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2001/11/22 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 総務委員会 第8号
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2001/11/22 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 総務委員会 第8号

#1
第153回国会 総務委員会 第8号
平成十三年十一月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     大江 康弘君     渡辺 秀央君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     渡辺 秀央君     大江 康弘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 公平君
    理 事
                景山俊太郎君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                狩野  安君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                日出 英輔君
                森元 恒雄君
                山内 俊夫君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                内藤 正光君
                松井 孝治君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                八田ひろ子君
                宮本 岳志君
                又市 征治君
                大江 康弘君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       総務副大臣    遠藤 和良君
       法務副大臣    横内 正明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       原口 恒和君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省自治財政
       局長       香山 充弘君
       総務省自治税務
       局長       石井 隆一君
       財務大臣官房審
       議官       木村 幸俊君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人等の保有する情報の公開に関する
 法律案(第百五十一回国会内閣提出、第百五十
 三回国会衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局長原口恒和君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省自治財政局長香山充弘君、総務省自治税務局長石井隆一君及び財務大臣官房審議官木村幸俊君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(田村公平君) 次に、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る二十日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○日出英輔君 自由民主党の日出でございます。
 昨日、全国知事会等々、関係団体で地方財政の危機突破大会もありましたり、当今、大分こういった問題について関心も深いわけでございますが、私も質問しようと思っておったんですが、前回、伊藤基隆先生が大分地方財政問題について一般で御質問になっておりましたので、私の好きな方からちょっと御質問をさせていただきます。
 今、明治の大合併でありますとか昭和の大合併とかいって、その後に平成の大合併があるんではないかという市町村合併の大々的な話であったり、あるいは道州制、府県連合等々、今までの都道府県とか市町村といった枠組みを超えるような話がたしか地方制度調査会でも議論が始まったと伺っておりますが、私は全国を歩いている方の一人でございますが、どうもやはり制度論から入るよりもその地域地域の、あるいは公共団体の実態的な必要性のようなことを積み上げていくというのが、結果的にはそういったことについて急がば回れの話ではないだろうかと思います。
 前置きはさておくとしまして、私は、中央省庁の政策評価についてはかねて公務員時代から主張してきた一人でございますし、先般、中央省庁の再編の中で、十四年からですか、中央省庁の政策評価の話も各省やることになりました。
 初めに総務大臣に伺いたいんでございますが、地方公共団体についての行政評価についていろいろと旧自治省時代から勉強が始まっているというふうに伺っておりますが、これについてどういう意義を認めておられるのか、総務大臣の評価といいますかお考えをまず伺いたいと思っております。
#6
○国務大臣(片山虎之助君) 今、日出委員お話しのように、中央の行政機関による政策評価については来年から法律が施行になりまして、現在、私どもの方で基準を示して準備に入っていただいておりまして、一部やっているところもありますが、来年の四月からこれは一斉にスタートすると、こういうことでございますが、実は地方の方が進んでいるんですね。地方の方が進んでおりまして、今、行政評価制度、政策評価制度がある都道府県というのはもう全部なんですよ。鳥取県が新しいやり方を今模索していまして、鳥取県はやっている、やっていないのちょうど境にありますが、残りの四十六は全部やっておりますし、それから市町村も半分ぐらいやっておるんですね。
 それで、これは、日出委員御承知のように、やっぱり科学的、客観的な基準を政策選択、施策、事業選択に持ち込むわけですから、住民にとっては大変わかりやすくなる。同時に、行政側から見れば説明責任を果たすことになる。それから、効率的で質の高い行政というものが結果としては実現できる。それから、成果についてもこれがはっきりするわけですから、そういう意味では私は大変いいことだと思いますが、物すごい手間がかかるとか労力が要るとかということはいかがかなと、こう思いますけれども、できるだけ、そういう意味では行政評価、政策評価も効率的なやり方をぜひ確立していって、こういうことを、今言いましたように政策や施策や事業の推進に生かしていければ私は行政が本当にいいことになるんではなかろうか、こう思っておりまして、地方にもそれをさらに指導を徹底しようと、こう思っております。
#7
○日出英輔君 資料としまして報道資料をいただいたわけでございますが、ちょっと事務当局の方に伺いたいんでございますが、この行政評価の中身は、政策、施策あるいは事務事業という大くくりにすれば三分野で行うことになっておりますが、こういった三分野についてきちんと行政評価というものが行われているんでしょうか、実態をちょっと伺いたいと思います。
#8
○政府参考人(芳山達郎君) 十三年七月末現在で調査をしておりまして、都道府県では、導入済みないしは試行中は四十三団体、検討中が三団体、また一団体は別の方法で、行政考察という形で積極的に取り組んでおります。
 今お尋ねの各項目の評価でございますけれども、事務事業についての評価は四十一団体、九五%、施策については二十七団体、五七%、政策については十四団体、三三%ということでありますが、いずれにせよ、政策、施策、事務事業のいずれについても逐年実施団体がふえてきております
 今後とも、都道府県に対しては積極的な取り組みを期待しております
#9
○日出英輔君 ちょっと今のお話でも出ていましたが、事務事業について導入しているのがかなり多くて、その次に施策について、政策についてはまだ三分の一と、たしか今の御説明ですと。これは一体どういうようなことを物語っているんでしょうか。
#10
○政府参考人(芳山達郎君) 各都道府県の取り組みは、政策は大きな項目、また事務事業についてはかなり課別の、係とかそういう単位のチェックでございまして、指標そのものもとりやすいとは思いますけれども、我々、政策、施策ないしは事務事業について全般的にやってほしいということで御助言しておりますけれども、すべてを一緒にやっているというのはまだ少のうございます。
#11
○日出英輔君 今、都道府県を中心にして伺いましたが、市区町村の方は検討中というのが半分ぐらい、既に導入済みなり試行中というのはまだそれほど多くありませんが、都道府県に比べて市町村の割合がかなり低いというのはどの辺に原因があるというふうにお考えですか。
#12
○政府参考人(芳山達郎君) 市町村の取り組みの状況でございますけれども、御指摘のように、実施済み、また試行中、また導入を検討中の団体すべて含めまして五六%というような状況でございます。何らかの取り組みは半分以上はやっているものと思っておりますけれども、今御指摘のように、町村等小規模の団体について、例えばさまざまな評価方法の蓄積やノウハウ、またさらには行政評価を導入するための体制整備等の面から都道府県に比べておくれているというぐあいに認識しております。
#13
○日出英輔君 この行政評価というのは、一定の基準なり指標をある程度探し出してきて、それをベースにして妥当性でありますとか達成度でありますとか成果を判定するということでありますから、なかなかに高度な行政能力といいますか、そういうことが必要だというふうに思います。
 私は、実は、冒頭、市町村合併等と申し上げましたのは、三千二百の市町村があれば三千二百通りの評価ではなくて、これから合併等進んでまいりますときに、市町村がそれぞれやはり共通の価値観といいますか認識を持つ一つの大きな手段としての行政評価というのがあるんではないだろうかということでちょっとお聞きをしているわけであります。
 結論的なことを申し上げる前に、もう一つちょっと気になりますのが、公表していないという、導入はしているんだけれども評価結果は公表していないというのが大分見当たるわけでありますが、これはどの辺に原因があるというふうにお考えですか。
#14
○政府参考人(芳山達郎君) 市町村で公表している団体が、導入済み、試行中の団体のうち、公表団体が四〇%、評価を公表していない団体が六〇%というぐあいになっております。
 その理由の詳細は把握しておりませんけれども、推測するに、公表との関係で行政評価の内容がまだ一定の水準に達していないと当該団体が判断されているか、まだ完成度が足りないと判断されているか、そういうことで公表を控えているものかと思っています。
#15
○日出英輔君 ホームページで少し読ませていただきましたら、地方公共団体に対する行政評価に関する研究会というのが十一年度から開かれておられる。
 十三年度のこれを見ますと、「市町村における行政評価システムの導入促進に資するため、地方公共団体の担当者の行政評価導入の意識向上を誘うための方策について検討し情報提供を行う。」、それによって「行政評価を有効に機能させるためのモデル指標の検討・作成」だと書いてあるわけでありますが、私は何か非常に少し慎重に構えておられるような実は気がするわけであります。
 この「担当者の行政評価導入の意識向上を誘うための方策について検討し」というのではなくて、もう少し踏み込んでこれはやっぱり行うべきではないかという気がいたしますが、そういう意味でいいますと、もう少し何といいますかアクセレレートして、これについて検討をもう少し急ぐというようなお考えはございますか。
#16
○政府参考人(芳山達郎君) 今、先生から御指摘がありましたように、我々も十一年度から、学識経験者、また監査法人のコンサルタント、地方団体の実務者を交えた行政評価の研究会を発足をさせました。地方団体、特に先進的な取り組みをしている団体があるわけでございまして、そういうような先進的な取り組みの団体を参考にしながら、各全国三千三百団体への導入に向けて導入に当たっての問題点を検証するというようなことで十一年度から始めました。
 そして、十二年度は、その中でいろいろ悩みの解決というような点も出てくるでしょうから、指標のとり方等々でございます、それをQアンドAの形で報告書を四月にまとめました。
 十三年度は、さらに一層中身についての、導入のための促進を図るべく研究会を今やっておりまして、我々としても、そういう先進事例がありつつ、また進捗状況もちょっと違いますものですから、そこらについて地方団体にまた御助言してまいりたいというぐあいに思っています。
#17
○日出英輔君 国の場合は、政策についても施策についても事務事業につきましてもマスコミがありとあらゆるほど書き立てますし、あるいはこういった国会等での監視というのもしっかりありますから、私は、国の場合に比べて地方の場合が、首長さんに対する遠慮その他があって、なかなかに地方紙等が書かないことも随分多いように実は思います。
 また、今の行政評価研究会は、メンバーも何か六名か七名かといった、小ぢんまりとしておられるわけでありますが、私は総務大臣に改めてもう一回伺いたいんでありますが、これはいろんな合併その他を議論していきますときのやっぱり基本になる話ではないだろうかと思います。決して、急ぐだけ、拙速が好ましいとは思いませんが、いずれにしても、こういったことについて議論をしてまいりませんと、合併とか府県連合とかいうのはなかなか進まないんではないだろうかという気がいたしますので、私は、片山大臣の剛腕というと申しわけありませんが、お力でこういった地方公共団体の行政評価がもう少し着実に計画的に進むようにお考えをいただきたいということでございます。ちょっと大臣のお考えを伺っておきたいと思っております。
#18
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね、やっぱり国も本格的にこの方式を導入いたしますから、地方も足並みをそろえてやっていただく方がいいと思いますし、今いろいろやりとりを聞いておりまして、やっぱり特に市町村はばらつきがありますね、進んだところとそうでないところの。だから、そういう意味で、これから合併も全国的に推進してまいろうという時期でもありますし、そういう意味で行政の質を高めて住民との関係、特に説明責任をしっかり果たしていくという意味ではこの方式は大変いいことですから、研究会は研究会でいろいろ研究していただきますけれども、私どもの方の指導をもう少し充実強化していきたいと、こう思っておりますので、委員の御要請はしっかりと受けとめさせていただきます。
#19
○日出英輔君 それから次に、地方公共団体の最近の財政状況を伺いたいわけでございます。
 いろいろちらほらと新聞等にも書かれておりますし、また各地域でかなり危機的な状況になっている公共団体の状況、そういったことが徐々に出てきておるわけでありますが、例えばこういった財政状況の硬直化の程度等について、経常収支比率、あるいは公債費負担比率、あるいは起債制限比率といったようなものを使って説明をしていることが多いようでありますが、ちょっと概括的に都道府県なり市町村ごとに、ちょっと恐縮でございますが、この経常収支比率なり公債費負担比率なりあるいは起債制限比率の推移について、近年の状況を御説明をいただきたいと思います。
#20
○政府参考人(香山充弘君) お答え申し上げます。
 まず、経常収支比率の数字でございますけれども、平成十一年度におきます都道府県の数字は九一・七%ということで、十年前の平成元年度と比べますと二一ポイントほどの上昇になっております。同じ経常収支比率、市町村の場合は平成十一年度で八三・九%、十年前に比べますと一四ポイントの上昇というふうになっております。
 それから、公債費負担比率でございますけれども、平成十一年度の数字が一六・九%で、都道府県の場合十年前に比べまして六ポイントほどの上昇でございます。それから、市町村の場合はこの比率が一六・三%になっておりまして、十年前と比べて四・六ポイントの上昇でございます。
 それから、起債制限比率でございますが、これは都道府県の場合が平成十一年度一一・二%でございまして、十年前に比べて一・八ポイントの上昇、市町村の場合は一〇・九%となっておりまして、平成元年度に比べまして〇・六ポイントの上昇となっております。
#21
○日出英輔君 何か物の本によりますと、これは地方財政関係の方々の常識でもあろうかと思いますし、また財政学者なんかの常識なのかもしれませんが、例えば経常収支比率でいいますと、七〇%ないし八〇%が標準的だ、これを下回ることが望ましいんだとか、あるいは公債費負担比率でいいますと、一五%あたりが警戒ラインだとか、二〇%になりますと危険ラインだとか、あるいは起債制限比率、これは財政再建団体の方にも関係してくるのかもしれませんが、過去三年間の平均が二〇%を超えると県債なりなんなりの発行に制限を受けるとか、こういったことが書かれております。
 私も、今、財政局長が御説明のように、ちょっと厚い数字をいただきまして見てみたんですが、こんな数字が目覚ましいと言っちゃ申しわけないんですけれども、大変悪化の状況がうかがわれるかというふうに思っております。こういったことがこの地方公共団体の一般の住民の方々に十分知らされているんだろうかと、そういうところがちょっと懸念されるわけであります。
 私は東北のある県の出身でございますが、なかなかその県の知事さんは情報公開という面では全国的にはもう先進的な県だと言われているようであります。ところが、その財政再建計画を見ますと、何といいますか、財政再建団体にならないことを唯一の目的にしているというとなんでありますが、もう県政運営全般が国の管理下に置かれて、行政サービスの低下はもとより、実質的な地方自治の放棄につながるという大変危機意識を持って書いておるわけであります。そこで、これを避けるために急激な財政健全化の手段をとるということを言っておるわけであります。
 ところが、この財政悪化の原因については割とさらっと書いておりまして、バブル経済崩壊後の不況による県税収入の低迷、あるいは国の経済対策に呼応した県債発行による公債費の急増、財政調整基金残高の減少といった三つをさらりと挙げているだけであります。
 一方、財政再建策というのは極めて具体的なことがずっと並んでおりまして、人件費の抑制でありますとか事務事業の抜本的な見直し、いわゆる大幅削減であります、あるいは歳入確保ということで使用料なり手数料の大幅アップといったようなことをずらずらっと列挙しているわけであります。その中に、特に県単事業の削減をきちっと書いておるわけであります。
 ちょっと伺いたいんでありますが、これも数字を昨晩ちょっと見させていただきましたら、この県単事業がかなり、総額ベースで見てもそうでありますし各県でもそうでありますが、急激にこの一、二年削減の幅がでかくなっているような気がいたしますが、ちょっと手持ちの数字がございましたら、この県単事業の削減の幅についてちょっと伺いたいと思います。
#22
○政府参考人(香山充弘君) 今手元に詳細な数字を持っておりませんので、後ほどまた資料で補足をさせていただきたいと存じますけれども、最近の厳しい財政状況を踏まえまして、今年度の場合は、前年度に比べて一〇%あるいはそれ以上の削減をしているという地方団体が多いことは事実でございます。
#23
○日出英輔君 私もゆうべ、そちらの方から資料をいただきました。都道府県決算状況調というこういう厚いもの、それから市町村別決算状況調、これも厚いもの、これも自治財政局の財務調査課の方で出されている。これは公表されているということだと思いますが、なかなかにこれを、私が知りたい数字がどこに書いてあるのかというのがよくわからないほど大部でございました。
 私は、こういった公表はされてはいるんだろうと思いますが、なかなか一般住民の目に触れないような形になっているような気もいたします。何かもう少しそれぞれの地方公共団体においてこういった情報の実質的な、公開と言うとちょっと言い過ぎだ思いますが、いわば義務的にやっぱり住民に知らせるというようなことについて、何か総務省の方で誘導なり指導なりということは何か考えられませんでしょうか。
#24
○副大臣(遠藤和良君) 地方公共団体の財政運営をその地域の住民に詳しく知っていただく、地方公共団体側からいえば説明責任をきちっと果たしていくということは大変重要なわけでございまして、法律にも、年に二回、きちっと予算とか決算の要領だとかあるいは財産とか地方債の現在残高ですね、そういうものの財務諸表についてはきちっと公表をするべきであると、こういうふうに義務づけているわけですけれども、ただ、それだけの数字では余りよくわからない面もあるわけですね。
 したがいまして、国といたしましても、より適切ないろんな事例をまとめまして財政状況公表事例集というふうなものをつくりまして全国にこれを回しておると。具体的にどうして現在のような起債残高が累積したのかとかそういうふうなものを、その原因をそういう自治体なりに分析をいたしましたり、あるいは歴年のものをデータを出すとか、そういう工夫もあっていいのではないかなと思うんですね。
 結果だけ示して、これからどうするんだということではなくて、その主な原因がどこにあったかということを各自治体なりに自己分析をしていただきまして、そのこともあわせて住民の皆さんに公表をしていく、理解をしていただく、そんな知恵をぜひ出していただきたいと思っております。
#25
○日出英輔君 今、副大臣お話しのように、私もそこが大事だと思っておるわけです。
 先ほどある県の話をちょっと申し上げたわけでありますが、結論的な数字、例えば公債費負担比率でありますとか経常収支比率、そういった数字の推移は説明してあるわけです。ところが、端的に言えば、何で借金がふえたのか、あるいはこれは何に使われたのか、こういったことが全然実は説明がないわけであります。そうしますと、本当に国の経済対策に呼応してやったんだと言えばそれまでかもしれませんが、実は、中身を見れば別に必ずしもそうでないものも随分あるように思います。やっぱり大きな大きな総合運動場を二百何十億でつくったり、いろんなものを箱物をつくったりしているわけであります。
 私は、こういう何か情報公開が進んでいるというふうに世の中で言われている団体でさえも、今、遠藤副大臣がお話しになったようなところに踏み込んでいないというのが大変私は不満であります。
 先ほどちょっと県単事業の話を財政局長に伺いましたのは、私も余り数字詳しくわかりません、たしか十二年度はかなり各県で県単事業を切っております。総額で、多分全国の総計でいうと一兆円近いんじゃないかと思いますし、十二年度もどうもかなり切っているような気がいたします。悲鳴を上げております。
 そういったときに、やはり財政再建というのが大事じゃなくて、それだけじゃなくて、自分の県でどういう事業にどういうお金が使われたんだと、結果としてこうなったんだと、これからもう一度県土をつくり直していこう、県政をつくり直していこうという話をするためにも、やっぱりきちんとした情報公開がないと、気持ちがやっぱり整わないんではないかという、そういうことで申し上げているわけであります。
 ちょっと次に、もう少し先に進みますと、先ほどのあの三つの指標について、これは私はちょっと素人でありますからよくわかりませんが、経常収支比率でいえば七、八〇%が標準的であるとか、先ほどちょっと申し上げたように、公債費負担比率は一五%が警戒ラインであるとか等々ございます。
 こういったものが、例えば起債制限比率も、これは一四%を超える団体については何か計画をつくらせて実行させているということでございますか、こういう幾つかのルール、内部的なルールがあるんだろうと思いますが、私は、やっぱり財政再建団体に何としてもなりたくないので、急に県単事業を削るとか、急ブレーキを踏むんではなくて、やはりこういった指標は三年先、五年先をある程度予想できるわけであります。
 そういう意味で、事前の何といいますか、財政破綻みたいなものを防ぐための事前のルールをもう少し、今幾つかの指標、この三つだけの指標でいいのかどうかわかりませんが、これは民間あるいは団体の方々に入っていただいて、これはもちろん強制的、強権的につくるものではありませんが、もう少しルールを明確にし、それを外部に見せて、地方住民が、一般の住民がこれを判断できるような、我が地方公共団体はどういうような財政状況になっているのか、これからどういうふうになっていくのか。これがある程度、三年先、五年先がわかるようなそういうようなルールを、今でも何かあるようには思いますが、もう少し明確なルールをつくっていただきたいというふうに思うのでありますが、総務大臣、感想で結構でございますが、そういうことは無理でございましょうか。副大臣でも結構でございますが。
#26
○副大臣(遠藤和良君) 現在、財政破綻未然防止ルールといたしまして二つ考えております。
 一つは、準用財政再建団体に陥る前の段階におきまして、起債制限比率というものを設けております。そして、一定の地方債の発行を制限するなどの予防措置を講じまして、財政破綻を招かないように対処している。
 もう一つは、起債制限措置が発動されない団体でありましても、この比率が高い市町村に対しまして、自主的に公債負担適正化計画を策定していただきまして、起債制限比率を引き下げていこうという市町村に対して財政上の支援措置を講じるなど、準用再建団体に陥る前の段階で自主的な健全化の取り組みを支援もしている、こういうふうにしているところでございます。
#27
○日出英輔君 今、起債制限比率についての内規的なものは私も今回少し勉強させてもらって知ったのでありますが、これだけで十分なのかどうか、私はもう少し何か一考を要するのではないだろうかと思います。
 会社の合併でも、合併前にそれぞれの会社の財務内容をしっかり出して、いろいろ議論をし、あるいは持ち株比率等を決めるというようなことがあります。合併のときも、合併に至るまでの間に、準備期間の間に、やっぱりこういったルールがあればお互いに議論をしながらそれに接近していけるんじゃないかということで、冒頭申し上げましたように、制度的な話とか、あるいは八百がいいとか千がいいとかいう頭の話ではなくて、それぞれの地方公共団体がうまく縁組できるような、そういった基礎づくりをぜひとも御努力いただきたいと思っております。
 次に、ちょっと外形標準課税の導入問題について伺いたいというふうに思っております。
 私は、少数派かもしれませんけれども、外形標準課税賛成論者の一応一人でございます。ただ、これはなかなかタイミングが難しいなということもありますし、一応昨年、旧自治省で提唱された外形標準課税について大変関心を持って見ていた一人でございます。来週あたりから自民党の税調でもこの議論が出てくるんだろうと思いますが、今年度といいますか来年度への外形標準課税の導入について総務大臣としてどういうふうにお考えなのか、お考えをまず最初に伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(片山虎之助君) その前に、今、日出委員言われましたように、やっぱり行政側というか、役所の方は余り都合の悪いことは言わないんですよね。だんだん変わってきていますよ。それは市町村や都道府県でも例外でないんで、やっぱりこれだけ情報開示の時代ですから積極的な情報の提供あるいは情報公開、住民の側からの請求による、こういうことにはやっぱりこたえていかないと、これからはなかなかもたないのではないかと思いますので、よく相談して指導を強化してまいりたいと思います。
 それで、外形標準課税の方ですが、昨年も、旧自治省時代でございますけれども、案をつくりまして、これは党の税調なり与党税調なり政府税調なりで議論をしていただきました。基本的には考え方は了とされて、できるだけ速やかな導入を図る、こういうことを税制改正大綱にも書いていただきました。また、本年六月の経済財政諮問会議の骨太方針にも外形標準課税の導入ということは書いておりまして、我々としては進めたい、こう思っております。
 やっぱり、地方は国と少し違いまして、応益なんですよね。地方団体の行政サービスを受けることに対する反対給付で税を納めていただくような考え方でございますので、黒字だからといって黒字団体、黒字の企業だけが納めて、企業や団体が、赤字は一切納めなくてもいいということには私はなかなかならないんじゃなかろうかと、公平の観点から。今、赤字が三分の二ですから、三分の一だけで全部背負っているんですよ。法人税もそうだといえば法人税もそうなんですが、これは応能的に考えればいいんで、公平でもないんで、ぜひ広く薄くということでやりたいと。広く薄く。増税するんじゃないんですよ、広く薄く。
 ところが、この赤字の方は、今は全然税金を納めていないのがちょっとでも持たされるということになるとこれは大変だと、こういうことになるんでなかなか御理解をいただいていないんですが、去年の案を基礎に、いろんな御指摘、御批判をいただきましたので、一部手直ししまして再度御議論をしていただこうと。
 ただ、景気がこういう状況でありますし、中小企業も相当お困りになっておりますので、最終的にはどういう御判断をいただくかはそれぞれのところでお決めいただこうと思いますけれども、総務省としては、粛々と新しい外形標準課税の案を出して説明をさせていただいて御審議をいただきたい、こういうふうに思っておりまして、現在その準備を進めております。
