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2001/10/30 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 内閣委員会 第4号
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2001/10/30 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 内閣委員会 第4号

#1
第153回国会 内閣委員会 第4号
平成十三年十月三十日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十二日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     榛葉賀津也君
     白浜 一良君     山本  保君
 十月二十三日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     山本 香苗君
     八田ひろ子君     緒方 靖夫君
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     岡崎トミ子君
     山本 香苗君     白浜 一良君
     田嶋 陽子君     大田 昌秀君
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     緒方 靖夫君     筆坂 秀世君
     大田 昌秀君     田嶋 陽子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                斉藤 滋宣君
                松村 龍二君
                森田 次夫君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                上野 公成君
                竹山  裕君
                仲道 俊哉君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                山根 隆治君
                山本 孝史君
                白浜 一良君
                森本 晃司君
                田嶋 陽子君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       外務副大臣    植竹 繁雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       防衛庁人事教育
       局長       柳澤 協二君
       法務大臣官房審
       議官       小池 信行君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        今田 寛睦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     三沢  孝君
       食糧庁長官    石原  葵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (国立平和祈念施設建設に関する件)
 (雇用対策に関する件)
 (北朝鮮による日本人拉致疑惑に関する件)
 (テロ対策に関する件)
 (自衛隊の米軍支援活動に関する件)
 (選択的夫婦別氏制に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、八田ひろ子さんが委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として内閣府男女共同参画局長坂東眞理子さん、警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、同運用局長北原巖男君、同人事教育局長柳澤協二君、法務大臣官房審議官小池信行君、厚生労働大臣官房技術総括審議官今田寛睦君、同官房審議官三沢孝君及び食糧庁長官石原葵君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰介君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。
 官房長官、大変御苦労さまでございます。よろしくどうぞお願いいたします。
 ちょっと時期を逸した感もあるんでございますけれども、八月の小泉総理の靖国神社参拝でございますけれども、総理は、御承知のとおり、八月十五日は必ず参拝するからと、このようにずっと言い続けてこられたわけでございますけれども、またそういうお考えは一切ぶれないで来ておったと思うんですけれども、最後になってからはちょっとトーンダウンされまして、熟慮するというようなこともおっしゃられておりましたけれども、私は、小泉総理のことですから必ず八月十五日は参拝をいただける、こういうことで信じておったわけでございますけれども、八月十三日にざんきにたえないというような談話を発表いたしまして、当日参拝をされたわけでございます。残念ではございますけれども、公的参拝というと中曽根総理以来十六年ぶり、そしてまた橋本総理の誕生日以来五年ぶりということで、私どもを初め多くの国民はこちらの方を評価しておる、こういうことだろうというふうに思います。
 ここに八月二十日の毎日新聞の記事があるわけでございますけれども、これらの世論調査を見ましても、六五%の方がこれを、総理の参拝を支持されておられるということでございます。主要支持政党別というのを見ましても、全体では六五%ございますけれども、自民党は七七、それから民主党が五六、公明党が六一、自由党が五七、共産党が五〇、そして社民党が五一、支持政党なしが六〇ということで、どの政党を支持する方もすべて五〇%以上上回っているということでございまして、このことについては、小泉総理は御自身の信念で参拝されておられるものですから、私どもとして御礼を申し上げるというようなことはいたしませんけれども、国民が大変喜んでおる、こういうことだけは申し上げておきたいと思います。あわせまして、来年もぜひとも御参拝いただくよう、まず要望をさせていただくわけでございます。
 そこで、早速質問に入りたいと思いますけれども、毎年八月十五日が近づきますと、総理の靖国神社参拝について賛成だとか反対だとか、または公式だとか私的だとかなど不毛の論争が騒々しいわけでございますけれども、八月十五日が過ぎるとぴたっと静かになる、これも御案内のとおりでございます。
 八月十三日の小泉総理の談話の中で、内外の人々がわだかまりなく追悼の誠をささげるにはどうすればよいか議論する必要がある、このように述べておられるわけでございますけれども、これを受けてのことであると、このように思うわけでございますけれども、国立の戦没者追悼施設問題が出てきております。福田官房長官のもとに私的懇談会を設置して検討したい、九月中には発足させたい、こういうようなことでございましたが、その後どうなっておられるのか。中国等の反発は十分予想されたことであり、この種の問題は今までにも十分議論が尽くされてきている、このように思うわけでございますけれども、それが、なぜまたそういった問題が出てきたのか、その辺をひとつお伺いをさせていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(福田康夫君) 今、八月十三日、総理の靖国参拝、このことにつきましてお話がございました。このことについてはいろいろとお話ししたいとも思うこともございますけれども、実際にお参りをした総理から直接お話をお聞きいただくのが一番いいのではないかというように思います。ですから、私はあえてその分はここではお話しいたしません。
 そこで、今御質問の慰霊の施設について懇談会を設置するその目的は何か、こういうような御質問であったかと思います。そのことについてお答えをしたいと思っております。
 これは総理が、今先生からお話ございました、靖国神社や千鳥ケ淵戦没者墓苑における国民の思いを尊重しつつも、内外の人々がわだかまりなく追悼の誠をささげるにはどのようにすればよいかということを議論する必要がある、こういうふうに八月十三日に靖国に行くときに談話として発表したものでございます。それを受けまして、私が私のもとに懇談会をつくろうと、こういうことであります。
 どういうことを議論するかということになりますけれども、この靖国の問題については今だけでない、ことしのことだけでなくて、過去ずっといろいろな議論があったわけですね。しかし、その間にまた世の中も変わり、そしてそれにつれて人々の心も変わってきているというようにも思いますし、そういうことを踏まえて、今二十一世紀になったばかりでございますけれども、二十一世紀全体を目指して今後日本がどういう道を歩むのかといったようなこともあろうかと思います。
 そういう大きな議論を私はしようというふうに思っているわけじゃないんですけれども、私は、二十一世紀というものを見通しまして、靖国で眠っておられるような、そういうような方々に対する追悼とか、それからまた、そういうことを前提にして日本がどういう国であったらいいのかなと。やっぱり平和ということは大事である、やはりそういう方々がいらしたからこそ今の平和があるんだと、こういうように考えれば、やっぱり平和を祈念するような、そういうようなものがあってもいいのではないかなと、こんなふうに思ったわけでございます。
 議論はこれからするわけで、どういう中身になるかまだ明確なものはございません。実はもっと早くこの秋に懇談会をつくろうと、こう思っておりました。ところが例のテロの問題が起こりまして以来、こちらの方の懇談会のことにつきまして手続がおくれております。いろいろな方々の御意見を伺いながら懇談会を立ち上げよう、こう思っておりましたが、その時間がなかったということでございます。多少時間的ゆとりができましたので、その辺をこれから進めていきたい、こう思っておりますが、基本的には、靖国神社とか千鳥ケ淵の墓苑のみたまを、これを新しい施設で収容するとか、そういうような話ではないのでございます。全くないのでございまして、むしろ、先ほど申しましたように、未来を目指して平和国家であることを祈る、また世界の平和を祈るというような、平和祈念といったような趣旨のものになったらばどうなのかなというようなことを私は個人的には考えております。
 また、総理とも、そういうようなことでどうかといったようなまだ話を十分したわけではございませんけれども、話をしていると、そういう段階でございまして、これから人選を進める中でその目標をもう少し具体化してみたいなと、こんなふうに考えている、そういう段階でございます。
#8
○森田次夫君 わかりました。
 大体そのイメージをお聞きしたいと思ったんですけれども、今、官房長官、そういったことにも触れられておりますので、私、実は新聞等拝見しまして、官房長官としてどういうものを描いているのかなということをちょっと考えたわけでございますけれども、九月五日の新聞でございますけれども、その中の官房長官の記者会見の中で、国立の墓地を首相が考えているわけではないんだと、イメージとすれば、平和祈念か、平和祈念のための平和の森といいますか、そういったもの、そういった感じのものをイメージとしては描いているんだと、こういうようなことを新聞で見まして、そうすると、平和のモニュメント的なものかなと、そんなにも思うわけでございますけれども、その辺いかがなんでございましょうか。
#9
○国務大臣(福田康夫君) これも今お話し申し上げたことなんでありますけれども、漠然としたイメージというような段階でございまして、その中にどのような意味合いを込めるかということを一つ一つ考えているわけではございません。
 しかし、今先生のおっしゃるように、私としては、やはり平和祈念、もしくは平和の森といったような、そんな感じがどうなのかなと。しかし、その中には、これも私の個人的な今の考えですけれども、既に戦争があった、また戦後もいろいろと国のために命をなくされた方もいらっしゃるわけです、既にいらっしゃるわけですね、PKOもそうでございますし、自衛隊の方々もたくさんお亡くなりになっている、そういうような方々も、もしそういうことを望まれるならばそこに、みたまをどうこうということではなくて、そういう方々も含めた追悼というのか、敬意を表するというような形がいいのかなというふうには思いますが、それはこれからの議論の中身でございますけれども、そういうことももしかしたら対象なのかなというような感じはしますけれども、今、私がもう少しはっきり申し上げられるのは、やはり平和祈念というのがいいのではないかなと、こんなふうに思っております。
#10
○森田次夫君 今、官房長官がおっしゃられました自衛官ですね、これの殉職者、そういった方々について、私も実はきょうの最後の中でそのことを一つの案として御提案申し上げようかなと、実はそんなに思っていたわけでございます。
 そこで、それは最後の方に回させていただくとして、官房長官は、二十一世紀を見据えてと、こういうようなことでおっしゃっておるわけでございますけれども、実は私、こういう問題については大分長くかかわっているものですので、ちょっと経緯を申し上げますと、この国立の慰霊施設につきましては、最初に出てまいりましたのが昭和四十七年、中曽根構想といって、中曽根元総理が総務会長のとき、いわゆるそのときには国家護持の問題がございまして、これは憲法上もう無理じゃないか、こういうようなことでそういった構想が出てきておるわけでございます。
 そして、昨年夏でございますけれども、野中前幹事長が座長になられまして、自民党の十人でそういった懇談会をつくって発足させましたけれども、お聞きするところによると、二回会合を開いただけで立ち消えになった、こんなにも聞いているわけでございます。そして、この問題につきましては何回も話題になっておるわけでございまして、その都度立ち消えということでございましたけれども、確かに毎年夏になりますとこの問題がいろいろと出てくるわけでございますけれども、確かに総理がおっしゃるように、何のわだかまりもなく、ごく当然のように行われる日が一日も早く来ることを私としても願っておるわけでございます。
 また、政府みずからも、靖国神社は我が国の戦没者追悼の中心的施設であると多くの国民が考えていると。こういうことは昭和六十年の藤波官房長官の談話の中にもあるわけでございますけれども、いろいろと仏教等で魂魄というようなことが言われますけれども、魂、すなわち魂というのは靖国神社にある。それから魄の、遺骨は千鳥ケ淵にある。そういうことからしますと、確かに今、二十一世紀ということでいろいろと新しい提案等も官房長官されておられましたけれども、今までと同じような考え方ですと私はやはり屋上屋を重ねることになるんではないのかな、このように思うわけでございますけれども、その辺いかがでしょうか。
#11
○国務大臣(福田康夫君) 先生確かにおっしゃるとおり、いろいろ今まで議論してきたんですね。議論している割には何か同じことを繰り返しているという、そういう感じがしますので、これはどこかで何とかしなきゃいけないという気持ちを持つのは、これはもう先生以外もみんなそう思っているわけでございますので、そういうような国内で論争があることがいいことなのか悪いことなのかということになりますけれども、私は、それはそういうときに戦時の歴史を振り返るということであればいいんだろうと思いますが、しかし、そういう議論をすることが近隣諸国の信頼性を失うというようなことになっては、これはまことによろしくない、こんなふうにも思いますので、どちらかといえば後者の方ですね、のことを心配すれば、こういう議論はしたくないなというふうにも思っております。
 そういう意味で、今後どうするかということになるわけですけれども、この辺は政治家もそうでありますけれども、やっぱり広く国民に過去の歴史を振り返って、そしてその中からどうしたらいいかということを常々考えていただくということ、こういうことをする以外にないんだろうというふうに思いますので、学校教育もそうでございますけれども、学校教育でも近隣諸国条項なんというのがございまして、そして近隣諸国との関係を、これを友好裏に導くというような趣旨のものがあるわけでございますので、やはりそういうようないろいろな工夫をこれから我々としてもしていかなければいけないと思います。
