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2001/11/26 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 行政監視委員会 第4号
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2001/11/26 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 行政監視委員会 第4号

#1
第153回国会 行政監視委員会 第4号
平成十三年十一月二十六日(月曜日)
   午後一時四十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     辻  泰弘君     鈴木  寛君
     和田ひろ子君     岡崎トミ子君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     山本 孝史君     櫻井  充君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森本 晃司君
    理 事
                岸  宏一君
                清水 達雄君
                小川 敏夫君
                続  訓弘君
                岩佐 恵美君
    委 員
                阿南 一成君
                大野つや子君
                近藤  剛君
                森田 次夫君
                森元 恒雄君
                吉田 博美君
                若林 正俊君
                脇  雅史君
                岩本  司君
                大塚 耕平君
                神本美恵子君
                櫻井  充君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                松井 孝治君
                山本 香苗君
                西山登紀子君
                又市 征治君
                田名部匡省君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   武部  勤君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   副大臣
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  山名 靖英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   政府参考人
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   都築  弘君
       厚生労働省医薬
       局長       宮島  彰君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       厚生労働省老健
       局長       堤  修三君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省生産
       局長       小林 芳雄君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
   参考人
       住宅金融公庫理
       事        井上  順君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (現下の緊急課題に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(森本晃司君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、辻泰弘君及び和田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として鈴木寛君及び岡崎トミ子君が選任されました。
 また、去る二十二日、山本孝史君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
 また、本日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(森本晃司君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に法務大臣官房訟務総括審議官都築弘君、厚生労働省医薬局長宮島彰君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、厚生労働省老健局長堤修三君、厚生労働省保険局長大塚義治君、農林水産省生産局長小林芳雄君、国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(森本晃司君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に住宅金融公庫理事井上順君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(森本晃司君) 次に、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、現下の緊急課題に関する件について質疑を行うことといたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○近藤剛君 委員長、ありがとうございます。
 自由民主党の近藤剛でございます。よろしくお願いをいたします。
 きょうは、昨今の日本経済の現状を踏まえまして、小泉改革を推進する上で極めて重要な役割を果たす規制改革を中心に、幾つかの質問をいたしたいと存じております。
 言うまでもなく、日本経済の現状は極めて深刻でございます。戦後最大の危機と言ってもよかろうかと思います。この危機から脱出するためには経済政策を総動員する必要があります。動員すべき経済政策は財政面あるいは金融面だけではございません。規制面あるいは税制面においても、経済活性化の視点から積極的に検討されるべきだと考えております。特に規制改革は、小泉内閣の掲げるいわゆる聖域なき構造改革のかなめでもございます。
 そこで、まず石原大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
 現下の厳しい経済情勢あるいは雇用情勢を考えました場合、早急に取り組むべき課題は、生活者向けサービスの向上に資する課題に加えまして、国際競争力の向上あるいは景気の浮揚あるいは雇用の確保、拡大に関する課題があると考えております。生活者向けサービスの向上にかかわる規制改革事項につきましては、去る七月二十四日に総合規制改革会議は重点六分野に関する中間取りまとめを公表をされました。そこでは、御承知のとおり、医療、福祉、人材、教育、環境、都市再生、この六分野につきまして改革に向けた具体的施策を明らかにしております。そして、措置時期につきましても規制改革推進三カ年計画を前倒しする形で明記されております。これらが、その後の経済財政諮問会議におきます改革先行プログラム、あるいは改革工程表におきます規制改革の前倒し実施方針の基礎となったと、そのように承知をしております。
 中間取りまとめに当たりまして、石原大臣みずから、大臣折衝も辞さずという強い御決意で臨まれました。大臣のリーダーシップを高く評価するものであります。引き続きまして、これら六分野の規制改革事項の実現に向けた御尽力を期待をしたいと存じます。
 つきましては、これらの六分野につきまして、これからの進め方、スケジュール、そしてその実行に当たって恐らくいろいろな障害が考えられると思います。そのような障害があるのかないのか、あるとすればそれはどのような障害だと大臣はお考えになっておられるか。その対策も含めまして、簡単で結構でございます、お答えを願いたいと存じます。
#9
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま近藤委員御指摘のとおり、現下のこの厳しい情勢あるいはこの雇用情勢を克服していく上で、規制改革の示す道筋というものが大きな貢献をすることは言うまでもないと思っております。そんな中、もう委員が御指摘されましたように、七月に重点六分野について中間取りまとめを行わせていただきまして、これ以外の分野の規制改革についても検討をさらに進めさせて、年内に案を取りまとめさせていただくところでございます。
 私といたしましても、規制改革を大きく進めるためにこれまでどおり全力で頑張ってまいる所存でございますが、二十一日に開かれました総合規制改革会議で、竹中大臣が所管されておりますITの分野について、あるいは都市再生についてもさらに取り組んでいく、これが経済の分野で大きな貢献をするんじゃないかということを私の方から申し述べさせていただきましたし、また、通関手続のように複数の省にまたがって、やらなきゃいけないことがわかっていてもなかなか進展しない分野については、今月中、まあ来月になるかもしれませんけれども、実務の長である各省の局長に集まっていただきまして、この問題の解決を図っていきたい。さらに、委員御指摘の雇用のミスマッチの問題は大変重要な問題でございますので、先日、二十二日の閣議後に坂口厚労大臣に直接お会いをいたしまして、このミスマッチ解消のために職業紹介の際の手数料の規制緩和についてじきじきにお願いを申し上げまして、坂口大臣の御理解も得たと思っております。
 今後といたしましても、できる限りスピーディーに規制改革の具体的実現を図り、委員御指摘のような確実な成果を上げるように鋭意努力していく所存でございます。
#10
○近藤剛君 ありがとうございました。
 一方、これら六分野、そして今御指摘いただきましたIT関連、都市関連あるいは通関業務関連あるいは職業紹介関連、これらを含めまして、我が国産業の一層の国際競争力を回復させるため、そして景気の浮揚あるいは雇用の確保、拡大に資する規制改革課題はたくさん残されていると考えております。
 総合規制改革会議におきましては、本年度末の規制改革推進三カ年計画の改定に向けまして精力的な検討を進められている、そのように承知をしておりまして、大いに期待をしているわけでございますが、今お話しいただきました分野も含めて、六分野以外、特に先ほどから申し上げておりますような国際競争力あるいは景気、雇用、そのような視点を踏まえた規制改革への取り組みにつきまして、再度石原大臣の御決意を伺いたいと存じます。
#11
○国務大臣(石原伸晃君) もう近藤委員は、議員になられる以前の国際的なビジネスマンの経験として、この規制というものが日本の社会の中においてかなりの弊害になっていると。これは、今回中間取りまとめでまとめました六分野以外の分野にもまだまだ残っていると私も認識をしております。そんなところで、六分野以外の規制についても、総合規制改革会議で内外の意見、要望あるいは各委員の問題意識に基づいて関係する省庁や団体から実はヒアリングも行わせていただいて検討を進めているところでございます。
 やはり、経済の分野、いわゆる経済的規制についても、電気通信あるいはエネルギーといったような分野でまだまだ課題は私も残っていると思います。特に、先ほど来お話をさせていただいております竹中大臣所管のITの分野は経済活性化のために実は一番私も重要であると考えておりますし、この規制改革を進めていく上ではIT本部にこちらの方も御協力をさせていただきながら、今、ともにこの問題の解決に向けて精力的に検討を進めている最中でございます。
 このほか、塩川財務大臣等からも即効性のあるものはないのかというようなこともリクエストが参りまして、工場等制限制度、いわゆる地方に出ていきました工場や大学等が都心回帰ができないといったような問題を抜本的に見直したり、あるいは、これも十分議論は深めていく必要がございますけれども、不動産投資信託等の新しい商品が出てきた債券、証券を銀行の窓口で販売できないかというような問題、こういう分野の規制改革というものを実現するよう、今、各府省と協議を行っているところでございます。
#12
○近藤剛君 ありがとうございます。我々としてもできるだけの御協力はしたいし、我々の立場でまた今、大臣がおっしゃった項目等につきましては努力をしてまいりたいと、そのように考えております。
 規制改革事項につきましては、とにかく早期実現を図るということが大変重要でございまして、そしてまた、先ほどから申し上げておりますような景気、国際競争力あるいは雇用という視点でのできるだけ多くの項目について取り組んでいただきたい、そのように期待をいたしております。また、規制改革の成果をぜひとも行政改革につなげていただきたいなと、そのように考えております。
 例えば、許認可等の申請手続の電子化を進めると、そのようなお話がございますが、その際には、単に申請書類を電子化をするというだけではございませんで、その前に、そのような申請そのものが本当に必要なのか、そして添付書類などが妥当なのかどうか、もう行政側の都合だけで申請書類が、非常に添付書類がふえているという事例も見受けられると聞いております。どうかそれらの問題につきまして、政府が一体となりまして申請手続そのものの簡素化、合理化あるいは業務の見直し等を進める必要があろうかと思います。
 また、事前規制から事後規制への移行ということも必要でございまして、その際、不要となる行政組織あるいは公益法人も含めました指定法人の整理縮小も進める必要がある、それらを通じて政府部門の一層のスリム化を進める必要があると、そのように考えているわけであります。
 その意味で、特殊法人の改革を初めといたします行政改革に向けました小泉総理の大変強力なリーダーシップ、そして石原大臣の献身的な御努力に私どもも大いに敬意を表するものでございます。そして、引き続き我々といたしましても、その実現に向けまして最大限の努力をしたいと考えていることを申し添えておきたいと存じます。
 ところで、最近、首相を中心といたします内閣主導、その政策決定プロセスに関しまして、与党による事前審査がそのスピーディーな実行を妨げていると、そのような主張が各方面でなされているのは御承知のとおりであります。つい先週でございましたが、新しい日本をつくる国民会議、いわゆる二十一世紀臨調でございますが、あるいは衆議院改革に関する調査会が、与党によります事前審査の廃止ということを提言をいたしております。
 この点につきまして、これまでの石原大臣の経験を踏まえまして、いろいろな御感想をお持ちだろうと思います、率直な御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
#13
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員御指摘の事前審査は、実は法令で定まったものではなく慣行として定まっておるものと認識をしております。そしてまた、議院内閣制の中でこの制度が有効に機能してきた面あるいは弊害となってきた面、多岐にわたっているということも十分認識をさせていただいております。
 この問題につきましては、我が党の中でも保岡委員会を中心に御議論がされていると承知しておりますし、また綿貫衆議院議長が中心となっております通称綿貫委員会でもさきに見解が出されたことも認識しております。
 これら多岐にわたる議論を深めることによりまして、この問題につきまして小泉内閣が掲げます聖域なき構造改革の観点に沿って成案を得るべく各委員会各位の皆様方が御努力をされていくものと承知をしているところでございます。
#14
○近藤剛君 どうもありがとうございました。参考にさせていただきまして、私どもも最大限努力をさせていただきます。大臣の一層の御活躍を期待申し上げます。
 委員長、石原大臣に対する質問はこれで私は終わります。
 そして、次に竹中大臣にお尋ねをしたいと存じます。
 厳しい経済情勢あるいは雇用情勢を打開していきますためには、特に規制改革をスピード感を持って推進をしていくことが必要でございます。そして、当面は、先ほどからるる申し上げておりますように、日本経済の国際競争力の回復あるいは景気の浮揚、雇用の確保、拡大に資するものを重点的そして集中的に実行をしていくことが望まれると思います。
 ことしの三月三十日に規制改革推進三カ年計画が閣議決定されておりまして、四月には総合規制改革会議が設置をされております。十二月上旬には総理への答申がなされる予定と私どもは理解をしているわけでございますが、経済財政政策を総合的に見ておられる大臣の立場から、規制改革に関連するこれまでの作業の進め方、そしてその内容につきましてどのように評価されておられるのか、そして改善の余地があるのかどうか、もしあるとすれば具体的にどのようなものか。これも簡単で結構でございます、御見解をお聞かせ賜りたいと存じます。
#15
