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2001/06/19 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 環境委員会 第16号
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2001/06/19 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 環境委員会 第16号

#1
第151回国会 環境委員会 第16号
平成十三年六月十九日(火曜日)
   午前十時十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任   
     有馬 朗人君     橋本 聖子君
     亀井 郁夫君     西田 吉宏君
     佐藤 昭郎君     片山虎之助君
     岡崎トミ子君     松崎 俊久君
     堀  利和君     朝日 俊弘君
     荒木 清寛君     加藤 修一君
     福島 瑞穂君     清水 澄子君
 六月十五日
    辞任         補欠選任   
     朝日 俊弘君     堀  利和君
     松崎 俊久君     岡崎トミ子君
     大森 礼子君     福本 潤一君
 六月十八日
    辞任         補欠選任   
     橋本 聖子君     須藤良太郎君
     岡崎トミ子君     千葉 景子君
     加藤 修一君     木庭健太郎君
     福本 潤一君     益田 洋介君
 六月十九日
    辞任         補欠選任   
     片山虎之助君     世耕 弘成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 春子君
    理 事
                清水嘉与子君
                末広まきこ君
                福山 哲郎君
                岩佐 恵美君
    委 員
                石井 道子君
                須藤良太郎君
                世耕 弘成君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                千葉 景子君
                藤井 俊男君
                堀  利和君
                松前 達郎君
                木庭健太郎君
                但馬 久美君
                益田 洋介君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       環境大臣     川口 順子君
   副大臣
       環境副大臣    風間  昶君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       国井 正幸君
       環境大臣政務官  西野あきら君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       国土交通省都市
       ・地域整備局下
       水道部長     曽小川久貴君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    岡澤 和好君
       環境省自然環境
       局長       西尾 哲茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○温泉法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○浄化槽法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、橋本聖子さん、岡崎トミ子さん、加藤修一さん及び福本潤一さんが委員を辞任され、その補欠として須藤良太郎さん、千葉景子さん、木庭健太郎さん及び益田洋介さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 温泉法の一部を改正する法律案及び浄化槽法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省都市・地域整備局下水道部長曽小川久貴さん、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長岡澤和好さん及び環境省自然環境局長西尾哲茂さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(吉川春子君) 温泉法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 きょうは温泉法の質疑ということでございますが、日々、京都議定書のことに対して動いておりまして、少し冒頭、環境大臣の御認識を伺いたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 まずは、日米の外相会談が昨夜というかけさ方というか行われたというふうに伺っておりまして、その中で田中外務大臣が、京都議定書に対してアメリカの立場は頭では理解するが共感できないという考えを伝えたけれども、パウエル長官は、京都議定書の受け入れの拒否を明言したということが会見で伝えられていますが、このことについて大臣は何か報告を受けておりますでしょうか。
#7
○国務大臣(川口順子君) 私まだ公電は届いておりませんので、それについては正式な報告は受けておりません。報道等では読んでおります。
#8
○福山哲郎君 いつ報告を受ける御予定ですか。
#9
○国務大臣(川口順子君) それはよくわかりません。きょうじゅうのどこかだと思いますけれども。
#10
○福山哲郎君 報道を聞かれた上での御見解はいかがですか。
#11
○国務大臣(川口順子君) 正確なところはきちんとした公電を見た上で申し上げないといけないと思っておりますが、報道を見た感じで言いますと、パウエル長官が言ったとされています、アメリカは対案を持っていないというのは、恐らく私の感じでは、前回のブッシュ大統領のアメリカでの声明発表、それからEUとの会談を踏まえますと、これから検討する話なので今の時点では持っていないということを述べられた。したがいまして、その話の全部が伝わったわけではないのではないだろうかというふうな推測をしております。
#12
○福山哲郎君 先日、EUとブッシュ大統領との会談もありました。そのブッシュ大統領との会談において、決裂というのか、お互いが我が道を行くというのか、基本的にはアメリカの姿勢は変わらない状況が明らかになっているわけですが、その状況、それから今回の日米外相会談の状況を見た上で、今の日本政府の環境大臣としての姿勢は何らかの変化はございますか。
#13
○国務大臣(川口順子君) ございません。
#14
○福山哲郎君 これはほかの委員会でも恐らくもうさんざん大臣には聞かれていると思いますが、京都議定書発効のための決議が衆参で行われました。この決議によりますと、「政府は率先して批准し、」ということがあります。アメリカの参加を待つという重大性は私も認識をしていますが、「率先して批准し、」というこの決議と、今の変わらないという大臣の御答弁は、これでいいんでしょうかね。
#15
○国務大臣(川口順子君) 変わりませんと申し上げました中身でございますけれども、政府としては、国会の決議を重く受けとめて、二〇〇二年までの発効を目指してボンでの会合で合意に達するように全力を尽くすということに変わりはございませんし、それから米国が今、今後の案、提案について具体的な検討に入っているというふうに承知をいたしておりますので、アメリカの建設的な参加、ボンの会議における参加を求め続けていくということについても変わりはございません。そういう前提で、七月のCOP6の再開会合には全力を尽くしたいと思っております。
 それから、ボンの会合での国際的な合意を踏まえて日本の締結が可能となるように、国内的な制度の構築をする必要がありますので、そのための努力も現在中央環境審議会等の場でいたしておりますので、それも引き続き全力で取り組みたいというふうに思っております。
#16
○福山哲郎君 大臣は、今度非公式閣僚会議に出席をしたいという旨を国会の方にお願いをされているように伺っておりますし、しかし、今の状況で、アメリカは京都議定書を容認できないと言っている。そして、非公式閣僚会合に行って日本はアメリカの建設的な参加を待つと言っている。
 一体大臣は、何をメッセージとして持って非公式閣僚会議に出られるわけですか。どうやって国際的な合意に対する、要は京都議定書の実施ルールに対して、日本はどういった御意見を言われるつもりなんですか。
#17
○国務大臣(川口順子君) 非公式閣僚会合の場というのは交渉の場ではございませんで、それはなぜかといいますと、全部の国が参加をしていない、一部の国だけが参加をしている場でございますので、この性格はプロンク議長に対するアドバイスの場ということでございます。
 ということでございますので、この会議の場で議長が何を求めるか、我々に、参加国にアドバイスをしてほしいということを提起なさるかということを踏まえまして対応したいと考えております。
#18
○福山哲郎君 よくわからないお答えだったんですが、じゃCOP6ビスでは、今の状況で変化が起こるかもしれない、アメリカの対応で変化が起こるからそれは建設的に求めるというふうにおっしゃいますが、三十日に日米首脳会談が行われます。これはCOP6ビスのわずか二週間前でございます。この時点で小泉総理は相変わらずアメリカの参加を待ちますというメッセージを伝えられるんでしょうか。
#19
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理が何を日米会談で発言なさるかということについては、私はまだ最終的に承知をいたしておりません。私といたしましては、日米会談の前にこの非公式の閣僚会議がございますし、その折にプロンク議長を初め各国の閣僚の方々とはお話をすることにしたいと思っておりますので、そのときの感じを総理にはぜひ御報告をさせていただきたいと思っております。
 京都議定書が日米会談で議題として取り上げられるということでございますから、そこで総理には精いっぱい働きかけていただきたいというふうに私としては思っております。
#20
○福山哲郎君 言葉じりをつかまえるのはあれなんですが、じゃ例えばアメリカのCOP、京都議定書に対する参加を待つというふうにずっと日本政府は言っているわけですが、いつまで待つんですか。これはある一定の区切りをつけないと、京都議定書の実施ルールを決める合意の決定に対して、アメリカがその合意にオーケーをするかしないかというところは政治決断をしなければいけないわけで、一体いつまでにアメリカの建設的にこの京都議定書に待つということを決められるおつもりなのか。いかがですか。
#21
○国務大臣(川口順子君) 私どもはアメリカの参加を働きかけるというふうに申し上げております。
