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2002/06/05 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第31号
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2002/06/05 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第31号

#1
第154回国会 本会議 第31号
平成十四年六月五日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十二号
  平成十四年六月五日
   午前十時開議
 第一 教育公務員特例法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 証券決済制度等の改革による証券市場の
  整備のための関係法律の整備等に関する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金
  の提供等の処罰に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第四 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締
  法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、法人税法等の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 以下 議事日程のとおり


     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 法人税法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。塩川財務大臣。
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました法人税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、近年の社会経済情勢の変化や企業活動の国際化の進展等を踏まえ、我が国企業の円滑な組織再編成に対応するとともに、企業経営の実態に即した適正な課税を行い、もって我が国の経済構造改革に資する観点から、連結グループを一体として課税する連結納税制度を創設するための所要の措置等を講ずるものであります。
 以下、その大要を御説明申し上げます。
 第一に、内国法人及び完全支配関係にある他の内国法人について、国税庁長官の承認を受けた場合には、その内国法人を納税義務者として連結所得に対する法人税を納めることとしております。
 第二に、連結所得の金額及び連結法人税額について、連結グループ内の各法人の所得金額を基礎として、所要の調整を加えた上で、連結グループを一体として計算することとしております。なお、これらの計算に係る諸制度について、個々の制度の趣旨等を踏んまえ、所要の措置を講ずるほか、国税通則法等の整備その他所要の規定の整備を図ることとしております。
 第三に、連結納税制度の創設に伴う税収減に対応するため、連結付加税等の連結納税制度の仕組みの中での措置及び退職給与引当金の廃止等の課税ベースの適正化のための措置を講ずることとしております。
 以上、法人税法等の一部を改正する法律案につき、御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ、よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。峰崎直樹君。
   〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
#7
○峰崎直樹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました法人税法等の一部を改正する法律案に対し、質問をいたします。
 連結納税制度について伺う前に、国債格付引下げ問題について伺います。
 先日、ムーディーズが日本国債の格付を二段階引き下げ、よく指摘される例ですが、日本から経済援助を受けているアフリカのボツワナよりも下位に格付されてしまいました。プライマリー赤字が構造的に存在し、かつ国と地方合わせた累積債務がGDP比で一四〇%と、一年間に生み出す付加価値額の水準をはるかに上回っている現状では、たとえ景気が回復したとしても、税収増加以上に金利が上回り、利払い費が急騰し、財政が破綻してしまうことは火を見るよりも明らかであります。
 財務大臣及び経済財政担当大臣、景気回復と財政再建をどう両立させ、維持可能な財政になるのか、国民に納得のいく展望を示していただきたいと思います。
 次に、現在、政府で検討されている税制抜本改革について若干伺います。
 この税制抜本改革論議は、年明けの小泉総理の新時代に対応するあるべき税制を目指すとの勇ましい掛け声によって始まったものですが、マスコミ報道や経済財政諮問会議の議事録などを見る限り、正に船頭多くして船山に登るといったていたらくです。そもそも何のために税制改革を行うのかという基本的理念が見えてきませんし、検討機関もばらばらで、それぞれがどのような役割を担っているのかも全く明確になっていません。
