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2001/11/14 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 予算委員会 第5号
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2001/11/14 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 予算委員会 第5号

#1
第153回国会 予算委員会 第5号
平成十三年十一月十四日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     有馬 朗人君     舛添 要一君
     国井 正幸君     清水 達雄君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     浅尾慶一郎君     長谷川 清君
     山口那津男君     渡辺 孝男君
     福島 瑞穂君     又市 征治君
     平野 達男君     田村 秀昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                金田 勝年君
                野沢 太三君
                日出 英輔君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                齋藤  勁君
                高嶋 良充君
                魚住裕一郎君
                小池  晃君
    委 員
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                亀井 郁夫君
                佐藤 昭郎君
                山東 昭子君
                清水 達雄君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                舛添 要一君
                松村 龍二君
                宮崎 秀樹君
                山崎  力君
                山下 英利君
                江田 五月君
                小宮山洋子君
                佐藤 道夫君
                内藤 正光君
                長谷川 清君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                草川 昭三君
                松 あきら君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                宮本 岳志君
                又市 征治君
                田村 秀昭君
                平野 貞夫君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣
       農林水産大臣臨
       時代理      片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     田中眞紀子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       経済産業大臣臨
       時代理
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)
       (科学技術政策
       担当大臣)    尾身 幸次君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (防災担当大臣) 村井  仁君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       総務副大臣    遠藤 和良君
       外務副大臣    杉浦 正健君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       文部科学副大臣  青山  丘君
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
       農林水産副大臣  遠藤 武彦君
       農林水産副大臣  野間  赳君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  泉  信也君
       環境副大臣    風間  昶君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        仲道 俊哉君
       防衛庁長官政務
       官        嘉数 知賢君
       外務大臣政務官  小島 敏男君
       外務大臣政務官  山口 泰明君
       文部科学大臣政
       務官       加納 時男君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       外務大臣官房長  小町 恭士君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   宮本 雄二君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十三年度一般会計補正予算(第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成十三年度特別会計補正予算(特第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成十三年度政府関係機関補正予算(機第1号
 )(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十三年度補正予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(真鍋賢二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十三年度補正予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(真鍋賢二君) 平成十三年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割り当て時間は百三十八分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党五十六分、民主党・新緑風会三十九分、公明党十四分、日本共産党十四分、社会民主党・護憲連合四分、自由党七分、無所属の会四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#7
○委員長(真鍋賢二君) 平成十三年度一般会計補正予算(第1号)、平成十三年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。長谷川清君。
#8
○長谷川清君 民主党・新緑風会の長谷川清でございます。
 最初に三、四分時間をいただいて、田中外務大臣に対して何点か確認をいたしたいと思います。
 先月の二十九日の夜に、人事課の任用室にかぎをかけて女性の職員に辞令をタイプするように求めたということが言われておりますが、これは事実でしょうか。
#9
○国務大臣(田中眞紀子君) 人事課に参りまして、そしてどなたでも別に構わないんですけれども、辞令をつくってもらうように参りましたことは事実でございます。
#10
○長谷川清君 そのときは部屋の外は、廊下ですけれども、かなりの人数が、そこに二十人かそれを超える人数が、報道関係やその他の方々がかなり大勢いたということは、大臣は部屋の中にいらっしゃるからわからないかもしれないが、そういう気配というか、そういうのは感じておりましたか。
#11
○国務大臣(田中眞紀子君) 辞令につきましては、最初は、普通は大臣室で受け取りますので大臣室に持ってきてもらうようにお願いをいたしまして、どなたか職員の方がお届けくだすったんですが、その日は午後会議がございまして、その時間帯に救援隊の激励がございました。それで、届いたものが、手元に届きませんでしたので、私が人事課に参りました。そのときは人が周りには全然おりませんでした。そのときはですね。
#12
○長谷川清君 しからば、じゃ部屋の中では、だれがいたんでしょうか。何人ぐらい。
#13
○国務大臣(田中眞紀子君) 図面がないとおわかりにならないかと思いますが、人事課というところに最初参りました。そこにたくさん若い方だけがおられましたけれども、皆さんおわかりにならなくて、そのことは、廊下の反対側にある任用班という部屋がございまして、そこに書類があって、そこで作業ができるといいますか、そういう話を聞きましたので、その任用班という廊下の反対側の部屋に参りました。
#14
○長谷川清君 的確な答えというか、把握が、想像ができませんけれども、外には大勢人がいたということは事実のようでございます。
 官房長にお伺いしますが、このみんなのいるところで、官房長があけようとして入ろうとしたけれども入れなかったというのは事実でしょうか。
#15
○政府参考人(小町恭士君) 私、当時、大臣と連絡をとるべく、とろうといたしましたけれども、連絡とれなかったことは事実でございます。
#16
○長谷川清君 連絡がとれなかったということは、用があって行ったはずです。ドアのかぎはかかっていて入れなかったのかどうかを聞いている。そこのところをはっきりしてください。
#17
○政府参考人(小町恭士君) 中に入れる状況ではございませんでした。
#18
○長谷川清君 中に入れないということは、ドアをあけて入るんですから、そのドアをあけようとしたがドアがあかなかったのかどうか、そこを聞いているんです。
#19
○政府参考人(小町恭士君) 先ほど御説明したとおりでございます。(発言する者あり)
#20
○長谷川清君 時間がもったいない。
#21
○政府参考人(小町恭士君) 繰り返して大変恐縮でございますけれども、先ほど御答弁したとおりでございます。
#22
○長谷川清君 そういう状態というのは、外務省の中にあっての日常業務で、そういう用事があって入って用を足そうとしても入れない状態というのは日常のことなんですか。
#23
○政府参考人(小町恭士君) そのようなことはございません。
#24
○長谷川清君 そのときに限って、いわば、はっきり言っておりませんけれども、客観的にこれは事実でしょう、かぎがかかって入れないから用足せないんでしょう。
 その後、あなたはどうしたんですか、官房長。
#25
○政府参考人(小町恭士君) 自分の部屋に戻って仕事をしておりました。
#26
○長谷川清君 その状態でですよ、私はもう一つ聞いております。
 ほかの人がノックをして、名前を言ったらかぎがあいてその人は入れる。こういう状態を、これはあなたは帰ったからその状態を確認できないかもしれない。つまりは、入ろうと思って入れなかった。物理的にはかぎがかかっているから入れないんでしょう。ノックをして名前を言ったらドアがあいて入れる。そしてまたカチャリとドアが閉まる。選別をして、こういう状態というのは本当に考えられないことであり、外に大勢、よく見る光景でしょう。外に多くの人間わっと、これはいまだかつてないことだといってみんなが、そういう状態ですから我々の耳にも入ってくるんです。
 私が心配するのは、そういう状況でそういう大きな改革をやろうとしているさなかでありますから、それらが一つ二つではなくていろいろ出てまいりますというと非常に足元乱れて姿勢整わずということ。私は、だから、この問題についてこれ以上発言がないのであれば、時間が私はありません。
 したがいまして、委員長にお願いをしておきたいことは、きょうは時間がないのでこれにいたしますけれども、今後については理事会において事実を明らかにする、そのことをはっきりと明言していただきたい。お願いします。
#27
○委員長(真鍋賢二君) 長谷川清君の提言につきましては、後刻理事会において相談をさせていただいて、処理をいたしたいと存じます。
#28
○長谷川清君 次には、指輪をなくしてイラン外相との間で会談に三十分おくれたという、そのこと自体がどうではございませんけれども、こういう状況が新聞やテレビで一斉に報道をされておりますけれども、御本人がこれに対して何のコメントもしていない。私はここでそのコメントを聞いておきたいと思います。
#29
○国務大臣(田中眞紀子君) コメントとおっしゃっていますが、これは全体のここの経緯を言えとおっしゃっておられるんでしょうか。
#30
○長谷川清君 いや、事実だけ。
#31
○国務大臣(田中眞紀子君) 事実でございますか。
 このほか一連のこうしたことは、大変民主党の先生方が関心がおありになるので、私、いずれきちっと時間のあるときに時系列で書いて御説明しようと思っておりますが、このことは、この日はたしか三時から六時三十分まで国会のテロ特措法、爆弾テロの防止条約の審議がございまして、夜六時半まで審議がございました。七時からイランの外務大臣との会食の予定が入っておりました。その間三十分しかなかったわけです。ここでもってすぐ、この法案が通りましたので、国会の慣習どおり委員長ですとか理事の先生方にごあいさつをして回りました。やはり一言二言お話をしますので時間がかかります。
 それからその後に、あのときは辻元清美先生ですけれども、ちょうど委員会のときにもパキスタンにいらしたという話をなさいまして、それに関連して辻元先生が私を呼びとめられて、それは上からカメラも撮っておられますからわかっておられますが、パキスタン情勢について非常に詳しくいろいろ教えてくださいまして、それはかなり時間がかかりました。もうお一方、我が党の関係の議員さんからちょっと陳情が前からありまして、きょうはもう時間がありませんと申し上げたんですが、その先生が熱心に大変長いこと話し込まれまして、相当時間がたって、もう十分、十五分たちました。
 その後、大臣車に乗るべく外に出てまいりましたら、そこでぶら下がりのカメラがたくさんいまして、そこでもってたくさん質問をしました。されたので、私はもうきょうは時間がありませんと言ったんですけれども、そこで各社から質問がありまして、かなり機微にわたる今のようなお尋ねのような問題でございましたので、これは正確に言わないと後でまたこういうふうな問題になるといけないと思いまして、お答えをしておりました。
 それでもう大体二十分ぐらいたってしまって、その後なんですけれども、その後私は、役所の方たちは、皆さん私がその後すぐ行くだろうと委員会のときから思っていらしたらしいんです。ところが、私は眼鏡をかけたりかけなかったりとかいろいろ、頭もぼうぼうになっておりましたし、初めて外務大臣に飯倉でお目にかかるわけですから、当然、私物も大臣室に置いてあって、着がえようと思っておりました。
 着がえるといいますか、身繕いをしようと思っておりまして、私がちょっとコートもとりに行かなければと言いましたらば、そこのときに、いや、私物は大臣に断らなかったけれども紙袋に入れてここに置いてあると言って、ぼんと置いてありまして、そのときに私、えっ、これからどっちにしても私も眼鏡をかえたりしなきゃ、頭解かさなきゃ、鏡を見ないといけませんと言って、その段階でもう時間が遅かったんですけれども、見たときに、ブレザーに入れていた、ポケットに指輪がなくて、あらどうしたのという話になったんですが、それですぐ役所に行きまして、どうなったかという話はもちろんございました。
 そして、いずれにしても、それでその段階で局長が先方に電話をかけてくださって、委員会終了後であって、今申し上げたようなこういうことがあったのでおくれますということを言ってくださって、先方さんも御理解くださって、そしてその後すぐに、眼鏡をかけたままだったんですが、結局役所で頭だけ解かして、そしてその後飯倉公館に参りまして、そして会話は、普通に御理解いただいて、本当に機微にわたるいいお話を伺わせていただいて、ハラジ外務大臣も機嫌よく、そしてまた、今後ぜひ私にもイランに来てほしいというお話までしていただきました。
 以上です。
#32
○長谷川清君 この問題も、今のお話を聞いていると、指輪を紛失したということは事実のようでございます。その後、上月秘書官にかわりの指輪を買ってこいと言って、それをお願いしたか命令したか指示したかは別として、そういうことはあったんでしょうか。
#33
○国務大臣(田中眞紀子君) こうした場でもってお答えすることではないと思いますけれども、私にとりましては大変記念のものでもございましたし、それからあとは、もう時間がとにかく押せ押せでございますから、こういう委員会審議があった後に公務を入れるときは時間の余裕も、やっぱり三十分で全部というのは、今申し上げたような経緯からいきましても、マスコミ対応もございますし、委員会でのこういうごあいさつもありますし、ですから、そういうことはトータルでやっぱりきちっとスケジュールというものは秘書官にやってもらわなければいけないしということはありました。そういうことは申し上げられます。
#34
○長谷川清君 この件につきましては、衆議院の方でも我が党の細野委員から、いろいろと参考資料も添付をして、何か開示があったというふうに聞いております。
 これはそのときの資料ですが、これを大臣、ちょっと目を通してみて、これ見覚えありますか。(資料を手渡す)見ていただいて、それは確かに衆議院でそういうものを見たということはおわかりでしょうか。
#35
○国務大臣(田中眞紀子君) 民主党さんの細野豪志さんというんでしょうか、その方がテレビで放送されたものを起こしたとおっしゃって、これを委員会で示されて配付なさったことは記憶いたしております。
#36
○長谷川清君 その中身については、御自身はどう感じているんでしょうか。イエスなのか、ノーなのか、これは。
#37
○国務大臣(田中眞紀子君) テレビでの発言も私は確認して見ておりませんし、それからこの紙がそのとおり起こしてあるものでどうであるか、それの正確性というものもわかりません。右も左も申せませんし、自分がこれだけ忙しい仕事をしていて、何時何分にどういうことを言ったかというふうなことは全部自分では記憶はいたしておりませんし、それができれば人間わざではないと思います。
#38
○長谷川清君 これは、このメモは、場合によればこれは委員長にお願いをして、参考資料で今配付をすることも可能ですが、コピーすれば。いかがでしょうか。
#39
○委員長(真鍋賢二君) 理事会におきまして配付する資料等は事前に話し合いをしておりますので、この場においてその許可は難しいと思います。
#40
○長谷川清君 要約すれば、いわゆる上月秘書官に対して早くデパートへ行って買ってきてということの内容のやりとり、これを全部私が言っていますと時間がありません。
 今、御本人はこのテレビを見ていないと、だから確認ができない、この内容についてイエスともノーとも言っておりませんでした。私はこれはたまたまテレビを見ていたんです、この番組の。なぜ私はそれを記憶があるか、十日ちょっと前ですからね。そのときは、えらい早口でところどころ聞きづらいような先生の声です。先生です。間違いなく先生が、このときのいきさつがテレビに映っているんです。私だけではなく、何十万か何百万か知りませんが、それは聞いて、見て知っているはずです。
 相当あのときはまくし立てています。非常にすごいけんまくでしたよ。だから私は印象として残っているんです。中身の細かいところまでは私は覚えておりません。いろんな秘書の名前を言った、何々君と言っているのはちゃんと記憶しています。デパートが七時というのも記憶しています。
 いろんな面で、そういったここで言われていることは、私は、ビデオならビデオテープで見ればすぐわかることです。私が知りたいのは、すべて真実は一つ、本当のところを知りたいんです。いかがですか、内容について。全く、自分の言ったことです、覚えはないんですか。
#41
○国務大臣(田中眞紀子君) この紙が発言どおりのものであるかどうか、今、委員がお手元に持っていらっしゃるものか、それは私は確認ができないと申し上げております。
 それから、大臣室、その近辺のところで、マスコミもだれもいなかったところだと思いますけれども、どうしてそういうことがそう出ていくのかということも大変不思議に思います。
#42
○長谷川清君 中身について事細かにきちっとではないまでも、おおよそこういう、少なくも自分が行ったのではないということがはっきりしていると思います。
 しからば、上月秘書官が指輪を購入に行ったという事実だけは、これはそのとおりでしょうか。
#43
○国務大臣(田中眞紀子君) そういうことについてはお答え申し上げません。
#44
○長谷川清君 しからば、あなた御自身の、私用の問題の指輪、代金はどなたが払ったんでしょうか。
#45
○国務大臣(田中眞紀子君) そういうことはお答え申し上げません。
#46
○長谷川清君 しからば、自分のものですから、御自分で払ったのかどうか、これならわかるでしょう。御自分が払ったのかどうかを、どうぞ。
#47
○国務大臣(田中眞紀子君) 何度も同じことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、この予算委員会の席上でお答え申し上げません、そういうことは。
#48
○長谷川清君 一つ一つが、事実が明らかになっていかない。この問題はまたずっと引きずってしまいます。先ほど第一点で私が聞きました内容もここでははっきりできない。
 念のために、もし、これは監禁とか強要ということにもかかわるわけですから、実際上の問題、きょうは法制局来ていると思うが、その犯罪構成要因、この状況を説明しておいてください。
#49
○政府参考人(古田佑紀君) 強要罪の構成要件について御説明いたしますと、生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した場合に成立するとされております。
 また、監禁につきましては、不法に人を監禁した場合に成立することとされていると承知しております。
#50
○長谷川清君 私はこの問題は大体三分ぐらいだと思っておりました。これ以上の時間は費やせません。あらゆる意味において、これらの問題について私はひとつ最後に提起をいたします。
 資料の提出を委員長に求めます。
 九月の十一日以降の、テロ発生後の田中外相の毎日のいわゆる登庁時刻と退庁時刻を日程ではっきりしていただきたい。衆議院では同様のものを求めておりますが、肝心な時刻が入っていないものが回答されています。
 二つ目は、田中外相の各国要人との会談の回数とその予定時刻と実施された時刻、そういうものについてきちっとした資料を提出をいただきたい。
 理事会でよろしくお願いします。いかがですか。
#51
○委員長(真鍋賢二君) ただいまの御提言につきましては、後刻理事会において相談をさせていただき、回答いたしたいと存じます。
#52
○長谷川清君 総理に伺いたいと思いますが、今のようなそういう状況に、今の足元、これはもう時間がないからカットしましょう。
 それを本当は総理としてどう考えているのかということを知りたかったんですが、私はむしろこの残された時間は、構造の改革ということを最大のテーマに、今回提議をされております補正予算という一つのコップの中の問題も大事でございますが、雇用一つとりましても、その背後にございます戦後の今日の五十年というもの、これからの五十年というものに対して、構造を改革するという、私は大賛成でございますが、そういう視点に立って、総理御自身がどういう骨格で我が国をどうマネジメントしようとしているのか、その基本について聞いておきたいと思います。構造改革の基本について、例えて言うならば、戦後五十年というものをどう総括をされていらっしゃるか。
#53
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 戦後、焼け野原になって日本国民は茫然自失に一時立ち至ったと思いますが、勇を鼓して見事に再建に立ち上がった、そして今日の平和と繁栄を築いてきたと思います。今までの努力といいますか、多くの国民の祖国復帰にかける意欲というものは、私は大いに評価されてしかるべきものだと思っております。
 しかし、その中で、今まで成功していた事例が必ずしも今後そのまま通るとは思いません。そういう面から、今までの行き方を見直して、新しい時代に対応できるような改革をなし遂げていくべき時期に来ておるのではないかと。必ずしも今までの成功例が今後も成功していくとは限らない、そういう面から、私はいろいろな改革に取り組むべき時期に来ておるのではないかと思っております。
#54
○長谷川清君 竹中大臣と坂口大臣に、新しいニーズに応じたこれからのいわゆる供給という視点に立って、お二人の見解、具体的に何か御意見があればお聞きしておきたいと思うんです。
#55
○国務大臣(坂口力君) 経済の移り変わりの中で、私の方が担当させていただいております雇用の問題につきましてもかなり大きく変化をしてきたというふうに思っております。とりわけ、終身雇用の雇用形態から非常に多様化をされてまいりまして、そしてパート労働もふえてまいりましたし、あるいは嘱託あるいはまた派遣等々の雇用形態が多くなってまいりました。
 こうした皆さん方に対して、全体として、どう労働を保護していくか、社会保障をどのようにしていくか、そうしたことがやはりこれから大変重要な時期を迎えたというふうに思っている次第でございます。
#56
○国務大臣(竹中平蔵君) 戦後の日本の経済というのは、ある意味で奇跡的な経済発展を遂げたと思っております。奇跡を達成するにはそれなりの条件があったわけですから、その条件が今大きく変化している。ある意味で、日本の経済は奇跡的な経済から普通の、しかしすぐれた経済になろうとしている、それに合わせたシステムをつくっていくことがやはり構造改革であろうというふうに思っています。
 その基準というのは、自助自律の精神に基づいて、リスクをきちっと受けとめて、リスクに向かって挑戦していく中で経済社会の発展は常にある、そういう形に持っていくことが経済の構造改革であるというふうに思っております。
#57
○長谷川清君 これからの我が国にとって科学の基礎研究は非常に重要だ。
 尾身さんは五年前に創造的科学技術立国の最大の功労者だったと思う。私は二番目ぐらいの功労者だったと思うんだが、一体、五年の間、あるいはこれからを見通して、我が国においてそれがどう今推移しているのか。
 また、総理には、国家という立場から、本当にこれからの我が国において科学技術の基礎研究は大黒柱の一つに入るのか入らないのか、そういう高い次元からの説明を受けたい。
#58
○国務大臣(尾身幸次君) 二十一世紀の日本を築いていくためには科学技術の発展が不可欠であり、この科学技術創造立国を目指してまいりたいという国の基本方針が決まっているところでございます。
 そういう中におきまして、基礎研究につきましては、人類の知的資産を拡充し、そしてまた技術革新のブレークスルーにも貢献するということで、私どもとしては特に力を入れてこれを進めているところでございます。
 その基礎研究がないがしろにされているんじゃないかというような批判もあるわけでございますが、十四年度の概算要求につきましても、一般歳出が四十七・八兆円と対前年比で一・七%の減になっておりますところを、科学技術は三・三%の増加という概算要求の今内容になっておりますし、特に基礎研究部門と言われております科学研究費補助金、いわゆる科研費でございますが、これは対前年比で九・一%増という要求になっておりまして、極めて高い伸びの概算要求になっているわけでございまして、この数年間、平成七年度の科学技術基本法以来の数字を見ましても、科学技術関係予算は一・四倍になっておりますが、いわゆる科研費と言われている部分は一・七倍になっておりまして、私どもとしては基礎研究を特に重視してやってきているわけでございます。
 そういう中で、先ほどお話ございましたが、若手研究者の海外流出という問題も言われているわけでございますが、我が国の研究現場を見ますと、若手研究者にとりまして必ずしも魅力的なものになっていない。講座制のもとで若手研究者の創造的な活動を発揮させる仕組みに欠けているというふうにも言われているわけでございまして、今後、若手研究者が自分の責任で研究開発を自由に行えるように、そしていわゆる創造的能力を十二分に発揮できるような体制をつくっていくことが極めて大事だというふうに考えております。
 競争的な環境を形成する中で、特に国立大学等の法人化を今検討しているわけでございますが、非公務員型にして弾力的に運営ができるような体制を進めていくことが大事であると思っておりますし、特に能力に見合った処遇を行っていく人事制度も目指していただきたいというふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、若手研究者の創造的な能力を十分発揮できるような体制をつくることがこれからの科学技術の発展のために極めて大事だというふうに考えている次第でございます。
#59
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 科学技術創造立国を掲げて、この分野において日本もおくれをとってはいけない、むしろ最先端のIT国家にするという目標を立てておりますが、これは科学技術分野、重点的に取り組まないとその目標は達成できません。いわゆる科学技術分野というのは最も重点を入れて日本が力を入れていかなきゃならない分野だと認識しております。
 去年は白川教授、ことしは野依教授、連続してノーベル賞を受賞された。日本の科学技術分野研究者もすぐれた方たちがおられるんだという希望を与える。そして、今後ともこの科学技術分野の発展というのは国民生活、暮らしの面にも大きく影響してきます。日本としては、これからも大いに力を入れて積極的に取り組むべき問題だと認識しております。
#60
○長谷川清君 科学技術はある意味においては、私ども、戦後五十年は応用科学のだけですぐ金になる世界で今日まで経済伸ばしてきました。今、お話の中では一・四倍とか一・七倍というのが答えありましたが、〇・三%しか今まで我々出していないですね、我が国は。そこからのスタートですから、一・四でももう少しスピードを高めなければいけないんじゃないか。我が国は農業国家でも生きていけないし、あるいはエネルギーもないんだし。ここはあるんですから、優秀な科学者はみんな助手まで連れて、アメリカ、ヨーロッパ、みんな行って、向こうで特許をとっているんですよ。我が国はこれから六十億の多くの人々にあらゆる、物だけではない供給をしていく。これからの生きざまにこれはかかっているんですから、今のお言葉、本当にもっともっとかみしめていただいて実行していただきたい。
 次に、道州制という問題について、国家の構造をどうするかという大きなテーマですから、こういう問題についてのメリットやデメリットやそういう議論、何も聞こえてまいりません。
 これについて総理並びに片山大臣にお願いします。
#61
○国務大臣(片山虎之助君) 今の府県制度をどうするか、道州制なりあるいは連邦制を日本に導入したらいいか、昔から大変な議論がありますね。今は、私は、一番国民に身近な自治体の市町村を強化することがまず先決だと。そこで今、市町村合併を一生懸命やっているわけです。
 明治の大合併というのが明治二十一年から二十二年にありまして、七万一千の市町村が一万五千になったんです。近代国家になるために市町村を末端の行政組織で強くしようと。戦後の、昭和の大合併が二十八年から三十年の初めまで、このとき約一万あった市町村を四千にしたんです。これは、戦後の自治制度が変わって、市町村に小学校はもとより新制中学校までやってもらう、人口を八千にしようと。
 そこで、今回は平成の大合併で、やっぱり二十一世紀は市町村中心の仕組みにしないといけませんから、介護を初めとする福祉やあるいは環境や都市計画やあるいは産業振興や、そういうことで今、与党が一千と言われるものですから、三千二百二十四ある市町村を千にしようと、こういうことで頑張っておりまして、なかなか簡単にいきません。いきませんが、できるだけ努力します。
 その結果、仮に市町村合併が大々的に終われば、私は次は府県制度だろうと。それから、それは道州にするのか連邦にするのか府県合併にするのか、これはいろんな選択肢がありますが、いずれにせよ、国と市町村は、これはなくてはなりませんけれども、中間団体は私はいろんな形があってもいいと思います。ブロック型の道州制にして、首長は公選にして、もっと権限や財源を与えてと、こういうことを考えるということが二十一世紀の国づくりかなと、こう思っておりますが、これは次の段階として議論させていただきたいと思います。
#62
○長谷川清君 総理は答えてなかったですね。
#63
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 道州制の議論も私は非常に興味を持っているんですが、その前に、今、片山大臣が言われましたように、市町村合併を今促しているんですね。この問題と、それから府県制度、江戸時代には幕藩体制、藩が三百諸侯と言われるぐらいに、幕府が強大な権限を持っているにもかかわらず、各藩にそれぞれ大きな権限を与えておりました。
 そういうことから、戦後、この市と県と国という三段階構造に分かれておりますこの問題にどう手を入れるか、また道州制を導入した場合にどの地域が道と州になるのか、ブロック制ですけれども、こういう場合には国との役割とその道州制との役割、こういう問題もありますので、今後大いに議論を深めていただきたい。
 まずは市町村合併、これを促進することにいかに努力するかということで片山大臣も腐心されておりますので、広域行政、市町村の権限を拡大していくという面において、当面は市町村の合併を促進して、そしてまた国の権限というものもできるだけ地方に与えていく、権限も財源も人材も地方に与えていくという方向を進めていきたいと思っております。
#64
○長谷川清君 方向性は正しいと思います。ニュージーランドでも一つの都市を人口五十万、これが快適だと、成功しています。もし日本に当てはめれば三百に最終は集約できる。そういう意味で、全体が道州制になっていけば年間でも三十数兆円のいわゆる合理化ができる。いろいろありましょうから、真剣にいろいろなものを国民にもわかるように、行き着く先がどういう方向に行っているか、これが大事だと思います。
 いろいろありますが、時間がありませんからここで少し切りかえまして、きょうパネルを用意してまいりました。(図表掲示)連合が、全国のハローワークから出てきた人を出口調査でいろいろ調査をしました。十月から十一月の新しいやつでございます。
 一番、私は、この中で、職探しで困っているという方は八八・四%います。公共職業訓練を受けていないという人は八四%もいます。その理由です、これは。必要な情報がない、自分に役立つコースがない、四八%。ここへ来ますと、生活で困っている、自分の健康や精神的なストレス、これは三六%。三六%もここにはかかっております。
 これはひとつ、後で参考にしていただくし、労働省の方にはこれのもっと年齢別、地域別、詳しいものを差し上げておりますけれども、こういうようなことも受けながら、けさのNHKにおきましても、連合の会長は、いわゆる失業ストップということで全国行脚、北海道から、まず一番厳しいところから逐次ずっと回ろうというようなキャンペーンを起こしております。大変みんな悩んでいる。
 総理も、できればやはり連合の会長とみずから進んで、担当大臣だけに任せるんじゃなくて、坂口さんは一生懸命やっていただいていますけれども、雇用は国家の問題、そういう視点で声をかけ、電話一本あるいは会談する、そういう動きをしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
#65
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が総理に就任して以来、連合、労働組合等との会談も再開するようにいたしました。そして、去る五月、四月でしたか、いつも五月がメーデーなんですが、ことしは四月にたしか行われたと思いますが、久しぶりに総理大臣としていわゆるメーデーにも参加いたしました。また、ごあいさつもさせていただきました。その後、政労会見も行われるようになり、先日、笹森連合会長とも官邸でお会いをいたしました。
 政府としましては、労働者の立場あるいは雇用の問題、そういう面におきましても忌憚のない意見交換をして、労働者の皆様方の生活向上に資するような手だてを講じなければいけないと思っております。
#66
○長谷川清君 それでは、もう一つのお許しいただいたパネルで、これですが、ちょっと見えづらいかもしれませんが。(図表掲示)
 見えない、そう。せっかくいい内容の案でございますが、それでは後ほどこういう見えるプリントにして、要は、この中から一つ具体的に、もう時間がありませんから、緊急雇用対策の特別交付金という問題について、この点に絞って政府の今回の考え、構想、これを示していただきたいと。特に、ばらまきということにならないようにはどういう策を、知恵を出しているか。
#67
○国務大臣(坂口力君) 特別交付金につきましては、御承知のとおり、今回の補正予算におきまして三千五百億円組ませていただいたところでございます。前回にも同趣旨、若干内容は違いますけれども、二千億円を組ませていただいたところでございまして、いろいろの御批判のあった点もございますけれども、しかし三十万の雇用創出を目指しまして、合計でございますけれども、現在のところ二十二万ぐらいの雇用が出てきているところでございます。
 今回におきましても一応五十万を目標にいたしておりますが、今回のこれを実施をしていただくにつきましては、いろいろとこういうことでお使いをいただいてはどうですかという案も示してはおりますけれども、例えば学校の補助教員の人をつくってはどうですか、あるいは森林のための人をつくってはどうですかというようなことを示してはおりますが、これは市町村で独自にお考えをいただいて、そして選択をしていただくということを前提にいたしております。
 そして、その中で、今まで問題になっておりましたのは、その中でいわゆる失業者と言われている人たちが少なかったではないかというような御批判もございましたので、それは少なくとも四分の三以上はいわゆる完全失業者の中に入っている人たちを雇ってください、そして事業につきましても、ほかのことに使うというようなことではなくて、人件費に少なくとも八割以上は使ってくださいというような枠組みをいたしまして、そしてその事業を行いました後は、こういうことを行いましたということを公表をしてくださいと、こういったことを申しておりまして、そうした枠組みの中でお願いをするということにいたしているところでございます。
 ばらまきと言われますようなことにならないように、必要なところに必要な額がばらまかれるようにしたいと思っているところでございます。
#68
○長谷川清君 ただいまの説明で、これは地方の都道府県がまず雇用の計画を出します、それをチェックして国が金を出します、そのときに計画の中で少し歯どめを、いろいろ条件をつけますよ、簡単に言えばそういうことです。最大に抜けておりますのは、それのチェックなんです。
 公という仕事はいつもプラン・ドゥーまでは行くんだがやりっ放し、ですからばらまきになっちゃうんです。プラン・ドゥー・シーでチェックする、第三者機関を設けて。それは公労使がきちっとそのチェックの中に入る、構成メンバーに。そこでチェックをしていけば、このプラン・ドゥー・シーをこれから十分回転していけば、額からいっても、額だけの差ではなくて我々は二年で四千億という計画ですが三年で三千五百億、差はありますが、それ以上にチェック機能をきちっと働かせれば何倍の効果があります。そして、ばらまきを防ぐことができるんです。
 これはこれに限りません。いわゆるよくもまあ五千五百、金がない中で、その中の三千四百億をここに使っているんですから、本当にこれはみんな税金を使っているので、よくそこら辺を麻痺しないように、今までのやり方ということをやらないように、生きた金を使っていただきたいから、そういうことを今のパネルにもいろいろ書いてある。あれはこういう冊子によって我々はいろいろ練ってつくっているやつですから、ひとつ民主党の案というものについてもよく検討し採用していただけるようにしてもらいたいと思います。その点については総理、いかがでしょうか。
#69
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いい案、いい提言あるいは参考になる意見についてはどしどし研究し、取り入れるべきものは取り入れていきたいと思っております。
#70
○長谷川清君 それでは、多少税制、金の部分の点について、雇用と関係いたします。
 中小企業という問題がありますから、一番困っているのは資金の調達であります。これはもう無担保無保証の融資の制度というものをスピードを高めて進めているのかどうか。この点について、これは経産省、大臣がいないから副大臣でお願いします。
#71
○副大臣(大島慶久君) 長谷川議員にお答えをいたします。
 中小企業は間接金融へ依存が非常に高いわけでございまして、一般に信用力あるいは担保力が弱いことから、これを補完するため、当省といたしましては、政府系金融機関による融資制度や信用保証協会による信用補完制度を通じてその円滑な資金調達の支援に努めているところでございます。これら公的な資金制度につきましても債権保全のための担保保証を求めることが一般的であります。
 一方で、小規模事業者の資金調達の円滑化や創業者のリスクへの挑戦を後押しするため、必要な場合には担保や保証人を求めない制度も整備をしてきているところでございます。また、物的担保や保証に依存しない中小企業の多様な資金調達の拡大にも努力をしているところでございます。
