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2001/10/30 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 経済産業委員会 第2号
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2001/10/30 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 経済産業委員会 第2号

#1
第153回国会 経済産業委員会 第2号
平成十三年十月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十三日
    辞任         補欠選任   
     緒方 靖夫君     筆坂 秀世君
 十月二十四日
    辞任         補欠選任   
     広野ただし君     平野 貞夫君
 十月二十五日
    辞任         補欠選任   
     西山登紀子君     富樫 練三君
     筆坂 秀世君     緒方 靖夫君
     平野 貞夫君     広野ただし君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任   
     富樫 練三君     西山登紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         保坂 三蔵君
    理 事
                魚住 汎英君
                松田 岩夫君
                山崎  力君
                平田 健二君
                本田 良一君
    委 員
                大島 慶久君
                加藤 紀文君
                倉田 寛之君
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                若林 秀樹君
                荒木 清寛君
                草川 昭三君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       大村 秀章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       農林水産省生産
       局長       小林 芳雄君
       経済産業省商務
       流通審議官    古田  肇君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (通商政策に関する件)
 (経済構造改革に関する件)
 (特殊法人改革に関する件)
 (新産業創出対策に関する件)
 (エネルギー政策に関する件)
 (牛海綿状脳症問題に係る中小企業対策に関す
 る件)



    ─────────────
#2
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 この際、平沼経済産業大臣及び大島経済産業副大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。平沼経済産業大臣。
#3
○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。
 第百五十三回国会における経済産業委員会の御審議に先立ちまして、経済認識や諸課題について一言申し述べさせていただきます。
 我が国の経済の現状を見ますと、輸出、生産が大きく減少し、失業率が最高水準で推移するなど、引き続き悪化しております。世界経済も同時減速の状況にあります。こうした中で起きた先般の米国同時多発テロ事件に関し、事件自体の影響に加え、今後の武力行使の展開などにより米国経済がさらなる打撃を受ければ、我が国経済の後退が一層深刻化するおそれがあります。
 今回のこうした世界的な危機に際し、我が国としても国際社会と連携しつつ、断固とした対応をとらなければならないのはもちろんのことですが、世界第二位の経済大国として、我が国経済の自律的回復を実現することは国際的な責務でもあり、情勢を見きわめつつ果断な政策運営を行っていくことが重要であります。
 経済産業省といたしましては、こうした現下の経済情勢を十分に認識し、我が国経済が本来持っている潜在力を最大限に生かすための構造改革を先手先手で強力に推進し、力強い成長と活力あふれる経済社会の構築を目指してまいります。
 そのため、少子高齢化、IT革命、環境制約の高まりなどの時代環境の変化に的確に対応した形でイノベーションや需要の掘り起こしを積極的に推し進めることにより、新市場・産業の発展や雇用を創出するための施策をできる限り前倒しして実施してまいります。
 具体的には、例えば、技術開発の戦略的な展開、産学官連携による地域経済の再生、電子政府を初めとしたIT社会の実現、環境産業の創出につながるエコタウン事業の積極展開など、先週末の経済対策閣僚会議で決定された改革先行プログラム最終取りまとめに盛り込まれた各般の施策に早急に取り組んでまいります。
 また、近年、我が国産業の空洞化に対する懸念が高まっていますが、私は、我が国産業の国際競争力の強化を図るべく、技術革新などを通じたイノベーションの促進、高コスト構造の是正やさらなる規制改革、企業の選択と集中に向けた取り組みの推進などを通じ、我が国経済社会の国内外における発展の道筋をしっかりと示していくことが必要であると考えます。
 さらに、中小企業対策においては、新市場・成長分野に果敢に挑戦する企業や個人に対し最大限の後押しを行うとともに、不良債権処理等の影響でやる気と潜在力のある中小企業までが連鎖的な破綻に追い込まれることがないよう、中小企業の創業・経営革新支援策やセーフティーネット対策などに万全を期してまいります。
 そうした観点から、今国会では、売掛金債権担保融資の推進などにより、物的担保に制約された中小企業の資金調達手段の多様化を図るため、中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案を提出する予定であります。また、新事業創出促進法の改正を含め、開業創業倍増の実現に向けた支援策の充実を図ってまいりたいと考えております。
 一方、世界経済のグローバル化の進展の中で、対外経済政策を国内経済政策と表裏一体のものとして推進し、国際的な枠組みの整備等に戦略的に取り組むことが極めて重要であります。私は、この二カ月間の間にメキシコやシンガポールでのWTO非公式閣僚会議、上海でのAPEC閣僚会合などに臨みました。こうした場を通じ、私は、来月に予定されているWTO閣僚会合における新ラウンドの立ち上げに全力を傾注するとともに、アジア太平洋地域における経済分野の一層の連携強化を訴えました。さらには、日本・シンガポール新時代経済連携協定も実質的合意にこぎつけました。今後とも、WTOなど多国間の取り組み、APECなど地域的なフォーラム、二国間での取り組みを多層的に推進することを通じ、対外政策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、先般のテロ事件に対しては、タリバーン関係者等への制裁措置、パキスタンへの緊急経済支援を既に実施したところですが、APEC閣僚・首脳会合において合意したとおり、今後とも国家戦略物資である石油等エネルギーの安定供給の確保、原子力施設の保安対策にも万全を期してまいります。
 さらに、昨日からモロッコにおいて気候変動枠組み条約第七回締約国会議が開催されています。地球規模での温暖化対策が真に実効性のあるものとなるとともに、その国内での取り組みが活力ある経済や国民生活の実現に結びつき、環境と経済とが両立する形で構築されるよう全力を尽くしてまいります。また、その際、エネルギーについては、安定供給、環境保全、効率化の同時達成の要請にこたえる形で政策を遂行してまいります。
 なお、特殊法人等改革については、民間にゆだねられるものは民間にゆだねるとの基本原則を踏まえ、整理合理化計画の策定に向け、所管法人の見直しに一層の指導力を発揮して取り組んでまいります。
 最後に、今後とも、国民各位の御理解のもと、経済産業行政の推進に全力を挙げてまいる所存でありますので、委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようによろしくお願いを申し上げます。(拍手)
#4
○委員長(保坂三蔵君) ありがとうございました。
 次に、大島経済産業副大臣。
#5
○副大臣(大島慶久君) おはようございます。
 このたび経済産業副大臣を拝命いたしました大島慶久でございます。
 現下の経済状況、我が省の抱える諸問題は、中小企業対策を初め難問山積でございます。古屋副大臣あるいは西川、大村両大臣政務官ともども力を合わせまして、平沼大臣を補佐してまいりたいと思います。そして、全力を挙げて諸課題に取り組んでまいる所存でございます。
 保坂委員長を初め委員各位の皆様方におかれましては、どうぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、就任のごあいさつにさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#6
○委員長(保坂三蔵君) ありがとうございました。
    ─────────────
#7
○委員長(保坂三蔵君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に農林水産省生産局長小林芳雄君、経済産業省商務流通審議官古田肇君及び中小企業庁長官杉山秀二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(保坂三蔵君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○山崎力君 山崎力でございます。
 それでは、一般的な全般的なことについて、大臣を初め副大臣、政務官の方々にお伺いしていきたいと思います。
 一番大きな最近の経済産業のことをめぐる時期的な問題とすればAPECがあろうかと思うんですが、それは後にちょっと回しまして、まず個別的なことで一つ二つお伺いしていきたいと思います。
 いわゆる狂牛病問題でございますけれども、一般的には消費者に対して大丈夫だとか生産者に対してどういう措置をとったらいいかというような形の議論、報道等がなされているわけですが、その一方で、ある意味での風評被害という面もあるんでしょう、小売あるいは流通業界の影響というのも非常に深刻だということもございますし、なかなかそこのところでの回復策というのは難しいところもあるというふうに伺っておりますが、経済産業省としてどのような支援策といいますか、対応をとられようとしているのか、あるいはこれから計画して実際にやっているのかという、その点をまずお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(平沼赳夫君) お答え申し上げます。
 いわゆる狂牛病の患畜の確認に伴い、御指摘のように経済的に影響を受けている小売店等の関連中小企業、大変な被害が出ております。一番顕著なものは、売り上げの減少等の問題が生じているわけでございまして、経済産業省といたしましては、関連中小企業者対策として相談窓口の設置、運転資金融資等の措置を農林水産省から要請のございました十月四日より実施をさせていただいております。
 具体的に申し上げますと、政府系中小企業金融関係三機関、ここに窓口を設置をし、そして各経済産業局等にも相談窓口も設置をいたしました。十月二十六日現在で、これまでに合計四千五百三十一件の御相談をお受けをいたしまして対応させていただいています。また、影響を受ける中小企業者に対しまして、前述の政府系三金融機関から運転資金を別枠で貸し付ける制度を適用いたしました。三機関合計の融資実績は、これも十月二十六日現在で、これまでに九十五件ございまして約十五億円となっております。さらに、影響を受ける中小企業者に対して、別枠で信用保証をするセーフティーネット保証制度を適用しておりまして、これも十月二十六日現在で、これまでの保証実績が百四十五件、約十六億円となっております。
 さらに御相談やあるいは信用保証そして貸し付け、こういった御要請があると思いますので、私どもとしては積極的に対応させていただきたいと、このように思っています。
#12
○山崎力君 よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つの今日的な問題というと、やはりアメリカの同時多発テロということになろうかと思うのですが、まず我が日本の影響についてですが、全般的な影響ももちろんこれはアメリカを通じてあるわけですけれども、観光に対しての非常に集中的な悪い影響が沖縄県で出ていると。米軍基地の関係があって何か非常に不安感を感じるせいか、キャンセルするところが多くなって非常に困っているという報道ございます。事実そのとおりだと思いますし、またそういったことでいわゆる飛行機といいますか航空業界、あるいは観光全体の、観光業者と言われている、旅行業者と言われている業界自体にも悪い影響が出ていると思っているんですが、この辺の対応策というか、その辺についてはどのように経済産業省としてお感じになっていらっしゃるでしょうか。
#13
○副大臣(大島慶久君) 私の方からお答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、同時テロの発生以来、沖縄の観光のキャンセルは大変なものでございまして、我々も本当に心配をいたしております。
 沖縄県といえば基幹産業がない地域でございますから、やはりこういった観光・リゾート産業というものは大変重要でありますけれども、今後はそういった観光に対するホテル、旅館業はもとより、お土産を販売するような小規模の販売業者、いろいろと広範な業種への波及ということが懸念をされていることは事実でございます。
 そういう事態を踏まえまして、沖縄県内の関連中小企業者へのまず対応といたしましては、沖縄振興開発金融公庫において緊急融資制度が創設をされました。そして、昨日より実施をされたところでございますが、これに準じた制度を商工組合中央金庫においても実施をいたしているところでございます。また、今月十五日には、中小企業庁から、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、内閣府沖縄総合事務局に対して沖縄県内における相談窓口の設置を要請をし、中小企業者からの相談に応じる体制を整備をさせていただいたところでございます。
 さらには、テロ事件の影響を受ける全国の中小企業者に対しまして、その対策として、一つには政府系中小企業金融関係三機関からの運転資金の別枠の貸し付けを実施することといたしましたほか、旅行業者、ツアーオペレーター業者あるいは添乗サービスの業務に携わる中小企業に対して別枠での信用保証を適用するべく、今週中に必要な手続を終了することといたしております。これら措置についても、当然沖縄県にも適用されることとなっている次第でございます。
 一方、沖縄県議会では、十月十五日に、沖縄の県民生活や経済活動は平常どおり行われているということを全国民にアピールをし、沖縄観光の安全を宣言する旨の決議を全会一致で行ったところでございます。
 政府といたしましても、同日の十五日に開催されました国際会議等各種会議の沖縄開催の推進にかかわる各省庁連絡会議において、沖縄県では現在、国際会議等各種会議の開催に支障が生じないような状況であるということを、この会議を通じて沖縄開催の推進に引き続き積極的に取り組むことを申し合わせたところでございます。
 我が省といたしましては、テロ事件が沖縄地域の経済産業に与える多大な影響にかんがみ、国際会議等各種会議の開催の推進に積極的に取り組むとともに、沖縄における中小企業の経営安定確保等のために機動的に施策を講じてまいりたいと存じております。
#14
○山崎力君 集中的に沖縄ということになっているわけでございますけれども、そういった痛みが、偏るというとおかしいんですけれども、全体で受けるのはともかくとして、一つのところに集中的に行くというのは非常に対応が難しゅうございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 これは沖縄、日本の問題でございますけれども、このテロ問題というのは、もう世界経済の中核であるアメリカの経済、それに打撃を与えまして、これがうまく回復してくれるのかというようなことが危惧されている状況でございます。今の現状から、今後にかけての世界経済、こういったものの流れをどのように把握しているのか、それが日本にどのような影響をもたらすというふうに思われているのか、その辺の御見解を伺いたいと思います。
#15
○副大臣(大島慶久君) お答えいたします。
 世界経済の同時減速という中で今回のテロ事件というものが発生したわけでございますので、これは先生御指摘のとおり、米国は世界経済の牽引的な役割を果たしている国でございます。特に消費の七〇%を米国は個人消費で賄っている、こういう状況でございますから、非常にその打撃というものは大きなものがあるというふうに我々も理解をいたしております。こういう事態に陥れば、米国経済の調整が長期化するとともに、日本を初め各国経済の先行きが一層不透明な状況になる、世界経済全体の後退も深刻化するおそれがあるというふうに我々も認識をいたしております。
 こういう中で、世界経済の回復のためには、我が国は世界第二位の経済大国である、こういう国でございますから、民需を中心といたしまして自律的な回復軌道に乗せていくことが極めて重要であろうと思っております。
 私といたしましては、先般取りまとめた改革先行プログラムの着実な実行を初め、今後とも、情勢を見きわめつつ、果断な政策運営を行ってまいる所存でございますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
#16
○山崎力君 ここのところが本当に危惧されているわけで、いろいろなプランあるいはアイデア等も伺っているんですけれども、私のみならず国民全体が期待はするけれどもなかなか、何というんでしょうか、ああ、やってくれるなという安心感までいかない今の経済運営ではないか、産業政策ではないかというふうに思っております。一層の御努力をお願いしたいと思います。
 そういった中で、こういったときに一番ある意味で重要なのは国際間の協調だろうと思うわけですが、そういった観点から見て、せんだって上海で行われたAPECの会合について、まず総括的にどのように大臣とらえられているか、御見解、感想等も含めてお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) 先般、中国の上海で開催されましたAPEC、これは私ども閣僚が出席をいたします閣僚会合と、その後、参加の国・地域の首脳が集まりました首脳会合がございました。これは本年の総括をする意味での会合だったと思いまして、それを私は総括させていただくと、非常に成果が上がったAPECだったと思っています。
 まず、私が参加をさせていただきました閣僚会合においては、やはり今御指摘の世界経済というものがこのグローバリゼーションの中でより緊密に連携をしていかなきゃいけない。その中で、やはり貿易・投資の自由化、円滑化、これは各国そして地域が毎年作成する個別行動計画というのがございます。これに関して私どもから、やはりそこを進捗させるということがボゴール宣言にもかなうことでございまして、そして、その個別行動計画をしっかりとチェックする意味での調査団の派遣、こういうことの審査プロセスの改善策を提言して、これは満場一致で取り入れられたところでございまして、これはこれからの世界の経済連携にとっては非常にいいことだったと思っています。また、大阪行動指針の改定にも合意することができました。
 そして、もう一つ大切なことは、この十一月に開催されますカタールのドーハでのWTOの会合、これに関しまして、このWTOの閣僚会合におきましてもバランスのとれた十分広範なアジェンダで新しいラウンドを立ち上げようと、こういうことで明確な決意が表明されましたことは、やはりこれからの世界経済にとって非常に大きな前進だったと思っております。
 私に関して言わさせていただくと、この機会をとらえまして中国や米国の閣僚とも精力的に会談をさせていただきまして、それぞれいろいろな話し合いをさせていただきました。
 また、首脳会合につきましては、小泉首相が出席をされまして、首脳宣言とともに今後のAPECの活動を活性化するための指針を示す上海アコード、そして、今この同時多発テロをとらえて反テロリズム宣言を採択をする、こういう成果が私は得られたと思っております。
 来年はメキシコが議長国を務めるわけでございますけれども、我が国といたしましては、引き続き他のエコノミーとも協調をしながらAPECの活動をさらに高めていきたいと、このように思っております。
#18
○山崎力君 今、カタール・ドーハでのWTOのお話に触れられましたが、ちょっと質問通告していなかったんであれがなければ結構でございますけれども、WTOのところでの絡みで言えば、せんだってシンガポールとの自由貿易協定を締結されました。この辺のところと、いわゆるこれは二国間の協定で、たしか日本ではこういった形のは初めてだというふうに記憶しておりますけれども、そこの考え方と、それといわゆるWTOのグローバルな、一括交渉的な部分とどのような関係にあるのかという点、もし差し支えなければ御答弁願いたいと思います。
#19
○国務大臣(平沼赳夫君) 二国間のFTAと言っておりますけれども、経済連携の協定に関しまして私どもの基本的な考え方というのは、あくまでも世界の自由貿易体制、これを確立するのはやっぱりWTOという大きな土俵である、それを補完する意味で二国間協定、これはやはりこれから世界経済がさらに緊密化、拡大していくに当たって二国間協定というのはそういう補完的な役割として意味がある、こういう基本姿勢を持っております。
 そういう意味で、昨年、シンガポールのゴー・チョクトン首相と、そして当時の我が国の森首相との間で、今年中に締結をしようと、こういうことで鋭意検討を進めてまいりました。
 その中で、ようやく先日、基本的な合意に達しまして、あと条約とかいろいろ作業が残っておりますけれども、年内締結のめどが立ったわけでございまして、あくまでも全体の自由貿易の中で、それを補完する意味合いのものとして、御指摘の日本で初めてのことでございますので、私どもとしてはそういう形でしっかりと結んでいきたい、このように思っています。
#20
○山崎力君 初めてということで、いい点もあれば、我が国にとっての産業上、安い品物が入ってくる、これは自由化の場合も同じことですけれども、シンガポールがどういう形で来るかという不安がないわけでも、産業界としてはないと思います。その辺のうまいかじ取りをお願いして。
 WTOの問題なんですが、この問題でいえば、やはり焦点は現時点ではセーフガードの問題になると思います。いろいろ議論がございますが、私どもの周辺の話を聞けば、我が国がセーフガードの発動といいますか、予備的な形でやったということは、これはいわゆるWTOの協定にのっとったものである、ある意味で合法的なものであると。ところが、対する中国は、現在加盟していないからいいようなものの、加盟していれば明らかに違法な行為を行っていると、それを同列に論じていいのかという、非常に耳に入りやすい、それだけにいろいろ問題解決の難しい議論が国内にあることは大臣御承知のとおりだと思います。
 端的に言いまして、こういった農産品、それからいわゆる工業といいますか、軽工業に入ると思いますが、問題ではタオルといったもの、あるいはほかの農産品も、何というんでしょう、今後の問題点として浮かび上がっているわけですが、WTOの中で、このセーフガードの問題に関してどのように経済産業省としてはこれまで取り組んでこられて、これからの交渉を含めて取り組んでいくのか、その辺のところの御見解を伺いたいと思います。
#21
○大臣政務官(大村秀章君) 山崎委員から、WTOそしてその中でのセーフガードについての御質問をいただきました。
 今回のことし四月に発動した農産品三品目のセーフガード暫定措置、これにつきましてはWTO協定に基づいた合法的な措置である、合法的な手続にのっとって進めてきたということはもう御案内のとおりでございまして、それに対しまして中国側の方から、本来、暫定措置に対しては制裁措置を発動できないというWTOのルールであるわけでありますけれども、にもかかわらず、六月になってその報復関税ということで打ってきたということでございます。
 私どもといたしましては、これまでも中国側に対して、もう話し合いで解決をしていこう、そして我々はルールに基づいていると、中国側のものは日中貿易協定にも違反しているじゃないかということを常に常に申し上げてきたところでございます。
 そういう中で、このセーフガードに関しまして、十月八日の小泉総理と朱鎔基首相との会談の中で、話し合いで解決するというやりとりがございました。そして、それを受けまして、先日の上海APEC閣僚会議の席上で、平沼大臣が中国の石広生対外貿易経済合作部長と会談を行い、早急に協議を開始をするということを希望するということで合意をされたところでございます。
 そしてさらに、APECの首脳会談におきましても、これは十月二十一日でございますが、これは中国の江沢民主席の方から、できるだけ早く協議により解決を望むという発言があり、小泉総理からこれに対して、話し合いで友好的に解決をしていくことが重要だという発言があったということでございます。
 こうしたことを踏まえまして、十月二十五日、このWTOの関係閣僚会議、経済産業省、農水省、そして外務省、財務省の四省庁プラス福田官房長官でございますが、この閣僚会議におきまして、中国側との協議を早期に開催をし、本件の話し合いによる解決を粘り強く追求していくということで一致をしたところでございます。あわせまして、福田官房長官から中国の武大偉大使に対しまして、こうした政府の方針を伝達をし、協議の再開というものを今呼びかけているところでございます。いずれにしても、粘り強くこの点は話し合いで解決をしていきたいと思っております。
 そしてまた、御質問にありましたタオルの、繊維のセーフガードでございますが、これも四月の十六日に調査を開始し、十月の十五日が調査期限ということでありましたけれども、最近の輸入動向がこの夏になりましてふえたり減ったりということで、まだまだ状況を十分把握する必要があるということで調査期間を六カ月間、来年の四月の十五日まで延長したところでございます。
 そういう意味で、このタオルのセーフガードにつきましては、残りのさらに半年間の延長の中で十分状況を見きわめてまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、我が国は、先ほど平沼大臣も申し上げましたとおり、WTOの協定の中で国際ルール、そして関連の国内法令等に基づいて、透明、公平、そして公正に対応をしてまいりたいというふうに思っておりますし、そういう意味では、中国側と話し合いの中でこの問題を解決していきたいと存じておりますので、また山崎委員の御支援もよろしくお願い申し上げます。
#22
○山崎力君 粘り強い話し合い、方向としては結構だと思いますけれども、これは一つには期限というものが明確にある問題でございます。その辺のところの折り合いをどうするのかということと、先ほど申し上げましたけれども、こちらの方は正当な権利として行っていることに対して、向こう側は本来やってはいけないことをやっていると。そこで対等な話し合いがあっていいのかという半分感情論的な議論も国内にはございますし、この席ではふさわしくないかもしれませんが、もっとありていに言えば、農産物で工業製品をバーターするのかと。まあタオルはこういったあれですけれども、農産品を犠牲にして工業製品の方を重視するのかというような形の農業者団体からの強い不満の声も伝わっているところでございます。
 その辺、国として、政府としてどうするかというのは難しい問題ですけれども、少なくとも、今回の対中国に関して粘り強い交渉は結構だけれども、時間というか期限があるんだと。その辺のところでの、何というんでしょうか、気配りといいますか、国民あるいは関係者に対する説明、どうしているんだ、どうなっているんだということをもう少しはっきりさせていただきたい。しづらいのはわかるんですけれども、そこのところを要望として申し上げたいと思います。
 正直言いまして、もうそんなに時間、もう十一月目前で、ありません。そういった中で、今の立場から言えばそこまでの御回答だというのは重々承知でございますけれども、繰り返しになりますが、ただ粘り強い交渉をするんだというだけではそろそろ納得できない方々が国内に多くなっているという実情をぜひ御理解賜りたいと思うわけでございます。そこのところまでにいたしまして、対外的なこととして。
 今の我が小泉内閣で行おうとしている構造改革ということなんですが、基本的に非常に景気が悪い、不況であるという共通の中で、今この状況の中で改革をできるのかいなという声が特に中小企業者団体を中心に、時期的にどうなんだと、やるのはいいけれども、このとき、今本当にやっていくのかいなという疑問の声が出ているわけでございます。
 そういった我が国経済の現状をどのように認識され、景気回復に向けて経済産業省としてどのような政策を行おうとしているのか、御見解を伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(平沼赳夫君) 山崎委員御指摘のとおり、今の日本の経済の現状というのは大変厳しいものがあると思います。昨日発表されました鉱工業生産、これも過去七年の中で最悪のマイナス二・九%、こういうことでございますし、本日発表されました完全失業率も対前月比、これも急激な悪化でございまして、〇・三ポイント上がりまして五・三に相なりました。
 こういうことが示しておりますとおり、非常に厳しいものがございますし、先ほど来御議論があります米国における同時多発テロ、これがアメリカのやはり景気の非常に大きな原動力になっている消費というものを抑制し、日本を初め世界各国にその影響が出てきている。そういう中で、日本の今の経済の状況というのは極めて厳しい状況に相なっていると、このような認識を持っております。
 その中で、構造改革というのは、長い長いバブルがはじけた後、やっぱり処理をしていかなければならない一つの大きな課題でございまして、これは避けて通れない道だと、こういうことで小泉内閣は挙げてこの問題に取り組んでいるところであります。
 しかし、小泉首相も言われておりますとおり、構造改革にはやっぱりある程度痛みが伴うわけでありまして、その痛みを最小限に食いとめる、このことがやはり基本になければならない。経済産業省といたしましては、そのことを最優先に考えていかなければならないと思っております。
 そういう中で、全国に五百万企業があると言われておりますが、その大宗、九九%以上が中小企業でありまして、意欲があり、そしてまだ非常に可能性を持っている、そういったまじめにやっている中小企業者に対して悪い影響が出てはならないということで、これまでもいわゆる政府系金融機関等を通じて一連の支援策を講じてまいりました。
 しかし、こういう事態に相なりましたので、先ほど私も所信の中で申し述べさせていただきましたけれども、この臨時国会で委員各位のお力をいただきながら、やはり売り掛け債権、そこに着目をした新しい保証制度をつくっていこうと。これは、もう土地というものが限界に来ておりまして、中小企業の土地担保というのは時価で九十一兆ございます、現金預金というのは七十八兆でございまして、ここも手がつかない。そうすると、約八十七兆、土地と同じぐらいの固まりの売り掛け債権がございますので、こういったところに着目をしてやはりしっかりとした対策をとっていかなきゃなりませんし、その他この他、いわゆる新しい保証制度、こういったものの中で枠も拡大をいたしました。それから、今の一連の狂牛病の問題でございますとか、そういった例えば流通業の破綻に伴って巻き込まれるところにも特別のセーフティーネットを張らせていただいています。
 そういう中で、今直近に取りまとめられました構造改革の先行プラン、これを補正予算とあわせてしっかりと実施をしていきたい。その中で、雇用対策、こういうものに力点を置いて私どもは雇用の安定を図っていかなきゃいけない、そういう観点で、そこに力点を私どもは置いてこれからも努力をさせていただきたいと思います。
 同時に、雇用を吸収するということを考えますと、やはり中長期的に雇用を創出する新規産業あるいは新市場というものをつくっていかなきゃいけない。そのためには、これも私が新規産業創出プランということで、今、年間約十八万社しか新規の企業というのは誕生しておりませんけれども、これを倍増するために、例えば物的担保ではなくて事業計画書と経営者の姿勢というものに着目をして、そしてそこに積極的に融資をする、そういう中で意欲のある、そういった新規に事業を起こす方々、その手助けをしていこうと。
 これはもう山崎委員も御承知だと思いますけれども、今、日本には年間百二十万人を超える、新しく事業を創業しよう、こういう意欲を持っている、そういう方々がおられます。そして、準備の段階まで進むのがその約半数、昨年の実績でいうと五十七万人が準備の直前まで来ておりますけれども、結果は十八万人しか新規に立ち上げない。ここはやはりそこにインセンティブを与えるというような政策をして、大きく、日本の経済というのはまだまだ、しっかりとやればポテンシャリティーがありますから、そういう政策もとっていかなければ私はならない。そういうことで、私どもはそういった形で最大限の努力を傾注していこう、そう思っています。
 また、これも委員御承知のことだと思いますけれども、地域経済を活性化しなきゃいけない。そのためには、九カ所に我が経済産業省はいわゆる経済産業局を設けております。そこと地域の経済界と連携をとって、産学官の連携のもとに今全国十九カ所で、そして三千五百の企業が参画をして産業クラスター、こういうものができつつあります。こういったところをさらに伸ばしていけば、地域経済も雇用も含めて活性化ができる、こういうことも私どもは積極的に取り組んでいかなきゃいけない。そういうもろもろのことを一生懸命にやらせていただきたいと思っております。
 そういう中で、限られた一つの三十兆という枠がありますけれども、補正予算、そういったものもしっかりと見据えてやらなきゃいかぬと思っておりますし、小泉総理大臣もその所信表明の中において、重大な局面のときには機動的、柔軟的、大胆に取り組むと、こういうことですから、積極的な面の経済政策もやはり必要があったら展開をしていく、こういう基本姿勢で私どもは臨んでいきたい、このように思っております。
#24
○山崎力君 構造改革に伴う痛みというものが弱いところに集中しないようにというのが非常に難しい。どうしてもこういった厳しい時代には弱いところにそういったものが耐えられない痛みとなって来るということがあろうと思います。中小企業に対してどうするかというのは本当に大きな問題ですし、その悲鳴というのはいろいろ現に出てきておりますし、想像以上に厳しいというのが今の実感でございます。
 その中で、つい私自身、首をもたげるのは、改革とは逆行することなんですが、雇用創出もいいんだけれども、失業者を出さないでつぶさない、企業が続けて雇用を確保できるのならその企業を存続させるという、後ろ向きですけれども、そういう考え方ももう少しあっていいんじゃないかなという、非常にこれは改革と逆行したことで矛盾しているんですが、私自身もそういう気持ちになっているということをこの機会に御披露申し上げて、御参考にしていただきたいと思います。
 特に今一番地方の方で、私、青森の選出ですが、言われているのは、公共事業の一〇%削減ということでございまして、そしてこれは事実ですからしようがないんですが、いわゆる建設業の占める割合といいますか、そういったものが全国的にどこが多いか、こういえば、どうしても私の青森を含むベストファイブに東北の四県が入っているわけでございます。あと新潟だと記憶していますけれども。東北電力のところといえば範囲に入ってしまう、そういうところにやっぱり建設業のシェアといいますか、経済に占めるシェアが大きい。
 そういったところというのは大きな企業というのは少ないものですから、必然的に公共事業による仕事をやっている方たちの比率も高くなるということで、こういった方々に公共事業一〇%の削減という一つの方針を出しながら地域経済をどうやって活性化していくのかということになると、正直いい知恵が見えないといいますか、いろいろ努力されているのはわかるんですが、これだったらば我らが地域も何とかなりそうだという明るい展望がどうしても見えてこない部分があるんです。その辺についての御見解、非常に難しいことで、先ほどの御答弁の中でもかなりの部分答弁なされていることはわかるんですが、もう一回その辺のところを経済産業省としてお考えを伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、先ほどの答弁の中で若干触れさせてもいただきました。
 御指摘のように、私も選挙区は岡山でございまして、地方経済に占める例えば建設業、これは非常に比率が高いわけでございます。そういう中で公共事業というものをカットするというのは、地域経済に非常に大きな影響が出ることは私はそのとおりだと思っています。
 そういう中で、私どもといたしましては、先ほども触れさせていただきましたように地方に九拠点設けております経済産業局、この十月に私どもは全部の局長を集めました。そして、まずその地域に密着して一生懸命頑張っている局長からそれぞれの地域の現状をしっかりと聞かせていただきました。そうしましたら、各局長の調査というのは非常に厳しいものがございまして、一時期は例えば中京地区なんかはよかったわけでございますけれども、そこもさらに悪化と、こういうふうな状況になっております。
 ですから、我々としては経済産業局を中心にしっかりと地域の現状を把握し、そして、これは坂口厚生労働大臣とこの八月に会談をして合意をいたしまして、今までは別々にやっておりましたけれども、経済産業省と厚生労働省と一体となって、そしてその地域の現状に即した対策をやっていこうと、こういうことで鋭意努力をした結果、いろいろな実が上がってきております。ですから、さらにここできめ細かい対応をさせていただく、このことが重要だと思います。
 そこと、これは重複いたしますけれども、地域の経済産業を活性化するためには、やっぱり地域に密着をした、その地域に特異なそういった産業を育成をしていく、こういうことで、詳しくもう数字は申し上げましたから言いませんけれども、産業クラスター、これはさらに百五十の大学もそこに絡まっております。そういう中でやっぱり地域に新しい業を起こしていくということも必要でありますし、それから産学官の人的なネットワークの形成をいたしまして地域に即した技術開発をやっていく、ビジネスインキュベーターといいますけれども、そういうことも同時にやらせていただきたい、こういうふうに思っておりまして、大変厳しい今の局面でございますけれども、私どもはでき得る限り地域経済活性化のためにきめ細かな対応をさせていただければと、こういうふうに思っております。
#26
○山崎力君 本当に厳しい状況だと思います。
 最後になりますが、私の意見だけ述べさせていただきたいと思います。
 本当に厳しい中でいろいろな努力をなされているんですが、私個人のこれは感覚といいますか考えですけれども、いろいろなことをなさっても、地方の実態を見ると、結局せっかく来たいい工場なりなんなりが外国へ行ってしまうというのがここ十年来ございました。その背景にあるのは、やはり端的に言えば、先ほどもちょっと話が出てまいりましたけれども中国の問題でございまして、人民元が事実上ドルとリンクしている中で、その為替の中で、本当に日本の物づくりの産業が将来あるんだろうかという、そういう基本的な問題点があるんではないか。そこがなければ、幾ら努力しても積み上げたものが崩れてしまうというような感じを持っております。
 その辺のところの議論は時間の関係で割愛させていただきますが、そういった外交といいますか世界経済の中での問題、そこがデフレの要因の一つだという指摘もございます。本当にこれから正念場、来年の景気がどうなるかということで日本の二十一世紀のスタートの色合いといいますか、灰色になるか、それから若干明るいものになるかということになろうかと思う時期の経済産業行政の担い手として一層の御努力をお願いしたいと思います。
 時間の関係で若干質問を残したことをおわびしながら、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#27
○本田良一君 私は、民主党の本田良一でございます。
 私は、平沼大臣は森政権から二代にわたっての産業大臣として継続をして大臣をなさっておられますので、そういった大臣に質問をいたしますことは、継続的に私がこれまで質問をいたしましたことと、大臣がまたこの厳しい経済産業をいかに活性化させるか、そういう意味で継続的な努力、これがあることに、非常に私もそういう二代にわたることはいいことだと、こう思っておりますので、過去私が質問をいたしましたことを頭に置いて、よければ答弁をしていただければと思っております。
 特に、私は日本の経済体制はどうあるべきか、これをずっと聞いてまいりました。それは、自由主義経済体制で日本はいくんですよ、これをしっかり持っていただきたいということを言ってきました。
 それで、もう一回、この二十一世紀の初めに当たってこのことを大臣に、歴史的な経緯も踏まえてひとつ御意見をお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(平沼赳夫君) 第二次世界大戦で日本は敗れまして、そしてその敗戦の焦土の中から今まで五十有余年にわたって自由主義経済体制をしいて、そして世界第二位の経済大国になる、そういう実績を上げてまいりました。その成果はやはり自由主義経済体制に私はあったと認識しております。
 しかし、五十有余年たちまして、繁栄を一貫して遂げてきたその我が国の経済システムにも、ある意味では非常に制度疲労が起こってきたことも事実だと思います。それは何で一番顕著にあらわれているかというと、これは高コスト構造でありますとか、それから構造改革が非常に進んでいない、こういったところに端的にあらわれていると思っています。ですから、そこのところをやっぱり改めて、そして自由主義経済体制をさらに我々の力で活性化していかなければならないと思っています。
 そういう意味で、高コスト構造の是正というのは大変厳しい命題ですけれども、しかし私の基本認識というのは、あの荒廃した焦土の中から立ち上がってきたその背景と、今我々日本が置かれているその背景は厳しいですけれどもまだまだポテンシャリティーがあると。ですから、そういう中で、やはり政治が一つの明確な将来目標を提示して国民の皆様方が合意をしてくだされば、私はその高コスト構造の是正も必ずなし遂げられると思っています。
 それから、小泉内閣というのは、これはもう御承知のとおり構造改革最優先でございまして、今いわゆる構造改革に一生懸命取り組んでおりまして、私も構造改革担当大臣という立場で税制の改正でございますとか規制の撤廃でございますとか、あるいは新しい制度の創出でございますとか、そういった形で、御承知のように私が構造改革担当大臣として昨年末に取りまとめまして、二百六十の一つのリストの中で百三十は三年以内にやろうと、そして、そのうちの百はことしじゅうにやってしまう。八十、今進捗しております。
 ですから、そういうことをしっかりとやっていけば、私は、新しい自由主義経済体制、そのもとで二十一世紀、日本は持続的な安定成長を遂げることも可能である。そのためには自由主義体制を堅持する。ですから、WTOというのも私はそこで大切になってくるという形で、一貫して幅広いアジェンダで早期に立ち上げようと、こういうことでやってきております。そういう意味で、そういう基本的な考え方を持っていると、こういうことを申し上げさせていただきました。
#29
○本田良一君 大臣の御答弁ありがとうございました。
 私は、今歴史的なことをなぜ聞いたかと申しますと、大臣は、高コストそして構造改革をやって自由主義経済体制をきちっと立ち上げて、それで進んでいくということでございますから、それで私もいいのでございますが、私が歴史的に感じるのは、まず日本の経済は江戸時代は藩主のものであったと、経済は。それで、明治になりまして富国強兵、殖産興業時代だったと思います。それで昭和は戦前戦後分けますと、戦前の産業報国会、戦後になりまして総資本対総労働、ここで一つ間違えば社会主義の経済になってしまったかもしれない。しかし、これを国民は英知で乗り切りました。そして、やっとここで自由経済体制が確立をしていくかなと思いましたら、伏兵がいたわけですね。その伏兵とは民対官。特に民は自由競争を主眼にしておりますが、官の方では規制緩和と特殊法人がここにあるわけです。
 自由経済体制というのは、あくまでも消費者が、消費者というのは国民全体となろうと思いますが、この消費者が恩恵を受けると、国内は。そういうことだから、経済体制は自由経済体制でいかなくちゃいけない、こういうふうに私はなろうかと思います。よって、この理念を確立するために規制緩和と特殊法人、これをこれからやらなくちゃいかぬ。そこには構造改革という小泉政権の理念もありましょう。
 よって、お尋ねをしたいのは、官の各種規制や特殊法人の存在が民間企業の自由な経済活動の妨げになっているという認識について、大臣の見解をお伺いします。
#30
○国務大臣(平沼赳夫君) 私が先ほどの御答弁で申しました構造改革の中には、小泉内閣が民間にできることはもう民間に極力ゆだねよう、それから地方にできることは地方にゆだねよう、これが御指摘の構造改革の柱になっています。そういった中で、やはり官から民へと、これは避けて通れない道だと思っています。
 そういう中で、今、小泉内閣も、御指摘の特殊法人に関しましてもこれを廃止ないしは民営化、こういう基本方針が出て、そして御指摘のよりしっかりとした自由主義経済体制、それを確立しなきゃいけない。今、我が経済産業省には十九のそういう意味の法人がございますが、今の段階では七つの廃止、民営化と、こういうことを打ち出させていただきました。
 私どもとしても基本的にそういう考え方で、私は官から民へ、それから中央から地方へ、これをやっぱりやり遂げなければ本当の自由主義経済体制は確立できない、こういう基本認識で臨んでおります。
#31
○本田良一君 総体的におっしゃったと思いますが、私が答弁をいただきたいのは規制緩和、最近は規制改革と言いますね、これと特殊法人改革、この二点についてもう少し考えをお尋ねしたいと思います。
#32
○国務大臣(平沼赳夫君) 特殊法人改革というのは、これは先ほども触れましたけれども、原則、廃止ないしは民営化という形で臨んでおりまして、今の段階で経済産業省というのは十九のうち七つはそういう具体的な案を示しました。象徴的になっている石油公団に関しても、委員御承知のように、私はいち早く廃止と、こういう方向で打ち出したところでございまして、今鋭意作業を進めているところでございます。
 規制緩和というのも、これは国際的にやはりWTOと、こういう大きなルール、これを考えますと、これはやはり避けて通れない課題ですし、グローバリゼーションの中で規制緩和を進めることが総体的に日本の経済を活性化すると、こういうことは間違いないことであります。
 そこで、私はさっき二百六十と、こういうことを申し上げましたけれども、その中に規制改革ということも盛り込んでいるわけでございまして、こういった規制改革、規制撤廃、そういったことを含めて、やっぱり果断にやっていかなければならない、このように思っております。
#33
○本田良一君 規制改革につきましては、この財界が出しました規制改革はどこまで進んでいるかというのが一つありますが、それと先般十月に出ました「時の動き」の中に、この規制改革の現状というのがずっと出ております。一応かなり進んできたなと、こう思いますが、この規制改革については、今大臣もかなり具体的に申されました、数字も。
 私も考えておりますことは、かつて規制改革は財政資金の投入を要しない経済刺激対策として誤用され、間違って応用されてきました時期がありました。今や経済構造改革の推進という本来の役割を果たす段階になってきました。経済構造改革の基本とは、今後の成長分野に経営資源を移行させることによって経済の官公需依存体質を改めていくことにあり、規制改革はこの過程を市場原理を最大限に活用して進めていく役割を担っていると、このように理解をしておりますので、ひとつ規制改革を今後ともしっかりと、かなり進んできているようですけれども、やっていただきたいと思います。
 特殊法人改革については、今意見を言っていただきましたが、あと石油公団も含めて後でまた御意見を賜りたいと思います。
 その中で、今、経済産業省の規制改革の現状について、副大臣にお尋ねをいたします。
#34
○副大臣(大島慶久君) 規制改革の推進については、今まで、経済的規制は撤廃、社会的規制は必要最小限に、そういった原則のもとで金融、エネルギー、運輸、物流などの分野を中心に規制改革のための努力が重ねられてまいりました。しかしながら、民間の創意工夫が最大限に発揮され、新しい市場の創出が行われておるという視点で見たときに、依然として道半ばと言わざるを得ないと、こんなふうに考えております。
 政府といたしましては、総合規制改革会議においては、医療、福祉といったいわゆる社会的規制の分野を中心に重点的に検討が進められております。世界に類を見ないほど急速に進む少子高齢社会の中では、介護の市場や女性が働くための環境整備としての保育の市場が大きく広がっていくことが確実であります。こうした分野における規制改革を推進していくことは極めて重要なことではないのかと、こんなふうにも考えております。
 さらには、昨年末に策定いたしました経済構造の変革と創造のための行動計画あるいは大臣が副本部長を務めた産業構造改革・雇用対策本部が先月取りまとめた総合雇用対策の中でもこうした分野における規制改革のための具体的施策を盛り込んでいるところでございますけれども、当省といたしましても、今後とも、先ほど大臣が御答弁の中にもございましたように、民間にできるものは民間にゆだねるんだ、こういう理念のもとに規制改革の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、どうぞ御支援をいただきたいと思います。
#35
○本田良一君 今、副大臣は、福祉の分野も含めましてこの規制改革についてお答えをいただきました。
 私もそういうところを、大臣、副大臣の答弁で申し上げたかったのは、経済産業省は何といいましても経済の取りまとめ、そして方針をやっていく省でありますから、他の省庁の規制緩和も含めてこれを注視しながら、そして産業省そのものがこの先導的な役割を担ってもらいたい、それが日本の経済を今申しました自由主義体制に確立をすることにありますから積極的にやっていただきたいということを述べたところであります。
 次に、特殊法人についてまいりますが、特殊法人は、一応この一覧表を皆さんも既に見られたと思いますが、国の特殊法人は本当にたくさんありますね。そしてまた、地方に行けばこれが公益法人も含めてまたたくさんこれと同じようにあると。また、経済産業省の分野においてもかなりあります。これを見ますと、本当にやっぱり驚きました。こんなにも私は、官がいわゆる経済を圧迫をしているなというのを実感を持って国に来て感じたところです。
 それは、私も地方でいつも言っておりますが、県議会のときに、私たちは、景気対策となれば、景気が悪くなったと言えば知事が国から公共工事の予算を前倒しをしてもらう、それを期待をすると言う。こちらも、景気対策のときには何かないかと思えば、質問のペンを握れば、最後に感じるのは、この公共工事の前倒ししか我々は県議会で景気対策のことは言うのはないのかなと。
 そういう考えの中で、やっぱり経済的に、景気でなくて経済的に考えれば、新しい産業を起こさなくちゃいかぬ、そしてそのためにはいろんな制度を、先ほど大臣が言われた、五十年たって疲弊をしてきたこの制度を改革をしなくちゃいかぬと、そこにやっぱり行き着くわけですね。
 そうしたときに私は、これほどある特殊法人、これを今内部でしっかりと、日本経済を自由経済体制に持っていくために内部で役割を担うとすればもちろん経済産業省でありますが、もう一つは公取ですね。公取がこの特殊法人に対してもっと、小泉総理がおっしゃるように理念を持って民にやるものは民でやると、こういう考えを公取がやっぱり持ってもらいたいと。
 今まで、私は、公取は何も理念なく何か存在をしてきたような感じですね。だから、国家体制の経済はこうだという、そのための理念を持って公取はやっぱり特殊法人にもぴしゃっとした見解を出す、そのことが私はなかったと思います。だから、ここにきょうは公取を呼んでそういうことも言おうと思いましたけれども、きょうはそれをよしまして、一応公取にもそういう観点で仕事をしてもらいたいということを申し上げておきます。
 それからまた、官のことですが、官のことは本当に三権分立で、政治が安定をしないときに四年ごとに解散・総選挙、途中で解散もありますね、そうしたときに、日本が完全な民主主義体制を確立していくためには五十年間大変不安定でした。ところが、そこに官があったために、日本の官はしっかりしているから安心しているという気持ちが我々の国民にはありました。
 しかし、ここに来まして、これほどまでに特殊法人で経済を圧迫するような、そして官が責任を持たずに営々と自分の権益をただ拡大する、それだけに終始してきている今日を見ますと、ここに本当にメスを入れないと日本の経済確立はあり得ない、こう思いますから、二十一世紀の初めにとうとうなってしまいましたけれども、本当は二十世紀でこれをやっておくべきだったわけですが、二十一世紀に飛び込んできました。
 そして最近、官は、今現役でいらっしゃるそういう方々はある面でかわいそうだと思います。五十か五十五ぐらいで退職と、そこを見ますと本当にかわいそうな感じがしますけれども、私はこの人たちが本当に犠牲になっているなと思います。それは、年齢が八十になってもまだ官の特殊法人に存在をしている人たちがおります。こんなに品のないことはもうやめていただきたい。民間企業でも八十になって顧問か相談役でおる人はおりませんよ。それが、税金とか財投を投入された企業の中に八十歳でも居座ろうとする、そういうところが余りにも無責任であり、今日言われていることは、貴族化していると言われていますね。官僚が貴族化しておると、今の日本は。こういうほどまでに言われるようになったら、やっぱり政治が先頭を切ってこれにメスを入れていかなくちゃいかぬ。そこにやっぱり小泉総理の構造改革もあろうと思いますけれども、私はこれに乗って言っているわけじゃなくて、大臣が御存じのとおり、ずっと前から言っておりますね、このことを。
 よって、そういうことを申し上げて、これから経済産業省所管の特殊法人についてお伺いをします。
 中でも石油公団については、先ほど大臣は廃止と、こう明言をされましたが、前回の質問で私が廃止の考えがありますかと聞いたときはないとおっしゃって、翌日には日経で廃止ということが出ておりました。それで、その辺を明確にひとつお答えをしていただきたいと思います。
#36
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のとおり、特殊法人、認可法人というのは大変数が多うございまして、そして非常に、例えば渡り鳥というような言葉で表現されておりますけれども、幾つもそれを渡り歩いてその都度多額な退職金を取る、こういうことはもう絶対に私は許されないことだと、そう思っております。
 そして、私は御指摘のとおりだなと思っておりますけれども、昔は人生五十年という形で、そして雇用制度自体がある意味では官の方も五十年で設計をされていた。それが今八十年の時代になりまして、そういう中で本当に今第一線でやっている四十代ぐらいから後半の、一生懸命やっている官の人たちは私は気の毒だと思っています。ですから、長期的には私は、やっぱり人生八十年の時代に設計をしたような形の雇用体系をつくらないとある意味では不平等だと、こういうふうに思っています。
 そういう私の基本認識を踏まえた上で、立場もございまして、せっかくの委員の御質問のときにはそういう形で朝令暮改的に相なりましたけれども、小泉内閣の基本方針、こういうことと、それからやはり自由主義経済体制をしっかり確立していくためにはここをしっかりとしなきゃいかぬ、こういうことで、いち早く私どもは石油公団は廃止、こういうことを表明させていただきまして、先ほど触れましたように作業に入ってきているところでございます。
 特殊法人や認可法人は、政策金融、公共投資、中小企業対策あるいはエネルギーの安定供給などさまざまな公益的な観点から、ある意味では必要な政策的な実施機能、こういうものを果たしてきたことは私は事実だと思っています。しかし、昨年の十二月に行政改革大綱、これができまして、それに基づいて、委員御指摘のように、新たな時代にふさわしいそういう行政組織、制度への転換を目指す時期に来ている、そういうことで今抜本的な見直しを行っているところでございます。
 経済産業省といたしましては、民間が活力を最大限に発揮できる経済社会を目指して構造改革に取り組む、それがある意味では経済産業省の私は使命だと思っております。当省所管の特殊法人等の事業及び組織についてはゼロベースで見直す、こういうことで今取り組んでおりまして、具体的には、先ほどもちょっと触れされていただきましたけれども、九月三日に出させていただきました廃止、民営化に関する調査に対する私どもの回答の中で、まだ十分じゃないかと思いますけれども、所管十九法人のうち七法人の廃止、民営化、これを決定させていただきました。
 それからもう一つ、平成十四年度の概算要求につきましても、やはり特殊法人等は大分むだがある、そういうことで徹底的な削減をしなきゃいかぬ、こういう形で概算要求も第一段階前年度比一五%を超える削減を行わせていただきました。これももっともっと私どもはやっていかなければならないと思っています。
 そういうことで、この整理合理化計画をさらにしっかりと策定をして、私どもとしては国民の皆様方の負託におこたえをしていかなければならないと思っています。
 そこで石油公団でございますけれども、私は、現在の石油公団はやっぱり廃止をする、こういうことは決定させていただきました。ただ、私はあちこちで言わせていただいておりますけれども、公団の持っている機能の中で、やはり日本は天然資源がない、特にエネルギー資源がない国であります。
 そういう中で、エネルギーの自主開発、これは非常にリスクマネーを伴うわけであります。そこのところも徹底的に精査をして、国民の皆様方がいわゆる信頼を持つようなそういうことをしていかなければならないと思っていますけれども、そういう自主開発のリスクマネーの部分でありますとか、また五十有余年にわたって蓄積してきた例えば石油探査にかかわるそういう技術資源あるいは石油のいわゆる掘削そして採油に関するそういう技術というものも、やはり国というものがある程度責任を持ちながら世界に貢献していく、こういう側面もあると思います。
 それからもう一つは、一九七三年のオイルショックで大変な思いがありました。そういう中で備蓄が始まったわけでございまして、石油備蓄というものも今八つの国備会社、これが運営されておりますけれども、これも私は廃止していいと思っています。しかし、一たん緩急のときの国にかかわるエネルギー安全保障上のそういうところはやっぱり国が何らかの形でかかわっていく。この三つは私は石油公団の今の業務の中でやっぱりしっかりと国がある意味ではバックアップしなきゃいかぬと、こういう基本方針を持っていますけれども、その他に関しては、やはり私どもは思い切って民営化をし、そして民間のいわゆる手法の中で国民の皆様方が納得いく、そういった体制をとっていくということで、今、石原行革担当大臣とも御相談をさせていただき、さらには、私どもとして具体的な案をお出しをしながら、皆様方の御意見を踏まえて早急に取りまとめていきたい、このように思っております。
#37
○本田良一君 私は、繰り返しますが、この特殊法人が新しい日本の産業創出とそういう面を圧迫をし、これを本当に限りなくゼロに近づけていったときに、今新しい産業を起こすためにいろんな工夫がなされておりますが、このことをやることが一番早いと思いますね。ここに持つノウハウが市場に開放されれば、それによって新しい産業は一気に私はできてくると思います。
 それで、これを訴えながら、今の石油公団でありますが、一応石油公団を廃止とおっしゃいました。しかし、一部の機能については残すと。それもある面はわかりますけれども、これを例えば技術的な歴史的蓄積とおっしゃいましたけれども、これも一応前回のときに質問をいたしました。メジャーと匹敵する技術的なノウハウを蓄積をしておりますかと、こう聞いたら、これにはない、調査能力はあるけれども、探査の技術はないということでしたね。そういうことでもあれば、私は残していいんだと思ったんだけれども、それがないと。
 そういうことと、私は過去の人物に大臣と同じ思いをはせる。あのときは時間がなかったから、大臣がおっしゃった名前に対して私は言葉を挟みませんでしたけれども、山下太郎さんをおっしゃいました。私たちがちょうど大学を出る寸前に、三十九年ですから、山下太郎さんは石油を掘り当てて、これから日本が、新しい民間の石油がメジャーとして発展をしていくんではないかと、こう期待を持ったところですが、これを今振り返りますと、大臣も山下太郎さんなどはおりましたけれどもということでしたが、あのときこのまま山下太郎さんをそのまま生かして、そしてほかの人が、そうしておけばほかの石油関係のいろんな財界の人たちが、私は、メジャーに匹敵する人たちが今まで育ってきたと思います。
 そこにちょうど四十五年に石油公団ができたわけですね。やっと民間人が、ただ一発であれを掘り当てたわけですね。そういう技術を持っておるんです。そして勇気がある、そしてその限られた日数でそれだけをやっている、それだけの人たちがおったのに、そこに石油公団が、これは国でやってもいけるような感じでこの公団ができたために、そういうメジャーに匹敵する人物が今日存在をしなかったと、私は逆にこう思っております。
 よって、私は、石油公団は本当に日本にとってはメジャーの育ち方をなくしてしまった、こう思いますから、今からでもこれを民間に任せれば、遠い将来はメジャーに匹敵する日本のそういう財界人と、また石油の流通がぴしゃっとしたものが民間で確立をされると、こう思いますから、勇気を持って廃止して、機能については徹底的にやっぱりもうごく限られたものにすると。
 この石油公団の機能の存在に対して産業省より聞いてみましたら、大臣がいろんな石油交渉に日本の代表としてやってもらうのが多々あると。確かに、こういう資料をいただきました。そういうふうに大臣はいろんな石油交渉に行っておられます。しかし、それは国として、代表としてやっておられることですから、それが存続の理由にしてもらっては私は困ると思いますね。WTOのときだって大臣が出ていって話す二国間交渉というのはあるわけですから、そういうものを石油公団の存在のための理由にしてもらったら私はだめだと思いますから、もちろん私は石油公団を廃止することは、それによって私はそういうことでできると思います。
 それで、副大臣にお尋ねをしますが、まず一つは役人の、役人と言うと失礼だけれども、官のモラルについてお伺いをいたします。
 ぶり返しますけれども、先ほど申しました官のモラル、それから財政状況で四千二百億円の欠損金、これは今後、将来株の売却をもって解消するとしておりますが、この譲渡先を今考えているということでございます。この欠損金の四千二百億円に対しまして、一兆円の幅があるけれども利益になるときもあるという答えでありましたが、経済産業省の課長の説明では。しかし、私はこれに税金投入をするような失策がないかどうか、株が売れなくて。そういうことの二つを副大臣にお尋ねをいたします。
#38
○副大臣(大島慶久君) 石油公団の損失につきましては、合理的に、しかも客観的に見積もることができる長期の一定期間においての損失発生が見込まれる額を既に損失引当金に計上しております。その結果として、平成十二年度末現在では、先生が今御指摘のように約四千二百億円の欠損金を計上しているところでございます。
 一方で、平成十二年度の決算時における試算では、石油公団の保有株式は四千九百億円の評価益があるとの結果が得られているところでございまして、今後とも一層の効果的あるいは効率的な事業運営を行うとともに、従来から行っております貸付金債権の回収や配当などの確保はもとより、石油公団保有株式を売却し、その含み益を実現させることにより、欠損金の縮小を図っていくこととしております。
 先生が御指摘の四千二百億円でございますけれども、今の私の説明ではそういったことを考えますと差し引き、その株式を売るタイミングというものはいつにするかという問題はありますけれども、数字の上では現在丸々それを売却すれば黒字の決済になると、こういうふうに見ているわけでございます。
 しかし、実際の売却に当たっては、適正価格での売却あるいは手続の透明性を確保しなければいけません。外部の学識経験者から成る株式等評価委員会において売却方式や最適売却価格について審議することといたしております。非常に造詣の深いしっかりとしたそういう委員の方を配置しておりますので、きちっとした答えを出していただけるだろうと私たちも期待をいたしております。
 なお、平成十二年度においても石油公団保有のアルファ石油株式会社の株式売却で約七十四億円の株式の売却益を計上しているということを御報告させていただきたいと思います。
#39
○本田良一君 黒字で終わるということですから税金投入はないと、そういう確信を持ってお答えになったと思います。
 もう一つ、役人のモラルというのは、名前を出しませんでしたけれども、漏れておりますが、石油公団、産業省出の和田さんという方が、先ほど大臣はもうそういうことがあってはならないとおっしゃいましたから、それでモラルのことについてはお答えいただいたと、こう思います。
 ここに資料がありまして、和田さんという方が、経済産業省の大物ということで、今回、堀内前大臣のところに行って、もう少しおらせてもらいたいと、こうおっしゃったら、堀内前大臣が怒ってそんなこといつまでもと言って、一応顧問として退職金を払ったということが言われておりますが、本当にこれを聞くと、先ほど言ったように、後輩がかわいそうでOBは貴族化しているということが言えますので、こういうモラルの欠けたことはもう本当にこれから一掃していただきたいということを申し上げておきます。
 次に、構造改革と新産業政策。小泉内閣の一員として構造改革への取り組みについて、大臣にお伺いいたします。
#40
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 停滞と閉塞というものを打破をしまして、日本経済の新たな成長と発展を現実のものとしていくためには、先ほど来申し上げておりますけれども、経済構造改革を強力に推進をして、民間の経済活動が自由濶達に行われるような環境を整備していかなければならないと思っています。
 このような認識のもとで、これまで経済構造改革のための行動計画、これの実施を通じまして、先ほども触れさせていただきましたけれども、高コスト構造の是正のための規制の緩和、商法等企業関連諸制度の改革あるいは中小企業、ベンチャー企業の振興、育成、さまざまな改革を進めてきているところであります。さらに、当然のことながら、この改革の速度を加速しなければならない、このような基本認識を持っております。
 そして、経済産業省といたしましては、先般策定されました総合雇用対策や改革先行プログラム、これに盛り込まれた施策を着実かつ迅速に実行していく、そして技術開発や産学官連携を通じたイノベーション、この促進やさらなる規制緩和を当然のことながら進めていかなければならない、こう思っておりまして、経済構造改革の推進に私としては全力を尽くして我が国の経済の中長期的な発展の実現を目指していきたい、このように思っております。
#41
○本田良一君 ありがとうございました。何度も特殊法人について、構造改革について大臣に答弁をいただいて、決意を聞いたということでございます。
 私は、今まで小渕政権、森政権、そして小泉政権と来まして、その中には産業政策がありました、IT国家戦略がありました、そしてこの構造改革。その構造改革について、小泉総理が構造改革を政策とした。それでは、その小泉内閣の各大臣たちは、抵抗勢力もあるという中で、大臣たちは受動的にこれを受けて、そして諸官庁で受動的にやっているのかと。そうではなくて、やっぱり能動的にこれを受けて、能動的に構造改革をやっているんだと、そういう決意を聞きたかったから、今大臣の見解を聞いたところであります。
 それでは、いよいよ改革工程表が出たわけであります。この改革工程表の中に特許の情報公開、大学、研究機関などの技術移転、TLO促進などを中小企業や起業家を中心に進めることなどの経済産業省マターが少ないのでありますが、このことについては副大臣いかがでございますか。
#42
○副大臣(大島慶久君) お答えいたします。
 先生御指摘の特許情報の公開あるいは大学等から中小企業あるいは起業家への技術移転の促進につきましては、改革工程表の科学技術・ベンチャー分野において「大学発ベンチャー等の起業を促進するため、大学の技術移転組織(いわゆるTLO)の活用、創業人材の育成、新産業創出に向けた産学官の共同研究の支援等を行う」というふうに記載をされているところでございまして、政府一丸となって新規産業の創出に向けた取り組みの強化を図っているところでございます。
 さらには、技術移転の現状につきまして、平成十年に制定された大学等技術移転促進法に基づき、これまで二十三のTLOを承認するとともに、民間事業者へのライセンス件数も百二十五件に上っております。確実に我が国において産学連携が促進されてきているものと考えておるところでございます。
 さらに、経済産業省といたしましては、現在行っているTLOの整備促進に加え、創業人材の育成、大学の技術シーズと産業界のニーズのマッチングによる実用化研究開発への支援や、大学発ベンチャー創業に対する法務、財務等の経営面での支援等の充実により、大学等の技術の移転や活用を促進してまいりたいと考えております。
 特許のことでございますけれども、特許情報の公開につきましては、特許流通に資する観点から、企業が他社に技術移転する意思のある特許約四万件に関するデータベースを整備するとともに、既に公開もさせていただいておるところでございます。約四千七百万件の特許情報を無償でインターネットを通じて提供する等の施策を講じてきているところでございます。
 引き続き、関係省庁と一体となってこれらの施策を総合的に展開することにより、大学、企業等の技術の移転、活用による新産業の創出、育成を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解の上、さらなる御支援を賜りたいと思います。
 以上でございます。
#43
○本田良一君 いよいよ最後の新産業創出ですけれども、現在までの新産業創出の実績、副大臣に。
 それから、小渕、森内閣までの検証。今まであれだけ多額の資金と施策を、たくさんの多くの種類の施策を打ち出しました。しかし、新産業の開業数が、先ほど大臣は十八万件とおっしゃいましたが、まだまだ目標に達せず、景気が回復をしておりません。このことの原因は何であるか、そのことをお尋ねしたいと思います。
 それからまた、改革先行プログラムの中に雇用対策として五千五百億円、うち三千五百億円を新公共サービス雇用対策費、補助教員や森林作業補助員などを都道府県内で新規雇用することになっております。期間は最大六カ月、給与水準も低いわけでありますが、果たしてどのくらいの雇用創出効果があると思っておられますか。雇用国会にふさわしく、もう少し抜本的な雇用対策はないのでしょうか、お伺いします。
#44
○国務大臣(平沼赳夫君) 小泉内閣のもとで平沼プランというのを提唱させていただきました。それは、新規産業の創出、育成というのは極めて重要な課題である、こういう認識に基づいております。小泉、森内閣におきましても、一貫してこのことは産業政策の重要な柱として各般の施策が実行されてきたところでございます。
 具体的には、新産業創出の牽引力となるベンチャー企業などが円滑に企業活動を行えるようにするため、一つは資金面からの対応としてエンゼル税制の抜本拡充、そして先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、担保に乏しいけれども成長性の高い中小企業に対する特別融資制度の創設、投資事業組合への出資制度の拡充等を行うとともに、人材面では優秀な人材の確保に向けたストックオプション制度の拡充、これもやってまいりました。そして、優秀な人材の確保の円滑化、こういったことを眼目にやってきたところであります。また、技術面では、中小企業技術革新制度等の充実、これも図ってきたところでございます。
 その結果、開業数がまだ少ないわけですけれども、十八万まで来たわけであります。しかし、これをやっぱりアメリカの九〇年代が三つ子の赤字と言われた、そういうことを克服して雇用を創出した、これは委員も御承知のように、主に情報通信産業というのを起こしてそこに吸収してきました。
 何が原因で新規産業が起こりにくいかということは、もうこれは釈迦に説法で恐縮だと思うんですが、一つの例で申しますと、例えば国民金融公庫に新規産業のためのメニューがあります。それは、新規に業を起こそうとする人に対して、そのやろうとする業で六年の実績がなきゃだめだ、ということは、もう新規が起こせないという形で一つのハードルになってしまっている。そしてさらに、そのハードルをクリアしても、政府の用意した専門研修員で最低六カ月の研修を受けなさい、こうすると、それは起こそうと思って意欲を持っている人もなかなかそういう融資が受けられないということでございますので、先ほどちょっと触れましたように、やっぱり事業計画ですとか、極端に言いますと、やろうとしている人の目の色を見て、そしてもちろんしっかりした審査機関はつくらなきゃいけません。しかし、その審査機関もだらだらだらだら審査をしているような形じゃなくて、早急に結論を出す、そういう体制でインセンティブを与える、こういうことをしていかない限り、やっぱり新規が起こってこない。
 ですから、今、一連のストックオプションでありますとかいろいろ申し上げましたけれども、そういった形で五年以内に十八万を三十六万社にしていこう、こういうことを盛り込まさせていただきました。
 そういう中で、具体的には例えば、今後三年間で大学発のベンチャー企業、これも一千社ぐらい、そういうベンチャーが出るようにやろうじゃないか。それから、平沼プランというのを冒頭申し上げたように掲げまして、これを踏まえた総合雇用対策、こういったことを精力的に取り組んでいきたいと思っています。
 今数字を挙げて御指摘のことで、これで大丈夫なのかと、こういう御指摘がございましたけれども、やはりそこのところはまだまだ十分じゃない、こういう認識を持っておりまして、私どもとしては、こういう今申し上げたような形で新しい産業を創造して、そこにアメリカがやったように、九〇年代アメリカが吸収したような形の姿をつくっていこうと、こういうことで今努力をしております。
 そしてさらに、この重点化の十五の提言をさせていただきまして、そしてそれぞれに関して、こういう分野をやったらどのぐらい雇用が創出できるか、こういう具体的な数字も試算をさせていただいて、今取り組んでいるところでございまして、この数字はちょっと後で、そういうのは出ておりますから提出させていただきますけれども、そういう取り組みをやらせていただいております。
#45
○本田良一君 具体的にありがとうございました。
 私は、ちょっとおっしゃいました新産業創出促進法の一部改正、これについては後ほど法案提出がありますが、これは非常にいいことだと評価をしております。ここまでやっぱり産業省は踏み切って、危険度も高いけれども、ここにやっぱり投資をすることによって新しい産業を起こしていくと、こういう制度を本当によく無利子、本人も無利子無担保、この制度は勇気ある私は法案提出ではないかと、こう評価をしておりまして、私どもも、新しい産業を生むためにはここまで行かなくちゃいかぬと、こういうふうに民主党も最初からプロジェクトの中で考えてきた政策であります。そしてまた、塩川大臣もベンチャーの優遇税制、そういうことを言っておられますし、柳澤大臣もそういうことを本会議の答弁で触れておられます。
 次に、これはとうとう残してしまいましたが、国外、今は国内でございましたけれども、経済が自由主義経済体制で、これによってやっと確立をする、五十年たってやっとこれだけをやって初めて確立をするということまでを今国内として質問をしてきたわけですね。
 それから、いよいよ国外でありますが、国外に対しても自由貿易主義を貫いていってもらうということで、この間から、前回の質問でも中国に対してどうされるのか、それから自由貿易主義の恩恵は、またその国とその国の消費者に恩恵を与えるということを申してきました。よって、自由貿易主義について大臣にお伺いをし、また自由貿易主義はだれに恩恵を与えるか、今言いましたようなことですが、もう少し大臣から御意見を聞きたい。
 二国間経済交渉で解決すべきセーフガードの中国、これについてお尋ねをしながら、先ほどからありました二国間のこの問題が本格発動を私としてはやるべきではないと、こういうことです。そして、あくまでもアジアの中で日本が自由主義経済の国として、これを旗手としてアジアの中で重要な役割を担っていってもらうと。そして、アジアの中にはヨーロッパにはない共産主義の国が三つ残ってしまっている。これに対して、やっぱり根気強く自由主義体制の仲間に入ってくるように、日本はそういう役目があると思います。それのために、そういう理念を持ってやってもらいたいということです。
 それで、この二国間とそれから、例えばセーフガードで今後発動の予定とされながらもそうではないと思いますが、ウナギ、ワカメ、タオル、こういうものについてどうか、それまでをちょっとお尋ねをいたします。
#46
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、自由貿易体制というのは、この二十一世紀、ますます必要になってくると思っています。そういう中で、世界的な自由貿易体制を推進するには世界の主要な貿易国が参加するWTO体制というものをやっぱり維持強化することが必要だと、こういう基本的な私どもはその認識を持っておりまして、例えば関税の引き下げでございますとかあるいは貿易ルールの策定等、それをやっぱり世界各国が共通して推進していく、こういうことが基本にあると思っております。
 そして、先ほども答弁で触れさせていただきましたけれども、一方、やはり世界がグローバリゼーションの中で大きな自由の枠をつくっていく、しかしどうしても、やはりそれを補完する意味で二国間の緊密な連携も必要になってくる。この二国間協定に関しましては、実はもう世界がその補完の役割として、ほとんどの国が二国間の協定を結ぶに至っております。現在、残されている国と地域というのはわずか四つでございまして、中国とお隣の韓国と、それから我が国とそれから地域、台湾、これが入っていたわけであります。そしてその中で、シンガポールとの間で私どもは年内の締結と、こういう形で第一号ができるわけでありまして、そういう意味で、例えば投資をするにしても、やはり経済界からもこの国とひとつ自由貿易協定で二国間でやってほしい、そういう要望もございます。そういう中で、少し蛇足になるかと思いますけれども、お隣の韓国とはいわゆる民間の中で今研究を進めております。そしてさらに、メキシコも日本とそのことを望んでおりまして、これも今研究段階、こういう形になっておりまして、そういう意味で私は必要だと思います。
 それから、中国に関しまして、私どもは、中国という人口十二億を擁し、巨大な経済生産力を持った国がやっぱり世界の自由貿易の中に入ってこなきゃいけない。あるいは、ほかの共産主義体制をまだしいている国々もやはりその中に入っていくことが望ましい方向だと。ですから、中国に関しましては、十五年間一貫して私どもは中国のWTO正式加盟、これをサポートしてまいりました。
 その結果、この十一月のドーハで開かれるWTOの閣僚会議で恐らく中国の正式加盟が決定されると思います。そうなりますと、これはまだ正確には申し上げられませんけれども、来年の一月一日から恐らく正式に加盟と、こういう形が出てくると思います。それに続いて台湾もそこに入ると、こういう形になってきまして、そうなると私どもはそれは非常にいい形に相なってくる。そういう意味では、一貫して中国に対し、台湾に対しては応援体制をしいてきました。
 そして、これだけ中国との関係が深まってまいりますと、やはりかつてアメリカやヨーロッパの諸国と日本が起こしたような、経済がどんどん関係が緊密化していきますと必然的に摩擦も当然起こってくるわけでございまして、まさに今、野菜三品目でございますとかあるいはタオルのそういう問題も、やっぱりそれだけ経済関係が緊密になり、拡大してきたという私は証左だと思っています。そして、我々は、野菜三品目のセーフガードに関しては、WTOのルールにのっとって、そしてそれはデータに基づいて発動させていただきまして、固有の権利を行使させていただいたと思っています。しかし、これからますます中国との関係というものはいろんな面で深まってまいります。
 そういう中で、小泉首相が朱鎔基首相と会談をしたときに、これからそういう問題が非常にたくさん起こってくるから基本的に話し合いをしましょうと、そういう形で中国側もそれにこたえ、そしてさらには江沢民主席もあちらの方から言い出されたと。こういうことで、私どもは日本の一生懸命その業に従事してくださっている方々の利害というものもしっかりと見据えながら、基本的に話し合い路線というものを確立していくことが必要だと思っています。
 そういう中で、私がこの前上海に参りましたときに、私のカウンターパートであります石広生貿易担当大臣と話をして、やっぱりアメリカとも我々は経験として話し合いをして自動車にしても何にしても解決してきたと。ヨーロッパもそうだと。だから、中国とも、定期的、不定期にかかわらずそういう話し合いの場を設けようということを提案させていただいて、それはぜひそうしようと、こういうことになりましたので、私どもとしては話し合いというものを基本にしながら、しかしルールはありますから、そのルールをしっかりと基礎に据えて、この野菜三品目に関しましても、また今やっておりますタオルのセーフガードでありましても、また養鰻でございますとか、そういった問題についてもやっていこうと思っておりますし、熊本の養鰻、これに関しては大変両方の業界が歩み寄って我々が出る前にうまい形で話し合いのベースができた、これも一ついいことだと私は認識しておりまして、そういう形でやらせていただければと、このように思っております。
#47
○本田良一君 養鰻については、もう話し合いで二国間でいくということを私も聞いております。
 最後に、本当はWTOまで行きたかったところですが、時間がありません。
 今おっしゃいました、もう大臣が中国に対しては、アメリカと今までの通商交渉、ここに資料も持っておりますが、ずっとあらゆる、鉄鋼とか自動車、繊維、いろんな交渉を本当に爆発寸前でありながらも粘り強くやった結果がここに歴史的な蓄積としてあります。これをもって中国と本当にそういう粘り強い交渉を切磋琢磨やって、これからもそういう関係を維持していくと。
 将来、中国は世界の工場になると言われております。だから、より私は二国間の交渉というのは重要だと思いますから、アメリカとの歴史的な今までの蓄積を踏まえてひとつ頑張っていただきたいと、こう思います。
 以上、これで私の質問を終わります。
#48
○委員長(保坂三蔵君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、午後一時に再開することとし、休憩をいたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#49
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#50
○若林秀樹君 民主党・新緑風会を代表して質問させていただきたいと思いますが、この七月の二十九日で初当選をさせていただいたということでございますので、文字どおり初めての思い出に残る質問でございます。ぜひ印象に残る御答弁をお願いできたらなというふうに思います。
 まず一点目でございますが、経済のグローバル化とその功罪についてお伺いしたいと思います。
 昨日、テロ法案が参議院を通過しまして、法律として可決したわけでございます。今回の米国同時多発テロあるいは世界で起きているさまざまな紛争を考えますと、その根源的な理由は私はやはり貧困の撲滅ではないかなというふうに思っております。私、経済のグローバル化が世界の繁栄に貢献しているということはもちろん否定はしないんですが、現実的にはまだまだ南北間格差ありというか、むしろ広がっているんではないかなというふうに思いますし、労働やさまざまな問題について、むしろその溝は広がっているんではないかなというふうに思います。
 そういう意味では、まずグローバル化のどこがいけないのか、どこに問題があるのか、何を改善すべきかということについて、まず最初に大臣の御見解を伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(平沼赳夫君) 若林委員の御指摘のとおり、確かにテロの根源には貧困というものが一つの大きな要素としてあると思います。そのほかに、民族ですとか宗教上の根源的な対立なんというのも裏打ちも貧困にあって、それを増幅していると、こういう点もあるかと思います。
 確かに、グローバリゼーションが進展をしますと、これはWTOでもAPECでも議論になっておりますけれども、世界の中でそういう形でどんどんどんどんグローバリゼーションが進みますと、やはり能力のある国と能力のない国の格差が生じてくるおそれがある。それが、今南北問題とおっしゃいましたけれども、既にある南北問題をさらに助長するようなそういう結果が出る可能性も非常に大きいわけであります。
 その中で、そういうことを是正するために、APECでもWTOでも、やはり先進的な国が発展途上にあるそういった国々に能力の向上を図るためのきめ細かい対策を講じていかなきゃいけない。その分野では日本は非常に率先的な役割をしておりまして、いろんな分野でやっておりますけれども、特に人材育成でございますとか、あるいはこれからはITの時代、今ちょっとITは一とんざしておりますけれども、第二段階発展、これは十分期待できます。ですから、そういったITの技術でありますとか、それからITにはデジタルデバイドというのがありますけれども、それを改善する、そういう形の研修プログラムをつくりながら能力向上を目指す、こういうことを鋭意取り組んでいるところであります。
 それから、WTOの中の議論として、例えば実施問題というのがございまして、その実施というものをどんどんやっていくと非常に発展途上国が大変な重荷を背負うことになる。そういうグローバリゼーションのルール自体もまだよく理解できていないということがありますから、そういったこともやっぱりしっかりとやると。そういう形で、全体的なレベルアップを先に進んでいる国がやはり意欲を持って取り組むということが一つだと思います。
 それから、我が国がODAというものを世界で最大やっておりまして、年間一兆円ぐらいの規模でやっております。ですから、そこもそういった南北格差をなくすとか、いわゆる貧困を救うとか、そういう形に今後としてやっぱり傾斜配分をするような形でのきめ細かい対応をしていく、こういうことが私は必要ではないかと。
 したがいまして、御指摘のとおり、貧困のベースをなくしていくため、それから能力格差を縮めるためのそういったことを先に進んでいる国がきめ細かく対応することによって全体のレベルが向上して、そして世界の経済の発展にとってひとつ大いにそこのところが大切なところだと、このような認識を持っております。
#52
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 次の質問のお答えを少しいただいたような感じになりましたが、私もやはり経済格差の中ではできる限り国同士が話し合う合意形成の場というんでしょうか、そのためのやっぱりルールづくりという意味でWTOというのは非常に重要ではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、けさほどからWTO新ラウンド立ち上げに向けての御決意はいただいておりますが、もう少し、途上国との問題では労働、環境、あるいは投資と競争ルールの問題で、一部報道に出ておりましたが、先送りするようなお話が出ておりますが、その辺をもうちょっと含めて、このWTO新ラウンド立ち上げに向けての御決意と日本政府のお考えを聞かせていただければと思います。
#53
○国務大臣(平沼赳夫君) WTOの新ラウンド立ち上げというのが世界の自由貿易体制にとって非常に必要なことだと、こういう認識のもとに、我々日本といたしましては幅広いアジェンダで、そしてだれもが参入できる、そういう新ラウンドを立ち上げるべきだということで、一貫してそのような方向で私どもは話し合ってまいりました。この前のAPECでも、それから非公式で行われたシンガポール、さらにはその前のメキシコ、こういったところのWTOの閣僚会合でも大体幅広いアジェンダでやると、こういうことで合意形成ができたということは非常にいいことだと思っています。
 投資に関しましては、やはり私どもの認識では投資が自由にできる環境をつくるということが世界の経済の発展にとって必要だと、こういうことでやっておりますけれども、やっぱり一部発展途上の国々にはそういう形で投資をしてしまうと自国で保護をしている産業が逆に影響を受けて、そして自国産業がつぶされるおそれがあるんじゃないか、こういう当然ですけれども危惧を持っておられます。
 そういった方々に対しては、幅広い目で投資というものが円滑に行われる、しかしあなた方はまだそういう非常に危惧を持って、自国の産業をまず育成しようという、そういうことであれば何も今そういう形ですぐ参画しなくても、やっぱり自分たちの体制が整うまではそういう政策を続けていってもいいですよと。ですから、そういう形で、WTOというのは専門用語が飛び交っているんですけれども、レベル・オブ・アンビションというのを、結局レベルを下げて、そしてみんなが取り組みやすいようにしよう、こういう日本の提案をさせていただいて、投資に関してはそういう形で、非常に危惧を抱いている国々もそういうことだったらやろうと。
 それからまた、例えば一つアンチダンピングというような問題もあります。これに関しては、やっぱり自由貿易の中で余りダンピング、アンチダンピングを打つのはやめようというようなことですけれども、ここも一部センシティブな問題を抱えている国があります。そういったことに関しても、やっぱり入りやすいそういうものをつくっていこうと。こういう形で、私どもは今一生懸命にそういういい環境づくりという形で提言をしながら、そういう形で今幅広いアジェンダで立ち上がるような方向性が見えてきました。
 そういう中で、我々はさらに十一月のドーハに向かって大分、これももう御承知だと思いますけれども、ジュネーブの事務局のハービンソンという議長が大体前もってこういう形で新ラウンドに臨もうと、こういう形で投資ですとか環境ですとかアンチダンピングですとか、あるいはルールとか、そういうこと全部出てきました、実施とか。もちろん、農業という我が国にとってセンシティブな問題もありますけれども。
 だから、そういう中で、私どもは今言った基本姿勢の中で世界の自由貿易体制をつくるためにでき得る限り協力をし、そして私どもとしてもその実現に向かって頑張っていかなきゃいけない、こういうふうに思っています。
#54
○若林秀樹君 ありがとうございました。ぜひ、新ラウンド立ち上げに向けては日本のリーダーシップを発揮していただきたいと思いますし、ぜひ閣僚会議には御出席いただいて、頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、産業の空洞化についてちょっとお伺いしたいと思います。
 きょう、失業率が五・三%ということで、非常にショッキングな数字が出されました。私は、生産拠点を海外へ移したということは、特にプラザ合意以降急速に進んだわけでございます。とりわけここ十年間は、東アジア、そして今、中国に急速にシフトしているというのは御承知のとおりでございます。ただ、このまま行きますと、本当に製造業は日本から消えてなくなってしまうんではないかという危機感を非常に抱いております。
 数字を拾いますと、平成四年に一千三百八十二万人でピークを迎えた国内製造業の雇用者数は、その後、下降の一途をたどり、きょう発表された実は新しい数字なんですが、この九月の数字では一千百六十二万人。これも前月比で何と三十五万も減っているんです。結果的に八年間で二百二十万人の雇用が失われている状況でございます。失業率に換算すれば、優にこれは三%分相当にはなると思うんですが、一方、それぞれの産業で見ますと、同じ平成四年の比較では建設業は逆に三十六万人ふえているんです、建設業は。サービス業も二百三十万人、運輸全体でも三十万人ふえているということで、余り言いたくないんですけれども、公共投資で相当建設業にお金を使いながら、そこの雇用は維持されても、実はもっと大事な製造業の雇用がこんなに急速に失われているという現状をぜひ見ていただきたいというふうに思っています。
 一方、その分、海外の製造業の現地法人の増加なんですが、二年前の平成十一年度を見ても、二百五十八万人も海外で雇用されている。そして、平成四年度が百十二万人でございますので、たった七年間で百四十六万人逆に海外はふえているということでございます。
 私は、基本的には国際分業というのは世界経済の発展のために必要なことだというふうに思っております。そして、日本の雇用が減ったからといって、単純にその分ふえたから問題があるというふうには思っておりません。そこにはやっぱり何らかの相関関係があると思いますが、単純ではないことも私も承知しているわけでございます。日本は、戦後、今日の繁栄を築き上げてきたのはやはり製造業の頑張りだというふうに思いますし、まだまだ一千二百万人の質の高い雇用、まさに生きがいとかやりがいを感じられる質の高い雇用が現実としてあるわけでございますので、大臣に、産業構造の転換と見ればそれまでかもしれませんけれども、この製造業の現状について、基本認識をまずお伺いしたいと思います。
#55
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、日本はやっぱり物をつくるということが一番得意な、そしてここを伸ばすべき分野、そういう国だと私は基本認識を持っています。
 今委員が具体的な数字をお示しくだすって、非常に厳しい現状、こういうことをお述べになりました。現状は私はそのとおりだと思っています。
 そこで、別の角度から数字を申し上げますと、いわゆる製造業の海外生産比率というのは平成十一年度は一二・九%に相なっていまして、平成元年はわずか五・七でございましたから、今委員が御指摘の数字はまさにこれを裏づけていると、こういうふうに思っています。
 そこで、一つは、経済原則というようなものが働いて、より安い労賃を求めて、そして拠点を海外に移す、この流れがずっと拡大をしてきたと思っております。例えば、お隣の中国を例にとれば、やはり日本と比べていわゆる賃金というのが、いろんな説がありますけれども、二十五分の一ぐらいである、大きく見る方は三十分の一だと、こういうふうなこともあります。ですから、そういう中で、どんどんどんどん有利な点を求めて、そして拠点を移した、そのことが非常に私は背景にあったと思っています。
 しかし、その中で、海外に拠点が移るということは一概に私は悪い面だけではなくて、いわゆるその拠点に向かって日本から、例えば部品ですとか、そういう中間製品が輸出の増につながったということも言えるわけですから、全部一概には否定できませんが、しかし大きな流れとしてはそうなわけです。
 ですから、そういう意味でこれから私は、冒頭申し上げたように、物づくりというのが日本の得意芸であり、基本だと思っています。ですから、非常に厳しい命題ですけれども、より付加価値の高いそういった産業というものを積極的に育成をし、そしてその中で高度な物づくりをやっていくと。
 私は、可能性としては全くないわけではないと思っておりまして、例えば、これは経済産業省に属する研究機関の中で進んでいるナノテクノロジーなんというのは、これから日本がまさに他国に先駆けて、そして充実ができる、そういう私は分野だと思っています。それから、バイオテクノロジーもしかりでございますし、さらにはこれから、例えば情報家電の分野なんといいますと、IPバージョン6なんというようなそういう一つの中で、そういうところも伸ばしていけば、日本の製造業として私はまだまだ伸ばす時期があり、そこに歯どめをかけることもできると思っておりまして、新しい日本のそういう特色、そして日本のいわゆる何といいますか、優位性を生かした産業をやっぱり力強く展開をしていく、そういうことによって歯どめをかけていく、そういう基本政策でやらなければならないと思っています。
#56
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 私は、おっしゃられることは非常にわかりますんで、ぜひ四分野等、頑張っていただきたいんですが、今の衰退のスピードを考えると、どこまで新しい産業の成長のスピードが追いついていけるのかということに対しては非常に危惧を感じています。
 きょうの午前中の御答弁を聞かさせていただいて感じたのは、大臣の頭の中にややアメリカ型のモデルというんでしょうか、アメリカ型の、アメリカもやっぱり七〇年代、八〇年代、製造業が衰退して、その分、先端産業、ソフト、サービス業が伸びていったと。私は、現下の日本の足元を見るときに、本当にそれが逆にできるんだろうか。むしろ、必ずしもアメリカの同じまねを、まねというか、やり方をやるんじゃなくて、もっとやはり製造業の新しい転換というんでしょうか、もっとやっぱり、今おっしゃられたように、行動を図り、私は、ITで装備した環境とか省エネ技術があるんですから、そういうのに対応した新たな製造業への発展というものが当面私はやっぱり必要なことだというふうに思っておりますから、ぜひともまた力強い製造業への取り組みをお願いをしたいというふうに思っております。
 続きまして、環境問題についてちょっとお伺いしたいというふうに思います。
 昨日からモロッコのマラケシュでいわゆるCOP7が開かれておりまして、いよいよ来年の議定書発効に向けて最終の、大詰めの場面ではないかなというふうに思っております。
 私は、この環境問題も、二十一世紀の環境は、環境競争力というんでしょうか、そういうものをつけていくことがやっぱり国際競争に勝ち抜いていく一つの大きな要素だというふうに思いますので、環境対策とコスト削減、一見して相反するんですが、両方をうまくこなしていくことが必要ではないかなというふうに思っています。
 我が国は、目標は、御存じのとおり、九〇年度比で六%削減ということなんですが、現実的には、御存じのとおり、何を言おうとしているかわかっていらっしゃると思いますけれども、九九年の実績で逆に六・八%増加しているわけで、ハードルが高くなったわけでございます。私は、九二年にリオで会議があり、九五年では京都で議定書の枠組みの話し合いをしているわけですから、少なくとも横ばいぐらいだったら理解できるんですけれども、まず、この六・八%まで増加してしまったということに対して、現状認識をちょっとお伺いしたいと思います。
#57
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきたいと思います。
 委員御指摘のように、やはりこの環境問題は真剣に取り組んでいかなきゃいけませんけれども、一方ではやはり経済の発展というものも同時に考えながら、バランスよく対応していくということが必要だと思います。
 そういった観点で、今先生の御指摘でございますが、一九九九年度の温室効果ガスの排出量は約十三億七百万トンなんですね。これは、一九九〇年度に比べまして、御指摘のとおり六・八%ふえております。
 このうち、温室効果ガスの排出量全体の八割以上を占めるエネルギー起源でありますいわゆる二酸化炭素、CO2の排出量が一九九〇年度から九%実は増加しているんですね。これは、産業部門は〇・八%増でありますのでほぼ横ばいであります。一方、運輸部門が二三%、また家庭部門等の民生が一五%、そして業務部門が二〇%というふうに大幅に伸びている。これが原因になっているわけでありまして、運輸部門については、もう御承知のように、保有台数が相当伸びておると同時に、やっぱり車も高級化しておりますので、そうなりますと重量もふえます、そうなりますと当然そのエネルギー需要も増大をしてくる。また、民生部門におきましても、かつてはそうエアコンを持っていらっしゃる家庭はなかったと思いますけれども、最近はほとんど一家に一台というようなことで、そういう新たなニーズによる機器の普及であるとか保有台数がふえまして、相当な量がふえたということが言えます。また、オフィスビルも今ふえておりますけれども、こういったオフィスビルもいわゆるインテリジェントビルと称されるように相当高度化されておりますので、それに従いましていわゆるエネルギーの需要がふえている。
 こういったいろいろな複合的な要因によりまして六・八%増加をしていると、こんなふうに認識をいたしております。
#58
○若林秀樹君 お答えをいただきまして、今の現状の認識というか、ふえたということをおっしゃられたということで、それについてどう思うかということを逆にお聞きしたいと思うんですが、GDP当たりでは日本はまだまだ優等生だというふうに思いますけれども、九〇年度の年というのはバブル絶頂期でしたから、基準年のとり方としては、むしろそれ以降一%程度の経済成長しかないわけですから、もっともっとやっぱりこの間の努力というのは、私は政策努力が弱かったんではないかというふうに率直に思っているところでございます。
 私は、これからの温室効果ガスを削減するにはまさに経済動向いかんではないかというふうに思っています。言い方を変えれば、二年発効の障害となり得るのは、このCOP7の議論よりはむしろ国内のやっぱり経済界の動向、その声をどう取りまとめて進んでいくかということになるんではないかなというふうに思っています。私は、業界それぞれ頑張っているところもありますけれども、ちょっと音を上げ始めているところもあるんではないか。あるいは、経団連の政策を見ますと、経済への悪影響を考慮すべきであるということを声高く言っているわけでございますし、報道によれば、二十四日に開催された産構審の地球小委員会では経済界から批准に反対する意見が相次いだという報道もなされたというように聞いております。
 私は、やはりこの環境制約をむしろ二十一世紀の成長の逆にエンジンにすべきではないか、むしろ環境への対応が国際競争力をより増していくんだという前向きな発想でやっぱり取り組んでいないと、逆に言えば後ろ向きになることによって特にヨーロッパとの競争によっておくれていくんではないかなというふうに思いますから、ぜひそこに向けて、副大臣の方からどうすべきなのか、どうしていきたいのかというその決意を、この産業界の圧力も含めてどう対応していくかということをちょっとお伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、産業界からは、今非常に厳しい中で、さらにそういう制約要件が重なると大変日本の経済全体にとって危惧すべき事態が想定できる、そういう声があることは聞いています。しかし、やっぱり二十一世紀を考えますと、この地球温暖化防止というのは人類の避けて通れない課題だと思っています。
 そういう意味で、小泉内閣でもこれはやっぱり最重点に取り組んでおりまして、例えば隗より始めよということで、今中央官庁には七千台の車があるわけでありますけれども、それを率先して省エネカーを導入をしよう、私も経済産業担当をいたしておりますので、第一号のハイブリッド車を導入をさせていただきました。
 そういう形で、経済産業省としては非常に厳しいことがございますけれども、しかし我々は、今御指摘があったように、一九七三年のオイルショックの後、大変効率的に省エネをやってきた実績を持っています。ですから、そういう蓄積された実績、ノウハウをもとに、御指摘の逆に環境制約というものを成長のエンジンに転化する、こういったことは今経済産業省の重要な政策の柱にさせていただいています。
 そしてさらに、もちろんこれは安全を担保しなきゃいけませんけれども、やっぱり発電過程においてCO2が全く出ない、そういう原子力発電というのも安全を担保するという前提の中でしっかりとやっていく。それからさらに、CO2の排出の多い化石燃料、そういったものの中でもより少ない天然ガスへの置換でありますとか、それから、まだ非常にパーセントは少ないわけでございますけれども、新エネルギー、こういうふうに言われております風力でございますとかあるいは太陽電池ですとかあるいは燃料電池、そういったものも今軌道に乗ってきました。そういったことを私どもは強力に進めて、そして全体の排出を抑えて、そしてその目標を達成する、そのことをあきらめないで取り組んでいかなければならないと思っています。
 同時に、やはりフロンガスも一つ大きなそういう要因になっておりますので、代替フロン、こういう問題も含めてやっぱり着実に実行していくと、こういう基本姿勢で臨んでいきたいと思っています。
#60
○若林秀樹君 ありがとうございました。ぜひあきらめないで、具体的にターゲットを決めたら具体的なプログラムをつくりながら、ぜひリードしていっていただきたいと思います。
 時間がありませんので、最後の質問、リサイクルについてちょっとお伺いしたいというふうに思います。
 循環型社会の取り組みの中で、これからやっぱりリサイクル運動というものが非常に重要になってきます。この四月から家電リサイクル法が施行されましたので、またその現状と課題についてお伺いしたいというのと、あわせて、ちょっと全部質問、聞きたいことを申し上げたいと思います。
 恐らく不法投棄という問題があろうかと思いますが、料金の徴収方法をめぐって今議論がなされているというふうに思います。私、聞くところによると自動車、それからパソコン等がこれからリサイクルの中に乗っかるときに、徴収方法としてはむしろ上乗せ方式の方がいいんではないかという議論を聞いております。
 家電の方は廃棄時に別料金で取るということが不法投棄になっているというふうに考えておりますので、今のパソコン、自動車の動き、仮にパソコンも料金上乗せ方式にするんであれば家電との関係でどうなのかということについてちょっとお伺いしたいと思います。とりわけ、テレビもパソコンも融合が進んでおりますので、パソコンの形をしながらもうテレビも映りますし、テレビもしながらもうパソコンと機能は変わらないわけですから、社会に混乱を来さないような方法としてどうなのかなということについてもあわせてちょっとお伺いしたいと思います。
#61
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、自動車のリサイクルにつきましては産構審の自動車リサイクルのワーキンググループにおいて今検討されておりますけれども、恐らく新車時に徴収をするという方向で議論が収れんしていくであろうと、こんなふうに私どもは予測をいたしております。
 また、今御指摘のありましたパーソナルコンピューター、これにつきましては今ワーキンググループで同じように環境省にも入っていただきまして合同会議で検討をしているんですけれども、これはどういう結論になるかはまだはっきり出ておりません。したがって、今後はその推移を見守っていくことといたしたいと思っております。
 例えば、今御指摘のありましたテレビ、テレビは二千七百円で、廃棄時に二千七百円を支払うと。一方、パーソナルコンピューターが販売時に徴収の方向に仮になった場合にはそのバランスがとれないんじゃないかという趣旨の質問だと思いますけれども、御承知のように、パーソナルコンピューターの場合は実際に買われるときも宅配とかいうのはほとんどなくて、実際に買いに行って買われると。そしてまた、中にソフトのプログラムとかが入っておりますので、すぐその場で廃棄するのではなくて、やっぱり数カ月とか半年とか、大体データによりますと半年ぐらいはそういってお互い併用しているというようなことを承っておりますので、果たしてどちらの方法がより合理的なのか、その辺を環境省あるいは経済産業省合同の検討委員会において一番合理的な方法というものを今検討いたしております。
 今委員御指摘のそういった問題点というものを踏まえながら検討していきたいと思っております。
#62
○若林秀樹君 あと家電リサイクル法の現状、半年間経過したので、その評価をちょっとお聞かせいただきたい。それで質問を終わらさせていただきます。
#63
○副大臣(古屋圭司君) 今、家電のリサイクルでどういう状況になっているかということでございますか。
 これにつきましては、本年四月に家電リサイクル法を施行するに当たりまして家電メーカー等によりましてリサイクルプラントが整備をされておりまして、今、自治体等により収集・運搬システムが構築をされております。こういったシステムによりまして、排出された廃家電が小売業者により円滑に引き取られて家電メーカーに引き取りをされまして、現在では六カ月間で四百三十一万台がリサイクルをされておるというふうに聞いております。
 これは四月にスタートいたしまして、四月では二十七万台でありまして、特にエアコン等々の買いかえ時期に当たります七月、八月は百二十万台あるいは百四万台ということで順調に引き取りがなされておりまして、このリサイクル法、リサイクルシステムがまずは順調に稼働しているのではないかというふうに思っておりますが、今後とも、このリサイクル法が適正に遵守されるよう引き続き状況等を十分に注視をしてまいりたいと、このように思っております。
#64
○若林秀樹君 ありがとうございました。
#65
○草川昭三君 公明党の草川昭三でございます。私の方も大分とうが立った新人でございますが、きょう初めてでございますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。
 まず最初に、何といいましても、いろいろと午前中も経済問題が出ておるわけですが、貿易収支の黒字が急減をしているという、こういう事実を我々は重大なものとして受けとめなければいけないのではないか。これは、世界的な景気後退といった短期的な問題ではなくて、構造的なものではないだろうか。それは、日本の製造業というのが急速に国際競争力を失っている。何かいろいろと発表されているところによりますと二十一番目だとか、大変悪い数字が出ておるわけでございますが、これはハイテク分野も含めた日本の基幹産業が中国を中心に生産拠点を海外に大規模に移転をしたことに原因が一つあるのではないか、こう思うわけであります。
 そういう意味で、貿易黒字の減少の危惧について、大臣のひとつ御見解を賜りたいと思います。
#66
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、草川先生御指摘のように、先日発表されました九月の対世界貿易収支というのは、前年同月比マイナス一八・三、輸出は六カ月連続の減少に相なったわけであります。したがいまして、輸出、輸入とも減少しているわけでございますけれども、一つは世界経済の減速を受けて輸出が大きく減少したことが貿易黒字の減少の大きな要因に私どもはなっていると思っています。
 貿易黒字の減少というのは我が国にとっても大変厳しいものでございまして、そもそもは貿易立国でございます。円安を通じて国内物価を上昇させまして金利の上昇を招く可能性がある、こういうことも指摘されております。したがって、そういう世界の同時不況、こういう中で減少しているということは大きな要因ですけれども、御指摘のとおり、やはり今の日本の、先ほどの御質問にお答えしたように、産業の空洞化が進んで、そして拠点が海外に出る、こういう中でやはり全体の貿易の黒字幅が減少していると、こういうことが言えると思います。
 したがって、このことに対しては私どもとしては深刻に受けとめて、貿易立国でありますので、やはりこれから日本もイノベーションをしっかりとやりながら、競争力をつけて、そして貿易の黒字を維持していく、そういう構造改革を断行していかなければならない、このように思っております。
#67
○草川昭三君 日本は、言うまでもありませんけれども、食糧あるいは鉱物資源、エネルギーの輸入に大体二十兆円程度の外貨を必要としておるのではないかと、こう思います。これを賄うだけの輸出産業が維持されることが当然のことながら必要でありますし、これが日本の経済安定の一つの安全保障になるわけです。
 他方、輸出の三分の二は自動車であり家電であり機械産業の三業種に依存するような構造になってきておるわけでありますが、いつまでも国際競争力を維持することができるかどうか。これは後でまた中国の問題にも触れるところでございますけれども。大臣の御答弁等では、いや、将来はバイオだと、あるいはナノテクとか、いろんなことをおっしゃっておられますが、いわゆる経済産業省として次の戦略産業の育成ということをもう少し私は大きく打ち出す必要があると思うんです。
 これは大臣の名前をとったいろんなプランということで既にいろいろと御紹介をされておりますが、それはもう本当に国全体でバックアップをするというような体制が必要だと思いますが、この戦略のことについてどのようなお考えか、お伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(平沼赳夫君) やはりこれからの厳しい状況の中で日本の産業の新しい力をつけていく、こういうことで私は四つの重点分野というものを想定して今力を入れているところであります。
 それは、先ほど申しましたように、ナノテクノロジーでございますとかまたバイオテクノロジー、さらに、今若干第一段階から第二段階への中休みの状況になっておりますけれども、いわゆる情報通信産業、これから私は第二ステージでさらに大きな発展が期待できる分野だと思っています。
 それから、少子高齢化に対応した形の中で、私どもとしては、環境を含めてそういった新しい分野に重点的に構造改革と新しい新規産業の創出、こういうことをやっていくことが私どもは重要だと思っていまして、そういう重点四分野というものをやはり国の中心に据えて、そして、ひとり経済産業省のみならず、やっぱり各省庁が連携をしてここに力を入れていく、このことによって産業立国、この日本のポテンシャリティーを高めていく必要がある、このように思っています。
#69
○草川昭三君 今の話にちょっと戻りまして、対中国に対する戦略をお伺いしたいわけでありますけれども、ユニクロ現象という言葉がありますけれども、中国製品は価格のみならず品質の面でも日本の製品と十分競争ができるレベルに上がってきております。繊維はもちろんのこと、農作物ももちろんですが、自動車、家電、もう家電なんかはとっくの昔だと思いますが、最近ではマザーマシンと言われる機械工業、金型加工のNC等についても残念ながら数倍の競争力を持ち、我々に今対峙をしているという、こういう状況だと思うんです。いわゆる日中両国の関係というのは厳しい競争関係に入ったという意識を私は持っておるわけです。
 二十一世紀の通商戦略というんですか、これはどのように中国とつき合っていくかが焦点になってくる、今よりももっと私は大きな焦点になってくると思うんです。かつての日米貿易摩擦のような問題を生じないように対処することが非常に重要になりますし、マルチの国際通商ルールに基づいたことを解決していくことが一つの戦術ということになってくると思うんですが、来週から開催されるWTOの閣僚会議で中国加盟が決まるということになっておりますが、経済産業省としての対中国の戦略はどのような展望を持っておみえになるか、お伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のWTOの中国加盟というのを目前に控えておりまして、日中経済関係というのは各産業で相互補完的な分業関係が私は進んでいると思っています。
 貿易総額においては、昨年は初の八百億ドル台に突入しまして、ことしは締めくくりますと恐らく百億ドル上乗せして九百億ドルになるだろうと、こういうことで、さらに今後ますます相互依存関係というものは、私は進んでいくものだと思っています。したがいまして、今後の対中通商戦略、この検討をしていくことは、大変経済産業省にとっても重要な課題だと認識しています。
 今後の対中国の戦略といたしましては、私は大きく分けて三つの点が重要だと思っております。
 一つは、御指摘のWTOのルールに基礎を置いた通商関係の構築だと思っています。我が国が中国の早期加盟をこの十五年にわたって支持してきたのもこのためであると、このように認識しておりますし、さらに今後も中国の市場開放の促進、ルールに基づく紛争解決等の面でWTO体制を戦略として活用していくべきだと、これが第一点でございます。
 二点目は、貿易投資関係を双方にとってメリットがある、両方ともウインウイン、両方とも利益を得られる、そういう形で発展させる努力が必要だと思っておりまして、このような観点から、例えば、まだ非常におくれている面があります知的財産権の保護でございますとか、その強化、そして現地にたくさんの日系企業が行っておりますけれども、日系企業の投資利益保護、これが非常に重要なことになってくると思いますので、このことも私どもはしっかりとやっていかなきゃいかぬと思っています。
 そしてまた、これだけ貿易関係が、今示させていただいた数字が示しますように、緊密化をすれば、当然、今も起こっておりますけれども、摩擦、紛争と、こういうものが過去のアメリカやヨーロッパの例を見るまでもなく増大する可能性が大であります。これはやっぱりある程度避けがたいと私どもは認識しております。そのためにも、WTOのルールを尊重した解決を図るとともに、私どもは、やっぱりお互いの利益につながるわけですから、この前、中国の貿易担当大臣とも話したところでありますけれども、やはり共通の話し合いの場をしっかりと持ちながらこれら紛争を未然に防ぐ、そういういわゆるシステムをつくる、これが三点目でございます。
 私どもとしては、こういう基本政策、基本戦略で臨んでいきたいと思っておりますし、今後の経済政策上何よりも重要な基本的な方向としましては、先ほど言わせていただきましたけれども、草川先生御指摘の我が国産業の競争力の強化だと、こういうふうに思っておりまして、構造改革にさらに一段と努力をしていかなければならない、このように思っています。
#71
○草川昭三君 ちょっと今度は視点を変えまして、テロ対策に移りたいと思うんですが、米国のテロ事件によりまして、これを我々も参考にしなければいけない点があるわけですが、セキュリティーという問題について非常に重要な取り組みが必要になってくると思うんです。しかし、これは個別企業だけで対応できないものが多いわけでございまして、個別企業が独自で取り組むだけではなくて、もう少し国がバックアップすることが重要ではなかろうか。
 既に航空機関係あるいは飛行場関係等々においてはいろんな対応がなされているわけでございますけれども、まず基本的な考え方を最初にお伺いをしておきたいと思います。
#72
○副大臣(古屋圭司君) お答えいたします。
 原子力発電所であるとか民間の石油備蓄基地等のセキュリティー対策についてはどうなのかというような趣旨の御質問だと思いますけれども、施設内の警備や異常が発生した際の対応体制などの構築は、まずはそれぞれの企業が行うというのが当然のことであります。
 しかし、委員御指摘がありましたように、万一の場合にこれらの、重要な施設でございますので、周辺地域の住民に及ぼす影響等々を考慮いたしまして、国としても危機管理体制の強化を図る必要があるというふうに考えておりまして、委員御承知のように、既に警察や海上保安庁がこれらの施設の警備を実施をしているところでございます。
 具体的に申し上げますと、例えば原子力発電所につきましては、その事業者が原子炉等規制法に基づきまして事業所敷地への入構管理など、同法に定める各種の対策を実施をいたしております。また、万一の事態に際しましては、例えばセンサーであるとか強固な扉によりましてそういった侵入の早期発見とか遅延を図りながら、警察に迅速に通報するという体制をとっております。警察が中心となってまず対応していくということが原則になっております。
 しかし、今回のテロ事件等を踏まえまして、経済産業省といたしましても、例えば原子力事業者に対しましては何度かにわたりまして指導を行っておりまして、警察あるいは海上保安庁との密接な連携を図っているというところでございます。警察では、原子力発電所に今複数の警察官を二十四時間体制で常駐をさせております。また、原子力発電所の前面海域は海上保安庁の巡視船によりまして今も二十四時間体制で警備を強化をしているところでございます。
 また、民間の備蓄基地を初めとする石油関連の施設でございますが、これは、各事業者に対しまして自主警備の強化を要請をいたしております。また、大型タンカー等が入港してきましたときについては、シーバースであるとかあるいは石油備蓄基地等に対しまして海上保安庁が巡視艇あるいは航空機による巡視警戒を実施をいたしております。
 当省といたしましても、今後とも、事態の進展に応じまして、警察と十分な連携をとりながらセキュリティー対策の万全を期していきたいと思っております。
#73
○草川昭三君 今答弁をしていただいたとおりだと思うんですけれども、私が主張したいのは、確かに一義的には電力会社でありあるいは石油化学コンビナートであり民間石油備蓄基地である、そうは思います。しかし、これは予測する範囲内のお話でございまして、予測できない事態というものが出てきた場合に、例えばニューヨークの例なんかを取り上げた場合に、これは建物の外壁の強化だとか、あるいはそれ以上に情報収集力というのは民間企業では限界点があるわけですから、そこには何らかの私は超ウルトラ管理型社会にいずれこれは進まざるを得ない。超管理型社会というのは私が言っている言葉ですから、正しいかどうかは別ですが、そういう複合的な時代が来るのではないだろうか。そうでないと、特に重要な産業というもの、特にエネルギー産業というのは非常に不安定なことになるのではないだろうかということを実は私は主張をしたいわけであります。
 そういう意味で、今まで私どもは小さな政府をつくるべきだという、どちらかと言えばむだを省こうではないか、あるいは管理ということを考えればよりイージーな管理に手をつけるべきではないかというような流れがあったんですが、私は、小さな政府型の立場に立っていくならば限界点があるのではないかという気がしてならないわけでありまして、いわゆる社会インフラ再設計の視点があっていいのではないかという考えを持っておるんですが、大臣はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(平沼赳夫君) 私が九月十一日の同時多発テロが起こったときに実は一番心配しましたのはエネルギー関係、特に原子力発電所のセキュリティーの問題でした。そこで、閣議後の懇談会において私から原子力発電所の安全確保、こういうことを提起させていただいて、そしてその結果、今、副大臣が答弁をさせていただきましたけれども、警察庁も各都道府県警に連絡をとり、そして二十四時間体制がしかれるようになり、また日本の原子力発電所というのはすべて海に臨んでいるところに立地しておりますので海上保安庁の巡視艇が二十四時間体制で監視をしている、こういういわゆる国が出た今管理をやっています。
 基本は、私はやはり民間が第一義的な責任を持つ、このことは当然なことだと思いますけれども、やはり予測できないそういうテロということを考えた場合には、やはり情報収集を含め、そしてさらなる安全を確保する面で、原子力発電所に限らず、例えば大型変電所なんというところもやられてしまうと都市機能が全部麻痺してしまいます。ですから、そういうことも含めて私どもは、やっぱり国がある部分の責任を有しながら民間との協力の中でしっかりとした体制をつくっていく、このことは私は必要な課題であると、このように思っております。
#75
○草川昭三君 では次に、電力の問題に入りましたので、電力の問題について、古い話でございますが、経済産業省では電力の自由化に関する議論を来月ですか、五日から始めるというようなことを聞いておりますが、私が取り上げたいのは、特殊会社であります電源開発株式会社の民営化後のあり方をいま一度考えた方がいいのではないかという立場からの質問でございます。
 電源開発を民営化するという方針自体は、もうこれは既に古く政府として決定をしておることであります。しかし、最近、外資系企業というんですか、米国の総合エネルギー企業というのですか、有名な企業がその株の取得について大変興味を持っていろんなアプローチをしているという情報が、もうこれはほとんど明らかになっているんですが、御存じのとおりであります。
 これは、これまで国の附属機関として公益的な重要な電源開発だとか送電網整備を行ってきたこの電源開発株式会社が、民営化することによって、仮にも外資系の企業の傘下に入ってしまう、軍門に下ってしまうという、しかもその先に、もう既に始まっておりますが、これは金融機関あるいはもろもろの第三セクターというところに外資の手に入ったところがあるわけですが、いわゆる資産の切り売りをされてしまうというような問題がなきにしもあらずではないかという実は老婆心を私は持っておるわけであります。
 こうした点を含めて、電源開発株式会社の民営化後のあり方についてはもう少ししっかりとした、決めたときからもう大分時間もたっておるわけでありますし、それこそこのグローバルな時代に、特にヘッジファンド等々の跳梁というのもある時代になってきたわけですから、そういう安全保障的な立場からの見直しの議論があってもしかるべきではないかということが私は実は言いたいんですが、その点についての大臣の見解を聞きたいと思います。
#76
○副大臣(古屋圭司君) 電源開発の民営化後の問題についてどうなのかという趣旨の御質問だと思いますけれども、まず我が国のいわゆる電気事業制度のあり方というものは、御承知のように、来る十一月の五日から総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会で検討を開始することになっておりまして、この分科会では、ベースロードを担うべき大規模電源の開発あるいは系統信頼度の維持に資する送電網整備の必要性とその効率化の両方に立って検討が行われるわけであります。
 御指摘の電源開発株式会社の件につきましては、大規模電源の開発であるとか、あるいは広域連系の送電網の整備等を通じまして、我が国の電力の効率的、安定的な供給に大きな役割を果たしているということはもう申し上げるまでもないことでございます。
 現在、民営化に向けた実は準備を進めておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても同社が引き続き重要な役割をしっかり果たし続けることができるように、例えば財務体質の強化であるとか、あるいは分科会での検討も今後ともしっかり見ながら、同社の民営化後のあり方については、今委員御指摘そして懸念をされておりました例えば外資系企業に席巻されてしまうんではないか、こういったような視点も十分に幅広く検討しながら、この電源開発の今後のあり方について検討していきたいと、このように思っております。
#77
○草川昭三君 ぜひ、今お答えがありましたように、十一月の五日に総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会というのが開かれ、そこからスタートするのではないかと、こう思います。
 それで、問題は、二〇〇三年度実施ということを念頭に置きますと、少なくとも二〇〇二年の一月には、これはもう来年ですが、通常国会でいわゆる電源開発促進法等の法律改正も念頭に置かなければなりませんね。そして、二〇〇三年の秋には、政府保有の株が、六六・六九%ですから約六七%持っておる政府の株を放出するということになります。当然のことながら、二〇〇三年秋には、この株式を放出するためには国有財産中央審議会の審議の議を経るというようなさまざまなことが予定をされておるのではないかと私は思うんです。でございますから、そういう流れの中で、この電源開発の株が一体どこにどのように放出をされていくかということは、我々国民としても、将来の日本のエネルギー対策ということを考えても非常に関心を持たざるを得ません。
 そして、そういうことをやっていくとするならば、思い切って、今の日本のエネルギーというのは九電力に分かれておるんですが、この九電力体制でいいかどうかという議論、行革審の対象にはなっていませんけれども、私はそういう総合的な展望を持つことが経済産業省としてのエネルギー対策として非常に重要になってくると思います。
 これはぜひ、簡単なようではございますけれども、非常に本質的な問題でございますので、できたらこういうものについては集中的な識者の方々と議論をする場があってしかるべきだと思います。これはぜひ、大臣の私的諮問機関でもいいわけですし、また今ある機関でもいいんですが、私が不勉強で申しわけないんですが、九電力体制でいくのかどうかということについては余り議論をされておるとは伺っておりません。ですから、そういう意味も含めて、ぜひ議論の展開をしていただきたいと思います。
 ガスの方は、既にこの一年間の間に、ガスというのは電力とはちょっと違いますから、ローカルの会社もたくさんあるわけですからあれでございますが、かなり将来の展望を含めてガス事業についての議論はなされておるやに聞いておるわけでございますが、ぜひこれは私の要望として申し上げておきたいと思います。
 最後に、もう本当に時間がございませんので、いわゆる今日のこの経済状況の中で中小企業への影響力の問題について御質問をしておきたいと思うんです。
 今日のような状況の中で景気問題ということを考えますと、どうしても不良債権の処理は避けて通れない大きな問題であります。これは国民の皆さんも連日のごとく不良債権の処理について、もうテレビでもお茶の間でもこの議論がされておるわけでございますから、もう十分承知をしておみえになるわけでありますが、中小企業への影響ということがどのように出てくるかということの心配がもう山ほどあるわけであります。既に総理のブレーンである方々からは、少なくとも三十社は場外に退出をすべきだというようなそういうところだけが強調されて出てきておるわけでありますし、また、そういうところに名前の出る企業の関連する中小企業、関連業界というのは、もうこれは本当に夜も寝れないぐらいの心配があるわけであります。
 そういう意味で、この景気対策についての大臣の見解をお伺いをして、私の質問を終わりたいと、こういうように思います。
#78
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、中小企業が構造改革、不良債権の処理を進めるに当たって大きな影響を受けることは私はそのとおりだと思います。例えば今、大手十五行で十一・七兆円、それだけのいわゆる厳しい不良債権がある、こういうふうに言われておりまして、これを今やろうとしているオフバランス化、直接償却をしますと約六割、その十一・七兆のうちの六割ぐらいが何らかの形で中小企業に関連のあるそういう不良債権だと、こういうふうに言われています。したがいまして、ここを進めるに当たって大変な大きな影響が出る、こういうことが想定されます。
 一方、これは草川先生御承知のように、中小企業というのは日本の経済の基盤を支えてくれているわけですから、ここに対してしっかりとしたセーフティーネットを構築しなきゃいかぬ、これを基本的な考え方にいたしております。
 このような認識の上に立ちまして、取引先企業の倒産でございますとか金融機関の破綻に伴う連鎖的な破綻のおそれ、あるいは長引く不況の中で需要の著しい減少等、そういう問題に直面している中小企業を対象としたセーフティーネット保証制度及び貸付制度の充実を図る、こういうようにいたしております。
 今、土地担保、それが価値が下落をしておりまして、物的担保が不足する中小企業者に対しまして、この臨時国会で売掛金債権に着目をして新たな信用保証制度を創設をしたい、このように考えています。
 また、民事再生法によって再建途上にある潜在力のある中小企業に対しても、やっぱりいいところに着目をして再びチャンスを与える、そういう形でDIPファイナンス、こういう制度でそういったところも伸ばしていかなきゃと思っております。
 また、先週取りまとめられました改革先行プログラムにおきましては、民間及び政府系の金融機関に対しまして、中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めるように要請をいたしておりまして、当省としましては、所管の政府系中小企業金融機関に対してこの趣旨を改めて指導徹底したところでございます。また、金融庁からは各民間金融機関にも同趣旨の要請をしております。
 ちょっと触れましたけれども、この改革先行プログラムにおいて、主要行の破綻懸念先以下の債権のオフバランス化に当たって、中小企業については、その特性も十分に考慮して、再生の可能性でございますとか健全債権化についてきめ細かく的確な判断を行うこと、そして債務者企業の取引先である健全な中小企業の連鎖的な破綻を招かないように十分配慮する、そのことにつきまして金融庁から改めて要請することとされておりまして、当省といたしましても今後の動向を注視をいたしまして、必要があれば金融庁に対して必要な働きかけを行っていきたいと、このように思っております。
#79
○草川昭三君 以上です。
#80
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 きょうは久しぶりの一般質問ということで、狂牛病の問題を取り上げようと思ったんですけれども、先ほど大臣の所信表明の中に幾ら見ても狂牛病のキョの字も見えないので、大変落胆をいたしました。なぜ触れられないのか、大臣の御認識がその程度のものなのか、あるいは縦割り行政のなせるわざなのかわかりませんけれども、私は狂牛病の問題についてきょうは、非常に大事な問題であると思いますので、伺っていきたいと思っています。
 実は狂牛病問題、第二の薬害エイズというふうにも例えられるわけですけれども、私は九六年の第百三十六国会のときに厚生委員をしておりまして、ちょうどそのときの薬害エイズ問題小委員会のメンバーの一人でございました。エイズウイルスに感染をいたしました危険な非加熱濃縮製剤の輸入によりまして、日本の血友病患者の約四割、二千人がエイズウイルスに感染いたしましたが、その六割が実に未成年です。今、次々に亡くなっているという事態なんですね。そういう事態がありますほどに、この狂牛病問題でこの安全対策を怠ってきた政府の責任というのは非常に重大だと思います。潜伏期間は八年から十年ということですから、これから国民の皆さんの中で被害がどのように起こるのか、大変心配されるわけですね。
 これはもう改めて申し上げるまでもありませんが、政府のその怠慢というのはかなり時間的にはさかのぼります。イギリスで八〇年代後半に狂牛病が多発いたしましたときに、日本のは安全だということで、いわば安全神話に浸っておりました。さらには、一九九六年の四月にWHOが、狂牛病の発生の危険があるからということで、加盟国に肉骨粉を牛の飼料に使わないようにという勧告を出したんです。ところが日本は、そのときも飼料に使用禁止措置をしっかりとっておりませんでした。さらには、ことしの六月、EUが日本にも発生する可能性があるからという報告書を出したんですけれども、それも看過をいたしました。さらに、狂牛病が国内で九月の十日に初めて発見されまして、その後の政府の対応というのは非常にずさんで、一層混乱を引き起こしたということは否めない事実だと思います。
 私たち、日本共産党国会議員団の狂牛病問題対策委員会というものを立ち上げまして、私もそのメンバーの一人なんですけれども、十月の十七日に農林水産大臣には直接お会いいたしまして、そして関連する厚生労働、経済産業、環境の各大臣あてにこの申し入れの文書をお渡しするようにということでお願いをいたしましたが、どうもその私たちの意が大臣に通じていないようなので、ちょっときょうこれを持ってまいりましたので、大臣にお渡ししたいと思います。(資料を手渡す)
 この狂牛病問題の万全の対策を求める申し入れというのは、大きくは二つの柱になっておりまして、一つは「安全な牛肉のみを市場に流通させる万全の対策と体制を」ということ、もう一つは「政府の責任で万全な支援と被害補償を」というのが大きな柱立てになっているわけでございます。
 もともとこの狂牛病の発生を招いた責任は挙げて政府の責任ということでございますので、大臣にお伺いいたしたいのは、一分野の所管に関することにとどまらずに閣僚の一員として、挙げて政府はこの責任をどのように受けとめ、またどのような責任を果たされていくのかという、その決意をまず最初にお伺いをしておきたいと思います。
#81
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘で、私の所信の中に狂牛病のキョの字も入っていなかったと、こういう御指摘でございますが、確かに文言としては入っておりませんが、これは御承知だと思いますが、この狂牛病が発生をして問題になりましたときに、私どもは小売業者を初め大変中小企業の方々多うございますので、そこに対しましては政府系金融機関等に相談窓口を設定する、そしてこれに対して割合きめ細かい対応をさせていただいて、そして現時点でも、後で具体的な数字も申し上げることができますけれども、相当御相談をいただいて対応をさせていただいています。
 そこで、この狂牛病問題というのは、国民の健康に関する危機管理の問題としまして政府全体として取り組まなければならない問題だと思っています。そして、委員御指摘のような後手後手に回った、そういったことは事実私はあったと思っています。このことはやっぱり深く受けとめ反省をしなければならない、このように思っています。
 本問題に関しましては、厚生労働省と農林水産省とで対策本部を御承知のように設置しまして各般の措置を講じているところでありますけれども、御指摘のように関係省庁が一丸となってやらなければならない、こういう認識のもとに関係副大臣によるプロジェクトチームが既に設置されているところでございまして、当省といたしましても古屋副大臣がそこに参画をさせていただいて、関連中小企業に対する金融面での支援対策を中心に努力をしているところでございます。
 そういったことで、今後とも国民の不安を払拭するように政府全体として引き続き万全の措置を講ずるべく努力を傾けていく、その決意で臨みたいと思っております。
#82
○西山登紀子君 ぜひ、その決意を私も信じたいと思います。
 それで、よく顔が見えないといったらあれですが、経済産業大臣のこの狂牛病対策についての顔が見えない。ただ、厚生労働大臣だとか農水大臣がテレビでよくパフォーマンスやっていらっしゃいますけれども、あれは逆効果だとお店の方が言っていらっしゃいました。そういうパフォーマンスがテレビに出るたびに客が減るんだと、こういうことを言っていたので、私が申し上げている顔が見える対策をぜひ経済産業省としてやっていただきたいというふうに思うわけですけれども、どのような支援を行っていらっしゃるのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。
#83
○政府参考人(杉山秀二君) いわゆる狂牛病に関連いたします中小企業対策でございますが、先ほど大臣から概要お話がございましたので、事務的にちょっと補足をさせていただきます。
 十月四日に、私どもといたしまして、まず関連中小企業者の相談窓口を設置いたしますと同時に、運転資金の関係で政府系の三つの金融機関からいわゆるセーフティーネット貸し付けという格好で、別枠で関連の中小企業の方々にお金を貸し付ける制度を適用いたしております。さらに、影響を受けます関連の中小企業者の方々に対しまして、信用保証を別枠で設定するといういわゆるセーフティーネット保証制度というものを適用しているところでございます。
#84
○西山登紀子君 狂牛病対策の相談窓口を設けられたということですが、何件の相談があって、相談の中身の特徴を教えてください。
#85
○政府参考人(杉山秀二君) 相談窓口、これは政府系の中小企業の金融機関あるいは信用保証協会あるいは各経済産業局等に設置をしておりますが、十月二十六日現在で四千五百三十一件の相談がございまして、それに対応をいたしております。
 具体的にどういう相談かという御質問でございますが、焼き肉のお店とかステーキハウスのお店とか、あるいは食肉卸業者の方、飼料の卸業者の方等、いろいろ多様な関連の中小企業の方々から相談がなされておりまして、例えば売り上げの急減に直面をして資金繰りが悪化しているので、どういった融資制度が使えるかとか、あるいは今後どういった格好で経営方針をしたらいいか、そのアドバイスが欲しいとか、そういったような相談があるというふうに報告を受けているところでございます。
#86
○西山登紀子君 ありがとうございます。
 それで、具体的にいろんなもう措置がとられていっていると思うんですけれども、その別枠の保証それから別枠の融資、今までにどれぐらいの実績がおありになるか、措置を講じたか、その数を教えてください。
#87
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 融資の方でございますが、政府系の中小企業金融三機関で合計でございますが、十月二十六日現在で九十五件、約十五億円の融資をしております。また、信用保証の関係でございますが、これは信用保証協会の保証実績、十月二十六日現在で百四十五件、約十六億円というふうになっております。
#88
○西山登紀子君 期間が非常にわずかだということもありますが、相談件数が今、四千五百三十一件に対して実績が九十五だとか、そういう数字ですよね。
 そこで、対象枠というのは、じゃ、それではそれで適当なのかということで、対象枠についてちょっと具体的にお伺いしたいと思うんですけれども、いろいろ通産省が出しておられる通達の文書を見ましてもなかなか細かなところまでは書かれていないので、自分のところがそれに当たるのかなというようなことで、例えば牛しゃぶをメーンにしている旅館の方が客足がうんと遠のいてしまって大変だというふうな御要望を受けたんですけれども、そういう方も想定される対象中小企業の中に入るのかどうか。牛肉を扱う小売業、関連業者、料理飲食業、いわゆる焼き肉屋とか牛しゃぶ店とか旅館とか、そういうようなところも幅広く対象になるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#89
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 政府系の中小企業金融機関三つございますが、そのいわゆるセーフティーネット貸し付けでございますけれども、特段に業種の指定というものは要件として求めておりません。それぞれの中小企業者につきまして、売上高が減少しているとか、そういったことがあれば融資が受けられるということでございます。
 また、保証の関係でも、業種そのものを限定してはおりませんで、牛関係の畜産業を営む者と直接あるいは間接的な取引といいますか、事業取引がある中小企業者であれば、売上高の減少等の要件を満たしていただければ適用されるということで、具体的には御指摘にありました焼き肉のお店とかあるいは食肉加工業だとか、食肉の卸業者とか飲食店とか、そういうものが対象になるということでございます。
#90
○西山登紀子君 繰り返しませんけれども、そういうふうなお店も幅広く対象になるということで確認をさせていただきます。
 そこで、経済産業省の支援策が大変弱いじゃないかと申し上げましたけれども、融資融資と言われるんですけれども、この融資の中身が非常に実態に合っているのかどうかという問題があると思います。つまり、売り上げがいつになったら回復するか全く見通しが立たない、こういう中で返済するべき売り上げがないのに、じゃ金融機関が貸してくれるのか、保証だけはあっても融資が受けられないんじゃないかというふうな問題があるわけですね。借りに行ったら、こっちの借金があるじゃないかというようなことも言われたとか、いろんな御意見が出ております。
 私も、地元は京都ですけれども、お肉屋さんだとかバーベキュー屋さんだとか、いろんなアンケートをいただいております。正直言って、売り上げの減というのはそれこそ二割減なんというものではなくて、ある焼き肉屋さんは七割も減っているだとか、それは非常に厳しいものがあります。それから、やっぱりステーキハウスだとかというところも大変売り上げが落ちている。ですから、返済の猶予をしてほしいというような御要望も出されているわけですね。
 これは一つの提案でございますけれども、この融資をいろいろ検討していただいているというのはそれはいいことだと思いますが、もう一つ踏み込んで、例えば今借りている融資についての条件変更、売り上げが回復するまでの一、二年の返済猶予措置を明確に打ち出すというふうなことができないのかどうか。
 それからもう一つは、よく当委員会でも議論をしてまいりましたけれども、例の貸し渋り対策の特別融資制度、安定化融資制度というものを三十兆円立ち上げて、今はもうやめちゃって、私たち反対しましたけれども、そういうふうなことを特別にやってきたという経験もあるわけですね。とりわけ、今回は政府の失政によるということが明確になっている問題でもございますし、私は今こういう事態に対して安定化融資を上回るような対策がとれないか、無担保、無保証、無利子、据え置き期間を一、二年ほどにするなんというふうな対策がとれないか、とるべきじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣いかがですか。
#91
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、牛肉関連の業者の方々は大変お困りだということはよく承知をしております。いわゆる狂牛病問題で影響を受けている中小企業者に対する融資制度として、農林水産省関係では、中央畜産会の利子補給により商工中金ですとか農林中金あるいは銀行等が融資を行う関連つなぎ資金融資制度、これは今月初めに導入をされました。また、当省関係では、先ほど申し上げたそういった形で対応さしていただいております。
 当省としましては、今後とも、こうした融資制度を関連中小企業者に十分活用していただくべく、政府系中小企業金融機関、商工会議所等の相談窓口を通じてきめ細かな対応やフォローアップに努めてまいりたいと考えております。
 そこで、委員から御指摘のかつて貸し渋りのときの特別保証制度、これを検討する必要があるんじゃないか、また既往債務に関しては返済猶予すべきではないか、こういう御指摘でございます。
 したがいまして、私どもとしては、既往債務の返済猶予につきましては、関連中小企業者の置かれた状況をよく見きわめまして必要に応じて対応していきたいと思っています。
 特別融資制度というのは、貸し渋り対策として、御承知のように、異例特例の措置として最初は二年、そして一年延長してことしの三月三十一日で締め切らさしていただきました。そういう中で、この制度というのは当面は今創設は考えておりませんけれども、私どもとしては、今言いましたようなきめ細かな対応でお困りの皆様方に対応していかなければならないと思っておりますし、既往債務に関してはよく状況を見きわめて私どもとしては検討していきたいと、このように思っています。
#92
○西山登紀子君 よく事情を見きわめてということなんですけれども、実際、私たちも聞き取りにも行ったりいろいろしておりますが、そのやはり小売店が抱えている実情というのは極めて深刻なんですね。
 幾つか例ありますけれども、私は、この二十年来同じ場所でお肉屋さんをやっていらっしゃる方のお話が非常に今の事態をよくあらわしているなというふうに思いまして、御紹介させていただきますと、報道では二〇%の落ち込みと報道されているけれども、八〇%の落ち込みがあると。毎月、こういう事件の起こる前は二百万から三百万収入があったそうなんですね。ところが、今は四十万に落ちているということで、従業員の方にも、パートの人は時間をうんと少なくしてもらったり、いろいろ調節をせざるを得ないというような、こういう事態になっているということなので、ぜひよく実態を把握していただきまして、必要ならば直ちに私が申し上げましたような特別の制度というものを立ち上げるというようなことに敏感になっていただきたいなと思うんです。
 それで一つ、京都の場合ですけれども、京都市なんかの相談窓口に来ております件数を見ますと八十六件で、そのうち融資の相談がもうほとんどで八十六件なんですが、二号認定を受けているのが八件あるというんですよ。いわゆる保証の関係の二号認定を受けているのが八件あるというんですが、ちょっと確認をしておきたいと思いますけれども、この認定を受けても貸してくれないということをよく聞くんですね、業者の方から。そういうことはありませんね。こういうふうな特別枠で保証を受けた、認定を受けて保証を受けられたら全部融資がきちっと貸し付けがされるということでいいですね。
#93
○政府参考人(杉山秀二君) ただいま二号認定というお話がありましたが、保証ということで理解してよろしゅうございますか。
#94
○西山登紀子君 はい。
#95
○政府参考人(杉山秀二君) 二号につきまして、二号の場合には保証枠が別枠、倍になるという制度でございまして、その事業者の経理状況等審査をさせていただきますが、ちゃんとお返しができるちゃんとした企業であるというようなことが明確であれば、当然のことながら保証ができるというふうに考えております。
#96
○西山登紀子君 それで次に、農水省の方にお伺いしたいと思うんですが、来ていらっしゃいますね。
 まず、農水省の方にお伺いいたしますけれども、今、流通の関係で非常に大事なことは、疑わしきは流通をさせないという対策と、それから小売業者に対する資金繰りの支援、もう一つ私は踏み込んで、被害についての直接の支援、こういうことが今求められているというふうに思うわけです。
 十月の十八日から全頭検査ということが行われるようになりました。それは当然のことだと思うんですけれども、その後の対応について非常に検討を要する段階に来ていると思います。つまり、検査済みの牛肉が出回りますと、消費者は安心ができるこの検査済みの商品を買うことになるわけですね。そうすると、現在流通段階、小売段階に出回っている商品はより一層売れなくなるんじゃないか、業者が在庫を抱えることになりはしないか、売り上げ低下による在庫の増大とともに重い負担が小売業の方々にのしかかってくるんじゃないかということは容易にこれは推察がされるわけです。
 小売段階に今まで、十月十八日の検査以前に小売段階に出回っているものについての対策、安全対策とそれから被害補償の対策をお聞きしたいと思います。どういう対策をおとりになっているでしょうか。
#97
○政府参考人(小林芳雄君) 今のお話に関係いたしまして、まず十八日、全頭検査を開始いたしました。それまでの間に在庫となっていた牛肉でございます。これは卸段階までの牛肉等で対応しておりますが、十月十七日以前ということでございますので、国民の皆さんの不安は念には念を入れて払拭したいということで、この流通在庫を市場隔離したいということでございます。
 それで、具体的な方法としましては、全国的な団体の皆さんがその会員から、所有します十月十七日以前に屠畜された国産牛肉在庫、これを買い上げまして冷凍保管する、で、冷蔵庫からは搬出させないという、そういう形のものでございます。
 この市場隔離後の最終処分につきましては、これから検討することにしておりますけれども、さまざまな選択肢を検討することによりまして、消費者の皆様に不安を与えることのないように国の責任において万全を期すといった方針で臨んでおります。
#98
○西山登紀子君 資金面の対策は何かおとりになっていらっしゃるんじゃないですか。
#99
○政府参考人(小林芳雄君) 今の関係、お話がちょっと変わってくると思いますけれども、小売店初め販売店の皆様には、先ほど中小企業庁長官の方からお答えしましたが、ああいった融資につきまして私ども要請をして、今それを進めてもらっているところでございます。
 また、私どもの特に十八日以後の対策といたしまして、今もお話ございました、とにかく消費、これが戻っていくということがやっぱり最大のポイントだと思っておりまして、そういう意味でいろいろなPR、啓蒙といいますか、そういうものは一つの事業として推進しているところでございます。また、そういったものを通じまして、生産者段階の方からも屠畜場の方に安定的に牛が出荷されて、それがまた消費につながっていくと、そういったような対策につきまして対応しているところでございます。
#100
○西山登紀子君 農水省のやっていらっしゃるつなぎ資金というのがございますでしょう。それを説明してください。
#101
○政府参考人(小林芳雄君) 私どもの方といたしましては、つなぎ資金の対象は食肉処理販売、こういった業務に携わる皆さん、それから畜産副産物などの関係がございます。こういった皆さんに対しまして必要な低利の運転資金を融通しております。
#102
○西山登紀子君 その場合に、中小企業対策として先ほど経済産業省の方から御説明があったその対策とダブルで、重ねて使うことはできますか。
#103
○政府参考人(小林芳雄君) それぞれの仕組みの中でやっておりますので、それぞれの要件に該当すれば両方重ねて活用できる形になっております。
#104
○西山登紀子君 十月十七日以前に屠畜解体された牛肉は、一応これ「買い上げ」という文字になっているんですが、買い上げて冷凍保管して冷蔵倉庫から出さないようにする、最終処分は国の責任において万全を期すということになる、そういう措置をとるということなんですけれども、これはすべての流通業者をカバーする、そういう措置なんでしょうか。
#105
○政府参考人(小林芳雄君) 流通段階、いろいろな形がございます。その中で卸売段階のものを対象にしております。
#106
○西山登紀子君 いや、卸売段階って、その卸で、そこから下へ、小売店のところへ行っているわけでしょう。それはどうなりますか。小売店から回収するというんですか、買い上げて。
#107
○政府参考人(小林芳雄君) 部分肉という形で卸売段階で在庫になっているもの、このものを対象にすることとしております。
#108
○西山登紀子君 その卸から下に行っている小売店の、既に小売店が買っているその在庫というのはどうなるんですか。既に出回っている小売店の。
#109
○政府参考人(小林芳雄君) 商品の流通形態としまして、こういった在庫保管していく場合に、部分肉という形ですね、一つのブロックの形ですけれども、そういった形であれば、いわば卸段階中心ですけれども、部分肉という形で小売さんのもので卸の方に出てくるものも対象にできます。
#110
○西山登紀子君 ちょっと非常に理解ができないんですけれども、要するに消費者というのは、十月十七日以降のものは安全だということで出てくるわけですから、これは安心して買いましょうということになると。それ以前のものは安全かどうかわからないので、やっぱり消費者というのは厳しく見るんじゃないかということ。それを予測して、農水省は、市場から隔離をして、国民の不安を念には念を入れて払拭しようということでそういう措置をとるというふうになっていますね、この通達は。そういうことでしょう。
#111
○政府参考人(小林芳雄君) まず御理解いただきたいことは、十七日以前の肉も安全でございます。十八日の肉は当然その検査を受けていまして、さらにその安全度が高まるということかと思いますけれども。
 ただ、そういった全頭検査をやった後は、消費者の皆さんの見方としまして、それはやはり全頭検査の終わったものの方を嗜好されますので、そういった意味で在庫として十七日以前のものがどうしてもたまっていくであろうと。そこをいわば隔離して流通の円滑化に努めたいということで、安全性につきましては、これは十七日以前のものも含めましてきちんとしているという、そういう考え方で進めております。
#112
○西山登紀子君 それは私は大変いただけない御答弁だと思うんですよ。
 十月十七日以前のものが安全かどうかということの、この解明というのはまだなんですよ、農水省は、やっていらっしゃらないんですよ。それが安全だというふうにわかるためには、感染ルートから肉骨粉の輸入から消費まで全容が明らかになって、この牛肉は安全だ、ここから牛肉はちょっとまだ安全は疑わしいんじゃないかなということが一つ一つ判明するというこれは作業が必要だと思うんですね。それをしないで全部安全だと言っても、これは消費者は、国民は信頼はできないというふうに思いますよ、それは。
 肉骨粉を食べていない、ここの牛は肉骨粉を食べていないと、確かに調査に行けば、私たちの調査に行ったところでも胸を張って言われる方だっていらっしゃいます。そういう肉は食べても安全だということなんですよ。ところが、まだわからない部分というのがやっぱりあるわけだから、私たちは疑わしきものは流通に乗せない方がいいということを申し上げている。それには厳しいやっぱり真相の究明というのがどうしても必要だ、それぐらい厳しい姿勢でこういう措置も私はとっていただかなきゃいけないと思うんですが、今ここでそのことを農水省にきっちりと申し上げるだけにしておき、ここで論争する時間はありませんけれども。
 そこで、私がお聞きしたいのは、こういうブロックで持っているものを買い上げてほしいといった場合には、いろんな団体の会員でなくても、全部カバーして買い上げますかということをお聞きしている。
#113
○政府参考人(小林芳雄君) 基本的に団体の会員という形で進めておりますけれども、そういった会員の方でない場合にも、具体的な調整によりましてそういった会員関係以外のところでも対応できるようにしていきたいと思っております。
#114
○西山登紀子君 それで、さらにその対策をということで提案をしたいんですけれども、先ほどの二十年間お肉屋さんをやっていた方が私に言われたことは、やっぱり損害を補てんしてほしいというわけですね、損害を。そのときには、複雑な書類の提出でなくて、もう税務申告資料など、例年の売り上げを勘案して、大体これぐらいだったらこれぐらい補償しましょうというふうなものにしてぜひ補償してもらいたい、そうしないともう本当に営業がやっていけない、暮らしていけないというお声があるわけです。
 ですから、次に御質問していきたいと思いますのは、農水省が畜産業者に対するいろんな補てんというのを今やっていらっしゃいますね。その分、卸売業者、販売店、飲食店、そういうこの狂牛病の問題について非常に被害を受けている人たちに対する直接的な損失補償、この問題にやっぱり手を打つべきだと思いますけれども、いかがですか。
#115
○政府参考人(小林芳雄君) 先ほども触れさせていただきましたが、今この食肉の状況の中で、まず需要ですね、消費をとにかく回復していきたいということが基本でございまして、これが生産、流通にわたる一つの大きな対策だと考えております。
 その中には、一つ、繰り返しになりますけれども、先ほど食肉の安全性の問題もございました。そもそも肉はもともと安全だということもございますし、それから九月から三十カ月齢以上の牛につきましては出荷抑制するとかいろんな手だてを講じてきているわけで、それから危険部位の除去とかそういったことでとにかく肉の安全性というものを確保してきております。こういったところをとにかく消費者の皆さんによく御理解いただくという意味でのいろいろな啓蒙普及等がございますし、それから今度の対策の中でも、先ほど十七日以前の隔離もございましたが、十八日以後も調整保管とか、こういったいわば秩序立った市場での食肉流通を確保する、こういったことによりまして、生産から流通関係者の方々含めて、一日も早く安定的な事業活動に戻られるように、そういった対策を今一生懸命講じているところでございます。
#116
○西山登紀子君 答えになっていない。
 私が聞きましたのは、九月十日の狂牛病発生以降、もう売り上げがごとんと落ちちゃっている。その後も売り上げが落ちちゃっているんですよ。その間の被害、当然補償すべきじゃないですか、これから検討する課題の中に入れるべきじゃないですかということをお聞きしているんですよ。今の御答弁だと全くそれに答えておりません。
#117
○政府参考人(小林芳雄君) 先ほど来のつなぎ資金で経営を安定していただくということと、それから今申し上げましたようないろんな市場対策、消費拡大対策というようなことを通じまして、関係事業者の皆さんの経営安定につながるように私ども対策としては一生懸命努力していきたいということでございます。
#118
○西山登紀子君 最後に、大臣にお願いしたいと思います。
 私、今の御答弁は本当に納得いかないものなんですが、イギリスで、いろんな狂牛病の対策で補償が不十分であったためにより安全防止対策が徹底しなかったという教訓があるんですよ。ですから、閣議の中でもぜひ頑張っていただいて、今きちっとした補償をするから安全対策に協力してくれというようなことをきちっとなさるべきだと思いますが、その点をお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
#119
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、西山先生から英国の例をお出しになられました。私は、冒頭の御質問で、やはり政府を挙げて取り組んでいく、こういうことを申し上げました。ですから、私も問題意識を持って臨ませていただきたい、このように思っています。
#120
○広野ただし君 自由党の広野ただしでございます。
 きょう失業率が出まして、五・三%、先ほどからもお話があったとおりでありますし、地域をとりますと、近畿では六・四%というようなすさまじい悪化を見ております。
 そしてまた、このことはちょっと大臣に通告をしていなかったんですが、いずれにしましても本年度の経済見通しも非常に悪化をする。実際、ことしの一、二月ごろから経済は急速に悪化していて、予算編成時のときはそれをある程度覆い隠しながら予算は通りますが、すぐ補正予算というわけにはまいりませんから、春先、本当にもうかなり悪くなるということが現場では見えていたわけであります。
   〔委員長退席、理事松田岩夫君着席〕
 おとついですか、日銀政策委員も見通し等を変更しておりまして、今年度何しろ二%前後のプラスというような感じだったものがマイナス一%前後というようなことで、その差はマイナス三%というような形で襲ってくるわけですから、大変な厳しいというどころじゃない、どしゃ降りのマイナス成長に陥るということなわけですね。
 そういうことで、今回、テロ問題とテロ対策法案がございましたけれども、また参議院選挙も挟みましたからあれですが、いかにも政府の経済対応が遅かったのではないのかと思うわけなんです。特に、大臣は経済重要閣僚でいらっしゃいますし、与党のリーダーでもいらっしゃるわけで、テロでもたくさんの人が死に、大変な残虐なことが起こったわけですけれども、経済で倒産あるいは失業ということになって、実際、日本でも毎年最近は三万人近くの自殺者が出て、その半分あるいはそれ以上はこういう経済問題に絡んでの自殺と言われているような状況ですから、この現下の経済情勢、ちょっと遅かったんじゃないかと思いますが、いかが考えておられますか。
   〔理事松田岩夫君退席、委員長着席〕
#121
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のとおり、大変厳しい状況になっていると思います。
 GDPの伸び率というのも、四―六は御承知のようにマイナス〇・八、こういう形でございまして、七―九も恐らくマイナスになる。今年度は一・七プラスという形で成長を期待しておりましたけれども、日銀の審議委員のあのデータ、外れても遠くない、そういう状況でございまして、本当に厳しい数字が出ているわけでありまして、経済閣僚として本当にそういう意味では見通しが甘かったのではないか、こういう御指摘ですけれども、私どもとしては、一生懸命構造改革に取り組み、そしてさらにいろいろな形で規制緩和の問題ですとかそういうことに取り組んできました。しかし、先ほどちょっとお話しの米国の同時多発テロ、こういうことがさらに加速をしている、こういうふうな状況でございまして、我々としてはやはり足元の景気対策というものをしっかりとやっていかなきゃいけない。
 そういう意味では、非常にまだ幅が小さいんですけれども、とりあえずは補正予算というものを最大限に活用して、そしてこの足元の、特に雇用でございますとか、そういう厳しい状況に一番効果が上がる、そういう方向で全力で取り組んでいきたいと思っていますし、また小泉首相の所信表明の中で、事態の急変があった場合には、もうその時期に入っていると私は認識しておりますが、柔軟かつ大胆に対応する、こういうことですから、やはりある面では積極的な経済政策も同時進行で視野に入れながらやっていかなければならない事態だと、このように認識しております。
#122
○広野ただし君 それで、経済対策のときに、補正予算のことも大切なんですけれども、大きな問題は、やはり民間経済の活力をいかに出すかということが非常に大切なことだと思うわけです。
 そういう中で、先ほどから日本産業の、日本経済の空洞化の問題が出ております。特に民間設備投資は、公共事業も重要ですが、民間設備投資によって仕事は出る、そしてまたそれが国内であればそれはまた雇用増大にもなる、将来の税収増にもなるということで設備投資の重要性というのは物すごく大きいわけですが、それが全部アジアを初めとして中国の方に行ってしまう。こういうことから、空洞化の問題、先ほど各委員も非常に問題にされておったわけであります。
 そういう中で、私も今度は繰り返しませんけれども、ただ中国というのは、日本の十二、三倍の人口を持ち、国土は二十六倍あり、大変な大国なわけですね。日本と特別な関係にあり、歴史的にも文化的にも長い。だけれども、これだけの人口を持っている国に深入りしてまいりますとどういうことになるんだろうかと、私はやはり非常に心配をするわけであります。
 日米関係の場合は、がっちりとした同盟関係を持ち、その中での経済摩擦等を調整してきておりますが、中国との間は、核兵器は持ち、なお軍備は増大をしている、しかも教科書問題であるとか尖閣列島問題であるとか、いろんなことで真の信頼がまだできていないという状況なわけですね。しかも共産圏である。こういうことでありますから、そこに対する、先ほど三つの原則による戦略をおっしゃいましたけれども、私は、もう一つ本当の信頼が中国との間にできていないんだと、こういうことだと思うんですね。それは確かに積み重ねだろうと思いますけれども、そういう中でやはりよく注意深く、ただのうてんきに経済協力をするんだ、あるいは善隣友好外交だと、こういうことでは済まないのではないかと私は思っております。
 そういう中で、なお円借款等を初めとしてODAがなされておる、そのことについて、まず平沼大臣の御見解をお伺いし、そして植竹外務副大臣の話を伺いたいと思います。
#123
○国務大臣(平沼赳夫君) 中国に対するODAに関しましては、今先生が御指摘のように、やっぱり大変国内でも批判があることは事実でございます。そういう国内における強い批判と、そして我が国の今の厳しい経済情勢、こういったことを踏まえましてやはり見直しを政府部内で進めてきていることも事実であります。
 今般、政府といたしまして対中援助方針の基本となる対中国経済協力計画を策定をいたしました。これのポイントは、まず最初は、国民の理解と支持が得られるような援助をすべきだと、そのため、国益の観点に立って個々の案件を精査をしようと。二つ目は、中国がみずから実施できることはみずからやっていただこうじゃないかと。三番目は、規模については、従来の支援額というものを決めてそれをすっと与えるという形じゃなくて、案件の積み上げ方式を導入をして、やっぱり今まではぱっとやっていたのを、きちっとそこは積み上げで、国民の皆さん方が納得できるようなそういう形にしようと。また四番目は、被援助国の軍事支出等の問題にかかわるODA大綱の原則の考え方について、あらゆる機会を活用して中国側の認識と理解を深めるように、我々としては最大限にそこのところは強調し、努力をしていかなきゃいけない。それから、今まではやっておりましたけれども、今まで以上にその評価を適時適切に行っていこうと。こういう基本方針をつくりました。
 したがいまして、このODA大綱の原則及びその基本計画に基づいて、より効率的で、そして効果的な対中国援助を行うと、こういうことにいたしております。
#124
○副大臣(植竹繁雄君) ODAの中国に対するあり方でございますが、基本的には平沼経産大臣が言われたとおり、全く同様でございます。
 確かに、対中国のODAのあり方は大変いろんな各方面から意見もまた御叱正もいただいております。しかし、一方では中国における開発計画がいろいろとまたこれも、注文自体も変わってきていることは事実でございますので、そういうことを踏まえて、去る十月二十二日に対中国経済協力計画というものを策定したわけでございます。ですから、従来の経済の支援額そのものをやるということではなく、例えば中国の環境や内陸部の民生向上といった点を重点分野として考えて、しかも我が国の大変厳しい経済財政事情を考慮しながら、今、経産大臣も言われたように、個別案件を積み上げ方式としてとらえていくということが、今後の外務省としてもそれを推進していく考えであります。
 また、特に問題となっている中国の軍事費の増大についてどうかという点でございますが、この点については、何といっても地域安定の向上というものが中心となり、透明性の向上を図っていかなくちゃならないと。そして、いわゆるODAの大綱、あれは四項目ありまして、環境の問題とか、あるいは軍事上の用途とか、そっちの方に使われていないか、その回避、あるいは軍事上の向上というものを、その動向を注視しながらやっていく、あるいは民主化あるいは開放的な方向に使われるといったいわゆる四つの大綱方針に沿った行き方でもって今後とも対応していきたい。だから、一律にこれが軍事に中国が出しているからということではないと。その点は、総合的に勘案して、大綱に沿った行き方で、外務省も経産省と十分打ち合わせしながら進めてまいります。
#125
○広野ただし君 いずれにしましても、日本でも新しいビジネス、新しいテクノロジーを開発をして、それがまたすぐ向こうに行くと、こういうようなことではイタチごっこで、いつまでたってもなかなか大変で、ここのところはやはりのうてんきに何でもかんでも出すというようなことではなくって、よくアプロプリエートテクノロジーと言うんですが、相手に対して最適なものを出していく、本当に、キーテクノロジーとかコアテクノロジーというものまでノーズロで出してしまうような、そんなお人よしの日本になってはいけないので、ぜひ戦略的に進めていただきたいと、このように思うわけでございます。
 続きまして、経済産業省は産業政策でやはり世界的にも評価された省だと思いますが、その中で、構造改善を進める、構造改革を進めるという考え方では、ある意味では私はサプライサイドでの産業界における合併、統合という問題をもう一つ積極的にやるべきではないのかと思っております。もちろん、かつてのような何か官主導の合併、統合という形ではなくって、もちろん金融機関あるいは官庁というのは余りしゃしゃり出るのもどうかとは思いますが、しかし何らかの形で黒子役を演ずる人たちがいませんと、鉄鋼業界であれ紙パあるいはセメント、石化あるいは自動車産業においても、あるいは石油業界、電機、あらゆる面で非常にメーカーがたくさんあって、それが足の引っ張り合いをするというような側面も非常にあるわけですね。ですから、鉄鋼業界であれば三社ぐらいにとか、いろいろとやっぱりそれなりの考え方をお持ちだと思うんです。そういう意味で、構造改革の重要な柱だと思うんですね、その産業政策、各業界における。そういう点はどうお考えなのか、大臣にお伺いいたします。
#126
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、基本的には御指摘のとおり大変重要な問題だと思っています。しかし、個々の産業の再編につきましては、これはちょっとお触れになりましたけれども、あくまでも各企業の判断及び経営努力の結果として達成されるべきものだと思っています。しかし、さはさりながら、やはりそういう介添え的ということも機能として必要だと、こういう認識を持っておりまして、企業再編の、組織再編の円滑化を行うための環境を整備するために、産業活力再生特別措置法、この運用をいたしておりまして、現時点では百十二件認定をいたしております。そうして、こういったことを通じて、やはり日本の経済の活力を出すためにそういう再編というものを私は重点分野として取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
#127
○広野ただし君 いずれにしましても、これはスピード、時間を競うということだと思いますし、私は外資も大いにその中に入れていいんだと思うんですね。外資の場合は非常にダイナミックにMアンドAをやっていくわけで、そのところが日本の場合はなかなかそういうダイナミックさが一つない。それをぜひ、何か黒子役を、金融界も自信をなくしちゃった、官庁も自信をなくしている、いろんな意味で我々政治家がやらなきゃいけないのかなと、こういうような気でもおるんですけれども、何かダイナミックに産業界の再編成、合併、統合というものを考えていかないと、本当にどれだけでも時間がたってしまう、こういうふうに思っております。
 それともう一つ、やはり各種事業法といいますか、これの規制というものが非常に多くって、私は少なくとも経済規制、新規参入規制というのは大いに撤廃をして競争を促進をしていくということが非常に大切だと、こう思っております。
 そういう中で、電気事業法あるいはガス事業法、石油業法、いろんな意味で自由化に取り組んできておられると思いますが、電力、ガスの場合に、先ほども草川委員からありましたけれども、外資が私は入ってもいいと思っているんです。ダイナミックな競争をやっていけばいいと。しかし、それがあのカリフォルニアの電力事故のようなそういう形になったらば日本はやっぱりパニックになりますので、そのところのことはよく考えながらやっていく。
 もう一つの競争政策、こういうことで進めていかなければいけないと思っておりますが、外為法上一応検討業種にはなっていると思いますが、いざというときにどういうふうな観点でそういうMアンドAに対応するのかという点を大臣からお話しいただきたいと思います。
#128
○副大臣(大島慶久君) 私の方から、恐縮ですけれども、お答えを申し上げます。
 電力やガスの安定供給の確保、効率性の向上を図るという意味では、供給事業者たる電力会社あるいはガス会社が過小資本の解消など財務体質の改善をより図っていかなければならない、経営の安定化を図ることは大変有意義なことと考えております。
 他方、外資系企業の参入への御意見については、電力、ガスの安定供給等に支障を生じない範囲においては、競争の促進を通じ一層の効率性向上等が図られるという面で、内外事業者による場合を区別する理由はないと考えております。
 いずれにいたしましても、電力、ガスは国民生活、事業活動の基盤として必要不可欠なエネルギーであることは確かでございます。今後の電気・ガス事業の制度のあり方につきましては、効率性、そして安定供給及び環境保全という課題にバランスよく対応する必要があると認識をしております。この点を踏まえ、幅広い検討を進めてまいりたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
#129
○広野ただし君 それと、経済の活性化のために新しい産業、新しいビジネスということで平沼プランを非常に評価をいたしますが、そのときに、やはり銀行あるいは官庁が、大枠を決めればいいんで、余りにも細部にわたって、はしの上げおろしをやりますと、書類ばっかりつくってビジネスが起こるんであればそんな楽なことはないんで、いかにも、書類を整えることの方に力点が置かれて本当にビジネスを育てるということにはなっていないんじゃないかと、こう思われる点が多々あるので、ぜひ大臣からその点、新しいビジネスを起こすために決意をよろしくお願いしたいと思います。
#130
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの御質問の中でもちょっとお答えしたところでありますけれども、やはり日本の経済の活力を取り戻す、そして、今厳しい雇用情勢の中で新たな雇用を創出する、こういうことは、ベンチャーを含めて新規産業を育成することだと思っています。
 そういう意味で、今御指摘のはしの上げおろしからやるというようなことは、今、日本が一年で十八万社しか誕生していない、その数字に如実にあらわれていると思います。そういう意味で、一つの方法として、やはり事業計画というものを精査し、短期間で、それで、新規に始めようとする方は担保もない、それから資金もない、友人の保証もない、こういうことですから、そういった新規事業を起こすために、そういう煩わしいことをなくして強力に展開する、そういう基本姿勢で臨んでいきたいと思っています。
#131
○広野ただし君 よろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
#132
○委員長(保坂三蔵君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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