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2001/11/08 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 厚生労働委員会 第7号
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2001/11/08 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 厚生労働委員会 第7号

#1
第153回国会 厚生労働委員会 第7号
平成十三年十一月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     川橋 幸子君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     田浦  直君     段本 幸男君
     小池  晃君     西山登紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                松 あきら君
    委 員
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                鶴保 庸介君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                今泉  昭君
                川橋 幸子君
                辻  泰弘君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                小池  晃君
                大脇 雅子君
                森 ゆうこ君
                西川きよし君
   衆議院議員
       発議者      根本  匠君
       発議者      田村 憲久君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      塩崎 恭久君
       発議者      福島  豊君
       発議者      青山 二三君
       発議者      江田 康幸君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     玉井日出夫君
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省年金
       局長       辻  哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う
 労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法
 律案(第百五十一回国会内閣提出、第百五十三
 回国会衆議院送付)
○児童福祉法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、厚生労働省労働基準局長日比徹君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君及び厚生労働省年金局長辻哲夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(阿部正俊君) 次に、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○川橋幸子君 おはようございます。民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。
 大臣、きのうは夜ぐっすりお休みになれましたでしょうか。きのう夕方、私ども野党の女性議員が超党派で大臣に要望させていただきまして、この看護休暇について気持ちはわかるというふうに言っていただいたかと思いますが、きょうはよく眠れないかなとお漏らしになっていらっしゃいまして、私も大臣がお休みになれなかったら困るなと気がかりでございましたが、でもすっきりしたお顔をしていらっしゃいます。ぜひ、きょうは長時間の審議でございますが、女性たちが大変強く望んでおりました育児休業法の改正でございます。参考人の意見聴取という、女性にとっては意見表明する機会が非常に少のうございますけれども、審議の促進という観点からそれも省略いたしまして、審議の時間を十分にちょうだいするということで私どもきょうはこの審議に臨ませていただいております。
 それでは、始めさせていただきます。
 まず、もう皆さん御存じのことばかりかもわかりませんけれども、少し復習させていただきますと、育児・介護休業法の改正につきましては先通常国会からの継続審議でございました。通常国会に出された時点からも、政府もこれについては随分努力してくれたというふうに関係者の間では評価をされておりました。原案を見ましたら、労働基準法の改正、つまり女子保護規定の適用がなくなったときに、時間外労働、長時間労働に対します激変緩和措置としてある程度の時限措置がとられた。この時限措置が今度なくなるので、期限が切れるのでポスト激変緩和措置を規定していただき、これどまりかと思っておりましたら、それに加えまして、育児休業を申し出、取得したことによる不利益取り扱いが禁止されましたこと、あるいは短時間勤務等の措置につきまして対象年齢が三歳に達するまでということで年齢が上に引き上げられましたこと、それから転勤等の配慮が規定されましたことなど、女性にとってはやはり朗報でございまして、関係者の方々に敬意を表するわけでございます。
 また、衆議院の段階で附則の改正が行われまして二条設けられた、この点についても一定の評価はしたわけでございますが、きのう大臣のところにお持ちしました要望書は、やっぱり子供が病気になったとき、けがをしたとき職場に気兼ねなく休めるようにしたい、あるいは看護休暇をとったことによって不利益な処分を受けることがないようにしてほしいという、そういう要望の趣旨を伝えさせていただいたわけでございます。
 さて、この政府原案ができるまでの審議会の検討の中では労使、いつものことでございますが、労働側と使用者側との意見はかなりかけ離れていたわけでございます。それが公益の労もありまして一本にまとまって出てきたのでございますけれども、ことし二月の労働政策審議会の答申を出された際についておりました使用者側の意見を見ますと、こんなふうなことが書かれておりました。「政府におかれては、これが三者委員の厳粛な結論であることに思いを致され、内容趣旨等の変更が行われないよう、強く要請する。」と、このような一文が付されているわけでございます。
 使用者側のこうした意見、政府の対応を縛るといいますか、場合によっては国会の審議を制約するということでありまして、私どもはこのような表現を、信頼関係のある三者構成委員会の中から出てくることに対して、逆に民主主義の立場から見ますと疑問を呈せざるを得ないのでございます。
 こういう表現につきましては大臣はどのように受けとめておられたのでしょうか、お伺いいたします。
#7
○国務大臣(坂口力君) 昨日はお申し入れをいただきまして眠れない夜を過ごさせていただきましたが、ただいまの労働政策審議会におきます「政府におかれては、これが三者委員の厳粛な結論であることに思いを致され、内容趣旨等の変更が行われないよう、強く要請する。」、こういう文言がついているわけでございます。公労使三者の代表が十六回にわたりまして真摯な議論を続けていただいたというふうに理解をいたしております。
 しかし、三者構成でそれぞれの御意見があって、非常にいろいろの議論が白熱する中でお認めをいただいたんだろうというふうに思います。大変白熱した議論でありますがゆえに、この枠組みを右にも左にも少しでもずらせてもらったら我々のまとめたことが崩れますよという、そんな思いを込めて実はこういう文章が出てきたのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、これはこの審議会におきますそういう思いを込めての文言でございますから、それはそれとして受け取りながら、しかしこのことが議会における議論を縛るものでもございませんし、そしてまた、このことが政府の、特に厚生労働省の考え方というものをだからといって縛るものではない。皆さん方の御議論をいただきましたそのお気持ちはお気持ちとして拝借をしながら、それを参考にさせていただきながら結論を出していくということではないかというふうに思っている次第でございます。
#8
○川橋幸子君 これによって結論を一言一句変えるなというような強い縛りをかけたものではないというふうに私も理解しておりますし、さらに、国会の審議というものは非常に重要なものであるということを私の方から申し上げて、本来ならばこれは多分国会の方から審議会使用者側委員に抗議を申し込む、私どもがやってもいいことかなというふうに感じます。
 一点お含みおきいただきまして以後も御努力いただきたいと思いますのは、省の職員の方々が私どものところに御説明に来られましてこれを殊さらに言及されるというのは、私の方から見ますと、ああ、皆さん本当に心配してとらわれているのかなと、こんな感じを抱くことがございます。旧労働省のOGとして、老婆心ながら、そういうことは中立の政府におかれましてはこれから慎んでいただきたいということを要望として申し上げさせていただきたいと思います。
 何か南野副大臣、笑っていらっしゃいますけれども、お一言おありでしょうか。どうぞ。
#9
○副大臣(南野知惠子君) 一言ということでございまして、本当に川橋先生は旧労働省におきましてはOGとしての抜群な力を見せていただいており、そのために、我々の旧労働省におられた仲間は先生のところに行ってお慕い申し上げながらつい心を吐露されたんじゃないかなというふうに思っております。
 我々は、政策という問題についてまた川橋先生の胸をおかりするつもりで取り組んでいっておりますので、ぜひ御指導をよろしくお願いしたいと思います。
#10
○川橋幸子君 それでは次の質問でございますが、法律の名前でございます。
 私ども、今回の法改正につきましては衆議院段階で民主党の対案というものを出させていただきました。その対案を出すに当たりましては、連合の方からこちらに要請のあった事項がありまして、それまたいかにももっともだということで出させていただいたわけでございますが、連合の方の要請は両立支援法という、そういう名前の法律が欲しいと。今、小泉内閣におかれましては子育て支援というのが非常に大きな課題になっている、それに対してこの法律というのは育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正ということになっているわけでございます。
 ところで、福祉に関するといいますと、特に旧厚生省と旧労働省が一緒になったということもございまして、旧厚生分野では福祉という言葉がたくさん使われておりますね。そうした場合に、育児休業の方の福祉という言葉がしっかりと一般に、国民に理解されるものであろうかと私は疑問に思います。
 福祉という名前の法律というのはほかに労働行政関係であるのでしょうか、お尋ねします。これは局長にお尋ねいたしましょうか。
#11
○副大臣(南野知惠子君) 本当に名は体をあらわすと言いますので、川橋先生のお言葉どおり、いろいろとこれ考えなければならない課題はあるとは思いますけれども、今我々、本来、職業生活と家庭生活の両立支援といった場合には、保育などの子育て支援策が雇用環境の整備とともに重要な要素となるという心は生かされていかなければいけないというふうに思っております。
 そういう意味で、保育などの子育て支援策につきましては児童福祉法に基づいて実施されているわけでございますが、そこで、雇用環境の整備を内容とする育児・介護休業法につきまして先生のおっしゃっておられる職業生活と家庭生活の両立支援ということを題名として用いてしまいますと、これが内容を適切にあらわすものではないというふうに我々は今解釈いたしております。
 福祉がどういうふうに使われているかということについては、局長さん、よろしくお願いします。
#12
○政府参考人(岩田喜美枝君) 旧労働省の行政分野で法律の名前に福祉という用語を使った例は何かというお尋ねでございましたけれども、今ある法律では勤労青少年福祉法がそれに該当すると思います。
 また、現在の男女雇用機会均等法、これは正式には雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律という名前でございますが、これの母体になりました昭和四十七年に制定されました勤労婦人福祉法の例もございますし、またこの勤労婦人福祉法が昭和六十一年にいわゆる最初の均等法になりましたときにも福祉に関する法律という名前でございまして、十一年改正におきまして、男女雇用機会均等法の名称としての福祉という用語はそのときに整理をされているというふうに理解しております。
#13
○川橋幸子君 雇用機会均等法の方はそういうふうに時間をかけて法律の名前がはっきりわかるように福祉というところが削除されてきているわけですね。現在残っているのは勤労青少年福祉法でございます。
 先ほどの南野副大臣のお答えですと、保育もあるからというようなお話でございますが、私ども民主党は、その点も考えるとするならば、労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための育児休業・介護休業法という、そういうタイトルにしたところでございます。
 やはり現行法制、昔の勤労婦人福祉法の中から均等部分は独立して名称がすっきりしたと。残っているこちらの両立支援の部分についても御検討いただく必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#14
○国務大臣(坂口力君) この名前を見ますと、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律ということでございまして、かなり限定をいたしましたいろいろの状況、こういう限定の中での福祉に関する法律ということになっております。
 今回の法律を見ましたときに、もちろん企業等々の支援の問題もございますけれども、それだけではなくて、かなり幅広い、例えば企業におけるそれは同僚間のお互いの思いやりといったようなこともございますし、幅広い問題があって、そしてこの介護休業、育児休業といったようなものは成立をしていくのではないかというふうに思っています。そうした幅広さを考えましたときに、福祉という言葉が適当でないというよりも、やはり福祉という言葉の中に入ってくるのかなという私は気がいたしますが、そんな思いをいたしております。
#15
○川橋幸子君 昨晩ぐっすりお休みになられたせいか大変言葉が明確でいらっしゃいまして、福祉でよいというお返事のようでございますが、やはり福祉というのは人間の幸福ぐらいに広い概念なんですね。ILOの第百五十六号条約、家族的責任を有する労働者の権利に関する条約というのがございますけれども、その中では、福祉という言葉ではなくて、むしろ両立できるように職業生活を営める、そういう権利を有するんだと、そういう条約の精神でございます。
 きょうはこれ以上申し上げてもお答えは変わらないと思いますのでこれからも要望させていただきたいと思いますが、はっきりとこれは慈善じゃないんだよと、慈善と言うとちょっと言い過ぎかもわかりませんが、恩恵ではないんです。やはり、そうした両立支援を受ける、そういう享受できる権利があって、それを講じなければならない国の責務があるんだと。こういうところは、今のこの二十一世紀、子育て支援が重要な課題という、こういう時代に入った中で、名前についてもこれから御検討いただきたいということを御要望申し上げたいと思います。
 さて次は、今回の法律の目玉の一つでしょうか、メディアの報道では不利益取り扱いの禁止がなされたことについては大変歓迎するという、そういう基調の記事が多うございました。それから、女性たちもこの点は歓迎しているのでございますが、しかし私、この不利益取り扱いというのを今まで労働省がどのように判断してきたのかということを考えると、不利益取り扱いの禁止を明記していただいたからといってそんなにありがたいものなんだろうか、これはむしろ当然のことであったのではないかと。一歩前進させるためには、もっとこの不利益取り扱いの禁止についてしっかりとした、委員会審議でもよろしゅうございますし、これからの労使の中の、審議会の中の審議でも結構でございますけれども、明確にする必要があるのではないかと、そのように考えているものでございます。
 そこで、例えば従来この不利益取り扱いというのがどのように表現されていたかといいますと、通達の中では合理的理由のない賃金の意図的な減額、長期間の昇給停止、著しい精神的、経済的負担を伴うと考えられる配置転換ということで、もう何というんでしょうね、極端にと申しましょうか、決定的に不利益をこうむるというような事例が行政の方の通達の中では書かれていて、通達によってそういう不利益はしないようにという配慮を事業主に求めているわけでございます。
 今回、法律に格上げしたというこの不利益処分というのは今までとは違うものになるのではないかと思いますが、お尋ねいたします。
#16
○政府参考人(岩田喜美枝君) 何が不利益な取り扱いに該当するかということでございますが、これからこの改正法案が成立した暁に、関係審議会で労使の御意見も承りながら大臣が指針として定めていくわけでございますが、例えば育児休業の取得を理由として減給したり、退職金や賞与の算定に当たり休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うこと、正社員からパートタイム労働者への身分の変更を行うこと、こういった例は不利益取り扱いに該当するものと思われますので指針に盛り込むことになるのではないかと考えております。
 また、休業の取得を理由とする配置の変更も不利益取り扱いに該当する場合がありますので、あわせてこれも指針で明らかにしていきたいというふうに思っております。
#17
○川橋幸子君 育児休業というのは子供が一歳に達するまで、特に授乳期間というものが念頭に置かれて、その期間、請求したら与えなければならないという、そういう請求権なわけでございます。
 この制度の仕組みを考えると、全体に、御存じない方々は、あっ、そうか、一歳まで休むのかと思うわけですけれども、実際にどの程度取得しているかといいますと、まず、育児休業を本当に申し出て取得する人の割合というのは六割を切る、ようやく五割を上回ったのでございますけれども、まあ六割に満たない水準。
 それから、取得している期間も見ますと、三カ月未満という方が二二・三%、それから六カ月未満という方が一六・一%、ですから、まあせいぜい休んでも半年未満という方が半数近くいらっしゃるわけです。十二カ月、一歳に達するまでとるんだという方はたかだか二割程度というのが女性たちの取得状況でございます、わずかに男性もいらっしゃいますけれども。
 それがすべていけないと言っているわけじゃなくて、もちろん休業すれば賃金ももらえませんし、経済的には困る方がいらっしゃる。あるいは保育園の入園時期に合わせて休業期間の方を調整するという人もいらっしゃるわけですから労働者側の都合もあるわけでございますけれども、ただこの取得期間、現実は三カ月未満の方が二割超えると。このような中で、私はもうちょっと強く、不利益取り扱いと差別禁止というのでしょうか、育児休業を申し出、取得したことの差別、それによって雇用条件が差別されることを禁止すると、そのぐらい強いものであっていいと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
#18
○政府参考人(岩田喜美枝君) 何が不利益取り扱いに該当するかということにつきましては、これまで私どもも地方労働局で女性労働者からさまざまな相談を受けて処理をしてまいりましたので、その経験なども踏まえまして、理念的というよりもなるべく具体的に明確に例示をしてまいりたいというふうに思っております。
 したがいまして、川橋先生が先ほど引用なさいました通達がございますけれども、それを丸写しした指針をつくるということではなくて、また一から議論をしてしっかりしたものをつくってまいりたいと思っております。
#19
○川橋幸子君 先ほどの古い通達ではなくて、これから考えていくことのイメージを局長がさっき言ってくださいました。
 衆議院の中では、大臣の確認答弁として、何が不利益になるのかという、例えばということではございましたが具体例を挙げていただいたわけでございますけれども、私は、それでもなお、この取得期間というものを頭に置いて、差別と不利益取り扱い、どこがどう違うかというその概念上の問題を議論するつもりはありませんけれども、取得期間の長さというものが非常に大きな要因を持つわけで、この時代でございます、職務内容も変わると思いますから、一年たったときの状況という点については考えなければいけないことがあるにしましても、不利益取り扱いの点につきましては、労使の中で実際的に議論なさるときに、先ほど局長が言っておられた現実的な問題をよく踏まえていただきたい。現実の中でも取得状況というものをよく踏まえた上で、本当に不利益があってはならないという、そういう態度でもってこの指針作成に臨んでいただきたいと思いますが、大臣、一言いかがでしょうか、御決意を。
#20
○国務大臣(坂口力君) ここは指針を定めることになっておりますので、大臣がこれは定めることになっておるということでございますから、よくそこは、具体的にどういうことになっているかを踏まえてしたいというふうに思っています。
 先ほどから御指摘をいただいておりますように、古典的な考え方だけではなくて、新しい今の立場に立ちました指針をつくるようにしたいと思っております。
#21
○川橋幸子君 きょうは傍聴席にもたくさんの女性たちが来てくださっておられます。大臣、ずっと熱い視線が注がれておりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、それでは次の点に入りたいと思います。期間雇用者の問題でございます。
 育児休業制度のそもそもの対象として、モデルとして頭に描かれているのはどうも男性型の継続就業型の女性、これがモデルになっているような気がいたします。しかし現実には、就業形態、雇用形態はさまざま変わってきているわけでございますけれども、特に最近は、グローバリゼーションの中で正社員の割合、割合だけじゃなくて数が減って、非正規雇用者の割合が高まってきているわけでございます。
 こういう状況の中で、育児休業の対象者、法律上は期間雇用者についてはそもそも育児休業の対象としないということになっておりますが、この点はどういう理由からでしょうか。まず、その点だけ伺います。
#22
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業制度の最大の目的は、育児が原因となって職業生活が中断されるということを防ぎまして、雇用が継続されることを保障するということが基本的な目的であるというふうに思っております。
 その目的に照らし合わせますと、契約を締結した当初から雇用期間があらかじめ定められております期間雇用者をその対象とするということは、育児休業の期間も相当長い期間に及ぶ場合があるということを考えますとなじまないというふうに思っております。
#23
○川橋幸子君 そこのところなんですよね。
 雇用が中断しない、継続就業で同一企業の中でずっと働き続けることだけが雇用が中断しないということではなくて、今の働き方は、この企業この企業という、企業を変えることもあるわけでございます。そして、それがむしろ現在のグローバリゼーションの中では企業がとろうとしているさまざまな雇用形態の変化でもあるわけです。
 そういう期間雇用者の方、具体的にはパートタイマーの方であったり派遣労働であったりという方々でございますけれども、そうした方々の職業の継続についてもやっぱりこれからの政策の中では考えていく、雇用の安定、職業生活の安定という意味から、雇用形態が多様になる中でもそこで雇用の継続を考えるということが必要であるとしますと、期間雇用者についてはすべて初めから対象外とする、はじくということよりも、そこにどの程度の継続性があるのか、どの程度の長さの期間雇用があるのかということも考えるべきではないかと思います。
 特に有期雇用の契約、以前は、大臣の言葉をかりれば古典的には一年というのは基準法上の要件であったわけですが、それが現に企画業務等々、一般の特定の業務につきましては三年まで延びているわけでございます。三年間継続して働くそういう女性たちが保険料も払いながらなぜとれないんだろうと。さっきの取得状況から申し上げますと、三年間働くときに三カ月あるいは一カ月という人でも望む人は多いと思います。そんなに女性たちも職業生活と家庭責任との調和を図るためにさまざま努力いたしまして、体外受精の話まで行くと話が大げさではございますけれども、妊娠期間、出産時期、いろいろ調節しながら苦労しながらやっているわけでございます。そういう時代になっているのに雇用契約期間、期間雇用者ということで初めから対象外とするということに私は疑問を感じます。
 それでは、特に有期の雇用契約であっても三年という長期の期間雇用者、こういう方々については検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#24
○副大臣(南野知惠子君) 本当に先生の熱い思いは私にもひしひしと伝わってきます。私も助産婦でありますから、お産をさせていただいた方々が本当に雇用、保育、育児期間というものを中断して仕事がというようなところは大変気になっているところではございますが、現在は育児休業制度というものを見詰めてみましたときには、やはり育児を理由とする雇用の中断を防ぐというところに一つのポイントがあり、その継続を図ることを目的としているというところは川橋先生も今おっしゃったとおりであろうかというふうに思っております。
 そういった意味で、期間雇用をされる方、一年でも二年でも三年でもその期間がはっきりしておりますよという方には今のところなじまないというところがお答えになろうかなというふうに思っております。
#25
○川橋幸子君 それでは、これは要望として申し上げさせていただきます。
 契約期間がはっきりしているといっても事実上は反復されることが多いのはもう御存じのとおりでございます。それから、初めから契約期間を定めておきましても、そのあたりが契約更新について明確にされていない、当然反復されるんだろうと思っているところが突然の中断、突然の解雇、解雇というんでしょうか契約終了となる、そういう実態がございますので、今回、審議会の中の御議論でも、形式的には期間雇用であっても、一年未満であっても実質的に雇用継続があるかどうかがわかりやすくなるように指針を改めると書いていていただいていますので、現下の労働事情を考えた場合にはこの有期雇用の点についても十分な御議論をいただきたいと要望させていただいて、次に移りたいと思います。
 さて次は、よく聞かれる話なんですけれども、育児休業というのは共働きの家庭ばかりとられると。だけれども、専業主婦の方がおっしゃるのは専業主婦であっても出産直後あるいは子供が病気しがちなとき、そういうことを考えると、むしろ核家族でだれからも支援がなくて都市の中でぽつんと密室状態で置かれる、そういう家庭こそ育児休業は欲しいんだと。つまり、夫が休んでくれればずっと気持ちの上では楽になる。今、子供の数が少なくなっているところの理由に心理的負担というのが非常に大きゅうございまして、この心理的負担というのはどちらかというと共働きの方よりも専業主婦の方から聞かれることが多うございます。
 さてそこで、現在の育児休業法は、労使協定を定めるときに配偶者が就業していない場合は制度の対象外とすることができる、そういう規定になっておりますけれども、この点も時代に合わなくなってきているのではないでしょうか。配偶者が就業しない、夫が就業しない場合だって大いにあり得ますね。一律にもうこれは適用除外としていいのだよと、こういう規定ぶりが時代に合わなくなっておりますことにつきましてどのように考えるのでしょうか。
#26
○政府参考人(岩田喜美枝君) 専業主婦の子育ての孤立感、閉塞感の問題は大変大事な問題であるというふうに思いますし、育児に父親、母親双方がしっかりかかわるということの重要性を否定するものでは全くございません。
 育児休業法では法律上のすべての事業主に義務づける最低の基準としてどういうものを規定するかという、そういう観点からのものでございますが、労働者が最大一年間という長い期間休業を請求することができる、請求があれば事業主は必ずそれを受容しなければいけないという制度でございますから、事業主側の負担ということもあわせて考慮をする必要があるというふうに思うわけでございます。法律では、配偶者が例えば専業主婦などで専ら育児に携わっているようなケースについても、その夫である労働者の育児休業を一律に排除しているわけではございませんで、こういった労働者には育児休業を与えないとすることを労使協定で合意をされるという場合には、そういう形でこれらの労働者を除外することについても無理からぬことではないかということについては、現状では社会的な多数のコンセンサスがあるというふうに思っております。そういうことから現行の法制の体系といいましょうか、仕組みになっているわけでございます。
#27
○川橋幸子君 労使協定によって除外することができるというのは最低基準ですよと。そこの理解がはっきりしないんですよね。日本の場合は労働協約の普及も少のうございますし、あるいは労使協定といっても何かどこかで売っている法令様式の中で書き込んでくればできてしまう。むしろこれは行政だけが悪いわけじゃなくて、労働市場の中の労働契約の結び方についてのなかなか契約意識が進まないということが問題なんだろうと思います。
 日本人の意識風土が悪いと言ってしまうとおしまいでございまして、やはり私は時代の変化を考え、それから時代の要請を考え、なお日本の労使の態度を考えるときには、私は、今、局長がおっしゃったようなことではなく、特に日本の男性の育児参加が少ないことを考えますと、この部分は専業主婦のいる家庭の男性を含めるとしても、どちらかといえば日本の現実はとらないだろうと。こう書いたってとる、請求するというところまで進める人たちが少ないことを考えますと、何とかこの書きぶりは原則対象外ととられないような書きぶりにしていただきたい、工夫していただきたいということだけ申し上げたいと思います。
 局長、何か目を白黒しておられますけれども、法の論理と実態に、その法令の論理がどこまで理解されるかという日本の社会の実態というものをよく考えていただきたいということでございまして、私の申し上げる意味は御理解いただいているだろうと思います。
 それでは、次に移ります。
 今回の育児休業法の改正につきましては、使い勝手のいい制度にしてほしい、こういう要望が非常に強うございました。どうやって使い勝手をよくするかということでございますけれども、柔軟にしてほしい、柔軟に取得できるようにしてほしいということなんですね。
 私、何か自分の個人的なことをお話しするのは非常に恥ずかしい人間でございまして申し上げない方なんですが、でも机の上の話だけじゃなくて、実際に職業と家庭というのをどうやって両立させるかと。私の場合はもうかなり以前の話でございます。旧聞になりますけれども、こういう法律案の文言を見ていると、自分の体験もじわりと思い出してくるわけでございます。
 私は、先ほども申し上げましたように、労働省で働いておりまして、そのとき民間と比べて一番いいなと思ったのは休暇が一時間単位でとれることでした、分割してとれるということです。休暇が一時間単位で分割してとれるというのは、特に通勤事情が悪いからというようなこともありましたけれども、家族的責任を持つ人たちには大変歓迎されておりまして、それこそフレックスタイムでもあり、それから始業時刻、終業時刻の繰り上げ、繰り下げでもあり、あるいは部分休業でもありという非常に、これは何というんでしょうか、現業じゃない事務部門だからできることだとは思いますけれども、そういうことが実感として感じられます。
 しかし、今の育児休業というのは、現行法では一歳に達するまでの間一回とれるということなんですね。ですから、三カ月未満で終わる人、半年未満の方、一歳まで本当にそれを活用する人は二割程度という、こういう実態になっているわけでございます。
 さて、この育児休業制度というのは先進諸国で発達している制度でございます。女性の職場参加がふえて、しかも未婚時だけじゃなくて結婚しても共働きをすることが普通になってきている、そういう先進国ででき上がり、さまざま工夫が加えられている制度でございますが、EU指令というのがございまして、そこのEU指令の中では、育児休業の取得の形態は柔軟であること、パートタイム労働とか分割労働も選択することができることということがこの指令の要件になっているわけでございます。
 そういう柔軟なとり方をEU指令がEU各国に発出していること、それはEU各国にそれを従わせるという意味も、そのEU諸国の制度の仕組み方がそうなっていることを反映してそのような枠組みができていること、これをまずどういうふうに日本は考えているのか、これは局長に伺いたいと思います。
#28
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子育てをしております労働者の立場からいいますと、先生おっしゃいましたように、育児休業は使い勝手がよく、柔軟なものであるということは望ましいことであるというふうに思います。
 ただ、配慮しないといけませんのは一方の事業主の方の負担でございまして、労働者の事情によって時間単位でとられたり、短い期間何回も分割して請求されるということになりますと、その都度職員の配置について考えないといけない、代替要員の手当てをしないといけないということで、相当な負担になるというようなことも十分考慮しないといけないというふうに思います。
 また、我が国の現状を見ますと、大企業で労働組合が事業主の側としっかり交渉して制度の整備を進めているようなところでも、まだやはり育児休業についてはフルタイムの休業を一回だけというのが大部分でございます。
 そういう状況もございますので、現時点では法律の最低の基準として、先生おっしゃっているような柔軟な形での育児休業の取得を請求権として認めるということは難しいんではないかというふうに思っております。
#29
○川橋幸子君 ここに私、これはそちらの省の方にも差し上げました資料ですが、住友生命総合研究所、シンクタンクでございますね、そこの生活部の山田さんとおっしゃる男性の方でございますが、書かれた一文がございます。柔軟な取得が可能になれば従業員が長期間不在にする必要が少なくなることが予想される、そしてそれは従業員ばかりではなく、企業、従業員双方にとってメリットが多く、育児休業をしやすくなると考えられるということです。
 今の日本の大企業ではそういう労働協約は一つもないとおっしゃるとすれば、これは今の大企業がむしろ古典的な労働協約を結んでいるわけでありまして、関係者の方がおられたら謝りますけれども、連合自体が組織している範囲が非常に狭いこと、しかもその組織率が下がってきていること、もっと幅広い、サービス業なり小売業なりさまざまな業種、職種を頭に描いた制度設計というものを、私は労働協約の締結状況が少ないなら少ないほどむしろ行政の側でリードするように資料提供をしていただきたい、このように思います。
 このように思うことについていかがでしょうか。もう一回お願いいたします。
#30
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生が御紹介いただきました今の論文も早速勉強させていただきたいというふうに思いますし、例えば諸外国の法制、先進的なところの法制がどういうことになっているかといったようなことについても広く労使の皆様方に情報提供はしてまいりたいというふうに思います。
#31
○川橋幸子君 ちょっと局長のプライバシーに触れるかもしれませんが、これはプライバシーではなくて一般的に非常に共感、共有できることかと思いましてお話しさせていただいてよろしいでしょうか。回数、分割とは直接関係ありませんが、意識の上の話でございます。
 先ほど期間雇用者のことも申し上げましたけれども、大変その昔、その昔というと失礼ですね、岩田局長がOECDのアタッシェで出向なさるときの話を私はあのとき非常に新鮮な気持ちで受けとめたエピソードがございます。どういうことかといいますと、OECDに出向なさる、当然期間雇用ですよね。なかなか日本と外国との間の契約がスムーズに、事務手続がスムーズにいかなくて待機なさっているうちに妊娠してしまわれた。それで、いざ行くときに先方に問い合わせを出された。実は妊娠したのですがよろしいのでしょうかと言ったときの先方の答えが、ああ、それが何だ、何が問題なんだと。
 私流の言葉を使わせてもらえば、女性が妊娠し出産し、あるいはそれによって勤務形態が影響されること、そんなことは当たり前で、何が一体問題なんだと、そういうやっぱり社会の意識なんじゃないかと思います。
 今、回数、分割のところでお話しさせていただくには適当ではなかったかもわかりません。むしろ期間雇用等々あるいは職場の企業風土という点でお話しすべきかもわかりませんが、そういうところに含めまして、今どんどん企業の方が柔軟になってきている。柔軟になってきているにもかかわらず、なかなか労働者の意識が、あるいは諸制度の仕組み、システムがそれに合ってきていない。この問題を考えますと、私はやっぱり雇用形態の変化する中でのこれからの日本の育児休業のあり方を工夫していただきたいということを申し上げて、次に移りたいと思います。
 さて、先ほど来も出ております男性の取得促進の話でございます。
