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2002/07/23 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第23号
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2002/07/23 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 総務委員会 第23号

#1
第154回国会 総務委員会 第23号
平成十四年七月二十三日(火曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十二日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     辻  泰弘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
                高嶋 良充君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高橋 千秋君
                辻  泰弘君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                松岡滿壽男君
                渡辺 秀央君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    佐田玄一郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  山内 俊夫君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       総務大臣官房総
       括審議官     平井 正夫君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省郵政企画
       管理局長     團  宏明君
       総務省郵政公社
       統括官      野村  卓君
       郵政事業庁長官  松井  浩君
       法務大臣官房審
       議官       河村  博君
       財務大臣官房審
       議官       加藤 治彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
○日本郵政公社法案(内閣提出、衆議院送付)
○日本郵政公社法施行法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○民間事業者による信書の送達に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○民間事業者による信書の送達に関する法律の施
 行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○理事辞任の件
○理事補欠選任の件

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として辻泰弘君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村公平君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本郵政公社法案、日本郵政公社法施行法案、民間事業者による信書の送達に関する法律案、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上四案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、総務大臣官房総括審議官平井正夫君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省郵政企画管理局長團宏明君、総務省郵政公社統括官野村卓君、郵政事業庁長官松井浩君、法務大臣官房審議官河村博君及び財務大臣官房審議官加藤治彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村公平君) 次に、日本郵政公社法案、日本郵政公社法施行法案、民間事業者による信書の送達に関する法律案、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 まず、昨日、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。伊藤基隆君。
#6
○伊藤基隆君 総務委員会委員派遣報告。
 当委員会が行いました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、田村公平委員長を団長として、景山俊太郎理事、世耕弘成理事、谷川秀善理事、岩城光英委員、久世公堯委員、南野知惠子委員、日出英輔委員、森元恒雄委員、山内俊夫委員、高橋千秋委員、魚住裕一郎委員、八田ひろ子委員、宮本岳志委員、松岡滿壽男委員、渡辺秀央委員及び私、伊藤基隆の十七名で、昨日、新潟県において、日本郵政公社法案、日本郵政公社法施行法案、民間事業者による信書の送達に関する法律案及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査に資するため、地元の方々との意見交換を行いました。
 まず、塩沢町長上田欽一君、六日町議会副議長藤ノ木靖君、塩沢町商工会長宇賀山正昭君、六日町婦人会長富田文子君、守門村飲食店組合長大塚桂三君、全逓信労働組合魚沼支部長島田福男君及び全日本郵政労働組合新潟県支部連絡協議会議長岡軍君の七名の方々から意見を聴取いたしました。
 以下、その要旨を簡単に御報告申し上げますと、国営の郵便局に対する地域住民の信頼は強い、今後とも行政との連携強化により福祉サービス等地域づくりへの郵便局の貢献を期待したい、文化や心の交流、生涯学習の場としての、地域に密着した郵便局の役割を続けられたい、利用者にとっての郵便局ネットワークの利便性を今後も発揮されたい、公社化後も引き続き、郵便の全国均一料金を維持されたい、町村部において住民にとって身近な存在である郵便局、ポストの数を維持されたい、市町村合併、農協合併による支所統廃合に伴い住民にとって郵便局の公的機関としての重要性が増大する、競争の導入により不採算地域が切り捨てられることを懸念するなどの意見がそれぞれの立場から述べられました。
 これらの意見に対し、各委員より、郵政公社化の必要性、地域社会に密着したサービスにおける行政、郵便局、農協による協働体制の必要性、地域づくりにおける郵便局の役割、市町村合併の現状と郵便局に与える影響、民間宅配便事業者の現状と郵便局の対応、郵便局と利用者、国民のかかわりなどについて質疑が行われました。
 なお、地元の方々との意見聴取、質疑に先立ち、地域における郵政事情を把握するため、越後上田郵便局を視察いたしております。
 以上、御報告申し上げます。
#7
○委員長(田村公平君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 それでは、四案について、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○久世公堯君 おはようございます。自由民主党の久世公堯でございます。
 沖縄の古い歌に「十九の春」というのがあります。「私があなたにほれたのはちょうど十九の春でした」で始まるあの歌でございます。歌の名文句は一般に二番に多いと言われております。この歌でも、一銭五厘のはがきさえ千里万里の旅をする、明治三十二年ごろから昭和十二年まで約四十年間、当時から第二種郵便と言われておりましたはがきは一銭五厘でございました。その後、実は二銭、三銭と上がるわけでございますが、ですから、カラオケバーなんかの歌の本では、このせりふは「一銭二銭のはがきさえ」というふうになっておりますし、字幕にもそのように出ているようでございます。
 前回の質疑におきまして、小野委員あるいは南野委員の質問の中にも、明治の初年以来、郵便局の皆さんが一通一通の郵便に心を込めて扱い、国民の心の伝達手段として大きな役割を果たしたことに触れられました。今日でこそ携帯だとかメールだとかになっておりますけれども、昔はすべて一銭五厘のはがきと三銭の封書によってユニバーサルサービスが行われていたわけでございます。家族の安否を気遣い、あるいは恋人への切なる思いをはがきや封書に託して、千里万里も離れたふるさとや戦場へ思いをはせたのです。大臣もそのような御体験や思い出はおありでございましょう。
 郵便は、明治の初年以来、国民に親しまれ、信頼されて、国民とともに歩み続けてまいりました。その郵便制度が今大転機を迎えようとしております。郵政事業の公社化への移行、さらには郵便分野への民間事業者の参入という、明治以来の制度を変更する内容が郵政関連四法案に盛り込まれております。
 郵政関連四法案の審議も、衆参を通じて既に六十時間を超えておりますし、加えて、衆議院では二か所の地方公聴会を実施され、参議院では、先ほど伊藤理事から詳しく御報告ありましたように、昨日、新潟県の塩沢町をお訪ねいたしまして、郵便局や地域の関係者に直接御意見を賜りました。今回の改正について、論議も出尽くされた感がございます。
 そこで、今回の改正全体を見て、基本的な幾つかの点につきまして、総務大臣の御所見と抱負をお伺いいたしたいと思います。
 まず第一でございますが、公社の理念について伺いたいと思います。
 日本郵政公社法案は、明治四年の郵便創業以来国の機関として実施されてきた郵政事業を、国とは別の法人格を有する国営の新たな公社に移行させようというものでございます。公社というとかつての国鉄やあるいは電電公社を思い浮かべ、新鮮な印象に乏しい嫌いがありますけれども、今般の国営の新たな公社は、旧来の公社とは異なって、予算制度や国会とのかかわりなどの点で社会経済の変動に対応しやすい仕組みとなっているように思います。
 そこで、まず総務大臣にお尋ねをいたします。国営の新たな公社の理念について、旧公社などとの違いを踏まえながら明確にしていただきたいと思います。お願いいたします。
#9
○国務大臣(片山虎之助君) 今回の公社は、御承知のように、郵便、郵便貯金、簡易生命保険など、国民の生活基礎サービスをあまねく公平に提供するという今までの郵政事業の意義は、引き続き公社になりましても確保してまいります。その上で、自律的かつ弾力的な経営を可能とすることによりましてより一層質の高いサービスを国民の皆様に提供していきたい、こう考えております。
 かつての公社がいろんな御批判がありましたが、この公社は国と民間のいいところを取る。いいとこ取りはユニバーサルサービスの敵でございますけれども、公社はいいとこ取りでいく、国と民間のいいところを取っていくと、こういうふうに考えております。
 どの点が違うか。一つは、やっぱり国会や役所の関与をできるだけ少なくすると。例えば、従来の公社は予算については国会議決が要ったと、事前管理ですね。今回は、中期経営目標、中期経営計画で、しかも業績評価でいくと、こういうことでございますし、また、旧公社は運賃や電話料金はすべて法定されていたと、こういうわけでございますけれども、公社においては自分で決めれると、ただ国が認可すると、こういうことになると思いますし、また今までの公社はみなし公務員ですね、公務員そのものじゃなかったんです。公務員的なんで公務員的制約がございましたけれども、今回はストレートに国家公務員にしていると。仕事の公共性等を考えまして身分は国家公務員と、こういうところが私は大きな違いではなかろうかと思っております。
#10
○久世公堯君 ただいま総務大臣の答弁でも述べられましたように、自律的かつ弾力的な経営が可能な今回の公社への移行は、ユニバーサルサービスを国民に保障しながら事業が経営環境の変化によって機動的に対応していく上で、時宜にかなった制度改革だと思います。
 また、これからの我が国の社会は、高齢少子化が急速に進む中で、自助、共助、公助のバランスが求められることになることが想定されます。郵便だけでなくて、郵便貯金や簡易生命保険という人々の自助努力を支援するサービスを独立採算であまねく公平に提供していくこの国営の新しい公社は、これからの経済社会の状況にもマッチした、言わば公企業のスタイルだと思うわけでございます。
 このような今回の制度改革の意義をよく自覚をして、更に創意工夫を凝らし、全国各地の住民のためになる経営に努め、公社にしてよかったと、こういうふうな評価を受けるように期待をいたします。
 そこで、次に佐田副大臣にお尋ねをしたいと思います。
 公社の経営の改革についてでございます。
 今回の制度改正は、公社への移行と同時に、郵便分野への民間事業者の参入を可能とするものでございます。自由化や情報化の一層の進展に加えて、従来独占であった信書の分野に全面的に競争が導入されるわけでございますので、郵便事業の経営環境は格段に厳しくなると思います。
 先日発表されました平成十三年度の決算では、過去三年度の間、単年度赤字に悩んだ郵便事業が、十三年度では単年度黒字に転換したということでございます。経営改善に取り組んでいることを受け止めますけれども、今後のことを考えますとまだまだ安心ができないと思います。一層の経営努力を期待いたしますが、衆議院での法案修正で郵便事業については関連分野の民間企業への出資ができる条項が盛り込まれました。
 そこでお伺いいたしたいんでございますが、郵政事業に密接に関連する出資としてどのようなものを考えておられるのか、具体的な事例を明らかにしながら、今後の郵便事業の経営に出資が持つ意義についてお尋ねをしたいと思います。
#11
○副大臣(佐田玄一郎君) 今、先生言われたように、これから郵便事業に対して民間参入が行われます。そうなってきますと、これいやが応もなく、これは競争が、先生言われますように、非常に激しくなってくる。その中で公社が守らなくてはいけないというのは、何といっても先生も御指摘ありましたユニバーサルサービスをしっかり守っていくと。こういうことを考えたときに、これからの対応として、要するに、自由度を持たせ、そして本当に密接不可分な事業に対する出資を行うことによってユニバーサルサービスを守っていく、こういうことが非常に重要になってこようかと思います。
 そういう中で、具体的には、対象事業につきましてはこれから政令で定めるわけでありますけれども、今申し上げましたように、密接不可分ということを考えますと、例えば郵便物の追跡であるとか車両の予約、そしてまた運行管理等の情報システム、そういう管理システムみたいなものであるとか、例えばダイレクトメール、かなりの量があるわけでありますけれども、こういうものに対する発送準備や発送業務、こういうふうな本当になくてはならない、しかも密接なもの、こういうものに対しての出資を考えることによって、大事なユニバーサルサービスをしっかり守っていきたい、こういうふうに思っております。
#12
○久世公堯君 次に、総務大臣にお尋ねをしたいと思いますが、郵便のユニバーサルサービスの意義についてでございます。
 今回の信書便法案は、郵便分野への民間参入を可能とするに際しまして、一挙に全面参入を図る方式を採用しております。いわゆる部分参入がヨーロッパ等におきましては主流だと承っておりますが、ユニークな制度を取るのが今回の全面参入ではなかろうかと思います。もとより、全面参入方式は競争導入のメリットとユニバーサルサービスの確保を両立させるという意欲的な方式でございますけれども、この方式の成否は一般事業者の参入条件にあると思うわけでございます。
 全面参入を可能としながら、クリームスキミング、これはどうも私はこの言葉は余りぴんとこないんでございますけれども、総務省の方にこれどういう意味だと聞きましたら、まあクリームの上だけを食べていくということだから、いいとこ取りでしょうかねと。もう少しいい言葉はないのかと聞きましたら、関西弁ではええとこ取りと。この方が一番ぴんとするんじゃないかと思うわけでございますが。この難しいクリームスキミングに陥らないために、大口や都市部だけではなくて、小口や過疎地の利用者にも郵便以外のサービスの選択ができるようにすることが必要になると思います。
 そこでお伺いしたいんですが、世界的にもユニークな全面参入方式のメリットを生かすために、国民の利益をどのように貫徹するお考えか、政策責任者としての決意をお尋ねしたいと思います。
#13
○国務大臣(片山虎之助君) クリームスキミングはあれですね、クリームソーダでクリームだけ食べるということです、ソーダを残して。ええとこ取りであります。
 今お話ございましたが、世界的に見まして、全面参入というのは大変数が少ないんですね。日本のような大きな国で全面参入というのは余り例がありません。小さな国で五つある。御承知のとおりです。今、ヨーロッパユニオンは段階参入ですね。部分参入を次第に広げていく、重量や料金でだんだんその範囲を広げるという段階参入がEUのやり方でございまして、よその国も多いんですね、それ以外の国でも。
 したがって、私は、このいろいろ議論の中で、総理にも、段階参入が入る方も入られる方もいいんではないかと、こういうことを申し上げましたが、総理は、是非この際、競争政策促進の意味で全面参入でやってほしいと、こういう御希望でございましたので、それじゃユニバーサルサービスを確保するという条件を付けてなら全面参入ということはあり得ますと、こういうことで、公社化研究会の先生方とも相談しまして、公社化研究会は三案を提示したんですよ、部分参入、段階参入、全面参入。そこで、研究会の結論としては、条件付全面参入がベターだろうと、こういう御意見をいただきましたので、こういう法案にいたしたわけでありまして。
 全面参入という例がない制度をやるわけでありますが、ユニバーサルサービスは確保すると、民間の事業者の方にも確保してもらう。だから、公社は今と同じようなユニバーサルサービスを確保するわけですね。それに民間が入ってきて更に確保するんですからね。そういう意味で、民間の事業者の方が入ってきていただければ、今より私はその分手厚くはなると思います、ユニバーサルサービスが、両方確保するんですから、ですね。
 そういうことで、いろんな競争が行われれば、例えば料金を安くしていこうとか、こういう別種のサービスをやろうとか、特に公社の方はこれから地方団体やいろんなところとの連携をやっていただくように我々もお願いしたいと思っておりますので、そういうサービスも拡充していくと、こういうことになるわけでありまして、国民にとっては、今までのユニバーサルサービスはもう絶対確保される、その上で新しいサービスの提供も期待できると、料金を含めましてね。そういうことでございまして、またそうでなければ、何で公社にするのか、何で民間入れるのかと、こういうことになると思いますので、是非、久世委員のお話をしっかり受け止めて、そういうふうな公社にしてまいりたいと思っております。
#14
○久世公堯君 次に、片山総務大臣にお尋ねをしたいんでございますが、これからの地域社会との関連についてでございます。
 衆議院における法案修正の一つとして、郵便局の設置についてあまねく全国に設置することが加えられました。あまねくという言葉は余り耳慣れない言葉でございます。私を支援していただいている宗教団体のお経などにはあまねくという言葉があるわけでございまして、また法華経の方で、この功徳をもってあまねく一切に及ぼしと、こういうあまねくという字は普通の「普」、普遍の「普」を書くわけでございますが。
 そこで、私は余り今まで私の知っている法令であまねくという言葉は見なかったなと思いまして、法令検索をやってみました。これも旧総務庁、今の総務省の行政管理局の方にお願いをしてやってみたわけでございますが、あまねくという言葉が使われている法律は十一でございます。日本全体の法令の中で、法律の中で十一法、その中の九本は郵政事業と電気通信の分野の法律でございます。例えば郵便法、郵便為替法、郵便振替法、郵便貯金法、放送法、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法と、こんなのが九本あるわけでございまして、しかもこの使用例を見ますと、「あまねく公平に」というのが一番多いんです。「あまねく日本全国に」というのもございます。
 こういう分野のあまねくというのを今度は郵便局をあまねく全国に配置ということでお使いになったわけでございますが、郵政事業もあるいは電気通信も、言わば国民の一人一人が日常的に利用するサービスであり、いつでもどこでもだれでも手軽に利用することができることを目標とされているものでございます。国民に保障すべきサービス水準を示すとともに、事業に携わる職員自身が自らの使命を常に自覚する言葉が恐らくこのあまねくという伝統的な言葉であったのだろうと改めて感じ入った次第でございます。
 さて、我が国の地域社会は今変動のさなかにございます。国際的な自由化が進展する中で、農村におきましては、従来型の農業経営が困難さを増しております。中小都市におきましては、伝統的な商店街が大型店舗の影響を受けて空洞化が進んでおります。町の顔がなくなる、都市部への人口や諸機能のシフトが進む、我が国の地域社会は大きな変化のさなかにあるわけでございます。
 その中で、先般、参考人の聴取を行ったときに町長さん方からこの辺りの話を詳しくお話しになりましたし、昨日の現地視察でもいろいろと承りましたけれども、郵便局は全国あまねく配置をされ、郵政サービスの提供のほかワンストップサービスなどの種々な地域住民のためのサービスを提供いたしております。今後、地域社会の維持発展のため、あまねく全国に配置されている郵便局の機能を有効に発揮すべきであると思いますけれども、総務大臣の御認識を承りたいと思います。
#15
○国務大臣(片山虎之助君) 今、久世委員お話しのように、あまねくという言葉を法令を、法律上使ったのが十一本と、郵便と電気通信と言われましたが、全部我が総務省でございまして、総務省はあまねく省ですね、そういう意味では。ありがとうございます。
 それで、衆議院の修正であまねく全国に郵便局を設置すると、こういうことになりまして、それはどういう意味だということを衆議院の方でも御質問を受けましたが、私は今の二万四千七百の郵便局のネットワークをこのまま維持するのだと、同時にそれもハードな面で、ソフトなサービスも今のサービスを変えない、減退させない、これを確保すると、こういうことを申し上げたわけでありまして、今後ともそれはもう最低限のものとして守りながら、先ほども申し上げましたが、国の機関や地方自治体や民間企業と連携しまして、新しいサービスができるならば新しいサービスをさせていただこうと、そういうことがあまねく全国における郵便局の役割ではないか。百三十一年の歴史の中で、本当に私は郵便局は、公聴会でも先生方もお聞きになったと思いますけれども、本当に親しまれて愛されていますよね。また、利用されているし、コミュニティーの一つの交流の拠点にもなっているんですね。
 そういう意味で、「あまねく全国に」と入れていただいたのは大変そこがはっきりしたなと。郵便局の地位、役割、今後の生き方が、そういうふうに私どもは感謝いたしておりますが、是非その修正の意義を今後とも生かしていきたいと、こういうふうに考えております。
#16
○久世公堯君 それでは最後に、総務大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、総務省の使命と申しますか、また新しくできる公社への成果を期待するという意味において二つの注文を申し上げたいと思います。
 私は、昨年の初めに、初めてこの総務委員会で大臣が所信を述べられましたときに、私は総務省の在り方と使命というようなことについて質問をさせていただきました。総務省は旧総務庁、郵政省、自治省を統合した巨大な官庁でございます。今回の郵政事業の大改革は、総務省の発足早々、旧三省庁の総力を発揮するに最もふさわしい、最も適当な例だと私は思います。郵政事業でございますから、旧郵政省はその中心でございます。公社化につきましては、旧総務庁と極めて深い関連がございます。郵便局の在り方や地域との関連では旧自治省も大きな関心でございます。総務省が片山大臣の下に総力を結集し、その底力を発揮するには最も適した例だと私は思います。旧三省庁の持てる力を最大限に発揮をして、一致団結、今後の運営に当たられたいと思います。
 もう一つの注文は、今回の改革によりまして来年春に発足する郵政公社は、独立採算と企業会計原則の導入によって、採算を度外視した郵便局の経営や資金運用は許されません。もはやしかし後戻りができない改革の道を歩み始めております。公社化後のことにつきましては様々の論議があるようでございますが、今後の議論の展開は、この公営の新しい公社が今回の公社化及び民間参入の意義を踏まえて、いかに効率性を高め、良質のサービスを提供し、国民の期待にこたえるか否かに掛かっていると考えます。
 総務省挙げての取組と、それから今申し上げました国営の新たな公社の今後に期待をいたしまして、質問を終えたいと思いますが、総務大臣のこれらに係る抱負を承りたいと思います。
#17
○国務大臣(片山虎之助君) 今、久世委員から二点の御注文をいただきましたが、大変有り難い激励を含めての御注文だと考えております。特に、三省庁が昨年の一月六日に統合いたしまして、これで一年七か月でございますけれども、三省庁だんだん従来の垣根を取り除いて融和結束してきてくれたなと、こういうふうに思っておりますが、正にこの郵政改革は三省庁、郵政省は当然ですけれども旧、旧総務庁にも、旧自治省にも大変関係のある改革だなと、こう思っておりまして、この公社を本当により良い公社にする、そういう意味で、新しい行政改革のこれは一つのモデルのような公社に是非いたしたいと、こういうふうに思っておりますし、地域との連携は、今までも大変郵便局と市町村は仲が良うございましたけれども、今度は親戚になったわけでありますから、婚姻をいたしたようなものでございますので、これは一層連帯感を持って結束していただいて、今でも相当やっておりますけれども、もっともっとやっていただくように私もお願いしておりますし、また郵便局の方も市町村の方もそういうだんだんお考えになっていただいていると、こういうふうに思っておりますので、今後とも三省庁の総合的な力を発揮できるように頑張ってまいろうと、こう考えております。
 そこで、公社化に来年の四月になりますが、公社になったら、国会でお決めいただいたこの法律の、関係の法律の中、フレームの中で国民に喜ばれる、国民の期待にこたえられるような公社に是非していきたいと思っておりますが、その後どうするんだということは、これは大変な議論がございまして、現に総理直属の懇談会でも、このところちょっと懇談会としての開催いたしておりませんけれども、有識者の方だけの勉強会をやっていただいているようでございますが、いずれにせよ、そこで秋ぐらいまでには意見を集約していくということになると思いますが、総理も本会議等で答弁されておりますように、そういう案を国民の皆さんに提示して理解を求めて、大いに議論をやってもらいたい、その議論の中で公社化後の新しい郵政事業の在り方を模索していくと、こういうことになるんではなかろうかと、こう思いますが、私どもは、とにかく来年四月に締切りが迫っておりますから、スムーズな公社化への移行を、全力を挙げたいということは、法律を通していただければ早速設立委員さんを決めさせていただいて、設立委員を中心に、例えば今の郵政局や郵政監察局、ブロックごとにありますけれども、これをどういうふうにしていくか等含めて、細かいことのいろんな御検討を賜ると、こういうことになろうと、こう思っております。
 いずれにせよ、久世委員から言われましたことをしっかりと我々は受け止めて、十分御期待にこたえるような対応をしてまいるつもりでございます。引き続いての御指導をお願いいたします。
#18
○久世公堯君 ありがとうございました。
 終わります。
#19
○日出英輔君 自由民主党の日出英輔でございます。
 この日本郵政公社化法案、大変な衆議院でも審議時間ございましたし、参議院でも大変濃密な議論をしておられます。私も一応衆議院の議事録をさっとでありますが目を通させていただきましたし、自民党の方でも、総務部会には時間のある限り出席をいたしまして、この問題につきましてある程度の知識その他を得ているわけでありますが、総務大臣のこの懸河の弁でいろいろと滑らかに審議が進んでいるわけでありますけれども、私、かつて三十年前に農林水産省におりましたときに、林野庁を公社化するという話が一時期ありました。一年間、実はタコ部屋という嫌な名前の部屋で一年間勉強させていただきまして、少し、かつての三公五現といいますか、そちらの方についてそういった経験がございますので、少しく質問をさせていただきたいと思っております。
 昨日、新潟へ参りまして、いろいろと現地の話も伺いました。大変、現地の郵便局の方々の懸命な仕事ぶりも拝察をいたしました。一方、いろんな議論を聞きました委員の方々からは、この郵政の公社化と民営化の違いというのはどこにあるんだろうかという疑問も率直に呈されたということもありました。
 せっかく公社化というこの法案が出てまいりまして、先ほど久世先生もお話しになっておりましたように、公社化して良かった、あるいは十年たってみて、この公社化というのがしっかりと今この時期に議論をして良かったという、そういったやっぱり思いがないと大変寂しいなということもありまして、二、三ちょっと御質問をさせていただきます。
 一つは、この公社化のねらいにつきましてはもういろんな言い方をしましたので、改めて総務大臣から伺うことは差し控えますが、ただこれ、公社化してどうだといいますと、経営の効率化が図られるとかサービスの改善が図られますとか、こういったことが抽象的な言葉で言われているわけであります。
 実は、少し政府参考人の方にむしろ伺いたいんでありますが、こういった民営化の一里塚ではない、公社化としてのいいところを出したい、あるいはこれまでの三公社のイメージでない新しいタイプの公社化の姿を実現したいということをおっしゃるわけでありますが、それでは、企業体としての経営の自由度といいますか、そういったものを増していこうということだと思うんですが、具体的にどういう点でこの経営の自由度を増していきたいと、そういう必要性を感じておられるのか。
 少し今までそういう答弁が衆議院でも参議院でも出ているようでありますが、御答弁がやっぱり抽象的で、そこら辺が実は私は、現場での民営化と公社化の違いがよく分からないなどという話になっていくんじゃないかと思いますので、なるべく具体的に、事例的な御説明をしていただけますと大変有り難いんです。
#20
○政府参考人(野村卓君) 郵政公社の経営の自由度の具体的にどういう点が変わるかということでございますけれども、従来、予算で国会議決ということになってございまして、施策のかなり具体的内容まで予算で決められていたわけでございますけれども、今回の公社というのは、公社自らが経営目標なり経営計画を作りまして、それを、後ほど業績評価という形に変わるわけでございます。
 二つ目といたしましては、公社の内部組織、定員につきましても、法令の定めによらずに公社自らが決めることができるというのが二点目でございます。
 三点目といたしまして、郵便料金等のサービスの料金につきまして、法定制から認可又は届出制ということで、公社が自由に決められるようになっているという点が自由度が増した点でございます。
#21
○日出英輔君 今、そういうお話が出ましたが、私、今お話しのような、例えば国の予算について国会の議決を要るとか、こういったことがなくなって制約が減るという話はそのとおりだと思うんですが、一方で、総務省が来年、公社というのが発足した後の話でありますけれども、これはきちんと、形の変えた、例えば公社から届出を受けるとか、あるいは認可を受けるとか承認を受けるとか、あるいは中期経営計画などもそうだと思いますが、これの関連資料を出させるとか、いろんな形で、今までとは違った形での制約というのがやっぱり出てくるんではないか。あるいは、公社ですから民ではありませんから、やっぱり国の一つの事業体でありますから国会の審議というのもあります。私は、そこら辺について、せっかく公社化をして新しいタイプの公社というものを作るときに、ただ国会の議決がなくなりましたよといったようなことでは、あるいは制度が変わりましたでは、やはり私はかなり十分ではないというふうに思っております。
 そこで、例えば今のようなお話を実現するときに、先ほど総務大臣もお話しになっておりましたが、この法案が通りますとすぐに設立委員を選んで設立の準備されます。来年の四月でございますから随分と短い時間にやるわけでありますが、例えば、今のお話でいいますと、公社の中の人事管理の仕方、就業規則的な議論、あるいは財務会計、いろんな内部規定を整備をしていかなきゃいけないというふうに思いますが、これについては、民間の意見などを聞いた準備を始めるという御用意はありますか。政府参考人で結構です。
#22
○政府参考人(松井浩君) 御指摘いただきましたように、今回、法律が成立いたしました後でも、大変ないろんな作業がございます。政省令だとか、それからそういうものを受けた後の、公社を準備する側として、郵政事業庁が母体になることが想定されているわけでございますけれども、財務会計の仕組み、あるいは会計規程だとか、それから職員の人事、給与の基準、そういったものだとか、あるいは労働組合とのコミュニケーションルールの問題まで万般ございます。
 しかしながら、私どもとしては、民間の例だとか、いろんな勉強をどんどんやっておりますけれども、最終的には、この法律が成立しました後、この公社の設立の責任者としての設立委員、あるいは総裁になるべき者を事前に総務大臣が命ずるというふうな仕組みになっておりまして、その方々の最終的な責任、判断というものがやっぱり必要になろうかというふうに思っております。
 いろんな情報システムとか、いろいろもろもろございますが、間に合うべく、間に合わせるべく、鋭意勉強を進めているところでございます。
#23
○日出英輔君 公社化という経営形態を生かすも殺すも、内部規定をどういうふうに作るかというところにかかっているんだろうと思います。