 特に、戦争、私は戦争のときにはまだ小学生低学年で戦争のことは余り知らない、そういうころでございましたけれども、私どもの先輩が戦争のことについて大いに語ってくださる、こういうことはとても大事だろうというふうに思います。いろいろな機会をとらえて、やはり日本国民がこの歴史に対してしっかりと目を開いて、そしてその歴史の中から何を酌み取っていくかということを、これを、その努力をしていく必要があるのではないかと、こんなふうに思っております。
 いずれにしても、こういう議論をすることの意義というのは、これは私は少ない、もし議論をするんであればもっと違った形でこの問題を議論したい、こんなふうに思っております。
#12
○森田次夫君 近隣諸国の問題が出ましたけれども、実はこれも昭和六十一年の後藤田官房長官のときでございましたけれども、六十年に中曽根総理が参拝をされ、六十一年に後藤田官房長官が中止をするというような談話を発表され、その中で近隣諸国に対して事態の改善のために最大限の努力をする、こういうような談話も発表しておるわけでございます。
 そういったことで、今までにどのような外交努力をされてこられたのか、その辺も伺いたいと思いますし、また、新しい施設をつくってどうなのかなという私も心配もございます。というのは、やはり百三十年も既に靖国神社は戦没者追悼の施設だということでもう定着して、例えば年間で六百万ぐらいの方が参拝されておるわけです。千鳥ケ淵には十五万ぐらいの方が参拝されておりまして、そういったことからすると、どちらが追悼の施設かということは歴然とするだろうというふうに思います。
 そこで、これも六十年のときの藤波官房長官の懇談会の中で出たそうでございますけれども、ある委員から新しい国立の施設をつくったらどうかと、こういうような意見が出たそうでございますけれども、その途端に別の委員から、私は時々九段かいわいを散歩するが、いつ行っても千鳥ケ淵墓苑には犬ころ一匹もいない、ところが靖国神社は必ずだれかがもうでている、千鳥ケ淵ですらこのとおりである、新しい施設をつくったところでだれが訪れるだろうか、こんな意見が出まして、そして新しい施設というのは一蹴されて、そして中曽根総理のいわゆる一礼方式の参拝が決まったと、こういうふうなこともお聞きしておるわけでございます。
 そうしたことで、もとに戻りますけれども、どのような外交努力を、今までいろいろとやってこられたと思うんですけれども、そんなことについてお聞かせいただければと、このように思います。
#13
○国務大臣(福田康夫君) 外交努力、特にこの問題、歴史問題についての外交努力ということになろうかと思いますけれども、やはり相互理解ということだと思います。相互理解を進めるためのいろいろな方策をこれまでもやってきました。例えば、歴史研究をするということとか、また学生の交流とかいうようなことをやってきたわけでありますけれども、それが十分であったかどうかということもございます。
 来年は日中国交回復三十周年になるわけでございます。私どもは、この機会に、さらに双方、両国の理解を進めるためのいろいろな方策を、今まで以上な規模でもってやっていきたいというふうに思っております。
 今までの努力がそれは何もなかったということではありません、いろいろな努力をしてきたんだろうと思います。してきたんですけれども、それが十分であったかどうかということは、いまだに歴史の問題において食い違いがある、考え方に違いがあるということにおいてはまだ不足だったのかなと、こういうふうに反省をせざるを得ないだろうと、こう思っております。
 ですから、来年、三十周年は、そういうところを大幅に改善するべく、政府としても全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように思っております。
#14
○森田次夫君 先ほど、当初出てまいりました自衛官の問題は別としまして、靖国神社にかわるものということであったら私は反対でございます。そして、やはりまだまだその点では国民の理解が得られないだろうというふうに思っております。
 そういったことでもって、時期尚早であり、そして神社にかわるものであったら反対だということを申し上げて、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。
 アメリカのテロの問題、同時多発テロについてでございますけれども、新しい形の戦争だと言われるが、私は戦争ではない、このように考えております。あくまで無辜の民を巻き添えにした極めて卑劣なテロリストの犯罪であり、絶対に許されるべき行為ではない。タリバンに対する攻撃も、ビンラディンを初めとするテロ組織アルカイダにタリバンが加担するので、やむを得ず攻撃しているんだろうなと、こんなふうに見ております。タリバンが素直にテロ集団を引き渡せばアメリカも攻撃する理由はなくなるだろうと、こういうふうに思うわけでございます。
 小泉総理は連合審査会で、さきの戦争でアメリカは昭和十七年六月のミッドウェー海戦のときから日本の戦後復興を考えていたことを書物で知って驚いたという趣旨のことを例に挙げ、タリバンについてもいずれ崩壊すると、その後のアフガンについて日本も主体的に貢献していきたい旨の答弁があったが、どの時点で終えんといいますか、そういったのになるのか、そういうことをお聞きしたいわけですが、と申し上げますのは、今回のアメリカの攻撃はテロ組織の撲滅にある。ビンラディンらによるテロリストの訓練を受けたいわゆるタリバンの帰還兵は、世界各地に何万人もいると言われているわけでございます。恐らく、彼らは普通の生活をしているんじゃないのかな、こんなにも思うわけでございます。オウムと同じように、反米で洗脳されていて、テロ行為は正義といいますか聖戦、こう思い込んでいるんであろうと、こんなにも思うわけでございます。
 そこで、第二、第三のテロがいつ起きるかわからない。だからといって、アルカイダすべてを撲滅するということはこれは不可能だろうというふうに思うわけでございます。これらのテロリストに対しましては、それぞれの国が対処せざるを得ないんではないか、こんなに思うわけでございます。
 それでお聞きするわけでございますけれども、タリバンが白旗を上げ、オマルあるいはビンラディンを捕捉または殺害したらそれで終わるのかどうなのか、そうした認識でよろしいのかどうなのか、まずその辺をお伺いさせていただきます。
#15
○国務大臣(福田康夫君) いつどういう状況になったら終えんするのか、こういうことでございますけれども、これは、こういうことをラムズフェルド国防長官が十月二十五日の記者会見で述べております。それは、アルカイダ及びタリバンがもはやテロ行為を企てず、また、国内にテロリストをかくまうことのない状態となり、諸外国に対して脅威とならない状況をつくり出すことによってこの軍事行動の作戦が成功したと言えると、こういうことを言っておるんです。これはそのときの、これが終わるころの状況いかんで判断すべき問題だろうというように思っております。
 ラムズフェルド国防長官が言っておるとおりでもあるし、また、その終わるころに、果たしてそれでもってこのテロの脅威が除去されたというふうに認められるかどうかということは、そのときの国際情勢、それからその地域の情勢、いろいろな要素はあると思いますので、今ちょっとそこのところを予測するのは難しいんではないかなというふうに考えております。
#16
○森田次夫君 確かに、タリバンだけではなくて、最近は炭疽菌のアメリカの攻撃といいますか、アメリカに対する攻撃といいますか、そういったことが非常に拡大してきておるわけでございまして、やはりそういったことも脅威ということになるんだろうと思いますので、そういうようなのが除去されなければ終わらない、こういう官房長官のお話だろうというふうに思います。
 そこで、アメリカでは、今申し上げましたように、だれが送りつけているのかわかりませんけれども、炭疽菌の攻撃で多くの犠牲者が出ておるわけでございまして、被害に遭われました方には心からお見舞いを申し上げる次第でございますけれども、これについて、我が国でもこれをまねして白い粉を送ったりなんかしまして、そういったいたずらをする者がおりますけれども、これはただ単にいたずらだけでは済まないんじゃないだろうか。国民の不安をあおる極めて悪質ないたずらであり、徹底的に取り締まり、そして厳罰に処すべきじゃないか、私はそんなに思うわけでございます。
 アメリカもかなりこういう白い粉をまねして送るというようなことがあるということで、逮捕者も十四人出ているそうですし、アメリカとしても厳罰で臨む方針であると、こんなことがきょうの新聞にも出ておりましたですけれども、やはり我が国としても単なるいたずらじゃないというふうに、非常に、極めて悪質ないたずらだと、こういうふうに思うわけでございますので、その辺について御見解を承りたいと思います。
#17
○国務大臣(福田康夫君) 炭疽菌問題は、米国においても、あのワールド・トレード・センターに自爆テロが突っ込む、こういうことが、これが第一段階とすれば、第二段階とも言えるような大きな事件だと私は思います。
 そしてこれは、これも無差別というわけでない、特定のところに今のところは炭疽菌入りの郵便物を送るというようなことでありますけれども、これが無差別にならないとも限らない。それと同時に、その感染した人がほかの人にうつすということもあるのかどうか、これはちょっと私もその辺よくわかりませんけれども、いずれにしても、自爆テロと同じような社会的な影響の大きいものだというように思っております。したがいまして、我が国においてもこのことは重大に考えていかなければいけない、そういう問題だと思います。
 幸いにして、我が国の場合には、数例今そういうことがございましたけれども、しかしそれはすべていたずらであったということでございます。だから、本物になればそれは本当に大きな社会問題になるということでありますので、これを我々政府としても重大な関心を持って警戒を今しておる、またもし万が一そういうようなことがあった場合の対応策、これも十分に今考えておるところでございます。
 このいたずら、仮にいたずらであったとしましても、テロに対する国民の間に不安の高まりというものがございます。そういう中でそういういたずらをするというのは、これは普通であれば、普通の状態であれば、メリケン粉を入れるとかそんなような程度のことであれば、それは軽犯罪法違反とかというようなところで取り締まりをするようなことになるのではなかろうかと思いますけれども、しかし、このようなことになってまいりますと、今のような状況の中でそういうことをすれば、これはそう簡単なものではない。刑法上、業務妨害罪、例えば軽犯罪法でいえばこれは三十日未満の拘留または一万円未満の科料ということですけれども、この業務妨害罪になりますと、これは刑法でございますが、三年以下の懲役ということで格段の罰則の違いがあるということであります。
 実例を申し上げますと、福島県、北海道、警視庁などでそういうものが見つかったのでありますけれども、警視庁の分については威力業務妨害罪で逮捕いたしております。
 そういうことで、もし今後これからそういうような、いたずらといえどもそういうことがあった場合には非常に重い罪があるんだということを、これを国民の間でもよく承知しておいていただかなきゃいけない、こんなふうに思っております。
#18
○森田次夫君 厳罰に処すようやっぱりお考えをいただきたいと思います。
 次はテロ特措法でございますけれども、昨日成立をいたしました。自衛隊の活動は後方だから安全だと、こういうふうに言われておるわけでございますけれども、日清、日露の戦争の時代ならともかくとしまして、今の戦いには安全だなんていうことはあり得ないだろうというふうに思います。
 加えまして、気候、風土、環境の全く異なる地域に自衛官を派遣するわけでございますので、病気にかかる、罹病ですね、こういったことで亡くなるといいますか犠牲者が出る、殉職者が出る、そういったことも十分考えられるのではないだろうか、ただ攻撃だけではないんではないか、こんなに思うわけでございます。
 自衛官は、誇りと使命感でそうした地域に赴かれるわけでございますけれども、残された家族としては、何とか責任を果たして無事に帰ってほしいというのが偽らざる気持ちだろう、このように思うわけでございます。
 先般、C130、六機、八機、予備が二機で八機なんてこの間の連合審査で言っておりましたけれども、新聞等では六機になっておりますけれども、パキスタンへの物資輸送機、小牧基地に帰還された自衛官を奥さんらが子供をだっこしてほっとした表情で迎えられている、それがテレビに映し出されましたけれども、これが家族としての実感だろうというふうに思います。
 そこで、万一殉職者が出た場合、その遺族に対する処遇でございますけれども、生活費あるいは子供の教育費など十分配慮をしていただきたい、このように思うわけでございますけれども、官房長官、どのようにお考えになっておられましょうか。
#19
○国務大臣(福田康夫君) 昨日成立いたしましたテロ対策特措法につきまして、先生方に大変お世話になったわけでございますけれども、この特措法でもって任務につかれる自衛隊の方々は、これは武力行使を伴わない地域に出る、要するに戦争をするような地域には出ないんだということがございます。
 また、万が一ということがあっても、大体そういうようなところに行くわけですから、万が一もこれもそうめったに起こるものではないんだろうとは思いますけれども、しかし何が起こるかわからないということを考えれば、これはそのときのために十分な対応ができるように政府として考えておかなければいけない、これは当然のことでございます。自衛隊員が安んじて任務に従事できるようにするということで、またこういう方々の名誉についても十分に配慮するということも必要だと思います。
 もし事故が仮にあったというような場合には、国家公務員災害補償法などに基づきまして補償を行いますが、それ以外に賞じゅつ金などにおいて、従来の例も参考にしながら今政府部内で詰めておるところでございますけれども、そういうようなこともあわせ検討するということで、今申しましたように、安んじてその任務につかれるように、そういうような環境を整えるために全力を挙げたいと思っております。
#20
○森田次夫君 ぜひ御配慮をお願い申し上げたいと思います。
 そこで、ちょっと具体的になるものですから、防衛庁の人事教育局長さんにお越しをいただいておりますけれども、もう少し具体的に聞きますと、殉職自衛官本人及びその遺族に対する給付等について、具体的にお伺いをさせていただきたいと思います。
 そこで、階級ですとか勤続年数だとかそういったことで異なるんではないか、こういうふうに思うものですから、議論がかみ合いますように一例を挙げて伺うわけでございますけれども、年齢が三十歳、勤続年数、高校を卒業して十二年、そして家族構成は本人と子供、小さい子が二人だと。そして階級については一般自衛官だと。こういう例の場合に、国からの給付と、それから国以外の共済だとか何かそういったものがあるんだろうというふうに思いますけれども、いわゆる本人とそれから遺族でございます。簡単で結構でございますから、時間もありませんのでごく簡単にひとつお願いいたします。
#21
○政府参考人(柳澤協二君) 今の先生の言われたケースというのを、私ども、二曹の十二号俸という形で置きかえて計算をさせていただきますと、遺族補償年金につきましては、これはもう御本人は亡くなっておりますので遺族補償ということになるわけでございますが、年金の額として、通常の公務災害であれば三百万円強が年金として支払われます。さらに、これは状況によるんですが、特に高度な危険が予想される場合、あるいは現在のPKOのような海外任務の場合はこれを五割まで加算できる制度もございます。これを適用いたしますと、年金額として約四百六十万円程度ということに相なってまいります。そのほか、公務災害補償の枠の中で一時金的な葬祭補償でありますとか遺族特別援護金というような枠組みで支払われるお金が約二千二百万強がございます。
 さらに、国からの公務災害補償という意味ではございませんが、賞じゅつ金という形で、今の制度でございますと最高額が六千万円まで支給されるということになってまいります。
 それから、共済組合の方では互助的な援護金を若干出しますほか、あとは御本人が積み立てておりました年金がございますので、これはちょっと今詳細な計算はしておりませんが、その年金の制度の中で支給が行われるという形になってございます。
#22
○森田次夫君 もう少し確認したいんでございますけれども、時間でございますので、要するに、今回の自衛官の派遣で犠牲となられると、五割増し分が必ず出るというわけじゃないでしょうけれども、そういったことも考えられる、こういうことでよろしいわけですね。
#23
○政府参考人(柳澤協二君) 今、そういう点も含めて、いずれ政令等の手当てが必要になると思っておりますが、検討させていただいております。
#24
○森田次夫君 じゃ、最後の質問でございます。
 質問ということよりもちょっと御提案でございますけれども、先ほど、当初、官房長官がおっしゃられたことでございますけれども、一家の大黒柱を亡くされたということは、配偶者は言うに及ばず子供にとっても大変寂しいものでございます。これらの悲しみを乗り切るためには、単に金銭的な問題だけでなく精神的な心の支えになるものが必要であろうと、このように思うわけでございます。それをまた行うのが政治の責任である、このように思うわけでございます。
 そこで、私、これはうそかまことかわかりませんけれども、お聞きしたところによりますと、例えば自衛官が殉職された場合には、もう靖国神社なんかに我々は祭られたくないよというふうに考えている方が多いというふうなこともちょっと聞いております。
 そうしたことになったときに、先ほど官房長官がおっしゃいましたように、私も、その新しい今考えておられる施設に、その自衛官の方の施設、祭る施設といいますか、そういったことも一つの案かなと。そこのところに沖縄のあの平和の礎みたいな形で殉職された方のお名前を刻むとか、そして、今まで警察予備隊から五十年、相当事故等で犠牲になっておられる方がおられるわけでございますので、そういった方々もきちっとそういったところに刻むとか、そういった案も一つなのかな、このように思うわけでございますけれども、官房長官が最初にそのことについては触れましたので、私は一つの案として御提案申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#25
○山根隆治君 初めての登場でございますので緊張いたしておりますけれども、御答弁の方、よろしくお願いいたしたいと思います。
 事前にレクチャーでお話をさせていただいた順序と都合により少し変えさせていただきたいと思いますが、まず雇用対策についてお伺いをいたしておきたいと思います。
 政府は、総合雇用対策というものを新たにつくられたわけでございます。これから、雇用の問題については、その計画案に沿ってさまざまな施策の展開があるというふうに期待をいたすところでございますが、実は私、選挙を戦っていく中で、参議院選挙を戦う中ではいろいろな国民の皆さんから御意見がありました。雇用問題もその一つとして具体的な実は提案がありましたので、これはぜひ直接、政府担当部局にお伝えして見解を求めさせていただきたいと思いますが、それはどういうことかといいますと、ハローワークについてですが、これを土日もぜひ開いてもらいたいということでございました。
 と申しますのは、もうリストラになりそうだ、あるいは自分の勤めている会社が非常に厳しい状況にあるというところで、会社をやめてから就職を探す、仕事を探すということではなくて、その会社に在籍しながら就職活動をするということが極めて今大事だということでございました。と申しますのも、休んで行くということになると、それが非常にマイナスの査定になっていてリストラの優先順位が高くなる、そんな不安を非常に持っておられる方が多いということがよくわかりました。
 そういう意味合いで、ぜひ土曜日、日曜日にハローワークを開いてもらいたいと、こういう声が国民の皆さんからあったわけでございますけれども、今政府では、新宿と大阪ですか、二カ所で土曜日に開いておられるようでありますけれども、これを全国に広げるというおつもりはないかどうか、この点についてひとつお伺いをいたします。
 それから、時間の都合でまとめてお伺いしますが、もう一つ、雇用の問題については、ハローワークに行っても現状では一人当たり九分程度の面談時間しかないということで、メンタル面で不満を持っておられる方が非常に多いという実情があるわけでございますけれども、これについての改善策等が今御検討されていれば、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
#26
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。
 まず第一点目、ハローワークの開庁問題でございます。
 本日発表されました、完全失業率五・三%ということで、過去最高になっております。こういう中で、雇用情勢、さらに厳しさを増しておるのではないかと思っている次第でございます。
 先生御指摘のように、このような中で、大量の失業者の発生とともに、在職中からいろんな事情で求職活動を行う労働者の方々、これも増加してきているところでございます。
 ちなみに、九月に全国のハローワークに求職の申し込みをされた方々は五十七万人弱と、こういうふうな数字になっております。こういう労働者の方々のニーズに的確に対応するためには、先ほど山根先生からも御質問がありましたように、これまでの従来どおりのハローワークの運営の仕方、こういうことで本当にいいのかというふうなことを我々も考えております。
 現在、先ほど先生からもお話がございましたように、新宿と大阪東のハローワーク、これは勤務時間外、おおむね七時、あるいは土曜日も開庁しております。また、それ以外にも、安定所の情報提供施設でございますハローワーク情報プラザというものもございますけれども、そのうちの三カ所、錦糸町、名古屋、堺東、ここでも同じように平日時間外あるいは土曜日の開庁をし、サービスを行っているところでございます。
 ただ、いずれにしましても、現在のような厳しい状況を考えますと、先生御指摘のような点、これは我々も十分考えていかなければならないと思っております。
 このたびの総合雇用対策の中でも、ハローワークのサービス提供時間の延長、これが盛り込まれておりますので、我々厚生労働省としても、ぜひ検討をさせていただきたいと、こう思っておる次第でございます。
 第二点目、安定所での求職相談時間が短いのではないかという御質問でございます。
 これは、求職者数の増加に伴って平均の相談時間が非常に短くならざるを得ない状況にはございますけれども、本年四月から、安定所での業務取り扱いを定めました業務取扱要領の改定を行いまして、このような事態に的確に対応するためのいろいろな措置を講じております。
 その第一点が、パソコンを活用した求人自己検索装置の導入、あるいは求職者のニーズや特性に合わせた相談を必要とする者に重点化したサービスの提供、このようなことをやっております。
 そのほか、能力の向上等のいろいろなカウンセリング技法もやっているところでございますけれども、いずれにしましても、さらにホワイトカラー層の長期の失業者の職業相談、これをマンツーマンの形式でより綿密に行うための就職支援アドバイザー、こういうものを設けるべく今現在検討中でございます。
 いずれにしましても、このような努力を通じて早期の再就職を目指して頑張っていきたいと思っております。
#27
○山根隆治君 ぜひひとつ、今の御答弁を即実効あるものにしていただきたいというふうに思っております。
 さて、官房長官にお尋ねをいたします。
 先ほど、私も食事をしながらテレビのニュースを見ていましたら、アメリカの司法長官が、今週から来週にかけて新たなテロの発生が予想されると非常に厳しい表情で語っておられました。国民に向けたものであると同時に、私は世界の人たちにも向けたメッセージでもあるというふうに受け取りました。そして、それもかなり確度の高い証拠、確証があると、こういうニュアンスでのスピーチがあったわけであります。
 あさって、一日、園遊会が行われるわけでございます。私自身も、九月の十一日のああしたアメリカにおける同時テロ以前に御招待をいただいていたものですから、ぜひ出席をさせていただきたいというふうな返信をさせていただいておりますし、今現在もそのつもりではありますけれども、こうしたアメリカ司法長官のスピーチを聞くにつけ、本当にそれで大丈夫なんだろうかというふうな思いが開催についてするわけでありますけれども、この点についてどのようにお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#28
○国務大臣(福田康夫君) 先生おっしゃるとおり、司法長官がそういうテレビでアナウンスをしたということがございます。これは、米国内、また、はっきりは言っていなかったんですけれども、米国に関連する外国の施設というか人というか、そういうことではないかと思います。もちろん、我が国もそういう情報というのは過去にも何度かございました。その都度、必要な措置はとって、十分な警戒態勢をとってまいったところでございます。
 そういう状況の中で今御指摘の園遊会をすることがよろしいのかどうか、こういうことになるかと思います。
 園遊会というのは、天皇皇后両陛下が、各界各層で活躍し、国家社会に貢献しているそういう方々をお招きになって催されているものでございまして、両陛下及び皇族方が、招待された多くの方々と直接お話をされ、御苦労をいたわれる、そういう重要な行事でございます。このため、今回も例年どおり開催することになっておりますが、警備につきましては、今のような情報等も踏まえまして、警視庁と皇宮警察本部が綿密な警備を実施するということによりまして要人の安全確保等に万全を期すると、こういうものでございます。
 そういうことではございますんですが、テロでもっていろいろな大事な会合がこれがキャンセルになってしまう、取り消すとかいうようなことになりますと社会生活全般に影響を与えてしまう、そういうようなこともあわせ考えなければいけないと思っております。
 ですから、警備の方は警備の方として万全を期するという体制の中で、安心して皆様方がそれぞれの会合に参集されるというようなことをしていかなければならない、そういう時期じゃないかと私は思っております。
#29
○山根隆治君 官房長官、そうはおっしゃいますけれども、時々刻々いろいろ状況は変化していますね。パキスタンでもキリスト教徒に向けたテロが行われて、十二人ですか、きょうのこれもニュースでやっていました。教会が襲撃されて死者を出したという事態があるわけですね。
 今、官房長官のお話ですと、在日米軍施設等というふうなお話をされましたけれども、テロリストがどこをどういう形でねらうかというのは予測がつかないわけですね。ですから、日本にある外国の大使館も非常にセキュリティーに気を使っていて、いろいろなパーティーを自粛するとか、それから出入りの人たちへのチェックを、新たなシステムをつくるとか、いろんな形でかなり緊張してやっているわけですね。そういう中で、今、万全を尽くすと言われたけれども、万全の尽くしようのない事態というのはたくさんありますよね。
 後ほど私もちょっと質問を展開しますけれども、BC兵器であるとか、それから、だれもニューヨークのああした貿易センタービルにあんなことが起きるなんて思ってもいませんね。そういう不測の事態というのが、非常に社会的な不安が増大している中であえてやるということも一つの意味があるという見方も確かでしょう。それは、テロに屈しないという意味ではそうかもしれません。しかし、今、テロに屈する屈しないではなくて、それだけ世界じゅうが今いろんなことで自粛して、アメリカの議会でさえ閉鎖したりとかいろんなことがあるわけですね。それは、テロに屈服したのではなくて、テロと戦うための私は準備というか、そういう段階の位置づけということで考えればおかしくないはずだと思うんです。
 ですから、園遊会につきまして、国会議員はもしものことがあれば代理はききますね、年に二回補欠選挙が行われるということがありますから。しかし、やはり天皇皇后両陛下の主催されるそうした園遊会ということで、皇族方等もおいでの中でそうした事態がもし起きたということになると、これは大変な私は逆に言うと事態を惹起する、そしてテロリストにとってはそれが極めて効果的だというねらいがある、そういう心配が非常にあるわけですけれども、きょうのアメリカの司法長官のそうしたスピーチについて、今お話も、御見解もございましたけれども、そのほかいろいろな情報が、日本の情報機関というのは、アメリカのCIA等に比べるともう大人と子供ぐらいな情報量、組織しかありませんけれども、アメリカからこのところ、きょうにでもいろいろな情報の提供というのはないんでしょうか。
#30
○国務大臣(福田康夫君) どんなことが起こるか、それは、この世の中わかりません。今だって、今だってわかりませんよ、それは。園遊会をねらうというようなことであれば皇居だってねらわれるかもしれない。この国会議事堂だって、一〇〇%安全だというように言い切れるかどうかということであります。
 私が申し上げたのは、そういう情報に基づいて、そして我々の行動が制約を受けるということがあってはいけないということで、もちろん行動をするための安全は十分に確保しなければいけない、そのことはその前提としてございますが、そのためにいろんな情報がございます。そのいろんな情報を一つ一つ点検をしながら、確度の高いものについては十分な対策を今とっておると。そういうために、警察もあり、いろんな警戒のシステムというのができ上がっているわけでございますから、どうか、そういう意味において、御安心をして社会生活を、政治生活を続けていただきたいと思っております。
#31
○山根隆治君 不安は残りますけれども、私も、天皇皇后両陛下主催の園遊会でありますので、もしそのまま開かれるのであればそれも一つの私自身の中での整理した気持ちでありますので、出席するつもりでありますけれども、しかし、重々にその警備については、そうした時々刻々変化しているということだけはぜひ御理解をいただいて、情報の収集等には万全を期していただきたいというふうに思います。
 それで、テロ新法、関係三法、ああいう形で成立をいたしたわけでございます。しかし、国際的にテロの定義というものがまだはっきりと確定をされているわけではありません。今回の法律を見ましても、日本としてのテロへの定義というものがどういうものであるかというのは明らかになっているわけではございませんが、例えば、アメリカの国務省であるとかイスラエルのジャフィ戦略研究所などの国際研究機関等が発表しているテロに対する定義というものがありますけれども、それには幾つかの共通したものがあります。
 それをまとめてみますと、一つテロリズムの定義でこういうことが言えるかと思いますが、具体的には、テロリズムとは、国家の秘密工作員または国家以外の結社、団体などがその政治目的の遂行上、当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対してもその影響力を及ぼすべく非戦闘員またはこれに準ずる目標に対して計画的に行った不法な暴力の行使を言うということでございますが、こうした定義について長官は妥当なものだというふうにお思いでしょうか。
#32
○国務大臣(福田康夫君) 妥当かどうか、先生がおっしゃるんだからそうだと思いますけれどもね。
 今回のこの事件でもってテロリズムとは何ぞやと、こういうふうな議論が随分いろいろございますので、いろんな考え方があるのかもしれません。しかし、戦争とも言えない、しかし、決して無視できない大きな犯罪であるというように私は思っております。
#33
○山根隆治君 そこでお伺いいたしたいのは、そうした国際的な定義、確定はいたしておりませんけれども、おおむね妥当だというふうに御理解をいただいたんだと思うんです、今の御答弁の中で。
 そこでお伺いしたいのは、そうしたら、北朝鮮による、思われる、容疑という言葉を最近警察庁は使っていますけれども、拉致の問題、これはテロというふうに御認識をお持ちでしょうか。
#34
○国務大臣(福田康夫君) これは重大問題であります。国民の生命にもかかわる問題であるということでございますから、先ほど私は重大問題だ、それはテロだと、こう言ったけれども、そういうことではなくて、これはちょっとやはり認識は異にしております。
 今回の同時多発テロ、それは社会に恐怖心を与える、社会に与える、また国家にいろいろと強要をするといったような、そういうことを伴う殺傷行為というように考えますので、これはちょっと性格が違うのではないかなと思っております。
#35
○山根隆治君 非常に残念な御答弁ですね。
 ただ、柳井駐米大使、佐藤国連大使は、以前、拉致というのは、御家族の方がいろいろと要望、陳情に行かれたわけです、救出についての要請をされた、そのときのお話の中では、拉致というのは現在進行中のテロだということを言っておられる、断言しておられるわけですね。これは三月のことでございます。
 私は、今、テロとは違うというふうなお話ありましたけれども、今の官房長官の、こうした拉致事件というのはテロと違うという認識を持つ先進諸国というか世界的な政治指導者は恐らくおられないんじゃないかというふうに思います。韓国でも五百何十人の方、五百人ほどの方が北朝鮮によって拉致されているということをこれは金大中大統領自身が認められていたところでもあります。
 私は、これは重大な国家への主権の侵害であり、テロだというふうな認識を持つべきであろうというふうに思いますけれども、もう一度御答弁を、御見解を求めます。
#36
○国務大臣(福田康夫君) テロの定義みたいな話になっちゃうので、私は余りテロの定義について議論は正直言ってしたくはないのでありますけれども、テロというのとちょっとニュアンスが違うんじゃないかなと、こんなふうに思います。
#37
○山根隆治君 どうも勢い込んでお話しして、質問しているんですけれども、大臣の人柄で何かのみ込まれてしまうような、どうも危うさを感じちゃうので弱ってやりにくいんですけれども。それでは、その議論は少し外します。
 私は、テロの、こうした拉致事件については、日本の外務省の姿勢というのは非常に後ろ向きというか、弱い、そういうことが今までかなり見受けられたというふうに思います。どなたとは言いませんけれども、歴代のアジア局長の方、いろんなことを言っておられますね。
 一つは、ある方は、韓国に亡命した北朝鮮工作員の証言などは信憑性がないということを言われたわけです。その後、北朝鮮の方では労働新聞の中で、日本の外務省の高官までもが拉致疑惑の信憑性に大きな疑問を表しているということを新聞に書かれてしまった。そういうことがあって慌ててそれを取り消されたということがあります。あるいはまた、世論が許さないから拉致棚上げの国交正常化はできないというような物の言い方を御家族が行ったときにされたりしているわけですね。そういうことからしても、非常に外務省の消極的な姿勢が目立ってしようがない。
 河野外務大臣のときも、歴代の何人かの外務大臣が北朝鮮にお米を、直接国交がないからできませんけれども、国際機関を通じて米の支援をするということをやってきた。なぜするかというと、拉致の問題もこれによって光明が見えてくるだろう、打開できるんだというふうなことでございましたけれども、それが一向に効果は出ていない。つまり、米を送ってもらえれば交渉のテーブルには着きますと、しかし、またのど元過ぎればそれを無視してくると。こういうことの繰り返しで私は来ているように実は思えてならないんですね。
 資料をいただきましたけれども、平成七年の食糧支援、二国間で三十万トン、一回目。二回目が二十万トン。平成九年には六・七万トン、平成十二年には一回目が十万トン、それから五十万トンということで支援をしてきているわけでございますが、一向に私はらちが明かないということになっていることについて、非常に焦りと怒りというものを感じるわけですね。
 アメリカの大統領自身が言っていることでは、つい六月までは北朝鮮は、非常に厳しい、に対してならず者の国だとかというふうな発言を大統領がしていたり、あるいはテロの支援国家だということの認定がアメリカからもされていたということがあるわけですね。ですから、幾ら人がよくて、お米を援助すれば何とかなると、そういう問題じゃないだろうと思うんですね。
 それはもう国際政治、歴史を見てもいろいろな例があります。例えばクウェートも、非常にいろんな環境が厳しいということでイラクにいろんな支援を、経済的な支援や何かしていた。しかし、いざとなったらそれが侵略をされて、略奪されて、そして婦女子が非常に暴行を受ける、こういうことが今の時代でも起きているわけですね。
 ですから、やはりここのところはしっかりと毅然とした態度で、その救出ということについては私は立ち向かっていかなくてはいけないというふうな思いがするわけでございます。
 これは官房長官にお話ししても、きょうは外務大臣おられませんから。外務大臣もきょう記者会見で、テレビを見たらかなり頑張っておられましたけれども、外務省の姿勢については非常に私は問題があると思うんですけれども、外務省の弁明を聞かせてください。
#38
○副大臣(植竹繁雄君) 私、副大臣の植竹でございます。
 今、山根委員のお話でございますが、外務省の姿勢が今までいろいろあった、見解がいろいろあるということでございますが、そのときに答弁された方はそのときのいろいろな思いを持ってお答えされたと思いますが、私といたしましては、過去北朝鮮に百数十万トン出したという米の問題と、またこの日朝国交正常化の問題というのは全く別じゃないかと。しかし、長い目で見まして、鬼の目にも涙ということがございますので、人が誠意を持ってやっていけば、やはりその誠意というものは必ずやこれはわかってもらえるんじゃないかと思っております。
 したがいまして、この拉致問題とは直接ではないにしましても、日本の誠意というものをわからせる。しかし、拉致問題は拉致問題として、これはまさに日本と北朝鮮の重要な問題でありますから、これは言うべきときは言い、そして、これら拉致の解消に向けて、あるいは赤十字を通じ、あるいは国交正常化交渉におきましても、その調査あるいはその後の状況については強硬に言っているということでございます。
 私としましても、この問題は何としても、それこそらちを明けるように努力していきたいと思います。努力なくしてこういう問題の解決はございませんから、私は、これは機会があればその都度拉致解消に向けて強硬に主張していく所存でございます。
#39
○山根隆治君 見解は私とはかなり違っているわけですが、日本の外務省の基本的な姿勢というのは、いつも弁明を聞いていると、対中国、東南アジアの問題、いろいろな問題が起きてきました。それから領土問題、領海問題、ロシア、台湾、韓国、アメリカとのいろいろな関係の中でいつも出てくるのは、もっと骨太の内閣だというふうに私は思いたいんですけれども、骨太であれば外交もしっかりと骨太でやっていかなくちゃいけないということが私はあると思うんです。何かというと刺激しないように刺激しないように、そういう国の外交方針というのは世界じゅうないですね。
 今もう世界が、例えば自由主義か共産主義か、そういう時代じゃなくなってきた。イデオロギーの時代、これにも決着しています。今、これから世界を動かしていく論理というのはやはり国益であると思うんですね。ですから、永遠の敵国もなければ永遠の友好国もないという有名な言葉がありますけれども、そういう認識の中で日本の国益というものをどうやって守っていくかというのはやっぱり外務省がしっかりしないと大変なことになるだろうと思う。今はいろんなことを国会の答弁で、私が質問をしてもいろんなお話あってそれで済むかもしれないけれども、何十年たったとき、三十年、五十年、百年たったとき、あのときの外務省は何だったんだというふうなことを私は指摘されるような気がしてならないんですね。その辺のところはぜひしっかりしてもらいたい。
 例えば、もうちょっとお話しさせてもらいますけれども、一九八七年に、小さな国と言っては失礼ですが、人口とか経済規模という意味ですけれども、レバノンでやはり北朝鮮によって四人の方が実は拉致された、誘拐された。二人は途中で逃げおおせたわけですけれども、二人はどうしても捕まってしまったということで、レバノンはいろいろな外交的な手段や強硬なメッセージを送り続けて、一年四カ月後にその二人を帰国させるということに成功したということが実はあるわけですね。
 ですから、私は姿勢だと思うんです。今、北朝鮮の人たちが、指導部が恐らく考えていることは、日本はアメリカの言うがままだから、アメリカさえ押さえておけば大丈夫だと、こういう感覚が非常にあると思うんです、拉致問題だけじゃなくて。最大の友好国であるアメリカとでさえも、時にはいろいろと意見が異なって外交も展開するということもないと、そういう姿勢を示さないと、私は何でもアメリカに唯々諾々としている外交姿勢というのは世界からも侮りを受けるという気がしてならないわけですね。
 そこで、実はまだ記憶にあるかと思いますが、ちょっと調べ切れませんでしたけれども、パスポートを偽造したということで、金正日総書記の息子さんと思われる金正男氏が偽造パスポートということで日本で拘束されたということがありました。これは正式には政府は本人だということは認めていませんけれども、写真も映像も出ていますし、まずあれが金正男さんじゃないというふうに思う識者というのは私は余りいないだろうというふうに思っております。
 私はなぜ早く帰してしまったのかよくわかりませんけれども、やはり外交を預かる立場からは、この問題もはっきりと、やはり違法行為であったわけですから、しっかりと拘束して取り調べるなりなんなりという、そういう姿勢を私はそのときは示すべきであっただろうというふうに思うわけですね。この点についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
#40
○副大臣(植竹繁雄君) 山根委員まさに御指摘のとおり、日本は外交上もっと強くなれと、日本の国益に従って強くなれと、まことにおっしゃるとおり、私も大変御注意をいただきましてありがたいと思っております。しかし、やはり日本における立場というのはその都度どうやっていったらいいか、どれがベストであるかということを考えていかなくてはならないかと思います。
 例えば北朝鮮の問題ででも、超党派で行って交渉しているわけです。しかし、民主国といいますか、開かれたそういう国ですと、それがいろんな多角的な交渉もできます。しかし、閉鎖的な国というものはその辺が非常に難しい。レバノンと北朝鮮のお話もございましたけれども、レバノンと北朝鮮の関係は日本と北朝鮮の関係以上により近い関係かと私は考えるわけでございます。しかし、外交というのはやはり日本のため、日本国民のために強くやっていくというその姿勢は全く私も同感でありますし、私もその点はまた改めて外務省職員に対しましてもよく委員のお話のとおり伝えてまいりたいと思います。
 また、ただいまの北朝鮮の首相の御子息、金正日さんの御子息らしいと認定される問題については、外交交渉の場合ははっきりそれがいたしませんとなかなか外交上の問題もありますし、むしろそれは法務省の入管ではっきりとそれを仕分けるということが必要かと思います。そういう点につきましては、なおこれは法務省ともさらなるその辺のあり方については考えていくべきかと思っております。
 いずれにいたしましても、強い外務省に脱皮しつつ、方向でいかねばならないことは委員のおっしゃるとおりだと思って、肝に銘じましてやってまいります。
#41
○山根隆治君 私は、よく国会での答弁、政府、総理あるいは官房長官からも御答弁ございましたけれども、国家が国にすることというのは国民の生命と財産だと言われますけれども、しかし憲法十三条にはもう一つ概念としてやっぱり自由があるわけですね。その自由を拘束される、奪われるということ、これは国家としてやっぱり外国からそういうことがあったらば許しがたい行為だろうと思うんです。
 交渉事というのは、これは私も外交には直接かかわったことはもちろんありませんけれども、お願いに行くのでは、例えば超党派の議員団で行くにも、お願いに行ってごあいさつに行くんじゃあしらわれますよね、軽く。やはり相手に対して一つ上の立場を持つかどうか、つまりカードを持っているかどうか、あるいは最低でも五分五分の力というものを持たないと、本当の交渉というのは私はできないんだろうと思います、どれだけ知恵をめぐらしても。
 日本にそれじゃカードがないかということになると、そんなことはないですね。経済的な支援の問題があります、それから行き来の問題がありますから、再入国を禁止するということがあるし、あるいは入港を禁止する、阻止する、そういうようなことというのは十分できるわけですね。私は、そうした姿勢というものを示すことによって初めて北朝鮮が本気になって変わってくるんだろうというふうに思うんですね。
 北朝鮮の亡命した高官の人たちからのいろんな話も伝わってきますけれども、やはり相手は足元を完全に見ていますね、日本の。やはりしっかりとした姿勢というものを持たないと、私は侮りを受けるということになるというふうな思いが非常にいたすわけでございますけれども、この点については、もう時間もどんどんなくなってくるので、これ以上余り抽象的な論議で終わらせたくないので質問を少し変えさせていただきたいと思います。
 拉致されている中で今、日本政府が認めているのは七件十人ということでございますけれども、第一次日朝交渉あるいは第二次日朝交渉の中で、政府は有本恵子さんのことについて言及を日本からされているわけですね。この七件十人の中には有本さんが今まで入っていないわけですけれども、なぜ有本さんをこの中にカウントしないのかということをお尋ねを一点しておきたいと思います。
#42
○政府参考人(漆間巌君) 御指摘の女性につきましては、北朝鮮による拉致の疑いも含めましてあらゆる可能性を想定して関係各機関と情報交換を行うなど、現在のところ所要の調べを進めているところでありますが、現在までのところ、北朝鮮による拉致の疑いがあると判断するまでには至っていませんのは、本件は、警察として北朝鮮による拉致の疑いがあると判断している七件十名の事案と異なりまして、日本国内から直接行方不明になったものではないことから、失踪時の状況が具体的に判明しておりません。そのため、事案の解明には引き続きより慎重な調べが必要であると考えているからであります。
#43
○山根隆治君 慎重な調べというふうに言われますけれども、最終的な確認というのは本人、向こうに行って確認するわけにいきませんね。そうすると、いろんな状況があるわけですよ。よど号の乗っ取った人たちの奥さんがこっちに帰ってきたり、そういうところからの情報もある。あるいは韓国に亡命していた人たちがある。そういうところからのいろんな証言があるわけですね。それで、ある程度の確信を持ったからこそ、あれだけ北朝鮮を相手にする交渉の場で、普通だったら日本の今までの外務省の姿勢等からはちょっと考えられないですね、二回も言われているわけですから。相当外務省自身には自信があっての話だろうと思うんですよ。
 ですから、それをわざわざ外交交渉の中で出しておいて、国内においてそれを認めないというのは明らかな矛盾じゃないんですか。
#44
○政府参考人(漆間巌君) この拉致といいますのは、本人の意思に反して連れていかれるということになります。先生おっしゃったとおり、本人に、意思に反したかどうかというのはまさにその本人そのものに当たれないものですからわからないわけでして、そこを情況証拠で埋めることができるかどうかというのがポイントだと思います。
 私どもが七件十名として拉致の疑いがあるとしているものについては、これは実はいろいろ関係者の証言とかいうものからその本人が意思に反して連れていかれた疑いがあるということを裏づけるものを得たわけであります。
 ところが、この先生御指摘の女性の場合については今のところまだその証言を得るに至っていませんので、したがって、しばらく慎重に捜査を続けたいと言っているところであります。
#45
○山根隆治君 それじゃ質問の仕方を変えますけれども、その日朝交渉のときに有本さんのお話をされた。しかし実際には、北海道出身のIさんであるとか熊本県出身のMさん、名前は伏せますけれども、についても同様のやはりその場で指摘をすべきだったと思いますが、これについてはなぜ交渉の中で提案をされなかったんでしょうか。
#46
○副大臣(植竹繁雄君) 今、先生お尋ねのその三人の問題は、これは五十八年のころから起きた問題でございますが、ただその三人の、有本さんも入れた三人のうちの一人から、ポーランドの消印で日本に、平壌にいるというような手紙があったということに基づいてこれやっております。その後、北朝鮮との赤十字の交渉、第一回、第二回、先ほどもおっしゃられましたとおり、その交渉で調査を強く言っていることは、外務省として処置はとっておるわけでございます。
 なお、ついでに申し上げますが、これ昨年の八月以降、第二回の交渉におきましても強く言っておりますが、いまだに北朝鮮の方から回答は来ておりませんが、こういう機会があればさらにこれを追及を、調査の結果を要求してまいりたいと思っております。
#47
○山根隆治君 ちょっと時間がないのでなかなか深追いできないのが残念ですけれども、それでは角度を変えますと、週刊誌等で、赤木志郎氏の妻の金子恵美子さんが帰国して逮捕をされている、そこでいろいろな供述をされているという報道が週刊誌等でされているんですが、これについては警察庁の方ではどのような、お話しできるところで結構ですけれども、状況になっているのか、御見解等をそうした報道について承りたいと思います。
#48
○政府参考人(漆間巌君) 週刊誌等でもいろいろな報道が出ていることも承知しております。また、よど号ハイジャック犯人の妻の赤木恵美子につきましては、九月十八日に帰国したところを警視庁が旅券法違反で逮捕し、さらに十月十六日に大阪府警察が有印私文書偽造、同行使で再逮捕しているところであります。
 この辺につきましては、週刊誌に出ていることも含めまして、議員のお尋ねの点の、いろいろな拉致のときの状況、拉致というかその実際に失踪するときの状況とか、そういうところについても私ども十分重大な関心を持って所要の捜査を行っているところであります。
 ただ、今現実に具体的な捜査が進んでいるところでございますので、具体的内容については答弁を控えさせていただきます。
#49
○山根隆治君 北朝鮮との交渉のやり方、いろいろとあると思うんです、いろんなチャンネルはあると思いますけれども、ぜひ、やはり一番大事なことは、骨太の交渉をしてもらいたいということです。副大臣ぜひ、外務大臣も骨太なんだか骨太じゃないんだかよくわかりませんが、ああしたエネルギーをぜひ外交に集中してもらって、突破していただきたいというふうに思っております。家族の皆さんも非常にもうこのことを熱望、何十年も、二十数年もしているのだから、これについてはお願いということでとめたいと思います。
 さて、テロの問題についてですが、これは非常に幅広い、いろいろな形態も実はあるわけですけれども、朝日新聞を読んで、官房長官の経歴というのをそのとき初めて、勉強不足なんですが、知りました。アラビア石油でしたか、丸善ですか、石油会社にお勤めだったというふうに伺っておりますけれども、実は、政府の公式な官房長官というお立場とまた違った角度でこのテロの問題、もう一つの側面、このアフガニスタンが一時平定したときのいろいろな状況、つまり石油業界というかメジャーというか、そういうところの絡みの中で、ロシア、中国、アメリカのカスピ海における石油の権益をめぐっての、一つの、冷たいというか熱いというか、交渉というか外交戦略、ぶつかっているところだろうと思います。この点については官房長官、そうした今までの御経歴から見て、この問題についてはどのように思われますか。つまり、アフガンが一時平定した後のパイプライン等の問題、御承知だと思いますけれども、これについての御感想を聞かせてください。
#50
○国務大臣(福田康夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、あそこは将来のエネルギーの大変大事な通過点というように思っております。
 中央アジア、カザフスタンなどは非常にそういうエネルギー資源が豊富だというふうに言われております。エネルギーだけでなくて、ほかの鉱物資源にも恵まれているということもございますけれども、ロシアの天然ガス、これも相当大量のものはあるのでございますが、これを活用するということになりますと、やはりアフガニスタンをパイプラインで通過する、そしてインド洋に出てくるとかいったような、そういうことを考えないとなかなか活用できないんじゃないかといったようなこともございます。
 ロシアはロシアで中国とパイプラインの契約を結びまして、そっちの方面の活用ということも考えていますけれども、アジア全体考えまして、そしてまた、将来の世界のエネルギー需給バランスということを考えても、あの辺のそういう資源開発ということは極めて大事で、そのためにあの地域の安定ということは極めて大事であると、こんなことでございますので、できるだけ早くあの地域を安定して、そして、あの地域も経済的に発展をする中で、世界全体が公害の少ない天然ガスを使用できるような、そういうことになれば大変結構ではないかと思っております。
#51
○山根隆治君 時間でございますので、最後に。
 今、この質問は事前に御通知していなくて大変申しわけなかったんです。先ほど、委員会始まる前に少し思いついたものですから、御無礼もあったと思いますけれども、いずれにいたしましても、石油をめぐる経済的な各国の戦略が非常にぶつかり合っているところですから、日本は日本なりのしたたかさでこの点についてもやはりしっかりとした戦略、国家戦略というものをぜひ立てていただきたいと思います。
 きょうは私も初めての質問でございました。御無礼も多々あったと思いますし、大変行ったり来たりの質問でございましたけれども、将来、私からは、総理になる可能性のかなり高い官房長官に初めての質問の場を与えていただいたことについては、非常に光栄に思っております。
 大変ありがとうございました。
#52
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 官房長官、日々大変御苦労さまでございます。御奮闘いただいておりまして、小泉内閣が四月二十六日発足してちょうど半年になります。官房長官はそれ以前の森総理のときに急遽官房長官になっていただきまして、それから見事なる女房役を、森政権のときも小泉政権のときもやっていただいて、ちょうど二十七日で御就任になって一年だというふうにも伺っております。
 先日、ある新聞を見ておりましたら、小泉政権の貢献度ナンバーワンは官房長官であるというふうにも書かれておりまして、私どもも本当に今いろいろと、テロ問題がありあるいは経済問題がありあるいは狂牛病問題があり、いろいろ国際的な問題もある、節目節目で官房長官がいろんなところできちんとやってくださっておること、非常に私もうれしく思っております。二十一世紀最初の官房長官、総理の名女房役であると私も思っておりますが、私の尊敬する人が官房長官のお父さん、元総理とたびたびお会いになったようでございまして、大変な気概を持たれた元総理であったということで、二十一世紀を見詰めた明治三十八歳と、いつも私は明治三十八歳だとおっしゃっていたようでございますが、その出会いのことをいろいろ書いてあるのを私は読みました。
 こういうことを元総理おっしゃっていたようですが、行き当たりばったりは政治家じゃありません、政治家の使命は国家百年の大計の上から行動することです、日々の行政は官庁というものがあるんですから。また、こういうこともおっしゃったようでございます。私は、二十一世紀は人類始まって以来の大変革期になると思うんですと。地球の人口が百億人になったらそれだけの人が食べていけるのかどうか。資源は有限なんですから、今までみたいな成長成長一点張りでは行き詰まるに決まっています。今から手を打たないと大変なことになりますと。いつも大所高所から見ておられたようでございます。
 その御尊父様が、元総理が二十一世紀を絶えず見詰めておられた、その二十一世紀の最初の官房長官に御就任になられて見事にお仕事をされている、この一年間の長官の心境を聞かせていただければと思います。
#53
○国務大臣(福田康夫君) なかなかお答えしにくい問題でございますけれども、一年前に本当に図らずも就任した、予想もしていなかった職に就いたと、こういうふうなことでございます。私も当初はほんのしばらくの暫定官房長官だと、こういうふうな、私自身もそういうふうに思っておりました、世間の方々も皆さんそう思っておられたんじゃないかと思いますけれども。しかし、私も決して適任だというふうに今でも思っておりませんし、また私、今まで一生懸命努力はしてきたけれども、しかしそれが本当に正しかったのかな、どうかなということは日々反省しつつ毎日を過ごしていると、こんなふうな感じがします。
 しかし、この一年間は本当に大きな変化があったと思います。政治体制も省庁再編ですか、ことしの一月六日に行われまして、今までよりも総理大臣がいろいろと指揮をする、いろいろ考えてみずから指揮をしなければいけない、そういう場面がふえてまいりました。それだけに、総理官邸というのは非常に忙しいところになったと思っております。それからもう一つは、それだけに国の政治の中において大きな位置を占めるようになったと。これも事実でございまして、そういうことから責任も格段にふえてきたと、こう思っております。
 ですから、今、小泉総理も大変苦労しています。本当にお気の毒なくらい忙しい日々を送っています。忙しいだけでなくて、もう本当に切磋琢磨と申しますか、日々勉強し、そしてさらにいろいろな状況を把握し、そして的確なる指示を下さなければいけない、そういう連日でございますので、緊張感が一日たりとも緩むことがない、そんなような日々を送っているわけでございます。この体制がこのままで、このままやっていくということになれば、それなりにスタッフの強化とかいうことも今後考えていかなければいけない。ましてや、こういうテロ事件とか、この危機管理というものも大きくのしかかってきたということになりますれば、それなりのことをしていかなければいけないと、このように思っております。
 私自身は、そういう中で、内閣官房長官というのは、これはまあ言ってみれば黒子役みたいなものだというふうには思いますけれども、総理大臣が的確なる指示ができるように、また決断ができるような環境をつくっていく、これが私の一番大きな使命だろうというふうに思っておりますので、今後ともひとつ頑張ってやりますので、どうかよろしく御支援お願いしたいと思っております。
#54
○森本晃司君 大変な時期であるだけに、ぜひ官房長官のいつもの沈着冷静、それからいろんな人の意見をよく聞いて調整をされている、力がますます重要になると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それと同時に、今、長官からもお話しございました、当面の問題としてテロにどう対応していくのかということでございます。私は、官房長官のところで情報収集の体制を確立されることが極めて大事ではないかと思っておりますので、そういった点についてもお伺いをさせていただきたいと思うんです。
 アメリカで起きました同時テロ、このテロについてはもう許せるべき問題ではありませんし、国際社会全体がこのテロに向かって対応をしていかなければならないと思います。我が国でも二十数名の方々の犠牲者が出ました。本当に民主主義の敵である、そういう思いで取り組ませていただきまして、昨日、テロ関連三法案も成立したわけでございます。国際社会の中で、国際社会が一致してテロに対応していかなければなりませんが、我が国に対しても、同様にテロの標的となるおそれがなきにしもあらずと言えるわけでございます。
 そこで、何よりも情報の収集が極めて重要でありますけれども、アメリカの諜報機関ですらこのテロを防ぐことができなかったわけですね。我々、以前からよく聞いておりましたFBIとかCIA、これはもうすごい諜報機関でありますし、あるいはDIA、NSA、それからNRO、多くのいろいろアメリカの諜報機関が目を光らせていたはずなのにこういうことが起きてしまったと。とりわけ、NSAというのはアメリカにおいてECHELONを運営する主体で、携帯電話、電子メール、ファクス、あらゆる通信を監視していると言われるし、NROは十九分で地球を一周できる人工衛星ラクロス等の衛星を使って地球上のあらゆる施設の映像情報を得て解析できるシステムを持っていると。こういうことでも防げなかった。
 日本の諜報機関では、公安調査庁、内閣情報調査室のほかに警察庁警備局、防衛庁情報部等がありますけれども、相互の連携に欠けて一元的な集中がないために我が国の情報能力はテロに対して無力に等しいと、こういうことを言う人もあるわけでございますが、情報収集が一番の防衛策だと思いますが、現状におけるこの情報収集に対する長官の所感はどのようにお持ちか、お答えいただきたいと思います。
#55
○国務大臣(福田康夫君) 委員御指摘のとおり、このテロ対策というのは、これはもう本当に情報収集を完璧にする以外防ぎようがないと、そういう性格のものだと思います。
 戦争のようなものですと、だんだんとそういうふうな情勢ができ上がってきて、そしてこれは戦争になるかな、どうかなというそういうことを考える余裕もあると、これが戦争だと思います。テロというのは、相手が見えない、どこから来るかわからない、そういうことでございますので、そういうものに対処するというのは、これは極めて難しいことでもあるというように思いますけれども、それにしてもやはり情報網をいかに精緻に築き上げるかということ、そしてそれをすくい上げて的確な対応ができるかどうか、この一点にかかっていると思います。
 情報が命だというふうに思っておるところでございますけれども、我が国におきましても情報機関、これは数カ所ございます。ですから、そういう機能をフルに活用するということになりますけれども、そういうものを集約する場所として内閣情報調査室というものがございますけれども、そこに二十四時間の情報収集集約機能を持たせるような、そういうような体制もとっております。普通の状態においては四人体制でございまして、常時四人で二十四時間勤務と、こういうふうなことでやっておりますけれども、その情報集約センターにささいなる情報も集まってくると、こういう仕組みになっております。そして、その情報が来ますと、それを、情報官という者がおりまして、そういう職がございまして、そこに上げまして、そこでその性格、それからどこに連絡をすべきかといったような判断をして適宜対応する、こんなふうな体制になっております。
 このことにつきましては、私ども、これだけで十分だというふうに考えていないので、今後、そういうような見えない敵に対してどういう対応ができるかということについてさらに内容の充実を図るべく努力をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
#56
○森本晃司君 内閣の危機管理体制、今お話を伺いましたが、常時四名が二十四時間体制で交代でやっておられると。私の伺ったところでは、スタッフ全体で三十二名というふうにも伺っているわけですけれども、これはもう大変な任務であると思いますし、私は、そのスタッフで十分なのかなと、国民の生命と財産をやはり守っていただかなければならない、もう少し体制を強化されてはいかがかと思いますが、その辺は官房長官、いかがでございますか。
#57
○国務大臣(福田康夫君) 一たん事があったとき危機管理体制を組むわけでございますけれども、そういう常駐の体制としては、先生御指摘のとおり三十二名ということでございますが、これは必要に応じて、併任する者もございまして、それは併任でございますので、十六名の併任者がいて、それが常時必要に応じて集まれると、こういうふうな体制をとっております。万が一、危機管理体制を組まなければいけないようなことになりますれば、それはそのときに各省庁の応援を得て、必要に応じてその必要な規模の体制を組むことはできるわけでございますので、常時ということになりますと、今こういうことでやっておるわけであります。
 これが万全かどうかということになりますと、これはまた一度よく考えてみなきゃいかぬ問題だろうと思っております。
#58
○森本晃司君 それから、外国の情報機関と連携をよくとらなければならないと、こう思うんですが、その点について協力体制の確立と官邸への情報の収集というのは必要なんですが、どのように考えていらっしゃいますか。
#59
○国務大臣(福田康夫君) 国際テロのような、こういう今回のようなことになりますれば、当然国際的な問題であります。また、国内で起こったことも、海外との関係があるかどうかというような問題もございますから、これは連携は常時十分にとっていなければいけない。そのために、警察も、それから外務省ルートもございますけれども、そういう日常、接触ルートというものは常に持っておりまして、日々連絡を綿密にとっておる、そういう状況にございます。
#60
○森本晃司君 テロで、今、炭疽菌でアメリカはもとより世界が大変な状況に今あるわけでございますが、日本で平成七年、オウムによるサリンを使用したテロ事件の発生以降に、各国において生物兵器、化学兵器を使用するテロ行為に対する対策がいろいろと講じられているわけでございます。生物兵器、化学兵器、これへの対策をきちんとやらなければならない。我が国では、例えば天然痘ワクチンの備蓄がないということとか、あるいは生物・化学兵器によるテロの防護体制のおくれがあるということはよく指摘されているわけでありますし、また原子力施設への攻撃があるんではないだろうかという声も、不安も高まっているわけでございます。万全の、こういった生物・化学兵器対策への防護体制、これを急がなければならない。
 それから、国民の皆さんに対して、万一の場合の対処方法を周知する方法が必要であると思うんですが、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(福田康夫君) サリン事件が、これは平成七年に起こりまして、それの経験から警察とか消防庁、自衛隊、海上保安庁、そういうような関係機関が連携いたしまして、対処能力の向上、これに努めてまいりました。平成十二年八月にNBCテロ対策会議、これを設置いたしました。NBC、すなわち核、生物、化学テロに対する会議でございますけれども、そういう会議の中で、政府全体としてその対処のあり方、また専門家を含めましたネットワーク構築といったようないろいろな対策を講じております。
 今回、この炭疽菌送付事件というものがございます。今、日本ではいたずらでとどまっておりまして、それは米国のような状況にはないんでありますけれども、そういうようなものに対する処置というのは、対応策というのは、これはもう本当に喫緊の課題でございます。万一、テロが発生した際に関係省庁の役割分担、これを明確にして万全の対処体制を固める、こういうことになっておるわけでございます。
 今御指摘の対処の中に、そういう発症が起こったときにいかにして早く、何というんですか、政府が知るか、どこにどういうことが発生したかということを知り得るか、これは私は生物・化学テロにとっては一番大事なことであると思います。サーベイランスと申しますか、まず起こったことを事実を把握する、そして、それをいち早く連絡をしてくれるような体制ですね。
 そのためには、病院だとか、またそういう保健所だとかいうところの協力を得なければいけないわけでありますけれども、そのことについて、そういう機関の協力を得べく周知徹底も図らなければいけないということでございまして、このことについては厚生労働省を中心に今対応を懸命にやっておる。と同時に、もし発症した場合のワクチンとか検疫体制ですね、そういう治療体制とか、そういうことも完備しなければいけない。非常に多面にわたる問題であり、また病気によりましては隔離の問題とかいうことも現実の問題としてあるわけでございますので、そういう病院を、どこにあるかということと、それからどのぐらい収容できるかとかいったような、そういう現実的な問題もあわせ検討しているところでございます。
#62
○森本晃司君 それでは、最後にもう一問だけ。
 二〇〇二年にワールドカップサッカーが行われるわけでございますけれども、今までどちらかというとこれはフーリガン対策だというふうに言われておりました。だけれども、このような状況になってきますとそれだけではだめで、同時にテロあるいは生物あるいは化学も、そういった兵器対策をも講じていかなければならないと思っておりますが、ワールドカップに対してはどのような体制をされているかお伺いして、質問を終わります。
#63
○国務大臣(福田康夫君) テロの対象として一番好ましいのは、人がたくさん集まるところということになっているんじゃないかと思うんですけれども、そういう意味におきましては、来年のワールドカップサッカー大会というのは、これはその対象として、我々としても備えを完璧にして、そしてそういう犯行、犯罪を起こさせないようにするということが、これは極めて大事であろうというふうに思っております。
 そういう中で、じゃ、具体的にはどういうことをするのかということになりますけれども、このテロということについて申し上れば、海外の治安機関との連携によってテロ組織に関する情報収集、これを強化するということがまず第一でございます。
 そして具体的には、水際対策の徹底、それからハイジャック等防止対策の徹底、また主催者と競技場等の緊密な連携によって警戒を強化するということ、また試合開催中の飛行物体の規制の強化、それからBCテロ対策の一般的な対策強化と、こういうようなことになろうかと思います。
 これはワールドサッカーだけでなくて、ほかのことにおいても、今申し上げたようなことはテロ対策としては大事なことというふうに思っております。
#64
○森本晃司君 ありがとうございました。終わります。
#65
○吉川春子君 昨日、テロ対策特別措置法、自衛隊法改正案、改正が成立いたしました。我が党は強く反対したわけですけれども、成立いたしました。それに基づいて、政府が作成する基本計画について質問いたします。
 マスコミも、それから自衛隊の派兵に賛成する側の人からも、今回の立法は余りにも泥縄式だという批判が出ておりまして、基本計画については拙速は禁物だと、こういう指摘も強く出されています。日本の自衛隊員の命にかかわるということと、相手を殺傷する可能性もあると、これが現実の問題となるわけでして、この基本計画作成についてのまず基本的な姿勢について官房長官、お伺いいたします。
#66
○国務大臣(福田康夫君) この特措法を昨日参議院で通過していただきまして、いよいよ成立をした上での実行をどうするかと、こういう問題になります。
 基本計画をそれに先立ちましてつくるわけでございますけれども、いずれにしても、今回、国会でいろいろ議論が行われました。特に、自衛隊が今まで想定していたけれども現実の問題として取り上げてこなかった、そういう活動を自衛隊に付与すると、こういうことになるわけでございます。いろいろ議論ございましたので、そういう議論を踏まえて、国民の皆さんが安心してくださるような活動をしてもらいたい、そしてそのことが、今回はテロの、テロによる脅威の撲滅と、こういうことでありますけれども、その目的にかなった活動をしてもらいたいと、このように思っているところでございます。
#67
○吉川春子君 基本計画はいつまでに作成されるんでしょうか。
#68
○国務大臣(福田康夫君) これはいつまでというように時間を限ったものではございませんけれども、国際社会への協力というような観点から、できるだけ早くそういう活動ができるようにしていきたいと考えているところです。
#69
○吉川春子君 マスコミでいろいろ報道されていることを見ますと、もう実際には政府としても準備を随分水面下で非公式に行っているというふうに私とらえているんですけれども、もう準備はかなり前から着手しているんですか。
#70
○国務大臣(福田康夫君) マスコミの方はいろいろと憶測でもって物を書くわけでありますけれども、この法律が成立しなければ、この活動についての具体的なことはこれは表に出すことはできないわけでございます。今までもいろいろな情報とか接触とかそういうものはございます。各層、いろいろな場所でもっていろんな話がなされてきておりまして、どんなようなことがあるのかなという漠然としたイメージというものはございますけれども、しかし、それはあくまでも法律が成立してから具体的なことはいろいろこれから描いていくわけでございますので、そういう意味におきましては、まさに昨日成立して以来、作業を開始したということでございます。
#71
○吉川春子君 いろいろやっていたけれども表に出すことはできないとちらっと今おっしゃいましたけれども、やっぱり最後の方でおっしゃったことが正確でございまして、法律が成立しない前に着手ということはできないわけで、国会軽視ということにもなりますので、その点は成立をしてから着手をするということだと思います。
 それで、自衛隊を派遣するについて、基本計画をつくるについて、何か調査団を派遣されるという報道も聞きましたけれども、いつごろ派遣されるんですか。
#72
○国務大臣(福田康夫君) そのこともまあマスコミにはいろいろ書かれておりますけれども、調査団をいつ派遣する、どういう規模で派遣する、何を調べてくる、そういうことをまだ確定しているわけではありません。
#73
○吉川春子君 直ちに昨日から着手して、しかし、実際に自衛隊を派遣するということまでに少なくとも一カ月ぐらいは要するんでしょうか、どうですか。
#74
○国務大臣(福田康夫君) それは状況次第でありますけれども、私、個人的にはもう少し早く活動を開始できないかなと思っております。
#75
○吉川春子君 これから自衛隊を派遣するまでに何週間かあるわけですけれども、政府のお考えとしては、その時点までアメリカの軍事攻撃が続いていると、こういう前提で基本計画をつくられるんでしょうか、改めて質問いたします。
 今繰り返される誤爆で、アフガニスタンでは非常にたくさんの市民に犠牲が出ているというふうに報道されておりますし、赤十字とか国連、NGOとかあるいは病院とかモスクとか住宅とか、非常に誤爆されて犠牲者が出ていると同時に、難民もさらにふえているわけですね。
 そういう中で、世界は、世界の世論は軍事攻撃を中止せよと、こういう声が高まっているわけでして、先日、小泉総理が出席されましたAPECの会議でも首脳宣言が発せられまして、アメリカの軍事行動には支持を与えなかったと、国連中心に解決するということが盛り込まれているわけですけれども、日本政府は、アメリカに対して、爆撃をやっている、それを前提に基本計画の策定を急ぐということなんですか。それとも、中止をむしろアメリカに迫るべきではないかと思いますが、その辺はいかがですか。
#76
○国務大臣(福田康夫君) まあ、委員会でもそのような質問、大分ございました。今回の自衛隊が海外で活動するということは、あくまでもテロによる脅威をこれを除去すると、こういう目的でございます。それ以外の目的はないんでございまして、ですから、そのことのために米国も、また英国も、またNATOの国々も、正面ではないけれどもいろいろな援助をする、こういうふうなことを言っているわけでございまして、言ってみれば、国際社会がその持てる力を使ってテロの根絶のために努力をしていこうという、そういう活動に参加をしていると、こういうことでございますから、ですから、我が国もそういう趣旨をわきまえてその限定的な法律をつくったわけでございます。自衛隊の活動は非常に限定的であると、こういうように思っておりますし、また、実際の活動においてもそうでなければいけないというように思っております。
 米国に今の攻撃をやめるというようなことおっしゃる、同時に、市民がたくさん死ぬではないか、こういうふうなことも言われましたけれども、それを米国に言うよりかは、ビンラディンにでも言っていただいた方がいいんじゃないか、そういうことを、自首しなさいと、そんなことじゃないかと思いますが、そういう努力をぜひお願いしたいと思います。
#77
○吉川春子君 ビンラディンを捕まえる可能性はなかなかないというふうにアメリカ側も言っているようですけれども、私たちは、テロの犯人があるいは支援者が、ビンラディンに限りませんけれども、地球上どこにも身の置き場がないようにするためには、やっぱり国連中心にして国際世論で包囲すると、そういうことが一番有効であるというふうに何遍も主張してまいりまして、官房長官もお聞きになっているとおりです。
 それで、私たちは、やっぱりこれから自衛隊が派遣されるまでの間にまだまだ延々と空爆が続くということに対して心を痛めている、むしろ自衛隊を派遣する前に空爆が終わってほしい、そういう状態が、事態がだれでも望んでいることだと思うんです。
 それで、続けて伺いますけれども、テロの防止のために自衛隊が派遣される、それでこの基本計画について政府も主体的に判断して計画を作成するというふうにおっしゃっていますけれども、アメリカの軍事行動に対する兵たん活動ですから、まずアメリカのニーズが問題になると思うんです。
 それで、アメリカはどういう要求をしてきているんでしょうか。日本に何をしてほしいということを言ってきているんでしょうか。
#78
○国務大臣(福田康夫君) アメリカは、今のところ具体的に、あれをしてください、これをしてくださいということは言っておりません。
#79
○吉川春子君 何にも言ってきていないということですね。日本に対して、こういう支援活動、後方支援活動をしてほしいということは何も言ってきていないと、こういうことですか、確認します。
#80
○国務大臣(福田康夫君) そうです。
#81
○吉川春子君 アメリカの軍事行動に対する後方支援ですから、まずアメリカのニーズが明らかにならなければ自衛隊の基本計画というのはつくれない、自主的にはつくれない、こういう性質のものではありませんか。
#82
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおりです。ですから、恐らくこれからそういう両国の会議も開かれると思います。
#83
○吉川春子君 そして、そのアメリカのいろいろなニーズを聞くための会議がこれから開かれるということですけれども、それはもちろん一遍限りで終わるものではないと思います。どういう体制で、どういう仕組みでアメリカのニーズを聞こうと日本の政府は考えておられるのでしょうか。その辺、もう少し具体的に説明をしていただきたいと思います。
#84
○国務大臣(福田康夫君) 私は、今現在どのような会議がなされるか、それは聞いておりません。ですから、お答えできません。
#85
○吉川春子君 例えば、ガイドライン法のもとで共同計画検討委員会というものが設けられておりますよね。それは、常時というか定期的におやりになっているんだろうと思いますけれども、アメリカのニーズについて日常的に聞く、一度話し合っただけであとはそれで済むというものでもないし、いろいろな変更もあると思うので、そういう体制が私は必要だと思うんですけれども、その点について全く考えもせずにこういう法案を出されたとは思いませんで、やっぱりある程度の腹案があってこういうことをおやりになっているんだと思いますので、その点についてもう少し伺いたいんです。
 それと、周辺事態法関連でつくられた共同検討委員会、こういうものを活用して下相談を行っているということもあり得るのではないかと思うのですが、その辺はいかがですか。
#86
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ憶測をされますけれども、そういうことはしていないんですよ。法律が昨日成立しました。それに基づいてこれから粛々といろいろな作業を進めていく、こういうことを申し上げているんです。
#87
○吉川春子君 法律ができて、昨日から粛々と進められるのはそれは結構なんですけれども、それにしても、粛々と進めるのに全く今ゼロの状態で、じゃアメリカのニーズ、どこでどういうふうに聞くのかとか、そういうことをこれから一から考えるんですか。それとも、こういう形でやっていけばいいというような計画というものが多少あるのではありませんか。それもゼロということは私はちょっと解しがたいのですが。
#88
○国務大臣(福田康夫君) いろいろな情報等はございますから、ですからその情報などは収集したり、またいろんな分野で情報交換とかというようなこともするでしょう。ですから、その程度のことはしていますよ、当然のことながら。これは、別に今に限ったことでなくて、常時そういうことはやっているわけです。
 ですから、そういうことが公式の会議として何かあって、それがその準備だとかそういうたぐいのものでない、そういうことですね。これから粛々と事を進めていくということなんです。
#89
○吉川春子君 常時やっているということはもうそれはわかります。それはやっているでしょう、安保条約もあるし。
 それで、今度のテロ対策の特別措置法が成立をしたことをきっかけに何か新しい体制をつくるのではなくて、常時やっている、そういう方向の中でアメリカのニーズもつかんでいくと、そういうふうに理解しますが、よろしいですか。
#90
○国務大臣(福田康夫君) 定型的なことでこのために何かやっているということはないんですよ。ただ、外務省は外務省で、外務省の中でも安全保障をやっている者もおるし、それから北米局でそういう日米の常時接触しているというそういう部署もあるし、また防衛庁も同じようにそういう常時接触するラインというのはあるはずですよ、いろんな分野で。ですから、そういう分野を通じて収集した調査とか情報収集とかそれから調査結果とかいうようなことはあるかもしれぬけれども、これを目標にしてどうこうということはしていないということを申し上げているんです。
#91
○吉川春子君 していないというのはわかるんです、きのうですから、法律できたのは。これからどうしますかということを質問しているわけです。
 それで、続けて伺いますけれども、活動の期間について、どういうふうに、どの程度とお考えでしょうか。
#92
○国務大臣(福田康夫君) 今、状況をいろいろと聴取を始めた段階ですから、今その期間を申し上げることはできません。
 しかし、この法律は二年間ということになっておりますから、できれば二年間通用というか運用できるような、そういう計画をつくりたいなというようには思っております。しかし、それも状況が変われば、そのときに基本計画の変更とかというようなこともしなければいけないわけでございますから、今私が申し上げているのは、希望として、二年間、この法律がある間通用するようなものができればいいなというふうに思っています。
#93
○吉川春子君 いや、私がもうちょっとお聞きしたかったのは、二年間行ったきりというわけはないんであって、区切りがありますでしょう。だから、一回の区切りは二、三カ月ごとになるのかなと、そういう意味で申し上げたのであって、二年間の時限立法ということは承知しているんですけれども。それはもう、じゃ二年間に通用する、もう二年間行ったきり、その部隊がということじゃないんですけれども、そういう長いものを考えているということなんですか。
#94
○国務大臣(福田康夫君) それは、ですから長いかどうかはわからない。それを今申し上げることはできないんですよ。あした終わっちゃうかもしれませんよ、もしかしたら。だったらば派遣とかそういうことはないんです、その場合には。御安心できると思いますけれども。
 しかし、場合によっては長くかかるかもしれぬということを申し上げているんで、かかるかもしれぬということを前提にいろいろと計画を組んでおいた方がいいんではないかということを申し上げているんです。
#95
○吉川春子君 派遣区域なんですけれども、政府は、自衛隊を派遣できる区域を、戦闘が行われておらず、実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域とされているんですけれども、これは具体的にはどういうふうに判断されるんですか、どういう材料で判断されるんですか。
#96
○国務大臣(福田康夫君) 派遣区域は、そのニーズがあるところに派遣するんですよ。しかし、その場合に、武力行使が行われるようなところでない、または将来行われないであろうという、そういう地域を選定して派遣するわけですね。それ以外に何かありますかな、申し上げること。それで十分じゃないかと思いますね。
#97
○吉川春子君 活動を実施する区域の範囲を日本政府が独自に決められないでしょう、これもアメリカのニーズに基づいて決めるということになるんじゃありませんか。
#98
○国務大臣(福田康夫君) 先ほどおっしゃったでしょう、委員も。ニーズがなきゃできないだろうということを。まさにそうなんですよ。何にもニーズもないところに押しかけで行ったってしようがないですからね。ですからニーズのあるところに行くんです。ただし、ニーズは、今申しましたように限定的だということを申し上げているんです。
#99
○吉川春子君 アメリカのニーズに基づいてやるということと主体的に日本が計画を決定するということは、どういうふうにその整合性を持たせられるんですか。
#100
○国務大臣(福田康夫君) ですから、今申し上げたでしょう。日本としてできないことはしないんですよ。それが大前提なんです。それはこの法律に書いてあるじゃないですか。
#101
○吉川春子君 報道によると、日米間の非公式協議でアメリカが輸送、補給ということを強く求めていると。そのほかにも求めていることがあるようですけれども、何を輸送し補給するかということは具体的に基本計画に書き込みますか。
#102
○国務大臣(福田康夫君) 基本計画に輸送という項目を立てて、その中で想像、予想される大きな項目は立てると思います。
#103
○吉川春子君 具体的に何を輸送しどういうものを補給するかということも記入しますか。
#104
○国務大臣(福田康夫君) 具体的に書く場合もあると思います。想定されれば、具体的に書いてもいいんではないかと思っております。
#105
○吉川春子君 その補給する油とか食料とか、この費用の負担はだれがするんですか。
#106
○国務大臣(福田康夫君) 費用の負担ということは物資の、それは輸送船ですか、それとも物ですか。
#107
○吉川春子君 それぞれです。その費用の負担はだれがするんですか、その輸送するものの。
#108
○国務大臣(福田康夫君) この輸送業務を自衛隊の艦艇でやるということであれば、それは我が国政府が負担するということになります。
#109
○吉川春子君 時間がなくなってきたんですけれども、ちょっと難民支援について最後に伺いますけれども、難民支援は軍隊の仕事ではないと私たちは考えているんですが、国連から難民保護に関して自衛隊派遣をしてほしいと、こういうような具体的な要求があるのでしょうか。今後、どういう調整を国連と行いながらこの難民支援という問題についての基本計画はつくっていきますか。
#110
○国務大臣(福田康夫君) 今現在、難民支援を欲しいという要請は来ておりません。ですから、これはそういう要請が国連機関等からあれば、そのときに対応するということになります。
#111
○吉川春子君 ちょっと時間がもう来ましたので質問は終えざるを得ないんですけれども、私たちは、共産党は何で反対しておきながら詳しく聞くんだと、こういうお話でしたけれども、法案が通ってしまった以上、この内容は非常に重要なんです。ところが、今ほとんどその内容についてもここの場では明らかにされなくて、国民の不安は募るばかりですよね。私は、やっぱりこういう非常に重要な、国民の命もかかっているし相手側の命もかかっているような問題についてもっと情報公開というか、基本計画ですからね、そういうものをもっと積極的に国会の場で明らかにしていただきたいと、そのことを官房長官に要望しますが、いかがですか。
#112
○国務大臣(福田康夫君) これから国会の承認をいただく、そういう手続もございます。
#113
○吉川春子君 時間ですので、終わります。
#114
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。
 福田官房長官は男女共生参画社会の大臣でもいらして、そのことについてお伺いします。
 福田さんは、男女共同参画社会の実現は内閣の最重要課題の一つとおっしゃっていらっしゃいますね。何でそう思われたのか、教えてください。
#115
○国務大臣(福田康夫君) 私は、内閣において男女共同参画担当大臣ということで、男女共同参画問題の責任者、唯一の責任者だと、総理大臣も担っておりますけれども。そういう立場で、やはりこの男女共同参画社会が二十一世紀により活力を与える社会になるだろうと、そのことによって明るい社会になるんじゃないかと、こう思っておりますので、ぜひこれは進めたいと、こう思ったわけでございます。
#116
○田嶋陽子君 それでは、男女対等になれば二十一世紀の社会は明るく活力のある社会になるとお考えでいらっしゃるんですね。
#117
○国務大臣(福田康夫君) そうでない社会の典型がアフガニスタンであろうかと思っております。
 そういうことで、私は、我が国においてこの男女共同参画社会が実現する、かなり私はその道に向かって改善されていると思いますけれども、なおまだ追求しなければいけない問題があるだろうと思っておりますので、しっかりやりたいと思います。
#118
○田嶋陽子君 お見事です。そのとおりです。男女差別のあるところでは必ず暴力的な行為が横行します。
 それで、選択的夫婦別姓というところの中間まとめが出ましたけれども、そこのところで官房長官は、政府としても具体的な検討を進めていく必要がある、法務省を中心に全力を挙げていくということを十月十七日の新聞でおっしゃっていらっしゃいますけれども、具体的には現在どのような取り組みをなさっていらっしゃいますでしょうか。
#119
○国務大臣(福田康夫君) 具体的に今これから進めようとしていることについてお尋ねでございますけれども、これはこれから関係方面の理解を得るための作業を速やかに進めるということがございます。これは、政府としては、法務省を中心に具体的な検討を進めていきたいと、こういうふうに思っております。
 それと同時に、これは政治家の方で政治家としてやはりどういう考えを持つか、その夫婦別姓、選択的夫婦別姓を進める意思ですね、これを確認していただかなきゃいかぬと、こう思っております。男女共同参画社会をより充実したものにするために、政治家の御協力をいただかなければいけない、このことについての説得もしていかなければいけない、そのように思っております。ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
#120
○田嶋陽子君 それでは、官房長官は、政治家としてこの夫婦別姓、選択的夫婦別姓というものをどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。
#121
○国務大臣(福田康夫君) 我が国はまだこの制度を始めていないし、これからということでございますから、こういう社会がどういうことになるかということについてのイメージが、まだもう一つはっきりしていないというところがあるんじゃないかと思います。しかし、先進諸国ではもう既に実施をしているということもございますし、そのことによって、選択的というこのことによって私は理解をしていただき、そして本当に自分が、それを選択する人がそれを選択できるわけですから、ですからそのことで皆さんが御理解をしていただき、そしてその制度が定着してくればそういう社会というものはこういうものだということを体得できるわけですから、ですからそういう時期が早く来ればいいなというように思っておるところです。
#122
○田嶋陽子君 まだイメージがはっきりしていないとおっしゃいましたけれども、明るい二十一世紀をということでそれなりに考えている人たちがたくさん出始めていると思うんですね。
 この制度に賛成する人が、もう大臣も御存じだと思いますけれども、反対の人を上回りましたね、四二・一%、反対する人が二九・九%です。この五年、十年ですごく大きく変わったと思うんですね。そのことと、今大臣がおっしゃったこととどんなふうにお考えになりますか。
#123
○国務大臣(福田康夫君) 私も、今度の調査でもって逆転するとは思っていなかったんです、実は。しちゃったんですね。随分世の中変わったんだな、また世の中の特に若い方の意識が変わってきたなと、こんなふうに思っております。
 そういう若い方の意識が変わった中には、家に対する考え方、これが変わってきたんだろうと思いますし、また自分のアイデンティティーを大事にしたいという、そういう方もふえたんだろうと思いますし、なお社会活動において今までと同じようなことであれば職場で不利益を感じるとかいったようなこともあるんだろうというふうに思っております。
#124
○田嶋陽子君 大臣は具体的なこともいろいろ研究なさっておいでのようで、現実には、例えば夫婦別姓にしたい人が夫について海外に行くといった場合も、夫婦別姓だと、戸籍と名前が違うとビザがおりないとか、それから職場でも均等法ができてから、女の人たちが働き出してから、旧姓使用ということで雇う側も雇われる側も非常に不便をしているという現実があるんですね。
 特に、今、大臣もおっしゃいましたけれども、若い人たちが働きづらくなっている。それから、夫婦別姓を通したいという人は結婚できないでこの法律が通ることを待っている人たちがいるんですね。それがまた一つには少子化の原因にもなると思います。それと同時に、結婚制度そのものが風化していくという、私は結婚制度は風化していいと思っていまして、今のような同氏を半ば強制する、九七%がまだ同氏ですから、そういうところでの結婚制度は植民地制度だと思っているんですね。
 朝鮮を日本が植民地化したときに、創氏改名といって名前を変えさせましたね。それから、財産を没収しましたね。それから、労働力をただで使うといいますか、今これを女性に当てはめますと、まず結婚したら九七%の女性が創氏改名に当たる改姓をしますね。それから、労働力に関しては、女の人は不払い労働というのは、これはもう世界じゅうに共通した専業主婦の人たちがしている不払い労働、これは言ってみれば労働力をただで使われる、もっと私の言葉で言ってしまえば、金のなる木はみんな男性にとられてしまっているという状況は、女の人は稼ぎたくても稼げない。それがパート労働の多さということにもなってくるわけですが、それと財産没収ということは、日本は夫婦別産制なんですけれども、現実には女の人たちが十二分に働けないという状況では、そこもまた一つ、せっかくいい制度なんですけれども生かされないという状況にありまして、今の夫婦別姓一つとっても、もしそのまま残しておくならまさに日本国内における男女間の植民地制度というふうに私は定義しています。ですから、この夫婦別産制、まずこれを即刻にやっていただきたいと思うんですね。
 さっき大臣は速やかにということをおっしゃったんですけれども、この臨時国会でぜひ通していただきたいと思いますが、具体的にそこのところを教えていただけないでしょうか。
#125
○国務大臣(福田康夫君) これは先ほども申しましたように、各政党でもって御努力をいただいて、そしてそのことについて一致した意見を国会に寄せていただくということが大事なんだろうというふうに思っております。ですから、その御努力をまずお願いしたいというように思っています。あわせて、法務省を中心として、今法案の具体策とか、またそれとあわせていろいろと関係方面に連絡をとり始めていると、こういう状況でございます。
 田嶋先生ほど私は進んでおりませんけれども、それなりに努力をしたいと思っております。
#126
○田嶋陽子君 心強い確約といいますか、信念をお伺いしてとてもうれしく思います。ただ、私が聞いているところでは、反対しているのは自民党の中のほんの数人と伺っておりますけれども、その辺はいかがなんでしょうか。
#127
○国務大臣(福田康夫君) いや、数人かどうかわかりませんけれども、それはやはり家に対する考え方とか、いろいろな、例えば子供に対する問題とか、そういういろいろな問題を考えて慎重であるということではないかと思います。
#128
○田嶋陽子君 人権問題に対しては慎重は大変結構なんですけれども、なるべく速やかに非人権的なことは取り除いていった方がいいと思うんですけれども、男女共同参画社会の大臣として、ぜひその反対する勢力の人を説得していただきたいと思うんですね。よろしくお願いします。
 それからもう一つは、やっぱり今期国会でぜひ通してくださるようにここで約束していただけるとありがたいんですけれども。もう待ちに待って、九六年だったんですね、五年たってしまいました。よろしくお願いします。
#129
○国務大臣(福田康夫君) 努力はしてみますけれども、そうですね、この国会というと十二月の初めに終わっちゃうんですよね。その間、ですから、そのこともちょっとお考えいただいて、一生懸命努力しますから、忍耐強く待ってください。
#130
○田嶋陽子君 毎回そうおっしゃるんですよね。もう今回はもしかしたら通るかもしれないということで私たちはみんなわくわくしながら待っていたんですね。だから、努力して計画をなさるということなので、どんな努力をしてくださるんでしょうか。しつこいようですが、ぜひ聞かせてください。
#131
○国務大臣(福田康夫君) 私も、どのぐらい早くできるのかなと、こう思ってはおりました。しかし、こういう世論調査もありますし、私は日本全体がこの制度に、新しい制度に理解は進んでいるというように思っておりますので、そんなに遠くないんじゃないかと、こう思っていますけれども。
#132
○田嶋陽子君 今はみんな長男長女の時代になってしまって、まだ古い考えで家というものを守りたい人たちは、本当に何か結婚が難しくなったというふうに考えている人たちもいるんですね。
 そこで、夫婦選択的、選択的ですよね、全員じゃなくて、本当に選択したい人は夫婦別氏になることで、もっと本当に少子化も解消されるでしょうし、風化し始めている皆さんの大好きな結婚制度も維持できるかもしれないので、ぜひそこのところを頑張っていただきたいんですけれども、もう一度よろしくお願いします。
#133
○国務大臣(福田康夫君) 法務省から手続を。
#134
○政府参考人(小池信行君) 今、官房長官からるるお話がございましたように、私ども、まずこの問題について大方の御理解を得た上で法案を提出するということが最も望ましいというふうに考えておりまして、そのための努力に全力を挙げたいというふうに思っております。
 まず、先ほど大臣がおっしゃったように、国会議員の先生方に御理解をいただくこと、そこで十分御議論をいただくということが必要だと思っておりますので、そのための作業に向けて一生懸命頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#135
○田嶋陽子君 九六年以降とんざしているんですが、その間議論は全くなかったんでしょうか。
#136
○政府参考人(小池信行君) これは議論がなかったわけではございませんで、法務省としての法案の提出は平成八年、断念はいたしましたが、その後、主として野党の先生の方から議員提案という形で国会に法案が提出されております。たしか一度委員会で議論がされたという記憶がございます。ですから、その間、国会の内外でこの問題について引き続きいろんな形での意見交換が行われたというふうに認識しております。
#137
○委員長(佐藤泰介君) そろそろ時間ですので。
#138
○田嶋陽子君 はい。
 じゃ、もうぜひ官房長官、お願いいたします。何とかして今期で通してください。よろしくお願いいたします。もうこれしかない。
#139
○島袋宗康君 本日の最後の質問者となりましたけれども、無所属の島袋宗康でございます。
 まず、官房長官にお伺いしたいんですけれども、去る九月十一日の米国における同時多発テロは戦争行為なのか、また犯罪行為なのか、どちらかを認識しておりますか。
#140
○国務大臣(福田康夫君) これは、今回の事件はたくさんの民間人を殺傷したという行為でございまして、極めて重大な犯罪に当たることは言うまでもございません。関連の国連安保理決議が先般のテロ行為を国際の平和と安全に対する脅威と認めておりますとおり、この行為は単なる犯罪としてはとらえ切れない、こういう側面を持っておりまして、米国のみならず人類全体に対する極めて卑劣な攻撃である、こんなふうな理解をいたしております。
#141
○島袋宗康君 そうすると、今述ぶのは、犯罪であるけれども犯罪ととらえていないと。これはどういうことになりますか。
#142
○国務大臣(福田康夫君) 今申し上げましたのは、重大な、極めて重大な犯罪と、こういうふうにとらえているわけであります。
#143
○島袋宗康君 米軍のアフガニスタン攻撃は戦争行為なのでしょうか、それともオサマ・ビンラディン氏などを逮捕するための犯罪捜査活動であるのか、その辺についてお伺いします。
#144
○国務大臣(福田康夫君) 今回の米国並びに英国の行動は、国連憲章第五十一条に基づきます個別的また集団的自衛権と、こういう自衛権の行使であるという、そういうことで安保理に報告はされております。我が国も今般の米国及び英国の行動は個別的及び集団的自衛権の行使であると、こういうふうに考えております。
 パウエル国務長官が九月十三日の会見で、ブッシュ大統領や自分はこの種の行為に対して、米国及び国際社会のエネルギーを駆り立てるために戦争と言ったと。この作戦は、軍事、経済、政治、外交、財政等のあらゆる処置を伴う長期的な作戦となるという意味で戦争というふうに言いましたと。厳密に法的な意味での戦争ではない、こんなふうなことを言っているんですね。そういうような理解をしているところでございます。
#145
○島袋宗康君 アフガニスタンでは米軍の爆撃で多数の無辜の民が犠牲になっていると報じられております。このような無益な犠牲者をこれ以上出さないために、日本政府として、米軍に爆撃を中止し、あとは国連の機関にゆだねるように促していくというふうなお考えはないでしょうか。
#146
○国務大臣(福田康夫君) 今回、米国がいろいろな攻撃をしております。無差別攻撃ではなくて、必要と思われるところにピンポイントで攻撃をする、こういうことでありますけれども、誤爆ということもありました。これは米国自身が認めているものもあるわけでございまして、そういうことがないように努めていると。しかし、そういうことが不幸にして起こるということも現実にあるわけでございますね。ですから、そういう市民が殺傷されるということについていろいろ批判があろうかと思います。しかし、その目標は何かといったらば、放置しておいたら今後何をするかわからないテロ犯を、これを撲滅しようということでやっておりますので、現在のところ、その撲滅をしようという、そういう趣旨から外れていると私は思っておりません。
 今後、国連がどういうふうに介入してくるかということは、これはわかりませんけれども、国連に委託するかどうかということについては、これは今現在は米国が行動していることについて国連としてもそれは認めているということにほかならないというふうに思っておりますので、私は、現状において国連が介入すべきことかどうかは別といたしまして、この状況というものは、これは認めてもよろしいんじゃないかというように思っております。
#147
○島袋宗康君 非常にこのことは国際社会において非常に重要な問題になっておりますので、我々としてはぜひ国連の機関においてはっきりしたものを出していただいて、それに従って日本が動いていくというのが正しい方向じゃないかというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、米軍はアフガニスタンでテロを抑止ないし根絶のために行動を起こしていると思われますけれども、一方、米国内では炭疽菌汚染事件が発生し、それが拡散をして市民を不安に陥れております。これがテロ行為によるものであるとするならば、このようなバイオテロの防止策はあるのか、そして我が国のこの種のバイオテロ防止体制にどのように取り組んでいらっしゃるのか、お伺いいたします。
#148
○国務大臣(福田康夫君) 今回の米国の炭疽菌事件、これは、この犯人というのはわからないんです、今現在。米国政府も今のところわかったということは言っていない。わからないんだと思います。
 これが、そうなると、ビンラディンとかそれからアルカイダ、これとどういう関係があるのか、全く関係ないのかもしれぬということでございますので、これは今のところはそういう原因がわからぬという意味において、関連づけるべきかどうかと。場合によっては関連づけなきゃいかぬかもしれぬし、しかしそうではないかもしれぬという、そういう前提で対応していかなければいかぬ、そういう問題だと思っております。
 こういうような炭疽菌のような事件というのは、これはまことに厄介な事件だと思います。どこから送ってくるかわからない。そして、そのものが発見されればいいけれども、発見されないうちに例えば今回のように郵便物として入ってきて、そして郵便局で振り分け作業をしている間に粉末となって空気中に飛散する、こういうような状況、これはまことに恐ろしいというか、またなかなか原因を究明するのも難しいということじゃないかと思います。
 そういうようなものに対して一体どうするかということなのでありますけれども、原始的というか基本的なことなのでありますけれども、日本の場合には、不審な郵便物などへの注意喚起、そして見つかった場合に、取り扱いを郵便局に対して郵便物への注意喚起と、もう一つは取り扱いを郵便局に対して周知徹底するというような極めて原則的な要請をするとともに、また国際郵便交換局において炭疽菌に関する定期検査を実施するということにいたしております。
 一方、国内における炭疽菌等の生物剤の保管管理、これを徹底して、国内からそういう犯人の手に渡らないようにする努力をするということ、また、そういうような管理を徹底するように関係各省庁からその附属機関、すなわち病院とか研究機関とかそれから所管業界、要するに製造業者とか流通業者ですね、そういうところに徹底するように指示をいたしております。管理の強化ということを要請いたしております。
 また、悪質な不審郵便物の送付があったときには、犯罪に該当するということでもって徹底した捜査を実施し、一部を検挙していると、こういうことでございます。もちろん、検挙して有罪となれば罰則も厳しくするというような、そういうことも考えておるところでございまして、政府全体として同様の事件の発生、拡大防止のために必要な処置をとっておるところでございます。
 また、国民に対しては、不審な郵便物が届いた場合の対処の仕方として、郵便局の窓口でチラシ配布とか、インターネットのホームページを通じまして情報提供を行っております。
 また、炭疽病の患者が発生した場合、これは迅速に患者を把握いたしまして適切な治療を行うことが必要でございますので、厚生労働省において感染症の発生動向を迅速に把握する体制を確立して、診断や治療方法を医療関係者に情報提供するということをいたしまして、万一の事態に備えた必要な処置をとっているところでございます。また、炭疽病の治療には一般に流通している多くの種類の抗生物質が有効でございます。厚生労働省の方で在庫・流通量の調査をいたしまして、その結果、治療薬は十分に確保されているということが今判明いたしております。
 生物・化学テロへの対処方針として、政府は、関係機関の対処能力の強化、民間の協力も得た治療薬の備蓄、NBC兵器への対応を含む爆弾テロ防止条約に係る国内法整備などの対策をさらに強力に推進し、万一テロが発生した場合に備えまして、関係省庁の役割分担を明確にして万全の対処体制をとっていくことといたしております。今月の二十六日でございますけれども、関係省庁の会議を開催いたしまして、この点を改めて徹底いたしたところでございます。
#149
○島袋宗康君 こういった事件が、犯罪行為が起こらないにこしたことはないんですけれども、万全の対策をとっていただきたいという要望をしておきます。
 次は、警察庁にお伺いしたいと思います。
 沖縄の米軍基地警備のために、九州管区、中部管区から機動隊員が派遣されております。このことに関連して何点かお伺いいたします。次の十項目について、順次お答えいただきたいと思います。
 まず、一、派遣人員について。二、派遣期間、いつからいつまでなのか。三、派遣費、費用の概算。四、現在どこをどのように警備しているのか。五、沖縄県警の対応のみでは不十分と判断した理由について。六、それはいかなる状況の発生に対応した措置なのか。七、その措置がとられた根拠となった情報及びその出所。八、警察庁は現在沖縄におけるテロ発生の蓋然性があると判断しているのか。九、沖縄は現在テロの危険があるのか、それとも安全なのか。十、いつ、どのような状況が到来したとき撤収をされるのか。
 以上の点についてお答え願いたいと思います。
#150
○政府参考人(漆間巌君) それでは、質問の順序に従ってお答えいたします。
 まず最初は、沖縄県には十月八日以降、管区機動隊約四百五十名、車両約七十台が派遣されております。
 それから、その派遣の期間についてでありますが、沖縄県公安委員会から関係県警察に対しまして引き続き援助の要求がなされておりますので、当分の間、管区機動隊の派遣を継続することにしております。
 費用の関係でありますが、当面継続される見込みとなっておりますので、その間、情勢に応じて派遣期間、人員が変化することから、現時点で所要の経費を算定することは困難であります。
 どこをどう警備しているかということでございますが、警察官が米軍基地の直近に常駐したり、あるいは施設周辺のパトロールを実施するような所要の警戒を行っていると承知しておりますが、具体的な配置状況等については、警備実施上支障が及ぶおそれがありますので答弁を控えさせていただきます。
 それから、なぜ派遣したのかということにつきましては、管区機動隊の派遣は、警察法六十条によって、沖縄県公安委員会から関係県警察に対する援助の要求に基づいて行っているものであります。警察庁といたしましても、沖縄県には在日米軍関連施設等の警戒すべき対象が多数所在していることから、沖縄県警察の負担を軽減するために派遣元警察との必要な調整を行ったものであります。
 なお、ちなみに、沖縄県における警察官一人当たりの人口負担は五百八十三人でございますので、全国平均の五百五十一人を上回っているという状況であります。
 管機の派遣はいかなる状況の発生に備えているのかということでございますが、これは米軍関連施設に対するテロの未然防止のために派遣したものであります。
 その根拠でありますが、十月八日に米軍等がアフガニスタンを実効支配しておりますタリバン政権の軍事施設等に対する攻撃を開始したことによりまして、米軍関連施設に対するテロを未然防止するための警備を一層強化する必要があるというような一般的な情勢判断に基づくものであります。
 それから、テロ発生の蓋然性等でありますが、管区機動隊の派遣は米軍関連施設に対するテロの未然防止が目的でありまして、警察庁として沖縄県が特に危険な地域であるという判断をしているものではございません。ちなみに、青森県等にも管区機動隊等が派遣されているところであります。
 撤収の時期でありますが、現時点で具体的に撤収の時期を申し上げることは困難でありますけれども、今後の情勢の推移を踏まえまして、米軍関連施設等の警戒の必要性、沖縄県警察の負担の程度等を総合的に勘案いたしまして、沖縄県公安委員会の連絡に基づき派遣の終了を判断すべきものと考えております。
 以上でございます。
#151
○島袋宗康君 私の聞き違いかもしれませんが、沖縄県の公安委員会から要請を受けたというふうに理解してよろしゅうございますか。
#152
○政府参考人(漆間巌君) 警察法六十条は、公安委員会が他の警察に対して援助の要求をする、それに対して警察庁には報告をすると、こういう規定になっておりますので、この規定に基づいて援助が行われているわけでございます。
#153
○委員長(佐藤泰介君) そろそろお時間ですので、おまとめください。
#154
○島袋宗康君 防衛庁に対してお伺いいたします。
 沖縄県において、ことしの三月一日一件、九月に二件の自衛官による少女に対するわいせつ犯罪行為が発生しております。しかも、陸海空、三自衛官のそろい踏みによるもので、自衛隊にとっては全くお恥ずかしい話と言うほかはないでしょう。
 防衛庁は、この事実についてどのような認識を持っておられるのか、またこれに対してどういう対処をされておるのか、今後自衛官の規律のあり方についてはどのような御所見を持っておられるのか、お伺いいたします。
#155
○政府参考人(柳澤協二君) 御指摘のように、三月には幹部自衛官によりますところの婦女暴行事案がございまして、さらにこの九月には、これは条例違反でございますが、やはりわいせつ犯がございました。
 それぞれ刑事処分を受けておりますほか、私どもの方では行政処分としては、三月の事案については懲戒免にしておりますし、九月の事案についてはそれぞれ停職の処分をしたところであります。
 私ども、御承知と思いますが、三月の事案の直後には、非常に深刻に受けとめまして、当時の石破副大臣、早速沖縄県に赴いていただいて、県知事ほかの皆様におわびの言葉をお伝えし、あるいは部隊の幹部に訓示をしていただく等の措置をとったところでございまして、特に沖縄県の歴史的な背景等を十分踏まえて勤務していかなければいけないということで、その地域の歴史や文化を十分勉強させたり、あるいはボランティア活動やスポーツを通じて地域の方々と十分交流をするというようなことを通じて、当然服務教育、指導は行っておるわけですが、それに加えて、特にそういう地域の一員であるという自覚を高める措置をとってございます。
 それからさらに、全国一般的に申しますと、当然自衛隊については一般公務員を上回るところの規律あるいは団結といったものが求められるわけでありまして、これらについては、日ごろの指導もさることながら、特に精神的な部分のメンタルヘルスケアというようなことも組織的な取り組みを始めております。さらに、やはり私どもは、実際の任務を通じてそういった使命感等を身につけて成長していくという部分もございます。
 そういったことを総合的に気配りをしながら、隊員指導に抜かりのないように、さらに努力していきたいと考えております。
#156
○島袋宗康君 時間ですので、終わります。
#157
○委員長(佐藤泰介君) それぞれ質疑時間を大体お回りいただきまして、予定の時刻となりました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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