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2001/11/15 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第3号
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2001/11/15 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第3号

#1
第153回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第3号
平成十三年十一月十五日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     草川 昭三君     荒木 清寛君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         沓掛 哲男君
    理 事
                国井 正幸君
                鈴木 政二君
                江本 孟紀君
    委 員
                有馬 朗人君
                大野つや子君
                太田 豊秋君
                河本 英典君
                近藤  剛君
                保坂 三蔵君
                山下 善彦君
                伊藤 基隆君
                谷  博之君
                長谷川 清君
                和田ひろ子君
                荒木 清寛君
                浜田卓二郎君
                井上 美代君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   参考人
       岐阜県知事    梶原  拓君
       中部経済連合会
       副会長      須田  寛君
       栃木県知事    福田 昭夫君
       福島県商工会議
       所連合会会長   坪井 孚夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国会等の移転に関する調査
 (国会等の移転に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから国会等の移転に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十四日、草川昭三君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(沓掛哲男君) 国会等の移転に関する調査を議題とし、国会等の移転に関する件について参考人から御意見を承ることといたします。
 本日午前は、岐阜県知事梶原拓君及び中部経済連合会副会長須田寛君の両名の御出席を願っております。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 両参考人におかれましては、御多忙のところ当委員会に御出席賜りまして、まことにありがとうございました。
 本日は、忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただき、その後、八十分程度委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず梶原参考人からお願いいたします。
#4
○参考人(梶原拓君) 岐阜県知事の梶原でございます。
 早速、お手元に参考人意見陳述岐阜県知事説明資料というものがお届けしてございますので、それによりまして意見を述べさせていただきたいと存じます。
 まず、一ページの首都機能移転の意義・必要性でございますが、私どもは、日本の歴史をさかのぼりますと四百年ごとに大きく変わっているということでございます。四百年前の江戸、八百年前の鎌倉、千二百年前の平安京と、四百年ごとに政治の中心が移っておりました。そして、国全体としてほぼ百年ごとに成長、発展、爛熟、衰退を繰り返してきているということでございまして、このたびの首都機能移転もこういう大きな歴史の流れから必然的なものであると、このように理解をしております。
 ちなみに、中西輝政京都大学教授は、この激動、内向き・安定、爛熟、崩れと、こういうようなサイクルの繰り返しがあったというふうに主張されておりまして、構造的に縄文的なものと弥生的なものと、この二つの体質を日本が持っておりまして、日本人の本質は縄文にあるが、社会全体の衰退傾向あるいは国家のサバイバルということで考えると、今は弥生的価値に基づき一気に変革をする時期が来ていると、このように述べられております。
 二ページに参りまして、明治維新後の、より流れとしては小さいんでございますが、振り返りますと、明治維新は中央集権革命、昭和維新は民主革命という変革が起こってきましたが、いよいよ平成維新は分権革命であると、このように私たちは認識をしておりまして、首都機能移転はその平成維新の変革のシンボルである、その変革によりまして大きく意識革命がなされてくるというふうに思います。また同時に、地方分権、規制緩和というものをセットで推進するべきだと、かように考えております。
 一種の文明論的に国際的な視野から考えますと、第一に、明治維新は中央集権革命であった、敗戦後、昭和維新ともいうべき民主革命が起こりまして、今回の平成維新につながっている。国家目的も、軍事大国から経済大国、そして今生活大国へと重点が移行している。社会構造は、農業社会から工業社会、工業社会から情報社会に移行しつつある。
 権力構造としましては、明治から昭和へと、天皇、そして国会を中心とするピラミッド型となってきておりますが、これから権力構造もネットワーク型になりまして、あたかもコンピューターシステムのように、かつて一台のスーパーコンピューターがすべて処理してきたという時代から個々のパソコンがネットワークして大きな力を発揮する、こういうことになってきている。こういうように権力構造も変わらなきゃいけないと、こういうことでございます。
 それから、国民との関係では、明治以降、大きな政府目指して強力な権限を中央に集中してまいりました。言うなれば護送船団の船長として中央政府が面倒を見てきた、また過大な、多大な負担をしてきたと。この結果、いい面もございましたが、今日では甘えの構造に日本がなってしまったということでございまして、これから対地方、対民間に分権をどんどん進めまして、それぞれが自己責任を負う、そういう時代にしなきゃいけないし、そうしなければ日本がもっていかない、こういうことではないかと思います。
 それから、外国との関係におきましては、明治には、明治維新以後、欧米諸国に対していわば対決型の対応をとってきました。そして、敗戦後の昭和ではいわばへりくだり型になってしまった。これからは、外国との関係においては対等型の関係にしていかなきゃいけない、こういうことでございます。
 それから最後に、変革のシンボルというものがございまして、明治維新の場合には、皇居の移転、版籍奉還、明治憲法というものが変革のシンボルとしてございました。昭和維新では、人間天皇、GHQ、昭和憲法というシンボルがございました。このたびの平成維新には変革のシンボルがやはり必要である、そのために国会を移転するということは大きな意味がある、こういうことでございます。また、移転先の都市はその平成維新のシンボルになるような都市にしなきゃいけない、かように私たちは考えております。
 次に、三ページにまいりまして、東京に首都があることによるマイナス、これについて一、二指摘をしたいと思いますが、まず第一に我が国の危機管理の問題でございます。
 このたびのアメリカにおける同時多発テロによりまして、国家の防衛体制というものが問われるということになってまいりました。そういうことを念頭に置いてまいりますと、ニューヨークでも起こりましたが、インターネットが大混乱を来した、IXがニューヨークに集中して情報通信関係で大混乱を起こした、こういうことでございまして、国際回線を持つプロバイダーの八〇%が東京に集中しておる。今、私もことし行ってまいりましたが、アメリカ・ワシントン州、その周辺、グレーターワシントンに情報通信企業がどんどん集中しております。これはアメリカの首都機能とのかかわりが深いということで、そうした情報通信機能が集中してきている、こういうことでございます。
 それから、財政・金融機能の集中、これは言うまでもございません。こうした政治・経済の機能が一カ所に集中しているということで、万一何かありましたらこの日本のコントロールタワーが一挙に破壊されてしまうということになります。
 それから、当然のことですが、在日外国大使館、すべて東京二十三区に集中している、そういった面でも大きな打撃を受ける。
 テロに対する脆弱性というものがまさに問われなきゃいけないというふうに思います。半径二、三キロの中に政治、行政の中心、産業経済の中心、それから防衛の拠点である市ヶ谷、こういうものが全部包含されている。攻撃する方にとってこれほど攻撃しやすい、しかも効果のあるような配置はないと言ってもいい、かように思います。
 それから、次に四ページでございますが、東京が巨大都市あるいは過大都市になりまして、道路整備一つとりましても非常に建設コストが高くなっている、こういうことでございます。岐阜県とたまたま例をとって比較いたしますと、交通量一台当たりの建設コスト、東京都は岐阜県の約一・七倍ということでございます。全国平均とりましてもこのような数字になっておるということでございます。東京外郭環状自動車道一キロつくるのに千百億円かかりますが、これは東海三県でつくっております東海環状自動車道と対比しますと、この一キロ分が十一キロメーター分に相当するというようなことになっておる。
 それから、外国大使館の問題ですが、世界百八十九カ国のうち日本国に在日大使館を持っていない国は六十三カ国に及んでおります。これは大使館の維持管理コストが高いとか、良好な自然環境が少ないとか、国際空港へのアクセスが悪いとか、職員の住宅がなかなか確保できないとか、岐阜県の独自の調査でもそういう意見が出てきております。既にある大使館でも家賃の不払いとかいろんなトラブルが起きている、こういうことは国際関係の上でもよくないんじゃないかと。
 それから、新聞報道によりますけれども、下水道一つとりましても、合流式の下水道に限界が来ている。それで東京湾を汚染している。さあそれを改善しようとすると莫大なお金がかかると。こういう社会資本整備の上でも大きな限界が来ておる、こんなふうに思います。
 そこで、東京都がこれから自治体として自立していくことが必要でないかというふうに思います。その巨大都市東京と首都東京が地理的に重複しておる、かつ都市機能の上でも混在いたしまして、だれが首都機能を維持するか、その責任が不明確になってしまっている。米国のように相互に分離独立させて、自治体としての機能純化と首都としての機能純化が必要な時期が到来しておるんじゃないか、こういうことでございます。
 また、東京という地域の利害を代表する東京の論理。石原知事も一生懸命都政を進められておりまして、地域のために御尽力をされております。そのことは結構なことでございますが、こういう地域の東京の論理と首都として全国各地域に公平に配慮すべき首都の論理というものが、一般の人にとっては混同されてしまうという問題がございます。
 また、国際空港等空港から国立劇場等の文化施設まで国の全額負担事業が東京に集中する一方、地方ではこの種の事業に多くの地元負担を余儀なくされております。これは、一般の方々にとっても不公平に映ると。過大な首都メリットがあるんじゃないか、その反面過大な首都負担があるんじゃないか、こういうふうに受け取られやすいということでございます。このままでは東京対地方という対立の構図がますます先鋭化して、いろんな場面で国論の分裂を招く、相対的に国力を低下させてしまうんじゃないかということを憂えておるわけでございます。
 そこで、五ページにまいりまして岐阜・愛知地域の問題でございますが、岐阜・愛知地域は国際化時代の首都に必須である二十四時間空港が存在する。近々二〇〇五年までに完成するということでございまして、しかも既定の計画でございますリニア中央新幹線、これができますと東京から名古屋までわずか三十五分程度であるということでございまして、その先空港まで三十分程度で行けるということで、時間、距離の上で中部国際空港は東京の空港と言ってもいい存在になると。それから、関西国際空港もリニア中央新幹線ができますと短時間で結ばれるというようなことでございまして、東京、名古屋、大阪という大都市がこの三つの空港を共用していける、こういうことになります。
 それから、環日本海時代に入りつつございますが、アジアの玄関の役割を担うことができるのは岐阜・愛知地域でございまして、日本海と太平洋が一番近い地域でもございます。アジア地域を念頭に置いた首都機能を考えなきゃいけないと。
 それから、国内的に見ますと人口の重心がこの地域にございまして、国内の人々が寄り集う上におきまして、理論的にも実際的にも集まるコスト、これが一番安いということでございます。
 それから、新たな産業経済を興していかなきゃいけないと。現在の日本は膨大な借金を抱えておる。国の総力を挙げて産業経済を再生しなきゃいけません。それには、関東とか関西とか言っておらずに、東西の経済力を中央地域で結集しなきゃいけない。特に、これから民間活力ということが必要な時代でございまして、歴史的に民間活力の強い関西・大阪地域、そういうところと、関東・東京の産業経済力というものを中央でミートさせるということが必要であろうというふうに思います。
 それから、六ページに参りまして、岐阜愛知新首都構想、具体的にどう描いているかということでございます。お手元にパンフレットをお届けしておりまして、詳しくはそれをごらんいただきたいというふうに思いますが、まず日本の中央であるという有利性を生かしましたネットワーク・アンド・コンパクトということをキーワードに新首都づくりを提案いたしております。
 二十一世紀の都市はかくあるべきだというイメージで提案をさせていただいておりまして、今の東京では不可能な自然環境豊かな地域である、そしてごみの問題もどんどんどんどん外に出していくというようなことではなくて、その都市内でごみは自己完結してしまう、こういうことでなきゃいけない、そしてIT等を使った最先端のハイテク都市でなきゃいけない、そういうイメージで移転人口二十万人程度を想定している。社会経済生産性本部の首都機能移転研究会では、同じく二十万人程度の移転を想定されておりますが、周辺に、小さい都市ですけれども都市機能が配備されているというようなこと、あるいはこれからより小さな政府になっていくだろうと、こういうような想定をいたしております。
 そして、国会等移転審議会の答申をベースにいたしまして、首都機能配置のケーススタディーを行っております。北ゾーンに立法と行政、南ゾーンに行政とそして司法というものを配置するというようなことになっておりまして、その用地はどうするかということでございますが、七ページにございますように、特に北ゾーン、政治、行政の機能の配置予定地におきましては、ゴルフ場などの開発済みの土地とか国公有地を確保するということが容易であるということでございます。
 ちなみに、ゴルフ場がこのあたりたくさんございます。そして、地元のゴルフ場関係者あるいは岐阜県のゴルフ協会、全面的に協力するということを公式に表明をしていただいておりまして、例えば富士カントリーというゴルフの関係企業がございますが、そこでは合計二百八十九ヘクタール程度提供してもいいと。もう既に寄附するというところもございますし、言い値で提供しますという土地もございます。できれば、新たに森林を開発して用地を確保するんではなくてこうした開発済みの土地を使っていきたい、このように考えております。この土地が、東京で言いますれば国会議事堂を中心に霞が関とか永田町も含め日比谷公園まで及ぶような面積でございます。そういう土地を使っていくということを、例えばの話でございますが考えておるということでございます。
 八ページで、東京都が出されました「首都移転の再検証について」に対する意見でございますが、全体的に、首都機能移転問題は目先の短いスパンで考えるべきじゃなくて、国家百年の大計として論ずべきだと。それから、いろいろ数字がございます。それぞれにいろいろ問題ございますが、いずれにしても国会において客観的な数字を算出していただく必要があろうかと思います。
 例えば、移転費用の再試算ということがございますが、これも国会でよく点検をしていただきたい。それから、移転費用以外に必要な費用もございますが、これはもう岐阜・愛知地域におきましては、道路とか新幹線、前から首都機能移転とは別に既定計画として進めている事業でございまして、これはもう計算外のことでございます。
 それから九ページに参りまして、大規模な自然環境破壊があるというようなことが述べられておりますが、今申し上げましたように、岐阜・愛知地域ではゴルフ場などの既に開発された土地を活用するということで、新たに森林をつぶすということはほとんどございません。そのことを十分御理解をいただきたい。
 それから、国際空港につきましては、中部国際空港は国内線も乗り入れまして乗り継ぎができるという有利性がございます。それから、これから国際化がどんどん進んで首都機能としてどうしても必要な二十四時間空港というものを確保できる、そして新都市からそれが四十分程度で行けるということでございます。
 それから、日本全体へのマイナス影響というような数字が出ておりまして、四兆五千億から六兆三千三百億円のむだになる、こう主張されておりますが、我々は専門家の指導を受けておりまして、この首都機能移転を例えば岐阜・愛知地域に実現すれば約五兆円のプラスになるという結果を発表いたしております。
 なお、最後に、一部から漏れ聞いて真偽のほどはわかりませんが、国会移転問題というものがうやむやのうちに消滅してしまう、こういう話がございます。これはもってのほかのことでございまして、もともと国会の決議によって我々は動いてきたんです。そして、お金、人、物をこれに投入して、日本のためにかくあるべしということをこれまで提案をしてきたわけでございまして、それを今となってうやむやにしてしまうというようなことが万一ございましたら、岐阜県としてはその損失補償を国会に対して要求したい、かように考えております。
 以上でございます。
#5
○委員長(沓掛哲男君) ありがとうございました。
 次に、須田参考人にお願いいたします。
#6
○参考人(須田寛君) 中部経済連合会の須田でございます。
 本日は、貴重な機会を与えていただきましたことについて、まずもって御礼を申し上げます。
 私ども経済団体といたしましても、この首都機能移転問題については、かねてからいろんな議論を重ねてきてまいっておりますので、本日はそういった集積の上に立ちまして三点ほど意見を申し述べたいと思います。
 第一点は、今、この首都機能移転問題というのが原点に立ち返ってその必要性を議論すべき時期が来たということについてであります。それから二点目でございますけれども、国民の大多数のコンセンサスが得られるような場所に首都機能移転というものの候補地を絞り込むべきではないかということであります。それから三点目は、これはお手元の資料をごらんいただきながら御説明をいたしますが、私どもの経済団体でいろいろ勉強をいたしましたあるべき首都像、今後の移転が実現した場合のあるべき首都像についていろいろ研究をいたしてまいっておりますので、その点につきまして簡単に御説明を申し上げたい。
 以上三点について申し述べます。
 まず第一点でございますけれども、今、この首都機能移転をめぐります議論というものは非常に混迷をいたしております。はっきり申し上げまして、必ずしも世論の喚起がまだ十分行われているとは言えない状態でございます。その中には幾つかの誤解があるということは大変な不幸ながら事実でございます。二つほどの大きな誤解があると思うのでありますが、一つは長期の議論と短期の議論が混乱している、それからいま一つは、こういった国の大きな将来の行政改革につながるような議論が公共投資の配分論というふうな次元で議論されてしまっている、非常に残念なことだと存じます。
 原点に立ち返った議論をする必要があると申し上げましたのは、この原点と申し上げますのは、この議論が最初行われました国会の決議というのがございます。その決議の中にも、そして御審議をいただいておりますこの国会等移転に関する法律の中にも前文ではっきりうたわれているところでございますけれども、行財政改革の一環として進めるんだということが書かれておるわけでございまして、それが私は原点ではなかろうかと存じます。
 つまり、これから国の改革を進めてまいります場合に、一体、国と地方の役割分担はどうしたらいいのか、できるだけ住民に近いところで政治をするにはどういうふうな体制が必要か。地方分権の議論であります。
 それからもう一つは、官と民との役割分担、盛んに叫ばれておりますけれども、市場原理の働くものは極力民でやっていく、国ではそれのないものをやっていただくというような役割分担、そういうことを議論してまいりますと、当然これはスリムな政府ということに相なってまいります。引っ越しをする際には、やはり荷物の整理をしてスリムになって引っ越しをするわけでございますから、国会機能移転というものが実現することによりまして、また、それを計画する段階におきましてこの行財政改革というものはどうしても進められる、不即不離の関係にあると存じますし、そのもの自体がこの首都機能移転の中から生まれてくるものと存じます。
 したがって、行財政改革の一環なんだ、規制緩和とか地方分権とかそういうものを進めるための非常に大きなこれは契機になるものであり、また、改革そのものなんだという原点に立ち返った議論を国民的に起こす必要がある、このように考えるわけでございます。
 次に、第二点目でございますけれども、それではどこへ移転するかという議論が出てまいろうかと思います。
 私といたしましては、ぜひ大多数の国民のコンセンサスを得られる場所に国会等機能の移転、首都機能移転というものは行われるべきだと、このように考えます。
 そのためには幾つかの条件があるわけでございますけれども、大体私は四つばかりあるんじゃないかと、こんなふうに思っております。一つは、全国民のアクセスしやすいところ、そこに首都機能移転を行うべきだということが一つあろうかと存じます。次に、適度な都市集積を活用すべきだということがその大きな条件ではないかと思います。三番目に、既にインフラが整備されている場合にそのインフラを利用する、あるいは既計画の、計画済みのインフラというものを有効に使えるところに機能移転を行うべきだと、こういうふうに思います。それから四番目に、東京都との適切な距離があること、それが必要だと思います。
 私は、この四つの条件を満たしておりますのは、岐阜・愛知を中心といたします中部地域ないしは三重・畿央を中心といたします三重・畿央地域、この二つのいわゆる中央地域というものがこの機能を満たしているというふうに思うわけでございますが、その辺につきまして簡単に敷衍して御説明をいたします。
 まず、全国からアクセスしやすいところ。もちろん新首都は今の首都とは違いますので、全国民が陳情に訪れるとかそういうことではもちろんあり得ないとは存じますけれども、国会等がそこに移転をする、新首都であります以上は、やはりそれは国民がアクセスしやすいところであるべきだと思います。日本の真ん中、それがやはり常識じゃございませんでしょうか。今、日本の人口の重心が岐阜県にあると申しますが、そういったところから考えられますのは、日本の真ん中でありますところの中央地域が文字どおりこの移転候補地としては適当な場所ではないかと、こんなふうな気がいたします。
 それから次に、適度な都市集積について申し上げたいわけでありますが、よく議論されますのは、ブラジルの首都のブラジリア、オーストラリアの首都のキャンベラがよく議論されます。そういったところを視察した人の話によりますと、そういうところには都市としてのぬくもりが全くない、非常に無味乾燥なものであると。そして、例えばキャンベラにいる政府の人々は週末には全部シドニーだかメルボルンだかの自分の自宅に帰って、首都は空っぽになっている。そういう首都が果たしていいんでありましょうか。あるいは国会等がそういうところへ移転していいんでありましょうか。
 そういうふうに考えました場合に、やはりそこに一つの都市としてのぬくもりがあるものが必要ではないかというふうに思います。同時にまた、適度な都市集積があるということは、全く何もない大原野にブラジリアのようなものを造成するのに比べまして、非常に効率的な機能移転が行われるものと存じます。したがって、適度な都市集積を利用する、活用できるところというのが二番目の条件ではないかと存じます。
 三番目の条件でございますが、これは既にあるインフラ、交通通信等でございますが、そういったものが有効に使えるところ、あるいはほかの既に計画として進んでいるインフラというものが十分活用できるところに機能移転をいたしました方が効率的な、かつ安い経費で移転ができるのではないかと、こんなふうに考えます。
 例えば中央地域を例にとりますと、ここは日本の真ん中でございますから東西の交通の要衝に当たっておりまして、いろんなインフラが既に活用、整備されております。新幹線しかり、高速道路しかりであります。しかも、これは国の国土計画といたしまして道路の整備計画もさらにございますし、また将来は中央新幹線の計画等もあるわけでございます。そういったものをそのまま新しい機能移転に活用できれば、非常に効率的に、新しい投資を極力抑制する中で首都機能移転が実現するものと存じます。
 先ほどの適度な都市集積を活用することとこの点につきまして、いずれも首都機能移転を効率的に行うための大きな手段ではないだろうかと、こんなふうに思います。これが三番目でございます。
 四番目には、東京都との適当な距離であります。
 東京に隣接して機能を移転いたしましても、それは東京問題を拡散するだけで何の解決にもなりません。また、東京から余りにも遠いところへ今度は参りました場合に、東京にはやはり今の経済集積を利用して経済中枢的な役割がこれからも期待されますものですから、そういう意味での連携が不十分でございます。つかず離れずの距離というふうなことが必要ではなかろうかと存じます。大体、東京を基点に二、三百キロ程度の圏内ということになってまいりますと、これもやはり中央地域というものがその大きな要件を満たしている地域になってまいると思います。
 以上四点、すなわち日本の真ん中にあって国民がアクセスしやすいところ、それから適度な都市集積が活用できるところ、そして既存のインフラなり既に計画されておりますインフラが十分活用できるところ、そして東京都との適切な距離があって役割分担がスムーズに進むところ、こういった四点がこれからの機能移転を行う候補地として必要な要件ではなかろうかと存じます。ぜひともそういったところに今後候補地が絞り込まれるように私どもは期待をし、かつそのような希望を持っている次第でございます。
 次に、三番目の問題について御説明をいたしますが、お手元に「中央地域における首都機能配置の考え方とそのイメージ」というものがお配りしてございます。これは、ここにございますように、一つの試案でございまして、中部経済連合会でことし策定をしたものでございますが、この中にその考え方が盛り込まれておりますので、資料に沿いながら簡単に御説明を申し上げます。
 まず、この資料、つまりこの機能移転の考え方というものをつくりました基本的な考え方を一言申し上げますが、今の首都機能移転、国会等移転という議論が起こりましたのは、やはり東京の過密問題というものが一つの大きな行き詰まりに来たということに問題の発端がございます。したがって、新しい首都と申しますものは、どうしてもやはりこれは集中なき首都、そういうふうなものでなければいけない、今の東京のような弊害を再び起こしてはならないというふうに考えるわけでございます。したがって、日本全体が極端に言えば首都機能を分担するような、あるいは新しい首都というものも決してそこに集中が生じないような、そういったようなものであるべきだということでつくりましたのが本件の資料でございます。
 この中に見開きのこういったところがございますので、この見開きのページでちょっと簡単にごらんをいただきたいと思うわけでございます。この中の真ん中の第二章というところが要約されておりますが、ここに地図が書いてあるところを御参照いただければと思うわけでございますが、まず日本の今東京に集中しております首都機能を私どもは大まかに言いますと三つに分けたらどうかというふうに提案をしたいと考えております。
 一つは、まず今度の新しい候補地、私どもは中央地域というものを理想だと思っておるわけでございますが、新首都候補地に立法、行政、司法の基本的職能を移転させるということを考えていったらどうかというふうに思っております。これは中央地域が適当だと私どもは考えるわけでございます。
 次に、今度は全国各拠点都市、これは極端に言えば札幌でも福岡でもよろしいかと思うわけでございますが、そういった地方のブロック都市にそれなりの経済集積が、あるいは都市機能の集積がございますので、そういうものの機能を生かしまして、今東京に集中しております機関の中で、先ほど新しいところへ移転をすると申し上げました立法、司法、行政の基本的職能以外のもの、例えば政府関係機関だとか研究機構だとか学術機構だとか、あるいはその他の東京にありますいろんな諸機能という附属的な機能といいますか、関連機能というものを分散させることを考えるのも一つの方策ではなかろうかと、このように思います。極端に申し上げますと、札幌から九州までのブロック都市が首都機能の一部を分担するということに相なるかもわかりません。そんなようなことを二番目に考えたいと思います。
 三番目に、東京をどうするかでございますが、やはり東京には今相当な経済集積がございますし、国際的な面からいたしましても、東京の経済集積は活用すべきものと存じます。したがって、東京は、首都機能移転であきましたところをうまく再開発をいたしまして、むしろ経済都市として、経済中枢として再編成をし、機能をそこに持たせるべきだと思っております。したがって、言葉をかえれば経済首都と言ってもいいかもわかりませんが、そんな機能は東京を活用したらどうかと。
 以上、三点に分けて首都機能というものを分散して考えていったらどうか。大変地域が広がるではないかという御議論があるかもわかりませんが、それこそ今のIT技術を応用すれば、また新しい交通通信の発達を考えればそういったことは不可能なことではなく、むしろ円滑な移転が可能になるものと存じます。
 このようにいたしまして、まず首都機能というものを日本じゅうが分担をする、そして中央地域に移る主なる国会等の機関と東京の経済首都とが適当な距離を置いてお互いに相補完をする、こんなような考え方が第一点でございます。
 次に、第二点目に、今度はその下の方の段階をごらんいただきたいと思うわけでございますが、それぞれ新しい新首都候補地ではどういうふうな首都造成をすべきかということについて申し上げたいと思います。
 私どもは、クラスター状の首都を建設したいということを言っております。と申しますのは、ここにまた霞が関のようなものをつくりましてすべてのものが一極に集中をいたしますと、またここにミニ東京ができます。それでは今の問題の解決には相なりません。したがって、イメージというこの丸い図に書いてございますように、国会都市を中心といたしまして、そこに行政都市、それから司法都市、外交都市といったように、それぞれの省庁を中心といたしました中小都市をちりばめるような形でつくります。
 これは、中央地域にございますところの現在のいわゆる都市の集積機能というものをうまく使いまして、またその中に滑り込ませるような形で都市の造成をいたしましてつくる。それらをここにございます通信ないしは交通インフラで、これは近距離にあるものでございますから相当のコストがかかるものではございませんので、結びつけて、やや広範囲にまたがるクラスター状の中小都市から成る首都圏群をつくる、首都都市群をつくるということで新しい機能を果たさせたらどうか。そういたしますと、一極集中ではなしに、間に緑がちりばめられた首都がここにできてまいる。
 そのイメージが一番後ろのところの、カラーの写真がついておりますけれども、これはどこというふうに別にイメージをしているわけではございませんけれども、例えばこういうふうな森と緑に囲まれた首都といったようなものが実現できるのではなかろうかと、こんなように考えておりますので、今私が申し上げたような、このような首都自体もいろいろ役割分担をした集中なき首都にしてまいりたいと、こんなように考えております。
 そして、この二つの考え方、首都機能を三つに大別する考え方、それから新しい新首都においていろんな機能をクラスター状に分割する考え方のいずれもに通じまして共通して言えることは、役割分担と連携、つまり分担と連携というものをその基本思想に置いているということでございます。これからの通信インフラ等を極力活用をいたしまして、これからの新首都と申しますものはそういう分担と連携の上に立った新しい首都像というものを構成していく、これが二十一世紀の国づくりの基本になる私は新首都にふさわしい姿ではないか、こんなふうに考えているところでございます。これは経済界の一つの勉強の成果でございますけれども、いろんな意味合いでこれから私どもはこういった考え方を情報発信して提言をしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
 以上申し述べましたけれども、世上、先ほど来申し上げたいろんな誤解がございますが、その中にある極端な誤解は、先ほど梶原知事からもお話がありましたけれども、非常に首都機能移転というものは高価につく、高いものだというイメージが与えられていることでございます。東京都の試算では特にそれが大きな数値が出ているようでございます。
 国土庁の試算なさいましたもので十二兆という数字が比較的これまで公的なものとして行き渡っているわけでございますけれども、これも国土庁の御説明によりますと、直接の国費というのは四兆ぐらいなんだと。あとはその他のいろんな私的な、つまり民間の資金だとかあるいは地方の資金だとかというものを糾合してやるわけでございまして、その程度なんだと。しかも、それを十年にわたって支出するわけでございますから、単年度の国費支出というものはせいぜい二、三千億のオーダーなんだと。むしろ、それによって生ずる国費の投入よりも、現在の東京問題の解決に使っている金の方がよほど大きいんではないか、こんなふうに私ども考える次第でございます。
 したがって、そういうような誤解も解いていただいて、新首都問題というものを新しい原点に立った議論としてこれから議論を進めていただきたいなと、こんなふうに思っております。
 なお、これから大事なことは、やはりこういった国会等機能移転問題というのは国家百年の大計でございます。したがって、そういった国家百年の大計をどのようにしてまいるかということにつきましては、国民的な世論、この形成というものはどうしても必要でございます。私ども地方におきまして、極力国民的世論あるいは地域の世論というものの結集に努めますし、またいろんな機会を通じまして議論の輪を広げたいと存じます。しかし、残念ながら現在は、候補地を持っております一部の地域を除きまして非常にそういった国民的議論は低調でございます。
 私ども精いっぱい努力いたしてまいりますので、どうか国会の諸先生におかれましても、今後この機能移転につきまして、ぜひともひとつ御指導をいただきまして、議論の輪を広げ、そして二十一世紀の行革の一環としてぜひともこのプロジェクトが実現するようにお願いをしてまいりたいというふうに思っております。
 先ほども知事からお話がございましたように、やはりこれは二十一世紀の緊急の課題でございます。国民的課題として百年の計が実現することを期待いたしまして、私の発言を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(沓掛哲男君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日は、あらかじめ質疑者を定めず、委員には懇談形式で自由に質疑を行っていただきます。質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。また、委員の一回の発言時間はおおむね三分程度とし、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
#8
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。梶原知事さんにお伺いをしたいというふうに思っております。
 最後の御発言の部分で、どうも首都機能移転をやる気があるのかないのかと、こういうふうなお話だろうというふうに思っております。私自身も、この参議院に来て以来、ずっとこの問題を、もう足かけ七年になりますがやらせていただいておりまして、確かに率直のところ、私どもも責任を大変痛感している一人なんですね。特に、移転先候補地になられたそれぞれの県の皆さんには大変な御負担をおかけしている。本来国が、これは衆参両院において決議をし、調査会をつくり、審議会をつくり、移転先候補地の答申があり、かつまたそれが両院に報告をされ今日に来ている、こういう状況の中で、世論の盛り上げというものを含めて、本来国の責務ではないかと、こういうことだろうというふうに思っております。
 私どもも鋭意努力をしているわけでありますが、率直のところ、知事さんの方から見て、国としてこういう部分が足りないんではないかと。首都機能移転の、我々やっているものからしますと、十分その意義というのはそれなりに共通してみんな持っていると思うんですね。しかし、話をしていることがどうも何か拡散をしてしまって的に当たらない、こういう状況にありまして、これは私の個人的な考えでありますが、我々自民党の中にも首都機能移転推進の議員連盟もありまして、こういう中でしかとした対応をとって、少なくとも総理の所信表明演説ぐらいにはきちっと入れてもらう、そのぐらいのことをやらなくてはならないんではないかと。これは私個人の考えでありますが、まだその域を脱していないわけでありますけれども、そういう状況を率直のところ感じております。
 移転先候補地の知事さんから見て、本来やるべき国として一体どういう部分が欠けておるか、お気づきの点がありましたら、お聞かせをいただければと思っています。
#9
○参考人(梶原拓君) まず第一に、この首都機能移転こそ聖域なき構造改革の最たるものだと私は思います。今、日本の国というものを抜本的に改革して、この閉塞感を打破していく必要があると思うんですね。そういう意味からして、構造改革の最たるものがこの首都機能移転問題だと思うんですが、今お話のありましたように施政方針演説にも出てこないというようなことを大変残念に思います。
 それから第二点は、いろいろ漏れ聞いておりますと、今この経済が悪いときにどうだとか、金がかかり過ぎるとか、そういう目先の論議が多過ぎるんじゃないか。やっぱり国権の最高機関である国会では国家百年の大計として論じていただきたい、その論議がほとんどないというように私は思うんですね。このことが大変悲しいことであると、こんなふうに思います。
 そして、この前にも委員会に出させてもらいましたけれども、もう委員の先生方もぱらぱらとおられるだけですよ。我々も国会の先生と同じように忙しいんです。わざわざ出てきておるのに、先生方が余り出席されない、きょうは非常に出席がよくて私も安心しましたけれども。いろんな面、共通してこの問題に取り組む意欲というものが余り感じられない、これは非常に残念だと思っております。
#10
○谷博之君 私は、この委員会に初めて入りまして、いろいろ勉強させていただきたいということで御意見を参考に聞かせていただきました。
 知事さんと副会長さんにそれぞれ一つずつお伺いしたいと思っております。
 まず一つは、多少具体的な話になると思いますが、移転による国費投入の節減効果についてということだと思うんですが、一つは岐阜等の新都市構想の中でたしか私見たことがあるんですが、東京の首都機能の維持費を年間三千億から五千億と一応試算をされて、移転自体が行財政改革となる、そういうふうな旨の構想を発表されているように私お伺いしているんです。これは、先ほど移転のための費用とかいろいろ説明がありましたけれども、現在の東京の首都機能の維持の費用として三千億から五千億の試算を出されておられるという、そういうことを私はお伺いしたことがあるような気がするんですが、その内容とその根拠、それはどういうところから出されているのかお教えいただきたいと思っています。
 それから、両方の参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどのお話にありましたように、岐阜県は人口重心点というんでしょうか、まさにそういうふうな考え方があって、日本のもうど真ん中ということを強調されておられますけれども、一方で、新しく出されている全国総合開発計画の中には「地域の自立の促進と美しい国土の創造」、こういう副題で、一極一軸集中の国土構造から多軸型の国土構造への転換を提唱しておられます。そういう中で、こうした全総の考え方から、新都市は既に人口や産業が集積したそういう地域でないところに移転、整備されるべきというふうな考え方があるように、そういう見方があるわけでありますけれども、そういう点についての、この地域との関係でお考えがありましたらコメントをいただきたいと思っています。
 以上二点です。
#11
○参考人(梶原拓君) 東京に首都機能があるから余分な金がかかっているということでございますが、お手元にこういう二枚紙のパンフレットをお届けしております。その四ページの一番上でございます。
 首都機能のためにどれだけプラスアルファがあるかということ、これはなかなか難しい計算でございますが、一つの計算方法として、東京都とその他の大都市圏の行政コスト、特に国費の比較をいたしました。それぞれの都市地域でどのくらい一人当たりお金がかかっているかと、その計算をしましたら、東京都は他の大都市圏に比べて約一・五倍の費用がかかっておると。これを東京都の人口に掛けますと、この欄の一番下にございますように、四千億から六千億という数字が出ておるわけでございます。
 先ほど説明の中で申し上げましたけれども、巨大都市東京を維持するということと首都機能を維持するということが地理的にも重複しているものですから、例えば、首都機能を維持するために道路であれば環状線が要るといった場合、巨大都市であるがために費用がかかる、しかし、首都機能を維持しなきゃいけないからどうしてもつくらなきゃいけない、そんなこともあろうかと思うんですね。
 そういう巨大都市の中に首都があることによってプラスアルファをもたらして、それが国費にしわ寄せが来ていると。そういう数字として、仮に自治省の行政投資の実績からはじき出したと、こういうことでございます。
#12
○参考人(須田寛君) 今、先生から御指摘がございましたように、確かに全総等では多軸型の国土形成ということが言われておりますし、人口密度の問題というものも議論されていることは承知をいたしております。
 私、よく誤解があるので非常に残念だと思うのでございますけれども、東京、大阪、名古屋と申します。あるいは首都圏、関西圏、中京圏と申しますので、その三つがいずれも同じような過密都市圏のように思われているわけでございますけれども、人口密度等のデータを見ますと全然違うわけでございまして、これはどこのところでとるかということによって非常に違ってまいりますけれども、例えば名古屋都市圏を首都圏、東京圏と比べますと、人口密度というのは四分の一ぐらいしかないんですね。全国平均よりわずかに高いかどうかという程度です。畿央地域であればもっと低いとむしろ思います。したがって、大体今度の中央地域の各候補地を平均いたしますと、ほぼ全国平均的な人口密度の中にありますので、特別な過密地域では決してないということでございます。
 したがいまして、私どもは、そういう意味合いにおきましてもこの中央地域というものが首都機能移転の候補地として適切だと思っておりますし、また、人口が過密にならないような先ほど来の施策を講ずることによりまして理想的な機能移転ができるものと、こんなふうに考えております。
#13
○荒木清寛君 公明党の荒木です。
 両参考人に一問ずつお尋ねをいたします。
 まず、須田参考人にお尋ねをいたしますが、私は、名古屋に住んで東京に宿舎がありますので、今、参考人のおっしゃった適度な都市機能の集成ということはよくわかります。東京はもう都市機能としては限界に達しているということを実感するわけでありますが、しかし一方で、今政府では都市再生本部を設けまして、東京を中心としました都市の魅力と国際競争力を高めるために再開発事業の促進、交通基盤の整備等を進めようという取り組みをしております。これは必要なことであると思います。
 こうした都市再生が進みますと、東京一極集中の是正や災害対応力の強化といったこの首都機能移転の意義と必要性が失われる、そういう指摘も一部にはありますが、この点、どうお考えでしょうか。
 梶原参考人には、環境問題についてお尋ねをいたします。
 首都機能移転を考える上で国民の心配の一つは、大規模な開発による自然環境の悪化がないかということであろうかと思います。先ほどのお話ですが、ゴルフ場にすべてを移転するだけでこの首都機能移転が実現するとはなかなか考えにくいわけでありまして、そういう意味で、首都機能移転に伴う環境問題への配慮についてどうしたお考えなのか、この点をお伺いしたいと思います。
#14
○参考人(須田寛君) 前段の御質問にお答え申し上げたいと思いますけれども、確かに東京で都市再生本部というのがつくられていろんな議論が行われているというふうに聞いておりますけれども、それは別に私は否定をする必要はないと思っております。
 なぜかと申しますと、これは対症療法でございまして、現在東京の状態というのがもうとにかく行き詰まっておるわけでありまして、何とか対策を講じなければこれは展開できない状態になっているわけですね。ただ、現在の機能をそのまま維持するためにも、何らかの都市再生的な議論というのは必要になってくるわけでございますから、これはそれで必要だろうと私思いますし、否定をするつもりはありません。
 ただ、問題は、今後首都機能移転等を行わずにこのまま推移をしたらば、その対症療法が今後膨大なものになってくる、そういうおそれがあると思うんですね。どこかでそれを断ち切って、東京はこういうふうな町にまとまっていかなきゃいけない、そういうふうな議論が必要だと思います。
 それから、東京に投じるお金を地方に投ずればもっともっと大きい効果があるという議論もあろうかと思います。したがって、そういった都市再生本部は現状の打開のために私はある程度の議論が必要だと思いますけれども、もっと大きく、国の再生本部でもつくって、都市機能移転を含めながらこれからの東京をどう考えるのか、地方の新しい候補地をどう考えるのか、そういう議論をしていただく必要があると、私はそんなふうに考えております。
#15
