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2001/11/07 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 国際問題に関する調査会 第2号
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2001/11/07 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 国際問題に関する調査会 第2号

#1
第153回国会 国際問題に関する調査会 第2号
平成十三年十一月七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         関谷 勝嗣君
    理 事
                世耕 弘成君
                山崎  力君
                山本 一太君
                藁科 滿治君
                沢 たまき君
                緒方 靖夫君
    委 員
                入澤  肇君
                小林  温君
                西銘順志郎君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                森元 恒雄君
                吉田 博美君
                今井  澄君
                小川 勝也君
                佐藤 雄平君
                山根 隆治君
                若林 秀樹君
                高野 博師君
                井上 哲士君
                大田 昌秀君
                田村 秀昭君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
       財務省国際局長  溝口善兵衛君
       文部科学省国際
       統括官      白川 哲久君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   林  洋和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際問題に関する調査
 (第四期調査会のODAに関する提言と政府施
 策の現状について)

    ─────────────
#2
○会長(関谷勝嗣君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。
 本調査会の調査テーマについて御報告いたします。
 本調査会の調査テーマにつきましては、理事会等で協議いたしました結果、お手元に配付しておりますとおり、三年間を通じた調査テーマは「新しい共存の時代における日本の役割」と決定をいたしました。
 また、この調査テーマのもと、具体的調査項目につきましては、イスラム世界と日本の対応、国際経済として、グローバリゼーションと国際経済、東アジア経済の現状と展望及び貧困の削減と世界経済の持続的発展、地球環境問題の現状と日本の取り組み並びにアジア太平洋の安全保障などについて協議を進めていくことといたします。
 何とぞ委員各位の御協力をお願い申し上げます。
    ─────────────
#3
○会長(関谷勝嗣君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国際問題に関する調査のため、本日の調査会に外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省経済協力局長西田恒夫君、財務省国際局長溝口善兵衛君、文部科学省国際統括官白川哲久君及び経済産業省貿易経済協力局長林洋和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(関谷勝嗣君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○会長(関谷勝嗣君) 国際問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、過去の調査会の報告のフォローアップとして、第四期調査会のODAに関する提言と政府施策の現状について政府から三十分程度報告を聴取した後、午後四時ごろまでを目途に質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
 それでは、まず政府から報告を聴取いたします。
 報告は、着席のままで結構でございます。外務省経済協力局長西田恒夫君。
#6
○政府参考人(西田恒夫君) 外務省経済協力局長の西田でございます。座ったままで発言をさせていただきます。
 二十一世紀に入りまして、我が国のODAをめぐる情勢は極めて内外ともに大きな変化の中にございます。国内におきましては厳しい経済財政事情の中、ODAにも厳しい目が向けられております。また、内閣としまして聖域なき構造改革のもと、来年度予算におきましてはODA予算一〇%削減の方針が明らかにされております。
 このような中で、政府といたしましてはODAの適正かつ効果的、効率的な実施にこれまで以上に努力する必要があると考えております。
 また、情報公開の推進を初め、その透明性の向上に努力を払ってまいる考えでございます。
 国際社会に目を向けますれば、世界ではグローバル化の急速な進展に伴い世界的規模で進歩と繁栄が見られる一方、多くの途上国におきましてはその恩恵を享受し得ず、さまざまな格差が生じております。加えまして、環境、感染症、紛争等々、地球的な規模の問題が人類全体が取り組むべき喫緊の課題となっております。
 特に、今回の米国におきます同時多発テロ事件以降の国際情勢の流れは、テロとの戦い、アフガン難民の問題、アフガン及び周辺国の平和と安定、さらにテロの土壌にもなり得る途上国の貧困問題等に対しまして我が国がどのような役割を果たし得るかという極めて重要な問題を投げかけております。
 こうした状況のもとで、ODAを通じた日本の役割に対しましては、途上国を初め国際社会からこれまで以上の高い期待が寄せられております。我が国がこうして国際社会の期待を真剣に受けとめ積極的にこたえていくことは、日本の国際社会からの信頼を培い、日本自身の国益確保につながるものと考えております。
 平成十年六月に出されました国際問題調査会の御提言には、ODAのあり方について貴重な御提言が数多く含まれております。
 フォローアップ状況につきまして後ほどその詳細、説明をさせていただきますが、政府としましても、御提言をいただいて以降、ODAに関する中期政策の策定等、その提言に沿った形でODA改革を進めてまいっております。さらに、ことし五月には外務大臣の私的懇談会としまして第二次ODA改革懇談会を設置し、今後のODAのあり方について精力的な議論を行っていただいておるところでございます。政府といたしましては、今後ともODA改革に引き続き全力を挙げて努めてまいる所存でございます。
 次に、御提言をいただきました各項目につきまして、その詳細を御報告させていただきたいと考えております。
 政府としましては、先ほども申し上げましたが、この提言をいただきODA中期政策や国別援助計画を策定したほか、国民参加型の援助を推進するなど、ODAに対する国民の理解と支持を得ながら、効果的、効率的にODAを実施するための改革に積極的に取り組んでまいりました。
 お手元に、政府施策の現状につきまして事前に資料を提出させていただいておりますが、以下、各項目ごとに従いまして概要を御説明いたしたいと思います。
 提言の十一、「ODA大綱原則の運用の透明性の向上」。ODA大綱の運用の透明性をさらに向上すべしとの御提言でございます。
 政府といたしましては、これまで毎年我が国の政府開発援助の実施状況、いわゆる年次報告でございますが、そこにおきまして政府開発援助大綱の運用状況に関する項目を設け、具体例を掲載してきております。本件につきましては、今後ともさらなる情報公開に努めてまいる所存でございます。
 提言の十二、「ODA大綱の見直し」。地球規模問題、地雷除去対策、新開発戦略の策定等の新たな動きに対応するため、ODA大綱の見直しに着手すべしとの御提言でございます。
 ODA大綱は、御案内のとおり、我が国の援助の実績、経験、教訓を踏まえまして我が国援助方針を集大成し、援助の基本理念、原則等を明確にしたODAの最重要の基本文書でございます。平成十一年八月には、五年程度を念頭に置きまして我が国ODAの基本的な考え方、重点課題、地域別援助のあり方等を明らかにするため、政府開発援助に関する中期政策を策定いたしました。中期政策には、指摘されております地球規模問題、地雷除去対策、新開発戦略等への対応についても明記をさせていただいております。
 提言の十三、「援助基準の多様化」。援助対象国・地域の認定等に当たりまして、経済的な指標のみならず地域間格差あるいは人間開発指数等にも配意し、援助基準の多様化に努めるべしとの御提言でございます。
 ODAの対象国・地域の認定に当たりましては、一人当たりGNPなどの経済的指標は一応の指針となるものと考えられ、国際社会においても広く用いられてきているところでございます。
 他方、具体的なODAの供与に際しましては、調査団の派遣あるいは政策協議等を通じまして、相手国の経済社会開発状況、地域間の格差あるいは特殊事情等を十分把握の上、またニーズを十分に踏まえ、効果的な援助の実施に努めてきております。
 提言の十四、「ODAの量の確保への配意」。適正規模のODA予算が継続して確保されるよう検討すべしとの御提言でございます。
 ODAは、軍事的な手段を有しない我が国にとりまして最も重要な外交手段でございます。我が国外交を効果的かつ円滑に実施していく上で、ODAの果たす役割は極めて重要であります。
 政府としましては、厳しい経済財政状況のもと、ODAの効果的、効率的実施に努めてきておりますが、ますます多様化、複雑化してまいります開発途上国の課題に適切に対応するためには、適正規模のODA予算を確保していく必要があると考えております。この点につきましては、引き続き皆様の御理解と御協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
 提言の十五、「ODAの質の向上、人材育成・知的支援の推進と関連体制の整備」。まず、途上国の人材育成、知的支援を推進すべしとの御提言でございます。
 途上国の人材育成や知的支援は、政府開発援助に関する中期政策におきましても重要課題の一つとしております。
 具体的な取り組みとしては、専門家の派遣、研修員の受け入れ等、さまざまな技術協力の形態を組み合わせた重要中枢政策支援という枠組みのもとで、相手国との緊密な対話を通じ、例えばカンボジアへの法整備支援、ジョルダンへの産業政策支援等を行ってきております。また、ベトナムでは、対ベトナム総合政策支援の名のもとに、日本、ベトナム双方で合意されたテーマにつきまして、日本の学者とベトナムの政策当局者が共同で研究を行い、政策提言を行いました。また、現在、ミャンマーにつきましても同様の取り組みを行っておるところでございます。
 次に、専門家の登録制度や公募制度の本格的導入により、広範な対象の中から適切な人材の確保を早急に進めるべしとの御提言でございます。
 従来より専門家の登録制度、公募制度を実施し、幅広い層から質の高い専門家の確保に努めてまいりましたが、本年度からは、従来の制度では人材の確保が困難なニーズに対応するため、民間企業との委託契約による専門家派遣制度も導入しております。
 提言の十六、「有償・無償資金協力・技術協力の連携の強化、多国間援助と二国間援助とのバランスへの配意」。まず、有償・無償資金協力・技術協力の連携をより一層強化し、適正かつ効果的なODAの実施に努めるべしとの御提言でございます。
 先般の行政改革に伴いまして、平成十三年一月から外務省が有償資金協力の調整官庁となり、有償資金協力、無償資金協力及び技術協力の連携を保ちつつODAを実施する体制が整備されました。
 また、平成十三年度におきましては、セクタープログラム開発調査を導入いたしました。この制度のもとでは、特定分野を対象とした総合的な開発政策を策定した上で、その分野に対する技術協力あるいは資金協力の連携のとれた実施を図ることを目指すものでございます。
 さらに、平成十年度におきましては、円借事業の実施設計調査部門をJICAのスキームで実施する制度も導入をいたしております。加えまして、平成十年度には資金協力連携専門家制度を導入しまして、我が国の専門家がODA案件の発掘・形成支援、監理・指導等を実施する取り組みを行っております。
 次に、多国間援助と二国間援助の適正なバランス確保について検討を深めるべしとの御提言でございます。
 二国間援助には、我が国の顔が見える援助を推進しやすいという長所がございます。また、多国間援助には、国際機関の専門知識、世界的ネットワークを活用できるなどの長所がございます。政府としましては、それぞれの長所を踏まえまして、具体的な課題に応じて最も適切な方法を選択すべく努力をしてきておるところでございます。
 提言の十七、「環境ODAの重視と人材の確保」。環境ODAの量的な拡充、質的向上に引き続き努めるとともに、環境問題の解決に向けた開発途上国の自発的な取り組みを促すよう努力すべしとの御提言でございます。
 我が国の二国間のODAに占めます環境分野の割合は、平成十年度におきまして約二六%でございましたが、その後、平成十一年、平成十二年度におきましては三〇%以上に上っております。
 特に、気候変動問題につきましては、平成九年十二月の気候変動枠組条約第三回締約国会議、いわゆるCOP3でございますが、で表明をされました京都イニシアチブに基づき、人づくりへの協力、最優遇条件による円借、我が国の技術・経験の活用の三本柱を着実に実施してきているところでございます。
 また、我が国は、地球環境保全を目的とするさまざまな国際的な枠組みの策定にも貢献をしてきておりますほか、国連への拠出等も通じまして途上国における人材育成支援を図ってきておるところでございます。なお、我が国は、あらゆる援助政策協議の場を利用しまして、環境問題に対する開発途上国の自発的な取り組みを働きかけてきております。
 次に、企業OB等に対し技術協力参加の機会増大を図るなどして環境分野の人材の確保に努力すべしとの御提言でございます。
 環境分野の技術協力におきまして、企業OBなどを活用すべく、環境教育、廃棄物の処理、都市の排水技術などの分野でいわゆるシニア海外ボランティアを派遣してきております。平成十二年度におきましては、環境分野で十五名のシニア海外ボランティアの方に活躍をしていただいております。
 提言の十八、「社会開発分野の重視」。社会開発分野を一層重視し、新開発戦略が掲げる諸目標の実現に向けて積極的に取り組むべしとの御提言でございます。
 政府は、政府開発援助に関する中期政策におきまして社会開発分野への支援をODAの重点課題と明記し、同分野への支援を積極的に行ってきております。二国間のODAにおきます社会開発分野の比率は、平成十年、約二〇%でございましたが、本年、平成十三年におきましては約二五%となっております。
 提言の十九、「国別援助方針の充実による国別援助計画の策定と関連体制の整備」。まず、国別援助計画を策定し、公表すべしとの御提言でございます。
 政府は、途上国の政治・経済・社会情勢、開発上の課題等を十分勘案した上で、効果的、効率的なODAを実施するため、国別援助計画を順次策定させていただいております。最近では、中国についての国別援助計画を発表いたしましたが、中国を含め既に十カ国分について策定し、外務省のODAホームページ等に掲載をいたしております。
 次に、現地体制の強化を進めるとともに、実施機関においては地域的な対応の充実を図られるよう見直しを進めるべしとの御提言でございます。
 国際協力事業団、JICAでは、現在、世界五十六カ所に在外事務所を展開し、各在外事務所において企画調査員等を活用し、現地体制の強化を進めてきております。また、本部におきましても、地域別の対応を強化すべく、四つの地域部を設置しております。
 国際協力銀行、JBICでは、現在、世界二十七カ所に海外駐在員事務所を展開しており、各海外駐在員事務所において現地体制の強化を図っております。また、本部では、地域的な対応を強化すべく、やはり四つの地域部を設けております。
 提言の二十、「ODA中期政策の策定の検討」。政策の方向性、ODAの質的向上の具体的な方途、重点的な配分地域・分野等を明らかにする中期政策を策定し、必要に応じて見直しを行うことを検討すべしとの御提言でございます。
 政府では、先ほども言及いたしましたが、平成十一年八月十日に政府開発援助に関する中期政策を策定し、五年間程度を念頭に置きまして、我が国ODAの基本的な考え方、重要課題について記述するとともに、地域別の援助のあり方、実施・運用上の留意点等を明確化すべく努めてきてまいりました。
 提言の二十一、「援助実施体制の見直し、現地機関への権限委譲の促進、援助実施要員の確保」。まず、適正かつ効果的な援助実施体制を構築するため、政策機関、実施機関について一元化の方向で体制の見直しに向け検討に着手すべしとの御提言でございます。
 先般の行政改革では、御案内のとおり、中央省庁等改革基本法におきまして、外務省がODAに関する全体的な企画等につきまして政府全体を通じる調整の中核としての機能を担う旨規定をされました。これを受けまして、外務省は、関係省庁との連携強化のため、次のような取り組みを実施してまいりました。
 まず、平成十二年より局長レベルの政府開発援助関係省庁連絡協議会を定期的に開催してきております。また、技術協力につきましては、平成九年より技術協力事業関係省庁連絡会議を開催しているほか、平成十三年よりは、評価につきましてもODA関係省庁評価部門連絡会議を開催してきておるところでございます。
 次に、現地の機関への権限委譲を一層促進すべしとの御提言でございます。
 政府は、経済協力の各分野において権限委譲を実施してきております。技術協力につきましては、外務省から国際協力事業団、JICAに対してこれまでに七十五カ国において事業実施段階の業務の権限委譲を実施してきております。また、有償資金協力につきましては、JBICにおいて駐在員事務所への案件監理の権限委譲を順次進めてきております。
 援助実施要員の着実な増員に努めるとともに、相手国の事情に精通した現地専門家の採用を積極的に図るべしとの御提言でございます。
 定員削減の流れの中、政府、援助実施機関を含め援助定員は削減されてきております。このような中で、企画調査員、草の根調査員等を活用しまして援助の実施体制の強化に努めてきております。
 また、現地の事情に精通した現地のコンサルタント、現地の専門家を積極的に活用しまして、案件の発掘、事前調査、フォローアップ等を行わしめておるところでございます。