○国務大臣(竹中平蔵君) 近藤委員から御指摘のありましたように、規制緩和を中心とする規制改革は経済活性化のかなめであるという観点から、経済財政諮問会議でも当然のことながら大変これを重視しております。六月の末に経済財政諮問会議が中心になっていわゆる骨太の方針、いわゆる基本方針を取りまとめておりますけれども、その中の七つの改革プログラムの実は先頭に民営化・規制改革、第一のプログラムとしてこれを掲げさせていただいております。その意味で、この問題に大変大きな関心を払っているということでございます。
 先ほど御紹介がありましたように、総合規制改革会議等々でこの議論が今集中的に行われている。そこでの議論を中心に、これまた諮問会議で取りまとめました改革工程表や先行プログラムの中に規制改革の項目がたくさん織り込まれております。
 私たちとしましては、これら工程表に書かれたものが着々と進行していくということを評価、点検するという立場にあります。加えて、さらに、総理の強いリーダーシップによってこの規制改革に勢いをつけるということも含めて、経済財政諮問会議の集中審議でもこの問題を取り上げさせていただいております。
 そういった観点から、規制改革に関して引き続き強い姿勢で臨みたいというふうに考えております。
#16
○近藤剛君 ありがとうございます。
 去る十一月九日に開催をされました経済財政諮問会議第二十六回会合でございますが、規制改革の集中討議を行った、そして総合規制改革会議議長の宮内さんが提案をされました数十項目、これ十数項目ですか、の規制改革項目についての議論が行われたと、そのように私は承知をしているわけであります。
 規制改革は経済政策の重要な一翼を担っているわけでございますので、経済財政諮問会議においても評価、点検の枠を超えて、ぜひ活発に議論を行っていただきたいと思います。二十六回会合におきましても活発に議論が行われたと聞いておりますので、まことにそれは適切であり時宜を得ていると、そのように考えております。
 ただ問題は、冒頭から申し上げておりますスピード感でございまして、竹中大臣として今後これから、これらの幾つかの重点的な項目がございますが、どのような優先度で具体化していく、そしてそれらをどこが主体となって、どのようなスケジュールで取り組んで、その結果をどのような形で明らかにしていかれるおつもりなのか、ぜひ二十六回会合の議論の内容につきまして御見解を示していただきたいと存じます。
#17
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のとおり、十一月の九日の二十六回の諮問会議で集中審議という形で初めてこの議論をさせていただきました。
 そもそも、なぜこういう形をとったかということでありますけれども、今私たち、これは骨太の方針に書かれたことにのっとりまして中期経済財政計画という中期のビジョンを作成しております。その中期のビジョンの一つの重要な基盤になる規制改革について集中的に審議をしようではないかというのがその趣旨でありました。
 大変申しわけないのでありますが、この集中審議は規制改革のほかにも不良債権問題、幾つかやっておりますが、これに関しましては、実は個別の固有名詞、企業の固有名詞等々出てくる可能性もあるものですから、非公開という形をとらせていただいております。その意味で、その議論の内容を事細かにちょっと御報告するのは差し控えさせていただきたいのでありますけれども、これまた御指摘のように、宮内議長から問題提起をいただきまして、幾つかの項目、一段と規制緩和を推し進めるという方向性については議員の間で幅広い意見の一致を見ております。
 今後の、したがってここでの議論をどのように生かすかということでありますが、基本的にはこれを中期の経済財政計画等々に反映させていくというのがその基本であろうかと思いますが、緊急を要するものにつきましては、これは総理とも御相談しながら、さらに総合規制改革会議で集中的に審議してもらうというものもこれは出てくるのかと思います。幾つか多様な方法でここでの審議を御指摘のようにスピード感を持って実現できるように努力したいと思っております。
#18
○近藤剛君 ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、規制改革は、税制改革同様、構造改革を進める上で、そしてまた当面の経済運営の視点からも極めて重要な役割を担っていると思います。経済財政諮問会議においては、これからの総合経済政策の立案、実施、そしてその内容の整合性を確保するというためにも、規制と税制については将来の国のあり方を踏まえましてしっかりと議論をしていただきたい、そのように存じます。
 そして、先ほどから申し上げておりますように、このような厳しい現下の経済情勢におきましては、国際競争力、景気、雇用といった視点から、来るべき第二次補正予算それから平成十四年度の予算の執行と並行してパッケージで実施できるように、次期通常国会に関連法案をできるだけ一括して提出をして早期成立を図っていただきたいなと、そのように期待をしているわけでございます。
 特に国際競争力の視点から、税制面におきましては連結納税制度の導入は一刻も急がれることでございます。規制面におきましては、国際競争力、景気、雇用のすべての視点から、容積率等の土地利用規制の見直し、あるいは農業経営の株式会社化の実現、あるいは派遣労働の業務追加と期間延長などは急務だと考えております。
 これらの点を含めまして、財政、金融並びに税制、規制の分野を総合した経済政策の発動につきまして、竹中大臣のお考えとそして決意のほどを改めてお示し賜りたいと存じます。
#19
○国務大臣(竹中平蔵君) 近藤委員御指摘になられました連結納税の問題、容積率の緩和、派遣労働の規制等々、経済活性化のためにはこれらをまさに総合的にパッケージ化して強力に運営していく必要があるという点につきまして、私自身も大変強くそのような認識を持っております。
 本日の閣議で、実は総理からその緊急対応のプログラムを当面急いで取りまとめるようにという御指示もいただいております。こういったプログラムの中に、さらには先ほど申し上げました中期の経済財政計画の中に、さらに直近の問題としては平成十四年度の予算編成との関連で、今御指摘のような問題意識を反映できるような総合的な政策に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
#20
○近藤剛君 ありがとうございました。
 その緊急対応にも関連した話ではございますが、税制面におきまして連結納税制度の早期発足は極めて喫緊の課題だと存じておりますが、その点につきまして竹中大臣のお考えを改めてお伺いいたしたいと存じます。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) この問題は改革工程表等々でも大変重要であるということ、そういった認識のもとにプログラムに載せられている問題でもございます。さまざま事務的な困難等々もあるというふうにお伺いしておりますけれども、可能な範囲でこの実現に向けて努力し、日本経済の活性化を図っていくということが大変これは必要なことであるというふうに思っております。
#22
○近藤剛君 ありがとうございました。竹中大臣に対します質問はこれにて終わります。どうもありがとうございました。頑張ってください。
 次に、塩川大臣にお尋ねいたします。
 塩川大臣の就任前のことではございますが、平成十三年三月三十日の閣議で決定をされました規制改革推進三カ年計画におきまして、基本目的の一つに経済活性化による持続的な経済成長の達成という項目がございます。その基本的な性格の一つといたしまして、社会経済の構造改革の観点から、個々の規制のみならず関連する制度も含めた見直しを行うために中長期の改革課題と改革の基本的な方向を示すという項目がございます。また、改革の重点の一つに高コスト構造是正による国際競争力向上という言葉もございます。そして、改革方針の一つに国際的整合化という言葉も使われているわけでございます。
 これらの観点からも、先ほど大臣がおいでになる直前でございますが、申し上げておりますが、国際競争力の回復の視点からも、日本の実業界が待ち望んでおります連結納税制度はまさに直ちに実現すべき緊急の課題であると、そのように考えております。
 連結納税制度は、平成十三年度、自民党の税制改正大綱が指摘するとおりでございまして、二十一世紀を担う我が国の法人課税体系を構築するために不可欠な制度でございます。そして、企業の自由な組織再編を通じました経営効率化のために不可欠の制度インフラであると承知をしております。
 欧米諸国は、主要国はすべて連結納税制度を採用済みでありまして、日本がこのままでは国際競争力の上で大変重荷を背負い続けることになると思います。連結納税制度の導入は、国際競争力の回復あるいはその向上というためよりは、むしろ国際競争力をせめてこれ以上低下をさせないためにもぜひとも必要だ、そのように考えているわけでございますが、企業におきましては制度導入を前提とした事業再構築をもう既に始めているわけであります。平成十三年九月二十六日付で経済財政諮問会議で取りまとめられました改革工程表にも、連結納税制度は平成十四年度創設を目指す、そのようにあるわけでございまして、ぜひとも直ちに実現をしてほしい、そのように考えております。
 しかし、十一月二十二日、先週のことでございますが、財務省主税局は、事務的に進めてきた準備作業は複雑膨大であって、また関係省庁との間でも調整事項が残されている、なお相当の時間を要する、したがって、遺憾ながら十四年度税制改正作業の中で結論をいただいて次期通常国会に法案を提出することは事務的に困難な状況にあると言っているとのことでございます。
 これはまことに遺憾でございまして、連結納税制度はことし初めて提案されたものではありません。これは六年越しの課題でございまして、また昨年も同様の理由で見送られたといういきさつもございます。ことしの六月二十六日にはその導入の方針を閣議決定をしているわけでございまして、九月二十六日付で取りまとめられました、先ほどお話しした改革工程表におきましても、平成十四年度からの導入を再確認をしているということであります。
 持ち株会社などによりまして事業再構築に取り組む企業にとりまして、連結納税制度は改革の重要な柱でございます。その先送りは、日本経済の構造改革を阻む行為でありますし、事は極めて重大だと私は思います。単に事務的に困難だという理由で簡単に先送りをするような次元の問題でないことは明らかでございます。
 連結納税制度の重要性を大臣、十分に御認識いただいていると存じますが、それをもう一度御確認を賜りたいと存じます。そして、このたびの主税局のこの言い分を大臣御自身認めておられるのかどうか、そして万一認めておられるのであれば、どうしてこのようなぎりぎりのタイミングで昨年と同様の見送りの宣言をするに至ってしまったのか。そのような事態に至った主税局に、大変御努力はいただいておると思いますが、結果としては責任があると思います。そのような主税局の責任をどのように大臣は御認識をされておられるのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
#23
○国務大臣(塩川正十郎君) 近藤さんから御心配いただいておるのを私も非常に残念に思っておりまして、けさも主税局長以下幹部は、主税局の者が参りまして、できるだけ急いで提出するような準備をしている、こういうことでございました。
 いろんな揣摩憶測が飛んでおるようでございますけれども、純粋に申しまして、やはり作業的に専門にこれを扱っておる者が非常に人数が少なかったということが一つの原因であるということは、これは私も認めざるを得ないと思っておりまして、御承知のように、数年、二年前でございましたか、分社化法が成立をいたしましたですね。あの当時からの専門の知識、これは途中で人をかえてやれるという仕事じゃないものでございますので、それが引き続いてずっとやっておりまして、そういうこと等を見まして途中で補給して人をふやせばいいという、そうできるということじゃなかったものですから、それに専門に任せてきておったといういきさつが実はございます。
 それが次から次へと体の不調を訴えるというようなことが起こってまいりましたし、また最近、主税局におきましても、証券税制の改正だとかというような突発的なことが出まして、非常にあっちこっちでもトラブルが起こったようなこともございましたんですが、そういうこと等あって作業がおくれてきたと。
 そこへもってきて、御承知のように合弁会社の扱いをどうするか、外国資本が入ってまいりましてその扱いをどうするか、外資でございますね、そういう問題等も非常に複雑なところを考えれば、進めば進むほど難しい問題が山積してきたというんで、いわばちょっと主税局がノイローゼぎみみたいなことになってきたような状態であることは事実でございます。したがって、一応ここで一段階整理させて、もう一歩踏み込んで完成への道づけをするということにしたいと思っております。したがって、十四年度中には提出できるようにはいたしたいと。
 ただ、十四年度予算関連法案として提出しますことはちょっと難しいと思っておりまして、国対並びに幹事長、自民党の幹事長と十分相談いたしました。そして、去る二十二日でございましたでしょうか、与党三党の幹事長、政調会長の会合がございまして、その席でもこの問題が非常に大きい課題として取り上げられました。その決定として、与党から十四年度中にいずれにしたかて法案を出してくれということの依頼がございました。強い要請がございました。そして、これを国対委員長は、予算関連法案として扱うのかどうかという判断を求めてきました。私も主税局と相談いたしましたら、予算関連法案とするのにはちょっとまだ時間が欲しいという関係がございましたので、予算関連法案には扱わないようにしてもらいたいということで一応そのようにしておりますけれども、改めて総理の方からも、これはもう一度提出の時期等について考え直してくれぬかという要請がございましたので、改めてもう一度検討したいと。扱い方につきましても検討したいと思っております。
 決してこれは、いわば消極的に考えておくれるというようなことはないということだけは私から言明しておきたいと思っております。御理解いただきたいと思います。
#24
○近藤剛君 ありがとうございました。
 大臣の御説明、十分理解できるわけでございますし、また、今お話ございました主税局の状況につきましても理解はできるわけでございます。しかしながら、日本の産業界が長年待望してまいりました連結納税制度でございます。ぜひ、十四年度初頭からの導入を実現できますように、最後の最大限の努力を改めてここでお願いをしておきたいと存じます。
 税制改革は、もう申すまでもないことでございまして、小泉改革の大きな柱の一つでございます。その実行に当たりましてはぜひ行政主導を排していただきたい、そのように思うわけでございます。今回のように、行政の都合によって内閣が決めた方針が先送りされる、そのような事態はぜひ避けていただきたい、そのように感ずるわけでございます。政策に関する最終決定権は、行政の都合、あるいはこの問題につきましては主税局にその決定権があるわけでないわけでございまして、あくまでも内閣にあるはずでございます。
 この際、閣議で決定された事項でございます。確実に実行されますように大臣のリーダーシップに改めて御期待をさせていただきたい、そのように存じております。
 最後に、大臣のこの点につきましての前向きの御決意をお聞かせいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
#25
○国務大臣(塩川正十郎君) 今申し上げましたように、できるだけ早く提出するようにいたしたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思っております。
 決して他の要件とかそういうのじゃございませんで、純粋に作業がおくれてきた。それと、突っ込んでいきましたら、先ほど申しました外資系との扱いとかいう複雑な問題が余分に出てまいりましたこと等をあわせまして、作業がおくれたということで御理解を願いたいと思っております。
#26
○近藤剛君 よろしくお願いします。
 終わります。
    ─────────────
#27
○委員長(森本晃司君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長田原文夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#29
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 まず最初に、クロイツフェルト・ヤコブ病に関連して、厚生大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
 裁判所から所見が出まして、その所見に対して先日、厚生省から回答がございました。大臣は、みずからお話しされた際には、一九八〇年から後は責任があってその前はないということになりますとこれはまたなかなか難しい問題を生じる、こうしたところから裁判所は「法的責任の存否の争いを超えて」と、こういうふうに私は主張していただいているものと受けとめておりますということだったわけですが、しかしながら厚生労働大臣の談話として配られたペーパーの中には、「裁判所の所見においては一九八七年六月の第一症例に関する報告以前の国の責任は認められていないところであり、」というふうに、ペーパーと大臣とのお話が食い違っております。この点について大臣から御説明いただければと思いますが。
#30