○参考人(梶原拓君) 環境問題についてお答えしたいと思うんですが、基本的に新しい首都機能を持つ都市は、世界に向かって二十一世紀の都市はかくあるべきだという姿を提示すべきだと思うんですね。そして、世界の町づくりのリーダーシップをとるという使命があると私は思います。
 そういう中で、例えば地球環境問題に対してこれほどよく考えた町はないという町にしなきゃいけない。自然環境を守る、ごみは全部リサイクルして、そしてこの地域内で自己完結してしまうと。例えばそのような都市をつくらなきゃ何のための新都市づくりかと、こういうことになるわけでございまして、私たちはこの自然環境を守るということを最優先にしまして、既に、たしか二、三年前からですが、地元の市町村長さんと共同して、ここだけは絶対守らなきゃいけないという自然保全区域というものを設定する作業を進めておりまして、既にその絵もできております。
 もちろん建物をつくるところ、できればゴルフ場として既に開発されておいてあるところを使いたいと思いますが、そういう政治、行政の施設だけじゃなくて、町づくりが行われますので、その際に無秩序に自然環境が乱されちゃいけないと、こういう配慮で自然環境保全区域というものを設定しておりますし、設定というか、もう既に調査は終わっておりますが、そういうものを並行して進めていきたいというふうに思っております。
#16
○大野つや子君 大野つや子でございます。知事さんにお尋ねしたいと思います。
 首都機能移転の意義、必要性という観点から、東京と比較したときに大事なことは、首都機能移転により、開催されるであろう十四、五年後でございますね、日本はどうなっているかということ、それも踏まえながらこれは立法府として考えていかなければならないことだと思っているわけでございます。
 今、世界のさまざまな動きの中で、アジア地域の位置づけが大変であるということも、先ほどのお話にもございましたけれども、大変重要になってきていると私も思っております。特に、中国、韓国、日本を中心とした北東アジアは重要でありますし、また、北東アジア諸国の貿易は米国、EUとも注目いたしているところでございます。
 岐阜・愛知地域は、東京を含めたこれまでの太平洋側を中心とする人、物、情報の流れから、日本海側とも連絡が密にとれる環日本海交流、先ほど知事さんのお話にございました、私は、その可能な地域であるということを考えてみますと、富山、石川、福井と日本海を挟んだ中国、韓国とのつながりというようなものもこれから大変大切なものになってくるんではないかと。
 首都機能移転の必要性からいろいろお伺いしたいと思いますが、十四、五年以降の日本を考えたときに、環境問題という視点は、先ごろのCOP7の日本が果たした役割を見てもわかるように、大変な重要な視点に今なっているものでございます。EUと米国の調整、先進国とその他の国との調整など、日本の環境に対する姿勢というのは大変問われておるわけでございますけれども、岐阜・愛知地域は、国会等移転審議会の答申の中で、実は環境との共生という、特に自然環境との共生の可能性という項目で大変低いということが私は実はショックだったんですね。
 これは平成十一年の十二月だと思います。その中の、これは知事さんもきっとごらんになっていらっしゃると思うんでございますが、環境との共生の中で自然環境との共生の可能性という項目がございまして、岐阜・愛知は栃木・福島に比べますと大変に低いということを見ましたときに、これは大変なことだと。
 実は私は岐阜県でございますから、大変自然豊かなところでもございますし、先ほどのお話のように、候補地、これはゴルフ場を開発した跡地といいますか開発したところを使うことによって、自然の森林の伐採というようなものは極力避けられるんだというようなお話もあったわけでございます。
 それだけに、土地の円滑な取得の可能性、また高い評価でありますこのCOP7の問題を考えましても、CO2の吸収の問題というものを真剣に考えていかなきゃならないというような観点から、環境と共生する点で今回のこの問題を取り上げていただき、知事さんのお考えを聞かせていただきたいと思っています。
#17
○参考人(梶原拓君) 我々は、岐阜県の自然環境に対する配慮は各候補地の中で一番努力をしている、配慮していると思っております。
 先ほど来申し上げましたように、施設を配置するところをゴルフ場のように開発されたところを使わしてもらうとか、その他の地域でもあらかじめ自然環境保全区域というものを先取りしてしまうということをいたしておりまして、決して他の地域に比べて自然環境に対する配慮が足りないということは断じてあり得ないと思っておりますし、岐阜県全体も、他県に例を見ないような大気環境木、ケヤキとか大気を浄化する樹木も何万本と毎年植えております。
 CO2問題もお話しになりましたけれども、現在、京都議定書の関連で評価いたしますと、年間岐阜県の場合二百億円ぐらいの価値のある状況ですが、さらにそれをふやしていこうということを今進めておるということで、首都機能移転候補地の狭い地域だけではなくて県全体ですね、他県よりはるかに進んで自然環境を守る施策を進めております。その点を十分御理解いただきたいと思います。
#18
○大野つや子君 ありがとうございました。
#19
○長谷川清君 冒頭、国井さんがいろいろ悩ましい話をしましたけれども、国会として悩ましいのは、審議会にかけましたところ、一カ所に絞って出してくれれば、これは現在の東京と比較をするんですから、ジレンマはあるがポイントははっきりするんです。三カ所も出てきましたから、これはトリレンマですからね。しかも、皆さんそれぞれが聞けば説明能力があってなるほどなるほどというものばかりで、このトリレンマをどう整理するのか。いろいろその前には、我々はもともと国という単位において都市というものはどうあるべきかという、いろいろ出ております森の問題、水の問題、交通の問題、あらゆる機能。
 先ほどもございましたような分散という、確かに集中には集中の欠陥があります。分散した場合、例えば国会だけが行くわけですから皇居は残っちゃいます。そうすると、そういう残ったところの天皇の国事は、年間で百とは言わぬけれども、年間の回数は大変なものでございます。そういうようなもののたびに、これは外国から来た客の接待、応対も、天皇が行くのか、お客の方がこっちに来るのか。その三点の中でどこを選んでもそういう問題はありますね。机上の話ではいろんな集中だとか分散だとか言えますけれども、現実の問題がなかなか悩ましい。
 もう一つの悩ましい要素は、これは与党、野党とかというんではなくて同じ党の中でも、今もいろいろこの中には三重出身の方もいれば、岐阜出身もいれば、東京の出身もいれば、福島もいればと、各選挙区を抱えて。だから、同じ党内ではむしろ、先ほど知事が言われたように、小泉総理がやはりぱあっと施政演説で首都移転は必ずやるよとかなんとか言えない格好になっている。そういう国会の悩み。これはいろいろ理屈はありますけれども、そういったような、これは本当に率直に申し上げてそういう現下の状況。
 審議会を私はなじっているんじゃありません。一つに絞れないほど、審議会ですら専門的にいろいろやった結果がどうしても並立にならざるを得なかった、そもそも検討の前の、国会に上がってきた段階で厄介になっているという、こういう状況も一方にありますので、そこら辺のところはどうお考えに、感じとしてですよ、なかなか世論の盛り上がりもない、そういうことと国会のこういう状況。
 これは党内で全部まとめてこいといったって、なかなかにしてこれはという題材でありますから、いろんな意味においてその辺が、御当人のいろいろ地域にかかわっている皆さんから見ると、何だ熱がないとか集まりが悪いとか、いろんな現象になってあらわれていると、こう思いますが、その辺の御印象を、わかっていただけるかどうか。
#20
○参考人(梶原拓君) まずもって、これは我々が提起した問題じゃなくて、先ほど申し上げましたように、国会御自身がみずから決議されて世間に提案された問題でございまして、悩ましい問題は先生おっしゃったように十分理解できますが、みずから決議をされた国会の責任において悩みを解決していただきたいというふうに思います。
 四百年サイクルの歴史のお話もさせていただきましたが、恐らく平安遷都もいろいろ論議はあったでしょう。ましてや、鎌倉に政治の中心を移すときは戦争という武力行使というような強権発動もあった。そして、江戸幕府の開設も、御承知のように、関ケ原合戦という日本最大の内戦を経て到達した一つの政治の中心の移転であったと思うんですね。
 そして、近くは明治維新。皇居の移転にいたしましても大きな力の衝突の結果ああいう結果がもたらされたということで、首都機能移転というのは決して瑣末な事案ではなくて、国家的な歴史的な一大変革ですから、大きな抵抗だとか摩擦だとか論議というものは当然あってしかるべきだというふうに思います。ましてや、もう武力行使ということができない時代ですから、平和的にやっぱり論議を尽くしていくほかないと思うんですね。
 どんどんどんどん今、先ほど須田さんおっしゃったように、国民的な世論を盛り上げるように国会の方も御努力いただきたいと思うんですよ。いつも、君たち頑張っているけれども世論は冷たいよなんということを国会の先生から言われるんですね。全くこれはどうなっているのかと思うんですよ。だから、今、先生のお話は十分理解できますので、国会自身がみずから提起された問題なので、それを国民的な世論を盛り上げるように御努力いただきたいと思うんです。何か、世論は全然低調だぞ、君らは頑張っているけれどもというようなことを国会議員御自身がおっしゃることは、これは本当に矛盾していると思うんです。
 そういうことで、国会が世論を盛り上げていくというみずからの御努力をぜひこの機会にお願いを申し上げたいと思います。
#21
○参考人(須田寛君) 一言だけ補足して申し上げたいと思うのでございますが、今、先生がおっしゃられたことの中で距離の問題がございました、時間距離的な問題。
 これは、やはりこれからの技術開発ということを考えましたり現状を考えました場合には、私はこれはかなりこれまでと考え方を変えていただいていいんじゃないか。例えば、東京の都心から八王子に行くのと今名古屋へ参るのと時間距離は一緒でございます。これはまだ仮定ではございますけれども、将来仮にリニアモーターでもできればこの中央地域は三十分台で行けるわけでございます。通信施設も非常に発達しておりますし、IT技術もございます。
 したがって、そういう問題は、首都機能移転はここだと決まりましたらばそれが触発をして、むしろ技術がさらに進んで時間距離はさらに短くなって、時間的にはほとんどもう東京周辺と余り変わらないような、そんなことも可能性としては十分にございますので、そういったこともひとつ御参考にして御議論いただければと思っております。
#22
○近藤剛君 このたび、当委員会に新しく参加をさせていただいております近藤剛でございます。
 いろいろと今勉強をさせていただいている最中でございますが、その意味で、きょう梶原知事そして須田副会長様から、大変歴史的な視点も踏まえて、そして広い視野から総合的なお話をちょうだいいたしまして、大変参考になりました。ありがとうございます。
 私、この委員会に入らせていただきましていろいろ勉強をさせていただいている最中でございますが、まず感じたことは大変当委員会は歴史のある委員会だということでございまして、その設立の基本になる国会決議、平成二年の十一月七日でございます。もう十一年たっているわけでございまして、そういう意味ではもうそろそろということなんだろうと思います。
 きょう、梶原知事さん、それから須田副会長様から同様にお話がございました。この問題は単なる公共事業的な発想ではない、これは行財政改革の一環だと。特に、須田副会長さん、それから梶原知事さんから提出いただきましたこの資料、二ページの上から四行目に、「首都機能移転は、地方分権、規制緩和とセットで推進されなければならない。」、まさに私もそのとおりだと思うわけでございます。本当にこの問題は構造改革の一環として、我々として十分に検討していかなければいけない、そのように思うわけでございます。
 御承知のとおり、構造改革には二つの柱があるわけでございまして、一つが官から民へ、それからもう一つが中央から地方へなんです。そういう意味では、恐らくは来年の通常国会は構造改革国会になるんじゃないかと私は期待しているんですが、そういう意味で、構造改革の一環としていよいよ我が特別委員会の正念場が来たのかなと、そういう感じで考えております。
 そしてまた、行財政改革あるいは構造改革の一環として考えるときに、あるいは物理的な首都機能、国会だとか行政府だとか建物を移転する、それと同時並行的あるいはそれに先行をして検討しなければいけないのは、その移転をする中央機能の中身の話だ、そのように思うわけなんです。
 国会決議の中にははっきりと、一極集中を排除するんだ、これが目的だと、そのように書いてあるわけでございまして、単に物理的な建物を移動させるだけでは一極集中の排除にはならないわけであります。その中身、要するに権限ですね、権限をやはり日本のあらゆる地域にひとしく恩恵を与える形で、昨日のお話じゃございませんが、いわゆるエンパワーメントということで、要するに、地方分権というよりは私自身は地方主権という言葉が正しいと思っておりますが、まさにそのような権限の内容を検討していかなければいけない時代に入ったんだ、そのように思うわけです。
 しかし、そこでまず考えなければいけないのは、今地方の行政単位なんですね、県の単位あるいは市町村の単位。今のあり方でいいのかどうか、これが将来的に道州制の議論につながっていくのかどうか、私自身は、それはつなげていかなければいけない、そのように思うわけでございます。
 これは、地域経済の活性化の議論をしたり、あるいは最近は観光産業、地域でいろいろ振興しようという議論がもう日本各地で盛んに行われている。それから、道路、港湾、飛行場、そのようなインフラの議論をするときにも、今の行政単位はどうもふさわしくないんではないか。もう少し新しい視点の行政単位の見直しを考えて、そしてそれを前提とした地方に対する権限の移譲という中身の議論をしっかり詰めて、それと同時に、あるいはそれを先行させた形で建物の移転の話をしていく必要があるのではないか。
 まさに、梶原知事さんがおっしゃったように、これはセットの話ではないかなと、そのように思うわけでございますが、この点につきまして、梶原知事さん、そして須田副会長様の御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
 よろしくお願いいたします。
#23
○参考人(梶原拓君) 明治維新のときは、御承知のとおり皇居を京都から東京に移転して、そして天皇を国権の最高の地位としたということがなされて、同時に、権力をそこに集中させた、中央集権にした、それから各種の規制というものを各種法律によって強化していった、こういう言うなれば三つが一つのセットになって行われたんですね。
 今回の我々が申し上げている平成維新は、国権の最高機関である国会を移転すると同時に、明治維新の対極にある規制緩和と地方分権を同時にやるべきだ、明治維新のちょうど裏返しをやるべきじゃないかと、こんなふうに私は理解をしておりまして、三者はお説のとおり一体的なものである。これによって本当に日本の再生が図れると私は思っております。
 それで、当然のことながら、政治の中心を移転する場合に小さな政府として移転しなきゃいけない。引っ越しするのにごみまでトラックに積み込んで運んでもらうということは困る。割れなべ、閉じぶたは捨てて、そしてよりすぐって引っ越し荷物もトラックに載せるべきだと、こんなふうに思います。おっしゃるとおり、国会とか政府機能をスリムにして首都機能移転をすべきだと。
 同時に、そういうことですから、ただいま道路のお話も出ました。今、高速道路計画を凍結するとか事業まで凍結する話がございました。そういうことを国で一律に全国一本で論じてもらいたくないんです。高速道路が必要であるかどうかというのは、関係の深い地域住民が決めるということが最も民主主義の本旨に沿うと思います。したがって、我々東海地域であれば、あるいは中部圏地域であれば、そこにどういう高速道路が必要であるかということを我々で決めさせてもらいたいということをかつての建設省、国土交通省に私は主張しておるんです。
 一番利害関係の大きいところで道路計画なんかは決めさせてもらいたい。霞が関とか永田町で一方的に決めてもらっちゃ困るんです。そういうことも同時にやってもらいたいと思うんです。
#24
○参考人(須田寛君) 今、知事がお話ございましたが、私もちょっと補足的に申し上げますと、今住民の行動半径というのは非常に広がっているんですね、交通機関が発達しておりますので。したがって、住民の行動半径が広がったのに市町村の細分化された状況は昔のままですから、そこに行動半径と行政区画とのミスマッチが起こっているんです。それにいろいろ不幸なことがあると思います。
 先生お話がございましたけれども、私も観光関係のお仕事を手伝っておりますが、観光というのは市町村単位でやっております。したがって、観光客はもっと広域的に動きますからそれと非常に合わない。したがって、どうしても広域観光が必要になるということで、今広域観光を叫んでいるわけでございますけれども、そういうことがあろうかと思います。
 したがいまして、やはりこれは合併とか道州制とかということが出てくるわけでございますし、経済団体としてはぜひ道州制を促進していただきたい、また市町村合併を促進していただきたいと申し上げておりますので、ぜひそれをお願いしたいわけでございますが、そうは申し上げても、あしたからすぐに合併はできないわけでございますから、その段階をどうするか。いろんな方法があると思うのであります。
 例えば、事務組合みたいなものをつくって連携するとか、それからいろんな施設同士が連携し合うとか、そういうふうな横の連携ということは決して合併をしなければできないものではありません。そういうふうなことを徐々につくっていきながら、既成事実を確認しながら新しい広域的な自治体をつくるような方向に皆が努力していただく、そういうことをぜひ経済界としても要望したいと思っております。
 これも、首都機能移転をここに決めるんだと国会でお決めいただきますと、首都機能移転の候補地というのはどの場所もみんな複数の自治体にまたがっておりますから、当然、それを受け入れるときにそこに広域自治体ができなきゃいけないわけですね。そういったような促進剤にもなりますので、その意味合いでも、ぜひひとつこれはそのような地方改革の一環としてもお取り進めいただきたい、こんなふうに考えております。
#25
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 きょうは岐阜の方からわざわざお越しくださいまして、いろいろ今お話を伺いながら、相当力を入れて、そして遠大なプランを持っておられるということを改めて勉強させていただきました。ありがとうございます。
 最後の方では国会決議によってやっているのだから損害補償を要求するとまで言われまして、私も驚いて、びっくりしているわけなんですけれども、でも考えてみますと、岐阜県は移転誘致に過去三億七千万円という全国一の宣伝費を使っておられるということを聞いておりまして、さらに予算も六千五百万円計上をしておられるということですので、知事としても相当苦悩もしながらこのプランに挑戦しておられるのかなというふうに思いました。
 私はきのうからぐっと現実的に質問をしているんです。それは、今日、知事も御存じのように、日本は国と地方自治体の借金というのが六百六十六兆円という莫大なお金があります。そこに関連して、私は特にきょう、説明の中に首都移転の再検証についての分析もされておりますので、そういう点と関連させて知事に質問をしたいというふうに思います。
 借金を持っている国と自治体なんですけれども、平成九年の七月の国会移転の審議会によりますと、首都機能の移転にかかわる費用というのは十二兆三千億円とされておりました。これだけの負担でも私どもは大変な予算だというふうに思っておりますけれども、十月二十六日に東京都が発表したのが先ほど知事も報告されました独自の試算であります。この試算によりますと二十兆一千億円にもなり、そのうち地元地方自治体の負担額というのは五兆七千億円にもなるということです。移転費用は一・七倍に膨れ上がるわけなんです。
 さらに大きな問題として東京都が試算しているのは岐阜・愛知での広域交通網の整備費用で、中央リニア新幹線、これはきのうの三重・畿央地域とダブるんですけれども、これが約十兆円、さらに濃尾横断自動車道、これが二千六百四十億円、岐阜南部横断ハイウエーが一千三百二十億円などとなっております。東京都の試算から見ますと、首都移転はもう本当に途方もないお金がかかるもので、国も自治体も耐えられないものになるのではないかということを私は思っております。
 岐阜県知事は、平成九年、県議会の答弁で、首都機能移転に必要な国のお金は毎年二、三千億円という試算と述べておられます。しかし、東京都の試算では一・七倍の三千から五千億円もの予算が毎年必要になっているということになります。
 私は日本共産党の地方議員からお聞きしたんですけれども、岐阜の一般予算というのは今八千七百億円の赤字を抱え、借金を抱えておられ、借金全体では一兆円だということを聞いておりまして、これはきのう質問をいたしました三重県とほぼ同額になっているんですね。このような状況のもとでさらに首都移転に伴う財政負担ができるのかということを大変思っているわけなんです。
 東京の試算では移転費用二十兆一千億円のうち地方自治体負担額は約五兆七千億円。地方自治体の負担はこれまで試算された金額の約三倍にも膨れ上がります。こんな負担をしたならば、地方自治体、国も財政破綻するのではないかというふうに思います。このようにしてまで移転するメリットがどこにあるのかということをお聞きしたいわけなんです。
 なお、岐阜県議会で首都機能移転の決議が行われましたときに、地元の日本共産党の議員は賛成をしております。しかしながら、この時期においてはまだ問題点が明確になっておりませんでしたので、研究、検討不足がありましたのでそういうことになっておりますが、現在は日本共産党は地方、中央とも首都移転には反対をしているということもあわせてこの機会に述べさせていただきたいというふうに思います。
 何しろ、知事の国家百年の計ということからは、うんと現実的に私は申し上げました。これはもう国民のレベルのところで私は言っておりますので、そこへぐっと現実に引き寄せて御答弁をいただけたらうれしいというふうに思います。よろしくお願いします。
#26
○参考人(梶原拓君) まず第一に、東京都の試算、これは我々が見ましてもいろいろ問題点があるということでございます。でございますが、これは東京都と岐阜県が論議をすべきことではない、これは国会御自身で責任を持って客観的な数字を検証されるべきだと、こんなふうに思います。
 そして、移転費用のことですが、先ほど須田さんがおっしゃったように、三千億というような数字が出ております。我々の岐阜・愛知地域に移転をする場合には年間二千億ないし三千億円ぐらいの行政投資で足りるという計算になっておりまして、これは国の全体の行政投資の一%ないし一・五%程度でございまして、十分現行の行政投資の枠内で重点化すれば消化できる額でございまして、今の行政投資の枠をふやさなきゃいけないというようなレベルの数字ではないということでございまして、その点をひとつ御理解いただきたい。
 今、リニア中央新幹線とか南部横断自動車道とか、いろいろお話が出ましたけれども、これは首都機能移転があるかないか関係なく、もう既定計画として決まっておることなんです。そして、やらなきゃいけないことであって、その分まで首都機能移転にわざわざ取り入れて勘定していくというのはいかがなものかというふうに思います。
 それからもう一つ、県は起債の償還というものを抱えております。これは不景気だとか、あるいは政府の景気対策、そういうものの一翼を担ったということで借金を抱えておりますが、これは内容的には企業会計から見れば資産勘定なんですね。企業から見ますと将来収益を生む、そういうインフラ投資なんです。赤字国債に相当するような赤字県債を発行しておりません。そのことも御理解いただきたいというふうに思います。
 ちなみに、岐阜県は、アメリカのスタンダード・プアーズとか、そういうところの基準によって国内の証券会社等が評価していただく、そういうことが毎年ございますが、常に財政の健全度はベストスリーに入っております。それだけ健全財政の維持に努力をしているわけでございまして、仮に首都機能移転が岐阜・愛知地域に決まったと、そういうときでも健全財政を維持する枠内で着実に堅実に町づくり等を進めていく、それだけの自信は十二分にございます。
#27
○保坂三蔵君 自民党の保坂でございます。
 二つお尋ねします。梶原知事にお尋ねします。
 一つは、誘致運動の過熱ということについて私の考えと、それから知事の考えを聞きたいと思います。
 先ほど井上委員からもお話がありましたとおり、仮に国がこのまま最終的に一点に絞って首都機能移転をやらない場合は訴えるというお話がありましたけれども、しかしもう三候補地にノミネートされたことは事実でございまして、これは完全に約束の履行をしていないということではございませんし、ましてや国が誘致運動をしてくれと言った覚えもない。むしろ自粛をしてくれと再三言っていたわけですから、そういう言葉は私は知事の言葉としては適切ではない、名古屋や大阪がオリンピックに敗れたからといってIOCを訴えるようなものだと私は思っております。
 これが誘致運動の行き過ぎなんですが、顧みて四年前の、知事、よく御記憶にあろうと思いますが、道路整備促進全国総決起大会におきまして知事がおっしゃった言葉の中に、私もあそこの席にいたんですけれども、道路財源、当時、公共事業費が七%カットされるということで大変な大騒ぎをしていました。それで、大騒ぎをして、地方はゼロ%でいいよ、東京を初めとする大都市は二二%カット、こういう方向も出てきまして混乱していたことは事実ですけれども、そのときに、同じ思いでいた中にいきなり、東京みたいな普及したところはもう道路財源要らないと言う国会議員がいるけれども、そんなのは飲み食いに回せばいいんで、地方の思いと全く違うという発言がありました。
 それから、東京という狭いところで物を考えているとわからなくなる、言ってみればタコつぼに住んでいるようなものだと具体的に言いまして、そういうことがあったものですから、東京都議会で、実は民主党の都議会議員が、そうおっしゃる知事は建設省のお役人なのに、そういうことをおっしゃるならば、東京がタコつぼならば岐阜県知事は長良川のウ飼いじゃないかと、一千億の金を飲ましておいて、岐阜に吐き出さぬではないかというような質問をしたぐらいでございまして、やっぱり先ほど東京と岐阜のけんかじゃないと言いましたけれども、余り誘致運動で相手をたたいて自分を光らせるというやり方はプロパガンダとして私は好まない。これは、しかし知事のライフスタイルなら仕方ないんでございますが、当時、森元副知事がわざわざお出かけになって都民をくさしたわけじゃないとおっしゃいましたけれども、一体だれをくさしたんでしょうかね。
 それで、梶原知事は、今までの長い御経歴など、私はIT立県だとか大変尊敬している部分多くあるのですけれども、言葉の中では長野の田中さんの次ぐらいにちょっと私は引っかかるといつも思っております。それで、その言葉の中に、特に、知事は恐らく三十年を超える建設省時代をお勤めで、例えば岐阜県の企画部長さんや副知事の時代も出向でございましょうから、今、知事になられてから十三年ぐらいですか、ですからそういう点ではほとんど中央省庁で頑張られた。そうすると、東京のタコつぼには御自身も入ることなのか、そういうこともぜひこの際聞きたいなと思ったんです。
 それで、プロパガンダの中で具体的に申し上げますが、きょういただきました資料の四ページに未処理水の海への放出、これが東京の下水道方式は合流式だと言われましたけれども、実は合流式は承知でやっております。二十三区は既に一〇〇%、三多摩、九二%行きまして、一千二百万の都市が平成二十年代には見事に一〇〇%になります。二十三区はもう一〇〇%になっている。
 合流式でいこうと言ったのは、まずは例えば二十五ミリ体制だとか五十ミリ体制というような通常の雨水の想定をいたしまして、今のようなゲリラ水害が起きるようなことは考えておりませんで、通常、大雨が降らない限りはすべて今の合流式で処理できるんです。大雨が降ったときに喫水線を超えた部分が東京湾へ流れるような仕組みですけれども、しかし、質より量というやり方を建設省の指導でやってきた。東京は一〇〇%。失礼ながら岐阜県は五〇%行ってませんよね、四八%ぐらい。しかし、分流式であることは事実で、これはもう私はいい方法だと思いますけれども、やっぱりこれはそれぞれの自治体が選択肢があるということで、この部分は私は東京の選択肢、しかも建設省の協力のもとでやっていたということでは余りPRをしていただきたくない。
 それから、東京都が自治体として自立することが必要だとか、もう一つは、テロ対策というのが初めて出てまいりましたけれども、ワシントンDCと二十三区、知事も行かれて御存じだと思う。二十三区は六百平方キロメーターありますが、ワシントンDCは三分の一以下のたしか百七、八十平方キロメーターぐらいしかないんですよ。ホワイトハウスと連邦議会の間とそれからペンタゴンの間は歩いて行けますから、ペンタゴンはちょっと遠いかもしれませんが、それでも極めて至近なところにあって、テロで襲われれば見事にやられるという点では、この間の九月十一日のときも、朝起きた事故でブッシュ大統領は夕方まで行方不明でした。それは、ホワイトハウスへ帰れなかった。確かに狭いところはテロには危ない。だけれども、東京よりもワシントンDCの方が狭いということはここに明記していただかないと、ちょっと誤りが出てくるんではないか。これがプロパガンダの点についての一つの私の見解で、真実は真実、しかし相手をたたいてみずから光らせるというやり方は私は好まないということ。
 それから、もう一つ最後に、きょうのレジュメの中に、お話の中に今度の首都機能移転の意義の中で最大のものに、危機管理で地震という問題が出てくるんですね。これがどうして岐阜県は地震を主張されなくなってしまったんだろうかと。地震で安全だと。
 この促進協議会の中には、ここに書いてあるんですが、岐阜や愛知の地域は大部分地震災害に強い地盤で覆われていますと、こうなっておりますけれども、この間の、国の地震調査委員会が結果を出しまして、もう少し絞り込んで十一月ぐらいに発表するというデータの中に東南海地震、これが指摘されているんです。
 この東南海というのは、御存じでしょうが、静岡県の浜名湖沖から和歌山県の潮岬の沖に至る東西百五十キロをいいます、東南海。ですから、東海と東南海と南海と、こういうふうに東から西に流れていくわけですけれども、ここにマグニチュードで最大八・五、ということは関東大地震がマグニチュード七・九ですから関東大震災をはるかにしのぐ大地震が起きる危険率は、十年以内は一〇%未満、三十年以内は五〇%未満、五十年以内は八〇から九〇%以内と、こういう恐ろしい調査結果が出ているんですね。
 このことが、まあ名古屋の先生もおいでの中で、決して恐怖のことを言っているんじゃないんですけれども、地震で日本一安全と言えるかということをお尋ねしたいわけです。日本一安全と言えるかと。ということは、仮に、この中でも出ているんですが、東海沖地震というのは非常に頻度が高く起きる可能性があると言われていますけれども、これが起きますとさらにパーセンテージの確率は前倒しになってくるということも言われているんですね。
 そういうことからいいますと、この委員会にかつて地震を担当している学者の方が見えまして、実は内々話せば日本じゅうで地震で安全なところはない、こういうことを委員会で発言されているんですよ。ですから、どちらかというと中央分離帯の太平洋岸に面する今度の計画はこの東南海地震の被害を受けやすいということを私は考えますけれども、そういうデータをお持ちでございましょうか。なければ後ほどまたでも結構でございます。
#28
○参考人(梶原拓君) まず、誘致運動、過熱じゃないかというお話でございますが、我々この誘致運動というものをやってきた覚えはございません。国会の方で審議会もおつくりになり、調査をなさる、そういう中でこの日本の中でこういう適地がありますよということをやっておりますが、誘致運動というようなことはやっておりません。特に東京都の関係において、何も我々自治体同士が対決して、こっちがいい、あっちがいいなんてことをやるべきじゃないと思っております。これは、誤解がありましたら私の不徳のいたすところで御寛容をお願いしたいと思うんです。
 常に私が申し上げておりますのは、国家百年の大計で、いずれに決定しても結構ですと、有馬審議会会長さんにも当時お答え申し上げました。今でも、県議会でもそういうことを表明しております。あくまでも私たちは、先ほど来申し上げましたように、歴史的にもいろんな観点から日本を大きく変えなきゃいけないと、そういう考えから愛知、岐阜両者で共同していろいろ調査もしPRもしていると、こういうことでございますので、御理解をお願いしたいと思います。
 それから、国家補償を請求するという話は、どこかに決めたということであれば、今申し上げましたようにそれはそれで結構なんです。別に岐阜・愛知地域で決めなきゃ国家補償するという意味ではございませんで、これはもし誤解がございましたら私の舌足らずで御勘弁願いたいと思うんですが、うやむやにするという話が本当かうそか知りませんが出てきているんで、これはおかしいんじゃないかと。やはり結論は出すべきじゃないかというのが私の考えでございまして、その点もよろしく御理解をお願いしたいと思うんです。
 それから、東京タコつぼ族という言葉をつくりまして、おしかりを受けました。これは、実はその直前に某国会議員、これは自民党の方じゃないんですが、公共事業は要らないと、こういう御発言があったんです。それで、その席上でその方の具体的な名前を出そうと思ったんですが、ぐっとこらえまして発言したものですから、ああいうことになったんです。東京都民の方とか自民党の先生方云々ということではないんですよ。
 マスコミも、一部論説委員なんかのを読んでいますと、本当にどこも地方の実態を知らないのに知ったかぶりでいろいろ書いたり報道されたりする。これは、我々本当に地方の人間は困っておるんです。そういう方々を総称して東京タコつぼ族と申し上げたんで、その点おしかりを受けまして申しわけないと思っていますが、全国の市町村長さんから大変激励の手紙までたくさんもらいまして、もっとやれとか言われましたけれども、これ以上たたかれますから言いませんけれども、その点ひとつ御容赦願いたいと思います。
 それから、建設省の役人だったんじゃないかと、こういうお話ですが、確かにそうだったんです。そして、私は東京におるときは、今でも申し上げておりますが、東京タコつぼ族だったんです。それを地方のふるさとに戻って、ふるさとから東京を見たときに、自分自身も間違っておったなと、こういう反省の上の意味もあるわけでございまして、そこもひとつ御理解をいただきたいと思います。
 それから、下水道の問題は、私は東京都がやってこられたことが間違っていると、こういうことを申し上げているんじゃなくて、人口の巨大化というものを防止するということが大事なことじゃないかと。要するに、費用対効果を考えましても人口規模そのものをやっぱり論じなきゃいけないんじゃないかと、そういう趣旨で申し上げておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 それから、ワシントンDCのお話が出ましたが、アメリカの場合は産業経済の中心と政治行政の中心が分離されておるということを申し上げておるわけなんです。アメリカの場合、ワシントンDCのようなものが仮にニューヨークの真ん中にあったとすれば、さらにテロの被害は大きかったと思うんです。せめて産業経済の中心と政治行政の中心は分離すべきじゃないかと、こういうことで申し上げておりますので、その点も御理解をいただきたいと、こんなふうに思います。
 それから、地震の問題でございますが、この「「岐阜・愛知地域」の概況」というパンフレットの十ページに「災害対応力」という項がございまして、岐阜・愛知地域、強い岩盤で覆われておると、これは専門家が調査してそのとおりでございますが、内陸直下型地震の発生記録はほとんどないと、こういう地域でございまして、この地震の問題もこういうところで取り上げております。そういうことで御理解をいただきたいというふうに思います。
 以上でよろしゅうございますか。
#29
○保坂三蔵君 はい。どうもありがとうございました。
#30
○有馬朗人君 有馬でございますが、国会等移転審議会でなぜ三つ出したかということを、私はその方針をとった人間でありますので、この際申し上げておきますと、やはりいろんな条件で客観的な条件を出さざるを得ないと。ですから、客観的な条件を出しておいて、どこの県の人間がどこをひいきするかということじゃなくて、客観的な条件を出した上で同じようなところが幾つあるかということで絞っていきまして、やはり三カ所ぐらいで国会にお返しするのがよかろうという、そういう態度をとった人間でございますので、今しまったと思ってお聞きしておりました。一カ所に絞ってお返しすれば、ここでその弾にぶつからなくて済んだだろうと思いました。
 ただ、何を言いたかったかというと、結局こういう議論というのはどうしてもいろんな人の主観で判断するところが出てまいりますので、やはりきちっとした客観的な条件を幾つか出していかなきゃならないと思う。
 そこで、梶原知事さん並びに須田さんにお聞きしたいのは、御自分のところのことについてお話をいただいたことはよくわかりましたけれども、こういう首都機能を移転するとすればいかなる条件を満足すべきかという、そういう理想的な条件とは何か。そして、それは国会等移転審議会でもさんざん議論したところでありますが、さらにつけ加えるべきこと、強調すべきところがあれば、手短にそこをお答えいただければ幸いです。
 その際に、地震の問題、先ほど須田委員よりお出しいただいた疑問でありますが、私は、一応は梶原知事がお答えになっていますが、やはりかつて関東大震災の前に濃尾大地震があった、こういうことがありますので、いろいろこれからも調査していかなきゃならない。それからもう一つは、断層があの辺にありますので、その辺についても調査しなきゃいけないと思っていますが、その辺についてどうお考えであるか。二点についてお伺いしたいと思います。
 まず第一点は、何を選択の条件とすべきであるか。いろんな条件があると思います。特に重要なことをどうお考えになっているか。それから、地震について、断層の問題ということは全く問題がないものかどうか。濃尾大地震というふうなことの例があるものですから、その点について、先ほどのデータはよくわかりましたが、今どうお考えになっておられるか。その辺についてお聞きしたいと思います。
#31
○参考人(梶原拓君) どこに候補地を決めるかということは総合的な観点から決めていくべきことじゃないかと思いまして、どれが最優先項目かということは私自身わかりません。特に、過去の例でもそうですが、政治的判断というものが非常に決め手になってきたと思うわけでございまして、どこがいいか、経済的にはこっちは不利だけれどもこっちがいいとか、これはまさに政治が決定すべきことだというふうに私は理解しております。
 そういう意味で、今申し上げましたように、有馬審議会会長にもお答えしたように、国会が国家百年の計を考えて御決定になれば、仮にそれが岐阜・愛知地域じゃなくてもこれはやむを得ませんと、こういうことでございます。
 それから、さらに強調すべき点というのはちょっと私は思い当たりませんが、今私が申し述べさせていただいたようなことを歴史的な大きな変化なんかもお考えいただいて御判断をちょうだいしたいと思います。
 それから、地震のことにつきましては、我々直接の当事者がうちは地震の危険がないとかあるとか言っても客観性がないわけでございますので、できれば国会のお力で地震の問題等々を客観的に御調査をいただくということをぜひお願いしたいと思うんです。それぞれの候補地とかあるいはその他の関係の方がああでもないこうでもないと言うことを論拠に私は国会が決定していただくべきことではない、ぜひ客観的な調査そのものを国会御自身の手でやっていただきたい、こういうふうに思います。
#32
○参考人(須田寛君) 私も、今、梶原知事がおっしゃられたように、最終的にはこれは政策的な御決定をいただくべきことであり、国民世論がお決めになることだと思っておりますが、一言だけ申し上げますと、先ほど申し上げたことをやや抽象化して申し上げることになりますけれども、やはり現実的に移転しようということを考えなきゃいけないと考えました場合に、効率的な移転が行われなきゃいけない、これだけは絶対に言えることだというふうに思っております。
 それから、やはり移転をして分担をするということでございますから、東京との適切な距離、つかず離れずの距離というものがそこに必要ではないか、そういう範囲の中で国民的世論ないしは政治的判断で御決定いただくべきもの、こんなふうに考えております。
#33
○委員長(沓掛哲男君) 御意見も尽きないようでありますが、予定の時間が参りましたので、参考人に対する質疑はこれにて終了させていただきます。
 この際、参考人に一言御礼を申し上げます。
 参考人の方々におかれましては、大変お忙しい中、当委員会のため貴重な御意見をお述べいただき、また質疑に対しましては懇切にお答えいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。(拍手)
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#34
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから国会等の移転に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国会等の移転に関する調査を議題とし、国会等の移転に関する件について参考人から御意見を承ることといたします。
 本日午後は、栃木県知事福田昭夫君及び福島県商工会議所連合会会長坪井孚夫君の両名の御出席を願っております。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 両参考人におかれましては、御多忙のところ当委員会に御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
 本日は、忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただき、その後、八十分程度委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず福田参考人からお願いいたします。
#35
○参考人(福田昭夫君) 栃木県知事の福田でございます。
 本日は、国会等の移転に関し意見を述べる機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、国会等移転という国家的意義を有する取り組みに対しまして、栃木・福島地域がいかに貢献できる地域であるかという視点で意見を述べさせていただきます。
 国会等の移転は、平成二年の衆参両院における決議以来、議員立法による移転法の制定を経て、長年にわたって調査審議が進められてきたものでございます。しかしながら、移転決議から十年余を経過した現在、財政状況や公共事業見直し論等から、国会等移転を単なる公共事業に矮小化した議論が見受けられるなど、移転の必要性を疑問視する声が聞かれるようになってまいりました。
 国会等の移転は、その法律の前文にありますとおり、国政全般の改革の契機、東京一極集中の是正、国の災害対応力の強化など、我が国が二十一世紀にふさわしい新しい社会を築いていくために極めて大きな意義を有するものであります。
 そこで、まず国会等移転の意義につきまして四点、改めて考えを述べさせていただきます。次に、移転先地の基本的な考え方についての意見を四点、最後に、貴委員会にお願いしたい事項について三点、申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、国会等移転の意義四点のうち、一つ目の国政全般の改革の契機についてでございます。
 戦後、我が国はさまざまな苦難を乗り越えて現在の繁栄を獲得し、豊かな国民生活を享受できるようになりました。そして、国際社会におきましても重要な役割を担うようになったわけでございます。しかしながら、国民が明るい未来を見通すことができずに不安を抱えている、この閉塞状況を打破していくためには、もはや戦後我が国の発展を支えてきたシステムでは対応できなくなってきているのではないかと感じております。
 現在、政府がさまざまな分野での構造改革を進められていることも、ひとえに我が国の再生、そして持続的な発展を可能にするための新しい社会経済システムを構築しようとするものであると理解しているところでございます。私は常々、ぜひとも小さな中央政府を実現し、地方分権を進めていただきたいと考えております。こうした意味からも、国会等の移転は一つの重要な改革であると思っております。
 国会等移転に当たっては、国と地方の役割、行政と民間の役割を見直すことが不可欠になりますので、行政改革や地方分権をより一層促進することになるものと考えております。そして、国政全般の改革を速やかに推進し、国民が将来に夢を描いて生活できる社会を実現することは急務であり、また、そうすることがあまねく全国民の願いであろうと思います。
 次に、二つ目の東京一極集中の是正についてでございます。
 我が国は、東京に政治、経済、文化、学術などさまざまな機能を集中させることによって発展を遂げてまいりました。しかし、その一方で、東京では通勤混雑、交通渋滞、大気汚染など、過密によるさまざまな大都市問題が生じ、地方では若年層の流出などによる活力の低下を招くことになりました。新しい全国総合開発計画、二十一世紀の国土のグランドデザインでは、大都市においてはそのリノベーションを推進し、地方の中小都市等においては豊かな自然環境を生かして多自然居住地域を創造していくこととしております。そして、そうすることによって同計画の副題ともなっております地域の自立の促進と美しい国土を創造していくことを目指しております。このことは、まさに東京圏の過密に伴う諸問題を解決し、潤いのある豊かな都市空間を再生すること、また地方においてはゆとりある居住環境を享受できる自立的な圏域としてその発展を図ることを目指したものであると思います。
 こうした意味におきまして、東京一極集中の是正の問題は、我が国の国土政策の根幹である全国総合開発計画の理念と軌を一にするものであると考えております。
 次に、三つ目の国の災害対応力の強化についてでございます。
 私は、特にこの観点から国会等の移転は重要かつ緊急を要するものであると考えております。阪神・淡路大震災の折、被災地の復興があれほど速やかに行い得ましたのは、立法の府である国会が無事であったからにほかなりません。大変不幸な出来事ではございましたが、これを貴重な教訓として将来に生かしていくべきではないかと思います。
