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2001/11/28 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 本会議 第14号
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2001/11/28 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 本会議 第14号

#1
第153回国会 本会議 第14号
平成十三年十一月二十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十四号
  平成十三年十一月二十八日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成十一年
  度決算の概要について)
 第二 独立行政法人等の保有する情報の公開に
  関する法律案(第百五十一回国会内閣提出、
  第百五十三回国会衆議院送付)
 第三 刑法の一部を改正する法律案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第四 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、経済社会の急速な変化に対応して行う中高
  年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の
  創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特
  例措置に関する法律案(趣旨説明)
 一、日程第二より第四まで
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成十一年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。塩川財務大臣。
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(塩川正十郎君) 平成十一年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品増減及び現在額総報告につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は九十四兆三千七百六十三億円余であり歳出の決算額は八十九兆三百七十四億円余でありまして、差し引き五兆三千三百八十九億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成十二年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、平成十一年度における財政法第六条の純剰余金は一兆四百二億円余となっております。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額八十九兆百八十八億円余となっておるのに比べて五兆三千五百七十四億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額、すなわち四兆四千三百二十二億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は九千二百五十一億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額八十九兆百八十八億円余に対しまして、平成十年度からの繰越額四兆四千三百五億円余を加えました歳出予算現額九十三兆四千四百九十四億円余に対しまして、支出済み歳出額は八十九兆三百七十四億円余でありまして、その差額、すなわち四兆四千百二十億円余のうち、平成十二年度に繰り越しました額は三兆八千十九億円余となっております。不用となりました額は六千百一億円余となっております。
 このうち、公共事業等予備費につきましては、平成十一年度一般会計における公共事業等予備費の予算額五千億円のうち、使用残額八千円を除き使用いたしました。
 また、予備費につきましては、平成十一年度一般会計における予備費の予算額は二千億円でありますが、その使用額は百六億円余であります。
 次に、平成十一年度の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承賜りたいと存じます。
 なお、歳入歳出決算に添付されております国の債務に関する計算書による債務額でありますが、平成十一年度末における債務額は五百五十六兆四千二百三十九億円余であり、このうち、公債でありますが、平成十一年度末における債務額は三百四十三兆二千二百八十五億円余であります。
 次に、平成十一年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は五十六兆三千六百六十九億円余でありまして、この資金から一般会計等の歳入への組み入れ額は五十五兆五千六百億円余であります。
 次に、平成十一年度の政府関係機関の決算内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承賜りたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、平成十一年度末における国の債権の総額は三百十七兆五千九百七十億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額でありますが、平成十一年度末における物品の総額は十三兆六千三百四十六億円余であります。
 以上が、平成十一年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 何とぞ御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(井上裕君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。川橋幸子君。
   〔川橋幸子君登壇、拍手〕
#6
○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました平成十一年度決算について質問いたします。
 その前に、現下の緊急かつ重大問題として、狂牛病及びアフガニスタン支援問題について伺います。
 まず、狂牛病問題についてお伺いします。
 去る二十一日、国内二頭目の狂牛病の牛が確認されました。一カ月余り前に国が出したあの安全宣言の意味は一体何だったのでしょうか。
 かねて専門家は、二頭目の発生は時間の問題であり、今後も発見される可能性が高いと指摘していたそうですが、農水大臣は、このような事態の予測を国民に対してどのように説明してこられたのか、また今後についてどう把握されているのか、率直にお答えください。
 消費者がかねてより行政に不信感を募らせているのは、行政が業界寄りの姿勢をとる余り、過剰に風評被害を心配し、食の安全に対する徹底的な対策を根本的に講じてこなかったこと、また、事実を隠し立てせずに公表するといった情報開示の姿勢が基本的に欠けていたことにあります。
 現に、これまでの農水省の対応を見ると、欧州で狂牛病騒ぎが起きてから十年以上が経過していたにもかかわらず、農水省は日本は安全と繰り返すのみで、危機意識が極めて薄かったことが歴然としています。
 九六年になってようやく農水省は、牛への肉骨粉の使用を自粛するよう行政指導を行いましたが、その指導は団体どまりで肝心の各農家までは周知されなかったこと、また、EUが禁止した肉骨粉を日本が去年まで輸入し続けていたこと、さらにことし六月、EUが指摘した日本の狂牛病危険度評価を農林事務次官が日本は安全だと拒否したと伝えられていること、加えて、一頭目の感染牛が発生したときに担当部長が焼却処分をしたとうその発表をしたことなどが明らかになっています。また、最近の報道によれば、九一年当時、狂牛病の危険を警告した研究者に対して、農水省幹部が今後は触れないでほしいとくぎを刺していたこともBSE問題に関する調査検討委員会の席上判明しています。
 武部農水大臣は、このようにたび重なる行政の重大な失態についてどのように責任をとるおつもりか。ドイツでは二人の閣僚が対策のおくれから引責辞任をしていたことを踏まえ、御自身の責任を含めて出処進退を明らかにしていただきたい。
 急ぐべきは、感染源、感染ルートの解明であります。全頭検査の実施により消費者が口にする牛は安全であり、だから食べろと言われても、消費者心理は疑心暗鬼です。まして、今回の補正を含め、一千億円以上もの巨額な税金が役人の不作為のしりぬぐいに使われることについては、到底納得できるものではありません。
 これは小泉内閣全体の責任です。総理のリーダーシップをどう発揮していかれるのか、総理の姿勢をお聞きします。
 次に、アフガニスタン復興支援と難民認定問題についてお聞きします。
 アフガニスタンにおける戦禍はようやく先が見えつつあるようです。タリバン後の新たな暫定政権づくりに向けての動きがある中で、米軍が海兵隊を投入するなど、新たな局面が報じられています。
 まず、最新のアフガニスタン情勢をどう認識されているのか、外務大臣にお伺いします。
 次いで、今回、パキスタンを訪問され、帰国されたばかりの外務大臣の率直な見解をお聞きしたいと思います。
 アフガニスタンの悲劇は、旧ソ連侵攻後二十年にも及ぶ内戦が続き、ここ三年ばかりは異常な大干ばつに見舞われ、六百万人にも及ぶ国内難民が山岳地帯の農村部から平地の都市部に移動してきていたということです。空爆がなくても百万人にも上る多数の餓死者、凍死者が出る危険が国連機関から発表されておりました。
 前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんは、アフガニスタンは国際社会が見捨ててきた国と表現され、そうした中での今回の空爆であり、地上戦であったわけです。パキスタンに逃れることができた人々はまだ恵まれており、戦火の続く国内にとどまっている難民はさらに苦しい状況に置かれていることは言うまでもありません。
 人間の安全保障を掲げる日本は、アフガニスタンの難民支援についてどのような構想を持って我が国外交を進めようとしているのでしょうか。今直ちに必要な緊急支援と今後の長期にわたる自立支援について、日本は何ができるのか、また何をすべきなのか、外務大臣としての構想を明らかにすべきだと考えます。
 ポスト・タリバンのアフガニスタン復興については、報道されるような日米とEUの主導権争いといった各国の国益中心のパワーゲームではなく、国連のもとにおける国際協調行動を重視すべきであると私は考えます。国連中心主義をとってきた我が国としては、特に国際協力においては、日米同盟の枠組みにとらわれることなく、ましてアメリカの後方支援にとどまることなく、真にアジアの人々の立場に立って、アジア地域の安全、平和のために日本のプレゼンスを示すべきだと考えますが、総理の御決意を伺います。
 また同時に、国際協力は、紛争地域に出かけなくても、国内においてより容易に日本の顔が見える支援を行うことが求められています。
 先ごろ、アフガニスタン人九人による難民認定の申請が認められず、認定前に強制収容されていた四人のうちの一人が自殺未遂を図ったという痛ましい事件が起きました。日本という国が、口では国際協力を言いながら、実は難民認定に対して極めて厳しい国だというのでは、世界の信用を失墜させることになります。難民認定について人道的配慮を強く求めるものでございます。総理の誠意ある答弁を求めます。
 それでは、決算について伺いますが、まず、十一年度決算の内容と評価について伺います。
 十年度決算において税収が十一年ぶりに五十兆円の大台を割ったことが問題になりましたが、十一年度決算においても、引き続き税収は五十兆円を割りました。その反面、一兆円もの純剰余金が発生していますが、その背景には、公債発行総額が三十七兆五千億円余にも上り、公債依存度が四二・一%と過去最高となったという厳しい財政状況にありました。当時、故小渕総理が、私は世界一の借金王だと述べられたことは皆さん御記憶のことでしょう。
 こうした十一年度決算の内容について、財務大臣はどのようにお考えでしょうか。また、来年度も引き続き税収が減少し、五十兆円を大きく割る見込みとなっていますが、このように深刻な財政事情を踏まえ、小泉内閣として責任を持つことになる来年度予算の編成に向けてどのような姿勢で取り組もうとしているのか、明確な答弁を求めます。
