くにさくロゴ
2002/03/13 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第8号
姉妹サイト
 
2002/03/13 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第8号

#1
第154回国会 本会議 第8号
平成十四年三月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  平成十四年三月十三日
   午前十時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、平成十四年度における財政運営のための公
  債の発行の特例等に関する法律案及び租税特
  別措置法等の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 一、参議院の組織及び運営の改革に関する協議
  会についての報告
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 日程第一 国家公務員等の任命に関する件
 内閣から、
 国家公安委員会委員に川口和子君を、
 中央社会保険医療協議会委員に飯野靖四君を、
 社会保険審査会委員長に土井豊君を、また、同委員に橋本宏子君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、国家公安委員会委員、中央社会保険医療協議会委員及び社会保険審査会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#4
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#5
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#6
○議長(井上裕君) 次に、社会保険審査会委員長の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十九  
  賛成            二百十一  
  反対               八  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#9
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。塩川財務大臣。
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました二法律案の趣旨の御説明を申し上げます。
 まず最初に、平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 平成十四年度予算は、五兆円を削減しつつ重点分野に二兆円を再配分するとの方針の下、歳出の一層の効率化を進める一方、予算配分を少子高齢化への対応、科学技術・教育・IT等の推進のための重点分野に大胆にシフトするとともに、特殊法人等への財政支出については、事業事務の抜本的見直しの結果を反映し、一般会計、特別会計合わせて一兆一千億円を超える削減を実現しております。
 これらの歳出面における努力や歳入面における税外収入の確保等により、国債発行額三十兆円以下との目標を守り、限られた財源を無駄遣いしない体質へ改善するとともに、将来の財政破綻を阻止するための第一歩を踏み出すことといたしました。
 本法律案は、以上申し上げたように、当面の財政運営を適切に行うため、公債の発行の特例に関する措置等を定めるものであります。
 以下、その大要を御説明申し上げます。
 第一に、平成十四年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等といたしております。
 第二に、平成十四年度において、外国為替資金特別会計から、外国為替資金特別会計法第十三条の規定による一般会計への繰入れをするほか、千五百億円を限り、一般会計に繰り入れることができることとしております。
 第三に、日本中央競馬会は、平成十四年度事業年度において、既定の国庫納付金のほか、特別積立金のうち五十億円を平成十五年三月三十一日までに国庫に納付しなければならないことといたしております。
 第四に、地方交付税法等の一部を改正する法律附則第三項の規定により一般会計に帰属した借入金のうち、平成十三年度の末日においていまだ償還されていないものについては、国債整理基金特別会計法第二条第四項の規定は適用しないこととし、これを定率繰入れの対象とすることにいたしております。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、社会経済の変化や厳しい財政状況を踏んまえ、構造改革に資する等の観点から、中小企業関係税制及び金融・証券税制等につき所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、中小企業関係税制について、同族会社の留保金課税の特例の拡充、交際費の損金不算入制度に係る定額控除限度額の引上げ等を行うこととしております。
 第二に、金融・証券税制について、老人等の少額貯蓄非課税制度を障害者等を対象とした制度に改組するほか、特定口座内の上場株式等の譲渡に係る申告不要の特例制度の創設等を行うことといたしております。
 第三に、社会経済情勢の変化に対応するため、中高層耐火建築物等の所有権等の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置、金融業務特別地区における認定法人に係る所得特別控除制度の創設等沖縄の経済振興のための措置等を講ずることといたしております。
 その他、製品輸入額が増加した場合の特別税額控除制度の廃止等既存の特別措置の整理合理化を行うとともに、特別国際金融取引勘定に係る利子の非課税制度等期限の到来する特別措置について、その範囲、適用期限を延長する等、所要の措置を講ずることといたしております。
 以上、平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その御趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 何とぞよろしく御審議のほど、お願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。櫻井充君。
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#13
○櫻井充君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま趣旨説明のありました平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案につき、関係大臣に質問いたします。(発言する者あり)はい。
 質問に先立ち、関係大臣の御答弁が十分でない場合には、前回は塩川財務大臣に一本取られましたが、再質問をさせていただくことをあらかじめ申し添えさせていただきます。
 本題に入る前に、アフガニスタン復興支援会議へのNGOの出席問題に関して質問いたします。この件に関して、本年二月八日に質問主意書を提出いたしましたが、明確な答弁がない点がありましたので、改めて質問いたします。
 今回のNGOへの出席問題は、NGOのメンバーが出席できないように圧力を掛けたことが問題なのであり、このことに関して田中前外相に何か非があったのか、また、更迭しなければならないような理由がNGO問題以外にもあったのか、官房長官、明確な答弁を求めます。
 現在、国会で、鈴木宗男衆議院議員の外務省に対する異常なまでの関与が明らかにされています。このことが原因でゆがんだ外交が行われていたことは否定できません。
 しかし、この問題がなぜ表面化したのかといえば、田中前外相が捨て身の覚悟で予算委員会の場で答弁されたからではないでしょうか。田中前外相は外務省内の問題で国会の審議が紛糾したため更迭されましたが、一連の経過から考えるとおかしな話です。私が入手した情報では、昨年の十一月から官邸内で田中前外相の辞職のタイミングを探っていたと言いますが、それは事実でしょうか。福田官房長官、お答えください。
 小泉内閣の公約は、一内閣一閣僚であったはずですが、この公約を破った小泉総理の責任はどのようにお考えでしょうか。
 また、BSEの問題であれだけ国民の皆さんに被害を与えた武部大臣こそが更迭されるべきであるという声が圧倒的に多いのですが、武部大臣はなぜ更迭されないのですか。明確に御答弁ください。
 現在の国会審議では鈴木議員一人が悪者にされていますが、森前内閣総理大臣や派閥のボスの中には鈴木議員に同情的な人たちもいます。この事実は、鈴木議員の行動は、自民党の一部の議員が行っていることではなく、自民党の体質を如実に物語っているものと考えます。具体的な名前は避けますが、各省庁の利権を握っている族議員が多数いることこそ本来は問題にされるべきです。
 私は、二月の下旬、アメリカのロビイストの要請でワシントンに行ってまいりました。アメリカでは、当たり前のことですが、政治家が政治を行っております。その政治家と企業を結ぶのがロビイストの役割です。
