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2001/03/29 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第5号
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2001/03/29 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第5号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第5号
平成十三年三月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     脇  雅史君     北岡 秀二君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     脇  雅史君
     長谷川道郎君     片山虎之助君
     藤井 俊男君     北澤 俊美君
     大沢 辰美君     筆坂 秀世君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     久世 公堯君
     前川 忠夫君     櫻井  充君
     筆坂 秀世君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                鈴木 政二君
                田村 公平君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                岩井 國臣君
                久世 公堯君
                坂野 重信君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                山内 俊夫君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                櫻井  充君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                大門実紀史君
                筆坂 秀世君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       国土交通副大臣  高橋 一郎君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       今村 雅弘君
       国土交通大臣政
       務官       岩井 國臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       厚生労働省政策
       統括官      石本 宏昭君
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        望月 薫雄君
       住宅金融公庫理
       事        邊見敬三郎君
       住宅金融公庫理
       事        五十嵐健之君
       都市基盤整備公
       団総裁      伴   襄君
       都市基盤整備公
       団理事      吉田 吉宣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○高齢者の居住の安定確保に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、藤井俊男君、大沢辰美君及び長谷川道郎君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君、筆坂秀世君及び片山虎之助君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び高齢者の居住の安定確保に関する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省政策統括官石本宏昭君、国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省道路局長大石久和君及び国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 同じく両案の審査のため、本日の委員会に住宅金融公庫総裁望月薫雄君、住宅金融公庫理事邊見敬三郎君、住宅金融公庫理事五十嵐健之君、都市基盤整備公団総裁伴襄君及び都市基盤整備公団理事吉田吉宣君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(今泉昭君) 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び高齢者の居住の安定確保に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 まず最初に、高齢者の居住の安定確保に関する法律案について質問をさせていただきます。
 一読いたしまして、極めて重要な法案であるなという印象を受けましたし、非常にさまざまな課題もまた同時に存在するのではないかなというふうに感じました。
 基本的に、人間おぎゃあと生まれて死ぬまで自分の一生に自分で責任を持ちたいわけでありますが、自己責任といいますか自助努力といいましょうか、そういう部分があるわけでありますが、どんなに頑張ってもそれでは済まない場合があります。人間生まれるときも自分の力だけでもちろん生まれるわけではありませんし、死んでいくときも自分一人だけで皆様方に迷惑をかけずに逝くというわけにもいきませんから、どこかでほかの方々の御援助が要るわけであります。
 それでは、その自助努力、自己責任と国なり都道府県なり市町村なり公的な機関とがどういう格好で分担関係を持てばいいのか。これは極めて難しい重要な問題だなと。必ずしも正解はただ一つあるというわけではなくて、世の中のさまざまな流れの中で適宜その組み合わせを定めていけばいいんだろうと思うわけでありますが、多分この法案を提出するに当たって、そういったことを含めましてさまざまな御議論がなされてきたんだろうと思います。
 この法案は、特に高齢者の方のお住まいということに重点が絞られているんですけれども、大体高齢化社会を迎えて、みんな先行きが不安だ不安だとおっしゃるわけでありますが、どんな時代でも自分の将来に一切不安がないなんという世界はあるはずがないので、それは自己責任と公の責任とで負担をしていくという性格だと思うんです。特に、年をとった場合の不安は何かと。健康ですね、やっぱり健康というのは本当に皆さん不安だと思います。それから生活費が確保できるか。そして住まいですね、住まいがなければもうどうしようもありません。
 健康は、健康保険であるとか介護保険である程度自分がだめになったときに公的な援助の仕組みができたかなと。お金は、これどうしようもないんですが、最悪の場合には生活保護ということもあるわけですから何とかなるかもしれない。一番困るのは、体は丈夫で、さて七十、八十ぐらいになって収入は余りなくて借家住まいで借家を断られると、これはもうどうにもならないわけですね。
 そういう意味で、住まいをきちっと何とかしてやろうというこの法案の意味があると思うんですが、それはそれとして、私は、住まいをよくする、これは当然なんですけれども、そこでどう住まうかということに目が行かなければいけないんですね。お年寄りも生き生きと楽しく生活をしていただかなければいけませんから、ただ恵まれた段差のないバリアフリーの住居さえ与えればそれでいいんだということではもちろんないわけで、一つ忘れてならないのは、お年寄りが元気に生き生き暮らしていくための仕掛けというのをあちこちに配置をしなければいけない。
 私は、ペットの問題というのがいつも忘れてはいけないと思うんですね。老人ホームで介護老人、痴呆老人に犬を飼うと進行がとまる、犬や猫であるいは改善をされるという報告もあるんですね。やはりそういったことが、犬や猫も自由に飼えるような居住環境、そして老人がみずから、それは人に世話をしてもらうんじゃなくて、ペットの世話をするんですね、幾つになっても。やはり世話を受けるだけではだめなんで、世話をしてやるというそっちのそういう部分が残ってないと人間の元気がなくなっちゃうんじゃないか。
 よく、九月のお年寄りの日の前後にNHKテレビ見てみますと、お年寄り特集というのをやるんですね。百歳ぐらいの方が本当にお元気に畑を耕したりしているんです。農作物をつくるというのは大変な重労働かもしれませんが、あれは頭も使って非常にいいことなんですね。草花を育てる、種をまくべきときにまいて、そして水をやり、手当てをするから花が咲く。花が咲いて喜びがまた受けられると。
 そういう老人の暮らし方というところまでひっくるめて、その中で住まいだけはこうしていこうという、多分そんな議論もなされたと思うんで、我が国がお年寄りがどんどん多くなっていくという中で、一体全体現在の状況をどうお考えになっているのか、そして今後どうあればいいのか。この法案をつくるに当たってなされた議論の問題点みたいなものを、扇大臣は非常に若々しくおられてこういう問題をお聞きするのが適切かどうかちょっと疑問ではありますが、お答えをいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 今、脇先生からいろんな世情のお話も出ましたけれども、必ず私はあすは我が身だと思っております。年をとらない人間はおりませんし、私ももう老境に入りつつございますので。
 ただ、私は年齢だけではなくて、この法案をつくりますときに、世界一の長寿国です、しかも脇先生には申しわけないけれども女の方が八十四というありがたい平均寿命でございまして、男は七十六でいらっしゃいますけれども。今ずっと見ておりましても、老人の中の八割は女でございます。
 そして、百歳以上が一万人を超えたという日本の中で、我々はどういう政策をとっていけるかということが本当に大きな問題になっているんですけれども、後で詳しく申し上げますけれども、民間においてはひとりの老人の入居を断るところがたくさんございます。それは、いつまで家賃を払ってくれるかわからないという、その保証人が、大変今わびしい世代でございまして、子供が必ず親の面倒を見てくれるとは限らないということで、民間の大家さんは賃貸住宅をお年寄りに貸したくない、そういう条件をつけているところがいっぱいあるんですね。
 ですから、私は自分の周りあるいは老人ホーム行きましたら所長さんに伺いましたら、扇さん、一番元気なのはおばあちゃんなんだよと、こうおっしゃるんです。どうしておばあちゃんが元気なんですかと言ったら、これは所長さんの言葉ですから誤解しないでくださいね、女はいつまでも色気があると言うんです。それで、老人ホームのほとんどがおばあちゃんになるけれども、数少ないおじいちゃんにやっぱり好き嫌いがあるんだそうです。それでウマの合うおじいちゃんに気に入ってもらおうと思ってすごく元気になるというんです。ですから、これは所長さんのお話ですから、私はまだ実感しておりませんのでよくわかりませんけれども、そういうことで、私はどんな理由にしろ、今、先生ペットのお話、草花を育てるというお話をなさいましたけれども、どういう理由にしろ、自分が元気で生きる力を持つということが最大の老人に対する私は心得だと思っております。
 理由は何にしろ、先生がおっしゃいましたように、私たちは本当に子供たちが保証人になってくれなくても賃貸に入れる者は何を保証するべきかと。今はお金があるけれども、このお金が、さっき先生ちらっとおっしゃいました、足りなくなったときには先行きここにいられるんだろうかということで、この人が生きている限り保証できるものはどういう賃貸ができるんだろうと。
 そういうこともいろいろ検討しながら今回の法案づくり、先生がさっきおっしゃいましたように二十一世紀は、二十世紀はハードでただつくること、二十一世紀はソフトの時代でバリアフリーを始めて、そういう細かい心遣いをするのが私はソフトの二十一世紀だと思っていますので、そういうことを勘案しながら今回の法案を出させていただいて、また不備な面があるかもしれませんけれども、現段階では最大限の条件を備えて法案として出させていただいたというのが根本でございます。
#10
○脇雅史君 ありがとうございました。
 我々、当然わかっている話ですけれども、高齢者の方々のために住まいを、高齢者の方々のために町づくりをというんですけれども、高齢者だけがお住まいになるわけじゃなくてみんなで住む町ですから、高齢者の方であっても暮らしやすい、住みやすい家にするという意味で、高齢者というのをジャンルに分けてこっちということではないと思うんですね。うまくまざり合うという施策が必要で、もちろんこの法案の中にもそういう精神は入っていると思うんですけれども、ちょっとだけ読むとその精神がどこか抜けているようにも思いますので、お考えをいただきたいというふうに思います。
 それから、法案第二条なんですけれども、「国及び地方公共団体の責務」とございますが、これは特に質問というほどのことではないんですが、さっと読むと、「国及び地方公共団体は、高齢者の居住の安定の確保を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」と。必要な施策を講ずるのは当たり前で、必要でない施策はやるはずがありませんからね。
 私、法律というのはもう少しわかりやすい方がいいと思うんですね。ですから、この文章を私がつくるとすれば、居住の安定の確保を図るよう努めなければならないで十分だと思うんですね。必要な施策を講ずるのは当たり前のことで、そんなばかなことを法律で書くから日本語が乱れるんでね。嫌みではありませんが、少し法制局の方々もわかりやすい法律ということをお考えいただきたいなというふうに思います。