#22
○福山哲郎君 働きかけてもアメリカが今のように容認できないという立場を堅持した場合には、いつの時点で政治決断をしてCOP6ビスに臨まれるのかとお伺いをしているのです。
#23
○国務大臣(川口順子君) この前、ブッシュ大統領が声明で言いましたように、今後のアメリカの具体的な提案については、関係の閣僚が集まっていろいろな方から話を聞きながらということで、幾つかの原則を含んだ提案を考えるというふうに言っているわけでございます。
 したがいまして、アメリカは今真剣に議論をしている。今までもアメリカは真剣に議論をしているということを言ってきまして、その過程で、今度ブッシュ大統領の声明が出た段階で、真剣に議論をしてきたということについては世界は納得をしたわけでございますし、今後友好国からも知恵をもらいながら議論を進めていきたいということを言っておりますので、日本としては、我が国といたしましては、アメリカが京都議定書の枠組みに戻るように引き続き働きかけることに全力を尽くしたいと思っております。
#24
○福山哲郎君 川口大臣にしては珍しく歯切れが悪うございまして、私の質問にはお答えをいただいておりません。アメリカに働きかけていくことはわかっております。それは何回も聞きました。COP6ビスで枠組みをつくるときに、日本がその枠組みに対してオーケーかノーか、もう少しその枠組みを、実施ルールをこうしろああしろということに対しては、アメリカの動向いかんにかかわらずどこかで決断をしなければいけないから、アメリカが京都議定書の枠組みに戻ってくるかこないかの判断をいつされるのかと聞いているんです。
#25
○国務大臣(川口順子君) アメリカが参加をするということは、これは何よりも環境十全性の立場から大事でございます。それはもう繰り返しになってしまいますけれども、アメリカはアネックスT、排出ガスを制限しなければいけない国の中で、排出量のシェアが四分の一ということでございますし、アメリカが入らないような状況では、中国なりインドなり、中国の場合は既に日本よりも一国としては排出量が多いわけでございますし、それから途上国全体を足し合わせれば、ある予測では二〇一〇年、すなわち第一約束期間のど真ん中の年に、途上国のトータルとしての排出量は先進国といいますかアネックスTのトータルを上回るという状況になっていますから、そういう意味で、環境十全性、地球環境を保全する、温暖化ガスの影響を抑制する、地球人として地球を大事にしていくということに取り組むという意味では、アメリカの参加というのは非常に必要なことだと思っております。
 それで、アメリカは、全くそっぽを向いて、もう知らないと言っているわけではございませんで、ブッシュが声明を発しましたように、引き続き議論をして対案を出すんだということを言っているわけでございます。ですから、働きかけるということが非常に重要だというふうに思っております。
#26
○福山哲郎君 全く私の質問にはお答えをいただいていないことばかりでございますが、では日本は、アメリカが京都議定書の枠組みにいつ戻ってくるかわかりません、要はアメリカが戻ってこない限りはCOP6ビスの枠組みの議論にも批准に向けても動かないということですか。
#27
○国務大臣(川口順子君) アメリカは今本当に真剣に閣僚レベルで議論をいたしておりますし、それで私どもとしては、アメリカに、小泉総理を初め田中外務大臣にもやっていただきましたし、私も今までやりましたし、また今後もやりたいと思っておりますし、働きかける、これが環境十全性の立場から日本政府の今とるべき方針であるというふうに思っております。
#28
○福山哲郎君 全くお答えをいただいていない。アメリカがCOP6ビス、再開会合のスタートまでにもし今の立場を変えなかったら、日本はどうされるんですか。どこで政治決断をされるんですか。
   〔委員長退席、理事岩佐恵美君着席〕
 アメリカが京都議定書の枠組みに戻らない限りは、日本は京都議定書の枠組みの議論には参加をしないということですか。大臣、はっきりしてください。
#29
○国務大臣(川口順子君) 繰り返しになりますけれども、COP6再開会合まではまだ日にちがあるわけでございまして、アメリカは一生懸命対案を考えると言っているわけでございます。
 したがいまして、アメリカにとことん働きかけていくということが大事でございます。同時に、先ほど申しましたけれども、日本としては、国内制度の構築のために今の段階で一生懸命やるということが必要でございますし、国際会議での決定を踏まえて、国内的な制度のあり方を最終的にきちんとしてというプロセスが大事だと思っております。
#30
○福山哲郎君 今、何度も言われた大臣の姿勢というのは、京都議定書のための決議、衆参の決議にこれは反していると思うんですが、いかがですか。
#31
○国務大臣(川口順子君) 私は反しているとは全く思っておりませんで、国会決議というのは非常に重く受けとめておりますから、ですから政府としての方針は、二〇〇二年までの発効を目指して、今度の会合で合意が成立するように全力で取り組むということでございます。
#32
○福山哲郎君 その合意が成立するように全力で取り組む場合に、アメリカが入ってこなかった場合はその全力で取り組むことをされないんですか、されるんですか。
#33
○国務大臣(川口順子君) COP6ビス、再開会合の場で日本が全力を尽くして取り組むということについては、いかなる状況のもとであったとしても変わりはありません。
#34
○福山哲郎君 そのいかなる状況というのは、アメリカが今のスタンスを変えなくて、京都議定書が容認できないというスタンスの場合でも、日本はCOP6ビスで全力を尽くすということですね。
#35
○国務大臣(川口順子君) アメリカは今検討中でございますので、アメリカがどういうような態度でCOP6再開会合に臨むかということについては、私は今の時点では承知をいたしておりません。
#36
○福山哲郎君 じゃ、もう一度聞きます。
 どの時点で日本はアメリカの参加の有無にかかわらずCOP6ビスで具体的な合意に向けて動き出す政治決断をされるんですか。
#37
○国務大臣(川口順子君) 国会決議を重く受けとめて行動するということは、まさに国際会議で合意に達するというための努力、そのために全力を尽くすということと、それから、それと密接に関係しますけれども、そこでの合意を踏まえて国際的な合意を担保するための国内的な制度の構築をきちんと行うということの二つが大事でございますので、それを全力を尽くして行うということでございます。
#38
○福山哲郎君 副大臣と政務官にお伺いします。
 大臣は政治家ではございませんから、この決議には加わっておられません。副大臣と政務官は、衆参のこの決議に一議員として賛成の票を投じられています。この「率先して批准し、」という京都議定書のための国会決議に対して、アメリカは京都議定書を容認できないということをけさ我が国の外務大臣に表明をしています。
 私どもは、COP6ビスでいち早く我々は率先して批准することを世界に呼びかけて、そしてその後、アメリカは別にほっとけということではない、発効させてからしっかりとアメリカが戻ってくるように建設的に議論を積み重ねればいいと。ただ、京都という日本の地名のついた京都議定書に対して我が国が率先して批准を表明し、国際的な合意を得ることを表明して、そして七月のボンに臨むべきだというふうに私は考えております。
 議員として賛成の票を投じられた副大臣と政務官の御意見を伺いたいと思います。
#39
○副大臣(風間昶君) 大臣がお話しされましたように、七月のCOP6再開会合まで全力を挙げてアメリカに参加を呼びかけ、その努力を今なお行っているところでございまして、そういう意味におきましては、国会決議を軽視しているものでは全然なく、その決議の重要性を十分に認識した上で今交渉を行っているところでございます。
#40
○大臣政務官(西野あきら君) この問題は国会両院で議決をいただいておるわけでございますから、いわば大きな味方といいますか、力添えをいただいておるわけであります。その期待を担って、代表者が七月のCOP6に向けて全力で取り組むべきであります。
 その間に、その加盟国、対象とされております大国アメリカにおいて今いろんな動きがあることを報道で私どもも聞いておるわけでありますが、最終の段階まで私どもはこの国会決議が実効あるものになるように全力を挙げて取り組むべきだ、このように思っておりますので、今この時点でアメリカに精いっぱいの働きをするということが私どもの務めではないか、このように思っております。全力を挙げるべきだと思います。
   〔理事岩佐恵美君退席、委員長着席〕
#41
○福山哲郎君 終わります。
#42
○但馬久美君 公明党の但馬久美でございます。
 私は、温泉法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 まず、大臣にお伺いいたします。
 温泉法は、昭和二十三年の制定以来、数次にわたる改正はされてきたものの大きな改正はされていないとされております。今回、温泉状況がかなり変化してきているという環境変化に伴って、省令を法律で明記するという格上げの措置がとられました。その内容は、一つは能力向上に伴って温泉分析を民間機関に開放するというもの、二つ目は温泉成分等を掲示する前に都道府県知事への届け出を義務づけるということ、三つ目は温泉掘削許可の失効手続の短縮化などが内容となっております。
 ようやく温泉に対する意識が高まってきたかと思われますけれども、なぜ今ごろ、また今までなぜ放置していたのか、この辺、それぞれについて御見解をお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(川口順子君) 温泉は本当に古くから日本の人々に楽しまれて、日本の人々が楽しんできたものでございまして、それぞれの地域地域、それぞれの温泉温泉で古い習慣、あるいはその地域の社会的な管理のあり方ということがずっと行われて、それでずっと来たということかと思います。したがいまして、温泉法で温泉の保護とそれから適正な利用のための規制が導入されましたけれども、多くの点で、実際の運用という意味では、そういった古くからある個々の地域の実情を踏まえたやり方で運用がなされてきたという面が大きいと思います。
 ということでございまして、実際には長い間実質的に改正が行われなかったということでございますけれども、今回、公益法人についての検査委託の改善、それから地方分権の推進、都道府県にもっと任せるという地方分権推進の要請を踏まえて改正を提案させていただいたということでございます。
#44
○但馬久美君 大事な改正だと思っております。
 そこで、今度は副大臣にお伺いいたします。
 私たちは温泉資源をやはり心と体のいやしの場として親しんでまいりました。観光とかレジャーとか、またレクリエーション、保健医療など多面的に活用してきたわけですけれども、利用者も大変ふえてきております。