 では、翻って我が日本ではどうでしょうか。実質的な政治は官僚が行い、情けないことですが、その官僚と企業を結ぶ言わばロビイストの役割を政治家が行っています。これを政治と勘違いしている与党議員の多いこと。この点を改革していかなければ日本の社会の変革はあり得ないと思います。
 本来、自民党の総裁である小泉総理にお伺いしたいところですが、出席されていないので、福田官房長官にお伺いしますが、族議員の存在と自民党の専売特許である口利き政治が日本の政治を悪くしている原因と考えますが、いかがでしょうか。
 また、政治家ではない立場で大臣を務められている竹中大臣にお伺いいたします。実際、大臣を経験して、日本の政治の在り方でどの点を改革すべきとお考えか、御意見をお聞かせください。
 次に、公債発行特例法に関して質問いたします。
 今回の国債の発行額は、確かに三十兆円となっています。しかし、外国為替資金特別会計から一千五百億円、日本中央競馬会から五十億円、そして交付税特別会計から一般会計に承継された債務の償還先送りによって二千九百七十億円というように、昨年度と同様、隠れ借金を作っていることも事実です。三十兆円枠を守るために歳出を削減するのではなく、このようなこそくな手段を用いることにどのような意味があるとお考えなのか、塩川財務大臣にお伺いいたします。
 ところで、今回、外国為替資金特別会計の一千五百億円は平成十四年度の剰余金から拠出されています。平成十四年度の剰余金ということは、まだ剰余金が発生するか分かっていません。それにもかかわらず、なぜ予算に計上することができるのでしょうか。財務省は、為替レートは幾らで運用益は何%になるとお考えでしょうか。また、仮に剰余金が発生しなかった場合、一千五百億円の財源はどのようにして拠出するのか、明確な答弁を求めます。
 また、根本的な問題として、この外国為替資金特別会計が黒字なのか、この点について検討しなければいけません。
 財務省の説明では、この剰余金は為替差損はあるものの、外国債での運用益の方が多いため問題はないとしています。しかし、実際の外国為替資金特別会計のバランスシートを調べてみますと、平成十三年度末約十兆円の評価損に見合った積立金が計上されており、これは財投資金から預託されています。
 また、外国為替資金特別会計の資産は基本的にドルで保有されており、仮にこれらの債権を放出してすべて円に戻した場合、急激な円高になるわけですから、バランスシート上負債の側に計上されている外国為替資金証券の額は、現在計上されている額よりも大幅に下落することになります。計算上は剰余金が出ているようですが、外国為替資金特別会計で売買されているすべての債権を円建てに戻した場合、剰余金が計上されるとは思えません。もし仮にこれらの債権をすべて放出した場合、一ドル何円程度になるのか、そしてその為替レートで計算した場合、本当に剰余金が発生するのか、塩川財務大臣、明確な答弁をお願いいたします。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 日本では政策的な税制が余り有効ではないと言われています。なぜ無効なことが多いのかといえば、総合的な政策、つまり政府の方針がどこにあるのかを明示しないままに、断片的に税制だけを改正する、しかもけちって小出し、つまり継ぎはぎだらけのパッチワークのような手法に原因があると考えます。結局、これも縦割り行政の弊害の一つであると考えられます。
 今回の租税特別措置法の一部改正は、社会経済情勢の変化や厳しい財政状況を踏まえつつ、構造改革に資する等の観点から、税制改革を行うとあります。その中に、中小企業関係税制がありますが、それでは、中小企業の構造改革を行う総合設計はあるのでしょうか。平沼経済産業大臣、総合設計をお示しください。また、その中でこの税制改正はどの程度有効であるとお考えなのか、塩川財務大臣、お答えいただきたいと思います。
 民主党は、民間企業の企業数の九九%、雇用の八〇%以上を占める中小企業の活性化こそが日本経済の再生にとって重要であると考えています。
 現在、中小企業の抱えている問題の一つは、十分な融資を受けられないことにあります。ここ三年で大企業向けの融資は四兆円増えているものの、中小企業向け融資は四十一兆円減っています。そこで私たちは、地域金融システムの確立のために、地域金融の円滑化に関する法律案、いわゆる金融アセスメント法案を提出いたしました。柳澤大臣は、これは民間金融機関を規制するものと考えておられます。しかし、先日、この法律案のモデルとなったアメリカの地域再投資法について、FRBの方にも会って直接話を聞いてまいりましたが、これは規制するものではなく、また、アメリカの地域金融システムにおいて必要不可欠な法律であると話しておられました。
 私たち民主党は、地域金融システムの確立には金融アセスメント法案が必要であると考えています。平沼経済産業大臣と柳澤金融担当大臣の御所見をお伺いいたします。
 そして、この法案が不要であるとお考えであれば、地域金融システムの確立のためにはどのような方策がおありなのか、明確にお答えください。
 また、柳澤金融担当大臣にお伺いしますが、現在、公的資金を注入した金融機関に中小企業に対する貸出し枠を定めています。こういうものこそ規制というのではないでしょうか。明確な答弁を求めます。
 さて、ここで国の施策と税制がかみ合っていない典型的な例を挙げたいと思います。
 平成十三年度の租税特別措置法の改正で、名前ばかりのNPO優遇税制が制定されました。平成十四年三月一日現在、NPOは全国に六千百九十八法人ありますが、平成十三年十月一日から平成十四年一月三十一日の間に優遇税制を受けるために申請したNPO法人は十法人、そのうち認定NPOとなったのはたった二法人しかありません。
 アメリカではNPOが社会の下支えをし、なくてはならない存在となっていますが、政府は社会の位置付けの中でNPOをどのようにお考えでしょうか。NPOを本当に育てる気があるのなら、現在、民主党が提案しているような認定要件に変更すべきと考えますが、いかがでしょうか。塩川財務大臣にお伺いいたします。
 最後に、小泉構造改革についてお伺いいたします。
 一月二十四日の衆議院予算委員会で、我が党の菅直人幹事長が、構造改革を進めるとなぜ景気が良くなっていくのかについて小泉総理に質問いたしました。しかし、明確な答弁はございませんでした。改めて竹中大臣にお伺いしますが、構造改革を行うとなぜ景気が良くなるのか、明確にお答えください。
 今、企業で最も重要なことは経営理念です。それは、経営理念が企業活動そのものを左右する最も基本的な要因であって、企業経営に関する基本の考え方を明示するものであり、したがって、それぞれの企業経営の在り方を決める根幹的な要素だからです。現在の小泉政権に理念があるのでしょうか。残念ながら、それがないからきちんとした答弁ができなかったんだろうと思います。
 小泉マジックに掛かった国民は、田中外相の更迭によってそのマジックから覚め、現在の経済情勢を冷静に分析できるようになり、支持率は急落しています。構造改革には、財政構造改革、特殊法人を含む官の構造改革、産業変換を図る民間の構造改革等、様々な構造改革があります。しかし、私は、何といっても今必要なのは政治の構造改革だと思っています。
 鈴木宗男衆議院議員に代表されるような古い自民党的体質に染まっていない良識ある与党議員の皆さん、何人いらっしゃるかよく分かりませんが、この国の政治の在り方を変えようじゃありませんか。今変えなければ、この国は崩壊してしまうという危機感を政治家自身が一番自覚すべきであるということを訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(塩川正十郎君) まず最初にお尋ねの件は、国債発行三十兆円というけれども隠し借金を賄っておるではないかと、このようなこそくな手段を用いるなということでございますが、この質問はこの本会議で何遍も受けております。こういう質問しかないのかなと思うております。
 つきましては、国債発行、何で三十兆円にしたかというと、やっぱり財政の秩序を守らなきゃいかぬ、いつまでも無制限に国債に頼った安易な財政を組んではいかぬという観点で三十兆円というかんぬきを入れたということでございまして、これは政治の決定でございます。ですから、隠し借金を作ったとか言っておりますけれども、そういう非難はあろうけれども、そうではなくして、予算編成上の技術が優れておったと、その証拠であると、こう御認識いただきたいと思っております。
 それから次に、外国為替特別会計からの繰入れの措置等についてでございますけれども、これについて御説明申し上げますと、実は、外国為替特別会計から一般会計への特例繰入れについて、十四年度におきまして保有外貨等の運用により一定の運用収入が見込まれる一方、政府短期証券の割引率が相当程度低い水準で移行しております。そうしますと、これと外債との利差等というものを相当見込めるのでございまして、平成十四年度においては一兆百九十七億円の予定をしておりまして、そのうちから一千五百億円でございますから、十分にこの予定の収入は賄い得るというものでございまして、決して不安なものではないということを申し上げておきたいと思っております。
