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2001/12/07 第153回国会 参議院 参議院会議録情報 第153回国会 本会議 第18号
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2001/12/07 第153回国会 参議院

参議院会議録情報 第153回国会 本会議 第18号

#1
第153回国会 本会議 第18号
平成十三年十二月七日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
  平成十三年十二月七日
   午前十時開議
 第一 経済社会の急速な変化に対応して行う中
  高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会
  の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の
  特例措置に関する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
 第二 建築物における衛生的環境の確保に関す
  る法律の一部を改正する法律案(衆議院提出
  )
 第三 金融機能の再生のための緊急措置に関す
  る法律の一部を改正する法律案(衆議院提出
  )
 第四 国際連合平和維持活動等に対する協力に
  関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第五 私立学校の保護者負担軽減及び私学助成
  の充実に関する請願
 第六 保護者の負担軽減及び教育条件の改善を
  目的とする私学助成の拡充に関する請願(三
  十三件)
 第七 義務教育諸学校の事務職員及び栄養職員
  に対する義務教育費国庫負担制度の維持等に
  関する請願(二件)
 第八 学校事務職員を始めとする教職員に対す
  る義務教育費国庫負担制度の堅持に関する請
  願
 第九 女子差別撤廃条約選択議定書の批准に関
  する請願(二十三件)
 第一〇 ILOパートタイム労働条約の批准に
  関する請願(三件)
 第一一 子供の権利に関する三条約の早期批准
  に関する請願
 第一二 食品衛生法の改正及び同法に基づく行
  政措置の抜本的な整備強化に関する請願(百
  八十三件)
 第一三 安心して掛かりやすい医療保険制度に
  関する請願(六十八件)
 第一四 保育制度の改善及び充実に関する請願
 第一五 雇用・失業情勢の深刻化に対応するた
  めの労働行政体制の緊急整備に関する請願(
  十八件)
 第一六 新薬の早期承認に関する請願(三件)
 第一七 待機児童解消施策の緊急な強化等保育
  制度の改善に関する請願
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、地方自治法等の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
 一、日程第一より第四まで
 一、日程第五より第一七までの請願及び元日赤
  救護看護婦に対する慰労給付金の増額に関す
  る請願外三十件の請願
 一、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中
  も継続するの件
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 地方自治法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。片山総務大臣。
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(片山虎之助君) 地方自治法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 地方自治法等の一部を改正する法律案につきましては、住民自治のさらなる充実及び自主的な市町村の合併の推進を図り、もって地方分権を推進するため、地方制度調査会の答申及び地方分権推進委員会の意見にのっとり、直接請求に必要な署名数の要件の緩和、議会制度の充実、住民監査請求制度及び住民訴訟制度の充実、中核市の指定要件の緩和等の措置を講ずるとともに、合併協議会の設置に係る直接請求制度の拡充及び住民投票制度の創設を行い、あわせて法律において地方公共団体の規則等に委任している事項のうち、必要なものについて条例で定めることとするほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 第一は、地方自治法の一部改正に関する事項であります。
 まず、直接請求に関する事項として、地方公共団体の議会の解散請求及び長等の解職請求に必要な署名数要件につきましては、現在、有権者数の三分の一とされているところでありますが、これを、有権者数が四十万を超える場合について、四十万を超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数に緩和することとしております。
 次に、議会制度の充実に関する事項として、議員派遣の根拠及び手続を明確化するとともに、議会における選挙において、点字投票の導入を図ることとしております。
 また、住民監査請求制度及び住民訴訟制度に関する事項として、住民監査請求について、監査委員による暫定的な停止の勧告制度を創設するなど、審査手続の充実を行うこととしております。住民訴訟については、個人を被告とする訴訟を地方公共団体の機関を被告とする訴訟とするなど訴訟類型の再構成を行うとともに、違法な財務会計行為の差しとめを求める訴訟の対象を拡大し、あわせて、差しとめに当たり公共の福祉との調整を図る規定を設けることとしております。また、住民訴訟における原告の弁護士費用についても、公費負担の対象を拡充することとしております。
 さらに、中核市の指定要件の緩和に関する事項として、人口五十万以上の市については、面積要件を廃止することとしております。
 第二は、市町村の合併の特例に関する法律の一部改正に関する事項であります。
 まず、合併協議会の設置に係る直接請求制度の拡充及び住民投票制度の創設に関する事項として、合併協議会設置の請求に基づく議案が議会で否決された場合に、市町村長からの請求または当該請求がなかった場合に有権者の六分の一以上の署名によって行われる直接請求を要件として住民投票を実施し、過半数の賛成があった場合に議会が可決したものとみなすこととするほか、直接請求により置かれる合併協議会については、請求代表者を委員に加えることができることとするとともに、合併に関する協議の状況を設置後六月以内に請求代表者に通知し、かつ、公表しなければならないこととしております。
 さらに、地方税に関する特例を拡充するとともに、一部事務組合等に関する特例及び流域下水道に関する特例を創設することとしております。
