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2002/07/17 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第21号
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2002/07/17 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第21号

#1
第154回国会 総務委員会 第21号
平成十四年七月十七日(水曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     本田 良一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                本田 良一君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   参考人
       宮城県白石市長  川井 貞一君
       福井県名田庄村
       長        下中 昭治君
       鳥取県智頭町長  寺谷誠一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本郵政公社法案(内閣提出、衆議院送付)
○日本郵政公社法施行法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○民間事業者による信書の送達に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○民間事業者による信書の送達に関する法律の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として本田良一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村公平君) 次に、日本郵政公社法案、日本郵政公社法施行法案、民間事業者による信書の送達に関する法律案、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 本日は、四案の審査に関し、参考人の方々から御意見を賜ることといたしております。
 参考人の方々を御紹介いたします。
 宮城県白石市長川井貞一君、福井県名田庄村長下中昭治君、鳥取県智頭町長寺谷誠一郎君、以上の方々でございます。
 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜り、四案の審査に反映させてまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、最初に川井参考人からお願いいたします。川井参考人。
#4
○参考人(川井貞一君) 宮城県白石市長の川井貞一でございます。
 本日は、こうした発言の機会をいただきまして、心より感謝を申し上げます。
 最初に、郵政事業と地域のかかわり合いについて申し上げます。
 白石市は、宮城県の南端に位置し、人口四万一千人、面積二百八十六平方キロの市であります。地域の約七割を山林が占め、蔵王山ろくは豪雪地帯であります。
 白石市には現在十四の郵便局が設置されており、小学校の設置数と同数であります。そして、この学校と郵便局の二つが地域コミュニティーの中核と私は認識しております。それは、国の機関として郵便局が培ってきた信頼性に基づくものであり、情報、安心、交流の拠点となっておるからだと思っております。具体的に、当市におきましても、住民票等の郵送サービス、防災協定、道路損傷等情報提供サービス、シルバーサポートサービス等を郵便局との連携の下に実施しております。
 現在、白石市における最大の課題は、合併問題と少子高齢化であります。この解決にはどうしても郵便局との連携が必要だということであります。
 合併について申し上げますと、私は広域的な人口二十万から三十万での合併論者であります。合併による行政サービスの低下をさせることなく効率的に行政運営を行うためには、郵便局のネットワークを抜きにして考えられないことであります。殊に、郵便局におけるワンストップサービス行政の充実と拡大に最も期待をいたしておりますが、これは、情報の保全という問題からも、またネットワークからも、国営公社化でなければできないことであるというのが私の考え方であります。
 次に、少子高齢化でありますが、本市におきましては既に高齢化率が二三・七%になっております。殊に、山岳地帯の小原地区というのがございますが、ここは四〇%という超高齢化の地域であります。
 そんな中で、平成十一年六月にスタートしたまごのて郵便事業を御紹介させていただきます。まごのて郵便事業は、独り暮らしの高齢者の孤独感を和らげるとともに、高齢者と小学生が手紙等のやり取りを通じまして心をはぐくむ学校教育活動の推進を図ることを目的として始められました。小学生が高齢者に対し励ましの手紙等を書き、郵便局では配達の際に励ましの声掛けとともに安否の確認を行い、お年寄りと触れ合いを深めるというもので、私はこれこそ地域に根差したサービスである、このように考えております。
 今、郵便事業の民営化という主張もございます。しかし私は、まごのて郵便事業といった福祉と深いかかわり合いのある事業は将来的に全国的な展開が望まれるものであり、国の機関であるからこそこれが可能であると、このように考えます。
 公社においても効率化、合理化の努力は当然必要であります。民営化ということになれば、利益の追求が最優先するようになり、採算の合わない地域のサービスが切り捨てられ、住民の日常生活に重大な影響を与えることは必至と考えております。したがって、決して利潤追求だけではない国営の公社として存続をすることが地域のために絶対に必要なことであると、このように考えるものであります。
 第二点として、郵便の民間参入等について意見を述べさせていただきます。
 公社化によりまして郵便事業に民間参入を認める方向という具合にお聞きをしておりますが、一体、私は国民、利用者の側に立っての議論なのか、それとも大企業とか大都市の住民を優先するためなのか、非常に疑問に思っております。国民のだれもが公平でかつ平等に郵便サービスを受ける、このためにはクリームスキミングは絶対に避けるべきであります。また、参入業者には、当然のことながらユニバーサルサービスを義務付けるべきでありましょう。
 それ以上に、私は、民間参入によって東北地方の山間へき地からの郵便局の撤退が行われるのではないかという不安が地方の住民にあるということを是非先生方に御理解をいただきたいのであります。
 JRを例に取りますと、表面上のサービスは良くなっておるようでございますが、利益を追求する余りに、地方自治体の負担は大きくなる一方であります。NTTも、白石市の場合は支店営業所は廃止され、中心市街地空洞化の一因となっております。農協の合併、これも盛んに進んでおりますが、山間部の不採算支店はどんどんと廃止されております。
 私は、分校につきまして、生徒が一人でもいる限り廃止はしないと公約をいたしております。その理由は、先ほど申し上げました学校と郵便局こそが地域コミュニティーの核であると確信をしているからであります。そういう意味では私は、郵便の民間参入等によって国営の公社が不採算部門だけを引き受けるということになり、そのために税金が投入されるようなことになったのでは、絶対に国民の理解は得られない、このように考えております。
 さらに、通信の秘密の保護は非常に重要な問題と認識しております。手紙やはがきはもちろん、選挙、福祉、税金等、個人のプライバシーに関するものは、通信の秘密の性格、個人情報の保護の観点からも慎重な対応が望まれ、国営という信頼に裏打ちされた郵便局が行っていくべきものであります。
 以上のように、郵政三事業は国営の公社として当然存続さるべきでありますが、しかし今でも、郵政三事業は独立採算ではなくて、大幅な税金を投入して行われていると考えている人々が数多いのが事実であります。このような誤解を払拭した上で議論すべきであると、このように思います。そのためには、当然でありますが、公社側も民営と同じく透明性を確保し、経営が国民にも分かるようにしなければならない、このように考えます。
 第三点に、郵便貯金、簡易保険について申し上げます。
 郵便貯金、簡易保険についていえば、福島県境あるいは蔵王山ろく部などの白石市の中心部から離れた地域は、今申しましたように農協の支店が廃止され、郵便局だけが唯一の金融機関という地域が出てきております。この地域の交通手段を持たないお年寄りが年金等の月々の生活費をお受け取りになる、あるいは日々の貯金、公共料金の支払のために郵便局の果たす役割というのは、都会の皆様方には考えられない重要性を持っておるということであります。
 介護保険時、業者はどんどん進出しました。そして、採算が合わないという場合にはすぐに引き揚げたのであります。むしろ進出さえしなかった地域さえありました。民営化というものがこのようなおそれが本当にないんだろうかというのが、非常に疑問であります。これにはやはり、小学校と同様に歩いていける距離に存在する、全国二万四千八百と言われる郵便局のネットワークが国の機関としてしっかりと支えていただくべきだというのが私の主張でありますし、また、個人のライフプランの中でも、生活防衛としての国の保障に基づく安心感も必要であると考えます。
 最後に、白石市としまして、産業の振興、地域おこしにかかわるゆうパックの大きな役割を御報告させていただきます。
 白石の特産品でありますうーめん、まあ、そうめんと似たようなものでありますが、うーめんとか柿等を全国に送り込み全国ブランドとして定着いたしましたのも、二十年にわたるゆうパックの大きな力があったということであります。つまり、地域おこしにも、言い足りませんけれども、このほかにもいろいろ郵便局として我々が期待するものがあるということでございます。
 最後に、郵便局の公社化がこれまで以上に国民の信頼を得られ、そのように運営され、国民の安心のよりどころとして、全国どこでも国民に喜ばれる、感謝されるサービスがされるようお願いを申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(田村公平君) ありがとうございました。
 次に、下中参考人にお願いいたします。下中参考人。
#6
○参考人(下中昭治君) 私は、福井県の名田庄村というところから参りました。村長の下中でございます。
 福井県と申しますと、余り目立つことがございません。ただ、本院の議院運営委員長の山崎先生の出身県と申し上げると何か分かっていただけるのではないかなと、このように考えております。
 ただ、私の名田庄村は、山崎先生とはぐっと両極端でありまして、福井県の最南端でございます。福井市に行くよりも京都市に行った方が近いといった、完全に経済圏では近畿圏ということになっております。
 戦前は、若狭木炭ということで木炭の産地として、また非常にいい杉材が搬出できるということで、近畿圏では結構有名でありました。
 ただ、皆様御承知のとおり、戦後のエネルギー革命、それから当時はゴールデンシックスティーズとかいって非常にもてはやされたんですけれども、国の経済、高度成長ということで若者がどんどんどんどん都会に出てしまって、過疎化が始まりました。
 ただ、そうした中で、昭和五十六年ですけれども、村の再生を懸けてということで、第三セクター名田庄商会を設立しました。特産品の開発とか市場の開拓が目的でございます。お手元にはちょっと資料を差し上げてありますので、また見てください。
 この名田庄商会は、たった二名のスタッフでスタートしたのでございますが、その後、順調に業績を伸ばしまして、現在、二十数品目の特産品を開発しました。農家の生産意欲を高めるということで非常に効果がありました。また、村の知名度にも役立ちました。現在、三十名近い雇用を確保しております。
 それから、昨年、平成十三年度になりまして、山村の原風景をイメージして策定をしました「名田の荘 郷づくり構想」と、こういうふうに呼ぶんですけれども、これと相まちまして、名田庄村は新たな地域づくりの再々スタートを切ったところでございます。
 ところが、非常に困ったことが起こりました。それは、将来、郵便局がなくなるのではないかなという懸念でございます。実は、私ども、村の行政と郵便局との関係は、正に双子とでも言うほどの切っても切れない間柄であります。
 名田庄商会の特産品の多くは、この郵便局のゆうパックあるいはふるさと特急便ということで全国に販売をしているからでございます。また、平成九年度から始まったひまわりサービス、これは村内の多くの独り暮らしの老人にとって、今やなくてはならないというものとなっております。
 それから、災害時の協力に関する協定書、これもお手元に資料をお届けしました。これは村と郵便局とが固いきずなで結ばれている何よりのあかしであると、このように考えております。
 ほかにも名田庄町づくり協議会と、これは会長を、僣越ですけれども、私、させていただいておりますけれども、これも随時に郵便局と行政とで協議会を開いて、今後の町づくりについての研究をしております。
 また、平成三年四月一日に施行されました家電リサイクル法、これは極めて合理的な法律に思われておりますが、その一方で不法投棄の原因にもなっております。冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機、これはかなり業者に回収をさせますと金が掛かりますので、隠れて山の中に捨てるとか林道の縁に捨てると、こういうことが起こってまいります。この不法投棄を未然に防ごうということで、私どもは郵便局長さんの協力を得まして監視制度のシステム作りを研究しているところでございます。
