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2002/07/03 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第36号
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2002/07/03 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第36号

#1
第154回国会 本会議 第36号
平成十四年七月三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十七号
  平成十四年七月三日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(第二十八回
  主要国首脳会議出席等に関する報告について
  )
 第二 民間事業者の能力の活用による特定施設
  の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を
  改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(第二十八回主要国首脳会議出席等に関する報告について)
 内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。小泉内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#4
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、六月二十五日から二十九日まで主要国首脳会議に出席するため、カナダのカナナスキスを訪問しました。今回のサミットは、国際社会が直面する喫緊の課題に関し、第一回ランブイエ・サミットの原点に立ち戻った環境の中で、G8首脳間で自由かつ大所高所に立った議論を行うことができ、実りの多いサミットでありました。また、二〇〇六年にロシアがG8議長国としてサミットを開催することについて合意に至ったことは、G8の将来にとって歴史的な決定であったと思います。
 今次サミットでは、開発問題を含む世界経済、テロ対策、アフリカ及び地域情勢の各議題に関し、我が国の考えや取組を積極的に述べ、次のような成果が得られたと考えます。
 まず、世界経済に関する議論については、私より、我が国の経済財政運営につき、改革なくして成長なしとの考え方に立ち、経済活性化戦略、税制改革等につき基本的な方針を出す等着実に構造改革を進めている旨説明いたしました。その上で、改革は今や後戻りできない、改革路線を歩み続ける旨表明しましたところ、各国首脳から温かい激励と高い評価を得ました。
 次に、テロ対策については、G8として、国際的なテロ根絶のため、今後とも、緊張感を持って取組を強化していくことを確認しました。この観点から、大量破壊兵器等の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップを打ち上げることを決定しましたが、これは国際社会全体にとっての重要課題であり、我が国も貢献を行うことを表明しました。
 開発問題については、我が国が、人づくりは国づくりとの考え方に基づき、教育と保健の分野における協力を重視する旨説明しました。ヨハネスブルグ・サミットについては、私より、同サミットを成功させるためには、環境保護と開発をともに達成させるための具体的行動が重要である旨指摘しました。その上で、同サミットの成功に向け、議長国である南アフリカのムベキ大統領を支援していくことを呼び掛けました。また、違法伐採問題への取組を含むG8森林報告書の実施が重要である旨述べました。京都議定書については、我が国が六月四日に締結した旨述べた上で、その速やかな発効を目指すべきであること、また、すべての国が参加する共通のルールの構築が重要であることを指摘しました。
 さらに、アフリカについては、アフリカの自助努力の発露であるアフリカ開発のための新パートナーシップに対しG8がこたえる形で、G8アフリカ行動計画を採択しました。また、アフリカ首脳及びアナン事務総長との会合において、私よりは、アフリカ問題の解決なくして世界の安定と繁栄なしとの考え方に基づいてのアフリカ開発会議等のこれまでの取組に触れたほか、市場アクセスの改善や、教育分野におけるODAの重点的支援等、先般発表した我が国の対アフリカ支援を説明し、歓迎されました。
 地域情勢については、主に中東情勢、アフガニスタン情勢及びインド・パキスタン情勢について活発な議論を行いました。
 中東情勢については、パレスチナ改革、治安問題への真剣な取組の必要性につき認識が共有されました。
 私からは、アフガニスタンや中東和平についても積極的に役割を果たしていく考えを述べるとともに、北朝鮮が安全保障上及び人道上の諸懸念に前向きな対応を行うよう働き掛けを継続していく必要があること、また、我が国として北朝鮮との間の国交正常化交渉を通じて拉致問題を含む諸問題の解決に努力する旨述べました。
 また、私は、今次サミットの機会を利用して、カナダ、米国、英国、ロシアとの間で二国間会談を行いました。特に、プーチン・ロ大統領との間では、本年十二月から明年一月の間のしかるべき時期に私が訪ロすることで合意しました。また、帰路の機中で、ドイツのシュレーダー首相と二国間会談を行いました。
 私は、今後とも、各国首脳との個人的関係、信頼関係も基礎としつつ、G8サミット等の国際場裏において、我が国として積極的な役割を果たし、世界の平和と繁栄に貢献していきたいと考えます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(倉田寛之君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。鶴保庸介君。
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
#6
○鶴保庸介君 私は、自由民主党と保守党を代表いたしまして、総理からただいま御報告がございましたカナナスキス・サミットへの御説明について質問をさせていただきたいと思います。
 国会が大幅延長をされた後、総理は息つく暇もなくサミットへ出席され、米国を始め主要国との首脳会談等、連日御活躍をいただき、大変御苦労さまでございました。
 また、八か国首脳の中でベストドレッサー賞にも選ばれたとのこと、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げたいと思います。
 総理は、テロ対策やアフリカ問題といった主要な議題のほか、中東情勢や北朝鮮等の地域情勢について、我が国の立場に関する説明を含め、積極的に議論されたと聞いております。
 こうした成果を踏まえ、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 二十八回目を迎えたサミットは、そもそも財務相会合を受けて首脳レベルで世界の経済などを自由に議論する場と受け止められてきましたが、今回は、大量破壊兵器の拡散防止や重債務貧困国の救済策といった政治色の濃いものになったと言われます。そんな中、いかに国際貢献をなしていくかが問われるサミットにおいて、今日の我が国の財政状況を背景になお存在感を示すためには、言葉にならない苦労をされたことと思います。
 それだけに、総理は今回のサミットをどのように位置付けられ、どのような決意を持って臨まれたか。また、その成果、合意についてどのように取り組まれるおつもりか、冒頭にお聞きしておきたいと思います。