 第三は、法律において地方公共団体の規則等に委任している事項のうち、必要なものについて条例で定めることとするものであります。
 権利義務規制を行うための基本的な規範の定立を地方公共団体の規則等に委任しているものについては、原則として条例に委任することとすべきであるという地方分権推進委員会の意見を踏まえ、化製場等に関する法律等の四本の法律について、所要の改正を行おうとするものであります。
 その他、地方自治法別表の規定等、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、地方自治法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。松井孝治君。
   〔松井孝治君登壇、拍手〕
#7
○松井孝治君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題になりました政府提出の地方自治法等の一部を改正する法律案に関しまして、関係大臣に質問いたします。
 初めに、本法案の大きな柱である市町村合併推進措置及び本法案の大目的である地方分権の推進に関連して、地方財源の充実強化についてお伺いいたします。
 市町村合併については、地方分権の担い手としての市町村がその自立性を高めるための手段として極めて有効なものであり、今回、幅広くその推進メニューが用意されていることは率直に評価をしたいと存じます。しかし、多くの自治体が抱える不安は、いかにこうした措置がとられたとしても、将来的に独自財源の充実がかなわない限りにおいては、真の地方の自立は達成されないという点にあります。
 地方税財源の充実確保については、平成十年の地方分権推進計画に明確に位置づけられ、改革工程表やいわゆる骨太の方針にも税源移譲の趣旨が規定されております。これを受けて、総務大臣はいわゆる片山プランを発出し、国税、地方税の比率を一対一にするとの方針で、個人住民税、地方消費税という個別の税目を挙げて地方税源の充実を提案しておられます。しかし、現実には本年の政府税調においても、自民党税調においても全くと言っていいほど税源移譲の議論は行われておりません。
 この際、片山大臣、論敵である塩川大臣の前で、今後の地方税源移譲についての片山大臣としての具体的なビジョンを改めてお示しいただきたいと存じます。
 今後の地方分権推進のかぎが補助金の統合、撤廃、税財源の思い切った地方移譲にあることは、政府関連文書においても繰り返し指摘されているところであります。しかし、それが実現できないのは、他の行政改革や構造改革上の懸案と同じく、補助金や税制特例措置を地方や業界団体に分配することによってのみ威信を保っている一部の族議員や中央集権的な各省庁の官僚にとって、こうした改革がみずからの利権配分権限の縮小を意味するものであり、根強い抵抗があることによるものであります。
 道路公団問題をめぐる極めて玉虫色の決着を見るまでもなく、高度成長期に導入された政府・自民党の巧みな利権吸収、調整型の意思決定システム、与党の事前審査制度を今改めなければ、国際的に政治のリーダーシップでダイナミックな政策運営が図られていく中で、我が国のみが取り残されているという事態は一向に改善されません。
 一部の社会主義国家を除けば、英国のような議院内閣制の国においても類例のない与党事前審査制を見直すことによって、責任の所在が不明確な政府、与党の二元体制を改め、ポリティカルアポインティーをさらに思い切って増員してでも、内閣のもとに政策決定権限を一元化し、その上で国会において活発な実質的な議論を行う必要があるのではないでしょうか。
 自由民主党の若手のホープとして入閣されながら、道路公団問題を初めとする特殊法人改革などで族議員、抵抗勢力の激しい抵抗に直面され御苦労の絶えない石原大臣、そして、唯一の天下りでない正真正銘の民間出身大臣として、予想はされていたでしょうけれども、永田町の論理や霞が関の論理を実感されているであろう竹中大臣に、その御経験を踏まえ、時代おくれの与党事前審査制の廃止についての御見解をいただきたいと存じます。
 与党事前審査制の最も典型的かつある意味では完成された事例は、自民党税制調査会の審査体制であります。多くの議員はこの制度を所与のものとしてお考えかもしれませんが、実は本制度はたかだか二十数年前に完成した政策調整メカニズムであります。それ以前は、内閣は党税調よりも政府税制調査会の決定に重心を置き、党税調は政府税調を追認する形で税制大綱を取りまとめていたわけであります。
 本来、税制は、財政に比較して、政治家や官僚における箇所づけなどの裁量性が少なく、構造改革のインセンティブとしてすぐれた機能を有するツールであります。我が国では、この税制という政策ツールを自民党税調という利権配分機構にゆだね、見事なまでに族議員の支配下に置き、主要国に比較して税制の制度設計を極めて硬直的なものとしてしまっているわけであります。
 塩川財務大臣、日本の租税政策の責任者は塩川大臣御自身ですか、それとも自民党税制調査会の長老議員の方々ですか。
 関係者の皆さんは税のプロだとか自負しておられますけれども、構造改革が数年来叫ばれながら、連結納税一ついまだに実現されていない状況、地方税源の移譲もままならず、総理の公約の道路特定財源の問題にも正面から取り組まず、業界団体の陳情合戦を繰り返すこの集団のどこがプロの集団なんでしょうか。プロが聞いてあきれます。
 この際、党税調による事前審査制を改め、名実ともに内閣が総理のリーダーシップのもとに大胆かつ機動的な税制改正を行う体制へと変えなければ、真の構造改革も地方分権もなし得ないのではないかと考えますが、塩川大臣、いかがでございましょうか。
 また、竹中大臣御担当の経済財政政策の中には当然税制も入っております。改革工程表や骨太方針については、不十分ながらも地方税源移譲への言及はありました。今後の我が国の構造改革の実現に当たって、地方税源の充実強化を含め、税制の抜本改革は極めて重要な課題であります。これまで大蔵省、財務省と自民党税調の専決事項とされてきた税制改正について、機動的かつ思い切った論議を早急に行い、大なたを振るっていただきたいと思います。
 来年早々にでも、自民党税調を通さず、経済財政諮問会議の場で、地方への財源移譲の問題も含めて思い切った税制に関する政策提言を行っていただけるのかどうか、竹中大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
 次に、住民訴訟制度の改変についてお尋ねします。
 今後の地方分権の推進の中で、ますます地方公共団体、特にその首長の権限は巨大なものになります。また、地方自治体における各種の不祥事が相次ぐ中で、首長など自治体幹部に以前にも増して倫理的、政治的責任が重く求められることも当然であります。そうした中で、地方行政の執行についての住民によるチェック手段の確保が極めて重要な課題であることは論をまちません。
 住民訴訟制度の改変を行うに当たっては、首長や自治体側の事情とともに、住民サービスの受益者、すなわち住民側の利益について配慮が必要であることは当然であります。
