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2001/10/25 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 外交防衛委員会 第3号
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2001/10/25 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 外交防衛委員会 第3号

#1
第153回国会 外交防衛委員会 第3号
平成十三年十月二十五日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     遠山 清彦君     山本 香苗君
     吉岡 吉典君     小池  晃君
     田嶋 陽子君     大脇 雅子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                小泉 顕雄君
                月原 茂皓君
                福島啓史郎君
                舛添 要一君
                森山  裕君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                広中和歌子君
                山本 香苗君
                小池  晃君
                吉岡 吉典君
                大脇 雅子君
                田嶋 陽子君
                広野ただし君
   衆議院議員
       修正案提出者   久間 章生君
       修正案提出者   上田  勇君
   国務大臣
       外務大臣     田中眞紀子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    杉浦 正健君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
       国土交通省鉄道
       局長       石川 裕己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国におい
 て発生したテロリストによる攻撃等に対応して
 行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外
 国の活動に対して我が国が実施する措置及び関
 連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関
 する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、遠山清彦君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、外務省北米局長藤崎一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び国土交通省鉄道局長石川裕己君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(武見敬三君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明及び平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案の衆議院における修正部分の説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
 けさ、約三時間半にわたりまして六人の公述人から、今、私どもが扱っております法案、テロ対策特別措置法等に関する意見の聴取を受けました。六人それぞれすばらしい御意見を発表していただいたわけですけれども、非常に多様であり、この問題がいかに複雑であり、奥が深いかということを感じさせられたことでございました。
 九月十一日以降、世界は変わったとよく言われます。灰色の重い雲が地球を覆っている、そして二十一世紀冒頭、アメリカ人のみならず全世界の人々の意表をつくニューヨークWTCなど同時多発テロによる攻撃によって、どのように今後このような種類の挑戦というんでしょうか、戦争に対して、世界は、そして日本は対応していったらいいのかと、そういう問題を突きつけられているわけでございます。
 九月十一日以来約一カ月半、次々と展開されるアメリカの軍事、そして外交政策、それに目を見張りながら毎日がニュースにくぎづけになっているというのが多くの日本人の日々ではなかろうかというふうに思います。
 日本はいち早く、小泉総理はいち早くアメリカへのサポートを表明なさいました。その後、七項目の支持政策を持って二週間後にアメリカに渡られたと。これは日本だけじゃないんですけれども、多くのNATO諸国も支持を表明したわけですけれども、そのときに何で、具体的にアメリカはこれからどうするかわからないのに支持をしたということなんですけれども、こういう白紙委任的な支持というものが何か非常に私としては怖いような感じがしたんですけれども、まずその点について、官房長官、コメントをいただけますか。
#7
○国務大臣(福田康夫君) あの九月十一日のテロ発生以来、米国はもとより、世界じゅうがこの問題にくぎづけになったというような感じがいたします。
 委員の御指摘のとおり、このテロが今後どのような形になるのか、またこういうテロが今後どうなるのか、要するに今後も同じようなことが発生するのかどうかといったようなこともあろうかと思います。私は、今回のテロもそうでありますけれども、やはりこういう大がかりな国際性のあるテロにつきましては、やはり国際協調というものが一番大事なんじゃなかろうかと、こう思っております。そういう観点から、日本も、我が国も、このテロの抑止のために、今後こういうテロを起こさないためにも今回の米国を中心とする諸外国の活動に積極的に参加していこうと、こういうふうなことを当初から考えたわけであります。
 当初は、どのぐらいの犠牲が出るかわからないという、そういう状況でありました。何千人というふうな数字も予想もつかなかったわけでありますけれども、しかし、あそこのビルの中では五万人働いているというようなことがございますし、朝九時ということになれば相当数の犠牲者が出るんだろうということを考えました。ですから、日本も、日本人で、邦人で犠牲に遭った方は相当いるんじゃないかなと当初はそう思ったわけです。ですから、そういう多くの邦人の犠牲者をどうやって救出するか、このことも、テロ対策ということもありましたけれども、この救助というようなことも我々の中心課題の一つであったと、こういうふうに考えたわけでございます。
 白紙委任で米国に協力をしているかどうかと、こういう点につきましては、私どもは必ずしもそういうわけではないんであって、当初からそういう、アメリカに起こった事件であるけれども、邦人救助をどうするか。もちろんもしそういう要請があれば、米国人であろうが、ほかの人の救助ということも当然しなければいけないだろうと。そのお手伝いをするために我が国に何ができるかということも含めて考えたわけであります。
 それはもう米国から要請を受けてやったわけじゃなくて、我が国の人道主義とか、そしてまた米国で起こったことであるけれども、しかし我が国としてどれだけの協力ができるか、こういうようなときに、そういうようなことを考えた。これは、台湾で地震が起これば我が国としてどれだけのことをしたらいいのかということをすぐさま考えたと同じような考え方をして対応したと、当初の対応はそういうようなことでありました。
 今回の法案をお願いして、審議をお願いしておりますけれども、この法案の審議に当たりましてはいろいろな条件がついているわけですね。この法案の趣旨、これはこのテロによってもたらされる脅威を除去しようという、そういう大目的がございますし、またその活動の範囲にしましても、やっぱり自衛隊が活動するということが一番有効なんだろうという考え方をして、その場合にでも、この自衛隊の活動の範囲を本当に狭めるというか、いろいろな日本の法制とか、憲法ももちろんございますけれども、そういう法制の中でどういうことがなし得るかという、そういうところをよく考えた上での提案であると、こういうようなことでございますので、決して白紙委任でもないということは御理解いただきたいと思っております。
#8
○広中和歌子君 多くの国がともかく協力をするというふうに表明して、それは当然のことだったと思いますけれども、そのことについてある国の大使に聞きました。そうしましたらば、こうして協力をするということは仲間に入ることだ、仲間に入ればアメリカのこれからの行動に関してこちらも意見を言うことができるんだと、そのようなことを言っていらして、なるほどと感心したわけですけれども、日本が協力を表明することによってアメリカが今行っている軍事行動、これから行おうとしているさまざまな対応ですね、外交も含めまして、それについて日本は十分、必要十分に知らされているのでしょうか。
#9
○国務大臣(福田康夫君) 米国側に、どういうようなことを考えてやろうかということについて言われなくても、我々もこういう状況の中で何をしたらいいかということはおのずからわかることがたくさんあるわけですね。
 ですから、もちろん米軍が米軍としてどういう作戦行動をとるかとかいったようなことについては軍事上の外に出せないような問題もあろうかと思います。それから、もう一つ申し上げれば、この状況、今の状況というものは予断できないような状況もあるんではなかろうかと。米軍の情報力をもってしても、こういう手続をすればいつまでにこうやって終わるんだといったような、その先が見えないような状況であるかもしれぬというようなことを考えますと、それはやはり日々、我々も状況を判断しながら、米軍がどう考えているのかなというようなことも考えながら、いろいろ我々としての役割というものを考えていくということであります。
 当然、あらゆる場面でもって情報交換いたします。また、首脳同士の意見交換もございます。例えば、総理も先般訪米いたしました。また、APECの首脳会議でも日米首脳会談というものをいたしました。いろんなレベルでもっていろんな話をして、意見交換を行いながら、そういう中から我々ができるものは何かということを考えながら、今、自主的に判断をしながらやっているというのが現状でございます。
#10
○広中和歌子君 湾岸戦争のとき、日本が非常に対応をためらっていたがゆえにほとんど情報をもらえなかったということを伺っているわけですけれども、そのときの状況とは明らかに現在違うわけでございますか。
#11
○国務大臣(福田康夫君) 湾岸戦争は今からもう十一、二年前になりますか。あのときは、これは今とは全く違う客観情勢があったんじゃないかと思います。
 と申しますのは、自衛隊が海外に行くということは考えられなかった、そういう時期だったんですね。ですから、自衛隊を海外に出せるのか出せないのかという、そういう非常にもう、何というんですか、根元的な議論を当時はしておったということであります。憲法上は許される、しかし、じゃ何をしたらいいのかといったようなことで、しかしそういう理屈だけでなくて、当時の国民感情からして自衛隊が海外に出るなんていうのはとんでもない話だといったようなこと、そういうふうな客観情勢もあったのではないかと思います。
 ですから、例のPKO法案ですね、あの審議においても大変国会でもっていろんな議論があり、そしてまた法案を通すために、御理解をいただくために時間をかけた、こういうふうに私は思います。
 客観情勢が全然変わっているんだというふうに思います。自衛隊がPKO法でもって海外に出ている、国際平和のために何ができるか、日本だってできるじゃないかということを実証しつつ今来ているわけで、そういう体験のもとに我が国は今回こういう活動ができるのではないかということを考えておる、そういうことであります。
#12
○広中和歌子君 このたびの自衛隊法改正案の中に防衛秘密、九十六条の二が新設されておりますけれども、これはどのような理由で新設されたのか、もしかしたらアメリカの要請によるものではないかということをお伺いいたします。
#13
○国務大臣(中谷元君) これは我が国の国内事情によることからでございます。といいますのは、昨年の九月に自衛隊の内部によります幹部自衛官の秘密漏えい事件が発生しまして、この後の反省、教訓を踏まえまして、やはり国の安全を害しかねないような秘密について罰則強化によって秘密漏えいを未然に防ぐことの必要性、それから相手が他国の駐在武官でございましたので、こういう接触機会がふえた、また冷戦が終結した後の社会状況等にかんがみまして、さらにそういった気の緩みを防ぐという点、並びに米国等各国との情報共有を推進していく上にも秘密の保護に万全を期することが我が国としても必要であるということにかんがみまして、今回の処置をとったわけでございます。
#14
○広中和歌子君 これは自衛隊の方々を超えて適用されることになっておりますけれども、実を言うと、私、ことしの三月でしたが、ワシントンに参りましたときに、ちょうどホワイトハウス入りをなさるある学者にお話しする機会がありまして、そのときに彼が言っていらしたことは、日本ではこのようなことが必要なんではないかと、一般の会話の中で言われたことなんですけれども。
 というのは、日本人にしゃべってしまうとすぐに広がってしまうというようなことで、アメリカの場合ですと、例えば国の、政府の政策を議員に理解してもらうために会を開くとき、秘密会というのを開くそうです。そういうようなときにも、つまり議員にも守秘義務が課されているというようなことを言っていらしたんですが、我が国にはそのような慣行はございませんよね。
 今度の場合には、何というんでしょうか、その範囲は私たち議員にも及ぶようなことも想定していらっしゃいますか。
#15
○国務大臣(中谷元君) 今回対象としておりますのは、防衛庁の職員並びにほかの省庁、国の行政機関の職員のうち防衛に関連する職務に従事する者、そして防衛庁と契約関係にあって防衛秘密に関連する物件の製造もしくは役務の提供をする者というふうに対象者を絞っておりますので、国会議員とかマスコミの方、こういう方を正犯の対象というふうにはいたしておりません。
#16
○広中和歌子君 逆に言えば、そういう秘密は、議員には特別に隠さなければならないものは公開しないということになりますよね。
#17
○国務大臣(中谷元君) 現在におきましても、一般国家公務員としての守秘義務がございますし、ある程度の防衛庁の中で秘密事項を定めまして、それに基づく国家公務員としての意識に基づいて活動をいたしておりまして、その罰則が懲役一年でございますのでほかの省庁との横並びになっておりますが、ある程度そういう中から厳選をして防衛機密というものを設けまして罰則を五年といたしておりますが、そのものに対する国会議員やマスコミ、また一般の方々の接触につきましては今までと同様の扱いでございまして、防衛機密を定めたからといって今までの国会議員やマスコミの方と防衛庁との関係が変わるという状況ではございません。
#18
○広中和歌子君 私は、野党にまでとは申しませんけれども、与党の中で非常に守秘が必要な、秘密を守らなければならない情報というようなものもお互い交わされているんではないかと、国家の機密にかかわるような。そういうこともチェックをするということは入っておりませんでしょうか。
#19
○国務大臣(中谷元君) 今回は秘密を取り扱う範囲と対象者を定めておりますが、それに該当しない国会議員とかマスコミ関係者が漏えいに係る正犯としての罰則の対象とした規定にはしておりませんので、今までと同様でございます。
 それで、そのことを知るという行為につきましては、例えば教唆という事例がありますけれども、これは贈賄とか脅迫とかいった刑法に触れるような場合はその対象となりますけれども、触れない場合につきましては該当しないという範囲でございまして、その範囲でこの秘密に対する取り扱いを行っていくというふうに思っております。
#20
○広中和歌子君 そうすると、アメリカの心配は引き続き続くのじゃないかと思いますけれども、まあそれはそれといたしまして。
 今のアメリカのとっている軍事行動なんでございますけれども、アフガンの地形というのは、これはたまたま東京新聞で見たんです。アフガンの地図の形というのはよく見ますけれども、高さまでわからなかったんですが、七千メートル級の山があったり、それから三千メートル級、まあすごい高いところなんですよね。
 そういう中で、いろいろ予想はされておりますけれども、今度の戦争、タリバンがかくまっているとされるオサマ・ビンラディンを捕らえる、その一味を捕らえるということは至難のわざではなかろうか。場合によっては、ブッシュ大統領も冒頭から言っていらっしゃるように、この戦いは長い長い長い戦争だと言っていらっしゃるのですけれども、その長く続く戦争にアメリカとどのくらいおつき合いをするのかという言い方は非常に冷たい言い方かもしれませんけれども、やはり軌道修正というのは当然あり得るわけでございましょうか。
#21
○委員長(武見敬三君) どちらに質問ですか。
#22
○広中和歌子君 じゃ、官房長官、お願いいたします。
#23
○国務大臣(福田康夫君) 当初からもう大分時間がたちました。その間考え方がどういうように変わっているか、これはわかりません。わかりませんけれども、当初長い戦いと、こういうふうに言われたのは、このアフガニスタンにおける戦いという意味か、もう一つはテロリズム撲滅のために長い戦いをしなければいけない、こういう意味で言われたのか、私も正直申しましてどちらかわかりません、その真意は。
 要は、テロをもうこの地球から、この国際社会から追放したい、こういうことは、これはもうだれしも考えることで、我々も、日本としてもやはりそのことを中心に考えていかなければいけない問題だろうというように思っております。作戦行動がどのくらいの長さになるか、これは相手の出方にもよりますし、ひょっとしたらあした終わっちゃったなんということもないわけではないだろう、こういうように思いますので、これは私から申し上げることはできないと思います。
 いずれにしても、時間をかけようがかけまいが、こういうことが二度と起こらないようにする、そういう社会をもう一度取り戻したい、こういう思いで取り組んでいる活動であるということでございます。
#24
○広中和歌子君 思いはわかります。みんなそう思っていると思うのでございますけれども、この世の中から犯罪がなくならないように、やはりテロを世界から撲滅するというのは非常に大変なことだろうと思います。
 そういう中で日本政府が非常に賢い選択をしていただくことを私たちは心から望んでいるわけでございますけれども、少なくとも今回の場合にはかなりの犠牲が出る覚悟もしなければならないと思うわけでございますが、防衛庁長官、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。多くの自衛隊の方は我が国を守るということで入隊していらっしゃるわけですが、彼らに日本を越えて国際社会の中で死ねますかと言えるかどうかということです。
 今度のアフガンの場合、難民支援とか後方支援でございますよね。だけれども、偽装難民とかいうようななかなか厳しい難民の方たちもいらっしゃるようですし、それから戦闘行為が波及して後方地域というところにも突然襲ってくるかもしれない、広がってくるかもしれないというようなことを考えますと、やはり覚悟の上でこういうことはコミットしなければならないと思いますが、いかがでございましょうか。
#25
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の行動等につきましては、国際的な安全保障の環境構築に貢献をするといった世界平和に貢献する活動の一環でございまして、現在でもPKO活動や災害が起こった場合の国際救援活動等を実施しておりますけれども、今回も、やはり我が国の安全に少なからず影響を与えます国際的な平和活動の一環として、法律によって定められた場合にはその範囲で自衛隊の保有する能力を発揮をしようという意識でございまして、隊員の方も非常に、国民のために自衛隊というものはずっと整備をされてきておりまして、我が国の将来にとりましても、国民の皆様方が御期待をすることにつきましては大いに貢献をする意識を持っておりますので、しっかりとした国際貢献ができるような意識を持って勤務をいたしております。
 ですから、不測の事態も想像されますけれども、日ごろから危険を顧みず有事のために行動し訓練をするという意識を持って行動しておりますので、その意識を持ってしっかりとした貢献ができるのではないかというふうに私は思っております。
#26
○広中和歌子君 インドネシアのメガワティ大統領のコメントが非常に印象に残ったんですが、仮に罪な、罪人ですよね、罪人をかくまう国をかくまっているという理由で攻撃する権利があるだろうかと、そういうようなことを発言なさったということがマスコミで報道されておりました。
 今度のテロ事件に対して、イスラム圏を含めて世界ほとんどすべての国と言ってもいいんでしょう、このテロを非難する声明は出しましたけれども、戦争がどのような形で発展していくか、それによってはイスラム圏の人たちの考え方が変わってくるかもしれないということが予想されるんではないかと思います。
 先ほどの公述人のお話でも、ビンラディンを初めとするテロ組織はアフガニスタンを利用しているんではないかと。つまり、アフガニスタンの国の七割を支配するタリバン政権に食い込んで、アラブの正義という名目でテロ行為を全世界に広げていると。そして、その人たち、一般の人々ですよね、アフガニスタンの一般の人々はビンラディンの存在もほとんど知らないんではないかと。それなのに彼らが攻撃を受けている。私たち、日々映像で子供たちが、本当にかわいそうな子供たちの映像を見るわけですよね。アメリカ人の中にも現在のアメリカのやり方に疑問を持っている人もいるんです。ただ、余り大きな声で発言していないだけで、持っている人も少なからずいると思います。
 また、きのう私どもの同僚の佐藤議員も発言なさったように、あるいはきょうの公述人もおっしゃったように、国際法的にも問題だというような言われ方をしているんですが、これもある外国の大使なんですが、中近東の大使ですが、日本はアメリカの同盟国、もし本当の友人であれば、アメリカが正しいことをしているんだったらそれをサポートする、しかしもし正しくないんだったらばあなたは正しくないんだよということをはっきり言う、それが真の同盟国、真の友達であるというような言い方をしているんですね。
 ですから、やはり日本もアメリカに今度の事件に対して深い同情とそして憤りを表し、そして日本のできる限りのことで協力することはよろしいんですけれども、その過程の中でやはりアメリカにはっきり物を言っていくということが必要なのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#27
