くにさくロゴ
2001/12/04 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 文教科学委員会 第6号
姉妹サイト
 
2001/12/04 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 文教科学委員会 第6号

#1
第153回国会 文教科学委員会 第6号
平成十三年十二月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     大仁田 厚君     片山虎之助君
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     大仁田 厚君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         橋本 聖子君
    理 事
                阿南 一成君
                亀井 郁夫君
                小林  元君
                山下 栄一君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                扇  千景君
                加納 時男君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                神本美恵子君
                輿石  東君
                鈴木  寛君
                山本 香苗君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
   衆議院議員
       発議者      河村 建夫君
       発議者      小野 晋也君
       発議者      肥田美代子君
       発議者      西  博義君
       発議者      松浪健四郎君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        遠藤純一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○子どもの読書活動の推進に関する法律案(衆議
 院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 子どもの読書活動の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君及び文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(橋本聖子君) 子どもの読書活動の推進に関する法律案を議題といたします。
 発議者衆議院議員河村建夫君から趣旨説明を聴取いたします。河村建夫君。
#5
○衆議院議員(河村建夫君) おはようございます。
 ただいま議題となりました子どもの読書活動の推進に関する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 子供の読書活動は、子供が、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであります。
 本法律案は、子供の読書活動の推進に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子供の読書活動の推進に関する必要な事項を定めることにより、子供の読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、基本理念として、おおむね十八歳以下のすべての子供があらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備がされなければならないものとすること、第二に、国は、基本理念にのっとり、子供の読書活動の推進に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有すること。また、地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子供の読書活動の推進に関する施策を策定し、実施する責務を有すること、第三に、事業者は、基本理念にのっとり、子供の健やかな成長に資する書籍等の提供に努めるものとすること、第四に、父母その他の保護者は、子供の読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣化に積極的な役割を果たすものとすること、第五に、国及び地方公共団体は、学校、図書館その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとすること、第六に、政府は、子供の読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、子供の読書活動の推進に関する基本的な計画を策定し、計画を策定したときは、これを国会に報告するとともに、公表しなければならないものとすること。また、地方公共団体は、当該地方公共団体における子供の読書活動の推進に関する施策についての計画を策定するよう努めなければならないものとし、計画を策定したときは、これを公表しなければならないものとすること、第七に、四月二十三日を子ども読書の日とすること、第八に、国及び地方公共団体は、子供の読書活動の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとすること等であります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が本法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(橋本聖子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○山下栄一君 おはようございます。
 今回、この子どもの読書活動の推進に関する法律案、御準備していただきました議員連盟の皆様、私もその議員連盟に入っておりますけれども、心から感謝また敬意を表する次第でございます。
 この議員連盟は、扇会長を中心に、また河村事務局長、多くのすばらしい仕事をされてきたわけでございまして、上野にございます国際子ども図書館設立、また子どもゆめ基金の創設、そして今回の法案の御準備と、子供の側に立ったさまざまなお仕事をされてきた、すごいことであると思います。
 この法案の名前も「子ども」という名前がついているわけでございまして、少年法とか児童福祉法とか、そういうともすれば子供から見たら後ろ向きとも言えるような感じの、態様の法案はあったと思うんですけれども、子供の側に立った法律というのはそんなにたくさんないのではないかなと思いまして、そういう意味でも、法律の名前も含めまして、画期的なことであるなというふうに私は感じております。
 まず最初に、ちょっと文部科学省にお聞きしますけれども、この法律は、読書活動推進基本計画というのを政府が、文部科学省じゃなくて政府がつくることになっているわけでございますけれども、この点はまた後でお聞きしますが、これができますと、私はまず、学校図書館の、公共図書館も含めてかもわかりませんけれども、蔵書図書の整備が非常にやりやすくなるのではないかと思います。
 学校図書館に限っては、あれは何年でしたか、平成五年から五カ年間の、学校図書館図書整備新五カ年計画がありました。これは地方交付税措置ですけれども、五年が終わった後は、この四年間は単年度、その年ごとに約百億円の交付税措置をやってきたと。こういう余り計画性のない形で市町村に配分してきたことが、案外この予算が使われておらない。五カ年計画のときには比較的よく使われておったけれども、単年度になってからは激減して、今は全市町村の三分の一にも満たない執行状況であるというふうにお聞きしておるわけですけれども、こういうことを考えましたら、この法律ができまして推進基本計画をつくるということになってきますと、計画的な学校図書館の蔵書図書の整備、また入れかえなどが非常に実効的に進むんではないかと、このように考えておるわけでございまして、非常にそういう意味でもまさに推進、促進力になるなと思うんですけれども、この点についての文部省のお考えをお聞きしたいと思います。
#8
○政府参考人(矢野重典君) 学校図書館蔵書の整備に要する経費につきましては、これは先ほど先生からお話がございましたように、義務教育諸学校につきましては平成五年度から平成九年までの五年間に、学校図書館図書整備新五カ年計画に基づきまして総額約五百億円の地方交付税措置が既に講じられまして、その後、毎年約百億円程度の地方交付税措置が講じられている、こういう状況にあるわけでございます。
 御指摘の新たな整備計画の策定につきましては、私どもといたしましては、各地方公共団体における整備状況を踏まえながら、子供たちの読書活動の推進と学校図書館の一層の整備充実が図られますように、そういう観点に立ちまして、総務省とも相談、協議をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#9
○山下栄一君 次の質問に行きます。
 本の活用は、やはり人によると。図書館、学校図書館に限りますが、学校図書館に人の配置が思うように進んでおらないという現実があると。学校図書館法がありそして学校図書館という施設がある、だけれども余り活用されないで倉庫になっているというふうなことが以前から指摘されておったわけですけれども、再来年から司書教諭は一定規模以上の学校で配置されることになっているわけですが、人の問題なんですけれども、司書教諭を配置しても、なかなか現実は授業、生徒指導その他の仕事があって、またそういう学校図書館以外のお仕事の負担を軽くするということがなかなか実質上加配措置もないのでされておらないということがあります。司書教諭を配置しても、実際どの程度図書指導また図書館業務その他ができるのか極めて疑問な状況がいまだに続いておると。
 そんなことから、自治体におきましては、大阪でもそうですけれども、箕面市または豊中市そして羽曳野市等でも、私、大阪出身ですので、それをサポートするための学校図書館事務職員というのを、それが非常勤なりパートでされている。それが大活躍している。図書館がよみがえったというふうなこと。先生方の授業革命につながり、子供たちの読書意欲が増し、そして学校全体も落ちついてくるというふうな、さまざまな威力を発揮している。これが自治体独自の予算による、市町村ですけれども、学校事務職員、いわゆる学校司書といいますか、そういう形で実績があるわけです。
 人の問題、今、教員の側の観点、司書教諭の側の観点、事務職員の観点で申し上げましたけれども、それぞれ私は極めて重要な意義を持っていると。もちろん、限られた予算でなかなか厳しい現実もあるわけですけれども、余りにも重要性は高まる一方であるというふうに考えるわけで、人の配置についてもこの推進法が非常に期待されているところであると思うわけですけれども、この人の配置の実質化、実効性ある人の配置の観点について、文部科学省にお聞きしたいと思います。
#10
○政府参考人(矢野重典君) 人の問題についての御提案でございますけれども、私ども、学校における読書活動の推進のためには、校長のリーダーシップのもとで教職員の協力体制を確立して学校図書館の運営が行われることが重要であって、その中心として教諭が兼務する司書教諭が位置づけられているわけでございます。
 そこで、司書教諭の活動を支援していく、そういう観点に立って加配措置についての御提案があったわけでございますけれども、これは率直に申し上げまして、新たな教職員配置改善計画の中で定数上の配慮を行うことにつきましては、現下のそういう極めて厳しい財政状況のもとで、率直に申し上げてこれは難しいというふうに考えているところでございます。
 また、学校図書館に置かれるいわゆる学校司書でございますけれども、学校司書につきましては、学校における読書活動の推進の中心的な役割を果たす司書教諭を補佐し、学校図書館に関する諸事務に当たる者でございまして、文部科学省といたしましては、そうした学校図書館の重要性と事務量の増大にかんがみまして、義務教育諸学校につきましては第六次、また高等学校につきましては第五次の教職員配置改善計画におきまして、それぞれ一定規模以上の学校につきましては複数配置、事務職員の複数配置ができるようにいたしたところでございます。
 いずれにいたしましても、子供たちの読書活動や学校図書館の充実を図っていきますためには、司書教諭の配置を含め、学校の教職員配置あるいは事務のあり方全体の中で考えていかなければならない、そういう問題であると考えておりまして、私どもといたしましては、司書教諭を中心に学校の教職員が協力、連携していくことがそういう意味でも大変必要かつ大事なことではないかと考えているところでございます。
#11
○山下栄一君 今の問題、ちょっと文部科学省のお答えが余りにも、せっかくこの法律ができるのにちょっと意欲が乏しいなと私は感じました。
 もちろん子供の読書推進は、子供といっても乳幼児も、乳幼児というか学校以前の未就学児もおるわけで、学校図書館だけじゃないけれども、もちろん生涯学習の観点に立った読書の推進というのを考えなきゃいかぬわけですけれども、せっかく例えば本を配置しても、どの本をことし購入するんだということ。今、世の中にどんな本が出版されているのか。それも分野も幅広い。この授業にはこういう本がいいのではないかというふうなことはそんな簡単に計画を立てられぬわけでございまして、年間の購入計画もきちっきちっと考えて購入すると魅力がある本の配置ができる。子供も行きたくなる。教師も学校図書館を活用しようかなという気持ちにもなる。学校図書館のその場で総合学習時間をやってみようかなという気持ちも起こってくる。新鮮な資料が手に入ると授業にも非常に新しい展開ができるという、さまざまな威力を発揮する。そのためには人がかぎを握っておるというふうに思うわけですね。
 的確な読書指導のアドバイスをしてあげれば、読書の嫌いな子供も好きになってくる。また、学校図書館という建物のインテリアなんかも工夫すると、落ちついて、保健室だけじゃなくて、子供たちの居場所としても図書館がにぎやかになるといいますか、そういうことを考えていったときに、そこに人がおるということが大事なことでございまして、私はこの子ども読書推進法律案というのは、学校図書館も公共図書館もそうですけれども、そこにやはり人がおるということをきちっとやらないと具体化しない、実質化しないというふうに思うわけでございます。
 司書教諭の負担を軽くしながら図書に関する仕事ができるような体制も考える必要があると思いますし、また事務職員は事務職員で、教員ではできない、先ほど申し上げましたインテリアの問題とか、子供にさまざまな丁寧な細かいアドバイスをしてあげるとか、コンピューター処理をして貸出業務がちゃんとできるようなことをするとかというふうなことのためにも事務職員、それは完璧に整備することは難しいでしょうけれども、財政の限界がある、だけれども思い切った重点配分、そこに子供を大事にしていこうという観点から、読書活動の重みを自覚すればするほど人のことも大事だというふうになってくれば、国民的合意が得られればそういう観点から予算配分をすればいいだけの話だから、そんなことを考えましたときに私は人の問題は極めて大事だというふうに思うわけでございまして、そのためにこの推進基本計画を生かさなきゃいかぬと。
 これは事前に申し上げていなかったんですけれども、先ほど趣旨説明されました河村議員にお聞きしたいと思います。
#12
○衆議院議員(河村建夫君) 山下委員御指摘のとおり、私も同感でございます。
 今からこれをどういうふうに進めるかということでありまして、これからの基本計画の中にこういうことをやっぱり織り込んでいかなきゃいかぬと思いますが、司書教諭を学校図書館に置かなきゃいけないというのは学校図書館法の第五条にもあったわけでありますが、当分の間置かなくていいというやつを、これは参議院の発議によってこれを置くべきだということで検討をいただいて、法案をおつくりいただいて、そして十二学級以上のところに置くというところまで来たわけでございまして、これをさらに進めていきたい。その願いも込めて今回の法律に、いわゆる子供たちの読書環境の整備という言葉の中にはそのことも含まれておるというふうに我々思っておりまして、これからやっぱり我々が政治の責任においてこれをさらに進めていくということで、いわゆる担当所管庁であります文部科学省を督励しながら、この推進方に我々一緒に努力していきたい、このように考えております。
#13
○山下栄一君 ありがとうございました。
 次の質問ですけれども、図書館のネットワーク化なんですけれども、地域には公共図書館がある、そして小中学校には学校図書館があるわけです。その公共図書館と学校図書館、また学校図書館同士のネットワーク化が文部科学省の取り組みでも進み始めているということをお聞きしておりますが、やっぱり日本は資源は少ない国だ、人が大事だと。人のレベルアップといいますか、人間自身の向上といいますか、そういう観点からも学びの視点、教育の視点が大事だと。学びの場としての公共図書館、学校図書館は大変重要であると。そういう意味で、ネットワーク化というのは非常に私は大事なのではないかというふうに思います。
 そして同時に、学びの拠点としての図書館の役割、そして地域にはそういう拠点の、学びのセンターとしてのさまざまな連携をとるときのキーステーション、例えば公共図書館になるのかもわかりませんけれども、そういうふうなこともあると思うわけです。地域の町づくりの学びの拠点としての図書館の役割も非常に大事だし、ネットワーク化もこれからどんどん進めていかなきゃいかぬ。やっとそのネットワーク化が緒につき始めたばかりだし、中核図書館の形成もこれからの課題であるというふうに考えるわけでございまして、この観点からの、これもまた推進基本計画に係る話かもわかりませんけれども、提案者のお考えをお聞きしたいと思います。
#14
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。
 文部科学省では、平成十三年度から、先ほど山下議員おっしゃいました、学校図書館を中心として、公立図書館などを結ぶいわゆるネットワーク化を推進するモデル事業を開始しております。今では四十六地域がその事業に沿って実現を目指しているところでございます。
 我々としましては、学校図書館などに備えられた図書をできるだけ子供たちが有効に利用するために、子供の読書活動を推進する環境づくりを進めていきたい、こういう趣旨からもこのモデル事業は大変重要な意義のあるものだというふうに考えております。今回の法律の第七条においても、学校、図書館その他の関係機関と連携強化する規定を設けておりますけれども、この法律案ができることによってこのような事業がさらに推進していく、推進されていくべきものだと、こう思っております。モデル事業だけではなくて、本格的な事業として育っていくことを私どもも心から期待しております。
 さらに、今回のこの法律、子供の読書活動、活動の推進という観点が私は大変大事だというふうに思っておりまして、いろいろな環境をいかに整備をしていくかということから考えますと、既に各地でそのためのいろんな運動といいますか提案がなされております。
 私どもの党の中でも、地方議員も大変活躍しておりまして、例えば岡山県と広島県の県境を結ぶ図書の交流だとか、さらには埼玉県では既に町立の図書館と各学校をインターネットで結ぶ事業が推進されており、堺市では移動図書館車というものが既に三千冊の本を積んで各学校を回っている、こういう運動も既に進められているようでございます。
 私たちとしましては、できるだけ各地の現状を見きわめた上で、それぞれの特徴に合わせた推進の運動が展開されることを要望していきたいと思っております。
#15
○山下栄一君 今回は法律ですから、国がどう取り組むかということ、もちろんそれだけじゃございませんけれども、問われてくると思うわけですけれども、今、西議員おっしゃった観点、地域の独自のさまざまな主体的な意欲的な知恵を持った取り組みを生かす形の推進というのが非常に私も大事であるということを今お話を聞きながら感じたわけでございます。
 次に四点目。これは、推進基本計画もそうなんですけれども、政府がやるという形で書いてございます。子供の読書活動推進となりますと、やっぱり文部科学省というふうにするのか。また、この法案自身も文教科学委員会で行われているわけでございますけれども、これはやっぱり政府が取り組むという、政府挙げてといいますか、非常に画期的なことであるなと思うんですけれども、なかなかどんな形になるのかなというようなことは思い浮かんでこないわけでございまして、政府が基本計画をつくり、これは閣議決定していくんだと思うんですけれども、この辺、どういう意義があるのかということを教えていただきたいと思います。
#16
○衆議院議員(河村建夫君) 山下先生御指摘のとおり、この法律の所管官庁といいますか、基本的には文部科学省の所管に属するものであることは間違いございません。
 したがって、子供の読書活動推進基本計画も文部科学大臣が策定すると考えられるわけでございますけれども、委員も御承知のように、平成十一年の衆議院、参議院の決議にもございまして、この法案の基本理念にもうたってございますけれども、子供の読書という意味の大きさといいますか重要性にかんがみて、やっぱり国を挙げて取り組む体制というものが必要であろう、このように考えて政府が策定と、こう書いたわけでございます。
 今後、具体的な策定の手続といたしましても、子供の読書活動推進基本計画の案を文部科学省が作成をするわけでございますが、当然、その際には文部科学省だけではなくて関係省庁との協議も必要になってまいるわけですし、閣議でもやってもらうようになるわけでございます。青少年の健全育成に関する内閣府、あるいは総務省は地方交付税との関係もございます。それから、財務省は当然財政上の問題もございます。また、優良図書の推薦等は厚生労働省も関係をする。それから、経済産業省は出版業界との関係もございます。
 このような関係省庁とも十分協議を行った上で国が策定する、こういう気持ちで、国を挙げて取り組むという姿勢でこの問題は取り組んでいきたい、こういうことでございますので、よろしくお願いいたします。
#17
○山下栄一君 最後に大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この法律は子供の読書推進というふうになっているわけですけれども、そういう法律の名前にあらわれておりますように、やっぱり子供たちの、よく活字離れと言われるわけですが、私は読書離れというふうに言った方がより正確かなと思うんですけれども、本を読む、本を声を出して朗読する、身近に本があるという、そういう環境が非常に衰弱しているというふうな状況になっておると。
 赤ん坊のころからお母さんに、おばあちゃんに絵本を読んでもらったとかというふうなこと、僕なんかも物すごく記憶があるわけですけれども、学校時代は余り本を読みませんでしたが。そういう本の思い出というのは非常に大事だなというふうなことを思うわけでございます。今、子供だけじゃなくて大人も含めて、引きこもりというふうなことにあらわれるように、接する機会がどんどん減っている。対話にならぬというふうな、人間が会っても対話にならないというふうな状況もよく言われるわけです。コミュニケーション能力というか、コミュニケーション不全の社会だというふうな言われ方もするわけですけれども、外で人間と対話をしようと思う前に、まず自分自身が心の中で対話できるか。心の対話、内なる対話ということが外なる対話に結びついていくんだというふうなことも感じるわけです。
 そういう意味において、内なる対話としての読書といいますか、例えば偉大な作家、文豪、作品に触れることは人格に触れることであるというふうなことを考えましたときに、自分自身にも対話するし、その作者とも対話するというふうなこと、こういう観点から考えましたときに、人格形成にとって読書というのは非常に重みがあるし、また今の世の中に、非常に便利な社会になった、そういう社会に非常に大事な役割が読書という二文字にあるのではないかというふうに私自身は思っているわけですけれども、大臣の読書活動の意義、読書ということの意義、そしてこういうことを推進することの意義について、所感をお聞きしたいと思います。
#18
○国務大臣(遠山敦子君) まず初めに、読書活動を推進するためのこの法案について、御提案いただきました提案者の方々、そして御協力いただきました方々に心から敬意を表したいと思うわけでございます。扇会長のお進めいただきました子ども未来を考える会の活動が源泉になっていると聞いておりまして、そういうことに御注目いただき推進していただきましたことに、私といたしましては心から敬意を表します。
 先生の御指摘でございますが、私もまことに同感でございます。人間すべてにとって、豊かに生きるために読書というのは大変大事だと考えております。それは、自分の知らなかった世界が広がるというだけではなくて、物を考える力あるいは感動する力、そしてみずから対話をしたり、そして表現力を持ったり、いろんな意味ですばらしい効果を持つのが読書だと思っております。特に、人生を歩み始める初期の子供の時代に本に触れるということは大変大事でございますし、山下委員のおっしゃいましたように、親と子が同じ本を読み合いながらともに共感をし対話をしていく、そのようなことのきっかけにもなるわけでございまして、私は読書の意義というのははかり知れないものだと思っております。
 もう既にその意義についてはたくさんこの法律案の中に述べられておりまして、繰り返しませんが、やはり本を読むことによって、ここに書いてあります以外に、行間を読み込みながら想像する力、イマジネーションを持って、そして他者のことも思いやっていくような心も養われるのではないかと思います。
 その意味で、今回の法律案を成立させていただきましたら、私どもとしては、この法律の趣旨に沿って、できるだけ子供たちが豊かな人生を歩み始めることができるように、この法案の趣旨にのっとって積極的に必要な施策を講じてまいりたいと考えております。
#19
○山下栄一君 どうもありがとうございました。
 以上です。
#20
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 読書というものが人間の精神活動にとって非常に大切なものだ、今、大臣からもお話がありましたけれども、私たちもその精神活動にとって大変大切なものだということは全く異論がありませんし、全くそのとおりだというふうに思うわけです。
 しかし、だからこそ読書というのは最も自由な精神活動をまた保障されなければいけない、このことも当然だというふうに思うわけですね。ですから、法律で読書活動の推進、こういうことを決めるということはどうもなじまないのではないか、こういう声もあることもまた理解できるところです。
 さて、参議院では一昨年の国会で子ども読書年に関する決議を全会一致で採択をいたしました。しかし、子供たちの読書離れにはなかなか歯どめがかかっていないというのが現状だと思いますが、提案者はこの現状についてどういう認識をお持ちになっていらっしゃいますでしょうか。
#21
○衆議院議員(肥田美代子君) 委員御指摘のとおり、子供たちの読書離れ、そして活字離れ、言葉離れ、これは本当に深刻な問題でございます。申し上げるまでもなく、人は言葉で考え、そして言葉でコミュニケーションをとる生き物でございますから、これは本当にまさに深刻な問題だと私どもは受けとめております。
 そこで、林委員もお入りになっていらっしゃいます超党派の議員連盟では、第一弾といたしましては国立の国際子ども図書館の設立、そして第二弾では二〇〇〇年子ども読書年の決議、第三弾に至りまして子どもゆめ基金、そして今回の法案の提案という道順を踏んでまいりました。それで、私はやはり正直申し上げまして、まだ子供の読書活動をつくる、私どもが支援する基盤づくりの緒についたばかりだと私は思っております。
 それで、子供たちにとって最も身近な学校図書館がかぎがかかっておりました。そして、公立図書館には児童室をつくらないというようなところもございます。それから、町の本屋さんは子供の本のスペースがどんどん狭くなりまして、子供たちが感動するような本が少なくなっております。私たち大人が、いつの間にか子供と本の出会いの場所をつくる努力を失ってしまったような気がするんですね。そして、大人たちの読書離れも今やはり厳しい評価を受けておりますが、こういうときだからこそ私は、こうやって国会で読書について議論することの意味が本当に大きいと思います。
 今、全国では朝の十分間読書、それがもう六千校以上に達していると聞いております。それから、読み語りグループが各地で活動していらっしゃいます。それから、ブックスタートといいまして、乳幼児に自治体が子供の本をプレゼントするという、そういう動きももう二百カ所に達するという勢いでございます。そういう中で、やはり市民の地道な活動を我々が応援していく、そのためにこの法律が力強い応援団になればいいなというふうに私は思っておりますし、かたく信じているところでございます。
#22
○林紀子君 今、提案者の方から、条件整備をいかに進めるかというお話がありました。私は、その点については本当にそのとおりだというふうに思うわけですね。
 全国学校図書館協議会と毎日新聞社がもう四十六年間も続けてきた読書調査というものによると、昨年の五月一カ月間の読書冊数というのが出ておりますけれども、小学生では六・一冊、中学生では二・一冊、高校生は一・三冊、学年が進むほど、年齢が高くなるほど読書量が少なくなっていってしまっている。この原因はどういうところだとお考えになるか、提案者と、それから文部科学省にもお伺いしたいと思います。
#23
○衆議院議員(西博義君) 先生おっしゃるとおり、私は学年が進むにつれてのこの数、実感として感じております。
 実は、私の子供も全くその傾向でございまして、小学校のころはそんなに読むのが嫌いではなかったんですが、中高、もうほとんど娘は本を読まなくなりました。大学に行きまして初めて少し余裕が出たのか、私も自分で読む本の中で興味のありそうなものを娘に渡しまして、読んだ後で対話をするということを一、二年続けてまいりました。ようやく、このごろ自分で本を買うという習慣ができたのが一つの成果かなというふうに思っておりますが、なかなか余裕がなかったのか、そういう全くこの数字の傾向をたどったというふうに私も実感しております。学年が進むにつれて、受験勉強それから部活動等で読書以外に時間がとられるということが、まずもってそういう意味では大きいのかなというふうに思っております。
 また一方では、今の現代社会では本以外にテレビであるとか携帯電話、これもよく使っておりますインターネットなど、さまざまな情報メディアが発達しておりまして、それが学年が進むにつれてそういうものに興味が出て、また時間を使うということがこれまた一つの大きな原因なのかなというふうに思っております。
 さらに、もっと根本的な問題としましては、幼児期からの楽しい読書体験ということが余り培われていない、そういう結果が今の読書習慣が定着していない理由になっているんではないか。そういう意味では、やはり私たち、もちろん学校、公立図書館の役割は大変大きいわけですけれども、家庭を含めて、小さいときからの読書の習慣をつけていくということを今回の法案を通しても訴えていかなければならない、このように感じております。
#24
○政府参考人(矢野重典君) 中学生、高校生で読書冊数が少ない原因としてでございますが、これは先ほど西先生からお話がございました子供をめぐる情報環境の変化、また読書習慣が未形成であるといったような問題があると私どもも考えているわけでございますが、それ以外にも学年が進むにつれて受験勉強や部活動など、読書以外のことに時間をとられるといった子供の生活環境が変化しているというようなことも考えられるのではないかと考えておるところでございます。
 このような状況に対応いたしまして、それぞれの学校では、本との出会いを促す朝の読書あるいは読み聞かせなどの有意義な取り組みが行われているところでございまして、私どもといたしましても、このような取り組みが一層広がるように今後努力してまいりたいと考えているところでございます。
#25
○林紀子君 今、いろいろ原因についてお話しいただきました。読書離れが進んでいるというのは、原因は一つではないと思うわけですけれども、しかし一番重要な点というのは、子供がどれだけ本が読める環境、その環境が整備されているかどうかと、先ほどお答えのありました条件整備というところがまさにかかわってくると思うわけですね。
 しかし、公立図書館を設置している市区町村というのは、全国でやっと五〇%を超えるか超えないかというところですね。そのうち町村、町や村の設置率は三七・二%、サミット参加国では基盤整備は最低水準だということなんですね。そしてまた、七百八十七町村には図書館だけではなく書店さえ全くない状況だというふうに指標は示しております。
 ですから、市に住んでいる人とそれから町や村に住んでいる人では、本を読みたいというニーズは変わりはないと思うわけですけれども、こういう状況である。そして、財政的な規模が市町村は小さいということでは、図書館を建設したいと思いましてもその経費の負担というのが大変大きいんじゃないかと思いますけれども、提案者はこの辺をどういうふうにお考えになりますか。
#26
○衆議院議員(河村建夫君) 林委員御指摘のとおりでございまして、公立の図書館の設置率、日本の国は決して高い方とは思いません。アメリカではポストの数ほど図書館があると、こう言われておりますから、この整備を急ぎたいという気持ちもこの法案の中に当然あるわけでございまして、御指摘のとおり、町村の設置率、私どもの調査では三六・一%という数字も持っておりますが、いずれにしても、市立ですと九六・五、それから町立でありますと四二、それから村立になりますと一五・七ということでありますから、おっしゃるとおり、小さな自治体ほど財政的な負担もあってなかなか手が届いていないという現状がございます。
 これから各町村にもできるだけ持ってもらえるようにするならば、いろいろ知恵も出していかなきゃいかぬだろうと。大きい町が持っているのと同じような大きい図書館をつくろうというのはなかなか大変でしょう。人口の比率に合わせたように、例えばミニ図書館を考えてみるとか、それから公民館等には図書室をきちっと設けておるところもありますが、そういうものはこれに入っていないと思いますが、そういうところでちょっと充実させるとか、そういう方法もあろうと思いますが、御指摘のとおり、財政的に規模の小さい自治体は非常に負担を感じておりますから、この負担の軽減をどうしたらいいのか、いろいろ工夫をしてもらわなきゃならないことであるというふうに思っております。
#27
○林紀子君 知恵も出すことは重要だと思いますけれども、金を出すということが一番重要なんじゃないかというふうに思うわけなんですね。実際に公立図書館をつくりたいということで運動を進めている自治体にお話を聞きますと、町の財政ではとっても無理だと言うわけですね。二十億円ぐらいはどうしても必要だろうということになるわけです。
 お尋ねをしたいのですけれども、九八年度までは公立図書館をつくるときに国の直接補助というのがありました。こうした制度がありますと図書館建設というのも進んでいくんだというふうに思うわけですけれども、今回のこの法案ができましたら、こうした直接補助というような条件整備というのを検討されているのかどうか。これも提案者、それから文部科学省にもお答えいただけたらと思います。
#28
○衆議院議員(小野晋也君) 先生がおっしゃられましたとおり、公立図書館に対する補助については九八年度まで行われておりましたけれども、これは地方分権を推進する、図書館というものが地域住民の皆さんの教育の場であり、またその生活の質を向上させる場であるというような観点で、これが現在地方債の起債によって行われるという形態になっております。
 しかしながら、この今回の法律の基本理念の中に、第二条で「すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。」と、こういうふうに書かれております趣旨にのっとりまして、今後は、いろいろな小さな自治体においても公立図書館の整備等を含めて子供の読書活動を推進するような環境が整備できるように私どももこの推進をうたっていかねばならないと思いますし、同時に、文部科学省を中心に、国においてもその趣旨を十分に体した基本計画が策定され、そしてそれに基づいて具体的な取り組みが進められていくと、このように私たちは考えているところでございます。
#29
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 図書館を初めとする公立の社会教育施設の整備につきましては、委員御指摘のように、かつてはその建設費の一部を地方公共団体に補助し、その設置促進に努めてきたわけでございますが、一つには、起債によりまして地方単独で整備が可能なこと、また平成九年に地方分権推進委員会の勧告がございまして、地方公共団体の自主性あるいは自立性を高める観点から補助金の整理合理化を図ることとされたわけでございます。こういったことを踏まえまして、平成九年度限りで施設整備に関する補助制度を廃止したわけでございます。現在は地方財政措置によりまして施設整備が進められておりまして、近年は大体毎年約六十館ずつ整備が進んでいる、こういう状況にあるわけでございます。
 子供の読書環境を整備するために公立図書館の整備を進めるということは望ましいわけではございますけれども、地方公共団体に対します補助金の整理合理化ということが進められつつある現在、この施設整備に関する補助金を再び復活させるということは大変難しい状況にあるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございますが、私どもは、平成九年度から、図書館の設備につきまして、移動図書館車あるいは図書館情報検索システム、こういったものを整備するための経費の一部を補助しているわけでございますし、来年度の概算要求におきましては、新たに図書館の利用者用のパソコン整備、こういった経費も要求をしているところでございます。
 こういったような施策を通じまして、これは各市町村の御判断ではございますけれども、未設置市町村におきます公立図書館の設置の促進につきまして都道府県教育委員会を通じまして促してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#30
○林紀子君 今、文部科学省のお話を聞きますと、補助金の復活は難しい、地方に任せておりますということで、設備などについては補助があるということですけれども、その本体の図書館をつくるのはもうお任せですよと。地方債を発行ということですと、それはやっぱり借金になるわけですね。借金に対しては返すときどうするよということはないわけですよね。
 そうしますと、この法律ができましても、提案者の方はぜひ文部科学省と力を合わせながらやっていきたいというお話なんですけれども、その相手の文部科学省といいますか、率先してこれはやっていかなくちゃいけない、執行するところはだめですよということなので、これは非常に心もとない話だなというふうに思ってしまうわけですね。何かお答えがありましたら、どうぞ。
#31
○衆議院議員(小野晋也君) 私の地域にも人口三百人に満たない村というのがあるわけでありますが、そこに先生が今おっしゃられましたような二十億円程度の図書館をつくることが現実的かというと、とてもそういう図書館をつくるわけにはいかない。
 しかし、ひとしく子供たちに読書に触れる機会を与えていくというようなことになりますと、いろいろな工夫が必要なんだろうと思うんです。河村提案者から指摘のありましたミニ図書館という発想もございますでしょうし、また情報ネットワークをきちんと整えていく中で必要な本がどこにあるかということがわかり、それが活用できるシステムもあっていいだろう、相互の地方自治体同士の間での利用を自由に行えるというような体制もあっていいだろうし、またこれから先はネットワーク上で必要な本が手に入るというようなシステムを組み上げられていく必要もあるのではなかろうか、こういうことを総合的に考えていきながら対応していくことが必要だろうと私は考えております。
 そのためには、やはり地方自治体がみずから知恵を出して、その地域の子供たちにどういう環境を与えたらいいのかということを考えていただくということが大事だというのがこの法律の趣旨でございます。
#32
○林紀子君 三百人の村という極端な例をお出しになりましたが、私は今五万人の町に住んでおりますが、私の町にも図書館がまだないわけですね。
 それで、図書館とそれからそれに付随する司書、専門家である、専門知識を持った司書、この司書がいる図書館というのも今二割しかないということなんですね。この法案ができることでこの司書の配置という問題も二割じゃなくて十割に早くするということになるのかどうかも提案者にお聞きしたいと思います。
#33
○衆議院議員(松浪健四郎君) 非常に痛い質問をされたというふうに我々は認識いたしますけれども、実は、私はアフガニスタンの日本人会の図書館長をしておった経験がございます。みんな本を読みたい、どうしてもベストセラーまた話題になっているような本を読みたいというふうな方が多い。
 それで、子供の場合、私は実は、私事にわたり恐縮でございますけれども、子供向けの本を二冊書いておりまして、よく図書館に行くのであります。自分の本が置かれているか置かれていないか、これをチェックしなきゃいけない。大体、私の本の置かれている図書館は司書がいるんです。置かれていないということは司書がいない。
 御指摘いただきましたように、司書の置かれているのは二二・八%。甚だ寂しい状況にあります。
 御案内のように、先日、文化芸術振興基本法、これが成立をさせていただきました。文化のことを考えていこう、そして子供のときから豊かな心を持った日本人を育てていかなきゃいけないではないか、こういう思いからこの法律もできておりますけれども、ハードの面だけにとどまらず、やはりソフトの面、つまりバランスのとれた本、そして子供たちが本当に動機づけに資する、このような本を置いていく、そのためには司書たる専門家が必要である、このように強く認識します。
 そこで、この法律ができれば、多くの皆さん方が協議をして、ハードだけではだめなんだ、どのような種類の本を置いていくか、各関係省庁が協議をして、そして司書がふやされていく、こういうふうに我々も期待しておりますし、そして、これができたことを契機に、その考え方、これを強めていかなければならない、このように思っております。
#34
○林紀子君 次に、学校図書館の問題をお聞きしたいと思います。
 学校図書館でも、先ほど同僚委員からも質問がありましたけれども、人の配置、これが非常に大きいと思うんですね。きのうの読売新聞にちょうど、「学校に専従司書配置を」ということで、いろいろ運動をなさっている方たちの紹介がありました。
 専従の学校司書を置く学校というのは、現在四万校のうち八千校ほどしかない、雇用の形態も正規職員からボランティアまでさまざま、子供がみずから考え、生きていく力を本から学ぶために専門知識のある案内役がどうしても必要だというふうにこの運動をなさっている方々は言っておりますし、またそういう運動が実際に今繰り広げられているということで、岡山市とか石川県の松任市、東京中野区、三鷹市、狛江市、国立市、日野市、こういう自治体では住民の運動によって学校図書館に職員が置かれた、そして子供たちが読書を楽しんで図書館が活発に利用されているというふうにメールを寄せてくださった方がいるわけですね。
 私も隣の広島県に住んでおりますので、この岡山市というのは全市の小中学校で専任の司書さんがちゃんと配置をされているということなので、そこの伊島小学校というところに行ってお話を伺ってきました。校長先生もこの学校図書館について非常に熱心な方で、専任の司書の方にお話を伺って、そこの場に行って見せていただいたんですけれども、必ず週一回は各クラスがクラス担任の先生と一緒に学校図書館に来て、そこで調べものをしたり読書をしたりすると。私が行ったときは高学年の六年生が利用しておりましたけれども、大変、ぴちっとしているんじゃなくて、自由な雰囲気の中で、だけれども一生懸命本を読んでいて、そして司書の先生のところに来て、バスケットボールの本はないのかとかハリー・ポッターの新しいのはないのかとか、いろいろこうやって聞いているわけですね。本当に自由な雰囲気で、だけれども本当に本に親しんでいる、日ごろから親しんでいるという雰囲気がもうありありと感じられまして、机の上にはお花なども飾られていて、本当に明るい雰囲気だったんですね。そういうことでは、本当に学校図書館に司書が配置されるというのは、これまた大変重要なことだなと思ったわけです。
 先ほどお話がありましたけれども、せっかく図書室があるのに先生がいないためにかぎがかけられているような、そういう場もあるということも伺って、本当にそれは残念なことだなというふうに思ったわけですけれども、今、公立小学校では司書などの事務職員七・九%、公立中学校では九・八%、先ほどの二二%よりもさらに割合が下がってしまうわけですけれども、文部科学省は、この専任の学校司書、きちんと位置づけてふやす決意というのがおありになりますでしょうか。
#35
○衆議院議員(松浪健四郎君) 先に私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 先ほど司書がいる公立の図書館が二二・八%と申しましたけれども、いないのが二二・八%でございますので、訂正をさせていただきたいと思います。
 それで、ただいまの質問に対してのお答えでございますけれども、司書がいる学校図書館といない学校図書館との格差が余りにも大きいということ、そしてやはり司書がいなければならないということは御指摘のとおりだと私も思います。
 そこで、学校図書館で司書がいるかいないかの見分け方というのは、例えば小学校の図書館でありますと、子供新聞を置いている、小学生新聞を置いている、中学生新聞を置いているかどうか。つまりこれは毎日、日刊ですからとじていかなきゃいけない。このような作業をしてくれる専門家がいるかどうか、これが大きいわけですね。読書離れが声高に叫ばれておりますけれども、それ以前に新聞離れが私は大きい、こういうふうに認識をしております。したがいまして、司書がいるかいないかということは、読書だけにとどまらず、やはり新聞を読むという癖、この習慣をもつけてもらう上で非常に大きい、このように思います。
 先生も御案内のように、学校図書館法によれば平成十五年の三月三十一日までは教員が兼務できるというような形になっていて、それほどたくさん置かれていない。これは何としてもふやしていかなきゃならない。予算上の問題あるいは雇用の問題等いろいろあるでしょうけれども、我々の方からも文部省に対して強くこれから要望していきたい、こういうふうに考えておりますし、またその期待にこたえてくれるのではないのかというふうにも期待をするものであります。
#36
○政府参考人(矢野重典君) 学校における司書教諭等の充実についてのお尋ねでございますが、先ほど松浪先生からお話がございましたように、平成十五年度から十二学級以上の規模の学校には司書教諭を置かなきゃならないということになっているわけでございまして、そういう意味で私ども、現在、学校図書館司書教諭講習を計画的に実施いたしておりまして、そのための養成に計画的に努めているという状況にあるわけでございます。
 また、学校司書の問題につきましては、これは先ほど山下先生からもお話がございましたけれども、私ども、大変厳しい財政状況の中でございますけれども、さきの第六次の、義務につきましては第六次の定数改善計画、また高等学校におきましては第五次の定数改善計画におきまして、学校司書の配置も含め、一定規模以上の学校につきましては事務職員を複数置けるような措置を講じているという状況にあるわけでございます。そういうふうな対応を進めてきているところでございます。
 また、私どもといたしましては、学校における読書活動の推進のためには、校長のリーダーシップのもとで、司書教諭だけではなくて、あるいは学校司書というだけではなくて、教職員の協力体制を確立して学校図書館の運営が行われることが大変大事であるというふうに考えているところでございます。
 なお、司書教諭等の兼務教員の負担軽減につきましては、これは各学校の校務分掌上の工夫において対応していくということも一つの方法であろうかと考えているところでございます。
#37
○林紀子君 今、司書教諭というお話がありましたし、事務職員の複数配置というお話がありましたけれども、これはいずれも兼任なんですね。私は、先ほどお願いしたのは専任の司書、それがぜひ必要だということでお願いしましたので、文科省としましては平成十五年までに司書教諭というのを十二学級以上の学校には配置するということで努力をなさっているということはわかりますけれども、私が申し上げたのはそれでは足らないということを申し上げたつもりです。
 提案者の方には、今、松浪提案者からも、本当に文科省と一緒に働きかけてやるというお話を伺ったわけですけれども、今までこの法案に関してどういうふうになるのかというのを、指標をいろいろ環境整備、条件整備という形から私伺ってまいりましたけれども、確かに提案者の意気込みはわかりますけれども、それを受ける文部科学省の方がそれは難しいというお話がほとんどだったんじゃないかというふうに思うわけですね。
 地域で頑張っていらっしゃる皆さんは、読書活動というのはやっぱり草の根で取り組むことであって、法律でそのことについていろいろ言うことではないんじゃないかと、そういう気持ちを述べていらっしゃいますし、そしてこういう方たちが一番願っているのは、条件整備をすることだ、これこそ本当に歓迎することだ、そしてこういうことをきちんと政府の責任で進めてほしいと、そういうことをおっしゃっているわけですが、残念ながらその中身というのは、この法律ができても果たしてどこまで今まで以上に進むのかということは、なかなか具体的な姿が見えてこなかったというふうに思うわけです。
 そしてこの法案では、事業者に、「子どもの健やかな成長に資する書籍等の提供」、こういうことを書いておりますけれども、これを求めることは、憲法に明記されている出版、表現の自由と矛盾するおそれがあるんじゃないかということを懸念するわけですし、「保護者の役割」ということも、これまた法で定めることは、家庭の中に、家庭教育の中に介入してくるという疑義もあるわけです。
 こういう理由から、私たちは残念ながらこの法案には賛成しかねるということを述べまして、質問を終わります。
#38
○委員長(橋本聖子君) 他に御発言もないようですので、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 子どもの読書活動の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#39
○委員長(橋本聖子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は来る六日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト