くにさくロゴ
2001/05/24 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 環境委員会 第10号
姉妹サイト
 
2001/05/24 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 環境委員会 第10号

#1
第151回国会 環境委員会 第10号
平成十三年五月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任   
     中島 啓雄君     西田 吉宏君
     脇  雅史君     橋本 聖子君
 五月十八日
    辞任         補欠選任   
     海老原義彦君     片山虎之助君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任   
     堀  利和君     朝日 俊弘君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任   
     岡崎トミ子君     本田 良一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 春子君
    理 事
                清水嘉与子君
                末広まきこ君
                福山 哲郎君
                岩佐 恵美君
                清水 澄子君
    委 員
                石井 道子君
                沓掛 哲男君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                橋本 聖子君
                真鍋 賢二君
                藤井 俊男君
                本田 良一君
                松前 達郎君
                加藤 修一君
                但馬 久美君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       環境大臣     川口 順子君
   副大臣
       環境副大臣    風間  昶君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       西川太一郎君
       環境大臣政務官  西野あきら君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       瀧野 欣彌君
       財務大臣官房審
       議官       花角 和男君
       国税庁長官官房
       審議官      塚原  治君
       厚生労働省健康
       局長       篠崎 英夫君
       農林水産大臣官
       房審議官     北原 悦男君
       農林水産大臣官
       房審議官     坂野 雅敏君
       経済産業省製造
       産業局長     岡本  巖君
       国土交通省自動
       車交通局技術安
       全部長      宮嵜 拓郎君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    岡澤 和好君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       岩尾總一郎君
       環境省地球環境
       局長       浜中 裕徳君
       環境省環境管理
       局長       松本 省藏君
       環境省環境管理
       局水環境部長   石原 一郎君
       環境省自然環境
       局長       西尾 哲茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、中島啓雄さん及び脇雅史さんが委員を辞任され、その補欠として西田吉宏さん及び橋本聖子さんが選任されました。
 また、去る十八日、海老原義彦さんが委員を辞任され、その補欠として片山虎之助さんが選任されました。
 また、去る二十一日、堀利和さんが委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川春子君) この際、風間環境副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。風間環境副大臣。
#4
○副大臣(風間昶君) おはようございます。
 五月一日に環境副大臣を拝命いたしました風間昶でございます。
 環境の世紀と言われる二十一世紀におきまして、環境省が川口大臣のもとでその責任を十二分に果たしていくことができますよう、精いっぱい尽力させていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官瀧野欣彌さん、財務大臣官房審議官花角和男さん、国税庁長官官房審議官塚原治さん、厚生労働省健康局長篠崎英夫さん、農林水産大臣官房審議官北原悦男さん、農林水産大臣官房審議官坂野雅敏さん、経済産業省製造産業局長岡本巖さん、国土交通省自動車交通局技術安全部長宮嵜拓郎さん、海上保安庁長官縄野克彦さん、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長岡澤和好さん、環境省総合環境政策局環境保健部長岩尾總一郎さん、環境省地球環境局長浜中裕徳さん、環境省環境管理局長松本省藏さん、環境省環境管理局水環境部長石原一郎さん及び環境省自然環境局長西尾哲茂さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(吉川春子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 まず、川口大臣、この間所信を伺いましたが、再任された後、初めての委員会でございますので、御再任おめでとうございます。
 国際会議の継続性を考えれば、大臣がかわったらどうなるのかなと思っておりましたら、小泉総理が川口大臣を再任ということになりまして、ほっとする反面また頑張っていただかなければいけないなと思っておりますので、よろしくお願いします。
 また、風間副大臣も御就任おめでとうございます。よろしくお願いを申し上げます。
 小泉総理になりまして初めての委員会ということで、久しぶりになります。小泉総理の所信には、「おいしい水、きれいな空気、安全な食べ物、心休まる住居、美しい自然の姿などは、我々が望む生活です。自然と共生するための努力を新たな成長要因に転換し、質の高い経済社会を実現してまいります。このため、環境の制約を克服する科学技術を開発普及したい」云々と述べられて、その後、環境問題への取り組みに対して、低公害車を初めいろいろ積極的な議論を展開されました。
 所信にこれだけ環境に割いていただくというのも珍しいことでして、僕は大変歓迎をしておるわけですが、川口大臣は再任をされましたが、一体この小泉内閣で大臣としては何か変化があったのか、また小泉総理自身からどんな指示が出ているのか、それから川口大臣自身何らかの変化が小泉総理になりましてあったかどうか、まずはこの辺についてお答えをいただければと思います。
#9
○国務大臣(川口順子君) 冒頭に激励のお言葉をいただきまして、ありがとうございました。私といたしましても全力で課題に取り組みたいと思っております。
 小泉内閣で、所信表明に出ていますように、環境問題について今までよりも多くの言葉が割かれていまして、私としては大変に心強く、うれしく、また重責を感じております。
 小泉総理からは、私に環境大臣にというお話をいただきましたときに、自然との共生が非常に重要である、循環型社会の形成が重要である、それから地球環境問題への取り組みをしっかりやるようにという、まさに環境の課題全般にわたっての御指示をいただいております。小泉総理の思っていらっしゃることをできるだけ具体的な政策として実行していくための努力をしたいと思っております。
 それからまた、小泉総理の所信表明の中で、国民のといいますか、生活者の目線に立ったということをおっしゃって、タウンミーティングですとか、それから小泉総理のメールマガジンのお話がございまして、この点につきましても、私は特にことしの一月以降、全く同じ発想でタウンミーティングを行い、それからMOEメールといいまして、環境省にEメールでお便りをいただくということを始めておりまして、環境省の考えてきた方向性あるいはやり方が正しかったということを小泉総理に裏書きをしていただいたと思っておりまして、それも大変にうれしく思っております。
 私自身が基本的に小泉総理のもとで今までの考え方と非常に違う考え方で物事を進めていこうとは思っておりませんで、今まで考えてきましたように生活者の目線に立って、小泉総理のおっしゃった課題というのが私もずっとそれが課題であると認識をしてきておりましたので、取り組みに全力を尽くす所存でおります。
#10
○福山哲郎君 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 環境問題について、国民の目も含めて大変厳しくなっておりますので、大臣の今後の頑張りに期待をしたいところでございますが、再任早々いろんな国際会議等が、七月にボンの会議がありますし、大変な状況だというふうに思います。つい先日にはプロンクが日本に来て大臣と会談をなされたという状況で、ほっとする間もなく恐らく走り回っておられるのだろうというふうに思いますが、まず四月、大臣はニューヨークに渡米をされました。ニューヨークでの会合に出られた後、ワシントンにまで足を延ばされて、アメリカの主要な人物とお会いされてきたわけでございます。
 その四月に渡米される直前に、衆参で国会決議が行われました。この国会決議に関しては、いろんな御議論はあると思いますが、私は大変評価をしておりまして、「我が国は地球温暖化防止京都会議の議長国として京都議定書を取りまとめた特別の経過がある。したがって、政府は率先して批准し、地球温暖化防止の国内制度を構築するとともに、京都議定書の二〇〇二年発効を目指して、国際的なリーダーシップを発揮すべきである。」という国民の負託をいただいた衆参両決議が行われて、これをある意味でいうと携えてアメリカへ大臣は行かれたわけです。
 この決議について、大臣は、内容についてどのような重みと、内容についてどのような評価をされているのか、どのように感じておられるのか、お聞かせをいただけますでしょうか。
#11
○国務大臣(川口順子君) いただいた国会決議は大変に重いものと受けとめております。
 アメリカに参りましたときに、この決議についてお話をいたしまして、これを英語に直して紙にして持っていきまして、これが全会一致であったことも含めてお話をいたしております。
 政府といたしまして、二〇〇二年までに京都議定書が発効しますように、これからの会合で全力を尽くして取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それから、日本自身が国内制度を構築するということが非常に重要でございまして、国際的な合意を踏まえまして、締結に必要な国内制度の構築をやっていきたいと思っております。また、ハーグ等での経験で、国内制度の構築というのが日本の国際会議の場での発言の信頼性につながるものであるということも強く認識をいたしております。
#12
○福山哲郎君 ぜひ国会決議を大切に、重みを持ってやっていただきたいと思います。
 四月二十一から二十三日、ほぼ報道でも出ていますし、環境省から私も報告を聞いておりますのであれなんですが、ワシントンへ行ってきたときのアメリカの様子ですね、済みません、事前通告には、アメリカに説得をしてきてその後アメリカとの接触があるのかということを聞いてあるんですが、実際に行ってこられて、アメリカとの会談の中身等について、国会の場でも一応言っていただいた方がいいかなというふうにちょっと今話をしていて思いましたので、大臣、大丈夫だと思いますので、事務方でも結構でございますから、四月のワシントンでのアメリカとの会談の内容等をお知らせいただければと思います。
#13
○政府参考人(浜中裕徳君) お尋ねの川口大臣ワシントン訪問の際の会談の内容でございますけれども、ホイットマン環境保護庁長官、それから国務省ではアーミテージ国務副長官、さらにはホワイトハウスでリンゼー経済担当大統領補佐官とお会いをいたしまして、あるいは共和党のクレイグ上院議員ともお会いをしております。
 それらの会合におきまして、まず我が国がアメリカの京都議定書不支持表明が気候変動交渉に与える影響を強く懸念しているということ、それから、米国が引き続き京都議定書の発効に向けた交渉に参加をして、我が国とともに積極的に合意を模索するよう強く希望をしているという点を申し入れております。
 また、ただいま大臣から申し上げましたとおり、我が国の方針は、引き続き二〇〇二年発効を目指してCOP6再開会合での合意に向けて努力する方針であるということ、そして、国会、衆参両院で国会決議が全会一致で可決されたことも、先ほど大臣から申し上げましたとおり英文でもってお渡しをしながらその内容をお伝えしてございます。
 さらに、米国は現在、気候変動政策についての見直し作業をやっておられるわけですけれども、この作業の終了といいますか、提案を出されるタイミングが非常に重要であるということを強調させていただきました。したがって、この見直しを早急に完了して、七月のCOP6再開会合に十分先立って具体的提案を提示するように要請をしております。
 また、この政策見直しにおきましては、京都議定書でそもそも市場メカニズムの活用を図ることができる、そういう仕組みも用意されているわけでございます。したがって、費用効果的に削減目標の達成が可能ではないかという点。それから、米国経済への悪影響を懸念しておられるということですが、そういう目先の経済コストだけではなくて、対策がおくれることによる環境へのコスト、それから、省エネ等の分野で技術革新や市場創出などの利益もある。つまり、経済的な機会を生み出すということも、対策を進めることによってそういうこともあるのではないか、そういうこともあわせて考慮すべきではないか、こういう点を指摘させていただきました。
 これに対しまして、米国側からは、我が国の立場はよく理解をした、そして大統領にこれを伝えたい、基本的に米国の京都議定書不支持という立場は変わらないということを繰り返しておられましたけれども、政策見直し作業については非常に真剣にやっている、そして緊急の課題として閣僚が作業を行っているということでございまして、具体的な完了時期は明言はできませんけれども、七月のボン会合までに提案を提示するように努力をしたい、そして日本には必ず相談をするというふうに述べていたということでございます。
 以上、概要を申し上げた次第でございます。
#14
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 京都議定書不支持という立場は変わらないということは、やっぱりかなりはっきり言明をされているんですね。
#15
○政府参考人(浜中裕徳君) そのようにおっしゃっておられたわけでございます。
#16
○福山哲郎君 ボンの会議には出られるとは言っておられるんですね、相変わらずというか、変わらず。
#17
○政府参考人(浜中裕徳君) そのように、ボンの会合には出席をするというふうにおっしゃっておられました。
#18
○福山哲郎君 僕はやりとりがわかりませんからニュアンスがわからないんですが、新提案を準備している、新提案をボンの会合までに出したいということを言われたというふうに今、浜中局長はおっしゃいましたが、新提案を出すけれども、ボンの会合には出席するとおっしゃっているんですね。それでよろしいんですか。
 いや、その論理構成がよくわからないのはわからないんですが、大臣、どうでしたか、アメリカの高官とやりとりされて、やっぱりかたいなという感じなんでしょうか。
#19
○国務大臣(川口順子君) 二点申し上げたいと思うんですけれども、一つは、アメリカの政府の中での議論が非常に真剣なものであるということでして、これは例えば、私はアメリカの政府の高官に会ったのと同時にワシントンにいるシンクタンクの方等にもお会いをいたしましたけれども、そこでホワイトハウスから意見を求められているとかというようなお話がございまして、ホワイトハウスといいますかアメリカ政府においては、ワシントンの中で、あるいは全米から関係の人たちの意見を聞きながら、閣僚レベルで真剣に議論をしているということがよく伝わってきました。閣僚レベルでこういった問題をこれほど頻繁に議論をしたケースというのは前にはなかったという話も聞きました。そういうことから、非常に真剣な議論が行われているということでございます。
 それからもう一つは、これは本当に私の印象ということでございまして、国会で申し上げるのがいいのかどうかというのもよくわかりませんけれども、アメリカ政府の中の検討が、あるいは事態の認識の仕方が、時間を追うに従って変わってきているのではないだろうかということでございます。
 これは、アメリカの政権、新政権が一月の終わりに発足をいたしまして余り時間がたたないところで一つの発言が京都議定書についてあって、それから、日本の働きかけも含め国際的なさまざまな反応があったということを背景に、向こう側の反応の状況が変わってきているのではないだろうかという感じがいたしております。
 したがいまして、私が行きましたのは四月の下旬でございまして、それからほぼ一月ぐらいの日数が流れているわけでございまして、その後もアメリカ政府の対応というのは変わってきているんではないだろうか、あるいはその可能性があるというふうには思っております。
#20
○福山哲郎君 済みません、具体的に大臣はどういうふうに変わってきているというふうにお考えなんでしょうか。
 要は、言葉は悪いですが、今大臣が言われたことをわかりやすく言うと、事の重大性、就任直後のブッシュ政権がこのことを発表したことによっていろんな影響が出てきて、これはちょっとちゃんとやらなければいけないなというふうに聞きようによっては聞こえたんですが、別に悪い意味で申し上げているのではなくて、要は、どういうふうにちょっと変わってきたと感じられているのかお答えをいただけませんか。
#21
○国務大臣(川口順子君) 国会で申し上げるのがふさわしいかどうかと申し上げたのは、まさにそれが私の個人的な感触にしかすぎないということで申し上げておりますので、それを前提にお聞きいただいたんですけれども、まず、一般的に環境問題についての取り組みについて非常に真剣になってきたということでございます。
 これはどういうことでそう私が思ったかということですけれども、ワシントンポストその他の、ブッシュ政権が百日ぐらいたったところでの世論調査がございまして、その中で、一般的に非常にブッシュ政権のアメリカ国民からの支持率というのは高いわけでございますけれども、環境政策に対しては実はそれほど高くないという世論調査の結果があらわれておりまして、これも私がいろいろな人から聞いたところですと、ブッシュというのは政治的に非常にリアリストであると。したがって、ちょうど私がおりましたころに、POPs条約への対応ですとか、幾つかの環境問題についての新しい姿勢を、ホイットマン環境保護庁長官をホワイトハウスに呼びまして二人で記者会見をするという形でやっておりまして、まさにそういったことにこたえているのではないだろうかということでして、地球温暖化問題につきましても、先ほど申しましたように、ワシントンの周辺あるいは全米からいろいろな人を呼んで話を聞いている、閣僚レベルで顔を合わせて取り組んでいるということからそういうような熱心さが増してきたという印象を得ているということでございます。
#22
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 その変化の中、アメリカ、一月ほど前に行ってこられましたが、その後、日本としては説得をするとずっと言われておられたわけですが、この一月の間にアメリカ側との接触は、大臣みずからもしくは事務レベルでも結構でございます、あるのか。それから、今の熱心という印象論は逆に言うと大変ありがたかったんですが、何らかの形での具体的な政策レベルでの変化等はこの一月あったのでしょうか。
#23
○政府参考人(浜中裕徳君) 川口大臣は訪米後も米国に対する働きかけを引き続き行っておるところでございます。先週パリで開催をされましたOECD環境大臣会合及び閣僚理事会に際しましては、風間環境副大臣から米国高官に対して直接働きかけを行っていただきました。また、川口大臣からは、四月に訪米をいたしましてワシントンでお会いをしたような米国高官に対して、その後も電話会談を通じて働きかけを行っていただいております。さらに、国会のお許しが得られれば、来月末に開催が予定されております非公式閣僚会合等に大臣に御出席をいただいて、その機会に大臣からさらに働きかけを行っていただきたいと考えております。
 こうした働きかけを通じまして得ておりますアメリカの基本的な考え方について何か顕著な変化が見られたかということになりますと、そこまではまだ今のところは至っていないというふうに受けとめてございます。
 以上がこれまでの状況でございます。
#24
○福山哲郎君 電話会談等で何回か働きかけをされておられるというふうにおっしゃっていますが、これ、答弁できるならば、どのレベルの方と大臣は電話でお話しされているんでしょうか。
#25
○国務大臣(川口順子君) 私が四月の終わりに国会のお許しをいただいてアメリカに行ったことの成果の一つは、これ以降電話で実は話ができるようになったということでございまして、そのときに会った政府の高官の方々と電話でお話をいたしております。
#26
○福山哲郎君 それは、具体的には役職名、名前は無理でしょうか。
#27
○国務大臣(川口順子君) 先ほど浜中局長から私が会ったと申し上げた方々です。
#28
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 ところがその後、先週末、アメリカが例の国家エネルギー戦略を発表されたわけです。この内容は温暖化にも十分関係してくる内容だというふうに思いますし、このアメリカの国家エネルギー戦略について大臣は今どのように評価されていますでしょうか。
#29
○国務大臣(川口順子君) アメリカのエネルギー戦略が発表になりまして、これも地球環境問題についての閣僚レベルの議論と全く同様に閣僚レベルで議論をされていたものでして、こちらの方が先に発表されるというふうに言われていまして、そのとおりそういうことであったということで、一つには閣僚レベルで行っている議論のまともさといいますか真剣さということがこれが発表になったことで証明をされたということではないかと思います。
 具体的な中身につきまして、これは柱が五つありまして、その五つのうちの恐らく二つ、省エネルギーとそれから環境保全の加速化という部分が環境問題にも関係をしてくるというふうに思っております。
 それで、気候変動政策という立場からいいますと、このエネルギー政策の裏づけになるデータ集によりますと、自然体でいった場合、ビジネス・アズ・ユージュアルでいった場合に、CO2の排出量が九〇年に比べて二〇一〇年で三四%増、それから二〇二〇年で五一%増加するというシナリオになっていまして、原発の新規建設ですとか、省エネルギー政策としてのハイブリッド車の普及推進などについての記述があるということですけれども、これに関してどれぐらいが定量的に減るんだということについての評価はなされていなかったというふうに思っております。
 こういったことにつきましては、恐らく今後出る気候変動についての閣僚レベルのレビューの発表の段階で出てくるということだと私は思っております。
#30
○福山哲郎君 ということは、ある程度この国家エネルギー戦略へ出てきた内容がベースになって、次の新提案にはやっぱり基本的にはベースとしてはつながってくるというふうにお考えですね。
#31
○国務大臣(川口順子君) 基本的なデータは同じであると思います。
#32
○福山哲郎君 さっき風間副大臣にお尋ねするのをちょっと忘れてしまいまして、副大臣、OECDに行かれて、済みません、今の話の流れで出てきた話なので、もう印象論で結構です。アメリカの高官とOECDでお目にかかられて、今、交渉で説得に当たられたというふうに伺いましたが、ある意味でいうと、副大臣として初めての大きな仕事をされに行かれたわけですが、アメリカとの接触の感想、印象をお聞かせいただけますか。
#33
○副大臣(風間昶君) 五月十七日のOECD閣僚理事会での合間に、合間といいましょうか会議中ではございましたが、アメリカの国務次官補代行の方とこのことにつきましても、まず働きかけの前に向こうの確認と我が方の趣旨をきちっとお話をさせていただいて、四十分ぐらい会談をさせていただいたわけでありますけれども、政策の検討作業については、今大臣からもお話がありましたように、まさにブッシュ政権が真剣に閣僚レベルでの会合を続けておるということで、特に気候変動のことに関しまして今一生懸命努力している、それをまずわかっていただきたいという向こうのお話でした。で、ボン会合の前にそのことが終わることを望んでいると。しかし、いつまでにということについては現時点では確信を持って言えないんですということで、最終的には我が方の、日本としての、アメリカにパートナーとなって一緒にやりましょうよということを再三再四にわたって要求といいましょうか、こちらの言い分、主張は十分理解をしていただいたと。ただ、ではいつまでにということについては約束を持って期限をつけて言うことは今まだできないということでございました。
#34
○福山哲郎君 なるほど。実は、アメリカ側からの新提案がボンの会議までにという話が先ほど浜中局長からもありましたけれども、報道では、間に合わないのではないかという報道もあります。今のところは具体的に新提案の時期については、今、風間副大臣が言われたとおり、全くボン会合の前ということ以外は何らかのめども、この辺ぐらいまでというのも、そういうこともほとんど回答はなかったんでしょうか。大臣、副大臣、局長、どなたでも結構でございます。
#35
○政府参考人(浜中裕徳君) これまで私どもがお話を伺っているところでは、ただいま先生がおっしゃいましたとおりでございまして、あるいは我々がこれまで申し上げたとおりでございまして、具体的な時期は明示できない、約束できないけれども、COP6再開会合までに間に合わすことができるように努力をしていきたい、こういうような話を伺っているところでございます。
#36
○福山哲郎君 今、日本は二つのオプションを持っていると私は思っています。一つは、アメリカの提案がボンの会議に間に合って、十分議論ができる日数も確保して、そしてその後、EUやもしくはアンブレラグループで議論をしてボンの会合になだれ込んで、何とかアメリカもという日本の意向も含めてボンの会合に入れるのか。もしくは、アメリカの提案が、今おっしゃられたように、報道によればボンに間に合わないという話も出てきていますし、例えば間に合わない、もしくはぎりぎりで、議論の余地もなくて、いきなりボンの会合で平場で議論をするような状況になったときにどうするか。
 私が、きょう、どちらかというとこうやって何となくおとなし目に話をしているのは、ある意味でいうと、前にも後ろにもとまらない、相手にボールがある状況ですから、今大臣や局長に僕がぎゃんぎゃん言っても物が進まないのもわかっているつもりですので、ちょっときょうはこういうふうな感じのトーンで言っているんですけれども。
 どうでしょう、この二つのオプションで現実に間に合うんでしょうか。大臣、今の現状認識をお聞かせいただけますか。
#37
○国務大臣(川口順子君) 福山委員が今二つのオプションがあるというふうにおっしゃられました。
 まず最初の方のオプションですけれども、私は、気候変動問題というのは環境十全性という視点で物事を考えるべきである、判断すべきであるというふうに思っておりますので、そういう観点から申し上げれば、最初のオプションというのは非常に一番ベストのケースであるということでございます。
 ということであれば、今の段階では、ボンまで二カ月ございますけれども、関係国と連携をして、できるだけアメリカが京都議定書にボンにおいて積極的に議論に参加できるように精いっぱい働きかけるということでございまして、先ほど申しましたように、私はアメリカとも電話で話をしたりいたしますけれども、それだけではなくて、ほかの国々の方ともそういう観点から電話で話をしております。そういう意味で、今必要なことは、ありとあらゆる機会を使って、それから会議の場もございますし、働きかけを行っていくということにまさに尽きるというふうに考えております。
#38
○福山哲郎君 一つ目のオプションのお答えは多分そのとおりだと思いますし、それに御努力もいただかなければいけないんでしょうが、交渉ですから、交渉の過程でいろいろなことが起こりますので、一つ目のオプションがうまくいくかどうかもわからないけれども努力をいただく、これは間違いないです。
 しかし、我が国のスタンスとしては、最悪のオプションも考えながら、ボンにどう臨むかということも、やっぱり準備は政治としてはしなければいけない、政府としてはしなければいけないというふうに私は思っています。
 御努力いただくことはもちろんです。御努力いただいた上で、もし万が一、今のようにいろんな報道がある、ましてや、これ、きょうの日経ですからもう皆さんお目通しいただいていると思いますが、アメリカの下院議員が、京都議定書にアメリカ政府が復帰することはあり得ないと。この下院議員というのはアメリカの下院のエネルギー商業委員会の委員長で、ブッシュ政権のエネルギー、環境政策に大変大きな影響力を持つと。この人が六月中に新しい骨組みを伝えるというふうなことを言っておられますから、さっき大臣が言われたように、オプションとしては第一のオプションがちょっと見えてきているのかなとも思いますが、このオプションが全くEUも含めて京都議定書の枠組みから逸脱したもので乗れないときに我が国としてどうするかという準備は、交渉事は一生懸命やっていただくのはもちろんですが、我が国の政府の対応としてはどういうスタンスで臨むのかという準備は必要ではないかなと思っていますが、そこに対しては大臣、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(川口順子君) 先ほどのもう一つのオプションですけれども、私は、おっしゃった二つのオプションというのは、実は両方の、言ってみたら極端なケース、その両端のケースをおっしゃられたというふうに思いまして、実際その間にいろいろな可能性がまだほかにもあると思います。
 今二カ月を残した時点で、もちろん将来的にいろいろなことが起こり得るということはそうなのかもしれませんけれども、今関係国と話をしておりますことは、アメリカへの働きかけというベストな、働きかけてベストな成果を得るということを目指してみんな一生懸命やるべきであろうということで動いておりまして、私が報告を聞いたところでは、この間のOECDの会合でも、こちら側のオプション、もう一つの反対側のエクストリームなケースということについて、それをどうするかという議論はまだ国際的に行われていないというふうに承知をいたしております。
#40
○福山哲郎君 アメリカ側とのいろいろな電話会談を御努力いただいていることは今承りましたし、今の大臣のお話も多分交渉上はそういうことなんだろうと思います。
 では、実際にもう一つの非常に気になりますEU側ですが、風間副大臣が行かれているのであれなんですが、大臣自身はEU側との現実の接触としてはこれまでどういうような形で行ってこられたのか、お教えいただけますでしょうか。
#41
○政府参考人(浜中裕徳君) まず事実関係の方から先に申し上げたいと思いますけれども、EUとの間ではやはり一番大きな出来事といたしましては、四月の初めだったと思いますが、四月の九日でございますが、EUトロイカということで、現在議長国のスウェーデンのラーション環境大臣を団長とする代表団が日本にやってこられて、川口環境大臣や当時の河野外務大臣と会談をされたわけでございます。
 そのときの、私どもと率直な話をさせていただいたわけでございますが、そのときにも米国との関係におきましては、日本もEUも米国の参加が実効ある京都議定書の実施を確保するとともに、地球規模の行動、つまり、例えば将来的な途上国の参加というようなこともにらみますと、地球規模の行動を今後強化していく上で極めて重要であるということで、米国に対する働きかけを引き続き行っていこうというようなことで一致をしたわけでございまして、日本とEUとの間で今後とも密接な連絡をとっていこうというようなことでございました。
 その後、ニューヨークで川口大臣、出張されまして、プロンク議長主宰の非公式閣僚会合の際に、二国間会談という形でラーション環境大臣あるいはその他の主要なEU加盟国の閣僚とも会談をしていただきましたし、それから欧州委員会のバルストロム環境担当委員とも個別にお会いをいただいて意見交換をさせていただいております。
 それぞれ率直な意見交換もさせていただいているところでございますけれども、第一のオプションと先生おっしゃられました、やはりベストは米国の参加を得ることであるということでございまして、そして気候変動交渉、この十年間で一番今は難しい時期、いわば危機的な状況を迎えているわけであります。その中でどのように新しい発想といいますか、新鮮な発想も加えながら、本質的な意味で京都議定書を生かしていくような方策を探っていく必要があるんじゃないかというようなことで、大変有意義な意見交換をさせていただいたんではないかというふうに感じているところでございます。
#42
○福山哲郎君 一月前のニューヨーク以外は、先ほどありましたように、電話も含めてEU側とは接触は今のところまだないんでしょうか。
#43
○政府参考人(浜中裕徳君) それ以外には、例えば五月の連休明けでございましたけれども、同じEU議長国のスウェーデンの環境大使というお立場のボー・シェレーン大使がいらっしゃいました。たしか先生ともお会いになっていらっしゃると思いますけれども、そのときにもやはり私ども会合をさせていただきました。川口大臣とも会っていただきました。基本的には同様の趣旨の意見交換をさせていただいたというふうに受けとめております。
#44
○福山哲郎君 では、EU側とは、例えば電話などでバイで大臣がやらせていただくようなのは今のところはまだ行っていないということでしょうか。
#45
○国務大臣(川口順子君) EU側と電話で直接話をしているということはございません、議長とというのはありますけれども。それは、日本はアンブレラの国でございまして、基本的に交渉事はグループでやるということでございますので、そういうことになります。
#46
○福山哲郎君 そんな中で、二十日の日に、プロンク議長がわざわざ日本に来られて大臣と会談をされました。恐らく、第一のオプションをどうするのか、もしくは京都議定書をどういうふうにまとめていくのかということのいろんな動きの中の一つだったというふうに思いますが、プロンク議長は何の目的で来日をされて、会議内容はどうだったのか、お答えをいただけますでしょうか。
#47
○国務大臣(川口順子君) プロンク議長は、これから会議、といいますのはその全体の気候変動枠組み条約に基づく今後の動きを、COP6の議長でございますので、どういうふうにしていったらいいだろうかということをいろいろお考えでいらっしゃるということで、各国から、主要国からそれについてどうしたらいいかということの意見を聞きたいという観点でまさにアドバイスを得るためにお見えになったということでして、日本との話というのは一連のプロンク議長が考えていらっしゃる会談の一環でして、そのほかに、他の国々とも話をなさったり、あるいは今後する予定でいらっしゃるというふうに聞いています。
#48
○福山哲郎君 中身を教えていただけますでしょうか。川口大臣がお伝えをしたことでも結構でございます。
 今のお話でいうと、要は各国からアドバイスをいただきにということですので、日本としてはどういうメッセージを伝えられたのか。
#49
○国務大臣(川口順子君) 半分しかお答えしないで失礼をいたしました。
 まず、アドバイスを得に来たということでございますので、交渉したわけでもなく、したがって、当然に合意をしたとかそういうことではございません。
 私とプロンク議長の話につきましては、プロンク議長からの強い御要望がありまして、自分が言ったことについては自分も外に一切言わないし日本からも出さないでほしいということでございましたので、申しわけございませんが、私がプロンクに言ったことをお話をさせていただきたいと思います。
 それで、小泉政権、新しい政権になって方針が変わったかどうかということにつきまして、京都議定書の二〇〇二年までの発効を目指して最大限努力をするという方針であって、従来とその点については全く変わりがないということを申しました。それから、アメリカの参加が極めて重要である、これは環境十全性の立場から重要であるということを申しました。したがって、アメリカの参加を含む形での合意が成立するように引き続き努力をすることが重要であるということを申しました。それから、その観点から、EUのフレキシビリティーが非常に大事であるということを申しました。それから、日本にとりましてもプロンク・ペーパー、新しいプロンク・ペーパーですけれども、につきましてはシンク、京都メカニズム等あるいは遵守とかいろいろございますが、問題点があるというふうに言いました。それから、COP6再開会合の成功に向けて、日本は積極的に協議に参加をしてプロンク議長を助けていきたいというふうにお話をいたしました。
#50
○福山哲郎君 ここから先はもうお答えいただけないと思いますからあれなんですが、基本的に議長がアドバイスというか各国が何を思っているのかを伺いに来たということは、現実にCOP、七月のボンまでにどういうふうなオプションがあればまとまるのかと様子を、ある意味でいうと雰囲気をじかに大臣に話をしに来たなというふうに考えるのが、多少うがった見方かもしれませんが、そういう状況ですし、なおかつ大臣が今思わせぶりに言われたように、プロンク議長からの発言については表に出してくれるなということは、逆に言うとプロンク議長の発言にはそれなりの重みがあって、それなりのいろんな含みがあったのではないかというふうに、逆に我々は、いいように解釈すれば、恐らく建設的な議論がプロンク議長も含めて始まっているのかなと。アメリカの対応もほぼ状況が見えてきて、提案がどうなるかは別にして、京都議定書をまとめるのにどうしたらいいのかという具体的な動きをプロンク議長がし出しているのかなというふうに私としては前向きにとらえたいなというふうに思っています。
 それに対して日本の、プロンクからの提案なりこういうところで京都議定書はどうなんだということに対して、川口大臣の感触を確かめに来たのかなというふうに思っておりまして、少しは、半歩ぐらいは物事が前に進んでいるのではないかなというふうに思っておるんですが、コメントはしようがないと思いますが、大臣いかがですか。
#51
○国務大臣(川口順子君) コメントはしようがないというふうにおっしゃっていただいて、本当にコメントの申し上げようがないんですけれども、一つ申し上げますと、プロンク議長が日本に来たのは、ニューヨークの会合の一番最後のところでプロンク議長に対して会場から、要するに参加国から、これから進め方についていろいろな国から意見を聞いてやるようにという意見が出ておりましたので、言ってみたらその宿題をプロンク議長がやっていると、そういうことかと思います。
#52
○福山哲郎君 でも、それは電話でもできますし、わざわざキーの国である日本に来て大臣と直接二時間やられるというのは政治的には意味があるんじゃないかなと思うのが普通でございまして、そこはこれ以上深くは突っ込みません。
 ただ、とにかく七月まで時間がないということと、アメリカの提案に対してやっぱり相当世界も注目をしているということで、私は何としても京都議定書はつぶしちゃいけないと思っています。アメリカが例えば今戻ってこなくても四年後に戻ってくる道もあるわけですし、とにかく京都議定書は発効させなきゃいけないというふうに私は思っていますので、ぜひそこは二カ月の間ぎりぎりの折衝を続けていただきたいと思います。
 最後に、環境問題全般ではなくて、温暖化の問題、京都議定書の問題について、小泉総理または田中外務大臣と御意見を交わされたり何か議論されたことはございますでしょうか。
#53
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理とは、前に申しましたように、私が環境大臣になるに当たって小泉総理から幾つかのことをおっしゃっていただいた中の一つでございまして、この問題について合意が可能となるように努力をせよということでございました。それで、私からは、これは官邸での記者会見の際にも申し上げたような漠然とした記憶もございますけれども、ボンでの会議で合意をするに当たって、最後の段階で総理のリーダーシップをいただかなければいけないという可能性が非常にあるので、ぜひよろしくお願いを申し上げますということを申し上げております。
 それから、田中外務大臣とは、所信表明演説の閣議というのが五月六日にございまして、その閣議において、二〇〇二年までの京都議定書の発効を目指して、COP6再開会合での成功を目指して最大限の努力をするということを確認をいたしております。
#54
○福山哲郎君 そこは確認ということで、個別にそれはしゃべられたわけではないんですね、田中外務大臣と。
#55
○国務大臣(川口順子君) 個別にお話をしたわけではございません。
#56
○福山哲郎君 では、ぜひ二カ月間頑張っていただきたいと思います。
 ちょっと話題を変えます。
 現在、日本に生息する野鳥というのは、鳥獣保護法で原則として捕獲も飼育も禁止されています。しかし、日本と同一種の野鳥が現実には輸入をされているという実態があるというふうに思いますが、輸入をされているという数、一体どのぐらい野鳥が輸入をされているのか。一九九八年ぐらいから、九年度、二〇〇〇年度、二〇〇一年度ぐらいまでの数字をお示しいただけますでしょうか。
#57
○政府参考人(西尾哲茂君) 今お尋ねの我が国への鳥類の輸入につきましてでございますけれども、これにつきましてはそれを明らかにするような統計がとられておりませんで、把握していないところでございます。
#58
○福山哲郎君 把握していないというのはちょっとびっくりするんですが、新聞等を見ると、年十万羽とか数が出ている部分があるんですが、今、環境省が輸入に対して把握していないというのはどういうことなんでしょうか。
#59
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、恐らく新聞等で十万ということで御指摘になりましたのは、現在、鳥類の販売に係る民間の業界団体がございまして、この業界団体の自主的な取り組みといたしまして自主的に輸入証明書というのを発行しております。その発行数というものが実態を反映しておるのであればその発行数が輸入数に近いのであろう。そういうことでいきますと、メジロ、ホオジロなどに対して年間合計約十万枚ほどの証明書が新規発行されたというふうに聞いておるところでございます。
#60
○福山哲郎君 済みません、今のは非常にわかりにくいんですが、環境省は把握をしていないと。ただし、業者がやられている輸入証明書でいうと十万羽が輸入をされていると。しかし、今局長言われたように、実態を反映していればという留保が国会の答弁で今ついたんですが、実態を反映していればということは、現実には環境省としてはこれ以外も数字は全然とっていないということでしょうか。
#61
○政府参考人(西尾哲茂君) 輸入をされます鳥類というのは、恐らく大部分はそれぞれの個人の方なりでお飼いになる、要するに飼養下にあるものでございまして、そういう面では我が国の野生鳥獣を守っております鳥獣保護法の体系とは別、要するにペットでございますとか飼養下にある鳥獣の世界でございますので、環境省といたしましては、鳥獣保護法の体系でこれを公的に把握するということはいたしておらないということでございます。
#62
○福山哲郎君 鳥獣保護法では、でも輸入は禁止されているんですよね、禁止されていないんですか。
#63
○政府参考人(西尾哲茂君) 鳥獣保護法におきましては、二十条ノ二におきまして一定の鳥獣につきまして、今申し上げましたメジロとかホオジロといったようなものを指定しておりますが、そういうものにつきましての輸入に関する規制がございます。
 この趣旨は、我が国の野生のメジロ、ホオジロなどの鳥獣を保護するという場合に、むやみに外国から輸入をされるということがございますと、そういうものとの混同等が起こりまして我が国の保護の実を上げ得ないのではないか、こういう趣旨から輸入の規制を行っているものでございます。
#64
○福山哲郎君 輸入の規制を行っているのに十万羽輸入されていて、その数を把握していない、環境省は。実態を反映していればという留保つきですが、現実問題として、輸入を規制しているのに数を把握していなくて、どうやって輸入を規制できるんですか。
#65
○政府参考人(西尾哲茂君) 本件輸入規制の仕組みは、鳥獣保護法の二十条ノ二で指定いたしました種類の鳥獣につきまして、通関当局におきまして、輸出国から適法捕獲証明書ないしは輸出許可証が添付される場合において、そのようなものが添付されていないものについては輸入を禁止するという形で規制が行われておるものでございます。
#66
○福山哲郎君 そうすると、違法に捕獲をされたものとかは輸入はしちゃいけないんですか。今のは、適法にと言われたということは、向こうから輸出をしてくる際にそれが違法の場合には我が国には入らないということですか。
#67
○政府参考人(西尾哲茂君) 当該輸出国におきまして鳥獣保護等の見地から所要の規制が行われておる、そういうものにつきまして輸出などをされる場合に当該国が所要の規制等を行うということはあると思いますが、それは直接には、まず第一義的には当該国の問題でございまして、我が国の場合におきましては、そういう当該国が適法に捕獲したものであるという証明書を添付する、あるいは輸出許可証、輸出を許可したという書類が添付されていれば、その鳥獣につきましての輸入は許されているというふうに二十条ノ二は規定しておるものでございます。
#68
○福山哲郎君 数を把握していないのに聞くのも余り無意味なんですが、そのうち中国からの輸入はどのぐらいかはめどとしてはわかっているんでしょうか。先ほど言われた数字でも結構でございますが。
#69
○政府参考人(西尾哲茂君) 今申し上げました民間団体の資料で全体で約十万と申し上げておりますが、概数で恐縮でございますが、そのうちの八割程度が中国からの輸入ではないかということでございます。
#70
○福山哲郎君 ということは、八万羽というか、ほとんどだということなんですが、中国が野鳥の捕獲、販売、輸出を禁止したのはいつですか。
#71
○政府参考人(西尾哲茂君) 一昨年、一九九九年の十一月二十九日付で中華人民共和国国家林業局が発出いたしました通知によりまして、同年一九九九年の十二月一日から原則として、原則として野鳥を捕獲、販売、買い付け及び輸出する活動を禁止するという方針が示されたと承知しております。
#72
○福山哲郎君 一九九九年十二月の一日だとして、ほぼ二〇〇〇年として、先ほどの十万羽というのは去年の数字ですか。
#73
○政府参考人(西尾哲茂君) 十一年の数字だと承知しています。一九九九年ですね。
#74
○福山哲郎君 二〇〇〇年の数字はお持ちではないんでしょうか。
#75
○政府参考人(西尾哲茂君) 把握いたしておりません。
#76
○福山哲郎君 では、二〇〇〇年は輸入で入ってきた野鳥はゼロですか。ゼロというか、中国から八割として八万羽があったとしたら、ゼロになっているんでしょうか。
#77
○政府参考人(西尾哲茂君) 数字を把握しておりませんので定性的なお答えで恐縮なんでございますが、通知発出以降も輸出行為が続いている現状にあるというふうに中国側からも聞いております。
#78
○福山哲郎君 数字はわからないけれども実質的には入ってきていると。
 先ほど局長がおっしゃられたように、適法に捕獲したものは当該国から輸出をしてきて我が国としても輸入ができると。ところが、違法に捕獲されたものに関しては、今の表現で言いますと輸出も輸入もできない、特に我が国としては鳥獣保護法の関係で輸入ができないはずになっているのに、一九九九年十二月一日、中国では輸出も販売も禁止しているのに我が国は輸入の数が減っていないという実態は、一体これはどういうことなんでしょうか。
#79
○政府参考人(西尾哲茂君) 鳥獣保護法の第二十条ノ二を適用いたしまして輸入の制限を行うためには、輸出国、この場合は中国でございますが、中国が輸出をする場合におきましては、適法捕獲証明書かあるいは輸出許可証を添付するという仕掛けになっているということが前提として必要なわけでございます。
 それで、先ほどの中国の方針として、原則として野鳥の保護を厳しくするということをされたことは承知しているわけでございますが、しからばいかなるときに例外的に輸出が許されるのか、ないしはその場合には輸出許可証ないしは適法捕獲証明書を添付してくださるのかということが確認できませんと、この二十条ノ二の規定を発動させるというわけにはまいりません。
 この点につきまして、昨年来、扱いの詳細について中国側に問い合わせを行っておるところなのでありますけれども、どうも具体的な実務の取り扱い、添付してくださるということにつきまして不明確な点がございます。
 したがいまして、先般もその扱いの詳細についてはっきりとしたお答えをいただきたいというふうにお願いをしておりまして、そのお答えを聞きまして適切に対処いたしたいと思っております。
#80
○福山哲郎君 きょうは財務省からも来ていただいていますが、現実には、輸出を禁止している当該中国から、我が国としても鳥獣保護法で輸入を禁止しているものを、これだけ禁止があった後も変わらない数を税関として通しているという実態、どういった実態でこうなっているのか、財務省、お答えいただけますか。
#81
○政府参考人(花角和男君) 御指摘の中国につきましては、鳥獣保護法第二十条ノ二第一項に規定します「鳥獣ノ捕獲、採取又ハ輸出ニ関スル証明ニ付テノ政府機関」が確認されていないわけでございまして、鳥獣保護法の所管省庁でございます環境省は、中国からの輸入については鳥獣保護法第二十条ノ二第一項ただし書きに基づき証明書の添付を要しないとしているところでございます。そのため、関税局、税関としましては、中国からの野鳥の輸入については、関税法第七十条に基づく関係当局の証明書の確認を要しないという取り扱いをしているところでございます。
 現在、環境省におきましては、中国における野鳥の捕獲、採取、輸出に関する規制についての現状把握を行っていると承知しているところでございます。関税局、税関としましては、中国からの野鳥の輸入について、鳥獣保護法上の規制に服するとの見解が得られるならば、関税法第七十条に基づき関係当局の証明書の確認を行うことになると考えております。
#82
○福山哲郎君 今の財務省の話によれば、そこの確認書を要しないという状況になっているから税関としては通さざるを得ないんだと。それは環境省がその措置をとっていないからだというふうに私は受けとめたんですが、環境省、いかがですか。
#83
○政府参考人(西尾哲茂君) 二十条ノ二の規制を発動いたしますためには、輸出国が先ほど申し上げました証明書類を添付するのであるということが確認されている必要がございます。
 その点につきまして、私どもとしては、現時点で中国側に問い合わせておりますが、その具体的扱いにつきましての確認を得ておりません。したがいまして、税関当局に対して、そういう確認が得られたので二十条ノ二を発動して規制を行ってほしいという連絡を行うには至っていない状況にございます。
#84
○福山哲郎君 しかし、片っ方では中国では輸出も販売も禁止をしている、そしてこちらも輸入を禁止している状況の中で、規制を財務省に言えばそこはある一定の歯どめはかかるのを、そのまま中国からの連絡が来ないからといって歯どめをかけないという状況でいいのかどうか。これは、局長、いかがですか。
#85