 また、本年六月の決算委員会における私の質問に対しまして、小泉総理は、公共事業のためにあえて予備費を設ける必要があるのか、問題があると思っている、そういう問題意識の上で予算編成に臨むと、実に明快に答弁されました。総理、改めてこの本会議で、十四年度予算に公共事業のための予備費は設けないと明言していただきたいと思います。
 次に、小泉内閣が掲げる構造改革についてお聞きいたします。
 総理は、改革なくして成長なしと強く断言しておられ、特に国債発行額三十兆以下、二、三年以内の不良債権の集中処理、特殊法人改革などの目標について強い決意を示しておられます。
 しかしながら、国債発行額三十兆以下については、今回、二次補正を約束したことにより、既に事実上破綻したのではないでしょうか。本来、NTT売却益は国債償還に充てられるべきものであり、これを二次補正の財源に充てるのは邪道です。隠れ借金をふやすことにほかなりません。これを総理は国民にどのように説明されるのでしょうか、お伺いいたします。
 現在、失業率は五・三%にも達し、さらに今後上昇していくことが予測されております。こうした状況下で不良債権処理を急げば、失業率の上昇がさらに加速されることは目に見えています。
 そもそも構造改革は競争力強化を目的とするものであり、現在のデフレが供給過剰、需要不足によって生じているときには、構造改革よりも景気対策を優先すべきだとの論があります。故小渕総理も前森総理も、二兎を追う者一兎も得ずとして、構造改革よりも景気を優先すべきだと訴えられました。こうした論者がむだな公共事業を擁護し、小泉総理の抵抗勢力となっています。民主党は、構造改革については総理よりいち早く主張してきたところであり、こうした抵抗勢力に加担するものではありません。
 しかしながら、世界経済はテロ不況の追い打ちを受けて減速傾向にあります。株価が低迷する中で、小泉総理がどのように構造改革を達成しようとなさるのか、改めて総理の基本的な考え方とその決意をお伺いいたします。
 また、経済財政政策担当大臣には、構造改革と景気回復を両立できる魔法のような経済運営の手法について、具体的かつ明快な答弁を求めます。
 次に、特殊法人改革について伺います。
 連日、新聞紙上をにぎわしている特殊法人改革でありますが、総理は、道路公団への出資金の打ち切り、高速道路整備計画の見直しや道路四公団、石油公団等七法人の改革先行を指示するなど、相次いで改革措置を打ち出し、ようやく小泉改革が前進しつつあるかのような印象を国民に与えております。
 しかしながら、今月二十二日の政府・与党合意の中身を見ますと、すべては妥協の産物、玉虫色の決着に終わっており、抵抗勢力の巻き返しによりましては骨抜きになるおそれが十分であります。先日のクエスチョンタイムで、総理は、私をつぶせば自民党がつぶれると見事なたんかを切られましたが、それは現実でしょうか。改革は見せかけで、実は妥協の道を選ぶとなれば、総理は二重に国民を欺くことになります。
 例えば、全国一万四千キロの高速道路網計画を盛り込んだ四全総について、自民党のある有力者は、あれはおれが大臣のときにつくった計画、勝手なことはさせないと言葉を荒げ、批判を繰り広げたと報じられております。抵抗勢力を排し、速やかな改革を貫けるとお考えか、その決意のほどをお伺いいたします。
 これに関連して、特殊法人が抱える巨額な債務についても伺います。
 例えば、日本道路公団は約二十七兆円、本四公団は約四兆円と言われる債務を持っています。民営化する際にはこの処理をどうするのか、国鉄民営化の際のように国民の借金として処理すべきではないと私は考えます。特殊法人見直しでは、このような不良債権の債務処理をどうするおつもりか、今現在、どのような構想をお持ちなのか、総理にお伺いいたします。
 最後に、報償費及び外務省におけるいわゆるプール金問題についてお伺いいたします。
 まず、ことし初めに発覚した報償費の流用事件ですが、国民は激しい憤りを持って注目いたしました。本院におきましても、流用問題や報償費の意義、執行のあり方などについて、警告決議をもって政府に厳正な対処を求めたところであります。
 このような不祥事に関連して、会計検査院が内閣官房報償費及び外務省報償費について検査を行い、去る九月、内閣総理大臣及び外務大臣に対して是正及び改善処置を要求いたしました。この内容を見ますと、内閣官房報償費について、経費支払いの確認がなされていないことや内部の確認・監査体制が十分でないことを指摘して、これについて適切な処置を講ずるよう具体的に要求しております。また、外務省報償費についても、内部監査体制の確立、報償費の使途見直しなどの処置を要求しております。
 今回の会計検査院の検査結果は、外務省報償費の官邸への上納問題について確認できなかったなど不満な点も残りますが、報償費の執行体制の是正について厳しく小泉内閣に求めております。こうした要求について、今後、どう処置していくのか。根本の責任はどこにあり、またどのようにして国民の信頼を取り戻すのか。総理、外務大臣、それぞれの答弁を求めます。
 さらに外務省については、プール金問題という忌まわしい不正行為も露見しております。外務省が各種行事のために企業等に支払う際、実績に上乗せした額を請求し、プール金として保有していたことが外務省全体の約三分の二に当たる課室に達し、部局単位としてはすべての部局に及んでいたことが外務省調査でも判明しています。
 この事実からして、外務省が組織ぐるみで不正な会計処理を行っていたことは明らかです。プール金問題は、報償費問題や一連の不祥事とも関連して、外務省の公金に対する麻痺、倫理観を欠いた体質そのものをあらわしており、卑劣な犯罪であると言わざるを得ません。
 今回のプール金問題に関する厳正な処置と再発防止策について、外務大臣の見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 川橋議員にお答えいたします。
 狂牛病についてですが、この問題については、私から農林水産大臣及び厚生労働大臣に対して、縦割り行政の弊に陥らず、両省一体となり適切に対応するよう指示しております。
 これを踏まえ、両省が連携して、国民に安全な牛肉を供給するため、BSEに感染していない牛肉だけが屠畜場から出回る体制を確立し、補正予算においても必要な措置を講じたところであります。
 また、現在、感染経路の究明を進めるとともに、両大臣の私的諮問機関としてBSE問題に関する調査検討委員会が設置され、これまでの行政対応上の問題を検証し、今後の畜産・食品衛生行政のあり方について調査検討が行われていると聞いております。
 いずれにしても、食品の安全性や品質に対する消費者の関心が高まる中で、食品の安全性確保は重要な課題であり、今後、政府全体として万全の措置を講じてまいります。
 アフガニスタン問題に関する我が国の姿勢についてですが、アフガニスタンの和平実現へ向け、国連が重要な役割を果たすことが期待されておりますが、我が国としては、今後とも、国連や関係国等と緊密に連携協力しつつ、主体的に取り組んでいく考えであります。
 難民認定についてのお尋ねですが、従来から、難民の認定申請については、個別に審査の上、難民として認定すべき者は認定していると承知しております。政府としては、今後とも、御指摘のように、人道的観点を踏まえつつ、難民認定の適正な運用が図られるよう配慮してまいります。
 公共事業等予備費についてですが、御指摘のとおり、本年六月の決算委員会で、改めて公共事業のためにあえて予備費を設ける必要があるかどうか、問題があると思っていると私は答弁申し上げました。現在でも、その気持ちに変わりはございません。十四年度予算においても、そのような問題意識で編成に臨んでまいります。
 二次補正の財源についてですが、今回の措置は、国債発行額三十兆円以下という方針のもとに、安易な国債発行によることなく補正も編成すべきだという考えのもとに、国債整理基金特別会計における政府の保有資金を最大限活用し、無利子貸し付け等を行うものであります。これに充てられた財源は、後日、貸し付けの償還等に伴い全額繰り戻されることから、隠れ借金をふやすものであるとの御指摘は当たらないと考えております。
 構造改革に関する基本的な考え方と決意についてでございますが、これは不況であろうが好況であろうが、私は、改革を進めていかないと日本の経済というのは強くならない、自律的な経済成長が不可能になってしまう、そういう危機感から改革なくして成長なしということで取り組んでいるわけでありまして、景気が悪いから先に景気を優先すべきだといって改革なしに景気回復したら、改革する必要はなくなるんですから、そんなことは今の状況であり得ないと私は思っております。
 今後、改革先行プログラムに沿って構造改革をさらに加速しつつ、デフレスパイラルに陥ることのないような配慮も同時にしていかなきゃならないということで、補正予算も組み、そして今後、第二次補正予算についての編成取り組みを指示したところでございます。いずれにしても、改革なくして成長なしという方針には変わりございません。
 特殊法人改革に向けた決意でございますが、今回の私の道路公団初め関係法人についての取り組みについて、玉虫色だという御指摘でありますが、全くそうではありません。これは誤解で甚だしい。私は、道路公団等のいわゆる先行七法人について、昨日公表した先行七法人の改革の方向についてはっきり述べております。組織については、現行の公団を廃止、新たな組織は民営化を前提とする。事業については、国費を投入しない。償還期間は五十年を上限として、短縮を目指す。明確な方針を示しております。
 今後、年末に向けまして特殊法人等整理合理化計画を策定することになりますが、残りの法人についても徹底した見直しを行ってまいります。
 特殊法人の債務処理についてでございますが、いわゆる先行七法人については昨日発表いたしましたが、特に本州四国連絡橋公団については、債務は国の道路予算か、関係地方公共団体の負担においてか、あるいは道路料金の活用も検討するか、いろいろな問題が出てくると思います。こういう問題については今後第三者機関において検討していただきますし、厳正に資産評価を行い、整理すべきものは整理し、売却すべきものは売却するなど、適正な処理を行う。これは石油公団についても変わりありません。はっきりとした方針を明示して、今後特殊法人改革に向けて一段の努力を傾注してまいりたいと思います。
 報償費についてのお尋ねですが、今回の会計検査院報告で指摘された宿泊費差額の問題については、内閣官房と外務省の役割分担を見直すなど、再発防止のための措置を既に講じたところでありますが、今後さらに、執行体制の整備など、適切な対応を検討していく考えであります。
 内閣報償費及び外務省報償費の執行に当たっては、一層厳正かつ効率的な執行の徹底を図り、国民の信頼の回復に努めてまいります。
 なお、十四年度予算の概算要求においては、報償費について減額要求を行ったところであり、また、先日成立した補正予算においても今年度分について減額したところであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対するお尋ねは、税収が五十兆円を割り、反面、一兆円の純剰余金を発生している背景、そして、公債発行額が三十七兆五千億円余に上っておる、こういう十一年度決算において、公債依存度が四二・一%になったという厳しい財政状況であるのをどう考えておるかというお尋ねだったと思っております。
 仰せのとおり、この十一年度に関しまして四二・一%という高い公債依存度になったことは事実でございますが、しかし、この年、十一年度におきましては、厳しい景気状況に対応するために六兆円の恒久減税をしたということが一つございますことと、それからさらに、景気振興のために社会資本の整備を中心とした大規模な経済対策、すなわち公共事業中心でございますけれども、これに約七兆円の資金を充てた、こういうものが重なりまして高額な公債発行になったということでございまして、この点は御理解いただきたいと思っております。
 ついては、こうした大量の公債発行に依存した財政運営というものは、持続性がございませんし、また甚だしく国力の消耗にもつながるということもございますので、したがって、平成十三年度以降におきましては国債発行額を三十兆以下に抑えようという方針のもとに取り組んでまいったところでございまして、来年度におきましてもこの精神を貫いて予算編成に当たりたいと思っております。
 極力、国債の発行を抑制し、安定した財源に基づく財政運営をしていきたいと思っております。(拍手)
   〔国務大臣武部勤君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(武部勤君) 川橋議員の御質問にお答えいたします。
 まず、二頭目のBSE感染牛の発生という事態の予測に関する説明及び今後の見通しについて申し上げます。
 十月十八日に、私と厚生労働大臣が共同記者会見を開き、今後は屠畜場における全頭検査によりBSEに感染していない安全な牛からのもののみが出回るシステムが整備されたことについて、国民の皆様に御説明したところであります。
 その際に、九月に確認された一頭以外にBSEに感染している牛がいないと断定することはできないが、仮に新たにBSEが疑われる牛が発生しても、この検査体制により確実に発見され、屠畜場外に出回ることがないことについてもあわせて御説明したところであります。
 今般、新たにBSE感染牛が確認されたことは大変残念でありますが、これが食用として出回ることなく発見されたことは、このようなBSE全頭検査体制が有効に機能してきたことを示すものと考えております。
 今後のBSEの発生を否定することはできません。しかし、その見込みにつきましては、確かなことを申し上げることはできませんが、屠畜場における全頭検査や農場段階でのサーベイランスの強化等、新たなBSE検査の的確な実施を通じ、国内におけるBSE感染の状況が明らかになるものと考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも、新たな感染牛が発生し得ることを想定して、常に緊張感を持って検査に臨み、食肉等の安全性の確保に万全を期してまいります。
 次に、行政の失態についての農林水産大臣の責任について申し上げます。
 BSEの侵入防止を図るため、これまで、肉骨粉の輸入停止措置、飼料の適正利用の推進、家畜伝染病予防法の改正によるBSEの家畜伝染病への指定とサーベイランスの実施等、各種の措置により、リスクを最小限に抑え、BSEの発生防止を図ってきたところでありますが、今般、我が国においてBSEが発生したことは大変残念なことと受けとめております。
 また、今回の事態の発生に際し、省内及び省外との連絡体制が十分に機能しなかったこと等から、初期段階で対応に混乱が見られたこと等、国民の皆様の行政に対する不信を招いたことはまことに遺憾であります。
 このため、省内の連絡体制を含め、関係省庁、都道府県等とも密接な連絡を図りながら、報告、連絡、相談、点検、確認を徹底し、国民の立場に立って迅速かつ的確な対応に努めることが肝要であります。
 今回のようなことが二度と起きないように、当省の幹部を初め職員に対して私から厳重に注意したところであり、今回の教訓を今後の行政に生かしていくことが重要であると考えております。
 なお、BSE発生以来、感染経路の究明、生産者、流通業者、中小企業者など、影響を受けた方々に対する関連対策の取りまとめ等、農林水産大臣としての職責を間断なく果たしてきているところであります。
 今後とも、これらの職責をしっかり果たし、国民の皆様に安心していただくために全力を尽くすことが私にとっての最大の責任であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣田中眞紀子君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(田中眞紀子君) 川橋議員にお答え申し上げます。
 アフガニスタンの情勢は依然として極めて流動的であり、北部同盟側が北部におけるタリバーン側最後の要衝クンドゥーズ市をほぼ制圧した模様である。その一方、タリバーンの本拠地でありますカンダハール及び同市周辺では依然として戦闘が継続していると承知いたしております。今後はカンダハールをめぐる攻防が焦点となるものと思われます。
 また、アフガン和平をめぐっては、昨二十七日からドイツでブラヒミ特別代表やアフガン人の諸勢力によるアフガン各派代表者会合が開催されているところでありまして、その進展を注意深く注視いたしていくところでございます。
 今回のパキスタン訪問の見解についてのお尋ねがございました。
 私は、二十二日から二十七日までパキスタンを訪問させていただき、第一にムシャラフ大統領やサッタール外相等のパキスタン政府要人と会談し、UNHCRやユニセフの国際機関関係者との懇談、さらには我が国のNGOの関係者との意見交換、さらに難民キャンプの訪問という四つのやり方をとりまして、濃密な情報収集と意見交換を行うことができました。
 ムシャラフ大統領、サッタール外務大臣、アジズ大蔵大臣、ハイダー内相等政府関係者との懇談におきましては、今後二年間程度にわたる三億ドルの無償資金協力等、我が国の追加的な経済支援を直接お伝えし、国際社会と結束してテロと闘うパキスタン政府に対する我が国の支援・協力姿勢を改めて表明いたしました。
 従来よりパキスタン側から要請のあった債務救済につきましては、債務削減は困難でありますが、具体的な対応は今後検討していきたいという旨、説明をいたしました。また、パキスタンの民主化、軍縮・不拡散上の努力の継続を先方に強く要請し、あわせて、カシミール問題につきましても自制的対応を希望する旨、お伝えをいたしました。自衛隊艦船による被災民支援物資のカラチ港までの輸送につきましても御説明いたしました。
 これに対しまして、ムシャラフ大統領より、緊急の経済支援及び追加的経済支援に対する深い感謝の意が表明され、また、CTBTを含む軍縮・不拡散問題及び民主化についての努力、及びカシミール問題への対応につき説明がありました。
 アフガニスタン問題につきましては、国連の努力を強く支持していくということで意見の一致を見ました。また、パキスタン側より、来年一月我が国で開催予定のアフガニスタン復興支援閣僚級会合への参加の御希望がありましたのに対し、我が国としても基本的にパキスタンに参加していただきたい旨、お伝えいたしました。
 また、グランディUNHCR地域調整官との間で今後のアフガン難民問題への対応につき意見交換を行ったほか、今後の難民支援等についての検討材料に資するため、シャムシャトゥー難民キャンプを訪問し、アフガン難民の現状を視察いたしました。
 以上のように、今回のパキスタン訪問は、今後、現場の声をも踏まえた対パキスタン外交及びアフガニスタン和平・復興への取り組みを進めていく上で大きな意義があったと考えております。
 我が国によるアフガン難民支援についてのお尋ねがございました。
 アフガニスタン難民支援については、日本は、直ちに必要な緊急支援として、国際機関等を通じて関係国政府等とも連携をしつつ難民支援を行ってきておりまして、とりわけ難民の中でも多数を占めます女性及び子供への支援を重視する観点から、ユニセフを通じた支援も行ってきております。
 長期にわたる自立支援としては、今後、帰還が進むと見込まれております難民が復興の過程に関与していくことが重要と考えます。難民の中で多数を占める女性及び子供に対する支援についても、引き続き重視していく考えでございます。
 次に、報償費に関する会計検査院の検査結果に関するお尋ねでございますが、先般の会計検査院報告に指摘されましたような手続面等で適切を欠いた点が多々ありましたことは極めて遺憾でございます。会計検査院による内閣官房及び外務省に対する指摘を真摯に受けとめ、今後、報償費の執行を改善し、一層効率的、効果的なものとするよう最善の努力をいたします。
 プール金問題に関するお尋ねでございます。
 本件については、現在、最終的な調査を行っておりまして、今月中にその結果を御報告申し上げます。このような不適正な行為が行われていたことは極めて遺憾でございまして、外務省を代表して国民の皆様におわびを申し上げる次第でございます。
 この問題に対する関係者の責任を明確にし、調査終了次第、プール金に関与した職員については、幹部も含めて厳正に処分いたします。また、費消したプール金の全額を職員が協力して国庫に返還する方向で努力中でございます。
 外務省といたしましては、省員の公金の使用、管理に対する認識の甘さ、そしてプール金の発生を防止するためのチェック機能が著しく不十分であったということを反省しておりまして、職員の研修と調達の一元化、監察機能の整備、さらには予算執行上の手続の運用など、そうした実態の調査及び所要の改善を進めることを通じまして、納税者たる国民の皆様の期待にこたえ得る役所として再生するために最善の努力を行っていくことをお約束申し上げます。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(竹中平蔵君) 私に対しましては、構造改革と景気回復を両立させる経済運営の手法についてのお尋ねがございました。
 ただいま総理から既に御答弁がありましたので重複は避けさせていただきますけれども、日本の今の景気は大変厳しい状況にあり、その先行きについても注視が必要であるということは十分に認識をしております。しかし、一方で、日本の経済の潜在的な成長力は、これはそれなりにあるんであって、この潜在力を生かすためにも、改革なくして成長なしとの決意のもとで、構造改革を強力かつ迅速に進めることが重要であるというふうに考えています。
 構造の改革といいますのは、供給側の強化でありますけれども、同時に、経済の活性化を通じてデフレの阻止に寄与する、つまり需要側の効果をももたらすものでありまして、このような意味で構造改革と景気回復は対立するものではないんだというふうに考えるわけでございます。
 これらの点を踏まえまして、今回新たに緊急対応プログラムを策定することといたしております。これによって、構造改革をさらに加速させながら、デフレスパイラルに陥ることを回避してまいりたい、つまり需要側にも配慮していきたいというふうに考えるわけでございます。
 いずれにしましても、川橋議員、魔法のような経済運営の手法にというお話がありましたが、残念ながら魔法はやはりないのだと思います。その意味では、構造改革を断固とした決意で進めること、その過程においては、しかしデフレスパイラルに陥る危機を、リスクを回避するための十分な配慮をしていくこと、こういった観点から責任ある経済運営をさせていただきたいというふうに思っております。
 以上、御答弁申し上げます。(拍手)
#12
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#13
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。坂口厚生労働大臣。
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(坂口力君) 経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げたいと存じます。
 一層厳しさを増しています雇用情勢にかんがみまして、政府におきましては、本年九月に総合雇用対策を決定し、雇用の安定の確保に向けて総合的な施策を展開することとしております。このうち、実施の緊急性が特に高い施策につきましては、十月に策定いたしました改革先行プログラムに盛り込み、先行して実施することとしており、これに必要な法的措置、具体的には、中高年齢者すなわち四十五歳以上の方々の再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置を実施するため、本法律案を作成し、ここに提出をした次第でございます。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、雇用保険法の特例であります。
 中高年齢者のうち六十歳未満の者につきまして、公共職業安定所長が指示した公共職業訓練等の受講後、必要に応じて、基本手当を受けつつ再度公共職業訓練等を受けることができるようにすること等といたしております。
 なお、船員保険法につきましても、同様の措置を講じることとしております。
 第二に、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の特例であります。
 中小企業者が中小企業経営革新支援法による承認を受けた経営革新計画に基づき経営革新を行い、これに伴いまして中高年齢者を雇い入れた場合に、雇用保険法の雇用安定事業等として必要な助成を行うこと等としております。
 第三に、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の特例であります。