 私は、はっきり申し上げれば、事業庁の皆さん方が衆知を集めるんだろうと思いますが、自分たちの立場から書きますと、多分今と同じような規定を書いてしまうんではないかという気がします。やはり、せっかく公社化をする、民営化の一里塚ではないということになれば、やはりこれはむしろ民の立場から書いてみる、考えてみるということでないと、私はここが一番の基本ではないかというふうに思います。これ余計なことですが。答弁は要りません。
 次に、もう一つ伺いたいのは、先ほどの話でいいますと、郵便局のサービスというのは、公社化ということによってサービスは上がりますでしょうか。これはどうでしょうか。具体的にお答えいただきたいと思います。
#24
○政府参考人(野村卓君) 先ほど申し上げましたように、公社によりまして具体的に経営の自由度が増します。それから、職員関係につきましても、業績主義といいますか、職員の能力に基づいた処遇をやるということで職員の意欲も増すと思います。
 そういった意味で、サービス、郵便局の具体的な窓口のサービス、それから個別具体的な郵便サービス等々についてもサービスが上がるように努力するということで、私どもとしてはサービスは向上されると思っているところでございます。
#25
○日出英輔君 全く分からないんですね。そういうお話をされるから、何かこの公社化ということについて、もう少し言えば、末端の郵便局の方、一生懸命やっておられますが、せっかく公社化したんですから、自分たちの知恵で、郵便局に勤めている方自身の創意工夫で、こういうことを、サービスを広げたいとか、こういう議論を是非とも、この法案についての一般国民に対するPRだけじゃなくて、郵便局の職員とかその事業体で働いている方が、せっかくこの公社化の機会に、こういうことをやりたいんだというような話をもう少し拾っていただかないと私はこの好機が生かせないんじゃないかというふうに思います。これは答弁結構です。
 もう一つ伺いたいのは、今、後段の方で人の話、能力、そういったことを重視した、登用制とか云々という話をちょっとお話しになっていましたが、これも内部規定をどういうふうに書くかということだと思うんですよ。国家公務員のままで今と違って全く違った任用とか登用制度を作るというのは、私はなかなかにいって、言葉では簡単ですけれども実際には難しいんじゃないだろうかというふうにちょっと老婆心ながら思っておりますが、この点について、お話しになっているような議論をしておられますか。
#26
○政府参考人(野村卓君) 先生おっしゃるように、国家公務員でございますけれども、国の予算制度とか総定員令、こういったことによる縛りがなくなりますので、弾力的、効率的な人事配置、要員計画をやっていきたいと考えておりまして、具体的には、例えば、従来、年功序列的な年齢給の割合が高かったわけでございますけれども、職務遂行能力とか役職、こういったものの職責給とか役職給と、こういった比率を上げるとか、それから公社の業績が反映した給与制度、こういった形のものを考えておりますし、例えば、今回、職員の採用につきましても、従来のT種、U種から離れまして、郵政総合職試験という形で、かなり多人数を採用いたしまして競争原理を導入していい人を登用していくという形になりますし、それから、適材適所の人事配置ということで、例えば役職につきましても、志願制を導入しましてそういった意欲を持った人を登用するというようなことを考えております。
 そういった意味で、公社の創意工夫を生かした弾力的な人事制度を実現を図るということを考えております。こうしたことによりまして、先ほども申しましたけれども、職員の意欲を高めるとともに、経営の効率化や利用者のニーズに的確に対応したサービスの向上が期待できるというふうに考えているところでございます。
#27
○日出英輔君 是非ともその点についてはきちんと議論を中でやっていただく。これなかなか難しいんだろうと思いますが、御健闘を御期待しております。
 それからもう一つ、昨日、現地を訪れまして、何といいますか、地域貢献といいましょうか、あるいは社会貢献といいますか、郵便局の方々のお話を具体的に伺ったという、私、個人的にとっても大変な収穫でありました。
 ただ、これは多分、公社法案の中で位置付けられるのは、多分幾つかの、郵便事業でありますとか、事業の附帯する業務ということでお読みになるのかもしれませんが、私はこれを余りにも期待されますと、今度の公社化の中で、独立採算制の中で大丈夫だろうかと、そこまでは申し上げなかったんですが、市町村長さんは、自分たちが合併である程度職員が減っても郵便局があるから大丈夫だと、こういう話が出たりしまして、思わず、こういった地域サービスというか地域貢献については、市町村なりJAなりとよくお話合いをして、それぞれがどの範囲でどういうことをやるのかという議論をしないと、次から次へと、やはり断れないんでしょうね、多分、現場でこういう話が出ますと。
 私はそういう心配をしていたわけですが、この企業体としてどこまでやるのかといった議論についてはどういうお考えを持っておられますか。
#28
○政府参考人(松井浩君) 私どもの郵便局は、地域に密着した性格というのが基本だと思っておりまして、積極的に地域に貢献していきたいという気持ちはやまやまでございます。
 そうは申しましても、仕事の性格によりまして、御指摘のようにコストが発生して、それが賄えなければ結局はその衰退若しくは撤去というふうなことになってしまうのではないかという御指摘だと思いますが、御心配いただいているわけでございますが、これまで具体的にワンストップサービス等で、例えば証明書の交付事務だとか、直接コストが掛かる仕事につきましては手数料をいただくということで、地方公共団体としっかりお話しさせていただいた上で協定を結んでやらせていただいているということはございます。
 一方におきまして、例えば郵便の配達途上で、産業廃棄物が勝手に捨てられているだとか、あるいは道路が損傷しているだとか、がけ崩れがあるだとか、こういったことは回っている途上で分かりますので、こういったことにつきまして情報提供させていただくというのはコストが発生しませんから、それは厳密に言いますと、秒の単位で言えばコストがあるかもしれませんが、計量する程度のコストだとは思いませんので、すんなりやらせていただいていると。
 境界領域になればどうかということもあろうかと思いますが、これまでそういう範囲で頭の整理をしながら対応させていただきましたし、それから総合的な、ウエートでいきますとやっぱり郵政三事業の本業のウエートが圧倒的に多うございますから、この中で吸収できる範囲内で目一杯頑張っていきたいと思っているところでございます。
#29
○日出英輔君 なかなか、現場へ行きましても、今の松井長官のようなお話が難しいときもあるのかもしれませんが、でもやはり経営体として議論する、あるいは地域住民とかサービスを考えたときに、やはりそこら辺のけじめがどこかでないと企業体として大変難しいのかなというような印象もちょっと受けたものでありますので御質問させていただいたわけであります。
 今の地域貢献というか社会貢献ということなんでしょうか、あるいは郵貯の事業そのものということでしょうか、今やっておられます事業の中に国際ボランティアの貯金というのをやっておられますですね。なかなか立派な事業だと思っております。昨日も現地調査のときに、商工会の会長さんだったでしょうか、その話をしておられまして、郵便局の仕事としてふさわしいという話をされておられました。実績的にも、十二年度で二千六百万件、寄附金でいいますと七億八千万というふうに伺っているわけでありますが、なかなか、平成三年から十年以上やっておられて、百八十億円を世界の九十一の国や地域で事業の方に配付している。これは南野先生も御質問されて、大変私は公社化後もしっかりやっていただきたいというふうに思っているわけでありますが。
 ちょっとこの点について財務省に伺いたいと思うんですが、これ二千六百万件で七億八千万ということになりますと、一件当たり三十円ぐらい、拠出額としますと三十円ぐらいですね。これは、郵貯の場合にはどういっても一千万円限度でありましょうし、それから個人ということでありますから、ほかの法人なんかほとんど入ってこないという前提で物を考えますと、何か私はこういう開発途上地域の人たちの福祉の向上とか何かに寄附していただく立派な仕事ではありますが、こういう貧者の一灯を積み重ねてやっていく中で、税金を取るという部分がありますね。私は、どうも貧者の一灯に税金を掛けているような感じがいたしまして、これはいささか何となく落ち着きが悪い感じがしましたので一言御質問してみようかと思ったんですが、どういうふうに財務省は考えておられるんでしょうか。
#30
○政府参考人(加藤治彦君) 先生御指摘のこの問題につきまして、かねてから、当時の郵政省時代から議論をさせていただいて今日に至っておるわけですが、大きく二つの点を申し上げて御理解をいただきたいと思っております。
 一つは、利子の課税につきましては、現在、源泉分離課税方式ということで、支払段階で利子の多寡にかかわらずその二割、これは国税一五、地方税五%という形で、その段階でもう課税を完結させるという制度を取っております。したがって、その段階で完結するという以上は、もういろんなほかの要素を考慮するということ自体をすることは、こういう源泉分離課税制度の趣旨に本来的には沿わないというのが一つございます。
 それからもう一点、今、日出先生おっしゃった寄附という行為に対して課税をしているような感じがあってという御指摘でございますが、私どもあくまでも利子所得に課税を行っておるわけでございます。そして、寄附というものにつきましては、これは善意に基づく任意の所得処分でございますので、私どもとしては、これは課税後の可処分所得を御利用いただくというのが基本的な問題だと。赤い羽根共同募金ございますが、これも正にそういう形で行われておりまして、これは税制の基本的な考え方として御理解いただきたいと思います。
#31
○日出英輔君 理屈を言えば、利子所得に課税をする、その後については寄附をする、これはおっしゃるとおりですよね。
 ただ、同じように、確かに利子所得ではありませんが、いろんな例えば特定公益増進法人でありますか、そういったものとか、いろんな公益的な仕事をするところに個人でも法人でも寄附しますね。そうすると、例えば一万円以上超えますと寄附金の控除というのが出てきますね。これは確かに今御説明のように利子所得の話ではありません。ありませんが、しかし、四十円、五十円の世界の中で、これは利子の額の多寡にかかわらず源泉徴収制度というのは税をいただくんですというのは、私は、事務的に物すごく困難だとか何かそういう話ならまだ、事務費の方が高いんですとか、そういう話なら分かりますよ。
 しかし、これはやっぱりこういう行為を通じて社会貢献するという人たちの気持ちを考えますと、実は申し訳ないんですが私まだやっていないんです、すぐにやります。これはゆうべ、いろいろこの質問を考えているうちにはたと。私は郵貯も簡保も利用しております。利用しておりますが、実はこの二千六百八万件の中に入っておりませんので、実は質問する資格があるのかどうか、本当にじくじたるものもあるんですけれども。ありますが、私は、今の答弁では普通の庶民の感情には合わないんではないかという感じはしております。ですから、ここはやはり源泉徴収制度の本旨ということをお話しになるんだけれども、もう一方、別な問題があるというふうに思います。
 片山大臣、質問通告はしておりませんでしたが、この問題、要するに地方税の方もあり得るわけですね。それで、今の件について御感想はどういったものでございましょうか。
#32
○国務大臣(片山虎之助君) これは、税務当局というのはそういうので何でも取ろうということですからね。うちの方もそうなんですよ。こちらは国税の方で、うちの方の地方税もそうなんですが、私はもう前から、これは本当に国際ボランティア貯金というのは喜ばれているんです、本当に。
 そういう意味から、税務当局の立場は立場として分かりながら、少し工夫ができるかできないか、私どもの方を含めて、是非今度の税制改正では御議論させていただこうと、こう思っておりますので、ひとつ各党の税調なんかおありでございますので、そこでどんどんやっていただきますことが大変この問題解決の促進になりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
#33
○日出英輔君 力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 是非財務省と総務省で連携していただいて、やっぱりこういうことを広げていくというのも、日本人のいろんな気持ちといいますか、そういうものに合っているんじゃないかというふうに思いますので、是非とも御検討賜りたいと思っております。
 それからこれも、ちょっと時間がもう少しでありますので御質問したいんですが、盲人用の点字、録音郵便物の無料の話であります。
 これも大臣が再々お答えをしているんでありますが、ちょっと私は政府参考人の方に伺いたいんですが、この第三種、第四種という制度を置いておいて、かつこの政策減免料金でしょうか、こういったものについてどの程度実は負担になるのか。例えば、三種、四種足して、三種という制度、四種という制度を種別に計算すると、両方で三百何十億実は赤字ですよという話は伺うんですが、そうじゃなくて、その中で、今の盲人用の点字云々というようなことで、その一部の減免部分についてどのくらいの負担になっているのかということを伺いたいんです。
#34
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 三種、四種の費用と収入の関係ということでお答え申し上げたいと思いますが、平成十二年度の、これは一部推計でございますけれども、数字がございますが、第三種郵便物につきましては、収入が六百六十七億円、費用が九百四十八億円、計二百八十一億円のコスト的には赤字というふうに計算しております。また第四種郵便物は、収入が十四億円、費用が五十八億円で、四十四億円の赤字で、合わせますと、三種、四種合わせまして三百二十五億円ということでございます。第四種郵便物の方が負担は小さいというのが現状でございます。
#35
○日出英輔君 いやいや、だから、私が質問したのはそうじゃなくて、その中で、例えば第四種で点字等視覚障害者向けのものがありますね、その部分についてはどうですかと伺っているわけです。
#36
○政府参考人(團宏明君) 失礼いたしました。
 その四種の中にはなりますが、十二年度で盲人用の点字郵便物の費用が約六億円ということでございますので、この盲人用点字郵便物に掛かっている負担は約六億円でございます。
#37
○日出英輔君 私は、視覚障害者の食生活の改善という仕事がありまして、その仕事に前からかかわっておりまして、この関係について前々から心配をした方がおられましてたくさんお話をいただいておりますので御質問しているんですが、私は三種、四種を残すかどうかという議論になりますと、これは公社のこれからの経営状態に掛かってくるということだと思うんですが、今の三種、四種の中で特に政策的に減免している部分については、私は、これはやはり三種、四種自体を残すかどうかとかかわらず、これについてはやっぱり公社として、私は公社法案の中にきちんとやっぱり書くべきじゃなかったかという気はいたします。
 といいますのは、やはり今までの現業形態で何とか経営努力をしてこれを負担してきたわけですね。今度はより効率的な経営をするということでやるのにこれが負担できなくなるかもしれないという議論は、私はちょっとやっぱり世の中に通りにくいんではないかと。(拍手)したがって、別に手をたたいていただかなくてもよろしいんでありますが、大変ありがとうございます。
 私は、もう時間が来ましたので最後にちょっと申し上げたいんですが、片山大臣が度々この国会等でも、それからその他でもお話しになっている決意のことをみじんも疑うつもりはありません。これは当然大臣として、総務省の機関の長として御発言になっているということも百も承知であります。
 ただ、一番やっぱり世上いろいろ言われておりますのは、やっぱり大臣というのはひとつ半面として政治家としての立場があるということを言われるわけであります。私は、やっぱりちょっとこの話については、機関の長としての総務大臣あるいは総務省が国会答弁でない形で何かもう少し対外的に、特に三種、四種そのものをどうかじゃなくて、その中の政策減免的な部分について総務省としてはこうすると、中期経営計画を上げてきたときに認可するときにこうするんだという言い方するのかどうか分かりませんが、そのときに考えますというようなニュアンスが少しでも残らないように、何か私は対外的に言うことがこの問題の一番の決着といいますか、そういうふうな気がしているんでありますが、この点についての片山大臣のお考えを伺いたいと思っています。
#38
○国務大臣(片山虎之助君) この問題は、当参議院でも衆議院でも大変御心配いただいて、いろんな御質問、御議論、御意見ございました。
 私どもの方は、公社の性格は、何度も申し上げますが、自律的、弾力的なんで、事細かいことまでは書かないと、法律上。この盲人用の点字の問題は、私もその重要性は十分認識いたしております。それだけ法律に書いていくということは公社の基本的な性格についての議論に発展するんではないかというようなところもありまして、そこでそれは現行の三種、四種の政策料金は維持してもらう、それは中期経営計画に書いてもらうということで、認可が掛かりますから、そういうことをやっていこうと。諸外国も法律で決めているところはないです。ただ、無料にしていますよ、これは国際条約もあるんで、国際間のものは。だから、そういうことでやっておりますし、それは十分、総務省がそのつもりでやればこれはずっと、大臣が替わりましても事務当局が替わりましても、きちっと記録に残していくと。
 それから同時に、衆議院では附帯決議いただきまして、是非そういうことをやれと、こういうことでございますから、これは尊重すると私も申し上げましたし、これは国会のまた議事録に残っておりますし、また国会でそういう先生方がお考えなら必ず質問が出ますから、総務省当局もそんな勝手にいろいろやれませんよ。委員の先生方の御意見がそういうことで、いや、もう来年からやめますというようなことには私は、国会決議があり、これまでの議論の積み重ねがあり、政策料金をやるというのは法律に書いていますよ、やると。どうやるかというのは、これは公社が決めることでございますけれども、それは私どもの方の認可に掛けると、こういうことでございますので、ひとつ今後とも総務大臣なり総務省、今後のですよ、御支援をいただいて、また国会が十分それだけのチェック機能があるわけでありますので、そういうことで担保していただければいいんではなかろうかと考えております。
#39
○日出英輔君 実はそのほかに、時間があれば公社化後の郵貯なり簡保の事業運営なり資金運用の方針等について伺いたかったんでありますが、ちょっと今日は時間がありませんのでやめますが、どうも郵便事業の方だけに焦点が当たって、簡保、郵貯についての事業運営が公社化によってどのように変わるのか、あるいは資金運用もどういうふうに変えていかなきゃいけないのか、こういったことが、いろんな公的な役割もありましょうし、効率的な運用もありましょうし、確実性もありましょうが、この中で何かどうも審議録その他を見ますとしっかりと議論が出ていなかったんではないかという、ちょっと私の理解の浅さかもしれませんが、そういう感じもいたします。良く言えば御検討を賜りたいと思っております。
 終わります。
#40
○松井孝治君 民主党・新緑風会の松井でございます。
 質疑も大分、回を重ねていろんな論点が出ておりますが、私は基本的なことについて、大臣を中心に御質問をしていきたいと思います。
 衆議院以来、本委員会でもあるいは衆議院の委員会でも、大臣の発言は機関の長としての、機関としての発言か政治家の思いとしての発言かという議論がありましたが、私は余り国会の議論を、法律や政令ではありませんからしゃくし定規にとらえるつもりはございません、御発言の物事にもよりますけれども。どうか大臣におかれましては、率直な政治家としての思いも含めて御答弁をいただければ有り難いと思っております。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 さて、私は、まず最初に自分の立場を申し上げておきますと、郵政三事業あるいは郵便局の業務というものは、やっぱり地域、私も田舎の方までいろいろ回らせていただいていますが、地域の生活にとってやっぱり必要不可欠の部分がある。そういう意味では郵便局のサービス、これはユニバーサルサービスということを含めて、ある程度地域社会に根付かせていかなければいけないし、もっと住民本位のサービスが提供されていかなければいけないという考え方を持っております。
 しかし、この郵政の民営化あるいは郵政改革ということで議論が数年来行われてきて、非常に分かりづらいことがございます。それは、何ゆえに、今回も郵政公社という組織、国家公務員身分を郵政公社に与えるということになったのか、これが大体、基本法、中央省庁改革基本法でそうなったとか、行政改革会議、今日も松田局長がお見えでございますが、そういう経緯で語られることが多いんですが、どうして郵政公社の業務ということについて公務員身分を与えると、役職員に公務員身分を与えるのか、これはやっぱりこの委員会において、参議院において、政策論としてどうして公務員身分を与えなければいけないかということをきちんと御説明いただいた方が良いのではないかと思いますが、片山大臣の方から御答弁いただきたいと思います。
#41
○国務大臣(片山虎之助君) 今、松井委員言われましたように、基本法の中で国家公務員の身分を与えると、こう書いているんですね。しかし、それは法律で決まっているからそうなったということだけでは説明できませんし、恐らくその基本法を決めるときには大議論が、法律を出す前にも法律を出した後、国会でも私はあったと思います。思いますけれども、何で公務員かと、今までの公社は公務員でなかったわけですから、みなし公務員でございますから、それまでの公社は。
 恐らく、このユニバーサルサービスを確保するということ、しかもその確保すべきサービスが国民の生活保障といいますか生活基盤といいますか、そういうサービスであること、そういうことからいうと、職員については守秘義務をしっかり守ってもらう、あるいは政治的行為では中立でやってもらう等の、やっぱり公務員のそういう制約を掛けたままにする。現在は国の事業として国家公務員でございますが、そういう仕事の性格等からいってそのまま国家公務員の身分は残した方がいいと、こういう私は考え方だと思います。
 しかし、国家公務員にしますけれども、それまでも、今も現業でございますが、もっと弾力的な国家公務員にしようと。例えば、何度も言いますけれども、任用だとか処遇、特に給与だとかについてはある程度、余りほかの公務員と違っちゃ困りますけれども、むちゃくちゃ違っちゃ困りますけれども、ある程度は公社の経営にリンクしたような、そういう自由度を与えて頑張ってもらおうと、こういうことであろうと思っております。
#42
○松井孝治君 中立性とかあるいは守秘義務というお話がありました。しかし、この委員会でも若干議論出ていますけれども、中立性とか守秘義務といっても、例えばこれはこういう審議を聞いていただいている方、あるいは後で議事録を読まれる方によく考えてほしいんですけれども、電力会社というのがありますね。これは供給義務がございますね。それから、例えば総務委員会ですから大臣もよく御存じの通信会社、NTTであるとかあるいはサービスプロバイダーと言われるようなインターネットのプロバイダーですね、こういったところはみんな通信の機密を扱っているわけですね、国民のやり取りを。しかも、最近、サーバーに過去のログが山のようにありますから、信書のいついつのバッチ処理じゃなくて、もうストックがあるわけですね。こういう方々は当然のことながらやっぱりその業務を行う上で中立性も求められる、あるいは通信の機密を保持しなければいけない。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 そうすると、これは民間企業で個別に行為規制を掛けて、法律でそれは罰則付きの法律をきちんと義務を課して通信の機密なら機密を守っている。あるいは電力会社がこの人は気に入らないからといって電力供給しないというようなことがあってはいけないから供給義務が課されている。こういうものは現実に民間企業に対して規制を掛けるというような形で確保されているんですね。
 何でそれでは駄目で、今回の郵政公社は国家公務員の身分を与えることになったのか、もう一度、大臣、御答弁をお願いします。
#43
○国務大臣(片山虎之助君) 委員言われるとおりですよ。法律で書けばいいんです。法律で書いて、個別に義務を課せればいいんです。だから、昔の公社の職員は、ある部分は公務員とみなして、公務員と同じような規制を掛けたんですよ。だから、今言われるように、電力会社や電気通信事業者や、法律に書いておればそれはそれで守られるわけですけれども、そういう議論もあったと思いますが、私は今のままで、今の現業の国家公務員の上で丸ごと公務員として残した方がトータルではメリットが大きいと、こういう私は議論だったと思います。
 議論としてはいろいろありますよ。しかし、そういうことで国会で基本法の中でしっかり決まったわけですから、我々としてはそれを尊重してやると、こういう立場でございます。
#44
○松井孝治君 そこのトータルとして公務員の方がいいと、ここをもう少し聞きたいんですよ、非常に大事なポイントですから。
 国民から見たら郵政公社と名前が付く、正に大臣おっしゃったように、過去の国鉄でも電電公社でもみなし公務員であって、公務員じゃないんですよ。何で今回の郵政公社は公務員なのか。今、大臣自らおっしゃったように、法律で規制すれば民間だってできる。おっしゃったような中立性とかあるいは機密の保持、民間でもできるとおっしゃった。
 にもかかわらず、何でそれを公務員でやろうとしているのか。これはひょっとしたらやっぱり職員のことを考えているんじゃないかと、公務員の身分を保持してやりたいと思っているんじゃないか。あるいは、もっとうがって言えば、総務省の中央官僚が、公務員という身分だったら人事異動で幾らでも枢要なポストを占められますから、それを保持するために公務員組織にしているんじゃないかと、そういう見方だって国民にはあるかもしれない。
 この際、やっぱりきちっと、何でトータルとして見て公務員の身分を保っているのか。いや、それは中央省庁基本法に書いてあると、改革基本法に書いてある、そうかもしれないですけれども、別の国会での話でありまして、今やっぱりここの国会として、郵政公社、その身分は公務員とするというふうに法律で書いているんだから、その政策論としての必要性、何で公務員でなければいけないのか、トータルとしての御判断を是非大臣から明らかにしていただきたいと思います。
#45
○国務大臣(片山虎之助君) ぎりぎり言えば、立法政策の問題なんですよ。だから、公務員にせずに公務員的な制約を幾つか掛けていく方法を取るか、公務員にしておいて民間的なやり方を導入するか。
 今回のこの郵政公社の職員については公務員にしておいて、あなたが言いましたように、人事異動をやりやすいとか給与がどうだとかということじゃないんですよ、これは公社に任せるんですから。総務省がやるわけじゃないんですよ、任命権は公社の総裁にあるんですから。そこで自由にやらせようと。
 公務員にしておいて、普通の公務員じゃないような特別の公務員としてのやり方をやろうと、こういう立法政策上の判断でこういう形にしたわけでありまして、それはあなたが言われるように、公務員に、そうでないと公務員のことをわっと法律で書いていく、こういうやり方もありますよ。しかし、総合的にはこのやり方の方がメリットがあると我々も思っておりますし、当時の国会もそうお考えになったわけでありまして、それは皆さんで決めたんですから、私どもで決めたわけじゃないんですよ。国会で国民の意思でお決めになったんですよ。それを尊重しないというのはおかしいですよ。
#46
○松井孝治君 いや、それは国会で決めたんです、そのときの判断として。だけれども、今また国会に出されているんですよ。
#47
○国務大臣(片山虎之助君) だから、今いろいろ判断だと。
#48
○松井孝治君 だから、その立法政策を今お伺いしているわけですよ。でも、今のお話を聞く限りにおいては、やっぱり民間で一生懸命やっているそういう立場の方々からいえば、何で国家公務員なのか釈然たる説明ではないと思いますよ。
 立法政策の問題だ、そういう考え方もあるけれどもこういう考え方もあるということであれば、逆に言うと、今、小泉さんがおっしゃっているような私的な懇談会でやっておられるようなところで公務員身分を外すということがあっても、それは立法政策ということで別の考え方もあり得るというふうに大臣はおっしゃっているように聞こえますけれども、そのように解釈してよろしいですか。
#49
○国務大臣(片山虎之助君) 最終的には国権の最高機関である国会でお決めになるんですよ。だから、我々はこういうことが正しいと思い、基本法を受けてこういう案を出しておりますけれども、いや、それは違うんだと。国会の意思としては別だというなら、どうぞそういうふうに国会でお決めになればいいんです。国会が決めるんですよ、国権の最高機関ですから。
#50
○松井孝治君 そんなことを言ったら、当然そうなんですよ。国権の最高機関であり、だから議論をしているわけですよ。
 余りこれで押し問答していてもしようがないですから、もう一点それに関連して、これ、十六日の同僚の浅尾委員の御質問の中で、人事院総裁が浅尾委員の、小泉さんはどんどん民間と競争させるんだと。しかし、そういう民間と競争させるような仕事を本当に公務員に就かせていいのかという質問がありました。
 それに対して人事院総裁は、郵便法の第一条において「公共の福祉を増進する」という規定がある。郵便貯金法、簡易生命保険法では「国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」という規定がある。そういう意味で、公社の業務の公共性が非常に高いと考えられる。こうした職務を公務員と位置付けることは戦後の時期にあったので、特別に公務員身分を付するということは、そういう考え方は理論的に整合性が取れないわけではない、非常に微妙な答弁をしておられます。
 そこで、じゃ、そうなのかなと、何となくもっともらしい、総裁の第三者的なお立場ですから、そうなのかなと思われる方も多いかもしれません。しかし、今、先ほど来の話につながるんですけれども、電気通信事業法第一条、これはですから通信事業者ですね、「公共の福祉を増進することを目的とする。」と書いている。電気事業法、電力会社、これも「公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。」と書いてある。ほかのものもありますよ。社会福祉法では、第一条では「社会福祉の増進に資することを目的とする。」と書いてある。医療法の第一条には「国民の健康の保持に寄与することを目的とする。」と書いてある。
 要するに、公共性というのはいろんな職種にあるんです。いろんな職種にあるけれども、じゃ、それをすべて公共性のある職種を公務員とするなんということを考えていたら、これはとんでもない社会主義の国家になってしまいます。我々の考え方は、そういう公共性があるからといって、それを全部役所がやらなければいけない、公務員でやらなければいけない、もうそういう考え方をそろそろ卒業しなきゃいかぬのじゃないか。
 そういう意味では、片山大臣も、私に対する答弁で、決して別に行為規制において縛って、民間事業者、それがその役割を担うということは否定されていないと思いますけれども、片山大臣、そもそも公共性のあるものについて公務員身分を持った者がやらなければいけない、そういう考え方にとらわれて今回、国家公務員身分を公社の職員に与えているわけではないということは御答弁いただけますか。
#51
○国務大臣(片山虎之助君) それは公共性の程度によるんですよ。公共性の濃いものは公務員にした方がよろしい、公共性があるけれどもそれがやや薄いものは公務員でなくてもいい、そういう最終的には判断なんですね。
 そして、何度も言いますけれども、中央省庁改革基本法でそういう判断をされて国会がお決めになって、我々もそれが正しいと思って、こういうことで法案を提案させていただいて、衆議院は通していただいたわけでありますけれども、しかし委員のような意見があっても一つも構わない。それはもういろんな意見があっていいんですよ。その意見が多数を取ればいいわけでございまして、私は公共性の程度からいって公務員が適当だと、こう考えております。
#52
○松井孝治君 今の郵便局の具体的な業務、サービスについて、少し観点を変えてお尋ねしたいと思います。
 今回、公社化されたわけでありますが、地域、特に過疎地域、山村などにおいて郵便局が果たしている役割というのはもう参考人の質疑でも明らかになったと思います。私は、やはり郵便局がもっと多様なサービスを提供していかなければいけない、地域に密着したサービスを提供していかなきゃいけない、そういうふうに考えています。この話は片山大臣からも前向きな御答弁がこの委員会においてもあったと思います。
 今の現実の姿は、昨日、総務省の方においでいただいて確認もさせていただきましたけれども、やはりいまだに、例えば郵便を扱っているけれども封書は販売しておられない、現金書留封筒のような特別なものを除いて。ボールペンのような文房具も販売しておられないし、便せんも販売しておられない。
 もっと言うと、官署法が通りましたけれども、例えば地域の方々からいえば、パスポート、民間の旅行社か何かに頼めば手数料を払ってでも取ってくれる。しかし、郵便局に行ってもパスポートぐらい、それこそ公務員身分なんだったらパスポートの申請ぐらい受け付けてくれてもいい、若干の手数料を払ったっていいから、そういう声はあるわけですよ。
 しかし、結局のところ、聞いてみると、例えば法律上、この公社化法の実際の郵便局の事務の中の附帯業務でそれを読めるのか読めないのかという話を聞きましたら、それは読める可能性はあると。読める可能性はあるけれども、やっぱり結局、官が、そういう地域には文房具屋さんもあると、あるいはいろんなサービスを提供しておられるところがあると。そうすると、官業が、官がそれを圧迫してはいけないということで、むしろ自粛しておられるというようなお話を伺いました。
