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2002/02/07 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第6号
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2002/02/07 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第6号

#1
第154回国会 本会議 第6号
平成十四年二月七日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第六号
  平成十四年二月七日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る四日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。江田五月君。
   〔江田五月君登壇、拍手〕
#4
○江田五月君 おはようございます。私は、民主党・新緑風会を代表して、小泉首相に対し質問と提案をします。
 小泉内閣の支持率は一気に急落しました。小泉首相、あなたはさきの外相らの更迭につき、誤算だったと言われましたね。何が誤算だったのでしょう。あなたは田中眞紀子外相を更迭しても支持率にさほど影響はないと思っておられた。ところが、何と三〇ポイントもの下落、これはあなたにとって予期せざる出来事だった。そこで誤算、そうですね。まず、あなたの感想をお伺いいたします。
 小泉さん、あなたは先日までの高い内閣支持率の理由は何だったとお考えですか。私は、やはり国民は政治に何かを期待しているのだと思います。今のままで将来がうまくいくとはとても思えない、何とか変えてほしい、小泉さんという人は変人らしいが、それでも目は国民の方向を向いている、期待してみようと、こういうわけです。しかし、あなたは国民の期待を裏切った、少なくとも国民にはそう映った。そこで思わざる支持率の下落となった。原因はそこですね。お答えください。
 田中眞紀子外務大臣は、本気で外務省改革をしようとしていました。あなたが先日、本院委員会でおっしゃったとおり、外務省は特定の政治家の言うことを気にし過ぎる、それを眞紀子さんは変えようとした。国民は田中眞紀子さんのこの姿勢を応援していた。しかし、あなたはその田中眞紀子さんの首を切った。これは三方一両損ではありません。非のある二人と一緒に、正しいことをした人まで首を切った。理非曲直が正されていないのです。正義に反するやり方です。しかも、事実隠ぺいなのです。これでは国民があなたを信頼できるはずがありません。
 しかも、小泉さん、あなたは国民に今までとは違うぞという期待を持たせていただけに、余計にこの裏切りは罪が深い。あなたはそのことがいかに国民に失望を与えるか考えていなかった。この瞬間、あなたの目線は国民から離れて永田町の派閥政治家や霞が関の官僚の方に移っていた。これでは、小泉政治も結局は旧来型の自民党政治の一つにすぎない、国民はそう思ったのではありませんか。伺います。
 小泉さん、あなたは三人を辞めさせたのは国会の混乱を収めるためと言われますが、それはあなたの口実です。参議院では、私たち民主党を始め野党は、予算委員会出席方針を固めて質問の準備をしていたのですよ。それに、私たち野党は、今回のNGO参加問題で正しい行動を取った田中眞紀子さんの更迭など全く求めていません。あなたにはどういう情報が入っていたのですか。お尋ねします。元々、田中眞紀子さんを更迭しようと機をうかがっていた人たちがいて、国会を混乱させ、これを利用したのではありませんか。あなたもそのことを知りながら、この機会に乗じて田中眞紀子さんを辞めさせたのではありませんか。お答えください。
 あなたは大きな間違いを犯しました。今回更迭すべきだったのは、特定の政治家の横やりを排除してアフガン支援国会議へのNGOの出席を決めた田中眞紀子さんではなく、BSEつまり狂牛病対策の失敗で国民に二千億円もの損害を与え、国民の怨嗟の的になっている武部農水相、農水大臣なのではありませんか。目線を国民の方に向け直す気はありませんか。お尋ねします。
 さて、昨年は新世紀のスタートでした。しかし、祝福されたスタートとはとても言えません。逆ですね。世界は九月十一日の同時多発テロとアフガン空爆、これをきっかけに世界各地に緊張が広がっています。国内も不良債権とデフレ、心の荒廃、特に子供たちが危ない。大変です。
 何より大変なことは、世界も日本も人々が理想や目標を見失っていることです。日本は特にそうです。もちろん、国家目標を一つに定めて国家総動員でという時代ではありません。逆です。一人一人が自分の夢や理想を持って自分の人生を生きる。それを国も社会も応援する。二十世紀型でない、二十一世紀らしい理想や目標をみんなが持てるようにしないと、日本も世界も漂流状態になります。行き着く先は戦争やテロの横行、地球環境の破壊。みんなで協力して社会を作っていく力量を持った市民がいなくなってしまいます。小泉首相、あなたは今、国民にどのような未来を作ろうと呼び掛けられますか。
 特に子供たちに何を呼び掛けられますか。人づくりなくして国づくりなし、教育は未来への先行投資。御同意いただけるでしょう。しかし、現場は大変なのです。小泉さん、あなたは日本の未来のために教育をどう充実させますか。奨学金はどうしますか。三十人学級はどうしますか。伺います。
 先日、衝撃的な将来推計人口が発表されました。一人の女性が生涯で産む子供の数を表す合計特殊出生率が一・三九で長期安定し、日本の人口は二〇〇六年をピークに減少を始めて、五十年後には今より二千五百万人以上減るという推計です。これは日本の未来像を根底から考え直さなければならない重大な数字だと思います。小泉さん、あなたはこの推計をどのように受け止め、どのように日本の未来像を展望されますか。お答えください。
 国民に理想や目標を持とうと呼び掛けるのは政治です。政治にしかできない仕事です。しかし、その政治を国民が信頼しなければ、何を言っても聞く耳を持ってもらえません。政治を信頼できないことは国民の不幸です。しかし、政治の側が手をこまねいていて国民に信頼してくれと言っても無理というもの、政治の側から身を正さなければなりません。
 そこでお尋ねします。あっせん利得罪の処罰対象に、口利き行為を行って利得を得ようとしたすべての私設秘書を加えましょう。ずばりお答えください。
 さて、私は、やはり一番大切なことは世界の平和だと思います。もちろん、平和だけが私たちの課題のすべてではありません。しかし、平和がなければすべてはありません。昨年を表す漢字が「戦」、戦争の戦だったことはよく知られています。今年も「戦」ではいけません。
 そこでお尋ねします。
 先日、アメリカのブッシュ大統領が一般教書演説をし、イラン、イラク、北朝鮮を悪の枢軸と名指しで非難しました。これは世界じゅうに波紋を広げています。ところが、小泉さん、あなたの施政方針演説では、このことについては何も触れられていません。それどころか、日米の戦略対話の強化を強調しておられます。これでは、日本はブッシュ大統領の路線に追随するんだというメッセージを世界に発してしまうことになります。
 このことだけでなく、テロ対策でも経済・金融政策でも、小泉内閣はアメリカ一辺倒、つまりアメリカの言うことは何でもオーケーだという批判があります。
 イランは、日本、アメリカ、EU、サウジアラビアが共同議長を務めたアフガン復興会議の参加国ではありませんか。そのイランをあなたは敵視するのですか。答えてください。
 北朝鮮については、韓国の金大中大統領がいわゆる太陽政策で対話の努力をしています。そのことを尊重すべきではないですか。ブッシュ大統領の一方的な敵視政策は、あなたが演説で二度も触れられたワールドカップサッカー大会にも悪影響を及ぼします。そうは思いませんか。あなたは、近々、ブッシュ大統領にお会いになるのですから、直接、悪の枢軸という敵視政策、戦争政策をたしなめてください。いかがですか、はっきりお答えください。
 昨年の同時多発テロを目の当たりにして、私たちは、この地球上からテロを一掃するには国際社会が一致協力しなければならないと決意しました。私たち民主党も、激しい党内議論を経て、戦時に初めて自衛隊を海外に派遣することに同意しました。国際緊張の激化は私たちにとっては大変なピンチですが、ピンチはチャンス、今こそ国際社会はテロや紛争を戦争によらずに解決するシステムを築くための大きな一歩を踏み出すときだと思います。
 日本は何ができるか。私は以前から、PKOや将来の国連軍や国連警察軍といった国連を中心にした集団安全保障の活動には、日本も自衛隊とは別組織の待機部隊を作って、国際公務員として積極的に参加すべきだと主張しています。小泉首相はどうお考えですか、伺います。また、国際安全保障については、日本はあくまで国連中心主義でいくことが基本だと思いますが、いかがですか、伺います。
 国連中心の国際秩序の構築のために、具体的な提案があります。国際刑事裁判所の創設です。そのための国際規程の批准が昨年秋から注目を浴び、秋だけでイギリスを始め九か国が批准し、批准は四十七か国、署名は百三十九か国となりました。日本は、この国際規程の提案国なのに、いまだに署名も批准もしていない。なぜですか、お答えください。
 もちろん私は、軍事力でできることは小さいと思っています。アフガン復興や東チモール建国支援では、特にNGOの力が最大限発揮されるように政府が支援すべきだと思います。アフガンの五億ドルと比べると東チモールの建国支援は今のところゼロ。真実和解委員会のための五十三万ドルを決めただけですね。どうしますか、伺います。
 アフガンや東チモールの陰に隠れて、自分のところの援助が大きく削減されるのではないかと不安に思うアジア、アフリカの国々がたくさんあります。ODAは、一律にカットではなく、めり張りを付けて、これらの国々の不安を招かないようにすべきだと思いますが、いかがですか。
 ちなみに、あなたの施政方針演説には、NGOという言葉が一度も出てきませんでしたね。なぜですか。
 NGOについては、今回は政府がお金を出し、政府と協力して活動するNGOがクローズアップされましたが、本来は、政府とは全く別に独立して活動している団体が多いのです。アフガンでは、十七年にわたる中村哲医師が中心のペシャワール会がよく知られています。御存じでしょう。小泉さんは、その活動をどのようにごらんになりますか。緒方貞子さんと並んで、中村医師とペシャワール会も日本の宝だと思いますよ。お答えください。
 平和な国際秩序を築くためには、何といっても東アジア諸国との友好関係が何より大切です。しかし、日本はこの諸国の人々に対し、さきの戦争で大変な痛手を負わせています。だから、友好関係を築くために、日本がしなければならないこと、また日本がしてはならないことがあるのです。
 小泉さん、あなたは今年の靖国神社参拝をどうするつもりですか、伺います。だれもが気持ちよく参拝できる新たな国立の慰霊施設を造ることに、今年前半にも結論を出しましょう。伺います。また、歴史教科書の共同研究はいつスタートさせるのですか。この三点について具体的にお答えください。
 今後百年で、最大五・八度も気温が上昇し、異常気象も増えると、地球温暖化が懸念されています。昨年十一月のCOP7で、やっと京都議定書の細かなルールにつき合意ができました。日本は、COP3の議長国としての一層のイニシアチブが世界から求められています。リオから十年、今年の九月のヨハネスブルグ・サミットで京都議定書発効まで持っていくには、六月上旬をめどとした我が国の締結が欠かせません。あなたの決意をお伺いします。
 小泉内閣の目玉は、言うまでもなく構造改革です。自民党を壊してもやり抜くと言われました。しかし、小泉さん、あなたは本当にこれをやり遂げる決意があるのですか。あなたは就任時の所信表明演説では「構造改革なくして景気回復はない」と言っておられました。最近は「改革なくして成長なし」ですね。この看板の書換えには何か意味があるのですか、前の看板は下ろされたのですか、お答えください。
 あなたの決意に大きなクエスチョンマークが付いたのが先日の更迭劇です。昨年秋には、道路公団、道路関係四公団改革の不徹底もありました。道路公団については、昨年末に十三の工事発注を中止した件につき、自民党橋本派の有力幹部のツルの一声で中止が撤回されたと言われています。あなたは、この事実関係についてどのようにお考えですか。道路公団や国土交通省も、このような政治家の干渉をはね付けるべきだとは思われませんか。一般論でなく、この件につきはっきりとお答えください。
 特殊法人改革は、百六十三の特殊法人、認可法人のうち、大半が結局は看板の書換えです。公務員制度でも、民主党の提出した天下り禁止法案は与党の抵抗でたなざらし。小泉さん、あなたは天下り禁止をやる気があるのかないのか、はっきりさせてください。
 道路特定財源の一般財源化は、施政方針演説の中では全く触れられていません。どこへ行ったのでしょう。これもきちんと答えてください。
 先日の更迭劇であれっと気が付き、よく見ると実は改革は言葉だけ、実行は先送りのオンパレードなのです。
 私たちは、本気で構造改革を成し遂げる決意です。しかし、構造改革は、当面はデフレ効果を伴うことも明らかです。ですから、構造改革なくして景気回復なしというのは論理的にはつながりません。小泉首相、これは認められますか、伺います。
 私たちは、構造改革と同時に、デフレを阻止し経済を安定成長に軟着陸させるための経済政策が是非とも必要だと思います。改革しさえすれば成長するというほど私たちの社会のモデルは単純ではありません。改革と経済政策と、政策目標は二つ必要なのです。政策手法を多様に組み合わせ、息長く懐の深い生き生きとした政策運営が必要なのです。
 しかし、小泉さん、あなたの政策手法は経済無策です。株価下落は市場の悲鳴なのです。あなたはこの声を聞く気がないのですか。一本調子の政策手法では、政治の可能性は干からびてしまいます。多くの手法を総動員することによって、政治は柔軟性と多様性を備えた豊かな可能性を取り戻せるのです。あなたはどうお考えですか。
 昨年、あなたの言葉で最も印象に残ったものの一つが、夏場所優勝した横綱貴乃花に優勝カップを授与する際のものでしたね。痛みに耐えてよく頑張った、感動したでしたね。その貴乃花関は、今なお土俵に上がれずに、リハビリに努めています。痛みに耐えて頑張るだけが良いのではありません。
 あなたのデフレに対する経済無策で、国民の痛みは限界に達しています。ホームレスは大都市だけの話ではありません。今や地方都市でも明日はホームレスかという恐怖が広がり、そこに付け込む新手の商売まで出てきているのです。その一方で、狂牛病対策失敗の最大の責任者である前農水事務次官には八千九百万円の退職金満額支給でお構いなし。高級官僚には甘く、国民にだけ痛みを押し付けるのはおかしいとは思いませんか。答えてください。
 民主党はホームレス自立支援法案を出し、継続審議になっています。これには与党の中にも賛同者がたくさんおられます。御存じですね。賛成してくださいますか、伺います。
 あなたは、国民に対し、就任早々、改革に立ち向かう決意を、昨年秋の臨時国会では変化を恐れない勇気を、そして改革の痛みが現実のものとなりつつある今、希望を決して失わない強さを求められました。そして、ついには、戦後の国土の荒廃に立ち向かった先人たちのように雄々しく立ち向かえとむちを入れられます。人は雄だけではありませんよ。
 円安、株安、債券安、週明けにあなたの言葉を聞いた市場の反応です。失業率はとうとう五・六%、毎日、百人もの人が自殺しています。これにあなたの支持率急落を加えて、小泉スパイラルと言われています。国民は、貴乃花ほど、痛みに対し体を鍛えていません。痛みを和らげる方策をなぜ考えないのですか。伺います。
 小泉さん、あなたは経済情勢は厳しいと予想し、デフレ阻止に取り組むと言われました。しかし、あなたの処方せんは、予算の切れ目なき執行のほかは、細心の注意、日銀と一致協力、強い決意くらいしか見当たりません。そして他方で、改革断行を強調されます。注意深い金融政策で円安誘導さえしておれば、本当にデフレ阻止ができますか。国民は不安です。私は、この際、与野党共同でデフレ阻止共同宣言を行い、超党派のデフレ阻止政策協議会といったものを設置することを提案したいと思います。あなたはどうお考えでしょうか。
 今あなたが取り組んでおられるのは、戦後五十年余の努力で築いた繁栄の仕組みが、いささか古く非能率で新たな発展の障害になっているので、これを壊し更地にしようというものだと思います。しかし、人が住んでいるのに建物を壊しては、居住者はたまりません。雇用政策が大切です。さらに、更地の上に何を作るか、この国のかたちをどう構想するのかが示されなければなりません。
 あなたは、「構造改革と経済財政の中期展望」でこれを示したつもりなのでしょう。しかし、これは具体的処方せんのない言葉の羅列にすぎず、正に絵にかいたもちです。無駄なダムでなく、緑のダム構想があります。自然破壊の干拓でなく、白砂青松を回復する公共事業だってあるのです。京都議定書に基づく経済社会の在り方は立派な中期展望になるのです。従来型の延長ではない新しい発想の中期展望を作る気はありませんか。伺います。
 イギリスでは、鉄の宰相サッチャー夫人でさえ、改革と同時に雇用対策として大規模なセーフティーネットを張っていたといいます。あなたは、製造業や建設業などでの就業者の減少に見合うサービス業での就業者の増加があると言われますが、数字でつじつまが合っていても、実際にハローワークへ行ってみてください。一緒に行きますか。そこに並んでいる皆さんに何と言われますか。明日にも倒産しかねない中小企業の経営者や従業員は、あなたの万全を期してまいりますという言葉は空虚に響くだけです。
 私たち民主党は、四兆円規模の雇用対策を提案しています。不良債権の処理のためには必要不可欠な措置です。この提案をどうお考えですか、伺います。
 さらに、今後の雇用政策の大きな課題としてワークシェアリングがあります。これは、単に労働政策だけでなく、社会の在り方、家庭の在り方、人々のライフスタイルの変更にかかわる壮大な社会の構造改革という課題です。
 仕事さえあれば、仮に一家の大黒柱の収入が下がるようなことがあっても、配偶者やお年寄りや子供たちの収入でこれを補い、世帯としての収入は確保できます。これを嫌々ながら受け入れるのでなく、むしろすべての人が能力に応じて労働という形で社会参加するのです。さらに、これにより生活時間にゆとりが生まれますから、仕事人間も家庭参加ができるようになるのです。
 今後、人口減少が予想される日本の経済を大きく成長させることは全体としては困難な課題かもしれませんが、女性や高齢者の働く機会を増やすことによって、六千三百六十二万人の就業者数を増やすことはできるし、生活水準やクオリティー・オブ・ライフの向上は必ず達成できます。そのためのキーワードは、様々な形の労働力が極力均等に扱われ、保護されること、つまり均等待遇だと思いますが、小泉首相は基本的にどのような考え方でこのワークシェアリングという課題に臨まれるのですか。伺います。
 官から民へ、中央から地方へという言葉は、お題目だけではいけません。
 例えば、NPO税制です。福祉システム、文化活動、街づくり、途上国支援などでは、官ではかゆいところに手の届くサービスが提供できません。地域の皆さんのやる気を支援し、地域社会を再構築するためのキーワードがNPO、特定非営利活動法人なのです。
 支援の枠組みとして税制は外せません。役所のコントロールを離れ、同時に公的役割をきちんと担うようにするため、政府も野党もパブリックサポートテストを取り入れた具体案を昨年作りました。しかし、政府案は実際には利用不可能。私たちはこれを羊頭狗肉だと批判し、修正を求めました。あなた方は、NPOの重要性については、一見私たちと同じ立場に立ちながら、あれこれ言って私たちの修正案に耳をかしませんでした。今、認定NPO法人、これはわずかの二件。二件ですよ。