 現行の地方自治法上のいわゆる四号訴訟は、住民が自治体の首長や職員、企業などの不正について直接、損害賠償などを求める訴訟を提起できる制度ですが、片山大臣は、本制度によって官官接待や食糧費の不正支出、談合の防止などのチェック機能が果たされている事実など、現行の四号訴訟の社会的役割をどのように評価しておられるのでしょうか。また、訴訟対象を個人から機関としての自治体に変更するという政府提案は、住民にとっては一体どのような利益をもたらされるものなのでしょうか。明快な御答弁をいただきたいと存じます。
 本改正案について、しばしば、地方公共団体が被告になることによって、団体が有する証拠や資料の活用が容易になり、住民側にとってメリットがあるという説明が政府側から行われております。しかし、考えてみてください。証拠文書提出の是非の判断を自治体が行う以上、被告たる自治体が原告住民側にとって有利な資料を提出するなどという事態は望むべくもないというのが一般的な常識ではないでしょうか。団体が被告になることによって証拠提出が促進されるといった政府側の詭弁が、住民代表のみならず、幅広い関係者に対してかえって不信感を強めている実態を大臣はどのように認識しておられるでしょうか。
 実際問題、多くの善良な住民は、みずからの直接的な利害を超えて手弁当で訴訟を行っておられます。訴訟対象を変更し、例えば首長の違法行為について、税金や税金で雇われた職員を訴訟に大量投入して住民訴訟を迎え撃つ体制となったのでは、まさに多勢に無勢で、事実上住民の訴権を奪うものになってしまいませんか。総務大臣の御見解を伺いたいと思います。
 本来、四号訴訟は、自治体に損害を発生させた個人、企業に対して、住民が自治体にかわってその賠償を求めるものであります。その意味では自治体も被害者であり、個人や企業から自治体に被告を変更する政府案では、被害者同士で裁判を争わせる形になりますし、自治体は住民から徴収した税金によって住民と争うことになるわけであります。これでは代位訴訟の意味を失ってしまうものと考えますが、総務大臣の見解はいかがでしょうか。
 さらに、問題なのは、住民が談合企業を訴えようとした場合、現行では、住民が談合企業の責任を直接追及することになるのに対し、政府案では、談合企業を自治体が裁判で代弁することにもなりかねません。このような事態について、到底国民の理解を得ることは困難であると思いますが、片山大臣、いかがでしょうか。
 また、本法案では、第一段階の機関訴訟で住民が勝訴したとしても、機関としての首長あるいは首長が任命した代表監査委員が原告として速やかに訴訟に当たることが当然の前提となっていますが、彼らがこれを怠って引き延ばしを図る場合に、第二段階訴訟を強制する手段はあるのでしょうか。善意の制度として二段階訴訟制度を組み立てることは結構ですが、実質的に裁判期間が長期化し、住民側から見ると手弁当の裁判が延々続く、結局、首長などが組織の力で粘り勝ちをおさめるという結果が圧倒的な多数を占めるのではないかと懸念しますが、大臣の見解を伺います。
 以上、申し上げましたように、自立した市民が自主的に地方行政に参画し、改善しようとする活動の一形態である現行の個人、企業を被告とする四号訴訟の道を閉ざす今回の改正案は、明らかに自治体側の意見のみを取り上げたバランスを欠いた判断と言わざるを得ません。
 大臣は、自治官僚として、また岡山県副知事として地方行政の現場を熟知されておられますが、そのことによって、逆に地方公共団体や首長の置かれた状況のみを重視し、不正をただす地域住民の真摯な訴えには耳を傾けておられないのではないかとの疑念を禁じ得ません。総務大臣は、しょせん地方行政の提供者である地方自治体のみの味方であって、地域住民の味方ではない、そのような批判を受けてもいたし方のない状況であると考えられますが、もし御反論があれば賜りたいと存じます。
 かく言う我々も、現行の四号訴訟制度には種々の問題点があることは十分認識しています。議会の議決を受けて団体として行った政策判断の責任まで個人に問われていることや、一部に乱訴や住民訴訟を提起するという言辞を弄した自治体職員への脅迫等の行為がある事実、訴訟を相続された御遺族が大変な御苦労をされている実態なども存じております。また、第三セクターの破綻処理に公金を投入せざるを得ないけれども、住民訴訟を恐れる余り判断に萎縮が生じ、処理が先延ばしになることによってかえって傷口が広がっているという実例も承知いたしております。
 そこで、我々民主党としましては、衆議院におきまして、住民の権利を擁護するとともに、一部の悪質な住民訴訟や脅迫等の行為によって首長や自治体職員の政策判断に萎縮が生じることを防止するために、第一に、あくまでも個人・企業対象の訴訟形態は維持する。第二に、議会の承認を得て団体として行った政策判断、例えば第三セクターの処理などの政策判断は四号訴訟の対象から除外する。第三に、自治体職員への脅迫という理不尽な行為を排除するため、非管理職は訴訟の対象外とし、非管理職の違法行為は別途、首長が損害賠償を求める。第四に、個人への過重かつ非現実的な負担の軽減のために、賠償責任限度額を定めるとともに、弁護士費用の自治体負担の適用範囲を現行の被告勝訴から原告取り下げ、和解にまで拡大するなどの規定を織り込んだ修正案を用意しました。
 我々としては、住民の権利は擁護し、現行の四号訴訟の弊害を取り除くという形で、自治体側の便宜のみを優先した政府案に比較して、はるかにすぐれた内容の修正案であると自負をいたしております。
 片山大臣から、民主党の修正案について、具体的にどの部分にどのような問題があるのか、明確かつ総合的な答弁をお願いします。
 最後に、最も住民と密接な行政分野である福祉、年金、医療制度を所掌されるとともに、住民福祉の向上を党是としておられる公明党の代表として入閣しておられる坂口国務大臣に対して伺います。
 これまでの私の質問、そして、さらにはこの後に予定される片山大臣の御答弁をお聞きいただいた上で、坂口大臣は、今回の政府案によって住民の権利や地方行政へのチェック機能が侵害される側面が全くないとお考えかどうか、さらに我々民主党の修正案をどのように評価されるのか。これまでの与党審査や閣議決定の経緯にとらわれず、率直に一国務大臣あるいは一政治家としての坂口大臣の見解を賜って、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(片山虎之助君) 松井議員からたくさんの質問をいただきました。
 まず、地方税源移譲についてのお話でございますが、大変、地方税源移譲に御理解があるお考えを言われまして、私も大変力強く思っておりますが、今、国と地方の関係で一番問題なのは、全部の税金の六割は国が取って四割は地方が取っているんです。六、四になっている。ところが、実際の仕事は、御承知のように、国が三五で地方は六五なんですね。だから、収入と支出がすごく乖離している。
 だから、できるだけこれを私は縮めることが必要だと思っておりまして、経済財政諮問会議でもできるだけ五〇対五〇にしてほしいと。税源をたくさんもらいましても、東京や大阪のようなところはふえて、そうでないところが、いわゆる地方はそんなに税がふえないものですから、税収の格差は拡大するんですね。