 私が言いたいのは、単に公務員の身分を捨てろとか付与するのがおかしいとかいうことじゃなくて、もっと地域のサービスを考えたときに、やっぱり職員が公務員であることによって、公社の方々自身もあるいは総務省の方々自身もやっぱり官がそこまでやってはいけないというブレーキが掛かってしまうじゃないか。それは本当の意味での地域が欲する、地域のニーズのあるサービスを提供するという本来の今回の郵政改革の本旨からいっても外れるということになっていないか、それを伺いたいわけですが、大臣の見解を承りたいと思います。
#53
○国務大臣(片山虎之助君) 基本的には総理がいつも言われるように、民ができることは民でやってもらう、民ができないことを官がやる、民業の補完ですね。私は、郵便局で、便せんを売ったり、封筒を売ったり、ボールペンを売ったりするところがなきゃ郵便局で売ったらいいと思いますよ。今は国そのものですから、そこは今、委員が言われるような遠慮があったかもしれませんけれども、今度は公社ですから。
 地域の状況によりますよ。そういう店が一杯あるのに郵便局が割り込んでいって競争するというのは私いかがかと思いますけれども、そういうところがずっと離れたところしかないようなところで私は郵便局がやるということについて、郵便局もやりたいと、今度の公社の経営陣もそれは是非やらせようと、地域は大歓迎だと、こういうんなら大いにやってもらったらいい。
 もうできることは何でもやったらいいと私言っているんですよ。コンビニもやったらいいと言っているんですよ。いやいや、弁当を売ってもいいんですよ。ただ、しかし、それは公社の自主性は尊重しますよ。そういうふうに私はこの法律は運用していくべきだと、こう考えております。
 それから、パスポートは我々はやりたいんですよ。しかし、これは外務省の方が、やっぱり今パスポートの偽造や何かが多いんですよね、だから本人確認をしっかりしなければなかなか難しいというお話ですから、我々は、郵便局でできる公共サービスはできるだけ増やしていきたい、しかし、取りあえずは今の証明書の申請交付の六業種を中心にやろうと、それ以外は、独り暮らしのお年寄りなんかのケアをやろうと、日用品の搬送や。あるいは、いろんな、これは事実上の協定でやるわけでありますが、例えば廃棄物の投棄の現状の通報だとか、災害現場の通報だとか、道路の損傷だとか、あるいはごみ袋を、この特定のごみ袋でごみを収集したいので、そのごみ袋の販売を市町村に頼まれて郵便局がやるとか、今一杯やっていますよ。
 私は、そういうことで郵便局がお役に立つのなら──もちろん、経費の問題はありますよ。だから、ワンストップサービスは市町村から委託料をもらうんです、機械も市町村に置いてもらうんですね。だから、それ以上お金が掛かるなら話合いでもらってもいいんです。
 そういうふうに、コストの問題もありますし、要員の数の問題はありますけれども、できるだけ地域のお役に立つような公共サービスは、民を圧迫しない限り私はやってもらう方が適当だと、こう考えております。
#54
○松井孝治君 分かりました。それは是非そのような形で、これは郵政公社全体がやるかやらないかということではなくて、地域の実情に応じて、附帯業務で読んでいいんじゃないかという判断を弾力的にやってほしいと思うんですね。
 今でも、例えば自動販売機なんかを構内に置いたりしておられるケースはありますけれども、どうも、これ聞いてみると、賃貸料を取れない。そうじゃなくて、スペースがあったら、多少賃貸料を取ったって、別にコンビニが中に出店したっていいわけですし、やっぱり住民本位のサービスを提供してほしい。
 その上で私の意見を申し上げれば、そういうことをやるためにもやっぱり公務員身分というものは、今回はこういう法案を出されていますが、今回、この法案を今直ちに修正してくれというふうに言えませんけれども、議事運営上、しかしながら、やはり今後はそういうことも含めて検討をしていただきたい。
 たしか、行政改革会議の最終局面においては、これは、今回のは、郵政は国営の公社でありますが、私の記憶が間違っていなければ、国有の公社という案もあったように思っております。そういう意味では、いきなり民営化というのが一足飛びにできるのかどうかは別としても、例えば国有民営という発想があってもいい、必要な職員に対してはみなし公務員の縛りを掛ければいいし、個別の行為規制を掛ければいい、そういうふうに私は率直に言って考えているわけです。
 今の大臣のお話を伺いますと、私の発想と、郵便局が担うべき業務あるいはそのフレキシビリティーという意味では近いようにも受け止められるんですが、これは政治家としての思いでも結構です、今のこの、公社化後の話になりますけれども、例えば国有民営というようなステップというのは将来的に考えられないのかどうか、これ、ちょっと大臣の政治家の思いで結構ですので、御答弁いただけないでしょうか。
#55
○国務大臣(片山虎之助君) 今回は国営公社です。御承知のように、国有公社という議論も議論としてはございました。
 だから、国有民営という、この民営ということで公務員の身分を外すということに御主眼があるのかもしれませんが、そこを置けば、私は、経営は民営の精神でやるということで、実質民営でやると、そういうことでございまして、ただ、公務員の身分を外せというところにもし委員のポイントがおありになるなら、そこは私は公務員の方がいいと考えております。
#56
○松井孝治君 そこの実質民営というところが、ちょっとこの後聞かせていただきますが、やや紛らわしいところがありまして、お話を続けていきたいと思います。
 出資規定の問題に移らせていただきたいと思います。
 今日、松田局長おいでいただいておりますが、今回の法案では、衆議院における修正によりまして、公務員組織である郵政公社が営利企業に出資ができる、これは子会社を作れる、そういう規定があります。これまで、職員が公務員であるような組織であって営利企業に出資ができる、子会社を作れるというような、そういう法人はございましたでしょうか。
#57
○政府参考人(松田隆利君) お尋ねの趣旨は、国とは別の法人格を持つ組織でということであろうかと存じますが、職員が国家公務員の身分を有するもの、そういうものが民間の営利企業への出資について規定を持っているというものはこれまであったのかということでございますが、現在までのところそういうものはございませんと認識いたしております。
 ちょっと敷衍させていただきますと、こういういわゆる特別の法律に基づきます法人、いわゆる特殊法人等があるわけでございますが、職員が国家公務員の身分を有しているものが、戦後の一時期、配給公団等ですとかあるいは発足時の住宅金融公庫あるいは国民金融公庫は国家公務員の身分を有しておりましたが、その後はそういう国家公務員の身分を有するそういう特殊法人というのはございませんでした。
 ただ、今御議論をいただいております日本郵政公社は、国家公務員の身分を有するということになっておりますほか、先生御存じのように、独立行政法人につきまして非公務員型のものとそれから公務員型のもの、両方を認める制度になっておるわけでございます。
 既存の独法、独立行政法人ではこういう民間への出資規定を持っておるものはございません。しかし、今後、今回の国会で成立いたしました石油公団とそれから金属鉱業事業団を改組いたしまして石油天然ガス・金属機構という独立行政法人ができますが、これが出資規定を持っております。しかし、これは非公務員型でございます。
 しかしながら、今後、公務員型のものにつきまして全く出資規定を持たないものがあり得ないかといいますと、そういうことではございませんで、中央省庁等改革の推進に関する方針、これは中央省庁等改革推進本部決定でございますが、平成十一年四月に全閣僚をメンバーとして決定されているものでございますが、ここで決められた方針におきまして、「独立行政法人による出資等は、独立行政法人の本来業務及びそれに附帯する業務に係るもの以外には認めないものとし、」、そして、「個別法令に定めがある場合に限る」ということにいたしておりまして、個別法令で規定をすれば公務員型の独立行政法人についても出資規定を有する可能性が今後出てまいることはあり得るものと考えております。
#58
○松井孝治君 御丁寧な答弁、ありがとうございました。もう松田局長結構でございます、お忙しいでしょうから。
 要するに、いろいろおっしゃいましたけれども、ないんです。公務員身分を持っているこういう法人でそれが出資規定を持っているものはないんです。じゃ、ないからこれは非常に問題かというと、ほかにも今後あり得るよということを今、松田局長がおっしゃったんだと思いますが、それは役所同士の、大臣の部下ですから、そういうことも含めて御丁寧な答弁を、端的にお答えいただければそれでよかったんですが、いただいたんだと思いますが、要するに、ないんですね。やっぱりちょっと異例ではあるんです。これが法律的におかしいということかどうかは別として、異例ではあるんです。
 そこで、ちょっと人事院総裁にお尋ねしたいんですけれども、今の国家公務員法、特に百三条は、公務員の私企業からの隔離という規定がございますね。ところが、これ、そもそも公務員の組織が組織としてその中核業務に密接に関連するものを、今回の郵政公社の出資規定というのはそうなんですが、子会社として持つということになれば、国家公務員がその職務上その業務に密接に関連して私企業と様々な接触を持たざるを得なくなる。しかも、それはいわゆるアウトソースとか契約とかいう関係ではなくて、当該民間企業と公務員組織の間には出資という支配的な関係が成立するわけなんですね。
 これが適法か違法かということは別として、国家公務員法、例えば百三条もそうですが、国家公務員法というのは、そもそもこういう公務員組織が自ら株式会社を設立し得るというようなもの、そういうものをそもそも想定していたというふうに総裁はお考えになりますでしょうか。
#59
○政府特別補佐人(中島忠能君) 公務員法上の議論として申し上げますと、ちょっとそこは擦れ違いがあるんじゃないかというふうに思います。
 もう少し具体的に申し上げますと、国家公務員法というのは一般職国家公務員の採用とかあるいは給与を始めとする処遇とかあるいは身分保障とか服務というものを規定する法律でございます。公務組織の仕事の仕方ということについて規定している法律ではございませんので、出資をするということについての是非の判断というのは公務員法上の問題ではないというふうに思います。
#60
○松井孝治君 そういう御答弁でしたらちょっと角度を変えますけれども、例えば郵政職員、総務省の職員が、あるいは郵政公社の職員が、公務員ですね、その出資会社に天下りする場合、これは前回の委員会での御質問にもあったかもしれませんが、子会社の設立というのは公社法の二十一条にありますけれども、郵政業務に密接に関連する事業を行うものでありまして、出資を行う以上、その経営に影響力を行使することは明らかであります。したがって、百三条の二項にある郵政公社と密接な関係にあるものには就いてはならないというそういう規定、改正後の百三条第二項ということになろうかと思いますが、それに該当して、公社から出資会社への天下り、再就職は、原則すべて国公法百三条第一項、第二項、これ私企業からの隔離という規定でございますが、その対象、すなわち人事院の天下りの承認対象になるということは確認させていただきたいんですが、そのとおりでよろしいでしょうか。
#61
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今、先生が質問の中でお述べになったような意味においてやはり密接な関係にあるというふうに認識いたしますので、人事院の承認対象になるというふうにお考えいただいて結構だと思います。
#62
○松井孝治君 そこで、内閣官房からおいでいただいておりますので、伺いたいんですけれども、天下り規制、今、公務員制度改革大綱において、天下り規制について、これは人事院が今個別に今の承認などを行っているわけですが、そこから、基準づくりは内閣でと、そして個別の天下り、再就職は各省の責任、人事権者の責任という改革の方向が出されています。これ、今、室長の下でその法案の準備、法改正の準備が行われていると思うんですけれども、そういう大綱に基づいて法律改正が行われるということになると、国家公務員法百三条は当然改正されるということになろうと思いますけれども、この百三条の第一項、第二項に規定するような私企業からの隔離の基準は、今後より強化されることになるんでしょうか。具体的にどのような基準を内閣として今作ろうとしておられるんでしょうか。具体的に官民の遮断というのはどういう形で行われようとしているのか、今現在で御答弁できる内容があれば教えていただきたいと思います。
#63
○政府参考人(春田謙君) お答え申し上げます。
 再就職の問題につきましては国民の大きな関心の対象になっているということ、十分に受け止める必要があると考えております。
 今回の改革におきましては、第三者機関であります人事院に承認基準の設定あるいは承認をゆだねるという現行の制度を改めまして、内閣自身が厳格でかつ明確な承認基準を定め、内閣自身の総合調整の下に各大臣が責任を持って再就職の承認を行うということによりまして、国民に対して責任の所在を明確にした仕組みを整備するということにしたところでございます。
 今お尋ねの承認基準の内容につきましては、不承認とすべき権限あるいは予算関係、こういったものを明確に列挙するということなど、各大臣が行う承認審査におきまして統一的で客観的な判断の下に適正な運用が確保されるようなものとするということにしております。具体的内容につきましては現在検討中でございます。
 この承認基準につきましては詳細なものとするということが必要になると考えておりますが、その関係では政令に委任するということを考えておるところでございますが、私ども、平成十五年中に取りまとめをいたしまして、国会に提出することに予定をしております国家公務員法の改正案の法案の審議におきまして、承認基準の考え方についても御説明申し上げることになると考えております。
#64
○松井孝治君 要するに、まだ細かいことは決まっていないということだと思うんですね。
 そこで、これ総裁にお尋ねしたいんですけれども、これ、今のような形で大綱によって、天下り規制が内閣に移される、そして個別の承認不承認が各省に移される、そういう状況が近い将来想定されるわけですね、大綱が現実に立法化されれば。
 そういう中で、今回の法律では、総務大臣が郵政公社がどういう子会社を作るかということについての許認可権限を持つわけですね。そして、その同じ総務大臣が、この公務員制度が変われば、その郵政公社の職員が、その郵政公社が作った、要するに総務大臣が許可した子会社に天下りをする、その承認不承認の判断も総務大臣が行う、あるいは郵政公社が行うのかもしれません、ひょっとしたら人事権者というのは郵政公社かもしれませんね、総裁かもしれませんね。そういうことになるわけですね。
 こういうことになったときに、子会社を作るのも総務相が判断する、そしてその子会社に郵政公社の職員が天下りをするというのも総務大臣あるいは郵政公社の総裁が判断権を持ってしまう、人事院は蚊帳の外に置かれてしまうということが、今の大綱が現実に立法化されればそういう可能性が相当あるわけですが、果たしてこれで官民のしかるべき関係というものが維持できるかどうか。これは総裁の率直な御感想を伺いたいと思います。
#65
○政府特別補佐人(中島忠能君) 日本というのはG5の国の中でも非常に珍しい国でございまして、官庁が再就職のあっせんをするという唯一の国でございます。したがいまして、再就職をあっせんする最高責任者、その最高責任者が再就職の是非を判断する最終責任者というのは、それは駄目だろうということを、この案が公表されるとともに、もうすべてのジャーナリズムあるいはすべての評論家、最近は違った観点からですが学者の先生までもそうおっしゃっているということでございますので、今、先生が具体的に郵政公社の総裁が郵政公社の職員が出資先企業に再就職する場合に承認するというのはやはりおかしいじゃないかというのはごもっともな御意見だというふうに思います。
 この問題は何回も議論されまして、そして行政改革推進本部の事務局の方あるいはまた責任者の方が、承認基準を厳しくするとかあるいは更に詳細な公表をするとか、いろいろ御説明されますけれども、それで納得したという声は全然出てきておりませんから、やはり世の中はそれを支持していないというふうに考えてもいいんじゃないかというふうに思います。
#66
○松井孝治君 大臣、今非常に総裁から今の内閣の方針に対して厳しい指摘がございました。正にその郵政公社の、この法案に基づいていくと、正に大臣がその子会社を作るという責任者にもなり、そして大臣あるいは大臣の下に置かれる総裁がその天下りの審査権も持つと、やっぱりこれは世間が納得しないんじゃないか。人事院総裁が第三者機関の長としてそういう御発言が今ありましたが、どういうふうに考えられますか。
#67
○国務大臣(片山虎之助君) この問題はいろんな意見があるんですよ。世間というのは何かよく分かりませんでしょう、この場合。どうもジャーナリズムが世間みたいなことを言われているかもしれませんが。大いに議論をして、一番いい方法を取ればいいんですよ。まだ決まったわけじゃないんです、これは。
 それから、我々の郵政公社の方も、全体の今の公務員の再就職、退職管理の問題の方向が決まってから適切な対応を考えようと、こう思っておりますし、それから、すぐ委員は子会社、子会社と言って、これはそんな勝手に作れるものじゃないですよ。どういうものを作れるかは政令で書くんです、ぴしゃっと。しかも、一件審査で個別の認可をして、国民が納得できるようにやりますよ。しかも財務省とも相談するんです、出資ですから。
 そういうことで、全部オープンにしていきますから、勝手に子会社を作ってどうにかやって天下りのところ、そんなことは一切考えておりません。また、この再就職についてもしっかりした基準を作って、皆さんから見ても国民から見ても、それはおかしくない、もっともだと、こういうふうにいたします。
#68
○松井孝治君 力強い答弁をいただいたので、これはきちんとした基準ができるものだと本当に期待をしております。
 ただ、大臣、やっぱり総裁はこの問題についてしかるべき権限を持たれた第三者機関の長ですから、その総裁の発言というのはそんなに軽んじてはいけないものじゃないかなと私は思いますよ。どうか、ジャーナリストの声が国民の声と、ジャーナリストの声も国民の声の一つですし、それを踏まえて総裁が御発言しているんですから、そこはやっぱりきちんと大臣耳を傾けていただいて、李下に冠を正さずというような運営をきちんと行ってほしいことを申し上げておきます。
 私がこういうふうに公務員の身分に何でこだわるのかというと、やっぱり従来、中央省庁を頂点とした、大臣も私も経験がありますから大臣も分かっておられると思いますが、そういう官僚の組織が政策の企画立案もやる、同時に、いろんな行政サービスの提供というような政策の実施まで全部やるという発想がやっぱりそもそも、この郵政の改革の原点であった行政改革会議でもそれはおかしいと、それは両方にとっておかしいと。
 行政サービスを提供している現場からいうと、そんな頭でっかちなことばかり言われても、国民に対していいサービスを提供しなきゃいかぬのだという部分もある。逆にいうと、郵政の場合がそうかどうか分かりませんけれども、政策の企画立案が非常にいろんな行政の実施の部分のしがらみにとらわれてしまって、伸びやかな国民本位の政策の企画立案ができない、だからこれをきちっと分離をしなければいけない。分離をした上で、政策評価などの形でそれがきちんとフィードバックできるような形にしなければいけないというのが根本だったわけですよ。
 しかし、今のこの公務員組織ということにしてしまうと、結局、今現場の声でも一番不安がっておられるのは、中央官僚がどんどんどんどん天下りをする、あるいは天下りという定義に入らないかもしれないけれども、総務省のお役人が実際の現場に来てパラシュートのように中枢を担われる、こういう形で本当に国民本意の行政サービスが提供できるのか、こういう不安が一番現場にはあると思うんです。これ、現場というのは労働組合の人という意味じゃありません。労働組合の人もそうかもしれないし、本当に地域でまじめに郵便サービスを担っておられる皆さん方から見てそういう不安がある。だから、そこの部分をきちんと明らかにしなければいけないという意味で私は公務員身分ということについて伺いをしているんです。何もだれかから公務員身分を引きはがすということに喜びを感じる、そういう議論をしているわけではないので、是非そこは御理解いただきたいと思います。
 そこで、せっかく人事院総裁においでいただきましたので、一つ、ちょっと郵政からは外れるんですが、お尋ねをしたいことがございます。
 それは、そもそもこの公務員制度全般、この郵政の問題もそうですけれども、私は、役人がいったん何とか省、総務省であるとか郵政省であるとか、そこに入省したら一生その省のために働く、その省はその働きに応じて処遇する、天下りも含めて、こういう気風が現実にあるわけですね。しかし、こういうことがある意味では国益よりも省益を前に置いてしまうという今の公務員のモラルの低下につながっているんではないかと思うわけであります。
 郵政関連でも、総務省の職員の方が公社に出向しても、結局、総務省の監督部局の顔色ばかり見ているということになったら、何のためにこの郵政改革を行っているのか、これだけ労力を費やしているのか分からなくなってしまうと思います。
 そういう意味では、もう何か学校を卒業したらすぐにある役所に勤めて一生そこに働くんだという考え方はちょっと見直して、外部の方を、例えば郵政でも例えば金融関係の仕事をした人が郵政公社に入ってくる、あるいは一般的な公務員制度で外部のしかるべき経験した人が途中から公務員の世界に入ってくるということを、もっと官民交流を、本当の意味での官民交流を、リボルビングドアという言い方もしますけれども、そういうことを、健全なものを促進していかなきゃいかぬのじゃないか。
 そのためには、やっぱり私ハードルが高いと思うんですね、今。やっぱり私も民間の方と、出向されてこられた方なんかとも一緒に仕事をしたことがありますけれども、役所の仕事の仕方というのは民間とは大分違います。その中で、役所の仕事の仕方を覚えるのに一年二年すぐ掛かってしまう。そうすると、せっかく能力は非常にあるけれどもその役所の仕事に生かせない。したがって、民間から役所に途中で中途で入ろうと思っても、役所側もそういうなかなかすぐ即戦力にならないと言うし、民間側も役所に行ってもうまく能力を発揮できるかどうか自信がないという方が多いですね。
 そうした中で、今後の人事院、公務員制度改革の中で人事院の役割についても随分触れられていますが、一つの機能として、外部から中途採用する、そのときに、中途採用されるとき、例えばアメリカだったらいろんなガバメントスクールというのがあって、そこでミッドキャリアでいろんな政府における仕事の仕方みたいなことをトレーニングを積んで、プロフェッショナルスクール、大学院レベルのプロフェッショナルスクールがあってそこを経た人が途中から各省に入るなんということがたくさんあるわけですが、そういう研修組織のようなものを例えば人事院の今後の一つの機能として設置するというようなお考えはございませんでしょうか。
#69
○政府特別補佐人(中島忠能君) 御提案は非常に重要な御提案だというふうに思います。
 また、官民交流といいましても、実は日本の場合にはそれぞれの省庁の政策形成の中枢部にまで外部の人が実は入ってくるというのは非常に少のうございますので、本当の意味の官民交流というのはまだまだだという感じがいたしますけれども、しょせんは、それぞれの幹部公務員の皆様方の意識改革の問題だというふうに思います。
 ただ、最近、随分官民交流が進んでおりますので、意識改革というのは私たちが想像しているよりも早く進んでいくだろうという気がいたします。その場合に、公務員として仕事をしていただくわけでございますので、公務員としての基本的な心構え、仕事の仕方も含めまして、そういうことを徐々に研修していくということは大変大切なことでございますし、努めていかなきゃならないというふうに思います。今、そのための特別な組織を作るとか研修所を作るとかというところまでいかないと思いますけれども、そういう中途採用者に対する研修というものをやはり今の人事院の研修施設というものを使いまして徐々に拡充していきたいというふうに思います。
#70
○松井孝治君 是非その辺りは、人事院の役割がどうせ大綱をどう具体化するかにおいて問われていくと思いますが、一つの重点分野としてやっぱり民間から公務に入ってきていただきやすいような環境を整えていただきたい、そのことはお願いをさせていただきたいと思います。
 次の話題に移りたいと思います。
 人事交流の問題でございます。この委員会でもファイアウオールをどう設けるかという議論が随分行われてございますが、郵政公社が設立された後、公社が実務を担う、そしてその監督官庁であり制度企画官庁は総務省の郵政企画管理局が担われるというふうに考えています。
 これ、諸外国の例を見ますと、事業主体とその監督官庁の関係を言いますと、そもそも、これEUの資料があるんですけれども、EUでいうと多くの国はセパレートレギュレーター、別の規制権限者がミニストリーとは別にあるというところが多数を占めています。これは郵政事業に関してでありますが。
 やはり私、この郵政事業について、監督官庁と郵政公社の関係をどう整理するかというのは非常に重要な問題だと思います。人事交流というものを、この委員会でもファイアウオールを設けるという話がありますが、そもそも総務省の中に郵政企画管理局があるという形でいいのかどうかも議論がある、百歩譲って、総務省の中に郵政企画管理局があって、そこで監督権限を持っているということがいいにしても、やっぱりそこの、外国ではそのレギュレーターと公社との関係はあえて別の組織にしている、公社の所属と。というぐらいに、規制官庁と規制される側の関係というのはやっぱり襟を正さなければいけない、そのように考えております。
 そうした中で、役員についてはノーリターンルールを基本的に運用するというお話がございましたが、考えてみると、例えば総務省の郵政企画管理局にいらっしゃった方が公社に出向する、ちょっと前まで、昨日まで監督官庁にいた人が公社に行く、そういうことがあり得るわけですね。また、逆に言うと、公社に行って一生懸命営業努力をしていた、ヤマト運輸さんが参入されるかどうか知りませんが、例えばヤマト運輸と競争して頑張れと言って営業をやっていた人が今度は規制部局に戻る、あるいはそうやって営業していた人が今度は郵政公社の業務を評価するサイドに戻る、こういうことが当然起こり得るわけですね。
 ですから、そういう意味でファイアウオールはきちんと設けなければいけないんだというふうにおっしゃっていますけれども、本当にこういう人事交流、言葉で言うと人事交流ってきれいですけれども、正に監督と被監督の関係にある、あるいは監督者はその郵政公社と競争する民間主体も含めて監督をしなければいけないときに、こういう方が、役員に限らず職員がこういうふうに行ったり来たりするという関係で果たしていいものでしょうか。大臣、どういうふうに思われますでしょうか。
#71
○国務大臣(片山虎之助君) 今の郵政事業庁が郵政公社になるんですよ、取りあえずは。公社ないんだから、郵政事業庁が公社になるといって基本法にも書いているんで。だから、当面はそれは役所とできた公社と行ったり来たりある程度しますよ。しかし、しますけれども、今少なくとも松井委員が言ったようなことにはしません。
 ファイアウオールというお話でございますが、ファイアウオールを設けましてきちっと基準を作って、昨日まで郵政公社で仕事をやっていたのがそれを監督するところにすぐ帰るとか、あるいは民間との競争の云々とか、そういうことについては、いろんな疑惑というんですか、懸念というんでしょうか、そういうことを持たれないような人事の配置をやると。
 そういう意味がファイアウオールと、こういうことでございますけれども、だんだん公社自身が採用していってプロパーを育てていくんですよ。ただ、それまではやっぱり今の郵政事業庁の職員さんが中心でやるのはしようがないんで、できるだけそこは透明ではっきりした基準の下に、それこそ国民の目から見て納得できるような、そういう交流をしてまいりたいと。全く行ったらもう帰ってくるなと、役員はいいですよ、しかし職員はそんなこと当面はできませんよ。そこは十分委員の御懸念も念頭に置きながら考えてまいります。
#72
○松井孝治君 それは非常に大事なポイントでありまして、例えば財政と金融を分離したときに、あれも同じ公務員組織ですから当然、中央省庁ですから、あれはたしか部長以上で行かれた方はもう基本的にノーリターンで行くというような基準を作って運用されたと思います、大蔵省から金融庁に当時移られた方は。
 ですから、やはりこれ、特に中央官僚の場合、例えば課長クラスで総務省にお勤めである、そうなると、一般的に言えば、公社であるとかあるいは地方の出先であるとか行かれると、大臣御承知のように、大臣も御経験されていますが、ワンランクかツーランク上になるんですね。中央省庁で課長というのはやっぱり非常に大きな権限を持っていますし、その分野についてはやっぱり最終権限者に近い者である。
 他方で、郵政公社に行って、それは課長が何になるのか、部長になるのか何になるのか分かりませんけれども、それは公社の設計である程度人事的にどういう処遇をするのか決められるんでしょうけれども、非常にやっぱり中央省庁の課長クラスの方が行かれるとそれは責任は重い立場に行かれます、常識的に言えば。だから、私はそういうものを行ったり来たり、当然、郵政事業庁の今の方々が行かれないと郵政公社はできません。そんなことは当然です。ですけれども、やっぱりしかるべき、役員なんというのは、ある意味ではそれこそ長官を経験されたような方が役員に行かれるというぐらいのポジションでありまして、もっとその下のレベルでも十分、中堅幹部の職についてはこれはやはり紛れがないような厳正なファイアウオールというのを作っていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるとおりに、私もそういう配慮は当然必要だと、こう思っております。だから、郵政事業庁から行っていただきますけれども、ずっと公社で骨をうずめてもらうという方もそれはもう当然何人もできると思いますよ。ただ、やっぱり交流もしないと、こっちの方の何といいますか、活性化というのか、そういう刺激も必要ですから、だからどの範囲でどういう交流をするか、これは十分これから検討してまいりたいと思いますし、経営の責任をお持ちになる総裁となるべき人も設立委員の中に入っていただきますから、設立委員の段階でも設立委員会みたいなものができるんでしょうから、そこでも十分な御検討を賜りまして、やっぱり透明でいろんな心配がないような、そういうことにしなきゃいかぬと私も考えております。
#74
○松井孝治君 よろしくお願いします。
 そろそろ時間も迫ってまいりましたので、ほとんど終わりの方の塊の質問に移りたいと思うんですが、この新しい郵政公社ですが、やはりこれは現場が中心の事業体でなければいけない、やっぱり地域の住民という非常に大きな顧客に対していいサービスをする、それが基本となった組織でなければいけないというのはもう言うまでもないと思うんです。これは別に今までの組織を悪口言うというわけじゃなくて、役所の組織なんですから当然なんですけれども、やっぱりほかの役所と並びで、地方郵政局とかそういうものがあるわけですね。これは言ってみれば中間管理主体ですね。例えば、各管区ごとに人事管理をやったり予算管理をやったり、そういう組織は役所ですから今あるわけです。別にそれを悪口言っているわけじゃありません。ただ、こういう中間管理的な仕事というのはやっぱりできるだけスリムにして、顧客サービスを前面に出した組織にしていかなければいけないと思うんです。
 その意味で、この地方郵政局、これ、もしあれだったら、せっかく副大臣、政務官御出席いただいているんで副大臣から御答弁いただきたいんですけれども、地方郵政局というのはこれは郵政公社の中の内部部局になると考えていいですね、端的にそこだけ教えていただけますか。
#75
○副大臣(佐田玄一郎君) 現在の地方郵政局のような中間管理機関の在り方につきましては、公社制度の中で大きな検討課題としてこれからも検討していきたいと、かように思っております。その在り方につきましては、自律的、弾力的な業務運営を行うとともに、組織、職員数をスリムで効率的なものとすること等を基本として、まだ検討中でありますけれども、検討していきたいと。
 いずれにいたしましても、公社の組織というのは、最終的に設立委員や総裁となるべき者が公社設立の趣旨に踏まえましてこれからじっくりと検討していきたいと、かように思っております。
#76
○松井孝治君 この人事管理、予算管理、なかなか大変なことかもしれませんけれども、やっぱり役所の組織なんですね。三月期の決算、大臣、八十億円の黒字が出たということで胸を張っておられましたけれども、一月ぐらいまでは三百億円ぐらい赤字が出るというふうに言っておられたわけですね。それで、早期勧奨退職の方なんかも、これは赤字が出るから大変だといって年度を越して四月に退職される、三月末じゃなくて四月に退職、ふたを開けてみたら黒字出ているじゃないかと、そういう経営の読みの甘さもあるわけですよ。これは別に悪口言ってもしようがないです、役所の組織なんだからしようがないんですけれども、やっぱりそれはできるだけこれから効率的なものにしていかなきゃいかぬ。だから、それを、やっぱり余り業務に精通しておられない方が中央からぽんと来られて名誉職的にやっておられるというのは、ちょっとこれはスリムにしていかなきゃいかぬ。今のお話だと、中間管理組織は基本的にもうその役所の中からは外れて郵政公社の中でできるだけスリム化するという方向でしたから、是非ともそうしていただきたいと思います。