#29
○日出英輔君 若干、これに対する、昨年旧自治省が提唱しました外形標準課税についての私の意見をちょっと申し上げる前に、昨年の旧自治省案に対して、どこが一番、どの点が十三年度導入できなかった理由だというふうに理解をしておられますでしょうか。どなたでも結構ですが。
#30
○国務大臣(片山虎之助君) 詳しくは自治税務局長から答えさせていただきますが、人件費のウエートが高いということです、人件費のウエートが。外形標準でいろんなものをとるんですけれども、付加価値を中心に考えるわけですが、付加価値の中で一番大きいのは人件費なんですよ、やっぱり。それで人件費課税で、こういう雇用が大切なときに人件費を中心に課税をされると雇用不安が起こる、こういうのが一番大きい意見であります。
#31
○日出英輔君 総務大臣、先に言われましたので、実はそこを言おうと思っておったのでありますが、私もこの昨年からの外形標準課税のあり方を見ておりましたときに、課税の基準として事業規模額、この中の報酬給与額、これが一番目立ちます。これをやっぱり見ますと、どうしても労働集約型の方の企業に重く資本集約型の方に軽いという傾向が出てしまうんじゃないだろうかというのが、最初に実は去年これを出されたときの感想でございました。
 特に中小企業に対しては大変配慮しておられますが、配慮しておられますけれども、中小企業は、どちらかといいますと一般には装置型の資本集約型のではなくて、労働集約型の方が多いんですね。そういう意味でいいますと、私の見た限りでも、中小企業への配慮というのは一般的に大企業と別だということで配慮はされていますが、この辺がちょっと私は非常に気になったわけであります。
 この辺について、まだ言えないのかどうかわかりませんが、何らかの手直しといいますか、そういうことをやってお出しするというふうなお考えはありますでしょうか。
#32
○政府参考人(石井隆一君) お答えいたします。
 ただいまの御指摘のとおり、昨年、旧自治省が提案いたしました外形標準課税の案は、確かに事業規模額というのを課税標準にしたわけですけれども、ただいま大臣からも申し上げましたように、給与の課税標準の中に占める比率が高いものですから、雇用への影響といったような観点からの御心配もいただいたところであります。
 私どもは、もともと政府税制調査会でも二、三年にわたって御議論いただきまして、この事業活動価値というのは、報酬給与、それから純支払い利子、それから純支払い賃借料の合計に単年度の損益を加算したものでございますので、理論的に考えますと各生産手段の選択に関して中立的な性格だと。したがって、外形基準としてすぐれていると。例えば給与でいいますと、課税標準に含まれているから、じゃ給与を減らそう、したがってリストラしようというふうなことになるという御懸念があるんですが、ほかの条件が一定であれば、給与が減りますとそのかわり企業の利潤がふえるということになりますから、結局、全体利潤と給与と支払い利子と賃借料を足したものですから、足した総和は変わらない、こういう理屈になるので、学者の方々を含め、もとの旧自治省案はなかなかいいんじゃないかと言ってはいただいておるんですけれども。
 ただ、委員がおっしゃいましたような御懸念もありますので、昨年の場合も、例えば大企業と中小企業で税率に差を設けまして大企業が一・六、中小企業が一・〇にするとか、あるいは資本金一千万未満の小規模法人につきましては選択で月四千円、年に四万八千円でいいですよというふうにするとか、あるいは特におっしゃいますように中小企業の場合に比較的労働集約型と申しますか、人件費比率が高い企業が多いものですから、雇用安定控除というものを設けまして、もちろん大企業の中でも人件費比率が高いところはメリットがあるんですけれども、主として中小企業に配慮した仕組みをとったところでございます。
 そんなわけで、私ども旧自治省もなかなかいい案ではないか、あるいは経済界の中でもそれを評価してくださる意見がもちろんあるんですけれども、しかしいろんな御意見ございますので、ただいま大臣からも申し上げましたように、そういった御意見を踏まえて、じゃ、どうしたら一番経済界初め関係方面に御理解いただける税制になるかということで、今、鋭意最後の詰めを行っておりまして、総務省としては、案がまとまりましたらまたいずれ御審議に、政府税調あるいはいろんな与党の場とか等で御議論いただいて、この実現に向けて努力をしていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#33
○日出英輔君 昨年のこの法人事業税の中で所得基準と外形基準を併用するという考え方、これはなかなか私はうまいやり方だと思いますね。収益だけにかけるんではなくて、こういったことによって能力の高い一生懸命やった企業に対しては減税になるという可能性もこうやってみますと一応考えられそうな気もいたしますから、ある意味では活性化にも役立つだろうというふうに思います。ただ、やはりこれはタイミングだろうとは思います。これ以上の質問はやめますが、昨年の、一般的に、総務大臣さきにおっしゃったところは大変やっぱりいろんなところで気にしているようでございますので、よくよくの御留意を賜りたいというふうに思っている次第でございます。
 それから、最後になりましたが、法案の関係で一言ちょっと申し上げたいと思っております。
 この源泉分離課税の廃止あるいは申告分離課税の一本化という話でございますが、これは大分長々と自民党の方の関係の部会でも議論され、私も一応参加といいますか出席をしてこの経緯を聞いておりました。
 この源泉分離課税のメリットが、匿名性というところと、ある種の簡便性といいましょうか申告しなくてもいいという、この二つだろうと思いますが、私は、まず匿名性の話の前に、やっぱり納税の税務申告の煩雑化を何とか避けるような手法、これはある意味では法制度ではなくて実務的なことかと思いますが、これは何かもう少し簡易な申告制というものを検討すべきではないだろうかというふうに思いますが、新聞等では何か証券会社が納税代行をするというふうな考え方もあるんだとか、こういうふうなことが出ておりましたが、この辺については税務局長、いかにお考えでしょうか。
#34
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
 今回の改正によりまして源泉分離課税がなくなりましたので、おっしゃいますように申告分離一本化ということになりますから、当然、手続の簡素化ということが必要になるわけでございます。
 今回の地方税法の改正案の中でもこれに合わせまして租税特別措置法の改正案が出ておりますけれども、例えば随分古い時代にお買いになったり、あるいは相続で取得されたりしたような株式につきましては、取得原価がわからないといったようなことがございます。こういったときに、いろいろ実務上煩雑になりますから、申告事務の負担の軽減に配慮するということで、取得価格が不明な場合の取得費につきましては、ことしの十三年十月一日における価格の八〇%をもって取得価格とみなすといったような法改正もお願いをしておるところでございます。
 それからまた、所得課税ということでございますので、これは個人住民税だけではなくて、まさに所得税の問題でもありますので財務省とも協力しながら、例えばタッチパネル式の自動申告書作成機の機能拡充を図ってはどうかとか、それからまた、今、委員からもお話がございました、せっかくこういうふうに税率の引き下げ、損失の繰り越しも認めるというふうに個人投資家ができるだけ株式市場に参加しやすいような仕組みにしたわけですけれども、この申告分離一本化に伴ってかえって手続が煩雑になるということでは困りますので、証券業界の方も真剣にどうするかいろいろ御議論されているようでございます。そういった関係方面ともよく御相談し協力しながら、何とか簡便な仕組みになるように努力をしていきたいと思っております。
#35
○日出英輔君 ぜひともより簡便な申告制をつくっていただきたいというふうに思っております。そういたしませんと、やはりこの個人投資家の市場参加というのもできないだろうというふうに思います。
 最後に、総務大臣に一言だけ伺いたいのでございますが、この匿名性の方、これはやっぱり何か所得を捕捉されるのが嫌だという気持ちは私は全く無産階級でありますので余り感じませんが、思っている方はそういうふうに思うかもしれません。ただ、私も、これもやっぱりどこか限度があるし、それから制度の方向としてはやはり透明性のあるそういったものにしていくんだろうということだと思いますが、ただ、所得はきちんと捕捉するということはいいと思いますが、株式投資につきものの損失、キャピタルロスでありますが、これについての、きちんと吸収していく、翌年度以降繰り越しをして吸収していくということはきちんとしませんと、匿名性の話との見合いでやはり物事が進まないんだろうというふうに思います。
 将来にわたっての、今回の証券税制改正からさらに進んでの話だと思いますが、こういった方向について片山総務大臣はどういうふうにお考えになっておられるか、それを伺って、私の質問の最後にいたします。
#36
○国務大臣(片山虎之助君) やっぱり間接投資から直接投資へと、証券市場の育成ということが当面の我が国においても大きな課題でございまして、そのために今回こういういろんな改正の措置がとられたわけでありますけれども、今、委員が言われましたように、やっぱりそういう損失を吸収できるということ等も考えなければなりませんので、今、損失の繰越控除の制度が例外的にとられておりますものを一般的な制度にしまして三年間それができる、こういう制度を導入することにしておりまして、そういうこと等を含めて、もっともっと一般の国民の皆さんが、投資家が証券にと、こういうふうな雰囲気や仕組みをつくってまいりたいと、こう思っております。
#37
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 今、日出委員の御質問と若干重なる部分もあるかもしれませんが、まず今回の法案について質問をさしていただきたいというふうに思います。
 今回の改正案は申告分離課税への一本化ということで、その改正案の考え方自体は評価ができるものだというふうに私も思っております。そこで、しかし、今お話もありましたけれども、平成十一年の税制改正では、申告分離課税への一本化は個人投資家の株離れを招き、経済に悪影響を及ぼすということで見送られた経緯があるわけでありますが、今回なぜ実施されたのか、また今回の改正では証券市場にどのような影響があると考えられるのか、その点をまず総務大臣に伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども申し上げましたが、貯蓄優遇から投資優遇へ金融のあり方を切りかえていく、こういうことが例の六月の骨太方針でも書かれておりまして、我が国の経済の再生を図るためにはやっぱり企業の活性化が必要で、そのためには成長分野に資金が流れていかなけりゃならぬ、それを証券市場でやっていただく、こういうことでございまして今回の改正を行ったわけですが。かつての議論は、源泉分離の方が手間がかからないから、これを申告分離に一本化したら個人投資家が逃げる、近寄らないと、こういう意見があったことは私も党の税調その他で議論に参加しておりましたから、そういう議論がありました。しかし、よく考えてみると、この源泉分離というのはほかの国にないんですよね。どっちもいい方をとれるというような税制が、それがいいのかどうか、税制としてのあり方で。また、透明性がなくなりますよ、今も御指摘ありましたが。
 そういう意味で、むしろ今回は申告分離一本化した方が個人投資家が信頼すると、マーケット、そういう議論の方が強くなりまして今回の措置がとられたわけでありますが、ただ、リスク緩和の意味で、先ほども言いましたけれども、損失繰越控除制度を入れましたり、あるいは御承知の税率を二六から下げていく、こういうことでございまして、そういう意味で、トータルとしては私は、これによって個人投資家が証券市場に参加のそういう雰囲気や環境ができたなと、こう思っております。
#39
○浅尾慶一郎君 私も、貯蓄から投資へお金を流していくことが日本経済再生の必須条件だというふうには思っております。しかし、税制を変えていくということは一つの必要条件かもしれませんが、当然それが十分条件であるというわけではないわけでありまして、証券市場においても構造改革という、言葉が適切かどうかは別として、証券市場の改革ということも考えていかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
 そこで、きょうは金融担当の村田副大臣にもお越しいただいておりますが、証券市場の構造改革ということで、例えば改革先行プログラムにある、個人投資家の証券市場への信頼向上のためのインフラ整備、魅力ある投資信託の実現、投資信託の目論見書の改善、投資家教育の推進という項目はありますけれども、これはいつまでに具体的にどのようなことを行うのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
#40
○副大臣(村田吉隆君) 私どもといたしましては、個人投資家に証券市場に積極的に御参加いただく、こういう観点から、「証券市場の構造改革プログラム」を八月に発表させていただいたわけでございます。
 その中で、第一に、個人投資家の証券市場への信頼向上のためのインフラ整備でございますが、その中で、証券会社の営業姿勢の転換に向けた方策といたしまして、証券会社の行為規制違反に係る行政処分の公表、これはもう既に七月から実施済みでございます。
 それから、行政による市場監視の強化といたしまして、私どもは八月の概算要求と合わせまして定員要求をお願いをいたしておりまして、証券取引等監視委員会の人員増強の要求を、すなわち、ただいまは金融庁の人員それから地方財務局の定員がございますが、それぞれ倍増に近いそういう要求をさせていただいているところでございます。
 それから、市場インフラの整備といたしまして、全国証券取引所と証券業協会が共同で「株式投資単位の引下げ促進に向けたアクション・プログラム」の公表を実施をしておりまして、これは九月の四日になされております。
 例えば、新聞情報でございますが、十月から単元株制度というものを導入いたしまして、幾つかの会社が積極的に投資単位の、最低単位の引き下げということを行っておりまして、例えばホリプロとか、ホリプロなどは従来は最低投資単位が六十四万円程度だったそうですが、今はその十分の一でできる、こういうことになっておりますし、かつまたそうした最低投資単位の引き下げの措置をとった会社がもうこの現在時点で昨年と同数ぐらいに及んでいるということでございまして、この意味では個人投資家が参入しやすくなっているのではないかと、こういうふうに考えております。