 さらに、外貨の基準をどう見たかということでございますけれども、基準外貨の相場を一ドル百二十二円を用いておると、直近の基準でございますけれども。この基準は平成十三年度六月から平成十三年度十一月までの六か月の平均でございまして、これは財務運用規則によりまして毎年定例的に計算しておるものであります。
 そして、一方では、運用収入につきまして為替相場や内外の金利差、保有資産の運用等を踏んまえて積算しておるところでございまして、この運用は高度な技術を用いたものでございまして、御認識いただきたいと思っております。
 それから、御質問の中でこういうような御質問がございました。外国為替資金特別会計の保有外貨が我が国の外貨準備を構成しておるが、この外貨構成の中の保有しておるこの意味は分かるけれども、これを全部円に換算してしまった場合どうなるかという御質問でございますが、こういうことは事実上あり得ない、非現実的な話でございます。ドルであるいは金で保有しておるから外貨準備でございまして、これを全部円に売ってしまったら何も準備していないということになります。ですから、これは仮定に基づくところの御質問であったと思っております。
 それからもう一つ、租税特別措置法の一部改正の問題につきましての御質問でございますが、中小企業の構造改革についてどういうことをやったのかということでございますが、まず第一に、同族会社の留保金課税につきまして、研究開発に取り組む一定の中小企業の留保金の課税を不適用措置の対象に加えたということでございますことと、それからもう一つ、中小企業の投資促進税制の拡充、延長を行ったということがございます。それと、さらに三つ目には、交際費課税でございますけれども、これはちょびっとでございますけれども緩和したということ等、中小企業に対する配慮を十分にいたしたものであります。
 それから、NPOでございますが、認定NPOに対する税の優遇措置が受けられないという御説明がございました。確かに、一年で認めろという御主張は聞いてはおります。しかしながら、税はあくまでも公正と、その事業の実績に基づいて行うものが優遇措置の基本でございます。したがいまして、NPOが一年の活動だけでそれを判定するということはちょっとこれは難しいんじゃないかと思います。ですから、数年の経過を見てこれを判定すべきであるというのが我々の考え方でございまして、なおNPOを育てる意味におきまして、今後とも十分に監視もしながら、その優遇措置を適用し得るようなことも我々配慮しながら運営していきたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(福田康夫君) 櫻井議員にお答えいたします。
 まず、田中元外務大臣の更迭の理由についてお尋ねがございました。
 アフガニスタン復興支援国際会議へのNGOの参加に係る外務省内の問題で国会の審議が紛糾したことから、このような事態を一日も早く打開するために、平成十四年一月二十九日に、小泉総理大臣が田中元外務大臣に対し、国会の審議の正常化のために協力を要請したところ、田中元外務大臣は更迭を了解し、辞任することとなったものであります。
 次に、田中元外務大臣の更迭について昨年十一月から辞職のタイミングを探っていたのではないかとのお尋ねがございましたけれども、そのような事実は全くございません。
 次に、一内閣一閣僚との小泉内閣の公約についてお尋ねがございました。もとより、そのようになればよろしいのでありますが、思わざることで国会の審議が紛糾し、事態打開のために閣僚辞任となったものでございます。
 次に、BSE問題に関する武部農林水産大臣の責任についてお尋ねがございました。
 武部農林水産大臣の取るべき責任は、まず、BSEに関する正確で科学的な情報を国民にきちんと伝え、国民の不安の払拭に努めるとともに、食品に関する消費者の信頼を回復するため、過去における行政措置等を点検し、農林水産省改革に全力で取り組むことにあると考えております。
 今後とも、これらの職責を果たし、今後とも生産現場や消費者の意思、意見をしっかり踏まえ、BSE対策に遺漏のないよう全力を尽くしていただきたいと考えております。
 最後に、族議員や口利き政治の問題についてお尋ねがございました。
 政治家が一部の支援団体の意見のみを政策に反映させるよう不当に圧力を掛けたり、政治家やその秘書が公共工事に口利きにより介入したりするようなことは、あってはならないことであり、国民の政治への信頼を揺るがすものでございます。
 こうした点も踏まえまして、政と官の在り方について検討をしているところでございまして、真に国民から信頼される政治を目指して改革に取り組み、いわゆる族議員というような言葉がこの世の中からなくなるようにと考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(竹中平蔵君) 櫻井議員からは二問御質問をいただきました。
 最初は、日本の政治のどこを変えるべきかという、これは大変難しい質問であります。
 非常に正直な民間から閣内に入った印象を一つだけ申し上げますと、やはり国会議員お一人一人の影響力が行政に対して非常に強いと。これは特定の議員、特定の政党の問題ではなくて、与野党を問わず、これは予想以上に大きいものだなと。これは国民の信を得ていらっしゃった皆様方でありますから、これはある意味では当然のことかと思いますが、その中で内閣主導の政策プロセスをいかに作っていけるかというのがやはり一番の課題なのだと思います。
 つまり、国会は国権の最高機関であるという位置付けと三権分立の理念を運用上どのように調和していけるのかというのが、恐らく最大の課題なのだと思います。こうした問題意識から、議院内閣制については幅広く前向きな議論がなされているというふうに承知をしております。
 第二問は、構造改革を行うとなぜ景気が良くなるのかという極めて基本的な御質問でございます。
 構造改革は、基本的には経済の供給側、サプライサイドを強化するということに重点を置いております。つまり、資源の効率的な配分を実現して生産性、競争力を高めて、もって中長期的な経済の発展力、持続的な発展を可能にするという考え方を基本にしています。
 しかし同時に、この構造改革は経済の需要サイドにもプラスの効果をもたらし、いわゆる短期的な景気回復にも貢献するものであるというふうに考えております。
 そもそも、構造改革というのは極めて幅広いものでありますので、大きく言えばやはり三つのルートで需要拡大、景気回復に貢献するものであるというふうに思います。
 第一は民営化、規制改革、民営化、規制改革といったような側面。これは民営、民間にできることは民間に、民間の努力によって従来にはなかった良質な財・サービスが生み出されて、良質な財・サービスが安価で生み出されますから、それによって個人消費が増えていくと。これは幾つかの例がもう既にあるわけであります。
 第二は不良債権の処理、証券市場の構造改革や規制改革。この不良債権の処理等々は、これはいわゆる金融仲介機能が高まることによって資金が出る、それによって投資が拡大する、起業、創業が促進される、これまた需要を拡大されるものになるわけです。
 第三番目は、財政赤字の削減ないしは持続可能な社会保障の構築、財政面の健全化。これは、個人から見ますと、将来不安が取り除かれて個人消費が拡大する。
 ほかにもありますけれども、基本的にはそういう三つのルートではないかと思います。
 構造改革は、新規需要や雇用を創出し、創造的な企業活動を促進することなどを通して経済成長を促すというふうに考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) 櫻井議員にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、中小企業の構造改革、そして中小企業税制、総合的なそういうことがあるかと、こういうお尋ねでございます。
 構造改革を推進するためには、中小企業政策といたしましては、今、大変厳しい経済情勢にございますけれども、経済産業省といたしましてはセーフティーネットに万全を期しておりまして、そして一次補正予算で院の御賛同をいただきまして、セーフティー貸付け、そしてセーフティーネットの保証と、こういう形で経済の隅々にまで必要なお金が行く、こういう観点で対策を取らしていただいたところであります。やはり、中小企業の中で、やる気があって潜在力のあるそういう中小企業を援助していくということがやはり基本的には大切なことだ、こういう考え方が一つございます。
 それから同時に、中長期的に見て中小企業を発展、育成させていくためには、やはり新しい構造改革によって新しい新規の企業が立ち上がることが必要だ。それにつれて既存の企業もいわゆるレベルアップをしていくことが必要だ。そういう中で、今、地域経済を活性化するために、これも櫻井議員よく御承知だと思いますけれども、地域の産業クラスター計画、こういうものを産学官の連携で進めさしていただいておりまして、現在その道半ばでございますけれども、既に全国十九地点で、そして百五十の大学が参画をしてくれておりまして、企業の数も三千社と、こういう形でこれが進んでいるところであります。