 具体的に申し上げますと、小規模事業者に対する無担保無保証の資金供給の手段といたしまして、一つには国民生活金融公庫による小企業等経営改善資金貸付制度、いわゆるマル経と言っておりますけれども、従来から着実に実施をしているほか、信用保証協会による特別小口保証制度を設けており、この保証制度については今般の補正予算及び法律改正をもって限度額を引き上げていきたいと考えているところでございます。ちなみにその数値は一千万円から一千二百五十万円と考えております。
 また、創業を強力に後押しするため、すぐれたビジネスプランを有している創業者に対しては、担保も保証人もとらず迅速な融資を行う制度が必要と考えておりますので、今回の補正予算をもって新融資制度を創設してまいりたいと考えております。
 さらに、物的担保に依存しない資金調達手段の拡大を図るため、売掛金債権を担保とした民間融資を推進すべく、その呼び水として新たな信用保証制度を今般の補正予算、法律改正をもって創設をしてまいりたいと考えているところでございます。
 以上の諸方策を初め、多面的な施策を通じて、中小企業金融を担保や保証への過度の依存から脱却し、多様化すべく、今後も努力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
#72
○長谷川清君 じゃ、塩じいさん、じゃなくて塩川大臣に二点お伺いしますけれども、中小ベンチャー企業に対する法人課税を免除するということと、それから個人の投資家、中小企業に対する、これに対する優遇措置、この二点についてお願いします。
#73
○国務大臣(塩川正十郎君) ベンチャー企業に対する税の優遇措置、この意見は相当多くの方々から要望がございます。しかし、税の根本的な原則を申しましたら、税はすべての人に公平でなければならぬということと、透明でなければならぬということは大原則でございます。したがいまして、ベンチャー企業であるからといってこの対象だけを優遇するということはちょっと難しいような状態でございまして、またある程度のそういうことをいたしました場合には、ベンチャー企業を使って租税回避行為が行われるという心配もございます。
 とはいえ、ベンチャーを育成しなきゃならぬということは時代的な要請でございますので、そこで中小造成法等によりまして、いわゆるベンチャー法でございますね、によりまして、税の控除をやったり、あるいは特別償却の制度を設けたりして優遇を考えておりますけれども、今後とも、ベンチャー企業の発展の仕方によりまして多様に考えていきたいと思っております。
 もう一つの質問、何でございましたかな。
#74
○長谷川清君 もう一つは個人投資家、個人投資家の……
#75
○国務大臣(塩川正十郎君) 個人投資家がベンチャー企業に投資をするということでございますか。
 個人のところまでまだ及んでおりませんけれども、近いうちに連結納税制度を発足させていって、中小企業同士の間でもベンチャー企業を助け、協力し得る体制をとっていきたいと思っております。
#76
○長谷川清君 二十一世紀には新しい事業をどんどん育成していかなければいけないと思います。そういう視点に立って、どういう具体策を今持っているか、副大臣の方にお願いします。
#77
○副大臣(大島慶久君) 長谷川議員にお答えをいたします。
 我が国の経済を牽引する産業は、技術革新や社会経済構造の変化に対応する中で生まれてくるものであろうと思っております。情報通信産業やバイオ産業、あるいは環境関連産業、医療・福祉産業などが我が国経済をこれから引っ張っていく二十一世紀型の成長産業になると我々は確信をいたしております。特に、生活に密着している医療・福祉や環境などの分野においては、健康に対する不安を解消するニーズや豊かで心地のよい空間に対するニーズなど、国民の潜在的な需要が存在していると思います。
 こうした需要に的確にこたえるイノベーションを創設する日本経済の新たな成長と発展を現実のものにしていくためには、経済構造改革を強力に推進し、民間の経済活動が自由濶達に行われるような環境を整備していくことがまず必要であろうかと思っております。
 このためには、具体的に申しますと、新市場・雇用創出に向けた重要プラン、我々、平沼プランと言っておりますけれども、そういったことを踏まえまして、産業構造改革・雇用対策本部で先般決定されました総合雇用対策に基づき、四本柱を掲げて我々はそれを推進してまいりたいと思っています。
 一つは、医療、環境などの成長分野の市場拡大に向けた規制・制度改革を行っていくことであります。そして、二番目には、開業創業倍増プログラム、これも必要なことだろうと思っております。そして、三番目には、大学発ベンチャーの加速化など、技術革新の促進によるいわゆる新事業の創出をしてまいりたい。そして、四番目には、民間研究開発の支援などによる産業競争力の強化、こういった施策を講じてまいりたいと思っております。
#78
○長谷川清君 最後に、総理にいろいろとお聞きいただきたいと思うんですが、私は、戦後は中学に入るころでございました。芋やアワや麦で、米粒などが食えなかった。きょう食べて生きたが、あしたはわからない。日本がそういうところで焼け野原から復興をして、その場合、三千三百市町村にお金をばらまいているようでは物ができない。
 そこで中央集権にしましたね。教育も六三三制をしいて、小、中、高、大、社会に送り込む労働力、資金と経営と労働力、年々大体七十万ぐらいの労働力を、しかもそれは個性豊かな労働ではなくて、いわば画一の教育で画一の能力を持って、同じ物をたくさんつくって、そして一億二千万が早く食べられて、物を手にすることができるように、今や普通の勤務をし普通の働きをしていれば自分の家まで持てるまで来ました、この仕組みの間に。それはあの戦後の中ですごいニーズ、それに対して供給がなかったから供給が価値だったと思いますね。
 そういう仕組みのシステムはこの五十年の間で使い果たして、今やバランスシートは逆に供給過剰に、ニーズは衰えています、多様化しています。私どもが、まだ今日に至るまでの間は、同じ飲み物でも、ワインを選ぶ場合でも、赤か黒か、甘いか辛いかだけで選択しましたよ。赤か白かで。僕は余り飲める方じゃないから。
 時間がもうありませんから、私は、そういうシステム、仕組みが恐らく総理が言っている構造改革という中に、家で言うともうどこかをリフォームしようではなくて大黒柱から一回建てかえようと、我が国を。
 何で生きていけるか、先ほどいろいろ聞いたのもそういう思いで聞いたのでございますけれども、そういう視点に立って、どうか国民にわかるように、塩川さんは今我慢のしどころと、こう言っています。わかるんですが、その先がどうなるということとつながっていかないと。今、我々がこういうコップの中で補正の予算をやっています。雇用の問題も後追い後追いです。すべてやることが後から後からやっているから使うお金も労力も成果が上がらないんです。
 プランを持ちながら、今これが大事であると同時に、日本の進む方向に向かってできるだけわかりやすくメッセージを国民に送ってほしい。そうすれば、我々の今のこういう仕事がいかに大切であり、そこにまた目を向けようとする価値が生まれると思うんです。
 そういう視点について総理の見解を伺いたいと思います。
#79
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 我々の子供の世代あるいは青年期の時代、日本は世界に追いつき追い越そうという目標に向かって一生懸命努力してきたころと、ようやく世界の先進国に仲間入りをし、むしろ追う立場から追われる立場になってきて、大きな変化が今訪れていると。
 特に、我々の親の世代は、女性の仕事は家事、育児と言われて、男も女も疑わなかったわけですね。最近はもう男も女も、家事も育児も仕事も分かち合おうという時代が当たり前になってきた。
 そして、かつては活力に満ちた日本、それは若い世代が圧倒的に多かったんですよ。三人、四人子供を持っている家庭が多かったんです。八畳一間に五人も六人も十人も寝て当たり前の時代でした。勉強部屋なんかなかったですよ。お茶の間で勉強していたんですよ。今は個室を持っている。そして、六十五歳以上の世代が十四歳以下の世代を上回るようになってきました。これ一つとってみても大変な変化の時代です。
 我々は今、いまだかつてない、物価は上がるのが当たり前の時代、インフレ克服に悩んでいた時代が戦後初めてデフレの時代に突入しました。
 こういう点を踏まえまして、今、この危機にいかに対応するか、そして新しい時代に対応できるような体制を整えるために、むしろ多少今我慢して、あす希望の持てる時代にしようという時代に入ったのではないかと。
 私は、そういう意味におきまして、戦後の復興期を考えますと、むしろ今は天国と言ってもいい時代であります。五十年、六十年前から見れば、ああいう時代になればいいなと思っていた全部実現しているけれども、新たな不満は残っている。そこに政治の難しさがあると思うんです。
 一つの目標を達成すれば、私は新たな問題が出てくるのは政治だと思います。戦争をなくそう、平和になろう、繁栄しようという目的を達成すると、当時目標を立てていた時代からは想像もできないような問題が出てきているわけであります。
 こういう問題にひるんではいけない、くじけてはいけない。かつて困難な時代を乗り越えてきた。今、困難な時代に直面しているけれども、日本人の潜在力というのは大きい。むしろ勇気を持ってあすを目指して改革に臨むべきときではないかと私は思っております。
#80
○長谷川清君 ちょっとがっかりいたしましたが、これまでの五十年、役に立ったシステムは、ここだけ豊かになった、もう終わりだということです。限度いっぱいになっているということ、それに新しい価値を構築しなければならないというそこの一歩に、今の話では私はちょっと聞き取れなかった。
 時間がありませんから、以上をもちまして、これからもひとつぜひ研さんを私も積んでまいりたい、また内閣の皆さんはひとつよろしく、足元乱れて姿勢整わずで、そういうことと、夢と理想に向かって頑張っていただきたいことをお願いして、終わります。
#81
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。内藤正光君。
#82
○内藤正光君 おはようございます。民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 長谷川議員に引き続きまして、私は、雇用問題そして不良債権問題を中心に議論をさしていただきたいと思います。そして、まず本論に入る前に、補正予算のあり方、何たるかについて、まず塩川大臣に何点かお尋ねさしていただきたいと思います。
 この補正予算を見て特に目につくのが義務的経費の追加額でございます。まず本年度、この予算の義務的経費の追加額、どれぐらいなのか、お答えください。
#83
○国務大臣(塩川正十郎君) この義務的経費の負担を解消しなきゃならぬので、それが趣旨で今回の補正予算を出していただきました。そしてもう一つは、雇用体制の調整をするということ。したがって、この義務的経費の中身というものは非常に大事な問題だと思っております。
 お尋ねがございますので簡単にその内容を申し上げますと、国民健康保険の助成金がございますが、これの三千三百三億円が実は借り入れ状態になっておりますが、これを解消しなきゃならぬと、こういうこと。それから、老人医療給付の負担金がございまして、これが一千五百八十三億円。生活保護がふえてまいりましたので、その超過分を負担しなきゃなりませんので二千七百三十一億円、合計いたしまして八千三百十一億円というのが義務的経費の当然増として負担をすべきものでございます。
#84
○内藤正光君 そうはおっしゃいますが、過去数年間の義務的経費の追加額を見てきますと、平成元年から六年までは数百億円という単位であった。ところが、平成七年、一気に四千八百億円にふえた後、八年は三千七百億、九年は六千七百億円、そして十年は四千億円、十一年は七千六百五十億、そして十二年は八千二百億。数千億円がずっと続いているわけです。
 そして、この義務的経費というのは景気に左右されるものじゃないんです。最初からある程度予想がつくものじゃないんですか。何でこの補正予算に義務的経費がこんなに多額、それも何年にもわたって計上されるんですか。私はそこを聞いているんです。塩川大臣、大臣、財務大臣。
#85
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、極端にふえましたのは平成七年度からなんですね。この当時に若干、医療の負担の制度が変わりましたことがございました。そういうことと同時に、不景気の浸透といいましょうか、そういうものによるところの失業の増加並びに生活困窮者の増加ということがございまして、そういう一部制度の変化とあわせて急激にふえてきたということでございます。
#86
○内藤正光君 不景気と言いますが、この不景気はもう十年ぐらい続いているわけですよ。そんな突然ことし不景気になったわけじゃないんですよ。
 総合予算主義の観点からいえば、本来この経費というのは当初予算に計上されるべきものじゃないんですか。私はそこを尋ねているんです。
#87
○国務大臣(塩川正十郎君) これは平成七年度からふえた。さらにもう一度申しますと、この七年のときには、国保の加入者が当初見込みを非常に上回ってきたと、これ一つの計算の相違があったということでございますけれども。もう一つ顕著なものは、インフルエンザ等の影響から高齢者の医療費が相当当初見込みより違ってきたということはこれは事実でございます。
 それから、雇用情勢の悪化の影響を受けまして、失業者や生活保護世帯の被保護人員の当初見込みがふえてきたと、こういうことでございまして、すなわち、これを具体的に言いますと、平成六年度では補正で医療は七百二十二億であったものが七年度補正では二千七百六十億円、そして生活保護が六年度補正では十六億でございましたのが、それが一挙に一千百十六億円ふえた、こういう計算のいわば精密さをカバーいたしましてこういう数字が出てきたということでございまして、当初見積もりの誤算があったということは事実でございます。
#88
○内藤正光君 財務大臣が幾ら理由を並べ上げようが、そんなにこの八千億とか七千億というオーダーの経費が何年間にもわたって連続して計上されるということは異常だと思います。私は、これははっきり言えば当初予算では査定が厳しいから補正予算で認めてもらおうという、こういう安易な発想が散見されるんだと思います。以後、補正予算をこんなふうに使っていただきたくない、このように申し上げて、次へ移りたいと思います。
 次は、現下の経済情勢について総理にお尋ねさせていただきたいと思いますが、内閣府は九日、二〇〇一年度政府経済見通しについて、名目成長率、デフレではこれが大事ですが、名目成長率がプラス一%をマイナス二・三%に大きく下方修正したわけでございます。これで、名目成長率は四年連続でマイナス、もう本当にデフレが鮮明に、一段と進んでいるということが鮮明になったわけでございます。
 さらに、テロ問題だとか狂牛病の問題、予断を許さないわけでございますが、そこで、総理にお尋ねします。今の景気の現状をどう御認識なされているのか、今後の景気動向についてどういうふうにごらんになっているのか、お答えください。
#89
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在の雇用状況は厳しく、御承知のとおり失業率も戦後最高になっております。経済の状況も思わしくない状況が続いておりますが、今後も厳しい状態が続いていくのではないかと認識しております。
 特に、テロ発生後、九月十一日の米国同時多発テロ以来、いろいろな産業に大きな打撃を与えておりまして、これも経済に対しては悪い影響に出てくると思います。また、アメリカ景気におきましても、当初はIT産業が好調だと言われておりましたけれども、ここに来てかなり落ち込んでおります。
 世界全体がそういう厳しい情勢の中で、日本におきましてもかなり厳しい状態が続いていくのではないかと認識しております
#90
○内藤正光君 もし、失業率とか経済成長率、何かそういう具体的な数値で説明していただければうれしいんですが。
#91
○国務大臣(竹中平蔵君) 十三年度の、今年度の見通しにつきましては、つい先週、具体的な数字を出させていただいたところで、もちろんこれは内閣府の試算として出させていただいたわけでありますけれども、今回の試算に当たりましても、今、総理から御説明がありましたように、もともと経済の基盤が弱いところに世界的なIT不況とテロの影響という、いわゆる外的なショックが出てきて、大変私たち計測に苦労いたしました。
 今年度の見積もり、見通しを出したばかりの段階で、今後の動向につきましてはまだ申し上げられる数字はありません。今申し上げましたような、総理も説明がありましたように、さまざまな要因を考えて作業しました上で来年度の経済見通しに合わせてそういった数字をはっきりとさせていきたいと思っております。
#92
○内藤正光君 わかりました。
 景気の悪化を反映して税収の落ち込みも一段と顕著になっているわけでございます。本補正予算では一兆一千億円減ということで補正されているわけなんです。内訳はといいますと、法人税がマイナス六千五百億円、所得税がマイナス四千六百億円。ところが、消費税は減の中に入ってはおりません。内訳の中には入っていない。法人税と所得税だけの減で、合計一兆一千億の減というふうに言っております。
 そこで、塩川財務大臣にお尋ねしたいんですが、実際には同時テロだとか狂牛病の問題で消費は急速に冷え込んでいるわけです、冷え込みつつあるわけです。そしてまた、決算期を控えて、控えてというか、見通しを大幅に赤字に修正する企業も相次いでいるわけです。私はそういったことを考えると、この一兆一千億減というのも随分甘い見方じゃないのかなというふうに思うんですが、財務大臣、どういうふうに思われますか、これで十分ですか。
#93
○国務大臣(塩川正十郎君) まだ予測は十分つきませんが、しかし、八月末現在のところで見ました場合に、消費税に関しましては前年度と大した相違がございません、ほぼ同額でございました。それほどやっぱり消費は、私はある程度堅実なものであると思っております。
 しかしながら、法人税の落ち込みが非常に大きい、これはもう御指摘のとおりでございまして、その原因はやっぱり不景気、経済状況が悪いということもございますけれども、各企業が、例えば退職積立金の積み増しをした、あるいは株の評価減があった、土地の評価減があったと、こういういわば決算内容の修正部分が相当多額に出てきたことから、法人の予想以上の減額になったということを思っておりまして、こういうことの基礎が固まって整理がついてまいりましたら、これ以降はそれぞれ活動に応じて上昇していく傾向に基礎固めが出てきたのではないかと、そういうふうな私は見方をしております。
 いずれにしても、経済は悪い。悪いのでございますけれども、今までの潜在的な供給力、あるいは潜在的に持っておる需要力というものはそんなに大きい変化はございませんし、ファンダメンタルズ全体を見ました場合に、日本の経済について私は大きい不安は感じておりません。
 しかしながら、重ねて申しますが、現在の景気状況が悪いことを、何とかこれを刺激して良好な方向に持っていかなきゃならぬ、それは政治の責任でもあるということは感じておりますので、それについては政府全力を挙げてその対策を講じていきたい、こう思っております。
#94
○内藤正光君 その一兆一千億の中に消費税の関係が全く考慮されていないというのはやはり見通し的に甘いのではないのか、このことを申し上げて、次は雇用の問題に移らさせていただきたいと思います。
 九月の完全失業率は八月と比べましてコンマ三ポイント上昇し、過去最悪の五・三%、人数にして三百五十七万人もの方々が失業されている、完全失業されているということでございます。先ほども申し上げたように、それに加えてテロ問題だとか狂牛病問題が加わって、雇用状況は今後ますます悪化していくだろうということが懸念をされていくわけでございます。
 そんな状況のもと、今回の補正予算の目玉はやはり何といっても雇用対策、五千五百億円を投じる雇用対策。その中でも一番大きいのが、地方自治体に三千五百億円を交付して公的雇用をつくり出そうという新公共サービス雇用、すなわち緊急地域雇用特別交付金の創設でございます。これはというと、実は過去三年間、二千億円を使ってきた緊急地域雇用特別基金事業の第二弾ともいうべきものではないかなと思います。
 私は、今の非常に厳しい雇用情勢を考えると、やはりこういうのも臨時応急の措置として必要だということは認めます。認めた上で質問させていただくんですが、今月の初めに朝日新聞にも出ておりましたが、よくこの事業を点検してみると、失業者ではない人が多数雇われていたと。例えば、広島などでは六六%もの方が失業者ではなかったとか、あるいはまた、交付金を自治体は通常の事業に使っていた、足しに使っていたとか、あるいはまた、尋ねてみたが自治体がどんなふうになっているのか自治体が把握していなかったとか、そんないいかげんなことがいろいろこの新聞に書かれているんです。そんなことじゃ同じような第二弾やっても余り効果出ないんだろうなと。
 そこで坂口大臣にお尋ねしますが、厚生労働省としてはこの基金事業の実態をどのように把握され、そしてどのように総括をされているのか、お尋ねします。
#95
○国務大臣(坂口力君) 先ほど長谷川議員にも少しお答えをしたところでございますが、二千億円、現在までに続いておりますところのこの交付金につきましては、二十二万人という雇用の創出にも役立っているわけでございますが、しかし、御指摘をいただいたようなことがなかったかといえば、それはその点もあったというふうに私たちも反省をしているわけでございます。
 確かに三千五百億という大変大きな、しかも大変予算の少ない中で組んでいただいた予算でございますし、これを有効に使わなければならないということも私たちもよく自覚をしているところでございます。やはりこれはつなぎだと思っているんです、雇用の。本格的な雇用にこれができるだけ結びついていくような方向でこれを使ってもらわないといけないというふうに思っておりますが、なかなかそううまく正直なところいっていない面がございます。
 中には、非常にここをうまく使っていただいて、そして森林等に従事する人をまずこれで雇っていただいて、その後を森林組合等が引き受けて、そして恒久的にそれを雇い入れるというようなことをきちっとやっておみえをいただいているところもあるわけでございまして、そうしたことでこのつなぎが恒久的なことにつながるようにぜひこれはしていかなければならない、そこを一番注意をして私たちやっていかなきゃならないというふうに思っております。
 そして、その中身につきましては、先ほど長谷川議員にお答えを申しましたような具体的なこと、例えば雇用期間というものが非常に短くてはいけませんから、今までも一カ月というのが中にはあるわけで、そんなのはいけないので、半年あるわけで、この半年も、もっとこれは続けなければならないところは、原則は半年でございますけれども、それをさらに延長することも今回は認めているわけでございますから、そうした使い方をぜひしていただきたい。
 それから、失業者の方を中心にしなければならない。少なくとも、四分の三以上は現在完全失業者と言われている人たちの中からするということを義務づける。そして、事業につきましても、人件費は少なくとも八割以上、ほかのことに使うというようなことをしないようにというようなことを具体的に細かく言いながら、この対策を講じていただきたい。
 歯どめの問題は、先ほど長谷川先生からも御指摘を受けたわけでございますが、これはできるだけその後を公表することによって、こういうことをやったということによってしていきたいと思いますし、それから地域で、これは労働組合のお話もございましたけれども、これは地域地域それぞれで、経営者の皆さんや組合員の皆さん方にもお入りをいただき、そして市町村あるいは経済産業省の出先や労働省の出先もはめていただきまして、そこで雇用問題の検討会というのをやっているわけでございますので、そうしたところでもぜひいろいろとお話し合いをいただいて、有効に使っていただくようにしていただければ大変ありがたいというふうに思っている次第でございます。
#96
○内藤正光君 ぜひ、坂口労働大臣が今おっしゃったように、基金事業の反省を踏まえて、この第二弾ともいうべき今回の特別交付金、ぜひうまく運用をしていっていただきたい。
 そして、人件費を八割以上とするとかあるいは失業者を四分の三以上とするというのは、義務づけというふうにおっしゃいましたが、それでよろしいんですね、義務づけで。
#97
○国務大臣(坂口力君) そのようにおとりいただいて結構でございます。
#98
○内藤正光君 くどくて申しわけございません。さきの事業の報告を見ていますと、これを見ていますとどれだけ人件費が占めているのかとか全くわからないわけです。ということは、報告についてもちゃんと詳細に求めるということでよろしいですね。
#99
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、公表もしていただくようにするわけでございますから、もちろん私たちの方にもその資料はちょうだいすることにしたいというふうに思っております。
#100
○内藤正光君 決してもう交付したら終わりということではだめなので、ぜひ最後の最後までフォローを続けていっていただきたいと思います。
 それで、いろいろなこの事業、私もいろいろ文句は言ってきたんですが、ただ一方で、創意工夫を凝らしたすばらしい事業もあるわけなんです。例えば、埼玉県の求人開拓協力員設置事業なんというのは大変すばらしい事業だというふうに私は思います。
 厚生労働大臣として何かこれはすばらしいと評価している事業があれば、この際ですからぜひ御紹介していただきたいと思いますが。
#101
○国務大臣(坂口力君) たくさんあります中でございますので、私も全部さっと見るわけにはいかなかったわけでございますが、中では、これは徳島県でございますけれども、雇用創出効果が高かったものとして、ごみの分別リサイクルを推進する事業に千八百万円の事業費によりまして新規に三十一人の雇用をしておみえになります。これなんかは非常に優秀だというふうに思うわけでございます。
 それから、事業の新規性という点につきましては、病院での患者へのケアを行うボランティア活動、この組織化を図る事業を宮城県でおやりいただいておりまして、少ない財源で多くの人をまたボランティアとしても育成をしておみえになるということでございます。
 それから、大規模な災害に対したものといたしましては、これは東京都でございますが、三宅島の噴火災害の被災者を雇用いたしまして島の特産農産品を栽培する事業を起こしておみえになりますが、これなんかも特筆すべきものではなかったかというふうに思っている次第でございます。
#102
○内藤正光君 厚生労働省としてそういうふうに情報をもし持っているんだったらば、ぜひそういうすばらしい情報、こういう創意工夫を凝らした事業があるということを水平展開していっていただければより効果は高まると思うんです。こういったものはそんなにお金かけなくてもできるわけなんです。ぜひそういう取り組みをやっていっていただきたい、そんなふうに思いますが、大臣の御所見をお尋ねします。
#103
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のとおり、それは私たちも頑張ってやりたいと思います。
#104
○内藤正光君 ぜひ頑張っていっていただきたいと思います。
 続きまして、ワークシェアリングについて簡単に質問させていただきたいと思います。
 先月の十八日ですか、日経連と連合の雇用に関する社会合意でワークシェアリングに向けた合意形成がなされたわけでございます。そして、同日の参議院の厚生労働委員会で坂口厚生労働大臣はこの質問に答えて、このワークシェアリングについては政労使で真剣に取り組んでいく土壌ができたというふうに答弁をされております。
 そこで、お尋ねします。
 ワークシェアリングを推進するに当たって、実際法制度面等でどんな問題が存在していると認識し、そして国としてはどんな関与がしていけるのか、どういうふうにお考えになられているのか。坂口労働大臣にお尋ねしたいのと同時に、塩川財務大臣もこの問題、大変興味を持っていらっしゃるというふうに承知しております。ぜひお答えいただけますでしょうか。
#105
○国務大臣(坂口力君) ワークシェアリングもいろいろのタイプがございまして、どういうタイプを取り上げるかということをまず政労使、政府の方も入れていただいてこれを決定をしなければならないというふうに思います。今までどちらかといえば労使の皆さん方のお話し合いにまっていたという嫌いもあるわけでございますが、それだけではなくて、やはり我々も積極的にこれに参加をさせていただいて、そしてこれを進めていかなければならないというふうに思っております。
 注意をしなきゃ、注意すると申しますか、実施するに当たりましては、労働時間の短縮に伴い賃金の取り扱いをどうするか、これは大変大事なこと、それから時間当たり賃金を明確化することができるかどうか、それから、景気変動に対しまして所定外の労働時間の調整で今まで対応してまいりましたが、この所定外労働時間の問題をどう考えるか、基本的にですけれども、これらの点をまず整理をしてかからなければならないというふうに思っております。
 タイプとしましてはいろいろありまして、緊急避難型で一時期、厳しいときだけやってすぐそれはやめるといったものもございますし、それから雇用創出型をフランスなんかはやっておりますが、法定労働時間の短縮をいわゆる恒久的な措置にするといったものもフランスなんかでやっておるようにあるわけでございます。そのほか、同一労働同一賃金を実施をいたしましたオランダ方式等もあるわけでございまして、これらの点の中でどこに焦点を置いてこのワークシェアリングをやっていくかということをまず決めなければならない。早急にお話し合いをさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#106
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はワークシェアリングはもうずっと早くから提唱しておる一人でございまして、その前提となりますのは、今、日本で一番構造改革をしていかなければならぬ一番の要点は賃金構造の改正だろうと思っております。グローバリゼーションが起こってまいりまして、世界的水準と日本の賃金水準とを比べた場合、この構造改革が非常に重要なことだと思っております。
 それともう一つ、数年前からですね、失業問題をセーフティーネットというとらえ方をしております。確かにこれはそうでございまして、社会保障的な意味が多い。しかし、これを逆に転用して、むしろ経済をアクティブ化していく方法、生産性を上げていく方法、いわば産業政策としての雇用問題ということも考え直してもいいんではないかなということを私は数年前から考えておりました。
 たまたまオランダ等がそういう実例をやっておることを知りまして、オランダは現在はもう補助金出しておりませんけれども、以前はワークシェアリングに持っていく前に労使双方に雇用対策のいわばセーフティーネットの一環として助成をしておったこともございました。今はやっておりません、定着いたしました。
 そこで、ワークシェアリングをどういう形でやるかということは、今、厚生労働大臣お話しございましたような種類がございますけれども、私は一番原始的な形で、時間を双方、現在のいわゆる正社員とそれから補充していく社員との間に時間の割り振りをしてみたらどうだろうと私は思って、一つの考えでございます。政府ではございませんし、財務省の考えでもございませんよ。そこを了解しておいてもらわぬと、また余計なことを言っておるというのはなりませんけれども。そうじゃございません。私は、今、世界で年間千八百時間ということがございますから、これをうまく活用して、労使とも話し合ってもらっていいだろうと思っております。
 私は、その点において、過日、連合の役員が来られましたときにもこのお話いたしましたし、日経連の方々にもお話しいたしました。そして、一番問題となるのは、それじゃ補充する社員の、それの一時間単位の労働時間を、これをどう設定するかと、これが一番問題だということでございました。この点については、やはり会社、企業側としても労働生産性を考えて低く抑えていきたいと思うだろうし、そうしますと正社員の方から見まして、労働全体から見てそれは不当だと見る。一方、労働者、正社員の方から見たら、自分らの時間を削るんですから、しかも時間外手当が減ってくるんですから、その分がやっぱりいわば価値の損失となります。
 私は、双方ともにそういう結果があるものでございますから、そこなんかの、双方の谷間を財政資金等で埋められる方法があるならばやったらいいんだろうと、こう思うんです。これはオランダでやったことがございます。けれども、それが定着しまして、今はもう労使双方仲よく、生産性向上のいわば視点において双方の時間の割り振りをしておりますので必要性はなくなってきた。我々も、そういう呼び水は政府として考えてもいいんじゃないか。しかし、定着してきたらそれはもう一つの制度として運用してもらったらいいと、そんな考えでおるということで、これは私個人の考えですから、あくまでもこだわらぬように、どうぞお願いします。
#107
○内藤正光君 随分丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。
 やはり、ワークシェアリングは今の状況を突破する一つの有力な方法でもございますので、ぜひこの問題、政労使という枠組みで一つのテーブルに着いて真剣に議論をし、取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、雇用の問題ですが、能力開発について坂口労働大臣にお尋ねさせていただきたいんですが、失業率が高い理由の一つにいわゆる能力のミスマッチというものがあると言われています。ところが、これに対する政府の取り組みというのは非常に弱いと言わざるを得ません。ちまたにいろいろな能力開発プログラムがあるわけなんですが、どうも現場の声と大きくかけ離れていると言われている。これはもう大臣御存じだろうと思います。
 そこで、一つの提案として考えていただきたいんですが、例えば地方労働局傘下にハローワークがあると。一方で、職業能力開発局傘下に能力開発協会というのがある。いずれもそれぞれの都道府県にあるわけなんです。ところが、これら両者、今現在はばらばらなわけなんです。余り連携がとれていない。そこで、現在、各都道府県にこれとはほかに公労使の公労使会議という枠組みがあるわけですね、公と労と使の会議の枠組みが。そのテーブルに両者を着かせて議論をさせると。そして、ハローワークから上がる現場の声をダイレクトに職業能力開発協会ですか、そちらに伝えると。そうすることによって能力開発協会は、その現場の声に基づいてカリキュラムを柔軟に、かつタイムリーに見直しを行っていくと。
 だから、現場の声をちゃんと聞いたカリキュラムがそこで作成できるようになるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。これなども余りお金をかけずにできる一つの方法ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(坂口力君) 今、御指摘になりました能力開発とそれからハローワークの仕事というのを、これをやはり一体化していかなきゃならない、これは我々もそう思っているんです。ハローワークにおきましても、今までいろいろ、求人に対しますいろいろなお話だけを今まではしていたわけですが、そこでこういう訓練がありますよ、こういう訓練も一緒に受けられますよというお話を一緒にしてセットでいけるように、今そういうことを始めているわけでございます。
 したがいまして、今、地方のお話がございましたが、私、地方のところまでちょっと頭がいっておりませんでしたけれども、そういう御提案は謙虚に受け入れて、そしてそれがうまくいくものならばぜひ我々もやっていきたいというふうに思うわけです。
 それで、ミスマッチの問題でございますが、三十五歳以下とそれからそれ以上のところと、うんと内容が御承知のとおり違うわけでありまして、三十五歳未満のところは、どういたしましても労働条件、賃金の不一致というのがトップで断トツでございます。それから、三十五歳、四十歳を過ぎてきますと、これは年齢の問題が一番大きくなってくるわけでございまして、同じミスマッチといいましても、そういうベースにありますものと、それから技術、技能の問題とちょっと違うところもあるわけでございます。
 そうしたところもひとつきめ細かく見ながら、お一人お一人できるだけ対応してお声を聞いていけるような体制を組んでいきたいというので、今、民間の皆さん方にもお願いを申し上げてその体制を組もうとしているところでございます。
#109
○内藤正光君 厚生労働省の過去やってきたいわゆる緊急雇用対策を見ていますと、どうも何か給付金を上げておしまいというのが多いんです。その成果はどうだったかというのは改めて申し上げるまでもなく、当初六百億円枠をつくっておきながら二十億円しか実績がなかったとか、そんなものがざらにあるわけです。お金を配れば雇用が創出されるなんというのは大変甘い考え方です。
 ですから、もうちょっと現場の声をいかに取り込むか。同じテーブルに着かせる、これもお金をかけずにできることですので、ぜひそういう観点でも取り組んでいただきたい、雇用対策というものに取り組んでいっていただきたい、このことを強く申し上げさせていただきたいと思います。
 さて、テーマが変わりまして、不良債権問題、特に柳澤大臣に何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。
 この改革先行プログラムを見てみますと、特別検査を実施する旨がうたわれています。特別検査、今までとどう違うのかというのがよくわからないわけなんですが、特別検査をこの改革先行プログラムで実施するんだと言っているということは、つまり今までの検査が適切ではなかったということですか。その反省を踏まえて特別検査をやるということですか。
#110
○国務大臣(柳澤伯夫君) 特別検査というのは、各銀行が決算期に、当然のことですが新しいシステムのもとで自己責任に基づく自己査定というものをするという時期というか、そういう仕事があるわけです。それのときに、ある債務者、私ども、後でなぜというところでお答え申しますけれども、最近起こった出来事のもとで市場の評価というものがタイムリーにその自己査定に反映しているのかということを、ある種確認というか、ある種警報を、警告をするというような意味合いで行うというのが特別検査というものでございます。
 そういうある債務者に着目したというところと、主として、主としてというか、基本的に市場の評価がタイムリーに反映しているのか、そこを見ていますかというようなことをするという検査でありまして、ちょっと、今までの検査が十分でなかったから今度の特別検査を行うかと言われますと、従前から申し上げておりますように、通常の検査というのが、つまり基準日というものをつくるんですけれども、昔の大蔵省時代の検査の基準日というのはまさに入ったとき、そのときを基準日にしたんですが、これからはやっぱり自己査定というか、自己責任による自己査定というものが適正に行われるかということを検査しようということですので、決算、過去の決算、直近の決算が正しく行われていますかということでいっているわけでございます。
 そうしますと、今度ある大手の小売が破綻をしてしまった。それはまさに直近の市場の、具体的に申しますと、格付機関の格付がどんと下がったということで納入業者が掛け売りというものを余りしなくなった、そこで運転資金が増嵩して、それの運転資金の資金繰りがうまくいかなくなって倒れちゃった。こういうことがありましたので、私どもとしては、過去の決算、その過去の決算にはさらにその過去の債務者というか貸出先の決算が反映しているわけですけれども、そういうちょっと遠くなった、かなりタイムラグがそこに生じてしまったような決算、検査に加えて、今度新しくタイムリーに市場の評価にきっかけを得て、タイムリーな自己査定が行われているかという決算、検査を行ってこれを補完しようということでございます。
 そういう意味で、何というか、不十分だったのかと言われれば、タイムラグという意味では、やっぱりそれを縮めなきゃならないという緊要性ができたという意味ではそういった御指摘もある面当たっておりますし、しかし、これはシステムとしてそういうことをエスタブリッシュしたということから、ある意味でそこが穴があいたような形になってしまったんで、それを補完するという意味で、システムの補完という意味もあるということで御理解をいただければと思っております。
#111
○内藤正光君 御理解をいただければということなんですが、よく金融大臣、タイムラグ、タイムラグという言葉を発せられるんですが、たかだか数カ月ですよ、タイムラグといったって。そんな、数カ月前に健康だった人が突然死ぬということが相次いでいるわけですよ、最近。そもそも金融庁の評価がおかしいんですよ。銀行が支えているからそこは大丈夫だと、それで銀行の支援がなくなっちゃったら一気にどたんといっちゃう。こういう金融庁の対応がいけないんじゃないですか。
 それはそうと、そこで、公的資金の注入を受けた銀行は、一方、逆ですね、銀行はしっかりと不良債権処理を進めているんでしょうか、どうでしょうか。
#112
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっとタイムラグの話をさせていただきますが、もう何回も私も委員会あるいは違う場かもしれませんけれども御説明しているんで、屋上屋を架すようなことはいかがかと思うんですが、二月、八月の決算だとほぼ一年おくれなんですね、そういう現実があったんです。私、いいかげんなことを言っているわけじゃないんです。そういう、二月、八月の決算期の貸出先の場合には一年ぐらいおくれる検査になってしまうということがあります。そういうことで、私ども、タイムラグということを今度衝撃的な事実によって思い知らされたんで、これを補わせていただきたいと、こういうことを申し上げている次第です。
