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2002/07/31 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第43号
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2002/07/31 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 本会議 第43号

#1
第154回国会 本会議 第43号
平成十四年七月三十一日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四十四号
    ─────────────
  平成十四年七月三十一日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 議長不信任決議案(簗瀬進君外十名発議
  )(委員会審査省略要求事件)
 第二 内閣総理大臣小泉純一郎君問責決議案(
  角田義一君外九名発議)(委員会審査省略要
  求事件)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一及び第二
 一、ホームレスの自立の支援等に関する特別措
  置法案(衆議院提出)
 一、食品衛生法の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
 一、法務局、更生保護官署、入国管理官署及び
  少年院施設の増員に関する請願外六百二十九
  件の請願
 一、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中
  も継続するの件
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙

     ─────・─────
#3
○副議長(本岡昭次君) これより会議を開きます。
 日程第一 議長不信任決議案(簗瀬進君外十名発議)(委員会審査省略要求事件)
 本決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。簗瀬進君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔簗瀬進君登壇、拍手〕
#5
○簗瀬進君 議長不信任決議案提案趣旨説明をいたします。
 私は、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合の三会派及び西岡武夫君外一名提案の、ただいま議題となりました議長不信任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。
 まず、決議案の案文を朗読させていただきます。
    議長不信任決議案
  本院は、議長倉田寛之君を信任しない。
   右決議する。
 七月二十六日午後三時五分、倉田議長は本会議開会のベルを押しました。そして、全野党が欠席する異常な光景を物ともせず、ギャベルを打ち鳴らして、本会議を主宰したのであります。
 まず議長に申し上げたい。あなたが押した本会議開会のベルは、参議院の自殺行為のスタートボタンにほかならなかったのであります。
 議長、むしろあなたが押すべきだったのは、委員会に差し戻すという民主主義のリセットボタンでなければならなかった。
 議長の行為は、正に民主主義の破壊に自ら手を染めたことにほかなりません。
 私たちは、このような議長を院の代表者と認めるわけにはいきません。良識の府参議院をよみがえらせるためにも、議長、あなたは即刻退任すべきであります。
 倉田議長、あなたは、四月二十二日、参議院本会議において選任されました。井上前議長の秘書給与問題による議長辞任、そして議員辞職を受けて、議長として新たに選出されたのがあなたであります。
 井上前議長は、正に良識の府参議院の名誉と信頼を著しく傷付けた。とするなら、その後任のあなたに課された重大な使命は、失われた参議院の名誉を回復し、参議院の存在意義を高め、参議院に対する国民の信頼を回復することにほかならなかったはずであります。言葉を換えれば、倉田議長は、参議院の復権という大きな十字架を背負った議長だったはずであります。井上前議長によって地に落ちた参議院の名誉を回復する救世主でなければならなかった。しかし、あなたのやったことは、救世主どころか三途の川の渡し船の船頭さんでしかなかった。参議院は名誉回復どころかその存在感はあなたの決断によって更に希薄にされてしまったのであります。
 議長、国会法を読んでいただきたい。
 国会法の十九条は、議事整理の最終権限が議長にあることを明記しています。その上で議長は、「議院を代表する。」と定めております。
 議長、正にあなたは参議院の代表者であり、参議院は与党と野党によって構成されているということをお忘れになっては困る。議会が生きるも死ぬるも、議長、あなた次第。あなたは院の顔であり、院のシンボルでなければならない。
 昨年、議運の視察でオーストラリアとニュージーランドの議会を訪問し、党首討論の状況を見てきたとき、実に驚いたことがあります。それは院における議長の強烈なリーダーシップでありました。議場がどんなに混乱しても、議長がオーダーと一言発するや、一瞬にして議場は粛然とする。なぜそうなのか、ここが肝心です。なぜそうなのかと問い掛けると答えは実に簡明でありました。与野党のそれぞれの言い分を最も真剣に聞いているのが議長だから、我々は議長を尊敬をしている、これがその明快な答えであります。
 議長、あなたは就任に当たって党籍を離脱したはずであります。それは、一党一派に偏することのない中立公正な議会を運営することを身をもって示すだったはずではありませんか。そして、そのようにして初めて、院全体の、国会法十九条が定める代表者になれるからだったはずであります。しかし、議長の取った行動は院の代表者の行動ではない。院の代表者というよりも、与党の代弁者でしかなかったのであります。
 議長は、委員会の強行採決後、阿部委員長から報告を聞いたそうであります。その際、議長御自身から、委員会では瑕疵はなかったのかと質問されたそうであります。この議長の質問自体、瑕疵の存在を議長が認識していたことの先行自白ではないでしょうか。そして、瑕疵を認識しながら、あえて瑕疵はなかったかと質問する、それは議長自身の保身の老獪さを示す以外の何物でもありません。
 瑕疵はあったのであります。それもふんだんに、そして、重大な瑕疵が間違いなく存在しています。
 まず第一に、法案送付の際に見事に現れた衆議院による参議院軽視であります。
 これは、与野党ありませんよ。一月二十一日から始まった今国会に、内閣は勝手に四重要法案などと名付けて、本来なら数次の国会にわたって慎重に審議すべき重大な問題点を含む法案を立て続けに国会に提案してきた。これら重要法案の中で、とりわけ健康保険法改正案は、国民の暮らしと経済に深刻な影響を与える法案であります。したがって、国民各界各層の意見を十分に集約し、必要なら修正を加えた上で、更に意見集約の努力を行うべき法案ではないでしょうか。
 本来、今国会は六月十九日が会期末であった。しかし、その時点において、これら重要法案の一つでも衆議院を通過していたでありましょうか。正に、どれも衆議院を通過していない無残な状況、そんな無残な状況を知りつつ、重要な健康保険法改正案を参議院に送り込んできたというのは、会期延長の後であります。審議入りの出発点からして参議院の慎重審議が困難な事態を作って送り込まれている。それを無視して審議入りを強行し、不十分でも構わないから通せばよいと言わんばかりの国会運営は、会期末に来て見事にこの馬脚を現したわけであります。
 重要法案を、十分な審議期間なしで、期間限定で請け負った与党の議会運営自体、参議院の自殺行為を呼び込みました。結果として、参議院は衆議院から法案の成立を請け負った単なる下請機関になろうとしているじゃありませんか。議長、あなたは、正に体を張ってこのような暴挙を阻止すべきだったのではありませんか。
 瑕疵の第二は、法案に対する厚生労働委員会の基本的な姿勢であります。
 言うまでもなく、この法案は、サラリーマンの医療費患者負担を三割に引き上げる、老人医療の対象年齢を七十歳から七十五歳以上に段階的に引き上げるというものであり、国民への生活に重大な影響を与える法案であります。
 国民に痛みを伴わせる以上、当然、国民的合意をもってそれを国民に問うべきであります。そのためには、一にも二にも審議を尽くし、法案の中身を慎重に論議を重ね、国民に理解を求めることが我々議会に身を置く者に課せられた共通の使命であります。委員会の運営の基本に真摯な使命感が最初から欠落していたと言わざるを得ません。
 瑕疵の第三は、委員会での審議時間であります。
 衆議院においては、四月十九日の本会議質問から六月二十一日まで二か月以上も審議をし、参考人、地方公聴会も含めると六十時間以上に及ぶ大変充実した審議をしたかもしれません。ところが、参議院においては、七月二日から始まった委員会審議は一か月にも及ばず、政府への法案質疑はたった三十一時間七分しか行っていません。法案の重大性や先例と比較して、全く不十分な審議であったことは明らかであります。
 瑕疵の第四を申し上げます。
 当日朝の理事会で合意していた共産党、国会連絡の会などの質問権を質疑打切りの動議によって一方的に剥奪をいたしたことであります。
 瑕疵の第五は、国民を直撃する重要法案であるにもかかわらず、公聴会の開催を放棄したことであります。
 衆議院ですら行った公聴会、これを良識の府の参議院において、その開催の努力すらなかったということは全く嘆かわしいことでありませんか。重要法案については、採決の前提として公聴会を開くことが先例となってきました。今回も、野党側理事より何度となく、再三にわたって公聴会の提案をしてきたのであります。
 しかしながら、委員長はその提案に耳を傾けることもなく、全くこれを行わずに、国民の声を広く聞く努力を怠りました。国民の声を無視し、国民を軽視した態度にほかならない。国民から離れたところで国民生活に密接したこの法案が採決されることは断じてあってはなりません。民意から離れた国会であってはならないのであります。
 今回の例は、公聴会を与党が暴力的にカットし、国民不在で重要法案を採決したという歴史に残る重大な汚点となるでありましょう。正に参議院の自殺行為にほかならないじゃありませんか。
 瑕疵の第六は、議運理事会での与党のだまし討ち的な対応であります。
 そもそも、二十五日十三時開会の議運理事会、厚生労働委員会から公聴会の提案があるという理由でいったん休憩になっております。しかし、その直後に行われたのは、公聴会開催の決定どころか、正に混乱の極致、委員会の強行採決だった。信頼を失わせる対応であります。その日の深夜の本会議公報掲載、これに結び付く詐欺的な議運理事会の運営が行われたと指摘をさせていただきたい。
 瑕疵の第六は、二十六日の本会議設定のための議運委員会であります。
 委員会での強行採決後、野党は再三にわたって採決無効、審議差戻しの主張を行ってまいりました。厚生労働委員会への差戻しを要求してまいりました。ところが、これに対する明確な返答もないまま、山崎議運委員長は委員長職権によって議運委員会を強行開会。そして、議運委員会も与野党間の合意のないまま強行されたのであります。
 厚生労働委員会においては、一方的な審議打切り、強行採決。議院運営委員会においては、委員長職権での強行開会。二重に委員長の強行運営がなされたにもかかわらず、その上に更に倉田議長は本会議の開会を強行いたしました。正に議長の立場と議長の職務を放棄したものであり、議長としての基本的な資格が完全に欠落していると断ぜざるを得ません。
 さて、今回、議題とされた健康保険法改正案は、衆議院においても強行採決がなされたものであります。そして、参議院においても再び強行採決。議長、こんな有様では、もう参議院を良識の府などと語るのはやめていただきたい。あなたの辞書から良識の府という言葉を削除し、その代わりに暴力の府とでも登録していただきたい。
 議長、あなたがやるべきことは、参議院の強行採決の歴史を刻むことではないはずであります。衆議院の傷を治癒し、参議院での良識ある審議を保障し、そのために全力を挙げてのリーダーシップを発揮することではありませんか。重要法案であればあるほど、与野党対立の溝が深ければ深いほど、合意の上で審議を進め、採決を行うことが当然の務めであります。
 議長、繰り返し申し上げます。あなたは、本会議開会のベルを鳴らすことにより、同時に参議院の自殺行為のスタートボタンを押した。多くの意見を聞き入れ、審議を尽くしていくこと、それが議会の、とりわけ参議院の役目であります。このような強引なやり方が認められれば、それこそ参議院は衆議院のカーボンコピーと呼ばれて何の反論もできないじゃありませんか。衆議院の下請機関と呼ばれて何の反論もできないじゃありませんか。法案成立のための単なる通過儀礼の府となってよいのでありましょうか。
 参議院は参議院として権威を持って臨むべきであります。議長は参議院の存在を示すために全力を尽くすべきであります。その期待を見事に裏切った以上、倉田議長には辞めていただくほかありません。
 よって、我々はここに議長不信任決議案を提出いたします。本決議案に多くの議員が賛同され、速やかに可決されることをお願いをいたしまして、提案を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#6
○副議長(本岡昭次君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。矢野哲朗君。
   〔矢野哲朗君登壇、拍手〕
#7
○矢野哲朗君 私は、自由民主党・保守党、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました倉田参議院議長に対する不信任決議案に対しまして、断固反対の立場で討論を行います。(拍手)
 百五十四国会、百九十二日間の今国会での最終局面での、国民にとって大変重要な健康を守る医療保険制度の安定的な運営を図るための健康保険法の一部改正法案等について、委員会として十分な審議を行い、瑕疵なく採決したにもかかわらず、野党が本会議採決に欠席したことは、誠に残念至極、遺憾なことであると言わざるを得ません。
 加えて、本法成立後、四日経過した昨日、参議院議長の不信任決議案が提出されたことは、私、一議会人にとっても理解に苦しむところであります。
 御案内のとおり、倉田議長におかれましては、本年四月二十二日、圧倒的多数の支援をいただき、議長に選任されて以来、三か月、公平、中立、適切な議会運営を心掛けてまいりました。
 倉田議長は、予算委員長、参議院自由民主党国会対策委員長、自治大臣・国家公安委員長等、議会、与党、政府の枢要ポストを歴任されまして、そして、その姿勢は常に大局に当たって事に当たられてまいりました。「こころざし千里にあり」を座右の銘とされ、高潔なお人柄で、教育改革を始めとして、参議院議員にふさわしい活動を広範に展開され、与野党を超えて厚い信望を得、参議院議長に選出されたのであります。
 今回の健康保険法の一部を改正する法律案等、その採決のための本会議開催に当たっては、議長は、法案の採決が全く瑕疵がなく行われたことを踏まえながら、なお秩序ある議会の運営がなされるように各方面に強く要請されたわけであります。
 これを受け、二十五日から二十六日に掛け、議運委員会を中心にぎりぎりまで話合いを積み重ね、理解を得るべく最大限努力したのでありますが、野党諸君はあくまで本法案の成立阻止を目指し、かたくなな姿勢を崩さなかったのは残念極まりないことであります。
 本院における厚生労働委員会の審議は七月二日にスタートをいたしました。その冒頭の委員会では、野党の意見に十分配慮し、小泉総理の出席の下で開会されました。七月二十五日までの間、三日間にわたる参考人質疑を含め、合計約四十時間に及ぶ濃密かつ慎重な審議が行われております。
 これは、ここ数回の健康保険法改正の参議院の委員会の審議時間としては最も長いものでありました。その上で、厚生労働委員長が質疑を打ち切り動議に応じて採決したことは万やむを得ない判断であったのであります。
 それにもかかわらず、野党が採決無効を主張し続け、本会議採決を先延ばし、医療保険制度の改革、保険財政の安定化を図るための法案の成立を阻止しようとするパフォーマンスは、もはや許されるものではありません。
 責任ある与党として、一番大切なことは国民皆保険の制度の堅持であり、このため、総理が提唱される三方一両損によって痛みを分かち合いながら改革を進めることが現状不可欠なのであります。
 確かに、この法律が成立しなかったら、国民の負担の増加も先送りになったかもしれません。しかしながら、国民皆保険制度を堅持する責任が担えなくなるのは目に見えております。
 倉田参議院議長としては、このような法案成立の緊要性も踏まえながら、中立の立場から円滑な本会議開催に向けて最大限努められ、これが限界という段階まで野党の理解を得られるよう待たれました。そして、大局的な観点に立たれ、憲政の基本、議会のルールにのっとって、法案採決の本会議の開催を決断されたのであります。
 このような議長の誠意ある対応を無視した野党諸君による不信任決議案の提出は、議会政治の本旨に反するものと断ぜざるを得ません。
 この際、不信任提出に至った会派と議員各位に猛省を促すとともに、良識と良心をもって、国民の負託にこたえる議員各位とともに、本決議案に断固反対の意思を表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#8
○副議長(本岡昭次君) 和田ひろ子君。
   〔和田ひろ子君登壇、拍手〕
#9
○和田ひろ子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました倉田寛之議長の不信任決議案に賛成する立場で討論を行います。(拍手)
 先ほど我が会派の簗瀬進議員も述べましたが、私の個人的な正直な感想を述べれば、議長、あなたは議員として大先輩であり、そして経験豊かな議員であります。先日の井上前参議院議長の辞任に当たり新議長に選出をされ、議長としての実績を踏み出されたばかりであり、不信任決議は大変残念であります。しかし、その倉田議長に、今ここで不信任決議案に賛成するのは、そうすることが日本の民主主義を高めると確信するからにほかなりません。
 今日の政治の状況を見てみますと、現憲法下、二院制の下で、良識の府参議院の存在や独自性がますます重要になってきております。しかし、今回の倉田議長の取られた行動は、これから参議院改革の先頭に立たれる議長としては、民主主義を冒涜する、議長にあるまじき行為であると言わざるを得ません。
 振り返って四月二十二日、就任あいさつのとき、あなたは、この議場において、全参議院議員を前にして何と言われましたか。「公正無私を旨として、議院の正常かつ円満な運営を図り、もって本院の権威の高揚と使命達成のため、全力を尽くす覚悟でございます。」と、その覚悟のほどを述べられたはずです。ところが、倉田議長の今回の行為は、就任のときに述べられた議院の円満な運営を図ることとは正に正反対の行為です。
 そもそも健康保険法改正案は、失業率も依然として高い数字で推移しているような現下の厳しい経済状況の中において、サラリーマンの医療費患者負担を三割に引き上げ、また、老人医療の対象年齢を七十歳から七十五歳以上に段階的に引き上げるという、国民の生活に直接影響を与える改正案であります。いや、改悪案でありました。この失業率五%以上の不況下に国民に痛みを伴わせる以上は、当然、国民的合意があってしかるべき法案です。
 しかし、厚生労働委員会において、まだまだ審議時間が足りないとの声や公聴会を行うべき要求に何もこたえず、さらに、総理出席の総括質疑を求めていた委員会質疑中に、また、理事会協議を約束していたにもかかわらず、一方的に正に抜き打ちとでもいうべき強行採決が行われました。しかも、阿部厚生労働委員長の声が全く聞こえない中、強行採決は行われたのです。当然、採決は無効とすべきであります。
 いかに阿部委員長が委員会報告書を作成し、議長に提出し、それを議長が受理しても、委員会の議事録やその混乱の模様を報じたテレビがその真実の姿を国民の前に明らかにしております。国民の目をごまかすわけにはいきません。正に議会制民主主義を踏みにじるものであります。
 議長は、このような厚生労働委員会の審議経過を見るならば、円満、慎重な審議を行わなければならないと言われるべきであります。しかるに、あなたは、議長職権によって会議の開会を強行決定し、野党のいない議場において本会議の開会を宣言し、本会議において強行採決が行われました。
 議長、強行採決を行おうと本会議場に入られ、議長席に座られたあなたの胸に、何の痛みも感じられませんでしたか。議長の今回の行為は、良識の府としての参議院のあるべき方向と正に逆行するものであります。
 議長、あなたの取るべき方法は、厚生労働委員会の阿部委員長からの報告書は真実とは違うのではないか、議院運営委員会にもきちんとそのことを伝え、今回の採決を無効として改めて審議途中からやり直すことを指示すべきはずであります。
 倉田議長の行為は、国会の形骸化に議長自らが手をかし、さらに参議院の独自性を自らが放棄したものであり、日本の民主主義の歴史に大きな汚点を残す結果になると断ぜざるを得ません。参議院自らによる二院制抹殺であり、参議院の存在意義を否定する倉田議長の行動は、民主主義を高めるどころか、民主主義の歴史を無視する暴挙であります。
 倉田議長、今回あなたの取られた行動は、政権が維持できればなりふり構わないで突き進む政権与党の操り人形となってしまわれました。議長としての公正公平な職分、職権を見失ったものであります。
 本院は、長い間、参議院制度の改革に、多くの先輩、そして現同志も含め、様々な議論を積み重ね今日に至っているところであります。この意味からも、倉田議長は議長としての資質が完全に欠落しています。倉田議長の行ったことは、日本の民主主義、議会制民主主義、日本における二院制を高めることとは正に正反対の行動です。
 本会議の強行開会、強行採決、強行ずくめであり、民主主義の形骸化、参議院の形骸化を後世に残したことが、倉田議長、あなたの唯一の功績となります。
 以上、私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、倉田寛之議長不信任決議案に賛成する理由を述べ、多くの議員の賛同を得るため、是非皆さん方の真摯なる御判断をお願いし、討論を終わらせていただきます。(拍手)
#10
○副議長(本岡昭次君) 小池晃君。
   〔小池晃君登壇、拍手〕
#11
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました倉田寛之参議院議長不信任決議案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 倉田議長は、去る四月二十二日、井上議長辞任の後を受けて選任された際、「公正無私を旨として、議院の正常かつ円満な運営を図り、もって本院の権威の高揚と使命達成のため、全力を尽くす」と言明されました。しかしながら、七月二十五日の厚生労働委員会及び翌二十六日の本会議における健康保険法改悪の強行に際しての議長の議会運営は、自らの言明を大きく裏切るものであり、不信任は全く当然と言わなければなりません。
 厚生労働委員会における事態は、四会派の質疑時間を残したまま、与党の質問中に、与党からの打切り動議で採決なるものを強行するという重大な暴挙でした。
 強行の当日まで、厚生労働委員会では与野党により真摯な委員会の審議が重ねられていました。さらに、野党は、中央公聴会の開催を要求するなど、国民の負託にこたえて法案を徹底審議するための協議を重ねていました。当日の朝の理事会でも、十名の委員が質疑することを全党一致で合意していたのであります。
 ところが、自民党の中原委員の質問が終わるや否や、その後に公明党の草川委員、日本共産党の私小池、国会改革連絡会の西川委員、社会民主党・護憲連合の大脇委員の四名の質疑が予定されていたにもかかわらず、自民党の中島理事が突如提案した動議なるものを、阿部正俊厚生労働委員長は理事会にも諮らず唯々諾々と取り上げて強行し、四名の委員の質問権を乱暴に剥奪しました。理事会協議で与野党一致して合意していた議事日程を、問答無用とばかり委員会審議の途中で打ち切り、議員の最も重要な権能の一つである質問権を剥奪するなどというのは、議会制民主主義を根本から破壊するものと言うほかありません。
 しかも、直前まで与党からは採決を求める発言が一言もなかったにもかかわらず、打切り動議で質問権を封殺した上、採決を強行しました。こうした与党の卑劣な態度こそが、この法案がいかに反国民的なものであるかをはっきりと物語っているのであります。
 二十六日付け公明新聞によれば、公明党の木庭参議院国対委員長は、論点は整理され、出尽くしており、質問や答弁も同じ内容の繰り返しになっており、法案についての審議が尽くされていたから打切りはやむを得ないと述べていますが、それなら二十五日に草川氏は一体何を質問しようとしていたのでしょうか。木庭氏はさらに、参院厚生労働委員会での採決は、国会のルールに従った手順を踏んでおり、何ら瑕疵はありませんとも述べていますが、自分の党の委員の質問権が剥奪されていながら、どうして瑕疵がないなどと言えるのでしょうか。
 さらに、野党理事が一致して求めていた公聴会開催についても、与党はいまだ結論が出ていない、昼に再度協議して伝えると述べていたのに、一言もその回答もせずに採決を強行したことも重大であります。与党のやり方は正にだまし討ちと言うほかありません。
 その上、当日並行して行われていた議院運営委員会の理事会で、与党は、厚生労働委員会で協議中の公聴会が議決されれば議運の理事会に諮る必要があるとの理由で理事会を休憩にしておきながら、厚生労働委員会では公聴会開催のための努力を一切放棄して、健保法案の採決を強行しました。一方で、休憩にしていた議運理事会を再開し、医療改悪法案の本会議上程を提案し、議長はそのための本会議開会を公報掲載し、翌日には本会議開会のベルを押したのであります。こうした議長の行為は、議員の最も重要な権能の一つである質問権剥奪という民主主義破壊の最悪の暴挙を追認することにほかなりません。
 倉田議長は、何よりも議院の公正な運営をしていく責任を持っています。だれもが異常と認める厚生労働委員会のこの事態を正常化する努力を何らしなかったばかりか、それを一切問いただすこともなくそのまま追認した倉田氏に議長の資格など全くありません。議長不信任は至極当然と言うべきであります。
 さらに、本日の議長不信任案の討論に当たって、社会民主党・護憲連合から討論の申出があったにもかかわらず、自民党、公明党の反対で実現できませんでした。かつて委員会での質問権が剥奪された際には、院内交渉会派でなくても討論を行った先例があります。本会議での討論権の剥奪という二重の暴挙に対して我が党は厳重に抗議するものであります。
 そもそも健保法改悪案は、今日の深刻な経済状況の下で、一兆五千億円を超える国民負担増を押し付け、国民の健康も日本の経済もますます悪化させる最悪の法案です。参考人質疑では、与党推薦の参考人も含めて、六名中四名が明確な反対意見を述べられました。各種世論調査でも六割を超える国民が反対し、反対署名は二千七百万に及び、地方議会の決議、意見書も六百五十に上っています。このような法案を議会の民主的手続のじゅうりんを度重ねて強引に強行成立させるなど、絶対にあってはならないことであります。
 さらにこの間、審議をすればするほど法案の問題点が明らかになってまいりました。患者負担の引上げにより受診抑制が一層深刻となれば、病気の重症化によって医療費が高騰化し、かえって保険財政の悪化を招く、これこそ悪循環ではないか、こうした疑問に対する回答は今に至るまで全く示されていません。
 厚生労働省は、野党の要求にこたえて、今回の改悪による国民負担増は、患者負担で四千八百億、保険料負担は一兆三百億、合わせて一兆五千百億円に上るという試算を明らかにしました。さらに、来年は介護保険料の三年に一度の見直しに加えて、年金の物価スライド凍結解除、雇用保険料の引上げが予定されており、このままでは社会保障の負担増は優に三兆円を突破します。しかも、来年の労働者のボーナスは、総報酬制の導入により厚生年金と医療保険の保険料が大幅に引き上げられ、一人当たり平均で年間九万五千円も目減りします。アメリカで巨大企業の倒産が続き、日本経済にも深刻な影響が出ているときにこのような負担を押し付ければ、個人消費を更に低迷させ、景気を一層悪化させることは明らかではありませんか。
 健保財政悪化の最大の原因は、リストラや賃金の引下げによって保険料収入が減少していることにあります。それなのに保険料や患者負担を引き上げれば、個人消費を冷え込ませ、失業と倒産の連鎖を生み、健保財政を更に悪化させるだけではないか、この質問に対し、小泉総理は、具体的な根拠も示さずに、中長期的には国民経済全体にとってプラスになると呪文のように繰り返すだけで、まともに答えようともしませんでした。
 その上、審議の中で、宮路和明厚生労働副大臣が、帝京大学医学部の入試にかかわって後援者の依頼を受け、口利きをしていた事実が明らかになりました。宮路氏は、こうした口利きは往々にしてあると委員会で平然と答弁しています。帝京大グループに対して、厚生労働省は各局にまたがる許認可事項を有し、地方分を含め三十五億円を超える補助金を支出するなど大きな権限を持っています。その厚生労働省の副大臣が口利きを行い、その見返りとして行政がゆがめられていたとすれば、事は重大です。また、医学部の入学に当たって政治家の口利きや不正な寄附金が往々にしてまかり通っているとすれば、日本の医療に深刻なゆがみが持ち込まれていることになり、徹底解明が求められます。ところが、野党が要求した宮路氏の参考人招致は与党の反対により実現していません。こうした問題にふたをしたまま多大な負担増を国民に押し付けることなど、断じて許されません。
 この法案のみならず、日本の医療制度をめぐる問題点を徹底的に解明するのは、国民から負託された国会の重大な責務であります。にもかかわらず、議員の質問までも多数の力で強引に打ち切るなどは、議会制民主主義を根本から覆すもので、言語道断であります。何があろうと決めたスケジュールどおりに採決するというのであれば、国会は一体何のためにあるのでしょうか。たとえ法案に賛成の立場であったとしても、議会制民主主義を守ろうとするならば、このような暴挙を認めてはならないはずであります。
 こういう事態の下、倉田議長の果たすべき役割は、先ほど指摘したとおり、質疑打切り動議や採決なるものの経過を本院の先例などに照らして調査し、その無効を指摘して、厚生労働委員会に差し戻すことでありました。それにもかかわらず、倉田議長は、厚生労働委員会の経過の調査すら行わず、正常に復する努力を一切しなかったのであります。それとも、倉田議長はこの暴挙を暴挙と認識することすらできなかったのでしょうか。そうであるなら、なおのこと議長の資格のないことは明瞭であります。
 以上、倉田議長が院の民主的運営に尽くさなければならない議長の任に全くふさわしくないことは明らかであり、不信任は当然であります。そのことを重ねて強調して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#12
○副議長(本岡昭次君) 大江康弘君。
   〔大江康弘君登壇、拍手〕
#13
○大江康弘君 ただいま議題となりました倉田議長不信任決議案に対し、賛成の立場で討論をさせていただきたいと思います。(拍手)
 百九十二日間という長きにわたった通常国会も、今日一日であります。小泉内閣は、確固たる政治日程の目標も設定できず、これといった政治信念がないせいで、当初の日程では採決に至らず、会期延長を七月末までしたものの、逼迫した国民生活の実態を何一つ反映することのない法案審議に終始し、正に無駄な時間を過ごしてきたのであります。
 戦後、自民党は結党以来、国民生活の向上のため、また日本国の繁栄のため、そのバランスをうまく取ってきた時期がありました。過去形であります。私も、多少なりとも地方政治の経験過程で自民党に身を置き歩いてきた者として、正に政治の原体験は自民党にあったと言っても過言ではなかったと今は思っております。
 しかし、とりわけ昨今の失われた十年と言われた今日までの我が国の歩みや国民生活を振り返ったとき、真に政治が国民の思いや願いをどれほどしっかりとらえ、政策に反映をしてきただろうか。国民が汗を流し、苦しい日々を一日一日と歩いている姿に一体どれほど政治がこたえられてきただろうか。国民にとっては、正にこの失われた十年は不幸な十年であったと言わざるを得ません。
 しかし同時に、私は、この議政壇上から声を大にしてただ一つだけ、この十年間、国民が間違った行動、誤った判断をしてきたことを言わなければなりません。古い権力行動を変えることができず、政官財の癒着体質からも脱却できず、そのぬるま湯につかり、国民に痛みと苦しみしか与えてこれなかった自民党政権を選択してきたことであると、反省を求めて申し上げなければならないのであります。
 しかも、今通常国会は冒頭から最後まで政治と金の問題に終始し、悲しいことに良識の府と言われてきた本参議院の議長が不祥事の責任を取り辞職、辞任されたことであります。
 しかし、天はチャンスを与え、倉田議長、あなたがその後任として重責を託され、就任されたにもかかわらず、ついぞ議長は目線を国民に合わせることなく、本来なら政党会派にとらわれず公正、公平、平等という視点に立ち、その任を果たさなければならない立場にあるにもかかわらず、去る二十五日、厚生労働委員会における議会民主政治を否定した暴挙が行われた後の事後処理、事後対応には全く誠意がなく、統治者能力に欠け、議長としての適格性にも疑問を持たざるを得ない行動は、誠に情けないと言わざるを得ません。
 また、阿部厚生労働委員長の行為も誠に残念であり、その責任は重大であります。民主主義で最も尊重されるべきルール、しかも議会運営において、それぞれの委員会での事前の理事会での合意は最低限守られるべきものであり、与党公明党委員の質疑前に四人の質問者の権利を切り捨て、動議を取り上げた不見識さ、また採決に至った行為は国会議員固有の質疑権を強奪したものであり、当然許されるべきものではありません。今回の強行採決こそ国民に対する裏切りの何物でもないのであります。
 倉田議長、あなたは国民の声が聞こえますか。必死で今日も生きている国民の声が聞こえますか。
 本来、この厳しいデフレ不況や構造不況の中、本当に国民を思いやる気持ちがあれば、二兆円と言われる負担を求める三方一両損というような小ばなしを掲げ、数字上のつじつま合わせのような政策は、どこをたたいても出てこないのであります。
 正に、今回の健保改悪によって求められる国民負担は実質の増税であり、このデフレインパクトは計り知れないものがあります。医療という国民の生命に直結する大事な問題に、抜本的な改革もなしにこのような負担を強いるということは、政治家としての感性や姿勢を疑うものであります。
 このような大事な法案審議を数の力で押し切り、強行採決という結果に対し、本来、議長、あなたのなすべきことは、まず阿部委員長の暴挙に対しての審議のやり直しを指示することであり、しかも阿部委員長の行動は合法や違法という法的判断以前の問題であり、議会政治、政党政治の信頼を損なう行為だということをいさめることこそがあなたの責任だったはずであります。
 しかも、今回の行為に対し、国会改革連絡会ら三野党の代表者の要請にも耳をかさず、厚生労働委員会理事の現場での苦悩の訴えを聞こうともされず、また四野党国対委員長の抗議も退けたあなたの態度にこれからの参議院の円満な運営は全く期待できず、院の権威さえも失墜させる先日の本会議の強行開会、そしてこのような国会運営は当然不信任に値するものであり、もはや倉田議長、あなたには議長としての職務を遂行する資格がないことを申し上げ、賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#14
○副議長(本岡昭次君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#15
○副議長(本岡昭次君) これより本決議案の採決をいたします。
 浅尾慶一郎君外九十二名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#16
○副議長(本岡昭次君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#17
○副議長(本岡昭次君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#18
○副議長(本岡昭次君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十二票  
  白色票           九十七票  
  青色票          百三十五票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
   〔副議長退席、議長着席〕
#19
○議長(倉田寛之君) 日程第二 内閣総理大臣小泉純一郎君問責決議案(角田義一君外九名発議)(委員会審査省略要求事件)
 本決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。角田義一君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔角田義一君登壇、拍手〕
#21
○角田義一君 私は、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合の三会派及び西岡武夫君外一名を代表し、ただいま議題となりました内閣総理大臣小泉純一郎君に対する問責決議案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、決議案文を朗読します。
  本院は、内閣総理大臣小泉純一郎君を問責する。
   右決議する。
 我が国はいまだかつてない、経験したことのない未曾有の混乱と危機に陥っておると言っても決して過言ではありません。デフレは長引き、企業倒産は相次ぎ、失業者は急増しております。希望を失い自殺をする人々の増加もまた同様に深刻な事態であります。バブルの宴に酔いしれた銀行の経営陣や企業の経営者のモラルは今や地に落ち、銀行には膨大な不良債権が積み上がったまま、いまだその処理のめどさえ立っておりません。この現状に若者は夢を失い、さらに、ここまで堕落したかと思わせる政官業の癒着に対し、国民は政治に対する失望と無力感を抱いているのであります。
 こうした中で政府は、国民に将来、人生設計をどのように描けというのでありましょうか。正にお先真っ暗でありませんか。この状況をもたらした最大の責任者である内閣総理大臣小泉純一郎君が日本のかじ取りを続ける限り、我が国に明るい未来が待っているとは私にはどうしても思えないのであります。
 昨年四月に成立した小泉内閣は、いっとき八〇%を超える支持を集めましたが、この一年で、果たせるかな、つるべ落としのように急降下しました。これは決して国民の気まぐれから来たものではありません。正しく、小泉総理、あなた自身が招いた自業自得の産物であります。
 言うまでもなく、総理大臣たる者、国家国民のためにその一身をささげる覚悟があって当然であります。しかし、総理は、自らが犯した数々の失政を国民に押し付けることによってその身を守ろうとしておられます。もはや、改革なくして成長なしと訴えるあなたに国民は疲弊し、創造的破壊が経済成長の源泉であるとの言葉はむなしく聞こえ、何ら実績の上がらない政治に怒りを訴える声が沸々として沸き上がっているのであります。
 自信に満ちた日本、明るい展望が描ける日本のためには、小泉純一郎君がその責任を取って、今日、即刻辞職する以外に道は残されていないのであります。
 以下、具体的に問責の理由を申し上げます。
 問責の第一の理由は、小泉内閣の経済財政運営の失敗であります。
 十四年度末時点で国債の残高が四百十四兆円、国、地方合計の長期債務残額も六百九十三兆円に達しようとしている現在、政府・与党は、相次いで追加デフレ政策やいわゆる骨太の方針第二弾を打ち出しました。しかし、中身といえば、以前どこかで見た政策の前倒しや寄せ集めにすぎず、デフレ脱却への政治的意気込みも戦略も感じ取ることができません。
 日本経済を覆うデフレ危機は、戦後、主要先進国にも体験したことのないたぐいのものであります。政府は、景気にかすかな明るさが出てきていると言っておりますが、厳しい現実に変わりはありません。今の内閣ではデフレを克服できるはずがないのであります。現に、無策に失望した証券市場では株価が低迷し、かえって資産デフレをあおる結果となっているのであります。
 また、経済財政諮問会議と政府税調あるいは自民党税調の間でどたばた劇を演じ、歳入改革である税制改革についても明確な方針を出すことができず、挙げ句の果てに出てきているのは、ただただ庶民いじめの強い増税姿勢であります。
 負担と給付についての理念がなく、総理は一体、この国で働き、まじめに生活している人々を一体どこに連れていこうとするのですか。構造改革という名の下に、あなたは国民の生活を不安と失望で満たしているにすぎないのであります。
 問責の第二の理由は、内閣におけるあなたの統率力のなさであります。
 一年前、自民党をぶっつぶすことを掲げて登場した小泉総理は、政策決定に当たり強烈に内閣主導を打ち出しました。しかし、佐藤元主任分析官や前島元課長補佐の逮捕に象徴される外務省の腐敗、瀋陽総領事館事件、農林水産省の無策が引き起こしたBSE問題、防衛庁情報公開リストに関するずさんな情報管理、福田内閣官房長官の非核三原則見直し発言、さらには帝京大学医学部入学試験をめぐる宮路前厚生労働副大臣の口利き問題など、あなたの内閣になってから一体幾つの問題、不祥事が発生したんですか。国民世論を頼みとするあなたの内閣支持率が低下するのは当然であります。
 そして、支持率の低下とともに、あなたは霞が関、永田町という旧来のシステムに頼り始め、それがますます改革に期待する国民の失望と不信を招く悪循環に陥ったのであります。当初の高い支持率は、今や単なる森前内閣の不人気の反動であったことが明らかとなっておるのであります。
 かつて総理は、事あるごとに自民党を変える、日本を変えると発言されました。しかし、国民のための行政をすっかり忘れ、私利私欲のために組織防衛に走る外務省に対しては、単に外務大臣の首のすげ替えで事を終えようとするなど、根本的な改革に何らの手を付けていないのであります。国外からは、日本の外交は利権の巣窟とみなされ、瀋陽総領事館事件でも、日本は何もしない国とみなされたことは、著しく国益を損なったと言わざるを得ないのであります。
 また、BSE問題では、国民が牛肉を食卓に上らせることをちゅうちょしてしまうほど政府に対する不信感を高めたにもかかわらず、武部農林水産大臣の責任を一切問わず、続投させ、関係者に大きな打撃を与えました。小泉総理、あなたはこの苦悩が理解できているのでしょうか。
 さらに、防衛庁リスト問題では、自民党の山崎幹事長が防衛庁に対して意見は言ったと認めながらも、報告全文の隠ぺいの指示ではないと苦しい発言をしています。正に、政府・与党はすべてを防衛庁に責任をかぶせ、知らぬ顔の半兵衛を決め込もうとしております。しかし、そうした中でも総理は相変わらず、よく調査をしてすべてを明らかにしなさいと指示したの一点張りであります。BSE問題と同様、開かれた行政を求める国民意識の高まりになぜ顔を背けるのですか。総理の指示が与党にも大臣にも官僚にも無視される状況になぜ平然としていられるのですか。無責任極まりないとはこのことであります。
 あなたは、大相撲やサッカーワールドカップの場面場面で感動したと言われました。そして私は今あなたに率直に申し上げたい、私どもは失望したと申し上げるのであります。
 問責の第三の理由は、一連の政治腐敗にあなたは何ら有効な手だてを打っていないということであります。
 鈴木宗男衆議院議員については、北方領土の支援事業に絡む疑惑が次々と明るみに出てきているのは御承知のとおりであります。そして、製材会社から金を受け取り、林野庁への処分の緩和など働き掛けていた疑惑で、ついに逮捕されたのであります。また、加藤紘一前衆議院議員は、事務所の元代表が逮捕され、加藤氏自身にも政治資金を私的に流用していた疑いが持ち上がり、議員辞職に追い込まれました。誠に残念なことに、井上裕前参議院議長も、政策秘書が逮捕された責任を取って議員を辞職したのであります。最近では、あなたのかつてのパートナーであった田中眞紀子前外務大臣の秘書給与流用疑惑も、いまだ解明されぬままであります。
 総理は、疑惑が報道されるたびに、きちんと説明することが大事だ、出処進退は本人が判断することだと繰り返し述べられております。自らの責任問題に発展することを極力避けようとする態度を取り続けておられます。しかし、国民は、この姿勢を、総理が政治と金の問題に主体的、積極的に取り組んでいないと受け止めておるのであります。
 政官業の癒着体質や金権体質、甘えがこれほどはっきりと現れたにもかかわらず、総理はこれをどこ吹く風とし、今や、自民党総裁でもあるあなたがこの問題で何ら指導力を発揮しないことに対し、世論の不満は頂点に達しているのであります。並の総理ならいざ知らず、自民党を内から壊すと言い放った総理、あなた自身が責任逃れにきゅうきゅうとしているさまは哀れすら感じるのであります。あれは口先だけのことだったのかと憤っているのは、決して私一人ではありません。
 問責の第四の理由は、総理の政治手法のまずさであります。
 内閣はこの国会で、有事法制、個人情報保護、健康保険改革の各関連法案を成立させようとしました。しかし、これらの提出は正に拙速の一語に尽きるのであります。現に、与党内からも、なぜこの時期に急いで制定しなければならないのかという疑問が出され、自民党内でも混乱しているではありませんか。総理には、何ゆえ今このテーマに取り組むのかという確固とした政治哲学が感じられません。そうであるからこそ、状況次第で簡単に現実的な妥協を容認することとなります。そのときの総理の言葉は、相も変わらず、小泉が変わったわけではない、抵抗勢力がこちらに歩み寄ってきた、でしかないのであります。聖域なき構造改革という言葉とこれらの法案とは何ら脈絡がなく、あなたの政治手法は手当たり次第の食い散らかしであり、何らの成果も出ていないのは当然のことと言わざるを得ません。
 そして、国会の審議に当たっても、自民、公明、保守の三党の数の暴力によって健康保険関連法案を強行採決するなど、党利党略を全面に打ち出す暴挙によってむちゃくちゃな国会運営を先導したことは、断じて許し難いところであります。
 こうした政治姿勢に国民はいつまでも我慢してはいられません。あなたが大上段に構え、人々の耳目を集めた数々の言葉や語録そのものが今や、総理、あなた自身をじわじわと追い詰めているのであります。
 以上、四点にわたり問責の主な理由を申し上げてまいりました。
 このように、小泉内閣が、内政、外交の全般にわたって失政を続け、世界における信用を著しく失墜させ、ひいては議会制民主主義への信頼を失わせた責任は極めて重大であります。リストラや合理化の名の下に職を奪われる中高年の完全失業率は依然として高く、若者や女性の就業機会も氷河期と言われるほど厳しい状況にあります。また、小泉内閣成立時から比べても、株価は一向に回復する兆しが見えません。
 総理が現実の厳しさを自覚し、真摯に努力するなら、国民はまだ少しは辛抱するかもしれません。しかし、唐突に増税や負担増を出してくるのは、正に善良な国民をいじめるものでしかないと私は言わざるを得ないのであります。
 マスコミも小泉改革をしぼみ癖と形容し、まずは大ぶろしき、次いで抵抗勢力と調整、最後の果実はわずかと論評しておるではありませんか。将来の大増税や負担増に不安を感じ、消費を控え、何とか生活を守ろうと苦労している庶民の姿があなたには見えないのですか。国民の意思はとうに小泉内閣を見限っているのであります。
 ここに本院は、危機的状況にある日本経済を立て直し、国民の政治に対する信頼を回復させるために、内閣総理大臣小泉純一郎君を問責すべきであると考えます。
 何とぞ、本決議案に対し、良識ある議員の方々、明日の日本のために、それぞれの立場を乗り越えて、勇気を持って御賛同賜りますよう訴えて、趣旨説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(倉田寛之君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。松谷蒼一郎君。
   〔松谷蒼一郎君登壇、拍手〕
#23
○松谷蒼一郎君 私は、自由民主党・保守党、公明党を代表いたしまして、さきに提出をされました小泉内閣総理大臣に対する問責決議案に対して、断固反対する討論を行うものであります。(拍手)
 今国会において、改革断行予算、郵政四法や健康保険法の一部改正法等、多くの重要法案が成立をいたしました。いずれも一内閣一つの仕事に値する改革のための重要法案であり、大きな前進であります。
 このことは、総理が構造改革の道筋を明確に示され、改革が着実に進みつつあることを正に物語るもので、野党諸君に理解していただけないのは誠に残念至極であります。
 最近、内閣支持率は上昇し、五〇%台に乗る世論調査も見られるようになりました。正にこのことが改革が成果を上げつつあることの証明ではありませんか。野党よりも国民が理解を示しているのであります。
 小泉総理は、国民と痛みを分かち合うため、特殊法人について、十七法人の廃止を始め四十五法人の民営化、一兆円の経費削減等により歴代内閣がなし得なかった大改革を断行しつつあります。
 また、財政予算面では、十四年度予算において国債発行を三十兆円に抑制し、五兆円を削減し、二兆円を重点分野に配分する等、改革断行予算を執行しつつあります。
 株価低迷の中、三月金融危機等が声高に叫ばれていましたが、総理は、構造改革なくして成長なしの一貫した大方針の下、規制改革や重点七分野等へ対策の積極的展開がなされ、五月の月例経済報告において景気は底入れしていると判断するに至り、景況感も大幅に改善してまいりました。
 このように、構造改革と景気の回復の両立という難しい課題に総理は不退転の決意で取り組んでこられました。
 総理は、かねてよりデフレ阻止に強い決意で臨み、金融危機を起こさないためあらゆる手段を講ずると言明されており、先般、第二次デフレ対策を打ち出され、この二十六日には、総理は、経済の最近の動向を踏まえて、経済活性化のために一兆円を上回る先行減税を明確に打ち出されています。
 我々与党も政府とともに、内外の経済動向を細心の注意をもって監視して、経済の危機管理に備えつつあります。いたずらに国民の不安をあおるような論調は、景気動向に悪影響を与え、景気を失速させるものであります。
 構造改革と景気回復の両立は我が国の再生のために避けて通ることのできない大命題であります。
 今こそ二十一世紀の発展の基礎を作るため政治の真価を最大限発揮すべきときであり、そのためには、政治の混乱や空白は一刻も許される状況では決してありません。
 外務省や政治家の不祥事の続発により失墜した行政や政治の信頼の回復について、引き続き気を引き締めながら真剣に取り組んでいかねばならないことは言うまでもないことであります。
 小泉総理は、政治と金の問題等についてその改革に強い姿勢で臨まれてきました。今国会で、改正あっせん利得処罰法や入札談合防止法等、緊急に対処すべき対策法の成立を見ました。正に総理のリーダーシップによるところであります。
 我が自民党も、有識者の意見等を踏まえつつ、政治資金の在り方等政界浄化の対策に真剣に取り組んでいるところであります。
 国民の信頼を大きく裏切った外務省をめぐる一連の不祥事等については、総理のリーダーシップの下で出直し改革を断行し、緊急な課題が山積する外交を本格的に推進する体制を早急に確立するべく今正に実行しつつあるところであります。
 以上、確実に改革のための諸政策を実現しつつある小泉総理に対して問責決議案を提出する野党諸君の対応に対しては、全く理解に苦しむところであり、反対のための反対にすぎないものと断ぜざるを得ません。
 総理問責決議案に対し、良識ある方の一人でも多くの反対票が投じられるよう強く訴えるとともに、与党が一致結束して小泉内閣を支持することを改めて申し上げ、問責決議に対する私の反対討論を終わります。(拍手)
#24
○議長(倉田寛之君) 江田五月君。
   〔江田五月君登壇、拍手〕
#25
○江田五月君 私は、民主党・新緑風会を代表して、内閣総理大臣小泉純一郎君問責決議案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 賛成の理由は数限りなくありますが、ここでは絞りに絞って五点だけを申し上げます。その第一は経済運営の失敗、第二は構造改革の挫折、第三は政治腐敗の放置、第四は外交課題の失政、第五は悪法の強行です。順次、説明します。
 第一の理由は、経済運営の失敗です。
 小泉内閣の誕生から今日まで、景気回復の兆しは全く見られません。株価は今日も一万円の大台を割り込み、秋の金融危機の再燃が心配されます。経済政策に対する市場の反応は冷たいの一語に尽きる。景気対策といえば、相も変わらぬ効果のないばらまき公共投資ばかりだからです。その結果、国民生活はどうなっていますか。
 まず、雇用。先月の完全失業率はやはり五・四%で、高水準のままです。完全失業者数は三百六十八万人。小泉さんになってから三十万人以上増えました。若者の就職難は未来にとってゆゆしきことです。中高年の場合は生活破綻に直結です。次に、中小企業の経営危機。倒産件数は、五月には一千七百三十件に跳ね上がっています。
 昨年一年間の自殺者は三万千四百十二人。四年連続で三万人を超えました。事業不振や失業などの経済・生活問題で、四十代、五十代の自殺が相次いでいます。
 それなのに、政府の景気判断は甘い。七月の月例経済報告は一部に持ち直しの動きと言いますが、国民の実感は違います。リストラされたサラリーマンや資金繰りに追われる中小企業者などの怨嗟の声に耳をふさぎ、いつまで大本営発表を続けますか。
 景気回復に最も有効なのは個人消費の回復。それには国民の不安解消が不可欠です。ところが、医療費の一兆五千億円負担増の強行など、消費を萎縮させる政策を取り続けているのです。
 財政破綻は更に深刻。今年度末で国と地方の長期債務残高は六百九十三兆円。GDPの約一・四倍という、想像を絶する金額です。経済構造改革も財政構造改革も同時に達成している欧米諸国と、どちらも達成できない日本。対照的ですね。
 最大の景気対策は、経済音痴の小泉首相の退陣です。
 第二の理由は、小泉首相の一枚看板である構造改革が全くの偽物であったことが明らかとなったことです。小泉構造改革の象徴は、道路公団など特殊法人改革と郵政改革です。これはどうなりましたか。
 小泉さん、あなたは道路関係四公団改革を特殊法人改革の目玉と位置付け、民営化する方針を掲げましたね。しかし、具体策は先送り、民営化推進委員会を設置する法案を成立させただけ。あなたは私たち民主党の修正案を葬り去り、道路族の抵抗に屈したのです。
 石油公団廃止法案は、単に看板の掛け替えにすぎません。私たち民主党は、調査団を出し、多くの役人の天下りを明らかにしました。無責任な元高級官僚に法外な報酬と退職金を与え続けるような天下りをいまだに認めているような改革は偽物ですよ。
 小泉首相は就任に際して、旧郵政省の訳の分からない論理は小泉内閣には通用しないと大声を出されました。しかし、先日の信書便法案は正にその旧郵政省の訳の分からない法案そのものでした。郵便貯金、簡易保険の改革はどうしますか。総裁人事も役所の一存で決めるのでしょう。
 小泉さん、利益誘導と公共事業依存の自民党政治は何も変わっていませんよ。あなたはかつて、構造改革に取り組まないなら自民党をぶっ壊すと豪語しましたが、今は、抵抗勢力は協力勢力であるなどと訳の分からないことを言って、総裁の地位に居座っています。改革改革と絶叫して国民を欺くのはもうやめてほしい。抵抗勢力と妥協し、次から次へと後退する小泉首相が真の構造改革の担い手でないことは、だれの目にも明らかです。
 第三の理由は、自民党政治の政官業癒着構造に対する小泉首相の無責任な態度です。
 鈴木宗男容疑者は金にまつわる黒いうわさの人でした。しかし、自民党は彼を単独で自民党の比例代表名簿の一位候補としたのです。彼は自民党と書いてもらって当選した人物です。ミスター自民党なのです。それなのに、総裁である小泉首相はなぜ議員を辞めろと言えないのですか。弱みを握られているのですか。
 今通常国会は、政治と金で大荒れとなり、政治浄化が重大課題となりました。ところが、政府・与党はいかにも及び腰でした。あっせん利得処罰法改正は、与党案が成立しましたが、これは適用対象を国会議員の私設秘書に限って拡大するだけのものです。
 野党四会派は実効の上がる対案を提出しましたが、修正は拒否されました。官製談合防止法案も利権をむさぼる自民党の抵抗で中途半端。本当に残念です。
 また、小泉首相、あなた自らが指示した公共事業受注業者からの政治献金禁止はどうですか。与党三党はあなたの指示を全く無視しました。小泉さん、あなたの改革は結局口先だけ。
 宮路副大臣の事件など、数え上げれば切りがない。これでも小泉さんは馬の耳に念仏ですか。政治改革という点からも、あなたは内閣総理大臣には向いていません。
 第四の理由は、小泉首相が外交面でも失態を重ね、外務省改革に積極的に取り組んでいないことです。
 瀋陽の日本総領事館の事件では、政府は毅然たる態度を全く示すことができませんでした。その後の韓国の対応と比べると、日本政府の無能さは目を覆うばかりです。
 京都議定書については、結局、米国の説得に失敗したのです。有事法制については、アメリカ追随で世論の猛反発に遭いました。靖国神社の公式参拝でも、いたずらに近隣諸国との関係に緊張をもたらすだけ。小泉内閣の外交政策と安全保障政策は無定見と不手際が目立ちます。
 外務省の不祥事はこの国会中も次から次へと表面化してきました。ところが、政府・与党の外務省改革案はいずれも場当たり的、局所的な対処にすぎず、不祥事の病巣は温存されたまま。危機感ゼロで、最終報告の実行性すら危ぶまれています。この点でも小泉首相はお得意の人任せで、リーダーシップは発揮されませんでした。機密費問題に至っては、小泉内閣は真実隠ぺい内閣ですよ。
 二十一世紀の国際社会の中で重要な役割を担わなければならない日本のトップリーダーとして、残念ながら小泉首相は適任ではありません。
 第五の理由は、小泉首相が健康保険法改悪など国民生活を圧迫する政策を取り続けていることです。
 五年前、厚生大臣だった小泉さん御自身が、医療費の本人負担を一割から二割に値上げした際に、三年以内の抜本改革を約束されました。今振り返って、改革は何か実現したのでしょうか。医療や保険制度、医師の信頼回復のための改革はすべて放置したまま、今回もまた国民に改革なしの負担増だけを押し付けているのです。約束違反と言われて反論できますか。
 また、BSE問題でも、農水族の抵抗で実効ある対策を取れず、重大責任を負っている武部農水大臣をかばい続けました。国民の被害、莫大な税金。小泉さんは何も感じないのですか。個人情報保護法案や人権擁護法案などもずさんさが目に余ります。
 最後に、八月五日から強行しようとしている住基ネット。これは小渕元総理が個人情報保護法の成立がなければ稼働させないと国民に対し国会の場で約束したものです。小泉さん、あなたは多くの反対意見を無視し、官僚の言いなりになって、小渕さんの重い言葉を一蹴するのですか。ひどいですよ。
 以上、小泉内閣総理大臣には責任を問う十分な理由があります。
 我が国は、今、重大な岐路に立っています。国民は、未来に希望を見いだせず、将来の人生設計を描けないまま流れに漂って不安な毎日を過ごしています。その最大の責任は小泉首相にあるのです。国と経済の再生のため、政治の刷新のため、生活の再建のため、そして何よりも子供たちの未来のためにこの問責決議案に賛同してください。心から訴えて、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#26
○議長(倉田寛之君) 吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#27
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、小泉内閣総理大臣に対する問責決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 小泉内閣が発足して一年三か月がたちました。この間、小泉内閣は、腐敗政治を野放しにし、経済破綻をもたらし、失業者と不安定雇用を激増させ、医療を受ける権利を奪うなど、国民の暮らしを土台から破壊し、将来の希望を奪いました。また、外交面では、戦争放棄の憲法を踏みにじって、日本も戦争をする国とのイメージをアジア諸国や世界に広げたことなど、国政全般にわたって国民の期待を裏切ってきました。
 以下、具体的に問責理由を述べます。
 問責決議案に賛成する第一の理由は、経済のかじ取り不能によって国民生活に重大な脅威を与えているからです。
 この一年間で完全失業者は四・九%から五・四%に、この瞬間も完全失業者は約三百七十万人おり、総務省の調査によれば、その半数以上は雇用保険が切れるなどして収入がありません。家族を含めると、その数倍もの人が生活困難に直面しているのです。痛ましいことに、経済的理由で自ら命を絶った人は一年間で七千人近くにも上ります。国民の所得は減り、経済の中心を成す個人消費は冷え込んだままです。これが失政でなくて何でありましょうか。
 総理が最大の看板にした不良債権の早期最終処理は、たくさんの中小企業、信金、信組など地域経済を支えてきた金融機関を無理やりつぶしてしまいました。その結果はどうだったでしょうか。一年前に約十八兆円だった不良債権は、今一・五倍の二十六・八兆円に膨れ上がりました。我が党が警告したように、景気の一層の悪化と新しい不良債権の発生という深刻な悪循環が作り出されたのです。
 政府は、五月、景気の底入れ宣言なるものを行いました。しかし、その実態が、国民の暮らしに基礎を置いた国民経済の回復によるものではなく、アメリカ頼みのものでしかありませんでした。破綻が明らかになったアメリカ型資本主義をお手本としてきた責任は厳しく問われなくてはなりません。
 しかも、小泉内閣は、こうした経済悪化の下で、医療費の大幅な負担増を始め、雇用保険、年金などで新たに三兆円の負担増に加えて、消費税増税の計画など、幾重にも国民に負担を押し付けようとしています。これが日本経済を更に悪化させることは明らかではありませんか。
 第二の理由は、利権・腐敗政治温存の責任についてです。
 今国会はスキャンダル国会として歴史に名をとどめるだろうと新聞が書きましたが、小泉内閣の下で、鈴木宗男衆議院議員、加藤紘一自民党元幹事長、井上裕前参議院議長の疑惑が相次いで明るみに出ました。いずれも自民党の、しかも有力な現職の国会議員による事件です。
 今日の報道によれば、道路四公団民営化推進委員会の試算では、本四公団だけでも国民負担は最大三兆円に上るとされています。私は、道路四公団民営化法案の審議で、東京湾アクアラインや第二東名・名神高速道路の公共事業受注企業から自民党が長年にわたり巨額の政治献金を受けていることを数字で示し、無駄な公共事業と政治献金の関係を明らかにいたしました。これらは、国民の税金で行われている公共事業や対外経済援助に介入し、口利きをし、これをピンはねするというものであり、自民党政治の政官業癒着構造の実態を余すところなく明らかにいたしました。
 ところが、小泉総理は、進退は本人が決めることと言い、自ら真相を解明するとか自浄能力を発揮しようなどという真摯な態度はいささかも見せませんでした。野党は一致して、少なくとも公共事業受注企業からの政治献金禁止を求めましたが、小泉総理は手を付けようとしませんでした。国民に疑惑を招いた事件について、小泉総理にはそもそも当事者であるという自覚さえ欠けていると言わざるを得ません。
 第三の理由は、憲法第九条を踏みにじり、日本をアメリカの戦争に参加させ、海外で武力行使を可能にする有事法案を強引に進めようとしたことです。
 この法案は、審議をすればするほど憲法第九条が禁止した武力の行使を可能にするものであること、そしてその戦争に憲法が保障する基本的人権を踏みにじって国民を動員するものであることが明らかになりました。有事法案を衆議院を通過させることができなかったのは、国民が本質を鋭く見抜いたからにほかなりません。当初、賛成が上回っていた世論が今では逆転していることにもそれは明瞭に示されています。
 政府・与党は、国民の支持が得られない理由を国民保護法制が明示できなかったためであるとしています。しかし、これが国民保護に名をかりた国民権利制限法制であることは、福田官房長官が去る二十四日、憲法で保障する思想及び良心の自由、信仰の自由について、絶対的なものとは言えず、公共の福祉による制約を受けることはあり得ると述べていることでも明らかです。
 第四の理由は、日本外交を破綻させた責任です。
 小泉内閣ほど外交上の失態が相次いだ内閣はほかにありません。アフガン復興支援国際会議へのNGO参加拒否問題、北方支援事業、中国瀋陽事件、そして非核三原則見直し発言など、そのどれを見ても日本外交への失墜を内外に示すものとなりました。
 中でも重大なのは、福田官房長官が核兵器の保持などを禁止する非核三原則について、変わることもあるかもしれないと見直しに言及したのに対し、総理がどうってことはないと容認する姿勢を取ったことです。
 非核三原則は、広島、長崎への原爆投下という言語に絶する悲惨な体験に基づいて打ち立てられた国是です。だからこそ、歴代自民党政府は政権が替わったとしても将来にわたって守り抜くと国会で何度も答弁してきました。それを官房長官が踏みにじる発言を行い、総理も容認したのです。核兵器の速やかな廃絶を求める世界の流れに対し、逆流を持ち込んだのです。被爆国政府としての公約を投げ捨てるものではありませんか。この一点を取っても、小泉内閣は政権を担う資格はないと言わなくてはなりません。
 さらに、中国瀋陽の日本総領事館事件は日本外交の信頼性を根本から揺るがすものでした。我が党は、道理ある外交は事実の上に立ってこそ可能になるという立場に立って事実関係の究明を追及しましたが、事実はいまだに明らかにされず、この問題の根本にある難民に対する我が国の方針はいまだに明らかにされないままです。日本外交の自主性、主体性喪失の根本には、外交はアメリカの言うことを聞いていればよいという長年にわたる対米追随外交があるのです。
 賛成の第五は、基本的人権と民主主義を踏みにじる恐るべき体質です。
 個人情報保護に名をかりたメディア規制法など民主主義の名に値しない法案の提出や、防衛庁リスト問題、さらには公約を踏みにじって個人情報保護が整わないうちに住民基本台帳ネットワークを稼働させようとすることなどは、基本的人権と民主主義をないがしろにするものです。個人情報が大量に流出するおそれがあるのに住基ネットを始動させることは、国民のプライバシーの重大な侵害です。事故が起きない保証は全くないではありませんか。
 その他、BSE問題への対応、従軍慰安婦問題など、侵略戦争の反省をしないまま、他方、靖国神社を公式参拝しアジア諸国の感情を逆なでし、侵略戦争を肯定する歴史教科書を検定で合格させるなど、そのどれを取っても内閣としての資質を問われる重大問題です。これをわずか一年余りの間に次々に引き起こした内閣を、小泉内閣以外に私は知りません。
 私は、小泉内閣が直ちに退陣することを強く求めて、小泉総理大臣に対する問責決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#28
○議長(倉田寛之君) 平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#29
○平野達男君 私は、ただいま議題となりました小泉総理大臣問責決議案に賛成の立場から、かつ本国会を締めくくる意味の討論を行うものであります。(拍手)
 小泉内閣は、発足と同時に、この国の将来を危うくする大罪を犯しております。
 それはまず、古い自民党をぶっ壊すといった、これまでどの総理も吐かなかった、一見新鮮かつ分かりやすく見えるものの、その実、内容のない軽い言葉と大げさな演出という挙に出ることによって聞く者の目をくらまし、自民党政治の様々な矛盾を国民から覆い隠したことであります。
 さらに、改革という言葉を繰り返し叫ぶことで、この国を大きく変えなければ展望が開けないことに気付いた国民の心をうまく取り込みました。あたかも、この国が生まれ変わるかもしれないとの期待感だけを膨らませたのであります。小泉催眠術内閣、陰陽師内閣とも言われるゆえんであります。
 しかし、小泉内閣ができてこの国の一体何が変わったというのでしょうか。小泉内閣がやってきたのは改革推進どころではありません。改革実現の機運に水を差し、古い自民党をぶっ壊すはずが、改革の好機をぶっ壊し、改革そのものを遅らせているとんでもない内閣であります。このまま進めば取り返しの付かない状況にこの国を追い込むことになりかねません。
 小泉総理自身は、真剣に日本を変えたい、変えなければならないと考えているかもしれません。多分そうでしょう。少なくともそうでないと、総理に期待を寄せた国民は報われません。しかし、自民党から選ばれた総理が自民党をつぶすことなどできないというこの事実に総理自身がなぜ気付かないのか、そこに総理としての根本的な資質の欠如を認めないわけにはいかないのであります。もっとも、気付いていても知らんぷりをしているということであれば何をか言わんであります。
 自民党を中心とした内閣が続く限り日本を一新することはできない、そのことだけで既に小泉内閣がこれ以上存続すべき理由はないのであります。
 この単純な、しかし大事な事実に加え、以下、これまでの小泉内閣の実績を踏まえ、問責決議案に賛成する理由を申し述べたいと思います。
 まず、理由の第一は、経済政策の無策であります。
 構造改革なくして景気回復なし、総理が繰り返し言っている言葉であります。しかし、いまだにその構造改革が何を意味するのか、さらに、それがどのような仕組みで景気の回復に結び付くのか、これまで総理が自身の言葉できちんと言ったことを聞いたことがありません。そもそも、総理自身が何を意味しているのか分かっていないのではありませんか。今や、言語明瞭、意味不明は総理の代名詞ともなっているのであります。
 一方、経済政策として出てきたのは、不良債権処理とか株の空売り規制といった対症療法の繰り返し。構造改革という大きなスローガンとの間には大きな乖離があります。その対症療法も、不良債権を処理すれば不良債権の増大を生むという不良債権スパイラルに陥り、一向に展望が開けてきません。株の空売り規制ももはや限界に来ております。
 さきに出された第二次デフレ対策は、具体策もいまだに示されておらず、それ以上に、具体化に動く前から不評を買っている有様であります。景気は底を打ったという無責任な政府の見通しとは裏腹に、雇用情勢は厳しく、消費も伸びていません。特に、もう地方の経済は壊滅寸前と言って過言ではありません。
 総理が自らの言葉で経済対策を語ることもできず、かつ有効な経済対策を打ち出せず、更なる景気悪化によって国民の暮らしを悪化させ、失業者や自殺者の増大という惨たんたる状況を招いている責任は極めて重大であります。
 理由の第二は、小泉総理の唱える改革が全くのまがいものであることであります。
 民にできることは民に任せるとのキャッチフレーズの下、鳴り物入りで登場した道路公団と郵政の民営化論。しかし、道路公団については、自身の民営化の理念さえ示さず、第三者機関に丸投げ。第三者機関の設置が改革が進んでいることの証左と言っているのは笑止と言うほかありません。
 民間企業の参入を盛り込んだ郵政公社化関連法案では、法案の修正をめぐり、総理といわゆる与党内の抵抗勢力との間でやらせの掛け合い漫才をし、結局は民間企業が参入できない法案を成立させました。その一方、本丸である郵貯と簡保には一切触れず、全くの先送り。
 医療改革制度なるものに至っては、必要な改革はここでもすべて先送りしました。不景気であるにもかかわらず、患者負担と保険料の引上げという保険財政の帳じりを合わせただけのもの。とても改革の名に値するものではありません。挙げ句の果て、与党は衆参とも強行採決によって法案を成立させるという憲政史に残る暴挙、愚挙に出たのであります。
 総理は、内閣の支持率が上がろうが下がろうが改革に懸ける意欲に変わりはないと言っています。しかし、まがいものの改革に意欲を燃やされては、国民も立つ瀬がないのであります。
 理由の第三は、内閣の危機管理能力の欠如であります。
 昨年の九月のアジアで初めてのBSE感染牛の発見、翌日のアメリカでの同時多発テロ事件、十二月の不審船事件、今年五月の中国瀋陽の日本総領事事件。国民を震撼させる一方、我が国の危機管理の在り方が厳しく問われた重大な事件が多発しました。いずれも内閣の拙劣な対応が問題を一層深刻なものにしたという点、そして根本的な解決がいまだに示されていないという点において共通しております。正に内閣の危機管理能力の欠如を証明するものであります。
 政府が提出した有事関連三法案、政府、与党ぐるみで事実を隠ぺいしようとした防衛庁の情報公開請求リスト問題も、危機管理能力の欠如がはっきりと象徴されています。
 特に、有事関連法案は冷戦構造を前提としたと思われる全くもって時代錯誤の法案であり、なぜあのような法案が出てきたのか不思議としか言いようがありません。あの法案が出てきたことが、そのこと自体が有事であります。国会審議ではまともな答弁ができなかったのは当然であり、廃案にしてしっかりと根本から作り直すべきであります。
 理由の第四は、総理の政治倫理観のなさであります。
 今国会は、またもや政治と金をめぐるスキャンダル国会でありました。これまでと違う点は、それが参議院の長まで関係するなど、暗い大きな広がりを持っていることであります。国民の政治不信も極まれりの感がありますが、にもかかわらず、小泉総理はひたすら傍観の姿勢を取り続けたのであります。
 議員辞職せずに居座っている鈴木宗男議員については、出処進退は本人が判断すべきと意に介さず、秘書流用疑惑などをめぐる田中眞紀子前外相の疑惑解明についても、まるで他人事でありました。
 また、総理が抜け道だらけのあっせん処罰法改正程度で自民党の利権体質が変わると考えているとすれば、言語道断であります。
 もっとも、政治と金の問題を総理の倫理観のなさだけで論じることは問題を矮小化してしまいます。
 一つの政党が長いこと政権を担うことの弊害の典型、それが金権腐敗であります。その根絶は小手先の改革ではどうにもならないことは、これまでの経過が証明しております。政治の仕組みを根本から変える以外、有効な手だてはないのであります。
 本当の改革を追求するならば、自民党政治の否定そのものにつながります。小泉総理が自民党から選ばれた総理である限り、古い自民党を壊すといった公約は守れないと冒頭で言いましたが、一つだけ公約を実現する方法がないわけではありません。
 それは、総理が、自民党内閣である限り本当の改革はできないと認め、政権を投げ出すことであります。私がかねて言ってきた平成版大政奉還であります。しかし、総理に平成の徳川慶喜になれと求めることは、飼い猫に野生のトラになれというようなものでしかないかもしれません。しょせん無理があります。
 ここは良識ある議員各位によって問責決議案を可決し、小泉総理の肩をたたいてあげることがまずは必要なのであります。
 これ以上、小泉内閣によってこの国が本当に必要としている改革の実現を遅らせるわけにはいかないのであります。早急に改革派が結集をし、大同団結して政権交代を実現させなければなりません。政権交代はできるかできないかではありません、待ったなしなのであります。そして、政権交代こそが、そのものが改革そのものであると申し上げて、私の討論といたします。(拍手)
#30
○議長(倉田寛之君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#31
○議長(倉田寛之君) これより本決議案の採決をいたします。
 浅尾慶一郎君外九十三名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#32
○議長(倉田寛之君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#33
○議長(倉田寛之君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#34
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十二票  
  白色票           九十七票  
  青色票          百三十五票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#35
○議長(倉田寛之君) これにて休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後三時一分開議
#36
○議長(倉田寛之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法案
 食品衛生法の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長阿部正俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔阿部正俊君登壇、拍手〕
#38
○阿部正俊君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法案は、ホームレスの自立の支援等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにするとともに、ホームレスの人権に配慮し、かつ、地域社会の理解と協力を得つつ、必要な施策を講じようとするものであります。
 次に、食品衛生法の一部を改正する法律案は、食品衛生法違反となるおそれが高い特定の国で製造がなされた食品等について、その販売、輸入等を包括的に禁止することができる制度を創設しようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括議題とし、提出者であります森衆議院厚生労働委員長より趣旨説明を聴取した後、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#40
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成           二百三十一  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#42
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 本日法務委員長外五委員長から報告書が提出されました法務局、更生保護官署、入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願外六百二十九件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
    ─────────────

    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#44
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 まず、商業捕鯨の早期再開等に関する請願(四件)は、委員長の報告を省略して、委員会決定のとおり採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○議長(倉田寛之君) 過半数と認めます。
 よって、これらの請願は委員会決定のとおり採択することに決しました。
 次に、その他の請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、これらの請願は各委員会決定のとおり採択することに決しました。
     ─────・─────
#47
○議長(倉田寛之君) この際、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
    ─────────────

    ─────────────
#48
○議長(倉田寛之君) まず、総務委員長要求に係る行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案について採決をいたします。
 三案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○議長(倉田寛之君) 過半数と認めます。
 よって、三案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
 次に、法務委員長要求に係る人権擁護法案について採決をいたします。
 本案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#50
○議長(倉田寛之君) 過半数と認めます。
 よって、本案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
 次に、各委員長及び各調査会長要求に係るその他の案件について採決をいたします。
 これらの案件は、いずれも委員会及び調査会の審査又は調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも委員会及び調査会の審査又は調査を閉会中も継続することに決しました。
     ─────・─────
#52
○議長(倉田寛之君) この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。
 総務委員長田村公平君、法務委員長高野博師君、外交防衛委員長武見敬三君、文教科学委員長橋本聖子君、厚生労働委員長阿部正俊君、農林水産委員長常田享詳君、経済産業委員長保坂三蔵君、決算委員長岩井國臣君、行政監視委員長森本晃司君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#54
○議長(倉田寛之君) この際、欠員となりました常任委員長の選挙を行います。
 つきましては、常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 総務委員長に山崎力君を指名いたします。
   〔拍手〕
 法務委員長に魚住裕一郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
 外交防衛委員長に松村龍二君を指名いたします。
   〔拍手〕
 文教科学委員長に大野つや子君を指名いたします。
   〔拍手〕
 厚生労働委員長に金田勝年君を指名いたします。
   〔拍手〕
 農林水産委員長に三浦一水君を指名いたします。
   〔拍手〕
 経済産業委員長に田浦直君を指名いたします。
   〔拍手〕
 決算委員長に中原爽君を指名いたします。
   〔拍手〕
 行政監視委員長に白浜一良君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ─────・─────
#56
○議長(倉田寛之君) 今期国会の議事を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る一月二十一日に召集されました今常会は、本日、終了する運びとなりました。
 今会期中の議員各位の御尽力に対し、心から敬意と謝意を表する次第であります。
 会期の途中において、図らずも議長の重責を担うこととなりましたが、議員各位から賜りましたお力添えに対し、ここに改めて、厚く御礼申し上げる次第であります。
 会期末には、会派間に厳しい緊張関係が生ずる事態もありましたが、ここに全議員が一堂に会し、最後の議事を終えましたことは、誠に御同慶の至りであります。
 議長といたしましても、今後、参議院が、その本来の役割を十全に果たし、国民から、更に信頼され、期待される存在となりますよう、あらゆる努力をいたしたいと存じます。議員各位におかれましても、一層の御協力あらんことを切に望むものであります。
 暑さなお厳しく、内外の時局ますます多端な折、皆様御自愛の上、なお一層御活躍くださいますようお祈り申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
 これにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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