くにさくロゴ
2001/10/09 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 予算委員会 第2号
姉妹サイト
 
2001/10/09 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 予算委員会 第2号

#1
第153回国会 予算委員会 第2号
平成十三年十月九日(火曜日)
   午前九時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月五日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     平田 健二君
     峰崎 直樹君     大橋 巨泉君
     福本 潤一君     山口那津男君
 十月九日
    辞任         補欠選任
     松 あきら君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                金田 勝年君
                野沢 太三君
                日出 英輔君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                齋藤  勁君
                高嶋 良充君
                魚住裕一郎君
                小池  晃君
    委 員
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                亀井 郁夫君
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                松村 龍二君
                宮崎 秀樹君
                山崎  力君
                山下 英利君
                浅尾慶一郎君
                大橋 巨泉君
                小宮山洋子君
                佐藤 道夫君
                内藤 正光君
                平田 健二君
                藤原 正司君
                円 より子君
                若林 秀樹君
                草川 昭三君
                木庭健太郎君
                松 あきら君
                山口那津男君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                宮本 岳志君
                福島 瑞穂君
                平野 貞夫君
                平野 達男君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     田中眞紀子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   武部  勤君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (防災担当大臣) 村井  仁君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)
       (科学技術政策
       担当大臣)    尾身 幸次君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       総務副大臣    遠藤 和良君
       総務副大臣    小坂 憲次君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
       農林水産副大臣  遠藤 武彦君
       農林水産副大臣  野間  赳君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       環境副大臣    風間  昶君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        平沢 勝栄君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  吉村 博人君
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       総務省統計局長  久山 慎一君
       消防庁長官    中川 浩明君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査

    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(真鍋賢二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(真鍋賢二君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日の質疑は総括質疑方式で行い、その質疑割り当て時間は二百七十九分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党百七分、民主党・新緑風会八十四分、公明党三十分、日本共産党三十分、社会民主党・護憲連合七分、自由党十四分、無所属の会七分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#7
○委員長(真鍋賢二君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
    ─────────────
#8
○委員長(真鍋賢二君) この際、米国等による攻撃に関する件について政府から報告を求めます。小泉内閣総理大臣。
#9
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 昨日未明、米国及び英国は、アフガニスタンにおけるアルカイーダのテロリスト訓練施設及びタリバンの軍事施設に対する攻撃を開始しました。
 既に繰り返し表明しているとおり、米国で発生した今回のテロは、米国のみならず国際社会の自由と平和、民主主義に対する重大な挑戦であり、我が国としては、米国を初め関係諸国と協力しながら断固たる決意で立ち向かう方針であります。このため、私は米国等による今回の行動を強く支持するものであり、昨日は米国ブッシュ大統領と電話会談を行い、その旨をお伝えしたところであります。また、中国を訪問した際にも、私は、江沢民主席との会談においてテロ撲滅で国際社会が力を合わせることの重要性を確認いたしました。
 今回の米国等による攻撃を踏まえて、我が国としては、テロリズムとの戦いに全力を挙げて取り組むため、私を本部長とする緊急テロ対策本部を設置し、そこで次のような緊急対応措置について決定したところであります。
 テロ防止に向けて、出入国管理の強化、テロ関連情報の収集の強化、国内重要施設の警戒警備の強化など国内の警戒態勢を強化すること、パキスタン及びその周辺諸国の在留邦人の安全及び必要な退避を確保すること、テロ対策特別措置法等の早期成立を目指すこと、難民支援や関係諸国に対する人道的、経済的その他の支援を実施すること、マネーロンダリング防止等テロリストの資金源対策を強化すること、各国と協調して市場及び経済システムの安定を確保すること、国民に対し必要な情報を迅速かつ的確に提供すること。
 国民の皆様におかれましては、このような政府の基本的考え方を御理解され、御協力いただきますようよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#10
○委員長(真鍋賢二君) それでは、これより質疑を行います。平田健二君。
#11
○平田健二君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の平田健二でございます。
 先般、本参議院でも決議が行われましたけれども、改めまして、アメリカで発生した同時多発テロで被害に遭った皆さん、遺族の皆さん、関係者の皆さんに心から哀悼の意をあらわしたいと思います。
 総理、昨日は日帰りで中国の訪問、本当に御苦労さまでございました。後ほどいろいろとお聞かせいただきたいと思います。
 まず初めに、昨日、一昨日とアフガニスタンにアメリカとイギリスの軍隊が空爆を行いました。詳細についてわかっておることを御報告いただきたいと思います。
#12
○国務大臣(福田康夫君) お答えいたします。
 どこからどこまで述べたらよろしいのかちょっとよくわからないんですけれども、私なりにお答えさせていただきます。
 今回の攻撃の開始直後でございます米国東部時間七日の午後、ブッシュ大統領がアフガニスタンにあるアルカイダのテロリスト訓練キャンプ及びタリバーン政権の軍事施設に対する攻撃を開始したということを述べております。これは私どもテレビで見ているとおりでございます。この目的は、テロリストの作戦基地としてアフガニスタンを使用することを中断させる、またタリバーン政権の軍事能力を攻撃するためであると、こういうことでございます。ブレア首相も、英国時間の七日の午前、英国軍も今回の行動に参加しているという、そういう報道をしております。また、米国は、アフガニスタンの人々に対し食糧、医薬品等を投下したというふうに言われております。
 今般の軍事行動につきましては、行動開始事前の日本時間八日午前零時半過ぎに、これは日本時間でございます、パウエル国務長官から小泉総理に対しまして電話で事前の通報がございました。この中でパウエル国務長官は、米国及び英国軍がともに攻撃を開始するということを言われておられまして、ブッシュ大統領から数時間後に電話があるであろう、小泉総理に電話が直接あるであろうと、こういうことを述べておられました。
 また、日本時間八日の午前七時にブッシュ大統領から電話がございまして、小泉総理と会談をいたしました。小泉総理から、今回の米国の行動を強く支持するということを述べたのでございます。大統領からは、日本の協力に対して謝意が表明されました。両国間で引き続き緊密に連絡をとることで意見の一致を見たと、こういう電話会談をいたしました。
 以上でございます。
#13
○平田健二君 総理、今お聞きのとおり、空爆の前にパウエル、そしてその後ブッシュ大統領から連絡があったということですが、ブッシュ大統領からの連絡の内容、そしてまた具体的にブッシュ大統領から要請があったかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、官房長官が述べたとおりでございますが、ブッシュ大統領からは、米国、英国がビンラーディン容疑者をかくまっているタリバン等の施設を攻撃した、そしてこれは正義と悪の戦いである、日本の支援、協力に感謝している、今後緊密に連携をとりながら協力していきたいと。
 また、午前七時ごろでしたか、ブッシュ大統領のお電話は、たしか午前七時過ぎだったと思いますが、もう私は中国行きの準備を始めて出かける寸前だったものですから、これから中国に伺って江沢民、朱鎔基等、首脳と会談をしてくるというお話をしましたところ、上海でのAPEC会合が今月の二十日、二十一日に行われますが、その上海でのAPEC会合にはブッシュ大統領も行くのを楽しみにしている、それをお伝えしてくれと。同時に、米国としても中国とできるだけ前向きの関係をつくっていきたいんだと、お会いしたらそのようにお伝えくださいと言うものですから、私も朱鎔基総理、江沢民主席にお会いしたときにはブッシュからのそのお話をお伝えいたしました。
#15
○平田健二君 本当に忙しい合間を縫って中国へ行かれて、またきょうこうやって予算委員会、大変お疲れのことと思いますが、ぜひひとついいお答えをいただきたいと思います。
 そこで、中国へ訪問されて多分いろんなお話があったと思いますが、まず一つは、中国政府が今回のアメリカ、イギリスが行った軍事行動をどのように受けとめられておるのか。それから、総理の靖国神社への参拝について中国はどういう理解を示したのか。また、来年の参拝についてのお話もあったと思いますが、どのようにお答えになったのか。そして、テロ対策で海外に自衛隊を出すことについての理解が得られたのかどうか。そしてまた、このテロ問題についての中国政府との連携についてどういう話があったのか、詳細にお答えをいただきたいと思います。
#16
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 随分質問項目があって、メモしておけばよかったかなと思ったんですが、漏れたらまた後で指摘願います。
 中国との、朱鎔基総理、江沢民主席との会談におきましては、アメリカのこのテロに対する対応については、江沢民主席からは、できるだけ対象を正確に絞って無辜の人が犠牲にならないような注意が必要だと。このテロに対しては国際社会がそれぞれの国の事情に応じて協力していかなきゃならない。日本と、中国としてもこのテロを非難し、一緒に協力できることがあればまた協力していきましょうと、そういうお話がありました。
 また、靖国等の話も出ましたけれども、中国としては、この靖国神社の参拝が日本の軍国主義復活につながることを危惧しているというようなお話もありました。
 私からは、この私の靖国神社参拝というのは、二度と戦争を起こしてはならない、平和のとうとさをわかっているからこそ不戦の誓いと戦没者に対する哀悼の意をあらわすために参拝しておるのであって、歴史的な、過去の反省も踏まえて、今後未来志向で日中友好関係増進に寄与していきたいというようなお話もしました。
 あと、いろいろなお話が出ましたけれども、来年の日中国交正常化三十年に対する日本年、中国年、この事業を意義あるものにしていきましょうという方向で一致しまして、大変いい実りある会談ができたなと、日中友好前進に向かってお互いの協力体制ができたなと、そういうふうに感じております。
#17
○平田健二君 自衛隊の海外、一番重要なことだ。
#18
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊の海外派遣については、私としては、日本としてできるだけのことをやりたい、自衛隊が派遣されても武力行使はしないと。そのほか、経済協力、難民支援、あるいはテロリストの資金源を遮断する、凍結する、あるいは医療活動、物資輸送活動、自衛隊の派遣以外にできることはたくさんあると。自衛隊を派遣しても、武力行使、戦闘行為には参加いたしませんということをお話ししておりました。
#19
○平田健二君 総理が今回、急遽中国を訪問された一番大きな問題は、やはり自衛隊を海外へ出すことについての理解を得るということで行ったんじゃないんでしょうか。そこのところをもうちょっとはっきり聞かせていただきたいんですが。
#20
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私の最大の目的は日中友好の前進を図ることであります。
#21
○平田健二君 それはもう当然でしてね、この時期にあなた日帰りで行くんですから、ただ日中友好のためだけに行ったわけじゃないと思うんですね。やっぱり最大の懸案の、自衛隊を何の根拠で海外へ出すかということについての理解を求めに行ったんじゃないんですか。いかがですか。
#22
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず日中友好の前進を図ること。テロ社会、テロ攻撃に対して世界が一致協力していくことの重要性。これが主眼であります。
#23
○平田健二君 これは、報道によりますと、中国政府は、アジアの皆さんには警戒心がまだある、その払拭をしてほしいと、こういったことを言われたんじゃないんですか。いかがですか。
#24
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中国は、首脳の方々は大人でしてね、そう具体的なことははっきりとは言いませんね。非常に穏やかに私を温かく歓迎したいと。過去の歴史から、日本が軍国主義の復活のような道を歩まないでほしいとか、そういう穏やかな雰囲気の中で詰問調のことはなかったですね。それで、日本としても自衛隊を派遣しますが、これは武力行使はいたしません、戦闘行為には参加しませんと。日本としては、テロに対して国際社会と協力して日本の国力に応じてできるだけのことを汗を流してしたいと思っておりますということで、相互間の理解が図られたと思います。
 当然、過去の歴史ということを考えると、日本の自衛隊の派遣に対しての危惧もあったでしょうけれども、派遣をしてはいけないとか、そういうお話は出ませんでしたね。軍国主義に対する懸念はありましたけれども、それもお互い和気あいあいとした会合の中に、日中友好前進を図ることがいかに重要かという大局的な話の中で出たお話でありまして、決して与党と野党のような詰問調の話は一つも出ませんでした。
#25
○平田健二君 総理、そういう答弁でしょう。
 ただ、報道によりますと、やはり自衛隊の活動範囲の拡大については慎重にしてほしいとか、それは大人だかどうか知りませんが、そういう表現でされたんじゃないですか。それは小泉総理に向かってだめだなんて言う、いましたね、どこかそういう人も。田中外務大臣がどこか行ったときに、えらいきつい口調で言われた大臣もいらっしゃったようですが、そういった要望があったと思います。次また十五日には韓国へ行かれるという予定のようですが、ぜひ友好を深めてきていただきたいと思います。決して、靖国神社問題のような両国のマスコミを挙げて批判をされるようなことはぜひこれを機会にしないでいただきたいと思っております。
 次に、国家公安委員長にお尋ねをいたしますが、テロを受けて、さらにはこの二日間空爆が行われました。国内の警備状況について御報告をいただきたい。
 そして、法務大臣、入国管理についての実情をお聞かせいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(村井仁君) 警察では九月十一日から警察庁に警備対策本部を設けておりまして、これを引き続き機能させておりましたが、昨日の空爆から警戒態勢を一層厳しくいたしておりまして、全国で米国等の関連施設、それからそのほかのもろもろの重要な施設、全部で五百八十ほどになりますけれども、その施設につきまして警戒を厳重にいたしております。
 それからまた、全国警察の総力を挙げてテロ防止の対策をするために部隊を全国的に相互運用するという体制もとっておりまして、特に沖縄には警戒対象が非常にたくさん所在するということもございまして、中部管区機動隊から百二十名派遣、さらに九州管区の機動隊三百名、これを現在、海路沖縄に向かわせているというようなことでございまして、いずれにいたしましても今後とも関係機関とも十分に連携を保ちまして、情勢に応じ、警戒をさらに厳重にするというような対応をしてまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、情報に極めて神経を使うということが大切だと考えております。
#27
○国務大臣(森山眞弓君) お答えいたします。
 今回の事態に対しまして、法務省といたしましては、空港また海の港における厳格な出入国審査をさらに徹底いたしまして、特に最新鋭の偽変造文書鑑識機器等によります偽変造文書の発見により一層強力に取り組むということをいたしております。テロリストの出入国の阻止を図ろうということで精いっぱいやっております。
 さらに、成田空港等の主要な空海港に職員を応援派遣するというようなことも緊急措置としてやっておりまして、出入国管理体制を一層強化して万全を期していきたいというふうに考えております。
#28
○平田健二君 官房長官、こんな仮定は大変失礼ですけれども、もし仮にアメリカであったようなテロが日本で起きたと仮定をしてみますと大変なことだと思いますが、国内の警備マニュアル、こういったものはございますか。
#29
○国務大臣(福田康夫君) 今回の米国におけるテロ、テロというのは一体どこで何がどんな形でどんな規模で行われるか、これはわからない、そういうことでございます。一般的に危機管理ということであれば、政府として当然それに対する処置、どういう対応をすべきかという、そういうことについて一つ一つの事例を考えてマニュアルをつくっておると、こういうことでございます。ですから、テロにつきましても想像し得るものについてはすべて考えてやっている、こういうことはいたしておるつもりでございます。
 しかし、今回のあのようなことが起こったらどうなのか。その対象が東京、仮に東京であったということで考えてまいりますと、東京のどこでそういうことが起こるのかというようなことを考えてみますと、それはそのときの状況等によりましていろんなことが考えられる。我々としては、そういうものも全部カバーできるマニュアルというものを一応つくっておりますけれども、その一つ一つのケースに当たって的確に対応できるかどうか。これはそのときの状況いかんということでございます。
 ですから、マニュアルがあっても万全ではないだろうと思いますけれども、万全になるようなマニュアルをこれからつくっていかなければいけない、このように考えております。
#30
○平田健二君 ということは、ないということですか、今。
#31
○国務大臣(福田康夫君) ないということを申し上げているわけじゃなくて、そういうことは当然あるわけです。ありますけれども、それでも私どもはまだ足りないだろうと。今回のようなことがありますと、我々が今まで想像していた、そんなことまではないだろうというようなことが現実になるというこの現実を考えますと、本当にあらゆる想像力を発揮してそういうマニュアルを考えていかなければいけないのかな、こんなふうに思っております。
#32
○平田健二君 当然、アメリカで起こったわけでして、テロ対策新法は大変速いスピードで法案をつくって国会へ提出しようとしている。むしろこちらの方が先じゃないですか。国内でああいったテロが発生したときにどう対応するんだというマニュアルづくり、マニュアルをつくって対応する方が先じゃありませんか。
 例えば、アメリカは、警備、御承知のように、最初のビルに突入をした、その数分後にまた二機目が突入した。その十分後にはもう既にニューヨーク・マンハッタンにつながる橋は全部封鎖した、数十分後にはアメリカのすべての空港の飛行機の離発着を禁止した。そういったマニュアルがたったったったっ、数時間のうちにでき上がっているわけですね。
 やっぱりこういったマニュアルをテロ新法よりも先につくって国民に安心を与えるということが先決じゃないんですか。いかがですか。
#33
○国務大臣(福田康夫君) 私どもは新法をつくるために、それだけに全精力を費やしていると、こういうことじゃない。政府の機能というのは多岐面に分かれておりますので、その各機能ごとにいろいろな対策を講じているわけであります。新法のことも、この問題が起こって直ちに日本として何ができ得るかと、今の憲法の中でどういうことができるのかということを考えながら、そういう枠組みを考えながらその対応を考えた。
 したがいまして、その直後に七項目の対応策を発表したということでございますけれども、同時並行でマニュアルづくり、要するに、先ほども申しましたように、想像のつかないようなことをする人はいるんだというこの事実ですね、その事実を踏まえて、我々としてそのマニュアルもそこまでやっていかなけりゃいけない、直ちにそういうことも作業を始めております。
#34
○平田健二君 もっと具体的にお答えいただかなければ、国民、わかりませんよ。
 次、行きます。
 今回、空爆が開始されました。この影響で難民がまたふえると思いますが、国連から難民救援のための新たな要請は来ておりませんか。外務大臣。
#35
○国務大臣(田中眞紀子君) 国連のPKO、今紛争が継続中でございますからまだPKOは設立されておりませんので、派遣の要請は来ておりません。けれども、これにつきましては、現時点では確たることはまだ申し上げられませんけれども、国連のPKOが設立されるようになりますれば安保理等において検討がなされると思いますので、そのときにもいろいろと検討していきたいというふうに思っております。
#36
○平田健二君 外務大臣、違うんですよ。今、PKOは行っていますよ。紛争中だからと言いましたね、今。PKOは紛争が終わってからですよ。だったら、今行っておる、PKO部隊が行っておる、何ですか、自衛隊がパキスタンへ行っておるじゃないですか。お答えください。
#37
○国務大臣(中谷元君) 現在、難民の支援に行っている活動につきましては、現在のPKO法案の人道支援のための難民救援派遣でございます。
#38
○国務大臣(田中眞紀子君) 今ほど防衛庁長官おっしゃいましたように、C130で人道支援もいたしておりますし、それからドナーアラートで資金援助のこともいたしております。
#39
○平田健二君 国連から難民支援の要請はないんですかと聞いておるんです。いかがでしょう。あるならある、ないならないとはっきり答えてください。
#40
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど来お答えしています難民支援、物資援助にいたしましても資金援助にいたしましても、当然要請があるからいたしております。(「最初と違うじゃないか」「ないって言ったのに」と呼ぶ者あり)
#41
○平田健二君 ちょっと最初の答弁と違うと思うんですね。まあいいです。後でまたお聞きします、まだ関連がありますので。(「ちょっと待って」「だめ」と呼ぶ者あり)
#42
○委員長(真鍋賢二君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(真鍋賢二君) 速記を起こしてください。
#44
○国務大臣(田中眞紀子君) 再度きちんとお答え申し上げます。
 要請がありましたので、それで、もちろんUNHCRも通じておりますけれども、したがって、物資でございますとか資金の援助をいたしております。
#45
○平田健二君 まだ後で聞きますので、ちょっと用意しておいてくださいね。
 報道によりますと、物資輸送のためにパキスタンに派遣をされた航空自衛隊の部隊について、パキスタン政府が自国内での武器の携帯を拒否したという報道がされましたけれども、事実でしょうか。
#46
○国務大臣(中谷元君) この物資の輸送に関しましては、現地の調査を行った関係職員が現地政府と調整をいたしまして、イスラマバードの空軍基地はパキスタン空軍により厳重な警備がなされているという確認をとり、そしてこの輸送におきましても同空港におきましてはパキスタン側から全面的な支援、協力を行うという旨の表明があって、お互いに話し合いをして実施をしたわけでございます。
#47
○平田健二君 武器について、事実があったんですか。
#48
○国務大臣(中谷元君) それにつきまして、武器につきましては、航空機の外において派遣要員が武器を携行する必要は少ないというもとに、パキスタン側から部内の秩序の職務を行う警務官の同乗について了解を得た上で警務官を派遣するとともに、航空機内においてのみ警務官及び機長などにけん銃を携行させるという決定をいたしておりますが、この件につきましてもパキスタン政府と十分に警備また安全の面で話し合いをし合意をした上で実施をいたしておりますので、何も問題がないというふうに思っております。
#49
○平田健二君 問題があるないんじゃなくて、パキスタン政府から武器の携行は拒否されたんですか。
#50
○国務大臣(中谷元君) 拒否をされたのではなくて、どのように安全を確保するかという面においてパキスタン政府とお話し合いをし、機外におきましてはパキスタン政府が責任を持って実施をするという話し合いで合意を得て実施をしたわけでございます。(発言する者あり)
#51
○委員長(真鍋賢二君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#52
○委員長(真鍋賢二君) 速記を起こしてください。
#53
○国務大臣(中谷元君) 拒否をされたわけではございません。
 もう一度お話ししますけれども、関係職員によって、現地で輸送の要領また安全確保の要領について現地政府とお話し合いをしました。その結果、イスラマバード空軍基地はパキスタン空軍によって厳重な警備がなされているということを確認をいたしまして、双方ともに警護のあり方、また安全確保のあり方、話し合いをして合意をしたわけでございまして、拒否をされたというのではなくて、この警護の、警備のあり方について話し合いを確かにいたしましたけれども、そのような合意をしたわけでありまして、拒否されたわけではございません。何ら問題があるという認識は持っておりません。
#54
○平田健二君 正確に読みます。「関係者によると、パキスタン側は、自国の軍隊が日本の派遣部隊を警備することを理由に、武器携行を拒否したという。防衛庁幹部は「非公式レベルで武器携行を打診したところ、認められなかった」としている。」。
 事実ですか。
#55
○国務大臣(中谷元君) その件につきましては、現地の政府がそのような警備体制をとって安全を確保すると言っている以上、双方からそれ以上のことをする必要はないわけでございまして、そういう発言があったかどうかは、私も承知をいたしておりませんが、綿密に話し合いを行ったものでありまして、拒否されたというふうな認識ではございません。
#56
○平田健二君 パキスタンへの武器持ち込みの拒否は当然でして、パキスタンは主権国家ですから、それは当然のことですね。
 これは、実はテロ対策法との関連もありまして、大変本質なことをついておるんですよ。テロ対策法で武器の使用を緩和をする、しても持ち込めないなら意味がありませんね、意味がないじゃないですか。長官、どう対応するんですか。
 パキスタン政府は、自分たちの国で守りますから、あなたたちがいろんな行動をすることは、武器の持ち込みは結構です、拒否しますというふうにとれますよ。いかがですか。
#57
○国務大臣(中谷元君) 今回提案されますテロ対策特別措置法案は、あくまでも地上、陸上で活動する場合には受け入れ国の同意が前提となることでございまして、この武器の問題も含めて、現地政府が同意をする、そして現地政府が困っている場合に日本に支援を頼むというのが基本になっておりますので、当然、その武器の使用等も念頭に入れて自衛隊の受け入れについては同意がされるというふうに私は認識をいたしております。
#58
○平田健二君 同意がされる、されないというのは仮定の話でしてね、パキスタン政府は現実に拒否をしておるわけですから、テロ対策法で武器の携行、持っていくとか持っていかないとか緩めるとかいう議論をしても、相手の国がどうぞ持ってきてくださいと言わない限りは持っていかないんですね。そうですね。
#59
○国務大臣(中谷元君) 私としては、関係国が同意をした上でこれらの措置を行うわけでありまして、実施する前につきましては、自衛隊の活動については、同政府に十分に連絡をし、相談をした上で活動が行われるという認識でございます。
 武器の問題につきましては、今回、パキスタン政府、空軍担当者と綿密に話し合いをし、そして双方の持てる能力でいかに安全を確保するかによって合意をして実施をいたしておりますので、私としては何ら問題のないことだというふうに思っております。
#60
○平田健二君 この論議はテロ対策法の中でしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、総理、テロ撲滅の最も有効な手段の一つとしてテロ組織の資金を断つことが大変重要だと言われておりますが、総理の見解をお伺いしたいと思います。
#61
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロ撲滅・抑止対策においてはいろんな方法があると思います。また、各省庁絡んでまいります。その中でも、今国際社会が力を入れている一つにテロ資産、テロ資金、どうやって凍結していくか、管理していくか。
 これについて、今我が国におきましても、関係省庁、一つの省庁ではございません、連絡をとりながら法的側面、実質的な金融面の対応、そういうものを含めてできるだけ有効に機能するよう検討している、進めている最中でありまして、国際社会の対応に恥じないような措置をしていきたいと思っております。
#62
○平田健二君 外務大臣、お尋ねをいたします。
 安保理決議の一二六七、一三三三について、内容と、国連でいつ決議されたのかお尋ねをいたします。
#63
○国務大臣(田中眞紀子君) まず一二六七でございますけれども、これは一九九九年の十月十五日でございます。これは対タリバンの経済制裁等に関する決議です。
 それから一三三三でございますけれども、これは昨年、二〇〇〇年の十二月十九日、対タリバン制裁強化に関する決議でございます。
#64
○平田健二君 決議を受けて、資産の凍結などは我が国はいつ告示をしたんでしょうか。
#65
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、委員がお尋ねになっていらっしゃいますのは、一三七三について、要するにテロ資金の問題についてお尋ねであるというふうに思いますけれども、これにつきましてはまだ公示を行っておりません。
 これにつきまして事務的に申しますと、告示をする前に、今現在は印刷中ということでございます。印刷中ではございますが、先ほど総理も御答弁なさいましたように、法務省ですとかそれから財務省とか、各省庁が多岐にわたっておりますのでできるだけ連携を密にいたしまして、そして早期に、ことし、年内に署名の期限も切れますので、署名だけでも早くにしたいというふうに思っております。
#66
○平田健二君 大臣、違うんですよ。一二六七と一三三三の国連決議を受けて、いつ我が国で資産凍結などの告示をしたか、教えてください。
#67
○委員長(真鍋賢二君) 塩川財務大臣。
#68
○平田健二君 外務大臣、外務大臣。
#69
○委員長(真鍋賢二君) 指名をしました。指名をしましたので、財務大臣。外務大臣、後にしてください。
#70
○国務大臣(田中眞紀子君) 平成十三年の九月二十二日でございます。
#71
○委員長(真鍋賢二君) 外務大臣に申し上げます。委員長の指名に基づいて御答弁を願います。
#72
○平田健二君 委員長、間違ったことを答えておるんですから、聞き直していいじゃないですか。
#73
○委員長(真鍋賢二君) いや、先に塩川財務大臣を指名した。
#74
○平田健二君 いやいや、質問者が言っておるんですから、先にやらなきゃだめじゃないですか。
 次に、じゃ、財務大臣にお伺いします。
 告示されたリスト、個人と団体ですけれども、その数と、今日までの対応について御説明いただきたいと思います。
#75
○国務大臣(塩川正十郎君) 国連決議によります人名は約百六十名でございまして、そのほかにアメリカの方から情報として流してきておる追加名簿がございます。
 つきましては、国連名簿に基づきますものは、各銀行等に対しまして外務省告示をもって通達を出しておりまして、これについての査定は終わっておりますが、大体、今の聞くところ、まだ正確に出てきておりませんけれども、三名ぐらいが該当者があるということでございますけれども、しかし、本人の確認がまだとれておりませんので、公表をすることではございません。
 それから、なお、アメリカからの追加名簿がこれから来ると思っておりますが、これは昨日、G7の会議におきまして、そういう場合は各国共通してその名簿についての管理と注視を行っていくということを申し合わせたことでございまして、それに基づいて実施していく予定であります。
#76
○平田健二君 財務大臣、ついでにお伺いしますが、G7で行われましたね、G7が。資金の移動、資金の洗浄等について協議があったと思いますけれども、御報告をいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(塩川正十郎君) 実はこれは、国際条約としての今、テロ資金流通防止の条約ございますが、これにつきまして、各国とも署名はしておるんでございますけれども、まだ批准がとれていないところでございます。我が国はまだ署名もしておりませんで、早急に署名をするということで了解を得たところでございまして、そして、できれば速やかに批准もいたしたいと、こういうことでございまして、それに基づきます各国の体制をとるということと、それから、実は、この資金浄化につきましてのノウハウが、アメリカが一番たくさん持っておりますので、各国から要請いたしまして、アメリカのノウハウを一つの形式的なものとして、それを我々は情報として流してもらいたいということを、各国の要求を受けまして近いうちにそのことが私たちの方に到着するであろうと思っておりまして、それに基づいて強力な資金の管理体制をとっていきたいと思っております。
#78
○国務大臣(柳澤伯夫君) 資金洗浄、マネーロンダリングのお話がございましたので、私からも補足答弁をさせていただきます。
 資金洗浄につきましては、我が国国内法制においては組織犯罪処罰法という法律に規定がございまして、犯罪収益、その資金が犯罪収益であるというようなものを収受したとき、またその取引業務を行ったときには届け出をするということになっております。疑わしいものも含めて届け出をするということになっております。
 そういうことで、今回、国連決議においても関係のテロ資金というものの源泉が麻薬取引に関係があるということも言われておりますので、これは、その関連のリストをされたような方々の資金というものについては犯罪収益である疑いがあるということを私ども考えまして、今回、金融機関に対して、そういった資金の収受あるいは取引が行われたときにはこれを届け出るようにということを通達いたしたわけでございます。
 これについては、金融機関の方から迅速な対応がなされておりますけれども、詳細は、途中でもありますので、差し控えさせていただきたいと思います。
#79
○平田健二君 外務大臣にお尋ねをいたします。
 国連で資金の凍結とかいう決議がなされたら、我が国は、もちろん我が国を含めて世界各国はどういうふうに手続をするんですか、教えていただきたいと思います。どういう手続をするんですか、国内法は。
#80
○国務大臣(田中眞紀子君) 一般の措置は既に実施しておりますけれども、現在、各規定の実施のあり方につきましては各省庁間で検討を進めております。その結果に署名をするようになると思います。
#81
○平田健二君 質問に答えていないんですね、大臣。大臣、どういう手続をするのか。
#82
○国務大臣(田中眞紀子君) まず、先ほどのお尋ねに関係してきますけれども、まず官報に公示をいたしまして、それから今のような手続になります。
#83