○国務大臣(坂口力君) 先般、東京地裁並びに大津地裁からの和解勧告をいただきまして、その和解勧告に応じることを決定したわけでございます。私、それに対しましてその旨の発表をさせていただいたわけでございますが、今御指摘がございましたように、私が申し上げたこととそして配りましたペーパーとの間に差異があるわけではございません。
 と申しますのは、その中で述べております一九八七年云々のお話は、これは和解勧告の中にも実は出ている問題でございます。それで、その出ております問題が一つの前提になる、一つの目安になるということは私は当然だというふうに思っておりますが、しかしそのことを強調し過ぎますと、その大前提でございますところのいわゆる「法的責任の存否の争いを超えて」という、これがもう大前提になっているわけでございますから、この大前提が薄められてしまう、この大前提が崩れてしまうというのが私のあの日の主張であったというふうに思っています。
 したがいまして、私は、この「法的責任の存否の争いを超えて」和解をすべしという今回のこの和解勧告案を受け入れるということが大前提でなければならないと考えております。したがいまして、あの日、私が主張いたしましたのは、そういうことを記者団の質問に対しましてもお答えをしたわけでございます。
#31
○櫻井充君 そうすると、繰り返させていただきますが、八七年以前と以降とでは法的責任のあり方が違うということは前提だというのは、これは大臣もそうお考えなんですか。
#32
○国務大臣(坂口力君) そこはこれから私はこの和解勧告の中で、あの和解の中で進められていくことだというふうに思っております。あの和解の文章の中に紛れもなく「一九八七年」という文字が入っていることも事実でございます。
 だから、先ほども申しましたように、私は、いろいろな話し合いが進められる中で一つの前提にはなるのであろうというふうに思っておりますが、しかしそれはすべての前提ではない。大前提は、先ほど申しましたように、両者の「法的責任の存否の争いを超えて」ということが大々前提であるというふうに思っているわけでありまして、議論には多分なるであろうというふうに思いますし、一つのそれは大きな争点になることは事実でございますけれども、しかし私はその前の大々前提がやはり中心になって話し合いは進められるものと考えている次第でございます。
#33
○櫻井充君 大津裁判所から示された所見の中に、「被害者全員を早期かつ全面的に救済する」という文言がございます。やはり私はこれがまず大前提、今大々前提とおっしゃっているのはそのことを指していらっしゃるんだと思いますが、そういう私の理解でよろしゅうございましょうか。
#34
○国務大臣(坂口力君) そのことにつきましてこれからの和解の中で話が進められていくのであろうというふうに思っております。したがいまして、今から進められていきます裁判の中の話を、どう行くだろう、こう行くだろうということを私が申し上げるのは大変失礼な話でございまして、そういうことも含めてこれから話し合いが進められていくのであろうというふうに私は思っている次第でございます。
#35
○櫻井充君 もう一点、裁判所が八七年という、そこを区切ってというふうにおっしゃっておりますけれども、しかし大津の裁判所から出てきている所見の中は「遅くとも」という言葉を使っております。「遅くとも、第一症例報告を把握した時点においては、」というふうになっておりますから、八七年ということを明確に区切ったわけではないというふうに私は思っております。
 そして、もう一点、こちらは東京の裁判所の方の所見でございますが、これは企業の方に対してかなり重い責任を負っているんだという内容が書いてありますが、そこの中で、「ガイジュセックのノーベル生理学医学賞受賞の際」というのが、これがその発表した論文が一九七七年であると。このときにもう人から人へ伝播し得るということがわかっているというようなことであったりとか、それから今回のヒト乾燥硬膜ライオデュラというのは、「ヒトの死体から採取した脳硬膜を原材料として製造されるものであるところ、性質上、その提供者の有していた様々な病原因子が当該硬膜を介して伝播する危険性を内在させているといわなければならない。」というふうに、八七年に確かにアメリカで第一症例が報告されまして、それの危険性というものも言われているわけですが、それ以前からそのヒト乾燥硬膜の危険というものが指摘されているわけです。
 その点でいいますと、こういった製品を承認したという厚生省にも間違いなく責任は私はあるんだろうというふうに思っております。これは今この場で議論できないというふうに大臣お答えになるんだろうと思いますが、少なくとも八七年だけではないと。つまりは、この前からもこのようなことが予見できるのではないかということをもう一つ言っているのは、厚生省がこういう知見を集めていらっしゃったというふうに裁判所は認識しているわけであります。
 ですから、そのことから考えると、必ずしもその八七年で区切ってくるようなこの文書を提出されるということは私は若干おかしいんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(坂口力君) 今回のこの和解勧告というのは、そういう意味で、どこで線を引くべきかということをなかなかこれは決定しがたい点があるということが私は和解勧告の一つの前提であったというふうに思います。もう一つは、患者さんの皆さん方が次々と亡くなられるという現状からしまして、早くこれは決着をつけなければならないということが前提にあったことも事実でございます。
 しかし、それだけではなくて、どこに線を引くかということがなかなか難しい。今おっしゃいましたように、一九八七年というその年の前に、前でもわかっていたではないかという議論もあれば、それは第一例目であって、そのときはまだわからなくてもそれはやむを得ないのではないかという議論もあり、その辺のところがなかなか難しいところがある。そういうことも含めて、私は今回のこの大きな、存否を超えて、いわゆる法的責任の存否を超えてという前提の上に立っての今回の和解になったというふうに理解をいたしております。
 今、先生が御指摘のような、その前にもいろいろ純医学的な面から見ますと、そういう論文もあるいは出ていたかもしれません。しかし、それが全部、世界じゅうそれがわかっていたかといえば、そうもなかなかわかっていなかった点もあるというようなこともあって私は今回の和解になったというふうに思っておりまして、今後の、和解勧告に従いましてそうした裁判所のこれからの進められることということを、私は進められる道筋というものを尊重していきたいと考えているところでございます。
#37
○櫻井充君 私、この問題何回か国会で質問させていただきましたけれども、その中で一番前向きな御答弁いただけたのは私は坂口大臣だと思っておりますし、今回のこの所見が示されて、そして、恐らく厚生省の中を、何というんでしょうかね、意見を取りまとめるというか、そういうことで物すごく私は御苦労されているんだろうということはもう重々承知しております。ですから、また期待したくなるという部分もございまして、やはり同じ医療人として患者さんの御苦労というのが一番よくわかっていらっしゃるんじゃないかという気がいたしております。
 裁判所の方から、「早期かつ全面的に解決するには、和解によるのが最善の方法と考え」るということもあれば、もう一つ、「各患者及びその家族・遺族が被っている深刻な被害の救済に最も望ましく」という声もございます。
 ぜひ大臣、厚生省の役人に負けずに、これら原告団の方々のこういう苦しみを救済できるように御尽力いただきたいと思いますが、大臣の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#38
○国務大臣(坂口力君) 余り期待されても困るわけでございますが、私は私としての思いもございまして、そして局長初め皆さんといろいろと話し合いも進めてきたところでございます。これからも話し合いを進めていきたいと考えております。
#39
○櫻井充君 そこでもう一つお伺いしたいことがありますが、要するに厚生労働大臣談話というのが今回こういうペーパーで配られているわけですが、このペーパーというのは決裁を一切経ないまま提出されるものなんだそうです。
 そうすると、これのまず責任の所在というのは一体だれになってくるのかがはっきりわからないわけです。ましてや、数年たった際に、このペーパーを作成した人が、もう判こも何もありませんから、だれが書いたものかも全くわからなくなってしまう、そういう問題があるんだろうと思いますが、要するにこういう厚生労働大臣談話の際に決裁をおろさなくていいという理由は何なんでしょうか。
#40
○国務大臣(坂口力君) 私も事務的なことが全部わかっているわけではございませんけれども、いつもそうした何かの発表をいたしますときにはこういうことでどうでしょうかというお話があることは事実でございます。
 今回の場合には、我が厚生省の中だけではなくて、法務省の皆さん方あるいはまた官邸の皆さん方とも御相談を申し上げての上のことというふうに私は思っております。そうした内容を私も見ながら、しかし私は私としての思いもある、アクセントの置き方を若干私が変えたということでありまして、内容を変えたわけではございません。
 したがいまして、こうしたペーパーは、それはやはりその名前の出ておる者が責任をとるということでございますから、私の名前で出ておりましたら私が責任をとるということになるだろうというふうに思います。
 しかし、私が申し上げておりますように、そしてさらに具体的に私が主張をいたしておりますように、そこをもう少しかんで含めて言えば私が言ったようなことになるということを申し上げているわけでございまして、そこまで具体的にはその中には書いていないということでございます。
#41
○櫻井充君 今、大臣、かんで含めるようにとおっしゃいましたけれども、結局、原告団の方なんかは、大臣がお話しされたこととペーパーと全然違うじゃないかといってかなり怒っていらっしゃったわけなんですね。ですから、やはりそういうまず誤解のないようなペーパーを書くべきだろうと思いますし、決裁がおりないということが非常に不思議でして、厚生労働省文書決裁規程というものを読みますと、「大臣の決裁事項」というのがございまして、そこの中に何てあるかというと、まず、「所管事務についての政策の決定及び変更に関する事項」と。これに当てはまらないとしても、少なくとも十番目に「前号に規定するもののほか、通達、通知、報告、回答、協議、協定、依頼、照会等に関する事項で、特に重要なもの」は大臣の決裁を要するというふうに、これは厚生省の何になるんですか、こういうのは。省内の何か規程なんでしょうか。これは厚生労働省訓第二十号でこういうふうに定めております。
 こういう大事な文書に関しては、少なくとも私は決裁をおろすべきじゃないかと思いますが、その点について、これは省庁の代表の方にぜひお答えいただきたい。
#42
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘の点は、厚生労働省文書決裁規程に今、先生おっしゃった旨が規定されているところでございます。しかしながら、今般公表させていただきました大臣談話などの文書につきましては、これまでもいわゆる決裁を受けることなく大臣まで原案をお上げしまして、大臣の御了解を受けて発表するという形をとっておるところでございます。
 しかしながら、こういった事例におきましても、その後和解協議の結果、最終的に厚生労働省としての和解内容を決定する、いわゆる和解成立の後においては、当然決裁を受けて最終的な決定を行うという手続はとっておるところでございます。
#43
○櫻井充君 決裁を受けるんだったら、なぜそういうことをやりましたというその証拠を残さないんですか。
#44
○政府参考人(宮島彰君) これはその文書の取り扱いによっていろいろ対応があるわけでありますが、一応談話という形で発表するものにつきましては従来からそういう取り扱いをしていまして、いわゆる今回におきましても一連の訴訟手続の途中段階でありますのでそういう形をとっておるかと思いますが、和解が成立して最終的に厚生労働省としての和解の内容が決定するという際には、決裁をもって最終確定をするという形をとっております。
#45
○櫻井充君 談話は通常やらない、それはそれで結構ですよ。だとしたら、ここに書いてある「特に重要なもの」もしくは事務方の中で、十一番に書いてありますが、「事務次官が大臣の決裁を要すると認めたもの」に関しては決裁をおろすと書いてあるんですよ。
 今回のクロイツフェルト・ヤコブのこの裁判所からの所見に対しての大臣の談話というものは、これはそういう決裁を要するほど重要なものではなかったということになりますね。
#46
○国務大臣(坂口力君) それはそんなことございません。大事な決断だというふうに思います。大事な決断であり、そしてそれは和解勧告に応じますという決断であったわけであります。その和解勧告に応じますという決断をするに当たりまして、その理由をどういうふうに述べるかということは当然あるというふうに思います。
 だから、先ほどから申し上げておりますように、その一番大きい大前提は、双方が今までこの法的責任というもので争ってまいりましたから、その法的責任の存否というものを乗り越えて、その存否の争いを超えてひとつ和解に応ずるべきだというのが、今回のこの東京とそして大津の両方のこれは地方裁判所の決定であったわけであります。
 さらにまた、具体的なことを言えば、それは先ほどから申します一九八七年の話も出てくるわけですけれども、しかしそのことを余り具体的にそれを、そこばかりを強調すれば、結局のところまたこの法的責任というもののことが前面に出てくる。それはこの「法的責任の存否の争いを超えて」という大前提にそれはもとるのではないかということを私は申し上げたわけでございます。
 したがいまして、まあ私はそれほど悪いことをしたとは思いませんし、今回の和解勧告につきまして、私の意のあるところを述べさせていただいたということでございます。
#47
○櫻井充君 私は大臣のその姿勢に対して申しているのではなくて、これまでの官僚、いろいろこういう行政監視なりなんなりいろんな委員会で質問をすると、責任の所在というのがはっきりしないんですよね。つまり、こういう文書が出てきて、後々、じゃ、だれがこれは書いたんでしょうか、だれが決裁したんでしょうかということを問うたときに、全く責任の所在が明らかにならないというときもあるわけです。
 ですから、今回はその文書の内容ということよりも、私が驚いたのは、この非常に重要な談話、まあ談話なのかもしれませんけれども、むしろそうでなければ、例えば談話でなくて官報に載せるということになれば決裁が必要になるんだというふうに先ほど教えていただきましたので、そういう意味でいうと、例えば官報のようなものにきちんと告知すべきなんだろうと思うんです。そして、そこの中での決裁をきちんとおろして、そして公にするべきではないのかというふうに考えているところなんです。
 それは、なぜそういうことを言っているかといいますと、もう一つ農水省の文書規程を見ると非常にいいかげんでして、農水省の場合には、主管の課長またはその上司が決裁を要すると認めたもの、要するにこの人たちがもう決裁は要らないということになっちゃえばこの人たちが勝手にやれちゃうようなシステムになっているんですよ。
 ですから、今回のことに、ちょっとクロイツフェルト・ヤコブからはずれますけれども、狂牛病の問題なんというのは、農水省の役人はだれ一人として責任とっていないわけですよ。つまりは、だれに責任があるのかもわからないようなこういうシステムになっているんです。武部大臣、どう思われますか。
#48
○国務大臣(武部勤君) 政治主導で、農林水産省は私が最高責任者として指示し、それに従って行政を進めていくという体制をとっておりまして、委員御指摘のようなことは、過去においてはそういう所見もあったのかもしれませんけれども、現時点においてはそういうことのないように、私が最高責任者として執行方針についても各幹部に徹底し、それに従って行政は動いていくべきものと、かように考えております。
 また、大臣談話は、私どもも適切な対応をすべく、起案は事務方がやる習慣にはなっておりますが、一々私、逐次その内容について目を通して、時には文章を変えさせたり、そういうようなことをやっておりまして、行政手続的なことについてはいろいろ内部的なルールはあろうかと思いますけれども、実態は今申し上げましたようなことで行われていると、このように御理解いただきたいと思います。
#49
○櫻井充君 武部大臣、今そういうお話されますけれども、例えば十月の十八日に農林水産大臣の談話として、これからは安全なものが出回りますよと。これは確かにそうだろうと思います。そしてもう一つ、感染源はまだわかっていませんが一生懸命努力しますと、ここまで書いてあります。
 しかし、これは一方で言うとアンフェアだと私は思っているんですね。それは何かというと、これまで食べてきたものが安全だなんということはわかっていないわけですよ、実を言いますとね。農水省は安全だとお考えなのかどうか、まずちょっとその点からお伺いしましょう。
#50
○国務大臣(武部勤君) 先般の厚生労働大臣との共同記者会見は、何度も申し上げておりますように、世界に類例のない水準の高い検査体制を実施できる、そういう体制になった、したがって今後は安全な牛による食肉等以外には屠畜場から流通しませんということを、その事実を坂口労働大臣と表明させていただいたということでございます。