 派遣先が、専門的な知識、技能または経験を必要とする業務等以外の業務に中高年齢者である派遣労働者を受け入れる場合に、派遣期間の上限を三年間とすることとしております。
 なお、この法律は、平成十四年一月一日から施行することとし、平成十七年三月三十一日限り効力を失うことといたしております。
 以上、概要を御説明申し上げました。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山本孝史君。
   〔山本孝史君登壇、拍手〕
#17
○山本孝史君 ただいま議題となりました雇用対策臨時特例法案並びに関連する諸問題について、民主党・新緑風会を代表して、総理並びに関係大臣に質問します。
 本年九月の完全失業率は最悪の五・三%を記録しました。近畿地方では六・六%であり、仕事を探しても見つからないからとあきらめているディスカレッジドワーカーを加えると、十人に一人は仕事がないという極めて厳しい状況に置かれています。
 高失業率の原因は構造的なものです。失業期間も長引く傾向が鮮明になっています。しかしながら、本法案は、三年間に限って三項目について臨時の特例措置を行うという内容であり、抜本的な雇用対策とはなっておりません。このような法律を提出すること自体が政府の無策ぶりを際立たせ、かえって雇用不安を高めるのではないでしょうか。あるいは、総理は、雇用対策に決め手はなく、失業率の高まりは仕方がない、リストラされた人は運が悪かった、あきらめなさいとでもおっしゃるのでしょうか。
 今後、失業率はどこまで高まると予測して対策を検討しているのか、総理にはその数字を含めて政府の雇用対策の基本方針をお示しください。
 経済財政諮問会議の基本方針によれば、サービス分野で今後五年間に五百三十万人の雇用機会を創出し、子育て分野で三十五万人、高齢者ケアで五十五万人、医療サービスで五十五万人の百四十五万人の増員を見込んでいます。
 ところで、保育や高齢者ケア、医療といった分野は費用の多くを税や社会保険料に依存しています。そのような中で、国や地方自治体の支出をふやさずに雇用をふやそうとすれば、受益者負担をふやす以外に手段はないのではありませんか。それでは多くの者にとって負担増となり、サービス水準の切り下げになります。それが小泉流社会保障、福祉改革でしょうか。明確な御答弁を求めます。
 あわせて、厚生労働大臣にお尋ねします。
 保健・医療・福祉分野の総従事者は九六年に三百二十万人であり、八六年からの十年間に約百十万人増加したことを考えると、五年間に百四十五万人もの増員を福祉施設の公設民営、民間企業の参入などの規制緩和だけで生み出せるとは到底思えません。どのような手法を用いるのか、お示しください。
 我が国の医療機関や福祉施設における患者や入所者に対する職員数の不足が指摘をされてきました。この際、職員の配置基準を見直して職員数を増員し、サービスの向上と雇用創出に取り組む考えはないのでしょうか。厚生労働大臣にお尋ねします。
 総理にお尋ねしますが、日本では公共サービスに従事する者の割合が少ないのではないでしょうか。非効率な公的サービス部門の再構築は必要ですが、犯罪の急増に対応する警察官の増員、テロ対策のための出入国管理官の増員、公教育における教員一人当たりの生徒数を減らすなど、公務員の増員が必要と考えますが、総理のお考えをお示しください。
 今回の特例措置では、中高年の派遣期間の制限が三年間に延長されます。坂口大臣は、中高年の皆さんに対する安定を図るためにとった措置と答弁されていますが、リストラが進み、買い手市場にある中での期間延長は、正規雇用の代替機能として作用したり、一年間働き続けた派遣労働者が正社員になる道を防ぐことになるのではないでしょうか。それとも、大臣は、正社員にならなくたって、派遣労働者だって三年間働ければいいじゃないかとでもお考えなんでしょうか。
 そもそも、九九年十二月の労働者派遣法の改正の折、派遣期間の見直しについては三年後に法改正の影響など実態調査を踏まえて再検討するとされてきました。実態調査はなされましたでしょうか。以上、明快な御答弁を厚生労働大臣に求めます。
 派遣労働者やパートタイマーと正規労働者の待遇格差の是正が求められます。今後は、年功賃金制度の見直しとともに、時間で幾らという時間給の概念も導入しながら、同一価値労働同一賃金原則の確立が求められると言われています。厚生労働大臣はどのようにお考えですか。
 派遣労働者やパート労働者にも社会保険の適用を拡大すべきだと考えます。また、国家公務員や地方公務員、私立学校教員等も雇用保険に加入すべきと考えますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 塩川財務大臣もお考えとお聞きしますけれども、労使の合意により超過勤務時間の削減などによって労働者一人の働く時間を減らし、雇用機会を分かち合うワークシェアリングを取り入れるべきだと考えます。政労使の協議を推進するとともに、政府としては、新たに労働者を雇い入れた事業主に対しては社会保障負担の軽減や賃金の一部助成などを検討してはいかがでしょうか。厚生労働大臣に御答弁をお願いします。
 募集や採用のときに人種、信条、社会的身分を理由とする差別の禁止を明文化すべきと考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
 坂口大臣は、解雇ルールを法制化したいとも明言されています。今後、どのような手順によって、いつごろまでにお決めになるお考えですか。解雇権乱用法理や整理解雇四要件の法制化をお考えでしょうか。また、ルールの決定に当たっては、安易な首切りにつながらないよう歯どめをかけるとともに、従業員を解雇する場合には、職業紹介をしたり、一定期間有給で求職活動をすることを保障するなど、労働者の雇用を守る観点から法律を組み立てることをお約束ください。
 若年失業者の技能の開発は、将来の良質の労働力を確保する観点からも重要な政策です。そのためにも、学校段階での技能訓練や能力開発、就職あっせんが重要とされますが、高校や大学の新規求職者の動向を見ても問題が少なくありません。若年失業や非自発的フリーターの発生を防ぐためにも、高校や大学でどのような対応策を実施あるいは検討されているのか、文部大臣にお尋ねします。
 委託職業訓練については、講座の定員増、長期間の訓練、必要性の薄い者の排除など、真に受講を必要とする者が必要に応じて受講できるように制度運用の改善を図るべきです。さらに、東京都などが求めているように、地方自治体みずからが職業紹介事業を実施できるようにすることも有効と考えます。必要な法律改正の考えはありませんか。以上、厚生労働大臣の見解を求めます。
 さて、今日の失業率の高まりの背景には、製造業の中国を初めとする海外への生産拠点の移転があります。安い労働力を背景に、今後とも大空洞化への勢いはとまらないと思われますが、総理は何か具体的な対応策をお持ちでしょうか。
 また、中国はアジア諸国を巻き込んでの自由貿易圏の形成に力を入れておりますけれども、日本は乗りおくれていると強く感じております。アジアの経済圏形成に関して、今後どのように対処されるお考えでしょうか。
 あわせて、中国のWTO加盟はこれからの日本経済、とりわけ雇用の姿にどのような影響をもたらすのでしょうか。日本はどのような対応が求められるのでしょうか。総理にお尋ねをします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 関連して、財務大臣にお伺いをします。
 日本の産業界には、中国が早期に変動相場制に移行することや人民元の切り上げを望む声が聞かれますが、塩川大臣はどのようにお考えでしょうか。
 新たな雇用の受け皿として特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人の活動が期待をされております。しかしながら、NPO・NGOに関する税・法人制度改革連絡会の調査によれば、優遇税制への申請はいまだ二件しかありません。認定NPO法人の認定要件の再検討や収益事業所得に対するみなし寄附金制度の導入が求められております。財務大臣に御答弁をお願いをいたします。
 失業者が急増する中で起きている悲しい三つの事象について、政府の対応を求めたいと思います。
 一つ目は、親の失業に伴って学業の継続が困難になる生徒学生の問題です。
 就学援助の申請は急増し、景気低迷の影響から、民間企業・団体の奨学金もその額が激減をしております。対象者全員への就学援助の支給や、希望者全員が無利子の公的奨学金制度を利用できるようにすべきと考えますが、文部大臣のお考えをお伺いをします。
 また、特殊法人改革のあおりを受けて、来年四月に高校、大学に進学を予定している者に対する貸し付け内定通知が、例年であれば九月に発送されるのに、今年度はいまだ発送されておりません。子供たちにとっては大変につらい状況に置かれていると思います。文部大臣には、謝罪をされるとともに、その対応策をお示しをいただきたいと思います。
 二つ目は、自殺者急増の問題です。
 男性の失業率と自殺者数のグラフを重ね合わせますと、ぴったりと一致をいたします。昨年も三年連続で三万人を超えました。自殺未遂者は三十万人を超え、精神的な打撃を受けた家族や関係者の数は一年間に百五十万人を超えるという研究もございます。
 首相の肝いりでせっかく本年度予算に措置された三億五千万円の自殺対策予算は、総合的な対策を検討する有識者会議も開かれるめどが立たないなど、有効に生かされておりません。
 アメリカやカナダでは、政府が主体となって自殺者減少に取り組み、有意義な提言や政策を取りまとめています。日本においても政府全体で取り組むことが求められています。総理の主導により関係閣僚会議を開催し、自殺者減少のための基本方針を協議決定するなど、省庁横断的に取り組んでください。
 また、国民全体で危機感を共有し、抜本的な対策の樹立を急ぐためにも、交通事故死者数の発表は毎年お正月にありますけれども、それに倣って新年早々に自殺者の数を発表してください。
 以上、総理の御答弁を求めます。
 最後に、ホームレスに対する施策の充実を求めます。
 現在、ホームレスの自立支援に関する法律が成立に向けて各党間で協議されています。間もなく冬の厳しい季節を迎えます。私が大阪城公園でお話を聞いたホームレスの方の、何か仕事ないか、仕事があったらこんな惨めな生活せんでもええのにな、この言葉が耳に残っております。
 早急にホームレスの自立支援法を成立させるべきだと思います。議場の皆さんの御理解と御協力をお願いいたしますとともに、政府としても成立に向けて後押しをしてください。
 総理の温かい御答弁をお願いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 山本議員にお答えいたします。
 今後の失業率の予測と雇用対策に対する質問でございますが、雇用情勢については、九月の完全失業率が過去最高の五・三%となるなど、大変厳しい状況だと認識しております。このような状況の中で適切な雇用対策を講ずることが必要であると考えております。
 このため、新市場、新産業の育成による雇用の受け皿整備、官民の連携強化、能力開発による雇用のミスマッチの解消、雇用のセーフティーネットの整備を柱とする総合雇用対策を取りまとめ、補正予算において必要な措置を講じたところであり、ただいま雇用対策臨時特例法案の審議をお願いしているところであります。
 また、昨日、連合と会談を行いまして、その際、雇用の維持、創出を図るため、ワークシェアリング、この問題について取り組むことを提案しまして、政労使の合意形成を図るための場を速やかに設けるよう厚生労働大臣に指示したところであります。
 これらの施策を適切に推進し、国民の雇用不安の払拭に今後とも努めてまいりたいと思います。
 社会保障分野における雇用創出に関するお尋ねでありますが、福祉などの分野についてはサービス提供量を増加させることとしており、これに伴い、新たな雇用創出を図ることとしております。これらの財源については、社会保障制度を持続可能なものとするという観点に立って、利用者負担、保険料、公費の適切な組み合わせを考えることとしておりまして、利用者負担のみをふやすことは考えておりません。
 公務員の増員についてでありますが、国家公務員については、民間にできることは民間に任せる、地方にできることは地方にゆだねる、この原則に基づきまして、行政のスリム化、効率化を進めていく中で定員の削減を図る一方、施策の重要度、優先度、緊急度に応じて定員を重点的に配分することも重要でありまして、めり張りのある定員配置を実現していきたいと思います。また、地方公務員についても、国の方針を踏まえ、定員管理の適正化に取り組むよう要請しているところであります。
