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2001/11/01 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 内閣委員会 第5号
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2001/11/01 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 内閣委員会 第5号

#1
第153回国会 内閣委員会 第5号
平成十三年十一月一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                斉藤 滋宣君
                松村 龍二君
                森田 次夫君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                井上 吉夫君
                上野 公成君
                竹山  裕君
                仲道 俊哉君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                神本美恵子君
                山根 隆治君
                山本 孝史君
                白浜 一良君
                森本 晃司君
                筆坂 秀世君
                田嶋 陽子君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国務大臣
       (科学技術政策
       担当大臣)    尾身 幸次君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        仲道 俊哉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       伊藤 哲雄君
       内閣府政策統括
       官        大熊 健司君
       原子力安全委員
       会事務局長    木阪 崇司君
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       防衛庁運用局長  北原 巖男君
       文部科学省研究
       振興局長     遠藤 昭雄君
       文部科学省研究
       開発局長     今村  努君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       河野 修一君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (科学技術における産学官連携に関する件)
 (原子力施設のテロ対策に関する件)
 (基礎研究分野予算に関する件)
 (ITER(国際熱核融合実験炉)に関する件
 )
 (地域における科学技術振興に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として神本美恵子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰介君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣審議官伊藤哲雄君、内閣府政策統括官大熊健司君、原子力安全委員会事務局長木阪崇司君、警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁運用局長北原巖男君、文部科学省研究振興局長遠藤昭雄君、同研究開発局長今村努君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長河野修一君、同原子力安全・保安院長佐々木宜彦君及び海上保安庁長官縄野克彦君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰介君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。
 尾身大臣、大変御苦労さまでございます。限られた二十分間という時間の中で質問させていただきますので、答弁の方よろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 本年一月の中央省庁再編に伴い、内閣総理大臣及び内閣を補佐し、我が国の総合的、基本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を行う総合科学技術会議が内閣府に設置されました。また、三月には、世界最高水準の科学技術創造立国の実現を目指す国家戦略とも言うべき科学技術基本計画が閣議決定されております。
 基本計画の中では、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料が重点四分野として取り上げられており、尾身大臣のさきの所信表明においても、重点四分野を中心に研究開発の重点化を進め、効率的で質の高い科学技術の実現を図る旨表明されております。
 そこで、私は、我が国の科学技術政策の推進について質問を行いたいというふうに思っております。
 小泉総理の所信表明にもありましたとおり、構造改革への不断の取り組みをスピードを持って進め、競争や技術革新を促すことにより経済社会システムの構築と経済活性化を図ることは我が国にとって大変重要なことでございます。その中でも喫緊の課題である地域経済の活性化にとって科学技術の振興は必須のものであり、ぜひとも進めていくべきものであります。
 科学技術の振興を進めていくためには、単に予算を増額すればいいというものではありません。すぐれた研究成果を生み出すものには人や予算を重点的に配分するといった戦略を持ち、効果的、効率的で質の高い科学技術の実現を図るべきであると考えております。
 そこで、お伺いをいたします。今後の科学技術政策を進める上において科学技術の戦略的重点化は重要であると考えますが、政府の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#7
○大臣政務官(仲道俊哉君) ただいまの質問について、政府の考え方を御答弁申し上げたいと思います。
 まず、具体的には後で申し上げますが、科学技術の戦略的重点化については、総合科学技術会議で決定した平成十四年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針を踏まえまして、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の重点四分野について、今お話し申し上げました、優先的に研究開発に必要な予算、人材等の資源を配分することにしております。
 具体的に申し上げますと、まずライフサイエンス分野においては、活力ある長寿社会実現のための疾患の予防、治療、それから物質生産及び食料、環境への対応のための技術等を重点領域と設定をしております。また情報通信分野におきましては、ネットワークが隅々まで行き渡った社会への対応と世界市場の創造に向けた高速・高信頼情報通信システムの構築等を、また環境分野におきましては、地球温暖化の研究、ごみゼロ型・資源循環型技術研究等を重点化しております。ナノテクロノジー・材料分野におきましては、次世代情報通信システム用のナノデバイス、材料等につきまして重点を置くこととしております。
 こうした重点化の考え方に沿いまして、平成十四年度の科学技術関係予算の編成を今進めているところであります。
 また、こうした方針を踏まえまして、各省が八月末に提出いたしました構造改革特別要求予定施策につきましては、総合科学技術会議においてその内容の精査を行い、総合科学技術会議の示した評価を踏まえまして、関係各省が予算要求を行っているところであります。
 今後、総合科学技術会議といたしましては、引き続き構造改革特別要求も含む関係各省の平成十四年度科学技術関係概算要求事項につきまして精査を行い、重点四分野に対する戦略的重点化が適切に図られるよう努めてまいりたいと思っております。
 以上です。
#8
○西銘順志郎君 先日の当委員会において尾身大臣も述べられておられました。日本経済の活性化を図るには、産学官連携の強化を促進し、革新的な財やサービスが次々と生み出すことにならなければならないというふうに思うわけであります。特に、地域における新事業、新産業の創出を通じて我が国経済の再生を図ることは緊急の課題であります。このために、科学技術を軸として、地域経済を支え、世界に通用する新事業やベンチャー企業を連続的に生み出すことが必要であり、地域における科学技術の振興をぜひとも図っていくべきであると考えております。
 沖縄県においても、琉球大学や県の研究機関、産業界等が連携を強化し、研究資源の有効活用を進めるべきであると考えております。
 産業界と大学の公的研究機関が相互の理解と信頼関係を構築し、連携を強化していくことは、国レベルのみならず、地域レベルにおいても大変重要であると考えておりますが、尾身大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。
#9
○国務大臣(尾身幸次君) 日本経済の活性化を図っていくことが現下大変大事な課題になっておりますが、そのためには、今まで大学に蓄積されていたいわゆる知的資源を活用していくということが非常に大事だと考えております。そういう意味で、産学官連携を強化をして、産業それから学界あるいは官界が一緒になって科学技術の研究開発を進めていくということが極めて大事でございまして、私ども産学官連携の強化ということをこの科学技術政策の大きな基本の柱にしているところでございます。
 そういう中におきまして、今おっしゃいましたように、いわゆる中央で産学官の連携を図るだけではなしに、地域における科学技術の発展、それから地域における産学官の連携を強化をするということが大変大事でございまして、今度提出する予定の補正予算におきましても、また来年度予算におきましても、地域における科学技術の振興、発展というのを小泉政権の大きな柱に立てまして、これを推進していくということを考えている次第でございます。
 そういう中におきまして、今お話のございました沖縄につきましても、私も沖縄の方を担当しておりますが、この沖縄の特色を生かした研究開発、亜熱帯という特色を生かした研究開発をいろんな形で産学官の連携を進めながら進めていくということが大変必要なことであるというふうに考えているわけでございまして、この大学の知的資産を活用しつつ産業の発展を実現していく。そのことは沖縄に限らず日本じゅう各地でそういう方向で進めてまいりまして、いわゆる科学技術というと中央主導型であるというようなことではなしに、日本の各地においてこの科学技術の発展を実現していくという、そういう基本的スタンスで進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#10
○西銘順志郎君 尾身大臣、大臣は科学技術政策担当大臣に御就任以来、沖縄大学院大学構想というものを提唱されておられます。私といたしましても、産学官連携による新事業、新産業の創出を強力に進めるためにも、沖縄にも中核となるような機能がぜひとも必要であるというふうに思っております。
 そういう意味で、大臣にお伺いをしたいと思います。大臣が提唱されておられる世界最高水準の大学院大学を沖縄に創設する構想とはどのようなものなのか、そしてまたこの構想を今後どのように進めていかれるのか、所見をお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(尾身幸次君) 今、沖縄に世界最高水準の自然科学系の大学院大学をつくるということで私どもこの構想を進めているところでございます。
 この内容は、まず一つは、大学の講義も、それから学内の会議もすべて英語でやるということであります。それから、教授や学生も半分以上は外国の人で構成をする。そういう意味で非公務員型の独立行政法人という形にしていきたいと思いますが、現在の我が国の大学には今はまだそういう形の大学はないユニークな大学院大学にしていきたいと思っているわけでございます。これは、アメリカやその他の諸外国の大学等と連携をとりながら、アジア地域全体の知的中核体というふうな考え方で進めてまいりたいと思っております。
 この大学を沖縄に創設するというのは大変実は大事なことであると思っておりますのは、沖縄でなければこれができない。私は科学技術と沖縄と両方担当しておりますからたまたまそういう発想になったわけでございますが、沖縄でなければできない理由というのは三つありまして、一つは、沖縄であればこそ基地の存在があり沖縄県民の皆様に多大な負担をかけているという実態から、政治的にここには特に政府として力を入れて予算の獲得等ができるという点が一つであります。それから二つ目は、沖縄がアジア地域の中核を担っている。そういうわけで、一つのアジアのセンターにできるような地理的条件を備えているということであります。それからもう一つ、これは現実的に大変大事なのでありますけれども、外国の教授あるいは学生を集めてくるときに、教授の子弟を教育するいわゆるアメリカンスクール、英語で教育をする小学校、中学校、高校あるいは大学までの機関がないといい教授が集まらない。そういう意味で、アメリカの基地がありますからすばらしいアメリカンスクールがありますので、その学校を活用して教授陣の子弟の教育ができる。したがって、すばらしい若手の教授が沖縄に来ても子弟教育の問題が解決できる。
 以上三つの点がありまして、非常に沖縄でなければできないという優位性を持っていると思っております。そういう優位性を活用して大学院大学をつくり、それをアジア地域全体の知的な中核として、そしてまた、それに伴っていろんな企業がそこに集まってくるような日本の最高水準の知的センターにしていきたいというのが私の構想でございます。
#12
○西銘順志郎君 大臣がこの構想を発表されてから、県内各市町村で誘致合戦が繰り広げられております。ぜひとも早期に実現することを要望しておきたいというふうに思っております。
 次に、ITの研究開発の推進についてお聞きをしたいというふうに思っております。
 政府は、今後における科学技術政策の重点四分野の一つとしてITを挙げております。高度情報通信ネットワークの形成、ITの活用は、少子高齢化、過疎化、経済発展のおくれ等の困難を抱える地域にとりましても課題解決に大きく貢献するものと期待されております。各地域でさまざまな情報化への取り組みが進められておるわけでございます。
 沖縄県におきましても、アジアにおける国際情報通信ハブ化に果敢に挑戦し、県の持つ特性の発揮と不利性の克服を図ることにより、自立に向けた持続的発展と世界に開かれた交流、協力拠点の形成を目指して、沖縄eアイランド宣言及び情報通信分野の人材育成に関する基本方針を策定したところでございます。先ほど大臣から言われたように、沖縄県においては米軍の施設・区域が集中しておりまして、住民の生活環境や地域振興に大きな影響を及ぼしております。県民生活の向上、経済的な自立の達成、雇用の確保を図り、我が国経済社会に寄与する地域として発展することが大変重要だというふうに思っております。
 平成八年九月の閣議決定により設置された沖縄政策協議会は、十二年八月に沖縄経済振興二十一世紀プランの最終報告を取りまとめました。その中で、沖縄における情報通信産業の発展を目指すため、沖縄国際情報特区構想の推進等、十六項目の具体的な政策について合意が得られております。また、普天間飛行場の移設に係る政府方針に沖縄県北部地域の振興に関する方針等が盛り込まれ、北部地域の振興も取り組みが始まっております。と同時に、今回の同時多発テロ事件で沖縄の観光産業は極めて深刻な状況に陥っておりまして、ITの研究開発の推進による経済回復と住民生活の向上に対する期待はますます高まっているものというふうに思います。
 今後とも政府の十分な施策を求めたいと思いますが、大臣の所見をお聞かせ願いたいと思います。
#13
○国務大臣(尾身幸次君) この五年以内に日本を世界最高の最先端のIT国家にするというのが私どもの基本的な方針でございまして、国を挙げてIT戦略を進めているところでございます。そういう中におきまして、沖縄サミットでIT憲章が決定をされ、沖縄はまた情報特区というようなこともございまして、ITを活用した地域開発を進めていくということは大変結構なことだというふうに考えております。
 日本全体のIT国家の実現の中におきまして、私どもそういう方向で、各地でITを中心とする経済開発を実現をしていくという方向で全力で取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
#14
○西銘順志郎君 大学院大学につきましてもう一度、沖縄県の各市町村がぜひとも我が村に我が市にということで本当に争奪戦を繰り広げておりますので、これは沖縄県だけにとって重要なことではないというふうに思います。やはり日本全体からしても大変重要な構想だと思いますので、大臣のもう一度のひとつ決意をお聞きして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
#15
○国務大臣(尾身幸次君) 各地からぜひ自分のところで設立してほしいという要望がございまして、大変うれしい悲鳴を上げているところでございますが、私自身は全力を挙げて、過去の日本の大学のルールなどにとらわれない世界で最高水準のこの自然科学系の大学院大学をつくる、そこ一点に集中をして施策を進めてまいりたいと。その結果として、沖縄経済もそれによって非常に大きなプラスの効果を獲得することができる、そういうことになるというふうに確信をしております。
 御趣旨に沿って全力で頑張ってまいります。
#16
○長谷川清君 民主党・新緑風会の長谷川でございます。
 きょうは、突然ではございましたけれども、昨夜遅く八時四十分ごろに、茨城県の高速実験炉のございます大洗町の常陽という建物の中に火災が発生したということが一斉にけさの新聞で報道されておりますので、朝早くで突然で恐縮ではございましたが、原子力安全委員会の事務局長にお出ましをいただきましたから、その点につきましての当面の今わかり得る概要につきまして御説明を受けておきたいと思います。
#17
○政府参考人(木阪崇司君) それでは御説明申し上げます。
 昨夜二十時四十二分ごろ、核燃料サイクル開発機構大洗工学センター内にございます高速実験炉常陽のメンテナンス建屋一階の機器洗浄槽上部作業場におきまして火災が発生いたしました。同作業場は火災発生時におきましては無人でございましたが、機器洗浄槽付近が燃えているのを中央制御室で監視カメラによりまして確認をしたわけでございます。消火活動の結果、二十三時三十分、鎮火をいたしました。
 このメンテナンス建屋は原子炉建屋とは別棟でございまして、常陽の原子炉建屋への延焼はございませんでした。なお、常陽は炉心改造工事中のため運転を停止中ということでございました。この火災によりますけが人などの人的被害及び周辺環境への放射線の影響はなかったということでございます。
 それから、所管官庁でございます文部科学省におきましては、昨夜直ちに担当の室長を現地に派遣するなどの対応をとっているというふうに伺っております。なお、火災の原因や出火場所につきましては現在調査中でございまして、本日九時三十分から消防あるいは警察当局によります現場検証が行われているというふうに伺っております。
 いずれにいたしましても、一刻も早く原因究明がなされ再発防止が図られる等、安全管理に万全を期すことが重要であるというふうに認識している次第でございます。
#18
○長谷川清君 時間のない中での状況でございますので、今のはよくわかります。
 この常陽は、ある意味においては日本の将来の財産になるであろう重要な実験炉でもございます。エネルギーのない我が国があらゆる意味においての原子力の平和利用という見地からその燃料の長期の確保ができるかできないかという、そういうものが、まだまだこれから実験を積み、商業化し、そして運転を始めてという何年もかかる道のりではありますけれども、そういう重要なところを、恐らくこれはテロではないと思いますけれども、いろいろ重要な施設という部分について、この種のことがいささかなりとも起こってくるということについては、今後我々は十分にこれを防止していかなければなりませんので、一刻も早い原因の究明というものを求めておきたいと思います。
 それでは、予定をしておりました本日の主たるテーマでございます。
 私は、きょうは四十分でございますけれども、時間が限られておりますから、今回のテロが発生をして以降、衆議院においても参議院においても皆さんが原子力発電所は大丈夫か、こういう点について、その防護について、自衛隊が出なければいけないんではないか、こういうような趣旨に基づく質疑が行われてきたと思います。いずれの質疑を聞いておりましても、私は、単に不安だけが残っていてはっきりとよく実情がわからない、イメージもわかない、そういうふうになっていると、こう認識しているものですから、たまたま尾身大臣は科学技術担当の大臣であるということであり、また原子力委員会や原子力安全委員会をも統括をされておるということでありますから、がしかし、私がきょうここでお聞きをするのはいろんな細かい実務的なこと、こちょこちょでございますから、大臣御自身に質問をするというのは一番最後にしておきたいと思います。したがいまして、これからいろいろと聞いてまいります事柄については政府参考人にそれぞれお答えをいただくということで、多少変則ではございますけれども、そのように御理解をいただいて、その間をよくお聞き取りをいただきたいと思います。
 それでは、順序は少し逆になりますけれども、核物質の防護の体制というものを我が国内にありましてはいかように今行っているのかという点、このことについて、原子力の施設の防護体制という点が一つございますのと、固定をした設備のほかに原子力の輸送を行っている、こういう燃料の輸送中における防護の体制という、この二つがあると思いますけれども、この両方につきまして、それぞれの区分と担当大臣といいましょうか所轄の責任、こういうルートについてあわせてお聞きをしておきたいと思います。
#19
○政府参考人(大熊健司君) 御説明いたします。
 原子力施設でございますけれども、原子炉等規制法におきまして、それぞれ担当、これが明示されております。
 大学の研究炉などの試験研究炉、あるいは核燃料使用施設等のこうした施設の核物質防護、これは文部科学省が担当しております。それから、実用発電炉、再処理施設、加工施設といった、こういう施設の核物質防護につきましては経済産業省、これが担当するというふうになっておるわけでございます。
 先生先ほどおっしゃいました、施設のほかに輸送の関係でございますけれども、核燃料物質の陸上輸送にかかわる核物質防護ということでございますけれども、これも原子炉等規制法において規定されておりまして、輸送の方法につきましては国土交通省でございまして、それから先ほど申し上げました試験研究炉、核燃料使用施設等の輸送物、この輸送物につきましては文部科学省が担当する、それから実用発電炉、再処理施設、加工施設等の輸送物、これにつきましては経済産業省が担当すると。それからもう一つ、実際に輸送しているときの輸送の日時、経路といったようなものにつきまして、こうした指示につきましては都道府県の公安委員会、これが担当すると、こういうふうに決められているところでございます。