 男性の育児休業の取得率は〇・〇四でしたか、失礼しました、そんな低くないですね。といいましても〇・四二%ですから、お連れ合いの女性が出産したときに育児休業をとる方の場合は千人のうち四人という、こういう割合になっているわけでございます。男性の育児休業の取得促進といいますか休暇取得の促進、これが家庭と職業との調和、あるいは親子関係のきずなを深めるというようなことからも必要だと言われているわけでございますけれども、この男性の取得促進について、これは衆議院でも大変御議論のあったところでございまして、附帯決議の中では「男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。」と、このように書いてあるわけでございます。
 どのような調査研究を行っていただけるのでしょうか。その結果、有効な措置というのはいつごろとっていただけるのでしょうか、伺います。
#32
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生御指摘のように、育児休業者に占める男性の割合というのは大変小さいものでございます。平成十一年度で二・四%という、休業取得者の中に占める男性の割合でございますが、二・四%という数字でございましたので、これをどういう形で高めていくかというのは大事な課題であるというふうに思っております。
 私どもも、育児休業を進めるための政府のポスターに、大きく二・四%ということをポスターの真ん中に書きまして、そういうことで問題提起をした年もございました。
 これは男性自身の意識の問題でもございますし、それに加えて、職場における職場優先の企業風土ですとか、育児は妻がやればいいといったような伝統的な通念がまだ職場の管理職や同僚に根強いというようなことも大きな原因になっているというふうに思っております。
 そういうことで、今回の改正法案が成立いたしましたら、国も率先いたしまして男性の育児休業の取得が進みますように、特に意識啓発の面ではすぐに取りかかってまいりたいというふうに思っております。
 また、先生が今引用なさいました衆議院の附帯決議についてでございますけれども、「男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。」という附帯決議をいただいたわけでございます。
 まだ決議をいただいたばかりでございますので、どういう調査研究をどういうスケジュールで実施していくか、またその結果どういう措置を講じているかということはこれからのことでございますけれども、そんなに遅くするつもりは毛頭ございませんので、諸外国の例ですとか、我が国の中にも先進的な企業で男性の育児休業の取得が進んでいるところもございますから、そういう例も勉強しながら男性の取得促進のために何が有効な措置であるかということについて研究を進めてまいりたいと思います。
#33
○川橋幸子君 一度、先ほども申し上げた局長のエピソードですが、そういうものは頭で聞いても実感しないと理解されないということがございますので、この委員会で諸外国の視察に行くとか、あるいは審議会の冒頭申し上げた使用者側の意見、ああいうことをおっしゃる方を海外に連れていかれるとか、少しショック療法をしていただく必要があるんじゃないかと思います。
 それでは、この附帯決議については大臣の御決意を衆議院では伺っていると思いますけれども、改めて参議院でも大臣の御決意を伺わせていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(坂口力君) 局長のお話が先ほど出ましたけれども、個人的なことを言わせていただきますと、私は全然これにお答えをさせていただく資格のない人間でございまして、子供が大きくなりますときに、どう大きくなったのかは全く記憶にないというのが私の今日まででございまして、医者をいたしておりますときにも、政治家になりましてからも全く家内任せでございまして、落選をいたしまして、はっと気がつきましたら、中学校の三年生と一年生になっていたと。こんなに大きくなっていたのかと、そのときに初めてわかったというぐらいでございますから、これも私がここでお答えさせていただく資格は全くないわけでございますけれども、しかし立場上お答えをさせていただくとすれば、これはやっぱりこれからの男性のいろいろの物の考え方というものを一番変えていかなければいけない、調査をすることも大事でございますけれども、その前に男性がいかに考え方を変えるかと。
 職場が終わりますと同僚と、おい、一杯飲もうかといって家に帰るよりも一杯飲みに行く、あるいはまた休みになったら、おい、ゴルフに行こうかと、もうとにかくみんなとゴルフに行くことが先行してしまう、家庭で子育てをどうするかということが眼中にない、そこが一番やっぱり問題だと思うわけでありまして、やはり子育てに自分が大きな責任を持っているという自覚をいかにその男性が持つかということが一番私は大事なことであって、そのために何をなすべきか、国がなすべきことなのか、それともそれはいろいろの啓発活動をして皆さんにそう思っていただくことなのか、そこが私は大事だと思っているわけです。
 ここにお見えになります男性の皆さんは、僕が言いましたことが大体当たっていると思うわけでございまして、その心を、意識改革をどう進めるか、これは私も含めまして、私はちょっと遅過ぎますけれども、意識改革をしていかなければならないと思っているところでございます。
#35
○川橋幸子君 大変古きよき時代をお話しいただきました。
 先ほどの調査で、専業主婦の家庭ですね、奥様の意識ですよ、男性も育児休業をとってほしいと、とった方がよいとおっしゃる方が七二・一%、共働き家庭の方が六八・〇%ですから、専業主婦のいる家庭の方がそういう悩みが強いということですね。立場上とおっしゃいましたけれども、私は立場というよりも大臣としての責務上、制度のあり方を考えていただきたい、若い世代はそれを望んでいるということを申し上げさせていただきたいと思います。
 御紹介しますと、先ほどのEU指令の中では、八歳の誕生日まで少なくとも男女労働者それぞれが三カ月の休暇期間を持つと。ちょっとその対象年齢が高かったりあるいはとれる期間が三カ月と、それぞれ最大公約数のような最小公倍数のようなものがこのEU指令の中ではとられておりますが、問題は個人単位、働く人個人単位だということでございます。その点をしっかりと調査していただきたい。
 意識啓発が進まなければ法律改正できないということのほかに、後ほど看護休暇の請求権化の問題についてもお話しさせていただきますけれども、法律制度によって意識を変えない限り日本はなかなか変わらないというところもあるのでございます。その点を御理解いただきたいと思います。
 さて、それでは次に移ります。
 育児休業の前に、ひとつ産休を男の人がとってほしいと、こういう要望が非常に強うございます。そうした要望を受けまして、去る七月六日、閣議決定されているんです。御存じない方が多いと思います。ぜひ覚えていただきたいと思いますが、これは閣議決定されたことでございます。父親の産休五日間取得、これの全員取得を目指すと。閣議決定ですよ。政府が決定しているんです。そのように閣議で決定された男女共同参画基本計画、男女共同参画会議から要望されました子育て支援策、小泉内閣の子育て支援策の目玉として、男性の産休五日間全員取得を目指すと政府の側で言明されているわけでございますが、今後どのようにこれを実行していかれるのでしょうか、お答えください。
#36
○政府参考人(岩田喜美枝君) 七月六日に閣議決定されました「仕事と子育ての両立支援策の方針について」の中に今おっしゃいましたことが盛り込まれているわけでございますが、同じ閣議決定の文章の中でそれを具体的に進めるための施策をあわせて盛り込んでいるところでございます。
 その具体的な施策といたしましては、「育児休業制度の広報を一層積極的に行い、男性の育児休業取得を奨励する。また、配偶者の出産時における父親の出産休暇について、育児休業の制度を活用して取得が可能であることを広くPRする。」とされております。以上、閣議決定の文章でございます。
 厚生労働省としましては、これを受けまして、その直後、本年の七月でございましたが、地方の労働局に文書で指示をいたしました。その内容は、育児・介護休業法の周知を図るさまざまな場で二つのことをしっかり周知するようにということを指示したわけでございます。
 一つには、育児休業は男女を問わず取得することができることという原則的なことでございますが、もう一つには、仮に配偶者が常態として子を養育する労働者については育児休業することができないとの労使協定が締結されている場合であっても、男性労働者は配偶者の産後八週間は必ず育児休業を取得することができること、この二つについてよく周知をするように地方に指示したわけでございます。
 二番目の点はちょっとおわかりにくかったかもしれませんが、これは先ほど先生の御質問の中にも出てきましたように、例えば配偶者が専業主婦で専ら育児に従事できるといいますか、こういう御家庭であったとしますと、労使協定でこういう労働者については育児休業の取得を認めないという合意を、そういう内容の労使協定を締結することができるということになっております。仮にそういった、奥様が専業主婦であるような男性労働者の育児休業の取得を認めないという労使協定があった場合であっても、産後の八週間、この時期は母体の回復のために大変大事な時期で、母親が自由に育児ができるという状況ではまだございませんので、この産後の八週間はすべての男性労働者が育児休業を取得することができるということになっているわけでございます。
 今回の改正法案が成立しました場合には、さらにこの点も含めて改正法案の周知のための広報啓発活動の中でしっかりPRしてまいりたいと思います。
#37
○川橋幸子君 この委員会にも子育て真っ最中の同僚議員もいらっしゃいますし、それからまだこれから何人か奥様が出産なさる方もいらっしゃいますし、有資格者の方がたくさんいらっしゃるわけでございます。笑い話ではなくて、本当に男性の方々が日本の出生率を回復させたいと思うなら、安心して産める、安心して育てられる、そういう環境を政治家も行政もしっかりやっていきたいと思いますし、やっていただきたいと期待を申し上げさせていただきます。
 さて、それでは子供の看護休暇の話に入らせていただきます。子供の看護休暇、病気をしたとき、けがをしたとき、そういうときの看護休暇でございます。
 女性が一番、男性でもそういう方いらっしゃると思いますけれども、仕事をとるのか家庭をとるのか、本当に心の中では絶えず絶えず緊張してバランスをとりながら選択をするという、そういう職業生活を送っているわけでございますが、中でも子供の看護休暇の問題は切実な問題でございます。後ほど同僚議員の方からも質問が相次ぐと思いますので、私の方は簡単に事務的な質問をさせていただきたいと思います。
 今回、衆議院の改正によりまして、衆議院段階の審議によりまして附則第三条と第四条というものがつけ加えられております。こちらの、まず第三条の方でございますけれども、国の育児休業の普及促進の責務が書かれている、そういう附則だと思いますが、では一体どの程度の普及を期待しておられるのか、目標としておられるのか、今後のつもりを伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(坂口力君) これは高ければ高いほどいいんだろうというふうに思いますが、現状も踏まえて考えなければならないというふうに思います。
 現在のところでございますと、事業所における看護休暇の普及率がかなりまだ低い、そういう現状でございます。国が子の看護のための休暇制度を、制度の普及のための事業主それから労働者その他の関係者の努力を促進するものとしてこれから努力をしなければならないというふうに思っています。
 具体的には、この三条の規定に基づきまして、国は子の看護休暇制度の普及に向けた啓発指導を積極的に行いますほか、平成十四年度の概算要求において盛り込んでおりますが、子の看護休暇制度、この制度を設けた事業主に対する助成制度も活用をしなければならないというふうに思います。それから、早期に看護休暇制度が導入されるよう、労使の取り組みにつきましても、我々はそういう取り組みが促進をするように努力をしたいというふうに思っています。
 現時点で普及率の具体的な目標をなかなか定めていくというのは難しいですけれども、できる限り多くの事業所で子供の看護休暇制度が導入されるよう努力をしなければならないというふうに思っています。
 先ほども若干申しましたとおり、この問題はあらゆる角度から取り上げていかなければなりません。言うならば、企業のこれからのあり方にもかかわってくるというふうに思います。大変グローバル化してまいりましたこの現在において、企業は企業としていろいろの立場から大変な悩みを抱えております。ややもいたしますと、その悩みの中でこうした問題までやることは大変だという思いも私は率直に言ってあるだろうというふうに思いますが、しかしこれからのこのグローバル社会の中で企業が生きていきますためには、こうした子育ての問題等、女性の皆さん方の立場というものも十分に考えていくというような経営のあり方、そうしたものをやはり念頭に置いて新しい会社をつくり上げていくという姿勢がなければ、私はグローバル社会の中で日本の企業は生きていくことができないのではないかというふうに思います。
 そうした経営者の育成というものも大事でございますし、そうした皆さん方の全体の動きというものを見ながら、そして国といたしましても、この子育てに対しては国全体がある程度責任を持って、国もやはり支えていくのだということを示すことが皆さん方に対する一つの大きな支援になるのではないかと思っているところでございます。
#39
○川橋幸子君 ありがとうございます。
 ありがとうございますと、ついこういう言葉が出てしまいます、大臣のお気持ちのあふれる御答弁をいただきまして。
 グローバルといいますと常にコストダウンの話が出てまいりますが、逆にグローバル化していくからこそ諸外国の水準に日本のシステムも合わせていかなければいけない。そうしなければむしろ日本の企業は受け入れられない。ディーセントワークという言葉がILOから打ち出されておりまして、ディーセントといいますと、ノーベル文学賞をもらった大江健三郎さんが、授賞式のときにディーセントじゃない日本という、こういう表現を反省を込めて言われたわけですね。大臣の御決意どおり、この三条に沿いまして、普及について御努力いただきたいと思います。
 重ねて、今度は第四条でございます。
 三年経過した時点におきまして必要な検討をして、その結果を踏まえて必要な措置を講ずる。非常に一般にはわかりにくい表現でございます。きのう大臣のところに御要望を申し上げた際、ある女性議員は、えっ、三年も待たされるのと、こういうため息が思わず出たところでございました。
 そこで、お尋ねさせていただきます。
 附則四条に基づく検討の一環として子供の看護休暇の請求権化について検討を行うと、こういう理解でよろしいでしょうか。
#40
○国務大臣(坂口力君) 改正法附則の第四条に基づきます検討を行います際には、子供の看護休暇を請求権とすることにつきましても検討の対象にしていきたいと考えております。
#41
○川橋幸子君 それでは、その次の話に移らせていただきます。
 今回、短時間勤務等をあわせまして、等といいますと、フレックスタイムですとかあるいは費用の措置ですとか、そういう配慮措置、いずれか事業主のオプションで講じなければならないと、こういう規定ぶりが現行法でございますが、そこの対象とする年齢が一歳未満から三歳まで引き上げられた、これは朗報かと思います。
 私は、そもそも、全日休暇をとる、すっかり休んでしまうのと短時間勤務制度、短時間正社員という、そういう制度を設けてくれれば、どっちが働く側にとってもあるいは扱う側にとっても便利かといったら、ぱっと休まれて代替要員を配置させて、復帰したときにまた代替要員のその後の配置先まで考えなければいけないシステムよりも、部分休暇といいましょうか、短時間勤務制度の方がむしろ請求権化になじむ制度だと思っています。現行法でもそこの整合性はとれていないんだと思っております。そのあたりが、こちらの短時間勤務制度の方は三歳に引き上げられ、育児休業の方は一歳、この年齢の差が、三歳と一歳、二歳の差が出てきたことによって余計整合性がとれないことが私にははっきりしたのではないかと思われるところでございます。
 今の、その四つのメニューですか、育児休業をとらない人に対して事業主はいずれかの措置をとらなければいけないとしています。メニューというのは、時間面の配慮とそれから経済面の、保育園の費用でしょうか、そういうものに対する補助、異質のものが入っていて、どれかを事業主が選択すればよいと、こういう制度になっているわけですね。むしろ、今回の審議会の中でも強い要望があったことと思いますが、すぽっとその間休むよりは、正社員でも短時間で働く制度があれば、能力も低下しない、仕事も渋滞しない、そういうことから請求権化してほしいという声が強かったわけでございますが、これ、大臣からお答えいただくことになっていますけれども、その前にひとつ局長の方から、やっぱりこの部分については事業主のオプションのままで据え置かれたこと、この点についてお答えいただきたいと思います。
#42
○政府参考人(岩田喜美枝君) 休業をとらずに子育てをしながら仕事を続けるための事業主の措置でございますが、先生引用なさいましたように、幾つかの措置の中から事業主の方が一つ以上選択しまして実施をしていただくということになっております。
 先生の御主張は、短時間勤務については一律に事業主の義務とすべきではないかという御主張かというふうに思いますけれども、業種業態によりましては、なかなか短時間勤務制度を導入するということが困難な事業所も少なからずあるんではないかというふうに想像できるわけでございます。また、働く人たちのニーズがどのあたりにあるかということを調査いたしておりますけれども、短時間勤務制度を導入してほしいという御要望ももちろんございますけれども、むしろそれよりも、例えばフレックスタイム制度の導入の方を希望する方が若干多かったりということで、働く側から見ましてもニーズは非常に多様でございます。
 そういうようなことで、今回、短時間勤務制度は従来どおり事業主が選択して実施すべき幾つかの措置の中の一つとして位置づけているわけでございます。
#43
○川橋幸子君 これもお答えは変わらないようですので次に移りたいと思いますが、私は、繰り返しますけれども、本来セットとして考える方が法律の論理的には整合性がとれるんじゃないかと、そういう考えの持ち主でございますし、それから調査の点でも、先ほどおっしゃいましたけれども、連合からもらう調査は別の結果になるんですよね。調査のとり方ということもあるわけでございまして、私も、この育児休業は一歳までの育児休業をとらないと三歳までの配慮措置のどれかを選択するという、それは非常に制度間のそごというんでしょうか、混乱を来すような、そういう気がいたします。なお今後に向けて御検討いただきたいと思います。
 さて、先ほどは不利益取り扱いについて伺いましたが、もう一つは、今度は原職復帰という点でお伺いしたいと思います。
 EU諸国の中では、原職復帰、原則として原職または原職相当職への復帰を保障する、これが育児休業の要件として示されているわけでございます。その点について、今までは指針の中で、「育児休業及び介護休業後においては、原則として原職又は原職相当職に復帰させることが多く行われている」、企業の中で多く行われているという、そういう趣旨だと思いますが、一般には、横並びで考えれば、それをやっている企業が多いんだよ、それを頭に入れなさいよという、そういう指針の書きぶりになっているわけでございます。
 先ほど、不利益取り扱いというのが、伺うところによると、著しい差別を禁止するぐらいの不利益取り扱いの禁止ということにすぎない、そういう懸念があることから考えますと、むしろ原職または原職相当職への復帰と今までガイドラインに書いてあったことを法律にすべきだ、民主党案はそのようにして衆議院に出したわけでございますが、この部分については、少なくともこの指針の表現というのは見直さなければいけないと思います。
 どのように対処されるおつもりか、局長に伺います。
#44
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正法案におきまして規定しております育児休業などを理由とした不利益取り扱いの禁止によりまして、休業から復帰する際に原職と比較して不利益な職務につかされるということになりますと、不利益取り扱いの禁止の対象になるというふうに考えているところでございます。
 また一方で、育児休業などを取得した後に原職に復帰させる、必ず原職に復帰させるということについては、職場の状況によっては育児休業中に休業者の後任の問題をどうするかとか、そして多くの企業では計画的な人事のローテーションをやっておりますので、そういうローテーションの一環として、復帰後に原職に戻さずに別のポストに異動させることがあるというふうにも民間の企業の人事異動の慣行を踏まえますと思われるわけでございますので、原職復帰を一律の枠にはめるということは困難であるというふうに考えております。
 いずれにしましても、復職した場合の職務の配置の仕方によりましてどういうケースが不利益取り扱いになるかということについては、大臣が指針を定めるということになっておりますので、先生御指摘のように、法案が成立しました暁には現行の指針の内容は見直す必要があるというふうに思っております。審議会の労使の意見も徴しながら検討してまいりたいと思います。
#45
○川橋幸子君 原職に一律に戻せということでは現在でもないし、私もそれを言っているわけではない、相当職ということです。処遇が相当であればいいと、合理的な理由なくそれ以上の不利益をこうむることなく、休む前の職務の価値において同等であればよいということだけの話です。
 ですから、これが「多く行われているものであることに配慮する」という、こういう書きぶりよりも復帰させることを、これだって「原則として」というのが頭にあるわけですから、復帰させることを配慮するものと、このように言い切っていただきたいということを申し上げて、次の質問に入ります。
 今回は、深夜業及び時間外労働の制限について、ポスト激変緩和措置として何点か法改正が行われているわけでございます。
 一点目は、現行の深夜業の制限でございます。これは、改正とは関係なく、このまま現行法どおり据え置かれているわけでございますが、現在、深夜業の制限というのは、十六歳以上の同居の家族がいますと深夜業の免除請求を事業主の方が拒むことができると、こういうふうになっているわけでございます。十六歳、この十六歳の年齢要件について伺います。
 伺ったところによりますと、十六歳というのは法定上の婚姻最低年齢ということで十六歳ということのようでございますけれども、さまざま世の中の動きによりまして、この年齢も十八歳にすべきではないかというお話が出ておりましたり、子どもの権利条約をいろいろ審議しましたときに、やはり社会が保護すべき年齢というのはどうやら十八だと、諸外国においては十八というものが基準になっているという話があるわけでございます。
 ということで、十六歳のこの年齢は時代の変化に合わせて十八歳、婚姻年齢が十六歳という古典的な我が国のやり方から少し前進していただきたいというのが私の希望ですが、見直すべきではないでしょうか。
#46
○政府参考人(岩田喜美枝君) 深夜業の制限の制度におきまして、夜、子供以外だれも家にいないというような状況を避けるという趣旨からこの深夜業の制限の制度が導入されているわけでございます。したがって、保育をすることができる同居の家族がいる場合には請求できないこととなっております。
 また、夜間でございますので、保育といいましても、食事を与えたりというようなことではなくて、むしろ寝ている子供の安全をきちっと管理するという程度の保育かというふうに思うわけでございます。このような保育をすることができる同居の家族といたしましては、厚生労働省令で十六歳以上ということになっているわけですけれども、その根拠の一つは、今、先生おっしゃいましたように、我が国の民法で婚姻が認められる年齢として、最低年齢として十六歳ということがありますので、それを一つのメルクマールにして要件としているものでございます。
 いずれにいたしましても、この制度も平成十一年の四月から施行されたばかりでございますので、当面はこの制度の定着に努めたい、そういう時期であるというふうに思っておりますので、現段階で要件を見直すということは考えておりません。
#47
○川橋幸子君 次は、時間外労働の制限、これを請求できるかどうかという話が、要件、省令で定められているわけでございますが、時間外労働の制限につきましては、配偶者以外の同居の家族がいるいないにかかわらず、この制限を請求できるように認めるということですね。
 ちょっと聞き方が悪かったですね。以上は前置きです。この場合も、深夜業と同様に十六歳以上の同居の家族の適用除外要件を新たに課すことがないことを確認したい、深夜業とはちょっと違いますよと、こういう確認答弁でございます。
 これは大臣からいただくことでした。よろしゅうございますでしょうか。
#48
○国務大臣(坂口力君) 深夜業の制限につきましては、常態として子供を保育することができる十六歳以上の同居の家族がいる場合は適用除外というふうになっておりますが、この時間外労働の免除を請求できないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者につきましては、厚生労働省令で定めるに当たりまして、同居の家族がいる労働者を適用除外とすることは考えておりません。
#49
○川橋幸子君 次に移ります。
 時間外労働の制限の対象ですが、今のお話の並びの話でございますが、勤続一年未満の労働者を含めるべきと思いますが、この点については附則第四条の検討の際の対象になるのでしょうか、お伺いさせていただきます。
#50
○国務大臣(坂口力君) 改正法の附則第四条に基づきます検討を行います際には、時間外労働の制限の制度等の対象労働者にかかわります勤続要件の見直しにつきましても検討の対象といたしたいと考えております。
#51
○川橋幸子君 ずっと育児休業の話をお伺いしてまいりました。私が強調させていただきましたのは、就業形態、雇用形態が変わって働き方が柔軟になっているときの制度のあり方というものが古典的なものではなく柔軟であるべきだというこういうことでございまして、その点から諸外国の例をよく参考に引いて考え直してほしいと、つまりは使い勝手のよい制度のあり方検討をしていただきたいということをずっと続けて申し上げてきたわけでございます。
 例えば、分割取得できるようにすることとか、全日休業ではなく部分休業としての短時間勤務制度を育児休業請求権として選択できるようにすること、それから、期間雇用者を一律に適用除外とするのではなくて、対象労働者外とするのではなくて、また専業主フ、フは女性の方の婦と、夫の方の夫と両方入るわけでございますけれども、専業主婦・夫のいる労働者を労使協定によって適用除外できるとしているようなことについてさまざまお伺いしてまいりました。
 こうした制度のあり方につきまして、附則第四条の規定に基づく総合的な検討の対象、この中であり方を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#52
○国務大臣(坂口力君) 衆議院におきます修正によりまして追加されました附則第四条の規定に基づきます検討につきましては、子供の看護のための休暇制度、その他育児・介護休業法に規定しております諸制度について総合的に行うものでございます。その際、今御指摘をいただきました今後の制度のあり方につきましても、関係者からの問題提起を前提に、その取り扱いにつきまして検討の対象に含まれるものというふうに考えております。
 柔軟にというお話でございまして、これはさまざま労働環境も流動化をしてきたわけでございますので、柔軟な仕組みというものが大事だというふうに思っておりますが、この法案だけを柔軟にというわけにはいきませんので、労働関係その他全般の柔軟な仕組みというものをつくり直していかざるを得ないというふうに思います。
 例えば、育児休業等をとっていただこうということになりますと、それにかわるべき人をどうするかという問題が企業では起こりますから、派遣業の問題等につきましてももう少し柔軟なものをつくり上げていくといったようなことがやはり大事になってまいりまして、この法案も当然でございますけれども、全体として柔軟な、さまざまなことがなし得るものをつくり上げていかなければならないと考えております。
#53
○川橋幸子君 もう一点、ちょっと機械的なお聞きの仕方になってしまいますけれども、確認答弁をちょうだいしたいと思うことがございます。もう一回、時間外労働の制限の申し出、取得を理由とする不利益取り扱いについて戻らせていただきます。
 今回は育児休業の申し出、取得を理由とする不利益取り扱いが規定されたわけでございますが、時間外労働の制限、これを免除してほしいという申し出について今までの条文は欠けていたのでございます。
 これについてはどのように対処するお考えか、確認答弁をちょうだいしたいと思います。
#54
○国務大臣(坂口力君) 時間外労働の制限の申し出、取得を理由とする不利益取り扱いはあってはならないものでありまして、その旨指針で定めてまいりたいと思います。
#55
○川橋幸子君 それでは、いささか確認答弁の点が何点か続きましたので、お聞きにくかった、御理解しにくかったこととは思いますが、育児休業法の改正に直接に関係する問いは以上で終わりまして、まだ三十分時間がございますので、きょうは大変貴重な機会でございますので、パートタイム労働の関係についてお伺いさせていただきたいと思います。
 まず一点目は、局長に伺いたいのですけれども、結局、柔軟な働き方といった場合に、一番典型的な働き方といいますか、数も多いし、それから柔軟になると同時に安定が損なわれていく危険が大きい、そういう状況でパートタイム労働という問題があるわけでございます。パートタイム労働という選び方、女性の場合が非常に選択しやすい雇用形態でございます。育児とも両立しやすい雇用形態でございまして、今回の法改正とは無縁ではない、非常に関係の深い問題でございます。
 現在、ことしは第十七回を迎えるのでしょうか、パートタイム労働旬間というのがございます。実施されているところでございます。ことしのパートタイム旬間の標語、テーマですけれども、このように書かれております。「パートタイムの公正な評価 誇れる処遇」、これがことしのパートタイム旬間のテーマ、大変適切なテーマだと思います。
 ところで、具体的にこのパートタイムの、特に「公正な評価 誇れる処遇」、これが何を意味をして何を訴えておられるのか、局長御自身の口から御説明いただきたいと思います。
#56
○政府参考人(岩田喜美枝君) 厚生労働省では、昭和六十年度が第一回だったわけですけれども、それ以来毎年十一月の上旬をパートタイム労働旬間としまして、パートタイム労働に関する啓発活動を実施いたしております。その都度標語をつくっておりますけれども、その時々のパートタイム労働をめぐる問題をどういう形で関係者に理解をしていただくかというような観点から選んでおります。
 例えば、第一回のパートタイム労働旬間は、働く条件……
#57
○川橋幸子君 前はいいです、ことしのだけ言ってください。
#58
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今申し上げたいというふうに思いましたのは、歴史の経過とともにパートタイム労働問題の所在、それに対する行政の認識が変わってきているということを申し上げたかったんですけれども、十七年やってまいりまして、ことしはさっき先生おっしゃいましたように、パートタイム労働の「公正な評価 誇れる処遇」という標語のもとで、これは都道府県にあります労働局を中心にパートタイム労働者の雇用管理の改善のための取り組みを集中的に実施をしていく、そのときの標語でございます。
 このパートタイム労働者の雇用管理の改善に当たりましては、労働条件について職務に応じた公正な評価を受けること、そして通常の労働者との均衡を考慮した処遇の確保を図っていくということが重要であるというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 その精神は現行のパートタイム労働法の中にもうたわれていることでございますけれども、それを広く労使一般に訴えて理解を深め、パートタイム労働者の処遇の改善を図りたいということでこういう標語を定めさせていただいております。
#59
○川橋幸子君 「公正な評価 誇れる処遇」、これは今、パートタイム労働者の方々が非常に強く望んでいることでございます。同じ仕事をしているのにフルタイマーの方との賃金格差が大きい、同じ仕事をして、仕事に誇りを持ってやっているのにパートという身分で差別をされている、その差別感を感じると、仕事になかなか誇りが持てないというのが悩みなわけでございます。
 改めて申し上げるまでもなくですが、この賃金格差、一時間当たりのフルタイマーとパートタイマーの賃金格差、以前は、一九七八年では八割ぐらいで済んでいたのが、九九年の厚生労働省の調査によると七割まで下がってしまった。非正規社員がふえて、その中ではパートタイマーのふえ方が大きくて、しかも一時間当たりの賃金格差は広まってきているということで、平均賃金の男女格差は男性の約五割というところまで下がってきている、これがジェンダーバイアスと言われる日本の現状なわけでございます。
 さて一方、今度は大臣にお伺いしたいのですけれども、先ほどの柔軟な働き方、グローバリゼーションの中でそうした就業形態がふえる、そういう働き方がふえている。これが日本だけではなく、日本以上に国際的な潮流になっているわけでございます。その中で、最近よく言われるのがオランダ・モデルでございます。この委員会でも何回かそれが話題になりました。
 オランダ・モデル、十年ぐらい前には失業率が一〇%ぐらいだったのがオランダ・モデルの導入によって今やヨーロッパ一の低失業率を誇るようになった。しかも、何というんでしょうね、世帯当たりの可処分所得が上がることによって消費も上がってきた。ちょうど今、日本が抱えているような高失業、消費の低迷、こういう事態の中にあって、オランダ・モデルの成功がオランダの奇跡というようなことで言われているわけでございます。
 何がそんなに奇跡を生んだのかということでございます。ワッセナー合意と言われるような労使の合意があって、それから国を挙げてこうした働き方のシステムというんでしょうか、雇用機会のあり方というものを新たにつくり出してワークシェアリングをやったということがその一つの例と言われるわけでございますけれども、その中でも一番肝心なのは時間当たりの賃金の差別を禁止したこと、これがオランダ・モデルの成功の秘訣であったと私は考えているわけでございます。これが柔軟であると同時に、職場が安定する、生活が安定する、柔軟と安定の両立を達成する一番の眼目であったと私は思っております。
 このようなオランダ・モデルの評価についてどのように考えられますでしょうか、大臣からお伺いしたいと思います。
#60
○国務大臣(坂口力君) 最近、ワークシェアリングの問題が非常に大きな問題になりつつございます。私も、ワークシェアリングにつきましては労使の間でいろいろお話が進んでおりますので、政府といたしましても最大の関心を持ってこの問題に対処しなければならないというふうに思っているところでございます。
 昨今の日本におきます企業の置かれております立場を考えましたときに、先ほども申しましたとおり、大変な国際化の中で、第一次産業、第二次産業が非常に厳しい中にあるわけでございます。こうした状況の中でワークシェアリングを行いますときに、その前提として国が一番心がけて、そして努力をしなければならない問題は、一つは現在の日本の中におきます企業のあり方、あるいは労働のあり方、そうしたものをもう少しレベルアップをするということの努力がやはり前提になければならないというふうに思っています。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 だから、その一つは、やはり日本はまだまだ三次産業、サービス産業といった分野につきましては、一次産業、二次産業に比較をいたしますと、まだここを拡大するゆとりがあるわけでございますから、そうしたことを懸命にやはり国は努力をして、もう少し第三次産業なら産業を拡大をして、働く人たちをそこでつくり上げていくというその前提、あるいはまた、ベンチャー企業のことがよく言われますが、このベンチャー企業につきましても総力を挙げてベンチャー企業を育成していくというようなことをひとつ前提にしながらこのワークシェアリングの問題に取り組んでいく決意がなければならないというふうに思っているわけであります。
 オランダ・モデルのお話がございました。大変成功されて、私たちも参考にすべき問題だというふうに思っておりますが、しかしこのオランダ・モデルをそのまま日本に持ってきて日本モデルになるかといえば、これもそう簡単にはいかないんだろう、日本という大きな国の中でまたオランダとは違った今までの雇用形態というものも存在をする、それらのことも十分に配慮をしながら考えていかなければならないというふうに思っております。
 ただ、ここで魅力的と申しますか、大変私たちも参考にしなければならないのは、同一職種というんですか、同一賃金、何でしたかね、同一労働同一賃金ですね、同一労働同一賃金という、そうしたことを実現ができるかどうかということにかかってくるだろうというふうに思っています。
 これも最初の問題に、時間をとって申しわけありませんが、戻るわけですが、日本のこの厳しい環境の中で、近隣の諸外国と比較をして高賃金になりました日本が高賃金であるがゆえに今非常に悩んでいるというこの状況があるわけでありますから、そのことをできるだけ維持をしながら、そしてやっていかなければならないという問題がありますだけに、非常に難しいかじ取りではあるというふうに思いますけれども、試みるべき一つの課題というふうに思っている次第でございます。
#61
○川橋幸子君 ちょっとそれでは質問の順番を変えまして、その同一労働同一賃金の話に移らせていただきたいと思います。
 大臣がおっしゃった、日本は高賃金に悩んでいるから産業空洞化して雇用機会が少なくなる、そうした中で同一労働同一賃金をやるということはコスト高を呼ぶという感じに私は受けとめてしまったんですが、そういう御趣旨でしょうか。