 私は、五〇対五〇ぐらいがいいんではなかろうかと、こう思っておりまして、そのためには安定的な、例えば所得税から個人住民税へ、消費税を今四対一で分けておりますけれども、地方消費税の比率をふやすというようなことをお願いしまして、経済財政諮問会議では骨太の方針の中にそれでは税源移譲というのも明記しようと、こういう御理解ある御決定をいただいたわけでありまして、今後とも努力いたしたいと思いますが、当面の景気の状況や、国、地方の財政の状況を考えるときに、それでは来年度からすぐそういうふうに五対五にできるかと、これは私はなかなか大変だと思います。
 だから、地方分権改革推進会議等で御議論をいただきながら、粘り強く五〇対五〇を目指して我々は努力してまいりたいと、こういうふうに思っておりますし、当面、国の補助金について、今総合補助金制度というのがありまして、七千億ちょっとそういう形で地方に交付しておりますけれども、それをさらに拡大をしてもらおうと、こういうふうに考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
 それから、住民訴訟制度は、住民訴訟制度の再編成は、実は第二十六次の地方制度調査会と地方分権推進委員会の御意見に基づいて我々は改正を考えたわけでありまして、役所が勝手に考えたわけじゃありません。
 今の住民訴訟の問題点は、個人に着目して個人を訴えるんですよ。ところが、実際は職務で行っている。その行うことについてはその団体の政策判断ということが、意思決定がくっついて行っているわけでありまして、個人だけつかまえてきて訴訟の対象にするというのは、私はそれは適当でないと。
 だから、まず地方団体の機関の責任を問う、あわせて個人の責任を問うと。今は個人の責任だけなんですよ。あわせて二つ問うというところが今回の法改正の意味でありまして、私は現行の制度が一定の役割を果たしてきたことは十分認めております。お話しのように、食糧費の問題その他、今の住民訴訟制度が一定の役割を果たしてきたことは認めますけれども、よりよい制度にするための改正でございますので御理解を賜りたいと、こういうふうに思います。
 そこで、今の訴訟は個人に着目しておりますから、書類なんか出せと言ってもなかなか出さないですよ、出せない。そこで、裁判の場合に裁判所が命令を出すんですよ。嘱託手続をやったり提出命令を出すことによって資料が出てくるんですよ、個人ですから、地方団体から。今度は地方団体の機関が被告になりますからね、これはもう自動的に出てくるわけです、裁判所に言われれば。今は個人ですから、地方団体の機関の資料を出すのに手続が要るんですよ。私は今回の改正の方がずっと資料の提出は容易になると考えております。
 それから、組織で応対するから、個人対組織で、大変住民の方が不利になるというんですが、まあ裁判ですから、機関の長が訴訟の当事者になれば組織で対応することは私はある程度はやむを得ないと思いますが、最終的には裁判所が中立公正な判断をするわけでありまして、松井議員の御心配はやや杞憂ではなかろうかと、こう思っております。
 それから、被害者同士で裁判を争わせるものだというお話なんですが、被害者は地方団体なんですよ。住民の皆さんは、その地方団体にかわって今回は地方団体の機関を訴えてもらうんですよ。だから、団体の利益の代位をするわけでありまして、訴える対象は機関なんですよ。団体の中の執行機関を訴えるんですよ。だから、これは代位訴訟の意味を失わせるものでは私はないと考えています。機関の責任を聞く、あわせて個人の責任を問うと、こういう今回の仕組みの方が私は意味があるんではなかろうかと思いますし、基本的にはこの訴訟はアメリカの納税者訴訟なんですよ、原型は。それは、団体に与えた損害を補てんするというところにこの制度のポイントがあるわけでありまして、そういう意味ではぜひひとつ御理解を賜りたいと思います。
 それから、談合企業を訴えるときに、談合企業を守るんではないかと。守りません。これは、仮に談合があったとすれば、発注者の責任もかなりあるんですよ、地方団体の機関の。だから、地方団体の機関の責任をまず問うんですよ。その上に、談合企業の責任も問うんですよ。今は企業だけの責任を問うているんですよ。地方団体は後ろに引っ込んでいるわけでありまして、その点はぜひ御理解を賜りたいと、こういうふうに思います。
 それから、二段階になるんで、代表監査委員が例えば長を訴えなかったらどうするのか。これは訴える法律上の義務があるわけですよ。もし代表監査委員が二段階目の訴訟をやらなければ、これは責任を問われるんです、法律上の義務違反ですから。そういう意味でございまして、また、住民や議会の監視もありますから、代表監査委員が二段階目の訴訟をやらないということはない。また、二段階目の訴訟の個人なり企業は、訴訟告知によって補助参加することもあるし、参加しなくても判決の効力は及ぶわけでありますから、二段階目の訴訟の意味がほとんどなくなるんです。また、結論が出ていますから、仮に起こしてもすぐ終わる、長期化するおそれはないと考えております。
 それから、おまえは役人だったし、岡山県の副知事だったからというわけでありますが、何度も言いますように、私は、住民自治というのが地方自治の根幹でありますから、まず地域住民の利益を考えると。そういう意味でも、先ほども言いましたが、地方制度調査会なり地方分権改革推進委員会の御意見、御答申をいただいての制度化でございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
 それから、民主党の修正案については、私もいろいろ研究させていただきました。ただ、基本的には個人を対象にしていると。ここがやっぱり我々とは考え方が違うところでありますし、個人を対象としながら、機関の長や職員の実体責任や訴訟対象を限定していますよね。その方が合理的だというお考えなんでしょうが、これはやっぱり私は問題があると。この二点が民主党案では問題があると思いますので、賛成しろと言われても、それはなかなか賛成しにくいわけでありまして、我々は今回出した案が最善のものと考えておりますので、ぜひ御理解を賜りますように。(拍手)
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(石原伸晃君) 私に対しましては、与党の事前審査制度についてのお尋ねと存じます。
 与党の事前審査制度については、議員御指摘のような、与党の慣例であるからやめてしまえといったような意見や、政党政治に立脚した議院内閣制であるのだから絶対堅持すべきだ、さまざまな意見がございます。
 そのような中で、先日、綿貫衆議院議長の私的諮問機関でございます衆議院改革に関する調査会の答申において、「法律案や予算が国会で審議されて決まるという過程が国民から見て明らかになるようにするため、与党の事前審査は、政府の原案が決まった後に行うようにすべきである。」との指摘もなされております。