 そういえば、小泉さん、あなたの施政方針演説にはNPOという言葉も一度も出てきませんでしたね。NPOについての理解がないのではありませんか。多くのNPOが利用しやすい支援税制に改めるつもりはありませんか。伺います。
 ついでに一つ。NPOでもNGOでも重要なのは、政府との信頼関係ではなく、彼らの自主性なのです。ところが、さきの外相更迭劇では、政府を批判するNGOとは政府は信頼関係を持てないとの外務省の態度が明らかになりました。あなたは、あなたの政府を批判する団体とは信頼関係を持てないのですか。なぜ、これらの自主活動までコントロールしたがるのですか。なぜ、そんなに御自分たちのやり方に自信があるのですか。市民の知恵や力を信頼できないのですか。伺います。
 次に、地方のことを伺います。
 小泉内閣の下で、すさまじい中央集権と地方破壊が進んでいます。今や地方自治体の財政は軒並み破綻寸前です。それでもなお、地方自治体によっては財政改革の取組よりも補助金に手を伸ばすことに精力を使っています。補助金に自己資本を足して箱物を作り、これが市民にとって魅力皆無で、見向きもされず金食い虫になって困り果て、客集めのためと称して次の箱物作りのために補助金を求めるという悪循環にはまり込むのです。
 このくらいの知恵しか出ないのは、地方の財政権限が弱いからなのです。思い切って財源移管をしてはいかがですか。また、私たち民主党は、地方財源強化の第一歩として、補助金を一括して地方自治体の一般財源とする一括交付金制度を提案しています。小泉さんはこれを実現する考えがありますか。伺います。
 地域経済や地域金融をどうするつもりですか。
 地域の経済は、元々不況のところに、目前に迫ったペイオフに備え、地域金融機関に対し不良債権処理を強く求めていますから、本来、中小企業を支えるはずの金融機関の融資が激減し、地域経済は危機的状況です。地域の赤字企業を黒字にするための地域企業再生法といったものが必要だと私は思いますが、小泉さん、あなたはどうお考えですか。
 また、地域の中小企業を支えている地域金融機関が地域の実情に応じた役割を正しく果たせるようにするため、私たち民主党は、昨年与党の反対で廃案となった地域金融円滑化法案、略称金融アセスメント法案を昨日再び本院に提出しました。既に全国で中小企業家を中心に五十万人もの署名が集まり、二百十一の自治体で意見書が採択されています。小泉さん、あなたも、多くの国民の声を無視するのではなく、是非この法案の成立に御協力ください。答弁を求めます。
 小泉さん、あなたは口では官僚に厳しいことを言っておられますが、実は小泉内閣は官僚に大甘の政治で、もっとはっきり言えば、実は官僚政治ではありませんか。税制改革も、結局は財務省主導の増税策ではないのでしょうか。少なくとも、プライマリーバランスの赤字解消は歳出削減で行うべきではありませんか。お答えください。
 前農水次官への退職金満額支給で、消費者や畜産農家の怒りは頂点に達しています。外務省については、あなたは体制を一新したと言われますが、それは見せ掛けで、田中眞紀子さんもてこずった機密費上納問題に完全にふたをし、改革放棄をしたのではありませんか。そういえば、今回のあなたの施政方針演説から聖域なき構造改革という言葉が消えました。やはり、機密費問題はあなたにとって聖域だったのでしょうか。外務省と内閣官房の機密費問題の真相解明は、もうおしまいではないでしょうね。はっきりとお答えください。
 今、日本の農業は危機に瀕しています。
 長く食の安全の問題を放棄し、農薬漬けも平気、季節無視も平気、とにかく収量優先。農家は土地改良と機械化で借金に追われています。しかし、大規模化も機械化も中途半端で、何より後継者がいません。気が付けば農業は崩壊寸前。農業土木偏重の従来型農業政策をやめて、所得政策中心の政策体系に移行し、環境や国土保全などの農林業の多面的な機能を重視した政策を進めるときが来ているのではありませんか。伺います。
 食の安全のことになると、やはりBSEの失敗から学ばなければなりません。
 私は、この際、農林水産省と厚生労働省に分かれている食の安全行政を統合して、内閣府に、アメリカのFDA、連邦食品医薬品局や、EUの食品安全庁のような食の安全のための包括的行政機関を作るべきだと思いますが、小泉さん、あなたはどうお考えですか。さらに、食の安全を害する行為を厳しく罰し、消費者本位の食の安全行政を実現するため、JAS法と食品衛生法の抜本改正を行うべきだと思いますが、お考えを伺います。
 司法制度改革について伺います。
 施政方針演説の中にもコンパクトに言及があります。私たち民主党も、市民が主役の司法の実現のため、これまで司法制度改革の提言もし、審議会意見書に賛意を表してきました。司法改革与党のつもりです。小泉さん、あなたも市民が主役の司法とか国民主権の下にある司法という理念に賛同していただけますよね。伺います。
 しかし、あなたは余り御存じないでしょうが、問題はこれから。ここでも抵抗勢力はかなり強力なのです。あなたは司法制度改革推進本部の本部長なのですから、是非ともリーダーシップを発揮して、本部の活動の情報公開、会議のリアルタイム公開など、プロセスを国民に開かれたものにしてください。さらに、予算措置が必要です。人を養成するのですから、おろそかにはできません。大丈夫ですか、伺います。
 人権救済制度についても議論の真っ最中です。救済機関の独立性は、国内でこれでよろしいと言うだけでは済みません。パリ原則という国際社会のルールがあります。同じ作るのなら、世界じゅうどこに出しても恥ずかしくないものを作りましょう。私たち民主党は、内閣府に人権委員会を作ることを提案しています。どうお考えですか。
 小泉さん、あなたは施政方針演説で、世界最先端のIT国家や電子政府、電子自治体を実現すると言われました。大いに結構ですが、それが世界最先端の国民管理国家となってはいけません。今年の八月五日からすべての国民に十一けたの番号が付きます。小泉さん、あなたは、この国民共通番号制が個人の自由とプライバシーを侵害しないものだと約束できますか。お答えください。
 この国民共通番号制には、ジャーナリストの櫻井よしこさん、作曲家の三枝成彰さん、長野県の田中知事、杉並区の山田区長始め多くの人々と百十九の地方自治体が反対しています。総務省は住民基本台帳の四項目のデータにしか使用しないと言っていますが、経済産業省始め各省庁は既に拡大利用の研究を始めています。行政が個人を支配するような拡大利用を認めてはならないと思いますが、いかがですか、伺います。
 昨年末、私の大変尊敬する大先輩、加藤シヅエさんが百四歳で永眠されました。愛をテーマに女性の健康と地位向上のために生涯をささげられた加藤さんの精神を私たちはしっかりと引き継いでいく責任があります。
 今国会で政府は、母子家庭に対する児童扶養手当の削減をしようとしています。正に小泉首相のおっしゃる痛みに直撃されている母子家庭を、あなたは更にねらい撃ちしようというのでしょうか。お答えください。
 働く意欲を増す効果があるなどと言われているようですが、意欲があっても場がないのです。病児保育や夜間・休日保育も十分でない日本社会では、子供の都合によって働き方を左右されざるを得ない一人親世帯は最も職場から遠ざけられてしまいます。生活保護世帯になってしまうのなら、結果として国庫負担が増すだけだし、労働力はますます封じ込められるのではないでしょうか。どうお考えですか。
 小泉さん、あなたは、女性の涙については差別的な認識をお持ちのようですが、児童扶養手当を削減されて成長権を脅かされる子供たちの涙についてはどう考えられるのでしょうか。この計画を断念するつもりはないのか、お答えください。
 昨年の内閣府の世論調査を受けて、今国会で政府は選択的夫婦別姓を認める民法改正案の提出を検討しています。女性の人権という観点からも、また、多様な家族にそれぞれの在り方を認め、愛をはぐくむ環境を提供するためにも、民法改正は長年の懸案であり、私たち民主党も積極的に取り組んでまいりました。現在も私たちが提出した法案が衆参ともに継続中です。
 民法改正案を提出しようとする政府に対して、与党の根強い反対があると聞いていますが、この程度の改革もできないようでは、日本を立て直すことなどできないでしょう。断固として法案を提出する決意が、小泉さん、あなたにおありかどうか、伺います。
 DV、ドメスティック・バイオレンス、つまり家庭内暴力の被害者の自立支援について伺います。
 昨年成立したDV法は、主として女性の被害者の保護と加害者の行動制限などについて定めるだけで、被害女性が加害者から逃げた後の生活再建や自立支援については不十分です。今後、被害者の自立、自己決定を尊重しながら地域で支援する仕組みを作ることが重要です。特に、地域福祉の観点からの取組の強化が必要ですが、小泉さん、あなたはどうお考えですか。伺います。
 ところで、小泉内閣総理大臣、あなたは演説の冒頭、愛子内親王の御誕生に言及されました。私も愛子様の健やかな御成長を楽しみにしています。しかし、最後に昭和天皇の和歌を引用されたのはちょっといただけません。あなたにはお分かりにならないかもしれませんが、施政方針演説はあなたの政治的意思の表明なのです。そこに、まだ影響力の強く残っている天皇の和歌をあなたのメッセージの説得力を補強するために使うのは、やはり天皇を政治に利用したことになるのです。慎んでください。どのように答えられますか。
 私は、この際、むしろ皇室典範の改正を提言します。女性の天皇を可能にしようではありませんか。お答えください。
 最後に、小泉さん、あなたは憎めない人だと思います。しかし、抵抗勢力に支えられて構造改革を行うという絶対矛盾の政権では、あなたの目指すものはいずれ必ず行き詰まります。もう行き詰まっているとも言えます。あなたの一番いいところは、率直に、思い切って自分の思っていることをはっきり言うところです。行き詰まりが分かれば、どうぞ、恐れず、ひるまず、たじろがず、もうお手上げだ、代わってくれとおっしゃってください。私たちはいつでも代わります。