 それから、ただいま御質問のありました資本注入の銀行の不良債権処理は進んでいるかということですけれども、そもそも資本注入が何で行われたかと言いますと、不良債権の処理をどんとやらせる、やってもらう、そうすると自己資本にやや毀損が起こる、それは補っておかないと市場のちゃんとした評価あるいは金融システムとしての安定性に欠けるところが出るだろうということで資本注入を、一九九八年の国会でそういう法律をつくっていただいてやったわけですから、当然のことながら不良債権の処理が進んでいるということだし、進んでいなければそもそもこの公的資本の注入なぞは必要なかったということになるわけでございます。
#113
○内藤正光君 公的資金の注入を受けた銀行はそれぞれ真摯な態度で不良債権処理に向けて頑張っているという御発言ですね。
 そこでなんですが、私の手元に十月十二日に行われた日本興業銀行の部店長会議で西村頭取が行ったあいさつのテープ起こしがあるんです。その一部をここに書いたわけなんですが、(資料を示す)まず、柳澤大臣にお尋ねしたいんですが、こんなことを言っているんです。いいですか。(「見えへん」と呼ぶ者あり)読みますから大丈夫です、読みますから。
 先般、調査部が、「企業サイドから見た不良債権問題」という大変よいレポートを発表し、識者から好評を博しておりますと。で、その要旨はということで述べられているわけです、西村頭取が。金融機関の不良債権は企業の過剰債務と表裏一体であり、最近の不良債権問題はバブルの後始末ではなくて九八年以降の景気悪化によるものであると。デフレこそが不良債権の原因であり云々と述べられております。
 また、そのほかにも、私は十月初めにニューヨークで、私はって西村頭取ですね、アメリカの市場の混乱を目の当たりにし、また帰国後の日本で貸し渋り現象が一層深刻になっているのを実感し、日本発の金融恐慌は決して起こしてはならない。何度も言うようですが、西村さんがそう言ったわけです。と判断し、当時、本行の自己資本比率は九%強あり、他行に比べて大変余裕があったのですが、十月二十一日にあえて公的資金について前向きな発言を行ったと。要らないんだけれども、まあ注入したと言っているわけです。で、大きな反響を呼んだと。これによって銀行の自己資本比率は一一%台となり、金融システム不安は解消、その後の金融再編へとつながっていったのでありますということをおっしゃっていたんです。
 こういった発言を聞くにつけ、バブルに踊った当事者として興銀の西村頭取はその責任を認識されているというふうに感じられますか。
#114
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと内藤委員の、今お読みいただいたわけですけれども、どこがどう問題なのかというところがちょっとよくわからなかったところが正直言ってございます。
 ございますが、それはそれとして、今わかった範囲で、それを前提に申し上げますと、西村頭取の認識は、一番のポイントは、恐らくバブルによって生じた不良債権というものは自分だけで処理が可能だったというのが一点あったと思うんですね。それからもう一つは、しかし、さはさりながら、この公的資本でさらに資本を充実したと、そして今日ではこのバブルによって生じた不良債権の処理というものは当然のことながら既に完了していますよと、今問題になっている不良債権というのはまさに一九九八年以降のデフレによって生じたものでありますよと、こういうことかと思います。
 私どもは、まず第一に、バブルによって生じたこの不良債権というものが自分だけで処理が可能であったかということについては、これは個々の銀行によってあるいは経営者によって認識が区々かとは思いますけれども、基本的にやっぱりもうシステムとして動揺していたという認識だったわけですから、公的資金による資本注入というのはやっぱり必要だったというふうにこれは確信しています。それは確信しています。
 そういう、じゃ資金を使って、あのバブルのときの不良債権というものがもう処理が完了したのかということについては、私も大方のものは、ここは非常に難しいところなんです、非常に難しい。大方のものは、特に彼らが意識していた大方のものはあるいは完了したかもしれないですけれども、この今の不良債権というものを見たときに、これがバブルと全く関係なく生まれているのかということについては、私自身まだ確信を持っていません。
 つまり、バブルの影響もやっぱりまだ残っているんじゃないか。バブルのときの不良債権というのは、主観的にはあるいは処理しちゃったと思っているかもしれないけれども、またその後影響がじわじわ出ているという面もあるのではないかなと私は思っています。個人的なことですよ、思っています。
 さらに、西村頭取の言っている今のはデフレの影響だということについてはいかが私が認識しているかというと、やっぱりそれもあながち否定できない。デフレによってやっぱり生じている部分もこれはあると言わざるを得ないというふうに思います。
 ですから、現在の残っている処理すべき不良債権というのは、バブルの後遺症的な部分も全くないとは言えない。それからまた、その後のデフレの進行による部分があると。こういう複合的な要因で現在の不良債権というものが存在しているのではないかというのが私の認識であります。ただ、そのアクセントの置き方で、経営者が主観的にどう認識しているかということについては、いろんな意見があってもこれはやむを得ないんじゃないかなというふうに私自身は考えております。
#115
○内藤正光君 ちょっと時間の関係で大分飛ばしますが、いろいろ発言されているわけです。例えば、大銀行をスケープゴートとする魔女狩りになるおそれすらあるとか、西村頭取はやっぱりいろいろなバブルに踊った当事者として経営者責任を痛感している、認識していると私は到底思えないです。
 こういった経営者が経営立て直しだとか不良債権処理を背負えといったってできっこないんです。やるということは、結局は自分の過去を否定することなんですから。そもそも経営者責任を棚上げにしてしまったということが問題ではないかと私は思うんです。
 そこで、当時、経済戦略会議のメンバーとして、その経営者責任の棚上げを決めた竹中大臣に御所見をお伺いさせていただきます。
#116
○国務大臣(竹中平蔵君) 経営者責任の棚上げを決めた、私、そんな権限とても持っておりませんでして、経済戦略会議におきまして十月に答申を出しました。当時、小渕内閣において樋口廣太郎名誉会長、アサヒビールの会長を座長とする報告を出しておりますが、そこのどこをもって経営者責任を問わなかったとおっしゃるのか、私にはよくわかりません。
 その報告を読んでいただきたいんですが、「公的資金を受け入れざるを得ない銀行の経営者責任が問われるべきことは当然である。」というふうに書いております。ただし、緊急性にかんがみ公的資金投入を急げと。切り離して、それとは別に経営者責任を問えというふうに書いてあるわけです。同時に、「公的資金を受け入れた金融機関は、」、省略しますけれども、「顕著な経営改善を達成できなかった場合には、経営責任を明確にする必要がある。」と。これはもう明らかに経営者責任はやっぱりちゃんと追及しましょうということを決めて、我々はあくまでもこれは提言する立場でありましたけれども、そういうことを提言しているわけで、それをもって経営者責任を棚上げするというようなことを申し上げたつもりは全くありません。
#117
○内藤正光君 じゃ、大臣、提言をしたということで、それが実際実施されているんでしょうか、今。
#118
○国務大臣(竹中平蔵君) その後、金融当局において経営健全化計画を求めて、それにのっとって今経営健全化の途上にあるわけでありますから、そういった方向に向かって柳澤大臣を筆頭にして厳密な指導が行われているというふうに認識をしています。
#119
○内藤正光君 でも、今の答弁はちょっとおかしいんじゃないですか。全然、バブルに踊った経営者トップ、今なお何人もいますよ。だれが責任とったんですか。
#120
○国務大臣(竹中平蔵君) 今は経営健全化計画を出してそれを実行している段階でありますから、それに基づいて当然金融当局が評価をなさるのではないでしょうか。
#121
○内藤正光君 総理、いかがですか。だれか経営者責任とりましたか。
#122
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、内藤委員はこの法律制度にはもう非常に熟知されている方ですからおわかりだと思うんですけれども、いろいろ与野党の折衝が厳しく行われたわけですが、その結果、法律として実定法として成立したものは、著しく過少な資本行のみがこの経営者責任を即刻資本注入に当たってとるというスキームなんです。
 ですから、私どもがこの健全化法を運用させていただいたわけですが、そのときにはこの皆さんいろいろ御協議いただいてでき上がった法律を運用したわけでありますから、それを今、実態的、そういう法律のこの規定を乗り越えて、何かがやっていない、私がこういうことを希望しているのに実現していないと言っても、それはやっぱり我々は法の運用をしているわけですから、これはもうやっぱり御理解をいただくほかないと私はお答えを申し上げたいのであります。
#123
○内藤正光君 じゃ、ちょっと視点を変えます。
 みずほグループが来年四月に再編されます。それに伴い、西村頭取は退任をされます。興銀の規定どおりに計算すると、役員慰労金、退職慰労金、幾らになりますか。
#124
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、まだそこまで事態を予測をして、あの人の退職慰労金が幾らになるかまではちょっと手元に持ち合わせているというような状況にはないわけであります。
 私どもが今推進していることは、西村頭取が何とおっしゃろうと、やっぱり市場の評価、日本の金融に対する市場の評価というのが徐々に徐々に厳しい方向に行っているわけです。この事態に対してもう全力を挙げてこの克服のために努力をしてくださいと、それがあなた方の社会に対する責務でもあるし、一つの事業体に対する責務でもあるでしょうということを申し上げておるわけでありまして、その一つ一つ、この項目がどうのこうのというようなことではもう間に合わないくらい、私は、非常にもっと抜本的なリストラクチャリング、そういうようなものに注力をしていただかなきゃならない事態だということを認識されるべきだと思っているし、そういう方向で私どもはそういう努力を促しているという状況であります。
#125
○内藤正光君 マスコミ報道によりますと十億円と出ているんですよ。もう金融庁は知っているはずですよ。これは何ものぞき見趣味で聞いているわけじゃなくて、まさに金融庁が本気で不良債権問題を処理する気があるのかどうかを示す話につながるわけですよ。
 これは本当ですか。本当だったら許されますか。
#126
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、内藤委員が今力説されたことと、私がこの前、今申し上げたこととどちらが大事か、これはもう国民の皆さんに判断していただけばいいと思います。
#127
○委員長(真鍋賢二君) 時間です。
#128
○内藤正光君 興銀に限らず、いろいろ銀行、こういうふうに減らすと言っておきながら、東海銀行は六千万に退職慰労金を減らすと言っておきながら実は一億四千九百万。これはどうごらんになりますか。ほかの中小企業は年を越せるかどうか今必死の思いなんですよ。どうですか。
#129
○委員長(真鍋賢二君) 時間でございますので、簡略に願います。
#130
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々は、そうした健全化計画がどのように実施されているかということについてはフォローアップ作業でフォローをしているところでございます。そして、そういう事態に至っている個々の事情というものも十分聞いております。聞いておりますが、私はここでそういうようなことを申し上げるつもりはなくて、よく自分で胸に手を当てて各銀行は考えて、そうして、既払いのものであってもやっぱりこれはおかしいというふうに思えば返上をしていただきゃいいと、このように申し上げております。
#131
○内藤正光君 委員長、一言。
#132
○委員長(真鍋賢二君) 時間です。
#133
○内藤正光君 終わります。
#134
○委員長(真鍋賢二君) 以上で長谷川清君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#135
○委員長(真鍋賢二君) 次に、野沢太三君の質疑を行います。野沢太三君。
#136
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。
 小泉総理におかれましては、構造改革の旗印を掲げられまして、国民の大きな期待を担いながら、四月末に内閣を発足させてから半年余りたったわけでございます。この間、総理におかれましては、強いリーダーシップを発揮されまして、財政、構造改革に関する基本方針、これは六月でございましたが、九月には改革工程表ということでこれをさらに具体化をされ、そして十月には改革先行プログラムということで、これを時間の要素をつけて具体化するべく方針を指し示していただいたわけでございます。
 今回の補正予算は、こういった総理の掲げられた構造改革を具体的に裏づける大事な予算と理解をいたしておるわけでございますが、この間、九月十一日に思いもかけないあのようなテロ事件が起こりまして、審議そのものもおくれが出たということもございますし、これに伴います、アメリカを初め世界じゅうが影響を受けて不況の色を濃くしているわけでございます。
   〔委員長退席、理事松谷蒼一郎君着席〕
 こういった内外ともに多難な事態に立ち至りまして、総理といたしましては、これまでの半年の成果、そしてまた、これからまたどう取り組むかという御決意をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#137
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 最近、景気低迷し、経済状況が悪いから、構造改革よりも景気回復が先だ、構造改革は少し待ったらどうかという意見が出てくるんですが、それは私はおかしいんじゃないかと思っているんです。
 私が言っているのは、今まで民間の方がリストラ、構造改革は進んでいる、最もおくれているのは役所と政府関係機関だ、ここに手を入れてこなかったところこそ経済の低迷が起こっているんじゃないかと。景気回復が思わしくないからそんなのは後回しにして、不良債権も今やったら失業者が出るから先送りせいという議論が出ています。そうじゃないと。
 これは、景気回復しようが景気低迷しようが、やるべき構造改革は進めていかなきゃならないんです。民間にできることを役所がやって何のプラスがあるんだと。税金使う方と税金を納める方、どっちが経済活性化になるのかと。そういうことから考えて、景気回復しようがしなかろうが、構造改革は進めていかなきゃならないんです。そこを間違ってもらっちゃ困る。
 同時に、テロが発生しておりまして、これは思いもかけない、いろんな産業に打撃を与えております。こういう問題に対しては、予想外の出来事であり、この問題が経済面においても、あるいは危機管理面においても政治の安定面に関しても、不安な状況を起こしてはならない。その対策のために金が必要だというんだったら、大胆かつ柔軟に対応するということでいろいろやっておりますし、規制改革にしても、今までなかなかできなかったことをすぐやろうといったって法律が要るんですから、これから法律準備、今準備期間なんですよ。独裁じゃありません。私に全権があって一日で変えろという、そんな権限は民主主義社会にないんです。多くの議論を進めて、今まで検討しながらどこができなかったのか、それを、検討だけではいけない、実施に移そうという準備をして方針をはっきり明示している。これから法律を出して、そして、来年の通常国会もあります。そういう面において着々と方針どおり準備が進んでいる。
 景気がよくなろうが低成長だろうが、今まで私が言ってきた構造改革は断固として進めていく、こう御理解いただきたいと思います。
#138
○野沢太三君 総理にはぜひひとつ初心貫徹の心意気を持ちましてリードをお願いいたしたいと思います。
 テロに対してはいち早く米国に対する支援、協力の申し出をなさり、そして対策の関連三法も今般成立を見たわけでございますが、これからむしろこれに対する影響がじわじわと出てくるんじゃないかと思うわけでございます。景気が後退しておるわけでございますし、経済の動向も予断を許さないわけでございます。
 十月の月例経済報告等を見ますと、個人消費は横ばい程度ということでございますが、設備投資、内需あるいは輸出、外需、これがともに減少傾向にございますし、株式相場は一段と下落傾向という認定をしております。失業率が過去最悪ということにもなっておりまして、今年度の経済成長についてはマイナスになる公算が強まってきた。アメリカもまたまた航空機の事故もございましたが、消費が減退しまして、これに伴うアジアの輸出が非常に減速をしておる。こういう状況でございまして、これから始まります不良債権の本格処理やペイオフの解禁等に伴いまして金融システムが揺らぐようなことがあってはぐあいが悪いわけでございまして、こういった諸般の事情の中で予想されます経済の有事に備えまして、今お話がありましたように、大胆かつ柔軟にという機動的な対応がとれるということであれば国民の皆様も安心してお仕事ができるんじゃないかと思うわけでございます。
 そこで、当面するこの内外の経済情勢をいかに判断され、またどのようにこれに対応するか、これにつきまして財務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#139
○国務大臣(塩川正十郎君) まず私は、現在の経済状況の中で、確かに需要は落ち込んでおります。しかし、一方におきまして膨大な供給能力を抱えておる、日本の国内全部見まして、すべてがそうでございますが、供給過剰に悩んでおります。ただ経済だけではございません。教育もそうでございまして、学校も供給過剰で最近悩んできておるような状況でございますし、また福祉関係におきましても、一部においては行き過ぎた供給過剰。
 私は、この需要と供給との関係を改善していく方法は何かと。これはやっぱり私は既成の権益というものを取っ払って自由な競争をしてもらうことが、これが一番根本的な解決ではないかと思っております。
   〔理事松谷蒼一郎君退席、委員長着席〕
 それから、もう一つ日本の経済で非常に問題なのは、先ほど来申しておりますような賃金構造、賃金のベースというものが外国に比べまして非常に割高、なぜ産業の空洞化が起こるかといいましたら、技術の問題でも何でもございません。ただ一にかかって賃金と土地の問題にあると私は思っておりまして、ここを日本の構造改革の中で解決をしていって、国際競争力にふさわしいような体制をとらない限り日本の空洞化はますます続いていくであろうし、そのことはますます日本の経済成長を弱めていくことにつながっていくと思っておりまして、そこらに抜本的な手を打たなきゃならぬ。
 そのことを考えまするにつけて、現在の既存の権益というもの、これは護送船団方式で組まれておりますから、これをやっぱり改正していくことが根本であろうと思っておりまして、そういうことの中で、私は、新しい若い人によるところの新しい活力を植えていく、最近のベンチャーの状況を見ましたならば非常に活気がついてきておることも事実でございますので、そこをうまく育てていくことも産業政策の中に大きくウエートを置くべきだと思っております。
#140
○野沢太三君 今度の補正予算に約五百億ほどのテロ関連経費ということで盛り込まれておるわけでございますが、先般の審議の中で明らかになりました数々の対応策を今回、基本計画としてまとめていただくと、こうなっております。また、これの実施要領はどうなるかと。既に一部新聞にも大きな活字が躍っておりますが、これの策定状況並びに国民の皆様に対する御説明はいかようになっておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#141
○国務大臣(中谷元君) 現在、基本計画の策定につきましては、速やかに策定をし、そして必要な対策が早期に実施できるようにするために、外務省また防衛庁の当局者と米国の関係者が調整委員会を通じまして意見調整を行っておりますし、また内閣官房との意見調整も行っております。
 この中で、特に難民支援のあり方につきましては、政府の調査団が十一月九日から行っておりますが、本日早朝に日本に帰国をいたしました。そこで、イスラマバードにおいてパキスタン政府とこの難民の対応策、またUNHCRにおいてのニーズ等を確認をいたしましたし、またカラチにおいて物資輸送を念頭に置いた港湾調査等を実施いたしておりますが、この話をよく聞いた上で、難民支援におきましても人道的な見地でより積極的かつ主体的な活動がし得るように、万全を期して計画を検討している段階でございます。
#142
○野沢太三君 総理は、先般のASEANの会議におかれまして、アフガンの戦後復興をどうするかということ、東京で開催したらどうかという御提唱もなさっていただきましたが、これに関するその後の動き、今カブールがもう陥落しているという状況から考えますと意外に早まるんじゃないかという予測もございますが、総理、いかがでしょうか。
#143
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、APEC会議の際に、上海で行われたわけでありますが、ブッシュ大統領との会談の際に、日本はアフガンの軍事戦略には参加しませんが、今後のアフガンの安定のための政治戦略あるいは復興支援策、復興戦略、これにはできるだけの支援、協力をしていきたいと。そういう点から、余り当面の軍事戦略だけにのめり込まないで、今後の将来のアフガンの平和、和平、復興も考えて現在の軍事戦略を行うべきだということをお話ししました。
 その際に、それはいい考えだという賛同をいただきまして、現在アメリカ等も今後の和平問題について、あるいは復興問題について真剣に協議している段階で、日本としても、先日、元難民高等弁務官の緒方さんに政府特使、首相特使として今後のアフガンの問題について御助力をお願いしたいということで快くお引き受けいただきました。
 その際に、私は東京でやりたいなんというのは一言も言っていません。ニューヨークであろうがヨーロッパであろうが、どこでも日本はその復興戦略に対しては支援申し上げたいと。むしろ、外務省等に対しては東京でやりたいなんというのは言うべきじゃないと、どこでも日本はその復興戦略に協力すべきであって、何が何でも東京でやれやれとかしゃしゃり出てやるものじゃないと。周辺国の問題もあるし、多くの利害関係国もあるわけであります。
 そういう際に、日本は利害もないし、アフガンに対する支配力もない、領土的な野心もない。いわば、ほかの国に比べてどちらかといえば手が汚れていないという立場から主体的に積極的に取り組む部分であって、日本が何か目立つ形で、しゃしゃり出るような形で何が何でも東京でやろう、東京でやるなんというようなことは厳に慎むべきだと言っているぐらいで、どこでやろうとも日本は積極的に支援するべきだということを言っているわけでございます。
#144
○野沢太三君 よくわかりました。
 特に、今回の場合は計画の段階から参画をして具体的に事を進めると。湾岸戦争のときはもう後からで、大変日本としてもひんしゅくを買ったといううらみがあったわけですが、現段階から緒方代表に頑張っていただくということは大変結構かと思います。ぜひひとつ、一番日本として存在価値があり能力がある分野でございますので、頑張っていただきたいと希望をいたします。
 それから、国内のテロ対策がまた問題でございまして、先般の連合審査の中でも重要施設の防護、警備あるいは自衛官や警察官の装備等々について十分な備えがないということで、今回も約五百億の予算の中からこれが全部裏打ちされるんだろうと思いますが、これで十分かどうかということが心配されるわけでございます。
 それからもう一つ、警察官がどうも足りないという声が聞こえてまいります。平成元年から十二年までの中で犯罪の増加率が五割近くふえているということでございまして、しかも交通事故等はさらにそれを上回る勢いで増加をしておる。町に出てみるとお巡りさんのいない交番がいっぱいある。こういうことでは心配でたまりません。
 ひとつそういう意味で、この国内テロ対策の準備あるいは防護等について、国土交通省それから警察庁並びに防衛の大臣から簡潔にひとつお話しいただきたいと思います。
#145
○国務大臣(扇千景君) 野沢先生がおっしゃいますように、先般のテロ対策、テロ事件以来、我々は、今私の担当しております海と空と両方のお尋ねがございましたので、海上保安庁としましては、少なくとも湾岸に近い防御施設をぜひ防御しようということで、原子力施設でありますとか臨海部の国際空港でございますとか、そういうところに重点的に警戒監視を実施しておりますけれども、その実施しますものが果たしてそろっているかどうかということで、少なくとも巡視船艇の整備でございますとか、あるいは巡視船の航空機等々の夜間の照明器具が備えてあるかどうかということも、少なくとも赤外線の監視装置、これを搭載しよう、また巡視船艇の乗組員の安全保護のために防弾の用具をつけようとか、そういうあらゆることで海の方では七十億円をいただいておりますし、また、これは少なくとも今後の体制の中で不備の点は整備しようということで、けさも八時から海事の振興連盟の総会が開かれまして、この支援対策をしようということを御決議いただきまして、心から感謝しているところでございますけれども、欲を言いますと、七十億円で万全かと言われますと、まだまだ残念ながら、三百五十六の船を持っておりますけれども、二十年過ぎたものが少なくともその中で四割あるということでは万全ではありませんけれども、今の状況では最大限努力させていただいているというのが海の状況でございます。
 空に関しましては、少なくとも航空関係につきまして、緊急的な措置としまして私たちは検査機器の導入ということで検査機器の配置をします。そういうことで、爆弾物等々の探知機器、この新しい導入をさせていただきたいと思いますし、補正予算の中で成田あるいは関西国際空港、羽田空港等々のこの整備に少なくとも十億円の予算をつけていただいておりますけれども、これとても、万全かと言われると、これで一〇〇%とは言えませんけれども、今できる範囲の中では最大限の防御体制と、特に昨日は再びアメリカで航空機事故が起きましたので、日本の航空三社の社長に、きのうの朝の閣議の後、総理からも御指摘がございまして、安全を再確認するようにということで通達を出したところでございます。
#146
○国務大臣(村井仁君) 警察の関係でございますが、さきの米国における同時多発テロ事件を踏まえまして、総合的かつ効果的なテロ対策を緊急に講ずるという必要がございますので、重要施設の警備に当たります機動隊等につきまして、その能力を高めるために、特殊銃それから耐弾車両、弾丸に耐える車両でございますが、これの配備をいたしますことやら、それから生物・化学テロ、これは大変今問題になっておりますので、NBCテロ専門部隊を北海道それから神奈川等六道県につきまして設置をする。それから、全国警察に生化学防護服でございますとか生物剤の検知器等を増強配備するというようなことを今度の補正予算でお願いをいたしておりまして、これによりまして、私どもの認識といたしましてはかなり対応能力が増大できるのではないか、こんなふうに考えておるところでございますが、さらなる増強も今後考えてまいらなければならない。いずれにいたしましても、テロ事案の未然防止に全力を尽くしたいと思っております。
 それから、ただいま野沢委員御指摘にございましたいわゆる治安全体の悪化でございますが、これは確かに深刻な問題でございまして、年々厳しさを増している、御指摘のとおりでございます。国民の間にも治安に対する不安感、これが非常に増大しているということが世論調査等からも見られるところでございまして、私は、日本の治安、残念ながら危険水域にある、こう言わざるを得ないと思っております。総理からも、日本が世界で一番安全で安心できる国でなければならない、そのために努力せよという御指導をいただいておりまして、先般も、凶悪犯罪に的確に対処するために、警官のけん銃使用要件を、内部規則を改正いたしまして適切な対応ができるようにするというような改正もしたところでございますけれども、速やかにこの治安を回復し、例えば先ほど委員御指摘の空き交番とかいうような問題に対応しますためには、私どもいろいろやりくりもしておりますけれども、どうしても人数が足りない。そういうことで、現在、私ども計算いたしますと約一万人足りないわけでございますが、一挙に採用いたしますとこれなかなかいろいろ難しい問題がございます。ことし何とか五千人増をお願いしたいと、こう考えております。
 ただ、これはいずれにいたしましても地方警察官でございますので、いわゆる地方財政計画で対応しなければならない問題でございますので、いずれ総務大臣の御理解もちょうだいしながら何とか実現を図ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
 今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。
#147
○国務大臣(中谷元君) 国内のテロ対策に対して、自衛隊といたしましては、まず目と耳の部分ですね、これを警戒監視を強化をすると。それから手足の部分です、すぐ動けるように対処体制の強化をいたしまして警備の能力また対応体制を速やかにできるようにいたしました。また、生物・化学攻撃等に対しましては、特に炭疽菌等の生物剤等への対処能力をさらに強化するという観点から、今回、補正予算に必要な経費を盛り込んでおります。
 具体的には、警備強化については暗視眼鏡、それから監視カメラ、それから無線等の整備によって警戒監視体制の強化をいたしました。また、防弾チョッキ、また機関けん銃、小銃等の整備によって対処体制を強化をいたしております。また、爆弾テロ等につきましては、緊急医療体制支援システム、これの向上のために約百十二億円を計上いたしております。生物・化学テロに対しましては、化学防護衣とか除染剤等、必要な医薬品、物品等の装備等の計上のため十九億円計上いたしておりまして、今回の補正予算措置によってより強化されるというふうに考えておりますが、今後とも国民の安全確保のために万全を期すために関係省庁とも連携をとってまいりたいというふうに思っております。
 以上です。
#148
○野沢太三君 国民の皆様が安心して日常生活が送れるように、それぞれ関係省庁精いっぱいひとつ工夫し頑張っていただきたいと思います。今予算で足りないところは、十二月にはもう本予算があるわけでございますので、その中身については一層の手当てをよろしくお願いしたいと思います。
 後ほどまた雇用問題のところでも触れるつもりでおりますが、今の警察官の増強問題につきましては、臨時の警察支援業務ということも指摘をされておりますが、やっぱりやる気のある若い人たちにしっかりと仕事をしてもらうことが大事ではないかと思います。
 ちょっと古い調査なんですが、政治家とお巡りさんと天気予報、何が一番信用できるかと、こう言ったら、お巡りさんが一番なんですね、やっぱり。これは非常にありがたいことでありまして、幾つか不祥事も出てはおりますが、我々政治家も少し反省してしっかり国民の皆様から信頼のトップをいただけるような、そういう働きをせねばならぬと思っております。
 そういう中で、先ほどの基本計画でございますが、自衛隊の派遣については、総理を初めとする皆様の精力的な努力のおかげでASEAN諸国も一定の理解をいただけたと思うんですが、この基本計画とか実施要領の中身に盛られていることこそ重要であるんですが、これを関係の周辺諸国にどう説明していくのか、外務大臣にこれはお願いしたいと思います。
#149
○国務大臣(田中眞紀子君) 今回のテロ特措法に基づきまして日本もどのようなことができるかということは、先ほど中谷長官がおっしゃいましたように、今いろいろと基本計画を練っておりますけれども、そして政府といたしましては、日米間の協議を初めといたしまして、所要の準備を進めつつ、その速やかな策定を今急いでおります。
 そして、アジア諸国、今、委員がお尋ねになりました近隣諸国に対しては、どのようなことになるかという不安があってはいけませんし、決して、私どもが憲法の範囲内でもってやるということにつきまして、具体的なことを、具体的な外交ルートを初めといたしまして、適切な時をとらえて御説明をするように今努力中でございます。
#150
○野沢太三君 PKFの中で凍結されておる事柄があるわけですが、今度のアフガンの対応を考えたときに、地雷が一千万個も埋まっていると。恐らく、これは終戦、停戦になりますと、これを除去しようという話になりますが、残念ながら現行法ではこれが我が自衛隊はできないわけでありまして、先般も、与党三党としては、これをぜひひとつ解除すべく法改正をという提案をしておりますが、政府側としての対応はいかがでしょうか。防衛庁。
#151
○国務大臣(中谷元君) 昨日も北部同盟がカブールを確保されたということでアフガン情勢も変化しておりますが、お話しのとおり、これはソ連との戦闘の時代からアフガニスタン国内には一千万個に及ぶ地雷が埋設を、残置されたままになっておりまして、アフガン市民の安全確保、復興の観点から国際的にも大変深刻な問題であるというふうに認識をいたしております。
 現在、PKO法の凍結部分に地雷の除去ということが入っておりますが、これが果たしてアフガニスタンにおいて紛争終了後にPKOが設立をされるのか、仮に設立されたとしても地雷の除去を含めてどのような活動が行われるかということにつきましては、現時点において確たることを申し上げられないわけでございますが、アフガニスタンにおける地雷の除去について我が国として貢献をしていくかについては、現地の実情等をさらに十分把握をする必要があるというふうに思っております。
 なお、このPKF凍結解除につきましては、私も早急に実施をすべきではないかというふうに思っているわけでございます。つまり、国際的な貢献の国連の取り組みにおいては、本年度のノーベル平和賞にも該当して、世界的にも冷戦後の世界平和のためになくてはならない活動であるというふうに位置づけられておりますが、我が国の場合に、現在、このPKFの凍結解除、それに関連する問題においては、与党三党及び政府部内において精力的に検討が行われているところでございますが、防衛庁としましては、自衛官が安全かつ十分に任務が遂行できるように、ぜひこの時期に御議論いただきまして、措置が改善されるというふうに希望しているところでございます。
#152
○野沢太三君 今回の補正予算の最大の眼目であります雇用問題に移りたいと思います。
 九月の完全失業率が五・三%と統計史上最悪という状況にございますし、完全失業者数も三百五十七万、前年同月差ということで、前の年と比べると三十七万人も増加しているという状況にあるわけでございます。
 これに対して、今回の補正予算では八千十一億、雇用だけに限っても五千五百億という大きなお金を積んでいただいておりますが、この予算を含め、どの程度の雇用創出効果があるかと。緊急雇用対策法ということで中高年に対する手当ても配慮していただいておりますが、これを含めまして、ひとつ厚生労働大臣からお話をいただきたいと思います。
#153
○国務大臣(坂口力君) ただいま御指摘いただきましたように、五千五百億という大変大きな予算を組んでいただいたわけでございます。その中で一番大きいのは、何と申しましても、先ほどから出ておりますように、いわゆる特別交付金と言われます分野でございますが、全体といたしまして五千五百億を組んでいただいているわけでございます。
 これでどのぐらいの雇用創出を図っているのかということでございますけれども、一応この予算、これからまだ三年間これは続くわけでございますが、この三千五百億の予算と、これらの予算措置のできましたものを合計いたしますと、約百万ということでございます。そうした目標を掲げまして、そしてこの予算をひとつできるだけこれはむだのないように、そしてこの予算が有効に使われるように我々は努力をしなければならないというふうに思っている次第でございます。
 中身は、御承知いただいておりますように、交付金の創設と、それから民間の就職支援会社への支援と申しますか官民一体の支援、それからキャリアカウンセラーの養成というようなことも考えておりまして、だんだんとハローワークが忙しくなってきているわけでございますので、ここに援軍と申しますか、キャリアカウンセラーをひとつ養成をこれからしていくというようなこと、それから雇用保険の延長給付でございますが、これはもういろいろと御議論のあるところでございまして、なかなかこの雇用保険の中でおさまらないではないかという御意見もございますが、我々といたしましては、いろいろなことを勉強をしていただく皆さん方につきましては延長していくという制度を取り入れさせていただいて、そうした問題をこの中に含めさせていただいているところでございます。
#154
○野沢太三君 最近、元気な会社の労働構成というのを見ますと、例えばヤマト運輸とか、クロネコですね、それからユニクロであるとか、非常に正社員のほかにパートタイマーが大変活躍をしているわけですね。こういったやはりタイプの労働構造に変えていくということも一つあるんじゃないかと思うわけでありまして、政府側でできることと民間でやってもらうことといろいろございますが、ひとつ政府の方として、こういったやっぱりムードを醸成する、あるいは法的な支援、規制緩和、いろんなことで支援できる分野が大変あろうかと思いますので、期待をいたしております。
 それから、先ほどもワークシェアリングの質問が出ておりまして、前向きな御答弁をいただいて心強いわけでございますが、今までこれを見ていますと、どうも労使ともに敬遠ぎみであったのではないか。当然、政府としてもこれについては手も出し口を出すわけにいかないということで来たわけでございます。
 しかし、乏しきを分かち合うという意味では最もこれは効果的な施策ではないかと思います。オランダ等の例で見れば、一〇%を超していた失業率が二・八まで下がったと。これはもう劇的に効果があったわけでありますが、これはもうみんなの要するに同意といいますかコンセンサスがなければできないわけでございますので、どうかひとつ、この面で積極的な関与をぜひお願いいたしたいと思うわけでございますが、御所見はいかがでしょうか。
#155
○国務大臣(坂口力君) ぜひ御支援のほどをお願いを申し上げたいと思うわけでございますが、このワークシェアリングにつきましては、先ほども少し触れさせていただきましたとおり、ぜひ前進をさせたいというふうに思っております。
 今お話をいただきましたとおり、労使とも今まではなかなか距離がございまして、そして歩み寄りがなかったわけでございます。しかし、労使ともに、ここにひとつ前に一歩ずつ前進しようという、そういう状況をつくっていただいておりますしいたしますので、ここは積極的に我々も中に入らせていただきたいというふうに思っております。
 いろいろのタイプがございますけれども、フランスでやられましたタイプ、あるいはオランダでやられましたタイプ、こういう高失業の慢性化に対応したやり方というのが非常に参考になるのではないかというふうに思っている次第でございます。
 塩川財務大臣もおれに任せておけと胸をたたいていただいておるものでございますから、大変私も心強いわけでございまして、ぜひ塩川大臣にも御支援をいただいて、ぜひ進めさせていただきたいと思っているところでございます。
#156
○野沢太三君 先ほどのパートの活用等を含めまして日本の産業競争力をむしろ回復する一つの手段でもあるんじゃないかな、私はそのような認識も持っておるところでございます。
 それからもう一つ、解雇法制をもう検討してもいいときが来ているんじゃないかと。
 今は、法的には労働基準法で三十日前に通告する、それだけが法律らしい法律ということでございますが、現実に企業といたしましてはどうしているかといえば、希望退職をとるとか、あるいは退職不補充という形でなだらかに時間をかけて減らしていくということでありますが、なかなかこれは急場に間に合わないということがございます。
 したがいまして、解雇ということが、いわゆるそれでおしまいじゃなくて、むしろ新しい出発になるようなルールにすることも私は可能ではないかと思うわけでございます。そういう意味で、人生二毛作なんという話もございますが、より自分に適した仕事をもう一度選び直すという意味での解雇ルールというものは検討に値するかと思いますが、いかがでございましょうか。
#157
○国務大臣(坂口力君) 解雇ルールの問題、先日、少し私は触れさせていただきました。労使両方から反対の声をちょうだいをいただきまして少し戸惑っているところでございますが、いずれにいたしましても、今までは高等裁判所の結果、この裁判の結果を受けまして、そうしたことを中心にしてやってきたわけでございますが、しかし、裁判というのは特別な例の問題でございますから、全般的に考えていきます場合にはやはり何らかのルールというものを明確にしなければいけないのではないかと私も考えております一人でございます。
 そして、終身雇用だけではなくて、雇用が非常に多様化をしてまいりました。パートの問題がございますし、それから派遣の問題がございますし、さまざまございますので、こうした中でやっていきますためには、やはり解雇基準でありますとかルールというものをあらかじめ明確にしておくということが皆さん方に御安心をいただけることになるのではないかというふうに思います。
 使用者側の皆さん方、企業の皆さん方にしてみると解雇しにくくなるのではないかと、こうおっしゃいますし、労働組合の皆さん方からは解雇をやりやすくするのではないかという御意見があるわけでございますが、しかし、そういうことではなくて、お互いに勤めていきますためにはやはりはっきりとしたルールがあるということが大事だろうというふうに思っております。労使の御意見も十分に聞きながらここは進めたいというふうに思っております。
 決して急いでいるわけではございませんけれども、ここは、しかし、いつかははっきりさせなければならない問題だという問題意識を持っている次第でございます。
#158
○野沢太三君 昨年一年だけでも、ハローワークを初めあちこちで出てきた求人数だけを見ると七百万人もの求人があるんだと、この不景気の時代に。ところが、なかなかそれがうまく希望に沿えないミスマッチが起こっているわけでございます。それで実質三百五十七万という完全失業があるわけですが、ここを何とか乗り越えるためにも、ミスマッチに対する取り組みというのが極めて重要ではないかと思います。情報に関するミスマッチ、それから能力ですね、適性と能力ということに関するミスマッチ。それから、もう一つ大きいのが年齢のミスマッチ、求人広告を見ると四十歳以下とかそんな話が相当あるわけですから。この辺を大いに枠を広げ、壁を取り払い、そして場合によっては能力開発についての大きな支援をしていくということで乗り越えられる分野があろうかと思いますが、このミスマッチに関しての、大臣、所見いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(坂口力君) 先ほども少し触れさせていただいたところでございますが、年齢によりましてもかなり違いがございまして、お若い皆さん方というのは、どちらかといえば労働条件、特に賃金の問題が非常に大きくなりますし、四十歳を超えてまいりますとやはり年齢問題というのが非常に大きな問題になりまして、入り口でミスマッチが起こってしまうということがございます。
 それだけではなくて、やはり経済構造が非常に変わってまいりましたものですから、今までの一次産業、二次産業、とりわけ二次産業中心の日本でありましたものが、それが二次産業から三次産業の方にシフトしなければならない。その二次産業と三次産業との間のやはり、ミスマッチという言葉が当たりますかどうかわかりませんけれども、皆さんの思いというものの違いがあるというふうに思っております。やはり、今まで二次産業にお勤めでありました皆さんはどうしても二次産業にお勤めになりたいという気持ちが非常に強いわけでございまして、そうしたところを、よくお話をさせていただくカウンセラーみたいな人たちがたくさんやっぱり要るのではないかというふうに思っております。
 もちろん、技術、技能、そうした面でもございまして、そうした面につきまして、ただ単に厚生労働省の枠内だけではございませんで、これは科学技術庁の方にもいろいろとお手伝いをいただきまして、大学でございますとか専門学校でございますとか、そうしたところの御援助もいただきながら、十分にそこが円滑に労働移動ができるようにしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#160
○野沢太三君 今度の改革先行プログラムの中で、雇用創出をやろうということで、各分野にわたって五百三十万人に上る五年間の雇用創出がうたわれておるわけでございますが、これには相当思い切った規制緩和をやらないとなかなかそう簡単にはいかない。必要によっては法改正あるいは財政支援ということも必要になるだろうと思いますが、この五百三十万人を可能にする具体的な手だて、あるいはどの分野から入りやすいのか、その辺についてのお考えをひとつ聞かせていただければありがたいと思います。
#161
○国務大臣(坂口力君) この五百三十万と申しますのは壮大な目標でございまして、ここにたどり着きますのにはなかなかいろいろの手だてというものが必要だろうというふうに思っております。
 これは経済財政諮問会議に設置されました雇用拡大専門調査会というのがございますが、そこが五月に取りまとめていただいたものでございまして、一九八〇年代、九〇年代、この二十年間を合計いたしますと一千万の新しい雇用が創出をされている。十年単位で見ますと平均して五百万の創出がされているということでございますので、これを少し前倒しをして、五年間ぐらいでこの五百万、五百三十万というのはできるのではないか。いろいろの分野での積み上げをしていただきましたところ、五百三十万というものが出てまいりました。そして、これを行いますためには、今御指摘をいただきましたとおり、各分野におきますところの規制緩和というものが必要でございますし、それなくしてこれはできないわけでございます。
 特に、例えば我々の厚生労働関係のことをとりましても、年金、医療、介護それから育児、そうした分野におきましてこれはできるだけ規制緩和をやっていきまして、そしてそこからつくり出すということをやらなければならない。我々のこの医療でありますとか介護でありますとかあるいは育児、こうした我々の分野で我々が頑張って、やっぱり一番先に百万ぐらいなことをどうしてもつくり出さなければならないのではないか、今そうした計画を立てようとしているところでございます。
#162
○野沢太三君 それでは、景気対策に移りたいと思いますが、今回のテロ事件がアメリカ経済に与えたショックというものは相当なものでございますし、日本も当然この影響を受けておるわけでございます。株が下がる、あるいは流通業、特に航空産業等が打撃を受けておりますし、個人消費は落ち込んでおる。そういうことから逆に貯蓄率がふえたり、GDPは下がる。こういう状況の中で、一体これいつまで続くのか。湾岸戦争のときには復興需要というのが後から出てきて大分回復ができたわけでございますが、今回そういったことも余り期待はできないだろうと思いますが、日本経済も当然これは影響を受けまして、経済成長率を一・七からマイナス〇・九に修正するというようなこともございます。
 こういった面で、テロとの関係もございますが、景気対策全般について、アメリカ経済並びに日本経済についての影響、竹中大臣、よろしくお願いします。
#163
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、アメリカの経済が大変速い、予想を上回るような速い速度で減速をしております。アメリカの経済は昨年の暮れあたりから非常に減速傾向をはっきりさせてきたのでありますけれども、新しい情報によりますと、この第三・四半期は、アメリカ経済、既にマイナス〇・四%ということになっている。アメリカの動向によってアジアの経済、さらに含めて日本の経済、非常に大きな影響を受けるものですから、非常に大きな注意を私たちも払っています。
 しかし、これはっきり言いまして、ここ二週間ぐらい単位で楽観的な見方が出てきたり悲観的な見方が出てきたり、アメリカの専門家の中でも非常に大きく揺れているというのが現状のように思われます。アメリカの民間の予測機関の平均値等々で見ます限り、アメリカは来年の後半ぐらいから本格的によくなるのではないかというような見方が今のところ主流のようでありますし、その見方が今の時点では一つの妥当な見方かなというふうに思っております。
 それを受けての日本の経済の見方、運営でありますが、今年度、マイナスの〇・九%という改定の見通しを内閣府として出しましたけれども、そのうちの寄与度で見ますとマイナス〇・六が実は外需の部分であります。外的なショックを受けて、それがそのまま一種の輸出乗数のような形で日本の落ち込みになっているというのが現状であります。
 そういったことをも踏まえながら、しかし同時に、先ほどから議論されております、財政の状況が逼迫して国債増発による金利上昇のリスクが一方であるという中にありますので、その間の狭い道を引き続き模索していかなければいけないと思っています。
#164
○野沢太三君 時間が厳しくなりましたので、御通告しております質問については一部またの機会に譲ってまいりますが、どうしてもお聞きしておきたいことが一、二ございますのでお願いをいたしますが、まずPFIの推進でございます。
 これは既に法律もできて、今回改正が、一部改正が提案されてもおりますが、イギリス等の実績を見ると、十年ほどかけて既に公共事業の一二%くらいがPFI方式になっていると、今後一五%くらいまではやろうという今意気込みで取り組んでおります。
 公共事業の一割カットと言われる中で、この方式ですべての事案をもう一度洗い直して、やれるものはひとつこれでやったらどうかと。そうすれば当面の負担が軽くなるとか、全体としてのコストも下がって、いわゆるバリュー・フォー・マネー、効果的な仕事がより民間の知恵によってできるんだということであれば結構だと思うんですが、このPFIについての取り組み、今後また期待できる分野は何かという点についてお話を伺います。
#165
○国務大臣(扇千景君) 大変、野沢先生のおっしゃいますこと、今まさに我々政府としてもPFI方式を導入すると。新しい政策に転換していく大きな要素でありますし、また、民間の持っておりますノウハウでありますとか資金力等々を活用するということでPFI方式に、私たちは新たな導入の決意をしたところでございますし、また、六月二十一日に国土交通省といたしましては公共事業の改革案としてこれを発表させていただきました。
 例えば、御存じのとおり、PFI方式では、官庁の今まで一手引き受けをしておりましたものを、これをPFIによって新たな施策にしようということで、御存じのとおり、文部科学省とそれから会計検査院の建てかえであります中央合同庁舎の七号館、これもPFI事業で、しかも再来年と言っておりましたのを一年前倒しにして来年から入札をもう始めようということも決定いたしましたし、また、都市再生プロジェクトの三つのうちの一つとして六月十四日には都市再生本部が決定して、これらの施策を実行しようと。
 また、公的な住宅団地の建てかえ、これも大変多うございますので、これもPFI的な手法によって積極的に導入していこうということも、これも決めさせていただきまして、既に今行っておりますことは、託児所でございますとかあるいは福祉施設等をこの公共団地に併設すると。これもまずPFIを利用させていただきました。
 また、さらに建てかえに関しましては、これに地方公共団体等が進めますPFI事業というものも加味して、国土交通省の事業は、現在、御存じのとおり港湾施設、これも新たにPFIで事業を行います。また駐車場も、これも四事業ですけれどもPFIで行います。そして公園施設、下水道、市街地再開発等々あらゆることで、今回のPFIの導入によって民間の活力とノウハウを最大限に生かして経済効果が上がるように努力していきたいと思っておりますし、また、現在進行中でございます。
#166
○野沢太三君 今回は百億そこそこと非常に小さいんですが、頭出しということで、今後大いに力を入れて一けた以上上げていただきたい、かように希望いたします、我々もまた努力をいたしますが。
 それから、今回の補正予算の中に三千百三十九億、相当大きな災害対策費が盛り込まれておりますが、これのこれからの取り組みでございますけれども、経済財政諮問会議の委員の報告書の中で治山治水の整備テンポをおくらせるというような表現がございますが、日本のような災害多発国土ではふだんからの備えが重要でございます。
 私も防災事業というものを十年以上専門に取り組んだことがございますが、事前の防災というのは事後の始末よりもはるかに安く済むわけでございます。その意味で費用対効果が非常に高いわけでございまして、ただし息が長いものですから、すぐにその効果がわからないということがあります。
 公共事業というのは今後は費用対効果を中心に査定をされる中で、ぜひともひとつ事前の防災ということでしっかり手を打っていただきたいと思いますが、これについていかがでしょうか。
#167
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいますように、治山治水は短期にできることではありません。そういう意味では、大変国の安全という意味では国民の皆さんに一番大事なところだと思っておりますけれども。
 国土の一割のはんらん区域に人口が少なくとも五割住んでおりますし、また資産の七割がそのはんらん区域に集中しているということでございまして、昨年の九月の東海のあの豪雨によりましても、あっという間に七万二千戸近いものが上下浸水をいたしました。そして、金額にいたしましても、この名古屋のあっという間だけでも大体九千三百億円の被害が出たと言われておりまして、私たちは、今回は少なくとも、あのときの新幹線が二十二時間おくれてしまったということとか、あるいは各地の生産ラインが停止したということも含めまして、ふだんの、私たちは、経済効果あるいは復旧等々の経費を考えますと、今、先生がおっしゃいましたように、ふだん行うことがこういう災害を防止することに一番重要なことであるというのは我々も認識しておりますので。
 私は、ハザードマップ等々、国土交通省としてでき得る限りのソフトの開発もしまして、皆さんとともに、このはんらん地域が、少なくとも千年あるいは少なくとも一万年に一度ということで諸外国では対策をとっておりますけれども、日本の場合は二十年とか三十年とか、せいぜい四十年を単位にしてこのはんらん区域の整備をしておりますので、欧米の一万年とか一千年というようなことまでは手が届かないまでも、少なくともそれに近い私はふだんの認識というもので工事にかかって、国民の安全、安心の確保を図っていきたいと思っております。
#168
○野沢太三君 終わります。
#169
○委員長(真鍋賢二君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#170
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十三年度補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 関連質疑を許します。清水達雄君。
#171
○清水達雄君 自民党の清水達雄でございます。
 まず最初に、全日本自治団体労働組合、いわゆる自治労の問題についてお伺いをしたいと思います。
 自治労と関連会社をめぐる兼務役員等の約八千万円にも上る巨額の横領事件、自治労の裏口座資金、十六口座残高七億七千万円と言われておりますが、の問題でありますとか、あるいは三十九億円の簿外債務の存在、脱税疑惑、五千万円と報道されている不正資金の暴力団や右翼団体への流出等、信じられないような腐敗の実態に対し、一刻も早い全容の解明を関係当局に要請するとともに、政府を代表して官房長官の所見をお伺いしたいと思います。
#172
○国務大臣(福田康夫君) このたび、労働者の労働条件の改善とか経済的地位の向上を図るべき労働組合において今回のような事態が生じたということは、まことに遺憾に思っております。
 これまでに自治労関連会社における業務上横領等の事案について捜査が進められてきているのでありますけれども、捜査当局において所要の捜査を行い、法と証拠に基づいて厳正に対処するものと承知しております。
#173
○清水達雄君 自治労は地方公務員の労働団体でありまして、社会的責任と社会に与える影響は非常に大きいものがあると思います。実態を見てみますと、情報公開とか会計の外部監査等が行われていないということでございまして、こういうふうなことはどうしても必要ではないかというふうに思います。
 そこで、労働団体を担当しておられます厚生労働大臣、今後、これらの問題についてどのような是正を図りたいというふうにお考えでございますか、承りたいと思います。
#174
○国務大臣(坂口力君) 自治労は法人格を持たない、いわゆる労働組合法の中にも入らない任意団体ではありますけれども、今御指摘をいただきましたとおり、地方公務員を中心とした労働組合の上部団体でありますから、労働組合と同様に情報公開や会計の外部監査は当然きちんとすべきだというふうに思っております。
#175
○清水達雄君 我々参議院の自民党といたしましても大変な関心を持っているわけでございます。今後、一刻も早く真相の解明が行われますとともに、自治労におかれましても適正な対処、措置をなされなければならないというふうに考えているわけでございます。きょうは時間がありませんので、この問題はこの程度にいたします。
 経済政策の問題を中心に質問をいたしたいと思います。
 小泉総理は、構造改革の問題を非常に本当に情熱を持って、今、日本の経済社会が大きく曲がり角に来ているときに情熱を持って大変な改革をやろうというふうにお考えであるわけでございまして、私も大変敬意を表しているわけでございます。ただ、その後のいろんな政策展開とかいろいろ見ておりますと、改革というのは私は破壊と創造が同時に行われるというものだと思いますが、どうも破壊だけのことをおっしゃっているのじゃないかといったふうな感じがかなり世の中にもあるわけでございます。
 それで、総理が所信表明演説で述べられておられますが、「改革なくして成長なし」ということを言っておられますけれども、このことを国民にわかるように御説明をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
#176
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これ、演説しますと三十分でも一時間でもなっちゃうんですけれども、簡単に申し上げますと、今までの特殊法人等、存続の理由があるから存在しているんだということをみんな言ってくるわけですね。しかし、果たしてそうなのかと。
 今までは必要であったかもしれないけれども、今後、これだけ経済が大きくなって各企業が活発に活動していると、かつては企業がなかなか国民にいい商品もサービスも提供しない、それではということで政府がやってきた、だんだん政府がやる仕事も民間でできるようになってきたという状況において、これからはむしろ、官業は民業の補完というよりも一歩進んで、今までは公共事業と言われた分野においても民間の企業が進出して立派にやっているじゃないかということから考えると、官は民の補完から一歩進んで、むしろ公共的な分野にも民間企業の進出を図る方が国民によいサービス、よい商品を提供してくれるんではないかというのは私は当然だと思います。
 そういう観点から、同じ仕事をやるんだったら、役所と民間よりも、民間にやってもらった方がはるかに創意工夫は民間人の方が発達している、役所の方は同じ仕事をする場合にも税金を使ってやるけれども、民間の方は同じ仕事をやるにしても税金を納めてくれると。これだけとってみても、国家財政にとってみても、そういう仕事は民間にやってもらった方がはるかにいいという観点から、今までは存在の理由があっただろう、しかしそうでないものはどんどん民間にやってもらうというのが私の、特に官業、特殊法人に対する改革の趣旨でありまして、こういう問題、なぜ財政政策、金融政策が有効に機能しなかったのか。
 これほど手を打って機能しないのは、本来、成長分野に行くべき税なり資源が非生産的な分野に行っていてうまく機能していない。こういう体制を変えていきたいということから取り組んでいるわけでありまして、ある面においては、既得権を失いたくないという人に見れば破壊かもしれません。しかし、その既得権を守ろうとする姿勢の余り規制をしていた。規制を解いてくれれば自分たちが企業を起こすことができるのに、活躍の場が与えられるのに、仕事がふえるのに、規制に守られてできないという人にとっては創造であります、新しい雇用をつくってくれる。
 だから、破壊と創造両方やらなきゃならないのが改革だと思いまして、両方にらんで、「改革なくして成長なし」ということを言っているわけでございます。
#177
○清水達雄君 よくわかりました。そのとおりだと思いますが、ただ、例えば特殊法人なんかはいわゆる行政をやっていたわけですね。政策決定は中央官庁が全部決めて、この仕事をやりなさいということでやらせていたわけですから、ですから、言うなれば行政官庁みたいなものなんですね。という面がありますから、そういう点は考慮しなければいけないと思いますが、能率の上がらないといいますか、そういう状況になってきている特殊法人を破壊というのか退出をさせて、民間にやってもらって生産性の高いサービスなりそういうことができればいいと、こういうお考えだろうと思います。
 そこで、今度は次の問題でございますけれども、今の話で、経済の改革といいますのは、やっぱり退出する企業や産業があって、これはマイナスの要素でございます。ところが、一方、新しくプラスされる、新商品の開発でありますとか新企業の育成でありますとか産業の育成だとかいう両方があるわけですけれども、経済政策の遂行に当たってこの両者がどういうふうに進んでいくかというふうなバランスの問題でありますとか、あるいは政策の力の入れ方とかということが私は当然あってしかるべきだと思うんですが、その点について竹中大臣の御所見を伺いたいと思います。
#178
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、総理の所信表明にも出てきた言葉だと思いますが、守りの構造改革と攻めの構造改革という言葉の使い分けがあると思います。やはり、確かに退出していかなければいけないものがある。一方で、新しいフロンティアがどんどん出ていって、経済の活性化のためにこの構造改革を行うわけですから、やはりその中心はあくまでも攻めの部分でなければいけないというふうに基本的には私は考えております。
 また同時に、難しいのは、この攻めと守りというのはそんなにはっきりと分類できるのではなくて、実は表裏一体になっている。退出するところがあるから初めて攻めていける領域が、フロンティアが広がっていく。政府がやっていたところを退出するからこそ、そこに民間が入っていけるんだというのが非常にわかりやすい例だと思います。
 その場合に、攻めの一番重要な問題は何かということなのだと思います。
 これはいろいろあろうかと思います。例えば、科学技術の分野では、やはり政府が科学技術の開発のためのお金を使わなきゃいけないという分野もあるでしょう。しかし、ビジネスの基本はやはり民間の活力でありますから、この攻めの部分の非常に大きな部分というのは、これはやはり規制の改革であり、民営化によって政府が手を引くことであるということだと思っております。
 骨太の方針の中の七つのプログラムの中に、だからこそ第一番目に民営化、規制改革というのが来て、第二番目に民間で攻めていくチャレンジャー、チャレンジャーを支援するプログラムがこの二番目に来ている。こういった順序の中にも今申し上げた考え方が示されているというふうに思っております。
#179
○清水達雄君 非常に景気が悪いわけですから、退出なり出ていく方もさることながら、やっぱり新しく追加されるプラスになる部分に大いに力を入れていかなければならないということだろうと思います。
 そういう点から考えますと、新産業とか新企業の育成といいますか創出、こういうことがどんな環境条件でできるのかということになるわけでございますが、最近の傾向を見ておりますと、開業が十八万社、廃業が二十八万社というふうなことでございまして、一九九七年以降は廃業の方が多い、廃業率が高くなっておるという状況が起きているわけでございます。
 今度の国会に法案も出ておりますけれども、新事業創出の関連保険というようなことで、無担保、第三者保証なしの言うなれば保証みたいなものを一千万から千五百万に伸ばすというようなこともとっておりますけれども、これのみならずいろいろあると思いますが、経済産業大臣とされて、このような点をどういうふうに考えて、これだけじゃ私は不足だと思いますけれども、今後もっとこういう方向に力を入れていきたいということの御所見を承りたいと思います。
#180
○副大臣(大島慶久君) 清水先生にお答えを申し上げます。
 ベンチャー企業創設あるいは育成していくことはこれからの我が国の経済で極めて大事な分野だと我々は認識をいたしております。
 そこで、ベンチャー企業が創設されるための環境条件はいかなるものか、こういうお尋ねでございますけれども、第一点は、新しい事業にチャレンジする人たちが規制を初めとした有形無形の参入障壁に邪魔をされない、最大限に能力を発揮できる環境であることが大事であると思います。それから二点目は、新たなチャレンジをする人たちに対し、リスクマネーや必要な人材が円滑に供給されるような環境であること、これも大切なことだと思っております。そして、第三点目といたしましては、挑戦をして残念ながら失敗しても、再度チャレンジできるような環境であることが私は極めて重要であろうかと思っております。
 そして、そういった基本的な問題意識のもとで、政府といたしましては、ベンチャー企業創出、育成のための施策として、これまでに新たな事業にチャレンジする人たちの参入障壁を取り除き、新たな産業の芽を生み出すための徹底的な規制、制度の改革、これを目下断行しているところでございますし、ストックオプション制度の創設あるいはその拡充など、多様な経済活動を可能とする制度、環境の整備にも努めているところでございます。担保に乏しい人が、成長性の高い企業に対する特別融資制度の創設など、事業者の活力を引き出し補完するための支援制度の充実、そんなことに力を入れてまいりたいと思っております。
 我が省といたしましては、今後とも五年間で新規開業数を倍増する、今、清水先生が御指摘のあったとおりでございます。一方で新規開業がありましては一方ではつぶれていく、これでは追いつかないわけでありますから、そういった五年間をもって倍増する計画、あるいは今後三年間で大学発のベンチャーを千社つくっていこう、こういうことを目標にベンチャー企業の創設に全力をもって取り組んでいきたい、こう考えております。御支援と御理解をいただきたいと思います。
#181
○清水達雄君 新しい商品とか新しい企業とか新しい産業の創出というのが、やっぱり需要もかなりふえないと出てこないんですね、新商品の開発なんていうのは。今、非常に経済政策の中で供給サイドの政策と需要政策はもうほとんどだめだみたいな印象になっていますけれども、ということではやっぱり私は問題があって、新しい要素がなかなか伸び得ないんじゃないかという感じが非常にいたしております。
 そういう観点で、今の政府の経済政策には需要政策がないんじゃないかというふうなことをかなり世の中で言われているわけでございまして、この点について竹中大臣、どういうふうにお考えでございましょうか。
#182
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員は今いみじくも需要と供給に分けて経済を論じてくださいました。これはやはり大変重要だと思います。ここをはっきりさせないと経済の論議というのはもう常に混乱していくと思います。
 構造改革というのは、日本経済の長期的な成長力を、潜在力を発揮させて高めていこうということでありますから、基本的には供給力を強くするための供給サイドの政策が中心になります。しかし、今の小泉内閣の政策は、じゃ需要政策全くとっていないかというと、これはもう全くそんなことはないわけでありまして、三十兆円の新規国債を発行するという枠組みを持っています。GDP五百兆円でありますから、三十兆円といいますとGDPの六%の需要刺激策を政府は続けているということを意味する。これは先進国の中では最大の需要刺激でありますから、その需要刺激を続けながら、しかし一方で、これも朝から何回も出ていますように、国債発行額の管理、財政赤字の管理はしっかりしていかなければいけない。
 したがいまして、需要管理はかなりの刺激を続けながら、しかしそれが野方図に拡大しないように非常に細心の注意を払って管理をしている、総需要管理をしているというのが基本的な考え方であります。
#183
○清水達雄君 それで、今非常に財政状況が厳しいわけですから、公共事業費も減らさなきゃならないということになってきているわけでございます。そういう意味におきまして、財政政策からする需要政策というのは非常にやりにくいということになるわけですけれども、例えば借入金で実施する事業、例えば高速道路がそうですね。
 高速道路というのは、私はもう非常に必要なもので、これはどうしてもつくらなきゃならない、そういうものでありながら、つくる金は借金でやってあとは償還期間内に返せばいいと。これは、もともと高速道路というのは国道ですから全額国費でつくるべきものという原則があって、ところがこれなかなかそう簡単にできないから、借金で、料金を取れば借金でできるからそれでやろうよという特例措置を設けて道路公団というのは発足しているわけです。
 こういう事業を抑えるような話というのは、今の経済情勢からいくと全くおかしな話で、できるだけどんどんやれという政策を私は今はとらなきゃいけないというように思っておりますけれども、竹中大臣、いかにお考えでございましょうか。
#184
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと質問の御趣旨を確認させていただきたいのですが、借入金でやれという御趣旨ですか。
#185
○清水達雄君 そうです。要するに、今までは財政投融資の金を借りてつくって、それであとは五十年で償還をすると、こういうことになっているわけですね、高速道路の場合。
#186
○国務大臣(竹中平蔵君) これも基本的には政府部門の借り入れでありますから、それを国債という形をとろうが別の形をとろうが、債務、デットであるということには変わりありませんから、政府に対する借り入れ能力といいますか、クレジビリティーという観点からはやはり同じ問題を生じるのだと思います。
 御趣旨は、むしろ非常に多様な形で需要を刺激する方法を考えてはどうかということだと思うのでありますが、それに関しては、需要の組みかえ、来年度の概算要求に当たっても需要創出効果、雇用創出効果を考えて重点的に予算要求をしろということになっておりますし、さらには、今、集中審議をしております規制改革等によって民間の需要を掘り起こす、そういう意味での総動員の需要掘り起こしというのはこれは一生懸命やっていかなければいけないと思っております。
#187
○清水達雄君 私が言っているのはそういうことじゃございませんで、要するに、これは国債ですと償還をどうするかという問題があります。ところが、料金制でできる事業については料金を取って返せばいいわけですから、そういう意味で全然違うんですよ、そこは。
 ただ、だからそれで民営論なんというのが、現象形態を見ると民営化だっていいじゃないかというような今議論が出てくるんだと思うんですけれども、そこは考え方が違って、やっぱり借金でできる事業で料金で返せるようなものはどんどんやるというのが今のやるべき経済政策だと私は思います。ちょっとそれは主張の問題ですからやめておきますが。
 あとは民需を喚起する政策ということがありまして、都市の再生というのが挙げられておるわけでございます。ところが、いろいろ今度のいわゆる構造改革の文書だとかああいうのを見ていますと、規制緩和については、改革先行プログラムですか、でかなり項目が挙がっているんですが、本当に再開発なんかが進む施策というのは非常に少ないんですよね、一つぐらいしかない。ということで、これもやっぱりもっと地区を決めて、都市計画やら建築基準、規制を一括して緩和するようなことというのを私は考える必要があると思いますが。
 そういうことは別にしまして、とにかく再開発なんかを進めるには、土地の先行買収をやりませんと本当は再開発は進まない。ところが、先行買収をやるような金というのは、地価が下がっていますから、非常に調達が困難である。これはどうしても私は公的支援をやらないと、そういう資金が民間がやろうと思ってもなかなかなくてできないんではないかということを考えますが、この点について国土交通大臣、どんなふうにお考えか、お伺いいたします。
#188
○国務大臣(扇千景君) 清水先生は最も御専門家でいらっしゃいますから、ぜひお知恵もかりたいと思っておりますけれども。
 国土交通省としましても、少なくとも私は、民間都市開発投資促進のための緊急措置というのを御存じのとおり都市再生本部で決めさせていただきました。それには大きな要点が三つございますけれども、一つ一つ言う時間があるかどうかわかりませんけれども、私は都市の建築基準あるいは規制緩和等々、現実に例えば例を挙げてみますと、東京都のこの区部内、これは少なくとも戦後、今日に至るまで、都市計画というものの達成率が五五%、まだ四五%も都市計画自体が実行されていない。なぜ四五%も残ってしまっているのかと。
 そして、四五%残っているものはどれくらいの大きさなのかといいますと、これが少なくとも七百二十ヘクタールあるわけですね。そうしますと、今この七百二十ヘクタール残っているから都市計画は達成できない。じゃ、二十三区のこの山手線の内側だけで今、未利用土地というのがどれくらいあるかというと、これが六百九十五ヘクタールなんですね。まさに同じような量が残っているわけです、未開発地が、といいますか、今よく飛び地だとか何か言われますけれども。
 それをそれじゃ今度利用したらどうなるかということで、私はやっぱり都市計画というものは、立てた以上、今日までまだ五五%というのを達成していこうということに今回はぜひ総力を挙げてしようということで、なぜ進まないかといえば、今後、未達成の道路は堂々とこの道路はできていないと公表すると、そういうことも私は大きな促進になると思っておりますので、まず、今のこの都市計画の七百二十ヘクタールを達成しますと道路が広くなって、今、先生がおっしゃいました容積率、高さの制限緩和とか、これで少なくとも六十万戸の住宅を建てるだけの容量ができてくる。そして、あいたところに緑を植えると。
 一挙両得、一挙三得にもなるという二十一世紀型の都市再生ができるわけでございますから、まずそれを英断を持って未達成地を公表するぐらいの、荒療治と言われるかもわかりませんけれども、私はこれを実行していきたいと思っております。
#189
○清水達雄君 都市づくりの骨格としての街路の整備というようなことはまさにおっしゃるとおりでございますが、そうした上で、かなり大きな宅地をつくらないとマンションが建たないんです。大きな宅地をつくるためにはやっぱりある程度再開発的な手法をやらなきゃならない。そうすると、土地をそれなら買ってくれ、私は出ていきますよというのに対応できないと再開発は進まないんですね。その資金手当てのことをぜひお考えいただきたいということでございます。
 次に、特殊法人改革における政策決定手続の問題でございまして、総理が、政策の議論を抜きにしてと言ってはちょっと語弊があるかもしれませんが、民営化だとか廃止だとかというようなことを非常におっしゃる。やっぱり、これは道路にしても住宅にしても非常に大きな政策ですから、今までずっとやってきたものをどういうふうに変更が可能であるか、どういうふうにしたらいいのかという議論をきちっとやって、その結論を得た上で組織改革をどうするかということをやるべきだというふうに思っておりますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
#190
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政策の議論は十分していきたいと思っております。今も、政府と各役所あるいは党、調整を進めております。
#191
○清水達雄君 それで、道路公団については非常にいろいろ議論がなされて、新聞にもたくさん出ているんですけれども、住宅金融公庫と住宅政策という問題について余り議論が今までなされていないというような状況にあります。
 そこで、きょうはちょっとその問題にやや突っ込んでみたいと思うんですけれども、まず住宅政策は、今までどおりといいますか、特に中低所得層を対象にして住宅が取得できるような政策、こういうものをやっぱり私は続けるべきだと思いますけれども、そういう点で、住宅も相当建ったからもうかなりいいんじゃないかというような議論もあるんです。
 ここにちょっとパネルを用意しましたけれども、(図表掲示)一人当たりの住宅床面積の国際比較でございまして、例えばアメリカは六十二平米で日本は三十三平米、アメリカに比べると半分ぐらい、ヨーロッパに比べても大体十平米ぐらい少ないというふうな状況にありますし、それから耐震構造の面なんですけれども、昭和五十六年の新耐震基準以前に建てられた住宅がまだ四八%、二千百万戸もあります。
 ということでございまして、こういうものはいずれちゃんと建てかえて立派なものにしなきゃならない。あるいは、それのみならず、今や少子高齢化が進んでおりますから、できれば、本当は生前贈与でもして、三世代住宅でもつくって、老人の在宅介護もできるし、子供も三世代でおじいさんやおばあさんのしつけも受けながらできるという、そういう住宅をつくるとか、あるいは非常に百年ももつような住宅をつくるとか、いろいろ住宅政策はバラエティーがあるわけで、やっぱりこういうことを進めるための施策というのは私は推進すべきだと思いますけれども、この点につきまして、国土交通大臣と総理のお考えを伺いたいと思います。
#192
○国務大臣(扇千景君) 今、清水先生はおっしゃいましたけれども、私どもは、午前中も総理がおっしゃいましたように、戦後の今日までの日本の成長を考えますと、やっと衣食住というものが足りたと、足りたかなと。まだ不満の方もそれはありますけれども、あのときから考えますと、本当に私はよくぞここまで来たと思っておりますけれども、今、先生がお示しになりましたように、世界的な基準から見ればまだ日本の場合は三十三平方メートルという大変狭い空間の中で居住しているというのが現実でございますから、私は、そういう意味では、五十五年以前の住宅が、耐震構造が全然変わってきたと。これも、地震列国でございますから、耐震性というものを考えれば、昭和五十三年前に建てたものは基準が違いますので、それももう建てかえ時期になっているであろうと。
 じゃ、それはどうするのかと。金融的にどこにどう借りればいいのかというその問題もありますので、今構造改革の中で住宅ローンの金融公庫の話も出ておりますけれども、あらゆる点から考えまして、現在も五百五十万世帯が住宅金融公庫でお金を借りてマイホームの夢を達成していらっしゃるんですから、私は、総理に改革を言われましたときにも、まずこの五百五十万世帯の皆さんに不安を与えないような改革方法を考えさせてくださいと申し上げまして、今それを順次実行しているところでございます。
#193
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 欧米に比べまして日本は確かに住宅が狭いというのは事実でありますが、これは、欧米は日本よりも国土が広い、人口は少ない、日本は可住面積が少ない、人口は多い。単純に広い狭い、そういう面で比較はできないと思いますが。
 私は、住宅金融公庫も廃止していいんじゃないかと思うのは、数カ月前ですか、私が住宅金融公庫を廃止してもいいんじゃないか、あるいは民間に委託してもいいんじゃないかと言ったときには、民間の中でやっているところは一つもないじゃないかと反対論が、評論家を含めて専門家が言い出しました。わずか数カ月で、どうですか、既に民間、城南信用金庫は住宅公庫よりもいい商品を出していますね。
 私はよく言っているんですよ、金融機関と宅配業者の違いをよく見習ってほしいと、この前も銀行の頭取が集まった会がありましたから。郵便局のできない仕事を民間の宅配業者はやってきたんだと。最初は、一々荷物を運ぶなんというのは採算とれないからできっこないと思われたのが、今や民間が手を出して、採算とれるようになった。とれるようになった後から郵便局は後追いでしょう。金融機関はもっとサービスを展開して、消費者のために金を貸したり融資したり、いいのにもかかわらず、やらないから政府関係機関がやってきているんですよ。大違いだと。少しは宅配業者を見習ったらどうかというふうに頭取たちに言ったんですよ。
 私は、そういう意味において、今の住宅金融公庫と住宅政策はある面では関連がありますけれども、住宅金融公庫がなくても住宅建設はできます、民間でできます。これはいずれ専門家の議論でわかるようになりますけれども、住宅金融公庫を民営化する必要は私はないと思っていますよ。今だって民間の金融機関大変なんですから、役人が今の公庫を民営化してうまくやっていけるとは思わない。だから、民間に委託すればいいんだ、できるんだから、後は廃止していけばいいんです。
 もし、住宅政策で必要だったら、民間に優遇措置をやれば、役人より民間の金融機関たくさんあるんですから、立派にやってのけますよ。そこが我が党の住宅金融公庫存続論者と住宅金融公庫の幹部と私の意見が違う。しかし、もうじき結論が出ます。これは廃止の線でやっていきます。
#194
○清水達雄君 総理からそういう発言が出たわけで、ここで今、民間の例えば城南信金なんかがやっているというお話がございました。民間がやっていることは極めて限定的で、ある期間の間だけやるとかある職業の人はやるとか、それからあるマンション建設業とタイアップしたのはやるとか、極めて限定的な話でありますが、この点については国土交通大臣、十分御存じだと思いますので、ひとつ答弁をお願いいたしたいと思います。
#195
○国務大臣(扇千景君) 私は、今の住むこととそして国民の希望をかなえることと、現実とやっぱり理想と両方あると思うんですね。ですから、総理がおっしゃっている中でも国民の夢を壊さないということは、私は基本的に大事なことだと思っています。
 特に、私は、中低所得者、少なくとも民間の銀行に、今の段階ではですよ、新しい開発ができれば別ですけれども、今の現段階の銀行へ融資を頼みに行きますと、あなたはどこの会社の、今あなたの位置は係長ですかあるいは課長ですか、年収は幾らですか、もう逐一聞かれるわけですね。ですから、とても貸してもらえないと、断られて住宅金融公庫へ住宅ローンを借りに行くという人が大半を占めているという現状がございますので、私はひとつ総理がおっしゃるように空気を入れれば、民間で競争して住宅ローンにかわるものを自分のところでしようという競争が始まってくれば、国民にとってはマーケットが広がるわけですから、ここへ行ってだめならこっちも借りられると、これは民間の競争原理が働くわけですから、私はそれは二十一世紀型にとっては大きな形になると思いますけれども、現段階ではまだ、一つとおっしゃいましたけれども今二社、二つの銀行がございますけれども、まだ二つしか選択肢がないと。また、そこまで低利そして長期、固定、この三つの条件が合うかというと必ずしもそうではない。
 けれども、今の若い人たちは、これから建てようという人は、今申し上げましたように、ローンの借りられるマーケットが広がるのであれば私は国民にとっては大変希望の持てることだと思っていますので、こういう二十一世紀の初頭ですから、今、総理がおっしゃいますように、マーケットを広げる、そして国民が選択し得るという、こういう市場が育つということが今回の契機になっていけば国民はハッピーだと思いますので、ぜひそういう社会変革の中での私は一つの手法であろうと思っています。