 例えば山梨県の一県では、公共の温泉施設の利用者は年間四百五十万人、またクアハウス利用者は全国で三百二十五万人と言われております。地域的にも温泉資源を中心に、歴史的生活文化が自然と一体となって息づいているというところは各地にいっぱいあります。特に、最近は高齢社会の時代を反映して、国民の健康づくりとか、また温泉を利用する休養とか保養とか、また療養といった医療活動を重視する傾向が強くなってきております。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、温泉と医療については欧州では非常にうまくシステム上整備がなされております。でも、我が国においては温泉利用型の医療活動が余りうまく結びついていないように思われるんですけれども、そうした意識、それを改善していくべきではないかと思うんですけれども、どのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。
#45
○副大臣(風間昶君) なかなか難しい問題でございます。難しいというのは、疾病を持っていらっしゃる方が治療の一環として温泉を利用する方法、それからまた一般の方が健康維持のために温泉を利用する、そういう意味もありますし、また今、但馬先生おっしゃいましたように、観光資源の一形態としての温泉利用、つまり人のいやしというよりも休養の場として温泉を利用するといった形のもの、これはもう日本書紀か古事記か忘れましたけれども、そこから歴史的には温泉が利用されていることも御案内のとおりでございます。いずれにしても、温泉自体がこれからの高齢社会を迎えて医療やあるいは健康づくりの面で果たす役割は極めて大きいというふうに感じておるところでございます。
 それで、最初のお話でありますけれども、医療のジャンルで温泉を利用されているところは多々ございまして、長崎県の鹿教湯温泉あるいは霧島温泉ではいわゆる温泉病院として認知もされているところでございまして、また各地におきまして国立大学の医学部のリハビリ施設に温泉もまた物理療法の一環として利用されているのも事実でございます。
 したがいまして、その部分を考えますと、医学の部分で利用していく場合には、単に、単にと言いましょうか、環境省独自でやれる部分ではございませんので、厚生労働省とどういう形で連携を図っていくのかということが極めてポイントになってまいります。クアハウス利用の厚生労働省のやり方もあれば、私どものふれあい・やすらぎ温泉事業もあれば、そこのところはハード、ソフトともに連携して、これからも一層、一般の方々が健康維持のために温泉を利用していける上でどう施策としてさらに進展させるかということと、もう一つは、疾病を持っていらっしゃる方々が温泉治療としての位置づけをきちっと明確にした上でどう利用して、利用というか、それを医学の部分で、医療の部分でお役に立たせていただけるかというふうに立て分けて、これから連携していかなきゃならないかというふうに思っておるところでございます。
 済みません。長崎県と言いましたけれども、鹿教湯温泉というのは長野県でございました。大変失礼いたしました。
#46
○但馬久美君 ありがとうございました。
 今のお話を伺っていて、心のいやしの部分と、それからまた公衆衛生上の部分というのも大変必要になってくると思うんです。
 そこで、現行の温泉法第十八条では、都道府県知事は、公衆衛生上必要があると認めるときは、温泉利用の許可を取り消したり、また利用の制限等の措置を命ずることができるとしております。これ自体は当然の規定であると思いますけれども、温泉利用施設における衛生管理は十分に行われなければならないと思いますけれども、温泉源が汚染されてしまってはこの温泉利用施設側にも限界があり、温泉源の汚染の防止が重要であると思います。でも、現行の温泉法ではこの規定がどうも見当たりません。
 現行の法体系において、温泉源の汚染を防止するための法令としてはどのようなものがあるのか、お伺いしたいと思います。例えば、地下にある温泉源が汚染された場合、水質汚濁防止法に基づいて地下水の浄化措置命令制度の適用などがあるんですけれども、この辺どういうふうに使われるのか、お伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(川口順子君) 温泉法という法律は、温泉の保護とそれから適正な利用を図るという観点で規制を定めているというものでございます。したがいまして、温泉が乱掘されて、あるいはほかの理由によって温泉の成分やわき出す湧出量に影響が出たというような場合には、温泉法で対応をするということでございます。
 それから、有害物質が地下に入っていった、有害物質を地下に浸透させるというようなことで温泉源が汚染をされるといった問題につきましては、これは温泉だけの問題ではございませんで、地下水一般の問題、温泉を含む問題といたしまして水質汚濁法によって規制をしている、それによる措置がとられるということでございます。
#48
○副大臣(風間昶君) 補足して、大臣の補足なんというのは大変僣越ですけれども、要するに温泉源が汚濁するのには、地下水の部分に有害物質が入っている場合、それから温泉そのものに菌が、例えばEコーライ大腸菌とかレジオネラ菌とか菌が行く場合、それからまた温泉成分そのものが微量の砒素が入っていたり、あるいは硫化水素があったりということで、汚染の原因が大きく三つぐらいに分けられると思いますけれども、有害物質が入っている場合には水質汚濁防止法で網をかけますし、病原菌が繁殖したり、あるいは温泉成分そのものが有害である場合には温泉法の第十二条の第二項によって不許可にすることができるし、また十八条によって取り消しをするという仕組みになっております。
#49
○但馬久美君 ありがとうございました。
 先ほど申し上げましたが、地方の各地で健康、予防のための温泉利用をする活動がもちろんにわかにふえてきているんですけれども、今日、温泉の宿泊利用者が年間一億四千万人にも上って、飲泉も、温泉のあれを飲むわけですね、盛んになってきております。
 このようなことを踏まえて温泉源の汚染の防止に関する規定を設けるべきではないかというふうに私も思っているんですけれども、温泉関係者から、温泉源の汚染にかかわる一切の行為を禁止せよ、そういうような条項を温泉法に明記すべきであると要望されております。少なくとも、この省令等で汚染防止策を講ずることは近々の課題であると思うんですけれども、もう一度この点についてお伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、温泉の汚染に対しまして、大臣、副大臣の方からそれぞれ場合を分けて御説明を申し上げました。
 先生、その全体について全部一網打尽にやるような規定が温泉法に設けられないか、こういうことでの重ねての御質問でございますけれども、やはりそれぞれの汚染の態様でございますとかそれを取り締まる場合の技術でございますとか違いますので、現在の段階ではそれぞれの、例えば水質汚濁防止法でございますれば県の環境部局でございますし、それから例えば病原菌とかそういったものでございますとこれは保健所などの応援も求めてやっていかなきゃいけないと思っておりますので、やはりそれぞれの法規、法体系に則しましてそれぞれの関係分野、都道府県等と協力して汚染の防止に努めていくべきものだとは思っております。
 しかしながら、問題意識を持ちまして、今後とも汚染事例の把握を行っていくということには努めさせていただきたいというふうに存じております。
#51
○但馬久美君 余り縦割りでその防止をやるのではなくて、もっとやっぱり関連してきちっとこういう問題、汚染の問題はやっていただきたいと思います。
 では、次に行きます。
 近年、我が国の各地に公共温泉地が発達してきておりますけれども、特に一億円の地域・町おこしというのがありましたね、そのときからふえてきていると伺っています。これを支えているのがボーリングという温泉の掘削でありますけれども、地中から温泉をくみ上げられているときにボーリングの目詰まりが生じて、温泉の枯渇につながるとも言われております。このボーリングの目詰まりを処理するのが技術的に大変難しいと言われているんですけれども、公共、民間ともにこの温泉関係の間では深刻な問題になっておりますので、このボーリングの目詰まりはまさに温泉地の死活にかかわる問題でありますので、この問題に対する国の支援というか支援策は考えられているのかどうか、その辺をお聞かせください。
#52
○政府参考人(西尾哲茂君) 温泉の掘削に伴いますボーリング工事のときの目詰まりでありますとか、あるいは揚湯管、温泉を揚げます管に付着するスケール、こういったものは除去していくということは、これは除去してその温泉を有効に使っていくというのは温泉の役割を果たす上で非常に大事なことだというふうに思っております。
 その支援措置ということでございますが、ただ、温泉のこうしたスケールなどを除去しまして温泉の機能をよくするというのは、逆に言えば温泉事業そのものの問題でもありますので、したがいましてその支援という場面におきましては、こういう揚湯量に直結する、事業者の利益に直結するところにストレートに財政支援をしていくということはなかなかなじまないのではないかと思っております。
 他方、今そういうことをしなきゃいけない、あるいは揚湯量がふえるということをとらえて要許可行為とするのではないかという不安がございますけれども、そういうことは適切ではないのでありまして、事業者の設備の管理の一環として行うべきもの、行われるものであると考えられるということでございますから、少なくとも許可とか不許可とかいう問題に関していえば、都道府県において許可を不要とするなどそういった行為がやりやすくなるように適切な対応がとられる必要がございまして、そういう対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#53
○但馬久美君 現行法でも温泉の利用施設には温泉の成分等の掲示が義務づけられておりますけれども、改正案ではその掲示内容を事前に都道府県知事に届けることとしており、掲示の適正化が図られておりますけれども、このこと自体は評価いたします。
 でも、問題は、こうした温泉成分等の分析が実行されているのが温泉利用の許可を得るときだけで、その後の定期的分析が依然として義務づけられていないということなんです。
 現在、この再分析についてはおおむね十年ごとに見直すということが妥当であるというふうに環境庁当時の通知がありましたけれども、これでは別にやらなくてもいいというようなことを言っているようなものであって、一口に温泉と言っても、自然にわき上がるものから地下一千メートル以上の大深度からボーリングで吸い上げるものまでさまざまあります。
 温泉の泉質については、一般的には大きく変わることはないと言われておりますけれども、大深度の地からボーリングによって地下の温泉源をくみ上げることが多くなっている今日、そのくみ上げが進行することによって当初得られた泉質に変化が生じたり、また温泉温度が低下したり、冷泉ですね、時には上昇する現象が指摘されております。
 この温泉成分の検査費用、おおむね一件につき大体十万円程度かかると聞いておりますけれども、この温泉を保健事業やまた正規の医療行為に活用することが活発になればなるほど泉度と温泉成分の明確化が重要な条件になってまいります。
 そうした意味から、やはり定期的な成分分析の義務づけ、また掲示の書きかえ、また都道府県に届けるということを明示すべきであると思いますけれども、その点どうお考えかをお聞かせください。
#54
○政府参考人(西尾哲茂君) 先生の御指摘のように、私どもの今までの考え方は、温泉の成分につきましては、一般的には季節や時間帯により変化する場合もあるが、総じて泉質が大きく変化することはないということを前提に考えてきております。