 また、本問題につきましては、我が党の国家戦略本部においても検討がなされておりますが、現時点ではまだ最終結論が出ていないと承知しております。この問題は、議院内閣制や政党政治の根幹にかかわる問題でありますことから、今後とも幅広く意見を聞きながら、与野党を問わず議会に身を置く者すべてがみずからの問題として考えていくべき問題ではないかと考えております。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(竹中平蔵君) 私に対しては二点のお尋ねがございました。
 第一点は、与党の事前審査制についてでございますけれども、これは石原大臣の今の答弁と基本的に重複するかと思います。議院内閣制を採用しているわけでありますから、内閣と与党が密接に連携して一体となって政策決定していく、これは当然重要なことであると思います。しかし、その内閣と与党の連携、協力のあり方についてはさまざまな議論がある、あってしかるべきだと思います。
 そうした中で、行政府自体が今大きく変わりつつあるわけでございます。
 ことし一月の中央省庁改革の結果、例えば総理大臣を強力にサポートする機関としての内閣府ができまして、その中で、経済財政諮問会議、総合科学技術会議などの重要な機関が新設されています。また、このために、例えば石原大臣でありますとか私などが拝命しております特命担当大臣という官職も新設されたわけであります。
 今、こうした組織、機関をどのように活用して総理の指導力を発揮していくか。私たちも、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら新体制における最初の予算編成過程の終盤にようやくたどり着いているというところであります。したがって、これに合わせて、党の側でもさまざまな議論を深めていくということが当然のことながら必要であるというふうに承知しております。
 いずれにしましても、こうした中央省庁等改革の成果を最大限に生かしながら、かつ議院内閣制の趣旨を発揮していくためには、政府、与党双方でいろんな議論をして努力を積み重ねていくことが必要だというふうに考えております。
 第二点のお尋ねは、地方税を含む税制改革についてでございます。
 ことしの六月に閣議決定されておりますいわゆる基本方針、骨太の方針でありますけれども、これについても地方税の拡充、確保については二点明記しております。
 第一点は、国と地方の役割分担の見直しを踏まえつつ、国庫補助負担金の整理合理化や地方交付税のあり方を見直すとともに、税源移譲を含め国と地方の税源配分について根本から見直し、そのあり方を検討するという点。第二点は、その際、国、地方それぞれの財政事情や個々の自治体に与える影響等を踏まえる必要があるという点であります。
 こうした議論に沿って、方向に沿って今議論を進めているところでありますが、総理からは、諮問会議において税制の基本的な枠組みについて、予断を持たず幅広く議論を進めるようにという指示を得ておりまして、こうした方向で議論を深めて政策に反映させていきたいというふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対する御質問は、自由民主党税制調査会による事前審査制を改めて、名実ともに内閣主導、総理大臣のリーダーシップのもとにおいて税制を改革すべきと、こういう御質問であったと思います。
 賢明な松井さんでございます、御存じのとおり税制はすべて法律によって定められておりまして、我が国は厳格な租税法律主義をとっております。したがって、税制をお決めになりますのは、提案は政府なり、あるいは議員立法ということでございますけれども、決定は国会でされるのでございますから、したがいまして、国民を代表される皆さんの意思によって税制は決められると、これはまずしっかりとひとつ御認識いただきたいと思っております。
 でございますから、御質問の中にございましたように、まるで自民党が一党で税制を決めておるような、いわば族議員が集まって、質問の中にございましたが、族議員が集まって利権分配の機構のようなことをやっていると、これを改めるべきだということでございますが、そんなことは絶対にございませんで、これは私からしっかりと申し上げたいと思います。
 現在では、提案されるのは、与党三党で協議されまして、それを提案としてされてございます。そして、私たちは政府税制調査会にもちゃんとこのことを諮問いたしまして、その御意見をとって内閣で決めるのでございまして、閣議で決定して出しておりますので、一党一派によって支配されておるものではない。しかしながら、国民を代表される政党でございますから、その意見は十分に尊重するということはいたしておりますので、どうぞ、そういう趣旨であるということを御認識いただいて、この税制を考えていただきたいと思っております。
 もっともっと広く国民の意見を聞いた、生な声を生かした税制に今後とも主導していくことをお誓いいたしまして、終わりにいたします。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(坂口力君) 松井先生にお答えをさせていただきたいと存じます。
 厚生労働行政の立場から見た住民訴訟の改正についてのお尋ねでございました。
 今さら申し上げるまでもなく、厚生労働行政は、福祉を初め住民の日常生活に密着した行政でございますし、少子高齢化の進展に伴いまして、住民に身近な行政機関であります市町村の役割はますます大きくなってきていると思っております。
 今回の改正案につきましては、これからの地方分権時代にふさわしいものとするという観点から取りまとめられたものと承知をいたしております。御指摘の住民訴訟制度の改正につきましても、住民の権利を狭めることのないよう十分配慮されなければならないと思っている次第でございます。
 また、御党御提出の修正案につきましては、先ほど総務大臣がお答えになりましたとおりと考えているところでございます。(拍手)
#13
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#14
○議長(井上裕君) 日程第一 経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第二 建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長阿部正俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔阿部正俊君登壇、拍手〕
#15
○阿部正俊君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案について申し上げます。
 本法律案は、雇用環境が一層悪化することが見込まれることから、特に再就職が困難な中高年齢者の雇用の促進等を図るため、臨時特例的に、中高年齢者に対して職業訓練を受講するための給付を拡充するとともに、中高年齢者の派遣期間の延長等を行うものでございます。