 それから、同じく自主規制機関でございます証券業協会によります市場監視の強化といたしまして、「証券会社の信頼性向上に向けたアクション・プログラム」の公表、これも九月の十日にやっておりまして、そういう意味では、私ども、市場の監視、あるいは投資家が既に証券会社の勧誘態度等において不適切な事例があった場合には個人がそういう事例をあらかじめ知っておるというような体制づくりを積極的に進めていると、こういうことでございます。
 それから、例えば個人投資家にとりまして魅力のある投資信託の実現につきましては、一つは、ETFという株式投信を導入したということもございますが、これに株式投信の乗りかえの勧誘行為の改善につきましては、ルールの導入のための内閣府令の改正案を今パブリックコメントに付している、こういう状況にもございます。
 それから、最後の投資家教育なのでございますが、これは、金融庁のホームページを拡充いたしまして金融商品の情報ネットワークを構築するとともに、いろんな団体が行う学校支援事業で一覧性のある形で提供するサイトを新設していくこととか、それから個人投資家と直接対話の機会の充実のために意見交換会をすると。実は来週二十六日に投資コンファレンスというものを、東京ですが、開催する予定ですが、私も参加いたしまして、そういう意味では投資家教育の、あるいは株式に国民がなれ親しんでいただくような環境づくりに金融庁としても積極的に参加をしていきたい、こういうふうに考えております。
 それから、先ごろの国会で御審議いただいて成立をさせていただきましたけれども、公社債等のペーパーレス化の実現を初めといたしまして、次は社債とかほかの株とかそういう取引におけるペーパーレス化ということも整備をしていきたい、こういうふうに考えておりますし、それから投資信託の目論見書、これは大変読みにくい、複雑であるということでございますので、これについても今、ただいまのところ金融審議会第一部会で審議をしておりまして、早急にこの内容の詰めを図って公表にこぎつけたいとしているところでございます。
 そういうことで、私どもが公表いたしました「証券市場の構造改革プログラム」については、できるものから着実に今整備をしている、こういうことをお答え申し上げさせていただきたいと思います。
#41
○浅尾慶一郎君 今るるいろいろとお答えいただいたわけでございますが、幾つか金融庁は今後の行政の流れの中でそのルールの監視役という部分が大変重要な意味を持ってくるんじゃないかなというふうに思っております。
 その意味で、ここの部分、さら問いの部分はちょっと質問通告しておりませんけれども、もしお答えいただけるのであれば、今、日本版SECですね、証券等監視委員会の増員ということに関してお答えいただいたわけでありますが、ぜひとも、諸外国と比較して日本だけがその規制が緩い、あるいは摘発がされにくいということから法の網をくぐるようなことがないようにしていただきたいというふうに思いますが、副大臣のその点に関する御決意のほどを伺いたいと思います。
#42
○副大臣(村田吉隆君) 投資家が我が国の証券市場に対しまして信頼を持っている、こういうことが我が国の証券市場の活性化に不可欠な条件でありまして、そういう意味で、取引が公正に行われるという、そういうインフラを整備するということが我々にとっても行政に課せられた責務であるというふうに考えております。
 第一歩としては、ただいま御答弁申し上げましたように、私どもの監視委員会の人手が非常に、もう絶対的に足りないということでありますので、皆さん方にも御支援いただきましてこの増員を要求をさせていただいているところでありますが、そのほかにも、いろんな意味で、監視委員会という行政の立場だけではなくて、市場に参加いたします投資家のみならず、媒介をいたします証券会社その他の業界の方も公明正大な取引をする。そして、いろんな苦情も寄せられるでしょう、それから証券外務員の望ましくない、適正でない事例も出るでありましょうから、そういうものを自主規制機関が自主的に公表して、投資家にはこういう事例があって不適切じゃないかということが、情報があらかじめ、証券会社の外務員あるいは証券会社の社員が適切でない勧誘をした場合にはおかしいということがあらかじめ認知できるような情報も私どもから積極的に提供できる体制を整えていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#43
○浅尾慶一郎君 ぜひ、事前規制から事後規制へと変わっていく流れの中で、証券等監視委員会も含めて、必要な人員の増員ということは、これは行政改革の流れの中ではありますけれども、やはりやっていくべきだろうと思っていますので、その点御努力いただきますようお願い申し上げまして、ほかの委員会があるということでございますので、私の方は結構でございます。
 そこでもう一つ、貯蓄から投資への流れをつくっていくための一番根本的に必要な、貯蓄から投資へという流れをつくっていく過程で最も重要なことは、企業が利益を上げるということであろうと思いますし、なおかつ投資家が投資をした企業に対して透明性を持ってすべてが見られるという制度をつくっていくということだというふうに思っています。
 そういう観点から、本日は法務副大臣にもお越しいただいておりますが、株主重視の企業経営、英語で言うとコーポレートガバナンスということになるのかもしれませんが、を実現するためさまざまな商法の見直しも検討されておられるということでありますが、今国会に与党が提出している商法改正案をどのように考えるか、この点についてお答えいただきたいと思います。
#44
○副大臣(横内正明君) 御指摘のこの議員立法につきましては、現在、与党、野党、関係の議員さんが鋭意協議をしているところでございますので、政府の立場でのコメントは控えさせていただきたいと思いますけれども、法務省としても御指摘のような企業統治、コーポレートガバナンスというのは大変にその実効性を高めることが大事だというふうに思っておりまして、現在、法制審議会の会社法部会で商法改正の検討作業を行っておりますけれども、その中においても、今おっしゃった議員立法の動向を見ながら審議会としても検討しているというところでございます。
#45
○浅尾慶一郎君 今法制審議会ということをおっしゃいましたが、政府提出の場合では通常法制審議会にその法案を審議していただくということだと思いますが、今回は議員立法になっているというのは、どこか法制審議会にかけると問題があるのか、あるいは時間がかかるのか、今までの法体系の、法学者の議論と若干そぐわないところがあるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
#46
○副大臣(横内正明君) 法制審議会にかけると時間がかかるとかそういうようなことは、そういう意図があってのことではないと思います。
 与党の大変に商法について熱心に勉強している委員が、かなり長い時間をかけてこの商法の改正、とりわけコーポレートガバナンスの問題を検討してまいりました。その成果がまとまってきているわけですけれども、同時にそれは与党だけでなくて、野党も含めてぜひ立派な法案にしたいということで、現在関係者の間で協議が行われているということでございます。
#47
○浅尾慶一郎君 私が聞いておりますところ、先ほども御答弁いただきましたが、来年の通常国会で大きな商法の改正を用意される、準備しようと思っておられると。それは法制審議会にかけられると。しかし、今回、今与党提出しようとされておられる商法の改正案は、法制審議会を、当然議員立法ですから、制度上も通らないということになるのかもしれませんが、通さないで出されるということで、そこら辺の整合性について、ちょっと最後踏み込んで御答弁いただけるとありがたいんですが。
#48
○副大臣(横内正明君) 御指摘のように、現在法制審議会の会社法部会でもこの商法の改正を検討しております。その中にはコーポレートガバナンスの実効性を高めるという観点の検討も行われているわけでありますけれども、その与党で提案をする議員立法の商法改正と、それから政府の方で、審議会で検討しているものとの間は、お互いに対象事項を異にしておりまして、お互いの整合はとれたものになっていると、そのように検討をしているということでございますから、双方が矛盾をするということは全くございません。
#49
○浅尾慶一郎君 商法というのは一つの、いい悪いは別として長い伝統に基づいた法体系がありまして、そこは伝統的に法制審議会で議論されていることが多かったというふうに私は理解をしておりますが、近年の経済状況が急速に変化する中で法制審議会を通さない流れが出てきているということも、流れとしては理解をいたしております。
   〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
 しかし、大きな改正があるというときに一部そこを通らないというのはやはりどこか、矛盾がないといえば、それはそこだけ切り出せば矛盾がないんでしょうけれども、全体の改正を考えた場合に少し、整合性と言うと言い過ぎかもしれませんが、何かややおかしいかなというような印象も受けるものですから、この点についてこれ以上法務副大臣にお聞きしても余り踏み込んだお答えは総務委員会ではいただけないと思いますので、私はこのことだけ申し上げさせていただいて次の質問に移らさせていただきますので、法務副大臣、どうもありがとうございました。
 そこで、基本はあくまでもコーポレートガバナンス、会社の経営の透明性を高めて、そして利益が上がる体質をつくっていくことが株式投資がふえていくということだと思いますが、その基本は基本として、その上で少しでも株式投資をしてもらえるように、今回の改正を、国民への周知はどのように総務大臣として行っていくのかということについて伺いたいと思います。
#50
○国務大臣(片山虎之助君) 総務省では地方団体に対して連絡をしまして、地方団体を通じて住民に必要な周知をやってくれと、こういうことはもう既に始めておりますが、総務省のホームページにも改正法の概要をわかりやすく載せること等を初めとして、今回の改正は国税、地方税を通じる改正でありますから、財務省とも連携をしまして、パンフレットをつくりまして地方の出先等に置くことも今考えておりますし、また証券業界の方でもやってほしいと、そういうことを言っておりまして、総合作戦でぜひこの周知を図ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
#51
○浅尾慶一郎君 それでは、今回の改正の地方財政に対する影響について伺っていきたいというふうに思いますが、まず地方税の税収はどういうふうになるのか、増減のタイミングと、これなかなか難しいんだと思いますが、その根拠をあわせてお答えいただきたい。つまり、株が上がらないと多分そんなに税収は上がらないということになると思いますが、できる限りお答えいただきたいと思います。
#52
○副大臣(遠藤和良君) 今回の措置によりまして地方税にどういう影響があるかということでございますが、まず改正項目ごとにこういうふうな見通しをしております。
 まず、申告分離課税への一本化による、これは増収になりますけれども、大体約一千三百億円程度、それから申告分離課税の税率の引き下げによる減収がありますが、これが約四百五十億円程度、それから損失の繰越控除の特例の創設によりまして、これは減収になりますが、これが四百七十億円程度と、こういうふうに見ております。あと、個人住民税の方は前年度所得課税でございますから一年おくれで効果があらわれるということでございますが。
 したがいまして、申告分離課税への一本化による増収とか税率の引き下げに対する減収があらわれるのは、平成十六年度から影響があると、このように考えております。また、損失の繰越免除の特例の創設による減収が、十七年度から始まりまして三年間ありますから、十九年度から平年化すると。
   〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
 こういうことを基本にして若干見通しをさせていただきますと、平成十三年度の国税収入見込み額をもとに幾つかの仮定条件を置いて考えてみますと、正確な数字ではありませんけれども、大体平成十六年度には約八百五十億円程度の増収になるだろう、十七年度には約五百六十億円程度の増収になるだろう、十八年度には四百三十億円程度の増収になる、十九年度以降は約五百七十億円程度の増収になるだろうと、このように考えております。
#53
○浅尾慶一郎君 個別の地方税はそれぞれその後ろに当然自治体が控えているということになると思いますので、私の、例えば神奈川県を例にとると、神奈川県内の自治体への影響というのはどのように見積もればよいんでしょうか。
#54
○副大臣(遠藤和良君) 現在、源泉分離課税に係る株式の譲渡所得ですけれども、これは証券会社等において源泉徴収されているわけですね。あるいは匿名ということもあったりいたしますね。それからまた、個人住民税は非課税になっていますから、これは当該所得を得ている人の住所地を把握することは困難であるということでございまして、実際にすべてが申告分離課税に一体化されたときにどういうふうな、納税者がどこに所属することになるのかということを把握することはなかなか難しい。
 ただ、現在においても、要するに源泉徴収を選択できない人たちがおりますね。この人たちは、大体三〇%ぐらいの人数がいるんですけれども、この人たちが所属している地域はわかるんですけれども、このシェアを今後もそうだろうと思って推定することはなかなか難しい、というか、その数字が信憑性があるかどうかということについて正確に捕捉はできないのではないか、このように思っております。
#55
○浅尾慶一郎君 そうすると、今の御答弁ですと、申告分離課税、今度の法改正で一本化された後は、しばらくすると各自治体への税収というのはわかるというふうに理解すればいいんでしょうか。
 という意味は、私の理解では、地方税は当然御案内のとおり一年おくれになりますから、申告される税務署が、例えば神奈川県の方であれば、東京に勤めていれば東京の税務署を使う場合もあると。これはあけてみないとわからない。要するに、つまり東京都の麹町税務署に神奈川県に住んでいる人が申告することも、源泉地が東京に会社があればそういうことも可能でありますから、あけてみないとわからないということなんですが、ここは、この株式の申告分離課税についてはそういう問題はないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#56
