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2002/04/10 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第16号
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2002/04/10 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第16号

#1
第154回国会 本会議 第16号
平成十四年四月十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十六号
  平成十四年四月十日
   午前十時開議
 第一 オゾン層を破壊する物質に関するモント
  リオール議定書の改正(締約国の第九回会合
  において採択されたもの)の受諾について承
  認を求めるの件
 第二 オゾン層を破壊する物質に関するモント
  リオール議定書の改正の受諾について承認を
  求めるの件
 第三 残留性有機汚染物質に関するストックホ
  ルム条約の締結について承認を求めるの件
 第四 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図
  るための関係法律の整備に関する法律案(内
  閣提出)
 第五 鉄道事業法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、建築基準法等の一部を改正する法律案及び
  高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特
  定建築物の建築の促進に関する法律の一部を
  改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 建築基準法等の一部を改正する法律案及び高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。扇国土交通大臣。
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(扇千景君) 建築基準法等の一部を改正する法律案及び高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の都市を、豊かで快適な、経済活力に満ちあふれたものへと再生するとともに、環境対策、高齢化対策等の新たな課題への取組を通じて居住環境の改善を図ることは、喫緊の課題であります。
 これら課題に対応するためには、地域住民等が行うまちづくりの取組を促進すること等による都市再生の推進を図るとともに、居住環境の改善を図るため、化学物質による室内空気の汚染問題に対するシックハウス対策の推進や建築物のバリアフリー化の促進を図る必要があります。
 このため、建築基準法等の一部を改正する法律案により、適正な土地利用の促進や居住環境の改善等に資する建築制限等ができるようにするとともに、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案により、高齢者、身体障害者が利用しやすい特定建築物の建築を一層促進してまいります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず、建築基準法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 第一に、住民等の自主的なまちづくりの推進や地域の活性化を図るため、都市計画の提案制度を創設することとしております。
 第二に、まちづくりの多様な課題に適切に対応できるよう容積率制限等の選択肢を拡充することといたしております。
 第三に、許可を経ずに、建築確認の手続で迅速に容積率制限等を緩和できる制度を導入することとしております。
 第四に、地区計画制度を整理合理化し、地区の特性に応じて用途制限、容積率制限等を緩和又は強化できる制度とすることとしております。
 第五に、シックハウス対策のために、建築材料や換気設備の規制を導入することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 次に、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 第一に、特定建築物のうち一定の用途及び規模のものについて、バリアフリー対応を努力義務から義務付けに強化するとともに、努力義務の対象を拡大することといたしております。
 第二に、バリアフリーの誘導基準を満たすとの認定を受けた特定建築物については、容積率の特例、表示制度の導入等の支援措置の拡大を行うことといたしております。
 第三に、この法律の権限を、都道府県知事から所管行政庁すなわち建築主事を置く市町村又は特別区の長に委譲することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、建築基準法等の一部を改正する法律案及び高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。榛葉賀津也君。
   〔榛葉賀津也君登壇、拍手〕
#7
○榛葉賀津也君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました両法律案について、関係各大臣に質問いたします。