 委員会におきましては、派遣期間延長による雇用創出効果、ワークシェアリング導入に対する政府の方針及び緊急地域雇用特別交付金事業のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小池委員、社会民主党・護憲連合を代表して大脇委員より、それぞれ本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 次に、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、建築物における衛生的環境の確保に関する事業の登録を受けることができる事業として、新たに、建築物の空気調和用ダクトの清掃を行う事業及び建築物の排水管の清掃を行う事業を追加する等、所要の措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、法改正により期待される効果及び登録制度と規制緩和との関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由党を代表して森委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 まず、経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成             百五十  
  反対              九十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#19
○議長(井上裕君) 次に、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十一  
  賛成           二百三十三  
  反対               八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(井上裕君) 日程第三 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長山下八洲夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山下八洲夫君登壇、拍手〕
#23
○山下八洲夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、金融機関等の不良債権の処理を促進するため、金融機関等から入札により預金保険機構が資産の買い取りを行うことができることとし、特定整理回収協定に含まれる事項として、買い取った資産は可能な限り三年を目途に回収または譲渡その他の処分を行うよう努めること等を追加するとともに、資産の買い取り価格は時価によるものとするものであります。
 委員会におきましては、まず、発議者を代表して衆議院議員相沢英之君から趣旨説明を聴取いたしました。次いで、質疑におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、整理回収機構の機能拡充の意義とその効果、不良債権の買い取り価格を時価によるものとした理由、不良債権買い取りに伴う二次損失発生の懸念、整理回収機構の入札参加が民間サービサー等に与える影響、企業再建ファンドの仕組みと企業再生スキームの実効性等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、本法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して大塚耕平委員、日本共産党を代表して池田幹幸委員、自由党を代表して平野達男委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(井上裕君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。峰崎直樹君。
   〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
#25
○峰崎直樹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の立場で討論をいたします。
 今、多くの中小企業の社長やサラリーマンが、このままでは年は越せないかもしれないという不安から、夜も眠れない日々を過ごしております。小泉総理が、特殊法人改革などで自民党の抵抗勢力と派手に戦っているように見せかけている一方で、不良債権処理など民間部門の構造改革が一向に進まないからであります。改革なくして成長なし、改革がないから成長がないのです。
 我が国経済をここまで悪化させた一因が不良債権問題にあることは明白であります。銀行の株価は、宮澤元大蔵大臣が日本発の世界金融恐慌が起こると騒いだ九八年当時よりも下落をしているのです。最近、海外の有力格付機関は、相次いで国債の格付を引き下げました。その理由として挙げられているのは、まさに金融セクターの脆弱性という問題なのであります。
 不良債権処理の第一歩は、厳格な資産査定と十分な引き当てを行わせる、すなわち、間接償却を終わらせることであります。柳澤金融担当大臣は、資産査定と引き当ては適切だと繰り返し述べております。しかし、柳澤金融担当大臣の主張に対し、マーケットが疑念を持っていることは、小泉総理自身が認めていることであります。現に、森金融庁長官は、銀行幹部を集めた内輪の会合で、特別検査は厳しくやらないというような発言をしているではありませんか。
 森金融庁長官は、後で、マスコミがそう評価していると訂正したわけでありますが、柳澤金融大臣を、改革派の先頭に立っていた大臣が今では守旧派の最たるものになってしまったと批判をしておりますが、まさにそのとおりであると言わざるを得ません。
 以下、本法律案に反対する理由を申し述べます。
 第一に、本法律案は、不良債権処理策の決め手とはなり得ないことであります。RCCへの不良債権の売却は、直接償却を促進することにはなりますが、そもそも間接償却が適切に行われていないという不良債権問題の核心を直接解決するものではありません。
 第二に、RCCが入札に参加することなどにより、本当の時価より高い時価で不良債権を買い取ることは、銀行救済のための税金投入にほかならないことであります。まさに国家的飛ばしと言う以外にはありません。このようなこそくなやり方では、銀行の責任があいまいになり、深刻なモラルハザードをもたらすことは確実であります。
 第三に、RCCに債権回収と企業再生という二つの異なる性格を持たせることは、不良債権処理をかえって長引かせるおそれが大きく、かつ、そもそもRCCには企業を再生するノウハウがあるとは考えられず、RCCが単なる借金棒引き機関になるおそれがあることであります。
 このところ、政府・与党からは、銀行が保有するぼろ株を公的資金で買い取ったり、不良債権を時価より高く買い取ったりと、銀行に手心を加える法案ばかりが出てまいります。しかも、この重要な局面で、金融当局と銀行界との相変わらずのなれ合いぶりも明らかになりました。このようなことでは、不良債権問題は永久に解決できるはずがありません。
 日本経済の破局への道が近づきつつあることを政府・与党に警告し、このようなアンフェアなやり方に対して猛省を促し、私の討論を終わります。(拍手)
#26
○議長(井上裕君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#27
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            百三十七  
  反対              百三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#30
○議長(井上裕君) 日程第四 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長武見敬三君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔武見敬三君登壇、拍手〕
#31
○武見敬三君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、国際連合を中心とした国際平和のための努力に対して適切かつ効果的に寄与するため、これまで我が国が行った国際平和協力業務の実施の経験等を踏まえ、主に次の三点に関して国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正しようとするものであります。
 第一は、武器の使用に係る防衛対象に、自己と共に現場に所在するその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体を加えること、第二は、自衛隊法第九十五条の適用除外を解除し、国際平和協力業務に従事する自衛隊の部隊等の自衛官に対し、武器等の防護のための武器の使用を認めること、第三は、自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務についての特例規定、いわゆるPKF本体業務の凍結規定を廃止することであります。
 委員会におきましては、我が国が参加したPKOの教訓と今回の法改正の理由、PKF本体業務の凍結を解除する理由、武器使用要件の緩和と憲法上禁止される武力行使との関係、PKO参加五原則の武器使用と自衛隊法第九十五条による武器等の防護のための武器使用との関係、東チモールPKOに参加する場合の停戦合意と受け入れ国の同意、PKO参加五原則の見直し、PKO要員の教育訓練と派遣自衛隊員の処遇等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の小泉理事及び社会民主党・護憲連合の大田委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(井上裕君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小泉親司君。
   〔小泉親司君登壇、拍手〕
#33
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、PKO協力法改正案に反対の討論を行うものであります。
 まず、指摘したいことは、本法案が憲法九条にかかわる重大な法案にもかかわらず、総理出席、連合審査、参考人招致などの徹底審議を求める要求をすべて拒否し、わずか十二時間、二日の委員会で審議を終結させて強行したことは、議会制民主主義の上からも看過できないものであり、強く抗議するものであります。
 反対の第一の理由は、本改正案の国連平和維持軍、PKFの凍結解除が、武力行使に一層踏み込むものであるからであります。
 我が党は、国連が行う平和維持活動をすべて否定するという態度をとっておりません。しかし、自衛隊の参加は、どのような形であっても憲法上許されない海外における軍事活動、海外派兵そのものであります。
 PKFは、もともと政府自身が、武力行使を伴う平和維持軍には憲法上参加できないとしていたものであります。本改正案によって自衛隊がPKFに全面参加することは、武力の威嚇と武力の行使を禁止した憲法九条から認められないのであります。
 反対理由の第二は、PKO参加五原則のかなめである武器使用原則を崩す重大な改悪が行われているからであります。
 五原則は、政府自身が自衛隊のPKF参加が憲法違反とならないための前提としてきたものであります。ところが今回、武器の使用は、要員の生命、身体の防衛にとどまらず、「自己の管理の下に入った者」という極めてあいまいな規定を持ち出して、他国の要員や部隊を防衛対象に追加したものであります。これは、自民党の幹部が、非常に幅が広い、ゴムひものようなものだと評したように、武器使用という口実のもとに憲法違反の武力行使を一層広げる以外の何物でもありません。
 また、自衛隊の武器や弾薬を防護するための武器使用は、要員の生命、身体の防護に限るという武器使用原則を明白に踏み越えるものであります。しかも、この規定によって、武装解除によって保管した武器や弾薬の防衛までできるという答弁は、限りなく武器使用を拡大するものとして、断じて容認できないものであります。
 政府が我が党の求めに応じて提出した国連PKO訓練マニュアルを初め、国連のどの基本文書を見ても、PKOの武器使用は、要員の生命、身体の防護に限っておらず、国連施設への攻撃を初め、任務遂行の妨害に対する武力行使を当然のこととして認めているのであります。今回の自衛隊の武器使用権限・範囲の拡大は、このような国連の基準に限りなく近づけようとするものであり、それが憲法違反の武力行使に当たることは明白であります。
 第三に、政府が自衛隊派遣の前提条件としてきたPKO参加五原則の停戦合意や当事者同意の原則さえも形骸化するものであるからであります。
 今日、国連PKOは、停戦の合意や当事者の同意原則が必要とされない国連憲章七条に言及したPKOが常態化しています。このようなPKOに自衛隊を参加させることは、参加五原則をないがしろにするものであります。さらに、中谷防衛庁長官が五原則を必要に応じて変更すると言明したことは、政府が説明する憲法上の前提条件をも事実上突き崩すものとして重大であります。
 今国会では、テロ対策を理由に、憲法九条を踏みにじって、アメリカが現に行っているアフガニスタンでの報復戦争に自衛隊が軍事支援を行うテロ特措法が強行されました。それと相呼応した本法案の強行は、二重三重に憲法を踏みにじるものであります。小泉内閣が、武力行使をしないと口にしながら、報復戦争への参加や武力行使を前提とするPKFへの参加を強行することは、国民を愚弄するもので、言語道断であります。
 私は、憲法をないがしろにして、自衛隊の海外派兵を拡大する本改正案は廃案にするべきであるということを強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
#34
○議長(井上裕君) 吉村剛太郎君。
   〔吉村剛太郎君登壇、拍手〕
#35
○吉村剛太郎君 私は、自由民主党・保守党、公明党を代表して、ただいま議題となりました国連平和維持活動協力法改正案に賛成の立場で討論を行います。
 九月十一日の同時多発テロ事件は、世界の平和と安全を大きく脅かし、テロ撲滅の国際包囲網の強化や東チモールの平和維持活動等、国連を中心とした国際的な協調、共同行動がますます重要となってきました。
 今回、改正が必要となった国連平和維持活動協力法は、十年前の湾岸戦争の貴重な教訓を踏まえて平成四年に制定され、それ以降、カンボジアやモザンビークPKOなどに自衛隊が派遣されてきました。
 派遣された隊員は、いずれも日ごろの訓練の成果を遺憾なく発揮し、誠実な仕事ぶりにより内外から高い評価を受けております。現在も、ゴラン高原PKOに派遣された輸送部隊が着実に任務を遂行しております。
 さらに、国連からは、より一層あらゆる面で、より大きな形で日本からPKOに参加してほしいとの大きな期待が寄せられています。
 今回の改正は、このようなPKO参加の経験を踏まえつつ、国連を初めとする内外の期待にこたえ、憲法の平和主義、国際協調主義に沿って国連平和維持活動への協力を一層前進させるものであり、まさに時宜を得た改正として全面的に賛同するものであります。
 改正の第一は、武器の使用に係る防衛対象を拡大するものであります。これは、職務を行うに当たり、自己の管理の下に入った者の生命又は身体を防護するという自然権的権利が根拠となっているものであり、憲法の範囲内で必要最小限の武器の使用の権限を付与し、PKOへの円滑な参加を進めようとするものであります。
 改正の第二は、自衛隊法第九十五条の適用除外を解除し、武器等の防護のための武器の使用を認めるものであります。これは、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を防護するための受動的かつ必要最小限のものであります。
 改正の第三は、国連平和維持隊の本体業務への自衛隊の部隊参加に係る凍結を解除するものであります。これにより、停戦や武装解除の監視、駐留や巡回、放棄された武器の収集、処分など、PKOの中核的な業務に自衛隊の部隊が参加できるようになります。
 PKOに関する国民の評価は年々高まり、最近では約七割の人々がPKOに理解を示すに至っております。このような国民世論や国連の動向等を踏まえつつ、PKFへの参加に道を開き、人的平和貢献をより適切、効果的に推進しようとするものであり、内外の期待に十分こたえ得るものと強く確信いたします。
 さらに、今後、アフガニスタンの復興等における我が国の果たすべき役割を十分考慮しつつ、平和維持活動にいかに寄与できるか、この緊要な課題に真剣に取り組むべきことを強調し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#36
○議長(井上裕君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#37
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成            百九十七  
  反対             四十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#40
○議長(井上裕君) これにて休憩いたします。
   午前十一時八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開議
#41
○議長(井上裕君) 会議を開くに先立ち、御報告申し上げます。
 本日、敬宮愛子内親王殿下命名の儀に当たり、議長は、皇居において天皇陛下並びに皇太子殿下にお目にかかり、さきに本院が慶賀の意を表するため議決した賀詞を奉呈いたしました。(拍手)
     ─────・─────
#42
○議長(井上裕君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 文教科学委員長、外交防衛委員長及び厚生労働委員長から報告書が提出されております日程第五ないし第一七の請願及び本日総務委員長から報告書が提出されました元日赤救護看護婦に対する慰労給付金の増額に関する請願外三十件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
    ─────────────

    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#44
○議長(井上裕君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、これらの請願は各委員会決定のとおり採択することに決しました。
     ─────・─────
#46
○議長(井上裕君) この際、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
    ─────────────

    ─────────────
#47
○議長(井上裕君) まず、総務委員長要求に係る地方自治法等の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#48
○議長(井上裕君) 過半数と認めます。
 よって、本案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
 次に、各委員長及び各調査会長要求に係るその他の案件について採決をいたします。
 これらの案件は、いずれも委員会及び調査会の審査または調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも委員会及び調査会の審査または調査を閉会中も継続することに決しました。
     ─────・─────
#50
○議長(井上裕君) 今期国会の議事を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る九月二十七日に召集された今臨時会は、本日をもって終了する運びとなりました。
 今臨時会においては、テロ対策関連議案、平成十三年度補正予算、雇用対策臨時特例法案など、国民生活に深いかかわりを有する重要かつ喫緊な多くの課題について、熱心な審議が行われました。
 ここに、議員各位の御尽力に対し、心から敬意と謝意を表する次第であります。
 また、今会期中には、皇孫敬宮愛子内親王殿下の御誕生という慶事にも恵まれました。
 内外の時局ますます多端な折、議員各位におかれましては、御自愛の上、なお一層御活躍くださいますようお祈り申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
 これにて休憩いたします。
   午後一時三十六分休憩
   〔休憩後開議に至らなかった〕
     ─────・─────

ソース: 国立国会図書館
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