○政府参考人(西尾哲茂君) 繰り返しになって恐縮でございますが、二十条ノ二の規定は、輸入の制限に関しまして相手国がそういう証明書を発給するという制度になっていない場合にはそれは要しないということが法文上明記されております。したがいまして、中国がそういう証明書を発給する仕組みになっているかどうかということの確認が何よりも先決であると思っております。
 その点につきましては何度も問い合わせをしておりまして、具体的にはこの三月にも野生生物担当課長同士でその点の明確な扱い方について御回答をいただきたいということをお願いしております。したがいまして、できるだけ早く回答を得て、それに基づいて的確な対応をすべきものというふうに考えております。
#86
○福山哲郎君 証明書を発行する仕組みになっているかどうかすら中国から回答がないんですか。
#87
○政府参考人(西尾哲茂君) 中国側の説明によりますと、例えば人工繁殖個体については、先ほど申し上げました野鳥の捕獲等を全面的に原則として禁止する通知の範囲の外側であるというような御説明がございます。その外側であるということは、そういう人工繁殖個体についてはその外側であるというのは輸出ができるということではないか。輸出ができるというときには証明書をつけていただけるのか、しかし先ほどの通知の外側であるのでそういうものについては証明書をつけるという手続がなくて、単に先ほど申し上げました原則禁止という通知の外側にあるだけなのか。そういったところが確認できませんと、現実に適法に輸出された個体につきまして証明書が添付されるかどうかわからないという状態でございます。その扱いにつきまして確認をしているところでございます。
#88
○福山哲郎君 済みません、私が余りあれなので、ちょっともう一回整理して説明していただけますか。
#89
○政府参考人(西尾哲茂君) 失礼いたしました。少し説明が足りないところを補完いたしますと、輸出国が捕獲を禁止しているものを輸入することはよいのかどうかということが一つございます。これは、国際的にそういう鳥類を守っていこうということでございますれば、そういう国際的な枠組みの中でやらなきゃいけない事柄でございます。
 そういうものにつきましては、例えばワシントン条約がございます。これは、特定のものにつきましては両方できちんと輸出入をチェックする。それから、例えばある国が自国の保護の目的のために禁止措置などをとったものにつきまして輸入国でチェックをしてほしいというような場合は、ワシントン条約におきましてもV類といったようなものに登録いたしますればそういう措置がとられます。
 ただ、しかしながら、日本に輸入されておりますもののうちの非常に多くを占めるであろうと思いますメジロなどの小鳥類につきましては、恐らくそういう措置はとられておりません。したがいまして、私どもの方の輸入制限措置というのは、鳥獣保護法に基づきまして、国内の鳥獣の保護に影響のある範囲で輸入の制限を行うというものでございます。
 輸入の制限の仕方につきまして、鳥獣保護法の二十条ノ二ではこういう仕組みを置いておりまして一定のものについては輸入を禁止するわけでございますけれども、ただ、それぞれの国のルールに従いまして輸出が許されたものが入っているかもしれない。そこは区別をしなきゃいけない。区別をするためには、そういう証明書が相手国から発給されているかどうかということに基づくしかないわけでございますので、そういう証明書を相手国が発給するという場合は証明書の有無をもって輸入の制限を行うことにしております。
 しかしながら、この二十条ノ二にはただし書きがございまして、そもそもそういう証明書の発給ということを輸出国が行わない場合には確認のしようがありませんので、そういうものにつきましては現実に通関のときにそういう証明書の添付を要求するということはしないというふうに書かれております。ですから、結局、相手国が証明書の発給をしない仕組みになっている場合におきましては輸入の制限ができないという結果に鳥獣保護法の規定はなっておるわけでございます。
#90
○福山哲郎君 わかったようなわからないような、わからないようなわかったようななんですが、相手国が証明書を発行する仕組みがなければ、今の鳥獣保護法の仕組みでは入ってくるときには規制できないということですね、簡単に言えば。
 財務省、それは環境省が規制をつくれば、相手国の証明書いかんは抜きで、環境省が鳥獣保護法の中で証明書のないものは入れるなということを言えば、それは法的には税関としてはとめられるんですか。
#91
○政府参考人(花角和男君) 鳥獣保護法上、同法施行規則に規定された野鳥の輸入に際しましては、輸出国において適法に捕獲、採取された旨、または輸出を許可した旨を証明する政府機関の存在、これが確認されている場合には、同機関が発行した証明書を添付しなければ野鳥を輸入することができないとされているわけです。
 これを受けまして、税関においては関税法七十条の規定に基づきまして、輸出国において当該証明書の発給機関の存在が確認されている国を輸出国とする野鳥の輸入通関に際しましては、当該証明書を確認することにより輸入許可を認めているところでございます。
#92
○福山哲郎君 僕、あほなもので、ちゃんとこれ議事録を精査して、もう一回法的にちゃんと根拠を見なきゃいけないと思いますが、大臣、今のお話を伺っていかがですか。十万羽輸入されているんです。現実には禁止されているんです、中国は。
 中国の国内の問題だということはよくわかりますが、そこを税関と環境省の間でお互い、環境省がこうだから我々はケアできないと言っていて、環境省は中国から証明書が出るかどうか問い合わせているけれども、返事が来ないからどうしようもなくてそのまま通しているんだと。全然、状況変わっていない。ただ、我々としてはこれは輸入も禁止しているし、中国側も輸出を禁止しているんです。で、十万羽入ってきている。ちょっと大臣、何か御議論いただければ。
#93
○政府参考人(西尾哲茂君) 少し説明を補足させていただきたいと思いますが、野鳥の保護の見地から、今のような書類の有無あるいはその制度の有無を問わず、例えばある種類のものは輸入を禁止したらどうかという立論が成立するかというふうに考えますと問題点がはっきりするかと思います。
 ただ、これはそういうことも一つの考え方ではございますけれども、例えば国際的に保護をしようというワシントン条約のような枠組みの中におきましても、こういう輸出入を規制、禁止していく場合は、それぞれの国によりまして適法に捕獲するあるいは繁殖する等々、いろいろな事例がございますので、やはり何らかの証明書類あるいは許可証類というものをその制度の中にビルトインして規制をしているのが実情でございます。
 それとの均衡上も、当面我が国の鳥獣、国内の鳥獣を守るという見地から定められております鳥獣保護法の二十条ノ二の規定におきましては、やはり適法、現実に通関におきまして確認ができる関係書類、関係証明書ということを前提として制度を仕組むのが相当という考えで仕組まれているものだというふうに考えております。
#94
○福山哲郎君 大臣、どうですか。
#95
○大臣政務官(西野あきら君) 今の福山先生の御指摘のお話を聞いておりまして、私はこの内容について、環境省の中で協議をしたことでも何でもないんですが、所感を私なりに申し上げて、ぜひ研究しなきゃならぬなというふうに思っております。
 というのは、相手国の証明書があればそれを通関、自国で、我が国で水際でといいますか、入り口で確認する、それがなければ受け入れに対しては何のチェックもできない、こういうことでありますれば、問題は我が国として野鳥類が鳥獣保護行政に非常に影響があるということであれば、当然これ環境省としても考えていく必要があるのかなというふうに私は今その議論のお話を聞いて痛感をいたしました。
 したがって、こういうケースの場合、大臣も副大臣も環境省の幹部も聞いておられますので、こういう実態を踏まえて、案件等々について省内でぜひ検討をひとつしていくべきだ、このように思っております。
#96
○福山哲郎君 大変前向きな御答弁ありがとうございます。
 実は、もう一個だけ嫌なことを言いますと、一九七二年の五月十二日、一九七二年というと、もう二十九年ぐらい前ですか、二十九年ぐらい前の衆議院の外務委員会で環境庁とのやりとりについて、「先ほど申しました適法捕獲証明書を必要とするような鳥につきましては、関税の御協力をいただいてそのようなチェックをやっておるわけでございますが、それ以外の鳥につきましては野放しというのが現状であったわけでございます。」、「現在法律としてではございませんが、自主的に盛り上がった保護という機運から生まれたことでございますので、それはけっこうなことではないか」と思いますと、政府委員が説明しているんです。
 「その点は今後何らかの形で業者にまかせないで、」、先ほど出てきたのが業者です。「環境庁なら環境庁でチェックをするというお考えはないのですか。」という一九七二年の国会でのあれに政府委員が、「先生の御指摘のような面もございますので、今後どのような形がとり得るのか、いろいろと検討してまいりたいと考えております。」と、二十九年前の国会の委員会で環境庁が説明しているんです。二十九年前です。同じような答弁があるんです。今局長がお答えになったのも、恐らく中身は何ら変わっていない。
 税関の中でいうと、税関でチェックする鳥の中には野鳥という項目はありません。これ基本的には多分商業ベースで食肉のもの中心だと思いますが、鶏、七面鳥その他のものです、家禽類。鶏、七面鳥その他のもの、野鳥をチェックするのが税関の仕組みではない。先ほど言った輸出国からの証明書がなければそのまま通る。相手国も輸出も販売も禁止をしている。我が国も輸入を禁止している。ところが、現実問題としてはこの水際のところで全部筒抜けだ。一九七二年、二十九年前から議論になっているのに実は前へ進んでいない。
 今、政務官から大変前向きな御答弁をいただきました。しかし、検討するだけじゃ物はどんどん入ってくる、野鳥もどんどん入ってくる。じゃ、中国に証明書を出すように我が国から求めるようなことはできないんでしょうか。中国も禁止をしている、我々も禁止をしているんだから、中国に証明書を出してくださいというようなことはできないのか。
 ましてや、回答待ちではなくて何らかの形の接触とか、それは汗をかこうと思えば幾らでもできるはずです。だって、中国が禁止したのが一九九九年十二月一日というから、もう二年たっているわけですよ。これはやっぱり不作為の責任があると言われてもしようがないでしょう、七二年からこういう答弁があるんだから。大臣いかがですか。
#97
○国務大臣(川口順子君) 話を聞いていまして、私、ちょっとこの点については具体的に自分自身の勉強はしておりませんけれども、今のやりとりを聞いていまして、恐らく七〇年代と今と事情が変わったという一番大きな点は中国側が輸出の禁止をしたということであろうかと思います。
 それで、おっしゃるように一番多分この問題、何らかのエビデンスがないと通関のところでとめるということが非常に難しい。適法に輸入されているもの、あるいは適法に捕獲をされたものの輸入もとめなければいけなくなってしまうということになりまして、健全な商流に影響を与えるということになりますので、そういう意味では中国がエビデンスを出してくれるということが非常に重要だというふうに私も思います。細かいことは聞いていませんけれども、中国にそういうことをやる意図があるかどうか、やるように働きかけるということは重要なことだと思っております。
 それから、もしそれが不可能であった場合にどういう方法があるかというのは考えてみなければいけませんけれども、まず中国が実質的に輸出禁止をしたことがどれぐらい平成十二年の数字になってあらわれているかということのチェックも必要だろうと思いますし、それが余りないようであれば問題はかなり小さくなっていると思いますし、その辺の検討をまずやることが大事かなと思っております。
#98
○福山哲郎君 現実には輸入証明書がついている野鳥が販売をされたりしているんですが、この輸入証明書というのは、発行はだれがして、どのような要件があれば輸入証明書は発行されるんですか。
#99
○政府参考人(西尾哲茂君) 民間の業界団体であります日本鳥獣商組合連合会が、業者からの申請に基づきまして、輸入をした鳥獣であるという証明書を出しておるというふうに承知しております。
#100
○福山哲郎君 その輸入証明書を出す要件は何ですか。民間が輸入証明書を出せるわけですから、輸入証明書を出すには何かの要件があって、これは適法に輸入をされたということがなければ輸入証明書を民間が出すことはできないと常識的には考えられるんですが、いかがですか。
#101
○政府参考人(西尾哲茂君) 民間団体での行為でございますので詳細は把握しておりませんが、業者が輸入に関する、輸入をしたときの各種証書書類を示して、事務局から輸入証明書と冠された書類を受け取っておるというふうに承知をいたしております。
#102
○福山哲郎君 詳細は把握しておりませんがとおっしゃいました、民間のやっていることで。さっき、実は中国から証明がついていないおかげで向こうでも違法に輸出をされて、こっちもひょっとすると輸入ができないものが入ってきていて、それが輸入証明書は民間で環境省が詳細チェックをしないでつくというのはどういうことなんでしょうか。
#103
○政府参考人(西尾哲茂君) 輸入証明書という言葉が国際当局の証明書のような言葉に似ておりますので混同があるかと思いますが、民間の鳥獣商の組合が発給しております輸入証明書の意味は、これは野生のものを捕獲したものではなくて輸入をしてきた鳥類でありますということを示す趣旨のものであるというふうに考えております。
 したがいまして、その業界団体におきまして、輸入をした鳥獣であるということを輸入関係書類等におきまして確認をして、輸入をした鳥獣であるという証明を出しておるものだというふうに理解をしておるところでございます。
#104
○福山哲郎君 ということは、適法であろうが違法であろうがとにかく今言ったようにそういうエアポケットのような状況で入ってきたものでも輸入証明を、単に輸入をしてきたから野生ではないということで輸入証明がつくということなんですか。
#105
○政府参考人(西尾哲茂君) これは業界団体の自主的な証明行為でございますので、御指摘のようなことであると思っております。
 したがいまして、その証明書の有無によって国内で例えば野生の鳥獣を捕獲したものかどうかの取り締まりをするということであってはならないわけでございますので、環境省としては、その輸入証明書に全幅の信頼を置いて、あるいはその証明書で個体識別をして野生鳥獣を捕獲したものではないというふうに理解をすることはできないわけでございますので、基本的にはそういうことが見逃されてしまわないように、同じメジロならメジロ、ウグイスならウグイスにつきましても日本産とそれから外国産の識別方法をさらに研究するということで、そういう識別マニュアルも出しておりますので、業界団体の証明書によるということだけではなくて、現実の鳥獣を見て識別をできるというふうにこれから取り締まり等々の場で行い得る、そういう体制を整えているところでございます。
#106
○福山哲郎君 どうもよくわからないんですが、その輸入証明書が本当に野生かどうか、実態を把握しているかどうか信用できるとは限らないというふうに今言われましたよね。民間が証明書を発行することを認めていること自体が問題なんじゃないですか。
 さっき数はどうだと聞いたときも、冒頭、実態かどうか定かではないですがこの数字ですと。今、輸入証明書も、いや、これが野生かどうか、野生じゃないのかどうかについては信頼性はどうかよくわかりませんが輸入証明書を発行していますと。それで、信頼性がないのに輸入証明書発行を許可していることも問題だし、実態も把握していないのに数に対して輸入を禁止しているということも問題だし、そんなずさんないいかげんなことでこの野鳥に対する行政責任が果たせるんですか。
 大臣、いかがですか、今の答弁を聞かれて。いや、西野政務官でも結構でございますが。
#107
○政府参考人(西尾哲茂君) 業界の自主的にやっておりますことにつきましてでございますけれども、この業界団体はいわばペットの団体でございます。ペットの行政と申しますのは従来は野生鳥獣の行政とは別になっておりまして、環境庁時代は環境庁時代の権限の中に入っていなかったわけでございますので、そういう点で野生鳥獣保護法で行っておりますことと、それからこの業界団体がペットの扱いの適正というような見地から行っておられることとの間が切れてしまっていたんだと思っております。
 その点につきましては、今後、今のマニュアルをつくっていくこと、そのほか業界が実施しておりますことにつきましてさらに適切に指導していく、その他のことにつきましては検討の余地があるというふうに思っております。
#108
○福山哲郎君 そうしたら、今はペットに関しては所管は環境省に移っているんですか。移っているんですね。
#109
○政府参考人(西尾哲茂君) 省庁再編によりまして動物愛護管理の行政も環境省が所管することになりました。ただし、私どももこの行政、初めて取り組ませていただくところでございますので、そういう両方の視野からこれから考えていかなきゃいけないことはあるというふうに考えております。
#110
○福山哲郎君 さっき前向きな御答弁をいただいた西野政務官、いかがですか、今の答弁を聞かれて。やっぱり早急にこれは対策を練ってもらわなきゃいけないと思うんですよ。
#111
○大臣政務官(西野あきら君) 恐らく、今局長が答えましたとおり、いわゆる所管が従来環境省でなかったと。ここらあたりにやや現実に起こっている問題に対する実態把握等が少しおくれているのかなというふうにも思います。したがって、今お示しのあった内容も省内でできるだけ速やかに、実態が現実に起こっておるわけですから、そういうものに対する対応方を明確にすべきだというふうに思いますので、しばしこの問題についてはむしろ時間をいただきたいなと、私はそのように思います。
#112
○福山哲郎君 風間副大臣も御答弁をいただければと思います。
#113
○副大臣(風間昶君) 議論のやりとりをお聞きいたしまして、何をどこから手をつければいいのかということだと思うんです、現実に入ってきていますから。日本の野鳥を守る観点だけでいいのか、大方入って、八割入ってきている中国から、中国の野鳥もこれまたもとに戻した方がいいのか、これは少なくとも行政がどの程度関与したらいいのかということにまでつながってくる問題だと思っています。
 つまり、一個人が飼っていらっしゃる、あるいは飼いたいということについて、行政がどこまである意味では介入していくのかということにもつながっていく話だと思いますので、もうちょっと研究させていただきたいというふうに思います。
#114
○福山哲郎君 大臣、最後に決めの一言をいただきたいと思います。
#115
○国務大臣(川口順子君) 今、風間副大臣が述べましたように、非常に複雑な問題、確かに問題は問題だと思います。これをどうやって解決するかというと、非常に難しい問題だというふうに思います。
 したがいまして、どういうところから手をつけたらいいかということも検討をこれからするべきだと思っておりますけれども、基本的には中国からの輸入問題、中国の野鳥を違法に輸入しているのか、違法に捕獲をした中国の野鳥を中国側が違法に輸出をして、こちらが違法に輸入をしていると。違法に輸入しているというか、輸入をせざるを得ない状況で輸入をしているという問題と、それから国内で日本の野鳥との混交問題という、二つの側面があると思います。
 それで、例えば日本で鳥を売っているペットショップを規制できるかということになりますと、恐らく実態的にはこれはどこの鳥だかわからないということになりまして、個体識別あるいは種の識別ができない限りは非常に難しい。ですから、やる必要はあるであろうということですけれども、具体的に今実際にそれをビジネスにしている人たちの権利を侵さないで、今持っている法的なツール、あるいはマンパワーのツールでどこまでできる問題かという短期的な問題と、それから、より中長期的に枠組みを変えてどういうことが可能かということと、二つに分けて議論をしてみる必要があるかなというふうに感じております。
#116
○福山哲郎君 とにかく中国側に対する接触なり交渉なりは早急に始めていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 北海道では、鉛を使用したライフル弾で殺害されたエゾシカをオオワシが食べて、鉛中毒で死ぬケースがふえています。環境省は、こういった鉛中毒でオオワシ等が死亡しているようなケースというのはどのぐらい年間件数として把握していますでしょうか。
#117
○政府参考人(西尾哲茂君) 北海道の調査によりまして、オオワシ、オジロワシにつきましてでございますが、平成九年度から十二年度の四年度間におきまして六十九羽の鉛中毒の死亡が確認されたと聞いております。このうち、平成十二年度では死亡収容数十四羽のうち十一羽が鉛中毒だったということは確認されております。
#118
○福山哲郎君 昨年の秋から北海道では鉛ライフル弾によるエゾシカ猟が禁止されているというふうに承っておりますが、それは事実ですね。
#119
○政府参考人(西尾哲茂君) 北海道におきまして鉛ライフル弾による猟を禁止しております。
#120
○福山哲郎君 その後のオオワシの鉛中毒による死亡例というのは減っているんでしょうか、それとも変わらないんでしょうか、どちらでしょうか。
#121
○政府参考人(西尾哲茂君) 現在把握しておりますのは、十二年度の死亡数十四羽のうちの十一羽が鉛中毒であった、こういうことでございますが、そのワシがそういう中毒に至る経緯等々につきましては不明な点もございますので、この規制を行った後、それは効果をあらわすのかどうかということにつきましてはもう少し年をいただいて、そういう鉛中毒の発生事例の調査を重ねて把握する必要があるというふうに思っております。
#122
○福山哲郎君 現実問題として、鉛ライフル弾によるエゾシカ猟が禁止をされているのに違反をされてやられているというケースはあったのか、もしくはそういった状態を把握しているのか、それはいかがですか。
#123
○政府参考人(西尾哲茂君) この措置につきましては十二年度の猟期から行いましたものでございますので、現在、その施行状況、それから違反の状況等につきまして把握すべく取りまとめを行っているところでございます。
#124
○福山哲郎君 その鉛ライフル弾によるエゾシカ猟の禁止ですか、使用禁止に対するハンターへの指導は具体的にどのようにやられていますでしょうか。
#125
○政府参考人(西尾哲茂君) 北海道におきましては、道の出先職員のパトロールはもちろんでございますが、それから鳥獣保護員というようなことで委嘱している方々がいらっしゃいまして、三百人ぐらいお願いしております。そういう方々にパトロールの際にハンターにチェックをしていただく。それも、弾頭のサンプルのようなものを、弾丸を比較すればすぐにわかるサンプルのようなものを持って現場でハンターの銃弾をチェックするということをやっております。
 それから、もちろん猟友会に働きかけまして、猟友会では猟期前にそれぞれのところで研修をやっていただくということをやっているところでございます。
#126
○福山哲郎君 先ほど環境省が、どの程度の違反があるかとか、現実に鉛中毒による死亡例があるのかどうか調査をしているというふうにお答えをいただきましたが、現実にそれは環境省の調査として予算をとってきっちりやられているんでしょうか。それとも、都道府県、北海道なら北海道に委託をしているという表現がいいのかどうかわかりませんが、北海道にやっていただいているのでしょうか。それはいかがですか。
#127
○政府参考人(西尾哲茂君) その禁止措置の主体が北海道でございますので、北海道庁において適切に把握していただき、報告を上げていただくという仕組みにしております。
#128
○福山哲郎君 今年度、オオワシ等の鉛中毒死調査の予算が北海道の予算にはないんですね。今、北海道にお願いしているとおっしゃいましたが、北海道の予算には入ってないんです。だれがそれじゃ調査をやっているんでしょうか。
#129
○政府参考人(西尾哲茂君) オオワシの鉛中毒に対する規制でございますけれども、これはかねてから問題がございまして、北海道でも必要な調査を行いまして、その結果を踏まえまして十二年度の猟期からまず鉛ライフル弾の使用禁止をやりました。また、十三年度からは鉛弾の使用を全面的に北海道で禁止しよう、こういうことでございます。
 そういうことで、分析でありますとかそうした調査の段階というのは済みまして、実際に規制に移したわけでございますので、平成十三年度におきましては通常の狩猟取り締まり、行政の中で鉛弾規制の実態、実施状況を把握するということで北海道が取り組んでおるところでございます。
 ただ、その過程で、北海道におきましてなかなか解決できないとか、何か新しい問題が出てくるということでございますれば、北海道と協力して、環境省といたしましても必要な対応をしなきゃいけないというふうに考えております。
#130
○福山哲郎君 今の話もよくわかるようでわからないようで、何か調査をしているとさっきおっしゃられた。調査をしているなら、どこがやっているんだと言ったら、北海道に頼んでいると。北海道は予算をとっていないと言ったら、それはもう規制が出たのでほかの一般的なものと一緒にやっていると。それで本当にこの鉛中毒に関する調査結果、それから先ほど私が言いましたようにどの程度違反があるかとか、鉛ライフル弾のエゾシカ猟が禁止されてから本当に減っているかとかふえているかとか、北海道以外でも現実問題としてこういった実例があるかとかいうことは、一般的な今言われたような調査で本当に出てくるんですか。
 これは問題ですよ。だって、調査していると言いながら、現実に北海道は調査予算とっていなくて、それは調査できないでしょう、普通に考えれば。局長、いかがですか。
#131
○政府参考人(西尾哲茂君) 御説明申し上げます。
 北海道の予算のことでございますけれども、調査という内容には多分二種類のものがありまして、フィールドに出て傷病個体があったらそれを確保してきて分析をしたり、あるいはそれは外に出して、そういうために予算が要るという行政と、それから通常の行政の経費の中で職員が、北海道の場合ですと支庁ではございますが、そういうところと連絡をとって実際の実施状況を把握するといったような二通りがあると思います。恐らくは、その分析をしたりとかそういう部分が非常に予算の要る部分ではないかと思います。