 現在、多くの地震学者が南関東で大規模地震や直下型地震が発生する可能性の高いことを指摘しております。官庁など近代的な建物が無事であっても、交通機関やそこで働く人々の住まいが被害を受ければ、東京の都市機能、ひいては首都機能は麻痺することになります。仮に政治、行政、経済の中枢が同時に麻痺するような事態になれば、我が国のみならず全世界にまで大きな影響を与えることは想像にかたくありません。このような事態を招かないようにするためには、政治、行政の中枢機能と経済の中枢機能を分離し、同時被災しないようにしておく必要があります。しかも、南関東での大規模地震発生の切迫性やアメリカにおける同時多発テロを考えれば、一日も早くそうすべきであると考えております。
 なお、このような話をいたしますと、東京置き去り論が議論の俎上に上ります。しかし、国会等移転の効果によって東京の過密状態が解消の方向に向かうことは、移転後の跡地が有効に活用できることとも相まって、東京が本格的な地震対策を行う上で少なからず貢献することにもなるのではないかと思っております。
 次に、四つ目の意義について申し上げます。
 国会等移転に当たり新しい都市を整備すること、そのこと自体にも大きな意義があると考えております。宮城、山形、福島、茨城、栃木の五県では北東地域首都機能移転基本構想を策定し、公表いたしました。この構想の中で、これら三つの意義に加えて第四の意義を提唱いたしました。当構想につきましては、お手元にパンフレットを用意させていただきましたので、ごらんいただければと思っております。
 国会等移転による新都市の整備を、新世紀を迎えた世界に貢献するモデル都市づくりの契機として、我が国が目指すべき進路である平和、文化、環境の面での国際貢献につなげるということであります。
 二十世紀は、経済的な効率性を重視して、大量生産、大量消費を追求し、豊かな社会を実現をいたしました。しかし、一方で地球規模での環境問題を引き起こすとともに、国内においては画一的な社会を生み出し、地域固有の文化や環境を圧迫してまいりました。新世紀は、こうした二十世紀の都市文明の限界を克服し、新たな都市文明を創造していくことが強く求められていると思うのであります。
 例えば、二十一世紀は環境の世紀と言われます。地球温暖化防止等の地球規模の環境問題に取り組むことは、全世界に課せられた重い課題であります。去る一月の貴委員会によります栃木・福島地域の実情調査の際に、私は当地域の大自然を破壊しないような形での移転を検討していただくようお願いをいたしました。これも、こうした思いからのお願いでございました。
 二十世紀の我が国は、欧米諸国がそうであったように、自然を征服する形で都市づくりを進めてまいったような気がいたします。しかしながら、かつて我が国は、自然を大切にしながらうまく都市の中に取り込み、自然と一体となった都市づくりを行ってきた伝統がございます。こうした我が国独自の都市づくりの伝統を思い起こし、現代的な観点からその再生に取り組み、自然環境と共生した新たな都市づくりのモデルを構築していくべきであると思います。
 こうしてつくられた新都市は、これからの都市づくりのモデルとして二十一世紀の都市づくりを先導する役割を果たすことになると考えております。また、国際社会に積極的に貢献していくという我が国の姿勢を国の内外に目に見える形でアピールすることにもなると思うのであります。
 次に、移転先地についての基本的な考え方について、四つの観点から申し上げさせていただきます。
 お手元に配付させていただきました資料、「「栃木・福島地域」の概況」の二ページから五ページをごらんいただきたいと思います。こちらの方でございます。
 まず一つ目は、四ページに記載してあります「円滑な移転の実現」の観点でございます。私は、移転先地を決定するに際して最も大切なことは、我が国の経済、文化の中心である東京と、政治・行政機能を担う新都市との適切な連携であると考えております。
 国会等の移転は、数十年という長い年月をかけて段階的に行われるとされております。この期間は、新都市と東京の双方に首都機能が存するいわゆる重都と呼ばれる状況になります。また、移転完了後においても、政治と経済は機能としては適切な連携が必要不可欠でございます。情報化の進展は空間的な隔たりを越えて私たちにさまざまな恩恵を与えてくれておりますが、そうした中にあっても、フェース・ツー・フェースの必要性は必ず残るものと考えております。
 こうしたことを考えますと、円滑な移転という観点からは、新都市の位置は東京との連携が密接にとれる距離にあることがぜひとも必要であると思います。栃木・福島地域にある那須塩原駅、新白河駅までは、東京から新幹線で約一時間でございます。この一時間という時間的な距離感は、中央線の快速電車に乗って東京駅から八王子駅に行くという感覚であります。
 なお、円滑な移転を実現するためには、効率的な投資という視点も必要ではないかと考えます。その点、栃木・福島地域は、既に新幹線、高速道路などの基幹交通体系が確立されております。さらに、大規模な国や県などの所有地や民有地を有しており、国会等移転に当たってのコストパフォーマンスが極めて高い地域であると思います。
 次に、二つ目は「バランスのとれた国土構造の実現」という観点でございます。
 新しい全国総合開発計画におきましては、二十一世紀の文明にふさわしい国土づくりを進めるために、国土構造形成の流れを太平洋ベルト地帯への一軸集中、東京一極集中から、多軸型の国土形成の方向へと明確に転換する必要があると述べられております。
 ここでデータを一つ紹介させていただきます。
 東海道新幹線と東北新幹線の各駅のある市町村の人口を比較したデータでございます。東海道新幹線は、東京駅から新大阪駅まで約五百五十キロメートル、駅の数十六、東北新幹線は、東京駅から盛岡駅まで約五百四十キロメートル、駅の数十八と、ほぼ同じでございます。これらの駅のある市町村の人口を足していきますと、東海道新幹線は約一千二百万人、東北新幹線は約三百五十万人で三分の一となっております。
 したがいまして、我が国の国土構造を多軸型のものへと転換し、国土の均衡ある発展を実現していくためには、これまで十分に人口、産業等の集積が進んだ地域ではなく、発展可能性に富んだフロンティアの地である北東国土軸上に国会等を移転すべきであると考えております。
 次に、三つ目は「災害対応力の強化」の観点でございます。
 この観点からは、大規模地震発生の際に、国会等が東京と同時被災しない安全な場所にあることがまずもって大切であると思います。その点、栃木・福島地域は、審議会の総合評価の結果からも申し分ない条件を備えていると言えます。さらに、万一東京圏が大規模な地震に見舞われたことを想定いたしますと、移転先地は、東京からの交通が遮断される可能性が低く、かつ仮に一つのルートが遮断されても代替のルートが確保できる地域が望ましいと考えております。栃木・福島地域は、東北縦貫自動車道、常磐自動車道の高速道路のほか、国道四号、国道六号といった幹線道路網が充実しております。鉄道でも東北新幹線、東北本線、常磐線などの複数の交通軸が既に確保されております。これらが同時に遮断される可能性はまず考えられません。
 次に、四つ目は「自然環境との共生」の観点でございます。
 栃木地域には、雄大な那須連山の山容を背景にした広大な平たん地に豊かな平地林と農地が広がっております。福島地域には、日本の原風景とも言える里山と豊かな森が織りなす大地が広がっております。そして、栃木・福島地域は、豊かな自然環境の中に新たなクラスターを整備するためにふさわしい土地が豊富に存在しており、自然環境との共生を実現できる大きな可能性を有した地域であります。
 さらに、東北新幹線等の国土幹線交通軸上には、母都市としてその都市集積を活用できる宇都宮市や郡山市があるほか、圏域内には数多くの既存の小都市がございます。先ほど御紹介いたしました北東地域首都機能移転基本構想においては、栃木・福島地域への移転であれば、これら既存都市の機能を活用することによって移転人口は三十万人程度に抑制できるという考え方をお示ししております。
 こうしたことから、栃木・福島地域においては、新たに整備する面積を抑え、現在の自然環境を最大限に生かした新都市づくりが可能であると考えております。
 最後に、お願いしたい事項について三点申し上げます。
 まず初めに、一つ目として、移転先地は国会等移転審議会が最高の評価で候補地に選定した栃木・福島地域に決定していただくことを心からお願いをする次第でございます。
 移転先地の決定は、移転法第二十三条の規定により、国会等移転審議会の答申を踏まえるものとされております。こうした意味もあって、審議会は、答申の客観性、公平性、透明性を確保するために定量的評価、すなわち点数化による候補地の順位づけを総合評価の根幹に据えたものと理解をいたしております。そして、三年という長い年月、月日をかけ、八十八名にも及ぶ第一線の専門家の方々がかかわり、かつ重みづけという客観的な評価手法により結論を出されました。このことは極めて重く受けとめられるべきものではないかと考えております。
 次に、二つ目は国民の合意形成についてでございます。
 国会等移転は、我が国の将来に深くかかわり、国政のあり方をも左右する極めて重要な取り組みでありますので、その実現に当たっては国民的な議論が不可欠であると思います。したがいまして、まずもって国会等移転に対する国民世論を喚起するための一層の取り組みが推進されますよう、国会におかれましても御尽力をお願いしたいと思います。
 次に、三つ目は移転先地の早期決定でございます。
 私は、我々の子や孫が日本国民であることに誇りを持ち、夢と希望を持って二十一世紀の日本を担っていけるよう、今こそ二十一世紀の我が国はどうあるべきかを真剣かつ真摯に考えるべきであると思います。しかしながら、国会等移転に対する国民の関心自体が低いとの指摘もございます。このような状況を生み出した大きな原因の一つは、移転先地が決まらないことによって国が国会等移転の具体的なビジョンを国民に提示し得ないでいるというところにあると思います。したがいまして、国会等移転の実現に向け、合意形成を図るためにも、移転先地を決定することが必要であると考えております。特に、移転法の十一条に書いてあります「地震等の大規模災害に対処する上での緊急性」、この観点からは一刻の猶予もならないと考えております。
 国会におかれましては、こうした観点からの検討も含め議論を深めていただき、早期に移転先地を決定されますことをお願い申し上げます。
 以上で、私の参考人としての意見陳述を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
#36
○委員長(沓掛哲男君) ありがとうございました。
 次に、坪井参考人にお願いいたします。
#37
○参考人(坪井孚夫君) 御紹介を賜りました福島県商工会議所連合会会長の坪井でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、経済人といいますか民間、いわゆる市民、県民の立場で、福島県の中におきまして、この国会等の移転の決議がなされました後、それらに賛同する考えを持ちました県民が、またいろんな団体がどのような対応を地元でしてきたかということ等を中心に御説明を申し上げたいと思う次第でございます。
 今ほど、栃木県の福田知事さんから移転の意義、必要性、また北東地域首都機能移転基本構想の特徴、さらに我が栃木・福島地域の数々のすぐれた特性等につきまして御説明がございました。私からは、地元経済界を初めとする県内における取り組みの経緯、現在の栃木・福島地域としての取り組み状況、さらに北東地域内及び東京圏との広域的な連携などにつきまして御説明させていただきたいと存じております。
 申すまでもありませんが、平成四年に制定された国会等の移転に関する法律に基づき、翌年には国会等移転調査会が設置され、首都機能移転に関するさまざまな検討が開始されました。そのような中で、私どもといたしましては、我が国の国家百年の計を見据えた大局的な見地に立った場合、北東国土軸上に位置し、広大な開発可能地を有し、活断層がなく地震に対する安全性が高いなどの特性を持つ阿武隈地域こそが移転先にふさわしいのではないかと考えたところであります。
 そこで、本県の商工会議所連合会におきましては、平成七年六月、まだどういう形状になるかはお示しになっていない状態でありましたので、私どもとしまして、「あぶくまベルトシティ構想」というものをつくりまして、国土庁、建設省を初め各関係に実はプレゼンテーションをいたしたことがございます。
 これは、阿武隈地域という非常に広い地域でございますが、これをどういうふうに利用するかという形になったときに、中央を縦断する形でリニアモーターカーで結びまして、南北約百キロ、幅三キロのベルトゾーンに十万から二十万人の人口を擁する核都市を三つから四つつくりまして、そしてその周辺に小都市を配置し、各都市の間をリニア幹線で結ぶという壮大な構想を立てたわけでございます。後に国土庁よりクラスター状という形状が示されましたので、この構想はもちろん消えましたけれども、もう冒頭より我々としてはこの計画に賛成をする立場で、こういう阿武隈地域の利用状況ができますということを実は示したところであります。
 その後、県内経済界におきまして首都機能移転に関する機運が盛り上がってきましたのを契機といたしまして、平成八年三月、商工会議所、商工会、経済同友会、農業団体、医師会等、五十六団体から成る福島県首都機能移転促進協議会を設立し、県内各地で首都機能移転講演会を開催いたしました。シンポジウムもいたしました。県民合意を形成するためのさまざまなPR活動を行ってまいりました。そして、このような私どもの活動に呼応し、県内各地の青年会議所等においても積極的な取り組みが行われてきたところであります。
 首都機能移転、国会等移転と言われましても、どんな形になるのか、全く実は地元におきましては広大ないい土地があるからといいましてもわからぬわけでありましたので、もしこの土地を利用していただけるときには県民としてどういう観念でもってこれに対処すべきかということを考え、いわゆる一種の啓蒙活動等を中心にして行ってきたところであります。
 また、私が副会長を務めております東北経済連合会におきましても、平成八年五月に当時策定中の新しい全国総合開発計画のヒアリングに対応して、「ほくとう新国土軸」へ移転すべきとの提言を発表し、平成十一年になってからは県内及び東京都内におきまして首都機能移転シンポジウムを開催するなど、広域的な取り組みを行ってまいりました。
 一方、福島県など行政におきましては、平成八年四月に佐藤栄佐久知事を本部長とする福島県首都機能移転対策本部が設置されました。それから、同年六月には県及び県内九十市町村により構成する福島県首都機能移転県・市町村連絡会議が設置されるなど、行政サイドでも首都機能移転に対する本格的な取り組みが開始されましたところであります。さらに、平成十年六月には福島県首都機能移転基本構想を策定し、その中で佐藤知事が提唱する新首都の基本理念、すなわち自然の豊かさと美しさを都市空間に最大限に生かした自然にやさしい小負荷型の「森にしずむ都市」の考え方が表明されたところであります。
 この「森にしずむ」という形容がいいか悪いかということは多々議論があったところでありますが、たまたまオーストラリアのキャンベラを訪問いたしましたときに、キャンベラはもうそのとき創設されて数十年たっておりました。そのとき荒れ地に植えました樹木が相当伸びまして、ちょうどいろんな建物が森に浮かぶような形になってございました。したがって、キャンベラでは森に浮かぶ首都という言葉を使っておられたのであります。
 それに対しまして、佐藤知事は、我々の栃木・福島地域であればもう既に高い木がたくさんございますので、そこへ自然と共生するような形での建設を進めるならば森に沈むような形でできるという考え方を出しまして、この考え方で実は「森にしずむ都市」というような表現をしているわけでございます。
 次に、行政の広域的な取り組みにつきましては、同年七月に宮城、山形、福島、茨城、栃木の五県が北東地域首都機能移転五県知事会議を設置し、知事を先頭に当時の国土庁に対する要望を行うなどの活動を行っております。
 県議会におきましては、県に先駆けて平成四年に首都機能移転に関する要望を決議したのを初め、平成七年に特別委員会を設置し、平成八年には栃木県を初め宮城、山形、茨城各県とともに首都機能移転北東地域県議会連絡協議会を設置し、国会や他の都道府県並びに各団体に対しまして協力要請活動を展開しているところであります。
 以上のように、福島県内におきましては、県、県議会そして私ども経済団体の三者が連携し合いながら首都機能移転促進に関して一丸となって取り組んでまいりました。そして、それぞれ国会等移転審議会答申が行われる前から、栃木県など北東各県と連携、協力し合いながら、首都機能移転の必要性や本県の阿武隈地域を含む北東地域のすぐれた特性を県内外にアピールしてまいったところであります。
 この間、国会等移転審議会により三年に及ぶ審議が重ねられまして、その結果、平成十一年十二月、我が栃木・福島地域は最高の評価を獲得して移転先候補地の一つとして答申されたことは申すまでもありません。
 これを受けまして、広く県民の総意を結集しつつ、移転先として最もふさわしい本地域への移転実現に向けてさらに積極的に取り組んでいくため、これまで別個の組織としてそれぞれ取り組んでまいりました県内経済団体により構成する福島県首都機能移転促進協議会、そして県と全市町村によって構成される福島県首都機能移転県・市町村連絡会議を一本化し、平成十二年二月、福島県首都機能移転促進県民会議を設立したのであります。会長には佐藤知事、副会長には県議会議長や私などが就任いたしましたが、それ以降、官民一体の推進組織として従来にも増してさまざまなアピール事業を展開しているところであります。
 特に、栃木・福島地域として栃木・福島両県にまたがる地域が選定された後は、栃木県国会等移転促進県民会議との共同事業、さらに北東地域の五県による連携事業に重点を置き、候補地内住民の理解、さらに国民理解の促進を図るための事業を展開しているところであります。
 その一例を申し上げますと、昨年度より栃木・福島地域首都機能移転フォーラムを二県で交互に開催し、候補地内住民の理解促進を図っていくのを初めとして、今年七月には共同でPRビデオを作成し、関係機関はもとより、衆参両議院の国会議員の方々全員にお配りするなど、本地域のすぐれた特性等を広く紹介したところであります。
 また、今年七月には、本県の須賀川市内におきまして開催されました「うつくしま未来博」、ジャパンエキスポの認定の博覧会でありますが、この会場におきまして、現在認められております三地域の知事さんが一堂に会する首都機能移転ビッグトークショーなるものを開催いたしました。
 首都機能移転につきましては、国民的理解や合意形成なるものがどうもいま一つ国民の間に浸透されていないというふうに考えておる状況であります。そこで、数ある対象地域の中から選定されました栃木・福島地域、岐阜・愛知地域、三重・畿央地域の三つの候補地からそれぞれの代表の知事さんをお招きして、首都機能移転に関する国民的議論の促進や合意形成のため少しでもお役に立てればと思い、開催をいたした次第でございます。
 この中で、改めて移転の意義や必要性を問い直し、国民的議論を喚起しようとの共同アピールを行うなど、国民理解の促進を図ったところでもございます。
 なお、私ども経済界におきましては、利根川以北は一つという強い思いがございます。ことし二月、東北経済連合会が中心となりまして首都機能移転推進・北海道・東北・北関東経済人会議を設立いたしました。これは、北東地域の十一道県の商工会議所連合会、経済同友会、経営者協会、商工会連合会などから成る四十二団体が大同団結しまして、首都機能移転の重要性を再確認し、移転実現に向けての総意を結集し、内外にアピールするというものであります。
 ことしは、来月十二月五日に東京都内におきまして、お手元にお配りをいたしましたパンフレットのとおり、「首都機能は北東へ」と題したシンポジウムを開催する運びとなった次第であります。
 続きまして、経済人としての立場から、北東地域内及び東京圏との広域的な連携について御説明申し上げます。
 我が北東地域は、広域仙台圏、常磐ルート、東京圏を初め、国内外と幅広く連携していくことが期待されます。北東地域への移転がなされることは、既に成熟段階にある太平洋ベルト地帯に位置する他地域への移転に比べ、北東国土軸の形成を先導し、多軸型国土構造への転換を促すものであります。このことは、国と地方、東京と地方、政治と経済の新しい関係を構築するとともに、特に日本海国土軸等の地域連携軸を通じた交流により、国土の均衡ある発展に寄与するものと考えております。
 まず、仙台圏でございますが、仙台市を中心に、山形市、福島市を含み三百三十万人以上の人口を擁し、東京圏と東北、北海道を結ぶ重要な位置にあります。交通基盤の整備や先端産業の進出が急速に進展しているなど、発展の可能性に恵まれた地域であります。また、多様な高次都市機能、特に先端産業や学術研究、国際交通、国際的リゾート、交流・コンベンション等の機能面を生かし、新都市圏を支援する役割を担うことが期待されております。栃木・福島地域は東京圏と広域仙台圏のほぼ中間に位置することから、この広域仙台圏は東京圏とともに本地域に形成される新都市圏を支援する役割が期待されているところであります。
 次に、常磐ルートにつきましては、常磐軸や茨城県におきまして、特に地震や火山等の災害に対する安全性が高い、また世界的な学術研究、人材育成機能を担う筑波研究学園都市や北関東随一の国際物流拠点でもあります常陸那珂港を有しまして、さらに成田空港に近接しているなど、特に国際性にかかわるシーズに恵まれた地域であります。したがって、茨城県ではこうした特性を生かし、国際、情報、さらに首都機能の安全管理などの面で新都市圏を支援、補完することが期待されております。
 例えば、筑波研究学園都市は、新産業の集積、科学技術拠点としての機能の強化を図るとともに、環境面など新たな観点から、また新たな視点から国際貢献を担う人材を育成する機能を持つことによりまして、新都市圏の国際政治都市機能を支援することが考えられるところであります。
 次に、東京圏についてでありますが、首都機能の円滑な発揮のためには、東京が現在持っている高度な国際的都市機能、例えば迎賓施設、外国公館、国際機関、国際レベルの会議場・ホテル・文化施設などとの連携が重要であります。また、首都機能の移転完了後も、東京は巨大な人口や産業集積や国内外の交通体系上の拠点としての位置等を背景として、我が国及び世界の経済、文化の一大中心地としての位置を保ち続けると想定されますことから、この観点からも、政治、行政の中枢となる新都市圏と東京との連携が極めて重要なことと考えております。
 そうした中で、申し上げるまでもなく、我が栃木・福島地域は、移転先候補地の中で東京との連携が最もとりやすい条件を備えております。したがいまして、移転の初期段階はもちろん、新都市圏が段階的に成熟した後であっても、東京との密接な連携のもとで首都機能が円滑に発揮されていく可能性が最も高い地域であります。
 さらに、首都機能の移転跡地を、防災性の向上を初め、国際交流のための空間・拠点施設の整備、水と緑のネットワークの再生、都心居住の回復などに活用するとともに、東京圏との連携が容易な北東地域において、首都機能のみならず、居住、産業、医療、教育、レジャーなどのさまざまな機能の充実を進め、東京圏のリノベーションを支援していくことも期待されるところであります。
 このように、我が国の首都機能は、従来の東京一極集中にかわって都市間の広域的なネットワークにより支えられることとなり、首都機能の移転が、二十一世紀に求められる広範な地域連携による国土構造を形成するための一つの契機となることが期待されるのであります。
 最後になりますが、私どもといたしましては、栃木・福島地域を中心とする北東地域こそが首都機能移転を実現する上で最も適した地域であり、また、美しい国土の創造を目指す新しい国土づくりを先導していく地域であると確信いたしております。
 このごろ、財政的な問題からこの問題を凍結しようというようなお話がありますが、これはやはり国家百年の大計から見たときには逆行する考え方だと思います。特に、財政上の問題で国会等の予算を示された部分につきましては、土地の収用等につきまして四兆円という大変大きな予算を計上される予定になっておられるようでありますが、阿武隈地域にもし四十二万ヘクタールの中の九千ヘクタールを収用されるという形になったときは、後ほど申し上げてもよろしいんですが、いろんな計算をいたしまして約二千七百億円で九千ヘクタールを収用できるということになっております。
 また、工事費等につきましても、バブルのときのちょっと後遺症は残りましたが、福島空港の要するに土地収用並びに工事費等につきましては、つい最近空港の隣で行われました未来博の用地の収用・工事費等を合わせますと半分くらいに実は減額いたしております。
 したがって、そういう状況から見るならば、今まさに首都機能移転に、栃木には国有地が圧倒的に多くありますし、そうお金はかからずに土地の収用等もできる。しかも、この福島空港の要するに土地収用に当たっては一人の反対者もいなかったという、そういう協力的な県民性もある地域でもございますので、大いにそういう意味での御利用もお考えいただければよろしいのではないかと思っております。
 どうぞ貴委員会におかれましても、これらの一つの国家百年の大計という大局的な視点にお立ちいただきまして、首都機能移転の早期実現に向けて議論を深めていただきますようお願いを申し上げまして、私からの説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#38
○委員長(沓掛哲男君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日は、あらかじめ質疑者を定めず、委員には懇談形式で自由に質疑を行っていただきます。質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。また、委員の一回の発言時間はおおむね三分程度とし、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
#39
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。
 きょうは大変お忙しいところをおいでいただきまして、まことにありがとうございます。
 二点ほどお聞かせをいただきたいというふうに思っておるんですが、まず福田知事に、実は私も栃木県出身ということで、同僚の議員から、栃木県の知事は首都機能移転に反対なのではないか、あるいは消極的なんではないかと、こういう質問を多く率直なところ受けます。私は、それは無原則な移転に対して知事も懸念を示されたんではないかと、こういうことを申し上げておるんですが、私が言うよりはやっぱり御本人から言ってもらった方がよろしいというふうに思いますので、その辺のお話をひとつしていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、午前中も岐阜県の梶原知事もおいでになりまして、昨日は三重の北川知事もおいでになったわけでありますが、御両人からも、とにかくこれまでの経過にのっとって移転先三候補地が候補地として挙がっておると、今御両人からお話しありましたように、世論も盛り上がらぬし、このまま雲散霧消しちゃうんじゃないかと、こういうふうな声もちまたで聞かれるが一体どうしてくれるんだと、こういうふうなことが異口同音に率直なところあったんですね。岐阜の梶原知事なんかからすれば、このままやらぬということで雲散霧消するようなことであれば国家に対して賠償も請求しなくちゃならぬと、こういうふうな過激なお話も実はいただいたわけでありますが、きょうは一時から、昼の時間でありますが、自由民主党の中で国会等首都機能移転の調査会がありまして、早急に結論を出すべしと、こういう決議も実はきょうしたところなんですね。
 そういう意味で、移転先候補地から見て、我々国会の責任というのは極めて大きいものがあるというのは私どもも自覚をしておりますが、どういうところが足りぬのか、むしろ私どもの方に、候補地のPRもさることながら、どういうことを望むか、その辺について御意見があればお聞かせをいただきたいと、このように思っております。
#40
○参考人(福田昭夫君) それでは、御質問の点、二点あったかと思いますけれども、まず最初の御質問の、福田は反対ではないかと、こういう話でございますけれども、私も反対ということではありません。
 ただ、今までの経過の中で、どうももう政府は国会等移転はやる考えがないというような話を実はいろんなところから伺っておりまして、これはなかなか難しいんではないかということで、一生懸命やってもきっとできないんではないかと、そういう話を何回かさせていただいております。
 現実に、先日タウンミーティングが宇都宮でありましたが、そのときにおいでいただいた政府関係者は、具体的な名前言うと怒られちゃうかもしれませんが、二人の副大臣は反対だと、こう表明いたしましたし、もう一人の大臣は、決めた当時はそれなりの合理的な理由があったのかもしれないけれども、現在はそういう経済財政環境にありませんと明確に答えておりました。
 そういったことから、そんなお話を実は私はしているわけでありまして、もし本当に国が国会等移転を真剣に考えるならば、私は、先ほど申し上げたように、栃木・福島地域は最高の場所だと、こう思っております。
 ただ、そのときに考えていただかなければならないのは、やはり大自然を破壊しないこととか、同時に地方分権を実現をして、首都が例えば仮に栃木・福島地域に来てもほかの地域がうらやまないようにきちっと地方分権をする、そういうことが必要だと。
 さらには、開発面積も、フランスのパリを見習って、開発面積はある一定の面積決めたらそれ以上は絶対大きくしないと、そういう開発面積をはっきりと最初から決めて行えば栃木・福島地域は最高の場所になるんではないかと、こう思っている次第でございます。
 それから、二つ目の、国に望むことということだと思いますけれども、このことに対しては、何といっても一番早くやはり候補地を決定していただくことだというふうに思います。候補地を決定していただいて、その上で、じゃどういう国会等移転をするのか、そのビジョンをつくっていただいて、そうすると、そのために費用はどれぐらいかかるのかというのがわかってくるかと思います。ですから、そうすると初めて、じゃとてもこれは一気にできないとか、先ほど福島県の坪井会長さんから話がございましたように、これは、じゃ百年かけてやるかとか、いや四百年の大計でやるかとか、そういう財政的な問題はそういったことから出てくるんだろうと思うんですよね。
 ですから、問題は、本当に国会等移転を今、日本の国としてやる必要があるのかどうかと。やるとすればどこの場所がいいのか、そのための候補地をまず決めていただいて、ビジョンを描いていただければ、あと実際にどうやるかは、やはり財政事情とかいろんなものがありますので、そういったものを踏まえて進めていただければよろしいのかなと、ありがたいのかなと、こう思っている次第でございます。
 以上でございます。
#41
○参考人(坪井孚夫君) 私からも一言。
 国民との合意形成の問題だと思うのでありますが、要するに、この決議がなされましてもう既に十年実はたちました。その間に二回衆議院議員の選挙もありました。したがって、現在、今、福田さんがおっしゃられたように、今なぜこれが必要なのかという話は確かにあると思うんですね。これは、やはりちょっと時間が長く経過し過ぎたという点が私は一つあると思います。その間に政界の形も変わりましたし、総理大臣も十人くらいという形で大変目まぐるしい政変がございました。したがって、どの時期も、私どもとしては、当然こういう大きなプロジェクトは国家百年の大計ですからじっくりかけてやっていいんでありますが、ただ、その進め方がやはり一つ問題あったんじゃないかと思うんです。
 一番最初に国土庁が出されました小冊子は、首都機能移転ではなくて首都移転という形で出したんです。それで大騒ぎになりまして、首都が移転だ、とんでもない話だということになりまして、慌ててこれは改称されたことを覚えております。その後に国会等移転調査会、国会等移転審議会がありながら、首都機能移転という名前をずっと使ってきているわけですね。
 この首都機能移転というのは、全国民の方から見れば首都が移転するというふうに、これはだれでも考えるわけでありまして、国会等移転調査会でありますから、我々も国会等移転云々という形で動けばよかったんだと思うのでありますが、これが国土庁さんの御意向等いろんなものがありまして、首都機能移転という形で進めたこともある程度誤解が生まれる。そうなると、そんなことできるかと、そんなことやる必要あるかという話になりましたときに、これは、私はなかなかPRしても受け取ってもらえなかった。我々は大阪や福岡や鳥取や四国の方もどんどん出かけてこの話をいたしましたが、全く関心がありません、はっきり申し上げて。ですから、これをどういうふうにもう一遍持ち直すかということは、これは大問題だと思うんです。
 それで、やはりこれは国会で決議された問題でありますから、最終的には国会議員の方がお決めになることでありますから、我々は賛同していろんなお手伝いはいたしますが、きちっとやはり国会でもう一遍論議を再燃していただきたい。
 その中心は、公共事業の問題じゃなくて、一番最初にも話がありましたように、やっぱり安全の問題から、東京が万が一のときには国際的にどれだけの責任を負わなくちゃならぬものがあるのか、そのときに政治と経済をきちっと分離しておくことが大事だという、例えばキャンベラであれ、またワシントンDCであれ、ニューヨークとの関係、それからブラジリアであれ、先進じゃたくさんあるわけでありますから、そういうものとの関連でもう一遍論議を再燃していただかないと、これは、私はなかなかPRできないと思っております。我々がやっても、自分のところへ誘致するためにやっているんだろうというふうにきり理解されない部分があります。したがって、国会でもう一遍論議をきちっと進めていただきたい。
 先般、これは不幸な事件でしたけれども、阪神・淡路の大震災がありましたときには一気にまたこの首都機能移転の話が盛り上がって、いわゆる審議会もずっとできたわけであります。ですから、そういう意味では、やはり政経分離というものが日本の二十一世紀以降の近代国家としての、特に世界的ないろんな機能を補完する、要するに東京都というものを中心にした形で考えるときにどうあるべきかというこの問題をもう一遍思い起こしていただいて、十分にひとつ御検討いただいて、御議論を国会においてしていただく。
 私ども、今、国会議員の先生のところに行って実はいろいろお願いしますと、みんなちょっと待ってくれと、これはちょっと踏み絵みたいになるからということで、若干我々も遠慮せざるを得ないような雰囲気があります。これは、やはり今いろいろ御心配になっておるその問題はそういうところに起因していると思うんです。時間がたち過ぎたので、私はもう一遍さらなる議論が必要だというふうに、こう考えております。
#42
○和田ひろ子君 きょうは御苦労さまでございます。よろしくお願いします。
 きのうからしばしば申し上げておりますが、国会移転に関する決議という内容を何回読み直してみても、やっぱり今、福田知事がおっしゃいましたが、政府の中枢の人とか議員が、あの当時は必要だったけれども今は必要ないという問題では絶対ないというふうに思います。決議文を見てみても、国民がひとしく豊かさを実感する社会を実現しなければいけない、我が国の現状は、政治、経済、文化の中枢が全部首都に、東京に集中してしまったために、人口の過密とか地価の異常な高騰があった、だから一極集中を排除するためにこそ必要だということが決議文に書いてあるんですね。それは全然解消されていないわけです。
 それで、今大変な経済の状況の中で、これは見直すべきだという意見がしばしば出されますけれども、じゃ、安全と金額とどっちが大切なのというふうに聞いたら、皆さん、人の命とお金、どっちが大切と言われたらどうなさいますかねという感じなんです。それも耳をそろえて四兆円出しなさいという話ではないんだから、もっと本気で、日本の国の本当に国家百年の大計のために、私は福島県だから、福島県がおいでになったから言うというんじゃなくて、きのうも申し上げておりますけれども、こういうことをきちんと考えていかなければいけないということがまず前提です。
 そして、栃木、福島がすばらしい土地だということもよく知っています。今までいろいろシンポジウムをされたり、県民会議を発足されたり、官民一体になって取り組まれたり、トークショーがあったり、本当に盛り上がらない中で国民の皆さんと議論をするというのに、きのうからおいでになったところ、皆さん一生懸命やっておられるというふうに思います。一番さめているのは決議をした国会だというふうに思いますから、そういうことを考えて、私たちはもっと真摯に、言い出しっぺが一抜け、二抜けにならないような状況で、何でこのことを決めたんだかという原点に戻ってもっとしっかりやっていくべきだというふうに思います。
 それで、阿武隈地域とか、また栃木の皆さんが首都機能移転にふさわしいという、何というか、うちこそすばらしいんだと、きのうの御意見をもういろんなところでお聞きになっていると思いますが、我が栃木、福島がぜひに、森に沈む国会とかと、私本当に好きな言葉なんですが、こういうことをぜひもう一度アピールしていただきたいというふうに思います。そして、災害に強い地域であるということのアピールもされたらいいというふうに思います。そして、経済人会議というのを発足されて、十二月にまず最初にやるというふうに言われておられますけれども、これからどんな形で国民的な合意に持っていくための御努力をされるか、ぜひにお聞きをしたいというふうに思います。
#43
○参考人(坪井孚夫君) 和田先生のおっしゃったとおりだと私どもも実は実感いたしておりまして、そういう意味で国民合意形成にはもう一度きちっとした国会での論議が必要じゃないかということを実は申し上げたわけであります。非常に同感であります。
 問題は、私どものように、この地域を擁していたために、国会決議がなされてから、であればここを利用するのが一番いいんじゃないですかということでプレゼンテーションしてまいりました。ですから、私どもは誘致協議会とか誘致するというような概念でのそういう団体をつくってございません。移転に対しては賛成でありますから、それを促進されるべきであるというための協議会をつくっておるわけであります。それは水かけ論みたいになっておかしいんでありますが、最終的にここを使ってくださいということは、プレゼンテーションといいながら誘致に結びつくものもございます。しかし、それだけにその地域を自信を持って実は御推薦申し上げているわけであります。
 阿武隈地域というのはどういうものかと今ちょっとお話がありましたけれども、実は四十二万ヘクタールという広大な面積がございます。大体高さが二百メートルから高いところで三百メートルくらいの台地になってございます。ちょうど福島県の中通りと浜通りというものを隔てた台地でございます。この四十二万ヘクタールというのは東京都と神奈川県がすっと入っちゃうくらいの大きな広さでありまして、これはまず、実は非常に収用するにも簡単、簡単といいますか非常に安くできるし、なお、その他いろんな、山林でありますから、使いようによっては非常にいい自然との共生ができる地域だということでございます。
 何で、じゃ、そういうところがあいていたんだということになるわけで、よくこれは御疑問を受けるわけでありますが、実は東北で一番問題になっておりました、今まで農業の中で、やませという風があります。これはオホーツク海高気圧から吹いてくる風でございます。これは非常に冷たい風でありますが、これが実は六、七、八と吹く年があるわけです。昔の享保の大飢饉とか天明の大飢饉というのは実はこれでありまして、三年くらい続くと娘を売ったり、息子をでっちに出したりというようなことで、非常に東北はひどい目に遭いました。
 このやませというもののために阿武隈台地というところは農作物の生産に不適当だったわけであります。したがって、米作はだめで、そういう意味で土地の利用が非常に少なかった。したがって、ここはたばこと、軍馬奨励でもって馬をたくさんつくりまして、馬を出しましたり、せいぜいコンニャクくらいですかね、当時の生産物。そういうような形で、農業生産に合わない、牧畜生産等も余り合わない、寒い時期が夏にありますので。そういう意味で、実はあいていた土地といっては大変問題なんでありますが、実はあいていた土地。そこへこの首都機能の移転の話があった。
 今はそのやませの問題は、住むのには全く問題ありません。今は寒冷地用の苗を植えればもちろん米もできますが、生産調整で今はやりませんが。そういうような形の場所であったということで、したがって費用も安く収用できる。
 それから、その四十二万ヘクタールの中の九千ヘクタールというのは微々たるものでありますから、クラスター状であれベルトシティー状であれ、どんな形であっても、どういう形でもとれる。県が試算いたしました一平方キロの中に二十戸以下の住宅、居住人がおるところというメッシュをかけてやりましたところで、そういう九千ヘクタールを収用するに当たっては、実はこれは立ち退きの問題もありますから、そういう意味では全く簡単にそこはなにができるという形で、大変これはそういう意味で御利用いただくにはまことにいい土地じゃないのかということです。
 したがって、だんだんだんだん調査会それから審議会のお話が進む中で、やっぱりここを使っていただくのが一番いいだろうと。特に、那須には国有地もある、御別邸もある。そして、阿武隈台地の外れには原子力発電が十基もありまして、火発が三基も四基もありまして、水は猪苗代湖で十センチ減らせば百万トンの水がとれる。
 いろんな意味で、大変これからの新首都としての、国会等が移転されるとしてはいい地域だろうということで、だんだんみんなが大きな声を出すようになりましたので、いわゆる北海道・東北・北関東経済人会議というものもそういう形の中で実は形成されました。ことしの十二月五日に、またこの首都機能云々という形でこれは一つのプレゼンテーションをやるわけであります。
 そういうような形で、極めていい場所であるからひとつ御利用いただきたいということを常に実は申し上げている。と同時に、それを受け取るときに、反対とかいろんな妨害があっては困りますので、その地域の方々には、首都機能の中でも国会等の移転というのはこういうものですよということを皆さんにお話ししながら、阿武隈地域の人たちにも実は合意をいただいてきたわけです。
 そういう形で、阿武隈地域を自信を持って御推薦申し上げる、そういうことでございます。
#44
○和田ひろ子君 ありがとうございます。
#45
○鈴木政二君 福田知事さんにちょっとお伺いしたいんですけれども、今、坪井さんの話も関連して聞くんですけれども、私もこれで六年間この委員会、これで七年目に入ったんですけれども、特別委員会、坪井さんがさっきくしくも言ったんだけれども、国会等というのと、それからこれを議論すると、この首都という言葉と、どうもここらが非常に問題が多くて、大体皆さんが考えているのが、国会等というと、三権分立ですが、三権のいろんなものが集まるのだけれども、一般国民は、これは首都というふうに今のところ受けとめているんですよね。
 そうすると、三分しかありませんから簡潔に言いますけれども、どうも首都移転というのと国会等移転というのがどこかごっちゃになっていまして、一時期、橋本総理のときに、橋本総理は一つ大変な御意見を言ったんです。というのは、一つは陛下の問題、皇居の問題ですよね。これは歴史的に見ても、どうも日本人というのは、首都というのは、今までの若い子供たちから見れば、歴史を見れば、もちろん鎌倉幕府だとか江戸幕府は政治と陛下のお住まいというのは別個になっているらしいけれども、今の国民から見れば、大体首都というのは陛下がお住まいのところもあえているわけです。
 一つは、坪井さんがさっき言ったように、政治と経済を別個にする考え方。ただ、私どもの、私自身かもしれませんけれども、この国会等移転というのはあくまでも首都の移転という考え方を我々は持っている、私個人は持っているつもりでこの論議にいつも参画しているんだけれども、一つ、基本的な考え方を福田知事さんと坪井さんに、この問題をどう考えるか。
 それで、一極集中と言うけれども、首都になれば、どこの国だってその首都になった都市は一極集中になりますよ。これは例えば県でもそうですよ。県庁所在地が大体一極集中になっている、どこの県でも。大体昔は、今は民主的だからあれだけれども、首都なんというのは時の権力者が大体決めることなんです、今はもう民主的だから非常にそういうわけにはいきませんけれども。そういう面で、一極集中、私は個人的には一極集中だからという考え方で首都移転を考えているんです。要するに、今の時代だったら、閉塞感を何とか、新しい時代を迎えて首都を一遍変えて、気分を変えて、日本をもう一遍世界に誇れる日本にしたいという考え方で私、もう六年間ここへ入っているんだけれども。
 二つ質問したいんですけれども、まず一点はその首都という考え方。例えば、地理的に見れば一都、二府、道一つ、県ですよ。例えば栃木県に行ったら、もし首都になったら、国会移転が行ったら、栃木県とは言いませんよ。多分、栃木都と言うかもわかりません。東京は、だから今首都があるから東京都と言うんだと私は理解しているんだけれども。
 そうなると、一つは、さっきも有馬先生とちょっと冗談でしゃべっておったんだけれども、三つの候補を決めたからこの論議ができるからいいんじゃないかという論議もあるんだけれども、いっそのこと、国会の意思として私は一本に絞ってくれた方がよかったという気がする、まだその論議の中では熟していないから三本の選択をしたかもわかりませんけれども。そういうもろもろの名前、例えば東京都、例えば今度栃木へ行ったら栃木都、福島へ行ったら福島都、私は愛知県だから愛知都なんというような、ここまで変えていく、変わってしまうようなイメージを国民みんなは持っているわけですよ。
 ですから、もう一遍スタンスの中で、何遍もどうも参考人の皆さんに来ていただいているんだけれども、国会等移転というのとそれから首都というのは同義語なのか、またそれを望むのか。この地図に陛下のお住まいのところは書いてありません。それは、橋本総理が、以前その議論の中でこれは別個ですよという言葉が入ったから、多分それをしなかったと思いますけれども。今、私どもの中で、私一人じゃないと思っているんだけれども、やっぱり陛下がお住まいのところは都だと思っている人もたくさんいらっしゃる。だから、ある部分で、議論の中で非常に国民の中にいま一つ踏まえられない部分もあるんじゃないかなという気がいたします。
 あと、答えられてからもう一問だけさせてもらいます。両方にお伺いします。
#46
○参考人(福田昭夫君) それでは、お答えをさせていただきます。
 まず、一つ目の国会等、それから首都機能という意味ですけれども、最初は、先ほどの坪井会長さんのお話のように、首都機能という言葉の方が、何といいますか、一般的に普及されておりましたので、私どももそう思っておりましたが、途中から国会等移転と変わりましたけれども、これはどちらかというと法律の名前に基づいて名前を変えたというのが実態でございまして、基本的には多分、首都機能の移転というのが基本なのかなと、こう思っております。
 そういった中で、天皇陛下のお住まいをどうするかという話でございますが、もし具体的にそういう話が進めば、栃木県には那須御用邸という大変広大な土地がございますので、あそこに天皇陛下のお住まいは幾らでもつくることは可能なのかなと、こういうふうに思っております。
#47
○参考人(坪井孚夫君) これは、最初から国会等移転なんですよね。国会等移転に関する決議なんです、両議院で十年前になされましたけれども。ですから、今でも国会等移転審議会、もちろんこれは正しいんですよ。ですから、初めからこれをずっと通すべきだと私はあるところでいろいろ主張もしましたが、なかなかそういかないで、首都機能ということで、首都となって、それから首都機能となった。
 したがって、東京の方も、私は日本商工会議所の常議員をいたしておりますが、いろんな役員会や政策委員会で東京都の方々から、大きな会社の社長さんあたりから首都移転はどうなったなんという話を聞くんです。首都移転なんというのは初めからないんです。宮城が動くなんてことは全く考えられていないんです、このテーマは。いわゆる国会等移転なんです。国会と国会図書館、それから行政と多くの大使館、公使館が移動するというくらいの話です。したがって、後の話にも続きますが、国会等移転ときちんと私はやはり名称を統一すべきではないかと今でも思っております。
 そして、なおかつ、形態がどうなるかということだと、都が来るわけじゃないんですから、その中のいわゆる機能の一部が来るわけですから、それで首都機能移転となっておるわけですけれども、例えばワシントンのようにディストリクトになるのか、特別区になりますのか。これは、福島県の中に福島都なんというのができるはずはないんです。初めからその中においては、いわゆる福島県の中にある東京都霞が関特区というふうなものになるのか、それはわかりません。そういうことが進まないから、要するに国民的議論が起きないし、それからさっき言いましたように、東京都の人でさえが圧倒的に、首都移転なんて宮城も行っちゃうのかと。いや、宮城とか、それから例えば歌舞伎座とか国立劇場とか落語をやるところとか、そんなものが来るんじゃないかと。
 ただ、言うなれば、政経分離という感覚からいったときに、国会等移転なんですよ。ここを私はきちっと決めるべきだと思うし、それからなおかつ、今言ったように、できるときにはその地域においてどういう形態になるのかくらいはもう進んでいいんじゃないのかと、議論の中が。それらが国民に聞こえないものですから、あくまでもその首都移転という形にとらわれているということについて、非常に危惧を持っておるところであります。
#48
○鈴木政二君 委員長、済みません。
#49
○委員長(沓掛哲男君) じゃ、簡潔に。
#50
○鈴木政二君 簡潔に言います。
 私も、今の最後の坪井さんのお話のとおり、やっぱりこれは「国会等」で決議したんだから「国会等」で私は委員会を進めるべきだと思っていますし、それから我が党はきょう、さっき国井先生がおっしゃったように、我が党の調査会としては、今ともかく、決めたんだから一刻も早く皆さんの論議を大きくして進めていこうという話であります。
 最後に、福田知事だけに一つ。
 さっきの話を聞いていますと、国井さんのさっきの質問、どうも候補地に決まったら何となく仕方なしにやってみようというような雰囲気の御答弁だったんだけれども、そんな感覚で私、受けとめていいのか、最後に一点。
#51
○参考人(福田昭夫君) そういうわけではございませんでして、いろんなところから中央の声を聞いておりまして、なかなか決まりそうもないということでありましたので。ただ、福島の知事さんや北東五県の知事さんとは、とにかくまずその場所を決めることが先決だと、そのために一生懸命頑張っていきましょうという申し合わせをしておりますので、どうぞ御安心ください。
#52
○鈴木政二君 わかりました。
#53
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。きょうは、お二人の参考人の皆さん、大変御苦労さまでございます。
 私はこの委員会が初めての委員会でございまして、昨日からきょうにかけて基本的なことも含めて何点か、それぞれの参考人にお聞かせいただいておりますが、三点にわたってちょっとお伺いいたしたいと思います。
 そのまず第一点は、基本的なことでありますけれども、この国会等移転の意義の問題ということが冒頭お話をされました。移転法にも出ておりますけれども、その一つは、国政全般の改革とか、あるいは東京の一極集中の是正とか、あるいは災害対応力の強化という、そういういろんなことがあると思うんですが、そういう中で特にこの地域が、それぞれもちろん重要な意義があるわけですけれども、特に強調するとすれば、この意義のうちのどこを特に強調して訴えてこようとしているのか。いや、それ全部だよといえばそれはそうかもしれませんが、そこら辺を答えられるようでしたら、お答えいただきたいと思っています。
 それから二つ目は、東京都との連携の問題でありますけれども、移転法の第六条ですか、新都市とそれから東京都との機能面の連携を確保するというふうな項目があって、そしてその中に特に具体的な方策の問題があると思うんですけれども、これについてもしお考えがあればというか、その基本的な考え方を教えていただきたい。
 関連することですけれども、昨日も北川知事にお伺いしたんですけれども、私自身は栃木県出身の議員ですけれども、十一月九日に西那須野というところで、福田知事も御存じだと思いますが、経友会という経済団体が主催するシンポジウムがございまして、東京都の野村という首都機能の調査をする担当部長が出席されまして、その部長の話の中に、政経分離は東京はしないと。そして、しかしその機能を関東一都六県に分担をするというか、それぞれ広く受けとめていくというふうなことで、そういう機能の分担、つまり展都というふうな言葉を使っていましたが、そういうこともあり得るのではないかということを一都六県の都県市会議ですか、そこでそういう議論がされているというふうなことを言っておりますけれども、その辺の具体的な事実がわかれば教えてもらいたいということと、それから一方では、そのシンポジウムに市川宏雄さんという明治大学の教授がちょっとおもしろいことを言っているわけです。ともかく国会等移転というのはあり得ないと、ただしかし災害時とかそういうことも考えると、あるいは夏場だけ国会を開くというふうな、ミニ国会的なそういうようなものを考えてもいいんじゃないかというようなこともちょっと言っているんですが、そんなようなことについてのもし何かコメントがあればお聞かせいただきたい。
 それから最後に、先ほど福田知事から一日も早く結論を出してほしいというふうな話がございましたけれども、聞きようによってはともかく結論ありきということで候補地を決めるということでありますけれども、しかし物はとりようでありまして、決めた後、じゃいつごろそういう形で具体的に進むのかということが全く触れられないまま決めていくことによって、百年、四百年という話がありましたけれども、ある意味ではたなざらしになる可能性がないとは言えないと思うんですけれども、そういうことの歯どめをやっぱりどこか考える必要があるんではないかというふうに思うんですが、そこら辺のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
#54
○参考人(福田昭夫君) それでは、三点あったかと思いますけれども、一点目の、どこを強調するのかという話でございますが、この三点、さらに先ほど申し上げました環境との共生のモデル都市づくり、四点とも非常に重要なものですから大変難しいんですが、強いて挙げればやはり災害対応力の強化、これが一番重要かなというふうに思っております。
 それから二つ目の、東京との連携をどう考えるのかという話でございますけれども、このことにつきましては、東京都の部長さんが政経分離はしないというような答えをした話とか、それから市川先生の夏場だけの国会というような話のようでございますが、これらにつきましては、国会等の移転を実際に行うということになれば、その過渡的な段階としてのあり方としてはそういうことは望ましいのかなと、こう思っております。
 それから三点目は、早く候補地を決めるけれどもたなざらしになってはという話でございますけれども、このことにつきましては、これから仮に福島、栃木・福島地域と、こう決定していただくと、その後今度は東京都との比較考量ということになるわけだと思いますので、その辺がさらに結論が出るか出ないかという問題も出てくるかと思っています。
 とにかく三候補地での決定はできるだけ早くしていただきませんと、三地区でそれぞれお互いに引っ張り合いっこはしないように、誘致合戦はしないということで三県、四県のですかね、福島の知事さんも含めて四県知事でそれは申し合わせをいたしておりますから、そうはいたしませんけれども、しかし梶原知事さんが言われるように、本当に損害賠償しなくちゃならないような、請求しなきゃならない、そういう事態になってしまいますので、できるだけ早く候補地を決めていただければ、あと、その候補地と東京都との比較考量は、これは国会の皆さんの責任で決めるということでありますから、地方がどうこうする問題でもありませんので、ぜひその辺ひとつよろしくお願い申し上げたい、こう思っております。
#55
○参考人(坪井孚夫君) 私からも一言意見申し上げたいと思うんでありますが、その意義なんでありますけれども、これは十年前に決議をされたときの状態をもう一遍やはり思い出していただく必要があると思うんです。
 非常にバブルができまして、もう何はともあれ東京に行けばいいというので東京一極集中がどんどん進んだわけであります。今でも不良債権問題でいろいろと迷惑しておりますが、これは東京のいわゆる都銀が、都市銀行が持った一つの不良債権であって、これは土地バブルのゆえに、それをつぶしたがゆえに今残っておるわけでありますが、これで地方の経済も大いに迷惑しておりますが、この土地バブルをつくったのは東京なので、それは一極集中であったがゆえであります。そのために、先ほどもちょっと申しましたが、発展途上国の大使館、公使館は東京都に部屋も借りられない、建物ができないということまで起きてしまったわけであります。
 したがって、この機会にいわゆる政経分離を図って、安全も補完しながら、そういう形のいわゆる一極集中を解消しようというのがこの一つの大きな意義であったわけであります。
 そのときに、じゃどういう形のいわゆる国会等をつくるんだということになったときには、チープガバメントという形になりまして、小さい政府をつくるんだということで、これは移転を伴うような形にしない限り実現できないだろうと。したがって、この移転をともにするときに小さい政府にこれをいわゆる収れんしていくんだと。
 そこで、私どもも今も非常に困惑をしながら、しかしこれはしようがなくて続けておるわけである陳情、要望活動、これは年間何十回私ども実は霞が関にお話に行かなきゃならぬかわからぬ。そういうものもなくそうと、この際。それで、その小さい政府でもって、そういうものをしない、地方分権も進むことでありますから、そういうもののないところでもって新しい行政府をつくっていく。もう行政の、例えば国土交通省にもしょっちゅう行きますけれども、皆さん方お気の毒。陳情行政ですね、仕事する時間がない。したがって夜中にやるような形になっておられるようですけれども、そういうものも今回要するになくそうじゃないかと。
 いろんな要件がありましたが、今言ったような実は問題が意義として唱えられた。したがって、我々としては、国民の立場としてこれは賛成だ、これはぜひやるべきだという形で実は賛成したわけであります。
 それで、そのときに、ただ問題は、これをどういうふうにして盛り上げていくかといったときに、国土交通省が考えられたのは、十一地域ありましたから、候補地が、手を挙げましたところが。十一地域がある程度の、それまでの一つの形ではありましたが、アピール合戦をする、誘致合戦をする。それによって、いわゆる国会等の移転というのはやはり必要なんだし、それを実行すべきだという形に醸成していけないかというようなお考えがあったように私は受け取っております。
 ただし、我々は誘致という形でこの問題を受け取るべきじゃなくて、あくまでも国会で決める問題を国民サイドでもって受け取るというやり方でいくべきなので、したがって、今の東京都との連携とか財政の問題とかいろいろございますけれども、それは国会でお決めになるべき問題。それを国民がどう理解するかということについてのいわゆる事情説明がこれから深く行われるべきだと、こう思うんですね。
 それで、要するに、来年の五月に決められたときに東京都との比較がありますが、そのときにはこれを実現するべきなのかどうかということもあわせて、大きなテーマでひとつ議論を起こしていただきたい。
 その間に、分都論、重都論というのがたくさん出ました。これらも、ただ国土庁を含めた政府の考え方としては、そうじゃなくて、いわゆる国会だけを、国会を含めたその部分だけを移転するんだから重都論とかもしくは分都論には至らない、ただその途中、形成される間にそういう形が起きる可能性はあるけれども、最終的にはそれは行わないということでございましたので、私どもはそういう論議を深めたところもありましたが、これを引っ込めた部分もございます。
 以上でございます。
#56
○近藤剛君 このたび新しく当委員会に参加させていただいております近藤剛でございます。よろしくお願いいたします。
 今いろいろと勉強させていただいている最中でございますが、その意味できょう、福田知事さんそして坪井会長様から大変親切な、御丁寧な御説明を賜りまして大変参考になりました。ありがとうございます。今までどういうお考えで進めてこられたのか、そして今どのようなお考えなのか、よく理解できたように思います。
 特に、福田知事、それで坪井会長様もおっしゃっておられましたように、この問題を単なる公共事業の問題と矮小化した議論ではないんだということでございまして、全く同感でございまして、今、坪井会長様がおっしゃられましたように、これは安全保障も含めました、ある意味では国づくりの問題ではなかろうかなと、そのように承知をしております。そういう意味で、国民レベルでの理解度をさらに深めた、しっかりとした国づくりという視点に立っての議論の展開が必要だし、また、その議論の展開をしていくのは我々国会の責任だろうと。もうおっしゃるとおりでございます。
 私、実は昨年まで民間におりまして政治を眺めておりまして、政治についていつも思っていたことが一つあるんですね。それは、政治は常に総論賛成なんですよ、総論賛成。各論になると何も決められないんですね。各論は常に先送り。
 この委員会の歴史、勉強をさせていただいておりますが、今お話ございましたように、平成二年十一月七日の国会決議、これが出発点です。もう十一年たっている。そして、まさに今、構造改革を我々議論しているわけで、構造改革というのは新しい国づくりに向けた議論なんです。この首都機能移転というんですか、国会等機能移転の話は、まさにその構造改革の一環として位置づけて我々は議論をしていかなければいけないんではないかと、そのように思うんです。
 そして、この議論の出発点、平成二年の国会決議の最大の眼目は、今、坪井会長もおっしゃられましたように、これはもう集中ですね、この一極集中の是正なんですよ。一極集中の是正ということは、ただ物理的に動かす、これは一極集中の是正にならない。要は、先ほどから福田知事、それで坪井会長様、もう何遍もおっしゃっておられるように、この内容がさらに問題なんですね。要するに、必ず東京に陳情しないと何も起きない、こういう日本をもう変えていかなければいけないんだろうと思うんです。
 そういう意味で、その機能の移転、物理的な移転だけではなくてその内容ですね、地方分権といいますか、私は地方主権だと前から申しているわけなんですが、その議論を本当に国民レベルで深めて実行していかなければいけない。その大きな第一歩を踏み出すきっかけが当委員会での議論であってほしいなと、そういう期待感を持って私、参加させていただいているわけであります。
 しかし、そのような地方主権を考えるときに、今、地方をそれぞれ拝見しておりますと、地方経済の活性化の議論がばっと起こってきている。要するに、日本経済を活性化しなければいけないんですが、もう地方経済の集合体が日本経済ですから、地方経済が活性化しなければいけない。しかし、地方経済の活性化を地方レベルで権限を持ってしっかりと議論していくためには、今の行政単位で本当にいいのかどうか、こういう議論をしていかなければいけないんだろうと思うんです。
 そういう意味で、今の行政単位がこのままでいいのかどうか、そしてよくないとすればどういう方向で我々議論していったらいいのか、そのような内容に踏み込んだ議論を、この物理的な移転の話と同時並行的に、あるいは場合によってはその内容の話を先行させて議論していくことも必要ではないかな、そういう感じがしております。
 それから、一方、先ほどからお話がございましたように、これは土地の収用等、かなり倹約はできるというお話でございますが、しかしそれなりに相当の国費は必要なわけでございまして、今、非常に日本の政治は悩ましい状況にある。その一つは、選択をしなきゃいけないんですね。要するに、国費というのは有限でございまして、今度の補正予算が成立いたしますと、本年度の末には六百六十七兆の公的部門の債務を抱える国になるわけでございますので、そのような現状を踏まえて選択をしなきゃいけない。その選択というのは、タイミングと優先度の話なんだろうと思うんです。
 そういう意味で、先ほどの広域行政のあり方、坪井会長は広域連携への期待を込めていろいろな、経済界では実際には地方経済の活性化に向けての広域連携をもう組織されておられるわけでありますが、それを行政にまで広げていく。そういうことも含めた地方主権の議論を先行させて、そしてその結果として小さな政府をどこに移転していくのか、そういう順番で議論をしていく。これも一つの今、選択肢なんだろうと思うんです。
 そういう点も含めまして、福田知事さん、そして坪井会長様の御見解を、もう地域社会の代表者ということではなくて、一国民として、この二十一世紀を展望されて、ひとつ御見解を賜れればと存じます。
 ありがとうございます。
#57
○参考人(福田昭夫君) 今の近藤先生の話でありますが、私も全く同感でございます。そういった意味では、まさに小さな中央政府をつくろうということで、ことしの一月六日に中央省庁の再編も行われたわけでありますし、また、昨年の四月一日からは一応地方分権もスタートしたわけであります。これからの二十一世紀の私どもの新しい国づくりを考えますと、やはり自分でできることは自分でやる、自分一人だけでできないことはお互いに助け合ってやっていただく、それでもできないことは公が助けをする、いわゆる自助、互助、公助の国をつくっていかないとなかなかやり切れない、そういう状態になってきているわけでありますから、そういった意味で、小さな中央政府をつくることと同時に地方分権と規制緩和を促進するということが大変重要だと、こういうふうに思っております。
 そんな中で、やはり外交とか防衛とか、あるいは全国に共通するような問題を国が担当して、あとは地方に任せる、そういう地方分権あるいは地方主権の国づくりをしていく、その一つの姿、具体的な姿として国会等の移転も進めていくという必要があるだろうというふうに思っております。地方としては、当然、市町村合併を進めたり、あるいは都道府県の合併をしたり、あるいはもしかすると道州制とか、そういったことの推進もしていかなくちゃならないと、こう考えております。
 そんな中でも、やっぱり早急にやっていかなくちゃならないのが、地方としては市町村合併だと思っておりますけれども、こういったことの実はスタートが既にされているわけでありますので、そういった新しい我が国の国づくりの一環としてこの国会等移転もやるということで、まずそういう意味では場所決めをしていただいて、じゃ小さな中央政府をつくるのにはどの程度の建物の規模とかあるいは人員とか、そういったものが出てくるかなというふうに思っているんですね。
 しかも、ちょうど今が実は私、タイミングだと思っておりまして、私がちょうど団塊の世代でございまして、団塊の世代があと十年たつかたたないうちに大体リタイアするわけですね。ですから、この団塊の世代がリタイアする間にいろんな改革は進めておく必要がある。特に、市町村合併とか小さな中央政府をつくるに当たっては、公務員の生首を切らずに、退職者を半分ぐらいしか補充しないとか、そういうことが実は今できる最高のタイミングなんですね。
 ですから、そういった意味で、この国会等の移転も、または地方分権も今やらなければ、次の世代ではもう手おくれになると私は考えておりますので、そういった意味で進めていただくと大変ありがたいかなと思っております。
 以上でございます。
#58
○参考人(坪井孚夫君) 私ども民間の立場でも、これからなかなか大変な時代に入るということはよくわかっております。それはもう切に今、毎日毎日感じているところであります。したがって、首都機能の移転ということを推奨しても、なかなか簡単に理解されない時期にはなっているなということもあるんです。しかし、先ほど来意義を申し上げたような形で、しかしこれはいずれやらなくちゃならない事業だということについても理解をしていきたいと思うんです。そこで、国づくりであるということをまず前提に上げるということを一番最初にして、国会で御論議していただきたいということでお願いしているわけです。
 それで、地方においては今連携しなくちゃいかぬと、分権法ができましたので。福島県におきましても、白河地方は七町村、白河市を入れまして今、研究会ができております。県北の伊達郡というところは伊達政宗の出生地でありますが、伊達郡というところも伊達九町が現在、連携もしくは合併に向けての研究会を発足しております。ちょっと茨城県との境にあるんですが、矢祭町というのは合併に反対をしまして、きのうは総務庁からわざわざお役人がお見えになっていろいろやったそうであります。
 そういうこともありますが、何はともあれ、やはり私ども東北の経済界としては最終的には道州制なのかなと、こう思っております。したがって、そういう意味では、新しい国づくりで首都機能移転のような、国会等移転のようなことを進めながら、そういう部分も新しい国づくりの形態としてやはり進める。これは、地方分権の究極はそこへ行くわけですから、最終的に予算との関連でいくならば、言うなら道州制が一番望ましいというような形の中でいわゆる地方の発展というのを考えていくと、各県が一つずつ大きな劇場を持つ必要はないし、大学を持つ必要はないし、そういう意味での予算の効率的な使い方というのをやはり今後地方は考えていくべきだと、こういうふうに思っております。
 それから、いわゆる地方分権を進めるのに当たっては、そういう形でPFIというようなものも今後相当利用されますので、そういう形でいけるというふうに考えております。
 それから、費用の問題ですけれども、東京都が二十・一兆円に上るという推計を発表したのであります。私ども経済人の感覚から見て、これは一体だれがこういうことを書いたのかということですね。バブルの後期でありましたけれども、国会等移転に関する最初の試算では十四兆円なんです。その中の四兆円が土地を購入するものなんです。しかも、九千ヘクタールを四兆円で購入するということは、坪十八万五千円なんですね。十八万五千円なんという土地は阿武隈地域には全くありません。一番高いところで一万円です。
 この間、未来博をつくりました福島空港のすぐ隣の土地で、土地を収用しましたら坪五千円です。この計算でいくと、要するに二千七百億円で、例えば阿武隈地域だけで土地を収用する場合には、二千七百億円くらいあれば全部の土地が収用できるんです。四兆円なんというものは全く一体どこから出たのかわからない。それに対して、二十兆円かかるなんということはとんでもない話です。
 これは、東京の外環道路を今つくろうとしておりますが、これをつくるのには一キロ三百億かかるんです。中央環状をつくるのには七百億円かかるんです。今、第二東名をつくろうとしているのは、これは一キロ二百億円かかるんです。それに対して、いわきから新潟へ通っております磐越自動車道路は一キロ三十億円です。横手道路、いわゆる秋田道路として今度できましたのも、これも一キロ三十一億円です。
 そういう形でいきますと、土地と建設費用を合わせて、建築資材も福島県と東京では現在四割方違いますが、福島の方が低いんですが、そういういわゆる建築資材等を含め、また今の土地の収用、工事費を考えて何で二十兆、その当時でさえが十四兆円だったのが今になって全部下がっているときに何で二十・一兆円かかるのか。この東京都の試算というのは、我々経済人から見たら反対するためにつくった資料ときり受け取れない。
 こういうことも含めて、細かい数字は持っておりますがくどいので申し上げませんが、以上のような点でございます。
#59
○井上美代君 今、東京のお話が最後に出ましたけれども、私は長く東京に住んでおりまして、首都は東京だと思っておりますし、東京の問題でまずお話をしたい、質問をしたいと思っているんです。
 きのう、東京の世論調査結果、これに関する世論調査結果が出ました。それによりますと、この首都移転の必要性については、「必要がない」と「どちらかといえば必要がない」と両方合わせまして六六・三%というのが出ております。これは、もちろん二年前の調査からすれば上がって、高くなっているんですね。また、厳しい財政情勢のもとでというふうについておりますけれども、首都移転に十二兆三千億円ものお金をかけるべきでないというこの議論に対して、「そう思う」というのと「どちらかといえばそう思う」というのが七五・九%と合わせてなっているのがけさの新聞に出ております。
 先ほどから、この問題に関する関心が非常にないということが言われまして、坪井参考人からも全く関心がないというお言葉が出るほど、やはり国民の間に関心がないんだというふうに思うんですね。今、私は客観的な情勢と、そしてお答えの中から言っておりますので。
 私は、この首都東京の移転費用の独自の試算というのを今見ております。十月二十六日に発表されておりまして、移転費用、先ほど土地も随分安いというお話が出ましたけれども、やはり移転費用は審議会の試算よりも一・七倍も多くなって、二十兆一千億円というのが正確なのかどうかというのは一つあるというふうに思います。それは、東京都には私詳しく聞きに行っておりませんので、どういう調査だったのかはよくわかりませんけれども、しかしながら高くなるということは間違いないのだというふうに思っております。そのうちの地元地方自治体負担は五兆七千億円というふうに出ているわけです。
 私は、そこで御質問したいわけですけれども、首都移転についてかかる費用と地方自治体の財政について、これは三重県知事にも岐阜県知事にも御質問させていただきました。栃木県知事が最後になりますけれども、私が聞いたところによりますと、栃木県の財政状況も大変深刻だということを聞いておりまして、特に今年度の一般予算は八千五百億円ということで、負債は今年度で九千億円を超えるということですけれども、そうでしょうか。これに首都移転に伴う地方自治体の負担が加われば、本当に大変になるというふうに思うんですね。これらをどのようにするおつもりでいらっしゃるのか、知事にお聞きしたいというふうに思います。
 もう一つは、東京の試算では、栃木・福島地域での森林等の公益的機能の損失というのは四千六百五十億円としています。また、失われた森林を回復するためには五千九百九十五億円が必要と、こういうことになっております。このように貴重な環境を破壊することなどから見ても、首都移転するメリットというのはないのではないかというふうに思います。財政面のみならず、環境面から見ても首都移転はすべきではないというふうに考えますけれども、知事の御見解はどのようなものかということをお聞きしたいと思います。
 日本共産党は、栃木・福島地域への移転について、那須野ケ原地域の自然環境破壊の不安、そしてまた観光、農業など主要産業への大きな影響、さらには水の確保、ごみ問題などありまして、この計画には反対です。知事がどのようにその点をお考えになっているのかということをお聞きしたいと思います。
 以上です。
#60
○参考人(福田昭夫君) 井上先生のお話でございますが、まず東京都が試算した費用等につきましては、先ほど福島の坪井会長さんがおっしゃられたとおり、非常に現実離れした計算だというふうに思っております。そういった意味で、今回、北東地域で出したものについては、試算はいたしておりませんけれども、しかしはるかに安くなることは確かでございまして、仮に今までの私どもの計算ですと、毎年二千数億円を使って十年ぐらいかければ十分に国会等移転は可能だというような実は試算をいたしております。
 それから、自然破壊等でございますけれども、これにつきましては、先ほども御説明の中で申し上げましたけれども、私は、開発面積を限定すれば自然破壊を非常に少なくすることができると思っています。特に、私どもの栃木地域においては、国と県などが所有する国公有地が四百ヘクタールございます。ここは、大体農林省の牧畜の試験場とかあるいは県の試験場等でございまして、草地になっているところが大部分でございまして、その中に配置をするということを考えれば木などもそんなに切らずに実はできる面積もありますし、さらには民間のゴルフ場もございまして、こちらの方の協力を得られればさらに大変な面積を確保することもできまして、本当に森林などを破壊せずに十分整備ができる面積を確保できます。しかも、平場でございまして全く造成費用はかからない、本当にそういう形状をしております。
 さらには、先ほどごみの問題、水の問題等ございましたけれども、実はこちらは東京の方がもっとひどいことでございまして、世界銀行が発表したことがございます。世界には一千万以上の都市が二十二か三あるんです。そうすると、先進国で一千万以上の都市があるのは日本とアメリカ、東京とニューヨークだけなんです。これらの抱えている大都市問題というのは、御案内のとおりの水があります、ごみがあります、さらには電気、エネルギーの問題もありますし、交通の問題もあります。したがって、むしろごみや水の問題は実は東京都の方がもっとひどい問題でございまして、ですから、そういった意味で国会等移転審議会が一番高い評価を下しましたが、これは水の問題ですね、いろんな問題を全部評定して、評価をして最高点数をくれたということでありますので、その辺御理解いただければありがたいなと、こう思っているところであります。
 以上でございます。
#61
○井上美代君 今質問をしましたのにお答えいただいていない部分がありますので。
 一般予算の八千五百億円の負債と、それとこの移転の高い費用の問題との関係、その辺をどのように知事がお考えになっているのかということをお聞きしたいんです。
#62
○参考人(福田昭夫君) 確かに、先ほどおっしゃられたような起債等の金額等については事実でございます。これは、九千億円の起債がある、借金があるという話は事実でございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、公的な費用は、私どもの試算ですと、国も含めて二千数億円で十年以上かければ十分移転ができるということでありますから、このうち栃木県がどれぐらい負担をするかという話でありますが、それはこれからの具体論の中で考えていくほかないのかなと、こう思っております。
#63
○井上美代君 終わります。
 今後、また検討させていただきます。
#64
○有馬朗人君 きょうは大変ありがとうございました。
 お二人にお聞きしたいことがあるんですが、その前に少し申し上げてみたいことは、この国会等移転の問題が起こってきたとき、平成二年の段階と現在とで、東京都にしてもどこにしても土地の値段なんかがはるかに変わっているということ、このことを考え直してやはり我々はもう一度初心に戻って国会等移転の問題について考えなきゃいけないんじゃないかと思っていることを最初に申し上げます。いろんな条件が変わってきている、これをもう一度きちっと整理して議論をしていかないといけないんじゃないかと思うのです。
 そこで知事さんにお伺いいたしますが、私が国会等移転審議会の会長代理をしていたときの調査によりますと、確かにこの福島・栃木あたりのいいことは、地震が非常に少ないということと、それからまた森林等々自由になるところが多いというふうなことが評価の高いところだと、水も含めてでありましたが、あったと思うのです。
 そこで一つお伺いしたいことは、今も議論になっていましたけれども、福島・栃木の土地というのは、その後この数年の間に土地の値段は下がっているかどうかという極めて初歩的なことからお聞きしたいのですけれども、今御議論があったように、移転する費用というのは、二千数億円掛ける十年でやれるだろうとおっしゃっているけれども、これはさらに安くなる可能性があるのか、それとも具体的に検討すると高くなっていくのだろうか、この辺の見通し。
 そしてもう一つ、具体的には、土地の中で、私の記憶が正しければ、国や県が持っている分が非常に大きかったと思うんです、栃木・福島のあたりは。その点は今でも変わらないのかどうか。この辺、極めて具体的なところでお聞きしておいた上で、実は問題点を指摘いたしたいと思うのです。
 福島及び栃木県の場合の一番問題は、今まで、これはちょっと批判的になって御無礼ですが、文化という点で他の二地区より弱いんじゃなかろうかと。すなわち、昔からの文化という点で、その辺についてどう考えておられるか。いい面は、これからさらに開発しやすい面があると思うので、文化を開発していく上でやりやすい面もありますけれども、その伝統的な文化ということに関してどう考えておられるか。例えば大学の数が割に少ないとかそういうことも含めまして、畿央地区や岐阜地区に比べてやや少し弱いかなという私の感じでありましたけれども、その点についてどうお考えであるか。
 そして最後に、ほかの知事さんたちにもお聞きしましたけれども、国会等を移転する際に理想的な条件とすべきことは何であろうかということをどうお考えになっておられるか、お聞きいたしたいと思います。
 以上、土地の値段に関すること、費用に関すること、文化に関すること、そして、もし移転するとすれば、あるいは移転しないまでも国の国会等々を置く上で一番理想的な条件とは何であろうか、それについてどうお考えかについてお聞きいたします。
#65
○参考人(福田昭夫君) 有馬先生の御質問でありますが、まず第一点目でありますけれども、土地の値段は下がっているかという話でございますが、これは現在下がっております。
 また、二千数億円の経費を試算したそれ以降試算しておりませんけれども、土地の値段もまた物価等も下がっておりますので、きっとさらに下がるものと考えております。
 それから二つ目の伝統的文化という点で劣っていないのかと、こういう話でございますが、確かに私どもの地域は人口がほかの二地区に比べると少ない方でありますから、それは大学の数等は確かに少ないかと思いますけれども、しかし伝統文化という点で考えれば、私は日本を象徴するような文化があると思っております。
 それは、御案内のとおりの日光東照宮に代表されます二社一寺等がございまして、特に東照宮には徳川家康公が実はあそこに鎮座ましましているわけでありますが、家康公はやはり日本の国の中で織田信長公、豊臣秀吉公に次いでやはり私は大変立派な武将であったというふうに思っておりますし、三人の中でもすばらしい哲学をお持ちの方であったと思っております。
 さらには、有馬先生は文部大臣も務められましたが、残念ながら今私どもの国で一番足りないのは、私は二宮尊徳先生の考えだと思っています。残念ながら、文部省も戦前は利用いたしましたが、戦後捨ててしまいました。この二宮尊徳先生の偉大な思想、考え方ややり方、これに実は今学んで日本の国づくりはやっていかなくちゃならない、そう思っております。そうしますと、二宮尊徳先生は実は私の地元の今市市に眠っております。栃木県に眠っております。私は、一生懸命二宮尊徳先生の思想の掘り起こしを今やっているところでございまして、そういった意味からいうと、まさに自立自助を基本とする我が国の新しい国づくりを行うのには、そういう自立自助を基本とするような人間をたくさんつくっていかなくちゃならない。そうすると、二宮尊徳先生を抱えている我々栃木・福島地域はもう何といっても日本の精神的な伝統文化の最高のものを持っている、こう私は主張したい、こう思っております。
 それから三点目は、理想的な条件ということでありますが、これは何といっても、先ほど福島の坪井会長の方から話がございましたが、やはりまだ手つかずの土地が残っていて、新首都、国会等がつくりやすい、地元の県民の皆さんの理解も得られやすい、そういう場所が一番だと思います。
 そういったところで、しかも、あと交通のインフラがそろっているとかいろんなことがあるかと思いますけれども、そういった意味では私どもの栃木・福島地域は非常にすばらしい立地条件あるいは環境をそろえている、整えていると、そう思っているところでございます。
 以上でございます。
#66
○有馬朗人君 ちょっと補足質問していいですか。
 今お考えの国会等移転の対象地における国や県の持っている割合はどのくらいですか。もしおわかりにならなければ後で結構ですけれども。
#67
○参考人(福田昭夫君) 先生の方に差し上げている資料の、恐れ入りますが九ページをごらんいただきたいと思います。
 九ページに、ここに畜産草地研究所、これは国の土地でありますが二百二十八ヘクタール、それから酪農試験場、これが県の土地でありますが七十二ヘクタール、那須野が原公園、これが県の公園ですが六十ヘクタール、その他四十三ヘクタールで、四百三ヘクタール国と県の土地がございます。これはすべてもう大体草地でございまして、造成が必要ないと、こういう土地でございます。
#68
○有馬朗人君 ありがとうございました。
#69
○荒木清寛君 坪井参考人にお尋ねをいたします。
 東京の都市機能というのはもう限界に達していると思いますし、その機能の分散の必要性というのはやはり大変高いわけでありまして、そうした意味で、私は、首都機能の移転ということについてはかなり積極的に取り組んでおります。
 ただ、どこの地域がふさわしいのかというのは本当に悩ましいわけでありまして、きょうの午前中のお話を聞けば大変説得力ありますし、またきょうの両参考人のお話も非常に説得力があって難しいなというふうに思っております。
 そこで、比べるわけではありませんが、きょう午前中はいわゆる中部地域でありまして、そこでなぜ中部地域がいいのかというお話はいろいろありましたが、その中の一つに、ある程度の都市機能が備わっていないと、何にもないところに持っていってもそれはうまくいきませんよというお話で、そういう意味で、もう既にこの中部地域には、古屋初めそうしたインフラといいますか都市機能が既に備わっているところなんだというお話があったんですね。そういう観点で、この栃木・福島地域というのはどういう状況にあるんでございましょうか。この点だけお聞かせ願いたいと思います。
#70
○参考人(坪井孚夫君) 土地の所在環境ですけれども、東京から一時間ということになります。先ほど福田さんがおっしゃったように、その感覚は東京から八王子まで、中央線で。特急で行ってもちょうど八王子くらい。そうすると、特に今、東京で二時間以上をいわゆる通勤圏と思っている人は圧倒的に六〇%くらいおられます。それから三時間以上の方も二四%くらいおられるんですね。そういう感覚からいきますと、東京と、要するにこの那須・阿武隈地域というものは分離するものではないと考えているんですよ。
 ですから、先ほど有馬先生からの文化の話で、大学がないじゃないかという話でありますが、大学は、この辺の人たちはみんな今東京の大学へ来ているんです、私どもの子弟はすべて。そこで、東京と一緒にその点、生活しているんです。
 ですからもう、先ほど言ったような道州制がもし将来しかれるような形になったときにはそこはどうなるのかと。例えば、福島都になんかなるわけじゃないんでありまして、いわゆる霞が関特区になるのかな、ワシントンDCみたいになるのかなという感じを持っています。したがって、東京都とまずそういう意味での相関関係は消えませんから、まずそういう意味で心配はないと、こう思っている、こう感じています。
 それから、茨城県には学園都市ができておりますように、そこでは新しい産業の、もしくは新しい科学の発展がどんどんできていますから、茨城県のいわゆるバックアップを受けられる。そして、仙台がもうちょっと北の方に行きますとございますので、この仙台にはもちろん都市機能等も今政令指定都市でございますから有していると。そこには特に先端技術を有する東北大学の西澤先生、今やめられましたけれども、西澤先生のそういうような教室もあって、新しい日本のベンチャービジネスがどんどんそこから生まれていくというような形がございますので、そういう意味からいくと、都市機能的な部分については私は全く心配はないと。要するに、一時間でもって仙台にも行けるし東京にも行けるし、もちろん筑波学園都市にも行けるという形からいくと、すべてが補完できる環境にあると、ひとつこう思っております。
 それから、さっきのちょっと有馬先生の文化の話なんでありますが、東北においては、特に福島あたりも文化的な施設が少ないんじゃないかというお話でした。これは全くおっしゃるとおりです。これは、東北は文化施設が少ないんです。ただし、文化はあるんですよ。
 これは、和田先生いらっしゃいますから、じゃちょっと申し上げますと、いわゆる若松、会津のもっと西になりますが、西会津に、「謎」というのがつきますから「謎の高寺文化」というのがございまして、ここは古代仏教が阿賀野川をさかのぼって、これは高麗から多分来たんだと思いますが、いわゆる宮廷仏教で奈良を伝わってきた仏教以前に既に会津に入っております。
 したがって、会津がその後に荘園仏教で物すごい発展をしまして、今でも国宝の慧日寺等がございますが、そういう部分が一挙にあの奥地に、そこは米穀生産を含めた形でばっと日本を先導する形で栄えた一時期がありましたので、後に要するに会津荘園仏教文化が栄えたわけであります。今でもそこにあります薬師寺のいわゆる仏像なんかは年じゅう国立博物館や、もちろん大阪の方にもお貸ししておるわけであります。
 ただ、問題は、その後非常に不幸なことがありまして、東北は大きな戦争で五つ負けているんですよ。今回、この国会等移転の問題で負けますと、これ六つ目になるんです。一つは坂上田村麻呂による東征ですね。それから前九年、後三年の役でやはり負けまして、後に太閤仕置がありまして、そして最後に百三十年前のいわゆる維新の戦いで負けている。特に、会津、二本松、白河は松平でありましたために幕府、いわゆる徳川家に味方をしたことによりまして実は非常にひどい処遇を受けました。それによって文化施設が来なかったという現実もあるというふうに御理解いただきたいんですよ。
 ですから、例えば四国に三本橋がかかっても、三兆円の予算でかかっても、東北新幹線はまだ八戸までも行っていないんです。これ、四千五百億あればもう青森まで行っちゃうんです。しかも、東京湾アクアラインというのは一兆五千億かけてつくったにもかかわらず、私どもの方にはそういう文化施設的な要求をしても少しも今まで入ってこない。これは非常に、東北でいう寒い季節を表現します西高東低の現象であります。西に高く東に低い予算配分がずっと続いたということなんです。したがって、これらをやはり解決していく上においても、この北東国土軸に移転することが非常に私はいいという考えを持っておりますし、それと同時にエコ問題があります。
 今、東北が一番迷惑していますのは、東京のごみを持ってきまして栃木県や福島県にどんどん違法投棄をされていることなんです。これらをやはり全部最終的に解決するのにはリサイクルでもってやるんですが、そういうことを考えたいわゆる自然共生の新しい国会等をここにつくっていただくと、これが一つのモデルになると思うんであります。
 先ほど井上先生が首都移転とおっしゃいました。東京にお住まいの方はすぐ首都移転と言うんです。これは国会等移転の審議会でありますから、どうぞひとつ国会等移転という形でお考えいただきたいし、そういう意味では、エコ的な共生を含めた新しい都市をつくりますと、先生、住めば都ですけれども、ヒートアイランド、通勤時間、いわゆる炭酸ガスの問題、それから窒素化合物の問題、もうこれ以上大きくして住むところじゃないですよ。そういうこともいろいろ考えると、住めば都ですから私は人のところを批判するばかりではありませんが、新しい方向の住み方も必要なんじゃないかということを含めて申し上げたいと思うんであります。
#71
○委員長(沓掛哲男君) では、井上君、一言。
#72
○井上美代君 ちょっと誤解をされているようですから一言申し上げます。
 首都移転と私が言ったとおっしゃっておりますけれども、それは、私は新聞をそのまま読みましたので、私の見解ではありません。
#73
○参考人(坪井孚夫君) 首都移転ということはございませんから。ございません。これは全く不正確でありますから。
#74
○委員長(沓掛哲男君) では、和田君、一言。
#75
○和田ひろ子君 有馬先生に一言。
 文化の施設はないかもしれませんが、福島県には文化はたくさんありますので、御訂正をお願いしたいと思います。栃木県も同じだそうでございます。ぜひ、この場で御訂正をお願いいたします。
#76
○伊藤基隆君 時間がなくなってしまいまして、一言申し上げますが、国会機能移転ということが、国会等移転でありますから、行政府の移転が行われ、さまざまな人口集中が起こって都市機能も充足されていかなきゃならない、結果的には東京都のミニ版のようなものができ上がっていく、東京ほどになるということはそれは何年もかかりますから。
 東京は一極集中で首都機能を持っているけれども、首都機能があるがゆえに、そのほかの理由もあると思いますが、経済や情報や文化の集中、人口集中が起こって、今問題になっているのは東京都の機能なんです。首都機能そのものじゃないわけです。だから、首都機能が移っても国会等が移転しても、東京の問題は別に残っていくということを認識しなくちゃならない。それと同時に、国会等が移転した地域においては東京のような状況は起こるだろう、自己増殖をするという性格が都市にあるとすればそういうふうになっていくだろうと。
 そのときに、福島、栃木の一部の地域にそういう二つの県の手に負えない都市の存在が生まれてくるんじゃないか。果たしてこれは地方の発展のためにいいことかというふうに私も思っていましたが、話を聞いているうちに地方にとってはかなり大きな負担というか、周辺に過酷な影響を与える存在というふうになりはしないか、そういうことからすると手放しで喜べない。国家百年の大計といいながらも、かなりの犠牲を強いることになるんじゃないかというような実は討論を聞いていまして疑問を持ちました。
 この点について知事の御見解がありましたらお聞かせいただきたい。
#77
○参考人(福田昭夫君) 今の伊藤先生のお話でありますけれども、そのためにやはり小さな中央政府をつくることと地方分権を同時に推進するということが私も大切だと思っておりますので、そういった意味では新しい国づくりの中で国がやることをしっかり限定していただく、外交や防衛とかあるいは全国に共通するような事項、そういったことにやはり国の役割をしっかりと限定していただくということが重要だと思います。そうすることによって今のような東京にはならないというふうに私は思っております。
#78
○委員長(沓掛哲男君) 御意見も尽きないようでありますが、予定の時間が参りましたので、参考人に対する質疑はこれにて終了させていただきます。
 この際、参考人に一言御礼を申し上げます。
 参考人の方々におかれましては、大変お忙しい中、当委員会のため貴重な御意見をお述べいただき、また質疑に対しましては懇切にお答えいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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