 それから、第三条の「基本方針」でありますが、「国土交通大臣は、高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針を定めなければならない。」。これをちょっと読むと、この基本方針というのは一体何なんだろうかと。国がみずからおやりになることの基本方針なのか、あるいは国全体として高齢者の居住の安定を確保するためにやるべき方向を言っているのか、市町村、都道府県に対しての責務を言っているのか、若干、見ただけでは、中身の簡単な内容は書いてありますが、わかりにくいので、この基本方針の性格あるいは内容といったものをいま少し御説明をいただきたいと存じます。
#11
○政府参考人(三沢真君) 基本方針についてのお尋ねでございます。
 基本方針につきましては、今、先生がお話しのとおり、国としてあるいは公共団体としてのいろいろな責務があるわけでございます。高齢者の居住の安定を確保するという観点から言いますと、例えば高齢者に適した設計、設備の住宅がきちんと供給されることとか、それから供給だけじゃなくてそれが円滑な高齢者の入居につながってきちんと管理される、あるいはさらにまた福祉との連携が図られる等々いろいろな課題があるわけでございます。
 こういう事柄につきまして、国と地方公共団体がどういう役割分担でどういう連携をしていくか。一つは、それぞれが講ずべき施策の方向をこの基本方針の中で明示をするというのが一点でございます。それからもう一つは、行政側だけでなくて、これはかなり民間活力を使っていろいろな高齢者のための住宅供給をするような仕組みを今回盛り込んでおりますけれども、そういう民間事業者も含めましてこれから良好な居住環境を備えた住宅が供給されるような、その参考となるような指針を提示するというような性格でございます。それからさらに、先ほど申しました福祉との連携については、厚生労働大臣との協議の上で、保健医療サービスとか福祉サービスについて、そういうことを提供される方との連携について非常にこういうことが大事だということをお決めいただきたいということでございます。
 そして、じゃ具体的にどういう効果があるかという点でございますけれども、この法案の中で高齢者向け優良賃貸住宅制度というのがございます。そういうものの供給計画の認定、あるいは終身賃貸事業、それについては認可になっておりますが、その場合の認可の基準、あるいは登録住宅制度がございますけれども、登録住宅の大家さんに対しまして知事がいろんな必要な助言、指導を行えるということになっておりますけれども、そういう助言、指導に当たって勘案すると、こういったようなことに役立てるという趣旨からこういう基本方針を策定するということにしておるものでございます。
#12
○脇雅史君 冒頭で申し上げましたように、高齢者のための住宅の需要に応じて供給をするという、安定を図るということはいいんですけれども、やはりその前提になる我が国の高齢者の暮らしの状況とか周辺のことも少し前文でもいいですから書き込んで、国としての方向性を、余り技術的な部分、安定的な住居を確保するということだけに、その技術的な中身だけではなくて、それを見ていると、我が国として高齢者の暮らしというのはこんなふうに考えてくれているんだなということが読むとわかるような、ですから裏返せば、それを読んだ人が、じゃ私はこんな状況だからここまでやればあとはいいかなと、自分が老人になるに当たっての目標値みたいなものが設定できるかなと。そういう周辺が少し入ってきた方がいいのではないかなと。
 もちろん、この法律の趣旨からしてそれは超えるものだということはわかって申し上げているわけでありますが、何かそんなようなことも、この指針でできなければさらに何かつけ加えるような、国土交通省として、住居だけあればいいんじゃなくて、やはり暮らしを見ているんだということでつけ加えていただければなというお願いであります。
 それから、この法律でおやりになることの幾つかが、登録制度でありますとか良好な居住環境を備えた賃貸住宅の供給の促進であるとか、あるいは終身建物賃貸制度であるとか、あるわけでありますが、この法律をつくるに当たって、一番今お困りになっている人たちというのは一体だれなんだろうかと。それに対する、この法律ができたことによってこういうふうに救われますよと。やはり漠然と全体をよくしていくというのはもちろんあるんですけれども、本当にお困りになっている方というのはいると思うんですね、お住まいの問題で、高齢者の方で。相談に行くところもない、家も貸してくれない、どうしようかと。これをやると救われるんだと、一番緊急性があるといいましょうか、重要度があるといいましょうか、そういう点で施策の重要度に差が若干はあるんだろうと思うんですけれども、一番今急がれている問題はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
#13
○政府参考人(三沢真君) 一番という御質問でございますが、何点か申し上げさせていただきますと、一つは、これから急速に高齢化が進んでいくという上で、特に高齢者単身世帯あるいは高齢者夫婦世帯が非常なスピードでふえていく、今後十五年間で約四百万世帯ぐらいふえていくと。これについては、多分絶対的な供給量という意味からいって相当不足するであろうと。これは間違いなくこのまま放置すれば相当お困りになるという状態かと思います。
 それからもう一つは、そういう住宅についていわゆるバリアフリー化の現状でいいますと、今、全体で全住宅ストックの三%ぐらいしかない。もちろんそれは自助努力でいろいろバリアフリーに改造する資力の方もいらっしゃると思いますが、特に民間借家の場合は非常に低い。これはなかなか賃借人の方だけの自助努力で賃貸住宅のバリアフリー化が図られるという状況にもないというのがもう一点。
 それからさらに、先ほど大臣のお話にございましたように、賃貸住宅の多くについて、やはり大家さんが非常に不安を持って高齢者の入居を不可とするというような状況で、具体的に本当に高齢者の方が民間借家に入ろうとしてもなかなか入れないという状況があると。
 この三点くらいの状況が恐らくこれから一番大きい問題になっていくんではないかということで、今回、この法案の中にあります、例えば優良な賃貸住宅を供給するとか、あるいは登録住宅制度とあわせて債務保証制度を創設する等々の施策を盛り込んでいるところでございます。
#14
○脇雅史君 ちょっと話は変わるんですが、高齢者の方も、さあ、年とったから高齢者住宅に入ろうということじゃないんだと思うんですね。多分、住宅というのは継続していくので、借りていてもずっと住まえればいいと。もちろん、住まいをかえる、転居するということはあるわけですけれども、できたらついの住みかでずっといきたい。そうすると、ある段階から、今はできていませんから高齢者用に向けた住宅に仕様がえをするというわけですけれども、本来は初めから全部そういう住宅に若いときから住んでいればいいわけですね。
 ですから、問題は、私は先ほども申し上げましたけれども、何らかの事情で大家さんに出てくれと言われる、六十五ぐらいで。特に身寄りのない方もおられるわけですから、保証人もいない、近い親戚もいない。借りられない、出ていけと。その人が一番困ると思うんです。ほかの人は何とかなるんですよ。だから、そういう人に対して本当にこの法律が有効に働くのかなということを実はお聞きしたかったわけなんです。
#15
○国務大臣(扇千景君) 今、脇先生がおっしゃいましたことで現実的に私がわかる範囲で知っておりますことは、私どもの身の回りにいる人たちで急に足のぐあいが悪くなって車いすになったと。民間の賃貸住宅に入っていると。民間に入るときには契約書の中に、入るときの入居状況と同じ状況にして出ていきなさいと契約書に書いてあるわけですね。
 そうすると、車いすになったから民間の賃貸住宅を車いす用に改良できないんですね。出ていくときにはまたもとの状態に戻していかないといけないという契約上の制約がある。それでは、急に車いす生活になって、奥さんが車いすになったと。賃貸住宅だから、車いすが通れるようにしようと思って手直ししたら、その費用と、そして出ていくときにまたもとに戻さなきゃいけないという、契約上はどうしてもそうなってしまうんですね。
 ですから、今、民間でほとんどバリアフリー化できた民間の賃貸住宅というのは、今、局長も言いましたけれども三割に満たないというのが現状なんですね。ですから、何としてもそれをして、皆さんが今すぐに出ていけと言われても入れるようにしてさしあげようと。私は、今の段階ではバリアフリー化するというのが一番最新の、また最大の目標だと思っています。
#16
○脇雅史君 非常にいいお話を伺いまして心強く思いましたが、行政としてマクロに見て全体の居住環境をうまく上げていくというのは当然必要なことですし大事なんですが、片や、本当に今お困りになっている方に素早く対応するというのも同時に必要なんですね。
 今、大臣はそういう意味でその種の心構えを述べていただきましたので、ぜひ、すぐにでも困った方に対応できるというのを、この法律をちょっと読んでいると、いろいろ登録したり大変なんですよ。だから、もうちょっと待っていろよ、あと五年待っていればうまくいくぞといったような感じもないわけではないので、特に基本方針なんかでそういったことに対応できるように、素早い対応をお願いしておきたいというふうに思います。
 それから次に、高齢者の円滑入居賃貸住宅についてということでお伺いをいたしますが、登録制度ですね。入居者に対して債務保証をしてあげるという、大家さんに対していわゆるあめの保証をしてあげますから登録をしてくださいよと。その登録をすることによって結果的に高齢者の方が借りやすくなるという、そういう仕掛けだというふうに思うわけでありますが、大体この制度をやるとどのくらい登録が来るというふうに見込まれているのか、そしてその指定登録機関というのはどんな機関をお考えになっているのかということについて教えていただきたいと思います。
#17
○政府参考人(三沢真君) まず、この登録がどのくらい見込まれるかということでございます。
 これはちょっと実はこれからの話でございまして、公的な関与によって補助をしたりとかそういうものでないので、基本的にできるだけ大家さんの自主的な発意でどのくらい登録していただけるかということでございますので、ちょっと正確な数字、見通しの数字も持ち合わせておりませんけれども、やはり数万戸のオーダーでどんどんふえていく、そういうことを期待しているものでございます。
 それから、高齢者居住支援センターとしてどういうところを予定しているかというお話でございます。この法律上の高齢者居住支援センターといたしましては、既存の財団を活用するという方向で現在検討しております。具体的には、国土交通省と厚生労働省が両省で所管しております高齢者住宅財団という財団がございまして、この財団は高齢者向けの公共住宅の管理運営とか、高齢者向けの住宅の、失礼しました、指定登録機関でございました。指定登録機関につきましては、基本的に各知事がやるか、または知事が登録機関にやらせるかということでございまして、それぞれの都道府県に現在ございます住宅センターとか建築センターとか、そういうような公益法人を活用されることになるというふうに考えております。
#18
○脇雅史君 なかなか、登録をして指定を受けたことによってからしかスタートしませんから、相当各都道府県、宣伝と努力をしないと立ち上がっていかないかなという気もしますので、ぜひその辺は力を入れていただきたいというふうに思います。
 それから次に三十条、優良住宅の供給の話でございますが、三十条で供給計画を認定すると。そして認定を受けたところに対して整備費用の補助をするという、あるいは公庫の融資等ができるようにするという、そういうことによって高齢者用の住居の確保をしようという話でございますが、これもまだ多分定かではないとは思うんですけれども、どのくらいこういう供給計画の認定を受けるというのが出てくるのか、大事な問題でありますので、見通しがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#19
○政府参考人(三沢真君) いわゆる認定住宅といいますか高齢者向けの優良賃貸住宅につきましては、先般閣議決定で住宅建設五カ年計画を閣議決定しておりますけれども、その中で向こう五年で十一万戸建設すると、十一万戸供給されるというふうに見込んでおります。
#20
○脇雅史君 これは要らない心配かもしれませんが、供給計画を出していらっしゃいと、そうしますと、高齢者向けの住居の供給計画でありますから、どうも老人ばかりお住まいになるような住宅ができてしまうのではないか、うまく全体としてのバランスがとれるのかなと。もちろん、高齢者の方がお借りにならなくて家があいているときには許可を経て高齢者でない方も住まわせるという方策はあるようですけれども、全体として高齢者だけを分離して隔離をして、そういう計画でないような計画にしろということがうまく機能できるのかなと、供給計画として。その辺の、申請をする人に対する指導とか考え方とかはどのようにお考えなのか。
#21
○政府参考人(三沢真君) まさに御指摘の点が非常に大事な点だと我々思っておりまして、それでやはり認定に当たって、例えば認定のロットを例えば戸数が非常に大きいようなロットを設定いたしますと、今おっしゃいましたように、その一画はもう高齢者だけのお住まいが集中する、そういうようなことになる可能性がございますので、今回はむしろ認定のロットとしては五戸以上であればいいと。五戸以上ということになりますと、ある程度一棟の建物の中に何戸あるうちその一部だけこういう認定を受けることもできますし、それから当然そのコミュニティーの中でそういう小さいロットで高齢者がお住まいになって、近所には若い方といろんな形で交流ができると、そういうことも可能になりますので、そういう仕組み、認定の基準にしております。
 したがいまして、そういう趣旨でこれを活用いただきたいということも、当然これから事業者等に対していろいろ周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#22
○脇雅史君 世の中は規制緩和の時代、市場原理に任せようという時代に、ある意味ではこの法律は全く逆を向いて、がんじがらめに中央集権でやろうという法律なわけですね。これは何も皮肉を言っているのではなくて、世の中というのは規制がなければいいというものではなくて、必要な規制はなければ人間社会はうまくいきませんから。この分野においては多分そういう規制が必要なんだろうというふうに思うんですが、そうはいっても、やはり時代ですから、どうしても民間を立てたことを言わざるを得ない。国が余り突っ込んでいったらおかしくなるというような意識がどうしてもありますから、あなた任せな部分があるわけですよ。