 その点につきましては、北海道におきましては十二年度までは予算をとって調査等を行ってきたわけでございまして、十三年につきましては先般の規制の実施状況を把握するということでございますので通常行政の中でやる、こういうことでございます。
 それから、今、北海道以外の御指摘もございました。その点につきましては、やはり全体的に実際傷病鳥獣などにおきまして中毒があるんじゃないかというような指摘につきましては注意をしていますが、それだけではなくて、現実に傷病鳥獣で死亡した個体などを譲り受けて、実際鉛中毒にかかっているかどうか、鉛の濃度はどうかという測定もいたさなきゃならないわけでございまして、それにつきましては実は十一年度、十二年度、私どもでも調査をやっております。その結果につきましては今急ぎ取りまとめておるところでございますので、それが取りまとまった段階でその結果に基づきまして適切な措置をとりたいというふうに思っております。
#132
○福山哲郎君 今の私どもというのは環境省ということですか。
#133
○政府参考人(西尾哲茂君) 北海道以外の全体につきましての調査につきましては環境省でございます。
#134
○福山哲郎君 それはいつ調査結果が出るんでしょうか。
#135
○政府参考人(西尾哲茂君) 現在取りまとめを急いでおりますので、夏ごろまでには何とかまとめたいというふうに思っております。
#136
○福山哲郎君 北海道は鉛のライフル弾によるエゾシカ猟を禁止したと。それから、全国的にこういった動きというのは広がるようなこととか、環境省はこれについて全国的に広げるような思いはあるのか、その辺はいかがですか。
#137
○政府参考人(西尾哲茂君) 狩猟方法の規制でございますが、これにつきましては、やはり野生鳥獣の保護の現実的な問題との関係で、それぞれの必要な施策を講じる必要があると思っております。そういう面では、鉛のライフル弾、エゾシカ猟といったような現象につきましてはこれはかなり極めて北海道に特異な現象でございまして、エゾシカの狩猟が行われて、それが現場に放置されるといったようなことが大型の猛禽類に非常に大きな影響を与えているケースでございます。
 したがいまして、北海道以外の地域におきましてはそういう形での危険性というのは比較的少ないものだと思っておりますけれども、ただ、この問題は十分関心を持つべき問題でございますので、先ほどのような調査をしていることが一点と、もう一点は、具体的には鳥獣保護事業計画の基準というのを私ども出しておりますけれども、その基準に基づきまして各県で鳥獣保護事業計画をつくっていただくわけでございますけれども、その中にはきちんと、北海道以外の地域でも大型の獣類などを狩猟した後、そのまま現場に放置するようなことはしないということによりまして、鉛中毒等々への懸念をできるだけ払拭するように指導する、そういうことを盛り込んでいただくようにお願いしているところでございます。
#138
○福山哲郎君 鉛中毒による猛禽類への被害といった事例は海外ではあるんでしょうか。
#139
○政府参考人(西尾哲茂君) 米国におきますハクトウワシなどの事例を把握しておるところでございます。
#140
○福山哲郎君 風間副大臣、北海道でいらっしゃいましたよね、ぜひこの件についてもまた積極的に、鉛中毒によるエゾシカ、猛禽類への被害の実態把握調査等を環境省、積極的にやっていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#141
○副大臣(風間昶君) おっしゃるとおりにしたいと思います。
#142
○福山哲郎君 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 実は、私の地元の京都の右京区嵐山でツキノワグマが出て射殺をされたということが起こりました。本当に民家に近いところなので、射殺がよかったかどうかという議論もありますし、催眠で捕獲をするべきだったのではないかという議論もいろいろ京都では出ています。また、京都の伏見区の大岩街道のところではダイオキシン被害というのが今出ておりまして大変問題になっておりまして、そこに京都の西田先生もいらっしゃいますが、その辺のことについてもきょうお伺いをしようと思ったのですが、全然時間が足りなくなりまして、また次の機会に譲りたいというふうに思います。
 これで終わります。どうもありがとうございました。
#143
○委員長(吉川春子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#144
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として本田良一さんが選任されました。
    ─────────────
#145
○委員長(吉川春子君) 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#146
○但馬久美君 公明党の但馬久美でございます。
 まず、川口環境大臣、御再任おめでとうございます。また、風間環境副大臣、御就任大変おめでとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほどの環境副大臣の方からの冒頭のごあいさつの中にも、二十一世紀は環境の世紀と言われております。中でも最大の問題は地球温暖化の問題であることはもう言うまでもありませんし、今後、それと並ぶ大きな課題と考えられているのが水問題であると私は思います。二十一世紀は水をめぐる争いにもなりそうと言われております。今、世界では、近年の人口増加、また経済活動の増加などによって、多くの国々において深刻な水不足や水質汚染などの水問題が発生しており、とりわけ淡水資源の質と供給の保護、アジェンダ21の十八章に書いてありますけれども、この重要性についてはもう国際的な認識が高まっております。
 本日、私はこの水問題の中でも水道水などの国内の身近な問題を中心に質問したいと思っておりますけれども、その前に国際課題としての水問題への環境省の取り組みについてまずお伺いしたいと思っております。
 一つ、まず川口環境大臣にお伺いしたいと思いますけれども、現在、世界水フォーラムにおいて、三年に一度、世界の重要な水問題が討議されておりますけれども、その第三回会議が二〇〇三年の三月に日本で開催されます。その意義と会議に向けて環境省はどういう取り組みをされておられるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#147
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃいましたように、水問題が二十一世紀の主要な環境課題であるという、全くそういうことだと思います。すべての国際的にかかわりのある環境問題が国際的な政治問題であるということでありますけれども、この水問題も、水をめぐる国際紛争等にもつながりかねない、あるいは現につながっている問題でして、国際的な政治問題と表裏一体の関係にある問題だというふうに私は思っております。
 それで、第三回の世界水フォーラムですけれども、二〇〇三年の三月に、京都を中心としまして琵琶湖、淀川流域で行われることになっておりまして、世界各国からNGOあるいは関係の機関など水に関係する方々がお集まりになる会合でございます。
 私ども、日本におきましては、このフォーラムがここで開催されるということは、水問題についての国民的な関心を高めると同時に、世界の水問題の解決に向けての日本の貢献の一つであるというふうに認識をしておりまして、環境省といたしましては、ほかの省と連携をいたしまして全力で取り組む所存でおります。
#148
○但馬久美君 ありがとうございました。
 二つ目には、去る五月十六日、パリで開催されましたOECDの環境大臣会合におきまして、二十一世紀の最初の十年間についてのOECD環境戦略が採択されました。この中で飲料水の安全確保がうたわれておりますけれども、その内容と評価について、今回会議に出席されました風間環境副大臣の方からお伺いしたいと思います。
#149
○副大臣(風間昶君) 委員御指摘といいましょうか、今紹介していただきましたように、十六日、パリで行われましたOECDの環境大臣会合に出席させていただきまして、二十一世紀の最初の十年間をどういう形で環境戦略を、環境の指針となる戦略を組むかということで、環境戦略が採択されましたのは御承知のとおりでございまして、その中で、天然資源の効率的管理を通じた生態系の保全というチャプターがありまして、もちろんメーンは気候変動問題のことが議論になりましたけれども、同様に淡水問題が取り上げられておりました。
 御承知のように、今、地球上の水は十三億八千六百万立方キロでございますが、そのうちたった二・五%が要するに淡水でございます。あと残り九七・五%は海水でございます。すなわち、十三億八千六百万立方キロメーターの水、富士山をひっくり返しますと大体百万杯分に当たるわけでありますけれども、そのうちのたった三万杯分の水を六十億の人類がどう循環しながら使っていくかということでございますから、極めて重要な問題でございます。
 そういうことで、淡水資源の使用の管理や水質目的の達成のために地表水や地下水を保全するということが示されましたと同時に、OECDの加盟国がとるべき行動の一つとして、すべての人が安全な飲料水、そしてし尿の衛生管理ということについて、それを確保するような行動をしなければならないというふうにうたわれたところでございます。
 環境省としましても、今後このOECD環境戦略に十分配慮いたしまして、淡水を含む公共用水域の水質の保全に努めて取り組んでまいりたい、このように思っておりまして、また、所感でございますけれども、本来ならば川口大臣が出席するところでございましたが、国会の予定で私がかわりに出席させていただきましたが、就任早々、各国の環境担当閣僚とじかに議論をできたということにつきましては大変貴重な経験をさせていただいたということで、その経験をこの日本の環境政策の推進に十分役立てていきたい、このように思っております。
#150
○但馬久美君 大変お疲れさまでございました。また、力強い決意を伺いまして、非常に心強く思っております。
 それでは、細かい分野に入ってまいりたいと思います。
 まず、国民の水道離れと申しましょうか、まずこの水道、国民の生活と生命に直接かかわるものでありますので、万が一水の安全性が損なわれた場合には国民の生命とか健康に深刻な影響を与えるということは言うまでもありません。ひところ前までは我が国も水道水は安全で、そのまま飲める国とされてきました。私も水道水、何年か前までは飲んでいたんですけれども、やっぱり最近はもうペットボトルとかそういう水になってしまった。フランスに行ったときなんかは、もうフランスは水をお金で買うような国であるかなんと笑っていたんですけれども、日本がとうとうそのような状況になってきたということも実感しております。
 朝日新聞がことしの三月に実施しました水道水と水環境に関する全国世論調査を見ますと、国民の水道水離れが明らかであります。水道水をそのまま飲まない人が半分ぐらいになってまいりまして、特に女性や若者、また東京や大阪という都市生活者がほとんど飲まない割合が高くなっております。その理由は、おいしくないというだけではなくて、水質が安全かどうか不安だという、それも理由の一つとなっております。
 こうした国民の水道離れについて川口大臣はどのように見ていらっしゃるか、また川口大臣自身が水道水を飲まれるか、お伺いしたいと思います。
#151
○国務大臣(川口順子君) 国民の水道水離れというふうにおっしゃって、今データを一緒に拝見いたしていましたら、確かにびっくりするような数字が出ていると思います。若い人を中心としてペットボトルを持って歩くことが格好いいとか、どこにいてもおいしい水が飲めるとか、そういったこともあるだろうと思いますけれども、やはり基本的には水道水を飲むことについての安全性についての心配というのが大きくその背後にあるかというふうに思います。
 環境省は水質の保全ということを担当いたしておりますので、その観点から、水質の保全、水道の水源を含む公共用水の水質の保全には努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから、私が何を飲んでいるかということでございますけれども、私は両方飲んでおります。
#152
○但馬久美君 ありがとうございました。
 そこで、今度は厚生省にお伺いいたします。
 この水道の水源二法の施行状況についてでありますけれども、小泉総理は五月七日の所信表明演説の中で、「おいしい水、きれいな空気、安全な食べ物、心休まる住居、美しい自然の姿などは、我々が望む生活です。」と、そういうふうに述べられております。
 本日、私の質問のテーマも、おいしい水をどうやって実現させるかということを質問していきたいと思っているんですけれども、日本の水道の水源の七割が、先ほども副大臣の方からありましたけれども表流水で、河川等の水質の汚濁が直接水道水源の汚染に結びついているのが一般的であります。このため、河川等の水質の汚濁の進行に伴って、安全でおいしい水道水の供給のためには浄水施設の対応だけでは限界があって、そのために、水道水源や水道水源水域までさかのぼって水質の保全を図るということが大きな課題になっております。
 そのため、政府は平成六年に水道水源水質関連の二法案を、つまり厚生労働省所管の方が水道原水法、そして環境省所管の方が水道水源法を制定いたしました。
 そこでお伺いするんですけれども、水道水源の二法の制定の大きな背景になったのがカビや異臭味問題、トリハロメタンの問題でありました。この二法の制定から七年がたったんですけれども、この二つの問題はどう改善されてきたのか。また、このトリハロメタンについては最近では余り話題に上ることも珍しくなっております。問題は解決されたのかどうか。その点、お聞きしたいと思います。厚生省。
#153
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘のように水道原水の保全事業の推進に努めておりますが、それに加えまして、浄水場における高度な浄水処理方法の導入などによりまして、最近では異臭味、においと味ということでございますが、異臭味やあるいはトリハロメタンの問題についても改善が図られているというふうに考えております。
 具体的に申し上げますと、カビのにおい、カビ臭などの被害人口は、平成二年度の二千二百万人から、平成十年度においては八百万人まで減少してきております。また、水道水中の総トリハロメタンにつきましては、平成十年度において水道水質基準を超過した地点はないという報告を受けております。
#154
○但馬久美君 それを受けまして、今度は環境省にお伺いいたします。
 水道水源二法といっても、環境省所管の水道水源法においては、このトリハロメタン除去のために自治体から水質保全対策などの計画申請がなされて、それに対して環境省が地域指定をして対策の推進をしているという方法がとられております。でも、これまで地域指定がない、適用事例がないということですけれども、その事情、また、今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
#155
○政府参考人(石原一郎君) お尋ねのございました水道水源法、長い名前で恐縮でございますが、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法でございます。法律の名前のとおり、水道での浄水処理過程でのトリハロメタンの生成が問題になりまして、それを原水の水質から改善するということで制定された法律でございます。
 委員御指摘のとおり、基本的な仕組みとしましては、都道府県知事から水質の汚濁に関係があるというような地域の申し出を受けて、環境大臣が地域を指定する、その地域について水質の保全に関する計画をつくる。あるいは、その地域に存在する特定の工場あるいは事業場から、トリハロメタンをつくり得る能力ということになるんですが、トリハロメタン生成能の排出を規制することを内容とした法律でございます。
 現在のところ、平成七年に法律ができまして以降、この法律につきます地域指定はございません。それは、水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律に基づく事業の実施、あるいは先ほど御説明にありました浄水場における高度処理の導入等もあって、トリハロメタンそのもの自身がさほど問題でないというような状況になった事情もあろうかと思っております。
 しかしながら、今後、水道原水の水質の保全を図るということは国民の健康にとって重要な課題でございます。今後とも、この水道水源法、あるいは一般法でございますけれども水質汚濁防止法の適正な運用を通じまして、水道の原水の水質の保全に環境省としても努めてまいりたいというふうに考えております。
#156
○但馬久美君 今後しっかりまた続けてやっていただきたいと思います。
 今度はこの水道水源の病原虫対策についてお伺いします。
 近年、病原性原虫クリプトスポリジウム、これが水道水にとって大きな脅威になっております。平成八年の六月に埼玉県の越生町において、日本初めての水道水を介したクリプトスポリジウムの集団感染が発生いたしました。約八千八百人が発症した事例があります。この感染事故によって国民の水道水に対する信頼感が極度に低下して、逆に不安感を高めたとも言われております。
 そこで、厚生労働省にお伺いいたしますけれども、この水道水事故以降、このクリプトスポリジウム対策にはどのように取り組んでいらっしゃるのか、また、水道水源等での病原虫の発生や存在は現在どうなっているのか、それをお伺いいたします。
#157
○政府参考人(篠崎英夫君) 厚生省では、この感染の事例を踏まえまして、クリプトスポリジウムによる感染症の発生を未然に防止するために、平成八年十月でございましたが、水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針を策定いたしまして、水道事業者に周知してきたところでございます。この指針に基づきまして、クリプトスポリジウムを除去するろ過施設の整備などの対応が全国の水道事業者において適切になされてまいりました。
 その結果、平成十一年度においては三十八カ所の水道水源からクリプトスポリジウムが検出されたという報告がございましたが、これによる感染症が発生したという事例は報告されておりません。
#158
○但馬久美君 では、それに関しまして、今度は同じ問題を環境省にお伺いします。
 このクリプトスポリジウムについては、浄水施設での適切な処理が今お話あったように根本対策と考えますけれども、クリプトスポリジウムが家畜等に寄生していることから、畜舎排水等が主要な発生源になっているのではないかというふうに言われております。
 そこで、水質保全行政から取り組んでもいるんですけれども、どういうふうにこの点考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#159
○政府参考人(石原一郎君) クリプトスポリジウムにつきましては、汚染のおそれがある場合には暫定対策資金等で浄水場でのろ過等の措置が講じられるということになっております。
 また、クリプトスポリジウムの対策につきましては、お話のありましたように農林水産省も含めた関係省庁にまたがる要素がございます。そういうこともございまして、厚生労働省、環境省等により連絡会を設置しておりまして、取り組み状況に関する情報交換を行っております。
 また、水質保全の面からのクリプトスポリジウムのとらえ方でございます。
 現在、水質の保全に関しましては、環境基準項目としまして、細菌類については大腸菌群でもって評価をしておるところでございます。ただ、クリプトスポリジウムは一個体の摂取でも発症するという病原性の微生物でございます。そういう意味では、従来の環境基準における大腸菌群をもってとらえるような形での評価とはかなり違う面がございます。
 そういう意味で、どのように取り扱うかについては、今後検討したいと思っております。
 ただ、その検討に際しましても、まず現在の水環境中でクリプトスポリジウムがどういうふうな存在状況になっておるかということを把握することが必要でございます。
 十二年度、昨年度でございますけれども、病原性の微生物の存在状況を調査したところでありまして、現在調査結果を取りまとめ中でございます。この調査結果を踏まえまして、水環境中でのクリプトスポリジウムを初めとします病原性微生物の取り扱いについて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#160
○但馬久美君 これは平成八年にこうやって出ておりますので、水というのは循環しておりますので、各省庁またがってしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、今度は鉛の水道管の対策についてお伺いしたいと思います。これは厚生労働省の方にお伺いしたいと思います。
 水道水質基準が平成四年十二月に大幅に強化されました、改正されて。その際、鉛の基準については、従来の一リットル中に〇・一ミリグラムから〇・〇五ミリグラム、とりあえず厳しくしましたけれども、十年後をめどに米国やWHO並みの〇・〇一ミリグラムとすることとされておりますけれども、もうその期間が迫ってきております。
 そこでお伺いしますけれども、鉛の新基準は予定どおり平成十五年に施行されるのか。
 二つ目には、この新基準に対応するためには鉛が使用されている水道管の取りかえが必要とされるんですけれども、どのように取り組んでいかれるのか。現状と今後の見通し、これをお伺いいたします。
 三点目に、家庭、とりわけ各家庭の配水管の取りかえを進めていくのは非常に困難なことだと思いますけれども、これに対する対応はどのようなことを考えていらっしゃるのか、この三点をお伺いいたします。
#161
○政府参考人(篠崎英夫君) 最初の御指摘の御質問につきましては、私ども平成十五年に改定することを予定しておりまして、そうなりますと、現行の一リッター〇・〇五ミリグラムから一リッター〇・〇一ミリグラム、そのような予定をいたしております。
 二番目のことにつきましては、鉛管の取りかえ、それから鉛の溶出を抑制するためのpHコントロールなどを行うよう水道事業者を指導してきております。さらに、昨年には、今申し上げました新しい基準が速やかに達成されますように、鉛管の敷設がえを進めるための技術指針を作成したところでございます。
 それから三番目の御質問でございますが、今回国会に提出をさせていただいております水道法改正案におきましても情報提供に関する規定を置いておるところでございますが、各家庭における自主的な給水管の取りかえを促進するため、鉛の水道管に関する情報を含め、必要な情報が利用者に提供されるように努めてまいりたいと考えております。
#162
○但馬久美君 大変な問題でありますので、ぜひ各家庭、個別ですけれども、きちっと情報を提供していただきたいと思います。
 時間も残り少なくなりましたので、水源地域での産廃施設の立地規制についてお伺いいたします。
 近年、水道水源保護条例などで制定する市町村が増加しております。県の施設、設置許可を受けた産廃業者と行政との紛争が増加した時期がありました。その紛争がいまだに続いているようなんですけれども、その中で、廃棄物処理法の平成九年改正、またさらに十二年度にも改正しております。現在の産廃施設の設置申請が極端に減ってきているようです。これは水質管理の面からも喜ばしいことなんですけれども、この周辺のごみ処理が逆にできないような状況が出ている等、またほかに問題が起きてきております。
 こうした中で、公的最終処分場が建設されるということなのですけれども、水道水源の上流に最終処理場が設置される場合の規制はどうなっているのか、またその最終処理場の維持管理に関する情報はどのように入手できるのか、お伺いしたいと思います。環境省から。
#163
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物の最終処分場の立地の問題でございますけれども、我が国の場合には地形との関係から処分場が水源地の上流に立地するということは往々にして見られる、かなり多い状況があると思います。
 しかしながら、水道水源を保全する観点も含めまして、平成九年の廃棄物処理法の改正によりまして、翌十年の六月からこれは有効になったわけでございますけれども、処分場の設置に当たりましては、水道の取水地点への影響を含めて生活環境影響調査を実施すること、それから生活環境上の支障が生じないよう必要な措置を講じることという規定が設けられたわけでございまして、水道水源の利用としての支障が生じるような場合には設置の許可がされないというふうな仕組みになってございます。
 また、維持管理面につきましては、許可申請時に設置者みずからが定める維持管理計画に従って適切に管理を行うという義務づけをしたわけでございまして、またその維持管理の状況に関して記録を行い、閲覧に供しなければならないという規定も設けてございます。
 地域住民等の関係者がそうした維持管理の情報を入手できるような手だてもしておりますので、こうした立地に当たっての手続、それから維持管理上の手続によりまして、水道水源の保全等も含め生活環境保全上の支障がないようにしてまいりたいと思っております。
#164
○但馬久美君 結構です。ありがとうございました。
#165
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 川口環境大臣、御就任、再任おめでとうございます。また、風間副大臣、御就任おめでとうございます。
 まず、私は最初に大臣にお伺いしたいわけでございますが、炭素汚染ということで、要するに炭素循環の関係がございます。いわゆる炭素循環のメカニズムにつきましては、かなり知見が積み重ねられてわかるような段階になってきていると思います。
 そういった中で、メタンハイドレートという、極めてこれも開発という意味ではなかなか私は慎重にやっていかなくてはいけないと。そういった意味では、海洋生成物に関する開発制限条約、そういったものも必要でないかなと思っているわけであります。