 また、新しく、ベンチャーを含めて新しい中小企業が誕生することが必要である、こういう観点で、これもさきの臨時国会で皆様方にお認めをいただきました。新企業を立ち上げるためのやはり貸付制度というものを、土地担保ではなしに、個人保証もなしに、無担保無保証で、やはり政府の保証で立ち上げよう、こういう中で新しい産業、企業を育成していこう、こういうことがこれからの中長期的に見た中小企業に対する総合政策の一つだと思っております。
 いずれにいたしましても、中小企業の経営革新というものを予算とか金融制度だとか税制等の観点から、おっしゃるように、総合的かつ強力に支援する必要があると考えております。
 税制面におきましては、今回お願いをしております租税特別措置法の一部改正案におきましては、研究開発による経営革新を進める同族会社に関しては留保金課税を不適用とする制度、これをお願いしておりますし、また中小企業の前向きな設備投資を支援するため、中小企業投資促進税制、これを拡充する措置をお願いをしております。
 税制も総合的にやらなければならないわけでありまして、これから経済財政諮問会議の中で税制の論議が始まります。その中で我々としては、総合的な観点として、承継税制あるいは相続、そしてまたいわゆる投資が促進されるような、そういう税制を一体的に考えて、そして総合的な中小企業の対策をしなければならない、このように思っているところでございます。
 それから、地域金融システムの確立には、御提案の金融アセスメント法案が必要ではないか、経済産業大臣としてはどういう所見を持っているか、こういうお尋ねでございます。
 これは、柳澤金融大臣から金融担当の大臣として詳しくお話があると思いますけれども、私は、中小企業をめぐる金融経済情勢には、先ほども申しましたように非常に厳しいものがありまして、当省といたしましては、中小企業に対する円滑な資金供給に最大限努力をすべく、先ほど申し上げましたようにセーフティーネット保証・貸付け、こういった制度を拡充をいたしまして、これの積極的な活用を今図っているところであります。
 また、これはまだ十分浸透しておりませんので、今一生懸命に理解を求め、PRをさせていただいておりますけれども、これもさきの臨時国会でお認めをいただいた売り掛け債権に着目をした融資制度、保証制度、こういった資金供給の手段の多様化にも私どもは努めているところであります。
 各地域におきまして、民間金融機関による中小企業への円滑な資金供給が確保されるということは極めて私は御指摘のとおり重要だと思っています。当省といたしましても、所管の金融庁と日ごろから密接な連携を取りまして、必要な要請を行っているところであります。
 御提案のような、民間金融機関に対して地域金融の円滑化に関する責務を課しまして、その評価や結果の公表を行うというような制度については、所管の金融庁において、当事者間の自主的な経営判断に基づく市場メカニズムの観点を踏まえつつ慎重に判断されるべきもの、こういうふうに考えておりまして、私どもといたしましては、非常に現下の厳しい経済情勢の中で、金融庁と連携を取りながら、我が方としてでき得る円滑な資金供給のために最大限の努力をしなければならないと、このように思っているところであります。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(柳澤伯夫君) 民主党が提案された地域金融の円滑化に関する法律案についてお尋ねがございました。
 金融機関の融資業務等につきましては、基本的には、当事者間の自主的な経営判断に基づきまして、市場メカニズムに沿って行われるのが本来の姿であると考えておりまして、何らかの一律の基準に基づいて政府が各金融機関の活動を評価すること等については慎重に考えるべきものと存じております。
 また、本法律案はアメリカの地域再投資法をモデルとされたとのことですが、地域再投資法はアメリカの社会経済状況を踏まえて導入、実施されているものでありまして、我が国と異なる背景があったものと承知をいたしております。
 地域の中小企業金融につきましては、ただいま平沼経済産業大臣がるるお触れになりました公的金融の制度は別といたしまして、政府としては従来から、民間金融機関に対しまして、中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めることを度重ねて要請をしているところでございます。また、中小企業の不良債権処理に当たっても、その特性を十分に考慮して、再建可能な企業については極力再建の方向で取り組むよう、これまた要請しているところでございます。
 次に、資本増強行の中小企業向け貸出し計画の位置付けについての御質問でございます。
 公的資金による資本増強行につきましては、中小企業向け貸出しについて計画の提出が求められ、パブリックプレッシャーの下でその実現が求められていることは御指摘のとおりでございます。この計画が融資判断の方向付けをしていることはこれまた御指摘のとおりでありますが、これは早期健全化法の趣旨を実現するために公的資金注入に見合う要件の一つとして位置付けられているものと理解をいたしております。
 一方、いわゆる金融アセスメント法は、広く金融機関の融資行動一般について政府が何らかの一律の基準に基づいて評価するものと理解をいたしておりまして、同日に論ずることはできないと考えております。
 以上です。(拍手)
#19
○議長(井上裕君) 櫻井君から再質疑の申出があります。これを許します。櫻井充君。
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#20
○櫻井充君 塩川財務大臣は先ほど十四年度の剰余金は出るとおっしゃっておりました。しかし、この社会情勢の中で本当に出るかどうか、どうしてそういうことが保証できるんでしょうか。
 つまり、とにかく、その時点で為替レートが幾らになっているのかとか、運用益がどうなのかをまず明示していただきたいことと、それからもう一つは、本当にその一千五百億円が計上されなかったような場合にはどうするのか。そこのところまできちんと考えて財源というのは拠出すべきじゃないでしょうか。
 それからもう一つは、外国為替資金特別会計が黒字なのかどうか。皆さん、これ特別会計見ていただければ分かりますが、今年度末で六十九兆円になっています。どんどん毎年膨らんでいます。
 それはなぜかというと、為替介入する際に、今までは貿易取引だけだったのに、金融商品とかの取引になってきているので、為替がどんどん、為替レートをコントロールするために政府が介入していくお金の額が物すごく増えています。基本的には、円安のところから、ドルを買い支えるためにどんどんどんどん介入してきていますから、ドルを円に替える際には相当な損が出てくるはずなんです。
 これを政府はどう説明しているかというと、為替の差損はあるけれども運用益でプラスになっているからといって、バランスシート上は、一応見せ掛けはプラス・マイナス・ゼロになっているんです。
 そして、積立金があって、その積立金は、皆さん、財投から融資されているんですよ、預託がされているんですよ。結構、かなりいい加減な私は評価だと思っておりまして、実際に、本当に、円で調達したものを円に戻したときに一体どうなるのかということをまず聞くのは、調べてみるのは、これは至極当然のことだと思います。それに対して全く答弁がないというのは、私はおかしいと思っております。
 それから、再質問のルールがあるのでこれ以上聞けないそうですけれども、私は、聞きたかったのは、福田官房長官に聞きたかったのは、NGOの出席問題で、NGOのメンバーが出席できないように圧力を掛けたことが問題なんであって、この件に関して田中大臣に非があったのかないのかということを聞いているにもかかわらず、それに御答弁がございませんでした。これは御答弁なくても結構です。ルールならルールで結構ですが。
 しかし、竹中大臣にももう一言お伺いしておきたいことがありますけれども、しかし、現況のデフレ下の中で構造改革を推し進めて、企業の倒産が進むわけです、不良債権の直接償却をやるんであれば。そうすると、企業の倒産が進んだり失業者が増えたりして、果たしてその景気が良くなっていくものなんでしょうか。一時的なデフレ圧力が高まれば、国民の不安は、まして個人消費はむしろ落ちていくような、需要の喚起になるとおっしゃっていますが、私はむしろ逆なんではないだろうか、そういう気がいたしております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(塩川正十郎君) 櫻井議員の御質問はなかなか重要な問題でございますので、私も再質問に対しまして、もう一度十分なお答えをさせていただきたいと思っております。
 外国為替資金特別会計予算につきまして、外国為替の動向あるいは内外の金利状況、保有外貨の運用状況等を踏んまえて精査しておるところでございまして、平成十四年度では一兆百九十七億円が見込まれるという計算、これは精密な計算でございます。
 例えば、例えばですね、何でもうかるのかと、こうおっしゃるかも分かりませんが、外為が円になって日銀へ預託いたしましても〇・〇何%の利息しかありませんね。ところが、これを外債で運用しますと、何・何、例えば三・何%とか、その利息が付いておりますから、その差額は収入になっていきますね。これは単純な計算ですね、これは。だから、そういうものがあります。