 税制改革の議論は国民の将来に重大な影響を与えるものですが、掛け声だけで、この国の将来像を一向に示せない政府に身をゆだねなければならない国民は不幸の極みであります。
 そこで、財務大臣及び経済財政担当大臣に伺います。
 第一に、なぜ経済財政諮問会議はまとまりがないのかということに関してお伺いいたします。
 財務大臣は、経済財政諮問会議での税制抜本改革論議が堂々巡りに終始していることを認め、五月十五日の記者会見でも、まとめがないと会議の運営に疑問を呈されています。この最大の原因は、小泉総理が掛け声だけで具体的にリーダーシップを取ろうとしないことにあります。現に財務大臣自身も、先月七日に、小泉総理大臣に対し、首相の指示をもっとはっきり出してと要請されたとしています。
 このまま総理のリーダーシップなきままに論議を進めれば、混乱が更に大きくなり、国民の中に政治不信を招くだけというおそれがありますが、このような状態を招いている小泉総理の責任、リーダーシップの在り方について、財務大臣及び担当大臣である竹中大臣の見解、所見を伺いたいと思います。
 第二に、経済財政諮問会議と政府税制調査会の役割分担についてお伺いいたします。
 先般、衆議院本会議での我が党の生方議員の質問に対し、財務大臣は、経済財政諮問会議では大局的な議論を、政府税制調査会では個別具体的税目について検討するという旨の答弁をされました。にもかかわらず、五月三十一日の記者会見で財務大臣は、私の方からその政府原案というものを具体的に提示していきたいと思うております、そうでないと議論が進まないんだなとおっしゃられたと伺っております。
 財務大臣が原案そのものを提出しなければならないというのでは、全く経済財政諮問会議と政府税制調査会の役割分担ができていないのではないかと改めて疑わざるを得ません。この点について、国会の場でのきちんとした財務大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、担当大臣である竹中大臣はこのような原案づくりについては了解されているのかどうか、併せてお伺いいたします。
 第三に、財務大臣が提出されようとしている原案の方向性についてお伺いいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、税制の在り方というものは、この国の将来を左右するものであり、民主主義の基本でもあります。それゆえ、一刻も早く税制改革の方向性を見せ、年金を始めとする社会保障の将来図や財政再建の道筋を示して、国民が抱いている将来への不安を取り除くことこそが最大の景気対策になるのではないかと思われます。
 財務大臣の提出されようとしている原案は、経済財政諮問会議の民間議員が提案しているような減税先行型としてなのか、それとも、国の台所を預かる財務大臣として財政規律を重視したものなのか、その方向性についてお伺いいたします。
 あわせて、来年度の予算編成についても伺います。
 先日、財政制度等審議会が来年度の予算編成について基本的な考え方を建議いたしました。この内容は、危機的な財政状況を背景にかなり厳しいものとなっており、具体的には失業手当の引下げ、生活保護の受給基準額の引下げなどを盛り込まれました。政府部内でも既に公務員の給与引下げなどが話題となっており、塩川財務大臣自身も、公共事業やODAを中心に従来型の支出を一〇%程度削減するなどの方針を表明されています。
 今月中旬には、経済財政諮問会議を通じて、政府としての来年度予算の編成方針を国民に示す予定となっていますが、大臣としてはこの方針をどのようなものとされるつもりか、伺いたいと思います。
 また、経済財政担当大臣は、公務員給与の引下げで減税財源等に回すとの考え方を表明されましたが、労働基本権の代償措置としての人事院勧告制度との関係についてはどのように考えておられるのか、竹中大臣にお伺いいたします。また、その点について記者会見で疑問を呈された官房長官にも見解をお伺いいたします。
 次に、本題である連結納税制度法案についてお伺いいたします。
 まず第一に指摘させていただかなければならないのは、この連結納税法案が余りにも複雑であり、納税者はおろか法案を審議する我々国会議員ですら、その法案のすべてに目を通して内容を理解することが不可能に近いということであります。
 税制の在り方については、政府税制調査会と経済財政諮問会議で、公平、中立、簡素なのか、公正、活力、簡素なのか対立をしているやに伺っておりますが、どちらにしろ、簡素ということでは共通しているはずであります。にもかかわらず、このように複雑過ぎる法律案を出すことについて、提案者としてどうお考えなのか、また、これから簡素化に向けてどのような改革を進めようとお考えなのか、財務大臣にお伺いいたします。
 あわせて、この機会に、公平と公正の違い及び中立と活力の違いについて、財務大臣及び経済財政担当大臣に、それぞれ違いを分かりやすく明らかにしていただきたいと思います。
 第二に、連結子会社の欠損金が否認されている点についてお伺いいたします。
 連結納税を適用しなければ、繰越欠損金は黒字になった時点で税控除ができるにもかかわらず、連結納税を適用した場合においては認められないとされています。財務省は、制度の乱用の歯止めであるとしていますが、現在可能な制度が利用できなくなるところまでいきますと、乱用防止を超えて適用回避までねらっていると思われても仕方がありません。