 こういった炭素循環とはまた別に、窒素循環、こういった面に関する窒素汚染、こういった問題についても極めて私は深刻になってきているんではないかなと、そう思います。
 そういった関係から、例えば一酸化窒素の関係では、オゾン層を破壊するということも言われておりますし、あるいはCO2の二百倍の強力な温暖化ガスでもあるというふうにも言われているわけでありますので、この窒素汚染に関連して、あるいは炭素収支があると同じように、やはりこういった窒素収支、そういった窒素換算、そういったこともやはり制度的に考えていくべき段階に来ているんではないかなと、このように思いますけれども、この辺についての取り組みをどういうふうに環境省としては考えていらっしゃるか、その辺について御答弁をお願いしたいと思います。
#166
○国務大臣(川口順子君) さまざまな人間社会の経済活動あるいは生産活動の中で窒素やその化合物が幅広く利用されているということでございまして、その結果として窒素がまたさまざまな形で排出をされているという問題は全くそういうことでございます。
 それで、排出された窒素が、それは二酸化窒素という形であり、あるいは硝酸性窒素というような形でありますけれども、環境に影響を及ぼすものがあるということもおっしゃるとおりだと思います。
 それで、環境への影響をどうするかということですけれども、排出される形態がさまざまでございまして、したがってその排出形態に応じて、例えばNOxについての排出規制ですとか、それから企業が自主的な取り組みでそれに取り組んでいるとか、そういった措置が総合的に現在講じられているわけです。
 環境中での窒素の発生状況やその動向を把握していくということは、対策を実際に行うに当たっては重要となりますので、これまでもこういった点については文献調査を行ってきているわけでございまして、これからもこういった点で知見を深めていきたいというふうに、あるいは深める必要があるというふうに考えております。
#167
○加藤修一君 過去、いわゆる化石燃料の大量消費とかあるいは森林、湿地の破壊、そういったことによって生態系に循環している窒素というのはやはり五十年間に大体二倍ぐらいにふえてきていると、私がいろいろ調べた中ではそういうふうに言われているわけであります。
 一つは、窒素汚染をいかに軽減するかということについては、やはり化石燃料の使用の仕方についてもそれぞれバランスをとった中で考えていかなければいけない部分もありますし、あるいは再生可能エネルギー、こういったものをどういう形で、角度をつけた形で、より一層政府が考えている以上に角度をつけていかなければいけないという部分が一つあると思います。
 あるいは、農業の関係についてでありますけれども、有機生産方式、こういったものもやはり導入していく必要があるのではないか。いわゆる地域の中にいかに窒素汚染が進まない形で循環させていくかということが極めて重要でありますので、こういった面についてどういうふうにお考えなされているか。
 最後に、森林が極めて今荒れているというふうに言われております。間伐あるいは除伐、そういったことがなかなかなされていないと。そういったことから森林が荒れていることが指摘されているわけであります。
 こういった三点を含めて、これは他省庁との連携を深めてやっていかなければいけない部分も当然あると思いますけれども、この辺について環境省としてはどのようなお考えをしていらっしゃるか。その辺について御見解を示していただきたいと思います。
#168
○政府参考人(松本省藏君) 先ほど大臣から御答弁いたしましたように、現在のところは、それぞれ多様な窒素酸化物の排出の形態に応じて多様な手法、対策で取り組んでいるということでございます。
 それで、委員の御指摘の、トータルとして窒素換算、全体の窒素ないしその化合物の動きというものをトータルとしてとらえていくというような考え方、これは大変重要なことだろうと考えますが、これはこれからの課題ということで、こうした点について文献調査等も現在行ってきておりまして、今後そういうような観点での知見の蓄積に努めてまいりたいというのが現在のところでございます。
#169
○加藤修一君 私の質問の趣旨は、それは最初の質問の中身に対応する答弁であると思いますが、いわゆる窒素汚染をいかに軽減するかということについて私は三点私なりの考え方を示したわけで、それに対して、これは他省庁とも関連いたしますので、連携を深めてこういった面についても、これは軽減という方向の中の話でありまして、換算という話というよりは一つの政策的な展開の柱の一本であるというふうな考え方を示したわけでありまして、それについてどういうふうにお考えかという質問の趣旨でございました。
#170
○副大臣(風間昶君) おっしゃるとおり大変重要な問題でございますから、そういう意味では、環境省独自でやれる部分と、そうではなくて、森林あるいはさまざまな社会経済活動の中で起こってくる窒素ガス、排気ガスに含まれる窒素、それから食をはぐくんでいくための農林水産活動の中で有機肥料に含まれているあるいは土壌劣化に伴う窒素、こういった問題は当然環境省としても認識しているわけですから、そういう意味で、例えば関連するすべての産業を担う経済産業省あるいは農水省と連絡会議等を設けて、この部分についてグローバルに見ていかなきゃならない、そういうことをしていくというふうに今考えておるところでございます。
#171
○加藤修一君 グローバルに見ていく考え方も極めて重要であります。国内的にもどういうふうに対応していくかということも極めてそういった面では重要でありますし、他省庁とどういう形で連携するかということについての検討会をつくってやっていくということも一つの考え方であると思いますので、ぜひこの面について積極的な対応を進めていただきたい、このように主張しておきたいと思います。
 それでは二点目に、いわゆる最近採決された条約の関係でございますが、POPsの関係で、いわゆる残留性の有機汚染物質条約の関係でございます。
 いわゆるダーティーダズンの関係、ダイオキシンあるいはPCB、DDTのもろもろの関係、十二種類の点につきましてでありますが、いわゆる採択に至った経緯等、簡単でよろしいのですけれども。それから、今後どういうふうに、我が国政府は発効していかせるためにはスケジュール的にどういった形で考えていらっしゃるか、それが一点目です。
 それから、今回の条約の内容について、いかなるものになっているか、その辺も要約的に御紹介をしていただきたいと思いますけれども、その辺についてよろしくお願いします。
#172
○政府参考人(岩尾總一郎君) 残留性有機汚染物質の条約に関する経緯でございます。
 一九九二年の六月に国際環境開発会議においてこの問題の重要性が認識され、その後、九五年の十月から十一月にかけましてPOPs物質、今先生おっしゃいましたダーティーダズンの特定をいたしました。九七年の二月にUNEPの理事会で条約化を決定いたしまして、九八年六月より政府間の交渉会議がなされたところでございます。
 このたび、二〇〇〇年の十二月に第五回の政府間交渉会議がヨハネスブルクで行われ、条約案について合意され、ついおとといでございますが、ストックホルムにおいてこの条約の採択がなされたところでございます。国際的にはこの条約は二〇〇四年までの発効が目標とされておりますので、我が国といたしましても国内の対応措置を早急に検討し、早期の締結を目指す所存でございます。
 具体的には、条約対象となります十二物質に関する製造、輸入、規制、排出抑制、それから廃化学品、廃農薬等の適正処理の推進につきまして、既存の法的または行政的な仕組みを活用することにより早急に条約の要請を担保できるか否かを検討いたしまして、早期の締結に向けて必要な国内整備を整えたいと考えております。
#173
○加藤修一君 ぜひ積極的にやっていただきたいと思いますが、ただいま答弁の中で廃農薬の話が出てまいりましたけれども、この農薬の保管とか、使ってはいけない農薬というのが出てきたと思います。
 各法の中ではいわゆるそういった面での保管あるいは埋設処分というのがあったと思いますが、こういった面についての実態調査等についてはどういうふうになっているでしょうか。非常に問題化しているところもございますし、秘匿されているところもございますし、地名については申し上げませんが、そういった状況がございますので、その実態についてどういうふうに把握しておりますか。
#174
○政府参考人(石原一郎君) 廃農薬についてでございます。
 先ほどお話がありましたPOPs条約の対象の十二物質のうちの九物質は農薬用というようなことでございます。うち六物質につきましては使用、販売された実績はありますが、今現在では販売禁止となっております。
 こういう農薬につきましては、登録が失効した当時、農薬の販売なり流通を所管しております農林水産省の指導のもとに埋設あるいは処理が行われた、あるいは使い残したということで農家に残置されたというようなものがあると承知しております。
 この農薬の残存等の実態の把握につきましては、環境への汚染拡大の防止という観点からも重要な課題であると認識しております。しかしながら、これらの農薬につきましては失効から既に三十年が経過しておるというような状況もございます。できる限りその実態を把握するよう努めることとしております。
 そのためには、まずモデル的な地域を選びまして、どういう残存実態になっておるかと。三十年前でございますので、どういう記録があって、農家にどういう形で残されているというようなことも踏まえまして、そういう残存実態をモデル的にまず調査しまして、と同時にまた、専門家から成る検討会を設置しまして、そういう残存実態の把握、それから残存されていた農薬についてはその無害化の処理も必要になるわけでございます。そういう無害化の処理方法の検討もあわせまして、今後、全国的な残存の実態の把握なり、それからその無害化の処理なりの検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#175
○加藤修一君 今、モデル地域の話が出てまいりましたけれども、私が知っている限りの話でありますけれども、ある地域については、周辺の海域を含めて極めて高濃度のある物質が検知されているということを聞いておりまして、適正な処理を速やかに私はやっていただきたい、そのように思っております。また、実態調査についても、今話がありましたように、スピーディーにやっていただきたい、そう思います。
 それと、この条約に絡んで、ダイオキシン、フランも入っているわけでありますけれども、臭素系のダイオキシン、臭素化ダイオキシンと言ってもいいと思いますけれども、この面については入っているかどうかということについて確認。それから、この辺については将来的にどういう対応を考えているのかということなんですけれども、私は、一九九八年の九月二十四日にこういった問題について取り上げてきたわけでありますけれども、当時の環境省は、これの面については積極的に対応していくというような答弁をいただいているわけなんですけれども、約三年過ぎているわけでありまして、その点含めてお願いいたします。
#176
○政府参考人(松本省藏君) 臭素化ダイオキシンの問題でございますけれども、まずこれは条約対象物質にはなっていないということでございます。
 それに対する対応でございますけれども、ダイオキシン類対策特別措置法ございますけれども、その附則で、臭素化ダイオキシンについて、「調査研究を推進し、その結果に基づき、必要な措置を講ずるもの」とされているわけでございます。
 環境省におきましては、この規定を受けまして、人への健康影響、生成メカニズムなどの解明、あるいは発生源の実態に関する調査研究を現在予算をとって進めているところでございます。今後は、これら調査研究の結果を踏まえて、また国際的な動向をも勘案しながら、必要な対策を検討していきたいと考えているところでございます。
#177
○加藤修一君 平成十年九月二十四日の答弁では、臭素系ダイオキシン類については、「関係省庁と連携しまして、引き続き知見の収集に努めますとともに、その測定方法を確立するなど適切に対応してまいりたいと思っております。」というふうに答えておりまして、約三年過ぎておりますので、そろそろある程度の方向性が見えているんでないかなと思っておりますが、それは別の機会にお聞きしたいと思います。
 それでは次に、三番目の質問でございますが、予防原則の関係でございます。
 一九九二年に地球サミットで予防原則ということが一つの形としてつくられたわけでありますが、また環境大臣マイアミ・サミット、一九九七年の五月でありますが、ここには日本を含む主要八カ国環境大臣会合、環境サミットで、要するに混合化学物質に関する安全基準は乳幼児に合わせてつくるようにという宣言を行っているわけなんです。
 それに関連いたしまして、一九九七年であると思いますが、九七年の十二月でございます。オーストリアでは、生後三十六カ月未満の子供向けのおもちゃ、口に入れることを意図されたもの及びそれが予想されるおもちゃについては可塑剤の使用を禁じるとした、いわゆる女性問題及び消費者保護省の省令を決めている。あるいはEUにおきましては、これを踏まえた形で、つまり、踏まえたといいましても少し後ずさりしたというような感じでありますけれども、EU各国にEU全体としては推奨してきていると、そういうふうに言われております。あるいは、イギリスにおきましては、一九九八年の一月でありますが、工業界に対して、環境ホルモンとされる化学物質について工場など発生原因者が自主的に環境への排出を削減し、同時に代替製品の開発を要望したと。
 こういった表現の仕方でありますが、こういった面について、特に環境弱者と言われております乳幼児等、お子さんの関係の範囲の中においては、こういう予防原則的な対応はどういうふうに環境省は認識しているのか、あるいは実際にどういう形で進めているのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#178
○政府参考人(松本省藏君) 環境保全施策を進めるに当たりましては、環境汚染などの影響を受けやすい子供あるいは幼児の健康保護に、十分に保護をしていく、保護することは大変重要であるというのが基本認識でございます。
 このため、特に環境施策の政策目標となります環境基準、これは環境省が設定していくわけでございますが、大気とか水質についての環境基準に関して申しますと、成人だけではなくて、子供や幼児の特性を考慮しながら、疫学調査あるいは毒性試験などによる科学的知見を基礎として、十分な安全を見込んで設定してきているところでございます。
 例えば、大気中の二酸化窒素とか二酸化硫黄などにつきましては、子供を対象とした大気汚染と健康影響との関連についての疫学調査をやっておりまして、その疫学調査結果を考慮して環境基準を設定しておりますし、また、有害化学物質の一つでございますけれども、トリクロロエチレンなどの大気汚染物質の環境基準につきましても、乳幼児等の高感受性者を考慮した不確実ケース、いわゆる安全率のようなものですけれども、十分な安全率を使用いたしまして設定するということをいたしております。
 また、水質の環境基準の関係でも同様に安全性を見込んでおりますし、具体的に申しますと、例えば水質中の鉛については幼児期の摂取による神経系などへの影響が予想されるわけでございまして、こういう影響をも考慮して環境基準を設定しております。また、硝酸性及び亜硝酸性窒素につきましては、幼児のメトヘモグロビン血症というのが危惧されるわけで、その防止という観点からも十分配慮して環境基準の設定を行っております。
 こういうようなことを例にとりましたけれども、環境省といたしましては、今後とも子供の特徴を考慮に入れた健康影響評価、あるいは今後の環境基準の設定に努めてまいりたいと考えておりますし、それに向けての対策に努力をしていく、こういう考え方でございます。
#179
○加藤修一君 この件についてはもう少し議論したいんですけれども、時間の関係ございますので、また別の機会にやりたいと思います。
 それでは、ロンドン条約の関係についてお伺いしたいわけですけれども、海洋投棄の問題でございます。
 これは、九六年の一月に産廃の海洋投棄が原則禁止になったわけでありまして、ただし除外されたものもあるということでございます。ただ、私が聞いている範囲では、海洋投棄の量としては世界一であるのが日本であるというふうに聞いておりまして、こういった問題について今後どういうふうに対処すべきかということも課題として私はあるように思いますので、まず最初に、除外されたものについて日本は一体どのぐらい海洋投棄しているかということについて、数字をお示ししていただきたいと思っていますが、よろしくお願いいたします。
#180
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律によりまして海洋投棄処分が認められております廃棄物のうち、お尋ねの産業廃棄物でございますが、建設汚泥、赤泥、発酵廃液などがございます。これらを平成八年度から見てみますと、平成八年度トータルで三百四十七万トン、平成九年が三百三十三万トン、平成十年が三百二十万トン、平成十一年が二百九十二万トン、平成十二年が三百十四万トンという状況でございます。
 平成十二年につきましてその内訳を見ますと、建設汚泥あるいは赤泥といった無機性の汚泥が二百八十七万トン、それから酸性の発酵廃液などの廃酸が約十四万トン、それから有機性の汚泥が約三万トン、その他が九万トンという状況でございます。
#181
○加藤修一君 相当の量になるわけでありますけれども、新しい議定書におきましてはこの辺についての規制の強化がされると。やはり将来的には日本もこれは積極的に対応しなければいけない事態に至ることが想定される。こういった面について、いわゆるこの新議定書に対する考え方、対応をどのように今環境省は見解をお持ちなのか、その辺についてお願いいたします。
#182
○政府参考人(浜中裕徳君) 申し上げるまでもなく、海洋は人類共通の貴重な財産でございますから、人間活動に原因がある汚染を海洋に極力持ち込まないということが重要でございます。
 これまで、国内的には廃棄物処理法やあるいは海洋汚染防止法などによりまして、廃棄物の海洋投棄による海洋汚染の防止に取り組んできたところでございますが、ただいま御指摘のロンドン条約の九六年議定書につきましては、これが海洋投入処分を検討してもよい品目をあらかじめ定めた上で、個別の廃棄ごとに海洋処分の必要性を審査し許可する仕組みということでございますので、これによりまして、従来の条約に基づく取り組みに比べまして海洋投入処分量の削減が進むのではないか、また投入に当たって一層の環境配慮が行われるのではないか、このような期待があるところでございます。
 しかしながら、こうした議定書につき我が国での実施を考えてまいりますと、個別の廃棄ごとに審査と許認可を行うような法的な仕組みを整備することが必要でございますし、また同時に廃棄物発生量の削減あるいはリサイクルの推進、陸上処分施設の整備などによります海洋投入処分量の削減、廃止に向けた具体的な取り組みが必要になってまいるわけでございます。
 このため、環境省におきましては制度的な側面についての検討調査を現在実施しているところでございます。また、ただいま海上保安庁からのお話もございましたが、関係省庁とも連携しつつ、必要な分野における海洋投入処分量の削減あるいは廃止に向けた対策の推進に努めているところでございまして、こうした取り組みを進めながら、できるだけ早期の締結に向けて準備を進める必要がある、このように考えているところでございます。
#183
○加藤修一君 時間が来ましたのでやめますけれども、海上保安庁、後でその資料をお渡しいただきたいと思います。お願いいたします。
 では終わります。
#184
○岩佐恵美君 私は、最初に沖縄のジュゴンを種の保存法の対象とする問題について伺います。
 三月二十三日の予算委員会での私の質問に対して、当時の谷津農水大臣は、水産動植物を種の保存法の指定対象としないという水産庁と環境庁の覚書の対象から農水省としてはジュゴンを外すこともよいという答弁をされ、川口環境大臣も前向きに相談をしていくと約束をされました。両大臣の答弁には各方面から多くの歓迎の反響が寄せられました。
 そして、四月十九日に世界自然保護基金日本委員会が、環境大臣と農水大臣に対してできるだけ早い時期にジュゴンを覚書から外して種の保存法の国内野生動植物種に加えるようにという要請書を持って面会されたということでした。その際、谷津大臣は、すぐにもジュゴンを覚書から外すので環境省からの動きを待っているということだったと聞きました。
 私も、四月二十七日、ジュゴン保護を求める市民団体の皆さんと御一緒に環境省の西尾自然環境局長とお会いし、早期に種の保存法の希少野生動植物に指定するよう求めました。
 そのときに局長は、環境省として種の保存法の指定について何が必要なのか検討していくということでした。現在どうなっているのでしょうか。
#185
○政府参考人(西尾哲茂君) ジュゴンの種の指定の問題でございます。
 今御質問ございました三月二十三日の参議院予算委員会におきますジュゴンをめぐる御審議を踏まえまして、先生御指摘の種の保存法に基づく種指定を含めまして、ジュゴンの全般的な保護に関して具体的に何が可能かを検討しているところであります。
 いずれにしましても、この種の指定に際しましては、漁業関係者を初めとする地元の方々の理解、それからジュゴンの生態、生息状況に関する一層の知見の集積ということが前提とならなければなりません。したがいまして、これらの点が進展するようにしなければならないわけでございまして、そのためには地元関係自治体や関係省庁との連携、あるいは専門家との連携、地元にも詳しい専門家の方々もいらっしゃる、そういう方々とどういう連携をしていくかなど、ジュゴンの保護が円滑に進むような方策につきまして手順を追って進めていかなければなりません。目下のところは、その具体的な進め方につきまして内部で鋭意煮詰めさせていただいているところでございます。
#186
○岩佐恵美君 予算委員会でも申し上げましたけれども、沖縄のジュゴンの生息数というのは多く見ても二けたの少ない方だと言われます。それが漁網にかかるなどして毎年のように死んでいっている事例が後を絶ちません。去年は三頭死んでいます。このままでは個体群が絶滅するおそれが非常に高いということで、保護は緊急の課題だと思います。
 生物多様性国家戦略では、我が国における生息生育状況が人為の影響により存続に支障を来す程度に悪化している種等を順次国内希少野生動植物種に指定することとしていると明記をしています。現在、タンチョウ、シマフクロウ、ミヤコタナゴなど八種については保護増殖事業計画が策定をされています。
 私は、ジュゴンを直ちに国内希少野生動植物種に指定をして、あわせて具体的な保護策を具体的に検討して、皆さん各方面と相談されて検討していくべきだと思います。そうでないと本当に手おくれになるという心配があります。
 今お話があったように、私も沖縄に何回か行かせていただいて、大変この問題が、環境省がやりますと言ったからといってすぐにすんなりいくとは思いません。でも、やはりほっといたらジュゴンは絶滅してしまうという状況なのですから、本当に心から各方面に協力をお願いする、訴えるというような、そういう真剣な対応が今求められているというふうに思います。大臣、その点いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(川口順子君) 先ほど局長からお答えいたしましたような今段階にございますけれども、これは委員もおっしゃられましたように、地元の方々の御理解というのも非常に重要でございまして、それからまた知見の集積というのも非常に重要でございますので、鋭意検討に努力をして進めていきたいと思っております。
#188
○岩佐恵美君 ぜひともイニシアチブを発揮して頑張っていただきたいと思います。私たちもできることがあれば御一緒に、本当に皆さんと力を合わせて挙げて取り組んでいきたいというふうに思います。
 次に、飲料容器のリターナブル化問題について伺いたいと思います。
 四月五日の当委員会で取り上げました。環境への負荷の低減の面でも自治体の廃棄物処理コストの削減の点でもリターナブル瓶がすぐれていること、反面、清涼飲料やビール、お酒などでいずれもリターナブル瓶のシェアが急速に落ちていること、そういうことを指摘いたしました。そして、リターナブル瓶を拡大する政府の積極的な対策を求めました。沓掛前環境副大臣はリターナブルの重要性を認められましたが、法制的にはリターナブル瓶を優先することになっているのでというお話がありましたけれども、私とのやりとりの中で、これまでの対策だけではリターナブル瓶が生かされていないということを認められる、そういう答弁もありました。
 まず、経済産業省に伺いたいんですが、瓶のリターナブル化の推進について具体的にどのように取り組んでおられるのでしょうか。
#189
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 私ども、リターナブル瓶の促進を図るために、税制、固定資産税の軽減措置とかそういう形で装置の導入を図ると同時に、特に技術開発という面で、より軽くて傷のつきにくいような、そういうリターナブル瓶を開発するということで補助金を用意して、業界におけるそういった開発を後押ししているところでございます。
#190
○岩佐恵美君 リターナブル瓶化について、リターナブル化について、できるところから、つまり可能性があるところから具体的に推進していく必要があるというふうに思っています。ですから、きょうはちょっと各方面で、少し細かくなると思いますけれども、突っ込んだ議論をしたいと思います。
 前回の質問で、びん再使用ネットワークの軽量化、超軽量のリターナブル瓶の開発について触れましたけれども、先日、それに取り組んでいる東都生協のリサイクル洗びんセンターに行って話を聞いてまいりました。共同作業所全国連絡会と連携して七年前に東京昭島市につくられた障害者の共同作業所で、そこでは年間三百八十万本のリユース瓶を洗っている、そういう工場です。そこで強調されたことは、リターナブル化のかぎというのは瓶の規格の統一だということでした。
 ビール瓶はかつてビール会社ごとに刻印を打っておりましたけれども、今、キリン以外は刻印をやめて共通瓶にしています。それがリターナブル瓶システムを有効に支えているというふうに言われています。