 終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#5
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 江田議員にお答えいたします。
 田中大臣の更迭及び内閣支持率の低下についての御質問であります。
 今回のNGOの出席拒否をめぐる問題、これは本来外務省の問題であります。これが国会全体の問題に変わってまいりました。そういうことから、この国会の混乱という事態を打開するために打った処置でありまして、今でも適切な判断だと思っております。
 また、支持率の低下が懸念されておりますが、支持率が高かろうが低かろうが、私の改革への決意は全く揺るぎません。恐れず、ひるまず、とらわれず、断固として改革を進めてまいります。
 支持率が下がったといっても、依然として民主党より高い。これを真摯に受け止めて、小泉内閣に対する期待というものをしっかりと受け止めて、断固としてこの改革を推進していきたいと思います。
 武部大臣を罷免すべきではないかとお尋ねでありますが、一昨日、不信任決議案が否決されました。立法府からの信任が得られました。
 政府としては、一連の経緯を真摯に受け止め、今後とも、生産現場や消費者の意見をしっかり踏まえ、BSE対策に遺漏のないよう全力を尽くしてまいります。
 また、武部大臣の取るべき責任は、BSEに関する正確で科学的な情報を国民にきちんと伝えること、BSE発生に伴う生産から消費に至る様々な悪影響に対応するための措置を講ずること、過去における行政措置等を点検し、将来にわたりBSEの発生防止に取り組むことにあると考えておりまして、今後とも、これらの職責を果たし、国民に安心していただける体制を作るよう、全力を尽くしていただきたいと考えております。
 未来の姿についてでございますが、施政方針演説及び先般閣議決定した「改革と展望」において示しましたように、人の能力と個性の発揮を大切にすることにより、人材大国の実現を目指すことを示しました。明るい未来を力強く切り開いていただく担い手は、人であります。わけても子供たち、青年たちであります。そういう方々の夢と希望をはぐくみ、子供たちが豊かな個性と能力を持った人間に育つよう、全力を尽くし、そういう環境を整えることが政治の役割だと認識しております。
 このような考えの下に、努力が報われ再挑戦できる社会などを構造改革の目指す未来の姿として国民に呼び掛けていきたいと思っております。
 教育に関する御質問でございますが、いろいろ歳出の思い切った見直しを十四年度予算におきまして行いましたけれども、わけても人材育成・教育については重点分野の一つとして予算を再配分しております。また、育英奨学事業の充実、教科等に応じた少人数の授業推進など、今後とも教育の充実に努めてまいりたいと考えます。
 人口推計についてでございますが、我が国の人口が二〇〇六年から減少に向かう原因は、出生児数の減少、すなわち少子化であります。急速な少子化の進行は、我が国の経済社会に広く大きな影響を与えるものと思っております。子を持つこと、育てること、このことに大きな喜びと価値が見いだせるような社会にするのも必要ではないかと思っております。こうした家庭や子育てに夢や希望を持つことができるような社会にしていかなければならないと思います。
 あっせん利得処罰法の処罰対象についてのお尋ねでございます。
 私設秘書等に処罰対象を拡大する問題も含めまして、各党会派の議論を踏まえつつ、私としても、いろんな議論を総合的に考えながら、腐敗防止に役立つような適切な対処をしていきたいと思います。
 ブッシュ大統領の演説に関してでございますが、様々な課題に直面する二十一世紀において、日米の協力関係は引き続き極めて重要であります。これからブッシュ大統領が訪日されますが、今後、日米関係の強化というものは、単に日本やアメリカの関係のためだけではない、世界の繁栄と発展のために必要不可欠なものであるという認識の下に、率直な意見交換を行っていきたいと思います。
 イランについては、我が国は、その改革路線を支援していくことが重要と考えておりまして、同時に、イランが国際社会の懸念を払拭する措置、行動を取るよう促してもいます。
 北朝鮮については、ブッシュ政権は、前提条件なく北朝鮮との真剣な協議を開始する用意があるとの立場に変更はないものと承知しております。
 今月訪日されるブッシュ大統領とも、いろいろな国際情勢につきましても、個人的信頼関係の下、幅広い意見交換をして、今後とも日米強化の進展に役立つような意義深い会談にしたいと思っております。
 国連を中心とした安全保障についてでございますが、我が国は国連への協力を外交の重要な柱としております。国連平和維持活動などの国連諸活動に積極的に今後も協力していきたいと思います。
 また、国連の活動への参加のために自衛隊と別個の組織を設けるべきだというようなお考えでございますが、これは膨大な経費と時間を要します。また、第二自衛隊的なものを作るのがいいのかどうか、いろんな御批判もございます。そういう点を考えますと、国連の諸活動への新たな組織をPKOのために作るということについては、非効率な点もありますので、私は、その必要はないと考えております。
 国際刑事裁判所規程についてのお尋ねでございますが、我が国は、国際社会における最も深刻な、犯罪の発生を防止し、もって国際の平和と安全を維持する観点から、国際刑事裁判所の設立に向けて努力してきております。国際刑事裁判所規程の締結については、現在、同規程の内容を精査するとともに、国内法令との整合性について必要な検討を行ってまいります。
 東チモールに対する支援についてでございますが、東チモールの安定はアジア太平洋地域の安定にとって重要であるとの認識の下、九九年に東京で我が国は支援国会合を開催し、三年間で約一億三千万ドルの復興開発及び人道支援を表明しました。これまでNGOや国際機関とも協力して東チモールの国づくりのプロセスを支援してきており、今後とも、東チモールの自立に向け可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えます。
 ODAの今後の取組についてでございますが、ODAは、我が国が国際社会の安定と繁栄の実現に向け取り組むに当たっての極めて重要な手段であります。厳しい財政状況の下で、来年度予算については一〇%削減の方針でありますが、ODAを戦略的かつ効果的に活用することによって国際社会の期待に積極的にこたえてまいります。
 アフガニスタンにおけるNGOの活動についてでございますが、現地で人道支援活動を行っているNGOの活動は重要であると認識しております。施政方針演説においてNGOに具体的な言及はしませんでしたが、アフガニスタンの復興支援を含め、我が国の外交全般においてNGOの果たす役割にかんがみ、NGOとの間で十分な連携協力を図っていく考えであります。
 靖国神社参拝についてでございますが、諸般の状況を見て判断したいと考えております。
 新たな国立の慰霊施設についてでございますが、現在、内閣官房長官の下に懇談会を開催し、おおむね一年を目途として、だれもがわだかまりなく戦没者等に追悼の誠をささげ、平和を祈念することのできる記念碑等国の施設の在り方について幅広く御議論いただいているところであり、この懇談会の意見を踏まえて対応を検討してまいります。
 日韓の歴史共同研究についてでございますが、本件歴史共同研究については、昨年十月に金大中韓国大統領との間で行いました首脳会談を踏まえ、現在、韓国側と最終的な調整を行っております。調整の具体的見通しを申し上げることは現時点においては差し控えたいと思いますが、両国は本件共同研究を早期に立ち上げることで一致しており、韓国側との間で精力的に協議を行っていきたいと思います。
 京都議定書についてでございますが、地球温暖化問題は早急な対応が必要であり、今国会における京都議定書締結の承認と必要な国内法の整備を目指します。また、米国の建設的な対応を引き続き求めるとともに、途上国を含めた国際的ルールが構築されるよう、最大限の努力を続けていきたいと思います。
 小泉内閣の経済政策についてでありますが、構造改革、構造が抜けたじゃないかというお話でありますが、言葉は短い方がいい。聖域なき構造改革というのは何回も言っていることであります。改革なくして成長なしの方が分かりやすいでしょう。構造が抜けたから改革しないなんというのは、言葉じりをとらえた発言だと、大変遺憾に思っております。
 私の構造改革は、国民の将来に対する不安の解消を通じ、消費、投資の経済活動を活性化するとともに、金融機能の再生、新規成長分野への資源の投入、民間ビジネス機会の拡大による設備投資、雇用増加、コストの低下等を通じ、中期的には景気を回復させ、持続的な経済成長を実現するものであります。引き続き、このような考えの下に、経済・財政、行政、社会の各分野における構造改革を断行してまいります。
 日本道路公団が昨年十三の工事を発注中止した件についてでありますが、本件は、道路公団の事業執行上の問題であり、道路公団において予算の状況などに基づき判断がされたものと考えております。
 天下り禁止についてでございますが、天下りの問題については、公務員制度改革大綱などに基づき、特殊法人等の役員退職金の大幅削減や再就職状況に関する情報公開の徹底等に努め、国民の理解を得られるよう、厳しく対処してまいります。
 道路特定財源についてでございますが、平成十四年度予算においては、公共投資を一割削減する中で道路予算についても削減を行っております。その結果、自動車重量税を含めたいわゆる道路特定財源の額が道路予算の額を上回ることとなり、十四年度においては、これを使途の限定なく一般財源として初めて活用することを決定しております。
 なお、道路を含め、特定財源及びその税制の見直しについては、その基本的な在り方について経済財政諮問会議や政府税調等の場において幅広く検討を進め、十五年度予算に反映させていきたいと考えます。
 痛みを和らげる方策についてでございますが、構造改革を推進する過程では、非効率な部門の淘汰が生じ、社会の中に痛みを伴う事態が生じることもあります。しかし、この構造改革抜きにやったならば、将来もっと大きな痛みを伴うということを考えなくてはなりません。
 私は、この構造改革なくして成長なしという方針の下に、雇用対策、中小企業対策等を始め、できるだけの痛みを緩和する措置を努めて、改革に邁進していきたいと思います。
 経済情勢が厳しく、多くの方が困難に直面している中にあって、私は、改革なくして成長なしというこの小泉内閣の方針は依然として多数の国民の支持を得ていると考えております。この声をしっかりと受け止めまして、揺るぎない決意で構造改革に邁進してまいります。
 ホームレスの自立の支援についてでございますが、政府としては、平成十一年に取りまとめましたホームレス問題に対する当面の対応策に基づき、関係省庁が関係地方公共団体と一体となって雇用、保健医療、住まい等の各般にわたる対策に取り組むなど、ホームレス対策の推進に努めてまいります。
 デフレ阻止についてでございますが、デフレ阻止のためには、金融政策による対応のみならず、政府、日本銀行が一致協力してデフレ問題に総合的に取り組むことが必要であると考えます。
 緊急対応プログラムを政府としては策定し、平成十三年度第二次補正予算を編成したところですが、今後は、十四年度予算と十三年度第二次補正予算とを切れ目なく執行するとともに、不良債権の処理、特殊法人改革、税制改革などの構造改革を断行することにより、将来に対する国民の不安感の解消等を通じた個人消費の回復や経済の活性化を図り、デフレの阻止に取り組んでまいります。
 「改革と展望」についてでございますが、今般閣議決定した「改革と展望」は、日本が目指す経済社会の姿とそれを実現するための構造改革を中心とした中期的な経済財政運営について、具体的な数値とともに明確な将来展望を示しており、絵にかいたもちとの御批判は当たらないものと考えます。
 雇用対策とワークシェアリングについてでございますが、厳しい雇用失業情勢を踏まえて、政府としては、サービス業を中心とした新規産業の創出、雇用の創出を推進するため、医療・福祉分野等を中心とした規制改革の推進、さきの第一次補正予算で計上した緊急地域雇用創出特別交付金を活用した新公共サービス雇用の創出等の施策を積極的に推進しております。
 加えて、雇用のミスマッチの解消を図るため、インターネットを通じて官民の求人情報を一覧で検索できるしごと情報ネットの運用、中高年ホワイトカラー離職者等に対する職業能力開発を企業や大学、NPO等のあらゆる民間資源を活用して推進していきたいと思います。
 沖縄県において本年四月に稼動予定の、再就職を希望する者に対して全国の再就職支援機関の情報提供を行う情報ネットコールセンター、いわゆる働らコールの活用等の施策を積極的に推進しております。
 さらに、ワークシェアリングを推進するため、昨年十二月に政労使ワークシェアリング検討会議を設置しましたが、その検討に当たっては、労働者の多様な働き方に応じてその適正な処遇を確保するという観点も十分に踏まえ、本年三月を目途に基本的な考え方についての合意が得られるよう取り組んでまいります。
 NPOに対する認識及び支援税制についてでございますが、NPO、NGOは、行政でも営利企業でもない第三の主体として、国民の様々な多様化した要望にこたえ得る組織としてこれからも大いなる役割を発揮してくれると期待しております。
 NPO法人に対する寄附金について、税制上の優遇措置を与える認定NPO法人制度は昨年十月から施行されたところであり、できるだけ多くのNPO法人に活用していただくことを期待しておりますが、その認定要件については、今後、NPO法人の実態等を見極めた上、検討していくことが必要であると考えます。
 地方の財源や補助金の一括交付金についてのお尋ねですが、地方の財源の問題については、地方にできることは地方にゆだねる、この方針の下に、民主党の考えも含め根本的に検討してまいりたいと考えております。
 補助金等の在り方については、平成十四年度予算においても、地方公共団体の自主性を尊重する統合補助金について、制度の改正を含めた一層の拡充を図る等、積極的に見直しを行っているところであります。
 民主党が提出した地域金融円滑化法案についてでございますが、御指摘の地域金融円滑化法については、金融機関の融資業務等は、基本的には自主的な経営判断、すなわち市場メカニズムに従って行われるべきであり、何らかの一律の基準に基づいて政府が各金融機関の活動を評価すること等については慎重に考えるべきものと考えます。政府としては、先般の改革先行プログラムに基づき、中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めるよう金融機関に対して要請しているところであります。
 税制改革及びプライマリーバランス赤字解消に向けた取組についてでございますが、税制の改革は、構造改革の大きな柱の一つでありまして、増税策との批判は当たりません。プライマリーバランス赤字解消について、先般閣議決定された「改革と展望」を踏まえ、歳出の質の改善や抑制等を推進するとともに、受益と負担の関係についても引き続き検討を行い、取組を進めてまいります。
 外務省改革及び機密費に関するお尋ねでございますが、これからの外務省改革について、川口大臣も意欲的に取り組んでおられます。内外の信頼を一刻も早く回復するように、私も川口大臣の先頭に立つ積極的な姿勢を応援し、政府一体となってこの改革に取り組んでいきたいと思います。
 また、報償費の執行に当たっても、厳正かつ効率的な執行の徹底を図り、国民の信頼の回復に努めてまいりたいと思います。なお、内閣官房長官からも度々答弁しているとおり、外務省の報償費が内閣官房に来ているということはございません。
 農業政策についてでございますが、我が国の農業は、食料の安定供給はもとより、国土、自然環境の保全等の多面的な機能を有していますが、御指摘のように、このような多面的機能の十分な発揮を図るための施策を講じていくことが必要であります。このため、農業生産基盤については、環境創造型事業への転換を図りつつ、重点的、効率的な整備に努める一方、意欲と能力のある経営体が創意工夫を生かした経営を展開できるよう、農業の構造改革を進めてまいります。
 食の安全についてでございますが、国民に安心して食の不安を解消していただけるためにも、この食の安全の一層の確保に最善を尽くしていく必要がございます。このため、畜産・食品衛生行政の改革を目指し、例えば、農林水産大臣と厚生労働大臣の諮問機関であるBSE問題に関する調査検討委員会の報告なども得て、食の安全と安心を確保する仕組み作りについて真剣に取り組んでまいります。
 また、JAS法など食品の表示制度を見直し、その改善強化を急がせるとともに、食品衛生法等に基づく規制、基準の遵守の徹底を図るなど、消費者の安心と信頼の回復に総力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 司法制度改革でございますが、政府としては、必要な法制上又は財政上の措置等を講じるなどして、新しい事後チェック・救済型社会にふさわしい、国民にとって身近で信頼される司法制度を構築してまいりたいと思います。改革の推進に当たっては、情報公開による検討過程の透明性の確保に最大限の努力を行ってまいります。
 人権委員会の設置場所についてでございますが、このたび新たに設置される人権委員会については、法務省が関係分野に関する事務につき人材やノウハウの蓄積があることを考慮し、委員会運営の独立性にも配慮した形で法務省の外局として設置することとされたものと承知しております。
 住民基本台帳ネットワークシステムについてでございますが、このシステムでは、都道府県や指定情報処理機関が保有する情報は、法律上、氏名、住所、性別、生年月日の四情報などに限定されていること、利用目的に法律上の根拠を必要とするほか、目的外利用を禁止していること、こういうことなどから、個人の自由とプライバシーを侵害するおそれは少ないものと考えます。このシステムを有効に活用し、電子政府、電子自治体の中核となる行政手続のオンライン化を図ってまいります。
 児童扶養手当制度でございますが、今回の児童扶養手当制度の見直しは、新しい時代の要請に的確に対応するため、母子家庭対策を総合的に見直す一環として行うものです。
 具体的には、母子家庭の自立促進のため、相談機能の強化を図るとともに、子育て支援策、就労支援策、養育費の確保策、経済的支援策などについて見直し、母子家庭の総合的な施策の展開を図るための法改正を行ってまいりたいと考えております。
 この中で、児童扶養手当制度につきましては、児童の福祉や自立が困難な者についてきめ細かな配慮をしつつ、母子家庭の自立が一層促進され、また、制度そのものが厳しい財政状況の中でも維持可能なものとなるようにしていきたいと考えております。
 選択的夫婦別姓を認める民法改正についてのお尋ねでありますが、この問題は婚姻制度や家族の在り方と関連する重要な問題でありますから、御指摘の世論調査の結果に見られる国民の意識動向や議論の推移を踏まえて、更に検討を進めてまいりたいと考えます。
 配偶者からの暴力被害者の自立支援についてでございますが、配偶者暴力防止法に基づき、本年四月から業務を開始する都道府県の配偶者暴力相談支援センターにおいて、被害者の自立を促進するための援助が行われることとなっております。また、地域の様々な関係機関、団体等が連携協力し、被害者の自立を支援していく活動におきましても、支援センターなどを活用してまいりたいと考えています。
 昭和天皇の和歌の引用についてでございますが、私は、あの「ふりつもるみ雪にたへていろかへぬ松そをゝしき人もかくあれ」、この歌が、敗戦後まだ半年もたたない、多くの国民が敗戦に打ちひしがれたときに詠まれたことについて、いつもあの歌を読むたびに心から感動しております。
 困難に屈しない、難局に直面しても雄々しく立ち向かうという気概を込めて歌ったものでありまして、私は、これを天皇陛下を政治的に利用したとの御指摘は当たらないと考えております。
 皇室典範に関するお尋ねでありますが、女性天皇の問題を含め皇位継承制度の在り方については、皇室の歴史や伝統、そしてそれらを踏まえた国民の皇室に対する気持ちなど様々な背景があるため、幅広い観点から考えるべき問題であると考えております。(拍手)
#6
○議長(井上裕君) 答弁の補足があります。小泉内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほどの江田議員の質問の中で、NGO問題で国会を混乱させ、これを利用したのではないか、それを知りながらこの機会に乗じて外相を辞めさせたのではないかとの質問がありましたが、これは次のような意味です。
 私が言ったのは、本来、外務省の問題が、国会全体の問題になってきたと、認識が違うんです。江田議員はそう思っているでしょうけれども、国会が混乱したのは事実なんですよ。しかし、衆議院で混乱したのが参議院に及ぶかもしれないというのは、それは私の判断なんです。それは認識の違いだと思う。いずれにしても、国会全体を混乱させた事実には変わりないんです。私はそういうように思います。
 そういうことで、私は、これは国会全体の混乱を最小限にとどめようということで判断したわけであります。見解の相違だと思います。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(井上裕君) 竹山裕君。
   〔竹山裕君登壇、拍手〕
#9
○竹山裕君 私は、自由民主党・保守党を代表して、小泉内閣総理大臣の施政方針演説を始め政府四演説に関連して、総理大臣に質問いたします。
 二十一世紀は、アメリカの同時多発テロを始め不況の深刻化等多難な幕開けとなり、九か月前の小泉内閣発足当時と比べ内外の情勢は大きく変化し、最近は先行き不透明感が一層強まっております。
 他方、昨年十二月一日には、国民が待ち望んだ国家的な慶事を迎え、愛子内親王殿下が御誕生になり、国じゅうにお喜びの声が一杯になりました。皆さんとともに愛子内親王のお健やかな成長を心からお祈り申し上げます。
 今年こそは平和で、暮らしが安定し、穏やかな年になってほしい、これも国民共通の祈りにも似た切なる願いでありますが、国会の開会早々に景気下支えのための重要な補正予算案の審議が停滞し、田中外務大臣の更迭、株価等のトリプル安、内閣支持率の低下など、内閣発足以来の厳しい状態になっております。
 我が国再生のためには構造改革の推進がもとより重要であることは、国内外に理解され、支持されておりますが、現下の切迫した経済情勢を踏まえつつ、国民の痛切な願望である景気回復とどう両立させていくか、また国民の安全、安心をいかに確保していくか、小泉内閣は今、正念場を迎えております。この難関を乗り越えるために、我々は改めて気を引き締めて、一致結束し真正面から取り組んでいかなければなりません。
 これからの国際社会は、テロ根絶のための国際協調の強化、世界秩序の安定が急務となり、各文明間の対話も重要となる大きな試練に立たされております。また、IT不況にテロの打撃が重なり、アメリカを始めとして世界経済が減速し、特に我が国は、産業の空洞化や不良債権の処理の中で、いまだ経験したことのないデフレスパイラルが心配されております。
 これまで小泉政権は、テロ撲滅への国際共同行動に加え、国内における雇用情勢の悪化、BSE汚染牛の発生、武装不審船事件など、次々に起こる難問に真剣に取り組んできました。特に、第一次補正予算により雇用や中小企業のセーフティーネットの整備を図るとともに、特殊法人改革を始め構造改革の諸課題の前進へ全力を挙げてまいりました。
 これからは、国民の改革への大きな期待にこたえつつ、急変する事態に的確、迅速に対処するよう、大規模なテロ、領域警備を含めた治安の確保に備えるとともに、金融システム不安、デフレスパイラル阻止のための経済の危機管理への新たな対応も非常に重要になってまいります。
 このような国内外重大な時局にあって、川口外務大臣を迎え、新たな体制で臨む小泉内閣は、改革を進めつつ、経済も含めた多様な危機への備えにいかに対処されるか、まず総理の御決意を伺います。
 企業の倒産が相次ぎ、完全失業率が五・六%と最悪の水準を更新し、更に上昇するおそれがあり、国民は景気悪化や改革に伴う痛みをひしひしと身にしみて感じております。痛みに耐え、明日へ向けて頑張るには、明るい展望とそれを実現する行動計画をどう具体的に示せるかどうかが大変重要になってまいります。
 総理は、年頭の記者会見で、五年間で五百三十万人の雇用創出を図ると強調されていますが、そのために、新しい産業についていかなる分野でどのように新規市場や企業の育成を見込むか、そのための規制改革や技術開発の支援、さらに国と地方、民間の役割分担に基づく具体的な対策を示す必要があります。
 我が国の企業は、日本と比べて賃金が二十から三十分の一と格安な水準にある中国へ生産拠点の移転を急速に進め、それが下請中小企業を窮地に追い込み、失業が増加する大きな要因となっております。大学発のベンチャーの本格的な育成を始め、産学官の連携によって、新たな科学技術の創造、産業の高付加価値化を積極的に推進し、急激に進む産業空洞化を何とか食い止めていかなければなりません。
 総理は、このような経済動向を踏まえ、新たな産業育成、雇用創出に向けた実現可能な目標と行動計画についていかに取り組まれるか、お伺いします。
 今、我が国は自信を失って閉塞状況に陥っておりますが、日本には歴史や風土に根差す伝統文化、高い教育水準に、優れた技術を有する人材、それに千四百兆円にも及ぶ個人金融資産、三百四十六兆円もの対外資産があります。これらは、その時々の試練に耐えながら力を合わせ、知恵を出して築いてきた成果でもあります。
 我々は、先人たちの教訓に学び、このような多様な資源を新しい国づくりに向けて生かしていく必要があります。我が国には、痛みに耐え、ピンチをチャンスに変える底力はまだ残っていると確信いたします。
 一昨年の白川博士に次いで、昨年、野依名古屋大学大学院教授がノーベル化学賞を受賞され、国民に希望を与えるビッグニュースとなりました。小泉総理は、このお二人との新春鼎談において大変感銘を受けられ、明るい未来を切り開くために科学技術創造立国を目指す者として大いに励みになったと述べられております。
 また、我が国には、今まで困難とみなされていた課題をプロジェクトメンバーの心血を注ぐ努力で達成し、不可能を可能とした感動的な多くの成果が見られます。これが日本の発展の原動力となってきました。
 先般、「構造改革と経済財政の中期展望」が策定され、その中で、科学技術の創造などによる新たな成長エンジンのパワーアップを図り、人材大国や循環型社会の実現を国づくりの大きな柱に据えようとしております。
 また、国家戦略を示すいわゆる小泉ビジョンを策定することになっておりますが、これは、国民に広く意見を求めながら検討を進め、みんなが元気を出して挑戦できる具体的なビジョンとなることが望ましいので、この際、まず、総理の国づくりの基本的な考え方を国民に分かりやすく御説明願います。
 施政方針演説の子供たちの夢と希望をはぐくむ社会の実現の中で、新たな国づくりには人材育成、教育が基本となることを強調されておられますが、現実の問題としては学級崩壊等、教育の荒廃が指摘されて久しく、最近は青少年の凶悪犯罪も多発しております。これは、日本の将来にとって誠にゆゆしい事態であります。時代や社会変化に対応し、歴史や文化、社会と個人との関係、家庭教育の在り方を十分に踏まえつつ、教育基本法の見直しについて、着実に取り組んでいくべきと考えますが、総理の御見解をお聞かせ願います。
 また、国際化、情報化が進展し、世界の情勢が複雑化、不安定化していく中で、我が国のアイデンティティーの確立が急がれ、誇りと自信の持てる国づくりをすることが緊要であります。
 あの凶悪極まりない同時多発テロ事件を自らのことと受け止め、国民の生命や財産を守ることが国家の役割としていかに大切であるか、強く実感するところであります。憲法の枠内での対応が限界に近づきつつあると考えます。この際、安全保障の在り方、特に、集団的自衛権について真剣に論議して集約すべきと考えます。
 予測し難い多様な危機にあって、個人の尊厳、民族の品格を守り、地球的な観点を踏まえ多様な貢献ができる憲法となるよう、鋭意検討を進めることが望まれますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
 次に、経済問題について質問いたします。
 我が国の経済がデフレスパイラルの入口にあり、マイナス成長が続く中で、アメリカ経済の回復力はなお不透明で、アジアの輸出の減速傾向により、世界の同時不況への不安はまだ払拭されておりません。
 我が国は、株価が低落し、不良債権の本格処理が行われる中で、企業の倒産が進み、さらに、ペイオフ凍結解除が行われると金融システムが揺らぐのではないか、経済情勢が急を告げる心配があります。特に、我が国が世界恐慌の引き金を引くようなことは許されず、総理は待ったなしの危機対応能力を問われます。
 そのためには、内外の経済の動向を十分監視しつつ、政策的な選択肢を持って、機動的な対応ができる態勢を取ることが強く望まれます。
 年頭の記者会見や施政方針演説で、総理は、経済情勢によっては無用の混乱を起こさないよう、大胆かつ柔軟な対策を取る準備をしている旨述べられ、特に金融の危機を起こさないためにはあらゆる手段を講ずると強調されておられます。
 十四年度の予算案については、三十兆円の国債発行を前提として編成され、公共事業全体で一〇・七%のマイナス、特殊法人への支出は二割強の削減、診療報酬は二・七%の引下げと、かつてない大幅な見直しが行われております。
 それとあわせて、環境、少子高齢化、科学技術振興等、七分野への重点的な予算配分によってできるだけ景気に配慮するよう工夫したものとなっております。現下の経済情勢にかんがみ、一日も早く十四年度予算案が成立することが強く望まれます。
 今後、景気の下支えに十分な備えが肝心であり、先日成立した第二次補正予算の執行が急がれますが、さらに、デフレスパイラル阻止のための財政、金融や税制、思い切った規制改革など、あらゆる手段、政策を総動員する準備に着手される必要があり、総理の具体的な取組方針をお示しください。
 特に、政府、日銀が一体となった金融政策を進めるべきであり、例えば、デフレを克服するためのインフレ目標の設定や金融機関の自己資本の不足に対処するための公的資金の注入について、金融不安回避の対応として具体的にどのように考えておられるか、お聞かせください。
 また、税制について、構造改革の視点から基本的な見直しを行うべきでありますが、焦点となりつつある課税最低限の引下げの検討に対しては、不況下における国民生活の影響も十分に配慮すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 経済の活性化に資する税制としては、土地の流通課税や相続税、贈与税等の軽減について強い要望がありますが、これに対するお考えも併せお願いいたします。
 小泉内閣の掲げる構造改革の大きな柱の一つが、特殊法人改革であります。
 この改革は、歴代内閣が取り組んできましたが、なかなか実を上げることができなかった大きな課題でもあります。
 しかし、厳しい経済情勢を受けて民間ではリストラ、合理化が相次いでおります。こうした中、国の事業についても、民間にできることは民間にゆだね、地方がやれることは地方に任せるという考え方で、国民とともに痛みを共有していくとの観点から、小泉総理は、特殊法人は原則廃止、民営化という大方針を明確に打ち出されております。
 そして、昨年の十二月に、総理のリーダーシップの下、政府・与党の大局を踏まえた判断によって、石油公団や住宅金融公庫の十七法人廃止、四十五を民営化する等の内容から成る特殊法人等整理合理化計画が決定されました。
 特に、国民に関心の高かった国民生活金融公庫等の政府系金融機関の八機関については、経済財政諮問会議において今年の初めに検討を開始し、経済情勢を見極めつつ、できるだけ早い時期に結論を得ることになりました。
 また、道路四公団については、四公団に代わる新たな組織、その採算性の確保については、内閣に置く第三者機関において一体として検討し、具体的内容を平成十四年中にまとめることになりました。
 そこで、この第三者機関が道路四公団の将来の民営化の具体策をゆだねられておりますが、その姿がまだ明確となっておりません。今国会に第三者機関を設置する法案を提出予定とのことでありますが、今後、その人選に当たっては偏ったものにならないよう、メンバーの公平性が確保されるべきと考えますが、この点、総理のお考えを伺います。
 二十一世紀スタートの年、世界じゅうに未曾有の衝撃を与えた同時多発テロは、冷戦後の新たな脅威を引き起こし、テロ根絶のため確固たる秩序の形成へ向け、各国の一致結束した協力関係が求められております。
 アフガンの復興については、目下の国際的な重要課題であり、先月二十一、二十二日、東京で開かれた復興支援国際会議において復興方策や各国による支援額が取りまとめられ、大きな成果を上げました。
 共同議長国としての我が国の貢献に対しては高い評価は得つつありますが、復興の実行には数多くな課題があり、継続的な支援努力が必要であります。
 世界、アジアの政治、経済、軍事情勢は大きな転換期を迎えつつあり、我が国が存在感を保持しつつ、世界の平和と安定に向け、より多くの貢献が行えるよう、日本の外交、安全保障の在り方について、戦略的な視点も踏まえて確かに再構築しなければなりません。
 新年早々、総理は、東南アジア五か国の歴訪により包括的な経済連携を提唱され、先日のロシア外務大臣訪日等に、既に小泉外交を活発にスタートされておりますが、近隣諸国との関係では、台頭が目立つ中国への対応やロシアとの北方領土交渉、我が国の主権上も重大な拉致疑惑の解明、不審船事件への対応も大きな課題であります。
 さらに、今年は、韓国と共同開催するワールドカップサッカー大会を是非とも成功させなければなりません。
 このように、同時多発テロによって激動し、先行き視界不良な国際情勢の中にあって、総理は、多くの課題に直面している日本の外交についてどのようにかじを取っていかれるのか、外務省の改革等、新たな取組姿勢も含めて基本的なお考えをお聞かせ願います。
 米国の同時多発テロは、国民の安全に対する考えを大きく変え、ロケット砲武装の不審船事件も影響し、今までになく安全保障についての関心が高まっております。
 総理は、記者会見で、有事法制は通常国会でできることから法整備を進めていきたいと明言されており、心強く受け止めております。直接の武力攻撃や大規模なテロなどに対処するための理念や基本原則を定める安全保障基本法を先に定めるか、あるいは防衛出動にかかわる国内有事や領域警備についての具体的な法律の整備を急務とするか、いろいろ意見はあるようであります。
 総理は、最近の新しい事態を含めた緊急時の体制に万全を期すための有事法制の制定へ今国会中どのような方針で取り組んでいくのか、お聞かせ願います。
 少子高齢化社会を迎え、国民が安心して老後を託せる社会の仕組みをどう作っていくか、重大な課題であります。
 長寿は本来喜ぶべきことなのに、どちらかというと暗いイメージが先行し、社会保障も負担増、給付減の不安が重くのし掛かってきます。しかしながら、老人は弱者という固定観念から離れ、もう少し視野を広げて考えることが肝心です。元気で積極的なお年寄りが多く、能力に応じた活動の場が与えられれば、生きがいを持って暮らし、社会保障費を負担していただくすそ野が広がります。相互扶助の地域システム作りも大切で、ボランティア組織の参加により、お年寄りの方々が生き生きとされているところも多くあります。また、高齢者が自宅を担保にして、生活費などの融資を受けながら持家に住み続けることができる、いわゆるリバースモーゲージ制度の創設、普及を進めれば、ゆとりある老後が可能となります。
 今回の医療関係予算案のように、三方一両損的な改革も一定の前進でありますが、その中にあって、働けない病弱者や低所得者の高齢者に痛みがしわ寄せされないような、特に目配り、気配りが大切であります。
 今後、長寿大国にふさわしい安心できる高齢社会の仕組みについて、地域共生システムの形成も含め、いろいろ工夫すべきでありますが、総理の御見解を伺います。
 また、少子化が急速に進む中で、保育施設を始め子育て支援を一層拡充する必要があるとともに、不況により困窮している学生や親が自殺して残された子供が急増しており、育英資金の支援に手を尽くすことが重要でありますので、併せ、総理の考えを伺います。
 さらに、毎日の暮らしに欠かせない食べ物について、その安全性に関して七割の人が不安を感じているというデータがあります。特に、我が国のBSE感染牛については、まだ感染ルートが解明されておらず、消費者のみならず、生産農家も大きな不安に駆られております。食料、特に牛肉の安全確保対策についてお答え願います。
 本通常国会においては、冒頭成立した補正予算に引き続き、景気対策に切れ目が生じないよう十四年度予算案の早期成立を図るとともに、特殊法人改革を始め有事法制等の関係重要法案が山積しております。政治の停滞が一刻も許されない厳しい状況にあります。
 このため、政治への国民の信頼が何より大切になりますが、最近、複数の代議士元秘書の公共事業への口利き、競売入札妨害や脱税が摘発されており、また、全国の地方公務員から構成される日本最大の労働組合で巨額の裏金作りによる脱税が発覚するなど、誠に遺憾なことが多く起こっております。
 我々は、国民を裏切るような不祥事の再発を許さないため、法的な措置の強化に真摯に取り組むとともに、政治倫理の確立は議会政治の根幹にあることを強く自覚し、身を引き締めて政治の信頼回復を図るよう最大限努力をする決意であります。
 また、国民の皆さん方と痛みを分かち合う姿勢を明確にするため、自民党を始め与党は、国会議員歳費の一割の削減等を提案し、野党の皆さんの賛同を得て、超党派で法案を成立させるよう取り組んでおります。
 我が国は、今、国の浮沈が懸かった歴史的大転換期にあります。政治の真価、指導力が厳しく問われております。それだけに、我が参議院が、長期的、幅広い視野の中で衆議院を補完し、内閣に対するチェック・アンド・バランスの機能を十分発揮することが強く望まれていると痛感いたします。
 先般、参議院議長の下で参議院改革問題を協議する機関の設置が決まりました。私としても、政治改革、国会改革のために、従来の慣行や枠にとらわれずに論議を進め、新たな参議院を目指す改革案がまとめられるよう尽力していきたいと考えております。
 今年は、構造改革の本番を迎え、デフレ不況を脱出し、背水の陣で臨む、正に待ったなしの勝負の年であります。我々政権与党はこのことを十分肝に銘じ、一層協力して小泉政権を支えてまいりますので、小泉総理、大局に立ったリーダーシップを十二分に発揮されることを期待して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 竹山議員にお答えいたします。
 温かい御激励の言葉をいただきまして、誠にありがとうございます。
 大規模テロ等を含めた治安の確保についてでございますが、国民の安全を脅かす大規模テロや武装不審船等の問題につきましては、関係省庁の連携の在り方を含め、法制面、運用面等多角的な観点から検討し、その安全確保策にこれからも万全を期してまいりたいと思います。
 また、「世界一安全な国、日本」を復活するために、来年度、四千五百人の警察官増員や出入国管理体制の強化など、総合的な治安対策を図ってまいりたいと思います。
 金融システム不安及びデフレスパイラル阻止のためのお尋ねでございますが、経済・財政、行政、社会の各分野における構造改革を断行しているところでございますが、その過程においてはいろいろな痛みも出てくると思います。経済金融情勢の監視を怠ることなく、構造改革を推進していく中で考えられる様々なリスクに十分注意する、留意することとしております。特に、金融システム不安やデフレスパイラルに陥ることを回避するためには細心の注意を払うとともに、経済金融情勢によっては大胆かつ柔軟な政策運営を行ってまいります。
 新産業育成と雇用づくりについてでございますが、少子高齢化の進展や環境制約の高まりの中で国民の健康や環境などに対する関心が高まりつつありまして、医療福祉、バイオ、環境などの分野に新たな産業や市場が生まれることが見込まれております。
 新しい産業と市場を作り出すためには、規制改革を進め、新規事業への挑戦を評価する仕組みを作ることが必要だと思っております。経済財政諮問会議や総合規制改革会議などの力を結集し、昨年策定した改革工程表の具体化を図るなど、構造改革を着実に実行してまいります。
 今後、改革が目指す社会についてでございますが、施政方針演説及び先般閣議決定した「改革と展望」においては、人の能力と個性の発揮を大切にし、人が活躍できる仕組みを目指すことにより、科学技術創造立国、人材大国や循環型社会の実現を目指すことを示しました。これは、国民が日本に生きることに誇りを持ち、世界の人々にとっても魅力のある国づくりを進めることになると同時に、科学技術の創造による循環型社会への対応などが新たな需要を喚起する契機となり、経済の成長にも大いに寄与するものであります。
 こうした考え方の下、努力が報われ再挑戦できる社会、民間と地方の知恵が活力と豊かさを生み出す社会などを小泉構造改革の目標として示しております。
 教育基本法の見直しについてでございますが、教育基本法については、制定以来半世紀を経過し、その間社会が大きく変化しており、その見直しを検討する必要があると考えております。特に、新しい時代を生きる日本人の育成、伝統・文化など、次代に継承すべきものの尊重、教育振興基本計画の策定などの観点を踏まえ、幅広く検討することが重要であります。このため、中央教育審議会などを中心に、今後、国民的な議論を深め、教育基本法の見直しに取り組んでまいります。
 憲法についてでございますが、憲法の基本理念であります民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重は、これまで一貫して国民から広く支持されてきたものと思います。将来においても、私はこれを堅持すべきものと考えております。しかし、憲法は永久不変のものではありません。
 憲法の改正は、世論の動向あるいは成熟を見定めるなど慎重な配慮を要する問題でありまして、現在、衆参両議院の憲法調査会で、国際社会における我が国の役割など、御指摘も含め幅広く熱心な議論が行われていますが、今後、国民の間でも活発に議論していただき、憲法改正の議論はタブーではないと、多くの国民の参加によって、これから新しい憲法はどうあるべきかということを活発に議論していくべき問題だと思っております。
 あらゆる政策手段によるデフレスパイラル阻止についてのお尋ねですが、現在の厳しい経済の状況を踏まえ、構造改革を更に加速しつつ、デフレスパイラルに陥ることを回避するために緊急対応プログラムを昨年末に策定し、平成十三年度第二次補正予算を編成しました。今後は、十四年度予算とこの第二次補正予算を切れ目なく執行するとともに、各分野における改革を断行してまいりたいと思います。これによって、持続的な経済成長を取り戻すとともに、政府は日銀と一致協力いたしまして、デフレスパイラルに陥ることを回避してまいります。
 金融不安回避のための対応についてでございます。
 金融危機のおそれがある場合の対応については、預金保険法において、資本増強を始めとする例外的措置の発動が可能となっております。また、金融機関が、万一、風評等により資金繰り困難に陥った場合には、日本銀行において当該金融機関に対する流動性供給に万全を期することが必要であると考えております。
 今後とも、政府、日銀の間で一層緊密に連携を取り、デフレ阻止を、デフレを阻止するとともに、金融不安回避のための態勢を取るように努めております。
 税制についてでございますが、この税制は構造改革の大きな柱でございます。六月ごろを目途に経済財政諮問会議やあるいは政府税制調査会において総合的に取り組んでいただきまして、一つの基本的な方針を示したいと思っております。その後、当面対応すべき課題については、年内に取りまとめ、平成十五年度以降実現をしてまいりたいと思います。
 その中で、御質問の個人所得課税の課税最低限の在り方については、公的サービスを賄うための負担は国民が皆で広く公平に分かち合うことが基本であるという見地、そして土地の流通課税や相続税、贈与税等については、近年の大幅な地価下落や税負担の現状等を踏まえ、御指摘の国民生活への影響や経済活性化の観点も含め、幅広く検討が行われるものと期待しております。
 いずれにしても、私としては、今回のあるべき税制の検討に当たりましては、税制全体について、予断なく、予見なく、総合的に検討が行われるべきであると考えておりまして、あるべき税制改革の実現に向けて一歩でも二歩でも前進したものを出していきたいと思っております。
 道路関係四公団に代わる新たな組織についてでございますが、第三者機関においては、道路関係四公団の改革について、特殊法人等整理合理化計画に沿って、その的確な具体化を図るため、客観的、合理的な調査審議を尽くす必要があります。その見地から、委員につきましては、優れた識見を有し、改革意欲に富んだ公正な方々を私は選任したいと考えております。
 我が国の外交方針と外務省改革についてでございますが、我が国の安全と繁栄というのは国際協調を基本とする、わけても日米同盟関係、これを堅持して、国際社会の平和と安全なくして我が国の平和と安全はないという観点から、これからも、御指摘のあった戦略的な視点も踏まえまして、現下の主要課題に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 外務省改革につきましても、今までのいろいろな御批判を踏まえ、川口新大臣が意欲的に今外務省改革に取り組んでおります。
 特定の方々の不当な圧力を排除し、与野党を問わず、各界各層を問わず、適切なしかるべき意見は取り入れる、そういうことを方針としながら、外務省の体質、仕事ぶりが国民の期待にこたえるものになるよう、きちんと反省すべきは反省する、正すべきは正すという観点から改革を進めていく必要がある、そして外交の推進体制は、外務省のみならず政府一体となって、総理官邸と一体となって万全を期すとの三点を川口新大臣には指示しております。
 私は、川口大臣が、優れた識見そして意欲、この大きな姿勢に対して全幅の信頼を寄せております。一日も早く内外の信頼を取り戻しまして、外務省改革に意欲的に取り組んでいこうという川口大臣を私は積極的に支援してまいりたいと思います。
 有事法制についてでございますが、政府としては、日本国憲法の下、法制が扱う範囲、法制整備の全体像、基本的人権の尊重及び憲法上の適正手続の保障等の法制整備の方針等を明らかにするとともに、個別の権限法規の見直しを進めてまいりたいと考えます。
 具体的検討に当たっては、与党とも協議会等の場を通じ、緊密に連携してまいります。
 長寿大国にふさわしい高齢社会の仕組みについてでございますが、本格的な高齢社会の到来に向け、昨年末に閣議決定されました高齢社会対策大綱に基づき、御指摘の地域社会における相互扶助機能などの活性化を図りながら、自立と連帯の精神に立脚した豊かで活力のある高齢社会を構築してまいりたいと思います。
 子育て支援でございますが、急速な少子化の進行は我が国経済社会に大きな、また幅広い深刻な影響を与えるおそれがあります。子を持つことに喜びを感ずる、育てることに生きがいを感ずる、大きな価値を見いだすこと、これは大変大事なことだと思います。このような子育てを社会全体で支援していくということ、そういう観点から、子育て支援に対して政府としても全力で取り組んでいく必要があると思います。
 御指摘のように、保育所の待機児童ゼロ作戦の推進、放課後児童クラブの拡充を始め、保健・福祉、雇用、教育、住宅などの幅広い分野にわたる総合的な施策を推進していきたいと思います。
 不況により困窮している学生や遺児に対する育英資金の支援についてでございますが、保護者の失職や倒産等の家計急変者に対応するため、無利子で貸与を行う緊急採用奨学金を年間を通じて随時、日本育英会において受け付けています。また、平成十四年度におきましても、奨学金貸与人員の増員を図ることとしております。
 今後とも、親の失職等の経済的理由で子供たちが学校を退学したり進学を断念することなく、教育を受ける意欲と能力ある人が確実にこれが受けられるよう、緊急採用奨学金制度の周知徹底を図るなど、適切に対応していきたいと思います。
 BSE問題についてでございますが、この問題につきましては、農林水産大臣、厚生労働大臣に対し、両省が一体となり国民の立場に立った対応をするよう指示し、既に屠畜場においてすべての牛に検査を行い、BSEに感染していない牛肉だけが流通する体制を確立しております。
 現在、さらに、感染経路の究明や関連対策の実施などに全力で取り組むとともに、BSEに関する正確で科学的な情報を国民にきちんとお伝えするための活動を行っているところであります。
 今後とも、食の安全、安心を確保し、国民の立場に立った政策の展開に向けて、政府一丸となって全力を尽くしてまいります。(拍手)
#11
○議長(井上裕君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会

ソース: 国立国会図書館
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