 提言の二十二、「援助供与国・国際機関の比較優位性を活かした援助システムの構築」。
 まず、他の援助国、国際機関と政策協議・協調を緊密に進め、各援助国等の比較優位性を生かした援助システムを樹立するとともに、その際、我が国は主導的な役割を果たすべしとの御提言につきましては、我が国は主要な援助国及び国際機関との間で援助政策協議を積極的に推進しており、このような場を通じまして我が国の考え方を主張し、また国際的な援助システムの構築に主導的な役割を果たすべく努めてきております。
 また、現地におきます援助協調の動きが活発化する今日、我が国は現地で開催される政策協議等に積極的に参加し、我が国の比較優位を生かした援助の実施に努めてきているところでございます。
 次に、南南協力の推進への支援に十分配意すべしとの御提言でございます。
 我が国は、従来より南南協力の意義に着目し、国際会議の場においてその重要性を強調してきております。我が国は、技術協力あるいは国際機関への拠出等を通じまして南南協力を積極的に支援してきており、途上国から高い評価を受けているところでございます。
 提言の二十三、「国民参加型援助の推進」。
 まず、国民参加型援助の推進を強化すべしとの御提言につきましては、提言二十四の関連で詳細を説明いたしますが、さまざまな支援制度を通じましてNGO活動に対する支援を積極的に進めてまいりました。また、青年海外協力隊あるいはシニア海外ボランティアの派遣事業を拡充し、国内のすぐれた人材を活用した国際協力にも努めているところでございます。
 次に、地方自治体が行う開発援助に対する支援。地方自治体との連携を強化し、そのノウハウを積極的に活用すべしとの御提言につきましては、JICAは、地方自治体による国際協力事業を側面支援すべく、平成十三年度におきまして二十六の地方自治体に対し国際協力推進員を配置してきております。また、JICAは、地方自治体を受け入れ機関として技術研修員を受け入れるほか、地方自治体職員を専門家としても派遣いたしております。
 さらに政府は、地方自治体が開発途上国に対して行っております草の根レベルのプロジェクトに対して財政的支援を行ってきているところでございます。
 提言の二十四、「NGOとの連携の強化」。NGOとの連携を強化すべしとの御提言でございます。
 政府は、NGOに対する支援、NGOとの連携を強化してきております。例えば、NGOの活動を支援するための予算を拡充してまいりました。草の根無償資金協力予算につきましては、平成十年度五十七億円、平成十三年度には百億円に倍増しております。
 また、NGO、経済界及び政府が連携協力して、より効率的かつ迅速な緊急人道支援を行うための体制としましてジャパン・プラットフォームが平成十二年八月に発足いたしました。政府は、これに対する支援として五億八千万円を拠出しております。ジャパン・プラットフォームは、インドの地震災害、また最近ではアフガニスタン難民支援で支援活動を実施してきております。
 平成十一年度に導入しましたNGO活動環境整備支援事業では、NGO職員向けに運営管理等に関する実務セミナー、短期研修を実施し、NGOの人材育成面での支援を行ってきております。このほか、NGO・外務省定期協議会を開催するなど、NGOとの対話に努めてきております。
 国別援助計画の策定に当たりましても、NGOからの意見を計画に反映するように努力をいたしておるところでございます。
 NGOの参加を得た案件形成、NGOとの共同評価というようなものも実施してきております。
 提言の二十五、「援助評価活動の充実」。多様な視点からの第三者評価をより一層進めるべしとの御提言につきましては、ODA評価の客観性、透明性を高めるため、NGO、海外の専門家、国際機関職員、コンサルタント等による第三者評価の拡充を行ってきております。
 次に、評価結果を次年度以降のODA実施計画の策定及び案件形成に反映させるよう努めるべしとの御提言でございます。
 評価結果につきましては、毎年一回、経済協力評価報告書として公表しているほか、昨年七月からは外務省ODAホームページでの公表も開始いたしました。また、評価結果を今後の案件形成等に反映するため、本年一月、外務省内部に、外務省、JICA、JBIC関係者から成ります評価フィードバック委員会を設置いたしました。
 評価に当たって、外務省と関係省庁、実施機関との間の連携をさらに強化すべしとの御提言でございます。
 ODA関係省庁間の連携をさらに推進するため、先ほど申し上げましたが、平成十三年、ODA関係省庁評価部門連絡会議を設置いたしました。
 提言の二十六、「情報公開及び広報活動の拡充」。ODAに対する国民の理解、支持、参加を得るため、情報公開、広報を拡充すべきとの御提言です。
 政府は、ODAの情報公開、広報に力を入れております。具体例を幾つか紹介いたします。
 まず、外務省ODAホームページ及びODA白書等を通じODA関連の情報公開に努めております。また、平成十一年度よりは、ODA民間モニター制度を導入しまして、一般国民から公募したモニターを途上国に派遣し、ODAプロジェクトを直接視察、報告書を提出いただいております。平成十二年度には百四名の民間モニターを派遣いたしました。
 東京にございます国際協力プラザでは、ODAに関する市民への窓口としまして、ODAに関する情報提供を行っております。また、東京以外、全国五十カ所にも国際協力プラザコーナーを設け、資料配布を行っております。このほか、平成十二年から、毎週土曜日、ODA紹介番組を放送しております。
 平成十三年八月から九月にかけましては、タウンミーティングを全国各地、東京、神戸、仙台、福岡で開催し、ODAに対する国民の生の声を聴取いたしております。
 提言の二十七、「開発教育の推進」。まず、初等中等教育において開発教育を積極的に行うべしとの御提言でございます。
 平成十三年から、小中学校用の開発教材「開発教育・国際理解教育ハンドブック」を製作、配付いたしております。また、学習指導要領におきまして、国際協力の必要性、国際社会における我が国の役割について理解させることといたしております。
 次に、大学、社会教育の場においても開発援助に関する充実した授業科目や公開講座等を開設できるよう努めるべしとの御提言でございます。
 大学では、近年、途上国の経済発展の事例を取り上げ、ODAの役割と課題を理解させるような特色のある授業科目が開設されていると承知をしております。また、開発援助を大学の履修単位として認定する仕組みを検討すべしとの御提言につきましては、例えば広島大学大学院国際協力研究科では、青年海外協力隊に参加した学生が一定の単位を取得でき、またそれも含め修士号を取得することができるという制度を創設されたというふうに伺っております。
 最後に、大学生に対して開発援助の実務研修を行わせる制度を拡充すべしとの御提言でございます。
 JICAでは、将来援助人材として有望な大学院生に対しまして実務研修の機会を提供しております。この研修については、既に八つの大学院が単位を認定していると承知をしております。
 提言の二十八、「開発協力に携わる人材の育成・確保・活用、開発協力研究機関の拡充」。開発協力分野における人材育成を強化すべしとの御提言でございます。
 神戸、名古屋、東京等の国立大学を中心にしまして、開発協力関連の講座、学科、研究科が創設をされております。財団法人の国際開発高等教育機構、FASIDは、これらの動きに講座の開設支援、講師派遣等を通じた協力をいたしております。また、平成十二年、FASIDと政策研究大学院大学が連携をいたしまして、同大学院政策研究科に博士前期課程国際開発プログラムを開設いたしました。このプログラムのもと、国際機関、援助実施機関、さらには途上国の中核となる人材の育成を図ってきております。
 次に、青年海外協力隊の帰国隊員、企業OB等を活用すべしとの御提言でございます。
 勤務先に身分を残したまま協力隊に参加できる現職参加の促進に努力をいたしております。特に平成十三年度からは、教員の方が現職を保持したままJOCVに参加しやすくするため、現職教員特別参加制度を導入いたしました。
 また、帰国隊員の就職機会の拡大のため、進路相談カウンセラーを全国十七カ所に配置をしているほか、平成十三年度からは、帰国隊員の進路決定に際しまして教育訓練経費を補助する制度も導入いたしました。さらに、帰国隊員の能力活用のため、優秀な帰国隊員をJICAのジュニア専門員あるいは国際協力推進員等として登用をいたしております。
 企業OBの活用につきましては、シニア海外ボランティア制度を通じまして、四十歳から六十九歳までの中高年齢層を広く公募し、派遣をいたしておる次第でございます。
 国際開発高等教育機構の研究体制の充実についての御提言でございます。
 FASIDは、附属機関でございます国際開発研究センターの研究体制の拡充を行ってまいりました。同センターでは、開発途上国の地域研究、状況分析等、我が国の国際開発戦略に関する研究を実施しております。
 以上、これまで大変駆け足でございますが、ODA改革の取り組みについて概要を説明申し上げました。政府としましては、ODAに対する国民の理解、支持を得るためにも、国民参加型援助をさらに推進するとともに、広報及び評価を改善し、引き続き効果的で効率的なODAを実施すべく努力を傾注してまいる所存でございます。よろしく御理解、御協力のほどをお願い申し上げます。
 以上でございます。
#7
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日は、あらかじめ質疑者を定めず、質疑応答を行います。
 質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。
 きょうは、理事会で決めたわけでございますが、まず大会派順に各会派一人一巡するよう指名をしていきたいと存じます。
 また、できるだけ多くの委員の方々の質疑を行うことができるよう、委員の一回の発言時間は五分程度でお願いをいたしたいと思います。
 なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず質疑のある方は挙手をお願いいたしますが、まず一巡を行いますので、山崎力君。
#8
○山崎力君 山崎でございます。長い御報告、ありがとうございます。
 最初でございますので、大まかなところからお話を伺いたいと思いますが、我々の先輩がこの提言を、国際問題調査会として提言書をまとめて公表いたしました。それに対して、それに基づいてどのようなことを外務省その他なさってこられたかというのが今の御報告でございますが、手前みそになるかもしれませんけれども、ちょっと答えにくいかもしれないんですが、そこのところの問題。
 すなわち、この提言というものが実質的にどの程度の効果があったのか。一番、ないということからいけば、言われなくてもやっておったわいというようなことから、実質総ざらいで提言が来たということは、自分たちの今やっていることについての少なくてもチェックの機能、この提言に対してはこれはどうなっているかいなと、これはやっているのだとしたらどの程度やっているか、あるいは気がつかなかったのか、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。五分、一問一答で答えていただいていきたいと思いますが。
#9
○政府参考人(西田恒夫君) 今の御質問、まことにありがとうございます。
 今まさに先生から御指摘がありましたように、今回の御提言は非常に包括的なものであったというのが特徴ではないかと思います。それからもう一つは、提言の中身が非常に具体性に富んでいるということで、委員会等々からいただく提言としては非常にユニークなものだというふうに考えております。
 そのような御提言をいただきましたので、先ほどかいつまんで御説明しましたけれども、関係の各省それぞれ協力をさせていただきまして、できる限りの対応をさせていただくという姿勢で臨んできたつもりでございます。その意味では、もちろん満点では毛頭ございませんが、それなりの具体的な改善というものができたのではないかと考えておる次第でございます。
#10
○山崎力君 そういったところで、今の御報告で、私なりに報告ということができていないというか、それはもう難しい問題だとは思うんですが、二点お答え願って、次の方に譲りたいと思います。
 一つは、相手国援助のときのいろいろな論調があるんですけれども、要するに援助の相手先が政府なのかいわゆる国民、住民なのかというところの焦点の絞り方がその都度その都度決まってきている。それは国情にもよるでしょうけれども、この辺のところの御指摘が、提言にもなかったのかもしれませんけれども、陰ながらあったと私どもは思っておりますが、その辺の御回答というか、報告がなかったんではないかというのが一点。
 それからもう一つは、援助の仕方で、コモンバスケット方式とそれから個別二国間というのが若干ございましたけれども、これは非常に難しい。簡単に言えば、コモンバスケットでもいいんだけれども、そこで一番金出している日本が、トンビに油揚げじゃないけれども、わずかしか出していないところに鼻面引き回される可能性があるというその不安ですね、国民に説明つかない。この辺のところの現状と、課題といいますか、将来的な見込みをどう考えているか、この二点、お伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 まず第一番目の政府あるいは国民どちらに視点を置いているのかということでございますが、もちろん究極的な視点といいますのは、その国の構成しております国民の一人一人というものの生活がより安定して、より安全なものであり、幸せにもなるということがODAの究極の目標だというふうに考えております。
 しかしながら、ODAは、ODAと言っている以上、政府、基本的にはGGベースで行われておりますので、いわゆる要請主義という理念もそうでございますが、先方が考えますやはり優先順位、開発ニーズというものは十分にそんたくをさせていただいて、まさに政策対話を通じまして十分なすり合わせを行って、当国の開発、ひいては国民の幸せにつながる援助はどうなのかという努力をいたしてきております。
 ただ、スキームとしましては、先生御案内のように、例えば草の根というように、必ずしも中央政府を相手にすることなく、先方の地方自治体でありますとかNGOと直接話をしまして、直接国民に裨益するような、そういう草の根のスキームというものを持っておりまして、これは大変高い評価をいただいていることは御案内のとおりでございます。
 それから二番目の、いわゆるコモンバスケット等でございますが、コモンバスケットというのは今の段階では、非常に粗っぽい言い方をすれば、まだ基本的には理念、考え方ということでございまして、そういう意味では非常に試行錯誤の段階であろうというふうに我々は考えさせていただいております。
 御指摘のように、特定の状況にあります特定の国の開発問題に対応するのにコモンバスケット方式というものがあるいはよりすぐれているということは、これは可能性と、あるいは理論的にはあり得るものというふうに我々も認識をいたしておりますが、しかし他方、やはり各国の援助需要にきめ細かく対応する、かつなお、その中において日本の顔が見えるというために、果たしてこのようないわばユニホームみたいな形の援助方式というものが適切かどうかということについては、日本政府としては基本的には慎重に考えているというところでございます。
#12
○藁科滿治君 ただいまの現状報告で新しい環境に対応するODAのあり方、いろんな面で努力の第一歩が進んでいるという理解はいたしました。ただ、成果はこれからということだろうと思います。
 そこで、時間に制約がありますので、私はここで二点質問をさせていただきます。
 第一点は、最近のテロ問題、根幹は貧困対策ということに戻ってくると思いますけれども、ここ数年来、サミットでも必ずテロ問題は主要項目に入ってきたと思うんですね。しかし、今回の事件の体験を通じて、ただ一つの項目という以上に非常に重大な教訓を残したと思うんですね。
 そういう意味で、お話にもありましたけれども、このOECDで提起しております中長期的な目標、これはDACの具体的な数字も示しながら方針が出ておりますけれども、また昨年の沖縄サミットでは、日本の政府がかなり主導的にこういうものを基調にして合意に持っていったという努力もある。その上に立って中期政策というものが今具体的に動き出したわけで、まだ二年そこそこではありますけれども、どういう進捗状況なのか、それから掲げている戦略目標に果たして近づけるのかどうか、そこらの当面における見通しをひとつ伺いたいと思います。
 それからもう一つは、NGOとの連携、これもお話ございました。かなり具体的に努力していることも改めて勉強させてもらいました。しかし、今回の事件を含めて、やはり現地のニーズあるいはその成果のチェック、そういう意味でODAとの連携はまさに欠かせないと思うんですね。さきの本会議でも私は総理にその問題をめぐって質問をさせていただきまして、小泉総理からもさらにその関係を強めていかなけりゃいかぬという答弁をいただいているんですが、これから強化方針として具体的にどんなことを考えておられるのか。
 それから、あわせて国内、神戸・淡路地震の体験を含めて我が国も相当ODAのエネルギーがあるなということを改めて我々は認識したわけですけれども、しかし欧米の実態に比べると、まだ資金的な面でも、それから人材の面でも、それから国、行政の環境の問題でも、非常にまだまだ力不足だと思うんですね。ここでは何億予算をふやしたというようなあれがあったんですけれども、たしかこの調査会ではないんですが参議院の調査会で勉強に行ったことがあるんですね、アメリカ、カナダ。そのときに比べるとかなり進行しているけれども、まだ決定的に総合力がおくれていると私は思うんですが、そういう意味で、これから抜本的な強化策、そういうものについて考えがあれば、あわせて承りたいと思います。
#13
○政府参考人(西田恒夫君) 冒頭に、前向きに進んでいるではないかという御評価をいただきまして、まことにありがとうございます。
 おっしゃられたとおり、御提言をいただきましてからも三年でございますし、それに従いましていろいろな予算措置を含め努力をしてきているのはまだこの二年ぐらいですから、まだその成果自身が出てくるのももう少し時間がかかるものというふうに考えておりますが、せっかくの御提言でありますし、さらに努力を継続していくということによって一歩一歩目標に近づいてまいりたいと思っております。
 まず、第一番目のテロの問題でございますが、御案内のように、これまで累次のサミットにおきましてテロ問題自身というものは取り上げられてまいりましたが、必ずしも開発というコンテクストの中では取り上げてきたことは余りなかったのではないかというふうに記憶をしております。その意味におきましては、今まさに先生御指摘のとおり、テロというものとその背景にあると思われる開発問題、特に貧困の問題というものをこれほど直接に結びつけて国際社会が重く受けとめたのは今回が初めてではないかというふうに考えておる次第でございます。