 最初に、建築基準法等の一部改正に関する法律案について質問いたします。
 今回の法律案では、初めてシックハウス対策が設けられたことに一定の評価をしたいと思います。しかし、果たしてこれで問題が本当に解決されるのか疑問が残ります。
 シックハウス症候群による患者さんは全国で何百万人もいると指摘されております。これらの患者さんたちは、目まい、ぜんそく、皮膚炎を始めとする様々な症状に二十四時間悩まされ続けています。中には、不登校になる子供たちや各地を転々とする生活を強いられている人々がおり、この悩みから脱出するために自殺という道を選んでしまう方も出るほどの社会問題となっております。
 しかし、驚くべきことに、シックハウス症候群で苦しんでいる患者さんたちは、これが病気として認定されていないために、医療保険すら使えず、家の改築も自己負担でやらなければならないのが現実です。シックハウス症候群で病院へ行けば、精神科の患者として自律神経失調症で片付けられてしまい、適切な治療が受けられないでいるのは重大な問題ですし、全国に二十二万人もいると言われている不登校児や無気力症の子供たちの幾らかは、シックハウスやシックスクールに起因している可能性があることも見逃せない問題であります。
 また、このように重い症状でなくてもシックハウス症候群の予備軍と言える人は意外とたくさんいます。特定の部屋に入ると目がかゆくなったり息苦しくなる人、排気ガスの多い道を歩くと胸が苦しくなる人、携帯電話を胸のポケットに入れておくと動悸がする人などはシックハウス症候群の可能性が高いと言われています。
 厚生労働省は、シックハウス症候群による患者さんの数はどの程度と把握されていますか。また、シックハウス症候群が病気として認定されていないことについていかがお考えでしょうか。坂口大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 ここでお考えいただきたいのは、シックハウスの問題はBSEや薬害エイズの問題と同じ構図ではないかということであります。いずれも、危険性が指摘されていたにもかかわらず、因果関係が立証されていないということで早い段階で手を打たなかったために被害が大きくなりました。シックハウスでも同じことをまた繰り返すのでしょうか。多くの患者さんが原因不明とされる不安と闘っていることを考えれば、国として国民の安全に関する対策は幾ら手厚くしてもやり過ぎることはないと考えます。
 本改正案では、シックハウス対策を建材の使用制限や換気施設の設置によるいわゆる入口規制を行う方法で対応しようとしています。しかしながら、その方法では次の三つの問題点があると思います。
 まず第一に、規制する化学物質の問題であります。
 厚生労働省の指針値が定められているものだけで十三種類もあるのに、今回はホルムアルデヒドとクロルピリオスの二種類にしか規制をしておりません。その他の有害化学物質を含む建材が多用されるおそれがあるにもかかわらず、二種類しか規制をしないのはなぜでしょうか。加えて、規制外の建材が多用される事態を防ぐ方法についてどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
 第二に、違法建築が横行する懸念であります。
 政府案では、入口規制を行うのみなので、国や業者側に建築物の完成後の検査義務がありません。したがって、法の基準どおりに建築しても、化学物質の濃度基準をクリアしている保証はありませんし、最悪のケースでは等級の表示をごまかすケースが出るかもしれません。
 偽装表示は、昨今、食品について余りに顕著でありますが、仮に建築物でも同じことが起こるのかと思うと、背筋が寒くなる思いであります。このような懸念に対してどのように対処されるのでしょうか、お伺いをいたします。
 第三に、患者発生時の責任問題があいまいな点です。
 完成した建築物内の有害化学物質が濃度基準値を上回る結果となり、シックハウス症候群になる患者さんが出たとしたら、その責任はだれにあるのでしょうか。扇大臣の明確な御答弁をお願いいたします。
 一昨年来、民主党・新緑風会は、櫻井充参議院議員を中心に、病気に苦しむ患者さんたちと一緒にこの問題を考え、法案を作ってまいりました。特定化学物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案がそれでありますが、昨年はこの法律案は審議すらされずに廃案となってしまいました。当時の政府のシックハウス問題に対する無関心には閉口してしまいます。
 民主党案の基本的な考え方は、今回の政府改正案とは異なり、建築物が完成した時点で有害化学物質の測定を行ういわゆる出口規制に立っています。すべての建築物について、工事終了後に室内の濃度を測定して、基準値を上回っている場合改善をさせるというものです。
 この法律案による制度ならば、完成した後の建築物を測定するので、建築責任が明確化され、購入者がシックハウスになるリスクを確実に軽減できます。加えて、現在でも建築基準法に違反した欠陥住宅が後を絶たない状況を見ると、政府案のように建材規制と換気施設の設置をたとえ入口で義務付けたとしても、シックハウスの違法建築が野放しになる危険性があります。
 これらを考え合わせますと、シックハウス問題は正に個別法による対応が必要だと考えますが、扇大臣のお考えはいかがでしょうか。
 次に、坂口大臣にお伺いいたします。