 民主党も、当然制度の乱用がないよう十分気を付けるべきという考え方に立っておりますが、歯止めは子会社の新規加入制限などで十分掛かっているのではないかと思われますが、財務大臣はいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
 第三に、本法案の最大の問題点である連結付加税についてお伺いいたします。
 この付加税をめぐっては衆議院でも重ねて議論が繰り返されていますが、塩川財務大臣は、とにかく導入して、その後の様子を見てからという、極めてあいまいかつ無責任な答弁に終始しています。また大臣は、付加税導入の理由として、連結納税適用の企業は、一定の利益を得るのだから、相応の負担が必要としていますが、連結納税導入の目的が税負担の軽減にもあることを考えれば、大臣の答弁は矛盾に満ちています。衆議院の審議において与党の一部からも明確に疑問が呈されているこの問題について、再度、見直しの余地がないかどうか、大臣の答弁を求めます。
 第四に、連結納税を適用しない企業にとって今回の改正案は、退職給与引当金や特別修繕引当金等の廃止により、増税を意味いたします。とりわけ、連結納税を適用しない企業の多くが中小企業であることを考えれば、中小企業にとっては負担増を迫られる大変厳しい内容の法案ということになり、景気マインドの悪化をもたらし、景気回復にはつながりません。
 この点について、公平あるいは公正という観点からどうお考えなのか、また、企業の税負担を軽減して構造改革を促すという本法案の趣旨からは逸脱していないとお考えなのか、財務大臣にお伺いいたします。
 もし、九九年の改正で法人税率の引下げが先行したことに対する今日時点での調整であるという考え方に基づいているのであれば、それは元々、税率引下げの時点で同時に決着を付けておくべきであり、極めてこそくなやり方と言わざるを得ません。御見解を伺います。
 最後に、仮に政府案どおりで可決した場合の見直しの時期について伺います。
 連結納税の適用については、本年の九月には明らかになります。付加税は国債三十兆円枠によって生み出されたものですが、来年度は新規国債発行枠での縛りは掛けない方向で議論がされていると聞いており、その意味では、付加税導入の最大の理由がなくなったことになります。
 そこで大臣に伺います。
 大臣の言う、まずは実施して見直すというのは、具体的に、どの時期にどのような状況であったら見直すということなのでしょうか。例えば、この九月において適用企業が明らかに想定より少なく、この連結納税法案が結果的に増税法案となることが明らかになった場合には、来年度に向けて見直すということはあるのかないのかなどの見直しの具体的な基準と、これを判断する時期についての具体的な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に賜りました御質問は誠に多岐多般、十一問でございますんで、ひょっとしたら答弁漏れがあるかも分かりませんが、御注意いただきたいと思っております。
 まず最初にお尋ねございましたのは国債の格付の問題でございますか、これは、しばしば答弁いたしておりますように、民間会社が格付をいたしたものでございまして、とはいえ、私たちも、これは一つの指数として重要視しておることは事実でございます。決して無視しておるものじゃございませんが、しかし、この格付をいたします根拠に立っておりますのは、公的債務とGDPの関係に比重点を置いた、ただ計数的な判断が主体であったと思っておりまして、私は、経済の動向、国の特に国勢の問題に、国の経済勢力等につきましては、もっと有機的な条件を加味して判断すべきではないかと思っておりまして、決してこの格付が下がったから日本の経済が悪くなったという、そういう認識に立つのではなくして、この格付会社が指定しております要件等をつぶさに見て、我々のいろいろな今後の施策の中にも生かせるものはこれを採用していくべきだという謙虚な気持ちでこれを見ておるということでございます。しかし、これによる国勢の衰退ということは全然違うということでございます。
 それから、景気回復と財政再建の問題についてでございますけれども、我々は今、「改革と展望」と言うております、本年の一月に閣議決定いたしましたが、その中で財政改革を長期にわたった視点に立って進めていこうとしておりまして、二〇一〇年代の初頭にプライマリーバランスが黒字化するような、そういう施策を進めていくということを財政再建の基本にいたしております。
 その間にあって、ただ景気の回復に足を引っ張るようなことになってはいけませんので、景気回復は適時適切、多様な方法をもって、手段をもってこれを進めていくということにいたしております。
 そこで、お尋ねでございました税制の問題についてでございますけれども、経済財政諮問会議と政府の税制調査会との間の整合性がどう取れておるかということで、総理のリーダーシップはいかがかというお尋ねでございますが、総理は、ただ景気回復対策、特にデフレ対策等につきましては、税制だけによるということではなくして、多様な政策手段を複合的に合わせることによってその効果を現したいということでございまして、したがいまして、ただ税の結論を急ぐということではなくして、例えば先端的産業の活性化をどうするかとか、あるいは規制緩和をいかがにするかという問題と併せて六月末にその基本方針を示すということにしております。