 各方面でリターナブル化を円滑に進めるためにさまざまな工夫を凝らしていると思いますが、このような取り組みを財務省としてどう受けとめておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#191
○政府参考人(塚原治君) お答え申し上げます。
 酒類業界におきましては、従来からリターナブル瓶の推進に取り組んできており、例えば大手ビール会社におきましては、リターナブルの円滑化に資するために軽量瓶を導入いたしまして、平成十五年までに軽量瓶への全量切りかえを目指しているところでございます。また、複数の大手ビールメーカーにおきましては、回収の際に色ごとの分別を必要としないガラス瓶着色技術の開発に取り組んでいるところでございます。
 国税庁といたしましては、このような業界の取り組みは循環型社会の形成に向けた有意義なものと考えており、今後とも必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
#192
○岩佐恵美君 まず清酒業界ですが、お酒は、百五十ミリリットル、百八十ミリリットルのおかん瓶や三百ミリリットル瓶など飲食店用のものについては容器リサイクル法の認定を受けて自主回収を行う、そういう酒造会社が少しずつふえていて、二〇〇〇年度までで十二社あるんですが、十二社のみなんです。それでまだまだ少ない。業界とも話し合ってもっともっと広げていく必要があるというふうに思います。
 一般販売向けのお酒は、紙パックがふえて、瓶もリターナブル瓶の一升瓶が減って中小瓶に移ってきています。ところが中小瓶は、七百二十ミリリットルの酒瓶だけでも九種類あるというんです。リターナブル化の障害になっているということでした。似たような瓶でも高さが数ミリ違うだけでなかなかリターナブル瓶として使えないというんです。その洗瓶工場で非常にリターナブル泣かせなんですということを言っていました。
 リターナブル化を私はさらに推進するためには規格の統一を図るべきだと思います。きょう皆様のお手元に全国びん商連合会の資料を配付させていただいていますが、この資料の八十五ページの中で、アンケート調査に答えて、その清酒業界として「統一びん導入の意向」についてどうかというと、これは一番下のグラフですが、導入意向があるとの回答が七五・二%、回答メーカーの四分の三を占めているんです。ですから、やっぱり規格の統一ということについては、非常に皆さん積極的に受けとめているというふうに思います。
 ついでに、この資料のしょうちゅう、また伺いますけれども、しょうちゅうメーカーでも、九十一ページのところに、「中小統一びんの導入意向」があるとの回答が十二社中八社と、やっぱり回答メーカーの三分の二を占めているわけです。
 ですから、こういう業界の積極性というのを受けとめて、瓶の規格の統一化というのを図っていくべきだというふうに思いますけれども、そういうプッシュをしていただきたいというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#193
○政府参考人(塚原治君) お答え申し上げます。
 御指摘の清酒につきましては、従来から一升瓶によるリターナブルが行われておりましたが、消費者のライフスタイルなどの変化によりまして、その利用量が減少傾向にあるところでございます。
 こうした中で、日本酒造組合中央会におきまして、現在策定を進めております中小企業経営革新支援法に基づく経営基盤強化計画の事業といたしまして、リサイクル用小容量瓶などの開発というのを盛り込みまして、容量、形状などの規格を統一した新たなリターナブル瓶の導入を検討していくこととしているところでございます。
 国税庁といたしましても、循環型社会形成推進基本法においてリターナブルが優先されていることを踏まえまして、必要な情報の提供などに努めるなど、業界の取り組みについて支援してまいりたいと考えております。
#194
○岩佐恵美君 続けて、しょうちゅうではどういう取り組みになっていますでしょうか。
#195
○政府参考人(塚原治君) しょうちゅう業界においては、いわゆるP箱の導入によりまして、出荷、回収時における瓶の損傷を防ぎ、瓶の使用回数、回収率の向上を図るなど、効率的なリターナブル化の推進を図っているところでございます。
 具体的には、平成四年に九州域内に本格しょうちゅう一・八リットル瓶用P箱を導入し、本格しょうちゅうの一・八リットル瓶はそのほとんどがこのP箱による出荷になっております。また、大手蒸留酒メーカーにおいては、平成五年から主力のしょうちゅう甲類用の瓶につきまして、それまでの段ボールからP箱による出荷に切りかえることにより、リターナブル化を実現しているところでございます。
#196
○岩佐恵美君 ワインやウイスキーなんですが、これはほとんどの瓶が再使用していないんですね。私はこれでは時代おくれになるというふうに思います。ぜひ改善を図るよう指導をしていく必要があるんではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#197
○政府参考人(塚原治君) 委員御指摘のとおり、ワイン、ウイスキーにつきましては、その商品特性あるいは消費者の嗜好もありまして、リターナブル化が進んでいない状況にございます。しかしながら、リサイクルに関しましては、ワインメーカー、ウイスキーメーカーなどが込みカレットを一〇〇%原料としたいわゆるエコボトルを使用する、あるいは複数の大手ワインメーカーやワインの輸入業者が短期間に飲用されるワインなどを無色瓶に切りかえるなどの取り組みを行っているところでございます。
 国税庁といたしましては、このような業界の取り組みを尊重しつつ、循環型社会の形成に向けて酒類容器のリサイクルを促進する観点から、リターナブル容器の導入に関する啓発、必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
#198
○岩佐恵美君 今お話のあったワインやウイスキーはカレット化は進んでいるということですけれども、カレット化というのは再使用より環境への負荷が高いんです。資源循環型社会形成推進法でも、まずはリデュース、減らしなさい、リユースしなさい、そしてリサイクルしなさいという優先順位が明記をされているわけですね。ですから、ワイン、ウイスキーについても今お話があったように三Rを促進する、そういう意味でリターナブル化を目指していってほしいというふうに思います。
 清涼飲料についてですが、現在ペットボトルの利用がふえて大きな問題になっていますが、リターナブル瓶というのはどのぐらいのシェアを占めているんでしょうか。それをお答えいただきたいと思います。
 あわせて、ホテル、旅館、飲食店などの業務用というのは、ビール瓶はリターナブル瓶が主流ですけれども、清涼飲料でも私は同じように規格の統一あるいは回収箱の工夫、これをすればもっとリターナブル化を進めることができる、そのシェアを拡大することが可能だというふうに思います。
 農水省として実態をよく調査して、業界と話し合って具体化の努力をすべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
#199
○政府参考人(北原悦男君) 最初の御質問の点の清涼飲料容器のリターナブル化の実態についてでございますが、自動販売機が普及した、あるいは小売店によります配達の減少などの流通、消費形態の変化に伴いまして、清涼飲料の容器はリターナブル瓶から缶あるいはペットボトルなどのいわゆるワンウエーの容器にシフトしてきております。
 清涼飲料の全体の生産量に占めますガラス瓶入りのもののシェアは、平成十二年度で見ますと約四%にまで低下しているという状況がございます。リターナブルの瓶が現在もなお流通しております分野は、主としてホテルなどの業務用の分野に限られているという状況がございます。
 瓶入りの清涼飲料全体に占めますリターナブル瓶の割合については定かではございませんが、そのうちで瓶入りの炭酸飲料につきましては、JASの格付によるものを対象とした調査がございます。財団法人の日本炭酸飲料検査協会の調べによりますと、瓶入りの炭酸飲料の中でリターナブル瓶の占める割合は二六%であるというふうに聞いております。
 次に、今後の取り組みの方向についてでございますが、以上のような状況の中で、清涼飲料につきましてワンウエーの容器からリターナブル瓶に転換をするということにつきましては、先ほど申し上げましたような清涼飲料の流通なり販売の実態から見まして難しい面はございますが、瓶のリターナブル化は廃棄物の排出の抑制につながるということから、農林水産省といたしましても、関係団体に対しまして、リターナブル瓶のさらなる実態の把握、それからホテルなどの業務用のリターナブル瓶の需要喚起の可能性につきまして検討してもらうよう要請をしているところでございます。
#200
○岩佐恵美君 市町村の取り組みなんですが、東京の狛江市では、各家庭にコンテナを無償貸与して、月二回、瓶の戸別収集を行っているということです。自宅前にコンテナを置くため、出している瓶もきれいで、生き瓶の割合も比較的高くて二二%。一人当たりのリターナブル瓶排出量は、多摩の二十七市の中で最高です。また、多摩二十七市の中で唯一リターナブル瓶の分別収集をしているあきる野市、ここでは生き瓶の割合が二七%で、二十七市中最高ということです。
 こういう市町村の進んだ取り組みを私は支援をして、そして普及をしていくべきだというふうに思いますが、総務省、環境省、いかがでしょうか。
#201
○政府参考人(瀧野欣彌君) リターナブル瓶に対します市町村の措置に対する地方財政措置についてお答えいたしたいと思います。
 リサイクル問題への取り組みにつきましては、地方団体にとりましても非常に重要な問題であるというふうに考えておりまして、ただいま御指摘ありましたように、先進的な取り組みによりまして成果を上げている団体も出てきているところでございます。
 このような状況を踏まえまして、総務省といたしましては、ストックヤードなど施設整備に対しまして、地方負担を生じますものでございますから、それに対しまして地方債なり交付税で対応するというようなこともしておりますが、そのほか分別収集やリサイクルに要する経費につきましても、それぞれの地方団体が知恵と工夫をして取り組みができますように、地方交付税によりまして必要な措置を講じてきているところでございます。
 今後とも、市町村におきまして住民の理解と協力のもとに円滑に分別収集、リサイクルが行われますように、適切に対応してまいりたいと思っています。
#202
○政府参考人(岡澤和好君) リターナブル瓶を市町村が分別して回収するというふうな場合でございますけれども、市町村がそのための施設を整備する費用負担を軽減するために、従来からリサイクルプラザ事業というふうなメニューによりまして、分別収集に関するストックヤードや手選別施設への整備の補助などを行ってきているところでございまして、こうした助成の仕組みを活用して、リターナブル化がより進むように促してまいりたいというふうに考えております。
#203
○岩佐恵美君 大臣、ちょっとこれは通告してなかったんですけれども、きょう、いろいろ各省庁に細かくお伺いしましたけれども、大変縦割りで、分かれているんですね。なかなか省庁によっては温度差もあります。ですから、そういう点でやっぱり循環法の所管省である環境省がもっと全体を把握して、積極的にリターナブル化を推進できるような、推進していくような、何か取り組みというんですか、そういうものが必要なんじゃないだろうか。国会で一々、それは私も十年以上前に一回、こういうのを全部各省庁割りで取り上げたことがあるんですけれども、その当時から比べると今本当に格段に進んでいるんですけれども、でも、やっぱり聞いていただいてもおわかりのように、なかなかそんなに進まない面もあるわけですね。
 あの法律ができたときに、やっぱりこれからだと。あれで本当に全体が進むのか、そうなるのかと言ったら、そうならない、具体的な取り組みはこれからだということだったわけですけれども、やはり目に見えるような形で具体策を打ち出していただくというのが必要なんじゃないだろうかというふうに思うんですけれども、感想でも結構ですが、その点、いかがでしょうか。
#204
○国務大臣(川口順子君) 循環型社会形成推進基本法を成立させていただいて、それのもとに幾つかのリサイクル法がございまして、容器包装リサイクル法のようにかなり前から実際に運用されているものもございますし、始まったばかりのものもございますし、これからというものもございますけれども、委員御指摘のように、この分野での近年の進展あるいは社会の変化というのは目覚ましいものがあるというふうに思います。
 この分野で私が見ておりますところ、一般的に今、各省の縦割りについていろいろ言われておりますし、事実そういう部分もあると思いますけれども、この分野について言いますと、私が見ますところ、かなり各省の連携はよくなっているというふうに思いますけれども、なお一層連携を深めるような努力をしていきたいと思います。
#205
○岩佐恵美君 次に、廃棄自動車の問題について伺いたいと思います。
 最近、大きな問題になってきている使用済み自動車対策ですけれども、実は私、四月の二十九日、三十日と沖縄県の宮古島に行きました。そこで平良市で廃棄自動車が山のように積み上げられているのを見ました。ナンバープレートを外しただけのもの、部品を取ったもの、スクラップされて原形をとどめない鉄くず化したものなどが、畑に隣接する場所に、自動車運搬進入路の道の両側四百メーターにわたって高さ四メーターくらいにうずたかく積み上げられていました。穴の中で燃やされた跡もありましたし、あたり一面、異様なにおいが漂っていて、私もその中に入ってハンカチを鼻に当てないとちょっと立っていられないというような状況でした。
 明らかに廃棄物処理法違反だというふうに思いますけれども、きょう、私が口で説明してもなかなかおわかりづらいと思いますので、委員長、理事会の御了解をいただきまして、ちょっと写真を持ってまいりましたので、これをぜひ見ていただきたいと思います。(資料を示す)
 この点について、実態をつかんでおりますでしょうか。
#206
○政府参考人(岡澤和好君) 宮古島平良市内で、かつての自動車解体業者が集めた廃自動車を積み上げて不法投棄場所のような形になっているというふうなことについては、沖縄県に照会して確認しております。
#207
○岩佐恵美君 ちょっと平良市のことを少し詳しく、調査されたことを報告してくれますか。その写真の場所です。西原でしょう。
#208
○政府参考人(岡澤和好君) これは、平良市の自動車解体業者が、かなり以前からということでございますけれども、島内から排出されたものと思われますけれども、四千台ほど廃自動車をそこに積み上げているというような状況のようでございます。また、廃オイル等によって汚染が生じていたケースがここにあったということでございます。
 県では、平成十年にその自動車解体業者に対しまして地下水汚染とか周辺環境の汚染防止の指導をいたしまして、現時点では、既に廃自動車を集めるという作業はとまっておるということでございます。
 また、周辺環境に対する影響を防止する観点から、保健所や土地所有者がその不法投棄場所を定期的に見回っていることもありまして、現時点におきまして新たな廃自動車の投棄はないという状況だというふうに承知しております。
#209
○岩佐恵美君 九八年に指導したということですけれども、三年たっても現状は改善していないんです。それどころか、囲いもつくられていないんですから、だから、今、この写真で見ていただくように、別にこれ昔の写真じゃないんです、四月の下旬の写真なんです。自動車が持ち込まれる。自動車がどんどん持ち込まれればごみがごみを呼ぶんですね。だから、自動車以外の家電製品だとか日用雑貨だとか、そういうものも捨てられるということになってしまうわけです。
 ですから私は、こういう放置車は直ちに撤去をさせるべきだというふうに思いますし、また、新たなごみが持ち込まれない、そのための措置を早急にとるべきだと思いますが、その点いかがですか。
#210
○政府参考人(岡澤和好君) この不法投棄の行為者は、だれがやったかということはわかっているわけでございますが、今、投棄を実施した行為者は行方不明だそうでございまして、命令をかけるのにも相手がいない状況が続いているということでございます。
 また、そこに入る進入路、そこに道がオープンになっております関係でほかのものがまた捨てられるんじゃないかということなんですが、ほかの用途もございまして、道路を閉鎖すること自体はなかなか今難しいというふうに聞いています。
 そこで、これはそうしますと、だれかがかわってそこの処分をしなきゃならないということになるわけですが、一義的には沖縄県なり平良市なり地元の市町村、都道府県が対応せざるを得ない状況ではないかと思います。
 県に聞きますと、沖縄、ここの宮古だけではございませんで県下全域について、不法投棄場所について、生活環境の保全上支障があるかどうかについて市町村で調査をしてそれを報告しなさい、その報告結果に基づいて適切な措置をとりなさいというふうなことを言うということでございまして、沖縄県がそういう姿勢でおりますので、私どもとしては、とりあえず沖縄県の対応というものを見守っていくし、もしそれがうまく機能しないようであれば必要な助言等をしてまいりたいというふうに思います。
#211
○岩佐恵美君 地主がおられるわけですね。だから、地主にさくをしなさいということぐらい、要するに新しいものを持ち込ませなければいいわけですから、そういうことぐらいできると思うんです。
 それから、県を見守るといったって、ずっと見守ってきたからこんな状態になったわけでしょう。それで、だから今この委員会で取り上げて何とかしてくださいということを言っているんですよ。
 おかしいんじゃないですか、今の答弁というのは。本当に何か旧態依然じゃないですか。
#212
○政府参考人(岡澤和好君) 先生御存じのように、昨年、廃棄物処理法を改正いたしまして、ことしの四月から全面施行されたわけで、不法投棄対策についてはことしの四月からの部分でかなりその規制が強化されているわけです。
 県はその規定を使って対応しようというふうに考えているわけですので、確かにそれ以前なかなか有効な手だてがなかったということもあるかと思いますが、今はそれなりの手だてもあるわけですので、ここからはちゃんと本腰を入れて不法投棄の後処理をするというふうに県も言っていますし、私どももそういうふうに考えております。
#213
○岩佐恵美君 全くこういうことがなくならないというのはもう本当に驚くべきことですよ。さくぐらいしなさいというのを言えないんですか。
#214
○政府参考人(岡澤和好君) 国が直接地主に言うわけにはいかないと思いますが、県とその辺相談してみたいと思います。
#215
○岩佐恵美君 一日も早く原状回復してください。
 宮古島では毎年二千四百台の廃車が出るということです。軽自動車、二輪車合わせると四千台にもなるといいます。島内に廃車の処理事業者がいなくて、沖縄本島まで運ばなければならないという困難な事情がある。ここだけでなく他にもあちこちに廃車が放置されていて、私も島内二日間回りましたけれども、あそこにもある、ここにもあるといって、覚え切れないぐらいあちこちにあるんです。
 宮古島全体で放置自動車、野積み自動車、どのぐらいありますか。
#216
○政府参考人(岡澤和好君) 正確かどうかちょっとわからないんですが、解体業者が保有しているものを除きまして、いわゆる道路、空き地等に放置されている自動車の台数で申し上げますと、平成十二年十一月末現在約二千三百台あるというふうに聞いています。
#217
○岩佐恵美君 宮古島では、放置自動車だけで二〇〇〇年六月の七百二十九台から十二月の二千二百九十一台へとわずか半年間で二・九倍に急増しているんです。そのほかに、数百台規模の野積みがあちこちにあるということです。これはもう本当にきちっと対策をしていかなければいけないということですが、今の話では県にやらせるということですので、これもきちっと県にやらせていくということをしていただきたいと思います。
 島の特殊な状況だけじゃなくて、全国的にも廃棄自動車は大きな問題になってきています。廃棄自動車の不法投棄、不法な野積みの全国的な実態はどうですか。
#218
○政府参考人(岡澤和好君) なかなか把握が難しい問題なんですが、と申しますのは、多分、先生がおっしゃった野積みというのは、解体業者が引き取った自動車を積み上げているというふうな状態を言っているんだと思いますが、解体業者が引き取る場合にはリサイクル目的で引き取っている場合がかなり多いものですから、そうすると、廃棄物として不法投棄されたと、その段階では直ちにそういうふうなことにはならないわけで、それがいつまでも放置された段階ではこれはリサイクルの意図がない、つまり放置された状態になってくるわけですので、そこがちょっとわかりません。
 しかし、一般に路上等に放置されている自動車ということであれば、これも正確に一斉の調査をしているわけではございませんけれども、例えば路上放棄車処理協力会という、市町村が路上放置車を始末するときにはそのメーカーがお金を出した協力会がその費用を負担するというふうなことをやっている団体でございますけれども、そこが費用負担している路上放置車の台数ですと、大体一年間で一万三千台とか四千台とかいう数字がございますので、これが多分すべてではないということでございますから、これプラスアルファの数字が毎年一年間に路上放置されている車の数ではないかというふうに考えております。
#219
○岩佐恵美君 東京都及び十二政令指定市が九九年二月に大都市放棄自動車対策連絡協議会を発足させて実態調査を行っています。それによると、九八年度に発見された放棄自動車というのは一万百七十九台、年間の処理台数が自治体だけで六千八百五十二台だというんですね。
 こうした調査結果を踏まえて、二〇〇〇年十月に放棄自動車問題に関する政策提言書、これを出しています。その資料編は、市民生活の安全上の問題、環境・衛生上の問題、道路交通上の問題点を指摘して、自治体の対応では限界があるというふうに言っています。生産、販売を行う自動車関係団体等の積極的な役割を求めているんですが、経済産業省としてどう対処しておられるでしょうか。
#220
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 路上放棄車については、先ほど岡澤部長からお話ございましたように、メーカー、販売業者等、処理協会を結成して、年間数億円という形で市町村による処理の費用負担に協力を申し上げているところでございますが、先生御指摘のこの問題についてどう取り組むかという場合に、私ども、大きな方向としましては、自動車のリサイクルというものを関係者の理解を得てしっかりした制度のもとに進めていくということが大きく解決に資するのではないかというふうに考えているところでございます。
 昨年の七月に、当時の通産大臣、今経済産業大臣の諮問機関であります産業構造審議会で自動車のリサイクルについての委員会を発足して、環境省、運輸省両省の全面的な御協力をいただきながら鋭意リサイクルの制度設計というものを進めてまいっているところでございますが、そういう形で今大きく逆有償になっている廃棄自動車の処理というものを可能な限り有償化の方向に持っていく、そういう展望が開けてくれば今の廃棄自動車の問題というのは相当事情が変わってまいりますでしょうから、循環型社会という点と、それから不法投棄の問題、廃棄自動車の問題をどうするかということで、リサイクルというものの速やかな制度設計に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。
#221
○岩佐恵美君 その議論はちょっと後にして、問題はもう一つあるんです。
 九一年七月に業界が路上放棄車処理協力会をつくりました。自治体のその処理費用への補助を寄附しているわけですが、九八年までの十年間で十六万台、十五億一千八百五十万円をこの協会が負担しています。
 処理協会の九八年度実績というのは一万六千二百五十六台、四輪自動車が一万三千八百台。自治体処理台数の九割弱と推定されていますが、あくまで市町村が行う路上放棄車処理への業界の協力という位置づけであって、現場調査とか指導等にかかる間接費用は対象外、撤去、処分の直接費用も全額ではない。自治体からは使いにくいとの声もあります。私は、これはよく協議をして改善をしていく必要があるというふうに思っています。
 さっき言った大都市放棄自動車対策連絡協議会の報告の中でも、「協力会が「寄付」という形で処理費用の一部を負担しているが、少なくとも国産車については放棄自動車の回収も検討し、一部モデル地域でのトライアルを実施するなどの取り組みを期待したい。」という具体的な提案もしています。
 これらを含めて、私は使い勝手がいいように改善していく必要があるというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
#222
○政府参考人(岡本巖君) 先生御指摘のように、協会傘下の事業者がそれぞれの自治体と十分に御相談、協議を申し上げるということで取り組んでいくべきものと私どもも考えております。
#223
○岩佐恵美君 同じ大都市連絡協議会の調査では、車体番号等からもとの所有者を割り出しても、登録変更しないまま所有者がかわっているため放棄した者がわからないという場合が多いということです。
 提言書は、「車両が放棄に至る経路として、抹消手続きも所有者の移転登録もなされないまま、複数の所有者を転々とするというケースが多いことが明らかになった。」として、名義変更を促進する措置、抹消手続の改善などを提案しています。
 この点、改善策について国土交通省はいかがでしょうか。
#224
○政府参考人(宮嵜拓郎君) お答え申し上げます。
 自動車の不法投棄対策として、国土交通省といたしましては、これまでも関係省庁等と連絡を図りながら、自動車関係団体に対しまして、不法投棄を未然に防止するため販売店などを通じて廃車を回収するとともに、放置自動車について市町村が行う廃車処理の費用を負担するよう指導しております。
 また、平成十三年四月からは、抹消登録に際しまして従来から求めております解体証明書のほかに、申請者の利便を図るために改正廃棄物処理法などによって使用される使用済み自動車管理票、いわゆるマニフェストによっても抹消登録を行うことを認めるなど、使用済み自動車の適正処理を推進するための対策に取り組んできたところでございます。