 製造業の空洞化についてでありますが、製造業は我が国の基幹的な産業ですが、近年、内外のコスト価格差を踏まえ、中国を初め海外への進出、移転が続いており、国内の雇用の減少などへの影響が懸念されております。
 産業の空洞化や雇用の減少を防ぐためには、規制改革等を通じて魅力的な国内事業環境を整備するとともに、高付加価値化等により製造業の国際競争力の強化を図ることが必要不可欠でありまして、積極的な取り組みを進めてまいりたいと思います。
 アジアの経済圏形成への対応及び中国のWTO加盟の日本経済に対する影響及び我が国の対応に関するお尋ねですが、我が国は、WTOによる多角的貿易体制を補完し、さらに自由化や経済活性化を進めるための一つの方策として二国間協定を交渉することとし、シンガポールとの間でアジアで最初の経済連携協定の交渉を成功裏に終了いたしました。これを一つのモデルとしつつ、今後ともアジア諸国の幅広い経済連携強化に取り組む考えであります。
 中国のWTO加盟は、国内の雇用への影響について注視する必要がありまして、我が国産業の競争力強化の必要があるものの、輸出入及び直接投資の拡大などを通じ、日中両国に大きな利益をもたらし得るものと考えております。
 自殺の問題についてでありますが、我が国の自殺者は平成十年より連続で三万人を超えており、緊急に対応を要する重要な問題であると認識しております。
 政府としては、今年度より、相談体制の充実強化を図るとともに、職場における自殺防止対策マニュアルを作成するなど、地域、職域が連携した自殺防止対策を実施することとしております。また、より効果的な対策を実施するため、近日中に厚生労働省において検討会を開催することとしております。
 自殺者数の発表についてでありますが、交通事故と違いまして、自殺というケースがそうそう把握できるかについては難しい側面があります。いろいろな事情がありますし、プライバシーの問題もあります。今後、担当省庁において研究させたいと考えております。
 ホームレスの自立支援に関する立法についてのお尋ねですが、ホームレス問題については与野党がそれぞれの立場で検討を行っておられると承知しております。政府としても、これらの検討状況を注視しつつ、平成十一年五月に取りまとめたホームレス問題に対する当面の対応策に基づき、自立支援事業の実施などホームレスの自立に向け着実に取り組んでまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(坂口力君) 山本議員にお答えを申し上げたいと存じます。ちょうど十問ちょうだいをいたしました。
 一番最初は、保健、医療、福祉の雇用創出についてのお尋ねでございます。
 厚生労働省といたしましては、介護や育児などの福祉に関しまして、今後、毎年約十万人の雇用増を見込んでいるところでございます。御指摘の百四十万人の雇用増につきましては、こうした取り組みのほか、医療分野の今後の動向でありますとか、公設民営、民間参入などの規制緩和によりますところの民間ビジネスの成長などを見込んで計算された一つの試算であると思っております。周辺産業も含めましての計算であるというふうに思っておる次第でございます。
 今後とも、厚生労働省としましては、少子高齢社会に対応しました社会づくりに向けて、ゴールドプラン21や新エンゼルプランを推進することなどによりまして、提供されるサービスの増加や新たな雇用創出の着実な実現に努めてまいりたいと考えております。
 医療機関等の職員配置基準についてのお尋ねがございました。
 医療機関や福祉施設の人員配置基準につきましては、適切なサービスを提供できる最低基準として定めておりまして、先般、看護婦の配置基準の引き上げ等を行うなど、これまでも必要な見直しを行ってきたところでございます。
 厚生労働省としましては、医療、福祉の質の確保、向上を図る見地から、今後とも人員配置基準につきまして適切な見直しを行ってまいりたいというふうに思っております。とりわけ、医療制度の改革とあわせまして、今後もそうした人員配置の問題につきまして真剣なひとつ取り組みをしていきたいと思っているところでございます。
 今回の特例措置による常用雇用の代替についてのお尋ねがございました。派遣労働者についてのお尋ねでございます。
 今回の労働者派遣の特例措置は、求人の旺盛な営業等の業務で人材の確保に活用されることが見込まれておりますので、若年者に比べまして就業機会に恵まれていない中高年齢者に対しまして、雇用機会の拡大等の効果が期待できるものというふうに思っております。
 なお、今般の特例措置により一年以上働き続けた中高年齢者であります派遣労働者の方につきましては、派遣法の派遣労働者の優先雇用の努力義務規定がございまして、この規定が適用され、直接雇用の実現等に十分な配慮をしていきたいと考えております。
 また、今回のこの中高年齢者に係ります派遣期間の臨時特例措置とは別にいたしまして、議員も御指摘のとおりの労働者派遣制度全体の見直しにつきましては、今後、平成十一年の改正労働者派遣法の施行状況についての総合実態調査の結果を踏まえ、労使関係者の御意見を十分に拝聴しながら結論を出したいと考えているところでございます。
 非正規労働者と正規労働者の格差解消についてのお尋ねがございました。
 労働者が多様な働き方を選択できるようにしますためには、それぞれの働き方に応じた適正な労働条件、処遇が確保されることが重要な課題であるというふうに思っております。
 パートタイム労働者と一般労働者との賃金を含みます処遇の均衡の問題につきましては、現在、パートタイム労働研究会を開きまして、その結論を急いでいるところでございます。
 また、パートタイム労働者に対します社会保険の適用拡大につきましては、議員の御指摘がございましたが、私たちも同じような気持ちを持っておりまして、現在行われております女性と年金検討会におきます議論を踏まえまして、平成十六年までに結論を出したいというふうに思っているところでございます。平成十六年までに行うこととなっております次期の財政再計算に向けまして、現在検討を進めているところでございます。
 また、派遣労働者につきましての適用の実態等を把握しました上で、健康保険につきましても、総合型で健康保険を導入できないかどうか、今、関係者の皆さん方と検討を進めさせていただいているところでございます。
 公務員等の雇用保険の加入についてのお尋ねがございました。
 雇用保険制度は、本来、景気動向によりまして失業し得る民間労働者を対象とした制度であるというふうに考えております。したがいまして、諸外国と同様に、国家公務員は適用の対象から除外をしているところでございます。国家公務員につきましては、いわゆる退職金が一定以下の場合、失業状況にあれば、雇用保険の失業給付と同様の手当が国家公務員退職手当法によって支給されることとなっておりまして、地方公務員につきましても、同様な措置があれば雇用保険は適用されない扱いとなっているところでございます。しかし、私立学校の教員につきましては、従来に引き続きまして一層の加入促進に努めてまいりたいと考えております。
 ワークシェアリングについてのお尋ねがございました。
 先ほど総理からも御答弁がございましたとおり、昨日、総理からワークシェアリングにつきまして、政府としてもより積極的に取り組むよう御指示のあったところでございます。どのような形で実施していくかにつきまして、労使の皆さん方とよくお話をさせていただいて、そして政府として、その中で何が必要なのかということも早く結論を出したい、できれば来年の三月ごろまでにひとつ結論が出ればというふうに思っているところでございます。
 募集、採用における人種等を理由とする差別禁止についてのお尋ねがございました。
 平成十三年五月二十五日に、法務省の人権擁護推進審議会によりまして「人権救済制度の在り方について」の答申がなされまして、雇用の分野を含みます社会生活全般における人種、信条、社会的身分等を理由とする差別的取り扱いを対象とする人権救済制度の整備についての提言がなされたところでございます。この答申に基づきまして、現在、法務省におきまして新たな人権救済制度の整備を検討されているというふうにお聞きをいたしております。
 そうした中で、厚生労働省といたしましても、いかなる役割を果たすべきかにつきまして検討をいたしますために、労働分野における人権救済制度検討会議を開催をいたしているところでございまして、この年内に取りまとめをしたいと思っているところでございます。
 解雇ルールの法制化についてお尋ねがございました。
 労働関係をめぐりますところの紛争を防止する等の観点から、解雇基準やルールにつきましてあらかじめ明確にしていることは大切なことだというふうに思っている次第でございます。
 解雇基準やルールの内容につきましては、今後、検討の手順も含めまして労使を初め関係者の皆さん方の御意見をお聞きをしていきたいというふうに思っておりますが、労働者が安心をして働いていただける法律にしたいと考えているところでございます。
 委託訓練の制度運用の改善についてのお尋ねがございました。
 委託訓練につきましては、職業経験、適性等を踏まえまして、真に受講が必要な求職者に対しまして再就職に資する職業訓練を行うような努力をしているところでございます。
 講座の定員につきましては、厳しい雇用失業状況等にかんがみまして、昨年度実績の十七万人に対しまして本年度は当初予算で三十万人分の訓練枠を設けているところでございますし、さらに補正予算におきまして約七万人分を追加したところでございます。
 訓練の期間につきましても、これまで原則三カ月でありましたものを、今後、複数の訓練コースの組み合わせや大学等の活用によりまして、六カ月以上の高度かつ長期間の訓練コースを設定してまいりたいというふうに思っております。
 さらに、受講対象者につきましてきめ細かなカウンセリングを実施をしたり、あるいはまた、真にこの訓練受講が必要な方に対して、適切な訓練コースを選定することに対する相談等にも応じたいと思っているところでございます。
 最後に、地方自治体の職業紹介事業の実施についてのお尋ねでございます。
 地方自治体が主体的に行う雇用開発やあるいは労働相談などは、雇用対策上、非常に重要であるというふうに思っております。国や地方の役割分担につきましては、地方分権推進計画、平成十年に実施されました計画におきまして、国は全国的な観点からいわゆるナショナルミニマムの維持、達成を図るために必要な職業紹介事業それから雇用保険事業等の施策を実施をして、地方は地域の実情、ニーズに応じた施策を自主的かつ総合的に実施することが整理をされたところでございます。
 しかし、最近、雇用情勢が非常に厳しくなってまいりまして、それぞれの地域で特徴ある、あるいはその地域に特有のやはり雇用対策というものが必要になってきていることも事実でございまして、地方の皆さん方のそうした雇用に対するこの取り組みというものに対しましても非常に注目をしているところでございまして、そうしたこともこれから十分に勘案していかなければならないというふうに考えているところでございます。
 以上、簡単でございますが、御説明申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(遠山敦子君) 山本議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、高校や大学における失業、フリーター対応策についてのお尋ねでございますが、御指摘のように、近年、若年者の早期離職やフリーターの問題、厳しい就職状況など、高校生、大学生の就職を取り巻く状況には非常に厳しいものがございます。
 このため、まず、高等学校や大学においては、職場体験やインターンシップなどを通じて、生徒や学生に対し望ましい職業観、勤労観や主体的な職業選択能力を育成しますとともに、専門高校を中心として職業生活に必要な基礎的な知識や技術を身につけさせております。
 また、高校生、大学生の就職については、厳しい経済状況のもとではありますが、各高等学校や大学において、進路指導の充実や就職先の開拓、拡大に懸命に努力しているところでございます。
 今後とも、これらの取り組みの充実に努めてまいります。
 次に、親の失業に伴い学業継続が困難な生徒学生に対する就学援助や奨学金に対するお尋ねがございました。
 文部科学省では、次代を担う生徒や学生が、経済的理由にもかかわらず、安心して学業を継続できるよう、これまでも奨学金事業などの充実に努めてきております。
