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2001/03/22 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第3号
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2001/03/22 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第3号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第3号
平成十三年三月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     大沢 辰美君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                鈴木 政二君
                田村 公平君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                岩井 國臣君
                坂野 重信君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                山内 俊夫君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                筆坂 秀世君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  高橋 一郎君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官      吉田六左エ門君
       国土交通大臣政
       務官       岩井 國臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       国土交通大臣官
       房長       岩村  敬君
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  板倉 英則君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
       国土交通省航空
       局長       深谷 憲一君
       国土交通省北海
       道局長      林  延泰君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        望月 薫雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十三年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十三年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (国土交通省所管及び住宅金融公庫)
○踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○新産業都市建設促進法等を廃止する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に厚生労働省労働基準局長日比徹君、国土交通大臣官房長岩村敬君、国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省都市・地域整備局長板倉英則君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省住宅局長三沢真君、国土交通省鉄道局長安富正文君、国土交通省航空局長深谷憲一君、国土交通省北海道局長林延泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に住宅金融公庫総裁望月薫雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(今泉昭君) 去る十九日、予算委員会から、本日一日間、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管及び住宅金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の概要について政府から説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#8
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 国土交通省関係の平成十三年度予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十三年度一般会計予算に計上いたしました国土交通省関係予算額は七兆八千九百二十億円であります。このほか、自動車損害賠償責任再保険特別会計への一般会計からの繰り戻しとして所要額を計上するとともに、自動車損害賠償責任再保険特別会計、道路整備特別会計、治水特別会計、港湾整備特別会計、自動車検査登録特別会計、都市開発資金融通特別会計、空港整備特別会計及び特定国有財産整備特別会計について、それぞれの所要額を計上しております。
 なお、北海道、離島及び奄美に係る公共事業予算については、当該地域の総合開発の推進を図るため、農林水産省関係予算等他省関係予算を含めて、国土交通省予算に所要額の一括計上を行っております。
 次に、財政投融資計画については、当省関係の公庫、公団等分として十二兆七千三百二十八億円を予定しております。
 国土交通省といたしましては、以上の予算によりまして、我が国経済を自律的回復軌道に確実に乗せるとともに、豊かで活力ある二十一世紀の経済社会を構築するための基盤となる国土政策、社会資本整備、交通政策の推進等を図っていくこととしております。
 特に、平成十三年度予算におきましては、予算総額が前年度と同程度の規模の中、日本新生プランの重要四分野を重視するとともに、国土交通省発足に対応して、融合・連携施策を一層強力に推進し予算の重点化を図るなど、省庁統合のメリットが発揮できる分野に重点的に配分することといたしております。
 公共事業予算においても、その事業ごとの伸率にめり張りをつけ予算配分の重点化を進めるとともに、二十一世紀の豊かな居住の実現を図るために、平成十三年度を初年度とする第八期住宅建設五カ年計画の策定を行うことといたしております。
 また、公共事業の効率的、効果的な執行や事業の透明性の向上を図るため、費用対効果を含めた事業評価の厳格な実施やコスト縮減を行うとともに、地方整備局等への公共事業予算の一括配分制度の導入や統合補助金の創設、拡充など、地方のニーズをより一層的確に反映した公共事業の執行を図ることといたしております。
 次に、政策テーマ別の主要事項について御説明申し上げます。
 第一は、都市基盤の整備であります。
 国土交通省の発足に伴い、連携施策を展開し、都市の交通問題の抜本的な解決を図るため、鉄道駅等交通結節点の機能強化、あかずの踏切対策、交通需要マネジメント、TDM施策の推進等による都市部の交通混雑の解消、大都市における住宅供給及び地下鉄など都市鉄道の整備による通勤時間短縮と快適化、空港、港湾と道路等の連携の強化による物流の高度化と交流の円滑化等に取り組むことといたしております。
 また、三大都市圏環状道路、大都市圏拠点空港の整備並びに中枢・中核国際港湾及び国際幹線航路の整備等による海上ハイウエーネットワークの構築を行うことといたしております。
 さらに、快適で美しい都市づくりや安全な都市づくりの実現を図るため、地域の創意工夫を生かした町づくりの推進、港湾・都市関連事業の連携、電線類の地中化等を進めるとともに、総合的な都市水害対策の推進や密集市街地の解消、防災公園の整備等を行うこととしております。
 第二は、IT革命の推進であります。
 情報ボックス等の整備や下水道管理用光ファイバー等の整備など、光ファイバー収容空間ネットワークの整備によるITインフラの整備を図ることといたしております。また、高度道路交通システム、ITSの積極的な展開など、交通のIT化の推進、メガフロート情報基地機能実証実験の実施、気象情報、防災情報等の共有化など、防災分野でのIT化の推進を行うこととしております。
 さらに、地理情報システム、GISの整備、普及の促進や、電子政府の早期実現に資する申請、届け出等のオンライン化、航空管制や海上保安の情報化などを進めることとしております。
 第三は、環境問題への対応であります。
 窒素酸化物、NOx、粒子状物質、PM等を低減するための総合的対策として、沿道環境が特に悪い交差点における渋滞の解消等による沿道環境の改善を図るとともに、環境ロードプライシングの試行的実施など、環境への負荷の少ない自動車交通や道路利用を推進することとしております。
 また、きれいな水、豊かな水を目指して水循環系の健全化、地球温暖化防止のための次世代技術の開発、導入、廃棄物海面処分場、フロンティアランドの整備などを行うこととしております。
 第四は、少子高齢社会への対応であります。
 バリアフリー社会の形成を実現するため、駅とその周辺や公共交通機関、さらには住宅、官庁施設のバリアフリーや積雪寒冷地における冬期バリアフリー化を推進することとしております。
 また、高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給など、総合的な高齢者住宅政策の展開、公団賃貸住宅と社会福祉施設等の併設、子育てしやすい住宅、居住環境の整備、生活路線の維持確保のための地域の公共交通の確保などを行うこととしております。
 第五は、生活基盤の充実であります。
 活力ある経済社会を創出する連携、交流を推進するため、高規格幹線道路、地域高規格道路については、それぞれ十八カ所、十七カ所の新規供用を図るとともに、整備新幹線については、既に着工した区間の工期短縮を図るとともに、三区間の新規着工を行うこととしております。また、地域の特色を生かした観光振興、訪日外国人の倍増促進を図ることとしております。
 さらに、快適な暮らしを支える生活環境の向上を図るために、緊急渇水対策の強力な推進、生活基盤を守る雨水排水対策の推進などを行うこととしております。
 第六は、安全の確保であります。
 有珠山や三宅島等近年頻発しております火山噴火、地震、豪雨等の自然災害に対する安全な暮らしの実現を図るために、火山災害対策、水害・土砂災害防止対策、道路防災・震災対策を推進することとしております。
 また、事故多発地点における交通安全対策の集中実施による交通安全の確保、海上交通の安全確保や密輸、密航、海賊事案等への対応能力の強化など、海上保安体制の強化を図ることとしております。
 最後に、日本新生プランに対応した調査研究等の推進であります。
 地籍調査の推進など土地の有効利用施策の展開、観光情報提供システムの開発、シックハウス対策技術開発の推進、札幌周辺への研究開発機能の集積事業等を行うほか、世界規模の水危機への対応、水の有効利用方策の検討や、交通と環境に関する先進国国土交通担当大臣会合の開催など、国際協調の推進を図ることとしております。
 引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫の平成十三年度予算の概要を御説明いたします。
 住宅金融公庫の収入支出予算は、収入三兆千四百三十一億円、支出三兆千九百五十億円を予定し、住宅五十五万戸等について総額十兆六千百三十一億円の貸付契約を行うことといたしております。
 以上をもちまして、国土交通省関係及び住宅金融公庫の平成十三年度予算について、説明を終わります。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#9
○委員長(今泉昭君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○山内俊夫君 きょうは、先般に引き続いて質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。先般は、私は脇先生と三十分ごとの持ち分で、脇先生、前々から持っておられる持論を発表いただきました。私は主に交通に関係した分野をやらせていただきました。
 きょうは、七、八項目にわたって各般にわたって質問をさせていただく予定でございますので、どうかよろしくお願いいたします。特に、扇大臣は、きょうは赤い、目の覚めるような服を着ておられ、いつものめり張りのきいた声と情熱が感じられるので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 国土交通省として初めての予算編成に当たるわけでございますが、先般、大臣所信に対して私も質問をさせていただいた折、人が動く、国土が躍動するという、新しい国土交通省のキャッチフレーズのもと、各般にわたっていろんな施策を出しておられます。特に、予算等々、また中身を見させていただきますと、かなりめり張りのきいた配分になっているかなと思っております。
 そして特に、私も先般の質問の中で地方の目となり耳となるような地方整備局の充実ということも質問をさせていただきました。大臣からのお答えは、地方整備局への公共事業予算の一括配分制度の導入とか統合補助金の創設とか、大変やわらかいけれども割かし推し進める予算配分にもなっているし、施策内容もそのようになって、大変うれしく思っております。
 ところが、最近、公共工事悪者論というのが随分いろんなところで二、三年前から言われ始めました。日本人の特性でありますが、ついついわあっとこう右から左、左から右という、世論も大変揺れております。特にマスコミ関係はそのあたりをあおり立てておるということ、果たして本当に私いいのか、本当に必要な公共工事というのは、これはそれこそ日本人がいろんな政治形態をやってきて、もう何百年、何千年前からやはり公共工事がまずありき、それで国民の生活、その時々の時代の国民の生活を守ってきたということもございます。
 特に、先般、名古屋などでも大きな水害がございました。あの当時、織田信長があの小さな大名から大きな大名になってきた一番の基本は、あの川を渡るときに通行料をとったと。やはり護岸関係を大変重視して埋め立てもやったということで、大変大きな大名になって日本を制圧したという事例もございます。
 そういったことで、古来から公共工事というのは非常にやはり国民生活に大変身近な問題であるということをまず私は申し上げておきたいなと思っております。
 最近のマスメディアのあり方というのは、先ほども言いましたように、何かネガティブなキャンペーンが余りにも多いんですね。私、これ、ネガティブキャンペーンをやり始めてネガティブな方向に向かうと、逆に落ち込んでいく、逆スパイラルに陥ってしまう、何か日本の社会、それに近づいているんじゃないかなと思っております。
 私も地方議会におりましたから、地方議会もできるだけ前向きにみんなで知恵を出し合ってやろうよという形で私は進んできたんですが、どうも最近国会論議もそういったネガティブな議論が余りにも多いので、せめて国土交通省は明るく前向きにやりたいなと思っております。
 これは、日本人、戦後の教育にも私は多少起因しているのかなと思います。個性を伸ばすという教育方針じゃなくて、何か欠点を指摘して指導していくという流れになっているのかなと私は思っておるんです。私はスポーツが大好きですから、野球とかサッカーとか球技は全体に得点主義なんですね。ところが、水泳の飛び込みとか体操というのは十点満点から引いていくんです、減点主義なんですね。減点主義というのは、どうしても新しい技術、新しいものにチャレンジする意欲というのは、無難にやった方がいいという方向に陥りがちなんですね。やっぱり得点主義という一つのやり方というものに、もう少し日本社会を変えていかなきゃいけないなというようなことも考えております。だんだん社会が暗くなってくる、もっと明るくしていかなきゃいけないというように私は思うわけでございます。
 それで、ちょっと前段が長くなって申しわけないんですが、例えば志という文字があるんですが、私はあれをちょっと分解していつも人に話をするんですが、あれはプラスとマイナス、それに心をつけていますね。あのプラスとマイナスで武士の士なんです。これはだんだんマイナスを大きくしていきますと、あれは土になっちゃうんですね。土になるということは、土にあなた死んで戻りなさいよということになってしまう。ですから、プラスをもっと大きくしていく、光を当てていくということで、それに心をつけて志だという私は言葉になっていると思うんですね。
 ですから、そのあたり、クラーク博士なんかは少年よ大志を抱けというような教育を明治時代からやってまいりました。ところが、どうも戦後は欠点主義になっていますから、欠点指摘主義になっていますから、どんどん考え方がメルトダウンしてきてしまったと。そういうようなことがあるので、私はぜひこういう考え方を改めていこうと。
 私は四国でございます。もう大変皆さんのおかげで四国の四百三十万の島民に三つも橋がかかったという意見が随分、最近いろんなところで聞くんです。私の派の中でもそういう意見があるんです。ところが、これはやっぱり十年、二十年のサイクルだったらそういう考え方もあると思いますよ。たかだか四百二十万に対してあれだけの三兆円の工事をやっていくというのは大変過剰投資じゃないかという意見があるんです。でも、五十年、百年の物事を考えたときに、じゃ四国から豊後水道渡って九州へ行く、これは第二国土軸が生きてくるわけですね、五十年、百年先には。私は、そういう意味合いでもって物事を考えていただかなきゃいけない。
 ですから、四国の三橋が決して、今の段階では確かに負担にはなっています。けれども、私は将来の国土を形成していく、均等ある発展ということを考えていった場合は、この四国三橋は大変大きな日本人の力であり、技術の育成であり、そして将来の展望を開く大変すばらしい橋になるだろうと、私はそのように信じております。
 特に、私は県議会のときに、先ほど言いましたプラス志向でやろうということで、実は県議会、平成三年に県議になったときに、百三十万都市を目指そうということをやったんです。その当時、香川県は百一万ぐらいだったんですけれども、厚生省の関係者に聞くと、それは山内さん無理ですよ、今の人口形態からいくと、そのうち二十年したら九十七万人ぐらいにはなるんじゃないですかと逆に言われました。
 ちょうどそのときに、四国建設局の総務部長で来られて、今多分本省へ帰っておられます竹歳さんという方が、今審議官やられておりますかね、あの方が総務部長のときに、第三次総合計画のいろいろな計算された専門家でございましたので、いろいろ御相談申し上げました。そうしますと、日本全国の可住地面積から割り出していきますと、ちょうど百万というのは非常にいい数字ですねと、こうなったんです。
 それはいいんだけれども、百三十万にどうしてもしたいと。人口、自然増は多分望めないだろうと。ですから、社会増を目指そうじゃないかということで、もう一度計算し直してくださいということを私注文申し上げたんです。そうしたら、東京圏は非常に過密であると、大阪圏もそうです。ここらあたりから何割か地方に人口を移動していただければ、東京も非常にいい空間ができ上がる、地方は活性化してくると。特に北海道は可住地面積からいうと大体千二百万ぐらい住めるらしいんですね。ただ、気象条件が非常に厳しいものですから、少し割り引いて、うまく割り振ってみると百二十七万になりましたといってそれから二週間後に電話いただいて。百二十七万、じゃ百三十万ちょうどいいじゃないかと。じゃ、今から政策で百三十万に持っていこうじゃないかということで、県議会もいろいろな政策を出していきました。
 その中で、少子高齢時代、その当時そろそろ少子高齢時代に向かうぞと、こういう流れがあったんですが、じゃ高齢時代を先取りしたらどうか。だから、Uターン、Iターン、Aターンをもっともっと誘導して、地元にリタイア世代に帰ってきてもらう。そうすると、その人たちを今度ケアしていく、その人が年寄りになってきたときに、高齢化したときにケアをしていく人たちが、若者が要る。じゃ、二十万帰ってきていただいて十万人サポート隊をつくれば百三十万になるじゃないかと。非常に乱暴な数字だったんですけれども、でもそれは一つの方向としては、四国全体で非常に高齢進んでおりますけれども、その中でもまた香川もどんどん今高齢のパーセンテージ上がっております。それを先取りしてやるという逆転の発想をやろうじゃないかというようなことも、いろいろやったこともございます。国土の均衡ある発展とか公共事業の効果的な執行ということも視野に入れながら、今後高齢時代をどう我々が乗り切っていくかということも国土交通省としては大いなる目標に設定していただきたいなと思っておるわけでございます。
 そこで、まず質問の第一番目でございますが、大臣にひとつお聞きしたいと思います。
 高齢時代というのは、一番何が大変かというと、日常生活、身の回りのことが大変なんですね。それで、実は昨年、バリアフリー法案が通りました。これは公共機関とか公共交通機関に対してある程度指導していくというような法律でございます。大変私はいい法律だろうと思っております。
 このバリアフリーに関する施策を今後どんどん推進していっていただきたいんですが、現在、公共交通機関や住宅のバリアフリー化の進捗状況、このあたり少しお聞かせいただけたらと思うんですが、よろしくお願いいたします。
#11
○国務大臣(扇千景君) 今、先生からいろいろと四国の状況、あるいは志を持って地域づくりをしていくという御意見を拝聴しまして、まさにそのとおりであろうと思いますし、私自身も割合前向きな人間でございますので、余りくよくよすることもなく絶えず前向きに進むという、今私の人生振り返ってもそういうことで来たような気がいたします。
 そういう意味では、日本が二十一世紀になって、私は、二十一世紀の幕あけをしたんですから、希望を持って二十一世紀という世紀をみんなでつくっていく、その今一番大事な方向づけというのが当委員会で皆さんに御論議をいただき、先生方のお知恵をいただいて、私は国土交通省、二十一世紀、初めてこんな大きな省庁で、ただ大きいだけではなくて、皆さんから今までの四省庁と国土交通省のどこが違うのだということを聞かれます。
 ですから、ぜひ私はこういう国土交通省、大きくなったけれども目配りの届いた、そして二十一世紀のソフトの面を加味したすばらしい政策というものをぜひこの委員会の御論議の中でお知恵をいただき、予算を御報告申し上げましたけれども、その予算の中でもめり張りのきいた、今、先生がおっしゃいます二十一世紀に希望の持てる、生きがいのある、日本人でよかったなと原点があるような施策というものを遂行するために、委員会の御論議であらゆるお知恵も、そして皆さんの御助言もいただきたいというのが私の偽らざる気持ちでございますし、国土交通省になったけれども、国土交通省だからこそできるという、それは今先生がおっしゃいました二十一世紀、まさに少子高齢化社会と言われて、おかげさまで先生より女の私の方が平均寿命は長そうでございます。個人差がありますからわかりませんけれども、平均でいきますと、男性の皆さん七十六、女はおかげさまで八十四、きんさん、ぎんさんもありますし、日本の女性は百歳を超える人が一万人という、こういう時代でございます。国連が発表しました、二〇五〇年には日本の平均寿命は九十歳と、これも出ております。
 何か恐ろしいような気がするんですけれども、でも私はそういうことになっても、いかに我々の政策が生きがいのある、年をとってもやっぱり長生きしてよかったという社会をつくるためにいかに政策的に我々が努力していくかと、それが私は大きな課題であろうと思いますので、今、先生がお聞きになりました交通機関あるいは住宅等でいかに我々が予算の中からバリアフリーを完備し、皆さん方が長生きしても生活に困らない、またなるべく人の助けをかりないでも生活できる環境というもの、みずからが生きていくその力強い生き方のためには、私はできる限りのバリアフリーを整備するということは喫緊の課題であろうと思っておりますので、今、先生方に御審議いただいております予算の中でもバリアフリーに対する処置の予算を組み込ませていただきました。
 また、今、先生がおっしゃいましたように、どの程度できているのかというお話でございますけれども、例えば公共交通機関におきましても、一日の乗降客数が五千人以上の主要駅では高低差が五メートル以上ある駅のエレベーター施設率は三八%でございます。エスカレーター設備率は六二%となっております。
 また、住宅につきましては、バリアフリーの基本設備となっております二カ所以上の手すりの設置、あるいは段差のない室内、車いすで通れる廊下幅のこの三つのうちのいずれか一つに対応しているものが全国の住宅ストックの二七%、三つすべてに対応しているものが同じく全国の住宅ストックの三%となっております。
 ただ、この数字がいかにもまだ不足でございますので、本予算を通していただきました後はこれらをなるべくふやして、多くの皆さんに長生きしても御不自由をかけないような、やっぱり最後までなるべく車いすでも御自分で動く範囲は御自分で動くということが私はもっともっと元気に長生きしていただける大きな要素であろうと思っておりますので、本予算を皆さん方に御審議いただいておりますのも、こういうバリアフリー化をより充実したいということのための予算組みであることを御理解賜りたいと存じます。
#12
○山内俊夫君 ありがとうございました。
 先般もちょっと私質問をさせていただいた部分もあろうかと思うんですけれども、やはり高齢化時代に社会的な弱者、これにできるだけ対応していくということが大事だと。その弱者の中でも特に高齢者の方々の今のバリアフリーというのは、まだまだこれは政策としてはもっとふやして大きくしていただかなきゃいけない。そして中身ももっと充実させてほしいなと思っておるわけなんです。特に、先般の質問の中でも、総合性の重視とか国民ニーズの重視、そして質の重視という、この質ですね、これは私はぜひ大事に扱っていきたいなと思っております。そういった意味では、このバリアフリーというのは大変すばらしい政策になってくるだろう、育ってくるだろうと思います。
 特に、アメリカあたりは年が寄ったら、彼らはどうしても日本人と違って土着性がありませんからフロリダの方へどんどん移動していくわけですね、高齢になってくると、暖かくていいと。カナダの人たちはトロントとか東の方から、年がいったらやっぱりバンクーバーに住みたいねというのが彼らの夢だそうでございます。日本はなかなかそういうわけにいかない、土着性が強いものですから生まれたところでそのまま余生を送りたいという人たちが多いのでございますけれども。
 ただ、日本社会も、先ほども言いましたように、急速な高齢化時代に突入しておりますが、これは今後日本の超高齢化、私はもう超とつけておきたいと思うんですが、超高齢化社会を迎えることになりますけれども、このような状況の中で、国土交通省がバリアフリーだけじゃなくて、今後行政施策としてどのように進めていくのか、もっともっとこういうこともあるよという考え方があればぜひお聞きをしておきたいなと思うんです。
#13
○国務大臣(扇千景君) 私も先ほど駅とか住宅のことだけ申しましたけれども、もう少し詳しくどのような政策があるかという御質問でございますけれども、本当にこれが二十一世紀型の私は大事な点だろうと思いますので、少しく事例を挙げてバリアフリー化というものがどこまで行くのかということを御説明申し上げたいと思います。
 公共交通機関のバリアフリー化、これは先ほど申しましたけれども、これは高齢者及び身体障害者等の交通機関や道路、駅前広場等々における、先ほども申しましたエレベーター、エスカレーター等々は当然のことですけれども、ノンステップバスの導入ということも大きな政策の一つでございます。
 また、歩行者空間のバリアフリー化ということで、これは市街地の駅、商店街、病院、福祉施設の周辺等におきまして、幅の広い歩道の整備、そしてバリアフリーの歩行空間をネットワーク化して整備する、これも大きな要点でございます。
 それから、交通結節点の改良事業等を活用した駅前広場あるいは自由通路等の重点的な整備で、これは乗り継ぎの改善、そして歩行空間のバリアフリー化のために駅前の今申しました広場だとか交通広場、それから自由通路、駐車場等の整備を短期集中的に実施する。
 また、都市再生交通拠点の整備事業の推進といたしまして、これも法案に基づきまして基本構想施策対象地区に追加しますとともに、同地区内においてエレベーターやエスカレーター等のバリアフリー化を補助対象施設に追加する。これも地方自治体にとっても大きなことでございますので、補助対象施設を追加したいと思っております。
 それから、福祉の川づくりでございますけれども、これは堤防や緩やかな坂道、そして階段の手すり等を設置しまして、貴重な水と緑の公共空間でございます河川空間へのアクセスを容易にする。
 また、高齢者に配慮した良質な住宅というのは、先ほど私が申しましたように、これは数もふやしますし、国費で八千六百七十二億円の、内数が入っておりますけれども、これに対しても賃貸住宅を特に整備する。
 それから、建築物等に関しますバリアフリー化、これはハートビル法でございますけれども、弱者、高齢者に優しいハートビル法を活用いたしまして、これは不特定多数の者が利用する公共建築物を対象にハートビル法で特定の建築主に努力義務を課す、こういうことを努力しますし、都道府県知事さんによります指導、助言、優良な建築計画の認定、それから認定の建築物に対します公庫の補助、そして融資、税制の特例等によりまして建築物のバリアフリー化を推進していく。
 そういう意味では、人に優しい町づくり事業といたしましてこれも予算をつけまして、市街地におきます道路の空間と一体になった移動ネットワークの形成とハートビル法の認定を受けた建築物のバリアフリー化を推進する。
 そして最後には、官庁施設のバリアフリー化の推進、これは窓口業務を行う官署が入居する官庁施設を対象に、ハートビル法の施設を踏まえた施設整備を推進する。
 これらのことを私たちは主要施策として政策の中でも特に注意をし、バリアフリー化の完全な設置を目標に本法案を御審議いただいているわけでございます。
#14
○山内俊夫君 ありがとうございました。
 やはり量から質への転換がここ二、三年図られてきているなという気がするわけです。
 少し今度視点を変えて、ちょっと政府参考人にもお聞きをしておきたいんですが、今地方都市で何が一番困っているか。ごみ焼却の問題とかいろんなことを言われますけれども、一番困っておりますのは実は中心市街地の空洞化なんです。特に大体十五万人以下の都市、これはもう今見るも哀れな状況になっております。
 これは我々、ちょうど私は昭和二十一年生まれですから、二十一年から二十六、七年までが大体堺屋太一先生がつけられた団塊の世代という世代なんです。この世代が成人してどんどん核家族化していきました。ですからあの当時は、昭和四十年代から五十年代にかけて住宅需要というのは物すごくふえたんです。少し質には問題があろうかと思いますけれども、数が必要だということでどんどん住宅をふやしてきました。それが今もうリタイアにだんだん近づいている世代になってきましたから、今から三十年間というのは確実に高齢時代に入ってきます。真っただ中に入ってきます。
 町中というのは割かし基本的なインフラがよくできているんです。三十万都市だったら電線の地中化もできております。大体下水道の整備もできております。十五万人以下の都市だったら三〇%から五十数%、まだまだ必要ですけれども。
 ところが、最近、私の町でもそうですが、昔は大体千二百人ぐらい住んでいた小さなコミュニティーがあるんです。その千二百人、今数えてみると四百二十人なんです。四百二十人のうちで六十五歳以上の方が大体今七〇%近く。そうしましたら、まず買いに行くお店がなくなってしまっているんです。かわりにできているのはコンビニができているんですが、どうもコンビニは余りお野菜とかそういったものは置いておりませんから、非常に買い物が不便であるということを皆さんから聞きます。
 ひどい話になると、極端な話なんですが、少し汚くて申しわけないんですが、例えば下水道の勾配というのはある一定の水量が来ないと流れていかないんですね。だからそういう人たち、千二百人を想定した下水道をしていますから、水が流れてこないんです。ですから詰まることが大変最近ふえてきたという意見もあります。
 もう少し電線地中化を進めようという意見がそのコミュニティーから出てきても、なかなか電力会社はそこに予算を投入してこないんですね。だって、使ってくれるのは、せいぜい一月当たり一万円前後しか電気代使ってくれませんから、それが五百件あったって大した売り上げにならないからほとんど効果がないということで、それも遅々として進まなくなってきている。
 ですから、中心市街地に、それだけ基本的なインフラ整備できているところにもう一度戻す私は政策が要るんだろうと思うんですね。それが中心市街地活性化という、これは一昨年法律が出てまいりました。私は、これをもっともっと推し進めていきたいと思っております。
 特に、今我々の世代の子供たちは一人っ子が大変多いんです。一人、二人、多くてせいぜい三人。最近の事例で、一人っ子同士の結婚をしたということで、うまく最初はいっていたんですね。私もこの前、私が仲人した十数組はまだ離婚はしておりませんけれども、結婚式に呼ばれていろんなごあいさつを申し上げた中ではもう既に二割ぐらい離婚をしている。その中で、ある一件は、一人っ子同士の結婚ですから両方に家があるんです。どっちの家で住むか、どちらの仏様を見るかということで何かもめて、結果的に離婚しちゃったと。だから夫婦間の性格の違いで離婚したというわけじゃないんですね。そういう現象も多々出てき始めたということなんです。
 ちなみに、大体今、日本で住宅戸数が五千万戸を超してきていると思いますけれども、世帯数は四千四百万世帯ぐらいですね。ですから、確実に五、六百万戸はオーバーフローしているわけなんです。これはセカンドハウスもありますし、仕事場の家と自宅と、こういう使い方もしておりますけれども。
 いずれにしましても、この中心市街地という大変いい政策が出ておりますけれども、これはもう一つ形になって見えてきていないということなんで、活性化に対する取り組み方、今までの現状というのを少し御報告いただけたらと思います。