 また、御指摘の道路運送車両法に基づく登録制度でございますが、これにつきましては、運輸技術審議会の答申におきまして、現在の抹消登録制度と自動車の解体とをリンクさせるような見直しを行い、使用済み自動車の追跡、管理を可能とすることによって使用済み自動車をリサイクルルートに乗せることが必要であるという指摘がなされております。
 こういったことも踏まえまして、自動車の不法投棄の防止が図られますよう、必要な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
#225
○岩佐恵美君 私は、過去五年間の抹消登録件数というのを改めて見て驚いたんですけれども、永久抹消というのはこれは完全に抹消するんですが、一時抹消、つまり輸出されたり、あるいは中古車として転々と売られていく、そういうものとの比較をすると、永久抹消がわずか五%なんです。残り九五%は転々とするものなんです。だから、よく行方がわからなくなってしまうというものが圧倒的に多いわけですね。この辺のことを本当にきちんと対策をとっていかないと、こういう不法投棄だとかあるいは放棄自動車とかそういうものはなくならないというふうに思います。
 根本的には、現在の自動車の生産、流通の仕組みの中で廃棄自動車の処理について自動車製造業者、輸入業者の責任がはっきりしていない、このことが大問題だというふうに思います。
 従来、部品の再利用やスクラップの売却などで廃棄自動車処理が業として成り立っていました。自動車製造業界などは、通産省が九七年五月に定めた、さっき説明がありましたけれども、使用済み自動車リサイクル・イニシアティブに基づいてリサイクル率などの数値目標を決めて、使用済み自動車のマニフェスト制度を導入してフロンの回収、破壊などをやってきました。しかし、これはあくまでも自主的な取り組みで不徹底だったんですね。
 その上、最終処分場の逼迫に伴う処分費用の高騰、鉄スクラップ価格の低迷、フロンやエアバックなど特別の処理を要するものの増加、逆有償化、これが進むなどの環境の変化によって、従来のシステムはもう成り立たなくなってしまっているんです。その結果、放棄自動車が激増している。解体業者は引き取った廃棄自動車の処分ができなくなって、そして夜逃げをしたり、そのまま野積みとなる事態というのが急増しているんです。
 私は、冒頭に取り上げた宮古の例もその一例だと思っています。沖縄の例では、こうした野積み自動車の台数というのは本島だけで推定十万台で、放置自動車の十六倍にも達していると言います。ですから、野積みというものだとかあるいは放置だとか、いろんな解釈があってなかなかつかみにくいんですけれども、いずれにしても、行く当てのないものというのはもうどんどん激増しているわけです。
 全国で今、新車は年間六百万台販売され、抹消登録が五百万台あるという実態のもとで、この問題は猶予できない課題だというふうに思っています。そこで、環境省としてどう対策をとるおつもりなのか、伺いたいと思います。
#226
○政府参考人(岡澤和好君) 今、岩佐先生がおっしゃったとおり、最近、いろんな状況から車のリサイクルが進まなくなってきて、このことによって不法投棄がふえるとかいうふうな懸念も私どもも持っております。
 先ほど経済産業省の岡本局長からもお話がありましたけれども、現在、経済産業省において自動車リサイクルの仕組み、制度化というものを検討しておるわけでございまして、こうした方向は環境省としても非常に必要なことではないか。特に、放置自動車をなくしていくということ、それからもう一つは使用済み自動車のリサイクルを進めるということから必要なことだと考えております。
 私どもは、十分経済産業省と連絡をとって進めておりますけれども、近々、環境省の方でも、中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会の中に自動車リサイクル専門委員会というものを設けまして、経済産業省と一緒にリサイクルの仕組みというものを検討してまいりたいと考えております。それで、共同していいリサイクルの仕組み、放置自動車のないような仕組みというものを考えていきたいと思っております。
#227
○岩佐恵美君 ドイツ、スウェーデンでは廃車の引き取りはどうなっていますか。
#228
○政府参考人(岡澤和好君) ドイツでは、九八年四月以降に販売された自動車につきましては、販売後十二年以内に廃車になる場合にはメーカーが無料引き取りをするというふうな仕組みになっています。
 それからまた、スウェーデンにおきましては、ユーザーが新車を購入する場合にはデポジットを支払うということと、九八年以降に販売された自動車につきましてはメーカーが使用済み自動車の無料引き取りを行うという義務づけがされております。
#229
○岩佐恵美君 産構審の中間報告では、廃棄自動車についてのメーカー責任について、解体事業者などからフロン、エアバック、シュレッダーダストの引き取りを要求された場合の引き取り義務だけなんですね。これでは私は放棄自動車や廃車の野積みの解決にならないというふうに思います。
 それから、今、価格についても、じゃ一体処理費用をだれが払うかということが大変問題になっているわけですけれども、これも買うときに内部化して処理費用まで払うのか、それとも廃棄するときに払うのかということがいろいろ問題になっているわけですけれども、大体その廃棄する費用というのはどうなっているんでしょうか。どのぐらいかかるんですか。簡単でいいです。
#230
○政府参考人(岡本巖君) 今審議の過程で、フロン、エアバッグに加えて、ASRというシュレッダーダストのリサイクル処理の責任をメーカーに引き受けてもらうということで私ども今考えておりまして、処理費用の方はこれは私ども公定ということで考えるよりは、メーカーの創意工夫でできるだけリサイクルしやすいものをつくってもらう、あるいはリサイクルのコストの低減努力もお互い競争の中で頑張ってもらうということを考えていますので、数字で私の立場で申し上げるのは、それぞれの企業ができるだけ低減化の努力をしながら考えていくということだと思いますので、巷間言われておりますのは一万数千円とかということを言われておりますけれども、できるだけ下げるべく努力をしてもらいたいと私ども期待しているところです。
#231
○岩佐恵美君 排出時負担で不法投棄が増加するというのは家電リサイクル法で証明済みです。大都市協議会の提言でも、「メーカー及びディーラーが中心となって、リサイクルシステムの整備と運営、運営資金の管理など責任を持って主導すること」、「自治体としては、ユーザーの排出時費用負担の方法では、今以上の不法投棄の増加が危惧されるため、廃車費用を予め内部化したメーカーが主体となった排出時無償引取りを強く望む」と求めています。
 一台当たりにしたら一万数千円ということであれば、もう本当に自動車というのは高いものなんですから、百万円に近い十万円、何十万円のオーダーと、それから何百万円というものなんですから、ぜひ処理費用の内部化ということをきちっとしてメーカーが最終まで責任を負う、そういう体制をとるように、ちょっと時間も来ましたので、そのことを強く意見を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#232
○清水澄子君 私は非常に厳しいことを申し上げますが、先日の小泉内閣のもとでの川口新環境大臣の所信表明がどのように変わってくるのかということを非常に注目しておりました。しかし、率直に言わせていただきますと、大変失望いたしました。それは、小泉内閣の新味ある環境政策というものが何らそこには感じ取れなかったからです。
 京都議定書不支持を表明しているアメリカの参加について、COP6プロンク議長に対してEUの譲歩を求めた成田会談の件とか、また有明海再生の第三者委員会がなぜ農水省なのか、非常に疑問に思います。
 これはいつも申し上げているわけですが、我が国の環境政策の非常に重要な問題というのは、例えばエネルギー政策は経済産業省、そして開発、公共事業は国土交通省とか農水省において仕切られてしまっているということですね。環境省になって何よりこの小泉内閣に求められているということは、環境大臣がこうした問題に対してどのように積極的に発言をし、環境の視点を十分に踏まえたこれらの政策を強力に展開していけるかということではないかと思うんです。
 環境行政がまだ余り社会的に十分に認識されていなかった時代でも、かつての環境庁がやってきた中では、何人かの環境長官はそれなりの哲学を持ってその存在意義を発揮してこられた方が何人かおりました。
 今、環境庁は私たちの長い間の要求によって環境省になったわけですし、そして川口大臣がその初代の大臣であるわけです。ですから、私は、環境省はこういう省だということをもっと国民に対してもはっきり示していくような、そういうやはりもっと強い姿勢で臨んでいただきたい、こういうことをまず要望申し上げて、質問に入りたいと思います。
 そこで、最初に道路特定財源の見直しについて伺います。
 これは、これまで道路特定財源の問題は、環境税とか、特に自動車のグリーン税制の視点から議論されてきました。それが最近、塩川財務大臣の発言をきっかけとして、この道路特定財源の見直しというものが、どちらかといえば環境とかちょっと余り重視されない都市再生に充当するという展開になっていると思いますけれども、これらについて環境省としてはどのように認識されておられるのか。これは副大臣、お願いいたします。
#233
○副大臣(風間昶君) 清水委員の御質問で、道路特定財源につきましては、もう御承知のように小泉総理あるいは財務大臣の発言があるわけでありますけれども、何といってもやっぱり担当省庁、つまり今の省庁の縦割りの中で財務省や国土交通省においてその道路特定財源について総合的に検討を進められているということでございますから、そういう意味ではなかなか切り込みづらいというのも事実でございます。
 ちなみに、平成十三年度予算で約六兆と言われておるこの道路特定財源のうちで、道路の環境の保全ということで六百五十億ぐらい予定されているわけで、こんなものでございます。したがいまして、環境の保全ということからするともっとこの道路特定財源に限らず予算をとっていかなければならないというふうに思っておりますから、そういう意味で、当然、清水委員におかれましては、私どもにますます御支援、応援をいただけますよう心からお願いする次第でございます。
#234
○清水澄子君 応援はいたしますが、まず環境省の大臣それから副大臣がもっとはっきり環境の視点から相当主張をなさらないと、空振りになっちゃうんですね、いつも応援団が。
 ですから、今の扇国土交通大臣の発言を聞いていますと、住宅地区改造とか地域再開発とか、何かちょっとどうしても、これは都市の高度化にはつながるかもしれないんですけれども、非常に環境という視点がやはり欠落していると思います。
 ですから、どうぞこれはぜひもっと、本当に国民も皆応援すると思いますから、ぜひ環境の視点からこの特定財源の使い道については強い姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、もっとその決意を述べてください。
#235
○副大臣(風間昶君) 決意は人一倍以上にあるつもりでございまして、局面局面といいましょうか、私は私なりの立場で副大臣会議、あるいは政務官は政務官で政務官会議でも当然主張していきたいと思っております。
 いずれにしましても、清水委員初め諸先生方の支援がないとこれまた厳しいわけでございますので、どうぞよろしく重ねてお願い申し上げます。
#236
○清水澄子君 それはもう当然支援をしてまいります。
 昨日、ハンセン病患者に対する熊本地裁の判決に対して、小泉首相が厚生省や法務省のこれまでの官僚の論理や発想を超えて控訴断念という政治決断をされました。これは非常に私はすばらしいことだと思いますし、高く評価をしたいと思います。
 しかし、この患者たちがこれからようやく人間として生きていけるというあの発言を聞いて、やはり国会議員としても非常に責任を痛感していた次第です。
 で、この問題を見ても、国が政策を誤ったとき、または一日も早く是正をすればいいのにやっぱりメンツにこだわっている、そういう中でどれほど多くの人々の生命や健康が侵されて人権が踏みにじられているか、非常に私たちにこれからの政策のあり方について教訓を示していると思いました。これはやっぱり環境政策にも私は最も当てはまることではないか、このように思います。
 そこで、水俣病の大阪高裁判決について伺いたいと思います。
 公害イコール水俣病と言われるこの問題は実はまだ終わっていないということを大阪の高裁判決が示してくれたと思うわけです。これから審議に入るNOx等でのぜんそくで苦しむ公害患者、またPCBによるカネミ油症患者、イタイイタイ病など、実は、もういろいろ過去の問題のようですが、実際被害を受けた人たちの問題は十分にまだ決着をしていないわけです。
 しかし、今度水俣病の大阪高裁判決を政府は不服として最高裁に上告をするようですが、その理由というのが何なのか、理由について述べていただきたいと思います。これは大臣、よろしく。
#237
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理の昨日の御決断については、私も大変に高く評価をさせていただいているところでございます。
 実は、同じようなことが水俣病におきましても過去ございまして、それは、今から五年ぐらい前の平成七年に当時の自さ社三党の政権で連合でやったときに、村山総理が非常に強いリーダーシップを発揮され、イニシアチブをとられて、政治的な解決策をその当時示されたということがございまして、歴史は繰り返すといいますか、同じようなことが五年前にあったのだということを思いながら小泉総理の御決断を私は伺っていたわけですけれども、そこで、その当時、その政治的な解決策につきまして、チッソも、それから国も県も、それから多くの患者団体も、その政治的な解決策というのを受け入れたわけでございまして、当時、それは全面的なかつ最終的な解決策ということであったわけでございます。
 それで、なぜ水俣病関西訴訟について上告をしたか、その理由は何であったかというお問い合わせでございますけれども、そういうその政治的な解決を踏まえて仮に国が水俣病の関西訴訟について上告をしなかった、それで高裁判決が確定したということでありますと、公健法の認定による救済制度、それから平成七年の政治解決、先ほど申し上げた政治解決ですけれども、それに加えて、いわば第三の救済制度が事実上できるということでございまして、これはその平成七年の政治解決の趣旨に沿わないということでございまして、行政としてとるべき道ではなかったと、そういうことでございます。
#238
○清水澄子君 今、大臣がおっしゃいましたけれども、私も当時は、社民党の前の社会党の連立内閣のときにそれらの問題にかかわっておりました。
 当時のその政治状況の中で、これを何とか解決しなきゃいけないという中で、あのような妥協の産物という形でやられましたけれども、しかし、そのときも中で問題になっていたのは、今度裁判にやはり出ています国の責任の問題ですね。そしてもう一つは認定基準であったと思います。それがああいうあいまいな、そこだけはやはり外されていた。非常に私どももこのことは心に残っておりました。しかし、これらにやはり不服ということで裁判がまた行われて、そして今回の高裁判決ではやはりこの二つの問題についてはっきりと問題が示されたわけだと思います。
 現にこの水俣病の患者の方々というのは、本当にひどい人は本当にそのままずっと動けない人たちがいますけれども、動ける人たちでも、非常に家族に迷惑がかからないようにと、そして地域社会からつまはじきされないようにと非常に気を使いながら、ひっそりと暮らしている人が多いわけですね。そしてまだまだ潜在患者というのは相当いるはずだと思います。
 いつも政府は、こういう問題が起きたときには、どのようにこの事件を早く幕引きをするかという、そちらの方にむしろ執心していて、やはり公害上の、公害被害者に対してどのように責任を果たすかとか、そういう問題についてはいつでもこれらの問題は中途半端で終わっているわけですね。ですから、今回の態度も私は政府のとるべき態度ではないと思っています。
 むしろ、水俣病とはじゃ何なのかというときに、認定基準一つ見ても、これはいまだに争われているわけですから、もっと水俣病とは何かというのを日本は、これは水俣病というのは公害の原点の問題ですから、この際、これらはやっぱりはっきり明らかにするということが必要だと思いますし、潜在的な患者の救済にもっと道を開いていくような、そういうやはり心あるといいますか、人間的なそういう政策をとっていただきたいと思うわけです。
 そういう意味で私は、もっと潜在患者の実態を調査する、そして申請を待つという態度ではなくて、もっと科学的な調査を行っていくということを、私はぜひここで環境行政、それこそ新しいスタートというものを、小泉内閣がこれまでのことにとらわれないというのであれば、やっぱりそういう本当にみんながこれまで求めてきた環境行政をやっていただきたいと思うんですけれども、大臣の御決意はいかがでしょうか。
#239
○国務大臣(川口順子君) 私も関西訴訟の原告の方々と先日お目にかからせていただきまして、原告の方それぞれ御高齢でもいらっしゃり、また健康上の問題もお持ちでいらっしゃる方で大変にお気の毒だと思いまして、お見舞いを申し上げたところでございます。
 それで、今の清水委員の御質問に関しましてですけれども、先ほど申しましたように、水俣病につきましては非常に長い歴史的な経緯があって、その中でその都度その都度政府としてはできる限りのことをしてきたということでございまして、例えば、公健法で昭和四十年代以降、約三千人を水俣病として認定したということと、それから先ほど申しました政治的な解決、平成七年の当時の与党三党の合意で、当時の村山総理のリーダーシップによって政治的な解決が図られて、そこで約一万一千人の方が救済を受けたという経緯があるわけでございます。
 さらに、水俣病の発生地域におきまして、健康上の不安を持っていらっしゃる方々に対しては、総合対策の一環といたしまして、地域の住民の方々に対しての健康診断ですとか健康相談を行わせていただいておりまして、したがって、それ以上の調査等を必要とする状況にはないというふうに考えております。
 それから、先ほどおっしゃった認定基準につきましてですけれども、公健法における水俣病の認定基準というのは医学界の定説となっている知見を基礎としたものでございまして、その後の再検討で、最近では平成三年にそれが行われていますけれども、変更が必要となるような新たな知見はないというふうにされております。したがいまして、現行の水俣病の認定基準につきましては、科学的な観点から見ても見直しをすべき状況にはないというふうに考えているわけでございます。
 それから、水俣周辺地域でチッソの排水が停止された後の昭和四十四年以降、水俣病が新たに発生するようなメチル水銀の汚染は解消されてきております。
 それから、メチル水銀を摂取して長期間経過をした後に中毒症状が初めて出現をしてくるということは医学的に考えがたいというふうに聞いておりまして、したがって現時点で三十年前の影響の評価をするために新たな調査を開始するということは必要がないというふうに考えております。
#240
○清水澄子君 今そこにずっとお座りの中で、水俣病の問題をずっとやってこられた人はいるんでしょうか。私は多分いらっしゃらないと思うんですよ。本当にもう過去の過去という形になってしまっているんじゃないでしょうか。
 この間も関西の裁判が起きたので、ちょっと私は、あれ、また私なんかが言っていたことと同じことだと思って、自分の議事録を出してみました。一九九〇年です、平成二年。判決で出たことと同じことを当時も質問していますけれども、今も同じ答弁が返ってきているわけです。
 今回の大阪高裁は、例えば認定基準でも、舌先や手足にある末梢神経の感覚障害しかない人でも、水俣湾周辺でとれた魚介類を大量に食べて、家族に認定患者がいる場合にはやっぱり患者と認めていく、そういうことを言っています。だから、認定基準の問題を指摘していますね。
 これは、環境省が七七年に、認定基準というのは、手足のしびれといった感覚障害だけでは水俣病とは認めないという基準を出されたわけでしょう。それは、あと視野が狭くなるとか運動障害が出るとか、幾つかの複数の条件がそろっていなければ水俣病患者とは言わないんだという形で、認定基準の中にはまった人しか患者と指定していない中、未認定患者というのがたくさんいると思うんです。
 そうすると、まるでこのメチル水銀中毒というのは、決して今の末梢神経の感覚障害者はメチル水銀障害ではないということを言い切っているわけですけれども、そんなことが言い切れるかどうか。日本で初めて体験してしまったことだから、きちんとそこからやっぱり調査をし、それからそれが何年たってもどういう問題が起きるのかきちんと研究しておくことは必要なことではないかと思っているわけです。
 当時も、今ここで議事録の中に、環境庁の委託調査研究班の重松委員長が言っていたことです。医学のことをおっしゃいましたが、学問に忠実なのが能じゃないと、例えば薬害のスモンの場合は、診断書を信用して手続をうんと簡単にした、これで九九%解決した、公害病かどうかの区別がつかないと言うけれども、例えばぜんそくだって原因を細かく区別することはできない、全く歯どめがなくなるのも困るけれども、余りにも厳密な医学論議だけでは被害者救済がおくれてしまうということを言っていらっしゃるわけですね。ですから、これはもう認定問題の前に、そうおっしゃっているんですよ、患者救済という原点の視点が欠けていると。
 こういう点で、やはり疑わしきは救済するという、私さっきから人間的な当たり前のことが環境行政でも必要じゃないかということを申し上げているわけですが、また、このときの認定審査会の委員であった複数の医師ははっきり言っているんですよ。当時、皆報告しています。当時の環境庁は、救済対象者を広げたらチッソがつぶれてしまう、既に認定された患者の補償がまた完遂できなくなるから広げないでくれと。
 こういう認定基準というのは、もうこれは科学的な面でも、またこれまでの被害者救済ということが軽視された措置の中でもこの問題がまた争われて、そして今度は高裁でこの認定基準は問題であるということが出ているわけですから、今のような答弁ではなくて、本当にこれは今後のためにもやはりきちんと調査研究、追跡をするということを私はここで強く求めておきたいと思います。
 次に、もう時間が余りなくなってきましたけれども、飲み水の問題は先ほども出ましたけれども、この中で、やはり最近、市町村で住民の飲み水を守る条例として水道水源保護条例という条例が非常にあちこちで制定されてきているわけです。それらができてくる動機といいますか内容の七〇%以上が、産業廃棄物の施設の適地とみなされやすい市町村が自衛手段としてそういう条例をつくっているわけですけれども、やっぱりこれらについて、何か環境省は、岡澤部長さんが言っているんですが、そんな条例は必要ないとおっしゃっていますね。
 私は、本当にそんなことを言い切っていいのかどうかと思います。やはり問題は、この産業処理施設の許可は県がやりますね。それから水道事業は市町村であるわけです。ですから、今問題になっているのは、この市町村制定の水源地保護条例と県の産廃処分許可との関係が必ずしも、市町村の要求とか、市町村とうまく本当に相談し合って市町村が了解をしているかというと、これは了解しなくても県が決めることができるわけですね。ですから、そこにやはりもっと、県はこの環境保全上の適切な配慮というのをどこまでやっているのかどうか。そういう点で、これはやっぱり非常に問題があると思うんです。
 特に今、水の問題では、水源地の問題というのはみんな非常に大きな不安を持っているわけですから、これは裁判まで起きているわけでしょう。県の許可処分が裁判でひっくり返されるという例も起きているわけですから、環境省はもう少しこれらの問題について、どのように実態を把握し、今後、単なるごみをどう処理するかという問題ではなくて、ごみという意味ではなくて、もっとこの問題について厳重なといいますか、将来の本当に飲み水全体の問題について、環境省らしいというのか、環境省が主体でこの産廃問題を含めて新しい対策を講ずるべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#241
○政府参考人(岡澤和好君) 水道水源に産廃の処分場が立地していろいろなトラブルがあるというのは、確かにおっしゃるとおりだったと思います。
 と申しますのは、平成九年に廃棄物処理法を改正いたしまして、立地に当たって周辺の生活環境影響についても調査を行う、それから、地域住民、これは水道地域住民あるいは下流の利水者から生活環境保全の観点からの意見を聴取する、あるいは専門家の意見も聞いた上で審査するというふうな手続ができまして、その審査の中でも、水道水源の保全を含め地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされたものであることというふうにしているわけでございます。
 また、維持管理の方法についてもいろんな厳しい規制をかけているわけでございまして、それ以前ですと確かに水道水源の汚染の可能性というものが、つまりチェックする仕組みがなかったんですが、少なくとも九年の改正法によりまして下流の水道利水者あるいは下流の住民は意見を申し述べることができるようになって、しかもかなりチェックができるということでございますので、そういう観点は十分入ったのではないかと思います。
 実際問題として、その法律改正以降は産廃の処理施設が逆に非常に設立が、設置が困難になっている状況がございまして、むしろそういう制度を取り入れた以降は、どちらかというとむしろ禁止側にシフトしてしまい過ぎてちょっと困っているのかなというふうな状況にございまして、むしろ十分、それ以降については水道水源保全等の問題については十分な対応がなされているというふうに考えております。
#242
○清水澄子君 じゃ、もっと実態を調査していただきたいと思うんですけれども、それはやりますか。
#243
○政府参考人(岡澤和好君) 調査とは過去の件ということでございましょうか。──紛争が生じている事例というようなものは、大体私どもの方で把握しております。
#244
○清水澄子君 非常に甘いですね、現状はそんなんじゃないですよ。