○国務大臣(福田康夫君) いろいろと御説明ございましたけれども、今度のテロ事件で、まずイスラムと対決するということではないんだということは、これはもう再三表明されているということですね。何しろ、あのテロの犠牲者の中には恐らくイスラムの人もいたんじゃないでしょうかね。無差別テロなんですよね。全世界に対する挑戦だと、こう考えても私は言い過ぎではないんだろうと、こういうふうに思います。
 ですから、本当に何を意図したテロなのかわからないというような、そういうテロに対してこの国際社会がどう対応、つき合っていくのかということになるかと思います。
 そういうふうな中で、タリバンまたビンラディンがアフガニスタンの人を利用したということなのかどうか。これは結果的に言えばそういうようなことが言えるかもしれぬ。このテロというのは何から起こるのか、それは貧困から起こるんだなんという話がよくございますけれども、しかしビンラディンは金持ちなんですよね、そもそも。ですから、金持ちが貧困の中にいるアフガニスタンの人たちを利用したと、そういうふうには言えるのかなと、こんなふうな感じがいたします。ですから、貧困がテロの発祥の地じゃないんだ、そうじゃなくて、それを利用する人がいるんだというような認識というのはあってもいいんじゃないかなと、こんなふうにも思います。
 さて、米国に対して日本がどういうふうに言うべきかというような観点でございますけれども、米国は今、軍事行動を始めた、それからまた様相が違ったんだと、こういうことも言われるんですけれども、しかし米国は、これはあくまでもテロというその脅威を取り除こうと、こういう一心でやっていることだと私は思っております。
 米国も明らかに言っています。これはだれでしたか、パウエル長官でしたか。パウエル長官が、ビンラディン及びアルカイダの基地を目標とするんだ、この攻撃は、ということを言っておりまして、文民、民用物の保護の必要性は十分認識している、こういうことも言っているんですね。ごめんなさい、その後段の部分は、そういうことを十分認識した上でそういうことを言っているというように思います。
 と申しますのは、今日の国際法では、文民や民用物を無差別に攻撃することは原則として許されていないということであります。そのことを前提にパウエル長官は言っておられるというふうに思いますから、私はそういうことを踏まえた上での軍事行動だというように理解をいたしております。
#28
○広中和歌子君 どんな行為でも間違いというのはあるんですから。私はパウエル長官というのはすばらしい方だと思いますけれども、本当にアフガニスタンの普通の人たちが流れ弾に当たって、あるいは誤爆に当たって不幸な目に遭うということ、非常にやはり人道的に大きな大きな問題ではなかろうかと思っております。
 外務大臣にお伺いいたしますけれども、ブッシュ大統領はどちらかというとまだ就任して間がないわけですけれども、既に早々に京都議定書を否定したり、そのほかさまざまな国際的な取り決めなりなんなりを自分の、アメリカの一存で破棄したり腰が引けていたりというようなことで、何か非常にアメリカはブッシュ政権のもとで一国中心主義になってしまうんではないかというおそれを持ったわけです。ところが、今度のテロ事件が起こるや、すぐに支払っていなかった国連の分担金を払うというようなことをしたりして、これからはエンゲージメントポリシーでやってくれるのかなと、つまり国連なども大事にしてくれるのかなという希望を持たせられるわけですけれども。
 いずれにいたしましても、私ども全世界がアメリカのこの問題に対して協力をしようとしている立場があるわけですから、それを利用するわけではありませんけれども、折があれば、今ブッシュ大統領の頭はこのテロ事件の対応でいっぱいだろうとは思いますけれども、何か折があれば外務省、外務大臣として、あるいは総理のお口からでも、京都議定書についてもどうかよろしくと一言あってもよろしいのではないかと思うわけですが、いかがでしょう。
#29
○国務大臣(田中眞紀子君) 京都議定書は、御案内のとおり二〇〇二年の発効を目指しておりますし、COP6が、もうすぐ十月二十九日からモロッコのマラケシュで開かれます。今までのCOP6、それから、これから7が開かれるわけですが、6やまたその前の経緯をずっと見ておりますけれども、全排出量の二四%をアメリカが出しているわけですから、アメリカというものを無視してほかの国だけでもって完全に合意をしたにしても、実質的な私は実効性は上がらないと思っています。
 したがって、日本も自主的な判断、行動をいたしておりますけれども、やはりアメリカという存在を、排出量の大きな国を無視してこれが完璧に機能するとも思えませんのでできるだけ、いつも環境庁長官がそこを御苦労なさっているところなんですけれども、ぎりぎりまでアメリカを説得し、アメリカを巻き込んでいくという努力を私どもは引き続きやっていきたいというふうに思っております。
 そして、お尋ねの件でございますけれども、それは折あるごとに、総理にしろ私ども外務省なり、あらゆる機会をとらえて、環境庁長官もちろんおっしゃっておられるわけですけれども、そうしたスタンスというものはこの京都議定書に関しましては堅持していきたいというふうに、かように考えております。
#30
○広中和歌子君 どうぞ両面作戦でやっていただきたいと思います。アメリカがどうあれ、やはり世界としてはこの京都議定書を一日も早く発効さすということに努力する一方、この世界協調路線をとり始めたアメリカをこの際巻き込む努力もやっていただくということでよろしくお願いしたいと思います。
 さて、民主党のこの法案に対する態度でございますけれども、私どもは真剣に何十回もこの問題について話し合いました。いろいろな考え方がございます。それは、日本国民の間にもこれに対していろいろな意見があるように、我が党の中でもいろんな意見があっても当然だろうと思いますけれども、最終的にやはり国会承認、それも事前承認をしていただくということが非常に大きな焦点となって、総理と党首会談まで行ったと。しかしながら、与党側が国会での事前承認は修正条項に加えることに応じなかったということでございますけれども、どのような理由でございましょうか、お伺いいたします。
#31
○衆議院議員(久間章生君) いろんな議論が行われました。確かに、おっしゃるように民主党の皆様方からは、審議の途中でも事前承認が大事だということをおっしゃられましたけれども、一方、政府側の答弁を聞いておりますと、今回の場合はこの目的のためにつくられた法律であって、非常に迅速に対応しなければならないと、そういうようなことから報告でとどめさせてもらうというような意見でございました。
 私どもは、そういう中で、迅速に対応するという、そういう枠組みを維持しながら、しかしながら、国会が最終的にはチェックできるといいますか、関与する方法として事後承認という、そういう制度をとることで両方をうまく折り合いをとらせることができるんじゃないかと思って修正案をつくったわけでございますけれども、残念ながら最終的に我が与党案に乗っていただけず、残念ながら与党のみで修正というような、そういう結果になったわけであります。
#32
○広中和歌子君 迅速性ということをおっしゃいましたけれども、私どもは緊急の場合には事後でもよろしいというふうに非常に柔軟な対応をしているわけでございますよね。だけれども、それでもやはりだめだということがちょっと腑に落ちないんですね。
 それから、もちろん私たちは、シビリアンコントロールという意味、それから周辺事態法との整合性が必要であるということ、自衛隊の派遣に対して国会も政府もともに責任を負うと、そういう観点から主張しているわけですけれども、都合よくというんでしょうか、効果的に自衛隊を派遣したり撤収させたりということであるんだったらば、それを目的とするんであれば、事後も御迷惑なわけですよね。事後承認でさえ御迷惑ですよね。つまり、もしかしたら帰ってこいと言うかもしれない、せっかく出ていったのにというようなことで、ちょっと事後承認を入れながら事前承認を拒否したという理由がまだわからないんですが。
#33
○衆議院議員(久間章生君) 事後承認でその承認がとれなかったら帰ってこなけりゃならない、それはもうそのとおりでございますけれども、それはやっぱり国会の意思が、それはもうやめるべきだという意思をはっきりするわけですから、そのときは政府の意思よりも国会の意思を優先させるべきだという、そこのところについては与野党とも同じでございますから、事後承認でそういう決断だったらもう行っておっても帰ってもらうということについては、こういう規定にしたわけです。
 ただ、迅速性ということについて言いますとやや議論がやっぱり分かれまして、事前でも急いでやれるからいいじゃないかという意見もございました。しかしながら、事前で急いでやるといっても、国会が開会しているときにかけないわけにはいけないわけですし、かけたらどうしても衆参で一週間ずつは要るだろうと。
 ところが、今度の場合は、例えば二年というふうに時限法にしておりますけれども、民主党さんからはむしろ一年でというような案も出ていたぐらいでございまして、非常に限られた期間に迅速にこの問題に対応するということですから、国際社会が全部動き出したときに、我が国だけが事前承認だ事前承認だということで自衛隊がその間でも動けないのはいかがなものかという、そういう議論がいろいろ交わされまして、やはり事後承認でいいんじゃないかということで与党としては事後承認の案をとったわけであります。
#34
○広中和歌子君 それでは、テロ資金についてちょっとお伺いいたします。
 日本は国際社会と協調して銀行預金を封鎖するという行動に出ましたんですが、それは大変結構だろうと思います。ただ、マネーロンダリングについて対応していらっしゃるかどうかお伺いしたいと思います。
 ここに、私のところにおもしろいEメールが届きまして、それがもう二通も届いているんです。それは何かというと、あなたの口座番号と名前を教えてくださいと、私はそこにお金を振り込みますと、一〇%はあなたのものですと、そういうことなんですよ。その額が非常に大きいもんですから、わあ、私は突然大金持ちになれるのかと瞬間思って自分でも笑っちゃったんですけれども、要するにマネーロンダリングですよね。これを私にもしているぐらいですから、ほかの方、関係ありますか。──いや、いろんな方に送ってカモをひっかけようとしているんじゃないかと思うんですけれども。
 ともかく、先ほどの、午前中の話にもあったように、テロ資金というのが麻薬の売買でもうけて、それでこのテロ組織というのは非常にお金持ちで、資金十分にあるというようなことなんですけれども、このマネーロンダリングについて日本ではどのような対応を既に始めていらっしゃるでしょうか、お伺いいたします。
#35
○国務大臣(田中眞紀子君) マネーロンダリングで今わかっている範囲のことを申し上げますけれども、関係省庁、外務省はもちろんですけれども、金融庁でございますとか警察庁ですとか、法務省、財務省と密接に協力しつつ、金融活動の作業部会等の国際的なフォーラムに積極的に参画をしてきております。そして、その機関で、今回のテロ事件を踏まえましてテロ資金対策に焦点を当てた緊急の会合を十月の末にワシントンで開催することになっております。
 そして、国内体制、法整備でございますけれども、先般、内閣の官房及び関係省庁、今申し上げました省庁でございますけれども、それによって設置されましたテロ資金情報・対策作業部会という場がございまして、それを活用しながら、今鋭意検討しております。
 そして今、私どももその中でもって何とか物事をややこしくならないように、このマネーロンダリングについて整理をするように取り組んでいる最中でございます。
#36
○広中和歌子君 御希望であればこのコピーも差し上げますので、どうぞ御利用いただければと思います。御参考までに、犯罪防止にお役立ていただければと思います。
 さて、このアフガニスタン、テロ組織を壊滅さすという動きが一段落したところで、アフガニスタンの新しい国づくりについて国際協調してやらなければならないと。総理のお話によると、やはりそういうのは、ともかく戦争が始まった段階から計画を立てておくことは非常にいいことだという趣旨のことを言っていらっしゃいましたけれども、日本は戦後復興についてどのようにかかわっていこうとなさっているんでしょうか。
#37
○国務大臣(田中眞紀子君) アフガン後のこの復興ですけれども、大変ここしばらくこのことが鋭意話し合いされておりますけれども、国際社会の中で話題になっております。そして、けさ私もモジャンというUNHCRの高等弁務官補がお見えくださいまして話もいたしましたし、また国際電話で佐藤国連大使ともお話をいたしました。その中で、やはり一番はこのアフガン後をどのようにして復興していくかという問題、難民の問題でございましたけれども、このモジャンさんという方が、UNHCRの高等弁務官補でございますけれども、この方がおっしゃっているのも、やはりどうやって、アフガニスタンの国民の方たちが、今たくさんの難民が流出、近辺の国に、周辺国家にしているわけでございますけれども、その方たちが納得のいくような形で、アフガニスタンに周辺国家からの影響を排除して幸せな国を形成していくかということがやっぱり最終的な目標であるとおっしゃっていました。
 もちろん現在は、UNHCRですか、そのような目的を達するようにやっておられるけれども、最後の、最終目標はそれであるという御発言ございましたし、また佐藤国連大使が、御存じかと思いますが、ブラヒミさんと昨日のお昼に食事をなさったそうでして、最も直近の話題を伺いましたけれども、その中ではやはり日本の支援の問題は、今、委員からお尋ねではございませんけれども、日本というのは、あえて申し上げますと、非常に中立的で思惑がなくこの問題にコミットをしている国であると。結構いろんな国が、そのアフガン後を考えている国があるけれども、日本は正面から白紙の状態で善意で取り組んでいる国であるというコメントがあったので、これをぜひ国会の場で披瀝してほしいという大使の言葉がございましたので、あえて付言いたします。
 その中でブラヒミさんが言っておられるのが、関連している周辺国、パキスタンとイランを自分が回るけれども、そして、その中でもってどのようなセツルメントが一番求められているかを自分でつかんできたい。
 それからもう一つ、一番大事なことですけれども、アフガンの人々が自分のことを決めるわけですが、じゃ果たして、あのいろいろな部族の対立があり、いろいろなファクターがあって、こうおっしゃっていました、アレクサンダー大王のころから、あのアフガニスタンというところはもういろんな紛争がある。先ほど委員もおっしゃったように、七千メートル級の山が九つ以上もある。地政学上も厳しく、気候風土が悪いところで、いろいろな部族が対立している。その中でどういう人を窓口にして話をすればアフガンの復興が速やかにいくか。その人を探す旅に自分は行かなければならないということをおっしゃっていたそうでございます。
 したがいまして、今はいろいろなテントやら食料品や水ですとか、そういう支援もしておりますし、資金援助もしておりますけれども、本当にアフガンの方々、アフガニスタンの方々が幸せになるような方法を世界じゅうが考えなければならないというふうに思っています。
#38
○広中和歌子君 いや、非常に難しい問題だと思います。部族がたくさんあって、しかも統一国家として今まで存在したこともないというような中で、やはり大国のエゴが出ないような形での民意を尊重したシビリアンコントロールのあるそういう国ができる、日本のリーダーシップも含めて、できることを願っております。
 それから、もうそれは現在からも始まっていることだろうと思いますけれども、難民支援を初めとしてさまざまな資金援助というのも日本に課されている大きなテーマだろうと思いますけれども、これまで日本はODAとしてアフガニスタンに、あるいはパキスタンも含めて、このアフガン関係でどのくらいの金額を支出なさったのか、まずお伺いいたします。
#39
○国務大臣(田中眞紀子君) 日本は、国連及び国連機関ですけれども、それを通じまして九八年度以降だけでも四千五百万ドル以上の支援を行っております。
 これらの機関といいますのは、先ほど申しましたUNHCRもございますし、UNOCHAという機関、茶の湯じゃございませんでUNOCHAという国連人道問題調査事務所、調整事務所というのもございます。それから、世界食糧計画、WFPもございますし、赤十字国際委員会、ICRC等がございます。それから、もちろんNGOというものも関連してございます。
 以上です。
#40
○広中和歌子君 もちろん、大臣のところにはいろいろ陳情がございますでしょうけれども、それぞれ議員のところにもぜひよろしくということで、UNHCRもそうですし、ユニセフもそうですし、WFPも参りました。
 彼らがおっしゃるには、自分たちは今こういう状況であるにもかかわらず、アフガンに対してちゃんとルートを持っていると。ですから、アメリカが飛行機で食糧を投下しましたよね、あんなような、ともかく見せしめ、トークン的な食糧支援ではなくて、本当に実際に困っている人たちに届くような支援ができるんだというふうに胸を張っていらっしゃいましたけれども、そういうところに対する支援というのはどうでございましょうか。
#41
○委員長(武見敬三君) 答弁者はだれを。
#42
○広中和歌子君 外務大臣、済みません。
#43
○国務大臣(田中眞紀子君) アフガニスタンは、もう本当に先ほど申し上げました長年の内戦等で国土も疲弊していますし、当面はおっしゃったようにお水なり食糧なりテントなりということがあると思いますけれども、長い目で見ると、そのほかの面でどういうふうなことというのは、今すぐ即答できる数字は持っておりませんけれども、少なくとも数の面から聞きましても三百五十万に百五十万、五百万人ぐらいの難民とか何かがいる。それに対しては、とりあえずは四十二万人ぐらいの人に対する支援しかできていないということをけさほどの電話でも聞いておりました。
 ですから、細かい数字等はどなたも正確には把握できていないと思いますけれども、いずれにしましても、ODAなんかの供与で申しますと、二〇〇〇年度には日本はアフガニスタンに対しまして七億三千三百三十万円、そして草の根無償十件、五千九百万円の資金協力を行っております。
 これは、私がシンガポールでパキスタンの貿易通産大臣とお目にかかりましたときに何が必要かと言いましたら、やはりキャッシュ、お金も必要なんだということもおっしゃっていましたので、こうした援助も喜ばれているというふうに思います。
#44
○広中和歌子君 私もそのことを申し上げたいんですけれども、湾岸戦争のときに金だけ出して人を出さなかったと言われますけれども、少なくともあのときは非常にお金が意味があっただろうといまだに信じております。
 今回も、もちろん自衛隊がやってくださることも大切だろうと思いますけれども、やはりさまざまな形で、現地のNGOも使って、そして現地の国連機関も使って、そして日本が今回は余り顔が見えなくてもいいですから、やはり、金銭的に経済的に支援をしていただくということが非常に大切だと思うんですが、官房長官、いかがでございましょうか。
#45
○国務大臣(福田康夫君) ただいま湾岸戦争のとき、十二年前、お金を出せばそれでよかったのではないかという御発言がございました。
#46
○広中和歌子君 いや、ほかにもございましたよ。
#47
○国務大臣(福田康夫君) いろいろございましたけれども。しかし、これはそうじゃなかったと思います、私は。
 私、実は湾岸戦争始まってすぐ後に、最中ですね、米国に参りました。米国で大変な日本に対する誤解があるということを聞きまして、米国の、草の根というわけではないけれども、州議会に参りまして、州議会の議長さんとか、それから州政府の方々とかいう方々にお会いして、そして、これ、実は自由民主党で手分けしてそういう派遣団をつくりまして、そうですね、半分ぐらいの州は回ったと思います。
 そのときに、日本がどういうことを考えているかということを説明したんですけれども、そのとき思いましたのは、やはり日本がなぜ湾岸に出ていかないのかということ、ほかの国はみんな出ているじゃないか、なぜ日本だけ出ていかないのかということを、もう最初に、冒頭に指摘をされまして、そのことに対する誤解を解く、そのことに随分時間を費やしたと、こういうことがありました。
 そういうことの経験から考えまして、やっぱりお金だけでなくて人が出ていくということが国際貢献なのかなというようなことも感じたわけでございます。よく顔が見えるか見えないかという議論ございますけれども、お金だけ出したんじゃ見えないんですね。やっぱり日本がやっているということは、日本人が何をしているかということが見えなければいけないんじゃないか、こういうふうに思っております。
#48
○広中和歌子君 私も同感でございます。
 それで、最後になりますが、国内のテロ対策についてお伺いしたいと思います。
 いろいろ今度のテロをきっかけに御心配いただいたりして、きのうですか、おとといでしたか、この法案の合同審査会でも、国土交通大臣がいろいろやっていますよということをおっしゃっていましたんですが、ちょっと心配だったのは、新幹線についてなんですね。
 こんなこと、心配をかき立てるだけだから言わない方がいいよという人もいらっしゃるんですけれども、自爆テロなんかに至っては、もうスーツケース一個で事故が起こせるわけですよね。大臣の方は、運転席に入れないようにしましたとかいろいろおっしゃっているんですけれども、そうじゃなくて、普通の乗客が私が持っているようなスーツケースで入って大きな事故を起こすことができるわけですよ。ちょうどタイミングを見計らってバンとやってしまえば数千人の人が事故に遭うということもあり得るわけでして、こういうような対策についてはもうちょっと、どこまでやったらいいのか、そこのところの基本的なお考えをお伺いできたらと思います。
#49
○政府参考人(石川裕己君) 今お尋ねの新幹線の対策でございますけれども、私どもとしては、既に全国の鉄道事業者に対して警備等の徹底を指示してございます。
 それで、特に新幹線につきましては、関係事業者において特に警備の強化ということを図っているつもりでございます。
 具体的には、新幹線にかかわる全駅、六十五駅ございますが、これらの駅につきまして、防犯カメラによる監視、それから防犯カメラの増設、それから駅務員等による構内の巡回警備、こういうふうなことを図ってございます。
 さらに、今、先生お話がございました車内におきましては、車掌による車内巡回の頻度を上げる、それから不審物の発見等に車掌が努めるというふうなことがございますし、さらに旅客への不審物発見にかかわるいわば協力要請放送ということも実施してございます。さらに、大臣が申し上げたように、運転室の扉につきましても施錠の徹底を図る、あるいは扉をあける際のチェックの強化を行うというふうなこともしてございます。
 それから、実は新幹線につきましては、沿線の警備ということも大事でございまして、巡回警備の強化、あるいは要注意箇所への監視カメラの設置、それから防護さくの点検、強化、あるいは必要箇所のかさ上げ等々を行っているところでございます。さらには、全車両基地、ここにおきましても巡回警備の強化等をやっていると。
 こういう形で鉄道事業者としていろんなところにわたりまして警備の強化を行っている、全力を尽くしているというところでございまして、さらに、警察当局との連絡、連携ということも一層強化を図っているという現状でございます。
#50
○国務大臣(福田康夫君) ちょっとつけ加えさせていただきます。
 今、委員が自爆テロのことも指摘されましたけれども、この自爆テロについては本当に、ただいま説明もありましたけれども、これだけじゃ足りないんですね。飛行機と同じように、荷物のチェックをしなきゃいかぬ、それからこういうゲートをつくって一人一人そこを通ってもらうというようなこともしなければいけない。これは要するに利便性を損なうわけですね。せっかくの新幹線が、新幹線に乗るまでに時間をかけるとか、いろんな手続があるとかいうようなことになってしまう、最後には身元調査しなきゃいかぬだとかというようなことになるかもしれない。
 そんなことを考えますと、これは今回のテロ事件というのは、本当にそういう意味においては現代文明に対する挑戦のような感じがしますね。本当に深刻なことである。深刻であればあるだけに、この種のテロは根絶させなければいけない、こういう決意が私は一番大事なんだろうというふうに思っております。
#51
○広中和歌子君 最後に、まさにイザヤ・ベンダサンが日本人は水と安全はただだと思っていると、冒頭「日本人とユダヤ人」の中で書いておりますけれども、本当にそろそろ日本でも、水はお金がかかるようになりましたし、安全に対しても非常にコストがかかる時代になったことを、本当に嫌な世の中になったと思いますけれども、ともかく政府としては、私どもの日本の安全のために、また世界の安全のために御努力いただきたいことをお願いして、私の質問を終わります。
#52
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。
 私どもの党は、事前承認というのを大きな課題にしておりますが、同時に、再三政府が憲法の枠内、憲法の枠内と、こういうずっと一貫した衆議院、参議院で説明をしてきていますが、憲法の枠内という日本語がございますが、枠内という漢字がありますね。私どもは論戦を聞いていても、漢字じゃなくて平仮名にして枠がないと、枠は取っ払っちゃっていると。政府側の方は、あなた方の方は漢字で枠内、枠の内、枠の内だと言ったって枠がない、枠が取っ払われた議論だと、こういうふうにしかもう判断できません。
 だから、私自身はもちろん事前承認というのを求めるべきだし、シビリアンコントロールということは第一義的に党としてももちろん求めておりますが、もう一つ、憲法の枠内、枠内と言ったって、この枠が取っ払われたようなことを国民と、国際的に説明して今度の新法を通していこうという政府の対応については大いに疑問と。またこれから質疑が続くわけですから、そうではないという立場に立ってお答えいただくなり修正していただくのは十分可能だと思いますので、お願いしたいと思います。
 最初に、九月十一日、同時多発テロ事件、現在まで一月半たちました。アメリカのニューヨーク、ワシントン、この同時多発テロ事件で現在まで米側の方が把握をされて、そして日本側の方にも連絡が来ている亡くなった方々、そして負傷されている方々、行方不明者の方々、あるいは総じて被害状況と申しますか、これをどういうふうに現時点で今把握をされておりますか。
#53
○国務大臣(田中眞紀子君) 米国の、十月二十三日、ニューヨーク市の最新の発表を申し上げます。
 回収された遺体は四百七十八体、行方不明者四千三百三十九名。また、米国防総省によりますと、死者、行方不明者数は百二十五名です。また、ペンシルバニア州に墜落した航空機の乗員乗客は、公式な発表は行ってはおりませんが、報道等によりますと四十五名。今申し上げた数字だけで合計四千九百八十七名でございます。
#54
○齋藤勁君 つい最近、ニューヨーク市長が被害額想定金額と、こういうのを新聞で見た記憶をしているんですが、市ではなくて、州とか合衆国とかいうのは、被害額というのは、いや、まだ一月半たっていないのにそんなことではないんだということかもわかりませんが、それはこれからの、今後の推定も含めまして何か算定をされているというような、何かございますか。どなたか知っている方で結構です。
#55
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 今、被害総額についての御質問でございますけれども、齋藤委員御指摘のとおり、いろいろな見方がございますけれども、直接の物的被害のほか、経済活動の停滞等もございますし、全体的に被害の総額というものを算定したものは私どもとして今手元に有しておりません。
#56
○齋藤勁君 空爆以降、これはアメリカのいわゆる本土で起きた今度の今お答えいただいた事件に対して、米国に対して国際的なさまざまな支援、援助活動がされていると思いますが、具体的に我が国で把握をしている特徴的な支援活動、そして我が国はどういうふうにこの事件に対する支援をしているのか、御説明いただけますか。
#57
○政府参考人(藤崎一郎君) 我が国及び各国の支援でございますけれども、まずお見舞いということでございますと、政府は、先月の事件発生直後に、今回のテロ事件の救助・救援活動従事中に殉職された消防隊員、警察官、救急隊員等へのお見舞いの気持ちを込めまして、事故現場における救助・救援活動を支援するために合計一千万ドルの資金を拠出したところでございます。さらに、我が国民間におきましても、御案内のとおり各種募金活動が行われているというところでございます。
 各国におきましても種々このような形での支援活動が行われているというふうに承知しておりますけれども、具体的にどこの国においてどういうふうな支援活動が行われているということについては、私は今手元にちょっと資料を有しておりませんので、申しわけございませんが、お答えを差し控えさせていただきます。
 さらに、もしこういうお見舞いということでなくて、全体的な各国の、どういうふうにこのテロ活動に対する各国の各種行動ということにつきまして、今ちょっと手元に有しておりませんけれども、NATO及び周辺諸国等におきまして、各種協力活動につき米国に対し申し出て、既にコミットメントが行われているというふうに承知しております。
#58
○齋藤勁君 同時中継の、いわゆるリアルタイムでの悲惨な光景を見るにつけ胸が痛む思いはだれもが共通すると思うんですけれども、ただ、だんだん時間がたってくるということになりますと、例えば市と州と合衆国と、そしてまた国際的には国連だと思うんですけれども、もう一月半の時点ですと、このアメリカに対するさまざまな本土におきます事件に対する支援措置というのはどこかで集約をされているんじゃないですか、どこかで。どこかで集約をされていませんか。
 政府が例えば一千万ドル、この具体的な金額ですけれども、そんな別にお金以外のことも、医療的な問題とかいろいろあるんじゃないですか。それはもう全部、いやそれは外国の支援というのはお金、いろいろボランティアももちろんあると思うんですけれども、大体自前でアメリカは、国民はこの事件後の対応について行っているという理解でいいんですか。何かどこかでコントロールしている、何か集約しているようなものはないんですか。
 後ほどこのアフガン空爆以降のいろいろ支援法の関係について入っていきますが、そもそもこのテロ同時多発事件というのはアメリカで起きた。そして、先ほど外務大臣から言われた亡くなった方々、行方不明者の方々あるいは建物の倒壊とかさまざまなことがあるわけですね。あるいはもう物理的な点でなくて、心の部分ももちろんあると思うんですけれども、アメリカに対してどういうような合衆国、今度の事件に対して、空爆以降じゃないですよ、世界でみんなが集まってどういうことを、アメリカ国民にどういうことをされているのかどうかというのを知りたいということなんです。
#59
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、齋藤委員からの御質問は、世界各国がニューヨーク市あるいはニューヨーク州、米国に対してどのような支援を行っているのかという総体的な状況についてということでございますけれども、これはニューヨーク市、ニューヨーク州等でこれまで発表しているものについてはわかるわけでございますけれども、今まで具体的にどこからどういうふうに受け取ったというような発表は行われておらないものでございますから、ちょっと今私ども手元に有していないということを申し上げたわけでございますけれども、今後とも、もしニューヨーク州の方で発表するようであれば、これは情報の入手に努めてまいりたいと思います。
 先ほど私が申し上げました民間につきましては、日本赤十字社が日本放送協会とタイアップいたしまして、九月二十八日までに八億円の救援金を募集して、これも既にアメリカ側に伝達済みでございますし、また既に現時点ではこれよりも相当額が大きくなっているというふうに承知しております。
#60
○齋藤勁君 過日、閉会中の予算委員会の質問で、アフガンの状況というので外務大臣といろいろやりとりするときに、質問通告があるとかないとかということで先月ございましたけれども、きょうのことは私は同時多発テロの米国への国際的支援と我が国の支援状況についてということで質問も事前にお渡しをしていますので、もう少しお答えいただいてもいいんではないかなというふうに思いまして、むしろアメリカ国民からは世界の各国からこういういろんな支援が来ているんだということを多分、私は、リアルタイムまでは行かなくても、半日、一日集計でされているんではないかなと。
 それは当然、まさに同盟、同盟国、同盟国と言っているんだったら、日本というような政府は、これは同時に受けて国民に発表するというのはいつでも御用意いただいているというのが私はあるべき姿ではないかなというので、たびたびお話しさせていただいたんですね。
 今、何もない、手元に、外務省へ行けばある、あるいは官邸へ行けばあるということなんですか。
#61
○政府参考人(藤崎一郎君) 先生の質問通告は受けておりました次第でございまして、私どもが現在調べた限りではかかる発表はないということでございますけれども、引き続き情報収集に努めてまいりたいというふうに存じます。
#62
○齋藤勁君 このことで私、実は時間とるつもりなかったんですが、今なければないでこれ仕方がないですね。継続して別な質問に行きますが、きょうお見えの閣僚の方々は大体そういう資料をいつもお持ちではないかなというふうに私は思いますし、私も部屋の方に国際情報ニュースとかいろいろこうやって来ますから、もし見ればあるのかもわかりませんが、集約をしていませんから、集約したものを質問させていただいた次第でございます。
 同盟国であるということの中にはちょっと即応性がない御答弁なんで、甚だ残念に思います。
 さて、アフガニスタン、アフガンへの空爆が開始をされて今日に至っています。それぞれの閣僚の方々、修正案の提出者の方々、皆さんいらっしゃいますが、即時停止をしてほしいなというふうにまずお思いになりませんですか。官房長官、いかがですか。
#63
○国務大臣(福田康夫君) いや、それはなるべく早く解決すればいいなと。しかし、その目的を達成しなければ困るわけでございますから、目的達成のめどが一刻も早くという、そういう気持ちはだれしも持っていることだと思います。
#64
○齋藤勁君 今回のアメリカの個別的自衛権に基づくいわゆるアフガンへの空爆、そしてまた地上戦突入と入っていきますが、我が国に対する説明、国際的な説明、国連に対する説明は、こういうことだから行うんだ、個別的自衛権をアメリカとして行使をするんだという、どのように説明をされていますか。
#65
○委員長(武見敬三君) 答弁者はどなたにされますか。
#66
○齋藤勁君 官房長官。
#67
○国務大臣(福田康夫君) これは十月八日の午前に米国及び英国は安保理議長に対して今回の軍事行動に関する書簡を発出したと。書簡の中身は、国連憲章第五十一条に基づき、その固有の権利である個別的また集団的自衛権を行使する行動を開始したと、こういうことでございます。
 この事件が発生して、米国は個別自衛権の発動ということを直ちに宣言し、そしてそれに対してNATOが集団的自衛権を行使すると、こういうことをたしか即座に発表したと思いますが、この米英の書簡が安保理に対して出されたということでありまして、また同時に、この書簡は安保理に報告をして、発出して報告をして、これに対して安保理では特段の異論はなかったということでございます。
#68
○齋藤勁君 今度の空爆に至る前に今の御説明の具体的な中身として、アメリカ側がテロのいわゆる犯人と認定、判定をしていますビンラーディン、そしてテロ組織アルカイーダ、このことに対して捕捉する、逮捕する、あるいは攻撃をしていく、軍事施設、軍事拠点、そして一般市民には被害を与えないんだというのがまず前提になっておりませんか。
#69
○国務大臣(福田康夫君) これは先ほども御質問ございました。それでお答えしたところでございますけれども、基本的には国際法でもって民間の文民とか民用物を無差別に攻撃することは、これはもう原則として許されない、こういう国際法がございまして、その上に立ってパウエル国務長官がビンラディンとそれからアルカイダの基地を目標とするんだと、こういうことを述べているわけであります。ですから、文民やら民間のいろんな施設を壊すということを目的としているわけじゃないんですね。そのことは、これは米国はいろいろな場でもってそういうことを述べておりまして、そして誤爆、不幸にして誤爆があるというときには民間人の犠牲者が出るということは遺憾であるというような表明をしているわけであります。決して民間の人を殺傷するとかいうことを目的としているのでないということだけは、これはもう自明のことでございますので、私は、国際法に基づいて、その基本原則にのっとって行動をされていると、こういうふうに思っております。
#70
○齋藤勁君 空爆開始後の現在の、今の、私は今度のテロリストのアメリカに対する行為は犯罪、許しがたい犯罪だというふうに私も思います。そしてアメリカ側が、英米ですけれども、今、アフガニスタン、ビンラディン、アルカイダあるいはタリバン、アフガンにしている行為そのものはもう戦争行為である、こういうふうに見ておりますが、あえてこの言葉に続けて言わせていただければ、空爆開始後の戦況把握、現在、日本政府としてどういうふうに今のアフガンの空爆後の、そして地上戦に入ったという中での今の状況をどういうふうに見られていますか。
#71
○政府参考人(藤崎一郎君) 空爆後の状況についてのお尋ねでございますけれども、これまでの成果につきまして米国統合参謀本部は、二十三日、タリバンの防空能力、全国的な命令指揮系統をおおむね壊滅させたということを述べております。民間人の死者につきましては一部これがあったということについてはアメリカ側でも認めておりますが、同時に、今、官房長官がお答えしたとおり、民間に被害を与えないようできる限りの配慮をしており、民間に被害を与えるということは極めて残念なことであるということを述べております。
#72
○齋藤勁君 このアメリカのアフガンへの攻撃は報復戦争だ、こういう受けとめ方を政府はされていますか。
#73
○政府参考人(藤崎一郎君) これは従来からお答え申し上げておりますとおり、国連憲章五十一条に基づきます自衛権の行使というふうに認識しております。
#74
○齋藤勁君 きょうは総理大臣御出席じゃございませんけれども、昨日の連合審査では総理大臣は報復戦争だと答弁されていますよ。私は、国連憲章でうたわれている、報復戦争というのはだめなんだということになっている。
 先ほど私、伺いましたけれども、テロによる犯罪、そしてアメリカが空爆、今、地上戦に入っている。そしてそれに対する説明を自衛権の発動だということをやっていますが、その幾つかの前提があると。今度の、今のアメリカが行っている戦争、きのう内閣総理大臣は、報復戦争がだれもしたくてしているわけじゃないでしょうということを総理大臣、きのう私も委員ですから同席していますけれども、発言していますよ。官房長官、これはどういうことですか。
#75
○国務大臣(福田康夫君) 話の中でそういう文脈があったのかもしれませんけれども、私もちょっとよく覚えていないんでありますけれども、要するにこの戦争でしょうね、戦争はこのテロの脅威を根絶させるということが趣旨なんでありまして、報復といいますと、あそこのWTCでもって今の報告によりますと五千人ぐらいの犠牲者が出た、じゃ五千人命を奪えばいいのかと、そういったようなものではないということはもうこれは自明のことでございますので、そういうような報復ということで言ったわけじゃないんで、だと思います。あくまでもテロリズムに対する戦いだということでありまして、前後、そのような趣旨の発言は何回もしておることでございますので、御理解いただけると思っております。
#76
○齋藤勁君 いや、それはだめですよ、官房長官。それは、そんなこと何回もしたら、今度はずっと。
 総理大臣というのは、私もそんな長いおつき合いしていませんけれども、総理大臣になっていろいろ責任ある立場になって、随分まあ最高責任者として自由に発言するなと思いながら、今現実に人が殺され、人を殺しに、目的はそれぞれアメリカはあるんでしょうけれども、イギリスなりに。国連憲章に禁じられている報復戦争ということは総理大臣自身も何度も何度でも言っているといったら、それこそこのテロ支援法そのものの根底から崩れますよ。いかがですか。
#77
○国務大臣(福田康夫君) 総理も今回の戦争、報復戦争と定義づけたことはないと思いますよ。それはあくまでも、これはもう世界の秩序に対する挑戦だと。こういうことでもって説明をしてこられたわけでございます。
 そしてまた、そういう国際社会に対して大きな打撃を与えようという勢力、またその脅威、脅威の根源をこれをなくさなければいけない、そういうための戦争であるということでありまして、報復戦争でないということはこれは国際社会で共通の認識だというふうに思っております。
#78
○齋藤勁君 私は、自分の記憶だけだと不正確だと思いまして、今、議会からの速記録を今取り寄せまして、今見ておる議事録がございます。内閣総理大臣小泉純一郎君、報復戦争はだれもがしたくてやっているわけじゃないでしょう、というくだりが、前後、確かに長い言葉ですが、ありますよ。ありますけれども、これはアメリカのことを言っているんでしょう。アメリカの今具体的事実を、報復戦争はだれもしたくてやっているわけじゃない、アメリカが、だれもがしたくてやっているんじゃないんだけれども、報復戦争だということは総理が言っていることですよ。具体的事実ですよ。これはもう根底から、あれですよ、ここで議論すること自体がおかしいですよ。総理大臣、提案者として。
#79
○国務大臣(福田康夫君) たしか、私もちょっと記憶が不確かですけれども、ブッシュ大統領は、この事故、事件が起こった直後に報復という言葉、使っていない。(発言する者あり)パウエルさんが言ったの。それ、ちょっと、じゃ外務大臣がよく御存じだから、外務大臣に事実関係を。
#80
○国務大臣(田中眞紀子君) 総理はそれが戦争であると言う人もいるかもしれないという言い方でおっしゃったのかと思いますが、正確にその議事録を拝見しないとわかりません。
 ただ、今、官房長官がおっしゃろうとしたことの続きを寸借して申し上げさせていただくとすれば、最初にこれは戦争だということを確かにブッシュ大統領は言われたと思いますね、九月のあの発生した直後。しかし、その後、それはやっぱり国民の気持ちを駆り立てていく、エネルギーを駆り立てるために言ったのであって、厳密な意味での、法的な意味での戦争ではないということをパウエルが早い九月十三日の段階でしっかりと説明をいたしております。
 そして、したがって、今回のことはとにかく、民間航空機を乗っ取りをして、そして五千、六千の人たちを、ほかの、ワールドトレードセンター以外も含めてですけれども、こうした犠牲者を出して行ったテロというものは、これは犯罪、重大な犯罪に当たるということはやはりどこの国も認めていると思うんですね。したがって、世界じゅうの国が一緒になってこのテロリズムに対抗していこう、人類全体に対する極めて卑劣かつ許しがたい攻撃であるから、これについてやろうという認識においては、我が小泉総理がおっしゃっていることも何ら間違っていないというふうに思います。いわゆる古典的な概念で言うところの二国間の戦争などではないということはおっしゃっているというふうに思います。
#81
○齋藤勁君 言葉は大切だと思うんですよ。
 人の命、人の財産、国と国、テロリストがそもそも当事者であっても、この戦争、報復ということについての位置づけを、確かにテロですよ、今テロ、テロリストに対する、しかしテロリストに対する攻撃以上のことではないんだろうかということを私は今、即時停止のことを言っているんですが。いずれにしても、一国の総理大臣がテロリストということを前後表現しつつも、報復戦争だということは、私は、議事録、事実ですから。
 委員長、これ、どうですか、議事録、精査していただいて、これはもう……
#82
○委員長(武見敬三君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#83
○委員長(武見敬三君) 速記を動かしてください。
 ただいまの発言については、議事録を精査した上で正確な答弁を後刻、政府から求めるという形をとりたいと思います。
#84
○国務大臣(福田康夫君) 報復戦争という言葉は、今、外務大臣が説明しましたけれども、当初そういう言葉が出たように私も記憶しておるんですよ。しかし、それは先ほど私申しました米国の書簡、これは安保理に出された米国の書簡でございますが、ここでは明らかに自衛権の行使ということを述べているんですね。自衛権の行使なんですよ、報復じゃないんですよね。そのことは、こういうような書簡が出たということは、報復戦争じゃないということを、これはもう米国もそういうふうに考えているんだし、全世界もそういうような認識をしている、こういうように考えるべきだろうと思います。ですから、今現在、報復戦争ではないんだということなんですね。
 それは、私、総理が言われたのかどうか記憶ございません。ですから、その上で申し上げておるのでありますけれども、もしそういうふうな発言があったとしても、仮にですよ、仮にあったとしても、それはあくまでも国際社会で共通の認識を持っている自衛権の行使であると、その戦争だと、こういうふうに理解すべきだと思いますね。
#85
○齋藤勁君 今、委員長から預かっていただきましたから、そういうことになっていくと思うんですが、国連憲章では国連加盟国に対して報復行為というのは禁止をしている。これはもう一国の総理大臣、一国の政治家、一国の閣僚であったらこれは当たり前の話で、どういうときでも使っちゃいけない、であるなら使わない。それが事実そうでないのなら、そんなことは言うことはあり得ないんです。
 私は、場合によればいろいろやりとりの中で衝動的に出たのかもわかりませんが、もし総理の頭の中にいわゆるテロ犯罪がある、そして今の空爆、地上戦、これはもう総理の頭の中に、自分自身がそういうふうに思っていても、ああこれは報復戦争だなと思うほど今の実態もそうではないのかなというふうに考えざるを得ないですね。これは、これ以上進みませんけれども、大変重要な私は問題だと思います。
 今度の同時多発テロ、もう一度戻りますけれども、外務大臣、テロ行為は戦争、ニューウオーとかいろいろ、新しい戦争がいろいろありますが、この同時多発テロは戦争ですか、犯罪ですか。外相の見解を伺います。
#86
○国務大臣(福田康夫君) それはテロの状況によることだと思います。
 例えば同時多発、その根源が同じであると、その犯人と申しますか、それを起こした人が同じであるというようなことは、それは場合によっては戦争行為というように思いますけれども、しかしテロ自身の定義というのは、その規模とか状況とか、いろんな条件でもって定義というのは変わってくるんだろうというふうに思いますので、一概には言えないと思います。
#87
○齋藤勁君 田中外務大臣はどう思われますか。
#88
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、同時多発テロをどう思うかというお尋ねでございますけれども、これはやっぱり犯罪だというふうに先ほども申しました。
 なぜかといいますと、このテロというものを、同時多発テロでありますけれども、毅然として対応しないで放置しておけばまた一層助長するということもあり得るわけですし、ですから、そうしたことから考えましてもこれは犯罪で、そうしたテロリスト、テロリズムに対して断固として今回は戦っておかないとならない。そのために、国際的なテロ防止のために、根絶に向けて世界じゅうが手を携えて積極的にやろう、しかも日本も主体的に取り組んでいこうという考えでおります。
#89
○齋藤勁君 私も、先ほど質疑の中でも個人的な見解、これはすべて同じだと思いますが、これはテロ行為、これ犯罪だと思います。
 このテロ犯罪に対して、まず刑事警察として諜報活動等、これはいろいろ際限と申しましょうか、難しいところはあるんですけれども、このテロ組織の活動というのをきちんととらえながら、この犯行防止をしていくということが、まず私は第一の、テロ犯罪、テロ行為に対する国、そして国際的な行動だと思うんですね。確かに諜報活動とか予防拘禁とかいろいろなかなか難しい部分もあるんですけれども、とにかく市民社会の安全確保のために大切な私はことだと思いまして、刑事警察の国際活動の方がテロ対策としてまず第一義的に大きな貢献をさせるべきだというのがまずスタート時点に立つべき立脚点じゃないかと思いますが、これは違いますか。
#90
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど同時多発テロということで、私は実は一般論として同時多発テロということを考えたわけでございますけれども、今回のことに限って申し上げれば、その規模といい国際性といい、それから過去における実績ですね、実績というか事実、そういうことから判断して、単なる犯罪としてはとらえ切れないという側面があるんだろう、こういうふうに思います。
 国際法上の意味における戦争に当たるのかどうか、これはいろいろ議論はあろうかと思いますけれども、今申しました規模の大きさ、そういうようなものから考えれば戦争と考えてよろしいんじゃないかと思っております。
#91
○齋藤勁君 ちょっと違う観点から、時間の関係もありますのでお尋ねいたしますが、中谷防衛庁長官、この間議論の中でイージス艦の派遣を検討しているという答弁でしたか、研究でしたか検討でしたか、どういうことでしたか、お答えください。
#92
○国務大臣(中谷元君) 情報収集のための自衛艦艇の派遣につきましては、九月十九日に、我が国のとるべき措置の中に入っておりまして、その派遣の時期と規模につきましては現在検討中でございます。
 また、現在御審議いただいている法案について、いかなる自衛隊の部隊を派遣するかも現在明らかでございませんので、イージス艦の派遣について具体的なお答えをできる段階にはございません。
#93
○齋藤勁君 改めて、我が国の自衛隊としては四隻保有していますよね。概略、このイージス艦の持つ機能、御説明いただけますか。
#94
○国務大臣(中谷元君) 現在、イージス艦を四隻保有いたしておりますけれども、基本的には各護衛艦群に一隻ずつございます。
 能力等につきましては、イージス装置一式ということで、これは広範囲に航空機とか船舶の存在を探知するレーダーを有しております。また、垂直発射装置一式、高性能二十ミリ機関砲二つ、SSM装置一式等を持っておりますが、基本的には極めてすぐれた指揮通信能力を持っておりまして、指揮管制のターミナル等として、イージス艦の周囲の状況等についての情報を集約をして、周辺海域の船舶及び我が国の中央指揮所等にその情報を送れるというふうな能力を有している船でございます。
#95
○齋藤勁君 これは我が国とアメリカしか保有していないですよね、今、イージス艦。
#96
○国務大臣(中谷元君) はい、そのとおりです。
#97
○齋藤勁君 同時に幾つかの複数のミサイルを迎撃できるということで、今回総理が言っている、武力行使はしない、戦闘区域には参加させないという、例の、私は憲法の枠内の漢字じゃなくて平仮名だと、これは別にしましても、このイージス艦の持つ迎撃、ミサイルを撃つということについて、そういう目的のあるそういう艦船なんですけれども、これ、どういう観点で検討中、支援の中に、この法律が通った後、機能を発揮させるつもりで検討をされているのか、検討されているのか、イージス艦そのものについて。
#98
○国務大臣(中谷元君) この法律がまだ成立しておりませんが、法律が成立した後、検討をいたすわけでございますが、まだその場合にイージス艦を派遣するかどうかということも検討はいたしておりません。それに決めておりません。
 ただ、行動を起こす上においては、目と耳を使う、情報収集をして的確に状況判断をするという点では調査研究というものが大前提でございまして、いかなる手段で事後の行動の決定を行うかという点につきましては、この調査研究というものは必要なわけでありまして、しかるべき手段で情報収集、調査研究は行う必要があるというふうに思っております。
#99
○齋藤勁君 ミサイルは我が国のイージス艦から発射できない。何の機能を研究、検討の対象にしているんですか、イージス艦の。
#100
○国務大臣(中谷元君) 情報収集でございますが、一応自衛隊の保有する船でございますので、隊法九十五条に定めておりますけれども、武器等防護のために、自己防衛のための装置としてこういう防空能力というものを備えているというのは当然のことでありまして、そういう能力も持っている船でございます。
#101
○齋藤勁君 長官、イージス艦がインド洋に派遣をされて、そしてイージス艦がレーダーで捕捉している情報収集の内容を米軍に提供するということは、武力行使と一体となりますか。
#102
○国務大臣(中谷元君) これは過去、ガイドラインのときの議論でも御答弁した例がございますけれども、この船舶等によって収集する情報というものは、あくまで我が国の必要な情報収集という点、また自衛隊の任務を全うするという観点から主体的に行うものでありまして、特定の国の武力行使を直接支援するという目的を持つものではありません。また、特定の国の要請等によって偵察行動のような特定の情報収集活動を伴っての情報提供を行うものでもございません。
 そして、この収集した情報を米国等に提供することがあったといたしましても、一般的な情報の交換や提供を行うにとどまるものでございます。
 したがいまして、仮に自衛艦艇が派遣をされてその地域において情報収集活動をすることについても、それによって得た情報が他国との情報交換や他国への情報提供に供されて、結果としてそれが他国の武力行使との関連があったとしても、それが一般的な情報提供である限り、武力行使との一体化の問題は生じないというふうに認識をいたしております。
#103
○齋藤勁君 法制局長官、いらっしゃいますか。
 今の長官の答弁でよろしいんですか。
#104
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。
 ただいま防衛庁長官がお答えになりましたことは、これは従来から、これは周辺事態法のときにもお答えいたしましたけれども、全く同じような内容の答弁を政府としてさせていただいております。
#105
○齋藤勁君 イージス艦のレーダーによって集約、収集された調査した情報を米軍の方に提供しても武力行使の一体にならないという、そういう見解だということですね。
#106
○政府特別補佐人(津野修君) 私、具体的なイージス艦の機能がどういうものであるかということは必ずしも承知しておりませんので一般論しか申せませんが、一般的な情報交換の一環として、常々情報交換をしている場合の、その一環として行う場合には一体化になるようなことはないと。
 ただ、特定の国の武力行使を直接支援するために偵察行動を伴うような情報収集を行って、それでこれにより得られた情報を提供するというような、先ほど防衛庁長官からお答えになりましたような場合で、そういうような場合に、その情報の提供に特定の行動が伴うような場合には、これは例外的に他国による武力の行使と一体となると判断される可能性がないことはないというような答弁が従来からでございます。
#107
○齋藤勁君 法制局長官の答弁はすばらしい答弁だと思うんだけれども、聞いていてわかるときとわからないときと、後で議事録を見たら大変なことを言っているんだななんということを思いましてね。こっちは頭が悪いから何かごまかされちゃうんじゃないかと思うんだけれども。
 これ、あと何分しかないんですが、トマホークの論争がきょうも新聞に幾つか集約されていましたけれども、トマホークが発射したときは戦闘行為じゃないんですか。戦闘行為じゃなくて──これはまたきのうと同じことですということを言うんですか、長官。でも、私はまたこれからずっとしていきますけれども、大問題ですよ、これは。普通であれば国会がとまったっていいぐらいです、これはきのうのやりとりなんというと。むちゃくちゃ過ぎますよ。むちゃくちゃ過ぎる。
#108
○政府特別補佐人(津野修君) これは昨日も改めて答弁させていただいておりますけれども、一言で。非常に長く答弁、きのうと同じようにするのは差し控えますが、結論的なことだけを申しますと、目標に向けて遠距離砲、弾道弾ミサイル等が発射されたときは、一般的に言えば、もはやこれは当該戦闘行為が開始されている、ないしはその戦闘行為の一部となるものであると、そういうふうに考えるのが相当であるというふうにきのうもお答えしてございます。
 したがって、それは発射する行為は既にもう戦闘行為であるということを昨日お答えしたところでございますから、衆議院段階の場合におきましても、最初ちょっと答弁が混乱したことは事実でございますけれども、今申しました結論は申しているわけでございまして、ずっとその後はこれと違った答弁はしておりません。
#109
○齋藤勁君 じゃ、長官、発射するのは戦闘行為だということね。
#110
○政府特別補佐人(津野修君) はい。
#111
○齋藤勁君 長官、中谷防衛庁長官、発射と着弾、あなたは分けていないですか。
#112
○国務大臣(中谷元君) トマホークミサイルということでございますか、今。
#113
○齋藤勁君 そうです。
#114
○国務大臣(中谷元君) トマホークミサイルということで具体的にはきのうは御質問はございませんでしたけれども、あえてトマホークミサイルについて申し上げますと、衆議院でも答弁をいたしておりますけれども、これは我が国が保有していない兵器でございますが、そのミサイルが、発射後、人による誘導などの行為による作用を受けることなく自動的に目標に正確に到達し爆発する構造になっているというふうにそのミサイルをいたしますと、その発射につきましては戦闘行為に当たるというふうに考えております。
#115
○齋藤勁君 きのうまでの議論を聞いていますと、発射していないときのどこかの時間帯がありますね、発射していない時間帯、そのときに、今回の法律でその間に洋上で艦船にオイルとか何か補給することをやりたいからどうもそんなことばかり言って、発射と着弾が違うんだみたいな、そういうどうも答弁にしか聞こえないんですよ。そういうことは全く考えていない。
 長官、法制局長官じゃなくて防衛庁長官の方、具体的に今度の新法で、今これから研究、検討、検討の部分はあるんでしょうけれども、ずっときのうまでの衆議院から参議院の議論を聞いていますと、これはまた御自身の議事録を見ていただければそうだと思うんですが、発射と着弾と区別して答弁しているときがあるんですよ。
 そうすると、我々の方は、発射と発射の間に、これは戦闘行為じゃないというときに、そのときに我が国の自衛隊の船が行ってそこで補給をすると、こういうことをやりたいのか、やりたいとか、そういうことを想定をしているというふうに私たちは受けとめますけれども、説明していただけますか、その辺。
#116
○国務大臣(中谷元君) そういうトマホークが発射されているようなときの艦艇に燃料を補給したり物資を輸送したり、そういうことは考えておりません。そういうことも想定できません。
#117
○齋藤勁君 時間。
#118
○委員長(武見敬三君) 残り一分。
#119
○齋藤勁君 わかりました。
 ちょっとあれだね、今、どう、聞いていて。今度、法制局長官。
#120
○政府特別補佐人(津野修君) 昨日御答弁申し上げましたのは、若干新聞情報等正確じゃないと存じますので、正確に申しましたのは、もう一度御説明しますと、一たんミサイル等の発射が行われたことのある場所であっても、一回ミサイル等が発射されたことがあった場所であっても、その後、現に戦闘期間が、行われておらず、かつ活動の期間中を通じて戦闘行為の行われることがないと認められる地域、これは一定の期間、そんなに短い時間じゃないと思いますけれども、一定の期間そういうことが行われることがないと認められる地域に該当する場合、そういう場合もあり得ると、あると考えられるので、そのような場合に協力支援活動を行うことはあり得るということを言ったので……
#121
○齋藤勁君 いや、違う。
 委員長、終わりますけれども、違うんですよ。二人のお話は違うということと、それから僕が冒頭何回も言いましたけれども、政府の今回の提案、全体の考え方が憲法の本当に、漢字の枠の中じゃないですよ、平仮名、平仮名です。
 こういう法案で議論すること自体大変、私も国会議員の一人として恥ずかしく思いますよ、本当に。
 終わります。
#122
○山本香苗君 公明党の山本香苗と申します。今回、初めて質問させていただきます。
 私は、議員になるまで外務省の方に勤めさせていただいておりました。残念ながら田中大臣のもとで働くことはございませんでしたが、トルコで二年間、またカザフスタンで二年間ほど勤務した経験がございます。
 武見委員長におかれましては、カザフスタン勤務時代に実はキルギス邦人人質事件におきまして大変お世話になりました。多分、恐らく覚えていらっしゃらないと思いますが、キルギスにおいて初めて武見委員長とお会いした際に、君、日本語がうまいねと現地人と間違って声をかけていただいたことを覚えております。
 御存じの方々も大変多いと思われますが、キルギス、カザフスタン、そういった国々の方々は日本人でも見間違うほど私たち日本人とよく似ておりまして、私たち日本人と中央アジアの深いつながりというものを今しみじみと感じておる次第でございます。
 今回のテロ以来、中央アジアが再び脚光を浴びておりますが、今回、この経験を生かして質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、質問に入らせていただきますが、今回、このタリバーンに対する米英の軍事行動が始まる前に、私は自分のホームページにイスラムについての一文を書かせていただきました。実は、アメリカへのテロが起こったとき、イスラムとは何ですかと、そういった質問がたくさん寄せられたからなんです。そういった声もあって、私のイスラム観や、また私が実際見てきた、聞いてきた、体験した、そうしたイスラムのことについて書かせていただきました。
 そうした中で、トルコの知人のおばあさんのこと、その方と出会ったときのことを書きましたけれども、そのおばあさんというのは、まあ本当にトルコの小さな村に住んでいる熱心なイスラム教徒でありましたが、初めて会ったイスラム教徒でもない私に対して非常に愛情と慈しみを持って接してくださいました。人間は人間、そういった思いを感じた次第でございます。
 この一文をホームページに載せたときに、これまたたくさんの感想をいただきました。初めてイスラムというものを知りました。イスラムというものを理解できました。イスラムを身近に感じました。そうした声がたくさんありました。こうした声を聞いて、私は、日本においてはまだまだイスラムというのは理解されていない、まだ認識が浅いんだなということを感じました。
 そこで、官房長官にお伺いさせていただきたいと思っております。このイスラムのことについてでございますが、イスラム教徒の方々というのは豚肉を食べてはならないといったことは御存じだと思います。しかし、なぜ豚肉を食べちゃいけないのか、そういったことがあるのを御存じでしょうか。
#123
○国務大臣(福田康夫君) 極めて難しい質問でございますけれども、これは昔からそういうことだったんでしょう。恐らく、検疫上の問題とか健康上の問題とか、そういったようなことがあったんだろうと思います。
#124
○山本香苗君 そうなんです。本当に単に宗教的な禁止ということなんですけれども、実際は豚の飼育がもともと当時不衛生であって、アラビア半島の遊牧民にとっては命取りになりかねない、そういった伝統的な知恵から出てきているものでございますが、官房長官はイスラムと聞かれたときにどういったイメージを頭に思い浮かべられるでしょうか。
#125
○国務大臣(福田康夫君) 私はそういう質問を受けますと困るんです、実は。と申しますのは、私イスラムとおつき合い長いんです。もう三十年以上も、三十年ぐらい前でしょうか、石油会社におりまして、中東にもよく行きましたし、それからずっとイスラムとのおつき合いはありますし、今では中東のある国の友好協会の会長をしているとかということもありますし、また中東だけでなくて、九割イスラムのインドネシアとか、それから六割イスラムのマレーシアとか、そういう方々の中でもイスラムの友達たくさんいるということでございます。もう本当に日常茶飯事のことで、キリスト教だからどうこうということを言わないのと同じように、日常本当に普通におつき合いをさせていただいております。
#126
○山本香苗君 ありがとうございます。大変深い認識をお持ちだということがわかりまして、大変うれしく思います。
 私の周りでも、今回、テロの関連でイスラムということが報じられることから、イスラムって怖いんじゃないかなとか危険だとか、そういったイメージを持っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。また、平和や平等、そうしたものを求める宗教というイメージを持っていらっしゃる方というのは非常に少ないのではないかと思っておりますが、現在、官房長官は大変御存じだとお伺いしましたけれども、イスラム教徒は世界に十億人以上いると言われておりますが、日本には一体どれぐらいのイスラムの方々がいらっしゃると存じ上げていらっしゃいますでしょうか。
#127
○国務大臣(福田康夫君) これは、ひそかに調べて五万人ぐらいということでございます。
#128
○山本香苗君 非常に五万人、私の方でいろいろ調べたところで十万人ぐらいいるんじゃないかといったお話も聞いたことがございます。
 以前、新聞でも報道されておりましたが、日本在住のイスラム教徒の方々は、今回の一連の事件を受けまして大変不安を感じていらっしゃるといったことをお伺いいたしました。イスラム圏と日本の関係が緊迫していったら、日本と、また日本ではイスラム教、イスラム社会になじみが薄いだけに、私たちの立場はより複雑になるんじゃないかとか、テロリストと同一視されてしまうんじゃないかとか、そういったことを感じていらっしゃる方々もいらっしゃるそうです。
 アメリカでは今回の措置はイスラムに対する攻撃ではないと繰り返し繰り返し述べておりますが、日本でもそういったことをもっと声高に訴えるべきではないかと思っておりますが、官房長官、いかがでしょうか。
#129
○国務大臣(福田康夫君) これはその事件が起こった当初から、すなわち九月十一日ですね、もう直後からアメリカの大統領もそういうことを鮮明にされていらっしゃるし、また世界共通認識として、これはもうイスラムとかアラブとかいうものを相手にしたものではないということ、これはもう極めて常識的になっておると。特に、先ほどもちょっと申し上げたんだけれども、あのワールド・トレード・センターでもって犠牲者になった、その方の中にイスラムの方もいたんでしょう、随分たくさんいたんじゃないかと思いますよ、日本人以上だったと思いますよ、日本人の数以上ね。
 ということを考えますと、これはイスラム、アラブを相手にしたものではないと、国際社会のこの我々の取り組みは、ということはこれはもうはっきりしていることだと思います。小泉総理も、そういう意味で随分何回も何回も口にされていることです。国会においてもそうでございます。
#130
○山本香苗君 このように私がなぜここまでイスラムの質問に執拗に執着するのかといえば、実際にこれから自衛隊の方々がイスラム諸国に派遣されて活動されることになったときに、こうしたマイナスイメージが邪魔にならないかという懸念があるからなんです。
 被災民の方々等に接する際に、武装難民だとか、そういった思考が常に強く働いて、現地で判断を誤らないかという懸念を持っております。また、彼らの宗教、文化、慣習について認識が浅いために、よかれと思ってやったことも裏目に出てしまうこともございます。実際、日本にも過去何件かそういった事件が起きました。このように、イスラム教徒がどういうふうに、現地の、派遣先の国の方々がどういう考えを持って生活しているか知らないでやったことによって取り返しのつかないミスをしてしまう、そういったこともございます。
 そこで、防衛庁長官にお伺いいたします。
 自衛隊員の方々は、派遣先の風土や文化、習慣、宗教等々について研修を受けてから派遣されるのでしょうか。
#131
○国務大臣(中谷元君) 現在におきましても、シリアとイスラエルの間にありますゴラン高原にPKO活動で自衛隊員をもう四、五年になりますけれども派遣いたしておりますが、派遣される前に各地におきまして集合教育を行っておりまして、そういったイスラムの習慣とか言葉とか規律とか、そういうものにつきましては事前に教育を行っておりますし、また今後派遣する場合におきましても、現在の平和協力業務と同様に派遣先国の宗教、文化、生活習慣等を含む現地の情勢、派遣国の言葉について教育を行いまして、隊員が円滑かつ適切に任務を実施することができるように努めたいというふうに思っております。
#132
○山本香苗君 よろしくお願いいたします。
 次に、先日、日本人ジャーナリストがタリバーンに拘束されたという報道がございました。そこで質問なんですが、その事実関係及び最新情報、そうしたものを田中大臣にお願いいたします。
#133
○国務大臣(田中眞紀子君) これは最新の情報のものでございますから、勝手ですが、読み上げさせていただきます。
 二十四日、アフガン・イスラム通信は、タリバーンが不法入国を理由に拘束している邦人の氏名はヤナギダダイゲンである旨報じております。右報道につきましては、在パキスタン日本大使館を通じて承知いたしております。その後、直ちに同日本大使館より、パキスタン大使館ですけれども、在パキスタンのタリバーン代表に対しまして同報道の内容の確認を行いましたが、先方からはカブールからは何の連絡も受けていないとの回答に接しております。
 我が方といたしましては、引き続きタリバーン側に対しまして事実関係の確認を求めるとともに、当該邦人の安全確保及び早期解放のためにできる限りの努力を行いたいというふうに考えております。
 以上です。
#134
○山本香苗君 重ねてよろしくお願いいたします。
 次に移らせていただきますが、現在、外務省の海外危険情報では、トルコとかイラン、レバノンなどに危険度二である観光旅行延期勧告というものが出されております。これは邦人の安全確保のためには非常に重要、私もそう認識しております。しかし、一方では、旅行業界の団体の方々からは、この勧告、危険情報のために甚大な影響をこうむっているという声が上がっているように存じ上げております。
 今回の同時多発テロの後、海外旅行のキャンセルが続いております。業界全体としても前年度を大幅に下回る数字、それが出ております。旅行業界は小規模零細の業者が多くて、大規模な取り扱いの落ち込みに各社悲鳴を上げている状況です。
 業界団体の言い分としては、せめてエジプトやトルコ、こうした国々は今がちょうど書き入れどきというかベストシーズンでございます。このときだけでも危険度一にしてもらえないかとか、国ではなくて、例えばエジプトの中でも全部じゃなくてカイロだけとか、そこに危険度一といったように、地域ごとの危険情報に変えてもらえないか。さらには、イギリスやカナダなどでは日本でいう危険度一であったり、アメリカでは全く勧告を出していない国でも日本では危険度二がついていると。非常に厳しい規制がかかっている、そういった声があります。
 このような海外危険情報に対して、状況が好転され次第、タイムリーに、また地域ごとに見直しをしていただけないかという声をいただいておりますが、外務大臣、どうお考えでしょうか。
#135
○国務大臣(田中眞紀子君) これは中東だけではございませんで、私のところにもこの間、ハワイのカエタノ現知事及びジョージ・アリヨシ前知事が一緒に来られて、ハワイの観光も二五%も減っているという話がございました。それから、沖縄も委員会等で観光が非常に減っているということでございまして、世界じゅうの観光地がお客様が減っている。ましてや、これも今、委員はトルコ、エジプトのこと等をおっしゃいましたけれども、やはりハワイ、沖縄よりももっとアフガンに近い地域でもございますので、おっしゃる意味はよくわかりますけれども、今のところある程度やむを得ないかと思います。
 ただ、もちろん零細な観光業者の方にももちろん配慮もしなければなりませんが、人命というものも今、前お尋ねになりました、今アフガン国内で拘束されている人のケースもありますし、似たようなことが、テロリズムというのは世界じゅうどこで起こるかわからない状態でありますので、やはり人命というものも私たち政府の人間は考えなければいけないと思います。適宜、弾力的に情報を発出していきたいというふうに考えております。
#136
○山本香苗君 ありがとうございます。前向きに御検討をよろしくお願いいたします。
 次に、アフガン復興についてお伺いいたします。
 先ほど来もお話がございました。いろんなところでこのアフガン復興への協力要請が我が国にあるということをお伺いしておりますが、先日、官房長にもいいアイデアをいただきまして、与党イスラム議員連盟とイスラム諸国の在京大使との懇談会を持たせていただきまして、その席上、いろんな各国の大使から、日本がもっともっとこのアフガン和平において重要な役割を担うべきじゃないか、そういったたくさんの声をいただきました。
 我が国は、本当に偏らない立場というところからアフガン和平のために積極的な支援をしてまいりましたが、私も何かできないかなとずっと考えてまいりましたときに、外務省時代、たしかタジキスタン民主化セミナーというのがあったなということを思い出しました。このセミナーについて、実施の経緯や概要、評価等について、外務大臣、よろしくお願いいたします。
#137
○国務大臣(田中眞紀子君) 山本委員は、外務省のころもトルコ語を専門に研修していらっしゃったということですし、このタジキスタンの問題には大変造詣が深くていらっしゃるというふうにも思います。また、御関心も高かろうというふうに思います。
 お答えでございますけれども、今後の貢献につきましては、関係国、機関とも十二分にいろいろと協調しながら調べていく考えでございますけれども、基本的には、先ほどの広中委員にもお答えしましたけれども、アフガン全体の復興につきましてはブラヒミさんを国連の特別代表として今指名しておりますので、先ほど申しましたように、パキスタン等に行かれて、イラン、パキスタンに行きまして、いろいろとどういうふうな復興ができるかということを白紙の状態からよく見ていきたいということをおっしゃっておりますので、これを今も、重家局長も、中近東アフリカ局長も英国、アメリカに行っておりますし、また佐藤国連大使も会っておられますので、そういうルートからまた情報を収集して御報告をしたいというふうに存じます。
 それから、タジキスタン民主化セミナーでございますけれども、平成十年の七月にタジキスタンで殉職をした、御存じでいらっしゃいましょうか、秋野豊さん、筑波大の助教授ですけれども、中央アジア問題の専門家です。この方が殉職されまして、その遺志を受けてタジキスタンの民主化プロセス及び社会経済復興への支援を行うことを目的といたしまして、一回目の会合が平成十一年三月に開催されました。そして、二回、三回は平成十二年の三月及び十一月にやっておりまして、これまでに三十人が研修員として訪日をされておりますので、この気持ち、秋野さんのお気持ちや、もちろん委員も持っていらっしゃるものを参酌して、くみ上げながら、またこのセミナーを大切にしたく思っております。
#138
○山本香苗君 ぜひとも、この復興という観点、テロ防止という観点からもよろしくお願いいたします。
 そこで、今まさに外務大臣の方からお話しございました、先ほど先日の連合審査におきましても、外務省の中近東アフリカ局の重家局長の方がヨーロッパとかアメリカの方に御出張中だというふうな御発言がございましたが、まさにその御出張の目的というのは。
#139
○国務大臣(田中眞紀子君) 局長をイギリス及びアメリカに派遣いたしましたのも、関係諸国及び国連の代表と意思疎通を図りまして、そして実情、現状を把握し、そして将来の和平と復興のためにバランスのとれた貢献をするためにどのようなことが日本ができるかと、最大限効率的な、しかも有効的、役に立つ援助を日本が最大限できるようにするための情報収集でございます。
#140
○山本香苗君 ということは、まさに今御報告や進捗状況というのを把握していらっしゃると思いますが、本当にきのうもいろんな形で外務省の顔が見えない等々言われておりました。こうやって外務省の方々も一生懸命頑張っていらっしゃる。いろんな意味で大変な時期ではあると思いますけれども、今まで培ってこられた経験を生かして日本外交の威力というものをぜひとも発揮していただきたいと思います。
 それでは、最後の質問に移らせていただきますが、今まで中近東や中央アジア、そうした諸国と親交のある方々が総理特使として同地域に派遣されておりますが、今後、総理特使を派遣する予定というのはございますでしょうか。官房長官、お願いいたします。
#141
○国務大臣(福田康夫君) いろいろと、今回の事件発生後、各国との調整、また日本の意向を踏まえた要請をするといったようなことを含めまして、総理特使というような形で行っていただいておるわけでございます。今後も必要に応じてそういうことはしていかなければいけないだろうと思います。むしろ、必要に応じてというよりは、積極的に日本の顔を示すという意味合いも込めてそういうことはしていかなければいけないだろうと、こう思っています。
 ですから、委員の御指摘のとおり、これはいろいろと工夫をさせていただきたいと思っております。
#142
○山本香苗君 まさにこれからこの新法成立、それを目前に控えているところで、主眼となる難民支援ということがあるわけでございますけれども、総理特使を派遣される際に、ぜひとも難民支援というところに主眼を置かれて、難民支援をより迅速にできるような方を、そういった実効的な対話のできる方をお送りされたらどうかなと思っておりますが、本当に私の個人的な見解ではありますけれども、緒方貞子さんなんかが総理特使として行かれるといったことは御検討されたことはございませんでしょうか。
#143
○国務大臣(福田康夫君) 日本の平和協力と申しますか、日本の人道支援と申しますか、まあ日本の得意わざでなければいけない分野でありますので、それは重要に考えていかなければいけない。御指摘のようなことも含めて検討させていただきたいと思います。
#144
○山本香苗君 最後に一言。
 今回、我が国の支援というのは、本当にテロの恐怖の連鎖を断ち切ってテロを撲滅するための支援であって、決して恐怖を助長するものではないと確信しており、新法の一日も早い成立を目指していきたいと思っております。だからこそ、我が国はこういったいろんな支援、軍事措置が終了した後も、アフガンを含める中央アジアの平和と安定、これに寄与し続ける信念を持ってその行動を内外に示していく対話外交を続けていきたいと思っておりますので、今こそいろんな努力をしていくべきだと思っております。
 これにて私の質問は終わらせていただきます。本当にどうもありがとうございました。
#145
○広野ただし君 自由党の広野ただしでございます。
 今回のアメリカの同時多発テロ、本当に非人道的、残虐な行為で、本当に怒りを覚えるわけですが、国際的に協調をしながらこのテロに対して敢然と立ち向かうということが一番大事だと思っております。特に、国連中心主義の日本はそういう行動をとることによって、これはテロも全体的に国際協調の場でやっていきませんとなかなか撲滅できないということだと思います。
 そういう中にあって、先ほど、犯罪か戦闘行為なのかと、いろいろとありましたけれども、それこそハイジャックされた大型旅客機が燃料を満載して飛び込むという、大変な武器になるということが、前代未聞なことが起こったわけでありまして、そういう行為に対して敢然と立ち向かうということではあるんですが、そういうときに、アメリカの武力行使、あるいはNATOの集団自衛権、こういう形でやっていくだけでは、結局長い長い戦いの中でアフガンの一般市民の人たちも傷つく、そしてそれがテレビに何回も出てくる、そして心理戦争のような形になって、そして結局各国世論の戦いのようなことになってしまうわけですね。
 ですから、ある意味ではやはり国連中心でやっていく。湾岸戦争のときは九〇年の八月の非難決議から始まって十二本、全体的には十八本の決議が出て武力行使容認決議までに至っているわけでありますけれども、今回の場合は、一三六八の非難決議、それとあと三本ということでありますけれども、結局武力行使容認決議は出ていないということであります。
 そういうことについて、私は、やはり国際協調また国連中心主義の日本としては大いに努力をして、特にアメリカあるいはヨーロッパ諸国とイスラムとの戦いということになってはいけないので、やはりイスラム諸国も巻き込んでやっていくということが非常に大切だと思っております。
 安保理事会にはバングラデシュあるいはマリですか、そしてチュニジアといったイスラム諸国も入っているわけでありますけれども、そういう安保理の諸国に対する働きかけ、あるいは国連の各国、イスラム諸国を含めた働きかけということについては、田中大臣、どのようにしておられるでしょうか。
#146
○国務大臣(田中眞紀子君) イスラム諸国といいますか、私の個人的な経験で申しますと、シンガポールでAPECがございまして、あのときもジャヤクマールというシンガポールの外務大臣でございますとか、それからほかにはインドネシアですとかパキスタンとか、それからカタールもおられましたし、いろいろな国の方たちとすごく意見交換をする機会がございまして、大変有益でございました。
 その中ですべて共通項でくくれることは、対イスラムではない、自分たちはイスラムの人がたくさん人口比を占めているという国もおられましたけれども、やっぱりテロリズムというものに対して国際社会が一致団結して取り組むべきであるということは本当に全員が共通して言ったことでございます。
 そして、今おっしゃっていることに関連いたしますけれども、国連の場においても今回のテロ行為を国際の平和及び安全に対する脅威と認める安保理決議が採択されておりまして、これはもう委員が御案内のとおりでございますけれども、既にテロリズムに対抗する一致した意思というものが確認、認識をされているわけでございます。
#147
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと追加させてください。
#148
○委員長(武見敬三君) 一言。
#149
○国務大臣(福田康夫君) 申しわけないです。
 今、国連決議の話がございましてね、一三六八、これは即日出たわけです、九月十一日。
 それからもう一件、湾岸戦争のときはどうだったかと。いろいろな決議が出たということでありますが、この決議でもって、国際の平和及び安全を回復するためにあらゆる必要な手段をとる権限を与えると、この決議が出たのは、三カ月以上、百日たってから出たんですね。ですから、そういう意味では、これからまだ国連の活動がとまったわけじゃない、そして日本の佐藤国連大使も国連を中心にいろいろな活動をしております。今御指摘がありました中東のイスラム国、これは非常任理事国になっていますけれども、そういう方々に対しても頻繁に連絡をとって要請というか相談をしてやっておる、こういうような状況にあるということを申し上げているわけでございます。
#150
○広野ただし君 今、福田官房長官が言われましたように、そういう国連中心の武力行使容認決議が出ますと、これはもう本当に日本もそういう国際協調の中で協力をしていくということは非常にやりやすくなると思うわけですけれども、そこの点がまだ格段の努力を日本としてもやっていかなければならないのではないか、こう思っております。
 特に、今まで日本は、テロに対していろんな対応がいろいろと問題点のあるものがいっぱいございます。ダッカのハイジャック事件、これについて、今、田中大臣、どのようにお思いでございますか。
#151
○国務大臣(田中眞紀子君) 初めてあの情景をテレビで見ましたときは信じられない思いでありましたけれども、やはり二つ目のワールド・トレード・センターのビルに突入したときには、ああこれはテロリズムだと思いました。いわゆる交通事故みたいなものかと最初思って、信じられない映像だと思いましたけれども、二つ連続して、二つ目の……
#152
○広野ただし君 七七年のダッカの事件。
#153
○国務大臣(田中眞紀子君) 大変失礼しました。ちょっと、じゃ、今のはなし、済みません。
#154
○国務大臣(福田康夫君) じゃ、私、いいですか。
#155
○広野ただし君 福田官房長官の場合はちょっと個人的なつながりがいろいろとおありでしょうから、聞くにたえないと思いましたりしておりますのですが、外務大臣が、ダッカ・ハイジャック事件のときにハイジャック犯を日本は引き渡したわけですね、そういうことをどう思っておられるかなと思ったわけでありますが。
 そのほか、例えば国内で起こりましたサリン事件、これに対する対応も、破防法の適用もしなくて、結局いまだに裁判で長い裁判をやっていると、こういうことであります。そしてまた、ペルーの日本大使館乗っ取り事件、これについては、田中大臣、今、最近はどう思っておられますか、思い返して。
#156
○国務大臣(田中眞紀子君) やっぱり一番大事なことは人命というものですし、あのペルーの事件は大変時間がかかったと思いますけれども、結果として平和的なあの解決というもの、あれは大変なテロでありましたけれども、テロに屈することなく、フジモリ大統領、国民の方たちも粘り強い努力をして、やっぱり平和的に解決に向けての努力がされたというふうに評価しておりますけれども。
#157
○広野ただし君 私は、あのときに例えば全部フジモリ大統領に依存したような形で、そして日本にも警察の特殊部隊なんかあるんですけれども、それを持っていくこともしない、こういう日本であったわけですね。そしてまた、ことしの五月の連休のときに金正日さんの長男とおぼしき人が入ってきた、それをすぐ解放してしまう、こういう日本であります。非常に、何といいますか、事なかれ主義を地でいったようなことをやってきている。そういう日本でありますから、テロと断固として戦うといっても腰が引けているのではないかと、こういう感がするわけであります。
 今回もいろいろと後方支援ということでやられますけれども、けさの公聴会でも、今度のこのテロというのは、アザー・ザン・ウオーという形で新しい戦争形態、OTWというような形になってきていると。どこで戦場と非戦場、そういうような、また今まで生活空間だったものがどんとひっくり返るというような事態に立ち至っている、それが今のテロだと、こういうことでありますから、後方支援でどこかで線を引くとかそういうことができないような新しい戦争形態であると、こう思っているわけです。
 そういうときに、日本が例えば、先ほども問題になりましたけれども、イージス艦をインド洋に出すというようなことがありますれば、先ほど性能等でいろいろとありましたけれども、数百キロ向こうから来る飛行物体、それを、異方向から来る十個以上のものを感知してそれを撃ち落とすこともできるわけでありますね。そういう高性能のものを、千五百億とか千数百億円するものをアメリカは特別に日米安保の関係ですから日本に渡してくれたと、そういうものでありますが、実際、検討中ということでありますけれども、インド洋にイージス艦を出して、そしてキティーホークあるいはカール・ビンソン、エンタープライズと一緒になって作戦行動をとるということになりますと、これは調査活動を明らかに逸脱することになるんじゃないでしょうか、防衛庁長官。
#158
○国務大臣(中谷元君) 我が国が派遣をする場合は、あくまでも我が国の判断で、我が国の諸活動のための情報収集でございまして、オペレーションに一体化するというようなことはあり得ないというふうに思います。
#159
○広野ただし君 もともとイージス艦は北朝鮮からのノドン、テポドンに対するものとして緊急に必要になってくる、こういう性格の側面があったわけですね。ですから、単なる調査というようなことで出ていくようなものではないわけです。ですから、そしてしかもトマホークですとかミサイルを発射する、あるいは戦闘機が出ていく空母と行動をともにすると。空母に対してもどんな攻撃が来るかわからない、先ほど言いましたように旅客機をハイジャックして突入してくるというようなことだってあり得るわけですから。
 そうしますと、アメリカの艦隊が何らかの攻撃を受ける、そうした場合にはどうなるんですか、集団的安全保障という考え方にならないんですか。
#160
○国務大臣(中谷元君) 仮定の問題でございますが、米空母が攻撃されたときということでございますが、そもそも派遣する地域を決める際には戦闘行為が行われていないということを前提として派遣をするわけでありますが、その予想に反して実際戦闘行為が起こってしまったというときには、法案にも書いておりますが、一時休止、避難、そして活動の中断、実施区域の変更によって危険を回避するということになっております。
 そもそも、この艦艇を派遣をするということについて、米空母等への攻撃が行われるような地域に派遣をするということは想定をされておりませんし、仮に近い海域に米空母が攻撃されることがあれば、この海上自衛隊の艦艇の活動は一時休止、避難を行うということになります。
#161
○広野ただし君 私たちは、テロ防止を、テロ対策をやるということであれば、国連中心主義の、国連の本当に武力行使容認決議をとっての形で正々堂々と出ていくということ、あるいは憲法の中においても、集団的自衛権、これを抑制的に行使するということは許されていると私たちは考えておりますので、そういう正攻法でやるということならば自衛隊の方々も本当に後ろ髪を引かれることなくやっていけると思っておるわけでありますが。
 いずれにしても、今まで日本というのはテロ対策についていろんな私は失敗を繰り返してきていると思っておりますので、そういう中で、本来、今回やるべきことは、テロに対する情報をしっかりととって、それを情報交換をする、あるいは出入国管理を厳しくして、この間のようなすぐ送り返すというようなことのないようなことをやったり、難民支援で貢献をしたり、あるいはテロ資金の本当に凍結をしっかりやるというようなことで十分貢献ができるんではないかと、こう思っております。
   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
 ところで、今回のテロで、ニューヨークで二機が突入をする、ペンタゴンにもう一つ突入をする、四機目は、どうもはっきりしないんですが、ペンシルベニアの原子力地帯にねらったんではないかということがうわさされているわけでありますけれども、日本の原子力施設、原子力発電所を含めて原子力施設あるいは有害ガス施設と申しますか、そういうものに対するテロ攻撃が行われた場合、警察あるいは自衛隊で本当に対応できるんでしょうか、官房長官。
#162
○国務大臣(福田康夫君) 自衛隊がですか。
#163
○広野ただし君 警察あるいは自衛隊で本当に対応ができるのかと。
#164
○国務大臣(福田康夫君) 仮定のお話で、どういったような問題が起こるのか、全く同じようなことが起こったという前提でしょうかね。もしそういったようなときに何が日本としてできるかと、こういうことになろうかと思いますけれども……
#165
○広野ただし君 仮定と言いますけれども、実際に今まで想像を絶するようなハイジャック、旅客機をハイジャックしてそしてジェット燃料を満載したものが突っ込んできたわけですから、そういうことが日本で起こらないという保証はないわけですね。
#166
○国務大臣(福田康夫君) まさにそういうことでありまして、今度は全く自爆テロという、そしてあの大規模な事件を起こす、こういう人が出てくる、そういうことを考える人が出てくるということは、やはりそういうものに対応するしかないであろうということになるわけですね。
 ですから、そういう時代と申しますか、こういう状況の中で何をなすべきかということは、我が国政府としても十分考えておかなければいけないというのは当然のことであると思います。
#167
○広野ただし君 考えるといっても、なかなかそこが、いざそういうことになりますと手の打ちようがないということになるわけですね。
 そして、この間これも、ペンタゴンまで突っ込んだ後、旅客機を全部強制着陸をさせて、そして不審な飛行旅客機等がワシントン空域に入ってきた場合に、それは非常につらいことですけれども、旅客がいる旅客機でも撃ち落とそうというようなそういう判断をしたとか、そういうようなことがうわさされているわけです、アメリカ大統領が。
 そういうような決断が日本の場合に本当にできるのかどうか、この点、官房長官、いかがでございましょうか。
#168
○国務大臣(福田康夫君) これは、もし日本にあればという、そういう話になるんでありますけれども、やはりそのことによって重大なる損害を受けるといったようなことがある場合に、ということが予想される場合に、それが正当防衛とか緊急避難とかいったようなそういう要件に該当するかどうかという判断はしなければいけないわけですね。その上で重大な判断をしなきゃいかぬと、こういうことになるわけです。当然のことであります。
    ─────────────
#169
○理事(吉村剛太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#170
○広野ただし君 そういう緊急事態に対する対応が日本の場合はまだ全くなっていないということだと思うんですね。
 それで、実際、原子力発電所、原子力施設あるいは有害ガス施設に対する対応においても、実際、自衛隊が出る場合に、自衛隊では何か火器を持って立たれたら大変だというような話がありますけれども、海外では私服でもって警備に当たっていると。ですから、警察でもそれは私服刑事もいますし、いろいろとあるわけで、それは防衛庁だっていろんな形で特殊訓練をして対応しないと、原子力施設あるいは有毒ガス施設というのは本当にテロを受けたときは守れないのじゃないか、こう思いますが、防衛庁長官、いかがでしょうか。
#171
○国務大臣(福田康夫君) 日本のそういう警備とか警察力とかというものに対して、余り高い評価を与えていらっしゃらないような御発言がございました。
 例えばペルーのときにも、これは相手国との関係があるわけですよ。もちろん日本の警察が海外派遣するということは警察法第六十一条でこれは可能になっておりますけれども、当時の状況、いろんな状況から、この事件の実力的な解決についてはペルーの政府を信頼するというようなことが一番いいという判断をした結果、日本から警察部隊を派遣しない、こういうことになったわけでありまして、それは無力だからしていないんだとかそういうことではないのであります。
 今度のこういう事件が起こりました。今までは想像もつかなかったということが起こったということにおいて、そういうことも含めた対応措置をこれからは考えなければいけないということはありますけれども、全く今までのことがすべて失敗だとか、そういうふうなことではないということをこれはひとつ御理解いただきたいと思います。
#172
○広野ただし君 私は、そういうことを言っているんじゃないんです。きちんとした訓練をし、対応をしていかないと守れないぞと言っているんです、テロに対して対応できないと。ああいう全く想像を絶するような、旅客機が武器になるようなことになるわけですから。ですから、日ごろから訓練をしておかないとやれませんよということを言っておるわけです。
 それと、また実際、核物質の輸送等につきましても、非常に長い海を渡ってくるわけです。そういう形に対してシージャックといいますか、そういうことだってあるわけです。そういう対応がある意味では日本は本当におくれているといいますか、そういうことになっていると思うんです。そのことを指摘しているわけであって、無能だとか何か言っているわけじゃないんです。
#173
○国務大臣(福田康夫君) いろいろと御忠告をいただいて、ありがとうございます。そういうようないろんなケースを想定して万全を期してまいりたい、こういうふうに思っております。
#174
○広野ただし君 核物質の輸送につきまして、今は海上保安庁が対応をする、これもインド洋等を延々とやってまいりますときに、これはもう核の汚染にもろにぶつかるわけですから、ハイジャックされますと、シージャックされますと。そういうことについて、防衛庁長官、どういうふうにお思いですか。
#175
○国務大臣(中谷元君) 海上における犯罪の予防という範疇に入ると思いますので、第一義的には海上保安庁が担当されておりまして、このプルトニウムの輸送等につきましても実際に海上保安庁によって適切に対処されているというふうに現時点では私は思っております。
#176
○広野ただし君 これはアメリカでもイギリスでもドイツでも、核施設に対しては大変な注意を払って警備をしております。それは、初めはアメリカの場合は州兵ですけれども、アメリカは軍隊もちゃんと出てきて守ると、こういうことになっているわけで、ただ海上保安庁で守れるとかそんなことではないので、影響は非常に大きいですから、やはり常にそういう危機管理のことを頭に入れながらやっていきませんとこれは本当にできないことだと、このように思っております。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
 今回のテロ特措法関連三法案につきましては、海上保安庁の方は別にしまして、私どもは本当に国連中心主義で、国連で武力行使容認決議案が出れば本当に協力もいろいろとできると。そしてまた、そうでない場合は、憲法の中においても新しい解釈をして、集団的自衛権が自然権としてあるとおっしゃっているんです。それもまた、行使も抑制的にやればできると。
 私たちは、安全保障基本法といいますか、そういうものも提出をしてやってきておるわけで、本当にやるとすれば正々堂々とやると。何かすき間を縫ってやっていくような、そういうことでは何か出ていく方も本当に心配であるし、家族の人たちも本当に心配で、なかなか業務に邁進できない、こういうことになるんではないかと、こう思っておるわけでございます。
 以上で質問を終わらせていただきます。
#177
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 本日は、テロ特措法とともに提出されている自衛隊法の改正についてお聞きしたいと思います。
 今回、現行憲法九条、前文のもとで初めて防衛に関する秘密保護規定、これが設けられると。漏えいした場合には五年以下の懲役という厳罰に処すということであります。さらには、対象をこれは防衛庁、自衛隊だけではなくて民間人にまで拡大しようとしていると。この問題点についてきょうはただしたいというふうに思います。
 まず最初に防衛庁長官にお伺いしますけれども、今回なぜこのような防衛秘密条項を設けたのか、そのきっかけといいますか、なぜ設けたのか、お伺いしたい。
#178
○国務大臣(中谷元君) これは昨年、防衛庁の部内におきまして、幹部自衛官が外国の駐在武官に我が国の防衛上必要な資料を渡したという犯罪行為がございまして、やはりこれは冷戦時代で非常に各国との交流も深まって、何らかのルールをつくる必要があるというふうに思っておりまして、そのためにはその根元から考えなければならないという認識のもとに、新たに防衛庁長官が防衛秘密というものを指定をし、そしてそれを取り扱う者を指定をいたしまして、その者が秘密の漏えいがあった場合に法律によって罰するというふうにいたしたのが今回の法律改正の理由でございます。
#179
○小池晃君 この事件は、防衛庁職員による機密漏えい事件であります。民間人が起こした事件じゃないんです。それなのに今回の法案では、秘密漏えい罪の正犯の対象者は、「防衛庁との契約に基づき防衛秘密に係る物件の製造若しくは役務の提供を業とする者」ということで、民間企業の従業員にまで広げている。
 民間企業の従業員にまで対象を広げた、その理由は一体何なんでしょうか。
#180
○国務大臣(中谷元君) やはりその漏えいが、根元から考えないと、防衛庁の職員だけ気をつけていても、その防衛上必要な秘密を業務とする人が漏えいをした場合に、もう取り返しのつかないような事態も発生するわけであります。今さら指定された秘密の内容を変更できないような場合もありまして、我が国の安全保障上支障が出るというケースもございますので、現時点において、防衛庁との契約に基づいて防衛秘密に係る物件の製造とか役務の提供をしている者に限りましてそういった秘密の漏えい行為が起こらないように、そういう必要性が生じまして、今回その罰則の対象者というふうにいたしたわけでございます。
#181
○小池晃君 おかしいと思うんですね。きっかけは防衛庁職員が起こした事件なのに、対象を防衛庁職員以外にまで広げたということ、大変不思議に思うわけであります。
 この規定、先ほどの規定がありましたけれども、これに該当する民間企業の数というのは一体どれくらいの数になるんでしょうか。
#182
○政府参考人(首藤新悟君) お尋ねの民間企業数という趣旨でございますが、これは、防衛秘密を取り扱うことを業務とする者として防衛秘密の漏えいに係る罰則の対象者、すなわち正犯でございますが、これとなり得る民間人が属する企業の数という趣旨でございますと、この防衛秘密は、今お願いしてございます自衛隊法改正案の施行以後に現行の守秘義務に係る秘密の中から一定の要件に該当するものに限って選び出すということになりますので、現段階においてお答えすることは困難でございますけれども、なお、ちなみに、平成十二年度に防衛庁と中央調達によります契約実績がある企業は八百三十四社でございますけれども、この中で秘密保全に関する訓令に基づき指定された秘密、いわゆる庁秘を保有しております企業数は、平成十三年六月末現在で六十一社でございます。
#183
○小池晃君 既に秘密となる契約を持っている企業だけで六十一社あると。それから、調達契約がある八百三十四社ということでありますが、この八百三十四の中にもさらに防衛秘密の契約の対象となる企業が出てくる可能性が私はあると思うんですが、いかがですか。長官いかがですか。
#184
○国務大臣(中谷元君) それ以外。──ちょっと政府委員から。
#185
○政府参考人(首藤新悟君) ただいま申し上げましたとおり、防衛秘密の対象というのは、現行の守秘義務に係る秘密の中から一定の要件に該当するというものに限って選び出すことになりますことからいたしまして、防衛庁と中央調達の契約実績がある企業の中で防衛秘密を取り扱うことを業務とする者として防衛秘密の漏えいに係る罰則の対象者、すなわち正犯になり得る民間人が属する企業の数というのは、したがいまして限定的なものになると。そう大きなものになるというふうには考えておりません。
#186
○小池晃君 そう大きなものになるとは限らないとはいっても、六十一社というのが既にあると。しかも、その八百三十四という対象にまで広がっていく可能性があるわけであります。こうした企業の家族なども含めた関係者も含めれば、この処罰対象に加わってくる人数というのは相当の数になることが私は予想されるだろうというふうに思うんです。
 長官に引き続きお伺いしますけれども、今まで民間人が防衛情報を漏えいしたという事案はあるんでしょうか。
#187
○国務大臣(中谷元君) 外務省に関しては事件が発生したことはありますけれども、防衛庁の防衛情報に関する機密の漏えいの事案はございません。
#188
○小池晃君 ないわけであります。ですから、これまで漏えいしてきたというのは、いわば身内の不祥事なんですね。みんな防衛庁の職員が漏えいしてきたと。
 昨年十月の二十七日に、防衛庁の秘密保全等対策委員会報告書、「秘密保全体制の見直し・強化について」と、これ出ております。これも読んでみましたけれども、これ全文通して見ても、民間人の問題、民間人による防衛秘密の漏えいという問題については一切言及がないと思うんですが、いかがでしょうか。
#189
○政府参考人(首藤新悟君) 今、手元にその先生おっしゃいました報告書、申しわけございません、ございませんが、私の記憶では、主として自衛隊員による秘密の厳守といったようなことが中心だったと存じます。
 しかしながら、先ほど大臣の方から申されましたように、根っこから防衛秘密の漏えいを防ぐということからいたしまして、今回、企業においてこの防衛秘密を取り扱う者に限りましてはその正犯の対象とするということにしたものでございます。
 先ほど先生おっしゃいました、民間人の方の家族も含めると大きな数になるとおっしゃいましたが、家族の方はここで言う業務とする者には入りませんので、あくまでもその会社において、あるいは工場においてこういった防衛秘密を取り扱うことを業務とする者、つまり会社員の方々に限られるということでございます。
#190
○小池晃君 基本的にすべて長官に聞くと事前に通告しておりますので、必要があれば私求めますけれども、基本的に長官にお答えいただきたいと思います。
 今お話あったように、民間人の問題に触れていない、十月二十七日の報告書にも触れていないわけです。
 さらに、防衛庁の秘密漏えい事件調査報告書も拝見しました。これは、例のこの法案の提出のきっかけとなった事件の調査報告書ですね。これ、私、読みましたけれども、本当にひどいと思うんですね。コピーはしたい放題だと、民間企業のコピー機使ってコピー勝手にしているんですよ。極秘、機密の文書だって簡単にコピーしている。それから、フロッピーディスクもMOも自宅に持ち帰っているわけですね。こういうずさんな管理がされている。
 私、これ、そもそも法案をつくるきっかけというのは、こういう本当に民間人に関係ない事件であった。それ以外でも、この事件以外でも民間人による機密漏えい事件というのは起きていない。しかも、昨年十月の報告書でも民間人の問題など全く触れていない。今まで起こった事件、みんな防衛庁職員の身内の不祥事だと。ということでいえば、今回の法案で民間人を処罰の対象とする必要など私は全くないというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#191
○国務大臣(中谷元君) 民間人の方も非常に細心の注意を払ってやってきていただいているわけでございますけれども、やはり基本的にこの秘密が漏えいすることの大きさをかんがみますと、ただ単に防衛庁の職員が責任をしっかりするというのみならず、やはり防衛庁としても、民間の人が万が一秘密を漏えいした場合の事の重大性と、またそのことに対する責任を負う立場といたしまして、防衛庁といたしましても、何らかのルールをつくって罰則を強化するということが責任ある仕事が果たせるのではないかということを検討いたしまして、今回その業務を行う方についても罰則を適用したわけでございます。
#192
○小池晃君 非常に説得力ないと思います。きっかけとなった事件もそうでないし、民間人による漏えい事件も起こっていないのに、民間人までいきなり広げる。これは、民間人を処罰対象とする法案を出してきた背景には一体何があるのか。
 昨年十月にいわゆるアーミテージ・レポートが出ております。ここでは、アメリカの防衛技術の日本への優先的移転、米国の防衛産業が日本企業と戦略的同盟を結ぶよう奨励するということがうたわれている。日本の指導者たちは機密情報を保護する法の立法化に向け国民の支持と政治的支持を得なければならないとアーミテージ・レポートでは強調されている。
 中谷長官はことし一月に山崎自民党現幹事長とともに訪米をされている。そこでアーミテージ氏とも会っております。中谷長官のホームページも拝見しましたけれども、アーミテージさんと握手している写真を大きく載せているわけであります。ここで民間人も含む機密情報の保護法の立法化というのは要求があったんじゃないですか。
 中谷長官は二月二十七日の衆議院の安全保障委員会で発言の中で、アーミテージさんに会った、あるいはNSCのアジア部長のパターソン氏に会った、このことを認めておられる。認めるというか、堂々と語っておられるわけですね。アーミテージ・レポートの内容をるる説明をして、最後にこう言っているんです。「今後さらにこの進捗のために、政府としても真剣にレポートの内容等もとらえていただきたい」、非常に熱意を込め語っておられる。
 私、このアメリカから防衛産業も含めて機密情報保護をきちっと立法化せよという要求が、やはり今度のこの法案の背景にあるというふうに思わざるを得ないんですが、大臣、いかがですか。
#193
○国務大臣(中谷元君) 二月二十七日には、アーミテージ氏と面会をしたのは事実でありますけれども、その際話をした内容は、非常にこれからの日本の国の歩むべき姿勢についてどうあるべきかということで意見交換をしたわけでありますが、そのときに特に言われたのは、今までの役割の分担ではなくて、責任の分担をしていくことが大事だというふうな大きな話でありました。
 この秘密漏えいとは直接言及したお話はございませんでしたけれども、このお話の中でも、責任の分担という点においては、我が国としての安全保障に対する責任、これは非常に重いものがありまして、この秘密を守るということも我が国の責任の一環でありまして、防衛庁といたしましては、防衛上必要な防衛秘密においては、防衛庁が責任を持って守る必要があるというような、現在においては認識を有しているわけでございます。
#194
○小池晃君 やはりこの一つの背景としてあるということだと私は思うんです。
 さらにお聞きしたいんですけれども、これは参考人で結構ですけれども、現行法のもとで防衛に関する情報の保護というのは今どのように行われているのか、ちょっと御説明願いたいと思います。
#195
○政府参考人(首藤新悟君) 現行の自衛隊法では、守秘義務という、服務規律の中に守秘義務がございまして、知り得た隊員はその知り得た秘密を、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない、隊員をやめた後も同様であるということで、それに違反した場合には一年以下の懲役または三万円以下の罰金ということになっているわけでございます。
#196
○小池晃君 その法律の仕組みをちょっと説明していただきたいんですけれども、そこのところをちょっとお願いします。
#197
○政府参考人(首藤新悟君) 現行自衛隊法では、まず保護法益といたしましては、自衛隊の保有する秘密でございますけれども、服務規律維持を目的としております。それから、対象者、すなわち正犯は職務上秘密を知り得た自衛隊員でございます。それから、罰則規定は一年以下の懲役または三万円以下の罰金。なお、未遂及び過失漏えいは処罰しないと。それから、共犯等の処罰範囲等でございますが、企て、教唆、幇助については一年以下の懲役または三万円以下の罰金というふうになっております。
#198
○小池晃君 国家公務員法をベースにして、自衛隊法で知り得た情報に対する機密規定があると。その上で訓令というのがあると思うんですが、その関係はどうなっているんでしょうか。
#199
○政府参考人(首藤新悟君) 防衛庁長官によりまして秘密保全に関する訓令というのがございまして、その中ではいわゆる庁秘については、機密、極秘、それから秘と三段階に分けた上で、それの取り扱いに関する規定などが定められているということでございます。
 もっと具体的に──よろしゅうございますか。
#200
○小池晃君 いや、いいです。
 そういう現行法のもとでの制度がある。今回の防衛秘密規定の新設と、今までの現行法のもとでの防衛秘密の扱い方というのは基本的にどこが違うということになるんでしょうか。
#201
○政府参考人(首藤新悟君) まず、保護法益が、先ほど申しましたとおり、今の自衛隊法では服務規律維持を目的としておりましたけれども、今回の法案では自衛隊の保有する特に秘匿が必要な一定の秘密、すなわち防衛秘密にしておりまして、ここが秘密保護を目的とするということでございます。
 それから二番目に、対象者としては、現行では自衛隊員に限っておりますが、今回の法案では、防衛庁職員に加えて、「国の行政機関の職員のうち防衛に関連する職務に従事する者」、さらには「防衛庁との契約に基づき防衛秘密に係る物件の製造若しくは役務の提供を業とする者」というのが追加されております。
 また、罰則規定につきましても、現行法では一年以下の懲役または三万円以下の罰金が今回五年以下の懲役というふうになっておりますし、さらに現行では未遂、過失漏えいが処罰しないのに対して、未遂、過失漏えいも処罰となっております。
 それから、国外犯規定は現在ございませんけれども、今回は日本国民の国外犯について規定しているというようなところが違いでございます。
#202
○小池晃君 本法案で言う、大臣にお伺いしたいんですけれども、今度出されている法案で言う防衛秘密というのは一体どういうものなのか、何か。一体どういうものが防衛秘密になるのか、御説明願いたいと思います。
#203
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の改正法案の中に別表四というのを記しておりますけれども、自衛隊の運用等の見積もりとか研究、計画、また電波情報、画像、そして武器、弾薬、航空その他の種類とか数量とか、暗号とか通信網の構成図とか、そういう項目を十項目列挙しておりますけれども、この中でさらに公になっていないもの、さらにこの中で防衛上特に秘匿をすることが必要であるものと、さらにその中で防衛庁長官が指定したものということになっておりまして、この防衛庁長官の指定によって秘密の範囲を明確に定めまして、現行の守秘義務に係る秘密の中からさらに防衛秘密の要件に該当するものに限って選び出すというふうに限定をいたしております。
#204
○小池晃君 限定していると言いますけれども、この十項目では余りに網羅的で、何が限定されるのかはわからないですね。これは長官の専権事項で指定をするということであれば、やはりどういう基準で指定されるのかというのは極めて重要だと。この防衛上特に秘匿することが必要なものというのは一体どういう意味なんですか、それでどういう基準でそれは指定されるんですか。長官、お答え願いたいと思います。
#205
○国務大臣(中谷元君) 防衛に該当するものの中で特に秘匿の程度が高いものという概念で、それぞれ業務をしている担当の者から、これは秘匿に値するというものを総合的に挙げさせまして、その中から我が国の防衛上特に秘匿することが必要だというふうに決定をいたすわけでありますけれども、具体的には、それを秘匿しなければ、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対して我が国を防衛するという自衛隊の任務の円滑な遂行に支障を生じるおそれがあるということを意味するものでありますし、また実質秘というものがありますけれども、非公知性と秘匿の必要性の二つの要件が必要でありまして、防衛秘密においてもこの二つの要件は当然に必要でありますが、秘匿の必要性については、単なる秘匿の必要性だけでなく秘匿度が通常以上に高いものであることが必要であるということから、我が国の防衛上特に秘匿することが必要であるというものにしているものでございます。
#206
○小池晃君 直接侵略、間接侵略と言われましたけれども、この十項目には警備が入っていません。それは一体なぜなんでしょうか。
#207
○政府参考人(首藤新悟君) まさに防衛庁の主たる任務でございます防衛という観点から防衛秘密というものを指定したわけでございまして、警備というのは防衛庁の一番主たる任務ではないということから、また防衛独自の秘密というのはやはり防衛秘密であるという観点から、警備は除いて防衛秘密というものに限ったわけでございます。
#208
○小池晃君 いずれにしても、先ほどの説明でもどういう基準で指定されるのかというのは極めて不明確だと思うんですね。
 指定された後の問題なんですが、これは標記か通知がされるということになっておりますけれども、これは標記とか通知というのはどのように行われるのか、これはだれに対して標記、通知するのか、お答え願いたいと思います。これは参考人でも結構です。
#209
○政府参考人(首藤新悟君) 具体的な方法は、この法案が成立しました後は政令などによりまして具体的な標記の様式あるいは大きさとか、いろんな細かいことは決めていくことになると存じます。現段階ではまだ具体的に固まっているわけではございません。
#210
○小池晃君 どの事項に標記なり通知なりがなされたかということは、これは公開されるんですか、されないんですか。あるいは、何件、件数はどのくらいになったのかというのは公表されるんですか、されないんですか。イエスかノーかでお答え願いたいと思います。
#211
○政府参考人(首藤新悟君) 今回の改正案におきましては、標記あるいは通知によりまして防衛秘密と指定することにしているわけでございますけれども、個別の指定にかかわる標記あるいは通知行為について公開することは考えておりません。
#212
○小池晃君 結局、何が防衛秘密とされたかは国民にはわからないわけですね。さらに、まともな基準もない。
 これ一体幾つぐらいの数になるのかということで確認をさせていただきたいんですけれども、先ほど御説明ありました。現行でも防衛庁の訓令で秘密事項の指定がされている。現在、防衛庁の訓令で秘密とされているものの数、現在の機密、極秘、秘の数でお示し願いたいと思うんです。
#213
○政府参考人(首藤新悟君) 秘密保全に関する訓令に基づいて指定された秘密、いわゆる庁秘のうち、機密は約二千二百七十件、極秘、約一万一千三百五十件、秘、約十二万一千四百二十件で、合計が約十三万五千四十件でございます。
#214
○小池晃君 膨大な数なんですよ。私、こうしたものが今後防衛秘密になっていくとすれば、大変な数の情報が秘密というふうにされる。これが全部そのまま今回の法の中では防衛秘密というふうになっていくのか。この三つの区分というのはそのまま移行していくんですか。どれぐらいの数になっていくと考えられるのか、それをお示し願いたいと思うんです。
#215
○政府参考人(首藤新悟君) まず、最後の御質問のどのぐらいの数というのは、現在具体的な数を申し上げられる段階にはございませんが、今申し上げました合計の十三万五千四十件、これがそのまま防衛秘密になるということは常識的に考えられません。
 先ほど大臣の方から申されましたような、四つの条件から絞り込んでいって該当するものを防衛秘密として指定するということになりますので、この十三万五千件の中でも限られたものが防衛秘密になるということと認識いたしております。
#216
○小池晃君 機密と極秘、この部分というのは、これは防衛秘密というふうになっていく可能性が高いと、長官、そういうことでよろしいんですか。あなたが決めるんですよ、だって。
#217
○国務大臣(中谷元君) この法律が成立いたしますと、それらの実施の方法につきましては政令等で定めまして運用していきたいと思いますが、機密と極秘がすべて防衛秘密に指定されるというふうなことではございません。
#218
○小池晃君 全く今の答弁じゃ納得できませんよ。やみの中ですよ。
 今、十三万件ある、これだけの数の機密があると。それがどういうふうに扱われていくのか、その三つの区分はどうなっていくのかすらお答えになりませんでした。機密と極秘だけ合わせても一万件を超えるということになりますから、これは大変な数の情報が秘密のベールに包まれると、まさに、そういう危険があると。
 さらにお聞きしたいんですけれども、これは防衛庁長官によって指定されると。一たん防衛秘密というふうに指定された場合に、それがその後指定した事項の妥当性ということが検証されるということはあるんでしょうか。長官、お答え願いたいと思うんです。一たん指定された後、解除されたり妥当性を検討する仕組みがあるのか。
#219
○国務大臣(中谷元君) この改正案で別表の四に項目を挙げておりますが、それらの要件を満たしたものを、特に秘匿が必要なものを指定するわけでございますが、この指定された事項がこれらの要件のいずれかを満たさないということになった場合にはこの防衛秘密ではなくなるわけでありまして、法律上は防衛秘密の指定の解除の規定を設けておりませんけれども、政令によりまして具体的な解除の手続について定めることを検討といたしております。
 また、防衛秘密の指定を解除する場合としては、例えば防衛秘密として指定された事項が防衛秘密としての要件を満たしている場合であったとしても、この事項を公にすることによって得られる利益がそれより、我が国がこうむる不利益よりも大きいと判断した場合は、この指定の解除をするということもあり得ると考えております。
#220
○小池晃君 逆に、その利益がないと考えれば指定の解除をしないということもあり得るわけですね、大いに。
 要件を満たす、満たさないというのは、最初に指定をするのは防衛庁長官の専権事項だと。では、その要件を満たさないというふうに判断する判断権者はだれなんですか。
#221
○国務大臣(中谷元君) これは情報公開法等がございまして、一般の国民の皆さんからこの情報はどうだというようなことで手続を踏まれて司法の場に持ち込まれましたら、その司法の場においてその防衛秘密が犯罪の、その防衛秘密についての是非についてはその司法機関において判断されるべきものだというふうに考えております。
#222
○小池晃君 これはひどいと思いますよ。だって司法というのは事後審査なんですから、個別の事件、事案に対する判断にすぎないわけですよ。防衛庁長官による秘密指定の全体としての妥当性をチェックするということではないわけですよね。しかも、何が防衛秘密に指定されたかすら明らかになっていないわけですから、国民から見れば一体何が秘密かもわからないわけですよ。そういう中で、すべての情報から遠ざけられた中で、司法判断があるからそこでチェックされるんだというのは、私は全く議論として成り立たないというふうに思う。
 アメリカなんかではどうなっているかというと、アメリカの国家安全保障情報は秘密指定期間というのは大統領令で決められているんです。クリントンの政権下でも原則として十年以内となっている。延長可能だけれども、二十五年を経た記録は国立公文書館に移管をされて、そしてその後、秘密指定が自動解除されるという仕組みがあります。
 ところが、日本の規定は全くそういう、一たん秘密と認定した場合に、それを検証する手段も解除される規定も全くないじゃないですか。これだったら、一たん防衛庁長官がこれは秘密ですとしたらば、もう永遠にやみの中ということになるんですよ。どうなんですか、そこは。
#223
○国務大臣(中谷元君) 先ほど防衛局長もお話ししましたけれども、現在においても、機密、極秘、秘の指定等、合計十三万五千件の指定をいたしておりまして、きちんとした管理を実施いたしております。
 当然のことながら、防衛秘密に指定をされることにつきましては、防衛庁が責任を持ってその件数についても内容についても管理をしておきたいというふうに思います。
#224
○小池晃君 全く答弁になっていないですよ。我々を信用しろということだけじゃないですか、今のは。
 だって今までだって、那覇市の情報公開請求事件だって、司法による判断だって十三年もかかっているんですよ。もう公開する建築情報すら情報公開しちゃいかぬと。そんなことをやってきた防衛庁に信用しろなんて言われたって、だれだって、だれ一人だってそんな信用できませんよ、今の言い分じゃ。全く今回の法案が余りにも危険な法案だということがはっきりしてきたと思います。
 しかも、これは量刑が大変なんですね。漏えいで五年以下の懲役、未遂も同様。過失ですら一年以下の禁錮。うっかり漏らしてしまっても、うっかり教唆しても一年以下の禁錮と。過失に対してもこのような重罰を科す。こんな法律なんというのは私は許されないんじゃないかと思う。しかも、民間人の場合どうだったかというと、今まで規定なかったわけですから、民間人の場合は今まで漏えいした場合の扱いというのは、民間人の場合、今までの漏えいした場合の扱いは長官どうだったんですか、今までは。
#225
○政府参考人(首藤新悟君) いわゆる庁秘の方につきましては、民間人の過失あるいは故意の漏えいに関する罰則はございませんでしたが、いわゆるMDA法に、いわゆるアメリカから技術供与を受けた装備品に関する秘密保護法でございますが、このMDA法、秘密保護法につきましては、民間人による漏えいについても罰則はございました、過失によるものもございました。
#226
○小池晃君 私は、今までの自衛隊法に基づく処分と比較をして言っているんです。
 今までどうだったかというと、企業がせいぜい契約を断られるだけだったんです。それが、過失であっても一年以下の禁錮と、いきなり五年以下の懲役と。大変な重罰化だと思うんです。
 しかも、これ確認したいんですけれども、公務員の場合も民間人の場合も、防衛秘密を取り扱うことを業務としなくなった後においても同様だと。すなわち、業務が変わった、場所が変わった、部署が変わった、あるいは退職した。もう墓場に行くまで一生その秘密保持が義務づけられる、罰則が科せられるということですね、これは。長官、そうですね。
#227
○国務大臣(中谷元君) そのように法律に明記をいたしております。
#228
○小池晃君 大変な法律なんですね、これ。
 具体的にじゃどういうケースが処罰対象となるのかお聞きをしたいと思うんですけれども、例えば、防衛産業の従業員がおうちに帰った、奥さんと話をしていたと。そのときに、防衛秘密に指定されている自分の業務内容を妻に話してしまった。こういう場合というのはこれ、漏えい罪に当たる可能性があるんじゃないですか、どうですか。長官、どうぞ。
#229
○国務大臣(中谷元君) 妻に防衛秘密を漏らした場合、また偶然それを耳にしてその内容を知った場合等などについては、その漏えい行為の対象となる事項がその当該業務者たる民間人が業務によって知得した防衛秘密であるか否か、また防衛秘密を漏らす行為、すなわち防衛秘密に接する権限のない者に防衛秘密を漏らすことに当たるか否かによって個別具体的に判断されるべきものでありまして、個々のケースについては具体的な事案に即して判断すべきものであって、一概にこの正否をお答えすることは困難でありますが、最終的には司法機関において判断されるべきものだというふうに考えております。
#230
○小池晃君 個別具体的にと言うけれども、こういうケースの場合、これは当たらないということじゃないですね。可能性はありますね。それははっきりしていますよね。
#231
○政府参考人(首藤新悟君) 今、基本的には大臣が御答弁されたとおりでございますけれども、その個別ケースごとに、最終的には裁判所の判断によると思われますし、例えばちょっと具体的に申しますと、その奥様自身が社員であったとかいうような場合には、やはりその妻が業務とする者であるというようなケースもございますし、やはりその時々における非常に具体的ないろんな事情を見てみないと一概に申し上げるのは困難であろうと思います。
#232
○小池晃君 だから、一概に申し上げられないといっても当たらないとはおっしゃらないわけで、こういう可能性あるわけですよ、こういうケースでもね。
 あるいは、これは過失の場合もあるわけですから、例えば、防衛産業の企業の労働者が防衛秘密に関するメモをうっかり落としてしまったと、そういう場合。あるいは、何の気なしに自分の仕事の内容をしゃべってしまった場合。こういう場合も、過失であっても処罰されるわけですから、それが防衛秘密だったような場合には対象になる可能性は、これは否定できないんじゃないですか。否定できないかどうかだけ答えてください。
#233
○政府参考人(首藤新悟君) 今おっしゃられたような場合につきましては、やはり当該業務者たる民間人に過失を認めるに足りる程度の注意義務違反が認められるか否かによって個別具体的に判断されるだろうと思います。ですから、いわゆる注意していたけれども何か不可抗力もあったかとか、あるいは明らかな本人の注意義務違反であったとか、そういった具体的な状況で最終的に判断されるべきだろうと思います。
#234
○小池晃君 注意義務違反だったらもう問われちゃうんですよ。大変ですよ、これ。
 あるいは、こういうことについて言われていますけれども、マスコミの問題についてちょっと触れたいと思うんですけれども、マスコミが防衛秘密の取材をしたときに、これは教唆扇動に当たるのではないかと。このことは何度も国会でやりとりされていますけれども、このことについてはどうなんですか。
#235
○国務大臣(中谷元君) そのいい例が、西山事件というものがございまして、これによって最高裁の判決が出ております。これちょっと、この基準で我々考えていきたいというふうに思っておりますので御紹介させていただきたいと思いますが、報道機関が取材の目的で公務員に対して秘密を漏示するよう唆したからといって、そのことだけで直ちに当該行為の違法性が推定されるものと解するのは適当でなく、報道機関が公務員に対し根気強く執拗に説得ないし要請を続けることは、それが真に報道の目的から出たものであり、その手段、方法が法秩序全体の精神に照らして相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き、正当な業務行為と言うべきであります。
 しかしながら、報道機関といえども、取材に関し、他人の権利、自由を不当に侵害することのできる特権を有するものでないというのは言うまでもなく、取材の手段、方法が贈賄、脅迫、強要等の一般の刑罰法令に触れる行為を伴う場合はもちろん、その手段、方法が一般の刑罰法令に触れないものであっても、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しくじゅうりんするなど、法秩序全体の精神に照らし、社会観念上是認することのできない形態のものである場合にも、正当な取材活動の範囲を逸脱し、違法性を帯びるものと言わなければならないという判決が下されておりますけれども、いわば刑法によって処せられているわけでありまして、今回の法律の改正におきましても、この考え方によって対処されるものであるというふうに思っております。
#236
○小池晃君 この最高裁判例は確かにいい例だと思うんですね。というのは、報道機関の取材活動そのものは国家公務員法の唆し罪の構成要件に当たる、このことは争いがないんだということは判例でも明確なんですよ。その上で、正当な取材であるかということについては違法性が阻却されたということですね。
 ですから、あなたが幾ら、きょうの先ほどの議論でもありましたけれども、報道の自由を侵さないんだ、正当な取材活動を阻害しないんだ、そういうふうに言っても、唆し罪の構成要件に当たるということはこれは明確な事実ですから、そういう点ではこの法案の条文の中にそのような限定が一切なされていないということが重大な問題だと私は思うんです。あなたはそう言っても、法案の条文には一切そういうことは、取材活動にはこれは当たらないということは書いていないじゃないですか。そこは事実ですよね。認めますよね。これは重大な問題ですから、長官、答えてください。
#237
○国務大臣(中谷元君) 報道活動においての規定は書いておりませんが、実態としては今と変わることはございません。どんどんそういう報道のための質問や調査をされることは、刑法に触れなければ是認されるというふうに思います。
#238
○小池晃君 今と変わらないなんというのはでたらめですよ。量刑が全然違うんです。防衛秘密ということを指定しているわけですよ。これは非常な大変なやっぱり抑止効果を生みますよ。防衛にかかわる問題の取材、報道をやったら、これはもう地雷原みたいになるわけですから。何か触れたらこれは秘密漏えいに当たるかもしれないという、そういうことになってしまうわけです。
 そもそも、何も変わらないというんだったら、何でこんな法律をつくるんですか。全く矛盾していますよ、言い分が。私は、本当に今のは全然説得力がない。報道の自由は侵さない、今までと全然変わらないというんだったら、この法文の中に明確にすべきだと。それがされていない以上、これは取材活動そのものが、長官、取材活動そのものが教唆の構成要件となる、これはもう否定できない事実ですよね。長官、どうですか、それは。それは否定できないと思うんですけれども。
#239
○国務大臣(中谷元君) 確かに量刑は変わっておりますけれども、現状においても一年以下の禁錮または三万円以下の罰則に処するということで刑法で取り扱われておりまして、確かに量刑はふえたわけでございますが、取材のあり方等につきましては現在の状況で、国会議員やマスコミ関係者の報道の自由、国会議員の国政調査活動に支障のない形で運用されるものでございます。
#240
○小池晃君 いや、答えていないんです。私が聞いたのは、それは全般のことは別にいいんです。量刑はもう大いに変わるんです。今のは説得力がない。
 その上で、そういうふうに今までと変わらない変わらない、報道の自由を侵さないというんだったら、法文に明確にすべきでしょうと。されていない以上、これは取材活動は教唆の構成要件に当たると。これはだって判例で明らかなんですから、そこまではお認めいただけるでしょう。長官、どうですか。これは重要な問題ですから長官に答えてもらわないとだめです。だめですよ、こんなの。これはこれからの日本の二十一世紀の未来にかかわる重大問題ですよ。中谷さん、答えてください。
#241
○国務大臣(中谷元君) この教唆の行為自体は刑法で定められておりまして、何ら変わるものはないわけでございます。
 先ほど西山事件の判決を紹介いたしましたけれども、手段、方法が刑罰法令に触れる場合、それから取材対象者の個人としての人格を著しくじゅうりんする……
#242
○小池晃君 それはさっきしゃべったからいいです。
#243
○国務大臣(中谷元君) はい。そういう行為でございまして、どういうふうに罰せられるかという点でありますけれども、逮捕とか起訴をなし得るか否かは基本的には司法の世界でありまして、基本的に防衛庁としてはお答えする立場にございませんが、その逮捕、起訴は構成要件に該当するだけでなく、違法かつ有意な行為であることについての嫌疑が前提となるものであって、少なくとも違法性が阻却されることが明らかなものについて逮捕または起訴されることはないというふうに承知をいたしております。
#244
○小池晃君 これ全然答えてないです。それは結果論として言っているだけであって、犯罪の構成要件として取材活動というのは教唆に当たるだろうと。そのこと自体、そこまではだってもう判例で認めているんですから、これは認めてくださいよ。それがその後で正当なものでなければ違法性が阻却されたというだけなんだということでしょう。それは事実ですよ、認めてください、それは。だめです、長官です、長官。
#245
○国務大臣(中谷元君) 先ほどお話ししましたけれども、違法かつ有責な行為である、そのことについての嫌疑が前提となるものであって、少なくとも違法性が阻却されることが明らかになるものについて逮捕、起訴されることはないというふうに承知しております。
#246
○小池晃君 じゃ、逮捕、起訴されることはないとしても、捜査機関が取材活動を監視することになるということは当然ありますよね。それは、そういう監視活動をしなければそういうところに至らないわけですから。少なくともそれはあるでしょう。これはイエスかノーかで答えてください。
 その判断を捜査機関が──だめです、長官に答えてもらいたい。
#247
○委員長(武見敬三君) 首藤防衛局長。
#248
○小池晃君 だめですよ、長官に言っているんです。
#249
○政府参考人(首藤新悟君) 委員長から御指名いただきましたので……
#250
○小池晃君 その判断を捜査機関がするためには、捜査機関が取材活動を……
#251
○委員長(武見敬三君) 委員長がただいま指名いたしました。議事の進行は委員長が行います。
#252
○政府参考人(首藤新悟君) 捜査活動としては、先ほど来、大臣から申されておりますように、例えば贈賄や脅迫とか……
#253
○小池晃君 それはもう聞いているからいいですよ、だから。同じことを繰り返すのは時間のむだだよ。だめだよ、こんなの。
#254
○政府参考人(首藤新悟君) そういったような手段による取材とかいったようなことの場合にはそういうこともあるかと存じますが……
#255
○小池晃君 委員長、私が聞いていることに一切答えていない。時間のむだですよ、こんなのは。だめだ、こんなの。
#256
○政府参考人(首藤新悟君) 通常の一々の取材活動が捜査の対象になるとは思われません。
#257
○小池晃君 だめだ、こんなの。私が長官に聞いているんですよ。私が聞いているのは、捜査機関がその判断をするためには取材活動を監視する、当然でしょう、今の話でいけば。そうしなければ逮捕、起訴の判断に至らないのであれば監視することは間違いないじゃないですか。それは認めるでしょう。
#258
○国務大臣(中谷元君) 現在においても一年以下の懲役に罰せられるわけです。ですから、考え方は現行の自衛隊法の守秘義務規定に係る教唆犯においても同様でありまして、現在のそういう捜査活動と何ら変わるものはないというふうに思います。
#259
○小池晃君 要するに、捜査機関が取材活動を監視することに当然なるんですよ、これは。教唆が構成要件になっちゃうんですよ。これは本当にマスコミにとってみれば重大なやっぱり取材活動の萎縮につながる可能性。
 私、大臣ね、こんなことをやれば、防衛秘密にかかわる問題について取材をすれば訴追される危険性があるということだけで重大な報道の自由に対する抑制効果が働く、このことは当然予想されると思うんですけれども、大臣、いかがですか。これは大臣、自分の言葉で答えてください。
#260
○国務大臣(中谷元君) それでは現行の公務員の守秘義務違反の件に関する捜査はどうなんでしょうか。これは全く同じだと私は思います。
#261
○小池晃君 だから、それはさっきの話に戻るんですよ。量刑が全然違うわけですよ、全く。
 さらに、防衛秘密ということで明確に指定されると。そもそも全然変わらないのだったら、何でそういうことをやる必要があるのかという議論になるじゃないですか。
 これね、もう一度答えていただきたいんですけれども、こういう形で防衛秘密ということが指定をされるわけです。それによって、それを漏えいする、あるいは教唆するということになれば懲役五年以下の実刑、十年以下の実刑、過失でも禁錮ということになるわけで、こういうことになれば報道関係者は教唆に問われる可能性は当然出てくる。これは裁判で最終的に違法性が阻却されるまではわかりませんけれども、それまでは教唆に問われる可能性というのはあるわけですから。だとすれば、マスコミの取材活動を今までとは全く違う質で萎縮させる危険性があるということは間違いないんじゃないですか。
#262
○国務大臣(中谷元君) 基本的には刑法に違反をしなかったら正当な業務行為として違法性が阻却されるわけでございまして、この考え方は現行の自衛隊法の守秘義務規定に係る教唆犯においても同様であります。量刑は違っても捜査をするやり方は同じであると、私は司法当局を、そういうふうに思っております。
#263
○小池晃君 最初にも言いましたように、取材活動そのものが教唆の構成要件になるかどうかということについて一切答えていないんですね、今までと同じだというふうに言っているだけで。そのこと自体について回答していただきたい。
 今回の法律に基づく防衛秘密に対する取材活動そのものが教唆の構成要件となること、これは、要するに今までの制度と同じということであれば、それが構成要件になるということは事実としてお認めになりますね。
#264
○国務大臣(中谷元君) 現行の公務員の守秘義務違反についても刑法によって裁かれるわけでございます。
 したがいまして、今回の件につきましても同様の対応はとられるわけでありまして、何ら問題はないというふうに思っておりますし、マスコミの方々も今まで同様の考え方でマスコミの方からの取材活動をしていただいて結構だというふうに思います。
#265
○小池晃君 今、きょうの議論を通じても、防衛秘密の指定の過程も、その後の検証もない。一生それがついて回る。しかも、重罪である。マスコミの報道に対する、マスコミの取材ということが教唆の構成要件となるということも否定されなかったと思うし、そういう意味では、これが報道の自由に対する重大な侵害になるということは私は明らかだというふうに思います。
 アーミテージ・レポートでも言っている。さらに、ことしの五月に防衛庁の長官の経験者が訪米したときも、やはりNSCのアジア上級部長は、話をしてもそれが日本で筒抜けになる、その場合の秘密保持をしてくれないときちんとした議論ができないというふうに発言したというふうに報道されています。
 私は、今回の自衛隊法による防衛秘密規定の導入というのは、時限立法であるテロ特措法と同時に全く関係のない、しかも無期限の条項を潜り込ませた。大変これは日本の言論の自由、報道の自由にとって将来大きな禍根を残すということ、危険性が明らかになったということを指摘したい。
 このような重大な法案、やはり徹底的に審議しなくちゃいけないということを最後に強調して、私の質問を終わります。
    ─────────────
#266
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田嶋陽子君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。
    ─────────────
#267
○大脇雅子君 大脇でございます。
 まず、私は、今回の自衛隊法改正案の提案理由についてお尋ねをいたします。
 今般の法改正は、米国で発生した同時多発テロが日本における同様の攻撃等に備え万全を期することが必要という趣旨で提案されておりますが、この法案の内容を見てみますと、テロに関連していない事案、例えば今、小池議員が質問されました防衛秘密の問題等含まれているわけであります。
 テロ対策支援法の審議に紛れての国家機密法の復活とか、あるいはテロ対策に便乗した火事場泥棒的な法案だとか、さまざまな世評もございます。
 まず、この提案理由についてお尋ねいたします。
#268
○国務大臣(中谷元君) 今回の法改正の内容は、御指摘のとおり、警護出動という項目並びに第二が武装工作員の事案や不審船の事案に効果的に対応するために武器使用権限を整備すること、第三に秘密を漏えいした者の刑罰を規定するということでございますが、第一の内容は、大規模なテロリズムによる攻撃を意味するものでございます。
 それから、第二、第三ということについても、武装工作員の事案や不審船の事案に対して有効に対処できる体制を構築して武装工作員の侵入を防止すること、また秘密保全に万全を期することという内容は、この第一のテロの行為と相まって、我が国に対するテロ攻撃を阻止するためにも重要なものであるというふうに考えているわけでございます。
#269
○大脇雅子君 私は、そうした性格の違ったものが混在する自衛隊法改正法案を一括処理することに反対でございます。
 それで、こうした実力行使を強化するという方向性は、例えば具体的に武装工作員等の事案や不審船の事案等を見ましても、我が国の平和的な外交努力と相反すると私は考えますが、外務大臣、いかがでございましょうか。
#270
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員は、不審船でございますとか武装工作員とか、そうしたことも念頭に置いて御発言かと思いますけれども、日本もそうですが、主権国家として日本の安全及び国民の生命、財産の保護に万全を期するということは政府の重要な使命でありまして、今回の自衛隊法及び海上保安庁法の改正というものはこのために必要なものでございます。この改正によりまして、日本としての武装工作員、我が国としての武装工作員や不審船への対応というものが結果として強化されることになります。
 また、日本は、従来からみずからの安全と繁栄を、安全と繁栄に対しまして密接不可分な関係にある世界との安定と繁栄を実現していくために、さまざまな政策手段を通じた外交努力を行ってきております。
 加えまして、御指摘のことへの対応につきましても、在外公館等を通じて周辺諸国との連絡ですとか情報収集なども強化いたしておりますので、さまざまな事態に適切に対応できるように外交努力も行ってきております。
#271
○大脇雅子君 やはり平和的な対話と説得の外交努力が必要だと考えるわけです。実力行使の強化に軸足を移してきている今回の法案については、次の点が最も大きな問題だと思います。
 まず、五十九条と百十八条で現行法上服務規律を保護法益とした秘密保持の条文に対して、今回の九十六条の二という防衛秘密を保護法益としたこの規定の仕方でございますが、とりわけ、その防衛秘密は別表四ということでございますが、具体的には長官の指定によって秘密の範囲を決めるということになっております。
 我が国は、憲法三十一条によりまして法定の手続の保障がございまして、法律の定める手続によらなければ、何人もその生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられない厳密な罪刑法定主義をとっているわけでございます。この点では、罪刑法定主義にその秘密の範囲を長官が専権的に指定するということによって構成要件のあいまい性ということをもたらしますが、この点はいかが長官お考えでしょうか。
#272
○国務大臣(中谷元君) 指定の範囲が明確で限定的でなければならないという御指摘でございますが、今回の改正案は、法律の別表第四に掲げておりますけれども、十項目の範囲内でございます。その上、公になっていないもの、また我が国の防衛上特に秘匿することが必要であるもの、その上に防衛庁長官が指定したものというすべての要件を満たしたものを防衛秘密としておりまして、我が国の防衛上秘匿することが必要との意義については、具体的には、それを秘匿しなければ、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接及び間接侵略に対して我が国を防衛する、自衛隊法第三条にございますが、こういった自衛隊の任務の円滑な遂行に支障を生じるおそれがあるということを意味するものであります。
 また、この秘密、これは実質秘ということでありますけれども、といった場合に、非公知性と秘匿の必要性の二つの要件が必要であるとされまして、防衛秘密についてもこの二つの要件は当然に必要でありますが、秘匿の必要性については、単なる秘匿の必要性だけではなくて、秘匿度が通常以上に高いものであることが必要であるということから、我が国の防衛上特に秘匿することが必要というふうにしているものでございます。
 なお、この防衛秘密の対象については、先ほど申し上げました四つの条件で、その中で特にということで選び出すものでありまして、今回の改正案は、防衛秘密の範囲を限定的かつ厳正に規定しておりまして、さらに防衛秘密の要件に該当するか否かは最終的には司法審査に服することとなるものであることから、とめどもなくこの範囲が広がっていくという御指摘には当たらないものであるというふうに考えております。
#273
○大脇雅子君 罪刑法定主義というのは、構成要件で罪となる事実が要件的に明快になっているということでございます。司法審査という事後的な処理によって明確化するということは何ら理由にならないのでございまして、この別表四は非常に抽象的であり、あいまいであり、漠然としており、非常に広範で包括的であります。そして、それに長官の指定によって範囲を限定するということになってまいりますと、この基準が客観的にどのようなものであるかということが人権の擁護のために必要になりましょう。
 西山判決によりましても、実質的に保護に足る秘密というふうに言っているわけですから、そうした具体的な基準というものが省令ないしは少なくとも政府見解等で示されるべきだという指摘がございますが、この点いかがでしょうか。
#274
○国務大臣(中谷元君) この点につきましても、現実に別表四で十項目をいたしておりますが、その中にも、電波情報とか画像とか計画、研究事項、武器・弾薬、その種類、数量、通信網の構成等書かれておりまして、これらを漏えいされますと我が国の国を守るすべがなくなってしまう可能性もあるものでありまして、こういう中で国の守りに特に支障が出かねないものに対して秘密漏えいをしないように指定するものでございます。
#275
○大脇雅子君 私が問題にしておりますのは、何が重要なのかという実質的な保護に足る秘密の基準というものを、この別表四と長官の指定だけでは不十分だと、したがって省令あるいは政令あるいは政府見解、ガイドライン、何でもいいんですが、そういったことで示すお考えはありますか、ありませんか。どのような手順を考えておられるんですか。
#276
○政府参考人(首藤新悟君) 現在の庁秘にも機密あるいは極秘、秘という区分があるわけでございますけれども、そういったものについても、我が国の安全上高度に重要なもの、あるいは我が国の安全上秘匿が重要なものと、そういった、どうしても個別の案件を審査するときの基準としては全般的に一般的な表現にならざるを得ないわけでございますけれども、今、大臣からるる申されたとおり、別表にありますように、例えば暗号機とか電波情報とか、あるいは我が国の防衛計画でございますとか、あるいは魚雷、ミサイルを含む装備品の具体的性能でございますとか、そういったものがこういった防衛情報に含まれるのは常識的に当然のことでございまして、そういったようなものを主として対象に、今ございます秘匿を要する防衛庁の庁秘の、庁秘といいますか、秘匿を要する秘密の範囲の中から厳格に大臣が選び出すということになるわけでございます。
#277
○大脇雅子君 長官が選び出すということになればまさに長官が法になるわけでございまして、その点について客観的な枠組みあるいは基準が必要だということをるる申し上げているわけであります。
 十三万五千四十件という機密、極秘、秘という現在の防衛庁の秘密保全に関する訓令がありますが、大体この中からどの程度が防衛秘密になるというふうに考えておられるんですか。
#278
○政府参考人(首藤新悟君) この法律が通りましてから具体的に選び出していくという作業が始まるわけでございますので、現在のところ具体的な数といったものが申し上げられる段階にはないわけでございますけれども、いわゆる四つの基準に従って絞り込んでいくということからいたしまして、おのずとその数は限定的なものになるということが予測されるわけでございます。
#279
○大脇雅子君 その絞り込んだ場合に、内容は公開しないということであったわけですけれども、大体基準すら公開されないで罰則がかかる行為が存在するということは国民の人権上重要な問題だと思いますが、公開しないのなら基準を明快に、その四つの基準では足らないと思いますが、その点について、さらなる客観的な長官の指定する範囲の基準というものをつくり出していっていただかなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。長官、お願いします。
#280
○国務大臣(中谷元君) 現在でも秘密はございます、極秘とか秘とか。それ以外にも秘密はあるんですけれども、今回指定する秘密というのは、現在の範囲よりは拡大いたしません。今の秘密指定の範囲の中でありますし、その指定の要件を厳格化するわけでありますけれども、この価値判断といたしましては、我が国の安全保障の業務を行う上において必要と、特にこれだけは守りたいという中から指定するわけでございまして、そういった観点で別表で十項目挙げておりますし、その中で公になっていないもののうち防衛上特に秘匿をすることが必要であるものを防衛秘密として指定をするわけでございます。
#281
○大脇雅子君 拡張解釈をして国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならないというような普通の条項、通常そういう条項が全く入っていないということに私は警鐘を鳴らしたいと思います。
 それでは、九十六条の二のちょっと条文についての解釈をお尋ねしたいんですが、「国の行政機関の職員のうち防衛に関連する職務」とありますが、これは地位が関連するんでしょうか、あるいは職務の一部が関連するのでしょうか、日常の職務なのでしょうか、その範囲についてお尋ねします。
#282
○政府参考人(首藤新悟君) 九十六条の二第三項の今、先生がおっしゃられた部分についてでございますけれども、自衛隊がやはり任務を全うするためには防衛庁以外の国の行政機関と各種の調整などを行うことが必要不可欠でございますので、こうした調整などを行う際に、場合によりましてはその国の行政機関の職員に防衛秘密を取り扱わせることが必要なことがあるということで、この規定はこうした防衛に関する職務に従事する者について規定したものでございます。
#283
○大脇雅子君 それから、「契約に基づき防衛秘密に係る物件の製造若しくは役務の提供を業とする者」というふうに書かれてありますが、この範囲は例えば下請とか部品メーカーとか、そういった業者を含みますか。
#284
○政府参考人(首藤新悟君) ここで言っておりますのは、防衛庁といわゆる製造請負契約を結び、そしてその情報の中に秘密が含まれる場合には、その会社と秘密保護に関する、保全に関する特約条項を結んでいる会社ということになるわけでございますので、一般的にはいわゆるプライムといいますか、主契約者が大部分になるわけでございますが、実際問題として下請あるいは今、先生おっしゃったようないわゆるプライム以外の会社とそういった秘密の製造契約などが必要な場合が生じたというようなときには、当然、防衛庁とその会社とのその秘密部分についての特約条項を結ぶといったような工夫が必要になると考えております。
#285
○大脇雅子君 そうすると、特約条項を結んでいなければ該当しないと考えてよろしいですか。
#286
○政府参考人(首藤新悟君) やはりその相手の会社が防衛庁との間で何らの契約関係にもないといったような場合には、その会社の、製造に携わる、秘密部分にタッチする、いわゆるこの法律で言う「業務とする者」というものには含まれないことになるだろうと思われます。
#287
○大脇雅子君 本法において過失罪を創設された理由はどういうところにございますか。
#288
○国務大臣(中谷元君) やっぱり秘密保護の本質というのは、あくまでもその秘密が外部に漏れるのを未然に防止するということにありまして、一たんその秘密が外部に漏れますと、その漏えいした者を罰しても取り返しがつかないことになっております。また、一たん公になれば秘密でなくなってしまう一方、この秘密の内容を急遽変更することは困難な場合が少なくありませんので、そういう結果を考えますと、この機密が漏れるということは大変危険性の多い行為でございまして、この秘密の漏えいを未然に防止するという観点で、着手をした、秘密の漏えいに着手をした未遂罪、また過失、これも罰するということにいたしております。
#289
○大脇雅子君 過失罪を規定する場合には、その前提として注意義務違反ということがないと成り立たないわけですが、この注意義務違反というのはどういう概念でとらえたらよろしいのでしょうか。
#290
○政府参考人(首藤新悟君) 何といいますか、その当該業務者たる者、この人間が、その事態におきまして過失を認めるに足りる程度の注意義務違反が認められるか否かによって個別的に判断されるべきものということで、基準としては今申し上げたとおりでございますので、あとは、その時々に応じて個別のケースごとに、最終的には司法判断によることになるだろうと思われます。
#291
○大脇雅子君 非常に構成要件があいまいな中で、過失犯までも処罰するということは私は問題だろうと思います。
 さて、共謀とか教唆とか扇動ということが含まれておりますが、これは国の行政機関の職員のうち、防衛に関連する職務を持つ者とか、契約上何らかの締結をしている者ではなくて、この共謀、教唆、扇動というのは国民全体にかかってきますよね。それは制限がありますか、ありませんか。
#292
○政府参考人(首藤新悟君) 今おっしゃられたような正犯以外に関する三つの罪は、先生御承知のように、今の自衛隊法あるいは他の国家公務員法における守秘義務にもひとしく設けられているものでございまして、今回、特にそういった三つの罪が新たにつくられたというものではないわけでございます。
#293
○大脇雅子君 だから、ないから、これは国民全般、すべてが教唆、扇動、共謀の罪に問われる可能性があるということを言っていらっしゃるんですよね。
#294
○国務大臣(中谷元君) 現在の自衛隊法並びにほかの一般国家公務員法でも、この教唆、幇助、企てはもう全国民にかかっております。それと今回の改正案の範囲というのは同様でありますし、また、形態等におきましても、刑法上の犯罪行為であるというふうな内容で、同様ではないかというふうに思います。
#295
○大脇雅子君 治安出動下令前にいう情報収集ということについて武器使用と認めてございますが、この場合、これは偵察活動を考えると思うんですが、この治安出動下令前にいう情報収集は国内に限定されますか、あるいは外国で行うことも想定しておられますか。
#296
○国務大臣(中谷元君) これは国内だけでございます。
 と申しますのは、これは治安出動のかかる前の段階での情報収集でございまして、治安出動の発動等は我が国の国内に限られておりますので、我が国の国内での活動であるという範囲の中でございます。
#297
○大脇雅子君 九十一条の二の警護出動時の自衛官の権限について、武器使用をするかしないかという判断は、個々の自衛官ですか、部隊の責任者ですか。
#298
○国務大臣(中谷元君) 武器の使用の判断はだれが行うのかという御質問でございますけれども、これは「職務上警護する施設が大規模な破壊に至るおそれのある侵害」というのは、仮にそのまま放置しておけば警護対象施設が大規模な破壊に至るおそれのある侵害ということでありまして、そういう事態が考えられるわけでありますけれども、このときの武器の使用につきましては、同条五項の規定によりまして、正当防衛または緊急避難に該当する場合を除き当該部隊の指揮官の命令によるということとされておりまして、原則として警護出動を命じられた部隊の指揮官の命令によって武器を使用することとなります。
#299
○大脇雅子君 先ほどの中谷防衛庁長官の御発言で非常に重大な発言があったと思われます。
 憲法上の表現の自由とか国政調査権の行使の場合は違法性の阻却理由になるというふうにおっしゃったと思うんですが、違法性の阻却の理由になるということは、刑法の犯罪上でいえば構成要件該当性があって違法性の阻却ということが問題になるわけですから、そうすると表現の自由、先ほどの取材活動の自由ということを含めて、まず構成要件該当性というのは形式的には表現の自由との関係ではあるというふうに理解するのですか。これは、しかし非常に重大な御発言だと思うのですが、いかがでしょうか。
#300
○政府参考人(首藤新悟君) 先ほどの大臣の答弁はいわゆる西山事件判決を引いて答弁したものでございますが、その判決は、報道関係者の教唆犯の成否につきましては教唆の構成要件には該当する、が、といって、いわゆる刑罰法令に触れる贈賄、脅迫とか、あるいは社会通念上許されない方法とかいったようなことでない限りは、基本的に正当業務行為として違法性が阻却されるものとの判断という趣旨で答弁されたものでございます。
#301
○大脇雅子君 先ほどの西山事件でこの構成要件に該当するかどうかという判例の判断は、他人の人権を侵害するような違法な取材行為であるから構成要件に該当すると言っているわけですから、すべての取材活動が構成要件に該当するという判例ではありません。
 したがって、私は、すべてを違法性阻却理由にして、いわゆる取材の自由というものがこの構成要件該当性になるというふうに防衛庁が御判断になっているとすれば、これは重大だと思います。正当な取材活動というのは構成要件に該当しない、これは判例であります。おかしいんじゃないですか。
#302
○政府参考人(首藤新悟君) 繰り返しになりますが、先ほど来の答弁は西山事件判決のポイントの部分を使って御答弁申し上げたわけでございますが、今、先生がおっしゃられたような取材活動がどのような人間によるどのような場合のあらゆる態様の取材活動がすべて教唆の構成要件に該当するかと、するというようなことは、いわゆるおよそ常識で考えてそのようなことはないとは思います。
#303
○大脇雅子君 そうしたら、重大なことは、国政調査権ですら違法性の阻却事由だというふうにおっしゃったのは、国政調査権は憲法上認められた私どもの正当な権利行使でありまして、犯罪の構成要件該当性があるというふうな前提の御発言ならば、撤回していただきたいと思います。
#304
○国務大臣(中谷元君) 当然、国会議員に与えられた国政調査権というのは権利であると思いますが、しかし、この教唆に当たること、贈賄とか強要とか、そういう刑法に触れれば問題があるのではないでしょうか。あくまでも刑法に触れない範囲での国政調査権だというふうに思っております。
#305
○大脇雅子君 そうしますと、確認をさせていただきますが、取材活動も適正であること、そして正当な国政調査権の行使である限りは構成要件該当性がないということを明快に確認させていただきたいと思いますが、御返答をお願いいたします。
#306
○政府参考人(首藤新悟君) 私どももそのように認識いたしております。
#307
○大脇雅子君 長官の御返事をお願いします。
#308
○国務大臣(中谷元君) そのように認識をいたしております。
#309
○大脇雅子君 あと一分でございますが、私は、防衛秘密に関するこの漠然とした規定が将来我々の、自衛隊あるいは武力に対する、実力に対するシビリアンコントロールということ、そして民主主義の根底をも突き崩す危険性があるということを申し上げ、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならないよう厳格に防衛秘密を明示され、その運用をされなければいけない。
 私は、この自衛隊法改正案には断固反対することを表明して、質問を終わります。
#310
○委員長(武見敬三君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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