 それから、それと並んで私、ちょっとよく分からないのは、郵政監察局というのがありますね。この監査部局というのを、これ、今後、郵政公社に置くということなんでしょうか。そもそも私は監査部局を、まあ企業でも査定部局が企業の内部には小さなものはありますけれども、それをそもそも総務省に置いておく必要があるのかどうか、警察なり行政監察という制度があるわけですから、それを何重にも総務省の中に置いておく必要があるのかという思いもありますが、更に言うと、公社の中に置くという話をちょっと聞いたんですね。これは本当に、今後ある種の、公務員が構成員ですが、企業体として企業会計制度を導入してやっていかなきゃいかぬときに、本当に公社の中にこんな割と巨大な監察部局を持っているという必要性はどこまであるんでしょうか。また、公社の中に置いたということでは結局意味がなくて、そんなものは警察に任せたらいいんじゃないか、厳正な執行に任せたらいいんじゃないかと、しょせんお手盛りと言われるわけですから。
 そこについて、副大臣で結構ですから、御答弁いただきたいと思います。
#77
○副大臣(佐田玄一郎君) 郵政事業は日常生活に必要不可欠なサービスを提供しておりまして、国民が安心して提供を受けられるよう適正かつ確実な実施を確保する必要性があるということから、それを妨げる郵政事業に対する犯罪につきましては、これは同じく厳正に取り締まっていかなくてはいけないと、こういうふうに考えているところでありまして、郵政事業に対する犯罪は、郵便物の窃盗などその犯罪の端緒を発見することが困難であり、かつ業務の取扱い手続も専門的であるため、その捜査には専門知識が必要であると。今までもそういうことなんでありまして、そこで、郵政事業を実施する郵政事業庁内部に置かれました内部監察調査機関の職員に司法警察権を付与して捜査を行わせているものでありまして、公社化後においても、この郵政監察局の設置の必要性は変わらないと考えているところでありまして、引き続きそういうふうな形で検討をしていきたいと、かように思っております。
#78
○松井孝治君 何か、心なしか副大臣も答弁を読まれていてちょっと苦笑いをしておられたような気が私はしましたけれども、やっぱり官僚組織の発想なんですよね。ほかの、じゃ国民生活に密接なものとかお金を扱うもの、正に郵貯、保険もそうですけれども、競合会社だってそうなわけですよ。八百屋さんだってそうなんですよ。やっぱり、これから公社でもっと住民サービスを徹底するというときに司法的権限を持ったようなところを内側に置いてもしようがないんじゃないかと。それであれば、治安も悪くなっているんだからその定員を警察に差し上げてきちっと警察によって管理してもらった方がいいんじゃないか、チェックしてもらった方がいいんじゃないかと私は率直にそう思います。
 いずれにしても、もう時間が参りましたので終わりますけれども、やはりこの郵政公社、どうもお話を聞いているとまだまだ官僚的色彩が強いと思うんです。そういうことにならないように、公社ができましたら、やっぱり公社になって変わったな、職員の士気も上がったな、そして合理的になったな、そういうふうに言われるような組織でなければいけないし、また天下りの問題とかあるいは人事交流で、規制と規制を受ける側の癒着のようなことがささやかれないように厳正な運営をしていただきたいことをお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#79
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 今国会で注目を集めてまいりました郵政公社関連四法案も、参議院での審議が進みましていよいよ大詰めを迎えたわけでございます。与党の事前承認なしの閣議決定、国会提出を受けて、衆議院では度重なる緊迫した場面があったようでありますが、郵政公社関連四法案は政府原案を修正して参議院に送付するという異例の経過をたどりました。参議院では比較的冷静に議論が行われてきたと思いますけれども、郵政公社関係四法案が今国会の重要法案と位置付けられまして、この法案の成否が政局に絡むとまで言われましたが、郵政公社法案は、一府十二省庁に改編した中央省庁改革基本法に基づき、来年四月一日に郵政三事業を行うための新たな国営の郵政公社を発足させるという、本来は技術的な法律であったはずでございます。また、信書便法案も、どのようにすれば郵便事業に民間事業者の参入させられるのかという微妙な、これまた純粋に技術的問題をクリアしようという法律でございました。
 永年郵政事業にかかわった者として感じることは、郵政公社関係四法案が成立して来年から日本郵政公社の発足ということになれば、十年近く議論されてきました郵政事業の大改革がようやく実行されるということになります。国営の公社でありながら企業会計原則を導入して民間的な手法を取り入れ、自律的な経営を目指す。郵便局ネットワークを今まで以上に活用して新しいサービスを追求しながら、その一方でユニバーサルサービスを軽んずることは絶対許されない。大げさに言えば、百年に一度であり、戦後五十八年、現憲法下で初めての大改革と言っても間違いはないと私は思います。
 このような大改革を実現すれば、実績を上げ、これを安定するだけでも大変な仕事でございます。新体制を確立する、内部を整備する、時代に適合した新しい仕事に積極的に取り組む、厳しい評価に耐えるだけの実績を上げる、どれ一つを取っても生半可でできることではございません。公社の経営は、四年ごとに中期経営目標と計画を立てまして業績評価を行っていくということでありますが、これから何十年も掛かって新しい公社を完成させる作業が始まるんだと思っております。とても一年や二年で目鼻の付く話ではないと思います。
 現実の郵政三事業というのは、郵便局の数は二万四千七百局、ポストの数は十七万七千本、一日の郵便物数は七千五百万通、配達箇所は三千万か所、郵便貯金については、ATMの数は二万五千五百台、一日の通常貯金の受け払いは八百万件、定額貯金等の受け払いは六十四万件、郵便振替の振り込みは四百五十万件、簡易保険については、一日の申込み受付が二万六千件、保険料の受入れ六十二万九千件、保険金の払渡しは十八万七千件、これを担う職員数は三十万人というのが現実の数字であります。本委員会の中で、あえてこの現実の姿を数字によってお示し申し上げました。
 私自身もそこで働いておったわけですが、雨の日も雪の日も、一日も休むことなく離島や僻地でも、日本全国でほとんど完璧な仕事が百年以上も続けられてきました。国民一人一人にとっては、老いも若きも、喜びも悲しみも、社会生活の中でともにあったのが郵政三事業だったのではないでしょうか。
 新しい時代を迎えて、新公社はこのような先人の努力、国民の財産を引き継いでいこうとしているわけでございますが、公社後をどうするかという議論がもう行われていると。来年に発足する日本郵政公社というのは、また何年かしたら変わってしまうような軽いものではないはずであります。政治家の自由な論議は保障されなくてはなりませんけれども、責任ある政治家の姿勢、態度とは全く別のものだと私は思います。現実の郵政事業というのは、利用者にはもちろん、郵政事業に携わる者にとっても二年や三年たったらなくなってしまうような日本郵政公社であってはならない。戦後、内閣総理大臣は二十六人目ですが、一つの内閣の命運や一時の政局と同列に扱われるような話ではないと思うわけです。経営が成り立たなくなった、郵便が配れなくなったということでもない限り、そういうことは言えるのではないかと。
 今後、少なくとも何十年の単位で日本郵政公社が郵政三事業を担い、国民へのサービス提供と健全な経営が継続されるものと確信をしまして、そのために全力で取り組むべきだと考えますが、大臣の所見を冒頭お伺いしたいというふうに思うわけです。
#80
○国務大臣(片山虎之助君) 今、伊藤委員からるるお話がございましたが、本当に参議院では冷静な御議論をしていただきまして、さすが良識の府だなと、私は本当に感銘をいたしております。
 衆議院で修正をしていただきましたが、修正の方向につきましては、私も与党の皆さんに御意見を申し上げまして、我々の方向に沿った修正をより明確にしていただいたわけでありまして、大変それも、御苦労を掛けただけの意味があったと、こういうふうに思っているわけでございます。
 今お話しのように、郵政事業は百三十一年の歴史がございまして、本当に国民のネットワークが資産になっておりますし、言わば、やっていることは生活インフラですね。国民の基礎的な、基本的な生活を保障する、そういうサービスを提供すると、こういうことでございまして、いろんな国や県の機関がありますけれども、最も地域に定着し、最も地域の住民の皆さんに愛され利用されているのは私も郵便局だと、地元なんかを見まして、つくづくそう考えているわけであります。
 その郵政事業が本当に百三十一年ぶりの大改正、国の事業から国営公社の事業に変わる、国営公社の郵便局に変わると、こういうことでございまして、もう来年の四月からそうなるわけでありますが、やっぱり公社に変わった実績を国民の皆さんにしっかり見ていただいて、その上の評価で、それを続けていくのかあるいは別の方向があるのか、十分な御議論を賜りたいと、こう思っておりまして、そのためにも全力を挙げて私どもは国民の期待にこたえるようないい公社にいたしたいと。先ほども御質問ありましたが、公社になって変わった、公社になって良くなった、公社になってサービスの質も量も本当に向上したと、こういうことのために全力を挙げたいと思いますし、その成果を十分国民の皆さんに見届けていただいて、その中で大きな国民的な議論をしていただくことが適当だと考えております。
 考え方につきましては、伊藤議員に大変共鳴するところが多々ございます。
#81
○伊藤基隆君 私は、郵政事業を考えるときに郵便局ネットワーク、これをどう保持するかということをまず基本に考えていかなきゃならないと思っています。郵政本省、総務省があって、郵政局があって郵便局があるのではないとよく私は言います。郵便局がきちんと機能していて、それがきちんとネットワークされていて、その上にそれを経営する主体があるんだというふうにずっと言ってまいりました。
 そこで私は、ユニバーサルサービスという問題について少しお聞きしたいと思います。
 ユニバーサルサービスというものが義務的に課せられているということの重み、そのつらさ、そのためにやらなければならない多くのことということがこの背景にあるというふうに思いまして、今回の国会論議でもユニバーサルサービスが重要なポイントだったというふうに思っております。ほぼ全員の皆さんが大切だという立場で議論されてきておりましたが、私はユニバーサルサービスは絶対に大切だという立場で議論しなきゃならないと思っています。
 ユニバーサルサービスが象徴的な問題となるのは郵便の分野でありまして、今回、民間参入が焦点となった信書の取扱いであります。信書便法案に関する議論では必ずこのユニバーサルサービスという言葉が登場いたしました。ところが、論者によってこの言葉に込めた意味が異なっておりまして、議論は混乱をしたというふうに感じました。特に、今回、民間参入の候補となった宅配便事業者は、我が社は全国どこへでも配達すると言い、全国サービスを行っていると言うかと思えば、自分たちもユニバーサルサービスはできると言ったりもいたしました。この宅配事業者は、収集から配達に至る信書の送達のプロセスのうち配達段階のみに着目、言及し、収集という段階を見落として、触れておりません。ここに議論が混乱した原因があったように思います。議論をきちんとするためには重要な概念の認識のずれがあってはいけません。
 まず、ユニバーサルサービスとは何なのか、その定義、概念を明確にしていただきたい。単に全国配達というのとどこがどう違うのか、現在のいわゆるメール便はユニバーサルサービスと言えるのかが分かるように御答弁いただきたいというふうに思います。
#82
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 郵便、信書便の世界におけるユニバーサルサービスの問題でございますけれども、このユニバーサルサービスという言葉自体、郵便とか電気通信というふうな国民利用者にとって基礎的な通信手段というものでございますけれども、これがやはり全国津々浦々どこにでも、だれでもが利用しやすいということを確保するという概念だというふうに考えておりまして、その表現は、郵便でいいますと郵便法の一条で、なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供できるという規定で考え方が表現されているというふうに考えております。
 そこで、じゃ、具体的な内容は何かということでございますけれども、これは今度の郵便法及び新しいいわゆる信書便法で規定させていただいておりますけれども、具体的にはまず差出箱その他の簡易な引受け方法によりまして全国で引受け配達する、それから全国均一料金であるというふうなことでございまして、今御指摘の全国配達だけということではなくて、郵便の利用者というものは、だれもが利用できるということはだれもが差し出せるという条件が必要でございますので、事業者からいうと引受け、利用者から申しますとだれもが簡易に差し出しできるという条件、それから更に加えまして全国に送達がされるという配達と、その二つの条件が大きなものでございまして、このことは法律の中で具体的に決めさせていただいているわけでございます。概括的に言いますと、一般信書便事業の許可に当たりましては、全国における引受け・配達というシステムを確立して、これを実施していただくということで、こういう性格を所有してございます。
 それから、議論になっておりますメール便の世界ということがあるようでございますけれども、これは所管しておりませんけれども、貨物自動車運送事業法というところに基づきましてサービスが規定されておるようでございまして、これを見たところ、大きな違いはやはり二つありまして、メール便の世界というのは全国のサービスの義務はないというふうなことで、地域別に事業ができるということが一つでございます。
 それからもう一つは、引受け義務がないということでございますから、利用者との契約で事業を行うと。郵便の場合は、契約がなくても郵便を差し出せばすべてサービスするという引受け義務がございますけれども、その引受け義務がないと、そういう面では、郵便、信書便の世界でいいますユニバーサルサービスとこのメール便の世界というのは少し違った世界ではないかなというふうに考えております。
#83
○伊藤基隆君 郵便物というのは、人が郵便物に触れば触るだけコストが高まっていくというものでございます。
 そこで、個人の利用者の立場で考えてみますと、そもそも収集をきちんとしてくれなければ手軽に利用しようがありません。手紙やはがきも我が社ならもっと安くできるという発言がありましたが、なぜか確かめると、一か所から別の一か所に届けるような大口の締切り便を前提にした費用の計算を基に判断していたらしいということがうかがえます。また、年賀状はうちなら二十円でできるという発言もありました。年賀状というと、暮れに出すものもあれば、年が明けてから返事を出すものもありまして、年明けのものも安く扱うのかどうか明らかにされないまま言葉だけが独り歩きしたというように印象を受けております。
 どうも民間業者は一般の小口の利用者のことは余り考えていないのではないでしょうか。このユニバーサルサービスに関する議論のすれ違いの原因を別の角度から見ますと、クリームスキミングに関する認識の差があるからだとも言えると思います。クリームスキミングとは簡単に言えばええとこ取りだそうでありますが、利用者の中には、単位コストが低くて済む都市部の大口利用者もいれば、手間の掛かる過疎地の小口利用者もおります。大口利用者の利益を主体に考えればクリームスキミングは問題はありません。むしろ料金低下などのメリットが非常に期待されている、そういうこともあろうかと思います。しかし、小口の利用者の利益を主体に考えれば、クリームスキミングの結果、サービスのレベルが下がるか料金が高くなるか、いずれにしろ不利益をかぶることになるのであります。
 大都市から一斉に、しかも大量に発送された郵便物が全国に送達されます。これは都市間で配達するならばコストは掛かりません。都市部から地方へも配達することは比較的容易で、大きな採算割れにはなりません。しかし、郵便物が都市から地方へ一方通行で流れるわけではございません。地方から都市へ、過疎地から過疎地へ決して大量ではない数の信書が必ず出されているわけであります。これらの地方発の郵便物にコストが掛かっていることは自明のことでありまして、これらの地方発の郵便物を確実に届けない限りユニバーサルサービスの義務を果たしていることにはならないと思うわけであります。
 郵便への民間参入を既に進めてきた欧米諸国においても、この点、幾つかの歴史的教訓を得ているはずでございます。単純な自由化がクリームスキミングを招き、小口利用者の不利益をもたらした典型的な例としてスウェーデンの事例がよく挙げられます。スウェーデンにおける郵便自由化の経過と問題点を具体的に明らかにしていただきたいと思います。
#84
○政府参考人(團宏明君) 御指摘のスウェーデンの事例、我々の調べた限りでございますが、一九八〇年代以降、EU統合の中で郵便サービスの開放ということが検討されておりまして、スウェーデンにおきましても一九九三年に郵便事業に対する全面自由化が実施されたというふうに承知しております。その後、最大百五社に免許が交付されて、現在四十数社になっているということのようでございますが、主として市町村内、それから大都市内における書状の送達の分野に参入しているというふうなことのようでございます。
 最大手の参入事業者であるシティーメール社という会社があるようでございますけれども、これは都市部向けの大口差し出し書状のみを取り扱うというふうなことをやっているようでございまして、結果的に大口差し出しに集中的な参入が発生しまして、これに対抗する必要がございますので、郵便事業体も競争地域内だけでの料金値下げ、逆に小口料金の大幅値上げとか、そういうこともせざるを得ないという状況が発生していると。具体的に申しますと、一九九一年から二〇〇〇年の郵便料金でございますけれども、大口料金につきましては四五%の値下げが行われた、小口料金については六〇%の値上げが行われたというようなことが発生しているようでございます。
 これは、ヨーロッパではスウェーデンは少ない例でございますけれども、こういう状況もございますので、今回の信書便法におきましては、こういうクリームスキミングを防止するための条件を課した制度を御提案したというところでございます。
#85
○伊藤基隆君 欧米諸国が郵便分野の自由化を進めるに当たって部分参入方式など漸進主義的なアプローチを取ったことは、最近の自由化や規制緩和の議論からすると一見意外に思われますが、実は極めて現実的な判断があるというふうに私は思っています。
 それは、郵便の分野の特徴である労働依存度の高さであります。元々、需要の急拡大が望めず、一定の規格化や郵便番号制や機械処理といった効率化の工夫がなされた段階では労働生産性の上昇にはまだ、限界があるわけで、この点、技術革新により新需要が急拡大しコスト低下競争が機能する電気通信分野とは大違いであります。そのため、欧米諸国でも郵便への民間参入に際しては、部分的、段階的な参入を進めることによって、大口分野の競争導入効果を上げつつ既存の郵便事業体の労働生産性も徐々に向上させ、小口分野のサービスと料金の維持を図らせる現実的な方策を取ったというのが姿だったと思います。
 我が国では郵便事業に経営の自由度を与えるくらいなら民営化しろなどという乱暴な意見もありますし、欧州では民営化しても郵便事業にはユニバーサルサービス維持のために独占領域の留保などの措置を取っている国が少なくありません。ドイツやオランダなど欧州諸国の対応を明らかにしていただきたいと思います。
 また、アメリカでは、郵便事業体であるUSPS、すなわち連邦郵便庁は国の機関であります。欧州と同様、独占領域が留保されていると聞いております。ユニークなのは、郵便受け箱の利用がUSPSに独占されているということであります。そのようになった経緯を明らかにしていただきたいと思います。
#86
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の郵便への競争の導入のやり方でございますけれども、ヨーロッパ、アメリカも含めてでございますけれども、部分的自由化というのが大勢であるというのは事実でございます。
 先ほど御指摘がございました、要はユニバーサルサービスと競争との調和をどう保っていくかということで、これを部分的自由化によってユニバーサルサービスを確保しながら競争を進めようという考え方だろうと思います。信書便法の場合はユニバーサルサービスを確保するために条件を付けるということでバランスを取ろうというふうに考えているものでございます。
 ところで、ドイツ、オランダのようなヨーロッパの事例でございますけれども、ドイツ、オランダにおきましては特殊会社、しかし株式はまだかなり国が持っておりますけれども、そういう状況の中で、ドイツ・ポストに関しましては、二百グラム未満かつ基本書状料金の五倍の書状、それから一通当たり重量五十グラム以下の同一内容書状、これはダイレクトメールと言われているものでございます、そういうものが独占を保障されていると。それから、オランダ郵便会社に関しましても、百グラム未満かつ基本書状の三倍、料金の三倍ですね、の書状ということにつきましては独占領域が留保されているということでございます。
 また、米国の制度についての御質問でございましたけれども、米国におきましては郵便事業はUSPSという国の機関が実施しているというふうな状況でございまして、それから民間参入の可能な範囲は極めて緊急性の高い書状等に限定されているというものでございます。確かに、独特の制度は郵便受け箱の利用をUSPS以外に認めていないということでございまして、これは一九三四年に法制化されたものというふうに聞いております。
 この趣旨でございますけれども、これは最近の、一九九六年の米国会計検査院報告書、いわゆるGAOの報告書の中で書いておりますけれども、一九三四年の法令の成立過程の目的は二つあると。一つは、公益企業が郵便料金を支払わず配達人に公共料金の請求書を郵便受け箱に配達させることから主に発生する郵便事業の収益の損失に歯止めを掛けることであると。もう一つは、郵便受け箱に投入される郵便物以外のものを削減することであると。罰金がこれに掛かるというようなことになっております。これは要するに、参入をといいますか、独占を大部分保障しておりますけれども、それを更に担保するためにこの郵便受け箱の利用を制限していると、そういう趣旨ではないかというふうに理解しております。
#87
○伊藤基隆君 ユニバーサルサービスを維持するということの意味合いが具体的に物理的に取られているということではないかと思います。
 そこで、今回の信書便法案の最大のポイントは全面参入であります。先ほど指摘したように、海外諸国は部分参入という現実的方法を取っているのも、ユニバーサルサービスを国民に保障するためだというふうに考えます。我が国では、総理の全面参入という方針に対応して、大口から小口まで全面的に競争の効果とユニバーサルサービスの確保と両立をねらったのが今回の信書便法案であります。
 ユニバーサルサービスの確保と競争の効果とを両立するか否かは、参入事業者にどのようなルールを課すか、その条件設定次第であります。条件設定を誤れば、クリームスキミングを許すことになります。大口利用者のみ競争のメリットを享受して、小口利用者はユニバーサルサービスの崩壊という取り返しの付かないデメリットを突き付けられることになるからであります。この点、本当に大丈夫なのか。競争が実質的に進展する中で、郵便事業はユニバーサルサービスを本当に維持できるんだろうか、また一般信書便事業者のクリアすべき条件は本当にユニバーサルサービスに値するものなのか、クリームスキミングを許容してしまうものではないのかという心配があるわけであります。
 今後の省令等の制定をどう進めるのか、重大なことなので、きちんとこの考え方を述べていただきたいというふうに思います。私としては確認という意味でお聞きしたいというふうに思います。
#88
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 競争、全面参入に当たって条件を付ける、クリームスキミングを許さない条件であるということを前提に制度を作っております。
 その具体的な表れは、第九条におきまして、事業に参入される場合の許可の条件として、まず大きくクリームスキミングは認めないということを決めているわけでございます。もちろん通信の秘密等の問題がベースにございますけれども、事業として申しますと、九条の二項でございますけれども、事業の計画が全国の区域において引き受け、かつ配達をする計画がしっかりしていると。
 その具体的な内容としましては、先ほどから議論がございますように、だれもが簡易に差し出すことができる、随時かつ簡易に差し出すことができるというふうなポストの設置等を行うと。具体的なことは省令ということにしてございますけれども、この考え方はございますので、全国において差し出しができると。それからもう一項ございますが、これは、配達につきましては、これも全国におきまして一週間に六日以上配達ができる、こういうものを確認した上で参入を認めるということで、ひとつこのクリームスキミングを担保しているというものがございます。
 それからもう一面、十六条では料金を規定してございますけれども、これはいわゆる重量が二十五グラム以下のものに係る料金の額ということで、一番安い料金につきましては、これは要するに日本郵政公社が行います料金と同レベル以下にするというようなことで書いてございます。
 要は、クリームスキミングの形態としていいますと、一つは地域的に全国で行わないで収益の上がる地域だけで行うという要素と、それからもう一つは大口のみを扱いまして小口を行わないと。そういうことによりまして、二つのおそれがありますので、この二つの、一つの許可条件における全国のサービス義務と、それから二つ目に料金においてこのサービスを一般の方も使えるようなものにしていく、その二つの大きな要素によりましてクリームスキミングを防止するということ、これは基本は法律で書いてございますので、もちろん、その法律に従った細部は省令で決めさしていただくと。それに当たりましても、いろいろパブリックコメント等を求めまして、透明な手続でこれを決めていくということにしたいというように考えているものでございます。
#89
○伊藤基隆君 信書便法案の参入者に対するユニバーサルサービスの義務を課す、そのための具体的な条件というものを提示すると。しかし、そういうユニバーサルサービス条件を守らなければ全面参入できないということ自体が、世界的には冒険的に取られているわけですね。果たしてそんなことでユニバーサルサービスは守り切れるのか、守る意思があるのかと。又は、そのことによって二つのユニバーサルサービス、三つのユニバーサルサービスができることの問題などもあるかというふうに思っております。
 さて、私はここでドイツの民営化問題ということで少し取り上げてみたいと思います。
 ドイツの郵政改革が大変、昨年暮れ辺りから話題となってきました。ドイツ・ポストの総裁や元郵便電信大臣が来日してシンポジウムが開かれるなど注目を集めましたが、ドイツでは、やれ民営化されたとか、多国籍企業となって大胆な企業買収を行って華々しい活躍をしているなど、表面的、形式的な点が注目されて、やや本質的な議論に欠けていたように思われます。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 ドイツの動きは、EU統合と東西ドイツの統一という大きな流れとは無関係には理解できないのではないでしょうか。
 EU統合により、従来国営で行われていたEU加盟各国の郵政事業は、EU域内へ活動範囲を広げるために、時期を同じくして経営形態を変えました。各国は、テレコムと郵便会社等に分けて、国境を越えた競争に入らざるを得なかったわけであります。ドイツは、ドイツ・テレコムとドイツ・ポストを世界のナンバーワン企業に育てることを戦略としていたようであります。ドイツ・ポストには独占領域を残し、積極的な企業買収も許したのであります。
 我が国がドイツが置かれたような国際環境にあるのだろうかと考えれば、また別ではないだろうかと思います。
 郵便事業を世界的な視野でどう位置付けるのか、我が国の国家戦略、郵便事業に関するこのグローバル化した中での国家戦略というものをどのように考えているか、まずお伺いしたいと思います。
#90
○副大臣(佐田玄一郎君) 先生今おっしゃられましたとおりでありまして、ドイツではEU統合ということがありまして、そういう言うならば特殊事情の中で、EUの各国の郵便事業体が、先生も今おっしゃられましたように、国境を越えまして大変な競争状態に入っていると、こういうふうなことでありまして、ドイツ・ポストにつきましても、経営の自由度を付与する必要性から特殊会社化したということも聞いておるわけであります。
 ただ、我が国におきましてはそういう事情とはちょっと異なりまして、ただ、国際的な動向もしっかりと踏まえながら我々もいろんな戦略を考えていかなくちゃいけないと思っています。また、国内におきましては、先生も御指摘ありましたように、まず第一に、基本的にユニバーサルサービスをしっかりと確保していく、こういうことが重要ではないかと、かように思っております。
 また、郵政公社に対しましては、一定程度の、先ほどから申し上げているとおりで、自律的、弾力的経営を求めているところから、競争環境の中で国営としての節度を保ちつつ、つまり先ほどの出資なんかも含めまして、そういう節度をしっかりと守りながら、切磋琢磨しながら料金サービスの面においても国際的に遜色のない、国際競争ができるような状況の中で進展をしていきたい。また、他国との、郵便事業体との提携等も含めて、国際的な活躍をこれからもいろいろと計画をしていきたいと、こういうふうに思っております。
#91
○伊藤基隆君 次に、ドイツ・ポストとポストバンクの関係について少し触れたいと思います。
 ドイツにはシュパールカッセという、自治体銀行というふうに一般的には訳しておりますが、という制度があります。これは、分権国家ドイツの地方自治体、地方政府というものの財政・経済基盤を形成するための資金の供給、資金を集め資金を供給するという組織で、ブンデスバンクというのもあって、その業務を取り仕切っていると。街角に一杯シュパールカッセの支店、出張所というか店舗があります。これは我が国の郵便貯金と非常に酷似しているところがあります。ただ、我が国の郵便貯金が地方自治体の分権を成立させるためにその力となるということにはまだなり得ておりませんけれども、そういうシュパールカッセがあると。その中における郵便貯金であります。
 かつてドイツでは、電気通信、郵便、郵便貯金の三事業は一括してDBP、ドイツ・ブンデスポストと称される、正に一体的に営まれてまいりました。電気通信の黒字で郵便の赤字を賄うというどんぶり勘定の運営が行われていたわけであります。
 EU統合を契機に、電気通信部門をドイツ・テレコムとして戦略的に独立させる必要が生じまして、一九八九年に独立の公社化、一九九五年から二段階で株式会社化を行ったのであります。郵便も郵便貯金も独立の事業として戦略展開が議論され、実際、郵便貯金、すなわちポストバンクは、郵便局以外の店舗を持ってドイツ銀行などとの合併話まで話題となりましたが、結局は三年前にドイツ・ポストがドイツ・バンクの全株を保有することになりまして、郵便と郵便貯金は一体の形に戻りました。ドイツ・ポストとポストバンクの経過は、我が国の郵政事業を考えた上でも意味のあるものだと考えております。
 さて、ドイツと比べて事情が異なるとすれば、我が国ではポストバンク以上に郵貯の比重が大きいという、ドイツのシュパールカッセに比較したわけでありますが、それだけに郵便事業にとっての意味も重ければ、郵貯自体の議論も多々あるわけであります。
 さて、郵貯について、その使命は歴史的に終了したとか、単純に縮小、廃止をすべきだという議論があるようであります。私は、かつて議員になる前に第三次行革審の専門委員をやっておりましたが、そこに来た銀行協会、当時は第一勧銀の頭取、奥田さんがやっておりましたが、郵便貯金に対する考えは縮小し廃止せよでありました。民営化ということではございません。一貫して民営化を主張しているように皆さんが思っておりますけれども、銀行は郵便貯金を縮小してなるべく早く廃止せよというのが主張であったかというふうに思っています。
 さて、私はかなり何というか無責任な意見、議論というふうに考えるわけですが、日本経済そのものがどのような基盤の上に成り立っているかを全く理解していない主張なんじゃないかと思います。マクロ経済の短期的な貯蓄投資バランスの議論から単純に貯蓄罪悪のような議論を展開する人も中にはございますが、これは大変問題だと思います。個人貯蓄は人々が自己責任を全うしつつ生活の向上を図る上で不可欠なものでありまして、財政の負担を軽くしながら活力ある経済社会を作る基本だと思っています。
 そこで、私は本会議でもこのことについて触れましたけれども、国民経済の長期的な発展のために貯蓄が持つ役割についてまずどのように認識しているか、そのことについてお伺いしたいと思います。
#92
○大臣政務官(山内俊夫君) 確かに伊藤先生御質問がありましたように、郵政公社化の四法案に対する本会議の質疑の中で総理もお答えになっておられております。その中身について、私も個人的には全くこの点については総理と意見は一致するところであります。
 ちなみに、我が国の貯蓄率を見てみますと、国際的には比較的高い水準にありますが、二〇〇一年には一〇・五%、そして一九八四年の一九%から見ると確かに最近は減少傾向を示しておりまして、OECD加盟国の中で比較いたしますと、一九八四年には、データ把握可能な十九か国中、これはポルトガルとかイタリアに次いで日本は第三位でございました。そして、二〇〇一年には、フランス、チェコ、ベルギー、韓国等に次いで二十二か国中の第八位、かなり減少傾向をいたしております。
 そこで、日本人の貯蓄目的というのは、これ十年間のいろんなデータによりますと、これは三大要素がございまして、病気や不時の災害への備えとか、そして老後の生活資金、子供の教育資金、こういった三つの大きな要素がございます。将来に備えるための最も基本的な自助努力の手段となっておりまして、国民経済の発展や豊かな国民生活の実現にとっては非常に有意義なことであると私は認識をいたしております。
 ですから、貯蓄と消費はもうともに国民生活の重要な要素でございまして、両者のバランスが保たれてこそ初めて豊かな生活が実現するものであると、このように考えております。
#93
○伊藤基隆君 私は、「勤倹貯蓄を奨励する歌」という本を発行しましたら、何か戦前の富国強兵に戻ったのかというような批判もありましたが、実は国の基といいましょうか、生活の基になるというところを原点としていかなきゃならないということを主張したわけでございます。
 さて、そもそも大量の国債発行がなされている危機的な我が国の状況ということをずっと言われておりますが、そうでありながら国債価格が一定程度維持されているのはどうしてかと。国内の貯蓄の厚みがあって、これが国債を直接、間接に保有しているからなのではないだろうかと思います。この点は、我が国でのこのことに対する認識のレベルは低いように思います。米国国債が日本の資金で購入されていることをアメリカ国民、アメリカ自身がよく認識していることと比べて、意外なほどでございます。かつて橋本総理がアメリカへ行って、米国国債を売りに出したいと思うなどという冗談を言ったら大騒ぎになったという、そういう逸話がございますけれども。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 郵貯資金はマクロ的に我が国金融経済を支えているのではないでしょうか。そのあるべき姿については様々な主張があることは否定しませんけれども、金融経済の実態認識に基づけば、そういうこともなかなか言い切れないんじゃないかというふうに思われるような意見も数多く聞かれます。
 特に、国債の大量発行が続く我が国の中で幾つかの問題点があるわけでありますが、郵貯資金を急激に減らすような主張を実は経済同友会が行ってきたと聞いております。このことは事実でしょうか。それはどのような内容なのか。国債市場や金融経済に与える影響についてどのように分析されているのか。経済同友会の発想と発言となれば重大問題でありますので、このことの事実関係と認識をお聞きしたいと思います。
 また、郵便貯金については常に増加するような印象が持たれておって、その点、そういう向きからの批判というのが出ておる、ずっと続いておるわけですが、そういう時代はもう終わったんじゃないかと私は思っています。むしろ今後は、金利上昇期を展望しますと、郵貯は確実に縮小していくという見通しを私は持っています。
 総務省として、今後の郵貯の動きについてはどのように見ているのか、その辺についても併せてお聞きしたいと思います。
#94
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 まず、一点目の経済同友会の提言というものをちょっと調べさせていただきましたが、昨年九月に発表されておりまして、ちょっと詳細な理解は、理解できないところもございますけれども、要点は、十二年度以降速やかに定額・定期貯金、郵便局の定額貯金の新規受入れを停止する、通常貯金等の限度額を二百万円に設定する、それから既存の定額・定期貯金は別勘定に移管しまして満期まで管理するということによって郵貯を廃止するというような主張のようでございます。
 それがどうかということ、詳しく分からないところございますけれども、そういう中で、じゃこの郵貯が縮小した場合、廃止した場合、これが今御指摘の国債市場にどういう影響があるか、それから具体的に金融経済にどういういい影響、悪い影響があるかということについては、具体的なものは指摘がございません。
 現在、郵貯を管理している立場から申しますと、例えば定額・定期貯金の毎年の払戻しが年間二十数兆から七十数兆発生しているという現下の状況でございます。新規の預け入れ等を停止した場合にこういう資金の手当てをどうするのかということについては、例えば財投側で貸出し債権を売却するのか、新規国債を発行するのか、あるいは国債を売却してどういうことになるのか、それが金融・資本市場にどういう影響があるのかと、こういうことは一切触れられておりませんので、ちょっとそういう答え、どういうことになるのかと、ちょっと想像付きにくいということでございます。
 次に、郵貯の規模といいますか残高の関係でございますけれども、これもう既に発表してございますけれども、平成十二年度、十三年度合わせまして、定額貯金の集中満期がございましたので約二十兆円減少いたしております。対して、民間部門におきまして三十兆を超える預金量の増加というようなことが発生してございます。
 これは元々、平成二年、三年の高金利の時代の定額貯金のいわゆる元加利子分で郵貯の規模が大きくなってきたということでございまして、これが解消すればおのずからこの規模は小さくなっていくという制度の仕組みの問題がございます。こういう趨勢はまだしばらく続くと考えておりまして、平成十四年度におきましても約四兆円減少するんじゃないかというふうな見通しでございまして、今後大きく増加するという要素は少ないんじゃないかと。
 逆に、先生御指摘のように、金利状況が変わりますと、あるいは民間の金融機関が健全で非常に競争が進んでまいりますと、これは今の異常な低金利状況は変わるわけでございますので、そうした場合に、むしろ郵貯にとっては全体的な規模は小さくなっていくというのが趨勢ではないかというふうに考えております。
#95
○伊藤基隆君 私は、郵便貯金資金の地方還流政策というのを今から十数年前に立てまして、実は国会の御協力も得て法案化の案は作りました。国会に提出すると直ちに粉砕される状況でありましたので提出はできませんでしたが、その後、郵政省において、非常にじりじりという感じでありますが、地方還流の政策を取ってまいりました。
 かつて官房副長官をやった石原信雄さんが、群馬県出身で、私も尊敬している先輩でありますが、石原さんが、今、総務省ができたということは、自治省と郵政省が一緒になって郵便貯金資金の地方環流、地方分権を推進するために十分な活用が図られるようになるんじゃないかということを、辞任された直後にもそういうことを申されまして、なるほど、そういう見方もあるのかというふうに考えたところであります。
 地方の環境が大きく変わってきておりまして、地域のありようの変貌は著しいものがございます。特に、過疎化が行き着くところまで行き着いたんじゃないかと。超高齢化がそこで本格化しつつあって、地方都市の商店街も、津波のように押し寄せて自らの都合で引き揚げていった大型店舗のためにシャッター商店街というような状況になっております。
 地方分権を推進するときにどうしても必要なのは財政基盤でございます。財政基盤が箱物行政に使われるような状況であってはならないのであって、それを地方の文化、経済、産業というようなものの活性化にどう資していくかというのが資金の、郵便貯金資金の地方還流というようなことを考えた発想の原点であります。ある意味では地方財投のような形かもしれませんが、財投が余り評判が良くないので余り使いたくないわけですが、発想時点ではそのように思っていました。
 もちろん、これは郵便局ネットワークというものの力だけではできないわけで、地方自治体がどうそれに対応してくるかという問題とも絡んできておりますけれども、資金の地方還流を主張してきた立場からすれば、郵貯も簡易保険も一緒でありますが、今後そういうところに、日本の社会の言ってみれば基盤となるようなところの活力を発展させるというよりは維持するというようなところでの活用が生かされなきゃならないというふうに考えて、今新たにまた考え直さなきゃならないと思っているところであります。
 そこで、現在、郵貯や簡保の資金がどのように地方で生かされているのか、現状について明らかにしていただきたいと思います。
#96
○政府参考人(團宏明君) 郵貯・簡保資金の地方公共団体への資金運用でございますけれども、これは二つの方法がございまして、一つは市場を通じた地方債の運用と、もう一つは、これは市場に出せない、資金調達力が弱い団体がございますので、こういう団体のための直接貸付けと、こういう二つのルートがございまして、これは今、委員のお話ありましたように、平成十三年度の財投改革ということに伴いまして、新たに郵貯資金も直接貸付けを開始するということになった次第でございます。
 運用の実績でございますけれども、郵貯、十三年度末というところの数字になりますが、郵貯資金につきましては地方債の市場運用に約九兆九千億円も出しております。直接貸付けにつきましては百八十六団体に対して二百二十億円と少のうございますが、これは十三年度から始めたばかりでございまして、少額となっておりますけれども、年度を超えまして、起債が集中しております十四年の五月になりますと約七千四百億円ということで、対象が千六百九十三団体に貸付けを実施しておりまして、順調に実施されているというふうに考えております。
 簡保資金は、これはかねてから地方への運用をやっておりましたので、地方債の市場運用につきましては同じ十三年度末で約七兆二千億円、直接貸付けにつきましては三千二百九十一団体に対しまして十八兆四千億円というふうなことになっております。
 こういう運用によりまして、地方公共団体におかれましては、学校や公園、公営住宅の建設、公園や下水道の整備などの資金の融資ということになりまして、地域社会の発展や住民福祉の増進に貢献していると思いますし、地方財政の一つの柱になっているというふうに考えております。
 なお、公社化後も現在の制度は変わりませんので、この制度の趣旨を生かす形で資金を地方公共団体にも運用していくというふうなことになるものと考えておりまして、引き続き地域の貢献にも役割を果たしていけるものというふうに認識しております。
#97
○伊藤基隆君 さて、私は、ここで国際的な郵便の競争ということについて、時間がないので多く触れるわけにいきませんが、少しお聞きしたいと思います。
 郵便分野での国際的な競争、これはアメリカとヨーロッパの間ではそれぞれの国の事業者が入り乱れて激しい競争が繰り広げられております。日本における小型パッケージ輸送業がアメリカのビジネス郵便又は小型パッケージ輸送の大手との業務提携が行われておりますが、一方的にアメリカが日本に進出してきている。日本からアメリカに進出、行っているケースは少ないんじゃないかと思います。
 そこで、私は、将来というか、現在もそうなんですが、アジアにおけるビジネス郵便、国際ビジネス郵便又はパッケージの輸送というものの競争は、言わばこれからの正にミルクとバターが流れる地域と、ソウルからシンガポールはそういう地域じゃないかというふうに思っています。
 最近、中国政府が大変な警戒をしているようでありますけれども、私もアジアの郵便労働組合と労働組合の役員時代交流しまして、アメリカからの郵便事業ないしはビジネス郵便への進出ということについて、もし中国大陸が沿岸地でその進出を許せばアジアのビジネス郵便は一気にアメリカに制圧されるという危機感から、そのことをずっと問題提起し続けてまいりました。
 クリームスキミングが起こるということの恐ろしさは、東京にアメリカが来たときであります。アメリカはそういうことを東京で地歩を築きながらアジアのビジネス郵便展開をするんじゃないかということをずっと恐れております。恐れているということは、日本の郵便、アジア各国の郵便が崩壊するという危機を同時に感ずるからであります。
 さて、今の事業庁とか総務省とか、皆さんはどのようにそのことを考えているのか。私の言っていることが杞憂に属するなら結構でございますけれども、その辺の認識を少しお聞かせいただきたいと思います。
#98
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の国際競争という関係でございます。
 これは、先ほどメール便の話にもございますけれども、物流の世界ではかなり国際進出がされておりまして、日本でも欧米系の事業者が事業をやっているというふうなことでございますし、日本の一部の事業者もアメリカでビジネスを始めているということがございます。
 先般、中国の国家郵政局長という方が一月ほど前に見えましたけれども、やはり中国におきましては、これは論争があるようでございますけれども、やはり法律に反していろんな事業を海外の事業者が行っていると、これについては非常に危機感を持っているというふうな話がございました。
 こういう信書ないし物流の世界というのは、基本的には地場の産業でございますけれども、現地の労働力を生かしますと、これは海外の経営も可能というふうなことになってまいります。国際的な物流とかも増えてまいりますので、一つはやはり特にアジア、そのときに中国の国家郵政局長もおっしゃっていましたけれども、やっぱりアジアで少しアライアンスを組んで、アジアベースの提携というのを進めていこうよという話をされておりまして、旧郵政省の時代から日本と中国、韓国という三国のいろんな協議もやっておりますので、やはり単に防衛的なことではなくて、やはり物流の新しい世界をこういう郵便事業体が連携して進めていくという前向きの対策がやっぱり必要じゃないかと。
 それから、欧米系につきましても、単純な競争とか市場の奪い合いということじゃなくて、やはり提携していくというふうなことも必要じゃないかというようなことで考えております。
 いずれにしても、アジアの市場というのは、郵便物、郵便でいいますと、日本の引受け物数というのは世界第三位でございまして、やはりそういう面から魅力のある市場という考え方もできますので……
#99
○伊藤基隆君 答弁短くしてください。
#100
○政府参考人(團宏明君) はい、失礼しました。
 アジアを中心に提携を進めてまいりたいというふうに考えております。
#101
○伊藤基隆君 先ほど、地方郵政局の問題が議論されておりました。やり取りを聞いていて、私も同感でございましたが、もう一つ、特定局の問題についてお聞きします。
 私は、特定局の実質的な改革を求めなきゃならないと思っています。制度をどういじるかということは大変な大問題でありますから、それはまずおいておいても、まずは人事の透明性を高めることだと思っています。特定局の優れた職員が頑張っても特定局長になれないようではおかしいと。
 人材登用の面で特定局改革をどうするのか、このことについてお聞かせいただきたい、端的にお答えいただきたいと思います。
#102
○国務大臣(片山虎之助君) 特定郵便局は、明治の郵便事業、郵政事業創業以来、地域に密着し、郵便局ネットワークの主要な担い手として私は機能してきたと、このように思います。
 できたときのいろんないきさつもあるものですから、例えば人事の透明度が低いとか、いろんな議論がありましたが、だんだんこれも改善されてきておりまして、今は広く人材を求めて、部内、部外からと、こういうことでございますが、相変わらず部内が八割、部外が約二割と、こういうことでございますし、特定郵便局職員からの任用は部内任用の約七割強でございますが、いずれにせよ私は選考がいいと思いますけれども、選考にいたしましても、今、伊藤委員が言われるように透明度は高めていく、透明性はしっかりと確保していくと、こういうふうに考えております。
#103
○伊藤基隆君 最後に、大臣の決意をお伺いして質問を終わります。
 問題は、公社が正式に発足する前から公社の廃止を前提にするような議論が行われていることであります。現場のモラールに関係する重大なことであります。郵政事業の将来の姿を大所高所から常に検討すること自体は否定しませんけれども、形にとらわれた議論は有害無益ということに思えます。
 いかなる機能をどれほど効果的、効率的に達成できるかという観点から公社をきちんと評価していくことが大切だと思っています。国民がいい公社を作ってくれたというふうに思えるようにならなきゃならないというふうに私は思います。
 大臣の決意を最後にお伺いしまして、私の質問を終わります。
#104
○国務大臣(片山虎之助君) 本当に世間は公社化と民営化をごっちゃにしている人が大勢おりまして、私も時々地方に出掛けましたらそういう質問を受けるんですが、公社化だということを強く言っておりまして、この公社を、百三十一年ぶりの大改革をしっかりやって実績を見てもらって、その上での評価だと、こう私も考えておりまして、今後ともそういうことについての国民の皆さんの意識をそういうふうに、啓蒙と言ったらちょっと語弊がございますが、そういうように我々もPRを努力してまいりたいと思っております。
#105
○伊藤基隆君 ありがとうございました。
#106
○委員長(田村公平君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#107
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 この際、理事の辞任についてお諮りいたします。
 伊藤基隆君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#109
○委員長(田村公平君) 休憩前に引き続き、日本郵政公社法案、日本郵政公社法施行法案、民間事業者による信書の送達に関する法律案、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 前回に引き続きまして、若干質問をさせていただきたいと思います。
 今回、公社化をするということで、今まで郵政事業は独立採算制の下で郵政事業特別会計によって経理が行われていたわけでございますが、今回は企業会計原則を導入するということになっているわけでありますが、今までのこの特別会計の方式と今回の企業会計原則、この違いというものを一般人にも分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
#111
○政府参考人(野村卓君) お答えいたします。
 従来から郵政事業につきましても企業会計原則といいますか、企業会計的な発生主義で経理しているわけでございますけれども、いわゆる企業会計原則とは異なる部分もございますので、公社化に合わせまして企業会計原則を全面的に取り入れるということにしたわけでございますけれども、具体的には、例えば職員の超勤手当でございますけれども、三月分の超勤手当につきましては四月の経費で払うというのが、現在そういう仕組みでやっているところでございますけれども、年度間の経理の公正性といいますか、正確性からいきますと、やはり三月の超勤は三月の費用として立てるということで、三月分の未払費用という形で今回計上することになります。
 それから、郵便で郵便後納という後払いの制度がございます。これにつきましても、例えば三月に郵便を引き受けまして、郵便は処理しているけれども収入は四月に入るというのがございますが、これについてもやはり費用と収入との間を一致させるということで、三月分の未収金という形で経理することになります。
 それから、郵便切手です。郵便切手につきましても、従来ですと、切手を売った時点で収入としてカウントしたわけでございますけれども、厳密に言いますと、切手を買ったけれども使わないと、まだ使っていないというのもございますので、こういったものについては負債計上といいますか、前受金として処理するというようなことをやります。
 それから、もっと一番経費的に大きい問題といたしましては、退職給付引当金と。従来、負債として計上しなかったわけでございますけれども、企業会計原則ということで、将来費用というものをきちっと計上しなさいということになりましたので、こういった退職給付引当金のような引当金を今回計上するようになったというようなことが主な変更点でございます。
#112
○魚住裕一郎君 今まで特別会計であったものが、予算であったわけですから、予算というと何というんですかね、年度があって年度内に使い切るというような発想があったんではないかなというふうに思うわけでございますが、そういう発想を大きく変えていかなきゃいけないと思いますが、この点の措置はどのようにお考えでしょうか。
#113
○政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 予算はその使う権限のような形で今位置付けられておりますから、どうしても余るともったいないから使ってしまうということで、いろんな御批判があったところでございますが、厳密に申しますと、今の郵政事業特別会計でも独立採算の事業でございますので、その経営の観点から申し上げるならば経費節減の徹底に努めるのは当然でございまして、年度末におきましても、予算の執行状況を点検して、その残額については真に欠くことのできない経費以外は節減するように指導しているのが現状でございますが、今後、郵政公社におきまして、予算主義でなくて決算主義ということに移行しますから、そうなりますとこの事業財政の健全化のために増収努力とともに経費節減というのが至上命題になりますので、引き続きこの現場責任者を含め指導してまいる所存でございます。
#114
○魚住裕一郎君 企業会計原則というふうになりますと、この間法案を処理いたしましたけれども、連結決算ということになっていくと思うんですが、郵政事業、郵便事業に関して関連企業というのが結構あるなと思うんですね。例えば、日本郵便逓送というんですか、あるいはトキワ印刷とか関東ロジスコとか、いろいろあると思いますけれども、その範囲をどこまでお考えなのか、その基準についてお示しをいただきたいと思います。
#115
○政府参考人(野村卓君) 先生御案内のように、企業会計原則を採用するということでございまして、連結財務諸表の作成につきましても一般企業と同様に連結財務諸表原則に従いまして、いわゆる実質的支配力基準によりまして子会社を判定しまして、連結財務諸表を作成、開示することを予定しております。
 そこで、今御案内の、先生の御質問の、じゃ具体的にどの企業を連結させるかという問題でございますけれども、これについては、今後公認会計士等の会計の専門家と相談いたしまして、客観的で公正な判断基準の下に定めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#116
○魚住裕一郎君 これから考えていくということでございますけれども、やはりその辺、ファミリー企業みたいな言われ方しないように透明性のあるものにしていただきたいなというふうに思います。
 続きまして自己資本なんですが、いろいろ質疑の中でもありました、一・九兆円というふうに試算をされているということでございますけれども、これは事業規模から考えると余りにも過少だなと思います。衆議院の修正案の提案者からも、自己資本については十兆円程度が適当ではないかというようなお話もございましたけれども、総務省としてはどのようにこの点お考えなのか、お示しをいただきたい。
#117
○国務大臣(片山虎之助君) この資本金の話でございますけれども、一兆九千億円というのは、公社化研究会の財務会計プロジェクトチームの方の御指摘でございますが、今は国ですからそういう資本金的なものは必要ございませんけれども、やっぱり国とは違う国営公社になる以上、いろんなリスクを勘案しての資本金的なものが必要だと我々も考えております。
 ただ、それをどのぐらいか、公社、国営公社は支払保証があるものですから、そこのところがいろいろな意見が出るわけでありますが、衆議院の方で御修正も賜りましたので、まず国庫納付金についての修正の中で、経営の健全性の確保に必要な基準額はとにかくそれは押さえろと。それを超えた増加分について一定の基準で納付金にすると。まず押さえるべきものの基準額をということですが、具体的には政令なんですね、政令で決めると。
 そこで、いろんな今検討いたしておりますが、八代議員は、二百五十兆の郵貯があるから、簡保はちょっと置いといて、郵貯だけ考えると十兆円ぐらいと。簡保も入れれば更にもう五兆とか六兆とかと、こういうことになるんでしょうが、ひとついろんな有識者の方の御意見も聞きながら、また将来の公社の損益の状況、資産、負債の状況など、経営状況全般を見ながらこの基準額というのを決めてまいりたいと、こう思っておりまして、今いろんな御意見を参考にさせていただいている、こういう段階でございまして、もうしばらく御検討の時間をいただきたいと思っております。
#118
○魚住裕一郎君 この公社化に関する研究会の中間報告では、政府からの追加出資という項目があったと思うんですけれども、今回の法律案では追加出資条項がございません。これはどういうような理由からなんでしょうか。
#119
○政府参考人(野村卓君) 先生おっしゃるように、公社化研究会の報告書では追加出資の規定を置いていたわけでございますけれども、今回、法律の中でその規定を置いておりません。
 その理由は、郵政事業のサービス提供に必要な施設設備、その他財産の一切を承継して公社を作るということでございますので、現時点において具体的な追加出資の必要性は想定されておりませんので、追加出資の規定は置かなかったということでございます。
#120
○魚住裕一郎君 今度は事業に公社が出資をするという、衆議院の方で修正加えられてきた事柄でございますけれども、いろんな事業に出資をする、そういう郵便事業に密接に関連する事業なんですが、この出資を行うための手順、あるいは出資する場合の基準というものをどのように考えておられるのか、お示しをください。
#121
○政府参考人(野村卓君) 今回、衆議院の方で修正で出資の規定が置かれたわけでございますけれども、出資については要件が厳格に規定されておりまして、具体的に公社が出資するに当たって次の手続を経る必要があると考えております。
 一つは、政府において出資対象事業を政令にきちっと規定すると。二つ目といたしまして、具体的な出資案件につきまして、公社が理事会において意思決定し、総務省に認可申請すると、総務大臣は財務大臣と協議の上で申請を認可すると。こういった手続を受けて初めて公社が出資できるという形になるわけでございますけれども、じゃ、総務大臣が認可するとき、どんな考え方でやるんだということでございますけれども、総務大臣が認可するに当たりましては、出資対象事業が政令に規定する範囲にあるか否かのチェックをまずやります。その後、公社の業務の効率化やサービスの向上に資するものかどうか、こういった観点から内容をチェックいたしまして、法律に従いまして個別に出資案件等について検討の上、認可するという形になりまして、先生おっしゃるような基準的なものがあるわけじゃなくて、そういった出資することが業務の効率化やサービス向上に資するかどうかということ等を判断しながら総務大臣の方で認可するということでございます。
#122
○魚住裕一郎君 先ほども出ておりましたけれども、民間でできることは民間でという話があります。この考え方と出資条項のバランスをどのように考えたらいいんだろうか。
 先ほど連結の関係でいろんな企業名出しましたけれども、そういう郵便逓送とか、そういうものだけではなくして、例えば郵便局の設計会社であるとか、あるいは郵便局の建設会社とかいろいろありますね、そういうところは出資できるのか。あるいは、これはもう建設会社なんというのはある意味じゃ正に民間の部門だからどうなのかなというふうに考えるんですが、その辺の民業圧迫という観点から見て、その基準というかバランスをどのように考えておられるのか、お示しをください。
#123
○副大臣(佐田玄一郎君) 先生の言われるように民間にできることは民間でやると。そしてまた、民業圧迫にならないように基本的にこれはもうとにかく密接不可分な事業、先ほども申し上げましたけれども、発送準備であるとか、車が動いているところのチェックであるとか、位置チェックであるとか、こういうことのできる会社を規定していきたいと。
 その一つの方向でありますけれども、これは基本的には当然のことでありますけれども、総務大臣が財務大臣に協議をした結果、認可をする、こういうことでもありまして、基本的にもうそういう意味におきましては本当に密接なものに対しての要するに認可と、こういうことでありますけれども、これは今後検討をして政令で定めていくと、こういうことでありますので、先生の御趣旨も踏まえながら、今の建築の話やら建設の話がありましたけれども、その辺もこれはどうかということもこれから今後課題として議論をしていきたい。
 また、これは附帯決議にも書かれていることでありまして、「公社が出資を行う際には、その対象範囲・規模等について国営事業としての節度に留意し、透明性の確保に努めること。」と、こういうことでありますので、今後議論の中で検討していきたいと、かように思っております。
#124
○魚住裕一郎君 公社化は一つの観点はこの経営の自由度を高めるということもあるものですから、やっぱりそこも大事にしてあげなきゃいけないなというふうに思うところでございまして、結構難しい問題があるのかもしれません。
 ただ、いろんな民間企業に出資をして子会社とか作っていくと、今まで特殊法人改革等で議論してよく上がったのは、例えば日本道路公団、公団、道路公団のように、一杯関連企業があって、道路公団は赤字なんだけれども、周りはみんな黒、真っ黒黒という、そういうようなやり方は、公社肥大化といいますか、そういうようなこともやっぱり気を付けなきゃいけないなというふうに思うところでございますが、やはりそのような二の舞にならないように規律確保は是非必要だと思いますが、その点いかがでございましょうか。
#125
○副大臣(佐田玄一郎君) 出資につきまして、先生、ここは一番大事な大きな要素なんですけれども、ユニバーサルサービスを守らなくちゃいかぬ、そういう中におきまして、ある程度の自由度を持ってやるという観点からやるということが一方にあって、もう一つの方は民間の圧迫にならないようにしていく、そしてまた立ち入ったところに余り出資をしない、そういうことでありますから、今道路公団のお話がありましたけれども、道路公団の場合非常に危険なところで、また例えば道路の維持であるとか高速道路の維持なんかになりますと非常に危ない仕事になるわけですね。そういう経過なんかも踏まえて、ただ広げ過ぎたという悪い部分もあるわけですから、そういうところも含めてしっかりとこれから検討して、基本的には事業の密接不可分の事業に出資していく、そしてその自由度を高めながらユニバーサルサービスを守っていく、こういう原点を常に忘れずにやっていきたい、こういうふうに思っております。
#126
○魚住裕一郎君 次に、優遇措置ということについてお聞きしたいと思います。
 前回の質問に同僚議員から出ていたと思いますが、なかなか郵政事業に対して優遇措置が取られている、そういうことで、あのときはたしか税金関係についての質問があったと思います。
 先月の二十四日の新聞に、アクアラインの海ほたるに行く配送の通行料が郵便局だけがフリーというのが大々的に出ていたわけですが、業者としてはこれじゃ不利だと、こういうような記事だったわけでございますが、アクアライン自体高いという議論もあるんですが、郵便局だけが料金がなしということのようでございますが、郵便事業に関する優遇措置としてはどういうものがあるか、お示しをください。
#127
○政府参考人(松井浩君) 郵便事業に対する優遇措置について御指摘でございますけれども、郵便事業はユニバーサルサービスとしての性格、つまり公共性の観点から料金が免除されているものがございます。例えば、有料道路の通行料金につきましては、郵便局同士の輸送に使用する車両については支払っております。しかし、道路の沿道とか有料道路の沿道、それからあるいは近傍において郵便物を取り集めしたり、あるいは配達するために使用する車両、その郵便局近辺の方のための、そういったものの車両につきましては免除されているところでございます。
 現在、こういった免除を受けて郵便物の集配を行っている有料道路が、先生御指摘の東京湾アクアラインを含めまして全国で十九か所ございます。例えば比叡山ドライブウエーだとかいろいろございますが、十九ございます。そのほかに有料道路の無料だと、これは警察だとか地方公共団体だとか、ほかの公共的な性格のものは皆同じなんですけれども、そういう一緒の並びでございます。
 そのほかに、郵便差出箱、ポストを道路に設置する場合は、その道路法等の規定によりまして、道路占用の占用料は徴取されないことになっております。
 ほかに申し上げますと、郵便法に海損の分担の免除の規定がございますし、検疫の優先の規定もございます。また、郵便物運送委託法では、船舶や航空輸送における優先取扱いといった規定が法律上ございます。
#128
○魚住裕一郎君 道路の問題、通行料の問題は理解しやすいということで例を出したんですけれども、じゃ、これ民間参入になった場合にどんなになるのかなということも当然思うところでございますが、この有料道路、民間参入後のあるいは公社化後の姿はどういうふうに考えているか、御答弁をお願いいたします。
#129
○副大臣(佐田玄一郎君) 今、先生が言われたんでありますけれども、要するに信書便、信書を運ぶものですからできるだけ事業者と公社を差をできるだけなくしていきたい、こういうことは原点で考えております。例えば都市公園に信書便の差出箱、ポストですね、設置することを可能にしたり、各省庁に対しましても法律的に同等に扱いができるように法改正をこれからしていきたいと、かように思っております。
 ただ、やはり公社と民間法人の信書便事業者としての法的性格がちょっと異なるものですから、そういう中におきまして、業務内容においても必須に提供すべき役務の範囲に差があり、例えば三種、四種なんかの政策料金、こういう義務付けなんかもありまして、またユニバーサルサービスの義務付けであるとかそういうところにも差があるものですから、できるだけ平等にはしていきたいですけれども、そういうところで御理解をいただいていきたいと、こういうふうに思っております。
#130
○魚住裕一郎君 続きまして、先ほど伊藤理事からもお話がございました国際郵便についてお聞きをしたいと思います。
 万国郵便条約で言うところでは書状とはがきというふうになっているようでございますが、書状と信書の関係はどのように整理すればよろしいんでしょうか。
#131
○政府参考人(團宏明君) お尋ねの万国郵便条約における書状の規定の関係でございますが、この条約におきましては、提供するサービスの内容として通常郵便物と小包郵便物が規定されておりまして、通常郵便物を内容によりまして書状、郵便はがき、印刷物、点字郵便物、小包包装物に種別が分けられております。ここで言う書状につきましては、郵便はがきというものを含んでおりませんので、郵便法で言っております信書とは信書のうちの言わば第一種郵便物に相当するんじゃないかなというふうなものというふうに考えております。
 一方、信書、今いろいろ定義も置きました信書につきましては、条約に規定は置かれておりませんけれども、書状又は郵便はがきでなければ差し出すことができないというものがあるとしておりまして、その内容につきましては、ちょっと読みますと、現実のかつ対人的な通信の性質を有する書類というようなことを言っておりまして、こういうものにつきましては書状又は郵便はがきとして以外には取り扱うことができないと言っております。これが今回定義をいたしました信書の定義とそれから扱いに近いものというふうに考えている次第でございます。
#132
○魚住裕一郎君 国際郵便については万国郵便連合というんですか、各加盟国の協力体制の下でこの条約に基づいて全世界的なユニバーサルサービスというような形になっておりますが、この国際郵便につきまして、来年の公社化以後、どのような取扱いになるのでございましょうか。
#133
○副大臣(佐田玄一郎君) 国際郵便につきましては、これは万国郵便条約におきましてこれを締結しまして、中身は、例えば通常郵便物や小包郵便物に関する料金であるとか賠償金であるとか取扱い方法等を定めておりまして、国としてこれを適切に履行していくと、こういう義務もこれは発生をしておるわけでありまして、我が国では、これまで国である総務省、郵政事業庁が国際郵便の業務を実施してきたところでありますけれども、公社化に伴って郵便事業の実施機能が国とは法人格の異なる日本郵政公社へ移行することになるので、こうした国としての責務は適切に実施していく観点から、公社化後は公社に義務として国際郵便を履行させていく所存であります。
#134
○魚住裕一郎君 国内において一般信書便事業あるいは特定信書便事業という形で参入する民間企業も出てくると思うんですが、そういう企業がこの国際間の信書送達に参入する場合、どういう形態で参入することになるんでしょうか。
#135
○副大臣(佐田玄一郎君) 言うまでもありませんけれども、今回は一般信書便事業と特定信書便事業があるわけでありますけれども、これらの事業形態の類型の中で、国際間の信書便サービスを一般信書便事業者は全国サービスを義務付けられている一般信書便役務以外の役務として任意に提供しまして、特定信書便事業者は急送便、例えばフェデックスであるとかDHLのような付加価値の高いサービスを提供できることとしておりまして、要するにこれは任意であるということが大事なわけでありまして、条約で結んでおるのは公社でありますから、任意でこれを行っていくと。
 そしてまた、なお国際郵便業務を規定する条約としまして郵便条約がありますけれども、この条約による国際郵便については、国としての責務を適切に実施していく観点から、公社化後は公社に義務として履行されることとしておりまして、信書便事業者が行う信書の送達はこの条約による国際郵便とは異なるものとして提供されることとなるわけでありまして、公社の方はこれは条約でやると、それで事業者の方はそれは定款を決めて、要するに自由化している国との契約の中でやっていくと、こういうことであります。
#136
○魚住裕一郎君 そうしますと、特に特定サービス型であれば、急送便、東京都二十三区内とニューヨークだけと、そういうことは可能だということですか。
#137
○副大臣(佐田玄一郎君) ですから、事業者の場合は、例えば相手の国が要するに自由化されている場合、独占じゃなくて自由化されている場合、その場合はこれは大丈夫でありますけれども、そうでない場合はこれはできないと、こういうことになるわけであります。
#138
○魚住裕一郎君 それで、先ほども話出ましたけれども、やはりそういうふうになってくると、逆に郵政公社としても海外進出というか、進出と言ったら変だな、国際的な競争にやっぱり勝っていかなきゃいけないだろうと思うんですね。
 それで、ドイツのドイツ・ポストの話も出ましたけれども、フランスのラ・ポストもフェデックスと業務提携をしたりあるいはドイツDPDの株式を八五%を保有していたりと、いろんな、それは出資ですね、そういう形でやってきているところでございますが、今後の公社の国際戦略という、先ほどアジアを中心にという話も出ましたけれども、もう一度、どのようにお考えなのか、お答えを下さい。
#139
○副大臣(佐田玄一郎君) 国際郵便サービスの改善につきましては、国内郵便サービス同様、利用者サービスの向上のために様々な取組で、先ほども申し上げましたように、戦略を展開していきたいと、かように思っております。
 具体的に申し上げますと、主力商品でありますEMS、これは国際スピード郵便といいまして、かなりこれはスピードが速いやつでありますけれども、につきましても取扱国の拡大、追跡システム、接続国の拡大、タイムサーテンサービス、これは配達時間保証サービスの提供等によるサービスの改善を行っておりまして、我が国の国際急送便市場の五割を超えるシェアを占めているところでありまして、これはかなり大きなものでありまして、EMSは信書も小包も一緒でありますから、その中で五割を占めていると、こういうような状況であるわけであります。
 しかしながら、また相手国郵政庁の事情もありまして、EMSの取扱いが限られている。これは例えば相手国が契約ができない、ラ・ポストであるとか、ドイツなんかはもう既にDHLがありますから、そういうことで取扱いができないところもありますけれども、取扱重量の制限あること等の課題もあるところから、できるだけこういうものを戦略を持ってやっていきたいと。こうした課題を解決していくために、御指摘がありましたように、国際的な提携も一つの有効な方法であると、提携をしていかなくてはなかなかこれが進んでいかないということであります。
 このため、現在、外国郵便事業体と国際的な連携も視野に入れながら幅広く意見交換をしているところであります。
#140
○魚住裕一郎君 次に、適正な送達の確保という観点からお聞きしたいと思うんですが、誤配の問題ですね。適正な還付、開封、棄却の手続、これは大事だなと思うわけでありますが、民間業者にもやっぱりそういうようなことが必要かと思っておりますが、この担保についてどのような措置が取られているのでございましょうか。
#141
○政府参考人(團宏明君) 信書便事業者の誤配達等の場合の還付の御質問でございますが、これは信書便事業者は差出人が指定した受取人に信書を送達すると、これはこういう契約責任を負うわけでございますので、これは誤配達等によりましてこの受取人に送達できない状態が生じた場合には、これを引き取って正当な受取人に配達するということが当然の義務として課せられるというふうに考えております。
 そこで、具体的な扱いでございますけれども、信書便法案におきまして、信書便約款をもちまして信書郵便物の配達に関する事項が適正かつ明確に定められているということを認可基準としております。要するに、誤配があったような場合にそれをどうするのかということを配達に関する事項としてきちっと約款に明示していただいて、利用者の方に分かるような格好で示していただくということが必要というふうに考えております。
#142
○魚住裕一郎君 事業者はそういうふうになるんだろうと思いますが、例えば全国全面参入となった場合、あちらこちらにポストがあると思うんですね。それで、公社の切手を張って過って民間事業者のポストに入れてしまった、逆もあると思うんですね。そういう場合、どういうふうに扱うわけですか。
#143
○政府参考人(團宏明君) お答えします。
 御指摘のとおり、複数の事業者が入った場合に紛らわしくなってはいけないということがまずございますので、この信書便法案におきまして、差出箱、ポストでございますけれども、こういうものがだれのポストであるか、どの事業者のポストであるかというのをまず明確にしていただくと。
 それから、差し出される信書便につきましても、だれが、どの事業者が取り扱うかということを明確にする、そのことによりましてまず混同を避けるというのが基本でございまして、そのことによって整理をしていただくというのが一番大事なことと考えておりますが、なおそれに、そういうことがあった場合にも、確かに差出人の方が過って他の事業者ないし公社に過って投函するということもあろうかと思います。
 これはほかの事業者の扱いのものでございますので、法律上そういうことを想定した規定はないわけでございますけれども、一般的に権利者は差出人でございますので、やはり基本は過って投函された事業者ないし郵政公社が差出人に返却するというのが基本ではないかというふうに考えておりますが、これは幾つかの複数の事業者が出た場合に、じゃ、そういう取扱いにするかどうかということにつきましては取決めなり話合いで、これは法律は想定していない事態ではございますが、何が一番効率的で利用者の方の利益に沿うものかということをある程度協議して、ルールを決める必要があるのではないかというふうに考えております。
#144
○魚住裕一郎君 過って手紙が届いた場合、郵政事業庁の郵便物も過って来ます。私は魚住ですが、自民党にも魚住参議院議員いましてね、そういうわけで実は来るわけでございますけれども。
 今度、民間事業者が過って違うところに配達してしまった、あるおばあさんのところに、そういう場合どうしたらいいんですか。つまり、過って来たやつは、はがきに何か赤いボールペンか何かで書いて、またポストに入れればちゃんときちっとしたところに配達してくれるというか、そういうような今までの扱いだと思いますが、民間事業者の場合はどういうふうになるんでしょうかね。
#145
○政府参考人(團宏明君) その関係もこれまでの郵便と同様の取扱いをお願いしたいというふうに考えております。
 したがいまして、誤配達があった場合には、これは配達する事業者の誤りでございますので、引き取って正当な方に配達する、ないし今郵便の場合はポストに、誤配とかあるいは受取拒絶というふうなことなどの扱いもポストに入れればできることになっていますので、そういう扱いももちろん新規の事業者もできるというふうなことで、正当な配達を確保していただくというふうなことを考えております。
#146
○魚住裕一郎君 その扱いは何か郵便法の中に規定があるわけですね、今の郵政事業庁のあれは。民間の場合はそれはないわけですね。だから、過って受け取った側もちゃんときちっと処理しなさいよという義務が作られているわけですが、そこまでは民間事業者の場合は考えていないということですか。
#147
○政府参考人(團宏明君) 今度の信書便法案では、十七条に信書便約款を定めなくてはいけないというふうなことでございまして、その信書便約款の中に配達に関する事項を適正かつ明確に定めるというふうなことにしておりますので、それが認可基準でございます。そういう基準に基づきます信書便約款を定めていただきまして、そういう誤配達の場合などの取扱いにつきましても適正な扱いを確保するというふうなことをお願いしたいというふうに考えている次第でございます。
#148
○魚住裕一郎君 約款というのは普通、第三者には適用ないというか、そういうふうに思うものですから、あえて聞いているわけでございますが。
 最後に、いよいよ公社化していくわけでありますが、今の国自体がやっているこの事業においてもいろんな不祥事ございました。特定郵便局長が業務上横領の疑いで逮捕されてみたり、あるいは渡し切り費というような問題もありました。あるいは選挙違反事件もあった。
 いよいよ公社化していって、サービスの効率化、そしてまた経営の自由度は高めていくという形になるわけでありますが、役員あるいは職員の職業倫理がやはり向上させていかないといかぬなと。あるいは、社会福祉支援サービスということも本当に現場ではボランティアの精神で一生懸命取り組んでおられるわけでありますが、やはり地域の皆様と接触する、そういう接触するがゆえに職業倫理というものも徹底させていかなきゃならないと私は思うわけでございますが、その点につきましてはどのような措置をお考えになっているのか、お伺いをいたしまして、質問を終わります。
#149
○政府参考人(松井浩君) いろんな御指摘を賜りました。
 最初に、昨年の参議院議員の通常選挙に関連いたしまして、近畿郵政局管内の職員が公職選挙法違反で有罪判決を受ける等したことがございます。また、平成十二年度等の渡し切り費の使用につきまして、一部の郵便局におきまして不適正な経理等があったことは誠に遺憾でございまして、深く反省しているところでございます。
 昨年の十一月及び本年の二月に、郵政事業庁では、選挙違反事件を踏まえまして服務規律の保持に関する指導通達を発出しました。その中で、特推連と特定郵便局長会の活動の峻別、国家公務員法等に関する研修会の実施、これらを実効あらしめるための綱紀の保持についての地方郵政監察局等による特別考査の実施等の再発防止策を講じたところでございます。また、特推連組織の見直しを行いまして、地方郵政局の特定郵便局業務に関する直接的な指導体制を強化するため、本年三月をもって全国連合会及び地方連合会を廃止したところでございます。
 また、渡し切り費制度につきましては、総務大臣からの指示を受けまして平成十三年度をもって廃止し、平成十四年度からは一般の会計法令に基づき、透明性とチェック機能を強化した手続にいたしました。さらに、特定郵便局長等、職員による業務上横領等の防止対策でございますが、職員への防犯指導の強化、厳正な業務取扱いの徹底、業務取扱い手続等の改善、相互牽制の励行、各種検査、監査の徹底を通じまして防犯体制の充実強化を図り、業務上横領等の未然防止と早期発見に努めているところでございます。
 なお、これら不祥事を起こしました職員に対しましては、その内容に応じて迅速、厳正に処分を行っているところでございます。
 郵政事業庁といたしましては、郵便、貯金、保険などのサービス提供に当たりまして、国民利用者の皆様からの信頼が最も大事であるということを改めて思い起こしまして、国民の信用を失墜するような事態が二度と起こらないよう、郵政事業にかかわる職員一同が襟を正してまいりたいと思っております。公社化以降もそのつもりでございます。
#150
○魚住裕一郎君 終わります。
    ─────────────
#151
○委員長(田村公平君) この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 理事の辞任に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高嶋良充君を指名いたします。
    ─────────────
#153
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 先々週の本会議で、与党修正に加えられた出資条項について私が大臣に、もうけを目指す組織ではないからとの理由で公益法人に原則として禁止された子会社への出資がなぜ公社に許されるのかと、こう質問をいたしましたら、大臣は、公益法人は非営利性の法人ですよと、この公社は民間と堂々と争う法人なんですと答弁されましたね。
 念のために確認をしたいんですが、総務省にお答えいただきますが、日本郵政公社は営利法人なのか、非営利法人なのか、どちらですか。
#154
○政府参考人(野村卓君) 今御指摘の営利法人、非営利法人と言っている意味についてはちょっと明確によく分からないところがあるわけでございますけれども、営利法人につきまして、民法上の公益法人に対する営利を目的とする法人という意味に営利法人を解するならば、日本郵政公社はそれに該当しないというふうに考えているところでございます。
#155
○宮本岳志君 つまり、郵政公社も営利法人じゃないんですね、非営利法人なんですね。
 こういう点で考えれば、じゃ、あと大臣の答弁で残るのは、民間と堂々と争うからという意味付けが残ると思うんですが、つまり競争があるからと。しかし、そうしますと、むしろ郵便貯金は既に民間銀行と競争する状況にあります。簡易保険は民間生保と競争関係に既にあるんですね。それだったら、出資規定を何ら郵便の分野に限る必要はないと。
 これは大臣にお伺いしたいんですが、これは遠からず郵貯も簡保の分野も出資規定を広げると、こういうことですか。
#156
○国務大臣(片山虎之助君) 郵貯や簡保の方も検討しましたが、当面、そういうことで出資をして会社を作って、関連業務の一部をやってもらうような必要はないと。
 郵便については、先ほど何度も副大臣や局長が答弁しているような業種について、場合によっては出資をしてそういうところでやってもらう方が経営の効率化に資すると、こういう判断から限定いたしたわけであります。なるべく出資は限定した方がいいに決まっておりますから、そういたしたのであります。
#157
○宮本岳志君 じゃ、効率的経営という、そういうことに結び付くかどうかを議論したいと思うんですね。
 この出資条項が、従来から郵政ファミリーと言われる企業を新たに広げ、総務省や公社からの天下りの温床になるのではないかとの指摘が繰り返しされてまいりました。先ほども大臣は民主党の委員に、御心配のような天下り先を作るための趣旨ではないと、こう答弁されておりましたね。
 では、お伺いしたいんです。
 我が党は、これまで郵政ファミリーと呼ばれるグループ企業を使った利権と腐敗の構造、あるいはそこへのOBの天下りという実態を繰り返し明らかにして追及してまいりました。
 それでは、これまでの郵政事業の中で天下りと言われる状況があったと、このことは総務省はお認めになるんですか。
#158
○政府参考人(松井浩君) ファミリー企業という言葉遣いで、いろんな言葉遣いをされることはありますが、その意味内容について厳密にはどういうことなのかということについてはいろいろあろうかと思います。
 ただ、退職した職員の営利企業への就職ということについて申し上げますと、それは本人の知識、経験、技能等が就職先に評価されて行われるものであるということでございまして、営利企業への就職に当たりまして、国家公務員法等に基づいて適切に措置すべきは当然のことでございます。
#159
○宮本岳志君 そう言うと思っていたんですよ。
 我々が事実を示してどんなに追及しても、あなた方はこれまでも天下りはなかったと答弁しているんです。つまり、国家公務員法に基づいて適切にと、適材適所とか民間からの要請とか、そう言ってきたわけですよ。
 つまり、大臣、じゃ、あなたの言う天下り先は作らないというのは、これまでだって天下りなどやっていなかったという話ですから、これまでどおりやるということに何の違いもないのであって、どうですか、これまでとこの問題は何ら違わないということじゃないですか。
#160
○国務大臣(片山虎之助君) 今までとは違うんですよ、今度は国営公社になるんですから。
 それから、その出資の条項を作って、関連の会社なんですから、それは違いますので、今までも天下りはなかったですが、もっとないようにいたします。
#161
○宮本岳志君 これからだって国家公務員法に基づき人事院の承認を得てやるというだけの話であって、これまでと何ら変わらない、私はそう思いますね。
 先日、当委員会で自民党の理事がこうおっしゃいました。これは悪うするといわゆる天下り先になるんですよ、第二、第三の天下り先になると思うんですよ、道路公団を見たらよう分かりますね、とんでもないことをやっておるでしょう。子会社をたくさん作って、子会社、孫会社を作って、しかも、そこは黒字で本体は赤字というようなことを平気でやっておる、これはそのとおりだと私は思います。
 道路公団の改革について、昨年九月の週刊東洋経済で石原行革担当大臣がこう言っているんですね。一九六八年から特殊法人改革をやっていますけれども、その後も子会社を一杯作って、例えば道路公団のファミリー企業の内部留保が幾らあるかなんて正直言って分かりません、こう石原大臣はここで述べておられます。
 こういうファミリー企業にメスを入れるというのが小泉改革の建前だったのではないですか。違いますか、大臣。
#162
○国務大臣(片山虎之助君) したがって、今、特殊法人の見直しやなんかをかなり精力的にやっている。例えば、道路公団につきましても、研究委員会ですか、作って今いろんなことを検討いたしておるわけでありまして、そういうことをやっていこうというのが小泉総理の改革の一つでございます。
#163
○宮本岳志君 いやいや、そのときにこの出資条項を作るというのがどのような結果をもたらすかということを私は議論したいんです。
 今日は、過去に、じゃ、この総務省、郵政省の関連の公益法人が出資していた企業、これはどういうものであったかということを、これを私調べてみたんですよ。資料を作ってまいりました。
 業務の概要を見ただけでも、これは明らかにトンネル企業だと思われる会社が幾つもあります。
 配付資料の@を見てください。これは東京商工リサーチの企業情報ですけれども、アイレックス産業株式会社、ここは十八人の従業員で八十億円の売上げですから、一人当たり四億円売り上げているわけです。この会社の営業品目は、郵政省及び郵政事業関係団体への事務用品等販売と。販売先は郵政局、総務省、郵便局。事業概要、郵政省関係の退職者中心に組織され、全国十二か所郵政局を主力に事務用品等を供給と、これは典型的なファミリー企業です。
 大株主を見てください。郵政弘済会、総合資材サービス、郵資輸送、東京ビル管理、全部ファミリー企業です。そして、役員には郵政OBが天下っております。これは昨年九月二十八日時点の資料ですけれども、この代表者の小倉久弥氏、役員の小巻幸男氏、監査役の横井功氏は、いずれも郵政のOBですね。
#164
○政府参考人(松井浩君) 郵政省に在職していた小倉久弥氏の最終官職は近畿郵政監察局長、昭和六十二年に退職しておられます、その郵政省に在職していた小倉さんは。それから、同じく小巻幸男さんは大船郵便局長で、平成十一年七月に退職をしておられます。それから、横井功さんは京都簡易保険事務センターの所長をやっておられまして、平成十一年に退職しておられます。
#165
○宮本岳志君 これがファミリー企業への天下りでなくて何なのかと言いたいですね。
 次に、資料Aを見てください、新興機材、資料Bには互興建設というのをお付けいたしました。
 新興機材は従業員三十三人で、年間の売上高が三十一億円、互興建設は三十三名で、売上げが四十五億円。これも従業員一人当たり一億円あるいはそれ以上の売上げをしております。
 建設業ならそれぐらいはと言うかもしれないけれども、スーパーゼネコン社員一人当たりの売上げというのはどんなものか御存じですか。調べてみましたが、九九年版の会社四季報の数字から計算すると、大林組が社員一人当たり一億一千万、大成建設一億円、清水建設一億二千万、正にスーパーゼネコン並みの従業員一人当たりの売上げをこれらの企業は上げているわけです。
 新興機材の社長をしている松井邦夫氏は、元中国郵政局建築部長、専務の岡本尚氏でしょうか、北海道郵政局建築部長、間違いございませんね。
#166
○政府参考人(松井浩君) 郵政省に在職しておられた松井邦夫氏それから同じく在職しておられた岡本尚氏と、ちょっと読み方が正確かどうかあれですが、尚氏は郵政省のOBでございました。
#167
○宮本岳志君 これ、すべて調べたんですよ。この方々は郵政省のOBです。
 もう五年も前の九七年の九月に、我が党の緒方議員がこの新興機材という企業について、役員七名のうち四名が郵政省の天下りだという指摘をいたしました。そのときに、この新興機材という会社の異常な受注システム、つまり、郵政省関連の工事を受注したゼネコンがいったん形式上はこの新興機材に下請に出し、その新興機材から実際の仕事をする会社に孫請の形で工事が再発注されるシステムが作られているということを暴露いたしました。当時の自見郵政大臣は、初めて聞いた話なのでしばらく調査をさせていただきたいと答弁いたしました。しかし、今日いまだにOBが六人中二人と、そして従業員一人当たり一億円の売上げ、これ一体何を調査して、何を是正したのか。いかがですか。
#168
○政府参考人(松井浩君) 当時のお話と今とのかかわりについて、ちょっと今日午前にいただいたばかりなものですから、手元にございません。
#169
○宮本岳志君 これは何もしてこなかったということですか、長官。
#170
○政府参考人(松井浩君) 手元に資料がございませんが、一般的な競争の在り方だとか、それから退職規制の問題、それからあるいは公益法人の株の所有等については整理をきちんとしてきていると思います。
 先ほど、先生が御指摘になったものの中で、例えば弘済会だとか互助会だとか、株等は、既に株売却を終わっております。既に持っておりません。そういうことはございます。
#171
○宮本岳志君 ほとんど手が打たれてきていないと私は思うんですよ。現にこういう形でOBの就職ということが続けられてきていると。全くやっぱり無反省に終わっているんですよ。これからやらないなんという話、これから天下りなど一切やらないと言うけれども、大体これから、これまでもやってきていないという話ですし、そしてこれまでの状況、何一つ変わっていないわけですからね。
 資料Cに東京ユー企画というのを付けました。この東京ユー企画というのは、従業員十八名で十一億円の売上げがあります。従業員一人当たり一億円近い売上げですけれども、営業品目はゆうパックによる通信販売業なんですよ。
 ゆうパックというのはどんなものか。参議院の郵便局に行ってカタログを持ってきました。ここにゆうパックがどっと載っておりますが、(資料を示す)載っている商品、大体三千円から四千円の商品なんですよ。これを一億円売るというのはとてつもないことなんです。一人当たり約一万五千個売り上げた社員が十八名いるという話になります。社員が自分でこんなものを売って歩いて、とてもじゃないが毎日何百個も売れるわけがないんですね。実態は郵便局の窓口で取り扱っているわけで、それが全部この東京ユー企画というところの売上げになっているんです。
 代表取締役の中川隆氏は、九四年七月七日付で世田谷郵便局長に就任しているれっきとした天下りだと思います。郵便局では企画小包の販売促進のノルマを職員に押し付けて自腹を切らせるということまで行われていると聞いております。
 大臣、これ道路公団と全く同じ構図じゃないですか。いかがですか、大臣。
#172
○国務大臣(片山虎之助君) 道路公団の方はよく私は存じ上げませんけれども、こっちの方も初めて聞いたような話が多いんですけれども、いずれにせよ、公社になるんですから、来年の四月は。もう一遍見直すべきものは見直して、改めるべき点があればそれは改めるという努力は、やっぱり公社に移行するんですから、大きな一区切りのときですから、そういうことはこれから中でよく相談してまいります。
#173
○宮本岳志君 では、新たな出資先、あなた方が言っている新たな出資先について見てみたいと思うんです。
 出資先について、総務大臣は答弁で、ダイレクトメール等に関する発送準備や発送業務を行う発送代行業と、こういう答弁をされておられます。現在、この発送代行の業務を行っているのは、これまた多くの場合、郵政OBが役員をしている企業が多いんです。
 例えば、東京発送という会社があります。資料のD―1にこの会社の登記簿謄本を付けておきました。この東京発送という会社の取締役社長の高橋伸哉氏、取締役の山田欽次氏、同じく齋藤一郎氏、監査役の松田惠一郎氏は郵政省のOBではありませんか。
#174
○政府参考人(松井浩君) 御指摘の方々が郵政省に在職をしておられたことがあるのは事実でございます。
#175
○宮本岳志君 高橋伸哉氏、九三年、新宿局長。山田欽次氏、二〇〇〇年、渋谷局長。齋藤一郎氏、二〇〇〇年、武蔵野局長。松田惠一郎氏、八七年、東海電気通信監理局長。これもすべて私どもで調べました。役員六人中四人までが天下りです。
 この会社のホームページには、北迫という社長の写真入りのコメントが出ております。この人は東京ユー企画の資料にある代表者と同一人物です。
 そして、資料のD―2に付けておきましたけれども、そのホームページでは、広告郵便物の割引率最高四三%などと営業内容が書かれてあります。つまり、郵便の割引制度に精通したOBが大口利用者のために最も有利に郵便局を利用する方法を教えますという商売だと思うんですね。
 このような業者の存在は郵便事業の本体にとっては収入の減少要因になるのではありませんか。
#176
○政府参考人(松井浩君) 今、大量に区分して差し出されたような場合に割引があるのは事実でございますが、これは日本だけじゃありません、アメリカももっと、もう少ししっかりした制度がございますけれども、それは、物の考え方はいろいろ、大量に出されて、そして区分けして差し出していただければコストが安くなるという、ワークシェアリングの考え方でそういった制度が設けられております。したがいまして、そういう、それを活用されて、民間の創意と工夫という形でそういった付加価値を付けて仕事をされるというのは民間の事業活動なんだと思っております。
 それが郵便事業にとってどうなのかという御指摘でございますが、御案内のように、私ども必死に、特に全体の八割が今法人の利用でございます。そういった方々で、郵便離れなされないように、引き続き郵便を御愛用いただいて、全国のユニバーサルサービスがきちっと全うしていけますように、一生懸命営業活動もやっております。そういう中で、何といいましょうか、他と区別されて排他的な特権を持つということではなくて、同じ平等の立場でお出しいただいて、それで仲介的な形で付加価値を付けてビジネスをしていただけるということについては、事業にとっていささかも損傷はないというふうには考えております。
 もちろん、企業行動として行き過ぎがあったりいろんなことがありましたらそれは問題でありますけれども、きちっとした活動であれば、それはそれで郵便事業と両立するものだと考えております。
#177
○宮本岳志君 幾ら利用が増加したって、それが原価割れだったら減収要因にしかならないと。
 それで、平等だ、平等な、決して特別なサービスじゃないと言うけれども、これは三十万通とか百万通という利用者、こんなものは一般利用者にそんな百万通も郵便物出す人はいないわけですから、大口優遇の制度であることはもう間違いないんです。一般の最大半額、四八%引きという制度があるからこの四三%という商売ができるんですよ。あなた方の制度に最大四八%引きという、そういう制度があるから四三%引きという商売成り立つんですね。
 半額というのはどう考えても原価割れだと私は言わざるを得ない。なぜなら、コストが安くなるとあなた方言うけれども、郵便事業のコストは個々のあて先への配達の部分が最も大きいんです、それは。たとえまとめて持ってこられようとバーコードを印刷してあろうと、最後は他の郵便物と同じように、コース立てをして一軒一軒ポストに入れて回らなくてはならないんですから、コスト計算からいえば、これは正にここが同じである以上、変わらないはずです。もしそれで半額にできるというんだったら、一般の郵便だって半額にできるはずだというふうに思いますよ。こういうところへ出資をして、発送代行業、こういうところをどんどん子会社で作ると。それはむしろ効率的経営どころか赤字要因を広げる結果になるということを私は指摘をしたいというふうに思います。もう答弁はいいですから。
 そして、発送代行業といえば、私は、一昨年、私の地元近畿で起こった近畿管内のダイレクトメール汚職ということについて触れざるを得ません。
 今日は法務省に来ていただいております。エンデバー事件と郵和事件で起訴された者の肩書と起訴事実の概要をごくかいつまんで御説明いただけますか。
#178
○政府参考人(河村博君) 御説明申し上げます。
 株式会社エンデバーコーポレーションに係ります贈収賄事件の公訴事実の概要などでございますが、大津中央郵便局郵便調整室上席課長代理として料金別納郵便物の引受検査などの職務に従事しておりました西村聰及び京都中央郵便局郵便部第一普通郵便課長として同様の職務に従事しておりました大西康規、この両名が広告郵便物の発送代行等を業といたします株式会社エンデバーコーポレーションの常務取締役からそれぞれ、同社が搬入いたしました料金別納郵便物の引受検査業務を行うに当たりまして、通数検査をせず差し出し通数の過少申告を是認してもらいたい旨の請託を受けまして、これを承諾して、西村におきまして現金など合計三百万円、大西におきまして現金など合計二百万円の供与を受けて賄賂を収受いたしまして、同社が搬入いたしました料金別納郵便物について通数検査することなく差し出し通数の過少申告を是認して郵便物を引き受けるなどの職務上不正の行為をなしたなどというものでございます。
 また、株式会社郵和でございますけれども、これには二つございまして、一つは加重収賄事件、背任事件というもの、それからもう一つが管内郵便局に対します業務指導等に当たっておりました職員によります収賄事件というものがございます。
 まず、加重収賄事件などの公訴事実の概要などでございますが、伏見郵便局郵便課主任などとして料金別納郵便物の引受検査などの職務に従事しておりました橋口文博が、広告郵便物の発送代行等を業といたします株式会社郵和の代表取締役らから、同郵便局に搬入いたします料金別納郵便物の引受検査業務を行うに当たりまして、通数検査をせずに差し出し通数の過少申告を是認するなどの職務上不正な行為をしたことに対する謝礼として供与されるものであることを知りながら、現金合計百七十万円の供与を受けたというもの。またこの関係では、関係被告人が共謀の上、適正に郵便料金を収納すべき任務に背きまして、国に対し約五千七百九十九万円の損害を加えたという背任の事実でも起訴されたと承知しております。
 また、収賄事件でございますが、これは、近畿郵政局郵務部業務課業務係次席として管内郵便局に対し料金別納郵便物の引受検査等に関する業務指導などを行っておりました伊藤文訓が、郵和の代表取締役から、有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼などの趣旨で供与されるものであることを知りながら、現金など合計千二百五十万円の供与を受けたというものでございます。
#179
○宮本岳志君 つまり、業者が東京でかき集めた郵便物がトラックで大阪だとか京都、兵庫、滋賀など五十を超える郵便局へと不当に安い料金で運び込まれた、それが郵便事業の配達ルートで逆に東京までもう一遍送られて、そして郵便局によって一件一件配達されると。その通数をごまかすことによって、この三堀という容疑者は五年間で何と十億円を超える不当な利益を得たと報道されております。こんなものを五年間も放置しておいて事業が赤字にならない方が不思議だと私は言わざるを得ません。
 実は、事件発覚に先立つ九八年秋に、郵政監察はこの事件で検挙された大西被告を含む十数人を対象とする捜査を行っております。何を調べておりましたか。
#180
○政府参考人(松井浩君) この事件は正に違法な犯罪に値するものでございます。適正な営業活動では断じてありません。
 先生御指摘のこの捜査でございますが、平成十年の七月ごろに郵政監察に情報が入ってまいりました。それは、姫路方面の金券ショップに大量に郵便切手を持ち込んで換金している者がいると、そういったことがあったわけでございます。これを基にしまして兵庫の郵政監察室が捜査を行いまして、神戸中央郵便局主任を三百万円の郵便料金横領容疑で検挙し、懲戒免職にしております。
 そこで、この当時の近畿郵政局に勤務しておりました、先ほど話のありました大西課長補佐等関係者に対しましても横領事件との関連で調査をいたしましたけれども、不適正経理の問題では分かったんですが、立件に至るような材料がなかったということで減給等の処分を行っております。それが当時の調査でございます。
#181
○宮本岳志君 郵政監察が乗り出して一部は検挙までしておりながら、結局は警察が動くまで不正の全容を明らかにすることはできなかったと、この責任は重大だと思うんですけれども。
 実は、今お認めになったように、これは事件の発覚以前から本省にこの不正については伝わっていたわけです。
 九九年七月八日の「通販新聞」によると、五月二十一日に行われた日本メーリングサービス協会の会員協議会の席上、ある事業者から、一部の事業者が郵便料金をごまかしている、こういう発言があったと。郵務局輸送企画課の課長補佐が本省へ報告するとその場で発言をしております。この「通販新聞」は、その後、本省の濱田郵務局長に本省の見解を求めたがコメントは拒否されたと報じられております。
 エンデバーコーポレーションや郵和というこの悪質な事業者に対してなぜもっと早く断固とした措置が取れなかったのか、これはいかがですか。
#182
○政府参考人(松井浩君) 先ほど申しましたように、九八年の秋、平成十年でございますが、その当時での捜査では立件に至る材料はなかったと、刑事事件でございますので、そういうことでございます。しかしながら、不適正経理ということでは当然その問題の大西被告についても処分されております。
 ただ、その後、先ほど法務省の方からお話がございましたけれども、京都中央郵便局に勤務していた当時の問題について京都府警に収賄容疑で逮捕されておるわけでございます。それは収賄容疑でございます。贈収賄事件でありまして、事案が違います。それについて何か分かればよかったじゃないかということは御指摘のとおりだと思います。もっと能力的に、あるいはそういった材料があれば端緒が発見できたかもしれないという点ではそうでございます。それは不幸にして九八年の捜査では立件に至るまでの材料はなかったということでございますが、京都府警の方では贈収賄事件として証拠を得られて、そして起訴されたということで確定判決になっております。それにつきましてはそういうことでございます。
 そういう意味で、監察のその捜査の能力について、この点については遺憾に思っているところはございます。
#183
○宮本岳志君 いや、そんな話ではないと私は思うんですね。
 私の手元に、株式会社アビアに係る公文書偽造同行使及び郵便料金減脱容疑事件についての、本省に対し局付監察官、兵庫監察室の捜査状況を説明し、今後の捜査等打合せ結果という九八年九月十八日付けの近畿郵政監察局の内部文書があります。
 ここには、こう書いてあります。近畿郵政監察局側の発言として、エンデバーコーポレーション梅谷信行は、郵便局の別納郵便の取扱い実態を知り過ぎており、同人を取調べすることにより、郵便局のずさんな取扱いがマスコミによりたたかれるおそれがある。一昨年の和歌山中央局員の贈収賄事件の捜査では警察が郵政局を捜査して大きな問題となった。このことを十分念頭に置いておかなければ監察側が一方的に悪く問われかねない。これに対して本省は、郵務局に情報提供し、国会議員への押さえ等しておく必要があるので早急にやりたいと。それに対して、さらに監察局側は、公文書偽造、同行使罪について、これを立件しても郵政省にとって何のメリットもないので警告にとどめたいと、こういうやり取りがやられたと。
 先ほどの通販新聞の連載を見ますと、ダイレクトメールを通数の過少申告で郵便局へ持ち込む業者の存在、その不正の背景として、郵便局の幹部が他の郵便局とのノルマ達成の競争に駆り立てられていること、それから発送代行の業者が現職の郵便局幹部と人脈を作って不正のために活用している、これらが背景にあるんだと、こういうふうに論じられているんですね。
 これは、正にこういう癒着が、そしてまたノルマということがこういった問題を見過ごす結果になっているんじゃないですか、いかがですか。
#184
○政府参考人(松井浩君) この一連の問題につきましては、先ほど申し上げました最初の近畿郵政監察局による捜査、それから京都府警による贈収賄事件としての捜査、それからその後近畿郵政監察局が徹底的に調査をいたしまして、また横領を一つ見付けたことでございます。
 それから、それに関連していろいろ問題があるということで、手続でいろいろ不備があると。つまり、業者の側の動きもあるんですけれども、ぎりぎり時間の締切り、トラックが出る締切りぎりぎりにあえて持ち込んで、それで早く早くというふうにせき立てたり、いろんな動きがあるんですけれども、そういう中できちっとした監査を行いにくいような問題、それから先ほどの贈収賄事件になりますと、本当は全然性格の違う話なんですけれども、それにつきましては、警察と監察との捜査協定の中で、贈収賄事件に関しては一義的に警察がやる、一般警察がやる、郵政監察はやらぬという協定になっております。そういうことも一つあったのでございますけれども、それにしてもしっかりと、何といいましょう発覚の端緒をつかむべく何かできたんじゃないかという御指摘は御指摘で受け止めなきゃいかぬと思っております。
 それから、手続を直していかなきゃいかぬということと、それからそういう何といいましょうか、きちっとその物数が幾らあったかということをきちっと確認するということがいかに営業収入の確保という観点から非常に重要であるということの徹底はもちろん必要でございます。
 それから、先ほど先生御指摘のような、営業活動一般の在り方として、今まで単純な収入だけの目標ということでみんな頑張れ頑張れではいろいろ問題もあるんじゃないかというふうなこともあります。それで今年からは、営業収入の目標の設定そのものは必要だと思っておりますが、切手とはがきを売るようなそういう収入目標と、それから先ほど大口で差し出されるような別納、後納、こういったものと収入目標を分けるようにいたしました、今年度から。それから、公社になりましたら完全な発生主義になりますから、収益の理解そのものが完全な企業会計制度の下で変わると思っております。
 いずれにいたしましても、いろんなものについて反省すべき点も多々ございまして、きちっとした事業基盤の確保に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#185
○宮本岳志君 効率的経営と言うけれども、事業対象業務に挙げている発送代行業を見てもこういった事件もこれまで起こってきているわけですし、正に子会社を一杯作って天下り、子会社は黒字で本体は赤字と、先ほど来いろんな方から指摘されている道路公団とうり二つの構図になるのではないかという疑念は私は払拭できないと思います。
 最後に、私はどうしてもはっきりさせておかなければならない問題がございます。
 実は、総理は本会議の私の質問への答弁で、私が高祖派の選挙違反事件について総理に、なぜやめさせなかったのかと、こう問うたのに対して、これを労働組合と野党との関係に混同する答弁でごまかしをいたしました。衆議院では、「よくはつまびらかには知りませんけれども。」などと言いながら、郵産労という名前まで出して私どもに反論をしております。はっきり申し上げますけれども、日本共産党と郵政産業労働組合との間には、国会の場で取り上げられて困るようなことは何一つございません。
 総務省に確認したいんですが、あの昨年の高祖事件で法律違反とされたのは公務員の職権濫用だったと思うんです。これは個々の局長が選挙運動をしたということが問題になったのではなくて、全特や近畿郵政局の幹部がその立場を使って特定局長らに選挙運動をするように強制したと、これが問題になったということだと思うんですが、これは間違いないですね。
#186
○政府参考人(松井浩君) 御指摘の事件でございますが、一月十七日に前近畿郵政局長等に対しまして公職選挙法違反により、これは公務員の地位利用という形でございますが、禁錮刑の判決が言い渡されたところでございます。誠に遺憾でございまして、厳粛に受け止め、深く反省しているところでございますが、その判決の中では、前近畿郵政局長等が管内の特定郵便局長が公務として出席を義務付けられている特推連の会議の場を利用して選挙運動を行ったこと等をもって近畿郵政局の組織ぐるみとの指摘がなされたことについては、また謙虚にかつ厳粛に受け止めているところでございます。
#187
○宮本岳志君 私は繰り返し特定局長のぐるみ選挙の問題を取り上げてまいりましたが、特定局長個人が自民党を支持してはならないなどとただの一度も申し上げたことはないんです。特定局長の一人一人が自民党を支持しようが民主党を支持しようが、それは自由なんです。むしろ、その自由を自民党と郵政官僚が踏みにじっていることがけしからぬということを言ってまいりました。つまり、公務上の、公務の業務上の組織が特定の政党を応援すれば公務員の職権濫用に当たります。そして、もちろん労働組合であっても特定政党や特定候補者の選挙運動をやると機関決定をして進めるならば、それは高祖事件と全く同じ構図になるでしょう。
 今日はここに郵政のある大きな組合のホームページの写しを持っております。だれということは言いませんけれども、ある参議院議員の写真が載っておりまして、こう述べております。今回の選挙では○○組合の皆さんの一体となった戦いで勝利することができましたと。実際この組合は年間の運動方針自体にこの特定の議員の選挙に取り組むということを公然と掲げておられます。
 総務大臣にお伺いしたいんですが、総理が、公務員が労働組合を作って選挙運動することは違法だと、こういうふうに答弁されたのは、この組合のやっているこういうことではありませんか。
#188
○国務大臣(片山虎之助君) 総理は一般論を言ったんですね。国家公務員というのは全体の奉仕者で、政治的に中立で、公職選挙法その他関係の法律をしっかり守るべきだと。そこのところは少しそうでもないような状況があるんではないかということを一般論として言われたわけでございまして、特定の組合の特定の候補の云々ということではございませんので、そこは御理解を賜りたい。
#189
○宮本岳志君 正にこういうことをやっておれば総理の反論に言い返せないという現状もあるでしょうが、私ども日本共産党、私にそのような中傷をしてくるというのは断じて許されないと言わざるを得ません。
 我が党は一貫して労働組合が特定政党の支持を機関決定することに反対をしてまいりました。総理が口にした郵政産業労働組合と我が党は協力、協同の関係を持っておりますが、ただの一度もこの組合に日本共産党の支持の決定を求めたこともありませんし、また現にこの組合は我が党始めいかなる政党も支持決定したこともございません。これだけは明確にしておきたいと思います。
 我が党は、理事会の場で何度となく小泉総理の本委員会への出席と視覚障害者団体からの意見聴取を求めてまいりました。しかし、その我が党の要求には一切耳をかさず、今朝の理事会では我が党の反対を押し切って、本日質疑終了後の議了、採決を強引に決められました。このような理事会運営を我が党は断じて容認できません。
 本郵政関連四法案は、内容からいっても小泉流の郵政民営化、つまり大銀行が郵政事業を食い物にする新しい利権に道を開くとともに、いわゆる族議員にとってはファミリー企業や天下りなど古い利権をも温存する最悪の法案であるとともに、その成立の過程、つまり形式から見ても徹頭徹尾国民に背を向けたものであったということを厳しく指摘して、私の質問を終わります。
#190
○渡辺秀央君 大分時間が経過してまいりました。同僚議員のこれまでの二十時間以上の質疑で問題点は随分掘り起こされたし、また出尽くしたような感じもいたしますね。大臣、どうも御苦労さまでした。(「まだ終わっていない」と呼ぶ者あり)まあ、終わったと同じようなものです。
 私は、最後の質問を同僚議員松岡君から了解をいただいて、国連として今日、私の考え方を申し上げ、国連としての考え方も申し上げておきたいと思うんですが、まず結論から申し上げて、私は、自由党として、この法律に関してはやはり橋本行革は根本的に間違っていた、このことはまずしっかりと指摘をしておきたい。
 特にこの郵政事業、郵政省の、いわゆる総務省と一緒になったということに対することよりも、むしろ民営化の方向は一切考えないでというのが、やはりそこの担保がしっかりしていないで、総理大臣が、小泉さんがこの公社法案を審議している最中、あるいはまた、みんなが心配している衆議院で審議している最中にやっぱりああいう問題が起こったということは極めて不見識なことだったと。
 それから、政党政治において、この法案がやっぱり正常ではなかったと。与党の、後で事後承諾を得たにしても、与党の、余分なことではあるけれども、事前の審査を得ないでこの法案が国会に出された。将来、議院内閣制においてそのことが良かったか悪かったか、あるいはいい意味で先鞭を着けたということになるかどうかは、これは将来の問題でしょう。
 しかし、私は、この郵政三事業の公社化という問題は、昨日も同僚議員とずっと、かつての私の衆議院時代の地元でしたが、実は偶然なんですけれども、行って、地元の人たちの意見を聞いた。だれ一人、郵便局は公社化の方がええなんという話は一つもない。だれ一人、郵便局は必要ないという意見はもちろんない。一体、この間も若干申し述べましたけれども、この事業庁がなぜ一体公社化にならなきゃならなかったのか。全くもって、本当にここまで来ると疑問、あるいはまた、国民を納得させるものはどうも薄いように思えますよ。
 現実として、先ほど来も若干の話が出ていますが、当時の金融界が、貯金がどんどん郵便局に集まる、そのことのねたみ、そねみではなくて、自分たちの経営手腕の足りなさ、あるいはまた営業努力の足りなさ、そういうことで国民から信頼を得ないで貯金がどんどん郵便局に行っちゃったと。しかも、これは限度まで設けてあるにもかかわらず、国民の一人一人の財布の中のお金が郵便局に動いたんです。その結果、いわゆる民業圧迫だと。まるでこの民業圧迫ということが金科玉条のごとくに、本当に国民にとってはマイナスなんだというような意味で、これまたマスコミが非常に面白おかしく駆り立てて、そして、この郵政三事業というのはいわゆる国の保護によってなされていると、こういう見出しや解釈で進んできてしまった。
 これは私は、何回も言うけれども、郵政省の幹部の諸君たちの努力の足りなさであったと。あるいはまた、私も経験者として、当時の大臣たちが、いわゆるそこまで気を配ったことを、本当に自分の政治生命、あるいは国民の立場に立ってどれだけの努力をやったかと。大変申し訳ないが、私はその感じがいたしますよ。
 しかしながら、今日の段階において、前にも申し上げたが、ここで公社は発足するでしょう。したがって、この公社化に対してのことはやむを得ないことと言いながらも、その根底が極めて不純である、不純である。国民が全く利便性を利して、生活の中の郵便局ということでやってきながら、それを取り上げようということまで考えたわけですから、当時は。だから、そういう意味においては、私はこの発想はどうも不純であったと。
 したがって、公社化を早くスタートさせて、三十万の公務員の職場そして生活、それにまつわる家族の人たちの生活、将来にわたる希望、そういうことを、更なる不安感を与えてはいかぬと。まずは、公社化と言うならば、この公社化を、先ほど大臣も言っているように、まずはやらせてみてくれという今の総務省の考え方、これはやむを得ないことだろうと。
 我々は少数でありますから、私がここで反対しても、これ、今日はこの公社法案、その他法案が通る。通るという前提で、私は、附帯決議に対しては、立派な公社になってほしいので、附帯決議は提案者の一人として賛成をいたすつもりであります。しかし、法案については、どう考えても政治家として納得できないものを妥協することはできぬ、そういう意味で反対を表明をまずさせていただきたいというふうに思います。
 そこで、時間も限られたことですから、今までの議論の中で幾つかし残したことを、質疑をし残したことをちょっと、あるいは同僚議員との質疑に重複感が出るかも分かりませんが、私の方から幾つかの問題を質問をしてみたい、また御意見を伺ってみたいというふうに思います。
 その一つは、先般、第三種郵便、四種郵便のことがありました。私は実はこの三種郵便、四種郵便、特に今日の午前中の日出君の質問の中にあったことは、私は本当にそう思います、私も。いわゆる法案に書けるものは書いた方が良かったのかという感じはします。だけれども、しかし、それも仕方がありませんね、公社というものはどういうものかという議論から。そこで、もう一つ突っ込んで私は実は今日お聞きしたかったのは、この三種郵便というものがどれだけ一般的に利用者の負担になっているのかということを、大臣、これ、今日回答しろとは言いませんが、感じだけは聞かせておいてくださいよ。
 それから、私は、そこへ今の幹部の諸君たち、局長と長官をそこへ座ってもらったんです。それは、やっぱりきちんとしたことを今後頭に置いてもらいたいからなんです。そっちの方の陪席で座っていて、そういうことじゃいかぬと思ったから、そこに。返事をもらおうとも思わぬがね。
 第三種郵便で、新聞が百五十グラムぐらいでしょう、大体。これが雑誌が三百グラムぐらいですよね。これはもう、ちょっといささかの感じしますよ。しかも、三分の一の値段だ。
 これがどういうことかというと、私が現職のときに、新聞協会がいわゆる第三種郵便物の認可を受けていないと選挙報道ができないという問題があったんですよ。これ、十年戦争をやったんだ、郵政省と、郵務局と。当時はもう独立採算だから、郵務局の局長が歴代ずっと新聞協会と渡り合ってきた。いつまでたっても解決しないというので、実はその当時、早田という人が局長でした。そして、私は、活字文化をやっぱり立派なものとして、新聞協会、残していきたいという話がありまして、私もそれに共鳴をいたしまして、まじめに新聞協会の考え方をとらえたんです。そして、要するに半分以上広告をやってもいいようにしてほしいということでしたよ。もうだんだんだんだん景気もそういい方向に行くわけじゃないだろうと、新聞というのは広告で賄っているということで。
 そこで、私はそのときに、もう最後の手段として私の方針を出したんです。すなわち、私は当時郵政大臣ですから、郵政省の方針を出したんです。それはどういうことかというと、私の全くの個人のアイデアでした。それは、広告の中にも情報伝達という性格の広告があると、それと純粋な宣伝広告、これを峻別したらどうかと、そして、情報伝達に関しては広告の枠の中に入れないでという裁きを実はやったんです。それが今日の新聞のあの広告のきちんと整理された形になっている。これは、新聞協会がやったわけでもない、新聞協会の何たら委員長が自分でアイデアを出したわけじゃない。泣いて、泣き込んで、私のアイデアを、これ以上のことは郵政省は妥協しない、新聞協会はこれでいいんならやるよということで、今、今日来ているんです。
 だけれども、これほど経済状況が悪化し、これほど各中小企業その他が苦しんでいる中で、言わば新聞、雑誌社は、言うならばどこよりもまだ恵まれていますよ。そういうものが、一般の郵便あるいはまた一般の消費者、利用者の負担を被っていくということは、私はいささかの感じが時代的に来ていると思う、もう十年前の話だから。
 そういう意味で、この三種に関して、障害者あるいはまたいわゆる弱者の皆さん、これは当然、今までどおりやっていってもらいたい。しかし、そろそろかなりの優遇策は、マスコミに関して政府がやってくれる時代、ある時期はあったか分からぬ。私は、今野党にいるから言うんじゃないですよ。しかし、公社となって更にやる必要があるのかねというところは、もう一回ここでやります、やりませんと言う必要はないが、検討に値することではあるんじゃないかと。
 特に、雑誌なんてひどいじゃないですか。雑誌が三百グラムで七十円ですよ、七十円。一般的には百円だ。これがこんなに、七十円掛かるのが四十円で行くんですか。百円が四十円で、半額ですよ。それはおかしいですよ。
 そういう意味で、私は何もマスコミに嫌われることを思って、ここで私がこれだけのことを言ったら、恐らくマスコミに嫌われて攻撃を受けるでしょう。だけれども、政治家として、やっぱり正しいことは一応は問題提起をこの場で、この法案を通すに当たって、一度当事者としてこの考えは是非しておく必要がある、国民に対して、利用者に対してという感じがいたします。この問題について勉強していただく気持ちがありますか。
#191
○国務大臣(片山虎之助君) 御承知のように、三種も四種と一緒に政策料金をやってほしいということは法律に書きます。しかし、どういう政策料金にやっていただくかは公社にお任せしようと、こういうことでございますが、ここで何度も答弁させていただきましたように、公社移行後、当面は現行の政策料金を維持していただく、特に盲人の方、視覚障害者の方については無料を続けていただくと、こういうことははっきり申し上げましたが、その後は公社の御判断になると。その場合、我々認可させていただきます。
 そういう関係になるので、当面は現行政策料金を続けさせていただきますが、その将来は公社の方で御検討賜ろうと、こういうことになると思いますし、新聞も雑誌も、もうITが進みますとインターネットで流れるようになるんですよね。そういう事態を踏まえて、またどう考えていくか、この政策料金も。私は、委員の言われるように、検討課題の一つであることは間違いないと考えております。
#192
○渡辺秀央君 それは、ありがとう。それは見識だと思いますよ、本当に。
 是非、現職の総務省の幹部の諸君は、そんなものは恐ろしがったり、政治家だけでいい、マスコミを怖がっているのは、役所は怖がる必要はない、国民のためだ、国民のため、しっかりやった方がいいと思います。
 それからもう一つは、労使の関係で給与がスムーズにいくだろうと期待していますよ。これは、これから恐らく附帯決議のところでも議論されると思うんです。
 私は、特にこれ、人事院総裁にも来てもらったわけですが、今、独立行政法人がどんどんできちゃって、これがどうもその法人ごとに違うみたいだな、この給料が、この間もちょっと質問をしてみましたけれども。
 もう一歩突っ込んで言うならば、これ、ほっておくと郵政公社、今まで国家公務員としてこのまま公社に移行する人たちが、ほかの法人から見たときに何だねと、おれらは一生懸命まじめにやって国民のためのサービス、最先端を担って一軒一軒回って、いや、ひまわりだ何だといって努力しているのに、給料の面においてはほかの公社の──言うなら、これは郵政の諸君の、人たちの肉体労働が半分ぐらい入りますよ、実際は、特に外務員は。そういうことを、内局の人だって、さばくことだけだって大変ですよ。
 昨日、同僚議員と一緒に田舎の方の地方に行くと、みんなまだやっているわけです、手で、手作業でやっている。言うならば、そういう実際に取り組んでいる、まじめに取り組んでいる人たち、それから、取り組んで、これからなお一層、公社化の中で求められる将来の明るい展望が持てるような公社を実現するために努力していく人たちと、そうでなくて、先にこの独立行政法人ができちゃったものがいい給料で決まっていましたというのは、これじゃ、私は余り公平、そしてまた公明正大だとは思えませんね。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 したがって、独立行政法人も含めて、私は、これからのこういうものに対する給与の問題に対しては、郵政公社は労使話合いの中で決められると思うが、そのもう一つ外の枠組みの中で、透明性を高める意味で何か仕組みが必要ではないかと、他の独立行政法人との兼ね合いで。これは、今後の問題ではありますがね。
 そういう意味で、人事院総裁、何かお考えがあるか、あるいはまた、なきゃおかしいと思うけれども、郵政公社が不利になっては困る意味で私はちょっと一言、ここはくぎを刺しておきたいなというふうに思っての質問でありますが、今の総務省から郵政公社に移行する公務員並みとしているその人たちに優遇策を取れというんじゃないですよ。その人たちがほかと比べてみて遜色のないことにしてもらわなきゃいかぬ、そのためにきちんと人事院は目を配る必要はないのかということです。
#193
○政府特別補佐人(中島忠能君) 先日、沓掛先生でしたか、御自分の労使交渉の苦労も交えながら、公務員の給与の在り方について人事院の役割等について言及をされました。
 私はそのときに申し上げたんですが、今度の郵政公社の仕組みもそうですが、大臣及び国会からできるだけ自由にして、そしていろいろなアイデアを発揮していただいて事業効率を上げようという仕組みでございますから、そういう下において給与をお決めになったというときに、人事院として物を言うあるいはどうこうするというような立場でございませんので、私は、非常につつましい人事院でございますので、そのことはよく承知しております。
 ただ、そのときに申し上げたのは、国民の税金で給与をもらっていると、国家公務員そうですが、特定独立行政法人の中も、非常に多くの特定独立行政法人もその運営費の大半を一般会計からの助成金で賄っておると。そういうところの特定独立行政法人の中で、まあ人事院は過去三年間、年収でマイナスの勧告をしてまいりました。一般の公務員というのがマイナスであるにもかかわらず一〇%近く上がっている特定独立行政法人もあるという話が伝わってまいりますので、同じ税金が元でそういうことになっておるのは不公平感が出てくると、現に出てきておるわけですが。そういうのは、先ほど申し上げましたように、人事院がどうこうするという立場でございません。そういうのは、実態を統一的な基準で比較して、その実態を国会とか内閣に御報告申し上げて、こういう場で議論していただいたらどうだろうということを申し上げたわけです。
 今、先生がおっしゃるように、郵政公社の場合には一般会計からの助成というものがない。自分で一生懸命汗を流して稼がれたお金で月給を払っておられるから少し議論は違うと思いますけれども、私は、そういうものを国会の場で御議論いただくというのが今の仕組みの下における唯一のとにかくお手伝いできることじゃないかということを申し上げたわけでございます。
#194
○渡辺秀央君 なかなか答えにくいことでしょう。しかし、人事院というのは公務員の正に人事の管理をなさっているわけです。同時に、それは給与も同じことですよ。だから、一年に一回ぐらいは、我々、これは例えば行政監視委員会なんというのは一つかなという感じしますね。そういうところで様子をお聞きするということは一つかなというふうに思うんですが、この行政監視委員会というのはなかなか機能しないんですよ、実は。それで弱っているんですがね。しかし、これは小泉総理も本会議で大変期待をしたようですから、これはこれからの問題として考えていかなきゃいけないと思います。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 しかし、一年に一回ぐらいはその結果の報告ぐらいはどこかで受けるべきでしょうね、この特殊法人の給与体系というか、そういうものに対しては。そうでないと不公平感が出てきますよ。一生懸命働いて、国民のために、しかもまた、実際の公務員として国民との接点を努力しておられるという、特にこの郵政公社になっていく公務員諸君たちのことを考えると、私は、そういう意味で、老婆心かも分かりませんが、心配をいたしておるということを申し上げておき、かつまた、今後の我々国会議員としての考え方をこれはまとめていく必要があるのかなというふうにも思ったわけでありますが、総裁、余り人事院総裁として遠慮なさらずに、それはやっぱり、何かそういう余りにもひどいときにはやっぱり私は提言されるべきだと、内閣の一員として、と思いますよ。それは是非、そういう仕組みがもし必要だったら法律考えればいいことであるというふうに思います。さて、どうぞひとつ注意をしていただきますようにお願いを申し上げたいと思いますし、目をみはっていただきたいなという感じがいたします。
 さて、この公社の議論、先ほどから申し上げているように、かなり詰まってきておりますが、私は、やっぱり二万四千七百という出先の郵便局というのはやっぱり国にとって宝だと思うんですね。国民にとっての資産だと思うんですよ。だから、そういう意味では、これ今度公社で、今まで郵便局、郵政省の郵便局であったのが当たり前みたいな感じで、今度は公社の出先でしょう。公社が、二万四千七百の出先を持っている公社なんというのは日本じゅうもちろんないわけであります。
 そういう意味で、この三事業、前にも申し上げたことあるが、三事業のみならずのいわゆる活用の仕方、これに対して、僕は團局長と松井長官にも是非聞いてもらいたいんです。あなたたちは何十年、郵政業務に携わってこられた人たちだ。まあ私も国会議員になって大体、この国会の周りにいたことを考えると、秘書官をやったりしたことを考えると三十年なんですよ、この周辺で。
 そういう意味では、やはりこの郵政省、郵便局というものが今後とも安泰なのか、今後とも国民の本当に役に立てるのかということを考えるときに、画一的、均一的、そしてこれが正に国家の機関として、ある意味における普遍性を持った、公平感を持ったものでなければならないとした今までの郵便局の在り方、そうだったと思うんだ。それであっては私は生き残れないと思うんです。
 要するに、例えば特別豪雪地域、昨日も何回も言って恐縮ですが、昨日も行ったようなところは全国でも有数の特別豪雪地域であります。あるいはまた災害の多い地域、そういうようなところは、やっぱりそこ独特な地域住民とあるいは地域の行政機関との連携が必要ですよ。そうでなければ、農協ですら合併し、なくなっていくということを昨日も言っておられましたが、郵便局しかないんですから。幸いにして今度は、行政改革反対だと言いながらも矛盾したことになるか分からぬが、自治省と一緒になったわけだから、地方行政と。その中で私は、これが発足した後、公社が発足した後、更なる連携、地域の行政との連携、地域住民との連携ということによる分厚い郵便局、厚さのある郵便局、決して権威だとか偉そうなこととかという意味じゃなくて、要するに深みのある、存在感のある郵便局を作っていくその努力が必要じゃないかなと。このままだったらまた同じだよと言いたいんです、僕は。それは、組合の全逓も全郵政の皆さんも、あるいは組合に入っていない人たちも、あるいはその他の人たちも、それは真剣に努力されると思うんです。しかし、やっぱりトップがしっかりしていなきゃいかぬですよ。
 かつて、とにかく金が集まり過ぎるというんで、この間も言った、郵便貯金集めるなという指示まで出して、僕は落選中だったけれども局長を怒り付けたことがある。怒ったというのは鈴木宗男君みたいに言ったんじゃないんだけれども。言うならば、そういう、官邸を見たり政治家の顔見たりしないで国民の方に顔向ける。要するに、前島密先生は、これは国民のために作った制度なんですよ、郵政三事業というのは。国家のために作ったんじゃないんだよ。国家のために金を集めようとしてやったんじゃないんですよ。国民の生活と国民のニーズにこたえてこの郵政三事業というのを発足させ特定郵便局制度というのを作ったわけだ。
 そういう意味で、やっぱり私は、ここで公社がスタートするに当たって極めて感慨深いが、しかし原点に戻って、初心に戻って、今こそ前島精神ではないかということを私は幹部の皆さんにも三十万の郵政マンの皆さんにも申し上げたい。そういう意味で、是非、これからの三事業の発展、そして充実した郵便局が誕生できますように心から期待をしながら、これからの一層の、いわゆる本省と言われる、これから今度は公社の、公団の幹部ですね、その人たちがそういう意識を持った、総裁という名前になるのか何の名前になるか分からぬが、この間も大臣が言っておられたけれども、それは民間人だからいいということには私はならぬと思いますよ、はっきり言って。幅広く人材を求めていただきたい。
 そういうことを申し上げて、大臣の意見と、それから局長、長官、それぞれ一言ずつ決意を述べていただきたい、時間十分あるんだから。
#195
○国務大臣(片山虎之助君) 今、渡辺委員から大変いいお話をいろいろ御開陳いただきまして、大変感謝申し上げたいと思いますが、郵便局は百三十一年の歴史の中で、言われるようにこのネットワークは国民の資産であり生活インフラだと我々は思っておりますし、また本当の、国民にとってはセーフティーネットですね、最後の。そういう行為を果たしてきて、今後もそれを是非果たしていただきたいと。やっぱり地域の支持、国民の信頼というものがある限り、私は、郵便局は、東京の方がどうなろうが中央の方がどうなろうが、郵便局はずっと私は不滅の存在であると、長嶋茂雄じゃありませんが、そういうふうに実は思っております。
 そういう意味で、今、委員言われましたように、存在感のある、奥行きの深い、地域にもう本当に根差して、やっぱり金太郎あめでない地域に特色のある郵便局に是非なっていただきたいと思いまして、郵政官署法でワンストップサービスも始めていただきますし、ITの地域的な拠点にもなっていただこうと思いますし、そのほか県や市町村と独自の連携を協定その他でやっていただこうと。こういうことをこれからも大いに、要員の数やあるいはお金の問題がありますけれども、引き続いて奨励していきたいと、こういうふうに思っておりますし、新しい公社の経営陣にもそのことを十分お伝えしようと、こういうふうに思っております。
#196
○政府参考人(團宏明君) 今回、四法案ということで御審議いただいておりますが、先生方の御議論を聞いていまして、やっぱりこうした時代には三つの協調が必要じゃないかと。まずは、やっぱり地域における存在ということだろうと思いますし、それから民間との協調と、それから、今日も議論出ましたけれども、やっぱり国際情勢もよく考えながらやっていくと、その三つのことが重要じゃないかというふうに考えております。
 また、今回、自律的、弾力的な経営が行われるということになりますが、反省をすれば、やはり、官民問わずとは言いませんけれども、大組織の弊害、弊というのはあろうと思います。大きな組織で規定、規則どおりしかできないという、これは民でもそういうところがあろうと思いますが、こういうものを克服していくことが大事だろうと。要するに、地域に存在感が仮に薄いとすれば、やっぱり規定、規則に縛られて裁量がない、地域の声が聞けないということになりますとなかなか地域との協調ができないということになってまいります。
 したがいまして、分権の時代でございますけれども、やっぱり郵政事業もこれからかなり分権をしまして、もちろんユニバーサルサービスはきちっとしながら、それぞれの地方に応じて裁量を持ってやっていくと。そういう管理者とか職場、それから組織、仕組みというのを作っていくこともまた大事じゃないかなと、多少私見でございますが、そう考えております。
#197
○政府参考人(松井浩君) お許しいただきまして、若干の気持ちを述べさせていただきたいと思います。
 渡辺先生、昔、大臣としてお仕えしておりまして、先ほど来、御指摘の中で、一つ一つかみしめる思いで伺っていた次第でございます。
 新たにこの法律が成立いたしましたら、来年の四月から公社ということで変わることになります。その中で、これから、何度も答弁もさせていただいたんですが、私どもにつきまして、変えろとおっしゃっている部分と変えるなとおっしゃっている部分とあります。もちろん、先生方によりまして、御指摘によりまして、若干オーバーラップしたりあるいは矛盾したりするところもありますけれども、その辺の見極めをしっかりしていくのが使命なのかなと一つは思っております。
 そういう中で、変えるなという部分は、これまでの大きな公共的な役割というものを、全国津々浦々の主として国民の方の暮らしを支えるという立場が基本だったんだと思っております。
 もっとも、個人の暮らしだけでは、例えば郵便なんかはそうでございますけれども、大きな意味でのビジネス社会との両立性がないとやっぱりうまくいかないんではないかと思っておりますけれども、基本がそういう流れの中で、前島先生以来の歴史をしっかりと受け継いでいくのが私たちの使命なのかなというふうに思っております。
 これから大きくまた変わっていかなきゃいかぬ部分も多々ございまして、内部規定だとかいろいろ四月までに大わらわで準備することがたくさんございます。そういう中で、関係者共々よく話し合いまして、労働組合あるいは職員の方々とは、やっぱり能力とかそれから実績に応じた、で評価もされるというやりがいのある公社ということで力を合わせていけるような器作りをしていきたいというふうに思っております。
 行き渡らないこと、あるいは御審議の過程で、何だ、まだ準備が十分じゃない、かという御指摘も重く受け止めた次第でございますけれども、しっかり頑張っていくつもりでございますので、よろしくお願い申し上げます。
#198
○渡辺秀央君 どうもありがとうございました。
 どうぞ、時代のニーズとそして国民のニーズ、しっかりとらえて立派な公社としてのスタートをしていただきたい、心から念じて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#199
○又市征治君 社民党の又市です。
 この四法案について、二十数時間にわたって論議をしてまいりましたし、参考人の質疑やら、あるいは昨日は地方の実態調査、こんなことも含めて、郵便局が大きく変わっていこうとしている、とりわけ百三十一年たつそうでございますけれども、そういう中で、いい方向で新たな時代のニーズに合った立派な公社になっていくように、そういう意味で、もう少し足らざるところ、幾つか確認をしておきたいこと、その点を最後に質問をしてまいりたいと思います。
 一つは、郵貯、簡保については、今回の法案に直接出ていませんけれども、前にも申し上げたとおり、過疎地を含めて地方における庶民の大切な金融窓口でありますし、郵便局の廃止があっては国民が困る、こういうことだろうと思います。
 小泉流改革、小泉流郵政改革の本当のねらいというのは、私は、どうも次のステップで、この莫大な、しかし元は零細な個人の資金というものをリスクの高い株式市場に無理やり引っ張り出そうとする意図ではないかと、こう思いますので、改めて伺っていきたいと思うんです。
 当面の危惧は、公社化によって資金運用がよりリスキーな投資にシフトするんではないか、それによって国民の資産が危険にさらされないかということなわけです。前回、ポートフォリオの変化について聞きましたけれども、単に民間的な運用に近づけるとなると危険なしとはしません。
 例えば、簡保の運用は、現行法では前年までの簡保積立金ですけれども、公社法案ではこれを簡保資金に変える、こうなっているわけですね。つまり、今までのように一年置いておかないで、年度内に右から左へすぐ使えるようになるという、こんなことになるんだろうと思うんです。法律上責任準備金があるとはしても、今より回転が速くなっていく分だけリスキーな運用になることはないのかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
#200
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 簡保の余裕金についての取扱いについてのお話でございます。
 御指摘の簡保積立金でございますけれども、現行、国の会計制度の都合で年度内の歳入と歳出の差額である余裕金というものがございますけれども、これは国の会計制度の関係で財政融資資金に預託しなければならないということで別扱いになっております。しかし、今度は会計制度が変わるということになりますので、端的にこれは積立金と統合して扱うということになるわけでございます。
 しかし、それは会計の関係でございまして、余裕金につきましては、やはり資金繰りの関係から現在も短期資金の一部として管理しておりますので、今後も、そういうポートフォリオ上区別はなくなりますけれども、こういう資金繰りに必要な資金につきましてまたリスクのあるようなものを持っていくということは経営的に非常に問題がありますので、そういう方向では考えておりませんで、会計は変わりますが、従来どおりの運用の方法でやっていきたいというふうに考えております。
#201
○又市征治君 そこで、運用職員についてですけれども、一般職員よりも厳しい責任条項として今回の法案では第五十五条があるわけですね。これの元は、昨年四月から国民年金、厚生年金に倣って、現行、郵貯、簡保の両法律に盛り込まれていたものですけれども、そこで問題は、公社化すると運用方法が変わるので、漏らしてはならない秘密の内容も当然現在と変わるのかどうか、こういうことになるわけです。例えば、郵貯、簡保の運用方法が緩くなれば運用職員の扱う秘密も増えるんではないかと思うんですが、この点はどうですか。
#202
○政府参考人(團宏明君) 郵貯、簡保の資金運用の方法でございますけれども、今回の法案におきまして、運用の対象を国債等を中心にする、それから運用計画を作っていく、ポートフォリオをその関係で作ります。そのことは変わりませんので、基本的にはその秘密の程度とかいうのは変わらないと思います。
 しかしながら、一点だけ、これも現在、簡保事業団に寄託してやっております指定単の契約、これは直接の今度は担当になりますので、これまで間接的に管理していったものを直接公社がこの指定単も担当していくということになりますので、その部分の立場は変わります。
 したがいまして、こういうことも含めてでございますけれども、基本的には大きくは変わりませんが、そういう指定単の関係を含めまして、しかし更にこういう運用については、いろいろ市場も多少混乱しているようなところもありますので、この秘密の部分とそれから責任の部分ということは、一層心してきちっと指導していくということが必要というふうに考えております。
#203
○又市征治君 巨額の郵貯・簡保資金が動けば、それだけで株式市場は投機の種になるわけでありまして、運用職員には大変気の毒ですけれども、厳正に仕事をするように徹底するとともに、基本的には相場を張ること自体が目的にも反しているわけですから、今後も安全に運用することを業務の基本に据えていただくように求めておきたいと思います。
 また、最近、主として外資系の投資顧問会社の団体から、郵貯、簡保が信託銀行に信託しているが、その範囲を広げて投資顧問会社へも投資しろという、こういう要望が出ていますね。しかし、信託銀行と投資顧問会社とではリスクが大きく違うと思うんです。しかも、今アメリカでは、エンロン社だとかワールドコム社の乱脈投資の破綻から始まって、一流の監査法人と言われてきたアンダーセン社までもが企業とぐるになっていたことが発覚をして、アメリカの、ひいては世界の証券市場全体の信頼性が問われています。国民の零細な資産を預かる郵貯、簡保としては、こうしたリスキーな対象への拡大には、私はもう乗るべきではない、こう思います。
 一応今はしないと決めておられるようですけれども、今後ともその方向を堅持されるのかどうか、お伺いしておきたい。今、平成十四年でいうと四兆四千五百億ですか、そのぐらいを信託されておるようですけれども、その点をお伺いします。
#204
○政府参考人(團宏明君) 御指摘のとおりの要望がございます。つまり、社団法人日本証券投資顧問業協会それから在日の米国商工会議所から、投資一任契約というふうなものの導入というものは今年の五月にも要望されております。
 今回の法案にはこれは盛り込んでおりませんところでございますけれども、この仕組みでございますけれども、投資一任契約は、今、委員が御指摘のとおり、現在、信託銀行で契約しております指定単とほぼ同様でございますけれども、これを投資顧問会社にこの投資の判断を一任するというふうなものでございます。これは、一面、運用先が多様化されるということで、そういう多様化されることによる資金運用の効率化というメリットも考えられまして、引き続き検討していきたいと思っておりますけれども、他面では、ポートフォリオ管理の中で、一任的なものについてポートフォリオ的な管理がちゃんとできるかどうかとか、どう考えたらいいかと、この辺について多少議論がございます。議論がありますので、今回、中には入れていないということでございます。
 今後、いろんなこういう制度の評価とか、あるいはメリット、デメリットを含めまして、引き続き検討していきたいというふうに考えております。
#205
○又市征治君 次に、現状の、幾つか出されておりますけれども、改善点について見解を伺っていきたいと思いますが、まず一つ目は、これは大臣に、とりわけ、来年からスタートですから今のうちに直していただく方向で見解を伺っておきたいと思いますが、まず第一は、特定局長の採用がやっぱり不透明だ、こういう意見随分出ました。甚だしくは、それこそ何遍も繰り返されていますけれども、近畿郵政局ぐるみのこうした選挙違反問題、その先頭に実は特定局長がなっていた、こういうことがもう何度も何度も繰り返し挙げられています。こうした郵政局幹部の政治的な偏向、あるいは公務員法や公職選挙法違反、その問題と特定局長採用の不透明性というのは、どうも私はやっぱり切り離して考えられないんじゃないのか、こう思うんです。ところが、昨年この問題、私も取り上げさせていただいたんですが、どうも確たる改善策は聞かれていません。
 さて、今回、郵政職員全般の採用が人事院から少し遠ざかって、実施は公社で行うということになるわけですけれども、ということはつまり、情実採用であるとか、政治的利権化の危険が一般職員の採用についてもこれは幾らか出てくるという可能性あるわけでありまして、まして特定局長についてはなおさらと、こういう思いをするわけであります。
 そこで、改めて提案といいますか、見解も承りたいわけですが、一つは、局舎の借り上げと込みにしたいわゆる地元の名士への利権付与の形の縁故採用とか世襲制をまずやめてもらいたい。このことについては今のうちにやっぱり私は改めるべきだろうと思うんです。
 それからもう一つは、今の普通局は、管理職一人に対して一般職員が六・六人、これが平均の数値なんですよ。ところが特定局は、局長一人に対して一・三人という一般職員。管理職の比率が非常に過大ですね、特定局の場合。それは一面分からないでもないんですが、しかも身分制で固定をしている。こうした特定局長という制度自体をやめて、あるいはもっと縮小して、普通局を含めた人事異動の一環とするべきではないかというのが私の二点目の提案でございます。
 以上、二点について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#206
○国務大臣(片山虎之助君) 特定局というのは、なかなか私は日本的な小回りの利いたいい制度だと、こう思いますが、大昔は、やっぱり局舎借り上げで、その局舎を出してくれた人を局長にして世襲だというのが多かったと思いますよ。元々そういう前島密さんには発想もあったんですね。地方の名家、名門、旧家を特定局長になってもらっていろいろやっていただくと、こういう発想があったので、それがずっと尾を引いてきたと思いますが、今はこれは世襲でも何でもなくて、やっぱりしかし地域の信望があって、地域に大変な愛着を持っている、そういう人をしようと、こういうことで人事院とも相談して選考制にしておるわけでありますが、委員お話しのように、透明性についていろんな御意見、御指摘がございますので、選考は続けますけれども、透明性については、公社にもなるわけでありますし、十分今後とも配慮してまいりたいと、こう思っておりますし、局舎借り上げについても、これは地方郵政局が決めるんですけれども、いい場所だと、いい場所がたまたま、持っている人たちが一緒になることが多いんですけれども、それもやっぱり国民の皆さんから見て納得ができるような、そういう局舎の借り上げということをやってもらいたいと、こう思っております。
 それから、管理者が多いと。多いんですね。全体の数が少ないですから、みんな管理者にしてもいいぐらいで、みんな責任持ってもらったら、そういうふうに思っておりますが、この点につきましても、今言われましたように部内の登用をやるとか、これも透明性、公正さが特定局の中の人事あるいは管理者登用についても必要だと思いますので、この点も今度公社になる機会にもう一遍見直してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#207
○又市征治君 是非、改善方をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、これは先ほども同僚議員から出ているんですが、ふるさと小包というのを派手に宣伝をされておられます。郵便局の窓口へ行くと、物産屋さんになったんじゃないかと思うぐらい多くのチラシやカタログが並んでいるところもあるわけです。これは郵便局の副業ということで黒字ならいいんですが、少なくとも小包全体としては、五年以上、毎年百億円前後の赤字になっているんじゃないですか、これは。
 しかし、実は局の外ではもうかっているんではないのかということです。これを扱う財団法人ポスタルサービスセンター、また、各地方郵政局管内の同じような会社や任意団体に利益が流出をしている、こういうことが先ほども幾つかの問題指摘をされているわけですけれども、これらの役員はかなりやっぱり郵政省からの天下りだ、このことも出ていますし、私ももう少しいろいろと言おうかと思ったんですが、先に大分出ましたから余りダブらないでこの程度にしますが、やっぱりこの実情と改善すべき点、もう一度改めて少し、新たな公社になっていこうというわけですから、これはしっかりとここで、決意も含めて、どういう問題があるのか、把握を当然なさっているんでしょうから、改善すべき点も含めて、ここでしっかりと述べていただきたいと思います。
#208
○政府参考人(松井浩君) 郵便小包につきましては、昭和五十三年ころの郵政事業の中のことを契機にして大変に需要が後退しまして、今までの取扱いから半減するような事態が生じました。何とかして小包をしっかりと扱えるようにしなくちゃいかぬという中で、地域振興とタイアップした形でできたものだと思っております。
 それで、それは歴史でございますが、今は郵便局にカタログ、チラシを置きまして、全国各地の特産品、名産品をお申し込みいただければ郵便小包としてお届けするということで、郵便小包の需要拡大施策として位置付けております。もちろん部分的には、郵便振替で申し込む、お金を入れるということはあるんですけれども、そういう意味では、いろいろ複数のサービスのパッケージのような面もありますが。
 ただ、小包の位置付けでございますけれども、確かに、単独で計算いたしますと黒字にはなっておりませんが、単位当たりコストとしてはそうでございます。ただ、私どものビジネスはネットワークビジネスでございまして、非常に固定費が高いものでございますから、取扱量が増えれば増えるほど改善します。そういう構造になっておりまして、そういう意味で必死になってこの郵便小包の需要拡大の主要な役割をこのふるさと小包にも期待しているところでございます。
 そういう中で、微増ということで、今、小包全体の増加には寄与しているところでございますが、いろんな、あとそれに関連してポスタルサービスセンターだとか、いろいろ頒布会の問題がお取り上げいただいたところでございます。ただ、こうしたところにつきましては、そこにはカタログ等の寄附はいただいてそれを置いているということはございますが、そこしか置かないと、排他的にやらしているということではございませんので、そういう意味ではオープンだというふうに考えております。
 あと問題は、そういう中でいろいろ御指摘のないような透明な形が望まれるんではないかというふうに考えておりますし、そういう中で、これからも公社に向かって改善方考えていきたいと思っております。
#209
○又市征治君 余り歯切れが良くないし、どうもすっきりしないんですがね。やはり新たな公社になっていくわけですから、今こそやっぱりそうしたものについてしっかりとメスを入れて、後から批判を受けるようなことにならぬように是非しっかりしてもらいたい、この観点で申し上げているわけです。
 さらに、設備投資が過大になっているという批判もあります。その典型が郵便番号の七けた化を強行した末の巨額の区分機システムの失敗だろうと思うんですね。これから修復して実用化するまでにはまだまだ金が掛かる、こういうことでしょう。電算機メーカーやシステム業者の提案を当局がうのみにした結果ではないか、こうも言われています。その陰に癒着だとか利権がなければ幸いなんですが。
 過大投資の結果、ある主張によりますと、収益に対する借入金の比率が四〇%で、日通やヤマトの同じ比率に比べて二倍強だと。同じく、借入金利息の比率が二倍から三倍だと、こういう指摘もあるわけです。経営を圧迫している、こう指摘されているわけです。当局の資料でも、ピークだった平成九年、十年度は区分機に四百億、局舎に五百億円強、合わせて一千億円近く使っているわけですね。売上高二十兆円の約五%、こういうことになるわけです。
 地方の郵便局をつぶすんではなくて、こうした業者主導の無駄な投資をやっぱりしっかり見直す、こんなことも含めて是非本当に新たな、百三十一年の歴史を終わって新しい体制を作っていこうというわけですから、是非立派な形になっていくように、今のうちに先ほど来申し上げたことについても是非改めるべきはしっかり改めていただいて、より一層国民に、さっきから大臣も言っていますけれども、多くの委員の皆さんが申し上げたように、国民の共有財産としての郵便局、こんなものを発展さしていくように是非努力をお願いをして、この点については、時間がありませんので答弁求めません。そのことを強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。
#210
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより四案について討論に入ります。(発言する者あり)静粛にしてください。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#211
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております郵政関係の四法案に反対の討論を行うものであります。
 まず、私は、いまだ審議が尽くされていないという私たち日本共産党の反対を押し切って委員会での採決が行われることに強く抗議をするものであります。衆議院では不十分とはいえ約五十時間の委員会質疑が行われています。参議院では実質二十時間そこそこであります。衆議院での修正を踏まえて、政府提出の法案と修正の内容をともに検討するべき参議院での審議が衆議院での審議時間を大きく下回ってよいはずはありません。
 しかも、参議院では、法案審議の前提にかかわる根本的な問題が提起をされています。その一つは、公社が発足時から債務超過となるという可能性です。我が党は、法案を郵政事業庁の決算資料に適用すればその疑いが濃いのではないかと指摘をいたしました。企業ならば倒産しているというべき状態からでも公社を発足させることができるのかという根本問題に、総務省はいまだに回答を留保したままで今日を迎えているのであります。
 二つには、この法案を最善のものとして国会での審議にゆだねる一方で、小泉内閣が四法案の不十分点の洗い出しなど、公社発足後の民営化の具体的なビジョンづくりに取り組んでいるということです。報道されたような検討が実際に行われたことを総務省は認めましたが、詳細を明らかにすることをかたくなに拒んでいます。この解明にどうしても必要な総理の委員会出席も拒否されたままで採決を迎えようとしています。これでは、法案を採決できる道理がないではありませんか。
 以下、四法案に反対する理由を述べます。
 その第一は、総理も一里塚と言うように、四法案全体が郵政三事業の民営化へ向けた地ならしをするものであるからです。
 国庫納付に関する条文の修正で、公社は発足時から十兆円ないし十五兆円を目指して内部留保を蓄積していくことが明白になりました。これは事実上、民営化の準備のために十兆円規模の国民負担を求めるものと言わざるを得ません。
 一方で、ユニバーサルサービスを守りながら民間参入を進めるとの看板を掲げた信書便法案をよそに、政府は、信書便法施行法案に書かれた信書の定義に関するガイドラインという方法で、裏口から民間参入の方針に転じました。このような無原則的な対応で、民間事業者によるクリームスキミング、いいとこ取りを防げるはずはありません。経営の圧迫要因になる措置をあえて取りながら、同時に巨大な内部留保をため込むことは、いわゆる公共的責務の放棄とサービス水準の切下げに進むしか道はありません。そのことは、三種、四種の政策料金、とりわけ盲人用無料郵便について、法文からの無料規定の削除にあくまで固執した政府の態度にもはっきりと表れています。
 結局、本法案は、経営の自由度の名の下に公共的責務による縛りをなくし、民営への移行に都合のよい形態で公社を発足させるものにほかなりません。
 反対理由の第二は、国民の願う郵便事業の改革に背を向けて、いわゆる郵政ファミリーの利権構造と天下りを温存するばかりか、一層拡大するものとなっているからです。
 さらに、衆議院では、法案に出資条項を付け加える修正も行われました。これは、従来、公益法人を使うなどの脱法的な手法で行われてきたファミリー企業づくりを自由化するものであり、到底容認できないものです。
 加えて、効率化という名の下に、労働者のリストラや労働条件低下の危険性があるものです。
 この委員会で何度も問われた、だれのための法案か、何のための法案かという問題、審議は尽くされていませんが、国民のためでないことは明らかです。民間大企業、大銀行に新しいもうけ口を保障、古い利権は温存、拡大をし、ユニバーサルサービスと国民の利便の後退につながるのが四法案です。
 この委員会に招いた参考人も、新潟県での意見交換会でも、この法案を歓迎する人はだれ一人もありませんでした。このような国民にとって百害あって一利なしの四法案に強く反対することを申し上げ、討論を終わります。(拍手)
#212
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、日本郵政公社関係四法案のうち、公社化関連法案に賛成、信書便関連法案に反対の討論を行います。
 郵政公社関連法案については、与党時代に社民党も入って決めた経緯があり、賛成するものであります。しかし、幾つか注文を付けておきたいと思います。
 まず第一に、国民にとっての公社化の積極的なメリットを明らかにし、真に国民から信頼され愛される郵政事業になるよう、特定郵便局長制度の見直しや郵政ファミリーの改革が前提であり、その実を上げることです。
 第二に、公社に移行したからといって、採算や経営最優先に流されるのではなく、国民的労力の積み重ねの上に今日の郵政事業があることを忘れることなく、国営公社の事業として公的な性格、公共性をしっかり発揮していくことです。
 特に大事なことは、離島や過疎地における郵便物の引受け、配達が切り捨てられることのないよう、今後とも二万四千七百の郵便局数の現行水準を全国あまねく維持するなど、ユニバーサルサービスを提供するとともに、福祉施策としての第三種、第四種郵便の堅持と必要な財政支援の実施が図られなければならないと考えます。
 第三に、民間企業への出資については、いやしくも官僚の天下り先、利権の増殖とならないよう、徹底した透明化と情報開示を行うなどに厳に留意すべきことです。
 一方、信書便法案につきましては、通信の秘密を守るとともに、ユニバーサルサービスを守っていくという観点からの種々の規制は必要であり、かなり厳しいハードルにはなってはいるものの、基本的に民間の参入を前提とした法案であり、将来の民営化の一里塚になることが懸念されるため、反対であります。
 特に、ダイレクトメールやクレジットカードが信書に当たるかなどの詳細を法案に明記せず、省令、ガイドラインにゆだねることは典型的な裁量行政であり、また、信書の範囲を狭めれば実質的に無条件全面参入と同じとなるばかりか、民間によるクリームスキミング、つまりいいとこ取りが行われることになります。そのしわ寄せは、結局、過疎地域の住民にとって著しいサービス低下となることは明らかであります。
 少子高齢社会が急速に進展し、二〇二五年には三人に一人が高齢者となる中で、全国二万四千七百か所の郵便局とそのネットワークをどう生かしていくのかが問われています。官から民への名の下に民営化、民間資本の参入でずたずたにするのではなく、逆に、国民生活共有の社会的インフラ、住民への公共サービスの拠点として積極的に活用していくことこそが大きな課題であると考えます。
 多くの国民はユニバーサルサービスを望んでおり、だれでもがこれからも公平かつ平等に郵便サービスを受けられるよう、国民、利用者の期待にこたえられるような日本郵政公社となるべきであることを最後に訴え、討論を終わります。
#213
○委員長(田村公平君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、日本郵政公社法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#214
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、日本郵政公社法施行法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#215
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、景山君から発言を求められておりますので、これを許します。景山俊太郎君。
#216
○景山俊太郎君 私は、ただいま可決されました日本郵政公社法案及び日本郵政公社法施行法案に対し、自由民主党・保守党、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    日本郵政公社法案及び日本郵政公社法施行法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、公社は、郵政事業が、郵便、郵便貯金、簡易生命保険などの国民生活に不可欠な生活基礎サービスを全国あまねく提供するという使命を持ち、健全な経営環境の下、国民利用者のニーズに合ったサービスを提供し続けることができるよう万全を期すこと。
 二、公社が、国民共有の生活インフラである郵便局を最大限活用し、ワンストップサービスやひまわりサービスなどの地域貢献施策を推進するとともに、各郵便局が地域社会と共同で創意工夫し、地域の実情にあった施策や協力体制を推進することができるよう努めること。
 三、郵便貯金、簡易生命保険が、国民一人一人の貴重な生活資金を預託されているものであることにかんがみ、公社は、その健全な運用に万全を期すよう努めるとともに、公社の資金運用が真に国民利用者の便益のためとなるよう最大限の配慮を行うこと。
 四、郵便局・郵便局ネットワークは、国民共有の生活インフラ・セーフティネットであることにかんがみ、公社が郵便局ネットワークを現在と同水準に維持するよう努めること。
 五、公社が、経営の健全性を確保するとともに、より一層国民・利用者の利便の向上を図るため、経営の効率化とサービスの改善に努めるよう配慮すること。
 六、公社が、出資を行う際には、真に必要があると認められるものに限定するとともに、出資先の財務内容等の情報公開の徹底が図られるよう配慮すること。
 七、国庫納付の政令を定めるに当たっては、公社が、郵政事業の公共的使命を十分果たすことができるよう配慮すること。特に、公社法第三十七条の積立金の「基準額」の計算方法については、公社と類似の業務を営む民間事業者の負債に対する自己資本の比率を踏まえ、公社の経営の健全性を確保できるよう定めること。
 八、総務省及び公社は、第三種及び第四種郵便物の料金減免制度の維持に努めることとし、特に、盲人用郵便物については、無料の取扱いを継続するよう、格段に配慮すること。
 九、公社においては、健全な経営の維持・発展のため、良好な労使関係を構築し、国民の支持・信頼に応える郵政事業を行うとともに、充実した労使間の協議等を行うよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#217
○委員長(田村公平君) ただいま景山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#218
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、景山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
#219
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#220
○委員長(田村公平君) 次に、民間事業者による信書の送達に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#221
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#222
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、景山君から発言を求められておりますので、これを許します。景山俊太郎君。
#223
○景山俊太郎君 私は、ただいま可決されました民間事業者による信書の送達に関する法律案及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    民間事業者による信書の送達に関する法律案及び民間事業者による信書の送達に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  本法の施行により、民間参入制度が創設されることとなるが、国民生活に不可欠な信書送達のユニバーサルサービスは引き続き堅持する必要がある。政府は、この点を銘記するとともに、この法律の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一、信書の範囲に関するガイドラインは、あくまで法律に規定された定義規定に基づき、これに忠実に作成すること。なお、ダイレクトメールについては、基本的に信書に当たるものとすること。
 二、信書の範囲については、信書の送達が憲法で保障された国民の思想及び表現の自由に密接な係わりを有するものであることにかんがみ、本委員会での審査を踏まえ、ガイドラインの作成に当たって民間事業者の利益を優先する形の意図的な解釈を行うことは、厳に避けること。
 三、民間事業者によるクリームスキミングを防止するため、信書の範囲に関するガイドラインが有効に機能するよう、国民・利用者への周知を十分図るなど所要の措置を講ずること。
 四、信書便差出箱の設置基準については、利用者の利便を最大限考慮し、日本郵政公社の郵便差出箱の設置状況を基礎として定めることとし、市町村ごとに最低設置数を設けるとともに、信書便差出箱が市町村内に満遍なく設置されるものとすること。また、地方自治体や地域住民の要望を十分に尊重すること。
 五、信書便差出箱の設置以外の引受方法に関する省令については、利用者の意見を十分に聴取した上で、信書便差出箱の設置と同様、全国すべての地域において利用者の随時かつ簡易な差出しが可能であり、かつ、信書の秘密の保護が確実に確保されるような基準に限るよう定めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
 ありがとうございます。
#224
○委員長(田村公平君) ただいま景山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、景山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
#226
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#227
○委員長(田村公平君) なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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