 それから次に、今度大田区のダイオキシン土壌汚染問題が出てきましたけれども、もう時間がありませんので、この中身は、今度はこれはダイオキシン法の土壌対策の適用事例でありますね。これが、今度はダイオキシン以外の汚染の場合には土壌汚染の法的規制はないと思うんですよ。ですから、これらについては今後、どのように今の実態を把握しておられるのか、そしてどのような今後の法規制を考えておられるのか、そのことについて、これは大臣、お答えください。
#245
○政府参考人(石原一郎君) ダイオキシン類以外の有害物質についての土壌汚染対策の制度化ということでございます。
 御指摘のとおり、近年、企業の工場跡地の再開発、あるいは工場事業者による自主的な汚染調査が進められた結果、土壌汚染の判明件数が増加しております。現在のところ、ガイドラインというような形で土壌・地下水の汚染の対策指針ということで指導しておるところでございます。
 ただ、環境省としましては、土壌環境保全のために必要な制度のあり方の検討に昨年の十二月から着手しております。現在、その検討会において検討をしてきておるところでございます。
 土壌につきましては、従来の水とか大気とはまた違った難しい面がございますけれども、できる限り早く検討を進めまして、その結果をもとに制度化も視野に入れた取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
#246
○清水澄子君 大臣の御決意を。
#247
○国務大臣(川口順子君) 環境省としてこれから取り組んでいかなければいけない課題というのはたくさんあると思いますけれども、今、石原部長が申しました土壌の汚染の問題というのは一つの大きな課題だというふうに認識をしていまして、昨年の十二月から検討を始めておりますので、できるだけ早く、これは非常に難しい問題で、アメリカでもかなりその解決策についてのまたさらなる問題というのもあるわけでございまして、検討を深めまして、できるだけ早く立法化も視野に入れた対応をしたいというふうに思います。
#248
○中村敦夫君 まず最初に、水俣病関西訴訟における国の上告について質問します。
 清水委員からの質問、そして大臣、関係者からのこれまでのいきさつの細々したやりとりがありましたので、そういう形ではなくて、非常に簡潔な質問、そしてイエス、ノーかという簡潔なお答えを環境大臣にいただきたい。
 先月二十七日、水俣病関西訴訟で大阪高裁判決が出ました。国の責任が認められたことを不服として、政府が最高裁に上告したわけですね。さきがけといたしましては、旧新党さきがけ時代の九六年、和解案提示の際に与党だったわけですけれども、今回の判決は重大に受けとめて、全面的に尊重したいというふうに宣言したいと思います。そしてまた、政府としても判決を受け入れて上告を取り下げてほしいというのが私たちの率直な気持ちです。また、和解案を受け入れた患者をも含め、すべての水俣病患者に対する一層の支援充実、早急な実態調査の実施もあわせてお願いしたい。
 旧環境庁がそもそもできたというのは、水俣対策が大きなきっかけの一つだったと聞いているんです。ですから、この問題は環境省にとっても重大な課題であると思うんです。
 そこで、環境大臣のリーダーシップですね、上告を取り下げる、こういうことを検討する意思があるのかないのか、イエス、ノーでお答えいただきたいんです。
#249
○国務大臣(川口順子君) イエス、ノーでお答えするには余りにも重い問題でございまして、イエスあるいはノーでお答えすることによる誤解をおそれるものですから、あえて時間をいただいてお話をさせていただきたいというふうに思います。
 水俣病関西訴訟につきましては、これは委員も先ほどおっしゃられましたように、当時の自社さの枠組みの中で、村山総理が非常なリーダーシップを発揮されて政治的な枠組みというものをつくられて、それに対しまして多くの方がさまざまな当時議論がいろいろあったわけでございますけれども、そこで納得をしていただいて、そこで一万一千人の方がその前の公健法に基づく三千人の認定された患者の方に加えて救済を受けたという事実があったわけでございます。
 こういう歴史的な経過の中で、国が今委員がおっしゃったように上告を取り下げるということをいたしますと、それはこれまでの水俣病の認定や政治解決の枠組みでない、それが間違っていたということになりまして、国において水俣病の救済に関して二つの相反する考え方が存在をする、あるいは三つの考え方が存在すると申し上げた方がいいかもしれませんが、というふうになりまして、矛盾した事態が生じてしまうということでございます。
 それで、そういう矛盾のある状態になりますと、原告の方々、この関西訴訟の原告の方々との関係にとどまらないで、さまざまな、本当にさまざまな思いの中で政治解決に御納得をいただいた地域の多くの方々に不公平感をもたらしますし、紛争を再燃させて、かえって水俣病問題の解決をおくらせることを危惧しているわけでございます。
 こういった点を慎重に考慮した結果上告をしたということでございまして、その考えはいまだ変わっておりません。
#250
○中村敦夫君 要するに、矛盾を解決してこれまでの弱点というところを直すと、そのために上告するという意思がないというふうなお答えだと受け取りますけれども。
 環境副大臣にお聞きしたいんですが、このたびのハンセン病訴訟における控訴断念、これにはお医者さん出身の坂口厚生労働大臣の頑張りが大きかったと聞いております。やはりお医者さんでもあった風間環境副大臣がこの水俣病関西訴訟における上告についてどのような感想をお持ちですか、あるいはどういうふうに考えておられるのか。
#251
○副大臣(風間昶君) 形態的にはハンセン病の問題と水俣病の問題、つまり患者さんが国を相手にして訴訟を起こしていることについては同じでありますけれども、本質的に違うのは、水俣病はチッソの排水で被害を受けられたということが大きく違うんじゃないかと思います。つまり、ハンセン病は国が患者さんを収容して被害に関与したということでございますので、この部分でまず形態上は、被害を受けられた方々が国を提訴するということについての形態は同じかもしれませんけれども、本質的な問題として違うというふうに思うわけであります。
 今、環境副大臣としての立場で所感をというふうに求められましたのであれですけれども、大臣も今お話しされましたように、仮に国が上告しないで高裁判決で確定したというふうにすれば、一つは公健法による認定救済制度が出て、もう一つは、いわゆる自社さ時代の政治解決の仕方があって、それで第三の救済制度ができる、こういう三つどもえの状況になってくるわけであります。
 と同時に、被害認定基準については、先ほども大臣お話しされましたように、水俣病医学の常識と異なっていることになってくるわけでありますから疑問視せざるを得ないということからすると、平成七年の自社さによる政治的解決の趣旨にも沿わないことになりまして、新たな混乱や紛争が生じかねないということになりますから、私は行政としてとるべき道ではないというふうに思っているところでございます。
#252
○中村敦夫君 ハンセン氏病の問題と水俣病の問題が形態的には同じだが本質的には違うというお答えはちょっと納得できない。両方とも国が放置したということでは本質的に同じ問題ではないかというふうに思います。
 それから、三つの解決法が出てきて混乱するという話ですけれども、こうした問題に関して司法が客観的に判決を下したということに対しては、これは行政上のいろいろなトラブルがあるから上告するんだという話にはならないのではないかというふうに私は思います。矛盾があれば矛盾を解決するのが政治の場面ではないかなというふうに思います。そういう意見を述べさせてもらって、次の質問に移りたいと思います。
 環境大臣にお聞きしますけれども、小泉首相は所信演説の冒頭で、恐れず、ひるまず、とらわれずの姿勢で聖域なき構造改革を断行すると明言しました。廃棄物政策というのは、経済構造、社会構造と密接に絡み合っている重大な分野なんですね。
 そこで、小泉内閣の聖域なき構造改革というのが廃棄物政策の分野においても断行されるのでしょうか。
#253
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理は聖域なきとおっしゃっていらっしゃいまして、当然、廃棄物・リサイクル行政も、聖域なきですから対象となると考えております。
#254
○中村敦夫君 小泉首相の所信演説によりますと、「循環型社会の構築に向け、廃棄物の発生抑制、再生利用の促進、不法投棄の防止等に取り組みます。」と、廃棄物の発生抑制を最初に掲げています。それから、川口環境大臣も所信表明で、循環型社会形成推進基本法でも、廃棄物政策の廃棄物の発生抑制を最優先にするべきだと述べておられます。このように、小泉内閣が重視する廃棄物政策の中でも、とりわけ廃棄物の発生抑制を重視しているということが理解できるわけです。
 そこで、廃棄物の発生抑制というのに最も大きな力を果たすというのは、廃棄物の処理費用を生産者が第一次的に負担するというシステム、こういうことだというふうに今や環境に携わる人々の中では一般的な概念として理解されているわけです。これを実現するには、処理、リサイクル費用を生産者に負担させて価格に上乗せさせることが必要になります。この転換を通じて、そもそもごみが少ない商品、修理しやすく長期使用に耐える商品、リサイクルしやすい材質や設計の商品を生産しようという企業努力を引き出すことができるわけなんです。
 五月十五日に欧州議会が可決したヨーロッパ十五カ国共通の家電リサイクル法でも、メーカーに対し、すべての使用済み製品の回収を義務づけており、拡大生産者責任が貫かれているわけです。これによってメーカーはこの処理費用を商品価格に上乗せせざるを得なくなり、ごみになりにくい商品をつくることがメーカーの利益と直結するため、企業努力が促進されるということになります。
 一方、日本では、経済団体や業界、経済産業省を中心に、廃棄物の処理費用を生産者が第一次的に負担するシステムのヨーロッパ並みの導入については非常に強い抵抗があると聞いています。
 そこで、小泉内閣は廃棄物政策を優先課題に掲げ、その中でも発生抑制を重視するというのであれば、廃棄物処理費用の生産者負担の導入についても、痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまずに断行すべきではないかと考えるのですが、どうでしょうか。
#255
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理が循環型社会ということに大変に力を入れていらっしゃいまして、私どもとしても循環型社会の形成ということは大変重要なことだと思っております。
 それで、廃棄物の発生を抑制するというのがその中で非常に重要なことであると私ども考えております。それで、そのときにどうすればいいか、どのような形でそれをやっていけばいいかということでございますけれども、循環型社会形成推進基本法で拡大生産者責任ということが言われているわけでございまして、基本的に拡大生産者責任を中心に置いて考えていくわけですけれども、具体的にそれぞれのリサイクルに関してどのような形での費用負担が行われるかということは、その商品あるいはその製品の、あるいはその業種の今までの物流の形態ですとかあるいは商流の形態ですとか、それから消費者の考え方ですとか、さまざまな要因も勘案しなければいい形がつくれないということかと思います。
 それから、おっしゃるように価格を消費者に転嫁して、その結果、それが経済的なある種の制約条件といいますか、行動を動かす要因として働くということが非常に重要な要素でもございますけれども、それについても、商品のその市場の競争状況によっては必ずしもそれがどのように行われるかというのはこれまた製品によって違う、いろいろさまざまな製品によって違いがございますので、リサイクルはかなりその業をスペシフィックに考えていかなければいけない部分があると思いますけれども、いずれにいたしましても、拡大生産者責任をベースに、リサイクル、廃棄物の抑制、すなわち循環型社会の形成ということはそれを一つのベースとして考えていくべきだと思っております。
#256
○中村敦夫君 四月一日から施行された家電リサイクル法では、消費者がごみを捨てるときに、リサイクル料金と回収・運搬料金を両方負担する仕組みになっていますね。このうち、リサイクル料金については、大手家電メーカー横並びでテレビが二千七百円、冷蔵庫が四千六百円、エアコンが三千五百円、洗濯機が二千四百円、四品目に対するリサイクル料が決まっているわけですね。回収、運搬については、小売店もしくは自治体が指定引き取り場所まで運ぶとされており、その費用を回収・運搬料金として消費者から徴収できると。この二つでも相当な消費者負担になるという実態があります。
 そればかりではありません。大量大型量販店とか小売店の間では、やはり高くなるということで販売実績に直結するから、これは回収・運搬料金の値引きをしなきゃいけないというので、相当に競争がエスカレートしているという実態があります。ただでさえ家電小売業界は価格競争が激しいわけですが、こういうことは予想された事態なんです。体力のある大型量販店はまだしも、個人経営のいわゆる電気屋さんなんというのはもうほとんど対抗できなくなってくるというような今恐怖に包まれているわけです。
 中小企業や商店街の活性化や景気回復が必要だと言っている一方で、こういう家電リサイクル法のような非常に乱暴な政策を進めるというのは、全く矛盾しているのではないか。これはメーカーと経済産業省が商品価格への廃棄物処理費用の上乗せを断固として拒み、聖域化したからではないかというふうに考えるわけです。
 回収・運搬・リサイクル費用を商品価格に上乗せするにしても、あるいは捨てるときに消費者から処理費用を徴収するにしても、最終的には消費者が処理費用を負担することには違いないわけですね。それならば、費用が価格に上乗せされて発生抑制が促進される方式、具体的には回収、運搬、リサイクルをメーカーの義務とする方式の方が、これは経済的にも、環境的にもすぐれているというふうに考えざるを得ないんですよ。
 それから、四年前に始まった容器包装リサイクル法のペットボトルに至っては、リサイクル量が〇・六%から二〇%に伸びたということが事実あるんですけれども、逆にペットボトルの生産量というのは二・五倍に増加しちゃった。結局ごみになるペットボトルは二倍にふえてしまったという矛盾があるわけです。つまり、容器包装リサイクル法がペットボトルの大量使用にお墨つきを与えてしまったと。廃棄物の発生促進、そういう法律になってしまっているということがあるわけです。つまり、事業者負担が少ないためにこの発生抑制のメカニズムが働かなくなってしまった。
 そこで、質問なんですけれども、ごみゼロを掲げる小泉内閣として、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法、これらの廃棄物・リサイクル関連諸法について、廃棄物の発生抑制の方向で全面的な見直しを早急に検討すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#257
○国務大臣(川口順子君) 廃棄物の発生抑制が循環型社会の形成に非常に重大な要素であるということは全くおっしゃるとおりだと思います。
 それで、今、発生抑制のためのさまざまな措置というのがかなり強化をされておりまして、一つは、昨年の循環型社会形成推進基本法、それからもう一つ、資源有効利用促進法という法律がございますけれども、それによりまして、副産物の発生抑制等を行うことが特に必要と認められる業種について主務大臣が必要な指導、計画をつくって、指導、勧告をするというような措置も盛り込まれておりますし、それからさらに、改正廃棄物処理法で、多量の排出事業者についてその減量計画制度というのが前からございましたけれども、それが強化をされた。その結果として、計画を提出し実施状況を報告し、それから計画実施状況の公表をするといったような強化策が盛り込まれているわけでございます。
 そういったことで、廃棄物の発生抑制というのは重要でございますし、またそれを強化するという方向で対応がなされているということだと思います。
#258
○中村敦夫君 一般的なお答えなんですけれども、やはり現場はこれは消費者も業者も悲鳴を上げているということがあるんですよ。ですから、やはりこの関連諸法についてはもうちょっと現実的に対応する、見直すというふうに検討していただきたいんです。
 この家電リサイクル法をめぐる議論の中で、価格上乗せ方式を導入した場合に、既に出回っている商品はどうするんだというような問題があって、だからできないんだというような意見もあるようなんです。
 先日のEUの家電リサイクル法では、法施行前の製品について、十年間に限って回収料金を消費者から徴収できることとする経過措置を設けたということがあるわけですね。こういうことをやれば、そういう議論というものも解決できるのではないかと思います。
 これは、ちょっとこういう問題に専門的にわかっている方、どうですか。これが反対の理由になっているんですね、強い。
#259
○国務大臣(川口順子君) この件について、私よりも専門的な知見を持っている者が参考人登録をされていないということのようなもので、かわってお答えをいたします。
 まず、EUの家電リサイクル法のお話ですけれども、おっしゃるように、施行後十年を上限として法施行前に販売された製品にかかるリサイクル費用を新製品の購入者に請求できるという意見が出されているということのようでございます。
 この方法は、すべての方法は長短ございますけれども、長所という意味では不法投棄を招くことがなく既存の製品に必要なリサイクル費用が回収できるということは長所でございまして、逆に短所はといいますと、その排出をした人とそれから費用を負担する人との関係が不明確、違うということでございまして、新製品の購入者が過重な負担を背負うことがあるという問題もございます。
 それで、そういうことで、どういう方法がすぐれているのかということは簡単には言えないというふうに思いますけれども、日本においては、一つは、将来廃棄をするときのリサイクルのコストの予測が難しいというのが一つの理由。それからもう一つが、企業が倒産をしてしまった場合にリサイクル費用の手当てが困難である。それから三つ目は、排出時のコスト負担意識が重要である。そういった三つの理由で排出時に負担をするというのが家電リサイクル法の方式になっていまして、そういう理由でそれが採用されたということでございます。
 家電リサイクル法、ことしの四月に施行されたばかりでして、今の段階では、これの運用の状況を見て、法律の本来目的とされているところが達成されるかどうかということを見、円滑な施行に努力をするということが今の時点での責務だというふうに考えております。
#260
○中村敦夫君 とにかく何をやっても難しい問題であって、どんどん前進しないと手おくれになるということですので、積極的に、もうこれでいいんだというふうに居直らないで、改良すべきものはどんどん改良するという方向でやっていただきたいと思います。
 日本の家電リサイクル法では、今のところ、対象がテレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機の四品目しかないんですね。ところが、EU版の家電リサイクル法では、この四品目のほかに照明器具だとかヘアドライヤー、電気かみそり、とにかく小型電気製品を含むすべての電気・電子製品を対象にしております。その数は八十品目にも及ぶわけですね。やはりこのぐらいのことをやらないと本当の廃棄物の対策にはならない。
 日本は余りにも少な過ぎる。対象品目というものを大幅に拡大するという方向を考えておられるのかどうか、お答えいただきたいんです。
#261
○国務大臣(川口順子君) 四品目になっているということではおっしゃるとおりでございまして、どういう基準でその四品目が選ばれたかということですけれども、四つの基準がございまして、四つの観点がございまして、一つが、主に家庭から排出されて市町村等での処理が困難であるということでございます。それから二番目に、リサイクルにおける経済的な制約が著しくない。要するに、回収をしてそれでリサイクルをするというように非常に大きな経済的な制約がない、例えば膨大なコストがかかり過ぎないとかそういうことを意味するわけですが。それから三番目に、製品の設計や原材料の選択がリサイクルに影響、余り設計を変える余地がない、あるいは原材料をよりリサイクルのしやすいものに変えるという選択の余地が余りないようなものは余りリサイクルに向かないということ。それから四番目に、小売業者が円滑に収集を実施できる、既に回収のルートがある。そういう四つの観点で四品目、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機を対象としたということでございます。
 それで、新しく対象品目をふやすかどうかということですけれども、拡大については今申し上げたような四つの観点で検討をすべきだというふうに思っています。この法律、施行されたばかりでございますので、今後の施行の状況を見まして、もしも新たに対象とすべき品目があるということであれば検討をしてまいりたいと思いますけれども、当面のところは、施行されたばかりでございますので、今の四品目のリサイクルが着実に行われるように努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから、EUはかなり多くの品目を対象にしていますけれども、これは家電製品以外にも情報機器なども対象とされているということでございまして、そもそものカバレッジは日本の家電法よりも広いということになっております。
 それから、日本におきましても、パソコンなどの製品については、資源有効利用促進法に基づきまして、ことしの四月から製造業者の自主回収、再資源化の取り組みが始まっているということでございます。
#262
○中村敦夫君 やりやすいものから選んだというのはよくわかりますけれども、対象品目があるかどうか見ていくというのなら、対象品目は明らかにあるわけですから、やはりそこまでいかないと先進国日本としても恥ずかしいんじゃないかというふうに私は思います。
 それから今度は、EU版の家電リサイクル法の関連法では、水銀、カドミウム、鉛など有害物質の電気製品への使用を二〇〇六年から禁止することになっています。一方では、日本の家電リサイクル法には有害物質の問題について全く触れられていないんですね。有害物質の電気製品への使用は、日常の使用の際に人体への影響が懸念されるばかりでなくて、廃棄、処理の際にも問題があるわけです。これはもう絶対規制をかけるべきだと考えるんですけれども、経済産業省の方ではどういうふうに考えていますか。
#263
○大臣政務官(西川太一郎君) 中村先生にお答えを申し上げます。
 ただいま御指摘のように、EUにおきましては、廃電気・電子機器リサイクル指令案を、先ほど来お話しのとおり、五月十五日に欧州議会の第一読会におきまして通過をされたところでございますが、現在の案によりますと、これらの指令案の各国での国内法整備に今当たられております。
 そこで、御指摘のように、六つの有害物質を禁止するということになりまして、我が国からの輸出品も含めて対象になるわけでございますので、私どもとしてもこれを真剣に受けとめております。具体的にどのような規制を課すかにつきましては、各国の国内法の整備を待つ必要がございまして、詳細は未定でございます。
 一方、我が国におきましては、製品に使用された有害物質に関しましては、廃棄物処理法等により製品の廃棄時の適正処理が義務づけられておることは先生の御案内のとおりでございますし、また、生活環境に影響のないよう措置をしなければならないことになっております。
 EUでは、電気・電子製品への有害物質の使用を規制する指令案を制定するための審議が進んでおりますけれども、我が国でも、四月一日に施行されました資源有効利用促進法におきまして、主要家電製品についての原材料の毒性その他の特性に配慮することによりまして、処理にかかわる安全性の確保に努力することを家電メーカーに強く促しているところでございます。
 有害物質の削減に関する民間企業の取り組みの促進を図ったところでございますので、今後、こうした取り組みの進展を踏まえながら、有害物質の削減の推進については、環境省や産業界と協力連携を深めてまいりたいと考えております。
 具体的に申し上げるお時間がないと存じますが、一例を申せば、例えば水銀でございますが、水銀は、五ミリグラム未満の水銀を含むコンパクト蛍光灯または十ミリ未満の水銀を含む直管蛍光灯などがこれから規制をされたり、これは除外をされる中に入っているわけでありますけれども。
 我が国の蛍光灯は昭和五十年ごろには五十ミリグラムの水銀を使っておりましたけれども、一昨年あたりからはこれが九ミリグラムに極端に削減をされるなど、努力は見られるところでございますし、鉛のフリーハンダ、鉛をフリーにしたハンダづけのハンダも使用されるに及びまして、こうした問題につきまして、この二〇〇六年に予定されておりますEUの指令に対して十分対処できるようにしていきたい、努力をしていきたいと思っております。
#264
○中村敦夫君 有害物質や化学物質を使うというのはなぜかというと、その方が安いから使うわけですね。ですから、民間の自主規制、自主努力に任せておいてはこれはだめだと思うんです、非常に危険なものですから。規制緩和というのははやり言葉ですけれども、こうした問題は厳しい規制が必要だと思うんです。
 そこで、環境省として、有害物質の使用を禁止するような方向で経済産業省と合同でこの検討を進めていくということをやるべきだと思いますが、環境大臣としてはいかがでしょうか。
#265
○国務大臣(川口順子君) 現在、日本の仕組みといたしましては、家電製品が廃棄物となった場合には、廃棄物処理法の規定に基づいて処理、リサイクルが行われて、生活環境上の安全、保全を確保するという仕組みになっているわけでございますけれども、今後とも、経済産業省と連携をいたしまして、有害物質の使用禁止については検討をしていきたいと考えております。
#266
○中村敦夫君 終わります。
#267
○委員長(吉川春子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト