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2001/03/27 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第4号
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2001/03/27 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第4号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第4号
平成十三年三月二十七日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     藤井 俊男君
     筆坂 秀世君     大沢 辰美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                鈴木 政二君
                田村 公平君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                岩井 國臣君
                坂野 重信君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                山内 俊夫君
                脇  雅史君
                佐藤 雄平君
                藤井 俊男君
                前川 忠夫君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  高橋 一郎君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       今村 雅弘君
       国土交通大臣政
       務官       岩井 國臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      属  憲夫君
       総務大臣官房審
       議官       瀧野 欣彌君
       農林水産省農村
       振興局次長    佐藤  準君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      今井 康夫君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  板倉 英則君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○新産業都市建設促進法等を廃止する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○高齢者の居住の安定確保に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び新産業都市建設促進法等を廃止する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房審議官属憲夫君、総務大臣官房審議官瀧野欣彌君、農林水産省農村振興局次長佐藤準君、経済産業大臣官房地域経済産業審議官今井康夫君、国土交通省都市・地域整備局長板倉英則君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省鉄道局長安富正文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(今泉昭君) 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び新産業都市建設促進法等を廃止する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○中島啓雄君 おはようございます。自由民主党の中島啓雄でございます。
 きょうは、扇国土交通大臣初め皆様に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 最初に、踏切改良法の関係について質問をさせていただきます。
 踏切の改良法については、昭和三十六年に初めて制定をされまして、七回の改正を経て今回が八回目ということでございますから、最初から四十年たっているわけでございますが、その間に、踏切の数にして七万一千カ所というのが三万六千カ所になったとか、立体交差化が千八百カ所近くになっているとか、多大の成果を上げられてきたわけでございますけれども、特に注目すべきは、やっぱり踏切事故による死傷者の数というのが、昭和三十五年には四千三百六十六人であったのが平成十一年には二百九十二人ということで二十分の一近くになっているという、画期的な成果を上げられたということで、今までの御努力に感謝いたしますとともに、今回の五カ年計画でも扇大臣のリーダーシップのもとに精力的にお願いをいたしたいと思っておりますが、これからの五カ年計画の内容について、現段階でどのようなことを考えておられるのか。
 いわゆるボトルネック踏切を十年間に半減ということで、五百カ所ぐらい立体交差化するという御計画のようでございますけれども、過去二十年間に立体交差、大体千六百カ所ぐらいできておるので数字だけで見ると五年間で五百カ所というのはやや少ないのかなというような感じもしておりますけれども、その辺も含めて、今後の御計画について教えていただければありがたいと思います。
#6
○国務大臣(扇千景君) 今の日本の物流を考えますと、まさにこのボトルネックというのが大きな物流の障害になっていることは先生御指摘のとおりでございまして、中島先生が今おっしゃいましたように、今回は第七次の改革でございますけれども、大きく申し上げまして、この踏切の事故防止総合対策の改定にあわせましては、現在検討中ではございますけれども、私たちの目標といたしましては、現段階では、御存じのとおり、連続の立体交差の完成の延長を約百キロメートルに、そして独立の立体交差の完成箇所を約百六十カ所にしようというふうに考えております。
 そして、構造改良の完成箇所の約千二百カ所等々の計画をしておりますけれども、御存じのとおり、大体一万台の自動車が延べで五時間停車しているという、こういう計算になっておりまして、まことに私は今の二十一世紀型の物流のためには何としてもこれを改良しなければいけない、そう思っておりますけれども、このボトルネック、御存じのとおり、交通量が五万台以上というもの、私は一万台の自動車が五時間と申しましたけれども、五万台以上のものがほとんど閉鎖時には四十分以上とまっているわけでございまして、本当に時間のロスと経済ロスというものは大きなものがあると、私はこう認識しております。特に、これが大都市部の市街地に集中しているということも私は大きな問題になっていると思います。
 そして、このボトルネックの踏切解消のために立体交差の事業計画、この事業計画におきましても鉄道沿線路の住民の移転というのが、周りの方の御協力がなければできないことでございますので、これも含めまして関係者間の利害関係に最大の調整をしていきたいと。それでなければ、ただ踏切ではなくて両サイドの住民の皆さんの御協力がなければできないということで、私たちはお互いに話し合っていこうということを考えております。
 また、規模の大きな予算を確保する必要があること、あるいは狭い空間での施工を余儀なくされると。限られた時間でこれは作業をするわけでございますので、そういう意味では大変長期の、三倍ぐらいの時間がかかるんですね、最初につくるのではなくて。いらっしゃる方に立ち退いていただき、そして電車を通しながらということで、本当に時間がかかるんですけれども、しかしながらそれをなるべく早期にやっていきたいということで、今般は、皆さん方御承知のとおり、もう発表しましたけれども、千カ所の約半分でございますけれども、十年間で半分は全部改良してしまうということを目標にいたしております。
 そして、予算といたしましても、今回は大きな予算をつけさせていただきまして、特別に私たちは、昨年の事業中の六十三カ所、これ連続立体交差事業をしたんですけれども、平均の事業費は五百二十七億円かかっておりますけれども、この平均工期というのを、用地買収及び工事としましては約十四年かかっているものもあるんですけれども、これではいけないということで、少なくとも十年で半分は達成しようという目標を立てて頑張っておりますので、ぜひ二十一世紀型の物流のためにもこれを解消していきたい、また多くの皆さんが時間と経済ロスというものをなくしていただくために最大限の努力をしたいと思っております。
#7
○中島啓雄君 ありがとうございました。大臣のリーダーシップのもとにぜひ精力的にお願いをいたしたいと思います。
 ところで、踏切事故というのは絶滅しようと思えば絶滅できるわけですね。要は、踏切をなくしてしまえばいいわけでありまして、といっても全部立体交差化なり統廃合をするというのは現実的には財源の制約等もございますので、立体交差化に加えて構造改良とか保安設備の整備というものがあって、いわゆる無防備踏切といいますか、保安設備が何もなかった踏切というのは激減をしておりますけれども。
 実は、道路法の三十一条を見ますと、道路と鉄道、この場合は国道でございますけれども、国道と鉄道が交差する場合には、やむを得ない場合を除いては立体交差としなければならないというのが本則になっておるわけでございまして、この辺の姿勢については今後とも変わりないということだろうと思いますが、その辺について大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
#8
○国務大臣(扇千景君) 今、中島先生がおっしゃいましたように、道路法の第三十一条、これによりますと、御存じのとおり、道路の交通量または鉄道の運転回数が少ない場合、地形上やむを得ない場合、工事による費用がこれによる利益を著しく超える場合など一定の場合を除くほかは立体交差とすることと、こう明記してございますので、私どもそれに従ってなるべくそれを推進していこうというふうに努力はしておりますけれども、少なくとも、踏切事故を完全に防止するためには、まあ今、先生はすべての踏切をやめちゃえばいいという御冗談もおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりだと思いますけれども、私たちは立体交差をすることが理想ではございますけれども、財政面あるいはいろんなこと、多額の費用、先ほども私申しました、一カ所で大体平均五百二十七億円と申しましたけれども、その費用等々を考えまして、仮に三万個を超える踏切を短時間にすべて立体交差化するということは現実的には極めて困難だということは先生にも御理解賜れることだろうと思っております。
 けれども、その中でも立体交差化が少なくとも本筋との姿勢に変わりはありませんので、私たちは立体交差につきましては重点的には危険度の高い踏切からまず手をつけていく、それが交通事故をなくす一番大きなことであろうと思いますので、この危険度の高い踏切道というのを全部調査いたしまして、列車の回数が多くてかつ自動車交通量が多い踏切というふうに規定いたしましてそこを重点的にやっていきたいと、そのように努力しておるところでございます。
#9
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 次に、構造改良について若干お尋ねをいたしたいと思いますが、平成八年に、当時の建設省だと思いますが、踏切道の拡幅に係る指針というのを出されまして、その指針によりますと、当面、以下のものに限定をしてやるというようなことで、踏切道に歩道がないかまたは歩道が狭小な場合の歩道整備、それから標準幅員で二車線までの道路拡幅、それから立体交差化の工事施行協定が結ばれている場合の一時的な道路拡幅というようなことに拡幅というのは限定をするんだというふうに言われております。
 といいますのは、例えば二車線までの拡幅というのはある意味で当然かと思いますけれども、四車線にするような場合には当然立体交差化なんだろうと思いますが、この辺のお考えに変わりはないのかどうかということ。
 それからもう一つ、細かい指針の中で道路の幅と踏切の幅は原則的には同じ幅だというような指針がございますけれども、現実問題、例えば駅に隣接した踏切のような場合は歩行者が非常に多くて、踏切が上がりますと歩行者がどっと来る、自動車もどっと来る、そうしますと歩行者は自動車に追い出されて線路の砂利を歩いているというようなケースも多々あるわけでありまして、歩道の設置というようなことについては必ずしも道路の幅にこだわらずに弾力的に措置をしていただけるのではないかと思っておりますが、その辺も含めて教えていただければと思います。
#10
○政府参考人(大石久和君) 踏切道の拡幅についてお尋ねでございます。
 踏切道の拡幅につきましては、一日当たりの踏切交通遮断量が二千台時以上であり、かつ踏切道における車道幅員と踏切道に接続する道路の車道幅員の差が一メーター以上のもの、あるいは鉄道と道路の交差角が四十度未満のものなど、及び構造の改良により事故の防止に著しく効果のあるものという基準で省令で定めておりまして、これに基づきまして国土交通大臣が指定していくということになってございます。
 なお、平成八年に、今、先生お尋ねの踏切道の拡幅に係る指針では、踏切道に歩道がないかまたは歩道が狭小な場合の歩道整備、二車線までの道路拡幅、立体交差化の工事施行協定が結ばれている場合の一時的な道路拡幅について、近隣の踏切道を統廃合しない場合でも拡幅が進められるよう措置したところでございます。
 このうち、御指摘のように歩道がないかまたは歩道が狭小な場合の歩道整備につきましては、その緊急性にかんがみ、近隣の踏切道の統廃合とは一切関係なく踏切の拡幅が進められるように措置しようとしているところでございまして、このような措置を通じまして円滑に踏切道の拡幅ができるよう進めていきたいと思っております。
 また、今般の法改正に合わせまして、歩道がないかまたは歩道が狭小な場合の歩道整備につきましては、その緊急性にかんがみ指定の対象となるよう指定基準、これは省令でございますが、を見直すことといたしております。
#11
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、立体交差の指定基準等についてお伺いをいたしますが、踏切道の立体交差その他については構造に関する省令というのがありまして、立体交差について申しますと平成十二年度末における一日当たりの踏切交通遮断量が一万台時以上になると認められるものというような定めになっております。
 ところで、今回の五カ年計画の一つの考え方として、いわゆるボトルネック踏切ということで、これはピーク時四十分以上遮断もしくは五万台時ということですね。一見するとちょっと本来の指定基準より大分上回っているような感じもいたしますわけでございますが、これは現実問題、いろいろ都市側としては駅の両側がふさがれては困るので早く立体交差化をしてもらいたいとか、あるいは場所によってはいわゆる車両の入れかえ等で長時間ふさがれてしまうとかそういうケース、あるいは歩行者が多い場合の拡幅のケースとか、いろいろなケースがございますので、この指定基準と、今回いわゆる五万台時、四十分ということの関係でございますけれども、指定基準そのものを今後変えられていくのかどうか。
 それから、現実問題として、ボトルネックという定義がございましたけれども、地方事情によってはこの辺は弾力的に取り扱っていただきたいという面も多々あるのではないかと思いますので、その辺のお考え方を聞かせていただければと思います。
#12
○政府参考人(大石久和君) 今お尋ねがございました踏切道改良促進法第三条第一項の規定により、立体交差化を実施すべきものとして国土交通大臣が指定を行う踏切道は、省令におきまして一日当たりの交通遮断量が一万台時以上のものあるいは一般国道であるもの等を対象といたしておりますが、これらに該当いたします踏切は全国に踏切三万三千ほどある中で三千八百カ所も存在いたしております。
 現段階では、まずこの指定基準に該当するものの中から早急に改良していくということが必要なのではないかと考えてございます。この省令に基づく基準における対象箇所数、十分な母集団があるというように考えてございますが、今回の当該指定基準に該当するものの中で、踏切道改良促進法の改正により導入することといたしました都道府県知事の申し出制度によりまして、国土交通大臣の指定が地域の実情を反映できるよう弾力的に運営していくようにしていきたいと考えております。
#13
○中島啓雄君 ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、今回新設されました申し出制度あるいは裁定ということについてお尋ねをしたいと思いますが、申し出については、都道府県知事が改良することが必要と認められる場合には、その踏切道について指定すべき旨を国土交通大臣に申し出ることができると。それから、鉄道事業者と道路管理者等との協議が成立しないときは裁定を申し出ることができる、こういうことで鉄道事業者あるいは地元の意見を聞きながら地元の発案によって申し出ができると。それによって協議が促進され、かつ踏切改良も促進されるという効果があるんだと思いますが、その辺の効果についてどういうふうに考えておられるのか。
 現実問題、鉄道事業者なり地元との協議ということについても今いろいろな協議の機関を拡充すると、調整連絡会議であるとかあるいは総合整備計画調査というようなことで拡充をされるというふうに聞いておりますけれども、従来とかく都市側と鉄道側との連絡が必ずしもしっくりいっていなくて、都市側としては先に都市計画で道路の方は拡幅してしまった、踏切は狭いままであるというようなことで取り残されているというようなケースもございますので、今後の運用としてやはりこういう協議の場というのをぜひ拡充していただいて、それぞれ協議の上でうまく踏切の改良が促進できるようにということを考えていただきたいと思いますが、申し出、裁定による効果をどう考えておられるのか、今後の協議の仕方等についてどう考えておられるのか、その辺を伺いたいと思います。
#14
○政府参考人(安富正文君) 先生から今御指摘ございましたように、本法案で都道府県知事の申し出制度、それから大臣による裁定制度というものを創設することにしております。
 これは、従来は地域の実情を直接取り入れたり、あるいは鉄道事業者と道路管理者の調整を行うという制度がなかったために、どちらかといいますと鉄道事業者と道路管理者間である程度調整が整ったものを中心に改良の指定をしていくというようなことになってきたんじゃないかと思います。
 今般、このような申し出制度を設けることによりまして、より地域の実情に即して緊急に改良を必要とする踏切道の指定が可能となるというふうに考えております。さらには、道路行政、鉄道行政の双方を所管する国土交通大臣が裁定するという制度を設けることによりまして、改良計画の作成というものが円滑に行われるという効果があるというふうに考えております。これによりまして、地域の実情に即した踏切道の改良がより円滑に推進されるというふうに我々としても期待しているところでございます。
 それから、もう一つ先生の方から御指摘ございました地域における踏切道の調整連絡会議、いわゆる協議をする組織でございますが、これは従来地方の部局単位で設置されておりましたけれども、これをより緊密に行うということで県単位で設置しまして、これには当然鉄道事業者を加えまして、さらには都道府県それから都道府県の公安委員会等も加えた形で、より地域に密着した関係者間の調整の円滑化が図られるようにしていきたい。そのために、例えば都市計画道路等についても事前に鉄道事業者にも十分情報が入るような仕組みにしていきたいというふうに考えております。
#15
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 次に、財源負担の問題について若干お尋ねをしたいと思います。
 踏切道改良のための財源負担のルールとしてはいわゆる運建協定というようなことで基本的には定められておるわけでございますけれども、例えば立体交差化についていいますと、都市地域によって五%ないし一四%の負担だと。平均すれば約一割ぐらいの負担ということでありますから、それだけ見ますと鉄道側の負担が少ないように見えますけれども、先ほど大臣がおっしゃったように、一カ所五百億とか高いものは千億以上かかるようなケースもございますから、そうなると一割といってもかなりの金額であるということになりますので、その辺の鉄道側の負担というものがかなり重いということで、今後、例えば今複線の区間を複々線にする、そして連続立体交差にするというようなプロジェクトの場合、例えば中央線の三鷹―立川間あるいは三鷹―八王子間というようなところは今複線の立体交差化が計画されておるわけですが、交通需要から見れば当然複々線の立体交差にすべきであろうと。
 ところが、複々線の増設部分については全部鉄道事業者がかぶるということになりますので、その辺については今度鉄道側ではいわゆる上下分離というような仕掛けも導入されましたけれども、そういった仕掛けを応用していただいて、ぜひ踏切の立交化についても考えていただきたい。同様なことはローカル線の踏切の拡充についても言えるわけでございますので、その辺の問題について今後前向きに取り組んでいただきたいということで、御見解を伺わせていただければと思います。
#16
○副大臣(泉信也君) 今、先生お尋ねの線増事業と連続立体交差事業が同時に進んでおるような場合についてはこれから我々も検討すべき余地が残されておる、このように考えるわけですが、おくれて線増事業が来るというような場合は、線増事業そのものはいわゆる鉄道事業者が需要をどう賄うかという考え方で必要な線増事業を行うわけですから、このことと連続立体交差事業とは区別して議論をすべきではないか、私どもはそう整理をさせていただいておるわけです。
 複々線化等の線増事業につきましては、いわゆる鉄道事業者側の投資判断によるところが大きいわけですから、御承知のように特定都市鉄道整備積立金制度、特特制度というもの、あるいは鉄建公団の民鉄線制度、いわゆるP線の制度等によって支援を図っておるわけでございます。
 鉄道事業者が線増事業をする場合にはこうした制度を活用していただく以外に現在のところ特段の手当てをするということは、制度として整っておりませんが、先生御指摘の線増事業と立体交差事業を共同でしていくというようなケースが出てまいりました場合には、財政が大変厳しい事情でございますので、今直ちにこういう方法があるということは申し上げかねますが、鉄道事業者の御意向も踏まえながら、財政支援が可能かどうか今後検討させていただきたいと思います。
#17
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 同時施行の場合とおくれて施行の場合で、おくれた場合はこれは鉄道事業者の発案なんだからというような御趣旨でございましたけれども、これはやっぱり社会資本の整備あるいは都市の通勤を快適化するという意味で、必ずしも鉄道事業者として採算に合わなくてもやっぱり社会的なニーズとしてやらざるを得ないという面もございますので、その辺については今後ぜひ前向きに御検討をお願いしたいと要望をいたしておきます。
 それから、総務省と農水省にお尋ねをいたしますが、同じような財源負担の問題で、地方自治体の負担については、県の場合は九割程度が起債が認められるというようなことで比較的スムーズなんですが、市町村の負担になるとなかなか財源負担のルールが不明確で、とかく市町村の負担の仕方で協議がおくれるとか、あるいは実際に着工したけれどもなかなか鉄道事業者が思ったとおり財源がもらえないというようなケースも出ておりますので、その辺について今後どう措置されるか。
 それから、農水省の方には、いわゆる農道が宅地転用等々で現実には商業施設ができたり、それで交通量がふえるというようなことがございますけれども、それに伴って踏切改良が必要だというときの負担方式が必ずしも明確でないというようなこともございますので、今後前向きの考え方をしていただきたいと思うんですが、お考えを聞かせていただければと。簡単で結構でございます。
#18
○政府参考人(瀧野欣彌君) 踏切道の整備につきましての地方団体の負担に対する財政措置についてのお尋ねでございます。
 このことにつきましては、基本的には道路事業なりあるいは都市計画事業としての財源スキームが既にございますので、この財源スキームにのっとって対応していくという考え方に立ってございます。具体的には、都道府県事業につきましては、単位費用による交付税措置とあわせまして、地方財源の不足に対処するために発行いたします財源対策債を充当し、その元利償還金に対して交付税措置を行うということでございます。
 それから、ただいま御指摘ございました市町村事業でございますが、道路事業の場合は都道府県と同じような措置で対応するということでございます。都市計画事業につきましては、市町村の独自の財源として都市計画税がございますものでございますから、この部分を勘案いたしました上で財源対策債の充当を行わざるを得ない。そのために若干充当率が低くならざるを得ないということでございまして、この点については制度上やむを得ないのかなというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、事業の実施に今後とも支障がないよう、地方財政に対する措置につきまして適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#19
○政府参考人(佐藤準君) 農道についてのお尋ねでございます。
 農道事業そのものはすべてが補助事業でございまして、そういう意味では農道そのものは道路法上の道路ではございませんけれども、いわゆる新設、建設する場合には、先ほど先生おっしゃられました運建協定というようなものに準じて協議をさせていただいて、それにのっとって事業実施を行っていくというような状況でございます。これについては特段支障があるというような話も聞いておりません。
 ただ、先ほど先生おっしゃいましたように、いわゆる農道ができ上がった後、周辺が開発されて、そしていわゆる農道機能ではないような形になってきている、よっていろんな改良工事が必要になるというようなお話かと思います。
 農道事業の場合ですと、でき上がりますとそれぞれが市町村または県というような形の管理になっておりまして、いわゆる周辺の開発等が行われますと市町村道に改めて道路法の道路に認定をするとか、そういうような措置がされていると思っております。その中で、やはり道路の管理者と鉄道事業者の方々が協議をしていただくというようなことかと思っております。
#20
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひ前向きにお願いをいたしたいと思います。
 次に、警察庁にお尋ねをいたしますが、踏切の一たん停止の問題なのでございますが、道路交通法上は、車両は踏切の手前で一たん停止をして安全を確認して渡らねばならないと、こういうことになっておるんですが、どうも、これは衆議院の原田義昭先生の御提案というか御調査なのでございますが、一たん停止義務があるのは日本と韓国ぐらいだと。韓国も、どうも日本のまねをしてできたというので余り根拠がないらしいと。欧米各国では一たん停止義務というのはほとんどないと。一たん停止を廃止することによる効果の方がよほど環境、エネルギー問題、あるいは交通混雑の回避という面でもいいのではないかと。踏切保安設備がこれだけ進歩しているときに、踏切保安設備が危ないからという理由で一たん停止義務をいつまでもやるというのはいかがなものかと。
 こういうことでございまして、原田先生の試算によると、年間で二百万キロリットルから三百万キロリットルぐらいの燃料が節約できるのではないかと。一リッター百円といたしますと、実に二千億から三千億円の節約ができるというような試算もございますので、今、交通信号機というような設備もございますけれども、一たん停止の廃止についてはぜひ前向きに御検討をいただきたいと思うのでございますが、御検討状況などを聞かせていただければと思います。
#21
○政府参考人(属憲夫君) 踏切における交通事故は、減少傾向にはありますけれども平成十二年中は百二十八件発生しておりまして、そのうち死亡事故が五十四件に上るなど、一般の交通事故に比べまして致死率が極めて高いという特徴がございます。
 中でも、安全確認を十分に行わずに漫然と踏切に進入したことによる事故が多数発生をしているところでありまして、これらの事故の状況を勘案しながら、議員御指摘の点につきまして、踏切保安施設や踏切信号機等の踏切関連インフラの整備状況、国民の意識等を踏まえて、関係省庁とも連携し、引き続き検討させていただきたいというふうに考えております。
#22
○中島啓雄君 ぜひぜひ前向きにお願いをいたしたいと思います。
 それじゃ最後に、新産都市関係について一つお尋ねをいたしますが、新産業都市・工業整備特別地域制度というのは、それなりに三十年代から活発に行われて大変な効果を上げてきたと思うんですが、時代の趨勢もあって重厚長大の時代は去ったと、こういうことなんだろうと思います。
 これは、廃止するのはやむを得ないと思いますけれども、今後の地域振興という意味ではやっぱりそれなりの対策を考えていく必要があるんだろうと。国土の均衡ある発展というのが一つの旗印でございましたわけですけれども、均衡ある発展というのは何か金太郎あめのように同じようなセットができる、こういうことではないと思うので、今後ソフト化、サービス化の時代、あるいは知識化の時代に沿って、環境とか自然とか文化とか伝統とか、そういったことを生かしながら特色ある地域開発が必要ではないかと思いますが、今後の地域振興策についてお聞かせをいただければと思います。
#23
○国務大臣(扇千景君) 今、中島委員がおっしゃったとおりでございまして、これを廃止すればあとどうなるかということも、たとえなくなっても私は地域産業の振興というものの重要性を考えましたときに、それにかわる、あるいはそれよりももっと重きを置いた政策を実行しなければならない、そう思っております。
 そのために、私はやはり日本全土、広域ブロックの考え方をしなければならない。それと、特に国土交通省になりまして、先ほども局長からお話ございましたけれども、今までは運輸省だからできた、建設省だからできた、これを一体化することによって初めて国土交通省がああ行政改革の実が上がったなと言っていただけると。その広域ブロックで各物流の拠点でありますとかあるいは情報の基盤、そして拠点空港とか、そして港湾との連結をいかに大事にしていくかということのために私は全国を今回っております。
 回っておりますスケジュール等々もございますけれども、土日しか私回れないものでございますから、二月二十四日をスタートにいたしまして、二十四日が中国地方、二十五日が四国地方、三月二十四日が北陸地方等々、四月二十一日までかけまして全国を回っておりますけれども、回って何をしているかというのは、ちょっと資料を見せていいですか、委員長。
#24
○委員長(今泉昭君) どうぞ。いいですよ。
#25
○国務大臣(扇千景君) こういうことでございまして、(資料を示す)行くところ行くところで全部の公共事業の明示、そして何年何月にこれを完成さすというのを全部明示してございます。そして、これをかぶせますと、十年後はこうなるという赤線ができるわけでございます。
 これを全国つくっておりまして、東北とかあらゆるところで、これをもし御参考に供してよろしければ、許可があれば回させていただきますけれども、これを全部公表いたしますと、一番地図を見ますと、今までは運輸と建設に分かれていたけれども、こんな道路の通じていないところになぜ港が先にできているんだろうとか、いろいろ疑問が出てくるわけですね。この近々に飛行場が果たしてどういう役割を果たすのか、役割分担はどうなのか、そういうことも私は大きな国民の皆さんと一緒に考える材料になるということで、これ全部公表して歩いております。
 そして、これを皆さん方とともに御検討いただき、各地方の議会の皆さんとも御検討いただき、知事さんにも明示してございますので、こういうのを全部集めて各ブロックごとで県と県の県域を越えてお互いにどうしようと、そういうことで国土交通省としては補助金の三割を地方の整備局にも行くわけですから、許認可を地方に移すだけではなくて、予算も一緒につけて、車の両輪として地方分権の緒にしていきたい、そういう思いで国土交通省の新たな歩みというものを、今私は、中島先生じゃないですけれども、レール敷きに行っておりまして、レールを敷いておりまして、そういうことのスタートをしておりますので、もしも委員長の許可があれば巡回させていただいて、ごらんに供したいと思います。そういうことでのグランドデザインをさせていただいておりますので、ぜひ今後もあらゆる面で御協力を賜りたいと思います。
#26
○委員長(今泉昭君) 結構です。どうぞ。
#27
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひ馬力あふれる大臣のリーダーシップでよろしくお願いいたします。
 終わります。
#28
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 きょうの委員会でございますけれども、この踏切道改良促進法の一部を改正する法律案、五年の時限立法と、今最後にちょっと質疑がなされたんですが、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案。私は、この二本の案件を一括議題ということを見まして、一つは時限立法で五年延長する、そして踏切の関係、もう一つはもう今回で廃止をするんだと、全然異質なものをどうやって一括して審議するんだろうなと一生懸命考えていたんです。中島先生、どういう質問をされるだろうと聞いておりましたら、最後の五分間で新産業都市建設促進法の廃止をする法律案を議論なされたわけでございますが。
 これはちょっと私、与党の理事の先生にお願いしたいと思うんです。こういうものは、できれば分けて、例えば一部と二部に分けて、全然性格が違いますので、別々の時間帯で審議をするとか、そういうことをしていただかないと、どうも見ておりますと、衆議院でも一括して審議をしたから参議院でも一括してやればいいじゃないかというような雰囲気だったんじゃないかなというような理事会のにおいがするものですから。そうしますと、ますます私は、一つ間違いますと、衆議院のやったとおりやればいいのかと。そうなってきますと、ますます参議院の無用論とか不要論なんかが出てきたら困りますので、できましたら、ますます参議院は参議院の独自性を発揮する、そういう審議にしていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 せっかく大臣も、この間提案理由を説明されまして、いずれも慎重審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げますというような決意を申されておりますので、まず大臣にこのような審議の持ち方についての御所見をちょっとお伺いしたいなと思います。
#29
○国務大臣(扇千景君) 法案の審議のあり方は、国会の皆さん方で、理事会等々で御論議あることでございますから、私が口を挟むことではないと思っておりますけれども、私は、慎重審議と申しますのはただ時間が長ければいいということではなくて、短時間でも、一番緊急を要することであれば、既に日常生活で皆さん方が踏切等々はもう実態に感じていらっしゃることでございますので、そういう要点を、もう何年もたっておりますので、要点を整理して、そして皆さん方にお知恵をいただいて、こういうことをすればもっとスピードアップできるぞというような御論議を賜ればありがたいので、あとの審議の方法は委員長以下皆さん方にお任せしておきたいと思います。
#30
○山下八洲夫君 このことでもうこれ以上議論はいたしません、貴重な時間でございますので。
 私は、踏切道の改良促進法、これに限って質問させていただきまして、同僚議員の前川先生に新産都市の方は議論をしていただくというふうにして進めたいと思っている次第でございます。
 そういう中で、今回、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案、これにつきましては、一つは指定期間を五年間延長する、もう一つは申し出制度を創設する、もう一点は裁定制度を導入する、この三つが大きな改正案であるわけでございます。
 そして、この踏切道の改良に関する課題、一つが、緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施、特に都市部におけるボトルネック踏切、約千カ所を十年間で半減さす、もう一つは、鉄道の高速化等にも対応した踏切事故の防止対策の強化及び歩行者等の安全、円滑な交通の確保、三つ目に、地域の実情を反映し、町づくりと一体となった立体交差化、構造改良等の推進、これが今回の法改正のすべてと言ってもいいぐらいの内容だと思うわけでございます。
 それで、ボトルネック踏切の基準は、間違ってなければ、国土交通省令で定める基準に該当する踏切道で、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、ピーク時遮断時間が四十分以上、それから踏切交通遮断量五万台以上というんですかね、それで重複を除いて全国千カ所、それから東京で三百六十カ所、このようになっているわけでございますが、大臣にお尋ねしたいんですけれども、このボトルネック踏切、なぜこのようなボトルネック踏切ができたのか、そのことが一つ。これと、ちょっと似ているんですけれども、ボトルネック橋、ボトルネックの橋はないのか、もしあったとすればなぜこのような状況になってしまったのか、これについてお尋ねしたいと思います。
#31
○国務大臣(扇千景君) なぜボトルネックになったのかとおっしゃいましたけれども、これは今日までの戦後の日本の経済状況を考えますときに、私どもは、本当におかげさまでと言うべきであろうと思いますけれども、自動車の台数がもう世界じゅうで猛スピードで我々は車を持つ時代になりました。そのために、車の台数の割合に比べまして、昔から日本の道路が狭い、そして集中してきたということで、生活向上のために車を持ったことと、そして道路の狭窄時代、これが今も全部変わっておりませんで、本来であれば、御存じのとおり、先生も一番最初にできた名古屋の百メートル道路というのを御存じだと思いますけれども、あのように終戦の後、都市整備というものが完全にできておれば今のようなことはもっと少なくて済んだだろうと思いますけれども、私は少なくとも経済の成長と国民生活の向上というものが相まって現在のようなことになってきたというのはやむを得ないことであろうと思いますので、これは私だけではなくて、各都市の整備ということも含め、また個人の生活向上のために車を持つという現在の、言ってみれば二十世紀病といいますかあるいは二十一世紀病になりつつある現象の一つであろう、こう思っております。
 また私は、そういう意味では、一貫して車だけが増加し続けてきたという、そしてまた一定の時期に過度に通行量が集中するという、通勤、通行もございますけれども、そういう意味での車の集中度、それから大都市に向けての交通が私は完全に一貫してできていなかったと。私いつも申し上げるんですけれども、ネットワークの悪さ、そのためにわざわざ必要のない車も大都市を通過してからでないと地方に行けないというこの交通網のネットワークの悪さというもの、また計画は出ているんだけれども実行がまだできていなくてネックがある、こういうことがすべて私は原因の一つであろうと思っております。
#32
○山下八洲夫君 今の大臣の御答弁で、私はそれを全然否定するつもりはありません。そのような現象だろうと私も率直に思います。
 だが、やはり全国で約千カ所、そのうち東京で異常にも三百六十カ所、これを東京圏と申しますか、もう少し広げますと、多分、私も正確な数字はわかりませんが、五〇%ぐらい行ってしまうんじゃないかな、半分ぐらい行ってしまうんではないかなという気がいたしております。これは数字は私は正確かどうかわかりません。
 そして、東京の面積を見ますと二千百二平方キロメートルなんですね。それで、多分最近人口は一千二、三百万だと思います。昼間人口になればまだそれから二、三百万は少なくともふえているだろうと私は思うんです、東京は。それぐらいな過密になっている。私の住んでおります岐阜県はどれだけの県の面積があるかと申しますと、一万二百九平方キロメートルです。東京都の五倍ぐらいあるんです。その上、人口は二百五万です。それを見ますと随分まだたっぷりゆとりがあるんですね。
 このようなボトルネックの踏切ができたり、交通混雑したりいろいろとしますのは、私は、一つは、前回の委員会でもちょっと触れたわけでございますが、東京都がもう爛熟し切っている、成熟じゃありませんよ、爛熟ですよ、し切っているというところに一つは原因があるんではないかなと。その方面からも、もう一度この東京一極と申しますか、大都市一極的なものを、それこそ先ほどの御答弁にもあったように、全国にやっぱり平均的になるような施策も思い切ってしないといけないだろうなと思うんです。
 それで、ふっと思い出したんですけれども、大平総理が田園都市構想というのを打ち出されたんですね、総理になられるときだったと思いますけれども。そのとき、たしか記憶では二十万都市を全国五百カ所つくる、大体人口一億ということだったんだろうと思います。そういうことはやっぱり全国的にきちっとやっていこうという発想ではないかな、考え方はすばらしいことだなと。一極集中を排除するわけですからすばらしいことだなと思うんですが、そういう角度から検討の余地というのは大臣にはございませんでしょうか。
#33
○国務大臣(扇千景君) 今、山下先生がおっしゃいましたように、確かにボトルネックの踏切、全国で約一千カ所ございます。総トータルでは三万八千カ所という踏切がございますけれども、おっしゃるとおり、東京が三百六十カ所、そして大阪が二百カ所、その他の大都市が約三百二十カ所、三大都市の集計では八百八十カ所というふうになっておりますので、数字としてはこういう数字が出ておりますけれども、私は、少なくとも近代化ということを考えますと、今まで欧米先進国に追いつけ追い越せというこの戦後の二十世紀の日本の経済なりあるいは国民の活力なりが、私はそこへ持ってきたと思うんですね。
 ですから、少しでも欧米先進国に追いつこう追い越そうということで、なるべく皆さん方の利便性と、そして今、先生が御指摘になりましたようなこういう交通網が重点的に集中してきたと、それは欧米先進国からの他企業、外国の企業等々も集中して利便性を図ってきたと。そして、戦後の成長とともに、政治と経済と産業とあらゆるものを一極で集中して処理しなければ欧米先進国についていけないというような時代の趨勢というものがあったからこそ私は今日があると。
 そして、私が外国の皆さんに聞きましても、いやもうそれは経済と政治は昔は別だと言っていたけれども、今の世の中、政治と経済と、しかも産業構造等々も一体でなければとても追いつかないと、スピードがあって追いつかないという話を私は欧米人に伺います。
 そのように私どもは、今の二十世紀、特にスピード時代になりまして、何としても、一極集中を批判されますけれども、そのおかげで情報処理も早くできて、しかも欧米先進国の皆さんが日本に来てくれたと。少なくともまだ、証券化も世界に伍して、私たちは時間も二十四時間証券を開くということも、これは世界に伍していくための大きな私は役割であろうと思います。
 そういう意味では、まだまだ社会資本整備も世界水準に達していないというのが日本の現状で、ただ追いつけ追いつけ、物をつくろう、そして生産しよう、売ろうというこの二十世紀型が現在の姿であることは確かでございますけれども、皆さんが、今、先生がおっしゃいますように、すばらしい岐阜の状況もおっしゃいましたけれども、そういうのは、働くときは月曜日から金曜日まで働いて、そして週末は私がいつも言いますフランスのように、あるいはマンハッタンのように、郊外のゆとりのあるところにおうちを持って、金曜日の夜からは必ず実家へ帰ると、そして働くところはこれはもう仮の宿だというふうな生活をしなければいけないというので、セカンドハウスの税制もお願いしようというようなことになったのがいきさつだと思います。
#34
○山下八洲夫君 最後のあたりで二十一世紀の夢を語っていただきましたけれども、そのようになれば本当に幸せだなと思いますけれども、現実に岐阜県で職を探そうと思いましても大変な作業でございますので、そのことは忘れないでいただきたいと思います。
 また同時に、反論するわけじゃございませんが、政治と経済、それは一緒の方が利便性からいえば確かにあろうかと思います。だが、アメリカにいたしましてもドイツにいたしましてもオーストラリアにいたしましても、ブラジルもそうかな、あちこち政治と経済はもう別なんですね。
 そういうよさもあるんですから、いずれにいたしましても、もうこれ以上大臣にこの問題についてお尋ねしませんけれども、やはり一極集中はもう少しは、せめて例えば東京都を将来八百万都市ぐらいにするんだとか、あるいは七百万都市ぐらいにするんだとか、そういうものを立てまして、それ以上はもうふやさないというような施策というのは必要ではないかなとあえて思うから申し上げている次第でございます。
 話題を変えさせていただきます。これは副大臣にお尋ねさせていただきたいと思いますが、今回のこの法律案ですけれども、先ほどもちょっと中島先生が触れられていましたけれども、昭和三十六年の第三十九国会で制定されまして、そして四十一年以降五年ごとに七回、もう四十年、結局時限立法で改正改正で来ているんですね。
 私は、なぜ五年の時限立法にしないといけないのかなと思うんです。今回のこの施策につきましても、十年で千カ所のボトルネック踏切を半減しますと、一方の政策は十年なんですね。法律は五年なんですよ、あと五年足りないじゃないですか。また五年たったら今から改正してくださいよというようなことじゃないかなと思うんです。
 それと同時に、もう四十年間も続いてきたんです。四十年間というのは時限立法じゃないですね、実際。恒久立法と言ってもいいと思うんですよ。だから、恒久立法にしておくことが正しかったと思うんですけれども、そうはいかないでしょうから、せめて政策に合わせた十年にすべきだと思いますけれども、なぜ五年にしたのか、その理由をお示しいただきたいと思います。
#35
○副大臣(泉信也君) 先生お話しのように、場合によっては十年という物の考え方もあっておかしくないかもしれません。先ほどの質疑の中でお答えを大臣からいたしましたように、ただ、この踏切の改良については莫大なお金が要るという現実が一つございまして、連続立体交差一カ所でも平均五百億ぐらいのお金が要るという大きな予算を伴うわけであります。
 したがって、余り長期の計画をつくりましても、果たしてそれだけの予算がきちんと手当てができるか、効率的にまた機能的にその事業計画が実施されておるかということはある程度検証していかなければならない、こういう観点から、一応もろもろのいわゆる社会資本整備にかかわるようなものが五カ年計画というふうに決められておりますので、考え方としては、一応ひとつこの法律も五年ごとに切っていこうというふうに整理がなされております。
 また、もう一つ申し上げますと、つい先日つくられました交通安全基本計画、あるいはこれに基づきます踏切事故防止総合対策というようなものも五年ずつに区切られた計画になっておりまして、いずれも平成十三年度を初年度とするという計画になっておるわけです。
 ですから、この踏切に関してだけ特別十年というふうにやることについては、先ほど申し上げましたような事業効果を検証していくという意味、それからまたほかの関連した計画との整合性をとるという意味で五年ごとに区切らせて実施をさせていただいておるわけでございます。
#36
○山下八洲夫君 だけれども、この今回提案されております法律は五年の延長、政策は十年でやりますと、一つも法律と政策が整合性がないんですね。
 同時に、国土交通省というふうに大きな、逆に言えば巨大官庁になったんです。そうしますと、だからこの国土交通委員会も、大臣も御存じのように本当に法律案が多いんですよ、たくさん。次々、たくさんあるんですね。そういうこともこれあり、いろいろと考えれば、もう少し、優秀な皆さん方がそろっていらっしゃるんですから、政策と法律と整合性があるようにするとか、あるいは基本法が五年であればそちらを今度十年にして合わすとか、少しは。確かに、仕事はスピードアップして早くしないといけないんです。それはそのとおりなんです。だけれども、やはり政策とそして法律は一致をさせて、時限立法なら時限立法でもいいんですよ。五年でもいいんです。そのかわり五年たったらもう再延長しないぞと、それぐらいの決意で中身もやっているんならあえて申し上げないんですが、そういうことで私は申し上げているんです。
 それから、あわせて申し上げたいと思うんですが、重複するところはもう質問は省かせていただきたいと思うんですが、そうしますと、この法案は五年ですけれども、法律は五年ですけれども、十年でそのうちの半分をやろうとなさっていらっしゃるんですから、この十年間のうち半分はどういう順序立てで、どのように今後この政策を進めていかれるのか、その辺を具体的に御説明いただきたいと思います。
#37
○政府参考人(大石久和君) ボトルネック踏切対策を十年で半減するという目標を掲げておりますが、具体的にどのように整備を進めていくのかということでございます。
 ボトルネック踏切の周辺地域というのは土地利用が極めて高度化しておりまして、商店街等稠密な土地利用がなされております。既成市街地が形成されている地域でもございますし、また通勤通学等により交通がふくそうする地域でありますことから、ボトルネック踏切対策のやり方によっては交通流が変わり人流が変わり、いたしますもので、地域の利害に甚大な影響を与えることとなります。したがって、計画づくりが重要でございます。
 御指摘のとおり、一千カ所のうち約半分を今後十年間で改良するという目標達成のためには、個々の踏切道の遮断状況、周辺地域の土地利用状況等を勘案して、早期に適切な事業計画を策定して、地域の方々に受け入れていただく必要があると考えてございます。本法律成立後、国土交通省といたしまして、これらの事業計画を早急に策定すべく取り組みたいと考えております。
#38
○山下八洲夫君 ボトルネックの踏切の周辺というのは当然大都市部が多いわけでございますし、交通量も多い、あるいは生活なさっている皆さん方も多い、住宅も場合によれば商店街を含めて密集している、そういうところだというのはすぐに想像がつくわけでございます。それだけに、今お話しのとおり、地域住民といろいろと話し合いをなさってもなかなか難しいと。この話し合いだけでも場合によれば十年かかるかもわからない、そういうふうに大変難しいところだと思うんです。
 そうしますと、今日まで、当初の踏切が、七万カ所がぐっと減ってきているんですけれども、この努力は私は多といたしているんです。本当によくやられていると。だけれども、このボトルネックの千カ所の踏切というのはだんだん厄介なところが残ってきているんじゃないかなというようなことも想像できるんですね。だんだん難しいところが残ってくると。早くできるところは早くやっちゃったと、簡単に言えば。そういう踏切もあると思うんです、正直に言いまして。
 そうしますと、なおのこと、その中で優先順位をきちっと明確にして、こういうことでやりますよと地域住民にも早く提示をして、地域住民もその中で議論を大いにしていただくと。そうして、こちらは例えば高架にしますよ、いや、そうじゃない、地下がいいですよと、そういういろんな議論をしていただく。そういう機会を与えるためにも、私は、少なくともある程度、一〇〇%その順位を決めて動かすなというんではなく、こういう順序でやりますよと、ではその中で話し合いが円満に解決したところからどんどんやっていくとか、そういう順序立てをして提示すべきことが一番重要だと思いますが、再度御答弁いただきたいと思います。
#39
○政府参考人(大石久和君) 今、先生から御指摘がありましたとおりだと私どもも考えてございます。
 周辺の土地利用が非常に稠密なところで、利害関係がふくそうしておるというところであるからこそ、計画を早く提示して、地域の方々の合意をいただいた上で事業着手に至れると、こういう手順が非常に重要で、昨今では地域の方々の御意見を聞かずに事業が動くということはございませんので、そういう方向でぜひ進めていきたいと考えております。
#40
○山下八洲夫君 だんだんと持ち時間が減ってきましたので、話題を変えていきたいと思います。
 都市部における鉄道について、これは副大臣にできましたら御答弁いただきたいなと思いますが、もはや地下化にした方がいいんではないかなというような気がいたしております。なぜかと申しますと、ボトルネックの踏切の大部分は、今もちょっと議論させていただいたわけでございますが、大都市部が大部分なんですね。住宅が密集しているわ、あるいは都市部においては鉄道の高架化を進めようとすればいろんな反対も起きてくるとか、いろいろと問題あるんですね。
 それで、これは私も東京の人間じゃないですから余り細かいことはよく知らないんですが、小田急線の喜多見―梅ケ丘間の複々線化の工事のように地域住民の反対が起こることが、私は高架化すれば、連続高架だとなおのこと考えられると思うんですね。ことしの二月に、小田急線の喜多見―梅ケ丘間より都心方向の東北沢から世田谷代田間については、東京都は地下方式を採用することを決定したと私は伺っております。住民とのあつれきなしに都市部におけるボトルネック踏切の解消を進めるには、私は鉄道の地下化の方が有効だと考えられるんですね。特に、昨年の通常国会で大深度法も成立いたしておりますし、そういうことをやれば地下化だってもっとやりやすくなっていくと思うんです。
 ただ、そこで一つ問題があるのは、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する細目協定においては、これはたしか七条だったと思うんですが、地下化の場合の費用負担に関して、都市計画事業者と鉄道事業者が別途協議して定めるとなっているんですね。地下化の場合の費用負担について、国土交通省の考えをまず示していただきたいというのが一つです。
 もう一つさせていただきます、時間の関係ありますから。また、昨年の十月、小田急線の喜多見―梅ケ丘間の複々線化工事に反対している住民側が、鉄道の高架より地下化の方が環境にいいのはもちろん、費用も安く完成も早いということを内容とする学識者による提言が東京地裁に提出されたほか、それ以前に、当時、建設、運輸両省にこのようなものを提出したと伺っているんです。それで、ここの経過を見てみますと、ちょうど久しぶりに、森本先生がお眠りになりそうだから起こしますけれども、この問題といいますのは、最初、昭和三十九年十二月からスタートをしておりまして、飛ばしますけれども、平成三年八月に東京都、梅ケ丘―喜多見間の高架化、複々線化の素案を住民に説明と、そういう高架化なんです。結局、そこで反対住民は納得をせず、小田急の地下化を進める会、現在、小田急線の地下化を実現する会を設立された。そこで、平成六年の五月に森本大臣が事業認可をしたということになるんですね。
 それで、六月に住民側が建設大臣に事業認可取り消しの訴訟を提出して、現在も係争中と、こういうような格好になっているんですが、もう飛ばしますけれども。最近で申し上げますと、先ほどちょっと触れました、東京都が梅ケ丘―喜多見間より新宿側の東北沢―世田谷代田間について地下方式を選択することを決定したということになっているんです。
 ですから私は、これからは地下化を逆に視野に入れて取り組んだ方がより前進するんではないか。また同時に美観もいいですよね。あの横断橋というのは、本当にあれはよくないですよ、美観を壊しますしね。大臣もあの日本橋の橋のことをよくおっしゃいますが、本当にそうなんです。あそこなんか本当、汚らしいですよね。そうしますと、なるべく地下へ地下へやった方がいいと思うし、工事もスムーズにいくと思いますが、その辺の考えについて今後どう考えられるか、御説明いただきたいと思います。
#41
○政府参考人(板倉英則君) 都市部における連続立体交差事業の地下化についてのお尋ねかと思いますが、私ども、連続立体交差事業の構造形式を決める際に幾つかの点を考慮するわけでございます。
 まず一つは、当該区間の地理的、地形的条件、あるいは高速道路や他の鉄道などとの都市施設、河川との関係、さらには地下鉄、ガス、水道など地下構造物との調整、そういった点がまず一つでございます。それから二つ目に、鉄道の構造が与える周辺町づくりへの影響とか踏切除却の効率性などの計画的条件といったものを考慮いたします。それから三点目に、事業費、施工性、それから工期といった事業的条件について勘案しまして、さらに環境への影響等も考慮いたしまして、総合的に判断した上で地元との協議、調整に入りまして構造形式を決定するという手順を踏んでいるところでございます。
 これまで連立事業の構造形式としまして高架式が多かったわけでございますが、これは他の条件が同一ならばコスト面から優位であるという理由からでございまして、ただし、これまでにも既に高架構造物が存在している、つまり鉄道の交差部をさらにまたがなければならないといったところとか、地下鉄との乗り入れの利便性、つまり先で地下鉄と連絡しなければならないといったようなところにつきましては地下方式を採用しているところでございます。
 具体的には、箇所の個別的な条件を総合的に判断しまして高架式か地下式かを判断していくべきものだと考えております。
#42
○山下八洲夫君 一点、答弁、最初のをなされていないんですが、一つは都市計画事業者と鉄道事業者が別途協議して定める、この地下化の場合の費用負担について、これちょっと答弁いただきたいと思います。
#43
○副大臣(泉信也君) この問題については法律の六条で規定されておる内容でございまして、高架化の場合については、これまでも高架にすることによってその下を使える、あるいは踏切がなくなることによる利益というようなことがありまして、幾つかの事例が積み重なったために高架化の場合の鉄道事業者の負担というのはおおよそルール化することができたわけです。しかし、地下の場合はまだ高架にする場合ほど事例の積み重ねができていないということがございまして、またその場所場所によって実情が違うということがございまして、まだ基本的にルール化するところまで至っていないというのが実情でございます。
 これから、先ほど先生御提言のように、地下に入れていくということが許せば、環境が許せば、その方がいいことは大方の方がお認めになっていることでございますし、こうした実績を積み重ねる中で負担の割合が概定できるんではないか、このように考えておるところでございます。
#44
○山下八洲夫君 ぜひ前向きに、これから検討していただきたいというふうに要望をさせていただきたいと思います。
 時間が迫ってきましたので、まとめて二つばかり簡潔に質問をさせていただきます。
 一つは、特に私は、二十一世紀というのはそれこそ地方分権、地方分権という言葉は私個人的には余り好きじゃないんです。地域主権と本当は言いたいんですけれども。なぜかというと、中央と、どうも今もお上意識を持っているものだから地方、地方と言いたがるものですから、私はどうもお上意識をなくしたいなと思いまして、どちらかというと地域主権が言葉としては好きなんですが、いずれにしましても地方分権の時代に入ってきているわけでございますし、これを大いに推進しないといけないと思うんです。
 だけれども、今回の法改正で、それこそ国土交通大臣の指定に対しまして都道府県知事が申し出制度の創設が盛り込まれているんですね。私は、そういうボトルネックの踏切なんかの状況というのは、そこの周辺に住んでいらっしゃる地域住民や、そこを毎日通勤、通学その他で通っていらっしゃる皆さんや、そういう方が一番よく御存じだと思うんです。その次に御存じなのは、どういう人が知っているかなというと、やはり市町村のそれぞれのその地域の議員さんだと思うんです。私は、知事さんにしましても余りそんなに細かく知らないと思うんですね。例えば石原知事さんが、大田区の踏切は混雑をよく御存じのようですけれども、じゃ三多摩の方の踏切はどういう状況だろうか、あるいは今度は、よくわかりませんけれども、あるかないかわかりませんが、例えば北の方の踏切はどうだろうかと、そんな細かく御存じないと思うんです。それぞれの地域の皆さんが御存じだと思うんですね。
 そういう中で、私はそういうことから見ていきますと、もうちょっとこれを知事じゃなくて、せめて百歩譲って、もう簡潔に申し上げたいと思いますが、政令指定都市の市長さんはこの枠の中に入れてもらえないんだろうかなと、政令指定都市の市長さんというところも相当やっぱりボトルネック踏切を抱えていらっしゃると思うんです。そういう趣旨から、なぜ都道府県知事だけになったのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
#45
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘の申し出制度の申し出主体でございますが、我々としては都道府県知事という形で、いわば都道府県知事が交通安全対策会議であるとか、あるいは踏切道改善促進協議会というものを通じまして、それぞれの市町村あるいは政令指定都市の幾つかの踏切道の要望について全体的に把握しているということが一つでございます。
 それからもう一つは、連続立体交差事業などでは市町村をある程度超えて事業が広域にわたる場合があるというようなこともございます。さらには、都道府県単位での交通全体としての規制との関連をどう考えるか、さらには、踏切道を具体的に統廃合をいろいろ考える際に、その地域、市町村単位だけではなくて全体として統廃合の問題についてどう整理していくかといったようなこともございますので、都道府県知事が申し出の主体となることが適切ではないかということで今回の法案を作成しているわけでございます。
 ただ、御指摘のとおり、踏切道の改良は周辺住民の利害に大きな影響を与えます。そういう意味で、今回の法改正でも、都道府県知事が申し出を行うに当たっては、当然政令指定都市も含めます関係市町村に意見を聞くということによって周辺地域の実情や地域住民の意向が適切に反映されるように措置しているところでございます。
#46
○山下八洲夫君 確かに関係市町村の意見を聞くというふうになっているわけでございますが、それこそ地方分権推進法が成立をしまして、国から自治事務、法定受託事務、相当県や市町村にゆだねられたんですね。ここで政令指定都市に、国土交通省のものだけでもちょっと拾ってみますと物すごく政令指定都市へゆだねられているんですね。そのことを考えましたら、地方分権の時代ですから、もう一歩踏み込んでいただいて、せめてまず政令指定都市の市長さんぐらいまでは私は広げても何ら不都合は起きないんではないかなというふうに思います。
 東京都の場合、特に二十三区の場合は区になっていますからちょっとあれなんですが、例えば川崎市と横浜市、隣接しています。こういうところが、両方にまたがるということであったときに、この両方の市長さんがやっぱり話し合いをちゃんといたしますよ。そしてちゃんとやりますよ。そんな心配をなさらなくたっていいと思うんです。ぜひその辺についても、次へ向かっての検討課題にしていただきたいと思います。
 持ち時間になりますので、慌ててちょっと確認の質問を二つばかりあわせてさせていただきます。一つは申し出制度との関係についてなんですが、指定された踏切の改良は鉄道事業者、道路管理者にとって義務的なものなのかどうか、単なる努力目標でいいのか。法律を読みますとどうも法的義務を負うように私は理解をするんですが、もし鉄道事業者は法的義務を負うということになれば、鉄道事業者もいずれにしたって費用分担があるわけでございますし、いつまでにその義務を果たせばいいのかどうか、そのことについても明確にお答えいただきたい、ここが一つ。
 二つ目は、今度は裁定との関係です。これにつきましても、裁定申請については鉄道事業者、道路管理者にゆだねられているんですよね。だけれども、大体これは、いろいろ話がつかないというのは、鉄道事業者がなかなかいい返事をしないからつかないことが多いと思うんです。道路管理者は早くやりたいと。大体想像はつくんです。それはなぜかというと、鉄道の方には余りメリットがないんですよね、正直言いまして、踏切改良しても。踏切ずっと、先ほどの話じゃないけれども、踏切がない方がかえっていいぐらいなんですから。
 そうしますと、私は、ここで最終的には国土交通大臣が裁定をするわけなんですね。この裁定に対して鉄道事業者は不服申し立てや拒否権はないのかどうか、それを確認したいんです。私は、仮にあっても、もし鉄道事業者が拒否をすれば、今度は運賃改定のときなかなか認可してくれないとか、江戸のかたきを長崎でとるというような心配をされるんじゃないかなと思ったりも正直言ってするんですね。
 この辺について、この二点、はっきりとお答えいただきたいと思います。そして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#47
○政府参考人(安富正文君) まず最初の方の、法的義務か努力目標かということでございますが、本法に基づいて指定を受けた踏切道につきましては、これに従って改良を実施する法的義務を負うというふうに我々は考えております。単なる努力目標ではない。したがいまして、指定の際に期日を指定して改良計画を作成するように指示しておるところでございます。
 それから、もう一つ、裁定があった場合に不服申し立てや拒否権を持つのかということでございますが、裁定がありますと、これは当然その前に鉄道事業者の意見を聞くことにしておりますので、そういう意味では鉄道事業者の意見を聞いた上で裁定するわけでございますが、鉄道事業者は裁定の内容について拒否することはできないと考えております。ただ、実際上、裁定についていわゆる行政不服審査法に基づく不服申し立てを行うと、これは当然権利としてできることになりますが、単に拒否をするということはできない、当然のことながら、そういう拒否が行われないように我々としても、先ほどありますように、鉄道事業者、道路管理者に対して適切に指導していきたいというふうに考えております。
#48
○山下八洲夫君 終わります。ありがとうございました。
#49
○前川忠夫君 民主党・新緑風会の前川でございます。
 私は、新産法と工特法の廃止について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に大臣にお伺いをしたいんですが、前回の大臣の所信の議論の際に、首都機能の移転の問題について山下議員も実は質問をしておりましたが、今、東京の一極集中の問題というのは、また新しい側面を持って大きな問題に私はなっていると思うんですね。もともと新産法を昭和三十七年に制定をした当時も、大都市への過度の集中について、これを防止しようというのがかなり大きな目的に入っていたと思うんです。
 確かに今はもう既に四十年近い歳月がたっていますから、大きな意味での変化はございますけれども、この法律を制定した当時の目的であった、非常に大きな目的の一つであったいわゆる都市への集中という問題については、私は依然として解消されていないというような気がするんです。つまり、裏返して言えば、この法の目的は達成されなかったんじゃないか、裏返した言い方ができると思うんですけれども、この点についてまず大臣のお考えといいますか、感想についてお伺いをしたいと思うんです。
 私は、昨年まで実は首都機能移転の、国会等移転特別委員会の委員長をやっておりましたので、昨年、大臣が首都機能の移転、特に国会の移転についてはということで所感を述べられました。少しことしに入ってから変わられたのかなという思いもしないではないんですけれども、私は新しい、つまり二十一世紀から二十二世紀という大きなロングランの国の長期的な見通しの中で考えますと、まだまだ私は東京あるいは東京を中心とするいわゆる三大都市圏というものの都市のあり方については、もっとグランドデザインとして見直しをすべきなのではないか。
 したがって、今度の法律を廃止すること自身は私は賛成なんですけれども、当初の大きな目標であった一極集中という問題が一向に解決をされないこの理由を含めまして、どんなふうなお考えをお持ちか、お伺いをしたいと思います。
#50
○国務大臣(扇千景君) 今、前川先生がおっしゃいましたように、昨年と本年に至って私の首都機能移転に関する意見が変わっているのか変わっていないのかというお話にも触れていただきました。
 私は依然として、別に変わっているとか変わっていないということよりも、二十一世紀型の国際都市のあるべき姿というものを国土交通省が示さなければならない。しかも、世界の中で日本が今後二十一世紀、どの程度国際都市というものがどの辺に幾つあるべきなのか。そしてその国際都市の条件は何か。それは、国際空港があり、国際港湾があり、そしてあらゆる情報の伝達を網羅したネットワークがある、そのようなことが二十一世紀型の国際都市として機能が整備してなければ、私は世界じゅうから、国際都市というものは、日本だけが型破りになってしまう、世界の常識が日本の常識にはないというようなことでは、都市の上に国際という冠をつけることができないというのが私の基本姿勢でございます。
 まして、今私が申しました国際都市というものの空港なり港湾なり道路なりの整備はどうかといえば、これは私もいろんな方と勉強会をさせていただきましたけれども、国際都市の機能というものはすべからく国際空港を近くに持ち、国際港湾も持ち、そして情報網も達成できるという、これが二十一世紀型の国際都市である。欧米先進国では、国際空港はすべからく十分以内に主要幹線道路に入り、そして主要都市には一時間以内に必ず到達できるというのが一つの条件になっております。港もそうでございます。欧米先進国はそれがすべからく九〇%台を達成しております。ところが日本は、国際都市と言いながら、そういう条件を勘案しますと、冷静に考えても四四%にとどまる。これでは日本が国際都市たり得る力がないと言われてもいたし方がない。
 そういう意味で私は、首都機能移転云々というよりも、まず二十一世紀の国際都市のあるべき姿はどうあるべきかということが、国土交通省になって、先ほどからも御論議いただいておりますように、今までは運輸省、建設省と縦割りだったから港をつくっていても主要幹線道路に十分以内に入れていないとか、そういうことが多々全国を見て出てまいりました。これがいわゆる先生方に御指摘いただいた、国民の皆さんから預かった税金を使用する場合の公共工事のむだというのがその辺にあるのではないか。
 それを全部整備したいというので、先ほどお手元に回しました公共工事の見方というものも、私は点検するという意味でもそれをしていきたいというのが念願でございまして、それをお示しするというのが我々の大きな役目であろう。また、それが達成するか達成できないかによって国土交通省が、行革によって四省庁統合したメリットがあったかあるいはなかったかという大きな評価にもつながる。
 そういう意味で、私は今回こういう法案を出させていただいて、今、前川先生がおっしゃいましたように、これを廃止したけれどもそれにかわってじゃどうするのかということがきょう御論議いただいております先ほどからの先生方の御論議の中で私は指摘されている点だと思いますので、そういう意味で、今回は大きく私はこれを、新産・工特を廃止しても、今の現状はどうかというと、長くなりますから後でまた御質問があろうと思いますけれども、あらゆる箇所での成果というものを私は事例をまた時間があれば申し上げさせていただきたいと思っています。
#51
○前川忠夫君 私もそうたくさんの持ち時間を持っているわけではありませんので、簡単にお答えをいただければいいと思うんですが。
 私は、今の大臣の御発言をお聞きしておりまして、国際都市のイメージについて頭から私も否定をするつもりじゃないんですけれども、その発想の延長線上にはまだまだ東京にどんどん金をつぎ込んでということにどうも聞こえてならないんですね。また、地方にも当然金をつぎ込まなければならない、国が出すかどうかは別ですよ。一体どれだけこれから金をつぎ込んだらいいんだということになりかねないんじゃないかという心配があるんです。
 もっとこれからの二十一世紀の国土全体のあり方については、今、大臣がおっしゃったような、例えば東京というものだけをとらえた議論はもちろん必要かもしれませんが、もう少し地方に焦点を当てた、先ほど中島先生のお答えの中に大臣が今所管をしてやっておられる各地方での懇談会の話もお聞きをしましたから、全く地方のことを考えていないと言うつもりはありませんけれども。
 私たちが使えるお金というのは限界があるわけですね、税という形で使えるものについては。とすれば、先ほど申し上げたように、この法律を廃止し、この後さまざまな手だてをもちろん講じられるということですけれども、それはかつてこの法律をつくった当時の一極集中を何とか排除をしよう、防止をしようということの趣旨が達成をされたということではなくて、むしろまだ問題は存在をしているということだろうと私は思うんです。
 もう一つ別な視点で、これは局長の方からお答えをいただいても結構なんですが、格差の解消ということも大変大きな課題だったと思います。例えば、雇用機会の問題ですとかあるいは工業集積の状況ですとかあるいは所得の問題ですとか。私も先日調査室の方から資料をいただいて、さっと目を通させていただいたんですが、じゃ指定をされた都市、新産法で指定をされたところが十五カ所、それから工特法で指定をされたところが六カ所ございますけれども、確かに例えば工業集積でも目覚ましい発展を遂げたところもある反面、全国平均にも到達をしないという地域も半数以上あるわけですね。それから、所得についても、あるいは雇用の問題も恐らくそうだろうと思いますけれども、そう全国平均と見比べて、なるほどな、素晴らしいなというほどの格差の解消には私はつながっていなかったんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 この辺については、どんな反省なりあるいは評価をされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#52
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいましたことに関しましては、かなり達成できた面も、これは評価しなければなりませんけれども、数字の上で見ますと果たしていかがであったかということも言わざるを得ない部分も確かにございます。
 そして、今、先生がおっしゃいました一人当たりの県民所得、これをとってみましても、全国平均の一に対しまして新産・工特の指定道県に関しましては、少なくとも昭和四十三年度は〇・八九%でございましたけれども、平成九年度では〇・九四%という、少しではありますけれども、これは上昇しております。
 一方、御存じのとおり、岡山県の南部地方でございますけれども、鉄鋼、石油化学等の企業が立地して、平成十年におきましては岡山県全体の工業出荷数の七五%を占めるまでになったと、これは倉敷市の水島工業地帯でございますけれども。それもまた大分の地区でも、これは鉄鋼、化学等の企業立地が大分県全体の工業出荷数の六四%を占めたという、こういう実も上がっていることは確かでございます。
 ただ、一方、秋田湾の地区では、製紙あるいは電気部門等の企業が立地したものの、秋田県全体の工業出荷率は二七%にとどまっているという現実の数字もこれありでございます。
 そのように、今申しましたように、少なくとも三大都市部、これでは低下していることから、新産・工特の都道府県等々の三大都市圏との所得格差は着実に縮小はしているというのが言えると思うんですね。そして、これは今三大都市でいいますと、昭和四十三年度一・二三、そして平成九年では一・一二ということでございますから、その辺のところをどう見るかということでございますけれども、私は、今、先生がおっしゃいました人口で見ますと、これは逆に三大都市における地方圏との人口の格差是正には必ずしも十分な成果を上げていないと言わざるを得ない部分は、私も先生のおっしゃるとおりだと思います。
 ですから、そういう意味では、地方圏の人口の伸びを比較した場合のこの人口の伸び率が地方圏での伸びを上回っているということからも、私は少なくとも、それはこれ数字を申し上げますと申しわけないんですけれども、昭和三十五年から平成七年度までの人口の伸びは地方圏が平均一・一二倍、そして新産で特別区では一・三八倍に伸びているんですね。ですから、数字は小さいとおっしゃるかもしれませんけれども、地方圏の全体の底上げには人口面でも私は少しは寄与したものと考えております。
 数字をもってみますと、こういう数字が出てまいりますけれども、私は今後この制度が目指した国民の経済の発展あるいは地域の格差の是正という面からしましても、これから相応の成果は上げたと言えると思いますけれども、今後それを一遍にやめたからもういいのかということにはならないということだけはよく認識しておるところでございます。
#53
○前川忠夫君 一つ一つの数字で全部がよくならなければ失敗だったというふうに私は申し上げるつもりはありません。
 それから、もう一つの視点は、これもある特定の地域を取り上げてどうこうというつもりは本来ないんですが、例えば先日も私は熊本県の荒尾と隣接をしております大牟田、福岡県ですね、に行ってまいりました。御案内のように三井三池が山を閉じまして、もちろんその山を閉じる以前から炭鉱が衰退をしていく過程の中で大変寂しい町に、あの町の皆さん方には申しわけないけれども、ほかから参りますと大変寂しいです。本当に人の行き来も少なくて、まさにシャッターもほとんどの商店がおりているという状況です。あそこも実はこの新産都市の指定地域なんですね。広大な空き地が実は遊休地として残っているわけです。
 これは、また別なテーマになるんでしょうが、例えば道央地区、これも新産都市の指定地域になっていますが、あそこの苫東開発地区の開発問題、巨額な借金を抱え込んでしまっているという事態があるわけですね。
 ですから、私はこの背景を見ましたときに、地域の自治体の皆さん方の思いと、それから進出をしていく企業、あるいは産業のと言った方がいいかもしれません、ここの冷徹な食い違いというのがあると思うんです。
 自治体の皆さん方というのは、例えば工場ができれば人も来るだろう、そこに雇用もふえる、あるいは場合によっては税金もというふうに期待をされる。ところが、進出をする企業というのは今はまさにグローバル化の中で、場合によっては国内の工場を閉じて海外に移転をするという、そういう冷徹な現実があるわけですね。したがって、そこに今国がやろうとしている、あるいは公共事業団体がやろうとしているものと進出をしていく企業とのミスマッチみたいなものが出てきているんじゃないか。
 これは、私は大事な反省点としてこれからの施策に生かしていかなければならないと思うんですけれども、具体的な細かい問題がもしあればそれは局長の方からでも結構ですが、御感想があればお伺いをしたいと思います。
#54
○国務大臣(扇千景君) 総体的なこと、細かいことは参考人からお聞きいただきたいと思いますけれども、総体的な面からいいますと、今、前川先生がおっしゃいましたように、私は今までもなぜ予定した企業がそこに来ないのか、またそれだけの遊休地ができているのか、そして地方が計画しましたこととミスマッチはなぜあるのかと、私は大きな要点があろうと思います。それは、国際情勢等々を考えましても、日本の人件費の高さ、あるいは先ほど私が申しました交通のネットワークの悪さ、そのための物流高、そういうことで私は誘致できなかった、また日本の現状は外国からも来なかったと。
 例えば、一つ例を挙げますと、諸外国で一つの国際港湾をつくるときには工業団地をそのそばにつくって、そして工業団地からベルトコンベヤーで港まで荷物が来て、そこでCIQがあって検査を受けて船に入れる、そういう立体的な開発をするんです。
 ですから、苫東なんかでも、私も現地も見ましたけれども、少なくともそういうことで、全部の立体的なグランドデザインができて誘致すればいいんですけれども、一つ一つが縦割りのようにぽつんぽつんとできるから、その点と点の線がつながらないことに私は大きな理由の一つもあろうと思っております。現実の細かい数字は参考人から御報告させていただきたいと思います。
#55
○政府参考人(板倉英則君) まず、大牟田、荒尾、それから苫東地区に広大な未利用地が存在しているのではないかという御指摘でございますが、数字的にちょっと簡単に申し上げますと、大牟田市、荒尾市の工業団地の状況について見ますと、平成十年度現在、造成済み工業用地面積が三十七・三ヘクタールでございまして、そのうち立地済み工業用地面積は十二・四ヘクタール、利用率という観点で見ますと、両市合わせまして三三・二%ということで、御指摘のように大変低い数字にとどまっているわけでございまして、特にバブル以降つくられました比較的新しい工業団地にそういう非常に苦戦している工業団地が多いということは御指摘のとおりでございます。ただ、不知火・有明・大牟田地区全体で見ますと、今の利用率が六九・六%ということで、若干上がってくるということがございます。
 それから、苫小牧東部開発地域について申しますと、同じく平成十年度現在で、造成済み宅地、これは非常に広大でございまして、千四百十九・二ヘクタールございまして、そのうち立地済み面積は七百三十七・四ヘクタールということで、利用率が五二%ということにとどまっておりまして、これも新産・工特地区の道央地区全体で見ますと六八・六ということで若干は上がるわけでございますが、御指摘のとおりの水準になっているわけでございます。
 そこで、このミスマッチという問題につきまして、私どもなりの考えていることを簡単に申しますと、非常に近年、経済の成熟化が進んでおりまして、さらに同時にグローバル化というものが大変な勢いで進んでいるわけでございまして、アジアの国々との非常に厳しい競争にさらされているということで、企業は国の内外を問わず工場立地に最適な土地を求めていくということでございまして、特に地方圏におきまして、海外との立地条件の競争にさらされている典型的な分野としまして、御案内のとおり、繊維産業等の量産分野、よく引き合いに出されますのが例えば愛媛のタオル産地というようなところでございますが、輸入品の急激な増加のあおりを受けまして、大変事業の縮小、撤退等に追い込まれるというようなことで、地域経済に深刻な影響を与えているということも御指摘のとおりかと思います。
#56
○前川忠夫君 時間が過ぎていますので、一言だけ要望を申し上げておきたいと思います。
 先ほど、大臣も地方で懇談会をやって、それぞれの地域の事情について把握をしておられるということですから、これからどういう国土交通省としての施策が打ち出されるか、関心を持って見詰めてまいりたいと思います。
 ただ、大事なことは、この研究会の報告にもありますように、地方でやろうとしましても、今申し上げたようないわゆる産業の急激な変化と自治体の思いとのミスマッチというのはあるんですね。そうしますと、自治体にしてみれば、やはり一番安心できて続くのは公共事業だということになりかねないんです。この辺はひとつ慎重に、真剣に地方の実態というのを把握して、地方の実情に合わせた新しい産業の興し方、育成の仕方というのを私は地方にも考えてほしい。
 あわせて、それに伴う税財源の問題についても、先ほどのお話では三〇%の補助金を地方建設局に回したとおっしゃっていますけれども、やっぱり国のお金なんですよ。そういうことではなしに、地方にも税財源を渡して、地方で本当に生き生きとした産業を育てていく、そういう視点に転換をしていただきたいということを要望として申し上げて、終わります。
#57
○森本晃司君 今、前川先生と大臣等々とのいろんな意見のやりとりを伺っておりまして、私もその点について最初に御質問をしようと思っておりましたが、この法律が三十七年にできて、さらにまた三十九年に工業整備特別地域整備促進法ができて、新産業都市十五地区それから工業整備特別地区六地区が指定されまして、四十年近く工業集積を図ってこられたわけでございますが、それぞれ二十一地域を個別に見ると、今お話があったように成功している地区、岡山県南とか大分あるいは鹿島、こういうところは一定の工業集積が見られましたが、先ほど来のお話があるように、そのほかに八戸や秋田、中海等々、工業集積が十分でないところがあったわけでございます。
 いろんな議論の中で、環境の変化とかあるいは経済の変化、産業の変化、それから高速道路体系のおくれなど今挙げておられましたが、もう一度やっぱりこの問題、四十年間取り組んできて一定の成果を上げられた地域があるということについてはより本質的な分析をしていかなければならないのではないかと思いますが、いかがでございますか。
#58
○国務大臣(扇千景君) 森本先生、御経験者でいらっしゃいますし、責任ある地位におつきになって、このことはよく森本先生の中で御勘案いただいて御決定いただき、また今、先生から改めてこの効果等々についての御説明がございました。
 私どもは、少なくとも本質的な原因というのは、二十一地区全部に共通する原因だと思っておりますけれども、第一には、当初の十カ所程度の想定した指定区域、これが全国的な地域のバランスを考慮して、最終的に新産・工特の地区合わせて二十一カ所になったということによって、指定地区を絞り切れなかったことも私は大きな原因の一つであろうと。これはもう先生おわかりのとおりだと思うんですね。
 ですから、そういう意味では二つ目には、例えば制度の発足当時、御存じのとおり粗鋼生産量の将来の見通しを二億トンというふうに見ておりましたけれども、結局一億トンにしかならなかったということ、当初の需要の見通しが結果的には過大であったということも私は二つ目の原因としては大きなものであろうと思っております。
 また第三には、二度にわたる石油危機を契機としまして産業構造の変化あるいは国境を越えた企業立地の進展等、私が先ほど申しておりましたように、前川先生にもお答えしましたけれども、そういう条件緩和といいますか条件の変化があったということも私は大きな要因になったと思っております。
 そして、個々の地区別の原因なんですけれども、これは工業の集積の度合い、工業集積度を見ますと、全国平均を上回っている地区が十三地区ございます。そして全国の平均に至らなかった地区が八地区ございます。そういう意味ではこの中で地区の指定後工業集積が著しく高まった、今、先生がおっしゃいました、私も申しましたけれども、岡山県南、大分、鹿島等の地区は本当に恵まれた地理的条件で、高速道路の接続というものがうまくいったということによって港湾等のインフラの整備が進展し、地元の皆さんの熱心な企業誘致のもたらしめるところである、そういう意味に考えておりますけれども。
 一方、先ほどから、前川先生もおっしゃいましたけれども、八戸あるいは秋田等の地区におきましては、総じて言えば工業集積はある程度高まったものの、地理的に不利な条件下にあったことにより不十分な集積状況にとどまったということだけは言えると思っていますので、少なくとも私どもはこのような分析を踏まえまして、今後、新産・工特制度の廃止後の地方の産業振興については、私は絶えず検討を進めてまいりたいと思っております。
#59
○森本晃司君 新産あるいは工特制度の地域というのは重厚長大型でありました。先ほど来、それぞれ時代の変化があったということもこれはそのとおりであると私どもも思っていますし、ならば、時代の変化に対応した産業振興をこれからやっぱり図っていくについては大胆な発想が必要ではないかと思っております。
 かつて鉄鋼の町として栄えましたアメリカのペンシルベニア州ピッツバーグ、ここの再生事例、アメリカのことが即日本の国土あるいは日本の産業に当てはまるかどうかは別といたしまして、そういう発想に変えていったということの一つの事例として私は参考になるかと思いますが、鉄鋼の町からハイテク産業及び本社機能の中心地へ、それからばい煙の町から居住環境のすぐれた都市へ。一時期人口が、十年間で十万人減少した人口が構造転換で九七年には四十二万人から七十三万人まで回復したと、こういったことがございます。
 きょうは経済産業省もお見えいただいておりますが、この新産・工特制度廃止後においても、いまだ工業集積が十分でない地域において雇用を確保できるベンチャー企業を育成しなければならないと思うわけでありまして、我が国にあっても創業者支援や創造的中小企業創出支援事業などベンチャー支援を行っておりますが、ペンシルベニア州のPOTプログラムのようなベンチャー企業の側に立った総合支援システムによって工業地域の再生を実現できると考えられますが、経済産業省の取り組みについてお伺いしたいと思います。
#60
○政府参考人(今井康夫君) 地域のベンチャー企業を育成いたしまして新事業を創出するということは、地域の雇用確保のみならず、地域経済が自立的、内発的に発展していく上で大変重要なことだと思っております。
 経済産業省では、こうした地域の新たな発展を支援すべく、今般の省庁再編に際しまして新たに地域経済産業審議官というものを設置しまして、全力を挙げて地域産業対策、支援を進めていきたいというふうに考えております。
 御指摘ございましたペンシルベニアのPOTプロジェクトでございますけれども、これはベンチャー企業が必要といたします各種の支援施策を総合的に提供するシステムでございます。そして、先生おっしゃいましたように、新産業の発展のために大変意欲的な取り組みであると考えております。
 我が国におきます地域のベンチャー企業対策でございますけれども、平成十年の十二月に制定されました新事業創出促進法などに基づきまして、現在、ベンチャー企業の側に立ちまして研究開発から事業化まで、資金、人材、技術など総合的、多面的に支援する体制を整備しているところでございます。
 具体的には、御案内かもしれませんけれども、地域の産業支援機関を連携しまして新産業創出を支援するための総合的な支援体制、これは先ほどのペンシルベニアの例ではポートと言いますが私どもはプラットフォームと呼んでおりますけれども、総合的な支援体制を各都道府県に整備するということ、そしてベンチャー企業の経営面でのいろんなニーズにきめ細かく対応するために国とか都道府県レベルにおきまして一元的な総合窓口を設置するということ、それからベンチャー企業が入って成長するための貸し研究室などを整備していくこと、さらには地域の産学官の連携によりまして研究開発を支援すること、これらの施策を総合的、立体的に組み合わせて進めてまいりたいというふうに思っております。
#61
○森本晃司君 今、経済産業省からお答えいただきましたけれども、国土審議会の答申で、この法律が廃止された後、新たな地方産業振興のあり方について、国においても省庁再編後の新たな体制で引き続き検討とありますが、国土交通省と経済産業省、そのほかいろんな省庁との連携がこれから極めて必要になってくると思っておるわけでございますが、例えば、我が党が十年構想の中で唱えている環境という問題についても都市についてこれから考えなければならない、そういったエコタウンをつくるについても各省庁がやっぱり連携を密にして実りあるものにしていかなければならないと思っておりますが、そういった連携密の対応はどうなのか。
 さらに、激変緩和措置が五年間あるようですけれども、いまだ工業集積が十分でない地域を切り捨てることなく、自立できる地域への再生を目指してもらいたいと思いますが、大臣の決意をお伺いいたします。
#62
○国務大臣(扇千景君) 今、森本先生がおっしゃいましたように、私どもは、今後も国、地方の特性を生かした自主的な取り組みを後押しするというそういう観点から、少なくとも経済産業省等の他省庁の施策と有機的に連携していくということは不可欠であろうと思っております。
 それで、また今後、提案の、今おっしゃいました他省庁との連携による研究会を立ち上げること、これを初めといたしまして、それで私どもは今後検討していくと。その中では、今、先生が御指摘のハードとソフトと一体になったいわゆる環境の整備、そしてまた各種調査の実施、情報提供等の側面的な支援を行うことにより、まだ工業集積が十分でない地区も含めまして、私は雇用の新たな受け皿と創出に力を入れていく、そういう対策をとっていきたいと思っております。
#63
○森本晃司君 次に、踏切道改良促進法について質問をさせていただきます。
 今度、国土交通省ということで一本化されました。今までは鉄道は運輸省、そして道路は建設省ということで、なかなかそれぞれの主張もあってうまくいかなかった例もありますけれども、今度国土交通省ということで一本になったので、踏切改良へさらに促進されると多くの人たちも期待をしておりますし、またそうあらなければならないと思いますが、大臣の決意はいかがでございますか。
#64
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも踏切に関しますことは、先ほどからこの委員会で御論議いただきましたように、今の日本の状況を考えますと、これを解消しなければ経済的なロス、あるいは時間的な精神的な多くの皆さん方の打撃等々を考え、私は何としてもこれを解消することに全力を尽くしていかなければならないというふうに考えておりますし、少なくとも私たちは、先ほど申しましたように、全国で三万八千カ所の踏切というものを十年かかって一千カ所の半分は完全に解消したいというふうに考えておりますし、十年間で改良するということの目標をもう義務づけておりますので、私ども、自分に課してこの目標を達成していきたいと思っておりますので、ぜひ御協力を賜り、また今後、地元の皆さんの御協力は何よりでございますし、鉄道業者自身の御理解も賜って、国と地方と地元と鉄道業者とあらゆるところが一体となって今後の推進を図っていきたいと思っております。
#65
○森本晃司君 まさにそれぞれが一体となってやっていかなければなりませんが、今、一千カ所というお話がございましたが、東京で三百六十カ所、大阪で二百カ所、そのほか三大都市圏に三百二十カ所あって、円滑、効率的な都市活動が妨げられておるわけでございまして、特にそういった地域については緊急に整備を進めていく必要があるのではないかと思いますが、五カ年の計画があればお伺いしたいと思います。
#66
○政府参考人(大石久和君) 踏切道の改良の今後の五カ年の整備目標についてお尋ねでございます。
 これは、具体的には、交通対策本部によります第七次の踏切事故防止総合対策の改定にあわせて検討していくものでございますが、現在私どもが検討しております内容は、連続立体交差の完成延長で約百キロメートル、それから単独立体交差の完成箇所で約百六十カ所、構造改良の完成箇所で約一千二百カ所、踏切遮断機の設置箇所約六百カ所程度を予定いたしたいと考えております。
 あかずの踏切対策につきまして、以上のような施策を通じまして、今般一千カ所の約半分を十年間で改良するという目標も新たに設定したところでございまして、このような考え方でボトルネック踏切対策を重点的に実施してまいりたいと考えております。
#67
○森本晃司君 工事に当たっては、立体交差による日照権の侵害や土地収用をめぐるトラブル、先ほど来、山下先生のお話の中にもございましたが、そういう問題もはらんでおりまして、先ほど大臣が住民の意見をというふうにおっしゃいましたが、この点について十分これからやはり図っていかなければならないと思いますが、その点についてお伺いいたします。
#68
○副大臣(泉信也君) 立体交差事業の場合、特に高架を行うというような場合、今、先生御指摘のように、景観を初め環境問題、さらには日照にかかわるような地域の方々の御意見がさまざま出てくるわけでございます。
 都市部における立体交差事業については、一般的に申し上げますと、その前の段階の都市計画決定の段階で地域の方々に計画の縦覧でありますとか意見書の提出でありますとか、そういう一つの手続を踏んで都市計画審議会での御意見をちょうだいするという形をとっております。
 しかし、なかなかそういうことだけで地域の方々がすべての御意見を申し述べていただく機会が必ずしも十分でないということは私どもも承知をしておると申しましょうか、必ずしも全部反映をし切れない部分があるということを承知しておりまして、町づくりに及ぼす影響が大変大きいということから、都市区画整理事業あるいは地区計画等による町づくりに地元の住民の方々の御意向がより反映されますようにこれからも努めていかなければならない。例えば、高架事業の場合に、北側に道路を新しくつくることによって日照権の問題が幾らかでも解決するというような知恵もないわけではございませんので、御意向を伺いながら進めてまいりたいと思っております。
#69
○森本晃司君 今、住民の御意見をということでございました。同時にまた、財政的な面からも考えなければなりませんが、立体交差一つつくるということになりますと一千億以上かかるという問題もあるわけでございまして、それぞれ事業費の九割国が補助金で、残り一割を鉄道事業者が負担するという状況でございます。しかし、これは赤字路線を抱えているところとか鉄道事業者にとって財政的にも大変厳しい状況になってくるわけでございますが、この点についてどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(扇千景君) 今、森本先生がおっしゃいましたように、立体交差に関しましては複数の踏切を一挙に除去するということによりまして都内の交通の円滑化を図れるというのはもう目に見えておりますけれども、要するに分断された市街地の一体化を実現して都市の活性化を図る上で極めて重要な事業であると思っております。
 けれども、ただ、今おっしゃいましたように、事業費の膨大な経費というものを一体どうするのかという大事なことがございますけれども、私たちは十三年度事業の一層の促進を図るために地方公共団体の事業費負担の平準化を図っていきたい、そういうふうに考えておりますし、集中投資を可能にするという立てかえ制度及び融資制度を創設する。地方の皆さん方に負担がある場合には融資して、そしてそれを私どもが、臨時とはいいながら融資制度を導入するということも今回初めてでございますので、そのことによって今後とも事業の円滑な執行に私たちは配慮しつつ連続の立体交差というものの実現を促進していきたい、積極的に行うということを今計画しているところでございます。
#71
○森本晃司君 計画どおりに進めるには、鉄道事業者そして先ほど来出ております住民の双方の協力にかかっているわけでございます。さらに、財政的な面で今融資制度を含めてというお話がございました。国土交通省の強力な支援がこれからもまた欠かせないところであるかと思います。しっかりとこの事業を、ありとあらゆる角度から考えて解決していかなければならない二十一世紀の課題でもございますので、全力を挙げて取り組んでいただくことを御要望いたしまして、質問を終えさせていただきます。
#72
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#73
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び新産業都市建設促進法等を廃止する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#74
○緒方靖夫君 踏切道改良促進法案の改正について質問いたします。
 全国に存在する約一千カ所の交通遮断量の著しく多いいわゆるボトルネック踏切を今後十年間で半減する、このことを目標としております。この千カ所のボトルネック踏切のうち、東京にはどのぐらいの数があるのか、また、事業者別にはどうなっているのか、お聞きいたします。
#75
○政府参考人(大石久和君) ボトルネック踏切一千カ所の内訳のお尋ねでございますが、東京都内のボトルネック踏切は三百六十カ所存在いたしております。
 その内訳は、西武鉄道が百二十五カ所、京王帝都電鉄が七十五カ所、JR東日本が七十五カ所、小田急電鉄が三十七カ所、その他四十七カ所、合わせて三百五十九カ所でございます。
#76
○緒方靖夫君 また、東京には全体で何カ所の踏切があって、遮断時間ごとの区分ではどうなっているかどうか、その状況について御報告いただきたい。
#77
○国務大臣(扇千景君) 早い方がいいでしょう、先生、済みません。
 今御質問のうち、ピーク時の遮断時間が四十分以上の踏切は約二百九十カ所、そして三十分から四十分未満の踏切は約二百十カ所、二十分以上三十分未満の踏切は二百二十カ所、二十分未満の踏切は約五百カ所、計千二百二十カ所になっております。
#78
○緒方靖夫君 大臣、ありがとうございました。
 ボトルネック踏切のうち、東京の占める割合、これが今聞いただけでも四割に上るわけですね。三十分以上の遮断時間となっている踏切、これも東京では五百カ所、全体のやはり四割に上る、そういう状況です。
 つまり、ボトルネック踏切の解消を初めとする踏切対策のかぎを握る、これはやはり東京だろうと思います。特に人口の集中している東京では、交通遮断時間による地域分断や渋滞の発生、それによる排気ガスの被害、こうしたことによる被害が、自治体からも住民からも悲鳴が上がっている、そういう状況です。こうした状況の改善、これにどのように取り組まれるのか、その点について大臣にお尋ねしたいと思います。
#79
○国務大臣(扇千景君) 今、緒方先生がおっしゃいますように、一番難しいのは東京であるというのはおっしゃったとおりでございます。
 先ほども私、先生方の午前中の御質問に申し上げましたけれども、本当に戦後、どうしてもっと都市計画というものの基本ができていなかったのかなと残念に思うこともしきりでございますけれども、それよりも何よりも、今の現実を見ましたときに、これをどう対処していくのかと。そして、今、緒方先生がおっしゃいましたように、全国一千カ所を五年で、十年でですから五年で半分でございますけれども、達成するためには、今、先生がおっしゃいました一極集中になっております東京のこの過密状態の中からいかにこれを解消していくか。
 そういう意味におきましては、私は本当に難しいところであろうと思っていますけれども、ぜひ私は、御存じのとおり、東京都の中では、少なくとも踏切の解消のためには、先ほども申しましたように、事業主体、そして住民の皆さん、そして地域の皆さん方の、踏切と道路幅と、そして通行の電車と、そして車と、御近所の道幅を広くするということも考えなければなりませんので、過密な商店街であればあるほど私は多くの皆さん方が、しかもそれを今、電車を遮断しないで通行しながら工事をするということの難しさで長期化しているということも事実でございますので、私は、ふだんの皆さん方の通行を妨げないで、なおそこを改良するということの難しさというもので長時間かかっているということも御理解賜りたいと思います。
#80
○緒方靖夫君 先ほどの御答弁の中で、ボトルネック踏切三百六十カ所のうち百二十五カ所が西武鉄道ということがわかりました。そして、私調べたところ、そのうち新宿線が六十二カ所、池袋線が五十六カ所に上っているんです。
 私、ここに東京都の建設局が出した資料があるんですけれども、連続立体交差事業の現況、これを見ても、都心、副都心を起点とする主な路線には皆事業完了や事業中、計画中、そういう表記がそれぞれあるわけですよ。ところが、新宿線については手つかずという状況です。新宿線は何で進んでいないんですか。
#81
○政府参考人(安富正文君) 西武新宿線の連続立体交差事業について、手つかずということについては、どういう理由かということについて私も十分承知しているわけではございませんが、先生御承知のように、西武新宿線については、以前、いわゆる複々線化工事ということで地下に電車を、特に急行電車を通すという計画があったわけでございますが、その計画が連続立体交差事業との関係でいろいろ問題になって、現在、連続立体交差事業そのものについての計画がないのではないかと推測しますが、そういう状況ではないかと思います。
#82
○緒方靖夫君 局長、十分承知していないとか推測という言葉はちょっと聞いて情けないと思いますよ。私、質問通告してこの席で尋ねるということを述べているわけですから、答弁する局長がそういう程度のことだと大変心もとない。扇大臣のもとにある局長なんですから、やっぱりきちっとやっていただきたいと思うんです。
 今答弁ありましたけれども、推測するとか理由がよくわからないとか、そういう話なんですけれども、問題は、地下化のことを言われました。大もとは特定都市鉄道整備計画というのがあって、これが八七年に法改正されて整備された。要するに、複々線化等の設備投資をする上で、その路線の利用客から先に上積み運賃をとって積み立てていく、そしてそれを事業に充てるという、先取り運賃を設定して工事費用の一部をつくっていく、これが新宿線では適用されているわけです。
 ところが、今説明がありました地下化云々と。しかし、新宿線については、特定都市鉄道整備事業計画として認可されたのが八七年の十二月、運賃改定実施が翌年の五月、そして加算分の運賃を積み立てながら七年後には延期された、そういう話になるんです。そうですよね。そうすると、一体この先取り運賃は、七年間で幾ら積み立てられたのか、そして何に使われたのですか。
#83
○政府参考人(安富正文君) 先生今御指摘のように、西武新宿線の特定都市鉄道整備事業ということで、当初、複々線化計画を地下で通すということで計画されまして、上乗せ運賃という形で特特制度を使って行ったわけでございますが、昭和六十三年度から平成六年度までの七年間、約三百一億円の積み立てが行われました。
 この積み立てにつきましては、新宿線とそれから池袋線を両方合わせた額でございますが、このうち新宿線の旅客に係る加算運賃等に見合う百五十六億円につきまして、平成七年度から積立期間と同期間の七年間にわたって取り崩しを行っているところであり、さらに平成七年九月の運賃改定から加算運賃十円を引き下げるということによって利用者に還元しているところでございます。
#84
○緒方靖夫君 局長が今言われたことは、新宿線の特定都市鉄道整備計画を進めるためにそうしたことが行われて、そして七年間積み立てられた、その額が百五十六億円ある。そして、それが結局そのために使われていないということなんですよね。やっぱり私は非常に重大な問題だと思うんです。還元といったって、還元はできないわけです、もう既に取ったわけですから。
 そうすると、何に使われたんですか。今、池袋線と一緒に言われたけれども、池袋線に使われたということがあるんじゃないですか。
#85
○政府参考人(安富正文君) 先ほど申しました、三百一億円の積み立てを行ったわけですが、そのうちの一部につきましては、当然新宿線を当初着工するということを予定しておりましたので、そのための調査設計費ということで一部使っております。そのほかに、さらに池袋線の調査設計費及び池袋線の工事費の一部ということで充当されているものでございます。
#86
○緒方靖夫君 今の答弁は大変重大だと思います。つまり、新宿線の利用者から七年間にわたって百五十六億円もの先取り運賃を取ってきた。しかも、これを自分の会社の別の路線、池袋線にそれを活用した、流用したということになりますよね。これでは新宿線の利用者を欺いたことになるんじゃないですか。その上、今に至って事業は中止、延期、そういうことになる。まさに何をか言わんやということになると思うんですね。
 今その中止の理由として言われたことの中に輸送量の問題等々あったと思います。その理由について、ちょっときちっと言っていただきたいと思います。
#87
○政府参考人(安富正文君) 今、百五十六億円について池袋線に充当したという先生の御発言がございましたけれども、ちょっと正確に申しますと、三百一億円、新宿線、池袋線の工事のために積み立てたわけでございまして、そのうち百五十六億円については新宿線の分ということで、後に利用者の方に還元するという措置をとったということでございます。
 それから、中止に至った理由でございますが、これは具体的に申しますと、当初は混雑率を緩和するという観点から、当初一九〇%の混雑率がございましたので、これを緩和するということで特特制度による事業計画をつくったわけでございますが、平成五年四月の都市計画決定等の所要の手続を進める中におきまして……
#88
○緒方靖夫君 簡潔で結構ですよ、時間がないから。
#89
○政府参考人(安富正文君) 一つは、輸送人員が減少傾向にあるということで混雑率が緩和する見通しが立ってきた。それからもう一つは、地下水位が非常に当初の予想よりかなり高いということで、工事費が当初千六百十三億円でございましたけれども、その後二千九百億円になるというようなこともございまして、そういう観点から、今後は混雑率の緩和については輸送力の増強、長編成化等の輸送力の増強によって対応可能だということで中止に至ったわけでございます。
#90
○緒方靖夫君 今、局長が言われた輸送量の減少、これはほかの路線もみんな同じなんですよ。新宿線と同じ日時でこの特特の計画として認可された事業、これは東武伊勢崎線もある、西武池袋線もある、京王線、東急目蒲線もある。これは着々と進められているわけですね。ですから、これは理由にならない。それから、同じ西武でも池袋線の方が輸送人員の減少率が高いんですよ。減少率、九九年で一六%。新宿線は一三%。ですから、これも理由にならない。事業費が高くなると言われたけれども、これも言ってしまえば当たり前なんですよ、これは。やっぱりどれを見ても、伊勢崎線を見たって事業費三五%高くなっている。ですから、今、局長が言われた理由、三つぐらい言われたけれども、どれをとっても理由にならない。
 したがって、大臣、お聞きのとおりなんですが、要するに私は、事業者である西武鉄道の姿勢が問題だと思います。そして、しかも新宿線のために積み立てたお金が全部じゃないにせよ池袋線に使われている。これもやはり大変な大きな問題だと思います。つまり、事業者にとっての社会的責任、それはどこにあるのかということが問われる問題だと思います。
 その点で、私、大臣にお伺いしたいのはやはり監督責任ですね。こういう監督責任がありながら七年間にわたって放置してきた国土交通省、前運輸省の姿勢、これが問われるんじゃありませんか。大臣、その点で責任をどうこれから大臣としてとっていかれるのか、お尋ねしたいと思います。
#91
○国務大臣(扇千景君) 今、緒方先生のお話を聞いておりまして、私もその内情というものが、ペーパーの上では承知しておりましたけれども、実態のやりとりを聞いておりまして、緒方先生のおっしゃること、利用者の一人としては私は、皆さん実態を知らないで、ああそうだったのかとお思いになる点が多々あったろうと思います。
 けれども、今後、それらの中止した原因というものがもっと西武鉄道自身から、西武新宿線の本体から聞きますともっとあるのかもしれませんけれども、今のやりとりを聞いておりましても、ただこういう複々線の事業化及び踏切対処につきましては、鉄道事業者と東京都の間で平成十三年の二月に両者の間で検討委員会を設置して、そして二月に第一回の委員会を開催したと伺っておりますので、何はともあれ、今、緒方先生がおっしゃいました事実、そして事業者側の事情、そして東京都の事情等々がこの第一回の会合で、いつまでお開きになるのかというのは私報告聞いていないんですけれども、まだ第一回でございますので、この委員会が設置されたということによって少なくとも私は今後の需要見込みとかあるいは中止した理由とかがもっと詳しくわかってくるのではないかと思っておりますので、その委員会の結果というものの御報告を私は待って、その上で、私どもとしてお互いに鉄道事業者を指導するという立場であるのですから、それをどのように指導していくかもそれを聞かないと指導のしようがございませんので、この結果を待ちたいと思っています。
#92
○緒方靖夫君 大臣、さらに一歩踏み込みまして、その検討会というのは確かにこれからも開催されるでしょう。しかし、やはり大臣としてこの問題について監督責任があるわけですから、そしてまた混雑を解消してほしい、そしてまた一刻も早くこの事業を進めてほしいという、中止はされたけれどもそういう要望が地元の区からも、また東京都からもあるわけですから、その点で私は、鉄道事業者への強力な指導、そしてこれをもってやはり大臣自身がきちっと自分で聴取されて、事情をつかんで、その後方策を立てていく、このことが求められると思いますけれども、改めてお伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(扇千景君) すべからく、事業を中止する場合は事業認定したときと同じ経過をたどらなければいけないというのが私のやり方でございます。ですから、どこかのように一発で中止と言ってしまってそれで済むことではございませんで、昨年、私ども与党三党で、あるいは建設省とプラスアルファで中止した事業は百八十七事業ございました、公共工事が。
 けれども、それもとにかく全国の三百回の皆さん方の会議を経て、九月一日から十二月十日まで百日かけて、そして地方の皆さんに御納得いただいて、委員会と決定をしてから私は中止したという、俎上に上げるだけでそれで全部中止になるんじゃなくて、やっぱり事業認可したときと同じ手順で私は皆さん方の御意見を聞き、事情を考察してから判断するというのが責任者としての対応の仕方であろうと思いますので、中止したということの報告と、今の検討委員会というもののあり方をやはり見守って、それでなければ冷静な判断ができないと思っておりますので、速やかにできればそれにこしたことはないと思っております。
#94
○緒方靖夫君 私の方からは、改めて地元のそうした要望を踏まえて、大臣の強力な指導、これを要請しておきたいと思います。
 次に、連続立体化事業に伴うバリアフリー問題についてお伺いしたいと思います。JR中央線三鷹―立川間の連続立体化事業、これは二〇〇三年度までに完成することになります。この事業では、武蔵境、東小金井、武蔵小金井、国立の四駅の施設が立体化等に伴って一新されることになります。
 昨年成立したバリアフリー法に基づき駅施設のバリアフリー化の前進が当然期待されるわけですけれども、これらの駅はバリアフリー法で言う大規模改良を要する駅であるはずで、バリアフリー化が当然義務づけられるはずだと思いますけれども、局長、その点いかがですか。
#95
○政府参考人(安富正文君) 昨年交通バリアフリー法が施行されまして、立体交差化事業等による駅舎の改築、これが同法に定める新設に相当するような大規模改良に該当する場合には、鉄道事業者は当該改築後の駅舎を移動円滑化基準に合わせてバリアフリー化するということが義務づけられることになります。
#96
○緒方靖夫君 その点で問題なのは、どういうやり方でバリアフリー化されるかだということなんですね。連続立体化事業での駅施設新築の場合には、既存の駅施設にないエレベーター等を追加する場合、これはバージョンアップとみなされて事業費の枠、少なくとも国の補助の枠組みには入らないわけです。このため鉄道事業者と自治体との間の話し合いがいろいろあって、自治体側が余分な持ち出しをしなければならない、そういう可能性が絶えずあるわけです。
 私は、こうした過大な自治体の負担を避ける、そのために連続立体化事業に関連した駅施設新設に伴うバリアフリー化のためのエレベーター等設置の追加は国のバリアフリー化事業の補助枠が適用されるべきだと考えるわけですけれども、その点いかがでしょうか。
#97
○政府参考人(安富正文君) 具体的なバリアフリーの補助制度をどう適用するかについては、我々としても、個別の事案によってそれぞれ判断があるかと思いますが、基本的には先般交通バリア法に基づいて基本的なバリアフリー化を図るということで我々も目標として掲げておりますので、このバリアフリー補助制度を活用するというようなことを考えながら鉄道駅のバリアフリー化を積極的に推進していくという気持ちでやっていきたいと思います。
#98
○緒方靖夫君 ぜひそういうことでバリアフリー化法に基づいてそれが進められ、よくJRの側は自治体に負担を押しつけるということが往々にしてありますので、そういうことがないような形でぜひお願いしたいと思います。
 最後に、残された時間はわずかですけれども、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案について質問したいと思います。
 この法律によって指定された二十一地域では、産業基盤整備が一定行われましたけれども、この三年間、多くの地域で造成地の利用率はふえず、用地は売れ残り、地方自治体に巨額の負担が負わされました。成功されたと称されるところも一部あるというふうに言われるわけですけれども、私は、全体としてさまざまな問題、つまり公害の激発とかその後の企業の移転、撤退を含めて、工業出荷額の低下と産業、地域の空洞化、これらが進行した大変な大きな問題だったと思います。
 私、一問だけお聞きしたいのは、なぜこのような事態になったのか、どのように考え、この点どのように総括されているのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#99
○国務大臣(扇千景君) 先ほども今回の新産・工特の廃止によってどのようなことがあったかということでいささか御披露申し上げた点もございますけれども、今まで造成された工業用地というものが少なくとも二万七千七百五十四ヘクタールに達しているんですね。けれども、それらの工業用地の中で少なくとも十年度末における売却済みの工業用地は二万五千百七十七ヘクタールであるということから考えますと、売却率は九〇・七%でございます。
 ただ売れればいいということではございませんけれども、総じて見れば高い水準の売却率を保っているというものの、これは評価としてはある程度できると、表面上はですよ、私は数字の上では評価できる数字が出ている、こういうふうに思わざるを得ませんけれども、他方、先ほど私が申しましたように、道央地区と不知火・有明・大牟田地区におきます売却率はそれぞれ八〇・七%と七三・六%。これは両方とも道央地区と不知火・有明・大牟田地区におきましては比較的比率は低いんですけれども、道央地域におきましては造成面積が五千三百八ヘクタールと、他の地区に比べて飛び抜けて大きいことが主な要因と考えられておりますけれども、私はこの不知火・有明・大牟田地区におきましては、石炭産業の衰退と、先ほども御論議ございましたように工業集積が高まらなかったというふうに、事情はいろいろあろうと思いますけれども、少なくとも私たちは今後こういう問題、売れ残りの問題等を解決しますためにも、地方自治体あるいは公団、公社などによります販売促進の努力を補完する観点から、私ども、必要に応じて周辺の道路あるいは下水道等の都市基盤整備を初めとして、土地区画整理事業などの面的な整備事業というものを機動的に実施していく、そしてこれが廃止された後もきちんとフォローしていくということを私はつけ加えさせていただきたいと思っております。
#100
○緒方靖夫君 例えば北海道の苫東開発、これは私もたびたび委員会で質問いたしましたけれども、企業誘致できず、相当量の土地が未利用となっているという問題ですね。こういうことに典型的に示されるように、やはり私は、事情はいろいろあると今、大臣言われましたけれども、それでは済まされない、非常に大きな問題がある。私は、この点で経済第一主義の問題とかそれからまた地域住民の声をよく聞く問題とか、教訓はたくさんあると思いますので、その点についてやはりきちっとした形で総括することが必要だと、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
#101
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 踏切種別ごとの踏切事故の発生件数と事故の内容についてお伺いをいたします。第一種踏切道での事故件数と事故の内容、第二種、第三種、第四種の事故件数と事故の内容についてお伺いしたい。特に、高齢者、身体障害者の方が事故に遭われた件数とその内容についてお教え願いたいと思います。
#102
○政府参考人(安富正文君) 踏切の種別ごとの発生状況でございますが、平成十一年度で見ますと、第一種踏切道で三百四十九件となっております。それから、第三種踏切道で三十六件、それから第四種踏切道で八十件発生しているところでございます。
 また、事故の内容を原因別に見ますと、直前横断によるものが二百九十一件で全体の約六三%を占めております。さらに、落輪あるいはエンスト、停滞によるものが七十九件で全体の一七%、限界支障、側面衝突によるものが七十二件で全体の約一六%となっております。
#103
○渕上貞雄君 次に、ボトルネック踏切道における事故の件数はどれぐらいあるのか。また、ボトルネックの踏切道以外の今後の対策についてお伺いをいたします。
 先ほど種別ごとの事故件数と内容についてお聞きをいたしましたが、今回の改正では、特にボトルネック踏切の改良が喫緊の課題として取り上げられておりますけれども、ボトルネック踏切における事故の件数はどれぐらいあるのか。また、ボトルネック以外での都市、地域を分断する踏切道対策について今後どのようになされるのか、お伺いしたい。
#104
○政府参考人(大石久和君) ボトルネック踏切約一千カ所におきます平成六年から平成十一年の五カ年間の事故の発生は、踏切数で百八カ所、延べ事故件数は百四十二件でございます。五カ年間の踏切事故件数約二千五百件の六%を占めております。ボトルネック踏切につきましては、主に交通渋滞の解消等、交通の円滑化の観点から立体交差等の対策を早急に講ずる、これが事故減少につながると、このようにも考えてございますが、ボトルネック踏切以外の踏切道につきましても、その交通遮断の状況等を勘案して、立体交差化、構造改良、踏切保安設備の整備などにより安全化を促進してまいりたいと考えております。
#105
○渕上貞雄君 ボトルネックと言われる踏切が千ありますね。それ以外に、やはり大きな都市、地域を分断しているというようなところはどれぐらいあるかわかりますか。
#106
○政府参考人(大石久和君) 踏切の存在は何らかの意味で地域分断だとかいうものを惹起しているということが言えると思いますが、交通遮断量が多いところ、例えば国土交通大臣が指定するような、先ほどの御答弁でも申し上げましたように、そういう要件に該当するような度合いの大きいところほど遮断量が大きい、分断量が大きいというように考えてございまして、つまりはボトルネック踏切が最も多く地域分断を起こしているというように考えております。
#107
○渕上貞雄君 ボトルネック以外のところも交通遮断しているところはありますから、どうかそこのところの促進方もひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思っています。
 次に、踏切遮断機の指定基準の対象となる踏切の数についてお伺いをいたします。踏切遮断機を設置すべき踏切道の指定基準のうち、「平成八年四月一日以後の日を含む三年間において三回以上又は平成八年四月一日以後の日を含む一年間において二回以上の事故が発生し、かつ、踏切遮断機の設置によって事故の防止に効果があると認められるもの」とありますけれども、その対象となる踏切はどの程度ございましょうか。
#108
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から踏切遮断機の指定基準について具体的にお話がございましたが、その要件に当てはまるものということで、平成十一年度末において踏切遮断機を整備すべきものとして指定対象になり得る踏切道数が約三千カ所に上っております。
#109
○渕上貞雄君 それの三分の一に当たるところが今回のこの法律にかかわるところと理解しておいていいですか。踏切の数だけが三千あるというふうにだけ理解していればいいですか。
#110
○政府参考人(安富正文君) 今申しましたのは、踏切の改良の対応としては、立体交差化、構造改良、それから保安設備の整備という大きく三つに分かれるわけでございますが、今申しましたのは、保安設備の整備に当たるもののうち踏切遮断機を整備すべきだというものの概要でございますので、先ほどのボトルネックの千カ所とはまた別の概念でございます。
#111
○渕上貞雄君 済みませんでした。
 次に、法に基づく改良計画の未実施の数と、その対応についてお伺いいたしますけれども、踏切道改良促進法に基づいて改良計画が作成されたにもかかわらず、これを実施または計画どおりに実施できなかったものについてはどれくらいありますか。このような場合、どのような指導をなされているのか、お伺いいたします。
#112
○政府参考人(安富正文君) 踏切道改良促進法が制定されました昭和三十六年以降に法に基づき指定を受けた踏切道のうち、平成十一年度末現在で未着工でございますのが、立体交差化では二千九百九十九カ所の指定のうち百二十一カ所、構造改良では三千八百九十三カ所のうち百四十五カ所、保安設備の整備関係では二万七千五百六十三カ所のうち二百二十五カ所というのが未着工になっております。
 これらの改良が実施されていない踏切道につきましては、改正法の経過措置により、改正後の法に基づき指定がなされたものであるとみなすこととしておりますが、今回さらに新たに導入します裁定制度等の活用を図ることによりまして、その円滑な実施が図られるよう対応してまいりたいと考えております。
#113
○渕上貞雄君 それはよろしくひとつお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、連続立体交差化における鉄道既設分の事業者の負担の根拠についてお伺いをいたします。指定事業者における費用負担部分において、鉄道事業者の負担が、連続立体交差の場合、鉄道既設分が五から一四%となっておりますけれども、その根拠はどうなっておるのか、お示しいただきたい。
#114
○政府参考人(板倉英則君) 連続立体交差事業の鉄道事業者負担分の考え方でございますが、負担の根拠といたしまして、一つは踏切がなくなることによる維持管理費の減少、あるいは事故がなくなることによる受益、もう一つは高架下を貸し付けることによる受益がこの事業によりまして鉄道事業者に発生することから、相応の負担を鉄道事業者に求めまして事業を実施しているところでございます。
 その具体の負担率につきましては、地域によって高架下の貸し付けによる受益に大きな差があることに着目いたしまして、東京二十三区においては一四%、政令市及び大都市圏の既成市街地等においては一〇%、人口三十万以上の都市等においては七%、その他の都市においては五%の負担を鉄道事業者に求めているところでございまして、今後とも受益に応じた適切な鉄道事業者の負担を求めつつ、連続立体交差事業の進捗に積極的に取り組む所存でございます。
#115
○渕上貞雄君 次に、単独立体交差化における受益相当分の算出の方法についてお伺いいたしますが、では単独立体交差化では受益の相当分となっていますが、その受益相当分とはどのように算出をするのでしょうか。
#116
○政府参考人(大石久和君) お尋ねの事柄につきましては、道路と鉄道の交差に関する運輸省建設省協定、昭和六十三年五月に協定されたものでございますが、これにおいて定めておるところでございます。この協定におきまして、鉄道事業者は既設の踏切道を除却する場合における工事費のうち、受益相当額を負担し、道路側がその残余を負担するということになってございます。
 鉄道事業者の受益相当額とは、踏切が除却されることにより、今後不要となる踏切道の維持管理費、設備費並びに踏切事故による補償費、損害額等の合計額でございまして、踏切種別及び踏切規模別に定めておるところでございます。
 標準的なケースで申し上げますと、複線鉄道と二車線の道路の一種自動踏切を立体化し、踏切を除却する場合、仮に全体工事費が約四億といたしますと、現在では鉄道事業者の負担はその三%に相当する一千二百万と定めておりまして、六十三年五月以前の三分の一を負担する、一億三千三百万を負担するということからいきますと、その一割弱ということになっておるところでございます。
#117
○渕上貞雄君 最後の質問になりますけれども、踏切道の将来の構想についてお伺いいたします。
 先ほど同僚議員からのお話もありましたが、法律は五年間、それから事業計画は十年間というようなことを言われましたね。しかし、そこには何らかの整合性がなきゃならないと思うので、やはり今後の、今回の法案によって踏切道の改良が促進されるわけでございますけれども、国土交通省として踏切道の将来像をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
#118
○政府参考人(安富正文君) 踏切道の対策につきましては、当然先ほど来より問題になっておりますボトルネック踏切といった、こういう立体交差化等を図って、その統廃合を積極的に推進するというのが基本だと思いますが、一方ではなかなか立体交差化等ができない踏切道がございます。
 そういう意味で、いわゆる第四種、踏切遮断機も踏切警報機もない第四種、あるいは踏切警報機しかない第三種、こういうものをなるべくなくして、自動遮断機を設置しております第一種踏切ということに着実に移していくというのが基本ではないかと思っております。さらに、第一種踏切であっても、先ほど事故原因別で申しましたように、直前横断等による事故件数が依然として多いということから、今回、十三年度予算案においても、大型遮断桿等の高規格保安設備を補助対象としておりますので、そういったいわゆる高規格保安設備の整備というものをより一層促進していきたいというふうに考えております。
#119
○渕上貞雄君 どうかひとつ踏切遮断による、先ほど大臣の方からもお話がありましたように、地域の分断だとか経済的な損失だとか、事故による損失だとか、いろいろございます。これを改良することによって大幅に縮小することができるわけですから、どうぞこれから先もひとつ踏切の改良についてさらに努力されることをお願い申し上げて、質問を終わります。
#120
○戸田邦司君 本日は格別質問することもございませんので、質問は差し控えさせていただきたいと思います。
 後ほど附帯決議も出ることでありますし、いろいろ困難な問題も多かろうと思いますが、どうかひとつ前向きに整備を進めていただきたいということだけ申し上げておきます。
#121
○島袋宗康君 まず、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案に関して若干お尋ねいたします。
 新産・工特制度による成果については、国土交通省としてはどの程度満足しておられるのか。また、反省点についてどういう反省がなされているのか、お尋ねいたします。
#122
○政府参考人(板倉英則君) まず、新産・工特制度の成果でございますが、各指定地区におきまして、国、関係地方公共団体、地元住民等の関係者が積極的に建設整備に努めてまいりました結果、例えば市町村道舗装率につきましては、昭和四十三年から平成九年までの間に新産・工特地区では十・七倍と、三大都市部の伸び六・七倍を大きく上回るなど、交通産業基盤のインフラの整備は着実に進展してきているところでございます。この結果、新産・工特地区における工業集積度について見ますと、全国平均の一・〇に対しまして、昭和四十三年には〇・六八と低かったわけでございますが、昭和五十年には一・一八となり、さらに平成十年には一・二五となるなど、産業集積は着実に進展してきております。
 また、新産・工特指定道県の一人当たりの県民所得について見ますと、全国平均の一に対して昭和四十三年には〇・八九であったのが平成九年には〇・九四となっております。一方、この間の三大都市部の一人当たりの県民所得は一・二三から一・一二に逆に低下しておりまして、新産・工特指定道県と三大都市部との所得格差は着実に縮小していると言うことができると思います。
 このように、インフラの整備をしまして、工業の地方分散あるいは産業集積を進めるという新産・工特制度の制度の趣旨は、地区によりまして進捗状況に差がございますが、総じて見ればある意味で着実な成果を上げてきたと言えるかと思います。
 逆に、反省点でございますが、第一に、先ほど大臣も触れられておりましたが、当初十カ所程度を想定していた指定区域の数が全国的な地域バランスも考慮した結果、最終的には新産・工特地区合わせまして二十一カ所にも上るなど、指定地区を絞り切れなかったことが第一点。
 第二に、例えば制度発足当初、粗鋼生産高の将来見通しを二億トンと見積もっていたわけでございますが、これが結局一億トンにしかならなかったことなど、当初の需要見通しが結果的に過大であったということが第二でございます。
 第三に、二度にわたる石油危機を契機といたしまして、産業構造の変化とかあるいは国境を越えた企業立地の進展等、制度当初には想定できなかった事態が急速に進展しておりまして、これらの変化を十分読み切れなかったことが反省点として考えられます。
#123
○島袋宗康君 新産・工特制度を廃止することにより、国土の均衡ある発展を図り地域格差を是正するという目的と理想も捨ててしまうつもりなのですか。この点について、今後の取り組みについてお尋ねいたします。
#124
○国務大臣(扇千景君) 今、参考人からお聞き取りいただきまして、きょうも午前からこのお話がございましたように、新産・工特の成果が上がった部分と、なおかつまだ十分に成果が上がり得なかった部分と両方あろうと思いますけれども、少なくともインフラ部門あるいは産業部門、そして所得、人口、私は、この四つの部門に対しての大きな成果というものはある程度、今、参考人から数字を聞いていただきましたように、上がったところが多々ございますけれども、さりとてそれではこれで全部達成できたかとおっしゃられれば、私は必ずしもそうではないと思っております。
 けれども、これを廃止した後、少なくとも当初の目的であったことに関しては今後も対処していかなきゃいけない。どういう適切な方法があるかということになってくると思いますけれども、今後も、少なくとも廃止後につきましては地方大都市を通じての産業の国際競争力を高めるということ、先ほど私が申しましたとおりでございますし、少なくとも物流コストというものを下げていかなければ二十一世紀は立ち行かなくなる。
 そういう意味では、広域ブロックを単位とした物流の基盤あるいは情報の基盤、そして各拠点空港あるいは交通結節点の整備等を今後も図っていくということにおいて、国民の視点に立って、あるいは質の高い行政サービスというものを、特に国土交通省になったからできるということをお見せしなければ意味がないと思っておりますので、政策のスピードアップとそれによるコストの低減、そういうものを今後図っていって、四省庁を統合した国土交通省がめり張りのきいた政策を実行できるということをしなければ、私は国土交通省の意味がないと思っておりますので、そういう意味で、全般にわたって私どもは政策に今後の対策をとっていきたいと思っております。
#125
○島袋宗康君 先ほど大臣が図面でお示しいただいた港湾、空港、そして道路網の整備というのがちょっとばらばらになっているんじゃないかというふうな御指摘もありましたけれども、全国そういったふうなところがたくさんあると思うんですけれども、大臣として、これからどういうふうなことでこういった、ばらばらといえばおかしいんですけれども、整備されるおつもりなのか。また、その予算等についてはどのように方策を立てておられるのか、ちょっとその辺について御説明願います。
#126
○国務大臣(扇千景君) 私は、今後二十一世紀、冒頭の所信のときにも申し述べましたように、少なくとも二十世紀はハードの時代であった。我々は、あの焦土と化した日本国をということで、物をつくろう、そして物を生産して早く欧米先進国に追いつけ追い越せということで二十世紀はただただ働いてきたと思います。
 けれども、二十一世紀は、今までつくった物の品質保持を図りながらソフトの面で、今回は環境の面でありますとかバリアフリーとか、そういうソフトの面を加味したものにしていかなければならない。そのために前年度と同じ公共工事の予算をとっても、そういうソフトの面に配慮した方に予算を使っていく。そういうことにも気を使っていくべきであって、ある意味では、昨年と同額の公共事業の予算ではないかとおしかりを受けた部分もございました。
 けれども、その使い方によっては二十一世紀型の予算の使い方ができる。また、高齢化社会を迎えております日本の状況を考えますと、早急にバリアフリー等々は配慮して、そして皆さん方の利便性と、そして年をとっても健康で町に行けるということのためには早急に予算配分をしていかなければならない。それによって私は、新しい二十一世紀型の公共事業と、国土交通省だからできるということを立体的にやっていきたいと思っております。
#127
○島袋宗康君 御説明、大変ありがとうございました。ぜひ頑張っていただいて、そういった国土の整備を図っていただきたいと要望しておきます。
 次は、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について、お尋ねいたします。資料により、踏切種別別の踏切事故件数を平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移を見ると、第二種でゼロ件を除き各種別ともほぼ横ばいか微減程度の件数がJR、民鉄ともに続いているようであります。
 その資料の数字を見ていて不思議に感じていることが一つあります。それは、何の設備もなされていない第四種踏切の事故件数よりも最も整備が進んでいるはずの第一種踏切での事故件数が約四倍と高い数字で推移していることであります。第一種踏切の数が第四種よりも多い点を考慮したとしても高過ぎるのではないかと思いますけれども、一応この踏切種別百カ所当たりの事故件数では第一種一・一三、第三種二・五七、第四種一・七五という数字にはなっているようでありますけれども、それにしても、それは一体どのような理由によるものか、この数字を少なくする抜本的な対策を考えられないものかどうか、お尋ねいたします。
#128
○政府参考人(安富正文君) 今、先生御指摘のとおり、例えば平成十一年度末で踏切道百カ所当たりの件数を見ますと、一種は一・一三ということで、四種と比べますと一・七五でございますので、事故発生率としては低いわけでございますが、ただ、発生件数では第一種が三百四十九件、第四種が八十件と第一種踏切の方が多くなっております。
 これは、基本的には従来から踏切遮断機の整備を進めて第一種化を図ってきたということのために現在全踏切道の約八四%が一種ということでございます。それから、第一種化に当たっては、道路交通量の多い踏切道を中心に整備を進めてきたということで、一種の方が交通量が多いといったようなことが影響して、こういう数字になっているかと思います。
 先ほども申しましたように、一種踏切の約六割が車の直前横断ということでございますので、引き続き立体交差化等による踏切の解消を図るということと同時に、残された踏切についてもより安全性の高い大型遮断桿とか門型踏切等の高規格設備を積極的に推進するということで、さらなる踏切事故の減少を図っていきたいというふうに考えております。
#129
○島袋宗康君 踏切道改良促進法に基づく踏切道の指定及び整備状況を見ると、同法制定以来平成十二年末までに、立体交差化について二千九十九カ所が指定され、うち八二・九%が完成し、構造改良については三千八百九十三カ所が指定され、うち九六・三%が完成し、保安設備整備については二万七千五百六十三カ所が指定され、うち九九・二%が完成するとのことであります。
 この数字を見て感ずることは、少なくとも保安設備については一〇〇%の完成があってもよいのではないかと思います。わずか〇・八%とはいえ未整備の状況であるという点は解せないと考えます。これはその意思さえあればできることではないかというふうに考えますけれども、いかがですか。
#130
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のとおり、平成十一年度末現在で踏切保安設備の整備の完了率が九九・二%というふうに、一〇〇%に至っておりません。
 この理由でございますが、一つは、平成十二年度末までに少しは数字が上がるんじゃないかと思っているのが一つでございます。それからもう一つは、整備が完了しない踏切道の一部については、指定後の事情、例えば道路のつけかえであるとか取りつけ道路の廃止といったような指定後の事情によって踏切自体の廃止が検討されているものとか、あるいは踏切道の拡幅等の構造改良と同時期にやった方がいいということでその時期の調整を図っているものといったような個別の事情を有しているものがあることも別の要因でございます。
 ただ、先生おっしゃいますように、指定を受けた踏切道に対してはできるだけ一〇〇%整備が図られるように今後とも適切に指導していきたいというふうに考えております。
#131
○島袋宗康君 今回の改正において、立体交差計画または構造改良計画の作成に際して国土交通大臣による裁定制度を創設されることにしておられますけれども、この制度創設に当たってどの程度の実績が見込まれ、かつ踏切道の改良が促進されると考えられますか、お尋ねいたします。
#132
○国務大臣(扇千景君) 総じて申しますと、島袋先生御承知のように、今までは道路行政を所管する大臣とそしてあるいは鉄道行政を所管する大臣が分かれておりました。そのために、この法律をとって立体化するということの困難さ、また行政の停滞というものも私は否めなかったと思うんです。
 けれども、今度は国土交通省になりましたので、私たちは少なくとも道路行政とそれから鉄道行政の双方を一元的に今回はできるようになったと。そのことだけでも今、先生がおっしゃいますように一元的なメリットを生かして道路管理者と鉄道事業者との協議が速やかに行われて、また難航しておりました場合は国土交通大臣が裁定することができるということになっておりますので、今後は、先ほどもなぜ一〇〇%行っていないんだというお話もございましたけれども、少なくとも私どもは今回は計画したことは必ず実行しスピードを上げる、それで私がいつも申しますように、スピードを上げることによってコストダウンもできるし、一体的な話し合いができて行政の推進を図れるという点に関しましては、私は今回は間違いなく皆さん方の御期待に沿えるのではないかと。
 また、なるべく私が出ていって裁定するなんというようなことはしなくてもいいように、地域の皆さん方との連携、事業者等々との連携を図っていきたい、そして今後これによる制度が必ず実行できると。きょう委員会でお約束しました目標を達成するように、一日も早くそのことに専念したいと思っております。
#133
○島袋宗康君 今の御答弁をいただいて、大変期待しておりますので、ぜひ御努力いただけますようにお願いして、質問を終わります。
#134
○委員長(今泉昭君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#135
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、筆坂秀世君及び北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君及び藤井俊男君が選任されました。
    ─────────────
#136
○委員長(今泉昭君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより順次両案の採決に入ります。
 まず、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(今泉昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。
#138
○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、踏切道の改良は、緊急性の高いものから重点的に行うことにより、踏切事故の防止及び交通の円滑化に資すること。
 二、全国に約千箇所あるとされる交通遮断量の著しく多いいわゆるボトルネック踏切は、今後十年間で半減させることを目標とし、当面の五年間は、国土交通大臣の迅速な指定、裁定制度の活用等により積極的な事業の実施に努めること。
 三、踏切保安設備の整備については、税財政上の支援措置の活用により、鉄道事業者を督励して、一層の促進を図ること。
 四、踏切の統廃合等踏切道の改良は住民生活にも大きな影響があることから、都道府県知事の申出制度の運用に当たっては、住民の意見反映に努めること。
 五、踏切保安設備の整備等踏切道の改良に当たっては、高齢者、身体障害者等の安全な利用に配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#139
○委員長(今泉昭君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(今泉昭君) 全会一致と認めます。よって、寺崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
#141
○国務大臣(扇千景君) 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におかれましては、熱心かつ中身の濃い御論議をちょうだいいたしまして、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げたいと存じます。
 今後、審議中におかれまして皆さん方からいただいた御意見、すべての皆さん方の御論議を今後、また今、附帯決議におかれまして提起されました交通遮断量の著しく多いいわゆるボトルネックに関しましては、その踏切の対策の積極的な事業の実施などの課題につきまして、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対して深く謝意を表し、ごあいさつとさせていただきます。
 本当にありがとう存じました。
#142
○委員長(今泉昭君) 次に、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(今泉昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#145
○委員長(今泉昭君) 次に、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び高齢者の居住の安定確保に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#146
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、従来より、国民の住宅建設に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定に大きく寄与してきたところでありますが、官民の適切な役割分担のもと、国民の住宅取得を促進し、良質な住宅ストックの形成を図っていくためには、諸般の改善措置を講ずることが必要であります。
 この法律案は、このような観点から、今国会に提出された平成十三年度予算案に盛り込まれている特別割り増し貸付制度の延長、住宅融資保険制度の改善等所要の改正を行うものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、国民の住宅取得能力を引き上げ、居住水準の向上を図るため、特別割り増し貸付制度の適用期限を平成十八年三月三十一日までの五年間延長することとしております。
 第二に、住宅取得者への円滑な資金確保を図るため、金融機関の貸し付けに住宅金融公庫が保険を行う住宅融資保険制度について、保険金のてん補率の引き上げ等を行うことといたしております。
 第三に、住宅市街地における共同建てかえ、マンション建てかえを円滑化するために、高齢者に対する融資については、死亡時に一括償還する方法を導入することといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 次に、高齢者の居住の安定確保に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国においては、急速な高齢化の進展に伴い、高齢者が急速に増加することが見込まれている中、高齢者の身体機能の低下に対応したバリアフリー化された住宅ストックの形成が急がれております。また、高齢者世帯の増加の大部分を占める高齢者単身・夫婦世帯は、民間賃貸住宅市場において入居を敬遠される傾向があり、高齢者が安心して居住できるよう、市場環境の整備を進めていくことが重要な課題になっております。
 この法律案は、このような状況を踏まえて、民間活力の活用と既存ストックの有効利用を図りつつ、良好な居住環境を備えた高齢者向け住宅の効率的な供給を促進するとともに、高齢者の入居を受け入れることとしている賃貸住宅の情報を広く提供するための制度の整備等を図ることにより、高齢者が安心して生活できる居住環境を実現しようとするものでございます。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、高齢者の賃貸住宅への円滑な入居を促進するために、高齢者の入居を受け入れることとしている賃貸住宅の登録制度を創設するとともに、登録を受けた賃貸住宅の家賃に係る債務を高齢者居住支援センターが保証できることといたしております。
 第二に、民間主体が都道府県知事の認定を受けて供給するバリアフリー化された高齢者向け優良賃貸住宅については、国、地方公共団体等が補助等による支援を行うことといたしております。
 第三に、地方公共団体等が高齢者向けの優良な賃貸住宅を供給する場合に、国等が補助を行うことができることといたしております。
 第四に、バリアフリー化された賃貸住宅を高齢者の終身にわたって賃貸する場合に、借地借家法の特例として賃借人が死亡したときに終了する旨を定めることができる終身建物賃貸借制度を創設することといたしております。
 第五に、高齢者がみずから居住する住宅について行うバリアフリー改良に対する住宅金融公庫の融資について死亡時に一括償還をする方法を導入するとともに、高齢者居住支援センターがこのような償還方法による融資に係る債務を保証できることといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#147
○委員長(今泉昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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