 大深度の掘削のケースも御指摘になっております。これはちょっと直接のお答えにはなりませんかもわかりませんが、私どもでも大深度の掘削の場合におきます注意事項でありますとか、その場合の許可を与えるに当たっていろいろ条件として付すべきことがあるか、そういったような点につきましては検討いたしまして都道府県にも示しておるところでございます。
 以上のようなことを踏まえまして、現在は温泉成分の定期的な分析は法律で義務づけるというところに至っていないわけでございますが、御指摘のように、各温泉地の地質、気象等を総合的に判断して、おおむね十年ごとに再分析を行うことが望ましいという旨を都道府県等に対して指導しているところでございます。
 これを指導というだけではなくてさらにきちんとした義務化をしてはどうかという御指摘でございますけれども、この点につきましては温泉の関係者間の意見もいろいろありまして、その調整もなかなか困難な面があるのが現状でございますので、これにつきましては、御指摘のことにつきましては今後の検討課題の一つとして考えさせていただきたいというふうに存じております。
#55
○但馬久美君 ぜひしっかり考えていただきたいと思います。これだけやはり温泉が見直されてきている時代でありますので。
 最後に、もう時間がありませんので、今回の温泉法改正の背景の一つに温泉の掘削の許可の滞留がありました。いわゆる掘削許可されても何年も掘削しなくて放置したり、また中断して何年もたつというようなことがいろいろあります。
 ところで、温泉の掘削を許可する際の基準として、都道府県によって独自に温泉の掘削の距離制限を設けているところでありますけれども、基準の内容の決め方もそれぞれまちまちであり、ばらつきがあります。こうした温泉の掘削の距離制限の基準については、もちろん地方分権また規制緩和の時代であることはもう承知でありますけれども、温泉の適切な保護と有効な利用のために、これを国において一定の適正基準を設けるべきではないかと思うんですけれども、これを最後にお聞きして終わりたいと思います。
#56
○政府参考人(西尾哲茂君) 各都道府県におきまして、各地域の温泉の湧出量あるいは温泉利用施設の数などの実情に応じまして、専門家の意見を踏まえ、温泉の掘削場所の距離制限など独自の基準が設けられているのは御指摘のとおりでございます。
 これらの基準は、逆に言えば、温泉の保護と適正な利用を推進するという見地から、むしろそれぞれの地域の実情に合わせて設けようということでございますので、その意味ではなかなか全国一律の基準とかあるいは全国でこの基準に従えというような基準ではなくて、やはりそれぞれの地域の実情に合わせた基準でやっていく方が温泉の保護には実際の場合において適合するのではないか、そういう見地で設けられております。
 しかしながら、こうした基準を設け、あるいは温泉の掘削の許可をする場合は、やはり御指摘のように適切な利用を推進するんだという見地から運用されなきゃならないものでございますから、したがいまして、私どもも各都道府県で行っておられます運用の実態でございますとか、あるいは今後におきますいろいろな研究といったようなものにつきましても収集いたしまして、各都道府県との会議の際、あるいはいろいろな機会に各都道府県と情報交換をするなどいたしまして、各都道府県とともに温泉利用に関して適切な運用がなされるように努力をしてまいりたいというふうに存じております。
#57
○但馬久美君 ありがとうございました。
    ─────────────
#58
○委員長(吉川春子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、片山虎之助さんが委員を辞任され、その補欠として世耕弘成さんが選任されました。
    ─────────────
#59
○岩佐恵美君 今回の温泉法の一部改正によりまして、掲示については今後、都道府県知事が掲示内容について事前に把握をして、不適切な内容の改善指導ができるようになるわけですけれども、温泉法による温泉の定義では、摂氏二十五度以上または十九種類の物質の一つが規定以上含まれていることというだけで、天然の温泉であるか、それに準じる温泉であるか、あるいは循環式の温泉であるかというような点について特に区別をしないで、全体ひっくるめて温泉ということになっています。そして、実際には天然の温泉を放出しているのか、温度が熱い場合には川の水をまぜているのか、水道水をまぜているのか、あるいは温度が低い場合には沸かしているわけですが、それが何度ぐらいのものを沸かしているのかなど、利用者に必要な情報が適切にわかりやすく掲示されておりません。
 私は、ある温泉で驚いたことがあるんですけれども、とてもいいお湯でしたけれども、実は地熱発電に使った後のリサイクル利用だったんですね。地熱発電のためには硫黄分だとか夾雑物を除かなきゃいけない。熱いお湯がそのまま使われて出てくるわけで、取り除いた夾雑物とその熱いお湯とをまぜて、ブレンドして、それで温泉として利用している。それはリサイクルですからとてもいいというふうに私は思います。それが悪いというわけじゃないんですけれども、その説明を聞いて、ああ、そうかと思ったんですけれども、事前にそういう説明もしっかりあるといいなというふうに思った経験があります。
 全国的には約三千二百カ所の温泉地があります。温泉の利用者が適切に選択できる情報が必要だと思います。そこで、温泉事業者、利用者などの意見も聞きながら、掲示内容も利用者の関心に沿った内容で検討していったらいいのではないだろうかというふうに思いますので、その点、いかがでしょうか。
#60
○政府参考人(西尾哲茂君) 御説明します。
 豊富な温泉が天然のまま、ふんだんに利用できる、そういうのが一番理想的ですばらしいことだというふうに思いますけれども、ただ各地の温泉地では、やはりその温泉の温度だとか泉質だとか湧出量の制約から、それを加熱していわゆる沸かし湯にしてあったり、あるいは非常に温度の高いものを薄めて利用ができるようにしたり、あるいは循環利用したりといったいろいろな利用がなされているわけでございまして、そうした利用がされるというのは、逆に言えば、それだけ我が国では皆さんが温泉に対するニーズが高い、いろんな形で利用したい、こういうことではないかと思っています。
 そのうち、非常に極端な例といいますか、湧出したところと浴用に使っているところで随分泉質に相違がある場合は、もちろん浴室、浴用に使っているところでの成分分析結果に基づいて掲示等をすべきでありますから、その点につきましてはきちんと指導していくことといたしまして、さらにもうちょっといろいろな情報を提供していく。そういうことで温泉の品質を、いろいろ情報を提供してきちんと差別化していくべきではないか、こういうような意見もあると思います。
 ただ、これまでのところ温泉法はそこまでは踏み込んでおりませんで、温泉利用者の健康保護等に直結する問題を規制するんだ、こういう法目的からそこまでは踏み込んでいないところでございます。民間の団体でも天然温泉という表示を行っているようなところもあるわけでございますけれども、現在のところ、私どもは事業者や民間での自主的な判断、情報提供にゆだねるということが適当と考えておるところでございます。
 しかしながら、先生の御指摘でございます今後温泉事業者、温泉利用者双方の意見も注視していきまして、適切な温泉利用の見地からどういうことができるのか、何が適切なのかにつきましては、今後とも検討をしていくこととさせていただきたいと存じます。
#61
○岩佐恵美君 温泉の活用についてですけれども、一九四八年に温泉法ができたときに政府は、治療及び健康増進、国民福祉の増進のために温泉を利用するという対策を立て、これらに努力したい、そういう答弁があるわけですけれども、この温泉法の十四条、十五条に沿って、環境省として具体的にどのような対策をとってこられたんでしょうか。
#62
○政府参考人(西尾哲茂君) 温泉の効用といいますのは、周辺の施設や自然環境、そういうところと相まって大きな効用を発揮するということでございますので、それにふさわしい温泉地を御指摘の温泉法第十四条に基づきまして国民保養温泉地として指定することとされております。これは昭和二十九年から適切な場所を指定してきまして、現在までに八十九カ所が国民保養温泉地として指定されております。
 環境省におきましては、こういう国民保養温泉地を温泉の公共的利用を増進するというこの十四条の趣旨に沿って支援していくために施設整備の推進を図っておりまして、昭和五十五年からはその中から適地を選定いたしまして国民保健温泉地整備事業という事業を進めております。またさらに、平成五年からはそれの後継ぎをいたしまして、さらに一層、自然の観察施設でありますとか自然探勝歩道でありますとか自然教育的な意味合いも加えたような施設整備を行うということで、ふれあい・やすらぎ温泉地整備事業というものを進めてきておりまして、現在着手しているところも含めますると二十カ所ほどの地域で整備を進めておるわけでございます。
 今後とも、こうしたような事業にさらにいろいろな工夫も加えまして、地元市町村の取り組みに関してできる限りの支援をしてまいりたいというふうに考えております。
#63
○岩佐恵美君 先ほども話題になりましたけれども、温泉の健康に対する効用ですけれども、国民健康保険中央会の「医療・介護保険制度下における温泉の役割や活用方策に関する研究」、これは二〇〇一年三月に出されている報告書でございます。この報告書では、温泉施設で健康相談を実施したり診療所を併設している自治体では高齢者の医療費が減っている、そういう例が多いというふうに指摘をされています。このような調査を参考にしたり、あるいは温泉を活用している自治体の意見もよく聞いて、環境省として国民の健康増進、国民福祉の増進のために温泉を活用することを積極的に考えていったらどうかということです。
 先ほどの御答弁にもありましたように、厚生労働省との関係も当然あると思います。ぜひそういうところと相談されながら国民保養温泉地の指定、補助事業、そういうものだけではなくて、保健事業など温泉を活用している自治体への支援策、これをもっと充実させていったらいいのではないかというふうに思います。その点について、副大臣のお考えを伺いたいと思います。
#64
○副大臣(風間昶君) 平成十三年三月にまとめられました国保中央会の「医療・介護保険制度下における温泉の役割や活用方策に関する研究」を読ませていただきまして、温泉を活用した保健事業を積極的に展開すると老人医療費が下がる、あるいは医療の場ではなくて高齢者のサロンにしていくといったような内容も、大変示唆に富む報告書が出されているわけであります。
 今、先生おっしゃいましたように、まさに環境省としては自然ふれあい・温泉センターの事業をやっているわけでありますけれども、一方、厚生労働省はクアハウスを中心とした温泉利用型の健康増進施設もこれまた十九カ所ぐらいやっておるわけでございます。
 おっしゃるように医療の場面で温泉をどういうふうに位置づけていくかということについては、私ども今調査をさせていただいておりますけれども、一定の疾病、病気に対して効果がありという部分もあれば、ただ単にというか、疾病を持っていらっしゃらない方々の健康増進に効用があるということの二つの側面がございますから、ここのバランスをどうとっていくかということで、温泉を保健医療の分野にどういうふうに展開していけるかということは、極めてこれから幅広の議論を厚生労働省とも連携してやっていかないとちょっと今の時点では厳しいかなというふうに思っておりまして、いずれにしてもきちっと連携をして、温泉医学、温泉療法の位置づけをした上で図っていきたいと思っております。
#65
○岩佐恵美君 温泉のある自治体が七割ということですから、観光面だけじゃなくて、医療あるいは健康増進、病気になる前の予防というような効果というのは十分あるというふうに思いますので、そういう点をひっくるめてぜひ努力をしていただきたいと思います。
 終わります。
#66
○委員長(吉川春子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 温泉法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#67
○委員長(吉川春子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#69
○委員長(吉川春子君) 浄化槽法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願いいたします。
 今回の浄化槽法でございますが、これは平成十二年に単独処理浄化槽の新設廃止と合併処理浄化槽の普及を主とした浄化槽の廃止を受けてのものだというふうに承っておるんですが、基本的には浄化槽設備士、浄化槽管理士のことに対しても言及されているんですが、実態としてどういう状況になっているのかお伺いをしたいというふうに思います。
 合併処理浄化槽が普及をされているというふうに伺っておりますが、この合併処理浄化槽設置の費用というのは一体どのぐらいかかるのか、また設置者負担の金額というのはどのぐらいかかるのか教えていただけますでしょうか。
 また、逆に下水道処理施設の設置の場合に一戸当たりの設置費用、自治体の負担を大まかにお答えをいただければと思います。
#71
○政府参考人(岡澤和好君) 合併処理浄化槽には個人が設置する個人設置型と市町村の設置します市町村設置型とがございます。
 まず個人の設置する合併処理浄化槽についてでございますけれども、大体標準タイプの五人槽で一基当たり約九十万円になります。このうち設置者負担が六割、それから市町村等の補助が四割になります。この市町村等補助の四割につきましては、国が三分の一これに対して補助をするという仕組みになってございます。
 それからまた、平成六年度からつくられた制度でございますけれども、水道水源地域など生活排水対策を緊急かつ面的に整備する必要がある地域については、市町村が合併処理浄化槽の設置運営主体となる特定地域生活廃水処理事業というものがございます。この場合には全体事業費のうちの三分の一を国が補助いたしまして、設置者負担は十分の一ということでございます。
#72
○福山哲郎君 その設置者負担の十分の一というのは金額はわかりにくいんでしょうか。
#73
○政府参考人(岡澤和好君) 設置費用の九十万円は市町村設置型についても同じでございますので、個人設置型の場合の六割ですから五十万ぐらい、それから市町村設置型の場合は一割ですので九万円ぐらいということになります。
#74
○政府参考人(曽小川久貴君) 下水道の設置費用についてのお尋ねでございますが、まず汚水処理施設の費用比較をいたす場合に、事業の特性を考慮して比較の対象ベースといいますか、それをそろえることがまず必要であろうと思っております。
 まずその中で、下水道事業につきましては雨水対策、これを事業の主要な目的の一つとしておるということがまず第一点でございます。
 また、二つ目でございますが、下水道処理区域内の、例えば地域の学校でございますとか役場、事業場、これらの汚水についても処理区域内に入っております場合には下水道として処理をするということでございますが、合併浄化槽の場合にはそれらの施設ごとに合併浄化槽を設置する必要があるという点がございます。
 また、あわせて、下水道の事業のおおむね七割から八割につきましては下水道管渠で構成されておりますけれども、これにつきましては、例えば耐用年数が五十年以上あるというようなことでございまして、そういった意味ではライフサイクルコストなどを考慮しながら比較をしていくことが必要ではないかということでございます。
 そういった前提に立ってお答えいたしますが、下水道において、今申し上げましたような雨水対策に係る費用を除いて汚水対策に要する費用、これをその都市の浄化処理人口で割ったもの、これで極めてマクロ的に見た場合の単価ということでお答えさせていただきますけれども、第七次の計画の中では、一人当たりの事業費がおおむね八十万程度ということになってございます。
 また、自治体の負担ということでございますけれども、下水道事業につきましてはおおむね総事業費の約三六%程度が国費ということになってございまして、残りが六四%ございますけれども、これが地方費ということになっております。この中の約四%が受益者負担金ということになっておりまして、残りの六〇%の大部分は地方財政措置がとられておるところでございます。
#75
○福山哲郎君 そうすると、ざっくり計算すると、四十八万円ぐらいが自治体負担ということになるわけですか、一人八十万という計算になると。受益者負担としては三万円前後という感じの計算になるわけですね。わかりました。
 その次なんですが、現実に、今雨水対策のことを言われたので一概に比較はできないと思うんですけれども、下水道普及と合併処理浄化槽の普及ということについての優先順位というか、どちらを国としては普及させたいというふうに思っているのか。雨水の問題がありますから一概には言いにくいと思いますが、そこら辺は環境省と国土交通省の御認識はいかがなんでしょうか。
#76
○政府参考人(岡澤和好君) 下水道と申しますのは、管渠によって地域の生活排水を一カ所にまとめて処理場で処理するという集合処理の形態をとっているものでございまして、大規模で工事期間も長いということでございます。一方、合併処理浄化槽につきましては、管渠を使わずに排出源の各家庭において生活排水を処理するという個別処理を採用しているわけでして、工事期間も短いし安いということになります。
 ただ、こうしたシステムの違いがありますので、下水道と合併処理浄化槽の整備に要する費用の負担というものを単純に申し上げることもできませんで、地域の実情とか、それからその地域でどういう排水処理を必要としているのかというようなことを勘案して決めるということになると思います。ただ一般的に言えば、市街地など人口密集地域では下水道が適しているし、人口散在地域や起伏の多い中山間地域では浄化槽の方が効率がいいだろうということは言われております。こうした個別処理、集合処理といった性格の違いあるいは費用の問題等も踏まえまして、市町村においてこれが適切に選択されていくというのが最も望ましいことだというふうに考えています。
 昨年の段階ですが、当時の建設省あるいは農水省それから厚生省と三省で連携いたしましてその三つの、三つといいますのは下水道と農村集落排水処理事業と浄化槽でございますけれども、その三つの処理事業につきまして費用比較ができるような資料というものを提供して、そうしたものを使うことによって各市町村が適切に施設を選定できるようなことを措置したところでございまして、そうしたものを使いながらそれぞれの市町村がそれぞれの事情に応じて適切に整備していくということが必要だろうと思っています。
#77
○政府参考人(曽小川久貴君) 汚水処理対策については、水質環境を守っていくといったこと、それから生活環境を守るといったことから非常に重要な施策であるというふうな理解をいたしております。
 特に下水道といたしましては、ただいま環境省の方からもございましたけれども、家屋が連檐するような地域につきまして計画を定めて、これを重点的に整備を進めるということでございます。このときに、先ほどもございました、それぞれ汚水処理を所管する厚生、農水それから建設というところで最もその地域に合った汚水処理システムを採用しながらそれを強力に進めていこうということで、三省で調整をしながら進めてきているところでございまして、それぞれの市町村に対しまして総合的な汚水の処理計画、こういったものをつくっていただいて、それに基づいてそれぞれの事業が相協力しながら事業を進めていくということにいたしておるところでございます。
#78
○福山哲郎君 今おっしゃられたとおりで、人口規模別に見ると、百万人以上の大都市では生活排水処理施設の整備率は九九%に達している。ところが、五万人未満の市町村では生活排水処理施設の整備率は四一%であると。いろいろ過疎地域とか点在していて、そこは合併浄化槽という話になると、先ほどの話でいうと、百九十万円の六割ですから……
#79
○副大臣(風間昶君) いや、トータルで九十万円です。
#80
○福山哲郎君 九十万円ですね。九十万円設置者に負担が行く。これはかなり設置者負担が大きいように思うんですが、これに対する対策等は何か考えられているんでしょうか。
#81
○政府参考人(岡澤和好君) 浄化槽の設置費用は総額九十万円で、個人負担が六割でございますので、個人の負担額は五十万ぐらいになります。
 それで、もともと浄化槽は個人が設置する、個人の財産として設置するという性格があることと、水洗トイレにしたいという個人の欲求といいますかそういう願望に対して、それを達成するための手段という、個人的な施設という位置づけがございますので、そういう意味では原則としてトイレと同じように個人負担というふうに考えられてきたわけです。
 ただ、生活排水をあわせて処理できる合併処理浄化槽になりますと、水質汚濁防止という公共性が発揮されることから、その公共性の部分について国が補助しようというふうに考えたわけでございまして、それが九十万円のうち五十万円部分が水洗化、つまり個人的な部分が五十万円、それから公共的な部分が残りの四十万円、こういうふうに四割と考えまして、その四割部分について補助しているわけでございます。ですから、もともと公共インフラとして整備されてまいりました公共下水道とはちょっと生い立ちが違いますので、こうした補助制度の違いにあらわれているものでございます。
 ただ、合併処理浄化槽も特に山間地域でこれから普及を図っていかなきゃならないことでありますので、市町村設置型の合併処理浄化槽の事業というものを進めてまいりまして、この場合には全体として三分の一の補助が入りますし、先ほど申し上げましたように、個人負担は一人当たり九万円ぐらいということになりますので、下水道にかなり近づいてくるというふうなことが言えるんじゃないかと思っております。
#82
○福山哲郎君 それともう一つは、下水道予定処理区域について、七年以内に下水道予定処理があるところはこの合併処理浄化槽の設置に補助金が交付されないと。七年間待って、もしくは例えば予定がおくれたりなんかすると生活雑排水を垂れ流していくことになって、七年間は実は環境汚染が進んでしまうというような、法の穴みたいなところで地域の環境破壊が進むんじゃないかというような懸念があるんですが、これに対しては何か対策なり考え方なりはありますでしょうか。
#83