○副大臣(遠藤和良君) 申告分離課税になりますと、これは現住所に住んでいる方が現住所の名前で申告をしていただくというのは基本でございますから、現在のような源泉徴収の話じゃなくて、すべてが申告分離課税に統一された後はきちっと、その取引をやった人がどこにいて、どのぐらいもうかって、どのぐらい税金を納めていただくか、これは非常にはっきりしてくると、こういうことでございます。
#57
○浅尾慶一郎君 わかりました。
 それでは、今回の改正と地方交付税の算定基礎との関係はどのように考えたらいいかということをお伺いしたいと思います。例えば個別の自治体の交付税の交付額にどう影響するか、お伺いしたいと思います。
#58
○副大臣(遠藤和良君) これは、個別の地方団体で今回の影響がどのように出るかということは、先ほど申し上げましたように大変難しいわけですけれども、交付税というのはきちっとその次の年におきまして精算する仕組みをつくっておりますものですから、各方面の当初見積額と実績の過不足額というものは調整されると、このように考えております。
#59
○浅尾慶一郎君 時間の関係で次の、もう少し幅広く地方財政の問題を取り上げていく質問に移っていきたいと思いますが、国と地方自治体との関係で基地交付金というものがございます。今般、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の政省令改正が行われまして、過去五年間に引き続いて、今後五年間基地交付金を本来よりも少なく補正する措置がとられました。
 本来その基地交付金というのは、それが仮に固定資産税の対象施設であったとするならば、それの、そういうふうにならないわけですから、代替的性格を有する交付金として基地交付金というのがあるというふうに考えるわけなんですが、本来よりも少なく補正するということはそういう趣旨に反するというふうに思いますが、今回の補正の理由はどういうところにあるんでしょうか。
#60
○副大臣(遠藤和良君) この基地交付金につきましては、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律施行令第三条に基づきまして、予算の総額の十分の七というものを対象資産の国有財産台帳価格で案分をしているわけですね。そして、残りの十分の三を対象資産の種類とか用途とか市町村の財政状況を考慮して案分すると、こういう仕方でしているんですけれども、その国有財産台帳価格ですけれども、これは五年ごとに改正をしているわけですね。今回、改正されました価格を見ますと、この土地についての評価方式が改まったものですから、それとの影響がありまして、台帳価格は全体として大きく上昇したという一面、一部で急激に下落した、そういう市町村もあるなど大変大幅なばらつきがあったということですね。
 ただ、台帳価格そのものが大きく変動しても、実際、基地自体があるということ、基地がどういうふうにその市町村で役割を果たしているかということについては全く変わらないわけですから、全く変わらないのに価格が変わったということで、急激な変動があったというのではいけないものですから、若干の急激な変化、変動を緩和する措置を織り込んだと、こういうものでございます。
#61
○浅尾慶一郎君 今お答えいただいたんですが、私、別にその基地の存在をすべて一〇〇%否定するという立場に立ちませんが、仮に基地がなかった場合に、基地によって自治体が得られたであろう固定資産税の総額というのは全国でどれぐらいにありますか。
#62
○国務大臣(片山虎之助君) ちょっと額はまた後ほど資料で出させていただきたいと思いますが、固定資産税そのものじゃないんですね、基地交付金は、固定資産税的ではあるんですけれどもね。
 そこで、その今の台帳価格との比率を見ますと、基地交付金の方は〇・五六%になっているんですよ。ところが固定資産税の方は、本当は一・四ですよね。ところが、これはもういろんな課税標準の特例を設けておりまして、御承知のとおり、ほとんど平均的な住宅用地なんというのはもう相当低くなっているんですね、商業地も低くなっておりましてね。そういう意味からいいますと、例えば固定資産税の評価額に対する税額の割合は住宅用地は〇・一八%、商業用地が〇・七六%で、合計で平均しますと〇・四〇なんですよね。だから、そういう意味からいうと、固定資産税より基地交付金の方が比率がいいじゃないかという議論があるんです。ただ、それは神奈川県のような大都市圏がそうなんですけれどもね。
 この点は、我々は固定資産税的性格を強くせないかぬと思っていまして、ただ財務省の方は、これはやっぱり固定資産税、身がわりじゃなくて、国がいろいろ御迷惑をかけているので、固定資産税的な性格を入れながらお渡しする交付金だと、ここの性格論争を毎回やっているんですよ。そこで当方が大分強く言いまして、固定資産税は三年に一遍評価がえをやるんだから、基地交付金も三年に一遍十億ふやせと、こういうことで、梶山自治大臣のとき決着したんです。
 私は、それでいいのかどうか、この際もう一遍見直したらどうかといって自治税務局の方に言っていまして、自治税務局には嫌われているんですけれども、ぜひこの辺はなお折衝したいと思っております。
#63
○浅尾慶一郎君 今、大臣からお答えいただいたので、私の方でも数字を、幾らに当たるかというのはまあよくわからぬということなんだと思うんですが、一方で、その平成十三年度の予算額が、二百三十九億五千万円にたしか基地交付金が当たっておるんだと思いますが、要するにその対応する固定資産税相当額が幾らかわからないとなると、この二百三十九億五千万円はどういう根拠で積み上げた数字なのか、その点をちょっとお答えいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(片山虎之助君) これもぶっちゃけた話をしますと、創設時はつかみだったんですよ、基本的には。それをだんだんだんだん固定資産税的に近づけていったんですよ、旧自治省の努力で。ここのところが神学論争になるんです。だからひとつ、数字は後でお持ちしますので、よろしく御理解賜りたいと思います。
#65
○浅尾慶一郎君 ぜひ、固定資産税的にしていただきたいというふうに思います。
 それは、今般のテロ対策等もあり、基地を抱える自治体は若干そのテロ対策の関係で負担が重くなっているというのは、事実、現実問題としてあるというふうに思っておりますので、今の点も踏まえて、大臣の今度の予算折衝に向けての御決意を伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(片山虎之助君) 三年に一遍という約束を大分取り交わしておりますので、ことし増加しましたから来年どういうことになるのかわかりませんが、予算額そのものはわかりませんが、考え方の整理を財務省との間でいたしたいと、こういうふうに思っております。
#67
○浅尾慶一郎君 次の質問に移ります。
 先ほど日出委員が外形標準について質問をされておりましたので、若干先ほどの答弁を踏まえて質問させていただきたいと思います。
 まず、外形標準というものは応益課税が原則の地方税において考えていくべきであるということについては、考え方そのものは私はそうだろうなというふうに思っております。しかし、今の経済の情勢を考えると、いろんな反対意見等もあるということもよくわかっておるんですが、そこで、外形標準そのものではないかもしれませんが、それに近いものとして神奈川県の臨時特例企業税、この間同意をいただいたというふうに思っておりますが、この点についてどのように評価されておられるか、お答えいただきたいと思います。
#68
○副大臣(遠藤和良君) 神奈川県の臨時特例企業税でございますけれども、これは、外形標準課税を導入されるまでの臨時特例的な措置として、当該利益が黒字になっているにもかかわらず欠損金の繰越控除制度により法人事業税について税負担が生じていない法人に対し相応の負担を求める、そのために法定外普通税として新設したということでございまして、その趣旨に総務省としても同意をいたしました。こういうことでございます。
#69
○浅尾慶一郎君 それでは、昨年の自治省の案の外形標準はやはり給与の部分がウエートが重いというのは、私もそのとおりだと思っております。給与の部分のウエートが重い。先ほどの話ではないですけれども、確かに中小企業は特例で低くなっていますが、労働集約的な中小企業に場合によっては悪影響を与える可能性もあるし、逆に考えると、そういうことはなかなかつくりにくい設計になっていると思いますが、大企業が資本金の小さいところに従業員を移すことによって何らかの形でその税負担を低くするということも考えられなくもないのかなというふうに思うわけでありますが、その給与の部分について具体的に少し伺っていきたいと思います。
 仮に、今の給与のという部分を残した形で今後引き続き検討されるということであれば、例えば育児休業法が改正されて、その育児休業中に仮に賃金を払っているというような会社があった場合には、そこは例えば給与総額から控除するとか、あるいは高齢者を雇用した場合にそれも給与の額から控除するとか、障害者の雇用をした場合に給与の額から控除するとかといった何らかの、本来の外形標準とは若干違いますが、政策誘導的な形でその給与という部分を使うことを考えておられるかどうかを伺いたいと思います。
#70
○副大臣(遠藤和良君) 昨年の自治省の案でございますけれども、これは中小企業に配慮するというふうな政府税調の中間答申でしたかね、それも踏まえた上で中小企業に配慮するというところからつくりまして、一つは課税標準を事業規模額としたんですけれども、この事業規模額というのは大体その法人が生み出す付加価値というふうな概念でとらえておりまして、それは給与そのものに課税するというものではありません。
 したがって、今お話がありましたような育児休業中の賃金とか、いろいろとそういうふうな話でございますけれども、これは、個別に政策が給与そのものを基準にしてなくて、全体の支払い額というものをその法人の生み出す付加価値だと、こう見ておるものですからそういう概念に相当しないと思うんですけれども、別途、雇用という問題から、雇用に対する影響だとかそういうものも反映をすべきではないのかと、こういう意見もございますものですから、これについても若干を前の案でも配慮しているんですけれども、今後も引き続いて配慮していかなければいけない、このように考えております。
#71
○浅尾慶一郎君 いや、個別の給与を対象としていないというのはよくわかるんですが、支払われた給与総額が多分これは対象になるんだろうなというふうに思っていまして、そうだとすると、私の質問は、御検討されているかどうかということで伺いたいんですが、今申し上げた、例えば育児休業中の部分も支払い額の総額には入っているけれども、それは控除するようなことは御検討されておるのかどうか、その点を伺いたかったんですが。
#72
○国務大臣(片山虎之助君) 正直言いまして、現在検討過程ですが、今の浅尾委員が言われたようなことまでは検討の対象には入っていない。税制で政策誘導をどこまでやるか、これはかなり昔から議論があるところで、私はある程度そういうことも考える必要性も感じてはおるんですけれども、一方では税制をゆがめるという大変な議論もありまして、委員御指摘の点は十分承って、検討の対象にはさせていただきます。
#73
○浅尾慶一郎君 次の質問に移りますが、東京都が導入を発表したホテル税についてどういうふうに考えるか伺いたいと思います。
#74
○国務大臣(片山虎之助君) このいわゆるホテル税と言われるものは、東京都が都の税制調査会の答申を受けて検討を行ったものでございまして、法定外目的税で、この目的税ですが、その使途は観光振興施策に充てると、こういうことのようですね。一万円から一万五千円までのものは百円、一万五千円以上のものは二百円求めると。
 大体よその人ですよね、ホテルに泊まる人は。東京都の方も泊まるんでしょうけれどもね、いろんなあれで。ただ、それは東京都以外の方の方が多いと思いますけれども、正式にはまだ話は来ておりませんので、恐らく都議会が採決をしたら正式な協議の手続をおとりになると。この段階で地方税法の規定に照らしてどうかということを相談をさせていただこうと、こう思っております。
 しかし、外野席で雑音が、いいとか悪いとか大変うるそうございまして、どちらの言い分もあるなと思いながら私はそれは承っております。
#75
○浅尾慶一郎君 最後になると思いますが、地方財源の充実というのは、実は国の行政改革と一体でしていくことが必要だろうなというふうに思っていますし、それが必須の条件になってくるんじゃないかなというふうに思っています。
 そこで、今、特殊法人の改革がいろいろ言われておりますが、総務省所管の簡易保険事業団と公営企業金融公庫は、これはどういうような対応をとられるのか、この点について伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(片山虎之助君) 簡易保険事業団は、私はもういち早くこれは廃止しようと、こう考えております。
 といいますのは、二年後に公社になりますから、事業団を別に置いておく理由が大変乏しくなると、こういうふうに思いますのでそうしようと思いますが、今、簡易保険事業団がやっています事業のうちで公社が引き取るべき必要があるものは引き取ろうと、そうでないものは民営化か、あるいは民営化が難しければ地方団体か、そういうところでいろいろ協議させていただこうと、こう思っております。
 それから、公営企業金融公庫というのは、これは特殊の政策金融機関でございまして、簡単に言うと地方団体が共同で債券発行して資金調達しているんですね。
 ただ、問題は、信用力を高めるために政府保証をつけているんですよ、政府保証。そこで、政府保証がなくなると債券の発行が割高になったり手間が大変なんですね。そこのところ、うまい知恵がないかということなんですが、例の行政改革事務局の方は、できれば地方の共同の特殊法人にしたらどうかと。結構なんですよ。しかし、そんな制度はありませんからね。これからつくらなきゃいかぬ。そこで、法制論としてもいろんな検討をせにゃいけませんので、そういうことで、そういうことの見通しが立てばそっちへ切りかえたいと思いますが、それが難しければしばらくは現状で置いておく、こういうことになると思います。
#77
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたのでここで質問を終えたいと思いますが、最後に、総務省は行政評価法の所管省庁でありますので、ぜひ率先して、今御答弁いただいたことも含めて行政改革に取り組んでいただきたいということを申し上げさせていただいて、質問を終わります。
#78