 先般、例えば世界銀行のウォルフェンソン総裁、あるいはUNDPのマロック・ブラウン総裁等おいでになり、総理初め主要な内閣のメンバーの方との意見交換等もされましたけれども、やはりこの問題が非常に大きな認識の問題としても、それから取り組むべき問題の大きさとしても未曾有の事態であるということについては、それぞれ関係者の方からも御意見が出され、また認識が一致しているんではないかと考えております。
 それで、そのような意味で、貧困の問題について改めて新たな視野からこの問題に取り組むべきということについて意見の一致があるわけでございますが、これはなかなか非常に難しいというのがやはり関係者のまた共通の認識であろうと思います。特に今、アフガンをめぐる情勢につきまして、これが容易に我々の考えるような状況に持っていくための努力というものがそんなに簡単な道のりではないということについても、やはりこれは関係者の認識が国連も含めあるというふうに思われます。
 そのような中で、政府としましては、当然のことながら中期目標にも掲げさせていただきましたこの貧困の解決という問題のために、これにはいろいろ道筋があろうかと思っております。
 先ほども御説明しましたが、一つには直接的な貧困対策としての社会開発セクターに非常に大きな重点を移していくということと、やはり貧困というものが経済成長を通じて底上げをされていくという中で解決されていくべきというような我が国の伝統的な考え方もまだ有効であると我々は思っておりますので、やはり経済成長を長期的に達成するための努力というものをあわせて行っていくというふうに考えているところでございます。
 解決、いわゆる開発目標に、じゃ近づいているのかということにつきましては、これは残念ながら特にLDCの方々から見ますると、約束はしてもらったけれどもなかなか解決に近づいていないではないかというようなところが、それぞれドナーの方から見ればこれだけの努力をしてきているということで、例えば初等教育に対するアクセスの問題でありますとか、それから絶対貧困の数の方が減っていくというようなところでいい数字も出てきておりますけれども、他方で、きのうかきょう出ました世界人口問題の白書なんかを見ましても、二〇五〇年には九十一億の世界の人口になるというときにふえる。これから、今六十億でございますから、三十億の方の多くの方がやはり非常に貧困の状況に置かれて出てくるというふうに考えざるを得ないというふうにも思われますので、この問題についてはやはり格段の努力をもって、やっぱり国際社会が挙げて努力をしていかなくちゃならぬということであろうかと思います。
 それから二番目の、NGOとの連携でございますが、これは確かに欧米のNGO先進国と申しますんでしょうか、に比べれば我が国のNGOはまだまだ、例えば予算的なものあるいは持っているエクスパーティーズ等々のものからも、必ずしも強力ではないと思われますが、しかし、先ほども御紹介させていただきましたプラットフォームのように緊急人道支援等、あるいはこれまでも行ってまいった人口問題、あるいは環境、感染症というようなそれぞれの分野におきましては世界に十分伍していけるNGOというものも育ってきておりますので、政府としましては、これまでのように事業だけではなくて、彼らの持っているキャパシティーをさらに強化するという形の支援というものも導入していく形でさらにODAとの連携を深めたいと考えている次第でございます。
#14
○沢たまき君 今、西田局長、ちょっとお話があったのでODAなんかの力をおかりするのかなと思いましたが、私はまず一点、ODAの一〇%の予算の削減について伺わせていただきます。
 聖域なき構造改革という政府の八月の方針で、来年度の予算の概算が一〇%カットと発表されました。貴重な国民の税金と貯金を使うわけでございますから精査して援助すべきは当然のこととは思いますが、今、藁科先生もおっしゃっていましたけれども、私どもの党は人道的見地、なかんずく貧困、今出ましたね、文化、環境破壊、薬物、国際犯罪組織、感染症、女性、子供の虐待、対人地雷等の人間の生命と生存と生活と尊厳に対するこのさまざまな脅威を除去する人間の安全保障の実現のための援助は十分御配慮いただきたいと申し入れをしたところでございますが、報道によりますと、さきの亡くなった小渕元首相が国連に創設した人間の安全保障基金への拠出金が、ことし七十七億から二十億円と七四%の減額、また国連の難民高等弁務官の事務所にも二六%、それからWFPの拠出も三五%となっているんですが、この点ちょっと御説明いただきたいのが一点。
 それともう一つ、これは提言と申しましょうか何と申しましょうか、今局長もおっしゃったように、ODAは最も重要な我が国の外交手段でありますが、ますますその重要性が増していると思っております。それゆえに、二十一世紀に入った新しい時代にふさわしい経済協力の理念、哲学を盛り込んだいわゆるODA基本法を制定することが必要であると考えております。昨今のDACの新開発戦略、九六年五月ですか、政府開発援助に関する中期政策、九九年八月、に見られるように、人道的な支援とか社会開発の重視がうたわれておりますが、こうしたことから基本法の制定が不可欠であろうと思っております。
 御存じのように、第四期調査会の最終報告の提言三十にODA基本法案の骨子の定義が掲げられております。これは第一期調査会からのODAに関する議論のいわば集大成でございますが、今後ともこの議論を継続して、国際問題調査会といたしましても、山本先生中心になさっていただいたようでございますが、基本法の制定に向けた努力を継続すべきだろうと思っております。これは、この場をおかりして、委員の皆様の御意見も伺えたらなと思っております。
 それからもう一つは、文化のことなんでございますが、私はことしの五月の意見発表でもさせていただいたんですが、高い文化水準は尊敬の対象であると考えております。自国の文化を尊重し、また諸外国の文化も尊重するという姿勢が大変に重要であろうと思っております。その意味からも我が国政府は国内の文化の保護育成に一層努めるべきであろうと思っております。残念ながら、政府の文化に対する予算額の比率は、諸外国に比較してもかなり低いと言えます。このような姿勢がODAにも見られると思っております。ですから、ODAを活用し、途上国の文化財の保護、修理とか修復の作業を、世界遺産登録を積極的に支援することが重要であろうと思っております。
 無償資金協力の中に、文化無償協力もありますよね、まだ件数の上では不十分じゃないでしょうか。途上国の文化に対する支援の重要性についての御意見を伺いたいと思っております。よろしくお願いします。
#15
○政府参考人(西田恒夫君) 第一問につきましては高橋部長の方からお答えをさせていただきたいと思いますので、第二番目と第三番目の方について私の方からお答えをいたします。
 基本法につきましては、政府といたしましても、いわゆるODAというものを効果的、効率的に、あるいは透明性を持って進めていくという上において、一つの考え方であるというふうに承知をいたしております。他方、御案内のように、先ほど御説明させていただきましたけれども、外交の実施上の大きな手段という面もODAは持っておりますものですから、そのような外交というものが、今回のテロ事件でもございますが、やはり非常に機動的に対応しなきゃならないという側面も持っておりますので、外交の実施上のODAにおけるそのような機動性というようなものが間違っても損なわれてはいけないというような点について、我々外務省、それから政府としましては、全体といたしまして基本法についての議論については慎重に対応してまいりたいというところでございます。
 それから、二番目の文化でございますが、これは国内における文化の話は私たち外務省ではございませんので、別途、文部科学省等の方からお話あろうかとも思いますけれども、いわゆる文化無償につきましては、まだ概算要求の段階でございますからどうこう言うお話ではございませんけれども、今回の概算要求の中では文化無償については、全体の一〇%カットの中におきましては、そのような高い形ではなくてより優遇という形で処理をさせていただいているというふうに承知をいたしております。
 他方、文化というものをODAでどこまでやるのかということについてはいろいろ御議論があるのは先生御案内のとおりでございまして、ODAは突き詰めればやはりその国民のいわゆる開発問題ということでございますので、開発というものとかかわるところにおいてODAというものが発動されるのかなというのが基本的な政府の考え方でございまして、しかし同時に、ただいま御指摘もございましたけれども、貴重な文化遺産の保全等におきまして日本が比較優位の技術を持っているというようなところも多々ございますので、そのような日本がやはり国際社会に提供できるある種の技術的なサービスというような意味も含めて、ODAが発動する部分については積極的にこれを支援してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#16
○政府参考人(高橋恒一君) 外務省国際社会協力部長の高橋でございます。
 先生の第一の質問でございますが、ODAの一〇%予算削減の影響といいますのは、もちろんバイの援助だけじゃなくて国際機関にも非常に深刻な影響を及ぼしておりまして、概算要求の段階で、平成十四年度、明年度の拠出金に係る予算については五百二億円を要求させていただいております。これは前年度と比較しますと二一%減となっております。
 これ、なぜ一〇%ではないかといいますのは、国際機関に出すお金は分担金、義務的なものと、それから政策で出す拠出金というのがございまして、分担金の方はこれはもう選択の余地ないものでございますから、まずそちらの方は一〇〇%やらざるを得ないということになります。ですから、そちらの方でまず必要な円貨の予算をとらざるを得ません。そして、それをやる場合に、先生が先ほどおっしゃいました例えばUNHCR、四〇%近いというのは、これはドルの換算でございます。
 それで、今年度の予算とそれから来年度の予算を比べますと、円ドルレートの計算がむしろ円安ということで計算せざるを得ませんので、要するに分担金を払う、ドルで払うための円がちょっとふやさなくちゃいけない。そういうことで、拠出金の方にしわ寄せがたくさん行っております。それで、拠出金で持っている国際機関というのは押しなべまして大変厳しい。平均で、先ほど申しましたように二一%という削減になっております。その中でも、先生が挙げましたところはそれよりもさらに大きくなっておるというのが問題なんだと思います。
 人間の安全保障基金に関しましては、これは私ども小渕総理のときに打ち出した、二十一世紀におきますグローバルないろいろな紛争、それから貧困の中で、まさに個々人が大変存在の危機に迫られている、そういう紛争とテロ、そんなものと、それからあと貧しさ、あと病気、そういうものから個人を、それをどう守るかという観点から新たに構築された考え方でございまして、従来のアプローチとはちょっと違うことを国連の機関を通じて、国連の持っておりますさまざまな専門機関を通じまして、なおかつ我が国のNGOだとかそういうものとうまくかみ合わせて対応していくということで設立したものでございまして、私ども担当しておる局といたしましては、できる限り多くをもちろん希望しておるわけでございますけれども、概算要求の段階におきましては、御案内のように昨年度七十七億円が二十億円ということになっておりますが、これは、私どもとしましてはもう少し出していただければというふうに思っておりますので、御支援いただければというふうに思います。
 それから、UNHCR、WFPにつきましても、確かに円で見ましてもUNHCRが二六%、それからWFPにつきましては三五%のマイナス数字になっております。ですから、ドルですともっとになります。
 これも私どもとしましては、少なくとも国際社会協力部の観点からすればもう少しふやしていただきたいということはあるわけでございますけれども、しかし、これはODA予算全体の形をどういうふうに、先ほど西田局長の方から話がありましたように、我が国のODA予算は、現下の情勢の中で二国間の援助とマルチの援助をどういうふうなバランスをとりながらやるのが一番いいのかというまさに政治的な決定に係る問題であろうと思います。
 私どもとしましては、少なくともUNHCR、WFP、そういえば今一番問題になっておりますアフガニスタンの難民、避難民への支援で大変重要な役割をこれから果たすわけでございます、現在も果たしておりますが。それに対しては、十月の四日に官房長官から発表させていただきました国際機関のドナーアラートの二〇%に当たります一億二千万ドル、百四十五億円、日本はマキシマムでやる用意があるという一応今プレッジをしてありますので、その枠内でこうした機関が、もう既にUNHCRには第一陣といたしまして六百万ドルの協力につきまして決定をしておりますが、WFPその他の援助機関につきましても、具体的な要請に応じましてできる限り前向きに応じていくということはやらせていただくつもりでございます。
 ただ、これと来年度の拠出をどうするかというのはもちろん別の話ではございますので、そちらの方も引き続き検討は、努力はさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
#17
○政府参考人(白川哲久君) 今、沢先生の方から文化についての御指摘がございました。
 私ども文部科学省といたしましても、国際社会におきまして文化の振興ということが、先進国のみならず開発途上国の発展のためにも不可欠な要素である、こういうふうに認識をしておりまして、そういう認識はだんだん広まっておるというふうに考えております。また、日本文化への関心の高まりもございますし、我が国が文化を通した国際貢献を進めることへの期待も増大をしてきておるというふうに考えております。
 先ほど西田局長の方から文化についての御説明がございました。沢先生もお話しになりました例えば世界遺産の関連の保存、修復の事業、そういうものにつきましては、私ども文部科学省の方は、エクスパーティーズと申しますか専門の技術を持っておりますので、これまでも努力をしてきたところでございますけれども、そういった海外の文化財を保存、修復するための技術協力であるとか共同研究、そういうことにつきましては今後とも積極的に対応していきたいというふうに考えております。
#18
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 ODAは、ODA対象国の期待が非常に大きいわけですし、それだけに被援助国のニーズに合致した正確な執行が非常に重要だということを痛感いたします。
 世界の主要国との比較で日本のODAの特徴、これを私なりに考えると、一つは人道性の高い食糧援助、最貧国に向けた援助、これの額が少ないと思います。統計でいっても、日本の貧困国への援助はODAのうち一三・二%、ドイツは二四%、イギリスは三二%。世界で最貧層に属する人がどのぐらいいるかというと、一日一ドル以下で暮らしている人たちが十二億人いるわけですよね。そういう実態から照らしてみても、やはりこの点が非常に大事だろうと思います。二〇〇一年度の予算で見ても、これは結局、食糧援助については逆に百十二億円から百三億円で減っているということで、これは逆行しているだろうと思います。
 その一方で、じゃ何が多いかというと、海外での大型公共事業ですね、港湾、空港、ダム、発電所、これが多いわけです。
 これが問題なのは、ニーズに合っているかどうか、ここが非常に大事なわけですけれども、私自身、アフリカとか幾つかの国々で経験したことでいうと、こんなプロジェクトは要らないかという形で売り込んでやる、そういうタイプが多いと。ですから、ホワイトエレファントという言葉がありますけれども、かえってありがた迷惑だという、そういう現地の声があるわけですね。
 例えば、病院みたいに密着した、一見そう見えるものも、日本と同じような病院を建てちゃうわけですよ、発展途上国に、クーラーもついた。しかし、それもほとんど役に立たないということです。やはり実際のニーズに合ったきめ細かいそういうものが求められているということを改めて痛感するんですね。
 何でこういうことになっちゃうかというと、これも私なりに考えるわけですけれども、先ほど部長も局長も言われたんだけれども、最も重要な外交手段がODAだと。そうかもしれません、日本流に言うと。
 ただ、私は、ノルウェーなど幾つか北欧の国々のODAを調べたときに非常に感心したことがあるんですね。それは、援助を国の外交戦略にしたいという、あるいは他国への圧力にしたいという誘惑を断ち切る、これがODAだと彼らは言うんですよね。僕は見事な言葉だと思うんですよ。なるほど、北欧はひものつかない援助国として援助を受ける国々から非常に高い尊敬を払われているわけですね。それが逆に外交を高めている、国の評価を高めている、そういうことがあるわけですよ。
 例えば、日本でいうと、ODAを日本の国連の安保理常任理事国入り、その工作に使うということもたびたび指摘されていますけれども、私はそういったことは逆効果になる、そういうように思うわけですね。
 もう一つ、その違いを生む理由として、日本のODAというのはやはり非常に戦略的に考えられているということがあると思います。私は、八〇年代に中米を訪問したときに、それまでずっとゼロだったジャマイカへの援助が急にがんとふえて、連続してどんどんふえていくんですね。何でかと思ったら、アメリカが戦略重点国として指定したと、そういう背景があった。
 ですから、私はそういうことをあわせて考えて、一つは、本当に被援助国のニーズに合った、現実に合った援助、そのための努力がこの間どうされてきたのかということを一点お伺いしたいと思います。
 それから、あと短く二点ですけれども、やはり最も喜ばれる援助をする上で非常に大事なのは、NGOとの連携ですね。先ほど提言二十四で御回答もありましたけれども、その点だと思います。
 私は、アフガニスタン問題に関連して、ちょうど一週間、きのう帰ってきたばかりですけれども、パキスタンに行ってまいりました。現地でジャパン・プラットフォームの方々に会ったり、それから各国のNGOの方々とも話しましたけれども、その中で、日本政府は、最近のジャパン・プラットフォームへの五億円という支出、拠出、これは高く評価されると思いますけれども、それは始まったばかりということであって、やはりもっともっと額を多くしなければ到底足りない、やれることもできないという現実があるわけですね。
 ですから、そういう点で私はNGOとの連携、とりわけ今、アフガニスタンへの食糧援助等々、これをもっともっと進めてくれという、そういう声が非常に強いわけですね。やはり私はこういうところに日本の外交や力の発揮すべきところがあると思うんですね。
 ですから、その点で、ニーズに合った援助を進めていくというかぎは、やはり地元でそういうネットワークをつくり、国連だってそれを頼りにしてやっているわけですから、NGOのネットワーク、これは日本ばかりじゃありませんけれども、日本を中心として諸外国のNGOとの連携、これは不可欠だと思いますけれども、その点についてお伺いしたい。