 ところで、以上の事柄などについては郵便局が民営化された後でも、これは将来のことですけれども、まあ小泉総理の発言もありますし、一里塚と、民営化の一里塚となりますと、決して楽観はできるものではありません。そうした考えの中で、私自身はこの民営化はにわかには無理であると、このように考えております。
 それはなぜかと申しますと、例えば私の村を例に取りますと、先ほども述べましたとおり、人口は約三千人ほどです。戸数は、事業所を含めまして約九百八十戸。総面積は実に一万四千四百ヘクタール、非常に広いんですね。しかも、その約九六%が山林ということになっております。人家は川沿いとか谷筋に点在をしておりまして、こうした地形とか環境から見て、利益を追求する仮に民間業者が入ったとしてもなかなか経営が困難であろうと、このように考えております。これも僣越ですけれども、資料を、マップを見ていただくと、どういう村かなということを分かっていただけるのじゃないかなと思っております。
 そして、全国三千二百の市町村のうちに、私の村と同じ地理的環境にある自治体は決して少なくないと考えております。
 以上、私の村の具体例を基にしまして、以下、郵便公社関係四法案に対する意見を申し上げたいと思っております。
 仮に民間参入への道が開かれますと、それによって、日本全国どこに住んでいても均一料金で、正確に、そして安全に届けるという郵便事業の根幹が揺らぐことが絶対にあってはならないと、このように考えております。また、郵便局の経営が苦しくなりまして統廃合が進みますと、地域の過疎化が急激に進む可能性が出てまいります。人口密度の高い都会に住む人あるいは大口の利用者だけが恩恵を受ける一方で、地方に住む人や一般の利用者が不利益にならないためのしっかりした制度の確立のための担保が必要と、このように考えております。
 これまで絶対つぶれることがないと言われてきた銀行とかあるいは生保の破綻が相次いでおります。その点、郵便貯金や簡易保険に対する国民の安心感は本当に強いものでありました。こうした国民の素朴な声を大切にしていただきたいと、このように考えております。
 現在、郵便局職員には退職後も含めて守秘義務が課せられていると聞きますが、参入、撤退が自由な民間業者に対する信頼と秘密の保持がどこまで確立できるものかなと、これも懸念しております。制度としての担保がこの場合できるのかどうかなという、こういう不安を持っております。
 以上述べてきましたように、郵便局のユニバーサルサービスは公社になってもしっかりと続けていただきたい。また、公社化によって、今まで以上に郵便局のネットワークを生かし、高齢者とか生活弱者、地域性などにも配慮したサービスがあまねく提供されることを切望して、私の意見陳述を終わります。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(田村公平君) ありがとうございました。
 それでは最後に、寺谷参考人にお願いいたします。寺谷参考人。
#8
○参考人(寺谷誠一郎君) 鳥取県智頭町から参りました寺谷でございます。
 実は、常田議員とは、私、同級生でございまして、カンニングのし合いっこをした記憶ございます。今日も何か非常に心配そうに出ていただいておりますが、これも友情であろうかと思います。
 実は、このひまわりシステムというのは智頭町が生みの親でございます。当時、平成七年にこのひまわりシステムというものをやろうじゃないかということで、当時は、郵便局から、そんなお金にならないような、独居老人のところを回っても全然お金にならない、そんなばかな話はないというような声も出ましたが、要は、おじいちゃん、おばあちゃんが独りで寂しそうに住んでおるのを、郵便屋さんというのは毎日毎日回ります、地区を、これが日回りですね。それから、植物のヒマワリというのはずっと太陽を照らす、太陽に沿って照らす。それからもう一つは、目に見えない部分、暗い部分を一生懸命照らしてあげようじゃないかという意味でひまわりという名前を付けました。
 そして、今では郵政省の方で、全国で二百四、五十、このひまわりシステムというのが導入されておるように聞いておりますが、この原点というのは、やはり郵便局を中心に、いわゆる郵便屋さんと、いわゆる独居老人、寂しい方たちの友情の物語といいましょうか。
 例えば智頭町では、まず黄色いボックスを作っております。おばあちゃんが独りですから、今日はちょっと病院に薬もらいたいなというときは、玄関に、黄色いボックスに旗を立ててもらっています。郵便屋さんが回って、あっ、おばあちゃん、何か用事があるんだな。おばあちゃん、元気。そして、おばあちゃんとの会話の中で、今日は、じゃ病院に薬をもらいに行ってくれと。これはすぐ役場に連絡が入ります。智頭町にも病院がございますから、即、病院に連絡して、病院の職員がその薬を届ける。あるいは、電球が切れた。おばあちゃんですからなかなかできない。それは郵便屋さんが、よしきた、直そう、直してくれるわけですね。それから、戸が閉まらない、そういうのも直してあげよう。いわゆるよろず屋的なことですが、その老人にとってはもう本当にこれがなくてはならない、そういうシステムということになりました。
 ですから、このひまわりシステムというのは、郵便局を中心に、役場、病院、警察、これが一体になってこの老人たちを助けるということで、今ではもう本当になくてはならない事業になっております。
 要は、これ、こういうことを言っていいかどうかは別にしまして、郵便屋さんというのは、昔、自転車で地域を回るわけですから、非常にランクが低いと言ったらおかしいですけれども、事務屋さんと比べてそういう見方をされておった。ところが、そういう人間関係というもので、いわゆるハート部分でつながりますと、本当に原点を支えておるのが郵便屋さんじゃないかというようなことで、非常に注目を浴び始めました。特に地方では、郵便屋さんの在り方というものが非常にクローズアップされております。
 要は、改革改革と申されますけれども、果たして金銭だけの改革でいいものかどうか、私は非常に疑問に思っております。いわゆる政治というのは、もちろん金銭も大事でございますけれども、町民がいて、あるいは市民がいて、あるいは県民がいて国民がいて、そのための政治ですので、そういうひまわり、暗い部分も照らすような、それが政治ではないでしょうか。口幅ったいことを言いますけれども、やはりそういう部分というものを救うのが、私は小さい田舎の町長でありますけれども、私は政治理念としてそういうことを思っております。
 それと、実は我が町では、一万人ぐらいのちっちゃい町でございますけれども、それと同時に、ゼロ分の一運動というのをやっております。これ、どういう運動かといいますと、無から有を生み出そうと。今までは、町民はもう全部役場におんぶにだっこであったと。もうハチの巣ができればハチの巣を役場に取ってくれとか、マムシが出たから捕れとか、もうそんなばかな話はやめようと。自分たちの集落は自分たちで守りなさいよ。そして、十年間のスパンであなたたちの集落の夢を語りなさい、それもじいさん、ばあさん、子供、孫、みんな寄って考えなさい。そして、そういう十年の大きな体系の夢ができ上がったら町に持ってきなさい。町が認めますと、まず一年間五十万差し上げましょう、もう何を使ってもよろしい、それから二年目も五十万、それからあと八年間は二十五万ずつ差し上げましょう、その代わり自分たちの集落は楽しい集落を作ってくださいというシステムでありますが、今、非常に全国的に、智頭町に多くの方がこのシステムを研究したいということで一杯見えております。町長もいろんなところから見えております。係を二人増やしまして、その対応に一生懸命になっておるということであります。
 やはり、この郵便局と同じように、これからの時代というのはハートの部分というのが非常に尊ばれるんじゃないか、そういう意味でゼロ分の一運動というのをやっております。
 それからもう一つ、是非、先生方にお聞きいただきたいのは、スロータウンという今言葉がぼちぼち出掛けておりますが、これは実はどういうことかといいますと、今ちょっと物議を醸しておりますけれども、三井物産の戦略研究室というのが、銭金は抜きにして、今非常に時代がスピード化されておる、このスピードというものを認めようと。例えばメール、郵便局のメールにしろ光ファイバーにしろ、いろいろ、高速道路、これは大事なことであると。しかし、日本の世の中が全部スピードでこのまま突っ走るとどういうことになるんだろうと。ひょっとして、ジェットコースターのその線路がなくなったらみんなで飛び込まなきゃいかぬ。ならば、もう一回スローの世界というものを見直す必要があるんじゃなかろうか。
 スローというのは、ゆっくりという意味もあり、また原点という意味もございます。そこで、北海道から九州まで、ちょっとやんちゃな町長を十二名集めるということで、先月からそういうスロータウンということで会が催されました。これを今年じゅう一杯討議しながら、今度は先生方に聞いていただこうと。本当にこのスローという時代も必要じゃなかろうかということを投げ掛けようというようなことを今模索しています。
 なぜかといいますと、食べ物でも、例えばマクドナルドでも瞬時のうちに同じ味が世界各国で味わえる。そして、日本人というのは、もう早くがさがさっと食べて、安い、早い、まずくてもいい、早く食べてがさがさしておると。そうじゃなくて、地方には文化があるんだと、食べ物にも文化がある。そういうことをゆっくりのんびり考えながら、本当に地域地域をうまく回転させることによって国全体がうまくコントロール、回転できるんじゃないかと。例えば、山も見直しましょう、川も見直しましょう、あるいはそういう人間関係ももう少し見直さないと、教育問題等々が荒れておるというようなこと。そういうものを突き詰めながら、スロータウンという名目で勉強していきたい。
 それからもう一つは、これは私事でございますけれども、鳥取県は県庁所在地に高速道路が入っておりません。これは鳥取県だけであります、ほかの県は全部高速道路が入っておりますけれども。中央で田舎には高速道路は要らないという声がありますが、私はとんでもない話だと。この地域があればこそ日本というものがいわゆる成り立っておると。東京、あるいは東京だけで本当にこの日本が養われるかというと、地域というのは山があり川があり、きれいな空気、きれいな水を作りながら、そしてみんなで潤っておると。それを、田舎だから高速道路は要らない、非常に寂しいお答えがこの霞が関辺りから聞こえてくる。
 地域に住んでおる人間というのは、やはり必死に生きておるわけであります。そして、これから子供たちを育てる、環境のいい場所を提供しながら、いろんなことを先生方にお願いしていくわけですから、田舎に高速道路がない、要らないという、そういう論という、おっしゃる先生方は、私は非常に何かこう不思議に思えてなりません。そういう先生がもしいらっしゃったら、鳥取県に来ていただくときは、きれいな空気、水を作っておりますので、一呼吸一円いただきます。一円いただきますので、覚悟して田舎に来ていただきたい。
 ということで、またいろいろ先生方にお話聞いていただきたいことが一杯ありますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(田村公平君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の御意見の陳述は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○又市征治君 社民党の又市でございます。
 他の委員会の関係から、私の発言の順を特別に繰り上げていただきまして、同僚議員の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
 今ほど御三方から、大変短い時間で語り尽くせない、そういう意味では、産業構造や就業構造がどんどん変わってくる、人口が減少し、あるいは高齢化が進んでいく、こういう状況の中で、それぞれの地域において夢や希望が持てるような町づくり、こんなことに大変御努力をいただいているその一端をお伺いをし、またその関係で、郵便局とのつながりということについて様々お伺いをしてきたところであります。
 そこで、そうしたそれぞれの社会的な状況の変化、とりわけ危機的な状況から脱却して村や町に活気を取り戻そうと、こんな格好で住民総ぐるみでお取り組みになっている、こういうことを幾つかお伺いをいたしました。
 一番初めに、下中参考人は私と同じ北陸ブロックの御縁ということもございまして、一番先にお伺いいたしますけれども、名田庄村では郵便局との間で協力に関する協定書というのを結んでおられる、こういうことでございますが、まずはその協定の大きな社会的な背景をお伺いをしていきたいと思っているわけであります。
 というのは、いわゆる過疎地と言われる地域において、これはほかの御三方も共通しているかもしれませんが、役所が最大の産業だと言われる、こういう冗談半分に言われるところがあるわけであります。これは、悪意ある人たちにとってみると公務員ばかり多くてと、こういうことになってみたり、あるいは公務員の人件費がどうのと、こう言われることがあるんですけれども、実は、この言葉の真実はそんなことではなくて、元々第一次産業もちゃんとあった。多くの人が農林業で生活を立てていたけれども、それが名田庄村のように人口はもうずっと減って、元々林業で栄えた村なんだけれども、国の政策変更、とりわけ国策が石油依存に変わっていきまして、その林業が衰退をしていく。
 そして、資料を読ませていただきましたけれども、昭和二十八年の台風によって大水害と、こういう事態で村が壊滅的な打撃を受けた。こんなことから、農業や林業ではもう生活ができなくなってしまって、極めて大きな山村の典型的なところなんだけれども、実際上は第一次産業の従業者は一割程度、こんなことになっているわけで、そういう意味では、産業らしい産業、その就業人口がいなくなってしまったというこういう事態の中で、言ってみれば役所が最大の産業だと、こう皮肉交じりで言われるようなこういう事態が生まれているんだろうと思いますから、そういう点で、一番冒頭に申し上げましたように、この郵便局との間で協力に関する協定を結んでおられる、その社会的な背景の問題をもう一度改めてお伺いをしておきたいというのが一つです。
 それから二つ目に、ここが本日の重要なポイントでもありますけれども、どんな小さな地域共同体でも最低限ワンセットの公的サービス機能というのは残さなきゃならぬ、こう御三方とも大体同じ御意見だったように思うんですけれども、それが文明国家の条件でもあり、あるいは憲法第二十五条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」でもある、こんなふうに私は考えます。
 この二点は御三方とも共通だと思いますので、まず先にお話をいただきました下中さんから、続いて白石市の川井市長さん、そして智頭町の寺谷さんにこの二点についてお伺いをしてまいりたいと思います。
#11
○参考人(下中昭治君) 村と郵便局さんとの連帯感というのは、これはもう今に始まったことではございません。もうはっきり言いまして、私の子供のころからずっと連綿と続いております。田舎にとってはそれほど郵便局というのが必要なんですね。
 今は情報化がどんどんどんどん進みまして、いろんなメディアから瞬時にして全国の情報が入ってきますけれども、かつてはその地域の情報のいわゆる窓口は郵便局でした。私ども子供のころから郵便局の表で遊んだのを覚えております。そうしたことが今なおずっと私どもの村では続いておりまして、これは先ほどのマップを見ていただくと分かると思うんですけれども、役場と歩いて二分かそのぐらいのところに立地しておりまして、常に連絡を取っております。
 それから、お話にありました、確かに小さな村ですと企業誘致も困難ですし、そういうことから役場が最大の地場産業であると、私、外に出た場合には話をしております。
 それと、それが郵便局さんの力がないとなかなか行政の遂行が難しいといった面があります。先ほど言いました防災協定なんですけれども、役場の職員も常にずっと村内をパトロールさせておりますし、また不法廃棄物につきましてもパトロールさせておりますけれども、なかなか毎日毎日そうはいきません。その点、郵便局さんは毎日村内を巡回しておられます。このマップでも分かりますように、ずっと私どもの村は谷に分かれておりまして、その間は全部山なんですね。ですから、その谷側のずっと奥には数戸、五、六戸とかまた十戸とか、そういった集落があるんですけれども、そこにも必ず郵便局さんは配達さんが毎日行っております。そういう面で、私どもの行政では目の届かないところもこの郵便局という組織の中で私どもにいろんな協力をいただいておる、こういうことであります。
 また、ワンセットサービスという話も出てまいりました。これは実は、隣の市長さんは市町村合併賛成というお話でしたけれども、私自身は困ったことになったなと思っております。
 目下、やっぱり心配の種は市町村合併、それに郵便局がどうなるんかな、この二つですので、これからもこういうことはずっと続いていくと思いますので、どうか皆さん、先生方、何とか公社化は、まだ決まっていませんね、そういう方向に進んでおりますけれども、公社化になっても、先ほど申しましたようにきっちりとしたいわゆる普遍的なサービスということも非常に難しいことなんですけれども、私どものところにも日を当てていただきたい、これが最終的なお願いです。
#12
○参考人(川井貞一君) まず最初に、白石市は、先ほど申し上げましたように、四万一千人で二百八十六平方キロと膨大な面積を持った市であります。そこの中で、かつてはいろんな国の機関等もございました。しかし、どんどん撤退をしております。例えば、非常に山林部が多いわけでございますので営林署等がございましたが、これも全部仙台に吸収合併されたということで、国の機関あるいは国の関係する機関として残っておるのは郵便局だけだと言っても過言ではないというのが実情であるということであります。
 そうしますと、山間部の皆さん方は非常に寂しいんでございますね。つまり、自分の生活設計ができないという感じを持つようでございます。それがどういう具合に現れてくるかというと、結局は地域おこしという意欲がなくなってしまう、どうせおれたちには後を継ぐやつはだれもいないんだから、自分たちだけが生活していければいいと。
 例えば農村集落排水事業というのがあります。非常に文化的な生活ができるはずなのに、負担が嫌だからおれのところはやらない、せっかく国の方にお願いをしてこれをやりましょうやと言ってもやらない。最大の理由は、後継者がいないんですよ。ですから、自分たちだけだったら我慢する、どうせその後は駄目になっちゃうんだからといったような気分が蔓延してまいります。そこのところに、郵便局までなくなったんだということになった場合のダメージというのは物すごいと思うんでございますね。これが第一点であります。
 第二点、ただいま下中参考人の方から合併の問題が出ましたけれども、どうも私は今の合併の議論が間違っておると思うんです。
 かつて、今まで二遍合併がありました。第一遍目は明治維新の後、このときは恐らく中央集権国家を作るための市町村合併だろうと思います。第二遍目は終戦後であります。これはどちらかというと、はっきり言えばアメリカンスタンダードによる合併かなと。それでも中央集権を残そうとして機関委任事務というものを必死になって残したという形だろうと思います。
 今度こそ地方政府を作り上げなければならない。そういう意味では、今度の合併はやはり、いろいろ御意見はあるのはよく分かりますけれども、やはり前向きに考えていかなきゃならぬ。それを合併特例債とかそういうことだけでやるべきではないと、このような理解の仕方をしております。
 そういうことで合併をします。当然小さな政府ということでありますが、といって住民サービスは十分提供しなさい、これが恐らく住民の皆さん方の要望であろう。となりますと、私はやはりe―Japan戦略というものはこれは徹底してやっていかなきゃならぬだろうと、これは一つ考えております。しかし、e―Japanだけでいいのか、いわゆるバーチャルだけでいいのかといいますと、そうはならないと思うんです。やはりフェイス・ツー・フェイスというのが最大のコミュニケーションだと、こう思っております。そのフェイス対フェイスの拠点、よりどころというのが郵便局と学校だというのが私の考え方であります。
 以上でございます。
#13
○参考人(寺谷誠一郎君) 私は、先生、要は地方にあっては郵便局というのはもう生活の一部である、それから一番大事にしたいのは、やはり今も申しましたけれども、いわゆる心のつながりですね。ハートの部分、これを大事にしたい。
 郵便屋さんというのは、特に郵便屋さんと言いますけれども、もう全部地域を知っているわけですね。あの家には何人おばあさんがいて何人子供がいて、犬の名前まで知っています。
 あるとき、本町で、私のところで火事が行ったことがあります。そうしますと、おばあさんが助かったんですけれども、郵便屋さんが、あのおばあさんはこの今燃えている何メートル先のどこの居間に寝ているはずだということまで分かるんですね。消防士が飛び込んでそこに寝ていたのを助けたと。これはもう銭金には換えられない、もう本当にすごいことだなと。もう本当に頭が下がった経験がございます。
 それと、やはり、何というんでしょう、金銭的に、財政的にすべてを冷静にカットするというのも分からないではありませんけれども、それを全部やりますと、一体人間というのは何のために生きているのかなと。助けたり助けられたりという世界というのが本当になくなってしまうんじゃないか、何かそういう感じが非常に田舎に住んでいれば住んでいるほど感じられますので、こういうハートの部分をなくすと、何だか日本て変な国になっていくんじゃないかなというような、そんな単純に思いがしております。
 それから、うちはひまわりシステムというのを考案しまして、郵便局と非常につながりが深うございます。
 先般も、田舎ですからだんだん高齢者社会になってくる。おじいちゃん、おばあちゃんが徘回するわけですね。どこかいなくなっちゃう。今度は消防団が出て山狩り、山を捜したり、それはもう大変なことなんです、もう何日も何日も。そこで、役場と郵便局がいわゆる無料探索機、これはちっちゃい探索機を要するに両方でちょっと徘回的な嫌いのあるおじいちゃん、おばあちゃんに持ってもらっている。とにかくちっちゃいものですから、どこかに縫い付けてもらっておる。そうすればどこに行ってもすぐ分かるということですね。それを今、智頭町では郵便局と一緒に組んで、おじいちゃん、おばあちゃんがいなくならないようにやっていると。
 ですから、非常に田舎ですから、そういう一万人ぐらいの町でお互いが寄り添い合いながら生きているというのが日々楽しいことかなと、こんなふうに思っております。
#14
○又市征治君 ありがとうございました。
 それぞれから、今一番最後に寺谷さんおっしゃったように、郵便局は地域住民の生活の一部だと、御三方ともよく似たようなお話をいただいたことだろうと思います。
 そういう意味では、とりわけ過疎が進んだ地域などでは公的サービスの機能が、そういう意味で郵便局が非常に大きな役割を果たしている。そこにおける庁員だとかあるいは福祉系を含めた公務員の皆さんが大変重要な役割を果たしているということのお話だったろうと思います。
 そこで、実は今この郵政公社関連四法案を論議をいたしておりますけれども、片山総務大臣は二万四千七百の郵便局数は維持すると昨日も明言をされているわけでありますけれども、問題は、これは数だけがそのまま存続されるというだけでは困るわけで、もうかっているのは東京で、東京の中央郵便局だけで北海道全域の収益分ぐらいあるんだとこういうことですから、これは大変な格差があるわけでありまして、そういう点でいうと、郵便局の総数を変えないけれども、都会の局を増やして、その分田舎の局をつぶされたのではもう地方はたまらぬということでは、もう皆さんも全く同感なんだろうと思います。そういう意味では、その点はしっかりと私どもも求めていかなきゃならぬと、こういうふうに思っております。
 特に、人口の問題で置くのではなくて、多分皆さん方、面積あるいは時間的な距離を基準にすべきだというふうにお考えだろうと思いますが、郵便局の設置ですね、そういうことだと思いますが、そこのところは下中さん、いかがでございましょうか。
#15
○参考人(下中昭治君) 先生のおっしゃるとおりでありまして、郵便局は人口に比例して設置するものではない、あまねく、いわゆるユニバーサルサービスの目的を達するためにも全国津々浦々にも残していただきたい、このように考えております。
#16
○又市征治君 時間がなくなってまいりましたが、今、郵便局の存続の必要性、今ある場所を守るという、こういうことは多分御三方とも御同様のお考えだろうと思います。とりわけ過疎地におけるほかの公的サービスについても同じお考えなんだろうと思います。
 そういう点で、今、先ほどもちょっと出ましたが、そこまで全部触れておる時間的余裕ございませんけれども、下中さんおっしゃいましたように、総務省は今市町村合併推進、促進の掛け声を掛けて、行け行けどんどんとこんな格好になっているわけですが、しかし合併をすれば早い話、役場はうんと遠くなる、行政サービスは明らかに遠ざかっていく、こういうことになるということも起こるのかなと。そういう意味では、距離の問題だけではなくて心までむしろ遠くなるという、こういう感じがするわけでありまして、このことについてどう思うかというのは首長さん方に聞くのはちょっと酷ですから申し上げませんけれども、特に最後に下中さん、三十年ごろに合併をされた、こういうお話をお聞きしているわけですが、当時の合併の功罪あるいは村の暮らしの変化について、短時間で少し何かお話ありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#17
○参考人(下中昭治君) 昭和の大合併は、当時はまだ、自治体とは言いますけれども本当はまだ未熟児でした。今とはもう全然感じが違います。ですから、今回の合併も特に否定はしませんけれども、国においては、財政面だけをとらえての合併でなしに、住民の視点に立っての合併を進めていただきたい、このように考えております。
#18
○又市征治君 どうもありがとうございました。
 お二人の方に質問の時間数の関係で失礼をいたしましたけれども、それぞれのお話、御趣旨を体して、ユニバーサルサービスの確保に私どもも精一杯努力をしていく、そんなことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#19
○岩城光英君 自由民主党の岩城光英でございます。
 参考人の皆様方におかれましては、日ごろ住民にとりまして一番身近な行政主体であります市町村の正にトップといたしまして、様々な御苦労を重ねられながら地域の発展に御尽力されていらっしゃいますことに心から敬意を表したいと存じます。また、先ほどは御自身の貴重な体験から郵便局とのかかわりにつきましていろいろとお話をいただきまして、大変参考にさせていただきました。