 以上でございます。
#20
○長谷川清君 ただいまのお答えにもございましたように、一つ原子力という問題や核燃料という問題に対するそれぞれの所轄のありようというのは、陸、それから海、それから空、それぞれにおいても違いますし、また、固定された設備というものについてもそれぞれみんな責任の体制とルートがおのおのに分かれていると、よかれあしかれそれが今の現状でございます。この点につきましては、そういう事実だけをここで確認をしておきたいと思いますし、また後ほど、それらについての今後のこの種テロ対策というものについてのありようについては後段でこれともかかわってまいりますから、大臣にはそのときにお聞きをしたいと思います。
 それでは、施設を防護するに当たりまして、施設というものは、いわゆる原子力というものはもともと危ないものであるからという形で、原子力にまつわる発電所のみならず、大体発電所はその中心にありますけれども、構造物というものは物理的に強固につくられております。あらゆる基準にも基づいております。
 そういう部分について一体どうなっているかということをお聞きするわけでありますが、一つは防護区域という点について、皆さんのお手元に今一枚の参考資料をお配りをしております。これをひとつ見ていただきますと、防護区域の設定という場合の防護区域は、それはどの地域を指すのか。それから、周辺監視区域というものを設定することに基準上なっております。この図によりますと、それはどこの部分が周辺監視区域なのか。構造物の安全対策という点についてはどのような状況になっているのか。これらのことについて一括お聞きをしておきます。
#21
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今、先生御指摘のように、実用発電用原子炉の設置者は、原子炉等規制法によりまして、核物質防護措置の一環として防護区域及び周辺防護区域を設定することが義務づけられております。
 まず、防護区域でありますけれども、区域内に置かれます核燃料物質を防護するために設定される区域でございまして、法に基づきまして、同区域は鉄筋コンクリートづくりの障壁その他の堅固な構造の障壁によって区画することが必要とされております。
 また、その外側にございます周辺防護区域は、核燃料物質の防護をより確実に行うために設定される区域でございまして、この区域はさく等の障壁によって区画をするとともに、当該障壁の周辺に照明装置等の容易に人の侵入を確認することができる設備あるいは装置を設置することが必要とされております。
 さらに、発電所の敷地境界でございますけれども、これにつきましても放射線管理の観点から周辺監視区域の設定が義務づけられております。この周辺監視区域は、当該区域の外側では一定の放射線当量を超えるおそれがないようにとの観点から設定される区域でございますが、実態としては原子力発電所の敷地全体を周辺監視区域として設定することが一般的でございます。原子炉等規制法によりまして、同区域の境界にさくを設ける等により部外者の立ち入りを制限することが必要とされております。
 なお、原子力発電所の安全についての考え方でございますけれども、原子炉等規制法に基づき、災害の防止等の観点から十分な安全確保対策が施されております。放射性物質の閉じ込め等のために多重防護の考え方に基づいた設計上の配慮がなされております。原子力発電所は、地震など通常想定すべき外的な事象についても安全性が損なわれることのないように設計されておりまして、一般的には相当程度の堅固さを有する施設であると言えます。
#22
○長谷川清君 かなり詳しくお答えをいただきました。
 私、今のお答えを聞いておりまして、非常に頑固な建物になっておると。まず、建てる段階から恐らくは地質調査、岩盤調査を行い、岩盤にまで根を、基礎をきちっと置いた建物にすることであるとか、いわゆる構造的な部分については多重の防護もしておるというふうにお話がございました。
 いわゆる建物というのは事業者側がつくるんではなくて、これはいわゆるメーカー側がつくったり建設会社がつくったりする。国内においてはそれを実証するテスト場はありませんけれども、アメリカではGE、GEはいわゆる日立ともあるいは三菱とも東芝とも連携をいたしておりまして、例えば鉄の厚さ、鉄の中の要素の種類、そういうものによって機関車をぶつけてみる、ミサイルを撃ってみる、何センチならば、何メートルならばそれが耐えられるか、そういういろんな実証テストを行った上に立ってのいわゆる材質、材料を使う。
 原子力で一番怖いのは、テロにねらわれたときに、それ以外のときでもすべからくに、地震についてもすべてについて、今の原子力発電所はテロを予測してつくったものではありませんが、そういう構造物についてはまず一番大事な原子炉が入っているところ、人間でいう心臓部、心臓部を一番真っ先に、それを囲っておりますのはこれはまた鉄を初めとする九種類のいわゆる特殊な合金によって、それをカプセルで放出しないように埋めていますね、そうですね。その内のりには腐食しないような材料が、これが張りめぐらされておるはずです。さらにそれが恐らく今多重と言われる中の一番の核の放出を避ける第一の、そこから見れば第一の壁なんでしょう。その次に、空間を置いて二メーターの鉄筋コンクリートでさらにこれを防護している、そうですね。さらにそれから三メーターぐらいの空間を置いて一メーターにわたる鉄骨でこれをさらに覆っている。その空間の三メーターには非常に厚い鉄のパイプが幾つも走っております。こういった構造というものが今お答えにありました多重構造ということだと思います。そういう理解をしてよろしいでしょうか。
#23
○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘のとおりでございます。
#24
○長谷川清君 物理的な構造的な面で今申し上げました。
 しからば、いま一つはシステムという点についてということがあります。システムという点においては、例えば一つは、外気よりは発電所の構内はすべてマイナス気温にして、気圧にしておりますね。これは事実ですか。
#25
○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘のとおりでございます。
#26
○長谷川清君 これもいわゆる防護の一つでしょう。
 万々が一それらの設備がもし何かあれば、人間では考えられないけれども、何かの理由によって放射能が放出をした場合にあっても、外気よりは室内において気圧が低いですから、外部に流出することは物理的にないということなんでしょうね。これも多重の中の一つに入るということで、そう解釈してよろしいですか。
#27
○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘のとおりでございます。
#28
○長谷川清君 それでは、これから先は具体的に。
 まず当事者能力、事業者側の方が行わなければならない。これは最初に聞くべきであったと思いますけれども、国際の条約があります、それから二国間協定もございます、IAEAのガイドラインもあります。それらのことに基づく国内法、それぞれの分野にわたっていろいろなものの設定がたくさん出ておりますけれども、そういうことを全部要約をして、いわゆる事業者側に与えている義務であるとか事業者側が行うべきその義務以上の社会的責任とかといったような部分について、それが具体的な、今ここの資料の中にありますのは、これは原子力施設における防護の実例の一つの材料にすぎませんけれども、お手元にありますのは、今お答えの中にもありましたように、保護の区域というのはこの図でいきますと中の点線のあるところ、これがいわゆる構内の中の構内、本当の建物、いわゆる原子力発電所を囲っている。これは一つの一号機だけですけれども、二号機、三号機のところにはこれが横につながっていくと。この点線の中のところをいわゆる保護区域というふうに言い、外側に矩形で、青い矩形の線が入っておりますここの部分がいわゆる周辺監視地域と、こういうふうに解釈できるんですが、そういう解釈をしておいてよろしいでしょうか。
#29
○政府参考人(佐々木宜彦君) そのとおりでございます。
#30
○長谷川清君 それでは、この資料に基づいてそのことを確認をしておきたいのですが、そこにはいろいろと棒のようなのが出ておりますが、これがいわゆるセンサーであり、その中に青い、緑のところの中に四角いものが建っておりますが、これがいわゆる監視カメラであり、丸い囲みがありますが、数字でいうと二番のところ、「人や車両の出入口」と、こういうところにおいて車が一台とまっておりますが、ここが一つの出入り口。入るところはこの一カ所しかないはずでございます。ここのところにおける、まず一つは防護の体制、ここは現場を見てみまするというと防弾ガラスになっております。外防壁ができておりますし、ここにもセンサーと監視カメラは設置されるようになっております。
 今、私が申し上げているのは、これは全部事業者側の方のやっておることですから、そういう意味においてはいわゆるお役所の方で常時把握、間接把握をされているという分野のことでありますから、私はただこう申し上げておるので、把握されておるものがそのとおりであるなら、間違いがあるなら御指摘をいただきたい。そこはこうなっているよという点がございましたら、御指摘をいただきたいのです。
 そして、今回のテロがございましたから、さらにここに、いわゆる従来の見学者については今現在は修正されておりますのは、見学の人々、国民の皆さんに大きくこの情報公開でよく知っていただくと、こういう意味で見学を奨励しておりましたけれども、それは変わらないけれども、その場合には今回のようなテロがあるからリスクも負っていただくと。こういう意味で、一つは身元の検査も行わせていただく、金属あるいは物質における探知機も設置させていただく、中央操作室は今までは見せていたけれども今後は入れることはない、十人の見学者に一人の案内人をつけるという基準もつけるといったようなこと等々を当事者側が今やっておるということだと思います。
 建物がございます。この建物の工作物の壁も、今申し上げたような、お答えがありましたような強固な材料によってこれがつくられている。そして、外側の青いところにもセンサーと監視カメラがここに設置され、私どもの解釈では、ここにいわゆる警察が常時二十四時間シフトするということになっておりますが、当事者側の方の事業者側においても、この周辺監視地域の中に、当事者の中にも防護管理課というのを設けて三交代で二十四時間この周辺も同時に監視をしている。そういうことに、さらに職員のみならずガードマンの編成でガードマンの力もかりている。
 こういった状況を今ずらずらと申し上げましたけれども、そのような状況というものについて大体おおよそそういう状況に把握している、こう解釈してよろしいでしょうか。
#31
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今、先生から詳しくお話ございましたが、法的な観点から御説明申し上げますと、原子力施設につきましては、施設設置者である事業者が核物質防護規定を定めて国の認可を受けることとされております。この核物質防護規定には、防護区域の設定や防護区域への出入管理とか、監視の条件でありますとか核燃料物質の管理でありますとか、十数項目にわたり細かく防護の規定を定めているところでございます。
 電気事業者は特に、少しソフトの関係の対応を申し上げますと、防護区域等へ立ち入る者の身分及び立ち入りの必要性の確認を行うとともに証明書を発行して所持させておりまして、施設内に職員を同行させる等の措置を講じております。また、核燃料物質の取り扱いに対する妨害行為や防護設備等の破壊行為に供される物品の持ち込みや特定核燃料物質の持ち出しが行われないような点検を行っております。さらに、電気事業者は、出入り口に常時見張り人を置き監視させるとともに、監視装置等によりまして核燃料物質の監視や施設の周辺の巡視を実施するなどの監視体制を従来からもとってまいりました。
 これらの防護措置に加えまして、九月の米国におけますテロの事件の後、当省の指示を踏まえて、電気事業者は、これらの法令に定める核物質のための措置が確実に実施されていることを自主点検するとともに、各地域の警察等と連絡をとり合い、その御指導、御指示に従って事業者としての対応も行ってきているところでございます。
 また、電気事業者は、見学者への対応といたしまして出入管理を徹底するほか、立ち入れる範囲を見学用のルートに限定するとともに、当面、中央制御室への立ち入りは認めないこととしていると聞いております。また、万一、第三者に中央制御室が占拠されるなどの中央制御室が使用できないような緊急時につきましては、原子炉施設は制御室以外の適当な場所から原子炉を停止することができるようになっております。
 また、現在の警備の体制につきましては、今先生が御指摘のとおり、二十四時間の体制で相当数の警察官が常駐しておられます。また、海上保安庁の巡視船によりまして沖合二十四時間体制で警備されるなど、警戒が強化されているところと承知をいたしております。
#32
○長谷川清君 ありがとうございました。大体一致していると思います。
 それで、さらに、連絡の体制等々、例えば万が一の場合には自動制御が働いて自動停止をする仕組みにはなっておりますが、これも機械でありますから何が起こるかわからない、したがって手動。手動は中央操作室から行われることは当然でありますが、さらに何かが万が一のときには、いわゆる職員はすべてが避難する場所を持っております。それは秘密で、どこにあるということは言えません。そこで、遠方操作でいわゆる原子炉をとめることと、そして我が国はやはり水冷式ですから水を出すということ、これを同時に操作でやれるようになっているはずでございます。
 これらのこと、そしてまた一斉に、何かがあったときには国から地方自治体から関係者のところに一瞬にして一元的に連絡が出せるようになっておるはずでございます。この図面の中の右の下の四番と書いてあるところがそういうことを意味していると思います。
 大体私が言いたいことは、いわゆるまず自衛ということの中でガードマンまでを含めた体制、そしてここで言うところのもしテロがというときのために警察が二十四時間配備されている。ここのところは大体一メーター八十ちょっと上のいわゆる塀になって、塀といっても網の塀になっているはずですね、周辺地域と言われるところは。そこの外には、警察のみならず自衛の方の職員とガードマンも同時に二十四時間体制をしいている、こういうことが大体原子力現場の点における実情の認識だと思います。
 そういう場合に、きょうは警察の方も来ていただいておりますが、今私が言った警備の方の警察の側の場合は、この青いところを周辺といい、ここの地域をいわゆる二十四時間警備する、こういうことについて警察関係の立場から、いやそれは違うよということになっているのか、その辺のところについてちょっとお聞きしておきたいと思います。
#33
○政府参考人(漆間巌君) 今、警察の方は十六道府県、三十四施設の原子力関連施設について警戒を強化しているわけでありますが、これはそれぞれやり方がいろいろ異なっておりまして、今議員御指摘のようなその外側をやっているだけじゃなくて内側もやっているというところもありまして、これはその当該警察の諸情勢を勘案した配置、これによって決まるものだと思っております。
#34
○長谷川清君 ケース・バイ・ケースでフィットしたやり方をとるということは重要だと思います。
 今のここまでのところで一回整理を私しますと、私の感じと、それから専門家に聞いたいろんな話では、アメリカのあの百十一階建てのそれを一発でもってばんと全部が破壊されるというケース、これはやはり基礎がパイプでできていて、あとはどんどこ張り合わせていったというんですから、地震対策も何もそういったことは一切なしでつくられていると聞いております。あの両翼に石油を満タンに積んで爆弾がわりにして、あれだけのスピードであれだけの状況で、同じ状況でもし原子力のここに、ボディーに撃ち込んできた場合でも物理的には大丈夫という話は専門の皆さんから聞いておるんではありますが、しかしそれはいろんな意味において、当たる角度の問題であるとか、垂直の場合はどうかとか、いろいろあります。
 だから、この世に万全はありませんし、いろんなことはただこれで完璧というわけにはいかないと思いますけれども。私の認識からいきますと、せいぜいあれだけの力が加わった場合には、さっき申し上げた一番目の一メートルと言われる壁を本体は突き破るかもしれないが、両翼はそこで破壊される。三メーターある空間の中の鉄パイプがあるところの次の二メーターの壁のところまでは、来たとしても本体の部分がそこに到達するかどうか。
 いろいろ聞いてみますると、政府のサイドにおいてはそういうシミュレーションはしていないという話ではございますが、いずれにしても、私はそう皆さんが思うほど、原子力発電所がどうのこうのと言うとき、ただ怖い、放射能が外に放出されるということが最大のあれでございますから、外壁や何かが物理的に破壊されるという点はそんな大変なことではないしと思いますが、今も警察の皆さんに、それぞれケース・バイ・ケースでせっかく警備をいただく場合、何もそういう飛行機が飛んでくるだけとは限りません。むしろ、もうああいうやり方というのはテロのサイドだって二度も三度もやろうとはしないんじゃないでしょうか。むしろ、注意すべきはいわゆるこの炭疽菌であったりサリンであったりといったような、そういうものの方にも、警備の皆さん、ここに現地で警備をなさる方々の認識が、いや銃器類を持っているとか刃物を持っているとか、そういうやつはいないかといって神経をそちらに持っている間に、生物兵器というやつはポケットにでも入るかもしれない。
 したがって、そういうものに対する、いわゆる生物兵器というものの、化学兵器の最小限の知識と対応能力、そういうものと意識を十分に持たせてその任に当たっていただく、現場の隊員にですね。そのことが、いわゆるずっと突き詰めていったときの、そういうポイントポイントの勘どころをきちっきちっとやっていくという、ただイメージ的に怖いというだけのものではないようにしていくことが私はここで重要ではないか、このように考えておるんですが、これは一言、指示命令系統の中でそういうことをひとつぜひ、そういう点にもちゃんと意識して任につけよということは、どうでしょうか。
#35
○政府参考人(漆間巌君) 警察庁といたしましては、全国警察に対しまして、生物・化学テロ、いわゆるBCテロ事案、これの発生を想定した警戒警備について既に全国警察に指示をしております。したがいまして、原子力発電所等の警戒警備に当たっている警察官においても、十分このことを認識して警戒に当たっているというふうに考えております。
#36
○長谷川清君 そろそろ大臣にもいろいろお伺いしなければいけない時間になってまいりまして、もう二、三分ぐらいしかないんですか、四、五分ありますか。
 やはり、こういうテロという問題は、これから非常に息長くいろんな角度からやっていかなきゃいけませんが、それに対する国なり地方自治体なりのいわゆる連絡連携。まず一つは、正しい情報をいかに早く入手するかということの大事さ。そして、その入手したものを分析する能力を持っているか持っていないかということ、分析能力を備えるということ。第三には、そういうものを受けた場合に即刻対応、行動できるというスピーディーな行動が可能であるかどうか、この三つというものが損なわれないように。
 湾岸戦争のころには余り大した、中央にはなかったそういうシステムというものが今回はもう既にできておりますが、内閣の中に情報調査局もできているし、それから情報集約センターですか、そういうものができ、そしてそこには情報官もおり、そして管理監もいる。そして、二十四時間体制でやっていらっしゃる、これも三交代勤務でやっている。そういうことはいいんですけれども、そういう中に、できれば官だけではなくて、官民、民間はアフガンといえばアフガン地域の方に専門の詳しい民間の人々はたくさんいるし、今後、どこどこアジア、どこで起こるかわかりませんから、あらゆる意味においてやはり民間あるいは国内、民間のそういう専門の方々とも官民一体になること。
 それから、中央にはそれはできたけれども、現地、現場の地方自治体にそのシステムは一体どうなっているのか、受け手。それともう一つは、各省庁の中で情報がとまってしまうということが間々あると、石原信雄さんは八年以上も官房副長官をやっていて、その石原さんが間々あったと、こう言っているんです。今後なきように、そういうところに何か血流が途絶えてしまうようなことのないような、各官庁が全部縦割りでもって天井まで壁があるものですから、ここが内閣の部屋だとすれば、壁は確かに責任体制で必要でしょうけれども、必ず顔が見えて話ができる、そういう状況に、内閣は特にあちこちと関係が全部あるわけですから。
 きょうは防衛庁も呼んであるんですけれども、そこまできょうは行けませんでした。ある意味においては、今とにかく防衛庁の場合については、当面のところは原子力発電所に限っては、防衛庁を出すとなればもう戦争のような状態です。だから、ほとんど私はそこまでいかなくても大丈夫という、こういう状況というものを共有しておきたいなと。
 今後も衆参においては、余り原子力発電所のやりとり、中途半端なやりとりをしないで済むようなと、こういう感じは持っているんですが、このことについて、特に情報というものの大事さ、そのシステム。せっかくあっても作動するかどうか、ここのところについてひとつ大臣にお伺いをしたいと思います。
#37
○国務大臣(尾身幸次君) 今、長谷川委員から特に原子力施設を中心に詳細な詰めた御質問がございまして、それに対して私ども、つかさつかさでいろんなしっかりとした対応をしているというお話を申し上げまして、万全の対応をとっているところでございます。
 その安全に関するテロの情報の問題、これは官だけでできる話ではございませんで、官民挙げてこれに対応をする、情報を共有し、情報開示をし、お互いに力を合わせてテロに対抗していくということが大変大事だというふうに思っております。それから、先ほどのお話のとおり、また中央だけでできるものではございません。現場と中央とのこれまた連絡を密にしながらやっていくということも大事だと思っております。
 テロの性格上、情報、万全の体制をとっておりましても、それに漏れて情報のないままに、いつどこで何が起こるかわからないというのがこの特性でございまして、特にこれに対して我々は不断の注意を怠らず対応していくと。極めて忍耐が要り、また神経の細かさが必要なことでございますが、万全を期してまいりたい。特に原子力施設につきましては、大変にシステムをしっかりして、テロの攻撃に対する対応に万全の上にも万全を期するということが極めて大事だというふうに考えておりまして、私ども万遺漏なきを期して頑張ってまいりたいと考えている次第でございます。
#38
○長谷川清君 ありがとうございました。
 海上保安庁と自衛隊の皆さんには、お呼びしておきながら時間が及び得ませんで恐縮でございました。お許しください。
 ありがとうございました。
#39
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。尾身科学技術担当大臣に質問をさせていただきます。
 総合科学技術会議は第二期の科学技術基本計画をことし三月三十日に発表し、閣議決定しました。また、それに基づいて七月十一日には、平成十四年の科学技術に関する予算、人材等の配分の方針を決めました。重点分野として、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野に絞り込みました。これに対して、国立遺伝学研究所や国際日本文化研究センターなど大学共同利用機関の所長ら十八氏が小泉首相に要望書を提出いたしました。その内容を大臣はどのように受けとめていますか。
#40
○国務大臣(尾身幸次君) 総合科学技術会議で、ことしの四月から始まる第二次五カ年計画につきまして、今のライフサイエンス、IT、環境、それからナノテクノロジー・材料という重点四分野を決めさせていただきました。また、十四年度予算の編成方針におきましても、この重点四分野を中心にやっていこうということにしたわけでございます。
 そういう中で、先ほどのお話の幾つかの機関の方々が、特に基礎研究について重点的にやるべきであるというような御意見をいただいたわけでございますが、実は、総合科学技術会議でつくりました第二期の科学技術基本計画におきましても、「研究者の自由な発想に基づき、新しい法則・原理の発見、独創的な理論の構築、未知の現象の予測・発見などを目指す基礎研究は、人類の知的資産の拡充に貢献し、同時に、世界最高水準の研究成果や経済を支える革新的技術などのブレークスルーをもたらすものである。このような基礎研究を一層重視し、幅広く、着実に、かつ持続的に推進していく。」というふうにこの基本計画でも決めているわけでございますし、十四年度の予算を編成する場合の資源配分の方針というのも総合科学技術会議で決めておりますが、ここでも同趣旨の決定、すなわち国際水準の質の高い基礎研究を一層重視するというふうに述べているわけでございまして、私ども、基礎研究については特に将来の日本の科学技術の発展の大きなシーズを決める大変大事な分野であると考えておりまして、絶対に手を抜かないでやっていくという方針でございます。
 どうも、この提言といいますか御意見を出された方々は、総合科学技術会議は基礎的研究について少し手を抜くのではないかという全くの誤解をしておられるわけでございまして、この際、これは全くの誤解であるということをはっきりとしておきたいと考えております。
#41
○吉川春子君 「日本の科学者」という専門雑誌があるんですけれども、その二〇〇一年五月号によりますと、この第二期の基本計画のキーワードは評価、産業、競争であると、しかし、翻って、例えば途上国とか貧困とか対等、平等、アジアというようなキーワードは全くないか、あるいはないに等しいと、こういうふうに批判されておりまして、このちょっと私もざっと読ませていただいたんですが、確かに一番最初に基礎研究というのが出てくるんですけれども、それは十数行にとどめてありまして、何の具体的な施策もなくて、あとその今大臣がおっしゃったような四分野については実に細かい具体的な施策が盛り込まれておりますので、十八のこの国立研究機関等の長が懸念を表明されたというのは私はよくわかるわけでして、ぜひ、それは誤解だと今、尾身大臣がおっしゃっていただきましたので、その誤解を解くために、事実の行為で、予算とか人材ですとかそういうところで示していただきたいというふうに申し上げます。
 それで、効果的、弾力的、効率的運用と。この中で、私はちょっと気になるんですけれども、第一期の計画の中で国立大学の研究支援者がむしろ減少していると、こういう反省していますね。じゃ、今度の第二期ではどうかといいますと、全部は触れる余裕はありませんが、例えば裁量労働制の導入とか、研究者を大事にすると言いながら、民間の施設で、民間の研究機関等で導入されて大問題になっている裁量労働制を独立行政法人化したところは導入したらどうですかというようなことまで書かれておりまして、私は研究を支えるのは人だと思いまして、研究者、研究支援者の身分、待遇をきちっとしていく必要があると思います。これは、裁量労働制を安易に導入するというようなことは逆の結果を招くと思いますので、それを厳しく注文しておきたいと思います。
 その点について、厳密に検討して安易な導入は絶対しないでほしいと思います。その点について簡単でいいんですけれども、今後の方向として、お願いします。
#42
○国務大臣(尾身幸次君) 今の、特に国立大学を中心とする、講座制を中心における自然科学系の研究開発体制というのは、かなり非弾力的で競争原理が働いていない、そういうシステムになっていると私ども反省をしているわけでございます。
 そういう中で、やはり特に若い能力のある研究者がその能力を最高度に発揮させるような競争的な弾力的な制度にしていくことが国際競争で私どもが勝ち抜けるゆえんでございまして、スイスのIMDという調査機関の調査によりますと、日本の大学がどのくらい日本経済社会の発展に寄与しているかというアンケート調査によりますと、日本は四十九カ国中四十九番目ということになっているわけでございまして、もっと大学の研究を活性化し、若手の能力を発揮させ、研究分野における競争原理も働かせる、そういう考え方のもとにもっと活性化していかなければ国際的な競争に勝てない。そしてそれは、またひいては雇用の減少につながって、働く人が職を失うという結果にもなりかねないわけでございまして、日本経済の発展のためにはもっと活性化した弾力的な、かつ競争的なシステムを研究現場においてもつくっていかなければ、我が国の、特に基礎研究分野も含めて科学技術の発展は本当の意味で実現できないというふうに考えておりまして、そちらの方向に我々としては進んでまいりたいと考えている次第でございます。
#43
○吉川春子君 基礎研究の重視ということと競争的ということとどこでどう両立するのか、これはなかなか難しい議論だと思いますが、私は、裁量労働制を導入するに当たって十分検討して安易に導入するなと、民間で出ているマイナスの面の轍は踏むなということを申し上げているわけでして、それについては別に政府としてもそういう立場で導入されるというふうに言っていただければいいことなんですね。
 それで、さっきの十八の大学共同利用機関の所長有志らの要望の中に、基礎研究設備費の削減についての懸念が表明されているんですけれども、例えば基礎研究に必要な全国の大学が共同で使う貴重な設備の予算が削られるのではないかという懸念を表明しております。
 私はもう素人なので全くよくわからないんですけれども、例えば極端紫外光実験施設、UVSORというんだそうですね、それから大型スペクトログラフ、人工の虹をつくりさまざまな波長の光のもとで生物機能を調べる施設、これは全国の大学等が共同利用している施設だそうですけれども、この予算要求額はことしはどうなっていますか。事務局で結構です、どうぞ。
#44
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えいたします。
 今のは岡崎国立共同研究機構というところのお話だと思いますが、これは国立学校特別会計で措置をいたしております。
 最近の大変財政状況が厳しい、そういった中で私どもとしては、できるだけそういった共同利用機関でやっている研究に支障を来さないよう努力をいたしているところでございます。具体的に申し上げますと……
#45
○吉川春子君 その二つの点について。
#46
○政府参考人(遠藤昭雄君) おっしゃいましたUVSOR、これの実験経費及び運転経費として十三年度六億六千二百万を計上しておりましたが、十四年度概算要求では六億四千九百万を要求いたしております。また、このほかに、設備が老朽化いたしております。高度化を図るために新たに十四年度十二億一千九百万を要求いたしております。それから、大型スペクトログラフを用いた光受容系の解析実験装置経費、これは十三年度三千七百万計上いたしておりましたが、十四年度三千六百万円を要求しております。
 以上でございます。
#47
○吉川春子君 改修は必ず行うと、ちょっとそこだけ確認します。どうですか。
#48
○政府参考人(遠藤昭雄君) 先ほど申し上げましたように、老朽化、高度化のための予算措置を概算要求で十二億いたしております。
#49
○吉川春子君 概算要求ですから今後どうなるかというのはありますけれども、ぜひそこは守っていただきたいんですが。
 同時に、今、UVSORなどの予算は概算でマイナス要求していますね。この点についてもうちょっと具体的に説明してください。
#50
○政府参考人(遠藤昭雄君) 具体的な全体の数字はちょっと今持ち合わせておりませんが、全体的な流れを申し上げますと……
#51
○吉川春子君 数字でいいんです。
#52
○政府参考人(遠藤昭雄君) 全体の数字はちょっと今持ち合わせておりません。
 それで、私どもの方針だけを申し上げますと、大学共同利用機関につきましては、やはり今活躍中、研究が盛りのところと必ずしもそうじゃなくて終わりの方に来ているところとかいろいろあるわけでございます。そうすると、その軽重をつけて、厳しい財政事情の中でそれが研究活動に影響を与えないようバランスよく配分をして概算要求をしておるところでございます。
#53
○吉川春子君 実際には千三百万円のマイナス要求になっているんですよね、概算で。概算でマイナス要求ということは、もう本予算になったときにふえる可能性ないわけですから、こういう点でやっぱり基礎研究の設備の費用が削られていると、削られて、もっと削られてしまうんではないかと、こういう懸念を表明していると思うんです。
 それで、先ほど尾身大臣も、総論的にですけれども、基礎研究は絶対後退させないと、予算もきちっと確保していくという方針を述べられたわけですから、その点で、こういうマイナスの形ではなくてきちっと確保していただきたいと、これは要望ですけれども。
#54
○国務大臣(尾身幸次君) 基礎研究というのは、実は今の方々は、私のところにも参りまして基礎研究基礎研究とおっしゃるから、じゃ基礎研究って何ですかと、どのお金をふやしてほしいんですかと聞いたんですよ、私は。そうしたら、基礎研究というのは科学研究費補助金が主たるものですよという話だったんです、皆さんの話で。いわゆる科研費ですね。
 で、その科研費について、私はそういう話がありましたので調べました。調べてみたら、平成七年度から平成十三年度の間で、平成七年度の九百二十四億から平成十三年度は千五百八十億と一・七倍に科研費はなっています。これがいわゆる基礎研究と言われるものの実態でありまして、科学技術全体の予算は同じ期間に一・四倍になっておりまして、相当程度実はふえている、一・四倍になっている。しかし、科研費という基礎研究部分の大宗を占める予算は一・七倍で、千億円の壁をなかなか突破できなかったのが、この五年間で千五百八十億円になっている。
 さらに翻ってみると、大型プロジェクト、研究費の中の例えば宇宙とか海洋とか原子力とかいう予算は、この同じ期間に、平成七年の七千七百六十五億から十三年度の八千四百六十二億と一・一倍にしかなっていない、いわゆる大型プロジェクトの研究開発費は。そういう中で、科研費と言われている基礎研究の大宗を占める部分については一・七倍と物すごい大きな伸びを示しているわけであります。
 したがって、私どもとしては、基礎研究全体についてはほかのところよりもはるかに科学技術研究費の中で重点を入れて力を、このもちろん十四年度もそうなんでありますけれども、最優先の予算獲得を図っていると思っております。
 先ほどの国立共同研究機関の具体的な自分たちの、その方々のところの予算はその年々のいろんな施設の整備状況等々の実情に応じて多少の出入り等はございますけれども、全体として基礎研究を伸ばしていくという私どものスタンスには変わりがない、これからも続けていきたいと考えております。
#55