 最後にもう一点。提言十一で透明性のお話がありました。その点で、ODAの機密費の問題なんですけれども、外務省の機密費は五十五億円ですね。そのうち三十六億円が在外公館分となっていて、そのうち四割の十五億円がODA機密費となっているわけです。もともと予算があるから、これが要らないか、あれが要らないかという話にもなるということにもなるかもしれませんけれども、なぜODAで機密費が必要なのかという素朴なことをお伺いしたいと思います。
 以上です。
#19
○政府参考人(西田恒夫君) まず、最貧国に対する援助の割合が少ないのではないかということでございますが、最近の数字でやや引っ込んでいるということは御指摘のとおりであります。我々もその分析等をしておりますが、とりあえず一つのあれは、例えばアジアの通貨危機に対しまして、アジアの国々に対していわゆる宮澤構想等かなりの規模に上ります資金援助等を行ってまいりました。相対的に今比率が下がるというようなところがまず一つあったかというふうに短期的には思われます。
 それから二番目に、日本のODAの構造からしまして、先生御案内のように、額的には何といっても円借が占めている比率が非常に大きいというところでございまして、今御指摘の、例えば北欧の国々は円借というような仕組みは持っておりませんので、もともとグラントということになりますから、対象国もおのずとLLDCの方により大きくシフトをしているというような傾向がございますので、日本のODAがこの三本柱、グラントと、それから有償と、それから技術援助というものを行っていくという今の体制を続けていくという前提に考えますれば、おのずと少なくともパーセンテージにおいてはどうしてもグラントの部分が低くなり、その結果として、ひいてはLLDCの部分についての比率は減っていくということはあろうかと思いますので、一概に直ちにその数字の比率だけでもって日本のODAがLDCに冷たいということはこれはないんではないかというふうに考えております。
 現在のアフリカに対する支援も今現在一〇%以上もう超えるに至っておりまして、これは主要なドナーの中でも一、二を争うぐらいの、絶対量としてはアフリカへ支援を行ってきておるところでございまして、TICADプロセス等、アフリカ諸国から日本に対する期待というのは非常に大きいことは御案内のとおりだろうと思います。
 それから、公共事業につきましては、今の答えの表裏みたいな話になりますけれども、ローンをやっておりますから、当然ローンというもので、これまで特にアジアを中心としました日本のODAのやっぱり主柱というものはアジアという地域、そして主に経済社会インフラというものをつくってくるという形で経済成長を支援して、それらの国の経済的なテークオフを助けるということを非常に大きな柱の一本に立ててきておりましたので、それはどうしてもそのような傾向にあったということでございますし、それからやはりそれ以外のアフリカ等の国におきましても、ではインフラに対する需要はないのかといえば、これはやはり需要はあるんであろうと思います。
 したがって、御案内のように、一個一個もっと案件を精査してむだがないようにすべしということについては御指摘のとおりでございますので、先ほどるる御説明させていただきましたいろいろな、例えば調達とか等々の措置をも改善をしまして、やはりむだがない、あるいは無償だからといって高くならないような援助というものにはさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 二番目のというか、外交手段ということにつきましては、これはそれぞれの国のお国柄がございますから、どっちがいい悪いというのは一概には言えないと考えておりまして、あるいはノルウェーやスウェーデンが考えるODAのその国における位置づけと日本の場合にはこれは違ってくるのはやむを得ないかなというふうに考えておりまして、日本の政府としては、やはりODAは外交的、戦略的に使うべきということが政府の考えであったというふうに我々は承知しておりまして、それで努力をしてきた次第でございます。
 それから、NGOとの連携、これはちょっと若干繰り返しになりますけれども、例えば具体的には、先ほどのプラットフォームにつきましては、初動のお金だけじゃなくて、実際に活動が始まりますれば活動の資金というものもこれは援助するつもりでございます。今のところはなぜでは出ていかないのかというと、御案内のように地域の情勢が非常に流動的でございまして、プラットフォームの方々もどこでどういうような具体的な活動ができるかと今一生懸命模索をしておられるという状況であるというふうに承知をしておりますので、具体的に拠点ができまして活動が開始されましたら、また追加的な支援はもう喜んでさせていただきたいと思っております。
 それから最後の、済みません、そのODAと機密費というのは、ちょっと私、必ずしもよく質問の趣旨がわからなかったんですが……
#20
○緒方靖夫君 繰り返しましょうか。
 ODAの、ODA機密費というそういう分野があると承知しているんですが、それはあるかどうか。それで、その額が、お聞きすると十五億円あるわけですね。ですから、そういうODAになぜ領収書の要らないお金の使い方、公表される必要のないそういうお金の使い方が必要なのかと、そういう意味です。
#21
○政府参考人(西田恒夫君) 私が勉強不足なのかもしれませんけれども、ODA機密費というものがあるというふうに私は承知をいたしておりません。
#22
○会長(関谷勝嗣君) それでは、きょうは、理事会ではオブザーバーの社民さん、それから自由党さんも一巡の中に入っていただいて、今から質疑を受けたいと思います。
#23
○大田昌秀君 社民党の大田でございますが、四点ばかりお伺いしたいと思います。
 ODAの問題につきまして、先ほど来の御説明を伺っておりますと、非常にきめ細かく政府は対応しておられるということがわかったわけでございますが、しかし依然としてODAのあり方についてはいろいろと御批判もございます。
 これまで長年にわたってODAを実施してこられた立場から、国によってもいろいろと、あるいはその時代によっても違うと思いますけれども、直面されたもろもろの問題点の中で、一番といいますか、深刻、解決困難な、つまり望ましいODAのあり方を実施する上で、隘路といいますか問題点というのがございましたら教えていただきたいと思います。それが一点です。
 それから二点目は、新開発戦略につきまして日本が主導的な役割を果たしたと伺っておりますけれども、その目標とでも申しますか、内容について若干教えていただきたいと思います。
 それから三点目は、沖縄県には国際センターというのがございまして、世界の百三十数カ国から若者たちが研修にやってまいりまして、もう既に四千人ほどの若者たちが研修を受けてそれぞれの国に帰っておりまして、これが沖縄のいろんな面で非常にプラスになっております。そういう意味で、もう少しこの種の施設を拡充強化されるお考えはないかどうか。
 実は、今は亡き小渕総理が外務大臣のときに、私がお願いしましたら、若干施設を改善して拡張してくださったし、また人数もふやしていただいて非常に感謝したわけでございますけれども、そういった意味も含めまして、将来に向けて私は非常にいいプロジェクトだと思っておりますし、県民の方でも外務省の対沖縄政策ではこれが一番いいんだという評価を受けておりますので、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、九九年六月に閣議決定されました政府開発援助大綱で定めましたODAの四原則との関連で、今回のテロ事件と関連して、インド、パキスタンへの経済援助凍結の解除が話題になっておりますが、その点について、どなたでも結構ですので、どういうふうなお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
 以上でございます。
#24
○政府参考人(西田恒夫君) まず第一番目の、ODAを実施していく過程の中でどういうような解決するのに難しい問題があったかということでございます。
 まず、基本的には、先生御案内のように、ODAを実施していく上で一番大変なのは、ある意味で当たり前かもしれませんけれども、海外のいわゆる後進国、言い方が変でございますけれども、開発途上国で事業を行っているということにいわば尽きるということなんであろうかと思います。すなわち、いろいろな形での事業をさせていただいております。資金を供与する、あるいは何か物をつくる、あるいは技術を移転するというところでございますが、先ほど御説明しましたように、基本的には中央政府、政府間で行っております。
 幾つかの国の場合におきましては、例えばいろいろな政治の情勢が非常に不安定であるというようなこと、あるいはその国における経済社会あるいは法制度等というようなものが未熟であるというようなことからしまして、必ずしもその時点で、プロジェクトを立ち上げた時点で想定していなかったような事態というものがプロジェクトを実際に執行していく過程の中で出てきてしまうという部分がどうしてもございまして、この部分が国内で事業をしている場合とはやはり根本的に違うということだろうと思います。
 最近しきりに言われております、ガバナンスというふうな言い方をされておりますけれども、やはりちゃんとしたよき政府というものをつくっていくこと自身が大事だということが言われているということは、逆に言えば、やはりODAをやっていくときには先方には必ずしもガバナンスのある有効でそのようなものをちゃんとやっていけるだけの政府というものがあるというわけでは必ずしもないよということに尽きてしまいますものですから、その部分が非常に根本的には一番難しい問題だろうと思います。
 他方、もちろん、より具体的に申しますれば、やはりプロジェクトを発掘しましてやっていく中で、例えば環境問題というような問題も起こって、住民移転等の問題が起こりますが、そうしますと、これはやはりその当該国の住民の方々の意識というものもこれはやっぱりどんどん変わっていくというようなところもございますので、それにこれまで以上にやはりよりきめ細かい手厚い配意をしていく必要が起こるというようなこともございまして、いわば事態がどんどんどんどん変化をしていくことにどこまでプロジェクトというものがついていくのかというような問題。
 したがって、事前とそれからプロジェクトを実施、やっている段階、それから終わってからのフォローアップというものをどういうふうに評価して、それについてどういうようないわばアフターケアをやっていくのかというあたりがこれから、先ほどほかの先生方からも御指摘ございましたけれども、意味のある本当に役に立つODAになるかどうかというのは、こういう全体の一貫した流れの中でどこまで我々が一生懸命先方の気持ちに立ってやっていけるかというのを限られた予算等々の中で、あるいは人手の中でやりくりするかという問題であろうかというふうに思います。
 それから、開発戦略でございますが、これは当時のいわゆるDAC、OECDの中で開発をやっている二国間のドナーの集まりがございますが、その中で日本が主たる役割をつくらせていただいてつくった戦略でございまして、基本的な考え方は二つの言葉で、パートナーシップというのとオーナーシップという言葉で表現をさせていただいております。
 パートナーシップと申しますのは、ある国に対する援助をするときにその援助をするパートナー、これは例えば日本でありアメリカでありイギリスでありという二国間のドナーと、それからいわゆる国際機関、例えば世銀でありますとかというようなものとがパートナーとなってよく調整をしていくということで、各国がばらばら自分勝手な援助をすることが非常にむだが多いのでそこを調整していきましょうという意味でパートナーシップが大事だということと、二番目にオーナーシップでございますが、これは最後は、要するにオーナーはだれかというのはやはり開発はその国のまさにカントリーがオーナーなんであって、援助をする側のための援助であってはならないということでございます。
 逆に言えば、そのような被援助国の方が自分の開発問題については開発の戦略を立てていく過程の中から自分の問題として責任を持って、自意識を持ってやっていくというところの考え方というものが定まらずして、ただそのドナーの間を行って援助してくださいということではこの問題は解決しませんねというのが一番大きな考え方でございまして、それから後のいろいろな開発の手法等々あるいは国際会議における大きな流れというものも大体こういうような方向で進んできたんではないかと考えております。
 それから、沖縄のあのセンターのお話でございますが、これは、私たちJICAの方で大変に貴重なものとして活用させていただいております。昨年の森前総理が出されましたITに関するイニシアチブにおきましても、東京と並んで沖縄のこのセンターを中核的な場として位置づけることによって、世界のネットワークの中でより重要な役割を担っていただくべく今現在まさに仕事を一緒にさせていただいているということでございます。
 これは一つの例でございまして、その他、感染症の問題とか、先生よく御案内のような沖縄が比較優位を単に日本だけではなく世界的にも持っているという部分が多数あると思いますので、環境等もございましょうし、こういう部分については、これからこのセンターを拡充強化させていただきたいというふうに考えている次第でございます。
 それから最後に、インパキに対するいわゆる経済措置の停止ということでございます。
 これは、御案内のとおりに、インドとパキスタンの核実験というものに対しまして経済の措置というものをとらさせていただいたわけでございますが、基本的にはCTBTの署名こそできておりませんが、インド、パキスタン両方ともに、モラトリアムというものをずっと継続をしてきておりますし、関連のいろいろな技術等についての管理も一生懸命やるということを明言してきているなど、相当程度目標を達してきているんではないかということと、現在のまさにこのテロ同時多発の状況下において、やはりインドとパキスタンの果たすべき重要な役割ということをも勘案させていただきまして、総合的に停止ということにさせていただきました。
 じゃ、なぜ解除ではなくて停止なのかと申し上げれば、まさに我々にとって非常に重要な政策であります核の問題に対する政策というものについて、間違ってもインドやパキスタンに対して間違ったメッセージを送ってはいけないというような点を十分に配慮させていただいてこのような決定にさせていただいた次第でございます。
#25
○田村秀昭君 自由党の田村秀昭でございます。
 ODAの予算が一律一〇%削減が明らかにされているわけですが、私は非常に懸念をしております。このODAの果たす役割というのは、いろいろな国際常識に反した我が国のいろいろな行動に対して多くの国から大バッシングが起きないのはこのODAのおかげではないかなというふうに思っております。
 私、五、六年前だったと思うんですが、セネガルという国に行ってまいりました。そのときに、立派な建物があって、あれは何かと聞いたら日本のODAで建てた学校ですと。それで、大使館もどこかに同居していてまだ自分の建物も建てていない、建てている最中だったと思うんですが、自分の住むところも建つ前にそういうODAで学校を建ててくれているということで、そのセネガルの人たちは、政府の関係者ですけれども、非常に日本に対して感動をしていたという経験をいたしました。
 私のODAというのの一番初めの出会いはそれではないかと思うんですが、特に、外務省が余り関係を深めていないと言っては失礼かもしれないけれども、中立的な国にこのODAがたくさん多くの国に行っていると。その一端を私は見た感じなんですが、日本に対する感情というのが非常によかった。今までのかかわり合いもないし、ただひもつきでもないお金を援助してくれるすばらしい国だと、こういう感じだったと私は思っております。
 それで、二点、このODAについて質問なんですが、これは外交戦略の軍事的手段を持たない我が国にとって最も重要な外交手段なんですね。そういう意味で、今まで重要な外交手段だとおっしゃる以上、そういう過去に経験があったのか、非常にすばらしい外交戦略であったというのがあったら教えてほしいと。
 それから、適正な規模のODAの予算を確保するという、適正な規模の予算というのはどのくらいなのか。それで、外務省も含めて、予算を使っていろいろなことをやる、いわゆる国民の税金を使っていろいろな施策をやるという人たちに、私も過去そうだったんですが、一番重要なことは、いつも国益に合うのかどうか、国民の立場に立って物を考える、そういう癖を原点に戻っていつも考えることが極めて重要ではないだろうかと、私の経験からもそう言えるのでありますけれども、それは、この適正な規模の予算というのに絡めてそのお考えをお聞かせください。
#26
○政府参考人(西田恒夫君) まず、一番目の外交戦略で、戦略と言う以上何か今まであったのか、こういう御指摘でございます。
 一つには、非常に卑近な例でございますが、現在いわゆる同時多発テロが行われておりまして、先ほどからも言及ございましたパキスタンを初めとする周辺国に対する支援というものを日本はいち早く決定をいたしまして実施をいたしました。これについては、先生方御案内のとおり、パキスタン側から極めて高い評価を得たところでございます。
 パキスタン側は二つ言っておりました。一つは、自分たちがお願いに上がる前に先に援助の手を差し伸べてくれた、こういう国は日本しかいないと。それから二番目に、その内容が、我々がまさにこういうものをいただいたらばよかったなというような援助の内容をこれまた見事に差し出してくれたと。この二つを自分たちは本当に高く評価するということをパキスタンの方から言っていただいた次第でございます。
 何かちょっと手前みそで恐縮なんでございますが、事実でございましたので御紹介をいたしたいと思うんですが、そのようなことも含めて、やはり機動的に先方の立場に立ってどのような形で援助ができるかということは常に念頭に置いていくべきということで、自戒の念も含めて御紹介をさせていただきました。
 それで、先ほどの御質問にちょっと戻りますが、十年も前になりますが、湾岸戦争のときにも実は似たような対応を我が国はとってきた次第でございます。あのときには、我が国のいわゆる軍事的な支援というものは現在よりもより限られた状況であったところでございますけれども、あの時点におきましては、そのような周辺国支援と米国に対するいわゆる支援もさせていただきました。これについては、なかなか厳しい批判を浴びたというところでございますが。
 私が申し上げたかったのは、そのように非常に急激に変わる流動的な国際環境の中において、いち早く日本の国益を体して可能な最大限の協力を行うということを、現在の政府が持っている手段の中ではODAが最も主要な役割を果たしてきたということでございます。
 もう少し長い目で見ていえば、何かといえばやはりASEANというものと日本との関係がこれまで成熟をしてきたということ。例えばAPECでありますとか、それ以降いろんな形でASEANと日本との関係というものが広がりを持ってまいりましたけれども、その中におきまして、やはり日本にとって一番大事なASEANとの関係がこれまで伸びてきたということはやはりODAの果たした役割は非常に大きかったと思いますし、この点については恐らく先方のみならず日本の国内にもかなり大きな御理解をいただいておるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
 それから二番目の御質問は、まことに答えにくいことで、適正な規模とは何かということでございます。
 抽象的に適正な規模というものを定義することはなかなかに難しいとは思いますが、一つやはり我々政府として考えております尺度としましては、やはりこの十年間、御案内のように日本はODAで一番でございました。もちろん内容的にいろいろな点で他の国に比べ、例えばグラントエレメントが低いとかいろんなことがございますけれども、何だかんだ言っても全体として世界の流れが援助疲れということで、LDC向けの資金フローが減っていく、つまり公的資金でございますけれども、減っていく中で日本がそれを何とか引っ張ってきたということは、これはやはり私は非常に重要なことではないかと考えますので、何が何でも一番じゃなくちゃいかぬと私申し上げるつもりではございませんが、やはり日本というものがODAでは特別な地位というものを占めてきたし、それに対して国際的には極めて高い評価を得てきたということは客観事実でございますので、これはやはり一つの、我々としてはめどとして適正な規模というものが中長期的に担保されることがぜひ重要だというふうに考えておる次第でございます。
#27
○会長(関谷勝嗣君) 以上で各会派一人一巡しましたので、これより自由質疑を行っていただきたいと思います。
 きょうは、五名の参考人をお呼びしておりますが、まだお二人の方は一度も答弁がなく時間をもてあましておるようでございますから、溝口さんと林さんには特段に指名をして、御質問があればしてあげたら私としても喜びでございます。
 それでは、質疑のある方はまず挙手をお願いいたします。こちらに記録をさせていただきますので、挙手をお願いいたします。
#28
○入澤肇君 それじゃ、幾つか御質問を申し上げたいと思います。
 先ほども、外交上の有力な手段である、あるいは十年間世界じゅうで一番の援助を行ってきたという話ございましたけれども、どうしてこれだけ重要なことが法律に基づいて行われないのか、大綱の段階でとどまっているのか。私は、基本法というよりもむしろ実定法が制定されてしかるべきじゃないかと思っているんですが、政府として実定法の制定に踏み切らなかった理由が何かというのが一つ。
 二つ目は、省庁再編によっていわゆる四省庁体制というのが崩れて、新しい審査体制、評価体制ができたというのですが、政府の今の説明によると大変よくやっているというふうに見えるんですが、実際には多くの批判があることは実際に現地に視察に行っている議員団が証明しているわけです。この間も聞きました。エジプト、アフリカに行った議員団があるところで小学校を見たけれども、これがODAというのでびっくりしたとかいうマイナスの評価をやっておりました。いわゆる四省庁体制が極めて形式的な審査で、中身に入り込んだ審査なかったというのは私も自分で体験して知っています。これは現在どうなっているのかということについてお聞かせ願いたい。
 それから三つ目、その評価体制ができたけれども、現地に会計検査院とか行って、内政干渉になっちゃうので難しいところもあるんですけれども、実際にどのような支出が行われているか、現地における調査体制はどうなっているか。
 この三つをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#29
○政府参考人(西田恒夫君) 実定法をなぜつくらないのかということについては、先ほどの基本法に対する考え方と同様の考え方でございます。
 我々、別に米国がいつも参考の材料になるわけではございませんが、先生御案内のように、米国は極めて詳細にわたる援助法をつくりまして実施いたしたわけでございますが、実際上はなかなか、実際のいわゆる援助というものとこの援助法というものが必ずしもかみ合わないというようなこともございまして、別に無視というわけじゃございませんけれども、必ずしもその援助法については十分な活用をされていないというふうにも伺っている次第でございます。
 別にアメリカの例がそうだからどうだということではございませんが、先ほどと繰り返しになって恐縮でございますけれども、我々としましては、やはり現在のODAの大綱というものをもとにして中期の計画等を立てる、それからその時々の政策についてよりはっきりとした国民に対する説明責任を、評価でありますとかあるいは広報でありますとか、あるいはタウンミーティング等々を通じまして御理解をいただくという形でもって機動的に対応させていただくのがよろしいのではないかという考え方で政府としてはいるというところでございます。
 四省庁体制が形骸化しているのではないかということにつきましては、いわば四省庁が今三省庁に、これはいわゆる再編の結果としてなっているわけでございますが、三省庁はもちろん大使館という出先は持っておりますが、基本的には東京に本部がある組織でございますので、やはり多くの部分を実施機関でございますJICAとJBIC、先ほど数をちょっと申し上げましたが、出先等を通じましてよりきめ細かい案件の発掘、実施、あるいは事後のアフターケア等を行っていくという体制をとらさせていただいております。
 さらに加えまして、先ほども御説明しましたが、現地の事情に詳しい現地の方、コンサルタントでありますとかそのような専門家の方々というようなものをさらに活用させていただくと。さらにいえば、最近は現地における、現場における各国あるいは世銀等との援助協調が非常に進んでおりますので、その他のドナーとのいわゆるパートナーシップに基づくいろいろな意見の交換、情報の交換を通じて、よりよい案件をつくるべく努力をさせていただいておるというところでございます。
 会計検査院等の査察、調査等につきましてはもう御案内のとおりでございまして、会計検査として基本的には例年ODAについてもその対象として審査がされ、国会に対して御報告がされているものというふうに承知をいたしております。
#30
○会長(関谷勝嗣君) 沢たまき君が、先ほど質疑のときに質問を落としていたようでございますので、今機会を与えます。
#31
○沢たまき君 ありがとうございます。済みません、一つ忘れておりました。大事なことですが、去年の八月に発表された「政府開発援助に関する中期政策」というのがありましたよね。その中の最初の方に「貧困対策や社会開発分野への支援」が掲げられて、その中に「開発途上国における女性支援(WID)/ジェンダー」という項目がありました。
 ここに記載されてあったように、全世界の貧困状態にある十三億人のうちの約七〇%が女性でありますよね。女性の自立支援のための基礎教育の充実あるいは技術習得のための支援拡充、これはぜひもっともっとやっていただきたいと思っているんですが、今回の調査会の提言の十八に「社会開発分野の重視」がありましたけれども、女性支援の観点から新たに施策を講じられたというところがあったら御説明をいただきたいと思ったんです。済みません。
#32
○政府参考人(西田恒夫君) 今回の新規の予算の中で、新しいスキームという意味においてはないと思いますが、今先生御指摘のとおり、WIDにつきましては日本はかなり早い段階からこの点を重視してきていろんな努力をしてきております。
 それで、WIDといいますのは、いわば一つの面からの切り口でございまして、いわゆる援助における女性ということでありますけれども、例えば、人口問題に対応するに当たりまして日本の保健所のようなシステムを使って、育児手帳というんでしょうか、ああいうものを使っての、これはだから保健であり、人口であり、例えば衛生であるとか、いろんな形に入っておりますけれども、これは基本的にはやはり女性が母親でございますので、その出産、育児の問題に対応するという形で実はWIDの面も非常に持っているというようなところでございますので、日本としてはかなり前から実はこのWIDの重要性というのは認識をして活動をしてきたという実績もございますし、国際的にも高い評価を得ております。
 関係の予算やプロジェクトの数は間違いなくふえてきていると思いますので、今後ともそのような意識でもって進めていくことについては政府としても全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。
#33
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。
 先ほどからいろいろ言われておりますように、ODAは、我が国の外交戦略に使うか使わないかは別としまして、世界との関係で非常に大事なものですし、特に今度のテロ事件と、それに対するいろいろな中でますます大事だということがわかったと思うんですが、一方で、むだとか効果がないということが言われていたりすると、せっかく頑張っていてもそういうところに水が差されるわけですし、特に現在のように経済的に財政的に苦しくなると、何で身を削ってまで出すんだというふうなことで、こんなことになれば、日本人って勝手だな、自分が金のあるときだけ援助しておいて金がなくなると──金がなくなったって生活は世界のレベルから比べれば物すごい高いわけで、外国人なんか、特に日本に来たときに、一緒に接待なんかしたりするとびっくりするわけですよね、相当の国の人でも。それだけむだをしておきながら、ちょっと自分が苦しくなると援助を減らすのかということで、また逆に日本人が非難されて尊敬されなくなるおそれもあるんで、これはしっかりやらなきゃいけないんですが、やっぱりそういう意味では、むだと申しますか非効率と申しますか、その効果の点、批判のないようにやっていかなきゃいけない。これはもう共通のことだと思うんです。
 それで、先ほどもフォローアップとか何かいろいろあったんですけれども、私は、一つは日本側のとにかく政府の体制ですね、先ほども四省庁体制云々というお話がありましたけれども。
 私もこの間いろいろかかわらせていただいたり見せていただいたりすると、縦割り行政が一つ、相変わらずこの問題で最初から非効率がもう予想されているということがあるのと、もう一つは、お役人は二年に一遍とか三年に一遍とかどんどんかわるわけですね、部署が。それは、部署がかわること自身はいけないとは言いませんし、またその部署がかわると、前のことはころっと忘れて新しい部署のことを一生懸命言って、場合によっては前の部署の悪口も平気で言うと。これも、悪い面だけではなくて逆にいい面もあるわけです。自分の所属したところに全力を投球するというのは、それはそれでいいんですが、その結果、引き継ぎというか継続というのが書類の上では行われても実質行われていないということがありまして、結果的にだれも見ていないと。それで何となくだらだらというふうなことがある。やっぱりこういうことは非常に問題じゃないかと思うんですね。
 その場合に、私は、それともう一つ、さっき大田委員の質問に対する答弁の中で、特に後発開発国、LLDCの場合に困難なのは、向こう側にどうにも受け入れ体制がないんですね。日本の常識で、こういう計画を立ててこうやりますと言ったらやるものだと思っているけれども、それこそ、またあした、またあしたというような調子で、せっかく何かあれしても何もやっていないということもあるんで、それだけに継続的なフォローが必要だ、特にそれはやっぱり人的な継続というのが必要になるんじゃないかと思うんですね。
 私は、あるところでドミニカ共和国の医療援助を見に行って、これはすばらしいなと思ったのは、ある国立大学がこちら側の援助役になりまして、人は同じ人がずっとは行けないんですけれども、これはなかなかNGOでない限り機関的には無理なんですけれども、でも、ある大学なりある機関なりが継続して十年、二十年やっている中で着実に育っていくんですね。一年かかって効果が上がらなかったことが二年目、同じことをまた繰り返すと、前の経験をもとにしてやるということができて、私はそういうことでこちら側の人的な継続性をどう図るかということが実はポイントの一つなんじゃないだろうかと。
 そうすると、これはお役所自身では無理だとすると、それにかかわる、例えば今のドミニカ共和国の例のように、ある国立医科大学にそういうシステムをつくっていただいて、そこに十年なりおられる先生がバックアップしながら、行く人はその都度かわっても、あるいは受け入れるシステムがかわっても継続するというふうなことはできないんだろうかなと。
 特に医療の面なんか、そこで考えたのは、私も今までは自分が医者だということでそういうことを考えたんですが、医療援助となるとJICA、ここに厚生省から出ていて厚生省と、こうなるんですね、それで国立国際医療センターとか。そうじゃなくて、やっぱり国立医科大学とか私立の医科大学とかそういうのが全国に八十あるわけですから、そうしたら、八十が一つの国を持てばこのLLDCの問題については長期的に何かできるんじゃないかなということで今盛んに呼びかけ始めているんですけれども、NGOだけではない、いろんなそういう、それはやっぱり省庁を超えたものでやっていかないといけないと思うんで、このことしの八月に出た中期計画ですか、ここでも司令塔をつくれということがあるんですけれども、それを、外務省が司令塔でいいのか、もっと、もう一つ何か内閣直属の司令塔をつくるのか、その点についてどう考えているのか、実態はどうなのかということですね。
 それともう一つ、そのことにちょっと関連するんですけれども、さっき緒方委員の質問にあったことなんですけれども、食糧援助、特にLLDCについては食糧援助って本当に深刻な問題なんですよね、栄養失調のままいるわけですから。ただ、そういっても、食糧援助してそれがだれかの汚職に使われてしまうとかいうことはあっても、最終的にその国民の口に入ることは間違いないんですよね、大体、腐るということもないわけじゃないけれども。
 そうすると、例えば米が余っていると。これは私、ずっと国会議員になって以来もう十年近くそれはいつも言うんだけれども、この米が全然動かないで倉庫にためられたままいってしまう。それは、やっぱり国内での貯蔵にかかる費用を含めた価格というもので予算処理をしなきゃならないから、せっかくあるものが出せないということがある。その辺についても、せっかく財務省からも見えているわけですので、その点についてもちょっと御考慮をいただければなという感じがします。
 それと、最後に一点。まことに個別のことで申しわけないんですが、これはNGOなんかで向こうに長く定着してやっていると、住民との結びつきができて、その結果、政治的な問題じゃないんですが、政府がいろいろかわったり担当者がかわったりすると、必ずしもその政府と細かいところで意見が一致しないような活動になっちゃうことがあるんですね。そうすると、今の援助の仕組みからいうと、向こうの政府からの要請なので、せっかく何年も向こうにいてずっと定着して住民の中で何かいい活動をやっている人も、たまたまその政府を通じて要望が上がってこないと、何もお金をつけるルートというか根拠がないというふうなことで困ることがあるんですよね。なければないで最初からやっているんですけれども、あるルートに乗ると、途中で突然打ち切られると困るということもあるんで、その辺は何か方策あるんですか。最後のことはどちらでもいいんですけれども。
#34
○政府参考人(西田恒夫君) まず、むだを省くべきであるということは、もうおっしゃるとおりでありますし、そのむだを省くというその枠組みの中で、当然のことながら前任者から後任者への引き継ぎというものが、いわゆるその個人個人ではなくて、組織としてのいわゆる知識というものがちゃんと継続されていくということが重要なことはもう全く御指摘のとおりでありまして、そういうようなことが十分ではなかったと御指摘であれば、それはちゃんと真剣に受けとめて、さらに改善すべく努力をしてまいりたいと思っております。
 一つには、政策部門とそれから実施機関とのやはり意思疎通をよりよくするというような部分、それから、例えば出先でいえば、実施機関の出張所と大使館というものがよりきめ細かく意見交換をするというようなこともやはりそのようなことに資するんではないかなというふうに考えておりますのが一つと、それからもう一つは、先ほど御説明しましたが、いわゆる評価というものをほとんどリアルタイムでもってホームページ等で出させていただくということを、今実施機関の方はもう既に行っておりますので、そういうようなものを通じて、直接国民の方々のいわば目にもさらすというんでしょうか、お示しした形で、いろんな形での御指摘もいただくというようないろんな形での工夫をしていくのかなというふうに考えておりますので、その点、肝に銘じてさらに行って努力をしてまいりたいというふうに思います。
 それから、今御指摘の医療の技術移転というような場合に、受け皿となるような国内の大学というようなものを使うべきではないか、これはもう全く御指摘のとおりでございます。かつなお、これはかなりもう今数がふえてきております。やはり先ほど申しましたように、国内にありますトータルとしての、日本の中にあるいろいろな専門性、専門知識というものは、官の中にはもちろん、だけではありません、民の中により多くあるのがたくさん見られますものですから、そのような民という中にやはり大学、研究機関、あるいは病院というようなものも、当然のことながら大きな役割を今後ますます担っていただきたいと思っております。
 ただいまのドミニカの例以外にも、これは実はかなり多数ございまして、感染症でありますとか、特に結核というふうに、日本がこれまで非常にいろんなものの蓄積があるところについては受け皿の方もまたしっかりしているという形ですので、それに加えてWHOとか、または専門性を持っている国際機関との協力というようなものもいろいろな形で組み合わせて、それを実際に受ける被援助の方々が一番理解し、かつなお一番役に立つ良質のサービスを提供するという努力は今後ともさらにしてまいりたいと思います。それは医学のみならず社会科学の分野におきましても、例えば税制の問題でありますとか経済政策の問題でありますとか、こういうことについてもそういうような例というのは多々出てきているという状況にございます。
 それから、食糧援助につきましては、日本はもちろんそれなりの努力は私はしてきたと思います。単に二国間のみならず、先ほど部長がお話ししましたWFP等を通じましても日本は主要な食糧援助をいろいろやってきております。WFPのこの前もトップの方が来られましたけれども、日本の食糧援助については高い評価というものをしておりました。
 他方、古米を使うということにつきましては、これは先生御案内のようないろいろな制約がございますので、これは直ちに日本が食糧援助に熱心でないから古米を使っていないんだということとは結びつかない、別途の判断が必要な問題かというふうに考えている次第でございます。
#35
○政府参考人(白川哲久君) ありがとうございます。
 今井先生の方から、人材の継続的な確保という観点からドミニカの国立大学の例を引かれまして、国立大学にそういった機能を持たせることを考えたらどうかという御質問がございました。私どももそれと同じような観点から既に幾つかの施策をとっておりますので、簡単に御紹介させていただきたいと思いますが、やはり大学等がみずからの活動として主体的にこの国際協力にかかわっていく必要があるということで、拠点大学と申しますか、拠点的な機能を果たす国際教育協力研究センターというものを国立大学の中に順次整備をさせていただいております。