#15
○政府参考人(板倉英則君) 中心市街地の活性化の問題についてのお尋ねでございますが、この問題、私ども都市政策上の大変重要な課題だと認識しているわけでございまして、御指摘の平成十年七月に施行されましたいわゆる中心市街地活性化法、これに基づきまして、今日までに三百六十五市町村から三百七十二の基本計画が提出されているところでございます。
 国におきましては、これらの市町村の取り組みに対しまして重点的な支援を行おうということで、関係八府省庁が集いまして中心市街地活性化府省庁連絡協議会というものを設置いたしまして、関係府省庁の緊密な連携を図っているところでございます。
 また、関係府省庁共同の市町村等に対する統一的な窓口を設置いたしまして、これは中心市街地活性化推進室と申しておりますが、これまでに市町村等から七千件近い御相談を受けていると。ほかにホームページの開設とか関係府省庁統一のパンフレットを配付する等、いろいろそれなりの努力を積み重ねているところでございます。
 国土交通省におきましては、ほぼこうやって出そろってまいりました基本計画に基づきまして、区画整理とか再開発等の面整備、それから道路、公園等の都市基盤施設の整備に合わせまして、多彩ないろいろなメニューを用意しましてパッケージで一括補助するまちづくり総合支援事業というようなものも行っておりまして、こういったことに重点的に今取り組んでいるところでございます。
 先生、先ほど町中はかなりインフラが整っているということでございまして、確かにそういったハードの整備に加えまして、やはり商業等の活性化を図るソフト施策が一体的に推進されるということが大変重要だと思っておりまして、私ども三年足らずの経験から取り組み状況を見てみますと、やはり市町村と地元の商店街等の地元関係者が緊密に連携いたしまして、一体となって熱心に進めているところがより多くの成果をおさめていらっしゃるということに着目いたしまして、私どもとしましても、これからも地域の特性を踏まえまして、地域の創意工夫を生かした中心市街地の活性化につきまして、熱心な取り組みをされているところに重点的な支援をするという姿勢で臨んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
#16
○山内俊夫君 昨年度の段階ではまだ二百足らずだったんですが、結構ふえましたですね。
 ところが、結構そういう計画も上げて、私の県でも結構各市町やっているんですが、なかなか具体的な展開がなされていないんですね。どこに問題があるのかなと思って、私もいろいろ聞いてみましたら、これは私見で申しわけないんですが、建ぺい率とか容積率、そんなのは余り私関係ないと思うんですが、計画を上げていざやろうということになってきましたら、今までに国土法とか都市計画法とか建築基準法とか、持っている法律というのがいっぱいあるんですね。消防法も入ってきます。例えば病院をつくる場合のいろんな法律とか。例えば、中心市街地ですから、当然ここを建てかえしたい、この一角約二ヘクタールぐらいやりたいと。ゾーン指定をしたときに、既存の法律の足かせでダイナミックに動けないと私は思っているんですよ。
 そのあたりをどういった解決方法があるかといろいろ検討してみましたら、ゾーン指定をしたところは別の法律をつくっちゃえばどうかと。でも、今までの法律も全く無視するわけじゃないんです。ある程度整合性もとって、町全体としてのイメージ、また機能性というものを十分確保する、また防災面でも確保できる。ところが、既存の細かい数十項目の、場合によっては二十ぐらいあると思うんですが、その法律のすべて足かせになって思い切ったやり方ができない。
 都会ならいいんです。土地代が二百万から一千万ぐらいするところだったら価値がありますから、これは割かし民間でも再開発をやって動き始めるんです。ところが地方都市はそうはいかないです。大体、最近非常に土地の単価が下がってきていますから、地方都市で平均しますと、昔二百万と言われたところが今大体三十万から五十万円です。逆にやれるはずなんですがね。
 そのやれるのになぜ具体的になかなか動いてこないか。私、そこらのやはりいろんな足かせがあるのではないかなと思っているんですが、そのあたり、どこらに原因があるか、お答えいただけますでしょうか。
#17
○政府参考人(板倉英則君) 中心市街地の活性化に対しまして、都市計画でいろいろ用途規制とか容積率の規制とか、そういうことをやっているわけでございますけれども、そういったことがその活性化との関係でどうかというお尋ねだろうと思います。
 先生、御案内のとおり、地方の中心的な都市の中心市街地、これは大体私ども用途地域でいいますと商業地域というものを設定いたしておりまして、これは全国の主要都市の商業地域の大体標準的なところでいいますと、四〇〇%というほかの市街地に比べて高目の容積率を設定いたしております。
 先生、ちなみに御地元の高松では、五〇〇とか六〇〇というさらにやや高目の容積率を設定しておりまして、さらに申しますと、先生御案内の高松の旧宇高連絡船の乗り場付近、隣接地で今再開発が行われておりますけれども、そこのサンポート高松の再開発につきましては、これは特別に四国でも最も高い八〇〇%というような容積を設定いたしまして、そこにシンボルタワーとか、とにかく一大拠点をつくっていこうという計画が進められているところでございます。
 御案内のとおり、こういったものをうまく活用いたしまして、中心市街地にさまざまな、商業集積だけではなくて交流等の機能も含めましてにぎわい拠点の集積ができるように都市計画をうまく活用していただきたいということを私ども考えておりまして、昨年の暮れにも都市計画の運用指針というのを示しましたが、これは、今まで公共団体に対して手とり足とり事細かに指導するという体制をやめまして、基本的には都市計画というのは公共団体の自主的なお取り組みを御支援するような道具立てとして用意されているものでございますので、そういった自主的な取り組みがさらに進むように、そういう姿勢に転換しておりまして、公共団体の方でもそういった方向転換を受けまして御活用いただけるんではないかというふうに考えております。
#18
○山内俊夫君 この件についてはここから先まだいろいろ、本来ならば時間があればやりたいんですけれども、きょうはこの程度にしておきます。
 確かに、今、四〇〇、五〇〇という地方都市もそれだけの容積率がありますよ。ところが実態は、やっぱりまだ二〇〇から二七〇%しか使っていないんですね。その原因は、京都方式なんですが、間口が二間ぐらいで奥行き二十間、それで商店街に面している。そういう升割りの状態でやっていますから、なかなかまとめないと高度利用もできないです。ですから、間口二、三間で皆さん商売していますから、やはり地域実態がありますから、そのあたりも十分勘案していただければ、その五〇〇パーが例えば総合設計をやれば七〇〇パーぐらいの、二〇〇ぐらいお土産がつくという話もございます。ですから、この中心市街地というのは、総合設計プラス何か別の法律でもう少しお土産がつくという、いろんな意味で固定資産税の軽減とかいろんなことをかみ合わせればいいんじゃないかなと私は思います。
 それで、今、高度機能を持たすという話も出てまいりました。私は、最近、一、二年前から聞いたんですが、歩いて暮らせる街づくりという政策が出ていますよね。これを少しちょっと中身を教えていただけますでしょうか。
#19
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘の歩いて暮らせる街づくり構想でございますけれども、これは平成十一年十一月に政府がつくりました経済新生対策に位置づけられた構想でございます。
 この構想は大きな四つの考え方に基づいて位置づけられているものでございまして、第一には、生活の諸機能がコンパクトに集合した暮らしやすい町づくりを実現する。二つ目には、安全、快適で歩いて楽しいバリアフリーの町づくりを実現する。また三つ目には、町中にだれもが住める町づくりを進めていく。さらに四つ目には、住民との共同作業によって永続性のある町づくりをつくっていく。こういったことを目指すものでありまして、私どもとしましては、これからの高齢化社会に対応した、安心で安全なゆとりある生活空間をつくるという意味での新しい試みであり、また、ただいまいろいろ御指摘ありました中心市街地の活性化という意味でも、そういったものにも資するものであると、このように考えております。
#20
○山内俊夫君 そうですね。今ちょうど中心市街地活性化とうまくオーバーラップしてやれるねという話だったので、まさにそのとおりだと私は思います。このコンセプトそのものは、やはり高齢社会に対応するという、これは平成十一年十一月十一日に経済新生対策ということで出された、閣議決定もされております。
 これは、私はやはり二十一世紀型、歩いて暮らせる街づくり、足の速さにもよりますけれども、私個人的には大体半径五百メーターから一キロまでと思っております。六十、七十の人だったら少し厳しいかなと思いますけれども、それだったら車に乗らなくても、自転車に乗らなくても生活ができる。ただし、そこに機能が全部集まっていなきゃいけないですよね。それこそ食べるところから買い物するところ、歯医者とか公共機能もほとんどなけりゃいけない。
 これをやはり中心市街地というものと高齢社会、この歩いて暮らせる街づくりコンセプトを、今後もっともっと前面に押し出してほしいなと。そのときに、先ほどの中心市街地が、既存の法律が足を引っ張っているという部分がありますから、ここらの足かせを少し取っ払っていただければもっとダイナミックに動き始める。そうしたら、都会でリタイアするときには、じゃ、ふるさとへ帰って余生を過ごそう、そういう気持ちにもなってくる。Uターンの人たちもふえてくると私は思うんですね。そのあたり、歩いて暮らせる街づくりの推進施策というのはどんどん私は前面に押し出すべきだと思いますよ。当然、潤いとかそういったものも必要です。
 私もちょうど去年の夏、アメリカで町づくりをされている都市を五、六カ所見てまいりました。どうしても県議の皆さんが十四、五人一緒に行きたいというものですから一緒に行きまして、例えばサンアントニオ、これはリバーウオークというのがありますね。アラモの砦の大変史跡のところなんですが、あの川沿いをうまく活用した町づくり。それとか、チャタヌーガという町は、これは全米でも一番、二十年前は大変大気も汚い町だと言われておったこのチャタヌーガ、アトランタのちょっと北になるんですが、この町なんかもうすばらしくよくなっております。その基本的なコンセプトは何かとなると、公共交通機関なんですね、それと街路の整備、それと高齢者が住みやすいような町づくり、この三つのコンセプトですばらしい町づくりをしている。ですから、今全米一の住みやすい町じゃないかと言われておる。
 そういうのも、やはり今からの町づくりというのはビジネスオンリーじゃなくて、やはり生活空間、生活の潤いというものをどれだけその町に盛り込んでくるかということが私は大事だと思うので、この歩いて暮らせる街づくりというのはどんどん進めてほしいなと思っております。ぜひよろしくお願いをいたします。
 それで、余り時間がなくなってまいりましたので、PFIについて少し質問させていただけたらと思うわけなんです。
 このPFIも、従来公共がすべてやっておった。ですから、予算をある程度組んで、その予算が組めたところから逐次工事をスタートした。ところが、今ごろは予算的な余裕が余りありません。ですから、スピードアップする必要がある。この前、大臣もそのようにお答えをいただきまして、もっとスピードアップしようじゃないか、十年かかるところを三年でやってしまおうよ、経済効果も上がるよということもありました。
 それで、このPFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブという新しい手法、これはイギリスでスタートしたと思うんですが、まだまだ日本に定着していないですね。かけ声はどんどん今いろんなところで出ております。自民党の部会の中でもいろんな研究会、部会でもやっておりますが、なかなか見えてこない。なぜ見えてこないのかなと思っているんですが、このあたりの状況をどなたかおわかりになりますでしょうか。
#21
○政府参考人(風岡典之君) PFIの事業につきましては、先生ただいま御指摘をいただきましたように、公共施設の建設とか維持管理とか運営とかそういったものにつきまして、民間の資金だとかいろんなノウハウを活用するということで効率的に効果的に社会資本整備を図ることができる、特にスピードアップができるというような意味で、この事業の推進ということは私どもとしても非常に大きな政策課題であるというふうに思っております。
 現在、このPFI事業の実施状況でございますけれども、ことしの二月末現在におきまして実施方針が策定、公表されまして、事業の具体化が進んでいるというものは、私ども掌握しているところでは全国に十六事業あるというように考えております。このうち国土交通省に絡む所管事業というのが五事業ございまして、港湾施設とかあるいは観光施設、駐車場、公園施設と、こんなものが含まれているわけでございまして、その他の所管事業も含めましてPFIのケーススタディーというものを継続的に実施しているところであります。
 また、この事業を推進するというような観点からいろんな支援ということも必要であるというふうに考えておりまして、事業化あるいは事業化に向けた検討を進めている港湾の公共荷さばき施設とかあるいは放置艇の収容施設、こういったものにつきましては無利子融資制度の支援、こういったものも行っておりますし、またその他の事業一般につきましても、PFIの立ち上がりの即応ということで補助だとか融資だとかそういった意味の制度も準備をしているところであります。
 また、PFIについては、やはり新しい事業ということで積極的なPRということがどうしても不可欠であります。そのために、私どもことしに入りましてからも全国でPFIセミナーを九カ所で実施をしましたし、またPFIについては自治体、民間企業、そういったところについてのいろんな相談あるいは情報提供を受ける、そんな窓口も整備をして、一応私どもとしては総合的な取り組みというものを今のところ行っていると、このように考えております。
#22
○山内俊夫君 総合的な取り組み、大変結構でございます。これも他省庁に結構広がっておりますから、どこがうまく主導、コントロールするかということは私は大事だと思いますよ。それと、やはりまだまだPR不足という部分もあります。
 特に、郵貯の今まで財投の方へ回っていたお金が自主運用という方向になってきます。国民が持っている金融資産だけでも千三百兆円を超しておりますよね。そこらあたりをもっとうまく公共工事に活用するということが私は大事だと思うんです。それには、このPFI手法というのは非常にいいきっかけになると思います。どうしても高齢者の方々は、大体年金でも入ったら七五%貯金すると言うんですよね。きんさん、ぎんさんが百歳のとき、何かお金をもらったときに、あなたはこれをどうしますかと言ったら、老後のあれに使いたいというような話もありまして、そのぐらい日本は貯蓄志向の強い国なんですね。
 アメリカあたりは一時はやりましたよね、プレー・ナウ・ペイ・レイターと言って、今楽しんで後で払うよというやり方。これで結構アメリカ社会というのは、貯金は持っていないけれども生きている間は楽しんでいるという、ライフスタイルを楽しもうという考え方。なかなかそこまでは日本はいきませんけれども、余りため込んでしっかり持っていても、これはお墓に持っていけるわけじゃないんですから、それをより有効に社会資本にその金を出していただく、そして次の世代のためにいいインフラ整備をしていくという、それを効率的にやる。これはPFIというのは、私は申しわけないですけれども、官主導だったらコストが一〇〇かかるやつがPFIだったら私は七〇ぐらいでおさまるんじゃないかなと、三割ぐらいは安く、いいものができると思っております。
 ですから、このPFIをうまくやっていくということですね。これには私はやはりいろんなモデルケースが要ると思うんです。日本というのはどうしてもモデルケース、いいモデルケースをつくらなければなかなか飛びついてこないですね。ですから、今私はこのPFIが非常に使用目的が何かがんじがらめになっているような気がするんです。
 例えば、有料道路にももっと、ここは我々どうしてもこの地区は欲しいと、でもこれは国幹道としてはそれはちょっと無理ですよと言ったところ、じゃ地元の資本、地元のニーズを吸収して、じゃここをPFIでやろうじゃないかとか。昔の高速道路は割かし、高速道路のインターチェンジのスパンが大体十二キロから、長いところは十七キロぐらいありました、二十キロぐらいありました。でも、最近つくっているのは、もっと利用者をふやそうということで、五キロから七キロぐらいでもハーフインターをつくったり、非常に使いやすいような設計になってきていますけれども。
 こういったところを、例えばパーキングエリア、サービスエリア、これは減速線も加速線も持っておりますから、わざわざ大きなトランペット型のインターチェンジをつくらなくても、少し構造を変えて構造物をつくってやれば、簡単に一般道路から高速道路、高速道路から一般道路へ行ける。こういったところでもっとPFIあたりを活用すれば、もっと効率よく早くいいものができ上がってくる。
 結果的には、国民の大変利便性が上がると思うんですが、そのあたりのモデルケース、いいモデルケースがあればお知らせいただきたいし、今こういうような計画がありますよというのがあれば、お知らせいただけませんでしょうか。
#23
○政府参考人(風岡典之君) PFIの事業を進めていく上で、先生御指摘のようにモデルケースというものをつくっていくということは、そういう意味では非常に重要なことだというふうに思っております。
 先生、御案内のとおり、PFIの手続、非常に複雑な面がありまして、まず手順としましては、事業を発案してから事業の実施方針をつくる、それから事業者を特定する、それからまたその事業者との間に契約を結ぶ、またその後の事業の実施、監視に至ると、非常に複雑な手続になっております。
 こういったことから、実は本年一月に、PFI推進委員会というところにおきまして、PFI事業の実施プロセスに関するガイドラインというものを策定し、また公表したところであります。このガイドラインは、今申し上げましたような事業の実施手順というものとか、あるいはそれぞれの手続における留意事項というものを明らかにするということで、そういう意味で進め方が非常にわかりやすく示されているものだというふうに思っております。
 それからまた、モデルとの関連で、特に国土交通省の所管事業については、これは個別事業を実施するに際しましては、公共施設の管理者等が実施方針をつくっていくという作業が必要になるわけですけれども、この実施方針をつくるときにひな形をつくっていくということは、非常にその作業がうまく進むのではないかということで、ひな形づくりというものについて、いろんな事業分野について検討し、取りまとめてきたところであります。
 私どもとしましては、今申し上げましたようなPFIの事業実施プロセスに関するガイドラインの策定だとか、あるいは実施方針に関するひな形、こういうものをさらに充実をしていくということを行い、また、これは国のみならず事業実施主体となり得る地方公共団体に対して徹底をしていくということが必要でありますので、ただいま先生から御指摘いただきましたような具体的なものを示していくということを念頭に置いて、そういう形での取り組みというものに精力的に進めていきたい、このように考えております。
#24
○山内俊夫君 事例はなかなか今のところこれといった事例がないんですが、今度、大阪でユニバーサル・スタジオですかね、あれなんかPFIというようなことも聞いております。これは市、町、府がどの程度出しているかというのは少しデータもあるんですけれども、これも一つの方法。果たしてこれがもうかるかもうからないか、シーガイアみたいに破綻してしまうかどうかわかりませんけれども。
 ただ、私、PFIの大きな性格の違いというのは、第三セクターと違うのは、三セクというのは一時夢があったんですね。官の持っている安心、よさというもの、信頼性というものと、民の持っている機動性というものをうまく重ねてやろうじゃないかと。結果、今まで全国のいろんな三セクのすべて、大体見ますと九十数%は赤字ですね。それは官の悪さと民の悪さが何か同居してしまったというような結果に陥っているんじゃないかと。だから、三セクというのは私はほとんど、私も十数年前これは三セクというのは余りよくないかもわからないねというおぼろげながら、分析もしておりませんでしたけれども、そう思っていたんです。案の定こういう格好になった。
 ただ、PFIは、私は官はせめて一〇%から一五%ぐらいの出資にとどめて、ただしお金のところの監査あたりはしっかりとチェックをする、でも旗振り役は民間の経営能力のある人、そういう人を持ってくる。このシステムでPFIが動き始めると私は確実に利益を出してくると。
 ですから、出資者に対しては、今や銀行金利非常に下がっております、〇・〇何%とかなっております、百万預けても二百円しか年間に預金利子はつかないという状況ですから。一・五から三%ぐらいの金利がつくと言えば、かなりお金は集まってくると思うんですね。だから、こういったあたりももっとダイナミックに動かせるようなPFIという、それのためにはみんなが投資したいと思うようなモデルケースをしっかりとつくるということです。
 最近、町と町の間で大きな山がある、その山の間にトンネルを抜く、これはふるさとトンネルとか何とか言っておりますが、これはなかなか予算がつかない。これなんかもPFIでやる、三十年間の延べ払いで支払い金利つけて支払いするわけですから。ただし、地元がどうしても要望するんだったら皆さんも投資してくださいよ、二%ぐらいは金利つけますよとか、一%は確実につけますよという、やはり信頼性を提供すれば、その地元の人がお金を出した、自分たちのトンネルだよという意識ができてきますよね。
 だから、もう官があれこれ口を出して、これじゃなかったらできない、こうしなきゃいけないというべからず集じゃなくて、どうぞいろいろ皆さんで知恵を出して、そのかわり汗も出してお金も出してくださいよと、そういった方向に私は変えられぬものだろうかどうか。
 このあたり最後に、時間が来ましたので、扇大臣、感想をお願いしたいと思うんですが、御所感で結構でございます。
#25
○国務大臣(扇千景君) 私は、あらゆるところで、日本の国土の発展を考える場合には、今、先生がいろいろおっしゃいましたけれども、私は二十一世紀の初頭に皆さんに申し上げております。また国土交通省内にも私はみんなに知恵を出してくれと言っておりますけれども、基本的には日本全土を二十一世紀はどういう形に持っていくのかという基本設計ができていなければ、私は地元の皆さんの協力も得られない、またむだ遣いだと言われる、公共工事の予算の配分も図れない。
 そういう意味で国土交通省、全国の地方整備局というのが八つございますけれども、それにかてて加えて北海道等々で私は各ブロックごとの首長さん、あるいは政令指定都市の市長さん、産業界、財界等々で、私は、今後は今、先生がおっしゃるようにPFIを考えながらそのブロックで公共工事はどうあるべきか、どういうものを公共事業に選定し、どういう予算をつけていくか、これが私は地方分権と公共事業の推進のためには、地域の御賛同をいただけるという私は大きな出発点だろうと思うんです。
 ですから、まず基本的な国土づくりの設計というものはグランドデザインとして国土交通省が示し、そしてそれにかてて加えて皆さん方からの意見をそのグランドデザインにどう組み込むかと。そのために、私は四月までかけて全国の整備局に行きまして、地方の皆さんの御意見を聞いて、そして全国のグランドデザインをつくった上で、今おっしゃった限られた予算の中でつくる、最大限にできることと、それから地方と国とが分担することと、そして今、先生がおっしゃったようなPFIを使った新たな二十一世紀型の事業のあり方と、そういうふうに私は、少なくともそれをどう使うにしてもグランドデザインができていないというのが私は大きな欠陥であろうと思っていますので、なるべく早い時期にそれをつくっていって、あらゆる手だてで、むだのない、また地域の皆さんが本当に参加して、自分たちの意見が取り入れられたというようなグランドをつくっていきたいと。方法論は今、先生がるるおっしゃった中で国、地方、PFI等々の考え方があろうと思いますので、私はそれらを、まず基本の設計をつくっていきたいと思っております。
#26
○山内俊夫君 ありがとうございました。終わります。
#27
○寺崎昭久君 民主党の寺崎でございます。
 去る三月十五日の委員会の折、一月二十六日にJR山手線新大久保駅での事故の問題をめぐり質疑が行われましたけれども、この事故の経緯だとか事故後の対応あるいは少子高齢化社会の到来という状況にかんがみ、プラットホームでの安全対策は喫緊の課題だと思いますし、政府として支援策を講じてでも積極的に取り組むべき案件だと思いますので、私も先日とは切り口を変えて質疑を行い、具体的な施策の推進を促してまいりたいと思いますので、大臣初め関係の皆さんの具体的かつ積極的な御答弁を期待したいと思います。
 まず、大臣に伺いますが、国土交通大臣は、三月十五日の所信表明の際、先般JR新大久保駅で発生した線路内惨事で死亡された方々に対して哀悼の意を述べられ、さらにお二人の死がむだにならないよう国土交通省として責任ある対応を果たすべく、省を挙げて全力で努力したいと述べられました。私も改めて御冥福をお祈り申し上げる次第でございますが、この際お尋ねしたいことは、死をむだにしない、あるいは責任ある対応という所信は、国会に対する約束、国民に対する約束、決意と受けとめておりますが、どのような施策を念頭に置いたものなのかということが第一点、もう一つは省を挙げて努力するというのはどういうようなイメージを描けばよろしいのか。
 この所信というのは、言うまでもなく、森総理や外務大臣あるいは国家公安委員長、JR東日本の社長といった方々も弔問された、その惨事が発端となって御発言になっているわけなので、社交辞令であってはならないと思いますし、国土交通省の権威、かなえの軽重にたえ得る裏づけのある発言だと受けとめておりますので、ぜひわかりやすい所信を承りたいと思います。
#28
○国務大臣(扇千景君) 先日に重ねて寺崎先生から、いかにあの犠牲者の霊を慰めるためにも我々はでき得る限り、また二度とああいうことを起こさないという処置をしなければならないというのは、私は喫緊の課題だと思っております。
 そのために、少なくとも私は、去る二月十九日、各鉄道事業者に指示をしたところでございますけれども、この指示に基づきまして、私は具体的には、列車の速度が速く、しかも一時間当たりの運転本数の多いプラットホームを対象として、非常停止押しボタンまたは転落探知マットの整備、プラットホーム下の退避スペースの確保など、対策を順次実施していくように指示したところでございます。
 そして、まず何よりも調査をしてほしいと。今どの程度であるのかということを調査した三月現在の結果を私は手元にいただきました。
 それを、少し簡単ですけれども言わせていただきたいと思いますけれども、非常停止ボタンの設置率、これはJR六社、設置率は駅数が七・四%、ホーム数では八・六%、大手民鉄十五社は四・一%の駅数で、そしてホームは三・八%、公営地下鉄の十社におきましては駅数の設置率が、これは非常停止ボタンです、四九・九%、ホームにおきましては四五・二%ということでございまして、平均しますと駅数では一〇・三%、ホーム数では一〇・一%でございます。そして、転落の探知マットの設置率におきますと、これは総合で見ますと設置率は一・七%にしかすぎない。まして退避スペースの整備状況を考えますと、これも時間がありませんから簡単に言わせていただきますと、総数におきましても、これはホームの設置率が、退避スペースがあるのが二七・八%でございまして、そしてホームの一部に設置しているというのが総合で二六・八%、大手の民鉄十五社は四八・六%と大変いい数字でございます。けれども、この数字をもってしても私はまだまだ足りないということでございまして、これを踏まえて対応を指示したところでございます。
 対応を指示したところによりますと、JR東日本、これは三社だけ時間がありませんから言わせていただきますと、JR三社の中で東日本では、夕夜間のホームの巡回の強化をいたしまして、転落探知マットの増設をいたしまして山手線四駅で八カ所ふやしました。それから、列車の非常停止ボタンの設置箇所をこれは明確化しました。また、ホームに上がりやすくするためのステップの設置、これが百六十五駅でございます。そして、ホーム下の退避スペースを確保しましたのが、これは新大久保駅、飯田橋駅でございました。ホームのお酒の販売を自粛したのは、山手線、中央線など二十四駅で、二月の十七日からこれを実施させていただいております。また、JR東海では列車の非常押しボタンは四十二駅で設置いたしました。また、京都駅に転落防止用の固定さくを設置しております。ホームでのお酒の販売も、これも自粛いたしました。JR西日本におきましては、列車の非常押しボタンは百八十五駅に設置をいたしております。転落探知マットも二駅、ホームに上がりやすくするためのステップの設置が百六駅、ホーム下の退避スペースは一駅、ホームさくの試行的設置が三駅と。
 これが今現在における状況でございますけれども、私はこのように少なくとも実情を把握し、なおその実情に基づいてどの程度できるかという、でき得る限りの防止策というものを今申し上げたとおりにできておりまして、まだこれで完全ではございません。完全ではございませんけれども、国土交通省としましてはハード面、ソフト面、両面においてより皆さん方に安心して乗降していただくように、二度とあの事故を起こさないということのもとに指導し、なお各事業者が協力してくれているのが現状でございます。
#29
○寺崎昭久君 今御紹介いただきました、例えば緊急停止ボタンの設置あるいは転落感知マット、あるいはステップをつける等々はいずれも大事なことだと思いますし、できるところから着手されるということはぜひお願いしたいと思うんです。
 私は、残念ながらこれは落ちた人にどう手助けするかということに重点が置かれておりまして、そういう観点からいうと十分とは言えないと思うんです。私がこれから論を進めていきたいと思うのは、落ちないための工夫あるいは設備を整えましょうということでございますので、追々その点については見解を伺ってまいりたいと思います。
 ところで、大臣は所信の中でもう一つ、安全の確保は何よりも重要とされながら、鉄道事故についても、原因究明体制を整備し再発防止に万全を期すための法律案を提出したと述べられております。多分、この法律というのは航空事故調査委員会設置法の改正案を指されるんだと思いますが、この際伺っておきたいのは、この法案が改正された場合には、ホームからの転落事故も調査や再発防止対策検討の対象になるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#30
○国務大臣(扇千景君) 今、寺崎先生がお尋ねになりました航空・鉄道事故調査委員会、これはホームでの転落事故の原因究明や再発防止にかかわるのかどうかについてお尋ねがございましたけれども、新たに設置する航空・鉄道事故調査委員会は列車の衝突、御存じの脱線等の発生原因が複雑な事故について専門技術的な見地から事故の原因の分析を行って、同種の事故の再発を防止することを目的としております。ですから、一方、JR東日本、山手線新大久保駅構内におきまして発生した人身障害事故は、酔客一名がホームに転落して、その酔客を助けようとホームにいた旅客二名が救助のために線路内におりたことから発生したというものでございまして、その原因は極めて明快でございます。ですから、それは専門技術的な見地から事故調査委員会による事故調査の対象とはこれはならないわけで、そういうことには調査委員会は開会されないというのが現実でございます。
 しかしながら、私どもは、ホームにおける旅客の安全問題は、国土交通省として、先ほども私が申し上げましたように全力を挙げて取り組むということでございますので、この調査委員会で検討はされないけれども、でき得る限りの処置をとると。そしてまた、事業主体に対してもそれの体制を整えていただきたいということで、私どもは鉄道等々の安全の万全を期していくということで対応をいたしております。
#31
○寺崎昭久君 転落事故というのはお酒に酔って落ちるばかりではありませんし、急に気持ちが悪くなる、気を失うような状態で落ちる人もいるわけなので、この事故調査委員会で取り扱うのが適当かどうかは検討の余地があると思いますけれども、物理的な、心理的な、そういう原因究明をする必要があるし、また、どこに安全さく等を設けることが有効かということでは十分研究しなければいけないテーマだと思っております。
 ところで、鉄道局長に伺いますけれども、旧運輸省は毎年運輸白書というのを発行されております。これを拝見しますと、例えば平成十二年度版を見ると、安全対策に関して、安全の確保あるいは踏切道対策などの項目がございますけれども、いずれも車両の安定とか安全運行であって、プラットホームにおける乗客の安全対策については一言半句も載っていないというのが実態でございます。
 白書というのは、どの省庁でもそうでしょうけれども、今行政がやっていることを国民に理解してもらいたい、協力してもらいたい、それをPRするための手段であろうと思いますし、そういう意味では国土交通省が那辺に関心を持っているかということをアピールしなければいけない、そういう性格のものであると思います。残念ながらそれが載っておりません。
 こういう姿勢と関係があるのかどうかわかりませんが、鉄軌道運転事故は、例えば昭和五十四年の二千四百五十五件が平成十一年には九百四件と激減しております。結構なことでございますけれども、ホームでの転落・接触事故というのは、例えば平成八年以降を見てみましても百三十一件、百二十七件、百三十五件と横ばいになっておりますし、死亡事故も顕著な減少が見られていないわけであります。しかも、事故と記録されなかった転落あるいは接触を頭に入れますと、この何倍もあったと考えるのが常識だろうと思います。
 そこで伺いたいんですが、なぜ運輸白書はホームでの事故や安全対策を取り上げないのか、あるいは今後取り上げる気があるのかどうか、それから記録されなかったホームでの転落、接触の実態についてはどのように認識をされているのか伺いたい。
#32
○政府参考人(安富正文君) 先生、御指摘のように、現在、昨年の十一月に発表されました運輸白書におきましては、ホームでの事故安全対策については特に規定しておりません。我々としても、今回の新大久保駅の事故を踏まえまして、運輸白書にはまだ書いてございませんが、三月十六日に決定されました第七次の交通安全基本計画にこの問題について取り上げたところでございます。今後、我々としては、先ほど申しましたように、いろんな対策を講じてまいりますが、そのことにつきまして今後運輸白書、次の運輸白書についてはこの問題について十分取り上げていきたいというふうに考えております。
 それからまた、事故に至らない転落件数でございますが、実は、従来、事故等報告規則では、こういう事故に至らないものについては報告を聴取しておりませんが、今回の事故にかんがみて、JRの六社、それから大手民鉄の十五社、公営の十社、これについて過去にさかのぼって調査をいたしました。その結果、平成九年度で六百五十五件、それから十年度で六百五十四件、それから十一年度が六百八十四件といったような数字が我々として現在把握しているものでございます。
#33
○寺崎昭久君 鉄軌道運転事故が減ったのは、軌道の高架化など各種の安全対策を講じてきた結果ではないかと思われます。それに比べて、ホームでの転落事故等が一向に減っていないというのは、利用者がふえたということもあるかもしれませんが、余り十分な転落事故対策、防止対策が講じられてこなかったんだと見てもいいんではないかと私は思っているわけであります。
 ところで、ホームでの転落事故等を撲滅、減少させるために国土交通省は具体的な数字の目標というものを掲げていらっしゃるのかどうか、持っておられるのかどうか。例えば、転落事故撲滅何カ年計画とか、あるいは転落事故件数を何割減らすぞとか、あるいは対前年比で何%減らすというような具体的な目標を持っておられるのかどうか。施策を講じるということは、目標をきちんと掲げて、それに向かって何をするかというところで初めて具体的な施策があるわけで、目標がないところに施策もないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#34
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から貴重な御意見をいただきましたが、現在のところ、残念ながらその具体的な転落件数の減少、あるいは事故の減少についての目標値を持っておるわけではございません。我々としては、鉄軌道の安全の確保ということが最大重点課題でございますので、そういう意味でホームからの転落事故についても基本的にはその根絶を目指すということが目標といえば目標だと思います。
 そういう意味で、先ほど大臣からもお話がありましたように、二月十九日付で幾つかの対策について各事業者に措置をとるように、さらにはその措置の内容について五月末までに具体的な整備計画を出すようにということを指示しているところでございますので、これからこの具体的な施策の実施状況、あるいはその効果といったものも見ながら、具体的に必要であればその数値目標の設定について検討していきたいと考えております。
#35
○寺崎昭久君 仕事の評価をやるというのがこのところの新しい動きになっているわけでありますが、目標も掲げずに評価しようがないと思いますので、ぜひ具体的な目標を掲げて、それに向けて施策を講じていただきたいと思っております。
 ところで、この際伺っておきますが、鉄道運賃というのは認可になっております。恐らくコスト計算やらいろんな要素を加味して決めるんでしょうけれども、その際、事故防止対策費はどのようにしんしゃくされているのか。できれば、踏切道安全対策費、ホームでの転落事故防止対策費等についてどう扱われているのか伺いたい。
#36
○政府参考人(安富正文君) 鉄道運賃の認可に当たりましては、現在、鉄道事業法の十六条第二項に基づきまして、能率的な経営のもとにおける適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかということを審査して認可する、いわゆる上限運賃認可という形になっております。この鉄道事業の運賃を認可する際には、当然のことでございますが、安全確保のためのコストについても混雑緩和やあるいは輸送サービスの改善の設備投資と同様に、その適正な原価として当然算入して算定しているというものでございます。
 具体的に、例えば踏切とかホームの安全確保について、例えば設備投資にかかわるものでありましたら、これは資本費として計上する。さらには、維持修繕あるいは運営といったようなことでのコストについては人件費あるいは諸経費として計上するということで、それぞれ原価に算入されておりまして、運賃認可の審査に当たっては、これら安全確保のために必要なコストが確保できるよう配慮しているところでございます。
#37
○寺崎昭久君 後で触れたいと思いますけれども、例えば香港などでは、安全さくを設けるためにお客様から利用の都度十セントをちょうだいするというようなこともあるわけです。つまり、コストというのが常にそういうところで意識されているということを私申し上げたかったわけで、そういう点も含めて運賃の認可などを考える必要があるんではないですかということを申し上げておきます。
 ところで、副大臣に伺います。新しく駅を建設する場合に、ホームにおける防護さく、安全さく等の設置というのは必置義務、必ず設けなさいということになっているのかどうか。この点について法律でどういう取り扱いになっているのか、あるいは政省令でどのように取り扱われているのか。もしないとすれば、今後そういう法律等で規定することの是非について伺いたいと思います。
#38
○副大臣(泉信也君) 現在の鉄道の施設あるいは車両の技術基準につきましては、鉄道営業法に基づきます普通鉄道構造規則、これは省令でございますけれども、この省令において規格、構造が定められておるわけです。しかしながら、ホームドア等の設置につきましては、現在のこの省令の中には定められておりません。排除しておるかといいますと、必ずしもそうではない。そういうホームドアが設置されることを前提にして原則の緩和措置等が規定されておりますので、排除しておるわけではありません。
 なぜこういうことになってくるかということになりますと、既存の駅については大変現状の改良が難しい点がある。これは、お客の流れでありますとか列車の頻度によっては必ずしも定時性が保たれない、こうしたことがありましてなかなか難しい点があります。したがって、義務規定を課すということについては私どもはちゅうちょをしておるところが正直言ってございます。
 また、新しい駅につきましては、最近では新交通システムや地下鉄の一部で、十一社十路線ですか、こういう路線が採用されておりまして、既設の駅では二路線が採用されておるわけです。今後、沖縄の都市モノレールなど四路線がこうしたものを設ける計画ができておりますが、現状、先ほど申し上げましたように、すべての駅にこれを義務化することは大変実態上難しい点があるという判断をしておるところでございます。
#39
○寺崎昭久君 冒頭、繰り返して紹介した大臣の所信表明とはちょっとほど遠いお答えではないかと思って、さらなる御検討をお願いしたいと思っておるわけでありますけれども。
 もう一つお伺いしますが、日本でもホームドア、今御紹介のありましたようにつけている駅はあります。例えば地下鉄南北線なんというのは全駅でつけております。これを設置する場合に、今何とか規則とおっしゃいましたが、それに照らして認可する立場に国土交通省はおありなんだと思いますが、その際に、基準となる設計基準あるいはメンテナンス基準というものをお持ちなのかどうか伺っておきます。
#40
○副大臣(泉信也君) 今、先生のお尋ねは、いわゆるホームドア等の安全さくに限ってのお尋ねだろうと思います。これは、先ほど申し上げましたように、私どもの省令の中では基準あるいはメンテナンスに対してのルールは持ち合わせていないというのが現状でございます。
#41
○寺崎昭久君 先ほども申し上げましたように、少子高齢化が進んでおりまして今後ますます必要だと思うので、せめて新しい路線をつくるというようなときには、あるいは駅をつくる場合には必置義務にしてもよろしいんではないかと、そのように私は思うんですが、大臣、どうでしょうか。
#42
○国務大臣(扇千景君) 私も、京都の東西線等々、全駅がホームドアになっておりますのもよく乗っておりますし、また見ております。
 ただ、これは乗客数がある程度、東京のようにラッシュ時には逆に危険でございます。さくによりましても、完全なホームドアでなくても、例えば新幹線の横浜駅等々、とまらないで通過するところのあのさくであればいいんですけれども、今、先生がおっしゃいますホームドアということで、全面が電車が着かなければあかないというこのホームドアに関しましては、私は、その駅の乗降客数の状況によっても、大変ホームの幅が狭くなり、なおかつあいたときに殺到するという、そういう今の現状で必ずしもすべてが安全であるとは限らない、逆に危険であるということもあり得るということもあるわけでございまして、私は一律に基準化を行うということは現段階では、その駅その駅の状況によっては現段階で一律化することは逆に私は安全を阻害することもあり得るということで、一律基準というのは現段階ではまだ無理であろうと。変な話ですけれども、ホームの幅が広くてゆとりがあって、しかもラッシュでも悠々とさばけるというような駅幅であればいいですけれども、今のような状況のままで一律ということは、駅幅によったり、あるいは乗降客数によっては、私は、必ずしもそれがすべて安全とは言えないという状況の中で、試行錯誤、また事業主体によってはそれをおつけになるところも現実にあるということでございますので、現段階で一律というのはかえって今考えられないと。
 それぞれの事業主体によってお考えになることの方がむしろ私は安全ではないかと、今、現段階では思っております。
#43
○寺崎昭久君 私は逆に考えておりまして、狭いところほど安全さくやホームドアが必要なんではないかと思っております。
 実は、私は山手線を利用する機会が多いものですから、ホームの狭いところも知っております。せっかく電車を利用しているので、おりてどれぐらい広いのか狭いのか、はかってみました。上野と秋葉原と神田、この三駅をはかりました。それぞれの駅は乗車人数ベスト百の中に入る駅ばかりでありまして、上野が十位、秋葉原が十七位、神田が二十六位、そして上野―御徒町間の混雑率は二三六%で日本最高のところでございます。そして、どこの駅でも、危険ですから黄色い線の内側までお下がりくださいと構内放送をしております。危険なのはわかっているんですね。
 そういうことを念頭に置いて実測してみましたら、どの駅も、電車の入るホームの先端というんでしょうか、そこからはかりますと、点状ブロックの中央寄りの内側まで百十センチあります。しかし、黄色い線の内側から跨線橋だとかあるいは地下道口のある壁までは七十五センチから九十センチメートルという狭さでございます。なおかつホームに天井を支える支柱が設けられているところもあります。そこに至ってはもっと狭くて、上野の九十センチ、秋葉原の八十センチ、神田駅の六十センチということになっておるわけであります。これで、先ほどのお話のようにラッシュが加わったら酔っぱらいでなくたって落ちる危険性は十分あります。私は落ちるのを今まで目撃したことはありませんが、靴を落としたとかハンドバックを落としたなんというのはしょっちゅう見ています。よく人間が落ちないものだと思っております。
 だから、人の流れを阻害するとか妨げになるからホームドアを設けないというのではなくて、むしろ危険だからそういうところには積極的にホームドアをつけるということを検討するべきではないかと思いますが、副大臣、ホームドアの有効性はどういうふうにお考えになっているんですか。先ほどつけられない問題点をお述べになりましたが、有効性はどうなんですか。
#44
○副大臣(泉信也君) ホームドアの有効性につきましては、旅客にとって転落防止のために極めて有効なものであるということは私どもも評価をしておるところでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、また先生お話しのように、両面を使うホームは、例えば中央部の幅は三メーター以上なければならないという規定がありまして、そのようなホームが各地にあるわけでございまして、そこにホームドアをつけることは一概に安全につながるとは言い切れない。たくさんの人をさばくときに本当にそれで安全が保たれるかということについてはなお疑念がある。したがって、先ほど大臣からもお答えをしましたように、必置規定にするのには私どもはちゅうちょしておるところがあると申し上げておるわけでございます。
 こういうものができるところは、先ほど申し上げましたように、ワンマン運転でありますとか新交通システムというようなそういうところで設置をしていくことは、当然私ども、奨励と申し上げますとやや言い過ぎかと思いますが、進めたいとは思いますけれども、既存の鉄道の駅でこれが必置されるということは現状ではなかなか難しいという判断をしておるところでございます。
#45
○寺崎昭久君 普通鉄道構造規則というのがあることは承知しております。しかし、これの主たる目的というのはやはり安全の確保というのが目的であって、この規則に合わないからホームドアをつくってはいけないということではないんだろうと思うんです。もしそうですと本末転倒と言わざるを得ません。例えば通路の幅が何センチ以上確保できなければホームドアをつくってはいけないという指導はされるべきではないということでございます。
 ところで、JR新大久保駅での事故の後、JR東日本は一月二十九日の記者会見で、ホームさくを設置する方法は利用客の多い駅ではホームの有効面積が減じるとして消極的な姿勢を示した、また駅での酒の販売禁止には、サービスの低下につながりかねない、先ほど大臣からもこの点について言及がございましたが、そういうようなことで難色を示したというような話がマスコミで伝えられております。
 他方、東京視力障害者の生活と権利を守る会というのがあるそうですが、ここがアンケート調査を行ったのでは、対象となった全盲者六十八人のうち三人に二人がホームに落ちた経験があると、これも報道されているんで、私はこの方々から伺ったわけではありませんが、多分間違いないと思います。
 そういうようなことを考えてみますと、先ほど副大臣が御答弁になった、客の流れが悪くなるからとかホームの有効面積が減るからということでホームドアは業者任せというのは、私はどうも納得できないし、このJRの答弁というのを是とされているのかどうかというのを大変疑問に思うわけであります。先ほども申し上げましたけれども、狭隘で有効面積の確保が困難なホームほどむしろ積極的に安全さく、何も天井まで届くような安全さくを設ける必要はないんで、固定式のものだって構わないわけです。できるところからやるという姿勢が必要なんではないかと思いますが、いかがですか。
#46
○副大臣(泉信也君) JR各社が新大久保の事故の後に対応策をとったことは、今、先生お話しのとおりでございまして、その内容の個々につきましては、今時間もございませんので申し上げることは差し控えさせていただきますが、私どもとしては、とりあえずJRが対応策、最低限必要と言った方がいいかもしれませんが、対応策をとったことを評価いたしております。
 しかし、国土交通省としましては、二月九日にこの安全対策についての指示をし、五月末日までにその対応策について回答を求めておるわけでございます。したがってその回答を、実施計画等を見ました上で、さらに必要な措置があれば改めて指示をしなければならないと思っております。
 ただ、これは誤解を招くかもしれませんが、どのような措置を、精いっぱいの措置をいたしましても、身の安全は利用者それぞれの方が自覚をしていただく以外になかなか処理し切れない面がございます。体の御不自由な方には周りの方々が、駅の職員はもとよりでありますが、周りの方々が手を差し伸べてあげる、また健康な方でも、先生先ほどおっしゃいましたように目まいがする、気分が悪くなるということが起こり得るわけでございますので、そういう方々も自分の身を守るためにホームにあってはどのような振る舞いが必要かということを全部でお考えをいただく、そうした事柄が両々相まちまして先日の不幸な事故を防げるんじゃないかと私は思っております。
 したがって、ホームさく等につきましても、先生の再三にわたる御指摘をもう一度受けとめさせていただき、必要な検討をやっていくことを申し上げたいと思います。
#47
○寺崎昭久君 自己責任とおっしゃいますけれども、それに任せていたんでは事故が減らない。死亡事故が、毎年のように五十人前後の人が亡くなっているということをもっと深刻に受けとめるべきではないかと。
 先ほども申し上げましたけれども、亡くなられたお一人が韓国の方ということもあったのかもしれませんが、総理が行き、JR東日本の社長が弔問に伺う、外務大臣が伺うというようなことをやりながら、相変わらず業者任せということでいいんですかということを申し上げているわけであります。
 少し切り口を変えます。香港行政特別区の最近の政府プレスリリース、あるいは地元の新聞によりますと、香港地下鉄公社、MTRCというんだそうですが、この香港地下鉄公社は二〇〇三年までに既設の六駅、新設じゃないですよ、既設の六駅に、そして二〇〇六年までに合計三十駅にホームドアを取りつけると。そのために、利用者は乗車の都度十セント、香港の十セントですが、負担をするということを伝えております。
 その後、私も調べてみました。そうしましたら、ホームドアの設置工事は半年前からスイスのカバギイルゲンという会社が担当し、既に四駅が着工されていると。また、十セントの利用料の徴収というのも昨年の七月三日から行われているということを聞いております。
 何で日本ができないんですか、やろうとしないんですか、やる気がないんじゃないですか、口だけじゃないですかということを申し上げているわけであります。国土交通省はどうこれ評価しているんですか。
#48
○政府参考人(安富正文君) 先生が今御指摘になりましたように、香港の地下鉄では、最近開業した二路線については既に全駅にホームドアが設置されているというふうに聞いております。それからまた、それ以前に開業した三路線について、全線四十四駅中、地下にある三十駅に地下駅の冷房化にあわせてホームドアを設置する計画を現在実行中であるということで聞いております。これは、香港地下鉄の年次報告書によりますと、駅による冷房効率を高め、列車騒音の低減を図るということのためでございますが、このことによって、当然のことですが、旅客の安全性の向上ということが図られるということで我々も認識しております。
 それから、先ほど来よりホームドア、ホームさく等について先生の方からいろいろ御指摘がございますが、我々としてもこのホームさく等について今後どういう形で考えていったらいいのか、先ほどの二月十九日付の通達の中でも各事業者に具体的に、プラットホームからの転落の未然防止を図る観点から、ホームさく等の設置について、ホーム上の施設配置の状況であるとか、あるいは旅客の混雑、流動状況、それから車掌からの見通しといった安全性の問題、そういうことについていろいろ評価をして、技術的可能性について総合的な検討を行ってほしいと。その検討状況、検討結果、そういうものについてまた報告してほしいということで報告を受けることになっておりますので、そういうものを受けながら、我々としてもいろいろ検討していきたいというふうに考えております。
#49
○寺崎昭久君 香港の地下鉄に安全さくを設ける、ホームドアを設けるというのは、電車を走らせながら、そしてその休憩時間に、休んでいる間にやるということなので、大変コストがかかるんだそうです。工事ができるのは三時間とか四時間ということで、その段取りが大変だと言っておりました。ですが、やる気になればできるということの証明もされているんだと思います。
 そういう意味でお尋ねしますが、鉄道局長がよろしいんでしょうか、仮に山手線二十九駅に全部ホームドアをつけるとしたら、およそ金額にしてどれぐらいの費用がかかると見込まれますか。
#50
○政府参考人(安富正文君) 既設駅に設置する場合には、一つは可能性の高い可動式ホームさくという、三田線でとられた可動式ホームさくの事例がございますが、これにホームさく本体の設置とあわせて地上側でのいわゆる精度よく列車のホームとそれからホームさくのホームがぴたっと合うような、そういう機械を含めて地上側及び車両側両方にそういう設備が必要になってまいります。
 それで、山手線とお尋ねがございましたけれども、都営三田線の場合に駅数が二十四駅、列車編成数が三十七編成の、全体で約六十億円を要したというふうに聞いております。山手線の場合にどうなるかということですが、山手線の場合には、例えば駅数でいいますと二十九駅、それから編成でいいますと五十二編成、これは一編成が十一両、三田線の場合は六両という違いがございますので一概にあれですが、こういう形で計算しますと何がしかの計算は出てくるんですけれども。
 ただ問題は、山手線のような一つの例でいいますと、これは盛り土ホーム等で、いろいろホーム構造も所によって違います。そうしますと、先ほど来出ておりますように、可動式のホームさくの設置によって必要となる旅客流動幅員を補うためのホームの拡幅であるとか、あるいはホーム構造自体を改良する、あるいは階段の取りつけ位置を変えるとかいったようないろんな附帯工事がそれ以上に出てくると思いますので、こういう具体的な工事についてはまだ現在、これらの工事費も含めた形では算定しておりませんで、多くの検討すべき技術的課題があるのではないかというふうに考えております。
#51
○寺崎昭久君 私も調べようとして努力したわけでありますけれども、今おっしゃったように、ホームの条件というのはそれぞれ駅が違いますし、電車の方もそれに合わせてやるということになると、なかなか試算が難しいようであります。
 ですが、大ざっぱに言って、一駅大体五億円程度じゃないかというような話もございます。仮にそうだとすると百五十億円ですね。これは決して少ない金額ではありませんけれども、きょうの国土交通省関係の予算ではおよそ財投も含めますと二十兆円。二十兆円に比べますと百五十億円というのは考えられない金額ではないんじゃないかという気がするわけであります。
 それはさておいて、もう一つ伺いますが、ホームドアシステムの研究開発という研究レポートが昨年の三月に交通エコロジー・モビリティ財団から出ております。これには当時の運輸省からも、運輸政策局、鉄道局からも関係者が御出席されておりますが、この研究というのは国土交通省あるいは運輸行政とはどのような関係にあるのか、あるいはこの研究は今後どう扱われる性格のものなのか、もしわかったら教えてください。
#52
○政府参考人(安富正文君) このホームドアシステムの研究開発でございますが、これはバリアフリー関係のいろんな施策を進めていくという観点から、ホームさくあるいは固定式ホームさく、可動式ホームさく、こういうものについてどういう技術的な課題があるかということを我々としても把握する必要があるということで進めてまいったものでございます。
 基本的に、現在、平成十二年の三月で研究報告書ということでまとまっておりますので、これをベースに我々としてもいろいろこれから具体的に、先ほど言いましたような通達での各事業者の検討状況等を踏まえて、ここで指摘されているような課題も踏まえて、今後どういうふうな形で進めていったらいいのかを検討していきたいというふうに考えております。
#53
○寺崎昭久君 ここの交通エコロジー・モビリティ財団が出している研究報告書というのはそんなに知られていない報告書だと思いますが、かなり詳しい研究がされているように思われます。何らかの格好で生かしてほしいなと。財団に頼まれたわけではありませんが、せっかく研究されて、国土交通省も関与しているわけですから、ぜひそういったものも踏まえて今後の施策に生かしてほしいと思っております。
 最後に、大臣に伺います。いろいろ私はホームドアのことを申し上げてまいりましたが、先ほど大臣がおっしゃるように、落ちた人の手助けをどうするかという視点での対策はもちろん必要です。ですが、究極の目的は、究極のねらいは落ちないようにすることに置くべきだと思うわけでございます。
 費用の点についても私申し上げましたが、国土交通省が考えられない予算ではないと思いますので、ぜひ、例えばバリアフリー関連予算を要求しているように、ホームドアの設置等についても、整備計画を策定の上、計画的に進めるという決意のもとに国としての関与を強める、事業者任せにしない、支援策を講じるということを考えていただきたいと思います。ぜひ前向きな、そしてお二人の死がむだにならないような研究のある対応ということをお願いしたいと思います。
#54
○国務大臣(扇千景君) 私、きょう寺崎先生から大変多くの事例等々御報告いただいたり、また私の知らなかった香港の事情等々もきょうの委員会で教えていただきましたし、私たちはそれを参考にしてどこまでできるか、またどこまでやるかというのが私たちの原点であろうと思います。
 そういう意味におきましても、私は今後、まず落ちないようにするというのが原点だというのは当然のことでございますけれども、これだけ交通量が多くなり、あるいは全国に張りめぐらされた交通網というものに関しましても、私どもは、ただ利用するだけではなくて利用する側の心得というものも大事なことであろうと思います。
 私は、この事故が起こりまして調査しましたときに、まず電車の停止ボタンというのが今まで、私もよく乗っておりますけれども、どこにあるか見たことがなかったんですね。こんなに私も利用していますのに停止ボタンがどこについているかということすら知らなかったということでも、せっかくあるものも周知徹底ができていないということ自体も多くの問題であって、たださくをつくればこれで安全だということはあり得ない。また、さくがあるためにそこにぶつかって何かなるということもあるわけでございますから、少なくともどんな安全装置をつけようと、どんな装置をつけようと、少なくとも駅自体の周知徹底義務というものも私はあろうと思います。
 ですから、そういう意味で、お互いに乗る方も注意、そして乗せていただくお客様を迎える方も注意、それほど私は、物があるからこれですべて安全というその安心感が一番危険であるとそう思っておりますので、両々相まって、きょうの先生の御意見等々踏まえて、国土交通省としてどこまでできるか、またどこまでやるか、これも検討させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#55
○寺崎昭久君 ありがとうございました。終わります。
#56
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#57
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管及び住宅金融公庫を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#58
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 午前中は寺崎議員の格調の高い極めて政策的な議論をしましたけれども、一転して、実は私は外務省の機密費についてちょっと質問をさせていただきます。
 今、地元を歩いていますと、本当にどこへ行っても言われるのが、自民党の総裁とそれから総理大臣はこの次だれかなと、その次の話が実は機密費の話なんです。そして、何で悪いところに使ったというふうなところがわかっているにもかかわらず同じ要望の中で予算をつけたのと。私はもう純粋に考えればまさにそうなのかなと思いますし、また、この間、地元のある家庭にお邪魔したら奥さんが、雄平さん、困っちまうわね、うちの子供が実はちょっと悪いことをしてお小遣いを削ったら、お母さん、この間外務省でも悪いことをしたんだけれども、お小遣いを削っていないんじゃないのと。
 私は、今、森内閣が今国会の中でいわゆる教育基本法を含めて今の子供たちに対する二十一世紀の新しい教えをきちっとしたものをつくっていかなきゃいけないというときに、子供たちから見たある意味では大人の姿、そしてまた政治、行政というのは世の中のある意味ではまた私は範にならなきゃいけないところだと思うのでありますけれども、そういうふうな中でそんな話があると、私は今、政治が、また立法府としてもある意味では信頼を欠如しているとき、何とかその信頼を取り戻さなきゃいけないと、そんなときに、この外務省の機密費がまた計上されていて全く削減されていない。
 扇大臣、今内閣の本当に中心、かなめとなって引っ張っているわけでありますけれども、この全体の予算の中での大臣としてのこの機密費についての御所見があれば、お伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(扇千景君) 今、佐藤雄平先生からるる一般論も挙げて子供の教育のためにもという常識的なお話がございました。
 私も、今回の件に関しましては、本当に松尾何がし個人のことなんだろうかと、まして何年にも及んで個人がああいう公的なものを公私混同して使い得るということ、その体制が続いたということに関しては余りにも不可思議な、また納得できない事例であることだけは私も佐藤先生と思いは同じでございます。
 けれども、果たして日本の外交というものに対して世界じゅうからの情報収集等々、本来大使館の果たすべき役割、そして外務省の世界に対しての日本の国民の安全と安心を確保するための外交政策というものを展開する上において、果たしてどの程度の機密費というものが必要なのであるか、我々にははかり知ることのできない領分ではございます。
 私、外務大臣でもございませんので余計なことを申し上げるのは失礼ですけれども、一国民としても我々の国民の安心と安全のためにどの程度の範囲が外交機密費で果たされているのか、あるいは足りないのか足りるのか、その辺に関しては私はそれぞれの皆さん方が疑義のある点であろうと思います。そういう意味においては、私は、少なくともこの外交機密費というもののあり方、またその機密費の果たしてきた役割等々が我々の前にはなかなか明快にならない、これが機密費の機密費たるゆえんであると言われると後、二の句が継げなくなるというのが現状でございます。
 ただ私は、一言言えますことは、少なくともこれだけ冷戦が崩壊して以後、日本の中がスパイ天国だといまだに言われる、そして冷戦後そういうものがなくなったにもかかわらず世界じゅうから日本に情報収集に来ているというようなことを考えますと、私はやはり外交の果たす役割というものがいかに平時においても重要であるか、この必要性に関しては私は皆さん否定なさるものではないと思います。ただ、機密費の金額の使い方と、しかもその範囲、それらが今まで一度も表に出てこなかったということ自体も、今回多くの皆さんに疑義を持たれた私は大きな原因であろうと思います。
 けれども、今申しましたように、外交の機密費と、またあるいは報償費等々言われておりますけれども、少なくとも私はこの外交官の一個人の犯罪とはいえ余りにも大きな額が長期にわたってということだけはどの国民も許せないことであるということだけは確かだと思いますので、人の省のことに口出しはできませんけれども、外務省独自の調査、荒木副大臣を筆頭にした調査委員会を設置して、そして外務省ぐるみなのかあるいは松尾個人の犯罪であるのか調査をしていらっしゃるということでございますので、私もその省内のことに関してはその調査結果というものを私たちも冷静に拝見させていただくという立場には変わりはありませんけれども、少なくとも外交官あるいは大使館、外務省のこの必要性と、そしてどの範囲がということはそれぞれの先生方で御論議いただいて、今後こういうことの二度と起こらないように、またこれによって私は外国の情報収集にいささかも手抜きがあってはならないと逆に思っておりますので、心を引き締めながら私は本来の業務に徹していただくように我々もお互いに切磋琢磨していきたいと思っております。
#60
○佐藤雄平君 大臣のおっしゃるとおりだと私も思います。我々もみずから、本当に外交機密費というふうなことについて国民の皆さんは必要だというのはもうほとんどわかっているんです。わかっているけれども、やっぱり松尾さんのあれはもう絶対許しがたいし、またそれが国会で議論がなされて、そして一円も削除できないということがおかしいなと、そんなある意味では素朴な国民の気持ちであろうかなと、我々もいろんな意味で律していかなきゃいけない、そんな思いでもあります。
 次に、国土交通省のことについていろいろまたお伺いをさせていただきます。おととい、森さんとブッシュさんの会談が終わって、不良債権の処理ということになりました。不良債権の処理というふうなことになると、私はどうしても思い出すのが、バブルのときを思い出します。
 たまたま、先日、あれは平成十年に国土庁が出した二十一世紀のいわゆる日本のプランニングの中、あれは全国総合開発計画の第五回目のプランニングかなと。そんなことを見ると、第一回、昭和三十七年から始まって十年まで、それぞれ五回、総合計画をやってきている中で、ちょうどその真ん中の三回、四回から、国の一極集中をどうしても排除しなきゃいけないということの国の骨格の基本方針が書かれております。
 私は、戦後五十七年間の中で、日本の産業政策、この変遷に伴って人口が集中して、ある意味では合理的な生産体制ができてきて今日を迎えた。しかし、その反省として、その一極集中がまたいろんな災害等も仮定をした場合に大変なことが起こってしまうと、その心配の向きも出てきている。
 そういうふうなことを考えると、私は、次の時代の国土交通省、これはソフト、ハード両方持っている省でありますから、ある意味では日本の盛衰を決めるぐらいの大変な任務を受けている省だと思います。その中で、日本の国土、均衡ある国土、この前提として国土軸の話が出ております。そして、やっぱり四つの国土軸がその均衡ある日本の発展の前提となる、そういうふうに国土総合開発計画法の中でもそれぞれ出ていることを思うと、今回の予算の中でこの四極軸、どういうふうな形で予算の中であらわれているか、その件についてお伺いしたいと思います。
#61
○国務大臣(扇千景君) 今お話の中にございました戦後五十七年間の国土のあり方等々、一極集中ではないかというお話もございましたけれども、私は少なくともこの戦後五十七年間、いつも私、皆さん方と集まって申し上げるんですけれども、我々の両親、我々のおじいちゃん、おばあちゃん、本当に私は、先生はまだお若くて御存じないでしょうけれども、私、小学生でございまして、あの終戦のときの、世界じゅうから劣等国だ四等国だと言われたときに私は小学生でございました。
 あれだけ世界じゅうから屈辱的にさげすまれた日本の国土を、今申し上げました両親やおじいちゃん、おばあちゃん、あの苦しい中から今日まで持ってきてくれた、本当に私は我々の先輩に敬意を表して、そして今我々がこうして豊かな生活を送り、過食時代と言われるような今日を迎えておりますけれども、その中でなお社会資本整備一つとってみても、それでは欧米先進国に追いついたか。下水道一つとってみても、社会資本整備の中の下水道一つとってみても、まだまだ欧米先進国には及ばない点が多々あるわけでございます。
 ですから、私は日本の国土づくりというものは、私は二十一世紀の今日の初頭においても、まだ欧米先進国の生活水準と比べてみれば社会資本整備計画というものはまだまだ不行き届きであるし、また先進国と言えない部分の社会資本整備がおくれている部分もある。これは確かでございます。
 そして、決められた狭い国土の中で、しかも山岳地帯、住むところはわずか三〇%しかないと言われるこの国土の中でいかに豊かな暮らしをするかという、そして狭い中でも国土の利用等々を考えますと、私は少なくとも、一極集中がいけないというふうに言われましたけれども、人口統計をとっていますので、時間がありませんからやめますけれども、一時は狭い、そして汚いということで、込むということでみんな一たんは地方へ出ました。けれども、郊外へ出て通勤時間が一時間半、一日二十四時間の中で往復で三時間はかかるところで一軒家を持つという、そういう私は流れがあったと思いますけれども、人生の中での一日三時間の往復の道は家庭の中での憩いの場をとり、そして勤労者に過重な負担をかけ、やっぱりお勤めに近いところがいいということで、いわゆる近住生活に戻って、また都心への回帰が始まったというのが数字の上でこの三、四年の傾向でございます。ですから、そういう歴史を繰り返しながら、私どもはより自分の家庭に合った、より自分に合った生活の範囲というものを決めてきたわけでございます。
 そして、まして私は今回申しておりますことは、皆さん方に、今、先生も「国土の未来像」という昨年発表しましたものを取り上げていただいて、国土庁のときにお示ししました二十一世紀の四つの国土軸というものをお取り上げいただきましたけれども、私はまだこれで十分だとは思っておりません。不十分だと思っております。
 それはなぜかと申しますと、少なくとも私たちは森内閣においてIT社会ということを言っております。IT革命とも言っております。ですから、私どもは日本じゅうが、今ITは世界じゅうで第十四位の日本の位置でございますけれども、欧米先進国は既に上にいて、日本が十三位にまで落ちてしまった。じゃ、その中で、何が日本のITの中でも世界に誇れるかといいますと、光ファイバーだけは世界の第二位でございます。アメリカが一位で日本が二位ということは、光ファイバーはアジアで第一位でございます。それなれば、一番得意としているものを今集中的に伸ばしていこうではないか、しかも第十三位のインターネットというものに関しては追いつくように努力していこう、これは努力するけれども、せっかく世界二位のものを伸ばしていこうと。これが我々の新たな二十一世紀の現状を考えたときの選択方法でございます。
 それと同じように、私は都市もそして町も村も新たな選択時期に入ったと思います。それは全部光ファイバー網が日本じゅうに引かれたときには同時に同じものを全員が情報をキャッチすることができる、また町に出ないでもインターネットで買い物ができる、そしてお金の出し入れするのに銀行に行かなくてもインターネットでお金の出し入れができる、あらゆることが生活様式がインターネットによって変わってくるわけですね。IT社会になると距離感というものが全然なくなっちゃうんです。ですから、都市だとか地方だとかという区別がこれはなくなると。
 そういうことでは、私は新たな国土づくりというものが必要であるというふうに考えておりますので、今まで二十世紀に発表したものと二十一世紀の国土づくりというのは基本的に私は変わってくるという認識を持っておりますので、それを早く整理したいというのが今の現状でございます。
#62
○佐藤雄平君 そうすると、四つの軸で北東軸、日本海、太平洋、西日本とその四つの国土軸構想というのは変わったという理解でよろしいんですか。
#63
○国務大臣(扇千景君) それは変わったのではありませんけれども、より細かくしていきたいと。日本列島を四つに分けただけで国土づくりではないという意味を申し上げたんです。
#64
○佐藤雄平君 これは役所からの方がいいのかもわかりませんけれども、四つの軸があるというふうなことで来ているわけですが、とすれば、その四つの軸のそれぞれの役割というのが、構想というのがあると思うんですけれども、これについてはどういうふうな構想があったんでしょうか、グランドデザインの中で。
#65
○国務大臣(扇千景君) 四つの国土軸の展開といたしましては、私は佐藤先生が今おっしゃいましたように、西日本の国土軸に対しては、これ長くなるとちょっと申しわけないので簡単に言いますけれども、まず西日本の国土軸に関しましては、都市的色彩を強く保った集積地帯としたいと。そして、自然を適切に管理した周辺の地域で構成していくと。何となくはっきりわからないんですね、抽象的な言葉で。また、太平洋の新国土軸に関しましては、太平洋性を生かした開発と環境保全を両立させる先端的な都市のネットワーク等とございます。また、日本海の国土軸に関しましては、歴史と伝統に富んだ都市のネットワークや我が国の生態系のネットワークの骨格を有する脊梁山脈を覆う森林から流域を経て日本海沿岸に至る自然のネットワークを構成と、こうくるわけでございます。そして、北東の国土軸ときますと、これは自然とともに共存できると。こういうふうに四つに分かれておりますので、今申しましたように、先生お笑いになりますように、大きな枠でくくってありまして現実がないんですね。私はもっとそれを現実にしたいということの違いでございます。
#66
○佐藤雄平君 大まかなところ、わかりました。
 なぜ、私はこの質問をさせてもらったかと、本当にバブルは再来したらまた大変なんです。本当に今の経済の不良債権の問題というのは、帰するところ全部やっぱりバブルがもたらした結果であると。そんなことを考えると、その四つの軸の構想をきちっと二十一世紀の展開としてもやっていただきたいことでもあります。
 次に移らせていただきますけれども、同じく国土形成の中で、四つの国土軸も含めてそうなんですけれども、今地元に帰ると、帰るたびに人口が減少しているなと。過疎の問題からもう村がなくなってしまうんじゃないかというところは、福島県含めてそれぞれの地方にあると思うんです。しかしながら、ふるさとから出た東京の人がいる。ふるさと会なんてやるとそこにいっぱい実は人が集まってくる。本来ならばこの人たちが地元に何かあれば、帰れれば今のような問題も解消されるのかなと、そんな思いをします。
 そうなってくると、やっぱり過疎と過密の問題というのは二元的な問題ではなくて、私はやっぱり一元的な問題なのかなと。少なくとも、この間もいろんなマスコミの世論調査の中で、機会があればふるさとに帰ってみたいという人が東京近郊の人の約四五%おられました。しかし、なかなかそれは機会がないというふうなことなんでしょうけれども、私は地方のいわゆる公共事業、インフラの整備というのは、まさにその四五%の人の相当の方がやっぱり地元に、ふるさとに戻りたいときの生活基盤の体制づくりというような位置づけをしてみたいなと、そんな思いをしております。
 そういうような中で、この間の決算委員会のときも大臣に質問させてもらいましたけれども、なかなか今ふるさとに行くチャンスはない、行きたいけれどもないというのが現状の中で、私はふるさと、地方と都市の交流というのがうんとやっぱり大事であるかなと。
 先般も地元の常葉町というところの町の話をさせてもらいましたけれども、現に交流をしていることによって成功している例があって、しかも昨年は農林省のグリーンツーリズムの中で東京から約二千人近い人が行って、地方、田舎の雰囲気、またおいしい空気のところで楽しんできた、そんな結果も出ております。
 となると、後でこれまた住宅の問題にもかかわってきますけれども、私はもう本当に今、うちは二軒持っていいんじゃないかなと。一軒は東京、一軒はふるさとにうちを持つ。そんなことも今の地方の現況を考えると、たくさん農家の空き家があったりして、そういうふうなことにも活用できると。
 そんなことをかつては国土庁がやっていたんでしょうけれども、国土交通省として、二十一世紀に向かってその一つの橋渡し、そんな政策をぜひ望みたいのでありますけれども、その辺についての御所見がありましたら、お伺いしたいと思います。
#67
○国務大臣(扇千景君) 私は、佐藤先生が後半におっしゃったこと、これはもうまさに理想だと思うんですね。それは私いつも申し上げるんですけれども、例えばアメリカのマンハッタン、そしてパリ等々を考えましても、月曜日から金曜日まではみんなあの高層アパートの中にいてほとんど町中で住み、町中で仕事をして、しかも週末になるとどっと郊外へ行って、それが本当のおうちなんですね。真ん中に住んでいるときだけは仮住まいなんです。仕事のための住まいなんです。本当のおうちは郊外の広い場所で緑もあって、そして面積も大きなものを持っているというのがそれが御自宅なんですね。ですから、私は、本来であれば東京のようなところは、二十三区内は容積率緩和をしてもっと高くして、私はもっとパリのようにしてしまったらどうなんだと。
 そして、今、先生が二軒うちを持ったらいいんだと言うんだけれども、二軒ではなくて、東京の中心地は仮住まい、本宅は福島県なり群馬県なりこれが本宅であると。これは本当の私は新しい都市のあり方だと思っています。
 それともう一つ、先生がふるさとに帰ってこないというお話なさいましたけれども、私はそのためにも、今我が国土交通省で担当しております港、飛行場、鉄道の駅等々考えますと、今までは建設、運輸で縦割りであったものが、今度は国土交通省になって立体的な政策ができるということで、三位一体のものができると。港からあるいは飛行場からあるいは駅から少なくとも十分以内で主要道路、高速道路に入れて、一時間以内に大都市に通じると。それによってふるさとの物の物流というものが、より産物が早く都会に行き、そして新鮮なうちにそれが多くの消費者の手に入る、口に入ると、そういうことが私は新たな計画であろうと思っていますけれども、少なくとも、欧米先進国では港から飛行場から駅から十分以内に主要高速道路に入れるというのは九〇%台達成しております。
 ところが、日本の場合は港からあるいは空港から、そして駅からというのが、物流の流通機構というものは欧米先進国の九〇%台に比べて四四%という貧弱な連携の悪さでございます。すべてこれらが物流コストができてうまくできると、私は企業もそっちへ行くと思うんですね。土地が安くて、空気がよくて、仕事がよければ企業誘致も私は行くと思うんです。
 そういう全体的な日本の体系でグランドデザインがまだ少し足りないんじゃないかというので、先ほど申しました四つの枠の軸と、私が言っております新たな二十一世紀のグランドデザインというのがそこで交差して初めて精密なグランドデザインになるというのが私の主張でございますので、少なくとも国土交通省になった限りは縦割りの弊害がなくなっただけでも、今、先生がおっしゃるような、地域と都市の交換というものがより綿密にできる新しい国土交通省の政策を実行していきたいと思っています。
#68
○佐藤雄平君 交通体系が具備されると、実は逆の傾向が起きまして、通勤ができる、通学ができるということで、極端な話、今福島県から東京に通勤している人も四百人ちょっと超すぐらいになっておりまして、工場誘致といってもなかなか昨今の状況の中では難しい状況がたくさんあって、むしろ工場閉鎖の方が多いような状況もありますので、別途、いろんなまた趣向を考えてもらえればありがたいかなと、そんな思いであります。
 次に、ちょっと時間の都合で、都市基盤整備の話に移らせていただきます。ちょうど二年前、住宅整備公団の公庫法の改正があったときに、いろいろ理想的な都市基盤、これはもう十分わかるんですけれども、方々のところでできている都市基盤を見ると、どうしてもやっぱり、半分当然だと思うんですが、合理性とか近代化というか非常に利便を考えておつくりになっている。それは第一の目的であろうと。
 しかしながら、それによって何か余りにも殺伐としたというか、余りきれい過ぎて、その地方のカラーが全くなくなっているケースなんかもあるんです。特にやっぱり駅前開発で、ターミナルをいろいろ陸上交通から鉄道交通も含めた中心的な駅前ビルなんて見ると、本当にどこへ行っても同じような形で、福島なんだか東京なんだかわからないようなところも多々あるような感じがするんです。
 そこで、やっぱり私、一番怖いのは、地方の中核都市になってくると、通学している学生なんかも全部そこのターミナルが一つのキーポイントになって、何か遊び場になっている傾向があって、あるところなんか本当にたむろして、大人が近づけないような状況のところもあったりする。それは個人の問題だと言えばそれまでの話ですけれども、やっぱりもっとその地域的なカラーに合った、そしてまた大人と子供がある意味ではコミュニティーできるような、そんないろんな芸術、文化も兼ねるような、子供が不良に走ることができないような、走れないような雰囲気を一つつくるなんというふうなことも、これからの都市基盤、それから集約的な交通体系の中でも必要かなと思うんですけれども、これについて、今度の予算の中でも都市基盤整備というのは重点項目が入っておりますけれども、この点についての御所見がありましたら、お伺いしたいと思います。
#69
○副大臣(高橋一郎君) 今、東京の過密化、そして地方の人口の減少というふうなことを踏まえながら、地方で特色のある町づくりをしたいという先生の御意見、私はもっともだと思うんです。
 私も、御承知のように代々東京に住んでおりますから、必ずしも鉄とコンクリートの砂漠のような町は希望しないわけで、都心に住んでいる子供が、前にも申し上げましたが、日の出日の入りの美しさを知らないとか夜露を知らないとか、こういうふうになりますと情緒を欠いていってしまいますので、それがまた殺伐とした教育環境の中でいろいろと弊害を起こしていると、こういうふうなことも考えられるわけでございます。
 私は、地方へたまに出ましても、昔の戦前の名残でしょうか、何々銀座というのがあっちにもこっちにもございます。やはり自分の町に誇りを持ったら、銀座がいかにいんしんをきわめていても、自分の町の名前で堂々と地方文化に根差した、また伝統的な町づくりがあってしかるべきだと思いまして、文化財的な保護がなければ昔の町並みが壊れてしまう、こういうふうなことは私は肌寒いような気持ちを持って見ているわけでございます。
 今日、人口の大半が都市に居住しておりますから、都市のあり方は国民生活の質にも直結していると、こう思います。それで、真に豊かな国民生活を実現するためには、経済的な豊かさだけではなくて精神的な豊かさも求められているところだと思います。最近、地方の芸能とかいろいろなのがマスコミを通して紹介されるのも、また日本人の情緒を醸し出す上でも大事なことだと思っておりますが、都市に住み働く人々がふるさとに愛着と誇りを持っていくような町を各土地でできたら、私は教育面でも文化面でも大いに日本が発展していく、こういうふうな考え方を持っております。
 国土交通省では、都市の核となる鉄道駅周辺の総合的整備や中心市街地の活性化を推進するという問題につきましては、地域の創意と工夫を生かした町づくりを進めるために、今年度から創設いたしましたまちづくり総合支援事業などによりまして、若者を含めて人々が快適に暮らし、働き、交流する生活空間として、その都市に固有の文化や歴史などを生かした町づくりを積極的に支援していきたい、こう思っているわけでございます。
 今後とも、国や地方公共団体、民間事業者など、町づくりにかかわる主体が適切に役割分担を図りながら、画一的でない個性あふれる町づくりをしてほしい、こういうふうに私たちも希望しておりますし、そうあってほしいと私は思っているわけでございます。
#70
○佐藤雄平君 またちょっと一つ飛ばして、交通体系についてお伺いをしたいと思います。
 先週の大臣の話の中でも、交通体系全体で、陸上交通の路面電車等ももう一回考える余地があるなと、そんな話があったかと思うんですけれども、私は、もう本当に次の時代というのは環境問題も相当視野に入れた中で交通体系を考えなきゃいけない時代であろう、そんな思いをします。
 そのときに、かつての生活の豊かさが、いずれマイカー時代になって、それぞれ各家でも一人一人が自動車を持つような時代になってきた。それもある意味ではコミュニケーションもなくなるというふうなことになり、個人になってしまったというふうな経緯もあるんです。
 そういうようなことを考えると、環境問題も含めてこれから道路交通、陸上交通の中で、いわゆる鉄道の役割、そしてまた自動車の役割、これはある程度焦点を絞りながら私は運輸行政というのは向かっていかないと、やっぱりCO2を初めとした環境問題に大きな禍根を残すようなことになってしまうんじゃないかな、そんな思いをします。それに当たってあえて申し上げますと、陸上交通の中でのいわゆる鉄道と自動車、これのセパレートというか、こういうふうなことについて将来的なお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
#71
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、佐藤先生が御指摘になったことは、まさに二十一世紀型の日本の国土づくりの中の原点になるであろうと思っております。
 二十一世紀は環境の世紀とも言われます。そういう意味では、私はあらゆる面において環境対策を加味した政策がなければならないと思っておりますので、今、先生がおっしゃいましたような陸上の交通体系一つについても、私はそれを環境を考えないではもはやできないと、また地元の皆さんにも受け入れられないという大きな要素があろうと思っております。
 そういう意味では、環境問題への対応は、二酸化炭素の発生によります地球環境問題あるいは大都市地域におきます大気汚染等々、少なくとも騒音を初めといたしまして、皆さん方が、この対策に我々が真剣に取り組んで初めて、私は必要がある最重要課題の一つとして考えていかなければならない、そう思っておりますし、交通体系一つ、今、先生がおっしゃいましたように、各交通機関の競争と個々の利用者の自由な選択を背景にして私たちは形成されることが重要であるし、またそれが原則であろうと、そう思っております。
 環境対策を進める観点からも、自動車の燃費の向上あるいは渋滞解消のための推進等々、そして、かてて加えて先ほど私が申しました物流の効率化、とにかく停滞しないという、スムーズに走ることによってもCO2の排出量を削減できるということもきちんと出ておりますので、そういう意味で公共交通機関の利用促進を進めて、我々はあらゆる対策をとっていくというのが今の我々の考え方でございますので、例えば一つとってみましても、鉄道、道路等の連携の強化によります物流の高度化と交通の円滑化を図るマルチモーダル交通体系というものを私も見ておりますけれども、これを推進していって環境問題への対応にも資するということで、平成十三年度への予算といたしましても、マルチモーダルの交通体系の連携整備ということで千二百六十四億円を計上させていただいておりますのも、今申しましたようなあらゆる体系をとっていこうということで、私たちは、そのCO2の排出量を減らすということ自体も含めて、あらゆる環境を加味した二十一世紀型の交通のあり方等々を考えているところでございます。
 昨日も申しましたグリーン税制も、これも新たなことでございますし、今まで言われていなかったことで、私たちはグリーン税制の環境に優しい車の普及を実現していこうということで、昨日もどなたか先生方でこのグリーンカーに乗っていらっしゃるという方がありましたので、そういう意味では我々国会議員はこぞってするべきだなというふうにも思っております。またその点につきましても、私たちはITSあるいはETC等々、あらゆる環境に配意した交通体系の整備を図っていこうと思っております。
#72
○佐藤雄平君 環境問題のことで恐縮ですけれども、自動車、陸上交通の中での環境問題というのは結構議論になっているんですけれども、空の上での環境、これは飛行機、それぞれ乗り入れしているわけですけれども、このCO2対策なんというのは日本の国としては何か講じておられますか。
#73
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 航空関係のCO2対策につきましては、国際的な面もございますものですから、航空機から排出されますところのCO2、これにつきまして、ICAO、国際民間航空機関というのがございますが、そこの航空環境保全委員会、こういうところでもいろんな検討、技術面あるいは航空機の運航面、こういったところの検討が進められておりますが、私どもといたしましては、こうしたことを踏まえまして、航空事業者によります燃料消費効率のよい航空機の導入、こういうことを促進しますとか、あるいは効率的な運航によるエネルギー消費効率向上、これが可能となりますように、いわゆる航空保安システムも新しい次世代の保安システム整備、こういったことを進めていきたい。
 また、地上面におきましても、飛行場で駐機中の航空機のCO2排出、これがなるべく削減するようにということで、電源を地上からとるようなそういった工夫、そういったこと。あるいは空港内ではなるべく多くの低公害車両を使うようなこと、こういったことをもろもろ対策を進めておりまして、目標を掲げながら、その目標は既に達成しておりますけれども、それを維持、さらに努力できるように今後とも積極的に取り組んでいきたいと、かように思っております。
#74
○佐藤雄平君 達成しておりますがというのは、何が達成しておりますか。
#75
○政府参考人(深谷憲一君) 失礼いたしました。
 日本の航空関係の全体といたしましては、二酸化炭素の排出量を航空界全体で二〇一〇年までに一九九〇年比一〇%改善しようと、こういうふうな目標を掲げておると。それにつきまして既に達成はしておりますけれども、引き続きそれを維持強化できるように努力をしていきたいと思います。
#76
○佐藤雄平君 わかりました。
 次に、観光振興に行かせていただきます。いろいろ政府が経済政策を講じているんですけれども、ある評論家は、講じてはいるが個人消費を喚起させる政策は全くないんじゃないかと。そんなことを考えると、私はやっぱりこれは観光であるかなと、そんな思いをします。
 先般、その統計をずっと見させていただきましたら、飛行機の利活用が観光のとき一番多い。しかも、海外に行っている人が一千六百万人で、海外から来る人が四百四十三万人。私の福島もいろいろ温泉地があったりして、観光地へ聞きに行くと、もう本当に今、閑古鳥が鳴いて、一人のお客さんを五人、六人で誘客しているような姿を見ると、もう情けないかなと。ちょうど二カ月ぐらい前、またそれぞれの温泉地の観光の振興会みたいなものができて、何とかおかみさん方も頑張らなきゃいけないなと苦心惨たんしているんですけれども、全く功を奏していないというのが現況でありまして、観光というのは非常に時代の変遷とともに変わってきているのかなと思いますと、それに即応した対応をしなきゃいけないんだろうなと、そんな思いもします。
 数字で見た千七百万人と四百四十万人、これどこがどういうふうに、その原因が何であるのかなと。本当に、国内に海外から来るお客さんが四百四十万、それはもう事務的な仕事の方もいるんでしょうけれども、余りにも激し過ぎて、やっぱり国内の観光として何か欠如している面、それは料金が高いなんというのはありますけれども、そのほかに何か欠如している、今後、観光対策として考えている所見をお伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいました、日本から出ていく人は千六百三十六万人、来る人は四百四十四万人、四分の一であるというお話ございましたけれども、少なくとも我々はそのことに心を痛め、また私は、今、先生がちょっとおっしゃいましたけれども、交通費が高いんだろうかというようなことをおっしゃいましたけれども、私は、日本から海外に行ってお金を使ってくる人、この間のお正月も戦後最大の海外旅行者、そしてまた今度のゴールデンウイークもほとんど切符がもうないというぐらい日本人が外へ出ていきます。これは世界の三位でございます。ところが、日本へ入ってきてお金を使ってくださる方が、今、先生がおっしゃいました四百四十万人の中で、世界じゅうでランクを見ますと、これ二十四位でございます。しかも、隣の韓国は二十二位でございます。
 そして、空港でほとんど入っていらっしゃるとおっしゃいましたけれども、ほとんどがそうでございまして、少なくとも我々、佐藤先生も含めて、海外へ行って、先進国の中で、国際空港というもので一本しか滑走路がなくて国際という看板のついている空港、見たことございません。しかも、三月の二十九日、もう間もなくです、韓国の仁川においては四千メートルの滑走路を二本つくって開港いたします。四千メートル二本です。しかも、二〇一五年にはもう二本、四千メートルの滑走路ができるんです。そして、韓国はこの仁川の空港で一億人の人を一年間にお客様で呼びたいと、これが政策なんですね。果たして日本が観光一つとってみてもそれだけの政策を世界にアピールできるだろうか。
 そして、御存じのとおり、成田に着いて、初めて日本の国際空港成田に着いた人が、まずタクシーに乗って東京の都内のホテルに行くまでに、余りにもタクシー料金が高い、なおかつ高速道路は高速料金を取られる。外人さんはあのメーターだけを見てそれでも高いのに、初めて日本のお金を使うのに、あのほとんど高速料金で取られちゃう。そこへかてて加えて、高速料金を払えといったら、そこで運転手と外人がけんかになるんですね。あれはハイウエーじゃないか、何で料金取るんだと。
 それで、私はまず、外人さんが日本に来ていただいて印象が悪い、そして今言った羽田で乗りかえて国内線に乗り継ぎが悪い、都内に来るのにも高い、こういうことでは私はやっぱり、再び日本へ私の家族を連れてこよう、子供も大きくなったら奈良へ行って仏像を見せよう、京都の町もすてきだから見せようということになかなかならないんですね。
 点と点はいいんです。その点と点をいかに結んでいくかという案が少なくて、これだけの世界じゅうからいらしてくださるお客様が、こんな私たちはすばらしい日本だと思っていますけれども、そういう意味ではもっと私は日本の文化をアピールするべきであるし、今申しました点と点をいかに外国の皆さん方に御案内し、その交通網をよくしていくかということが私は大きな要因の一つであろうと思っておりますし、少なくとも外人を御案内する英語が下手であるということも大きな要因であろうと思っております。
 けれども、私どもは、国土交通省としましてもことしの九月に第十四回の世界観光機関、これはWTOと同じ発音の仕方ですけれども、これを大阪で開催することに決定いたしております。なおかつ来年にはワールドカップサッカーを誘致して、世界じゅうからお客様を受け入れようとしています。こういうときに世界じゅうが、韓国と共催でも日本に全部注目があって、テレビ中継するわけです。そこで、外国から来た人が、本当に日本は不便な国だな、こんなにサッカー場に行くのに乗り継いで、しかも便が悪いということになったら、これまた観光客に悪影響を及ぼしますので、そういう意味においても、私は、多くの問題点はあろうと思いますけれども、国土交通省の中で観光を含めた、少なくともさっきも申しました国づくりというものを改めて考えるべきだと思っております。
#78
○佐藤雄平君 時間がなくなっちゃったんですけれども、最後にコンクリートの話。
 「コンクリートが危ない」という本を読ませてもらったんです。本当は二百年もつコンクリートがもう十年でおっこってきたりひびが入ったりしていると。これについては、きょうも午前中の質疑の中で、いわゆるその安全性、セーフティーネット、いろいろ議論されているわけでありますけれども、新幹線、道路、住宅、これについては省としてどのような御指導をなさっているか、お伺いして質問を終わります。
#79
○政府参考人(岩村敬君) コンクリートの劣化対策でございますが、契機となったのは山陽新幹線のコンクリート塊が崩落したというところから始まっておるわけでございますが、これを契機に新幹線、そして道路トンネルについての緊急の点検を当時実施をいたしました。そして、早急に補修が必要なところについては既に措置したところは先生よく御承知のとおりでございます。
 その後、国土交通省といたしましては、土木、建築、鉄道、トンネルの各分野を専門といたしまして委員会をつくりまして検討いたしました。そして、昨年の十二月までに各委員会の提言が出されたところでございます。これらの提言を受けまして、さらに詳細な鉄道トンネル、道路トンネル、橋梁の点検要領等を作成し、これに基づいて点検等に取り組み始めているところでございます。
 また、御指摘の住宅の方でございますが、公営住宅、公団住宅等の公的住宅、さらには民間建築物についても、コンクリート劣化対策について、従来から耐震診断、さらには耐震改修等を行う中でこの措置をするよう取り組んできているところでございます。
 また、自治体に対しましては、こうした措置につきましての情報提供、さらには技術的指導に努めているところでございます。
 国土交通省といたしましては、今後とも劣化対策が適切になされるよう努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#80
○佐藤雄平君 ぜひ万全を期してください。
 終わります。
#81
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 国土交通省として国際社会に貢献するということは極めて大事でございますし、我が国の国際的地位を確固たるものにするために国際協力を推進していくことは大変重要な課題だと思っておるところでございます。
 そこで、今、世界各国で水不足、それから水質汚染の増大などが発生しているわけでございまして、この問題がさらに深刻に進んでいくおそれがあるということでございます。
 水質汚染による問題点として、私もこの数字を見て愕然としたわけでございますが、世界で子供たちが八秒に一人亡くなっている、また途上国における病気の八〇%の原因は汚れた水によるものだということがデータとして出ております。
 水不足による問題点としては、年間五百から一千万人が死亡していると。現在、アジア、アフリカを中心として世界の中で三十一カ国が水の絶対不足の中にあるということでございますし、二〇二五年には四十八カ国が水不足になるという状況でございます。
 これは、海外へ行きますと私たちは感ずるわけでございますけれども、国内におりますと、日本の水が比較的良質なものですからその点についてそんなに実感しないわけですけれども、国連のアナン事務総長が二十一世紀の水問題の解決の必要性について言及しておられることがございます。
 そこで私は、この二十一世紀の重要な課題としての水問題という中で、今度、二〇〇三年三月十六日から第三回世界水フォーラムが開催されるわけでございますが、京都を中心として、滋賀県、京都府及び大阪府の琵琶湖・淀川水域において開催されると聞いております。
 この第三回世界水フォーラムの概要とその準備状況についてお尋ねをいたします。
#82
○副大臣(高橋一郎君) 今、先生から大事な水問題についての御質問をいただきまして、世界フォーラムの内容ということでございますが、私ごとで恐縮ですが、私は水について大変貴重な経験をいたしました。
 それは、昭和四十年、私が東京都議会議員に当選した直後でございましたが、東京が水飢饉で、主婦の方々が給水車に列をなしてそれで家庭用水をもらい、洗濯にも一部充てていたという状況でございました。
 そのとき、当時の河野一郎建設大臣が東京に都政なしと言われたんです。私はルーキーでしたから頭にきまして、文句言いに行きました。そうしたら、河野大臣いわく、おまえさんね、地方から勉強に来ようと働きに来ようと水をしょってくるわけじゃないんだから、東京のように人口がふえたら足りなくなるのは当たり前なんだ、だから東京に都政なしと言ったんだというので、一言もなかった思い出があります。しかし、河野一郎大臣の政治力で御承知の朝霞導水路ができて、自来、東京の水飢饉というものはなくなりました。
 そういう貴重な体験から考えましても、今の先生の御説のように水の需要という問題は、ありがたい水がなければ生活できないという、このごろの砂漠の問題も考えるまでもなく、非常に大事なことだと思います。
 それで、世界水フォーラムの問題でございますが、第三回の世界水フォーラムの日本での開催は、先生が今おっしゃられましたように、二〇〇三年の三月十六日から二十三日、京都で行われる。そして、滋賀県、京都及び大阪府の琵琶湖・淀川流域においてその問題を詳細に論議すると、こういうことでございます。
 この世界フォーラムは、分野別、地域別に自由な議論を展開するフォーラム、そしてさまざまな機関が水に関する活動を発表する水に関するフェア、こういうふうに名づけまして、世界各国の関係閣僚が水問題を議論する閣僚級国際会議の三つを中心とすることになっておりまして、会議の理念は、オープンな会議、参加する会議から一人一人がつくる会議へ、それから議論から具体的な行動を実現する会議への三つとされると言われております。
 この企画書を今月下旬に開催されますWWC理事会に提出をいたしまして、この場での正式決定を目指すとともに、第三回世界水フォーラムへの内外の関心を喚起するために、現在、各種の広報活動を展開するとともに、同フォーラムに向けての具体的なスタートとなるキックオフフォーラムも六月に日本で開催するべく内外の関係機関、団体と調整を進めているところでございます。
#83
○森本晃司君 この第三回の世界水フォーラムというのは、今、私ども日本の国民にとってもこの水問題に関心を寄せるということが極めて大事でございまして、今、副大臣の御答弁の中で広報をいろいろやるというふうにおっしゃっていただきましたが、ぜひそれを進めていただきたい。
 琵琶湖というのは非常にそういう意味では日本の水がめとしての象徴的な場所でございますから、そこを中心に行われるということは非常にいいことだと思います。それから同時に、日本の水に対する知恵、これを私は世界に広めていくいいチャンスではないか、そのように思っております。
 この第三回の水フォーラムに対して、どのように取り組んでいくのか、大臣の決意を含めてお伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(扇千景君) 第三回の世界水フォーラムということでのお尋ねがございましたけれども、世界じゅうで渇水、洪水、逆に水質汚染、先ほど先生がおっしゃったとおりの現象が今起こっておりますし、また、我々二十一世紀に生きる者として、あらゆることでの水の深刻さというものは私は増していると思いますけれども、少なくとも我が国、食糧あるいは資源の多くを海外に求めておりますので、海外の水問題は海外のみならず我が国の直接の水問題にかかわってくる、そういう認識を持っております。
 そして今、こうした中で第三回の世界水フォーラム、今、副大臣から申し上げましたような日程で行われますけれども、我が国は、アジアのモンスーン地域という独特の自然の中で私どもは独自の水利用形態と水文化とをはぐくむとともに、それを通して先端的な水に関する技術を私たちは有しておりますので、少なくとも世界の水問題の解決に大きな貢献ができるものと確信をいたしております。
 政府としましては、去る三月六日、同フォーラムへの政府としての協力と、閣僚級国際会議をその一環として開催することを骨子とする閣議了解を行いました。そして、第三回世界水フォーラム運営委員会というものを構成いたしまして、私も出席いたしまして、その会長には橋本龍太郎元内閣総理大臣にお願いをいたしまして、メンバーが各界の十九名の有識者によってこの委員会を形成させていただきまして、会議を開かせていただきました。
 これによって、この閣議了解を得まして、今後も関係省庁会議を中心に、フォーラム運営委員会等と連携を図りながら、二年後のこの同フォーラムの成功と世界の水問題の解決のために国土交通省としても全力を挙げてまいりたいと今思っております。
#85
○森本晃司君 大臣の御決意を伺いました。ぜひ内外ともにこの問題へ取り組んでいただきまして、二十一世紀の大事な問題に国民の多くの人が、また同時に関心を持つように進めていただきたいと思うところでございます。
 次に、河川関係の質問をさせていただきます。高度成長時代の急速な都市化によりまして、身近な自然空間が随分多く失われてまいりました。一生懸命、今、国土交通省もその自然を取り戻そうということで頑張っていただいておるわけでございますが、平野において自然環境を回復する場所として一番可能性が高いのは、国土面積の三・五%、百三十三ヘクタールもある河川あるいは湖沼だと思っているわけでございます。
 川がコンクリートで固められたりいたしまして人々が川との断絶をするようになりましたが、そこから川に親しむ時代への転換を図ると。そういうことで、平成九年に河川法が改正されまして、同時に、単に川をコンクリートで固めたり工事をするというだけじゃなしに、地域住民の声をもよく反映させようと、こういう取り組みも協議会等々を設けて行われるようになりました。
 私たちの近畿でいえば、私の住んでいる大和川においても清流ルネッサンスという、そういった協議会等々がいろいろできておりまして、各地に随分そういったことができてきたんではないかと思っておりますが、同時に、本当に自然に親しめる、以前もこの委員会で蛍が飛ぶような川づくりをやってはというのを、私は前大臣のときに申し上げさせていただきましたが、そういう蛍が生息できる川づくりや、あるいは河川敷利用のあり方、関係者が一体となって協議する場所をつくって対話をしていくことが一番大事ではないかと思っております。
 静岡県の安倍川でもそういったことで、例えばトイレの場所をどうするかとか、ボックスを設けてはどうかとか、そういったことを一緒に協議しながら、ここは堤防の裏側につくらなければならないとか、いろんな話し合いがなされているようでございますけれども、直轄河川及び都道府県管理河川での取り組みについてお伺いしたいと思います。
#86
○副大臣(高橋一郎君) 今、森本先生から河川におきます地域住民等との対話の継続についてお尋ねがございましたが、河川は流域の住民の方々にとって貴重な環境空間でございます。先生のおっしゃるとおりでございまして、この河川での流域住民とのさまざまな活動を支援していくことは、河川行政として今後の重要な課題だと認識しております。このために、全国の河川で関係者が一体となりましてさまざまな取り組みを既にスタートさせております。
 例えば、多摩川で、市民と行政のパートナーシップを形成し、河川整備計画への市民参画を進めるために市民、企業、学識経験者及び行政から成る懇談会を設置いたしまして、日常的な意見交換や情報の共有化を図っております。このほか、全国の河川約二百カ所で水辺の楽校、楽しむ校、楽校ですが、水辺の楽校プロジェクトを実施しまして、地域住民やボランティア団体等と連携し、子供たちの身近な自然体験活動の場となるように整備を行っております。
 また、河川は地域共有の公共財産でございますので、河川管理者のみならず、地域住民みずからが流域におきます活動の中で守り育てていくという認識のもとに、今後とも地域住民と連携し、河川行政に当たっていく所存でございます。
 活動事例等は、直轄としては、鶴見川水系鶴見川、多摩川水系多摩川、利根川水系霞ヶ浦、荒川水系荒川、そして信濃川水系通船川、鶴見川水系梅田川等で行っておりまして、水辺の楽校と申しましょうか、そのプロジェクト等も、河川が身近な遊び場、教育の場となるよう体制及び水辺の整備を実施しまして、小学校に近い河川等において自然の状態をできるだけ残しながら河川等へのアクセス性の改善、すなわち堤防の緩やかな傾斜化とか水アクセス性の改善、瀬やふち、それから湾処の復元などの自然環境の保全回復、遊歩道等の整備を実施いたしまして、平成八年度より整備が始まり、現在までに百八十七市町村の百九十七カ所が登録されて、地域住民、市民団体、教育関係者、河川管理者等が連携してさまざまな活動を展開しております。
 そういうふうなことで、今一生懸命努力しているところでございます。
#87
○森本晃司君 ぜひ一層、今進めていただいておりますが、それにさらに進めていただきまして、地域住民が参画することによってその地域住民の人たちが、河川の管理者とともに自分たちのそういう空間を十分にするために自分たちも一緒に参画してやろうと。
 例えば私も、奈良県で歴史的に有名な佐保川というのがございますが、佐保川歴史文化の川づくり整備計画検討委員会等々ございまして、そういった中で協議会に参加したり、いろいろ意見を言っている間に、これはもう歴史的には古いわけでございますが、そこに住んでいる住民の人たちが佐保川に桜を植えようということで皆さん協力いただいて、今はむしろそこは桜の名所に、間もなく咲くころでございますが、そういった名所になるという状況でございます。ぜひそういった協議会をいろんなところで積極的に行っていただくように、私はむしろ行政から呼びかけていただくことが大事かと思っておりますので、今後の取り組みをよろしくお願い申し上げます。
 それから、そういう自然空間ができて、川のそばまで行くわけでございますけれども、行った川が、間もなく春でございますけれども、春の小川はさらさら行くよということで、あるいは今、副大臣が楽校とおっしゃいましたけれども、メダカの学校はと我々は歌ったんですが、川をのぞいたらメダカもいないような状況、自然の魚がいないような川が随分ふえてまいりまして、河川敷をいかに整備してもその川自身がやっぱり自然と親しめるようなものでなければならないと思っているところでございます。
 そこで、今から百年ほど前、オランダから導入された、そしてそれが今、日本の河川で伝統的な工法になっておりました木工沈床、木材を組み合わせてそれを沈める、その間に石を入れる、その石も河川工事のときにできたときのその周辺の石を持ってきて、あるいはコンクリートの塊とかそういうのを持ってきて木の間に埋めるという伝統的工法の木工沈床がございます。
 平成九年に、河川法改正のときに、やはりそういったものを、コンクリートの川ではなしに、そういったものを使ってしっかりとやっていこうということが、話が出されて、その方向に進んでいるようでございますけれども、私は、非常に木というのは耐久性を持っておりますし、それから木工沈床でやりますとそこに川の流れを、急激な流れから穏やかな流れに変えることができる、さらにまたそのすき間にいろんな生物がすんで魚等々がよみがえってくる、植物や小魚や微生物の育成にも非常にいいんだというふうにも聞かされております。
 それからもう一つは、やはり我々の国土ということを考えたときに、これは決して農水省の問題ではなしに国土省も一緒になって考えなければなりませんが、山を守るということを一緒に考えないと、山が崩れていって災害が起きてまいりますと、これはやっぱり国土交通省、農水省の問題だとは言っておれない。しかし、山の木がすくすく育つには間伐、木と木の間を伐採しないと、もやしのような木ばかりが育ってしまって、今度は台風が来たときには折れやすいような木になってしまいます。
 今、私の奈良県は林業立国でございますけれども、この間伐をする人もいなければ、それから間伐したものをなかなか使ってくれるところがないと。これでは山が崩れていくに違いないというふうに思っております。
 そこで、川もきれいにすることができて、そしてその間伐材を使っていく、一挙両得があればもう三得、四得もあるこの木工沈床を大いにこれから進めていっていただきたいと、こう思っております。
 神奈川県の松田町を流れる酒匂川というんですか、ここの河川改修工事では間伐材が相当使われた、そして木工沈床で河川の改良が行われたと伺っているんですが、一例としてここの川の状況について、木工沈床について御報告いただき、また木工沈床とはこうだというふうにおっしゃっていただければと思いますが。
#88
○政府参考人(竹村公太郎君) 森本委員に大変木工沈床の利点等を、御紹介ありましたので、私から御説明するまでもないわけでございます。
 そのほか、間伐材を使った伝統工芸としましては、ナラやクリの枝を格子状に組みましてその中に石を入れて川底へ沈めまして、護岸、堤防の足元の洗掘を防ぐそだ沈床という工法もございます。また、木の丸太を組み合わせまして、遠くから見ると牛のように見える、これ聖なる牛と読みまして聖牛と呼びますが、水当たりが激しいところにはその聖牛を置いて水の流れを和らげると、さまざまな伝統工芸がございます。
 私ども、コンクリートというのは非常に強くて効率的ですばらしい材料でございますが、より豊かな生態系と安全という二本の目的を実現するためには、今、森本委員の御指摘の間伐材を最大限利用した河川工事をすべく全国の各整備局で現在モデルをどんどん積み重ねておりまして、そのうちそれらの試験工事が積み重なった暁にはきちんとした積算体系になり、全面的に使っていきたいというような思いで現在スタートしているところでございます。
#89
○森本晃司君 私、ホームページで間伐材等の事例集を引き出してみました。これは果たして人数が多い方になるのかならないのか、あなたは四千七百五十六番目の訪問者ですと。なるほどなと、こういった工事を使ってやることに人々は関心を持っているんだなと、さらにもっとやろうというふうに思いました。もっとやっていかなければならないと、こうも思いました。こういう広報活動が行われて、そしてそこに、昔でいうと地建の河川局の皆さんが一生懸命、例えばこれは八幡土木工事事務所河川砂防課とかいうところが一生懸命こういった河川工事のくいを使ったり木を使ったりする工法をお知らせいただいております。
 どうぞ、地方の、今、整備局の河川の関係者が一生懸命こういったことで頑張ってくださっておりますので、ぜひ局長からも督励をいただき、そういった事例が全国のいろんな河川の改修工事で使われるようにぜひお願いをしたいと思っておりますし、同時に、こういった工法で頑張ってくださっている整備局の河川局の皆さんに感謝申し上げる次第でございます。何としても自然を取り戻さなければならない、こう思っておりますので、取り組みをよろしくお願いいたします。
 次に、今、川の問題を言いましたが、今度はちょっと空の問題で国土省にお伺いしたいと思っております。先ほど佐藤委員が関空の問題で質問をされておられますときに、大臣が韓国の空港の例を引いて、空港というのは大事なんだと、日本ももっともっとハブ空港としていろいろ考えなきゃならないというふうに取り組んでくださっていましたが、私がたびたび利用いたします関西空港の問題でございます。
 関空の地盤沈下というのは、これは、それに取りかかるときからいろいろと問題になっていたところでございまして、運輸省の見方が甘かったんではないだろうかとか、あるいはちょっとやわらかいというか、かた目の豆腐の上に金塊を載せたみたいなものが関空だとか、いろいろやゆされたこともございましたが、今、関空がこれからますます大事になっているところでありますけれども、深刻な地盤沈下に見舞われているところでございます。
 関空会社が去年の十二月、島内十七カ所の沈下観測所を公表いたしました。私もその数字を見てびっくりしたんですが、既に最高十四・一メーター、最低九・六メーター、平均で十一・七メートル沈下しているということでございます。開港当初の五十年後の沈下予測平均十二メートルということで、間もなく達しようとしているわけでございます。これが、最初は八メートルから十三メートル云々ということがあって、沈下するのはそれぐらいは当然、海の上に海底から島をつくったんですから沈下するということは予想されるわけでございますが、当時の運輸省は、沈下最低八メーターのところにひょっとしたら基準を合わせたんではないかとも、そんなことも言われておりますが、予想以上の沈下が進んだ原因をどのように考えておられるのか。
 また、二〇〇八年には収束に近づくと関空の会社が言っておりますが、最終的にどのぐらいの沈下を予想し、これはなかなか予測しがたい問題でありましょうし、二〇〇八年に果たして収束するのだろうかということについてもなかなか予測しがたい問題でございますが、世界の空港としての大事な関空でございますので、この点について大臣はどのようにお考えになっているのか、この問題について所見をお伺いしたいと思います。
#90
○副大臣(泉信也君) 今、先生お話しございましたように、関西空港の地盤沈下の問題にはいろいろな指摘がございました。豆腐の上にというお話もございました。大学の先生方の中でも意見が分かれるような事柄でございました。これは、もともと洪積層というところの土と性質の分析がほとんど経験がないという中での事業に着手したことでございまして、当時から関係の先生方に鋭意御検討いただいて着手したプロジェクトでございます。
 御指摘のように、昨年の十二月に島内の十七地点における観測結果が出てまいりました。埋め立て開始のときから約十三年間で十一メーター七十センチの沈下が起きておりまして、開港後で見ますと一・九メーター沈下をしております。
 こうした数値が幾つも出てまいりましたし、実績のデータが出てまいりましたことから、おおよそこれからどういうふうになるかということを分析しておるわけですが、埋め立て当初あるいは開港後は大変一年間の沈下量が大きかった、例えば五十センチぐらい一年間で沈んできた。それがごく最近、平成十二年では約二十二センチ、一年間で二十二センチというふうに沈下量がだんだん少なくなってきておりまして、この傾向はほぼ分析できるような、ある滑らかな状況で毎年の沈下量が少なくなってきておるということが出てきております。
 したがって、この傾向から推計をいたしますと、あと八十センチぐらいかなという見通しが出ておりまして、埋め立て開始時からは十二メーター五十ぐらいでおよそ安定するところに行くのではないか。今、先生おっしゃいましたように、二〇〇八年にという数値はちょっと私は承知をいたしておりませんが、いずれにいたしましても毎年の沈下量が少しずつ少なくなってきておりますので、今申し上げましたように、およそ十二メーター五十の程度でほぼ安定的に推移していくのではないか、このように考えておるところでございます。
#91
○森本晃司君 地盤沈下による空港の機能維持の対応についてお伺いいたしますが、空港島内の地盤が低いところ、給油タンク地域、旅客ターミナル地域に対しては、高潮が来てもその施設に障害が発生しないように周りに地中の壁をつくる工事を実施したと聞いています。その止水壁工事で対応は可能なのか。あるいはまた、建物のジャッキアップで対応しているところがありますが、空港機能維持等に支障はないのか。さらに、今は沈下が少なくなってきたとおっしゃっていますが、いずれ限界が来たときはどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#92
○副大臣(泉信也君) 埋立地が沈下することは空港建設の当初から想定をしておったわけでございまして、開港後、供用しながらも沈下を想定した対応策を考えてきたわけでございます。
 その一つが、ジャッキアップによって不等な沈下を調整して空港機能に支障がないようにするという、あらかじめ組み込まれた方法を今日まで続けてきておるというわけでございまして、今後、先ほど申し上げましたように、十二メーター五十ぐらいまで沈下をいたしましても今の考え方で対応できるというふうに思っております。
 なおまた、止水壁をつくってというお話でございました。これは、御指摘のように予想よりも地下水の水位が高かった。その結果、例えば燃料油をためますタンクなどは、消防法によりましてタンクの下面から二メーター以上の地下水位というようなことが決められておりますので、それを保ちますために止水壁をつくって、そして少なくともタンクあるいはターミナルビルの周辺地域の下からの浮力等が大きく作用しないようにやっておる工事でございます。
 今年度、十二年度と十三年度の予算で約二百七十億をかけて対応をいたしますが、空港機能上はこうした対応で十分支障は生じないという考え方でございます。
#93
○森本晃司君 いずれにいたしましても、関空は年間二千万人の人が利用される、しかもこれからますます世界のハブ空港としての役割も大きなところでございます。ぜひこの沈下という問題については、多くの関係者の皆さんに御尽力いただいておりますが、二期工事についても工法をもう一度考え直してはどうかという御意見のある学者もあるように伺っておりますが、二期工事の問題についてもぜひ慎重に御検討いただきながら、かつまた昨年暮れには関西の関係者が大臣等々にいろいろと御要望をさせていただきましたが、この第二期工事、これが二〇〇七年には大阪でオリンピックを招致するという勢いで今取り組んでいるところでございます。
 ぜひこの二期工事に関しても、日本の玄関口としての役割を果たすために、空港会社自身も経営改善に努めなければならないと思いますが、国としても支援策を講じなければならない、このように思っております。
 関係者の皆さんには、二期工事についてはいろいろと御尽力をいただきましたが、この支援策について、二期工事についての大臣の所見をお伺いして、私の質問とさせていただきたいと思います。
#94
○国務大臣(扇千景君) るる今、森本先生と副大臣のやりとりを聞いておりまして、なお一層気を引き締めて私はこれにかからなければ、今おっしゃいました関空のこのあり方というものが、近隣するアジアの諸国におきましても、先ほども私が仁川の話を申しましたように、大規模な国際空港ができる、しかも着々とそれが完成しオープンするという現状におきましては、私は関空の二期工事におきましては、増大する関西圏の航空の輸送需要に適切に対応していくために重要な、またこれを何としても成功させなければならない。
 せっかくつくった財産でございますので、この関空の二期工事の重要性、我が国の発展のためにも重要であるということは認識しておりますけれども、このために従来から国は地元の自治体とともに関空会社に対する出資、あるいは二期事業につきましても新たな土地造成について無利子の貸し付けを行うこととするなど、関空の二期事業の促進につきまして強力に支援体制を行っているところは既に先生御存じのとおりでございます。
 なお、今後は、昨年の十二月、大蔵大臣と運輸大臣でございました私との合意事項というものがございます。その合意事項を踏まえまして、二期事業の安定的な実施、あるいは収支採算性の確保を図るべき事業スキームの再構築に私たちは成案をつくって対処していかなければならないと思っております。
 合意事項につきましては、先生既に御存じでございましょうけれども、私たちは関西国際空港第二期事業につきましては、二〇〇七年の平行滑走路供用開始に向けて引き続き工事を推進する。また、事業スキームの再構築を行い、これを踏まえて関西国際空港株式会社の経営体制のあり方について検討する。なお、国、関係地方公共団体、民間が一体となって検討を行うこととし、平成十四年度予算概算要求時までに成案を得たいということで、当時の大蔵大臣宮澤喜一、運輸大臣扇千景でお互いに署名をして約束しておりますので、これも基本的に十四年度の概算要求までに必ず皆さん方に御安心いただけるような対策を考えていきたいと思っております。
#95
○森本晃司君 終わります。
#96
○緒方靖夫君 私は、公共事業における施工体制のあり方について質問いたします。
 国土交通省では、現在、入札契約適正化法の成立を受けて、同法の施行令と適正化指針に基づく実務者向け運用通達などを作成中と聞いております。施工体制の適正化を図る上ではどのような点検要領を検討されているのか、お伺いいたします。
#97
○政府参考人(岩村敬君) 昨年秋に国会を通していただきました入札契約適正化法でございますが、いよいよ四月一日に施行ということで、今施行のための準備を進めておるわけでございます。
 そして、今お尋ねのございました施工体制の適正化のための点検要領についてでございますが、これにつきましては年度内をめどに鋭意作業を進めているところでございます。
 お尋ねの施工の適正化のための点検要領のポイントでございますが、一括下請負、すなわちいわゆる丸投げなどの疑義が起こりませんように、監理技術者の配置等を、例えば入札、さらには契約、手続に当たっては入札前、入札後、または契約前等々各段階において監理技術者の配置が適正であるかの点検をするというようなこと、また工事施工に当たっても監督業務の中でそういった監理技術者の配置が適正であるかどうか、そういった点を点検する等々、関係の方が見て簡単にわかるようないわゆる点検要領を今整備しております。これによって、監督業務等において統一的かつ適切な点検がされることになるかと思います。
 また、この点検要領によりまして、発注者が監督業務等において施工体制について疑うに足りる事実を把握したとき、これは法律で書いてあるわけでございますが、入札契約適正化法に基づきましてその事実を国土交通省もしくは都道府県の建設業許可部局に通知をしろということとなっておるわけでございます。
#98
○緒方靖夫君 入札契約適正化法では、公共工事における一括下請、いわゆる丸投げ、これが全面禁止されたわけですね。このことからも、今後はこのような違法行為に対して監督官庁としてより一層厳しい姿勢で臨む、このことが求められていると思います。
 私は、昨年十一月の同法の審議の際に、中部地建発注の電線共同溝工事、この工事で施工体制台帳の虚偽記載に加えて丸投げが行われている問題を指摘し、徹底調査を要求し、その結果、元請の飛島道路と下請の福田道路がそれぞれ営業停止、指名停止の処分となった、こういう経過があったと思います。丸投げ行為に対して営業停止処分が下された初のケースだったと思いますけれども、今後もこうした丸投げ行為が発覚した場合には営業停止処分とするなどのそういう対応、これが求められている、少なくとも検討すべきだと私は思うんですね。
 具体的には、九二年に出された建設経済局長名の通知、不正行為に対する監督処分の基準では、不正行為の中でも特に刑法の談合や贈賄、独禁法上の談合についての処分基準、これは定めていたものですけれども、建設業法の違反行為は対象とされていないわけです。
 そこで、この監督処分の基準を改め、丸投げや施工体制台帳の虚偽記載についても原則は営業停止処分とすべきではないか、あわせて、これまでの定義があいまいだった丸投げの判断基準も見直すべきではないか、そう思うわけですが、いかがですか。
#99
○政府参考人(風岡典之君) 平成六年の監督処分の基準につきましては、先生御指摘のように、当時、ゼネコンの汚職事件というものを踏まえまして、刑法談合、それから贈賄、それから入札談合、三つの類型につきまして基準を強化して明確化したわけでございます。
 御指摘の一括下請負、丸投げでございますが、これにつきましては、それに先立つ平成四年でございます、平成四年に「一括下請負の禁止について」というガイドラインというものを既に発表しておりまして、ここにおきましては、その防止というものにもちろん努めるわけでございますけれども、違反の業者に対しましては建設業法に基づく監督処分により厳正に対応するんだということを既に明らかにしたところであります。
 御指摘のように一括下請負、これにつきましては、施工責任の不明確化あるいは工事の質の低下だとか、あるいはいろんな意味での問題点がありますので、この排除を図っていかなければならないというふうに私ども思っております。特に、入札契約適正化法という法律の施行を踏まえまして、こういったものにつきましては厳正な対応ということが当然必要であるというふうに思っております。
 私どもとしましては、この入札契約適正化法の施行とあわせまして、改めて一括下請負の禁止の徹底について通知というようなことも考えておりまして、その中で処分についての考え方というものもできるだけ明らかにしていきたい、このように考えております。
#100
○緒方靖夫君 今、局長、厳正な対処が必要だと言われました。本当にそう思うんですね。そしてまた、通知についても検討すると言われた。
 ですから、私は、丸投げ行為に対しては厳しい態度で臨む、このことを強調しておりますのは、こうした違反行為、これは、工事の質の低下とか工事施工の責任の不明確さ、こういうことを生むだけじゃなくて、現場で働く労働者に重大な影響を及ぼす、こういう問題があるからなんですね。
 先月、都市基盤整備公団が発注した東京台東区の共同住宅建築工事で労災隠しが発覚しました。上野労基署が大手ゼネコンの真柄建設を東京地検に書類送検する事件が発生しましたけれども、この事件の概要はどういうものですか。
#101
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の事案でございますけれども、私ども、新聞でその内容を知りまして、厚生労働省とも連絡をとりまして、今御指摘のような書類送検が行われているということを承知いたしました。
 この事案につきましては、労働基準監督署が発表した資料によりますと、元請の三和建物はみずから施工管理を行っていない、こういうようなことでありますので、私どもとしましては、現在、三和建物の本社があります関東地方整備局とそれから真柄建設の本社があります北陸地方整備局におきまして現在事実関係についての調査中と、こういう状況であります。
#102
○緒方靖夫君 上野労基署の発表資料、これを見ますと、当該工事は本来、整備公団がハウスメーカーの三和建物に発注したものだったわけですけれども、しかし実際にはこの三和建物よりも大手の真柄建設が上請し工事一式を請け負っていた、そういうことです。今回の事件はこの丸投げ発覚を恐れた真柄建設が現場で起きた労災事件を隠ぺいしていたわけで、非常に悪質なものだと思うんですね。同労基署も、本件を立件した理由について、労災隠しの背景に、真柄建設現場代理人等が不正常な契約関係が公団に露見することを恐れたため労働災害の適切な事後処理を行わなかった事情があったと判明した、このように明記しております。大変驚くべきことだと思うんですね。
 こういう問題について、今調査中と考えていると、そういう答弁がありました。これについて労働基準局長は把握されていますか。
#103
○政府参考人(日比徹君) ただいまの件について私ども把握している点は、既に監督署の方、東京労働局でも発表いたしておりますが、若干その概要、把握している状況について申し上げます。
 負傷事故が起こったのは平成十一年十月五日のことでございますが、マンション建築工事におきまして松田工務店の労働者が作業中に結果として十二カ月間の休業ということになります負傷を負ったと。しかし、松田工務店の方からは労働者死傷病報告の提出がなかったということで、この点は労働安全衛生法百条一項に違反いたしておりますので、本年二月十六日に松田工務店の代表者、それから提出義務違反につきましていわば共犯として関与したと認められるその元請である真柄建設株式会社の現場代理人、それから第一次下請でございます山下建設の営業所長を労働安全衛生法違反として東京地方検察庁に送致したものでございます。
 なお、もう一点ございまして、労働安全衛生法では特定元方事業者というものを定義づけておりますが、三和建物株式会社は労働安全衛生法適用の観点から見た場合の施工管理を行っていなかったということでございまして、そういたしますと労働安全衛生法上の特定元方事業者は真柄建設であろうと。そういたしますと、真柄建設にさらに特定元方事業開始報告を提出する義務が生ずるわけでございますが、その報告が行われていないということで、この労働安全衛生法違反につきましても真柄建設の東京支店長、それから法人である真柄建設株式会社を東京地方検察庁に送致したものでございまして、概要、以上のとおりでございます。
#104
○緒方靖夫君 今明らかになったように、やっぱり非常に重大な人権侵害も含むそういう問題が起こっているわけですね。ですから、私はこの件についてやっぱり監督官庁として厳正な態度で臨む、局長は調査中と言われたけれども、これだけ事態がはっきりしているわけですから、それに対して厳しい態度で臨むということは当然だと思うんです。そういう丸投げなどの違法行為を排除して施工体制の適正化を図る上での重要な施策として、二次下請以下の下請代金も施工体制台帳に添付して発注者に提出するよう義務づける、この必要があると思うんですよ。
 昨年十一月に適正化法の審議の際に私質問いたしまして、風岡局長はそのために建設業法の施行規則を見直すと答弁されました。どのような見直しをいつまでに実施する、そういうお考えですか。
#105
○政府参考人(風岡典之君) 施工体制台帳につきまして、二次下請以下の金額についても記載をさせるということにつきましては、さきの国会審議のとき御質問をいただきまして、私の方もそういうことも含めて検討させていただきたいというふうにお答えをさせていただいたわけでございます。
 この点につきましては、私どもとしましては公共工事における施工体制のより一層の適正化を図るということが必要であるというふうに考えておりまして、その意味から施工体制台帳の充実ということは当然必要なことだというように考えております。
 これにつきましては、公共工事に関して施工体制台帳の添付書類であります下請契約書について二次以下の下請金額についても記載を義務づける、こういう方向で建設業法施行規則を改正するということを考えておりまして、現在その案につきましてパブリックコメントをして広く一般の方々の意見を求めているところであります。
 どんなスケジュールかというお尋ねでございますけれども、パブリックコメントで意見をいただいてから最終的に判断をすることになろうかと思いますが、私どもの希望としましてはできれば今月中に省令の改正案が公布できるようにしたいということで準備は進めているところでございます。
#106
○緒方靖夫君 今月中ということで答弁がありましたけれども、私は非常に大事な点だと思いますので、ぜひこの点進めていただきたいというふうに思っております。
 それから、こういう問題で元請、下請との関係、それから下請の間の関係で契約上いろんなトラブルが発生することがあります。そういうトラブルが発生した際に、発注者が把握するその部分の下請代金の情報を開示する、これはそのトラブルを解決する上でも当たり前のことだし当然なことだと思うんですけれども、その点いかがですか。
#107
○政府参考人(風岡典之君) 施工体制台帳に関する情報についての開示ということでありますけれども、この点につきましては、まず情報公開法との関連ということで御説明をさせていただきたいと思いますが、公共工事の受注者から施工体制台帳を提出されるわけでございまして、これは情報公開法上は行政文書ということになるわけでございます。したがいまして、情報公開法に基づいて開示請求があれば開示の対象ということになり得るわけでございますけれども、その施工体制台帳、その契約書のうち下請金額の記載に係る部分、これは一般的には公開することによって請負人の競争上の地位を害するおそれのある情報であるわけでございますので、そういう意味から見ると不開示という扱いをすることが適当ではないかというふうに考えております。
 ただ、情報公開法におきましても、不開示情報に該当する場合であっても公益上必要がある場合には開示をすることができるという規定があるわけでございます。したがいまして、どのような場合にどのような開示をするのかというのは個別的な判断ということになるわけですが、例えば一括下請負の疑義があるというようなことで、調査の結果そういうことがわかったような場合は例えば公表するとか、そういうことについて公益上必要性のある場合については開示をするというようなことも考えていきたいと、このように考えております。
#108
○緒方靖夫君 私はもっと積極的に考える必要があると思うんですね。ただ公益上の必要があると判断された場合というのは限定されます。
 私、この問題で大臣にお聞きしたいんですけれども、例えば契約上のトラブルがいろいろ発生した場合、当該部分の下請代金の情報を公開する、これはやはり当たり前ではないかと思うんです。私、今も述べましたけれども、前の質問で、中部地建発注の電線共同溝工事、そこでの丸投げ問題、この問題では、三次下請業者の代金の不払いがあって、そして、そのもとで工事事務所が契約どおりに代金を払うよう指導を求めた、このことが発端となってこういう違法行為が明らかになったわけですね。
 そうすると、こうした教訓からも、契約関係のトラブルに当たってはそうした部分について、すべてと言っているわけじゃありませんよ、トラブルが起こったときにその問題を解決するためにそうした情報を開示する、これは当然のことだし、とりわけ今の時代の流れ、そのことを考えたときには当然だと思うんですけれども、大臣の御所見いかがですか。
#109
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも私は、昨年皆さん方に御審議いただいたこの公共工事入札等契約に関する適正化法、これを審議していただいたときにもあらゆることを想定して皆さんに御論議をいただきました。ただ、今、先生がおっしゃいますように、あらゆるところはカバーできたんですけれども、二次下請ということに関しては、今、現段階では各業者の皆さん方は、二次下請まで私たちにというような余り芳しくない声もいただいております。
 けれども、私どもはそのときに、入札監視委員会等への提示、そういうことによりまして第三者の目でもチェックするということが今現在できているわけでございますから、この入札監視委員会等への提示によって第三者のチェックを受けるということによって業界自体は、二次下請までそんなに厳しく言わないでくださいという、正直申し上げてそういう現状ではあろうと思いますけれども、私は少なくともそういう点においてはなるべくは、情報公開というのはもともと私の基本でございますから、業界は業界で苦しい立場はわからなくはありませんけれども、私はそのように努めていきたいと思いますし、苦しさは苦しさでやっぱり耐えても国民の目にきちんとしなきゃいけないということ、基本だけは私は業界の了解を得ながら順次進めていきたいと思っております。
#110
○緒方靖夫君 基本、情報公開を進めていくという大臣の御答弁をいただきました。
 大臣、そこまでしなくてもという声があるというのは、業界の中でもいろんな声がありまして、大多数を占める中小零細、そこは大歓迎なんですよ、二次下請、自分たちのことなんですから。しかも、不払いとか単価の切り下げとか、そういうことで大変苦労しているわけですから。ですから、その声の部分をよく耳を大きくして聞いていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
 さて、次に、昨年十一月に交通バリアフリー法が施行されて四カ月過ぎました。私たちは、基本構想計画の調査や、鉄道駅、バスターミナル、路面電車などの現場調査をこれまでしてまいりました。これからも実りあるバリアフリー化に向けて引き続きさまざまな調査をし提言をしていきたい、このように思っております。
 市町村が基本構想を作成して、交通事業者、道路管理者などがそれに即してバリアフリー事業を実施する、これが決まりでありますけれども、国土交通省の調査によると、二月時点で基本構想を作成する、それに着手する予定の市町村は四百八十二、全国三千二百二十九市町村の中のたった一五%にすぎない、そういう状況です。そして、ことし中に作成に着手する市町村は十二、来年度着手が七十、その翌年が十二で、時期は未定だが将来に作成予定が三百八十八と、そういう状況です。つまり、着手予定がない自治体が八五%も占めている。同時に、着手する予定の自治体も、将来に着手するが九十数%という、そういう状態です。
 バリアフリー化に当たって大きな位置を占めているのが東京都です。しかし、この東京都でもことし中に着手するのが荒川区のみ。来年度が目黒区など六自治体。時期は未定だがというのが二十一自治体です。今年度と来年度で着手するというのは全国で二・五%、東京では一一%。これではバリアフリー法の実効性が問われるんじゃないかと思うんですね。
 将来的には作成、そういう自治体を前倒しにして実行する、予定のない自治体、これを作成促進していく、このための努力こそ必要だと思いますが、いかがですか。
#111
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほどからも先生お聞きのとおり、二十一世紀の社会というものはまさにこのことが大事であり、二十一世紀はソフトの時代だと申し上げてまいりました。その一つとして象徴的に言われるのがこのバリアフリー化でございます。そういう意味でも、今、緒方先生御指摘のように、私たちは昨年十一月の法律の施行に当たりましても、全国の十ブロックで地方自治体向けの説明会を開催しておりますし、バリアフリー化に関しての市町村が果たす役割の重要性というものも私は周知を行ってきました。
 ただ、地方自治体が皆さん方、基本構想の作成予定を調査を行って、作成状況というのが今、先生がおっしゃいましたように、本年二月の調査では四百八十二市町村が基本構想の策定を予定しております。また、特に市区では四七%が予定しているという数字が私の手元に上がってきております。ですから、私はこういうことを今後、本年の二月に警察庁それから総務省とも連携いたしまして、私は関係省庁の連絡会議を開催いたしております。ですから、私はバリアフリー化に関しましては、我が省だけではなくて、これらの省庁とも連携をして、今後も基本構想の作成をさらに促進させるということで全国の皆さん方に啓蒙していこうと、また地方自治体の御賛同を得て共同でやっていくというふうに考えております。
#112
○緒方靖夫君 促進されるという、そういう御答弁であったと思います。
 最も早く東京でいうと着手している区が荒川区なんですね。この荒川区の基本構想の最大の問題、これは駅の施設。これは日暮里のバリアフリー化の対策なんですけれども、JR日暮里駅にはエレベーターは一つもないんです。エスカレーターも一つだけ。それも上り専門。あとは昇降機がついているだけなんですね。
 調査で改めてわかったわけですけれども、車いすでエスカレーターや昇降機を利用するときの大変さです。車いすで一人の障害者がホームにおりるのに、駅員が来て、そしてそれから準備してやって、十分はかかるわけですね。この間、エスカレーターをほかの乗降客は一切利用できない。また、昇降機の場合は階段の半分をふさいでしまって、上りおりの大変不便があるという状況があるわけです。
 車いすの障害者の方からも、ほかのお客さんから嫌がられるので使いにくいとか、いろんなそういう声が出てきます。車いすの人もそれではなかなか利用できない。しかも、こういう駅は一日十五万四千人も乗降するお客があるという駅なんですね。JR東日本のバリアフリー化に対する考え方、これに私は問題があるんじゃないかと思うんですね。
 JR東日本は、九八年九月に「駅におけるエスカレーターの整備について」という方針を発表しております。その中で、目前に迫った高齢化社会到来を踏まえ、エスカレーターを駅の標準的な設備と位置づけ、東京からおおむね五十キロ圏については、平成十三年度までに東京二十三区内、およそ二百六十の全駅に設置するとしているわけです。
 もちろん、エスカレーターを設置するのは当然なんだけれども、そしてこのことは問題ないんだけれども、しかしバリアフリー法では原則エレベーターとなっているわけですね。こうした方向と違ってJR東日本の方針が出されている。だから、JR東日本全体で九十九駅中二十三駅しかエレベーターが設置されていない。こういう現状もあると思うんですよ。
 そこで、私、二つお聞きしたいんですけれども、一つは、日暮里駅のエレベーター設置を進める、このことが必要ではないかという点、それから二番目に、JR東日本をエスカレーター設置方針からエレベーターを基本とする方向に転換させる、この二点が必要だと思いますが、いかがですか。
#113
○副大臣(泉信也君) 車いすの方々が駅を利用していただく場合に、エスカレーターよりもエレベーターの方が使いやすいという御意見があることは国土交通省も承知をいたしております。
 今、先生御指摘のように、日暮里駅の問題につきましては、当然利用客が基準を超えているわけですから、バリアフリーの設備をしなければならないわけですが、お話しのように、常磐線のホームに上りのエスカレーターだけしかない、いわゆる京浜東北線とか山手線については設備がなされていないというわけでありますので、このことについては一日も早く整備を急がなければならない、このように思います。
 それから、もう一つ御指摘の、JR東日本の考え方が国土交通省の考え方と少し違うのではないかと、具体的には、エレベーターが主体であって、どうしてもやむを得ないときにエスカレーターというのが国土交通省の考え方でございますが、JR東日本は少し違う方向で走っていないかという先生の御指摘だと思います。
 いろんな事情がきっとあるんだとは思いますけれども、エレベーターを中心に整備するということが国土交通省の考え方でございますので、JR東日本につきましても、この基準に基づいて整備をするように話し合いを進め、指導してまいりたいと思います。
#114
○緒方靖夫君 国土交通省から、東京都内の鉄道事業のエレベーター、エスカレーター設置状況について、こういう資料をいただきました。十社で四百七十九駅中エレベーターは百二十二カ所、二五%、エスカレーターは三百二十二カ所で六七%、そういう設置状況になっております。
 しかし、先ほど日暮里駅でも指摘したんですけれども、この資料ではエスカレーター整備となっているものの、例えば三つホームがあるわけですけれども、その一つだけしかないわけですね。本来のバリアフリー化になっていないわけです。これは日暮里駅だけではなくて、渋谷でもどこでもいろいろそういう状況はたくさんあるわけですね。
 したがいまして、私は、こういう状況から見たときに、ホームごとの設置状況などを把握しなければ本当の実効性が担保できない、法の実効性が担保できない、そう思うんですね。ですから、その点は直ちに把握して報告していただきたいと思います。
#115
○副大臣(泉信也君) こうしたバリアフリーの考え方が法律として規定されますまでは、とにかく駅に一カ所でもあればむしろ考え方としては一歩も二歩も進んだという理解を私どもはしていた時期がございます。そうした意味から、御指摘のように、駅に一カ所あれば設置済みという報告をこれまで受けてきたことは事実でございます。
 ただ、それでは本来のバリアフリーという施設としては不十分であることは私どもも承知をいたしておりまして、このたびの移動円滑化実績報告というものを求めることになっておりますが、これに当たりましては、ホームごとに段差が解消されたかどうかという観点から報告をいただくことになっておりまして、もっと緻密な報告をちょうだいし、適宜整理をしました上で公にしてまいりたい、このように考えております。
#116
○緒方靖夫君 次に、バリアフリー法の移動円滑化基準の義務づけの対象となっている旅客施設として鉄道駅がありますね。バスターミナル、それから旅客船ターミナル、航空旅客ターミナル、この四つが挙げられると思います。私、ここで取り上げたいと思うのはバスターミナルなんです。
 先日、新宿駅西口ターミナル、ここを改めて、いつもそこを通っているわけですけれども、改めて障害者の皆さんと一緒に歩いてみました。そこは、新宿西口ターミナルは全部で十七系統で九百八十八便で、一日三万三千人を超す乗降客があるという大変大きなところです。ここは移動円滑化基準のターミナルになるかどうか、お尋ねいたします。
#117
○国務大臣(扇千景君) 緒方先生はあらゆるところの東京の駅を視察していただいて、今のように御報告いただくということは、私もかなり歩いておりますけれども、先生には及びませんのでありがたい至極でございますけれども、私は、西口のバスターミナル、バリアフリー化というのは本当に大事なことだと思っています。
 今、先生がおっしゃいましたように、一日に三万三千人というすごい人があそこで動くわけでございますから、必要性というものはわかっておりますけれども、特に自動車ターミナル法という法律がございまして、自動車ターミナル法というのは、これはバス事業者が設置管理するもので、直接道路管理者の管理によるものではないということにはなっておりますけれども、バスターミナルのバリアフリー化につきましては、交通バリア法の中でも、その新設または改築時のバリアフリー化が義務づけられる、こうなっておりますので、この自動車ターミナル法とは別途、その後で私たちはバリアフリー法を通していただきましたので、私は、今申しましたような新設または改築するというときには必ずこれをバリアフリー化するということをこの法令をもってして適用していきたい。
 また一方、道路管理者が管理する駅前広場等のバスターミナルのバリアフリー化につきましても、交通バリアフリー法に基づく道路特定事業等に位置づけて積極的に推進することとしておりますけれども、本法に基づかない場合も道路関係事業において積極的に支援する、このことを私どもは考えておりますし、具体的には平成十三年度予算におきましても、先生御審議いただいております中に交通結節点の改良事業を対前年度約一・七倍という、そういうものを配し、約六百億円の大幅に増額した予算を計上しているところでございますので、交通バリアフリー法における位置づけの有無にかかわらず、全国約百三十カ所で実施予定の本事業におきましては駅前広場等のバスターミナルのバリアフリー化を進めることにいたしておりますので、今後とも交通バリアフリー法の趣旨に基づきまして、利用者の多い駅前広場、バスターミナルのバリアフリー化について積極的に推進してまいりたいと思っております。
#118
○緒方靖夫君 今、大臣は、今の状況ではバスターミナルとして位置づけられていない、それを何とかしてクリアするための積極的な方法を考えたいというそういう答弁をされました。非常に大事だと思うんですけれども、これはあすからどうするかというそういう問題にもなるんですね。ですから、現在のところバス停という位置づけになる、その中で緊急的にどういう対策をするのかということが問題になっていくと思います。
 その点で、今御答弁いただいたと思うんですけれども、改めて私、現場に行ってみて思うんですけれども、案内もバスターミナルというふうに書かれているわけですよね。事業者がそう書いているわけですから、そうじゃないのに。ですから、私、その点でこの問題というのは法の欠陥でもあるだろうし、あるいは法の抜け穴みたいなそういう存在でもある。もっともっと新宿西口よりも小さいバスターミナルがあるわけですから、その点で今、大臣が言われたようにぜひそういう方向での見直し、それをお願いしていきたい、そのことを私の方からも改めて要望しておきたいと思います。横浜とか川崎など大都市に今言われたようにそういうところが多数あるわけですね。その点で、今言われた答弁でぜひ進めていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
 改めて思うわけですけれども、新宿駅の具体的な対応、このことでいうと、どういう状況かというと、地上の方に四つのバスのホームがあるわけです。横断歩道を通って行けるのは一つのホームだけ、あとは地下を行かなきゃいけない。しかし、地下に潜る人はほとんどいない。したがって、みんな交通違反して渡るわけですよね、車の往来の激しいところを。しかも、それが若い人でぴょんぴょんはねられるところならいい。しかし、お年寄りが本当に行くわけですよ。ですから、上から、歩道橋から見ていると見ちゃいられない、大変危険な状況にあるわけです。
 ですから、私はこの状況というのは、大臣が述べられた方向というのは私ぜひ進めていただきたいと思いますけれども、しかしあの西口の安全を考えたときに、障害者だけじゃない、健常者も含めて、また学生も含めて、一刻も猶予ならないだろうと思います。したがって、そういうところに対してどういう具体的な改善策をとるのか、これがまさに求められていると思いますけれども、いかがでしょうか。
#119
○国務大臣(扇千景君) 先ほど緒方先生がおっしゃったことに、私もう一言添えておきたいと思います。
 それは、実施可能な事業から速やかに実施していくというのが重要なことでございますので、私は先生がおっしゃいますようになるべく早くと思っておりますけれども、このために少なくとも、新宿西口のバスターミナルのケースにおきましても、基本構想の策定に至りますまでの間にも、事業者の主体であります東京都の知事さんからそういうふうなエレベーター、エスカレーターの設置等のバリアフリー化に関する事業要望というものが出てきましたら、私は少なくとも、事業の効果と他計画との調整等を勘案しながらなるべく適切に対処できるという対策をとっていきたいと思っておりますので、私は今、先生がおっしゃいましたことに対して、より一歩進んだ対策というものを検討していきたいと思っております。
#120
○緒方靖夫君 私たちの党はバリアフリー化促進のための委員会をつくりまして、その委員長が筆坂議員で、私もそれに入っておりますが、ちょうど西口や日暮里は我々二人を含めて調査させていただきました。ですから、今、大臣の述べられたことは非常に大事、それから副大臣の述べられたことは非常に大事だと思いますので、私たちはそのことをぜひ要望しておきたいと思います。
 それから、もう一つ代表的な例として、一日乗降客が五万四千人にも上る新宿三丁目、これは地下鉄の駅ですけれども、あります。ここは出入り口がすべて民間ビルからというところなんですね。民間ビルから出入りする場合、エレベーターを使用できるのは午前十一時から午後八時まで、このような大きな制約を受けているわけで、また、障害者の方は混雑時には使用しないようにと書いてあるんです、本当に。私も見て本当に驚きました。障害者の方も怒っている。
 こうしたことは、新宿三丁目だけでなく東京圏全体に言えることなんですね。これらの解決のために、事業者側の責任でエレベーター設置とかその制約の解消のための指導、これ大臣としてぜひイニシアチブをとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#121
○副大臣(泉信也君) 先生、具体的に出されました丸ノ内線の新宿三丁目につきましては、確かにああいう市街地の密集地でございますので、自由な設計ができないというどうしてもハンディを背負わざるを得ないわけで、民間の施設を借りてエレベーター等を利用しつつ出入りをしなきゃならないというのは現状では私はやむを得ない、そういう状況ではないかと思っております。
 ただ、おっしゃいますように、時間が制約されておる、混雑時は障害者は御遠慮くださいというところまでは私承知をいたしておりませんけれども、そうした形では本来のバリアフリー法の精神が生かされることにはなりません。したがって、営団地下鉄等の鉄道事業者に対しましては、新たな出入り口の整備の可能性についてこれは検討していただく、大変難しい話だと思いますが、検討して、引き続き利用者の利便を図るように努力をしてもらう、このような指導をしてまいりたいと思います。
#122
○緒方靖夫君 ぜひ事業者とはそういう話し合いをしていただきたいと思いますし、同時に、民間ビルとの間で必要な交渉、これもなかなか大変かもしれません。しかし、新しいものをつくるよりは何かそちらで打開できれば、それもまた一つの緊急対策になっていくと思うんです。その点、いかがでしょうか。
#123
○副大臣(泉信也君) 従来より、今のビルの持ち主といいましょうか、三越でありますとか、そういうところと事業者との間において、エレベーター、エスカレーターの運転時間の延長ということについては交渉を進めておるというふうに聞いております。しかし、その施設があるいわゆる三越等においては、防犯等の対策からなかなか時間の延長が難しいということでございまして、先ほど申し上げましたように、なおこの努力を続けますと同時に、新しい出入り口を見つけるということが最終的な解決策ではないかと思っているところです。
#124
○緒方靖夫君 時間がないので、終わります。
#125
○渕上貞雄君 大変御苦労さまでございます。私は社民党の渕上でございます。
 せんだって、森総理、アメリカのブッシュ大統領との間で日米首脳会談が開催されました。そのときに、アメリカ大統領と森総理との間で幾つかの約束をされております。
 その一つに、不良債権の処理の問題と財政再建については早期に解決をしたいということが約束をされている。幾つか約束された中の一つでございますけれども、その評価について大臣の見解をお聞きしたいわけですが、宮澤財務相は、この半年間で家が建つようなものではないと、非常によそごとのように冷ややかにコメントを出しておられます。不良債権問題については、国土交通省、大変頭を悩ます問題であり、業界の問題であり、地方の問題であり、同時に雇用の問題であることは既におわかりのことだと思います。
 したがって、森内閣の一員として、国土交通省の大臣として、日米交渉の結果、これらの問題についてどのようにお考えになっておるのか、大臣の御答弁をお願い申し上げます。
#126
○国務大臣(扇千景君) 私どもは、森総理が訪米される前に、まず政府・与党緊急経済対策というもので会議を開かせていただきました。そして、与党三党で緊急経済対策ということでの幾つかの案を提示し、しかもその提示された緊急対策がどれだけ早くなおかつ実行でき得るかと、そして今すぐできるものあるいはあと三カ月ぐらいでできるもの、そして特に税制に関しては、今国会で税制改革として法案を提出しなければ税の面では実行できないもの等々、幾つかに分類した緊急経済対策会議の中での論議をさせていただきました。
 ただ、残念なことには、私も入っておりますけれども、まだ一回だけしか与党三党と政府との緊急経済対策会議が開かれておりません。そして、今申しましたように、事案は提示されましたけれども、今後それをどのように実行に移すかということが、総理がお帰りになってから多分第二回目を開いて時期の問題が明示されるのであろうと思いますし、また与党の立場としてもそれは明示していきたいというのが私の考え方でございます。
 ただ、総理がアメリカにおいでになりまして、逆にアメリカ側から荷物をしょって帰ったというふうに新聞にも書かれておりますし、そのように評論家の皆さん方はおっしゃいますけれども、果たしてそれがいつまでなのかという期限は、私は六カ月ということをおっしゃったとかおっしゃらないとかと聞いていますけれども、私、まだお帰りになってからお会いしていないものですから、マスコミによる公表の事例しかわかりません。外務省から会談内容というものもちらっと拝見しましたけれども、何をもって六カ月なのか、これはクエスチョンマークで、私にも今わかりませんので、そのことに対するコメントは私は差し控えたいと思います。
 不良債権問題を解決しなければならないということは、これは今までずっと言われてきたことで、なおかついろんな言い方をされておりますので、大手術をして不良債権を全部解消しなければいけないけれども、大手術をするためには体力がもたない。手術をして死んでしまったのでは意味がないので、体力が大手術に耐え得るまで何とか持ちこたえようということで財政再建を先延ばししてきたというのが小渕内閣からのずっとの懸案でございまして、ここ数年、そういうことで財政再建というのを先送りして、とにかく体力をつけよう体力をつけようというので経済対策をしてきたというのが昨今の日本の経済政策であったと思います。
 そろそろ、御存じのとおり株が大暴落いたしましたけれども、もう既に上がりかけて、戦後第七回目のと言われるくらいな、一日九百円という上がり方をいたしまして、体力が出てきたかなと思うころであれば、アメリカと総理がお約束になったかどうかわかりませんけれども、不良債権の処理というものは私たちは国民だれしもそうしてほしいと。
 ただ私が、今、先生がお尋ねでございましたので、個人的に思いますことは、本当の不良債権の金額はどれだけあるんだと、これがだれしもつかめない。言うたびに、四十兆だとおっしゃる方もあればあるいは五十兆だとおっしゃる方もあれば、ゼネコンだけでももっとあるだろうとおっしゃる方もあるし、ただ、不良債権の金額が決まらないのは当然だろうと思います。株価が一遍に九百円も上がってしまえば、三月決算で株価が多ければ、その会社の三月の決算時には金額が多くなってきますので損失額が少なくなるでしょうし、その辺のところは市場に任せざるを得ませんけれども、とにかく不良債権問題を解決しなきゃいけないということはだれしもが思うことですし、私自身も強くそのことを認識しながら、一言で解決法があればもっとありがたいなという気持ちが現在のところでございます。
#127
○渕上貞雄君 総理が向こうにおられて本当のことはわからないと言われましたけれども、不良債権問題と建設業界とのかかわりというのは大変大きな問題がございます。それと銀行とのかかわり、ここのところはやはり監督官庁としての国土交通省としての一定の方針なり役割というものを出さなきゃならないと思うんですが、そういうところはいかがですか。
#128
○国務大臣(扇千景君) 私も、渕上先生がおっしゃいますように、マスコミ等々に次はゼネコンかという表題が出ておりまして、頭を痛めております。
 私は、戦後今日まで日本じゅうに六十万社と言われる建設業者が乱立し、六百万人を超えるという従業員を擁する建設業界が沈没したのでは大変だという気持ちは一方持っておりますけれども、戦後ふえ続けた六十万社に比べて事業の件数がだんだん減少している。まして不況とともに事業件数が減ってきて、そこに多くの皆さん方が苦しんでいるという現実だけは私たちも痛いほど考えております。
 ただ、民間のことでございますので、どこの会社とどこの会社が合弁しなさいよ、一緒になりなさいよというようなことは、監督官庁とはいいながら、民間のことに私たちが口出しするということは私は控えざるを得ないと思っております。
 ただ、一点私が危惧しておりますことは、戦後今日まで、御存じのとおり世界一の建築技術あるいは橋梁、掘削等の技術を持ちました。この技術が、会社が倒産することによって世界一の技術が霧散するということになってはならない。何とか健全な事業者の立ち直りとともにこの世界一の技術を保持し、なおかつ二十一世紀に発展させていくように何とか業界がお互いに切磋琢磨してほしいという切なる願いを持って、私どもはでき得る限りの民事介入しないというそういうところのぎりぎりの線でも、なるべく国に対するあるいは世界に対する技術の保持ということを考えながら、業界の健全な今後の方針を出してくださるのを見守っているというのが現状でございます。
#129
○渕上貞雄君 このことはまた別に置くといたしましても、次に、ディーゼル車の総量規制の問題について見解を伺いたいんですが、尼崎の公害訴訟、それから名古屋南部公害訴訟判決においても、排ガス問題の差しどめについて大変厳しい判決がなされました。このことは、現在までの国の行政のあり方も含めて私は批判をされているものだと思っていますし、これまでの排ガス対策問題について厳しく指弾された問題ではないかというふうに思っていますし、この判決の流れというのはもはや後戻りすることは私はないと思います。
 それはなぜかと言えば、やはり大気汚染の問題であり、人体に対する被害の問題である等を考えますと、これから先のディーゼル車の規制というものはますます重要になってくるし、総量規制をやっていかなくてはならない、こういうふうに考えておりますし、もう排ガス対策は待ったなしだと思っています。
 特に、東京都では既に独自の排ガス基準を策定をして、ディーゼル車の走行規制を行おうとしておりますけれども、これは国全体としてやはり考えていく問題ではないかと思うんでありますが、その対策がおくれるようなことがあっては私はならないと思いますが、どのように総量規制問題について考えておられるか、御所見をお伺いいたします。
#130
○副大臣(泉信也君) 今、先生御指摘のように、排ガス問題が人間の生活に重大な影響を与えておるという事柄が幾つかもう明らかになってきておる中で、国土交通省としてはこの問題にどう取り組むか、大変大きな命題だと思っております。
 一つには、いわゆる陸上輸送から海上あるいは鉄道輸送への転換というような大きな国土交通行政の中での政策を推進しなければならないと思っておるところでございますが、特に、御指摘のございました、東京都が独自にディーゼル車対策を進めておることに対してそごがないかというような御質問であったかと思います。私どもの考え方では、基本的な差はない、東京都のお考えと私どもが今これから進めようとしておるところに基本的な差異はない、大きな差異はないと考えておるところでございます。
 特に、このたびディーゼル車対策を一層強化する必要があるという観点から、今国会に自動車NOx法の改正法案を提出させていただいておりますが、この法案では、いわゆる粒子状物質を対象物質に加える、それから対策地域を拡大する、これは名古屋の地域でありますとか三大都市圏の一部を拡大するということでございます。さらに、現に使用されておりますようなディーゼル車の排出ガス規制の強化ということを盛り込ませていただいておるわけでございます。これに加えまして、平成十九年に予定しておりますディーゼル車の新車排出ガス規制強化を二年前倒しする、こういうことで十七年にその基準を達成するようにしようということを考えております
 また、今国会に提出をいたしております自動車税制のグリーン化によりまして、古い自動車を新しい規制車へ代替促進していく、こういうことなどを通しまして、排出ガス規制の環境への影響等に対処してまいりたいと思っておるところでございます。
#131
○渕上貞雄君 どうか、こういう規制の問題については、やはり事業を円滑に進める上においても全国的な基準というのは大変必要なことであろうと思いますから、東京都だけがそこを規制するということになってもこれ非常に行政のあり方として私は問題だと思いますから、積極的にどうか進められることを御要望、再度申し上げておきたいと思います。
 次に、戦略的環境アセスメント法の制定の問題についてでございますけれども、私ども社民党としては、いち早く環境保全や住民参加の視点からの公共事業のあり方の問題、事業を進めるに当たっての環境アセスはやる。ですが、事業を進める前の環境アセスというものが今の段階非常に重要ではないかというふうに思っておりまして、私ども社民党といたしましては、いわゆる戦略的環境アセスメントという法案をつくってはいかがか。
 したがって、事業計画をする前の段階から環境アセスをきちっとやっていく、そうすればその事業をやっていいことか悪いことかということが判断できるではないかと。そういう視点から、こういう法案をつくるべきではないかというふうに考えておるところでございます。
 例えば、現在問題になっております中海の干拓の問題、それから吉野川の河口堰の問題、そして今象徴的に話題になっております諫早湾の干拓事業の問題等、非常に大きな形でクローズアップされているわけでございますけれども、こういうことにならないように、先にそういう事業環境アセスということをやることが大変必要ではないかというふうに思っておりますし、公共事業の約八割を持っていると言われる国土交通省として、こういう問題は積極的に進めることを通して住民からの信頼を得られる公共事業というものをやっていかなくてはならないのではないかというふうに思っているところですが、見解はいかがでございましょうか。
#132
○国務大臣(扇千景君) 今、戦略的環境アセスメント法のお話を渕上先生おっしゃいましたけれども、いわゆる戦略的環境アセスメント、これは事業に先立つ計画や政策の段階で環境への影響を評価するという仕組みでございますけれども、御存じのとおり、現在、事業の実施段階で環境影響評価につきましては環境影響評価法に基づきまして、現に実施しているところでございます。
 けれども、計画の段階での環境への影響の評価につきましてはまだ実施されてないと。計画段階での環境への影響の評価につきましては、まだ法制化されてないということが事実でございますけれども、我々国土交通省といたしましては、公共工事に関する国民あるいは地域の住民の理解を得るために、事業の計画段階においては、幅広く住民の参加そして情報公開を行うというそういう対話型行政を既に行っております。
 そういう意味では、環境に特化した手続に至ってはいないのが現状ではございますけれども、私は御提案の戦略的環境アセスメントに関しましては、昨年の十二月閣議決定されました環境基本計画におきまして、現状での課題を整理した上で、内容、手法などの具体的な検討を行って国や地方の公共団体における取り組みの実績を積み重ねて、その有効性と実効性の検証を行うとともに、それらを踏まえまして、環境配慮のあり方に関するガイドラインの作成をつくるということがされておりますので、国土交通省としても、環境省と連携をしながら、まずはガイドラインの作成というものに取り組んでいるという現状でございますので、その次に来るのが、今、先生がおっしゃったような環境、戦略的環境アセスメント法だろうと思いますので、まず段階を踏ませていただきたいと思っております。
#133
○渕上貞雄君 段階も必要でしょうけれども、越えることも必要だと思いますから、どうかひとつ急いでやっていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、二十一世紀にふさわしい住宅政策問題についてお伺いをいたします。
 ライフステージの変化に伴いまして、自由に住みかえができるし、そして大量の良質の賃貸し住宅、公団住宅というものを提供すべきではないかと、こういうふうに思っているところです。とりあえず雨露しのげばいいというようなことから、当面住宅を供給しておこうということから、やっぱりもう質の時代に変化をしているときだと私は思います。
 したがいまして、二十一世紀の住宅政策をどのように考えられておるのか。やはり今までの我が国の住宅政策というのは、農村から大量に都市部に人口が移動していく、間に合わないから当面の対策だけやってきているというのが今日までの住宅政策ではなかったか。非常にそこに住宅に対する貧困という問題が出てきているのではないかというふうに思っているところでございまして、住宅の政策と制度というものをやっぱり見直していくべきではないかと考えております。
 したがって、二十一世紀にふさわしい住宅市場を形成すると同時に、このために非常に優良な住宅をどう提供していくかということもまた非常に大事なこと、住宅とあわせて都市の整備も必要ではないかというふうに考えておりまして、都市基盤整備公団の運営の改善なども含めて、賃貸し制度、補助金制度のあり方の改善など含めて、また住宅と公園とのかかわり、人間が住んでいく環境をどう優良な環境にしていくかということなども含めて考えていくことが喫緊の課題ではないかというふうに思われているところです。
 したがって、国土交通省として、これらの問題についての見解はいかがでございましょうか。
#134
○副大臣(高橋一郎君) ただいま渕上先生から二十一世紀の住宅政策についてお尋ねがございましたが、今後の住宅政策につきましては、持ち家、賃貸を問わず、国民のライフステージにおける多様なニーズに対応できるように住宅ストックを整備することが重要だと考えております。このために、良質な持ち家の取得を推進するだけじゃなくて、従来より、公的主体による公営住宅、公団賃貸住宅等の供給を促進してまいりましたが、これに加えて補助、融資、税制により、民間活力を活用した優良な賃貸住宅の供給も重要だと考えております。
 特に、中堅勤労者に対しましては、特定優良賃貸住宅の供給を図るほか、高齢社会の進展に対応いたしまして、高齢者向け優良賃貸住宅制度を新たに創設することといたしております。今後とも、このような政策の方向を具体化するべく、今月十三日に閣議決定されました第八期住宅建設五カ年計画に基づいて、良質な賃貸住宅の供給を的確に進めてまいる所存でございます。
 数的に申し上げますと、借家に係る主な施策は、平成十三年度計画戸数は四万七千戸、うち改善分が一万四千戸。高齢者向け優良賃貸住宅、これは新制度でございますが、これは平成十三年度計画戸数が一万六千戸でございます。そして、特定優良賃貸住宅、これは平成十三年度計画戸数は三万戸でございます。公団住宅は平成十三年度計画戸数一万五千六百戸。
 こういうふうな状況でございまして、第八期住宅建設五カ年計画におきます住宅建設戸数、総住宅建設戸数が六百四十万戸。持ち家が四百八万戸、借家戸数が二百三十二万戸。公的資金による住宅建設戸数は三百二十五万戸。持ち家が二百十七・五万戸、それから借家戸数が九十五万戸、そしてその他の調整戸数が十二・五万戸。
 こういうふうな数でございまして、渕上先生が言われます公営住宅等は、借家が二十六・二万戸、高齢者向け優良賃貸住宅が十一・〇万戸ですね、それと特定優良賃貸住宅が十四・一万戸、公庫住宅借家が二十一万戸、公団住宅借家が十二・四万戸、こういうのが計画でございまして、持ち家は公庫住宅が百九十七・五万戸、公団住宅が一千戸でございます。
#135
○渕上貞雄君 やはりこれから先の近代的な生活をしていく上において、一人当たりの住宅面積の広さというのは大変重要なことだと思いますし、バリアフリー化だとか省エネルギー化の住宅も考えていただいて、優良などうかひとつ住宅を供給していただくことをお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、安心と安全な国土計画と防災計画についての見解をお伺いしたいと思います。
 二十一世紀にふさわしく災害に強い日本の国土を築いていくためには、自然に働き、自然の豊かさに着目をして最先端の科学的知見を生かした自然災害に強い国土をつくっていかなくてはならないと考えております。
 このためには、やはり災害列島と言われている日本から防災先進国の日本になるためには、災害救助法を初め、防災それから救援、復旧・復興関係諸法令を再編成することも必要ではないかと考えております。また、自治体へ大幅な権限移譲も必要ではないかと思いますし、関係住民の使い勝手のよい防災・復興行政に転換すること、それから危険地域の住宅地の買い上げや災害関係予算、これは救援、復旧・復興、防災の透明化をいたしまして、簡素化をすることなどを通して促進していくことが重要だと思いますが、やはり安心して安全な国土をどう計画をし、防災計画を立てていくかということは国民生活にとって最も重要なことでありますし、国土交通省としての見解をお伺いいたします。
#136
○国務大臣(扇千景君) 大変、昨年来あらゆる災害に見舞われまして、私もかなり走り回りまして現場を見てまいりまして、今、先生がおっしゃった災害に強い日本をつくるというその必要性を体験をもって私は感じましたし、またそれに努めたいと思いますけれども、今、先生がおっしゃいましたように、現在、関東あるいは近畿等で試行中の携帯電話によります洪水に対する情報提供を来年度は全国でこれを展開してまいりたいと思っていますけれども、少なくとも今、先生がおっしゃいましたように、道路、河川等の公共施設を遠方からも監視、操作できるように公共施設管理用の光ファイバーの設置を進めていくということが、平成十一年度末点検で少なくとも二万四千キロメートルとなっているんですね。
 先ほど、先生が、都市基盤整備公団の体質も変えるべきではないかという御質問にお答えをしていなかったんですけれども、少なくとも私はこの光ファイバーということに関しまして、三月の五日でございましたけれども、都市基盤整備公団の総裁に来てもらいまして、何としても都市基盤整備公団が賃貸住宅であるからこそ私は設備を、公団でなきゃできないということをしてくださいということを申し述べました。
 それで、今のこの光ファイバーの話で都市基盤整備公団にお願いして、賃貸住宅の中で、少なくとも毎年六千戸ずつ賃貸住宅を建て直ししているんです。新築するのはもう当然のことですけれども、建て直しをするところにも全部下水道を通じて光ファイバーを設置してくださいということを申し上げまして、賃貸住宅のために直接投資を公団が四十億円、約四十億円投資をしてくださいということで、これをお願いいたしました。
 そして、通信事業者による民間の活力が出てくるのが二百三十六億円になるであろうと、約でございますけれども。そして、利用の家庭の投資、あるいは光ファイバーを入れることによってテレビをかえたりなんかという、そういう投資が約百六十億円になるであろうと試算しましたし、また、全国の民間の借家の皆さん方も、公団のあれがするんだったらうちもしなきゃいけないという誘導効果というものもあるだろうということで、それも七百七十万戸の借家のうちの一割と計算いたしまして、これも八百三十億円、約ということでございまして、総トータルで大体に生産誘発効果というのが二千五百二十億円になるのではないかということで、これも私は、防災のためには本当に必要なことになりました。
 そういう意味では、先生が言っていただいたように、私どもは本当に強い国土づくり、また緊急のときにお互いがこれによって連絡し合える。そしてハザードマップもそうでございますけれども、私どもは有珠山のあの経験におきましても、十一台の無人の施工機械によります砂防の対策等を設置してございます。
 これも私は大きなことだろうと思うんですけれども、とにかく私ども押しなべて、今、先生がおっしゃいましたようなあらゆる手はずを通じて、私どもは国土交通省、気象庁も一緒でございますので、空からもそして下からも全部の情報収集をまず図りたいというふうに考えておりますので、先ほどの都市基盤整備公団の答えもあわせて施行して、皆さんにより有効に使っていただける都市基盤整備公団の住宅づくりと、そして災害に強い国土づくりに励んでいきたいと思っております。
#137
○渕上貞雄君 交通基本法の制定問題と総合交通会計制度の創設の問題と生活交通の維持の問題について質問通告しておりましたけれども、時間でございますので、次回に譲らさせていただきます。
 ありがとうございました。
#138
○田名部匡省君 前回も一極集中排除の話をしまして大臣の答弁をいただいたんですけれども、東京に人口が集中し過ぎる、それによってまた公共投資が物すごくされるというようなことで、地方にも機能分散しようということで東京一極集中排除だと。
 大臣、IT社会が実現すると、おっしゃるとおり通勤しなくてもいいとかいろんな便利な点も出てくるんだろうと思うんですが、しかし、こうして東京を見ておると、一極集中排除というのはあれは言葉だけだったのかなと思うぐらい、いろんなことに手をつけなきゃならなくなっちゃっているんですね。その負担は田舎にいる人たちも税という形で負担をしているんだという認識を持っていただきたいと、こう思うんです。
 ただ、物資の輸送だけはITというわけにいきませんから、これは空港、鉄道、あるいは道路、船舶、こういうものに依存しなきゃならない。最近、八戸あたりでも、やっぱりおかを行くと高くつくから船で今度は輸送をするようにしようやという話が出てきているんですね。
 私は前回も申し上げたと思うんですが、少子化、高齢化というのは、宮澤さんにも質問したんですが、日本というのはどういうふうに変わっていくんだろうと。去年のお年寄りの死亡率と出生率で計算してみると、今後、二十一世紀には日本の人口が四千何百万人とか五千万人になるという、新聞に出ておりましたかね。そうなるかどうかはこれは推計ですからわかりませんけれども、しかし、いずれにしてもそういう時代だということを踏まえてこれからいろんなことをおやりになろうという計画があります。
 先ほども山内委員から公共事業の悪者論と。私も前回、悪者論でなくて、やるべきものと、延ばす、待ってもらうものと、やめるものと、これからやっていかなきゃならぬということを申し上げました。四国に三本橋がかかって、これだって費用対効果で見れば、これは本当に借金返せるのかどうか。青森でも、青森の木村知事が青森から北海道に橋をかけるんだといって最近はえらい張り切っているんですよ。大丈夫かなと思って、だれが走るのかな、幾ら払うのかなということなんかもよく検証して、大体空港でも何でも、利用がこのくらいで何年には返す、関空でもこう言いながら、さっぱりそのとおりいっていなくてまた延ばすというようなことをやっていますね。
 ですから、大臣は、この少子化、高齢化、これは住宅政策でも何でもそうですけれども、そういう時代に一体日本の国がどうなるとお考えになって、どういうものに手をかけていかなきゃならぬかというお考えをまずお聞かせいただきたい。感想で結構ですから。
#139
○国務大臣(扇千景君) 感想だけとなりますと、私は必ずしも先行き暗いということは性分的に嫌いなものですから、何でも私前向きでございますので。
 私は、少子高齢化社会が来ても、先ほどもちらっと申し上げて失礼だったんですけれども、女の方がおかげさまで八十四歳まで男よりは長生きいたしますので、元気な女性はおじいちゃんの面倒はずっと見てあげようと、そして自分の相手がいなくなって、亡くなった後はよそのおじいちゃんでも私たちは元気で見てあげようと。
 そして、私が行きました老人ホームで先生方に聞きましたら、扇さん、やっぱり一番元気なのは女だよと、こうおっしゃいます。どうしてかというと、おばあちゃんは死ぬまでおじいちゃんの好きな人を見つけるそうでございます。あの人のためにというのはやっぱり生きがいになるそうでございまして、そういう意味では二十一世紀、女性の方が長生きして女性の方が人数も多うございますので、大変暗いと言われますけれども、女性はいつも希望を持って生きるということを老人ホームの皆さん方がおっしゃいますので、私はぜひ明るい希望を持った二十一世紀にしたいと。
 そのためにあらゆる方策を、今しなければならないものと、あるいは中長期に国土づくり等々で計画しなきゃいけないものと選別をしながら、二十一世紀の幕あけに即しなきゃいけないもの、中長期のものとを分けて、我々は今、国会に籍を置く者がそれに対処する二十一世紀づくりをしたいと思っています。
#140
○田名部匡省君 それはそのとおりで結構だと思うんですが、負担する者がいるということを、常に何かやるというとだれかが負担するんですよ。
 特に、青森はことしは大雪でして、最近何がはやっているかというとマンションがはやっているんです。お年寄りは除雪できませんから、自分のうちを持っていると。そこで、アパートに住むと除雪しなくていいと。ですから、そういうところにはどういうことをするのかとかいろいろ考えて、しかも、今度何かやるというと、今度は財投債を発行するんでしょう。大丈夫ですか、財投債。どうですか、これは泉副大臣が専門ですから、どう思いますか。
#141
○副大臣(泉信也君) 全く突然の御質問でございますが、財投債につきましてはやはりすべてが大丈夫だとは言い切れない、私はそう思っております。
 特に、これから財投機関債を発行できないようなところが財投債を受けていくというようなことは本来やっぱりおかしいという思いを私は持っておりますので、これからの公共事業のあり方を含めましてきちんとした対応をしなければならない、このように思っております。
#142
○田名部匡省君 率直に言って私も難しいと思う。あんなに赤字出してまた三十年も先に延ばしてなんという、七十年も先だとかいうようなことを発表すると、それはとても我々は生きていませんから、ここにいる人たちは。責任ない人たちが集まって議論しておるんですから。そうでしょう、国債だって六十年返済ですから、利息を払って。ことし生まれた赤ん坊が六十歳で返済ですから、我々はもう関係ないんです。しかし、関係ない人たちがこれをいろいろやろうとするんですから、よほど後に問題を残さぬように対処すべきだと私は思うんです。
 特に、最近政治家、私も政治家ですけれども、目先のことにばかり何か追われているような気がしてならない。何か起きるとこれ、また次のことが起きるとこれと。こんなことばかり場当たり的にやっているのを見て、これは国民は不安に思わぬわけがないですよ。不審にも思われるし。この間、扇大臣、選挙があっても国民につらいことでも堂々と言える国会議員が何人いるかなんと言って、私は大体言う方ですから、はっきり。ですから、どうぞ、おかしいことはいっぱいありますよ、我々見ておって。
 かつて私が議運の理事のとき、緒方さんが事務総長になる前、部長ぐらいでした。国会の車をなくせと。送迎のバスなんかだって一人か二人しか乗ってこない、高輪の宿舎から。タクシー券をやって、それ以上使ったときは自分で払うといってなくしたらどうだ、何をやっているんだと言ったら、衆議院と参議院と別々にあって、先生方が成田に行くときタイヤは大丈夫かどうか点検していると言うんです。そんなものはみんな官から民へと言っているでしょう、今。民に全部やればいいんです。ハイヤーも契約して、必要ならばそこから使った方がいい、こう言ってやったんですけれども、みんなに袋だたきに遭いまして、安倍会長に呼ばれて、おまえ余計なこと、細いこと言うなと言われて。しかし、細いことの積み重ねが、まあ経済成長のいい時代でした。今、そうでないでしょう。そういう時代に心の気持ちを切りかえて、一体今どうするのが我々の責任か、この認識を持たないと。
 高橋副大臣、あなたは役所出身でないですから、どうですか、あなたの目から見て、この国のやっていることはむだが多いという感じを持ちませんか。
#143
○副大臣(高橋一郎君) 私が昔習った言葉に無用の用というのもありますから、万事むだだということは言えないと思います。
 先生は立派なネクタイをされていますが、ネクタイがなくたって風邪引かないんですよ。個性を出してみんなと楽しく人生を送ろうというところにネクタイがあると思っていますから。先生の御高説は十分わかりますが、無用の用で勘弁しておいてください。
#144
○田名部匡省君 KSDの問題で、私も地元へ帰ると、入っている人たちが、あれを返してくれと言ったら返してもらえるだろうかと言うんです。訴えると言うんですね。随分入っているんですよ。この間も千葉へ行ったら千葉でも言われまして、どこへ届けたらやめられるでしょうかと。おれに聞かれてもおれも困るということで、私は特殊法人とか公益法人の中に、あればかりでなくて、KSDのようなものがもっとあるんじゃないだろうか、いろんなもの、国民を食い物にしているようなたぐいのものが。そんな気がしてならないんですね。
 自賠責の保険なんというのも、強制加入で、これもまあいろいろやっておるようですが、なかなか難しいものだなと、払う側ともらう側にすれば。しかし、だれのためにあれをつくったかというこの基本的なことを間違えると、払わない方に一生懸命回られたのでは、前にも、猫が飛び出して慌ててハンドルを切ったらぶつかった、これはだれの責任かと。まさか猫に責任を負わせるわけにはいかぬですけれども、しかし、ひきたくないと思ってとっさに行った途端にぶつかったなんという気の毒なものはあるんですね。そういうものの判定なんかも非常に難しい、こう思っております。
 補助金が支給されている法人、国からは三千六百億、四百三十四団体、都道府県で三千七百億、四千七百三十六団体ある、こう言われております。
 きょう、参考人で北海道局長いらっしゃいますか。私、行政監視委員会で猪瀬さんに一遍参考人で来てもらった。この本読みましたか。
#145
○政府参考人(林延泰君) 部分的に。
#146
○田名部匡省君 部分的ですか。これは、北海道のことが随分書いてありましたが、これはそのとおりかどうか私もわかりません。これを読まれたんですね、北海道の開発局の。
#147
○政府参考人(林延泰君) 私、全部読んでおりません。週刊文春の書かれたものについては私読んでおります。
#148
○田名部匡省君 よくこれだけ調べたものだなと思って、これ一遍ちゃんと読んでみたらいいですよ。このとおりじゃなかったら反論してください。これを見た人はこのとおりだと思っているんですから。これを見て、私も、やっぱり行政というのは、二重行政というのは本当にむだになるな、あるいは税金のむだ遣いにもつながる、こう思って本を見たんです。実際、どうですか。北海道開発庁にどのぐらいの人がおるんですか、わかりますか。
#149
○政府参考人(林延泰君) 旧北海道開発庁所管の公益法人数は十法人でございます。そのうち、七法人に旧北海道開発庁出身者が役員として就任……
#150
○田名部匡省君 開発庁にどのぐらいの人がおるんですか。
#151
○政府参考人(林延泰君) 約九十名です、開発庁九十名。それから、現地の実施する支分部局として北海道開発局がございますが、ここが約七千百名おります。
#152
○田名部匡省君 ここに財団法人北海道開発協会があると伺っているんですが、あるかないかと、あるとすればそこにはどのぐらいおりますか、理事長以下の役員ですね、天下っている。
#153
○政府参考人(林延泰君) 財団法人北海道開発協会は、その行う事業が北海道内に限られているということで、北海道知事が監督する公益法人でございます。また、国家公務員法上、公益法人への再就職制限に係る制度もないため、何名かの旧北海道開発庁出身者がこれらの、この公益法人に勤務しているということは承知しておりますが、これら法人の全体の役員構成等について正確に把握しているわけではございません。
#154
○田名部匡省君 公益法人は道庁でやっているのかどうかわかりませんが、いずれにしても開発局から、ここが仕事を受注しているんですね、これ見ると。百三十億、申告利益が六千七百万。その仕事は直接協会で出資しているのかどうか。これを見ると丸投げだと。この開発協会出資の子会社で北協サービス、北海道連絡車管理とか、これ何か車の会社でしょうな、北協施設サービス、そこからまたさらに八割出資の子会社に北海道公共補償研究センター、その子会社、つまり孫会社ですよね、北開補償技研、これら五社の役員に二十二名全員開発局のOBが行っていると、こう書いてあるんですが、この辺はわかりますか。
#155
○政府参考人(林延泰君) ただいま私お話しさせていただきましたように、繰り返しになりますが、法人の全体の役員構成等について正確に把握しておりません。
#156
○田名部匡省君 KSDも何がどうなっているかわからなかったと。天下った人が役所から行っているものですから、もうさっぱり調べもしないということから起きたんですよね。やっぱりきちっと把握して、私は何も私が調べたのを言っているんでなくて、猪瀬さんがこう書いてあるから、これを見たとすれば、どうだか、減ったかふえたかぐらいのことは把握しておく必要があるんじゃないですか。
 しかも、その財団が出資している子財団というのがあって、北海道道路管理技術センター、豊浜トンネルのあの崩落事故直後に開発局から五千五百万、岩盤調査を依頼され、これがまた天下り十人のセンターの仕事は休日のパトロール業務の委託、四十億の受注があったと、ほとんどが下請に丸投げですと、こういうことが書いてあるんですよ。
 今度、行政監視委員会で猪瀬さんに来てもらって、あなた方と一緒にいてもらって、こうこう書いてあるが、これどうかと聞きますから、きっちり調べておいていただきたいと、こう思うんですね。これ見ただけでもこれは本当にひどいなと。
 今、私がなぜこんなことを言っているかというと、厳しい時代には厳しいようにやっぱり我々しなきゃならぬですよ、民間と同じように。家庭だって苦しいときは切り詰めますよ。子供を大学に一人入れるといったら相当金かかりますから、その分は浮かせなきゃならないでしょう。だから私は、そういう気持ちを我々政治家が持っていなきゃならぬし、役所もそういう気持ちを持たなきゃならぬ。
 私は、高速道、空港の着陸料金も高いといって亀井善之君と委員会でやり合ったことあるんですけれども。それから船舶についても、今はどうなっているか、これも後から調べて項目出しますから。南米のペルー、チリから八戸港に運ぶ料金と、そこから揚げた荷物を六百メートルの工場に運ぶ料金のどっちが高いかと聞いたんですよ。六百メートルの方が高い。
 私は、高速道路、空港、みんな必要でしょう、これ。しかし、借金をして、その借金はどこからするかといえば、我々の郵便貯金、簡易保険、年金でしょう。それは利息払ってもらいますよ。それを財投の資金として借りて、工事をやって赤字を出して、返す金を、料金を上げたんでは、そこを運ぶ野菜でも魚でも米でもリンゴでも、こういう衣類でも、運ぶのはだれが出すかというと運送会社ですよ。自分で自腹切りませんから、荷物に上乗せをして、そうして町に並んだものはだれが買うかといったら国民でしょう。結局、最後は国民が負担しているんですよと。これは空港だってそうでしょう、着陸料金が高い。こんな世界で高い国はないと。これだってやっぱり借金の返済のために、乗る人に乗っけているんですから、料金を。二百人乗りで九十五万も取られたら、一人五千円ぐらいずつ切符代高く買っているんですよ。
 借金してつくったところは赤字を出して、私たちが預けたお金が、財投の資金で貸して赤字を出して、今度はこっちから税金をどんと取られて一般会計で三兆円も補てんしておったら、もうかったことになっていないでしょうと。であれば、消費税一%ぐらい上げてこれこれつくりますと、国民の皆さんいいですかと。つくったら後はゼロにする、ただにすればいいんですよ。この方が、利息は払わないだけでも、子供や孫に負担かけないだけでもいいと思わないですか。
 だから、そういうふうに情報を公開して、国民も、やっぱり受益者負担というのはあっていいんですよ。そのかわり幾ら負担ですよということをちゃんと言ってやるような、こんな時代になっているんだと私は認識しているんです。全部が、月給から取られるのが税金でなくて、あっちこっちで払うのも税金みたいなものでしょう。どうですか、泉副大臣。
#157
○副大臣(泉信也君) 最終的に、国民が負担をしなければならないということは先生おっしゃるとおりだと思います。
 今、幾つか例に挙げられました高速道路であれ空港であれ、それは先生御承知の上でおっしゃっておられるわけでございますけれども、すべてが現在生活をしておる者が負担をする必要はない、次の世代に部分的にその資産を引き継いでいくわけですから次の世代にも払っていただこうという、その考え方が基本にあるというふうに私は思います。
 ただ、今日のもろもろの社会資本の整備がその原則にのっとってすべてなされておるかどうか、余りにも崩れておるんではないかという趣旨で先生の御意見があったんだろうと思います。
 私どもも、国土交通省、大きな社会資本整備を担当させていただいておりますが、時代の変化がございますし、また国の大きな財政の赤字ということもございますので、これからしっかり見直していくべきところは見直していきたいと考えております。
#158
○田名部匡省君 時間がないのでこの程度にさせていただきますけれども、この間も大臣、新幹線と在来線の話をしましたよね。北海道―東京、青森とまらない貨物というのは八割なんですよ。ただ通るの見て、私は選挙区なものですから、あの沿線は鉄道のそばにうちがいっぱい建っていますよ。東北町とか上北町とか、あの辺行くと。通るたびに夜中がたがたがたがた、このぐらいしか離れていないところに寝ているわけですから。ああいう人たちも、それは貨物は必要だと、二割ぐらいは青森県のものも運んでいくんだからと思って我慢しているんだろうと思う。しかし、それにしても、たった二割しか通らない鉄道をどうしてこんなに負担させられるのかなと。
 この問題はもうちょっと真剣に、受益者負担の原理でいけば、売る北海道と買う東京の人はいささか負担してもいいようなものだけれども、さっきの答弁にもあったように、確かに次世代のために必要だというのはありますよ。しかし、その中でも今は本当に限られたものにしておいて、もう大抵、不便な状況は大分我慢すればできるところまで来ているわけですから、経済成長がこんなときと違うというときにはどうするのかという考え方でやっていただきたい。
 岩手県と青森県とスタイルが違うんですよ。青森県は上下分離。あっちはそうでなくて、将来赤字になるからというんで、もう一括県がぼんと金を出すと。料金だってまさか違うというのもおかしいし、県境がすぐですから、私のところから。こういうのも一体どうするのかということも含めてもう一遍、余り負担させぬようにするにはいい知恵がないかということなんかも考えて、いい案を出していただきたい、こう思います。
 時間ですので、大臣、今の問題についてどうすればいいかというのをもうちょっと検討、地元の意見もよく聞いて、全体の中でどうあるべきかということも御検討いただきたいと、こう思うんですが、どうですか。
#159
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、田名部先生のお話を聞いていて、まさに私が日ごろ言っていることの集大成というものを御質問いただいたなと思っております。
 それは、私いつも申しておりますことは、昨年、与党三党による公共工事の中止というものをいたしました。少なくとも、あの与党三党による百八十七の事業中止をいたしました。これは公共工事のむだ遣いではないかという、あるいはまた進捗していないということで、これは戦後初めてのことでございます、百八十七の事業中止ということ。けれども、私はこういう時代だからこそこれはしなきゃいけないと。
 ただ、中止といっても、私たちは俎上に上りましたこの事業を、全国の今まで推進して協力していただいた地方の皆さん方に事業評価監視委員会、これ三百の皆さん方に三カ月を、百日ですね、百日かけて御審議いただいて、この評価に基づいて百八十七を中止させていただいたということもございます。
 また私は、今、先生がおっしゃいましたように、今の日本の公共事業のあり方を考えますと、まさに世界に伍していけるためには二十一世紀型にしなきゃいけないというのは、私も口を酸っぱくして言っております。
 まして、先生が今、事例を出されましたけれども、国際空港の着陸料の高さ。御存じのとおり、成田は九十八万四千円、そして関空は九十万八千五百円でしたか。そして、一番安いイギリスに至っては七万八千円で同じ飛行機が降りられると。この格差はどうすればいいのかと。そして、先ほども関空の第二期工事のお話が出ましたけれども、果たしてそれがまた今度着陸料の高さにはね返らないのか、これ安くしていけるのかと。そういうことも私は、基本的に何としても二十一世紀型にしなければならないというのを、私は大臣に任命されましてから言い続けております。
 先生は、青森から運ぶ物が高いとおっしゃいましたけれども、私はいつも申し上げておりますのは、岩手から百キロの物を横浜へ送るのに運賃が、陸送しましたら千四百九十円。その同じ荷物を横浜から北米へ送ったら千百円。この流通の高さというものをどう克服していくか。でなければ日本に物が来ない、日本の物も外へ出せないという、この物流コスト一つとってみても二十一世紀型のグランドデザインをつくらなければ、私は二十一世紀の日本というのは先行き不安だなということになりますので、今、先生がおっしゃいましたあらゆること、特に国土交通省は陸海空でございますので、そういう意味ではあらゆる二十一世紀型のグランドデザインをなるべく早く示させていただいて、また一つの案だけではなくて、一つか二つ、できますれば三つの案を出して先生方に御論議いただいて、そして確かなグランドデザインを早期につくりたいというのが私の希望でございますので、ぜひまたお知恵をおかしいただきたいと思います。
#160
○田名部匡省君 終わります。
#161
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。
 今までいろいろな議論がありましたので、なるべく重複しないように心がけて御質問申し上げたいと思います。
 実は、先日の当委員会におきまして、私は与党三党の緊急経済対策について御質問申し上げました。扇大臣からの御答弁、お伺いしております。この緊急経済対策ぐらい政府がどう扱うのかわからないものはありませんですね。財務大臣はこれで補正を組むなどということは考えていらっしゃらないようなことを言っておられます。まさか、今から補正を組むと言ったら、今の予算がこの参議院で検討されているときですからとてもそんなことは言えないということはよくわかりますが、それじゃ緊急経済対策とは何ですか。いやいや、それは今から検討するんですと。特に、税についてはまだ税調でやっていないからどういう扱いになるかわかりませんと。
 自民党の中でも、この間ちょっと聞いておりましたら、若手の石原伸晃議員などは、これは総務会でも検討していない、全然話を聞いたことがないということで出ている緊急経済対策というものだそうでありまして、私この中身を本気になってどれをどこまでやるのか全く今までの議論を聞いていてわからない。とすれば、本気でやる気があるのかどうか。本気でやる気があるとすれば、今のこの予算を修正しなければならぬ、あるいは補正を出すと今から言わないとならない。
 予算の審議中にいろいろ補正の話が出て、それで予算が上がった途端に、補正は組まないと言っておきながらすぐに補正に取りかかった、こういうことだってあるわけですから、その辺は正直にお申し出になられたらよろしいんじゃないかと思います。その辺について私はこれ以上どうこう言うつもりはありません。
 ただ、一つだけ大臣に認識を改めておいていただきたいことがあります。先日の答弁の中で、税の問題に関しましてはこれは勝手に税を変えることができないし、戸田先生も自由民主党におられましたからよく御存じですけれどもと、私、自由民主党にいたことありません。これは御訂正いただきたい、そう思っております。いずれにしましても、何が何だかよくわからない対策であるわなというのが私の認識だということを申し上げてきょうの質問に入らせていただきます。通告していない問題もございます。
 まず第一に、阪神・淡路大震災にもかかわることでありますが、実は先日、石原都知事と話をしておりまして、大都市の防災、特に地震災害対策について一番問題になるのは木造密集住宅地域とかそういったところ、これを大々的に変えないとならないんじゃないかと。恐らく、阪神・淡路と同じぐらいの規模の地震が東京都に起これば相当の死者が出る。ある程度のシミュレーションが出ているから数値は御存じだろうと思いますが、そういう犠牲者が見込まれている。
 そこで、そういう木造密集住宅地域を整備するとなりますとこれは住んでいる人々の同意を得ないとならない、これが難しいんだと、もう本当に絶望的ですよと、こう言っておられましたが、こういうことについてはこれからどういうふうに考えていったらよろしいんでしょうかね。
#162
○国務大臣(扇千景君) 今、戸田先生がおっしゃいましたように、失礼いたしました、答弁の中で自民党のことを御存じだとおっしゃいましたけれども、失礼いたしました、先生は新進党ですか、最初が。私は自分が自民党だったもので、つい長いおつき合いなので昔から御一緒なんだと思って、失礼をいたしました。
 今のお話でございますけれども、私は日本じゅうどこでも災害があり得るという、そういう基本的な理念をまず持たなければいけない、そう思いました。そして、私は阪神・淡路大震災のときも、私神戸出身でございますから現地に行き、またこの間の、ことしの一月十七日の六周年のメモリアルデーにも私は参加させていただきました。
 そして、今東京の例を先生は例えてというふうにおっしゃいましたけれども、私はこの間も石原都知事にお昼休みお電話をいたしまして協力をお願いいたしました。それは、六本木の旧防衛庁跡、あれは隣の公園を含めまして約十ヘクタールあります。あれは東京都内に残された唯一の広大な約十ヘクタールでございます。
 それで、私は東京都知事に、私たちも努力しますけれどもあれを切り売りしないでくださいね、あれを細かく刻んでしまったのでは何もならない。あの十ヘクタールを少なくとも新しい構想のもとに、新しい都市構想のもとに、私は防災地区も含め公園も含め住居も含め、あらゆるグランドデザインをつくって有効な約十ヘクタールの土地利用をしましょうと。
 また、御存じのとおり、全日空のところは何と言うんですか、あの場所は。(「アークヒルズ」と呼ぶ者あり)いや、地名が。アークヒルズというのはわかっていますけれども、あそこの地域の開発とか、あるいは六本木のテレビ朝日跡の広大な開発、あれは六百軒の居住が立ち退いております。一つも裁判が起こっておりません。
 私は、それを考えてみましても、東京のあり方というものを見ますと、皆さんにああいうふうにグランドデザインを見せて、この地域はこういうふうになるんですよと一軒一軒御説明申し上げて、あの六本木地区は六百軒が一人も裁判を起こさないで全部立ち退きになってあれだけ広大なところの開発が進んでおります。その開発するところには、耐震性も含め、あるいは環境も含め、水も流し、そしてヒートアイランド現象を少なくしようというので、ビルの上には緑をつくり、そして川を流すことによって川の両サイドは百五十メートルずつ温度が一度下がるという、こういうことも全部含めての都市計画をしております。ですから、私が東京都知事にお願いしましたことは、ああいう大事な場所を、利用を大事にしようと。
 それともう一つは、日本橋を、何とか上の高速道路を地下に回そうと。そして、日本橋というのは起点なんですから、この日本橋を皆さんに見ていただけるように、あれは文化財なんですから、文化財が高速の下で、懐中電灯でなきゃ日本橋と書いてあるのが見えないんです、今。それは困るということで石原都知事にもお願いをして、あれは何とか高速道路を地下に潜らせていくように、日本橋を、やっぱり文化というものを大事にしようということもお願いもいたしました。
 そのように、東京都だけではなくても、東京都一つとってみても、まだまだしなければならないこと、そして、その地域では特別に容積率の緩和というものをいたしております。それは容積率緩和をしたのは、今のアークヒルズもそうでございます、そして愛宕ビルもそうでございます、そしてあの浜町通りにあります明治座、あれも容積率を緩和いたしました。そういうふうに、都市の開発のために容積率を緩和して、その空き地を公園にするなり、もしものときに避難所に使うという、そういうトータル的な都市のあり方というものをぜひ知事と一緒になってつくっていくということが我々の大きな役目であろうと思います。
 それが万全ということはあり得ません。完全に皆さん方の命を助けるなんておこがましいことは言えませんけれども、一つのでき得る限りの手だてとしてはそういうふうにしていきたいと。
 長くなると悪いので、土地収用法のことに関しては改めて申し上げたいと思います。
#163
○戸田邦司君 住民の相当なインセンティブを引き出さないとならないということでありますから、国も相当真剣になって、また地方自治体と連携して、双方真剣になって取り組まなければならない問題かなと、こう思っております。
 阪神大震災関係につきまして考えてみますと、同じような事故がほかのところで起こった場合にどれぐらいの改善が見られているかということを考えますと、なかなか難しい問題もあります。
 例えば交通の問題。これは、交通規制をどのようにするかということについて相当検討は進んでいるようですが、そのとおりには進まない。だれが一体責任を持つかと、そういうところがきちっとしていないところがあると思います。前の委員会で私はFEMAの話をしました。大臣は、何千人もの人を抱えているわけにいかないと、こうおっしゃられましたが、私は仕組みの問題ではないかと思っておりますから。どこが一体責任を持って、そういうコントロールをしていくかということではないかと思います。
 交通問題はさておきまして、阪神・淡路のときに一番問題になったといいますか、人命救助のために大きな問題になりましたのは病院の電源の話です。
 今の東京都のそういう病院その他の非常電源、どうなっているか、私は詳細には存じ上げません。しかし、あのときに問題になりましたのは、大体、病院はそういう緊急の場合のために発電機を備えております、ディーゼルエンジンですね。これが全部だめになったんです、あのとき。何がだめになったかといいますと、冷却水がだめになった。冷却水については、神戸あたりでは相当の手当てをしたと、こう言っておりますが、東京都の場合にはまだそういうチェックがなされていないんじゃないかと思いますが、そういう点を含めてこれから御検討いただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#164
○副大臣(泉信也君) 阪神・淡路の震災のときにいわゆる傷を負われた方々の手当てが十分にできなかったということは、私ども反省材料として承知をいたしております。
 その中で、今特に病院の非常電源のお話がございました。一応、建築基準法では、いわゆる病院、ホテル、百貨店等、不特定多数の方がある一定規模以上お使いになるものについては予備電源を設けるということは明記をしてありますので、そのような仕組みはきちんと整備がされておると思います。
 ただ、先生御指摘になりました冷却水がどう確保されておるかということについては、恐縮ですが、調べておりません。これは大変重要な御指摘でございますので、あわせ調べて、いずれ御報告をさせていただきます。
#165
○戸田邦司君 一度チェックされたらよろしいんじゃないかと思います。病院もさることながら、コンピューターの電源もあるんですね、重要拠点のコンピューターの電源。二〇〇〇年問題であれほど大騒ぎしたわけですが、重要なコンピューターが電源がなくなってしまうというようなことだって起こり得ないことではないわけです。ですから、一度きちっとお調べになられてはいかがかと、お願いしておきたいと思います。
 それから、これは私、常日ごろから心配事の一つなんですが、水路部の関連の問題になりますが、日本列島が海図上というか、地図上、その位置がずれていると。私、聞いてみましたら、古い海図には、ずれていますよと書いてありますと。できるだけ早くその海図を新しくしていっている、ただあと二年ぐらいかかりますということでしたが、まあ重要な水路その他から変えておられるんだろうと思います。これは今、位置を出すのに、沿岸航法をしているときは沿岸を見ながら走っているというようなことですから、それほどのことにはならないかもしれませんが、夜間、暗礁があるところとかそういうところでは、五百メーター違うと大分違いますしね。
 それから、今、大抵の船はGPSを備えておりまして、GPSも、いいかげんなと言ったら怒られますが、精度の悪いGPSですとみんな注意して航行することになりますが、今はGPSの精度が物すごく上がってきておりまして、ディファレンシャルGPSと言っておりますが、こういったものを使うと本当に精度がメーター単位になってくる。もっと精度の高いものはセンチ単位になってくると。
 そういうようなGPSを持っているわけですから、チャートとGPSだけで航行するとなりますと、チャートが間違っているというかチャートが違っていますよと書いてあるとしても、それをとっさの場合に誤る場合だってあるわけですから、これ何とかできるだけ早い機会に全部修正していただけるようにお願いしたいと思っていますが、いかがなものでしょうか。
#166
○国務大臣(扇千景君) 私も先日説明を聞きまして唖然としたんですけれども、私どもの国が四百五十メートルずれているというのは私は思いもしませんで、初めて聞いた話でしたし、見せられましてその図面の四百五十メートルのずれというのでびっくりしたのが事実でございます。
 けれども、今、先生がおっしゃいましたように、特に先生は海の男でいらっしゃいますから、海図ということでは特に御関心があろうと思いますけれども、関心があろうとなかろうと、今おっしゃいましたように、例えばここは危ないよという危険地域が四百五十メートルずれているということになりますと、それは危険地域に、暗礁に乗り上げることになりますので、これは大変なことだと思いますので、でき得る限り早い時期にすべからく四百五十メートルのずれを直すように、そして皆さん方に安心して航行いただけるように、あるいは皆さん方になるべくそれが早く手元に届くようにということ、連絡方法と改良方法については促進するように私からも申し上げておきたいと思います。
#167
○戸田邦司君 今は便利なものがありまして、チャートが電子チャート化して、小さなこういうディスクでチャートをプロットしていけるようになっているわけですね。私の船なんか遊びの船ですけれども、自動航跡をちゃんとかいてくる。私は今、そのお話を聞くまでは位置がずれているなんて、信じて疑わなかったわけですが、これは大変だとこう思いましたので申し上げました。
 次の問題は、これは私の要望でありますので聞いてだけいただければよろしいんですが、実はそういうようなことで座礁した船があるんです。遊びの船です。夜間でしたからGPSで位置を出して、それで座礁してしまった。四百五十メーター違うから座礁したかどうかは定かではありません。それで、海岸の岩の上にのし上がってしまった。
 自分たちで乗っていた船で、オーナーもそれは仕方なかったなとこう言っているんですが、海上保安庁での取り調べが非常に長いんですね。これは刑法に触れる艦船覆没罪とか行路往来妨害罪というのがありまして、それにかかわるのできちっと取り調べて送検しないとならない。送検されて罰金取られたやつがいるんです、私の知っている人に。
 それで、車で田んぼにおっこちたらどういうことになりますかといったら、それは何にもありませんなと。自損事故で、ばかなやつがいるもんだといっておしまいだと。モーターボートとかヨットでそういうことになるとこれは時間がかかるんですよね。実に熱心に取り調べます、どうしてか。免許証の有無はもちろんのこと、それは当然のことですが、実に長い時間がかかって、それで最後は、きちっとした裁判をやるなんてことはありませんが、簡易裁判か何かで罰金を取られる。
 オーナーも仕方なかったなと言っている。自分たちも深く反省している。自分の船でもあったと。それでも罰金取られちゃう。そういう仕組みが本当にいいのかどうか。なぜ罰せられなければならないか、間違えてね。自分の船ですよ。砂浜にぶち上がっちゃった。もっと小さな船なら砂浜で引き揚げちゃうんですよね。小さな船は砂浜に揚げてますから。引き揚げられないやつは時々クレーン車なんか持ってきて持ち上げたりしていますが、やはり取り調べを受ける。そこの境がどうなっているのか理屈がよくわかりませんが、一度御検討いただけませんか。大変に困った問題ではあるんですよ、事故を起こしたときに。お願いだけしておきます。
 それから、先ほどから大分、バリアフリーの問題がありました。それで問題は、この前のバリアフリー法は駅とその周辺について整備するということになっておりますが、歩道橋の問題がありまして、これは前に質問したときに、エレベーターをつけたり緩斜面にするとか、そういうことでお年寄りでも乳母車を引いた人もというようなことをおっしゃっておられましたが、私が見る限りではそういう歩道橋、横断道がない、信号がない、何百メーターも歩かないとならない、そういうところの歩道橋でやはり障害者、お年寄りは非常に困難があると思われます。
 これも希望ですから申し上げておきますが、やはりそういったところの整備も早急に検討して進めていただけないか、こう思っております。よろしいですか、その点。
#168
○国務大臣(扇千景君) 先日も先生からバリアフリーの御質問がございまして、その後私どもも努力いたしております。これで万全とは言えませんし、まだまだ必要ですけれども、道路の交通上の、構造上のバリアフリー基準を制定しまして、特に歩道橋に先生がこの間おっしゃいましたようにエレベーター等の構造の基準を初めて盛り込んだというところでございます。今まではこれがございませんでしたので。そして、この基準に基づきまして、利用の多い経路につきましては、段差の解消あるいは幅の広い歩道の整備とあわせまして、歩道橋へのエレベーター等の設置を積極的に進めるというのを今行っております。
 具体的には、まず平成十二年度の道路関係事業では、歩道橋を新設あるいは改修する六十二カ所のうち、四十二カ所についてエレベーター等を設置させていただきました。そして、残る二十カ所につきましてはスロープをとにかく設置するということで、これも工事を終えております。
 歩道橋のバリアフリー化を今後も推進していくということをしておりますけれども、例えばエレベーターの設備につきましては一基当たり四千万円程度の費用を要するということでございまして、これも予算化するというのがなかなか大変でございまして、利用頻度等のプライオリティーを勘案しまして、重要度あるいは重点地区を決めまして順次整備させていただきたいと、そのような今の現状でございます。
#169
○戸田邦司君 大変前向きの御答弁をいただいておりますし、相当整備が進んできているということも理解しております。どうかこれからも一生懸命整備を進めていただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。
 次に、高速道路の自動料金収受システム、これは大臣も御存じのとおり、日本での採用というのは非常におくれましたね。おくれた原因は何なんですかね。香港あるいはヨーロッパ、北欧を見ましても相当前からやっているんです。もし、そのおくれた理由がわかりましたら教えていただきたいと思います。
#170
○副大臣(高橋一郎君) 今、先生からノンストップ自動料金支払いシステムのおくれということの御質問ですが、ETCにつきましては、平成十二年四月から千葉地区を中心とした五十四カ所の料金所においてモニターの方法によって試行運用を開始いたしました。
 そして、順次運用箇所を拡大しながら、通信機能の精度の向上や利用者の挙動、なれの確認等を行ってまいりましたが、この試行運用において、ETC専用レーンへの一般車の誤った侵入とか、それから電波反射による通信エラー、これなどがございまして、当初は必ずしも予想していなかった事象が発生しましたので、その発生原因の調査分析を実施いたしました。そして、ETCレーンへの案内の改善や電波吸収材の設置等、必要な対策を講じまして、さらにその効果の検証に時間を要した、こういうことが理由でございます。ですが、この試行運用を踏まえまして、本年三月三十日から、現在試行運用を行っております千葉地区を中心とする首都圏の一部料金所及び沖縄自動車道等の一部料金所、計六十三カ所の料金所において一般の方々に対するサービスを開始することとなっております。
 ちなみに申し上げますと、今後は、本年夏ごろに三大都市圏の一部料金所におきまして、本年秋ごろを目途に全国で約六百カ所の料金所において利用可能となるようサービスを拡大してまいる所存でございます。また平成十四年度末には、首都高速道路、阪神高速道路の全料金所を含む全国の主要な料金所約九百カ所の料金所において利用が可能となるようにサービスを拡大していく予定としております。
 全国的には千三百ぐらいの料金所がございますのですが、交通量によりまして、以上の問題の点を勘案して九百カ所を一応予定している、こういうことでございます。
#171
○戸田邦司君 時間もありませんのでこれ以上申し上げませんが、私は、そもそも開発がおくれた、開発がおくれたのは、開発されたものを採用しようとしなかった、それでおくれた。それ以上話を聞きたいということでしたら私はいつでもお話し申し上げますが、そういう事情があった、それがおくれた原因、私はそういうふうに理解しております。
 時間もありませんので、これで終わります。
#172
○島袋宗康君 二院クラブ・自由連合の島袋宗康でございます。最後の質問で重複するかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、政策テーマについて説明されておられる中で、少子高齢社会への対応としてバリアフリー社会の形成を実現するとされ、その一環で住宅のバリアフリーを推進するとされております。また、高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給など総合的な高齢者住宅政策の展開を行うとしておられます。
 そこでお伺いいたしますが、現在、住宅のバリアフリー化はどの程度進んでおられますか、そして高齢者向けの優良な賃貸住宅はどの程度供給されておるか、さらに今年度の供給計画はどのようになっておりますか、お尋ねいたします。
#173
○政府参考人(三沢真君) まず、バリアフリー住宅の数でございますが、これは平成十年の実態調査でございますけれども、全体の住宅ストックの約三%弱、戸数で申しますと百十六万戸につきまして、これはバリアフリーのこの場合の定義としましては、手すりが設置されている、それから広い廊下の幅が確保されている、それからもう一つ、段差が解消されている、この三つを備えたものをバリアフリーと一応呼んでおりますけれども、百十六万戸がその三つを備えた住宅となっているという統計でございます。
 なお、これにつきましては、今回の住宅五カ年計画の中で、この三つが整った住宅については二〇一五年までに全体のストックの二割まで上げるという目標で住宅整備を推進することとしております。
 それからもう一点、高齢者向けの優良賃貸住宅が現在どのくらいまで供給されたかということでございます。これは平成十年からの予算措置として、予算制度ということで高齢者向け優良賃貸住宅制度を行ってきたわけでございますが、十二年度までに約九千二百戸の供給がなされたというふうに見込んでおります。
 これにつきまして、今国会に高齢者の居住の安定確保に関する法律というものを提出させていただきまして、これに基づきまして、いわばその法律上の制度として民間活力等を活用した高齢者向け優良賃貸住宅制度というのを創設することにしておりますけれども、これにつきまして、平成十三年度は一万六千戸、それから平成十三年度から十七年度の五カ年間で十一万戸を供給するという計画になっております。
#174
○島袋宗康君 平成十三年度予算においては、国土交通省発足に対応して融合・連携施策を一層強力に推進し、予算の重点化を図るなど、省庁統合のメリットが発揮できる分野に重点的に配分することとされているとのことでありますが、具体的にはどのような分野にそれは具現していかれるのか、お尋ねいたします。
#175
○政府参考人(岩村敬君) 平成十三年度国土交通省関係の政府予算案におきましては、今、島袋先生御指摘のとおり、国土交通省の統合のメリットを生かすための交通、そして町づくり、さらには防災等の各種の分野での連携施策の推進に重点的な措置を行っているところでございます。
 具体的に申し上げますと、平成十三年度国土交通関係予算の案によりますと、総額の伸び率はゼロでございます。そういう中で、一つ交通の分野では、鉄道駅等交通結節点の機能強化といたしまして、国費を対前年一・三〇倍に伸ばしております。また、ボトルネック踏切対策等、都市部の交通混雑の解消につきましては、国費を一・一七倍にふやして案をつくっているわけでございます。また、空港、港湾、そして道路等の連携強化による物流の高度化、マルチモーダル交通体系連携整備事業と申していますが、これを創設することによりまして、国費ベースで一・一七倍にふやしているわけでございます。また町づくりの分野では、港湾関連事業と都市関連事業の連携ということで国費を一・五二倍に、また防災の分野では、火山災害対策の推進ということで国費を一・二八倍にふやしているというようなことで、今幾つか例示を挙げましたが、重点的な予算配分を行っているところでございます。
 これらの施策等につきましては、今後強力に推進することによりまして、国民に対しまして、皆様に対しまして質の高い施策をより低いコストでより早く提供していく、そういう所存でございます。
#176
○島袋宗康君 公共事業の効率的、効果的な執行や事業の透明性の向上を図るため、費用対効果を含めた事業評価の厳格な実施を行うとされておりますが、それはどのような手法、仕組みで実施されるのか、お尋ねいたします。
#177
○政府参考人(岩村敬君) 国土交通省におきましては、公共事業の効率性、そして透明性の向上を図るため、平成十年度より、新規採択時の評価、また実施中の事業についての再評価を行ってきておるところでございます。また新規採択時には、費用対効果分析を初めといたしまして、事業の必要性について総合的な評価をしているわけでございます。また、実施中の事業の再評価につきましては、事業の進捗状況、地元の意向の変化などの事業をめぐる社会経済情勢等の変化、そして事業採択時の費用対効果分析の要因の変化、さらには、コスト縮減や代替案立案等の可能性の有無等、さまざまの視点からの評価を行いまして、事業の継続、中止等を決めることとしているわけでございます。
 また、評価の実施に当たりまして、学識経験者などから構成されます事業評価監視委員会を設けまして、意見を聴取するとともに、評価結果等につきましては公表するということをいたしておりまして、客観性そして透明性の確保に努めているところでございます。また、十一年度からは、事業完了後の事業の効果等の確認を行ういわゆる事後評価を試行的に実施しているところでございます。
 今後とも、事業評価の、負担の改善を図ることによりまして、公共事業の効率性、透明性のなお一層の向上に努めてまいりたいと考えております。
#178
○島袋宗康君 コストの縮減を行うというふうな御説明でありますけれども、それは具体的にはどういうふうなコスト縮減ということになるのか、ひとつ御説明願いたい。
#179
○政府参考人(岩村敬君) 公共事業のコスト縮減でございますが、平成九年の四月に関係閣僚会議で決定されました公共工事コスト縮減対策に関する行動指針に基づきまして、平成九年度から十一年度までの三年間にさまざまな施策を実施してきました。そして、直接的な工事コストにおきまして政府全体でおおむね一〇%の縮減を達成したところでございます。
 そして、引き続きコスト縮減を進める必要があるということで、昨年の九月に新たな行動指針が関係閣僚会議で決定されたところでございます。新しいコスト縮減におきましては、十一年度まで行った縮減、すなわち直接的な工事コストの低減、これだけではなくて、ライフサイクルコストの低減、さらには社会的コストの低減などの観点も加えて総合的なコスト縮減に取り組むこととしたところでございます。
 今申し上げたことの具体的な内容でございますが、直接的なコスト、工事コストの低減では、材料が多少ふえたとしても施工の手間を減らすことによって価格が最小になる設計方法に改めることとか、民間の創意工夫による提案を生かす入札契約方式、VE方式と呼んでおりますが、等を採用することなどがございます。また、新たに採用する視点でございますライフサイクルコストの低減では、構造物の耐用年数を長期化すること、また社会コストの低減では、リサイクルの推進また環境負荷の低減を図ること、こういったことを具体的に方策を立てましてコスト縮減に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#180
○島袋宗康君 地方のニーズをより一層的確に反映した公共事業の執行を図ると言っておられます。
 その際に留意すべきは、地方のニーズというのはしばしば地元に利害の対立を生じている場合が多いわけでありますけれども、その調整や適否や優先順位等についてはどのような方針で対処されるのか、お尋ねいたします。
#181
○政府参考人(風岡典之君) 公共事業の実施に当たりましては、国土において各地域が担うべき役割というものを踏まえながら、その地域が抱える問題点あるいは社会資本整備の水準、そういうものを十分見ながら、国民生活の質の向上とかあるいは経済の活性化に資するような事業に重点的に投資をしているわけでございます。
 しかし、個別事業の実施に当たりましては、先生今御指摘いただきましたように、同じ地域間で意見を異にするような事例ということも考えられるわけでございますけれども、私どもとしましては、早期に調整を図る観点から、社会資本の整備の計画段階から幅広く住民の参加だとかあるいは情報の公開とか、そういったことに努めているわけでございます。
 具体的には、都市計画の決定段階における住民の意見の反映だとか、あるいは河川の整備計画策定段階における住民の意見の反映、あるいは道路のバイパス計画等におきましてもPI等を実施するというようなことを実施しているわけでございます。
 いずれにしましても、公共事業の実施につきましては、もちろんすべての住民の意見を取り入れることができるわけではないわけでございますけれども、できるだけ事業の早期の段階から住民の意見を反映できるような取り組み、こういうことについて今後も進めていきたい、このように考えております。
#182
○島袋宗康君 IT革命の推進についてこの中で述べておられますけれども、その中で、地理情報システム、GISの整備、普及の促進について触れておられますけれども、これはどのようなシステムでどのような目的に供されるのか、お尋ねいたします。
#183
○政府参考人(岩村敬君) 地理情報システム、GISでございますが、このシステムは、電子化された地図、それと人口とか資産などの位置に関するデータを組み合わせる、そういうことによりましてコンピューター上で情報の検索や処理、また解析を容易に行うことができるようにするシステムでございます。
 このシステムはどういうところで利用価値があるかと申しますと、一つは、行政分野におきましては、防災計画を策定する際に地理情報システムは非常に有効でございます。また、市民の生活分野におきましては、最近大変普及してきておりますが、カー・ナビゲーション・システムに代表される経路案内、道案内などでございます。また、ビジネス分野におきましては、出店計画の策定など、こういったいろんな目的に利用ができるわけでございます。
 具体的な整備の状況でございますが、国土地理院におきましては、このシステムの基盤となります電子地図、電子地図と申しますのは、数値で、コンピューターの中でデジタル化して記録されるわけでございますが、この電子地図が平成十三年度までに日本全国の整備が完了する予定でございます。こうなりますと、一般向けにインターネットで提供が行えるというふうになりまして、これによりまして地理情報システムの整備、普及に積極的に取り組んでいくことになるというふうに思っております。
#184
○島袋宗康君 環境問題への対応について述べておられる中で、きれいな水、豊かな水を目指して水循環系の健全化について触れておられます。また、調査研究等の推進の中で、世界規模の水危機への対応、水の有効利用方策の検討にも言及されておられます。
 我が国は、比較的水に恵まれた国でありますけれども、将来の水の需給関係については万全な状況であるのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
#185
○副大臣(泉信也君) 世界的に水の逼迫が問題になっておりまして、先ほどもこの委員会で話題に出ましたように、二〇〇三年には京都、琵琶湖を中心に世界的な取り組みをしております世界水フォーラムを開催しなければならないというような事態に至っておるわけです。
 ただ、我が国に関しまして申し上げますならば、これまで水資源開発を積極的に進めてきたということが一つバックにありまして、水の供給能力は比較的順調にふえてきた。一方で、一人当たりの水の需要と申しましょうか、水の消費量がかつてのような急激な伸びを示すことがなくなってきておるということがございまして、全国的に見ますと厳しい水不足の状況はないというふうに考えております。
 しかし、気象状況の変化、最近は少雨化傾向というようなこともございますし、地域によって偏在をするというようなことがございますので、それぞれの地域の状況をにらみながら、今後とも水利用の安定性の向上あるいは水資源の有効活用、水資源の開発、そうしたことを丹念に進めていく必要があると考えておるところでございます。
#186
○島袋宗康君 二〇〇三年に我が国では世界水フォーラムというふうなことを計画されているようでありますけれども、その対象国としてはどういう国々が参加する予定でありますか、その辺、もしわかりましたらお尋ねします。
#187
○副大臣(泉信也君) 二〇〇三年という時期でございますので、まだ正確な参加国は確定いたしておりません。
 ただ、国連でも取り上げられておりますように、大変大きなテーマでございますので、少なくとも世界各国から百カ国以上の関係者に御参加をいただけるのではないかというふうに考えております。
#188
○島袋宗康君 今の計画は世界的な問題になると思いますので、ぜひ我が国でこういった水の問題をどうするかというふうなことについて、真剣に議論していただきたいというふうに希望しておきます。
 それから、最後になりますけれども、都市基盤整備について述べておられます中で、空港、港湾と道路等の連携の強化による物流の高度化と交流の円滑化等に取り組むこととされております。
 我が沖縄県における物流の拠点空港としては那覇空港がありますが、これは航空自衛隊との共用空港である点など、不便をかこってしばしば困っている状況にあります。そこで、我が県ではかねてより、那覇空港滑走路の沖合展開など、その規模と機能の拡大強化が県民の強い世論となっております。政府に対しても県側から再三再四この空港の拡張問題について要請があるというふうに思いますけれども、大臣、これはどのようにお考えでしょうか。
#189
○国務大臣(扇千景君) 島袋先生から、いつも沖縄に対する熱い思いを委員会等々で伺っておりまして、私も胸を打たれる思いでございますし、何とか沖縄の皆さん方により快適な生活をしていただけるように我々も努力しなければいけないということをいつも啓発されておりまして、私もだんだん先生に洗脳されてきたなと思っておりますけれども、これはいいことだなと思って、沖縄への熱い思いが一緒に伝わってまいりまして、特に今、先生がおっしゃいました沖縄の那覇空港に関しましては、沖縄地域の振興にとりましては本当に重要な拠点になりつつあります。また、既に年間十一万回を超えて、また利用者は一千万人を超えるという数字になりました。また、国内の貨物の物流の取り扱いに関しましては、十五万五千トンという全国の第四位になっております。
 そういうことを一つ見ましても、沖縄における那覇空港の重要性、また、皆さん方の要望にこたえて、私も要望いただいておりますので、そういう意味では、こうした状況の中での那覇空港におきまする長期的な航空需要への対応の展開につきまして検討するために平成十一年度から所要の調査を既に実施しております。
 なおかつ、これは現状では自衛隊と調整を行いつつ、現行の三千メートルの滑走路で旅客、貨物ともに需要に対応できる沖縄の振興の観点や、あるいは離発着の回数も着実に増加しているということから、政府としましても、那覇空港への今後の展望について、これは重要に、そして重きを持って調査し、あるいは皆さん方の御要望にこたえるような計画の調査の結果が出るということを私たちは考えておりますし、お地元から、沖縄展開による平行滑走路の建設を早期に進めていただきたいという切なる御要望も私もいただいておりますので、できる限り早い時期に調査結果をいただいて私どもも結論を出していきたいと思っておりますので、前向きに検討させていただいている現在でございます。
#190
○島袋宗康君 沖縄県にとって、将来の振興策について空港の整備というのは大変重要な施策と思いますので、今、大臣おっしゃるように、前向きに検討されるというふうな御答弁でありますので、心強く、いいお土産ができたと思って安心しておりますので、ぜひ近い将来着工していただくように要望いたしまして終わります。
 ありがとうございました。
#191
○委員長(今泉昭君) 以上をもちまして、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管及び住宅金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#192
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#193
○委員長(今泉昭君) 次に、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び新産業都市建設促進法等を廃止する法律案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#194
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 交通事故の防止及び交通の円滑化を図るため、政府といたしましては、昭和三十六年に制定されました踏切道改良促進法に基づき、踏切道の立体交差化、構造改良あるいは踏切保安設備の整備を進めてきたところであります。本法に基づく踏切道の改良は、五カ年間に改良すべき踏切道を指定して行われるものでありますが、対象とすべき踏切道の数が膨大に上るため、昭和四十一年度以降、七度にわたって改正され、改良すべき踏切道を指定することができる期間が延長されてまいりました。
 このような措置により、踏切事故件数は逐年減少傾向を示しているものの、平成十一年度においても依然として四百六十五件の踏切事故及び二百九十二名の死傷者を生じており、引き続き強力に踏切事故防止対策を講じる必要があります。また、交通遮断量の著しく高い、いわゆるボトルネック踏切が全国に約一千カ所存在しており、その早期解決が緊急の課題となっているところであります。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、踏切道の改良措置を講ずる期間を平成十三年度以降さらに五年間延長することといたしております。
 第二に、地域の実情を反映した踏切道の改良を進めるために、都道府県知事が関係者の意見を聞いた上で、国土交通大臣に対して本法に基づく踏切道の指定をすべき旨の申し出を行える制度を創設することといたしております。
 第三に、踏切道の改良の円滑かつ確実な実施を促進するために、鉄道事業者と道路管理者が協議して、立体交差化計画または構造改良計画を作成するに際し、その協議が調わなかった場合の措置として、鉄道事業者または道路管理者からの申請に基づいて、国土交通大臣が裁定する制度を創設することといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同いただきますようよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
 新産業都市建設促進法等につきましては、昭和三十七年の全国総合開発計画で打ち出された拠点開発構想を具現化した法律であり、制定以来四十年近くを経過し、国土の均衡ある発展と国民経済の発達に相応の成果を上げてきたものの、この間の我が国をめぐる社会経済環境が大きく変化したことにより、近年その意義が失われつつあります。
 こうしたことから、平成十一年三月の第二次地方分権推進計画において、法律の廃止を含めた抜本的見直しを行うことが既に閣議決定されているところであります。
 また、平成十一年九月に国土審議会の意見を求めた結果、平成十二年十二月、内閣総理大臣に答申され、現行計画の終期である平成十二年度末をもって新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律を廃止するとともに、法律の廃止に伴う影響等諸問題に対する適切な配慮が必要であるとの意見をいただいたところでございます。
 この法律案は、このような閣議決定及び答申を踏まえ、上記三法を一括して廃止するとともに、法律の廃止に伴う激変緩和のための経過措置を講ずるものであります。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法及び新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律を廃止することといたしております。
 第二に、上記三法の廃止に伴う経過措置として、地方公共団体が平成十三年三月三十一日までに着手した事業について、地方債の発行及び利子補給並びに国庫補助負担率のかさ上げを今後五年間継続して実施すること、また、平成十三年三月三十一日までに設備を新増設した者について、地方公共団体が不動産取得税、固定資産税の不均一課税をした場合に、それに伴う減収額の一部を地方交付税により補てんすることといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#195
○委員長(今泉昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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