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2001/11/20 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 文教科学委員会 第3号
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2001/11/20 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 文教科学委員会 第3号

#1
第153回国会 文教科学委員会 第3号
平成十三年十一月二十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     岡崎トミ子君
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     神本美恵子君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     鈴木  寛君     小川 敏夫君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     小川 敏夫君     鈴木  寛君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     鈴木  寛君     羽田雄一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         橋本 聖子君
    理 事
                阿南 一成君
                亀井 郁夫君
                小林  元君
                山下 栄一君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                扇  千景君
                加納 時男君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                神本美恵子君
                輿石  東君
                羽田雄一郎君
                山本 香苗君
                畑野 君枝君
                山本 正和君
                西岡 武夫君
   衆議院議員
       文部科学委員長  高市 早苗君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  青山  丘君
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       加納 時男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房長       結城 章夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     寺脇  研君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     工藤 智規君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  石川  明君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       山元 孝二君
       文部科学省研究
       開発局長     今村  努君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        遠藤純一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十四年ワールドカップサッカー大会特別措
 置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (スポーツ振興に関する件)
 (学校経営の在り方に関する件)
 (ITER(国際熱核融合炉)計画への我が国
 の対応に関する件)
 (総合的学習の時間の在り方に関する件)
 (大学教育における聴覚障害者への対応に関す
 る件)
 (生涯学習と大学教育の在り方に関する件)
 (国立大学の独立行政法人化に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(橋本聖子君) 平成十四年ワールドカップサッカー大会特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院文部科学委員長高市早苗君から趣旨説明を聴取いたします。高市早苗君。
#4
○衆議院議員(高市早苗君) おはようございます。高市早苗でございます。
 ただいま議題となりました平成十四年ワールドカップサッカー大会特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 ワールドカップサッカー大会は四年に一度、世界各地の予選を勝ち抜いた各国の代表チームが、約一カ月間にわたり試合を行いサッカー世界一を決める国際サッカー連盟主催のサッカー大会であります。開催を来年の五月に控えた第十七回大会は史上初の二カ国共同開催となるだけでなくアジアで初めて行われる大会でもあります。日本国内では試合の行われる十都市の会場の整備も順調に進んでいるところであり、世界の各地区においては地域予選が行われ出場するチームが次々と決まりつつあります。
 本案は、このような中で本大会の円滑な開催を図る観点から新たに税制上の特例措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、大会を主催する国際サッカー連盟から同連盟の役職員、大会の試合の審判員等に対して支払われる給与等については、所得税を課さないものとすること、第二に、外国サッカー協会が、大会に選手団を派遣することに対して国際サッカー連盟から支払いを受ける対価については、所得税及び法人税を課さないものとすること、第三に、外国サッカー協会に対しては、大会開催期間を含む事業年度分の道府県民税または市町村民税の均等割を原則として課することができないものとすること、第四に、外国サッカー協会が、大会に選手団を派遣することに対して国際サッカー連盟から支払いを受ける対価については、事業税を課することができないものとすること、第五に、外国サッカー協会が大会開催期間を含む事業年度において行う事業のうち大会への選手団の派遣に係る事業については、事業に係る事業所税を課することができないものとすること等であります。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(橋本聖子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですので、これより直ちに採決に入ります。
 平成十四年ワールドカップサッカー大会特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(橋本聖子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(橋本聖子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房長結城章夫君、文部科学大臣官房審議官寺脇研君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、文部科学省高等教育局私学部長石川明君、文部科学省科学技術・学術政策局長山元孝二君、文部科学省研究開発局長今村努君及び文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(橋本聖子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○阿南一成君 おはようございます。自由民主党の阿南一成であります。
 本日は、スポーツ振興基本計画とそれからスポーツ振興くじとの関係について若干お伺いをしてみたいと思います。
 スポーツ振興法の第四条によりますと、「文部科学大臣は、スポーツの振興に関する基本的計画を定めるもの」というふうに規定をされております。この規定に基づきまして、昨年、スポーツ振興基本計画が策定をされたのでありますが、このスポーツ振興法が制定されたのは実は昭和三十六年ということであります。したがいまして、この規定のとおり振興計画が策定をされるまでに約四十年という日が経過をしておるということに相なるようであります。
 なぜこんなにも時間がかかったのかなという疑問もありまして、一応調べてみました。当委員会の会議録等を見てみますと、保健体育審議会の答申をもって実質的に機能してきたという旨のことを当時の文部大臣が答弁しておるのを見つけた次第であります。しかし、審議会の答申はあくまでも大臣の諮問について意見を述べる、提案をするものにすぎないわけでありまして、法律に基づく基本計画の策定が非常に時間がかかったということは確かな事実ではなかろうかというふうに考えるわけであります。
 このような経過の中でスポーツ振興基本計画がようやく策定をされたわけでありますけれども、その背景には、やはり私は、平成十年のスポーツ振興くじ法案の成立が大きな要因として挙げられるのではないかというふうに考えるわけであります。
 スポーツ振興くじは、二十一世紀に向けた我が国のスポーツ振興政策の充実のために広く国民の理解と協力を得る中で、スポーツ振興に必要な資金を確保するべく、議員立法によって成立がされたものであります。これによりスポーツ振興のための財源が確保されるとともに、広範かつ多様なスポーツの振興が可能になったというふうに思うわけであります。
 そこで、スポーツ振興基本計画の策定がおくれた理由、そしてスポーツ振興基本計画とスポーツ振興くじとの関係についてお伺いをしておきたいと思います。
#12
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、昭和三十六年以来約四十年間、いわゆる計画といったようなものは策定されてこなかったわけでございます。今、委員御指摘のように、その間、保健体育審議会の答申等に沿いまして各種のスポーツ振興施策を行ってきたところでございます。
 こういった計画という形で定めていなかった理由というのは、やはりスポーツ予算の状況、あるいは財政事情が厳しい、こういったようなこともこれあり、歳出予算を伴うような中長期のスポーツ振興計画の策定をするのが困難であった、こういう状況が続いてきたというふうに考えておる次第でございます。
 昨年九月に今後十年間のスポーツ振興基本計画を定めたわけでございますが、これは、御指摘のように、一つには、平成十年にスポーツ振興のための財源確保のための新たなスポーツ振興投票制度が成立するなど、ある程度安定的かつ継続的なスポーツ振興のための財源の確保の見通しが可能となったこと、そして何よりも、スポーツ振興投票制度についての国会における法案審議の過程におきまして、その収益によりましてどのようにスポーツ振興を図るのか明確にすべきであるというような議論がなされ、スポーツ振興基本計画の策定が宿題とされたことによるというものであると理解をしておるわけでございます。
 この基本計画に掲げます施策を実現していくためには、国の財政上の措置はもとよりでございますが、そのほか、スポーツ振興基金、そしてスポーツ振興投票の収益による助成等をそれぞれの役割に応じて活用していくことが必要になってくるというふうに考えておるところでございます。
#13
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、くじの販売不振と今後の方策についてお伺いをしておきたいと思います。
 スポーツ振興のため、スポーツ振興くじとスポーツ振興基本計画というものはいわば一心同体、裏表の関係でもあろうと思うのでありますが、今後も我が国が明るく豊かな社会を築いていくために非常に重要な役割を担うものではないかというふうに考えております。
 ところで、スポーツ振興くじは、本年、全国販売を開始いたしました。以来、当初は非常に順調に売り上げを伸ばし、一時期は三十八億円余りにもなったと新聞の報道を見て大変喜んでおったわけでありますが、ところが夏場以降低迷が続き始めた。そうして、目標とされる売上額を大きく下回ったとの報道がつい最近の新聞に出ておりました。恐らく一年の集計をされたんだと思います。
 もちろん、異常に射幸心をあおり、青少年に悪影響を及ぼすような方法で販売を行うということは法の趣旨からして当然に許されないことであると思います。しかし、我が国のスポーツ環境の整備に係る財源確保のために非常に多くの議論の末導入されたスポーツ振興くじでありまするので、その役割をしっかりと果たせないということになるとこれは大変問題だというふうに思うわけであります。
 そこで、お伺いをいたしたいのでありますが、非常に重要な役割を持つスポーツ振興くじが販売不振となっておる原因を当局としてはどのように分析をされておるのであろうか。また、今後販売促進のためにはどのような対策を講じていかれようとされておるのか。そしてまた、さらに、くじ販売による青少年への影響につきましては法案審議の際にさまざまな議論がなされました。全国販売の経験、実績を踏まえられて現状をどのように分析されておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#14
○政府参考人(遠藤純一郎君) 最初に、スポーツ振興くじの売り上げについてでございますが、御指摘のように、七月ぐらいまでは一回当たり大体約二十億円台の売り上げとなっておりましたけれども、それ以降は大体十億円台に減少しまして、現在は一回当たり十二億円から十四億円程度で推移しているというのが現状でございます。
 その結果、今年度のスポーツ振興くじの売り上げでございますが、これは年度ということでございまして、二十七回分で、まだ年度、来年の三月もございますので、年度トータル全部というわけではございませんが、現時点までの発売までで五百七十五億六千万といったような売り上げになっている次第でございます。したがいまして、平成十三年度の売り上げにつきましては、予算を計上しておりました約八百億円というものを下回って六百億円程度になるというふうに見込まれておるような次第でございます。
 売り上げが減少した原因は必ずしもはっきりはしていないんですけれども、一つには、最初は購入者が新しいということで買っておられた方も、だんだんその新しさという魅力が少なくなってきたということもあるのかなと思っておりますし、また当せんの金額につきましても、十三試合全試合的中しても一万円に満たないといったような場合もございまして、そういった意味での一つの魅力といいますか、それがちょっと疑問に思われたのかなということもございますし、販売期間があいた、あるいは販売期間が重複して売ったといったようなこともございまして、わかりづらい側面があったというようなこともいろいろあるということで、いろんなことが原因としてあるのかなというふうに分析をしている次第でございます。
 スポーツ振興くじを実施しております日本体育・学校健康センターにおきましては、くじが多くの国民に親しまれ、幅広く参加していただけますよう、これまでテレビやラジオコマーシャル、新聞広告、電車内の中づり等による宣伝広告の実施やイベントの実施を通じまして広く周知を図ってきたところでございます。また、逐次販売店舗数を増加することなど、より手軽に楽しむことができるよう努力をしてきたところでございます。
 それから、この実施主体のセンターにおきましては、来シーズンからくじの楽しみをふやすよう、投票方法の変更、これは現行では勝ち、負け、引き分けということでございますが、これを九十分以内の勝ち、九十分以内の負け、延長に入ったという三通りにしまして、当せん金が少額にならないような工夫をするといったようなこと、それから販売店舗の増加を図るなど、くじがより国民に親しまれるものとなるよう対応することとしているものと承知をしている次第でございます。
 それから、青少年への影響でございますが、これも、これまで販売店に対する研修、あるいは広報宣伝活動を行う際には必ず十九歳未満は購入禁止であるといったシンボルマークを掲示するなどを通じまして十九歳未満購入禁止措置の徹底を図っているところでございますが、現時点におきましては、青少年に対して何か悪い影響があるんじゃないかといったようなそういう特別の問題が生じているという報告はございませんで、関係者におきまして適切に対応をしていただいているものと、こう考えている次第でございます。
#15
○阿南一成君 次に、収益金の配分の基本方針についてお伺いをしてみたいと思います。
 くじの収益金の配分につきましては文部科学省において大枠を作成する、そうして具体的な交付要綱については日本体育・学校健康センターが担当するという仕分けになっておるようです。配分先をそこで決定されるというふうに承知をいたしております。文部科学省におきましては、今月の初めに収益配分の基本方針を定めたと伺っております。センターでは現在具体的な検討が行われている状況であろうかと思うのであります。
 くじの収益の配分について私が承知しております大きな論点は、焦点を絞った助成とする方がいいのか、あるいは購入者の身近な活動に対して広く助成をするかという点であろうかと考えております。つまり、ワールドカップ等の大きな事業に対してまとまった形で助成をすべきであろうか、あるいは地域の身近なスポーツ活動に対して広く浅く助成をするべきであろうか、非常に悩ましい問題であろうかというふうに思っておる次第であります。
 報道によりますと、来年行われるワールドカップの日本組織委員会がくじ収益から三十億円ほどの助成を見込んだ収支計画を既に策定しているということになっておるようでございます。この額は全体の助成見通し額のかなり大きな部分を占めることに相なるわけでありますが、配分を期待する他の団体からの批判や議論の的とこれからなる可能性もあろうかというふうに思うところであります。
 スポーツ振興投票法では、文部科学省令で定めるところにより、我が国で行われる国際的規模の大会に対して助成ができるということになっております。そこで、来年我が国で行われるワールドカップも、この規定により当然助成の対象となることが予想されておると思うのであります。
 そこで、現在まだ検討中のこととは思うのでありますが、ワールドカップについて、くじ収益金から助成するに当たっての文部科学省の基本的な考え方が現在あるとすれば、副大臣にお伺いしてみたいというふうに思います。
#16
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生御指摘になられましたように、スポーツ振興くじ収益による助成につきましては、十一月に文部科学省においてその基本方針を定めたところであります。そして、現在、日本体育・学校健康センターにおいて助成を具体的に実施するために必要な交付要綱等の作成に取り組んでいるというのが現状であります。
 まず、その基本方針の中で、国際競技大会の開催に対する助成については、オリンピック競技大会あるいはアジア競技大会等総合的な大会のほかに、これに相当する大会に対しても助成を行うことができる、対象とするということになっておりますので、基本的に来年行われますワールドカップサッカー大会も助成の対象になるというふうに考えております。
 その上で、今、これもまた御指摘ありましたが、二〇〇二年ワールドカップサッカー大会日本組織委員会、JAWOCの方から三十億円の助成をしてもらいたい旨の希望を持っておられるということを承知しているわけであります。この希望等はあるわけですが、具体的にどの規模で助成するかということについて、先ほど申しました日本体育・学校健康センターにおいて審査委員会を設けて、今決定していくという手続を進めているわけであります。
 基本的な文部科学省のスタンスでありますが、このワールドカップサッカー大会、アジアで初めて開催されるワールドカップサッカー大会であるということ、そして日本と韓国、二つの国にまたがって行われる二カ国開催という意味でも初めての大会であるというようなこと等々を考えますと、我が国にとりましても大変重要な大会だというふうに認識しておりまして、政府においても特別に副大臣会議を設ける等これに向けて準備を進めているわけでありまして、大変重要な大会だというふうに考えております。
 そうした認識の上に立つならば、できる限りこうした大会に対する助成は行わなければいけないという基本姿勢でおりますので、文部科学省としては、そうした姿勢でぜひできる限りの支援をしたいと考えております。
 いずれにしましても、具体的な金額等については、今その手続に従ってさまざまな議論が進められているということでありますので、その辺を見守っていきたいと思っております。
#17
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、ワールドカップくじの是非についてお伺いをしておきたいと思います。
 ワールドカップの開催に当たりましては、施設の建設費や大会運営費はもとより、今回のテロ発生を受けまして警備強化を図るための大幅な予算増加が必要ではないかというふうに私は考えておる次第であります。財政事情が非常に厳しい中にありましてその負担は大きいものと思うのでありますが、今申しましたように、ワールドカップは全世界が注目をする大会でもありますし、今日の世界情勢から見ましてテロ対策には万全を期さなければならないというふうに思うのであります。警備費用も含めまして、その他ワールドカップに関する予算を十分に確保する必要があると考えておる次第であります。
 そこで、最近浮上しておりますのがワールドカップを対象にしたくじの販売であります。総務省の所管になるかと思いますが、いわゆるミニロトと呼ばれる宝くじにおいて、ワールドカップを対象としたくじの販売を検討しているという報道による情報がありました。しかし、本来であればワールドカップと同じくサッカーを対象とするスポーツ振興くじ、いわゆるサッカーくじがあるわけでありますので、このサッカーくじにおいて一工夫して対応すべきではないかという意見もあろうかと思うのであります。前回のフランス大会の際には決勝戦の勝敗を対象としたくじを販売したとのことでありますし、また、今回の共同開催国であります韓国におきましてはワールドカップを対象にしたくじの販売を検討しておるという報道がありました。
 そこで、ワールドカップを対象としたスポーツ振興くじを販売することについて、現行法上の問題点及び今後その問題点も考慮の上、ワールドカップくじの販売を前向きに検討する余地があるのかないのか、副大臣の御見解を賜ってみたいと思います。
#18
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生お話がありましたように、二〇〇二年ワールドカップサッカー大会におきましては、その安全対策一つとりましても、従来のフーリガン対策に加えてテロ対策を加えなければいけない等充実が求められるとか、あるいはその運送体制につきましてもさらなる充実が求められるとか、今、大会を目の前にしましていろいろ具体的な議論が行われております。
 そうした状況を見る中で、しっかりとした支援を行わなければいけない、それはおっしゃるとおりだというふうに思います。そして、その支援のさまざまな議論の中で、御指摘のように、ワールドカップサッカー大会を対象としたスポーツ振興くじがどうだろうかというようなことが言われているというわけでありますが、まず現行法制面から考えますときに、このスポーツ振興くじ、現行法は、くじの対象となる競技の公正な実施を担保するために、競技実施団体について指定法人制度を採用しております。ですから、社団法人日本プロサッカーリーグを指定して、法人役員の選任、解任の文部科学大臣の認可、あるいは文部科学大臣の監督命令、法人役職員、選手等のくじ購入禁止、収賄への罰則等、各種の規制を設けているわけです。
 ところが、二〇〇二年ワールドカップサッカー大会の方は、主催が国際サッカー連盟、FIFAでありますので、現行法でいきますと、指定法人制度をとっている現行法の体制を考えますときにこのFIFAを指定することができるのかどうかということですが、FIFAに対して文部科学大臣の認可ですとかさまざまな規制を課すということ、これは実情ちょっと困難だというふうに認識しております。
 こうした現行法上の問題に加えまして、実際問題としまして、今のくじのシステム、十三試合三通りのくじの仕組みをとっているわけでありますけれども、これを活用する場合でもコンピューターソフトをまず手直ししなければいけないという問題があり、これはかなり手間がかかるようであります。それができるかどうかという技術的な問題が一つ。そして、もしできたとして、これはかなり経費がかかることのようであります。さらに、このワールドカップサッカー大会を対象とするスポーツ振興くじということになりますと、新たな投票券を印刷しなければいけないとか、さらにはさまざまな広告宣伝を行わなければいけないということを考えますと、莫大な経費がかかるわけであります。
 ところが、これを行ったとして、多分一回から二回、くじを販売することができるという程度にとどまるということでありますから、これは実際上、採算を考えますと、かなり難しい面があるんではないかなというふうに認識しております。
 このワールドカップサッカー大会に対してはしっかりと支援をしなければいけないと思いますが、その中のメニューとしてこのスポーツ振興くじを使えるかどうかということを考えた場合には、先ほど申しました法制上の問題そして実際上の問題両面から、かなり困難な部分があるんではないかなというように認識しております。
#19
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、合宿費に対する助成についてお伺いをしておきたいと思います。
 スポーツ振興のための予算には、スポーツ振興くじのほか、平成二年度に創設されましたスポーツ振興基金というものがあります。さらに、文部科学省の補助金等の予算もあるのでありまして、それぞれ各方面からスポーツ振興のための助成が行われているのが現状であります。
 それぞれ事業対象の区分がなされているとは思いますけれども、外から見ているとわかりにくい面もあるわけであります。法律上では、スポーツ振興基金については日本体育・学校健康センター法、スポーツ振興くじについてはスポーツ振興投票法においてそれぞれ定められておりますが、一見するだけではなかなかわかりにくいというのが実情であろうかと思います。そこで、スポーツ振興投票法の第二十一条の規定では、スポーツ振興基金の事業を除く旨を括弧書きで定めております。
 くじ収益による助成と基金からの助成において、事業の性質そのものにおいては重なる面もあるのではないかなというふうに私は考えるところであります。特に合宿費等につきましては、各競技団体が最も望むところであるにもかかわらず、従来のスポーツ振興基金の対象とされ、スポーツ振興くじの収益からの助成の対象にはならないということに相なるのかなと。この辺に不満の声もあるところであろうかと思うのであります。
 スポーツ振興基本計画により国際競技力の向上等が標榜され、選手強化のための費用が今後も増加をする中で、低金利の時代でございますので、この低金利の影響を受けて運用益が少なくなっている振興基金からの助成だけでは不十分となるのではなかろうかというふうなことを危惧するものであります。
 そこで、スポーツ振興基金の事業とスポーツ振興くじの収益による事業、それぞれの対象の違いを踏まえ、今後、合宿等の選手強化のための費用に対してくじ収益から助成することについて、もちろんこれは法改正も必要なのかと思うんでありますが、検討の余地があるのかないのか、あるいは文部科学省、あるいは大臣としてどのようにお考えであるか。一応、これは大臣にその御見解をお伺いしてみたいと思います。
#20
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来、阿南委員の方から、スポーツ振興について大変熱のこもった御議論を伺っておりました。
 本当に日本の国民が元気になるには、いろんな方法がございますけれども、スポーツというのはもう万人が、スポーツの競技において日本人が活躍してくれると、これはもうすべての日本人が喜ぶわけでございまして、そういう成果を得るには、やはり選手を強化し、そのためには合宿などの方途が非常に大事だということは私もよくわかるところでございます。その意味から、合宿等の経費をできるだけいろんな工夫をしながら増加していくということは、選手にとっても大事でありますし、それから日本のスポーツ振興にとっても大事でありますし、また、国民も喜ぶことであろうかなと思うわけでございます。
 他方で、今御指摘ございましたように、それを強化するにはスポーツ振興基金がございますが、平成二年に創設されたわけでございますけれども、これは基金の額が決まっておりまして、それに対する果実で運用するわけでございますので、どうしても今の日本の利子の状況ではなかなか十分でないということも確かでございます。
 スポーツ振興基金は、その運用益をもって、一つは各競技団体の行う選手強化のための合宿、それからすぐれたスポーツ選手の行う日常スポーツ活動等への助成というようなことを明記されているわけでございまして、それらを通じて日本の国際競技力の向上を図るということでございます。他方で、スポーツ振興くじの方は、くじの売り上げから得られた収益によって、一つはスポーツ施設の整備、二つにはスポーツ行事の開催、そして指導者の養成等、こういったものへの助成を行って、もって身近にスポーツに親しむことができる環境づくりとか、国際競技力も増加しようということでございます。
 ということで、委員自身も御整理いただきましたけれども、現行法におきましては、関係者から助成要望の高い選手強化のための合宿等については、スポーツ振興くじによる助成の対象とはなされていないところでございます。
 一方で、従来、スポーツ振興基金の対象とされてきました事業であります、すぐれたスポーツ選手等の日常スポーツ活動に対する助成については、スポーツ振興くじの収益を活用することができるようになったわけでございます。したがいまして、基金から助成されていた、すぐれたスポーツ選手等の日常スポーツ活動については、くじの方の収益を活用して、それでできるだけ充ててもらう、それによって生ずる余裕的な資金を合宿等の選手強化の活動の助成に向けていくということで、その辺のバランスをうまくとりながら、今、委員の御主張でございます合宿等への資金の需要についてこたえていくということで考えてまいりたいと思っているところでございます。
#21
○阿南一成君 ありがとうございました。
 以上で私の質問を終わります。
#22
○亀井郁夫君 自民党の亀井でございます。引き続いて質問させていただきたいと思います。
 私、最初に評議員制度の問題についてお尋ねしたいと思います。
 学校が保護者や地域住民の信頼にこたえまして、家庭や地域と一体になって開かれた学校をつくっていこう、子供たちのために学校現場をそういう形にしていこうという形で設けられた一つの手段が学校評議員制度だったと思うわけでございますし、これにつきましては昨年の一月二十一日付で文部省の次官からも通達が出ているということでございますけれども、評議員制度、各県での実施状況がいろいろあろうかと思いますけれども、これについての実施状況について御説明願いたいと思います。
#23
○政府参考人(矢野重典君) 平成十三年四月現在でございますが、学校評議員制度の導入状況は、都道府県、指定都市におきましては、設置済みの団体が約七割、設置決定済みの団体を加えますと約九割となっているところでございます。また、市町村におきましては、設置済みの団体が約二割、設置決定済みの団体を加えますと約四割となっている、こういう状況でございます。
#24
○亀井郁夫君 まだまだ実施状況が少ないようでございますけれども、これについてはぜひとも文部省としても力を入れてやっていただきたいと思うんです。
 きょう、ここで問題にしたいのは、文部省の趣旨とは全く違った形での通達が県によっては行われているという状況があります。きょうは兵庫県の例でございますけれども、兵庫県の教育委員会はこの評議員制度について文部省通達とは全く違った逆の通達を出している。そして、それに基づきまして、私の手元に入ったのは宝塚市と川西市の例でございますけれども、教育長が教組の支部長と文部省通達に全く反するような内容の確認書を結んでいる。こういうことについて、非常に大きな問題だと私は思います。
 特に、二つの市だけじゃなしに、県の教育長の通達でございますから、全県的にこのようなことが行われていると思うわけでありまして、手元にもありますけれども、ちゃんと作成するサンプルをつくって、こんなふうにサンプルをつくって、そこには学校の名前と分会長の名前とサインを入れて判こを押せばいいようなものも配っているという状況ですから、このことは、兵庫県の場合全県的に行われていると思うんですけれども、これについて文部省としてはこの事実を御存じかどうか。また、御存じであればこれについて是正しなきゃいけないと思いますけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
#25
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の通知、またあわせて確認書でございますが、これは率直に申し上げますと、昨日、兵庫県教育委員会より、宝塚市と川西市において結ばれていると、そういう旨の報告があったところでございます。
 これにつきましては、あるいは後で御質問があるかもしれませんが、私ども、いろいろ問題をはらんでいる、そういう内容のものというふうに理解をいたしているところでございます。
#26
○亀井郁夫君 今のお話だと、兵庫県から川西市と宝塚市だけということのようでございますけれども、ばれたところだけを挙げてくるというやり方でやったんでは私は本当の教育はできないと思うのでありまして、私がお願いしたいのは、文部省としては、こういった通達を出されたら、それが末端までどのように行き届いているかということをやはりちゃんとフォローされないと本当の教育行政はできないと思うんです。
 そういうことで、私の手元に兵庫県の教育長の出した文書と、それから宝塚市、川西市における確認書並びに組合との議事録という形で確認され判こを押された書類のコピーがございますので、それをつぶさに検討いたしまして、何点か全く文部省の趣旨とは違ったことが記載されておりますので、これについて一つずつお尋ねしたいと思いますので、それについての妥当性なりお答え願いたいと思うわけであります。
 まず最初にお尋ねしたいのは、学校評議員制度について、これを職員会議で協議するということなんです。この協議というのは、また丁寧に書いてありまして、協議するということは、協議し、決定するという意味だということが議事録の方で確認されているということであります。これは議事録もちゃんとお互いに判こを押しているということですから確認書と同じような意味を持つわけでございますけれども、本来これは職員会議マターではないと私は思うわけでありますけれども、これはいかがでしょうか。
#27
○政府参考人(矢野重典君) 教育長通知によりまして校長の権限に属する事柄を職員会議の協議事項といたしますことは、これは御指摘のように校長の権限を制約するおそれがあるわけでございまして、そういう意味で、職員会議の趣旨に照らしまして不適切であり、また問題があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#28
○亀井郁夫君 二点目は、人数は男女同数を原則とし、まあ同数でもいいんですけれども、わざわざ人数は男女同数を原則とし、任期は一年以内とし、再任しないということをこれも両方の市の組合との交渉の議事録で確認しておりますけれども、これは組合との協議、確認事項では私はないと思いますし、同時に校長の権限を侵すものだと思いますが、いかがでしょうか。
#29
○政府参考人(矢野重典君) その点につきましても、先ほど申し上げました職員会議の趣旨に照らして、同様、問題であるというふうに思っております。
#30
○亀井郁夫君 三点目は、この人選の問題でありますけれども、人選は本来校長の権限事項というふうに決められておるわけでありますけれども、人選は、トライやる・ウイークなど三つの団体がありますけれども、そういった団体を例示しまして、その代表をもって選任することが望ましい、そして、学校評議員の組織はこれらの既存の組織をもってかえることもできるということが県の通達には書いてあるわけでありますし、また同時に確認されている。
 同時に、こうした団体が実質的に機能していない場合には、あるいはまた既存の組織がない場合には学校評議員を置かなくてもよいということが確認されておるわけでありますけれども、本当に越権行為も甚だしいことだと私は思いますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#31
○政府参考人(矢野重典君) その点につきましても、先ほど申し上げたような趣旨において問題があると考えております。
#32
○亀井郁夫君 四点目は、学校の評議員の推薦でございますけれども、これこそ校長が推薦する権限があり、校長の権限だとはっきり書いてあるわけでありますが、これも学校評議員の推薦は職員会議で協議、決定と書いてあります。はっきり決定すると。そして、校長が手続だけ行う、こう書いてあるわけでありますが、全くおかしな協定だと思いますけれども、こういうことがはっきり確認されておりますが、これについてはいかがでしょうか。
#33
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、学校評議員は学校長の推薦に基づいて設置者が委嘱するものとされているところでございます。そういう意味におきまして、学校評議員の推薦について、それを職員会議で協議、決定するということは、先ほど申し上げたような職員会議の性格に照らしまして不適切であるというふうに考えているものでございます。
#34
○亀井郁夫君 五点目は、議題について、学校予算等校長の責任において処理すべき事項は除くと、こう確認してあるわけでありますが、本来、議題は校長が決めて、そして学校評議員に聞いていくというのが建前でございますから、その内容は校長が独自に決められるものだと私は思います。それに対しまして、学校の予算等校長の責任において処理すべき事項は除くとありますと、何を聞いていいのかわからないことになってしまうんじゃないかと私は思いますけれども、そういう意味で、こうしたことが県教委の通達にも書いてあるわけでありますから、宝塚市で勝手にやったわけじゃない。県の教育委員会の教育長がこういうことをはっきり通達するということは本当におかしなことだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(矢野重典君) 先ほどの教育長通知でございますけれども、通知の中には、先ほど御指摘がございましたように、校長の権限に属する事柄を職員会議の協議事項とするというふうな、そういうものとして位置づけられているものがあるわけでございまして、そういう意味でそれは校長の権限を制約するおそれがあるわけでございます。そういう点で、職員会議の趣旨に照らして不適切であり、問題があるというふうに考えているものでございます。
 なお申し上げますと、協議ということでございますが、これは一般的には、一般社会では他に相談することをもって足りるというふうに解されるわけでございますが、法令上協議と言うときには、それは単に相談すれば足りるという話ではなくて、意思の合意形成の手続として解されているものでございます。したがって、協議が調わなければ、それはそれに基づいての意思決定ができない、そういう法令上の性格があると、そういうものとして理解されるわけでございまして、そういう意味で教育長の通達については問題があるというふうに私どもは考えているところでございます。
#36
○亀井郁夫君 今もおっしゃったように、協議というものが大変大きな重い意味を持つんだということがあるわけでございますけれども、そういうことの中で、また議題につきましては職員会議で協議し、さらに決定するということまで、決定ということまでついて書いている、こういう形で決めておりますけれども、今申し上げましたように、これも全く職員会議マターではないと思うわけでありますけれども、これについてはいかがでしょうか。
#37
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど申し上げましたように、事柄として教員のいろんな意見を聞く、あるいは意思疎通を図る、そういうものとして職員会議で議題にすることは当然ある話でございますが、先ほど申し上げたような意味での協議、合意という、そういうものとして職員会議の事項とすることは適切ではないというふうに考えておるものでございます。
#38
○亀井郁夫君 今六点挙げましたけれども、一つ一つ挙げましたのは、こんなにいいかげんなといいますか、おかしなことが末端では確認され、実施されているということをぜひとも文部省に、文部大臣にも知っていただきたいという思いでやったわけでございますけれども、兵庫県に対して具体的にこれについて是正指導される考え方でしょうか。
#39
○政府参考人(矢野重典君) まず、御指摘の確認書等につきましては昨日報告があったところでございますけれども、これにつきましては、御案内のとおり、地方公務員法上、地方公共団体がその権限と責任に基づき決定すべきいわゆる管理運営事項につきましては、これは職員団体との交渉の対象にすることができないものでございます。
 しかるに、先ほど御指摘がございましたような本確認書等におきましては、学校評議員の設置でございますとか、あるいは人選等の管理運営事項を内容とするものであります上に、設置や人選を職員会議の協議事項としているものでございまして、これは校長の権限を制約するものでございます。そういう意味で、私どもといたしましては不適切であるというふうに考えているわけでございます。そういう点につきまして、当該確認書等につきまして、これを是正すべく兵庫県教育委員会を指導してまいりたいと考えているところでございます。
#40
○亀井郁夫君 兵庫県のことについては今わかりましたけれども、ほかの県についても同じようなことがやられているんじゃないかと私は思うわけでございまして、そういう意味では、どういうわけか私のところにいろんなところからどんどんこういう情報が入ってくるようになったわけでございまして、この場で指摘させていただいておるわけでございますけれども、そういう意味では、もう一度、この評議員制度に関する各都道府県の通達文書が出ておるわけでありますから、その文書を全部文部省で集めてもらって、どういう内容のものを県の教育委員会あるいは道の教育委員会等がやっているのかをチェックして、そして今のような問題についてはぜひとも指導をしていただかなきゃいかぬ、是正していただかなきゃいけないと私は思うわけであります。
 幾ら文部省でいい制度をつくってみても、末端で組合との交渉の中で全部曲げられてしまったのでは私は何にもならないと思いますので、この点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#41
○国務大臣(遠山敦子君) 学校評議員制度のあり方、それから職員会議の自主的な位置づけについて、まさにいろんな角度からの御議論があって、そして中央教育審議会の答申も踏まえまして、昨年一月に学校教育法施行規則を改正しまして、そして学校の設置者の判断によって学校評議員制度を導入することができるようにしたところであり、また職員会議をいわゆる補助機関として明確に位置づけて、こういうことについて各都道府県教育委員会に対して、この改正に伴った必要な規定の整備等を行うよう指導してまいったところでございます。
 今、委員の御質問を承っておりますところによりますと、その趣旨が必ずしも徹底していない面がありますし、それの一々につきましては、初等中等教育局長からお答えいたしましたように不適切な面が含まれているわけでございます。我が省としましても、今後とも、職員会議の補助機関としての位置づけを明確にすること、あるいは学校評議員制度の趣旨や内容について、これまでも十分その施行通知やあるいは各種の会議等で説明を行ってきたところでございますけれども、今後ともそういう指導を徹底してまいりたいと考えております。
#42
○亀井郁夫君 今、職員会議の問題に入りましたけれども、この評議員制度をいろいろと調べている中で、やはりあわせて今問題になりました職員会議についても同様に大きな間違いを犯しているということがよくわかったわけであります。
 次官通達では、職員会議があたかも意思決定機関のごとく運営され、校長の職責が果たせない場合が指摘されるために、職員会議については適正にやるべきだ、諮問機関として位置づけていくんだということを去年の一月二十一日に通達されておるわけでございますけれども、兵庫県の場合にはやはり県の教育長の名前で通知が出ておりまして、これでは、学校運営に関する基本事項を協議事項とし、学校全体の合意にまで高めるよう運営することということがはっきり書いてあるわけでございまして、そうしてまた、協議とは民主的に協議し、決定することであるということまで確認されておるわけでありますが、こういうふうな県の教育長の通達、並びにこれに基づき市の教育長がまた組合と確認書を取り交わしているというのが実態でございますけれども、こういうことは今のお話で許されないんだと思いますけれども、再度確認のために、こういうことは許されるんでしょうか。
#43
○政府参考人(矢野重典君) 職員会議につきましては、先ほど委員御指摘のように、かつてあたかも学校の意思決定権を有するような運営がなされているところがあるなどの問題点が指摘されておりましたことから、昨年の一月、学校教育法施行規則を改正いたしまして、職員会議をいわゆる補助機関として明確に位置づけたところでございます。
 したがいまして、先ほど御指摘がございましたような教育長通知によりまして、校長の権限に属する事柄を職員会議の協議事項、すなわち意思の合意を要する事柄といたしますことは校長の権限を制約するおそれがございまして、職員会議の趣旨に照らしまして不適切であり、問題があるのではないかというふうに考えているところでございます。また、職員会議の機能は、地方公共団体がその権限と責任に基づき決定すべき管理運営事項でございまして、それについて職員団体との交渉の対象としたり、さらには確認書を交わすことも問題があるというふうに考えているところでございます。
 私どもといたしましては、兵庫県教育委員会に対しまして、さらに詳細な事実の確認を求めますとともに、不適切な事実が確認されましたならば、直ちに是正を図りますように今後指導してまいりたいと考えているものでございます。
#44
○亀井郁夫君 職員会議の位置づけにつきましては文部省の方で一生懸命指導されておられ、去年も一月二十一日付でそういう通達が出ておったわけでありますが、北海道の問題も問題にしました。北海道では、昨年の十月に教育長の名前でちゃんとするようにという通知を出しながら、同じ日に課長か何か、課長クラスの名前で従来どおりでいいんだという文書を出して、現場はどちらを信用したらいいんだということで大変混乱しておったわけでありますけれども、表と裏と違うやり方をしているのが実態ですけれども、これは本当に困ったものだと思います。
 同じように兵庫県の場合も、教育長通達に職員会議の組織、運営について、これまで通知等を行ってきた内容と実質的に変更を来すものではないということをはっきり書いて出しているんですから、変えなくていいと片方で言いながらやっているんですから本当に困ったものだと思いますが、こういうことで本当に子供たちの教育はできるんでしょうか。
 やはり表と裏がなしにちゃんと指導しなきゃいけないのが先生の立場であり、それを指導する県の教育委員会の立場だと思うんですけれども、教育長がこういう文書を出してそのことが許されるということは、私は本当にもう何と言っていいか、怒りの気持ちでいっぱいでありますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#45
○政府参考人(矢野重典君) それにつきまして兵庫県教育委員会からの説明によりますれば、この通達は従来の通知等において指導しておりました職員会議における十分な共通理解の重要性、このことについて触れたものであって、職員会議を最高議決機関やあるいは諮問機関として位置づけるものではない、こういう説明でございました。
 しかし、私どもといたしましては、先ほどの協議の文言等に見られますように、このことにつきましてはさらに兵庫県教育委員会から詳細な事情を聴取いたしまして、この通達等によって学校教育法施行規則を改正した趣旨が損なわれるおそれがないか否かについて今後調査をしてまいりたいと考えているところでございます。
#46
○亀井郁夫君 何回も同じことを聞いて申しわけなかったんですけれども、それぐらい私は大事なことだろうと思うものですからお尋ねしたわけでございますが、このように職員会議の問題については全国的になかなか文部省の指導どおりには行われていないのが実態だと私は思います。
 広島県の場合も、おかげさまで形だけは一応整いました。しかし、実態的になかなかそこまで行っていないのも実態でございまして、そういう意味で、ぜひとも文部省としては全国的に職員会議の実質的な位置づけというものについて調べていただきたい。そして、悪いのは広島県と北海道と兵庫県だけだということにしないで、全部ほかのところについても調べていただいて、厳しく指導していただく必要があるんではないかと思うんですが、これについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#47
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来の御議論で事の適否は明快でございます。
 私どもといたしましても、日本における学校を本当に子供たちにとって内容のある、そして国民の期待にこたえられるようなものにしていくために、学校における校長のリーダーシップと、もちろん教員の協力は必要でありますけれども、意思決定の仕組みについて明確なあり方を既に昨年の規則の改正においてはっきりさせたところでございまして、そういう趣旨の徹底を今後ともさらに図っていきますとともに、そういうことが実際に行われるようになりませんと、今大きく、委員の皆様方の御協力も得て先般成立させました教育改革というものも内実が伴わなくなるわけでございまして、いろいろなことを考慮いたしましても、委員御指摘のように、私どももしかるべく指導を徹底すべきところは今後さらに指導を徹底してまいりたいと考えております。
#48
○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。先生を指導する立場にある教育長ですから、教育長が毅然とした姿勢でやはり指導していってもらうようによろしく御指導のほどをお願いしたいと思います。
 次は、完全週五日制が来年四月から実施されるわけでありますけれども、それにはゆとりの中で教育をしなきゃいけないという状況の中で、週休二日制、週五日制が実施されるということはそれなりにいいわけでありますけれども、しかし大きな問題をたくさん抱えておるのではないかと思うわけであります。子供たちの教育環境が大きく変わるわけでございますし、そこの中で教育水準をどのようにして維持していくか、あるいは学習生活をどのように維持していくか、また家庭や地域との関係をどのように保っていくかというふうな問題がたくさんあるわけでございますけれども、こういう問題についてまずお尋ねしたいと思うわけであります。
 最初にお尋ねしたいのは公立学校の教育力の問題でございますけれども、もちろん学校の教育力以外に家庭の教育力、地域社会の教育力、これも問題でございますので、これについても順番にお尋ねしていきたいと思うわけでございますが、一番問題なのはやはり学校の教育時間が絶対的に減ってしまうということでございますから、そういう意味では、確かにゆとりはできるんですけれども、そこの中で基礎学力をどのようにつけていくかという大きな課題があるわけでございます。
 そういう意味では、時間の減少という大きな壁をどのように乗り越えていくか、そういう中で基礎学力をつけていくかという非常に難しい問題に直面しておるように思うわけでございますけれども、公立学校の教育に絡んで常に対比されるのが私立学校でございますけれども、私立学校における週五日制の採用状況、今は月二回の週五日制が一部で採用されておりますが、今度は来年は完全に週五日制になるわけでありますが、これについての私学の実施状況ないしはこれからの取り組み状況についてお尋ねしたいと思います。
#49
○政府参考人(矢野重典君) 学校週五日制の趣旨は、これは国公私立を通じて異なるものではないわけでございまして、このため文部科学省といたしましては、私立学校においても完全学校週五日制に向けた積極的な取り組みが行われますように、これまで都道府県を通じて協力をお願いいたしますとともに、私学団体に対しましても直接お願いをしてきたところでございます。
 そこで、私立学校における学校週五日制の全国的な実施状況についてでございますが、平成十二年度の調査結果によりますと、現在既に完全学校週五日制を実施している学校は一四・七%でございまして、平成十四年度から完全学校週五日制を実施する予定または実施を検討している学校を合わせますと八七・一%でございます。
 現在、平成十三年度の調査について取りまとめ中でございますけれども、その結果によりましては改めて私学団体に要請するなど、私立学校における完全学校週五日制に向けた取り組みを一層促進するための方策について検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
#50
○亀井郁夫君 私立学校におけるそういったやり方というのはある程度私立学校に任されているのが現実ではないかと思いますけれども、現実にはそういった差が出てくる。
 週六日制と五日制では時間数において、年間で計算すると、簡単なことですけれども、六日間、土曜日まで学校に行けば週千百九十時間ということで、これに対して五日制になりますと九百八十時間ということで差は二百十時間。こうなりますと、三年間で六百三十時間ということになりますから、六百三十時間というと、一年が九百八十時間というと三分の二ぐらい違ってくるというふうな大きな差が出てくるわけでございますから、そういう意味では、私立と公立における絶対的な時間差というものが教育力の絶対的な差ということになってくる可能性があるわけでありますから、進学を希望する子供はやはり私学へ傾斜してしまうということも実態的にはなってくるんじゃないかと思います。
 これから子供たちが少なくなってくるということになりますと、私学での競争も激しくなってまいりますから、やはりそういう形での私学における教育力をつけていこう、差別化していこうという点は続いてくると思いますから、なかなかこれに強制することはできない。そうなりますと、だんだん公立学校の教育力というのは私立学校との間に差がついてくるのではないかと思うのでありますけれども、これについて、私立学校の方をやめろと言うだけでは私は問題は解決しないと思うのでありますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#51
○副大臣(岸田文雄君) 来年度から完全学校週五日制を実施することによりまして、標準授業時数、週当たり二時間減ることになるわけであります。その中にあって、重要な課題としましては、基礎、基本の確実な定着、そして個性や能力の伸長、この二つの課題をしっかりと解決していかなければいけないというふうに考えております。そして、その中にあって、ほとんどの子供たちが通学している公立の小中学校、この公立の小中学校の改善を図って、きめ細かな指導を充実させるということ、これは大変重要なことであり、先生の御指摘、大変重要なポイントだというふうに思っております。
 そういった認識のもとに、まずこの内容におきましては、新しい学習指導要領において幅が拡大されました選択学習の活用、これが大変重要だというふうに思っております。この選択学習の内容において充実を図る、そしてその一方で、公立学校でのきめ細かな指導を積極的に推進する観点から、新たな教職員定数改善計画、これを策定して本年四月から実施しているところであります。内容においても、また教職員の定数改善においても、こうした部分でしっかりと充実を図っていかなければいけないと思っておりますし、また公立学校におきましても、発展的な学習など子供の理解の状況に応じた多様な教育の充実を図るということが大変重要だと考えております。
 そのために、教師用の参考資料の作成、これに今取り組んでおります。こうした資料においても充実を図らなければいけないと思っておりますし、また来年度の概算要求におきましては、拠点校における個に応じた指導の充実のための取り組みを全国すべての小中学校に普及させることにより確かな学力を育成する、こうしたことを図る学力向上フロンティア事業、その要求としまして七億円盛り込んでおりますが、こうした事業を進めることによりましてその充実を図っていきたいとも思っております。
 こうしたさまざまな施策を組み合わせることによりまして、まずほとんどの子供が通学している公立小中学校、ここでの教育の充実をしっかりと図っていかなければいけない、そのように認識しております。
#52
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 今、我が国の学力の低下というのが非常に大きな問題になっておるわけでありますけれども、また、来年の春以降の週五日制の実施によってさらに低下するのではないかということを危惧しているのが国民の共通の認識だろうと私は思うわけでありますから、そういう意味でも、今、副大臣おっしゃったように、ぜひとも公立学校における教育のレベルというものを落とさないようにやっていただきたいと思うわけであります。
 この学力に問題については非常に問題があるというので、きょうも先ほどの理事会で、この次の何では参考人としてこの問題をお聞きしようということになった状況でもございますけれども、非常に真剣な問題だと私は思うんです。
 しかし一方、先ほど申し上げましたように、私学校はどんどん学力をつけていこうということで、特性を出していこうということでやっておりますと、我が国全体の学力の低下を防ぐという点から考えますと、やはり小中における私学の教育というものを無視してはならないのではないかという考え方もあるわけでございまして、そういう意味では、今三割ぐらいしか小中高とも私学の生徒はおりません。小学校はもっと少ないですね。私学が非常に少ないわけで、高等学校で三割程度だと思いますけれども、これについて、中学校、小学校についてももっと私学の設置基準を緩めて、そして私学で勉強したい子はどんどんさせるということも考えていったらいいんではないかと思うんです。
 そういう意味では、私学のウエートを高める必要もあるんではないかという意見も非常にあるわけでありますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#53
○副大臣(岸田文雄君) 我が国の学校教育におきます私立の小中学校でありますが、今、先生御指摘されましたように、学校数や児童生徒数の全体に占める割合は少ないわけでありますが、建学の精神に基づいた特色ある教育を推進すること等によりまして、国民の多様なニーズにこたえ、教育改革をリードする重要な役割を果たしているというふうにまず認識しております。
 そうした認識のもとに、文部科学省としましては、二十一世紀教育新生プラン、こうしたプランを策定して教育改革を今進めているわけでありますが、その中で私立学校の設置促進の観点から、平成十三年度中に小中学校の設置基準を策定するということにしております。
 現在、設置基準の内容について省内に検討会を設けて今検討を進めているところでありまして、今後、中教審の御意見をいただいた上で、年度内には設置基準を策定するよう努力をしております。こうしたスケジュールによってこの設置基準の策定を図っているのが現状であります。
#54
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 次に、家庭の教育力の問題についてお尋ねしたいと思います。
 戦後における家庭の教育力の低下というのは本当に著しいものがあるわけでございまして、学級崩壊や学校崩壊の大きな原因は家庭の教育力の低下にあるとさえ言われておるわけでございますけれども、これについての施策をいろいろと考えておられると思いますけれども、これについてどのようなことを考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#55
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、現在、家庭の教育力の低下ということが指摘をされておるわけでございまして、平成十年の中央教育審議会の答申でありますとか昨年末の教育改革国民会議の報告におきましても行政による家庭教育に対する支援の充実の必要性が指摘をされておるところでございます。このため、さきの通常国会におきまして社会教育法を改正し、家庭教育の向上のための社会教育行政の体制整備を図ったところでございますし、また現在、文部科学省では、厚生労働省とも連携をいたしまして、子育て講座の全国的な展開でありますとか、あるいは子育てやしつけに関する悩みや不安を持つ親に対して気軽に相談に乗ったりきめ細かなアドバイスを行う子育てサポーターの配置など、地域における子育て支援ネットワークの形成に今努めておるところでございます。
 さらに、平成十四年度の概算要求におきましても、今申し上げましたような子育て講座の全国展開でありますとか、子育て支援ネットワークの充実につきましてさらに所要の予算を盛り込んでおるところでございます。
 また、この九月には家庭教育関係の各方面の関係者から構成をされます今後の家庭教育支援の充実についての懇談会を発足させたところでございまして、現在こういった場を通じましていろんな方々の御意見もお伺いをしながら、家庭教育に対する支援施策の充実にさらに努力をしてまいりたいと、かように考えているところでございます。
#56
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 家庭教育というのは、一口で言うと非常に簡単なんですけれども、若い夫婦を呼び出して教育しようというのはなかなか難しいことでございまして、頭を痛めておられるのが実態だと私は思うわけであります。ただ、若い夫婦が一番関心があるのはやはり自分の小さな子供でございますから、幼児教育や小学校時代までの子供の教育については頭を痛めておるわけでありますから、そういう意味ではやはり学校が中心になって家庭教育までやらなきゃいけないんじゃないかと私は思うわけで、そういう意味では家庭教育についても学校が発信元になっていろいろやっていく必要があるんではないかと思うわけで、そういう意味では、生涯学習局の方が家庭教育ということでございますけれども、初等中等教育も一緒になってこれについて取り組んでほしいと思いますが、これについていかがでしょうか。
#57
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、学校教育を進めていく上に当たりましては、家庭、地域社会との連携が極めて重要であるわけでございまして、特に学校と家庭との連携につきましては、これまでも家庭訪問の実施でございますとか保護者懇談会の開催などによりまして、児童生徒に関するさまざまな事項について情報を互いに共有し、また、学校と家庭においてより効果的な教育が行われるように努めてまいってきているところでございます。
 また、このことにつきましては、学習指導要領では、開かれた学校づくりを進めるために地域や学校の実態に応じて家庭の協力を得るなど、家庭との連携を深める必要があるということが規定されているところでございまして、そういう意味で、授業公開を積極的に行ったり、総合的な学習の時間において保護者がボランティアとして授業に参加するなどの取り組みが現在行われているわけでございまして、今後ともさまざまな形で家庭との連携が進むものと期待しているわけでございまして、そういう意味での家庭と学校の連携を今後とも深めていくように努力してまいりたいと考えているところでございます。
#58
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 次に、地域社会の教育力についてお尋ねしたいと思うんですけれども、昔は隣のおじさん、おばさんにしかられるということもあったわけでありますが、今はそういうことがほとんどない。地域における教育力というものも随分落ちているように思うわけでありますが、今度は土曜日が休みになり、生活体験学習や自然体験学習というものをその場でやっていこうということになりますと、学校だけではできない。どうしても家庭や地域、特に地域との関係が深くなってくるわけでございます。そういう意味で各市町村の教育委員会の役割も大きくなるわけでございますけれども、教育委員会の方にそういったことについての意識がまだまだ少ないように思うわけでありまして、地元の教育長に電話をかけてずっと聞きましたけれども、そういうことになるようでございますけれども、法律がそうなったとは聞いているんですけれどもというような感じがまだ多いわけでございます。
 県や文部省の方ではいろいろとメニューもつくっておられるようでございますが、末端まで十分行っていないのが実態ではないかと思いますが、そのためには教育委員会の中に、こうした子供たちの生活体験学習や自然体験学習、こういうものについてちゃんとやるのが教育委員会の仕事なんだと、それの専任のスタッフを置くとか、あるいはまた組織の面でも明確化していく、あるいは財政面でも面倒を見てやるということが大事だと思いますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#59
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 さきの通常国会におきまして社会教育法の改正を行い、その中で青少年の体験活動の実施ですとかその奨励を教育委員会の事務として明確に位置づけたところでございますし、現在、その施行通知におきましても、各教育委員会に対しまして体験活動の推進体制の整備を求め、責任とリーダーシップを持って各教育委員会がこれらの体験活動の推進に取り組むよう指導もしているところでございます。
 また、来年度の概算要求におきましても、そういった各教育委員会の取り組みを促進するために、教育委員会や首長部局、その他幅広い関係機関の連携を図る推進協議会を組織するとか、あるいは情報提供、コーディネートを行う支援センターを整備するなど、学校教育と社会教育を通じた体験活動の推進体制の整備を図るためのそういった事業を実施するための経費を要求しているところでございまして、こういった取り組みを通しまして各教育委員会におきます青少年の体験活動を促進するための体制整備をさらに促してまいりたいと、このように考えております。
#60
○亀井郁夫君 この生活体験学習や自然体験学習というのは、文部省の生涯学習政策局だけではなしに、私は、先ほど申し上げましたように、初等中等教育局あるいは関係各省にも力をかりながらやっていかなきゃいけない問題だと思うわけでございます。特に学校の先生が、今度土曜日は休みになったからいいやということで、もう全然土曜日のこうしたことに対して関心を持たないということになっては困るのでございまして、特に地方の場合はボランティアといってもなかなかいないわけでございます。そういう意味で学校の先生にも協力してもらわなきゃいけないということもございますから、今、学校では地域の人たちが学校に入ってこられるようにという格好で、開かれた学校という形で接点を持っておられますけれども、さらに今度は学校から地域に打って出て、地域の中に入っていって一緒になってこのことを考えていく必要があるだろうと思います。
 またもう一点、生涯教育の中で盛んなのがお年寄りの教育でございます。一生懸命いろんなことを勉強しておられるわけでありますけれども、これも結構なことだと私は思いますけれども、その成果をそのまま持ってあの世に行ってもらうのではなしに、やっぱり子供たちに返してもらってあの世に行ってもらった方がいいのではないかと私は思うわけでございまして、そういう意味では、そこで勉強されたことを土曜日、日曜日に行われる子供たちのこうした体験学習の中で生かしていくというふうな形でぜひとも考えていただきたいと思うわけでございますけれども、こういうことについていかがお考えでしょうか。
#61
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、子供たちが社会性や豊かな人間性をはぐくむためには、週休日におきましても生活や自然などにかかわる多様な体験活動の場また機会の充実を図ることが重要であるわけでございます。そのためには、地域の社会教育団体や施設の関係者を初め幅広い地域の人々の協力を得ることが不可欠であるわけでございます。
 そういう意味で、完全学校週五日制が実施されますと土曜日及び日曜日が教員は休みとなるわけでございますけれども、教員も地域の一員として地域で行われるこうしたさまざまな体験活動に参加し、そしてその専門性を発揮することが私どもといたしましても強く期待されているというふうに考えるものでございます。
#62
○政府参考人(近藤信司君) 先生御指摘になりましたように、地域には高齢者を初めこれまでの生涯学習活動や職業生活等において培われたさまざまな人材がいるわけでありますから、地域の伝統文化の伝承ですとかスポーツ活動の指導など、体験活動を行う際の指導者としてそういった方々を積極的に活用していくということは大変重要なことだと思っておりますし、これら人材の活用は、指導者の確保と、そういう面だけではなく、みずからの学習成果を発揮する場を提供するという、そういう面も持っておるわけでありますから、生涯学習社会の構築にとりましても大変意義が大きいものと考えております。また、そういう方向でいろいろと具体的な方策も講じてまいりたいと思っております。
#63
○亀井郁夫君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 最後にお尋ねしたいのは、校長への民間人起用の問題でございます。
 学校に社会の風を吹き込んで学校風土を改革していこうという新しいお試みでこの制度が採用されたわけでございまして、私はすばらしいことだと思います。
 私の地元の広島県でも、日本で一番教育風土の悪い県ということに定評はなっておりますけれども、何とかこれをしなきゃいけないということで、この春から三名の民間人を校長先生、小中高という形で採用いたしました。よその県では東京が二名、埼玉が一名ということで、全国ではわずかまだ六名でございますけれども、私はもっともっと民間人を採用していただいたらいいんじゃないかと思います。
 広島県の場合には、非常に最初は危惧されておったわけでありますけれども、非常に行かれた先生も頑張っておられますし、同時に県の教育委員会も高く評価し、また地域の人たちにも大変評価されている状況でございます。これが四十七都道府県ある中でわずか三つというのではちょっと少ないと思うんですが、これから広げていただけるんだろうと思いますけれども、なぜこういう状況にあるのか、今後の見通し等についてお話しいただきたいと思います。
#64
○政府参考人(矢野重典君) 校長に幅広くすぐれた人材を確保できるように、そういう観点で昨年の一月に学校教育法施行規則を改正いたしまして、一定の要件を満たす場合には教員免許状を有しない者であっても校長に登用できることといたしたところでございます。
 また、教員免許状を有しない者の校長登用に関しまして、校長会等が障害になっているということはないというふうに私どもは考えているところでございますが、制度ができて間もないということもございまして、先生が御指摘がございましたけれども、現在は東京都や広島県等、五の都県におきまして教員免許状を有しない者が合わせて九名、公立学校の校長に採用されている状況でございます。
 校長の登用は、基本的にはあくまでも任命権者でございます都道府県教育委員会の権限と責任において行われるものでございますけれども、私どもといたしましては、本制度の改正の活用等によりまして特色ある教育活動が展開されますように、そしてそのためにすぐれた人材が確保されますように、制度改正の趣旨や各県等の取り組みにつきまして各教育委員会にいろんな形で周知をしてまいりたいと考えているところでございます。
#65
○亀井郁夫君 ぜひとも多くの県で採用されるように御指導願いたいと思います。
 広島県で三人校長先生になっておられるんですけれども、その先生にお電話し、いろいろとまたお話も聞きました。手紙をもらったので読んでみますと、そこの中で共通して言えるのは、企業も組織だけれども学校も組織だ、やはり経営的な感覚で運営しなきゃならないんだということを痛感するということでございますけれども、そういう意味では学校運営という言葉から学校経営という言葉に変わってきたということで、そういう観点から学校を運営していかなきゃいけないんだということで頑張っているということでございます。
 同時にまた、学校の中の組織も、民間企業でしたらピラミッド型組織でございますけれども、学校の場合はなべぶた式で一律平等型でございますので、人数が少ない学校はいいけれども、先生の多い学校になりますとこれではどうにもならないという形で、学校の中の組織もやはり見直してほしいという声も書いてあります。
 それから、それに絡んで、私いつも問題にしている主任の問題についても、主任の活用が最も大きな課題だということで、これについては処遇の改善等含めてやるべきだというようなことが指摘されておりますし、同時に、これで参考になりますのは、先生の処遇の問題、昇進の問題、これについても今のままでいいんだろうかというふうな問題提起がされておるわけでございます。
 それからもう一つは、教頭先生の数が大規模校では少ないので、これもふやしてほしいというような話が来ておりますので、こういうことをもとにしながら一、二お尋ねしたいのは、一つは、校長先生を、今民間人採用ですけれども、教頭先生にも民間人を採用するということを考えたらどうだろうかと私は思うんです。これは、若い先生だと配置転換その他あるから困るでしょうけれども、五十五過ぎたような方を、民間人でおられますから、そういう方を教頭という形で五年なり十年採用して、そして校長先生を補佐するという形のことも考えたらおもしろいんではないかということを思いました。
 それからもう一つは、今言いましたように、教頭の問題。教頭さんも、七十人や八十人じゃ困るわけでございますけれども、そういったところで教頭の数が少ないと学校が荒れてしまうわけでありますけれども、これについてもやはり教頭を多数配置する、大規模校については配置するということをぜひ考えていただきたいというのが二点であります。
 それから、組織の問題では、やはり主任制がいろいろ問題で、制度つくってからもう二十年たつんですけれども、生きていると文部省はおっしゃるんですけれども、もう死んでいる県がほとんどで、手当を組合に出すためのようなことになっている県が多いわけでありますから、それはそれとして、学校の中における組織というものが今でいいのかどうなのか。いろんな部が、総務部だとか部がたくさんあり、同時にまた進路関係の部もあり、そしてまた今度教科ごとの部があり、そしてまた学年ごとの部があるという格好で、幾つもグループがあるわけでありますから、そういったマトリックス組織をいかに運用していくかということで考えますと、いま一度組織について考え直してみる必要があろうかと思います。
 それからもう一つは、長くなって申しわけないんですが、時間がないからまとめてお尋ねしますが、昇進問題で、民間企業では昔からやっておりますけれども、管理者になる人と、だから教頭、校長の道を歩んでいく人と、そうじゃなしに、先生が好きでなったんだから教頭や校長にならぬでもいい、自分は専門の教師として日本一の教師になりたいという先生もおられるわけでありますから、おのずと進む道は違っていいと。しかし、給与その他の処遇については十分考えていかなきゃいけませんが、そういうふうな形で進路を分けてみることも私は必要ではないかと思うわけでありますから、こういうことについてお答え願いたいと思います。
#66
○副大臣(岸田文雄君) 幾つか御指摘がありましたが、まず教頭への民間人の採用の件なんですが、校長のみならず校長を補佐する教頭にもすぐれた人材を確保すること、大変重要だと思っております。そうした認識から、昨年、教頭の資格要件を緩和し、教員免許状がなくても一定の要件を満たせば教頭になることができるようにしております。ですから、今現在、制度上は民間人であっても教頭になることができるわけであります。
 ただ、教頭の任用につきましては、任命権者であります都道府県教育委員会等の権限と責任において行われるということでありまして、ぜひこの制度が活用されるようにもっと周知徹底しなければいけないというふうに思っております。そういった方向で努力したいと思っております。
 そして、教頭の複数配置について御指摘がありました。
 その複数配置につきましては、平成十三年度を初年度とする教職員定数改善計画におきまして二人配置の改善を行うこととしておりまして、平成十七年までの間に小中学校で六百十二名、高等学校で八百七十九名ふやすことによってその二名配置を進めていく努力をしていこうという計画にあります。そういった方向で努力をいたしたいと存じます。
 また、学校の組織についての御指摘がございましたが、校長のリーダーシップのもと、機動的、組織的な教育活動を展開できるように複数教頭制ですとか、あるいは主任制の適切な実施ですとか、あるいは校長を支えるスタッフ体制を充実するというようなこと、さらには学級担任、教科担任を初めとした校務分担制度を整備すること、こうした点において組織を充実させていくことは大変重要だと思っております。そういった方向で努力をしていかなければいけないと認識しております。
 また、進路、評価でしょうか、進路でしょうか、御指摘がございました。
 これは校長や教頭にふさわしい資質能力を持つ者が登用されるばかりではなくして、適切な勤務評定を踏まえて年功序列にとらわれず若手教職員を積極的に登用するなど人事全体を考えることによってやる気のある教職員により頑張ってもらう、こうした雰囲気をつくっていくこと、これは大変重要だと認識しております。今言ったような人事のあり方、これにつきましても指導を今行っているところであります。
 また、さらにその前に民間的な発想の御指摘もございましたけれども、これもおっしゃるとおりでありまして、学校経営に組織マネジメントの発想を積極的に取り入れ、校長のリーダーシップのもと活力ある運営をしていかなければいけない。御指摘のとおりだと思いますので、このあたりもぜひいろいろな形で施策を進めることによってその雰囲気づくりに努めていきたいと考えております。
#67
○亀井郁夫君 いろいろとたくさん問題提起して申しわけなかったんですけれども、ぜひとも学校風土の活性化のために頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#68
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 きょう、遠山大臣に質問ができる日を心待ちにしていました。実は、もう大臣お忘れだと思いますけれども、私は昭和五十年、一九七五年、もう四半世紀前のことでございます、大臣が図書館課長だったころ、実は私、茨城県で研究学園都市の建設問題を担当しておりまして、そのときに、大体昭和五十年には学園都市は概成といいますか大学や研究機関がオープンをして業務を開始するというような時代で、大方、国としての投資は終わったというような時代でございました。
 ただ、残念なことに、研究学園都市の建設計画というものを立てたわけでございますが、筑波の地元では、言うなれば、学園都市、いわゆる研究機関は立派になったんだけれども、都市らしい都市機能というものはほとんど何もないというような状態でございました。先日、茎崎がつくば市に合併をしまして、最初から見込んでおりました六町村の合併というものができまして、本当のつくば市といいますかそういうものが誕生するわけでございますけれども、その当時はまだ六町村ばらばらで、ばらばらといいますかそのままでございまして、図書館というようなものも全く整備をされていないというような状況がございました。
 実は大臣のところに、図書館情報大学、今度、大学改革ということで筑波大と統合をするというようなことになっているわけでございますけれども、その図書館情報大学は、立派な図書館ができるんではないかと一方的に思い込みまして、市民に、住民に開放していただきたいというようなことで大臣のところへお願いに上がりました、もうとうにお忘れだと思いますけれども。そういうことがありまして、きょうは、そのときに大変お世話になりまして、お礼を申し上げたいというふうに思っているわけでございます。
 いずれにしましても、大臣になられまして、国民が期待する教育あるいは国が力を入れていこうという教育に対して大臣がこれから御活躍されることを心から期待をして、質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、ITERといいますか、国際熱核融合炉の問題でございます。
 実は昨日も茨城県の知事に会いまして、小林さん、頑張ってくれ、ぜひ那珂町に持ってきてほしいんだというようなことを言われました。実は、これも昭和五十年前後だったと思いますが、JT60の話が出たときに、茨城県は核融合懇談会、この間の委員会でも申し上げましたから繰り返しませんけれども、核融合炉を誘致するといいますか、どう対処するかというようなことで専門家を集めていろいろ研究をさせていただきました。そういう中で、JT60が那珂町にあるわけでございます。
 既に前回の委員会でもお話を申し上げましたけれども、原子力委員会として前向きに推進をする、しかも我が国で誘致をするというようなことも大事だというような決定をされ、現在は総合科学技術会議におきまして審議をされ、いずれ判断をされるというふうに聞いているわけでございます。
 そういう中で、このITERサイト適地調査報告書、これはまだ案の段階というあれでございますけれども、そういう報告書も受けていると思いますけれども、これにつきましては、用地面積、電力等の基本条件、そして居住環境の評価項目、こういうものを設定しまして、居住環境については、那珂町は五点満点のところ四・三三ですか、六ケ所村が四・一五、苫小牧が三・四九という評価を出されているようです。もちろん、基本的な条件もありますからトータルとして何点という評価にはなっていないようでございますが、これらについて、文部科学省としてどのようにこの報告書というものを受けとめておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#69
○副大臣(青山丘君) ITER計画への我が国の参加、誘致についてのことですので、私の方から答えさせていただきたいと思います。
 現在、総合科学技術会議で検討が行われているところですが、仮に参加に加えて誘致について判断をする場合には、我が国における適地の有無を確認する必要がありましたので、文部科学省としてはITERサイト適地調査を行ったところであります。
 具体的には、都道府県からの提案を公募して、提案のあった茨城県那珂町、それから青森県六ケ所村、北海道苫小牧市を対象に学識経験者等の協力をいただいて調査を行ったところであります。調査の結果、茨城県那珂町と青森県六ケ所村がITER候補地点として十分な適性を有する、こういう取りまとめがなされました。
 この調査は、各都道府県からの提案書、そしてヒアリングがありました。そして、現地調査に基づいて客観的に適性を評価したものでして、現時点では特定のサイト候補地を選定したという意味ではありません。
 なお、ITER計画への我が国の参加、誘致につきましては、総合科学技術会議におけるその結論を踏まえて政府として最終的な判断をしていくということになっております。
#70
○小林元君 それで、このITERサイト適地調査報告書、その中に別表があるんでございますが、「サイト依存措置に係る整備コストの比較」という、これをごらんいただきたいと思うんですが、そういう中でこの那珂町は既に、既にといいますか、JT60当時から用地面積を大分確保しまして、これが国際ITERのサイトになるかどうかということまでその当時判断があったかどうかは私はわかりませんけれども、いずれにしても十分な用地がもう既に取得されていると。これを評価すると百十六億円でしょうか、というふうにここに書いてありますけれども。六ケ所村の方はこれから新たに取得し造成をするということになるわけですが、これについては青森県あるいは六ケ所村が資金提供といいますか、無償で提供するというように聞いているわけでございます。
 しかし、よくよく考えてみると、これは国としてはいずれをとっても財政負担はないんだ、だからどちらでも同じなんだというように見えるんでございます。国全体として見れば、地方の資金だろうと国の資金だろうとこれ以上の投入をしないという方がベターではないか、二重投資といいますか。じゃ、那珂町の残った四十ヘクタール以上の土地は一体どうするのか、ほかに用途があるのかというような問題を考えますと、こういう財政状況の中でございますから、国も地方も有効に財政資金というものを使うということがよろしいんじゃないかと私は勝手にそう思い込んでいるんでございますが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
#71
○副大臣(青山丘君) 今御指摘の点は非常に重要なところであろうと思っております。ただしかし、現時点では総合科学技術会議に検討をお願いしておるという段階でございますが、適地として、調査報告書の中には、一つは、もう先ほど御指摘がありましたが、基本条件の方はそれなりにきちっと数値で点数が評価されておりまして、もう一点は適性条件の方で、今御指摘の四・三と四・一、こういう評価項目Bの点で御指摘がありました。総合的にこれを勘案して、十分な適性という点で両候補地点をこの際挙げさせていただいたということでございます。
 それで、最終的にはまだ、参加を政府として決定していかなければなりません。それから、仮に参加するとしても、誘致を求めていくのか求めていかないのかという決定もまた今後あります。それから、誘致を政府で決定しても、国際的な政府間協議がございますから、なかなか大きなハードルをこれから乗り切っていかなければなりませんが、現在の段階では、二候補地点は十分な適性を持っているという判断でございます。
#72
○小林元君 今お話がありました総合科学技術会議で判断をし、そしてまた、最終的には日本として閣議で決定をするということになるんだろうと思いますが、国内的な決定期限というんでしょうか、いつごろまでにどういうことを決めるのか。あるいは、国際的にもう大体スケジュールが決まっていて、日本としてそれに対応するためにこういうふうに決めるんだというような具体的なスケジュールというものをお示しいただければなと思いますが。
#73
○副大臣(青山丘君) ITER計画への参加地域とそれから誘致のスケジュールについてどうかということであろうと思いますが、専門家によるサイト適地調査の結果、茨城県那珂町と青森県六ケ所村については、ともにITERサイトの候補地点として十分な適性を有するという取りまとめがなされてきました。
 そこで、誘致のスケジュールについてでございますが、ITER計画に関する政府間協議でのスケジュールとしては、今後、誘致を希望する国、誘致希望国からのサイト提案を受けまして、国際的な共同評価を行った上で、二〇〇二年半ばごろに国際的にサイトについての意見集約を図ることを目標としております。目標としておりますが、情勢の変化に応じてあるいは柔軟にということがこれからきっと求められてくる段階であろうと思いますので、そういう立場で柔軟に対応しつつ協議を進めていくこととなっております。
 我が国のITER計画への参加、誘致につきましては、現在、総合科学技術会議で検討しておりますが、我が国として誘致するという場合には、サイト適地調査結果を踏まえて、適切な時期に提案をすることになると考えております。
#74
○小林元君 その適切な時期というのは、国際的には来年の半ばということが決まっているんですから、国としてはいつごろお決めになるんでしょうか。
#75
○副大臣(青山丘君) 総合科学技術会議において現在検討していただいております。その検討の結果を踏まえて、日本としては、まず第一に参加の問題、大体の合意がなされているかのように私は聞いておりますが、誘致について、より意義が高い、より意義があるというところまでは確認がとられておるようでございますが、その時期につきましてはまだ今明らかになっておりません。
#76
○小林元君 先ほども話が出ましたけれども、十一月の八日、九日ですか、トロントで第一回の政府間協議が行われたというふうに聞いております。そういう中で計画参加国あるいはサイト誘致といいますか希望国というようなことが話し合いになったんではないかなと思うんでございますが、私も、日本としてはサイト誘致をしたい、那珂町あるいは六ケ所村というようないいところがございますというようなことの話があったというふうに聞いているんですが、いかがなものでしょうか。
#77
○政府参考人(今村努君) 過日、十一月八日、九日にカナダのトロントで行われました公式の第一回の政府間協議の状況について御説明申し上げます。
 この第一回の政府間協議におきましては、我が国のほか、EU、ロシア、カナダの代表者が出席いたしまして、今後のこの問題についての交渉の進め方、あるいは今後の段取りについての議論が行われたところでございます。そして、第二回の政府間協議に向けて具体的な作業に着手するということも決まっております。
 具体的に申し上げますと、公式政府間協議のもとにサブグループ会合を設けまして、政府間協議の指示を受けて作業を進め、その内容を政府間協議に報告していくという段取りが決まったところでございます。第二回の公式政府間協議は、東京において来年の一月に開催することを予定しております。
 そして、先ほど青山副大臣からお話のありましたように、来年の夏ごろには国際的なサイトについて実質的に意見を集約すること、来年末には国際間で国際協定でございますね、協定の案を策定するという段取りを決めて、その方向に向けて今後政府間協議を重ねていくということについて申し合わせがなされたというところでございます。
#78
○小林元君 具体的な御答弁がいただけなかったんですけれども、日本政府としてこの計画に参加をする、あるいはサイト誘致をするということについて、二〇〇二年の半ばを目標にという国際的なスケジュールがあるようでございますので、今年末なのか来年の三月なのかわかりませんけれども、いずれその辺の時点にはそういうものを日本として決めるというふうに受けとめてもよろしいんでしょうか。
#79
○副大臣(青山丘君) 政府間協議を来年の一月に東京において行うことになっております。この段階では、日本としてもある程度の考え方を示していかなければならないかと思います。そうしますと、総合科学技術会議においてもっと議論を深めていただいている段階ではないかと考えられます。
#80
○小林元君 大体わかりました。
 核融合の研究開発、これはまあ次世代というんでしょうか、次の世代、相当な期間あるいは資金も要するんだと思います。そういう中で、アメリカが参加をしていないというような状況もありますけれども、いずれにしても、日本のようなエネルギー資源がないというような状況の中では、この研究開発に参加することは非常に重要ではないかというふうにも考えております。
 したがいまして、今後の総合科学技術会議での検討状況もあるんでしょうけれども、ぜひ文部科学省としても積極的な対応をしていただきたい。計画参加、誘致について大臣の前向きなお考えをお伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(遠山敦子君) 委員御指摘のように、本当にこれからの人類にとってエネルギーの問題というのは大変重要でございますし、その関連で、核融合といいますものは究極のエネルギー源ということで、人類共通の目標でもあるわけでございます。長年、この問題については、いろんな角度からいろんな方式で、またいろんな国々の人たちが英知を集めて研究を続けてきてくれていると思います。そういったいろんなこれまでの取り組みを結集してITER計画というものは考えられつつあると思っておりますが、ITER計画を実施することで核融合そのものが実現するわけではなくて、その実現に向けた重要なステップである、こういうふうに認識はいたしております。
 るる御説明しましたように、我が省といたしましては、専門的な角度からの適地調査報告も行い、国としてどういう段階にあるかということはお聞き及びのとおりでございまして、今後、総合科学技術会議における検討結果、そしてサイト適地調査の結果を踏まえまして、日本のITER計画への参加、誘致について判断をしてまいりたいと考えております。
#82
○小林元君 どうもありがとうございました。ぜひ大臣に頑張っていただきたい、このようにお願いをしたいと思います。
 次に、十月三十一日、核燃料サイクル開発機構の大洗工学センターで、高速実験炉の「常陽」のメンテナンスの建屋で火災が発生をしました。幸い大きな火災にもならず、放射性物質の放出というような事態もなかったということでございまして、もちろん周辺環境、住民に何らの影響もなかったということ、大変幸いだったと思います。
 しかし、こういう事故がやはり続いている。「もんじゅ」の事故に始まって、東海動燃の固化施設の爆発事故、そしてジェー・シー・オーの問題、そしてこの問題がありまして、その直後にまた浜岡の原発の破断事故がございました。国民は原子力を、この間、三重県で先日、住民投票がありまして、反対多数ということになりました。日本国民全体として原子力エネルギーはノーだということにはなっていないと思いますけれども、やはりこれを進める上で安全に十分配慮するということが必要だというふうに感じております。
 そういう意味で、文部科学省からこの事故の報告といいますか、あるいは原因等について現段階でわかっておられれば、簡単で結構でございますが、御報告いただきたいと思います。
#83
○大臣政務官(加納時男君) 今、先生がおっしゃいましたとおり、十月三十一日に高速増殖炉「もんじゅ」の実験炉であります「常陽」のメンテナンス建屋で火災が発生しました。これも今、先生がおっしゃいましたとおり、幸いといいますか、大きな事故にはなっておりませんで、周辺に対する放射能の影響はもちろん全くなかったわけでございますが、こういった事故が続いていくということは、非常に原子力の平和利用、開発研究、いろいろやっております我が省といたしましてもこれは残念なことでございまして、再発を防止したいということでございます。
 現在までにわかっている状況でございますが、直ちに調査チームをつくり、また専門の、外部の先生方にも入っていただきまして、事故調査委員会を既に三回、来週の二十六日に四回目を開くわけでございます。
 現在までに推定されております原因というのは幾つか挙がっておりますけれども、作業中に脱落したナトリウム、あるいは廃棄物にくっつきました、付着したナトリウムがカートンボックス、建屋の中にありますカートンボックスというくず箱でございますが、そのカートンボックスの中にまざって入る、混入したのではないかということが実験結果等で推定されるところでございますが、まだ原因究明の段階でございます。原因を十分追求しました上で再発防止対策をきちんと立ててまいりたいというふうに考えております。
#84
○小林元君 多分そういう原因といいますか、最終的には二十六日に原因調査の結果といいますか、出るんだろうというふうに思っております。現段階で私が軽々に結論を言うつもりはありませんけれども。
 いずれにしましても、このナトリウムという、冷却剤として使っているわけでございますけれども、この取り扱いについては十分な注意が必要だということはこれは自明の理でございまして、大変反応性も高い、あるいは反応熱が相当あるというようなこともありまして、これはやはり、その当時「常陽」の解体修理といいますか点検をされておったわけでございますが、当然冷却剤であるナトリウムを抜き取って、そういうものが現場に散乱しない、あるいは散乱をしてもふき取るというような、タオルでふき取るというような作業になっているわけでございます。しかしそれを、このマニュアルでは目視をして確認をする、ナトリウムがあるかないか、というようなことになっているんだそうでございますけれども、やっぱり目視というのは非常に人間は不十分だというふうに思います。
 したがって、本来であればナトリウムがあり得る場所でのそういうタオルといいますか、については当然どこかの箱に入れるのではなくて、即日処理をして発熱状態には至らないというようなことにならなきゃいけないのではないか。つまり、カートンボックスに投げ込んで次の日処理するというのではなくて、即日処理をして作業を終えるというようなマニュアルが本来ではなかったのかなと。非常にささいなことかもしれませんが、これはやはりそういうささいな問題に十分に対応する、これが原子力に携わる者の心構えといいますか、そういうものではないか。
 そういうことで、これは、今回の事故は軽微なものだったと言っても過言ではないと思いますけれども、今後、原子力の安全問題について大変重要な問題でありますので、どうぞ大臣の安全に対する決意というものをお聞かせいただければと思います。
#85
○国務大臣(遠山敦子君) まさに小林委員の御指摘のとおりでありまして、原子力の開発利用に当たりましては安全の確保が大前提でございます。事故が幾つかあったということは大変残念でございますけれども、事故の教訓を踏まえて再発防止に最善を尽くしてまいりたい、そういう気構えでおります。
 我が省の安全対策についての詳細がもし必要でございましたら、政務官の方からお答えいたしますが。
#86
○大臣政務官(加納時男君) 基本的な考えは大臣が申されたとおりでございます。若干細かいことでございますが、補足させていただきます。
 今、先生からナトリウムという危険性を持ったものの取り扱いに十分注意すべきだというお話がございまして、これはもうおっしゃるとおりでございます。
 すべて世の中の科学技術、大きな便益を持つものは必ずリスクがございますので、ナトリウムの持っている便利さと同時に、これの持っているリスクを十分に認識した上で取り扱いについて、今マニュアルというお話が出ましたが、マニュアルに沿ってやっていたのかどうかということと、今、先生がまさに御指摘のとおり、そのマニュアルの妥当性をさらにきわめるべきではないかという二点につきましてさらに勉強してまいりたいと思っております。
 我が文部科学省といたしましては、試験研究炉ですとか核燃料物質等の使用に関する規制を担当しておりますので、そういった点では保安検査、保安規定の遵守状況に係る検査を年四回実施しましたり、現地へ原子力保安検査官や原子力防災専門官を常駐させるなど安全確保に努めておりますが、今、先生が御指摘なされたことを十分肝に銘じまして、これからも安全確保に努めてまいりたいと思っております。
#87
○小林元君 どうぞ、小さな芽でも危険なものについては摘み取って、大事故に至らないというような状況をつくり出していただきたい。
 そして、マニュアルに書いてあるからこうなんだということをどうしても現場の作業の方は、これはやって当然なわけでございますが、それで事故が起きないから大丈夫なんだということではなくて、やはり絶えずマニュアルというようなものについても、事故が起きる起きないにかかわらず、初心に返って見直しをするというようなことが大事なんではないかなというふうに思っております。どうぞ、ぜひとも原子力の安全について御尽力をいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 次に、教育問題に移らせていただきます。
 今いろいろ学校現場で問題といいますか、いろんな問題が出ております。ましてや、児童生徒が大変な事件に巻き込まれて、殺人といいますか、事件にまで至っているという大変悲しい現実がございます。そういう中で、先日発表されました生徒指導上の問題、暴力ですとかいじめですとか不登校、中退、非常に年々、いじめの発生件数は多少減ったわけでございます、これは本当によかったなと思うのでございますが、ほかはやはり相当ふえていると。
 相当というとどれぐらいなのか。不登校の児童生徒数は現在十三万四千人ということになりましたが、これは全体から見れば一・三%程度。一・三%というのは百人に一・三人ですから、まあそんなものかというイメージもあろうかと思います。でも、十三万四千人というのは長野県の小学生全体の数なんですね、これ。一県の数の小学生が登校をしていない、不登校である。あるいは、高校の中退についても十万九千人、微増をしております。その中退率は二・六%です。これは茨城県の高校の人員ですね。高校生の数に匹敵する数なんです。ですから、大変な数が中途退学をしていくというような状況にあります。
 ですから、私自身は大変これは深刻な問題だと。パーセントで見ると、そんなものか、大したことないというイメージなんですが、トータルの数をどこかの数値に置きかえるということになりますと、これは大変だというふうに思うんです。
 こういう現状といいますか、文部科学省としてどのように受けとめ、あるいはどういう対策、学校現場が非常に大変だという状況も踏まえて、どういうふうに対処するのか、お考えがありましたらお願いしたいと思います。
#88
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生御指摘されましたさまざまな児童生徒の問題行動でありますが、今例に挙げられました不登校児童生徒数十三万四千人という数字、数字の上では一・数%というお話でございましたが、この十三万四千人という数字自体が過去最高の数字でありますから、これはもう大変憂慮すべき数字だというふうに思っておりますし、高校中退者十万九千人、中退率二・六%という数字、さらには、減少しているとはいいながら、いじめ件数三万一千件という数字、さらには暴力行為全体で三万五千件という数字、どの数字をとりましても大変憂慮すべき状況であるという認識をまず強く持っております。
 こうした状況、認識のもとに、この問題行動自体にどう対処していくかということでありますが、まず、その原因、背景ということを考えますときに、家庭のしつけですとか、あるいは学校のあり方ですとか、あるいは地域社会との連帯感の希薄化、さらには青少年を取り巻くさまざまな環境、これも大きく変わっているわけであります。こうしたさまざまな要因が複雑に絡み合ってこういった数字になっているということになるわけであります。
 こうした原因とか背景を考えますときに、文部科学省としてどう対応していくかということでありますが、ポイントとしまして幾つかあります。
 まず一つは、新しい学習指導要綱のもとに、わかる授業を行って、子供たちに達成感を味わわせる。楽しい学校というんでしょうか、学校のあるべき姿を考え直し、そして楽しい学校を実現するというような施策。さらには、社会性や人間性をはぐくむため体験活動等を充実していくというような、教育の中身の充実。さらに、教職員の指導力の向上を図るために、専門的な、実践的な研修を行っていくというようなこと。さらに、スクールカウンセラー等相談体制の充実の問題。そして、中学校における進路指導や高等学校の入学者選抜の改善。そして、学校、家庭、地域の連携の推進。こうしたさまざまな方面から充実を図っていかなければいけないというふうに思っております。
 そういったことから、平成十四年度におきましても、体験活動を充実させるための新規事業ですとか、あるいは学校と関係機関から成るサポートチームづくり等の新規事業を盛り込むとか、あるいはスクールカウンセラーの拡充、こういった予算を盛り込んでいるところであります。
 その原因、背景が複雑であるだけに、一つボタンを押せば、これをすればこの問題が解決というような簡単なものではないわけであります。あらゆる方面から、あらゆる視点からこうした問題を見詰めて努力を積み重ねていかなければいけない、これが基本的な考え方だと思っております。
#89
○小林元君 確かにおっしゃるように、御答弁はありましたけれども、いろんな要因が重なってこういう結果になっていると。どこからひもといていくのかというのは大変難しいんだというふうに思いますが。時間も大変なくなっております。
 学級崩壊について、全国の公立小学校の校長・教員調査、こういうものがやられたようでございます。これを簡単に読みますと、やはり大変こういう問題行動といいますか、いろんな中で学級崩壊というようなことが起こっている。校長と教員の認識は多少ずれがあって、例えば小学校の五年生ですか、一番大変だと言われておりますが、この調査の中では、小学校の五年生、二九・一%、校長はそのぐらい学級崩壊があると。一般の教員の方は、一七・五%ぐらいですよ、こういうことで、むしろ六年生の方が二割近く、多少多いと。校長の答えと逆転をしておりますが、そういうことが調査結果から出ております。
 これもいろんな要因が絡み合ってこういうふうになっているということで、御質問しようかと思っていたんですが、ちょっと飛ばしていきたいというふうに思います。
 そこで、先ほど、わかる授業、楽しい授業、いろんな話が出ました。前通常国会で標準法の改正、定数増というようなことになったわけでございます。前回の定数改善計画ではチームティーチングというような、TT加配というようなことに力点があって、これが一万六千人。しかし、学校数は大体小中で三万五千校あるわけです。そういう中で、TT加配をするという学校は一万六千人ですから、約一人ずつ配置しても、二人の場合もあるのかもしれませんけれども、約半分の学校しか行き届かないと。
 いろいろ調べてみますと、じゃ学校の学級定員ですね、四十人学級ということになっております。平均は三十二人だというふうな話でありますけれども、じゃその三十人を超えるたくさんの生徒を抱えた、あるいは定員いっぱいの学級定員を持ったクラスを持っている学校、大規模学校ということになるんでしょうか、そういう学校が大体半数、三十五人以上の学級を持った学校ということになりますと大体四分の一というのがいろんなデータから読み取れるんです。いずれにしましても、半分の学校ぐらいしか行っていないと。
 こういう成果というものは、改善計画、五年間、あるいは多少延びましたけれども、そういう中での実績というものでどういう成果が上がったのか、あるいは余りはっきりしないという答えもあると思いますけれども、いかがでしょうか。
#90
○副大臣(岸田文雄君) 済みません、先生、確認なんですが、前回の定数改善計画の成果という御質問だったでしょうか。
#91
○小林元君 前回のというか、要するにTT加配をしたということで、チームティーチングというようなものをやった、新しい学習形態というか、そういう成果というか、何かあったのかどうかというようなことでございます。
#92
○副大臣(岸田文雄君) ですから、その学級規模に関しては、一律に引き下げるのではなくして、先生御指摘されましたチームティーチングですとか少人数指導、こういったことを行うことによってめり張りのきいた、あるいは目配りの行き届いた、こうした教育を実現しなければいけない、そういったこと、大変重要な観点だと思っております。
 ですから、今年度から始まりました第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画、この計画におきましても、五年間で二万六千九百人さらに改善を図るということで、引き続き努力を続けているわけであります。この努力の中で、基礎、基本の定着、あるいは学級王国などと言われるような閉鎖的な状況が指摘されるわけでありますが、教職員の連携協力、こういったものを推進しなければいけないというふうに、こうした閉鎖的な状況を打破して教職員の連携協力を進めなければいけないというふうに思っていますし、多数の教員がかかわることにより目配りのきいた指導が可能となるようにしなければいけない、そのように考えております。
 これは平成十七年度まで教職員定数の改善を図る計画になっているわけでありますが、その計画の中で、引き続いてチームティーチング等の重要性をしっかりと踏まえて人数の充実に努めていきたいというふうに考えております。
#93
○小林元君 時間がないので、ちょっと質問を飛ばさせていただきたいと思います。
 実は、既に御承知でありますけれども、埼玉県の志木市で小学校の一、二年生について二十五人学級をやりたいということで、マスコミ各紙の社説にまで取り上げられました。既に秋田県、新潟県では小学校一、二年生で三十人学級をスタート、山形県でも小中で三十人学級を実施しようということになっているようでございます。これは標準法の改正で、特別な事情があれば各県あるいは各市町村でどうぞというようなことになったわけでございますけれども、いずれにしても、大変これは教育問題というものを先ほど言いましたようないろんな問題を抱えていてどうするかということで、それぞれの県、市町村が頑張っているというふうに私は受けとめております。
 実は、一昨年だったと思いますけれども、茨城県の総和町で三十人学級をやりたいと言ったら、県から、県の教育委員会からストップがかかりました。上乗せするのはよろしくない、せめてTT加配という形でやってもらえないかというような話があって、そうなっているようでございます。これはですから、今回は標準法の改正という問題がありましたから、方向転換といいますか、どういう手法をとるかということについては県や市町村にお任せをするという方針だと思っておりますが、確認したいと思いますが、いかがですか。
#94
○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘のように、さきの通常国会におきまして法律改正を行ったわけであります。児童生徒の実態を考慮して、特に必要があると認める場合には都道府県教育委員会の判断により、国の定める標準より少ない数により基準を定めることを可能にしたわけであります。そして、実際に平成十三年度から小学校低学年についてこのような特例的な基準を定めている都道府県が見られるというわけであります。
 ですから、都道府県の判断ということでありまして、市町村レベルにおいてもこうした検討が行われているということ、承知はしておりますが、この市町村の状況を踏まえて特例的な基準を認めるか否か、またそのために必要となる教職員を配置するか否か、このあたりの判断はやはり御指摘のとおり、おっしゃるように都道府県の判断にゆだねるべきものであるというふうに考えております。
#95
○小林元君 いずれにしましても、前回の標準法の議論の中でいろいろ三十人学級の妥当性というんでしょうか、文部省もどちらかといえば消極的な御答弁が続いたわけでございます。しかし、これは私は皆さん方の本音ではないんじゃないか、やっぱりこういう大変な時期に教員をふやしたい、何とかふやしたいというような気持ちはお持ちになっているんではないか、私はそういうふうに思って、我々も三十人学級法案というものを提出したわけです。残念ながら、お金がないというようなことで通らなかったわけでございますけれども、いずれにしましても、やっぱりこれは大臣、現場は非常に、亀井先生からもいろんな話が出ましたけれども、一般の教員は一生懸命やりたい、頑張りたい、こういう気持ちは十分に持っていると私は思っているんです。
 ただ、残念なことに、やはりこういう条件整備というんでしょうか、この学級崩壊の調査でも、先生方はどのぐらい勤務しているのという問いに対して、十時間を超えると、自宅勤務、自宅でいろんな勉強をしたりということを含めれば。そっちの方は教養をふやすだけじゃないかという考えもあるかもしれませんが、現実にかばんを持って帰って仕事をするという先生は多数いるわけです。そういう中で、やっぱりこれは大変だと。そして、道徳教育だ、地域の教育力が低下した、あるいは家庭教育だと、いろんな問題がありますが、やっぱりこれは学校として、それが絶対やらなきゃいかぬということではありませんけれども、これまでは一生懸命先生方が頑張ってきた。しかし、残念ながら、傾向としては、割り切った先生といいますか、この調査報告書にも多少触れているようですが、伝統的な考え方を持った教員、そうでなくても仕事と割り切って八時間勤務すればいいんだというような教員もいないとは言えません。ですが、全体としては、やっぱり自分の仕事は非常に貴重だ、大事な仕事だという使命感を持った先生は多数おられると私は思っております。
 ただ、残念なことに、今、そういう希望というか、先生方に民間の発想とかいろんなことを言う。これは、もうきょうは時間がなくて大学問題触れられませんけれども、構造改革、構造改革はいいんです。しかし、学校は会社ではありません。じゃ、何をもって目標とするのか。いい高校へ入った、いい大学へ入ったということなのか、あるいはそれで頑張った。しかし、それによって学校に利益が出るわけでもありませんし、目標数値はありません。ましてや、教員に処遇という、先ほども亀井先生お触れになりましたけれども、処遇改善。会社ならもうかった、そして従業員にも当然配分というものはある。そういうものがないわけですね。なかなかそこまで行くのは、いかに民間的発想を入れてもこれは大変なことでございます。
 そうなりますと、やっぱり遠い将来かもしれませんけれども、教員をふやしていこう、ヨーロッパ並みにいこうというようなことの目標というんでしょうか希望というんでしょうか、今は大変きつくて頑張るんだけれども、もう少したてば仲間がふえるよというようなことになれば私はいいんじゃないかと。そういう意味で、文部大臣のお考えを、現場の教員が奮い立つようなお言葉をいただければ大変ありがたいと。
#96
○国務大臣(遠山敦子君) これからの教育はどうあったらいいかということを本当に真剣に御議論いただきまして、ことしになってからいろんな法律を変えたり制度を変えたり、そしてまた、予算面でも充実をしたりということで今取り組みを始めたところでございます。
 まさに学校も家庭も地域も今の日本の教育というものをもっとよくしようと。それは初等中等教育段階だけではなくて、大学も含めて、しっかりと構造改革すべきところは構造改革をし、そしてよきものを伸ばしていく、そういう精神で今全国民が関心を持って教育に取り組んでいただくべきときだと思っております。
 その中で、教育を専門的に行っております学校というものは、やはり日本の将来の人材を育成する大変重要な任務を担っているところでありまして、学校がよくなってもらわなければ困る。そして、学校で本当に力を持っているのは先生でございます。先生がよくなることで学校がよくなり、学校がよくなって教育が変わる、その精神のもとに委員の皆様方及び国民の御理解を得て、今力強くその教育改革を進めようということで取り組んでいるところでございます。
 教員定数の問題につきましても、いろいろ御議論があった上で、これまでのかたい標準というものだけを適用するのではなくて、特別の事情があれば少し弾力的にやっていただいても結構ですということで、地域の自主性を尊重しながら、そして各地域の実情に応じた教育を展開していただくべくいろんな手当てをしておりますし、また、教員定数についても以前から見れば随分改善を図りつつあるというふうに考えております。
 しかし、先般の標準法におきまして大変な御議論があってでき上がりましたものは、その精神としては、学校におけるクラスが、たった一人の人がすべてそのクラスのメンバーについて目を配るということではなくて、できるだけ複数の人たちが目を配り、そして一人一人に目の届いたそういう教育をしてもらいたいということも背後にあって今回の法改正が行われたというふうに考えております。そんなことで、ねらうところは、やはり日本の将来を担う子供たちにしっかりとした学力をつけること、そして豊かな心を持たせること、そのねらいにおいてどなたも異論はないのではないかと思っております。
 いろんな条件の中で、私どもも皆様方のお知恵をかりながら、整備をし、かつまた我々の負っている責任について説明もしながら進めているところでございまして、ぜひとも、今後とも、先生を初め委員の方々の御理解を得ながら、私どもとしても力いっぱいやっていきたいと思っております。
#97
○小林元君 もう時間ですから終わりにしますが、やはり学校教育を大事にしようという意識が地方から、静かな、まだ大きな波になってはいないかもしれませんけれども、起こりつつあるということをどうぞ文部科学省も感じていただきたい。これはやっぱり日本を動かしていくようなうねりになっていくんではないかと私も期待をし、また、そういううねりを起こす一人になりたいと、こういうふうに思っております。
 今回、学校いきいきプランというようなことで、これは雇用対策ですから、雇用対策イコール学校教育の充実ということとマッチするのかどうか、いろいろ議論があると思います。しかし、せっかくのチャンスですから、茨城県の場合には、緊急地域雇用創出特別交付金ですか、これを十分に活用して教育に力を入れようと、TTのできるような先生を補助教員として採用したいというようなことで、大変に県も市町村も力を入れております。
 どうぞ文部科学省としても、補助教員五万人計画、いきいきプランというようなことを言っているようでございますから、どうぞこういうチャンスでもございますので、十分な活用をして、学校現場に活力を与えるというようなことに御尽力いただくことを希望しまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#98
○委員長(橋本聖子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#99
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続きまして、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#100
○山本香苗君 公明党の山本香苗と申します。本日初めて質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 九月十一日にアメリカで起きました同時多発テロは世界全体を震撼させ、恐怖と不安の渦に巻き込みました。
 こうした中、すぐに文部科学省がニューヨークにあります日本人学校の子供たちに子供の心のケアに関する本を送られて、またカウンセラーを派遣されたということをお伺いいたしまして、さすが、以前トルコ大使としてトルコ大地震のときも現地で果敢に指揮をとられていらっしゃいました遠山大臣だからこそこうしたすばらしい御判断ができたんじゃないかなと感動いたしました。
 そこで、きょうは何点かテロに関する御質問をさせていただきたいと思っております。
 実際、派遣されたカウンセラーの方の御報告にもありますように、現地では想像を絶する心のストレス等があるとのことですが、現在、この子供たちに対してどのような対応がとられているのでしょうか。
#101
○政府参考人(矢野重典君) 事実関係を私の方からまず御説明申し上げたいと思います。
 米国の同時多発テロに伴う児童生徒への心のケアのために二週間派遣しておりましたカウンセラーからは、児童生徒への集団カウンセリング等を行いまして一定の成果を上げたということ、そして今後は現地の人材を活用した心のケアの継続が必要であると、そういった報告があったわけでございます。
 そこで、現在、児童生徒及び保護者への長期的な心のケアにつきましては、現地からの要請を受けまして、ニューヨーク日本人学校グリニッチ校内に設置されております教育文化交流センターという施設があるわけでございますが、その施設におきまして常駐しております二名のカウンセラーで対応しているわけでございますが、さらに相談員の増員など、心のケア対策が行えますように、関係団体と協力しながら引き続き支援を行うことといたしているところでございます。
#102
○山本香苗君 また、パキスタンにおきますカラチとイスラマバードの日本人学校から帰国してきた子供たちの国内における就学状況等を把握して支援するための国内連絡室が設置されておりますが、この現状、またどのような支援を行っていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。
#103
○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のカラチの日本人学校につきましては、現状、その児童生徒十三名のうち十一名が今帰国しております。また、イスラマバードの日本人学校につきましては児童生徒二十五名のうち二十三名が今帰国しておりまして、その帰国した児童生徒については、住所地の学校へ一時的に体験入学ですとか編入学しておりまして、まず就学の機会は確保されております。
 その上で、今、先生が御指摘されました対応なんですが、まず文部科学省の省内に在パキスタン等日本人学校安全緊急対策本部を設置し、そして日本人学校二校の日本国内連絡室をそれぞれの学校ごとに設置したというのが対応であります。
 そして、その連絡室の中身ですが、おのおのの日本人学校の校長または教諭が帰国した児童生徒の国内の学校への就学状況の調査や支援をまず行うと同時に、現地の情報収集に当たって、今後の対応の参考にするための情報収集、こういった情報収集の部分でも力を入れているというのがこの連絡室あるいは対策本部のありようでございます。
#104
○山本香苗君 今回のテロ事件が起きまして、日本国内におきます学校や家庭においてもさまざまな議論があったのではないかと思っております。
 例えば、事件直後、教育関係者の間では、この事件について何を子供たちに話すべきか、話すとしたらどう話すべきかといった議論があったそうです。今回のテロは私たち日本人にとっても他人事ではありませんが、この事件につきまして教育現場がどのように対応しているか御存じでしょうか。
#105
○国務大臣(遠山敦子君) 山本委員御指摘のように、学校においても、いろんな事件ないしいろいろな出来事が起きたときに、子供たちにそういう問題について関心を持ってもらい、そういうことを通じて児童生徒に平和な国際社会の形成に寄与するような態度、あるいは自分や他人の生命を尊重する態度というものを育成していくことは大変大事だと思っております。
 今般のテロ事件につきましては、恐らく各学校において、社会科や道徳などのほか、学級活動もありますし、あるいは朝の会あるいは帰りの会など全校の児童生徒を集めての校長講話の機会もありましょうし、またクラスごとの会で教える機会もございましょうが、そういうさまざまな学校教育活動の局面において指導されているものと思います。
 もちろん、それぞれの学校によって取り組みの方法もあるいは内容も異なるところがあるかもしれませんけれども、私どもとしては、ぜひともその際に、人の命というのは何物にもかえがたい大事なものなのだということ、そしてテロ行為などというものは絶対に許してはならない、そういったことの十分な認識を持って児童生徒の発達段階に応じて適切な指導がなされることを期待しているところでございます。
 一般的には、我が省が個別具体的な社会的な現象についてこういうふうに教えるべきとかそういうことを通知などでやるということは適当でないと思っておりますけれども、このような大きな問題、しかも日本のみならず全世界の人々がこういう問題に立ち向かっている時期でありますので、学校においても十分な指導がなされることを期待している段階でございます。
#106
○山本香苗君 今、大臣が御指摘なさったとおり、学校また先生方によって対応はまちまちといったのが現状だと思います。実際、戦争がだめだとか暴力はだめだと教わったけれども、子供たち自身は、じゃ何で学校ではそういうふうに言っているけれども空爆とかが起こっているんだろうか、先生も生徒から先生はどう考えるのと聞かれることも多いんだと思います。
 今、文部科学省の方では、教育現場でどのように扱うべきかと、何か指導みたいなものは出さない方がいいとおっしゃられましたけれども、外国の例を二、三挙げさせていただきますと、エジプトでは、イスラム教は平和と寛容の宗教であって、テロ・イコール・反イスラムですよと、それを徹底させております。また、ニューヨークにおきましては、テロが起きた後にアラブ系の学生が暴力を受ける等のケースが見受けられまして、徹底してそういった偏見を破るための積極的な討論が行われております。また、テロの恐怖におびえております、またさらされておりますイスラエルでは、子供たちに正確な事実を教えることに重点を置かれて、教育現場における政治的な混乱、これを起こさないように努力がなされております。
 各国のこうした取り組みと比べまして、我が国におきましてはテロとイスラムが同一視されるような傾向もあります。そもそも、イスラムというのが私たち日本人にとってなじみの薄いものでございます。遠山大臣はトルコにいらっしゃる間にイスラムについての多くの知識を得られ、またたくさんのイスラム教徒の御友人がいらっしゃると思いますので御理解いただけると思いますが、イスラムは決してそういった戦闘的な宗教ではございません。
 こうした偏見は無知から生じてまいります。私は、教育で大事なのは子供たちが暴力的な考え方を持たないようにすることだと思っております。それは、子供に全く社会の悪い部分とか暴力的な部分を見せない、教えないといったことは誤りだと思っておりますが、今回のテロや青少年の犯罪、また特定の宗教とか政治、こうしたものは教育現場で扱いにくいと一般に言われておりますけれども、中立的な立場から子供たちに客観的な事実、また情報を伝えていくことは妥当ではないかと思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
#107
○国務大臣(遠山敦子君) 山本委員も、かつてイスタンブールで勉強されまして、トルコについては大変な知識をお持ちでございましょうし、イスラム世界に対する温かい理解の心を持っていらっしゃると思います。
 私もあの地で仕事をいたしまして、イスラムというのは日本人にとってはやや遠い世界のように思っている人が多いと思いますけれども、私は、イスラムの世界に住む人々の心情というものはきちんと世界の他の文明の人たちも理解をする必要があると思っておりますし、その人たちの生きる生き方を形づくっているイスラムの考え方というものは、それはなかなか私どもも感銘を受ける面もあるわけでございます。
 そのようなことも前提としながら考えますに、児童生徒が宗教あるいは政治について正しく理解をして、そして平和的、民主的な国家社会の形成者としての資質を養っていくということは、これはもう憲法上にも明確にうたわれていることでありますし、そういう異文化をきちんと理解をしながら、そして自国のことについてもきちんと誇りを持って生きていく、そのようなことの教育がまことに大事ではないかと思います。
 学習指導要領で定められていること等につきましては、政府参考人の方から御説明を申し上げたいと思います。
#108
○政府参考人(矢野重典君) 学習指導要領におきましては、政治や宗教の取り扱いについて、まず政治につきましては、民主政治の本質や国民の政治参加について考えさせますとともに、宗教につきましては、人生における宗教の持つ意義を理解させるなど宗教的な情操を培うとともに、宗教などに着目させながら我が国やまた世界の文化に対する理解を深めさせることといたしているところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも、教育基本法等の関係法令、また先ほど申し上げましたような学習指導要領を踏まえながら、特定の政党を支持したり、あるいは逆に反対したり、さらには、公立の学校においてでございますけれども、特定の宗教のための宗教教育を行ったりすることのないよう十分留意をいたしながら、児童生徒の発達段階も考慮して、政治や宗教に関する正しい理解のための指導がより適切に行われるように努めてまいりたいと、かように考えているところでございます。
#109
○山本香苗君 その段階で本当に大人の考えを押しつけることがないよう、子供たちの自由な発想を阻むことがないようにしたいと思っておりますが、ちょっと時間もないのでどんどん行かせていただきます。
 昨年の春から試験的に小中学校で始まりました総合的な学習時間、その体験学習の一環として昨年度約四百五十校もの小中学校が自衛隊基地を訪れておりまして、ことしも多くの学校が訪れているそうです。この事実を私は新聞報道で知ったわけなんですけれども、多分大臣も御存じだと思いますが、この記事の内容を要約いたしますと、体験学習として子供たちが自衛隊員の方と一緒に手旗信号の訓練等に加わったり、戦車に乗って搭載されている機関銃にさわったり、一種体験入隊まがいのことをしているといった記事がございました。
 そこで、大臣にまずお伺いいたしたいと思いますが、この事実についてどうお考えになられますでしょうか。
#110
○国務大臣(遠山敦子君) 事実についてということでございますと、私自身はその事実そのものをまだしっかりと把握いたしておりませんで、ちょっとお答えに窮するところでございます。
#111
○政府参考人(矢野重典君) 私も個々の具体的な事実を承知しておりませんけれども、自衛隊等にいろんな形で体験活動として実施している例は承知いたしているところでございます。
#112
○山本香苗君 具体的にこの事実というわけではなく、自衛隊に子供たちが行くこと自体、総合的な学習の一つに位置づけられている体験学習に自衛隊における体験も含まれているんでしょうか。
#113
○政府参考人(矢野重典君) その教育活動がどういう場面、教科なりあるいは総合的な活動を活用して展開されているのか具体的にわかりませんけれども、一般的に申し上げますならば、そうした総合的な学習時間というのは教科横断的な学習でございますから、そういうものも場合によっては総合的な学習の時間において展開されることもあり得るかと思います。
#114
○山本香苗君 先ほど申し上げましたとおり、子供たちに何でもかんでもだめだということ、子供を無菌状態に置くことは子供にとってよくないことだと思いますけれども、かといって何でもかんでも許すというのもちょっと考えものかなと思います。
 自衛隊基地に行って自衛隊の業務に触れさせる、それが子供たちにとって本当にいいことなのか、悪いことなのか。子供たちが何の疑いもなくそうした武器に触れることによって漫画やアニメに出てきます戦闘シーンなんかを思い出して、暴力的な気持ちがかき立てられたりしないでしょうか。
 私は、自衛隊を体験学習の場として選ぶというのは一つの選択肢であるとは思っております。しかし、自衛隊基地を訪れる際に、例えば武器を見ることはいいけれどもさわることはだめだとか、ある一定の歯どめをかけることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#115
○政府参考人(矢野重典君) それは、その自衛隊の体験活動にかかわらず、そうしたさまざまな体験活動を行うに当たっては、当然のことながらそうした教育的な配慮のもとになされる、そういうことが必要であろうかと思っております。
#116
○山本香苗君 総合的な学習の時間の内容、これは各学校で決めるということになっております。これをもって総合的な学習時間、それは我が国の文部行政には珍しい規制緩和だと言う識者の方もいらっしゃいます。まさに現場の先生の力量が発揮できる、そういったチャンスだと思います。
 しかし、先生だけに総合学習の内容を任せるといったことになりますと、今述べさせていただきました事態が起こりかねません。総合学習の内容を決める段階で、地域やまた保護者の方などと事前によく話し合うように教育現場に指導することなどが必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#117
○国務大臣(遠山敦子君) 総合的な学習の時間、来年度から始まるわけでございますけれども、既に各地でいろんな試みが行われておりまして、それは私は、一つには学校の主体性を重んじて、そしてすべてを細かく規制するという行き方よりは、それぞれの地域に合致した教育というものをやってもらって、そういうものを通じていろんな体験もしてもらう、そしてそれによって正規の学習で得るべきものを補強していくというふうな考え方もあるわけでございます。
 私も幾つかの学校を最近訪問することができましたが、それぞれに教員の方の大変な力の入れようによって、子供たちが総合的な学習を楽しんで、そういう楽しみの中から本当の意味で自分で考える、自分で考えて成果を達成していく喜びも味わってくれているように思っております。
 これは、ともあれ、こういう形の学校の主体性を重んじながら教育を展開してもらう方向に踏み切ったわけでございますので、私としては、最初から満点がとれるかどうかは別といたしまして、次第にそういう経験を重ねながらすばらしい教育成果を上げてもらうようになるべきであると思いますし、そういう面では教師の指導書なども考えたり、いろんなことで我々もバックアップしてまいりたいと思っています。
#118
○山本香苗君 この二年間での経験を生かして新しいスタートを切っていただければと思いますけれども、総合的な学習の時間の内容、これは創意工夫をして各学校が決めることになっておりまして、例としまして国際理解、情報、環境、福祉、健康など従来の教科にまたがるような課題等挙げられております。ここにぜひとも平和という観点を入れていただきたいと思っております。
 ここに言います平和教育というのは、単に戦争はだめですよと教え込むだけの平和ではありません。今、この従来の教え込む形式の平和教育ではなくて、時代に合った、時代に即した平和教育、平和について子供たち自身がもう身近から考えていける平和教育が必要だと思っております。
 ことしの九月、テロが起きたときに、地理の授業でたまたまアメリカのことを学んでいた高槻市の中学校では、アフガン難民について報道した新聞記事やビデオ、そうしたものを使って授業を行ったそうです。みんなで記事を読んで、自分たちに何ができるかなと、それを話し合ったそうです。そして、アフガンの難民の子供たちのために、また地雷で手足を失ったカンボジアの子供たちのために募金活動を行いまして、ある中学校の一年生の女の子は、お小遣いが少ないということを不満に思っていたけれども、家のないアフガン難民の子供を知ってぜいたくなことだと気づいた、頑張ってアフガンやカンボジアの子供たちを助けたいと語っていたそうです。
 子供たちに身近なところからできる平和への貢献の仕方を教えることは非常に重要だと思っております。そして、この平和教育は、人権、国際理解、環境教育などにつながっていくと思っております。
 こうした身近から平和を考える平和教育をぜひともこの総合学習の柱として推進していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#119
○政府参考人(矢野重典君) 学校において国際理解教育の推進と国際平和の形成に貢献する態度を育成することは大変大事な課題でございます。
 そうした意味で、国際理解教育でございますけれども、先ほど御紹介がございましたように、総合的な学習の時間は基本的には地域や学校等の実態を踏まえて各学校において創意工夫を生かした学習活動を展開するものでございますけれども、その中の私どもが代表的とも考えられる例示として国際理解ということを一つの大きなテーマとして示しているわけでございますが、そういう意味で、このような指導を進める上で、それぞれの学校の判断で御指摘の総合的な学習の時間を活用することも大いに考えられ、期待されるところでございます。
 また、国際理解教育につきましては、これは総合的な学習の時間だけではなくて、それぞれの教科、道徳また特別活動など、児童生徒の発達段階に応じて学校教育活動のさまざまな場面をとらえて指導することが大切であると私どもは考えているわけでございます。
 今後とも、子供たちが世界のさまざまな文化に対する正しい理解を深め、そして国際社会に生きる民主的、平和的な国家社会の一員として必要な資質を養う教育が適切に行われるように努力してまいりたいと考えております。
#120
○山本香苗君 ありがとうございます。
 いろいろ今御説明をいただきましたけれども、この間、ある雑誌の対談で小野文部科学省事務次官が述べられていらっしゃったところをちょっと興味深いなと拝見したんですけれども、
 総合的な学習の時間は、単に野原に行って動物と遊んで体験学習をしました、というんじゃ困るんです。たとえば理科の授業で雄しべと雌しべのことを学んだら、それを実際に観察し、環境問題も考えるなど、きちんと教科と結び付けて欲しい。「生きる力」というのは確かにわかりにくいかも知れませんが、従来的な知識の量だけではなく、思考力・判断力・表現力・学習意欲といった総合的な能力を含めた、「新しい学力観」を指しているんです。
とおっしゃっていらっしゃいます。
 これは、文部科学省としては、総合学習の内容を決める際、今たくさん言いましたいろんな分野、その中に入っていれば何でも全く自由ですよ、何でもいいですよというスタンスではいらっしゃらないんだなということを示していると思っておりますが、ある程度ガイドライン的なもの、現場に任せる任せるというお言葉ございましたけれども、ガイドライン的なものを今後策定されてはいかがでしょうか。
#121
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘はごもっともでございます。そういう意味で、私ども、ガイドラインといったようなものではなくて、まさに総合的な学習の時間の趣旨を生かしてそれぞれの地域や学校でさまざまな創意工夫に基づく授業展開、教育活動が展開されているところでございますので、私どもとしては、ガイドラインというよりも、そうした創意工夫によるさまざまな教育活動のいい事例を一つの事例集として整理し、そしてそれを各地域、各学校に紹介をしたい、そういう作業をしたいと思っているところでございます。
#122
○山本香苗君 ぜひとも、来年の四月から始まるということですから、そういった事例をきちんと四月までに学校側の方にお渡ししていただければと思います。
 次に、子供の読書活動についてお伺いしたいと思っております。
 子供のころから人類の精神的遺産である偉大な文学作品に触れたり親しむ機会を持つことは人生経験を豊かにすることができます。また、現在ちまたにあふれ返っておりますバーチャルリアリティー、仮想現実から子供たちを守ることもできます。そして、何といっても、子供たちは読書を通じて自分自身への問いかけを大切にはぐくみながら、時間をかけて自分を見詰め直し、自分の力で生きる、また人生の答えを探し出す力、想像力や生きる力を身につけることができると思っておりますが、ここで大臣にぜひともお伺いしたいと思います。大臣が心に残るそういった本というのはございますでしょうか。
#123
○国務大臣(遠山敦子君) 本当に本に出会うということは、すぐれた先達に出会うのと同じぐらい、あるいはそれ以上に深い影響を受けるものだと思います。私もどちらかといえば本が好きな人間でございまして、年齢段階によっていろんな本に示唆を受けて、今日もまだまだ学び続けているところでございます。
#124
○山本香苗君 私もいろいろと読書活動と考えたときに、小さいころにパール・バックの「大地」を読んだな、それによって中国の歴史というものにすごく興味を持ったなと、そういったことを思い出しました。そして今回、この読書活動を子供に対して推進していくこの意義についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
#125
○副大臣(岸田文雄君) 読書活動を推進する意義につきましては、先ほど先生御自身がいろいろと挙げてくださいました。本当にそれぞれごもっともだと思います。創造力や考える習慣を身につけ、豊かな感性や情操そして思いやりの心をはぐくむ上で大切な営みでありますし、学校、家庭、地域を通じてその推進を図ることは極めて重要だというふうに考えております。
 そうした重要性にかんがみて、今までも文部科学省さまざまな施策を進めているわけでありまして、これからもその重要性をしっかりと感じながら努力をしていきたいと思っております。
#126
○山本香苗君 今国会で子どもの読書活動の推進に関する法律案、これを議員立法で提出する方向で現在検討がなされております。
 我が党は、読書活動の重要性、これにかんがみましてこの法案作成にスタート時からしっかりと取り組んでまいりました。また、この法案には全国レベルで展開しております現場での実践と積み重ねた実績に裏打ちされた我が党の主張、また提案が大いに組み込まれておりまして、その提案というのは法案の主要な柱となっております。
 子供読書活動推進に必要な人的、物的、また財政的な措置をすべて講じていると思いますが、この法案についての評価をいただきたいと思います。
#127
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘の子どもの読書活動の推進に関する法律案につきまして、現在議員立法として検討されていると承知いたしておりますが、子供たちの豊かな感性、情操あるいは思いやりの心をはぐくむ上で読書活動を推進することは大変大事なことと考えておりまして、そうした環境を整えるためにこうした法律案の検討が多くの議員の皆様方によって行われていることは大変意義のあることであると考えております。
#128
○山本香苗君 古典や名作と一度も本気で格闘したことのない青春は何と寂しくみすぼらしいものか、そう言われた知識者の方がいらっしゃいますが、今まさに活字離れの時代だと言われております。だからこそ今、あえて子供たちに読書の大切さを語って、子供たちに読書の楽しさを教えていくことが必要なのではないかと思っております。ぜひとも今国会で皆様方のお力をちょうだいしまして本法律案を成立させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 これにて私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#129
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 私は、まず最初に大臣にお伺いしたいのですが、教育の分野における同和事業の問題ですが、今年度末で地対財特法が失効いたします。これで来年度からは同和事業を続ける法的な根拠はすべてなくなるということになるわけですが、国も地方もこれまでの同和地域に限定した特別事業から一般事業への移行に向けて取り組みが進められると思います。
 そして、教育の分野でも特別事業は終了して一般事業に移行するということになると思いますけれども、教育の分野での同和事業といいますと、これまで教員の加配措置として同和加配というものが行われてまいりました。全国では現在三千七百二十六人の加配が同和加配ということで行われております。そして、この加配は、来年度からは同和に限定しない一般の加配ということになると思いますけれども、基本的なお考え方を聞かせていただきたいと思います。
#130
○政府参考人(矢野重典君) いわゆる同和加配教員でございますが、これは、同和地区を有する小中学校におきまして児童生徒の学力向上、進路指導の充実を図ることができますように、昭和四十四年度以降、これまで計画的に改善を図ってまいったところでございます。
 この同和加配でございますが、これは義務標準法施行令に規定されているわけでございますけれども、同和地区を指定するためにいわゆる地対財特法を引用しておりますことから、同法が平成十三年度末に失効することに伴いまして義務標準法施行令の改正が必要となるわけでございます。
 そこで、平成十四年度以降でございますが、平成十四年度以降におきましては同和加配はこれを廃止し、その後は各都道府県からの申請に基づきまして、例えば、特にきめ細かな対応が必要とされます学校等で児童生徒の状況に応じまして特別な学習指導あるいは進路指導等が行われる場合に教員定数を加配する制度に切りかえる方向で現在検討を進めているところでございます。
#131
○林紀子君 そうしますと、今のお話では、同和加配というのは名前だけは変わったと。しかし、今まで同和加配を受けていた小中学校がそのままその先生を引き継ぐと、個人でなくてももちろんあれですけれども、加配というところは、今まで同和加配があった学校が名前だけ変わってそのまま引き継ぐというようなことはありませんね。
#132
○政府参考人(矢野重典君) 来年度以降は、同和地区に限定をした特別施策としての同和加配というのは廃止するということにいたしたわけでございます。そういう意味で、同和地区の子供に限らず、先ほど申し上げましたように、児童生徒の状況に応じて特別な学習指導が必要である、そういう場合に教員定数を加配する、そういう方向で検討をいたすことといたしているところでございます。
#133
○林紀子君 それはよくわかりました。
 それでは、奨学金の問題ですけれども、奨学金も、いわゆる高校生への同和奨学金事業というのがあったと思います。
 そうしますと、これも同和の地域の子供たちに限ったものではなくて、すべての高校生を対象にするということになると思いますけれども、そうしますと対象が物すごく広がるわけですね。ですから、それに対して全体の予算というのをどういうふうに考えるのか、それから奨学金というのは幾らぐらいもらえるようになるのか、成績要件はどうか、それから有利子奨学金というのが今たくさんありますけれども、利子の問題もどうなるのか、そういうことにも触れながらお答えいただきたいと思います。
#134
○政府参考人(矢野重典君) 奨学金の問題について何点かお尋ねがございましたので、順次御説明申し上げたいと思います。
 私ども、我が省では、これまで地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置法、いわゆる地対財特法に基づきまして、対象地域に居住する同和地区の関係者の子弟について地域改善対策高等学校等進学奨励費補助事業というのを実施しておりまして、これは経済的理由で高校、大学等における修学が困難な者に奨学金等の貸与を行う府県、指定都市に対して、その経費の一部について補助を行ってきたところでございます。これが今までの私どもの事業でございます。
 この事業は平成十三年度末をもって、先ほど御説明申し上げましたように、地対財特法が失効することに伴いまして終了することとなっておりまして、他の地域改善対策特別事業と同様に、その後は同和地区や同和関係者に対象を限定しない一般対策によって対応することとなるわけでございます。
 具体的に、平成十四年度以降でございますが、平成十四年度以降につきましては、まず高等学校の奨学金につきましては、都道府県が行います一般奨学事業の拡充によって対応することといたしておりまして、これは、都道府県が経済的理由によって修学困難な高校生に奨学金を貸与する場合に、これに要する経費の一部に対して補助を行う事業、これを新設することといたしておりまして、これに必要な費用につきまして平成十四年度概算要求に盛り込んでいるところでございます。
 また、大学の奨学金についてでございますが、大学の奨学金は、これは日本育英会の奨学制度により対応し、予算の拡充を図ることといたしているところでございます。
 そこでまず、具体的に、高等学校の新しい一般施策としての奨学事業についての創設でございますが、これは私ども今考えておりますのは、補助要件を現在の生活保護世帯の一・五倍以下というものに対象を限定し、そして奨学金の単価といたしましては、これは日本育英会が行っております高等学校の奨学金と同額の内容を考えているところでございます。
 具体的に御紹介申し上げますと、国公立で自宅通学者でございますれば一万八千円、自宅外通学者であれば二万三千円といったような形で、いずれも日本育英会が行っている高校奨学金と同額の内容を考えているところでございます。
 それから、大学につきましては、これは先ほど申し上げましたように、日本育英会の奨学金の拡充ということでございまして、受け皿といたしましては有利子貸与の枠を拡充することによって対応いたしたいと考えているところでございます。
 なお、高等学校はもちろん無利子でございます。
#135
○林紀子君 そうしますと、今、お話の中で、経済的理由ということをかんがみというお話ありましたので、育英会の奨学金といいますと、成績要件というのがありまして、かなり高くて、だれでも受けられるということにはならないわけですが、そうしましたら、特に高校生の場合というのは、経済的理由ということが主であれば、その成績要件というのはそんなに厳しく言わないというふうに理解してよろしいでしょうか。
#136
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のとおりでございまして、私どもが考えております新しい奨学制度は、経済的理由により修学困難な低所得者の者であって、勉学意欲があれば特に成績は問わないことといたしております。
#137
○林紀子君 そうしましたら、同和の事業につきましては、加配の問題も奨学金の問題につきましてもよくわかりました。
 大臣には先ほどお答えいただけなかったんですけれども、こういうふうに細かくお聞きいたしましたら、これはもう同和の事業ではなくて一般事業にということだというのがはっきりわかりましたけれども、特にお願いをしたいことがありますので、大臣の決意も含めてお考えをお聞かせいただけたらと思うんです。
 今までこの同和の問題といいますのは私もたびたびこの委員会で取り上げてまいりましたけれども、やはり地対財特法が失効したということは、もう特段の格差というのはなくなってきたという、その認識のもとにこういうことが行われて、逆に、この同和という問題でいつまでも特別な対策が行われることは、全体から見て、かえって反対の差別というかそういうものとか、利権あさりの種になるとか、そういうおそれがあったということだと思うんですね。
 ところが、都道府県とか市町村の段階では、こういうことが国できちんと決まりましても、自分たちのところは別だというような形でいろいろ続けているところもあるわけなんですが、これはあくまで地対財特法というのが失効した、もう国全体でこの法律がなくなったわけですから、いつまでも都道府県、市町村の段階でそういうしっぽを引きずっているということはなくするというのが当然だと思うわけですので、こういう問題についても、地方に対しましてもきちんとこの趣旨というのを徹底をしていただきたい。
 そのことをお願いしたいので、大臣にこの問題についてどうお考え、どういう決意かということも含めてお聞きいたします。
#138
○国務大臣(遠山敦子君) 今年度末をもちまして地対財特法が失効するわけでございますが、その考え方は今御指摘のような方向であるわけでございます。
 このようなことを踏まえて、各都道府県におきましては、国の方針を踏まえた上で、一般対策への移行ということは十分行き渡っているとは思いますけれども、我が省としましては、こうした考え方、そして平成十四年度の概算要求等の内容に関しまして、各都道府県を対象としまして、地域改善対策主管課長会議などを通じてその周知、指導を行っているところでございます。
 この会議につきましては、もう既に予算要求の段階でも行いましたし、また予算成立後には、このことについての会議をきちっと持って趣旨の徹底を図りたいと思っております。
#139
○林紀子君 ぜひお願いしたいと思います。
 そしてもう一つ、奨学金の問題なんですが、これは日本育英会で行っている奨学金。
 毎年、希望する学生に予約採用という形で採用の内定を通知している、大体十月ごろにはその内定の通知というのは行われるということなんですが、ことしはその通知がいまだにされていないということを聞いているわけですね。ですから、育英会には問い合わせが殺到している。
 その内容といいますのは、十月に入ると私立の専修学校の推薦入学の願書受け付けが始まる、奨学金が受けられれば願書を提出したいけれども、受けられなければそれを断念せざるを得ないんだけれども、一体どうなるだろうかと。それから、私立短大に推薦入学の願書を出したいけれども、これも奨学金がないとその先学業が続けられるかどうかわからない、結果を早く知りたいと。ここで本当に自分の一生どっちに行くかというのを決めなくちゃいけないような、大変なそういう問題なんですけれども、いつも内定通知が来ているのに今回はそれが出されていないということで、およそ十万人の学生が通知を待っているという状況だということなんですね。
 これは早く決めて、早く内定通知出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#140
○政府参考人(工藤智規君) 日本育英会でお貸ししております無利子、有利子の奨学金につきまして、今御指摘のように、大学なり上級学校に進学する前に予約採用という形で、合格が決まったらお貸ししますよという予約採用という枠組みとともに、一たんお入りになってから申し込まれて採用する在学採用と、二つございます。
 昨年の場合、その予約採用につきましては、大体秋口、九月のころには内定通知を差し上げられたのでございますが、一昨年の場合は十一月に入ってからでございました。ことし、昨年よりもおくれておりますのは、御承知のように大変財政事情が厳しい中で、概算要求そのものが無利子貸与については若干減額せざるを得なかったのでございます。有利子、無利子を通じまして、増強の努力をしているわけでございますけれども、財政当局との折衝の推移を見ながら、かつ今年度の採用実績等を見ながら考えていきたいというのが背景にあるわけでございます。
 といいますのも、予約採用といいますのも来年度の予算を使ってのお話なんでございますが、予約採用を大きくしますと在学採用の枠が狭まる、その兼ね合いが、全体の枠の中でどう兼ね合わせていくかという問題があるものですから私どもも苦慮しているのでございますが、受験生への不安を払拭することも私ども他方で気にしてございまして、できるだけ早く、少なくとも年内には内定通知をし、その後、正式決定も年内にはできるようにしたいというふうに、今、日本育英会と相談しているところでございます。
#141
○林紀子君 年内といいますと、もう今十一月の後半ですから、あと一カ月ぐらいなんですけれども、今御紹介しましたように願書の提出との関係がやっぱりあるわけです。
 ですから、本当にできるだけ早く出していただきたいということと、確かに財務省との兼ね合いといいますか、交渉とかいうのもあるのかもしれませんけれども、今本当に不況が深刻化しているわけですから、奨学金そのものが今までより後退をするというようなことは絶対にあってはならないし、そうしないように頑張っていただくのが文部科学省の役目だと思うわけですから、もうそれは不退転の覚悟でこれは絶対とるということで、内定は一日も早く通知をしていただきたいということを重ねてお願いをしたいと思います。
 そして、時間の関係がありますので次に行きたいと思いますが、次は聴覚障害者の大学教育ということについてお聞きしたいと思います。
 聴覚障害者に対しましては、今各大学ではどのような対応をしているのか、また国としてはどのような支援策を講じているのかというのを事前にお伺いをいたしました。
 そして、カセットレコーダーとかFM補聴器などを整備したり、ノートテーカー、書記通訳というふうに言っているんでしょうか、先生の講義をなるべく綿密に書きとめて、それを見せてもらう、そういうノートテーカーの配置などの対策はしている、私学についても私学助成で対応しているというふうに伺いましたけれども、それでは、そもそも全国の大学には聴覚障害者というのが何人ぐらいいるのか、そして、今行っているこういう支援策で十分な体制がとられているとお考えかどうかを最初にお聞きしたいと思います。
#142
○政府参考人(工藤智規君) 先生今お話しのように、私どもいろいろ手だてを講じながら支援を申し上げているところでございますが、聴覚障害者の在学生数について申し上げますと、国立大学の場合、ことしの五月一日現在でございますが、聴覚障害の方で在籍していらっしゃる方は二百七十六人でございます。それから、私立大学の場合は、在学者としてはちょっと調書がないんでございますけれども、学生数で、平成十二年度、昨年度で恐縮でございますが、私ども持っております資料によりますと、三百四十六人の学生がいらっしゃいます。
 私ども、こういう国公私を通じまして、聴覚障害の方に限らず、いろいろ心身に障害をお持ちの方々の学生さんの勉学に支障がないように、物的な配慮、つまりエレベーターですとかスロープですとか、そういう施設面での措置を講じなきゃいけない場合がありますし、あるいは設備、点字の場合のライトですとか点字器でございますとか、それから、おっしゃいましたようにノートテーカーなどの教育的なサービスということも含めて、国立大学は設置者としての責任もございますし、公私立の大学についての助成措置も講じながら私ども支援に努めているところでございます。
#143
○林紀子君 だんだん支援というのが広がっているというお話は聞いているんですけれども、聴覚障害者にとって手話とかノートテークというのがどれだけ学習にとって不可欠なものかというのを私もある方の例として知ったんですけれども、Aさんとここでは書いてあるんですが、小中高校生のときは健常者と一緒に、健常児と一緒に教育を受けてきて、自分は教科書を勉強したり参考書を勉強したりしてきた。だけれども、大学になりますと、なかなかテキストもない、板書や資料も少なく、先生方の講義が中心になる。なかなかわからないからもう学校やめなくちゃいけないかなというところまで思っていたときに、このノートテーカーという方の援助を受けたというんですね。
 そのときの感想が書いてあるんですけれども、「そのときの衝撃と感動は、一生忘れることはないと思います。大げさに聞こえるかもしれませんが、「先生はこんなことを話していたのか」「授業ってこんなに面白かったんだ」って、本当に通訳者の書いてくれる文字を一つひとつかみしめながら、夢中になって読んだんです。そのとき初めて、大学に来てよかったって思いました。」と、こういう感想を書いているんです。
 だから、今つかんでいるだけで七百人ぐらいでしょうか、聴覚障害者の方がいるということですけれども、その一人一人の方がみんなこんな思いをしているんじゃないかというふうに思うわけです。しかし、この支援者、ノートテーカーとか手話通訳というのを探すのが大変だということなんですね。大学でいろいろ便宜を図ってくれるというところもあるんですけれども、それはまだまだ本当に少なくて、自分で探さなくちゃいけない。
 これは、関西のある私立の大学ですが、聴覚障害者が受ける講義のノートテーク、書記通訳または手話通訳を募集していますと、こういうビラを自分でつくって、そして私は今週の何時間目はどういうところの講義を受けるんですという自分の時間表も書いて、そしてその一番下に「この方から上記のような呼びかけがありました。関心を持った方は学生課までご連絡ください。」ということが最後に二行書いてあるんですけれども、その「学生課までご連絡ください。」というここを書くのに学生課に何度も通って頼み込んで、ようやくそうしましょうということになったということなんです。
 この方が言っているのは、自分の大学生活の八割が手話通訳確保のための交渉に費やされて、二割で勉強していると。だから、学期が始まると一日二時間はこういう人を探して、この時間必ず来てねと、こういうことを言う調整の時間にとられてしまうんだということなんです。ですから、手話通訳とかノートテーカー、こういう配置を大学が何とか大学として責任を持って保障してくれないかと、これが一番切実な願いだということです。
 通訳者の保障というのは、謝礼も交通費も、こういう問題がありますし、専門家の養成ということもあるわけですので、この辺は文部科学省としてはどういうふうにしようとお考えになっておりますでしょうか。
#144
○政府参考人(工藤智規君) 国立大学の場合は、設置者としての立場もございますので、そういう補助員等を配置した場合の予算措置、それから私立の場合は私学助成を通じまして御支援を申し上げているところでございます。
 それぞれの大学で違うのかもしれませんが、私どもが承知しているところでは、今お話のありましたノートテーカーについて言いますと、国公私合わせて七十一の大学で、それから手話通訳者の配置につきましては二十六の大学でそれぞれ配置しておられて、しかもそれは個人レベルじゃなくて各大学、国公私を通じて各大学が学生に呼びかけたり、あるいは学生サークルの協力を得たりして、かつそれはボランティアの場合もたまにあるかもしれませんが、かなりの大学では大学自身が謝金をお払いしながらそういう支援措置を講じているというふうに承知しているところでございます。
 どういう体制でそういうサポート要員を配置するか、あるいはすそ野を広げていくかという問題はあるわけでございますが、同じ学生たちが学生仲間として、ボランティアも含めて仲間の学生を支援するという心を広げていくことも大事なことだと思いますし、他方で、手話通訳につきましては、平成元年に、手話通訳士という厚生大臣認定の国家資格もある中で、一部の私立大学ではその資格を得るための手話通訳士あるいは手話通訳の技術を養成するための講座を設けるなどして、専門家といいましょうか、そういう支援者を養成するようなことも講じているわけでございまして、私どももそれは設置審査等の上で十分配慮しながらバックアップしているつもりでございます。
#145
○林紀子君 それから、ノートテーカーか手話通訳か、またパソコンを利用するのか、そういうことも含めて本人の希望に沿った援助をしてほしいという声も強いわけです。
 私学についてはなかなか大変だと思いますけれども、私学には申請によって文部科学省から補助金が渡され、それから何人聴覚障害者がいるというようなことで上乗せ対策というのもあるということなんですけれども、一番その末端にいる、さっき自分で一生懸命探しているような、そういう学生さんに聞きますと、本当に大学はそういうお金を自分たちのために使ってくれているのかな、なかなか見えないなという話があるんです。
 やっぱり人数が少ないとか声が小さいというとなかなかそこがきちんと見てもらえないということじゃなくて、本人の希望に沿って、文部科学省からお金を私学にも渡しているわけですから、きちんとそれはそこに使うようにということもぜひ言っていただきたいのと、それからそういうことの相談ができる窓口というのを、専門の窓口を置いてほしいということなんです。職員を置くこと、支援ルームのようなものでいいから置いてほしいと。そして、それは何も聴覚障害者ばかりじゃなくて、すべての障害者に対して対応できるような、大学に一つそういう窓口があってもいいんじゃないかということなんですが、それは本当に一番最低の最低の願いかなと思いますので、まず自分の要望に沿った支援をしてほしい、それから窓口でそれを相談できるようにしてほしい、そのことをぜひ実現していただきたいと思いますが、いかがですか。
#146
○政府参考人(工藤智規君) 私学における補助金の使用についてでございますが、補助金の趣旨に沿った使用は大学との関係で私どもも折々気をつけているところでございますが、少なくとも障害者関係の特別の上乗せ補助金については、申請の段階での書類にその旨お書きいただきながら認識を新たにしていただくほかに、私ども、ローテーションで私立学校に専門家の先生方おいでいただくような機会もございますが、そういう機会にも気をつけてまいりたいと思ってございます。
 それから、窓口ということでございますが、これは国公私を通じましてほとんどすべての大学でいろんな形で学生の相談窓口は設けております。障害者に特化した窓口ということよりは、学生生活全般についての窓口を、例えば保健管理センターでございますとか学生相談室でございますとか、いろんな形で設けておられてございまして、先ほど御紹介ありました学生課にどうぞ照会をというのは、通常はそういう課としての学生課がそういう窓口にもなっているわけでございましょうし、何らかの形での学生支援というのはそういう意味で必要なことだと思っておりますので、今後とも私ども折ある機会にいろいろ意を尽くしてまいりたいと思います。
#147
○林紀子君 何とか障害者というところに特化したもの、手話もできると、そういう特化したものを望んでいらっしゃるので、それは大いにこれから考えていただきたいと。
 それから最後に、通信制の大学ですけれども、聴覚障害の方たちには通信制の大学というのは使いやすいわけですね。だから、そういう希望者もいるわけですけれども、ここでまたスクーリングがあるということが一つの壁なんですね。大学に行ってスクーリングを受けるとなると、どうしても今申し上げたようなのと同じような壁があるわけなので、またスクーリングだけというと余計援助というのがなかなかしてもらえないということもありますので、通信制の大学にもスクーリング含めて支援をぜひしていただきたいということをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#148
○政府参考人(工藤智規君) そのような方向で検討してまいります。
#149
○林紀子君 あと一つ最後に、申しわけないんですが、実は最後に大学の非常勤講師の問題についてお伺いしようと思いましたら、私の持ち時間がいっぱいになってしまいましたけれども、大学の非常勤講師というのは大変な低賃金で、しかもなかなか社会保障も何にもないというところで、しかももしかしたら大学ぐらいの半分の授業は背負っているんじゃないかという状況がありますので、この問題についてはまたこの後続きということで、機会がありましたら質問をさせていただきたいと思います。
#150
○山本正和君 ちょっと初めに委員長にお願いしておきますが、山本香苗委員の質問のようなことをひとつぜひ文教委員会全体で議論できるような機会をまた理事懇等で御検討いただきたいと思っております。
 そのお話の中に小野事務次官のお話もあったんですが、文部省の皆さんは他の省庁と違って本当に大変な苦労の中で日本の教育に当たるわけなんですね。ですから、他の省庁とは違って、そういう日本の国の教育はどうあるべきかというようなことで大変御苦労願っていると思うんですね。
 いろんなことを言われますが、私は初めてヨーロッパへ行ったのが昭和四十年過ぎたばかりのときですけれども、そうしたら、買い物に行ったら、その当時はまだ電算機は今のように発達していませんから、何か計算するのが大変遅いんですよ。日本人はみんな頭の中で暗算で二けたやそこらならぱっとできるし、割り算もさっさっとできるんですね。フランスという国は数学教育の進んだ国だと思ったんだけれども、ところがフランスでは買い物をしてもなかなか暗算をせずにこうやっていた、その当時は。今はもうこれですけれどもね。
 そんなことを思って、私はやっぱり義務教育を日本の国が、確かにそれは軍国主義とかいろいろなことはあったにしても、明治以降、もちろん徳川時代までの遺産があったことは間違いないんですけれども、大変な勢いで国民教育が行われた、義務教育の責任を文部省が責任を持ってやったという中から日本の国があったと。そういう自信を文部省は持っておったし、私は他の省庁にはない、プライドと言ったら余りいい言葉ではないかもしれぬけれども、そういうものを持っておったように思うんですね。ですから、ひとつぜひ文部省は頑張っていただきたい。今、日本の国をこれからどうするかというようなことについても、最後は国民一人一人の生きていく力なんですから、そういうことをぜひ自信を持っていただきたいと思います。
 そこで、実はこの前から大学問題をずっと見ておって、私もこのままでいいのかしらんというようなことをこの前質問いたしましたが、十九日だからきのうですか、きのうの新聞でひょっと見たら、生涯学習局の寺脇審議官が、これは文部省の考え方ですという格好で紹介をしておった。大学問題で二つの重点がある、大学をよりよいものにするという大学主体のもの、もう一つは国民にとって何が必要なのかという考え方、こういうふうな意見ですね。さらにまた、本来大学は国民全体の共有財産であって、それはオープンにすべきものである、しかしながらいろいろな問題があると、こういうふうな指摘ですね。また、あわせて生涯教育という観点と日本の大学教育という観点で、大学はいつでもだれでも学びに行こうとしたら学びに行けるような形が本来あるべきだと、こういうふうなすばらしい発想をずっと文部省の考え方として言っているわけです、文部省の考え方として。
 私はそういうことが非常に大切だと思うものですから、今、小泉さんが構造改革と言っていますけれども、それは小泉さん流に危機感を持ってこの国を何とかしていこうという気持ちなんだろうけれども、そこでやっぱり重要なのは教育の問題なんだろうと。そこで、教育で今一番言われているのが大学教育の問題だと。大学がこれからどういう役割を果たすかということについても、この展望を、まさに二十一世紀の日本の改革というのならばきちっと持たなきゃいけないんだろう、このようなことを思うものですから、きょうはひとつ寺脇審議官に、そういう生涯教育と大学教育の関係について、今こういうふうな考え方に立っていますということを聞かせてほしいと思ってきょうは質問を、まずお願いしたいと思います。
#151
○政府参考人(寺脇研君) 恐縮でございます。
 御案内のように、文部科学省、旧文部省は昭和六十三年に機構改革をいたしまして、臨時教育審議会の答申を受けまして教育改革をしていくというようなことも踏まえつつ体制の整備をしたわけでございますが、その際に、現在、生涯学習政策局と言っておりますが、生涯学習局という局ができたわけでございます。これは、従来は社会教育局と言っておりましたが、それが生まれ変わったわけでございまして、学校教育、社会教育、スポーツ、文化、あらゆる面において臨時教育審議会の答申で御提言のございました生涯学習社会をつくっていくという観点で見ていくところというようなことでスタートしたわけでございます。
 そういう意味で、生涯学習的色彩の非常に強い放送大学でございますとか、あるいは専門学校も比較的そういった意味合いが強うございますので、高等教育機関の中では生涯学習局の所管というようなことにもなり、また公開講座や社会人入学等についても積極的に進めてまいるということで今日に至っておるわけでございます。
 そこのところの考え方を申し上げましたのが御指摘の新聞記事等にも出ておるわけでございますけれども、もちろん大学は、まず高等教育の教育研究機関としての役割をずっと果たしてきたわけでございますし、それはまた非常に大きなものでございますが、同時に、時代が生涯学習社会に変化していく中で、あらゆる年齢の人たち、あらゆる立場の人たちが学ぶチャンスを得られるような方向に行く必要もあるだろうと。つまり、学習者と申しますか、学習する側の観点から高等教育機関への働きかけをしていく必要もあるだろうというようなことで現在のような体制が組まれていると、こういうことでございます。
 私の方はその生涯学習政策の方の担当でございますので、そちらの立場から申し上げれば、すべての、いつでもどこでもだれでも大学教育を受けようという意欲とそれにふさわしい力を持っていればその機会が得られるようにということで、放送大学の全国展開等をお願いしてまいりまして現在のような状況に至っているわけでございます。
 そうはいいながら、やっぱり大学がそもそも高等教育と世界的研究に近づいていく機関である関係もあって、何の制約もなくだれでもいつでもどこでも受け入れるというわけにはいかない。そこのところは大学の、いわば十八歳人口の動向でございますとかさまざまな状況を勘案しながら、高等教育局にお願いをしてまいる中で、大学のそういった二面性、二面性というか両方の社会的役割というものを果たしていただけるように、特に学習者の方の観点からお願いしておるというようなことで、そういったことを社会に向けて発信させていただいておるところでございます。
#152
○山本正和君 今、放送大学の話がありましたけれども、私も実は放送大学を大分前に見に行って、将来展望なんかの話も聞いたんですが、実は、高等教育局長がお見えですからお聞きしておきたいんですけれども、大学における通信教育、これがアメリカでは非常によく発達している。日本でも大分進んではきたんだけれども、それと今の放送との関連ですね、何か含めた格好で高等教育局でも検討しておられるやに聞いているんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。国立大学の中では例えばどの程度のことを考えているとかいうようなことは、現在まだ具体化はしていませんか。
#153
○政府参考人(工藤智規君) いわゆる通信教育といいますのは、御承知のように、伝統的でいえば、郵便でのやりとりでなかなか顔が見えないものですから、年に集中的にお集まりいただいた面接授業をしながら、フェース・ツー・フェースの授業ということでございました。それが、先進的なのはイギリスでございますけれども、イギリスのオープンユニバーシティー、いわば放送大学の前例を随分研究させていただきまして、日本でもなかなか大学に通えない方のために、この衛星放送の時代にそれを使いながらできないかということで研究した結果、立ち上がったのが放送大学でございます。
 あれはもともとは、御承知のように、国立大学といいましょうか、国の役割として全国津々浦々に学習機会を提供するということでございましたけれども、放送法との関係で国が電波を持てないということからああいう形態のものにさせていただいてございます。
 今、さらに発達しておりますのは、いわゆるIT技術の進歩に伴いまして、インターネットを通じまして、単に文字だけではなくて、映像それから音声も含めてグローバルな情報伝達ができるようになりました。これはまた画期的なことでございまして、インターネットを通じた教育が通信教育というのか、いや、実はもうフェース・ツー・フェースだから単なる授業の手段であって通常の形態であるかというのは、そのあたりはもう少し議論をしなきゃいけない部分はありますが、少なくとも通学制と通信制の区別がだんだんなくなってきているのは事実でございます。
 そういう中で、放送大学のほかに、今の国立大学がさらに別の形の放送あるいは通信制の大学をというのは今のところはないのでございますが、今のこのITを活用した、インターネットを活用した大学院教育あるいは学部教育というのは相当多くの大学で進んでございまして、例えば一例を申し上げれば、分散キャンパスを抱えてございます信州大学では、それぞれのキャンパスで双方向の授業ができるように、バーチャルユニバーシティーといいましょうか、バーチャルな授業を行っているとかいうことも含めまして、国立大学でも相当意欲的に取り組んでいるところでございます。
#154
○山本正和君 ぜひひとつ御検討願いたいんです。
 それから、フィンランドでは小学校の子供に一台ずつパソコンがついている、そういう教育をやっているんです。恐らく日本も、森内閣のときに森さんがそういうことを言われたんですけれども、やがてそういう時代になっていくとパソコンを使った教育というものがもっとうんとできるだろうと。そんなことを思うと、高等教育の中でもそれを使わぬ手はないだろうと。だれでもそこで勉強できるとなって、その中で、ただし単位を認定するとかなんとかはやっぱりシビアに、厳しくやっていったらいいと思うんですけれども。
 そんなことも含めた検討、そして、もしも日本じゅうの小学校に一台ずつやると、これは大変な景気振興策になるんです。道路をつくるよりももっと景気がよくなるんじゃないかと思うんですけれども、まあ道路も必要でしょうけれども、そんなことも含めて、ひとつ大胆に文部省は予算要求をしていただきたいと思います、来年度予算は。
 それから、これはもう時間がないので私の方で局長にまたお願いしておきますが、この前も言いましたけれども、いわゆる文明国と言われる、文明国と言ったらおかしいけれども、OECDの国の中で薬剤師の資格を取るのに四年制でよろしいなんて言っている国はもう日本だけなんです。要するに、薬というものの知識を備えるのに四年でよろしいよと、こんな国は日本しかないです。しかも、その四年のうちの二年間は教養ですからね、半分は。専門的な部分は非常に少ないんです。危なくて仕方がない。
 私は第一回の国家試験を受けたんですが、昭和二十四年ですよ、そのときに薬品鑑定試験というのをやった。白い粉をぽっと置いて、これを何か当てなさいじゃないけれども、ちゃんと判定しなさいと。そして、水に溶けるかエーテルに溶けるかアルコールに溶けるかから始まって、溶融点試験して、ずっとやっていって、それでこれは何だとか決めるんですよ。私は幸いにして合格しましたけれども。あんな試験をやったら今は恐らく、今はもう機械にぽっと載せたら出ますからね。昔はちゃんとそういうことをやったんです。
 しかし、それぐらい薬というものは本当からいえばきちっとした知識が必要だと思う。外国では、基礎教養は別にして三年間のかなり専門教育というものが必ず最低保障、それ以外に実地教育というものが最低一年、それに基礎教養をやりますから最低五年から六年やっているんですよ、皆。そうせぬとこれはやっぱりだめだろうと私は思う。危なくて仕方ない。
 今は特に、医療問題が出ていますけれども、お医者さんたちも正直言って薬の部分が弱いんですよ、単位調べてみたらわかるけれども、医学部における薬の分野というのは。そんなに危ない知識のお医者さんと修学年数の少ない薬剤師が日本の国民の薬を責任持つんだというのは、これはおかしな話なんです。
 しかし、調べてみると、正直言ってこれは大学の経営上の問題なんです。五年制にしたり六年制にしたりすると金がかかってかなわぬから、とにかく四年制で堪忍してくれというのが大学経営者側の言い分なんですよね。しかし、それはやっぱり文部省からしりをひっぱたいてでもだめだと、やれと、こういうことを言わぬことにはよくならないので、その辺のことはひとつ、これはもう時間ありませんから要望できょうはとめておきますが、御検討の中にしっかり加えていただけたらと思います。
 どうもありがとうございました。
#155
○西岡武夫君 前回に引き続きまして、国立大学の独立行政法人化の問題につきまして文部大臣にお尋ねをいたします。
 このことにつきましては、委員長の方で理事会でお取り計らいをいただいておりまして、集中的に審議をしていただく時間もいずれとっていただけるということでございますから、改めてそこでも細部にわたってお話を申し上げたいと思いますが、既に、これは大学ではありませんけれども、文部科学省がそれぞれの機関、博物館とか美術館とか、そうした文部省のこれまでの国立の組織を独立行政法人化しているわけですけれども、そこにおける予算というものはどういう形になっているのか。全く完全に予算的にこれを独立行政法人の責任で行うという形にしているのか、あるいは国からも、文部科学省の方からも予算がそこに出されているのか、その点についてお尋ねをいたします。
#156
○国務大臣(遠山敦子君) 独立行政法人の話は別に文部科学省だけではなくて、国家の機関についてそういう大きな組織形態の移行があったわけでございますが、私もたまたま西洋美術館長を一年やりまして、その後にことしの四月一日から独立行政法人の国立美術館になりまして、その折の経験を踏まえて申し上げますけれども、予算につきましては、これは中期目標とかそれから中期計画というものが立てられまして、独立行政法人の仕事につきまして、それの絡みで必要な事業については国からの交付金が出ます。交付金によって、特に国立の美術館ないし博物館のようなもの、その他のものもこれは独立行政法人ということでございますけれども、この交付金を主たる収入源としてやるわけでございます。
 もちろん、それぞれの自己の努力によってこれまでとは違ったいろんな角度、寄附金を集めてみたりあるいは事業をやってみたりということもございますけれども、中核はその交付金によって運営するという仕組みになってございます。
#157
○西岡武夫君 私が、国立大学を独立行政法人、これはほかの機関とは全く違うわけでございますけれども、今の博物館や美術館とか国立劇場等々もその果たしている役割から申しますと、例えばヨーロッパなどで、これはもう大使も御経験になった文部科学大臣の方が実際に世界全体のことを十分把握しておられると思いますけれども、国立の博物館や美術館はもっと無料で国民に開放していくというような方向の方が正しいのではないかと私は思っています。そういうことからしましても、ちょっと安易に独立行政法人化したということについては私自身は基本的な疑問を持っておりますが、これはまた別の機会にお話をしたいと思います。
 そこで、今回まだいろいろ中身を詰めておられる議論の最中であるということで大臣から確定的なお答えをいただくわけにはいかないのではないかと思いますけれども、しかし、少なくとも私は大臣がこう言われたからどうだこうだということを申し上げるつもりは全くないわけでございまして、少なくとも今の国立大学は、私の知る限りでは、全国の県に原則として一つの総合的な国立大学は存在をして、その運営については地域の代表の方々に評議員として参加してもらって、そしてこれが運営されると。したがって、地域の声も十分反映して国立大学が運営されるという形で本来はスタートをした。
 しかし、当分の間、教授、教官をもってこれに充てるという形で評議会が運営をされて国立大学の運営が行われ、大学紛争やその他いろいろな問題がありまして、大変な苦労を当時文部省はされたわけでございますけれども、そういう運営に関する民間の地域の声を反映させるという仕組みはもともと国立大学をつくったときの、敗戦後つくったときの趣旨からはきちっとその中に組み込まれていて、それを実行すればいいという点が一点。
 もう一つ、国立大学の教官の身分の問題でございますけれども、私がたまたま昭和四十五年から六年にかけまして、これは国立大学の教官の皆さん方の問題ではなかったのでございますけれども、義務教育を中心とした教諭の皆さん方の超過勤務についての問題を解決するときに、私立の小学校、中学校、高等学校の先生と超過勤務の問題をめぐって二種類の教師が存在するということに実はなったわけです。
 というのは、労働基準法に基づくところの超過勤務命令を出して超過勤務手当を支給するということに法的になっている私立と、超勤手当のかわりに四%の基本給を上乗せするという形でこれを適用しないという二種類の学校の先生が存在するということが法的に出てきたものでございますから、私も、当時そのことを進めた中で、大学の先生方のことも含めて教育にかかわる方々と研究にかかわる方々と、いわば第三の身分、教育研究職というような身分は考えられないんだろうかということを大分人事院との間でも私は議論をしたことがもう大分昔の話でございますけれどもございました。
 しかし、残念ながら、民間の企業人でもない、公務員でもない、教育研究職という新しい柱を立てる、そして、そこにもちろん、当然、給与の体系もまた別の給与体系を確立する、その一つのステップとして私は人確法ということも提案をしたわけでございますけれども、そしてそれは実現をしましたけれども、だんだんまた公平機関としての人事院から人事院勧告ごとに差を縮められてまいりまして形骸化しているというのが実態のようでございますが、せっかく小泉総理、米百俵の話をしておられるわけでございますから、この機会にそういう点も、米百俵のうち何俵ぐらい今文部科学省に配分されているのかよくわかりませんけれども、ぜひこの機会にそうしたことについても十分、将来のことを考えれば、今こそ教育に力を入れていかなければいけない、基礎研究に力を入れていかなければいけないという意味で申し上げているわけでございます。ぜひ御検討、御努力をいただきたいと思います。
 今、私が申しました第三の身分ということについて、大臣はそういう考えも確かに聞いたこともあるし自分も一つの考えだとお考えかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#158
○国務大臣(遠山敦子君) 先生のおっしゃいました第三の身分という意味が必ずしも私は十分理解していないのかもしれませんけれども、教育研究の重要性という点では先生と全く同じ考えであることは確かでございます。
 身分につきましては、これは本当にどういう身分でやっていくかということは、全体の公務員制度でありますとかあるいは私学も含めた教育に携わる人たちのトータルの中でどういうふうに考えていくかということで、必ずしもそんなに結論の出やすいあるいは満点な方法というのはないのかもしれませんけれども、私は、現在の特に国立大学において国家公務員として位置づけられ、しかしながら教員、教官ということでさまざまな特典もあると、ただ給与の面では必ずしも十分でないというお話もございましたけれども、そういう教員の、特に国立大学につきまして教員の身分についても、今回どういうふうにやっていくかということについて全体の法人化への移行の中で考えられていく課題として今検討されつつございます。
 国立大学につきましては、一般の独立行政法人とは違った、その目的、趣旨からいって一国の将来を左右する大変大事な機能を持っておりますので、これまでの国家機関が独立行政法人化したような通則法そのものを当てはめるのではなくて、それの特殊性に応じた形でやっていくべしというようなことを基底にしながら今議論が進んでいるところでございます。
#159
○西岡武夫君 私がこのことをあえて申し上げておりますのは、独立行政法人、他の省庁で考えられている独立行政法人とは全く違う形が当然検討されていることと思いますが、その趣旨の一つにいろんな人事的な交流というものも自由にできるということが議論の中で行われていると私聞き及んでおりますので、独立行政法人化することのメリットといいましょうか、それはそういうことではなくて、今私が申し上げたような、もっと積極的に教育と研究にかかわる皆さん方の身分については第三の身分というものを日本の国として本当に独自の形で確立をしていいのではないだろうかという意味で、今、大臣からの御答弁の裏返しといいましょうか逆の立場で私は申し上げているわけで、そういうことをすれば何も独立行政法人化するということの説明とか意味づけのために使われなくても済む問題ではないだろうかということを申し上げたかったのであえて大臣のお考えをお聞きしたわけでございまして、これも今後さらにこの問題につきまして集中的に御審議をいただくときに議論をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 私は、もうあと二分しかございませんから簡潔に締めくくりをいたしますけれども、確かに国立大学の場合には別だということはだれしもそうだろうなと思うところまでは思うんですけれども、いろいろな独立行政法人についての今の政府の取り組み方、考え方を見ておりますと、問題がややこしくなると何でもかんでも独立法人の方に持っていってしまうと済むみたいな、道路公団の問題まで含めて何か独立法人の話が出てきたりするくらいでございますから、そういうことと事国立大学の問題とを混同してもらっては困ると私は思うんです。
 その点につきましては、ぜひ文部科学省におかれては毅然たる態度で教育研究という問題についての重要性ということを踏まえて大いに御検討いただきたい。予算につきましても、米百俵ですから、ちゃんと百俵だけ予算の配分をとっていただくように、これはもう与野党を通じて多分同じお考えではないだろうかと推察いたしますので、こんなに文教委員会が非常に和気あいあいに一致するということはなかなか今までは、かつてはなかったことでございますので、そういう意味で、どうぞ大臣初め文部科学省の皆さん方の御健闘を心からお願いを申し上げます。
 以上です。
#160
○委員長(橋本聖子君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#161
○委員長(橋本聖子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、学力低下問題に関する件の調査のため、来る二十七日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は来る二十七日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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