 より具体的に申し上げますと、平成九年度に広島大学に教育分野ということで教育開発の研究センターを整備させていただきました後、十一年度には名古屋大学に農学関係の分野、それから今、今井先生が御指摘ございました医学分野につきましては、平成十二年度に東京大学の方に医学教育国際協力研究センター、さらに今年度は工学分野で豊橋技術科学大学の方に研究センターの設置をさせていただいております。
 この辺のセンターの協力の中心は教育協力ということになるわけでございますけれども、こういうセンターを整備することによりまして、先ほど先生がおっしゃいましたような人材の継続的な確保、そのベースになるようなシステム、それにつきましては、今後とも我々意を用いて進めていきたいというふうに思っております。
#36
○今井澄君 今のことにちょっと関連して。
 もう一つ大事なことは、その継続性なんですけれども、実は日本に呼んで教育した人間が帰ってどうなるかということが大事なんですよね。そのフォローアップをちゃんとやっておかないとだめだと。
 これは先月ですか、南アフリカのムベキ大統領が来て、国連大学、青山で講演をされました。その最後にも言っていましたけれども、せっかく人材を教育しても先進国に引き抜かれるというんですね、特に最近はITとか何か。さっき沖縄の話も出ましたけれども、だから、呼んで教育して帰すだけじゃ全然だめで、特に私のかかわっているある低開発国なんというのは、呼んで医者の腕をつけさせるとみんなアメリカかカナダへ行っちゃうというんで、まあそれは向こうが悪いんですけれども、何で国内に定着しないんだということの問題なんですけれども、やっぱりそこもフォローアップをしないといけないんで、ただやっていますというだけじゃちょっとと思うんですが、どうですか。
#37
○政府参考人(白川哲久君) 先生がおっしゃることはまことにもっともだというふうに考えます。
 ただ、今井先生がまさにおっしゃいましたように、日本の国内でそういった例えば医学関係の協力、知識を得られて向こうに帰られました際に、その方々をこういう形の仕事につかなきゃいかぬということをこちらの方から一方的に申し上げるのは、これまたなかなか大変だなという気がいたしますので、どういう工夫ができるか考えていきたいというふうに思っております。
#38
○山本一太君 援助の実施体制について一言だけ伺いたいと思います。
 これまでの各委員の方々の御質問にあったように、援助実施体制が多数の省庁に分かれているということは非常に非効率だということが指摘をされてきたわけなんですけれども、今やっぱり日本政府が援助の実施体制を改めて考え直す時期に来ていると思います。
 御存じのとおり、小泉内閣の特殊法人改革というのが今いよいよ佳境を迎えるということになっていまして、この中でいわゆるODAの実施機関、JICAとかあるいはJBICとか、こういうものをどういうふうに位置づけていくかという議論がまさに今本当に正念場に差しかかっている状況だと思います。
 JICAとかJBIC、これは小泉総理によれば、つまり特殊法人は民営化するか、廃止するか、それとも独立行政法人にするか、この三つだということでいえば、廃止するわけにはもちろんいかない、恐らく援助機関ですから民営化するわけにもいかない、そうすると、独立行政法人なのかどうかわかりませんが、このままJICAとJBICが今の形で独立行政法人になってそのままいくということは、私はなかなかこれは難しいと思います。
 その援助の実施体制ということでいうと、今JBICという機関がありますけれども、この省庁再編の議論の中でJBICはできたわけですが、これはもちろんいろんな理由があったかもしれませんけれども、必ずしも効率で省庁再編が行われた、いろんな機関の統合が行われた面ばかりでない、いろんな政治的なその理由があっていろんな形になったんだと思うんですけれども、私は個人的には、基本的にJBICというものがOECFと輸銀を合体させてできたということについては非常に大きなクエスチョンマークを持っておりまして、輸銀はもともと銀行で、OECFはやはり借款ということで援助ということで、これがとにかくくっついて一つの機関になったわけなんですけれども、最近ずっと実施機関の人たちの話を聞いても、JBICの人たちもアイデンティティークライシスに悩んでおりまして、銀行なのかそれとも援助機関なのかというような話も今あります。国連本部の行政改革みたいにくっついたり離れたり、同じことを延々と繰り返してくるようなそういう例もあるわけなんですけれども、もともと一緒だったものを二つに分けて、それをまた一つに何かもう一回つなげたようなこういう姿が本当にいいのかというずっと疑問を持っておりました。
 そこでお聞きしたいと思うんですけれども、私自身は、もし援助機関を統合をさせて効率のいい援助実施体制をつくるのであれば、やっぱり技術協力と借款を合体させる、JICAと例えばOECFの部分を合体させるというのがやはり最も機能的ではないかというふうに思っています。
 例えば、JBICの部分で輸出入銀行を外して、これはもう政策投資銀行か何かと一緒になっていただいて一生懸命銀行の仕事をしていただいて、OECFの部分をJICAにくっつけて新しい実施機関をつくるということが私はやはり最も効率的な道ではないかと思います。
 なるべく長くならないように言いますが、もう一点だけ言いますと、じゃ、例えば援助庁みたいなものをつくって、内閣府にこの新しい実施機関をくっつけて、国務省とUSAIDの関係じゃありませんけれども、平時はこの新しい機関で内閣府か何かがしっかりとコントロールしながらやって、非常時には自衛隊を使うと、こういう国家戦略の中に組み入れるみたいな話もありますけれども、私は援助庁という考え方についても同じく大きなクエスチョンマークを持っておりまして、これが本当に機能するのかなというのは疑問です。
 しかも、外交当局というのも、外務省が一応外交をつかさどっているわけで、今の政府と自民党の権力の二重構造みたいな、これはちょっとオフレコの方がいいかもしれませんが、二重構造みたいな話も議院内閣制の中で生まれておりまして、そういうそごも出てくる可能性もあるので、外務省の味方をするとか財務省の味方をするとかいうのは関係なく、やっぱり援助というものは国家戦略の中で、外交の一元化という面でいうとしっかり外務省がコーディネートをするといいますか、所管でもって、その下にJICAとOECFをくっつけた機関をもう一回つくり直して、援助の体制、戦略を外交の中で位置づけていくというのが私は一番いいと思っていますし、その私案をつくってもうすぐ行革本部に持っていこうと思っているんですが。
 ちょっと長くなりましたが、その点について外務省や財務省はどう思うか、そのことをお聞きしたいと思います。
#39
○政府参考人(西田恒夫君) 私の方から概観お話をしまして、JBIC等につきまして財務省の方からまたお答えがあろうかと思います。
 まず初めに、大きな方の御質問の二番目の方からですが、私たち、特に私、外務省ということでございますので、ただいま先生から御指摘をいただきまして、我々がこれまで日本政府として基本的に位置づけてきたODAと外交というものの関連というような基本的な立場からしますと、その援助庁がどうだこうだということとは別に、ODAというものが外交当局から切り離された形で企画立案、実施されるという体制というものは好ましくないというふうに私たちとしては考えておりまして、外交当局としてそれだけの道具を十分に使いこなしていないんではないかという御指摘であれば、その点重く受けとめて改善をする、全力を挙げて努力をしてまいりたいと思いますが、しかし、外交というものと離れたところで援助というものを行うのが日本というものが持っている国家のあり方として果たして適当かどうかということについては慎重に考えるべきではないかと考えている次第でございます。
 二番目に、JICAといわばOECFというんでしょうか、そこを一緒にするという方が現在のJBICよりよいのではないかというお話につきましては、御案内のように、資金協力と技術協力というものをより連携して行うという努力というものをさせていただいているということと、それからJBICにつきましては、平成十一年にいわば新しい体制ができて、現在、その体制のもとで種々の努力をしているというものもあわせまして、やはりこのような連携をさらに進めていくことが最も現実的ではないかと考えておりますが、この点、財政省の方からもお話があろうかと思います。
#40
○政府参考人(溝口善兵衛君) 山本先生の御意見、私どもも検討に値する、よく勉強しなきゃいかぬというふうには思ってはおりますが、そもそも論になって恐縮なんでございますけれども、援助の手段といたしましては、資金の種類からいいますと、無償のただのお金、それからただのお金ですけれども技術を伴いながらやる技術援助の世界。それから、資金供与ということになりますと、旧OECFの非常に低利の円借款、それから旧輸銀がやっておりましたような準コマーシャルですね、民間では借りられないけれどもODAほどコンセッショナルではないと、そういう資金、それから民間でやる資金、いろいろ多岐にわたっておって、それをやっぱりプロジェクトプロジェクトごとにどうやって効率よく結びつけていくかということはよく考えなきゃいかぬ。
 これは総体としてうまく組み合わされるということが援助において大変重要なことだと思っておりまして、この点については、今のJICAあるいはJBIC、JBICの中でも旧輸銀の勘定と円借款の勘定はこれは分けておりますけれども、そういうものがどうやって連携していくかというのは政府として心がけて改善していかなきゃいかぬ問題だと思っておりますが、ただ組織論として、それをどういうふうに組織としてマネージしていくというのは、やや別の観点も必要なんだろうと思うんですね。
 それで、融資の関係は、大体、御承知のように、非常に大きなプロジェクトをまとめて、それをどう評価するかというようなことが中心になるわけでございまして、人も、そういうプロジェクトを評価するような人、あるいはマクロ経済を見るような人、これが多いわけでございます。それから、JICAになりますと、技術協力をどう進めるかと。比較的小規模な技術協力を積み上げるという作業でございますし、それから現実に技術協力をする人たちを集めまして、そういう方々をプールしてその中から適当な人を選んでいくとか、あるいは非常に専門性がそういう意味で高いわけでございまして、職員に要求される能力あるいは経験もやっぱり融資機関と技術機関でやや違ったところがございまして、それがありますから、実はJICA、あるいは輸銀、OECFというふうに分かれてきた経緯があるんじゃないかと思うんです。
 これは国際的に見ても大体そういうふうでございまして、ドイツではやはりGTZという技術をやる機関、それから借款をやる機関、分かれておりますし、例えば国際機関を見ましても、融資をやるのは、輸銀的な融資の部分もやりますし、それからOECF的な非常にコンセッショナルな融資をやっております例えば世銀を見ますと、それは融資を中心にまとまっているわけでございまして、技術の方はむしろ国連のUNDPというようなところを中心にやっているというふうにございまして、実際に援助をどうやって組み合わせていくかということと、それを担う機関がどうであるべきかというのは、若干違う要素があるんじゃないかと思います。
 私どもも勉強していきたいと思いますけれども、今のところそういう考えでおるわけでございます。
#41
○山本一太君 ちょっと反論ありますけれども言いません、代表質問じゃありませんので。
#42
○世耕弘成君 ちょっと短く質問したいと思います。
 今、IT革命というのが起こっているわけですけれども、その影の部分としてデジタルデバイドというのが存在をして、IT革命が進むと新たに国際的な貧困の原因ができるんじゃないか、格差ができるんじゃないかということが言われて久しいわけでございます。また、そういったことを受けて、去年の九州・沖縄サミットでは、日本として途上国へのIT支援をコミットをしたわけでございますけれども、それからもう既に一年四カ月近くたっている中で、現在取り組み状況がどうなっているのかということ。
 また、特にITに関しては、きょうの報告の中でもODAでは国別支援計画をしっかりときめ細かくやっていくんだということをおっしゃっていましたけれども、特にITは、国別、さらに同じ国の中でも地域別にきめ細やかな計画を立てて支援をしないとむだになる。ただ単にパソコンをばらまくだけの支援であるとか、あるいは電気も通っていないようなところへ光ファイバーを引いてもこれはどうしようもないわけでして、それぞれの国の現状とかあるいはニーズ、あるいはその国のIT戦略にマッチした支援をしていかなきゃいけないと思うんですけれども、その辺の国別の支援の計画の策定とかはどういうふうにされているのか、あるいはこれからされていくのかということについてもお伺いをしたいと思います。
 もう一つは、ITの支援の中で、当然国も今そう取り組んでおられると思いますけれども、一番重要でなおかつ相手にとっても我が国にとってもメリットが大きいのは、やはり人材の育成、教育だと思っております。それが先ほど言及のあった沖縄でのセンターの活用状況も含めてどういう形で取り組まれているのか、あるいはその研修の内容が単にアメリカ製の技術のマニュアル的な解説研修に終わっているのか、あるいは日本の持っている独自の技術、例えば光ファイバーの技術ですとかモバイルの技術も踏まえたような研修内容になっているのか、その点もお伺いをしたいと思います。
 最後に、そういうことも含めた提案で、もし経済産業省、御意見があればお伺いをしたいですけれども。
 例えば、教育によって日本と途上国の間にIT関係の人的ネットワークができてきます。そうすると、その人的ネットワークをベースにして日本と途上国で途上国向けのコンピューターのOS、オペレーティングシステムの開発をしてみたらおもしろいんじゃないか。
 今、世界のコンピューターのOSというのは、ウィンドウズというアメリカ発のOSがほとんどのシェアを持っているわけですが、これはどうしても英語ベースで非常に使いにくいという部分がありますが、それを日本と途上国の間で、日本がお金を出して、そして日本の研究者と途上国の研究者で共同でOSを開発をして、多言語に対応したOSで、それを無償でみんなが使えるというシステムにすると非常に世界の、特に途上国のIT化に大きなメリットがあるんじゃないかという考えを持っておりますが、その辺は、もし御意見があれば伺いたいと思います。
 以上です。
#43
○政府参考人(西田恒夫君) これからの開発におきましてITが果たすべき役割というのは非常に大きいということについては、御指摘のとおりだろうと思います。
 他方、ITというものが持っております特性の一つとして我々考えますのは、やはり民間のビジネスというものにある意味においては非常にふさわしい分野でありまして、何十年、例えば息の長いいわゆる開発というものと必ずしも一〇〇%マッチするというたぐいのものではないので、まさに実際に我々が今行っておりますプロジェクト形成あるいは被援助国との政策対話等を通じましても非常に、正直に申しまして、なかなか積み上げに苦労しているというのがODAに関する部分でございます。
 例えば、数字で申し上げますと、二〇〇〇年の七月からことしの六月末までの実績ベースでいいますと、ODAとOOFを合わせてもまだ約十億ドルにしか達しておりません。もちろん、これは初動の部分でありますから、最初の部分が非常に少なくて、これがそのまま平均で例えば数年間伸びていくということでは必ずしもないと思いますけれども、実際問題として、今の時点で成約というか、実績ベースではこれほどしかないということでございます。
 他方、もちろん、このようなものを今後とも被援助国との間でよりよい、かつ民間ベースでないものとしてどうやって援助で育てるかについていろいろな形で話し合いを今深めている真っ最中でございまして、非常に多数のミッションを出したりミッションを受け入れたりしております。これは、いわゆる政府機関でもやっておりますし、それからJICA、JBICそれぞれからも出しておりますし、また先方からも、例えば日本におけるいろいろな民間ベースの、特に日本における関連の企業の方が行いますセミナー等々に先方のしかるべき方が参加をされるというその機会にまた改めて我々政府関係機関とも話をされるというふうに双方向の形になっておりますので、これは近い将来に、今よりは少なくとも実を結んでくるのではないかなというふうに考えている次第でございます。
 その中で、先ほど大田委員からも御質問のありました、日本自身における受け皿としてのセンターというものをどうやって拡充するのかというのは、これは非常に大きな課題でございまして、これは外務省というだけではなくて、まさに経産省の方も来ておられますけれども、等々のむしろお知恵をかりてこれは魅力のある拠点にならなければ、ここが拠点ですから幾ら発信してみてもいわば無意味なことになりますので、そういう意味の拠点とネットワーク化というものが相並立して進んでいくような形でできないかということ。
 他方、先ほどちょっとお話しされましたけれども、じゃ電気のないところではITというのはないのかというような問題。これはちょっと何か神学論争みたいな話になりますけれども、例えば、電話網を引いていくとかというような形をも通じてこれをITと呼ぶかどうかという部分はちょっとございますけれども、そういうような努力というものをやっぱりやっていく必要があろうかなというふうに考えております。
 日本が得意なのはやっぱり人材育成ということでございまして、その人材育成については、まさに民間企業の方のノウハウを企業秘密に触れない範囲内において目いっぱい我々政府としても支援をさせていただくという気持ちでこれは積極的にお願いをしてきておるところでございます。
#44
○政府参考人(林洋和君) 私ども経済産業省のODAの基本的な中心の一つが人材の育成と情報化支援ということでございます。
 その意味で、今先生から御指摘ございました点、例えば貿易取引についてアジアで共通の基盤をつくれないかとか、あるいは情報処理技術者試験というのを日本でやっておりますけれども、それをほかの国にも広げられないかといったようなことをやっております。大変不勉強で、OSの開発を一緒にやれるかどうかという点は私、知りませんけれども、ちょっと一つのおもしろいアイデアとして勉強させていただきたいというふうに思っております。
 それから、今の御質問をかりて、先ほど今井先生の方から卒業生のメンテナンスはどうかということがございましたけれども、私どもの人材育成で、自動車とかエレクトロニクス中心でございますけれども、そういった研修をやっておりますところが本国に戻った卒業生を集めて同窓会のようなものをやっている例もあるということを御紹介させていただきたいと思います。
#45
○政府参考人(白川哲久君) ありがとうございます。世耕先生の方からITの関連の御質問がございました。
 私ども文部科学省の方も、今先生まさにお触れになりましたデジタルデバイドを防ぐためには、人材養成、教育が非常に重要であるという観点から、沖縄サミットでのコミットを受けまして、私どもは実は、国際機関でございますけれどもユネスコを担当しておりまして、ユネスコの教育事業の方に少額ではございますが今年度一億七千万の信託基金を拠出いたしました。
 現在、この基金を使いましてタイのバンコクにユネスコのアジア地区の地域事務所があるわけでございますが、こちらの方を中心といたしまして、アジア太平洋地域の小学校、中学校、高校の教員の方々、その方々を対象といたしまして、教育の場でITをどういうふうに有効活用していくか、その能力の涵養を目的といたしました研修事業を実施する予定でございまして、そういう努力をしておるということを御紹介したいと思います。
#46
○世耕弘成君 一億七千万円。
#47
○政府参考人(白川哲久君) 一億七千万でございます。
#48
○山根隆治君 三点お伺いしたいと思います。
 小泉総理は、国内だけではなく外国においても米百俵の話をされているという報道等があるんですけれども、このODAの問題も、国民の見方というのはなかなか厳しくなってきて、三割くらいの方々はかなり消極的な評価だという報道があるわけでございます。
 そういう中で、やはり長期的に見たらば、現地のひもつきだとか、ひもつきというと、今、日本では二割ぐらいだということの認識をしておりますけれども、現地の国々がいろいろな公共事業というか我々が投資する事業について仕事をとっていくということじゃなくて外国からのものが多いとかと、いろんな生々しい現地での話が伝わってきます。
 そういう中で、私は、小泉さんがせっかく米百俵の話をされておりますので、やはり教育というか人づくりのお話、先ほど来出ていますけれども、そういうところにかなり今後シフトしていくべきではないかなというふうに思うんですけれども、この点についてどのような考え方を持たれるか、一つ伺います。
 それから、二つ目でございますが、正式なカウントにはならないのかもわかりませんけれども、外国の国際機関を通じて北朝鮮に拉致問題に絡めて米を送り続けてまいりました。外交的に見て非常に私自身からするととんでもないことをやってきたなという思いがするわけですけれども、今後こうしたものについては、北朝鮮への米の支援ということについてはどのような考え方を外務省は持っているか、お尋ねをいたします。
 それから、三つ目です。アフガニスタンの状況は非常に今硬直している状況だと、現地ではそういう報道もあるわけで、恐らく硬直した部分もあるんだと思うんですけれども、そう長い期間ではないところである程度平定をしていくだろうということの予測がつくわけですけれども、その際に、今、単なる難民支援という形じゃなくて、あそこにはカスピ海の油田の問題があります。
 カスピ海は埋蔵量は相当なものだということも確認されていますから、今問題になっているのは、例えば今私がカスピ海ということを言いましたけれども、それは湖じゃないかという主張もあるわけですね。それは、国々によっていろいろな利害が直接絡むから、そういう言葉一つにも非常にナーバスになっているわけでありますけれども、今これから問題となるのは、カスピ海の油田については、やはり輸送、パイプライン、そうした敷設の問題等がこれから現実的にそれぞれの国の利害に絡んで、アメリカはもちろんロシア、中国、世界の大国が、ここの利権というか、そういうものをめぐって非常なこれから外交的ないろいろな措置をとってくるだろうというふうに思われます。
 しかし、日本としてもこれを手をこまねいているべきではないと思いますけれども、こうした利害にかかわる問題と、そしてアフガニスタンの戦後の復興ということでのパイプラインの敷設、これは一国だけではなくて、アフガニスタン、パキスタン、それから旧ソ連の幾つかの国々を通ってインド洋に結んでいくということになろうかと思いますけれども、こうした非常に微妙な問題について、しかし現実には日本も戦後の復興策の支援として、ODAという視点からこの問題、避けて通れない問題がこれから惹起されてくると思うわけですが、この点についてどのように考えるか、お伺いをいたします。
 以上です。
#49
○政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりに、総理におかれましては、各国要人とのいろいろなお話し合いの場を通じまして、米百俵の例を引かれつつ、人づくりの重要性、教育の重要性というものをいつも強調しておられます。このような考え方は政府全体としてこれまでも一生懸命努力をしてきたところでございまして、日本の教育に関する協力というのはいわばハードとソフトと両面あったと思いますが、一つには、先ほど他の先生からも御指摘がありましたが、学校の校舎をつくるというような一種の箱物的なものもやってまいりましたし、同時に教材を、コンテンツをつくるとかあるいは機材を供与するというようなこと、あるいは教育に従事する方を日本にお呼びして、日本の、主に理数科でございますけれども、教育というものを技術移転をするというような相まって努力をしてまいりまして、予算的にもこれは伸びてきているところは御案内のとおりでございます。
 今後とも、自分たちの、日本の開発の経験というものがもしあるとすれば、やっぱりモデルの一つとなり得るのは人づくり、教育というものを重視することが最も最大の投資であるという考え方等に基づいて、各国にそのような考え方を、理解に努めると同時に、それを裏づけするようなハード、ソフト両面にわたるODAというものをやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 それから、北朝鮮に対する米支援という話いかがかということでございますが、これは御案内のように、日本政府としましては、これまでも単に人道的な観点のみならず、日本と北朝鮮との関係、あるいはアジアをめぐる情勢等、より広いコンテンツの中でこの問題については総合的かつ慎重に考えるべきものというふうに考えておりまして、そのような基本的な立場は今も変わっておらないというところでございます。
 アフガンにつきましては、御案内のように、これまでも非常に長い歴史の中でその時々のいわばいわゆる大国との関係で、抗争もございましたし、周辺の国との関係においてもいろいろな出入りがあって、かつ宗教的にも部族的にも非常に難しいという地域であるという認識は、これは各国がみんな共有しているところでありまして、他方、今御指摘のような難民のように極めて人道的に深刻な状況というものも日々起きていると。したがって、そのような緊急人道支援を行いつつ、どうやってここに和平をもたらし、それをさらに復興につなげていくかというのが非常に大きな課題になっておりまして、それぞれの国、それから周辺にあります関連の国、さらには国際機関というものが、もちろん国連を中心にしながら、皆どういうような知恵があるのか、努力があるのかということで突き合わせの努力が始まったというところであろうかと思います。
 今、私たちの受けている印象は、相当に長い道のりになるんではないかということで、他方、和平というものと復旧、さらに復興というものを一つの大きな流れとしてとらえていくということが大事でありまして、ぼつぼつと切れた形でやってはこれは今までの経験に倣ったことになりませんものですから、それを世界全体としてどうやって抱え込んでいくかという問題がこれからの一番大きな外交的な仕事として大事な話だろうというのは御指摘のとおりであろうというふうに考えております。
#50
○政府参考人(白川哲久君) ありがとうございます。
 山根先生からの教育の重要性について御指摘がございました。私ども文部科学省でも、まさにそういう方向で施策を進めていくべきだというふうに考えておりまして、教育分野におきます開発途上国への協力方策を検討いたしますために、昨年、まだ文部省の時代でございますが、大臣の私的諮問機関として国際教育協力懇談会というものを開催いたしまして、昨年の十一月には報告書をいただいております。
 きょう、外務省の西田局長の方から全体御報告ございましたけれども、例えば青年海外協力隊に現職の小中学校の教員を参加する制度を創設するとかいろんな取り組みをやっておりますけれども、まさに山根先生御指摘のように、小泉総理はことし七月のジェノバ・サミットでも米百俵にお触れになりまして、教育協力の重要性、それがコミュニケに盛り込まれたところでございます。
 そこで私どもは、日本が持っております教育分野で培いました経験、それを生かしまして、できればこれまで行ってこなかったような分野についても協力ができないかということで、先月十月から新たに国際教育協力懇談会を発足をさせまして、実はきょうも二回目の会合が行われておるわけでございますが、ぜひ今後、教育分野において日本の経験をよく吟味をしました上で、より顔の見えるような協力を教育協力の分野で展開できるよう施策の展開に努めてまいりたいというふうに思っております。
#51
○政府参考人(林洋和君) 先生からカスピ海周辺の油田の話がございました。私、今貿易局長という立場なので若干個人的な意見も入るかもしれませんけれども、前職が資源エネルギー庁におりましたものですから、私どもの認識を申し上げさせていただきたいと思います。
 私ども、アジアの原油あるいは天然ガスの需要に対して大変心配をしております。これは、一番大きな原因はやはり中国の油の需要の増大ということでございます。原油は既に輸入国になっている。今後、恐らく何年間か考えた場合に、中国あるいはインドを含めたアジアの原油、天然ガスの需要が爆発的にふえていくだろうと。そういう中で中東だけにラッシュするというのは非常に危険で、非常に価格が急騰するおそれもあると。そういう意味では、やはりカスピ海周辺の油と天然ガスは非常に大切なものだと思っております。
 ただ、私なりに思うに、二つ問題がありまして、もう先生御承知のように、権利関係が非常に複雑であるということと、それからもう一つ、パイプラインをどうしていくかという問題でございます。アフガン・ルート、パキスタン・ルート、トルコ・ルート、イラン・ルートあるいは新疆ウイグルから上海の方に行くようなルートができた場合にそこに接続するのかといった問題もございます。ただ、いずれにしても大変関心を持って見ているということは御理解いただきたいと思います。
 ただ、これは繰り言になるかもしれませんが、こういう中で他方、石油公団の廃止論なども出ますと、国のリスクマネーを一体どうしたらいいんだというようなことも悩ましいという問題でございます。
#52
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。先ほど来、先生方からたくさんの御意見等が出ましたので、大変素朴な質問かもしれませんけれどもお聞かせをいただきたいというふうに思うのであります。
 私たちは、参議院議員になってまだ三カ月ちょっとでございますけれども、この政府開発援助大綱というものを見させていただきました。その中で「原則」の中に、これは開発途上国の軍事支出だとか大量破壊兵器だとかミサイルの開発だ、製造だ、武器の輸出等に関しては十分注意しましょうというふうにうたわれているわけであります。そういう観点からいたしますと、どうもこの開発援助に該当しない国もあるんじゃないかなというような気がしてならないんですが、その点、一点お聞かせをいただきたいというふうに思います。
 それともう一点は、実は大田先生から先ほどお話ありましたように、沖縄には国際センターがあるというふうにちゃんと説明ございましたけれども、実は私は、ある意味ではこの特殊法人改革、そういうような状況の中で、JICAを、何としてもJICAの本部を沖縄県に誘致したらどうなんだろうというような思いを非常に持っているものですから、この点に関してもぜひ御意見等を賜りたいというふうに思っております。
 沖縄は、御承知のとおり大変な移民県でございまして、せんだっても十一月の一日から四日まで、世界のウチナーンチュ大会といって、世界のもう本当に南米、北米、ヨーロッパ、あるいはそれに二十七カ国ぐらいから日系の、沖縄の移民の県系の三世、四世たちがたくさん来ているんですね。
 そういう中で、私たちが一番感心したのは、今から約二十年ぐらい前でありますけれども、国際協力事業団、JICAがボリビアにおいて大変な邦人のために努力をしているのを見させていただいたことがあります。そういう意味で、南の玄関口としての沖縄でぜひ協力事業団を展開していただきたいなというふうに要望をさせていただいて、御意見を聞かせていただきたいというふうに思います。
#53
○政府参考人(西田恒夫君) 第一問の方は、恐らく先生からは具体的な名前は出ませんでしたけれども中国のことが念頭におありになるかと思いますが、そういう理解でお答えをさせていただきたいと思います。
 中国に対する経済協力あるいは援助というものについて、昨今極めて厳しい御意見あるいは御質問等があるということは我々政府も十分に承知をしております。先ほど若干御説明をしました市民との対話、例えばODAに関するタウンミーティングでございますとか、あるいは外務省のホームページに来られますいろいろなメールを通じての投書という中でも一番多い質問ないしは申し入れというんでしょうか、やはり中国に対してどうして援助するのかという点がやはり非常に他をぬきんでて大きな部分を占めているということからしても、国民に広くこの問題について大きな疑問があるということがあるのではないかというふうに我々も十分に認識をさせていただいておるところでございます。
 そのような状況を踏まえまして、では改めて今後、二〇〇一年というときでもございますので、先ほども申し上げました国別に、それぞれの国に対してどういう援助をすべきかということについて援助計画、経済協力計画をつくるべしという指針をいただいている中において、中国についてもこの二年ほどいろんな場面でもって御議論を重ねていただきまして、その議論を踏まえて先般、政府としての対中国経済協力報告を出させていただいたというところでございます。
 それは、若干繰り返しになりますけれども、基本的には中国というものが今後ともより開かれた国として安定的な国づくりに進んでいく、そのような中国と日本との関係が中長期にわたって安定的なものであるということが日本にとって最大の国益の一つであるという基本的な認識に基づいて中国とおつき合いをしていくという、これがまず一つでございます。
 しかしながら、中国自身の経済発展あるいは日本自身が置かれております経済財政状況等々ございますものですから、当然それに従いまして日本の中国に対する援助のあり方というものが大きくこれは変わっていくだろうということが二点目でございまして、そのような認識に基づいて具体的に幾つかの点を書きまとめさせていただいたのが中国に対する政府としての援助報告でございます。
 幾つかございますが、一つには、御案内のように、中国につきましてはこれまで多年度で援助のある種の総額を約束するという形で毎年毎年の援助は、非常に単純に申し上げますれば、それを例えば四で割る、五で割るということを一つの基準にして中国に対する援助というものが行われてきたということがございますので、これはどうしてもその時々の日中関係の現状を反映して機動的に対応するには必ずしも適切ではないというようなことも踏まえまして、今年度からでありますが、新しい援助におきましては他の国と同様、毎年毎年、一年ごとに一件一件精査して積み上げていくと。結果として、中国に対する例えば平成十三年度、平成十四年度の援助というものができ上がるという形にまず方式を大きく改めさせていただくこととしました。
 それから二番目は、やはり今の中国の沿海部の発展ぶりを見ますと、これに対して税金を使ってこのさらなる発展に協力するということは、これはいかにももう既に時代の要請とは離れていると考えますので、この部分は当然のことながら中国自身の自助努力でこれは資金調達等もやってもらうということでございまして、我々としては、その奥に横たわっております大変な貧困地帯というもの、そこに対して教育でありますとか、先ほど沢先生等からも御指摘ございましたけれども、教育、保健等々、草の根にそこに実際に住んでおられる国民、中国の国民の方々に直接裨益するような援助というものを、いわばこつこつと積み上げていくという援助の形に今大きく変えていきたいと。
 それから次は、やはりそうはいいましても中国は日本にとっての大きな経済マーケットであることは間違いございませんので、日本の企業が出ていくために有利となるようなものについてはこれはまた積極的に取り上げたいというようなものを考えておりまして、そういうような中国に対する援助をやっていきたいというふうに考えている次第でございます。
 他方、もともと御指摘の軍事費等についてはどうしたんだということについては、これまでも努力はしておりましたけれども、必ずしも十分な中国側から対応があったと思えませんものですから、今回を機会に改めて、日本側のまさに大綱に明らかに書かれております考え方というものを今まで以上に強く働きかけるということを、これはもう外交、政府を挙げて行っていくという決意を表明させているという次第でございます。
 二番目のJICAにつきましては、お答えに必ずしもならないんですが、現在あります施設を格段、拡充強化すべく努力をいたしますので……
#54
○西銘順志郎君 ぜひ本部の方も。
#55
○政府参考人(西田恒夫君) 本部は、なかなかやっぱり今の東京から移すのは当面は難しいかなというのがお答えになってしまいます。
#56
○西銘順志郎君 ありがとうございました。
#57
○野上浩太郎君 自由民主党の野上でございます。
 簡潔に二、三点についてお聞きをしたいと思いますが、一つは、提言十三にあります「援助基準の多様化」というところにも、ODAの対象国・地域の認定に当たってはGNP等の経済的指標、これを一応の指針としているということでございます。
 個人的な話で恐縮なんですが、実は私の大学の卒論のテーマがこのODAでございまして、これはほぼ十年以上前の話でございますが、このころはまさに今書いてあるとおり、一人当たりのGNPというような経済的指標を指針として、いわゆる産業基盤の発展ですとかあるいはインフラの整備が中心の援助ということで、いろいろテーマとして設定していたわけですが、この提言十八にもあるように、近年、その社会開発分野の重視というところに質的な転換が図られてきていると。まさにキーワードとしては人間中心の開発ということが挙げられると思うんですが、この転換には、私自身はGNPと人間中心の開発と、これはバランスをとってニーズにあった開発を進めていかなければならないと思っているんですが、この人間中心の開発を進めていくには客観的な指標が必要だと思います。
   〔会長退席、理事山崎力君着席〕
 それで、その中に、提言十三にもありますが、人間開発指数というのがありますね、HDI。このHDIとGDPというものはこれは必ずしも相関関係がないものでありますので、これをいかにバランスをとってそのHDIというものを反映させていくのか、この点についてお聞きをしたいと思いますし、提言十八にもありますが、社会開発分野の比率が平成十年で二〇%、平成十三年では約二五%ということでありますが、将来的にこれをどのような数値まで持っていきたいとお考えであるのか。