 でございますから、税のみを先行して今発言するということではございませんで、けれども、税に対する非常な関心を持ってこれの研究をし、またいろんな意見をお聞きしておるという段階でございますので、リーダーシップはこれから発揮するものでございますので、御承知いただきたいと思っております。
 それから、経済財政諮問会議と政府税調との位置付けと申しましょうか、役割分担、それから兼ね合いはどうなっておるかということでお尋ねでございまして、これはしばしば委員会等において御質問を受けたことでございますが、私が申しておりますことは、経済財政諮問会議は、あくまでも総理大臣からの諮問にこたえてあらゆる経済政策についての方針を決定する、それを総理に諮問する機関であって、これを決定し、実行する機関ではございません。しかし、一方、政府税制調査会は、総理からの諮問を受けて具体的な各税目の項目等について詳しく答弁を出すところでございます。
 そこで、現在の状況を言いますならば、経済財政諮問会議で税制改正の方向についての問題点を提起していただき、これを総理の裁断によって、この問題を政府税制調査会に具体化する方向について諮問をされると。それに対しまして、政府税制調査会から答えを出しまして、それを経済財政諮問会議で再度、総理の決断に基づく裁定を行うべく準備をしてもらうと、こういうことをいたしております。
 その間におきまして、各政党との間におきます税制に対する御意見も聞いていかなきゃなりませんので、税制の改正というものは一元的な方法ではなかなか決め難い多様性を持っておる問題でございますので、その間におけるリーダーシップいかんということの問題は、これは単純に答えられない問題でございます。
 それから、税制改正の方向性について、それじゃどう考えておるかということでございますが、これは私たちが主張しておりますように、自由闊達な経済活動を妨げない税制であるということがまず大事でございますのと、それから課税が適正であり公正であるということ、しかも簡素を旨とするということでございます。それと、さらにまた、税の役割といたしまして重要なことは、安定的な歳入構造の構築を堅持して歳入を確保するということ等でございまして、これらの議論を中心にして進めておるものでございまして、年内にはあるべき税制の方向の全体像を提示していきたいと思っております。
 それから、来年度の予算の編成についてお尋ねございましたですが、私といたしましては、平成十五年度の財政運営の在り方につきましては、六月の三日に財政審において取りまとめられた建議等も踏まえまして、十三年、十四年度に続いて十五年度におきましても節度ある財政運営をいたしたいと、こう思っております。
 そこで、一般歳出につきましては、大体ほぼ十四年度を基準にいたしまして、この十四年度の基準を超えない範囲内において十五年度予算を編成していきたいと思っております。なお、各項の項目等につきましては、これから経済財政諮問会議等を通じまして、重点項目と、それからなお財政の効率化を図っていくべき項目等のそういう御意見を承って、十五年度の予算の骨格についての枠組みについて建議をいたしたいと思っております。
 それから、連結納税法案についてのいろんな御質問ございましたですが、これは、新しいグローバリゼーションの経済体制に対応するためにしたものでございまして、企業グループを納税単位とする新たな制度を創設することとなっております。
 ある程度複雑になることはやむを得ない面がありまして、最近、世界各国ともに、税制の面につきましては、特に制度的に関することはすべて法案に書くということでございまして、政令とかあるいはまた省令によるとかいう、そういう方法は世界的にこれを許容しない方向でございますので、かつて御決定いただいた会社の分割法案でございますが、それも実に膨大な法案になっております。と同様に、連結納税法案も確かに持っては歩けぬほど重たい本になっておりまして、これは誠に恐縮でございますけれども、税の法定化というその精神を顕現いたします意味においてこういうことになったので、まあお許しいただきたいと思っております。
 えらい非常に難しい質問がございまして、実は公平と公正とどう違うんやということでございまして、また中立と活力というものをどう考えるかという、これは非常に哲学的な難しい御質問ございまして、これに対して法律的にどう書いてあるかということは私も存じませんが、一応私の心得といたしましては、公平であるということは税の根源であると思っております。この公平であるということを貫くその努力した結果として公正なことが与えられてくるということでございまして、公正というのは、やっぱり公平を実現するために努力し、その機会の平等を確保することによって得られた結果が公正であると認識しておるのでございます。
 中立と活力との関係でございますが、税の中立は、どこに中立の意義があるかということは、私は、民間経済と公共経済とにおけるそのバランスが中立でなければならぬということを、それを思っておるのでございます。したがいまして、国の財政の構造を改革することによって中立を確保するということが根源でございまして、その努力はやっぱり財政の健全化にあると思っております。
 それと併せまして、税を通じまして、結局公正な運用をし、企業の選択をゆがめないような公正な選択をさすということは企業の活力につながってくると思っておりまして、中立と活力というものは、中立を進めることによって活力が削減されるものではなく、むしろこれを増勢していくことに資するものと思っております。
 簡素でなければならぬとおっしゃるのは当然でございまして、私たちもこの努力は今後とも更に一層努めてまいりますが、先ほど申しました租税法定法の趣旨からいいますと、ますます法律的に複雑に書かざるを得ないという状況にあるということを御承知いただきたいと思っております。
 それから次に、連結子会社の欠損の扱いでございますが、連結グループとして活動して得た所得に課税するという連結納税制度の趣旨にかんがみ、制度適用前の子会社の欠損について、連結グループの所得から繰越控除ができないと、こうなっております。これは、言わば前からの蛇口をちょっと閉めておこうということでございまして、子会社には大きい赤字を作らせておいて、それを持ち込まれてきたら、これは一つは公正ではないということでございますので、その点の配慮をした制度としてあるのでございまして、租税回避行為を未然に防止する一つの判断であると見ていただいたら結構かと思います。
 それから、連結によるところの付加税の見通しでございます。
 これは実は、私たちも非常にこれは慎重に実は考えておりまして、できるだけこの制度が、法律が成立させていただいた後実施をいたしてまいりますが、その結果は、できるだけ早く連結納税制度の適用の状況等を調査いたしたいと思っておりまして、それの結果としてこの付加税に対する考え方を確立したいと思っております。
 二年以内にということは、二年以上たたなければ駄目なのかということでございますが、私はそこには余りこだわっていないで、実情を調査して適用するものはしたいと思っておりまして、要するに、できました制度というものを有効に活用していただくことがやっぱり大事でございますので、その観点についての考え方をいたしたいと思っております。
 しかし、現在、法律案を出しておりますので、この法律は是非ひとつ早く成立させていただいて、その結果によってやるということでございますので、どうぞよろしくその点はお願いいたしたいと思っております。
 それから、連結納税を利用しない企業にとっては増税になるんではないかということでございます。
 このことは、結局、退職給与の問題になってくると思っておりますが、実は、退職給与引当金の問題は以前から、連結納税制度の問題になります前から、実は法人税の課税ベースの均衡拡大の整理ということと併せまして議論になっておったもので、たまたま連結納税制度のことと法人税法の一部改正と一緒になって出てきた。ですから、これは何も連結納税をするために増税を考えているという意味じゃございませんで、以前からの整理でするということでございます。
 でございますから、大企業を中心にしてこの退職給与の問題は考えておるのでございまして、中小企業には十年という長い経過措置を取って調整していただくということにいたした次第でございますので、これに対する配慮というものを是非御理解いただきたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(竹中平蔵君) 峰崎議員から五つの質問をいただいたかと思います。
 まず最初は、景気回復と財政再建との両立についてのお尋ねであります。
 今年一月にまとめました「改革と展望」の中では、この点に関連して特に二点書かせていただいております。
 まず第一は、民間需要、雇用の拡大に力点を置いた構造改革、この構造改革によって平成十四年、十五年の集中調整期間の後は民間需要主導の着実な成長を実現するということです。
 第二は、財政の点でありますが、配分の重点化、諸制度の改革、事務事業の効率化などにより歳出の質の改善と抑制を行いまして、財政構造改革を推進すると。その結果としまして、民間需要主導の着実な成長と財政構造改革の結果、国と地方を合わせたプライマリーバランスの赤字を二〇一〇年代初頭に黒字化すると、そういう展望を示したわけでございます。
 こうした展望につきましては、内閣府のマクロ計量モデルを用いた試算によりましてもこれは十分に可能であるということを裏付けておりまして、正に構造改革を通してこの経済の回復と財政の再建を両立させることが可能であるというふうに考えているわけであります。これが第一でございます。
 経済財政諮問会議での税制改革の議論における総理のリーダーシップの在り方についてのお尋ねがございました。
 御承知のように、この税制の改革については、総理を議長とする諮問会議において、日本経済を活性化させることを重視して、中長期の視点に立った安定的な税制を構築するという観点から議論をしております。
 議員御指摘がありましたが、実はこの時期に諮問会議等々で総理からは重複を恐れず自由に議論しろというふうな非常に強い御指示をいただいているわけで、こうした議論が可能になっているということ自体が正に総理の強いリーダーシップの成果であるというふうに私は思っております。
 加えまして、今後、六月にこの取りまとめに向かいますが、この取りまとめに当たって、改めて総理から取りまとめの方向についての指示が近々あるということになっておりまして、そうした点におきましても総理のリーダーシップを発揮していただくということになっております。
 財務大臣の税制改革についての政府原案に関するお尋ねがありました。