○吉川春子君 私は科研費については大変重要だと思いまして、科研費を使っていろいろな意欲的な研究成果が発表されておりまして、私は全部知っているわけじゃないんですけれども、幾つかは大変評価しております。それで、科研費がふえているということも知っておりますが、とにかくもともとが少ないんですね。数千億にも満たないというか、非常に低いところで伸びてきているんですよ。
 それで、私はもう一つじゃ数字を申し上げますと、科学技術研究調査ということで、これは総務庁の統計局の数字なんですけれども、総額と基礎研究、応用科学、開発研究費ということで三つに分けているんですけれども、この第一次の基本計画の中で、基礎研究費は九五年が一五%だったのが九九年には一四・一%ということで逆に減っているんですね。そういうことを見ますと、やっぱりトータルで基礎研究費をふやしていただきたいと。
 それで、応用の方は、研究開発の方は二%ふえているとか、こういう総務庁の調査の結果なんですけれども、そういうことがありまして、ともかくそういう意味で基礎研究が非常に重要ですし、その他、その後の発展にも大きな影響を与えるものですから、そこを重視してやっていただきたい、具体的な予算の中でもやっていただきたい、そういうことを申し上げまして、私は、もう時間がなくなりましたので、もう一つ次の問題に進みます。
 第二期の科学技術基本計画、今話題にしているものの中に女性研究者の環境改善という項目がありまして、女性研究者が研究開発に継続的に従事できる方法を整備するというふうに指摘されております。
 それで、これは日本学術会議が七十二回総会、かなり前なんですけれども、女性の地位について改善要求を出しております。それによりますと、科学研究者の地位の保障についての国の基本政策を確立することは当面の緊要の課題である、特に婦人研究者は科学研究への参加の歴史が浅く、かつ婦人の能力、特性あるいは固定的な役割分担に関する旧来の観念が今なお残存することもあるため、その数も科学者全体のうち極めて少数にとどまり、しかも著しく不利な立場に置かれていると。およそ四半世紀前の文章なんです、要望なんですけれども、今日に適用しても、若干の改善はありますけれども、余り変化していないなという印象を私は持っております。
 それで、文部省お見えですか。文部省に伺いますけれども、国立大学の女性研究者の比率はどうなっていますか。学長、副学長、教授、助教授、講師、助手について報告されたいと思います。
#56
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えします。
 国立大学の助手以上の女性の割合でございますが、近年少しずつ増加しております。平成十三年の九月一日現在で約九・五%でございます。数は、六万九百七十三人、全体ですが、そのうち女性は五千八百十一人というふうになっております。それから、今、学長、副学長等別にとおっしゃいましたが、国立大学で学長は二人、教授が千二十三、助教授千五百四十六、講師七百四十、助手二千五百、以上でございます。
#57
○吉川春子君 女性の比率、言えますか。
#58
○政府参考人(遠藤昭雄君) 九・五%です。
#59
○吉川春子君 いやいや違いますよ。今言われたでしょう、学長、副学長云々と。それ、女性の比率言ってください。
#60
○政府参考人(遠藤昭雄君) 職種別ですか。
#61
○吉川春子君 そうです。
#62
○政府参考人(遠藤昭雄君) 学長は二・二%ですね。これは、副学長はゼロでございます。教授は四・九四%、助教授九・一四%、講師一三・五八%、助手一四・一八、それでトータルで九・五三%となっております。
#63
○吉川春子君 つまり、九十九国立大学がある中で女性の学長は二人と、副学長はいないと、教授は二万七百十三人の中で女性は千二十三人ということで、トータルとして九・何%なんですけれども、助手とか一番こう何というんですか、低いと言うとあれなんですけれども、お給料の安い方、そこに比較的いるんだけれども、でもそれも含めても全部一〇%を切るという形なんですよね。
 私は十数年前も文教委員やっていまして、そのときもこの比率を聞いたんですけれども、余り変化していないと思うんですよね。どうして、この間、でも何か努力をされてきたと思うんですけれども、どういう努力をされてきた結果がこの数字なのか、十数年余り変わらない数字なのか、そして今後どういう形でその女性研究者をもっときちんとしたポストに引き上げていく方針をお持ちなのか、その点伺います。
#64
○政府参考人(遠藤昭雄君) まず、大学の教員人事でございますが、これは教特法に基づきまして各大学がその責任に基づきまして適正に行うというふうに法律上定められております。したがいまして、一つそういう制約といいますか、こちらが目標を数字を立ててという点は無理な点があるという点は御理解をいただきたいと思います。
 それで、どういう努力をしてきたかということでございますが、これまで大学審議会におきましても数次にわたりまして、女子教員への積極的な採用は必要であるというふうな答申を数度にわたっていただいております。また、私どももさまざまな会議等でその旨を主張し、指導いたしておるところでございます。
 最近で申し上げますと、十二年の五月に国立大学協会がワーキンググループをつくりまして、そこでこういうことを言っております。「二〇一〇年までに国立大学の女性教員比率を二〇%に引き上げることを達成目標として設定することが適切であると思われる。」というふうに打ち出しております。したがいまして、みずからこういうことを打ち出しておりますので、私どもとしてもできるだけ後押しをするよう最大限の努力をしていきたい、このように思っております。
#65
○吉川春子君 十二月に政府が行動計画を立てまして、男女共同参画のですね、それで人事院等もいろんな勧告をしておりますので、それに基づいておやりになっているとは思いますけれども、ともかく、やっぱり日本の科学技術の研究を支える分野で女性の力を発揮させるということは、これは日本の科学技術の面でも非常に必要であり、有効であると思うんですね。その女性たちが、いろいろな理由はあっても、ともかくまだ現状はそういう低いレベルにとどまっているということで、きょうは時間がもうありませんのでこれで終わりますけれども、文部省においても本腰を入れて、この女性研究者の待遇改善とそのポストの引き上げ、そういうことをお願いしたいと思います。
 最後に、大臣のこの件についての決意を、もう時間がないので一言だけお願いします。
#66
○国務大臣(尾身幸次君) 女性の地位向上という観点で皆様議論をしておられますが、私は、科学技術という点から、日本女性の持っている潜在的能力を日本の科学技術の発展にもっと使いたいなというふうに思っています。したがいまして、今パーセント低い数字ありましたが、女性が科学技術系にもっと進出していただきたい。これは子育てと両立しやすい分野であると私は考えております、例えば研究分野等々は。したがいまして、もっともっと女性に科学技術分野に進出をしていただきたい。そういう状況のもとで、私どももその能力を日本の発展のためにぜひ生かしていただけるような政策を進めてまいりたいと考えております。
#67
○吉川春子君 終わります。
#68
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。
 尾身科学技術担当大臣にお願いします。
 私は、ITERのこと、国際熱核融合実験炉のことについてお伺いしたいと思います。
 日本は今ITERの誘致に手を挙げていますけれども、その建設費及びランニングコストの総額はお幾らになりますか。
#69
○政府参考人(今村努君) お答え申し上げます。
 ITERにつきましては、まだ我が国は誘致を決めておりませんが、その建設を含めました総経費について御説明いたします。
 ITERは、建設期間が十年、運転期間を二十年、全体で三十年のプロジェクトということを想定いたしております。建設期間につきましては、本体建設費が約五千億円、またその建設を管理するための組織体の運営費としてこの期間に七百億円が必要とされております。また、直接の建設費に加えまして、その立地地点のサイト整備をする費用が必要とされております。また、二十年間とされる運転期間中につきましては年間約三百億円程度の費用、これは研究費でございますが、が必要と試算されております。このサイト整備費につきましては、立地地点によって変更がございますが、仮に我が国に誘致した場合においては七百億円から九百億円と見積もられております。
 こうしたことを踏まえますと、この三十年間全体のITERの費用は一兆三千億円というふうに試算されております。このうち我が国がどの程度分担するかどうかということにつきましてはまだ今後の問題でございまして、今まだ確定したものはございません。
#70
○田嶋陽子君 すると、三十年の間に一兆三千億円ということですよね。もし、その負担額、日本がこちらに誘致、日本で誘致した場合の負担額はまだ出ていないということですね。
 ですけれども、こちらで得た情報では、最初は三千五百億円ぐらいだと、五千億円ですね、建設費の五千億円の半分と運営費七百億円の三分の一で三千五百億円くらいだったということでしたけれども、ニュースによりますと、ロシアが今支出、資金出費に何か抵抗しているということで、もし誘致した場合、誘致国は建設費と運営費合わせて約六割近くを負担しなければいけないというふうな情報を得ております。すると、こちらで計算しますと、五千億円プラス七百億円掛ける六〇%で、プラス六百七十億円で約四千億円ちょっとになるという、そんなふうに考えてもよろしいんでしょうか。
#71
○政府参考人(今村努君) 我が国の分担額につきましては、先ほど申しましたように今後の具体的な交渉等で決まるべき問題でございますが、仮に我が国にITERを誘致した場合の、これまでのそのITERの工学設計活動段階における当事者間の議論などを踏まえますと、今先生御指摘の建設段階十年間で約四千億円というのは、私どもも大体その程度の見積もりではないかというふうに考えております。
#72
○田嶋陽子君 それでは、もう一度お伺いします。
 すると、これは実験炉ですよね、三十年かかって実験炉をつくるわけですね。その後でこれが実用化されるのは何年先になるとお考えなんでしょうか。
#73
○政府参考人(今村努君) このITER計画につきましては、原子力委員会でこれまで議論がなされてきたところでございますけれども、ITERのこの目的は実験炉、すなわち地上で工学的に核融合を起こす装置というものでございます。したがいまして、これによってエネルギーが直ちに出るというものではございません。それを踏まえまして、その後、原型炉を経て実際のエネルギー源として使えるというふうな筋道が考えられておりまして、そういう意味では、今後五十年程度の、実際にエネルギー源として使えるためにはITERの後さらに十年ないし二十年の原型炉段階でのエネルギーとしての実証が必要であろうというふうに考えております。
#74
○田嶋陽子君 尾身大臣にお願いします。
 今おっしゃったように、その原型炉とか実証炉とか、その三十年後にまたつくらなければいけないわけですね。そして、エネルギーとして使うためには商業炉というものをつくる。最初は、一九五〇年ごろには十年後にはと言っていて、ところがこの一九九〇年代には二〇四〇年、今おっしゃったように五十年後ぐらいと言っていますけれども、現実的には今世紀中には無理なんじゃないかというふうに言われている、そういう情報もあります。これは文部科学省ですね、そんなふうにおっしゃっていると思いますけれども。
 要するに、これは実現するというよりは毎年遠のいていく。私たちが生きている間だけじゃなくて、百年後も実用化が難しいんじゃないかと、そんなふうに情報を得ていますけれども、それに関してはどんなふうにお考えでしょうか。
#75