 それと、運用につきまして先ほど心配しておられますけれども、我々のヘッジは絶えずやっておりますので、そのような問題はない。でございますから、外貨の運用により一定の運用収入が見込まれるということ、これが確実に我々毎年実績に基づいて精密な計算をいたしておることは事実でございまして、そのうちの、そのうちの一千五百億円でございますので、その益を全部充てると、計算したものを、予定しておる計算全部これに充てると、そうやないんで、そうやのうて、その中のごくちょっと一部を充てると、こういうことでございますから。御心配あることは、私、十分承知いたしております。ですから、その運用等については、それはもう最大限の知恵を絞ってやっていきますから、まあお任せいただきたいと思います。
 それから、外貨の基準の利回りとおっしゃいますけれども、利回りにつきましては、世界各国これはもう絶対言いません。なぜかいったら、こんなことしゃべってしもうたら為替政策全然できなくなってしまいますから、それは言わないということになっておりまして、日本も同じように利回りの公表はずっといたしておりません。だけれども、計算の基準となる一ドル幾らに換算するかという基準につきましては絶えずこれを言っておりまして、私が先ほど申しました一ドル百二十二円という基準にして計算しておると、こういうことであります。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(井上裕君) 池田幹幸君。
   〔池田幹幸君登壇、拍手〕
#23
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、公債発行特例法案並びに租税特別措置法案について、関係大臣に質問します。
 小泉総理は、構造改革なくして景気回復なし、改革なくして再生なしと言い続けております。しかし実際はどうか。日本経済は、小泉内閣誕生以来、再生に向かうどころか、一貫して縮小し続けているではありませんか。先週末、株式、債券、円が反転上昇しました。しかし、実体経済は少しも良くなっていないどころか、昨年十―十二月期のGDPは前期比マイナス一・二%、三期連続のマイナスを記録しています。小泉内閣発足以来増大し続けた完全失業率は、昨年十二月の五・六%から、一月には五・三%と好転したかに見えましたが、この減少は職探しをあきらめた人が増えたためであり、完全失業者の数は十か月連続で増え続けております。当然のことながら、個人消費は低迷し続けております。
 国民に痛みを押し付ける小泉構造改革、すなわち金融機関の不良債権早期最終処理を柱とする日本経済再生のシナリオが実施され、進めば進むほど、不良債権は減るどころか増え続け、信金、信組を始めとする中小金融機関の破綻と中小企業の倒産が増大し、大企業におけるリストラが促進され、失業者が増え続け、デフレが進行しているではありませんか。正に、小泉構造改革こそ、デフレと不況が同時に進行するという、かつて経験したことのない事態を招いた元凶であります。小泉内閣として、このことを率直に認め、その責任を明らかにすべきではありませんか。そして、国民に痛みを押し付けるのではなく、国民生活を立て直す方向に政策転換すべきであります。竹中経済財政担当大臣の答弁を求めます。
 二月二十七日、政府はデフレ対応策を決定しました。一体これは何を目的としているのですか。今、国民が求めているのは、デフレと不況の同時進行に歯止めを掛けることでありますが、表題にデフレ対応策とうたった以上、少なくともあなた方の定義するデフレ、すなわち、持続的な物価の下落に歯止めを掛けようというのではないのですか。盛り込まれた四つの対策は、到底その目的にすら沿うものとは考えられないのでありますが、あくまでもデフレ対策と言うのであれば、それぞれの措置がどのようなプロセスでデフレ克服の役割を果たすというのか、経済財政担当大臣、明確に説明されたい。
 次に、柳澤大臣に伺います。
 デフレ対応策の第一に掲げられた不良債権処理の促進は、これまで政府がデフレ圧力の要因だとしてきたものではありませんか。デフレ圧力の要因を強化することが、どうしてデフレ克服に結び付くというのですか。
 現在の経済情勢の下で不良債権の処理を急ぐことがいかなる結果を招くか、これは既に証明されております。不良債権の直接償却額と新規発生額を比べると、九八年三月期以降、毎年四兆円前後の不良債権の処理を行ってきたにもかかわらず、処理額を上回る不良債権が新たに発生しております。
 昨年三月から九月の間で見ても、全国の銀行が処理した不良債権は約四兆七千億円に上りますが、不良債権の総額は三兆一千億円も増え、三十六兆八千億円に膨れ上がりました。
 金融庁の報告によると、不良債権が新たに発生する原因は、債務者の業況悪化等によるものが五・二兆円、金融検査マニュアルによる貸出し条件緩和債権の判定基準の厳格化によるものが二・八兆円となっています。正に、景気の悪化が不良債権を新たに生み出し、小泉構造改革が新規発生を促進しているのであります。
 不良債権の処理が倒産や失業を増大させ、倒産や失業が需要を停滞させ、新規の不良債権を発生させるという悪循環が生まれています。小泉内閣が固執する不良債権の最終処理がデフレを悪化させていることは、明らかではありませんか。
 昨年一月から先週金曜日の中部銀行まで、実に五十七の地域金融機関が不良債権の早期最終処理の方針に基づく金融庁の検査・監督により破綻に追い込まれました。このため、何の責任もないすべての債務者が切り分けの対象となり、整理回収機構に送られたり、取引条件を大幅に厳しくされ、多くの取引先が深刻な事態に直面しています。
 我が党の追及により、破綻した十八もの信金、信組で、この切り分け作業に直接かかわる金融整理管財人団に受皿金融機関の職員が入っていたことが明らかになりました。本来公正であるべき管財人団の決定を受皿金融機関の意向によってゆがめ、整理回収機構に送られなくてもいい取引先が切り捨てられるようなことがあれば、極めて重大な問題です。これらの信金、信組の債務者の切り分け作業はやり直すべきではありませんか。
 次に、公債発行特例法案について伺います。
 小泉内閣は、来年度予算の赤字公債発行額を二十三兆二千百億円に抑え、国債発行額三十兆円を守ったとしています。しかし、その実態は、不足分を隠れ借金で補い、三十兆円枠のつじつま合わせをやったものにすぎないではありませんか。三兆五千億円を超える交付税特別会計の借入金を始め、外国為替特別会計剰余金の先取り、一般会計の債務返済の繰延べなどは、立派な隠れ借金ではありませんか。こういった手法は、隠れ借金を減らし、財政の透明性を高めるとしてきた政府公約に反するものではありませんか。塩川財務大臣、明確にお答えください。
 小泉内閣が本気で将来の財政破綻を阻止するための第一歩を踏み出そうとするのであれば、財政悪化の原因をつかみ、そこにメスを入れるべきではありませんか。
 そもそも、財政が悪化した要因は、自民党政治の失政にほかなりません。歳出面では、無駄な大型公共事業や軍事費などの浪費、七十兆円にも及ぶ大銀行支援策を繰り返し、歳入面では、大企業や高額所得者に対する減税などによる税収の大幅な減少を招いたことが深刻な財政危機をもたらしたことは周知のことであります。
 財政破綻阻止というのなら、こういった自民党政治を抜本的に転換すべきであります。まず、公共事業等の無駄遣いをやめ、リストラや失業、倒産で疲弊し切った国民生活に活力を与え、財政立て直しに必要な税収を確保できる財政に転換すべきであります。財務大臣の答弁を求めます。
 次に、租税特別措置法改正案について伺います。
 九〇年代を通して、深刻な不況と繰り返し行われてきた所得税、法人税等の減税により、租税収入は大きく減少しました。とりわけ、九八年、九九年の大企業・高額所得者減税によって税収は一気に六兆円も減少しました。今、税収の空洞化が取りざたされておりますが、その原因がこの大企業・金持ち減税にあることは明らかであります。空洞化の是正を言うなら、ここにこそメスを入れるべきであります。ところが、小泉内閣で検討されているのは、課税最低限の引下げや消費税の増税ではありませんか。大企業・金持ち減税の穴埋めを庶民増税で行うなど、絶対に許されてはならないと考えますが、財務大臣の答弁を求めます。
 本法案には高齢者マル優の廃止が盛り込まれておりますが、これは高齢者への増税にほかなりません。高齢者マル優制度は、お金を稼ぐ能力が低下した高齢者への配慮として設けられたものであります。今、超低金利政策の下でマル優制度の恩恵はほとんどゼロに等しい状態です。その上、老人医療保険の負担、介護保険の負担、年金制度の改悪など、高齢者の負担は重くなるばかりです。高齢者への配慮を強化しなければならないこのときに、いかなる理由で廃止するのか、はっきりと答弁されたい。
 今、税制、財政に求められるのは、デフレと不況の同時進行、悪循環に歯止めを掛けることであります。政府自身、デフレの最大の要因が景気の悪化による需要不足にあると認めている今、やるべきことはGDPの六割を占める個人消費の回復に全力を傾注することであります。そのためには、まずデフレを促進するデフレ対応策をきっぱりとやめ、課税最低限の引下げや消費税の増税など庶民増税計画を中止し、消費税減税を柱とする国民生活重視の方向に政策転換すべきであります。
 このことを強く要求し、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(塩川正十郎君) まず最初に私に対してお尋ねがございましたことは、国債発行三十兆円の枠を守って、隠れ借金でやっているじゃないかと、この御質問でございますが、私も先ほどもお答えいたしましたように、これは財政の節度を守るということが今我が国の経済政策あるいは国政全般につきまして最も大事なことでございまして、このことから構造改革の基本となってくる活動へと結び付いていくものでございますから、どうしても財政の節度を守らなきゃならぬ。そのための一つの方法として政治的に採用いたしました手段が、国債の発行をこの際にある程度制限しようと、そして、その中において財政の運用を効率的にやっていこうということが趣旨でございまして、でございますから、五兆円の予算削減をして、新しい分野にそれを二兆円再配分して財政の体質を変えていく、そして構造改革を進めるということをやったのでございまして、正に三十兆円の枠を守ったということは一つの、一時代における財政の基本的な選択を政治的にいたしたということでございますので、御理解いただきたいと思っておりまして、これはお尋ねの、共産党の考えとは違うかも分かりませんが、我々の政治決定であったと御承知いただきたいと思っております。
 それから、将来の財政破綻を阻止するためにまず第一にやらなきゃならぬのは、公共事業というようなものの制限をもっと制限をすべきじゃないかという御趣旨でございます。これは、私は十分にこの御趣旨を生かしたつもりでございまして、公共事業を思い切り絞ってまいりました。
 しかしながら、公共事業の中で非常に重要なことは、雇用を守るということと景気の落ち込みを支えていくという両面におきまして重要な機能を持っております。この意味におきまして、公共事業の、どういうように、使い方を変えていくということに重点を置いたのでございまして、我々一割は削減いたしましたけれども、その代わり循環型経済社会の構築やとか、いわゆる環境問題でございますね、これとか都市再生問題等に重点を置いたもの、そしてまた公共的施設の充実に置いたということにございまして、公共事業の投資の中身を変えることによってこれに対応したということであります。
 それから、もう一つお尋ねの、リストラだとか失業、国民生活が疲弊しておる中に活力を与えるような財政の立て直しをすべきではないかと。
 これはもう我々、構造改革をどんどん進めていくと同時に、ただ需要の面だけで経済の回復を図っていくということは、一面的には有効かもしれませんけれども、不十分であります。どうしてもサプライサイドからの改革というものを進めて、そこに活力を付けていくということをやらざるを得ない。
 そういう観点から、十三年度予算におきましても一次、二次の補正をいたしましてこれに対する十分な対策を講じてきたところでございまして、今後とも、必要に応じ、景気対策への財政的な措置は考えなければならないと思っておりますが、取りあえず平成十四年度予算を早期に成立させていただいて、これの配分を直ちに行って、それを使用していく、この予算を使っていくということが最大の景気対策に結び付くということでございますので、是非ひとつ、この予算案、十四年度予算をできるだけ早く成立させていただくようにお願いいたしたいと存じます。
 それから、税の空洞化の原因が大企業だとか金持ち減税にあるということでございますが、我々はそういう不公正な税制を採用するものではございませんが、しかし、平成十一年度以降、恒久的な減税を繰り返してまいりました結果といたしまして、所得税、法人税等におきまして、あるいは消費税等の面におきまして、一部に空洞化が起こっておるということは事実であろうと、これはお認めになると思っておりまして、その空洞化はやっぱり税の不公平につながってくることでもございますので、これをできるだけ公正化していきたいと思っております。
 この件につきましては、本年六月をめどに抜本的な税制改正の骨格を作っていきたい、そして夏には法案化していく努力を努めていきたいと思っております。
 それから、高齢者への配慮が足らぬじゃないかということでございますが、マル優を廃止いたしましたことが直ちに高齢者に対する配慮の不足ということにはつながってこないと思っております。
 と申しますことは、預金の金利が非常に下がってまいりましたので、預金収入というものが一般の生活に及ぼす影響が変わってまいりましたことが一つ。それと同時に、お年寄りに、いわゆるお年寄り、六十五歳以上のお年寄りと若い層、働き盛りの三十歳、四十歳の方々と貯金の額を比べてみますと二倍以上、お年寄りはしっかりと持っておるんです。ですから、若い人にいたしましたら、他の、若い人に対する税の優遇を他の面においてやっぱりやっていかなければ均衡が取れないということも言われておるのでございまして、やはり年齢間の相互の税負担の公平を図っていきたいと思っております。
 けれども、障害者とかあるいは寡婦の方に対しましては、今回、非課税措置をこのまま継続するということにいたしたということでございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(竹中平蔵君) 池田議員から二問の御質問をいただきました。
 まず第一は、構造改革から生活を立て直す方向に政策転換すべきではないのかというお尋ねであります。
 政府としては、構造改革を進めることにより、中長期的に景気を回復させ持続的な経済成長を実現するということが重要だというふうな考え方の下で、引き続き、経済・財政、行政、社会の各分野における構造改革の断行に全力を挙げたいというふうに考えております。
 この一年の経済の悪化について言及がございましたが、この一年の経済の悪化に関しては、構造改革の結果というよりは、むしろ世界的なIT不況や九月十一日以降の世界経済の変化といった外的な環境変化によってかなりの部分が説明されるというふうに考えております。
 このような構造改革を推進する過程では、社会の中に痛みを伴う事態が生じることもあり、それに対しては、そういうことのないように雇用のセーフティーネットなどにより痛みを極力緩和すべく努めているところでございます。
 デフレ克服のためには、更に政府は、先般、対応策を公表したところでございまして、引き続きこの点に関しては大胆かつ柔軟に展開をしていきたいというふうに考えております。
 デフレ克服のプロセスは何なのかというお尋ねがございました。
 二月二十七日に、早急に取り組むべきデフレ対応策について、金融政策を含めて五つの項目を発表させていただいております。このうち、このプロセスの御説明をいたしますと、不良債権の処理というのは、これは、金融機関の資金仲介機能を回復させて新興企業や成長企業にも十分に資金が流れるように環境の整備をする。二番目の金融システムの安定についても同様であります。貸し渋り対策、これは、発展可能性を持つ中小企業などに円滑に資金を供給して経済の活力を高めるものであると。要するに、今申し上げた政策と金融政策を加えて、正にマネーサプライが増加するような状況を作る、それによってデフレを克服するというのが基本的な考え方であります。それに、資産デフレに対応するための資産市場対策、これを透明化するためのものを付け加えたというのがデフレプロセス、デフレ克服プロセスに対する基本的な考え方でございます。
 政府としては、今後とも、経済金融情勢の変化に即応し、具体的実効性のある政策を展開していきたいというふうに思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(柳澤伯夫君) 最初の御質問は不良債権処理とデフレの関係についてでございますが、この点については既に今、竹中大臣がお答えしたことであります。
 付け加えるところも余りありませんが、我々としては、不良債権の処理は短期的にはデフレ圧力を伴う場合もあると考えておりますが、全体としては、金融機関の収益力の改善や新たな融資への対応力の向上に資するということ、それから貸出し先企業の再建や整理の過程で採算部門の迅速な再建を図るということ、これらを通じまして新たな成長分野への資金の移動を促すことにつながるものであって、デフレの克服及び我が国経済の再生に資するものと考えているわけであります。
 次に、不良債権の直接償却を行っているにもかかわらず処理額を上回る不良債権が新たに発生しているという御指摘に基づく御質問がありました。
 実態は、直接償却の対象である破綻懸念先以下の不良債権の推移は、十一年三月期から十三年三月期までは減少をしておりまして、十三年九月期における増加幅も全国銀行ベースで〇・六兆円程度と小幅なものにとどまっているというのが現時点での状況でございます。他方、要管理債権は、これは増加しておりますが、これは貸出し条件緩和債権の判定基準の厳格化が一般化してきたということ等によるものととらえております。
 不良債権の最終処理は、先ほども述べましたとおり、新たな成長分野への資金の移動を促すことにつながりまして、デフレの克服及び我が国経済の再生に資するものであって、不良債権の最終処理がデフレを悪化させる原因であるという御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、信用金庫、信用組合の管理処分の在り方についてお尋ねがありました。
 破綻金融機関の業務執行権は金融整理管財人に専属することになるわけでございますが、その中で、金融整理管財人の補佐人は管財人の業務執行権の下で文字どおり事務の補助を行っているものであります。また、管財人補佐人はその行為が破綻金融機関に法律効果をもたらす権限を有するものではなく、その意味で、受皿金融機関から補佐人を受け入れているということがあったとしても、法律上まず利益相反の問題が生ずるものではないというふうに認識をいたしております。
 さらに、実態がどうか、実際の業務遂行においてどういうことがあるかということにつきまして、私ども御指摘をいただいた後、調査をいたしました。これによりますと、いずれも破綻金融機関の総務関係、財務局等との連絡調整などの業務を担当いたしておりまして、破綻金融機関と受皿金融機関との間で利害が対立することもある資産切り分け作業を担当しているものはいないという認識でございます。
 したがって、破綻した信金、信組の一部の管財人補佐人について、受皿金融機関の職員が出向していることは御指摘のとおりでありますが、ただいま申し上げましたとおり、法律上、利益相反の問題はなく、また、実質的にもこれら管財人補佐人は資産切り分け作業を担当しているものではないことから、資産の切り分けをやり直す必要はないものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(井上裕君) 平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#28
○平野達男君 私は、国会改革連絡会を代表して、ただいま議題となりました二法案につきまして質問いたします。
 その前に、昨日、外務省より発表された鈴木宗男議員の秘書とされるムルアカ氏の件に関して重大な疑義が生じましたので、一点質問いたします。
 外務省によれば、同氏は、九八年、コンゴ政変に伴って、それまで取得していた公用パスポートが失効、同年、外交官パスポートを取得したとのこと。ところが、これが偽造であったということであります。とすれば、ムルアカ氏には九八年以降は不法滞在ではないかという疑義が生じてまいります。
 さらに、我が方の調べでは、ムルアカ氏は昨年八月に日本の永住権を申請、十月には永住権を取得しております。偽造パスポートであることを見抜けず、これを長年放置しておいた外務省の責任もさることながら、不法滞在の疑義がある者に対し、しかも普通なら、どんなにまじめに働いている人でも取得に最低半年から一年掛かると言われる永住権の取得を、わずか二か月の短期間で付与したことは重大な問題であります。法務大臣の所見を伺います。
 経済対策についてお伺いします。
 総合的な物価の指標であるGDPデフレーターは十五四半期連続マイナス、年ベース、実体的には七年連続で下落しております。先進国の中でこれほど長引くデフレを経験したところはほかにありません。最近発表された景気動向でも、個人消費はプラスに転じたものの、輸出はマイナス、設備投資は大きく落ち込むといった厳しい結果が報告されています。
 改革には痛みが伴うといってスタートした小泉構造改革ですが、ほとんど改革が進まないうちに景気は悪化の一途をたどりました。今、痛みそのものを治療しなければデフレスパイラルという破局に突入しかねない厳しい状況になっています。
 こうした中、先月の末に、あたかもブッシュ大統領の指示を受けるかのように、政府はやっと総合デフレ対策なるものを打ち出しました。しかし、その中身たるや、金融中心の従来の施策をちょっといじった程度のもの、辛うじて株の空売り規制の強化が功を奏しているかのように見える程度であります。デフレから脱却するためには、金融に重点を置いたデフレ対策ではなく、規制改革あるいは税制改革等を含む抜本的かつ総合的な経済対策の早急な確立と実行が急務であります。
 政府内には、株価がちょっと持ち直したことや在庫調整が進んだことなどから、景気の先行きに薄明かりが出てきたといった観測が一部に出てきたことに気をよくして、新たな対策を打ち出すことに慎重になったとの報道もあるようですが、とんでもないことです。
 現状の景気認識及び現行の総合デフレ対策に代わる総合的な経済対策の打ち出しに向けた竹中大臣の所見を伺います。
 公債特例法案に関連して質問いたします。
 まず、外国為替特別会計から一千五百億円を一般会計に繰入れする特別措置についてであります。これは、本来、平成十五年度予算に充てるべき財源、精密な計算をして算定するそうでありますが、平成十四年度においてつまみ食い、先食いしてしまおうという極めて行儀の悪い措置であります。形だけの三十兆円枠の堅持を優先させるための後年度への負担の転嫁であり、事実上の隠れ借金を作ることにほかなりません。
 次に、国債整理基金特別会計法の適用の特例等についてであります。
 平成十七年度までに返済しなければならない交付税に関連した国の借金一・一兆円を、国債と同じ六十年償還の借金に換えてしまおうという措置であります。ここでも形だけの三十兆円を堅持するため、返すべき借金の支払いを先送りし、二千九百七十億円の財源を浮かせることをやっています。やはり結果として、後年度への負担転嫁、事実上の隠れ借金を作る措置にほかなりません。
 さらに、JRAが生み出す平成十三年度剰余金から五十億円を国庫に納付させる特別措置についてであります。
 今年はうま年であります。馬の勢いをかりて景気も一気に回復したいところであります。しかし、三十兆円を守るために、まさか本当に塩川大臣が馬の力までかりるとは思いませんでした。馬も悲鳴を上げているのではないでしょうか。と言われても、御本人にとっては馬耳東風、それどころか、うまい話と思ったかもしれません。しかし、正につじつま合わせで編成した平成十四年度予算の馬脚を現した象徴的な措置であります。
 さきの二次補正予算の国会審議において、小泉内閣はNTT株の売却益をへそくりと言いました。今回、塩川財務大臣は、外為特会の特別繰入れの措置をちょっと借りたと言っています。(「ちょびっと」と呼ぶ者あり)ちょびっとですか。いずれも、措置そのものだけではなく、表現としての軽さを感じるのは私だけではないと思います。
 塩川財務大臣は、国債発行額を三十兆円に抑え、財政の規律、特に節度を確保したと再三にわたって言っています。しかしながら、安易に財源を本来の目的と違うものに流用する、あるいは償還すべきものを繰延べするといった禁じ手を使い、一方で国民に分かりにくい借金を作って財源を生み出すことが塩川財務大臣の言われるところの財政の規律、節度を守ることなのでしょうか。正に隠れ借金に依存した、入るを量りいずるを制すということになりませんか。
 財政の規律と節度を旨とする塩川財政がこれを許してはばからない理由を、これまでのような繰り返しのような説明ではなく、きちんと説明していただきたい。
 ちなみに、隠れ借金を作ることが予算技術などというのであれば技術という名が廃ります。三十兆円枠の堅持が政治決断というのであれば堂々とやればいいと思うのであります。
 租税特別措置法の改正案に関連して質問いたします。
 欧州では、税金は元々領主に対する援助という考えから始まったとされています。近代に入っては、国家の課税に国民が応ずる代わりに、言わば代償として自由な企業活動を求める、あるいは国の政治への国民参画という要求につながり、議会制民主主義の発展がなされました。
 一方、我が国においては、国民の多くが税金は上から掛かってくる、そして何に使われるのかその目的を知らない。税金は空気のようなもので身の回りに自然にあるように思い込んでいる。こうしたことは世界じゅう余り例がない。税金は日本の国民にとってはお上からただ一方的に徴収されるだけの位置付けになってしまっており、こうしたことは世界的にも特異な現象であるという指摘があります。
 政府では抜本的な税制改革に向けた議論がされようとしています。負担の公平性の確保や景気刺激のための税制改革といった観点はもちろん重要であります。こうした観点とともに、国民一人一人が租税の意義、役割をしっかり認識し、税を通じて日常の社会生活、地域、国家の在り方を考えるように税に対する国民の意識を改革する、それを誘導していく仕組みを構築する、こういった点もこれからのあるべき税制と国家像、国民像を考えていく上で重要な柱となるべきではないでしょうか。塩川大臣の所見を伺います。
 仕組みの構築の第一歩は、自由党がかねてから主張してきたように、自分で税額を計算できる簡単で公平な仕組みに申告制度を改め、全国民がたとえ少額であってもいい、自らの申告によって税金を納める制度にすることであると考えます。自分の所得から天引きという形で税金が引かれるという現在の源泉徴収制度は、一見、負担する側には便利ですが、その一方で税に対する納税者の意識を希薄なものにしてしまいます。
 塩川財務大臣は、自主申告制が望ましいとしながらも、サラリーマン自身が納税手続をすることは大変な事務負担と事務手続上のそごが出てくるから実現には時間が掛かるという旨の発言をしております。であれば、各種の人的控除の原則廃止、税率構造の単純化など、納税者が申告しやすい制度に改める工夫をすべきであります。