 先ほど下中村長さんから、村の行政と郵便局は正に双子のようなものだというお話がありましたけれども、まず初めにお三方に、大変ぶしつけな質問でありますけれども、皆さん方にとりまして地域の、地元の郵便局というのはどういったイメージなのか、さらにまた、この場で郵便局の局長さんとか職員の方々のお姿を思い描くことができますでしょうか。そういった点につきまして、一言で結構でございますから、川井参考人から順次お願いしたいと存じます。
#20
○参考人(川井貞一君) 私が郵便局といいますと、ちょっととっぴかもしれませんけれども、赤いポストを思い浮かべます。何か昔から郷愁があります。あれが郵便局だなという感じであります。
 それから、もちろん今の局長とかその他の皆さんもよく知っております。知っておりますが、ちょっとあえて言わせていただきますと、私の同級生で高橋榮蔵という男がおりまして、これが、かつての郵便局の年賀状配達拒否のとき、もう郵便局の信用が地に落ちまして、そのときに彼は一人で頑張ったんですよ。おわび行脚ですね。地域地域を一人一人歩きまして、そして信頼回復に努めました。彼は簡保を担当しておりました。それ以来、今、だから十何年になるでしょうか、簡保契約ゼロの日というのは白石郵便局ないんだそうです。全国で断トツの成績を示しておる。これは高橋榮蔵君のやはり赤いポストに対しての思いやりかなと。こういうすばらしい職員のいる郵便局だというのが私のイメージであります。
#21
○参考人(下中昭治君) 私の子供のころには、村の三役といいますと、村長、駐在所さん、それから郵便局長と、たしかそのように思っております。ただ、今はもうすっかり変わりました。これは戦前のことですので。今では、はっきり言いまして郵便局長は私の行政についての相談役にも等しい位置付けを私はしております。先ほど言いましたように、行政ではなかなか目の届かないところを郵便局さんの機能の中で、配達さんもそうですね、機能の中でしっかりと見て回っていただいておると、このように考えております。
#22
○参考人(寺谷誠一郎君) これは現実にあった話なんですが、これは実話でございます。
 ひまわりシステムで、あるおばあちゃんが、独居老人がおりまして、その郵便局の局員さんが、三十五歳ぐらいだったでしょうか、転勤になったわけですね、異動で。ちょうど異動になりまして、彼が十二指腸潰瘍かなんかで病気になって半年ぐらい休んだと。そのときに非常に彼が落ち込みまして、奥さんも心配するしということで、ある日、その郵便屋さんが、どうしてもあのおばあちゃんがどうしているか心配で心配でたまらぬということで、奥さんとそのおばあちゃんのところに子供さんを連れていったそうです。
 ところが、その奥さんが、今まで自分のお父ちゃんのこの笑顔、うれしそうな笑顔、楽しそうな笑顔を見たことがなかったと。ああ、これほどうちのお父ちゃんというのはいい仕事をしていたんだなということでそれ以来見直して、非常によかったということを奥さんから聞きました。そういう具体的な例でございます。
#23
○岩城光英君 それぞれいいお話をお伺いできましたものと思っております。郵便局が地域にしっかり根差しているということが改めて理解できました。
 ただ、都会では若干違うんじゃないかなと思うんです。人口が集中している都市部とそれから地方におきましては、郵便局の果たす機能、役割、あるいは行政の方々が、そして住民の皆様方が郵便局に期待するもの、こういったものは若干異なってくるものと私は思っております。
 地方ではやはり郵便局がコミュニティーの拠点としてこれからもっともっと大きな役割を果たしていかなければいけないと思っておりますし、とりわけ地方分権が進展し、また合併等で広域的な行政の展開を考慮しましたときに、ワンストップ行政といった役割を担う郵便局、これを地方の市町村がどのように活用していくか、大きな地域経営戦略上の課題になっていくものと思っております。
 そこで、寺谷参考人にお伺いしたいと存じますけれども、智頭町ではいち早く、というよりも全国に先駆けて、正にひまわりサービスシステムの生みの親ということでお話をお伺いいたしましたが、導入されまして多くの成果を上げられてこられました。それで、とりわけ、実際の利用もさりながら、それ以上にお年寄りの心のケアにも役立っているんだというお話を感銘深く聞かせていただきました。
 さて、このシステムを導入されるに当たって、またそのシステムの様々な展開をされるに当たりまして、例えばこういった点が障害になったとか、あるいはこれからこういったところを工夫してほしいということの点がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#24
○参考人(寺谷誠一郎君) まず、岩城先生の、ちょっと都会では違うとおっしゃいました。確かに、都会と田舎の違いがここに正に出てくるわけですね。我々はそういうハート・ツー・ハートで物事を毎日進めていますので、その辺りがちょっと都会と、寂しいなという思いの中で、やはり私は、今さきに申しましたように、スロータウンと申しました、これがこれからの世の中全体のキーワードを握ってくるんじゃないかなと思っております。
 というのは、先生のおっしゃった都会と違うという、じゃ、我々は都会流に今更生きろと言われてもなかなか生きられないわけですね。口幅ったいですけれども、じゃ、もし都会の方にもう少し田舎らしく生きていただけませんかという問い掛けをした場合に、かなりの方が、うん、考えてもいいなとおっしゃるんじゃないかなと、そういうもう時代に来ているんじゃないか。空気も悪い、何かがさがさしている、たまには田舎に行って空気を吸ってみたいな、郵便屋さんが回っている雰囲気を見てみたいなというのもやっぱりリフレッシュするために大事なこと。
 それで、そういう中で、これからやっぱり合併という問題が非常に大きく横たわっていますので、私も合併はもうせざるを得ないというスタンスでおります。しかし、そのときに、今まで大事にしてきた郵便局がまたましてやなくなるということになれば、何だか本当にもうこの世の中すべて都会にのみ込まれてしまうようなそういう感じがしますので、私は、もちろん郵便局というのはもう絶対残していただかなきゃいかぬという中で、例えば印鑑証明を取るとか、あるいは細々したことの日常生活のそういうことも、いわゆる連携を取りながら一杯できる仕事があると思うんです。
 ですから、合併という渦の中で、役場というのは支所になるわけですから、支所と郵便局というものが今度はいい意味で結婚して、そしていわゆる住民サービスに努めるということで、かなりイニシアチブというのは郵便局が取る時代が来るんじゃないでしょうかね、むしろ。廃れていくんじゃなくて。合併になればなるほど。そういう感じをしております。
#25
○岩城光英君 次に、川井参考人、それから下中参考人にお伺いしたいと存じますけれども、ワンストップサービス行政、これを展開をされていらっしゃると思います。これから地方自治体の財政状況はかなり厳しいものがありますので、自治体サービスの一部を郵便局にゆだねて、それで財政的に様々な節減を図りながらも行政サービスの水準を維持していくということも当然今まで以上に考慮しなければいけないと思っております。
 そこで、今後そういったワンストップサービスで活用あるいは新たに導入、こういったものが導入してほしいとか導入したいとかいうことがおありであれば、具体的にお示しいただきたいと思います。
#26
○参考人(川井貞一君) 実は、白石市は昭和二十九年に一町七か村が合併されました。その合併の経緯で、各旧村にそれぞれ支所がございます。そういうことで、現在の時点では郵便局のワンストップサービス、現在のところは余り提供しておりません。しかし、これから先合併をすれば当然支所はなくなるというのが当然だと思っております。
 そういった場合に一体何をしなければならないのか。まず第一番目には、それぞれの市や町に個性のある仕事があると思うんでございます。例えば、白石の場合で申しますと、介護保険以来ずっと介護保険に加入をしてお金を支払って、サービスを受ける方は一五%程度ということになりますと、残りの人たちは何でおれたちただ払うのやという非常に不満といいますか、それが残ってまいります。
 そのことに対しまして、白石市といたしましては、介護保険の適用、適格者でない人たちに対しまして、温泉生きがいデイサービス事業とか、五十メートル温泉プールがあるものですから、それを六十五歳以上の方で介護保険は適用にならないけれどもお使いなさいという制度でございます。あるいは自立者のホームヘルプサービス事業、あるいは自立者のためのショートステイ事業とか、配食サービス事業とか、寝たきり老人の紙おむつ支給事業とか、いろいろな事業をやっております。
 こういうものの窓口になってほしいと、ワンストップサービスの適用された場合に、白石独自というわけにいかぬと思うんですけれども、やはり合併してもこういうものは続けたいという意思がございますので。そのように考えております。
#27
○参考人(下中昭治君) かつて出雲市の岩國市長、今はもうお辞めになっておりますけれども、岩國市長が、役所は住民サービスの総合商社であるとおっしゃいましたね。私どもはもっと前からそう言っております。ただし、村内唯一の総合行政サービスと、こういうふうに言っておりました。ただ、そこではやっぱり欠けるものがありまして、やはりいわゆる郵便事業ということですね、全く別の分野がありますので。ですから、今は行政とそれに郵便局さんとそれから社会福祉協議会、この三者が一体になってのいろんな住民サービスをやっております。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 私ども、昭和の合併で二村が合併したんですけれども、郵便局は今それぞれに一か所残しておる。二か所あるんですね、村の中に。都会の人から見ると結構ぜいたくな感じを受けるかもしれませんけれども、住民にとってのやっぱり心のよりどころ、先ほどもちょっと話出ておりましたね、郵便局はそういった意味で非常に大きな影響力を、求心力を持っております。
 ですから、市町村合併の話出ましたけれども、私は欲かもしれませんけれども、やはり郵便局と行政とがいわゆるワンセットでの存続を、残してほしいと思っています。ただ、これも話出ましたけれども、一つの流れの中で合併ということになりましても郵便局だけは残してほしいと、これはもう切なる願いです。
 以上です。
#28
○岩城光英君 私も実は十四市町村が合併いたしました福島県のいわき市というところの市長を務めておりました。海のすぐ近くの漁村から、冬では雪が積もる山村地域まで、神奈川県の半分の面積ですから、非常に広域的な市でありましたけれども、やはり合併前の地区ですね、それぞれが置かれている特性、環境が違うものですから、持っている特性とか違うものですから、その独自性を生かした地域づくりをしなければいけないと思っておりました。そういう意味で、これから広域行政を展開する場合に、やっぱり役場あるいは支所、そして郵便局とのこの連携というのが非常に重要になってくるものと思っております。
 そこで、先ほど来幾つかお話がありましたいわゆるふるさと小包、ゆうパックとかふるさと特急便とか、それぞれ名称を付けて特産品の開発、また宣伝、PRに御利用されていらっしゃるわけでありますけれども、こういったものが地域おこしに役立っているというお話をいただきました。今後、更なる地域の活性化のために、例えば郵便局を活用してこういった事業を展開したいとか、こういったものが具体的におありでしたらお話をいただければと、お三方にまたお願いしたいと存じます。
#29
○参考人(川井貞一君) 私、先ほどゆうパックが非常に地域おこしのためになっておるという話をいたしました。何よりも実は大事なことは、郵便局のネットワークの情報の収集力を我々の地域に下ろしてもらいたいということであります。つまり、例えばこういうものが一番ニーズが高いよとか、そういうことを、鮮度でも結構です、あるいは品種、品目でも結構です、そういうものを地域におこしていただきたい。
 もう一つは、うちの方は山間部でありまして、市場の価格をコントロールできるような大産地にはなり得ません。したがって、ただし、味がいいのが結構多い。ですから、一つのパックに五、六品目ぐらい詰めてやるような発想が出ないものかなと、同じゆうパックでも、こんな具合に考えております。
 何よりも私は一番大事なのは、地域おこしというのは、結局人の心おこしだと思うんでございます。人の心を立ちおこすために、郵便局のいろんなネットワークを通じて情報を伝達すると同時に、何とか資金も、この辺もやっぱりこれから考えていただく必要があるのかなと。個人にはなかなか無理でございましょうけれども、何か方法を通じて、膨大な、合わせますと三百、四百兆近いお金があるわけですから、それを地域のために、今銀行は貸し渋って駄目でありますから、その辺を何か工夫を凝らしていただければ正に地域に密着したものになる、こんな感じがいたします。
#30
○参考人(下中昭治君) 先ほど申しましたふるさと特急便とかそれからひまわりサービスとか、それらを更に充実していただきたい。
 さらに、例えば住民票とか印鑑証明とか、役場の窓口の一部を郵便局にやっていただけたらなと。これは今研究中であります。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
#31
○参考人(寺谷誠一郎君) やはり民営化ということになりますと、要は金銭的なことで片付けられるということですね。要するに、極端に言いますと、もうからないところには手を出しませんから、もうかるところだけになってしまう。ということは、いわゆるへき地とか過疎というのはいわゆる商売的には成り立っていかない、ということは、見捨てられるという危険性というのは非常にあると思うんです。
 それで、特に、今申しましたけれども、合併という大きな渦が渦巻いていますので、やはり私も、これからの郵便局というのは、合併という大きな渦の中でかなりの役を持ってくると、印鑑証明とかいろんな意味ですね。昔から、郵便局というのは住民が親しんできた、ここが先生がおっしゃる都会と田舎の全く違うところなんですよね。ですから、是非、大きな大きな意味で日本国を見たときに、そういう地域だからこそ郵便局というのはもっと必要なんだという訴えをしたいですね。
#32
○岩城光英君 ありがとうございます。
 時間の関係上、最後の質問にさしていただきますが、川井参考人に。
 先ほどお話の中で、民間参入が国民とかそれから利用者の側に立っての議論なのか、あるいは大企業や大都市の住民が優先されているのかどうか疑問であると、こう述べられましたが、もうちょっと詳しく、時間の関係ありますので取りまとめてお話しいただければと存じます。
#33
○参考人(川井貞一君) 私、実はメールに参加する企業といいましても、どうもヤマトと佐川ぐらいしかイメージ浮かんでこないんであります、六つぐらいあるとは聞いておりますけれども。そうしますと、結局は、民間参入と言ってもごく一部の企業が独占的に参加するだけではないかと。そして、確かにユニバーサルサービスやるとは言うでしょう。言うであろうけれども、実際は都市部の方々が非常に有利に使われると。DMなんか見てもそうだろうと思います。
 そういう意味で、どう見ても、全体の公益と申しましょうか、そういうことに対して民間参入ではなくて、いわゆる一部の大企業が、大資本が、一部の国民というと失礼ですが、大都会の国民でございますね、この方々の利便のためにというおそれが非常にあると。先ほど介護保険の業者の例を申し上げましたが、あれと同じケースになったら大変だということでございます。
#34
○岩城光英君 ありがとうございました。
#35
○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 私は、参議院議員になる前には、全逓信労働組合の中央執行委員長をやっておりまして、田舎の二十人ほどの特定郵便局の出身であります。ですから、今日お三方からのお話を聞いていて、自分の生い立ちといいましょうか、原点のようなものを感じながら、皆さんに、私からの問題提起といいましょうか、私の郵便局物語のようなものをお話ししたいというふうに思います。
 ここに「ドイツとの対話」という本がございます。これは毎日新聞の伊藤光彦という記者が書いた本でありまして、第三十回日本エッセイストクラブ賞を受賞しております。なぜこの本を持ち出したかといいますと、実は私自身が全逓に向かって、ふれあい郵便、ひまわり郵便又はまごのて郵便という、今日発表がございましたが、それを提起していったきっかけになった本であります。
 この本を読んで、その一部にこういう記事があったわけであります。ちょっとそれを紹介します。
 ドイツで市民に一番信用のある職業といえば、警察官でも裁判官でも、ましてや政治家でもなく、それは郵便配達人だ。途中略しますが、西ドイツ時代ですね、西独郵政省が七八年四月から半年間、テストケースとしてある州で実施した郵便配達人による「ひとり暮らし老人福祉サービス」もこんな背景を抜きにしては考えられない。郵便屋さんが手紙の配達だけでなく、独り暮らしの老人の「ご用聞き」を務めるというアイデアである。核家族化が日本より極端に進んでいる西独では、老夫婦だけの生活、あるいはそのどちらか一人のやもめ暮らしはごく普通のことで、急病、目、耳、足腰の不自由など老齢者だけが味わう悩みは幾らでもある。郵便局は配達人全員に「緑色のカード」を持たせ、配達途中、独り暮らしの老人家庭には必ず声を掛け、頼み事をこのグリーンカードに記入する。「医者に往診してほしい」「家政婦に来てもらいたい」「息子夫婦にこんな連絡をして下さい」……。カードを仕分け、関係先の役所、病院、あるいは隣町の肉親などへと「配達」するのは郵便屋さんにとって「表芸」である。日曜日を除く毎日、必ず声を掛けてきてくれる「信頼できる友人」がいること──独り暮らしの老人たちに、これはどんな大きな安心感を与えるだろうかと。
 これを読みまして、日本でできないかというふうに考えました。全国に、中央本部の役員ですから、指導に回る、人を集めて様々な話をする。だれか手を付けてみないかという呼び掛けをいたしました。
 私は、今日、智頭町の町長さんがひまわり郵便を発案されて実施したということや、まごのて郵便の話もお伺いしておりまして、それぞれの自治体の中でそういう発想が数多く生まれたんだなと。それは、社会の状況を反映してそういう発想が生まれてきたんだなと思っています。
 ただ、実行するということの難しさというのはありまして、ところが、お話聞いておりますと、実行していたのは、最初は独居老人対策みたいな感じ、何とか手助けのような感じが、それぞれの人たちが自立してきたんではないかと。白石市では、まごのて郵便は年寄りと子供たちの関係が自分たちの中で発展してきたというお話も市長さんから聞いておりますが、そういう可能性が高まってきたというふうに思っております。
 少し歴史的な経過を、私自身のひまわり郵便の話をしたいと思います。
 実は、そういう話をしているときに全逓、大分県で豊肥支部の支部長が、これからの郵便局は地元の信頼がなくては成り立たないだろう、地域に根付いた郵便局の在り方を探るためにもやってみたいと、職場や久住町の関係者と協議した上で、久住町と全逓豊肥支部、久住郵便局、都野郵便局の四者がふれあい郵便協定というのを結びました。一九八五年、昭和六十年十月に大分県の久住町でスタートさせたのがふれあい郵便、今ここでひまわり郵便と言われているものの一番最初の動きであります。
 当時、国家公務員法との関係で問題があるということはあって、郵便法第一条に公共の福祉の増進とあるんだから、本来業務に支障のない範囲だったらいいんじゃないかというような解釈もしたようですが、当時の支部長、私の友人でありますが、自殺した老人の日記に、だれとも話をせずに今日も暮れたと繰り返し書かれてあったという新聞記事を見て、強くそのことが印象にあって手を付けたということのようであります。
 このふれあい郵便をやるときに、実は郵政省の中で反対をする声が強くありました。郵便配達人が配達すべき郵便物のない家を訪ねてはならないんだ、これは勤務時間内の組合運動ではないか、全くそういう視点でしか見なかった。というよりは、正論といえば正論であります。この協定が郵便局長と町と全逓の間で行われたと。これは局長と町と全逓という組合の間の信頼関係が底辺にあって、日常的にきちんと仕事はやっている、そのことが揺るぎもしない前提としてあったがゆえにできた協定ではないだろうかというふうに思っているわけですけれども、そのことの理解が全く本省段階ではされなかったわけであります。
 この運動は、その後それぞれの地域、中国、近畿又は東北、いろんな地域で実験的に行われ、それぞれの地域で協定が結ばれながら局長との関係もきちんと確立して行われたんですが、相変わらず間違いであるという認識がずっと続いていた、ここには苦労があるわけであります。
 一九九一年に大分県の湯布院で全逓ふれあい郵便全国交流集会というのを開催しました。そのときに、ふれあい郵便とか、とんとんメールとか、あったか郵便とか、シルバーホームサービスとか、様々な名称を付けて、それは町長さんや村長さんからの呼び掛けがあった点もあるんでしょうし、自分たちが考えたこともあるんでしょうし、様々な発展をしてきたのであります。
 ただ、その中で一つだけ紹介したいエピソードがありますが、これは一度、私が当選したての参議院の逓信委員会でも披露したことがあるんですが、郵便物がない家を郵便屋は訪ねてはいけないと。大体そういうところは山間地、冬はふぶいているところでありますから、家に入れない。だから、縁側の先から家の中に向かって、ばっぱ生きているかと声を掛けるんだと、吹雪の中。そうすると、しばらくたつと、中でばあさんがちょっとおどけた声で、生きてるどと言うと、安心しておれは次の家に行くんだということが言われまして、その光景が目に浮かぶような気がいたします。そういう知恵というか、そういうやらなくてはならないというような、突き上げられるようなものでやったんじゃないかというふうに思っています。
 しかし、よく考えてみますと、私が若いころ、二十代に郵便局に、特定局に行って、それはその郵便局の中で日常的に行われていたことなんです。それを改めてやるというところにやはり郵便局の仕事というものの、あるいは衰退みたいなものがあったんじゃないかと。そういうことは日常的にもっと行われていたんだと、改めてそのことを発見していかなくちゃならない。じゃ村だけなのか、山間地だけなのかと。本当は大都会の方がもっと厳しい過酷な条件にあるんじゃないかと、独居老人は。しかし、手が付けられない。そのことを我々も考えてきたけれども手が付けられない、現実が厳し過ぎて、ということだろうと思います。
 ですから、何か郵便局と住民の関係、地方自治体との関係は、大都市は別だけれどもというのがよくあるんだけれども、大都市こそ必要なんじゃないか。しかし、これは手が付けられません。それは経費の問題であります。仕事が一杯過ぎて全く駄目です、不可能です。だれがやるかと。これはだれかがやらなくてはならない。
 ですから、今郵便局と市町村との関係の中で行われている幾つかの例というのは、私はそこにおける村落共同体みたいなものの再生なんという課題ではなくて、日本の社会のあるいは作り直しというか、元に戻ることがすべてよくないとすれば、新しい創造と、社会的なつながり、社会というもののつながりというのを創造だろうというふうに思っておりまして、それほどまでに郵便局は偉くないんだよということも自問自答の中にありますが、それは地方自治体とつながることによってあるいは価値観が高まるんじゃないかというふうに考えている課題であります。ですから、そのことに早く気が付いてもらいたいなと。
 私は、郵政事業というものは、郵政省があって郵政局があって郵便局があるというふうには一回も思ったことありません。郵便局がまずあるんです。郵便局が機能していて、それがネットワークされていて、それをコントロールするために郵政局とか郵政省というのはあるんであって、あくまで郵便局が自らが機能していて、ネットワークされている。そのネットワークというのは、かつての国鉄とか電電と違って、ハードな部分は郵便局舎だけです。あとは人間なんですね。ソフトは人間。人間が介在するネットワークと。非効率であります。非効率だけれども、これが得難いんじゃないかというふうに、他にないネットワークシステムだろうというふうに考えております。
 実は、ふるさと小包も私が郵政省に提案した当事者です。全国物産小包体系化方針という名前を付けて郵政省に提案しましたら、即その日に受けました、郵政省は、やろうと。実は、ふれあい郵便も、全逓がやっているといろんな差し障りがあるんで、郵政省の施策にしてくれないかと言ったら、即座に受けてくれた。そういう時代にそのとき郵政省はあったというふうに思っています。
 私は、しかし、様々な取組がボランティア的に無料で行われているということについては限界が来るだろうと。今のうちはまだいいかもしれない、しかしやがて限界が来るだろう、とんざをするだろうと。だから、有料でなくてはならないと、有料の契約協定を結ぶ必要がいつか来るんじゃないかというふうに思っています。これがどういう形で行われるべきかというのは、今私が考えがあるわけじゃありません。
 ひとつ、今後の協定の在り方、又はその料金の問題ということについてのお考えをお三方から一言ずつお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#36
○参考人(川井貞一君) 今、いろいろ御卓説を賜りました。私、先生のお話を聞いておりまして一番最初に感じましたのは、まごのて郵便というのは当時の郵便局長の方から話を持ち掛けられてきました。それは、市役所の公文書的なもの、そういうものを各家庭に配る場合にこれはどうだろうかというお勧めだったのであります。しかし、それじゃ面白くないと。だからもう公文書でなくても、例えば白石市長川井貞一と書いたお便り、そういうものを印刷物出したって面白くない、むしろ学校の子供たちのあれが喜ばれるのではないかという、両方の発想が結び付いたと、このように思っております。したがいまして、当然その費用というものは市が、郵便料というものは市が負担いたします。
 こういう形で進んでいきまして、それがいつの間にか郵便局の、先ほど先生おっしゃいましたが、郵便局の手を離れてしまったみたいで、敬老会のときに子供たちが全部自分のおじいさん、おばあさんに手紙をやる。そうすると、どうもおじいちゃん、おばあちゃんはうちに帰ってから喜んで何か小遣いくれたりなんかするみたいでありまして、そういうところまで行ったというので、大成功だと。後で、実は全逓の発想だというのを聞きました。
 ですから、負担は伴うのは当然だと思います。ただ、それが負担が片ちんばじゃいかぬ、こちらはもうかっているから安くてもいいと、こちらはもうからないから高く取ろうと。現実に、そう言いたくはないですけれども、宅急便なぞは交渉次第によって随分値段の差があるようですよ、定価は決まっておっても。そういうことがあったんではやはり信頼関係に欠けるだろうと。ぎりぎりのところで安い値段でやはりきっちりとした対価は取るべきだと、このような具合に考えました。
 と同時に、やはり公社化されても郵便局の職員の皆さん方は、NPOとかそういうものへの積極的な参加が欲しいというのが私の偽らざる感想であります。かつて、私の先ほどもお話をした高橋榮蔵君も同じでありますが、何人かそういう先端的に積極的に取り組んでこられた職員の皆さん方というのは、父上も戦死したり何かして母の手一つで育ったような方が多いようです。そういう方が自分の原体験を踏まえてそういう福祉とか住民サービスのことに積極的に当たっているというケースが多いようでありますけれども、やはりそれにしても無報酬じゃ駄目だということは先生おっしゃるとおりだと、このように思いまして、でも、その負担は結局は、福祉政策にしてもあるいは行政全般的な問題にしても、むしろ郵便局にお願いした方が安い、コスト的に安いと私は判断をいたしております。
 以上でございます。
#37
○参考人(下中昭治君) 伊藤先生のお話は、特定郵便局においでということで大変説得力がありました。実は、私どものひまわりサービスのメニューの中に、配達員がその近くを通った場合には必ず声を掛けるというメニューを持っています。それと、小学生が定期的にそういった──ごめんなさい、このひまわりサービスのサービスは七十七歳以上の独居老人ということになっていますけれども、そこからはがきを出すという、これもメニューを持っています。三千人の村いいますと一つの家族のようなものですので、私自身も大体顔は皆今覚えておるぐらいです。正にアットホームそのままなので、そういうことをこれからも続けていきたい。
 ただ、今お話のありましたように、ボランティアにやはりちょっと限界が将来あるのではないかなと、これも一つの心配です。そうした意味でも、こうした制度はきっちりと残していきたい、このように考えております。
#38
○参考人(寺谷誠一郎君) 伊藤先生が先ほど冒頭に、息子に自分たちのこういうことをやっているんだよという連絡をしたいなというようなことをおっしゃいましたけれども、実は、息子夫婦に連絡したいというようなことも智頭町でやっております。既に、町でデジタルカメラを購入しまして、それで各地区に渡しております。それから、郵便屋さんにも持ってもらっています。そこで、おばあちゃんに、写真を撮って、それではがきにするわけですね、おばあちゃんが写ったはがき。それにちょっと書いて、息子夫婦に、元気でやっているよとか。それを今度インターネットで郵便局が流しちゃうわけです。今度は、今大体メール持っていますから、そのメールが返ってくるわけですね、東京に行っている子供たちとか大阪。それをおばあちゃん来たよというお手伝いを郵便屋さんと一緒にやっています。
 それから、私は、今非常に、言いましたスロータウンじゃないですけれども、ハイスピードで、スピードも善であると、スピードも認めるという中で、非常にインターネットの今世界ですね。そうしますと、一つ疑問を持っておりますのは、冷たい文字だけが、感情のない文字だけが相手に伝わる、果たしてこれでいいのかなということを思うときがあります。
 ということは、やはり読み書きそろばんといいますか、これはまあ教育になるかもしれませんけれども、やっぱり子供たちにそういうはがきを書かせるとか、自分の手で書かせるとか、こういう世界もやっぱり、スロータウンじゃないですけれども、原点を見詰めるという意味で必要じゃないかなという中で、先生も料金のことをおっしゃいましたが、極端な例、我が町でやってもいいなと思うのは、いわゆる小学生用のはがきはもう無料にしてやって、その代わり書けと。おじいちゃん、おばあちゃんでもいい、友達でもいい、親戚でもいい、書くことを覚えなさいということもこれから必要じゃないかなと思っていますので、また先生、相談させてください。
#39
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 三市町村長の皆様、今日は大変貴重なお話を承りました。心から感謝を申し上げます。
 各参考人の皆さん、本当に地域でいろいろ工夫しながら、また苦労しながら何とか地域の発展をと御苦労されていることが本当によく分かるところでございますが、二、三、質問をさせていただきたいと思います。
 まず、川井市長さん、先ほど合併の問題につきまして言及がございました。二、三十万の合併論者だというお話でございますが、総務省の方も平成の大合併だということで大きく推進をしているところでございますけれども、やはり規模がでかくなるというメリットもあれば、また逆に、住民の側からすれば役所が遠くなるというんでしょうか、そういうデメリットもあるんだろう。そういう中での郵便局を組み込んでのサービスの向上ということをお考えかと思いますが、具体的には郵便局の活用といいますか、合併した場合の郵便局との関係性というのはどういうふうに構想をされておられますでしょうか。
#40
○参考人(川井貞一君) 私、実は、二、三十万と申しましたのは、仙台より南に二つの市と七つの町がございます。合わせて人口二十万ちょっとであります。これが一つになるのが必要なものかなと、こういうことが発想の原点にはあります。
 そこの中で、というのは宮城県というのは非常に変わった県でありまして、仙台が百万持っている。全体の人口が二百三十万ですから、京都府に対しての京都市、神奈川県に対しての横浜市、それに匹敵するような仙台市のウエートが高いところであります。とても、十の市がございますが、そのうち九つの市が束になって掛かっても仙台市一つにかなわない。第二の都市が人口十二万ぐらいでございます、石巻市が。片方が百万でございますから、どうしてもそういう意味で、やはり私は、二、三十万というのは。
 そして、住民一人当たりのコストを見ても一番安いんでございます。ただ、そのおそれが、今、先生おっしゃいましたように、そういう端の方が切り捨てられたんでは困る。ここに、従来のように、かつての昭和二十九年代の合併のときのように支所をいつまでも残すわけにはいかぬだろうという問題もございます。あるいは、そういう過疎の地域から出てくる代表としての議員さんの数も当然少なくなるという問題がございますので、どうしてもここで郵便局というものに取り組まなきゃならぬ。
 それにはやっぱり、先ほどe―Japanと申し上げましたけれども、おかげさまで、昔の電気通信監理局、今の東北電気通信監理局及び今の総合通信局の御指導を得まして、いわゆる地域イントラは既に白石市は完備しております。これをそのまま端末を郵便局がお引受けをいただければすごい戦力になるというのが一つの考え方であります。
 お年寄りの方がそこの郵便局まで歩いておいでいただければ、そこでパソコンをいじれなかったらちょっと手助けをしていただく、御指導をいただくとか、そういういうことは可能であろうと。あるいは、これは欲張りかもしれませんが、ちょっとしたもの、機器の、パソコンの修繕とか、そういうことも可能だろうと、こんな具合に考えておりまして。
 実は、私、どうしてそういうことを考えたかと申しますと、第三次総合計画というのを作りました。現在は第四次をやっておりますが。第三次総合計画が非常に都市化とか情報化とかいろいろ難しい面がございました。そこの中で、これをどうしても市民に徹底して知らせたいというところでいろんな機関にお願いをしました。農協にもお願いをしました。一番効率が良かったのが実は郵便局だったのであります。各郵便局に総合計画のプランを一冊ずつ置きまして、是非、局長さんあるいは職員の皆さんが、これを地元の人たちが質問に来た場合に教えてやってほしいということをお願いしました。後でアンケートを取りましたら、圧倒的に多かったです。
 こういう前例がございますので、そういう連携が一番可能だと、こういう具合に考えておるところでございます。
 以上でございます。
#41
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。
 続きまして下中参考人にお願いしたいんですが、非常にアイデアといいますか、面白いなと思ったのは不法投棄の監視システムのお話でございまして、私も今、千葉県とか回っておるんですが、千葉県を回ると関東じゅうのごみが来ているのではないのかと思うぐらい大変な状況でございまして、谷がごみでどんどん埋まっていくというような、そんな状況なんですね。
 ここでは今日は簡単に御説明というか、お話あったわけでありますが、多分、想像するに郵便局の皆さん、地域を回っておられてお知らせをいただくというようなことなのかなというふうには思いますが、もうちょっと詳しく御説明をいただけますか。
#42
○参考人(下中昭治君) 先ほど申しましたように、私どもの職員もパトロールはしておりますけれども、なかなか毎日回るというわけにはいきません。そういう面で、郵便局の配達の方々がほとんどの谷筋に入りますので、不法投棄があるかないか。ただ、見付けて後でどうする、非常にこれはまた事前に防ぐということもなかなか難しいんですけれども、そういう制度があることによって不心得な考えが多少ともなくなるのではないかなという期待と、もう一つは、たまたまそういう場合に出くわすこともあるのではないかなということ。また、捨ててあった場合にはやはり撤去する。これは行政の義務に今なっておりますので、そういうことに協力関係を結びたいということですけれども、ただ、協定を結ぶといろんな面で、責任の所在とかいろんな問題が付いて回りますので、今研究中です。
 ただ、やっぱり不法投棄の現場は山に多いんですけれども、もう一つは森林組合のいわゆる現場で働いている人にも協力をお願いしております。これからしっかりした協定を結んで確固たるものにしたいなと、このように考えております。
#43
○魚住裕一郎君 今のお話聞いて、千葉県では条例まで作りまして、他県から入ってくるダンプをどうするかとか、そういうようなことまで研究はしておったんですが、郵便局の皆さんと連携してというのはなかったように思うものですから、また私も参考にしながら研究させていただきたいと思います。
 次に、寺谷参考人にお願いしたいんですが、先ほどいろんなお話いただいたんですが、その中にゼロ分の一運動というのがございました。非常に各集落の将来を見据えた夢を語り、そしてそこにお金を付けていくというか、推進をしていくというお話だったと思うんですが、この十年を見通した夢の中に、郵便局とのかかわりというものは具体的な例として何か出てきているものがあるんでしょうか。
#44
○参考人(寺谷誠一郎君) この集落をみんなで夢を持ってやろうということでやっておりまして、まず一番えっと思ったのが、郵便局の前に、集落というのは非常に年寄りが幅を利かせていますね。会合でも何でも年寄りだけが、女性も子供も出ない、若者も出ない。そういう中で夢を話し始めたところが、まず年寄りだけじゃなくて、おばあちゃん、それから若嫁さんが出始めた、それから青年団が出始めた、それからそこに子供が加わったということで、うまく自然に新陳代謝が始まって、今まで幅を利かせていた年寄りが後ろに回ってバックアップしようと。
 若い人の意見がどんどん地域に出始めたということの中で、これは郵便局と直にどうかは知りませんけれども、割と郵便屋さんというのは各地区に行きますので、競争をあおる意味では、具体的にありました、あそこの村では今度こういうことをやるらしいよとか、あそこはこういうふうになったよとか、この間こうやったよとかいいますと競争になるわけですね、集落ごとに。これ、今すごい競争でかなりいい雰囲気でいっていますので、そういう何かこう、郵便屋さんというのは面白いですね、いわゆるいい意味の接着剤みたいな分野がありまして、そういう意味ではかなりいいなというふうなことを思っています。
#45
○魚住裕一郎君 そうしますと、具体的に夢の中に、郵便局が組み込んだというか、それを巻き込んだ形のはまだ出ていないということですか。
#46
○参考人(寺谷誠一郎君) そうですね、まだ郵便局は巻き込むということはやっていないですね。
#47
○魚住裕一郎君 それで、これから公社化になるわけでございますけれども、かなり効率性とかそういうことも踏まえたサービスの向上ということで公社化していくわけでございますが、地域から見て公社化された後の郵政事業に望むことということにつきまして、川井市長さんに代表してまとめてお話をしていただいて、私の質問を終わります。
#48
○参考人(川井貞一君) 実は、私も首長になる前は企業を経営しておりました。一番最近腑に落ちないのは、これは平松知事が一番最初に言ったんでしょうか、いわゆる自治体の経営ということを言います。私は反対なんです。だって目的が違うじゃないかと。つまり、企業は利潤の追求が最大の目的であります。利潤が追求できない企業は存在価値がございません。自治体がそうでしょうか。自治体はむしろいわゆる福祉の向上とか民生の安定というのが目標なのであります。でありますから、私が言うのは、学ぶべきは経営の手法である。経営の手法は学ぶべきだが、目的は学ぶ必要はないと思います。福祉事業で利益を取る、冗談でしょうと、こう言いたい。これが私の全体的な考え方であります。
 そういうことの中でいいますと、先ほどちょっとだけ触れました、いわゆる公社化になっても透明性はやはりきちんと出してもらいたいということを申しました。というのは、やはり先ほど先生方の御議論の中にもありましたように、大都市部の郵便局はもうかっておると思います。しかし、我々のような過疎のあるいは少子高齢化の郵便局自体がそうもうかっているとは思えない。全体としてぎりぎりで採算が取れればいいと思うのであります。
 そういうところの中で、透明性が、つまりはっきり言うと情報公開であります。これをきっちりと出せば私は国民の納得が得られると、このように思いますし、また公社化になりましても郵政の皆さん方のそのための御努力を心より期待するものであります。
 以上でございます。
#49
○魚住裕一郎君 終わります。
#50
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 今日は、遠くからお出掛けをいただきまして、また先ほど来本当にそれぞれの自治体での御苦労と、それからロマンのあるお話を伺いまして、ありがとうございます。
 私、今までの議論を踏まえまして、まず最初に、公社化の問題を地方ではどうとらえておいでになるのか。今の郵便行政と比べて公社の方がいいなと、こんなふうな期待が地方からあるかどうか。そして、民間参入とか、あるいは先ほどは民営化には皆さん賛成できないというようなことをおっしゃっていたようですが、そこのところを詳しくお話をいただけたらというふうに思っています。
 それは、昨日からこの委員会というのは委員会として本格的にこの問題を審議を始めました。昨日の審議の中でも、一体この法案というのは国民のためになるのか、国民の方向を向いているのかというのが実は議論になっています。
 衆議院で審議に入るときに小泉総理は、公社化は民営化の一里塚で、こういうふうにおっしゃっていたわけなんですけれども、四月の二十六日に郵政公社法案の閣議決定がされたときに、民間にできるものはできるだけ民間にゆだねるという立場から、郵便貯金の廃止や民営化を改めて全国銀行協会が主張をしているわけですね。
 私ども、こういう話を聞きますとすぐに、例えばニュージーランド、五月に総理が行かれまして、ここは国営の企業にして民間参入をしたんですけれども、郵便局の数が減って、年金が受け取れないとか、いろいろ不便があるということで訴訟もたくさん起こり、その後、郵便局の窓口をまた増やしたとか、民間も参入しているんだけれども、同じポストに並んでいるんだけれども、総理が、並んでいますね、立派ですねと言ったら、いや、民間のところはだれも使いませんよと言われるとか、そんなようなことをすぐ思い出すんですけれども。こういった民間参入や公社化、またその向こうを臨んでいると言われている民営化がどうなのかと。
 昨日もすべての党派が取り上げたんですけれども、七月十四日付けの読売新聞では、今、私たちは公社化の問題を議論しているんですけれども、来年四月に発足する郵政公社を将来民営化する場合の三つの案というのが新聞報道もされていて、非常に私ども、今これから国会で論議をするというときに、総理の私的諮問機関といえども一体これはどういうことなのかと、こういうことを大変不本意に思うわけなんですけれども、地方での受取はどうなのかどうか、ここのところをまず教えていただけたらと思いますが、お一人ずつお願いいたします。
#51
○参考人(川井貞一君) 私、先ほどから申し上げましたように、やはり郵政事業も効率化、合理化、これは絶対必要だと思うのであります。それで、それじゃ国がいいか公社がいいかという問題になってまいりますが、私は緊張感と情報公開と、この両面から含めますとやはり公社化でもいいと、このように理解をいたしております。もはや親方日の丸もないとは思うのでございますけれども、どうしてもそういうおそれがあったのでは困るという面もございます。やっぱり国民全体のためであればより効率的な方がいいと、このように思います。
 ただ、それから先ですね、既に民営化の議論がなされるというのはおかしいんじゃないかという気は正直いたします。どうも毎度介護保険の例になって恐縮なんでございますが、介護保険も直前になって半分だけ、一年はいいというような議論が出まして大混乱いたしました。我々現場としては非常に困ったわけであります。取るなら最初から全額取ってほしいと。いわゆる朝令暮改的なというのは、どうも我々、何と申しますか、国の法律に従って動いているわけでございますから、そういう意味でいいますと、上がぐらぐら変わられたのではこっちは困るということで、基本的にいわゆる国民のための効率化、そして福祉の切捨てにならない、そして、あるいは過疎地、そういう地域の切捨てにならない公社化というのが基本的に賛成ということでございます。
#52
○参考人(下中昭治君) 民営化、今もお話ありましたように、直ちに今民営化の話となりますとちょっとまだ問題があると思うんですけれども、先ほどの話のように、総理大臣の公社化は民営化の一里塚と言われますと、ちょっと私どもその辺にこだわります。
 実は民営化、例えば民営化になったとして、今もお話ありました民営化のメリットというのは、競争原理を前提にして、そのために料金が下がるとか、そういった確かにメリットが生ずるかもしれませんね。ただ、その一方で不採算部門は切り捨てることになりますね。
 実は私、会社ではないんですけれども、八百屋を経営しておりました。そういう面で、八百屋までずっと商売が小さくなりますと利潤の追求と併せて地域への貢献度がやはり生まれてくる、地域への貢献度がなかったら商売立ち行きませんので、そういう面も案外行政と、今の私どものやっている行政と八百屋とは共通したものがあるなと、このように考えております。
 ただ、今盛んに言われておりますのは費用対効果の問題ですね。これは行政にとってはちょっと私ども抵抗があります。実は、行政の効果というのは決して数字だけではないんですね。例えばイメージアップもそうですし、特に今もお話ありました福祉に関してはもうもろに、そういうふうに私、考えております。そうしたことで、公社化になった場合にその点がどのように運営をされていくのか、これが非常に私ども、今心配なところであります。
 少なくとも、先ほど言いました不採算部門の切捨てということで、地方、特に山間へき地の郵便局が淘汰される、今度は淘汰されるんですね。そういうことにならないように十分の配慮をしていただきたい、このように考えております。
#53
○参考人(寺谷誠一郎君) 私の場合、今お二人がおっしゃいましたので似通ったところがございます。
 冒頭、八田先生が、民営化になった場合に本当に国民のためになっているかどうか、非常に先生のお言葉でうれしく感じました。というのは、私もそういう感じを持っています。本当にこの法案というのは国民のために、本当に、の味方になるようなスタンスでやられているのかどうかですね。ただ数字的に何かそういうところが感じられる、あるいは改革という言葉で何か押されぎみになる、そういう意味で私もお二人の意見に同じなんですが、要は、私が言いたいのは、例えば民営化にされた場合に、ただ大きな会社だけが参入して、結局地方は切捨てなのということになりはしないか、これが一番心配でございます。
#54
○八田ひろ子君 ありがとうございます。
 この法案のどこにクリームスキミング、いいとこ取りを許さない保証があるのかどうかというのがやっぱり大きな論点だと思うんですね。クリームスキミングはさせない、だけれども民間企業と競争をするんだと。今、お三方もおっしゃったように、民間企業は営利を目的としますので、程度の差こそあれ、いいとこ取りしないと収益が上がらない。今、一番最初の御質問のところで皆さんおっしゃったように、郵政事業というのはもうかっているところを全体に回していくんだということで成り立っているわけなんですよね。
 ここの、政府が出してきた中間報告なんかでも政策的な料金の減免を維持することが困難になることが見込まれるというのが書かれておりまして、ここは三種、四種のことを言っているわけでありますけれども、そのとおりに今回の法案では、三種、四種という言葉は残しておりますけれども、盲人無料という文言は法律から落としているわけですね。
 スタートのときはこういう水準で、今の水準から落とさないんだけれども、競争をだんだんしていくんだからという自由度を高めて、公社だから、企業だからということを言われていて、私どもは非常に不信と不安と怒りを持っているわけで、これは三種、四種だけでなく、山間へき地、皆さん方が今日ずっとおっしゃっておいでになるそういうところの切捨てにもうつながっていくんじゃないか。
 諸外国の例ではさっきちょっとニュージーランドのお話をしましたけれども、そういうことにつながっていかないという保証がどこにあるのかというのを私どもは議論の中で明らかにしたいと思っているんですが、今までのところは保証は明らかにされていない。大臣は自分を信頼してほしいとおっしゃるんですが、どんどんと変わっていく。さっき朝令暮改という言葉もあったんですけれども、それは前の国会のことだとか、それは前の大臣のことだというのが平気であるもので、住基ネットの問題でも、総理大臣がきちんと約束をしているのに、個人情報保護法というのができないけれども住基ネットだけはスタートだということを同じ大臣がおっしゃっているものですから、そういう問題を非常に心配をしております。
 そこでもう一つ、お三方にそれぞれの自治体の実情から教えていただきたいことなんですけれども、こういった問題の中で公社化、これは企業化ということですね、あるいは民間参入が来て郵政事業そのもの、あるいは銀行協会の方からは郵便貯金はもう全部やめて銀行にしてくれというような要望も出ているんですけれども、そういう中で、さっきのニュージーランドなんか見ましても正規の郵便職員の数が劇的に減っていくわけですね。だから、郵便局も減っていくということなんですけれども。
 先ほどからのお話ですと、コミュニティーの接着剤というんですか、という役割とか、やはり人と人のつながりが一番大事で、私も行政というのは末端になればなるほど人と人とのつながりが大事だというふうに思います。
 私のおります愛知県でも三つの自治体がひまわりサービスを行っておりまして、私も現地で郵便局の方や町の方ともお話をしていますけれども、過疎の町ですと、介護保険のサービスが始まる前はもう何十年も自分の出身の学校の前を通ったことがないという高齢者の方がいらっしゃって、それで、こういうサービスができて初めて、久しぶりに学校を見てもうすごくうれしいとかとおっしゃっていたんですが、そういうところに郵便局の方がいらっしゃってお話をするというのは私は本当にすばらしい制度だなと思うんですが、郵便局の局員の数が減っていくともしするならば、効率化、経営の自由度ということでそうなったときには皆さん方の自治体ではどういう事態になるのか。
 今日いらしていただいた方はたまたま山間なんですが、私は自分の実家が名古屋の中心部なんですけれども、亡くなった祖母なんかは、いつも郵便局の方がお金を取りに来ていただいて、そこでいろんな保険を掛けたり話をしたりするのがすごい楽しみで、七五三なんかあれば郵便局に言いますとすぐお金を融通していただくという、大きなお財布代わりで、町の中でもそれは必要だと思うんですけれども、へき地へ行けば行くほどもっと切実だと思いますが、そういった人的な問題ではどういう感触をお持ちなのかを伺いまして、私の質問とさせていただきたいと思います。
#55
○参考人(川井貞一君) 人的な問題でありますが、やはり公社化ということだと必然的にやっぱり効率化、合理化ということになると思います。そして、少なくとも、へき地と申しましょうか山間部におきましては現在でもぎりぎりの人員でやっておるということは言えると思います。
 具体的に簡易局なんかは、鎌先に温泉があるのでございますが、そこにありました特定郵便局が廃止になり、どうしても地元の人たちがこれは残さなきゃ駄目だと言うので、退職した郵便局員さんにやってもらって今やっておりますが、そういうことでぎりぎりの人間でやっておりますので、むしろカットすべきは中央部かもしれません、それは私は分かりませんけれども。
 ただ、そういうことの中で、やはり私、市の職員に言っておるんですよ。例えば、地域のそこの、君たちの住む場所のお祭りとかそういうものに、地域おこしに積極的に参加してほしいと。具体的に申しますと、例えば課長にしたりなんかする場合に、うちにばかり引きこもるようなやつはもうこれは駄目だなと。余りそれ、言うわけにはいきませんかもしれませんが、そういうこともやはり公務員の資質の一つでありましょうし、あるいは郵便局員の資質の一つでもあると、このような理解をいたしております。
 ですから、山間部については私は心配がないのかなと、核さえ残っておればですね、そういう考えであります。
#56
○参考人(下中昭治君) 御出身が愛知県ということで、富山村ございますね、山間の、二百人ほどですね。豊根村ありますね、ちょっと大きいですね。去年でしたか、あそこの収入役さんが二人私どものところに研修ということで見えまして、その中で富山村の収入役さんが、村の中で公共施設は唯一郵便局だけですよと。お話聞きまして感激しました。その富山村の郵便局は今後どうなるかな、公社化の中でどうなるかなというのがこの事業の一つのポイントであろうと、このように考えております。
#57
○参考人(寺谷誠一郎君) 私は終始一貫して、企業化、民営化というものは反対でございます。
 ちょうど岩城先生や伊藤先生が、都会ではなかなか難しい問題がある、いわゆる郵便局というのは地域になればなるほどコミュニティーという人間のお付き合い、非常にがっちりしているけれども、都会というのは大き過ぎてなかなか難しいんだと。
 正にそのとおりでありまして、これから民営化をしていきますと、要は、合併という中で、今まではこれだけの小さいエリアでいけたのが、合併をすることによってこれだけ広くなってきた。いわゆる田舎の人にとっては都会になるわけですね、合併というのは。その中で、今度は民間が参入してきますと、一番端っこのちっちゃいところはもう全部カットしていく。ということになると、よく考えてみると、岩城先生なんかがおっしゃった、いわゆる都会になってしまうんじゃないかと、田舎も。格差が出てくる、格差が。
 ということは、やはり私はすべて国が、改革改革とおっしゃっていますけれども、国がなすべきことはどうしてもやっぱりしていただきたい。ということは、やはり政治というのは人間がいるからやるわけなんでしょう、人間がだれもいなかったら政治も必要ないわけですから。ですから、そういう意味では、国がどうしてもやっていただきたいというのはやっぱり心のケア、田舎だからこそ、そういうものの手を差し伸べていただきたい。
 そういう意味で、私は民営化云々というのは反対でございます。
#58
○八田ひろ子君 お三方から、公務員というのが残れば、公という施設が残ればいいのだという御意見もいただきましたし、私どもも、無論公社化、民営化ということでサービス切捨てという、結果的になるというのはいけない、合理化は無論必要だというふうに思いますけれども。
 大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
#59
○渡辺秀央君 どうも大変お疲れでございました。もう私で最後でございます。自由党の渡辺秀央でございます。
 先ほどから大変すばらしい御陳述をいただきまして、大変参考になりました。かつまた、大変うれしくも思って聞いておりました。
 一時期、私も郵政相を担当したことがございまして、この時期に至って郵便局の存在が再認識されているなということなんですね。そのことは既に遅いと。言うならば、郵政省自身が郵便局というものに対しての取り組む姿勢が少し欠落しておった、だからゆえに橋本行革で血祭りに上げられてしまったということだと思うんです。そういう意味では全くもって遅かりしの感はありますが、しかし、一つの大きな流れというものは、これは公社ということで受け継いでいくと。これも時代の流れでやむを得ないかなと。
 昨日も、実は大臣に私はそもそも論ということを申し上げたんです。これは、民間に金が集まらぬ、郵便局に金が集まり過ぎていると。そして、バブルに金を民間が使っちまったと。あの金があったらなと。言うならば、民間の方の経営者の経営責任が問われないで、そのしわ寄せが、国の保護によってやられているその企業、仕事がおかしいと、こっちの議論にすり替えられてしまった。
 言うならば、基本的に、私は政治家としてこの郵政の、いわゆる通信と郵政三事業を分解したことすら反対でありまして、当時は在野時代でしたから私は何とも致し方なかったのですが、しかし、事ここに至っては、この三事業を前島密というすばらしい先達が、国民のあるいは全国の正にあらゆるところに至る人たち、国民に対する平等、公平、そして安心、安定ということを、政治の恩恵を与えるための手段の一つとして、行政の信頼を言うならば呼び起こす、そういう手段としてこの郵政三事業ということを考えられた。欧米に行かれてのいわゆる結果のようでしたがね。
 まあ、これ実は私の出身の新潟県の大先輩であられまして、正にそれを考えると、今日のこの郵政三事業に対する議論も、本当はもっと詰めてやってよかったのかと、あるいは、もっと地方の声を聞いてよかったのかなというふうにすら思っておりますが、しかし、その命脈はこれからの公社の中でしっかりと受け継いでいけばいいことかというふうに思っております。
 私自身は、今申し上げたように、この郵政公社、せめても、これがおっしゃるようにそれぞれの全国の市町村、あるいは二万四千の郵便局に働いている人たちが国民の公僕として、あるいは地域の、また今おっしゃられているような、言うならば国家のサービスの最先端を担っている責任と使命、そしてまた生きがい、誇り、そういうものを早く安定させるべきだと、そういう安心感を与えるべきだと。
 だから、早くこの法案はむしろ通過させることによって、そしてまた、いわゆる一抹の不安である民営化とか、将来どうなるかとかということは払拭しておかなきゃいかぬということで議論を今、国会としてやっている最終のところに今日お三人の御意見を承ったと。
 我々の考え方というのはほぼ間違っていなかったなと、私自身も政治家として間違っていなかったなというような感じを抱きまして、大変有り難かったということをまず第一点申し上げておきたいというふうに思います。
 そこで、時間もございますので、せっかくの機会ですが、今、市町村長の皆さんが、言うならば、郵便局というものに対して、公社化されていく、もうこれは間違いありません。もう来週にはでき上がります。多分そう思います。そのときに、今までの郵便局と新たに公社化の中ででき上がっていくあるべき郵便局に対してどういうものを求められるのか、どういうことを期待されるか。言うならば、これはやってほしいですねと、これは考えてほしいですねということがもしありましたらお聞かせをいただきたい、端的に。もう何でも結構です。先ほどの、例えば、これからは三事業の中でいわゆる財源の自主運用ということがなされていく、その一つとしては、先ほどおっしゃっておられましたね。私はそういうことは非常に大きな問題だろうというふうに思いますが、例えばそういうこと。
 それからもう一つは、二点目は、大変申し訳ありませんが、時間が限られていますんで、これ二十分以内なものですから、私の質問時間が終わるのが。何時、まだ来ていないな……
#60
○委員長(田村公平君) 五十二分。
#61
○渡辺秀央君 五十二分に私の質問時間が終わるそうですから、その範囲内で御答弁いただけりゃいいんです。
 せっかくの機会で、御意見を聞いておきたいんですが、この郵便屋さんの、さっき伊藤委員の話もありましたが、私は大臣のときに、郵便局で、ありがとうございましたという言葉を出せと。これはなかなか出せない、国家公務員は。いらっしゃいませと言いなさいと。これ実は相当徹底して、今はほとんどの郵便局言っているはずです。ところが、JRはできないんですね。切符を切るのに、黙ってだっと出す。あるいは、切符を買ってもらってありがとうございました。あれ民間ですよ、お客さんなんだよね。
 だから、そういう意味では、郵便局の職員の人たち、いわゆる公務員の三十万に上る郵政マンは、全逓もあれば全郵政もある、そういう組合員に入っていない人もある。しかし、みんなが非常に国民とのおれたちが公務員としての接点だという意識、誇り高く持っておられて、そして非常に気持ちよく仕事をしておられる。その中で、さっきのパトロールの話が非常に僕は大事だなというふうに思いましたね。
 そういう意味で、二点目として、そのためにはどういうことが必要か、自治体の長として。それを二点目として伺っておきたい。
 三点目として、もし実績の中で郵便局と一緒にこういうことをやりましたと、この今のひまわりのこと以外に、こういうことをやりましたということがあったら、参考までにお聞かせ願いたい。また、郵便局は主体的に、例えば簡保の事業で私がやったようなことがあります、スポーツ大会とかそういうようなこと。そんなようなことなんかもかなりよくおやりになっておられるかどうか。
 各市町村で活発に、特に過疎地であられる名田庄は私の家内のふるさとのすぐ隣でありまして、大変、一年に一、二回はどんなにしても行くところですが、いずれにしても、ああいうところでも、私も土曜、日曜日しか行かないものですから、実は、実際申し訳ないんですけれども、何回も小浜の郵便局、名田庄の特定局も行ってみてください、あるいは寄ってくださいと言われるんですけれども、なかなか行けない。土、日しか行けませんから。
 だから、そういう意味では、郵便局と地域とがどういうふうに、何か具体的な催物をやっておられるか、そこらをちょっと、端的に一言ずつ、あと十分ぐらいあるようですから、よろしくお聞きをさせていただいて、今後の参考にさせていただければと思います。
#62
○参考人(川井貞一君) 第一点の問題でございますが、実は、私もこの問題につきましては言いたいことが一杯あります。というのは、政府資金は、お借りしても繰上償還は認めてもらえない。七%とか六%の利子を払っていなきゃならない。民間から借りると簡単に、簡単でもないですけれども、返せる。どうしてかというと、それは恐らくは実際には郵政の方に運用するあれがないからだと思うんです。全部、旧大蔵省を通じて我々の方に来ておるわけでございますから、返すと言っても返してもらえない。これはやっぱり、いわゆる経営的手法からいえば非常におかしいです。これは是非、郵政自体が公社になりまして、そういう経営能力を付けていただきたいと、これは熱望いたします。
 それからもう一つ、今あいさつの話を先生おっしゃった。私はびっくりしたのは、あれはたしか東北郵政局の、平局長になられたときだったと思うんでありますが、あの方はノンキャリだったと聞いております。あいさつに行きました。下に行きましたら、エレベーターの上に秘書の女性の方がちゃんと待っておった。これは民間よりもはるかにすごいやと、こう思いました。以後、以降そうでありました。あとはどうも、整備局に行ってもどこに行っても余りああいう待遇を受けたことは全くございません。そういう意味で、やはりより公社化を踏まえて、いわゆる公社化のスタンスを取りつつあるのかなという感じがいたしております。
 三点目で、新しい取組というのは、残念ながら現在のところ、私どもは合併を踏まえていわゆる検討中でございまして、具体的にまごのて郵便以上のことは今やっておりません。
 以上でございます。
#63
○参考人(下中昭治君) 今、公社化になった、すると、その先に財政投融資の問題が出てきますね。実は、私ども、過疎債というのを有効に活用して遺跡造りをしております。それもこの後どうなるのかなという一つの考えを持っています。
 それから、公務員でなくなりますね。そうすると、今までですと守秘義務というのはかなり厳しくあったんですけれども、これが今後どのような形で担保されるかなということを考えております。
 それからもう一つ、パトロールは、これはもう今既にやっておりますし、これからも続けていきたい。
 それから、郵便局自体の雰囲気も随分変わりました。フロアを利用してちょっとしたギャラリーのような形になっていまして、写真展とか、それから子供の絵とか、そういうのを展示してあります。
 それから次の、イベントを年に何回かやるんですけれども、その大きなイベントには必ず郵便局が出展してくれておりまして、いろんなサービスの、こういうサービスがありますよ、こういうものを売っていますよといったようなことで非常ににぎやかな雰囲気を作り出していただいておる。
 昔の硬い郵便局とは全く違った雰囲気に今なってきておりますので、公社になってもなお、更に、これは企業ですから、企業のいい面はそこに表現していただきたいなと、これが私の願いです。
#64
○参考人(寺谷誠一郎君) 私は、じゃ先生、一、二、三まとめた、ちょっとごちゃごちゃにしますけれども、要するに、公社になった場合、やはりどうしても心のケアといいますか、ハートというものをやっぱり大事にしていかなきゃいかぬというのが終始一貫したことでございます。
 それから、パトロールにつきましては、私どもはひまわりシステムというものの生みの親ですので、大体二か月に一回ぐらい、役場職員とそれから郵便局の幹部、局長等と、そういう方とのいわゆる話合いを持って、いろいろ緊密なそういう話合いというのはずっと続けております。
 そういうことで、私は、最後に先生方にお礼を言っていいでしょうか。
 何か一寸先はやみというような感じの、今、世の中の感じの中で、私どものようなこういう小さい町の町長をこういう大舞台に引っ張り出していただいて、何か一寸先に光が見えたような感じがして非常に僕はうれしく感じました。ありがとうございました。
#65
○渡辺秀央君 ありがとうございました。
 毎日毎日がとにかくロマンと実践と現実との矛盾との闘いの中で行政執行しておられる責任者としていろいろな問題点をお持ちの中で、この郵便局に対しての大変な期待と、それからまた今後の示唆ということをお聞きいたしまして、大変参考になりました。
 やっぱり、郵便局というのは地方においては生活の一部であると、地域住民は、これは今日の非常にいいお言葉だったと思いますね。都会は、さっきも同僚議員の話もありましたが、都会は正に東京砂漠と言われますけれども、それはそれなりの郵便局の対応というのがあるわけで、私はそういう意味では郵便局の一面的、一元的、金太郎あめ的なとらえ方ということが間違っていたんであって、それぞれ地域によって、地方によって、全く特異な郵便局あるいは郵政の在り方というのがあっていいことだと思うんです。また、そうでなければこの郵便事業の発展ということは公社になってもあり得ないというふうに思いますね。
 そんな意味で、地域の自治体との極めていい意味での、癒着でなくて、密接な関係でこの郵政三事業の公社化がより発展していくように、市町村の市町村長の皆さんからこの公社に対するいろんなこれからも助言あるいはまた監視、そういうことを是非やっていただく、そのことが発展していく道であり、また地域の利用者に対してのプラスになることだろうというふうに思いますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げながら、我々も国政の舞台でしっかりと努力していくことをお誓いして、今日は本当に御苦労さまでありましたが、御礼を申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
#66
○委員長(田村公平君) 以上で参考人の方々に対する質疑は終了いたしました。
 川井市長さん、下中村長さん、そして寺谷町長さん、今日は大変御多忙の中、当委員会に参考人として貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。委員会を代表いたしまして心から厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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