 サミットでは、冒頭より総理の意見陳述の機会があり、総理の主張される改革路線が高い評価を受けたといいます。国際社会における日本経済のプレゼンスは疑う余地のないほどにまで高まっている今、我々は自信を持って構造改革を進めていかねばなりません。
 しかし、一方で、多数の失業者を生むなど、現実の経済はかなり痛みを伴うものになっている側面があります。加えて、サミット直前に閣議決定した経済財政運営の基本方針、いわゆる骨太方針第二弾では、来年度予算の編成で緊縮財政路線の強化を打ち出しもしました。こうした悩みに対して、総理はどう説明されたか。
 現況の世界経済に対してはおおむね楽観的な評価が多かったとはいえ、日本の景気浮揚はもはや一刻の猶予もならないものであるとの認識もまた一致したところであろうと推察いたします。
 サミット前日には米国市場同時株安があるなど、株安、ドル安がもたらす輸出頼みの景気回復の挫折、デフレや不良債権の拡大を回避するためにも、こうした構造改革の手順等についてはどのような説明があったか、お伺いをしたいと思います。
 今回のサミットで特筆すべきなのは、テロ事件以降、世界が一致してテロの元凶である貧困にメスを入れようとしたことであります。特にアフリカ諸国に対する支援については、幾つかの新機軸が打ち出されました。ただ、とはいえ、国民にはまだまだこうした支援に対して理解があるとは必ずしも言えないと思います。
 一人当たりのアフリカ援助額はナンバーワンなのに、なぜ、日本はアフリカ行動計画で蚊帳の外などと日本のマスコミに報道されなければいけないのか。これまでの支援の経緯からいっても、九〇年代に欧米の一種の援助疲れのようなものがあって、日本が次第に援助大国として国際協力をしてきた事情、欧米諸国に代わって国際貢献をしてきた事情を踏まえた議論はなされていないのか。日本は、サミットに先立って、今後五年間で約二千五百億円をアフリカでの基礎教育普及予算として重点配分する、教育分野ではこれまでと同水準を維持することで一致することなどを決定したといいます。また、アフリカなどの貧困国からの輸入品関税の撤廃を検討することも約束したとの報道もございました。
 なぜ、これだけの貢献、努力をされておられながら、議長国カナダのクレティエン首相に、もう少しアフリカに目を向けてほしいなどとくぎを刺されたというような事実というのはなぜなのか。これからの援助政策そのもののありようにもかかわってくる問題だと思います。総理の所感をお伺いいたします。
 また、併せて、これまでも総理はアフリカ支援の重要性を強調されてこられましたが、国際貢献のためというならば、アジアなど、将来のビジョンを、経済的つながりの深い地域での貢献を充実させることも一つの方法ではないのか。アフリカの援助にいかなる国家戦略をお持ちかをお伺いいたしたいと思います。
 加えて、アフリカODAには、被援助国の統治水準に応じてODAの拠出水準を決める選択的実施の概念を今回初めて導入したと聞きます。資金の出し手の意向を色濃く反映することになったということです。しかし、それでは今後、だれが、どのようなプロセスで、こうした被援助国の統治水準を判断するのか。我が国はそのスキームに従うと、これまでの援助政策がどのように変化していくのか。総理の所感をお述べください。
 冒頭に申し上げましたとおり、サミットは、経済的な相互協力、経済的な国際協力が主たる目的でこれまで進められてきました。このような中、成果を強調しようにも、我が国の現在の状態ではとても困難であることは論をまちません。
 しかし、総理は、サミット終了直後の日ロ首脳会談で、小泉首相の訪ロ日程で何とか合意するという大きな成果を上げられました。日本とロシアの両国間の関係は、昨年七月の日ロ首脳会談で二〇〇二年中に総理の訪問は合意をしていたものの、今年三月の北方四島をめぐる並行協議の決裂を受けて訪問のめどが立たない状態にあったからであります。
 我が国は、かねてから、北方領土問題を常に第一級の議題としてサミットに取り上げてきました。こうした経緯を踏まえて、ロシアがサミットに完全参加することが決まったことは、停滞している日本とロシアの平和条約締結交渉にどのような影響を与えるのか。また、日本は、核解体資金協力として当面二億ドル余りの拠出に応じた上、訪問を約束されたそうでありますけれども、今年三月の先ほども述べました並行協議の決裂後、プーチン大統領の二期目を目指す政治的打算からも、ロシアを訪問しても成果を危ぶむ声も多いと仄聞いたします。
 今回のサミットで初めてG8完全参加を果たしたロシアが国際社会で雪解けムードを演出すればするほど、日本の国際社会での主張に対しての追い風が後退すると指摘する向きもあります。
 こうした声に総理はどうお答えになるのか。どのような目標設定をし、それをどのような手順でいつごろまでに達成するかなど、総理の手腕に期待されるところが大きいと思いますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
 今回のサミットは、サミットの原点に帰ろうということで、随行員の数も減らし、カナナスキスというどちらかというと地味な場所を選んで開催されたとのことであります。お決まりの共同宣言の作成にばかりきゅうきゅうとしない、真の各国首脳間の信頼関係の醸成にきっと実のある会議であったと拝察いたします。
 しかし、信頼関係を大切にする余り流されることがあってはなりません。歴史の必然は偶然の集まりであると同時に、その偶然は目的を持った必然のなせる業であるとは、国家の興亡がなぜ起こるかについて鋭い考察を加えてきた十八世紀の歴史家ギボンの言葉でございます。
 真の国際貢献を将来にわたって我が国が続けていくためにも、我が国の繁栄を維持するための戦略をいかに持つかが問われています。何よりもそれが次世代への責任であることをもう一度再確認をして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 鶴保議員にお答えいたします。
 今回のサミットに対する私の決意及び今後の取組に関するお尋ねでございますが、私は、今次サミットに際し、テロ対策、開発問題を含む世界経済、アフリカ及び地域情勢といった主要議題に関し、我が国の考えや取組を説明し、サミットの成功に向け積極的に貢献する決意で臨みました。
 今次サミットにおいて得られた具体的成果や合意については、我が国としても、他のG8諸国と協力しつつ、その着実な実施に努めていきたいと考えます。
 サミットにおける我が国の構造改革の説明についてでございますが、サミットでは、私から、我が国の経済財政運営につき、改革なくして成長なしとの考え方に立ち、経済活性化戦略、税制改革等につき基本的な方針を出す等、着実な構造改革を進めている旨説明いたしました。その上で、改革は今や後戻りできない、改革路線を歩み続ける旨表明しましたところ、各国首脳から温かい激励と高い評価を得ました。
 我が国の対アフリカ援助政策に関するお尋ねですが、我が国は、アフリカ開発会議を主催し、九州・沖縄サミットでは初めてアフリカ諸国首脳を含む途上国とG8との対話を実現するなど、アフリカ開発に一貫して取り組んできており、こうした我が国の努力はアフリカ諸国からも高い評価を得ていると思います。
 カナダのクレティエン首相の発言は、我が国の厳しい財政状況を踏まえつつも、特にアフリカに配慮してほしいとの趣旨だと理解しております。我が国としては、今後とも、先般、私が発表した「日本のアフリカとの連帯」と題する具体的施策に基づき、対アフリカ支援に積極的に取り組んでまいります。
 アジアに対する貢献及びアフリカの援助に対する国家戦略に関するお尋ねですが、我が国は、深い歴史的、地理的なつながり、政治・経済的相互依存関係を有するアジア地域を我が国のODAの重点地域として引き続き積極的に支援を行っていきます。
 一方で、アフリカには、貧困、紛争、感染症等、二十一世紀の国際社会が直面する課題が多く集中しており、我が国としても国際社会の一員としてこれら重要課題に対し取り組んでいくことが重要であります。我が国としては、先般、私が発表した「日本のアフリカとの連帯」と題する具体的施策に基づき、人間中心の開発を重視しつつ、効果的かつ効率的な援助に取り組むつもりであります。
 援助の選択的実施に関するお尋ねでありますが、先般のサミットで合意されたG8アフリカ行動計画における選択的実施については、G8各国がそれぞれの基準に基づいて個別に決定することとなっています。
 我が国においては、ODA大綱の原則に基づき、途上国の民主化、市場経済化、基本的人権等に十分注意を払い、途上国側の自助努力及び援助吸収能力などを踏まえたよりめり張りのある効果的かつ効率的な援助を実施していく考えであります。
 北方領土問題とロシアにおけるG8サミットの開催についてお尋ねであります。
 我が国は、これまで北方領土問題について、ロシアとの間で四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという一貫した方針に基づき精力的に交渉を進めるとともに、サミットの場においても、適切な機会をとらえこの問題を取り上げてまいりました。
 今回、カナナスキスでのG8首脳会合において二〇〇六年のG8サミットをロシアで開催することが合意されましたが、我が国としては、こうした国際環境の新たな進展を踏まえつつ、北方領土問題の解決に向け引き続き全力を尽くしていく考えであります。
 G8グローバル・パートナーシップと私のロシア訪問についてお尋ねがございました。
 グローバル・パートナーシップは、安全保障、テロ対策を含む不拡散、環境保全の三点で大きな意義があると考えます。今後、協力事業の実施上の困難を除去できるよう、各国と密接に協議していく考えであります。
 また、今回の日ロ首脳会談において、私はプーチン大統領との間で、本年十二月から来年一月の間のしかるべき時期に私自身がロシアを訪問することで合意いたしました。私は、この訪ロが平和条約締結問題を含む幅広い分野での日ロ関係の更なる発展にはずみを与えるものとなるよう全力で取り組む考えであります。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(倉田寛之君) 藁科滿治君。
   〔藁科滿治君登壇、拍手〕
#9
○藁科滿治君 私は、民主党・新緑風会を代表して、小泉総理のカナナスキス・サミットの報告に対し、数点にわたり質問をいたします。
 まず、質問の前に、日韓共催のワールドカップが成功裏に閉会したこと、そして日韓の代表チームがともに予選リーグを勝ち抜き、大活躍したことをお互いに喜び合いたいと思います。また、今回のワールドカップで、日韓両国民が相互理解と信頼関係を高め合ったこと、また、市民レベルにおいても国際的な友好関係づくりをめぐる様々な取組が進められたことは、国際的に見てもサミットと並ぶくらいに大きな意義があったものではないかと私は思います。
 あわせて、黄海で発生した韓国と北朝鮮との砲撃戦に関し、日韓首脳会談において、中長期の視点に立ち、朝鮮半島の緊張が高まらないよう冷静に対応することで一致したことは適切な判断であったと思います。
 さて、私は、今回のサミットは幾つかの点で非常に注目される画期的なサミットではなかったかと考えております。
 まず第一に、世界的に経済が低迷し、先行きの不透明が漂っている中で、景気の回復や市場の安定について先進国の新たな挑戦が期待されたことです。これは、ちょうど第一次石油ショックの後、一九七五年、第一回のサミットが経済サミットとして開催されたときの背景的事情とよく似ております。
 第二は、昨年九月のニューヨークでの同時多発テロ後、初めてのサミットであり、テロの防止のための国際的協調行動が期待されたことであります。
 第三は、国際的に取り残され、貧困、紛争、疫病に悩むアフリカへの支援について、先進国側がどのような前向きの合意をすることができるかという点であります。
 そして第四は、ロシアをG8として完全に先進国の仲間入りをさせ、冷戦終結後の新たな国際的枠組みづくりを完成させるという点であります。
 こういった四つの点を中心に今回のサミットが注目されましたが、結果的にはある程度は所期の目的を達成できたものと私も考えます。
 しかし、一方で、不十分な点、不明瞭な点、また事実認識のずれなど、幾つかの問題が残されており、日本について言えば、小泉総理も現地で精一杯の努力をされたと思いますが、イニシアチブを発揮するという面では我が国の対応は率直に言って影が薄かったのではないかという気がいたします。この点に関して、総理の率直な感想を伺いたいと思います。
 具体的課題として、まず経済問題ですが、基本的に、今回のサミットにおいては各国首脳の世界経済に対する現状の分析と見通しは余りにも楽観的であり過ぎたように思います。開催日前日から日米同時株安の発生とドル安が進行し、この原因となったワールドコム社の不正経理問題が世界経済に大きな不安をもたらそうとしておりました。しかし、サミットでは、全くこの問題についての危機感は感じられず、その具体的対処法も出されませんでした。
 アメリカのニューズウイーク誌がサミット直後に実施した世論調査によりますと、最近の一番の心配事は何ですかと、こういう質問に対し、六〇%のアメリカ国民が経済と雇用情勢であると答えています。一方、新たなテロの発生と答えた人はわずか一六%、いかに今日のアメリカの国民が経済に対して大きな懸念を抱いているかが明らかであります。この世論調査を受けて、ブッシュ大統領は緊急にラジオ演説を行い、景気回復の阻害要因となっている企業の不祥事問題を取り上げ、モラルを犯した企業は絶対に許さないと強調されました。
 日本においても事情は同様であります。さきに出されました失業統計などを見ましても、国民の先行き不安は募るばかりの情勢であります。
 小泉総理は、サミットで我が国における構造改革の進展状況を大いに宣伝し、世界経済を導く改革にしたいと抱負を述べられたそうですが、日本経済の現状は決してそのようなレベルには到達しておりません。
 今回のサミットは、元々世界の安定的成長と市場の信頼回復に向け各国首脳のメッセージを発する経済サミットとして位置付けられました。しかし、このテーマでは十分な議論もされず、結局は手詰まり感が漂う中で楽観論だけが出てきたという感じがしてなりません。この現実との格差や国民意識との大きなずれを小泉総理はどのように認識されておられるのか、まず伺いたいと思います。
 次に、アフリカ支援問題について質問いたします。
 現在、この先進八か国が全世界の富の七割を、また核兵器の九九%を独占している状況であります。したがって、当然のこととして、八か国は国際平和の確立と開発途上国への支援にほとんどの責任を負っていると、こう言っても過言ではありません。
 今回のサミットでは、アフリカ支援が中心テーマとして取り上げられました。アフリカが独自に策定したアフリカ開発のための新パートナーシップ、いわゆるNEPADにこたえようとするものであります。アフリカ側が自らの責任体制を確立して、また相互の監視システムを作って、言わば捨て身の姿勢で開発支援を訴えてきたのであります。サミットでは、結果的にこれを受け、これにこたえることになったわけでありますが、具体的な援助の実施は各国に任されることになりました。
 我が国としては、ODA予算の削減という制約条件があります。その中で、政府としてこの国際的な約束をどのようなスケジュールで、またどのような規模で実施されようとするのか、小泉総理にその道筋を示していただきたいと思います。
 また、我が国政府は、特に教育分野の支援には例外的に重点配分する方針であると聞いていますが、私は、これまでのように学校を建設するといったハード面だけではなく、教員派遣、学校の運営の支援など、ソフト面での支援に大きく比重を移していくべきであると考えております。また、アフリカ支援に関しましては、長年の実績を持ったNPOの役割が今後ますます増してくるものと考えられますが、このNPOの積極的な活用という点についても、小泉総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 次に、中東和平問題について伺います。
 今回のサミットでは、イスラエル・パレスチナ紛争に関して、ブッシュ大統領がパレスチナ国家建設を含む新中東和平構想なるものを提起してまいりました。報復合戦となった泥沼の状況を脱却するためにはアメリカのイニシアチブが必要だという各国首脳の共通認識はあるものの、アラファト議長の退陣問題になりますと、各国の評価はばらばらでございます。
 しかし、小泉総理はいち早くパレスチナ指導部刷新に賛意を示されました。ヨーロッパ諸国の首脳が、それはパレスチナ人が自己責任で決めることとして慎重な態度であったのと全く対照的でありました。日ごろより、我が国の外交はアメリカ追従外交と言われますが、実際、サミットあるいは日米首脳会談でこのパレスチナ問題に関してどのような論議が交わされたのか。また、小泉総理は中東和平の確立に向けてどのような提言をされたのでしょうか。是非とも伺っておきたいと思います。
 今回のサミットでロシアの完全G8化が確認されました。この意義は大きいと思います。これにより、ロシアの国際的な地位が一段と強まり、今後、米ロ関係また欧州・ロシア関係もますます緊密化していくものと思われます。さらに、サミットを始め国際会議の場でロシアの発言権やイニシアチブがますます強まっていくでしょう。
 ここで大事なことは、このロシアのイニシアチブによって我が国の外交が出遅れてはならないということであります。ロシアとの関係については北方領土問題という長年の課題があり、また日本はロシアを支援している立場でもあります。さらに、ロシアの外交における鈴木宗男氏のかかわり合いの問題もここらできちっと清算する必要があります。
 したがって、私は、これを機に、今後、対等のパートナーとして新たな友好協力関係を築くという方針の下にロシアとの関係の見直しを図るべきであると考えますが、総理のお考えを改めて伺いたいと思います。
 また、今回、国際テロ防止の観点からロシア国内の大量破壊兵器の拡散防止のための新たな資金拠出が決められました。しかし、現在、日ロ間の間には核兵器廃棄協力委員会の事業が難航しているという事情もあります。今後、核の拡散防止に向けて一層日ロが協力して実効性のある施策を練っていく必要がありますが、この点についての政府の今後の展望をお伺いいたしたいと思います。
 以上、サミットの評価に関する幾つかの質問をさせていただきましたが、是非、小泉総理より具体的かつ明瞭な御答弁をいただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 藁科議員にお答えいたします。
 G8サミットにおける我が国の対応についてでございますが、私は、テロ対策、開発問題を含む世界経済、アフリカ及び地域情勢の各議題につき、我が国の考えや取組を説明しつつ、積極的に議論に参加いたしました。また、それぞれの議題につき他のG8首脳と自由かつ率直な意見交換を行い、十分互いの意思を確認し合うことができたと考えます。
 サミットにおける世界経済の議論についてのお尋ねでございます。
 今次サミットでは、世界経済の基礎的条件は基本的に健全であるが、同時に、最近の市場動向等には注意していくべきとの点でG8は一致しており、楽観論だけが出てきたとの御指摘は当たらないと考えております。
 いずれにせよ、回復の動きを確実にするためには、各国の適切な経済運営と構造改革が重要であります。我が国としては、今次サミットで表明したとおり、引き続き構造改革を進めていく考えであります。
 我が国の対アフリカ支援の方針に関するお尋ねでありますが、我が国としては、アフリカ開発のための新パートナーシップの適切な実施に貢献すべく、今回のサミットで発表されたG8アフリカ行動計画を踏まえ、先般、私が発表した「日本のアフリカとの連帯」と題する具体的な支援策に基づき、明年後半に開催する予定の第三回アフリカ開発会議に向け、人間中心の開発を重視しつつ、具体的行動を取ってまいります。その際、ODA大綱の諸原則やアフリカ側の自助努力及び援助吸収能力などを踏まえ、効果的かつ効率的な対アフリカ援助に取り組む考えであります。
 教育分野の支援策についてでございますが、先般発表した「成長のための基礎教育イニシアティヴ」では、教育の機会、質、管理、運営の向上を重点分野とし、学校関連施設の建設とともに、議員御指摘のあった教員の派遣や学校運営等のソフト面についても支援を強化していくこととしております。
 途上国における人づくりを重視している我が国として、今後、同イニシアティヴに沿って教育分野の支援を強化していく考えであります。
 アフリカ支援に関するNPOの役割に関するお尋ねでございますが、我が国は、従来より、NPO等市民社会との連携の重要性を認識しており、NPOを通じた途上国住民が直接利益を受けるきめの細かな支援の実施に努めております。今後も、第三回アフリカ開発会議に向けて、NPOとの連携協力を通じ、その知見、経験等を有効に生かしていく考えであります。
 中東和平についての御質問ですが、サミットでは、パレスチナ改革、治安問題への取組とともに、国家樹立に向けパレスチナ人が希望を持つことの必要性につきG8首脳間で認識が一致し、米国の役割が重要であり、今回の演説を評価するとの発言が多くの国からなされました。
 また、日米首脳会談では、アメリカ側より、イスラエル・パレスチナ二国家併存の構想を強調するとともに、パレスチナ改革やイスラエルの入植停止、アラブ諸国の協力等の必要性につき説明がありました。私からは、国際社会の協力、関与の必要性を述べ、我が国も積極的に役割を担っていく考えを表明いたしました。
 今後の日ロ関係についてお尋ねがありました。
 カナナスキスでのG8首脳会合において、ロシアがグローバルな諸問題への対処に当たって十分かつ意味のある役割を果たす潜在力を有しているとの認識で一致し、二〇〇六年にロシアにおいてG8サミットを開催することにつき合意に至りました。我が国としても、今後、ロシアが国際社会においてそのような役割を果たしていくことを期待しています。
 我が国としては、こうした認識を踏まえ、今後とも、ロシアとの間で平和条約締結問題、経済分野及び国際舞台での協力といった幅広い分野での関係進展を図っていく考えであります。
 日ロ間の核拡散防止のための協力に関しお尋ねがありました。
 日ロ間での非核化協力事業は、引き続き取り組んでいかなければならない重要な課題ですが、実施上の様々な困難に直面してきました。政府としては、今次サミットにおいて合意された事業の実施に関する指針に基づき、今後、協力事業の実施上の困難を除去できるよう、日ロ間で密接に協議していく考えであります。(拍手)
#11
○議長(倉田寛之君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
    ─────────────
#12
○議長(倉田寛之君) 池田幹幸君。
   〔池田幹幸君登壇、拍手〕
#13
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表し、カナナスキスにおけるサミット並びに日米首脳会談に関する報告について、総理に質問します。
 まず、中東問題について伺います。
 総理は、日米首脳会談で、ブッシュ大統領の中東和平演説については評価していると述べています。福田官房長官は、総理発言はブッシュ大統領のイニシアチブを評価するという意味だと説明していますが、問題は演説内容に対する態度であります。
 ブッシュ演説に対しては、アラファト議長の排除案だとして、サミット議長国カナダのほか、イギリス、フランス、ドイツなどから批判が相次ぎました。ところが、総理からは何の批判的発言もなされていません。
 そこで、お聞きします。
 ブッシュ大統領がパレスチナの指導部の交代を求めたり国家樹立の条件としたことは、パレスチナ内部の問題に対する明確な干渉でありますが、総理はこれを当然のこととして評価したのですか。なぜ総理は、フランスやドイツの首脳が述べたように、パレスチナの首長を選ぶことができるのはパレスチナ人だけだと言えないのですか。
 また、ブッシュ大統領は、イスラエルのパレスチナ自治区に対する武力攻撃を自衛だと述べて擁護していますが、総理はこれも評価したのですか。イスラエルは、テロを理由にパレスチナに対する武力行使と占領を繰り返しています。これは直ちにやめさせるべきではありませんか。なぜそうした外交努力を優先させないのですか。
 中東問題の根本的解決方向は、パレスチナ国家を創設し、イスラエル国家との平和共存を実現することにあります。日本共産党は早くからこのことを主張してきました。日本政府も、パレスチナ暫定国家の樹立を認めるというのであれば、パレスチナ人民の主権にかかわる条件を付けるのではなく、二つの国家を認めるべきです。この点に関し日米首脳会談では何が話されたのか、今後日本としてどのような行動を取るのか、明らかにされたい。
 以上三点について明確な答弁を求めます。
 次に、ブッシュ大統領が打ち出している先制攻撃戦略についてであります。
 サミット首脳声明は、多国間条約の採択や国際的団結の強化など、テロ防止のための六原則を打ち出しました。しかし、ブッシュ大統領のテロ対策は、大統領が最近の演説で述べているように、攻撃は最大の防御、あるいは、我々は敵と戦い、その計画を阻止し、最悪の脅威が現実になる前に対決すべきという明らかな先制攻撃戦略を基本としたものであります。
 総理はブッシュ大統領のテロ以降のリーダーシップに敬意を表したということですが、それは、ブッシュ大統領のテロ対策が先制攻撃戦略を基礎にしていることを承知した上で敬意を表したものですか。言うまでもなく、先制攻撃は国連憲章第五十一条にも違反する行動であり、絶対に支持するべきではありません。総理の発言がブッシュ大統領に先制攻撃戦略の支持を表明したと受け取られたとしたら、重大であります。敬意表明の真意を明らかにすることを求めます。
 また、この先制攻撃戦略をイラク攻撃に適用することについては反対するのかどうか、併せて答弁を求めます。
 さらに、総理は、テロとの闘いは長い闘いになる、日米関係をより強固なものにしていきたいと述べていますが、イギリスが順次アフガンから撤退するという状況になったにもかかわらず、依然として自衛隊の軍事支援を続けていますが、一体いつまで続けるのですか。
 国防総省のインターネット・ニュースは、海上自衛隊の補給艦「ときわ」が米軍補給艦「シアトル」に補給した燃料が他の同盟諸国の軍艦に供与されることを伝えています。これは事実ですか。事実であるならば、第三国に移転しないというテロ特措法実施に関する日米交換公文に反するのではありませんか。
 また、作戦中の米艦船への補給は米軍派遣軍からの指揮がなくては不可能であります。米軍の戦術的指揮下での補給活動がどうして憲法の枠内の行動と言えるのか、到底そのような強弁は許されないと思いますが、明確な答弁を求めます。
 次に、経済問題についてであります。
 サミットの直前から、アメリカではエンロン、ワールドコムなど、大企業のルール破りが発覚し、グローバルスタンダードと言われた企業会計制度への不信感が増大し、株価とドルが急激に下落しました。
 各国首脳がこれにどう対応するか関心を集めていましたが、サミットの議長サマリーは、我々は我々の経済及びグローバルな成長への見通しに対する自信を表明したと信じ難いほど楽観的な見解を表明したのみで、株安ドル安には一言も触れていません。
 小泉総理、あなたはこの問題でどういう態度を取られたのでしょうか。アメリカ発の株価とドルの急落が世界経済に重大な影響を及ぼすこと、とりわけ日本経済が重大な打撃を受けることを考えるならば、当然、アメリカはもちろん各国に対し、協力して急激なドル安防止策を取るよう提起すべきでありますが、総理は何も意見を言わなかったのではありませんか。二十八日に行われた円高阻止の介入が日本単独でやらざるを得なかったこと、欧米の協力はせいぜい委託介入の形でしか得られなかったことは、それを証明するものではありませんか。
 日米首脳会談では、小泉首相が、五月には底入れ宣言をした、構造改革は着々と進んでいる、昨年来不良債権処理も進みつつある、規制改革も進めると述べたのに対し、ブッシュ大統領は、すばらしい、改革が進んでいることを祝福したいと応じたと伝えられております。
 しかし、実態はどうでしょうか。まず、小泉構造改革のフロントランナーとされている不良債権の処理であります。あなたの不良債権の早期最終処理方針によって、企業倒産と失業者が増大し、三月末の大手十三行の不良債権は、昨年三月末と比べて八兆七千五百十六億円増えて、過去最高の二十六兆七千八百十四億円に達しました。減るどころか逆に増え続けているではありませんか。これをどう説明するのですか。
 景気は底入れしたと言いますが、家計消費は回復せず、企業の設備投資も伸びず、リストラ、下請中小企業いじめの横行で失業者が増え、五月の失業率は五・四%に上昇しています。輸出依存、対米輸出頼みのもろさは、この間のアメリカの株価とドル急落で明らかであります。景気対策は、内需の拡大、それもGDPの六割を占める個人消費の拡大を柱に据えるべきであります。ところが、政府の対策はこれを否定するものであります。
 政府、与党合意による第二次デフレ対応策の柱は、またもや不良債権の早期最終処理促進です。総理、中小企業倒産と失業者の増大をもたらし、不況を促進する過ちを繰り返そうというのですか。本当に不良債権の残高が減少するようにしようというのであれば、急がば回れ、中小企業への貸し渋り、貸しはがしを助長する早期最終処理方針をやめ、中小企業金融・地域金融対策を強化し、個人消費の拡大に直結する地域経済の活性化を図る方向に政策転換すべきではありませんか。
 また、衆議院で強行採決された健康保険法改悪案は、一兆五千億円もの国民負担増をもたらすもので、景気の足を引っ張ることは明らかではありませんか。このような社会保障不安を増大させる政策は撤回すべきであります。
 さらに、骨太方針第二弾や政府税制調査会答申に盛り込まれた庶民増税計画は重大です。課税最低限の引下げ、すなわち低所得層への増税、消費税の増税、外形標準課税の導入など、国民・中小企業いじめの大増税路線は、国民の将来不安を増大させ、消費をますます冷え込ませるでしょう。
 国民の負担と不安を増大させる小泉構造改革の下では、もはや国民生活の立て直しも日本経済の再建も期待できません。小泉内閣支持率の急激な下落がそれを示しています。
 小泉構造改革路線は直ちに取りやめ、個人消費拡大を柱とする国民生活重視の経済政策に転換するよう強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#14
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 池田議員にお答えいたします。
 ブッシュ大統領の演説についてのお尋ねですが、我が国は、他の多くの国々とともに、米国が和平に向けた積極的関与と構想を示したことを評価しています。パレスチナ暫定自治政府長官選挙、国政選挙、地方選挙の実施についてはアラファト議長自身がこれを表明しており、我が国としては、こうしたパレスチナ人自身が起こしている改革の動きを支持、支援していく考えであります。
 イスラエルの軍事行動についてでございますが、我が国は、イスラエルがパレスチナ自治区に対して行っている軍事侵攻、占拠等は、テロの停止、ひいてはイスラエルの安全の達成には資さないと考えています。私からの親書発出、外務大臣の現地訪問の機会等を通じて、イスラエルに対し自治区からの即時撤退と武力行使の停止を求めてきており、今後ともこうした努力を続けてまいります。
 中東和平の解決策についてでございますが、日米首脳会談では、ブッシュ大統領から、イスラエルとパレスチナという二つの国家が併存するのが和平を実現する唯一の方法であると説明がありました。我が国としても、交渉を通じた和平とパレスチナ国家樹立の実現を目指して、米国を始め国際社会と協力、連携しつつ、自ら積極的に役割を担っていく考えであります。
 ブッシュ大統領のリーダーシップについてお尋ねがありました。
 先般の日米首脳会談において、私は、中東、インド、パキスタン、そしてアフガニスタンといった国際情勢におけるブッシュ大統領のリーダーシップに敬意を表しました。
 ブッシュ大統領は、六月一日に行った演説において先制行動に関する発言をいたしましたが、これは、米国及びそこの国民の安全保障の確保の決意を示し、また、国民の決意を促すものであり、現時点で具体的な軍事行動を取ることを宣言したものではないと考えております。
 米国が仮に将来新たな軍事行動を取る場合には、米国の国際法上の権利及び義務に合致して行うことは当然であると理解しております。
 テロ対策特措法に基づく協力支援活動の終了時期についてでございますが、テロ対策特措法に言うテロ攻撃の脅威は依然として除去されておらず、また、国際テロ根絶の取組は今後も継続する見込みであります。協力支援活動の終了時期については、諸般の情勢を総合的に勘案し、我が国として主体的に判断いたしますが、現時点でこれを予断することは困難であります。
 海上自衛隊による米軍への燃料補給についてでございますが、御指摘の記述が米海軍ホームページにあったことは承知していますが、米軍が日米両政府間の交換公文を遵守して活動していることは、外交ルートを通じ米側との間で確認しており、補給された燃料が我が国の同意を得ず第三国へ供与されるとの御指摘は当たりません。米側は当該ホームページの記述を既に訂正したと承知しております。
 また、補給活動を行う海上自衛隊の艦艇は、米軍との間で緊密に相互調整を行う必要があることは当然でありますが、あくまでも防衛庁長官の命令の下で活動しており、米軍の指揮下に置かれているとの事実はありません。
 今次サミットにおける世界経済に関する議論についてでございますが、今次サミットでは、世界経済の基礎的条件は基本的に健全であるが、同時に、最近の市場動向等に注意していくべきとの点でG8間で意見の一致が見られました。
 いずれにせよ、回復の動きを確実にするためには、各国の適切な経済運営と構造改革が重要ですが、我が国としては、今次サミットで表明したとおり、引き続き構造改革を進めていく考えであります。
 ドル安防止策についてでございますが、最近の為替市場における急激な変動については、主要通貨当局とも緊密に連絡を取りつつ最近も数次にわたり介入を行ってきております。今後も市場の動向を注視し、必要に応じて他の主要通貨当局と連絡を取りつつ適切な処置を取る考えであります。
 不良債権の増加についてでございますが、主要行の十三年度末の不良債権の残高は二十六・八兆円と、前年度末と比べ八・八兆円の増加となっておりますが、これは、積極的な最終処理が進められた一方、厳しい経済状況の下で、要管理債権の判定基準の厳格化、特別検査の実施による市場の評価を適時に反映した資産査定が行われたことなどによるものであります。
 政府としては、破綻懸念先以下の債権について、原則一年以内に五割、二年以内に八割目途という具体的処理目標を設定し、最終処理を一層加速することとしており、その着実な実施により、集中調整期間終了後の平成十六年度には不良債権問題を正常化するよう、全力を尽くしてまいります。
 不良債権処理に固執することにより、不況が更に深刻化するのではないかとの御指摘であります。
 我が国の景気は底入れしておりますが、失業率が高水準で推移するなど、雇用情勢が依然として厳しい状況にあります。先行きについては雇用・所得環境の面で懸念があり、引き続きデフレの克服に向け努力していく必要があると考えております。
 政府としては、不良債権処理のみならず、経済活性化戦略、税制改革、歳出改革を三位一体で行うことなどを内容とする「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」を先般取りまとめたところであります。今後、デフレを克服しながら、我が国経済を民間需要主導の本格的な回復軌道に乗せることができるよう、その基本方針の早期具体化に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 健康保険法改正案は撤回すべきではないかというお尋ねであります。
 今日の医療保険財政の厳しい状況の中で国民皆保険を守っていくためには、患者、加入者、医療機関といった関係者にひとしく痛みを分かち合っていただくことは避けられず、診療報酬の引下げと併せて、高齢者やサラリーマンの方々についても、低所得の方にはきめ細かな配慮を行いつつ、患者負担や保険料といった形で相応の御負担をお願いすることが必要であります。
 今般の改革は、一時的に痛みを伴うものであることは確かでありますが、今後の国民負担の増大を抑制しつつ、皆保険制度を揺るぎないものとしていくためには避けて通れない選択肢であると考えております。
 税制改革についてのお尋ねでありますが、税制改革においては、経済社会の活力を最重視し、すべての人が参画し、負担し合う公正な社会を目指し、包括的かつ抜本的な改革を行うこととしております。
 このような税制改革を経済活性化戦略や中期的な歳出改革の加速と併せて三位一体で推進することなどにより、中期的に民間需要主導の着実な経済成長を実現してまいります。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(倉田寛之君) 渡辺秀央君。
   〔渡辺秀央君登壇、拍手〕
#16
○渡辺秀央君 国会改革連絡会の皆さんの御同意を得て発言させていただきます、自由党渡辺秀央であります。
 許された時間内に、さきに開催されたカナナスキス・サミットに出席された小泉総理に数点の質問を申し上げます。
 まず、小泉総理、御苦労さまでございました。一九七五年十一月十七日、ジスカールデスタン・フランス大統領の提唱でランブイエで開催されて以来二十八回目の開催でありましたが、今回は、昨年九月十一日、アメリカにおける同時多発テロ後、初めての先進七か国の最高責任者が一堂に集まり意見を交わし合う機会で、極めて重要な討議の場であり、各国首脳はそれなりに十分な準備と各種の情勢の分析を明確に行って出席したものと思われます。
 グローバリゼーションの言葉が使われて久しく、世界に対して、人類に対して、同時に歴史に対しての責任を担った各国指導者が真剣に議論し合ったことは敬意を表するものであります。
 しかし、私たちは、お互い国民を代表する立場から、大事な政治要件は見逃してはならないことは言うまでもないことであり、先ほど来、各党御質問と若干の重複をいたしますが、お許しをいただいて質問をさせていただきたいと思います。
 残念ながら、今回サミットの小泉総理の評価は必ずしも私から見た場合に良い点数を上げられないことを最初に申し上げておかざるを得ません。
 第一は、経済情勢問題についてであります。
 サミットでは、世界経済の回復基調は続いている、ただ、短期的には世界的な株安やテロ不安など不確実性があるという認識で一致した見方が示されました。
 しかし、世界経済の現状はそんなものなのでしょうか。アメリカのさきに破産したエンロン社の二倍の総資産と言われるワールドコムの粉飾決算が発覚したことも加わって、アメリカの株安とドル下落による経済の現状と、我が国の経済は回復兆しの見えてきたどころか逆の現象が見られる国内経済の実態を小泉総理はどう認識してサミットに出席したのか。
 ただオウム返しの改革なくして成長なしの路線を評価されたなどとはほど遠く、本当は厳しい評価で、各国はむしろ小泉政権が一年たった今後は、このままでは理解せず、より厳しく日本経済の方向を見守るというのが本音だったと聞いております。
 主要国の首脳が年一回会うのに、厳しい評価を避け合い、仲よし写真撮影とパフォーマンスのイベントであってはならないと思いますが、いかがですか。
 経済問題こそがサミットの生命線であるのに、各国の思惑や利害対立を慎重に十分議論して、むしろ検討内容をオープンにすることこそが自由経済市場の活力をよみがえらせることに連動することになるのではないでしょうか。
 今回こそ経済問題が激しく意見を闘わし合い、問題点を各国が認識し、それぞれその責任を果たす政策を発表し合うことが明るい将来の展望が開けるはずであったのに、逆に無難に終わったように見えることが今後に不気味な影を落としていると感ずるのは私だけでしょうか。総理の御見解を求めます。
 第二に、政治関係において質問をいたします。
 中でもテロ対策を今回サミットの重要課題ととらえ、国際的なテロリズムの根絶のため、団結して取組を強化していくことを確認したことは至極当然のことであります。
 しかし、このテロ対策の柱として、ロシアの大量破壊兵器で拡散のため、G8はグローバル・パートナーシップという新たな支援枠組みを作ることで一致し、我が国は取りあえず二億ドル余りを拠出し貢献すると表明しましたが、日本はこれまで既に十年近く約百五十億円の拠出を決めてあったのであって、ここでは二重の負担を強いられ、アメリカ外交に追従するだけの姿をまたもや内外に示し、しかもその間に度々問題視された懸念材料は解消されたのかどうか、今後有効に拠出金は使われていく保障はあるのか、その懸念材料について総理の御見解をお聞きいたしたいと思います。
 とりわけ、ロシアはG8の完全メンバーになることが決まったが、日本はこれまで歴代内閣は、ロシアとの領土問題は日ロ二国間協議の場と、ほかには最もこのサミットの場を重視して我が国の立場を各国首脳に真剣に働き掛けて、各国も理解を示してきた経過であるけれども、ロシアの完全参加となった雰囲気の中で、今後、北方領土問題をサミットで取り上げることができなくなるのではないか、懸念せざるを得ないのであります。
 総理は、今年十二月又は来年一月にはロシアへ訪問するとのことを申しておられますが、その際、両国は領土問題を抱えながらもそれを乗り越えて関係を発展させると総理はコメントされておられます。具体策のない言葉の遊びで実際は総理特有の問題先送りで、今までと何も変わらない姿勢であることを見逃すことはできないのであります。
 全く何の懸念もないままに、アメリカが言うから、また、他の国が同意ならばの考えで、日本にとって重大なこの問題の短絡的決定は、我が国が問題点を指摘し発言しないままで、事前にもアメリカより十分な意見を求められないまま決定されてしまったことでは、国益にとって全くマイナスであると考えられるが、いかがでしょうか、御意見をお聞きしたいと思います。
 第三に質問をいたしたいのは、ブッシュ・アメリカ大統領のテロ問題解決の糸口としてサミット直前に発表したパレスチナ国家樹立の必要性であることに、和平構想は、一方では中東問題解決案の遅きに失した感であり、また、一方ではアメリカ国内の共和党支持基盤の強いイスラエル勢力に対してのブッシュ政権の国内への気配りを示したものであることを他のサミット参加国首脳は見抜き、アラファト議長追放問題については、パレスチナ人自身が指導者を選択すべきだと慎重な意見が相次いだとのことは当然と言わなければならない。
 そのとき、小泉総理、あなたは一人だんまりを決め込み、アメリカに都合の悪いことは日本は言わないという主義、アメリカには何も言えないのだとこれまでも各国から言われてきたが、その姿勢こそがアジアで日本の期待と信用を失い掛けている原因なのだということをお気付き反省すべきであります。いかがお考えですか。
 第四に、ロシアのサミット完全参加することは世界の経済の安定と平和の期待に欠くことのできないことは政治家ならだれもが分かることでありますが、このままではサミット参加国の世界地域面でのバランスが伴わなくなると思います。ましてや、今や世界の大国としての存在感から、当然アジアのもう一方の代表として中国の存在をあなたはどう位置付けており、この問題との整合性を図り、近い将来中国参加を仲介する問題提起をなぜしなかったのか。アジアの代表としての当然の責任ある行動であるべきだったのではなかったのか。失いつつある信用を日本はアジアの代表であるとの立場で回復することが極めて大事な局面に来たのではないでしょうか。今後、中国参加に対して提案の意思ありや否や、お伺いをいたしたいのであります。
 第五に、これまでのサミットにおいて、北朝鮮問題について人道問題という表現で間接的に触れてきた表現を、初めて拉致問題と明記して各国の理解を求めたと伝えられているが、その際、総理は、日本と北朝鮮の間には日本人の拉致問題がある、国交正常化交渉の中で様々な問題解決を図るために努力しているが、北朝鮮が孤立しないようにするため国際社会の関与が重要だと発言されたと伝えられております。
 拉致問題の解決と北朝鮮が孤立化しないことがどう結び付くのか、すなわち、それは拉致問題が解決しなければ孤立化するぞという国際社会の関与を促すものと理解してよいのか、お尋ねをいたします。
 最後にお尋ねいたしたいことがあります。
 サミットの帰途、政府専用機でドイツのシュレッダー首相を同乗を促し、一緒にワールドカップ決勝戦を観戦したことは、一面ほほ笑ましい光景に映るけれども、一国の最高責任者が他の国の最高責任者を同じ機内に長時間席を同じくするということは、正にテロ問題を語り合ったばかりの会議を終えての接し方にしては問題なしとは言い難いと思います。何かの緊急事態が起きたとき、また、さらに相手の国内で非常事態が起きたとき、しかも相手の国は集団安全保障条約を結んでいるNATOの加盟国、我が国は集団的自衛権を認めていない国であり、友好国とはいえども性質がほとんど異なる国だけに、誠に背筋が寒くなる思いであります。
 総理、あなたは一瞬危機管理をどう頭をよぎったか。結果何もなかったからよかったではないかでは、日本人一億二千五百万の生命と財産をすべて託するだけの見識の持ち主だとはとても思えない不用心な人だと言わなければなりません。
 過日、新官邸の落成披露にお招きいただき、その際案内された危機管理室の整備の充実化は見事なものであり、安心感を抱きましたが、どんな立派な設備を備えても、それを使う人、また判断する人、どういう能力を持ち、決断と実行の責任の取れる人であるかが危機管理の第一の要諦であるはずです。
 すなわち、ふだんの心構えが一番大事な問題であり、リーダーは常に緊張感を抱かなければならないものだと思いますが、御意見を承って質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#17
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 渡辺議員にお答えいたします。
 サミットにおける経済問題に関する議論についてでございますが、私より、改革路線を堅持しつつ、構造改革を進めていくとの考えを示すなど、経済問題に関しG8首脳の間で自由かつ率直な意見交換を行い、その結果として、世界経済の基礎的条件は基本的に健全であるとの合意に達しました。議長総括はこうした考えを反映したものであります。
 大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップに関してのお尋ねであります。
 本構想は、安全保障、テロ対策を含む不拡散、環境保全の三点で大きな意義があると考えております。
 政府としては、今次サミットにおいて合意された事業の実施に関する指針に基づき、今後、協力事業の実施上の困難を除去できるよう、各国と密接に協議していく考えであります。
 ロシアにおけるG8サミット開催についてお尋ねがありました。
 カナナスキスでのG8首脳会談において、ロシアがグローバルな諸問題への対処に当たって十分かつ意味のある役割を果たす潜在力を有しているとの認識で一致し、二〇〇六年にロシアにおいてG8サミットを開催することにつき合意に至りました。
 政府としては、ロシアが今後、国際社会においてそのような役割を果たしていくことは、国際社会の平和と繁栄に大きく資するものとして、我が国の国益にもかなうものと判断いたしました。また、こうした考え方は、もとより我が国の北方領土問題に対する立場に何ら影響を与えるものではありません。
 中東問題に対する見解についてでございますが、私は、米国が和平に向けた積極的関与と構想を示したことを評価しており、こうした評価はさきのサミットでも多くの国により共有されました。我が国は、中東和平の達成に向け、米国始め国際社会と協力、連携しつつ、自ら積極的に役割を担っていく考えであります。
 G8サミットへの中国の参加問題についてでございますが、先月二十七日に中国外務省が明らかにしているとおり、中国側に参加の意思はないと承知しております。我が国としても、中国側にG8への参加につき打診を行っておりません。しかしながら、G8としては、中国を含めた非G8諸国との対話の重要性については認識しており、今後ともこのような対話に十分意を用いていきたいと考えます。
 サミットにおける北朝鮮問題に関する発言についてでございますが、私は、地域情勢における議論の中で、北朝鮮が安全保障上及び人道上の諸懸念に前向きな対応を行うよう働き掛けを継続していく必要があること、また、我が国として、北朝鮮との間の国交正常化交渉を通じて拉致問題を含む諸問題の解決に努力する旨述べました。これは、北朝鮮が孤立化せず、国際社会への関与を深めるよう対話を通じた働き掛けを行っていくことが拉致問題を始めとする人道上の問題や安全保障上の諸問題の解決に資するものであると考えたから行ったものであります。
 ドイツの首相との政府専用機への同乗についてのお尋ねでございますが、今回のシュレーダー首相の日本の政府専用機への同乗については、先方より同乗したい旨の要請があり、我が方において検討した結果、法令上も物理的にも同乗させることが可能であるとの結論に達したものであります。
 今回の措置によって、日独二国間の外交上の信頼関係が一層緊密になることが期待されるほか、我が国の安全管理や危機管理に対する外国からの全幅の信頼が確認されたことにもなります。
 我が国の危機管理上、問題があったとの御指摘は全く当たらないと考えておりますし、乗せてくれないかという要請に対し、お断りするより快く受けた方が適切であったと思っております。(拍手)
#18
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#19
○議長(倉田寛之君) 日程第二 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案
 日程第三 首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長北澤俊美君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔北澤俊美君登壇、拍手〕
#20
○北澤俊美君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案は、港湾施設である廃棄物埋立護岸の適正かつ良好な形成を図るため、廃棄物等を高度に減量する機能を有する施設を港湾の利用の高度化を図るために設置される特定施設に追加しようとするものであります。
 次に、首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案は、近年の首都圏の既成市街地及び近畿圏の既成都市区域の産業及び人口の集中に関する社会経済情勢の変化等にかんがみ、首都圏の既成市街地における工業等の制限及び近畿圏の既成都市区域における工場等の制限を廃止しようとするものであります。
 委員会におきましては、二法律案を一括して議題とし、二法律案提出の趣旨とその背景、港湾における廃棄物処理施設の役割、廃棄物減量化施設の採算性と今後の展望、循環型社会の形成へ向けての課題、工場、大学等の制限制度の廃止と一極集中是正政策との関係、首都圏整備法等の政策体系の見直し、その他について質疑が行われましたが、その中で、特に、工業等の制限を廃止した場合に、首都圏等の周辺地域に与える影響についての懸念が表明されました。これらの詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して富樫委員より、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案は多数をもって、首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案は全会一致をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 まず、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            百九十五  
  反対             二十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#24
○議長(倉田寛之君) 次に、首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            二百二十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#27
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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