 国民の健康に関する法律については、特に、業者対患者、生産者対消費者の構図ではなく、双方の利害を調整し議論をするべきものであると考えます。世の中の流れは規制緩和の方向にあり、業者の営業の自由を確保し、競争を促進することを否定するものではありませんが、事安全に関しては、規制を強化することが必要ではないでしょうか。国民の安全を守ることこそ国に課せられた義務だと言えるからであります。
 食品を始めとする安全への不信が高まっている今、業者側にとっても厳しい規制を課されることはマイナスにはならないと考えます。食肉の偽装表示によって消費者を欺いたために、その企業のみならず、業界全体に大きなダメージを与えられたことは既に実証済みです。農政において、食品への信頼性を高めるために厳しく安全規制をすることが、消費者のみならず、結果的に生産者にとってもメリットとなるように、建築においても、厳しい規制をクリアして安全かつ質の高い建物を供給することは、むしろメーカーとしても信頼を得ることにつながります。
 また、建築物への測定や改善を義務付けることで、その分野における新規産業の育成が可能となると思いますし、シックハウスの対策は国際的にも関心が高いので、この分野において日本が世界をリードすることにもつながると思いますが、国民の健康を守る厚生労働大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、容積率及び建ぺい率の緩和に関する問題点について扇大臣にお伺いします。
 建築基準法等の改正案では、大幅な容積率や建ぺい率の緩和がなされようとしています。大都市に国際的な競争力を付けるためにもこれらの政策は必要ですし、土地利用を高度化し、都市の新陳代謝を高めることは景気の刺激策にもなると思います。
 しかし、この政策は二つの点で懸念されます。
 第一は、この改正によって市街地の環境や町の調和の観点から問題が起きないかという点です。すなわち、建てる側が公聴会などのプロセスや地域住民とのコミュニケーションを軽視して、基準にさえ合えば機械的に建築が認められるというようにも取れますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
 第二が、都市の防災能力の問題です。建築物の容積率や高さの制限が緩和されると、建築物そのものや都市の防災機能が低下する懸念が生じます。今回の改正に伴い、都市の防災能力を高めるためにどのような取組に、どのように取り組んでいくおつもりか、国民が心から安心できる答弁をお願いいたします。
 最後に、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律、いわゆるハートビル法の改正案について質問いたします。
 民主党は、一定の公共的施設にバリアフリー対応を義務付けることを以前から主張しており、今回の改正案は一歩前進であると認識しておりますが、それでもまだ十分ではないと思います。例えば、政府案では、第二条でその対象者を高齢者、身体障害者等としており、現行法と何ら変わらないものになっております。
 建築物を利用する場合に不便を切実に感じているのは、お年寄りや体に障害をお持ちの方ばかりではありません。本改正案の対象者を拡大して、妊婦や子供、けが人や病人、知的障害者や精神障害者の方々も加えて、できる限り明文化すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 また、政府案では、特別特定建築物を二千平方メートル以上と制限しておりますが、建築物の大小にかかわらず、図書館や役場、公民館、公共住宅、集会所や交番などの公共施設においてはすべてを特別特定建築物とし、バリアフリーを義務化すべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 今は若く元気な人も、いずれ皆、年を取ります。超高齢社会を目前に、すべての人に優しい社会基盤を用意しておくことが必要とされるのではないでしょうか。そのためには、対象を特定の人に限定してバリアを除去するという考え方ではなくて、できる限り多くの人が利用可能であるとのコンセプト、いわゆるユニバーサルデザインの発想にシフトしていくことが不可欠であると考えます。
 今後の改正案において、利用円滑基準の中に具体的にユニバーサルデザインを入れていくなどの対応はされないのでしょうか、扇大臣の前向きなお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 安全を確保するために手厚い事前対策を打つことに何のためらいがあるのでしょうか。コストの問題なのでしょうか。確かに、安全にはコストが掛かります。しかし、そのコストが有意義に活用されたとき、事故が予防され被害が出ないために、すなわち、問題が表面化しないために、一見、そのコストが無駄であったかのような錯覚をしてしまいます。
 今、国民にとって、安心して暮らす、安全を守ることが大きな関心事になっています。シックハウスも、薬害エイズも、食品をめぐる危険も、そして災害やテロも、国民の安全を脅かすという意味で根本は同じであります。政府は、安全のコストの在り方をしっかりと認識して、国民の不安を解消するために今こそ全力を尽くすべきであるということを強く要望して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(扇千景君) 榛葉議員から九点についてのお尋ねがございました。
 少なくとも、規制対象物質について、また、規制外の建材の使用についてお尋ねがございました。
 政府といたしましては、室内の空気汚染による健康影響というもの、それが出るおそれのある化学物質につきましては、最終的にはすべて規制対象とする方針でございます。このためには、様々な建材について、どんな化学物質がどれだけ使用され、あるいは発生量がどれほどあるのか、きちんと調査する必要があると存じます。
 今回、まず、取り急ぎホルムアルデヒド及びクロルピリホスについては規制を行うことにいたしております。
 トルエン等その他の物質につきましては、まだ十分な調査が進んでおりません。そういう意味では、まだ未調査の建材を取りあえず使用禁止とするといった過激な、過剰な規制ではなくて、ごく普通の住宅まで建てられなくなってしまう、そういうことのないように、消費者にも不利益が及ぶことから、直ちに規制は困難だと思っておりますけれども、関係省庁と連携をして精力的に調査を進めているところでございます。
 なお、今回の規制対象とならない物質につきましても、消費者の立場に立って、そして、判明している調査結果は最大限に情報提供することとして、消費者向けのガイドラインを策定することにより周知徹底を図っていきたいと考えております。
 二つ目には、法の基準どおりに建築した場合、濃度基準を満たすかどうかについて、また、等級の表示についてというお尋ねがございました。
 改正案では、化学物質の室内濃度が高く、そういう夏期に、暑いとき、夏期には激しい条件とか、家具の設置を想定して建材や換気設備の基準を定めることとしておりますし、この基準を守れば、通常は室内の濃度が厚生労働省の指針値を超えることはないものと考えております。
 これらの基準に適合していることを審査するために、着工前の建築確認及び工事完了時の検査等が義務付けられておりますし、また、適正な審査が行われるように万全を期してまいりたいと考えております。
 また、表示を偽った建材を使用した建築物は違反建築物に該当することになっておりますので、改善命令等、厳正な是正処置を講じていきたいと考えております。
 三つ目に、完成した建築物が濃度基準を上回ってシックハウス症候群の患者が発生した場合の責任の所在についてというお尋ねでございました。
 これは、国としては、通常、化学物質の室内濃度が厚生労働省の指針値を超えることのないように基準を定める責任があると考えておりますし、また、厳しい基準を定めることによって健康被害の未然防止に取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、特異な気象条件の場合とか、あるいは換気せずに喫煙するなどのシックハウス問題への配慮を欠いた建築物の使い方がされた場合に、例外的に室内濃度が指針値を超えると、その値を超えるということは、現在の技術では避けられないものであるとは思っておりますけれども、換気の励行など、濃度超過を解消するための留意事項についてはパンフレットのこれも作成などをいたしまして、消費者のあるいは事業者に情報提供を図ってまいりたいと考えております。
 四つ目には、シックハウスの問題に対する規制の方法についてのお尋ねがございました。
 化学物質の室内濃度は気象条件によってかなり変動するために、完成後に濃度を測定する、いわゆる出口規制による方式では、測定時の条件次第で規制すべき建築物の基準をクリアしてしまう、そういう場合があるなど、問題があると私は考えております。そういう意味で、いわゆる出口規制では何が原因で濃度が高くなっているか明らかではありません。そういう意味で、改修を繰り返して予想外のコストを余儀なくされる場合、消費者にも多大な不利益を及ぼすという、そういう心配もございます。
 このために、規制の方法としては、建築基準法で、濃度を指針値以下に抑制するために通常必要な建材や換気設備の基準をあらかじめ定めて、そしてこの基準を守っていただく方が合理的であると考えております。これによりまして、気象条件に左右されたり、あるいは予想外のコストを余儀なくされることもなくなって、消費者の利益に合致するものと考えております。
 なお、違反建築物につきましては、厳正な是正措置によりまして法令遵守を徹底していくというのは当然のことでございます。
 五つ目に、今回の改正による環境等への影響あるいは地域住民とのコミュニケーションについてのお尋ねがございました。
 今回の建築基準法の改正においては、容積率の制度あるいは高さ制限等の数値の選択肢を拡充いたしますけれども、これは、具体的な数値は都市計画あるいは条例その他の手続によりまして地域住民等の意見を反映しつつこれは定められるものでございます。
 また、今回の、許認可を得ずに容積率制限やあるいは斜線制限を迅速に緩和する制度を創設いたしますけれども、これは、環境への影響について問題の生じない範囲内で基準を定めて適用するものでございます。したがって、基準に適合していれば建築確認の手続で建築することは可能ですけれども、今回の改正によりまして市街地の環境に大きな影響を与えるものではないと考えております。
 また、今回、都市計画の提案制度を創設するとともに、地区の計画制度を整理合理化して分かりやすく、そして使いやすい制度とすることによりまして、必要な場合には地域の特性を踏まえたきめ細かな規制を行うことにより良好な環境が確保されるものと考えております。
 六番目に、容積率や高さ制限の緩和と都市の防災性についてのお尋ねがございました。
 容積率の数値の選択は、道路等の基準施設の整備状況とかあるいは土地利用の状況等を踏まえつつ都市全体の防災性を考慮をしなければ、都市計画の手続によってこれらも定められております。
 さらに、今回創設する容積率制限の迅速な緩和制度も数値規制や空き地規制等を広く確保した建築物に限り適用するということにしております。
 また、高層建築物につきましては、耐震性あるいは火災時の避難の安全性に配慮した建築基準を適用し、防災機能の確保を図っております。したがって、今回の改正によって都市の防災機能への低下を招くことのないものと考えております。
 今後とも、道路それから公園等の整備によりまして、避難地あるいは避難路の確保、建築物の不燃化等を図り、都市の防災の向上に努めてまいりたいと考えております。
 七つ目には、ハートビル法の対象者に対するお尋ねがございました。
 ハートビル法は、改正法第二条におきまして、高齢者、身体障害者のみならず、その他の日常生活、社会生活に身体機能上の制約を受ける者も対象としておりますので、そういう意味では、妊娠されている方とか、あるいはけが人のほか、身体機能上の制約を受けている知的障害者、精神障害者の方も対象といたしております。
 このようなハートビル法の対象の考え方について、今後、周知徹底を努めてまいりたいと考えております。
 最後の御質問でございましたけれども、ハートビル法の基準へのユニバーサルデザインの反映についてお尋ねがございました。
 これは、高齢者、身体障害者のみならず、乳幼児や外国人等を含めたすべての人が使いやすい設計を行うことが一般にユニバーサルデザインと言われているのはおっしゃったとおりでございます。
 本改正法案の利用円滑化基準では、ユニバーサルデザインのうちの段差の解消、エレベーターの設置等、高齢者、身体障害者が建築物を円滑に利用するための措置を定める予定でございます。
 また、乳児用ベビーシートの設置とか子供や外国人等にも分かりやすい案内表示の設置、利用円滑化基準を含まれたユニバーサルデザインにつきましては、その考え方あるいは具体的な対応例を紹介した設計ガイドラインを策定しまして、広く設計者等に周知徹底することにいたしております。
 以上がお答えとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(坂口力君) 榛葉議員にお答えをさせていただきたいと思います。二問いただきました。
 シックハウス症候群についてのまずお尋ねでございますが、いわゆるシックハウス症候群につきましては、人によりまして、頭痛でありますとか、あるいは皮膚のかゆみでありますとかのどの痛みでありますとか、それぞれ訴えるところが異なりますし、非常に多様でございまして非特異的なものであるといったところから、医学的に確立をされた単一の疾病単位として認めるところまで今至っていないわけでございます。
 このために、患者の数という形での把握はできておりませんが、国民の関心や不安の高まりも踏まえまして、厚生労働省におきましては、その病態把握でありますとか原因の究明を含めまして、様々な角度から現在研究を進めているところでございます。
 これらの研究の下に、普及啓発の推進でありますとか相談体制の整備でありますとか、建築材等から発生します化学物質の室内濃度の指針値の策定でありますとか、あるいはまたシックハウス症候群にかかわります診療施設の整備等を併せて推進しているところでございます。
 平成十二年の補正におきましては国立相模原病院に診察室を設けましたり、今年の予算におきましても、労災病院におきましてそうした診察室でありますとか、特別な対策を講じているところでございます。
 もう一点、シックハウス対策に対します規制の強化についてのお尋ねがございました。
 建築物におきます建材でありますとか内装材などから発生します化学物質による健康影響を低減させることは、これはもう申すまでもなく重要な課題であるというふうに考えております。
 御審議をいただいております建築基準法改正案におきましては、化学物質の発散による衛生上の障害がないように、建築材料等が技術的基準に適合することを義務付けるものと承知をいたしておりまして、化学物質の発散による健康影響を低減をさせる上で適当な対策であるというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、このシックハウス対策につきまして、今後とも研究を急ぎまして、そして対策を進めるために、関係省庁との連携も図りながら、総合的な対策のリーダーシップを発揮していきたいと考えているところでございます。
 このシックハウス症候群は、人によります感受性の差も非常に大きいものでございますから、これらの問題も含めましてどのようにしていくかといったことも併せまして、研究を急ぎたいというふうに思っている次第でございます。(拍手)
#10
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(井上裕君) 日程第一 オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(締約国の第九回会合において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件
 日程第二 オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件
 日程第三 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の締結について承認を求めるの件
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長武見敬三君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔武見敬三君登壇、拍手〕
#12
○武見敬三君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の一九九七年改正は、オゾン層を保護するための措置を強化するとの観点から、非締約国との貿易規制の対象となる物質の範囲を拡大することなどについて定めるものであります。
 次に、モントリオール議定書の一九九九年改正は、同様の観点から、生産、消費等の規制の対象となる物質の範囲を拡大すること等について定めるものであります。
 最後に、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約は、ダイオキシン、PCB等、残留性有機汚染物質から人の健康及び環境を保護することを目的として、これらの物質の製造、使用の規制等について定めるものであります。
 委員会におきましては、三件を一括して議題とし、オゾン層破壊物質の削減状況、ライセンス制度導入による規制物質の不正な輸出入防止、ダイオキシン発生源である小規模焼却炉対策、在日米軍基地に保管されたPCBの処理等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(井上裕君) これより三件を一括して採決いたします。
 三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成           二百二十二  
  反対               〇  
 よって、三件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#16
○議長(井上裕君) 日程第四 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長佐藤泰介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤泰介君登壇、拍手〕
#17
○佐藤泰介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成十一年に政府の障害者施策推進本部において決定された障害者に係る欠格条項の見直しについての方針を踏まえ、障害者の社会活動への参加の促進等を図るため、船員法等において定められている障害者に係る欠格事由の適正化等を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、障害に係る欠格条項の廃止についての考え方、障害者の雇用促進のための環境整備、欠格条項の見直しによる精神障害者の社会参加拡大の見通し、障害を持つ学生への教育機会の均等化支援等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して、四項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十三  
  賛成           二百二十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(井上裕君) 日程第五 鉄道事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長北澤俊美君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔北澤俊美君登壇、拍手〕
#22
○北澤俊美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年の社会経済情勢の変化等を踏まえた貨物運送の柔軟な事業展開を促進する等のため、貨物鉄道事業、貨物運送取扱事業及び貨物自動車運送事業について、参入及び運賃・料金等に係る経済的規制を緩和するとともに、輸送の安全確保等に係る社会的規制を強化する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、我が国の物流の現状と今後の取組、鉄道貨物輸送の活性化対策、自動車排気ガスによる大気汚染と地球温暖化への対策、トラック輸送の安全確保と運賃適正収受の取組、元請・下請関係の適正化、自動車運転者の労働時間等の改善等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して富樫委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十三  
  賛成            百九十七  
  反対             二十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#26
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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