 望ましい制度の実現を先送りすることは、税金はお上が取りやすいところから取るという、徴収する側にとって極めて便利な源泉徴収制度には手を付けたくないと言っていることと同じであります。これではあるべき税制に向かう抜本的な改革とはなりません。
 全国民が自らの申告によって納税する制度の構築、それとセットになった税制の見直し、源泉徴収制度の廃止に対する財務大臣の所見を併せて伺います。
 よどんだ政治を大きく変えることが滞っているお金の流れ、物流を促進すると確信します。最も効果的な経済対策、それは政権交代であることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(塩川正十郎君) 平野さんにお答えいたします。
 まず最初に、三十兆円の枠を守ったということは、これは隠れ借金にカバーされた言わば虚偽の問題ではないかという、こういう意味のお尋ねでございました。
 この問題につきましては、再三再四お答えしておりますように、財政の節度を守ったということで、これは、私たち政権を担当しておる者にとりましては、現在、構造改革と財政の改革ということは至上の命令だと思うておりまして、その一つのやり方として政治的に決定してこの制度を採用したと。現時点においても三十兆円の枠を守るということは、今後の国債発行につきましても非常に重要な国債政策にもつながってくるということでございます。
 それに対しまして隠れ借金ということをおっしゃいますので、私は、これに対して先ほど来何遍も答えておるんでございますが、決して隠れ借金ではなくして、高度な財政運用上の技術上の問題であったということの認識をしていただきたいと思っております。
 例えて申しますならば、外為の一千五百億円を非常に懸念をされて心配しておられますけれども、平成十三年度の外為特別会計の利益金は約一兆九千億円出てくるんですよ。これは事実なんです。それを一般会計へ繰り入れて予算をちゃんと計上しておるんです。であって、十四年度見込みを見ましたら、十三年度で一兆九千ですから、十四年度におきましてそんなにえらく違わぬとは思いますけれども、しかし、為替の変動というものは油断できませんので、そういう懸念を見て約一兆二百億円を見込んでおる。これはもう私たちにとりましては十分自信のある数字でございまして、その中のうちの千五百億円をちょっと先に出してもらうということでございますから、これは決して隠れ借金じゃない。
 それから、地方交付税の方もおっしゃいますけれども、これは御存じだと思うんですが、地方交付税では継承債務の地ならしをしましたですね。つまり、平成十七年度までに地方交付税借入れを全部返すんだといっていると、これはやっぱり参ってしまうから、平成五十六年までずっとならすということをやりました。その一環としてやっておるんでございますから、決して隠れ借金じゃないということでございますので、これは御理解していただきたいと思っております。
 競馬の話も、これはうまくいったと思っておりますけれども、しかし、これは競馬もしっかりと利益を出してくれておると喜んでおります。
 それから、税の問題でございますけれども、経済活性、税の根本的な改革につきましては私たちは三つの視点から考えております。
 経済の活性化に資する方法、それから社会構造の変化に伴って、それに伴った近代化に進める上においての税制改正、といっても、更には、三番目には公正をやっぱり通していくという、この観点に立って根本的な改正を図っていきたいと。六月にはこの基本方針を出していただきたいと思っております。
 それから、最後にお尋ねがございましたサラリーマンの、いや、納税者の意識を高めるために現行の源泉徴収制度に代えて自己申告制にせい、こういうお話でございました。
 これは望ましいと思うんです。源泉徴収制度というのが取られたのはたしか大東亜戦争が始まる前であったので、だからその意味において国家権力の徴税であったと、こういう非難ございますけれども、しかし現在実施しております源泉徴収制度というものは、納税者にとりましては非常に言わば簡易に行われておることと、公正に徴税が行われておるという意味におきまして、やはり源泉徴収制度というものは当分継続していくべき制度であると思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(森山眞弓君) 平野議員にお答え申し上げます。
 ムルアカ氏の外交旅券につきましては、昨日の夕方、外務省から偽造であるとの通知を受けましたが、現段階ではその情報の内容は具体性に乏しいものでありますことから、外務省を通じ詳細な情報の収集に努めるなど適切に対応いたしたいと思っております。
 また、お尋ねの永住許可につきましては、日本人の配偶者等の在留資格であった者に対して永住許可を付与したものでございます。
 このような案件につきましては、日本人配偶者との婚姻期間、家族状況、在日歴等が判断基準とされまして、その申請から許可までの期間が短期間である例も少なくないと承知しております。
 なお、本件における具体的個別事情につきましては、個人のプライバシーにかかわることでございますのでお答えを差し控えさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野議員から二点のお尋ねをいただいております。
 第一は、景気の認識でございます。
 議員御指摘のとおり、昨年十―十二月期のGDP、これはQEでありますけれども、マイナス一・二%と、三四半期連続のマイナスとなりました。消費はプラスであったものの、設備投資が大幅に落ち込んだという状況であります。
 我が国の景気は依然厳しい状況にあるというふうに雇用情勢も含めて認識をしておりますが、輸出や生産に下げ止まりの兆しが見られるという点もございます。
 先行きについては、今後、民間需要を下押しする幾つかの雇用等々の懸念がある一方で、対外経済環境の改善、在庫調整の進展など、景気を下支えする要因もございます。
 こうした点も踏まえまして、今週後半の月例経済報告に向けまして、どのような位置付けをするか、今最終調整を行っているところであります。
 二番目、追加的な経済対策についてのお尋ねがございました。
 二月二十七日に、早急に取り組むべきデフレ対応策、これを取りまとめておりますが、これは当面、金融面の問題を解決するという位置付け、この金融面の対応を中心に整理をしております。
 今回のデフレ対応策は、今後の息の長い取組への第一歩でありまして、今回の整理によってこのデフレ対策に向けた取組が終わったということでは決してございません。今後も状況を見ながら、柔軟かつ大胆に判断したいというふうに思っております。
 金融面だけではなくて、実物経済面の措置というお尋ねがございましたが、むしろこれは順序は逆ではないのかというふうに思っております。
 実物経済面への措置については、既に政策は政策実現に向けてかなり強力に進めているつもりであります。例えば、現在、規制改革推進三か年計画の年度内の改定に向けた作業を行っております。また、あるべき税制の構築については、六月ころを目途に基本的な方針の取りまとめ、平成十五年度以降実現するという形にしております。そういった順序についても御理解を賜りたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
#32
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#33
○議長(井上裕君) 議院運営委員長から、参議院の組織及び運営の改革に関する協議会の設置について発言を求められております。この際、発言を許します。議院運営委員長山崎正昭君。
   〔山崎正昭君登壇、拍手〕
#34
○山崎正昭君 参議院の組織及び運営の改革に関する協議会の設置について御報告申し上げます。
 参議院改革につきましては、これまで歴代議長の下、議員並びに各会派の御努力によりまして、検討が重ねられ、実効を上げてきたことは御承知のとおりでございます。
 昨年十二月、井上議長の主宰により開かれました各会派代表者懇談会におきまして、本院が国民の負託にこたえていくため、更に積極的に参議院改革に取り組むことが合意されました。そして、改革の方向、具体的な検討課題等は、新たな協議の場を設けて議論していくこととし、その協議機関の構成等については議院運営委員会において検討することとなりました。
 これを受けまして、議院運営委員会理事会において協議を重ねてまいりました結果、本日の議院運営委員会におきまして、議長の下に、参議院の組織及び運営に関する諸問題を調査検討するため、協議員十一人をもって組織する参議院の組織及び運営の改革に関する協議会を設置することに決定いたしました。
 以上、御報告いたしますとともに、本院がその機能を十全に発揮していくため、本協議会が所期の目的を達成することができますよう、議員各位の御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
#35
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十九分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト