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2001/12/04 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 国土交通委員会 第7号
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2001/12/04 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 国土交通委員会 第7号

#1
第153回国会 国土交通委員会 第7号
平成十三年十二月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                藤井 俊男君
                弘友 和夫君
    委 員
                荒井 正吾君
                泉  信也君
                北岡 秀二君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                渕上 貞雄君
                大江 康弘君
                田名部匡省君
   衆議院議員
       国土交通委員長  赤松 正雄君
       国土交通委員長
       代理       木村 義雄君
       国土交通委員長
       代理       原田 義昭君
   国務大臣
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        坂  篤郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民間資金等の活用による公共施設等の整備等の
 促進に関する法律の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官坂篤郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(北澤俊美君) 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○富樫練三君 日本共産党の富樫でございます。
 いわゆるPFI法の改正案について、幾つか提案者そして政府に伺いたいと思います。
 実は、十一月の二十七日に衆議院の国土交通委員会で我が党の瀬古議員が質問しましたけれども、この質問の中身というのは、受け手、いわゆる受注者は大手が中心ではないかと、こういう質問に対して政府の答弁はこういうふうに言っているんです。必ずしも大手事業者に限定されているわけではないと、受注者が。今後、PFI事業が広い分野で導入が進めば中小企業者を含む事業者の参加機会がふえてくるというふうに考えていると、こう答弁をいたしております。
 本当にそうなのかというところがきょうの質問の第一の趣旨であります。
 皆さんのお手元に資料を配ってありますけれども、資料の一というところをごらんいただきたいと思います。これは平成十三年の十月十八日現在で全国で既に契約済みのPFIの一覧表、これを配らせていただきました。
 この「受注者」の欄を見ていただきたいわけでありますけれども、この中には十の企業あるいはグループがあります。その中のどこを見てもグループの中心あるいは企業そのものが中小企業だと思われるものは残念ながら入っておりません。六つについてはグループになっております。そのグループには構成員というのがあります。政府の衆議院での答弁はその中に中小企業が入っているんだと、こういう答弁だろうというふうに思います。
 一番右端の欄は、これは政府の調査ではなくて私が調査したところです。これは業種や資本金や従業員の数です。これを見ても、中小企業と思われるものは、業種によって中小企業の基準が多少違いますけれども、本当に少ないというのが実態であります。
 そこで、政府に伺いますけれども、今後PFI事業が進めば中小企業者の参加がふえるというふうに言いますけれども、そういう裏づけはあるのかどうか、ここをまずひとつお答えいただきたいと思います。
#6
○政府参考人(坂篤郎君) 衆議院で御答弁申し上げたのと基本的には同じでございますが、繰り返しになりますが、先生も今御指摘になりましたように、今でも若干の中小企業がいろいろな役割で参加をしておられるというふうに認識しておりますし、PFI事業というのもさまざまなものがこれから、まだ今のところは三十五事業ぐらいでございまして、いろんなものがといってもまだ限定されていると思いますが、これからいろいろな、例えば種類にいたしましても、あるいは規模にいたしましても、あるいはどのようなサービスを求めるかといったことにいたしましても、いろいろな態様のものがこれから出てくるというふうに私ども期待いたしておりまして、そういう発展の中でさまざまな規模の事業者の方々、あるいはどういうサービスを得意としておられるかといった事業者の方々がいろいろな形で参加をされてくるのではないかというふうに私ども期待をいたしておるということでございます。
#7
○富樫練三君 再び資料一をごらんいただきたいわけですけれども、特に「受注者」の欄、左から二つ目の欄ですけれども、ここを見ていただきたいと思います。
 例えば、神奈川県の衛生研究所、これは三菱商事グループです。調布市の小学校の建設は三井物産グループ。千葉市の消費生活センターと計量検査所、これは前田建設工業のグループ。神奈川県の美術館は伊藤忠商事グループです。島根県の八雲村の学校給食センターは大成建設グループが受注しています。これらの事業というのはそれほど大規模な事業ではないんです。ですから、通常でいえばこれらは地元の中小企業や建設業者が十分仕事ができる、こういう仕事であります。
 その次に、資料の二と三を見ていただきたいんですけれども、資料二の方は神奈川県立近代美術館です。入札に参加をしたグループがここに書いてあります。「事業者(グループ)名」というところです。そのグループの代表者が次の欄に書いてあります。一番は大林組、二番は三井不動産、三番はオリックス、四番は西松建設、五番が伊藤忠商事、六番が丸紅、七番が竹中工務店、八番が前田建設工業、こういうふうになっております。
 さらに、資料三番は調布市立調和小学校の受注に参加をしようということで表明した業者名であります。これは十二社ありますけれども、左から三つ目のところに「代表企業名」というのがあります。新日本製鐵、伊藤忠、三菱商事、フジタ、清水建設、三菱重工、三井物産、大林組、大日本土木、戸田建設、丸紅、竹中工務店、こういうふうになっているわけなんです。
 すなわち、小学校を建設するにも美術館を建設するにも、こういういわゆる大手が受注として参加をする、その中から落札をするというか選ばれる、こういうことになっているわけです。すなわち、これでは中小企業は一社も中心としては参加はできない、こういうことになります。最初から入札の参加の資格さえ奪われている、こういう状況がもう一目瞭然だというふうに言えると思います。これがこのPFI方式の特徴だというふうに言えると思うんですけれども、法案の提案者はこの点についてはどのようにお考えでしょうか。
#8
○衆議院議員(赤松正雄君) 先ほど来御指摘が委員からありますけれども、中小企業が排除されるんじゃないのか、今資料一と二をお示しになられて一目瞭然じゃないかという御指摘がございました。確かに受注者は大手企業が中心を占めております。現時点においてそれは事実でありますけれども、それを受ける構成員の中には大手ではない中小の企業も入っております。そういった、現時点では確かに大手の受注者が目立ちますけれども、構成員には中小企業も入っているという事実があろうかと思います。
 いずれにしましても、事業者の選定につきましては公平性、透明性を確保しておりまして、中小企業者であってもPFI事業を実施するにふさわしい事業者であれば選定事業者として事業実施が十分可能でありますので、何も最初から中小企業を排除している、そういうふうなことではないと、そんなふうに考えております。
#9
○富樫練三君 補足の御意見おありのようですけれども、この後もし時間があればぜひお願いをしたいと思いますけれども。
 今、グループの中心は大企業なんだけれども、構成員の中には中小企業が入っているんだと、こういうお話でした。これは政府の方の答弁と恐らく同じ意味だろうというふうに思いますけれども、資料一を見ていただくと、私、本当にそうなのかというのを調べてみたんです。そうしましたら、資料一の一番右の欄です。
 例えば、神奈川県の衛生研究所、これはダイヤモンドリースという株式会社が構成員として入っておりますけれども、資本金が百六十四億です。それから、その下の共立管財というところは資本金が四十五億円です。それから、その下の調布市の小学校の場合は、設備保守管理をやるハリマビステムというところは資本金六億五千万、従業員千四百人です。これはつくったプールの管理でフィットネスクラブやなんかを、小学生が使っていないときにその小学校のプールを使ってフィットネスクラブをやるんですね。営利事業をやるわけなんです、小学校を使って。これを中心的に進めるのがセントラルスポーツという株式会社で、これは資本金が十八億円で従業員七百九十五人、こういうことなんです。
 これずっと調べますと、本当に、ああ、地元の中小企業者だなと思われるのは非常に数が少ない。一番下の松江土建さんというところは資本金が三億で従業員百六十二名ですから、建設業としては中小というか、地元の中心的な企業の方だというふうに思いますけれども。ですから、構成員に多少中小企業が入っているからといって、これは中小企業にとって大きくプラスになるような方式なのかというと、私は必ずしもそういうふうに言えないというふうに思います。
 問題は、なぜそういうふうに大企業が中心にならざるを得ないのかと。これはPFIのやり方、方式に問題があるんです。
 例えば、ここにあります調布市の小学校の場合、これは校舎と体育館とプール、これら全体を建設する。あわせて、その校舎全体をその後十五年間にわたって維持、管理、運営、これもその事業者が行うと、こういうふうになるんですね。通常、文部省の基準からいえば、校舎、体育館、プールなどをつくって、その合計の金額というのは総額でおよそ調布市の場合でいうと二十五億円前後。ところが、プールは地下につくって室内の温水プールにしないとフィットネスクラブという営利事業には向かないわけですね、年がら年じゅう使えるようにしないと。したがって、そういうプールをつくるから費用が膨大になる、総額で四十三億円ぐらいかかる、こういうふうになるんです。
 しかも、その費用というのは、その中で文部省から出る補助金というのはごくごく限られていて約五億円なんです。それ以外の初期の投資額、費用というのは、これは全部民間の業者が持たなくちゃいけない、銀行から借りてきて、こういうことになるわけですね。だから地方自治体は出さなくてもいいですよと、こういうふうになるわけで、ここは地方自治体にとってはうまみになっているんだけれども、総額としては事業の予算は大きく膨らませないと、実は事業者にとって、民間の方にとってはうまみがない、こういうことになるんですね。
 そういう膨大な資金を銀行から借り入れることができる、財政力のある、資金力のあるそういう大手でなければできないのと、十五年間にわたってその管理をやる、これに責任を負わなくちゃいけないということになると、中小企業ではなかなかこれは手が出ない、こういう事態になっているんだと思うんです。ですから、結果として、小学校の建設であるにもかかわらず三井物産が受注をすると、こういうことになっていると思うんです。
 初期投資が少ないからといってPFI方式でやった場合に、実は総額としては非常にお金がかかると、こういうことになってしまうという特徴もあると思うんですけれども、こういう点について提案者はどのようにお考えでしょうか。
#10
○衆議院議員(木村義雄君) 今の点でございますけれども、仕組み方はやはりそれぞれ発注者側のいろんな意向はそれはある程度あると思うんですね。先生の御指摘の一番の問題点は、中小企業者がどのようにしたら参入可能かということになってくると私は思うんです。そのときに、私はまだまだこのPFIの手法というものが中小企業者の方々に十分理解されていないと。やはり大企業の方はこのPFI事業に法案作成以前から相当な勉強をし、取り組んでまいりましたところがあるんです。そして、契約なんかをごらんいただいてもわかりますように、非常に膨大な契約、リスク分担等がございますから、相当膨大な契約になるわけでございまして、その契約のノウハウ自体もまだ中小企業者が十分に理解をされていない点が、中小企業者がなかなか入りにくい点というのはあるんじゃないか。
 事業の規模もあります。先生がおっしゃられたように事業の規模もありますが、その事業の規模もさることながら、その契約、PFIの手法についてまだまだ中小企業の方々は十分御理解をされていない。そこが私どもがこれからこのPFI事業を進めていく上での一番の課題ではないかということを思っておりますので、先生の御指摘を受けて、これからそれぞれの場で中小企業者がより一層参入しやすいようなPFIをどのようにしたらいいかというのはしっかり取り組んでまいりたいと、このように思っております。
#11
○富樫練三君 今の答弁ですと、大企業の方は以前からずっと取り組んできてノウハウをしっかり勉強してPFIに対応できるようになっていると。ところが、中小企業の方は、残念ながら、一言で言えば理解がしていない、ノウハウもない、したがって努力が足りないと、こういうことを言わんとしているのかなというふうに思いますけれども、私はそうじゃないと思うんですね。中小企業は努力していないから入れないというのではなくて、それだけ長期間にわたって大きな資金力を安定して確保できるような状況には残念ながら客観的に中小企業は置かれていないと。これは大企業しかやっぱりできないような仕組み、そこにこのPFI方式の重要な問題点があるというふうに思います。
 そこで、これと関連して、例えば受注者、資料の一でいいますと、受注者のグループ、ここがもしも破綻をしたりあるいは責任が負えないという方向になった場合には一体どういうことになるのかと。ここはもうPFI問題、当初からずっと問題になってきたところなんですね。これが二つ目のきょうのテーマであります。
 例えば、神奈川県立美術館、この資料一の中にもありますけれども、これはいわゆるBOT方式、すなわち事業期間であります三十年間、これは美術館、これについては事業者である伊藤忠商事を代表企業とする伊藤忠グループ、ここに、土地ではなくて上物、建てた建物の所有権がこの企業の側にあるんですね。事業者の方に所有権があると。ここは、このグループというのは新しい会社をつくりまして、株式会社モマ神奈川パートナーズという名前の会社をつくったそうであります。この会社は、事業を進めるに当たってその資金を第一勧銀と日本政策投資銀行から融資を受けると。その際に、担保として、この会社が所有権を持っている県の近代美術館の建物、ここに抵当権を設定をするんですね。それで、また三十年間、県に対して、その美術館の維持管理を企業がやりますから、維持管理費は県から受け取ると、こうなりますね。ここに債権が生じますね。権利が生じます。その権利を質権として融資を受ける銀行の方に設定をすると、こういう仕組みになっているわけです。
 そこで、このモマ神奈川パートナーズという事業者、この事業主体でありますけれども、これをすなわちSPCというふうに呼んでいるわけですけれども、ここの経営が困難になったり破綻した場合にはどうなるのか。その担保権の実行について神奈川県当局は、金融機関が担保権を実行するかしないか、これに対して物を言う権利が保障されているのかどうか。ここは政府の参考人の方がよく仕組みは御存じだろうと思いますので、そういう金融機関に対して担保権実行について意見を県当局は言えるかどうか、ここはどういう契約になっていますか。
#12
○政府参考人(坂篤郎君) 先生御指摘のように、民間事業者がみずから資金調達を行ってPFI事業を実施するBOTの場合なんか、施設の所有者は民間事業者でございますから、融資を行った金融機関がそこに抵当権を設定するということは法律上可能でございます。
 また、通常、公共施設等の管理者は、そういった場合にはPFI事業者へ融資している金融機関と、ダイレクトアグリーメントというふうに呼んでおりますが、つまり地方公共団体と金融機関が直接に契約を結びまして、例えば抵当権の設定の取り扱いでございますとか、あるいはPFI事業者が何らかの事情で事業をうまく継続できなかったというような場合に、じゃ、かわりをどうしようかとか、そういったことについて契約をあらかじめ取り交わしておく、あるいはいろいろなリスク分担やなんかについて契約をしておくということは、普通そういうふうにやるということになっております。
 この具体的な詳細は私ども存じておりませんが、私どもの伺っているところでは、神奈川県立の近代美術館事業につきましても、今後、神奈川県と融資金融機関との間で、抵当権の設定の取り扱いについて、そういったものを含む直接契約が締結される予定というふうに伺っております。
#13
○富樫練三君 神奈川県当局と融資をしている金融機関との間で直接の協定を結ぶ、これから、こういうことのようですね。ということは、それは当然のことながら、担保権を実行することについての、例えばそれを抑制するであるとか、そういうことの協定になってくるだろうと、当然そういうふうに思われます。
 ということは、神奈川県当局が担保権の実行を認めれば、第一勧銀や政策投資銀行は担保権と質権を実行することもあり得ると、こういうことになります。認めればですね、県当局が認めればそれを実行することができると。すなわち、美術館の所有権を第一勧銀やあるいは政策投資銀行に移転をして、抵当に入っているわけですから、それを転売するとか、銀行としては美術館を持っていてもしようがないですから、お金にかえなければ仕事にならないわけですから、美術館を転売をすると、こういうことも理論上、法律上はあり得ると、こういうことになりますよね。
 ただ、その場合に、神奈川県としては美術館を手放すわけにはいかない。当然のことだと思うんです。これは県民の財産ですから、それを簡単に手放すわけにはいかない。ということになると、当然のことながら、県当局がそれを買い戻すと、こういうことになりますね。ということになれば、これは二重の負担になる。建築費を出した上で、今度はそれを買い取らなくちゃいけないと、こういうことにもなりかねない。そうなれば県としては美術館を引き続き確保することは可能だと、こうなりますね。
 もしも県の方が抵当権の実行を拒否をする、認めないと、こういうふうになった場合はどうなるかというと、事業者が倒産した場合には建設費の九〇%を県当局が事業者に払う、または三十年間かかって分割で払うと。そうすると、お金は払う、ところがその美術館を管理をする事業者は倒産をするなり撤退をする、こうなると、管理は結局のところやっぱり県がやらなきゃいけない。だったら、県が最初からつくって、県が管理した方がいいのではないかということは当然言えるというふうに思うんです。
 ですから、こういうやり方というのは、PFIのやり方というのは、制度そのものがこういう大きな矛盾を持っているわけですから、地方自治体や国がやる場合にはよほど慎重にやっていかなきゃならない、その根本問題をきちっと解決しながらやっていかなきゃいけないというふうに思うんですけれども、最後に提案者のこの点についてのお考えを伺って、私の質問を終わります。
#14
○衆議院議員(赤松正雄君) 今、委員御指摘の、制度そのものが持つ矛盾についてよく理解をした上で、国や地方自治体が運営するに当たって気をつけろと、こういうふうな御指摘、ごもっともだと思います。
 ただ、公共施設等の管理者等と融資金融機関等との間で、当該PFI事業の態様に応じまして新たなPFI事業者に事業を継承させるための仕組みを、ともかくあらかじめ協定の中でこのリスクの負担というものを決めるということを現にしておるわけでございまして、そのことをしっかり中心に置いて、今御指摘のような点も勘案してこれからしっかり取り組んでまいりたい、そんなふうに考えております。
#15
○富樫練三君 終わります。
#16
○田名部匡省君 全く内容わからぬので、きょうは内容をお聞きしたいと思っておいでいただいたんですが、ただ、一つ言えるのは、どうしてこのPFIを行おうとしたのか、その動機というか、理由は何だったんですか。
#17
○衆議院議員(木村義雄君) そもそもこのPFIの一番の趣旨は、民間の提案でもって、民間の発想で公共事業を行うことができないだろうかと。今までは公共事業というのは官が行うというのが最大の常識でありましたけれども、民間の提案によって公共事業を行い、民間があと維持管理をしていくということも可能ではないか。そういうところの中に民間のいろんなノウハウを用いれば、今までの公共事業よりもはるかに低い価格で、低コストで建設あるいは維持管理ができないだろうかと。そこに、間に余裕のお金が生じるわけでございますけれども、それをバリュー・フォー・マネーといいまして、つまり最小の費用でもって最大の効果を上げていくというのがこのPFIのそもそもの発想でございます。
#18
○田名部匡省君 私は、どっちを向いてやろうとしているのかということがよくわからない。今も質問がありましたけれども、この資料を見ておわかりのとおり、日本というのは金融機関からすべて系列化しているんですね。ここが外国と相当違う部分だろうと思うんです。どこかの商社には、あるいは金融機関にはどこがくっついているかというのがはっきりしているわけですね。ですから、そこがとると、そこの流れに行っちゃうという仕組みだろうと思うんです。
 私は、地元へ帰ってこの話すると、地元は全然わかりません、何をどうしようというのか。ただ、言えることは、今の工事でももう大手の人がとると、大した人も来ないし何にもやっていないが、やるのは地元の業者とか、そこも系列があって、下請の小さなところが仕事をやっているので、何でこんなむだをやるんですかということをよく質問されるんですよ。
 結局、今のことでいくと、私は、むしろ自治体のあいている土地を地元の業者、何でもいいから公共に役に立つ、住宅、マンションもあるでしょうし、アパートでもいいだろうし、そんなことをもうどんどんやらせるようにしたならば、地元の連中だってその程度なら何社かで組んで、じゃ、おれたちもやろうかという気分になると思うんですが、本当にそういうきめ細かい、今の経済状況で私は考えたと思うんですよ。
 そんなに最初から民間がやった方がいいということは、役所がやってきたのはみんなでたらめだったと、金がかかり過ぎてむだなことをやってきたということになるんじゃないですか。どうですか。
#19
○衆議院議員(木村義雄君) 今の田名部先生が言われたそもそものところが今回の改正案の一つの主な重要なところでございまして、今回の改正案の中には、行政財産を含めてPFI事業用に使えるようにしようということでございます。
 例えば、公立病院があるとすると、そうしたら、その病院の敷地内、これは行政財産でありますけれども、その病院の敷地内に看護婦宿舎をつくると。その宿舎の上に今度はお見舞いの方々の宿泊の施設をつくろうとか、そういうことがもうできるわけでありますし、それを地元の方々の発想でもってやっていただくことが可能になるわけでございます。
 ですから、普通財産、さらには行政財産の有効活用、今回は合築もできますから、PFI事業でそもそも建てた上にまだ空間的な余裕があれば、そこへ民間の方の発想によって先生がおっしゃったような事業ができるというのが今回の趣旨の最大のポイントでございます。
#20
○田名部匡省君 公共施設の上に民間の施設を合築というんですか、できると。その場合は、固定資産税はだれが払うんですか。
#21
○衆議院議員(木村義雄君) 固定資産税は、これはイコールフッティングといいまして、このPFIの本来の趣旨は、公共事業の場合には公共事業と同じような固定資産税にしたいと、こういうふうに思っております。それから、民間事業の場合には、それはちゃんと普通どおりの、規定どおりの固定資産税を払っていただくと、こういうことになります。
#22
○田名部匡省君 そうすると、公共施設と、その上に民間が入る施設ができると。下は別個で、上の方は払いなさいと、こういう意味ですか。
#23
○衆議院議員(木村義雄君) そのとおりでございまして、PFI事業に関しては減免措置、ゼロにしたりあるいは減らすことができるわけですし、それから上の合築事業の部分に関しましては、これは規定どおりの固定資産税を払っていただくことになります。
#24
○田名部匡省君 何かよくわかりませんが、本当に今の景気回復のためにやらせようというのなら、こっちは普通に払いなさいよといったら、これを本当にみんなやる気になるかどうかですよね。土地は自治体のものでしょう。その辺のところをしっかりしてやらないと、これうまくいくかどうかやってみなきゃわからぬ部分もあるわけですから。
 さっき、倒産したらどうなるのかと。その上の方はじゃ買い取るんですか。
#25
○衆議院議員(木村義雄君) これは、PFI事業というのはそもそも税金でもって公共事業を今まで行っていたものを融資でもって行うということになります。融資でございますから、審査が入ります。私はその審査というのが非常に重要な要素を占めているんじゃないかと思うわけでございまして、つまりこの事業が、先生がおっしゃったような、これこのままやっていったらいろんな経費ばっかりかかってとても成り行かないなという場合には、金融の方が、この事業はPFI事業に向かないから、これは公共として全部税金でやるならば何とかやっていけるかもしれないけれども、PFI事業じゃ向かないというような判断が示される場合もあると思います。その場合にはPFI事業にならないと。その辺の判断は審査でもってやるのがこのPFI事業の一つの大きな特色であります。
 ですから、前もっていろんな危険分担とかも含めてリスク分担は決めますけれども、ポイントは私はその審査にかかって、これから事業が継続して成功するかどうか、その辺の見きわめはそこに重点が置かれるのではないかと思っております。
#26
○田名部匡省君 今の話ですと、もう地元の中小の業者なんかはやれないですね。これは難しいですよ、そんな条件つけられて。そんなきちっとやっている、役所だって大体どんぶり勘定でしょう。いや、いつもみんなうまくいく発想でやっているんですから。それがみんな赤字になっているでしょう。
 だから、これはむだだから民間にやらせようという発想ならば民間が力を出してやれる仕組みというものを考えなきゃならないですが、皆さんがやっているよりそっちがやった方がもっといいんだという発想でこれスタートするんじゃないんですか、効率的で、民間がやった方が。私はそう理解しておるんです。
 もう一つ、自治体の病院というのは軒並み赤字ですよ。それはまあいろいろあります。私も何回も相談に、全部の町長来ますから。そういうのをまたこれでやろうとすると、これはもう建てられませんと私は思う。そういう場合は、今の審査でいくと、町立病院なんていうのはこれはもう可能性ないですね。
#27
○衆議院議員(木村義雄君) 今、自治体の病院の最大の問題点というのは人件費でございます。大体、支出の六、七割が人件費であります、公立病院の場合。民間病院の場合には大体五割以下であります。私はそこが民間病院と公立病院の最大の問題点ではないかなと、このように思っておりまして、民間病院の場合には自分で資本を投下し、そして税金も払った上で黒字を出しているんです、赤字だと融資が受けられませんから。それで、しかもちゃんと病院経営をやっているところがあります、ほとんどです。中にはそれは破綻したところがあるかもしれません。しかし、人件費を五〇%以内に抑えて事業が大体進んでいるのが通常でありますが、これが公的病院になりますと大体六〇%から七〇%ぐらいになるわけであります。
 そこで、このごろはアウトソーシングとかいってだんだんだんだん外部へ委託するような面も出てきましたけれども、民間病院の場合と公的病院の場合の最大の違いは私はそこでございますので、つまり民間病院の発想でいけば、PFI事業の発想でいけば、むしろ公的病院はそちらの方に移行した方が私はうまくいくんではないかと、このように思っております。
#28
○田名部匡省君 私も、町長さん方がいろいろ相談に来まして、あなたは専門家ですからよくわかると思うんですが、町立病院の場合はお医者さんの確保ですよ。もうあっちこっちの大学へ行って頭を下げて、町長よりも高い給料を払わないと行かないなんといってやられて、それでももうできていますから。それに今度は、ここには十人いなきゃだめだと、五人しか見つけられなくて、あと五千万とかなんとか返せと、こう言われていますという相談なんかもあります。私は、そのとき言ったのは、もう町立病院やめなさいと、あの病院を民間のお医者さんに貸した方がいいと、家賃取った方が。ついている機械はそのまま貸せばいいと。
 私はよく医師会の会合で言うんですが、私は医者にならぬでよかったと。なぜかというと、やっと開業して診療所を建てて、住宅の前に。それで長生きしてくれればいいというの。途中で亡くなっちゃったら、我々には、ばかでもチョンでもと言ったら失礼だけれども、息子を社長にできるんですよ。ところが、お医者さんは資格取らぬと医者になれない。そうすると、その借金は奥さんや子供に残して天国へ行っちゃうわけですから、これはもうえらいことだなと思って。そういう人たちが、むしろ町立病院みたいなのをつくって、内科、外科、眼科と入れてやった方が、そっちも助かるし、こっちもいいしという話をしたんですよ。これが私の考えている十何年も前のPFIだと思うんです。
 ですから、余りやらせるときにあれだこれだと縛っちゃうと進みませんから、それはもう任せるんですよ、地方に、大枠のところだけはあなた方が決めたら。それをこまいところまでほじくり返すと、地域によってこれは違いますからね、事情が。沖縄のようにぽかぽか暖かいところに住んでいる人と北海道のあの吹雪の中に住んでいる人と皆違うでしょう。建物だって、それは暖房も、こっちは冷房必要でしょうけれども、相当寒さに耐える建物でなきゃいかぬし、暖かい方へ行けばそんなことはないでしょう。だから、そういういろんなことがあるから、そこまで一々審査の基準にしていいとか悪いとかと言い始めたら、これは私は進まぬと思う。
 いずれにしても、せっかくおやりになる、国がやるより民間の方がいいんだと、むだがなくなるしということであれば、それがやりいいようにやってやるということが趣旨でないと、つくったって魂が入っていないし、やるのは特定の人たちだけでやれるということだけは私はもう絶対なくしてほしいと、こう思います。
#29
○衆議院議員(原田義昭君) 私もこの提案者の代理の一人でございまして、一言。
 ただいま田名部先生の、大事なポイントであろうと思っております。病院の運営管理につきましては先ほど木村先生からお話があったとおりでございますけれども、PFIとの関係では、PFIというのは、現在、小泉改革の議論の中で、民間でできるものは民間でという意味で病院運営をどうするかというような議論が出てきておるわけでありますけれども、PFI法が目指しておるのは、今までなら官のものは官でしかやれない、本来税金でしかやれないところを、その分野でもなお民間の資金とか技術とか情報とか能力とか、そういうものを活用して、そしてそういう官の問題、公共施設、公共事業についてもできないかという問題でございまして、そういう意味ではVFM、バリュー・フォー・マネーというような意味で、同じ資金を使うにしても、やっぱり民間の資金を、ないしはエネルギーを活用することによってさらに効果、国民に対する便益がもたらされるのではないかと、そういうところを目指しておるところでありまして、ただいま先生がおっしゃったようなまさに地域の経済発展等にも結びつけて、できるだけそれを使いやすくするということも大事なことではないか、こういうふうに思っております。
#30
○田名部匡省君 低廉かつ良質な公共サービスの提供だということで、これをスタートするのは私は結構だと思いますよ。ただ、やり方が間違っていくと、もう偏ったところだけが何か全部組んじゃってやったら、だれも入れないような仕組みだけはやっぱり排除して、地元でも今仕事がなくてみんな困っている、そういう人たちが知恵を出してやれる仕組みもできるようなことをやっぱり考えてやらないと、大きいところだけがいろいろ組んで全部日本国じゅうやるということにならぬようにだけ配慮してやってください。
 以上、終わります。
#31
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#32
○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆるPFI法改正案に対する反対の討論を行います。
 PFIとは、国や地方自治体の財政破綻が深刻になるもとでも、民間の資金を使って引き続き浪費とむだの公共事業を推進することが可能となる手法です。また、民間の資金の導入のために収益事業を推進するなど、公共施設の性格をゆがめる、破綻の際には民間に十分なリスクを分担をしていない、入札段階から大手ゼネコン、商社が独占し、中小企業に仕事が回らないなど、さまざまな問題点が本委員会でも今指摘されました。
 今回の改正は、これらの問題点を改善するどころか、一層推進するものであり、容認できません。
 以下、本改正案の反対理由を述べます。
 第一に、本改正案は、対象事業を国会や裁判所、会計検査院まで広げています。本来、国の施設は国自身の責任において整備、運営するのが当然であり、高度な公共性を持つ国会や裁判所にまで安易に拡大することには反対です。
 第二に、本改正案は、PFI事業とそれ以外の民間収益事業の施設の合築を行う場合、PFI事業者に対し行政財産の貸し付けができるようにするなどであります。これは、行政目的に支障を生じるおそれを否定できないばかりか、営利企業の採算性を安定的に確保してやることになります。
 このように、本改正案は、企業に対してうまみを国と自治体が提供して、大規模公共事業をさらに推進しようというものであり、容認できません。
 以上、議員の皆さんの御賛同をよろしくお願いいたします。
#33
○委員長(北澤俊美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#34
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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