#62
○国務大臣(坂口力君) そのことも十分に考慮に入れなければならないと私は思っております。
 そういたしますと、日本からさらにまた諸外国へ企業が出ていってしまうという空洞化が進む可能性がございますから、前提として私が申し上げましたのは、そうならないようにするための前提の努力をやはり国がしっかりやらなければならない、そういう努力をした上でやっていかないといけないということを私は申し上げているわけでございます。
#63
○川橋幸子君 それじゃ、ちょっと話の聞き方の視点を変えたいと思います。
 まず、日本の男女同一賃金というのは労働基準法第四条で定められていると言われているわけでございますが、男女同一賃金のこの基準法四条は、同一といいますか、同じ労働であったら男女の賃金を差別しちゃいけないよと、そういう規定なんですね。それともう一つ、ILOの百号条約というのがありまして、これも男女の同一報酬条約というふうに略称され、日本もかなり前に批准しているわけでございますけれども、こちらの方は同一価値の労働に対して同一賃金、こういう規定ぶりになっております。
 今、フルタイマーとパートタイマーの賃金が仕事の内容が同じなのに違うという非常に大きな不満が出ているのは、価値が同じなのに賃金が格差がある、差別される、こういう問題なんですね。その問題に対しては労働基準法は救いにならないと。労働基準法は、同じ労働に対して男女を差別してはいけないと、こういう規定であるから、女性の労働者の間でフルタイマーとパートタイマーの賃金の差というのは、これはこの基準法四条では救えないと。そうですね、局長。
 ということは、やはり基準法四条というのは改正すべきなんじゃないでしょうか。同じ価値の仕事に対して同じ賃金を払う、これが国際基準であるとすれば、基準法第四条というのは、批准はしているけれども国内法がそれに沿っていなかったという、そういう結論になるのではないかと思いますが、こういう聞き方でお答えいただきたいと思います。じゃどうぞ、局長の方から。
#64
○政府参考人(岩田喜美枝君) 労働基準法第四条では、男女同一労働同一賃金をうたっております。これと国際的なILO百号条約との関係も今お尋ねでございましたけれども、なかなか難しい点は、日本の賃金体系といいましょうか日本の賃金決定のメカニズムというのは、職務の価値だけに着目をした賃金が払われているとは限らないというところでございまして、その中で男女同一労働同一賃金といいましょうか、性による差別なく賃金が支払われるということをどういうふうに確保していこうかという問題であるというふうに思っております。
 労働基準法四条は、そういうことで、女性であるということが理由となって賃金の決め方に男女で違いがあるとか、あるいは社会通念として、あるいは事業所の女性労働者の一般的な姿あるいは平均的な姿と言っていいでしょうか、そういうことから、勤続年数が一般的に女性は短いからといったような理由で男女で賃金の決まり方が違うといったような問題は性による差別ですということ、それを明言した条文であるというふうに思います。男女雇用平等対策を推進する上で大変重要な条文であるというふうに思っております。
 厚生労働省も従来からその履行を確保するために労働基準監督署がその任に当たっているわけでございますけれども、履行のための指導を行ってまいりましたし、これからもその努力はしてまいりたいと思っております。
#65
○川橋幸子君 もう純粋に法律上の問題、法律論理、法の論理として聞きますけれども、日本の男女労働賃金法、基準法の四条というものは、これはILO百号条約の要請を満たしていない、日本はこの条約を批准すべきではなかったのではないか、これが一点です。
 あるいはもう一つ、その整合性を持たせるんだとすれば、先ほど局長は、日本の賃金慣行というのは労働の価値に関係のないところで決まってきているところが多い、生活給やら年功給やらそういうところで決まってきていることが多いので、もし合わせるとすればその雇用慣行、賃金慣行の方を変えるべき、どっちかになるんだと思うんですけれども、どうですか。
#66
○政府参考人(岩田喜美枝君) ILO百号条約の批准に当たりましては、この条約ばかりではございませんが、国際条約の批准に当たりましては、我が国は国内法制との整合性の確保の問題について大変厳密に関係部局で審査をいたしまして、その上で批准をいたしております。
 したがいまして、ILO百号条約の要請と労働基準法四条の間に乖離はないというふうに思っておりますし、批准した後も定期的にその批准の実施状況、あるいは国内法制がこういうふうになっている、現実、現状では男女間の賃金格差の問題でこういうものがあるということを定期的にILOに報告をしておりまして、ILOの条約勧告適用専門家委員会でその審査が行われますが、いまだかつて一度も労働基準法四条では百号条約の要請を満たしていないといったような指摘は受けてもおりませんし、その条約と国内法制の関係はしっかり整理をされているというふうに思っております。
 賃金慣行を変えるべきでないかということについては、男女平等の観点以外にもさまざまな観点から、そして多くの場合は労使の合意に基づいてこれまでやられてきたということでございましょうから、そういった大きな枠組みの中で議論をしていただくことではないかというふうに思っております。
 しかしながら、先生と問題意識が共通できますところは、諸外国と比べてみましても、男性の平均賃金、女性の平均賃金を比べると余りにもやっぱり格差が大きい、男女雇用機会均等法制定後は若干格差縮小はいたしておりますけれども、先進国との比較で見ますとやはり余りにも大きいという問題はあるように思います。
 そういうことで、賃金格差問題を少しじっくり勉強したいというふうに思いまして、近いうち研究会を立ち上げて男女間賃金格差の問題の勉強に着手したいと思っております。(「よくわかった」と呼ぶ者あり)
#67
○川橋幸子君 わかったと声がかかりましたけれども、私は全くわからないですね。
 ILOの事務局から、あるいはILOの理事会ですか、日本の審査を行われたときに、何らそごはないと、そごはないと向こうが言ったんじゃなくて、何ら指摘を受けたことがないということだけの話で、もし日本の女性たちが、ILOによって、NGOたちがよく説明すれば、これはおかしいぞということになる条文だと私は思いますね。そう言ってもそれは何ら問題はないというお答えになるんだと思いますが、じっくりとというほどじっくりかけていていい問題なのかというのが私の問題意識です。
 きょうの育児休業法の改正には女性たちの関心がとても高いということを申し上げまして、先ほども、育児休業法も、それからパートタイムの問題も派遣の問題もみんな関連する問題ですよ、就業形態が多様化している中で職業と家庭との両立というものがどのように図られていくのか総合的に考える問題なんですよというふうに申し上げましたけれども、その中でも最近非常に強く指摘されているのがこの同一労働同一賃金、均等待遇。むしろ均等待遇という言葉を共通の用語にして市民団体の方々が運動しておられるわけです。パートとフルタイマーとの賃金格差の問題。
 まさに均等待遇といいますと、今までは男女雇用機会均等法の中の男女間の差別を意識しまして、女性も差別されたくない、差別するのは人間の尊厳に対する冒涜ではないかということからやってきたんですが、今言われている均等待遇というのは、むしろ同一価値のものに対して同一の報酬が支払われて当然ではないか、育児休業のときの短時間勤務もそうでしょうし、パートタイムもそうですし、派遣もそうです。そういうふうに問題意識が変わってきていること、それを今からじっくりというのは余りにも事実認識に、大変有能な局長の事実認識に誤りがあると思いますが、いかがでしょうか。
#68
○政府参考人(岩田喜美枝君) 男女間賃金格差、男女間賃金差別の問題は法制的には、繰り返しになりますが、労働基準法で手当てができているというふうに思いますけれども、実態上の問題があるということで研究を始めたいというふうに申し上げたわけでございます。
 今、先生がおっしゃっている男女間ではない、例えば雇用形態の差に基づく賃金格差の問題、そのことも先生おっしゃっているというふうに理解いたしますけれども、例えばパートタイム労働者と一般労働者の間の賃金の格差をどういうふうに理解して格差改善の努力がしていけるかという問題は大変重要な問題であるというふうには思っております。
 パートタイム労働法の第三条で「事業主は、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して、」、ちょっと中を飛ばしますが、「雇用管理の改善を図るために必要な措置を講ずる」という趣旨のことが盛り込まれているわけでございまして、現行法のパート法の中で通常の労働者との均衡等を考慮しないといけないということがうたわれております。
 ここで言う均衡というのは均等も含む概念であるというふうに思っておりまして、同じものを同じく扱うというのは均等待遇、違う場合であってもその差がいかなる差があってもいいということではないという意味のバランスということも含めてここでは均衡を考慮するというふうに言っているところでございますが、この実効性を上げるためにどういう対策が要るかということについても検討していかないといけない課題の一つだと思っております。
#69
○川橋幸子君 とにかく、先ほどのじっくりという言葉はちょっと、この際は急いでというふうに御認識を改めて取り組んでいただきたいことが一つです。
 それから、均等と均衡の問題については、バランスを図る、こちらの方が均等よりは少し緩やかな基準、このバランスをとる、均衡の中で均等の問題も考える、これについては女性たちの方からは異議申し立てが非常にたくさん出ていることをまずお伝えしたいと思います。バランスという前にやっぱり均等が欲しいんだと。先ほどのオランダ・モデルが成功したのは、時間による差別といいましょうか、時間賃金差別を禁止したことによって、それが男性にもパートタイムを広げる成功例になり、ワークシェアリングの成功になっている。ですから、女性の問題ばかりではないということをまず御認識いただいて、今の雇用失業情勢の中でこれはじっくりじゃなくて急いで検討していただきたいということをお話しさしていただきたいと思います。
 私個人としましては、均等まで行き着くまでにもし時間がかかるなら均衡でも確保していただきたい、今は少し理由がつきにくい身分差としてのこの賃金差をひとつクリアすることが先決ではないかと、このように思っているところでございます。
 さて、一番最後に締めくくりとして大臣にお聞きしたいと思いますが、今まで同一価値の仕事に対する同一賃金の話をずっとしてまいりました。このもう一つ前の前提は、何が同一価値の仕事かということがあるんだと思います。日本の場合、雇用のミスマッチが大きいというのは、結局、職務概念がはっきりしていない、職種の価値をはかる物差しがない、だからあれだけミスマッチが大きくなってしまう、こういう労働市場なわけです。ですから、むしろ雇用慣行の中で職務を再設計してもらう、デザインを変えてもらう、こういう雇用管理の改善というものがこれからの雇用失業対策の中では非常に大きな問題になってくる、それができれば流動化もしていくと。
 まずは企業の雇用管理を、単に古典的な雇用を守るために周辺のところからリストラしていく、場合によっては中核のところが一番賃金コストが高いのでそこからリストラする、そういうやり方の発想を、今労使も気がついておりますので、行政の方もそれに参加されて、国を挙げて検討していく、そういう方に向いていただきたいと思いますが、最後にこの問題に対する大臣の御決意を伺いまして、十二時一分が私の持ち時間でございます、二分ほどの答弁をいただきたいと思います。
 長時間ありがとうございました。
#70
○国務大臣(坂口力君) 今、委員がお話しになりました内容を私は率直に言って十分に理解ができているのかどうか、ちょっと紛らわしい点がございます。
 現在のこのミスマッチ等の問題を考えてみましたときに、その内容はまことに複雑なものでございまして、なかなか一言で言いがたい状況になっていることも事実でございます。もちろん、先ほど御指摘になりましたように、労使のその基本的な物の考え方、整理の仕方ということも当然これはかかわってくるであろうというふうに思っておりますが、そうした労使の物の考え方を超えた現在の社会の大きな流れと申しますか、そうしたものも大変に大きな影響を与えているというふうに考えている次第でございます。もちろん、労使のお考え方も大事にしながら、社会全体の大きな流れの中でこれからこの雇用の問題を考えていかなければならないというふうに思っております。
 また、先ほども少し委員が途中でお触れになりましたけれども、ややもいたしますと、終身雇用、いわゆる大きい企業あるいは官庁にお勤めになって、そして生涯そこでお勤めになるという終身雇用の問題を中心にしてこの雇用問題を考えがちでございますけれども、やはりもう少し広い範囲で考えなければならないときを迎えているというふうに思います。例えば、大きい企業だけではなくて、いわゆる自営業の皆さん方が今大変多く廃業に追い込まれている、この一年間だけを見ましても七十万ぐらいの減少を来しているというような状況でございますから、もう少しこの雇用問題もそうした幅広い中で考えていくということが大事ではないかというふうに思います。
 そういたしますと、その中で本日のメーンテーマでございますところの育児休業、育児休暇、介護休暇といったような問題も広く取り上げていくことができるのではないかというふうに思います。一部の本当に限られた優秀な企業の中のみでこれが実行されるだけではいけない、広くこれは中小企業も含めて、その中に働く皆さん方がやはりこの法律の恩恵に浴すると言ったら大変言葉は悪うございますけれども、この法律の中に当てはまったことになっていくということが非常に大事ではないかというふうに思っております。
 大体二分来たと思いますので、この辺にさせていただきます。
#71
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#72
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として西山登紀子君が選任されました。
    ─────────────
#73
○委員長(阿部正俊君) 休憩前に引き続き、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#74
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど川橋委員からも詳細な御質問がありましたので、少し重複するかもしれませんが、公明党の立場から質問をさせていただきます。
 まず、男性労働者の育児休業取得の推進についてお伺いをいたします。
 男性の育児休業取得率は、かすかに上昇しておりますけれども、ほとんど進んでいないというのが現状です。男女の役割の分業観とか、伝統的、文化的に形づくられたジェンダーによる男性中心社会になっておりますから、根深い男女差別意識が妨げているのではないかと考えております。新エンゼルプランや本法による育児・介護休業制度などの推進により、仕事と子育ての両立のための就業環境の整備は進んでまいりました。しかし、男性あるいは使用者の意識変革は遅々として進んでおりません。
 厚生労働省は男性の育児休業取得推進のためにどう取り組んでいらっしゃるのか、あるいはどう取り組まれるお考えか、伺わせていただきます。
#75
○国務大臣(坂口力君) 育児休業取得者に占めます男性の割合は平成十一年で二・四%、これは取得された方の中で何%あるかといえば二・四%と、こういうことでございますから、先ほど川橋委員からもお話がありましたように、全体とすれば〇・四二でございますか、少ない数字でございます。しかし、二・四%という数字をどう評価するかでございますが、うちの局長さんあたりから見れば何と低いことかということでございますが、私から見るとそれでも二・四%になってきたかと、こういう気持ちもしないではないわけでございます。
 しかし、これがもう少し上がっていかなければならないことだけは紛れもない事実でございますが、そのためには、午前中にも議論がありましたように、さまざまな角度からやはり子育てには男性も参加をするという意識改革が必要ではないかというふうに思っています。しかし、意識改革だけで進んでいくかといえば、なかなか遅々として進みにくいところもあるわけでございますから、これも川橋議員から御指摘をいただきましたように、やはり法律というものをつくって、それによって少し運動を強化する、あるいは少し力強い引き上げを行うというようなことがなければこれもなかなか進みにくいものだろうというふうに思っています。
 今回、努力義務ではございますけれども、しかしこの法律をつくらせていただきましたことは、男性にとりましても育児休業あるいは育児休暇、そうしたものをとりやすい環境というのは前進するであろうというふうに思っておりますが、この法律をつくります以上、その周辺のさまざまな問題につきましてもひとつ積極的に取り組んでいきたいというふうに思っている次第でございます。
#76
○沢たまき君 私は、やっぱり男性の方の子育てに対する意識が乏しいことが大きな理由ではないかと思っております。妊産婦の健康や子育てに関する知識がない男性がもうまことに多くて、子育ては妻が行うものだと思っている男性がもうほとんどじゃないかと思っております。先ほど大臣もお子さんがこんなに大きくなったかと気がついたのは中学三年になってからだと伺いました。
 そこで、私は妊娠した妻を持つ男性などに対して妊産婦の健康とか子育てに関する知識を付与する機会を与えることが大切だと思います。また、父親の子育て参加を促していくような啓発を行っていくことも重要だろうと思っております。
 今般、仕事と子育ての両立を図るための法律が提出されておりますけれども、法律をつくるだけでは効果は上がりません。やっぱり法律に魂を入れるためにはこうした観点から男性の意識改革を進めることが最重要かと思いますが、いかがでございましょうか。
#77
○副大臣(南野知惠子君) 先生の御指摘、全くそのとおりだというふうに思っております。特に、最近の若い男性はそれでも少しは優しくなってきているのかなと。お願いしたいのは、お産にでも立ち会っていただきたいというふうに思うようなところでございますが、先生がおっしゃっておられます妊産婦や乳幼児の健康、それの保持増進を図るためには母親のみならず父親も、これはもう本当に当然でございまして、母子保健や育児に対する正しい知識を持っていただくことが必要である。そして、特に性意識の成熟が男性にあるならば、これはちょっと極論かもわかりませんが、児童虐待などはなくなるのではないかというのがずっと持ち続けている信念でございます。どうぞ、男性の性的な成熟というものがあらゆる方々にも及ぶようにということを願っているわけでございます。
 こういうことのためには、産婦人科のドクターもおられますので御理解いただき御協力いただけるものと思いますが、このためには各市町村におきまして両親学級などを開催いたしております。単なる両親学級だけじゃなく、思春期教育及び新婚学級または両親学級というようなところが展開されております。婚前学級もその中に含まれていると思いますが、そういうものを開催いたしまして妊娠中の夫婦などに対して妊産婦の健康保持や育児に対する知識の啓発を行っていっているところだと思います。
 私の主張したいのは、ただお互いの夫婦間の問題でなく、いかにして自分のおなかに宿した胎児を父親に紹介するかという、これは妻の役割もあろうかと思いますので、胎児の発育を願っていかなきゃならないというふうに思っております。父母の、それは妊娠ということがわかった時点での両親の受容ということによりおなかの中の赤ちゃんの胎児生活というものは幸せなものになっていくだろうと、そのようなことも念じております。
 また、現在検討会を設けておりますところに母子健康手帳の改正というものがございますが、父親の育児参加の促進という観点からも母子健康手帳に新たな記載を設けていただくべく今検討をお願いいたしております。
 これは今検討中のものでございまして、今までこれはハンドバッグに入れるくらいのハーフサイズぐらいがあったんですが、これは各市町村でいろいろな形にしていただいていいですよということでございます。一番前の表紙のところに母の氏名と子の氏名と書くようなところもございます。これも私懸念いたしますが、これから夫婦別姓になったらどういうふうに表示したらいいのだろうか、ちゃんと保護者というような形をとりながら父親も表に顔を出してよというふうに私も思うところでございます。
 さらにまた、父親の妊娠期間中の妻へのいたわりと同時に、胎児への関心を膨らませてもらうためには、ここの中で母親が胎児に対して語りかけるページもございます、それを夫となる胎児の父親に対してもそのページを利用していただきたい。きょうママのおなかをさわったら君が動いたんだよと、その感激を書いてもらうとか、検査に行ったときに超音波で聞いたそのことの感想を書いてもらう、心臓がどきどきしているところも僕はどういうふうに感じたと、父親の交流を、この紙面を通してやがて読んでくれる子供に対話することも必要であろうかと、そのように思っております。
 以上でございます。
#78
○沢たまき君 大変ありがとうございました。
 居並ぶ男性委員の先生方は苦笑いをなさって、もう皆様方は御使命が終わったようで、お坊ちゃん方にこれをしっかりやっていただこうと。
 次に進ませていただきます。
 また、改正法三十三条で職業生活と家庭生活との両立に関する理解を深めるための措置を国が行うことになっておりますが、配偶者が妊娠した場合、その夫に対し子育て講習会のようなものを、今伺うと、母子手帳の中ではそういうチャンスがありますけれども、講習会のようなものを行ったらいかがかと思いますが、いかがでございましょうか。
#79
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先ほどの副大臣の答弁にもございましたけれども、保健所でもさまざまな取り組みが既になされていると思います。また、これまでは余りやってこなかったと思いますが、地域子育てセンターの整備も進めておりますので、例えばそういうところで先生の御提言のようなプログラムを実施するということも考えられようかというふうに思いますので、どんな機会が最も効果的なのか検討しながら、ぜひその構想は実現させていただきたいと思います。
#80
○沢たまき君 ありがとうございます。
 また次に、先ほど川橋委員の御質問にもございまして、妻が専業主婦であっても産後休暇中である場合は夫の育児休業取得は可能という御答弁がありました。
 この取得状況は把握されていらっしゃいますでしょうか。
#81
○政府参考人(岩田喜美枝君) 妻の産後八週間の期間に限って男性が育児休業をどの程度取得しているかというのは、残念ながら手元にございません。
 午前中にも答弁申し上げましたけれども、七月の閣議決定で父親の産休を全員にとらせるようにという目的でこれから取り組むということにいたしておりますので、その運動をしてまいらないといけないわけでございますが、その中で実施状況といいましょうか、普及状況も把握するように検討してみたいと思います。
#82
○沢たまき君 出産したすぐ後の産後休暇の八週間というのに、男性の育児休暇の取得の促進、いてくれるというのは大変ありがたいことですし、男性にとっても育児の負担を理解したり子育てのノウハウを習得する絶好のチャンスでもあろうかと思っております。
 こういう制度は事業主の方にとっても協力しやすい制度であろうかと思います。これを促進するためにも女性の産後休暇中の父親の育児休暇取得を、ちょうど母体の回復期でもありますし、精神的にも夫がそばにいてくれると大変精神的にも安定いたしますので、回復も早くなろうかと思いますので、これを周知徹底といいましょうか、完全実施というくらいなことで取り組んでいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
#83
○政府参考人(岩田喜美枝君) 現行の育児休業法の中で、例えば妻が専業主婦であっても、産後八週間の間は男性労働者が育児休業を請求できる請求権があるわけでございますが、率直に反省しないといけないんですけれども、そのことを広く十分周知し切れていなかったというふうに思いますので、皆さんもう既に請求権があるわけでございますから、それをこれから周知徹底していきたいというふうに思います。
#84
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。
 私のこれは私見でございますけれども、私もずっと働いておりましたから、この子育てと仕事の両立支援というのはもう本当にきめ細かくてありがたいなという気もしておりますが、ちょうど現役世代の専業主婦の率はどのくらいあるのか、ちょっと調べておりませんけれども、専業主婦のための施策ももう少し手厚く丁寧にやっていただけるとありがたいかなと思っております。
 じゃ、次に進ませていただきます。
 以前ここでもお伺いしたことがありますが、有給休暇の取得について、公務員は時間単位の取得が可能だと先ほど川橋委員のお話で、ああそうなのかと思いましたけれども、民間労働者には認めていられないことが多いようでございます。
 今回の改正案におきましても、勤務時間の短縮等の措置の対象となる子供の年齢を一歳から三歳に引き上げることが盛り込まれたところでございますが、小学校就学前の子供を養育するための時間を確保するということも仕事と子育ての両立を進めていく上で重要だと思っております。
 そこで、短時間勤務制度を含めた勤務時間の短縮等の措置を進めるためには、政府としては今後どのように取り組んでいくおつもりでしょうか、伺います。
#85
○副大臣(南野知惠子君) 先ほど川橋先生の方からもお話がございました部分でございますが、労働者が働きながら子育ての時間をできるだけ確保しようとするためには、勤務時間の短縮の措置を導入促進する、これはもう重要であると考えているのは先生と御一緒でございますが、今回の法案では、勤務時間の短縮などの措置、それの義務づけの対象となる子の年齢を三歳までに引き上げたということについては多としていただきたいとは思いますが、小学校就学前までの子供につきましては、改正前に引き続きまして事業主の努力義務ということになるということでございます。これは措置の導入が進むようにその努力義務規定を設けたということで御理解いただきたいと思いますが、それにつきましては積極的に援助してまいりますということはお誓い申し上げたいと思います。
 具体的には、平成十四年度の概算要求におきまして、小学校就学前までの子供を対象とする勤務時間の短縮など、そういった措置をしていただきましたところについては助成金というものを出そうとする法案づくりにこのたび向かっているわけでございますが、それは大きな企業に対しては大体三十万、中小企業に対しては手厚く四十万というような形で今検討しておるところでございます。小学校就学前まで勤務時間の短縮などの措置が図られますように、こうした施策を活用しながら啓発活動をしてまいりたいと思っております。
#86
○沢たまき君 ありがとうございます。
 その三十万、四十万でどのくらい推進できるか、やっていただく事業主が多くなればいいかなと思っております。
 さて、仕事と両立を推進するファミリーフレンドリー企業に対しても何らかの助成や支援策を講じるべきだと思いますが、どのような現状なんでしょうか。
#87
○政府参考人(岩田喜美枝君) ファミリーフレンドリー企業という、率直に申し上げまして、これはアメリカから輸入された用語でございまして、この概念をやはり広く理解をしていただくというところから始めないといけないというふうに思います。
 ファミリーフレンドリー企業というのは、訳しますと、従業員の家族に優しい企業ということでございまして、仕事と育児や介護や、そういった家族的な責任との両立が図りやすい企業ということでさまざまな制度を、育児休業制度あるいは短時間勤務制度などの制度を整備していただくということはもとよりですけれども、実際にそれを非常に使いやすいように管理職、男性も含めてですね、使いやすいような企業の文化をつくっていただく、これがファミリーフレンドリー企業でございます。
 これを普及するために、平成十一年度より、他企業の模範となるような企業を選定いたしまして、中央では厚生労働大臣表彰、あるいは地方では労働局長表彰などをやっておりまして、それをほかの企業に参考にしていただくということをねらっているわけでございます。
 また、幾つかの助成金も今申し上げましたようなファミリーフレンドリー企業という概念を普及するために有効であるというふうに思っておりまして、先ほどの副大臣の御答弁の中にもありましたけれども、平成十四年度の概算要求では、従来からある給付金に加えまして、一つは育児両立支援奨励金、これは小学校に入学するまでの子供に対しまして短時間勤務等の措置を導入した企業にお支払いしたいと思っているわけですが、そのような奨励金ですとか、今回、努力義務としております看護休暇制度を導入した企業に対する奨励金なども盛り込んでいるところでございます。こういった奨励金も積極的に活用しながらファミリーフレンドリー企業の取り組みを進めてまいりたいというふうに思います。
#88
○沢たまき君 ありがとうございました。
 こういう企業がたくさん出てくれれば法律もつくったかいがあるというものでございます。
 次に、専業主婦の支援の事業について伺います。
 働く婦人の仕事と生活の両立というのは、女性の社会参加の推進から、小泉総理みずからの陣頭指揮で進められております。しかしまた、地域における子育ての支援も大変重要な課題であります。専業主婦にとって、夫は仕事で遅い、地域には友人はいない、子供と二人きりということで育児ノイローゼの悩みを訴えられます。
 厚生労働省は、平成十四年度概算要求において、つどいの広場事業の創設を考えていらっしゃるようでございますが、その内容について御説明をいただきたいと思います。
#89
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児の孤立感というのは大変問題があるようでございます。統計なども見ておりますけれども、働いている女性以上に専業主婦の間で育児に対する不安ですとか閉塞感が高いという問題があるように思います。
 そういうことを背景にいたしまして、平成十四年度の概算要求に盛り込みましたつどいの広場というのは、子育て中の親が子供を連れて気楽に集って、打ち解けた雰囲気の中で交流をすると。何か特別に大きなイベントをするとかそういうことではございませんで、いつでも好きなときに子供を連れて同じような子育て中の親と交流ができるという本当にシンプルな事業でございますけれども、諸外国の例も勉強させていただきましたが、例えばカナダではこういう事業が非常に成功しているということもわかりましたので十四年度の概算要求に盛り込んだところでございます。
 具体的には、例えばですが、公共施設内のあいているスペースを活用したり、商店街の空き店舗など既にあります資源といいましょうか、それを活用するというようなところがよろしいんではないかというふうに思いますが、子育て親子が交流できる場を提供する、そしてそこに子育てのアドバイザーを配置いたしまして、必要であればいろいろ相談に乗ったり情報提供したりすることができるといったような事業でございます。
#90
○沢たまき君 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりでございまして、専業主婦からは本当に子育てが大変で、働いている方の方がいいわねと言われて、苦情をいただいております。今、全国にファミリー・サポート・センターは拡大されておりますけれども、申し上げましたように、専業主婦から見ますともう少し手軽にということで、今つどいの広場を公共の建物、商店街ということで、本当に概算要求ではたくさん予算をとるように私どもも頑張りますけれども、これはぜひしっかりと取り組んでやっていただきたいなと思っております。
 育児休業取得の普及によりまして女性の社会参加が促進されておりますが、妊娠とか出産とか育児、介護など、さまざまな理由で一たん仕事を中断して家庭に入った女性の皆さんが再就職を希望する場合の支援、これも極めて大事だろうと思っております。
 乳幼児を抱えて求職活動をしている女性のために、例えばハローワークの中で、職を探しに行ったところで保育所だとかあるいはサポートセンターとか、育児関連の情報というのも同時に提供していただけるとありがたいという声もいただいておるんですが、いかがでございましょうか。
#91
○政府参考人(岩田喜美枝君) ハローワークの取り組みの前にちょっと御紹介したいことがございますが、二十一世紀職業財団という公益法人で、そちらに事業を委託して実施をしているわけですけれども、これは育児関係の情報を、本当に地域の日常的な育児関係の情報を集積しておりまして、利用者からの電話の照会に応じてお答えをして情報提供しているという事業がございまして、これを応援の意味を込めてフレーフレー・テレフォンサービスと言っておりますが、こういう事業を二十一世紀職業財団に委託をして厚生労働省としてやっております。
 また、こども未来財団におきまして、i―子育てネットという、これはインターネットを通じた地域の子育て情報の提供の仕組みでございまして、こういうサービスも今年度から始めております。
 先生お尋ねの、求職活動をする場であるハローワークでそういう情報の提供をしてもらえないかということでございますけれども、率直に申し上げまして、今すべてのハローワークでそういうことができているということではないようでございます。
 ハローワークの中でも、全国に十二カ所あります両立支援ハローワーク、特に子育てをしながら仕事を探して両立させたい、育児のために一たん休職した人が再就職のために職探しをすることを念頭に置いた専門のハローワークがございます。ここでは、都道府県労働局の雇用均等室や先ほど申し上げました二十一世紀職業財団、各都道府県レベルで地方事務所がございますので、そういうところと日常的に連携を図りながら仕事と子育ての両立支援関係の情報も共有しておりますから、そういう活動をこれからまたしっかりやっていっていただきたいというふうに思っております。
#92
○沢たまき君 では、最後になりますが、育児と介護で退職した女性の皆さんが職場復帰しやすいよう環境の整備が必要だと思いますけれども、厚生労働省はどのような対策をお持ちでしょうか。それを伺って、もう時間になりますので、終わらせていただきます。
#93
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子育てなどのために一たん離職した方が、相当の期間を置いて再就職するというのは大変でございます。そういうことで、そういう方たちを支援するために、先ほども出てまいりましたが、財団法人二十一世紀職業財団に委託しまして再就職の支援事業をやっております。
 具体的な内容ですけれども、育児や介護のために退職をする方で、将来的に再就職をしたい、復帰したいというふうに希望なさっている方を登録するという登録事業をやっております。そして、登録をなさった方には、産業界どんどん変わってまいりますので、そういう仕事に関連する情報を定期的に提供いたしましたり、また職業意識の維持や職業能力の維持、再開発のためにセミナー、カウンセリング等をやっているところでございます。
 また、この事業の中で自己啓発のための教育訓練の受講の奨励もやっておりまして、受講をいたしました費用の一定割合を助成するという仕組みも持っているところでございます。この受講奨励のための制度はこれまですべての都道府県ではやられておりませんで、現在三十三の都道府県でやっておりますけれども、これを早急にすべての都道府県で実施をしたいということで、十四年度の概算要求ではすべての都道府県で実施できるような予算をお願いしたところでございます。
#94
○沢たまき君 もう少し伺おうと思ったんですが、もうちょっとなくなってしまったので、あと一回だけ聞かせていただきます。
 看護休暇についてですけれども、転勤についての配慮とか、国による意識啓発などに関する規定が新設されたことについては一歩進めるものだろうと思っておりますが、特に看護休暇について、子供の看護のために有給休暇を残している人が多くて年休の取得率を高める上で大変妨げにもなっていることから、ぜひこの制度の導入が望まれるところです。しかし、本改正では努力義務にとどまっておりますが、普及が進むのか心配なんです。とにかく一歩踏み出すとの一点については評価いたしますが、実効性を持たせるために厚生労働省はどんな対策を、どんな政策を推進していくおつもりかを伺って、終わらせていただきます。
#95
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子供の看護休暇制度の普及につきましては、この改正法が成立しました暁にはまず改正法の内容の周知を地方の労働局を挙げて集中的にやってまいりたいというふうに思っております。
 また、先ほどの御説明の中とも重複いたしますけれども、平成十四年度の概算要求では子供の看護休暇制度を設けた事業主に対する助成金を支給するということもお願いいたしておりまして、こういう助成金も使いながら最終的にはやはり事業主に理解していただく、あるいは労使でよくお話をしていただいて制度の導入を進めていただくということが大事でございますので、労使の取り組みを促す、そういうことを私どもとしては努力してまいりたいと思います。
#96
○沢たまき君 ありがとうございました。
#97
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 私は、皆さんも触れられた、まず不利益扱いの問題について質問をしたいというふうに思います。
 本改正法案によって、育児休業を取得したことを理由とした解雇禁止、これを解雇その他の不利益扱いの禁止としました。そのほか、不利益扱いについて、せめて育児休業を取得したことを理由とした賃金、そして昇給また昇格などの不利益と、こういうふうに明記していただければ大変いいというふうに思っておりまして、私ども共産党はそこを一生懸命今提案しているところでございます。
 私は、まず女性労働者の現状、特に育児休業法、介護休業法の問題と関連しまして、現状がどうなっているかということを少し触れたいというふうに思います。
 育児時間をとったり残業ができないということで、産休復帰後、それまでの人事査定が最低ランクに下げられてしまい、そして同じ年代の男性はもちろん、未婚の女性と比べても賃金格差が百万円単位で抑えられ、そして定年後の年金額にはね返るというような現状にあるわけです。
 ほかの会社ですけれども、Aさんは第一子を出産し、産前産後休暇と、そして年休で五カ月の休暇をもらいましたら本俸の昇給額は八十円から七十円に下げられてしまった。その後、今度は第二子を出産いたします。二カ月の育児休業を取得しましたら本俸昇給額はさらに七十円から五十円になり、資格給は据え置きになってしまったというんです。
 また、Bさんは第一子を出産しました。産前産後休暇を十四週とりました。そして、育児時間を一年取得しました。本俸アップ額は四十円から三十五円に下がってしまいました。そして、資格給もアップなしになってしまったというんです。
 育児休業を活用することによって、男女の差はもちろんですけれども、女性の間でも大きな賃金格差が出ているというのが今日の現状でございます。このような賃金格差がその後の退職金にももちろん影響しますし、また、年金は本当に今男性の半分しかないわけなんですけれども、年金額にもはね返っていることで、言ってみれば二重に格差がつくられているということを私たちはここからとらえることが重要ではないかなというふうに思っております。
 休業や、また時間外労働の免除申請、そしてまた短時間勤務制度の利用など、育児休業・介護休業法の制度を利用したことに対するあらゆる不利益扱いを禁止することをやはり徹底していかなければいけないと思うわけなんです。
 そこで、質問をいたしますけれども、解雇その他の不利益扱いというのは具体的にはどういうことなのかということなんです。
 育児休業取得復帰後に人事考課で低いランクに抑えられ続けているというケースは不利益扱いということでいいんですよね。
 さらに、休業を利用したことに対して昇進がおくれることも不利益扱いということが言えるのではないかと私は考えておりますが、そういうことでいいのでしょうか、御答弁を願います。
#98
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業を取得したことを理由とする不利益取り扱いの具体的な内容は、法律施行後、厚生労働大臣が指針でなるべく具体的に明らかにしたいというふうに思っております。
 今、先生の方から二つのケースについて具体的なお尋ねがございましたが、まず第一の降格についてでございます。周辺の事情をすべてわかっているわけではございませんけれども、一般的に申し上げますと、先生御指摘の降格は不利益取り扱いに該当するというふうに考えられると思います。
 もう一つの御指摘の育児休業を取得したことを理由とした昇格や昇給のおくれの問題についてでございますけれども、これは専ら休業期間中働かなかった、そのことだけを反映したものであれば直ちに不利益な取り扱いにはならないというふうに思いますけれども、実際に休んだ期間以上にマイナスに評価をされるということであれば、それは不利益な取り扱いになるというふうに考えております。
#99
○井上美代君 何しろ、できるだけ法文できちんと明記してほしいというのが私どもの願いでございます。
 今、指針で定めるということを言われました。指針には降格などということを列挙をされるというふうに聞いているんですけれども、出産や育児をしている労働者に対して、残業ができないから労働の質と量がダウンする、こういうふうに言って、一律に低い人事考課を行い、そして低いランクのままその後も賃金が抑えられるという例があるわけなんです。これは改正案の言うところの不利益扱いに当たると考えるのです。
 先ほど、降格の問題はいろいろ環境の問題はあるかもしれないけれども不利益扱いだということを言われましたけれども、短時間勤務制度の利用、そして時間外労働の免除、また深夜労働の免除など、この制度を利用したということを理由としての不利益扱いについてどう扱うのかということ、これをお聞きしたいと思います。そして、昇給をストップすることはやはり不利益になるのではないかということなんですけれども、このこともあわせて御答弁を願いたいというふうに思います。
#100
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正法案に盛り込んでおります不利益取り扱いは、育児休業及び介護休業の申請または取得を理由とした不利益取り扱いでございまして、先生が今お尋ねの時間外労働の制限の制度、あるいは深夜業の制限の制度、短時間勤務の制度、これらについては、今回、改正法の中で不利益取り扱いを規定したその対象に直接入っているわけではございません。
 ただ、考え方といたしましては、法律におきまして、労働者に例えば時間外労働の制限について請求することができる権利を認めたわけでございますから、そういった権利を抑制させるようなことがありますと制度の趣旨を没却させるということになりますので、例えば時間外労働の制限の請求をしたということを理由とした不利益な取り扱いはあってはならないと、これは当然でございます。
 また、従来の育児休業・介護休業法の中に盛り込まれておりました短時間勤務の制度の利用、あるいは深夜業の制限の制度の利用、これらにつきましては、そういう制度を利用したということを理由とした不利益取り扱いがあってはならないということは、それぞれ既に指針の中で明記をいたしております。
#101
○井上美代君 時間外労働の免除を請求したことをもって昇給ストップは不利益扱いということですよね。これについて、私はぜひ指針の中で押さえてほしいというふうに思っているんです。それで、きのう大臣にもお目にかかりながらみんなと一緒にお願いしたこともありましたけれども、私といたしましてはこの昇給ストップは不利益扱いだということもぜひ指針で触れてほしいというふうに思っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。御答弁、お願いします。
#102
○国務大臣(坂口力君) この部分は指針の中に明確に示したいと思っております。
#103
○井上美代君 やはり一つでも入れていただくと。本当に、今裁判までしなきゃいけないというようなそういう現状になっている今日の女性労働者のことを思うと、私もとてもじっとしていられないようなそういう思いになるんですけれども、ぜひ一つでも多くのことを指針の中で内容として明確に入れていただきたいというふうに思います。
 二十八条のところに指針を決めて公表すると、こういうふうになっておりまして、短時間勤務制などについては該当条文となっていますし、深夜の勤務も、先ほど御答弁がありましたように、指針として出されております。だから、そういう点で、これが明記されれば、時間外労働の問題が明記されればもっと女性労働者のところにはっきりそれが見えてくるのではないかなというふうに思っております。
 次に、私は育児休業、介護休業の取得の際にその分昇給がおくれることも不利益扱いとすべきだと思っております。
 先ほど、指針では休業期間を超えて昇給が抑えられるということについて不利益扱いということなのですけれども、働き続けたいからこそ私はこの休業制度を利用するんだと思うんですね。だから、雇用関係は続いているんだし、権利を取得したことをもって昇給をおくらせるということは子育てしている人にやはりペナルティーをかけるんじゃないかと、そういうものになるんじゃないかというふうに思うんです。だから、ぜひ、この制度を活用した、そこで不利益になる、権利を取得したことをもって昇給、昇進をおくらせるということにならないようにしてほしいというふうに思っているんです。
 休業制度はあってもその分賃金が上がりませんよと、こういうふうに企業主に言われた場合には、やはりこれは何のための育児・介護休業の法律なのかと疑問になるんですね。だから、そういう意味で、雇用関係が続いており、権利を取得したことをもって昇進をおくらせるということもやはり不利益な扱いだというふうに思いますので、その点について御答弁をお願いしたいというふうに思いますが、私は一つ例も挙げたいんです。
 その例は、航空会社の客室乗務員をしている人たちのことなんですけれども、私のところに問い合わせがありました。新聞報道で育児休業、介護休業の改正が行われるということで、どういう内容なのかということでした。会社の制度をもっと改善したいと自分たちは思っているのだということです。彼女たちが言うには、育児休業を取得したら人事考課がマイナス査定となって昇給がおくれたというんですね。これは文書もまた後でもらいましたので、それを見てみますと、確かに昇給がおくれているんですね。しかし、客室乗務員の場合には、休業をとらなければ、幾ら泊まり勤務をせずに日勤専門にするとしても、早朝の勤務なんですね。非常に早くから会社へ出てきます。五時過ぎなどに家を出てそして帰りも深夜になるという、こういう大変な仕事がこの客室乗務員です。
 それで、時間も非常に変則ですし、ベビーシッターや保育所との関係でも本当に日々調整をするのが大変だというふうに言っていらっしゃるんですね。だから、おばあちゃんだとかおじいちゃんだとかに本当に頼りながら仕事を続けなければいけないということなんですね。だから、せめて乳児のときは休業を利用しながら子供を育てていきたいというふうに言っている人が多いわけなんです。
 こういう職場では休業制度があるからこそ言ってみれば働き続けられるというふうに言っていいと思うんですね。本当に制度がなければこのような航空会社の客室乗務員などというのはできないことだというふうに思います。
 休業制度を利用しなければ事実上働き続けられないという、こういう職種というのはもう待ったがきかないと思うんです。休業をとったことについて昇給をその分おくらせるということはやはり不利益扱い、まさに不利益扱いそのものだと私は思っているんですけれども、一般的にはいろいろあるでしょうけれども、職種の特殊性においても、昇給をおくらせるということが不利益に当たるとも考えるべきではないかと思っているわけなんです。この点を御答弁願いたいと思います。
#104
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業の取得をしたことを理由とした昇給の延伸が不利益取り扱いに該当するかどうかということをある業界の例を挙げてお尋ねになりました。
 非常にシンプルに例をお示ししてお答えしたいと思いますが、例えば一年間育児休業をとったと仮定いたしまして、そのために昇給が一年おくれたということについてどう考えるかということがまずあろうかというふうに思いますが、私は、育児休業制度というのは、それがなければ出産、育児のために仕事をやめざるを得なかった方が、そうではなくて雇用関係を継続して復帰できるという、そういう目的を持った制度であるというふうに思うわけでございますが、そういった育児休業制度が実際に取得できやすいような環境をつくるためにも不利益取り扱いをはっきり明示をして、不利益取り扱いがあってはならないということを徹底するということは非常に大事だというふうに思います。
 またもう一方で、やはりノーワーク・ノーペイという原則もあるということだと思いますので、それも含めてどう判断するかということだと思いますが、一年間の育児休業をとって一年間の昇給延伸というのは不利益取り扱いとは一般的には言えないのではないかというふうに思っております。これが例えば一年以上昇給が延伸されるということがあれば、これは不利益取り扱いであるということで指針に盛り込んでいきたいというふうに思っておりますが、今申し上げておりますのは私ども事務局の考えでございますので、法律が成立した暁には審議会で御議論いただいた上で決めていきたいというふうに思っているわけでございます。
 航空業界の客室乗務員の子育てとの両立の困難さのお話がございまして、困難であるという状況はよく理解できるわけでございますが、不利益取り扱いのルールを決めるときに、一定の業界ですとか一定の職種特有の基準をつくることがいいのかどうか、そういうことが必要かどうかということについては私は慎重に考えるべきではないかというふうに思っております。
 早朝、深夜の勤務というのはほかの業界、ほかの職種もありますでしょうし、指針において取り上げたいというふうに思っておりますのは、すべての職種に共通した基準として、客観的な基準として、それが争われた場合には民事上も無効となるようなそういう基準を指針で明らかにしていくということを検討してまいりたいと思っております。
#105
○井上美代君 やはり、私は休業後の人事考課のマイナス査定、休業中のマイナス査定、いろいろケース・バイ・ケースで判断していかなければいけないのではないかと思っておりますので、ぜひその点は検討していただきたいというふうに思います。
 あと、航空会社の各社の様子をいろいろ調べました。その中で、妊婦については気圧の変化などを伴う航空機の乗務は危険とされております。そのため、ある会社では妊娠確認とともに地上勤務にするところもあるし、また別の会社では妊娠確認したら休職扱いとしてしまうところもあるわけなんですね。そして、妊娠、出産の後、産休、育休と、言ってみればかなり長期にわたって休業することになります。その分、昇進、昇格、昇給、これがおくれることになるということがあるんですね。
 航空会社でも地上勤務に切りかえている会社もあるんですけれども、機械的に休職扱いにするのではなくて、やはり労働を軽減させる措置というのをとるべきではないかなというふうに思っているんですけれども、これについてはどのようにお考えになるでしょうか。
#106
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生御指摘の妊娠中の軽易業務への転換でございますが、これは労働基準法第六十五条の中に規定されているわけですけれども、第三項、「使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。」という規定でございまして、妊娠中の女性が他の業務に転換をしたいということで請求があった場合には、使用者は他の軽易な業務に転換させなければならないということをはっきりうたっております。
 そういうことでございますので、事業主はそういった対応をしていただかないといけないわけでございますが、もしそういうことに反するようなことがございましたら、個別の問題として行政指導をするということになります。
#107
○井上美代君 聞けばいろいろ現場にはたくさんの問題があるということを感じているんですけれども、休業を取得した際に、指針には降格や、そしてまた身分の転換、休業期間以上の昇進ストップなどを列記するということを聞いておりますが、そういうはっきりとしたケースのみしか列記されずに、それ以外は不利益扱いに当たらないとならないように、この法の趣旨というのを事業者にもう本当に徹底していただきたいというふうに思うんですね。やはりそこが徹底しませんと、例示をしていただいても、列記をしていただいてもなかなか変わらない現実、それがある。だから、長年にわたって不利益扱い、これはもう出産休暇にしましても、本当に女性がとるいろんな母性のための休暇に対していろんな嫌がらせや圧力がかかってくるわけですね。
 だから、そういう意味で私は降格や身分転換、そして休業期間以上の言ってみれば昇給遅延さえしなければいいのかということではないと思うんですね。だから、列記はあくまでも一つの例として例示をされるということになるんじゃないかと思うんですね。だから、それ以外も、見えないものもあるわけですから、それが例示されている以外にも出てくるわけですから、そこのところがわかるようにやはり指針をつくっていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#108
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児・介護休業の申請あるいは取得を理由とした不利益取り扱いに該当する行為にはさまざまなものがあるというふうに考えられます。したがいまして、指針を策定する場合にそれらすべてが網羅的に列挙されるということにはならないというふうに思います。
 したがいまして、御指摘のように、指針で具体的に例示されていない行為につきましては、それが不利益な取り扱いに該当するかどうかということを個々具体的に判断をする必要があるというふうに思っておりまして、そういう意味では指針に取り上げられるケースというのは代表的な例示であって、それ以外のものも不利益取り扱いはもちろんやってはいけないし、何が不利益取り扱いかということについては個々に判断するという、そういう趣旨のことを事業主など関係者に十分周知していきたいと思います。
#109
○井上美代君 女性労働者はもう長年そういう差別の中に置かれておりまして、もうなかなかそれは職場では、特に今競争原理、市場原理が動いているときでありますので、そういう点でも大変ですので、ぜひこの指針というものの中で明確になるように書いていただきたいということを再度お願い申し上げまして、次の質問に移っていきたいと思います。
 次は、配慮義務について質問をさせていただきます。
 復帰後の配転について、配転をして事実上復帰しにくいようにしたり、そしてまた休業をとると転勤させられるということがあれば事実上取得できにくくなるというふうに思うんですね。実際には、これまでも別居配転というようなものもありました。御夫婦が別々に遠いところにやらされるということも配転という形でやられたわけなんです。そしてまた、単身の赴任命令なども出して働き続ける女性にプレッシャーをかけてきたケースというのは言ってみれば幾らでも、私がいろいろ関係してきただけでも幾つも挙げることができるんですね。だから、育児休業対象者の配転というのは本人の同意を前提とすべきだと思うんです。家族の関係もあるし、自分の体の状態もあるし、いろいろあると思うんですね。配慮義務というふうになっているんですけれども、いろんな本人同意を得ないでやるなんということがあったら、これは大変だと思うんです。ぽんとどこかへ出されてしまうなどということでは困ると思うんですね。だから、配慮義務の内容はどういうことなのかということを御答弁願いたいと思います。
#110
○政府参考人(岩田喜美枝君) 転勤の対象となり得る労働者への配慮の具体的な内容についてですが、一つは育児や介護の現状ですね、どういう状況に労働者やその家族があるのかということをしっかり把握するということ、そしてもう一つは労働者本人の意向をしんしゃくすること、これらが配慮の内容になるというふうに考えます。
#111
○井上美代君 配慮というふうに聞いたときに、やはり事業主に求められている配慮かなと私は思ったわけなんですけれども、きちんと本人の意思もそこに反映するということでよろしいんですね。
#112
○政府参考人(岩田喜美枝君) 一律、自動的に本人の同意を条件とするという意味では、そういうことでは必ずしもございませんけれども、労働者本人の意向を十分しんしゃくするということは大変重要な配慮だと思います。
#113
○井上美代君 やはり、事業主が育児をするわけではないわけですから、労働者自身が育児を、介護をするわけですから、本人自身がそれが両立できる、働き続けたいと思っているわけですから、それが両立できるかできないか、その判断、希望をしっかりと聞くということで今御答弁をいただきました。
 本人の希望を聞かずに配転命令を出すことは、やはりそれは今この法律の中にある配慮とは言えないんだということで受けとめましたが、それでよろしいですね。
#114
○政府参考人(岩田喜美枝君) はい。本人の意向を聞くことなく転勤の命令を出すということについては、仕事と育児や介護の両立のために、転勤に当たって、配置転換に当たって配慮を行うべきであるという、こういう事業主の配慮の義務に違反をしているというふうに思いますので、そういう事案については都道府県の労働局で指導をするということになると思います。
#115
○井上美代君 かなり配慮というのがはっきりしてきたというふうに思います。
 今まで、やはり転勤命令というふうになりますと、主観的に私ども思うのは、事業主が配慮したんだと言えば許されることがありましたけれども、そういうことがあってはならないというふうに私も思います。転勤命令は、やはりその労働者の生活を破壊しますし、また家族も破壊されるということもあります。だから絶対的なものではないんだと、本人の希望や判断、こういうものをきちんと反映させる、そういう配慮の要素というのは大きいんだということを私は今お聞きしながら思ったところです。
 本来だったら、私は、それだけはっきりしているんだったら法文の中に明記すべきだというふうに思っておりますけれども、せめてその指針や通達の中でそこが、地方の労働局が指導されるにしても、会社が受け取るにしましても、はっきりとわかるようにお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、また次に移っていきますが、私は子供の看護休暇の問題でお聞きをしたいと思います。
 法案は、子供のための看護休暇を努力義務としております。このことは非常にまだまだ本当に不十分なことで、衆議院の修正でそのための促進の努力をするという、半歩進められまして、私どもはそれだけではいけないだろうというふうに思いました。
 特に、私たち党では家族の病気など家族休暇を義務規定とする提案をこれまでやってまいりました。子供の病気や保育園などの行事の出席のための休暇、そして配偶者の、例えば妻の出産の際の夫の出産休暇、これは先ほど御答弁いただきましたけれども、そういうことをずっと言い続けてきたわけなんですけれども、特に今、乳幼児時期の発熱やアレルギー疾患が子供たちのところには本当に広がっているんですね。だから、子供が体調を崩して、夜中に眠れない赤ちゃんも多いですし、子供ももう中学生になってもまだアレルギー性疾患で悩んでいるんですね。子供たちのための看護休暇というのは非常に切実であるというふうに思うんです。
 連合調査でも最も切実な要求となっているということが出ておりますけれども、私たちの案でいきますと、病気以外の保育園行事、例えば入園式、卒園式、運動会、発表会などの出席も含めるべきだというふうに提案しているわけなんです。病気じゃなくても、これらの行事というのが子供の発達を確認し、そして地域の子育ての共同を広げることであるというふうに考えているからなんです。父母も保育士も手を携えて子育てを進めていくためには本当に大切な行事だというふうに思うんですね。そしてまた、そこに夫や妻も手を携えて、子供の育てられている現場で子育てについて考えてみるということは非常に意味のあることではないかなと思っているんです。
 これは私も体験上思っておりますが、ずっと働き続けてきて、そして入園だとかそしてまた卒園だとか運動会に行って子供の姿を見ます。その学校や保育園の場に立ってみますと、本当に自分の子育てがこれまでのことでよかっただろうかというのを改めて反省するんですね。そして、自分の子供にあそこが足りなかった、ここが足りなかったということもありますので、そういう点でも私は、ぜひこの入園式だとか卒園式、また運動会などに行くことについても家族の休暇として保障がされるようになれば、子供を産んで育てるということも大変力強く、本当に下をうつむかないでやっていけるんじゃないかなというふうに思うんです。
 それで、私は大臣にお尋ねをしたいんですけれども、政府の育児・介護を行う労働者の生活と就業の実態等に関する調査結果でも、仕事と家庭を両立するために必要と思う対策のトップというのはこの子供のための看護休暇だということなんです。現在は年休などを使っているのが実情なんですけれども、しかしながら育児休業復帰後が年度途中だとその分年休日数が少ないので欠勤扱いとなってしまうケースもあるわけなんです。また、年休取得率は八〇年代以降、最低を更新し続けていることは衆議院でも質問が出たところであります。
 年休の理由は子供や自分の病気のためが圧倒的になっております。本来、余暇のために活用すべきですが、病気のためが最大の理由となっているという、結局年にどれほど病気になるかわからないので、年休取得率を上げて、そして年労働時間一千八百時間をまじめに政府として達成させようというのならば、私は子供のための看護休暇、これが非常に重要だと。これがあってこそ安心して年休もとれるというようにしなければならない。ますます長時間労働が進むことになるような状況にありますので、そういう点でも非常に重要だというふうに思っているんです。
 大臣、子供たちのための看護休暇、検討してみるということを川橋さんの質問のところで答弁してくださったというふうに私聞いておりましたけれども、労働者の請求権とすべきだというふうに思っております。そして、そうでなければ、なかなかこれが周りの人たちへの配慮とかそういうものでとれなくなるんですね。だから、私は、もう一歩踏み込んで請求権として経過措置をとりながらでもこれを導入するということでやっていただけないだろうかということを大臣にお尋ねしたいというふうに思います。いかがでしょうか。
#116
○国務大臣(坂口力君) 随分お話をいただきましたので、どこに落ちつくのかなと思いながら聞かせていただいておりました。結局、御指摘になりましたのは、いわゆる看護休暇というものをもう少し前進させてはどうかという御主張であったというふうに思います。
 一応、努力義務ということにいたしておりますけれども、しかし今回この問題をここに取り上げましたのは、今までの諸般の事情を踏まえて、かなり踏み込んでここまで来たというふうに思っております。これを一足飛びにもう義務というふうにしてしまうところまで行ければそれは問題ないわけでございますが、しかし、きょう午前中にも御答弁を申しましたとおり、一度になかなかそこまで行きますのにはいろいろと検討をしなければならない問題もあり、また周辺の整備を必要とするところもございます。この問題だけ飛び抜けて行いましても、その周辺が整備をされておりませんといろいろの問題も起こるわけでございますので、全体のレベルを一歩一歩やはり上げていかなければならないというふうに思います。
 そういう意味で、今回、全体のレベルを一歩上げるために役立つというふうに思っておりますし、周辺の整備ができましたならば、さらにもう一歩また前に進めることができるというふうに思っております。
 どうかひとつ、そうした意味で、歩みは少しのろいかもしれませんけれども、徐々に前向きに歩き続けておりますことに御評価をいただきたいと存じます。
#117
○井上美代君 御答弁いただきましたけれども、きのう大臣のところにお伺いしてお願いを申し上げたのは、並々ならない思いで伺ったわけなんです。女性の皆さん方と御一緒でしたけれども、いろいろとこれから周りのことも整備してというようなお話だったんですけれども、これは特別に、どうしても子供の病気ということで帰れない女性たちのことを思いながら私たちは行きました。子供というのはもうあしたがありませんので、三年後などということにはなっては困るんです。
 だから、そういう意味でも、私はできるだけ早急に検討してほしいというふうに思うんですけれども、その辺の時間的なことも含めまして、大臣、いかがでしょうか。
#118
○国務大臣(坂口力君) 私も並々ならぬ思いで聞かせていただいたわけでございまして、御趣旨は十分にわかっているつもりでおります。
 こういう法律でございますから、それは年々歳々いろいろの、諸般のことを考えながら改革もしていかなければならないわけでございますから、これがいつまでというふうに期限を切ることはなかなかできませんけれども、できるだけ早く所期の目的が達成できるような方向に行くことを私も期待いたしているところでございます。
#119
○井上美代君 もう本当に働く全女性がそれを待ってじっと見詰めておりますので、きょうも傍聴席に皆さんおいでになっておりますけれども、ぜひ実現させてもらいたいと思います。
 私は、ある女性から話を聞きました。季節の変わり目などは毎週のように子供が調子を崩して本当に困った、これでは普通の会社では働き続けられないと、このように言われました。また、全労連の話を聞きました。共働きの子育てで一番大変なのは子供の病気、特にはしかやおたふく風邪、水ぼうそうなど、長くかかるものですから、そういう病気では遠くの親に無理を言って来てもらわざるを得ませんと、こういうふうに言っていらっしゃるんですね。
 私も私の小さい子供を育てたころのことを思い出していたんです。私も、この法定伝染病にかかると、新潟にいる親戚のところに預けに行っておりました。そのころはとき号でしたから、ちょっと遠かったんですけれども、そのようにして何とか乗り切ったわけなんですけれども、やはり今日の若い、ヤングママの間でも御苦労しておられるんだなということを思っております。
 そのほか、子供がはしかになったとき長くは休めず、心を鬼にして子供をひとり家に残して出勤せざるを得なかった、心配で仕事も手につかなかった、病気のときぐらい休めるようにしたいと、このように言っておられます。また、別な人は一歳から保育園に預け、一カ月で四回、三十八度の発熱をした、年休は子供の病気で使い切ってしまった、子供の看護休暇がどうしても欲しいと、こういうふうに言っておられて、やはり現場の労働者たちがどんなにいろんな苦労をしながらやってこられているのかということがわかります。
 私はそういう思いできのうも大臣のところに野党の女性議員と一緒に行ってお願いをしていたわけなんです。何しろ早急に、できるだけ早く考えていくというふうに答弁いただきましたので、本当はもうみんな野党の女性たちはもっと進んだ答弁をしてほしいと思っているんですけれども、まずは先に、まだ問題をいっぱい持っておりますので、進みたいというふうに思います。私は、もう本当に一年後の施行として、今回やはりもう一歩、経過措置としてでもやってほしいというのが思いであるということをもう一度強調しておきます。
 それで、あと時間外労働の免除について移っていきたいと思います。
 今回の改正案では、労基法の女子保護規定撤廃を行ったための激変緩和措置を、育児休業・介護休業法で、就学前の子供を持ったり介護を要する家族がいる場合、年百五十時間以上、月でいいまして二十四時間以上の時間外労働の免除請求権を与えるというものです。
 女性労働者が対象であったものを男女労働者としたことは本当に前進であると思います。請求しやすい環境にすることがいよいよ大事になってきていると思います。
 私は、ここに一つのある女性から参りましたメッセージ、お手紙を持っております。その手紙には、やはり家庭が本当に妻の孤独な子育てと、そしてまた夫の長時間労働が書かれているんです。「私の家は夫と男の子二人の四人家族です。夫は結婚当初から現在までずっと仕事が忙しく、十二時前に帰ってきたことは数えるほどしかありません。今はすっかり夫が家にいない生活に慣れてしまって、土・日に夫がいるとかえって生活のリズムがくるって疲れてしまいます。」、長いですので飛び飛びでいきますが、「何のために結婚したんだろうと毎日のように泣いていました。さすがに今は泣くことはありませんが、夫に頼れないということで精神的にプレッシャーは感じています。」「平日は仕事ばかりで休日も休息第一で何もできない夫もかわいそうですが、子どももかわいそうです。」、そういうふうにずっといろいろ家庭のことが書いてあって、本当に家族が大変だということがわかります。今度は夫のことを心配しているんですが、「何といっても一番の心配は夫の体です。今はまだ若くて無理がきくかもしれませんが、このままではいつか倒れるんじゃないか本当に心配です。時々おべんとうを持っていきますが、三食のうち二食が外食というのも体に悪いし、お金もかかるし、いいことありません。」と、このように書いておられるんですね。
 深夜の免除や時間外労働年百五十時間以上の免除の対象は、ほかに養育者がいれば請求できないことになっていますよね。これは、今御紹介いたしました家庭は決して特別の家庭ではないんです。恐らく皆様方忙しい方ばかりですので、ここにおいでになる方々は、だから家庭でも結構このような状況がつくり出されているのではないかというふうに心配をするわけなんです。
 やはり、共働きの場合にはまだ週に何回かはお父さんがお迎えに行くなどということもせざるを得ないから父母で分担したりということもありますけれども、一方、家に妻がいるというケースの方が夫は長時間労働しているのが多いわけなんですね。結果として、家族そろって夕食を食べていない。日本の食卓の風景において、かつては本当に夕食はみんなでやるというものでした。しかし、今はもう本当に珍しい姿になっているんです。
 新日本婦人の会の九八年の発表ですので、ちょっとまだ幾らか名残があったころだろうというふうに私は思っております。働く女性の健康アンケートで出ました数字では、家族そろって夕食は週に一、二回が一番多かったんです。そして二九%となっていました。全く週のうちでも家族が夕食を一緒にするということがないというふうに言われた、このアンケートに回答した人は七%もあったんです。
 保育所でも、父母の深夜型の生活を反映して、午前中はもう本当にぼうっとしている子供がふえているというのを保母さんが言っておられますけれども、そういう保育士の実感としても、私はこの深夜の長時間労働、それはどうしても深夜業の免除というのと、それから時間外労働百五十時間、これはやはり希望がある人には免除してあげなければいけないんじゃないだろうかというふうに思うのですけれども、これはいかがでしょうか、御答弁を願いたいというふうに思います。
#120
○政府参考人(岩田喜美枝君) 配偶者がいわゆる主婦で常態として子供を育てることができているようなそういう労働者につきましては、仕事と子育ての両立をするための時間外労働免除の必要性が、そうではない場合と比べますと、相対的な話ではございますけれども、困難さがやはり比較的少ないというふうに考えられます。
 一方、事業主の負担を考えますと、子供が就学するまでの間ですから最長六年ぐらい、ある労働者が時間外労働の免除の制度を利用するという、非常に長い期間にわたって利用されるという可能性もあるわけでございますので、そういう事業主の負担なども考慮いたしましたら、やはりどういう状態にある方が最も時間外労働の免除申請の必要性があるかということを考えまして、お尋ねいただいた配偶者が主婦であるというケースについては対象から除外するということを、日本の現状を見ますと、不合理であるというふうには言い切れないというふうに思います。
#121
○井上美代君 私は、子供の状態などについてもやはり今日の状況というのは非常に深刻な状況だと思うんですね。
 特に、子供も預けられながら暮らしておりますけれども、親との触れ合いが少ないということが、愛の欠乏症とでもいいますか、そういう状態になっていて、子供が理性を失い何しろ泣きわめいてとまらないというような状態になったときに、若い母親はそれに対して本当にどう対処していいのかわからないというような、そういう状態になってしまって、そういう中で子供への言ってみればいじめなどというような不幸な事態が起きてきているということもあるわけなんです。
 だから、そういう今の社会全体の子供のことも考えながら少子化を乗り越えていくということですので、私は、今回どうしても考えられないとしても、ぜひその点の現状についても考えて、そして労働者が安心して暮らして働いて育児をしていけるようにしていかなければいけないと思っておりますけれども、その点はどうでしょうか。
#122
○政府参考人(岩田喜美枝君) 衆議院におきまして修正がございました。法律の施行後三年をめどに、施行状況を把握しながら、看護休暇の問題その他総合的な見直しをするということでございますので、先生の御指摘の点ももちろんその総合的な見直しの対象となるという可能性はあるわけでございます。
#123
○井上美代君 時間外労働についてもお聞きしたいわけですけれども、この免除請求権というのは、やはり希望者には認めるべきだというふうに思っております。
 例えば、同居の家族がいるからといって請求できないということでは現実的には非常に困るというふうに思いますし、深夜業では妻が職業についていてもついていなくても一概に適用除外にすべきではない。妻の心身の状況、子供の状況、いろいろあるわけなんですけれども、本当に希望している人、これはやはり認めるというふうにしていただきたい。そして、そうでなければ取り返しのつかない事態になってしまうのではないかと。
 だから、私は、よく検討をして、省令で定められるとき、きちんとそこにも対応していただきたいというふうに思うのですけれども、その辺は一歩進んで省令などで検討するということはできるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#124
○政府参考人(岩田喜美枝君) 具体的に先生がどの点について御主張なさっておられたのか、ちょっと私、正確に理解できずに大変申しわけございませんが、時間外労働の免除申請、そして深夜業の免除申請については既にございますけれども、これまで御答弁申し上げましたような範囲の労働者について認めていくというふうに考えております。
#125
○井上美代君 それでは、またいろいろ問題点も見ていただきながら引き続き検討もしていただきたいということをお願いして、次に移ります。
 私は、制度の適用対象の問題で質問をいたします。
 まず最初にお聞きしたいのは、全雇用者に占めるパートの率、そして派遣、契約社員、こうしたいろんな多様な形態で働く女性労働者がふえておりますので、その率がどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。
 そしてもう一つは、全体のパートや派遣、契約労働者がどういう率になっているのか、女性ではどうなのかということですね。そしてまた、ちょうど子育て世代でもあります二十歳代、三十歳代の女性で、全雇用者に占めるパートの割合というのはどういうふうになっているかということをお聞きしたいと思います。
#126
○政府参考人(岩田喜美枝君) 手元に準備いたしましたのがパートタイマーの数でございまして、派遣労働者、契約社員については手元にございませんので御容赦いただきたいと思います。
 パートについては、調査によりまして定義が必ずしも同じでございませんので比較をするということについて注意を要するわけでございますが、例えば労働力調査ですと、週の就業時間が三十五時間未満の短時間雇用者を把握することができます。平成十二年度の同調査では短時間労働者は千五十三万人でございまして、これは雇用者総数に占める割合が二〇・〇%でした。
 同じ調査で女性について見ますと、短時間雇用者は七百五十四万人、そして女性雇用者全体に占めるその割合は三六・一%となっております。
 二十代、三十代の状況についてはこの労働力調査を使用できませんので就業構造基本調査という別の調査で見てみました。就業構造基本調査では、パートの定義が先ほどの労働力調査とは違いまして、勤め先でパート、アルバイト等と呼ばれている雇用者でございますが、二十代、三十代、合わせてみますと、女性のパート、アルバイトは二百八十五万人でございまして、女性雇用者全体に占める割合が二八・五%となっております。
#127
○井上美代君 どうもありがとうございます。
 私もいろいろ見ていたんですけれども、非正規の雇用者というのはこの十年で非常にふえているということなんですね。九二年で九百五十二万人ということ、そして二〇〇一年で一千三百六十万人ということですから相当に膨れ上がっているということがわかります。今も言われました、二十代、三十代で二八・五%になるということが今御答弁でいただいたわけなんですけれども、やはり女性の間に今、派遣、そして契約社員、これが大変ふえているということが言えると思います。
 これは総務省の二〇〇一年二月の非正規雇用、パート、契約、派遣ということで、多分これは重なる部分もあるのかとも思いますけれども、男女で全雇用者に占める割合は二七・二%、女性の雇用者に占める割合は四七・八%というふうに出ておりましたので、そういう点でもやはり不安定な形態の女性労働者がふえているというふうに思います。そういう点で、九〇年代の変化というのがいかにすさまじいものであるかということがはっきりするというふうに思います。また、女性の半数がやはりパートやそういう不安定労働者ではあるけれども、労働力の主軸になっているということが言えるのではないかなと思います。
 そして、実際に聞いてみますと、パートといえども責任をとらされておりますし、事実上はフルタイマーと同様に働き、本人は働き続けたいと思っているわけなんですね。ここへの適用がなければ、やはり育児休業法の実効性ある制度として育児休業制を適用してもらわなければいけない、適用がこういう人たちのところにも及ばなければこの法律の価値がないんじゃないかと私は思っているわけなんです。
 だから、パートや派遣や契約社員などへの制度の適用はどういうふうになっているのかということを御答弁願いたいと思います。
#128
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業、介護休業の適用に限って御説明したいと思いますけれども、けさの御質問にもお答えいたしましたように、これは雇用関係を継続し、育児や介護のために仕事をやめなくて済むように、そして雇用がつながるようにということを目的としたものでございますので、あらかじめ雇用期間を定めて契約される期間雇用者については育児・介護休業の請求権を認めないということになっております。
 例えば、パートタイム労働者を例にとりたいと思いますが、パートタイム労働者の中には常用的なパートと有期雇用のパートがございます。常用的なパートはもちろん育児休業、介護休業の請求権がございます。有期雇用のパートタイム労働者につきましても、その中で少なからずのケースですけれども、形式的には有期雇用でございますが、実質的な判断をいたしますと期間の定めなく雇用されているというふうに判断されるケースもありますので、そういう場合には育児休業、介護休業の請求権はあるということでございます。
#129
○井上美代君 新規についてはほとんど正社員を採用していないで、数カ月で雇用契約を何回も何回も繰り返しながら自動更新をしているんですね。そういう場合に、妊娠や出産が予定されれば契約を切るというやり方をやっている企業がありますね。若い女性を契約社員で雇用して、妊娠や出産がわかれば契約を切るということ、こういうことがまかり通れば育児休業は言ってみれば絵にかいたもちになっていくんじゃないかなというふうに思うんですね。
 本人が希望すれば自動更新していたのに、妊娠、出産がわかれば契約をしないと、契約をしなければ事実上これは解雇になってしまうというんですけれども、こういうのは解雇や不利益扱いではないかなと思うんですね。だから、そこのところをちょっと聞きたいんですけれども。
#130
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生のお尋ねになりましたケースを育児休業の取得と、妊娠、出産と分けて御説明したいというふうに思います。
 実質的に期間の定めなく雇用されていると判断されるケースでございますが、これらの方が育児休業の取得をしたい、あるいは育児休業の取得をしたということを理由に事業主が雇いどめをするということがあれば、この雇いどめの意思表示は、先生おっしゃいますように、実質的には解雇の意思表示に当たるというふうに思いますので、育児・介護休業法の第十条に違反するというふうに解されると考えます。
 また、妊娠、出産については男女雇用機会均等法の問題かというふうに思うわけですが、妊娠、出産したことを理由に事業主が雇いどめをするということは、今議論になっておりますような実態判断をして実質的に期間の定めなく雇用されていると判断されるケースについてでございますけれども、雇いどめをするということはこれまた解雇に当たり、男女雇用機会均等法の第八条の第三項に違反をするというふうに解されると思います。
#131
○井上美代君 ありがとうございました。
 私は、次に休業期間のことでお尋ねをしたいと思います。
 介護休暇は現行制度では一生に一回のみ三カ月と、こういうふうになっておりますよね。ことしの全労連の調査を見ましたけれども、両親を見るための休暇をぎりぎりまで我慢をしていました、休むために人の手当てができないことで結局休暇をとることができずに天国に行ってしまいました、安心して休暇がとれる制度が欲しいと、こういうふうに切実な声が寄せられております。
 期間を延ばして一介護状態に一回とれるようにすべきだと思うんですけれども、ここのところはなぜ見直されないんだろうかというふうに思っているんです。特に、やはりお年寄りは日々弱っていきますので、そういう点でも一回きりというのでは間に合わないと思うんですね。衆議院修正における三年見直しは介護休業も含めて検討をしてほしいというふうに思っております。
 また、育児休業の場合、国家公務員の場合は休業期間というのが三年間という法改正が行われようとしているということを聞いているんですけれども、待機児童は十月段階では何しろ保育の五万八千人にもなっているということで、ふえております。そういう保育園の問題も含めてまたちょっと課題を持ってはいるんですけれども、まずは一介護状態に一回とると、これは見直すべきではないかというふうに思いますが、そこはいかがでしょうか。
#132
○政府参考人(岩田喜美枝君) 介護休業法につきましては、現行法では対象家族一人につき一回、三カ月以内という最低基準になっております。
 これを超える問題といたしまして、例えば介護の期間、それから回数あるいは対象となる家族の範囲などについてでございますが、この最低基準を超えた部分につきましても、それらに配慮した必要な措置を講ずるよう事業主の努力義務を育児・介護休業法第二十条第二項に規定をしているところでございます。
 介護休業法関係の規定は平成十一年四月から施行されたばかりでございますので、まだ施行後の期日も浅く、検討するに当たってはもうしばらく介護休業制度などの実施状況を見させていただきまして、その後で検討したいというふうに思っております。
#133
○井上美代君 これはやはり現状からすれば非常に深刻な現状がありますので、今後の検討課題としてぜひやはりやっていただきたいというふうに思います。
 あと、中小企業の助成制度の充実の問題についてお聞きしたいと思います。
 代替要員の確保について、育児休業のとりにくい原因の大きな一つに職場の雰囲気というのがあるということですね。それは、代替要員もなく休めば、休暇をとってしまうと周りの人に仕事がふえるからだということで、中小企業の助成制度の問題があるというふうに思うんです。
 まず最初に、代替要員の配置について、育児休業代替要員確保等助成金制度が平成十二年度、一年前から導入されました。新規の場合は中小企業で五十万円の補助が出ます。そしてまた、二人目からは十五万円とされております。平成十三年度予算は十億六千七百十万円ですか、四千九百十五件分とされておりますけれども、来年度の概算は七百七十五件、二億二千八百八十万円と五分の一になっているということなんですが、十二年度の実績枠と、そして十三年度の現段階での前半期の実績というのがどうなっているのかということをお聞きしたいんですが、御答弁をお願いします。
#134
○政府参考人(岩田喜美枝君) お尋ねの育児休業代替要員確保等助成金の平成十二年度の状況でございますが、予算額は一億三千七百五十万円でございました。初年度ということもございまして、実際の支給の受け付けは十月以降であったようでございますが、支給実績は三百五万円となっております。
 平成十三年度の支給状況についてはまだ集計ができておりませんけれども、支給の機関であります財団法人二十一世紀職業財団の地方事務所に幾つか尋ねてみましたところ、支給申請の件数は十二年度と比較して増加しているという感触を得ているところでございます。
#135
○井上美代君 実績は十分伸びていないというふうに考えられますけれども、代替要員の問題というのは、労働者にとっても事業主にとっても休業を利用できにくい大きな問題点があるんじゃないかと思うんですね。
 それで、その辺はどのようなんでしょうか、活用を十分し切れていないんじゃないかということを非常に心配しているわけなんですけれども、この辺はいかがでしょうか。特に景気も低迷しているわけなんですけれども、そこはどうですか。
#136
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十二年度の予算額と実績を先ほど御説明申し上げましたけれども、確かに予算額と比べて実績が著しく小さな数字になっております。これは制度創設初年度でございましたので、事業主に対する周知が必ずしも十分ではなかったのではないかという反省もいたしております。また、反面、昨今大変厳しい経済環境の中で企業の事業量も落ちているというところもありますので、育児休業者の代替要員を雇わないといったようなところも出てきているようでございます。
 せっかく創設した助成金でございますので、その活用をもっと図って、こういうことを利用して育児休業をした際に代替要員を配置すること、そのことによって育児休業がとりやすいという状況にしてまいりたいというふうに思います。
#137
○井上美代君 業務量が減っているということもあるかと思いますけれども、やはり日本の総労働時間というのはそれで見るとふえているわけですね。昨年よりも総労働時間はふえているわけなんです。また、サービス残業も言ってみれば五割ふえているわけですね。だから、やはり代替要員の確保、そこが担保されていないから休業申請をためらうというのがあると思います。しかも、日本の労働時間は世界的に見ても多いわけですから、周りに労働強化でカバーさせようとしているから、代替要員を置かなければ申請はしにくいというふうに思うんですね。だから、この制度についてどれほどやはり周知活動を行っていくのかということも問われていると思うんです。
 また、一人目は五十万円、二人目からは十五万円の補助というものですけれども、額が言ってみれば低過ぎて中小の事業主の希望にこたえ切れていないのではないかと、もっと周知もし、増額もしなければいけないというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
#138
○政府参考人(岩田喜美枝君) 一人目の支給額と二人目以降の支給額に差がありますのは、一人目の支給額には制度を、最初にその仕組みを導入するに当たって企業にさまざまなコストがかかりますので、その分も含めた金額になっておる関係上二人目以降の金額よりは高くなっているということでございます。
 したがいまして、この金額の見直しというのはちょっと今すぐ考えてはいないんですけれども、先生御指摘のように、周知が十分ではないというようなことについては反省をしないといけない面もあると思いますので、助成金制度の周知、そして代替要員を確保するということが育児休業制度の実際の活用にとって重要であるということ、さらには、そういうことがもしうまくいっているような事業所があれば、そういう好事例の収集、提供なども考えていきたいというふうに思っております。
#139
○井上美代君 女性労働者の場合には中小企業で働いている人たちが非常に多いですし、そういう点でもこの中小企業の助成制度の充実によってこの育児・介護休業法がもっとみんなが活用できるものになればいいと思いますので、ぜひその点検討を願いたいというふうに思います。
 次の質問は、私、男性の育児休業の取得向上のための施策をどうしてもやらなければいけないんじゃないかというふうに思っているんです。
 先ほどから、女性の取得している割合というのが非常に多くて、九七・六でしたか、になっているわけですけれども、男性は二・四%という、男性の取得率について、このように著しく男性の取得率が低いということ、これは男性の取得率を高めるための一つとして私どもは六割所得保障をやはり請求していかなければいけないというふうに思っているわけです。
 質問したいのは、男女賃金格差がある中で、賃金の低い方が休業するというのは経済的な仕組みの上で誘導されることになるのはもう当然なんですね。それで、所得保障、今後の改善についてどのように考えておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#140
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業期間中の所得保障は雇用保険の枠組みの中で育児休業給付という形で行われております。従来は休業前の給与の二五%を支給いたしておりましたけれども、本年一月一日からこれを引き上げまして四〇%にしたところでございます。一方、失業者に対する給付でございます雇用保険の基本手当がございますけれども、これは給付水準、最も少ない方でありますが、下限が六〇%ということになっております。
 育児休業期間中は社会保険料の本人負担分も免除されますのでそのことも勘案いたしますと、休業前の給与の四〇%の保障と社会保険料の本人負担分、これが約一三%でございますが、それを合計いたしますと約五三%程度の実質的な所得保障がなされているというふうに思っておりまして、失業保険の基本手当の給付の水準との均衡を考えましたら、当面は適当な水準まで引き上げることができたのではないかというふうに思っておりまして、新しい水準の制度を着実にしっかり運営していきたいというふうに思っております。
#141
○井上美代君 私、例えばで申し上げますけれども、夫が三十万円、妻が二十万円の共働きの場合、夫が育児休暇をとったとしたら、夫は十二万、そして妻二十万、足して三十二万円。妻がとれば、夫三十万円、妻八万円ですか、それで三十八万円と、こういうふうになるわけですね。どっちを選ぶかということ、子育て世代の若い世帯にとってこの六万円の違いというのは非常に大きいと思うんです。これがじゃ六割になったとして、夫がとったとしても十八万円と妻の二十万円で三十八万円。妻がとれば三十万円と十二万円で四十二万円、四万円の差で四割のときとの差が縮まるわけですね。
 現状の男女賃金格差のもとでは、この四割保障というのは女性と男性に中立に働かない制度となっている、経済の面から見て。男女賃金格差をなくす努力を一方で進めながら、所得保障を六割に引き上げる検討がどうしても今後必要になるんじゃないかと。お金が要る問題ですからそうすぐにできるというふうにはならないかもしれないけれども、そういう矛盾を持った制度であって、どうしても男性の二・四%しかとらないというのは、男性の意識だけではなくて、経済的にもそこで縛られている、そういう矛盾を持っているというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。
#142
○政府参考人(岩田喜美枝君) 現実問題の男女間の賃金格差がございますので、そのことが男性の育児休業取得が進まない背景にあるという御指摘はそのとおりだというふうに思います。
 しかしながら、先ほど申し上げましたことの繰り返しになりますが、育児休業給付の水準につきましては、ごく最近引き上げましたこと、そしてその水準が失業者に支払われる基本手当とのバランスを考えても妥当ではないかというふうに思いますので、現時点において再検討する考え方はございません。
#143
○井上美代君 私ども、そういうことで六割を検討していただくように提言をしておりますが、今後いろいろ研究もされていくと思いますし、またこの法律の矛盾ももっと現場の中で明らかになっていくと思いますので、ぜひそういう点を見ながら改善をしてもらいたいというふうに思います。
 何といっても、男女共同参画の社会を実現するためには、この法律がどうしてもあと一歩前進し、またもう一歩前進しということがされない限り、女性が本当に育児とそして仕事とを両立させていくということはかなり大変だと思うんです。きょうは幸いなことに時間をいただきましたので、私は現場のいわゆる女性労働者の現状から出ている声をできるだけここに反映するようにと思ってくどくどとたくさん申し上げましたけれども、でも私は現状が変わるようにならなければ本当に変わったということは言えないと思うんです。そういう意味で、法律ができて、それが現場に伝わり、そして現場に伝わって変化を起こしていくというところになっていくまで私ども頑張っていかなければいけないなというふうに思っております。
 そして、男性、女性、仕事と家庭を両立させていくというのが今やもう最大の私たちの課題になっておりますが、安心して子育てできる社会づくりのためには、私はこの育児休業、介護休業だけではもちろん不足だというふうに思います。何といっても、ずっと今質問の中でも触れさせていただいたんですけれども、異常な長時間労働ですね、これが正されなければいけないと思うんです。十二時前に夫が帰ることが何回もないなんという、そういう状態では子供とも妻とも本当に人間関係を維持していくことはできないというふうに思います。
 男女賃金格差を是正し、それから私はもう一つは保育所を公的責任で大幅に整備をしていくということ、これも大事だと思うんですね。やはり私は、公的責任を手放してしまったら今の子供の状態というのはもっと大変になってくると思うんです。やはり、総合的に取り組むことが重要であると、このような幾つかの課題があるというふうに思っております。
 きょうは男性議員が西川議員一人質問者があるんですよね。それで、男性、ほかの方たちはきょうは聞いてくださっているので大変申しわけないと思いながらも、やっぱりこの委員会としては男性議員と女性議員が一緒になってこうした社会問題を解決していかなければいけませんので、自分の決意も述べまして、終わりにさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#144
○大脇雅子君 それでは、四人目の女性として質問をさせていただきます。
 世界でも少子高齢社会の到来を機に雇用における男女平等を進めて、育児・介護等家族的責任を男女が平等に担う社会のあり方というものがさまざま問われてまいりました。
 今回の育児・介護休業法の改正に伴いまして、まず中小企業でのこうした休業制度の導入状況についてどのような状況になっているのか、あるいは積極的な施策をどのように展開してこられたか、お尋ねをいたします。
#145
○国務大臣(坂口力君) 大脇先生から今御指摘をいただきましたように、この法律をつくりました場合に一番大事なことは、中小企業がどれだけこれを正確にやってくれるかということにかかってくるだろうというふうに思います。なぜなら、言うまでもなく中小企業が大変多く、そして大きい企業に比べますとその数におきましては八割、九割を占めているわけでございますから、一にかかりましてその皆さん方に早くこの法律の内容を理解していただき、そして実施をしていただけるようにしなければならないということでございます。
 今朝来いろいろの御意見があって、そして努力義務ではなくてこれは義務としてやるべきではないかというようなお話もあったわけでございますが、私は、大きい企業だけならばそれは初めからそういうお願いをすることもあるいはあるだろう、選択肢だろうというふうに思っておりますけれども、しかし中小企業がこの実現をしていただくためにはそう簡単なことではない。例えば七人、八人の事業所の中でお一人なりお二人なりがお休みになったときにどうなるかということを考えましたときに、その中小企業の立場に立てば大変なことだろうというふうに思うわけでございます。
 そうした意味で、この法律を実現いたしていきますためには、派遣業を初めといたしまして周辺の整備も十分に進めていかなければなりませんし、そして全体で一歩前進していくという方向をつくっていかなければならないというふうに思っているところでございます。
 子供の看護休暇制度の導入を促進するための補助金でありますとか、あるいは小学校就学前の子を対象とした勤務時間の短縮などの措置の導入を促進するための助成金などにつきましても、平成十四年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。こうしたことも活用をしながら制度の内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
#146
○大脇雅子君 現行法では育児休業または介護休業の取得を理由といたしまして解雇することができないという旨規定されておりますが、これまで相談などを通じまして、解雇のケースというのはどれほどあったのでしょうか。これについてどのように対処されてきたのでしょうか。
#147
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十二年度の一年間の実績を見ますと、労働者から各都道府県労働局に寄せられました相談の中で、育児休業または介護休業の申し出あるいは取得を理由とした解雇についての相談が、育児休業につきましては四百三十五件、介護休業につきましては九十八件ございました。
 この相談の多くは、労働局の方からいろいろ情報提供あるいはアドバイスをいたしますと、それに沿って御自分の力で会社の方と話し合いをされ自主的な解決を図っておられる、こういうことが大半でございますけれども、中には行政指導を求めるものもあります。そういう場合につきましては、法律の四十八条に基づきまして、事業主から事情を徴収する、あるいは事業主に対して助言、指導、勧告をするといったようなことをやっておりまして、その解決を図っているところであります。
#148
○大脇雅子君 今回は、その解雇だけではなく、その他不利益取り扱いを禁止するということでございます。今までこの不利益処遇の内容についてさまざまな質問が出されておりましたが、賃上げ率や賞与の算定、昇格の場合の取り扱いなど、どのような内容の施策を考えておられるのか、改めてお尋ねをいたします。
#149
○副大臣(南野知惠子君) 先生お尋ねなのは具体的な内容ということでございます。
 休業の取得を理由として、解雇のみならず、減給したり、または退職金や賞与の算定に当たりまして休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うこと、また正社員からパートタイム労働者への身分の変更を行うことは不利益取り扱いに該当すると考えております。
 これらの具体的な内容につきましては、先生先ほど申されたとおり、指針で定めることといたしておりますが、休業の取得を理由とする配置変更も不利益取り扱いに該当する場合がありますので、あわせて指針で明らかにさせていただきたいと思っております。
#150
○大脇雅子君 その指針の内容というのは、決められました場合は労働政策審議会に諮られるのでしょうか。
#151
○政府参考人(岩田喜美枝君) この改正法案が成立しました暁には、なるべく早い時期に労働政策審議会のもとに置かれております雇用均等分科会にお諮りしまして、その結果を踏まえて厚生労働大臣が定めることになります。
#152
○大脇雅子君 先ほどの質疑、これまでの質疑の中で、専ら休業期間中働かなかったことを理由とするものは不利益処遇に当たらないというふうにお答えになりまして、その根拠はノーワーク・ノーペイの原則だとおっしゃいましたが、それに間違いありませんか。
#153
○政府参考人(岩田喜美枝君) そのように御説明いたしました。
#154
○大脇雅子君 ノーワーク・ノーペイの原則の法的根拠をお尋ねいたします。
#155
○政府参考人(岩田喜美枝君) 法的根拠というお尋ねにちょっと戸惑っておりますけれども、何が不利益取り扱いであるかということについて、地方労働局で先ほど申し上げましたような相当数の相談事案をこれまで処理してまいりましたので、その中から不利益取り扱いというふうに判断できるのではないかと思う類型を幾つか今事務局、私どもの方で整理をいたしております。それらを審議会で労使の御意見も伺いながら最終的には固めていきたいというふうに思っております。
#156
○大脇雅子君 私は、専ら休業期間中働かなかったことを理由とするものは不利益取り扱いに扱えないということでノーワーク・ノーペイの原則を挙げられたので、その法的根拠をお尋ねをしているわけです。
#157
○政府参考人(岩田喜美枝君) それは民法の契約に関する原則であるというふうに思っております。
#158
○大脇雅子君 民法の原則であるといたしますと、労働者の責めに帰すべき理由ではない場合には受領遅滞としてノーワーク・ノーペイの原則は外されるということは間違いありませんね。
#159
○政府参考人(岩田喜美枝君) はい、そのように考えます。
#160
○大脇雅子君 先ごろ、東朋学園事件というのが平成十三年四月十七日、東京高裁で判決がありました。これは、賞与の支給条件として支給対象期間の出勤率九〇%以上であることを要求する条項に関して、使用者の出勤率の算定に当たって、八週間の産後休業日及び勤務時間短縮措置による育児時間を欠勤日数に算入する取り扱いをした結果受けられなかった賞与分の賃金請求は不合理な取り扱いであるとして賞与全額の支払いを命じた判決であります。
 この場合に、育児休業法十条というものが一つ根拠になって、労基法六十五条、労基法六十七条の趣旨に反しているということで公序良俗違反として無効にされたことであります。
 この件について何かコメントございますか。
#161
○政府参考人(岩田喜美枝君) 御指摘の裁判事例につきましては、正直に申し上げまして、私自身よく勉強いたしておりません。判例の勉強をしたいというふうに思います。
 ですから、この事案について判断をするだけの十分な情報はありませんけれども、例えばその出勤率九〇%という、何というんでしょうか、要件の具体的な内容ですとか、具体的な出勤率を要件としている目的ですとか、あるいは賞与自体の算定の方法がどうなっているかなどを見てみないと正直申し上げましてちょっとコメントするのが難しいかなというふうに思っているところでございます。
 ですから、一般論としてになりますけれども、例えば、通常、賞与の算定期間というのがございますが、賞与の算定期間に育児休業の期間がほんのわずか重なっているような場合にそれでも賞与が全く支給されないというのは問題がある、不利益取り扱いに当たる可能性が高いのではないかという感じがいたしますが、一方、その賞与の算定期間の全期間にわたって育児休業期間が重なっておりまして全くその間は働いていないというようなケースであれば賞与を支給しないということが不利益な取り扱いに当たるというふうには一般的には言えないんではないかというふうに思っているところでございます。
#162
○大脇雅子君 私が申し上げたいのは、今までの判例によりますと、ノーワーク・ノーペイの原則というのは、さまざまな年休、産休等の場合に変更をされているのが最高裁の判例であるということを申し上げたいのであります。
 例えば、稼働率八〇%以下の者を賃上げ対象者から除外するという規定との関係で、年休、産休、ストによる欠勤、生理休暇などを欠勤扱いとしたことが問題とされたのは日本シェーリング事件であります。生理休暇を皆勤手当支給に関して欠勤扱いをしたのはエヌ・ビー・シーの事件であります。さらに、沼津交通事件というものがございまして、これは年休を皆勤手当支給に関して欠勤扱いしたことが問題とされたことであります。
 こうした判例を考えますと、ノーワーク・ノーペイの原則というのは、まずそうした年休その他法の趣旨を脱却するというようなもの、そしていわば権利の行使に対して抑制的に働く場合というのは、労働者に権利を保障した趣旨を失わせるものと認めることは公序良俗に反して無効だという判例があるわけですから、だから必ずしもこの育児休業、それから介護休業で専ら休業期間中働かなかったことを理由とするものは別に算定期間に欠勤扱いとして算定するのはいい、その休暇期間をオーバーしてはいけないけれどもというふうに言われるのは、この判例の基本的な考え方に反するのではありませんか。
#163
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生は本当に専門家であられますから私はちょっと先生にお答えするだけの今十分な準備ができておらず恐縮でございますが、指針を策定するに当たりましては、そういった参考になるような判例も勉強して、そのことも参考にして指針をつくりたいというふうに思っております。
 私も、ちょっと法律の専門家じゃないので不正確なことを先ほど言ったかもしれません。ノーワーク・ノーペイというのは、ある期間働かなければ賃金を払わないというのがノーワーク・ノーペイという原則でございましょうから、先ほどの御質問の中で、私がノーワーク・ノーペイと言ったのは不適切だったかもしれませんですね。それはたしか昇給延伸のときにそういう御説明をちょっとしたかと思いますので、それは少し不正確な説明だったと思います。
#164
○大脇雅子君 わかりました。
 ですから、指針の策定には、例えば賞与の算定や昇格、昇給の場合も含めて、こうした権利行使に抑制的に働くようなことのないように、そしてまた法の趣旨を没却することがないように検討を十分慎重にしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 ただ、私の考え方といたしましては、権利行使を制約するもの、権利行使をすることによって差別されないということが重要であろうかと思いますので、そういう意味では回復不可能な不利益処遇というのは私は権利行使を抑制するというふうに考えざるを得ないということで、そういう考え方は学説でもございますので、それもまた含めて御検討の上、指針を策定していただきたいと思います。
 さて、それでは不利益取り扱い禁止の指針に違反した場合には、それは法的に無効となりますか。
#165
○政府参考人(岩田喜美枝君) 不利益取り扱いの指針に違反した場合、すなわち不利益取り扱いがあった場合につきましては、民事上無効になるというふうに思います。
#166
○大脇雅子君 そうしますと、その救済策、過去及び将来に向かっての救済策というのはどのようになりましょうか。
#167
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業法に基づきまして事業主に対して助言、指導、勧告をする権限がございますので、その権限に基づいて事業主に対し是正の指導をするということになろうと思います。
#168
○大脇雅子君 育児・介護休業は原職復帰を原則として、そしてそれが困難な場合には相当職にするということを考えられますが、この不利益取り扱いの禁止例として、原職に復帰する場合の基準はどのように考えたらよろしいのでしょうか。
#169
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業から復帰する際の配置の変更が不利益な取り扱いに該当するかどうかということを判断する場合に、例えば配置の変更の前後の賃金その他の労働条件がどういうふうに変わっているのか変わっていないのか、あるいは通勤の事情がどうであるか、またその配置転換がその当人の将来のキャリア形成にどういう影響を及ぼすかといったようなもろもろの事情を総合的に判断いたしまして不利益取り扱いかどうかということを決めていくべきものではないかというふうに思っているわけでございます。
 したがいまして、こういったような諸般の事情を勘案した上で、通常の人事ルールでは十分に説明できないような配置の変更というのは一般的に不利益取り扱いに該当する可能性が高いんではないかというふうに考えております。
#170
○大脇雅子君 例えば、事務労働を現業に変えるとか、営業業務を窓口業務に変えるようなのはこの原職相当職ではなくて不利益取り扱いの禁止例に考えられますが、いかがでしょうか。
#171
○政府参考人(岩田喜美枝君) 雇用均等室で取り扱った事案にも類似のものがございました。
 事務職を現業職に配置がえするというケースでございまして、育児休業を取得した者以外の者についてそういう配置転換は行われておりません企業の話でございましたので、そういうケースについては不利益取り扱いに該当するというふうに考えております。
#172
○大脇雅子君 人事ルールでは十分に考えられないような配置があった場合と先ほど言われましたが、例えばこの人事ルールが非常に差別的なあしき慣行であるときはやはり不利益処遇の禁止と思われますが、いかがでしょうか。
#173
○政府参考人(岩田喜美枝君) 人事ルール自体の是非のお話かというふうに思いますが、具体的な例えばどういう事案が想定されるのか、もう少しお伺いできればというふうに思います。
#174
○大脇雅子君 例えば、妊娠したらどこかの部署に転勤というか配置がえをするようなルールがあったり、あるいは育児休業が終わった後は一遍総務に行って、それから配置を考えるというような形で、個人の意思を無視したような形でそういう配置がされる例というのは幾つかございますが、そういった点はそういう不文律というか、あしき慣行というふうに考えられますが、どうでしょうか。
#175
○政府参考人(岩田喜美枝君) 例えば、妊娠した場合には本社から支店に配置がえをするというケースは私も窓口で取り扱ったことがございますが、これが本人の希望によらず、その企業で一律に妊娠した女性はすべてそういうふうにするという慣行があるとすれば、その慣行自体がやはり問題だと思います。
#176
○大脇雅子君 大臣にお尋ねをいたします。
 大臣は、川橋議員の不利益取り扱いの禁止に関する質問に対して、古典的な考え方ではなく、今の立場を十分考えて決めていきたいというふうに意味深長な御発言をされましたが、今の不利益処遇の取り扱いの禁止の趣旨をどのように生かし、どのように配慮をされるのか、お尋ねをいたします。
#177
○国務大臣(坂口力君) 私も、具体的にこれをどういうふうにしたらいいのかということは、専門でございませんので、よく専門の皆さん方の御意見をお聞きしなければならないというふうに思いますが、企業等が今までの慣習みたいなことでそうしたことを行ってきたケースというのは、多分私はあるんではないかという気がいたします。
 そうした今までの考え方というものをよく、こういうことはいけないというようなことをはっきりとわかっていただかなければならないというふうに思いますから、かなり具体的に事例を挙げて、そして行ってはならないことの中にこういうふうなことがあるということを明確に示さないと、とりわけ中小企業等につきましてはなかなかそのことが徹底しないのではないかというふうに思っておりますので、ここはかなり具体的で、そしてこれは詳細なやはり考え方というものを示す必要があると思っております。
#178
○大脇雅子君 先ほど申し上げましたように、その法の趣旨を脱却するような場合、あるいは権利の行使を抑制的に働かせるような不利益処遇というものはやはり不利益処遇として指針に書くべきだと考えますが、いかがでしょうか。大臣の御答弁をお願いします。
#179
○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりと思います。
#180
○大脇雅子君 それでは、一生涯この権利を行使したことによってその不利益が継続するというのは問題でありまして、やっぱり一定の年限内に解消を図る労使の努力が必要であろうかと思いますが、そういった点をこの指針の中に加えていただくことについてはいかがでしょうか。大臣の御答弁をお願いします。
#181
○政府参考人(岩田喜美枝君) 不利益取り扱いとは何かということを具体的に明確に指針でお示しをしたいというふうには思っております。
 今のところは、そういった将来にわたっての労使の努力のレベルの話は取り上げるつもりはございませんでしたけれども、関係審議会で議論をしていく中でそういう議論が出ましたらそういうこともまた検討していただくことはあろうかと思います。
#182
○大脇雅子君 指針を定められる大臣としてはいかがでございましょうか。
#183
○国務大臣(坂口力君) 今、局長が答弁させていただいたとおりでございまして、先ほども申しましたとおり、やはりそこはかなり具体的によく精査をしてやらなければいけないというふうに思いますが、指針等でできる限り具体的にお示しをしたいと思っております。
#184
○大脇雅子君 それでは次に、有期雇用労働者の取り扱いについてお尋ねをいたします。
 労働契約が反復更新される等により、実質上期間の定めなく雇用されていると判断される者が育児休業の対象となることは当然で、その取り扱いを具体的にすることは適当であるという提言が平成十二年十二月二十二日の女性少年問題審議会の建議の第七項にあります。
 これはまさしく有期雇用労働者の実態を鋭く踏まえた大変重要な提言であると思いますが、この点については、大臣、いかがでしょうか。
#185
○国務大臣(坂口力君) 労働契約の形式上、期間を定めて雇用されている者でありましても、当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、育児休業及び介護休業の対象となるのではどのような者がそれに該当するのか、これも指針で定めることといたしております。この指針を定めるに当たりましては、有期労働契約に関する裁判例も参考にしながらできる限り明確に示してまいりたいと思います。
#186
○大脇雅子君 有期労働者の場合は雇いどめになる場合が非常に大きな問題となるわけです。有期雇用労働者が育児休業や介護休業の申し出をしたら、それまでの継続的な雇用関係が存在したにもかかわらず、申し出後の期間満了を理由に雇いどめになる。これは合理的な理由がない解雇として不利益取り扱いとして当然民事上争い得るものと考えますが、いかがでしょうか。
#187
○政府参考人(岩田喜美枝君) 形式的には有期雇用であっても実質において期間の定めなく雇用されていると判断されるケースでございますが、育児休業を申請したこと、あるいは取得したことを理由として事業主が雇いどめをするということであれば、その雇いどめの意思表示は実質において解雇であるというふうに考えられますので、育児・介護休業法第十条に違反するものと思われます。
 したがいまして、このような場合の雇いどめの意思表示は不利益取り扱いに該当し、無効であるとして労働者は民事上争うことができると思います。
#188
○大脇雅子君 継続的な雇用関係がずっと存在していて実質上雇用が継続している状況とみなされる場合はいいんですが、有期契約で、職種やポストから見て反復更新が当然に期待される蓋然性があるときに、まだ雇用契約上の期間が少ない場合、やはり雇いどめは権利乱用と思われますが、いかがでしょうか。
#189
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生が提示なさいましたケースに直接お答えするのはちょっと今の段階で難しいかというふうに思いますが、今、過去の判例などを勉強いたしておりまして、それらの判例に示された幾つかの判断の要素、それも相当共通したものがあるように思いますので、その中から、労使の当事者あるいは第一線の行政機関が判断しやすいような、できるだけ具体的な明確な判断基準を指針で示していきたいというふうに思っております。
#190
○大脇雅子君 それでは、時間外労働の制限についてお尋ねをいたします。
 時間外労働について、一年で百五十時間、一カ月二十四時間の制限が盛り込まれて、それ以外、時間外労働拒否権というものが請求権としてあると。しかし、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて認めるとあることについては、使用者の恣意的な運用を歯どめする必要があるのではないかと思います。深夜業の制限と同じく時間外労働制限のこの法文の趣旨を生かすために厳格な運用をすべきと考えますが、具体的にどのように運用され、将来どのように対処されるのでしょうか。
#191
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生の御意見と全く同じ考えを持っております。
 事業の正常な運営を妨げる場合に該当するかどうかは、その労働者が所属する事業所を単位として、労働者が従事する業務の内容、業務の繁閑、そして代行者の配置の難易度など諸般の事情を考慮いたしまして客観的に判断されるものであろうかというふうに思いまして、例えば、同一時期に多数の専門性の高い職種の労働者が請求した場合であって、代替が著しく困難な場合などが該当するものだというふうに考えております。
 また、事業主は、労働者の請求が実現されるように、通常考えられる相当の努力をすべきものでありまして、単に事業経営上時間外労働が必要であるといった理由だけで拒むことは許されないというふうに思っております。
 事業主がこの例外条項を乱用いたしまして労働者の権利行使を妨げることが許されないというのは当然でありますので、そのことを事業主によく周知徹底をいたしたいというふうに思っておりますし、また仮に違反がありましたら、法律に基づきまして助言、指導、勧告などの適切な対応をしてまいりたいと思います。
#192
○大脇雅子君 現場では事業の正常な運営という解釈が業務の正常な運営というふうにしばしば理解をされる危険がございますので、今申されたような基準をぜひ徹底して運用していただきたいと思います。時間外労働の制限の制度は家族的責任を果たしたい労働者にとっては非常に実効性のある、魅力のある制度ではないかということで、その定着を期待したいのです。
 次のような場合について確認しておきたいのですが、ちょっと細かくなりますが、年間の限度時間三百時間かつ時間外労働の制限適用者については百五十時間という三六協定が締結期間が四月一日から来年三月末までの一年間で締結されて労働基準監督署に届けられている場合、協定の期間内の既に九月末まで八十時間の時間外労働をしていて、時間外労働の制限適用労働者が制限の事由が消滅して十月一日から通常の勤務に復したときには、残りの協定時間内の時間外労働の限度時間というのはどうやって算定したらいいのですか。少し細かい質問ですが、この点だけちょっと確認をさせてください。
#193
○政府参考人(日比徹君) ただいま御設定なさいましたケースでは、三百時間から既に時間外労働をした八十時間を差し引いた時間、具体的には二百二十時間ということになりますが、それが当該三六協定に基づき、残余の期間について時間外労働をさせることが可能な時間ということになるものと考えております。
#194
○大脇雅子君 先ほど、時間外労働と深夜労働をしなかったことを理由とする不利益処遇というのはあってはならないということで、育児・介護休業と同等に不利益な処分はしないという確認答弁があったと思いますが、この点については、大臣、そのように解釈し、そして通達等でそれをお書きいただけるんでしょうか、お尋ねをします。
#195
○政府参考人(岩田喜美枝君) 短時間勤務などの措置、そして深夜業の制限の請求、これらについては既に指針等で不利益取り扱いをしてはならない旨徹底いたしておりますが、時間外労働についても時間外労働の制限の請求をしたことを理由とした不利益取り扱いがないよう何らかの形でその考え方を明らかにしたいというふうに思っております。
#196
○大脇雅子君 激変緩和措置には盛り込まれなかったのですが、家族的責任を理由とした男女労働者の休日労働の制限の制度を検討すべきだと考えますが、その点、いかがでしょうか。
#197
○政府参考人(岩田喜美枝君) 時間外労働と比較いたしまして休日労働は、行われている実態を見ますと、休日労働が行われている事業所の割合は時間外労働と比べて非常に低いものになっております。これは、休日労働というのは余り一般的ではなくて、真にやむを得ない場合に限り例外的に行われているのが我が国の現状ではないかというふうに、これから思うわけでございます。
 したがいまして、事業主の負担の問題を一方で考慮をしないといけないということもこれあり、法律上の一律の休日労働の免除請求権を今認めるということについては、社会的なコンセンサスまでには至っていないのではないかというふうに思っております。
#198
○大脇雅子君 しかし、休日に家族的責任として男女労働者の要求というのはかなり現実の生活では強いと思うので、ぜひ将来検討をお願いしたいと思います。
 それから、勤務時間の短縮措置につきまして、今回、一歳未満から三歳未満に引き上げたということは労働者の選択の幅を広げることにつながる意義があると思います。育児休業を含めて、働き続けながら育児をすることが可能となるということで、このような措置を、三歳だけではなくて、その後少なくとも就学まであるいは小学校四年生まで拡大をして充実させるべきであると思うのですが、いかがでございましょうか。
#199
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児にかかります時間は子供の年齢が上がってまいりますとだんだん短縮されるというのが通常でございます。今の育児休業法では、子供が就学するまでの間につきましては勤務時間の短縮の措置等を導入するよう事業主に努力義務を課しているわけでございまして、今般、十四年度の概算要求にこういった努力義務になっております措置を普及するための奨励金の要求もいたしたところでございますので、就学前までの子供を持つ労働者が勤務時間の短縮等の措置がとれるよう、そういう制度が普及するよう努めてまいりたいというふうに思っております。
 法制的に当面新たな対応をするということは考えておりません。
#200
○大脇雅子君 副大臣は、この勤務時間短縮制度を就学年、少なくとも就学年、それから小学校四年生まであるいは小学校を卒業するまでといういろんな思いを持った女性が多いと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#201
○副大臣(南野知惠子君) 働く母親にとってはいろいろな緩和という問題が提起をされ、それができるようになれば本当に幸せだと思いますが、現実の問題ということを考えるならば、今、局長がお答えしたような形になるのではないかなというふうに思っております。
 勤務時間の短縮などの措置、これを義務づけるということをこのたび三歳まで引き上げることにいたしました。そういったことについても、あくまで事業主の努力ということでございますので、それらを積極的に指導してまいりたいと思うわけでございます。局長も申されましたけれども、平成十四年度の概算要求にもそれらを三十万、四十万、中小企業に厚くということで今お願いしているところでございます。
 さらにまた、そこら辺を盛り上げていくということにつきましては、ファミリーフレンドリー企業など、いろいろと我々働きかけながら、四十人ぐらいの小さな中小企業でも介護休業を取り入れてくださっているところとか、それからいろいろと図ってくださっている企業がございますので、そこら辺も奨励していく、それも一つの作業かなと思っております。
#202
○大脇雅子君 子供の看護のための休暇制度の導入についてお尋ねをいたします。
 これは、私が九度以上の熱を出した子供をひとり置いて泣きながら法廷に行ったときにたまたま乗ったのが女性の運転手さんで、その方も本当に子供の看護休暇があればいいのにという話をして法廷に送っていただいたというのがもう二十年ぐらい前の話でございます。やはり、子供の看護のための休暇制度というのは本当に太い命綱だと思います。したがって、これがようやく導入されたということに私は感無量でございます。
 しかし、これが努力義務であるということについては何とも力が抜けることでございまして、ぜひとも請求権化をしていただきたいというふうに考えるのですが、先ほど附則の第四条、検討のところで、子供の看護休暇に関しては請求権化を含めて三年以内には検討すると、そしてできるだけ早期に検討するというふうに大臣はおっしゃったと思うのですが、この点、確認をさせていただきたいと思います。
#203
○国務大臣(坂口力君) 御熱心に御主張になりますことはよく私も理解できるところでございますが、先ほどから申し上げておりますように、一歩一歩前進する以外にないというのが我々の立場でございます。そこはひとつ御理解をいただきたいというふうに思います。
 しかし、これから、この法律も含めてでございますけれども、周辺のその他の法律につきましても整備をしながら、そしてまたさらに前進をしなければならないわけでございますから、そうした御主張を念頭に十分に置きながら、我々も早く次のステップに踏み出せるようにひとつ努力をしたいと思います。
#204
○大脇雅子君 そうすると、これは三年を経過した場合においてのみならず、でき得る限り早期にそうしたことは考えたいというふうに考えておられると理解してよろしゅうございますか。
#205
○国務大臣(坂口力君) 一つのことが決まりまして、そしてその実態をよく把握をしながら、そして次の準備を行う、次の準備を行って、そしてそれを法案とするというのにはやっぱりそれは二、三年どうしてもかかるわけでございますから、その手順を手早くやるということを念頭にしながらも、それはことしやって来年それじゃ変えられるかといえば、それはそれなりの手順を踏まなければなりませんから、そうした時間はひとつ御猶予をいただかなければならないというふうに思っております。
#206
○大脇雅子君 何が障害であると、請求権を規定するために何が一番の障害であるというふうに厚生労働省は思っておられるんでしょうか。
#207
○政府参考人(岩田喜美枝君) いろいろございますが、一つだけ申し上げますと、やっぱり現状でございまして、現状の普及率が一割に達していないという状況で看護休業の請求権化をするということは、やはり一方では企業の雇用管理上の負担を伴いますので、中小企業などを特に念頭に置いた場合には、今すぐ請求権化することは適当ではないというふうに思っております。
#208
○大脇雅子君 看護休暇の導入奨励金というものをお出しになるというふうに聞きましたが、どういう要件で出されるのでしょうか。
#209
○政府参考人(岩田喜美枝君) これは十四年度の概算要求で要求いたしておりますけれども、小学校就学前の子の看護のための休暇制度を設けた事業主に対しまして、中小企業事業主には四十万円、大企業事業主には三十万円を支給するということで要求をいたしております。さらに具体的な支給要項については予算が通りました後検討して定めてまいりたいと思っております。
#210
○大脇雅子君 子供の病気のために休まざるを得なかったという場合、それを理由にして解雇等の不利益取り扱いというのは、努力義務であっても、権利の乱用ないしは公序良俗違反になり得ると考えますが、いかがでしょうか。
#211
○政府参考人(岩田喜美枝君) これは、今の改正案では事業主の努力義務として規定をいたしておりますので、制度が導入されていなければそこの従業員が看護休暇を請求するということにはならないわけでございます。私どもとしては、なるべく広く導入されますように事業主に助言、指導はしてまいりますけれども、制度を導入していない限りにおいては請求権となっておらず、したがって今先生がおっしゃったような問題にはならないと思います。
#212
○大脇雅子君 しかし、努力義務が使用者にあるわけですから、その導入する、どうしても休まなければならなかったときに休んだ場合は、その努力義務を使用者が努力しなかったということがあるわけですから、不利益処遇ということも、解雇等著しい場合というのはやはり問題になろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#213
○政府参考人(岩田喜美枝君) にわかには判断できませんので勉強いたしたいと思います。
#214
○大脇雅子君 労働者の配置に対する配慮でこれまでさまざまな判例がありますが、家族的責任を理由として就業場所や労働条件の配慮を求めた労働者側の願いはかなわなかった、にもかかわらず今回この配慮義務が入ったということは非常に家族の生活にかかる負担が大きい場合には大きな規定だと私は思います。
 この配慮の対象でございますが、家族の生活にかかる負担が著しく大きい場合というのはこの配慮の対象になるのではないか、また対象となる子供の年齢等、どのような内容を考えていらっしゃるのか、お尋ねします。
#215
○政府参考人(岩田喜美枝君) 転勤についての配慮の内容でございますが、育児や介護の状況を把握すること、そして本人の意向をしんしゃくすること、転勤させた場合の育児や介護の代替手段の有無の確認を行うことなどが考えられるのではないかと思います。
 また、配慮される育児の対象となる子の年齢についてでございますけれども、今回の改正案におきましては特段のことを規定しておらず、また育児・介護休業法におきます他の制度との直接的な関係もございませんので具体的に子の年齢を限るということは考えておりません。したがいまして、小学校就学前ということでは必ずしもなく、小学生、中学生なども対象になると思います。
#216
○大脇雅子君 最後に、父親のための育児休暇制度のポジティブアクションといいますか、男性優遇措置の導入についてお尋ねをしたいと思います。
 例えば、男性労働者に対するパパ月という形でスウェーデンなどは父親のための育児休暇期間というのを強制的に定めておりますが、男女の労働者に対してそのライフスタイルに合わせた働き方といたしまして、育児休暇をとった男性に対する優遇措置というものを導入したりするというのが一番私はこれを推進するために大きな制度ではないかと。固定的役割分業に基づいて、現在でも、より多く家族的責任を担っている女性労働者の現状の変革ということを目指す一つの近道であろうかと思いますが、こうした考え方について副大臣はいかがお考えでしょうか。
#217
○副大臣(南野知惠子君) 男性も応分の家族責任を果たすべきであるということは、本当に先生と同じく考える者の一人でございます。
 スウェーデンなどもこういう点には大変発達しているところかなと思いますし、またいつかスウェーデンの大蔵大臣も、男性でございますけれども産休などをおとりになったということを、またブレア首相もそうですけれども、いろいろな国の方々もとられております。我が国でもとっていく方向にあるのではないかなというふうに思いますが、例えば育児休業を取得をされる方に対して男性の占める割合が二・四だと、これは本当に少ないというふうに思っております。
 そういった背景にあるのは、やはり男性自身の意識の問題ということもあり、これは女性が男性に子育ての魅力を分け与えてあげなきゃいけない部分もあるのかなと、そのようにも思っております。また、固定的な性別役割意識というのがそこら辺にあるならば、それをやはり我々、男女共同参画の中で共有していかなければならないというふうに思っております。また、職場優先の風土などがあるところからは、それはやはり是正していかなきゃいけないんですが、まだまだその考えが不足しているのかなというふうに思っております。
 このようなことから、今回の改正法案におきましては、固定的な性別役割分担意識の解消、それから職場優先の企業風土の是正、そういったものを図りながら、家庭と仕事の両立を容易にするために国が意識啓発を行うというところを盛り込んだところでございます。
 法案が成立した暁には男性の育児休業の取得促進に配慮した広報啓発を早急かつ積極的に行うとともに、男性の育児休業取得促進について調査研究、お決まりのことだと言われるかもわかりませんが、やはりそれを行いながら有効な措置を講じてまいりたいというふうに思っております。
 これらの措置も活用することによって男性も女性もともに家族的責任を果たすことができる社会の構築を目指して努力してまいりたい。子供を育てることの喜び、また母乳を与えている母親を見る夫の喜びということも我々が共有していくように努力しなければならないことかなと思っております。
 以上です。
#218
○大脇雅子君 子供を育てる喜びを共有するということは非常に私は人間的な魅力にあふれたことであろうかと思います。
 大臣、最後にこの父親のための育児休暇制度の促進方について御決意をお願いいたしたいと思います。
#219
○国務大臣(坂口力君) この少子化社会の中にありまして、少子化をできるだけ解消をしていきますためにはやはり今回の法律等はどうしても避けて通れないものだというふうに思っております。
 今回のこの法律案の中身につきましても、もう一歩踏み込んではという御主張がありますことも十分理解のできるところでございますが、それらの御主張をひとつ私たちも共有しながら、この法律を一度つくらせていただいて、そして事業主の皆さん方にもやはりこういう考えを持たなければならないという意識改革をひとつ十分に行っていただくということがまず必要ではないかというふうに思っております。
 そして、その暁において、その後のことまで申しませんけれども、そういう決意を込めてこの法案を出させていただいたところでございます。
#220
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。長時間にわたって大変お疲れさまでございます。
 四十五歳、子育て真っ最中というのが私のキャッチフレーズでして、そういうことで質問させていただきますが、念のために申し上げたいんですけれども、今回のこの法律の改正というのは女性労働者の権利の主張だけではないということでございます。まさかそんなことはないかと思うんですけれども、この部屋にいらっしゃる男性の皆さんが、自分には関係のないことだと思っていらっしゃる方はいないと思いますが、念のためにそのことをまず申し上げておきたいと思います。
 そして、午前中、大臣が謙遜でおっしゃったんだと思いますが、御自分が子育てのことを語る資格はないと。そしてまた、もう既に遅いというふうにおっしゃいましたが、これはきっと御謙遜だと思うんですが、政策決定の場にいる男性が意識改革をすること、子育てと仕事の両立に関して、この男女共同参画社会の実現に関して意識改革をしなければならない、そういう意味で、当然大臣が子育てのことを語る資格なしというのは御謙遜だと思いますが、念のため申し上げたいと思います。
 それで、まず今ある制度というものは戦後五十年の高度経済成長に合うためにつくられた制度だと思います。そして、そこには一定のモデルがあったと思うんですね、家族形態、男性の働き方、女性の働き方、男性の家族へのかかわり方、家庭生活の持ち方というのが。ある一つのモデルがあって、そこへ向かっていろいろな政策というものがつくられていったのではないかと思うんですが、新しい世紀を迎えまして、また社会の事情も全く異なりますし、そのためにいろいろな、今回もこのような法の改正がなされるわけですけれども、男性の代表として坂口大臣に、そして女性の代表として南野副大臣に、それぞれ個人的な意見でも結構でございますが、目指すべき家族のあり方、仕事の仕方という、そのモデルがございましたらお聞かせ願いたいと思います。
#221
○委員長(阿部正俊君) 森さん、念のためにお尋ねしますけれども、最初の質問の冒頭にここにいる委員の皆さん方の子育てに対する御認識についてはどうだろうかというふうな御質問があったようにも聞こえたんですが、御質問としては厚生労働大臣でよろしゅうございますね。
#222
○森ゆうこ君 大臣です。
#223
○国務大臣(坂口力君) 先ほど私は自分の過去を振り返りながら申し上げたわけでございますが、そういう意味で私は自分の過去を反面教師としながらやっていかなきゃならないというふうに思っております。
 もう一言つけ加えますと、私の子供が小学校におりましたときに、学校の先生がお父さんのない人と言ったら、私の娘が手を挙げたと。それで、あなたはお父さんあるじゃないのと言ったら、いや、私はお父さんがありませんというふうに言ったという話を聞きまして、私もさすがにそれは愕然といたしました。それほど私はこのことに対して反面教師的存在でございます。
 今回のこの法律を提案するに当たりまして、やはり今回の育児にかかわりますこの問題は、ただ単に介護休業とかあるいは育児休業とかあるいは看護休暇とかというだけの問題ではなくて、日本全体の社会構造を変えなければならない話だというふうに思っています。そういう大きな広がりを持った今回のこの法律であると。そうしなければ、ここに書かれましたこの内容がなかなか実現をしないという気もするわけでございまして、これは大きなテーマだというふうに思います。
 これから先、この少子高齢化を切り抜けていきますためには、日本がどうしてもこれは通らなければならない、そしてやらなければならないことでございますし、そしてただ単にこの法律だけではなくて、もっと大きな意味で全体を改革していくという気構えでこれは取り組まないといけない問題だという自覚を持って、自分を反面教師としながらひとつこれからやっていきたいと思っております。
#224
○副大臣(南野知惠子君) 今、女性の代表と言われましたけれども、これはもう大変おこがましいことで、私一人の考えということになろうかなと思っております。さらに、先生がおっしゃられました戦後というようなお言葉がありましたが、さすが先生のプロフィールを見させていただくと戦後だなというふうに思いますが、今、日本の世の中には戦前、戦中派もまだ生きているというところもお認めいただけるならばうれしいというふうに思っているわけでございます。
 また、子産み、子育てという問題点につきましては、今、子供を産み育てるのは女性だけだという、その喜びを女性だけが独占しているのではないかな、これを、先ほども申しましたが、男性にも分かち与えながら、子供を産み育てる喜びの実感を伝達できるのは母親しかいないんじゃないかなと、そのようにも思います。それも男女の役割分担の中になると思います。さらに、子供をどのように育てるかというのは、やはり父親の後ろ姿を見て、母親の後ろ姿を見て、私のようになりなさいよとおっしゃっていただく森先生のように、みんながそのように育ててくださればいいなというふうに思っているところでございます。
 そういう意味では、二十一世紀の宝物である今の子供たちをいかにしていい大人に育てていくかというのは今の大人が考えないといけないことであろうと。そういうふうにして考えるならば、夢と希望を持てるということはなかなか難しい現象にあると思いますが、それは我々が努力していかなければならない課題ではないかなと思っております。
 それから、ちょっとこれは思春期教育、性教育というところにも行くんでございますが、働く母親が多くなってきている世の中で、一日に一回、二回、四十五センチの範囲で育てているだろうか、ということは抱き締めてあげているだろうか、そのような肌と肌との触れ合いの中から自分の心を子供に伝達する家庭生活ということをどのようにしておられるんだろうかということもお母さんたちにお尋ねしたい。
 それから、子供たちに家の中の役割というものも、家内の作業というものがあります、お茶わんを台所まで運んでいく、お風呂を掃除する、そういったこともやはりあわせて子供たち、父親と共有した家庭内の役割分担もしていくことが大きな家庭内の教育であり、それを受けて学校教育、社会教育というものにつなげていけるのではないかな、そんなふうに思っております。
#225
○森ゆうこ君 すばらしいそれぞれの大臣の御答弁でございました。
 ただ、私がお聞きしたかったのは、今までの社会制度というものは、男性、父親がサラリーマン、そして母親は専業主婦、そして子供が二人、いわゆる公団住宅を建てたりするときにまずモデルとしてあった家族というのがあって、働き方とすればそのような家族形態、そして仕事の仕方というものをモデルとしてつくられてきたのではないかと思います、社会保障制度一般ということでございますけれども。
 そういう意味で、新しいモデルを持っていらっしゃるのかどうかということがお聞きしたかったわけで、具体的にできればそのモデルというものがそれぞれ、例えば私でしたら男性も女性も自分の仕事を持って、ただし子育て期間中はできれば休めればいいし、継続するとしても三時ぐらいには帰れてと、どちらか片方でも、また両親ともでもいいんですけれども、仕事場から帰れて、家族生活と仕事とが両立できるような働き方、そしてそれを支援する社会制度というようなものが自分の理想の中にあるんですけれども、そういうふうなものがそれぞれ大臣にございましたら、ぜひお答えいただきたいんですが。
#226
○国務大臣(坂口力君) 言われるほどの青写真を描いているわけではございませんが、しかし子育てをしていきますときに、やはり両方が子育てにかかわっていける社会というものをつくっていきますためには、例えば現在の社会の中でも時間外労働が余りにも長過ぎるといったようなことは、これは社会全体として変えていかなければならないことではないか。
 先ほど井上さんのお話に、十二時よりも早く帰ってきたことがないというお話がございましたけれども、皆が十二時までというのはそんなに多くはないんだろうという気もしますけれども、しかしそういう人も中にはかなりいるんだろうというふうに思います。
 それがずっと続いておりますとそれが当然、それが当たり前だという社会になってしまうわけでありますから、それはまことに異常なことでございますので、八時間労働なら八時間労働、そして多少時間外があったとしましても一時間か二時間で、そして家庭に帰れるような、そういう社会をお互いにつくっていくということがまず大事でございますから、そうした社会ができるようにしていかないといけない。
 これから、ワークシェアリングの話が出たりもいたしておりますけれども、そのときに一番先に問題になりますのは時間外労働を一体どうするかということがまず問題になってくるんだろうというふうに思います。ましてや未払いの時間外労働というようなことは、さらにさらにこれは改めなきゃならない問題でございますから、そうした家庭というものと社会というものとをお互いが共有していける、いや、していくような社会、それが一人一人のその人たちだけではなくて、社会全体がそういう方向に動くようにしていかないといけないというふうに思っています。
 そのためには、現在のように非常に厳しい経済状況の中で、しかもグローバル化の中で今企業は大変苦しんでいるわけでございますが、その苦しんでいる企業に対しましても私たちは、それはこの経済がこういうことだからやむを得ないんだということではなくて、やはりその企業に対しましても我々がその苦しみを共有していくというようなことでいろいろの改革を加えていかなければならないのだというふうに思っている次第でございます。
#227
○副大臣(南野知惠子君) 私は子育てということを語る資格がない人間かもわからないんです。自分の子供は育てておらずに他者の子供だけ産み育ててきた人間でございますので細かい問題はちょっと話はできないと思うんですが、一番私が悲しかったのは、本当に好きだ好きだと言って妹の子供とお夕飯なんかしながら、そしてベッドに寝たわけですけれども、夜中になったらママのところに帰ると言って帰っていった、そういう悲しさも子供のいない方々と共有できるのかなと思えばいろいろなパターンで子育てというものを経験しているようにも思うんです。
 農業をやっておられる方々というのは本当に身近で子供を育てておられる。その方たちはしょっちゅう子供たちと一緒におれるというような理想的なお仕事をしておられるのかなというふうにも思いますが、平成八年の調査によりますと、我が国におきましては六歳未満の子供がいる世帯、その中で男性の育児時間というのは一日平均して十七分しかないというようなことも聞いております。また、国際的に見ましても子供と一緒にいる時間が短いというようなことがありますが、こうした現状が結婚生活または育児に対する女性の負担感を高めているのではないか、そのように思っておりますので、仕事も子育ても男女が役割を担うということが一番必要になってくるのではないかなと。
 こういうふうなためには、少子化対策推進基本方針というものなどがございますので、それに基づいて見てみますと、固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正、これはもうやっていかなきゃならないことだろうと思っておりますし、二番目としましては仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備、これがもう今もろもろ検討されている課題であろうかと思っております。
 これを十分に育てていきながら充実させていき、男女ともに職場を初め家庭や地域においてもともに参画できる社会を築いていかなければならない。その社会を築いていくのは当然ですが、男女ともに参画して築いていける家庭をつくるというのがその前に必要ではないか、夫婦の役割というのは大きな役割があろうかというふうに思っております。
#228
○森ゆうこ君 なかなかこういう複雑な時代になってきて、ある一つの具体的な家族のモデルというのを出すのは大変難しいのかもしれません。しかし、多様性を認め合う社会を目指すんだということであれば、それなりに幾つかのモデルを用意するなり、当然、私が言うようなことではないかもしれませんが、政策というのは理想型に向かってそれを実現するために一方でつくられるものであり、もう一方では現実にある問題を解決するためにつくられるものであると考えますので、より具体的なモデルを構築されることをお願いしたいと思います。
 そして、先ほど来、今回の育児・介護休業法の改正につきまして諸先輩、先生方から、女性議員の方から質問がありました。看護休暇の請求権化ということで野党の女性議員で修正案を出すわけですが、今までの議論を聞いていると、きっと違う立場の方は、要するに使用者側の立場の方は、それじゃ中小企業はやっていけない、導入しなければいけないということはわかるけれどもこの不況の中で、企業の存続そのものが危ういような状況の中でそれを導入することは非常に難しいというふうにお考えになるかもしれません。
 しかし、この厳しい状況の中であっても、やはりこの制度は早急に導入し、また実現しなければ、日本の少子化というものに歯どめをかけることはできないと思います。将来を考えても、厳しい状況の中でどうやって、特に中小企業においてこの制度が導入され、そして現実化されるべきなのか。
 助成金も出されるということなんですけれども、先ほどのお話を伺いますと、それで果たして十分かなという気もしますので、今回、不況対策というか緊急雇用対策ということでいろいろ御計画があるようですが、その中でぜひ企業内失業者と言われるような方たちに対して、育児・介護休業という形でリストラされない、本来リストラ対象者になるような方たちに積極的に助成金をたくさんもっと出してこの育児・介護休業をとるように促してこの機会にこの制度の導入の促進を図るというのも一つの案ではないかと思いますが、この点について、局長、お願いできますでしょうか。
#229
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生が最後におっしゃいました育児・介護休業は法律の上で請求権になっておりますので、企業の大小を問わず、そして企業の中にそういう制度を明文で、例えば就業規則などにおいて書いている場合もそうでない場合も、すべての男女の労働者が請求できるものでございます。
 一方、看護休暇制度につきましては、今回努力義務として導入をしたいというふうに思っておりますので、大事なことは多くの企業の中で制度化していただくということでございまして、そのためには特に中小零細企業の負担も考慮に入れながら進めていくことが必要であるというのは先生の御指摘のとおりであるというふうに思っております。
 一つ一つの企業の、ミクロ単位に見ますと、家族責任を持っていない能率の非常にいい労働者だけを雇う方がコストパフォーマンスはいいに決まっているわけでございますが、すべての企業がそういう行動をとりますと我が国の次の世代は育たないという、そういうことをまず中小企業も含めて企業の方にしっかり理解をしていただくというところから始まるというふうに思います。
 その後で、今回の制度が法律上どういうふうに変わったかといったようなことについてさまざまな機会の説明会などを利用いたしまして周知を図ったり、中小企業でも看護休暇など既に導入をしてファミリーフレンドリー企業になっている企業もありますから、そういう好事例を収集して提供するなど助成金の活用とあわせてやっていく必要があるのではないかというふうに思っております。中小企業で普及が進まないとなかなか全体の普及率が上がらないということでございますので、そういうところに十分注意しながらやっていきたいと思っております。
#230
○森ゆうこ君 どうも、ちょっと語句の使い方を間違えたようで。
 それで、看護休暇がとれて子供と一緒に過ごせる方が本当はいいんですけれども、なかなか中小企業の事情からしますといろいろな助成金があったとしても難しい、そういう事情があるわけですが、外で親のかわりに子供を見てくれる、そういう子育て支援の環境というものも一方で整えなければならないということだと思います。
 小泉内閣の目玉ということでさまざまな子育て支援策というのが閣議決定されたようでございます。それに当たりましては、男女共同参画局の指導というよりは監督のもとにこの施策が、各省庁において子育て、仕事の両立支援策というものが進むようにさまざまな施策が練られているようです。
 具体的にいろいろお聞きしたいと思いますが、まずファミリー・サポート・センターの、先ほど質問がありましたけれども、実施状況、そして設置数、補助金等についてよろしくお願いいたします。
#231
○副大臣(南野知惠子君) 先生お尋ねのファミリー・サポート・センターの現状ということでございますが、それにつきましては従来からエンゼルプラン、新エンゼルプランに基づきまして推進してきたところでございます。
 平成十三年度から、対象者を従来の雇用労働者だけではなく自営業者や家庭の主婦にも拡大いたしております。そして、保育所との連携強化を図っていたり大都市部での重点的な設置を図るとともに、設置個所数についても百八十二カ所から大幅に拡大するなど総合的に展開してきたところでございます。ファミリー・サポート・センターは、本年七月末現在、百五十一市町村に設置されておりまして、皆さんからの評判は大変高いものをいただいているというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 ちなみに、どういう設立基準があるのかということを申し上げますならば、人口基準といたしましては、これは原則でございますけれども、五万人以上の市町村であること、さらにまた会員数ということにつきましても、原則でございますが、今三百人いなきゃいけないということではないんですが、会員数は三百人以上であることというような本当に簡単な条件がつけられておりますので、どうぞ皆さんから親しまれているファミリー・サポート・センターがますますいい方向に向かうようにというふうに願っているところでございます。
#232
○森ゆうこ君 希望数も多いということで特に今年度は支部の設置というものにむしろ力を入れて予算の設定をなされたようですが、そちらの方の実績よりもむしろ本部機能の設置の希望が多いということで来年度の概算要求ではもっとたくさんの予定になっているかと思いますが、その点について、局長、お願いします。
#233
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、先生がおっしゃったとおりでございます。平成十四年度の概算要求におきましては、さらに百四カ所をふやそうということで、二百八十六カ所分の予算の手当てをいたしているところでございます。
 副大臣の御答弁の中にも新エンゼルプランに基づいてというお話がございましたけれども、新エンゼルプランの最終年、十六年度でございますけれども、既に今年度において目標をもう突破しております。そういう形でできるだけ必要な予算措置を講じて多くの自治体に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
#234
○森ゆうこ君 それでは、子育て支援センターの設置状況についてお願いいたします。
#235
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子育て支援センターは平成五年度に創設されました制度でございます。これは、保育所がせっかく育児の専門的な機能を持っておりますので、保育所に通っている家庭だけのためではなくて、専業主婦家庭も含めて広く地域の子育て家庭への支援を行うということで始められたものでございまして、当初は保育所に併設される形で地域子育て支援センターが設置されておりました。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 平成十二年度からは、地域の需要にもう少し柔軟に対応できるようにということで施設の設置の要件を緩和いたしまして、保育所以外の公共的な施設などでも事業の実施ができるようになりまして、その結果、十二年度実績では保育所以外で地域子育て支援センターが三十四カ所設置されているところでございます。引き続き地域のニーズに合うような形で地域子育て支援センターの整備を図ってまいりたいと思います。
#236
○森ゆうこ君 地域子育て支援センターは、特に専らというか専業主婦として子育てに専念する母親または父親にとって非常にニーズがありまして、地域の中でもう既にできているところでも実はもう定員満員になって、そして本来であれば毎日行ける場所であるべきだと思うんですが、割り当てで週に一回しか利用できないというような現状もございます。さらなる拡充が必要かと思われますので、よろしくお願いいたします。
 そして、今ほど要件が緩和されて保育園でなくても設置できるというお話があったんですが、実際にはその辺の周知徹底というのがまだまだなようでございまして、実は私も地域子育て支援センターを設置したいと思って、今、老人福祉センターというのはどの地域にもございますが、そういう施設を利用して地域子育て支援センターの開設をということで大分仕事をした経緯があるんですが、制度上の問題ということでなかなか難しかったというのがございまして、その辺の周知徹底も図られるようにお願いいたします。
 そして、今回も緊急雇用対策の中で学童保育の充実というのが図られる予定になっておりますが、学童保育といいますと放課後児童クラブという名称がついていたりするのから想像されるかと思いますが、要するに学校が終わった後の子供の居場所ということで設定されていると思うんですが、実は働く母親にとって一番問題になるのは長期の休みでして、夏休み、冬休み、春休みと。会社が休みなわけではありません。非常に長期の休みですので、その間、学童保育の、保育所の運営についてもう少し国の方での支援策を講じられて、長期の休みというと今度は朝から晩まででございますが、開設されるように働きかけをお願いしたいと思いますが、その辺のことに関していかがでしょうか。
#237
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生がおっしゃるとおりだと思います。夏休み、春休みなどの長期の休みにも開所をする放課後児童クラブをふやしていきたいというふうに思っておりますし、また学校が週五日制になりますと土曜日の開所の必要性も高まりますし、また夕方も、今は五時あるいは六時で閉所する学童クラブが多いわけでございますけれども、その閉所時間についてももう少し遅くまでやれないかといったようなことについても努力をお願いしたいと思っております。
#238
○森ゆうこ君 時間の延長に関しては具体的に指導なり、何か通知を出されるのでしょうか。
#239
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今申し上げましたような、年間の開所日数をふやすということ、また開所時間を夕方遅くまで下げるということについては補助金に付加的なものをつけ加えておりまして、そういうような施策を通じて地方自治体にお願いしているところでございます。
#240
○森ゆうこ君 それでは、今の学童保育の運営に関しまして、きょう文部科学省の方からも来ていただいていますが、長期の休みの開所ということになりますと、ただ子供をその場で預かっていればいいということだけにならないのでして、非常に長時間でありますし、また学童ですのでそれなりの、本当は大人が一つのカリキュラムで縛るのはよくないとは思うんですが、なかなか限られた施設の中でただその場に預かるということだけでは長期の休みを過ごすというのは大変難しゅうございます。
 そこで、特に学童保育の場合、設置場所も時には学校の空き教室を使ってということもありますし、その辺のところで、カリキュラムという言い方はちょっとあれなんですが、キャンプとか、さまざまな試みを学校側の指導において何かやられるというようなお考えはありますでしょうか。
#241
○政府参考人(玉井日出夫君) いわゆる学童保育の関係でございますけれども、確かに御指摘のとおり、学校のいわゆる余裕教室を活用したり、あるいは学校の中の敷地に専用施設を設けて行われているのが大変多いということはよく承知しているわけでございます。
 私どもが今まで進めていますのは、実際に余裕教室がかなりできてきておりますので、その積極的な活用ということで、学校教育ももちろん必要ですけれども、それ以上にさまざまな施設に活用されることを促進するという観点でさまざまな施策を続けてきております。
 ただ、そこの学童保育の具体の中身の事業になりますと、これは従来から厚生労働省の方で中身についての御努力をされてきておりますので、そのあたり、先ほどの担当局長の御説明にありますように、さらにまた御努力をなされると思いますので、私どもとしてはその場の確保についてのできるだけの努力はまた今後ともさせていただきたい、かように思っております。
#242
○森ゆうこ君 そうしますと、空き教室を利用したりするという手続に関して結構難しかったりするんですけれども、その辺の連携というのは、厚生労働省の関係、管轄する部署と文部科学省の方の管轄する部署とで連携はとれているんでしょうか。
#243
○政府参考人(玉井日出夫君) いわゆる余裕教室の活用につきましては、私ども既に平成五年に余裕教室を活用するための指針を示して全国の都道府県、市町村での活用を促してまいりましたし、その促進をするためには、先生御指摘のとおり、いわゆる財産処分の手続があるものですから、その手続をできるだけ簡素化、明確化しようという方針で改善を加えてまいりました。
 具体的に申し上げますと、いわゆる学童保育施設については、平成三年度にはいわゆる承認ではなくて報告で足りるという簡素化を図りましたし、それから保育所については平成九年度から報告で足りるという形に改善をさせていただきました。
 ただ、それだけではなかなか進まない面があるものですから、実は平成十年には、老人デイサービスセンター等の社会福祉施設に活用される場合などを念頭に置いて、当時の文部省と厚生省、協力してそういう活用のパンフレットを作成して全国にお配りをいたしましたし、それから平成十三年には、ことし、余裕教室の保育所への転用事例を取りまとめて、これはまたホームページに載せさせていただいていますので、各自治体においていろんな形が今できつつあるということを積極的にPRさせていただきたいと思っております。
#244
○森ゆうこ君 先ほど、中身のことに関しては厚生労働省が責任を持っておやりになるということだったんですが、今回の緊急雇用対策の中でも補助教員の採用で公的な雇用をふやすというふうなお話がありました。学童保育の場合には指導員だとは思うんですが、例えば子供たちのそういう環境を整えるためにさらに緊急雇用対策のお金を使うというふうなお考えはないでしょうか。
#245
○政府参考人(岩田喜美枝君) 放課後児童クラブの運営費助成に指導員を子供の人数に応じまして必要な数配置できるための補助金の手当てをいたしております。
 さらに内容を充実するために緊急雇用対策の一環として何かやれないかという御提言でございますが、それぞれの地域に基金を設置してさまざまな創意工夫のもとでの雇用対策をやる枠組みについて補正予算で検討されているようでございますから、地方自治体によってはそういうことをお考えになるということもあり得るのではないかと思います。
#246
○森ゆうこ君 今回の緊急雇用対策に関しては、好事例というのを示して、具体的には地方に任せるということだったと思うんですが、もしできましたら、雇用対策とともに仕事と子育ての両立支援というものがさらに進むような形での緊急雇用対策と一石二鳥というような、そういう形でされればと思います。
 それでは、小児医療体制について、関連がございますので質問させていただきます。
 今回、子供の看護休暇ということで、子供が病気をしたときにどうするかというのはもう本当に大変なことでございまして、さきにもさまざまな事例が具体的に説明があったわけですけれども、小児の医療体制について、働きながら子育てする親にとって子供が病気になることはとても心配なわけですから、いつでもその体制がとられるべきだと思うんです。
 ただ、小児の医療体制、子供の医療体制について最近気になることがありまして、それは小児科の先生が不足しているということで大変だというふうなことがあるようでございますが、そのことに関しまして実態の把握はいかがでございましょうか。
#247
○政府参考人(岩田喜美枝君) 小児科の医師自体は減っているということはございませんで、平成四年では三万三千八百三十二人でありましたが、十年には三万四千六十四人ということでほぼ横ばいでございます。一方、医師全体がこの間ふえておりますから、その中で小児科医がふえていないという現実はあるようでございます。
 また、先生が今おっしゃいましたように、一般病院の中で小児科がある病院が減っておりまして、平成五年では四千二十五の病院に小児科がありましたけれども、十一年には三千五百二十八カ所ということで、これは若干顕著な減少ではないかというふうに思っております。
#248
○森ゆうこ君 数字上は確かに小児科医は減っていないということですが、現状、非常に、特に救急医療などの場で、特に子供の救急医療というのは多いわけですね、突然熱を出すとかということで夜中に駆け込むというようなこともあります。そして、ぜんそくの子供さんが今多いんですね。今アトピーではない子を探す方がかえって難しいといいますか、私も別に数字を把握しているわけじゃないんですが、学校の先生にお聞きしても、自分の担任している子供たちも非常に多くの子がアレルギー疾患を持っていて、そしてぜんそくの子供が多いと。ぜんそくの子供が多いということは夜突然発作を起こすことも多いということで、救急の医療体制というものが特に子供さんの場合に求められるわけですが、小児科の医者が足りないというような警告を発せられることについて、数字上はそうですけれども、実際どのようにお考えか。
#249
○政府参考人(岩田喜美枝君) 小児科の医者の数は減っていないと申し上げましたけれども、病院の中に小児科がある病院は減っているわけでございますし、またお医者様の年齢が若干高齢化しているという問題もありますし、またビル診療がふえているということもありまして、特に休日とか夜間に医者にかかれない、小児科にかかれないという問題は課題としてあるというふうに認識いたしております。
 実は、この問題は坂口厚生労働大臣が非常に強い危機意識を持たれまして、私どもを強く指導され、小児救急医療体制の今整備に関係局一生懸命取り組んでいるというふうに聞いておりますし、また私どもとしては、若い医学生あるいは研修生に小児科に関心を持っていただいて入ってきていただかないといけない、また入ってきていただいた方にしっかり研修していただいて立派な小児科医になっていただかないといけないわけですが、小児科の若手の医師の確保、育成をどうするかということについて調査研究をするようにという大臣からの御指示がありましたので、十四年度の予算要求にはそのための調査研究費を厚生科学研究の一環として要求をさせていただいているところであります。
#250
○森ゆうこ君 それでは、大臣が非常に力を入れていらっしゃるということですので、一言だけ大臣からお願いします。
#251
○国務大臣(坂口力君) 小児科の医師がかなり地域におきましては減ってきているというニュースをよく聞くわけでございます。
 統計上見ますと、先ほども多分御説明があったと思いますけれども、それほどの大きな数字の減少にはなっていないわけでございますが、現実問題といたしますと、内科・小児科というような看板をお出しになっているところがかなりございまして、そうした意味で、そうした皆さん方も入れるとそんなに減っていないということだろうと思うんです。本当の小児科だけ今まで標榜しておみえになりました皆さん方が多分減ってきているのではないかというふうに私は思っております。
 とりわけ地域における救急医療というものが非常に充足しておりませんで、このことをやはり全国津々浦々、小児の救急医療というものがしっかりとしていくということがお母さん方にも非常に安心をしていただくことでございますし、そしてそのことがまた、きょうのこの法案にも関係をしてくるわけでございますが、何かありましたときにすぐにそうしたところに連れていっていただける、たとえそれが保育所におりましても、あるいは他の先ほどからのサポートセンターのようなところへ預けていただいているようなときでありましても、すぐにそうしたところに何か急にありましたときには連れていっていただけるという体制が大事ではないかというふうに思っておりまして、ここは何とか回復をするようにしてもらいたいというふうに思っています。
 ただ、小児科の場合には、夜間に往診等が多いということもございますし、医師の方も大変重労働になるということも私はあるのではないかというふうに思いますけれども、しかし小児科を目指すような人たちというのは、少々体が疲れるとかなんとかというようなことは余り思っておりませんで、本当に子供が好きで、子供が健康になることを願ってやっているわけでございますから、その皆さん方におこたえをしていくような全体としての医療制度というものもつくり上げていかなければ簡単にはもとに戻らないんだろうというふうに思っている次第でございます。
#252
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 それで、先ほども申し上げましたように、子供が病気のときには休みが堂々ととれる、これが実は望んでいることですけれども、なかなか中小企業では今の現状を考えると難しいというのもまた現実でございます。
 そういう意味で、乳幼児健康支援一時預かり事業というものがありますが、これをもっとさらに充実すべきだと思います。国の施策よりも先行してある自治体では病院と連携してベッドを確保していつでもぐあいの悪くなった子供をそこで預かるというような支援策をしているところもございますが、この乳幼児健康支援一時預かり事業について、現状と今後の見通しといいますか、様子をよろしくお願いいたします。
#253
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子育てと就労を両立させるため、特に子供が病気になったときの対応は、一つには企業において看護のための休暇がとれるということが大事でございますが、あわせて、先生御指摘のように、地域でそういう病気のお子さんあるいは病気の回復期のお子さんを責任持って預かっていただく体制をつくるということが重要であろうかというふうに思っております。
 病後児保育と言ったりいたしておりますが、乳幼児健康支援一時預かり事業というのをやっておりまして、病院の一角をそういうことに充てたり、それから保育所の中に通常の保育スペースとは隔離いたしまして、そこに看護婦を配置するなどによって病後児を預けられるようなそういう仕組みも始まっているところでございます。
 現状ですけれども、平成十三年度におきましては二百五の市町村がこの事業に取り組んでおります。率直に申し上げまして、この病後児保育の必要性は以前から言われてきておりましたけれども、自治体の取り組みはそれほど進まなかったというふうに思っております。
 そういうことで、新エンゼルプランにも目標を掲げまして、平成十六年度までに五百の市町村で実施をするということになっておりまして、その目標に向かって今取り組んでいるわけでございますけれども、昨年あるいはことしに入ってからの状況を見ますと、この病後児保育に対する市町村の認識が急速に高まってきたような感じがありまして、これから普及することを非常に強く期待をいたしているところでもございます。国も運営費のための助成金を措置しているところであります。
#254
○森ゆうこ君 いろいろそれぞれの具体的な両立支援策というものをお聞きしましたけれども、一時期に比べるとかなり進んできたなというふうな感想があるんですが、残念ながら、いろいろなサービスがいろいろな事業主体、いろいろな場所で行われていて、それが要するに働く親にうまく情報が伝わっていないのではないかということもありますが、その情報の一元化、それから同じようなサービスを違った形でやるという、あちこちでやるというのも大切ですが、ある程度予算を効率的に使うという意味でも少しサービスを統合するというようなことも必要ではないかと思いますが、その件に関してはいかがでしょうか。
#255
○政府参考人(岩田喜美枝君) 情報提供の一元化につきましては、旧厚生省、旧労働省が一体化したということもございまして、今そちらの方向で事業が展開できていると思います。
 先ほどの答弁の中でも御説明したんですけれども、自分の住んでいる地域でどういうサービスを受けられるかということについて電話で相談したいというふうに思われる方については、二十一世紀職業財団がフレーフレー・テレフォン・サービスというのをやっております。また、インターネットでいろいろ検索したいという方のためには、こども未来財団がi―子育てネットというネットを通じた情報提供もやっておりますので、これらの情報提供、さらに内容の充実を図っていきたいというふうに思っております。
 子供支援のため、子育て支援のための施策は本当にきめ細かくいろいろやっておりますけれども、先生おっしゃるように、効率化という観点からもし見直さないといけないというようなことがございましたら、それは常に見直しをやってまいりたいというふうに思います。
#256
○森ゆうこ君 一般的な意見ですが、高齢者に対する施策というのは非常にここ数年来進んできたと、それに比べると子育て支援というのはまだ不満があるというのがございます。
 介護保険が導入されたことによって、この制度そのものもこれから改良を加えられるべきだと思いますが、その制度そのものについてはともかく、とにかく高齢者の介護を社会で支えるという介護の社会化というコンセンサスができたということは非常に大きなことだと思うんですね。
 ただ一方、子育てに関してはどうでしょうか。「なんでも鑑定団」というのがあって、全国津々浦々にあるその家のお宝というものを探してくる番組がありまして、先日、子供と見ていたんですが、ママ、うちには何の宝もないねと言うんですね。それで、いや、我が家には子宝様というのが三つもあるからこれにまさるものはないよと言ったら、またそんなうまいこと言ってなんて言われたんですが、子供は家の宝であると同時に、先ほど厚労大臣もおっしゃいました社会の宝、それで次の社会を支えていくものであります。
 もちろん、子供を育てる、子供を自立した一人の社会人として、つまり社会を構成する要員、納税者としてきちんと社会に送り出すということは親の責任だと思います。でも、その次世代をはぐくむということで、それは両親だけではなくて、地域社会そしてこの社会全体で支えると、つまり子育ての社会化というコンセンサスを得るということが非常に重要なんではないかと思いますが、この点について大臣のお考えをお願いいたします。
#257
○国務大臣(坂口力君) 高齢者に対します施策といたしましては、この大体十四、五年、とりわけこの十四、五年非常に充実をしてきたというふうに思っております。しかし、それに対しまして、先ほど御指摘いただきましたように、子供に対します問題、少子高齢化とはいいますものの、高齢化対策は非常に早くから取り組まれたわけでございますが、この少子化対策というのは比較的、この四、五年と思います。どういたしましても子育ては家庭で行うものという、何となくそういう気持ちが強かったというふうに思っておりますが、しかし少子化がだんだんと厳しさを増してまいります中で、やはり子供は各家庭だけではなくて、社会全体の中でバックアップをしていかなければならない、子育てをしていかなければならないという気持ちがだんだんと大きくなってきたというふうに思います。
 その子育ての中で何を優先して行うべきかということにつきましてはそれぞれのお立場によってかなり意見の異なるところでございますが、しかし全体としましてこの子育て支援というのもこの三、四年急ピッチで進んできたというふうに思っている次第でございます。これから先もこの子育て問題につきましてはきめ細かく進めていかなければなりませんし、そして予算が厳しければ他の分野から少し回してもらってでもこの分野はやっていかなければならないというふうに私は思っております一人でございます。
 ぜひとも御協力をいただいて、そして、やはりこの出生率が一・三四とか一・三五といったようなことではなくて、まあ二・〇とまではなかなか一遍にいきませんけれども、少なくても早く一・六か一・八ぐらいにはなってこなければ、これは日本全体として高齢化も大変なことになってしまうという気がいたします。この少子化が回復をいたしますのには三、四十年は少なくともかかるというふうに言われているわけでございますから、将来を見据えながら今のうちに手を打たないといけないという気がいたしております。
#258
○森ゆうこ君 すばらしい御答弁、ありがとうございました。
 他の分野を削ってでも予算措置をするべきだという非常に力強い御答弁をいただいて感激しております。
 そして、具体的に一・六以上に合計特殊出生率を戻さなければいけないということで、それに向けて、それを目標にますますこの両立支援策が進められることを、私も力を出していきたいと思います。
 また戦後と言うと怒られるんですが、戦後のこの五十年、六十年というのは、結局、日本が戦後の復興、そして経済成長のために工業社会、効率のよい工業社会ということで、その社会制度が、男性が会社に勤めて、それも終身雇用で、専業主婦の妻とそして子供を会社が福利厚生を含めて、将来の年金も含めて全部丸抱えで面倒を見て、夫は妻に家庭責任を全部任せて、後ろを憂うことなくとにかく仕事だけに専念して猛烈に働いて、それが非常に効率がよくこの経済の成長に役立ったわけですけれども、もう本当に社会が変わりました。状況が変わって、これからの政策の目的は新しい環境に合うものにしていかなければならないのではないかと思います。
 今までの制度は生き方の多様化、この社会の変わったことに対して、旧来のままで制度疲労を起こしているという部分が大きいのではないかと思います。この制度改革そのものが先ほど大臣もおっしゃいました構造改革そのものだと思います。
 それで、構造改革というのは既得権益というものを断ち切ることだと思うのですが、全然進みませんが、特殊法人の改革だけじゃない。既得権益を持っているのは、特殊法人とか族議員と言われている人たちとかそういうことじゃなくて、私たち国民一人一人がすべて既得権益を持っているんじゃないでしょうか。
 いつの間にか子供が育ってしまったといって子育てに全然責任を持ってこなかった男性もそうですし、川柳にあります、これは今度は専業主婦、要するに女性に対する既得権益ですが、「まだ寝てる帰ってみればもう寝てる」という、その男性にすべて経済的責任を負わせてのうのうと暮らしている女性というふうな表現があるわけですが、それも一種の既得権益でもあると思います。とにかく、すべて私たちが持っている既得権益を断ち切って全く新しい社会をつくるために何をやらなければいけないかということだと思います。
 ということで、私の時間も終わりましたので、これで質問を終わらせていただきます。
#259
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。長時間にわたって本当に御苦労さまでございます。
 今回のこの改正案には私は賛成をさせていただくということをまず冒頭で申し上げまして、質問に入りたいと思います。
 この改正案では育児休業の部分が中心になっているわけでございますけれども、午前中から女性の先生方から十分な審議がございましたので、私の方からは少し視点をお年寄りの方に変えさせていただきまして、介護休業制度に絞ってお伺いをしてまいりたいと思います。
 昭和六十一年に私は参議院に参りまして、当初は法務委員会でお世話になりました。平成元年より当時の社会労働委員会に所属をさせていただきまして、その当時、委員会で初めて質問をさせていただきましたのが実はこの介護休業制度でございます。当時、佐藤ギン子さんという方が局長さんでございました。まだ調査研究が始まったばかりで、とりあえず介護休業制度を奨励することから始めようと考えておりますという御答弁をちょうだいいたしました。その後、平成三年に育児休業、七年には介護休業制度がそれぞれ法制化をされたわけですけれども、昨年からはまた介護保険制度が導入をされました。
 当時と比べますと介護を取り巻く社会の認識も相当変わってきたように私自身も思うんですが、まず冒頭、このあたりの御答弁、厚生労働大臣よりよろしくお願い申し上げます。
#260
○国務大臣(坂口力君) 介護休業についての委員からの御質問をいただいたわけでございますが、今お話をいただきましたとおり、平成七年当時、この介護保険制度が法制化をされまして、十一年の四月から全面的に施行されるということになりました。実質的には昨年の四月からということでございますが、実際に全国津々浦々でこの介護保険制度が実施に移されて、いろいろ具体的な問題では問題点を残してはおりますし、そして皆さん方からももう少しここはこういうふうにしてほしいという御要望がありますことも事実でございますけれども、まずは船出としては順調に船出をさせていただいたのではないかというふうに思っております。ここに至りますまで多くの議員の皆さん方の御協力あってできたわけでございまして、感謝を申し上げたいと思います。
 そして、今後これをどのようにはぐくんでいくかということが非常に大事になるわけでございますが、これから先、在宅介護ということが非常に重視をされてできたわけでございますから、やはり施設介護もこれは捨てておくことのできない大事な問題でございますけれども、できる限り在宅介護というものがもっと育っていくようにしていかなければならないというふうに思っています。
 この在宅介護を進めるに当たって、やはりこれもみんなの意識改革が必要でございまして、何か介護で難しくなればすぐに施設へということが言われるわけでございますけれども、そうではなくて、そこでみんなが協力をし合いながら、どうしたら在宅でできる限り自由な雰囲気の中で介護を実施していけるのかということにもう少し知恵を絞らなければならないんだろうというふうに思っています。その場で働く皆さん方のことも全体を見ながら今後考えていかなければならないと思っている次第でございます。
#261
○西川きよし君 ありがとうございました。
 在宅、そのあたりをきょうはめったにない一時間という時間をいただきましたので、じっくりとお伺いをしてまいりたいと思います。一時間もいただくと配分がなかなかかえって難しくなってまいりまして。
 その当時、岩田局長さんが育児・介護休業などの担当課長さんであったと記憶しております。私がそうした質問をさせていただきたいと御相談を申し上げますと、岩田さんはまだまだこの問題を国会で取り上げる男性の議員さんは少ないですねというふうにおっしゃっておられたのを僕は記憶しておりますが、今、大臣から社会認識のあり方、そして移り変わり、お話をいただきました。
 そうした中での仕事を持ちながら介護をされている方々の状況、大変難しい問題があります。どのような変化をもたらせているとお考えであるか、岩田局長にお伺いいたします。
#262
○政府参考人(岩田喜美枝君) 大臣がおっしゃいましたように、私も介護の問題というのは人口が急速に高齢化する中で本当に一人一人にとって身近な問題になってきているというふうに思います。
 私は、特に仕事をしながら介護にかかわる、この両立をどういう形で実現するかといった分野に特に関心がございまして、これまでは残念ながら介護をするために仕事をやめる、あるいは介護をするために正社員からパートに移るといったような例も少なからずございました。そういうことで、仕事をしながら介護を続けるという環境をつくっていくことは大変重要な課題であるというふうに思っております。
 育児・介護休業法が全面的に実施に移りましたのは、すなわちすべての事業所ですべての労働者が請求権として介護休業を請求できるようになりましたのが平成十一年の四月からでございまして、本当にまだ歴史が浅い分野でございますが、育児・介護休業法の施行を通じて、働きながら介護もできる、それも男性も女性もそういうことが可能になる、そういう条件をつくっていくために力を注ぎたいと思います。
#263
○西川きよし君 先ほど坂口大臣の方からも在宅というお話がございましたが、我が家には私の両親と家内の母親がおるわけですけれども、うち二人は要介護でございまして、その中で妻の母親は五でございますが、このところ入退院を繰り返しているということでございます。
 そうした中から実際に身をもって感じることですけれども、施設へ参りましても、我が家でもそうですけれども、例えば我が家から病院への入院、退院、それから準備、大変です。この入退院の手続、おしめは持たないかぬ、車は出さなければいけない、だれかが背負わなければいけない、手続はとらなければいけない、だれがどうして時間をつくり出してお世話をするのか、相当な時間、労力、大変です。どこのうちでもそうだと思うんですけれども、幸いに我が家はそれぞれに仕事を持っております。そして、本当に幸せなことに、家族が多いものですから、親子四代ということでございますけれども、時間的に調整をしてみんなが対応ができる。
 これを、仕事をお持ちでまた家族が少ないとなれば、制度面の整備はもちろんのことですけれども、相当な事業所内での理解をしていただくとか、社会の理解が本当に必要になると感じているわけですけれども、このような点について今回のこの改正案ではどのような配慮がされているのか、政府参考人にお伺いします。
#264
○政府参考人(岩田喜美枝君) 仕事と介護の両立のために例えば介護休業を取得すると、これを進めるためには職場の理解が大変重要であるというのは先生の御指摘のとおりだと思います。特に、年齢的に育児休業と違いまして介護休業の請求をする方はもうベテラン社員になっておられたりあるいは管理職になっておられたり、そういう方たちでございますので、そういう方が長く職場をあけるということについては大変企業の運営という観点から見れば難しいという、その中で休業を保障していくことが重要でございますので、職場の理解を深めるということが大変重要であるというふうに思います。
 今回の法律改正の中では、国は、子の養育または家族の介護を行う「労働者等の職業生活と家庭生活との両立を妨げている職場における慣行その他の諸要因の解消を図るため、」関係者に意識を啓発する、そのための広報活動などの措置をとるという趣旨の条文を盛り込んでいただいたところでございます。
 改正法が成立しました暁には、仕事と介護の両立がしやすいように、職場の理解が得やすいように関係方面に広報活動を積極的に展開してまいるつもりでおります。
#265
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、この介護休業制度創設の法制化の審議が行われた平成七年当時の政府側の説明によりますと、年間に約八万人の方が介護を理由として仕事をやめなければならない状況にあるというお話でございました。
 当時の状況をここで改めて御答弁いただきたいと思います。
#266
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成七年当時、その時点で直近の数字は平成四年の数字だったわけでございますが、総務庁の平成四年就業構造基本調査によって御説明をいたしております。
 家族の介護のために過去一年間に離職した者は八万一千人という数字でございまして、その年の年間の離職者総数二百三十四万人でしたけれども、そのうちの三・四五%を占めると、そういう御説明を当時させていただいております。
#267
○西川きよし君 そうした状況の中で、平成十一年より介護休業制度を導入したわけですけれども、その後の取得状況の推移はどうなっているのか、そしてこの八万人という数字はどのようになっているのか、改めてお伺いいたします。
#268
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十一年度の数字でございますが、男女年齢を問わずすべての常用労働者の中で介護休業取得者がどの程度いたかという割合でございますが、〇・〇六%という、全体に占める割合は大変小さなものでございました。その後、最近の状況を把握するデータが今日までございませんので、その後の変化はそういう形では把握できておりません。
 また、介護休業の休業期間中に雇用保険制度の中で介護休業給付を受けることができますのでその受給者を見ることができるわけでございます。平成十一年度では三千三百四人でございましたけれども、十二年度には三千九百七人ということで、介護休業給付の受給者は増加をしているということが言えようかと思います。
 また最後に、介護を理由として仕事をやめなければならない労働者の数がその後どうなったかというお尋ねについてでございますが、先ほど、平成四年の調査で八万一千人と申し上げましたけれども、平成九年の調査ではこれが十万一千人ということで増加をいたしております。
#269
○西川きよし君 数はふえておりますが、高齢化の進展という社会情勢をこの数字が物語っているように思います。
 次に、これまでの具体的な対応の状況についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 まずは期間の問題ですけれども、期間についてですが、この期間の延長についてはこれまでにもたびたび議論になっているところでありますが、この点については法第二十二条の規定に基づく指針におきまして事業主側に対して配慮を求めておりますけれども、その内容とこれまでの事業主の対応についての状況はいかがでございましょうか。
#270
○政府参考人(岩田喜美枝君) 請求権としての介護休業の最低基準は三カ月となっているわけでございますけれども、この三カ月は三カ月経過すれば介護の状態がなくなるということで三カ月というふうに決めているわけではございませんで、介護をする家族の発症からその症状が安定期になるまでの平均的な期間、あるいは介護に対応するためにどういう施設やサービスを利用できるかということで態勢が落ちつくまでの期間というようなことを念頭に置いて三カ月というふうに決めているわけでございます。
 しかしながら、現状は三カ月では対応ができないということもありますので、先生今お尋ねの法第二十二条に基づく指針におきましては、こういう期間が三カ月を超える場合があるということにも「留意しつつ、企業の雇用管理等に伴う負担との調和を勘案し、必要な措置が講じられることが望ましいものである」ということを指針で述べております。事業主にそういう配慮を求めているところでございます。
 それへの事業主の対応、その結果でございますが、介護休業制度の規定がある事業所で介護休業の期間の最高限度を決めている事業所がこれは大部分でございまして、平成十一年度では九四・九%という事業所で最高限度の期間を決めております。その期間の内訳でございますが、やはり法律の最低基準三カ月、これに合わせているところが六三・七%ということで最も高いわけですけれども、例えば一年というふうにしている事業所が二五・一%、三カ月以上六カ月未満としている事業所が六・一%ということで、三カ月を超える期間を設けている事業所もあるということでございます。
#271
○西川きよし君 そこで、介護休業法の法制化審議のときには当時の新進党案も提出をされました。新進党案では一年ということで、今、局長さんもおっしゃいましたけれども、一年ということで大きな争点の一つであったと思います。
 皆さん方も御記憶があると思うんですけれども、桝屋副大臣が当時は提出者として答弁をされている議事録も改めて読ませていただきました。びっくりいたしました。自分自身も、えらい便利な世の中ですので、パソコンやインターネットやという議事録を調べておりますと、びっくりいたしました。
 少し読ませていただいてもよろしいでしょうか。
#272
○副大臣(桝屋敬悟君) はい。
#273
○西川きよし君 議事録を持ってまいりましたのですけれども、「介護休業制度につきましての期間でございますが、期間の最高限度を定めている事業所のうち、三カ月未満としている事業所はわずか一〇・四%、一年以上としている事業所は六一・二%に上がるわけでございます。さらに、期間に限度がない事業所もあるわけでございまして、」「なお、この一年の範囲内での労働者の介護に対する多様な選択肢を認めたものでございまして、すべての介護休業者が丸々一年休業しなければならないというものでは決してございません。あくまでも最長一年間というふうに私どもは考えております。」、大変説得力のある御答弁でございました。
 当時の状況と、そして桝屋副大臣としてどのようなお考えをお持ちであったのでしょうか、ぜひ僕はお伺いしてみたいなと思いまして、本当にお時間お忙しいところを、今走ってそちらの方へ御着席なさって、まことに申しわけございません、御答弁の方をよろしくお願いいたします。
#274
○副大臣(桝屋敬悟君) 西川委員におかれましては、まさに、私は余り後ろを振り返らない人間でありますが、みずから行動してまいりましたみずからの軌跡を改めて原点としてきょうは教えていただくようなそんな場でございまして、今、提案理由のところまで読んでいただきまして、鮮明に当時のことを私も思い出しております。本当にありがとうございます。いい機会を与えていただきました。
 当時は私も新進党の一員として、ただいまは本院に籍を置いておられます松岡滿壽男先生を先頭にこの問題、本当に一生懸命取り組んだことを思い出しております。確かにあの当時は、平成七年のときの議論は介護休業の期間あるいは回数とかそうしたことが大きな争点になったというふうに思っております。
 当時、私が所属しておりました新進党の中で議論いたしましたのは、連合の皆さんが当時さまざまな調査をされて、やはり実際に介護休業をおとりになった方々の実態というデータ等もお示しをいただいて、たしか五・八カ月とか、あるいは平均すると三カ月とかそんな数字もあったように思いますが、そんなデータを出しながら、あるいはまた今お示しをいただきました、当時数は少なかったけれども、介護休業制度を導入しておられた企業の中で、その多くが一年というような期間を設定しているということもあって、これは最長一年ということで、それぐらいの幅があった方がいいのではないかという主張をさせていただきました。
 そして、私はずっと介護の問題を国会議員になる前から取り組んでおりましたので、当時、旧厚生省でありますが、そうしたデータを見ても、お亡くなりになる前の平均の介護期間というのはやはり三カ月ということではなくて、もう少し長い八カ月とかそうした期間があるというようなことも今思い出しておりまして、そうしたことを背景に一年ということを主張させていただいたと。
 しかしながら、国会というところは数で採決をされるわけでありますから、残念ながら私どもの主張は通らなかったということを記憶しているわけであります。
#275
○西川きよし君 ありがとうございました。
 今お示しになった副大臣の記憶をこちらの方で見せていただきましたら、そのとおりでございました。
 制度の創設後、三カ月を超える利用期間を認める企業も出てきているわけですけれども、現状においてはこの利用期間のあり方については、桝屋副大臣としてはどのようにお考えでしょうか、もう一度。
#276
○副大臣(桝屋敬悟君) 私も政治家の一人でありますから、原点は忘れないようにこれからも取り組んでいきたいということをきょう改めて認識をさせていただきました。
 そうした議論があって十一年四月から介護休業制度が施行されたわけであります。今、局長の方からも答弁がありましたけれども、やはりこの介護休業制度、導入されたこの制度は、介護にかかわる最初の部分、介護が必要になったときに、例えば仕事を持っておられる方が、さあどうするという事態になったときに、まずは三カ月ぐらいは大変だろうということでその部分をこの制度でカバーをするという考え方だと。私どもはそれが少し長くてもいいんじゃないかと当時思ったわけでありますが、今もその思いはもちろん変わってはいないわけでありますが、先ほど局長から答弁がありましたように、介護休業についてはやはり企業の労務管理の負担、それから働く者のニーズというもののバランスというのはこれはあるわけでありまして、当時の我々の主張が入れられなかったということはこれは事実であります。
 そうしたことで始まったこの介護休業制度、その後、介護保険制度も新しく始まったわけでありまして、先ほど平成九年のデータを局長から示されましたけれども、やはり平成十二年度から始まりました介護保険制度、新しい介護保険のサービスというものがどのように地域で利用されていくのかということもあるわけでありまして、十一年四月から始まりました介護休業制度の実施状況、あるいは今申し上げた介護保険のサービス、そうした利用状況等も勘案をしながら、私個人的にはこれからもこの問題については注視をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#277
○西川きよし君 どうもありがとうございました。
 それでは次に、利用回数についてお伺いをしたいと思います。
 この点についての状況をまずお伺いします。
#278
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十一年度の状況ですけれども、介護休業制度の規定がある事業所の中で取得の回数について制限があるものが八四・二%でありました。その内容を見ますと、九一・四%の企業では同一要介護者につき回数を制限している、そして六・五%の企業では同一要介護者の同一疾病につき回数を制限しているということでございました。そのいずれの場合も取得回数の制限は一回というふうに決めている事業所がほとんどでありました。
#279
○西川きよし君 ありがとうございます。
 改めて申し上げることもないと思うんですけれども、介護の場合は育児と違ってなかなか姿が見えてきませんし、期間というものがなかなかまた見えてきません。みんなで本当に大変なんですけれども、施設へお伺いすると施設なりに、我が家は我が家なりに、それぞれのおうちはそれぞれのおうちなりに、本当に幸せの平均点と申しましょうか、そのおうちそのおうちの介護のやり方というものがあります。
 私の体験としても、やはり介護する家族の一人としまして大変だったのは、副大臣もおっしゃっておられましたけれども、介護状態になった最初の三カ月と申しましょうか最初の時期、妻の母親が骨折をしたんですが、それで骨折で寝たきりになりますと本当に早いですね、瞬く間に介護度五ということになったわけです。介護の知識がみんななかったものですから、そんな中でもおむつをかえたり、おふろへ入れたり、そしてまた食事をとってもらったり、かなりの時間はかかりますけれども、家内なんかは水着に着がえ、うちの父親を入れたり、一人だけではありませんのでもうてんやわんやですけれども。一人では到底絶対にこういうことはできないと思います。先ほども申しましたように、家族が多かったことが本当に幸せだな、よかったなと思うわけですけれども、この時期は肉体的にも精神的にも相当な負担感があります。そういう意味では、やはりこの時期の取得というのが一番多いのではないかなというふうに思います。
 またその後ですけれども、安定したときを経てやがては、やっぱり悲しいことですけれども、みとりの時期を迎えます。これも本当に悲しいつらいことですけれども、私の家内の母親は現在そういうふうな時期になっておりますし、東京で、こちらで仕事をしておりましても、電話が鳴るたびにどきどきするわけです。本当に今回身をもって感じていることとして、やはりこの時期というのは人によって本当に短かったり長かったり、かなり長期化する方がおられたり、しかし家族にとっては一日一日が最後というような気持ち、状況がございます。少しでもそばにいてやりたいな、長くいてやりたいな、お世話してやりたいな、どうしても仕事を休まざるを得ないということも出てまいります。
 しかし、対象者一人につきこれが一回ということでございますから、最初の時期にとってしまえばもうあととれないということでございます。こうしたことを考えますと、この回数につきましても今後さらに検討をしていただきたい、必要ではないかな、こういうふうに思うわけですけれども、これはぜひ大臣にお伺いしてみたいなと思うんですけれども、お願いいたします。
#280
○国務大臣(坂口力君) 今ずっとお話を伺ってまいりまして、確かにそう言われてみればそうだなというふうに思いますのは、小さなお子さんの場合ですと、病気をいたしましても、それはインフルエンザでありましたり水ぼうそうでありましたりあるいは耳下腺炎でありましたりとか、そういうことで一過性の場合が多うございますから、それはその病気でずっとということは多分ない場合の方が多いというふうに思いますが、高齢者の場合には慢性で経過をしていくわけでございますから、例えば動脈硬化でありますとか、あるいは動脈硬化の後に起こりますところの例えば脳血栓でありますとかというようなことになりましたときに、それは一つの病気でありますから、一つの疾患で一遍ずつということになりますと、その時々悪くなるわけですから、そのときにそれじゃどうするかという問題は確かに起こってまいりますので、これはその対象者一人について一回とか、それから一つの病気について一回とかいうのは少しそこはやっぱり考えなきゃならないかなという、私個人的考え方でございますが、そんな気がいたします。
 ここは実態調査を間もなくやることになっておりますので、そこで一度調査をさせていただいて、そしてもう一度その辺のところの結論を出したいというふうに思っている次第でございます。
 しかし、それにいたしましても西川議員のおうちのお父さん、お母さん──おじいさん、おばあさんでございましょうか、大変私は幸せだというふうに思いますのは、それはやはり悪くなりましたときには病院にあるいは施設に入りますということがありましても、少しよくなればまた家に連れて戻って介護をしてもらえるという、これは非常に幸せな人でありまして、なかなか最近そういう人が少なくなってきているわけでございます。
 これも余り私個人のことを申し上げてあれでございますけれども、落選いたしましたときに私はある老健施設に勤めまして、時には落選するのもいいものでございまして、そういう経験をしたわけでございますが、そうしますとなかなか一遍そこへ入りますと家から迎えに来てもらえない人が多いわけであります。特に、若いときに権力の地位についていたような人は大体迎えに来てもらえない人が多いわけでございます。だから、ここにお見えになる人もどうぞひとつ御注意をいただきたいと思うわけでございますが、そういう若いときにいろいろの立場におありになりました人というのは、年をとりましてもわがままが多いのかどうかわかりませんけれども、なかなか迎えに来てもらえないという人が多かった、そういうことがございました。
 そういう意味では、非常に西川議員のおうちの御家族の皆さんというのは大変私は幸せだなと。大変でございますけれども、どうぞひとつ看護をしてあげていただきたい、私からもお願いをいたしまして答弁といたします。
#281
○西川きよし君 ありがとうございます。
 この少子高齢化、在宅介護、親を大切にするというのは、孝行するというのはうれしいことですけれども難しいことで、今笑顔で大臣が御答弁してくださった、お話をしてくださったことは本当に感謝します。
 毎日そういうふうに親をみんなでローテーションを組んで見ておりましても、もう最後は頭はみんなぱんぱんになってきますし、僕も実は、学生時代ではありませんけれども、今もってずっと、もう三十年以上になりますが、老人ホームへも特養にももちろん参りますし、老健施設にも寄せていただいたり、体に障害をお持ちの皆さん方のところにもお訪ねしたり、拘置所や刑務所やらいうところにもお訪ねをするんですけれども、本当にそういうところへ寄せていただいてよかったなと、人生勘違いせずに今日まで来れてよかったなというふうに思います。
 それと、やっぱり大臣が今おっしゃってくださったように、真剣な、苦しいことほど、先ほど僕が、東京で仕事をしておりましても、リンと電話が鳴ったらどきっとすると言ったときに僕は少しにっこり笑いながらお話をさせていただいたんですけれども、それぐらいの気持ちでいないとやっぱり家族がもたなくなってきます。そういうときに施設を利用したりとかケアマネジャーさんに本当に感謝をしたりとかいたします。
 次に、介護休業取得中の経済的支援についてお伺いをしたいと思います。
 この休業中の支援につきましては、平成十一年四月より介護休業給付制度が創設をされました。
 その内容とこれまでの給付の状況について御答弁をお願いいたします。
#282
○政府参考人(岩田喜美枝君) お尋ねの介護休業給付は配偶者、父母、子、同居親族などを介護をするため介護休業を取得した雇用保険の被保険者であって所要の要件を満たした方に休業前賃金の一定割合を支給するものでございます。平成十二年度の実績ですが、支給対象者数は三千九百七人、支給金額は六億三千万円となっております。
 仕事と介護の両立支援をさらに充実するという観点から、本年一月から、改正がございまして、育児休業給付と同様に給付率を従前の二五%から四〇%に引き上げたところでございます。ことしに入ってからの一月以降の受給者数は、前年と比べてみましても増加の傾向が見られているというところでございます。
#283
○西川きよし君 旧労働省の平成十二年の調査結果を見てみますと、利用された方の声として経済的支援の増額という声が圧倒的に多いわけですけれども、四〇%への給付の引き上げによりまして少しでも安心をして休業できる環境になればということは私も思いますし、よろしくお願いを申し上げたいと思うんです。
 続いて、これはこれまでにも何度となく要望のありましたところでありますが、介護休業中の社会保険料の免除についてでございます。労働者負担の支払い方法、復職後の返済免除等々、現在の状況はどのようになっておりますのでしょうか。
#284
○政府参考人(辻哲夫君) 現行の厚生年金保険法、そして健康保険法におきましては、育児休業期間中につきまして、現在の少子化傾向の中で育児を行う労働者を支援することは次代の制度を支える被保険者を育てることへの支援である、こういう観点から保険料の免除がなされておりますけれども、介護休業期間中につきましては次世代を育成する育児休業とは観点が異なるということと整理されておりまして、制度的には休業直前の標準報酬月額を用いて算定した保険料を労使折半で御負担いただいております。
 介護期間中の社会保険料が実際にどのように支払われているのかということにつきまして、平成十一年度時点の調査、女性雇用管理基本調査によりますと、まず労働者が毎月支払うこととしている事業所、これが三六・四%、それから会社や共済会等が休業終了まで立てかえている事業所、二四・六%、そして会社、共済会等が負担したり休業中に支給する金銭で負担している、このような事業所が一四・二%となっております。
 お尋ねにもありました一たん立てかえることとしている事業所のうち、どうなんだということでございますが、一たん立てかえることとしている事業所、今二四・六%と申しましたが、その一部、これはその事業所全体の一五%ですので全事業所から見たら数%になりますけれども、ここでは復職後一定期間勤務することにより返済を全部または一部免除しているという実態があると承知いたしております。
#285
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、育児休業取得者については既に免除が行われておるわけですけれども、先ほどの調査結果を見ましても、この点に対する要望がやっぱりたくさんございますし、この介護休業取得者に対する社会保険料の免除につきましての大臣の御見解をぜひ本日はお伺いしておきたいと思いますが、お願いいたします。
#286
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話がございましたように、育児休業取得者に対しましては既にこれはあるわけでございますが、介護休業取得者に対しましては現在ございません。
 それで、将来の社会保障の担い手となります次世代の育成という観点から見ますと、育児休業というのは非常にそうした意味で意味があるということがあったと思うんですね、導入をいたしますときに。フランスなどにおきましても育児の場合の社会保険料というのを免除したりもいたしているわけでありますから、そういうことで日本もこれは導入されたというふうに思います。
 しかし、介護休業というのと育児休業というのは少し意味合いが違うという気がいたします。育児休業の方は、お子さんというのはこれから例えば年金ならば年金を支払って支えていただく担い手になっていくわけでございますので、どうしてもこれは何らかのことをやらなきゃいけない。しかし、高齢者の場合には、既にもう年金をもらう年齢になっておみえになるわけでございますから、そこは若干違うかなというのが我々の考え方でございまして、そこをどうするかということはこれからの議論ではございます。確かに議論はやっていかなきゃならないというふうに思いますが、今までのところはその辺のところ、育児休業と介護休業というのは少し区別をして考えてきたと、こういうことでございます。
#287
○西川きよし君 ありがとうございました。
 今まで何回となく御質問もさせていただいたんですけれども、今に今にというような御答弁もいただいたんですけれども、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、職業生活と家庭生活の両立支援策についてお伺いいたします。
 これまでの取り組んできた具体策について、まず政府参考人からお願いいたします。
#288
○政府参考人(岩田喜美枝君) 職業生活と家庭生活との両立支援対策でございますが、さまざまなものがございます。
 第一の対策は、育児休業、介護休業を取得しやすい、そしてまた職場に復帰しやすい、そういう環境をつくるための対策でございまして、例えば制度の定着を図るための啓発、指導でございますとか、育児休業給付金、介護休業給付金の支給を行うということでございますとか、また育児・介護休業取得者の円滑な職場復帰のためのプログラムを実施した事業主に対して奨励金を支給するなどを実施しているところでございます。
 二番目の柱は、休業せずに育児や介護をしながら働き続けることができる、そういう環境をつくることも大事であるというふうに思っております。具体的には、事業所内に託児施設を設置する事業主に対して助成金を支給する、育児・介護サービスに関する地域の具体的な情報を電話で提供するフレーフレー・テレフォン事業、そして急な残業や子供の急病など臨時的、突発的な保育需要などに対応するために、地域において会員制で相互援助活動を支援するファミリー・サポート・センター事業などを実施いたしております。
 さらに三番目の柱といたしましては、育児や介護のためにやむなく退職なさる方もいらっしゃるわけですが、そういう方が再就職をするときに職業情報の提供をしたり自己啓発のための資金援助をしたりということで再就職の支援をやっているところでございます。
 また、大変大きな対策としては、厚生労働省において、新エンゼルプランなどに基づいて多様なニーズに対応した保育サービスを充実する、あるいは放課後児童クラブの拡充をするということをやっておりますし、また介護保険制度の円滑な運営とともにゴールドプラン21に基づく介護サービスの実施も進んでおりますけれども、これらも仕事と家庭の両立という観点から見た場合にも大変重要な基幹的な政策であるというふうに思っております。
#289
○西川きよし君 そこでお伺いしたいのは、事前にちょうだいいたしました育児・介護休業関係給付金の予算と支給実績を見せていただきますと、平成九年度から十二年度までの予算額と給付実績の開きがかなり大きいように思うのですが、この背景はいかがなものなんでしょう。
#290
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児・介護休業関係給付金はさらに幾つかの種類の助成金に分かれますけれども、全般的に見まして、先生御指摘のとおり、予算額に比べて支給実績が小さいというのは否めないというふうに思っております。
 おかげさまで若干この予算と支給実績の開きは小さくなってきておりまして、直近の状態では予算額の六割程度が実際に使用されているという状況になっております。
 こういった事実があるわけでございますが、その背景としては、一つは昨今厳しい経営環境の中で企業が福利厚生措置を拡充するといったようなことについてなかなか難しいような状況があるというようなことも挙げられるというふうに思いますし、また、私どもといたしましても、こういう給付金をしっかり活用していただくための周知などの努力が足りない面もあったように思いますので、周知徹底を図りまして、せっかくある給付金を有効に使っていただいて、仕事と子育てや介護が両立するようなファミリーフレンドリーな企業になっていただくように努力します。
 ありがとうございます。
#291
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 先ほどもお伺いいたしました社会保険料の免除制度などは大変大きなニーズがありながらもなかなか実施されない、一方で多額な予算が有効に活用されていないというこの事実を見せていただきますと、やはり利用者ニーズをしっかりと把握していただいて、そして事業の見直しを行うなり、また場合によっては予算配分の見直しということも必要ではないかなというふうに思うわけですけれども、この点につきましてはいかがお考えでしょうか。これはぜひ厚生労働大臣にお願いいたします。
#292
○国務大臣(坂口力君) 予算がつきましたときにそれが十分に活用されないということになれば、やはりその使い勝手が悪いと申しますか、何かそこに問題があるかどうかということなんだろうというふうに思います。
 そうしたことも考えていかなければなりませんが、先ほど局長からの答弁にありましたように、初めは三割ぐらいでありましたのが六割ぐらいまでふえてはきている、確かに。ふえてはきておりますが、そういう予算ならば私の方の自治体へというのでみんなが手を挙げて取り合いっこになるような状況でないことは事実でございますので、もう少しみんなに役立つような使いやすいようなものに多少改正をするか、それとも少なければこれは減額をするか、どちらかにしていかなければならないんだろうというふうに思っております。ひとつ研究をさせていただきたいと思います。
#293
○西川きよし君 ありがとうございました。
 育児、介護などによって退職された方に対する再就職の支援についてお伺いをしたいと思います。
 この支援策の一つに教育訓練受講援助制度と、タイトルは長いんですけれどもこういう制度がございます。再就職を希望される方が指定される教育訓練を受講しますと、一定額の割引が受けられるという制度でございます。
 実は、二年ほど前の予算委員会でございましたが、この制度について私が御質問をさせていただきました。当時は二割の割引で限度額が五万円ということでございました。さらに支援を強化する意味でせめて五割に引き上げられませんかと、当時の甘利大臣という方でございました、御要望させていただきました。いろんな観点からまだまだ検討が必要であるというふうにおっしゃっておられまして、つまりそれは、役所の答弁を飛び越して、私の判断で引き上げる検討をするという答弁をそのときはいただきました。大変私はうれしかったんですけれども、その後の対応についての御答弁をいただきたいと思います。
#294
○国務大臣(坂口力君) 西川議員の御質問は、甘利元大臣も飛び越えたんだからおまえも飛び越えろと、こういう御発言ではないかというふうに思いますが、現状を御報告申し上げますと、育児、介護等のために退職をし、そして将来的に再就職を希望する方を対象といたしますところの再就職希望登録者支援事業、長い名前でございますけれども、こういう事業がございまして、ここにおきましては、教育訓練の受講費用の二割、先ほどおっしゃいましたように、五万円を上限として支援してきたところでございます。
 平成十年から、より高度な資格の取得でありますとか、再就職に結びつきやすい講座に対応できるように、雇用の拡大が見込まれるいわゆる新規あるいは成長十五分野というのがございますが、この分野に該当するものにつきましては割引率を五割に引き上げているわけでございます。上限は十二万五千円になっております。この新規・成長十五分野でありましたなら、これは御指摘をいただきました五割にしたわけでございまして、この十五分野というのはかなり広範に及んでおりますし、これからの成長産業、成長産業といいましてもそんなに難しいことばかりをしなければならないというようなことではございませんで、多くの皆さん方が雇用に対応していただける内容のものも随分たくさん含んでいるわけでございます。
 例えば、医療・福祉関連分野でありますとか、生活文化関連分野、この生活関連分野というのにはいろいろな私たちの周辺のものが含まれておりますから、これは非常に多くの人が雇用においてもらいやすい内容のものだというふうに思います。それから、もちろん情報通信産業もございますし、新しい製造技術関連の分野というものもございますし、あるいは流通・物流関係、それから環境の関係、それからビジネスの支援関連でございますとか、海洋関連、もちろんバイオテクノロジーでございますとか、都市環境整備、それから航空・宇宙、新エネルギー・省エネルギー、ちょっと難しいものもございますが、人材関連、国際関連、住宅関連といろいろあるわけで、こうしたところにつきましては御指摘もいただきました額にしている、こういうことでございますので、今後また検討をさせていただきたいと存じます。
#295
○西川きよし君 どうもありがとうございました。御丁寧に御答弁をちょうだいしまして本当にうれしく存じます。
 それでは、改めて申し上げるわけでもございませんけれども、介護問題、子供さんのことも朝からずっと議論をされてきたわけですけれども、介護問題は介護休業制度の整備だけで対応できるものではありません。当然、福祉サービスの整備を初め、職場、地域社会の理解、そしてどうしても忘れてならないのは、先ほど大臣も御答弁いただきましたように、家族の理解。悲しいことではありますけれども、最近では老人の虐待だとか、子供さんもそうですけれども、本当に悲しい報道がされているわけですけれども、こういった報道やニュースが珍しくない世の中になってまいりました。つらく寂しく、本当に嫌な思いがいたします。多くの場合に、長年の介護生活の中で多かれ少なかれそうした感情を持つという話を、虐待をするというようなことを聞いたり見たりするんですけれども、私はただの一度も親にそんな気持ちを持ったことはもちろんございません。
 その意味では、介護を行う家族の負担軽減に向けてはまだまだ総合的な施策の整備が必要であると思います。こうした点についての大臣の御見解をぜひ本日はお伺いをしたいと思います。
#296
○国務大臣(坂口力君) 一時間にわたりまして介護の現状、そして問題点等を御指摘をいただきましてありがとうございました。ようやくひとり立ちをしたと申しますか、歩き始めたところでございますので、まだまだこれからというふうに思っております。
 介護は、先ほども申しましたとおり、やはり在宅介護が中心であることは間違いがないわけでございますから、多くの御家族にやはり理解をしていただける、そして一人でも多くの人が在宅で安心して老後を送っていただけるような体制をつくっていかなければならないというふうに思っております。そのために何をなすべきか、何が足りないのかといったことにつきましても、これから十分な検討をしていかなければならないというふうに思っております。
 先ほどケアマネジャーの方のお話もいただきましたけれども、ケアマネジャーの皆さんが御家庭の実情に応じたケアプランをつくりやすいような環境というのもつくっていかなければならないというふうに思いますし、また、こうした新しい制度の中に生まれました働く人たちの問題につきましても、その人たちが十分にやっていけるようにひとつ配慮をしていかなければならないと思っている次第でございます。
#297
○西川きよし君 どうも御丁寧な御答弁を本当にありがとうございました。
 子供さんのことも一〇〇%しっかり頑張ってやっていかなければいけないと思いますし、またお年寄りのことももちろんそうですが、ただいま委員長であります阿部委員長の講演録を昔読ませていただきました。その中には、死はだれにでも訪れてまいります、若いころから一生懸命努力し頑張ってまいりまして、老後を不安な気持ちで生活を送る、これは不幸せではないかな、そういうことのないように老後も幸せを十二分に味わえるような努力をみんなで力を合わせてやっていかなければならないのではないかなという講演録を読ませていただいたことがございます。まさしくそのとおりだと思います。
 お年寄りのこと、また子供さんのこと、しっかり頑張ってまいります。これからもよろしくお願いいたします。
 これで終わります。ありがとうございました。
#298
○委員長(阿部正俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#299
○委員長(阿部正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田浦直君が委員を辞任され、その補欠として段本幸男君が選任されました。
    ─────────────
#300
○委員長(阿部正俊君) 本案の修正について川橋君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川橋幸子君。
#301
○川橋幸子君 私は、ただいま議題となっております育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対し、井上美代、大脇雅子、森ゆうこ及び私、川橋幸子の共同提案に係る修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりであります。
 以下、その趣旨について御説明申し上げます。
 子の看護のための休暇制度導入について、今回の改正法案第二十五条においては、小学校入学前までの子の看護のための休暇制度の導入を事業主に努力義務として義務づけています。
 例えば、連合の子ども看護休暇に関する調査結果(二〇〇〇年五月)によりますと、子供の看護のために年休を使用した場合の取得日数は、女性(母親)は八・六日、男性(父親)は二・八日であり、さらに、子供の看護のためにした欠勤日数は、女性(母親)は二・八日、男性(父親)は〇・七日という実態であります。また、調査回答者の七〇・九%が子供の看護休暇の創設に賛成しています。
 このように、子供の看護のための休暇制度は、家族的責任を果たす上で必要不可欠であり、この制度を設けることへの要望は強く、それだけに事業主の努力義務による制度導入を盛り込んだことは評価できるところであります。
 しかし、一九八五年に制定され一九八六年四月に施行された男女雇用機会均等法において、募集・採用、配置・昇進に関する女性への均等待遇(第七条・八条)につき事業主の努力義務であったことが、その制定趣旨にもかかわらず、実効性の欠如が批判され続けた経緯がありますことと、さらに労働省女性局「平成十一年度 女性雇用管理基本調査」による家族看護休暇制度を有する事業所が八・〇%でありますことを重く受けとめ、本修正案を提出するものであります。
 修正案の要旨は、今回の改正法案第二十五条に係る子の看護のための休暇制度の導入を事業主の努力義務としている規定を、さらに一歩進めて、事業主の義務による導入とすることでありまして、本修正によりまして、この制度の事業所への早期導入と定着、内容の豊富化を期することができ、子の看護のために休暇を利用する労働者の取得促進も図ることができると考えるものであります。
 以上であります。
 何とぞ、男性及び女性委員各位の御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#302
○委員長(阿部正俊君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、川橋君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#303
○委員長(阿部正俊君) 少数と認めます。よって、川橋君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#304
○委員長(阿部正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、柳田君から発言を求められておりますので、これを許します。柳田稔君。
#305
○柳田稔君 私は、ただいま可決されました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び無所属の会の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、法の実効性を確保するため、本法に基づく諸制度や指針の周知徹底を図るとともに、的確な助言・指導・勧告を実施すること。
 二、男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。
 三、各事業所における子の看護のための休暇制度の早期の導入を促進するため、事業主に対する格段の相談・指導・援助に努めること。
 四、男女共同参画社会基本法に基づき決定された、男女共同参画基本計画の具体的施策を推進し、男女労働者がともに職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、職場における固定的な役割分担意識や職場優先の企業風土の是正に向けた労使の努力を促すよう努めること。また、ILO第百五十六号条約の趣旨を踏まえ、家族的責任を有する男女労働者が、差別を受けることなく、できる限り職業上の責任と家族的責任を両立できるよう、必要な措置を講ずること。
 五、少子・高齢化が進展する中で、仕事と子育ての両立のための雇用環境を整備することは喫緊の課題であり、本法に定める両立支援に関する諸制度の一層の定着促進を図ること。また、そのためにも政府目標である年間総実労働時間千八百時間の実現へ向けて、関係省庁間の連携・協力を一層強化し、政府が一体となって労働時間短縮対策を総合的に推進すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#306
○委員長(阿部正俊君) ただいま柳田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#307
○委員長(阿部正俊君) 全会一致と認めます。よって、柳田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
#308
○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきまして、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
 御熱心な議論をありがとうございました。
#309
○委員長(阿部正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#310
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#311
○委員長(阿部正俊君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#312
○委員長(阿部正俊君) 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者衆議院議員根本匠君から趣旨説明を聴取いたします。根本匠君。
#313
○衆議院議員(根本匠君) ただいま議題となりました児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 都市化の進行や家族形態の変容など児童を取り巻く環境が大きく変化している中で、近年、子育て不安の増大や児童虐待に関する相談件数の急増、認可外保育施設における乳幼児の死亡事故の発生などが大きな問題となっているところであります。こうした状況を踏まえ、地域において児童が安心して健やかに成長することができる環境を整備するため、認可外保育施設等に対する監督の強化、保育士の名称独占資格化、児童委員活動の活性化を図る等の措置を講ずることとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、認可外保育施設等に対する監督の強化であります。
 近年、認可外保育施設において発生した悲惨な事故等に対応するため、認可外保育施設について、都道府県知事への事業開始の届け出制を創設するほか、事業者による契約時の書面交付、都道府県知事への運営状況の報告等を義務づけるとともに、報告等により都道府県知事が得た情報を公表することにより、利用者が施設やサービスの選択を行うための情報提供を推進していくこととします。また、認可外保育施設等について、従来から規定されている都道府県知事による事業停止等の命令権限に加えて、改善勧告及びこれに従わない場合の公表等を規定し、認可外保育施設等に対する監督を強化することとしております。
 また、認可保育所について、保育需要が増大している市町村は、公有財産の貸し付け等の措置を積極的に講ずることにより社会福祉法人その他の多様な事業者を活用した保育所の設置運営を促進し、保育サービスの供給を効率的かつ計画的に増加させる旨規定することとしております。
 第二に、保育士の名称独占資格化であります。
 保育士とは、都道府県知事の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術を持って児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいうものとし、保育士でない者が保育士を称することを禁止するとともに、守秘義務や信用失墜行為の禁止について規定を設け、保育士の資質の向上を図ることとしております。あわせて、都道府県知事による試験・登録の実施等に関する規定を設けるなど、必要な規定の整備を図ることとしております。
 第三に、児童委員活動の活性化であります。
 児童委員の職務を明確化し、また、主任児童委員を法定化して、厚生労働大臣が指名すること等とするとともに、児童委員の研修についての都道府県知事の責務を定め、児童委員の資質の向上を図ることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#314
○委員長(阿部正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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