 これはもう、税制改革については、正に今取りまとめの段階に入りつつあるわけでありますが、言うまでもなく、財務大臣御自身もこの諮問会議の主要メンバーとして日々様々な御発言をいただいているところであります。取りまとめに当たっては、政府税制調査会や財務省を始め関係省庁と連携を図りながら取りまとめを行っていきたいというふうに思っているところでございます。
 公務員給与の引下げについてのお尋ねがありました。
 国家公務員の給与水準については、専門・中立機関である人事院の勧告を受けまして、政府として給与改定の取扱方針を決定することとしているところであります。
 私が申し上げましたのは、現在、税の抜本的な議論をしており、納税者から見て納得できるよう政府自身も徹底したスリム化をしてほしいという意味で、給与もその例外ではないという趣旨で申し上げたものであります。
 いずれにしましても、労働基本権制約の代償措置の根幹である人事院勧告制度を尊重しながら、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
 公平と公正の違い、中立と活力の違いについてのお尋ねがありました。
 公正、活力、簡素につきましては、公平、中立、簡素という租税の基本原則を変えるものではないというふうに承知をしています。
 諮問会議の民間有識者議員の提出資料において、時代の変化に応じて理解の仕方には、特にこの中立という言葉には幅があると、経済社会の活力を最大限発揮させることを重視するという観点を踏まえて、中立を活力と理解すべきであるというふうな思いが表現されたものというふうに承知をしております。これは、レーガンの税制改革等で、フェアネス、シンプリシティー、エコノミックグロースということを掲げたわけですが、このエコノミックグロースに相当するものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 また、公平については、自立と再挑戦を支えるセーフティーネットを構築した上で、機会の平等を重視して公正を追求すべきであるという認識を表現したものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 以上、五点でございます。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(福田康夫君) 峰崎議員にお答えします。
 公務員給与の引下げについてお尋ねがございました。
 国家公務員の給与水準については、専門・中立機関である人事院が勧告を行った後、これを受けて政府として給与関係閣僚会議を開催し、給与改定の取扱方針を決定することとしているところであります。
 国家公務員の給与の取扱いにつきましては、労働基本権制約の代償措置の根幹であります人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢の下、財政事情等国政全般との関連を考慮し、適切に対処してまいりたいと考えております。(拍手)
#11
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#12
○議長(倉田寛之君) 日程第一 教育公務員特例法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長橋本聖子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔橋本聖子君登壇、拍手〕
#13
○橋本聖子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、教員の資質能力の向上を図るため、国公立の小学校等の教諭等の任命権者は、教諭等に対して、その在職期間が十年に達した後相当の期間内に、個々の能力、適性等に応じた研修を実施しなければならないこととする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、十年経験者研修の法制化の理由、研修内容及び実施方法、教員評価との関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して林理事より反対の意見が述べられ、続いて採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対しまして附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成            百九十九  
  反対             二十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(倉田寛之君) 日程第二 証券決済制度等の改革による証券市場の整備のための関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長山下八洲夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔山下八洲夫君登壇、拍手〕
#18
○山下八洲夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、より安全で、効率性の高い証券決済制度等を構築していく必要性にかんがみ、社債、国債等について、券面を必要としない新たな振替制度の整備、より効率的な決済を可能とする清算機関制度の整備を行う等、所要の措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、証券決済システムの整備が証券市場に与える効果、株券等を含めた統一的な証券決済制度の整備の必要性、国債整理基金において金利スワップ取引を行うことの妥当性、国債市場の整備に向けた取組の概要等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了いたしましたところ、民主党・新緑風会を代表して峰崎直樹委員より、本法律案に対し、国債整理基金において金利スワップ取引を行うことができるとする改正規定の削除を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して大塚耕平委員及び日本共産党を代表して大門実紀史委員より、それぞれ原案に反対し、修正案に賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成            百三十七  
  反対             八十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(倉田寛之君) 日程第三 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長高野博師君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔高野博師君登壇、拍手〕
#23
○高野博師君 ただいま議題となりました公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約の締結その他のテロリズムに対する資金供与の防止のための措置の実施に関する国際的な要請にこたえるため、公衆等脅迫目的の犯罪行為に対して資金を提供する行為等についての処罰規定、これらの行為に係る国外犯の処罰規定その他所要の規定を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、テロリズムの定義、資金提供罪、資金収集罪の構成要件の内容、正当な募金活動への影響、組織的犯罪処罰法の改正内容等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、社会民主党・護憲連合の福島委員より本法律案に反対の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            二百十五  
  反対               五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(倉田寛之君) 日程第四 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長阿部正俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔阿部正俊君登壇、拍手〕
#28
○阿部正俊君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年における医薬品、医療機器等の多様化及び高度化の状況にかんがみ、その安全性を確保するため、まず薬事法について、医療機器に関する規制の見直し、生物由来製品に関する各種規定の整備及び医薬品等の承認・許可制度の総合的な見直しを行うこととし、また、HIV感染問題等を踏まえ、従来の採血及び供血あつせん業取締法を全面的に見直し、その名称を安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律とし、法の目的、基本理念及び関係者の責務の明確化を図るとともに、厚生労働大臣による基本方針、献血推進計画及び血液製剤の安定供給に関する計画の策定等、血液事業の適正な運営を確保するために必要な施策を講じようとするものでございます。
 委員会におきましては、血液製剤の国内自給体制確立の方策、生物由来製品に係る安全監視体制の在り方、生物由来製品による健康被害者への救済策、医薬品等の市販後安全対策等の諸問題について質疑を行うとともに、参考人からの意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局した後、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合を代表して、朝日理事より、薬事・食品衛生審議会の機能強化、血液製剤の国内自給確保のための国の責務の明確化、都道府県献血推進計画に係る条項の追加、一部の改正項目の施行期日及び新法の見直し時期の前倒し、さらに生物由来製品による健康被害等の救済の在り方に係る検討条項の追加等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、採決の結果、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対しまして附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#32
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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