 なお、食肉、牛乳・乳製品については、OIEの基準に照らしても、これは何度も申し上げておりますけれども、危険部位には属さないというようなことでもともと安全であるということを申し上げているわけでありますので、そういう趣旨のことを申し上げているわけであります。
#51
○櫻井充君 済みません、もともと安全だということは、今まで食べていた牛肉に関しては全く問題がないということですか。
#52
○国務大臣(武部勤君) そういうことでございます。
#53
○櫻井充君 それじゃ、質問いたしますが、回腸の遠位部というのはなぜ危険部位なんですか。
#54
○国務大臣(武部勤君) これは、英国におけるマウス接種試験で感染性が認められているのは、そういう脳とか脊髄とかあるいは回腸遠位部、目、そういったこととされているからでございます。
#55
○櫻井充君 なぜその部位が危ないんですか。医学的な根拠を教えてください。
#56
○国務大臣(武部勤君) 私は、医学的な根拠というよりもこれはマウス接種試験によってそういう結果が出ているということでございまして、医者でないですし詳しいことはわかりませんから、もし必要があれば生産局長に答弁させます。
#57
○櫻井充君 神経に親和性が高いんですよ。異常プリオンというたんぱくは神経に親和性が高いからそこの部位に全部集まるんです。そうしますと、筋肉に神経がないかということです。末梢神経が走っているんですよ。これは病理の学者が言っていることですから。病理の学者が言っているのは、末梢神経に異常プリオンが集積されないという可能性はゼロだということは言えないんだと、それははっきり言っております。つまり、今までとて肉だから安全だという理論は私は成り立たないと思いますよ。
 そしてもう一つ、牛の解体方法の中で背割りというのを行って、その際に、少なくとも末梢神経に集積されなくても異常プリオンを脊髄に含んでいる場合、その背割りという解体方法で筋肉にも異常プリオンが付着するんではないかということが指摘されているわけです。ですから、そこの認識は私は大臣間違っていると思いますが、いかがですか。
#58
○国務大臣(武部勤君) 医学的なことは、先生はお医者さんですけれども、私は詳しくはわかりませんが、私どもはやっぱりOIEの基準ということを重視したいと思いますし、それから、これまでも英国では十八万頭発生しているわけです。フランスを初め他のヨーロッパ諸国では二千二百頭以上発生しているわけであります。そういった過去の実例等に照らして、これは科学者が言っていることでありますけれども、英国においては人間に感染する確率は五千分の一である、同居牛、同じ牛舎の中で同じえさを食べて感染する確率は牛の場合には三%だと、そういうような数値などにも照らして、我が国の場合にOIEの評価、基準というものから照らして食肉、牛乳・乳製品は安全であるというふうに申し上げているわけでございます。
#59
○櫻井充君 何でそうしたら検査するんですか。最初から食肉が安全だというふうにおっしゃるんであれば、危険部位さえ取り除けば全部安全になるじゃないですか。何のために検査するんですか。
#60
○国務大臣(武部勤君) それは、まず第一に、今度なぜ一頭目のBSE感染牛が出たのかということにさかのぼって考えた場合に、それは日本にBSEが発生するということはないんだというそういう前提があって危機意識がなかった、危機意識がないから検査体制に問題があった、したがって検査体制を徹底する必要があると。これは、科学的な根拠からしますと、三十カ月齢以上の牛に感染する確率が九九・九五%だと、このように言われているわけであります。したがって、このことに照らしてヨーロッパでは三十カ月齢以上の牛のみ検査しているというふうに聞いておりますけれども、しかし、大変な風評被害というものもございます。やはり、食の安全ということを考えた場合に、この際、やはり全頭検査するということが一番大事ではないかということで全頭検査体制ということをとったわけでありまして、念には念を入れて万全の体制をとるという考え方でこのようにしたわけでございます。
#61
○櫻井充君 科学的な根拠ないじゃないですか。先ほどは食肉は安全だとおっしゃったじゃないですか。つまり、検査体制が十分できていなくても安全だと。そうだとしたら検査する必要性ないんですよ。
#62
○国務大臣(武部勤君) そんなことない。
#63
○櫻井充君 いや、だって今の武部さんの答弁だったらそういうことになるじゃないですか。違いますか。
#64
○国務大臣(武部勤君) 私どもは、あってはならないことが起こったということに対して深い反省を感じているわけですよ。それは、徹底した検査体制をとることによって消費者の皆さん方にもあるいは国民の皆さん方にもあるいは対外的にも日本の国の安全性というものを実証していかなければならない、そういう大前提に立って、どういう検査体制が一番それにふさわしいのかということからして、これは一頭残らず全部検査するんだということが最も適切だということでその体制をとったわけでございます。
 したがいまして、これはOIEで、EUも肉骨粉などは、豚、鳥に使うのは、科学的な根拠はないけれども、これは全部今使用を停止しておりますね。私どもも、そういう前提で検査体制、それが肉骨粉が原因であろうと、こういうことが強く言われているわけでありますから、したがいまして輸入も停止しよう、国産も一時停止しよう、出荷も停止しようと。このように念には念を入れるということが私は行政上、今一番必要だ、不可欠だということから、こういう体制をとっているわけです。
#65
○櫻井充君 答弁になっていないと思います。
 いいでしょうか。今回の二頭目の牛は神経症状を伴っていないんですよ。神経症状を伴っていない牛に検査をしてみたらたまたまひっかかったんです。じゃ、これまでの検査体制はどうだったんですか。神経症状を伴っていない牛は検査していないじゃないですか。つまりは、見落とされている可能性はあるじゃないですか。
#66
○国務大臣(武部勤君) 最初の話に戻りますけれども、OIEの基準に照らして、仮にBSEに感染している牛であっても、食肉、牛乳・乳製品は大丈夫だという大前提があります。しかし、私どももそういうことを絶対的に信頼していいかどうかというさまざまな議論もございます。そこで、全頭検査体制をやったがゆえに、中枢神経症状を示していない牛でも陽性というものが出たわけでありまして、私どもがやった全頭検査体制というものが機能しているということが証明されたと、かように理解しております。
#67
○櫻井充君 まあいいでしょう。
 じゃ、そうすると、一頭目以前に発見はされなかったけれども狂牛病であった牛が存在したと、日本国内に。そういう可能性は否定できますか。
#68
○国務大臣(武部勤君) 絶対になかったということは言えないと思います。
#69
○櫻井充君 そのとおりなんです。つまりは、我々はそういうものでない、わからない牛を食べていた可能性があるということです。
 大臣、もう一つお伺いします。大臣は十月十八日のあの前に、全頭検査を行う前に肉を食べていらっしゃいました。あのことを行って何を証明されようとされたんですか。
#70
○国務大臣(武部勤君) まあ、肉を食べに行ったんですね。これは、坂口労働大臣も私どもも、北海道と千葉県の国会議員の主催による食肉を大いに食べる会にお招きをいただいて、そして私どもはその催しに、よくやってくれたという思いも込めて出席したわけです。そのときに、マスコミのテレビ、カメラマンが、もう一度食べてください、もっと大きい口で食べてください、食肉は安全だと言ってくださいと。
 私どもは本当に一日も早く風評被害が鎮静化することを考えておりますから、そこで言われたとおりにやったということでありまして、最初からパフォーマンスで、このことで食肉の需要が戻るというような、そういうことを大いに期待していたわけではありません。しかし、一つ一つが大事だということでやっただけでありまして、しかもあのとき食肉は安全ですと申し上げたのは、先ほど来申し上げておりますように、食肉、牛乳・乳製品は大丈夫だと、OIEの基準からいたしましても大丈夫だということを申し上げているわけであります。
 とにかく一般消費者の皆さん方は、何もかも危ない、そしてこれは口蹄疫などと同じように、狂牛病というと狂犬病と同じような感覚で、さわったり触れたりするだけでもうつるんじゃないか、そういうふうな感覚で受けとめる方が少なくないということで、私どもはある意味では必死の思いで、そうではないんですよということを伝えたかったわけであります。
#71
○櫻井充君 菅さんが以前、カイワレダイコンを食べたことがあるんです、O157のときに。
#72
○国務大臣(武部勤君) 私は主体的に食べたんじゃないです。
#73
○櫻井充君 まあいいです。
 例えば、そういう場合には数日たてば結論は出るわけですよ、感染症ですから。感染症でも潜伏期間が非常に短いですから。これ、数年から十年以上かかるものに対して、それを食べたから安全か安全でないかということを見せる、証明するというのは非常に難しいことなんです。何を申したいのかというと、やはり科学的な知見に基づいて一つ一つ整理していかなければ問題は解決していかないということです。
 そこの中でいえば、武部大臣、ここはぜひ御理解いただきたいんですが、これから先の牛肉は安全だということは私も認めているんです。そして、私も自分の勉強会の中でこれはかなりきちんとした形で報告しております。きのうも仙台市で牛肉フェスティバルがありまして、私はその場に行ってまいりました。二頭目の牛が出たので、果たしてどれだけの方がお集まりになるのか非常に心配でしたけれども、大変盛況のうちに終わっておりましたし、みんなが、安心マークのついた肉はこれから大丈夫ですよという、そういうコマーシャルをされておりました。
 それはそれで、その努力に関してはこれはもう認めているわけであって、それよりも問題なのは、つまりはあの二頭目ではっきりわかったことは、症状のなかった牛でもあのようにプリオニクステストで強陽性になると。プリオニクステストだったでしょうか、どちらをやったか忘れましたが、とにかく強陽性だったわけです。そうすると、これまで全部チェックしてきたのはどういうサーベイランスを行っていたのかといえば、とにかく症状があったものに関してやっていると。一頭目の牛だってたまたま見つかったわけでして、たまたまなぜ見つかったかというと、今度新しい検査法をするから年間三百検体集めようと、そういうことでたまたまやってみたらひっかかったというだけの話なわけですよ。
 そうすると、これからもう一つやっていかなきゃいけない作業は一体何なのかというと、これまで食べたことのある人たちがいる可能性はもう否定できないということなわけです。つまり、これからもしそういう人たちが、新しいタイプのクロイツフェルト・ヤコブが発生した際に、これは不幸にして日本で狂牛病がないものとして扱われていた時代に食べてしまった可能性があるということなわけです。都合のいい部分だけ、この十八日の「安全な畜産物の供給について」というのは、非常に厚生省そして農水省にしてみれば都合のいい部分だけが書かれていて、実際これまで狂牛病が発生したかもしれなかったことを見落としていたという記載というのは一切ないわけです。そして、もしそういうことがあったとしても食肉は安全なんです、だから皆さん、心配しないでくださいということであれば、その旨も書くべきなんです。
 私は、こういう情報公開が一方的なものだからこそおかしいんじゃないかと言っているのであって、そしてもう一点、これが大臣の決裁も受けたか受けていないかわからないまま談話として出てくることがおかしいんじゃないかということを言っているわけです。特に、狂牛病の問題というのは国民の皆さんにとって非常に重大な問題ですから、こういう点に関していえば決裁をとって官報に載せるなりなんなり、マスコミの皆さんは何と言うかというと、結局これをとって安全宣言だと言うから、二頭目が見つかったときに畜産農家の方々が、何だ、話が全然違うじゃないかということになっちゃったりしているわけですよ。そういう意味で、広報のあり方というのを考えなきゃいけないんじゃないかということを先ほどから申しているわけです。
 そこで、大臣、私はやはり今、大臣の答弁を聞いていて、医学的なことはわからないけれどもこういうものなんだろうということではなくて、きちんきちんと詰めていかなければ物事は解決していかないということですよ。それから、先ほど反省しておられますということがございました。大臣はもう一つ、風評被害というお話をされましたけれども、風評被害を起こしたのは農水省じゃないですか。農水省の初期の対応がまずかったからこういうことになっているんじゃないですか。そしてもう一つ、狂牛病を発生させたのだって農水省の対応が悪いからじゃないですか。
 例えば、僕はびっくしたのは、アメリカなんかはイギリスから、イギリスで発症したというのがわかったら、八〇年代にもう輸入を禁止しているわけですよ。例えば、八六年に初めてBSEがイギリスで確認されたら、八八年の七月にはもうアメリカでは輸入を禁止しています。これは、アメリカは、イギリスに対してだけじゃなくて、日本が狂牛病の汚染国だとわかった瞬間に加工品の輸入をもうとめているんですよ。こういう危機管理を持って全部やっているんです。一方、翻って日本はどうかといいますと、九六年の三月だと言いますが、実は九六年の三月というのはイギリス自体が輸出を禁止したと、そういうふうにうたっているわけであって、日本が独自に輸入を禁止したかどうかもわからないわけですよ。
 こういうこと全体を考えてくると、大臣、農水省は何らかの形で私は責任をとってもらわなきゃいけないと思っておりますし、農水省のトップである大臣が私はきちんとした形で責任をとるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#74
○国務大臣(武部勤君) まず、大臣談話のことですが、先生はどこのことを指摘しているのかわかりませんが、私は、「今回確認された一頭以外に既にBSEに感染している牛がいないと断定することはできません。」ということもそのとおり書き込んでいるんですね。「しかしながら、仮に新たにBSEが疑われる牛が発生しても、先程申し上げたとおり、このたびの体制整備により確実に発見され、焼却処分を行うこととなり、と畜場外に出回ることはありません。」と。今、先生御指摘のとおり、私どもは何も隠し立てする考えはありませんよ。私自身はもう徹底してオープンにすべきだということを言っているんです。
 それから、今、責任論の話がありましたけれども、初期段階において焼却処分をしていると、このように十日の夜、発表して、畜産部長が。しかし、翌日の新聞を私も見ました。それは恐らく、厚生省でも千葉県でも農水省の中でも、あれは大きく取り上げられましたからみんな見ているはずなんです。私も見て、畜産部長は焼却処分にしているということで、そのとおりだなと、こう理解したんです。しかし、現場にいる人たちは焼却処分していないとわかっている人が数多くいたはずですよ、たくさんはいないかもしれませんけれども。それが全然そうではないという報告、通知、連絡もなかったということで私は激怒しまして、一人一人を呼びつけて、それで厳重に注意を促した次第であります。
 そして、こうも言いました。二度とない人生、二つとない命だと、このことはこのこととして、君たちの役人生活の中で、その後本当に命がけで体を張って、これまでのことをやった経験はかつてないというぐらいのことをやってみろということで、間断なくその後私どもは徹底した対応策に終始してきているわけなんです。
 ですから、私どもは別に責任逃れする考えは全くありませんし、風評被害については、あなたは農林水産省ひとりを責任者と見ているのかもしれませんが、もちろん当然私どもの責任は大きいと思いますよ。思いますが、この委員会、農水の委員会、予算委員会、数々の委員会で呼ばれて、その日その日の対策もきちっと私ども言っているんですよね。十九日に、三十カ月齢以上の牛は屠畜場に入れませんということも発表していますよ。それから二十日には、農場段階のサーベイランス、中枢神経症状や起立できないのを全部屠殺して、疑似患畜として扱って検査するということなども言っていますよ。
 しかし、結果として相当大きな風評被害を招いているということは事実ですから、それらに対する、そのことによって経営者も困っておりますし、焼き肉屋さんや小売店、いろんな段階の皆さん方が大変な迷惑を受けているということは事実です。それらに対して徹底した対策をやろうと、可能な限りのことをしようということで、今実施をしようとしているわけであります。
 何よりもやはりPR、正しい、今、委員が御指摘のとおり、何もオーバーなことを言う必要はない、我々は事実を事実として言う。大変、坂口大臣には失礼なことかもしれませんけれども、私は大臣がテレビに出るよりも、科学者、専門家がきちっと知見、その専門家の知見に従ったことをきちっと国民に話してもらうことが一番適切だろうということで、そういうこともテレビでも新聞でもやっているわけでございます。
 そういうことを、あなたがどういう責任を求めているかどうかわかりませんが、私はもう別な委員会でも申し上げましたけれども、おれがやらなきゃだれがやる、今やらなきゃいつできると、そういう言葉、私は大好きな言葉なので、その気持ちで今最善の努力をしていると。そして、みずからの責任に従って一日も早い国民や消費者の皆さん方の御理解を求めていこうということで、省内挙げて努力しているということを御理解いただきたい。
#75
○櫻井充君 言葉足らずのところがあったかもしれませんが、要するに、感染して断定できないという、そしてそこの中でどういう危険があるのかということについては書いていないわけです。つまり、見つかったとしてもその先は安全ですよということは書いてありますけれども、そのことに関してのコメントが全くないわけですよ。しかも、非常に何というかほかの部分が物すごく大きく書いてあったにしても、その部分は書いていないということです。
 それから、これは国民の皆さんの声なんですよ。私個人が言っているわけでも何でもなくて、どうしてこれだけの問題が起こって行政側は何の責任もとらないんですかと、これが国民の声なんですよ。国民の皆さんにどうお答えしますか。
#76
○国務大臣(武部勤君) 私ども、この二頭目が出ないことを願いながら逐一対策をとってまいりました。残念ながら二頭目が発生したわけであります。
 当初、一頭目が出たときは大変なメールの山でした。今回、二頭目が出た後は、厳しい御批判とともに、検査体制、全頭検査というのはよくわからなかったけれどもこういうことなのかということがよく理解できたという激励のメールも来ております。
 ですから、私どもは今やるべきことをきちっとやった上で、それはきちっとした対応はしなきゃならない、過去にさかのぼってあらゆることを実証していただこうということで第三者調査委員会も立ち上げて、その御議論も始まっているわけでございます。こういったことについても科学的あるいは客観的な知見ということも必要でありましょう。その上で、私どもはきちっとした、行政の不手際があったということは事実でありますので、そのことについても、当然のことながら私どもはしっかりした体制をつくっていかなきゃならないということも私の頭の中にあることをあえて申し上げておきたいと思います。
#77
○櫻井充君 しっかりした体制というのは、どなたかがきちんとした形で責任はとられるということなんですか。
#78
○国務大臣(武部勤君) これは今後、第三者委員会などの御議論なども踏まえて熟慮して考えたいと、かように思います。
#79
○櫻井充君 今回のこの件に関して、例えばこういう意見も来ているんですけれども、国が責任を仮に認めたとする、そうするとその賠償は国が支払うことになるけれども、それは税金でしょうと。納税者からしてみると、何でこういうものにまで税金を使わなきゃいけないんですかというメールも私はいただいているんですよ。それに対して、大臣、どうお答えになりますか。
#80
○国務大臣(武部勤君) 行政というものはすべからくそういう問題がはらんでいるんだろうと思いますね。今回の場合に、とにかく一日も早く牛肉離れのようなそういう状況から脱して需要回帰ということに全力を挙げなきゃならぬ、こう思っているわけであります。また、生産者が大変な状態に置かれている。このことに対してもしっかりした経営安定対策をしなくちゃいけない。また、中小企業の皆さん方、焼き肉屋さんをやっている方々に対しましても適切な支援策というものをきちっとやる必要がある。
 もろもろ、現状をどのようにして復帰させていくか、もとに戻していくかということについて、今我々は全力を尽くしていく、そのことが、その全力を尽くして一つの形が出てきたときに、国民の皆さん方の御理解もいただけるものと、こう思って我々はしっかりやりたいと、こう思っているわけです。
#81
○櫻井充君 しっかりやるということはそれは当然のことでして、それよりも、その前はどうなのかということですよ。だって、それはほかの国もできていなくてそれで日本もということなら納得もするわけですよ。しかし、先ほども申しましたとおり、イギリスで八六年の十一月に確認された、その後でも、アメリカは八八年の七月にその輸入を禁止しているわけですよ。例えば、フランスならフランスでBSEが確認されたのが九一年の二月ですよね。EUからの輸入を禁止したというのは、これ二〇〇一年の一月になってからですよ。何で日本はこんなに対応が遅いんですか。
#82
○国務大臣(武部勤君) まあいろいろな指摘があろうかと思います。それは過去にさかのぼっては、第三者委員会を立ち上げているわけでございますから、その委員会にありとあらゆる資料を提示して、そして御議論いただいて検証していただこうと、こう思っているわけであります。さらにまた、感染源、感染ルート、こういったことについても徹底究明しなきゃなりません。
 私どもは、職員を英国やイタリア、デンマーク、あるいはアジア諸国にも派遣してデータを集めて、今突き合わせをやっている次第でございます。今月中には中間的な形で何らかの発表をしたい、このように思っているわけでありますが、そういうことなどを通じていずれ明らかになるだろうと、このように思っております。
 しかし、それは、英国はもう十五年前の話ですね。フランス、ヨーロッパは十年前のことからの一つの経験。ですから、我々は今、英国やフランスの経験に学んでいろんな対策を立てているわけでありますので、この短い期間にいろいろな体制をつくったということも評価いただいていいんじゃないかと思います。
#83
○櫻井充君 前からヨーロッパが、どうして日本はこうやっているんですかと指摘している人たちだっているじゃないですか。
 もう一つ言っておきますと、今回の八月十五日の動衛研でプリオニクステストをやっていますけれども、やり方が間違っているわけですよ。やり方が間違っているからシロとまず判定されているんです。これは本当は牛の延髄のかんぬき部を使用しなきゃいけないのに、その周辺を使っているわけですよ。そしてもう一つ、ある膜にプリオンを定着させる作業の中で、タンク式という処理方法をとるべきところをセミドライ方式を採用しているから、だからシロと出ているんですよ。
 もともと疑陰性と出やすい検査かもしれないけれども、そうやって検査だって間違っているじゃないですか。そうやって被害を広げてきたわけでしょう、今まで。それなのに第三者委員会をつくらないと何もわからないということですか。
 つまりは、自分たちのところで、今回の中で、行政のトップなら行政のトップとされて、行政のだれ、どこの部署にどういう問題があったのかとか、そのために大臣としてどういう御決断をしなきゃいけないのかということを、本来はそこの行政権の責任というのは長が持ち合わせているはずです。その長が持ち合わせないで、それをすべて第三者機関に丸投げされるということは、これは大臣の仕事を放棄しているということじゃないですか。違いますか。
#84
○国務大臣(武部勤君) 今、委員の指摘はさまざまな委員会でもう十回以上同じことを問われていますよ。ですから、そういった委員会の審議なども私どもは謙虚に受けとめて、まずは人の健康には影響を与えない体制をつくろうということで全頭検査体制をしいたわけじゃないですか。そのほかにもいろいろやってきていますよ。何もやっていないわけじゃありませんよ。過去のことを今どうしろこうしろと言われて、過去のことを検証して、そして我々の知り得る範囲で農林水産大臣としての責任を果たしてきているんですよ。そのことを評価していただきたいという、こういうことを言っているわけなんです。
 あと、最後は、あなたが言いたいのは、その過去の責任をどのようにとるんだというようなことでしょう。行政的にどうけじめをつけようかというようなことでしょう。それは今、我々は休む暇ないんですよ。人をかえたりなんだかして休む暇ありませんよ。間断なくやらなきゃならぬ、そういうことに直面している、だから間断なくやるべきことを徹底してやろうと。我々、農林水産省を厳しく一人一人呼びつけてやりましたけれども、三週間ぐらいはもう家に帰らずに本当に不眠不休でやってきているという事実もあるんです。そういうようなことをも我々よく見てきているんですよ。厳しい指導をして、厳重な注意も促しているんです。やるべきことをさせているんですね。その上で私どもは、ちゃんとけじめつけなきゃならぬことはけじめつけなきゃならぬということは申し上げているじゃないですか。あなたの質問は何度も聞いておりますよ、いろんなところで。
#85
○委員長(森本晃司君) 櫻井君、時間が参っておりますので簡潔に願います。
#86
○櫻井充君 はい。
 クロイツフェルト・ヤコブ病も薬害エイズも今回の狂牛病も全く同じ構図なんだろうと思うんですよ。危ないということを指摘されておきながら、結果的にはその情報を仕入れなかったのか、わかっていたかもしれないけれどもそれに対して対策をとってこなかったという構図は全く同じなんです。そして、そのために人の命が奪われていって、これから狂牛病どうなるかわかりませんけれども、奪われてしまった、そして奪われる可能性があるということなんです。人の命がかかっているんですよ。そこのところは行政側が預かっているということを私はきちんとした形で認識していただきたいと思っているんです。
 今、行政改革が問われて、中央省庁の数を減らさなきゃいけないという話、人を減らさなきゃいけないという話になっていますが、もしこういう分野で本当に安全を確保するために人をふやさなきゃいけないんだということになれば、これはだれしも納得することなんですよ。今国民の皆さんが望んでいること……
#87
○委員長(森本晃司君) 櫻井君、簡潔に願います。
#88
○櫻井充君 はい、済みません。わかりました。
 とにもかくにも、武部大臣、私はそういう思いでおります。
 それから、済みませんが、坂口大臣、ぜひ患者さんたちの、原告の方々の気持ちを酌んで、そのような形で、きちんとした形で対応していただきたい、そのことをお願いして、終わります。
 ありがとうございました。
#89
○続訓弘君 私は、平成十二年十二月の一日に閣議決定されました行政改革大綱のうち、特に地方分権推進の観点から何点か御質問させていただきます。
 与党行財政改革推進協議会は、平成十二年七月の二十七日、少子高齢化の進展や国、地方を通じる財政の著しい悪化等を踏まえ、市町村合併後の自治体数を千を目標とすると提言されました。政府もこの提言を踏まえて自主的な市町村合併を積極的に推進することを閣議決定されましたが、その後の具体的な取り組みの姿勢並びに市町村合併推進のための住民投票制度の進捗状況等について御説明願いたいと思います。
#90
○大臣政務官(山名靖英君) 総務大臣政務官を務めております山名でございます。よろしくお願いします。
 まず、続委員におかれましては、長い間地方行政にも携わってきていただいておりまして、いわば地方行政のプロでもございまして、きょうは御質問をいただきまして、しっかりとお答えをさしていただきたいと思います。
 御質問の件でございますが、地方分権の成果を生かしまして基礎的自治体である各市町村の行政サービスを一層維持し向上させる、こういうためには市町村合併は避けて通れない課題であろうかと認識しております。そういう意味では、各基礎的自治体である市町村とそして国また都道府県が一体となって取り組んでいくことが不可欠であろうかと思います。
 御指摘の昨年十二月に閣議決定をいたしました行政改革大綱を踏まえまして、政府といたしましては、総務大臣を本部長といたします、また副大臣をその本部員といたします市町村合併支援本部、これを去る三月二十七日に立ち上げました。これはひとえに国を挙げて支援をしようということでございます。さらには、この八月三十日に、支援本部といたしまして、具体的な各省の取り組みというものを、施策というものを取りまとめる市町村合併支援プラン、こういったものを取りまとめをさしていただいたところでございます。
 さらに、本年の三月十九日になりますが、都道府県に対しまして全庁的な支援体制を整備をしていただこう、そして合併重点支援地域、こういったものを指定をしていただきまして、今四十三道府県におきまして市町村合併支援本部、これが立ち上がっております。そして、二十一県、三十二地域、百四十九市町村において合併重点支援地域ということで指定をしていただいているところでございます。
 さらに、御質問の住民投票制度等の問題でございますが、これは住民発議制度あるいは住民投票制度の導入、あるいは税制上の特別措置の拡充、こういったものの内容を盛り込んだ市町村合併特例法、この改正案を今、今国会に提案をいたしておりまして、私どもといたしましてはその成立を強く期待をしているところでございます。
 特にこの法律案によって導入されます住民投票制度と申しますのは、住民発議によります合併協議会の設置の議案が住民発議が行われた市町村の議会で仮に否決されたといたしますと、市町村の首長からの請求、もしくはその請求がなかった場合に有権者の六分の一以上の署名によって直接請求を行う、こういった内容としておりまして、その有効投票総数の過半数の賛成があった場合にこの議案について可決をしたと、こういうふうにみなそうというものでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、行政改革大綱において市町村合併後の自治体数を一千を目標とする、こういう与党の方針を踏まえまして、自主的な市町村合併を積極的に推進することとしておりまして、平成十七年の三月末にこの市町村合併特例法が期限切れを迎えますので、その目標に向かって今後とも全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように決意をしているところでございます。
#91
○続訓弘君 ぜひせっかくの御努力をお願い申し上げます。
 次に、地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任をより拡充することについても閣議決定をされました。
 そこで伺いますが、さきに東京都の石原知事が創設を発表されました都独自の法定外としてのホテル税、約十五億円でございますけれども、及び首都圏一都三県で実施を提唱された産業廃棄物税、約百二十億円です、並びに大型ディーゼル車高速道路利用税、これが約五十億円でございますけれども、等に対する課税自主権の行使についての積極的な御所見を伺います。
 なお、御案内のように、産業廃棄物税あるいは大型ディーゼル車高速道路利用税は、それぞれ地方団体が抱えている例えば排気ガス問題あるいは産業廃棄物問題等に対して住民参加の上で積極的な行政を展開しようと、こういう趣旨も含まれておりますので、ぜひとも積極的な前向きの姿勢で臨んでいただきたいと思いますけれども、所見はいかがでしょうか。
#92
○大臣政務官(山名靖英君) 今、議員が御質問、御指摘がありましたように、さきに東京都におきまして、東京都の税制調査会の答申という形で、税収を観光振興施策、こういうことに充てる法定外目的税、これを答申を受けて今検討されている、私どももそう承知をしているところでございます。
 これは、東京都内に宿泊する人に対して、宿泊者に対して宿泊代金に応じた負担、宿泊料金一万円以上の場合、一万円以上一万五千円未満は百円、一万五千円以上は二百円を徴収するというものでございます。
 さらに、御指摘のあった産業廃棄物税及び大型ディーゼル車高速道路利用税、これも都の税制調査会を受けて東京都は検討してきたわけでございますが、大気汚染対策あるいは産業廃棄物対策につきましては首都圏としての広域的な取り組みというのが求められるということで、東京周辺の七都県市のそういう首脳会議において共同税として共同実施を提唱されたわけでございます。
 この種のいわゆる法定外目的税等につきましては、議会等の審議、決定をいただきまして私どもの方にそれを出していただくことになっているわけでありますが、今後、各関係公共団体、地方公共団体の検討あるいは調整が進みまして、それぞれの各議会で条例案が議決をされまして、そして総務省との協議がなされる、こういった場合には地方税法等の規定に基づきまして適切に対応をさせていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#93
○続訓弘君 今のお答えは、仮に条例案が可決された場合には国として積極的に応援する、こういう理解でよろしいですね。ぜひお願いを申し上げます。
 そこで、私はかつて美濃部都政時代の財政の責任者でありました。美濃部知事は国に対するいわば財政戦争をしかけました。その一つが、地方自治法二百三十条ではもともと起債は自由であった。にもかかわらず、二百五十条で当分の間自治大臣の許可が必要だと、こういう法律をつくられたわけです。そこで私は、この二百五十条は憲法に違反するのではないかということで、昭和五十二年の九月に都議会に対して国を相手に訴訟を提起しよう、こういうことをもくろんだ責任者でもございました。
 その後、やっとのことでこの二百五十条が廃止され、平成十八年度から協議制へ移行されるということになりましたけれども、これは日本国憲法が保障する地方自治の本旨にちゃんと沿い、かつこのことが結果として地方自治の本旨が貫けるということになるということと理解してよろしいかどうか、その点をお伺いしたいと存じます。
#94
○大臣政務官(山名靖英君) 今の御質問にお答えする前に、先ほどの問題でございますが、各地方公共団体で議会が条例案として決定をすれば全部認めるのかと、こういう御指摘であったわけでございますが、当然、これは先ほど申しましたように、地方税法の趣旨あるいは税制の公平中立、こういった原則に基づきまして納税者の負担があるわけでございますから、そういう理解も得ながら適切な検討、判断をすべきものであるということでございますので、十分それは検討いたしていきたいと思っております。
 それから、今の地方債に係る許可制度、それが協議制度へと移行されたことに対する自治上の本旨についての御質問でございますが、御承知のように、地方債の許可制度というのは地方財政計画あるいは地方交付税制度、こういったものを通じた償還財源の保障、こういう意味を持っておりますし、さらには財政力が極めて脆弱でいわゆる独自で資金調達能力が乏しい、そういう市町村があるわけでございまして、そういったところに対する一定の資金の確保、こういったものをバックアップする、あるいは、当然そういう弱い小さな市町村になりますとどうしても信用力というのが欠けるわけでありまして、そういった信用力を補完する、こういった意味合いをもって重要な機能を果たしてきたわけでございます。
 昨年四月に成立をいたしました地方分権一括法、これによりまして、平成十八年度からは地方債の許可制度というのは、より地方公共団体の自主性を高める、こういう観点からもう廃止をしようということにしたわけでございまして、それをいわゆる許可制というものから協議制という、こういったものに移行をすることとしております。
 それで、協議制度のもとで同意という仕組みによりまして先ほど述べました機能というのは当然これは維持するわけでございますが、それぞれの地方公共団体におきましては、法令の範囲内であれば協議の手続を経た上で同意がなくても議会に報告の上最終的には地方債が発行できる、こういうことになっておりまして、したがって、そういう観点から見ましても、委員御指摘のように地方公共団体の自主性あるいは自立性、こういったものはさらに高まるであろうし、本来の地方自治の本旨に沿うものである、このように確信をしているところでございます。
#95
○続訓弘君 先ほどの課税自主権の問題にしてもあるいは起債の二百五十条の廃止の問題についてもどうも歯切れが悪いんですな。もうちょっと積極的に答弁しなくちゃだめですよ。ということは、あなた御自身も地方団体に身を置いておられた一人でありますね。その意味では、地方団体のいわば今度の行政改革というのは、国からのおもしを全部取り払って地方の自主性に任せようと、これが行政改革の大眼目でしょう。そうだとすれば、課税自主権にしたってあるいは起債の許可制度の廃止だって文字どおりひとり立ちする、ひとり立ちさせるんだというのが私は当然の帰結だと、こう思いますので、そういう意味で、政務官もぜひフォローしていただきたいと、こんなふうに思います。
 さて、これまた国の規制改革に関連をする話でありますけれども、ことしの九月の八日の読売新聞夕刊にこんな大きな見出しが出ていました。「待機児童解消へ奥の手 保育園、幼稚園を一本化 千代田区が来年度 法律の垣根を越え」という大きな見出しで報じておりました。ところが、十一月十七日の毎日夕刊を私は見まして、夕刊にまた大きな見出しで、千代田区、幼保一元化断念と、こんな見出しが躍っておりました。この記事をいろいろと調べてみました。
 千代田区の場合を申し上げますと、千代田区の幼稚園、園児の定員数が七百九十五名に対して実際に入っている方々は四百四十三名、したがって五五・七%しか入っていないわけですね。ところが一方、保育園はどうかといえば、定員が四百八十五名に対して四百四十一名、九一%の充足率であります。したがって千代田区は、こういうことを考えながら、今回幼稚園の施設と保育園の施設を一体化して、そして困っておられるお母さん方に愛の手を差し伸べようと、これが幼保一元化の私は意図だと思います。
 ところが、先ほど申し上げたように、九月の八日の読売新聞で大きくその朗報を取り上げ、十一月の十七日の毎日新聞ではその断念を報ぜざるを得ないという状況、これはまさに国が、幼稚園行政は文部科学省、保育園行政は厚生労働省、こういう垣根があるからじゃないかと私は思いますけれども、この点についてそれぞれの所管大臣、所管省庁はどういう考え方を持っておられるのか。そしてまた、それぞれ千代田区からそういういわば要望があったのかないのか、その辺のところをお聞かせください。
#96
○副大臣(岸田文雄君) 先生から御指摘いただきました幼稚園と保育所の問題ですが、先生十分御案内だと存じますが、まず基本的な原則におきましては、幼稚園というものは学校教育法に基づく学校教育施設であり、保育所の方は児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、この性格、目的を異にするということになるわけであります。
 しかしながら、ともに就学前の児童を対象とするということから、例えば中央省庁等の改革基本法におきましても、文部科学省と厚生労働省、ともに連携しながらこれらの施設ですとかあるいは運営につきましても総合性を確保しなければいけないということになっておりまして、そして具体的な形としまして、例えば幼稚園と保育所の在り方に関する検討会というのを両省で設けて、施設の共用化の方針を策定するとか、あるいは保育士と幼稚園教師が同じ研修会を開催するとか、あるいは両方の教育内容、そして保育内容、この内容についても整合性を確保する、あるいはともに子育て事業を進めていく、こんなことを進めているわけであります。
 ですから、基本的には、性格や目的は異にするといいながら、現在の枠組みの中で最大限連携を進めて、そして、今大きく具体的なニーズが変わっているわけであります。核家族化あるいは都市化、こうした動きの中でいろいろな具体的なニーズが変わっているわけでありますから、このニーズにしっかりこたえていかなければいけない、これが文部科学省としましても基本的なスタンスであります。
 東京都の方から具体的な要請等があったかというお話でありますが、それにつきましては、具体的な案件、この枠組みの中で最大限関係者が努力したというふうに思っておりますが、ぜひこの枠組みの中でできる限りのことは進めていきたいと文部科学省は考えております。
#97
○副大臣(南野知惠子君) 先生から御質問いただきました幼保一元化の問題も我々考えてきているところでございますが、私の考えといたしましては、二十一世紀の子供たち、これをどのように守っていくかというところにも大きなポイントがあろうかと思っております。二十一世紀から二十二世紀にかかるとは思いますが、続先生は東京都政については本当にもう名副知事と言われておられるくらい都政の問題は手中の中にあるというふうに我々尊敬している先生でございます。その先生の御質問でございますので、私もさらに勉強を加えさせていただきました。
 先生が今取り上げられました新聞の記事につきまして、これは千代田区から東京都に対しての相談であると。そういう意味から、東京都におきましての相談に東京都が応じているというような形での結論であろうかなというふうに思っております。これまでも地域の実情に応じまして保育園と幼稚園、これはもう合築をしたり併設をしたり、さまざまな連携を図ることについては都道府県とも柔軟に対応してきているところであるというのは先生御高承のとおりであろうかと思っております。
 そういった意味から、我々の方針といたしましては、幼稚園と保育所のあり方について、これまでも臨時教育審議会または地方分権推進委員会などさまざまな場所において議論されてきております。これらの制度の中で整備充実を図ること、両施設の連携強化を図ることなどについて提言のあったところでございます。
 そういう意味から、厚生労働省といたしましては、平成十年でございますが、施設設備を相互に共用できるよう、文部科学省と共同して共用化指針というものを作成いたしております。さらに、両施設において同等な教育を受けられるよう、幼稚園教育要領と、それから整合性を留意しながら保育所保育指針というものを改定いたしております。これは平成十二年度の四月でございます。さらに、保育所の設置主体制限というものを撤廃しまして、学校法人なども保育所を設置することができるようにするというのも平成十二年に取り上げている課題でございます。さらに、平成十三年の四月からでございますが、保育士と幼稚園教諭の資格を同時に取得しやすくするよう保育士養成課程を見直すということなど、両施設の連携を強化し、各地域の実情に応じた設置、運営が可能となるよう対応を進めてきたところでございます。
 先ほど文部科学省の副大臣も申し上げておりますが、今後とも地域の実情に応じながら、子供や家庭の多様なニーズに的確にこたえられるよう両者、省庁十分に検討してまいりたいというふうに思っております。
#98
○続訓弘君 今、両副大臣から大変前向きな御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。千代田区のみならず、恐らく各地方団体がこういう悩みといいますか、積極的な姿勢で対応しようとしているその矢先に今のような記事が躍ったのではせっかくの前向きの姿勢が崩れてしまう、こういうことを恐れて私はあえて御質問申し上げました。
 いずれにいたしましても、それぞれの地方団体はいろんな知恵を絞りながら幼保一元化の問題に真剣に取り組んでいると思います。したがいまして、このことが成就できるように両省が力を合わせてこれからも真剣に取り組んでいただきたい、このことを御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#99
○岩佐恵美君 きょう私は道路問題について伺いたいと思います。
 小泉首相は、高速道路計画九千三百四十二キロの整備計画の見直し、日本道路公団への三千億円の国費投入の中止を打ち出しました。しかし、当初の三十年償還、これは引っ込めて五十年償還を認める、そういうことにしたということです。
 そのことによって、国土交通省が行った道路公団の投資可能額の試算によれば、国費投入がゼロでも五十年償還なら最大十三兆二千億円投資できるということです。この三年間の公団の調達金利は一・八%台で、試算の際の将来予測金利、これは三・五%です。ですから、約半分程度です。金利を現行どおりで試算すると、投資可能額は十九兆円になるということです。未完成路線二千四百キロメートルの必要額が二十兆六千億円です。結局、採算性の低い未完成道路、路線、この建設を従来どおり進める、そういうことができるということになると思います。
 これでは従来のむだで不採算あるいは環境破壊の高速道路建設のやり方を改めることができないのではないか、そう思いますが、行革大臣、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(石原伸晃君) これも当委員会で何度も申し述べさせていただいておりますが、今回の特殊法人改革におきましては、廃止、民営化を前提としつつ、すべての特殊法人の事務事業についてゼロベースから見直しを行っているところでございます。
 ただいま岩佐委員御指摘の日本道路公団の改革につきましても、今月中に実質的な結論を得るということで、総理はこれまでにもさまざまな場所で国費の投入中止、ゼロということに言及をされているわけでございます。もう近々でございます。十一月も残すところ数日となってまいりましたので、総理の意思にのっとって正式に実質的な結論を得ることとしておりますので、その結果を見ていただければ、委員御指摘のようなことはないものと確信をしているところでございます。
#101
○岩佐恵美君 実は、高速道路と一体化して進められている一般国道、これの自動車専用道路についても問題があります。
 道路公団の一般有料道路の収支、これは収支報告書によると四十七億円の赤字だということです。償還率が計画を上回っているのは二十五道路のみで、三十四道路は計画を下回っている。ところが、十一月二十二日付の朝日新聞によりますと、一般有料道路の債務超過、これは民間の会計基準を当てはめて試算すると五千億円以上になるということです。
 この一般有料道路で公団と国土交通省が一体となって建設を進めているケースが少なくありません。例えば、首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道の場合ですが、東京都区内分、東京都区間分二十二・五キロメーター、全体は道路公団の一般有料道路です。ところが、そのうち十七・二キロメーター、全体の四分の三以上が国土交通省の直轄事業として建設をされています。事業費ベースで見ると三千五百億円のうち二千二百億円、つまり六三%が直轄事業です。
 そこで伺いたいのですが、圏央道の都内区間の費用対効果、これは二・二だということですけれども、便益や費用の計算根拠の基礎数字、これを示していただきたいと思います。
#102
○副大臣(佐藤静雄君) 費用便益分析をするわけでありますけれども、便益の場合には、走行時間の短縮便益、さらに走行経費の減少便益、さらに交通事故の減少便益、これらをずっと見ましてつくるわけでありますけれども、この便益は二十・三キロであるのに八千九十五億円の便益を出しております。費用の方でありますけれども、同じように三千六百四十五億円の費用。差し引き二・二倍ということになっております。
 しかし、これから、なお一層詳しく詳細なデータについて、時間的な余裕をいただければ、さらに詳しくこれからのデータを整理して提出させていただきたいと思っています。
#103
○岩佐恵美君 今、副大臣から御説明いただきました資料については見させていただきました。その限りの資料では、費用便益分析、つまり、例えば走行時間短縮便益七千四十一億円となっているわけですけれども、そのうちの交通量予測の根拠が示されていないんですね。ですから、肝心なデータがない。どうしてこういうふうに便益があると考えられるのという基礎データがないわけです。これは私は非常に無責任だと思います。これでは費用対効果が適正かどうか検討できないわけです。後ほど詳しいデータを出されるということですので、ぜひそのデータに期待をしたいというふうに思いますけれども。
 例えば計画交通量についてですけれども、アクアラインに典型的にあらわれているんですが、開通後の交通量が予測値を大幅に下回っている事例が多くなっています。にもかかわらず、従来の交通量予測を見直さないで建設してしまいます。そして、開通時あるいは開通してしばらくたってから償還計画を見直すというケースが多々あります。開通時になって料金の変更をする、あるいは償還期間を延長する、あるいは他の路線とのプールをする、こういうつじつま合わせ、これを繰り返していたのでは、いつまでたってもむだはなくならないし、不採算路線は拡大する一方です。
 ですから、行政改革で道路公団に国費三千億円をつぎ込まないといっても、このような採算がとれないそういう有料道路に直轄事業で巨額の税金をつぎ込んで建設する、これは私は大問題だと思います。ですから、このような一般有料道路についても高速道路とあわせて建設のあり方を見直していくべきだ、そう考えますけれども、その点いかがでしょうか、行革大臣。
#104
○国務大臣(石原伸晃君) 今、委員御指摘の圏央道並びにアクアラインというものは、一般有料道路について行革の観点からどのように考えるかという御質問ではないかと思うんですけれども、これも八月十日に既に発表させていただきました見直しの考え方において、委員御指摘のような近年の交通量の伸び悩みを踏まえまして、現在建設中あるいは事業許可がおりているものの事業凍結による事業量の縮減、あるいは工事単価の見直し等により建設コストを縮減する、そういうことをすべきではないかと指摘させていただいているところでもあり、道路公団の事業をゼロベースで見直す中で、現在鋭意検討させていただいているところでございます。
 これは先ほども岩佐委員の御質問にお答えさせていただきましたが、いずれにいたしましても、日本道路公団の改革については、近々正式に実質的な結論を得まして、年内に取りまとめます整理合理化計画を策定するという形で皆様方にその姿をお示しさせていただきたいと考えております。
#105
○岩佐恵美君 実はその圏央道ですが、青梅インターから日の出インターまでの八・七キロをことしじゅうに開通させ、来年度にはあきる野のインターまで開通させるとして工事を急いでいます。
 私は現地を見て異様な光景に非常に驚きました。あきる野インター周辺に一本最低でも五千万円から一億円以上もかかるという、平均で一本一億円という話がありますが、そういう橋脚が林立をしていて、七十一本もあるということです。従来の川のすばらしい景観、これが本当に無残な形で一変してしまいました。しかも、日の出インターからあきる野インターまで二キロしかありません。車で時速八十キロで一分半しかかかりません。このようなところに巨大なインターを二つもつくる必要が一体あるのか、全く理解に苦しみます。
 八王子城址のトンネル工事も大問題です。
 八月下旬に私、現地を見ました。実は、ここは国の史跡として指定されている八王子城址の真下にトンネルを通す、そういう道路計画です。私は国土・環境委員会で、建設省のボーリング調査のデータを見させていただいて、これでは沢や坎井の水がれが起こるということを指摘して、このルートは無謀だし、やめるべきだという指摘をしました。ところが、工事による水抜き、水が抜けるということを否定できなくなると、セメントミルクや水ガラスなどを注入する、そういう工事を進めることを決めました。そして、わずか百メーターの区間でそのための工事費が十六億円もかかったということです。まだ御主殿の滝上流部の城山川の下を通る区間では一キロメーターの止水工事が必要だということです。ですから、まだまだお金がかかるということです。
 計画を決めたら幾らかかっても構わない。しかも、工事で完全に止水できる保証もない。国史跡に影響が出ることが心配されても、お金がかかっても何が何でも工事を強行する。国史跡の指定は一体何のためなのか。道路建設のためだったら相手が国史跡であろうがお構いなしなのか。私、こんなことがまかり通っていいはずがないというふうに思っています。
 二十一世紀にこういう話はもうまかり通らないのではないかというふうに思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
#106
○副大臣(佐藤静雄君) 最初のインターチェンジの位置でありますけれども、地域の幹線道路網と一体となった効率的なネットワークを形成することが必要でありますので、関連するアクセス道路の規格、地域の方々の利用の便宜を考えて総合的に勘案してつくったものであります。
 次の八王子城跡については、史跡に影響を与えないようにトンネルで通過する計画をしたわけであります。さらに、八王子城跡トンネルの施工に当たっては、当該地域の水環境を保全することが極めて重要であります。先生おっしゃるとおりでありますから、学識経験者等により構成される首都圏中央連絡自動車道環境保全対策検討委員会をつくっていただきまして、地形、地質条件及び地下水などの調査結果を踏まえたトンネル施工方法を提案していただいたところであります。
 現在は引き続き環境保全対策検討委員会の意見をお伺いしながら工事を進めておるところでありまして、具体的には水脈と想定される約百メートルの区間について止水工法を採用して工事を既に実施しているところであります。これらの結果、平成十三年十月末現在、トンネルの掘削は約四割進捗しておりますが、水環境に著しい変化は観測されておりません。
#107
○岩佐恵美君 国史跡のところですから、本当に慎重にも慎重を期さなければいけないんですけれども、水が漏れて史跡に影響が出るということがわかった、それだったらルートを変えるとかそういう対策だってとらなきゃいけないんですね。ところが、何が何でもそこにトンネルを掘るということになって止水工事を行う。止水工事で本当に水がとまるかどうかだってわからない。しかも、お金がいっぱいかかるということですから、本当に一体こういう工事というのは何なのかということを思います。
 八王子城址トンネルの坑口近くに実はオオタカがすんでいます。オオタカをずっと観測し続けている地元の専門家は、工事が始まるまでは毎年三羽のひなが巣立ちをしていたけれども、トンネル工事で付近の環境が一変して、九九年から二羽しか巣立たなくなって、ことしはついに一羽になってしまった。これは、恐らく工事による環境の激変がオオタカに深刻な影響を与えていることは間違いないと指摘をしています。つまり、オオタカのひなが一羽しか巣立たなかったのは周囲の環境悪化で、ひなを育てるにはえさが要ります。そのえさとなる小動物が環境激変でいなくなってしまった、そういうことだからだと推測をされます。そういうことなんです。八王子城址のトンネル工事がオオタカの繁殖に重大な影響を与えている、こういうことは事実なんですね。一羽しかことしは巣立たなかったということがそのことを示していると思うんですが、副大臣、そのことについての認識を伺いたいと思います。
#108
○副大臣(佐藤静雄君) オオタカへの工事の影響を最小限にとどめるために、平成八年十一月、学識経験者等によります圏央道オオタカ検討会を設置いたしました。
 同検討会では、オオタカの生息状況について調査をした上で、工事の施工時におけるオオタカの生息環境を保全するための具体的な方策を検討し、取りまとめていただいたわけであります。そのため、トンネルの坑口にはテントを張ったり、音を遮断する施設をつくったり、それから振動もできるだけ少なく工事をする、そういういろんな新しい機械を採用したりなんかしまして、特に十二月から三月の繁殖期における二十メートルを超えるクレーン作業の制限等を実施したりなんかしてやってまいりました。
 今後とも、生息の実態調査を継続しながら、オオタカと圏央道の共生を目指して適切に事業を進めてまいりたいと考えております。
#109
○岩佐恵美君 検討会を開いたって、現実に影響が出ているわけですね。
 圏央道計画では、高尾山の中腹に二本もトンネルを掘るということになっています。高尾山は、年間二百五十万人以上の人々が訪れる都民のオアシスです。しかも、国定公園です。一千三百二十種の植物が見られ、常緑広葉樹林と落葉広葉樹林がともに暮らしています。標高六百メーターに満たないのに、小氷期の生き残りと言われるブナの大木が八十本もあります。昆虫五千種、鳥類百三十七種生息していて、生物多様性の宝庫とも言える学術的に貴重な生態系をなしています。そこに直径十メーター以上、そして長さ千六百五十メーターのトンネルを二本も掘る計画です。中央道とつながる巨大なジャンクションを狭い谷につくるので、市民の自主アセスメントでは、トンネルによる水がれや排ガスによる深刻な影響が指摘をされています。
 圏央道計画構想は二十五年前、圏央道の環境アセスは十三年前です。その後、国のアセス法ができて、時代は大きく環境保全の方向へ、世界はもちろん日本も変わってきています。十三年前の環境影響評価ではもはや通用しない、そう思います。今の時点で評価をし直すべきです。国定公園をめちゃめちゃにするなど、決して許されないと思います。副大臣の答弁をいただきたいと思います。
 そして、あわせて行革大臣に伺いたいんですけれども、可住地面積当たりの日本の高速道路は、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、日本の六カ国の中で最大です。二番目のドイツの一・四五倍、狭い国土に異常です。日本の自動車保有台数は国土一平方キロメートル当たり百八十七台で、ドイツの一・五倍、フランスの三倍です。このような過大な自動車保有台数を前提にその需要を満たす自動車道路をどんどんつくっていけば、排ガスやCO2排出など、環境をますます悪化させることは明らかです。
 今、高速道路の見直しを行うという際に、道路のこういう密度だとか、あるいは先ほども申し上げた環境だとか、そういうことを生態系も含めて総合的に判断をしていくことが今求められていると思います。あわせて御答弁をいただきたいと思います。
#110
○副大臣(佐藤静雄君) この地域の環境影響評価につきましては、東京都環境影響評価条例に基づきまして、当時の最新のデータを用いて予測評価をいたしたものであります。
 アセスの説明会、公聴会を延べ五十七回開催いたしまして、住民からの意見等をお聞きしまして検討を加えて、さらに東京都環境影響評価審議会において二年以上にわたる慎重な審議がなされました。平成元年に公示されたものでありますが、適正なものであると認識いたしております。
 また、東京都環境影響評価条例によりますと、事業期間が多年度に及ぶ道路事業においては事業実施中及び供用後に自後調査を実施することとされておりまして、今後とも、この調査に基づきまして自然環境と調和した道路整備を進めるために必要に応じて適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
#111
○国務大臣(石原伸晃君) 岩佐委員の質問はちょっと行政改革から離れておりまして、私は行政のむだ、効率化という観点から道路公団の問題についてお話をずっとさせてきていただいたわけですが、そんな観点で地方をいろいろと回りますと、やはりこれは党派を問わず道路をつくってくれという方の方が多くて、もちろん委員のように環境に配慮しろという方もいらっしゃると思います。
 究極的に考えますと、やはり環境を破壊しないということを考えるならば、車に乗らないでできるだけ歩く、あるいはどうしても中長距離を走るので歩いて行けないんだったらバスを利用するとか地下鉄を利用する。また、私も実践させていただいておりますし、小泉総理も三年以内に公用車はすべて環境の負荷の優しい車にしろということを言われておりますように、環境の負荷の優しい乗り物にかえるといったようなことが考えられますけれども、佐藤副大臣が御答弁いただきましたように、これからの道路行政というのは、委員御指摘のとおり、地球環境へも配慮したという観点というものは、当然生息する動物としての人間ということを考えるならば必要な観点ではないかと考えております。
#112
○岩佐恵美君 ありがとうございました。
#113
○又市征治君 本日は、医療制度改革についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 厚生労働省が九月に公表されました医療制度改革に関する試案には、患者の三割負担を初め、とても認められない改悪が幾つも含まれております。当然、高齢者の皆さん初め多くの国民の皆さんから不安やらあるいは反対の声が寄せられているわけでありますけれども、きょうは私、高齢者の長期入院問題に絞ってお伺いをしたいと思います。
 九月及び十月に中医協に対して厚生労働省は高齢者の長期入院に係る診療報酬のあり方の見直しを提案をされました。その内容は、簡単に言えば、
六カ月以上の入院患者について外来治療に相当する分、つまり検査、投薬など、これを特定療養費と名づけて保険で見ることにする、それ以外の入院に係る基本的な費用、つまり医学管理だとか看護、室料等は保険の枠から外して自己負担にする、こういう概要だろうと思うんです。
 これは中医協で了承されたのかどうか。もう一つ、またこれはいつごろから実施に移したいというふうに今お考えなのか。この二点、お伺いしたいと思います。
#114
○政府参考人(大塚義治君) ただいま御質問ございましたように、ことしの秋に公表いたしました厚生労働省試案の中で長期入院の患者さんに係る給付の見直しという項目が入っているわけでございます。
 具体的には、現在関係の審議会、お示しのございました中医協で議論をしておるところでございまして、最終的な結論ということではございませんけれども、何度かにわたりまして論議が交わされていると。年末にはそれらの基本方向については全体としての取りまとめをお願いするという予定になっております。
 お話しの内容でございますけれども、今回に限りませず、医療を患者の状況に応じ適切にサービスの提供をする、あるいはそれに関連をいたしまして介護サービスとの連携を図るという基本方針のもとにさまざまな制度改革が進められてきておるわけでございますが、かつてはいわゆる一般病床の中に長期に入院される患者の方がおられるということがいわゆる社会的入院という言葉で御指摘があり、それに対する対応策のお求めが強くございました。
 今日、いわゆる一般病床の中での長期入院の状況につきましては、介護保険制度の施行などによりまして大きく激減をしておるというふうに感じておりますが、現在は、例えば療養病床と言われます長期の療養を対象としたベッドの患者さんの中にも、本来であれば在宅での療養あるいは他の施設への移転、そうしたことで対応できるそういう方々が相当数おられる。これは患者さんにとりましては……
#115
○又市征治君 短くしてください。
#116
○政府参考人(大塚義治君) 恐れ入ります。
#117
○又市征治君 いつごろからこれを実施したいのかということです。
#118
○政府参考人(大塚義治君) そうした観点で今見直しを進めておるわけでございますが、結論を得られれば来年度からスタートをさせたいということでございます。
 なお、今回の御提案では六カ月を一つの目安にいたしまして、その時点で医療のサービスの必要性が低い、逆に申しますと、在宅あるいは他の施設での対応が可能という方につきましては、特定療養費制度、特定療養費というものを支給をするということを前提に給付のあり方を見直す、こういう考え方でございます。
#119
○又市征治君 資料を今お配りさせていただいたんですが、富山県の保険医協会がこれは試算したものでありまして、脳梗塞の後遺症と高血圧で医療保険適用型の療養病床に入院している患者の自己負担額のシミュレーションになるわけです。
 現行制度では、入院期間が六カ月を超えると一カ月の総医療費は四十二万七千円ですけれども、入院基本料の九割と食事代の約三分の二が医療保険で賄われるために、自己負担は五万九千六百十円で今済んでいると。ですが、今厚生省が出されているこの試案が実施をされますと、検査や投薬など外来治療に相当する七千円程度しか医療保険の対象にならなくなって、患者の自己負担は現在の七倍の月四十二万円にもはね上がる、こういうふうに試算がされているんですが、こういうケースが出てくるのかどうか、これをまずお伺いしたいと思います。
#120
○政府参考人(大塚義治君) ただいまちょうだいをいたしました資料に沿って御説明をいたしますと、一番右側の六カ月超というところが問題になるわけでございますが、この四十二万円がすべて自己負担ということは毛頭考えておりませんで、この六カ月超の例で申しますと、四十二万プラスその他の治療費がございます。このうち相当部分は当然のことながら療養費という形で支給をするという考え方でございまして、いわば入院外、つまり在宅で医療を受けておられる方とのバランスでありますとか、通常必要となる医療、最小限入院に必要なコスト、こういったものはある程度特定療養費という形で支給をする。いわば手厚い看護でありますとか手厚い介護、あるいは頻回な診療といったような入院に伴うそうした経費につきましては御負担をお願いすることが出てくると思いますけれども、この四十二万を自己負担でお願いするとは毛頭考えておりません。
#121
○又市征治君 では、幾らぐらいの負担というふうに試算をされているんですか。半額でも二十万円ということになってしまうんですが。
#122
○政府参考人(大塚義治君) これはちょうど今関係の審議会で御議論をいただいているところでございますけれども、具体的に今幾らということは申し上げかねるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、入院外でおられる、つまり在宅でおられる方との費用負担のバランスだとかそういうことを総合的に勘案して、具体的にはこれからの論議というふうに考えております。
#123
○又市征治君 中医協で方向性は大筋了承されながら試算もつけていないというのはどうも解せないわけで、これはいつになったら出せるんですか。これ、年末までに出るんですか。それから、本来ならば何通りかのそういう試算を示してからむしろ中医協で了承を得るべきじゃなかったんですか。
#124
○政府参考人(大塚義治君) こうした考え方について妥当かどうかということが、まずその関係者の間で一定の意思統一が図られるかどうかということが今日まで議論の中心でございましたから、さらにその具体論ということになりますと、来年三月までが最終的な診療報酬の具体的な点数の決める時期でございますが、それまでには決める必要がございますし、また先ほどいつからと、私、来年度からと申しましたが、年度当初からというような実施はこれはなかなか事務的にも難しゅうございますから、今のところ、私ども事務方として念頭に置いておりますのは、来年度の半ば、他の制度改正と一緒にスタートをするというような、私どもの基本的な考え方はそういう前提で議論をお願いしているところでございます。
#125
○又市征治君 それじゃ観点を変えて、どのような老人が六カ月以上この療養型病院にいるというのか、厚生労働省としては実態を把握されておりますか。
#126
○政府参考人(大塚義治君) こうした論議の一つのきっかけになりましたのは、さまざまな調査もございますけれども、民間研究機関などのデータがございます。非常に大ざっぱな結論の部分だけ申しますと、療養型病床群と言われるような長期の入院を対象とした施設の中で四割強の方々が自宅あるいは他の施設へ転院可能というような数字がございます。そうした民間調査機関のデータなどをもとに議論をしているわけでございます。
#127
○又市征治君 そうしますと、今回の提案ではおおむね四割もの人が保険外入院にする可能性があるということになりますよね。
 先ほど申し上げた富山県の保険医協会の実態調査によりますと、県内七十の病院の老人患者で医療保険適用の療養型病床にいるのは千三百九十二人、そのうちの八百八十九人、つまりは六四%が六カ月以上の患者だそうであります。この人たちの四割が数十万円もの、四十二万とは申しませんが、大変莫大な自己負担増になると、こう言われたら大変なことになるわけでありまして、厚生労働省としては一体この人たちをどういうふうにしようというのか。まさに老人難民にするなどということが言葉で言われていますけれども、どういうお考えなのかお聞きしておきたいと思います。
#128
○政府参考人(大塚義治君) 多少繰り返しがございまして恐縮でございますけれども、もともとこの問題の基本的な問題意識は、病院に入院をしておられる方が病院に入院しておられる事情の専らあるいは大部分が患者側の家庭的なあるいは社会的な状況にある、最も適切なサービスを提供するという観点からすれば、今のまま病院でお過ごしをいただくということが適当ではないのではないかという議論から始まったわけでございます。
 したがいまして、関連する介護施設も含めました整備あるいは在宅医療の充実といったような関連の施策も進めてまいらなければなりませんし、また一方では、一定の費用負担をお願いした上で病院に、もちろん全く医療の必要がない方はこれは給付の対象になりませんけれども、ある程度の医療の必要もあるということであれば、費用負担をお願いした上で一定期間病院に入院をしていただくという道もある意味では開くわけでございます。総合的な対策が必要であろうと思いますけれども、そうした観点で体制整備を進めてまいりたいと思っております。
#129
○又市征治君 国の医療保険が財政が大変だ、したがって介護保険でいける人はいってほしい、つまり市町村の財政で面倒を見ろと、こういうことになるわけですが、じゃ、その受け皿の中心である特別養護老人ホームなどの設置状況はどうかと。これも先ほど私取り上げた富山県の保険医協会の調べで、今月なんですね、ことしの十一月の調べですが、県内の調査では待機者が一施設当たり平均七十八人いる、県全体では推計で三千六百人になると、こう言っています。つまり、今特養にいる人の大体九割ぐらいに当たるこういう入所待ちがあるというわけです。
 どこで待っているかというと、自宅が三四・四%ぐらいで、老人保健施設にいて、六カ月でありますから、特養に行きたいと言っているのが二六・五%、そして私きょう問題にしております病院での待機者というのが二一・六%と、こんな格好です。
 こういう実態というのは、やっぱり全国的にも大体同様なんではないかと、こう思うんですが、つまり特養に行けないので仮の姿として病院にいる、この人たちを今提案をされているこの値上げによって病院から追い出すとなると、あとは一体どうなるのか。現実の問題として、特別養護老人施設、これは追いついていないわけですね。大変にやっぱりこの実態がおくれておる、こういう状況です。
 例えば、富山県の例で申し上げますと、来年度十施設、六百人の特養建設を予定をしていますけれども、なかなかこれが全体削減の中で国庫の枠もとれない。大変重点要望で厚生労働省に要望していますけれども、こういう状況にある。待機者は先ほど申し上げたような大量の人がいる。追っつかない。追っつかないのに、さあできるならば来年の半ばからでもやりたい。こんな格好じゃ、まさにさっき私が申し上げたような老人難民になってしまうんじゃないですか。
 この点を本当の意味でどういう格好でやっていこうとされておるのか、もう一度改めてお聞きします。
#130
○政府参考人(堤修三君) 特別養護老人ホームなどの介護サービスの基盤整備ですけれども、各市町村で地域の実態に応じて計画的に各市町村が事業計画をつくって、それを都道府県が全体計画としてまとめて、その計画に基づいて整備をしております。平成十五年度からこの新しい第二期の事業計画を策定をするということになっておりますので、その際には、今の長期入院の実態も踏まえて、さらに市町村の介護保険料の水準にも配慮しながら、特養ホームとかあるいは老健施設、あるいはグループホーム等新しい受け皿もできておりますので、そういうものについて必要なサービスの量を見込んでいただく。
 そして、国としてもこの市町村の事業計画の見直しに合わせまして、今推進しておりますゴールドプラン21をまた見直しをいたしまして、地域の実情に合った介護サービスの提供量の確保に計画的に努めていきたいというふうに考えております。
#131
○又市征治君 大臣にお伺いをしたいと思います。
 それはその方がいいと思うんです。ただし、介護保険は市町村の財政で、医療保険から押し出される分だけ、例えば先ほど言われた約四割を余分に介護施設で整備をしなきゃならぬ、こういうことになってくるわけでありまして、医療と介護の双方に責任のある坂口大臣にお伺いをするわけですが、国はこれによる市町村の介護サービスの増加に財政的にも責任を負うと、こういうことでございますね。
#132
○国務大臣(坂口力君) 高齢者の医療なりあるいは介護なりを受ける人たちを一体どうするかというのは非常に大きな問題でございます。特に、余り毎日毎日大きな医療行為を受けなくてもいいような皆さん方で、しかしそうはいっても家庭に帰ることのできないと言われた、いわゆるそういう範疇にある皆さん方というのはかなりお見えになると私も思います。その皆さん方が今病院の中で全部おれるかといえば、現在、三カ月なり六カ月なりしますと、だんだんと病院のいわゆる逓減型というんですか何費というんですかね、あれ、費用がだんだん安くなってくるものですから、現実的にはその皆さん方、かなり病院を出なければならないという実態があることも事実でございます、現在既に。
 その皆さん方をこれからどうしていくかというのは、一つは今話がありましたように、老健やあるいは特養、それからケアハウス、そうしたところを充実することによってそこで一つは受け皿をつくる。それからもう一つは、一番いいのは、家庭に引き取っていただいて在宅介護を受けていただくという形が一番いいんだと思うんですが、在宅介護並びにそうした施設を充実をして、そこでひとつお過ごしをいただくというのが本来の筋だろうというふうに思っております。
 そういうふうな形にするためには、今御指摘になりましたように、一つの老健施設にもたくさんの待ちの人たちがいるではないかというお話ございますが、これも地域によってかなりな実は差がございまして、五、六十人、確かに一つのところでお見えのところもございますし、また病院が充実しているところにおきましては、病院の療養型病床群の方に全部行かれて、ほとんど待ちの人がなくなってしまっているとの府県も実はあるわけでございます。
 こうした状況を考えますと、その老後の、おうちにお帰りになることのできない皆さん方をどうするかというのは全体で考えていかなきゃならない問題でございますから、トータルで計画を立てて、そしてこの問題もどうするかということを考えなきゃならない問題だというふうに思っておりますので、総合的な全体のプラン、大体全国で各都道府県にどのぐらいの待ちの人がお見えになるかということもわかっておりますから、その人たちを考えながら、そして最終的な判断をしなければならないというふうに思っておる次第でございます。
#133
○委員長(森本晃司君) 又市君、時間がもう過ぎておりますので。
#134
○又市征治君 時間が来ましたので、もう言いません。
 ただ、最後に申し上げておきたいのは、この医療保険と介護保険でうば捨て合戦になるようなことにならないように、本当に老人を二つの行政の谷間に落とすような政策はやらないように、十分今後の中で御検討いただくようにお願いをして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#135
○田名部匡省君 最初に石原大臣にお伺いしたいんですが、小泉総理は民間でできるものは民間にゆだねるという発言をしばしばされておるのでありますけれども、私は、住宅金融公庫、この問題でも、すべて特殊法人はそうですけれども、実態がわからないし、国民の金を相当つぎ込んで成り立っているということからすると、かつて私は、郵政政務次官、通信部会長のころ、金融機関の皆さんが陳情に来まして、郵政省のことを、官業は民業を補完するべき立場にあるのにそうなっていないと、こういって随分陳情を受けたものですよ。
 確かに、今の特殊法人を見ると、特にこの住宅公庫を見ると、これは官業を民業が全く補完しているという立場だと、こう思うので、この改革について私は、いつもそうです、どの省も公団も。何か残そうという方が先に立っちゃって、どうしたら国民に本当に便利なように、負担も少なくやれる方法がないかなということでなぜ議論しないんだろう、こう思うんですけれども、まず冒頭、この考えについてお伺いしておきたいと思います。
#136
○国務大臣(石原伸晃君) 田名部委員が郵政政務次官のときに御陳情を受けたということは、これもきっと小泉総理がいつも言っておりますように、郵貯の話と民間金融機関の割合の問題なども含めてのことだと思いますが、住宅金融公庫も私、眺めさせていただきまして、当初は本当に国民の皆さん方からも喜ばれ、社会的に民間の金融機関から融資を受けることができない方々の融資をやっていたと、融資残高の推移なんかを見てもわかるんですが。それが、いつの間にか委員が御指摘のように官業が民業を補完するような姿になってしまった。すなわち、民間も含めた住宅融資の四割、七十六兆円を占めるようになってしまった。こんなところに小泉総理は御着目をされまして、民間にできることは民間に任せていこうということで、五年以内に廃止の線で進めていくと御発言をされているものと承知をしております。
 私も、委員の考え方に意を同じくする点が多々あると思っております。
#137
○田名部匡省君 住宅金融公庫においでいただいていますが、今、残高はどのぐらいありますか、公庫の金融残高。それから、財投資金からの借り入れはどのぐらいで、また、国からの利子補給金はどれだけあるかということをまずお知らせいただきたい。
#138
○参考人(井上順君) 現在の当公庫の残高でございますけれども、今手元にございますのは平成十二年度末ということでの状況でございますが、財投からの借入金額が約七十四・六兆円程度、それから融資金額が七十五・六兆円程度。それと補給金でございますが、平成十二年度におきまして約五千二百億、平成十三年度予算では約四千四百億と理解しております。
#139
○田名部匡省君 私は、前に地元で中小企業金融公庫の支店長さんと会って、今一体どうなっていますかと言ったら、いや、さっぱり借りてくれませんと。何でですかと言ったら、銀行の方が金利が安いものですから、もうそっちから借りるようになっちゃってと。あなたたちの経費はどうなっているんだ、いや、国からいただいていますと、こういう答弁でしたよ、そのとき。
 住宅金融公庫だって金利のリスクというのはありますよね。あるいは中途で償還するというリスクもあるということ等を考えると、これらの負担というのは後年度、国民負担になるおそれはないですか。
#140
○政府参考人(三沢真君) 住宅金融公庫の住宅ローンは、御承知のとおり長期固定のローンで最長三十五年までということでございますので、これにつきましては、住宅金融公庫であれば資金調達について財投からいわば長期固定のお金を借りてそれを貸し出すと。したがいまして、そういう意味では、調達期間と貸出期間とのギャップという意味では民間に比べると少ないわけでございます。
 ただ、委員御指摘のように、長期固定で貸し出したものが、金利水準が低下することによって、むしろそれを返して、例えば民間ローンに借りかえるという場合が出てくることもあります。それが現実に、おっしゃるとおり、やっぱり繰り上げ償還という形で出ておりまして、それが先ほど申し上げましたようなやっぱり補給金の増につながっているというのが現状でございます。
#141
○田名部匡省君 最近、失業者が大変ふえている、それでローンの返済のできない人が多くなっていると、こう聞いておりますけれども、これはどのぐらいあるんですか。わかりますか。
#142
○政府参考人(三沢真君) 私どもで把握しておりますのは、住宅金融公庫融資について、いろいろな状況によってローンの返済が困難になったような方についての状況を把握しております。私ども、かつて平成十年十月に閣議決定いたしまして、こういう住宅ローンについて失業等で返済が困難となった方について、いろいろなきめ細かい対策を講ずるということを決めております。これに基づきまして、今まで約二万四千件の貸し付け条件の変更を行っているところでございます。
 それから、推移で申し上げますと、やはり最近、そういう返済困難になった方というのは増加傾向にございまして、平成十三年度上半期で申しますと約五千件ぐらいに上っておりまして、対前年同期に比べると約九百件くらいの増ということで、やはり増加傾向にあるという状況でございます。
#143
○田名部匡省君 大臣、私は前にもバランスシートの話をしましたよね。やっぱり減価償却とか積立金の制度というものをやっておかないと、高速道路でも住宅でもそうですけれども、いつかはやっぱり補修したり、それは耐用年数が来ると建てかえしなきゃならないですね。そういう積み立てというものはないんです、これ。ですから、それやれ、あれやれ、やればいいんだという発想でどんどんどんどんやった結果、いずれは壊れるんですから、そうなったときはまたぞろ国民の負担で全部やると。
 私はなぜこれを言うかというと、例えば低所得者については、あるいは障害者についてはこういうふうにします、あとは民間でやってもらいますと。民間でやると、利益を出せば税金を納めますよね。ところが、特殊法人は税金を納めるという仕組みは全くないわけですから、そういうふうに困った部分だけ、特に私はこれを考えたときに、課税最低限というものをもっと引き下げるべきだと。これからは、困った人をもっともっと助ける分野というのは高齢化が進んでも出てくるし、払うものは多少でも払って、あとはお願いするというふうにした方が、これほっておくと、例えば三百二十万のところで非課税の部分をつくっちゃうと、そのちょっと上の人はあの負担この負担で取られると不公平が起きてくるんですね。ですから、税制全般にまで及ぶ話になるので、やっぱりこの辺でもう一遍あらゆる仕組みを考え直してみると、公平、公正という観点から。
 それから、これから少子化でしょう。そんなこと等を考えて、大臣、どうです、これはもう政治の責任だろうと思うんですよ。地元へ来ると、自民党の諸君が新年会でも官から民へといって演説をやっている、何を官から民へやるかは言わないけれども。その割には、こういうのをやろうとすると、今度は反対、反対といって始まるんですね。大臣、どう思いますか、このことについて。
#144
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの田名部委員の御質問は多岐にちょっとわたっていたと思うんですが、最初の積立部分というのは、いわゆる返還ができなくなるような方々が多く出てきたときの貸倒引当とかそういうものがなくて、そういう方が出てくるとそういうものにまた税金を投入する、あるいは繰り上げ返済が進むと補給金という形で税金をまたつぎ込まなければならないという点に対する問題点の指摘であると聞かせていただいておりました。
 また、課税最低限の議論も、日本の課税最低限が先進国の中で極めて高いところに位置し、その前後の方々で、これはあくまで低所得者の方への優遇ということではなくて、かなり中所得者の方でも税金を納めない方がいて、そのちょっと上の方々は税金を納めるということでの不公平感があるのではないかというような御指摘のように聞かせていただきました。
 これらの問題は行革という範囲を超えまして多岐にわたる問題でございますけれども、委員御指摘のとおり、やはり総合的にこれらの問題をもう一度組み直すぐらいのことをしないと、この二十一世紀、日本という国が立ち行かなくなると、委員のお話を聞かせていただきまして痛感したところでもございます。
#145
○田名部匡省君 余り時間がありませんので、一つ、地域整備公団、これはやがて廃止するんですか。これは石原大臣、どうです、地域整備公団。
 何を言うかというと、実は、私の青森県の六戸というところに金矢工業団地を昭和五十一年、私が県会議員になる前につくったんです。現在、七十四ヘクタールのうちたった四社、十ヘクタールだけ利用されて、六十四ヘクタールが企業の入居の予定がないんですよ。こういうのは日本国じゅうにいっぱいあると思うんですね。
 この前、大臣にも私の地元の新聞をお上げしておきましたが、地域整備公団が貸し工場をつくるというので、私は、いつから社会主義の国になったかと。株式会社が商売をやるのに貸し工場を建てて、これはだれが固定資産税を払うのか。青森県でも同じようなことをやったら、きのう選挙が行われた六ケ所村が、五年間ただにすると。赤字が出たら、銀行が保証しているから赤字は出してくれると。倒産したらどうするんだ、県が裏保証しているから県が出すと。要するに県民の税金ですよ、倒産すれば。こんなことをやろうというのが、これはもう着工ですよ、間もなく。
 公団は廃止すると私は聞いているんですけれども、その公団がこんな貸し工場をやって賃貸料補助やそういうものを助成して融資をすると。こういうことまでやる必要があるんだろうかと。やるとすればどこまでがあの限度かというのを考えてやらないと、これはおかしくなったらまただれかが負担しなきゃならぬ。
 こういうことはどうかなと思って、これちょっとお考えをいただきたいと思うんです。
#146
○国務大臣(石原伸晃君) 田名部委員、申しわけございません、ちょっと正確な文言をと思いまして今整理をさせていただいたんですが、委員の御指摘は、六戸でございますか、新聞もちょうだいいたしましたが、全国で北海道に続いて……
#147
○田名部匡省君 それは後の方の。前のやつで結構です。
#148
○国務大臣(石原伸晃君) 借入金によって事業を行って、事業完了後に事業収入によって事業費を回収するような長期事業については、採算性に問題がないかとか、本当に返せるのかどうかといった観点から厳しく事業を見直せという私ども行革事務局の指摘というものと全く軌を一にしているものだと思っておりますし、この地域整備公団につきましても整理合理化計画の中で案を策定するべく現在努力をさせていただいているところでございます。
 後段はよろしいですか。
#149
○田名部匡省君 はい。
 最後にお願いしておきますけれども、我々政治家がどこに視点を置いて政策をつくったりなんかするかというと、国民ですよ。国民の負担を求めながら、その失敗はだれも責任とらないんです。これは会社ならこんなことは許されませんよ。どうぞなるたけ、困る部分は新たに何か手当てをする、つくることにしても、公平、公正にみんなが負担できるように、余り国民に余計な負担をさせると消費に回りませんから、今度。だから景気はよくならないと。特に地価がどんどん下がって大変な状況ですよ。中小企業は金を借りるといったって、追加の担保を持ってこいといったって、あるわけがないんですから。だから夜逃げして自殺するのが一万近くずっと続いているでしょう。そういうことを我々が考え、特殊法人の皆さんも考えて、苦しいときは苦しいようにやるというふうに改めていただきたいということだけを申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#150
○委員長(森本晃司君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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