○国務大臣(尾身幸次君) この原子力の分裂性の、いわゆる普通の原子力発電所は分裂性、こちらは核融合の方式でございますが、なぜこういうことをやり始めたかという原点に立ち返ってみますと、いわゆる化石燃料の主流を占める石油は三十年から四十年しかもたないと。そのうちのほとんど、日本で使っている石油はほとんど一〇〇%輸入をしていると。こういう状況で、外国だけにエネルギーを頼っている我が国は、やはり代替エネルギーの大宗である原子力開発を進めていかなければ国家百年の大計がもたないということでございまして、我々は、私どもが生きている間に実用化できなくても、まだまだ人類は続くし日本も続くわけでございますから、五十年、百年後でも本当に実用化されて日本のエネルギー問題を根本的に解決するような問題は、今お金がかかってもやらなきゃならないというのが我々の考え方でございます。
#76
○田嶋陽子君 私は、これは非常に危険ですよね。トリチウムというのを使いますけれども、これは水とほぼ同じもので、環境に放出されてもわからないものだと。それから、トリチウムというものの放射性というのを、これをつくる側は非常に軽視している、環境に放出されても大したことはないというようなあいまいな答えが出ております。これは、ほかに私が得ている情報では、大量に発生する中性子は分厚い壁を通り抜けて出てくるんではないかという、そういう懸念があります。それから、それらを封じ込めるはずの電磁波の壁がクエンチ現象というので破れたら、二億度Cの熱の塊、エネルギーの塊が噴出するんではないかという、そういう懸念もあります。
 ですから、百年の計、国家百年の計は非常に大切ですけれども、国民の命あっての物種ですよね。そんな環境汚染が懸念されるようなものを今後百年の計でやっていくことに私は疑問を持っています。しかも今、国家財政が危ないときに、一兆円以上のものを三十年かけて使うというよりは、私が提案したいことは、この核融合発電の研究を進めるんではなくて、その一兆円、とりあえずは四千億円、その後一兆円とかかるお金を、太陽光とか風力など再生可能なエネルギーに転換を進めていくべきだと思うんです。お金を要するに使いかえるわけですね。
 例えば、新エネルギー導入大綱というのを読みますと、日本では一九九九年度の新エネルギーの構成比は一・一%です、新エネルギーの構成比は。二〇一〇年には、これから十年後には三%にするという目標を設定していますけれども、私はこれは目標値が少な過ぎるんじゃないかと思います。例えばEUでは、二〇一〇年には太陽光発電や風力発電など自然エネルギーは一二%にするという目標を掲げています。そのことをどうお考えになりますでしょうか。
#77
○国務大臣(尾身幸次君) これは、私の方は聞いていただきたい質問でございました。
 いわゆる新エネルギーは確かにいろんな意味でいい点もございます。しかし、例えば廃棄物のごみ発電、あるいは風力、太陽光全部合わせても見通し得る将来には数%にしかならないというのが私が得ている情報に基づく見通しでございます。
 そういう中で、日本はほとんどの石油、ほとんどというか全部の石油を輸入しておりまして、ヨーロッパのように北海の石油があるとか、あるいはドイツの石炭がかなりあるとかいう国とは事情が違います。そういう中で、エネルギー問題を解決するためには、いわゆる新エネルギーで幾らやっても日本のこれからどんどん伸びていくエネルギー問題は絶対に解決できません。やはり原子力を、核分裂性も含め核融合性も含め、そういうものを本格的に開発していかない限りは、将来の私たちの子供たちや孫たちのためのエネルギー問題は絶対に解決できないと私は思っております。
 したがいまして、三%とか数%のシェアを持つような開発があるから原子力の開発は要らないのではないかということは全くの的外れであるというふうに私は考えておりまして、これを国家としてどうしても推進をしていかなければならないというのが我々の考え方でございます。
#78
○田嶋陽子君 的外れではないと思います。自然エネルギーは、いや、その前に、この新エネルギーという言葉はちょっと定義がおかしいと思います。新エネルギーと言いますけれども、その中に、私なんかが考えるのは太陽光や風力発電ですが、ここには今大臣がおっしゃったような廃棄物なんかを燃すエネルギーも入っているんですね。その廃棄物を燃したらCO2が出るわけですから、新エネルギーとはいってもこれは環境破壊に入ります。ですから、やっぱりEUなどと同じように、新エネルギーの定義はEUとかに合わせて、廃棄物を出さないようなそういうエネルギーとして定義し直していただきたいんですね。それでないと、新エネルギーといって私たちはごまかされてしまいますが、廃棄物を燃せばダイオキシンも出れば二酸化炭素も出ることで、環境の擁護にはならないということですね。
 それからもう一つ、自然エネルギーは核融合のような研究開発予算は要らないということです。ただ、それを広めていくためにお金が要るんですね。そしてまず、例えば風力発電とかバイオマスとか、水力発電ですね、小さな、ダムを必要としない、そういうもののために、例えばこんなふうにこちらは考えます。
 太陽光発電の潜在能力、さっき女性の潜在能力とおっしゃいましたけれども、自然の潜在力もでっかいんです。潜在能力は八千万キロワットと言われていますね、あるいは九千万キロワットだとも試算されています。日本の電力需要のピークどきというのがあって、そこがいつも満たされないから困っているわけですが、そのピークどきは一億七千万キロワットくらいだと言われています。でも、太陽光発電を普及させると、このピークどきの電力を半分ぐらいはカバーできるんじゃないか。この半分ぐらいは原発八基から九基分に相当するんですね。
 ちなみに申しますと、さっきのITERを使った場合には、これも原子炉が要るんですね。物すごい電力消費なんです。だから、電力をつくっていくといいながら電力を食っていく、そういうエネルギーですよね。
 ちょっと、またもとに戻ります。
 この太陽光発電だとか風力発電と、あとバイオマスなどを組み合わせれば、いつ実現するかわからない核融合発電よりもはるかに現実的だということが一つ言えると思います。私は、財政再建が非常に大事な時期に、いつ成果があらわれるかわからないものを国家百年の計といって人の命に危ないもののためにお金をかけるよりは、しかも大変な危険性まであることで、そのことは全く完全に否定できないわけですから、自然エネルギー普及に一兆何千億円のお金をかけてほしい。
 そうすることで、例えばドイツやデンマークなんかは自然エネルギーを買い取る制度があるわけですね。その買い取る制度によって非常に風力発電を飛躍的に伸ばしたと言われています。それから、自然エネルギー促進法推進ネットワークというのがありまして、そのNGOの試算では、もし日本で同様な制度を導入した場合には、毎年多くても七百億円程度で飛躍的な普及効果を得られるということがわかっています。
 ですから、建設費の四千五百億円、それから三十年にかかる一兆何千億円、そういうものを投入していったら太陽光発電もそれから風力発電も夢ではなくて、EUの言うような一二%以上のものは、そのピークどきの消費電力はきちんと賄えるということですね。その上、これは、太陽光発電もそれから風力発電も、日本全土を覆うわけですから、地域の発展、それから雇用拡大、そして大事な環境擁護もちゃんとできるということです。
 ですから私は、イーティー、イーティーじゃなくて、これ変な言い方ですね、だれが言ったのかわかりませんが、これアイ・ティー・イー・アールと読むんですよね。でも、これ、もしイーター、イーターといったら金食うイーター。変な私はプロジェクトだと思っていますので、ぜひこれを考えていただきたいんですが、尾身大臣、もう一度。
#79
○委員長(佐藤泰介君) 時間が来ておりますので、最後の答弁にしてください。
#80
○国務大臣(尾身幸次君) 議事録に載っておりますので、はっきり申し上げなきゃいけませんが、間違えていることがございます。
 このITERは、出てくるエネルギーよりも入るエネルギーの方が、つまりインプットするエネルギーの方が多いというようなお話がございましたが、インプットするエネルギーは今のこのITERプロジェクトでも約一〇%以下でございます。つまり、一〇%以下のエネルギーを入れると一〇〇%のエネルギーが出てくるということに専門家の意見は決まっておりまして、そういう設計に今ITERですらなっているわけでございますから、間違いないようにお願いを申し上げます。
 それからもう一つは、いわゆる新エネルギーの中で、廃棄物とそれから黒液の、廃材等を燃焼してやるということについては入れちゃいかぬと、新エネルギーに。これを入れませんと二〇一〇年の計画で一・五%にしかならないんですよ。太陽エネルギーとか、光の、風力とか、そういうものを入れると、一・五%にしかならない、十年後でも。
 ですから、そういう意味で、エネルギー問題は理論の問題ではなくて現実の問題です。我々は日本人の社会生活、経済生活に必要なエネルギーを本当に供給しなきゃならない。現実の問題を現実に解決しなきゃならないわけでございます。
 そういう意味からいえば、新エネルギーが幾らもならないのに、これが五〇%にもなるとかそういう幻想を抱いてエネルギー政策をやるわけにはいかない。我々は責任を持つ者として、日本のエネルギーはきちっと供給をしていかなきゃいけないと。そういう意味で、いわゆる新エネルギーは、我々の考えている全体のエネルギー供給の中でこれだけの比率しか占めないという見通しでございますから、それをもって、原子力はこれから十年後は一〇%、一五%になるという予想でございますが、それにかえるわけにはいかないというのが現実の政策を担当している私どもの考え方でございます。
#81
○委員長(佐藤泰介君) 田嶋陽子さん、時間です。
#82
○田嶋陽子君 一言言わせてください。
#83
○委員長(佐藤泰介君) じゃ、最後の質問にしてください。
#84
○田嶋陽子君 一言。もう質問しません。
 私は、専門家、専門家と言われますけれども、私も専門の分野にいた人間ですけれども、専門家はその立つ立場によっていろいろ角度が変わると出てくる数値も違うんですね。だから、一つだけ申し上げておきますけれども、同じ立場で私もエネルギーのことを考えています。ですから、おっしゃることはよくわかりますけれども、ただ、専門家ということではなくて、まだ工夫する余地が物すごくあるということで、今、世界全体は原子力を使わない方向に行っているのになぜというのをみんな思っているわけですので、そこでもう一度御検討願いたいと思います。よろしくお願いします。
 今、訂正がありましたよね。済みませんけれども、訂正が。省庁の方、ありましたけれども。ちょっと違った。
#85
○政府参考人(今村努君) ITERはエネルギーを出しませんので、そういう意味で……
#86
○国務大臣(尾身幸次君) 今の一〇%の話はITERじゃなくて核融合ということで……
#87
○田嶋陽子君 だから、私は間違っているんじゃないんです。
#88
○国務大臣(尾身幸次君) そういうことですから、そこは説明を修正をいたします。
#89
○田嶋陽子君 私が間違っているんじゃないんです。訂正してください。間違ってない。
#90
○国務大臣(尾身幸次君) あなたが言っているのが間違っているんじゃなくて、私の言い方を正確に言っただけです。
#91
○島袋宗康君 にぎやかに論争が続いておりますけれども、無所属の島袋宗康でございます。
 尾身大臣にお尋ねいたします。
 先日の当委員会で、国内のテロ対策にも万全を期すことが重要であるというふうに述べられております。そこで原子力施設について少し言及されておりますけれども、いわゆる科学技術政策担当大臣としてのお立場から、ほかにどのような点に留意されていかれるお考えなのか、承りたいと思います。
#92
○国務大臣(尾身幸次君) テロ対策については、私ども、これは私自身の仕事というよりも政府全体として、もっと広く言いますと国民全体としてテロ対策に万全を尽くしていかなけりゃならない。いつどこで何があるかわからないと、こういうことでございますので、万全を尽くしていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
 特に原子力施設などにつきましては、既に先ほど来のお話のとおりいろんな対策をとっておりますが、万全の上にも万全を尽くしていくということが必要であると考えております。
#93
○島袋宗康君 世界最高水準の科学技術創造立国の実現を目指して、科学技術基本計画の着実な実施を行うというふうなことが言われておりますけれども、いわゆる第二期科学技術基本計画の重点課題はどういうことなのか、御説明いただきたいと思います。
#94
○国務大臣(尾身幸次君) 第一期科学技術基本計画で、十二兆六千億のそれまでの五年間の研究開発投資を、十七兆円を超える水準にまで上げることができました。第二期科学技術基本計画では、何といいましてもこの十七兆余りの研究開発投資を今後の五年間に二十四兆円にまで引き上げるということでございまして、三八%増を目指していくと。つまり、日本として科学技術創造立国を目指すために政府の研究開発投資をそこまで力を入れてふやしていくというのが第一点でございます。
 それから、いわゆる重点四分野と言われておりますライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料などにつきまして、特に重点を置いて日本として戦略的にこの分野を伸ばしていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
 そういうことを軸として日本全体の科学技術水準を上げて、これは日本の経済の発展にプラスになるのと同時に、頭脳の面で世界に貢献をしていきたいというのが基本的な考え方でございます。
#95
○島袋宗康君 それは、この十七兆から二十四兆、いわゆる三八%増ですか、そういうような計画をなぜ変更したんでしょうか。なぜ増額して変更したんでしょう、もう一遍。
#96
○国務大臣(尾身幸次君) 科学技術基本法ができる前は五年間で十二兆でございました。科学技術基本法ができて、一九九六年から二〇〇〇年までの五年間で、それまでの前の五年間の十二兆余りの数字を十七兆に、四〇%増でやろうという目標を立てまして、結果的には十七兆六千億の、計画どおりの、以上の研究開発投資を実現をいたしました。それが今までの五年間でございまして、ことしの四月から始まる新しい五カ年の第二期計画では、これをさらに対前五年間に比べて三八%増加させるという大変意欲的な計画をつくって、私どもその線を実現すべく努力をしているわけでございます。
#97
○島袋宗康君 大臣は、「地域における新事業、新産業の創出を通じて我が国経済の再生を図る」というふうにおっしゃっております。その観点から、「地域における科学技術の振興を図って」いくというふうに述べております。この場合の地域とはどのような範囲を念頭に置いておっしゃっているのか、都道府県なのか地方なのか、あるいは都市単位なのか、またその際の拠点としてはどのような施設を想定しておられるのか、お尋ねします。
#98
○国務大臣(尾身幸次君) これは、科学技術といいますとイメージとして東京を中心とする中央の最先端の科学技術というイメージになると思いますが、科学技術がもっとすそ野の広い、私どもの生活それから経済に密着したような形になるためには、中央もさることながら各地域において意識的に科学技術の研究開発を進めていかなきゃならない。そのためには、各地方における大学、それから試験研究機関、あるいはその地方の企業、それからその地方のベンチャー、そういうところが一緒になって、各地でその特色に応じた科学技術を発展をさせていただく。
 したがいまして、各地域における産学官の連携、あるいは大学発ベンチャー、あるいは中小企業の技術開発というようなキーワードであらわされるような方向で日本じゅうでそういうことを活性化していく。小泉総理が地域間競争と言っておりますけれども、科学技術の面ではいい意味の地域間競争を巻き起こしていただいて、各地域でそれぞれの特色を生かした形で頑張っていただいて、全体としての水準を上げることが実は大変大事だというふうに考えておりまして、あえてことしから地域の科学技術の研究開発の促進というのを大きな小泉政権の柱にしているところでございます。
#99
○島袋宗康君 その地域における科学技術の振興との関連で、沖縄は広大な海域を有しております。そこで、亜熱帯に属するという地理的、自然的特性を有しておりますので、平成八年度に設立されました財団法人亜熱帯総合研究所などによる亜熱帯特性に関する研究の推進や研究機関のネットワーク構築等が行われているとのことでありますが、大臣は、海洋資源の利用、開発、研究及び亜熱帯特性に関する研究の現状及び将来展望についてはどのようなお考えでおられるか、御所見を承りたいと思います。
#100
○大臣政務官(仲道俊哉君) お答え申し上げます。
 沖縄における科学技術分野の研究開発の促進につきましては、今、委員のおっしゃるとおりでございまして、沖縄が有する亜熱帯特性や海洋資源等の自然環境を貴重な資源ととらえまして、こうした特性を活用した科学技術研究を推進することは非常に重要であると考えております。
 このため、これまで沖縄の亜熱帯特性や海洋資源等を活用した研究を推進しているところでありまして、例えば亜熱帯研究の総合的推進のための調査研究ですね、マングローブ等に関する調査研究もございます。これは、内閣府より亜熱帯総合研究所に委託をしております。それからまた、サンゴ礁の生態系の攪乱と回復促進に関する研究であるとか、そういうことにつきまして、それぞれ今まで研究をしているところでもございます。
 内閣府といたしましては、各地域の特性を生かした科学技術振興をさらに進めるために、先ほど大臣からも申されましたが、経済活性化のための地域科学技術振興を今後の政策の重要課題として位置づけまして積極的な政策展開を図っているところでありまして、この結果、十月の二十六日に決定されました改革先行プログラムにおきましても、産学官連携による地域科学振興を通じた地域経済再生のためのイノベーション、新産業の創出に、政府全体として四百六十九億円の今度補正を組んでおるところでもございます。
 こうした中で、沖縄における産学官共同研究の推進を盛り込みまして、亜熱帯研究など地域ニーズに応じた共同研究を支援するということにいたしたいと考えております。
#101
○島袋宗康君 時間がないですので、次に進みます。
 科学技術の振興には、それを担う人材の育成が何よりも重要だと考えております。近年、学生、生徒の理科離れが指摘されております。その対策についてはどのように考えておるのか。
 この点については、直接には文部科学省の所管と思いますけれども、科学技術担当大臣としての立場からはどのようにしてこれを解決していかれるのか、お伺いいたします。
#102
○大臣政務官(仲道俊哉君) 御指摘のように、近年、青少年の理科離れの指摘がございます。私も現場で、実は中学で理科を担当して教えていた経験もあるわけでございますが、科学技術創造立国推進の観点からもそういうことが懸念をされておりまして、平成十一年の、中学二年生を対象にした国際数学・理科教育調査では、理科の成績は三十八カ国中四位なんですね。成績はいいわけです。しかし、理科が好きか嫌いかということになりますと、二十三カ国中二十二位と。責任の一端を私は感じておるところでもございます。
 第二期科学技術基本計画においては、ノーベル賞受賞者を今後五十年間に三十人程度輩出することを目指しておりますが、これは、高い目標を掲げることによって、若者が夢を持って理科系に進み、科学技術のすそ野を広げようとするものでありまして、日本におきましては外国に比べますとまだまだ少のうございまして、例えば一九四六年以降のノーベル賞受賞者、自然科学部門を見ましても、米国では百八十五人でございますけれども、日本は七名でございます。そういう意味では、できるだけ若者に夢を持たせるということについての科学技術のすそ野を広げようと考えておるところでもございます。
 また、文部科学省を初め関係省庁におきまして、科学技術に関する学習の振興や国民の理解促進の施策が講じられておるわけでございますけれども、総合科学技術会議においては十四年度の構造改革特別要求の調整に当たりましてもこれらの施策を重視するなど、推進を進めておるところでありまして、今後とも関係省庁と連携いたしまして、理科離れ対策等も推進を図りたいと考えておるところでもございます。
 以上です。
#103
○島袋宗康君 小泉内閣では科学技術創造立国という看板を掲げておりますけれども、前総理の森さんは、森総理のころには、盛んにIT革命という言葉を力説されておりました。最近、このIT不況という言葉をよく耳にいたします。
 そこで、尾身大臣はIT革命の現状及びその将来展望についてどういう御所見を持っておられるか、お尋ねします。
#104
○国務大臣(尾身幸次君) 森内閣のときに幾つかのIT問題についての進展がございまして、一つは沖縄サミットにおけるIT憲章でございます。それからもう一つは昨年のIT基本法でございまして、この二つによって日本のIT政策は大きく進展したというふうに考えております。
 昨今、いわゆるITバブルがはじけたというようなふうに言われておりまして、半導体の市況が非常に悪化した。そういう点で、IT関係の企業が非常に経営がきつくなっているというのも事実でございます。
 私は、しかしながら、全体として見るとこれは一時的な現象でございまして、社会全体のIT化はさらに進むと思いますし、日本がこの面において、ハードの面もソフトの面も含めまして、ここで手を抜くと大変なことになる。したがって、私どもとしては、五年以内に世界最高水準のIT国家の実現を目指すという方向はしっかりと踏まえて、手を抜かないでIT社会の実現を目指してまいりたいというふうに考えております。
 私ども科学技術の分野におきましても、IT関連の科学技術は重点四項目の一つに入っておりまして、新しい産業、新しい雇用、そういう面でどのくらいふえるかという、つまり未来の日本の経済のある種の拡大のかぎはIT化、IT国家がきちっと実現できるかどうかということにかかっていることは疑いないところであると考えておりまして、これからもその面で方向性を、きちっと決定した方向に基づきまして私ども努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
#105
○島袋宗康君 時間ないですけれども、尾身大臣は、沖縄担当の大臣とされまして特にお願いしたいことは、要するに沖縄の産業というものは目ぼしい経済に発展できるような産業がないものですから、結果的には今のIT革命というものを非常に大事にして、それが大きなウエートを示すような沖縄の経済発展につなげていくというような感じが見られますので、より沖縄のIT産業について御尽力されまして、ぜひ、今おっしゃったような点について御尽力なさるように、特に沖縄出身としてお願いしておきたいと思います。
 ありがとうございました。
#106
○国務大臣(尾身幸次君) 大学院大学の問題につきましても、IT関連の自然科学系ということで、新しい大学院大学をつくるときにもITを抜きにしては考えられないというふうに考えております。そういうものをまた軸にして、魅力ある沖縄をつくってまいりたいというふうに考えております。
#107
○委員長(佐藤泰介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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