 日本育英会の奨学金制度では、保護者の失職や倒産などにより家計が急変をし、学業の継続が困難となった生徒学生に対応いたしますため、年間を通じ、随時、無利子で貸与を行う緊急採用奨学金制度を平成十一年度から実施いたしております。本年も、現在のところ、今後の希望者への対応も十分可能となっておりますので、ぜひ積極的に利活用していただきたいと考えております。
 また、経済的理由により小中学校への就学が困難な児童生徒の保護者に学用品を給与するなど就学援助を行う市町村に対しましては、補助を行うことによって、子供たちの勉学に支障が生じないよう配慮いたしております。
 今後とも、厳しい財政事情のもとではありますが、育英奨学事業などの充実に努力してまいります。
 また、高校・大学進学予定者の内定時期のおくれについてでありますが、日本育英会では概算査定の方向性を見る必要もあり猶予しているとのことでありましたが、予約採用の時期のおくれについては高校生や保護者にとって大きな問題であり、早急に対処をしなければならないと考え、去る十一月二十二日に、日本育英会に対し、早急にこの問題の対応に着手するよう私から指示をいたしました。
 この結果、まず無利子奨学金については、日本育英会の本部から各都道府県にある支部に対し、十一月二十六日付文書で採用予定者の通知を出したところであり、これを受けて各支部から生徒に対し、本日中にも内定通知を発出することといたしております。
 また、有利子奨学金につきましては、無利子奨学金との併願者もありますことから、これについての整理を行いました後に、十二月五日ごろには本部から各支部へ採用予定者の通知を出し、各支部から生徒に対して速やかに内定通知することとしたと承知いたしております。
 今後とも、こうした問題の重要性にかんがみまして、高校生や保護者の不安を取り除くよう万全を期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(塩川正十郎君) 中国元につきましてのお尋ねでございましたですが、現在、御承知のように、中国の人民元は米ドルに対しましてペッグの状態でございまして、したがいまして、我が国の円との交換はすべてドルにリンクされて計算されてきております。
 つきましては、この中国経済のあり方並びに中国元のポジション等につきまして、近隣諸国等我々とも共通の影響を受けておるものでございますので、機会がございました場合にこの人民元のあり方につきまして意見の交換は行ってきて、重大な関心を持っておることは事実でございます。
 しかしながら、通貨の相場水準というものにつきましては、これはマーケットに任すということが原則でございますので、我々といたしましてはこれに対する対策というものは別段とっておらないところではございますけれども、しかし、WTOに中国が加盟されましたことに従いまして、順次この問題についても議論が起こってくるものと思っております。
 次に、NPOの問題がございました。
 これにつきましては、認定要件の再検討や収益事業所得に対するみなし寄附金制度の導入が必要ではないかというお尋ねでございまして、NPOの活動を支援するため、平成十三年度の税制改正におきまして、一定の要件を満たすNPO法人に対する寄附について、寄附金控除等の税制の優遇措置を新たに創設するという思い切った措置を講じたところであります。
 この制度の優遇措置の対象となりますのは、事業活動について一定の情報公開を行っていることと、それから活動資金につき広く一般からの支援を、つまり寄附でございますが、受けておること等、そういう要件を満たすNPO法人としております。
 なお、これらの要件は、対象となる法人が税制上の優遇措置を受ける寄附金を受け入れるのにふさわしい公益性を有するものであることを担保するために設定したものであり、適切なものであると考えております。
 なお、また、みなし寄附金の問題でございますが、公益法人に対する課税のあり方に関連する問題でございまして、今後、認定NPO法人の実態調査等を見きわめた上で、公益法人に対する課税のあり方とあわせて幅広く検討していくつもりでございます。御了解いただきたいと存じます。(拍手)
    ─────────────
#22
○副議長(本岡昭次君) 沢たまき君。
   〔沢たまき君登壇、拍手〕
#23
○沢たまき君 私は、ただいま議題となりました経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、公明党を代表いたしまして、総理及び関係大臣に御質問いたします。
 小泉総理は、景気の現状について、失業率が過去最高の五・三%を記録するなど、一層深刻化しているとの認識を示しながらも、我が国の潜在的な成長力は十分にある、これを生かすためにも構造改革が必要だと、構造改革に対し並々ならぬ決意を表明されております。
 構造改革については、国際的視点からもその必要性が叫ばれてきました。世界各国の科学者、経済学者等で構成されたローマ・クラブのレポート「成長の限界」において、食料、工業生産及び人口が旧来のシステムのまま幾何級数的に成長していけば、資源の枯渇、環境汚染の拡大が要因となって、二十一世紀中に確実に経済成長は停止するだろうと厳しい警告を発していたのです。いわゆる構造改革は、世界的な二十一世紀の課題でもあるのです。
 したがって、今日、政府が進めようとなさっている財政改革、行政改革、特殊法人改革等の構造改革は、地球的課題である省資源、環境重視という観点からも必要であり、むしろこうした枠の中で持続可能な経済成長を実現するための構造改革でなければなりません。我が国の財政、行政機構、民間産業が活力を取り戻し、また、資源が有効利用され、環境保全がなされるために、新しいシステムが確立されなければなりません。今こそ、国民が安心できる改革を実現するため、英知を結集して構造改革を実行するべきであります。しかし、その成功のためには余りにも課題、難問が山積しています。改めて構造改革に対する総理の御決意をお聞かせいただきたい。
 あわせて、構造改革と雇用対策は車の両輪の関係でなければなりません。総理の言われる構造改革が安定的に推進されるためには雇用対策にどう配慮されるのか、御見解をお聞かせください。
 次に、我が国の企業の再構築と雇用の創出について伺います。
 厚生労働省は、本年八月に、構造調整下における企業行動と労働面の対応に関する調査結果を発表しております。平成十二年八月末現在の常用雇用者数を五年前と比較した場合、増加したとする企業割合は一八・三%、減少したとする企業割合は四一・六%となっており、減少が増加を大きく上回っております。このことは、これから本格的に構造調整下に入った場合、さらに常用雇用者数が減少に向かうことを物語っているのではないでしょうか。また、同調査によると、事業の再構築を必要とする企業は、過去五年間で事業の再構築を行った企業八〇%、今後五年以内においても七〇%の企業で再構築を実施するとしています。
 今日まで、日本の経済成長は、鉄鋼、自動車、家電等の製造業や公共事業が先導的役割を担ってきました。しかし、我が国財政が逼迫している中で、日本の基幹産業の再生を図るため、付加価値の高い事業への転換について国としても積極的に支援して雇用創出を推進していくべきではないかと思いますが、総理及び経済産業大臣の御見解を伺います。
 次に、本法律案の内容に関してお伺いします。
 今日の厳しい雇用状況に対し、国民の痛みを最小限に抑えるための法案であります。具体的には、求人が少なく再就職が困難である上、生活面での負担の大きい中高年齢者に焦点を当て、雇用保険法等の臨時の特例措置を定めるものでもあります。
 私は、先ほど、構造改革を進めるに当たっては雇用に十分配慮して進めるべきであると申し上げました。本法案は、そうした配慮の一つであると考え、まことに適切であると評価いたします。特に、中高年の方々は失業期間が長期化する傾向にあり、求職半ばにして給付打ち切りとなり、大変厳しい事例もありました。今回の措置によって、そうした方々が失業給付が切れた後も再び職業訓練を受講しながら給付が受けられることでより長期にわたって安心して求職活動を行うことができ、加えて、その間、高度な技術を身につけることができるため、ミスマッチ解消にも大いに役立つと思います。
 また、本法案では、雇用機会をふやすため、中高年齢者に限って、派遣期間の上限を三年に延長することとしております。私は、特に厳しい状況にあるこうした方々に対しては、あらゆる手段を講じて雇用に結びつけることがまず重要であろうと考えます。そのため、このような措置も臨時特例的な措置として評価されるべきものと思います。
 しかしながら、これによって常用労働者が派遣労働者に代替されるのではないかと危惧する声があることもまた事実であります。
 そこで、厚生労働大臣に伺います。
 今回の措置によって中高年齢者の方々の雇用はどれくらい進むと見込んでいるのか、また、心配されるような常用雇用の代替やその防止についてどのように考えているのか、以上についてお答え願います。
 最後に、雇用に関する今日的諸問題について、厚生労働大臣に数点伺います。
 まず第一は、不良債権処理という負の遺産の処理が雇用安定の前に立ちはだかっていることであります。この不良債権処理の進め方によっては、雇用情勢がますます厳しくなることが予想されます。また、不良債権処理に伴い、これを口実にした安易な解雇や労働条件の引き下げが生じないとも限りません。大臣は、解雇ルールの明確化について発言されているようですが、いかなる対策を講じられるお考えでしょうか、お伺いいたします。
 第二に、年齢差別の解消についてお伺いします。
 年齢差別の解消については、求人や採用で年齢制限をしないよう企業に努力義務を課した改正雇用対策法がこの十月から施行されました。しかし、その後も制限を撤廃、緩和しない求人が約四割にも上るということです。生計の主たる中心者にある中高年齢者に対し、いかなる実効性ある対応策を考えていられますか。お伺いいたします。
 第三に、職場における若年者の定着率の向上について伺います。
 若年者の失業は自己都合退職によるものが多いと言われております。この要因については、厚生労働省はどう分析されているのでしょうか。昔は、若い人たちが就職すると、金の卵として一人前の仕事が早くできるようにしようと会社を挙げて教育訓練をいたしました。新入社員に対する企業内教育訓練をしたり、インターンシップ制の導入拡大を確立し、定着率の向上を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 第四に、新たに創設されました緊急地域雇用創出特別交付金について伺います。既に実施されています平成十一年からの交付金実施の検証結果はどうなっているでしょうか。
 今回も厚生労働省は、同交付金の実効性を確保するため、失業者の新規採用枠を四分の三以上とする、事業費に占める人件費割合を八〇%以上にする等、きめ細かに対応するとしており、地域の方々が大変期待しております。しかし、雇用期間が六カ月ということですが、単に一時的な雇用機会の創出に終わらせず、地元の労使の意見を聞いて長期の雇用や地域の活性化に結びつけることが大事であると思いますが、いかがでしょうか。
 以上、政府の御見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#24
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 沢議員にお答えいたします。
 構造改革に対する御質問でございますが、私は、民間にできることは民間にゆだね、地方にできることは地方にゆだねるという原則のもとに、今後とも構造改革を推進していきたいと思いますが、昨日、特殊法人改革について、道路関係四公団、住宅金融公庫、都市基盤整備公団、石油公団の七法人の廃止、民営化の方針を取りまとめました。いずれも半年前までは、こんなことできっこないと言われた廃止、民営化の法人であります。
 最も困難と思われた七つの特殊法人について改革が進んだことは、小泉内閣の進める構造改革の大きな一歩であり、前進であると私は思っております。まだまだ課題、難問が山積しておりますが、今後とも引き続き、不良債権処理、規制改革、医療改革、郵政事業改革といった構造改革に断固たる決意で取り組み、改革なくして成長なしの方針のもと、民需主導の持続的な成長を図ってまいりたいと考えております。
 構造改革と雇用対策の関係についてでありますが、改革を実現する過程で国民の雇用不安をいかに払拭するか、これは大変重要なことであると思いまして、そうした意味におきましても、今回、雇用対策に重点を置きまして、いろいろ施策を展開しているところであります。
 新市場、新産業の育成による雇用の受け皿整備、官民の連携強化、能力開発による雇用のミスマッチの解消、雇用のセーフティーネットの整備、これらを柱とする総合雇用対策を取りまとめ、補正予算において必要な措置を講じたところであり、ただいま雇用対策臨時特例法案の御審議をお願いしているところでございます。
 政府としては、規制改革の推進による雇用創出や労働市場の整備による円滑な労働移動の推進など、構造改革の推進とその痛みの緩和に向けて、今後それぞれの施策を適切に推進してまいりたいと思います。
 昨日、連合の幹部の皆さん、笹森会長あるいは草野事務局長とも会談を行いまして、その際、雇用の維持、創出を図るため、ワークシェアリングについて取り組むことを提案いたしまして、政労使の合意形成を図るための場を速やかに設けるよう、私は厚生労働大臣に指示したところであります。
 付加価値の高い事業への転換に関するお尋ねでありますが、基幹産業の再生を図り、雇用の減少を防ぐためには、国内の魅力的な事業環境の整備が必要であり、高コスト構造の是正、規制改革、新規事業創出のための環境整備等の構造改革を強力に進めてまいります。また、高付加価値等による製造業の国際競争力の強化のため、事業再構築、情報化投資による企業の生産性向上を支援するとともに、重点分野における研究開発力の強化、独創的技術を用いたベンチャー企業の創出等を促進し、雇用の創出に努めてまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(坂口力君) 沢議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 一番最初は、今回の労働者派遣の特例措置による雇用の見込みについてのお尋ねでございました。
 ちょっと順不同であるかもしれませんが、お許しください。
 派遣労働者数は、景気動向等に大きく左右される面がありますことから、今回の特例措置によります効果を数量的に予測することはなかなか難しい面がございますけれども、派遣先の中高年齢者の受け入れに関する意向等から見まして、約五万人程度の雇用創出効果を期待できるというふうに思っております。もう少しできるのではないかというふうに私は思っておりますが、最低限、このぐらいは確保できるというふうに思っております。
 今回の特例措置によりますところの常用雇用の代替についてのお尋ねがございました。
 今回の労働者派遣の特例措置につきましては、求人の旺盛な営業等の業務で人材の確保に活用されることが見込まれておりまして、若年者に比べまして就業機会に恵まれにくい中高年齢者に対しまして、雇用機会の拡大等の効果が期待できるものというふうに考えている次第でございます。
 なお、今般の特例措置によりまして、一年以上働き続けた中高年齢者であります派遣労働者の方につきましては、派遣法の派遣労働者の優先雇用の努力義務の規定が同様に適用されまして、直接雇用の実現にも配慮できるものというふうに思っている次第でございます。
 それから、解雇ルールにつきましての御質問がございました。
 先ほど山本議員にもお答えをしたところでございますが、解雇ルールのことにつきまして私が発言をいたしましてから、経営者団体からは解雇をできにくくなるので反対だという声が出ておりますし、労働団体からは解雇されやすくなるので反対だという声が出ているわけでございまして、双方から反対の声をちょうだいをいたしております。しかし、最近、この解雇に対する裁判や紛争が大変ふえていることもまた事実でございまして、私はやはり働く人たちのためのルールというものが明確になっていることが大切であるというふうに思っている次第でございます。
 今後、労使の皆さん方の御意見を十分に拝聴しながら決定をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 募集・採用時の年齢差別の解消のための対応等についてのお尋ねがございました。
 厚生労働省におきましては、改正雇用対策法に基づきまして、年齢制限緩和の努力義務の実効を上げますために、官民の職業紹介機関の窓口の活用でありますとか、地域の経済団体やマスメディアへの働きかけ等によりまして、積極的な周知、広報を図り、その理解を徹底していきたいと思っております。
 また、実際に求人を受け付ける公共職業安定所におきましては、指針に基づきまして、極力年齢にかかわらず均等な機会を与えるよう事業主に要請するなど、一人でも多くの就職につながるよう最大限の努力を続けていきたいというふうに思っています。
 補正予算におきましても、事業主団体を通じて広報、相談等を実施することとしておりまして、法律の実効を上げるための取り組みを強化する決意でございます。
 若年者の失業についてのお尋ねもございました。
 御指摘のように、若年者には、自己都合によります離職や早期の離職によります失業がこの背景にありますことは御指摘のとおりでございます。若年者の職業意識が不十分であることもございますし、厳しい経済情勢の中で、企業におきましても人材を育てようという意欲が弱まっているのではないかと思われるようなケースも中にはあるわけでございます。
 このため、厚生労働省といたしましても、高校、大学等において早い段階から就職意識の啓発に努めるとともに、企業による計画的な職業能力開発の取り組みを支援していきたいというふうに思っております。来年度の若年者、特に高校、大学の就職状況を見ましても、とりわけ高等学校の就職者につきまして、非常に現在のところ厳しい状況になっておりますので、とりわけ高等学校の就職につきまして今全力で取り組んでいるところでございます。
 先ほどお話がございましたように、トライアル雇用でございますとかインターンシップの受け入れ企業の拡大等につきましても、今努力をいたしているところでございます。
 最後に、緊急地域雇用創出特別交付金についてのお尋ねがございました。
 平成十二年度末までで約千三百四十億円の事業費に対しまして二十二万人の雇用就業機会を創出したところでございます。本交付金につきましてはさまざまな事業が実施されておりまして、一部では雇用創出効果が低いものも中には見られましたが、安定雇用の観点からも一定の成果を上げたものというふうに考えております。
 今回のこの事業につきましては、とりわけ人件費につきましては八割以上、そして失業者に対しましては四分の三以上が完全失業者の中から選んでほしい、そうしたことも要請をいたしているところでございまして、前回の弱点でありましたところを克服しながら、より多くの人に雇用に結びつくように、そしてその皆さん方が永久的な雇用にさらに結びつくような、それぞれの知恵をそれぞれの地域で絞っていただくようにお願いをしているところでございます。
 以上、御答弁申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(平沼赳夫君) 沢議員にお答えをさせていただきます。
 付加価値を向上する、このことは非常に重要なことでございまして、総理から大筋の御説明がありました。私からは、具体論を少し御説明をさせていただきたい、このように思っております。
 やはり産業、これは物をつくるというのは日本の得意分野であります。したがって、ここの高コスト構造を是正するとか事業環境を整えるということは、非常に重要なことでありますと同時に、御指摘の付加価値を高めるということが国際競争力をつけ、そして雇用を生み出す、このことで私どもは非常に重要な点だと認識しております。
 そこで、四点について申し上げたいと思います。
 一つは、どうしても付加価値を高めるに当たりましては研究開発、ここを避けて通ることはできません。研究開発を費用の面で拡大をする、また民間の研究開発投資に大きな支援をする、このことが産業の付加価値を生み出すことでありまして、特に重点四分野と言われておりますバイオテクノロジー、さらにIT、そしてこれからは環境というのが非常に大きな付加価値を生むと思います。そして、日本の得意なナノテクノロジー・材料、こういった分野の研究開発を促す、このことが一つの柱だと思っております。
 二つ目は、大学というのは知識、技術が集約しているところでありますけれども、残念ながら、欧米に比べて日本は大学発のベンチャーを含めた起業の発出が非常に少ないわけであります。そこで、今、法律を改正したり規制を緩和するということをやっておりまして、少なくとも、今二けたである大学発のベンチャーを三年以内に一千社を誕生させよう、こういうことによって国際競争力、付加価値を高めていこうと、こういうことを今一生懸命にやっているところであります。
 三つ目は、地方の経済産業の付加価値を高めることでありまして、そういう意味では、(発言する者あり)大事なことでありますから。今、地域の産業クラスターというのをやっておりまして、百五十の大学の拠点、そして、まだ少ないんですけれども、三千社が参加していただいて、十九の拠点でこれを展開しています。こういったところによって付加価値を高めていく、こういうことが私どもは必要だと思います。
 四点目は、産業再生法を利用して、そして既存の企業に活力を与え、ここで雇用を吸収し、付加価値を高め、日本の国際競争力をつくっていく、このことに全力で取り組んでまいりたいと、このように思っております。(拍手)
    ─────────────
#27
○副議長(本岡昭次君) 井上美代君。
   〔井上美代君登壇、拍手〕
#28
○井上美代君 私は、日本共産党を代表して、雇用対策臨時特例法案について質問をいたします。
 九月の完全失業率は五・三%、過去最悪となりました。求職をあきらめた潜在的な失業者を加えれば、十人に一人が失業をしております。また、先日発表された全国私立学校教職員組合連合会の調査によると、親のリストラ、破産、廃業などで授業料が払えず、停学に追い込まれた子供が急増をしております。
 昨年一年間の自殺者は三万一千九百五十七人で、過去最高です。親がリストラ自殺した遺児は、昨年度百四十四人に上り、日本育英会の調査によると、奨学金出願の理由の項には、ここでは一例しか紹介できませんけれども、父は二年前にリストラで会社をやめ、その後再就職がうまくいかず、これからの生活を悲観して家族の留守中に自殺と書かれております。
 総理、このような子供や家族、国民の実情をどう考えるんですか。こうしたことを引き起こさないことこそ、政治の責任ではありませんか。
 政府の雇用対策の最大の問題は、ルールなき大量解雇を全く野放しにしていることです。大企業を中心としたリストラは、NTT、東芝、日立など、電機を中心とした製造業大手三十社だけでも十六万人という未曾有の規模になっております。大手金融機関の四大グループで二万三千人の人員削減を行うと発表され、一部上場企業の六割の企業が社員を減らすと答えるなど、リストラの火の手はさらに広がりつつあります。これでは一層の雇用不安と将来不安を招き、景気のさらなる悪化を招くのは必至です。
 総理、あなたは、雇用を守る企業の社会的責任や国民の働く権利を保障する政府の役割をどのように考えているのでしょうか。今こそ政府が、この野放しのリストラ、大量解雇を規制し、率先して国民の雇用を守るべきではありませんか。
 ドイツでは、航空会社の四千人削減計画によるリストラと失業が社会問題になったときに、シュレーダー首相は、企業には雇用を守る責任があると発言し、そして景気悪化をリストラの口実としないようにと各企業に訴えています。総理、あなたとの違いは余りにも明白ではありませんか。今こそ政府がこのようなイニシアチブを発揮すべきではありませんか。答弁を求めます。
 国内外での長年にわたる努力によって、労働者の諸権利は多く制度化されております。日本国憲法は二十七条で、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と規定しており、雇用の確保は政府の重要な責務なのです。国連の社会権規約委員会は、日本政府に、長時間労働の問題と四十五歳以上の中高年労働者の雇用と給与の不安定な実態について、人権上の問題としてその是正を勧告しております。総理、あなたはこれをどう受けとめ、いかなる具体的措置をとるつもりなのでしょうか。
 次に、本法案の重要な内容である派遣労働者の派遣期間延長問題について尋ねます。
 法案は、極めて深刻な中高年の雇用問題に名をかりて、派遣労働者の派遣期間の上限を現在の一年から三年に延長することを提案しております。雇用流動化の名のもとに、常用雇用が減る一方、パート、そして契約社員、アルバイトなどの不安定雇用労働者がふえており、派遣労働者も百万人を突破したと言われております。最近の民間団体の調査では、不況と競争激化で賃金が下がり続けるなど、労働条件が悪化をしております。また、契約の中途解除など、弱い立場の派遣労働者に不当な攻撃が強まっております。総理は、この深刻な派遣労働者の現状をどう考えているのですか。
 政府は派遣期間を三年にすれば雇用が拡大するといいますが、延長すればこの深刻な状況が解決する根拠があるというのですか。財界、業界団体がコストダウンと営利目的で要求しているだけで、労働者からの要望はありません。根拠があるというのなら明確に示していただきたいと思います。
 深刻なのは、正社員をリストラし、派遣労働者に置きかえる企業が増加していることです。製造業への請負を偽装した違法な派遣も広がっております。厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会において、労働者代表は、本法案に対して、常用代替の防止策なしには賛成しがたいと、このように述べているのであります。全国的な労働組合団体も皆反対をしております。
 今回の派遣法改正が常用雇用から派遣労働者への置きかえにつながらない保障はどこにあるのか。それは結局、労働者の身分を不安定にして低賃金を促進するだけではないでしょうか。総理の納得できる答弁を求めたいと思います。
 政府の総合規制改革会議は、七月の中間取りまとめで、既に派遣労働者の派遣期間延長や製造業への派遣禁止の撤廃を求めております。総合規制改革会議が十二月に提出しようとしている最終取りまとめでも、これらの規制撤廃の方針が打ち出されると大きく新聞で報道されていることは、皆様御存じのとおりでございます。今回の法案が、この派遣労働の全面的な解禁に向けた一歩となることは、余りにも明白ではありませんか。このような改悪は絶対にやめるべきであります。
 年休の取得率は、昨年度ついに五〇%を割り込みました。一〇〇%の取得が当たり前の欧米に比べて、異常な事態です。総理は、先日の党首討論で、働くのが好きな人がいて年休をとってくれないと、このように国民に責任を押しつける発言をしました。これは、企業で働く人たちの実情、実感を全く顧みない驚くべき発言です。
 昨年、政府が行った委託調査でも、休暇取得を妨げる要因が本人の意識などの問題ではなく、業務遂行体制など、企業全体のあり方にあると述べております。事実、企業が労働者の権利である年休を取得しないことを前提にした生産・要員計画を立てていることが全国各地で問題になっております。こうした事態をなくすよう、政府が企業を早急に指導すべきではありませんか。総理の決意を込めた答弁を求めます。
 最後に、求職者から紹介手数料を徴収する問題です。
 二年前の法改正で、それまで禁止だった求職者からの手数料徴収を、モデルそしてまた芸能人など特定の職業についている人たちに認めました。しかし、これらはあくまでも例外であり、ILO百八十一号条約でも原則は禁止です。現行の職業安定法では、民間の有料職業紹介にも平等取り扱いの原則があり、高い手数料を払った人が優先的に紹介を受けることがあってはならないとされております。今回の雇用対策においてもこの原則は厳格に守られるのですか。厚生労働大臣の答弁を求めます。
 日本共産党は、大規模なリストラに反対し、雇用を守る国民的闘いに全力を挙げる決意を表明いたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#29
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 井上議員にお答えいたします。
 リストラに伴う深刻な状況についてでございますが、失業を含め、いろんな原因によってみずから命を絶たれる方がおられることは極めて痛ましい事態だと思っております。こういうことを防ぐためにも、失業の防止を初め、雇用対策に万全を期すことにより、国民の雇用不安の解消に努めてまいりたいと考えております。
 解雇規制についてでございますが、解雇については、いわゆる整理解雇の四要件や合理的な理由を必要とするという裁判例により対処されてきているところであります。しかしながら、社会の変化等に伴い雇用の流動化が進む中で、労働関係をめぐる紛争の防止の観点から、解雇基準やルールを明確にすることは大切なことだと考えております。
 なお、解雇基準やルールの内容については、厚生労働省において、労使を初め関係者の意見も十分聞きながら検討していきたい、また現在検討を行っているところでございます。
 企業に対する雇用維持の働きかけについてでございますが、グローバル化の進展等により大きく社会が転換する中で、企業がその存続を図るに当たり雇用調整を余儀なくされている場合においても、先般、日経連と連合との間で取りまとめられた「雇用に関する社会合意」推進宣言にあるように、「経営側は、雇用を維持・創出し、失業を抑制すること。」に最大限の努力を傾注すべきと考えます。
 政府としては、雇用調整助成金等を活用しつつ、雇用維持に努める企業に対して支援を行ってきているところでございます。さらに、昨日、連合と会談を行いまして、ワークシェアリングについて取り組むことを提案し、政労使の合意形成を図るための場を速やかに設けるよう、厚生労働大臣に指示したところであります。
 国連の社会権規約委員会の勧告に対する政府の措置についてでございますが、御指摘の勧告は、我が国が批准している国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約に関して、我が国政府が今後着実に実現に努めていくべき目標を提示したものであると理解しております。
 政府としては、この勧告を踏まえつつ、目標としている年間総労働時間千八百時間の達成、定着に向けた労働時間の短縮、雇用調整助成金の活用等による企業の雇用維持に対する支援、離職を余儀なくされる労働者に対する事業主による再就職支援の促進などの施策の適正な運営、充実に努めてまいります。
 派遣労働者の派遣期間延長に関するお尋ねですが、派遣労働者の賃金等の労働条件の維持向上や労働者派遣契約の中途解除の防止を図ることは重要な課題であると認識しており、労働者派遣法に基づき対処してまいります。
 また、今回の措置により、多様な形態による雇用の場の確保が可能となり、特に求人の多い営業等の業務での人材確保に活用されることが見込まれるため、雇用機会の拡大、雇用の安定効果が期待でき、常用雇用から派遣労働者への置きかえが進む可能性は低いと考えております。
 なお、労働者派遣制度全体の見直しについては、臨時緊急の措置としての今回の法案とは別に、既に調査検討を開始しており、労使関係者の意見等も十分聞きながら検討を進めているところでございます。
 年休の取得についてでございますが、年休の取得にためらいを感じる要因としては、調査によれば、みんなに迷惑がかかると感じている、後で余計忙しくなる、職場の雰囲気で取得しづらい、とりづらいなどが理由とされております。年休の取得促進については重要なことと認識しておりますので、年休を計画的に付与することも含め、その取得率の向上が図られるよう周知啓発に努めてまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(坂口力君) 井上議員からの御質問にお答えをいたします。
 私にいただきました質問は一問でございました。求職者からの紹介手数料の徴収についてのお尋ねでございました。
 求職者からの紹介手数料の徴収につきましては、ILO第百八十一号条約、さらには、これを踏まえまして改正されました職業安定法におきまして、労働者保護の観点から、求職者の利益となるものを除き原則として禁止されるなどのルールが定められているところでございます。職業紹介に係ります手数料の見直しにつきましては、こうした枠組みの中で労働政策審議会において検討が進められているものでございます。
 今後も、この点につきましては十分配慮をしていきたいと考えております。(拍手)
#31
○副議長(本岡昭次君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#32
○副議長(本岡昭次君) 日程第二 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律案(第百五十一回国会内閣提出、第百五十三回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長田村公平君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田村公平君登壇、拍手〕
#33
○田村公平君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、独立行政法人等の保有する情報の一層の公開を図るため、何人も独立行政法人等に対し法人文書の開示を請求することができる権利及び独立行政法人等の諸活動に関する情報の提供につき定めること等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案の目的と対象法人の範囲、指定法人等の情報公開制度のあり方、特殊法人の子会社等の情報公開等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#34
○副議長(本岡昭次君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○副議長(本岡昭次君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○副議長(本岡昭次君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#37
○副議長(本岡昭次君) 日程第三 刑法の一部を改正する法律案
 日程第四 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長高野博師君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔高野博師君登壇、拍手〕
#38
○高野博師君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、刑法の一部を改正する法律案は、自動車運転による死傷事犯の実情等にかんがみ、事案の実態に即した処分及び科刑を行うため、飲酒運転や著しい高速度運転などの悪質かつ危険な運転行為により人を死傷させた者に対する罰則を強化するとともに、自動車を運転して過失傷害罪を犯した者について、傷害が軽いときは情状により刑を免除することができる旨の規定を設けようとするものであります。
 次に、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案は、財産刑、自由刑等の裁判を的確に執行するため、公務所または公私の団体に対する検察官等の照会権限について定めようとするものであります。
 委員会におきましては、刑法改正案について参考人から意見を聴取するとともに、両法律案を一括議題として審査を行い、危険運転致死傷罪及び刑の免除規定を新設した理由、悪質交通事犯に対する諸外国の法制、交通事故被害者・遺族に対する配慮の必要性、刑の執行のための照会権限を規定することの効果等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終わり、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、刑法改正案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#39
○副議長(本岡昭次君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#40
○副議長(本岡昭次君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○副議長(本岡昭次君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#42
○副議長(本岡昭次君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
     ─────・─────

ソース: 国立国会図書館
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