#196
○清水達雄君 今、扇大臣から、民間金融機関で非常に限定があるというお話と、それからいわゆる融資選別のお話がございました。(図表掲示)
 これが日本総合研究所がやった調査なんですけれども、一割の人が民間に行って断られているんですよ。断られた理由は何かというと、担保評価の問題、担保が不足ですと。それから年収の問題、勤続年数、個人所有資産、年齢、雇用形態、業種といっぱいあります。住宅金融公庫はこの年収だけでやっているわけです、この赤いところは。あとの要素は、民間はみんなこういうことをやるわけです。ですから、今、扇大臣がお答えになったような実態なんです。こういう融資選別をやらないで済むようにできるのかということが一つあります。
 それからもう一つは、長期固定ローンの問題がありまして、これは柳澤金融大臣にお伺いしたいんですけれども、住宅金融公庫の融資というのは三十五年間の長期融資をやっている。長期固定ローン、これが民間にできるのかと、民間の預貯金を原資としたもので。これは、アメリカのように住宅貸付債権の証券市場が非常に発達をしておって、今アメリカでやっているのは二百三十兆とかなんとかというような証券市場を持ってやっておるわけですよ。日本は千五百億円ぐらいしかないんですよ、住宅債権の証券化というのは。こんな実態で、長期資金を貸せるような金が金融機関にできないんじゃないかというふうに私は思います。それから、経済の動向による安定性の話もあります。
 その辺、柳澤金融大臣にひとつお答えをいただきたいと思います。
#197
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今まで、民間の金融機関は、やはりこの住宅ローンもそうなんですが、消費者ローンですね、これは、事業金融じゃない、消費貸し付けですね。つまり、返済原資が出てくるところが自分が貸したところじゃない、貸したプロジェクトではない全然別のところ。サラリーマンだったら、会社に働きに行ってそこの給料から返すと。こういう、本質的にそういう面を持っているわけですが、そういうものについては、率直に言って、自分たちの事業ではないなというようなことをやってきたというのがこれまでの民間の金融機関のありようだったわけですね。
 ところが、実は、例えば住宅ローンなんかについても、かえって事業金融よりも実は貸し倒れなんかも少ないんだというようなことがだんだん明らかになってきまして、いろいろ自分たちでもそれなりの工夫をし始めたというところだろうと思うんですけれども、もっともっと、先ほど総理が言われたように、ここのところあたりをもっと自分たちでノウハウを蓄積するというようなことに熱心でないといけないと私は基本的に考えております。
 まず言えることは、例えば、ある年ですけれども、日本の住宅ローンの四〇%を公庫に、四〇%以上を公庫に仰いでしまったというようなことが現実にあったわけですけれども、やっぱりそれは、今、清水委員が言われたように、民間に行って断られた人への金融だけじゃなかったというように思います。少なくとも、やはりこれはある意味でいうと公庫のローンが国民の信頼を得てしまったということで、逆に言うと、民間が出おくれたというか熱心でなかったということの裏腹の問題だとは思うんですけれども、そういう問題が一つあるだろうと、こう思っています。現状についてはそうですね。
 それに加えて、今、清水委員が言ったように、長期固定はどうだということを言われましたけれども、これとても、理屈をちょっとこねさせていただければ、やっぱり鶏が先か卵が先かのような議論ですね。結局、証券化をする、その証券については割といい証券だ、さっき言ったようにデフォルトが少ない証券だということになったらマーケットがふえていくわけですね。いつも千数百億円のマーケットの規模ですよ、これでは証券での金融というのはつきにくいですよというように決定論的に言う必要はないんだろうと思います。
 私は、すぐにそういうものがおいそれとできるかといえば、やっぱりちょっと時間はかしていただかなきゃならぬとは思うんですけれども、しかし、基本的にそういうところにこれから持っていこうではないか、いかなきゃいけないんじゃないかということが今の時代の要請ではないかというふうにとらえているわけでございます。
#198
○清水達雄君 まさにおっしゃるとおりだと思います。
 さっき、僕は二百三十兆円と言いましたけれども、アメリカの場合はローン債権残高が五百九十五兆円で証券市場が三百二十兆円、既に融資した住宅ローンの証券化の市場がですね。日本は千五百億円で、これはどうにもならないわけでございますから、これを今後育成しなきゃならぬということは同じことだと思います。そういうことをやれば民間が長期固定のローンができるかもしれないというふうに思います。
 以上にしておきまして、あとは土地問題については、土地税制はもうここで伺ってもしようがありませんから、きょうは伺いません。土地の流動化の問題でございます。
 今、どういう土地取引状況になっているかというと、個人は住宅建設がありますから売りと買いがほぼ均衡しているんです。法人は物すごい売り越しでして、それでそれを買っているのは国等が買っているんですよ。今の土地取引市場というのはそういう構造です。
 ですから、住宅用地が少し少なくなると、これは急速にまた取引が減るという可能性もあるという状況ですが、そんなことも考え合わせますと、今後の不良債権処理との関係で、RCCによる不良債権の買い取り、あるいは民都機構、これも来年の三月で融資事業みたいなのが期限切れになるということがありますから、これはそんなことじゃ困るということ、それから都市再開発事業の先行買収とか、こういう問題があるわけでございまして、RCCを柳澤大臣に、それから民都機構と都市開発事業の先行買収を国土交通大臣に御答弁いただきたいと思います。
#199
○国務大臣(扇千景君) じゃ、私の方から先に民都、公団の話をさせていただきたいと思いますけれども、皆さんごらんになっておわかりになりますように、今の、先ほど私が申しましたように、都市の中での虫食い状態というのはもうどこを見ても目につく、今そういう現状でございます。また、企業がリストラ等々によりまして、企業自体が今まで大変大きな運動場、あるいは福祉施設のために持っていたものとか、あるいは工業跡地とか、あらゆるところで大きな虫食い状態も出ております。
 そういうものをいかに整備して、そして民間に渡すにしても、まずそれを、用地を買収して整備をし、また環境的にもこれが大丈夫な土地かどうかということも手当てをして、そして市場に出すという大きな役割が今あるわけでございまして、虫食い状態のばらばらになっているところも一つにまとめて、大きな空間で、そしてそこに建物を建てて、空地を利用して緑を植える、そういう二十一世紀型にしていこうと。その基本的な体制をしますのは都市整備公団だと思っておりますし、またそれを実行しているのは事実でございます。
 けれども、今、先生がおっしゃいましたように、この民間都市開発機構というものが来年の三月三十一日でこれが切れるものですから。少なくとも私は、公共施設整備というものを行いますときには、必ず優秀なとか良好なといいますか、そういう土地に再生するという仕事が何としても今だからこそ余計必要性があると。今の虫食い状態を正すためにも今大事なことなので。この延長も私どもとしてはお願いして、そしてより環境のいい国土づくりの基本にしていきたいと思っているのが今の現状でございます。
#200
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは私は、とても悩ましい私にとって問題なんです。
 抽象論は幾らでも言えますよ。しかし、具体論になるとどういう状況かと、ちょっとだけ申しますと、私は都市再生本部の会議に出ていまして、小川事務局長がかくかくしかじかということでそのスキームを発表、御披露していただいたんです。そのときに、私は実は、これは困ると、実はこの都市再生本部だって動機の一端には、地価がもうどんどんスパイラル的に下落するというのをとどめるという話があったはずじゃないかということで、何とかそこに一文入れてくださいと言って入れてもらいました。
 そういうことを言った手前、今度私、役所に戻りまして、RCCに、特に都内二十三区でどのくらい自分たちが担保に押さえたり、あるいは現実に取得した物件があるんだといって全部リストさせました。そして、それは都市基盤整備公団に情報として差し上げました。しかし、現実にその中で動くのは、動くというか所有できているのはたったの三件、しかも余り魅力がないところだというのが基盤整備公団の御返事だったわけですよね。
 そういうようなことで、今、抽象論で、RCCに不良債権として譲り渡されたものの中にはそういういわば非常に再生すれば値打ちの上がるものがあるはずじゃないかとちょっと考えがちなんですが、現実、今そういう状況でちょっと我々もうディスカレッジされちゃいまして、私は企業再生ファンドと一緒に都市再生ファンドみたいなものも並行してつくれないのかということまで言ったんですけれども、それは大臣、余り言わない方がいいでしょうと、現実のものになりにくいですよというようなことで、今現在は企業再生ファンドだけをつくるという状況になっているんです。
 私は、だからいろんなことを無鉄砲に私は部内では言う方なんですけれども、じゃ、今の都市銀行、大手行だけでもいいから、一体不良債権というか、そういうもので担保にしてとっているようなものの全部、リストをリストアップしてくれないかということを言って、さあ、じゃ、都市基盤公団が持っている土地と張りつけ合ってみると、そういうようなことでも考えたらどうかというようなことは言っていますよ。言っていますけれども、それがどれだけ手間をかけたところから実際に物になるものが生まれてくるか。
 これもコスト・ベネフィットを、民間にそういうことをさせるというのはかなりコストがかかりますから、なかなかそれも踏み切れないというようなことがあるものですから、それは清水委員なんかからもうちょっとお知恵をいただいて、逆に、それじゃ公団が持っている種地みたいなのがあるとすると、その周辺でどうもこういう土地がありますよと、これは登記所に行かなきゃわかりませんが、というようなことで、その情報を今度は金融機関に我々を介して渡すというようなことを考えられないかどうか。
 そのあたりのことは私は本当に、世界のすばらしい都市というのは、バブルのときに物すごくうまく都市づくりをやったという話は聞いているんです。しかし、バブルの崩壊があったときに物すごくうまい都市づくりをやったということもあり得ると思うんですね。
 ですから、私はむしろ自治体の側から少し我々の方に話を持ってきてくれるか、いずれにしても両方知恵を出し合って、このチャンスをどうやって使うんだということについて具体の話をしないと、これ抽象論では全然前へ進まないというのが私の感想でございます。
#201
○清水達雄君 非常におっしゃることよくわかります。
 やっぱり本当は、私どもがもともと考えることは、都市基盤整備公団なんかがもっと広いたくさんの土地に向かって、先ほど扇大臣がおっしゃったように、例えば新宿の富久町のような、ああいう虫食いみたいなところをまとめて面的に取得をしていい宅地をつくる、こういうことをやっぱりやらなきゃいけないわけですね。これをもっと東京都あたりが一緒に協力してくれて、東京都版みたいなそういう公社的なものをつくってやってくれればいいんだけれども、なかなかそれが財政状況もあって非常に難しいだろうということで、これはやっぱりまた特殊法人問題にも絡んじゃうんだけれども、やっぱり都市基盤整備公団あたりがもっと多くのプロジェクトについて面的にやって、おっしゃるような不良債権も担保土地も取り込んでやるということを私はどうしてもしなきゃいけないんじゃないかなと思います。
 ということもありますので、総理は住宅金融公庫についても非常に毅然と、あれは廃止するんだというような、民営化するんだいうようなお話がありましたが、これはよく議論をしますといろんな問題がいっぱいありますから、私は、直観的にいろいろおっしゃるのは非常にいいんですけれども、十分詰めた議論をぜひやっていただきたい、総理にそういうリーダーシップをとっていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、今度、いわゆる金融機関の仲介機能の低下と貸し渋り対策の問題でございます。
 これは御承知のように、お金が下に回らないというようなこともあり、それからもうちょっとインフレターゲットというか、インフレぎみに持っていけないか、デフレはとめられないかというようなことで、日本銀行に対して──もう時間がないですね。じゃ、ちょっと言い出しましたから。ちょっと間違った、申しわけない。
 ということがありますけれども、これは金融大臣に、もうちょっと金融庁として、銀行団体とかいろんなところにもっといわゆる金を貸せられる手法といいますか、そういうものをもっとちゃんと考えてというふうな、もうちょっと強い働きかけができないんでしょうか。
#202
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今の日本の金融機関が置かれている状況というのは、専ら不良債権を片づけなきゃいけないということで追われているわけですね。
 正直言って、あるこれはコンサルタント会社の銀行専門の、金融機関の専門家が分析したわけですけれども、今の日本の金融機関の一人当たりの不良債権を処理する案件というものを見ると、本当に過酷なほどの分担の状況になっているということがあって、こんなことで本当に企業再生的な、産業再生的なことまで面倒が見られるのかというような問題提起もあったくらいであります。実際どうでしょうかと言ったら、現場は戦場のようですと言っていました。そういうようなことで、多分今もう、不良債権処理、不良債権処理と言われていますので、マンパワーはかなりそっちに行っているんじゃないかという気もするんですよね。
 しかし、私は、そんなことで金融機関がどんどんどんどんシュリンクをしたらこれはもう本当の金融機関の使命を果たせないといって、この前の改革先行プロジェクトなんかにも一項立てて、もっと前向きのことをやりなさいということを書きました。そして、私はそれを受けて実際に銀行の首脳に対してそういうこともしております。しておりますので、何というか退嬰的なというか、どんどん縮小型のことはしていないと思いますけれども、現状はそういうことですね。
 それからもう一つだけちょっと言いますと、残高の圧縮というのは、これは自己資本比率との関係でやらなきゃいけませんが、残高の圧縮イコール金融の疎通に欠くるところがあるということではないです。これはコマーシャルペーパーなんか使いまして、自分のアセットとして残さない格好での金融の形というものを追求し始めているという状況もありますから、ぜひ念入りに見てやっていただきたいと、このように思います。
#203
○清水達雄君 終わります。
#204
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。舛添要一君。
#205
○舛添要一君 最初に、参議院議員になりまして三月半たちましたので、新人議員としての所感を二、三述べたいと思います。
 私、国会の役職を十ばかりいただいて、党の方は九つ、十九今やらされています。毎朝五時半起きです。これは、与野党問わず大変朝早くから勉強して、外から見ているときは相当文句を言いましたけれども、中へ行きますと皆さん大変御精励で勤勉でございますが、それにもかかわらず政治家に対するイメージが非常に低くて、今でも、総理、私、人に会うと、何で国会議員なんかになったの、政治家になったのと。
 政治家のイメージが低いのはなぜだと思いますか、そしてどうすればこれはよくなるか、総理の御所見、お願いいたします。
#206
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 難しい質問で、舛添さんはいつもテレビで政治家をこてんぱんにやっつけていた方でしょう。私の方が聞きたいね。むしろ、政治家ああやれこうやれと言っていた方ですから、教えていただきたいぐらいです。
 政治家は政治家なりに、まず選挙で選挙民の支援を受けなきゃ当選できない。そして、各それぞれ地元を抱えて、地元の実情がその地域によって全部違う、そういう多くの方々の支持を得て、議席を得て来るわけでありまして、ほか、ああやればいい、こうやればいいと言う人はいますけれども、必ず一つのいい意見が出れば別に反対の意見が出ます。それにこたえていかなきゃならないのが政治家であります。
 評論家はテレビ出て一方、言ってしまえばおしまい、批判は来ない。そういう面がありますから、批判は受けないでいい、批判するばっかりというのはああいいなと、傷つきませんよ。政治家がテレビ出てごらんなさい、大臣、批判されっ放し。たまに批判されたのに批判すると、そんなの聞いているんじゃないと言って質問者に怒られる。答弁だってたまには反論したっていいんじゃないかと、私はそういうつもりでいますけれども。
 ともかく、どこの、民主主義の国においては政治家批判しないと知識人の部類に入らないという悪い先入観があると思います。マスコミも、野党は応援するけれども政府は批判する。これは仕方ないですよ、政権党は批判されてしかるべき。
 それはいいんですけれども、両面がありますから、この両面にこたえていく仕事がいかに難しいかと。批判にこたえている、批判にどうやって説得力ある反論をするかというのが政治家に大事な点でありまして、私は努めて批判というものに対してどういう納得できる反論ができるかなということを常に考えながら今仕事をしているんですけれども、そういう、政治家は信用できないとか、政治家なんかなりたくないとか、政治家だめだという批判を謙虚に受けとめて、少しでも、ああ政治家もよくやっているなというような国民の気持ちにこたえるような仕事なり答弁をしたいと心がけておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#207
○舛添要一君 そういう総理の態度でございますから七〇%を超える支持率を得ていると思いますので、私もいろいろと学びたいと思います。
 ところで、毎朝早く起きて部会たくさん出ています、自民党の政調の。まあしかし、そこで一生懸命意見も述べていますが、これが実際、政府の政策にどう反映しているのか、これがちょっと見えてこない。イギリスは我々がモデルとした議院内閣制ですけれども、ここにおいては、労働党内閣であっても保守党内閣であってもやっぱり議員の意見というのは相当反映された形の内閣になっています。
 これはなぜなのか、連立政権だからそうなのか、小泉内閣だからそうなのか、御所見、お願いいたします。
#208
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、自民党は特に与党の議員の意見を聞いている方なんですよ。私も連立政権のときに、平議員の場合に、党で議論しても、党の意見よりも連立相手の、党よりも、自民党よりもはるかに少数の政党の意見を聞くのはおかしいじゃないかという議論が自民党の中で盛んに行われました。私も、そういう意見に対して納得しながら、もっともだなという点も随分ありました。しかし、全体的に今までの自民党というのは、各党の意見をよく聞き、自民党内のそれぞれの部会とか調査会の意見を聞いてやってきて、それがある面においては行き過ぎていると。大臣より与党の部会長とか調査会長とかの方が力があるという状況もあるくらいなんです。
 それは結局バランスだと思いますね。党の意見を聞かないでけしからぬと、党はこれだけ意見を言っているのにちっとも聞かないとあるんですけれども、これはある面においては、舛添さんも議員になってもうあと二、三年もやっていくと気づくと思うんですけれども、意見が本気かどうかというのはだんだん、見きわめることも必要なんです。つき合って、一生懸命一つのことに主張する議員につき合う議員がたくさんいるんですよ、本音はともかく。ああ、あの人の顔を立てなきゃいかぬなというので、本音はともかく、どっちでもいいんだけれども顔立てようといって、それの賛成の署名か反対の署名か、本気でそれぞれが賛成、反対している署名か見きわめるのが大事なんですよ、大臣として。十年も二十年もやっていくとだんだんその辺がわかってくるんですよ。
#209
○舛添要一君 声の大きい方がおられたり、朝御飯だけ食べて帰られる方がおられたり、たくさんおられるんですが、ただ、今、三カ月半の経験からいきますと、全部、政府で決まった紙がぱんと出てきて全部事後承認。これだと議論する意味がないじゃないですか、総理。
#210
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうじゃないんですよ。党の意見、党の代表意見、各大臣は部会長なり調査会長なり幹部の意見を聞いているんです。そういう意見を踏まえて、党の、政府の財政諮問会議から出てきてかんかんがくがくの議論をやっているんです。そこで、今言ったような、どの程度本気の反対なんだろうか、どの程度本当の賛成の提言なんだろうかというのを見きわめながらやっているんです。
 そういうのを受けて、反対論もあるけれども、賛成論もあるんだけれども、今の時点で賛成反対あるからちょっとやめて検討で済ましていこうという状態じゃないだろうと、賛否両論あるけれども一つの結論を出そうといったことで、まず政府が原案を出さないと党の方で本気にならないんです。これが予算編成になるころになるとだんだん本気になってくるんですよ。そういうのを見きわめながらやっていくというのが大事だと思うんです。
#211
○舛添要一君 どうもアドバイスありがとうございました。
 ただ、国会議員になって大変よかったなと思うことがございます。坂口厚生大臣、私、ずっと母親を介護してきましてね、大変いろんな苦労をしましたんで、厚生省関係、御提言申し上げましたけれども、ほとんど何の答えもおたくの役人からいただけなかった。国会議員になった途端に大変皆さん門前列をなしていただく、大変ありがたいことだと思います。
 それから、きょうはお忙しいところ、日銀総裁、ありがとうございます。私も外からいろいろ申し上げましたけれども、今までのれんに腕押しという感じでしたけれども、国会議員になって発言しますと、総裁の方から、政治家から石が飛んできていると、こういう過分なお褒めまでいただきましたんで、これは大変感謝しております。
 そういうことで、本題の、以上が結論でございますが、後ほど日銀総裁、厚生労働大臣、お伺いしますが。
 最初に、やはりこの今の景気、先ほど来ずっとこの問題になっていますけれども、総理、我々は総理の改革を断固として支持すると、そういうことで立候補し、戦って、国民の圧倒的な勝利を得て、私も百六十万票いただいたわけです。
 もう一度、その構造改革を断固としてやり抜く、その決意をお述べください。
#212
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、改革なくして成長なし。これはプラス成長だろうが低成長だろうがマイナス成長だろうが変わりないと私は思っているんです。今まで改革すべきところをしなかったところに今の経済の停滞があるんだと。
 そこで、私は、景気対策も大事でありますが、今まで先送りされてきた、あるいは改革しなくていいという分野に改革をしなくてはならないと。両にらみで非常に狭い選択でありますけれども、かといって私は改革の手を緩めるわけにはいかぬと。特に、今、日本の構造の問題、先ほど言っていましたように、政府なり役所がやらなくていい仕事をやっている、こういう問題たくさんある。あるいは、税金を使ってやってくれるんだったら歓迎するところも、費用対効果の問題ですけれども、あれやれこれやれという意見はたくさんありますけれども、じゃ、税金を使ってやればいいかというとちゅうちょする。税金を使わなくて、自分も負担しなくていい問題にはみんな賛成ですよ。
 政党でも、予算をふやせ、景気対策やれ、もっと国債発行しろと言いますけれども、じゃ、どこを削るんだといって、党がどこを削れと言ったことがありますか。党の方は要求ばっかり、嫌なことは役所にやらせる、そういう点も政党は直してもらいたいと、政治家も。予算をふやせと言うんだったら削る部分を探してきてくれと私は言っているんです。それをやらないで、自分がいい格好ばっかり、ふやそうふやそう、喜ぶことばかり言って、じゃ、むだな予算を削れというところに対してはなかなか与党の場合は言わない。そういう点も改めながらこれからいろいろやっていかなきゃならないと。
 野党の中にもいますよ。あれやれこれやれと言って、税金を負担するのは国民負担じゃないというような人もいますよ。ところが、税金も国民負担なんですよね。そういう点も考えて、費用対効果をよく考えていただかなきゃならないと思います。
#213
○舛添要一君 総理、しかしながら、非常に現状、厳しい状況に経済あると思いますので、まさに構造改革を成功させるためにこそ、例えばセーフティーネットの拡充であるとか機動的な金融政策の展開、こういうことが必要だと思いますが、その点どうでしょうか。
#214
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは必要だと思います。
 今までのやり方について、どこに有効に税金を使うか、どこの部分に事業として必要な金を注いでいくか、あるいは今まで金をつけていた部分、そこはもう非生産的なところではないか、そういう点は減らしていこうという、そういう視点は非常に重要だと思っています。
#215
○舛添要一君 その総理のお言葉を受けまして、財務大臣、財政の節度はこれは絶対必要なんです。要するに、税金のむだ遣いを絶対に許さない、これが小泉改革の原点ですから。しかしながら、重点的に改革の分野に予算を配分していったときに、節度とともにやはり柔軟性という視点が必要だと思います。
 総理は、これは大胆に、かつ柔軟にとおっしゃっていますけれども、この点いかがですか。
#216
○国務大臣(塩川正十郎君) それはやっぱり財政運営の基本の原則だと思います。
#217
○舛添要一君 竹中大臣にお伺いいたします。
 先般、現下の経済情勢について、デフレスパイラルの入り口に達しているんではないかと、そうおっしゃったと記憶しておりますが、現状認識、この点についてお願いいたします。
#218
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済が非常に厳しい状況を迎えていて、デフレスパイラルの入り口にあるというような表現は確かに使わせていただきました。これは、とりもなおさず目の前の非常に厳しい経済状況を見据えなきゃいけない。しかし同時に、そのとき申し上げたかったのは、入り口にあるということですから、まだ今その中にあるというわけではない、個人消費に何とか歯どめがかかっている状況で、非常に注意深く見詰めていかなければいけない、同時に財政の規律にも同じような注意を払っていかなきゃいけない、そのような趣旨で申し上げました。
#219
○舛添要一君 日銀総裁にも同じ質問ですが、デフレスパイラル化する危険性についてどうお考えでしょうか。
#220
○参考人(速水優君) 今も物価の下落傾向がまだ続いております。今後、需要の弱さに起因する低下圧力、これがさらに強まってくる可能性を心配しております。
 こうした動きを踏まえますと、日本経済が物価下落と景気後退の悪循環というふうになる可能性があって、これをデフレスパイラルと呼んでいるんだと思います。極めて注意深く、情勢を深く詳しく点検していくべき局面にあるというふうに判断いたしております。
#221
○舛添要一君 日銀総裁に続けてお伺いいたします。
 日本銀行の存在理由は何にあると思いますか。要するに、日本銀行の責務はどこにございますか。
#222
○参考人(速水優君) この日銀法は三年半前に六十年ぶりに改正されたものでございますけれども、その第一条に、「日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。」と、通貨の安定ということが私どもの責任であると思っております。
#223
○舛添要一君 しかし、第二条に、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」とございますが、その点いかがですか。
#224
○参考人(速水優君) 二条の「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」と、物価の安定を通じてということを強調してまいりたい。それで、経済全体が健全な発展をしていけば私どもの責任は果たされるということでございます。
#225
○舛添要一君 それじゃ、今の状況は物価が安定していますか。
#226
○参考人(速水優君) 消費者物価は前年比一%前後下がっております。この原因が何であるかということはなかなか難しいところでございますけれども、需要が弱いということは確かにあると思います。一方で、流通革命とか安い輸入品がどんどん入ってきて、かつて日本が、国民がみんな問題にしていた内外価格差といったようなものも一方で狭くなってきていることも事実でございます。その辺をよく見分けることが大切であるというふうに思っております。
#227
○舛添要一君 私の質問にお答えになっていないので、もう一遍別の角度から質問いたします。
 物価の安定を通じてということをおっしゃるならば、物価の安定というのは、じゃ何%の例えば消費者物価指数なのか。何をもって、つまり政府が政策を発表するときでも例えば三十兆円枠というふうに数値でぴしっと言う、そのことが明確に目標を示すことですから。そういう目標はないんですか、日銀には。
#228
○参考人(速水優君) 物価の安定と申しますことは、物価が上がりもしないし下がりもしないということです。それが何%かということは、これはちょっと何とも申しかねます。物価が上にも下にも安定するということが私どもの課題であるというふうに思っております。
#229
○舛添要一君 そういう答えだったら小学生でもできるんでありまして、やはり数値ではっきり示すということが必要なんです。したがって、我々が物価安定目標として例えば二、三年以内に一、二%のターゲットを決める、目標を決める、そういうことを申し上げているんですが、この名前は、インフレという言葉が嫌いなら物価安定目標でも何でも構いません、やはり政策を決めるときは目標というのを国民に掲げる。上でもない下でもない、それはだれでもおっしゃれることでございますが、そういう形で明確に数値を掲げて目標に向かって邁進するという我々の政策、私なんか申し上げていますけれども、このことについてどうお考えでしょうか。
#230
○参考人(速水優君) 物価の安定というのは上がらず下がらずということで、多少上がったり下がったりするのは、これは経済というのは生き物と同じですから当然でございます。しかし、安定ということはもうそのこと自体が一つの目標でございまして、それをどこでとめるか、何を目標にするかというようなことは、今この時点で、特にデフレの状況の中でインフレの目標をつくったりするようなことは、これは極めて適当でないし難しいことだと思います。
 よく新聞などにも書かれておりますアメリカのグリーンスパンなんかも、この間十月十日過ぎに行った講演で、物価の計測における諸問題を踏まえますと、特定の数値によるインフレターゲットは不正確で役に立たない、物価安定は特定の物価インデックスの数値ではかられるものではなくて、インフレが家計や企業の意思決定に実質的な影響を与えないほど低位に安定している状況を指すのだと、そういうふうに言っております。これは私、全くそのとおりだと思います。
#231
○舛添要一君 グリーンスパンを引用しましたけれども、グリーンスパンは指標のとり方が難しいということに重点を置いて言ったんですよ。日銀は何でも自分のところに都合のいい意見だけ外から持ってくる。まあ、これ以上議論しません。
 しかし、昨年八月、ゼロ金利解除をいたしましたね。昨年、株が落ち始めたのは四月十二日、速水総裁がゼロ金利解除をほのめかしてから。だから、私、やめろと言った。八月、やめない。がっと谷底を転げ落ちるように株価が下がりました。ところが、突然三月十九日、ことしになって量的緩和に踏み切った。これを回顧してどう考えられますか。失敗だと思いませんか。
#232
○参考人(速水優君) 日本経済は、九九年から昨年にかけて海外経済の成長、それからIT関連需要の拡大などで、こういうものを背景にして回復傾向をたどっていたことは事実でございます。こうした情勢を踏まえまして、昨年の八月にはゼロ金利政策を解除したわけです。その後も、おおむね昨年中は日本経済は緩やかな回復傾向を続けていたと思います。しかしながら、昨年末以降、IT関連分野が世界的な調整局面を迎えることになって、米国を中心に海外経済が急激な減速に転じたことは御承知のとおりでございます。これを受けまして、年明け後は日本の輸出も落ち込み、生産も大幅に減少していったわけで、日本経済は再び悪化に転じたと言っていいと思います。
 こうした情勢を踏まえまして、日本銀行は本年入り後、内外の中央銀行の歴史に例を見ない思い切った金融緩和策を三月にとったわけでございます。すなわち、三月には金融調節の主たる操作目標を日銀当座預金という資金の量に変更して、この残高をそれまでの四兆円程度から五兆円程度に増額いたしました。その上で、こうした政策の枠組みを消費者物価上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで続けるということを宣言したわけでございます。また、ロンバート型貸出制度というものも新しくつくって、いざというときには流動性供給を公定歩合でいたしますという制度もつくりました。
 その後、八月になって経済情勢が悪化してまいりまして、日銀当座預金残高というのを六兆円程度に変えました。また、九月に入ってテロ事件が起こりまして、内外の不安定な情勢を踏まえて、当座預金残高が六兆円を上回ることを目標とするというところへ機動的かつ潤沢な資金需給を行っているのが現状でございます。
 このように、日本銀行は、情勢の変化に対応して機動的、弾力的に政策対応を行ってきたつもりでございます。日本銀行としましては、今後とも物価の継続的な下落を防止するとともに、日本経済の安定的かつ持続的な成長の基盤を整備するために、中央銀行としてなし得る最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
 金融政策というものは、経済物価情勢を注意深く点検しながら、その時々に応じて最も適切な対応を機動的、弾力的に行っていくものでございます。そういう意味で、私どものゼロ金利政策を解除し、そしてまた今度新しい量的緩和策、当座預金ターゲットというものをつくったといったようなことは、私どもとしては適宜適切に対応してやってきた政策であるというふうに信じております。間違っているとは思っておりません。
#233
○舛添要一君 私は、もう意見だけ述べますけれども、昨年のそのゼロ金利解除は世紀の大失策だと考えています。
 それから、八月の段階で、おっしゃるように量的緩和、私、当選した後ですけれども、申し上げたら、これ以上の量的緩和は意味がないというようなことをおっしゃったと記憶しております。ところが、九月になってテロが起こったら、私が、例えば日銀当座預金残高六兆円では足りませんよと申し上げた。それなのに、それ以上ふやしてもだめだと。テロが起こったら十二兆五千億円までふやしましたね。効果があるからやったんじゃないですか。
#234
○参考人(速水優君) それは状況に応じて変化、政策を変えるのは当たり前でございます。テロ事件が、同時多発のテロが起こるということは八月、九月の初めまではだれも予想していたことではないと思いますし、これは世界的に影響を与えているものであって、また世界じゅうの中央銀行が決済性、このリクイディティーを十分に出すことと、それから為替を安定させること、資金を潤沢に出すことをみんな考えて、一斉に話し合いながらやってきていることなんです。それで、こういう新しい、予想もしていなかったような資金の潤沢な供給が起こったということは、別に何らおかしいことではないと思います。
#235
○舛添要一君 状況に応じて変わるのは結構なんですけれども、政策に失敗したら反省するということはやっていただきたいと思います。
 それから、もう一点お伺いします。
 政策決定会合の投票行動をお聞きしたいと思いますけれども、採決の投票行動において日銀総裁と二人の副総裁が異なった投票を行ったことはございますか。速水総裁の在任下で結構です。
#236
○参考人(速水優君) 政策委員は九人おりまして、そのうち総裁、副総裁で三人ございます。そういう意味では内部から三名、この三名が違った投票をしたことはございません。
 どこの中央銀行でも、最近の中央銀行は政策委員のようなものをもって政策を決めておりますけれども、その中で三分の一から半分ぐらいまでがこの内部の人たちであるということを申し上げておきます。
#237
○舛添要一君 三人いつも同じなら、私は日銀から三人出る必要はないというふうに考えています。むしろその副総裁分二人を、町工場の現場をよく知っているような、町工場のおやじでいいですから、そういうのを入れた方が国民的意見が反映すると、そういうふうに思っています。
 それから、総理、お伺いします。
 特殊法人七十七、認可法人八十六、全力を挙げてこれは改革いたしますね。日銀は認可法人です。これも当然のことですが、聖域なき構造改革の対象ですね。
#238
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もちろん、特殊法人改革、これは断固としてしていかなきゃなりませんが、日銀ももう改革、改正されたわけでありまして、しばらくこの改正の状況を見て、もし何か改正しなきゃならないことがあるんだったらば改正すればいいんであって、当面は今までの課題に対して改正がなされたわけでありますので、その状況を見守っていきたいと思っております。
#239
○舛添要一君 日銀総裁のお時間もおありでしょうから、この最後の御質問にお答えいただいて、それで結構でございますが、日銀総裁と総理の順で結構です。全力を挙げてデフレと闘うと、そういう決意であるかどうか、御所信をお述べいただきます。まず日銀総裁。
#240
○参考人(速水優君) 日本銀行の全力を挙げて、現状はデフレでございますから、デフレと闘って物価の安定をもたらしたいと思っております。
#241
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) デフレはもちろん、物価の安定、さらには経済の再生に向けて全力で闘っていきたいと思います。
#242
○舛添要一君 次に、不良債権問題について柳澤金融大臣にお伺いします。
 私も、外から見ていると、これまでの金融庁の政策そのものにかなり不信感がございます、マイカル。要するに、要注意先だったのが破綻懸念先になったり、そういうことで特別検査をおやりになりますが、どうですか、本当に本格的にやれますか。つまり、我々から見ていると、金融庁が手心を加えてちゃんとやっていないんじゃないか、だからマイカルみたいな例が出るだろうと。どうですか。
#243
○国務大臣(柳澤伯夫君) 債権、貸出債権が主なものですけれども、そういうものの劣化が起こる。正常先から要注意先、要注意先から要管理先、要管理先から破綻懸念先、破綻懸念先から実質破綻先と、そういうことが通常不良債権化するということの過程の中で起こります。もちろん上に行く、上に上ってしまう、いい方になってしまうということも、その貸出先の業況が改善されて上に、債権としても上昇するということもあり得るわけであります。
 その場合に、私なりに整理をしているわけですけれども、どういう要因で前年に比べてこの債権が不良化したかということを考えますと、あえて言いますと三つに分かれると思っているんです。
 一つは、基準が変わる、つまり認識の基準が変わる。この基準というのは、具体的に言うと検査マニュアルですね、今の日本の場合には。もちろん、その川上には公認会計士の実務指針というのがあったりしますけれども、直接的には検査マニュアルの基準が変わるということがあります。それからもう一つは、認識が変わる。その債権の実態は余り変わっていない、半年ぐらいの期間に余り変わっていないけれども認識が変わるということがあります。最後に、三つ目には、やっぱりその債権というか貸出先の業況が変わってその査定も変わらざるを得ないという格好で劣化が起こる、認識される。この三つなんです。
 その二つ目の認識が変わるということの中に、二つ私は分けて考えているんです。一つは能力。これは何というか、その貸出先の実態について正確な認識をする力がなかった、いろんなことで考えたけれども力がなかったということがあると思うんです。それからもう一つは作為的、今、先生がおっしゃったのはまさにそうなんですね。何とおっしゃられたですか、手心ですか、手心を加えて、認識はしているんだけれどもそういうふうに区分をしないというか査定をしない、こういうのが四通りというか、大別すれば三通りあると私は自分なりに整理をしているんですね。
 そういうことの中で、今、舛添委員が言われた手心、つまり、わかっていても、認識は正しいんだけれども、いやここに区分するのは何だのかんだのといって別のところへ区分をする、査定をする、こういうことがあり得るのか。
 これはまさに旧来、旧来というか旧大蔵省の検査というようなものについては割とそういうことを言われておったんです、先生御案内かと思いますけれども。それではいけないということで、これが財政の方面からそういうことがあったとしたら、財政と切り離すべきだということで金融監督庁というものができたんです。金融監督庁の検査部門に携わる人間というのはどういう気持ちでやっているかといったら、まさに自分たちの組織のレーゾンデートルです。これで我々がまた旧来のような、大蔵省時代のように言われたようなことを繰り返すとしたら、もう全く自分たちの存在価値はない、存在理由は世の中から認めてもらえない、こういうことで、そういうこととはきっぱりいろんな関係を断ち切って本当にやろうと、もう死に物狂いの努力をしているんです。そういうようなときに、何が根拠で手心を加えるとかそういうことをおっしゃるのか。彼らは本気になって努力をしているんです。
 そういうことを考えて、それはどういうことでそういうことをやるんだといったら、いや、柳澤伯夫が前に資本注入をした、それで本当の認識を出しちゃうとまた資本が毀損されて資本注入が必要になったら、そうしたら前の政策が失敗したからそんなことはやれないと。だれが一大臣のことなんかそんな、何というか、丁々発止やる現場でそんなことまで意識してやれますか。とんでもない話ですよ。そうでしょう。
 ですから、手心などと言うようなことは、こういう改革をして、その改革の趣旨を実現しようと思って必死になってやっている人たちの、何というか、もう本当に血と涙を、汗を注いでいる人たちに対する侮辱ですね。
 ですから、問題は……
#244
○委員長(真鍋賢二君) 簡便に。
#245
○国務大臣(柳澤伯夫君) 能力がないということを言うんだったら、私はそれはあり得ると思っているんです。ですから、いろいろなことでこれを改善していくということは十分あり得るんです。そういう建設的な、手心とかなんとかじゃないんです。もうそういうことはきっぱり切っているんです。
 私は、だからそういうことを言われないために検査庁の独立論まで言った人間なんですよ。今だって、中長期的な課題としては私は検査庁は独立すべきだと。とかく日本の金融当局の中で疑いが持たれる。外国の人たちなんか何にも知りやしません。ちょっと一言二言私が話したらもう黙ってしまいますよ。そういう人間たちがいろんなことを外野から言うのを制度的に言わせないようにするにはそういうことも必要かもしれないと、私はそのぐらい考えているんです。
 能力の問題は、そういうことで、我々はいろんな建設的な意見を聞いて、もっとこういう情報を入れたらどうか、これは我々はもう不断に改善をしていかなきゃいけないと考えています。
#246
○舛添要一君 その初心を忘れずにやっていただきたいと思います。
 というのは、私、外から見ていまして、やっぱり銀行の経営者で極めてまともじゃない人が多い、高給をはんでちゃんと改革しない人がいますから。そのための税金を使っての金融庁ですから、しっかりやっていただきたい。
 次に、RCCについてお伺いします。
 今回、時価買い取り、それから入札への応札、これが入りました。ただ、リップルウッドとかサーベラスとか、これは外資ですけれども、日本の民間もあります。
 これは民間と戦って勝てますか。
#247
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、舛添委員、御指摘ですけれども、もちろんRCCも独自にやっちゃう、やりたいという気持ちがあるんです。あんなファンドをつくらないでやりたいという気持ちがあって、そういうものをもう具体化している案件も、しつつある案件もあるというふうに聞いています。
 しかし、やっぱりこれは資金をみんなで出し合ってファンド形式でやった方がいいですねということもあります。それから、民間は民間でまたファンドやらいろんな手法を使ってやりたいということもあります。だから三通りになります。
 その場合に、今、舛添先生は、このRCCも加わった形のファンドについては、その民間の人たちと戦うのかという前提のもとでお話があったんですが、実はそうではないんです。ここに民間の人たちが入って、今、先生が御指摘になられたような外資系の、いわば青目の会社も非常にこれに関心を持っている、こういうことなのでございます。
#248
○舛添要一君 総理にお伺いしますが、ペイオフ、予定どおり解禁、四月一日、これをおやりになりますね。
#249
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 予定どおりやります。
#250
○舛添要一君 しかし、現場でいろんな声を聞いていまして、取りつけ騒ぎが起こって大変だというようなことをいろいろ言いますが、柳澤大臣、国の危機対応勘定、十五兆ぐらいあると思いますが、これを発動して、ひょっとしてそういう事態が起こったときはその十五兆で十分対応できる自信おありですか。
#251
○国務大臣(柳澤伯夫君) 来年四月一日からペイオフという、日本の国民にとってはこの五十年来というか、なかった世界に足を踏み入れるということで、みんなそれぞれが不安を感じたり心配を感じたりするというのは、これは新しい世界に足を踏み入れるわけですから私は当然だと思っております。
 そういう中で、我々として一体何をするかといったら、やっぱり来年の四月一日に、朝九時なりなんなりに店を開いた銀行はとにかく安心なんだというようにしておかなければならない。したがって、私どものことしの、今事務年度の検査業務にかかわる基本方針というのも、ペイオフに備えるというのはもうトップにランクされた課題となっているんです。
 ですから、それまでの間に本当に金融庁もいろいろ新しいまた特別検査もしなきゃいけないというのでもう次から次へと仕事がありますから、本当は、ことしは本当の文字どおりトップの仕事としてこれをしなきゃいけなかったんですが、今は緊急経済対策がトップでペイオフへの対応というのは二番目なんですが、しかし、これ、やっているんです。したがって、我々も死に物狂いになってやって、そして四月一日に門をあける銀行はみんな安心なんだということでなきゃいけないと、こういう考え方で今やっているわけでございます。
 もちろん、長い時間が、これが問題のところなんですが、長い時間がたって変化していくということでしたら、これはまた我々も検査して、そういう銀行については早期健全化措置というスキームがありますから、それできっちりやっていきますけれども、基本的にはこれはまたそれぞれの人たちが自己責任でやってもらわなきゃならない分野でもあるということなんですが、当面そういうことですね。
 それを今非常に一足飛びに危機対応というようなお話になったわけですが、危機対応というのは、早期健全化措置というようなものをさんざっぱら当てはめてもなお力足らずでいろいろな危機が起こるというようなことが中心だと私ども思っています。もちろん、それ以外にもいろんな危機というのはあり得るんですが、いずれにしても、せっかく総理大臣を議長とする危機対応会議というのがありまして、これがどっしり控えていますから、これでもってシステムの不安なんというものは日本の場合には決定的には起こり得ない。その前に、そのおそれがあるときに我々は手を打つスキームができていると、こういうことです。
#252
○舛添要一君 次に、テロ対策についてお伺い申し上げます。
 外務大臣、今回の補正予算で三億円、外務省のテロ対策予算つけてありますが、提案してありますが、これ、何にどういうふうに使われますか。
#253
○国務大臣(田中眞紀子君) 補正予算で三億円お願いをしてございますけれども、その中身は、具体的にはアフガニスタン周辺の危険地域で活躍する、活動するNGO、そういう方々のものでございますとか、そのほかの邦人の位置を確認をするというふうなこともしなければなりません。それから、連絡体制の整備のためのGPSという、ナビゲーターのようなものでしょうか、表現は適切でないかもしれませんけれども、そういうシステムを配備するための予算として三億円お願いしてございますが、しかしそのほかに、当初予算といたしまして、そのほかに邦人の保護でございますとか情報の収集でございますとか、そういうふうなことにもお願いをしてあるということでございます。
#254
○舛添要一君 外務省の中の不祥事の問題がいろいろあって政策が前に進まない面もあるかと思いますが、やはり毎回、海外で事故が起こると情報収集能力がない、マスコミにももう何回も大臣追及されていましたけれども、情報収集能力、それから在外邦人の保護、これやっぱりしっかりやることが、我々が海外旅行も行けることですから、長期的にどういう政策をお考えか、お述べください。
#255
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員まさしく御指摘のように、邦人の保護ということは、やはり先に、前もっていろいろなネットワークをつくっておくということ、それから今回もたまたまこの九月十一日の件がありまして、やはり在外公館が何のためにあるかと、私は、このことは議員になる前から非常に意識を持っていまして、議員になってなおさら思って、大臣になってもっと思っているわけでございますけれども、やはり公館長を中心として本当にどういう仕事をするべきかということですよね。それについてもう公館長みずからが指揮監督をして、あらゆる安全を確保するために万全の体制をとるように、今回のことは本当に、テロ事件がありましてからかなりアラートになっておりますし、何かがあった場合にはじかに、本省の大臣室及び私の自宅の番号まで、私、着任と同時に全部、全公館に発出してございます。
 したがいまして、そうした常にアラートの意識であるということが大事になろうと思いますし、同時にネットワークをつくっておくということ、それに尽きるというふうに思います。
#256
○舛添要一君 次に、警察の特殊部隊、SAT、これの現状、さらに今後の拡充方策、これ、村井大臣、お願いいたします。
#257
○国務大臣(村井仁君) いわゆる特殊部隊でございますけれども、SATでございますが、全国で約二百名の体制で警視庁、大阪府警、北海道警、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、福岡県警、計七都道府県警に設置している次第でございます。
 主たるねらいでございますが、ハイジャックでございますとか、あるいは重要施設の占拠事案などの重大なテロ事件、それから組織的な犯行でございますとか強力な武器が使用されるような事件、こういったものに出動いたしまして、被疑者の検挙、事態の鎮圧、こういったことを主たる任務としております。
 武装でございますけれども、自動式けん銃、ライフル、それから自動小銃等の特殊銃、特殊閃光弾、さらにヘリを持っておりまして、ハイジャック等の各種事案を想定した実践的な訓練も積んでおりまして、海外の特殊部隊とも情報交換あるいは訓練、事案対処能力等々の強化、こういったことを図っておるところでございまして、私どもとしましても必要に応じて強化を図ってまいりたいと思っております。
 一つだけ申し上げたいと思いますが、たった二百人かとおっしゃいますけれども、経験者を、これを各機動隊の銃器対策部隊などへさらに出すわけでございまして、そういう意味では能力のある連中はもっと多いということも御認識いただきたいと存じます。
#258
○舛添要一君 この国内テロの問題は、非常にこれ国民の不安感を買っていまして、それが消費の低迷、経済の悪化にもつながってきているわけであります。
 私、実は地下鉄サリン事件のとき現場におりまして非常に歯がゆく思いましたのは、中谷防衛庁長官、大宮の化学防護隊がめちゃくちゃゆっくりにしか来ない。しかもパトカーの先導でしか来ない。こういう状況、その後改まったか。
 それから緊急、自衛隊が、車両が緊急車両化していないことによる不備というのが阪神大震災のときも指摘されました。
 防衛庁長官、その後どうなりましたか。つまり、我々にとっては、阪神大震災それから、後ほど村井国家公安委員長にもお尋ねしますから、サリン事件、再発、起こったときに、より迅速に国民の生命と財産を守るために自衛隊が出動できるのか、この点お願いします。
#259
○国務大臣(中谷元君) 緊急自動車を出動する際の権限につきましては、阪神大震災の以降、道路交通法上の特例ということで法律の改正がなされまして、部内の秩序維持または自衛隊の行動もしくは自衛隊の部隊の運用のための使用ということで、現場に警察官がいない場合でも緊急行動がとれるということになっております。
 この認定は申請に基づいておりまして、都道府県の公安委員会が認定するわけでありますが、防衛庁長官が指定する前に事前に警察庁と調整を図った上でこの承認を行って、その後、都道府県の公安委員会に申請を行っているということでありまして、先ほど事務方から報告をさせるとそんなに数がふえていないようでございます。やはりもう少し部隊として対応ができるように、今後さらに警察庁に所要の協力をお願いしたいというふうに思っております。
#260
○舛添要一君 国民の感覚から見ると、そんなら最初から化学防護隊に赤ランプとサイレンつけておきゃいいじゃないですか。何でつけないんですか。警察だって忙しいのに、わざわざ自衛隊先導すると一台パトカーむだじゃないですか。村井大臣、どうですか。何でつけないですか。
#261
○国務大臣(村井仁君) これは制度的なことを申し上げますと、緊急車両というものの運用でございますけれども、これはいわゆる道路交通の規制にかかわる規制の例外をつくる話でございますから、各都道府県の公安委員会において緊急自動車として認定するという手続によっているわけであります。
 自衛隊で所要とするものが全部指定を受けているかどうかということにつきましては、これはこさいに見なければいけませんが、二千数百台、現在自衛隊の車両で認めておると承知しております。
 その中で、特に御留意いただきたいと思いますのは、自衛隊の車両につきまして私ども特段、何といいますか、抑制的なことをなにしているわけでは、考えているわけではございませんで、今サリンのときのパトカーのお話出ました。これはもうちょっと現実に即して申しますと、大宮の化学部隊でございますね、これが来たわけでありますけれども、実際、大宮から都心へ入りますのにどのコースをとったらスムーズに走れるかということになりますと、やっぱり道路管制ときっちり連絡とっていますパトカーが先導した方が道案内として大変合理的だったという実態があるようであります。
 それからもう一つ、自衛隊の車両のうち、緊急車両として指定されておりますものの半分以上が指揮通信車でございます。自衛隊というのは、大体集団運用をするケースが多うございますから、そういう意味では単独で行動する警察あるいは消防、これはどっちかというと地域密着型であります。自衛隊の場合は広域運用が当然考えられるわけでありますが、そういう意味では、集団でなにする場合、先頭車両が緊急車両の指定を受けておりますと、それに随伴する車両は、これは別なその指定を受けていなくてもそれについて歩くことできるわけでございまして、特段の問題はないのではなかろうか。
 いずれにいたしましても、せっかく国民の負託を受けてそういういろいろな機能を預かっている立場でございますから、そして警察も自衛隊もともどもいわゆる実力を持った部隊でございますから、集団でございますから、それが十分に機能を発揮するように彼此連絡を密にとってやってまいりたいと思っております。
 重要な御指摘でございます。
#262
○舛添要一君 東京ガスとか東京電力という民間の株式会社の車に赤ランプとサイレンがついていて、我が日本国家の自衛隊の車両に、緊急なときに一々先導しないといけないという、こういうことは私は改めるべきだというように考えております。制度的にだめなら、それは我々が国会で法律変えればいいわけですから、ぜひこう変えていただきたいということを提案していただきたい。
 我々国民からとってみると、瓦れきの下に埋まる、サリンまかれる、生物兵器まかれる、警察に助けられようが、自衛隊に助けられようが、消防に助けられる、だれでもいいんです。その決意、それを中谷長官と村井国家公安委員長、お述べください。つまり、縄張り争いしているとしか見えないんですよ、国民から。そうじゃなくて、協力してやるということを、お二方、宣言してください。
#263
○国務大臣(中谷元君) まことに重要な点を御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 現実に、化学防護車においても、先ほど事務方から聞くと三年計画で一年に数台しか認可がおりないというような話を聞いておりますが。部隊の運用にしましても、先頭が緊急車両でも、この隊列が長い場合に途中で切れた場合に後ろの後続車が来るまで待たなきゃいけません。
 そういうふうな実に縄張り的なところもございますので、災害出動等に際しましては迅速に対応できるように、今後とも我々自身が調整をいたしまして努力したいというふうに思います。
#264
○舛添要一君 ちょっと委員長。
 まさに、その状況を私は地下鉄の駅でサリン事件のときに見ていたから申し上げたんです。村井国家公安委員長。
#265
○国務大臣(村井仁君) 御趣旨を十分体しまして、今、舛添委員御指摘のようなことのないように、先ほども申しましたけれども、両方ともそれぞれの能力をフルに生かして国民のために役に立つように運用をしてまいりたいと思います。
#266
○舛添要一君 次に、生物・化学兵器対策についてお伺いします。
 坂口厚生労働大臣、今回、十一億円余の予算をつけまして、炭疽菌、天然痘ウイルスなどへの対応ということですが、まず炭疽菌まかれたときに、どういう抗生物質、何人分、厚生省確保しておりますか。民間でも結構です。
 次に、第二点、天然痘ワクチン、今ないと思いますが、いつ、何人分、この予算でできますか。どれぐらい我々待てばいいですか。というのは、テロリストが天然痘のビールスをまくという、こういう説もあるんです。その点、どうぞ。
#267
○国務大臣(坂口力君) 炭疽菌につきましては、これはもう早く見つけるということが、変な白い粉等があるということを早く連絡をするということが一番でございます。その後の、いわゆる病気になりました後の抗生物質につきましては、これは十分に存在いたします。民間にたくさんございますし、足らなければすぐに量産もするということができるわけで、炭疽菌につきましては心配をいたしておりません。
 問題はもう一つの方の天然痘の方でございまして、天然痘の方につきましては、二十六歳以下の人は種痘をやっていないんですね。二十六歳がちょうど境目でありまして、二十六歳はやっている人とやっていない人とあるというふうに思いますけれども、それ以上の人は全部やっておりますが、しかし年齢が高くなってきますと効き目が大分薄くなってきておりまして、我々は大分落ちておりますからこれは本当はもう一遍やった方がいいんだろうというふうに思いますが、こちらの方はそんなにたくさんあるわけじゃございません。
 ただ、日本は幸いにしまして世界に誇ります優秀なワクチンが三万六千分、これは初めて言うわけでございますけれども、あるわけでございます。これと同じものを至急つくろうというので、今、民間にお願いをいたしまして、そしてつくりたいと。今回のなにで二百五十万人分つくるという予算をつけていただきましたので、これで至急やりたいというふうに思っています。
 それ以外の若干古いものはたくさんございますので、まだ大丈夫というふうに思っている次第でございます。
#268
○舛添要一君 引き続き、今度、生物兵器対処で防衛庁長官、お伺いしますが、生物兵器への対処に関する懇談会報告書、平成十三年四月十一日、これ既にインターネットに今出ています。これ、いつ公表されましたか。そして、四月にこういうものをやっていて、現実に生物兵器への対応、今、防衛庁でどこまで進んでいますか。サリンがありましたから化学兵器はかなり行っていると思いますが、こちらは問題だと思います。
#269
○国務大臣(中谷元君) 今年四月に懇談会の報告書を公表いたしました。そして、五月に防衛庁の関係部局から成る連絡会議を設置をしまして、その分で政策化できる点につきましては平成十四年度の概算要求において要求をいたしておりますし、この補正予算においても生物・化学兵器については予算要求をして充実を図っております。
#270
○舛添要一君 これは警察の方にお伺いいたしたいんですけれども、要するに白い粉まいたと。私、この前、地下鉄乗っていましたら、東銀座で白い粉まかれたといって、地下鉄の中、三十分缶詰めになりました。だから、こういうことに対してまず現状を、こういうことをやったときにどの法律を適用して何年ぐらいの罰則を科しているんですか。
#271
○国務大臣(村井仁君) 威力業務妨害罪というのが適用されるのではないかと理解しておりますが、懲役三年以下、それから罰金が、幾らでございましたか、十万円、失礼、五十万円以下ということでございます。
 警察といたしましては、これは私ども全くいたずらなんて考えておりませんで、ある意味ではテロというのは社会を不安に陥れる、そして社会の正常な機能を麻痺させる、これがテロの目的でありますから、こういう行動をとるということはまさにテロに加担する行動である、私はいろんな機会にそれを申し上げております。そういう意味でも警察は取り締まりに全力を尽くしておりまして、実はきょうも、沖縄県警で金融機関に対しまして白い粉の入った郵便物を送付した被疑者を威力業務妨害罪で先ほど逮捕いたしましたところでございまして、これまでに検挙案件四件になっております。
#272
○舛添要一君 逮捕に至らないまでも、この白い粉いたずら事件、何件ぐらい警察へ報告今までありますか。
#273
○国務大臣(村井仁君) 余り、こういうのはいわゆる模倣犯というようなのを招く危険もありますので余り今まで申し上げていないんですが、千数百件という数字を残念ながら申し上げざるを得ないわけであります。いずれも大変残念なことは、非常にそれがそうでないということを確認するだけのために手間がかかり、それから例えば部屋を密閉するとか、そこで働いている人を立ち退かせるとか、大変なコストを社会に負わせている、私はこれは大変な犯罪だと、このように感じております。
#274
○舛添要一君 その件数聞いて私も本当に驚きましたが、これは厳罰化すべきと思います。法務大臣いかがですか。
#275
○国務大臣(森山眞弓君) アメリカにおける炭疽菌事件に便乗いたしまして日本においても不安や混乱を起こすために意図的にそのようなことをするというのは、もう本当に重大な犯罪だと思います。その事案にもよりますけれども、厳罰にする必要があると思うんでございますが、その罰則の内容につきましても現状の現行法でよしとしているわけではございませんで、国民生活上重要な社会的インフラを対象とした悪質な業務妨害行為に対する刑事罰則のあり方については今検討をしているところでございます。
#276
○舛添要一君 片山大臣にお伺いします。
 郵便の集配業務でのこのチェック状況、今いかがですか。
#277
○国務大臣(片山虎之助君) アメリカの炭疽菌事件の報道がありまして、十月十三日から全部の郵便局に、不審な郵便物があったらすぐ速報態勢をとるようにと、こうやっておりますし、それからホームページなりポスター、パンフレットで、不審な郵便物を見たらどうしろと、仮に炭疽菌に、ちょっと気が早いんですけれども、かかったらどういう治療法があるかも全部国民の皆さんに情報を提供しておりますし、それから白い粉を送る人はポストでなくて郵便局の窓口に持ってこいと、附せんをつけて特別に送ると、こうやっております。
 それから、問題はアメリカその他外国から来る郵便物ですから、国際郵便交換局というのは八つあるんですよ。この空際、海際、ここでとめるということで、ここは定期検査をやっておりまして、幸いなことに今まで一件も炭疽菌は発見されておりません。そのかわり、交換局の全員にマスクと手袋を買わにゃいけませんし、それから、今郵政事業庁にはそういう専門のチームをつくりましたし、私どもは逓信病院というのがありますから、そこは特別の治療態勢も整えておりますから、検査は、今国家公安委員長が言いましたように、私どもの方も数百件ですよ。
 だから、今のところ、炭疽菌の発見はありません。万全の体制をとっていきます。
#278
○舛添要一君 これは総理にお願いいたしますけれども、我々も全面的に協力いたしますので、内閣挙げてテロ対策、私が申し述べましたこと以外のことも含めて、やっていただきたいと思います。
 それにつきましても、こういうことがなかなか進まないというのは、例えばアメリカにFEMAという緊急事態庁がありますけれども、緊急事態に対してどう対応するのか。有事法制なんて言うと言葉が嫌いな方おられるから緊急事態法でもいいですけれども、そういうものをやっぱり国家としては持っておくべきだと私は思いますけれども、その点、総理、どういうふうにお考えになりますか。
#279
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほどからいい適切な指摘を含んだ質問をしていただきまして、この危機対応は大切であり、なおかつ、各省庁が縄張り根性を捨てて国民の安心と安全を確保するために適切な処置を講じていかなきゃならない。また、悪質ないたずらに対しては、現行法で不十分だったらば、これまたしかるべき措置を考えると。
 いい御指摘をいただきまして、まことにありがとうございました。
#280
○舛添要一君 続きまして、雇用対策、福祉政策に入りたいと思いますが、昨日、衆議院の方でハローワークの民営化ということを総理はおっしゃいましたが、私、実はこの雇用の問題、現場のヒアリングずっとやっておりまして、先ほど野党の方からも御質問があったと思いますけれども、雇用・能力開発機構と現場の都道府県の支部とハローワークとの連携がなっていないんですよ。だから、一生懸命訓練をするけれども、じゃ就職先はハローワークに頼めと、こういう連携もなっていませんが、こういう問題を抜本的に改革する。
 それからもう一つ。これは後ほど総理と厚生労働大臣にお答え願いたいんですけれども、六カ月延長するのも、職業訓練、結構なんですけれども、失業対策も。ただでやって、だめですよ、貸せばいいんですよ、奨学金みたいに。後でもうかったら戻すぐらいの気持ちじゃないとやらないと思いますけれども、これはいかがですか、総理。どちらが先でも結構です。
#281
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) たしか雇用・能力開発機構、いろいろ問題が指摘されております。ハローワーク、これも今失業者がふえておりまして人員が足らないという、一生懸命なんですが、単に仕事が大変だから役人をふやせというわけにはいかぬと。また、雇用・能力開発機構も、余分な仕事をしているんじゃないかとか、やらなくていいことを仕事しているんじゃないかという御指摘も受けております。
 これは、総合的に考えて改革しなきゃならない点だなと認識しておりますので、一つのこれも特殊法人ですから、この特殊法人の改革に含めて見直しをしていきたいと思っております。
#282
○国務大臣(坂口力君) 確かに、能力開発の方とそれからハローワークの方との連携の問題は指摘されたとおりでありまして、ここは我々もちょっと遅まきでございますけれども、連携を密にするように今一生懸命やっておるところでございます。
 ここは、もうそういうふうにぜひしていきたいというふうに思っておりますが、それだけではなくて、なかなかこれだけでは進まない面もございますので、個々の人に対してどれだけ親切にやっぱりやっていくかということが大事でございますので、キャリアカウンセラーのような人たちをつくってやっていくというふうにしたいというふうに思っております。
#283
○舛添要一君 三千五百億円の例の新公共サービス雇用についてですけれども、私、実はボランティア活動、森林愛護隊、岐阜県の岐阜森林愛護隊というのをやっていまして、六百人隊員がおります。非常に山村の荒廃、これは環境問題でも水の問題でも大変な問題なので何とかしたいと思っているんです。
 そこに森林の作業員、補助要員を今回使うというのは大変結構なんですが、ほかの補助教員も含めて、全部下手すると失対事業に終わって、じゃ景気よくなったら山からおりていくのか、景気よくなったら補助教員要らないのか、こういうことになりますので、この点、まず厚生労働大臣、どういう御認識か。それから農林水産大臣、副大臣でも結構ですが、山の問題。それから教員の問題、文部大臣、お願いします。
#284
○国務大臣(坂口力君) ここは、ただ単に半年とか一年やるだけではなくて、その後やはりこういうことは必要だということを認識していただいて、後、継続するようにしてほしいんです。
 私の方の地元におきましても、その後、森林組合でやると言うんです、この半年なり一年なりやりまして。そして、そういうことを積み重ねることによって、その後はやりますということを言ってくれておりますから、そういうふうにそれが継続していくようにこれはしていかないといけないというふうに思っています。
#285
○副大臣(野間赳君) 森林の整備につきましては、本年十月に策定をされました新たな森林・林業基本計画に沿いまして、多面的機能の発揮に向けた施策を着実に推進をすることとしておりまして、このことを通じまして林業等従事者の確保と雇用の定着にも努力をいたしてまいりたいと思っております。
#286
○国務大臣(遠山敦子君) 今回の緊急雇用対策の一つとしまして、学校に三年間で約五万人を目標に社会人を補助教員として導入する、このことにつきましては学校いきいきプランとして今推進をいたしております。
 これは、委員御指摘のように、雇用へ対応するという側面もございますけれども、学校の活性化、そして一人一人の子供に目の行き届いた教育をするという意味で適切な対応をしてまいりたいと思っておりますし、このことについては本プランの終了後も社会人の一層の活用を期待するという角度で適切に対応してまいりたいと思っております。
#287
○舛添要一君 私の残り時間はあと一分ということですから、最後、総理と今後の改革について議論したいと思いますが、やはり総理、改革をやらないといけない、ただどうしても先が見えてこないと、こういう質問があるんですね。遅いんじゃないかと。スケジューリングの問題、スケジュールの問題、この点はどうですか。
#288
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう批判も出ていますが、遅いということは当たらない。むしろ早くやっているのであって、遅い遅いというのは私は心外なんです。むしろ、これほど早く改革を前倒しにやり、準備を進めていることは今までなかったんじゃないかというぐらい私は前進を続けていると思っておりますし、これは断固として改革をなし遂げていきたいと思っております。
#289
○舛添要一君 その象徴的な特殊法人ですけれども、道路公団問題、これはいつぐらいまでに結論をお出しになりますか。
#290
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、来年の三月の予定を繰り上げまして、大体改革の姿がわかるなというのは今月中に出します。そして、私は専門家じゃありませんから、第三者機関を設けまして、それでは民営化するためにはどうしたらいいのか、今までの整備計画を全部実行するのはとても税金がかかって大変だ、じゃ、どの点を見直すのかというものも含めて見直さなきゃならないという方針は掲げまして、今月中に、この方針でいけば今までできなかったような大改革ができるなという方針は今月中に出したいと思います。
#291
○舛添要一君 最後に、この小泉改革をなし遂げた後にこんなすばらしい日本が来るんだと、つまりそれが、いろんなところで総理はおっしゃっているんですけれども、見えてこない国民がいて、やっぱり改革は痛みを伴う、それはしようがない、しかし、痛みに耐えるためにはこんなすばらしい新世界が待っていますと、こういう答えが欲しいわけですが、総理にその点、最後にお答え願いたいと思います。
#292
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) サッチャー政権の時代においても、あるいはレーガン政権の時代においても、改革の途中には明るい姿は見えていなかったんです。やめた後あるいは数年、四年、五年たった後、ああ、あのときの苦しい改革が生きてきたなというのがわかるんです。私は、そういう意味において、二、三年、小泉の改革は何もできないじゃないか、遅いじゃないか、何もやっていないじゃないかという批判に耐えながら、私が退陣するころにはよくなっているだろうという姿を見せたいと思っております。
#293
○委員長(真鍋賢二君) 以上で野沢太三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#294
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松あきら君の質疑を行います。松あきら君。
#295
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 私は、五月に予算委員会で総理に特殊法人改革を、例えばイギリスの国家機密である弾道ミサイル早期発見システム、これも民営化をされておりますというような諸外国の成功例、失敗例を挙げながら御質問をさせていただきました。覚えていてくださると思いますけれども。
 ところで、先日、西麻布のあたりを歩いておりましたら、とてもれんがづくりのすてきなマンションが目に入りまして、ああ、すてきなマンションだなと思って見ておりますと、寮と書いてあるんですね、寮。ああ、こんな豪華な寮があるのかななんと思いまして、見に行きました。そうしましたら、今、話題の特殊法人が出資して、その株式の半分以上を所有しているいわゆる特殊法人の子会社の寮なんです。これでびっくりしていましたら、何とこういうものがまだまだごまんとあるそうでございます、名前は言いませんけれども。今、景気が低迷して失業者がふえまして、雇用問題が大きな社会問題になっているときに、こういうものを目の前にして私は本当に何とも言えない気持ちになりました。
 今も特殊法人改革のお話が出ましたけれども、今、さらにここでもう一度、その改革をするのだという明言をいただきたいと思います。
#296
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かに、特殊法人は借金返済で大変だ、債務がたまっている、赤字だと言いながら、その関連の子会社が利益を上げているというような批判も出ております。今、六本木ではありませんが、ごまんとあると言いましたけれども、幾つあるかわかりませんけれども、そういう批判に耳を傾けて、税金のむだ遣い構造をなくすことが今回の構造改革の主眼である、税金を生きた形で使おうという改革は何としてでもなし遂げないと財政政策も金融政策も生きてこない、そういう視点でこの構造改革に断固として取り組んでいきたいと思います。
#297
○松あきら君 おじい様の不戦運動のときのように、不退転の決意でぜひ進んでいただきたいというふうに思います。
 さて、私は、この夏に民営化の先進国であるイギリスにその現状を見に行ってまいりました。いろいろ視察をしたんですけれども、その中で国立物理学研究所、NPLでございます、ここにも行ってまいりました。世界の計測の基準値を提供するところで、科学者が約五百人おります。しかし、民間の会社からは社長以下二名でございます。そして、民間委託された後、研究依頼が増加した、科学者の数が二五%ふえた、雇用は増加したんですけれども、当然のごとく政府の支出はないと。いろんな意味で民間経営は結果として大成功でありました。
 こういうところはいっぱいあるんですけれども、英国のサッチャー政権の民営化改革は全世界的に大きな影響がありまして、今では百カ国以上の国々がこの民営化を経済、金融の中心政策として据えているわけでございます。我が国でも、今やっと入った、緒についたと申しますか、最中でございますけれども。
 しかし、問題があります。特殊法人所轄官庁が情報開示に抵抗して、行革推進事務局が経営情報を出さないんです、入手できない、こういうことがあるので今遅々として進まないんじゃないかなんということが言われるんですね。
 そこで、私は今、行革断行評議会を初め、いろいろな私的諮問機関が存在をするわけでございますけれども、所轄官庁、民営化対象法人も第三者のアドバイザーを例えば入札制度で雇って、専門的な見地から民営化、廃止等の手法を実務的、具体的かつ情報公開する形で数値的に、定量的に分析をしまして、具体的な案を二、三作成させる必要がある。その案の中から、国民の代表たる国会でみんなで最適な案を選択すればいいんじゃありませんかと、私はそう思うんです。このようにして初めて合理的で公正で透明性のある特殊法人改革ができるのではないかというふうに思っております。総理大臣の御所見をお伺いいたします。
#298
○国務大臣(石原伸晃君) 松委員にお答えしたいと思います。
 特殊法人改革にかける内閣としての意気込みは総理大臣から御答弁がございました。今、委員御指摘のようなアドバイスは大変私も参考になる案だと思います。
 といいますのも、言ってみるならば特殊法人、自分の体を自分で切っているようなものですから、どうしても痛いから反対と。そういうとき、客観的な第三者がコンサルティングの業務として、こういうことをすればそこがよくなるということを、案を出し合って、それを互いにぶつけ合えばもっと客観的に世間から見ていいものが出てくるんじゃないかと。一つの重要な案だと考えております。
#299
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も民間の識者の意見をどんどん取り入れ、参考にしたいんです。国会議員の中には、民間の学識者の意見を聞くと、何の権利であいつが出てくるんだとかいろいろ言っている向きもあるようですが、むしろ国会議員よりも民間の識者の方がいい案を出してくる場合もあるもので、身分にとらわれず、いい意見はどんどん参考にしていきたいと思っております。
#300
○松あきら君 ただいまのことで扇国土交通大臣、いかがでございましょうか、御見解をお伺いしたいと思います。
#301
○国務大臣(扇千景君) 松先生がイギリスに行って、いろんな国営企業が民間に移管し、また民間独自の能力を発揮しているというのをごらんになって、私は大変いいことだと思いますし、我々はそういう意味ではこういうことの、構造改革の後進国だと思っています。
 そういう意味で、二十一世紀になって小泉内閣がきちんと私は国民に公約をして、我々は選挙後もということで、松先生も選挙を経られましたので、選挙で公約なすったことを三党連立の中で断行していくということの中で、どの部分を切り、むだを省くというのはどこなのかと。そして、ぬくぬくともうけて、それを黒字でいながら、親ガメは赤字で借金をしょっているけれども、子ガメ、孫ガメは黒字だと、そして累積がたまっていると、そういうことを国民はちゃんと見ているわけです。
 あなたが見てきた寮もその一つでございますので、私はそういうことで、二十一世紀の新たな日本の国のあり方ということで、特殊法人改革のみならず、大改革をしなければならないというその基本に立って作業を進めております。
#302
○松あきら君 私は何でも丸ごと民営化すればいいとは思っておりません。やはりやり方がいろいろある。前の委員会でも申し上げましたけれども、きょうは時間がないので余り詳しく言えませんけれども、しかし特殊法人というのは巨額の税金と財投で支えられているわけですね。だから、例えばもしここが破綻なんということになってしまったら、これは大変なことになるわけでございます。ですから私は、ここをきちんと改革しないと、まさに永田町、霞が関そして虎ノ門、いわゆるゴールデントライアングルと言われておりますけれども、これを切らなければ私は政治が変わらないというふうに思います。
 再度、総理、お願いいたします。
#303
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 友党であります公明党がそういう御提案をしていただくということは、自民党も公明党に負けずに頑張らなきゃいけないなと、小泉改革の特殊法人を応援してやろうという気分を盛り上げてくれるのじゃないかと思いまして、激励に感謝しつつ、断固としてこの改革に取り組んでいきたいと思います。
#304
○松あきら君 御決意を聞いて非常にうれしく感じました。よろしくお願いを申し上げます。
 先ほどペイオフの話が出ましたけれども、ペイオフ解禁が来年四月に控えております。私どもも金融システム改革を進める観点から基本的には予定どおり実施することが望ましいものと考えております。
 しかし、私はこれに関して最近少々気になることがあるんですね。ペイオフという意味は、そのまま訳すと、もちろん皆様御存じのように、支払いですとか、もうそういう感じになるんですけれども、これが外人の金融専門の弁護士も知らないと。ましてや日本人のお年寄りの方たちは本当に知らないんですね。都市銀行とおつき合いしている方々は別としまして、一般市民が深くかかわっている地元の信用金庫あるいは信用組合などの地域の金融機関には実は年金生活者の方々が退職金を一千万以上定期預金している割合が都市銀と比べて多いのが現状のようなんですね。そうしまして、もしこれ、意味がわからない、来年四月ペイオフ、あるいはまた、そんなことがあっちゃいけませんけれども、もしもこういった金融機関が破綻なんということになると大きな混乱が起こると思います。
 これに対しまして今後どのように対処をしてくださるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
#305
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことがあり得るので、それは困るということで、私どもPRについてかなり周到に取り組まなくちゃいけないということを年初以来申しておりまして、これは金融庁の予算だけではだめなんで、内閣の広報室というんでしょうか、そことも連携をとらせていただいてPRを今しておるわけです。私の感じでは余り遠いときにやってもだめなんで、だんだんそのPRの物量ともに増加させていくというようなことでPRに努めていきたいと、こういうように考えてやっているわけでございます。
 ただ、それをすればいいというようなものじゃないわけで、一番いいのは、預けているところが破綻をしたりして御迷惑をかけないことが最も大事なことでありまして、それについては、先ほど来申し上げているように、今事務年度の最大の目標としてペイオフに備えた検査というものをやり切りたいということで、今これにも取り組んでいるわけであります。
 また何かございましたらお答え申し上げます。
#306
○松あきら君 今そう言っていただいたので大丈夫かなと思いますけれども、しかし情報弱者の庶民に対しましてやはりこれはしっかりとPRも、わかりやすいPRもどうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、今国会は雇用対策国会と言われますほど今ずっとこの雇用の問題、審議出ておりますけれども、深刻な雇用状態にどう国が対応していくのか、今国の内外からも問われているわけでございます。今、我々は、小泉内閣の命運をかけるほどの重要な事態にあるというふうに思っております。今回の補正予算案でも、雇用対策として一般会計で五千五百億円の予算が計上、これもさっきから出ております。その中で、新たな緊急地域雇用創出特別交付金として三千五百億円が地方に交付をされます。
 私は、実は、いろんな御意見あるでしょうけれども、これは非常に中身はいいと思っております。私どものもちろんいろいろお願いしたことも入っておりますし、私は、こういうことをしていかなければいけないんだ、今実際困っていらっしゃる方がたくさんいるんだという思いなんですけれども、しかし果たしてどんな分野に具体的に地方で雇用創出が見込まれるのか、特に失業なさっている四十代後半以上の方々にはどんな雇用の可能性があるのか、国民は知りたがっているのです。
 坂口大臣は、ハンセン病控訴断念で大変に御尽力をされて、今こういう状況の中で、大臣ならやってくれるだろうと皆さんが期待しているわけでございます。ぜひ、国民がなるほどと思う具体的な雇用対策、その期待される効果などを御説明いただきたいと思います。
#307
○国務大臣(坂口力君) なかなか名案があるわけではございませんけれども、この特別交付金というのは、それぞれの地域で何が一番いいかということを考えてもらうというのが一番でございます。いろいろこちらの方で、森林どうか、あるいは環境にどうか、学校にどうかというようないろいろの提案をいたしておりますけれども、これは事例でございまして、こういうこともありますよということであって、それぞれの地域で何が一番その地域に適しているかということを考えていただくところにこの三千五百億の一番の意義があるところだというふうに思っています。
 先ほどからも御議論がありますように、これは一時的つなぎではありますけれども、このつなぎが本当の雇用に結びついていくようなつなぎであったら一番それはいいわけでありまして、したがって、そういう雇用をそれぞれの地域でお考えいただくというふうにぜひともお願いをしたい、これからそういうお願いをするわけでございますが、地域にそういうことをお願いしたいというふうに思っています。
 今まで、何と申しますか、いわゆる完全失業者でない人たちがたくさん入ったりというようなこともありましたから、これは失業者は少なくとも四分の三以上必要ですよ、あるいは人件費に対しましては八割以上は使わなければいけませんよと、こういったこともその中に入れていきたいと。そうしたことをぜひ皆さんにお願いしながら、そしてその結論につきましては、こういうことに使ったということを発表していただく、後で。そうしていただかないと明確になりませんので、そうしたことをお願いしているわけでございます。そうしたことで、今回これを使っていただくということにしました。
 ですから、初めに申しましたように、地域で知恵を絞ってもらうのがこの案であると。厚生労働省がこれどうぞというのではない、それぞれの地域で知恵を絞ってもらういい案である、こういうことでございます。
#308
○松あきら君 まさに地方自治体が継続していける雇用というものを考えていただきたいと私も願うところでございます。
 ところで、坂口大臣は解雇のルールの明確化を打ち出されております。これには労働界から反対の、反発の意見もあるようでございますけれども、この不況下に、私は、大臣がまさか解雇をしやすくするためのルールづくりなど毛頭考えておいでにならない、これは誤解されているというふうに思います。ぜひ、大臣の真意のほどをわかりやすく御説明いただきたいと思います。
#309
○国務大臣(坂口力君) この解雇ルールにつきましては、労使双方からいろいろの御意見をいただいております。いわゆる企業側の皆さん方からは、これができたら解雇がしにくくなるんじゃないかというふうな声が聞こえてまいります。労働者の皆さん方からは、労働組合の皆さん方からは、これをしたら解雇しやすくなるんじゃないかという御意見がある。
 双方から反対の声が実は出ているわけでございますが、今までと違いまして随分雇用状況も変わってまいりました。形態が多様化をしてまいりました。今までのように終身雇用だけではなくて、アルバイトもありますしパートもありますし、それから派遣業も出てまいりましたり、いろいろのことが出てまいりましたから、それぞれの労働者が、どういうルールのもとに自分は働いて、将来どうなるのかという、安心をして働いていただきますためには、やはりそのルールを明確にしておかなければならないというふうに思っております。
 高等裁判所の結果が出ました。それを今いろいろ参考にさせていただいたりいたしておりますけれども、裁判事例というのは、それは何か特別なことに対する裁判の結果でありますから、全体に当てはまるようにするためにはどうしたらいいかと、今、労使も入っていただきましていろいろと議論をしていただいているところでございます。その議論を十分に踏まえて、そして結論を得ることができればというふうに思っている次第でございます。
#310
○松あきら君 ありがとうございました。
 私ども公明党は、芸術文化基本法をつくりまして、我が国を文化立国へと目指したく鋭意検討を重ねてまいりました。このたび、与党そして民主党とともに芸術文化振興基本法、いよいよ提出の運びとなったわけでございます。本当にこれは念願でございまして、非常にうれしい気持ちでいっぱいでございます。
 文化は人間復興のかぎでもございます。世界が文化を通じて和を築く時代が到来していると思います。総理に御報告とともに芸術文化振興の御支援と、そして芸術団体の寄附金控除の実現を財務大臣にお願いしまして、最後の質問とさせていただきます。
#311
○国務大臣(塩川正十郎君) まだ具体的に提出されておりませんので、提出されました段階においてよく慎重に審査して実現に努力いたしたいと思っております。
#312
○松あきら君 総理、一言。
#313
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 芸術文化振興にどういうことが必要かと今、財務大臣と相談しておりますので、何とか芸術文化を振興し、多くの国民がいい芸術文化に触れる機会をふやしていきたいと思っております。
#314
○松あきら君 ありがとうございました。
#315
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。渡辺孝男君。
#316
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。関連で質問をさせていただきます。
 最初に、障害者雇用と今後の障害者対策について質問をさせていただきます。
 雇用の悪化が進んでおりますけれども、障害者、近年では、挑戦する者という意味を強調しましてチャレンジドと、そのように呼ばれておりますけれども、この障害者雇用の現状について、坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。
#317
○国務大臣(坂口力君) 雇用全体が非常に悪化しているときでございますが、御指摘をいただきますように、障害者の雇用というのはその中でも非常に厳しくなってきておることは事実でございます。本年度に入りましてから、九月末までの障害者の雇用届け出数は千五百二十九人でございまして、前年同月比で三三・九%増になっておりますから、半年でございますけれども、非常に障害者の、これは解雇届け出者数ですね、解雇届け出者数、済みません。これは非常に多くなってきていることは事実でございます。本年後半に入りましてからも障害者の就職率が落ちてきております。
 こういう状況がございますので、一つは、障害者雇用率達成指導を今までからやっておりますけれども、これを厳正にやってもらうということを今もう一度皆さんにお願いをしているところでございます。
 それから、障害者の求人開拓推進員というのがあります。この推進員の皆さんに新規求人の開拓でありますとか、あるいは障害者向けの就職面接会の開催でありますとか、こうしたことを極力やってもらうようにいたしております。
   〔委員長退席、理事松谷蒼一郎君着席〕
 それからもう一つは、障害者のいわゆるトライアル雇用というものにつきまして、障害者の就職の促進に、これを努めるためにトライアル雇用をやっていただくということを今推進をしているところでございます。
 大体、そうしたことが今一生懸命に進めていることでございます。
#318
○渡辺孝男君 今回の補正予算で障害者雇用の推進に関係しているものについて、坂口厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
#319
○国務大臣(坂口力君) 現在、障害者のいる職場に職場適応援助者、いわゆるジョブコーチというのを派遣をいたしまして職場定着の支援を行うパイロット事業を全国で十カ所ほど実施をいたしておりますが、今回の補正予算でこれを倍増させるということで予算をつけてもらっているところでございます。
 こういう、やはりどの職場に適応するかということをよく御相談に乗って、そして、これなら、あなただったらここがいいではないかという、そういう推薦をする、そして、それに見合うような職場を探してもらうといったようなことをする人がいなければなかなか進まないというふうに思いますので、そうした活動をこれから広めていきたいと思っております。
#320
○渡辺孝男君 このジョブコーチ制度でございますけれども、これは障害者の方々から大変に求められているものでありまして、高次脳機能障害という新しいそういう障害者の方々からも、これを推進してほしいということを我々も聞いておるわけであります。
 このジョブコーチ制度は米国で普及しているわけでありますが、このような障害者の雇用を含めて障害者対策が米国で進んできたのは、アメリカンズ・ウイズ・ディスアビリティーズ・アクト、略してADA法と言われておりますけれども、日本語訳ですと障害を持つアメリカ国民法ということになりますけれども、この法律の制定が大変に重要な役割を果たしたと、そのように考えているわけであります。
 このような点を公明党は重視しまして、本年六月六日に日本版ADA法を制定すべきだと、そのような提言をさせていただいているわけでありますけれども、それに関しまして、今後の障害者対策について再度質問をさせていただきます。
 今度、平成十五年からは新しい障害者に関する長期計画や障害者プランというものをつくることになるわけでありますけれども、この検討状況と今後のスケジュールについてまず福田官房長官に伺い、そしてまた小泉総理には、この日本版ADA法、この制定を視野に入れた検討を進めていただきたい、この点についてお伺いをしたいと思います。
#321
○国務大臣(福田康夫君) ただいま実施しております障害者対策に関する新長期計画、これは十四年度で終わります。したがいまして、その後新しい障害者基本計画をつくらなければいけない、こういうことになりますけれども、この新しい計画につきましては、今までの実績を踏まえてこれを評価してやろうと、こういうふうな考え方です。
 障害のある方とか学識経験者など関係者の意見も十分お聞きした上で、障害者のニーズに的確にこたえられるような、そういうような基本計画をつくりたいと、こんなふうに今考えているところでございます。
#322
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 完全参加と平等というノーマライゼーションの精神をいかに生かしていくかということで進めている計画であると思いますので、厚生労働省を初め各省連携しながら、この完全参加と平等の社会へ一歩一歩進んでいきたいと思っております。
#323
○渡辺孝男君 障害者の方々も、チャレンジドということで先ほど述べましたけれども、自立、そして完全な社会参加ということで頑張っておられますので、十分な支援を行っていただきたいと、そのように思います。
 関連しまして、欠格条項の見直しの進捗状況と今後の対応について、福田官房長官にお伺いしたいと思います。
#324
○国務大臣(福田康夫君) 欠格条項につきまして、平成十一年八月に、障害者に係る欠格条項の見直しに関する方針を決定いたしました。六十三制度につきまして検討いたしてまいりまして、これまでに四十三制度について見直しが終了いたしました。
 この中には、医師、薬剤師、理学療法士免許など大事なものがございますけれども、今後、二十制度残っております。この分につきまして今現在見直し作業が行われているところでございまして、これはもうなるべく早く終了しなければいけないと思っているところです。
#325
○渡辺孝男君 欠格条項の見直しは、やはり障害者の社会参加に大変重要でありますので、これはしっかりやっていただきたいと思います。
   〔理事松谷蒼一郎君退席、委員長着席〕
 関連しまして、てんかん患者の運転免許取得に関する欠格条項はさきの通常国会で見直しがされましたけれども、免許適性基準に関してはいまだ決定されておらないわけです。この検討状況について、村井国務大臣にお伺いいたします。
#326
○国務大臣(村井仁君) ことしの六月の道交法の改正に伴いまして、今御指摘のように、渡辺委員かねて御関心をお持ちのてんかん患者の運転免許の問題でございますが、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがない場合には運転免許の取得が可能ということになったわけでございますけれども、この改正法を受けまして、警察庁におきまして、日本てんかん学会、それから日本てんかん協会等から御意見を伺いながら、政令で定めることになっております運転免許の取得基準等につきまして検討しているところでございますが、本年九月に、検討中の素案といたしまして、てんかんにかかっている方であっても、第一は、てんかんの発作が睡眠時のみに起こる方の場合、それから第二に、てんかんの発作が二年間起こったことがなく今後も起こるおそれがないと認められる場合、こういった場合については運転免許を取得することができるという考え方をいわゆるパブリックコメントに付しまして、公表して意見募集したところでございます。
 この結果を現在取りまとめまして、今後、年内には試案を公表しまして、改めて御意見を伺いたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、法律制定時に附帯決議がございましたように、交通の安全と障害者の皆さん方の社会参加が両立する、そういう形でこの問題については対応してまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしく御指導をお願いいたします。
#327
○渡辺孝男君 てんかんの患者さんもお薬でコントロールされている方が多いわけでありまして、これは一生懸命進めていただきたいと、そのように思います。
 次に、医療改革に関連して質問をさせていただきます。
 厚生労働省の医療制度改革案には、二十一世紀の国民の健康づくりに役立つ健康増進法、仮称でございますけれども、この制定が盛り込まれているわけであります。この法案の目的、内容、提出時期について、坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。
#328
○国務大臣(坂口力君) 現在まだ取りまとめ中でございますので、中身がまだ固まったわけではございません。
 しかし、健康の問題を考えましたときに、最近は非常に慢性的な病気、いわゆる生活習慣病と言われるものが中心になってきたわけであります。とりわけ高齢者が増加をいたしまして、高齢者の慢性的なものといえば生活習慣病ということになってまいりました。これは食生活あるいは運動、休養あるいはたばこですとかアルコールですとか、そうしたことにかかわって、日常生活にかかわってくるわけでございますから、ここをどうしても、それぞれの人が治していくかどうか、どうここを手助けをするかということがこれからの医療費を削減しますために最も大事な問題になってくるというふうに思います。これはもうお医者さんであります渡辺委員は一番よく御存じのことだというふうに思いますが、それをどういうふうに何を支援し、何を最も皆さん方に求めたらいいのかということを今鋭意煮詰めをやっている最中でございます。
 ぜひひとつ御支援をいただきまして、そして皆さん方に納得のしていただけるような案をつくりたいと思っているところでございます。
#329
○渡辺孝男君 健康づくり、非常に大事なわけでありますけれども、国の制度としまして運動型健康増進施設、それから温泉利用型健康増進施設の認定があります。また、この施設を利用する場合に医療費の控除というものもあります。
 しかし、これが非常に使いづらい、利用者が少ないということでありまして、これを制度改正してもっと多くの方々に利用していただきたいと思いますが、この件に関しまして、坂口厚生労働大臣にお伺いをいたします。
#330
○国務大臣(坂口力君) いわゆる運動型健康増進施設と言われますもの、あるいは温泉利用型健康増進施設といったものがございますが、この利用状況でございますけれども、本年十月末現在で、運動型健康増進施設は二百七十九施設、温泉利用型につきましては二十七施設ございまして、この中で、これらの施設によりましていわゆる医療費控除の利用状況を調べましたところ、平成十二年で運動療法では四千二百九十名、それから温泉療法では九十三名が利用されているということでございまして、もう少し周知徹底をやはりしなければならないというふうに思っています。
 特に、認定施設が少ない温泉利用型の健康増進施設につきましては、健康増進に関する、温泉利用に関する科学的所見等を整理しまして皆さん方にお示しする必要があるのではないかと思っております。
#331
○渡辺孝男君 今後の診療報酬改定に関して質問します。
 坂口厚生労働大臣は、薬剤や検査に偏重することなく、疾病予防の観点の生活指導あるいは医師と患者との間での対話、相談を積極的に評価するという考えを持っておられるということでありますが、この点についてお伺いをいたします。
#332
○国務大臣(坂口力君) 医療制度改革につきましてはいろいろ大事な問題があるというふうに思っておりますが、その中で非常に大事な問題の一つは、診療報酬の基本的な考え方であるというふうに思っております。
 診療報酬の基本的な中でやはり医療従事者と患者の間の、あるいは国民の間の対話、あるいはまたいろいろの指導、そうしたことができ得る人間と人間との触れ合いの場、時間、そうしたものをもう少しやはり大事にしていかないといけないというふうに思っています。ここが比較的、そこよりもやはり薬をどれだけ使いますとか、あるいはどれどれの大きな器械、器具を使うとかといったようなことにどうしても重点が移りがちになっておりますので、どういたしましてもその一番中心でありますところが、私は、なおざりといいますとおしかりを受けると思いますけれども、どうしてもそこが少なくなりがちになるのではないかという気がいたします。
 したがいまして、そうした疾病に対しましても、この病気に対してはこういうことをやはりもっとここをあなたは気をつけてくださいよという、個々のそうした指導が十分にできるような体制というのが大事、そこを重視しなければならないと思っている次第でございます。
#333
○渡辺孝男君 今、医療制度改革の検討が進められておりますけれども、先ほどからありますように、景気が非常に低迷している、個人消費も低迷しているという中で、個人負担増が前面に出ているわけでありますけれども、非常に心配だ、景気の足を引っ張るんじゃないかと思いますけれども、この点に関して竹中経済財政政策担当大臣に御意見をお伺いしたい。
 そしてまた、小泉総理には、この医療制度改革、今後どのように進めていくのか、総合的にお話をお伺いしたいと思います。
#334
○国務大臣(竹中平蔵君) 今まだ議論の最中のものでありますけれども、確かに患者負担を増加させる場合には、それが結果的に可処分所得を、失礼、患者に対する負担になって、消費に対する、というのは理論的には考えられることであります。しかし、逆にじゃそれを置いておいたらどうなるかといいますと、将来の制度に不安ができて、将来の制度の不安から、それが原因で消費がさらに落ち込むということも実はあり得るわけで、やはり重要なのは持続可能な制度をつくっていくと、それに尽きるのではないかと思います。
 だれも負担はしたくありませんけれども、今の状況から考えると何か負担をしなきゃいけない。その場合、税の負担なのか、保険の負担なのか、患者の自己負担なのかということをあえて三つ単純に並べるともしすれば、患者の直接の負担の方がまだ自分でコントロールできる部分、より実は影響は軽いのかもしれない。
 そういうことも念頭に置きながら、しかし、目的は負担をふやすことではなくて持続可能な制度をつくるということでありますから、制度全体のやはり前向きの改革は必要だと思います。
#335
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 医療制度改革は、医療提供体制の改革あるいは診療報酬体系の改革、医療保険制度の改革等、各般にわたっております。
 その中で患者負担の問題につきましては、国保は三割負担、健保は二割負担、その中で高齢者は一割にするかどうかという問題でいつももめておりますけれども、総合的に議論しているんですが、新聞は常に患者負担ばかり大きく取り上げるんですよ。そうじゃないんです。患者負担だと国民負担と思っていますけれども、患者負担なくても税金負担すれば国民負担なんですよ。その辺を私は新聞記者諸君にもよく言っているんですけれども、一面的に取り上げないでくれと。患者負担だけ国民負担。患者負担、じゃ、引き上げなかったら国民負担ないのかといったら、とんでもない、どこかで税金で負担する。あるいは、保険制度を持続できるのか、総合的に見ていただかなきゃならない。
 ですから、私は今回、高齢者はどんどんふえていく、負担する、健康な人が、病院に行かない人でも保険料が上がる、こういう点も考えなきゃいけないということから、総合的に考えようということで三方一両損。患者さん側にも負担をある程度していただかなきゃならない。医師会の皆さんにも今までどおり診療報酬上げればいいという状況じゃないでしょうと、下げることも考えてもらわなきゃいけない。支払い側もそうです。そういう意味で、三方一両損というのは全体的に国民が一番得すると。一両損だけれども、結果的に言えば、世界にすぐれている今の医療保険制度を持続的に、病気になったときにできるだけ患者さんの負担は軽くしながら水準の高い医療を受けることができる、これが一番国民にプラスになるんだと。三方一両損というのは、考えてみれば国民が一番プラスになる改革を考えているんだということで取り組みたいと思っております。
#336
○渡辺孝男君 中長期的に三方一両の得となるような制度改革をしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、狂牛病、狂牛病というと名前がちょっと悪いんですけれども、牛海綿状脳症、これが正式な名前ですけれども、これについてお伺いをいたします。
 厚生労働省では全頭スクリーニング検査を行っているわけでありますが、この結果についてお伺いをいたします。少し質問を飛ばしましたので、申しわけありません。
#337
○国務大臣(坂口力君) 十月十八日から全国一斉にこの牛海綿状脳症に対します検査をスタートいたしました。これは、屠畜場におきまして屠畜されます牛全頭に対しましての検査でございまして、十三日現在で六万三千二百八頭、これだけの検査をいたしておりますが、全部陰性でございました。
 こういうふうに、一日当たり今までの平均でありますと四千二百件になりまして、昨年のこれで大体八割から九割程度まで回復をしてまいりました。大分、半分ぐらいに落ち込んでいたわけでございますけれども、八、九割のところまで回復してまいったところでございます。
 ぜひともこれからこの検査を継続し、そして少しでも何か危ういところがありましたらさらに詳しい本検査をいたしまして、そして国民の皆さん方に御安心をいただけるような体制がこれででき上がったというふうに思っておりますが、今後これをまた継続をしたいというふうに思っております。
 私もあちこちでお肉をいただいておりますけれども、もうもはや何ら問題はございませんので、どうぞできるだけひとつお上がりをいただきたいと思う次第でございます。
#338
○渡辺孝男君 農林水産省としても肉牛あるいは乳牛の方の全頭調査をしておりますけれども、この結果についてお伺いをしたいと思います。
#339
○副大臣(遠藤武彦君) まず、我が国が世界で十九番目、アジアで最初のBSE発症国になり、かつまた、消費経済にもかなりの影響を与えていることを深刻かつ重大に受けとめております。そのためにも、感染源の追求、感染経路の解明と同時に、監視・検査体制を徹底強化するということが大事でありまして、一たん揺らいだ食の信頼を取り戻すべく全力を傾注しているところでございます。
 発生が報告された二日後の九月十二日から九月三十日までの十九日間の間、全国百八十三カ所の家畜保健衛生所の家畜防疫員二千六十六名を動員いたしまして、十四万戸の農家、四百六十万頭全頭を検査いたしました。その結果、異常な牛は認められないという報告でございました。
 なお、ただいま厚生労働大臣からお話しありましたように、十月十八日からは厚生労働省が屠畜場における全頭検査をおやりになっております。
 それに合わせまして、私ども農水省としましては、農場段階において中枢神経症状を呈する牛、それから生前に異常を示して死亡した牛、これらすべて家畜防疫員、つまり獣医師でございますが、報告をさせることにしております。そして、新たに策定したマニュアルでもってBSE検査を行い、その検査の結果にかかわらず、いかんにかかわらずすべて焼却処分することにしております。
 今後とも、なお厚生労働省と監視安全体制の強化を図りながら、緊密に連携を図りながらやってまいりたいと思いますし、委員はお医者様でいらっしゃいますからよく御存じだと思いますが、もともと肉は心配なかったわけですから、どうかひとつ風評に惑わされないでお肉を食していただきたいなという願いを込めております。
#340
○渡辺孝男君 既に日本の狂牛病検査体制はEUを超えたというふうに言われておりますけれども、この点に関して坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。
#341
○委員長(真鍋賢二君) 時間が参りました。
#342
○国務大臣(坂口力君) 日本におきますこの検査は、世界のどこよりも日本が完全にやっているというふうに自覚をいたしております。
#343
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松あきら君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#344
○委員長(真鍋賢二君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
#345
○小池晃君 冒頭、薬害ヤコブ病の問題についてお聞きをしたいと思います。
 つい先ほど、薬害ヤコブ病訴訟に関して、国と企業の責任を認めて早期に被害者を全面救済すべきと、こういう東京地裁の所見が出されました。大津地裁でも同様の所見が出ました。この所見を直ちに受け入れて、被害者の早期全面救済を図るべきではないでしょうか。
#346
○国務大臣(坂口力君) ヤコブ病に関します和解勧告につきまして、本日その内容を御提示をいただくということを聞いておりましたが、私、まだその内容を拝見をいたしておりません。
 ただし、裁判所の方が早く決着をすべきであるという、そういう御意思をお示しになったということを十分に私たち、尊重をしなければならないというふうに思っております。この御提示を十分に尊重して、結論を出したいと思っております。
#347
○小池晃君 総理、この裁判で一番初めに裁判を提起された滋賀県の谷たか子さん、ことし一月に亡くなった。この方が、硬膜を使った手術を受けたのは八九年の一月なんです。総理が厚生大臣のときなんです。汚染された乾燥硬膜が使われ続けたその責任は私、重大だと思うんです。
 ぜひ総理、これ原告の皆さんにお会いになって、いかに苦しんでこられたか、私、直接お話聞いていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#348
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この病状の問題、いろいろ私も厚生大臣だったとき、よく伺っています。厚生労働大臣ともよく相談の上に検討してみたいと思っております。
#349
○小池晃君 一日も早い救済が求められております。被害者全員の救済を求めて、次の質問に移りたいというふうに思います。
 アフガニスタンへの空爆の問題です。
 まず、総理にお聞きをしますが、あなたは、アメリカは市民への巻き添えを、空爆の巻き添えですね、これを防ぐようにアメリカは努めているんだと国会で答弁されていますけれども、一体何を根拠にそういうふうに言われるんでしょうか。総理。
#350
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけ無辜の市民を巻き添えにしないように細心の注意を払っているということは再三アメリカ政府も明言しております。
#351
○小池晃君 アメリカがそう言っているというだけじゃないですか。実際、どうですか。赤十字の倉庫だって爆撃しているんです。砂嵐の中ではGPSとかレーザーの誘導というのは極めて不正確だと。そんなこと百も承知でアメリカは爆撃をやっているんですよ、危険な爆撃を。
 私はパキスタンに行って、一体どんなひどいことになっているのかこの目で見てまいりました。日本共産党のパキスタン調査団の一員として行ってきました。私は医者でもあります。実際、空爆の負傷者十八名の傷を調べて、レントゲンも見せてもらいました。足を吹き飛ばされた人、手を砕かれた人、本当にめったに見ないようなひどい傷ばかりでした。これは、南部の都市クエッタにあるアフガン難民病院に入院していた負傷者の一人、サミード・ウラちゃん、一歳の男の子であります。(資料を示す)
 これ元気そうに見えますけれども、レントゲンを見たらば脳の中に爆弾の破片が突き刺さっているんです。私たち行ったとき、二日前に手術をしたばかりだと。この子の傍らにはお母さんが横たわっていて、その方はもう爆弾の破片を全身に受けているんですね。重体であります。クラスター爆弾の被害者だと。皆タリバンと何の関係もない人たちです。この一族は、一回の爆撃で二十六人が亡くなった。五名が負傷して入院しているわけです。
 総理は、あなたはニューヨークでは五千人以上が亡くなったんだと、だからあらゆる手段を尽くすことが必要だとおっしゃる。もちろんテロは絶対に許せない。テロリストは憎んで余りあるわけであります。しかし、だからといってこういう何の罪もない人たちが傷つけられ命を奪われていいのかと。
 アフガンの女性のNGO、原理主義にもテロにも戦争にも反対だと、こういうNGOの方は、空爆を本当にやめてほしいんだと切々と訴えておられました。この声を無視していいんだろうか、そのことを当総理にお尋ねしたい。
#352
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まことに痛ましい写真であり、戦争というものはむごいものだということはわかっておりますが、それではこのテロに対してほっておいてテロがなくなるのかと。そうでもないんですね。そこが難しいところなんですよ。だから、一日も早くテロリスト、またテロリズムをなくすために国際社会が戦っている。こういうのは毅然として立ち向かわなきゃならない。そういう中で、できるだけ無辜の市民を犠牲にしないような配慮は当然なされるべきだと思っております。
#353
○小池晃君 しかし、四週間爆撃やったんですよ。テロリスト、全く無傷じゃないですか。そして、実際には無辜の人たちが次々に命を奪われているんです。ビンラディンなんて無傷じゃないですか。そして、爆弾をアメリカが一つ落とす、二つ落とす、落とせば落とすほど逆にパキスタンやアフガニスタンの中にはテロリストの応援団になる人が生まれてきている、こういう実態があるわけですよ。だから、テロを根絶しなければいけない、それはまことにそのとおりだと。しかし、そのために今の空爆というのはまさに逆行なんじゃないかと、私はそれを申し上げているんです。
 実際に使われているクラスター爆弾であります。これは、地表近くで炸裂して小型爆弾とか地雷が飛び散るんだと。爆弾の場合も一〇%から一五%は不発弾として残る。住民がそれに触れれば地雷と同じことになるわけであります。
 私は、このクラスター爆弾で被害者も傷ついた、こういう中で、世界でクラスター爆弾の使用をやめるべきだという声が広がっていること、このこと総理は御存じでしょうか。
#354
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) クラスター爆弾の破壊的威力というものは伺っております。しかし、テロリストが無傷だから何にもならないと言いますけれども、テロリストが無傷でも、じゃ、テロリスト以外の無辜の市民、全世界で今まで何人殺されているんですか。そういう視点というものをどう考えるのか、共産党は。じゃ、空爆しないでテロリストを無傷にほっておいて、空爆しないでテロがなくなるんですか。あえて私はお聞きしたいね。
 今まで共産党は、裁判に訴えろ、裁判に訴えろ、タリバン出てこい、出てこい、国連でもっと有効に活用するように協力しろと。ところが、ウサマ・ビンラーディン自身、国連に反対しろと言っているじゃないですか。国連なんかへとも思っていないじゃないですか。こういうことをどう思うんですか。
#355
○小池晃君 共産党、共産党とおっしゃるけれども、この問題は答えが出ているんです。共産党だけが言っているんじゃないんです。
 例えば、あなたが参加したAPECの首脳会議、あるいはASEANの首脳会合、何と言っていますか。爆撃しろって言っていますか。そんなこと一言も言っていないんですよ。あそこで言っているのは、国連が主要な役割を果たすべきだ、国際法と国連憲章に基づく解決をと、これが共産党だけじゃない世界全体の共通の意思なんですよ。あなたもそれにサインしている。それこそ解決の道なんです。
 ところが、今やっていることは、逆に無辜の市民を殺すようなクラスター爆弾をまいている。どうですか。クラスター爆弾の使用をやめるべきだと、私の質問に答えていただきたい。それをやめるべきだという声が世界に広がっていることを御存じですかと聞いているんです。答えてください。
#356
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、アメリカの軍事作戦について日本は参加しませんから。しかし、APECでもアメリカを初め国際社会がテロに向かって毅然として立ち向かうということは全部支持していますよ。しかし、軍事攻撃に対してのニュアンスは若干国によって違います。(「質問に答えてよ」と呼ぶ者あり)
#357
○委員長(真鍋賢二君) 質問の時点で尋ねてください。
#358
○小池晃君 テロに対して対決するなんというのは、私は当然ですよ。それはもう全世界の人たちが言っているんです。問題はそのやり方なんですよ。そのやり方のことを私は問うている。だから、ちゃんと答えていただきたい。クラスター爆弾を使用をやめるべきだと、この声が世界に広がっているじゃないですか。どうですか。
#359
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは時と場合によりますよ。無辜の市民を傷つけないようにどういう軍事戦略をとるか。それは、アメリカがこれは今細心の注意を払って考えているんですから。私は今回のアメリカの行動を支持している、APEC諸国も支持している、しかし、軍事攻撃によって、若干国によって違いがあるということを言っているんです。これが答弁です。
#360
○小池晃君 何が注意して使っているですか。これで大変な被害が出ているからこそ国際赤十字も反対している。アムネスティーも、イギリスのダイアナ記念基金も、地雷禁止国際キャンペーンもクラスター爆弾の使用中止を求めているんです。
 非人道的兵器といえば地雷があります。外務省にお伺いをしたいんですけれども、対人地雷については日本政府はどういう態度をとってきましたでしょうか。
#361
○政府参考人(宮本雄二君) 対人地雷につきましては、従来から、特に人道上の観点から全面禁止を提唱してきておりまして、御案内のとおり、一九九八年に対人地雷禁止条約、オタワ条約を批准いたしました。同時に、対人地雷の禁止を国際社会の原則ということで確立するためには、一国でも多く参加されることが重要であると、普遍化が重要であると考えております。
 したがって、多くの国が対人地雷の禁止に対する共通の認識を持った上でこの条約に参加することが可能にできる、こういう配慮も必要かというふうに思っております。
#362
○小池晃君 スピーチの中身を。
#363
○政府参考人(宮本雄二君) 委員御指摘の黒河内外務省参与によります、先般開かれましたオタワ条約第三回締約国会議におきます演説でございますが、この演説の中で黒河内代表は、以上のような基本的考え方に立ちまして、我が国は人道的な観点から対人地雷を禁止すべきであるという国際社会の強い願いを重視し、率先してこの条約を締結し、さらに条約を批准していない各国政府に対して条約への参加を働きかけた旨紹介いたしております。
 さらに、締約国をふやすという観点から、余り条約を厳しいものにする場合、これから締約国になろうとする国がかえってちゅうちょすることになることを懸念する、この旨もあわせて申し上げております。
 さらに、黒河内代表は、最後でございますが、我が国としては国際社会の悲願とも言うべき対人地雷問題の解決に向けて一致団結して頑張っていきたいということをおっしゃっております。
#364
○小池晃君 非常に積極的な提案をしているわけですよ。こういう国際公約から見て、総理、少なくとも私、直ちに空爆中止すべきだと思うけれども、せめてこういう非人道的兵器は使うべきでない、クラスター爆弾中止、やめよと、これ言えないんですか、どうですか。
#365
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、アメリカが無辜の市民を犠牲にしないように細心の注意を払って使っているということでありますし、我々は、このテロの、反テロリズムに対して国連が、国際社会が一致して協力するということに従って日本としては行動したいと思う。
#366
○小池晃君 私は、そのクラスター爆弾によって無辜の市民が殺されているという事実を言っているんです。だからこそ、これをやめるべきだ、そのことすらも言えないのか、憲法九条を持っているこの日本の総理大臣がこんなことすら言えないのかと、全く情けない話だというふうに私は思います。爆撃をとにかく早く中止してほしいと国連のアナン事務総長も言っております。直ちに空爆中止することを求めて、次の医療制度の問題に質問を移りたい。
 今回、厚労省と財務省それぞれが医療制度の改革案を発表しておりますけれども、その結果、各年齢ごとの負担がどのようになるのか、示していただきたい。
#367
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省試案として示しましたものは、三歳未満の乳幼児は二割負担、三歳以上七十歳未満の被用者保険及び国民健康保険の被保険者は三割負担、そして七十歳以上七十五歳未満の方は二割負担、そして七十五歳以上の老人医療の対象者は一割負担、こういうことを示しているわけであります。
#368
○国務大臣(塩川正十郎君) 財務省の案といたしましては、これはまだ厚生省の方とすり合わせしておるところでございますけれども、原則論を言いますと、高齢者のところで、七十五歳以上のところでございますが、原則は一割負担としておりますが、特に高所得者に対しましては二割負担と、こういうぐあいになっております。
 それじゃ、七十四歳以下は全額どうするかということでございますけれども、全部、七割の給付にいたしまして、三割負担となっておりますが、しかし外来関係は別でございまして、一回入院一日五百円までという免責制をとっておる、こういう制度でございまして、なお、この激変緩和の措置といたしまして、七十歳から七十四歳までの間についてまだ現在検討中であります。
#369
○小池晃君 いずれの案も大変な負担増であります。高齢者はことし四月から年金の支給減、それに加えて十月からは介護保険料が倍加しました。しかも、医療費は一月から一割負担に上がったばかりだというのにまた引き上げかと。それから、現役世代は、国保の自営業者だけではなくてサラリーマンまで含めてすべて三割であります。
 きょうはこの現役世代三割の負担の問題に絞ってお聞きをしたいんですが、坂口大臣、あなたが所属している公明党は、ことしの参議院選挙に当たって、開業医の団体である全国保険医団体連合会のアンケートで、健保本人の三割負担には反対とはっきり答えておられます。そのことを御存じでしょうか。
#370
○国務大臣(坂口力君) 党は党であります。厚生労働大臣は厚生労働大臣としての立場があります。
#371
○小池晃君 そんな無責任な話ありますか。坂口さん、あなた、公明党から大臣になっているんでしょう。政党の言うことと大臣になったら言うことが違う。こんな無責任な話あるか。七月には三割負担反対だと言っておきながら、四カ月しかたっていないのに三割負担だと。こんな無責任な話ないと思います。もう一度答えていただきたい。
#372
○国務大臣(坂口力君) 党は現在も党としての意見を持っております。しかし私は、厚生労働大臣は厚生労働大臣としての案をつくらなければならないわけでありますから、そして現在出ておりますものは一つの試案であって、そしてこれから与党内でいろいろの御意見をいただいて、最終的にこの案というのはことしの十一月の末か十二月の初めになりますけれども、そのころに本当の案をつくるということでありますから、これからでございます。
#373
○小池晃君 もう余りにも無責任で話になりませんよ。これじゃ選挙で国民は政党を選びようがないです。
 サラリーマン本人の負担を三割に引き上げる、一体どういう負担増になるのか。これは富山県の保険医協会の調査であります。軒並み負担増になっていくと。(図表掲示)
 総理、これはあなたが厚生大臣のときやっぱり二割負担に引き上げた。それで消費税の増税とあわせて景気がぐんと冷え込んだという経過がありました。それから四年たつ。可処分所得は減っている、さらにこのような負担増、これはまさに景気を冷え込ませるのではないかというふうに考えませんか。どうですか。
#374
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、患者負担だけのことを取り上げて言えばそういう議論になるかもしれませんが、医療保険財政をどうやって持続的に維持していくか、あるいはこれからの税負担というものはどうあるべきか。
 じゃ、患者負担を引き上げない場合に、共産党は恐らく税金で負担しろと言うんでしょう。税金だって国民負担ですよ。現在七兆円ですよ、医療費だけの税の負担が。その場合、共産党は国庫負担しろ国庫負担しろ、公費負担しろ公費負担しろと言うけれども、わかりやすく言えば税金で負担しなさいということじゃないですか。これも国民負担なんですよ。
 経済全体のこと、財政状況のこと、今の医療保険制度のことを考える、さらに高齢者はどんどんふえてくる、保険料を負担する若い人が減ってくる、病気にならない人も毎月毎月保険料を負担しなきゃならない、そういう全体のことを考えていかに医療保険制度を維持発展させていくか。病気になったときには軽い負担でいい医療を受けられるかということを考えているのであって、今三割負担、二割負担と言っても、百万円の負担、これを三割負担だから三十万円負担しろと言っているんじゃないですよ。上限がありますから、六万何がしかの、たとえ二割でも。百万だったら、二割だったら二十万ですけれども、それは六万円でいいとか、低所得者はその半分でいいとか、上限区切っているんですから。
 こういうさまざまな配慮をしながら、いかに医療保険制度を持続的に維持発展させていこうかということを考えているのであって、患者さんの負担ばかり引き上げるからけしからぬ、けしからぬと言ったら、病気にならない健康な人の負担を引き上げるということと同じ議論なんですよ、税金で負担しろ、国庫負担で負担しろと言うことは。これは税金ですよ、国民負担に変わりないんです。そういうことも総合的に考えていただきたいと思います。
#375
○小池晃君 あなたは、口を開けば持続可能な制度、持続可能な制度と、そう言うけれども、しかし何で持続可能じゃなくなってきているのか。医療保険財政の最大の危機は、これは保険料収入の減少ですよ。例えば保険料算定の基礎となる平均賃金、標準報酬月額、九八年、九九年連続減です。それから加入者の数も減っています。言うまでもなくリストラが原因であります。こうした中で負担増を強いれば個人消費の足を引っ張る、景気を悪くする、そうすればますます保険料収入は減るじゃないですか。まさに悪循環の道なんだと。
 あなたは、もちろん医療保険を持続可能な制度にすることは私たちもこれは当然必要だと。しかし、あなたたちのやるような窓口での負担をふやすだけのやり方では、制度の土台を掘り崩して、逆に持続不可能にしてしまうんだというふうに思うんです。じゃ、共産党はどうするかと先ほど提案ありました。私たちは解決の方法を持っています。
 まず、お聞きしたいんですけれども、あなたは三方一両損だと先ほどから言っています。この三方というのは一体何ですか。
#376
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 医療いわゆる診療側、支払い側、患者側、これに対して今までどおりというわけにはいかないので、少しはやっぱり痛みを負担してもらって、最終的には国民が全部得になるような制度を考えようと。三方一両損という損だけじゃなくて、結果的には全国民が、ああ日本はかなり低い負担で医療を受けられるな、お医者さんを選ぶことができるな、よその国ではお医者さんを選ぶことはできない、病院をかえることはできない、しかし今の日本の医療保険制度はみずからお医者さんを選ぶこともできる、病院をかえることもできる、そして負担が低くて医療を受けられる、月百万、月一千万かかっても上限が六万円程度で済む、なかなかいい制度じゃないかと。患者負担をゼロにすればいいんですけれども、そうなると病気でない人まで病院に行っちゃう、こういう悪い点も直そうじゃないかということでいろいろ案が出てきているんじゃないですか。
 ただだったら一番いいですよ、それができれば。税金を負担しないでいい医療が受けられるならこれは一番いいんですけれども。結局、どの程度税金を投入することができるか、健康な人もどの程度保険料を負担してくれることができるか、病気になった場合はどの程度の負担なら耐えられるか。お医者さんもみずからの医療行為が国民に評価され、大事な仕事、感謝されるような励みの出る報酬はどの程度か、しかるべき技術料が正当に評価されているか。
 そういう点も含めて、いい医療行為をできるだけ軽い負担で、そして永続的に維持できるようなこの保険制度を維持していこうという観点からこの改革をしようとしているんであって、一部だけ、患者負担が上がれば全部国民負担だ、経済が悪くなるんだと言いますけれども、じゃ消費税にしても下げていい、患者負担も下げてもいいと、結局どこかで増税しなきゃできないじゃないですか、共産党の言っていることを考えれば。かといって、増税はいかぬと言うんでしょう。
 そういう、総合的に考えてもらわなきゃ。一部だけ取り上げてあっちやれこっちやれ、あとは税金で見なさい、しかし増税はいけません、消費税は三%に引き上げろ。できればいいですけれども、じゃどこでだれがやるんですか。もっと総合的に考えていただきたい。
#377
○小池晃君 総合的に考えて言っているんですよ。三方一両損、保険者、患者、医療機関、国が入っていないじゃないですか。患者や医療機関に痛みを押しつけながら国庫負担だけ削減しようという話なんです。この間、老人医療も国保も政管健保も全部国庫負担比率削減してきている。その結果、どうなっているか。医療費に対する国庫負担は、一九八〇年には三〇%、それが九九年には二五%。一方で、家計負担は五%ふえている、四〇%から四五%。三十兆円の国民医療費のうち一兆五千億円が国庫負担から家計負担に移ったと、そういう勘定になるんです。
 景気の悪化がこれだけ進んでいる中で、さらに国庫負担下げる、国民負担ふやす、そうすれば景気の足を引っ張るというふうに私は申し上げているんです。国庫負担ふやせと言うと、増税するのかと。そんなこと私、一言も言っていない。税金の使い方を変えろと言っているんです。
 例えば、日本医師会が「医療構造改革構想」というのを出しています。この前文で何を言っているか。「国の財源の配分を公共投資をはじめとする基盤整備に投入し続ける従来の」「手法の転換を図らなければならない。すなわち、国民の幸福や生甲斐に直結する医療・福祉や文化に財源配分を行う」「手法への切り替えが求められている」、私、これこそ制度を持続可能にする道だというふうに思うんですが、どうですか。
#378
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国が負担していないと言うけれども、防衛庁は五兆円いっていないんですよ。医療費だけで七兆円国は負担しているんですよ。国も負担しているというのは国民が税金で負担しているわけです。
 今、医師会のことを言いましたけれども、医師会は消費税引き上げてもいいと言っているんですよ。共産党、消費税引き下げろと言っているんでしょう。
#379
○小池晃君 財源配分変えろと言っているんじゃないですか。
#380
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財源。だから、全体的に考えれば、共産党は国が負担していない、国が負担していないと。七兆円もう既に、ことしだけでですよ、七兆円の税金負担しているんです。患者さんの負担を下げれば、それじゃもっと税金を上げろということになるんですよ。そこをどう思うんですか。
#381
○小池晃君 私は、財源の配分を変えることこそが今の問題解決の道だと言っているんです。そのことに全く答えていないじゃないですか。もうひどい話だ。
 しかも、あなたは日本の医療費が余りにも何か膨大に膨大に膨れ上がる、そういう言い方をするけれども、例えば主要国の比較でどうか。経済力と比較すれば、OECD加盟二十九カ国中、日本の総医療費は十八位であります。しかも、日本というのは高齢化が進んでいるんです。六十五歳以上の高齢者の比率は、すなわち高齢化率はスウェーデン、イタリア、日本、三番目なんです。そういう高齢化が進んでいる国で必要な医療費が使われていない、これが実態なんです。ここにこそメスを入れる必要があるんだ。
 私、もう一つの提案、改革の方向を示したい。もう一つは薬剤費ですよ。
 経済産業省にお聞きしたいんですけれども、産業構造審議会が薬剤費の削減の問題で試算を出されていますけれども、ちょっと示していただきたい。
#382
○副大臣(大島慶久君) 小池議員にお答えをいたします。
 薬剤比率を適正化した場合の医療費削減効果ということで御説明を申し上げたいと思います。
 御指摘の試算は、薬剤費以外の医療費は現行と同程度とする、これが前提でございますけれども、それを前提として薬剤比率を諸外国並みの一六%まで仮に引き下げたとした場合の試算でございますけれども、その結果、約一兆四千五百億円の削減効果が得られるという試算は成り立ちます。
 しかしながら、本試算は薬剤比率を一六%まで引き下げることを前提としたあくまでも機械的な試算でございますから、その一六%が適切かどうかということもまだこれは議論をしなければならないことであります。
 繰り返し申し上げますけれども、あくまでも機械的な試算であり、今申し上げた数値が提示できるわけでありますけれども、そもそも我が国における適正な薬剤比率がどの程度であるのかどうか、これは医療サービスの質を低下させない範囲内で薬剤の効果的な使用を促進するためにどのような施策をとるべきかという観点から総合的に検討していく必要がございますので、今、小池議員の御質問に対しては、あくまでも機械的に計算をした数値を御案内を申し上げました。御理解をいただきたいと思います。
#383
○小池晃君 せっかく試算したんだから、そんなに機械的機械的と、発表したんだから、もっと堂々と言ってくださいよ。これはインターネットにちゃんと出ているんですから。
 こうすれば、これをやれば国民に負担を強いる必要なんかないじゃないですか。こういうところにこそ三方一両損。製薬企業は入っていないですよ。ここだってメスを入れるべきじゃないですか。
 例えば、昨年度の製薬企業大手十五社の経常利益、これは九八年に比べて一九・三%も伸びているんです。例えば、ことしも伸びていますよ、去年だけじゃない、武田薬品、今期の経常利益の見通しは前期比三二%増、過去最高なんです。十期連続の増益です。エーザイ、第一製薬、藤沢薬品、田辺製薬、大日本製薬、すべて過去最高益の見通しです。
 こんな産業は日本の産業界全体を見たってほかにないじゃないですか。国民に痛みを押しつけるということではなくて、こういう製薬企業の大もうけ、ここにこそメスを入れるべきじゃないですか。どうですか、総理。
#384
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 四年前に私が厚生大臣のときにもそのような御指摘をいただきまして、確かに日本人は薬が好きだ、薬を使い過ぎるんじゃないか、薬剤費の占める割合が高いというものですから、見直しを進めまして、既にもう三〇%から今二〇%に下がり、この四年間で薬剤費は一兆三千億円減少しています。
 そして、国民も病気にならないために、病気になったらいい薬が使えるために、薬会社も努力していただきまして、研究開発、投資開発、先進国におくれをとらないように、いい薬を開発、安い薬を開発してもらいたいということで一生懸命努力してもらわなきゃならないということから見ると、先進諸国に比べて日本の薬品会社はおくれている、投資に回せない、研究に回せない。むしろ、いい薬を開発してもらって民間の会社が利益を上げてもらうことによって税収もふえていただきますから、大企業を罪悪視しないで、むしろ国民にいい薬を提供するという意味において私は利益を上げていただくのはいいことと思います。
 それと、先ほどスウェーデンとか各国と比較して日本はまだまだ少ないと言うけれども、日本は消費税五%ですよ。スウェーデンは二五%ですよ。今、日本共産党は消費税を二五%にすると言えば、もうスウェーデンどころじゃない、もっといい医療体制できますよ。できるだけ安い消費税でいかにいい医療提供体制をつくるかという。スウェーデン、デンマークの例を挙げますけれども、消費税が二五%ということを考えてくださいよ。日本は五%ですから。
#385
○小池晃君 消費税、消費税とおっしゃいますけれども、世界で一番医療費が高いのはアメリカです。アメリカには消費税ありません。そういうでたらめな、医療費を上げるためには消費税を上げなきゃいけないんだと、こんなでたらめな議論はないと私は申し上げたい。
 それから、国民にはこれだけ痛みを押しつけながら、そして国の財源の配分を見直すことは一切こたえない、そして製薬企業は守ると、ここにあなたの姿勢があらわれていると私は思います。
 製薬企業は昨年五月に製薬産業政治連盟を結成いたしました。その趣意書を見ると何と書いてあるか。政治の場によき理解者を求める。国会議員の先生方と接触するには政治連盟を持ち、資金管理を適切に行う。要するに政治献金をてこに製薬産業の主張を通すということです。二〇〇〇年の政治資金収支報告を見ると、製薬産業政治連盟から、製薬企業の政治連盟、自民党へは総額一億一千万円、総理、あなた個人も四百万円の献金を受けている。
 あなたの言う改革というのは、国民には医療費の負担増という痛みを押しつける、そして自民党や自分は製薬企業から多くの献金を受ける。これじゃ今までの自民党政治と何にも変わらないじゃないですか。全く今までの自民党政治そのものだ。医療は国民のものであります。そして、医療保険というのは、懐の心配がなく病気の治療に専念できるようにする、そのための制度で、景気が悪い今こそそれを国がしっかり支える、そのことが求められている。それなのに国民だけに負担を押しつける、こんな計画は撤回するべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
#386
○委員長(真鍋賢二君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#387
○委員長(真鍋賢二君) この際、御紹介いたします。
 今般、本院議長の招待により来日されましたルーマニア国のニコラエ・ヴァカロイウ上院議長御一行が、本委員会傍聴のため、ただいまお見えになりました。
 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと存じます。
   〔総員起立、拍手〕
#388
○委員長(真鍋賢二君) 御着席ください。
    ─────────────
#389
○委員長(真鍋賢二君) 次に、田村秀昭君の質疑を行います。田村秀昭君。
#390
○田村秀昭君 ルーマニアの上院議長御一行がちょうどお入りになったときに質問させていただくことを光栄に思っております。
 七分間、総理に御質問させていただきます。
 国という字が日本の国にはあるんですが、これは矛等の武器を使って兵士が守る領土の囲いと、そういう意味なんですね。それで、私はまず、歴代の内閣総理大臣は、自分の国は自分で守るという決意がなかったような気がするんです、戦後ですね。国民の圧倒的な支持を得ておられる小泉総理は、この件に関して、自分の国は自分で守るという決意をお持ちになっているのかどうか、お尋ねいたします。
#391
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、みずからの国はみずからの力で守るという決意なくしては、一国の安全保障は図れないと思っております。
#392
○田村秀昭君 今おっしゃったことは非常に私、心強く思うんですが、それならば、その戦士である自衛官に名誉と誇りを与えるべきだと思いますが、今までのところ全然与えられておりません。私も自衛官三十四年間勤務しておりますのでよくわかりますが、自衛官には何の名誉も誇りも与えられておりません。
 それは決意をお持ちなのにどうしてなさらないのか、お尋ねいたします。
#393
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 長年、私もまた自由民主党も、自衛官に対しては敬意と感謝の念を持つような環境整備をすべきだと提唱してまいりました。そういう意味におきまして、自由民主党としては、今の自衛隊に対しての国民の憲法違反であるとかあるいは合憲であるのかという議論を考えると、憲法を改正するべきだなという党是のもとに今までやってきたわけでありますが、国民感情も考えまして、これがなかなか政治課題には取り上げる状況にないと。そういう中で、だんだんだんだん国民の評価も自衛隊違憲論からやはり自衛隊は必要だなという環境に育ってきたということは、私は健全な状態だと思っております。
 今回のテロ対策特措法に見られましても、一方では批判もありますけれども、大方の、五〇%以上の国民は自衛隊に対して正当な評価をしていただいておりますし、戦争行為でない、戦争でないんだったらば自衛隊も国際貢献の活躍の場が与えられていいのではないかという理解をしているのはそういう点にあるのではないかと思います。
 この自衛隊に対しましての正当な評価といいますか、事に臨んでは危険を顧みずみずからの職務を遂行するという誓いを立てて、みずから志願してきて入隊してきた自衛隊諸君に対して、私は、敬意と感謝の念を国民が持つような環境を整えていくのは政治として当然の責務だと今でも思っております。
#394
○田村秀昭君 名誉と誇りを与えられない限り国に殉ずるという人は私は出てこないと思います。それはすなわち、名誉と誇りを自衛官に与えないということは、真の独立国ではないと。真の独立国、平和と独立を守る戦士としての名誉と誇りをぜひ与えていただきたいと、これは政治しかできない問題であります。
 自衛官は、ほかの省庁に比べて非常に地位が低い、著しく低いんです。
 具体的にちょっと申し上げますが、入隊年次というのがある、入省年次というのがある。これは大学を出て各省庁に入る、自衛隊にも入る。ところが、現役の自衛官がほかの省庁に出向する、例えば外務省に出向する、駐在武官として外務省に出向する。そうすると、大体自分の年次よりも三年から五年下につけられる。これは非常に自衛官としては腑に落ちない。なぜそうなのかと。
 そして、今度、退官をする。三十何年、四十年勤めて退官をする。ほかの省庁は、普通の上級職その他は七十歳まで就職の面倒はきちっと見る。財団法人とか何か、もうそれは上級職を採ったときに決まっている、七十歳までは面倒を見る。ところが、自衛官は五十三歳とか五十四歳で若年定年制ですのでやめる。そうすると、国は何にも面倒を見ない。自分たちで援護活動をして就職をする。それでラインに入るなんということは絶対にない。みんな、顧問というのは顧みて問われる、これは相当偉い人でも、高級幹部でもラインには入らない。社長とか副社長なんかならない。全部その会社の顧問ですから、顧みて問われるところにしかいない。私は、これは国家的な非常な損失だと思っているんです。
 なぜかというと、シビリアンコントロールというのがきちっと機能するということは、戦略観を持ち、軍事知識を持ってシビリアンコントロールしないとだめなんですね。それで、軍事知識を持っている人というのは今の日本に非常に少ない。そういう人たちが五十三歳か五十四歳ぐらいから全然国家のために使われていないということを意味するわけです。
 そういう非常に自衛官の地位というのは低いまんまで二十一世紀を迎えているわけですが、総理、この点についてどういうふうにお考えになるのか、このまんまでいいと考えておられるのかどうなのか、御所見を賜りたいと思います。
#395
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう報われない、評価されない職であるにもかかわらず、みずから進んで志願された自衛隊員諸君というのは立派だと思います。そして、こういうことに対しても、使命感を持って、責任感を持ってみずからの職務を遂行している。一般の人ができないような危険な仕事、あるいは場合によってはみずからの犠牲も覚悟しなきゃならない仕事に献身している自衛隊職員に対してはやはり正当な評価が与えられるべきでないか、また我々も政治の面として努力すべきではないかと思っております。今の議員の指摘に対しましても、やはり今後よく検討し、見直すべきところは見直さなきゃいけないと思います。
#396
○田村秀昭君 無原則に思いつきで自衛隊を海外に派遣するとか米軍基地の警備をやれとか言われても、実際はどうなのかということをちょっと申し上げておきますと、練馬に第一連隊というのがあります。これは六百名です、定員が。それで東京都の、首都の災害派遣等で毎日訓練をしているんですね。それで、今度横田基地の警備をやれと言うから四百名が行っているわけです、そこへ。そうすると二百名で、残った人たちは、本当に何かあったときに東京大丈夫なのかなというふうな気持ちを持っていますね。
 だから、任務を与えるんならきちっと、思いつきじゃなくて、そういう任務を与えたらそれにふさわしい人員をつけるとか、きちっとしないと現場が非常に混乱をする。現場の隊員に非常にいつもしわ寄せが来る。こういうことは政治の場で何々しろと言うのは簡単ですが、実際にするところは非常に大変なんだということを、現場の自衛官たちは非常にしわ寄せをいつも食らって、そして黙々として文句も言わずにやっているということを総理にちょっと申し上げておきたいと思います。これは御答弁いただかなくても結構なんですが。
 ひとつ総理、どういうふうにお考えになっているか。イージス艦というのがある。これを出した方がいいとか悪いとか、政治の場で議論していると、こういうことが一番私はよくないと。こういうことは防衛庁に任せりゃいい。政治は自衛隊に権限と任務を付与するだけでいい。やれ戦車を出せとか、そこの鉄砲の撃ち方もおかしいんじゃないかと、そういうことは専門家に任したらいいと思うんですが、いかがお考えですか。
#397
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊の活動に対しましては基本方針、大枠、全体の方向を示し、あとは防衛庁長官なりあるいは現場の指揮官で判断しなきゃならない面もあると思います。
 また、軍事的な専門技術、政治家、持っている議員は少ないものですから、そういう点につきましてはよく専門家の意見を聞いて、議会制民主主義のもと、軍事が政治に口出ししないように、政治のもとで国民のもとに自衛隊を健全に活用していくという方針を堅持することが大事だと思います。
#398
○田村秀昭君 総理は、今度の九月十一日の同時多発テロで、断固としてテロを撲滅するとおっしゃいました。そして、しばらくたってから、二、三日だと思うんですが、武力行使はしない、戦闘地域には行かない、これ、自衛隊がですよ、後方支援に限るというコメントをされました。私はいつも思うんですが、総理のおっしゃっていること、非常に正しいんですが、実体を伴わない期待感を国民に与えるんじゃないかなというふうに思っているんです。
 それで、断固としてテロを撲滅すると言われておいて、後方にしか行かない、武力行使はしない、後方支援だけやると言っていて、どうして断固としてテロが撲滅されるんですか。ちょっとお伺いしたいと思います。
#399
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロと対決する方法は軍事努力だけではありません。外交努力、テロ資金の凍結努力、あるいはいろいろな管理体制、日本としては軍事戦略には参加できませんけれども、その他の面でテロと対決するという方法はたくさんあると思います。難民支援策も一環であります。外交努力も大事であります。
 そういう面において、自衛隊を派遣する場合においても武力行使はしない、戦闘行為には参加しない、その範囲内でできるだけのことをやろうと。国情に応じて、アメリカとイギリスと同じように武力行使は日本はしません。その他の面で毅然と対決していかなきゃならないと思っております。
#400
○田村秀昭君 ちょっと時間がありませんので、委員長にお願いがございます。これ、国民も皆さん聞いておられるわけですから。
 参議院の予算委員会では慣例になっておりまして、小会派は討論ができないとなっております。国会議員は討論権を持っておりますので、予算委員会でもぜひ討論を小会派に与えていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
#401
○委員長(真鍋賢二君) 以上で田村秀昭君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#402
○委員長(真鍋賢二君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
#403
○又市征治君 社民党の又市征治です。
 雇用問題とテロ対策問題で質問をいたしたいと思います。
 ことし一月の政府の十三年度の経済見通しでは、失業率は四・五%と発表されています。しかし、九月の完全失業率が五・三%、三百五十七万人にも上ってきた。そこで、十一月九日に五・二%に修正をされています。これは閣議決定なのかどうか、そして、一月のものとどういう性格が違うのか、竹中経済財政担当にお聞きをしたいと思います。
#404
○国務大臣(竹中平蔵君) 先般発表させていただきました数字は見通しの見直しでありますけれども、これは内閣府の独自試算で行っております。
 政府の経済見通しは閣議で決定される性格のものでありますけれども、機動的に、タイムリーに修正したいということも含めまして、内閣府の独自試算であります。これは過去三年、去年は経済企画庁でありますけれども、そういう形で行ってきております。
#405
○又市征治君 つまり、一月の経済見通しは閣議決定をされておるということであって、単なるそういう意味では予測ではなくて政策目標だということですね。
 そこで総理にお伺いをしますが、あなたが、構造改革なくして景気回復はないとか、国民に痛みを恐れずとか、こういうふうに叫ばれて、景気や雇用対策が残念ながら打たれてこなかった、こういう結果として、この四・五%の政策目標が達成をできないどころか、失業はまさに増大の一途をたどっている、これが現実だろうと思うんです。
 午前中、あなたは、ある意味で日本は天国だと言われましたが、自己破産が年間十四万件、自殺者が三万五千にも上っておる。あなたにはこの社会は天国なのか知りませんが、そうした人々にしてみますとまさに不安だらけ、それが消費低迷や景気低迷を招いているんじゃないでしょうか。改めて、総理、あなたの責任感覚をお伺いをしたいと思います。
#406
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、天国だと言ったのは、戦時中とかあの焼け野原になったときに比べれば天国だと言ったんですよ。余り、言葉、一つ言葉をとってすぐ拡大解釈されて言われますが、発展途上国、アフガンの状況、比べれば天国でしょう、戦時中に比べれば。しかし、当時に比べれば天国のような状況になったけれども、今の人から見れば地獄と思う人がたくさんいるわけですよ。そこが政治の難しさだと前回言ったでしょう。全部文脈を見て判断してくださいよ。そこに政治の難しさがあると。
 一つの目標を達した。日本国民は、五十年間の努力によって戦争中あるいは戦後考えられないような奇跡の発展を遂げた。あれがあればいいな、これがあればいいなを全部手に入れた。しかし、いざそれを達成してみると、とても天国の状況じゃなかった。だからこそ、新しい目標を立てて、今よりもよりよい社会をつくろうとして今努力をしているんです。
 そういう中で、今見通しが狂った、当たらなかった。これは残念なことでありますが、見通しがすべて当たったらこれはいいことでありますけれども、当たらないときがあったらば、これからその見通しを見直して、できるだけ見通しが当たるような努力をしていこうと今全力を尽くしているわけでありますので、これからも、なぜ見通しが当たらなかったのか、どういう点を改革していかなきゃならないかということで、全力で取り組んでいきたいと思います。
#407
○又市征治君 余り話をすりかえないでくださいよ、本当に。
 そこで、私も時間がありませんから、雇用の補正予算案についてはあす伺うことにしまして、自衛隊派兵とアフガン難民問題に移りたいと思います。
 基本計画がまだつくられないうちから、現に自衛隊がパキスタンへ飛び立ち、あるいは自衛艦が今向かっている、こういう状況です。その一体全体資金はどこの予算から出したのか、あるいはまた今後出されるのか。防衛庁あるいは内閣府、あるいは外務省から、燃料や食糧あるいは弾薬等の物件費、人件費や譲渡したテント代など、こういったものはどういう中身になっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
#408
○国務大臣(中谷元君) 現在行われている活動やこれまで実施した物資輸送などの資金につきましては、あくまでも情報収集で、既定経費を中心にいたしておりますが、例えばせんだって難民支援のための物資空輸ですね、イスラマバードの空港に物資支援をした費用については、集計中でありますが、約二億八千万円、これは追加的経費が二億五千万、十三年度の既定経費が約三千万を要するというふうに見込まれておりまして、そのような形で支出をいたしております。
#409
○国務大臣(福田康夫君) 私の方は内閣府の予算でありますけれども、内閣府国際平和協力本部、二回にわたりましてアフガニスタン難民への物資協力として国連難民高等弁務官事務所へ譲渡したテント等の合計金額、二千四百万円であります。
#410
○国務大臣(田中眞紀子君) 外務省は、難民支援で三十九億四千万円でございます。
#411
○又市征治君 そこで、外務大臣、外務省の三十九億四千万ですか、これはどのような組織にいつ出されるんですか。物資ですか、お金ですか。
#412
○国務大臣(田中眞紀子君) これは補正の方でございますけれども、これにつきましては、ユニセフでございますとかWFPとかICRC、IOMというところの要請のうち、緊急に支援が必要と判断されたものに対しまして拠出をすることになっておりまして、そして具体的な内容でございますけれども、それが児童の保護でありますとか食糧、テント、医薬品その他でございます。
#413
○又市征治君 そうしますと、アフガンの難民支援には自衛隊は必要はないということになるわけですね、外務大臣。今の資料の問題でいうと、お金の問題ではね。
 外務大臣に聞いているんです、外務大臣にお聞きしたんです。アフガン難民支援に自衛隊は必要かどうかと。
#414
○国務大臣(中谷元君) これからの支援ですか、アフガン難民支援。
#415
○又市征治君 いやいや、私は外務大臣に、今外務省のお金が、三十九億四千万円出すと言うから、その中身は……
#416
○委員長(真鍋賢二君) 立って質問をしてください。
#417
○又市征治君 つまりね、三十九億四千万を出しますということで、お金で出しますよということですから、これに自衛隊というのは関係ないですねと、こう申し上げているんです。
#418
○国務大臣(田中眞紀子君) 今申し上げている分につきましては自衛隊ということは関係ございません。
#419
○又市征治君 ところで外務大臣、昨日、我が党が提案をしているわけですが、いわゆるアフガニスタンでのワクチン停戦の呼びかけをやりました。確認ができないという御答弁がきのうなされておりますが、現に空爆のもとでも今月六日から三日間、ワクチンが配付まではやられたと、これは確認できますよね。
#420
○国務大臣(田中眞紀子君) 昨日、衆議院で確かにこのワクチンの関連でもって御質問をいただきました。そして、そのような事実は、アナン事務総長がアフガンの子供たちへのワクチン供与のために三日間の停戦をしろとか、それらに関連して、お尋ねにもありましたけれども、政府としてはそのような事実は承知をいたしておりません。
 ただし、WHOでありますとかユニセフは、九月十一日以降に、アフガン国内におきまして、児童に対するポリオのワクチンの投与のための全国予防接種デーを九月下旬と十一月、二回、二度にわたって実施をしてきております。
#421
○又市征治君 予防接種ができたかどうかはまだ確認されておらぬはずですが、配付がされたと、アフガンの国内に。どこまで子供たちに接種できたか空爆のもとでは不明だということだろうと思うんです。そこで、こうした五百万人からの子供たちにポリオワクチン、これは冬が来る前にやらなきゃならぬと、こういう問題なんでして、過去もタリバンと反タリバン勢力は六年間このワクチンのために停戦を行ってきたということも御承知だろうと思います。
 そこで、総理にお伺いしますが、こうした五百万人からの子供たちに、今国内にワクチンは配付はされたけれども、投与がされていない。このことについて、ぜひブッシュ大統領に呼びかけて、本当にそういう立場でも人道支援の立場に立つ、こういう努力をなさってはどうですか。その点をお伺いします。
#422
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連が、今、外務大臣が答弁されていますように、どういう対策を練っているか、よく調査して考えてみたいと思います。
#423
○委員長(真鍋賢二君) 時間です。
#424
○又市征治君 時間が来ましたので、あす続けて雇用とアフガン難民問題について質問いたします。
 終わります。
#425
○委員長(真鍋賢二君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#426
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
#427
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。
 バブルが崩壊した後、百三十兆円以上の景気対策を打ってきたんですけれども、日本経済は回復に至っておりません。これは、巨額の経費をかけて、こういう積極財政だけでは日本経済はもう無理だという実験をしてしまったということになりはしないかというふうに思うんです。そういう意味では、構造改革なくして景気回復なしという総理の姿勢は私は正しいだろうというふうに思っております。そして、今回の補正予算も、セーフティーネットとか雇用失業対策、そして中小企業対策、内容は私も評価をいたしております。
 しかし、またぞろ二次補正という話が出てきております。総理は、一応三十兆円以下に抑えるという公約をしておられます。それとの関連で、今後のこの問題に対する総理のお考えをまず伺いたいと思います。
#428
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、来年度予算は三十兆円の国債発行以下にとどめたいという方針を明言しております。今年度、十三年度はそうは言っていないんだから、もっとやったらどうかという声は承知しておりますが、これはやはり国債を増発すれば効果が出るというものでもないだろうと。やっぱり、十三年度もできるだけ三十兆円以下に国債の発行はとどめる中で対策を考えるべきだというもとに、今回、補正予算を提出しているわけでございます。
 今、議員が言われたように、景気回復のために借金をして国債を増発すれば本当に景気回復するんだろうかということをもっと厳しく点検する必要があるのじゃないか。今までやってきて効果がなかった、そんな。そういう点も含めまして、これからも厳しい歳出の見直し、そして財政規律を守っていくという中で、どのような将来の経済再生に向けた方途があるか、改革が必要かという視点が大変大事なのではないかと思っております。
#429
○松岡滿壽男君 せんだって地元の知事さんが来られて、来春の高卒の就職率が三五%、去年より八%も下がっているという話もありました。失業率も五・三、これはこのまま行きますと、恐らく来年六%台ということがもう見えてきておるわけですね。一日に、こうやって話しているだけでも、九十人の方々がみずから命を絶つという、自殺。それと、倒産も去年は二万八千件を超しまして、総額で四十一兆円、おととしの倍ですよ。
 非常に実体経済が悪くなってきている。景気が収縮していく段階では、日本は経済が二重構造ですから、中小企業と大企業、下請という関係がありますね、まず下請の仕事量が減る、コスト低減を求められる、そして出向社員をある面では持たざるを得ない、そこで非常に厳しいと思います。第二、第三の今度は大企業自身のリストラが今始まっているわけですよ。だから失業率がどんどんふえていく。これはやはり日本の経済の構造的な部分が私はあるんだろうと思うんです。ある面では、アジアにもう既に製造業が三割移転したんですよ。ということは、もう国内で土地も要らなければ労働力も要らない、物も要らないという仕組みに変わりつつある。
 そういう中で、日本の生き残り戦略といいましょうか、日本経済の、これをやはり考えるところに来ているのではないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#430
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) かつて追いつき追い越せと言った日本が今や逆に追われる立場になった。また、アメリカが日本に要求していたこと、日本に言ってきたことを逆に日本がまた別の発展途上国に言わなきゃならない立場になったという面もあります。
 第一次産業、第二次産業の従事者が減って、そしていろいろ第三次産業を初め新たな産業にかわっていく、まさに構造改革の過程でありまして、私は、確かに失業者がふえるというマイナスの面もありますが、これを新しい産業にどう結びつけていくかというのが雇用対策としても大事でありまして、失業対策と同時に新たな雇用をつくるという、そういう前向きの視点も大事ではないかと思って、今回、五年間で五百三十万人の雇用づくりを始めようという計画も立てているわけであります。
 単に後ろ向きだけでなくて、前に向かって進もう、そして税金の使い方も、新しい発展するような企業を育成するような形で有効に使っていこうという点がこの改革で大事であると思います。
#431
○松岡滿壽男君 製造業の就業者数がこの八年間で二百五十万人減っているんですよ。失業の原因というのは、その部分が非常に大きいと私は思うんですね。新しい産業を起こすのは非常に難しい。ましてや、日本は物づくり、これ非常に大切だと思うんです。だから、物づくりがおかしくなった国というのはやっぱりおかしくなっていくんですね。
 ただ、アメリカは物づくりから離れてきているけれども、飛行機とか兵器とか持っている。しかし、日本は何があるんだろうかということを考えますと、台湾がやっぱり同じように国家戦略として生き残りを考えているんですね。だから、得意な分野を官民挙げてプロジェクトチームをつくって守っていこうとしているんですよ。
 それで、中国との関係もいろいろ見てみますると、川上にさかのぼるほど中国はやっぱり苦手なんですね。素材関係ですよ。そうすると、自動車用鋼板とかパソコン等高級プラスチック素材、金属素材、高級繊維素材、半導体や液晶などのデバイス、産業用ロボットなどのマザーマシン、こういうものを戦略的に産学官でやっぱりきちっとつくり上げていく、そして中国との共存を図っていく、分業して、そういうことを考えるべきだと思うんですけれども、その辺についてはいかがでございましょうか。
#432
○国務大臣(尾身幸次君) 日本の産業、いろんな意味で産業の空洞化という現象も起こっておりまして、私ども、そういう中でこれからどうやって国づくりをしていくか、いろんなことをやらなきゃいけないと思っておりますが、結局のところは、資源の乏しい、国土の狭い日本は、科学技術によって頭脳で勝負する国になっていかなければならない、そういうふうに考えている次第でございまして、これを発展させることによってほかの国よりも一歩前に進むという、その知的な力を使って国づくりをしていくことが本筋であるというふうに考えている次第でございます。
#433
○松岡滿壽男君 その場合に問題になるのは、やはりサービスコストとか割高なインフラコストですよね。だから、やっぱり特殊法人の見直しとか公共事業自体のあり方の見直しを考えなきゃいかぬと思うんですね。
 それで、総理のおひざ元で、横須賀で浮体工法、いわゆるメガフロートというのを一千メーターでやりました。これは四千メーターまで行けるんですよ。だから、将来の空港の問題とか、普天間の問題もありますけれども、やっぱり国家プロジェクトとしてそういうものを考えて国民に夢を与えていくと。韓国も既にそういうメガフロートについての国家プロジェクトに取り組んでいると思うんですね。だから、日本はこれでやれるんだと、さっきのアメリカの飛行機の話じゃないですけれども、そういう夢を与えることも政治の大きな力だと思うんですが、いかがでございましょうか。
#434
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 科学技術の進歩は著しいものがありまして、今のお話のメガフロート、私も横須賀は地元ですから、メガフロート、現場に行ってメガフロートの板の上に乗ってみましたよ。百メートル、三百メートル、これをつなげて今千メートルにする、場合によっては飛行場になるかもしれない、それで環境にも、埋め立てしないで済む、いろいろないい利点があるというのもよく伺いました。
 こういう将来発展の可能性のある技術も含めまして、日本は科学技術を大事にしていく、なおかつ、連続してノーベル賞受賞者が出たということもありまして、科学技術というものを重視して新たな産業創出に向けて頑張っていきたいと思います。
#435
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
#436
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 あすは午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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