○平田健二君 そうなんですよ。外務省が個人及び団体を指定するんです。こういう人、こういう人、こういう人がブラックリストですよ、こういう団体がと。そこで、財務大臣に対して、こうこうこういう人が預貯金をしておったりするのをちゃんと調べて処置をしなさいねということをやるんですよ。そういう手続ですね。
 一二六七は去年、おととしです、国連決議したのは。一二三三は去年の十二月ですよ。総理が今回のテロ対策についてあらゆる手段を講じてやると言っておるのに、一番重要じゃないですか。軍事面よりもむしろこっちの方が、資金の方が大切じゃないですか。二年前に決議したのを、ことしの九月の二十二日でしょう。テロ事件が起こってからじゃないですか、対策したのは。そのことを言っておるんです。いかがですか。
#84
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も同じ問題意識を持っておりますので先ほどお答えを申し上げたんですけれども、これはもう委員とっくに御存じのとおり、財務省でありますとか、法務省とか、外務省とか、役所の関係の中でもって、もっとアラートになって常時こういうことに、国際化の時代でありますから、もっと対応を先にするべきであります。
 今回のことが起こりましても、私は、これについては、相当やっぱり事務方にも各大臣にも一生懸命やりましょうということを申し上げておりますし、先ほど財務大臣もG7でのことをおっしゃいましたけれども、もう総力を挙げてまず期間内に署名をすると。そして、批准ができるように、内閣を挙げて、総理も先ほどおっしゃっておられましたけれども、努力をいたします。
#85
○平田健二君 外務大臣、総理がニューヨークを訪問しました。その日にブッシュ大統領は、テロ撲滅のための第一弾として資産の凍結等を先進国に求めました。そして、二十八日に国連で決議をいたしました。それが一三七三ですね、一三七三。この内容と、国連憲章何条に基づく決議か、日本はその決議を受けてどう対応したのか、お答えいただきたいと思います。
#86
○国務大臣(田中眞紀子君) 国連憲章の七章でございますけれども、安保理決議の一三七三、この中身でございますね。これは対テロ資金供与防止、資産凍結等に関する決議でございます。テロ行為のための資産供与の犯罪化、テロの資産凍結、テロへの金融資産等の提供の禁止、テロ資金防止条約等の関連条約の締結促進等を内容とし、テロと戦うための金融面を含む包括的な措置の実施を加盟国に求めるものでございます。
#87
○平田健二君 決議を受けて、我が国はどう対応したんですか。
#88
○国務大臣(田中眞紀子君) この決議は、テロ行為のための資金供与等の犯罪化、それからテロリストの資産の凍結、今申し上げましたけれども、テロリストへの金融資産等の提供の禁止を初め広範多岐にわたっております。そして、この決議の各規定のうち、ウサマ・ビンラーディンやタリバーン関係者等の資産の凍結に関する国内措置など一部の措置は既に実施しておりますが、これに加えて、現在、各規定の実施のあり方について関係省庁で討論しておりますのですけれども、それがなかなか遅いものですから急がなければいけないというふうに思っており、一生懸命アラートでやっておりますのですけれども、そういうのが実態でございまして、鋭意今検討をいたしております。促進はするように努力をいたしております。
#89
○平田健二君 政府は、国連の一三六八の決議を受けてテロ対策法を急いでつくろうとしておるんですよ。今、総理もお答えがあったように、あらゆる手段を講じなきゃいけない。
 一番対応としていいのは一三六八の決議かどうかわかりませんが、しかし、テロ資金の凍結をするということは、これは極めて重要な対策であります。こっちが先じゃありませんか。一二六七、一三三三は二年かかっておるじゃないですか。その間に資金はどんどんどんどん引き出されますよ。先にこれをやるべきじゃないですか。いかがですか。
#90
○国務大臣(田中眞紀子君) 内閣としましても、その緊急性は十二分に認識をいたしておりますので、今最善の努力をいたしております。
#91
○平田健二君 最善の努力の方法を報告ください。
#92
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、財務大臣からより正確に詳しくお答え申し上げた方が適切かと思います。お願いします。
#93
○国務大臣(塩川正十郎君) 今お尋ねの、国連決議の一三七三についてはお尋ねがございまして、これが九月二十六日に採択されております。
 この趣旨は、既にお話しのように一二六七号並びに一三三三号ですね、千三百三十三号、この決議がございましたこと及びそれを敷衍いたしまして千三百六十八号が発せられ、それをさらに徹底するために一三七三号が九月の二十八日に出されたということでございます。
 私の方といたしましては、九月の二十二日、外務省からも告示を出しましたので、それに基づきまして三百二十の金融機関に対しましてその要請をいたしました。現在、そこから報告が出ておりますけれども、まだ本人確認の手続を、先ほど申しましたように、やっておるところでございますので決定的なことはまだ申し上げられないというところでございますが、その調査につきましての要綱等は金融庁を通じましてやっておることでございますので、よろしくお願いします。
#94
○平田健二君 もうこの一三七三の決議を国連で九月二十八日に決議しましたね。アメリカだとかイギリスは御承知のようにもう既に告示しておるんですよ、受けてすぐ。先ほどの一二六七、一三三三は告示していますね。リストがあります。こういうリストをつくって国内の、自国内の金融機関に告示しておるんですよ、もう一三七三は。おわかりですね、そのことは。日本はなぜそれをしないんですかということなんですよ。なぜこんな重要なことを急いでやらないんですか。このことを聞いておるんですよ。いかがでしょうか。──財務か外務かわからぬ。だれでもいい、わかる人を出して。
#95
○国務大臣(田中眞紀子君) じゃ、委員長の御指名ですので先にお答えさせていただきますが、同じことの繰り返しで申しわけございませんけれども、これは、官報の要するに告示自体につきましては、早急に告示できるように急いでおりますんです。所定の手続を今進めております。先ほども印刷中ということを申し上げたんですが、一部の措置につきましては関係省庁との検討ということが残されております。
#96
○平田健二君 総理、今お聞きのとおりです。
 一三六八、これは今、テロ対策法で、緊急に法案を成立したいと政府は言っておりますが、今お聞きのように一三七三、これはテロ資金の凍結の問題です。既にもうアメリカとかイギリスは、二十七、個人、団体をまた特定して、新たに、百六十五以外に。その対策、もう始めています。こんな簡単なことじゃないですか。国会へ諮って与野党で議論するような問題じゃないでしょう。政府が早急に取り組める問題じゃありませんか。
 総理、どうですか、これ。急いで告示をする手続をしたらどうですか、総理。
#97
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねのこの一三七三でございますけれども、この内容につきましてちょっと詳しく申し上げますと、個々の、個別の名簿のリストを出してきたものではなくて、こういう手段でやろうという包括的なことを言っておるのでございます。そこで、先ほども私申しましたように、国連決議、すなわち、今一三三三でやりました決議に基づくリストは来ておりますので、九月の二十二日に外務省は告示を出しました。これに基づきまして私たちはすぐに金融庁と相談し、実施をいたしました。そして、三百二十の金融機関からの報告を受けました。
 そこで、あと追加名簿が必要になってくるわけでございまして、各国がやっておりますのは、それぞれの国が独自で今までに持っておりますところの麻薬等の洗浄対策、そういうもの等に準じて今度のテロリスト関係の名簿もこれをやっていこう、積極的にやっていこうということをやっております。
 我が国としても、追加名簿等についての処理、あるいは現在やっておりますことについて外務省の告示が近く出ると思うのでございますが、そのためには、何かの国連決議もしくはこれにかわるG7の決議というものが必要です。それを受けて外務省が告示を出すということになってまいります。
 先ほど申しましたように、国連決議一三三三号によりまして外務省が告示を出したのでございますから、今度もそういうものが必要になってきますし、それがきのう、おとといでございますがG7で決定いたしまして、各国に通知がございました。それで、追加名簿が出てくると思っております。出ましたら、おっしゃるように、一三七三の決議に基づいて実施していくということでございます。
#98
○平田健二君 いや、財務大臣、この一三七三のリストは自国でつくるんですよ。日本でつくるんです。アメリカはアメリカでつくるんです。アメリカはすぐ二十七の個人、団体を指定しました。一三三三と一二六七で百六十五ですね、それに追加をして、アメリカはこの決議を受けて、一三七三の決議を受けて新たに二十七の個人と団体を指定したんです、これはアメリカ独自で。
 ですから、どこからくるという問題じゃないんです。日本の国が独自で、自分でリストをつくって告示をしなきゃいかぬということなんですが、いかがでしょうか。違いますか。
#99
○国務大臣(塩川正十郎君) その分につきましては、我々は麻薬関係のやつがございますので、タリバン関係のものとひっつけてやっていますし、もうおっしゃるように、それは十分に参考にしてやっていかなきゃならぬと。当然でございます。
#100
○平田健二君 いや、この一三七三のリストは日本国が独自でつくるんですよということを聞いておるんですが、いかがですか。つくるんですか。早急につくらぬといかぬのじゃないですかということを聞いておるんです。いかがですか。
#101
○国務大臣(塩川正十郎君) 当然、我々は監視する状態にございますので、つくっていかなきゃならぬと思っております。
#102
○平田健二君 総理、今ずっとやりとりを聞いておって、どういうふうに感じたのかちょっとお尋ねをしたいんですが、あらゆる手段を講じると総理はもうあらゆる機会でおっしゃっておられるわけですから、こういった軍事的な面じゃなくて、こういった資金の凍結をするとか、これは国会でいろいろ議論する問題じゃないわけですから、政府でできるわけですから、早急に取り組むべきじゃないですか、いかがですか。
#103
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 早急に取り組んでいるんです。しかし、資金として、これが麻薬資金だと、不明瞭な資金だと、どのような資金だと把握するのに実に難しいんです。
 そういうことで、各省庁が連携をとりながら、果たしてこれがタリバンの資金だろうか、ウサマ・ビンラーディンの資金なんだろうか、麻薬資金といっても、それがすべてにテロリストに直結しているものも、ないのもあるんです。それを日本の金融機関だけで全部把握できるかどうか、その確認というのはとれるのかとれないのか。とれるのもあればとれないものもあるんです。そういう連携をとりながら、早急に進めなきゃいかぬということで今準備を進めているところでございます。
#104
○平田健二君 一二六七は二年かかっておるんですよ。その間に資金全部出しますよ、これ。そうでしょう、二、三日前の新聞に出ておるじゃないですか、これ。ぐずぐずしておれば、時間がたてばたつほど資金はどんどんどんどん出ていくんですよ。何もしていないということじゃないですか、日本は。いかがですか、財務大臣。
#105
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、恐らく平田さんは、日本にたっぷりとタリバンの資金があって、それがどんどん出ていってしまうんだと、こう思っておられるかもしれませんが、その点がまだまさに不確定的な問題でございまして、該当する名簿が、らしいという名簿も三人はわかった程度で、しかもそれが本人かどうかの確認がまだとれておらないと。先ほど申しましたとおりなので、その点について今急いでやっていきたいということでございます。
 それと同時に、現在、各金融機関におきまして、そういうまあいわゆる外国語関係の名簿についてもやっておりますけれども、これはしかし大変な人権問題とも相関連してまいりますので、そこで何かの決議が必要だということがあって、国連決議並びにそれが間に合わない場合はG7の決議が必要であると。それを受けて正式に外務省が関係省庁に要請してくる、それは告示で出してくる、こういう手順でございます。その手順は急がなきゃいかぬのでございますが、何分急激でございましたので若干おくれておることは我々も承知しておりますが、急いでそれは実施していきたいと思っております。
#106
○平田健二君 この決議は一三六八とは違うんです。強制力を持った決議なんです。国連憲章七章第四十一条の強制措置を含んだ決議なんです。ですから、そこらも含めてしっかりやはりこれはやっていかなきゃいかぬというふうに思っております。即やるべきです。約束してください。そんな二年もかけないで、いつまでにやるか、いつまでにできるのか、一回ひとつ財務大臣、お願いします。
#107
○国務大臣(塩川正十郎君) それはもうおっしゃるとおりでございまして、我々も懸命に努力して早急に実施いたします。
#108
○平田健二君 外務大臣、またお尋ねします。
 衆議院の予算委員会でも、今回のテロ防止策法案について新たな国連決議が必要ではないですか、こういう質問があったと思います。やはり、自衛隊を海外へ派遣するわけですから、やっぱり強制措置、国連第七章第四十一条、二条の強制措置を伴った武力行使容認の決議が必要だと思いますが、日本から要請する、働きかけをするということは考えておりませんか。
#109
○国務大臣(田中眞紀子君) 新たな国連決議についてのお尋ねでございますけれども、今アメリカとかイギリスは個別的及び集団的自衛権の範囲内でやっておられるわけでございますし、それから、私どもはとにかく日本の憲法の範囲内においてアクションをとるということでございます。
 そして今現在も、平田委員よく御存じのとおり、いろいろな決議が安保理でされておりまして、先ほど来おっしゃっている一三六八ですね、あれを含めてもう六本の安保理決議が成立しておりますので、それだけで十二分であるというふうに考えます。
#110
○平田健二君 努力をされるということはしないということですか。決議に向けて日本国の外務大臣として、日本国としてやはり国連決議は必要ですよという努力をしないということですね、いかがですか。
#111
○国務大臣(田中眞紀子君) 今ほども申し上げましたけれども、日本は武力の行使はしないわけでございます。したがいまして、そもそも国連の決議というものは必要としないということでございます。
#112
○平田健二君 もう時間も大分経過しましたので次に行きますが、テロ対策支援法、これは委員会で十分議論をいただければいいんですが、一応閣議決定されましたので、お尋ねをいたします。
 国会の事前承認です。
 PKOでもない、周辺事態でもない、現在のところ、今、外務大臣も御説明のように、新たな国連の決議もない。その中で自衛隊を海外へ派遣する。だったら、少なくとも国会の事前決議は必要じゃないでしょうか。基本計画を国民の前に明らかにする、国会で事前承認をするということは必要じゃないでしょうか、総理、いかがでしょうか。
#113
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の新法案は、九月十一日に発生したテロに対する対応の措置でございます。
 これについて今御審議をいただくわけでありますので、その審議そのものが、二年たったらばという時限的になっておりますし、この事態が解消されれば自然的にこの法案はなくなるわけですね。
 そういう点からも、今回、この十一日に起こったものに限定した法案でありますので、私は、審議によって法案となれば、その中で対応していくのが適切ではないかなと。新たに事前承認、事後承認という意見もございますけれども、これについては審議を十分していく中で、その決定を受けて、その範囲内での措置でありますので、それが一つのシビリアンコントロールになっておるのではないかというふうに考えております。
#114
○平田健二君 そういう考え方もありましょうけれども、国民は、PKOでもない、周辺事態でもない、そして自衛隊は遠くインド洋まで行く、あるいはどこかの国へ上陸をする、こういう法律ですから、やっぱり国民の皆さんに事前に明らかにして、国会でそれならいいと、事前承認をとるのは、これは私は、そう総理、事後承認だなんて言わなくて、すんなり事前承認をとる、自信を持って総理、出したらどうですか、事前承認をとるということで。
 もう一度、いかがですか。
#115
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのような意見があるということは承知しております。そういう国会の議論を踏まえて基本計画を練って政府がやるんですから。
 私は、国会の中で過半数以上の支援を得て賛同を得ないとこの法案は通らないわけですから、私は、そういう議論を踏まえて政府が措置をとる、その政府を国民が信任してくれる、あるいは国会の審議にはみ出しているようなことをやれば、恐らく国民も反発するでしょうし、その辺は審議の中での御意見を政府も聞くわけですから、しかも賛成多数でなきゃこの法案は通らないんですから、もっと国会議員自身を信頼していただいていいのではないか。
 それによって、国民から支持を得ている小泉内閣がどういうことをやるか、審議をはみ出すようなことはないということで私は御理解いただけるんではないかと。事前承認を得るべきだという意見は意見として、立場はわかりますけれども、そうでない意見もあるのではないかと。
#116
○平田健二君 総理、今、自信満々でお話しされましたが、そんな自信があるんですから、私だったら、総理は、小泉総理は必ず事前承認を求めると信じていますので、よろしくお願いします。
 総理、総理はたびたびいろんな場面で、武力行使はしない、武力行使はしないんだと言いますが、総理の想定しておる武力行使とはどういうことですか。
#117
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊が武力をもって攻撃する、武器をもって攻撃するということでしょうね。
#118
○平田健二君 私は防衛の専門家ではありませんのでお聞きしますが、例えば一般的に武器弾薬を輸送するとか、兵たんですね、医療行為をするとかというのも一般的には、国際的にはそれは武力行使と一体としておるから武力行使だと見られておるようですけれども、そういう認識はございませんか、いかがですか。
#119
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 法的な定義については専門家に任せますが、政治論として、政治家として武力行使といえば、軍隊が武器をもって攻撃するということでしょう。
#120
○平田健二君 総理、総理は、またあるときにはこういうことを言っておるんですよ。日本だけが一切の犠牲を出さない前提で取り組むことはできない、ある程度の犠牲は覚悟する必要がある。ある程度の犠牲とは何なんでしょうか。
#121
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今の世の中、テロ攻撃を受ければだれだってある程度の犠牲を覚悟しなきゃならない、そういうことであります。
#122
○平田健二君 それとは違うんですね、総理の言っておるある程度の犠牲というのは。自衛隊を海外へ出すんですよ。自衛隊だけですから。自衛隊員の生命に危険が及ぶということですか。総理が想定しておるある程度の犠牲とはそれじゃないんですか。一般日本人、それはみんなそうですよ。いつどこでテロがあるかわからない、どんな犠牲者が出るかわからない、それは一般論としてわかりますけれども、テロ支援法の中で議論をしておるときに、ある程度の犠牲をということは、そこに参加をする人が、生命が危険がある、及ぶということじゃないんですか。自衛隊の皆さんに、自衛官の皆さんがその生命に危機が及ぶということじゃないんですか。いかがですか。
#123
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロというのはいつどこで起こるかわかりませんから、自衛隊員のみならず、難民支援に出ている民間人でも犠牲が出る場合があるでしょう。あるいは新聞記者でも報道ジャーナリストでも、危険、命を冒さなきゃならない面もあるでしょう。そういう面においては、自衛の措置として自己保全のためにしかるべき防護体制をとるのは必要だと思っております。
#124
○平田健二君 私は、NGOだとか新聞記者の皆さんとか、世界じゅうにいらっしゃる皆さんのことを言っておるんじゃないんですよ。テロ対策法で、法律で決めて、そして日本の国が派遣をするんです。これは自分の意思じゃないんですよ。国の意思で行くんですよ。そのことを履き違えていませんか。総理、いかがですか。
#125
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはある程度の犠牲を覚悟して皆さん行っていただけるわけですね、協力していただく方。それは自衛隊を問わず、NGOを問わず、一般市民問わず、きつい、苦しい、ある面においては汚いと言われるような仕事に献身的に取り組んでいる方ばかりであります。
 自衛隊を出す場合は、場合によっては一緒に活動している方、そして自分が襲われる場合、いついかなる事態があるかわかりませんから、それに対応して、自己防衛的な、仲間が襲われた場合には助けようという最小限度の武器を持つことが必要ではないかと。その武器がどうだこうだとかいうのはまた専門家に任せますが、それは自衛の範囲内で、他国に攻撃するような武力行使じゃないと、その辺は政治家の知恵として常識的に私は議論した方がいいと思うのであります。
#126
○平田健二君 総理、これは私ごとですけれども、この年になりますと、何組か結婚の仲人を、媒酌人するんですよ。私が媒酌人をした中に自衛官の方がいらっしゃいまして、多分、今度のテロ対策で出動するんじゃないかしらと危惧しておるわけですね。行くとか行かぬとかわかりませんが、最近、子供もできた。先日、電話が来まして、大変心配しておると。できるなら行かない方がいいんだけどという奥さんの、若いお母さんの声でした。
 私は、総理の言わんとすることはわかります。でも、国民の大多数、特に自衛官の方、もちろん使命感に燃えて、皆さん一生懸命仕事をすると思いますが、御家族の皆さん、取り巻く人たちはやっぱりそういう気持ちもあります。そのことを含んで、やっぱり政治家として何ができるかということを十分考慮に入れて法案の審議を、テロ対策法案の審議をしていただきたいと要望していきたいと思います。
 次に移ります。
 狂牛病についてお伺いをいたします。
 狂牛病の問題は、実は九六年の四月にこの参議院予算委員会で議論になっておるんですね。当時、エイズの問題が大変重要な課題として取り上げられておりました。それに関連して、この狂牛病の問題が取り上げられました。当時の議事録を見ますと、農水大臣に対してこう質問しておるんです。本当に日本の牛は狂牛病になっていないんでしょうね、農水大臣。お答えとして、我が国ではこれまで狂牛病の発生事例はございません。質問者が、そう簡単に信用するわけにはいかない。政府は、情報や対策は完璧でありますというふうにお答えをしておるんですが、狂牛病が発生しました。
 大臣、所感、お考えありましたら。
#127
○国務大臣(武部勤君) 起こり得ないと思っている甘い認識が私は今度の一番大きな問題だと、かように認識しております。
 つまり、八月二日に起立不能の牛が発生して、五日に獣医がこれは予後不良、屠畜場に持っていった方がいいと言って、そこで屠畜検査が行われました。診断は敗血症ということであります。屠畜場、食肉衛生検査所でもBSEを疑う場合にはそこできちっとした検査をして、そして検査後全部焼却処分というマニュアルになっているんです。そうでありながら、敗血症ということで屠畜場から加工場に回っていたと。一言で言うと、危機意識が甘かったということは、私はこれは認めざるを得ない事実だと思います。
 その上に立って、検査体制というものに万全を期さなきゃならない、屠畜場から心配な牛が食用にもえさ用にも絶対出ないという体制をしこうということで、農場で飼われている牛も中枢神経症状のある牛は、これはすべて検査し、焼却処分にすることにいたしました。
 それから、厚生労働省が、私どもは全頭検査ということを要請しておりますが、三十カ月齢以上の牛を全頭検査して、そして、その結果によって大丈夫なものだけ市場から出ていく、市場へ出ていくという体制をとったわけであります。したがいまして、現時点においては、心配な牛が食用にもえさ用にも回らない。
 なお、えさ用については、国産物についてもすべて製造、出荷を停止するという措置を十月四日にとりました。
 いま一度申し上げますが、認識の甘さがこういう問題を引き起こしていると。したがいまして、その教訓、反省点に立って、二度とこういうことが起こらないような体制づくりに今全力を挙げている次第でございます。
#128
○平田健二君 狂牛病が発生して農水省が、九月ですか、検査をされましたね。どのような方法で一体何人の検査官が全国の何頭の牛をどういう検査をしたのか、ちょっと教えてください。
#129
○国務大臣(武部勤君) 五千八百人の家畜防疫員、獣医師さんたちに総出で検査に入っていただきました。農家戸数はおよそ十三万六千余戸ですね。それから、頭数は四百五十九万余でございます。
#130
○平田健二君 何日間。
#131
○国務大臣(武部勤君) これは三十日までの間でございます。
#132
○平田健二君 期間。
#133
○国務大臣(武部勤君) 期間は十二日から三十日までと、このように認識しております。
#134
○平田健二君 その検査官は狂牛病の牛を実際に見たことがあるんでしょうか、いかがですか。
#135
○国務大臣(武部勤君) それは、その方たちは専門医ですから、狂牛病は、今度発生した牛、これ以外に今のところはないんですね。ですから、見たことはないと思いますが、しかし、五千八百人の獣医師は、狂牛病はどういう症状で、どういう状態かということは十二分に承知の上で検査していると、かように認識しております。
#136
○平田健二君 五千八百人の検査員が四百五十万頭の牛を約二週間で検査をした。常識的に考えて、一日に二百とか三百とかという牛をだっと見るわけですね。しかも、千葉で発生した、狂牛病が発生したときの獣医師の方の判断は、いや、これは敗血病だと、こう言っているわけですね。私は、ちょっと検査、もちろん検査したことはいいことですけれども、それで大丈夫だということになりますか、国民の皆さんは。いかがですか。
#137
○国務大臣(武部勤君) 再度申し上げますが、すべて検査して、そしてそれで大丈夫だという、それを確かめるために、九月二十日の通達で、中枢神経症状のある牛、つまりBSEを疑わなくても立てない牛等についてはすべて検査しているんです。はっきり申し上げて七頭おります。それはすべて検査して陰性でありました。
 さらに、屠畜場で、屠畜場に入ってくる牛、これは三十カ月齢以上は厚生労働省は全頭検査してから出すと、そこではっきり検査してから出すという体制をとっているわけです。なお、それまでは出荷を繰り延べるようにというような措置を農林水産省はやっているわけであります。ですから、その四百五十九万頭の牛の検査ですべてだとは思っておりません。
 なお申し上げますが、そこで使ってはならないえさを使っているかどうか等も見ているわけでありまして、そのことも後で御質問があろうかと思いますが、一部出ているわけであります。
 ですから、我々はそれですべてという体制じゃない。それじゃ絶対とは言えないから、絶対的な体制をしくための諸般の対策を講じているという次第であります。
#138
○平田健二君 感染源、感染ルートの特定はできたんでしょうか、大臣。
#139
○国務大臣(武部勤君) まず、申し上げますと、このBSEというのは、狂牛病にかかった牛の脳とか目とか脊髄、小腸の一部、こういったものが原料になっているとされる肉骨粉、これを牛が経口摂取した場合に感染すると、こう言われているわけです。これは、英国の場合には同居している牛で感染するのは三%だと、このように言われております。
 そこで、今度の牛がどういう経路でえさを摂取して、そしてBSE感染牛となったかということを今徹底検査しておりまして、やはり心配されるのは輸入肉骨粉であろうと、こう思いまして、そういった飼料の経路を徹底追求していくということが非常に大事だと、このように思っております。あるいはどこかで、今までの検査では、調査では配合飼料等に入っていないということでありますし、もう一つ申し上げますと、同居していた牛はすべてシロというふうに判断していいという、つまり七十頭については全部検査しました。これは全部病理的な組織の検査も陰性です。それからエライザ法の検査も陰性です。
 心配されるのは、さらにもう既に廃用になっていたり、この世にいない牛ですね。こういった牛がどういうふうな形で処理されているのかというところまで今徹底検査をしておりますが、これは共済等に診断書などもあります。そういったものも今徹底的に分析しておりますが、現時点では、六十六頭についても、そういった診断書によれば、BSEを疑うようなそういう症状ではないとされておりますが、なお絶対かどうかということを徹底追求させております。
 なおまた、そのほかにも原因というのはないのかどうかというようなことについても、もうありとあらゆるものを全部出せということで今検査、追求しているところであります。
#140
○平田健二君 感染源の特定と、あれはどうなんですか、感染ルート、特定できたんですか。そのことだけでいいです。特定できたかできないか。
#141
○国務大臣(武部勤君) 現時点では感染ルートは特定できておりません。
#142
○平田健二君 感染源も。
#143
○国務大臣(武部勤君) 感染源も特定できておりません。
 ただ、これまでの識者等の意見は、肉骨粉等を、いわゆる摂取してはならない肉骨粉を摂取したのではないかと、このように言われております。
#144
○平田健二君 お手元に厚生労働省と農林水産省が出したパンフレットがお配りしてありますが、今、大臣おっしゃいましたように、感染源も感染ルートも特定がまだできていないんですよね、できていないんですね。
 この文書を見ますと、「牛海綿状脳症とはこんな病気です。」と書いて、ずっとありまして、牛が、この病気にかかった脳、脊髄云々、こう書いて、そういったものがまざったえさを食べなければこういう病気にはなりませんと、こう言っておるわけですね。
 ところが、先日、これは私も直接見ましたけれども、千葉の牧場の方も北海道の方も、うちの牛には肉骨粉は食べさせておりませんとはっきり言っておるんですよ。白井のいわゆる一頭出ましたね、狂牛病が。あの牧場主も、この牛にはうちは肉骨粉は食べさせていないと明言しておるわけですよ。
 だけれども、これを見ますと、肉骨粉を、こういったものを食べなければ狂牛病にはならないと、こう書いてあるんですね。どちらが本当なんですか、これ。狂牛病というのは肉骨粉しかないんですか、感染源が。それ以外にないんですか。それが知りたいんです、実は。
#145
○国務大臣(武部勤君) このパンフレットのことについてまず申し上げますが、英国のマウス接種試験、英国は十八万頭以上出ているんですね、ここで脳、目、脊髄、小腸の一部、これ以外は感染性が認められないという知見を発表しているわけですね。それから、これに基づいてOIEも、この危険部位を除いては輸出しても構わないと、こういうことになっているんです。しかし、日本はもちろん輸入を禁止しておりますが。したがいまして、そもそも牛肉、牛乳、乳製品は、これは一〇〇%安全だということはそういった根拠から言えるということで、そのようなパンフレットをつくっているわけでございます。
 今、委員指摘の肉骨粉を摂取した牛以外にいわゆるBSEの感染、にかかる原因はないのかと。私もそのことが一番疑問でありまして、何度も何度もそういうような話をしているわけです。私も素人ですから、これ以外のことは絶対ないのかというようなことを何度も言っているわけでありますが、今度の牛についてはそういう心配はないと、肉骨粉しか考えられないと。つまり、病理的に注射だとかそういったもの、どうなっているんだという、そういうことも追求しています。
 一般論としては、動物の医薬品の中にそういった懸念のあるものがあるという報告を受けておりますが、そのことについても、今度の牛についてはこれまでの診断結果、これはもう長年の経過からないと、こういう報告ですから、ですからますます私どもはどうして感染したのかということはこれは徹底追求しなきゃならないと。こういうことで、その感染源でありますとか、えさのルートでありますとか、他に原因はないかと、どうかということを今後徹底追求、究明していかなきゃならない、これは迷宮入りにはしてはならぬという決意で臨んでいます。
 しかし、もう一度申し上げますけれども、そのパンフレットが間違いだということではありませんで、牛肉、牛乳、乳製品は一〇〇%安心であるということは、これははっきり申し上げますから、そのことは御理解いただきたいと思います。
#146
○平田健二君 いや、その目とか脊髄とか腸とか食べなければ、それ以外のところは安全だということはわかります。それはわかりますが、しかし狂牛病にかかる、感染するというのは、ここに書いてある、食べなければ、えさを食べなければかかりませんよと書いてあるじゃないですか。そして裏には、安心ですよでしょう。
 やっぱり国民が見たら、じゃ日本で発生した狂牛病はどういうところから来たんだろうか、発生源もわからない、感染ルートもわからない、パンフレットにはそれ以外のところ、ここを食べなければ安心だと書いてあるけれども、むしろこれは、出すことはいい意味で国民に安心を与えるということでは私もいいと思うんですが、よく読むと、ちょっと違うなという印象を受けませんか。
#147
○国務大臣(武部勤君) 何度も申し上げますが、屠畜場から危ない牛を絶対出さない、人の健康に影響を与えないということを第一に考えて、厚生労働省と一体となって対策を講じてきているんです。
 そこで、十九日には厚生省が、三十カ月齢以上のものは全頭数検査してから出荷させるという、そういう体制を明らかにいたしました。それまでは、屠畜場に牛を入れない、そのためにえさ代等を生産者に支給するということを農林水産省はやりました。しかし、それでも入ってきたらどうするんだ、持ってきたらどうするんだという心配があるということで、さらに厚生省は、屠畜場に運んでも検査しません、検査できませんというような、そういうような通達も出して、現時点では入ってこない体制になっているわけです。
 それからなおかつ、牛舎にいる牛も、BSEを疑う牛だけではなくて、立てない牛など、今度の検査というのは幅広くやらなかったところ、廃棄処理してしまったところが問題なんですから、ですから心配される牛は全部検査しなさいと。その後、九月二十日以降、七頭の牛が検査され、そしてすべて陰性で、処分は焼却処分しているわけです。
 そういうことで申し上げているわけでして、感染源はそれはこれからどの程度かかるかわかりません。これはもう徹底究明し、迷宮入りはさせないということで厚生労働省と我々は臨んでいるわけでありますけれども、牛肉、牛乳、乳製品は大丈夫だというそれはパンフレットでありますから、このことは間違いありませんので御理解いただきたいと思います。
#148
○国務大臣(坂口力君) この狂牛病の病気は口から入るという以外に感染はしない、感染という言葉がいいかどうかはわかりません、ビールスや細菌ではないわけでありますから伝播という言葉の方があるいはいいのかもしれませんけれども、とにかく口から入るということによって起こるということに、今の科学的な水準からいきますとそうなっております。ですから、今回出ました牛も何らかの形で口から入るものの中にそれを起こすものがあったんだろうということは思えるわけでございますが、しかしそれが何であったかということをきちっとしなければならないという今の農林水産大臣のお言葉はそのとおりというふうに私も思います。
 そして、これから先、やはり口から入る、入れるもの、それはえさというだけではなくて、薬のたぐいも含めまして全部それを点検しなければならないというふうに思いますし、ましてや今度はそれが人間の方に伝播してはいけませんから、我々厚生労働省といたしましては、その牛の問題の徹底的にそこを究明して、そしてもう疑わしいものも全然そこからはカットする。外国のものはそうしているわけでございますが、残念ながら日本にはこれが起こっていなかったものですから、日本の国内までそれができていなかったわけでありますので、日本もそこは明確にすることにいたします。そして、水際でそこをきちっとせきとめたいというふうに思っている次第でございます。
#149
○平田健二君 狂牛病が発生したことによる経済的な損失といいますか、このことについてちょっとお伺いをしたいんですが、農水省、厚生労働省、そして経済産業省、それぞれわかる範囲でお知らせをいただきたいと思います。
#150
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきますけれども、経済産業省といたしましては、小売業、それからその関連、その実害がどのぐらいあるかということは詳細にはまだ把握できておりません。しかし、現実には大変厳しい状況になっておられる小売業者、関連業者はおられます。
 そこで、十月四日に私どもとしては相談窓口と、それから金融面での支援の体制を整えさせていただきました。これは、全国の私どもにございます経済産業局の窓口、それから政府系三金融機関、さらには商工会議所、それから商工会、こういったところにしっかりした窓口をつくりまして、今御相談と金融支援の相談を受けさせていただいております。十月四日から現在まで百七十件から御相談をいただいておるところでございます。
 そこで、金融支援といたしましては、やはりこういったお困りの業者の方々にしっかりとした貸し付けをしなければいけない、こういうことで別枠を設けまして、そして商工中金、そして中小企業金融公庫では八千万円、そして国民金融公庫では四千万円の枠を設定して積極的に御相談に応じております。
 さらにまた、これに対してはいわゆる信用保証制度のセーフティーネットの別枠を設けなきゃいけない、こういう形でそれぞれ今具体化を進めておりまして、今週じゅうに対応をさせていただこうと思っております。
 したがいまして、当省関係で、御質問の一体どのぐらいか、こういうことはこれからさらに全国にネットを張っておりますから、そういったところを通じて私どもは集計をしてまとめていきたい、このように思っております。
#151
○国務大臣(武部勤君) 私は、先日北海道に行ってまいりましたけれども、これはもう深刻という言葉では言いあらわせないほどの状態でございます。取引価格は相当落ち込んでおりますし、取引そのものが成立しないというようなそういう市場もあります。
 また、主要な量販店の牛肉の売り上げは三割から五割減少しているというふうなそういう例もありまして、生産者はもとより、畜産物の流通販売業者、畜産副産物業者、食品産業、外食産業など、関係業界に対して著しい風評被害の影響が出ている、かように認識しておりまして、それらに対する緊急対策を今講じようとその中身を詰めているところでございます。
#152
○国務大臣(坂口力君) 現在のところ、まだその集計はできるところまでは至っておりませんけれども、私の方は薬品、化粧品、そして食品と、多範囲に調査はわたっているわけでございますし、そしてその皆さん方にもかなり自粛をしていただきましたりするところがあるわけでございますので、かなりな御迷惑をかけていることだけは間違いないというふうに思っております。
 例えば、化粧品から果たしてうつるのかということは、今のところ学問的にはわかっておりません。しかし、せっかくきれいになろうと思って皆さんがお使いをいただいておりますのに、狂牛病になったと言われましたらこれは大変なことでございますので、学問的なことはわかっておりませんけれども、しかし前もってこれは諸外国からの輸入もことしのもう最初から、去年の十二月から禁止をさせていただいていると。そういうことにおきましても、かなりな経済的に御負担をおかけをしているというふうに思っております。
#153
○平田健二君 坂口厚生労働大臣、立ったついでにもう一問聞かせてください。
 厚生省は五日に、人体に影響があると思われる製品の自粛、自主回収を要請しました。なぜ自粛なのか。今日までさんざんこれでいろんな問題が出てきて、農水省は一度出した要請を罰則つきに変えておるんですよね。変える必要はありませんか、自粛じゃない罰則つきのものに。
#154
○国務大臣(坂口力君) 薬品でありますとか化粧品というのは、いかなるものを使っているかということが明確になっておりますので、これはこちらからぴっしりと言うことができるわけでございますが、しかし、食料品の中身というのは何と何が使われているのかということは、正直なところ厚生労働省としてもこれはつかんでおりません。
 そして、それぞれの食料品について、先ほどお話がございました脳、脊髄、目あるいは腸の一部といったようなところをお使いになっている。しかも、諸外国からそれが入ってきただけではなくて、日本の中でのものでもそれが使われている。外国からのものはもう十二月からは禁止しておるわけですから、昨年の十二月から。ところが、そうではなくて、日本の中でのものでそれでお使いになっているものがあるならば、それは自主的に、それは一度お調べをいただいてお出しをいただくということ以外に、今我々として全部ストップというわけにはいかないものでございますから、お願いをまずしたと。
 しかし、これから先の問題につきましては、明確に法的にもしていきたいというふうに思っております。これは、現在の段階の流通をしておりますものにつきましてはそれ以外に方法がなかったと、こういうことでございます。
#155
○平田健二君 農林水産大臣と厚生労働大臣にお尋ねをいたしますが、最後になりますけれども、この狂牛病は。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
 今いろんな対策をおっしゃいました。その対策をずっと進めていけば、いつまでに狂牛病を根絶することができるのか。大変難しいと思いますが、見通しをお聞かせいただいたら幸いですが。
#156
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省の範囲としましては、屠畜場以後の話でございますから、この十月の十八日から、これは三十カ月以上のものにつきましては全部調査をするということにいたしまして、そしてそこで陽性のものはそれは全部廃棄をするということにしたいというふうに思っています。
 ただ、今までに、諸外国から去年あたりまでの間に、いわゆる肉骨粉というんですか、そうした飼料が入ってきていた時期があるわけでありますから、それらによって感染をしている牛がいるとすればそれはそこでチェックはいたしますけれども、しかしそれが発生しないと言うわけにもいかない。だから、そこは全部これからチェックをいたしますので、いいのも悪いのも全部チェックいたしますから、これからは、十八日以降は明確になるだろうというふうに思っております。それ以外のものというのは外国からのものでありますから、これは今のところもう既に輸入を禁止いたしておりますので、これは大丈夫というふうに思っています。
 ですから、十八日で一つの、それ以後は安全宣言ができるのではないだろうか。ただし、先ほど申しました、既に食べてしまったものの中でどうかという問題はありますけれども、検査によってそれは水際で予防することができる、こういうふうに思っています。
#157
○国務大臣(武部勤君) 厚生大臣の御答弁のとおり、今後狂牛病は絶対発生しないのかということについては、絶対発生しないとは言えません。それは今説明されましたように、輸入肉骨粉等を食べて、潜伏期間が二年から八年あるということですから、既に食べてしまっている牛がいるかもしれない。
 そこで、今後は、その肉骨粉が原因であるとするならば、もう今後は一切輸入物も十月四日から停止、それから国産物も製造、出荷も停止という措置をとりました。ですから、これから新たに狂牛病が出るという、そういう体制ではなくなったということは私は言えると思うんですね。これから生まれてくる牛から狂牛病が出るということはなくなった、このように言えると思うんです。
 それからもう一つ、狂牛病ということに対して私のところにメールが来まして、一体どういうことなの、どうしたら狂牛病になるの、このことを大臣は全然テレビでも説明していないじゃない、こういうことですから、この機会に申し上げさせていただきますが、今、厚生大臣、お話ししましたように、狂牛病というのはいわゆる空気伝染とか接触伝染とかするウイルスとは違うので、いわゆる脳とか目とか脊髄とか腸の一部とか、こういった危険な部位を含むえさ、これに異常プリオンが発生するわけであります。
 どの程度の確率があるのかということですが、B・J・フォード著の「狂牛病の全て―狂牛病とその人類への危険」というところのものをちょっと申し上げますと、クロイツフェルト・ヤコブ病への感染の可能性は、英国の例ですが、五百万人に一人、つまり十八万頭以上出ている英国で、しかも脳とか、今申し上げましたような危ないところを食べる習慣、日本にはありませんが、英国には結構あるそうです。そういうところで五百万人に一人。それから、英国ではインフルエンザに感染して死亡するリスクが五千人に一人だというふうにこの著書は言っております。
 したがいまして、我々はこれから絶対屠畜場から危ない牛は外に出さない、これは厚生労働大臣がおっしゃったとおりです。同時に、安心していただくためには肉骨粉を全面停止という措置をとりました。さらに、一番大事なことは感染牛がどうしてBSEに感染したかということの徹底究明。この間もある新聞記者からもう迷宮入りでしょうと、こういうような話がありましたけれども、それは絶対させませんから。
 そういうことで、ぜひ安心していただきたいと、もうこれは国民の皆様方に向かって申し上げているわけでありまして、少し時間をとらせていただきました。
#158
○平田健二君 国民に、食べるものですから、毎日毎日国民が食べることですから、やはり安心を与えるということが必要だと思いますので、どうぞ時間を使ってじっくり国民の皆さんに説明をしていただく、いいことだと思いますよ。ぜひやってください。
 実は、オーストラリアにおける狂牛病の進入防止措置というのをお手元に資料をお配りしておるんですが、これに詳しいのは我が同僚の大橋議員ですので、後ほどこのことについて御説明をちょっとしていただくと思いますので、どうぞ事前にお読みください。
 次に、雇用対策についてお伺いをいたします。
 坂口大臣、今日まで歴代内閣で七回以上にわたって雇用対策を、特別雇用対策をずっと実施してきたんですけれども、いずれも根本的な改善に至っていない。そればかりか、雇用情勢はむしろ悪化をしておるという私は認識をしておりますが、実効性のない雇用計画を次から次へ出してきて、結果的に今、史上最悪の失業率だと思います。どこに今日までの雇用政策の欠陥があったのか、ぜひ反省を含めてお答えをいただきたいと思います。
#159
○国務大臣(坂口力君) 雇用政策と申しますのは、これはもう平田議員も本当によく御存じのとおりでございまして、これは単なる失業対策ではなくて、そのときの経済の動向によって大きく左右されるわけでございます。したがいまして、それは経済の動向と雇用対策がセットの話でございます。
 今まで、御指摘をいただきましたように百万人雇用対策でございますとか七十万人雇用対策でございますとか、何度かの、出していただいたことも事実でございますが、そうしたものがその時々の全体の経済状況に影響を受けまして、そして計画どおりにいかなかったという事実もあることを私たちは十分これは反省をしなければならないとも思っているわけでございます。それは、その時々の経済情勢に合った雇用政策を立てていかなければならないということだろうと思います。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 ただ、昨年の五月に出しました雇用対策等は、三十五万人を目標にして三十二万人その中で雇用を創出いたしておりますから、かなりいい線を行っているところもございます。したがいまして、これからの雇用政策のあり方というものを、今までとは違ってその時々の経済政策とよくマッチをした内容にしていかないといけない、マッチをするようにしようと思えばなかなかそれは困難がつきまとうことも事実でございますけれども、そのようにしていかなければならないと思っているところでございます。
#160
○平田健二君 坂口厚生労働大臣、結局、今日までの雇用政策がうまく機能していない。確かにその時々の経済状況によって雇用情勢は変わってくる、これもわかります。でも、その都度その都度、もう七回にわたって歴代内閣がやってきたわけですね。やっぱりその反省がないといけないと思うんですが、ぜひ今度の新しい雇用政策を実効性のあるものにしていただきたいなというふうに思っております。
 総理、総理は、衆議院、参議院の本会議でもそうなんですが、求職数はたくさんあると、新規求人数は年間で七百二、三十万人以上あるんだと力説をされておりますけれども、だったらなぜ失業率が上がってくるのか、ぜひひとつ御説明いただきたいんですが。
#161
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 求人数と求職数が合わないというのは、その職種に対して必要な人材が足りないという場合は求人数が多くてもそこには行かない。ミスマッチと言うんですかね、なかなか、こういう人材が欲しいなと思っているところにその適した人材が来ない、あるいはこういう職につきたいんだなと思った人がいても企業の方ではこの人は適当でないと言われればこれはだめなんですよね。
 だから、求人数と求職者数が合わないというのは、確かに職場はあってもそれに合う人がいないという場合もあれば、たくさん働きたいという人が行ってもむしろその職種に合わない人もいる。これをこれからどういうふうにうまく適合させていくかというのも一つの雇用対策ではないかなと思っております。
#162
○平田健二君 言わんとすることは大体わかるんですが、ただ、私のところは人は採用したいけれども四十歳までだと、案外こういうのが多いんですよ。こういったものを、規制を、規制というかそういったことをするのを、やっぱり国としてそういったことはだめよと、年齢制限なんかだめよと、男女もだめよと、そういったもっときっちり法整備なりをする必要があると思うんですが、もちろん今日までもそういった努力をされておると思いますけれども、この際、特別ですから、今、こんな雇用情勢ですから、そういったことをしっかり考えていくということはどうでしょう、厚生大臣。
#163
○国務大臣(坂口力君) 確かにミスマッチの問題が非常に大きな問題でございますが、これは内容はいろいろでございます。特に、三十四歳未満の場合にはこれはもう労働条件、特に賃金が合わないというのが一番多い。そして、今御指摘のように四十歳以上というのはやはりこれは年齢制限が一番多い。これがありまして、その次に両方とも、四十歳以上も賃金が合わないというのがその次に続いていると。
 それで、この十月一日からでございますけれども、前国会でいろいろ御審議をいただきまして、そして年齢制限、これを取っ払おうというので、現在のところ努力義務ではございますけれども、これをもう取っ払おうというので、この三カ月ほど、法律を通していただきましてから、各企業の皆さん方に対しましてその内容につきまして周知徹底を図ってきたところでございます。ぜひともこれを実現をしていっていただきたい。中には三十二、三歳でもう制限をしておみえになるようなところもかなりあるわけでございまして、そのお仕事の内容からいきましてそんなに制限をする必要がないと思うところでしておみえになるようなところもかなりございますので、そうしたところを特にこれから指導もしていきたいというふうに思っております。そういう状況でございます。
 そしてもう一つは、地域によってかなりな地域ミスマッチというのもございます。そこで、これは八月からでございますけれども、これは経済産業省とタイアップをさせていただきまして、地域ごとにどういう雇用があるかということをもう少し細かく調べながら、そして地域に合った雇用をつくり出していこうということを始めたところでございます。
 そして、若い皆さん方の問題が一番大きいわけでございますので、この若い皆さん方に対しましては、できるだけ、試し雇用と申しますか、そうした企業にそうしたことをぜひお願いをするというようなことで、それにバックアップをしていく体制をつくるといったようなことを今手がけているところでございます。
#164
○平田健二君 今回のこの臨時国会は、アメリカのテロがなければ、もともと雇用国会だと、こういうふうに銘打った臨時国会だったはずなんですね。総理の言う、構造改革のないところに景気回復はあり得ないと。私は、雇用対策をしなければ景気回復はあり得ない、雇用を確保しなければ景気回復はあり得ないと思っています。
 やっぱりこの国会は雇用を中心にした国会ですから、どうして、今日まで法案が姿も見えない。この前、厚生労働省に聞いたら、いや、補正予算の枠が決まりませんので具体策がまだ検討できません、こういうことを言われておるんですね。本来、雇用国会、雇用対策をどうするかということですから、国会が始まると同時に法案を提出する、これが必要だと思いますよ。
 坂口大臣、雇用国会ということをしっかり肝に銘じて、しっかりした対策をいただきたいと思いますが、御決意のほどをお聞きしたいと思います。
#165
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のとおりでございまして、それは、雇用が先か経済が先かというのはそれはあるというふうに思いますけれども、しかし雇用をよくしていかなければ経済がよくならないということもこれもまた事実だというふうに私も認識をいたしております。
 ただ、その内容につきましてどうするかということにつきましてのいろいろの検討もしてきたところでございまして、既にやらなければならないことはもう全部固めているわけでございますが、あとは財政的な問題がそれにどうこれにプラスされるかということがまだ明確でないために皆さん方にお示しができないという状況にあるわけでございます。間もなくこれは補正予算が発表になるわけでございまして、そのときに同時にこれは皆さん方にお示しができるというふうに思っております。
 この雇用なくして経済再建なしということは身にしみて感じておりますから、ひとつお任せをいただきたいと存じます。
#166
○平田健二君 経済産業大臣、最後に一つだけ、セーフガードについて。
 タオルのTSGの発動、調査が終わります。十月の十五日ですか、結論を出すようですけれども、ひとつWTOのルールに従ってぜひ日本政府は決断すべきだと思います。
 大臣の考え方をお聞きして、関連質問に入らさせていただきます。
#167
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 委員御承知のように、このタオルのセーフガードというのは、四月十六日に調査を開始いたしました。そして、六月二十九日までの間に証拠の収集等を行いまして、八月三日までにその閲覧をさせていただき、また関係業界の皆さん方からの御意見を聴取して、ずっと今続けてきております。
 いよいよ、今御指摘のように十月十五日、これが期限でございまして、最終段階に入ってまいりました。今、我々としては、直近の輸入動向と、そしてまた輸入業者、そしてあるいはタオル生産者、そういった利害関係のさらなる実態調査もあわせて行っております。
 それと同時に、やはりタオル業界の構造改善、この対策も、我々、今しっかりと把握をしているところでありまして、今の時点では、まだ最終段階でどういうという結論は出しておりません。しかし、この十一日に産業構造審議会の中の小委員会でやはり議論をしていただいて、私どもとしては、今御指摘の、あくまでもWTOの繊維協定のルールに従って私どもは最終判断をさせていただきたい、こういう段階でございます。
#168
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。大橋巨泉君。
#169
○大橋巨泉君 年は食っていますけれども新人ですので、今も最初どうやって言っていいかわからないぐらいなんで、なれないところがあるかもしれませんけれども、お許しください。
 さて、まず総理は、二日の晩、私、テレビを見ておりましたら、宮中の晩さん会のお帰りか何かでタキシードを着ていらっしゃいましたが、そのときに、どうも野党は役人が答えるような質問ばかりしている、政治家が答えるような質問をしてくれなくちゃとおっしゃっていましたが、後で党の方に聞きましたら、何かこの間、あれは失言だったということで──失言じゃないんですか。
 では伺います。どういう質問が役人が答えるんで、どういう質問が政治家が答えるんでしょうか。そして、あのときに我が党の角田会長、岡崎副会長がした本会議での質問は、役人が答えりゃいい質問でしょうか。
#170
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、かねがね思っているんですよ。最近は、本会議の質問に政治家の答弁よりも役人が答えたような質問の方が多過ぎるんじゃないかなと。だれがとか具体的に言いませんよ。本会議でやる質問と委員会でやる質問が本当に同じであっていいんだろうかと。政治家も考えてもらいたいな、何のために担当大臣がいるんだろうかと。
 そういう点も込めて、私なりの本会議の代表質問はかくあるべしという考え方がございます。委員会と本会議に何で分かれているんだろうかと。その辺も議員諸君も自覚をしてもらいたいなという観点から私は、中にはわずか二、三十分の質問の中で堂々と全議員を前にして何十項目も質問して、本当に自分の意見が言えるんだろうかという気持ちもありますから、私は、皆さんとは違いますよ、一つの議員としてどういう考えを持っているかというのはいいと思うんです。議員としての本会議質問と委員会質問というのはそれなりに違いがあっていいんじゃないだろうか。すべて総理に聞くというよりも、担当大臣もいるんですから担当大臣から答弁した方がよりいい答弁ができるのではないかという気持ちも込めて言ったわけであります。
#171
○大橋巨泉君 私もあのときに本会議にずっと座っておりましたけれども、例えば高祖憲治さんのことで、総理は一緒に写真撮ったり高祖パワーで頑張ろうとか応援したけれども、その責任はどうなるんですかという質問があっても、総理は一切お答えになりませんでしたけれども、これは役人じゃなくて政治家じゃなきゃ答えられない質問だったんじゃないんでしょうか。
#172
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう質問だったらお答えできますよ。
 ただ、全部見てごらんなさい。何十問も質問、そして、一問一答ならできますよ、一問一答じゃないんですよね。もうよく、恐らく答弁する立場になればわかると思うんですよ。もうどれも抜かしちゃいけないとなれば、間違いないようにとなりますよ。今、具体的に一問一答なら、私、棒読みなんて余りないでしょう。予算委員会というのは私は割合好きなんですよ、こういうやりとりできるから。
 そういう点で、私は今後も質問者も考えてもらいたいなということを言ったんです。(発言する者あり)
#173
○委員長(真鍋賢二君) 御静粛に願います。
#174
○大橋巨泉君 僕なりによくわかりました。つまり、たくさん本会議で聞き過ぎるから、都合のいいものは答えるけれども都合の悪いものは答えないと。
 だから、もし、でしたら今、高祖さんを応援したのと公認した総理の責任はどうおとりになりますか。
#175
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、議員はそれぞれいろんな考えがあります、候補者は考えがあります。
 私の主張に反対した議員でも、私は、自民党公認で当選してくれば小泉総裁のもとで、違う意見があっても最終的には政党というのは多数意見に従いますから、私の方向に賛成してくれるなと自信があって、だから私は反対勢力は別に嫌いじゃないんですよ。抵抗勢力も万機公論に議論していくと、政党の習慣で自民党というのは、自分はこう思っているけれどもみんなが、多数はこうだと言うと従ってくれるんです、政党というのは。そこがやっぱり政党の集団で、全部自分の意見が通らなきゃといったら政党をしょっちゅう渡り歩く、かわらなきゃならないですよ。そういうもので、私は、大体自民党の議員というのは常識がありますから、自分の意見がああこれは周りから認められないと思うと、自分は反対するけれども、これは党の議員として、党員として賛成しようという場合が過去私は議員生活をしてみてわかっているんです。
 だから、一人や二人、十人や二十人、私の意見に反対でもどうってことないなと。最終的には方向を議論して正しい方向にまとまってくれるのが自民党の議員だなと思っているから、いろんな各界各層の人が支援を受けて、そういう中で賛成反対をかんかんがくがく議論をして、落ちつくところに落ちついていくのが政党内の議論ですから、私は別に、私の意見に反する者がここに当選してきても、それは一つの考えだなというふうに思っているんです。
#176
○大橋巨泉君 どうも僕の聞いた質問と答えが違うような気がするんですが、先たくさんありますので、この辺にしておきます。(発言する者あり)
#177
○委員長(真鍋賢二君) 御静粛に願います。
#178
○大橋巨泉君 御静粛にと言っていますから。
 とにかく、きょうは僕は、役人が答えられないような、ちゃんと政治家が答えられるような質問ばかりをいたしますので、よろしくお願いします。
 まず、先ほどからのお話を伺っていると、平田議員の質問に対して、要するに自衛隊を送るということだけはどんどん進んでいて、マネーロンダリングや何かの方はもうとっくにやってもいいのにやっていないというように、どうも話がどんどんどんどん進んで既成事実みたいなものを積み重ねてしまって、はっと気がついたらもう手おくれだったということは日本も前あるわけです。ですから、きょうはベーシックな、基本的な問題についてお尋ねします。
 まず、もちろん誤解のないように言っておきますが、私はいろんな書き物にもさんざん書いておりますが、どんな理由があろうとテロは許せません。それが僕のスタンスです。
 まず、ことしの流行語大賞間違いないと言われるショー・ザ・フラッグという言葉なんですが、この前、我が党の菅幹事長の質問に対して総理は、これは予算委員会でしたが、ちゃんと御自分のお言葉で、どういう意味なんですかと言ったら、ショーは見せろ、フラッグは旗ですとおっしゃっていましたけれども、本当にそう思っていらしたんですか。それとも、実は本当の意味を知っていながらああいうふうにお答えになったんですか。
#179
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あのときは確かにそういう答弁をしました。そして、その後に協力してくれという意味じゃないですかと。文字どおり訳すれば、ショーは見せるですから、フラッグは旗ですから、旗を見せなさいということは協力してください、協力してくれという意味じゃないですかということをつけ加えたわけですね。
#180
○大橋巨泉君 協力してくれという意味じゃないんです。総理もアメリカで英語で演説していらしたから英語はお得意だと思うんですが、私も多少たしなみますので。
 これは、もとは海軍の用語で、昔ですよ、まだ飛行機なんかがないころ、恐らくネルソン提督とかそういうころだと思うんですけれども、旗を立てている船は襲われてもしようがないんですね、所属がはっきりしていますから。だから、襲われたくなかったら旗を立てないで航行していたんです。
 海軍用語でショー・ザ・フラッグというのは、どっち側につくのかはっきりしろということなんです。協力じゃないんです。どっちサイドにつくかはっきりしろと。ただし、今は、そういう意味よりも、僕は使われたことも使ったことも何回もありますが、大変、もっと逆なんですね。例えば、委員会に出るにしても、ちょっと出て顔だけ見せて行っちゃう、タイムレコーダーを押して帰っちゃう、そういう意味さえあるんです。
 ただ、今度の意味はそうじゃないでしょう。どっち側に立つのか、はっきりブッシュさんもアメリカにつくのかテロリスト側につくのかとおっしゃっていましたから、ショー・ザ・フラッグというのは、どちら側のサイドに立つのかということをはっきりしろと。それで、総理は、政府はすぐにアメリカ側につくということを翌日ですか、もおっしゃいましたし、その上に総理は行ったわけですから、もうそれは十分アメリカ側に立っているわけですよね。ですから、もうそれは向こうの要求は満たしているわけです。
 決して、一つだけ絶対違う意味は、日の丸を立てて自衛隊の船がインド洋へ行くという意味はショー・ザ・フラッグには一切含まれていないんですが、これは理解していただけますか。
#181
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 旗幟を鮮明にしてくれ、協力してくれというのは日本が考えることであって、それは、どこに行くかは日本で考えればいいことだと思うのであります。
 だから、旗幟を鮮明にしてくれというのも確かにショー・ザ・フラッグの意味に含まれるでしょう。私はむしろ、どっちにつくかはっきりしてくれというのは、もっと意訳すれば協力してくれという意味にもとれるでしょう。いろんな言葉というのは幅があるんだと思います。
#182
○大橋巨泉君 それで、いろいろな意味を解釈、総理自身も悩んだと思うんですが。
 それでは、改めて伺いますが、我々は新聞報道で、あれはアーミテージさんが柳井大使に言ったというようなことを読みました、と伝えられていると。はっきり、いつ、だれが、だれに、どこで言ったんですか、ショー・ザ・フラッグという言葉を、総理。
#183
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、じかには聞いていませんし、新聞で知っただけです。
#184
○大橋巨泉君 外務大臣は聞いていらっしゃいますか。どなたから、だれを通じてショー・ザ・フラッグという言葉をお聞きになりましたか。
#185
○国務大臣(田中眞紀子君) 日米で緊密に連絡はとっておりますけれども、具体的に詳細を述べるということはできません。
 私は、そのときワシントンにもおりませんでしたので、直接は聞いておりません。
#186
○大橋巨泉君 ということは、新聞に書いてあるからだれかがそう言ったんだろうという程度のことで、日本国というのはそんなずさんな外交をしているんですか。
 普通まず、例えばだれかが、アメリカ側のだれかが日本側のだれかに言って、それが外務省なり官邸なりを通して総理の耳に入って、アメリカのしかるべき人がこう言っているので、それなら、僕みたいな大学落ちこぼれの中退者じゃなくて、東大から外語大からたくさん優秀な英語のわかる人が内閣、政府にいるんでしょうから、ショー・ザ・フラッグというのは本当はどういう意味だということで、そのときに結論が出てお答えになるべきで、風評でお答えになるのはいかがなものかと思いますが。
#187
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、ショー・ザ・フロッグというのが特に新聞報道で──フロッグじゃない、フロッグじゃない、カエルじゃなくて旗、フラッグね。ショー・ザ・フラッグという言葉が新聞でいろいろ出て、当然、情報交換の中ではそういう話が出ているというのはありますよ。しかし、その意味についてどう考えるかというのは日本政府の問題であって、だれかが言ったから旗を立てなきゃいかぬとか、そんな議論じゃないんですよ。
 私は、ショー・ザ・フラッグというのは、自分で、これは協力してほしいという意味だなと、アメリカとしては、どっちにつくのか旗幟を鮮明にしてほしいなと、そういう意味に自分なりにとっていましたから、自分でこれは主体的に考えるべきだと。日本はこのテロの行為に対して、アメリカがこうやる、それならこうやる、日本はどうやるのかと、それを日本自身でどういう協力ができるかを考えればいいというふうにとらえていましたから、余り私はこだわっていなかった。何みんなショー・ザ・フラッグばかり議論しているんだろうかと。旗幟を鮮明にしろだろうが旗を見せろだろうが、要するに日本が独自に協力できることを考えればいいじゃないかというふうにとらえていたんです。
#188
○大橋巨泉君 いや、私が聞いているのは、あれからそれこそ流行語大賞になるぐらいショー・ザ・フラッグという言葉は出ているわけです。総理自身もお答えになっているわけです。それが新聞で読んだことなんですか。ということは、アメリカの偉い人が日本のさる高官を通じてあなたのところへ来た言葉でないのなら、無視なさったらいかがですか。なぜこだわったんですか。
#189
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、アメリカの高官であろうが高官でない方であろうが、直接会って、もちろん大統領からもショー・ザ・フラッグなんというのはじかに聞いたことはございません。たとえショー・ザ・フラッグという言葉を私が聞いていなくても、今まで一言も発せられなくても、このテロの事態を見れば、日本は独自で何をしなければならないのか、何をするべきか考えたと思います。
#190
○大橋巨泉君 それは今私に聞かれるよりも、この前からさんざん聞かれているときにお答えになればいいと思うんです、私は聞いていないと。そんなショー・ザ・フラッグなんか聞いていないと。ただ、今まではあたかもどこかから重要なコメントとしてお聞きになってお答えになっていたんですね。ですから僕は今聞いたわけです。
 そうしたら、ショー・ザ・フラッグなんという言葉があろうがなかろうが、日本は日本としてやるべきことはやりたいと。それであれば、最初に菅さんが聞いたときに、いやそんな話、菅さん、新聞に出ているだけじゃないか、そんなことに我々はコミットする必要ないとおっしゃるのが総理の姿勢じゃないんでしょうか。
#191
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは大橋議員がそう思うのであって、私は日本ができることをやりたいと。何をやらないか、やらなきゃならないかと。国際協調の中でこのテロ撲滅に対して、テロ抑止に関して何をやればいいかと。ショー・ザ・フラッグという言葉があるからあれをやる、これをやるということは考えたことはありませんね。
#192
○大橋巨泉君 こんなにかみ合わないものだと初めて知りました、自分でやってみて。
 先へ行きましょう。
 総理は、テロを根絶するためにという言葉を何十回ももう既にお使いになっています。御自身でテロは根絶できるとお考えですか。
#193
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 非常に難しいと思います。だからこそ、この問題については冷静に忍耐強く長期的な戦いを覚悟しなきゃならない。ブッシュ大統領も言っているように、私もこれは非常に難しい課題でもやり抜かなきゃならない、その根絶のための努力は続けていかなきゃならないと思っております。
#194
○大橋巨泉君 ということは、その方法というのは特定できないということですね、根絶する。
 私は、こんなことになって、議員になるまで十一年間オーストラリアに冬場住んでおりまして、オーストラリアでアラブ系のイスラム教徒の友人が数人できました。大変事業に成功した方で、はっきり言うとゴルフ仲間です。去年かおととしか忘れましたけれども、最近ですが、イスラエルで女性が爆弾を巻いてイスラエルのショッピングセンターなんかへ行って自爆する事件が続いたときに、私は彼らに聞いたんです。アラブ人というのは本当に自爆すれば天国へ行けると思って自爆するのかと。
 そうしたら、彼らは、我々は絶対しないと言っていました。だれに頼まれようとしないよと。アラブ人だからするんじゃないよ、イスラム教徒だからするんじゃないよと。彼らはもう本当に先の見えない貧困で、あしたもないような連中が、例えばテロリストならテロリストが、自爆する、殉教すれば天国へ行ける、子供や何かの面倒を見るよというような悪魔のささやきがあればするんだと。だから、貧困を根絶しなければテロはなくならないんだよ。同じアラブ人でもイスラム教徒でも、我々、おまえと一緒にオーストラリアで冬場はゴルフをやっているようなやつは絶対やらないんだと、そういうことを僕にはっきり言いました。
 ということは、貧困を根絶することが一つだと僕は思うんですよ。そして、こういうグローバライゼーションでどんどんどんどんまた大企業の寡占化が進んでいって南北の格差が広がれば、これはどんなに自衛隊を送ろうが何しようがテロは根絶できないと思うんですが、こういう経済格差に対して日本が何ができるかということを優先的にお考えになる気はございませんか。
#195
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は常に国際社会の中であるいは国連の中で、貧困撲滅、日本の国力に応じて努力してきているわけですね。G7の会合でもあるいはロシアが参加するG8の会合でも、これはある面におきましては金持ちの集まりじゃないかという批判を浴びながらも、いや、このG7の会合は金持ちクラブだけじゃない、むしろ貧困削減にいかに努力しているかということで協議を進めているわけです。
 貧困を撲滅するという努力はこれからも継続していかなきゃなりません。かといって、それじゃテロがなくなるかというと、これまた私はそうだとは言えません。現に、オサマ・ビンラーディンなんというのは大金持ちでしょう。大金持ちなのに何であんなテロを組織して計画して、みんなあれやれこれやれと指図を出すのか不思議でならない。
 そういう意味において、何をやればテロがなくなるのかという質問には、なかなか難しいんだと、しかしできるだけのことは各方面に多面的にやっていかなきゃならないなと思っております。
#196
○大橋巨泉君 そのとおりで、経済格差の問題のほかに、今、ラディンの話が出まして、彼は大金持ちですけれども、なぜ彼がアメリカを憎むかというと、彼の会社がつくったサウジアラビアのメッカにアメリカ軍が土足で入ったからだという説が一番強いんですけれども、つまり宗教問題、貧困問題、いろんな問題があって、本当に総理のおっしゃるとおり一言では言えないと思うんですが、現在の日本の政府の対応を見ていると、まず後方支援とか自衛隊を送って旗を見せるということばっかりが先に行っているような気がしたので御質問したんです。今言ったような経済とか宗教、文化のことも同時に進めていただきたいと思います。
 それと、もう一つだけ、やりたくないんですが、英語の話をさせてください。
 九月二十六日に総理はブッシュ大統領とお会いになって、アメリカでその直後の記者会見でアタック・オン・ワン・イズ・アタック・オン・オールと、そういう気持ちで、これは米国だけの問題じゃなくて、日本は主体的に行動したいということをおっしゃっていました。私、ここにきょうビデオを持ってきていますから、もしお疑いでしたら、でも総理はお若いんだから忘れはしませんよね。これ、やっぱり日本の国会ですから、ぜひ日本語で言ってください。
#197
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アタック・オン・ワン・イズ・アタック・オン・オールという、一人に対する攻撃は万人に対する攻撃である、あるいは一国に対する攻撃はすべてに対する攻撃であると。これは、米国に対する攻撃というのは世界人類に対する攻撃であると受けとめるべきだと、今回のテロは。そういう意味において、テロに対して米国のみならず、今、世界が立ち上がっている。
 日本もこれは主体的に、これは人ごとではない、日本独自に主体的に積極的にこのテロに立ち向かっていかなきゃならないという言葉を述べたものであって、ブッシュ大統領も演説の中でその言葉を使っているんですよ。それで、なるほどこの言葉はいい言葉だなと頭に入っていたものですから、私はあのあいさつで自然に出たんです。
#198
○大橋巨泉君 自然に出たとしたらすばらしいんですが、ブッシュ大統領は恐らくそのフレーズはほとんどNATOに向けて言ったんではないかと思うんですね。一つに対する攻撃はすべてに対する攻撃だと日本の総理大臣がそう言った場合は、僕ら普通ぱっと考えるのは、この方は集団的自衛権の行使というものを頭に入れてお話しになっているんだなと思ってしまったんですが、誤解でしょうか。
#199
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あのときはたしか、ニューヨークの現場、テロの現場を視察して、そしてニューヨーク州知事のパタキ知事とニューヨーク市のジュリアーニ市長と一緒に懇談をして、これから会見するんだから一緒に来いと、行こうということで一緒に歩いていったんですよ。
 そこで、私はまさかこういうところで記者会見すると思っていなかったから、知事から始めた、ジュリアーニ市長も始める、促されて立ったから、現場の感想と日本の立場ということを、みんな英語で言っていたし、聞いている人は日本人よりも外国人が多かったから、感じていることを英語で話したんですよ。別に、集団的自衛権がどうかとか個別的自衛権とか考えないで、素直にお見舞いと、それから犠牲者に対してニューヨーク市民が温かい手を差し伸べているという感謝と、日本政府としてもこのテロに対しては毅然として立ち向かっていくということを率直に述べたまでなんです。
#200
○大橋巨泉君 ただ、私が考えたぐらいですから、いたアメリカ人の方がこのフレーズを聞いたら、ああ日本も集団的自衛権を行使するつもりだなと。だって、というのは、ほかに言い方はたくさんあるわけですから、そう思ったんではないかと思います。
 さて、先ほどの自爆テロの話なんですが、十一日のあの大事件の後、私一応、インターネットでアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなんかの新聞は全部一応読んでいるんですが、そのときに出ていた言葉、八割か九割の新聞にカミカゼアタックと出ていました。このカミカゼというのは、もう英語の辞書にも出ています。つまり、旧日本軍の特攻隊のことなんですが、それはいろんな意味にも使われていますが、基本的にその意味なんです。
 かねてから特攻隊には特別な心情をお持ちの総理が、もうあと何秒かで自分は必ず死ぬという、自死を前提としてニューヨークのビルに突っ込んでいったアラブの青年たちの心情はどうお考えになりますか。
#201
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私の理解を超えますね。
 その戦時中の日本の若き特攻隊員たちは、これは戦争のために、しかも軍用機を使って、行きたくないけれども行かざるを得なかったという無念の気持ちもたくさんあったと思います。そして、目指すところが相手も軍の施設ですね。ところが、今回は使っている飛行機が民間機でしょう。全く戦争とは関係のない市民、自分の目的とは何ら関係ないどころか、相反する人たちばかりを乗せて、死ぬ。その人たちを巻き込んで、民間の飛行機と無実というか無辜の人々、無関係の人々を巻き込んで武器にしちゃう。しかも、突入先がこれまた何の戦争に関係ない、日ごろ生活のために苦労をしている、あるいは仕事を一生懸命やっている人、あるいは見学者、そういう人を当然犠牲にする、殺すということを覚悟して突入していっているんですから、こういうのはもう信じられませんよ。だれが起こると思いましたか。
 そういう事態にこれからどうやって対処するかということであって、私はそのパイロットの突っ込んでいった心情がどうかといっても、もう理解できませんね。
#202
○大橋巨泉君 いや、私が質問した真意は、むしろ今、ブッシュ大統領初め言っているように、その実行犯よりもそれをやらせたビンラディン以下のテロ組織、これに対して彼らは今攻撃しているわけです。
 ですから、僕が言いたかったのは、突っ込まされた人たちを行かせた人間と行った人間、つまり特攻隊と特攻隊を戦場に行かせたその旧軍の、要するに軍の上層部ですね、この人たちははっきり分けるべきだという意味で言ったんですが、最後に一つ。今、だれが信じられますかとあなたはおっしゃいました。何回も、今回の想像を絶したテロとおっしゃいましたが、私の友人のアメリカ人ははっきり、ほとんどの人はCIAのミスだと言っています。これは十分予測できた。想像つかないと総理はおっしゃるけれども、トム・クランシーの小説にまで出てくるわけです。あれは日本人が行くんですけれども、ホワイトハウスに。でも乗客はおろしていくんですが。ということは、あれほどの情報大国のアメリカが想像できなかったとは僕は言えないと思うんです。
 やはり情報関係者の大きなミス。あるアメリカ人はコンプレイセンシー、つまりむしろ自己満足、怠慢だとさえ言っていますけれども、それでも想像を絶したことだと、夢にも思いませんでしたか。
#203
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、あの事故が起こる前はこんな事故が起こるとは夢にも思いませんでした。しかし、終わってから、たしかだれかがこういうのを似たようなことを小説にしているよというのを見せられました。そういうことで、今ではああいうことを予測できたんじゃないかという方もおられますけれども、私はあの事故が起こる前には、まさかこんなことが起こるなんというのは夢にも思いませんでした。
#204
○大橋巨泉君 一応テロ関係はここまでにいたしまして、先ほどの特攻隊の話をしたのは、総理がいつも、先ほどもお答えになりましたが、繰り返しますが、八月十五日に靖国神社に参拝すると、あれほどこだわった真意をお答えください。
#205
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは何回もお答えいたしておりますように、私は今日の日本の平和と繁栄というのは、あの戦争で心ならずも命を失わざるを得なかった、戦場で命を落とさなきゃならなかった人たちの犠牲の上に成り立っているのではないかと。そして、二度とあのようなむごい戦争を起こしてはならない。まず戦没者に対する哀悼の念と、そしてこのような悲惨な思いをさせた戦争というものは二度と起こしてはいけないという気持ちで靖国参拝したわけでございます。
#206
○大橋巨泉君 それでは伺いますけれども、総理は自民党総裁選のさなか、四月十五日の夜、自民党参議院議員で日本遺族会の副会長である森田次夫氏の杉並の自宅に電話したという情報がございますが、本当でしょうか。
#207
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何日にだれに電話したかというのは覚えておりませんけれども、いろいろ支援者に対して支援要請をした、電話したことは覚えております。また、遺族会の皆さんには、私は靖国神社に参拝しますというようなことを言ったことも事実でございます。しかし、何月何日、だれにというのは覚えておりません。
#208
○大橋巨泉君 八月九日の朝日新聞にははっきり、あなたが森田さんに、私が総裁になったら必ず八月十五日に靖国神社に参拝します、森田さんは、ありがとうございますとお答えになったと出ています。そしてさらに、時期が時期だけに言わずもがなだったと森田さんは朝日新聞の記者に言ったそうです。そして、翌日十六日に、総理は奈良県三宅町の中井澄子遺族会会長にも同様の電話をなさっている。そして、翌十六日に、各都道府県の遺族会会長を通じて遺族会会員に伝えられました。
 遺族会の自民党の党員は十一万人、十一万票のお礼に約束を守ろうとしたと僕は理解いたしますが、違いますか。
#209
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は別にお礼のためにお参りするということじゃなくて、もとから持っている気持ちを表明したわけでありまして、支援者のために靖国神社に参拝するという、そういう気持ちではございません。
#210
○大橋巨泉君 ただ、今私が申し上げたような事実はあったことはお認めになりますね。
#211
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう気持ちであったということは事実でございます。
#212
○大橋巨泉君 いや、電話のやりとりなどあったということはお認めになりますね。
#213
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 遺族会関係者に電話をしたことは事実でございます。
#214
○大橋巨泉君 事実を認めていただければそれだけで結構です。あとは国民が判断することだと思います。
 さて、私は今回こういうことで参議院議員に立候補いたしましたが、昨年、それまで拘束式だった比例代表区の選挙方法を非拘束式になさって、野党は反対したんですけれども、多数でお通しになった。通ったんですから仕方がないんですが、通ってそれを実際は実施するんでしたら、それなりのスムーズに選挙が行われる対策を講じるのが政府の使命だと思うんですが、私、立ってみて驚いたのは、七万枚ポスターをもらって、張れといったって張るところがないんです。それはそうですよね。この前は十四の政党だけだったのが今度は二百九人立ったわけですから、ちゃんと正式に公平に平等に置くところがない、張るところがない。おそば屋さんに頼んだり、おすし屋さんに頼んだり、全国から僕のホームページに来た方に、ボランティアの方に張っていただいたり、それでも半分残りました。
 ところが、高祖憲治さんを初めとするああいう特殊な団体の支持団体から出た人は足りなかったそうです。大橋巨泉でも半分余ったんですから、もう千枚ぐらいしか使えなかった人がいたって聞きました。
 これで選挙は平等に行われるとお考えですか。
#215
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 選挙をやってみられるとわかると思うんですが……(「マイク、マイク」と呼ぶ者あり)マイク入っているの。入った入った。
 選挙をやってみるとわかると思うんですが、選挙というのはいろんな方が出るんですよ。強大な全国的な組織から応援される方、あるいは小さな組織から応援される方、どんな組織もない、しかしテレビに出て顔を売っている方、テレビにも出ないで全然顔が売られていない方、いろんな方が出るんですよ。最終的には国民が選ぶわけですよね。それで決まっていくのが国会議員ですから、どういう組織にあるから出ろとか、どういう組織じゃないから出れないとか、なかなか最終的には選挙民、有権者が決めるわけですから、なかなか難しいですね。それで、その時勢に合った、その選挙制度に合った人が当選してくるんですね。それはやっぱり選挙制度の宿命じゃないですかね。
 選挙で出たから決して優秀なわけでもない。国会議員になったといっても、ならない人の中に優秀な人たくさんいますよ。ところが、それは選挙が苦手なだけであって、選挙運動が嫌いだ、選挙運動が苦手だけれども、選挙運動が好きで当選してくる人よりもはるかに優秀な人がたくさんいますよ。しかし、選挙を経ないと国会議員になれない。これがやっぱり民主主義なんですね、残念ながら。
#216
○大橋巨泉君 いや、僕が伺っているのはそれじゃなくて、やはり平等にポスターを置く公式な場所をこの選挙制をとった限り政府はしなきゃいけないんじゃないかと伺っているんです。
#217
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう一定の場所にしかポスターが張れないというのも一つの公平な方法でしょう。あるいは、勝手に自分で張りなさいと、枚数の制限をやれというのも一つの方法でしょう。幾つかの、演説会を勝手に決められるよりも好きなだけやりたい人がいいというのもたくさんいますから、制限されるのが嫌だという人もいますから、それぞれの国の、あるいは地域の選挙の、市会、県会、国会、参議院、違ってくると思いますね。それはどれが選挙運動としてあるべき姿かというのは、やっぱり国会議員でも地方議会でも決めているわけであって、どれがどれでなければならないというのはその時々の事情によって違ってくると思います。
 現に、参議院の全国区のころ私も知っていますけれども、この全国区じゃ一人で全国を相手にするのはもう残酷区だということで比例名簿にしたんですよ。いいな、これでいい制度ができるなと思ったら、比例制度というのは出たい人よりも出したい人を出すんだと、何回か運営してみたらとんでもないですよね。出たい人は出ない、出したくない人が出てくる場合もある。そして、もう順位を決めるのに、各政党、すさまじい争い。同じ制度というのは思うようにいかないなというものを何回も考えていますよ。感じますよ。しかし、その都度いいと思ったのは思うように趣旨どおりに発揮できない場合もあるので、だからこそ完璧な選挙制度はないと言われるゆえんだと思うんです。
#218
○大橋巨泉君 でも、やはりベストのものを考えて、いろいろ政府も考えていらっしゃると思うし、この非拘束式名簿方式というのは必ずしもベストではないと総理もお考えですね。──はい。
 それで、どうしたらいいかということも考えるべきだと思うんです。私は、一つは道州制みたいな形のブロック方式、これならば残酷区にならないだろうし、そんなに金も要らないだろうし、もう一つは、せっかくIT、前の総理大臣からもうIT、ITですから、このIT時代を利用してインターネットを使ってやれば全国区も不可能じゃないんじゃないかと。あの残酷区とか五当四落とか言われた時代はインターネットないですから。このインターネットを使った全国区方式というのはかなり平等だと思うんですが、いかがでしょうか。
#219
○国務大臣(片山虎之助君) 今、大橋委員御指摘のように、現行の公職選挙法ではインターネットを使ったホームページや電子メールで選挙運動をやることは禁止されていると、こういう解釈、運用なんですね。
 そこで、今お話しのように、五年後には世界で一番進んだIT国家にする、IT革命の推進を力いっぱいやろうと、こういう時期ですから、やっぱりインターネット利用というのは私も考えなきゃいかぬと思います。ただ、今のいろんな状況を考えますと、匿名性で大変な悪用をされるおそれがあるんですね、いっぱい。いろんな混乱が起こる、非難中傷がもう盛んになると。
 そういうことで、総務省の中にこのインターネット利用の研究会をつくりまして、きょう実はその立ち上げの初日なんですよ。ぜひそこで専門的な立場からいろんな御議論をいただいて、ぜひそれを選挙運動に取り入れたいと、こう思っておりますが、いずれにせよ、選挙制度は、総理の答弁にもありましたが、各党各会派が十分この国会で御議論いただいて結論を出していただくというのが今までのやり方ですから、ぜひそれもよろしくお願いいたしたいと思います。
#220
○委員長(真鍋賢二君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#221
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。大橋巨泉君。
#222
○大橋巨泉君 先ほど時間がなくなってしまいましたので、選挙法に関するのを一つだけもう一つ。
 今回のテロについても、総理はいつも自由と平等の民主主義を守るためにということを何回もおっしゃっていますが、やはり民主主義社会においては機会の平等というのは大事だと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
#223
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうですね、機会均等、これは大変大事な原則だと思います。
#224
○大橋巨泉君 そこでですが、日本は石を投げれば二世議員に当たると言われるぐらい、世界では異例なことなんです、これは。僕の住んでいる外国へ行っても、おやじも議員、せがれも議員というのは例外的な存在で、総理のことを言っているんじゃないですよ、その一例なだけなんですが。やはり今の日本の、特に小選挙区制では、父親の地盤を継いで出るということは、ほかにいろんな出たい人がいても非常に不利であると。
 もちろん、議員のせがれさんに被選挙権もあるし、選挙に出る自由はあるわけですが、少なくとも親とか、そういう一親等というんですか、一親等の地盤からの立候補みたいなものは機会の平等に反するんで、制限するというようなお考えはありませんか。
#225
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは最終的には選挙民が決めることであって、私は、制度というよりも有権者の意思がそう決めるんだから、そこまで制限する必要ないんじゃないかと思っております。
#226
○大橋巨泉君 うちの党首の鳩山さんも三代続いた議員ですが、あの方はお父さんの地盤から出ていないんですね。北海道へ行って、この間落ちそうになっていましたけれども。
 ですから、僕は、出るなと言っているんじゃなくて、同一選挙区というのさえある程度制限すればいいんではないかと思いますが、何か今いろいろ選挙制度について自民党さんも考えていらっしゃるらしいんで、中選挙区よりもそっちの方を考えていただいたらと思います。
 さて次は、時間も余りないんで、環境問題について聞きたいんですが、今一番問題になっているのは地球温暖化。総理は、御自分の身近で地球温暖化だなと感じたこと、最近ございますか。
#227
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 子供のころといいますか、私が小学生のころ、もっと冬というのは雪が降りましたよね。最近余り雪が降らなくなった。降ったとしても積もらない。そういう点も、だんだん寒くなくなってきたのかなという感じもあるし、夏の暑さ、ことしは特に非常に暑かったですよね。随所で温暖化、寒さが減ってきたなという感じは感じますね。
#228
○大橋巨泉君 環境大臣、いかがですか。お感じになったことありますか。
#229
○国務大臣(川口順子君) 実感といたしまして、最近温暖化が進んでいるのではないかというふうに思っておりますし、現に統計を見ましても、暑い日、二十世紀を通しまして暑かった年というのは、一九九〇年代あるいは一九八〇年代に集中しているということもございます。
#230
○大橋巨泉君 私、一応環境委員をしておりますんで、これだけはどうしても入れたかったんですが、私も大体、総理や川口さんぐらいのつもりだったんですが、ことしの夏、選挙が終わってから、あんまり疲れたんで山中湖へ三日ぐらい行っていたんです。そのときに、タクシーの運転手さんに、ああ巨泉さんしばらくですねと言うから、僕は二十年ぶりだと言った。二十年前に11PMの撮影で、氷を割ってアイスフィッシング、ワカサギ釣る、あれで来たんですよと言ったら、いや、巨泉さん、もうこの十年間、山中湖はアイスフィッシングなんかできませんと。ひどい年は氷張りませんて、あの山中湖で。ということは、ああ、これはすごい温暖化なんだなと実感いたしましたが。
 さて、その京都議定書の問題のときに、総理は、これはアメリカを置いていけないんだと、忍耐強くアメリカを説得していくんだとおっしゃっていましたが、今でもそのお考えでしょうか。
#231
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題では、何とかアメリカの協力を取りつけることが温暖化防止に最も効果的な方法だと考えて、懸命に説得しております。
 特に川口環境大臣に、いずれ答弁していただきますが、あの七月、サミット前後での世界各国との協議、もう徹夜に徹夜に次ぐ協議、何とか各国が合意できるような方法はないものかと努力していただき、いまだに私は、アメリカも何かいい案を出してくれと日本政府としては催促もしております。
 最終的には、一番温暖化の要素の、いわゆる関係ガスといいますか、それを出しているのはアメリカでありまして、このアメリカが協力してくれないと効果が随分小さくなってくるものですから、発展途上国、アメリカ、各国が協力できる方法はないかと、まだあきらめないで、粘り強い努力を続けていきたいと思います。
#232
○大橋巨泉君 そのお考えは大変甘いと思います。
 今、ブッシュさんの片腕と言われているコンドリーサ・ライスという補佐官がいますね。これはもう大変な、十五歳で大学に入ったという大天才なんですが、この人は、この人の持論としてはっきり、アメリカの経済にマイナスになるようなことはしない、各国の妥協で実効性のないようなものにはサインしない、これが彼女の基本方針で、ブッシュさんは彼女の言うことをちゃんと守っていると事実が伝えています。この京都議定書だけじゃなくて、世界人種差別撤廃会議、核拡散防止条約、小型武器売買禁止条約、これなんかに対する態度を見ても、絶対にアメリカの経済の不利益、アメリカの不利になるようなことはやらない。
 ということは、今、総理がおっしゃったように、一番出しているのはアメリカですから、あれを、京都議定書にサインしちゃうと、アメリカの経済、大マイナス。やらないと思いますが、いかがですか。
#233
○国務大臣(川口順子君) アメリカは、先ほど総理がおっしゃられましたように、最大の排出国でございますので、私どもは、日本だけではなくて、実はほかの国もアメリカに向けて、参加に向けて働きかけを行っているところでございます。
 なお、アメリカは温暖化問題については非常に関心を持っておりまして、私が九月の初めにアメリカに行って働きかけをいたしましたときにも、温暖化ガス対策ということで国際的にエンゲージすることが必要だという方向でさまざまな議論をいたしておりました。引き続き働きかけをするつもりでございますし、また二〇〇二年の発効に向けて、来るCOP7で最大限の努力をするつもりでおります。
#234
○大橋巨泉君 いつになったら、アメリカの説得は不可能だと思って、EUその他の多くの国と一緒に、日本が批准すればこれは通っちゃいますから、それに決断するいつがデッドラインでしょうか。
#235
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、日本は二〇〇二年の発効に向けて、来るCOP7の会合で合意に向けて最大限の努力をする所存でございます。アメリカへの働きかけはとことん最後の最後までやる必要があるというふうに思っております。
#236
○大橋巨泉君 聞いているのは、その最後の最後までのデッドラインを伺っているんです。いつでしょうか。
#237
○国務大臣(川口順子君) 最後の最後までと申し上げましたけれども、最後の最後までということでございまして、同時に我が国は、アメリカとの間では、国際的な合意の過程をアメリカとの、働きかけとの関係でおくらせるということはしないということも申し上げております。
#238
○大橋巨泉君 最後の決断は総理ですから、どうぞ総理に聞きます。デッドラインはいつですか。
#239
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは六月で終わった通常国会でも同じような質問が出て、同じような答弁をしたんですよ。あのとき七月がデッドラインと言っていました、みんな。デッドラインになっていないでしょう。最後の最後まで発効に向けて努力する、実にすさまじい駆け引きをやっています。EUも一枚岩じゃありません。よく川口大臣も知っていますけれども、経済への影響、環境への影響、一筋縄じゃないんです。最後の最後まで努力をしたいと思っています。
#240
○大橋巨泉君 時間がなくなってしまったんですけれども、最後の最後までということはよくわかりました。
 それでは後方支援の問題も、最後の最後まで粘り強く各国と話し合って、何も急に拙速に新法などつくる必要はないと、僕はそう思うんですが、いかがでしょうか。
#241
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは全く新しい事態に国際社会が協力してテロ根絶、防止に当たろうとする、これはできるだけ日本の国力を最大限生かして協力したい。そのことが日本の国際社会の中で責任を果たす一つの大きなゆえんであるということからやっております。別に拙速ということじゃありません。できるだけのことをやろうということでございます。
#242
○大橋巨泉君 先ほど言いましたように、外国の新聞を読んでいますと、十一日からきょうまで、フランスがどうした、イギリスがどうした、ロシアがどう答えた、いろんなことが載っていますが、日本がどうしたということはほとんど載っていないんです。総理も言っているように、ブッシュさんはあなたに自衛隊を送ってくれとかなんとか言われたことは一度もないとこの前本会議でおっしゃっていましたけれども。
 ですから、できることをすればいいので、新法をつくらなくてもできる範囲があるのではないかと、私はそう思うんですが、時間が来たのでこれまでにいたします。
 ありがとうございました。
#243
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。浅尾慶一郎君。
#244
○浅尾慶一郎君 若干テロ関係の話をさせていただいて、あとは金融関係の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、経済産業大臣に伺いますが、原子力発電所に対しても警備が必要だという発言をされておられますが、その御真意を伺いたいと思います。
#245
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 従来、こういう同時多発テロが起きなくても原子力発電所の安全を担保するということは国民にとって一番大切なことだと思っています。
 そこで、九月十一日の同時多発テロが起こりまして、私も閣僚懇談会の中でやはりさらに警備態勢を強化する必要がある、こういうことを申し上げまして、そして村井大臣との話し合いを通じて、今、御承知かと思いますけれども、警察庁から各県警に連絡をとっていただいて、そして二十四時間態勢で安全が一番大切な原子力発電所の警備をしていただいておりますし、また国土交通省、海上保安庁の方々も、今全国に二十一カ所五十一基のそういう原子力発電所が稼働しておりますけれども、主に大半が沿岸部にございます。そういったところで巡視船が常時二十四時間海上の方からも監視態勢を敷いてくだすっていると、こういう形で私は原子力発電所のやっぱり安全を確保する、こういうことが一番大切なことだと、このように担当大臣として認識しております。
#246
○浅尾慶一郎君 そこで、警察の力だけで対応できるかということに関して具体的側面から伺わさせていただきたいと思いますが、私も柏崎の原子力発電所へ参りましたが、側面からの影響というのは余り、攻撃を受けてもある程度耐えられるというふうに伺っておりますが、上面ですね、上面に例えばボーイング757機がフルスロットルで入ってきたら、これは恐らく耐えられないと思いますが、その点について警察で大丈夫かどうか、もう一度伺いたいと思います。
#247
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、原子力発電所というのは、今お話にありましたように、大変横からのそういう防護態勢というのは二メートルの大変頑丈な側壁で守られています。ですから、同時多発テロのようなああいう大型の旅客機が燃料を満載にして垂直で落ちてくるというようなことを想定した場合には、やはりこれはIAEAの一つの見解、そういったところから見ても、基本的にそれに耐え得るような設計は、日本の原子力発電所のみならず世界の原子力発電所も、今、委員が懸念を御指摘されたそういう基本設計になっていると思っております。
#248
○国務大臣(村井仁君) 手短に申し上げますが、現在、警察といたしまして、全国十六道府県にございます三十四施設につきまして厳重な警戒、警備を行っているところでございます。
 ただ、今、委員お示しのような形でのテロでございますけれども、これに対しまして物理的に対応するというのはなかなかそれは難しいことだろうと思いますけれども、結局、テロリストに関する情報収集活動を強化するとともに、旅客機等への危険物の持ち込みやあるいは盗難、ハイジャックですとか、そういうものを徹底的に防止すると、そういう体制の方が結局有効だということになると私どもは考えておりまして、さような意味で、関係機関とも十分な連携をとりまして対応に万全を期したいと考えております。
#249
○浅尾慶一郎君 そうすると、今後議論される自衛隊法の改正においては、原子力発電所の警備は含まれないようにした方がいいというふうに国家公安委員長はお考えですか。また、防衛庁長官にも伺います。
#250
○国務大臣(村井仁君) 自衛隊法の改正という形で御提案を申し上げている問題でございますので、私からお答えするのが適当かどうかという点はございますけれども、私どもの整理といたしましては、やはりいわゆる治安に関すること、民間におけるさまざまの施設の安全に関することというのは第一義的に警察が責任を持つべきことであると、このように考えまして、原子力発電所につきましても、いろいろ御議論は確かにございましたけれども、これにつきましては、現在御提案を申し上げております整理では警察で責任を持つという対応で整理をしていると、このように承知をしております。
#251
○国務大臣(中谷元君) 本件に関しましてもいろいろと御意見があるところでございますけれども、基本的には国家公安委員長の認識と同じでございます。
#252
○浅尾慶一郎君 決してそういうことがあってはいけないわけでありますが、現に米国で四機がハイジャックをされておるという現実を考えた場合には、ある程度原子力発電所、大変大事な設備であると思いますが、これの警備を考えなければいけないと思いますが、経済産業大臣は担当大臣ではありませんが、どのようにお考えになりますか。
#253
○国務大臣(平沼赳夫君) ちょっとお答えする前に、数字の訂正をさせていただきます。
 二十一サイト五十一基と申し上げましたが、十七サイトでございました。大変失礼をいたしました。
 私は、先ほども申し上げましたように、原子力発電所の安全を守るということは大変大切なことだと思っています。今、これはもうよく御承知だと思いますけれども、原子炉等規制法によりましてこれは事業者が対処する、こういう形で主体的にはガードマンが防備をしているわけであります。
 そして、今こういう事態の中で、常日ごろも警察との連携は綿密にとっているわけですけれども、今非常にそういう体制が強化されました。しかし、これが警察の警備で及ばないような状況になりましたら、一つは治安出動、こういう形で自衛隊の応援を求める、こういうシステムもございます。そういう中で、やはり先ほど警察庁長官が言われましたように、そういう米国でも現実に四機ハイジャックされたとかそういう問題がありますから、私どもは情報活動を非常に密にしながら、不断のそういう努力を積み重ねながら、やっぱり情報をしっかりと把握しながら、そういうことが起こらない、そういう体制をでき得る限り私どもはとっていかなければならない。
 そういう意味では、今の段階で私どもは、自衛隊というものは治安出動、こういう形で一つのシステムがございますから、そういう中で万全を期していくべきだと、このように思っています。
#254
○浅尾慶一郎君 現に、仮定の問題でありますが、ハイジャックが起きてから治安出動の発動までに時間的な余裕があるかどうか、その点はいかがお考えでいらっしゃいますか。
#255
○国務大臣(平沼赳夫君) それは、確かにそういう時間というのは緊急を要するわけであります。そういう中で、今の体制の中では、私どもとしてはでき得る限りそういう情報を密にしながら緊急に対応する、こういう形で私どもは今のところは最善を尽くさなきゃいけない、そういうふうに私は思っております。
#256
○浅尾慶一郎君 米国のハイジャックのときは米軍が緊急スクランブルをいたしましたが、撃墜をしてもいいという許可がおりておりました。我が国の法規でそういった許可はとれるものでしょうか。
#257
○国務大臣(中谷元君) 米国ですら、今回初めてそのようなROEを設けました。しかし、どのように対処するかということは事の性質上明らかになっておりませんが、我が国でどうするかという点につきましても、一概に飛行機といっても、民間機であるのか、軍用機であるのか、外国の飛行機であるのか、無線のラジコン飛行機であるのか、それぞれ形態が違っておりますし、武装しているか否かという点もあります。
 一般論として申し上げましたら、自衛隊は治安出動によって警備が可能となるわけでありますが、この武器の使用につきましては、あくまでも正当防衛または緊急避難の危害要件に該当する場合においてのみ許されるという点と、航空機の撃墜に至るような武器使用においては、通常航空機に一般の方が乗っておられる場合もございますので、こういう点は重々に考慮をしなければならないわけでございまして、単に法律上の問題のみならず、現実の政治判断の問題もありますので、極めて重くかつ困難な問題で、現在のところはその結論が出ておりません。
 どのようにするか、今後検討してまいらなければならない問題だというふうに思っております。
#258
○浅尾慶一郎君 そうすると、結論が出ていないということは、仮定の話ですが、現在、そうした事態があった場合には対応ができないということですか。
#259
○国務大臣(中谷元君) 一般の法律上の問題と、そして現実の政治判断の問題もございます。そういう意味で、現状におきまして仮定の御質問に対してお答えできる性質のものではないというふうに思っています。
#260
○浅尾慶一郎君 自衛隊法を読みますと、一応その治安出動の場合に武器を使用することはできることになっていますが、私が申し上げているのは、それまでの時間、タイムラグがあるのでなかなか使えないんではないか、したがって超法規的な行為をする前に対応した方がいいんではないかということを申し上げているんですが、その点についての御所見をいただきたいと思います。
#261
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の場合は、法律によって判断し運用されるものでありまして、超法規的な運用につきましてはでき得ないというふうに思っております。
#262
○浅尾慶一郎君 それでは、別途、今度は入国管理の話を法務大臣に伺いたいと思いますが、現在の入国警備官の数とその職務の内容を教えていただきたいと思います。
#263
○国務大臣(森山眞弓君) 現在の入国警備官の数は一千十七人でございまして、入国警備官の職務は不法入国者等の摘発、収容、送還等でございます。
#264
○浅尾慶一郎君 ちなみに、現在、我が国におります不法滞在者の数は何人ぐらいと思われますか。
#265
○国務大臣(森山眞弓君) 現在、不法滞在者と思われる人々の数でございますが、不法残留者の数が平成十三年一月現在で約二十三万二千人と考えられます。そのほか、我が国に潜伏する不法入国者というのも考えられるわけでございますが、その数が約三万人に上るのではないかというふうに考えられておりまして、両方を加えますと不法滞在者は約二十六万人というふうに考えられます。
#266
○浅尾慶一郎君 二十六万人の不法滞在者に成田の入管の人も含めて千十七人で対応できますか。
#267
○国務大臣(森山眞弓君) それは、非常に数は足りのうございまして、少しでも数をふやしてできるだけ必要な措置をしなければいけないと努力しておりますが、決して十分ではございません。
#268
○浅尾慶一郎君 もう一点。今度は外務大臣に伺いますが、入国関係で、国外で日本人のパスポートが年間何件紛失あるいは盗難に遭っていますでしょうか。
#269
○国務大臣(田中眞紀子君) 国外における我が国のパスポートの紛失件数でございますけれども、例えば平成十一年は一万四百十七冊、平成十二年一万一千百二十九冊でございますが、そのうちの約六割は盗難でございます。
#270
○浅尾慶一郎君 盗難に遭うということは、日本人のパスポートが多分価値があるから盗難に遭うわけでありまして、今回の事態を考えても、偽造を防ぐためには本来はパスポートに所持人の指紋等を載せたらいいのではないかと私は思いますが、その点についていかが思われますか。
#271
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員御案内のとおり、現在の日本のパスポートは全面をラミネート紙で覆っているほか、そのほかいろいろの、写真の張りかえができないように、偽造、変造ができないような工夫はされておりますけれども、指紋の問題につきましては本人の確認についてもいろいろの意見もございますので、国際的な例なども勘案しながら検討してまいりたく存じます。
#272
○浅尾慶一郎君 テロについて最後、総理に伺いたいと思いますが、いろいろな、可及的速やかにという言葉はあるんですが、今申し上げた質問の中でも対応ができていない部分もかなりあると思うんですが、その点も含めて今国会でやられるかどうか、御所見を伺いたいと思います。
#273
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロの対応はいろんな各方面にわたっております。そういう点について一つ一つ点検しながら、必要な措置に向けて適切な対応をとらなきゃいかぬと思っております。
#274
○浅尾慶一郎君 それでは、テロがなければ経済関係あるいは雇用、金融というのが今国会の主だったと思いますが、その問題に入らさせていただきたいと思います。
 まず、金融担当大臣に伺いますが、足利銀行は政府が入れた優先株に対して配当をしないというふうに言っておるようでありますが、配当をしなければなぜ議決権を行使しないのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#275
○国務大臣(柳澤伯夫君) 足利銀行につきましては、先生今もおっしゃったように、公的資本が注入されているわけでございます。
 そして、そのときに経営健全化計画というものを政府に提出をしてもらっているわけですけれども、その見直しの時期が本年八月に参りまして見直しをしたわけでございます。そして、本年度末、つまり来年の三月末の財務状況を想定いたしましたところ、優先株式に対しまして無配の見通しになったということでございます。まだ見通しの段階ということでございますので、商法の規定するところに従いまして、今段階で議決権を行使する云々という状況にはなっていないということでございます。
#276
○浅尾慶一郎君 いえ、そうではなくて、商法の規定するとおり、無配になった場合には議決権を行使されるんですかどうですかという質問です。
#277
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは当然もう必要的に発生する事態でございますので、その議決権を行使するということになります。
#278
○浅尾慶一郎君 その場合には、二点ありますが、議決権を行使してそれを普通株に転換されますか。
 それから二点目の質問は、経営陣の責任を追及されますか。
#279
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、ちょっと事態を明らかにしておきたいんですけれども、多分、来年度の直後のいろんな財務の方針について議決をする株主総会で議決権が発生する事態になろうと思うんですけれども、一応商法の規定では、優先的配当を受ける旨の議案が提出されない場合にはまさにその総会から議決権が発生しますけれども、この議案が、優先的配当を受けるという議案が否決されたという場合には、その次の総会からということになるというような若干技術的なことが前提になります。
 そういう前提でお話を申し上げますと、まず一つ、転換権を行使するかということについては、現在、再生委員会当時、優先株の普通株への転換について方針が示されておりまして、これはただに配当がなかったということにとどまらず、著しい過少資本行にという状況に陥ったときに、普通株で公的資金を入れるということとのつり合いでそういう事態かなというような形での方針が示されているということがございます。それはもちろん方針不変というわけではなくて、改定すれば幾らでも改定できるわけでございますが、今のところそういう方針が示されているということをあえて申し上げておく次第です。
 それから第二番目に、経営者の責任の追及があるかということでございますけれども、これについてはある意味で当然のことということで、そういう事態がかなり現実性を帯びてくるというようなことを控えまして、我々としては諸般の行動を進めているということを申し上げさせていただきます。
#280
○浅尾慶一郎君 最近の報道によりますと、かなりの数の破綻懸念先に該当するものが実は要注意先になっているというようなことがいろいろなところで報道されておりますが、その中で破綻懸念先になると貸し出しが行いづらいので要注意にしているというようなことも報道されておりますが、現実論としてそういうことはあり得ますか。
#281
○国務大臣(柳澤伯夫君) 破綻が懸念されるというようなところに漫然と貸し出しを続行するということになると、やはり刑事上の責任を追及されたりする可能性もこれは否定し切れないというふうに思います。そういうようなことで、今、先生が御指摘になられるように、融資を、特に残高維持以上の融資を行うということは非常に難しくなるという経営者がいらっしゃるということは私もじかに聞いたこともございます。
#282
○浅尾慶一郎君 次に、今のお話と絡めてですが、最近の不況の結果、不良債権がふえたというふうに認識をされておられるかどうか、その点をちょっと。ふえたとすれば大体、すごくふえたのか、いやちょっとふえたのかというのをちょっと教えていただければと思います。
#283
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の状況をいろんな切り口から分析することを我々当然のことながらやらせていただいているわけですけれども、例えば緊急経済対策等でオフバランス化の対象にするというのは、先生御承知のとおり、破綻懸念先以下ということにいたしておりまして、特にそのあたりの区分に分類される債権の動向についてはアンケート調査等でかなり詳しく見ているわけでございます。
 そういうところからも明らかになってきたわけでございますけれども、十二年三月末の破綻懸念先以下の債権は、ほぼ十四兆であったものが十三年三月末には十二兆、ほぼ十二兆というように見かけ上減っているわけでございますが、その中身を調べてみますと、オフバランスがほぼ七兆あったのに対して新規発生がほぼ五兆というようなことで、新規発生のレベルもなかなかのものでありますので、率直に言って、残高としては減少を見ているけれども、中身的に見て依然として、特にこの破綻懸念先以下ということになるとほとんど業況の悪化に起因するものが多いと私は思いますので、そういう意味では新規発生が絶えない状況にあると、こういうふうに認識をしているということでございます。
#284
○浅尾慶一郎君 新規発生が絶えないというのは会計上そうなんですが、私は実はそれをあえて、先ほど言われたように、要注意にしていたものが破綻懸念になっているケースが多いんではないかなというふうに思いますが、その点について、何かあれば伺いたいと思います。
#285
○国務大臣(柳澤伯夫君) この要注意になっていたものが事業の、その貸出先の事業の実態は変わらないんだけれども分類が変わるということを先生おっしゃっていらっしゃる……
#286
○浅尾慶一郎君 破綻懸念を要注意にしていたのが……。
#287
○国務大臣(柳澤伯夫君) いずれにしても、認識が変わる、実態は変わらないと、こういうケースでございます。
 この点はどういうことで起こり得るかといえば、一番端的に起こり得るのは検査で指摘されるというケースがあるわけでございますけれども、これもまあないわけではないと。当然検査結果というのを我々最終的には報告を受けて知っておりますが、それがないわけではないんですけれども、しかし、さっき言った五兆近く、四・七兆の新規発生の主たる原因というのは、そういう認識の変化よりもむしろ実態の変化の方が我々は多いと、こういう認識を持っております。
#288
○浅尾慶一郎君 それでは具体的なケースに即して質問をさせていただきたいと思いますが、先般、マイカルが破綻をいたしました。そのマイカルに対して旧日本長期信用銀行あるいは日本債券信用銀行が貸出金を持っていたと思いますが、これが政府に戻ってくると思います。それぞれに対する引当金を教えていただきたい。政府が、これは引当金は税金で積んだお金でありますから、債権の元本額と引当金の額を教えていただきたいと思います。
#289
○国務大臣(柳澤伯夫君) マイカルは現在、民事再生手続の開始の申し立てを行っておりまして、当該手続が進行しているという認識でございますけれども、現時点で新生、あおぞら、今、先生の御指摘になられた、一度特別公的管理下に置かれた銀行がどういう経理処理をしておったかということでございます。これについて申しますと、新生銀行はマイカルに対して債権を所有しているということはございまして、その残高は約百二十兆円、大変失礼しました、百二十億円、もちろんのことでございます、百二十億円ということでございますが、あおぞらについては、私ども現時点で融資残高があるという認識をいたしておりません。
 それから、それに対していかなる債務者区分であったか、あるいは引当金であったかということでございますけれども、これは、大変恐縮なことでございますけれども、新生、あおぞら銀行というのは現在まだ、まだではなくて、現在まさに蘇生をして生きて活動している銀行でございますので、それがどのような債務者に対して区分をしているか、引き当てをしているかというのは、やはり監督官庁の立場で、ある意味で勝手に開示をするというのは適切を欠く、したがって答弁は差し控えさせていただくほかない、このように存じております。
#290
○浅尾慶一郎君 実は、昨年そごうが破綻したときにはもう新生銀行になっておりました。政府がそごうに税金で引き当てた金額及びその想定元本額もすべて開示をしていただきました、破綻申請直後に。なぜ今回はできないんですか。
#291
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、もう既にすべて明らかになった、つまり新生銀行の側もみずからがそういう状況を裁判所のかかわりのもとで明らかにしてしまっておったという状況であったというふうに存じます。まだ、今回の場合には新生銀行は別にマイカルについていかなる債務者区分であったか、あるいは引き当てが幾らであったかということをみずからは明らかにしていないという認識であります。
#292
○浅尾慶一郎君 私が当時の金融再生委員会の事務局からその数字をいただいたのは、そごうが民事再生法を申請した四日後であります。ですから、明らかになっているはずはないと思いますので、もう一度御答弁願います。
#293
○国務大臣(柳澤伯夫君) 失礼しました。若干議論混乱いたしました。
 これは、開示をしたのが既に新生銀行が預保にいわゆる解除権を行使した後であったということで、両方ともが、片方は破綻の企業であった、片方は公的機関であった、こういうことで開示をしたということが経緯でございます。
#294
○浅尾慶一郎君 個別のマイカルの話云々よりも、もう少しこのグラフを使って説明させていただいた方がわかりやすいかと思います。(図表掲示)
 これは旧長銀の財務諸表から抜粋したものでありますけれども、譲渡直前に税金で、一番下の右側ですか、四千六百七十五億円投入をしておるわけであります。この中には、この括弧で入っていますそごうグループも入っておりますが、そのほか今御質問させていただいた幾つか、巷間では要注意先と言われているものが入っているんではないかということで、別にその個別をのぞき見的に見たいということではなくて、その当時から政府は五割も積まなければいけないとわかっていたんじゃないですかということを質問させていただいているんで、ぜひお答えいただきたいと思います。
#295
○国務大臣(柳澤伯夫君) この表は平成十一年三月末、つまり破綻の直前の期末の決算ということでございます。それに対して平成十二年二月末の見込みというのは、譲渡を目前にした、まあ譲渡時と言っていいかと思うんですが、その貸借対照表でございます。
 これが、先生、きれいに整理していただいているように、一般貸倒引当金と個別貸倒引当金に分けまして、そしてむしろ十一年三月末は一般貸倒引当金が少なくて、つまり債務者区分からいえば要管理先以上の残高が少なくなって、破綻懸念先以下の個別貸倒引当金に対応する部分が多くなったと、こういうことであるわけでございますが、これはどうしてこのようなことが起こったかといえば、一つには、もちろん時期による資産の劣化ということも起こったと思うんですが、それと同時に、ここで本当に、やや時日的なことになるわけですけれども、十一年三月末はまだ検査マニュアルというものができていなくて、いわゆるこれは一斉検査が行われたというものでございます。それに対して十二年二月末は、十一年の七月にできた検査マニュアルに基づいて、したがって厳格化という意味ではより厳格化されたものですけれども、そういうもので見たときに、このように個別貸倒引当金を積まなければならない債権の額がふえたと、そしてマニュアルに従って個別貸倒引当金が積み上げられた結果、このような状況になったと、こういうふうに認識をいたしております。
#296
○浅尾慶一郎君 その当時ですね、その当時というか平成十一年七月九日ですか、まあ二年前、当院の金融問題及び経済活性化に関する特別委員会で質問をさせていただいております。これは何回か柳澤さんに質問させていただいておりますからよく御存じだと思いますが、つまり、マーケット、先日、総理もおっしゃいましたが、マーケットが信用していないんだと。だから、問題のあるものは引き継ぐべきではないというような議論もありましたが、もしかしたら問題のあるものをリップルウッド等に買ってもらうために税金でもって持参金をつけるようなことはありませんね、引当金に該当する持参金をつけることはありませんねと質問をさせていただきました。そんなことはないと。だったら、仮に引当金が、個別貸倒引当金というのはおっしゃるように破綻懸念先にしか該当しませんから、ふえるようなことがあったら、破綻懸念先は引き継いじゃいけないわけですから、そのときは適とされた企業が不適となった理由を個別の企業名も含めて明らかにしてくださいというふうに申し上げたんです。これは「当然のことと心得ております。」というふうに御答弁をいただいておるわけです、柳澤大臣に。
 私は、これ聞きたいのは、その当時から政府はわかっていたんじゃないですか。それを明らかにしないと、もしそうでないのなら、それを明らかにしないとマーケットは決して信用しませんよというふうな思いがあるものですから、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。
#297
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、浅尾委員が御自身でも今おっしゃられたとおり、もう何回も議論をしている箇所でございまして、ある意味で私のフォールトもあるわけでございますけれども、あえて申し上げますと、そのときの議論の、私ここに議事録持っておるわけですけれども、議論の焦点というのは、ある新聞が報道したものが、浅尾先生、きっかけとされまして、一兆円ぐらいの根拠のない引当金を積んで、それを持参金に持たせるんではないかということが論議の焦点でございました。
 そこで、何回かの浅尾委員とのやりとりが確かにあるわけでございますけれども、私といたしましては、要するに根拠のない引当金を積んで、そして持参金にするというようなこと、あるいは貸し倒れに対して甘い査定の、それこそ貸し倒れに対して予備的に引当金を積んでおくというようなことはもうありませんと、そういうことも当時は言われていたんです。
 つまり、二次ロスに対してどういう対応をとるかというのが専ら我々の関心の的でして、一つは持参金方式があるじゃないか、あるいはロスシェアリング方式があるじゃないか、あるいは、私どもは最終的に選択したんですが、瑕疵担保責任の法理を応用するというようなことがあるじゃないかというようなことで、いろんな議論がそこで行われていたときに、持参金方式の可能性があるのかという議論が専らそのときのテーマでございました。
 それに対して、私はそういうことはしないと。つまり、引当金というものは一般に公正妥当と認められる会計基準、それからまた新しくつくられた検査マニュアル、そういうようなものに基づいてきちっとやりますということを申し上げたわけでございます。
 そして、ただそれを余りにも申し上げ過ぎたら、浅尾先生はもう非常に血のめぐりのよろしい方なものですから、先回りをされて、じゃふやさないんですねと、こうおっしゃられそうだったものですから、それは私はあの当時の議論から、大変失礼な言葉を使いまして、訂正もし必要だったらいたしますけれども、あの当時から現実の譲渡の時点までというのは若干の日にちがあるわけでございまして、この時間の経過に従う資産の劣化、経済状況の変化による資産の劣化であるとか、たまたまその間で起こってしまったんですが、いわゆる検査の基準の変更というようなものというものが、そこまで私は想定しておりませんでしたけれども、そういうことになると引当金がその一斉検査の対象になった年度の末のままでいるということにはなりませんよと、こういうふうに御答弁を、ちょっと私も用心が深かったかもしれませんが、そう申したんです。
 そうしたら、そこにまた浅尾委員は非常に鋭く切り込んでこられまして、結局、それではということで、「その理由を」と、こうおっしゃったんですね。そのふえた理由はどういう理由か、今、私、まさに言ったわけですね、理由を明らかにするんですねと。ただ、そのときに浅尾委員がどのぐらいの音量でこれを言われたかというのまでは議事録からはあらわれていないんですが、「その段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて」という挿入句を入れられたわけでございまして、私はそこを聞こえていたのか、多分聞こえていなかったので、非常に短い言葉で「当然のことと心得ております。」というふうに言ってしまった。この「含めて」に注意を払わなかったということは何回もおわびを申し上げますが、ここでもさらにおわびを申し上げる次第でございまして、それは開示することが適切というふうには私ども認識しておらないのでございます。
#298
○浅尾慶一郎君 今、検査の基準が厳しくなったというふうにおっしゃいました。(図表掲示)
 この当時、元本、個別貸倒引当金を含んでいる元本が一兆円ぐらいですね。総貸し出しが八兆円です。その前が二千百四十億円ですから、貸出金の一割が、ほかの銀行で一年間で劣化したところはありますか。あるいは検査の基準が厳しくなったから劣化したところはありますか。
#299
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、突然の御質問ですから、私、全部のデータを見ることも当然できないわけでございますけれども、そういうことはないだろうというふうに思います。
 ただ、最近において非常に目立ったことが一つ起きましたので、それをちょっと御参考にまで申し上げておきますけれども、これは、要管理先、つまり要注意先から要管理先への遷移、移りかえでございますけれども、区分がえでございますけれども、こういうことが、たった要管理先の条件変更の、基準というものを若干変えただけで、かなりの数字、金額でもってその評価がえと申しますか遷移が起こったということはありまして、私もそういう対象になる取引がそもそも多かったということの反映でもあろうかと思うのですけれども、そういったことでその金額の多さに驚いたということはございます。
#300
○浅尾慶一郎君 要するに、私が申し上げたいのは、政府は長銀の譲渡のときにはこれは何としても売らなきゃいかぬ、だから引当金を多く積んでいる、しかしながら、ほかのケースの場合には引当金を多くするとこれは困ってしまうからダブルスタンダードでやっているんじゃないですかと。それをそうじゃないと言うのだったら具体的にわかりやすく国民の皆さんに説明してくださいという話です。
#301
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうふうに思っていただきたくないということが結論でございます。
 というのは、長銀というのはかなりある意味で貸出政策ということについて申しますと特異な面を持っておったようでございまして、非常に大口の債務者、数社の大口の債務者の融資比率が非常に高かったということでございまして、これらの債務者の悪化によりまして金額的に非常に今、先生御指摘のように一割ものというお話でございますが、そういうことが起こったということでございます。
 通常の金融機関というのは、これはもう大口規制等のリスク管理のシステムも守られているわけですけれども、同時にそういうことに気をつけた貸し出しをしているというのが通常の形だと思います。
#302
○浅尾慶一郎君 わかりました。
 それでは総理に伺いたいと思いますが、今担当大臣、問題ないということでありますから、ペイオフの延期はありませんね。
#303
○国務大臣(柳澤伯夫君) つまり、この前から非常に議論になっておりまして、これは衆議院でございましたか、民主党の委員の方から、長銀、日債銀、あるいはその他地方銀行、第二地銀が倒れた中で、預金者あるいはその他の債務者を守るために、欠損の補てんのためにいかに巨額の、まさにこの場合には税金です、税金が費消されたかということの御指摘があったわけでございますけれども、私どもは、そういうことというのはまさにシステム全体が揺らぐというような極めて異例の事態に対する対処策でなければならない、このように考えております。
 やはり、金融機関といえども一般の民間企業でございます。もちろん預金者は保護されなければならないということで、預金については預金保険というものも制度として組み込まれているわけでありますけれども、もしそういうものが経営に失敗した場合には債務者も一定のその損失の負担をするという原則がなければ、これはもういろんな面で私は弊害だらけのシステムになってくるだろうと、このように思いまして、私は、経営者の皆さん、それからまた預金者の皆さんも同様でございますけれども、あと半年を切ったわけですが、皆さん厳しい認識を持たれて経営に当たる、また預金者の方も用心なされるというようなことでペイオフの時代に入っていくべきであると、このように考えております。
#304
○浅尾慶一郎君 わかりました。
 それで、ペイオフの時代に入る前に、もし問題があるとすれば私は思い切って経済構造改革、不良債権処理と経済構造改革は多分コインの裏表だと思いますが、それを進めるべきだと思いますけれども、竹中経済担当大臣、その点について御所見を伺いたいと思います。
#305
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、浅尾委員御指摘のとおり、経済に対して政府がさまざまな形で介入するということは排除すべきであって、そういう形を通して市場の活力を通じた構造改革を進めるべきであるというふうに考えておりますので、今、柳澤大臣が申し上げたことに全く同意しております。
#306
○浅尾慶一郎君 ぜひ、同時に、マーケットが持っている不信と私は思いますが、今のような数字を見てもおかしいんじゃないかというようなことも含めて、解決していただけるようにお願いをしたいと思います。
 もう一点、日銀総裁もお越しでいらっしゃいますので、今、経済が悪くなっている原因の一つにデフレだと言われておりますが、デフレの原因は、例えば中国が世界の工場になっているというようなこと、世界の全体のグローバルマーケット化の要因と、それから日本の不良債権あるいは土地の資産デフレの部分と、その要因としてはどちらがどの程度の比重にあるかという点をお答えいただきたいと思います。
#307
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 いろいろ見方があると思いますけれども、日本でここ数年来、物価の下落の背景に需要面と供給面の原因があると思います。
 供給面と申しますのは、例えば経済のグローバル化を背景にして、アジアなどから安い輸入品がどんどん入ってくる、また、これを受けて国内の輸入競合の商品が価格を低下せざるを得なくなってきている。それから、流通がかなり合理化されて、従来のしにせがむしろだめになって、新しくできた若者向きの輸入品を直接売るような店が非常にはやってきて価格が低くなってきている。そういう商品やサービスの価格が低下しているということは、数字でもかなりはっきり出ております。
 消費者物価の動向をここ数年チャートで見ますと、平成十一年の終わりぐらいから少しずつ下がり始めて、それまでは大体ゼロだったんです。少しずつ下がり出してきて、ここへ来て生鮮食品を除く消費者物価は〇・五から〇・八、九%ぐらい前年比、下がってきたわけですね。そのうち、いわゆるサービス部門、サービス産業では価格は横ばいでございます。
 商品、これは農水産物を除きますけれども、商品が〇・八から〇・九ぐらい下がっているわけです、前年比。この商品の中で、物の中で、輸入とそれから輸入の競合商品というのが前年比マイナス二・三、下がっております。その他の商品はマイナス〇・五ぐらい。ですから、物価が下がっている、この表で見る限りでは、主な原因は、輸入ないし輸入競合商品が物価を押し下げているということが言えようかと思います。
 しかし、それだけでなくて、やはりここへ来て、最近物価の下落については、需給のアンバランスといいますか、需要不足による影響が大きくなっていることをやはり認めざるを得ないと思うんです。
 日本銀行は、物価が継続的に下落することを防ぐべく、断固たる決意のもとで思い切った金融緩和策を講じているわけですが、さまざまな構造問題が残っている状況では、金融緩和だけでは物価の下落を回避することは困難でございます。物価の下落を防止するためには、経済の構造改革を通じて、企業の前向きな設備投資活動とか家計の消費意欲というものを引き出していって需要が喚起されていくことが必要だと思います。こうした取り組みが進んでいけば、これと、日本銀行が行ってまいりました思い切った金融緩和策との効果が相まって、デフレ対策として大きな力を発揮していくものと考えられます。
 もっとも、端的に申せば、物価というのは、世の中にある財とサービス、これと、これに対して金回りといいますか、流動性と言っておりますが、財・サービスと流動性との交換比率で決まってくるものですね。流動性をふやし続けていけば必ず流動性が過多になって、いずれインフレになる時点が来ることは間違いないと思います。その時点がいつ来るかということは、なかなか今この時点で見ることは難しい。
 私の戦中戦後の体験から見ても、これだけ大量の流動性を供給しているということは、いずれ何らかを契機にしてインフレに火がついて燃え広がる、スピードが速く燃え盛るということも起こり得るわけなので、このような懸念をも十分頭に置いておくのが中央銀行の責任であると考えております。
#308
○浅尾慶一郎君 今の総裁のお話を私なりに理解いたしますと、前向きの経済構造改革というのは、日本の中において国際競争にさらされている自動車や電気はこれは生産性も高いと思いますが、そうでない業種において前向きの構造改革をやるべきだというふうに理解いたしましたが、そういう理解でよろしいでしょうか。
#309
○参考人(速水優君) おっしゃるとおりでございます。
#310
○浅尾慶一郎君 ここで竹中大臣、所管だと思いますが、伺わさせていただきたいと思いますが、旧経済企画庁ですね、内閣府経済社会総合研究所のデータでありますけれども、産業分野別の一人当たりの雇用者所得、お配りしてあると思いますが、見ていただきますとわかると思うんですが、最大、一人当たりの雇用者所得が一番大きくなるのが公務員、これはちょっとかなり大きいと思うんですが一千十八万円、一番低い小売・卸売、四百三万円、あるいは輸送機械、電気機械の方でも六百万円とかいう数字が出ておりますが、この点について、大臣の御持論の構造改革も含めて御答弁いただきたいと思います。
#311
○国務大臣(竹中平蔵君) 持論の構造改革を論ずると長くなると思いますので手短に申し上げますが、この格差をどう考えるかという御指摘だと思いますので、一人当たりの雇用所得という言い方は必ずしも正確ではないかもしれません。雇用者の報酬全体を雇用者の数で割っているわけですから、この中には、例えばパートの方も含まれるし、働き方が全く違う人が含まれると。さらには年齢が違う、属性が違うと。その結果としてかなりの開きが出てくるということだと思います。
 したがって、この表だけから構造改革を云々するというのは、ちょっとなかなか難しいのではないか。自動車、例えば家電、同じような業種の中でも、このような形で実は平均の給与所得を出してみますと、これはびっくりするほど違います。これは一・五倍とか二倍とか、すぐ会社によっては違ってくるものでありますので、そういったむしろ数字の見方としては留意が必要なのではないかと思います。
#312
○浅尾慶一郎君 お伺いしているのは、トレンドも出しておりますが、ずっと伸びているわけです。構造改革は、今、総裁言われたように生産性を高める、確かに生産性が上がった結果、高い給与をいただけるのはそれはもう全然いいことだと思いますけれども、平均して、今この数字を見てどう思われるかということを伺っております。
#313
○国務大臣(竹中平蔵君) 今申し上げましたように、一人当たりの所得と、こう書いていますけれども、その持つ意味が違いますので解釈は難しいんですが、その他のことも含めて言いますならば、やはり競争にさらされているところはその改革が早い、賃金の調整も早い。そうじゃない、競争にさらされていないところはその調整が遅いという印象は持っております。
#314
○浅尾慶一郎君 総理はよく改革に伴う痛みということをおっしゃいますが、具体的な痛みについて伺ってまいりたいと思いますけれども、今、この数字が正しいかどうか、これは政府が出している数字ですから私は正しいと思いますが、総理のお手元にもあると思いますけれども、具体的な改革に対する痛みということで、国際競争にさらされている業種、貿易立国と言われている我が国を支えている業種に比べて、守られている業種が、正直言って私はこういうことを余り言いたくないんですが、あえて言えば、余りに高いんじゃないかなと。
 それについて、構造改革に伴う痛み、二十一兆円ありますが、ということについて、総理としての御所見を伺いたいと思います。
#315
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 具体的な指標はともかく、政府から余り保護の恩恵を受けていないとか規制の恩恵を受けていないところの方が変化に見事に対応していますね。保護する、あるいは補助金を出すにはそれなりの理由があるんですが、そういう分野においての世界、グローバル化時代になりますと、各国ともに世界の競争市場にさらすということを嫌がりますから、そういう点において規制改革、どう取り組むかというのも一つの構造改革でしょう。
 また、これから具体的に新しい産業に生き残れない企業に勤めていた方は失業を余儀なくされる場合が出るでしょう。そういう際に、私は、一人一人、失業したからこの人はどこ行ってくださいというのはこの自由市場経済では無理であって、幾つか雇用の機会を与えて本人の努力によって新たな職を見つけてもらう、あるいは失業をした場合には失業期間、生活できる程度の手当はどの程度が必要だろうか、あるいは新しい職場につけるような訓練なり給付はどの程度が必要かというのも考えていくのが一つの政治の大きな役割であって、私は今の経済指標から具体的な質問でなく漠然と答えろと言われればこの程度の漠然の答えしかできないなと、そう思っております。
#316
○浅尾慶一郎君 それではもっと具体的に質問いたします。
 ここに、総理の手元にも数字が出ておりますが、先ほど変化に対応できるのが国際競争にさらされている業種である、対応しづらいのはそうでない業種だと。だとすれば、構造改革の痛みをみんなで分かち合うんだということであれば、総理の決断で市場ではなくて政治の力で何かするんですか、しないんですかということを伺います。
#317
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それもケース・バイ・ケースで、完全な市場経済というのはないと思うんです。あるときには政府が介入しなきゃならない場合もある。社会保障なんかのは市場経済にはなじまない部分が随分ありますから、ある程度規制で保護しなきゃならない面もあるでしょう。しかし、同時に、逆に、市場機能をうまく発揮させようとして政府が介入する、税金を投入するという場合があるわけですよ。ペイオフなんかも、金融機関が倒産すると、倒産したら預金者とかみんな困るという場合には、経済秩序、金融秩序を維持するために税金を投入しなきゃならない場合もある。今まではそうやってきた。来年四月からはそうじゃなくなる。そういう面において、私は両面があると。
 完全な市場経済はないし、完全な国家が何でもやるという社会主義、共産主義の時代でもない。その辺のさじかげんというか、あるときにはむしろあるべき市場経済の機能がうまく発揮されるように行政介入も必要な場合もあると。それはケース・バイ・ケースじゃないかなと私は思っていますが、本来、その関与はできるだけ少なく市場経済がうまく機能するような環境が整えればそれが一番いいと私は思っております。
#318
○浅尾慶一郎君 質問に余りストレートにお答えになっていただいていないと思うんですが、今、世の中の方はリストラの問題とかあるいはデフレの問題で非常に苦悩されている方も多いと。その方に、今私が申し上げた数字、例えば輸送機械であれば平均雇用者所得が六百二十九万円、公務員であれば一千十八万円。その数字をストレートに言ったら、そこは理由はいろいろあると思いますよ、理由はいろいろあると思うけれども、ストレートにその数字を聞いたらやっぱり怨嗟の声が起きるんじゃないか。それに対して、総理として率直にどう思われるかという質問です。
#319
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう具体的な質問ならある程度具体的に答えられますよ。
 それは、みんな一般の人が見れば、公務員というのは恵まれているな、失業のおそれもないし安定しているし、おれたちは一生懸命努力しているのにいつ首を切られるかわからない、公務員はおくれず、休まず、働かずでいいんじゃないかと怨嗟の声が一部にはある。
 しかし、逆に言えば、公務員というのはやっぱり大事な仕事をしているんだから、ある程度給与を保障しなきゃいけませんよと。いろいろ活動にも制約があるから、民間の給与と、いろいろ人事院勧告等、そういう面を配慮して、公務員たる仕事に誇りを持ってやってください、また国民のために努力してくださいということで安定した給与なり地位を保障するという面があるわけですから。人によって公務員にもっと給与をやれと言う人も中にはいるかもしれないが、こういう実際の状況を見ると、ああ高過ぎじゃないか、恵まれている、何とかしてくれという声が多いのが率直なところじゃないですか。
#320
○浅尾慶一郎君 それは、普通の人は率直にそう思うんだと思うんですが、総理大臣はだからどうするの先の部分が答えられるわけですから。だから、何もしないのか何かするのか、構造改革としてやるのかどうかということを伺っているんです。
#321
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私の改革は、税金を使っている部分、補助金をもらっている部分、規制の恩恵を受けている部分が一番構造改革がおくれている、だから行政改革。役所の仕事、民間でできるものはないか。民間にやった方がいい、地方にできることはないのか。地方にやった方がいい、行政改革。特殊法人、民間よりも能率的で、しかも公共的なものでつくった。公共的でもない、能率が悪くなっちゃうわけだ。逆の悪いところばかりとっているのも結構ある。だから、そういう今まで役所関係の仕事でむだな部分が多いのではないかというところに一番手を入れている構造改革を目指しているのが小泉内閣なんですよ。それを御理解いただきたい。
 こういう税金で保護されている、税金を使っているところ、規制の恩恵を受けている、ここの構造改革が足りないから今おかしくなっちゃったんです。これ不思議な現象なんですよ。これだけゼロ金利で、お金じゃぶじゃぶ。これだけ借金して、財政もこれ以上借金しようがないというぐらい、普通の国だったら、借金している。本来だったら今大インフレが起こって不思議じゃないんですよ、今までの経済学者の経済現象からいえば。大インフレが起こってもいい状況にもかかわらず、デフレで苦労しているんですよ。
 まさに今までにない経済現象。これをどうやって正常な経済に持っていくかというのが現下の最大の課題であって、今までの経済理論からも当てはまらない。ここを何とか努力して、今までの潜在力、経済成長の潜在力が眠っていると思う、日本は。これを何とか構造改革によって活力あるものに取り戻して、世界の競争力に太刀打ちできるような経済に再生することによって日本の力が世界にも発揮されるのではないかと思っております。
#322
○浅尾慶一郎君 私が伺っておるのは、例えばこの総額が、税金です、二十一兆円ありますと。財政再建ということであれば、それの例えば一割に切り込むのか切り込まないのか、その中身を調べてやるのかやらないのか、簡潔にお答えいただきたい。
#323
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 税金はこれは有効に使うように今徹底した見直しを進めていますし、これから、改革なくして成長なし、構造改革をどうやって進めていくか。私は別に構造改革が目的じゃないんですよ。経済再生のために今やらなきゃならない改革をやっている。そして、それが未曾有の、今までの経済理論からは理解できないような現象が起こっている。なおかつ、今回のテロを見ても、こういう形で世界同時不況が起こっていることはだれも想像していなかった。そういうときには、私は、原則は原則として堅持しますが、いろいろな方のを聞きながら、この変化の時代にどう対応できるか。それは、大胆かつ柔軟に対応していかなきゃならないというのは私も十分認識しているつもりでございます。
#324
○浅尾慶一郎君 お答えいただけないので次の質問に移りたいと思いますが、構造改革、弱い人にしわ寄せがあってはいけないと思いますが、例えば、きょうは坂口厚生大臣に質問通告させていただいておりますけれども、女性やあるいは子育て世代の方々に痛みが行かないようにどういった取り組み姿勢をとっておられるか、お答えいただきたいと思います。
#325
○国務大臣(坂口力君) 確かに、雇用状況が悪くなってまいりますと、これは女性だけではなくて、いわゆる障害者の皆さん方でありますとかあるいは高齢者の皆さんでありますとか、そうしたところにややもいたしますとしわ寄せが行く可能性があるということを私もよく認識をいたしておりまして、その辺にやはりしっかりと目を向けていかなければならないというふうに思っています。
 女性の問題につきましては、これはやはり男女雇用機会均等法ができまして、そして、結婚ですとか出産でありますとか、あるいは育児あるいは介護といったようなことをやらなければならないそういう人たちに対して、そのことが雇用に対してマイナスにならないようにやはりしていかなければならない。これはもう法律もでき上がったところでございますので、ここは徹底をしていきたいというふうに思っております。そして、経営者の皆さん方に厳正な指導をしたいというふうに思います。
 また、先ほど申しました障害者やあるいは高齢者の皆さん方にも十分な配慮をしなければならない、雇用に対しても配慮をしていかなければならない、そう思っております。
#326
○浅尾慶一郎君 あと財政の関係で、公共事業のあり方がいろいろ問われていると思いますが、先般、小田急線、経堂の辺だと思いますが、線路の高架化をめぐって訴訟があって、結果として、国土交通省がなした都市計画法の事業認可が裁判所によって取り消されるという判決が出ましたが、それを受けて原状回復義務などの法的義務は生じるのか生じないのか、国土交通大臣に伺いたいと思います。
#327
○国務大臣(扇千景君) 今、浅尾先生の御質問のとおり、過日の連続立体交差、これを解消しようということで、少なくとも今七一%仕上がっておりますし、先生御存じだと思いますけれども、あの小田急線の中でボトルネックがございまして、一番ひどいときには一時間に四十分以上踏切が閉鎖したままだという、それを一日も早く解消してくださいという多くの皆さんの御要望でこれは着手したことでございますけれども、少なくとも私はこの工事が、今、判決が出たということですけれども、最終判決ではまだございません、それはもう先生御存じのとおりでございますので。
 私たちはできれば、これだけの多くの都民、そして一般サラリーマンの皆さん方が、これは正式に今回原告の資格がある方は九名でいらっしゃいますね。そういう中で私どもは、現在の工事の維持、先ほど私が申しました七一%というものは、少なくとも平成十六年度には事業が完成するというそのような目標で行っておりますので、できれば私は、この事業の完成を多くの方々が望んでいると私は認識しております。けれども、本判決がまだ確定しておりませんので、現段階では法的には都市計画の事業の認可は引き続き効力を持っていると、こう判断せざるを得ないわけでございます。
 そして、国として今後どうするかという、関係省庁間でこれは協議いたしますけれども、最終的には法務大臣が決定されることでございますけれども、私は、本当に庶民の皆さん方の願いは完成していただきたいという願いが私は大多数であろうと認識しております。
#328
○浅尾慶一郎君 小田急線の渋滞のことは私もよくわかっております。ただ、本当は地下に最初から住民の方の声を聞いてやっていればこういった裁判にならなかったんではないかと、住民参加の仕組みがうまく機能していないんじゃないかなと思いますが、その点についていかがですか。
#329
○国務大臣(扇千景君) 今、浅尾先生のおっしゃるまでもなく、公共工事というものはすべからく私は住民参加であるべきだという基本線はおっしゃるとおりだと思いますけれども、るる私は、高度成長期に、あれもしてくれこれもしてくれと、いろんなことがあって、それは皆さん、高度成長期には、あれもしてあげましょうこれもしてあげましょうと、そういうことがあったことは否めないと思いますね。
 ですけれども、私は、最初から地下にして、まだこのときには大深度地下法も通っておりませんけれども、今、大深度地下法も昨年皆さんのおかげで通りましたし、少なくとも四十一メートル以下にすれば私はこういうことも起こらなかったかもしれませんけれども、この当時にはまだ大深度地下法もございませんでしたし、また、この方が早くできると。大深度地下にすれば、地下に通ればこの三倍の費用と年月がかかるということで、一刻も早くボトルネックの解消というのが住民の皆さん方の大方の御意見であったと。しかも、高架をするところではなくて、その側道の皆さん方の御意見であるということも先生御承知のとおりでございますので、私は、現段階で七一%の工事をもとに返せということは、今私の考えの中にはございません。
#330
○浅尾慶一郎君 いや、そうじゃなくて、ちょっと工事がいずれにしてもおくれてしまったことに対する責任はどういうふうに思われますか。
#331
○国務大臣(扇千景君) まだ結論が出ておりませんで、ですから、私は工事差しどめの決定ではないと先ほど申し上げたとおりでございますけれども、住民参加が必要であるという御意見に関しては、私は公共工事の原則だということを冒頭に申し上げております。
#332
○浅尾慶一郎君 時間の関係で次の事案に移りますが、高祖さんの選挙違反の事件について質問をさせていただきたいと思います。
 ここに一応パネルを用意いたしてまいりましたが、関係者が逮捕されました大阪府、京都府というのは千人当たりの得票率で見るとむしろ全国的に低いところにあるんですね。(資料を示す)あとまあ神奈川県が一番低いのは、総理のおひざ元だからかどうかわかりませんが。
 なぜもっと高いところ、高い得票のあるところもいろいろあると思いますが、そういったようなところについて自主的に総務省として調査されるおつもりはあるのかないのか、お伺いしたいと思います。
#333
○国務大臣(片山虎之助君) この件につきましては、捜査当局が公選法違反ということで解明を始められましたので、そこは専門家で捜査権のある当局にお任せして、我々は全面的に協力しようと。ただ、それはそれとしながら、全部の管内で服務規律の違反の事実がどういうふうにあったかなかったか、あるいはよく問題になります特推連ですね、公的組織の特推連と任意団体の特定郵便局長会の活動が混同したというような指摘もありますので、その辺は各郵政局長さんや郵政監察局長さんに状況を聞いたんですよ。
 極めて顕著な服務規律の違反や公私混同はなかったというふうな報告を受けまして、それは今後とも、しかしそれは我々はチェックしていかなきゃいけませんから、例えば郵政監察局には特別考査をやってくれとか、特推連と特定郵便局長会はきちっと分けろとか、そういうことをやったわけでありまして、公選法違反の調査そのものについては捜査当局にお任せいたしたわけであります。
#334
○浅尾慶一郎君 特定局長会であれば問題なかったと、いろんな選挙活動をやっても問題ないということですか、任意団体であれば。
#335
○国務大臣(片山虎之助君) 特定郵便局長も一般職の国家公務員ですから、それはやっぱり国家公務員法や人事院規則を守らなきゃいけませんし、それから、公選法そのものを守るというのはすべての皆さんの義務でございますので、その意味で今回の事件は大変遺憾と思いますのは、その辺の認識の徹底がなかったんではなかろうかと、こういうふうに思っているわけであります。
#336
○浅尾慶一郎君 じゃ、今回、公選法違反で逮捕された者は十六人だというふうに聞いていますが、容疑事実を御説明いただきたいと思います。
#337
○政府参考人(吉村博人君) お尋ねの公職選挙法違反事件について申し上げます。
 本件は、本年七月に施行されました参議院議員通常選挙に関しまして、近畿郵政局長らが職務上の地位を利用して選挙運動を行ったものであります。大阪府警及び京都府警において近畿郵政局長ら十六名を逮捕するなどして、公務員の地位利用による選挙運動の禁止違反事件として検挙しております。
 大阪府警において検挙した事案は、近畿郵政局長、特定郵便局長らが、本年二月上旬から三月上旬にかけて開催をされました近畿郵政局管内の大阪堺特推連、三島特推連等、十五の特推連の会合におきまして、職務上の地位を利用して、それぞれ傘下の特定郵便局長に対し、後援会への入会勧誘依頼や投票及び投票取りまとめの依頼をしたというものであります。
 京都府警において検挙した事案は、当時の近畿郵政局総務課長らが職務上の地位を利用して、昨年九月、普通郵便局副局長らに対し、後援会の入会を勧誘するとともに部下職員に対する後援会への入会勧誘依頼をしたほか、本年六月ころ、普通郵便局の局長らに対し、投票及び投票取りまとめの依頼をしたというものでございます。
#338
○浅尾慶一郎君 この公職選挙法違反の事案と、それからきょう人事院の方来られておりますが、国家公務員法上で定めるところの公務員の政治的行為の禁止について、人事院の方から御説明いただけますか。
#339
○政府特別補佐人(中島忠能君) 国家公務員法では、国家公務員が政治的目的のために政治的行為を行うことを制限、禁止しております。
 先ほど委員から御指摘がありましたように、現職の公務員、元公務員を含みまして十六人が逮捕されているという話を聞きました。そのうち、数日前に四名が起訴されておりますが、捜査当局の話も今伺いましたけれども、これから訴訟を通じまして、いつ、どういう目的で、どういう行為が行われたか、そしてそれが高祖議員の多くあるであろう、多数あるであろう後援会との関係でどのように評価されるかということが司法の場を通じてこれから確定していくだろうというふうに思います。
 したがって、司法の場で確定した段階で、私たちは所管当局からお話があれば法的な見解を明らかにしていきたいというふうに思います。
#340
○浅尾慶一郎君 今の私の質問は、先ほど警察の方から御説明いただいたようなことは、公職選挙法違反でなくて、国家公務員法にも違反するんじゃないですかという質問です。
#341
○政府特別補佐人(中島忠能君) したがって、私が申し上げましたように、捜査当局の考え方といいますか意見はお聞きいたしましたけれども、事実として法的に確定しているかというと、まだ確定していないと。したがって、こういう場で、法律違反かどうかということについて私たちの見解を申し上げることは差し控えたいということでございます。
#342
○浅尾慶一郎君 いや、今のその人がそれに反するかどうかは司法が決める話ですが、警察が言っている容疑事実は公務員法に違反するかしないかということを伺っているんです。
#343
○政府特別補佐人(中島忠能君) 非常に現実に具体的な事実が目の前にあるわけでございますから、誤解があればいけませんので、こういう場でそういうことについて正式に申し上げることは差し控えたいということでございます。(発言する者あり)
#344
○委員長(真鍋賢二君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#345
○委員長(真鍋賢二君) 速記を起こしてください。
#346
○浅尾慶一郎君 再度答弁をお願いします。
#347
○政府特別補佐人(中島忠能君) 国家公務員法上の政治的行為の制限とは、職員が政治的目的を持って政治的行為を行うこと、そのことを制限、禁止しておるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、一例でございますけれども、特定の候補者を当選させる、あるいは政治的団体を支持する、そういう目的を持って政治的行為を行うことを禁止しているわけでございます。
#348
○浅尾慶一郎君 そうすると、少なくとも警察の方が高祖さんの件で容疑として言われたことはすべて国家公務員法に違反すると思います。
 なぜこういうことを言っているかというと、実は、公職選挙法は二年以下の禁錮であります、刑罰が。国家公務員法の違反は三年以下の懲役であって、軽い方でどうも今回捕まってしまった。それでいいんですかということを伺いたいものですから質問させていただいたんですが、これ、どなたに伺ったらいいか。
#349
○国務大臣(村井仁君) 先ほどこの事案につきましては刑事局長から御答弁を申し上げましたが、大阪府警、京都府警において、現在、公選法違反ということでこの問題につきましては検挙いたしたわけでございますけれども、今、浅尾委員お尋ねの件につきまして、私どもの理解では、証拠に基づいてそれぞれ法条を適用して告発している、検挙しているわけでございますから、私は、その事実に基づいて、証拠に基づいて処理をしている、その結果が公選法違反ということであるということのみしか申し上げられないということでございます。
 つまり、別の言い方をいたしますと、事実関係につきまして、これは捜査当局が一番きちんと把握していることでございますから、これに基づいて、公選法に違反するという事実をもってこの件につきましては検察庁に送っているということであるということでございます。
#350
○政府参考人(吉村博人君) ただいまも申し上げましたとおり、大阪府警と京都府警におきましては、証拠関係、擬律等を総合的に検討いたしまして公職選挙法上の公務員の地位利用による選挙運動の禁止違反として立件をしたということでございまして、検察庁におきましても、十月の五日に公職選挙法違反として公訴を提起しているところでございます。
#351
○浅尾慶一郎君 総務大臣、所管の大臣ですから伺いますが、なぜ罪の軽い方で摘発されたと思われますか。
#352
○国務大臣(片山虎之助君) それは、捜査当局の御判断で検挙されて、これから裁判で争うわけです、疑いを。それで、公選法違反ということをつかまえて、そういう事実をつかまえて逮捕、検挙されて、それが今、略式起訴になったわけでありまして、そういう疑いがあるということは、委員のお気持ちはわからなくもないけれども、やっぱり法と証拠に基づいてこれから解明されるわけですから、それからの私は議論だと思います。
#353
○浅尾慶一郎君 法務大臣に伺いますが、個別論ではなくて公選法の罪とそれから国家公務員法上の罪とほぼ重なると思うんですが、重ならない部分があるとすればどこですか。
#354
○国務大臣(森山眞弓君) この件に関しましては、今警察あるいは総務大臣がお話しなさいましたようなことで、送検に至っているわけでありますので、これから十分に検討されて判断されるべきものだと、裁判所が判断するものだと考えます。
#355
○委員長(真鍋賢二君) ちょっと具体的に答えて、もう一度。(発言する者あり)
 速記とめてください。
   〔速記中止〕
#356
○委員長(真鍋賢二君) 速記を起こしてください。
#357
○国務大臣(森山眞弓君) それぞれの法律にはそれぞれの所管の責任者もおられますし、法務大臣という立場では、この件について解釈を申し上げる立場ではございませんので、御容赦いただきたいと思います。
#358
○浅尾慶一郎君 私は、一般論で違いがあるのかないのかということを伺っています。
#359
○国務大臣(森山眞弓君) 今申し上げましたように、一般論でなお申し上げることは難しいと思います。
#360
○浅尾慶一郎君 どうもお答えいただいてないようですので、高祖さんと三嶋さんの証人喚問を要求した上でこの場でやりたいと思います。
 委員長、よろしくお願いします。
#361
○委員長(真鍋賢二君) ただいま浅尾議員の提言につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#362
○浅尾慶一郎君 それでは総務大臣に伺いますが、国家公務員は、刑事訴訟法上犯罪がある場合には告発の義務があります。これは刑事訴訟法第二百三十九条、犯罪があると思料する場合には告発をしなければいけないと。先ほど申し上げましたように、公職選挙法違反では二年以下の禁錮であると。しかし、片方でいけば三年以下の懲役であると。こういうことを考えたら、こちらにも違反していると考えられると思うので、その点について告発する意思があるかどうか伺いたいと思います。
#363
○国務大臣(片山虎之助君) 犯罪の事実があれば告発する義務があるんですよ。犯罪かどうかということはまだ一つも決まっていないわけでありまして、国家公務員法は全体の奉仕者である公務員についていろいろなことを決めていますよね。公選法は選挙の公正を確保する面でいろいろ決めておりまして、だから、何というか側面が違うわけですよね。
 そこで、今回は、捜査当局は公選法違反ということで摘発されて逮捕して、今回起訴されているわけで、それが本当に違反かどうかはこれから訴訟、裁判で決着がつくわけであります。何度も同じことを申し上げております。
#364
○浅尾慶一郎君 刑事訴訟法は事実を言っていません。犯罪があると思料する場合には告発の義務がある。その点についてお伺いします。
#365
○国務大臣(片山虎之助君) それは、「思料」と書いていますけれども、相当の蓋然性がなければそういう告発しないんですよね。そういう意味では、そういう蓋然性について我々はまだ感知しておりません。
#366
○委員長(真鍋賢二君) 浅尾慶一郎君、時間が参りました。
#367
○浅尾慶一郎君 公職選挙法で起訴されたということは蓋然性に当たらないと総務大臣は解釈するというふうに理解してよろしいですね。
#368
○国務大臣(片山虎之助君) そういうことを言っているわけじゃないんですよ。一般論として、そういう蓋然性が認知されなければ思料したということにならないと私は解釈しております。
#369
○委員長(真鍋賢二君) 以上で平田健二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#370
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松谷蒼一郎君の質疑を行います。松谷蒼一郎君。
#371
○松谷蒼一郎君 さきの参議院選挙におきまして我が党は勝利を得ることができました。これは、やはり小泉総理の卓抜したリーダーシップとさわやかな人間性、そして決断力あふれる政策提言によるところが大きいものと考えております。
 しかし、小泉内閣の真価を決めるのはまさにこれからであろうかというように思っております。雇用、景気、いろんな問題がありますが、参議院選挙当時には考えられなかったテロという大きな問題も発生をいたしました。こういう状況の中で断固とした政策展開をやっていただきたいと思いますが、小泉総理の国政に対する決意のほどをお願いを申し上げます。
#372
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 改革なくして成長なしという私の方針というのは、大方の国民から参議院選挙においても支持を受けたと思っております。そういう面において、改革の手を緩めるわけにはいかない。
 今、思いも寄らないテロが発生し、このテロにどう対応するかということが世界で問われている今日でございますが、このテロの与える安全保障面あるいは経済生活の面、その影響ははかり知れないほど大きいと思いますが、そういう中であればあるほど日本経済を早く回復軌道に乗せる必要があると。その経済再生に向けていかに構造改革を早く実施に移していくか、そして国際社会と一体となってこのテロの根絶、抑止のために日本の役割を果たしていくか、非常に難しい時局ではございますが、全力を尽くしてこの困難な課題に立ち向かっていかなきゃならないと思っております。
#373
○松谷蒼一郎君 総理の断固とした決意をいただきました。
 総理は、さきの通常国会におきまして施政方針演説の中で、新世紀維新の改革判断につきまして、恐れず、ひるまず、とらわれずという姿勢をはっきりと打ち出された。そしてまた、このたびの臨時国会の所信の中でダーウィンの言葉を引用されまして、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」ということを所信の中で言われました。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
 すなわち、とらわれない、変化への対応ということはその時々の状況に柔軟に対応することと理解をいたしますれば、この景気が大変厳しい中で補正予算についてどういうふうにお考えなのか、お聞きをいたしたいと思います。
#374
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回、テロが発生していなければ、この国会は大方の皆さんは雇用対策国会と言われるのではないかと思っておりました。今回、こういうテロが発生して以来、経済も日本のみならず世界的に大変大きな悪影響を受けております。
 そういう中で、私自身、補正予算を組む場合も、これはできるだけ安易な国債発行に頼るべきでないという方針は現在でも堅持しております。しかし、不要な混乱あるいは思いがけない経済現象、そういう場面に直面した場合は大胆かつ柔軟に対応すると言明しておりますように、今までの見直しは徹底的にやっていかなきゃならない。そういう中で、よく状況を見ながら、恐れず、ひるまず、とらわれずという言葉を使っておるのであって、やっぱり経済は生き物ですから、原則は堅持する、できるだけ原則に沿ってやるというのは大事なことである。同時に、ある場面によっては、今までの観念にとらわれないで、大胆かつ柔軟にやるということも必要ではないか。それはそのときの情勢、状況をどう見るか。しかし、安易な国債に頼るべきでないという考えには変わりないし、そして雇用対策、経済対策をやる場合も、今までのように公共事業を積み増しすればいいというものじゃない。むしろ、構造改革を促進させるような、あるいは構造改革に弾みをつけるような方法があるんじゃないか、予算のつけ方があるんじゃないか、雇用の対策があるんじゃないかと、そういう観点から考えるべきものだと私は思います。
#375
○松谷蒼一郎君 総理の今の考え方に全く賛成でございます。柔軟でありながら、しかも断固として政策を実行していくと、そういった姿勢をぜひ今後も貫いていただきたいというように思います。
 ところで、官房長官に伺いますが、このたびのテロを含めて、私は、総理が大変な激職、もちろん内閣の各閣僚も大変な激職であるとは思いますが、しかし昨晩の夜中の三時に臨時閣議を開かれ、それから七時過ぎの飛行機で中国に行かれて、そして日帰りでお帰りになる。さらに、お帰りになってからまた打ち合わせ、そして予算委員会と、大変な激務であります。私は、小渕内閣、小渕総理に仕えておりまして、今考えていて、やはり健康管理というものは大変重要だなという思いがいたします。やっぱり一国の総理ですから、これについては官房長官初め皆様方が十分に御配慮をいただきたいというように思うわけであります。
 あわせて、官邸についての危機管理あるいは重要施設についての危機管理等、これらについて官房長官に御意見をいただきたいと思います。
#376
○国務大臣(福田康夫君) お尋ねになられました二点につきまして、まず最初の方の総理の健康管理、これも危機管理のうちですね。
 もう御案内のとおりでございまして、総理というのはたった一人しかいない、そして最後は一人で決めなければいけないという立場で、日夜本当にはたで見ていて御苦労なさっているなと。これは精神的にもそうでありますけれども、やはり肉体的にもかなり厳しい仕事であるというように思っております。そういう中で、小泉総理も随分頑張っておられるなというふうに思っておりますが、少し仕事し過ぎじゃないかなという懸念も持ちながら、時には心配するということもございます。
 小渕総理のお話ございました。大変小渕総理も一生懸命仕事をされたまじめな方でございますので、松谷官房副長官でいらっしゃったわけで、はたで見ておられて大変な御心配をされたんじゃないかなと、こう思っておりますけれども、あの小渕総理の健康管理と申しますか、健康についての問題ありという、そういう視点から、関係省庁が集まりまして検討を重ねまして、昨年の六月三十日に総理の健康管理体制の基本方針、こういうものを取りまとめました。
 そして、それに基づきましてどんなことをしたかと申しますと、自衛隊の中央病院の協力を得まして、医官また看護婦それぞれ五名を内閣技官として兼務発令をいたしました。といいましても、この病院は世田谷区三宿にございまして、官邸まで急いで飛んできても最低二十分かかるだろうと。時間がかかるときには三十分以上かかるんじゃないかと、こう思いますので、これが本当に適当な状態なのかどうかわかりません。これは新官邸ができますと、官邸の中に初期対応が行える医務室を設ける、こういうことも決めておりますので、そうなりますと二十四時間体制で、幾ら総理大臣が一生懸命仕事をしても大丈夫、こういう体制になるんじゃないかと思っております。
 それから、医療支援チームを設置しまして、医官及び看護婦が交代で対応する、こういうふうな体制もしておりますし、また海外出張の場合には、またときには国内出張のときにも同行することができる、こういうことになっております。
 いずれにしても、総理の健康管理というのはこれは本当に国家としての危機管理でございます。総理のプライバシーの問題もありますので大変難しいんでありますけれども、総理の主治医とも十分相談をしながら適切なる体制確保に努めていきたい、こんなふうに思っております。
 それから、第二点でございますけれども、官邸におけると申しますか危機管理体制ですね、政府としての、このことについてのお尋ねでございますけれども、私どもは特にテロのようなこういう問題になりますと、情報収集というものが一番大事なことだろうというふうに思いますけれども、そういう意味においてはかなりこの辺は注意をしてやっておると思っております。三百六十五日二十四時間体制ということでもって情報を収集します内閣情報集約センター、こういうものが常に稼働している一方、内閣の方に内閣官房に危機管理を専門に担当します内閣危機管理監という役職も設けました。危機管理部門を総括して体制を整えているということであります。そういうふうなことで、機動的に対応できる体制整備充実、これが大変大事だろうというふうに思っております。
 先ほど申しましたテロのような問題、これもマニュアルの話もございましたけれども、マニュアルもかなり整備されてきておりますし、とんでもないことも起こり得るということを前提に、これから一生懸命やっていかなきゃいかぬというふうに思っております。
#377
○松谷蒼一郎君 今、官房長官からお話がありましたが、やはりこういったテロの犯人に対しては情報収集が私は一番重要だろうというように思うんですね。官邸はもちろん、官邸の中でそういった危機管理体制はとられていると思いますが、その他の重要施設もありますし、あるいは航空機の問題、ハイジャック、こういった点できちっとした情報収集体制ができているのかどうか。さらに、今回の米国の軍事行動によってそういう可能性がまた高くなってくる、こういう状況の中で、警護、情報収集、そういうような体制の強化をやっていく用意があるのかどうか、村井大臣にお伺いいたします。
#378
○国務大臣(村井仁君) 全く松谷委員御指摘のとおりでございまして、テロ等の不法事案に対応いたしましては、何と申しましてもテロリストに関する情報収集でございますとか、要人の警護、総理官邸を初めとした重要施設の警戒の強化、これはもう不可欠なことだと私どもも考えております。
 現在、私どもこの事案に対応いたしまして、全国で米国等に関係いたします施設等も含めまして重要箇所約五百八十カ所につきまして警護を強めているというところでございますけれども、さらに関係機関ともよく連携をとりまして、ハイジャック対策なども重々重くやるという体制を固めている、航空機等への危険物持ち込み等を排除するというようなことをやっております上に、さらに今後とも関係機関との緊密な連携をとりまして、情報収集をとりわけて重視してまいりたい。そして、それを官邸の方へきちんと上げまして、きちんとした集約を図って情報の関係機関との共有を図ってまいる、これが非常に大事なことではないかと思っております。
#379
○松谷蒼一郎君 また、体制強化ということは、そのための人員もふやさなくちゃいけないというようなこともありますし、来年度の予算あるいはそれらに関連して人間のやりくりというようなことになるでしょう。言うはやすく、なかなか行うは難しいところがあると思いますが、ひとつ、大変な事態でありますので、よろしくお願いを申し上げます。
 ところで、このたびテロ対策特別措置法が、本当はえらい長ったらしい名前のようですが、この法律及び自衛隊法の改正、両法案が国会に提出をされました。その成立を見ることなく、ない間にアメリカの軍事行動が行われたわけであります。この両法案はできるだけ早く成立をさせなきゃなりませんが、しかしまだこれから審議の予定でありますので、若干の時間があります。その間、我が国はこのテロ対策についてどういうような支援を行っていくのか、これにつきまして総理の御見解をいただきたいと思います。
#380
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) かなり広範にわたって支援体制を組んでおります。経済面の支援、あるいは金融関係のテロリストに対する資金管理、あるいは難民の支援、全部読み上げましょうか。
#381
○松谷蒼一郎君 いや、結構です。
#382
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いいですか。
 大体、自衛隊の派遣も含めまして、できるだけのことをしようと、国際社会の一員として。特に日本は外交関係におきましても、アラブ諸国あるいは難民支援に対しては今までの経験、現にきょうあたりもうパキスタンのイスラマバードに着いているころかもしれません、難民高等弁務官事務所から難民に対して必要な物資を送ってくれという声にこたえて既に自衛隊機が飛んでおります。そういう面において、日本は自衛隊のみならず、できるだけの支援活動を展開しようということで努力をしております。
#383
○松谷蒼一郎君 軍事行動が起こってしまったんですが、その前に、米国より今回のテロにつきましてオサマ・ビンラディン氏の事件関与を示す証拠が諸外国、関係各国に示された、我が国にも示されたと聞いております。その事実があったのかどうか。
 さらに、そういった事項について、英国ではブレア首相が緊急の国会を開いてその事実について説明をしたというように伺っております。こういうことは、やはり今度の事件がそういったタリバン関係のオサマ・ビンラディン氏に関するグループの犯行であるということが明確に国民の間に浸透し、理解されるということはやっぱり大事だろうと思います。これについていかが総理はお考えでしょうか。
#384
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このウサマ・ビンラーディン容疑者に対する容疑事実とか、あるいはその背景にあるタリバン、こういう問題については過去の幾つかのテロ事件、既に起こったテロ事件と、そして九月十一日、ニューヨークで起こったテロ事件以来さまざまな情報交換をしております。そして、じかに私はブッシュ大統領とお会いして会談した際にもいろいろ私にとっては説得力ある情報等を伝えてくれました。
 どの程度これが具体的な証拠となるか、それは今の日本の裁判の状況でいくとこれは証拠になるかどうか疑わしいものもあります。しかし、できるだけ説得力ある証明といいますか証拠というか、国際社会で説得力を持つような証拠を出したい、努力しているという話でもあります。
 そこで、我々もいろいろ情報交換して、これを公にしない方がいいとかいう情報もあります。どの程度情報を公開した方がいいのかという点も含めて総合的に判断して、なるほどウサマ・ビンラーディン、これはかなり濃い容疑を持っている、そしてそれをかくまっているのはタリバンだということで今アメリカと英国が共同して軍事行動に出ている状況だと思うのであります。私は、今までの情報交換から、状況説明から当然そうであろうと。理由も説明も私として、小泉内閣として納得できるものですから、いち早く今のアメリカの行動を支持しております。
 日本とイギリスとは、イギリスは一緒にアメリカと武力行使を辞さない、一緒に武力活動するというんですから、日本に見せる情報とイギリスに見せる情報、違うと思います、一緒に戦う人たちに見せる情報と。同時に、イギリスは日本にない独自の情報を持っています、日本と違って。だから、イギリスの議会も自分たちは一緒に戦うんだというんで独自の情報とアメリカから得た情報と、事によると自国の青年の命まで落とさなきゃならないという状況でありますから日本の立場とは違いますけれども、それなりの説得力ある情報をブレア首相は議会にも出しているんでしょう。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 そういう点を総合しながら、日本としても、武力行使はしませんが、戦闘行為には参加しませんが、これからいろいろな実際の具体的な活動をする場合には、できるだけ説得力のある状況説明なり証拠説明なりということを欲しいと伝えてあるということは事実でございますし、そういう中でいろいろ情報交換をしている状況でございます。
#385
○松谷蒼一郎君 支障のない範囲内でできるだけ国民にこういった情報については公開をしていただければというように思います。
 ところで、次に外務大臣にお伺いいたしますが、アフガニスタンへの難民支援につきまして、国連欧州本部で国連人道問題事務所及び国連難民高等弁務官事務所の主催でジュネーブにおきましてアフガニスタン支援国グループ会議、これは約十五カ国が参加をしておりますが、それにさらにイランとパキスタンが加わりまして難民支援についての会議を行い、いろいろなことを決議をしたと聞いております。
 その中で、米国は三億二千万ドルの拠出、我が国は一億二千万ドルの拠出を決めたといいますが、事実でありますか。
#386
○国務大臣(田中眞紀子君) おっしゃるとおりでございます。
#387
○松谷蒼一郎君 事実とすればその拠出の内容ですね、それから時期、それからこれは国連に提出するのか何かよくわかりませんが、そういったこと、予算の中身、どういう予算なのか、それらについて御報告、御説明をお願いします。
#388
○国務大臣(田中眞紀子君) 拠出の内容、時期、それから提出先等でございますけれども、まずアフガン難民への人道支援に関する我が国から国連機関等への支出についてですけれども、いろいろ今後事態の推移をとらえながら国連機関等から具体的な要請があるものと考えておりますけれども、そのタイミングですとか要請の内容をよく吟味して踏まえまして、今おっしゃった総額一億二千万ドルを上限として支援を行うようにしております。
 その内容、時期、拠出先等に関しましては、国連機関等によりまして、地雷の除去への支援等も含むかもしれませんけれども、あらゆる事態の推移とか、それから関連の機関との協議を踏まえて速やかに検討していこうというふうに思っております。
 そして、UNHCRからの緊急拠出要請が二千九百万ドルに対しまして、六百万ドルの支援については平成十三年度の今回の予算から速やかに支出したいというふうに考えております。
#389
○松谷蒼一郎君 こういった難民支援が我が国の大変重要なこのたびのテロに対する政策になるだろうと思いますので、こういうことは速やかにやっていただきたいと思います。
 これはODAの予算の中から支出されるわけですか。
#390
○国務大臣(田中眞紀子君) お答えいたします。
 ODAの戦略も、ある程度は今みたいな事態が起こりますと見直しもしなければならないというふうに思っておりますけれども、現在の復興につきましては、戦争といいますか、今のこの状態ですね、この事態が終わってみないとよくわかりませんけれども、少なくとも今、国情が非常に疲弊しているようでございますので、それらをすべていろいろ勘案しながら、ODAでもやらざるを得ない部分もあると思いますので、総合的に検討していきたいと、かように考えております。
#391
○松谷蒼一郎君 それから、難民支援の際、こちらが拠出金を出すという以上は、その方法、対象等については当然こちらの考え方を入れていただかなきゃならないわけです。
 その場合、ぜひ考えていただきたいのは、アフガニスタンには一千万個に及ぶ地雷が敷設されていると。これは大変な人道問題ですね。これはカンボジアでもそうでしたが、この地雷の除去についてぜひ、そういった予算の中でやるか、あるいはそれこそ我が国として地雷除去については特別に対策を考えていくかということを考慮していただきたいんですが、いかがでしょうか。
#392
○国務大臣(田中眞紀子君) 世界でいろいろな紛争があります今、昨今、この地雷の除去の問題というのは世界的な課題になっていまして、亡くなられた小渕総理も大変御熱心でございましたので、このことについては常に頭の隅に置きながら、最善の有効な予算の使い方、そして世界貢献に役立つような形で常に頭に置いておきたいというふうに考えます。
#393
○松谷蒼一郎君 頭に置いていただいてやっていただきたいと思いますが、地雷の除去を国際的に行う場合、やはり自衛隊を派遣するんでしょうかね。それはどうですか。
#394
○国務大臣(田中眞紀子君) 地雷除去につきましては、現地の状態をまず正確に把握するということが必要だと思いますので、これにつきましても適切な方途を考えながらやっていきたいというふうに思います。
#395
○松谷蒼一郎君 自衛隊の問題はいかがですか。これはどっちかな、中谷長官かな。
#396
○国務大臣(中谷元君) 現在、PKO協力法案におきまして地雷の除去をできるという項目がございますが、現在、PKFを凍結いたしておりまして、それに入っております。ですから、地雷等の除去に関しまして実施する場合には、このPKFの凍結解除をしなければ実施できないというふうに思っております。
#397
○松谷蒼一郎君 なかなか難しいんですが、しかし、地雷の除去というのはまさに人道問題でありますので、これについては内閣としても十分お考えをいただきたいというように思います。
 これは、PKFの凍結については、いろんな政党間の問題もありますが、しかしこれについてはやはり内閣に確固とした意志があればこれはできないことはないわけでありますので、よろしくお願いを申し上げます。
 今、いろいろお伺いしておりますと、外務大臣も大分おなれになってきて、非常に答弁もさわやかになっておいでになりました。ぜひ、こういうような時期にこそアフガニスタン近隣諸国にお出かけになって、我が国の立場というものをきちっとお示しいただきたいと、それが外務大臣の極めて重要な役目だろうというように思います。
 今、いろんな特使の方が、旧外務大臣、元外務大臣の方たちが大分おいでになっていますが、肝心の外務大臣がおいでになっていないわけですから、そこのところはぜひ総理にお願いをして、ぜひ派遣をしていただくようひとつ決意のほどをお願いします。
#398
○国務大臣(田中眞紀子君) たくさん優秀な先輩がいらっしゃって、総理特使、それから副大臣や皆様が行っていらっしゃっていますが、私は別して嫌っているわけではありませんで、留守番をしているときに私がどういうことをやったかにつきましてもちょっと、少しは御報告しなければいけないと思いますけれども、ベーカー在京大使とお目にかかりましたり、EUのソラナさんという方、しょっちゅう電話が外国からかかってまいりまして、一日に、そういう方とか、あと、イスラエルのペレス外務大臣ですとか、それからあとはフセイン在京大使ですね、これはもうサウジアラビアでありますとか、パキスタンでありますとか、いろいろな国の方とお話を、近隣の方とお話をしておりますし、UNHCRの代表の方も今回お出かけいただく前においでいただいて実態を聞いたりもしております。それから中国の大使、それから、つい先日も、総理がお出かけになる前に韓国大使ともじかにお目にかかりましたし、あらゆる機会をとらえて、ロシアのこの間議員団も来られましたし、きょうもまたお見えになるんですけれども、各国の方と電話、それからじかにお見えになる機会をとらえまして連絡をとっております。
 また、以後いろいろ御指示がいただけますれば、いつでもどこへでも出かけます。
#399
○松谷蒼一郎君 総理の御指示をいただいて、ぜひこの際、十分な外交活動をやっていただきたいと思います。
 ところで、総理は、昨日、中国においでになりました。私は、大変いいことだというように思います。また、韓国にもおいでになります。今回の中国訪問の目的について、総理から直接お願いします。
#400
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中国と日本との二国間関係は大変重要でありまして、日中友好発展というものは両国にとっていいことのみならず、アジア全体にとっても世界の安定のためにも大変重要な二国間関係だと思います。
 そういう観点から、来年は日中国交正常化三十年を迎えます。日本年、中国年、いわば日中友好の機運を盛り上げるのにいい機会だとも思います。これからの日中関係の重要性、そして日中で協力できる事業はたくさんあるわけですから、そういう日中間の友好増進を図る目的と、それから今回のテロ、これに対して関係諸国と力を合わせてテロ撲滅のために努力しようという点等、いろいろな意味合いを込めて中国を訪問し、江沢民主席、朱鎔基総理とも意見交換をしてきたわけであります。
 率直に言いまして、大変温かい歓迎を受け、日中友好増進の重要性をお互い認識し、これから一層協力していこうという認識を共有できたということは、大変有意義な訪問であったと思っております。
#401
○松谷蒼一郎君 靖国神社参拝、あるいは教科書問題、そういったことについての中国の方のわだかまりというものがあったんだろうと思いますが、そういうことも今回の訪問によって、一挙にこれが解けるということはないでしょうが、徐々に解けていく、そういう方向になったというふうに理解してよろしいでしょうか。
#402
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのように理解していただいて結構でございます。
#403
○松谷蒼一郎君 次に、経済対策、景気対策についてお伺いします。
 主として竹中大臣にお伺いをいたしますが、テロが発生をした、アメリカは軍事行動を起こした、これによってアメリカの経済は非常に大きな危機的様相もあるようにも承っております。がしかし、何といったって基盤がしっかりしたアメリカ経済でありますから、これは一時的にはそういうような状況があっても長い目で見れば当然回復はしていくんであろうとは思いますが、ただアメリカ経済の基調そのものが今のところ厳しい状況にあるとも言われております。アメリカの経済の方向についていかがお考えでしょうか。
#404
○国務大臣(竹中平蔵君) アメリカ経済自体がIT不況によって非常に厳しい状況に差しかかっていたところに今回のテロが起きました。当初、一番懸念されましたのは、基礎物資の不足の問題、エネルギーや食糧の問題、さらには金融に象徴されるシステムの問題であったわけですが、この二点に関しては一応今のところはクリアしていると。しかし、そこに一つ懸念が出てきたのはやはり消費の問題であろうかと思います。過去の戦争のときなんかを見ましても、消費が著しく落ち込んで貯蓄が高まったという例があります。貯蓄に十分注目をしながら今後の動向を見きわめていかなければいけないと思っております。
#405
○松谷蒼一郎君 グリーンスパン議長は、このテロが発生したときに金融より財政の出動をということを言ったというふうに伝えられております。我が国の経済にもある程度当てはまる状況ではないかなという気もするわけですね。今、不良債権の処理の問題で大変大きな政治的な課題にはなっておりますが、これはどちらかといえば事後処理の問題である。景気がある程度勢いをつけてくればこういった問題はすべて解決していくわけですね。
 そういう意味で、グリーンスパン議長の言う今は金融より財政出動だと、それによって十四兆円の予算が認められたわけですが、我が国にこういうようなことを考えた場合にどういうようにお考えでしょうか。
#406
○国務大臣(竹中平蔵君) グリーンスパン議長のその発言、正式にどこの場でそういう財政政策の必要性を指摘したというのはちょっと実は確認できませんでした。ただ、御指摘のように一部の上院議員の人たちにそういうふうに語ったということは伝えられております。
 その真意のほどはともかくとしまして、基本的にはこういうことだと思います。
 日本の経済は非常に、基盤が非常に弱くなっている。これは財政赤字も含めて非常に弱くなっている。そこに非常に強い、戦争的な状況という外的なショックが出てきた。この外的なショックに対してはある程度アメリカがまさに財政の拡大をやろうとしているわけですけれども、そういうようなものも確かに有効な面があるかもしれません。
 しかし、一方で、基盤を強くするためには、特に日本の現状を見ると財政の負担能力はもう本当に限界に来ていると。アメリカの状況と日本の状況はその意味ではかなり違っておりまして、日本の場合はまずやはり基盤を強くする構造改革、財政構造改革を含めた構造改革をしっかりやらなければいけない、しかし、この外的ショックに対しては場合によっては柔軟かつ大胆にしなければいけない、そこの大変重要な見きわめの時期かというふうに思っています。
#407
○松谷蒼一郎君 財政出動というのはずっといつもやっていればいいというものじゃないんで、やはり節目節目というかタイミングがあって、こういうときは絶対財政出動をして経済を立て直さなくちゃいけない、こういうような時期というものがあるだろうというふうに思うんですね。
 今はテロもありアメリカ経済も非常に厳しい状況になってきた。我が国はもちろん厳しい状況にあります。こういう中で、やはり柔軟に財政出動についても考慮すべき時期ではないかというように思うんですが、どうですか。
#408
○国務大臣(竹中平蔵君) 現状におきましても、ほぼ三十兆円の国債発行が続こうとしているわけですから、GDP比六%という非常に大きな財政政策、財政刺激を続けているというまず事実があろうかと思います。
 それに加えて、委員の御指摘は、さらなるショックに対してどのように対処をすべきかということだと思うんですが、そこは先ほど言いました非常に微妙な見きわめが必要なんだと思うんですが、私自身は特に二つの点が重要かと思っております。
 外的なショックで経済活動の水準そのものがマイナスの影響を受けるというのは、これはある程度甘受せざるを得ないわけでありますけれども、それがらせん階段を滑るようにスパイラル的に悪化するという状況がもし見えるのであるならば、これはとめなければいけない。もう一つは、その外的なショックによって本来の構造改革そのものが難しくなってしまうような状況が想定されるのであったら、この場合もやはり何らかの措置が必要である。その二つの状況が今目の前にあるかどうかというのがやっぱり判断の基準であろうかと思います。
 今のところ、過去の統計しかありませんけれども、過去の少し前の統計を見る限りはそういう状況にはなっておらないわけでありますけれども、その辺は慎重にぜひ見きわめたいと思います。
#409
○松谷蒼一郎君 最近の日銀短観を見ても経済統計を見てもずっと悪い状況があるし、今後も明るさは見えないんですね。今、デフレスパイラルに入っているか入っていないか、それは定義でしょうが、しかし、私どもはもう既にその入り口にかかっているんじゃないかというような思いがあります。
 したがって、こういうところは、先ほどの総理の政策ではありませんが、柔軟に対応すべきところは対応していかなくちゃいけないし、ここぞと思うときにはやっぱり財政出動をしなきゃいかぬわけですよね。ここぞと思わないときに余り出動したら、それはいかぬでしょうが。ですから、そこのところのタイミングの見きわめ、これはまさに内閣の最も重要課題であろうというように思います。その点は財務大臣も含めて十分に御考慮をいただければというように思います。
 大体、財務省というか、旧大蔵省は何でもかんでも締めればいいというような雰囲気がありますしね。そうじゃなくてやっぱり、むだなものは省かなくちゃいけませんが、しかし、大事なときにきちっとした出動をやるということは必要であろうと思いますが、財務大臣、いかがですか。
#410
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど竹中大臣もお答えになっていますように、これからの見通しをまだ十分立てなきゃならぬと。
 それで、アメリカの方も、それはこの時期、戦争の対応措置を的確にとっていくということを言っておりますけれども、私は、つい先日でございますが、G7に行きまして、どういう点にアメリカは配慮するのかと聞いてまいりましたら、一つは航空業界が非常にダメージを受けておるんですね。それと、保険料がもう高くなって、すべてのものが保険料が重い、それで実は流通関係も困っておるんだと。したがって、そういうものは応急に措置をしなければならぬだろうと。それ以外の問題については、これからもなお慎重に実態を調査すると言っておりました。
 したがいまして、私たち、日本のこの状態を見ましても、そういう何かこれによって出てきた顕著な例があるとするならば、それはそれなりに協議して決めていかなきゃならぬと思うのでございますが、今のところ、そういうふうなものはまだ顕著に出てきておりません。だけれども、おっしゃるように、絶えず憂いがあればちゃんと備えておかなきゃいかぬ、こういうことでございますから、我々もそのような気持ちを、いわゆるいろんな事態がどう起こってくるかということについては研究をいたしております。
 しかし、財政の基準、基本ということは、これは総理が言っておりますように、いわば構造改革を進めていくところの一番柱になる問題でございますから、そういう精神は失うことなくやっていきたい、こういうことでございます。
#411
○松谷蒼一郎君 精神は私も賛成ですが、しかし、今言ったような、総理も柔軟に対応するとダーウィンの言葉を引用してまでおっしゃっているわけですから、ここはやはりかたくなにただ締めればいいというものではないということをぜひ御理解をいただきたい、こう思います。
 通告していなかったかもしれませんが、経済産業大臣にお伺いしたいんですが、今、財務大臣からお話がありましたように、あらゆる産業が余り明るくないんですね。もちろん建設産業、不動産、流通、金融、みんな悪いです。今言ったテロの影響もあって、保険業界、航空会社、これらも悪い。最も期待していたIT産業が今やもう不況産業になってきている。
 となると、先ほど竹中大臣はまだまだデフレスパイラルの入り口ではないというようなお話もありましたけれども、じゃ、一体どの産業が明るさが見えるのか、あるいはどの産業をこれからきちっと政府として注目しながら育成していかなくちゃいけないのか、それらについて御意見をいただきたいと思います。
#412
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 今御指摘のように、大変、今、日本の経済というのは厳しい状況にあります。
 つい最近でございましたけれども、全国の経済産業局長を本省に集めまして、日本全体の今の景況を報告を受けました。やはり総体的に物すごい厳しいわけでございまして、前回に比べて厳しくなっていると、こういうことでありました。その中で、バイオテクノロジーの分野、あるいは省エネルギーの分野、さらには新エネルギーの分野というのが、全国押しなべて厳しい中で非常に活力がある、こういう報告がございました。
 したがいまして、今ITのこともおっしゃいましたけれども、私は、ITというのは第一ステージが一応終わって、今端境期で、これから第二ステージの将来に向かって飛躍をしようと、こういうところだと思うんです。
 我が国も、御承知のように二〇〇五年までに、例えば一つの例では、全国三千万世帯を高速のインターネット網で結ぼう、さらにそのうちの一千万世帯は超高速の光ファイバーで結ぼうというのが今着々進んでいます。そして、その光ファイバー網の幹線の敷設率というのも、委員御承知のように日本では非常に世界に比べて高いわけですから、そういったところを整備していきますと、ITもこれから日本の得意分野である家電分野、こういうところと結びついていきますと、非常に私は将来性が期待できると思いますし、また、今までの日本のいわゆる経済、産業を引っ張ってきました、日本というのはやっぱり物づくりが原点であります、その中で自動車産業でありますとか家電産業あるいは機械工作、こういったところも、さらにまたITと結びつくことによってさらに一層私は飛躍が期待できると思いますし、現にこの厳しい中でも、やはり少子高齢化の中で医療、福祉という部門は大変大きく雇用を吸収してくれます。
 こういったところの、やはり総力を結集して新しい企業が起こるようなインセンティブを与える、こういうことをしていけば、非常に将来、ここが日本の経済の私は牽引力に相なると思いますし、またさらには、やはり物づくりということを申し上げましたけれども、日本の場合には非常に将来夢を持てるいろいろな技術があります。例えばナノテクノロジーなんという問題でも、これは世界の中で非常に進んでいます。こういったことをうまく展開していく、こういうことになると、そこからまた新たな産業集積が生まれてくると思いますし、さらにバイオテクノロジーもその一つであります。
 そういう形で、やはり地域でもっと経済の活性化をしていかなきゃいかぬということで、今全国十九カ所で産業クラスターというのをやっておりまして、まだ初期の段階ですけれども、既に三千社が参加をしていただいて、そして、これは将来の一つの構図ですけれども、産官学の連携の中で、その地域に応じたバイオでありますとかナノでありますとか情報通信でありますとかあるいは環境、こういった問題で非常に大きく私は伸びる素地があると思いますし、そういうことを一生懸命やっていけば、私は二十一世紀日本の経済はそう悲観すべき問題ではない、そういうふうに思っております。
#413
○松谷蒼一郎君 今、経済産業省になりましたが、その前の通産省のときは、あの省は非常にバイタリティーに富んだ省でありまして、(「今は」と呼ぶ者あり)今じゃないんですよ、昔の。それはやっぱり民間との交流があって、民間の意欲というものをはっきり受けとめながら行政に反映していったんですね。
 ところが、今なかなか公務員は民間との交流がやりにくくなったものだから、そういう意味ではちょっと難しい状況であります。しかし、かつてのあの通産省のバイタリティーあふれた、まさに日本国を産業的に発展させた省ですから、大いに頑張っていただきたい、こういうふうに思います。
 日銀総裁お見えになっておりますが、日銀短観が最近出ました。大変厳しい状況でありましたが、これは今回のアメリカのテロの影響をある程度織り込んだ形での短観であったんでしょうか。
#414
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 日銀の短期経済観測というのは年四回、約一万件弱の企業から資料を集めております。十月一日に最近のものを発表したわけでございますけれども、これはテロ事件が発生する前に調査票を出してきたものが約三割でございます。それ以降受け取ったものが約七割で、発生前に出したものが三割で、発生後に受け取ったのが七割ということでございますので、やはりテロ事件の影響というのは、先行き不透明感が強まっていくという点では業況判断、ディフュージョンインデックスの悪化ということなどにある程度反映されておりますけれども、これからむしろ収益とか設備投資の計画といったようなものは十分には織り込まれていないと申し上げていいかと思います。
#415
○松谷蒼一郎君 今のような御報告、そしてまた大変厳しい景気の状況の中で、さらに日銀として金融政策に修正を行うというようなものがありますか。
#416
○参考人(速水優君) 日本銀行といたしましては、景気の現状はやはり輸出の落ち込みなどで生産が大幅に減少をしてまいりまして、その影響が雇用や所得にもしみ込んできつつあるというところかと思います。今回の短観もそういった動きを示しているように思います。
 日本銀行では、本年に入りましてから、景気、物価情勢の悪化を踏まえまして、思い切った金融緩和措置を機動的に講じてまいりました。先日の米国におけるテロ事件の発生に際しましても迅速な対応に努めまして、その後、九月十八日には、金融市場の安定を確保するために、金融緩和をより一層強力な、この効果を浸透させることを図る措置を決定した次第でございます。
 日本銀行としましては、今後とも物価の継続的な下落を防止するとともに、日本経済の安定的かつ持続的な成長の基盤を整備していきますために、中央銀行としてなし得る最大限の努力を続けてまいる決意でございます。
 同時に、不良債権問題の解決を初め金融システム面や経済再生面での構造改革への取り組みがたゆまずに進められて、緩和的な金融環境を活用するような前向きの経済活動が出てくることを強く期待している次第でございます。
#417
○松谷蒼一郎君 日銀総裁、どうもありがとうございました。これで総裁に対する質問を終わります。
 この後、幾つか質問をしたいんですが、時間の関係でもう答弁は必要でありませんが、骨太の方針を出されましたね、竹中大臣にお伺いしますが。
 これは私は、いろんな見方があります。例えば国土の均衡ある発展についていろんな考え方があったし、最終的にはこれは取り入れていただいたと思いますが、経済だけでなくてやはり基本的には政治の問題でありますから、その点は十分お考えいただきたいと思いますが、しかしそれなりに評価できると思うんですね。
 ただ、その後出された改革先行プログラムとそれから工程表ですね、改革工程表、これを拝見しますと、各省庁からずうっと出されて、何かこう総花的で、余りぴりっとした形での一つの精神、思想が貫いているような形のものではないような気がするんですね。
 これ、いろいろ御説明受ければこれは膨大なものですからここでは答弁は結構ですが、私はやはりこれについては、聡明な大臣でありますから、総理の御指示のもとにぜひ、何というかな、きちっとした、こういう厳しい状況の中での対応というのをぜひやっていただきたいというようにこれを要望しておきます。
 それから、次に狂牛病問題に移りますが、ちょっと時間の関係でもう余り申し上げませんが、やはりこの問題については農水省の不作為というか、そういうような問題があったんじゃないか。十年も十五年も前から英国で大問題になっていた。例えばヨーロッパに行けばもう牛肉は余り出ない、レストランへ行っても。
 そういうような状況の中で、狂牛病というのは大変な問題であったというように私は思うんですが、しかし、それに対してはどうも農水省の中での対応がきちっとできてなかったんじゃないだろうか。いろんな検査の体制の問題とか、これは厚生労働省かもしれませんが、いろいろあります。検査については、自民党ではぜひ全頭検査をやってもらいたいという意見でもあります。
 したがいまして、両省いずれも、これらについてはきちっとした対応を今後はやってもらわないと大変なことになるだろうと思うんです。特に、風評被害が非常に大きな影響を出しております。景気悪い中で、本当に関係者の方々も大変だろうと思いますし、消費者もまた大変ですね。両大臣、大変すばらしい大臣がお二人いらっしゃるわけですから、過去のことは別として、今後きちっとした対応をいただきたいというように思います。
 答弁は──答弁されますか、それではどうぞ。
#418
○国務大臣(坂口力君) いろいろと御心配をいただいて申しわけないというふうに思っておりますが、御指摘いただきましたように、これから先、国民の皆さん方に安心をしていただけるような体制を早く確立をしなければならないということでございまして、先般来、この十八日からは三十カ月以上の牛につきましては全部検査をして、そして皆さん方に安心をしていただけるようにする、万が一疑わしいものが出ましたときには全部廃棄処分にするということにしたいというふうに思っております。
 そして、それに加えまして、そこまでいくのならば三十カ月といわずに全部やったらどうだ、こういう御意見をちょうだいをしているわけでございます。科学的な現在までの考え方だけでいきますと、これは三十カ月でいいというふうに思っておりますけれども、しかし検査をするものとしないものとあるというのは国民に与える影響も大きいではないか、ここは科学的なことはさておいて、全部やるんならやったらどうだという御意見をいただいておりまして、そこは私たちもそのことは真摯に受けとめなければならないというふうに考えているところでございます。
 自治体の体制整備の状況等もございますけれども、このいろいろの御忠告をできるだけ受け入れて、そしてその方向で対応してまいりたいと考えているところでございます。
#419
○松谷蒼一郎君 農水大臣には、決意は伺いますが、あわせて諫早湾干拓工事、これは大変厳しい状況にあろうかとは思いますが、工事の再開を認めるという発言を農水省の方でして以来、もう七カ月工事再開ないんですね。私どもは必ずしも諫早湾干拓工事がノリの不作につながっているというようには思いませんが、しかしそれはそれなりに、第三者委員会ですか、そこでいろんな結論を出されております。これについてはやはり、地元の長崎県の要求としては早く工事を再開していただきたいということであります。いかがでございますか。
#420
○国務大臣(武部勤君) 諫早干拓事業の前に、BSEのことをもう一度申し上げさせていただきます。
 国民の皆さん方の間には、どうも日本国内にBSEの感染した牛が出回っているのでないかという誤解があるように思うんです。しかし、それは出ておりません。これは、焼却処分したと言ってそうでなかったという言語道断の問題はありますが、しかしなぜ焼却処分にしなかったのかというところが本当は問題なんです。それは屠畜場で敗血症という診断をしてしまったからなんです。
 しかし、ほっとしたことは、敗血症という診断でありながら全部廃棄処分ということでありまして、それは焼却処分か化製工場等で衛生的に処理することと、こうなっておりまして、化製工場に行っていたわけでございます。ですから、我が国内でBSEの感染牛が食肉などに出ていないということをまず国民の皆さん方に知っていただきたいと思います。
 それじゃ、今後は大丈夫なのか、なぜこの問題が起こったのかというのは、検査体制です。したがって、厚生労働大臣、今御答弁ありましたように、十八日には全頭を検査して、そして悪いものは絶対出さない、悪いものは、もし出たならば、万が一出たならば焼却処分にしてしまう、そして出るものは安全なものだけという、食肉にもえさ用にも安全なものしか出回らないという体制をしいた。それから農家、畜舎で、牛舎でも今検査をやっています。これもBSEを疑わなくても、何か立てない牛だとかそんなものを全部検査して、そしてこれも焼却処分にしているわけでございます。肉骨粉も輸入物も国産物も一切外に出さないと、停止しました。
 そういったことで、一番私ども心配している風評被害、これを鎮静化させて、消費者、生産者あるいは食品産業、流通業者すべての皆さん方に安心していただける体制をつくらなきゃならぬということで、厚生労働省と一体的に今頑張っておりますから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 諫早干拓事業についてでございますが、私どもはこのたび食糧の安定供給と美しい国づくりに向けてということで、自然と共生する環境創造型事業への転換ということで、この事業もモデル的に考えていきたいというふうに考えている次第でございまして、平成十四年度より環境創造型事業に転換することを試みて、環境創造型ということでございまして、これは防災機能の十全な発揮、概成しつつある土地の早期の利用、環境への一層の配慮、予定された事業期間の厳守の四つの視点に立って総合的な検討を行っているところでありまして、今、委員御指摘のように、今後長崎県を初めとする関係地方公共団体等の意見を聞いた上で年末までに成案を得たいと、こう考えている次第でございますが、今月の十一日には私どもの考えをお示しして御意見を交えたいと、かように考えているところでございます。できるだけ早く工事が実施できるように関係者の理解を得るなど最大限努力してまいりたいと存じます。
#421
○松谷蒼一郎君 それでは最後に、これも我が長崎県に関係するのでありますが、長崎の被爆地域拡大是正について、ことしの原爆記念日に総理は長崎においでになって、この辺については十分な理解を示されました。また、厚生労働大臣、おいでになって、これについては何らかの措置が必要である、十二月までにはぜひ決定したいと、こういうことでありましたが、いかがですか。
#422
○国務大臣(坂口力君) 今お話しございましたように、長崎に総理とともにお邪魔をさせていただきまして、そのとき総理からもお言葉をいただき、そしてその後、皆さん方にも御説明をさせていただいたところでございます。
 いろいろの検討会をつくりまして、そしてその中で、いわゆる原爆放射線による健康影響は認めにくいけれども、しかし、被爆体験によるPTSDと言われております、このPTSDに起因する健康影響は認められるという結論を得ました。この結論をもとにいたしまして、この地域の皆さん方の健康管理をどう進めていくかということをあわせて今具体的に検討させていただいているところでございまして、前向きに検討させていただいておりますので、十二月ぐらいまでに、ぜひひとつお待ちをいただきたいと存じます。
#423
○松谷蒼一郎君 もっと総務大臣その他、いろいろお伺いしたいことがあったんですが、諸般の事情によりまして時間がなかなか厳しい状況になりましたので、この際終わりますが、小泉総理初め、本当に真摯なる御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。
#424
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。入澤肇君。
#425
○入澤肇君 持ち時間が四時十八分までですので、答弁は簡単にお願いいたします。簡潔にお願いします。
 各省でテロ対策本部が設立されておりますけれども、この英米の攻撃がいつ終了するか、短期で終わればいいんですが、長期にわたる場合になりますと、我が国の国民生活の安定あるいは安全のためにも大きな影響が出てくるんじゃないかということが心配されております。
 そこで、各省を代表いたしまして、まず国土交通省には、航空、海上輸送等を所管しておりますので、その安全に対してどのような対策をとっているか。それから農林水産省には、インド洋というのは、我が国の水産物の平均消費量八百万トンのうちの約八十万トンがインド洋産なんですね。特に我々が一番好んで食べるマグロは三〇%がインド洋産と言われている。こういうような水産物の供給にどのような対応をとる考えであるか。それから経済産業省には、石油とか基礎資源の確保についてどのような対応策を講じているか。
 この三点、三省からお聞きしたい。
 また、ちょっと国土交通省には、沖縄の旅行業者は大変悲鳴を上げている、特に修学旅行の学生、子供さんたちが十月と十一月で約百校二万人のキャンセルがある、こういうふうな数字が報告されておりますので、旅行業に対する対応策についてもお聞きしたいと思います。
#426
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 このテロの勃発の後、私ども一番心配いたしましたのは石油の価格の問題であります。これはもう御承知だと思いますけれども、初日だけで三十ドルを超えるような急騰がございましたけれども、世界全体がやはり景気が非常に後退をしている、そういうような背景がございまして、今は二十二ドル台に落ちついておりまして、実はほっとしているところでございます。
 これから先行きどういう事態になるかわからない、こういうことでございまして、IEAと私どもは連携をとりながら、前回非常に石油が高騰したときにも我が国から申し出をしましたけれども、我が国は備蓄がございまして、これはIEAの基準で九十五日を満たさなければならない、こういうことになっておりまして、大体その量は確保できております。したがいまして、これから連携をとりながら、そういう石油の市場をにらみながら、私どもとしては石油の価格安定と供給の保全に努めていかなければならない。
 幸い、繰り返しになりますけれども、現在は安定をしている、こういうことで、さらに注意深く見守っていこう、こういうふうに思っています。
#427
○国務大臣(扇千景君) 今回の同時多発テロによって、米国だけではなくて日本も大変な被害が今後ふえていくであろうというその予測のもとに、我々、まず外国のことではなくて、我々自身、国内で国土交通省として何ができるか、そういうことを考えながら対処してまいったところでございますけれども、まず国土交通省、陸海空ございますので、航空関係に関しましては、少なくとも、もし国内で何かあった場合には、飛んでいる民間航空機等々を近くの空港に一斉に着陸させられる、そのマニュアルを図るべきであるということが第一点。
 そして第二点目には、管制塔を通じて離発着ができるところはそれで一斉にできますけれども、民間航空機の練習所、民間練習所がございます。そのところはどうするのかというので、その民間の、届け出を出て、練習をするところには、その都度厳格に対処すると。
 もう一つは、三つ目に、航空関係では農薬散布等々のヘリコプター等々、無人のものがございます。それは農林水産省、千台あるそうでございますので、農林水産省と共同でこのヘリコプターの、無人ヘリコプターも含めて、これは厳重に管理するということで対処していきたい。
 そして、少なくとも航空機関係では乗りおりのときの検査、これが皆さん方よくボックスの中で通過していただきますけれども、これがフェーズT、フェーズU、フェーズEと今三段階で検査しておりますけれども、フェーズEという一番強力な体制をとっておりますけれども、なおかつ今の日本のこの機器ではまだ軟弱であると、もっとアメリカのように強化な機械を入れるべきであるということで、これも予算を伴うことではありますけれども、予算がつくまでやらないということでは何もなりませんので、これは緊急にこの対策の機器の新規導入ということを図っていきたいと思っております。
 それからあと、米軍の基地の上はなるべく飛ばないようにという旅客機の管制の規制をなるべく指導しているところでございます。
 それらが航空関係でございまして、一方、海上関係では、少なくとも臨海部に近い米軍の施設、それから先ほど、午前中もお話しになりました原子力の発電所の近隣、そして国際空港の近く、あるいは重点警備等々を、これは海上保安庁としても厳重に今警戒を強化いたしております。それが海上でございます。
 さらに、少なくとも鉄道、バス等々、通常の運行に関しましては、例えば新幹線等々も含めまして車掌室に入れないとか、あるいはモニターで映すときに厳重にこれをチェックするとか、あらゆる段階で今警備体制を整えているところでございますけれども、何しろ陸海空の国土交通省の管轄でございますので、その点は強力に皆さん方の御賛同を得ながら、御協力を得ながら対処したいというのが一例でございます。
 それから最後に、沖縄の問題をおっしゃいましたけれども、沖縄のみならず海外の旅行者もこれ激変しております。そして、九月の十一日から二十四日の二週間で国際線の旅客数は前年比で二七%の減という数字も現実に出ておりますし、また旅行会社の海外旅行のキャンセルにつきましては、九月十一日から二十八日までの十八日間で既に二十九万人のキャンセルが出ております。
 沖縄のみならず、そういうあらゆるところに経済の危機感、そして皆さんが自粛すると。この自粛も、余りにも自粛し過ぎると経済の大きな打撃になりますけれども、それよりも、少なくとも我が国に対処できる方法は何があるかと。最大の私たちは公約数の中で、でき得る限りのマニュアルと予防体制で厳重に監視していきたいと思っておりますので、ぜひ多くの皆さんの御協力を得たいと思っておりますので、もし何かあれば、ぜひ御助言を皆さん方からいただきたいと、最大の便宜を図って警戒に努めてまいりたいと思っております。
#428
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省といたしましては、昨未明、午前二時に緊急テロ対策本部を設置いたしました。そこで検討していることは三項目あります。
 第一に、我が国は委員御案内のとおり大変な食糧輸入国でございます。食糧の安定供給ということについてしっかりした警戒態勢をしこうということでございます。第二には、遠洋漁業に出ている漁船等もございます。したがいまして、情報の的確迅速な徹底を図ろうということでございます。三つ目には、国民の安全ということに対して農林水産省にかかわる問題について徹底した管理をやっていこうということでございます。例えて言うならば、劇物、農薬等危険物質の保管、管理、こういったことなども徹底しようということでございます。
 現時点においては、今、委員お話しのマグロ等の問題については大きな問題がありませんが、農林水産省全局長、長官をメンバーにいたしまして、毎日情報を収集している次第でございます。
#429
○入澤肇君 テロにつきましては、新聞でその原因についてさまざまな報道があるわけであります。また、イスラム諸国では政府と民衆との間にかなり意識の差があるというふうなことも報道されております。
 私、ここで思い出しますのが、実はOBサミット最後のときに、マクナマラ元国防長官と食事をする機会がありました。そのときに、ベトナム戦争なぜ負けたのかということで、反省の本を、ベトナム戦争は間違いだったという本にするので読んでくれと言われました。アメリカは中国の勉強はあるいは研究は一生懸命やっているけれども、ベトナムの研究はやっていたと思ったんだけれども抜かったと。ベトナム民族の深層心理に迫るような研究までできなかった。私が、対日戦争のときにアメリカはルース・ベネディクト女史を中心に大変な研究をやったじゃないか。その後、研究成果を「菊と刀」という本に著して、我々読ませてもらった。中身については間違いも多かったけれども、しかしそのような研究をやったことについては大変私は感激しているということを申し上げました。
 私は、このイスラム問題を考えるときに、これからいろんな作戦あるいは支援活動をやった後に、平和の秩序の確立のために我が国はどういう貢献をし得るかというときに、イスラムの皆さん方の実際考えているニーズと我々が外から見ている考え方と差があったのでは効果がない。今からでも遅くないから、私総力を挙げて、官民挙げてイスラムの研究に取り組むべきじゃないかと思うんですが、作戦が長期になればなるほど、その期間を利用して私はイスラム民族の深層に迫るような研究を政府として蓄積すべきじゃないかと思っているんですが、外務大臣いかがでしょうか。
 中東調査会とか、いろんな調査機関があるんですよね。だけれども、断片的にはわかっているけれども、我々イスラムの実態よくわからない。ですから、国民的なレベルで、ある程度まで大変な金額をもって、あるいは今度また自衛隊が派遣されるようになれば、大変な努力をして我が国は協力するわけであります。ですから、国民的なレベルでイスラムについての知識を共有しなくちゃいけない。そのためには総合的な研究が必要だということを申し上げている。
#430
○国務大臣(田中眞紀子君) 大変失礼しました。
 中東問題、イスラムの問題ですけれども、やはり私は、文明の衝突ではなくて文明の対話ということがよく言われていますけれども、トータルでそうしたことをやって、ただ単に資金援助だけではなくて違ったものを、宗教的なもの、ライフスタイル等についてもお互いに理解を深めていくということが非常に大事だろうというふうには思っておりまして、あらゆる機会をとらえてそうした努力、発言もしていきたいというふうに考えております。
#431
○入澤肇君 その次に、ぜひアメリカが戦前やったようなああいう国民挙げての研究というのを我が国でもやって、そして外国との距離というのを狭めるような工夫をしていただきたいと私は思うのであります。
 経済対策でございますけれども、ブッシュ政権がこのテロを契機に小さな政府、市場原理、自己責任の原則を若干臨時応急的に修正するのではないかというふうな報道がなされております。
 さっきも一部そんな質問がございましたけれども、総理はかねがね、大胆かつ柔軟な経済政策をやるんだと、いざという場合ですね。それから、竹中大臣もそう言っておられる。しかし、大胆かつ柔軟なというのは、今の時点でもわからないわけですね。まだその時期じゃない、時期じゃないと言って、考えておられるのかもしれませんけれども、もう既にこのテロ対策でアメリカもいろんな政策転換をする、それからこの間もG7でいろいろな検討結果が報告されているわけですね。
 これを受けて、今まさに需要対策を中心に景気対策、経済対策を進める時期じゃないかと思うんですが、竹中大臣、いかがですか。
#432
○国務大臣(竹中平蔵君) かねてから、日本の経済の本質は八〇年代以降、経済の供給サイドがやはり弱くなってきたことで、供給サイドを放置したままで公共投資を拡大するような需要政策をとってもそれは財政赤字が残るだけなんだというようなことを随分と申し上げてまいりました。
 その意味で、しかし今、先ほど申し上げましたように外的なショックがあるわけでありますから、そのショックに対して需要面での何らかの政府部門から民間部門に対する注入が必要ではないかという御指摘だと思いますけれども、これはまさに非常に微妙な判断の時期であるという認識を強く持っております。
 今夕、経済財政諮問会議が開かれますけれども、そういった場を通じて、緊急の、何といいますか、危機管理の政策のあり方については議論を今深めているところでございますので、議員御指摘のような危機的な意識は持っております。
#433
○入澤肇君 供給面での構造改革を私は徹底してやるべきだと思うんです。需要対策が供給面の構造改革を引っ張るかというと、そうじゃなくて、これもやり方なんですね。
 例えば、高速道路の問題で衆議院でも質問ございましたけれども、整備計画、これを大幅に変更しなくちゃいけない、あるいは財源問題をどうするか。あるいは三十年で返すのが適当じゃないか。今、五十年で返すようになっていますけれども、これを三十年で返すべきじゃないかという総理の御答弁もありました。
 この整備計画というのは各地方にとって大変大きな期待を持たせてきたんですね。これがまた自民党が長く続いた大きな原因の一つでもあるわけであります。この整備計画を大幅に変更するとなれば、これはやはりそれなりのわかりやすい説明がなくちゃいけない。現在、例えば着工している路線をどうするのか、それから未着工の路線についてかわるべき整備方法を提示すべきじゃないかというふうな意見もございます。この整備計画、高速道路の整備計画を変更するのであれば、それなりの説明責任があるということについて、国土交通大臣、いかがでしょうか。
#434
○国務大臣(扇千景君) 今、少なくとも特殊法人改革ということ、そして私は、小泉内閣が選挙のときに聖域なき構造改革を公約にうたって選挙をしたこと、そして選挙が済んでからも総理のおっしゃることは、少なくとも今は非常時である、平時ではない、そういう感覚で特殊法人の改革に取り組んでほしい、また改革なくして成長なし、これを私たちは二十一世紀、肝に銘じて断行しなければならない。
 高度成長期、少なくとも地方自治体もまだ今のような状況ではありませんでしたから、均衡ある国土の発展という言葉のもとに日本じゅうがすべからく同じ社会資本整備の恩恵を受けるべきであるという、そういう気持ちがあったことは確かでございます。けれども、現在のような財政難、国も地方も財政難が起こったときに、我々はそれじゃどの程度の社会資本整備を願うのか。欧米先進国のような社会資本整備まで持っていくためにはまだまだお金が要る。けれども、財源がない。国も地方もない。そうすると、我々の日本の国の社会資本整備というのはどの辺を目標にすべきかという、この根本の論議が私は必要であろうと思います。
 そういう意味では、二十一世紀になって、我々は二十一世紀、これから百年間で日本の国のあり方はどうあるべきかと、そのことを示さないで、目先にある小さなことを一つ一つ切る、切らない、これをふやす、ふやさないと、そういう論議ではなくて、私は、国の基本的なグランドデザインがないゆえに飛び飛びに高速道路をつくっても効果は上がらない。あるいは点と点はあっても線がない。これでは経済効果が上がらないわけですから、今までの少なくとも、大変失礼ですけれども、我々の高度成長期には政治家は一県一空港という話まで出ました。
 少なくとも私たちはこういうことで今まで選挙をしたのではなくて、みんなで二十一世紀の国を考えて痛みを耐えようということで選挙をしたわけでございますから、国民に痛みを与えるだけではなくて、我々も基本的な構造改革あるいは特殊法人の見直しを図っていくのは当然であろうと思っておりますので、でき得る限りの私は二十一世紀型の改革に挑戦している最中でございます。
#435
○入澤肇君 ぜひ、今まで閣議決定までして決めてきた政策を基本的に変えるということであれば、国民が納得するような説明をしていただきたい。
 それから、公共事業は一般に悪いと言うんだけれども、そうじゃないんですね。選択と集中なんですよ。今、日本全国で一万カ所以上仕掛かり品があるんです。それでもう十年、二十年かかって、これじゃ効果が発揮できない、有効需要創出効果が小さくなる、当然なんであります。ですから、選択と集中ということをスローガンにして公共事業の見直しをやっていただきたいと思います。
 時間の関係で、最後、雇用対策について質問させていただきます。
 政府もいろんな雇用対策をやろうとしていますけれども、各都道府県も雇用対策に独自性を発揮しようとしていろんな案を用意しております。例えば和歌山県、三重県、これは両県、知事さんが中心になりまして、森林とか海洋の自然環境の保全を公共事業の範疇に入れて、そして離職者らに対して仕事の場を提供する緑の雇用事業という題名で対策を講じようとしています。鳥取県ではやる気のある中小企業に支援、補助金を出す、あるいは宮城県では中高年者を雇用した事業者に奨励金を支給する範囲を拡大すると、こんなこともやっておられますけれども、大体二十二県ぐらいでもう既に独自の案を考えている。
 政府としても、これらの自治体の対策に対して、彼らが自主的に自由に対策を講ぜられるように助成措置を講ずるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#436
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のとおりと私も思っております。
 先日も経済産業大臣と御相談をさせていただきまして、そして、やはり地域地域に合った雇用をつくり上げていくことが大事ではないか、東京から皆ああしろこうしろと言うのはそれは間違いではないかというようなことをお話をいたしまして、そしてこれは九ブロックでございますけれども、全国九ブロックに分けまして、そしてそれぞれの地域で最も合った雇用対策とは何かということをそれぞれの地域で考えていただこうというので、この八月一日からスタートしたところでございますが、今一斉にやっていただいているところでございます。
 そして、地域から上がってきましたものをひとつそれを大事にして、それに対して国が、よし、それに財政的な支援もしようということにしなければ本当の雇用対策にならないというふうに思っておりまして、そのように進めているところでございます。
#437
○入澤肇君 その雇用対策で一つ疑問に思いますのは、雇用保険特別会計に保険料を徴収して集められたお金が失業対策のほかにいろんな名目でばらまかれているわけですね。例えば、雇用するのに一回限り一人三十万円やるとか、あるいは今度、緊急地域雇用対策ですか、去年は二千億円積んで、そして六カ月間失対事業的にお金を出して、これを今度は一年間延長しようなんという検討がなされています。
 一方で、新市場の開拓というのがかなり言われている。私は、ベンチャービジネスとか何か本当に市場を開拓しようとするのであれば、補助金をばらまくのではなくて、雇用保険料の低減措置、そういう新しく育成しようとする企業に対しては、保険料を事業者もそれから雇用者も含めて二分の一に低減するような保険料率の低減によって継続的な政策を講ずるというふうなことがあっていいんではないか。
 厚生労働省の雇用対策の補助金を見ていますと、昔の農林省以上にばらまきなんです。農林省はばらまきからはもう脱却しているんですよ。ぜひ賃金補てん的な雇用対策から保険料率の変更による継続的な雇用対策ということに変更していった方がいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#438
○国務大臣(坂口力君) これも総論としては御指摘、私もよくわかるわけでございます。そして、全体としましては、今までやっておりました賃金助成金などの問題も十九から十三へ整理統合いたしますとか、あるいはまた重点化、体系化を行っているところでございまして、これはかなり圧縮しているわけでございます。
 ただし、こういう失業の非常に多い、雇用対策の非常に大事なときなものですから、皆さん方の方からはこれもやれあれもやれという御要望の多いことも事実でございますから、今そこを、保険料をカットするということはなかなかこれは難しいので、ここはお許しをいただきたいと思っておりますが、ただし現状の中で、その使い方につきましてはそれこそ重点的に、やはり選択と重点でこれはやらせていただきたいというふうに思っているところでございます。
#439
○入澤肇君 終わります。
#440
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松谷蒼一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#441
○委員長(真鍋賢二君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
#442
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 私と関連者とできょうは日程終わりでございますので、連日お疲れのところ、あと少しおつき合いをいただきたいと思います。
 テロの問題でございますけれども、米国と英国の軍事行動が始まりました。もちろんこの問題、ビンラディン氏を幾ら要請してもなかなかタリバンが出さないという現状の中で、やむを得ない措置としての行動だと私どもも支持をいたしておりますし、これに対しても、日本として当然取り組むべき問題があります。
 しかし、報道等を見ていますと、何か軍事行動だけがテロ対策のすべてであるような感じを受けてしまいます。私は、日本としてきちんとこのテロ対策、どういう形で臨むのかというのをはっきりもう一度総理の口から、こういう総合戦略で今後テロの対策については臨むんだ、これを国民の前にはっきりした形でお示しをいただきたいと思います。
#443
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロに対しては、日本の持てる力を発揮して国際社会の一員としての責任を果たしたいということから、経済面の支援あるいは人道的な支援、金融面の支援、難民に対する支援、さらに自衛隊による支援、いろいろあるわけであります。
 現に、現時点におきましても、財務大臣等、経済、金融に無用な混乱を起こさないための協力体制、さらにはテロの資金管理の面、パキスタン等に対しては既に経済援助、あるいは難民に対しては人道的な救援物資の提供等、やるべきことあるいはやらなきゃならないことについて、できるだけ措置は既に講じております。
 さらに、危機管理面におきましても、日本でいつテロが起こるかわからない。そういう対応も準備を進めておりまして、自衛隊だけが今回のテロ対策ではないと。むしろ、今までできなかったことまで、できるだけ武力行使以外、戦闘行為に参加する以外、各国と協力しながらやろうということでありまして、自衛隊自衛隊と突出しておりますけれども、むしろ自衛隊のやる任務というのはテロ対策の中で一部でありまして、そのほかに日本は、いろいろ経済面とか医療面とかあるわけですから、ともかく日本の国力、国情に応じてできるだけのことはする、積極的に、主体的にテロ撲滅のために国際社会の一員として立ち向かっていこうということをぜひとも御理解いただきたいと思います。
#444
○木庭健太郎君 今、総理がおっしゃったように、このテロに対してはその根源を解決する問題から、午前中も議論があった、それは長期的に見れば貧困の問題も解決しなくちゃいけない、いろんな問題もある。しかし、緊急に今起こっておる問題に対しても対応しなければいけない問題もある。
 その意味で、今回のこの軍事行動が起きた結果、ある意味では私どもは今から与党として、政府が提出された新法の問題、いわばこれから軍事行動が始まれば難民が多く流出するような問題も起こり得る、さらに日本国内においてはやはりそういう問題に対してより厳戒な警戒もしなくちゃいけない、そういうさまざまな問題があるならば、今政府が提出している法案の意味は私は大きいと思っている。
 総理としてもこの新法の意義というのをどう認識をされているのか、再度ここで明らかにしていただきたいと思います。
#445
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今まで想定していなかったテロ攻撃に対してどうやって立ち向かうかということでありまして、まず日本ができるだけのことをやろうと、主体的に積極的に取り組むということが大前提であります。そして、このアメリカにおけるテロ攻撃というのはアメリカに対する攻撃でありましたけれども、それは人ごとではない、全世界の自由と平和を愛する国民に対する、人類に対する攻撃である、民主主義に対する攻撃であると。
 そこで、このテロ撲滅のためにはかなり多方面からの対策が必要であると。その中で、アメリカ初めイギリス等は武力行使も辞さないということで今武力行使に踏み切ったわけでありますけれども、日本としては武力行使以外の点で協力していこうと。そして、テロリストたちがたとえアラブ人であろうともイスラム教徒であろうとも、このテロとの対決、テロとの戦いであって、アラブとの戦いではないし、ましてやイスラム教徒との戦いでもないと。
 あらゆる外交努力等も通じて、このテロに対して国際社会の一員としてできるだけの支援体制をとって、かなり長期になろうとも、二度とこのような卑劣な攻撃を許さないという毅然とした取り組みが今、日本として必要ではないかと。どういう協力ができるか、できるだけの協力をするというのが私は日本としての当然の姿ではないかと思っております。
#446
○木庭健太郎君 そこで、一つだけ個別の問題で外務大臣にお伺いをしておきます。
 今、国際社会の中でこのテロに関連する条約、二本ございます。この署名、批准の問題でございます。
 もうこれ外務大臣に御説明いただければいいですけれども、爆弾テロ防止の方は署名はしたけれどもまだ批准していない、またテロ資金供与の防止についてはこれは署名すらまだできていない。私は、こういった問題は早急に署名をし、なおかつ、できることならば今国会中に両条約とも批准できるような強い決意で臨むべきだと考えておりますが、外務大臣の見解を伺いたい。
#447
○国務大臣(田中眞紀子君) テロ対策の基本的な姿勢は今、総理がおっしゃったとおりでございますけれども、まさしく平和的手段として私たちができることにこの条約の批准というものがございます。
 国際社会等の枠組みの中でもってぜひ最善を尽くすべき問題ですけれども、このおっしゃった御指摘の二法案が現在残っておりまして、爆弾テロ防止条約につきましては、今、委員がおっしゃったとおりなんです。ところが、午前中の議論でもありましたように、この資金の方の問題ですね、テロ資金の供与防止条約、これにつきましては本当にもう年内で署名をしなけりゃならない期限が迫っておりますので、もう午前中の議論で私どももまた再度、また財務大臣もそれから金融担当大臣もみんなで、法務大臣もそうですけれども、総力を挙げまして、早急に批准が、署名ができるように、せめて批准を、まず署名ができるように最善の努力を閣内を挙げてさせていただきたいというふうに思います。
#448
○木庭健太郎君 もう一回。
 せめて署名はするんですね。
#449
○国務大臣(田中眞紀子君) 期限が年内でございますから、まず署名をというふうに思っております。
#450
○木庭健太郎君 ぜひ、本当は批准まで踏み込んでもらいたいけれども、いろんな要素もあるようでございます。ただ、これも批准できるように早急に国内整備のこともよろしくお願いをしておきたいと思います。
 そして、総理にもう一つこのテロ問題でお伺いしておきたいのは、何か総理の御発言を聞いていますと、もう日本の持つ力をもって全部やる、そのとおり今取り組みはさせていただいておると思うんです。ただ、総理がそう言えば言うほど、何か総理は本当は軍事行動までしたいんだけれども、おれはできなくて悔しいなみたいなことに受け取られかねない危険性もあるんですよ、それは。
 私は、大事なことは、日本として、もちろんそういう軍事行動が起きればそれに対してやれる範囲を必死にやる、強固に支えるということがあってもいい。ただ、日本の姿勢としては、やはり今軍事行動が起きた時点を考えるならば、この軍事行動がどう早期に終結できるか、それへ向かってやはり日本も国連を中心とした対話というような努力も一方で、一方でやりながら一方でこれを欠かしてはならない、そこに私は日本が歩むべき一つの道もあると思いますが、これも総理の見解を伺っておきたいと思います。
#451
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は武力行使をしない、戦闘行為に参加しない、その範囲内で何ができるかということを今考えているわけであります。
 何回も言うようでありますが、御理解をいただきたいと思います。
#452
○木庭健太郎君 また、この軍事行動によりまして、G7に財務大臣も行かれましたけれども、先ほどから景気の議論もいろいろございました。これからどういった財政政策をとるかというような議論もありました。
 総理は繰り返し、状況の変化によっては大胆かつ柔軟に対応するということを繰り返しおっしゃっております。それで受けとめればいいんでしょうけれども、私はやはり、この九月、日本の決算期のこの厳しさもありました。また、このテロという問題もありました。先ほど国土交通大臣は旅行業界の話なんかもなさいました。
 私は、やっぱりこのテロ後、また軍事行動が起きた後、ある意味では大きな本当に変化が今起きてきている。やはりこれに対して、今ある意味ではそういうものに何をやればいいのかと。
 総理はよくおっしゃいます、必要なものがあればそれを積み上げればいいんだ。三十兆円の枠、それは大事な話だけれども、基本だけれども、それにこだわることということはどうなんだというお話もされています。
 私は、やはり今の時点、大きな変化が起きてきている。きょうも会議があるようでございますが、また、補正予算の編成もしなければなりませんが、やはり今この大きな変化の中で、いわばそういった対応をぜひともとっていただきたいと思うし、また、国民にわかりやすくもしおっしゃっていただけるなら、総理が考えている状況の変化とは何かというのも御説明を一部いただければと思います。
#453
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今まで、五十兆円程度の税収が上がってくるであろう、アメリカの景気も回復してくるであろうと、そういう状況のもとでいろいろ補正予算も、また来年度予算も見直しを進めてまいりました。
 状況、こういうテロの発生も予想しない状況でございます。さらに、予想された税収もかなり落ち込むであろうと。そして失業率も上昇していくだろうと。アメリカの景気が回復してくるどころか、アメリカの景気も停滞していく、世界同時不況というような様相を心配する向きもある。そういう中にありましては、経済は生き物でありますから、私は、今までのように安易な国債に頼るということはよくないと思っております。
 そういう中で、最初から五兆円なり十兆円なり三十兆円なりと、そういう方式をとるのはいかがなものかと。雇用対策にはどういう対策が必要かと、構造改革を促進させるような対策はどういうことが必要かと、そういうのを積み重ねていって、これが現下の経済状況について必要な対策だということから判断すべきものであって、私は今の状況はこの四月の時点とは変わってきていることは認識しております。経済は生き物ですから、そういう際には無用な、不要な経済混乱を起こさせないための対策は大胆かつ柔軟にとるということを前から申し上げているわけでございます。
#454
○国務大臣(塩川正十郎君) 二つの点についてお答えいたしたいと思うております。
 日本の財政問題と景気対策の問題についてでございますけれども、この去る六日の日に先進七カ国の蔵相が集まりまして協議いたしましたときに、そのときにも、それぞれ各国においてテロ対策に対して積極的な、行きました中で、日本は何はともあれ不良債権とかあるいは構造改革、それをやるということが我々先決なんだと言ったら、そのとおりだ、日本はそれをとにかく急いでくれ、そのことが世界経済に対して大きい貢献になるということをはっきりと言っておりますので、我々はその精神に基づいてこれからも進めていきたいと思っております。
 それからもう一つ、いよいよ戦争に発展してまいりました。それについてどうするかということでございますが、私は会議をやっておりましたときにはまだ戦争の状態ではございませんでしたけれども、万一不測の事態が起こったときどうするのかと。そのときには、それぞれ各国が自分の財政力に応じた措置を講じようということになったのでございます。
 ところで、その会議の席でアメリカはどういうことを考えているんだということが出ました。一つは、軍事的な面として既に四百億ドルの支出を決定したと。それからさらに、現在調査中であってまだその措置は決まっておらないんだけれども、まずニューヨークのあの現場において起こった被害というものは膨大なものがあって、これはとてもじゃない、我々、民間だけの問題ではないということを言っておりまして、これはやはり予算措置を必要とするのではないかと。それから、今後、物流に関する保険というものが非常に大きく保険のレートが変わってしまった、これに対するもろもろをどうするのかということ。それから、航空業界が非常にダメージを受けておる。それから、旅行業者、そういうものがある。それで、さらには難民対策ということがある。そういうようなものを今集計をしつつあるので、そういうようなものが決まった上で我々として的確な措置をしたいということでございまして、ほかの国々も大体そういう方向で、実態を密につかんだ上での措置をしようということで意見が一致しておりました。
#455
○木庭健太郎君 きょう、参議院の論議の中で医療制度改革の話が出なかったものですから、総理に基本的認識をちょっと聞いておきたいと思うんです。
 厚生労働省も試案を出しました。財務省も試案を出しました。今からでございます。ただ、両方の試案を見ていると、それは報道の仕方もあるんですけれども、患者負担増だけが何か突出するような報道もされました。私は、この問題を考えるときは、もちろんこれから医療の難しさを考えれば患者負担の問題もある。しかし、それだけでなく、やはり、じゃ医療する側はどうするんだ、じゃお金を集める政府の方はどうするんだ、そういった、ある意味では総合的な医療改革ができなければ、単に負担を投げかけるだけのことになりかねないと思っておりますが、総理の医療改革に対する基本姿勢をお尋ねしておきたいと思います。総理から一言、まず。
#456
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題は、私が四年前に厚生大臣を担当していたとき以来の課題であります。
 患者負担一割から二割とか、あるいは二割から三割とかいう話が出ますと、すぐ新聞報道ではその患者負担ばかり取り上げるんですよ。ほかの診療報酬とか医療提供体制の改革をやっても取り上げない。しかし、これは高齢者がどんどんふえて、元気な若い人も保険料を負担しなきゃならない。お互い、医療保険制度を維持していくためには、単なる患者負担だけでは済まない、診療報酬のあり方も踏み込まなきゃいかぬ、あるいは薬価にも踏み込まなきゃならないと。いわば支払い側も診療側も、それで国民の負担する側も、なおかつそれでは税金もどの程度投入するのか、あるいは保険制度そのものをどうするのかと、いろいろ分類をしています。
 健康な者だけの保険制度をつくれば保険料負担は低いに決まっていますよ。あるいは、高齢者だけの保険制度をつくれば税金を投入しなきゃやっていけませんよ。そういう面も含めて、ともかく健康な人も一度も病院に行かない人も負担しているわけですから、この医療保険制度というのは。そういう人と毎日お医者さんに通わなきゃならない人も一緒に考えるのがこれ医療保険制度ですから。
 これは最近では、私は三方一両損の改革じゃなきゃこれは無理だなと。財源があるのかじゃない。となると、ある程度患者さんにも負担をしていただく、それからお医者さんにも今までのように診療報酬を引き上げればいいという問題じゃないですよ、それから支払い側にもよい改革を期待すると。
 最近は、坂口厚生大臣、後でお話があると思いますけれども、もう一つ、厚生省も痛みを分かち合ってくれと。余りあっちに反対、こっちに反対、もう顔色ばかりうかがって調整する時代じゃないぞと。まず、支持団体、支援団体、圧力団体たくさんあるけれども、それよりも大事なのは国民のためを思ってくれ、その案を出してくれれば私は自民党の支持団体とかそういうのは気にしないから。何が一番国民のために大事だろうか、そういう案を出せと。坂口大臣、わかりましたと今検討してくれています。
 そして、これに対してまたけしからぬという団体が、お医者さんの団体とか保険者の団体とか国民の方から出てきますよ。そのとき考えていい案を出そうじゃないかと。その一番の、最大の眼目は持続可能な、お医者さんに行かない人もこの程度の負担ならやむを得ない、病院に通っている方もああ自分たちもこの程度は負担しようかというような、できるだけ理解の得られるような案を今検討してくださいと坂口厚生大臣に指示をしておりまして、坂口大臣も非常に意欲的に取り組んでいますので、年末までに何とか、長年の懸案の、やろうと思ってできなかった案を出して、来年の通常国会には多くの議員の方々の賛同を得たいと思っております。
#457
○木庭健太郎君 厚生労働大臣にしゃべってもらえば、私の持ち時間が残り少ないものですから、坂口厚生労働大臣には別なことをちょっと聞いておきたいんですよ。
 先ほど狂牛病問題で、全頭検査をやるというようなことの方向だとちょっと御発言なさったんですけれども、私どもも、もちろん病気を、原因を考えるならば二十四カ月だ三十、いろいろあると思います。もうそれは厚生労働さんおっしゃったとおり。これは肉骨粉のときも農水大臣がやりました、全部やれ、不安なら。全部やられた。私は同じ考えでやるべきだと思うんですけれども、別に時間差を置くことはないのであって、十八日からお始めになるなら自治体との調整はあると思います。しかし、十八日の時点でこの問題、全頭へぜひ入っていただきたいし、やれと決意するなら、早目から全頭検査ができる体制をとっていただきたい。
 それについて一言伺いたいのと、被爆者も何か拡大の問題も前向きにということですけれども、それもおやりになる決意なのか、二つ合わせわざで答えていただいて、関連質疑に移りたいと思います。
#458
○国務大臣(坂口力君) 医療保険で一言言わせてもらおうと思ったんですけれども、それではもうそれはやめまして、総理からあれだけ熱弁を振るっていただきましたから、そのとおりでございます。
 今、二つのことを言われました。
 狂牛病のことでございますが、日本におきます検査はいわゆる三十カ月以上のもの、それがもう科学的にはそれで十分ということでございます、世界的に。しかし、それなら三十カ月以下だったらどうなんだ、もう少しそこを全部やった方が皆安心だと、こういう御意見があることも事実でございます。
 全部やるということになりますと年間百三十万頭、なにでいきますと三十カ月以上ですと百万頭ぐらいというふうに思っています。その辺のところで、それを各都道府県でお願いをしなきゃならぬのですからいろいろとございますけれども、十月の十八日にスタートいたしますので、できればそのときに、もう全部一緒に十八日からできるような体制をつくれたらと思って今努力を重ねているところでございます。
 それから、もう一つの方は長崎の話でございますが、これも先ほど松谷先生にお答えをさせていただいたとおりでございまして、前向きに、これは十二月までに決着をつけるということでやっているところでございます。
#459
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。山口那津男君。
#460
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。残る時間、私の方から関連の御質問をさせていただきます。
 まず総理にお伺いいたしますが、衆議院の予算委員会で、憲法と現行法の間にはすき間があるという趣旨の発言をされたというふうに報道されております。私は、この憲法九条、これは日本が、政府がやってはいけないことを主として規定していると理解いたしております。そして、憲法の前文あるいは九十八条の二項、これはやるべきことをむしろ規定しているんだろうと思います。その上で、政府のこの憲法の解釈というものについてはいわゆる空白の部分というものは存在しないと私は思います。
 そして、今回のこのテロ対策特別法、これはまさに憲法に基づいてつくられている現行法体系、その空白部分といいますか、あえて言えばそのすき間という部分、これを埋めて、そして新たに政府の活動の権限、任務というものを与える、そういう法律であると位置づけるべきであると、こう考えておりますけれども、総理のお考えを念のためお伺いしたいと思います。
#461
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは憲法の範囲内で何ができるかということを考える新法なんですよ、今提出しているのは。そして、自衛隊についても今までにない任務をする場合には新しい法的な措置が必要であろうということで、やはり海外に出て活躍してもらうためにはしっかりとした法が、裏づけがあるべきだという考えからやってあるので、憲法の範囲内ということには変わりないんです。
 そういう中にあって、自衛隊として武力の行使をしない、戦闘行為に参加しない、なおかつ国際社会の一員としていろんな活動に従事するということのためにも、現行法では対処できない部分が出てきたと。
 今回のテロもはっきりとした戦争とは言えませんよね。今までの、従来の戦争といえば、国家と国家の対決だった。今度はそうとも言えない。重大な犯罪行為といえば犯罪行為だけれども、今までの戦争の観念とは違う。そういう中にあって、お互いがこのテロと対決しようとしている。
 そういう中にあって、日本としては外交、経済、医療等、あるいは自衛隊等の活躍の場も憲法の範囲内でできる部分があるだろうということを考えているんであって、私は憲法の範囲内という観念を一度も踏み外したことはございません。そこを御理解いただきたいと思います。
#462
○山口那津男君 そこで、自衛隊の活動に対してシビリアンコントロールを図るという上から、今回の法律は、まず今回のテロに限って特別の措置を定めると、こういう特別法という側面があります。さらにまた、実際の措置については基本計画をつくって、その決定、変更あるいは終了の結果、これに対して国会報告をすると、こういう規定も設けました。さらにまた、有効期間については二年の時限という措置もとったわけであります。
 これで私は十分なシビリアンコントロールが図られていると、こう理解はしておりますけれども、しかし、この法律で実際に具体的な活動をやるということは、複数の活動が可能でありますし、それが競合する、同じ時期に行われるということもあり得るだろうと思います。
 そうした場合に、この具体的に決定された措置に対して、これを、シビリアンコントロールをより徹底させるという意味から事前または事後の国会承認を規定として設けるということも一つの立法技術だろうと思うわけであります。
 そして、これに対して、いわば何が何でもこれが必要ないと、そういう強固な考え方を持っていらっしゃるのかどうかについて総理のお考えをお尋ねしたいと思います。
#463
○国務大臣(福田康夫君) 本法案は、既に発生した九月十一日の米国における同時多発テロという非常に限定した事件に対応するそのための対応策、こういうふうに考えれば、その法案が審議をいただくということ自身がこの承認をいただくことになるのではないかというふうに私どもは考えておるところでございまして、そういう意味におきましては、この目的が変わってきてしまうとかいったようないろいろな変化がもしかして長い期間にあるかもしれぬ、そういうことをもしかしたら御心配なさっていらっしゃるかもしれぬけれども、それは、その時点において、また基本計画も変更しなければいけないといったようなこともあるだろうし、その時点において、御相談をすべきことだろうというふうに思います。
 ただ、今時点で考えておることは、今申しましたように、特定の事件に対応する処置だということでございますので、この国会審議で十分な御審議をいただきたい、そのことが御理解をいただいて御承認をいただいたことと同じことになるのではないかというふうに考えております。
#464
○山口那津男君 この法律ができたとしても、具体的な措置まで特定されているわけではないと思います。それは、その都度その都度状況に応じて決定していくべき課題だと思います。それについて国会がどのような関与をすべきかということについてはまだ議論の余地があってもいいと私は思っておりますけれども、時間の関係もありますので、次の質問に移ります。
 ブレア首相とムシャラフ首相の会談で、タリバンの政権が崩壊した後に、これをパシュトゥン人も含めたいわば国民和解の政権を新たに樹立しようと、こういう話し合いもなされたようでありますけれども、このタリバン後のアフガニスタンのあり方について、私は国連を中心にして、例えば暫定統治機構をつくる、そういう方向で議論を進めるべきであると考えておりますけれども、このアフガニスタンの安定化を図るために我が国としてどういう取り組みをしていくべきか、これについて現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#465
○国務大臣(田中眞紀子君) 今までも我が国といたしましては数々の外交努力をいたしておりまして、例えば昨年の三月にアフガン各派の方々を個別に東京にお呼びして意見を伺ったりとか、そういうことを繰り返しいたしております。
 ところが、問題は、まさしく山口委員が御指摘なさったように、この後にどのようにしてアフガンの方たちの、国民各層の皆さんの気持ちを、よく支持を得られるような政権をつくるようなことに日本が参画するかということに今からやはり私たちは心を砕いていかなければならないというふうに思っています。
 そのためには、やっぱり国連等の和平努力も支援して補完するような形で、そしてこのアフガン和平に積極的に今から具体的に取り組むような心づもりなり、できる限りのことをいたしておりますし、さらにそうしたマインドを持って取り組んでまいりたいというふうに思います。
#466
○山口那津男君 もう一点、今度の法案について。
 輸送ということができると、こう書いてあるわけでありますけれども、これは武器弾薬の輸送を排除はしていないと理解できると思います。しかし、現実に武力の行使が始まった現時点において、この武器弾薬を輸送した先に武力行使に使われるというようなことが連想されがちであります。
 今回の法律を早期に成立させて、そして国民の皆さんの幅広い理解を得よう、そういう観点からした場合に、この武器弾薬の輸送については運用の面である程度慎重を期す、そういう考え方があってしかるべきだと私は思います。この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#467
○国務大臣(福田康夫君) 現時点では、米国を初め諸外国の軍隊が、これが今後のオペレーションとしてどのようなものを想定しているか、このことについて必ずしも明らかでないというのが現実でございます。日本側の対応処置に対する具体的なニーズも、したがってわからない、こういうことでございます。こういう状況では、諸外国の軍隊などのオペレーションに柔軟に対応できるようにしておくということが大事なのではなかろうかと思っております。
 また、仮に武器弾薬を輸送の対象から外しますと、実際の輸送の際に武器弾薬が含まれていない、いろいろな資材と一緒に運ぶわけでございますので、武器弾薬がその中に含まれているかいないかということを一々確認しなければいけないというような、そういう必要が生じまして、円滑な輸送業務の妨げとなるという、そういう実態的な現実的な側面があることも否定できないんであります。
 国民の幅広い理解を得て早期成立を図るべきであるという、こういう委員の御主張もよくわかるんですけれども、そういう現実的な問題を考えますと、武器弾薬を輸送できるようにしておくということが大変大事なことなんだというように思っております。
#468
○山口那津男君 何が武器弾薬に当たるかとか他の物と分類して運ぶとかいうことは技術的に簡単ではないということは理解できますけれども、しかしそれを理由に武器弾薬を輸送することができるんだということを国民の皆さんに言ったとしても、なかなかそれは国民の皆さんの疑問に答えることにはならないだろうと思います。私はこの点について、国会の論議は別といたしまして、政府側としてどのような運用を図るべきかということについては慎重な見解をぜひまとめていただきたいと要望いたしておきます。
 それと、今回のテロ対策特別法が成立した場合に、当面、今の状況から早期成立を図ってどういう具体的措置からとっていこうと、そうお考えになっているか、その具体的な措置についてのお考えが今ありますでしょうか。
#469
○国務大臣(福田康夫君) 一言で申しますと、今、具体的にどういうふうにするかということをはっきり申し上げられるような状況ではない、こういうことなんです。
 この法案ではいろいろな支援活動等を考えているわけでありますけれども、その状況がまだ明らかでないということももちろんございます。目的はしかししっかりしたものがある。テロ対策、そのテロ対策をする諸外国の活動を支援する、それも後方を支援する、もしくは憲法に抵触しない範囲で戦闘地域でない地域でやるといったような、それからもちろん武力行使には当たらないということがございますので、そういう範囲の中においてでき得る支援は、この段取りについてはこれから具体的に考えていきたいということで、いろいろ検討している最中でございます。
#470
○山口那津男君 今の御答弁のように、現時点では具体的措置が特定できない、それほどに柔軟性も持っている、幅も広いということの証拠でもあるわけであります。だからこそ、具体的な措置が決定した場合にどうするかということについても議論の余地があるだろうと私は思うわけであります。
 さて、次の質問に行きますが、自衛隊の警備活動といいますか警護出動、これを規定する法律も改正されるわけでありますが、これについて、今まで警察が警備できなかったことに、場所にというか、対象について自衛隊がこれを警護できるようにしよう、そういう法律であると理解しております。しかし、重要な施設については、警察と並んで、いわば競合して自衛隊が警備をする必要がないかどうか。これは警備の万全を期するという観点から考えた場合に、それが全く必要ないと言い切れるものではないと私は考えるわけであります。
 この点について、その競合的な警護任務、そしてまたその両者の活動をどう調整していくかということを含めた検討の余地がまだ残っているのではないかと私は思うわけでありますが、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
#471
○国務大臣(中谷元君) 国内の治安維持につきましては、警察が全般的に責任を負うという体制で整備をされてまいった次第でございます。
 しかし、今回のアメリカでのテロ事件を見ますと、新しい脅威というふうに言われておりまして、行為自体はテロ行為ということで犯罪でございますが、実被害が六千人以上の犠牲者が出るという、まさしく非常に今までかつてない新しい事態でございまして、国家の脅威にも匹敵すると。いわゆるテロとかサイバー、生物化学兵器、ミサイル、これは一瞬のうちに国家を危機に陥れるような事態でございますので、今後これらの現象に対して警察と自衛隊がともに協力して対処をしてまいる必要があると私は思っております。
 そういう意味で、今回初めて警護出動というケースを設けたわけでございますが、これについても内外からさまざまな御意見がございますので、我々といたしましては、今後のあり方等につきましては大いに広く御意見をいただきながら、そして慎重かつ冷静に当局同士でも協議をしながら進めていくべき問題であるというふうに思っております。
#472
○山口那津男君 ぜひ協議や検討を重ねていただきたいと思います。
 そこで次に、都市の再生について伺いたいと思います。
 環境の面からごみゼロ型都市をつくっていこうと、こういう方針が打ち出されているわけであります。そして、東京湾の臨海部における先行的な事業展開をしようということも既に決定されているわけであります。
 このごみゼロ型都市に対して、東京湾で具体的にどのような事業をお考えになっているか、これをまた実行するために補正予算、今回の予定される補正予算等に財政措置も含めてお考えになっているかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
#473
○国務大臣(川口順子君) 都市再生につきましては既に八つのプロジェクトが決まっておりますけれども、その一つとしてごみゼロ型都市への再構築ということが決まっております。それから、重点分野として決まっている中に廃棄物リサイクルというのが入っております。
 環境省といたしましては、排出者責任の原則に基づきまして対応をしていきたいと考えております。
#474
○山口那津男君 都市再生本部において推進される具体的なプロジェクトとして自然再生型の公共事業というのが掲げられていると思います。これは、東京圏におきましては必ずしも十分ではないと思います。その意味で、これを東京圏においてもっと積極的に推進していく必要があると思いますし、また都市に限らず、これを全国的に対応していくためには、私は法制化も含めてこのいわばやり方、手順、基準、こういうものをつくっていく、示していく、そういう必要があると思います。この点についてのお考えを伺いたいと思います。
#475
○国務大臣(川口順子君) 自然の再生事業といいますのは、総理に主宰をしていただきました二十一世紀「環の国」づくりの中である委員がおっしゃり、それが報告書に載せられたということでございまして、自然の保全に加えて、より積極的に自然を再生していこうということでございます。
 このために、環境省といたしましては、ほかの省と連携をいたしましてこの自然再生事業を推進していくことが必要でございまして、現在、自然再生事業を推進するための調整費、あるいは地域住民やNGOの方々と一緒に自然再生活動を推進をしていくための市民参加型モデル事業につきまして、平成十四年度予算要求をさせていただいているところでございます。
 具体的な事業の内容あるいは場所につきましては、例えば都市部におきましての里山の再生ですとか失われた干潟の再生といったようなことも考えられますし、それから河川を蛇行する形に戻して湿原の再生をするというようなことも考えられると思います。今後、地方公共団体と相談をしたいと思っておりますが、制度化につきましては、現在のところ予算要求をさせていただいているところでございますので、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
#476
○山口那津男君 最後に、三宅島を総理が九月末視察されました。今後の復興とそれから避難民の、被災民の生活の支援ということを二点に分けて総理の御見識を伺いたいと思います。
#477
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先月の末に三宅島を視察いたしましたけれども、まだ有毒ガスも出ているようですし、そして実際に土砂で埋まった家々等を拝見しますと、この復旧事業は大変時間がかかるなと思いました。その中でも何とか復旧しようという意欲を持って作業をしている方々たちもおられます。同時に、避難された子弟たち、予想以上に元気で勉学に励んでいる。
 今ではたまに島に行くことができるということでございますが、まだなかなか住むような状況にはなっていない。よく住民の方々の意見を聞きながら、あるいは東京都とも相談しなきゃなりません、三宅島等とも相談しなきゃなりません。そういう中で、今後の復旧作業に政府としてもお手伝い、協力をしていくべきだなと思っております。
#478
○山口那津男君 終わります。
#479
○木庭健太郎君 これにて終わります。
#480
○委員長(真鍋賢二君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 残余の質疑はあすに譲ることといたします。
 あすは午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト