にはっきりやった、当時は。しかし、中小企業あるいは中小企業団体中心にして大変な反対でしたよ。だけれども、当時、私どもが言っていたことは、いずれにしてもその地域でその恩恵に浴している。その地域、いや、我々、赤字であっても従業員には給料払っている、その従業員は所得税払っている、こういう論法でしたね。
 だけれども、ここまで来ますと、やっぱりさっきの、税のある程度の弾力化とは言わないが、自立性、自主性ということを考えていったときにやっぱり私はこの外形標準課税ということは避けて通れないだろう。だから、今の内閣で議論されている、方向付けられたということは、私ども、党としてのことはまだ最終的には態度を決めていませんが、私は政治家として、個人としては非常に共鳴するものが、共感するものがあります。それはもう当然これから考えていくべきだろうと思いますね。
 この外形標準課税と言われることだけの、そしてこの税が持っている性格というか、そういうことに対して大臣はどんなふうに考えられますか。
#67
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も当委員会でも御答弁させていただいておりますように、国の税金は能力に応じて、応能ですね、地方の税金は地方団体が行うサービス、受益に応じて払っていただくと、非常に地域との関係が深いのが地方税だと、こういうふうに思っておりまして、今、法人事業税は都道府県税の中で一番大きい税金です。
 ところが、これは収益ですから、所得に応じる税金ですから、赤字になると一切払わぬでいいと。ところが今、法人の七割は赤字なんですね。三割しか法人事業税を払っていないと。したがいまして、景気によって物すごく取れたり取れなかったりしますから、都道府県の財政は非常に不安定になるんですね。
 そこで、サービスは受けているんだから、黒字でも赤字でも何がしかの負担をしてもらおうと。今、税の空洞化というのが一番大きい問題になっておりますが、これからはやっぱりみんな少しでも広く薄く公平に負担するというのが税の在り方ではなかろうかと。
 そこで、今回我々が考えておりますのは、法人の半分は所得、収益で、残りの半分について外形標準を入れると。そこで、付加価値で入れますと人件費のウエートが高くなりますから、付加価値は残りの三分の二を付加価値にして、三分の一は資本、資本金の割合でやったらどうかと。こういうことで、赤字の法人企業にも少しは負担してもらう、それから、今三割の黒字の企業が全部をかぶっておりますからそれは少し軽くしてやる、税収は増やさない、税収は中立でやる、それが公平であり、地方税にふさわしいし、地方団体にとっては、都道府県にとっては安定的になると、こういうふうに考えておりまして、これは大変長い間旧自治省が主張してきたことなんですね。
 しかも、これをやりますと実効税率が約三%落ちるんですね。そうしますと、今もほとんどアメリカと一緒なんですけれども、まだそれでもほかの低いところよりは高いじゃないかという財界の方の議論があるので、外形標準をやることによって、地方税としての法人事業税を安定化させながら実効税率は落としていく、こういうことができるんではなかろうかというのが、今回の総理の税制についての改革の中の一項目として経済財政諮問会議で入れまして、政府税調の方に指示をさせていただいたと、こういうことでございまして、私としては、是非、経済団体や中小企業団体の納得を得ながら、やっぱりサービスを受けているんですから少しは負担してもらう、薄く、そういうことで御納得をいただければ大変有り難いと、こう思っております。
#68
○渡辺秀央君 それは同感ですね。七〇%も税金払っていないという事業の在り方というのはやっぱり異常ですよ、どう考えても。だから、それは職業の自由とかそれはいろんなことが保障されているにしても、それだけに、自由の保障されている分の負担は私はあるべきだというふうに思いますね。是非、政府におかれても議論をし、我々も大いに議論をして、国民の合意を得られるように、地方財源をやっぱり的確に適正に確保して、そしてその地方の自治体の自立性を確たるものにしていくべきであろうというふうに思います。
 時間が参りましたので、時間内の委員長の御注意もありますから、以上で、残念ですけれども、終わりたいと思います。
#69
○又市征治君 社民党の又市です。
 今回の地方税法の改正案につきましては、国の連結納税制度創設に伴って地方税への影響を遮断するためのものだということでありますから、地方財政の立場から、基本的に賛成を表明しておきたいと思います。
 その上で、国の一方的な措置によって地方税が減額される仕組みがほかにもたくさんあるわけでありまして、今日はその点について質問をしたいと思います。
 まず一つ目は、租税特別措置による地方税の減収額は全体で八千二百六十億円、こんなふうに言われていますね。このうち、主に法人や事業にかかわる減免はどんなものがあるのかお示しいただきたいと思います。
#70
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方税におきます非課税等の特別措置に伴う減収の見込額につきましてのお尋ねでございます。
 全体といたしましては、ただいま御指摘がございましたとおり、八千二百六十億円でございますが、そのうち法人住民税の減収額が七百三十億円、それから事業税の減収額が千七百五十億円ということでございます。
 その主なものを申し上げますと、法人住民税につきましては、中小企業の投資促進税制、それからエネルギー需給構造改革推進投資促進税制、それから医療用機器等の特別償却といったようなものが主なものでございます。それから、事業税につきましては、地方税独自のものといたしまして、社会保険の診療報酬の所得計算の特例に伴うものが九百億円となっておりますが、それ以外はただいま申し上げました法人住民税の場合と同様なものが影響しておるという状況でございます。
#71
○又市征治君 しかし、なくもがなの制度もあるわけで、例えば医師の事業税の計算ですね。今、減収額九百億円なわけですから、特例による地方の減収額、今、八千二百六十億と、こう言われましたが、その一割強、こういうことになります。事業税の減収額一千七百五十億円に限れば、その半分強を占めるわけですね。しかも、国税では優遇が縮小されたのに、なぜかこの府県税では残っているという、こんな状況にあります。
 度々答申が出ているのになぜ改善がされないのか、その点をお聞かせください。
#72
○政府参考人(瀧野欣彌君) ただいま御指摘ございましたとおり、事業税におきましては、社会保険診療に係る収入につきまして、所得金額の計算上、総収入金額などに算入せず、またその社会保険診療に係る経費につきましては必要経費に算入しないという形で、社会保険診療報酬については実質的に非課税という仕組みとなっているわけでございます。
 この特例措置は、昭和二十七年にさかのぼるわけでございますが、議員提案によりまして創設され、現在に至っているものでございます。この特例につきまして、累次の政府税制調査会の答申におきましてもその見直しが指摘されておるところでございまして、十四年度税制改正に係る答申におきましても、「税負担の公平を図る観点から、速やかにこれを撤廃すべきであり、少なくとも段階的な見直しを図ることが必要」というふうにされております。
 ただ、この特例措置につきましては、一つには、社会保険診療の公益性なり公共性に照らしまして一般の営利事業と同視することができないのではないか、二つ目には、社会保険診療報酬の水準が不十分であるという考え方もございまして、こういった立場も考慮に入れて、これまで現在の制度が維持されてきたという実情にございます。
 我々総務省といたしましては、税負担の公平を確保するという観点から、その見直しを図ることは適当と考えておるところでございますが、今後、保健・医療政策との関連も踏まえながら、引き続き見直しに努力してまいりたいというふうに考えております。
#73
○又市征治君 お医者さんすべてがもうけているとは思いませんけれども、常識的に見て、今日お見えの委員の皆さん、全体的に見ても、税の負担能力のある階層にお医者さん方が属しているということは、これはだれもが認められているんだろうと思うんです。古くからの宿題でもありまして、せめて国税並みに是正をされることを強く求めておきたいと、こう思います。
 次に、市町村税では租税特別措置による減収の大きなものとしては固定資産税があります。中でも、主として事業者に掛かっている償却資産への課税を見ますと、国の租税特別措置によって一千三百十億円という大きな額が減免されていますね。この減免のリストも非常に多岐にわたりますが、特に多数の項目があって額が大きいのが電気、鉄軌道、ガス、船舶関係などの課税というふうに見られます。
 この一千三百十億円の主な内訳を示していただくこと、またこれについて改善の考えなりそういう余地があるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#74
○政府参考人(瀧野欣彌君) 償却資産に対します固定資産税の非課税等特別措置についてのお尋ねでございます。
 十四年度の減収見込額は、ただいま御指摘ございましたとおり、千三百十億円程度になっているわけでございます。その主な内訳といたしましては、ただいま御指摘ございましたが、一般電気事業者の変電所なり送電施設に対する課税標準の特例で約四百二十億円、ガス事業用の償却資産に対します課税標準の特例で約百億円、公害防止用施設に係ります課税標準の特例で約百億円、それから国際路線に就航いたします航空機に係ります課税標準の特例措置で約七十億円というようなものが主なものでございます。
 こういった非課税等特別措置につきましては、特定の政策目的の実現に資するため講じられているというものでございますが、税の原則でございます公平、中立、簡素というような立場から見ますと、やはり社会情勢の推移を見極めながら見直しを行う必要があるというふうに考えております。特に、固定資産税は市町村の基幹税目でもございまして、広く土地、家屋、償却資産に課される税でございますので、特例措置の整理合理化というものを図る必要性は大きいというふうに考えております。これらを踏まえまして、平成十四年度の改正におきましても、償却資産に関する特別措置につきましては、五件の廃止、三十二件の縮減という見直しを行ったところでございます。
 今後とも、固定資産税の性格なり個々の特別措置が設けられました理由の今日的な妥当性というものを踏まえまして、引き続きこれらの措置の整理合理化を進めてまいりたいというふうに考えております。
#75
○又市征治君 個別の特別措置についてもう一つお伺いをします。これは総務省と財務省から、お尋ねをしたいと思います。
 エネルギー需給構造改革推進投資促進税制という項目がありまして、これによって事業税、つまり府県への減収影響が百十億円、また市町村民税への減収影響が五十億円あるわけですね。この特別措置は、財務省の「創設後長期にわたる企業関係租税特別措置」という、言わばいつまでも続けているのはおかしいという、こういうブラックリストにも載っている、こういう中身ですね。昭和五十四年の創設でもう二十年以上もたっているという、名指しで改善を求められておりますけれども、これの廃止あるいは地方税への影響を遮断する、そうした見通しについてお伺いをしたいと思います。
#76
○政府参考人(石井道遠君) お答えいたします。
 今、先生御指摘になられましたいわゆるエネ革税制と呼んでおるものでございます。これは昭和五十六年度に創設をされたところでございますけれども、その意図するところは、いわゆるエネルギー対策の観点から創設されたものでございます。我が国のエネルギーセキュリティーの確保という観点、あるいは地球温暖化問題を始めといたします地球環境問題への対応等の観点から創設されて今日に至っている制度でございます。
 五十六年度に創設以来、もちろん社会情勢の変化等に対応いたしまして所要の見直しを行ってまいりました。平成十四年度税制改正におきましても、対象設備等の見直しを行いますとともに、設備の基準取得価格を引き下げました上で二年間延長するというような見直しを行いつつ存続してきたものでございます。
 今後の取扱いの問題でございますが、御承知のとおり、租税特別措置が公平、中立、簡素という租税大原則の例外でございますから、絶えずその政策目的あるいは効果等を十分吟味いたしまして、真に有効な措置となるようにその整理合理化を行っていく必要があろうというふうに考えております。したがいまして、このエネ革税制につきましても、今申し上げましたような視点から今後ともその見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。
#77
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方税の課税におきましては、法人住民税の場合には法人税額が課税標準でございますし、法人事業税の場合にはその所得計算は法人税における所得計算の例によるというふうにされておりますので、制度上は、特に排除する規定を設けない限りは、国税の特別措置の影響は法人住民税、法人事業税に影響を与えざるを得ないシステムになっているわけでございます。
 そういったシステムの中で、特に排除するような規定を設ける場合でございましても、その判断基準といたしまして、国の租税特別措置の中にやはり地方税においても同様の取扱いを行うことが適当なものもあるわけでございますし、二つ目といたしましては、国の特別措置の影響を完全に回避しようといたしますと、先ほど申しましたようなシステムになっている中で所得計算が非常に煩雑になりまして、納税者と課税庁双方に大きな労力とコストが負担されることになる、こういうような事情もございまして、基本的には、租税特別措置の取扱いといたしましては、法人税の取扱いに準拠するという考え方を取っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、既存の租税特別措置に対しまして、エネ革税制を始めといたしまして整理合理化の必要性は当然あるわけでございますので、そういった状況も見つつ、また地方税の税体系の中で簡素な税体系を作っていくという要請も踏まえながら対応していく必要があるというふうに考えております。
#78
○又市征治君 私、今日、地方税の減収要因である国の租税特別措置について幾つかただしてまいりましたけれども、今、自民党政府が国税、地方税を含めて様々な増減税の案を出しておりますけれども、その多くは、景気へのてこ入れを理由に企業減税や金持ち優遇税制を更に進める一方で、広く薄くという口実で大衆課税を強化する案となっているんではないか、このことを危惧するからであります。
 しかし、現在の長い不況の出発点となったのは、消費税の引上げと医療制度の改悪という政府の政策の誤りによる国民大衆の消費や購買力の低下にあったことはもう今や明らかなんだろうと思うんです。法人減税は、例の恒久減税でもう十分にやられてまいりました。地方財政においても、その影響はいまだに毎年、三兆四千五百十億円、地方の慢性的な財政不足の原因に今なっているわけです。税制調査会でも、心ある委員から地方税の課税主体の自主性を強めろということが主張されています。
 そこで、大臣に伺うわけですが、今回、単独立法したのですから、今後も租税特別措置の影響遮断ぐらいは大臣の提唱で法改正できるのではないかというふうにも思うんですけれども、地方財源確保の点から、是非その点については努力を願いたい、この点について大臣の見解を伺いたいと思います。
#79
○国務大臣(片山虎之助君) 国もまける、地方も必要があればまける。しかし、必ずしも国と同じである必要はありませんね。今後とも、特別措置については十分審査してまいりたいと。
 もう今、特別措置、多過ぎるんですよ。もっとこれを少なくして集中した方がいい、そういう議論を今、経済財政諮問会議でもしておりますので、今後、地方税もそういう方向でやってまいりたいと思います。
#80
○又市征治君 終わります。
#81
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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