○政府参考人(岡澤和好君) 下水道予定処理区域につきましては、七年以内に下水道が整備されるという区域になります。また、そうしますと平均的に見れば三、四年ぐらいで下水道が来るということになるわけでございまして、国庫補助の重複を排除するという考え方から、その部分については合併処理浄化槽の補助はしないという整理をしているわけでございます。また、昨年改正いたしました浄化槽法の中でも、下水道処理予定区域内では合併処理浄化槽の設置義務というものは免除しているという状況でございます。
 ただ、仮に下水道の整備が大幅におくれるというようなことになりますと、生活排水が垂れ流しされるというのが長期に続くということにもなりますので、下水道計画の変更、見直しというものも含めまして、生活排水処理が地域内で適切に行われますように地域で配慮していただくというふうなことを指導しておるところでございます。
#84
○福山哲郎君 さらに言えば、合併処理浄化槽にしていこうというふうな話になっているんですが、現実には今埋設されている単独処理浄化槽があるわけで、合併浄化槽に対するチェンジの促進というか、単独処理浄化槽の現状にあるものに対する対策はどのようにお考えになられているんでしょうか。
#85
○政府参考人(岡澤和好君) 単独処理浄化槽の合併処理化ということでございますけれども、一般的には、耐用年数近くまで使用してきた単独処理浄化槽については、撤去したときに合併処理浄化槽への設置がえを行うということが最もよく行われるケースだと思います。
 ただ、合併処理化を促すために、本年度からでございますけれども、既設単独処理浄化槽に膜処理装置という新たな膜で処理する装置を付加いたしまして、事実上生活排水とあわせて処理する合併処理化というものを進められるような、そうした技術があるわけですけれども、そうしたシステムに対してもことしから補助を行っているところでございまして、新設して間もないような浄化槽でありましても、こうした制度を活用することによって合併処理化を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#86
○福山哲郎君 あと四分ぐらいありますので、副大臣と政務官に、前の問題に戻りたいと思いますので、少しおつき合いをください。京都議定書の問題に少し戻らせてください。
 副大臣と政務官は、七月にCOP6ビス、再開会合が始まる、三十日に首脳会談がある、そのときに、アメリカの対応がどうかはわからないんですが、我が国としてはどの時点の政治判断で、早期に批准をするから京都議定書に対しての運用ルールを決めることに対して積極的に対応するんだというふうに、どの時点で判断するべきだというふうに思われていますか。
 現実問題としては、COP6ビスが七月十六日から始まります。六月三十日に首脳会談があります。その間ずっとぎりぎりまで待つのか。そうしたら事務方は何も動けないわけで、全力を尽くされるというふうに先ほど政務官も副大臣もおっしゃられましたが、決議もあることですし、いつぐらいなのかということを副大臣と政務官の御意見を伺いたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
#87
○副大臣(風間昶君) まさにその判断をいつかしなければならないということが起こってくるだろうということは私も十分予測しているところでありまして、内閣の一員である環境大臣を中心にして、総理がアメリカに行かれる、また今、田中外相が行かれていて積極的な働きかけを行っているところでございますから、その部分について、少なくとも六月三十日の日米会談のところが一つの結節点になるのかなというふうに個人的には思っています。
 したがいまして、最後の最後まで、これは外交交渉でありますから、努力することをもって、期限を予断を持って決めるということについては私はなかなかリスクが大きいのだろうというふうに思っています。
#88
○大臣政務官(西野あきら君) 風間副大臣もお答えになったとおりだと思いますが、六月三十日に首脳会談がセットされておる、こういうことでございますればそれまで全力を挙げる。結論的には一種の、COP6が七月でございますから、首脳会談の直前ぐらいには我が国としての方向づけというのが当然出てくるのではないか、それまで全力を挙げるべきだと、私はそのように思っております。
#89
○福山哲郎君 風間副大臣からは結節点だと、西野政務官からは三十日までに我が国の方向を出すことも必要が出てくるのではないかというふうに、どちらかというと随分踏み込んだ発言をいただきましたが、大臣、いかがですか。
#90
○国務大臣(川口順子君) 日米会談で総理がどのように対応をなさりたいとお考えかということは、まさに総理がこの間の党首討論で今考えているというふうにおっしゃられたわけでございまして、内閣の一員としては、最終的には総理がどうお考えになるかということに従いたいと思っておりますけれども、環境十全性の立場からアメリカの参加というのは本当に大事なことでございまして、私たちがどう考えるかというのは、まさにこれからやろうとすることが本当に温暖化の抑制に役立つかという観点から考えるべきでございますので、その観点から、アメリカを参加に向けてアメリカに働きかけるということは本当に大事なことだと私は心の底から思っております。
 したがいまして、とことん最後の最後まで働きかけ、同時に国会決議を重く受けとめて、来るCOP6再開会合におきましては、国際的な場裏で合意が可能となるように、またアメリカがそこに建設的に参加をするように働きかけ、なお合意に全力を尽くすということでございますし、国内的には、そういった国際的な合意を踏まえて、我が国も二〇〇二年までの発効の一員となることができるような締結が可能となるように国内制度の構築を行う。これがございませんと国際的な枠組みを国内的に担保するということが不可能でございますのでそれを行っていく、これにも全力を尽くしていくということが大事だと思っております。
#91
○福山哲郎君 もう時間なのでやめますが、今の大臣のお話をいつも伺っていて思うのは、そこでアメリカが参加をするかしないかということと、それから国内整備をすることということがどこでどうつながってどこで切れるのかがいつもよくわからなくて、またこの問題は引き続きやっていきたいというふうに思います。
 以上です。終わります。
#92
○但馬久美君 浄化槽法改正案についてお伺いいたします。
 平成十一年度の末における生活排水処理施設、その整備率は全国で六九%となっているようであります。長年かけてようやくきょうの整備率まで到達してきておりますけれども、依然として国民の三割の皆さん方は生活雑排水を垂れ流し続けているというわけでありますので、河川の汚染は一向によくならない。日本の川を汚す主役は工場排水から今度は生活排水に変わってきておりまして、生活が快適になればなるに従って化学物質とかそういうものが河川に流れ込むケースが多くなってきております。
 ある報道によりますと、水道水質を研究している国立公衆衛生院の専門官が、浄水処理ですべての汚染物質を取り除くことは無理であると、こういうふうに指摘しております。安心して飲める水を確保するには川の水質をよくするしかないと訴えております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、この専門官の言葉が引っかかるんです。浄水処理ですべての汚染物質を取り除くことは無理であるとは、当然の結果、水道水に汚染物質が流れ込み、知らず知らずのうちに人体に入り込んで人体をむしばむ、そういうことを意味すると思います。
 そこで、現在の六九%の整備率をさらに高めるしかないのではないか。しかし問題は、整備された合併浄化槽において例えば化学物質のような汚染物質についてはどの程度除去されるのか、とても技術的な問題でありますけれども、この点をお伺いいたします。
#93
○政府参考人(岡澤和好君) 合併処理浄化槽は、し尿に加えまして流しとかふろとかの生活排水というものを処理することを前提にしているわけでございますが、これは仕組みといたしましては、微生物の作用によってこうしたし尿とか排水中に含まれる汚濁物質を分解する、そういうシステムを使っているわけでございます。生物による分解作用を期待しているわけでございますので、し尿とかあるいは生活排水の汚濁物質というものは処理できますけれども、例えば農薬だとか殺虫剤だとか、そうした化学物質を直接ここに投入するというようなことになりますと、こうした微生物で容易に分解できないものについては分解できないというふうなことになるわけでございます。これは下水道でもほぼ同じことだと思います。
#94
○但馬久美君 そういう話を聞きますと大変心配になるわけですけれども、今、国民の三割の皆様が生活の雑排水をそのまま垂れ流している現状を認識した上で、国立公衆衛生院の専門官の御意見では川の水質をよくするしかないということを考えているならば、一つは川に流れ込む水質の浄化であります。もう一つ、二つ目には川自体の浄化ということが、遠大な浄化方法であると思うんですけれども。
 環境省としてはこの二つとも対策の中に入れているのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#95
○副大臣(風間昶君) 出口の部分と途中の部分と、当然環境省としては、生活排水処理、それから工場、事業所の排水処理といった出口は当然として、河川自体を浄化するということについては極めて重要な問題でありますから、今まで進めている施策を中心にしてさらに進めていかなきゃならないというふうに思っているところであります。
 しかし、下水道等への生活排水処理施設の整備が当面見込めないという場合には、河川自体をどうやって本当にきれいにするかということで、国土交通省さんでも一級河川や二級河川で河川自身の浄化事業を行っておりますこともありまして、私どもは私どもで平成三年度から生活排水を流す管、水路の水質浄化を行う事業として生活排水汚濁水路浄化施設整備事業、難しい言葉ですけれども、あるいはアシとかヨシ、一部の地域でありますけれども生態系を利用した水質浄化事業をやっておりまして、なかなかこれは本当に出口と途中とを一体緊密連携でやらないと川自体はきれいになっていかないなというふうに思っておるところであります。
 私自身の生活、もう本当に四年ぐらい前まで、ごめんなさい、個人的なことでありますけれども、ティッシュペーパーをトイレに流していまして、女房からとんでもないと。いや、あの方がきれいになるんだ、お尻がと言ったんだけれども、とんでもないということで、今ちゃんとトイレットペーパーを使っている次第でございまして、個人個人のレベルにおいてもきちっとそういうことをやっていかないと本当に変えていけないなというふうに思っているところであります。
#96
○但馬久美君 環境、また河川のそういう浄化というのは、一人一人の意識を変えていく以外にないという部分も、本当に今申されたとおり、そうだと思うんです。やはりこの環境委員会でもそういうふうなところを指摘しながら一歩前進するようなことを考えていっていただきたいというふうに思います。
 次の質問は少し先ほどの質問と重なると思うんですけれども、家庭の合併浄化槽を含めて生活排水処理施設の整備は今後各省の連携のもとで、例えば地域の一部では国土交通省の下水道とか、また農水省の農業集落排水、また厚生労働省の合併浄化槽など一体に整備することによって事業費の二割から三割削減できると言われております。
 こうした方式はどのような年次計画でなされていくのか。また、きちっとその連携がとられているのかどうかについて、この二点、お伺いいたします。
#97
○副大臣(風間昶君) 汚水処理施設の整備に関する都道府県の構想を策定していただけますように、平成七年に農水省、それから当時の厚生省、それから当時の建設省の連名で通知を出させていただきまして、現在、すべての都道府県でその構想を策定されておるわけであります。先生のところの兵庫におきましても、「生活排水九九%大作戦」という名称で構想が策定されておりまして、その都道府県構想をさらに見直していくことも必要になってまいりますから、施設整備の経済比較をそれぞれのところでやっていくことができますように、昨年の十月にも三省連名の通知を出させていただきました。
 今後とも、そういう意味では、汚水の処理施設の整備がきちっと計画的に動いていきますように、関係省とも連絡をとって努力してまいりたいというふうに思っております。
#98
○但馬久美君 私、もう時間が参りましたのでこの辺でやめさせていただきたいと思いますけれども、生活排水処理施設の整備、今後ともぜひきちっと進めていっていただきたいと思います。
 以上でございます。
#99
○岩佐恵美君 下水道や農村集落排水事業、合併浄化槽などの汚水処理施設の整備率は人口比で六九%、そのうち下水道が六〇%です。大都市の下水道整備が進んで、今後は地方の中小都市の汚水処理が課題になってきています。そういう状況のもとで、従来のような大規模な施設を建設して長距離の管路を敷設する下水道中心でいいのかどうか、今、各地で議論になっております。
 特に、流域下水道方式は巨額の資金と長い年月を必要とします。さらに、水の確保でも問題が多いと言えます。例えば、徳島県の吉野川下流域では利水のための可動堰が計画されているわけですが、並行して大規模な農業用水道の建設、流域下水道の計画、これが同時に進められていて、前に中山大臣と参議院の委員会で私、議論したんですが、そのとき大臣も、初めて知った、調整が必要なんという答弁がありました。
 また、汚泥処理の問題も非常に深刻です。もはや焼却一辺倒では解決できず、どうリサイクルするかということが大きな問題になってきています。
 近年、政府も合併浄化槽を含む多様な処理方式を効果的に活用して汚水処理施設整備を進めるという方向に転じてきていますが、まだ合併浄化槽は七%です。年間の整備数というのは十万基程度にしかすぎません。汚水処理施設が未整備の地域の七割近くが人口十万人以下の市町村で、五万人以下の市町村が半分以上を占めています。
 そういう状況からすると、今後は従来以上に個別処理方式に比重を置いた整備をしていく必要があるというふうに思います。なぜ合併浄化槽が広がらないのでしょうか。政務官。
#100
○大臣政務官(西野あきら君) 下水道は、流域下水道を中心にいたしまして昭和四十年ぐらいからスタートいたしておりますが、合併処理浄化槽は、お話がありましたとおり、昭和六十二年から事業をスタートしておるわけでございます。しかも下水道は、人口が非常に密度の高いところ、いわゆる都市的なところを先行してやっておるわけでありまして、このためには、お話がありましたとおり、膨大な費用がかかっておるわけでありまして、まず、国民の文化的生活という観点から、人口の密集度の高いところから作業を進めておる、そういう状況でありますだけに、スタートもおくれております合併処理浄化槽につきましてお示しのような七%程度の普及率になっておる、こういうことでございます。
 今後、人口密度の低いいわゆる中小の市町村、さらには中山間地域等においても合併処理の浄化槽が推進していきますためにも、国土交通省、そして総務省、現在自治省じゃなくて総務省、それから環境省、関連します三省が相連携をして適切に整備の推進を図っていくべきと、このように考えております。
#101
○岩佐恵美君 一九九四年度から市町村が面的に合併浄化槽を整備して管理する特定地域生活排水処理事業制度ができて、ようやく公的な汚水処理施設として個別処理方式が位置づけられるようになったわけですが、取り組みは五十七市町村にとどまっています。自治体の側の問題もあるというふうに思いますが、国の予算も、下水道が一兆円規模であるのに対して合併浄化槽は何と百八十億円、余りにもかけ離れ過ぎているという思いがいたします。その点でもっと努力をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#102
○大臣政務官(西野あきら君) 確かに下水道と合併処理浄化槽との予算的な規模が、もう数字が二けたほど違うわけでございます。これは、合併処理の場合はいわゆる個人の範囲でございますので、当然費用も少なくなってくるわけであります。下水道の場合には流域下水道から管路から処理場も含めた規模になるわけでございますので、結果としてこういうことにはなっておるところでございます。
 ことし、平成十三年度からは、対前年度から比較いたしましてもやや微増でございまして、七・六%ほど増加しまして百八十億ぐらいになっておるわけであります。特に汚水処理の整備というものは、御案内のとおり地域がそれぞれございまして、その特性を踏まえて整備しなきゃならぬという問題もございますので、今後とも市町村の理解をも得て必要な予算獲得に向けて努力をしていくべきだ、こう思っています。
#103
○岩佐恵美君 汚水の処理コストについて下水道と合併浄化槽とを、環境への負荷、これも含めてどちらが効率的か、私はケース・バイ・ケースで計算できるようにしていく必要があると思うんです。やっぱり環境問題も考えるということが大切だと思います。その上で、合併浄化槽についても補助率現在三分の一、これを下水道などの集合型の施設二分の一ということに引き上げていくような整合性のとれた対応が必要だと思いますが、その点どうでしょうか。
#104
○大臣政務官(西野あきら君) 補助率につきましては、下水道の場合はいわゆる元利の償還制度、こういう形で交付金にも充てておりますし、要するに受益者負担のかかる部分というのは確かに非常に少ないというふうに思っております。それだけに考え方が、合併処理浄化槽の場合は、先ほども話があったと思いますが、個人の資産といいますか個人の所有、こういうことにもなりますので、そこらあたりが補助率、交付率も含めて相当の差が現実に出てきておる、このように思っておりますが、時代の趨勢あるいは整備状況等も踏まえますと、今後、この合併処理に対しても補助率の問題についてもいろいろ勘案していくべきだ、このように思っております。
#105
○岩佐恵美君 私は、比較検討の場合に、環境への負荷というのを十分考えていく、環境を保全するということで公共性を持っている。だから、個人だということで決めつけるのではなくて、その面を大きく広げていくべきだというふうに思っています。
 それをすごく痛切に感じたのが山のトイレの問題なんです。山のトイレを幾つか見て歩きました。その中で、私たちがトイレ問題をどう考えたらいいかという場合、山のトイレというのは原点だという感じを受けました。都会で大規模に処理をされるトイレの場合は、利用者は処理のところまで考えません。ですから、トイレに流すときに何の気なしに流すし、それからさまざまなものを水に流すという感じでトイレに流してしまうということがありますし、それでトラブルのもとにもなっているわけです。
 山ではそうはいかないんですね。処理についても個別対応がそれぞれについて必要だということでいえば典型例だというふうに思います。近年、健康増進あるいは百名山ブームもあって、熟年層を中心に登山人口がふえていて、山のトイレやし尿の後処理、これが深刻な環境破壊を引き起こすとして大きな問題になっています。
 環境省として、国立公園内の山岳トイレの調査を実施しているかどうか、実態をつかんでいるかどうか、伺いたいと思います。
#106
○政府参考人(西尾哲茂君) 環境省では、平成二年に国立・国定公園の利用拠点にある公衆トイレ等の実態調査を実施いたしまして、その時点で、暗い、汚い、臭いという、3Kというような非常におくれた状況にあったということがございました。そこから、これを緊急に解消しなきゃいけないということで、翌年度から自然公園内の公衆トイレの再整備を進めてまいりました。
 このほか、民間を含む山岳トイレの改善についても一部個別に対応してきたところでございまして、施設の整備の方は対応してきておるのでございますが、調査という御指摘でございます。その実態の全般的な把握につきましては現時点で行っておりませんので、今後の課題とさせていただきたいと思っております。
#107
○岩佐恵美君 山の環境保護とトイレ整備に取り組んでいる市民団体、山のトイレさわやか運動本部、ここが一九九八年に行った山小屋のアンケート調査によりますと、くみ取り式が四二%、浄化槽が二七%、土壌処理貯留槽が一一%となっています。し尿や汚泥の搬出、これは人が担いでおろすか、ヘリコプターによらざるを得ないため、三割の施設でしか搬出していません。半分以上が、地下浸透四五%、埋め立てが三六%、放流が一三%ということで、周辺で処理をしています。その結果、植生への影響、斜面にティッシュペーパーが散乱するなどの景観上の問題、地下水や沢水の汚染など、生態系や環境に悪影響が出ています。これは、市販の案内書に載っている千二百五十七軒の山小屋などにアンケートを送って、回答があった百八十二件を分析したものだそうです。回答率は一四・五%で、全体のほんの一部だということです。
 環境省として、環境保護団体や自治体と協力をして、山のトイレの実態について全国調査を実施する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#108
○大臣政務官(西野あきら君) 環境省でも、山岳環境浄化・安全対策緊急事業費補助、いわゆる予算的な補助制度を平成十一年度から設けておるところでございますが、今先生からお示しになりました調査という問題につきましては、環境省としては具体的に実施しておりませんで、むしろ民間の今お示しになったような形の調査を実は参考にいたしておるわけでございまして、今後そういう民間の方々あるいは当該の自治体の関係者等とよく連携を図りながら検討していく課題だと思っております。
#109
○岩佐恵美君 それから、さわやか運動本部が昨年、全国九十五の山の水場百六十三地点で実施した水質調査がありますが、アンモニア系窒素、亜硝酸塩窒素、硝酸性窒素、これが多数の地点で検出をされ、水道基準では検出されないこととされている大腸菌も四四%の水場などで検出されたというのです。私も山に行って山水をおいしいと言って飲むわけですが、この上に山小屋があるのかないのかというのがいつも気になるところなわけです。山で水を飲んでおなかを壊したという例もかなり聞いているわけで、とてもこの調査の結果というのはショックを受けました。
 山岳自然公園で利用されている水場のぜひ水質調査を行って、汚れている場合には、何が原因でそこが汚れているのかという、原因を取り除く対応策をとっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#110
○大臣政務官(西野あきら君) 民間ボランティア団体がいろいろ検査、調査をいたしまして、七十二カ所ほどでこの大腸菌等が検出されたということのようでございますが、この検出の方法等についても若干技術的その他で疑問があるようでございますが、いずれにしても、山岳の自然の中で親しみまた潤うことのできる登山家あるいは環境に対して、そういう菌が現実にあるというようなことになりますと、これは大変ゆゆしきことだというふうに思っております。
 したがって、これまた先ほども申し上げましたとおり、民間団体と当該の地方公共団体とよく連携をして、協力体制はどうあるべきかということも検討した上で考えていきたい、このように思っております。
#111
○岩佐恵美君 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 山小屋はいろいろ厳しい条件があって、トイレの整備、し尿の処理に大変苦労しています。雲取山荘のわきに東京都が三年かけて九五年に設置をした公衆トイレを見てまいりました。このトイレは水洗で、微生物による分解処理をしています。上澄み液を土壌中の微生物分解や植物吸収で処理して水分を空中に蒸発させる仕組みです。なかなか複雑で、現地に行ってなるほどと思いましたけれども、聞いただけではわかりにくいんです。
 四月から十一月まで二万人が使用していて、冬は直接汚水処理槽に流し込むということです。ちょっとトイレの近所のにおいが気になりましたけれども、大きなトラブルはないということでした。でも、問題があります。空気を送らないため電源は要らないんですが、効率が悪いため浄化槽が大きくなる。さらに土壌処理のために二百平米の掘削工事を行っている。建設に一億六千万円もかかっていて、試作品的な感じを受けました。同じ方式のものを岩手県が早池峰山で採用しようとしたんですが、自然保護団体などとの協議で取りやめになったそうです。
 南アルプスの仙丈ヶ岳では長野県の長谷村が九九年に避難小屋を新設しましたが、ここは循環式の合併浄化槽を設置しました。補給水と蒸発がほぼ均衡して余り排水は出ないんですが、滅菌処理をしてトレンチで発散させている。汚泥は微生物で分解して、残渣は空輸で搬出しているということです。自然エネルギーを活用するため発電風車十六基と太陽電池パネル百九十六枚を設置したけれども、消費電力の四割近くをトイレで使っているということです。大変立派な風車がありますし、太陽電池のパネルも現実に見て、ああこれは普通の山小屋ではできない仕事だなということを、私も去年登ったときに見てきて思いました。
 山小屋の条件というのは、水や電気の有無、土地の広さ、高度、強風や低温などの気候条件、利用人数、管理者の有無などで条件はさまざまで一律にはいきません。電気も水もないところでは空輸やパイプラインによる搬出方式、電気があって水がないところでは焼却式や曝気処理、電気加熱のコンポスト、電気と水があれば合併浄化槽や循環式浄化槽など、さまざまな試みが行われております。どこでもどういうものが一番合っているのかということで現地では悩んでおられます。
 私は、環境省として、こうした各地の取り組みの情報を収集して、さまざまな条件に応じたやり方を研究していくその中心となってぜひ活動していただきたい。民間の方々がやっておられるんですけれども、やはりそれでは限界というか、なかなか力及ばないところがあるので、ぜひその点やっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#112
○大臣政務官(西野あきら君) 山岳におけるし尿処理施設の整備の問題は、今先生がいろいろと御指摘をされましたとおり、それぞれの地形だとか、あるいは水があるのか電気があるのかとか、あるいはその処理したものの輸送等はどうなのかといろんな条件が変わると思います。ついては、今お示しのように民間等々でいろんな形で苦労なさって苦心をして方法を講じておられるわけであります。
 実は、環境省におきましても、近年、富士山の七合目とか槍ヶ岳の方におきましても、そのような気象条件が非常に厳しい中ではありますけれども、みずからトイレやし尿処理施設を整備いたしたところであります。したがって、民間のそういう施設の情報、また環境省がそれを研究の対象として把握して、広く情報提供していく必要があるだろう、積極的にそういう問題についても把握をしていく必要がある、このように思っております。
#113
○岩佐恵美君 トイレ関係者がどこでも困っているのが異物の投入です。静岡県環境部富士山保全室は、九九年八月、山頂のトイレのし尿を五合目までブルドーザーでおろして、そこでバキュームカーに積みかえて処理施設に運ぶ実験を五回行ったそうです。その報告によると、一番の問題は異物の混入で、五回で三千リットル運び出しましたが、異物が千四百八十七個、乾燥重量で約六キロもあったそうです。ポケットティッシュの袋が個数の約四割を占めていたということです。
 ポケットティッシュは、ビニール袋の問題だけじゃなくて、ティッシュ自体が水に溶けないので分解しません。ですから、し尿処理の障害になるということです。また、山を汚す原因にもなっています。トイレ以外のところでした場合に、その紙が残ってしまうということがあるんです。水に溶けないティッシュ、これはかなり駅などで配られていますね。ですから、駅のトイレに必ずしもトイレットペーパーがない駅が多いですね、山でもそうなんですが、そういう駅で公衆トイレが詰まる原因にもなっているそうです。
 私は、環境省として、ごみにならない袋あるいは水に溶けるティッシュ、これへの転換を関係業界にぜひ積極的に働きかけていただきたい。それは関係省庁ともちょっと相談をしていただいて、ちょっとさっきもティッシュの話が出ましたけれども、細かい話になって恐縮なんですけれども、処理の障害になっているので、例えば業界によっては、銀行、サラ金、そういうところがかなりティッシュを配っている。あるいは携帯電話の関係のところだとか、いろいろ関係業界がティッシュを配っているわけで、そのティッシュが水に溶けやすいもの、環境に優しいものになるとかなり違うということなんです。
 そこで、ぜひ環境省に、その点積極的に声を上げていただいて音頭をとっていただけたらというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#114
○大臣政務官(西野あきら君) 先ほど、風間副大臣からの話もありまして、奥さんにしかられたという話もございました。
 よくそういうところへ入りますと、備えつけのペーパー以外は使用しないでくださいということを書いてあるところもあります。確かに、街頭でいただくティッシュペーパーもございます。街頭でもらうそれらのペーパーは非常に強度が強くて、水溶性でないわけです。むしろトイレットペーパーの方は水溶性があるわけですから、そうでない、かたい、強度のあるペーパーをもらえば施設、トイレが詰まってしまう、こういう問題も出てくるというふうに思っております。
 例えば、十月一日は浄化槽の日というふうに定められております。こういうとき、環境月間等々をつかまえて、環境省としてもやはり広報啓発に努めていくべきだというふうに思っております。
#115
○岩佐恵美君 もう一つは、資金の問題です。
 環境省は、九九年度から民間の山小屋のトイレの整備にも補助金を出すようになって、歓迎されているわけですが、昨年度は補正で一億五千万円、今年度予算は五千万円です。対象は一千万円以上の事業です。二分の一補助ですから、五千万円でいえば最大十カ所しかできないということになるわけで、予算の増額を図るべきだと思います。
 また、その対象事業が一千万円以上だと、もう少し小規模のものが適しているのに補助を受けられない。ぜひその対象要件を緩和してほしい、そういう声があります。いかがでしょうか。
#116
○大臣政務官(西野あきら君) この予算は平成十一年からの補正予算で実は計上されたわけでありまして、十二年もそうでございます。そして十三年度、ことしはいわゆる当初から予算化されておるわけでございまして、したがって、結果としては要望の高かった補正予算の当時の方が金額的には大きいわけでございますが、必要に応じてこれらの推進方を努力していく必要があると思います。
 ただ、小規模な点も考えろと、こういうことでございますが、ここにつきましては、地方自治体の役割というものもございますので、そういうものも視野に入れながら地方公共団体等とも協議していく必要があるのかなと、このように思っております。
#117
○岩佐恵美君 利用者が多いところなどでは、山小屋の努力を待つだけではなくて、必要に応じて公衆トイレの設置も進めるべきだと思います。国立公園、国定公園は環境省の責任です。
 明治の森高尾国定公園の場合、入山人口というのは年間二百万人以上、三百万人近いとかあるいは以上というふうに言われますけれども、とにかくたくさんいます。山の上には高尾登山鉄道のトイレが三つ、東京都の公衆トイレが七カ所あります。以前はかなりどこも汚れていてひどかったんですが、近年、随分改善をされてきました。
 七カ所の公衆トイレのうち三カ所は水洗式で、浄化槽によって三次処理が行われています。一番新しい一丁平のトイレは、浄化槽の排水を土壌処理した上で地下に浸透させています。残りは、旧来のくみ取り式が一カ所、稲荷山、ここはもうかなりひどいんです。一番人が集まる頂上近くの大見晴、ここは時間を置いて水で押し出す間欠水洗となっています。まだ二次処理までで、処理水を沢に排水していて、利用者が多いと臭気が漂うということです。私も一、二回経験したことがあります。東京都が来年度大改修を予定していますが、あとの二カ所、紅葉台と小仏、城山、ここは泡方式で、紅葉台は林道までパイプを引いて詰まった汚物を下から吸引しているということです。東京都は、環境保護グループの長年の指摘もあって、環境保全のための予算を増額して、高尾山については九五年度から改善を進めていてよくなってきていると思います。
 そこで、きょうは農水省にいらしていただいているんですが、東京都は積極的に公衆トイレの改善を進めているんですが、特に大見晴のところは国有林なんですね。トイレの改修のために拡張しようとすると、林野庁から土地の借用料を請求される。今のままの敷地内だと、二百万人から三百万人の人たちが登るわけですから、そう大きなものはつくれないと言うんです。もし林野庁がその賃借料を取らないでいただければ、今のところをちょっと広げてもうちょっと能力のあるものにつくり変えることができるのにというお話でした。ぜひ一肌脱いで御努力をいただければありがたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#118
○大臣政務官(国井正幸君) 今の先生御指摘の点でございますが、国有林野を貸し付ける場合は原則としては有償ということになっておりますけれども、しかし地方公共団体等が使用するという場合については無償で貸し付けることができる、こういうことにもされておりまして、この問題につきましては省内で協議をさせていただきましたが、ぜひ無償で貸し付けると。これまでもやっている制度でございますので、これを踏襲する方向で対処をさせていただきたい、このように思っております。
#119
○岩佐恵美君 終わります。
#120
○委員長(吉川春子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 浄化槽法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#121
○委員長(吉川春子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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