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 今回の地方税法の一部改正は、証券市場の構造改革に資するという、そういう観点からというふうになっておりますけれども、新たな個人投資家を育てて株式市場の活性化をねらう、そういうふうに理解をしておりますが、その辺の目的を敷衍して御説明をいただきたいと思います。
 あわせて、今回の改正によって、株式市場における効果、新しい投資家であるとかあるいは投資総額とか、きっちりした数字は余りないのかもしれませんが、どの程度を見込まれているのか、御答弁をお願いしたいと思います。片山大臣。
#79
○国務大臣(片山虎之助君) これはなかなか、委員、難しいですね、我々は効果があることを期待しておりますけれども。
 ただ、一般投資家の方の認識も大分変わってきているので、昔は源泉分離、源泉分離と言っておったんですよ。というのは、その方が手間は簡単だし、得ですからね、いい方をとれるんですから。それから、いい方をとれるし、しかも大体みなし課税ですから、一・〇五でしょう。
 だから、そういうことを言われてきたんだけれども、長期に投資市場を育成していく、活性化していくためにはやっぱり透明性がなきゃいかぬと思いますね。今の株式の市場に対する不信感もあるので、そういうものを払拭する意味では申告分離に一本化が必要だと前から私は党の税調や何かでも言ってまいりまして、特に地方税は、これはかからないんですから、地方は損していますから、そういうことで、今回一本化したことは、私はそういう意味で中長期的には大きな効果があるんではなかろうかと。
 それから、ちょっと複雑なんですけれども、税率を下げますから、二〇%に長期的には下げる、当面は一〇%にする、さらに、もうちょっと短い間ならただにすると、こういう仕組みをとっておりますから、こういうのが一つのインパクトを与えて、相当今ダウも安いですから、そういう意味では、一般投資家の方もそろそろ出動しようかなという方もおられると思いますので、それが一つの契機になって市場に入っていただければいいんではなかろうかと、こういうふうに思っておりますが、まず、この制度が成立することが先決でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
#80
○魚住裕一郎君 私どももしっかり期待をしたいと思っておりますが、今お話に出ました申告分離課税でございますが、いろいろ議論がございました。今回、一年前倒しでしょうか、その理由はどういうことになりましょうか。遠藤副大臣。
#81
○副大臣(遠藤和良君) 今、総務大臣がお答えになっておりましたけれども、日本の株式市場をもう少しみんなが信頼のできる市場にしていく、そして、個人投資家の皆さんが自信を持って参加ができるような信頼性の高い、あるいは透明なマーケットをつくっていくというふうな意味から申し上げましても、この申告分離課税に一本化するということは大きな株式市場の構造改革にも資する話ではないかと思います。
 今までのような源泉徴収課税で、みなし利益率というものは世界でも類を見ないことでございまして、しかも匿名性というものがあり得るわけでございまして、非常に株式市場そのものが不透明なものという意識というか、そういうふうな疑念がわく仕組みになっておったというふうに思います。かつ、選択制ということで、もうけたときは源泉徴収の方に行って、どうしてもしようがないときだけ申告分離と、そういうこと自体がモラルハザードを起こすという意味があったのではないかと私は思いまして、申告分離課税に一本化を予定よりも早くした、こういうことは大きな株式市場の活性化に資する話である、その結果として地方税の増収も、地方税もいただけるわけでございますから、こちらとしても歓迎するところである、このように考えているところでございます。
#82
○魚住裕一郎君 透明性とか信頼性とか、いろいろお話がございました。また、最後には税収の上がる話まで出たわけでありますが、個人投資家にとってこの申告分離課税というのはどういうメリットがあるんでしょうか。
#83
○副大臣(遠藤和良君) 二つの観点から申し上げますと、一つ大きな観点からいえば、市場が透明化する、市場の信頼性が高まるとその市場に個人投資家は入りやすくなる、こういうことが言えると思うんですね。
 それから、もう少し、小さな観点と言ったら申しわけないんですけれども、具体的な観点からいえば、要するに従来よりも税率を引き下げたと、あるいは損失繰越制度というものを、三年間ですけれども、取り入れることによりまして、キャピタルロスがあった場合にも適正に繰越ゲインと相殺ができる、こういうふうな仕組みになったということで安心して個人投資家の皆さんが株式市場に参加する、このことによって日本の株式の市場がさらに拡大されて、あるいは間接金融から直接金融になる、こういうことになると資金需要に対して公正な方法でアクセスできる、こういう意味からいっても、大変よい、好ましい効果が生まれる、個人投資家にとっても大変利便するところが大きい、このように考えております。
#84
○魚住裕一郎君 お聞きしますと、申告分離課税そのもの自体による直接的なメリットは余りないなというのが実感ですが、税率でありますとか、あるいは今お話に出ました繰越損失の繰越控除制度ですか、こういうことでメリットがあるのかなというふうに思いますが。
 譲渡損失の繰越控除制度でございますが、基本的には単年度の税制という考え方からいたしますと、それを三年間ですか、繰り越して処理されていくわけでありますが、やはり本来の原則から、先ほども特例という言葉が出ておりますけれども、その辺はどのように整理されておるんでしょうか。
#85
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
 委員ただいまのお話にありましたように、個人所得課税というのは暦年課税が原則でございますし、また、殊に個人住民税は地域社会の費用をその能力に応じて広く分任するという性格を有しておりますので、損失の繰越控除制度はあくまで例外的な措置というふうに考えております。
 具体的には、現在、純損失の繰越控除につきましては、災害ですとか、あるいは盗難があったときとか、あるいはエンジェル税制ですとか、相当例外的な措置として認められているわけであります。
 ただ、今回は、先ほど来お話がございますように、証券市場の厳しい現状にかんがみまして、貯蓄優遇から投資優遇への金融のあり方の切りかえといったような観点に立ちまして、個人投資家の市場参加を促進する、そして厚みのある市場形成に資するということで、そうなりますと、申告分離に一本化したこともございますし、個人投資家のリスク負担の緩和にもやっぱり配慮するべきではないかということで、あくまで例外的な措置でございますが、損失の繰越制度を設けたということでございます。
#86
○魚住裕一郎君 ただ、今お話がございましたけれども、災害で損失をこうむって、それなら何となくだれでも納得できるかなという気がするわけでありますが、証券市場の活性化のためにみたいな、それでまたやはり不公平税制になってしまうんではないかという、そういう御批判もありますが、それについて御答弁をお願いいたします。
#87
○政府参考人(石井隆一君) 今回の改正に当たりましては、政府税制調査会の金融小委員会なんかでも大いに議論をしていただいたわけですけれども、今回、十五年一月から申告分離課税への一本化をするということによりまして、先ほど遠藤副大臣からもお話がありましたが、源泉分離課税を選択できるときにはいろいろと意図的な税負担調整も可能だとかいろんな問題があったんですけれども、これが不可能になるということもございます。したがって、その際には個人投資家のリスク負担の緩和が必要ではないかということで設けたわけでございます。
 これは、欧米の主要国でも総合課税をやっているところ、あるいは申告分離課税に一本化しているところはございますけれども、損失の繰り越しは一般的に株式投資の場合、認められておるケースが多うございますので、政府の金融小委員会でも、これは申告分離課税一本化ということをするんだから、リスク負担の軽減のために繰越控除を認めるのはこれはやむを得ないんじゃないかという、そういう御提言もいただいておるわけでございます。御理解をいただきたいと思っております。
#88
○魚住裕一郎君 それから、先行の御質問でもございましたけれども、外形標準課税でございますが、六月に例の骨太方針で、外形標準課税につきまして「各方面の意見を聴きながら課税の仕組み等についてさらに検討を深め、景気の状況等も勘案して導入を図る。」と、そういうふうにされたところでありますが、この「各方面の意見を聴きながら」というところでございますが、これまで自治省案に対してどのような意見が寄せられたのでございましょうか。
#89
○政府参考人(石井隆一君) 昨年十一月に旧自治省として具体案を公表したわけでございますが、その後、もちろん政府税制調査会等でも御議論いただいておりますが、特に経済界等を中心にことしに入りましてから相当回数、いろんな勉強会、説明会、意見交換会、公式、非公式にいろいろやってきております。
 その機会に承っている御意見としては、まず総論としては、広く薄く公平に受益に応じて負担を求めると、この外形標準課税の理念、趣旨はそれなりにかなりの方々に御理解いただけているのかなと思います。
 また、各論になりますと、先ほど片山大臣からもお話がございましたが、やはり課税標準に占める、これは加算型の付加価値を念頭に置いて課税標準を決めておるわけですけれども、報酬給与が課税標準に占める比率が高く見えるものですから、そこで、これは賃金課税になるんじゃないかと、雇用への影響があるんではないかといったような御意見がかなり多く出ております。また、中小企業等の担税力への配慮をすべきではないかとか、あるいは一方でそういう、先ほど申し上げましたように、今度の課税標準は企業課税という御意見がありますけれども、結構中立的ないい税制だという考え方もあるんですが、そういう御意見もありますから、雇用安定控除でございますとか、あるいは大企業と中小企業で税率を変えて中小企業の税率を下げるとか、いろんなことをやっておるんですけれども、一方ではその辺について、かえって制度の簡素化に反するんじゃないかといったような御意見もございます。
 そういった御意見を踏まえまして、私どもとしては、経済界の中にも旧自治省案を評価してくださる人も結構多いんですけれども、改めて大方の方々の御理解が得られるような見直し案がないかということで現在検討しておるところでございます。
#90
○魚住裕一郎君 最後にお聞きいたしますけれども、今いろんな意見がありますという形で、それを踏まえながら見直しを進めていくというお話でございますが、いよいよ税制改正の時期になってくるのかなというふうに思うわけでありますが、総務大臣として、平成十四年度税制改正でこの外形標準課税についてどのように取り組んでいかれるのか。
 これは質問通告した後、実はあったんですけれども、指定都市の皆さんから個別、例えば事業所税あるいは特別土地保有税、ゴルフ場利用税、ぜひ存続させろというような緊急要望書というのを持ってきたわけでありますが、これらの税制改正に取り組む御決意をお聞きいたしまして、質問を終わります。
#91
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、この外形標準課税は地方税制としては望ましい税制だと、こう思っております。
 ただ、これが難しいのは、納めている人が安くなっても余り恩恵を感じないんですよ。ところが、納めていない人がちょっとでも納めるようになると増税だ増税なんと言う。増税じゃないんですよ、税収中立で総額は変えないんですからね。
 だから、そういうことでうまくこれから関係方面の理解を得ていきたいと思いますが、なるほど人件費課税じゃないかという、これが最大の御指摘でございますので、これから出す案はその人件費のウエートを落とすようなことを考えたいと、こういうふうに思っております。
 なかなか経済状況から見てスムーズにいくかどうかというのは定かではありませんけれども、粛々として本来地方税制として望ましい税制だということのこういうPRといいますか、そういう説明をしてまいりたいと、こう思っております。
 それから、今、自民党の部会の中で、例えば事業所税を廃止しろとか特別土地保有税を廃止しろとかという議論があることは事実であります。しかし、これは一種の都市のための、都市再生のための、都市整備のためのいわば特定財源でございまして、東京都の石原知事が何でホテル税をつくるかというと、都市整備のための税源が要るからですよ、ホテルを中心にした。
 そこで、一方ではそういうことに税源が要るので増税をしようと言っているときに、新規の税制を考えるというときに、今まであって長く継がれてきた事業所税や特別土地保有税を今やめるというような状況には私はないと、意見を聞かれればそういうふうに答えておりまして、関係の地方六団体とも一緒になりましてこの税は守っていきたいと、こういうふうに思っております。
#92
○魚住裕一郎君 終わります。
#93
○宮本岳志君 前提問題として、まず地方自治体の税収の増減について確認をしたいと思います。
 先ほども申告分離課税の一本化で千三百億円の増収、税率引き下げで四百五十億円の減収、損失の繰越控除の特例で四百七十億円の減収と答弁がありました。
 そこで、自治税務局長に聞くんですが、この法改正を行わなければこの三つの項目がどうなるか、二〇〇三年四月一日以降二〇〇五年までの状態について簡潔に御説明ください。
#94
○政府参考人(石井隆一君) 二〇〇三年四月、平成十五年四月に申告分離課税の一本化を仮にほかの措置なしに行ったといたしますと、初年度で九百八十億円、それから平年度で約千三百億円程度の増収になろうかと思っております。
 ただ、ぜひ委員に御理解いただきたいと思いますのは、確かに平成十五年四月、ことしの十三年四月から申告分離一本化をするというのを二年間延長するという措置を先般の通常国会でしたわけですけれども、その際の議論としても、やはりもし将来申告分離課税に一本化するとしたならば、その申告分離課税のあり方、例えば損失が出た場合の繰り越しをどうするかとか、あるいは税率が今のままでいいのかとか、いろんな議論はかねてあったわけでございまして、その点については御理解をいただきたいと思っております。
#95
○宮本岳志君 総務省は、税収増と減の相殺で数百億円の純増という説明をしておりますけれども、私はこれはごまかしだというふうに思います。
 手元に資料を配付いたしました。これは概念的に単純化したものですけれども、今回の法改正さえしなければ、つまり実線、二〇〇三年四月一日から大体地方自治体は年間千三百億の増収、時期の問題いろいろあっても、これはほぼ今既に決まっていることであります。
 ところが、きょう新たに決めようとしていることは、これを二〇〇三年一月一日に三カ月前倒しするかわりに年間九百億円もの減収を押しつける、この破線にしてしまうということでありまして、地方自治体の悲願ともいうべきこの申告分離課税の一本化による当然の地方税の増収予定分を国の都合で大部分を削り取るということにほかならないと思うんです。
 理由は、先ほども出されておりました、間接投資から直接投資へと金融の中心を移すとか、厚みのある証券市場をつくるためとかというものですけれども、まずそもそも論を大臣に聞きたいんです。
 今日、日本の金融が間接投資中心になっているとか証券市場に厚みがないということに地方自治体の責任があるのか、それを地方が負担しなければならないどのような責任を負っているのか御説明、大臣いただけますか。
#96
○国務大臣(片山虎之助君) 委員がいろいろ言われますけれども、この申告分離の一本化というのはどれほどのエネルギーと努力が要ったかということですよ。源泉分離を残せという大合唱の中で、これをとにかくまとめるためにはこういう必要があるんですよ。
 それから、証券市場の云々に地方団体の直接の責任はありませんよ。しかし、大きな国の経済がどうなるか、証券市場が健全に育っていくかということは間接的に大変地方団体にも関係があるわけでありまして、そういうことで、地方団体が国と一緒にいろいろな努力をする、協力をするのは当たり前の話だと思っております。
#97
○宮本岳志君 そういうことをおっしゃるのでしたら、景気対策も国で専らやるのではなく、地方に思い切った税源移譲をやって地方も一緒にさせればいいけれども、第一、金融政策なんというのは国が専らやってきたことであります。
 では、この政策によって、つまり地方のお金を九百億円削り取って確かな経済効果があるかどうかということをお伺いしたいと思うんです。
 自治税務局長の答弁では、定量的に投資家がどのくらいふえるかということになりますと、これはなかなか難しいと。また、財務省の木村審議官も、今回の税制改正で個人投資家がどの程度ふえるかは、なかなか具体的な計数を申し上げることは難しいと答えておられます。どれだけ個人投資家がふえるかわからない、証券市場にどれだけ資金が集まるのか、取引がどれだけふえるのかも具体的に数で言えないと。
 これで、確たる数字もなしに九百億円もの収入減、これを地方自治体に押しつけるというのは本当に筋が通らないと思うんですけれども、それともどういう効果があるか具体的に数字で言えますか、自治税務局長。
#98
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
 景気浮揚ですとかあるいは株価の水準の引き上げというのは、やはり企業が活性化し、収益力を高めることによって実現されるというのが基本でございまして、税制がすごく大きな比重を占めるかどうかといいますと、私どもは、やっぱりまず企業の活性化、経済環境、あるいは証券市場のファンダメンタルな面、そういったところが大事だろうと思っております。
 したがいまして、確たる数字とおっしゃいましてもなかなか難しゅうございます。例えば、過去にも有価証券取引税を例えば平成十年に引き下げたようなこともございますが、それじゃ株式相場が上がったかというと、短期的には一たん下がったりしておるわけでありまして、やはり経済のファンダメンタルなところが基本ですから、今回の税制改正でじゃ幾ら株が上がるかというのは、これはなかなかお答えしがたい御質問だと思います。御理解を賜りたいと思います。
#99
○宮本岳志君 地方が期待しているお金を削り取るわけですから、期待しているということでは話にならないと思うんですね。とにかく数字がなかなか出ないということはお認めになりました。
 総務大臣は七日にこうおっしゃいました。今の株式市場の低迷というのはこのままにしておけない、株が上がって怒る人はそんなにいない、そして日本の経済の実力からいったらもう少しダウが高くてもいいと、こうおっしゃいました。構造改革とか厚みのある市場と言うけれども、結局株価を急いで引き上げたい、こういうことですか、大臣。
#100
○国務大臣(片山虎之助君) 株価は結果ですから、株価は結果で、そういう今委員が言われましたような構造改革をやり、環境整備を行い、結果として株価が上がる、大変結構であります。もうみんながハッピーになる。
#101
○宮本岳志君 では、この税制で株価が本当に上がるのかと。確たる数字はないということですけれども、株価については、竹中経済財政担当大臣みずからが、「株価というのは、企業なり経済なりが将来に生み出す収益、付加価値を現在価値に置きかえたものでありますから、そのファンダメンタルなところを強くする」ことが必要だと、これは本会議で答弁されております。じゃ、この法律案が成立することによって、今の話からいきますと、企業や経済なりが将来生み出す付加価値がふえるとか、あるいはファンダメンタルが強くなると、そういう何か直接の関連性はありますか。
#102
○国務大臣(片山虎之助君) いや、これによって一般投資家がふえてくる、株式市場が活性化するんですね。そのことが我が国のファンダメンタルズを強くするわけであります。今はその成長部門にスムーズに資金供給が行われないようになっているんですよ、証券市場が力がありませんから。そういうことをちゃんとやっていくということが私は大きな経済の再生につながる構造改革だと、こういうふうに思っております。
#103
○宮本岳志君 株価というのは、大臣、実体経済を映す鏡なんですよ。だから、実体経済が悪いのをそのままにして鏡をいじくっても何の解決にもならないわけです。
 それで、先ほどから直接金融の育成とか株式市場を厚くするという議論がやられております。しかし、大体なぜ間接金融ではだめなのかが私は一向にわからないのです。企業に銀行の資金でなく証券市場からの資金を供給する必要がなぜあるのか、これひとつ金融庁にお答えいただけますか。
#104
○政府参考人(原口恒和君) 現在、日本の金融市場の特徴として、千四百兆を上回る個人の金融資産に占める株式の割合が非常に低水準である。あるいは、個人金融資産の過半が預貯金に吸収されていて、産業全体で見ますと負債に比べて過少資本の状況にあるというふうに見ております。
 また、こういうふうに直接金融のウエートが高いということになりますと、いろんな産業の構造のしわ寄せといいますか、そういう影響が金融機関にかなり直接的に集中して影響を受けるというような問題もございます。
 こういう中でやはり、今、片山大臣も申されましたように、次代を担う産業等への資金の円滑な供給ルートを、多様な供給ルートを確保していくということ、あるいは家計の面から見ますとその保有する金融資産の多様化を図るという両面から見て、やはり間接金融と直接金融のバランスのとれた形にしていくことが重要な課題だというふうに認識をしております。
#105
○宮本岳志君 大体、間接金融が、つまり預貯金の比率が高いと、我が国において。これは、高いのには理由があるんですね、我が国において高いのには。
 大多数の国民の預貯金は、投資してもうけるために貯金しているんじゃないんですよ、大部分は。老後などの不安に備えてのもしものときの蓄えと。大臣も、郵便貯金を所管する大臣であれば、庶民がまさに間接金融、預貯金に託している思いというのはおわかりだと思うんです。これを、いかぬ、直接金融に切りかえろと。これはつまり、預貯金はリスクをとらないから悪い、つまり郵便貯金も悪いと、こういう議論に行き着きかねないと思うんですが、総務大臣、どう思いますか。
#106
○国務大臣(片山虎之助君) いや、要はバランスなんですよ。今、日本は偏って、証券市場に行く金が、リスクマネーというのか、リスクをとるマネーの比率が極めて低いんですよ。だから、今言いましたように、多様な資金供給ルートを開くことが経済の再生、活性化につながるんですよ、多様な。
 そういうことで、今余りアンバランスなので、もっとバランスのとれたこういうものにしようと、こういうことでございまして、郵便貯金をやめろ、老後の蓄えはもう捨ててしまえと、そんなことは言いませんよ。大いに郵便貯金は皆さんに愛していただかなきゃいかぬと思っております。
#107
○宮本岳志君 だから、そのアンバランスが日本がひどいのは、それは本当にこの日本の国民の生活が投資どころでない、将来に向けて本当に蓄えた上の、蓄えざるを得ない現状にあるというところに私は問題があると。
 そもそも政策が間違っているんだと。国民が千四百兆もの個人資産を専ら預貯金に振り向けざるを得ないのは、あなた方の政治が、年金制度を悪くする、医療費のたび重なる負担増、あるいはいつ失業するかもしれぬリストラの野放し、こういう政治を続けているからこそ国民は蓄えざるを得ないわけですよ。国民が安心して投資にでも回そうかという気持ちになれるような政策は何もないままで、こうやって国民のとらの子を吐き出させて株価をいかに上げるかを考えるなどというのはまさに邪道だと私は言いたいと思うんです。
 地方自治体の貴重な財源を九百億円も削り取り、それで投資家を優遇するというふれ込みで国民の資産をリスクにさらさせる。その一方で、銀行からは株式を買い取ってやり、買取機構に二兆円の債務保証までやってやる。このような政策は絶対に認められないということを指摘して、質問を終わります。
#108
○又市征治君 社民党の又市です。
 十分ですから、少し明快かつ簡潔にお答えをいただいてまいりたいと思います。
 初めに財務省にお伺いをいたしますが、衆議院での答弁では、預貯金から株式への大きな流れを進めると、こう言われておりますが、実態は全く逆ではないか、こういうふうに思います。特に、政府関係の各種の調査、いろいろと出ておりますが、これを見てみましても、この十年間、現金、預貯金といった安全資産の割合がふえて、株式などのリスク資産の割合が減少ないし停滞しているというのが実態なんだろうと思います。
 これは今日の経済全体の反映でもありまして、国民の現在及び将来への生活不安のあらわれなんですから、原則までゆがめて税制を小手先いじりをしても、預貯金をよりふやしたいというこういう流れというのは変えられないんじゃないか、こんなふうに思いますが、いかがですか。
#109
○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。
 証券市場の活性化といいますか……
#110
○又市征治君 聞こえない。
#111
○政府参考人(木村幸俊君) 失礼いたしました。
 ただいま先生からお話ありました、今回の税制改正によりまして、証券の方へ資金を動かしていくというお話でございます。
 我が国の経済の再生を図っていく、そのためには、やはり金融・証券市場を通じまして資金が効率的に成長分野へ流れることが必要であると考えておりまして、そのためにも家計が預貯金中心の貯蓄重視から証券への投資に向かうことによりまして証券市場のすそ野を拡大し、厚みのある市場を形成することが重要と考えているところでございます。
 そのためには、やはり税制だけではなくて、まずはやっぱり企業そのものが活性化する、それから収益力を高めていく、そういったことが基本であることはもう言うまでもなくて、税制をいじったからといって直ちにすべてが解決するという問題でないことは、そのとおりだと思っております。
 ただ、今回の証券市場の改正でございますが、これは先生よく御承知のとおり、いわゆる骨太の方針に記されました、貯蓄優遇から投資優遇への金融のあり方の切りかえ等の基本理念を踏まえまして、申告分離課税一本化によりまして透明性、公平性の高い証券市場を構築する。それとともに、その税率の引き下げ、それから損失繰越制度の導入によりましてリスク負担等の緩和に配慮すると。それによりまして国民が安心して証券市場に参加できる環境整備を図っていくものでございます。
 そういった意味で、証券市場の構造改革が進むものと考えておりまして、全体として、まさにそういった株式、証券の方に資金が流れていく、その結果といたしまして市場の活性化にもつながっていくのではないかと考えているところでございます。
#112
○又市征治君 実際に株を持っているのはどの層かというと、これはもう言うまでもないことですが、所得四百万円以下の階層では自分の貯蓄の二%から三%、とても株どころでないという状況なんだと思います。所得が一千万円以上の層になってようやく九%前後、こういうことになるわけでありまして、これに比べて預貯金はどの所得階層でも自分の貯蓄総額の四〇%前後を占める、こんな状態だと思うんです。
 証券市場のすそ野を広げるためにというのが答弁なわけですが、預貯金こそまさに広いすそ野を持っているものであって、これには超低金利政策をとり続けられて、一方で少数の金持ちのために株式税率を下げるというのでは、結局は国民に不公平感と税の不信を招くのではないのか。このことをどうお考えになるか、これは、金融庁いないのか、総務省の方からお答えいただきたいと思います。
#113
○国務大臣(片山虎之助君) 今、又市委員言われましたように、預貯金と株式の保有のこの差というのは物すごいですね。それは、いろんな理由があると思うけれども、今まで一つ証券投資、証券市場を健全に育成するという努力が私はやや不足しておったと思いますよ、我が国に、全部に。
 そういうことが一つあると思いますし、それから税を見ましても、預貯金と株式はやっぱり差があるんですよ。今回やっと一緒にしたんです、二〇パーで。
 そういうこともありますし、それから郵便貯金という大変大きな日本では貯金のシステムがありますし、いろんな議論があってこういうことになったと思いますけれども、しかし、今のままで、この証券市場をこのままにしておくということは、日本の二十一世紀の経済にとって私はやっぱり考え直さにゃいかぬ点だと、こう思っておりますから、必ずしも金持ち優遇でもないんですね。もっと金持ちでない方も証券市場に入っていただくような透明性、安定性、健全なマーケットに環境を整備していく必要があると思いますね。
 ただ、一遍に貯金並みにということは全く考えておりません。今のこんなに差があるやつを、もう少し証券市場にも投資をしていただくようなことをつくることが日本の経済にとって必要だと、こういうふうに思っているわけであります。
#114
○又市征治君 時間がありませんから、先ほども、この改正によって株式市場への投資家あるいは投資総額がどうふえるのかということについて、大変難しい、いやふえることを期待したいという答弁なわけで、政策を出しておいてこの効果がわからないというのは大変無責任じゃないか、こういう感じがいたします。その意見は述べておきたいと思います。
 そこで、最後に総務大臣にもう一度お聞きをしたいんですが、額に汗して働く勤労収入の方が株式譲渡益よりも所得税負担が高いという、こういう指摘を衆議院でもいたしました。財務省側はそのとおりでありますというふうにお答えになっているわけでありまして、零細な預貯金は本当に保護する、こういう気配りが小泉内閣に少しでもあるのならば、同じ二〇%にまで引き下げるのではなくて、より資産性の高い株式にはより高い税率を維持するということこそがむしろ公平なのではないか、こういうふうに思うわけでありまして、改めて総務大臣から見解をお伺いしたいと思います。
#115
○国務大臣(片山虎之助君) 勤労所得といいますか、給与所得の方はこれは所得によって税率が御承知のように違うので、どこをどう取るかということはありますけれども、こっちの方は一律でやらにゃいけませんから。ただ、その辺の考え方というのは、委員、いろいろあるんですよね。そういうことをやっぱり税調の場で、政府税調、党税調その他、相当な議論をしながらこの水準を決めたわけでございまして、私は、今の我が国の、繰り返しになりますけれども、経済のためにはこういう刺激策、こういう対応策をとることが当面は必要だと、こういうふうに思っております。
#116
○又市征治君 終わります。
#117
○松岡滿壽男君 申告分離課税の一本化、大変なエネルギーが要ったという大臣のお話、もう既に議論はこれで出尽くしているわけでございますけれども。
 確かに個人投資家の株式市場への参加を促すという趣旨だということはよくわかりますし、そういう同様の整備が必要だということも理解するんですが、地方税法の改正は三月と、ことしになってから、六月、三回目になるわけですよね。ちょこちょことやっているわけです。なぜ急に急いで今なのかと、証券税制の改正がですね。それについてひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
#118
○国務大臣(片山虎之助君) これ松岡委員の言われるとおりですよね。年三回、税制改正、証券税制改正というのはいかがかなという感じが私はしますが、三月のやつはこれはもう年度改正で、これは当然毎年やるやつですから。この証券市場の推移を見てやっぱり何か応急策が必要だということで六月のあれ、百万まで非課税にするという、こういう対応がとられましたけれども、それでもダウが御承知のようにずるずるずると下がりまして、デフレスパイラルを起こしちゃいかぬというようないろんな議論もありまして、それからダウが下がりますと不良債権がふえるんですよね、御承知のとおりの。
 いろんな観点がありまして、今回緊急でこういう対応をとろうと、こういたしたわけでありまして、三回もという点の御批判は甘んじて政府としては受けなければならないのかなと私も思っております。
#119
○松岡滿壽男君 さっき日出議員の方から合併問題についての御意見開陳があったわけですけれども、こういう合併を進めていくということになってくると、やはり地方としても自主税制ですね、地方税制、これ総務省から出しておるパンフレットですね。
 これで見ますると、地方分権一括法による課税自主権の尊重ということで、河口湖町ですか、それから勝山村、足和田村、これ遊漁税ですか、それから熱海の方は別荘等所有税、横浜が勝馬投票券発売税、これは不同意ということで協議中というようなことのようですけれども。あとは、城陽市が砂利採取税ですか、それから神奈川県が臨時特例企業税、三重県が産業廃棄物税と、こういろいろ市町村努力をしておるわけですけれども、こういうものは、税率とかそれによる増収というのはどの程度それぞれ見込まれるのか。基本的にこういう自治体の課税自主権については自治省としては当然尊重するという立場だろうと思うんですけれども、そういう基本的な考え方と、今例に挙がっているやつについてどの程度の税率でどの程度の見込みになっているのか、お知らせをいただきたいと思うんです。
#120
○政府参考人(石井隆一君) 地方公共団体のこの課税自主権の問題、委員御承知のように、昨年四月の地方分権一括法で協議制にしましたり、法定外目的税がつくられたりということでございますが、もとより私ども総務省としては、やはりこの法定外税、地方団体にとって課税の選択の幅を広げる、また特に法定外目的税の場合は住民にとって受益と負担の関係が明確になるといったような点もございますので、できるだけ各地方団体が地域の実情を踏まえてこの課税自主権の活用を図ることについては、情報提供その他の面でできるだけ支援をしていきたいと思っております。
 ただ、条例制定など具体化に当たりましては、やはり地方税法の趣旨ですとか、あるいは税制、これはやはり公権力が国民の皆さんから強制的にお金をいただくという税制の基本の問題がありますので、やはり公平、中立ですとかそういった原則も尊重していただきながら、また納税者にも十分御説明いただいて適切に対処していただきたいと思っております。
 それで、個別の今どのぐらいの税率で税収があるかということでございますけれども、まず河口湖、勝山村、足和田村の遊漁税ですけれども、これは税率は一人一日そこで遊漁行為、釣りなぞをなさいますと一日二百円いただくということでございまして、これは三町村合わせまして約五千万ほどになります。
 それから熱海市につきましては、これは税率は、別荘の所有者で課税標準が別荘の延べ面積になるんですけれども、平米当たり従来五百円でありましたものを六百五十円ということに今回改定されたわけでありますが、これによる税収見込み額が五億五千万ほどになろうかと思います。
 先生、これ一つ一つ御説明してもいいんですが……
#121
○松岡滿壽男君 資料。
#122
○政府参考人(石井隆一君) もしあれでしたら、後ほど資料をお渡ししたいと思います。
#123
○松岡滿壽男君 それだけで時間終わっちゃいますから。
 あと、環境保護政策として自治体が環境関連税制の創設を考えてくると思うんですが、そういうことに対して総務省としてどういうお考えを持っておられるのか、お教えいただきたいと思います。
#124
○政府参考人(石井隆一君) 環境関連税制につきましては、昨年の政府税制調査会の中期答申におきましても、国、地方の環境施策全体の中での税制の具体的な位置づけを踏まえながら、国内外における議論の進展を注視しつつ、幅広く検討を行うとなっておりますけれども、具体的に申しますと、環境問題の中でも、例えば廃棄物処理ですとか水源地の保全ですとか、この住民の身近な地域環境問題につきましては、これは地方の独自課税になじむ分野だと思っておりまして、現に先ほども話題に出ましたが、三重県の産業廃棄物税の新設ですとか出ておりまして、これは総務省としても先般同意したところでございます。こういったものにつきましては、これから総務省としてもできるだけ必要な助言や支援もしてまいりたいと。
 このほか、地球環境問題で、例えば温暖化対策といったような問題があるわけですけれども、これはやはり地球規模あるいは国全体で考えなきゃいけない分野だと思いますが、地方団体も、例えば植林によりまして緑化対策を進めるとか、公共交通機関の利用促進でCO2を減らすですとか、いろんな役割を果たしておりますので、この点に仮に国全体でこの炭素税的なものなぞを今後考えるというような場合には、これ地方税として構成するといったようなことも含めて研究をしてまいりたいと思っております。
#125
○松岡滿壽男君 もう時間が参りましたので、最後に、たばこの増税の、これは随分マスコミにぎやかになってきておるわけですけれども、来年の税制改正の目玉の一つだろうという見方を私もしているんですが。これは地方自治体の財源にとっても非常に大事な問題だと思うんですが、この地方のたばこ税について、総務省としてのお考えを述べていただきたいと思います。
#126
○国務大臣(片山虎之助君) 何ほど、たばこ税の増税が取りざたされておりますね。
 たばこ税は、御承知のように、国と地方が完全に折半で分けている税でございまして、安定性があるというのと、伸長性というか、地方財源としては安定性、普遍性という意味では私は適当な税だと思いますし、また、今、ヨーロッパ等に比べてたばこの料金が安いという議論もありまして、いろんな議論がありますけれども、何かというとたばこ税、酒税という。これはまあ大衆課税ではないかという反論も当然ありまして、その辺、これから大いに税調の場で、政府税調含めまして、議論をして方向づけがされるんではなかろうかと、こう思っておりますが、仮に増税されるということになりますと、地方としては、その増収分は二分の一は地方の方の税収にするということでやってまいりたいと思っております。
#127
○松岡滿壽男君 終わります。
#128
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#129
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、小泉内閣の骨太方針及び改革先行プログラムに掲げる証券市場の構造改革に基づくもので、個人の金融資産一千四百兆円を株式市場に誘導するために格別の株式譲渡益の減免を図ろうとするものであります。
 反対理由の第一は、本末転倒の株価対策であり、法案の目的である証券市場の活性化さえ実現できないことであります。
 もともと、株価の低迷は、長引く不況、企業の将来見通しの悪化など多様な要因の反映であります。また、株式への投資が拡大しないのは税制の問題ではなく、他の要因、すなわち、企業業績に対する将来展望や証券業界に対する国民の不信感などが主たる原因であることは多くの識者が指摘しているところであります。
 ところが、こうした実体経済の回復や証券業界の信頼回復という本質的な問題の解決を抜きにして、株式譲渡益の優遇課税によって個人投資家を誘導しようというものですから、これでは、証券市場の活性化そのものも実現できません。
 第二は、高額所得者への減税であり、現行の不公平税制をさらに拡大するものだからであります。
 株式を保有する所得階層は、年間収入一千八十万円の世帯が株式保有全体の五三%、八百二十四万円以上の世帯を含めれば全体の七七・三%を占め、圧倒的に高所得階層が多くなっています。税率の引き下げや繰越控除制度の創設などの措置は、結果として富める者への優遇措置にならざるを得ず、現行の不公平税制をさらに拡大するものとなり、到底容認できるものではありません。
 第三の反対理由は、国の都合で地方に税収減が押しつけられることであります。
 本委員会の審議でも明らかにいたしましたように、税収増と減の相殺で数百億円の純増という政府の説明はごまかしと断ぜざるを得ません。もともと地方にとってはこの法改正が行われなくとも申告分離課税への一本化は既定のことであり、三カ月おくれとはいえ、一千三百億円の増収が約束されていました。今回の法改正の結果、新たに生じるのは年間九百億円もの税収減であります。当然の地方税の税収予定分を国の都合で大部分を削り取るようなことは断じて認められません。
 今、景気対策として何よりも必要なことは、経済の六割を占める個人消費を温めることです。一部の高額所得者のための減税では景気はよくならず、逆に不公平税制を拡大し、結果として所得間格差を一層大きくするものであることを強く指摘いたしまして、反対討論を終わります。
#130
○委員長(田村公平君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたい存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#133
○委員長(田村公平君) 次に、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
#134
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題となりました独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 独立行政法人及び特殊法人の情報公開に関しましては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律において、政府は、平成十一年五月の同法の公布後二年を目途に法制上の措置を講ずるものとされたところであります。
 このため、行政改革推進本部の下に置かれた特殊法人情報公開検討委員会において、独立行政法人及び特殊法人のみならず認可法人も視野に入れて専門的かつ広範な調査審議を重ねていただき、その結果、昨年七月に、内閣総理大臣に対し、特殊法人等の情報公開制度の整備充実に関する意見が提出されたところであります。これを受けて、政府は、同意見に沿って、このたび、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律案を取りまとめ、御提案することになったものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 この法律案は、国民主権の理念にのっとり、法人文書の開示を請求することができる権利及び独立行政法人等の諸活動に関する情報の提供につき定めること等により、独立行政法人等の保有する情報の一層の公開を図り、もって独立行政法人等の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的としております。
 この法律案の要点は、第一に、対象となる独立行政法人等を、行政機関と同様にその諸活動について国民に対する説明責務を有する独立行政法人、特殊法人及び認可法人とすることとするものであります。いかなる法人が対象法人となるかについては、当該法人の設立の根拠となる法律の趣旨から判断することとし、独立行政法人は六十法人すべてを対象とし、特殊法人及び認可法人は、大臣等が理事長等を任命する法人または政府が出資できる法人等、それぞれ六十一法人、二十四法人を対象としております。
 第二に、何人も、独立行政法人等に対し法人文書の開示を請求することができるものとするとともに、開示請求があったときは、独立行政法人等は、不開示情報が記録されている場合を除き当該法人文書を開示しなければならないこととするものであります。不開示情報は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律において定める不開示情報と基本的に同様とし、各類型ごとにその範囲を明確かつ合理的に定めております。
 第三に、独立行政法人等は、その組織、業務及び財務に関する基礎的な情報等を記録した文書等を作成し、適時に、かつ国民に利用しやすい方法により提供することとするものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#135
○委員長(田村公平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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