 そして、あわせて、最後なんですが、世界開発援助に関する中期政策、この中でいわゆるHDI、人間中心の開発というものをどのように今具体的に位置づけているのか、お聞きをしたいと思います。
#58
○政府参考人(西田恒夫君) 先ほどのお答えと一部重なることになると思いますが、私たち政府としましても、具体的な国あるいは具体的なプロジェクトに対してどのような援助スキームを使うのが一番よいかというような議論をする中におきまして、先ほど申し上げましたいろいろな基準の一つとして、主要な基準としてやはりパーキャピタGNPを使っているということは、これは依然として変わっておりません。それは、やはり一つの客観的、普遍的な指標として他のドナーも含めて議論ができる素地になりますし、その国の発展段階、開発状況というものを示す非常に有効な一つのメルクマールということについては変わりはないというふうに考えているからでございます。
 他方、今、先生御指摘のように、それだけでその国の実態というものが明らかにならないんではないかというのは私たちも全く同様の考え方を持っておりまして、先生御指摘の例えば平均余命でありますとか識字率でありますとか、これも一つの考え方で、これは必ずしも絶対的に、果たしてその国の社会開発状況というものを完全に映しているかどうか、これもある意味では発展していくものではないかと考えておりますが、そのような中でUNDPが試行的に行い、かなり今、援助世界の中において確立されつつあるこの人間開発指数というものを十分参考にさせていただきながら援助をしているという実態は、これはございます。
 特に、今の御質問にありますように、これまでの経済インフラから、経済インフラも引き続きやりますけれども、やはり社会セクターというものをさらに重視していこうという考え方で中期計画もできておりますので、そのような考え方に基づいて、より具体的なプロジェクトを形成し、それを実施していく上では、当然のことながらこの人間開発指数と、特に開発指数ということもありますが、それぞれの分野での具体的な数字というものがあるわけでございますから、例えば識字率がどういうふうに動いてきているのか、小中学校の数がどういうふうにふえてきているのかふえていないのか、偏在しているのか偏在していないのか等々、それぞれのセクターセクターに着目して、先方との議論をさらに深める形で、それに具体的な下流の世界でプロジェクトをぶら下げていくというような努力を今後ともしてまいりたいというふうに思っております。
#59
○理事(山崎力君) ちょっと済みません、一言だけ。
 時間が押しておりますので、簡潔な御質問と御答弁のほどをお願いします。
#60
○若林秀樹君 だんだん質問する項目が残り少なくなって、少しちょっと変わった視点から申し上げたいと思うんですが、三つ簡単に申し上げたい。
 実施体制、人材育成なんですが、先ほどから専門家というのは、登録制度とか調査員を雇うとかいろいろ話が出ていましたけれども、やっぱり日本人でなければいけないというのは、日本政府を代表する立場であり、あるいは国際機関で働く日本人である必要性というのを私は感じているんですよね。
 その中で、経済協力局を見ても、経協の経験がない方がいきなり課長に座られて、あしたから国際機関だ、現地へ行ってということに対しては、非常に当人にとってもお気の毒ですし、本当の意味で日本の援助の問題についてきちっとアピールできているかということを見ると、やっぱり外務省全体の人事のローテーションの中で今その体制がつくられているという観点から見れば、私はここに少し違った人事の流れもつくる必要があるんじゃないかなということ。
 それから、国際機関につきましては、御存じのように世銀、IMF、どこをとっても日本人で働く職員の方が非常に少ないということは、私は、日本の援助をやって、国を代表するわけじゃないんですが、やっぱり日本人があってそれを実施する機関にいるということの意味合いは大変重要じゃないかなというふうに思いますので、この二点についてまずお伺いしたいということです。
 それから、国別援助なんですけれども、確かにないよりあった方がいいんですが、今の印象ですと、つくることに非常にきゅうきゅうとしているというんでしょうか、つくることが目的化しているというんでしょうか、やっぱり半年もたてば経済情勢は変わり、いろんな財政収支は変わり、いろんな状況の中で本当に常に見直す体制ができていればいいですけれども、できていないんであれば、私はもっと違うやり方で、例えば世銀に埋もれているあらゆる情報をもっと活用するとか、いろんな方法があるんじゃないかなと。
 例えば、世銀を見ても、三千人、四千人のエコノミスト、現地のスペシャリストがいるということの中では、本当の意味でそこを活用しているかといえば、私はまだまだできていないんじゃないかなというふうに思いますので、例えば世銀についても、こういう情報のアクセス、活用をどういうふうに考えられているか、国別援助との関係も含めてお伺いしたい。
 それから、最後にアンタイド率の問題なんですけれども、御存じのようにDACではアンタイド化を進めていまして、日本はそれに合っていて問題はないと思うんですが、逆に今のこういう厳しい状況の中では、今の恐らく契約では、契約が日本企業であっても最後の調達は日本である必要はないということになっていると思うんですけれども、例えばLLDCを見ても、アンタイド率はオーケーなんですが、今のこの国の、日本の経済状況を考えると、認められる範囲内でもうちょっとタイド化を図る方向があるのかどうか、その辺のお考えをちょっと聞かせていただければと。
 以上、三点について。
#61
○政府参考人(西田恒夫君) 外務省の具体的な人事政策というのを、ちょっと私、立場上余り答えるにはふさわしくはないんですが、より専門性のある人材を育成すべきであるということについては、これはもう御指摘のとおりだろうと思っております。
 ただ、その場合には、本省の経協局にいることが直ちにODAの専門家かどうかということは、必ずしもそうではないんではないかと。例えば、大使館勤務等を通じましてLDCに行けば、当然のことながら援助というものがその国と日本との関係の大宗を占めるという国もかなり多うございますので、大使館に行って、例えばインドネシアに行く、例えばベトナムに行く等々でありますが、という中において援助に携わっていること自身も、いわばODAについていわゆる素人ということでは必ずしもないということで考えまして、その点は経協局にいつもいるからということが直ちに経協のプロかどうかという話とはちょっと違うかなとは思いますが、しかし、それはあくまでももっとより大きな、あるいは強力な意味で人事政策を考えるべきということについては全く異論はございません。
 一つ、最近の試みとしまして、外務省でも、保健、公衆衛生に関する専門家の方を、大学の現役の先生に来ていただきまして、外務省員として年次を切った形の採用をさせていただきまして、日本の援助における、特に保健分野でありますが、専門性を高めるというような努力も具体的にさせていただいているところでございます。
 このようなことは、もちろん生身の人間を扱わさせていただく問題でもありますので慎重であるべき点はありますけれども、やはり可能な限り学界あるいはビジネスの方とも通じて、そういう方を積極的に活用させていただくということをやっていければというふうに思っております。
 それから、国際機関における日本人が少ないではないかと。これも非常に長い間御指摘をいただいているところでありまして、世銀についてはかなり最近ふえてきております。特にUNDPとは、これはここで余り大きな声で言うべき話ではありませんが、かなり高いレベルにおいて日本人職員というものをシステマチックにふやしていくということで、お互いに努力をするということが、今そのメカニズムが動き出しております。実際かなりの数でこれは今ふえつつございますので、そういう意味では、やっぱりUNDPというのは一つの非常に象徴的な機関でもございますので、これをよすがとして、今後とも国際機関における人材を送り込むという努力はさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 それから、国別援助計画なるものがつくるだけであって必ずしも十分生かされていないんではないか、あるいは援助計画自身が一回つくったらそれっきりたなざらしになっているのではないかという御指摘については、まさにそうあってはいかぬというふうに考えております。
 今、ちょうど十ぐらいつくらせていただいたところでございますが、ですから、今私が部内的にも申しているのは、どんどん数をつくればいいというものではないので、やはり重要な国の数というのは実はそんなにたくさんあるわけでもないので、五十つくったから偉いとか、百つくったから立派だという話ではなくて、やっぱり主要な国に対する援助計画をしっかりとしたものをつくり、かつそれがいつもいわば動いている、リボルビングなものであるというような形の仕組みをつくるということも同時にやれということを検討している次第でございますけれども、それは外務省だけができる話ではなくて、まさに財務省、きょうは文部科学省も来ていただいておりますし経産省も来ておりますが、やっぱりいつもそこで新しくデータをアップデートする等々のことは今後ともさらにやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 アンタイドにつきましては……
#62
○若林秀樹君 世銀はどうですか。西田局長の立場でお聞きしているんですが。
#63
○政府参考人(西田恒夫君) 世銀につきましては、財務省との例えばJBICをめぐるような協力関係もありますし、それから、世銀についての外務省からのアクセスというようなものにつきましても大変に私は飛躍的に改善をしつつあるというふうに考えております。世銀というものが非常に大きな存在になってきて、世銀自身に対する評価はいろいろございますけれども、何だかんだ言っても援助の世界における世銀の占める非常に主導的な立場というのは今後とも変わっていかないと思いますので、やはりODAと世銀というものがいわばがっぷり組んだ形の協力ができる形でぜひ財務省とも協力させてまいりたいというふうに考えております。
 それから、アンタイドの話でありますが、これは、基本的に有償の方が大体アンタイド、それから無償につきまして、表現ぶりはいろいろ微妙なものがございますけれども、ある種部分アンタイというんでしょうか、企業で縛っておいて調達先はアンタイドと。
 これは私、最後の調達は、やはりその実際に受注をされました企業さんがマーケットを見て一番適材のものを調達されるという仕組みが一番フレキシブルで私はよろしいんじゃないかというふうに考えておりますので、あとは、要するに有償の部分でどういうような形で融資そのものについてはタイド化のことも含めて配意ができないかということで、御案内のように、特別円借のような形で非常に目的を限定した形でそのコンセッショナル率を非常に下げてその分だけタイドにするというような工夫もこれまでさせていただいておりますけれども、これが今後どういう形で生かせるのかということで勉強しているところでございます。
#64
○政府参考人(溝口善兵衛君) 今、若林先生から国際機関の問題提起がありましたが、国際機関で日本人職員が多く働くように長年やっております。徐々に効果も上がっていると思います。引き続き努力したいと思います。
   〔理事山崎力君退席、会長着席〕
 それで、あと世銀なんかとの援助についての情報の交換といいますか、それは近年格段に密になっていると思います。例えば、JBICは年に二回ぐらい向こうへ担当者が行きまして、行った際に各局のスタッフと意見交換をしたり、それからJICAももう何年もやっていると思います。それはまあ定期協議みたいなことですが、世銀のスタッフだとかそれからIMFのスタッフもそうですけれども、アジアに行くときには大体東京に寄って、その際に私どものところにも参りますし、外務省にも参り、それからJBIC、JICAにも行きまして、それはかなりポリシーのレベルから実際のプロジェクトのベースまで意見交換が非常に密になっていると思います。
 いずれにしましても、日本は世界の中で最も大きなドナーの一つですから、世銀とかIMFの方が日本と協力したいと、むしろ向こうから来ることが非常に多くなっていると思います。
 以上でございます。
#65
○政府参考人(高橋恒一君) 国際機関におきます邦人職員の件につきましてちょっと補足させていただきたいのでございますけれども、国連全体で見ますと、一九九〇年で日本の職員が四百五十二人だったのが二〇〇〇年で六百五人になっておりますので、かなりふえているといえばふえているのでございますけれども、これは全体の三・三%、我が国の分担金等から考えますとこの倍はいないと、もっといてもおかしくないということでございます。
 それで、UNHCRの緒方前高等弁務官の活躍が我が国の国際社会における顔ということでいかに貢献したかということを考えましても、やはり国際機関のまずトップに日本人を送り込むというのは非常に重要だろうと思っております。現時点におきましては、ユネスコの松浦事務局長、それからITUの内海事務局長が国際機関のトップで活躍されておられますが、さらに先般就任されました国連の大島事務次長、これも現在のアフガンの人道支援のコーディネートの責任者になっておりまして大変活躍をされておられます。
 それから、もちろんもっと若い、中堅のところから若い人たちにつきましても大変いろんな努力をしておりまして、日本だけ国連のいろんな機関、ILOそれからIAEA、UNDP、WHO等が特別に日本人の職員を採用するためのミッションを毎年派遣してもらっております。先般、国連本部から人事局長が来まして、私も会いましたけれども非常に熱心にやっております。
 それからもう一つ、非常にこれは将来期待ができると思うんですが、若手の職員ですね。これを将来送り込むための予備軍としまして、外務省の予算におきまして年間六十五人、国際機関にジュニア・プロフェッショナル・オフィサーという形で派遣しておりまして、この人たちは語学の点でもそれから能力の点でも大変国連に高く評価されておりますので、将来こういう人たちからどんどん職員がふえていくんじゃないかと期待しております。
 以上でございます。
#66
○小林温君 済みません。じゃ、時間がないので簡潔に。
 一つは、開発教育と人材の育成の件なんですが、そういう努力を続けると同時に、やっぱりキャリアパスをいかに確保するかということが必要だと思うんですね。
 先ほど若林先生の話にもありましたが、今の日本の活力を考えると、やっぱり役所と民間の間の行き来をもっと流動化させると。先ほど保健の大学の先生の例が出たんですが、そういう特例じゃなくて、特にこの経済やら開発協力の分野というのは、通常のキャリアの方じゃない方が学位を持っておられて実務を許されているという場合が多いので、その辺ぜひ外務省の方から声を上げていただいて、外務省の中にPhDを持っておられる専門家の方等をたくさん採用していただければ、これは人事院の問題とも絡むんでしょうが、ぜひお願いしたいというのが一つでございます。
 それから、先ほど世耕先生の方、デジタルデバイドの話もあったんですが、ITの支援、援助の中で、例えば先ほどはOSの話が出ましたが、会計であるとか金融であるとか税制であるとか、そういう知的インフラの部分ですね、これは途上国は当然これから必要なものであると同時に、その制度をつくると同時に、これはIT化というものが当然視野に入ってこなければいけないと思うわけです。
 この辺のところというのは、かなり協力の可能な分野であると同時に、日本の国際戦略を考えた場合に、これからネット自体が使われるので端末では軽いわけですが、裏のバックアップの部分を考えると、非常にこれは装置産業とも言えるべきもので、日本が戦略的に考えた場合に大変重要なところじゃないかと私自身思いまして、現実的にそういう例が今までのODAの中で知的インフラのIT化に関する援助というものがあったかどうか、もし実例があれば教えていただきたいというふうに思います。
#67
○政府参考人(西田恒夫君) 専門家の方に、学界、民間を問わずもっと外務省で採用すべきという点については、私たちは全くそのとおりだと思っております。
 やはり人事というものが、ともすれば閉塞的なものになりがちだということについては大変に反省をしておりまして、ただ、先生御指摘のように全体の縛り等々の問題がございますので、この点はむしろ先生方の強いリーダーシップを発揮していただいて、要するに国家公務員の制度のあり方について何かより弾力的な仕組みというものが考えられれば、他の幾つかの国にありますような、いわば今は例えば官でありますが、しばらくは民に入り、またそれが官に戻ってくるというようなことが、相互乗り入れがもっと自由な形でできれば、やはり限られた人材をより有効に使う。あるいは、潜在的で必ずしも開花していない人材、タレントを育成するという非常によい刺激になって、これは我々のODA、つまり開発援助に役に立つというよりは、むしろ日本の社会そのものの、社会経済の活性化につながっていく話ではないかというふうに考えておりまして、それはまた、これからまさに出てきている若い世代に対して非常に魅力のある誘因になり得るんじゃないかとも考えておりまして、今回の外務省の予算の重点項目の一つにも、やっぱりODAの国内的ないわば活用というんでしょうか、国内の閉塞状況を打ち破るためにODAは何ができるのかという観点も必要じゃないかということをちょっとうたわしていただいたのもそのような背景がございます。
 それから、二番目にITでありますが、恐らく財務省からまたお話があろうかと思いますが、今のようないわゆる税制、金融等もそうでございますし、あるいは入管みたいな話ですね、このようなものについてやっぱりITというものが非常に強力な役割を果たすということは我々も認識しておりますし、また被援助国側の方の考え方にもそのようなものが幾つも出てきておりますので、今の時点で具体的にそういうようなアプローチができているかどうか、ちょっと私、今手元にございませんが、それは非常に有望な分野の一つだろうと考えております。
 全く私事でありますが、随分昔に、いわゆる電話の交換機というようなものをどうやってそれぞれの国にいわば売り込むかというようなところで、各国しのぎを削ってきたというような時期があったと思いますけれども、やっぱりITというのが、今御指摘のようにある種の装置産業的な側面もあるということもございまして、恐らくこの点は経産省にもいろいろお考えあるんじゃないかというふうに考えております。
#68
○会長(関谷勝嗣君) 挙手をされました最後の方、舛添要一君がいますが、時間の四時になりまして、今彼にどうするかと問い合わせましたら、こういう方ですから質問が長くなりますので、次回に譲るということで、次回の調査会での優先権を与えるという条件でお引き取りをいただきました。
 予定の時刻が参りましたので、本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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