 そうしますと、今申し上げたようなことが本当にうまく機能するのかなと。ある意味では、民間業者は、高齢者向け住宅の賃貸をする人にしても、商売ですからもうからなければいけないんですね。そういう利益を主体とした市場原理の中にほうり込んで、片や、きれいごとと言っては恐縮ですけれども、高齢者に本当にいい住宅を供給したいという国全体としての考えがうまく浸透するのか。極めてこういう規制緩和の時代にあって国としての方向が難しいと思うんです。国がどこまで責任を持つのか。これは随分お金も出しますし、相当な中央集権だと思います。地方公共団体にも相当な役割を与えていますし、公的な部分に随分多く依存する部分があるわけですね。
 私は、余り全国一律に、国として国土交通大臣の命令のもと、全部同じように金太郎あめで世の中が動くのではなくて、ある地域に行ったら、福島へ行ったら物すごく老人は暮らしやすいぞ、みんなで行こうとか、新潟へ行ったらいいとか、長野へ行ったらもっといいぞ、いい知事がいるぞと、要するに高齢者に非常に暮らしやすいところが、青森も申し上げなければいけないかもしれませんが、非常にやっぱりいいところはいっぱいあるわけですね、奈良も。
 そういう意味で、地方の独自性、主体性、同じ公的な権限を行使するにしても、少し地方分権的なイメージがもっと強い方がいいのではないかなと。地方公共団体の役割ということについて、国との役割分担みたいなこともひっくるめて、どのようにお考えになっているのか。
#23
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃるとおりでございまして、私たちは民間を圧迫しようというつもりではございませんで、私は、公団でこういうことをしていくと、民間が刺激されて、本来は投資効果だけを図るような民間営業ですけれども、それは仕方がないとしても、二十一世紀はこういうことをしなければ入ってくれる人が少なくなるんだという意識改革の、私たちは市場を誘導していく、民間活力を刺激するという意味にとらえていただく方がむしろ私はいいのではないかと。すべからく私たちだけがやるというのではなくて、私たちは火をつけていくんだと。それによって地域のある県もそして民間も、ああこうしようと、これが二十一世紀型なんだなというふうに私は導火線に火をつけるつもりでございますので、そういう意味でございます。
#24
○脇雅史君 ぜひ、今、民間との関係において言われましたけれども、地方公共団体といったものに主体性を持たせていただきたい。方向としてはそうなるんだと思うんです。
 四十八条、四十九条を見ますと、地方公共団体はその区域内において高齢者向けの住宅が足りないときにはみずからつくれと、「基本方針に従って、」という部分があるんですが、その基本方針がそこまで細かく書いてあるのかどうかは、ちょっと冒頭に申し上げましたように、少しわかりにくいんですけれども。
 いずれにしても、四十八条は、地方公共団体が、その地域を見ていて足りないなと思ったら、みずからつくることもあり得べしと言っているわけですね。それは、民間の努力を促しても間に合わないときはみずからやるしかないというケースがあるのかもしれませんし、その場合には、四十九条で国が補助してあげるという非常に中央集権的な要素が強いので、金もないのに公共団体にやれと言われても困るということも片やあるわけですけれども、財源の配分の問題にもなってきますが、やはり私は居住問題なんというものは地域の独自性を持って地域に競わせて、本当にいい場所があれば、年をとればあそこへ行こうと。外国まで行こうという人がいたわけですね、日本だって、オーストラリアへ行こうとかカナダへ行こうとか。まして、日本の国の中でも、言葉は通じますし、いいところはいっぱいあるわけですから。人口のバランスをとるという意味でも、それぞれ地方で競うような方策が要ると思うので。
 ちょっとこの法律を読む限りでは、そういう精神、相変わらず金太郎あめ型でありまして、競って頑張れという精神が見えないんですが、大臣、どうですか。
#25
○国務大臣(扇千景君) 私はそういうつもりではなくて、先ほど申しましたような、やっぱり私たちが率先して誘導していって、二十一世紀社会はこういう社会をつくろうという基本があるということだけはぜひ御理解賜りたいと思いますし、今、地方公共団体も、先生がおっしゃいました四十八条、本当に地方自治体にということが書いてございますけれども、御存じのとおり、もうこの辺ずらっと先生方、皆さん、地方自治体の苦しさを如実に見ていらして御理解いただいている先生ばかりでございますので、できればその中で四十九条で補助をするということも明記してございますので、これは補助金というものも、これは長くなるからやめますけれども、国土交通省は三割の補助金は全部地方に任せようということになっていますので、その中で地方の自治体の皆さん方が知恵を絞って、我が県はこういうところに集中しようというようなその御選択は私は地方にお任せすると、三割は一括してお渡しするわけですから。
 そういう意味で私は、こういう法案をつくることによって少なくとも今後十五年間で夫婦あるいは単身等々の老人世帯が三百九十万戸という予測をされているわけですから、それを少しでも生きがいのある、やっぱり長生きして日本はよかったなと言われる社会をつくるためには、今手の届かないところに手をつけていこうというのが趣旨でございますので、私たちはその先端を引っ張っていくランナーになりたいと思っています。
#26
○脇雅史君 よくわかりました。そういう思いでやってほしいんですが、役所の場合はなかなかトップがいいことを言っても下まで浸透するのに時間がかかることもありまして、ちょっと事務方のトップの住宅局長にその辺をお聞きしたいんですが。
#27
○政府参考人(三沢真君) もう大臣のおっしゃるとおりでございます。
#28
○脇雅史君 ぜひ本当に地域が知恵を絞ってやることが実るように、これからそれをやらないと我が国はだめになりますから、ぜひお願いをしておきたいというふうに思います。
 それから次に、終身建物賃貸借制度についてということでございますが、これ、私ちょっと読んだ限り、余りよくわからない。だれにメリットが出るのかなと、大家さんなのか借り手なのか。途中でおっぽり出されなくて済むわけですね、終身契約すれば。ですから、それはそれでいいんですけれども、それは今までの借地借家法の中でも、期限つきとかそれなりのことをやっていけば何とか住めることが可能かもしれませんし、改めてこの制度を導入するときに、居住者、特にお年寄りの居住者にどんなメリットが出てくるのか、貸す方の大家さんにどんなメリットがあるのかというのを少し説明していただけませんでしょうか。
#29
○政府参考人(三沢真君) 終身建物賃貸借制度のねらいということでございますけれども、高齢者の方々は、先生御承知のとおり、やはり住みなれた住宅に住み続けたいという定住意向が非常に強いわけでございます。ただ、現実には賃貸住宅に居住されている高齢者は、やはりいつ大家さんから立ち退きしてくれと言われるかという、そういう不安を持っていることも事実でございます。
 今回、この終身建物賃貸借制度は、高齢者が賃貸住宅に安心して住み続けられる仕組みとして創設をしたいというものでございます。高齢者向けのバリアフリーの賃貸住宅につきまして、家主となる事業者が都道府県知事の認可を受ける、そうしますと、その借家人となる人が死亡するまでこの契約が存続して、死亡したときに終了する、そういう仕組みでございますので、御本人はいつ立ち退きをしてくれと言われるか、そういう不安がないということが一点でございます。
 それから、他方、家主さんにとってみてのメリットでございますけれども、これはある意味では、賃借人の方が亡くなられたときに確定的にその契約が終了する、その段階で全然今までどこにいらっしゃるかわからなかった相続人の方が急に出てこられて、自分は相続権があるんだ、したがってここに住むんだということを言われますと、家主さんとしてせっかくバリアフリーの住宅として、例えば高齢者向けの居住を予定していたのに、ちょっとその予定が違うなということにもなりかねませんので、そういう場合に家主さんも高齢者に安心してお貸しすることができるというようなことで、双方にとってそれぞれのメリットがある制度ということで今回創設を考えているものでございます。
#30
○脇雅史君 終身賃貸事業者という、大家さんの方ですね、言われることはわからないでもないんですが、大体死んでしまえば物事は終わりというので、死んだ後に変なやつが出てきて立ち退きができないなんということはそんなに事例としては多くはないのではないかなというふうに思うので、これは要するに、貸している人、大家さんがこういう契約が結べるように登録をしなくちゃいけないわけですね、申請をして。そういうあめの部分が少し、それをやると本当に大家さんとして安心できるぞというようなあめがないのではないかな、本当に登録してくるのかなと。
 借り手の方は、何だかんだ言っても、死ぬまでそこに住めるという契約をすれば安心していられますからね。大家の気が変わって出ていけと言われると、契約上は出なくてもよくても、借り手と貸し主の間で毎日毎日嫌な思いをして住みたくないというのはだれしもあるわけですから、借り手側にとってはメリットがあると思うんですよ。
 だけれども、貸し主は本当にじゃこれを登録しようかと思うのかなという、私が貸している大家さんの立場に、なかなかなりにくいんですが、なったつもりで考えても、登録しようというふうに思うのかなというのが若干疑問なんですよ。どうでしょう。
#31
○国務大臣(扇千景君) 何となく話のやりとりを聞いているとややこしいんですけれども、単純な言い方をします。私、単細胞ですから。済みません。
 借地借家法をつくっていただきまして、借家法の中にはこういう老人用のものが書けないんですね。入っていないんですね、これは一般でございますから。ですから、老人用の借家法だと思っていただくと一番いいんじゃないか。これは単純明快になると思います。
#32
○脇雅史君 お言葉を返すわけではございませんが、やっぱり商売しているわけですね、大家さんは。大家さんは商売をしていて、本音を言えば若い人に貸した方が楽しいんじゃないかなというふうに思うんです。さっきお年寄りでも異性の方に関心がおありになると言っていましたけれども、大家さんが男か女か知りませんが、若い人が入っている方が楽しいということがあるかもしれませんし。
 ですから、あえてここで本当に登録をしてくれるのかなということが、メリットが少し希薄なんじゃないかなと。やったらこれだけいろいろサービスしてくれますよと。今までの登録制度とか優良住宅の場合には金を補助してくれるとか、いろいろあめがあったんですよ。ここの部分についてだけ少しあめがないなと思って、どうしたものかなという、私はそういう疑問を持ったので、うまくこの法律の趣旨に沿うように御努力をいただければいいんですが、私の疑問という程度に受けとめていただければ結構でございます。
 次に参りますが、七十六条に、みずから居住する住宅のバリアフリー化についての融資制度というのができまして、大変立派な大きい家があれば別ですけれども、お年寄りになってやっぱり一人で住まわっていて、さっき大臣も言われましたように、急に車いすになるとかいろんな事情があったときに、お金が要るときに、何とか直したいな、うまくできないなということもあるわけですから、これは非常にそういう意味では緊急の役に立ついい制度だと思うわけでありますが、これは大体どの程度貸していただけるんでしょうか。
#33
○政府参考人(三沢真君) バリアフリー改良のための死亡時一括償還制度でございますけれども、これは融資額といたしましては、一応バリアフリー改良に必要な額を積み上げまして大体このくらいの額ということでございますが、五百万円を限度としてお貸しできるという制度でございます。
#34
○脇雅史君 私も余りこの道に詳しいわけでも勉強しているわけでもなくて、今回この法律を読ませていただきまして、なかなか大変な法律だなというのが印象でございまして、冒頭にも述べましたけれども、うまく運用をして二十一世紀の高齢化社会を乗り切っていかなければいけないと思うわけで、さまざまなことが起こってまいりますし、本当に世の中も変わってきますから、一回法律をつくったらこれでいいというわけではなくて、どんどん世の中の事態に応じてうまい運用をして、必要があれば法もどんどん改正をしていく。本当に高齢者の方々、大臣も言われましたけれども、必ずみんな通る道でございますから、それがうまくいくように知恵を絞ってやわらかい頭でぜひ運用をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 次に、住宅金融公庫法の改正案に参りますが、これも貸付金で死亡時の一括償還という制度があるようでありますが、どうも償還方法が、通常の借りたときの償還方法というのは、若いときは金がありませんから、初め少しで後多く返しても、まあ給料も上がっているからいいだろうということなんですが、こういうお年寄り向け、これも多分お年寄り向けなんだと思うんですけれども、死亡時一括するときに、初めの十年は安くても後の方は高いよというのはお年寄りにしてみれば逆ではないかなという気も若干するんですが、この償還方法についてはどんなお考えなんでしょうか。
#35
○政府参考人(三沢真君) マンション建てかえのための死亡時一括償還制度でございますけれども、これは今回、融資限度額約一千万円ということで制度を創設しようとしておりますけれども、これを月々の支払い額で見ますと、当初十年で見ますと大体通常の償還方法に比べて四〇%ぐらいになるという計算でございます。
 それで、先生が御心配の、じゃ十一年目以降になると金利が上がるじゃないかというお話でございまして、確かにこれは上がるわけでございます。これは通常の償還方法をとっても上がるということでございます。
 それで、その場合に、通常の償還方法に比べて今回の死亡時一括償還をした場合にじゃどのくらいの下がり方かということでございますが、これは当初よりは確かにちょっと下がり方が落ちますが、それでも大体通常の償還方法に比べて五八%ぐらいまでは軽減されるということでございますので、定期的なフローの収入のない高齢者にとってみればかなり使いやすい制度になるのではないかというふうに考えております。
#36
○脇雅史君 これも、大体、金融公庫なんかも余りいろいろな返し方があると大変ですから、一つ決めたらパターン化されるんでしょうけれども、やはりいろんな方もおられますから、当然経済的にリーズナブルな部分でなければいけないわけですけれども、そういう意味である程度の幅ができるような借り手のためを思った運用をしていただければというふうに、これはお願いでございます。
 それから次に、特別融資額というのがありまして、これは閣議決定もされていて、削減していくんだということのようでありますが、経済対策ということもあってこんなことがあったんですけれども、経済対策ということを思えば、現下の経済状況で閣議決定したからもうやめちゃうんだと言って本当にいいのかなと。今はまだまだ本当に内需を掘り起こさなければいけない真っ最中でありますから、本当に既定方針どおりでいいのかなということを若干私は疑問に思うんですが、いかがでございましょうか。
#37
○政府参考人(三沢真君) 特別割り増し融資制度でございます。
 それで、先生おっしゃいますとおり、今回、来年度予算の中で融資額については縮減をするという案を盛り込んでいるところでございます。ただ、基本はやはり、特別割り増し融資制度そのものについてはこれは現下の経済情勢の中で延長すべきだということで、それを今回の公庫法の改正の中で五年間の延長をお願いしているというものでございます。しからば、縮減したことが今の情勢に照らしてみてどうかということでございます。
 一点は、今回の融資額の実質的な影響がどのくらいあるかということでございまして、これは平均で大体公庫融資額の五%ぐらいの縮減に相当するのかなというふうに考えております。したがいまして、そう大きく何か融資額が縮むというものではないということが一点でございます。それとあわせまして、例えばはじめてマイホームというものがございますけれども、その加算額については今三百万円のものを五百万円にするという、むしろめり張りをきかせた形で、拡大するものは拡大するという措置をとっているのが一つ。それから、今回縮減した部分につきましては、背景といたしましては、やっぱり民間住宅ローンについては非常に積極的な取り組みが最近見られるということを踏まえておりますけれども、これをさらに円滑化するという観点から、民間住宅ローンの信用補完を行う住宅融資保険制度を拡充するという内容も今回の公庫法の改正の中に盛り込んでおりまして、これらをもちまして引き続き現下の経済情勢に的確に対応していきたいというふうに考えております。
#38
○脇雅史君 なかなか銀行からお金を借りて家を建てるという機会も一生に何度もあるものじゃありませんので、実感を持っておられる方は少ないと思うんですが、いろんな方のお話を伺うと、やっぱりかなり厳しいんですね、銀行も。ですから、今の段階で公庫の方を余り締めない方がいいんじゃないかなと私自身は思っていまして、全体の金融政策、経済政策の中で決定されるべき話ですけれども、既定方針どおりというか、少し減らしたけれども存続するということですからいいんですけれども、十分お考えをいただいて、全体として円滑に進むように御努力をいただきたいと思います。
 あと十分ほどありますので、ちょっと法案はこの程度にいたしまして、若干最近、私、気になっていることがありますのでお尋ねをしたいわけでありますが、公共工事の入札・契約問題なんですが、私は、テレビや新聞報道が非常に誤解に基づく報道が多いのではないかな、一般の国民の方々も誤解されているんじゃないかなというふうに思う部分がいっぱいあるんです。
 これは全部ここでやるわけにいきませんけれども、そもそも税金を使って皆さんのためになる、安全のため、便利さのため、利便性のためにやる仕事を発注する。県知事さんなり国なり市町村長なり、発注をするときの基本は何かということは、まず国民の皆さんに、何十年か残すものですから悪いものを残されちゃ困るので、人の命にもかかわりますから、いいものを残していただく、よい品質のものをきちっとつくっていただくという、その確認ができること。そして、税金を使うわけですから、むだな金を使っちゃいけませんね。むだはある程度人生でも必要ですし、どこでも必要なんですけれども、発注するときにむだな金を上乗せしてやる必要はないので、私は適正な価格と言っているんですけれども、適正なお金でやってもらわなければいけない。その適正な価格でやってもらえるか、本当にいいものができるかというその責任を国民に対して、納税者に対して負っているわけですね。それを何で担保するかと。
 これは、一つ非常に公共事業の特殊な部分は、予定価というのをはじくわけです。ほとんどの方は、知っている方もかなりおられますけれども、予定価を国がはじく場合に、基本は何かというと、適正なコストを積み上げるわけです。穴一つ掘るときに、普通の大の人夫さんが手で掘るとしたら何時間かかったら掘れるだろうか、機械だったらどのくらいかかるか、そういうことを全部積み上げていって、それに単価を掛けて何ぼかかると。それに、その会社としての利益その他あるいは安全経費、いろんなことを積み上げて価格が出る。つまり、それは適正な価格、この価格でやってもらえれば、今の我が国の経済状況の中でちゃんとした仕事ができますよというのを平均値的に調査し、大変高いお金をかけて調査をしてはじいて予定価というのを出しているわけですから、予定価どおりで業者が請け負って仕事をすることは国民にマイナスでも何でもないんです。まさに適正なんですね。
 もし適正でない部分があるとすれば、それは予定価のはじき方を変えなければいけない。予定価のどこかに、はじき方に問題がある。そういうフィードバックが可能ですから、発注者としてはこのものをつくるのに必要なお金はこれですというのができるんですね。公共工事はできるんです。ただ、軍艦とかジェット戦闘機とか、これは積み上げられない。こうなってくると非常に予定価は難しい。それから、例えば車を購入するなんというときだって、何もボルトをこうやってねじるのに何分かかるからということで車一台の金を予定価ではじくわけではないんですね。
 だから、物品を購入するような場合と全然違うんです。土木工事というか、そういった建物をつくるとかダムをつくるとかいう話は全く別の次元で、発注者側がみずからの責任において適正な価格というのをはじくことができるという前提なんです。ですから、それから下に何ぼ下がるかと競争させることにそんなに意味はないし、むしろ弊害の方があるんです。
 よく新聞を見ていると、二割下がった、予定価から二割下がって契約したから非常にいいことだ、万々歳だと言っているんですけれども、本当かと。何が起こっているかといえば、それは善良な業者で、おれのもうけは全部吐き出してやろうと言ってくれればいいですけれども、利益だけはきちっと取って、後は手抜きだか変な悪い品物を持ってくるとか。どこにしわ寄せが行きやすいかといえば労働者ですよ。末端で働く労働者の労働条件が悪くなるんです。不正な仕様を使ったり、不正労働者を使ったり、きちっとした危険の手当も払わないとか、あるいは保険とか、そういったことに対して手当てをしない、潜りの労働者みたいなものが出てくるんです。結局、品質が悪いものが出てくるかもしれない、そして労働者がいじめられるかもしれない。国民が、やったやった、二割も下がって契約して万々歳だというのは、これは本当かとよく考えてほしい。労働者をきちっと守ろうと思ったら、きちっとした価格でやってもらわなければいけないんですね。そういう常識のうそがあるわけです。
 もう一つ、品質をきちっとしたものにするためには、この業者ならちゃんとやってくれるかなと過去の実績を見てきちっとした評価をしなければいけない。何か点数を一個つけて、その点数がよかったらこの業者はいいだろうというのは、過去の実績がありますからある程度はわかるにしても、かなり危ない部分がありますし、責任を持ってきちっとした仕事をしてくれる人を選ぶということこそ発注者の国民、住民に対する責任なわけです。
 最近見られますのは、くじ引きだと。くじ引きで入札予定者を決めちゃえ、早く決めたら談合するかもしれないから入札間際に決めちゃえと。そういうことをやりますと、宮城県でやったんですね、そうしたら、新聞を見ていますとこれで非常にいい方法だと言うわけですよ、効果は絶大とか談合はなくなるぞ、いいぞいいぞと。だけれども、これで本当にいい仕事ができるのかと。入札というのは、その仕事をやるのにお金をはじくわけですよ、業者も。その間際にあなた入札しなさいと言われて金を入れればいいという、そんないいかげんな話であるはずがない。
 だから、業者の立場に立ったら、健全な経営をして、立派な経営をして国民の皆さんにいい仕事をしたい。どういう仕事をしようかと一生懸命経営努力するときに、あそこの仕事はうちから地の利もいいし我々の得意な分野の仕事だから一生懸命とれるように努力しよう、一生懸命積算して安くやれるように努力しようというような努力は一切なしだ、くじ引きだと。そんなばかなことをされて、業者が本当にいい業者になろうというふうな競争意欲がわきますかというわけですよ。
 そこのところをやはり、大臣が来られてから非常にいい法律をつくっていただいて、適正化法ですね、四月一日から運用していただくわけですから、今度は、今までは地方公共団体はそれぞれの責任においてやっておられましたけれども、これからはガイドラインに沿って、大臣の指揮下に入るわけでありますから、おかしいことはおかしいよと。新聞が喜んでいるからこれでいいよということではない、本当の国民のためになることは何なんだということをきちっとやってほしいということなんですが、いかがでございましょうか。
#39
○国務大臣(扇千景君) 昨年の臨時国会におきまして、公共工事の入札と契約の適正に関する法律というものを通していただいた、しかも全会一致で通していただいたということは、私は今、脇先生がおっしゃいましたように、公共工事すべからく冠がついておりまして、今の世評等々、いろんな事件がありましたからやむを得ませんけれども、丸投げ、談合、そしてばらまき、むだ遣い、こういうことに関しては私どもは少なくとも二十一世紀型にしなければならないということでございまして、今おっしゃったように、ただ抽せんでいいんだといえば、戦後今日まで日本じゅうに六十万業者と言われております。そして、従業員が六百万人、約六百万超えておりますけれども、そういう人たちの中には、建設省の言葉で不良不適格業者と、こう難しい言葉で言っておりますけれども、要するにいい人と悪い業者の話でございまして、そういう人たちにいかにいい品質の仕事をしてもらうかということには、今、脇先生がおっしゃいましたように、一つの入札をするにも単価を積み上げていかなければお金は出てくるわけじゃないんですね。それをだんごのように、子供がだんごをただとるだけを抽せんでするというようなことでは、私は品質の確保というものができないと思います。
 そしてまた、皆さんに御賛同いただいたこの法律というのは四月一日から施行されますけれども、あの法律の中には、最後には電子入札まで書いてあるんですね。電子入札したら談合なんか全部できなくなります。しかも発注者責任もあるわけですから。私は、そういう意味ではこれからの二十一世紀は、皆さん方に昨年の臨時国会で通していただいた法案によって、少なくとも不良不適格業者、しかも入札に関しては第三者によります入札監視委員会というものも設置されているわけですから、しかもそこで悪いことがあったらこれは届け出義務が課せられております。
 そういう意味では、今、先生が御心配いただいたような一つの地域で抽せんでというような、決めたとは書いてありますけれども、これで品質の保持ができるかというと、私は今後問題が出てくるであろうと。ただ安ければいい、そういうものではない。一番安いところが大喜びで、ああこれで税金が節約できるようになったと喜ぶべきじゃなくて、でき上がった品質の保持というものが果たしてできるかどうかということが二十一世紀、今我々が直面している、二十世紀はハードでつくったけれども、その品質をいかに二十一世紀に保持しながらより新しくしていくかという私は大きなステップになると思います。
 ただ、私が今、全国を回っておりますのは、この法案の趣旨を全国の地方自治体にも御理解いただくということで回っておりますので、今、先生がおっしゃったように、ただおやつのとり合いをする、抽せんでというようなことでは私は品質保持はできないと思っています。
#40
○脇雅史君 非常に高い見識をお示しいただきまして安心をいたしましたが、ぜひ御努力をいただきたいと思います。
 もう時間ですのでやめますが、一点、発注者側の、急にこの仕事やめたという人が最近出てきたものですから、契約破棄ということがあるんですね。対等契約しているわけですから、勝手にやめられたら困るので、どんな契約だって勝手にやめたらペナルティーは当然あるわけですよ。現行の標準契約約款の中にも、それなりの対価を払うべしと書いてある、四十八条だったですか、あるんですが、その運用がまだなされておりませんから、対等契約といいながら、請負側はいつも弱いものですからいじめられてしまう可能性がありますから、契約をして片方の都合で破棄をするのであれば、それなりにきちっとしたペナルティーを払って、業者に迷惑をかけないようにお願いをしておきたいと思います。
 終わります。
#41
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 私は、冒頭、先日、コンクリートの落下、山陽新幹線の事故から始まったその安全対策について質疑をさせていただきました。
 たまたまというか偶然というか、その次の日、東北新幹線の白河のトンネルでこぶし大ほどの破片が落っこってしまったという、そんなニュースが入りまして、あのときの答弁の中で安全対策には万全を期しているというやさきのそんな事故が、事故というか事柄があったので、非常にびっくりしておりました。
 そうこうしているうちに、広島県を中心とした大変な地震があったり、日本を全国的に押しなべて見てみると地震列島と。どこでどんなふうな地殻になっているか、またトンネルの構造もなっているかというのもなかなかはかり知れないところがあるんですけれども、私は、やっぱり今危機管理とか安全というのが一番日本の土地柄の中で求められていることだと思うんですけれども、再度また大臣には、特に大量交通機関そしてまた人のたくさん集まるところのコンクリート構造については最新の安全対策を奨励していただきたいと同時に、先般の東北新幹線のトンネルの中での、そのコンクリートの落下についての状況をお伺いしたいと思います。
#42
○国務大臣(扇千景君) 今、佐藤先生がおっしゃいました東北新幹線のこれ西郷トンネルと申します。
 私は報告を受けただけでございまして、どれほどのあれであったかと、破片を見つけたということでございまして、大事に至らなくて何よりだったと思うんですけれども。私は、今、先生がおっしゃいました十一年八月に広島のところでがばっと落ちたというあのときに、私は総点検するということで、山陽新幹線のコンクリート片の落下の事故を契機に保守管理のあり方について検討を、トンネル安全問題委員会というのをつくって全部点検したはずなんですね。
 私も、先生がおっしゃいました西郷トンネルは点検していなかったのと聞いたら、したと言うんですね。私は、広島のときにも、本当に一般の国民としても、あのスピードで走る新幹線のトンネルで許せないと思いまして、私はあの工事をした業者の氏名を公表すべきだと、私はそれほど、私は申し上げたんですけれども、あのときは総点検するということで、あの工事をした業者名は発表されませんでした。
 けれども、今、先生がおっしゃった西郷トンネルも点検したと言うんですね。この点検した日にちはちょっとだれか担当者にまた聞いていただくといいんですけれども、私は、点検したと聞いておりますので、点検したにもかかわらず、縦横約十センチ、厚さ三センチ、重さ四百グラム。大事に至らなくてよかったなと。そして、この西郷トンネルは、もうほかには大丈夫なのかということも含めて、少しでも余地があれば私たちは手を入れるというのが基本でございます。
 自然災害の列島だと言われている日本の中で、こういう人工的な、あるいはなぜトンネルの落下があるのかと、コンクリートの。これはやっぱり原因究明すべきですし、これが西郷トンネル一つだけではなくて、十一年のあの広島のときのトンネルの総点検の成果というものがあったのかなかったのか、もう一度、私は全部に指令をしたいと思います。
#43
○佐藤雄平君 本当に万全を期していただきたいとお願いをしておきます。
 次に、本題に移らせていただきます。
 先ほど脇議員からもいろいろ話がありましたが、高齢者住宅の今度の法案を見ていますと、本当にこれが、地方公共団体が中心なのか、はたまたこれまた国土交通省が中心なのか、本当に疑問を抱くようなところが出てくるのでありますけれども、政策には基本的にやっぱり効果があるという前提の中でこの政策を遂行するものだと思うんです。
 先ほど三沢局長から話があって、高齢者のある程度の将来的なカウントがありましたけれども、ただ、社会情勢をそれぞれ皆さん方見ておりますと、私は、一つには、最近はパラサイトという言葉が非常にはやっておりまして、両親も娘も息子も、お互いにシングルでいて一緒にいた方が相互依存型で都合がいいなんという、そんな現象がどんどん今出てきておるし、そしてまた、一方では少子化であるし、当然のことながら一方ではまた高齢化になっているんですけれども。
 これ、いろんな統計からしますと、二〇一〇年から、いわゆる住宅が余ってくるであろうという予測も出ているんです。ということは、まさに中古住宅がふえてくると。そういうふうな中で、今度の高齢者住宅の賃貸住宅の法の施行というふうなことは、本当に将来をどの程度まで見据えた中で計画している政策なのか。これについて、やっぱりその政策の実効性というふうなこと、効率性、そう考えると、この辺について、もう一つ何か不確実なところがありまして、その件についての御見解をお伺いしたいと思います。
#44
○政府参考人(三沢真君) 何点か申し上げさせていただきます。
 一点は、先ほど申し上げましたように、高齢者世帯が非常に急速なスピードで進んでいくということ、それが見通しでございまして、例えば高齢者、六十五歳以上の高齢者がいる世帯が現在全国で千五百万世帯おられます。それが、高齢者世帯がピークを迎えるのが二〇一五年くらいと、こう言われていますけれども、そのとき、全体では二千万世帯ということで、全世帯の約四割ぐらいになるという見込みでございます。
 それから、特に我々非常に大きい課題だと思っておりますのは、その中でも高齢者の単身・夫婦世帯がふえていくと。それが先ほど申し上げましたように、十五年間で約三百九十万世帯という非常に急速なスピードでの増加であるという点が一つございます。
 それから、要するに、住宅そのものはもう余っていくじゃないかという御指摘でございます。それはおっしゃるとおりでございまして、現時点でも、全住宅の戸数と世帯数を比べれば戸数の方が上回っております。
 ただ、一つは、今申し上げました世帯増が、高齢者のみに限らず全体としての世帯増も、人口は減少いたしますけれども、一人当たりの世帯人が減りますので世帯そのものは二〇一五年ぐらいまで確実にふえていく。その場合に、既存のストックとしてあるものがすべていいストックとして使えるかどうかということになりますと、これは確実に、やはり今の現状でいいますと、相当古いストックがあって相当更新をしていかなきゃいけない状態もある。それから、もちろん新築だけじゃなくて、既存住宅のリフォームで対応していく部分もあるということでございます。
 そういうことで今回は、全体としての、特に高齢者の世帯増にやはり対応していかないと、多分その既存ストックの使い回しだけでは対応し切れない部分が相当あるんではないかということと、それからもう先生おっしゃるとおり、そうであってもやはりできるだけ中古流通市場なんかはミスマッチをなくして、かつその既存住宅なんかのバリアフリー化を図ることによって既存住宅の有効活用も含めた施策、それが具体的には、例えば持ち家のバリアフリー化のためのいろんな一括償還制度とか、それから高齢者優良賃貸住宅制度も、これは新設ばかりじゃなくて既存の住宅にバリアフリー改造を加えたものにもいろんな助成ができる、そういう仕組みを加えてこれから対応していきたいというのが今回の法案の考え方でございます。
#45
○佐藤雄平君 それぞれの社会的な背景とか予測がいろいろできるわけですから、それに順応できるような、もうせっかく立派な法律をつくるわけですから、本当にこの法律が、つくって、実行するに当たって利活用があってよかったと言われるようなものにしていただくためにも、さまざまな見地から考えていただきたいなと思います。
 次に、高齢者居住安定確保法を見てみますと、これも当然高齢者のためであると思いながらも、一方ではまた景気対策のことなのかなと。双方とも相まってうまく相乗すればそれにこしたことはないなと思うのでありますけれども、たまたま先週、これも新聞見ておりましたら、これは厚生省、厚生労働省の関係の話でありますけれども、いわゆる高齢者の負担率の見直し、そんなことも出ておりまして、それは若年層と高齢者層の、余りにも若年層に負担をかけるというふうなことが今の社会保障制度の中でよかろうかと、そんな話が出ておりました。
 同時並行的に、今高齢者の住宅制度をやっているときに、そんな、一方ではいわゆる老人の社会福祉を担当している役所の方で負担率の見直しなんというと、極めてやっぱり高齢者にとっては将来に対する不安要素が出てきてしまうと。そんなことを思うと、私は本当にこれ、国土交通省と厚生労働省というのは本当にもう綿密に連携を取り合っていかないと、これもせっかく何か入居しようかと思ったら、今度そのお年寄りの方が、負担率が高くなりそうだから私はやっぱりここに入るのをやめようかななんというふうなことも起きかねない。そんなことを考えると、私はもう本当に連携が大事であろうと、そんなことを思いますが、その件についての御所見を大臣とそれから厚生労働省からお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(扇千景君) 今、後段の場合は厚生省ですから厚生省からお答えいただきたいと思いますけれども、今、佐藤先生がおっしゃいました、ただこれは経済対策なのかというお話が先ほどございました。私は、ただ単に経済対策だけのためではなくて、私どもは今の世情というものを勘案してこの法案をいかに今の二十一世紀型にするべきかというのは先ほども私申しましたとおりでございます。
 けれども、少なくとも今、現段階で私ども見てまいりますと、マンション等々も築三十年たっているマンションというのが今大体約十二万戸ございます。これはもう建てかえ時期に来ております。そして、少なくとも十年後には建てかえマンションに来る、時期にあるマンションというのは九十三万戸になるわけですね、少なくとも。ですから、そういうときに、今、過剰になるのではないかというお話でございましたけれども、少なくとも私はこういう現状から考えますと、戦後からの波の、波長といいますか、ちょうど波の終わり目といいますか、建てかえなければならないというところと高齢化社会とが一緒になってくると。そういうところで対策ができないかと。じゃ、建てかえする場合も必ず、少なくともバリアフリー化できたようなものを建てて、そして皆さん方に、今の高齢社会の波が押し寄せるというのと、私はきちんと今のうちに対策をとっておかなければ私たちとしては思慮が足りないということになるんで、何のための行政があるんだということになりますので、私たちはそういう意味も込めてつくるので、経済対策上だけではないということは御理解賜れると思います。
 ただ、建てることによっての経済効果があるというのは先生も御理解のとおりでございまして、ちなみにちょっと試算しているもの、これも経済対策じゃないといいながらも、ちょっと試算をさせていただきましたので公表させていただきたいと思いますけれども、少なくとも住宅建設の経済効果、この投資と波及効果を調べました。そうしますと、住宅投資額の、大体二十一兆円なんですけれども、GDP五百三十一・七兆円の四・二%に当たる。それから、住宅建設の経済効果といいますのは、一つには生産性の誘発効果、これが住宅投資の一・九倍で、住宅投資を二十一・八兆円投資しますと、誘発額は四十二・五兆円。そして、二つ目には、恒久の消費財の購入、いろんな材料を購入いたしますので、一世帯当たり二百二十六万円。そして雇用効果、労働者の雇用誘発効果というのは、住宅十万戸で約二十六・三万人の雇用、就職の活用になる。こういうことも出ておりまして、少なくとも住宅投資が十万戸増加した場合の経済効果は、投資額が一・七兆円の場合はGDPの〇・三%に相当します。
 それから、先ほど申しました原材料、十万戸の場合は三・三兆円、そして十万戸つくりますと耐久消費財の購入、十万戸による経済効果は〇・三兆円ということで、これは建設経済局の調査でございますけれども、そのように私は一挙両得といいますか、お年寄りにも喜んでいただけ、また二十一世紀の老齢社会にも貢献し、なおかつ経済効果も上がり、民活を活発にさすという、一挙四得になりますかね、そういうことが私は今回の法案で二十一世紀型になればありがたいなと思って法案を提出させていただきました。
#47
○政府参考人(石本宏昭君) 現在、社会保障給付費の規模は、もう御案内のとおりでございますが、約八十兆円、対国民所得比で約二割になっております。二〇二五年までの推計をいたしますと、国民所得比が約三〇%を超えるという状況の中で、この社会保障給付費を負担していく現在の負担の割合は、保険料が五十五兆円、それから公費負担、これは国費と地方費でございますが、二十二兆円というふうな状況の中で、今後本当に年金なりあるいは医療なり福祉というものがこのような経済状況の中で維持できるのだろうかというふうな御心配もあるわけでございます。
 このような流れを受けまして、先生御案内のとおりでございますが、昨年夏には社会保障制度審議会におきまして意見が出されまして、また十月には総理大臣のもとで行われました社会保障構造を考える有識者会議という会議におきまして御報告が行われております。いずれの内容につきましても、現在の高齢者の方々をどうとらえていったらいいかということがかなり中心的な課題になっておるように見受けておりまして、その中で今御指摘のような高齢者の負担増というふうなことが結構指摘されているではないかというふうな面は、確かにそのとおりでございますが、中身につきましては、これまでどちらかといいますと社会保障におきましては高齢者を一律に弱者としてとらえるというふうな考え方がございまして、さまざまな優遇措置、これは税制面も同じでございますが、あるいは給付面で支援の対象と見る考え方に基づいた制度が主流でございました。
 現在の高齢者の経済状況を見ますと、所得面におきましても大体現役世代、一部五十歳代は別ですけれども、総じて現役世代と遜色のないものになってきておる。あるいは、資産面におきましては、貯蓄においてもその他の資産におきましても若年世代より幾分か大きな資産を保有しておられるというふうなことで、今後急速な高齢化の中でどうしても先ほど申しました負担と給付を考えていくということになりますと、ある程度御負担いただける高齢者の方々は若年、若者と同じように適切な負担を求めていくことが大切ではないかと。
 そういった観点から社会保障制度全般にわたって見直しを進めてはどうかということでございまして、全体的に高齢者を一律に負担をしていただくとかというふうな考え方ではないわけでありまして、若者とそれから高齢者とみんな合わせまして、持てる者がきちんと負担し、また持たざる者はきちんと給付を受けるというふうな考え方に沿って社会保障を講じていく必要があろうかと思っております。
 なお、住宅の話が出ましたけれども、この点につきましては国土交通省と綿密な法案の作成において協議をしておりますし、私ども国土交通省の御施策に全面的に支援する形で対応していきたいと思っております。何よりも社会保障において住宅の問題は非常に大切でございますので、今後ともよく連携をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。
#48
○佐藤雄平君 高齢者の皆さんが自分のやっぱり生活設計をきちんと立てて、その中で高齢者住宅にきちんと入れるような、本当にこの連携というのは大事であるなということでありますので、一層の連携プレーの中でお願いしたいと思います。
 次に、私はこの核家族というのはいいような悪いような、そんな思いを実はしております。この高齢者住宅、賃貸住宅の制度が施行されると、何か核家族を助長するようなことになりはしないかと、そんな懸念をしているところであります。
 地元をずっと歩いてみると、いろんな家庭、家族があります。やっぱり私は歩いてみて、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お孫さんがいる姿とか、おじいちゃんとおばあちゃんとお孫さんが遊んでいる姿なんて見ると、本当にこれがある意味では家族制度の一番いいところであり、日本の将来の図を描いてもこういうふうな家庭がいいのかなと思うときがあるんです。一方では、どんな立派なうちに住んでいても、おじいちゃんとおばあちゃんが二人きりでいたり、またおじいちゃんがひとりぼっちでいると、何か寂しさ、うちは立派だけれども中身は寂しそうだなと、そんな思いをして、そんなときに、これは高齢者住宅だけじゃなくて、二十一世紀の日本のいろんな意味でもう一回、教育的な面からしてもいろんな思うところあるんですけれども、家族制度というのはもう一回ある意味では見直さなきゃいけないところまで来てるんじゃないだろうかと、そんな思いをするところであります。
 そういうふうな中での今度の懸念するところで、何かバリアフリーのうちに入るために、それがある意味では息子夫婦とか家族の方からバリアをつくってしまうような感じになってしまうおそれもあるなと。そんな思いをすると、これは高齢者住宅という話じゃないんですけれども、やっぱり家族制度、ほかとちょっと違うところかもわかりませんけれども、日本の家族のあり方、これはいろいろつながる話があるものですから、その辺について御所見があればお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(扇千景君) 私は、今の佐藤先生のお話は、二十一世紀の大きな問題になろうと思っております。それは、先ほどから厚生省も言いましたように、私どもも現実に迎えておる今の高齢社会、そしてこのスピードが今まで世界に例のないスピードで高齢少子社会が日本に訪れる。
 その中で、生きがいのある、また老後の安心を持ちたいというそういう意味では、家族関係が、一番近いところに頼りになる人がいるというのが一番心強いわけでございまして、性格なりあるいは嗜好なりあらゆるものを知ってくれている家族がいるのがいい。遠くの親戚より近くの他人なんて言葉もございますけれども、身内であればなおいいというのは当然のことでございます。そして、できれば年をとっていけばいくほど近くに、よく世間でスープの冷めない距離というように申しますけれども、近いところに身内がいてくれ、しかも自分の老後を子供たち夫婦、孫と一緒に見てくれるというのは、私、理想であろうと思います。
 けれども、今、先生がおっしゃいましたように、この法案でかえってバリアをつくるんじゃないか、親子断絶になるのではないかと言われると大変心苦しいところでございまして、私、個人的なことを申し上げて失礼ですけれども、昨年、建設大臣に就任しましたときに、私は住宅ローンの延長と、そして、今、個人貯蓄の一番、五〇%以上を持っているのは六十五歳以上の老人が個人貯蓄を持っている。それは、老後の不安があるからなんだと。そのためには、今は別れているけれども、間もなく自分の今の個人財産を、おじいちゃん、おばあちゃんがつくって、入り口は別でも一つのうちの中に二世帯同居ができないか、そのときの免税処置ができないか、優遇措置ができないかということを言ってまいりました。おかげさまで、この法案から外れますけれども、先生の御質問ですので申し上げますけれども、私はその税制につきまして、今回は住宅の取得資金の贈与に関する特例に関して建てかえ、今までは建てかえできなかったんですね、中古、それから増改築、これも今までありませんでした。けれども、今後は建てかえや増改築を適用の対象に加える二世帯住宅の整備ということの促進が図られたと。
 御存じのとおり、同居住宅に関する特別割り増し融資や親子リレー償還、それから住宅取得資金の贈与に関する優遇措置、これも今までは三百万円が五百五十万円に増額されました。これが私は昨年来、この職についてから希望でございましたので、これで金額は足りると思いません、少なくとも私は一千万認めてほしいと言ったんですけれども、五百五十万に値切られましたけれども、それでも私は少しは一緒に住める。増改築し、あるいは建て増しすることによって、二世帯同居できるのではないかという少しは夢が出てきたということで、そして景気にも影響する。おじいちゃん、おばあちゃんが安心して二世帯のうちをつくるということも私は大きな二十一世紀型であろうと思います。
 私は、ちなみに三世帯同居しておりまして、大変やっぱり一緒に住むということがありがたいことだと。過激な日程も三世帯同居のためにこなせるというありがたい利面もございますので、私はぜひ皆さん方が、私のように三世帯とは言わないで、二世帯でも私はしていくことが二十一世紀の大きな国民の活力ある生活を迎える原因になろうと思いますので、この法案によって親子のバリアができるということではないということだけは、ぜひ御理解賜りたいと思います。
#50
○佐藤雄平君 厚生省。
#51
○政府参考人(石本宏昭君) 先生の御質問は、社会保障や福祉について家族のあり方というものが大変重要ですけれども、若年層の理解というものをどう求めていくかというふうなこととして受けとめました。
 御指摘のとおりでございまして、社会保障、いずれも国民一人一人が尊厳を持って生活していくためにみんなで支え合うセーフティーネットでございます。そういう意味で、子供のころから人を思いやり、社会の構成員であるという意識のもとでみんなで支え合うということが社会保障の基本の基本でございます。そういう意味で家族というものは大変大切な場所でございますし、また、若年のときから、小さいときからそのような教育が必要だろうというふうに思います。文部科学省等とよく連携をとって、その点は進めてまいりたいというふうに思っております。
#52
○佐藤雄平君 高齢化社会の中で、本当に私は大事なところだと思います。大臣が三世帯というのはもう大変なことで、今度私どもの橋の渡り初めでもあったらぜひ来ていただかなきゃいけないかなと思っております。
 次に、ハード面でいろいろ、脇さんのときからの話も含めて、法案そのものが具備していると思うんですけれども、さっきの話からも、何かやっぱり高齢者だけが集合してしまったらこれまたうんと困ってしまうことになるし、またある意味では、お年寄りの方ですから突然何が起こるかわからない、救急な事態が起こったりまた火災の面でもなかなか瞬時に活動できない面というのも相当出てくるし、さらにまた、二世帯、三世帯ならいいんですけれども、そうじゃなくて、やっぱり老人同士なので何となくしょげてしまうというか、将来に対して希望を持ってやればいいんですけれども、なかなかそんなこともままならないような状況になってくると、どうしても私は地域社会というのがうんと大事だと思うんです。
 そういうふうな中で、いわゆるソフト面で、やっぱり幼稚園の子供を時々連れていったり、また共同の遊び場をある意味ではつくったり、そこにはまたそれぞれの地域の奉仕の皆さんが行ったりするような、そんな雰囲気の高齢者ゾーンというのが必要であるかなと。そんなことを思いますと、私はやっぱり緊急時のサービス、それからまた場合によってはグループホーム的な感性というか、こんなことも必要だと思いますけれども、この件についての御所見をお伺いしたいと思います。
#53
○副大臣(高橋一郎君) 今、先生御指摘の、高齢者向け住宅での緊急時の対応とかグループ居住への対応ということについてお答え申し上げます。
 高齢者の住宅につきましては、ハード面については、先生先ほどから申されているように、いろいろ考慮されておりますが、これについてはバリアフリー化を一生懸命進める、こういうことでございますし、またお年寄りですから、病気や事故等がありますような緊急時にはよく知らせられるような通報体制というものを整備しなきゃいけない。また、高齢者がグループで先生の今のお言葉にもありましたような共同生活を行う、こういうふうなことについては、新たな居住の形態といいましょうか、それに対しての対応とかソフト面を重要視して適切な対応をしていくことが大切だと思っております。
 それで、そのためには、高齢者向けの優良賃貸住宅におきましては、バリアフリー構造とすることに加えまして、民間事業者等との提携をいたしまして、高齢者が緊急なときに対応サービスを受ける体制を確保することにしております。それと同時に、グループ居住につきましては、高齢者が共同で利用する食堂とかリビングなどを設ける場合には補助対象といたしますと同時に、住戸の専用面積の基準について一定の緩和をいたしております。これに対応するように措置をしますから、その問題は、通常の高齢者向け優良賃貸住宅の場合は住戸専用面積が二十五平米以上でございますけれども、コレクティブハウジングなどとして供給する場合、これは住戸の専用面積は十八平米以上、こういうふうにしている次第でございます。
 また、先生のお話の御質問ですが、コレクティブハウスかグループホームかはちょっと不明でございますけれども、グループホームというのは痴呆性とかいう方々のハウスでございますが、先生のおっしゃるように、お年寄りが集まったり、近所に子供さんが住むとか、ちょっとした隣に子供が住めるとかいう二世帯に準じたような生活形態をとりたいとか、あるいはまたそういう高齢者の単身あるいは夫婦世帯者が対象の、自立が一般的な問題につきましては、個々の住宅とは別に共同食堂等を設けまして、食事などをともにすることを可能にした集合住宅ということをコレクティブハウジングという問題で解決していきたいと思っております。
 それについては、ハードな面では個々の住戸と共同スペース、これは浴室とか食堂ですが、そして個々の住戸には便所、台所、浴室をもちろん設置する。ソフト面では、特段の介護サービスはございませんけれども、集まれるというふうなことでのコレクティブハウジングも一つの対象といたしております。
#54
○佐藤雄平君 いずれにしても、地域の中で本当に生きがいを感じてそこで生活のできるような、いわゆるゾーンづくりも含めて、それぞれ主体である自治体等には支援をしていただければと思っております。
 次に、その建物についてでありますけれども、東京都でも最近の学校等についていろんな学級崩壊等、子供の精神状況の中を見ると、木造、木というのは非常に心を和ませたりいやしたりする、そんな数値も出ております。また、一方では木材振興というのが、本当に今、日本の一番貧乏な人というのは山持ちかもわからないぐらいに本当に御苦労なさっている。木材市場なんかも非常に厳しいし、特にやっぱり内材、国産材を持っている人が非常に厳しい状況でありますので、これもいろんな意味でのその効果を考えると、できれば、耐火構造とかいろいろありますけれども、これは使う方の側の体制の整備というのがまず前提になるわけでありますけれども、私はやっぱりそういうふうな意味から木造というのもぜひ御推薦していただければありがたいなと思いますけれども、その木造の建物についての、高齢者住宅における、これについての御所見があればお伺いしたいと思います。
#55
○副大臣(高橋一郎君) 木造というのは気持ち的にもソフトな感じを与えますので、私はそういう問題も必要だと思っております。
 この法律に基づきます高齢者向けの優良賃貸住宅につきましては、高齢者の体の機能の低下ということはもちろん避けられませんので、バリアフリーの構造にするのはもちろんですが、一定の防災性、避難安全性を確保することがもちろん必要でございますから、こうした性能が確保されておりますというふうに都道府県知事が判断した上で木造で建設することができるようにしております。
 そして、木造住宅の建設の促進は、木造住宅に対する国民のニーズといいましょうか、要望も少なくないので、それにこたえるとともに、我が国の木造住宅関連業界の、先生おっしゃいますように、振興にも有益でございますので、地域の状況を踏まえて、木造による高齢者向け優良賃貸住宅の建設の促進に努めてまいりたいと存じております。
#56
○佐藤雄平君 これはちょっと技術的なことになるかもわかりませんけれども、局長、木造とコンクリートというのはどっちが単価的に高くなるのか安くなるのか。
#57
○政府参考人(三沢真君) ケース・バイ・ケースでございまして、木造でも非常に高級な木材を使えば高いのもございますが、一般的には平均にしていえば木造の方が単価的には安いということかと思います。
#58
○佐藤雄平君 木造の方が安い。
#59
○政府参考人(三沢真君) はい。
#60
○佐藤雄平君 かつて文部省の方の学校建築について、木造の方が高いということがあって木造についての補助金を出さないときがあったんですよ、コンクリートで推奨して。それからいろんなことがあって木造まで認めることになったんですけれども。これについてはそれぞれあるでしょうが、その自治体のいろんな事情とか、また地域の話があると思いますからやめますけれども、それについても十分頭に入れておいていただきたいと思います。
 それからまた、これも地元の話で恐縮なんですけれども、先般からまた大臣にも質問させてもらっている中でいろいろ話をさせてもらっていますが、本当に今、地元を歩いてみると農家の空き家が多いと。空き家でも、空き家なのかなと思って行くと、小さな住居をつくってそこに老夫婦が住んでいる現況というのがあって、なかなか農家の母屋を管理するのも大変だというような状況があります。
 しかし、そのおじいちゃん、おばあちゃんたちに新しい高齢者住宅をつくったからといって、じゃ、おじいちゃん、おばあちゃん入りますかと、お金も持っていても入りますかというと、それはなかなか、その地域性というか、そこに住んでいる人の意識からすると、どうしてもこのうちは私のうちなのでそこに住まなきゃいけないという理由があったりする。そんなことを考えると、私はやっぱり高齢者の人の一つの特徴としては、そうは変化を求めたくないという気持ちがあると思うんです、先ほどもありましたけれども。
 そんなことを思うと、やっぱり新しいものも重要であるけれども、まさに今住んでいるところの、先ほどのその法の中でバリアフリーもどんどんそれは補助金を出していきますよという話でありますけれども、やっぱり既存の住宅に対してのいわゆる改築、改善、これもうんと大事だと思うんですけれども、これについては、将来的にはいわゆる新しい高齢者住宅とあと既存の住宅、どんなふうな関係の中で制度として進めていくおつもりでございますか。
#61
○政府参考人(三沢真君) 先生がおっしゃいますとおり、これからやはりバリアフリー化を進めていく場合に、既存の住宅を改造してバリアフリー化を進めるというのは非常に大事なことかと思います。
 現状で申し上げますと、今の既存ストックの中で、手すりが設置されて、しかも廊下が広い幅が確保されて、かつ段差も解消されていると、この三点を全部備えている住宅は全体の三%しかないわけでございます。これにつきまして、私どもは先般、閣議決定いたしました住宅の五カ年計画の中で、将来的には二〇一五年にはこれを全体として二割まで、この三点全部備えた住宅のストックを引き上げていきたいというように目標を置いております。
 今回、したがいまして、その法案の中で、高齢者向け優良賃貸住宅制度におきましても、いわゆる新規供給としてバリアフリー化されたものを供給するだけでなくて、既存の住宅を改造してバリアフリー化された民間借家として供給していく、そういうものも助成の対象にして認定住宅としていく、こういう制度にしております。
 それから、いわゆる持ち家につきましても、高齢者の方が自分の持ち家をバリアフリー改造するための死亡時一括償還制度というものを用意いたしまして、したがいまして、やはり新しいものだけじゃなくて、既存ストック改良というものによって相当このバリアフリー化率を底上げしていくという方向でこれから施策を進めていくことが必要であるというふうに考えております。
#62
○佐藤雄平君 前に借地借家法をやったときに、あれは都市部に住む老夫婦が、ある意味では人に貸しやすいというような制度の利点というのも一つあったかなと思うんですけれども、本当に私、危惧するのは、その老夫婦がけなげにそういうふうな経営をして、自分の持ち家を人に貸して経営をしている感覚から、だんだんやっぱり何か新しい制度ができていくと、何となくその老夫婦もみずからのその事業をやめてそっちに行っちゃおうかなというふうな気持ちになったりすると、また生きがい的にも欠如してくるようなことにもなりはしないかというような懸念もします。
 この制度の中で、民間と公が両方とも需給環境を見ながらつくるということになっておりますけれども、民間と公という中でのセパレート的なものは特にないんでしょうか。
#63
○政府参考人(三沢真君) 今回の法案の一つのねらいは、これから急速に増加してきます高齢者単身世帯、夫婦世帯を公的な住宅だけで対応をするということについては非常にやっぱり限界があるだろうと。ここをできるだけ市場の力を活用して、民間活力でまず、若干のインセンティブを与えることによって供給を促進できないかというところが一つございます。したがいまして、民間による高齢者向け優良賃貸住宅制度というのは民間事業者もやることになっております。
 ただ、地域の事情によりまして、民間事業者の力だけではやっぱりそういう賃貸住宅が供給不足が見込まれるという場合が当然ございますので、その場合には公共団体が自分でこういう高齢者向けの優良賃貸住宅を供給する、あるいは公共団体の要請に基づいて公社なり公団が出てまいりましてこういう住宅を供給できるということで、そういう意味では官と民と役割分担をしながら供給を進めていくというような仕組みとしております。
#64
○佐藤雄平君 市場原理に原理原則を置きながら、民と官の中でうまくやっていただきたいと思います。
 次に、住金法についてお伺いさせてもらいたいと思います。ちょうど去年、おととし、財投法の改正があって、あれは財政投融資の今のお金を極力使わないで機関債を発行しようというふうな趣旨のもとで法改正があったと思うんですけれども、しかしながらことしの予算を見てみると、二十兆の中のほとんど一兆四千億がそれぞれの機関債として売って、そのほかはやっぱりどうしても財政投融資に頼らざるを得ないというふうなことになっているわけでありますけれども、あの段階で、総裁に、どれぐらい実は機関債を売る見込みでおられたのか。そして、現実問題としては、たしかきのう聞きましたら幾らでしたか、五百億というふうなことでございますけれども、これは最初の見込みとどういうふうな状況であったのか。見込んだとおりであったとかちょっと見込み違いであったとか、この件についてお伺いしたいと思います。
#65
○参考人(望月薫雄君) 佐藤先生御指摘のとおり、財投改革ということがいよいよ十三年度から実行されるという状況になっておるわけでございますが、その間におきまして、私ども住宅金融公庫を含めたいわゆる財投機関が財投機関債というものを発行して資金調達するようにという大いなる求めがございます。
 私ども、この辺の流れを踏まえながら、さきのというか、昨年の通常国会におきまして住宅金融公庫法の改正もしていただきました。言うなれば、その法改正によりましてやろうとしたことは、私も公庫の機関債、具体的には資産担保証券を発行させていただこうということでスキームを構築させていただきましたが、これについてつい先ごろ、三月の二十二日でございますけれども、十二年度分として五百億円を予算計上し、五百億円を発行終わりました。
 当然ながら、私ども、この機関債の発行、なかんずく資産担保証券というのは、正直言いまして、我が国におきましても希有な例というか初めてのケースでございまして、我々としてはいろんな積み上げ努力、関係方面のお知恵もかりながらやらせていただきましたけれども、結果的にはまあまあいい格好で発行できたかなというふうに思っております。いわゆる格付会社二つからもいずれもトリプルAの評価をいただきました。
 ちょっと具体的に申しますと、先生御案内ですから、これはくどいかもしれませんけれども、私どもの公庫が住宅ローンとして融資を申し上げている債権、これを担保にして証券を発行しようというものでございまして、その格付が今申しましたようにトリプルAということに相なりました。これは我が公庫の住宅金融の良質性というものが評価されたことは当然ございます。同時に、この発行体である住宅金融公庫が政府機関であるという、言うまでもない信用度というものが背景にございまして、こういう格付をいただきましたが、その結果、三月の七日でございましたけれども、入札行為をやりましたところ、一・七五〇%という表面利率でもって発行することに相なったわけでございます。この発行五百億円を予定したものは、今日というか三月二十二日、直ちに全額消化していただきました。
 そういった中でございまして、私ども、この資産担保証券をもって調達する、いわゆる機関債の発行にどう取り組んでいくかということが御質問の趣旨と思いますが、これはやっぱり我々も、資金調達の多元化という財投改革の流れの中での大きな要請として、当然のように重く受けとめていかなければなりません。
 一方で、私ども住宅金融は、毎度毎度申し上げて恐縮でございますけれども、いわゆる庶民金融として長期にわたって固定金利でもって融資するという、この辺からすると調達の安定性というものが大変大事でございまして、あるいは低利性ということが非常に問われるわけでございまして、その間においては、やはり資金調達の大宗は政府からの借り入れ、具体的には財投債の発行によって調達するお金を公庫の方に御融資いただきたいと、こういうことをスタンスに置きながら、今申しましたように機関債の発行をやっていきたいということでございます。
 十三年度は五百億円に対して四倍といいましょうか、二千億を予定させていただいております。これはえらい小さいじゃないかという御意見もあるいはあるかもしれませんが、率直に言いまして、現在、我が国の証券市場が、特に公募型についてはまだまだ未成熟でございます。
 数字を言いますならば、大体毎年五千から六千億円というふうな程度の規模でございまして、民間を含めて全部ですけれども、その中の大宗は自動車ローン、あるいはリース債権あるいはまたクレジット債権、こういったものが証券化されているということでございまして、比較的期間が短いわけでございまして、私どもの債権は御高承のとおり三十五年にわたる長期の債権でございます。これを証券化するということで、マーケットにどう評価していただくかということが、今回は五百億はうまくいったんですけれども、ボリュームがどこまで許容されるかというのは非常にこれは大きな問題があると思います。
 我々は、だからそういった意味では、やはりマーケットの成熟を見ながら、かつまた調達のコストがどうなるかという金利動向等の関係等々も慎重に見ながら考えていかなければならぬと、こういう気持ちでおりますが、ともあれ今般、昨年お認めいただいた法改正の成果としては五百億円を発行させていただき、まあまあの格好になったと、今後とも継続的に続けさせていただきたいと、こういう思いでございます。
#66
○佐藤雄平君 本当にそれが住宅金融公庫の一つのある意味では評価につながる面もあるのかなと、そんな思いでありますので、ぜひ機関債についての御活躍というか、お願いしたいと思います。
 次に、ちょっと耳ざわりな話になると思うんですけれども、それこそ森派の会長の小泉さんが、構造改革の第一歩は国営金融機関の一元化が第一歩であるという、先週大きな見出しになっておりました。いろいろ今問いただされている中で、自由民主党のまさにエースと言われる方の発言でありますが、これについて何かコメントがありましたら聞かせていただいて質問を終わらせていただきます。
#67
○副大臣(高橋一郎君) 文芸春秋の記事等でごらんになったんだと思いますが、政府系金融機関の統合につきましては、御指摘のように、特殊法人改革に関連いたしまして政府系金融機関を統合すべきとの考え方があることはみんな承知しておりますけれども、住宅金融公庫と他の政府系金融機関とを統合することにつきましては、三つぐらいの観点から慎重な議論が必要だと思われます。
 すなわち、まず、住宅の取得は年収の数倍の借り入れを必要とし、個人にとって一生に一度の買い物とも言われる住宅資金の融資を行う住宅金融公庫と、事業者向け融資を実施する機関を統合することにどのようなメリットがあるのか、それが国民にとって好ましいものであるかというのが第一点でございます。
 また第二点は、住宅に関する融資を通じまして、住宅の質の向上を推進している専門的な機関である住宅金融公庫と専門分野の異なる他の政府系金融機関とを統合することがどのような意義があるのかといった点でございまして、これに疑義が生じます。
 また、そもそも政策目的が異なる複数の金融機関を統合しまして、組織が肥大化することにより、住宅政策の執行を機動的かつ的確に行い得るのかといったことなどでございまして、今後慎重な議論が必要だと思われます。
#68
○佐藤雄平君 ありがとうございました。
#69
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#70
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、前川忠夫君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#71
○委員長(今泉昭君) 休憩前に引き続き、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び高齢者の居住の安定確保に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 住宅金融公庫、この間の予算委員会のときも、やはり民間企業を圧迫するのではないか、整理縮小をしていく方向にあるべきではないかというふうに私は考えています。
 ちょっと質問通告の順番が逆になりますけれども、衆議院の方でこの法律の改正案に対しまして附帯決議がなされました。要するに、住宅金融公庫の業務について内外の社会経済情勢の変化を踏まえた整理合理化に努めること、まずこういう一文がございますが、これに関してどう国土交通省でお考えでございましょうか。
#73
○政府参考人(三沢真君) 衆議院の附帯決議の中で、今、先生のお話がありますように、内外の社会情勢の変化を踏まえた見直し、整理合理化に努めることということが入ってございます。
 それで、いわゆる行政改革大綱の中におきまして、これは昨年の十二月に決定されたものでございますけれども、すべての特殊法人等の事業及び組織の全般について、内外の社会経済情勢の変化を踏まえて抜本的な見直しを行うということにされております。
 したがいまして、当然、住宅金融公庫も含めました各特殊法人の個々の事業について、整理合理化ということでいろいろな角度から検討を行うということは当然のことだというふうに考えております。住宅金融公庫につきましても、いろいろな御議論ございますけれども、やはり公庫融資が肥大化して民業を圧迫するというようなことのないように、景気動向や民間住宅ローンの状況等を踏まえながらきちっと的確な対応をしていく必要があるというふうに考えております。
#74
○櫻井充君 現時点で、民間金融機関を圧迫されていると、そういう認識はございますでしょうか。
#75
○政府参考人(三沢真君) 現時点で、統計的に見ますと、住宅ローンの貸出残高の中でいわゆる公的住宅ローンの比率が四割以上になっているという状況がございます。
 ただ、これはその時々の経済情勢の中で、例えば景気対策の要請等により公庫の事業量がふえたこと等に伴うものでございます。そして、残高ベースで見る場合とフローベースで見る場合といろいろございますけれども、フローベースで見ますと逆に民間金融機関がかなり大幅にアップダウンすることがございまして、そういう意味では、そのときの状況に応じて、民間金融機関が非常に好調が出ているときは比較的公庫のシェアは少ないし、逆にむしろ民間金融機関が融資が減ってきている、一番極端な例で見ますと二十兆ぐらいのものが急に十兆ぐらい半減するということも最近ございましたけれども、そういう状況に対応してきているというふうに考えております。
#76
○櫻井充君 今、景気対策というお話がございました。景気対策で何らかの施策を講じていった結果というお話でしたけれども、本来、景気対策というのは短期でやっていくものなんです。ですから、それがどんどんふえて肥大化していくなんということはあり得ないわけですよ。どう思われますか。
#77
○政府参考人(三沢真君) やはりここ数年の景気の情勢に応じて、景気対策の要請によりまして公庫事業を追加することが多かったというのは事実でございます。
 ただ、先生がおっしゃいますとおり、景気対策は短期でございますので、そういう景気対策の必要性がなくなれば、例えば当然やっぱり公庫融資についてもおのずとその融資量についても見直しが図られるべきだと思いますし、今回また、そういう視点も踏まえまして、例えば特別割り増し融資についても一定の見直しの方向を打ち出しているということかと思います。
#78
○櫻井充君 今回の五年間の延長という制度は、これ景気対策ですか。
#79
○政府参考人(三沢真君) 特別割り増し融資制度の延長そのものは、やはりいわば経済情勢に配慮した延長ということでございます。
 ただ、その中身につきましては、当然どの範囲でやるか、どういう融資額でやるかということにつきましては、そのときそのとき、毎年毎年の経済情勢を踏まえてやることでございますので、当然、今回も見直しをしておりますし、今後も見直しがあり得るものというふうに考えております。
#80
○櫻井充君 ですから、今回のやつは景気対策じゃないんじゃないですか、結果的には。ですから、先ほどからおっしゃっているように、景気対策のためだというような理由でどんどん肥大化しているとおっしゃっていますけれども、それは当たらないんじゃないでしょうか。
#81
○政府参考人(三沢真君) 公庫の融資額の推移について私どもはいろいろ分析をしておるわけでございますけれども、やはり融資額が大きくなったことにつきましては、大きく言って二つ要因があるのかなと思っております。
 一つは、例えば景気対策の要請によりまして戸数の追加をしまして、そういうことによる全体としてのボリュームの増大ということと、それからもう一点は、やはり特別割り増し融資ということで、これは昭和六十年度に割り増し融資制度はできましたけれども、これがいろいろな要請によりまして、だんだん大きくなってきたと。
 それを一時、また見直し方向ということで一時縮減をしたわけでございますが、それがまた平成九年の閣議決定によりまして、やはり経済対策の要請ということでもとへ戻った。この割り増し融資制度の影響というのも、やはり融資額が大きくなっている一つの大きい要因だと思います。
 したがいまして、私どもは、なぜそういうふうに公庫融資額が時によって非常に大きくなるかということについては、やはり景気対策の要請による点が多いんじゃないかというふうに考えております。
#82
○櫻井充君 じゃ、もう一回お伺いしますが、肥大化したのは景気対策が主なんですか、景気対策のためにこれだけどんどん肥大化してきているんですか、局長。
#83
○政府参考人(三沢真君) 先生がおっしゃいますその肥大化というのを何によってとるかでございますけれども、ストックベースで見た場合に非常に、さっきも申し上げました、四割以上になっているというのがございます。
 これは、一つは景気対策でございますが、もう一つ、私どもこれもあるんじゃないかと思っておりますのは、公庫のいわゆる融資期間といいますか償還期間が非常に長い、三十五年、ちょっと前まで二十五年のものもございましたけれども、長いものが中心でございます。最近では民間住宅ローンは比較的長いものも出てまいりましたけれども、個々においてはやっぱり短いものが中心であったと。そうしますと、残高ベースで見ますと、どうしてもやっぱり住宅金融公庫の残高のウエートというのは大きくなっていくということも一つはあるかと思います。
 それから、やはりもう一つは、経済対策ということの要請によって事業量がふえたということかと思います。
#84
○櫻井充君 民間の金融機関は、今のままだと住宅金融公庫と争ってほとんど勝てないだろうとおっしゃっています。それから、今の金利のままであったとすれば、ほとんど利益を得ることができないというお話もされています。どうしてそういうふうに民間の金融機関が考えていらっしゃるか、おわかりになりますか。
#85
○政府参考人(三沢真君) 現実に私ども、例えば金融公庫の利用者の方々がなぜ金融公庫を選ばれたかというようなアンケート調査等もやっております。その中でやはり一番大きい理由が、七割以上の方が長期固定であるからというような理由で選ばれているというケースが多いわけでございます。したがいまして、なぜかと言われますと、やはり今の金融公庫の長期、固定、低利というものが住宅を取得される方に非常に使いやすい制度になっているということではないかというふうに考えております。
#86
○櫻井充君 長期固定とおっしゃいますが、長期固定ではないんじゃないですか。現実、そのゆとりローン、ちょっと本当は話をしたかったのは別なことだったんですが、少なくともゆとり償還の概要というのがありまして、六年目から三十年間また残りを返済するということで、これのためにこのゆとりローンを組まれて返済できなくなっている方々が数多くいらっしゃるはずなんです。これは非常に大きな問題でして、最初はこういうやり方だから皆さん簡単に払えますからどうぞと融資しておいて、その後、金利が非常に高くなるものですから、金利だけではなくて元本の償還も多くなるものですから、返済できなくなって破綻されている方々が多くいらっしゃいます。そういう意味で、今、長期固定長期固定とおっしゃっていますが、長期固定ではないじゃないですか。
 それから、もう一つ。ゆとり償還というのはもう今おやめになっています。その理由を教えてください。
#87
○参考人(望月薫雄君) ゆとりについて私から御答弁させていただきますけれども、ゆとり償還、これはもう先生御案内と存じますけれども、率直に言いまして、所得が年々上がっていくという、こういった期待の中で組み立てられた経緯がございます。それが昨今では経済環境が大分変わって、かつて想定したとは違った局面が出ているということがあることは事実でございますけれども、ともかく所得が上がっていくということを想定、思い描きながら、言ってしまえば、初期の負担を軽くし、後の負担を少し重くというような格好をイメージしたのがゆとり償還というものでございます。
 これについては、特に先生おっしゃったように、平成五年、六年、この二年度にわたりましては、私ども公庫融資は基本的には三十五年なんですけれども、当初五年間の返済額は期間を七十五年でお返しするということではじいた元利金を五年間お払いいただく、六年目からは一般ルールに戻してやるということになります、そういうルールをしたんですけれども、そうなりますと当然ながら六年目からの償還金がふえる。平成五年度、六年度でございますので、これがちょうど十年度から六年目に入るというケースが出てまいりました。そういったときに時あたかも経済環境が非常に厳しくなっておるということで、おっしゃるようなこの返済問題というものについてはある種の深刻な問題になったということは事実でございます。
 これに対しまして、私どもは、一言で言うと、当然六年目に入るに当たって注意喚起は丁寧にやらせていただいていますけれども、注意喚起で済むような話でもないという局面があります。したがいまして、我々は、これについての個別の返済相談、条件変更相談ということを精力的にやらせていただいているということでございまして、今ゆとり償還の七十五年分だけ申し上げますならば、今日までに具体的には、済みません、失礼しますけれども、返済条件の変更は返済期間を十年間延長しましょうということを入れているわけでございますが、これについては一万件の返済方法の変更をやらせていただいておる。
 ともあれ、私自身、はっきり申し上げさせていただきますと、この問題は非常に重いテーマである、切実な問題である、こういう認識の中で、十年度以降特にそうでございますが、経済環境厳しい中で、これを徹底的に御相談に応じて条件変更にこたえていこうという中でございます。
 なお、このゆとり償還のみならず、一般的に住宅ローンについて困窮なさっている方も当然多々いらっしゃいます。こういった方々を含めまして、我々、件数だけで申しますと、ゆとり償還のみならずでございますけれども、膨大な件数の相談に応じて、公庫の支店、現場、あるいは金融機関の窓口、大変な御苦労をいただきながら、あるいは職員に頑張っていただきながら丁寧な対応をさせていただいているという次第でございます。
#88
○櫻井充君 先ほど、景気対策のためにある部分は融資枠、融資残高がどんどんふえていったというお話がありましたけれども、当初の予定ではできるものだという御判断だったろうとは思います。しかしながら、ある意味でいえば、こういう借り方をすればもっと住宅の取得をしやすくなりますよと。そのときに、私が聞いている範囲では、その甘い部分だけが説明されて、その後の非常にきつくなるところの説明が十分でなかったと、住宅金融公庫にだまされたとお話しされている方々もいらっしゃるわけですよ。
 ですから、そういう意味において非常に大きな問題ですし、それから、本来の住宅金融公庫法に定められているとおり、民を圧迫しないようなというような条件がありながら、民を圧迫するようなこういうことをやって、今やめていらっしゃいます。これはやり方が間違っていたということなんだろうから、おやめになっているのかもしれませんけれども。やはりその辺のところは改めて考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っております。どうぞ。
#89
○参考人(望月薫雄君) ゆとり償還の経緯だけ申し上げましたけれども、この利用に当たりましては、私どもも周知徹底はかなり努めてきた経緯がございます。言ってしまえば、六年目からはこういうふうに返済額がふえますよということが当然ございますし、もっと言えば、元利均等方式をとるか元金均等方式をとるか、こういったことにも及んで、いろんな情報発信し、やらせていただきました。
 そういった中で、くどいようですけれども経済環境が非常に厳しくなってきたということでもって、ローン返済者の面でいろいろな問題が出てきている、これは事実でございます。そういった中で私どもは、とにかくゆとり償還制度というものについては、制度はあっても御利用なさらないようにということで、個々の家計診断までやらせていただきながら、返済シミュレーションと我々は言っていますけれども、それをこうなりますよ、ああなりますよということを情報提供し、本人にしっかりと考えていただくということで活用してまいりました結果、十一年度には実は利用率が三%というふうに非常に落ちてまいりました。これを踏まえて十二年度からこれやめようということで廃止したと、こういうことでございまして、私どもこの制度が間違いだったとか失敗だったとかいうことはちょっとその後の経済環境との関係でどう語るかということになりますけれども、いずれにしても、この制度の運用に当たっては細心の注意を払ってやらせていただいたつもりでございます。
#90
○櫻井充君 今のお話ですと、よく政府の方が使われる想定外というようなことだったのかと思います。
 そして、もう一つ、今きちんと説明されたというお話ですけれども、去年、ちょっと正式名称を忘れましたが金融商品に関する取り扱いといいますか、その売買に関しての法案ができてまいりまして、そのときにこういう金融商品がありますということできちんと説明されているかどうか、説明義務というものを負わされているわけですけれども、そういう法律ができ上がってくる背景にあるのは一体何なのかというと、十分な説明がないからです。
 この間、私のところに商品先物を販売に来たセールスマンの方がいらっしゃいましたけれども、その前に言われたのは、ちょっと商品忘れました。お金がないと言ったら、いや先生こういう商品先物がいいですよと。そうしたらリスクは高いでしょうと言ったら、いやリターンは多いですよと、そういう言い方しかしないわけですよ。そういう言い方だけしかされなければ……(発言する者あり)済みません、委員長。あの不規則発言は慎んでいただきたいと思います。
#91
○委員長(今泉昭君) はい。続けてください。
#92
○櫻井充君 そういう意味で、本当にまずきちんと説明されたのかどうかということは、本当に大きな問題なんだろうというふうに思っています。これ以上言っても水かけ論ですから。
 そこで、民間金融機関を圧迫していると私が考えている根拠をまず二つ述べさせていただきますが、一つは抵当権の問題です。抵当権は、公的金融機関が一番になります。地元でも、マンションを建てられた方が民間の金融機関からも融資を受けていた、その民間金融機関が破綻した結果どうなっているかというと、結果的には四億何千万がすべてほとんどその住宅金融公庫に返されるということになりまして、民間の金融機関に全くお金が戻ってこないというような状況にあります。
 つまりは抵当権一番でついているということは、これはやっぱり民間側が貸し出しにくくしていると、私にはそう思えてならないわけです。この点についてどうお考えでしょうか。
#93
○参考人(望月薫雄君) 御指摘のように、私ども公庫融資に当たりましては第一順位の抵当権を設定させていただいています。
 これは、どういうことだろうかということは、もうあるいは釈迦に説法で恐縮でございますけれども、私どもあくまでも公的な資金を活用させていただいてローンを実行している。そういった意味では、資金の公的性という、これは大変大事なことであると思いますし、加えてまたローン期間が三十五年という極めて長期にわたっている、住宅金融の特性だとこれは思っていますけれども。そうすると、その三十五年という長きにわたって債権をしっかり保全する、これは公庫という公的機関の立場、あるいは資金の性格、こういったものからして当然なすべきものというふうに私どもは考えさせていただいている次第でございます。
 仮にこれを一番抵当権を遠慮申し上げて、二番とかいうふうな話になったときにどうなるだろうかということでございますけれども、やはり私どもは、例えば民間との協調ということを前提にして申し上げさせていただきますと、民間でもいろいろと当然金融を組むに当たっては審査がなされます。が、同時に私どもの立場からすれば、今言ったような性格からすると、期間の長い短いの違い等も含めまして、公庫の金融に当たってはそれなりの立場でしっかりと審査を、公庫の独自の審査をせないかぬと、こういったことが重なってくるんだろうと思うんですね。民間の審査のあり方とはもう一つ違った基本的な審査のあり方というものを公庫方式といいましょうか公庫ルールによってやらせていただくということになって、これが本当の意味での公民協調になるだろうかというような問題も派生するんじゃないか。
 あるいは、もう一つ言わせていただきますと、公庫融資に当たりましては保証の問題が当然出てまいります。今、機関保証制度でもって担保させていただいていますが、こういったことについても抵当権設定のあり方というものは非常に大事な問題である、こういうふうに考えている次第でございまして、今までも一番抵当というものについて我々はやらせていただきましたし、今後ともここのところは非常に大事なところではないか、こんなふうに思っております。
#94
○櫻井充君 公的資金を使っているから抵当権が一番であるのは当然だというお話だったとすれば、公的資金を使って住宅資金を融資しなきゃいけないのかどうかという議論を最初にしなきゃいけないんだと思います。いかがでしょう。
#95
○参考人(望月薫雄君) それはまさしく公庫のレーゾンデートルをどう考えるかということに尽きると思うんですね。
 私どもは、やはり国民の皆様、中堅勤労者の皆さん方に安心して安定的にお金を供給させていただく、融資させていただく、それをまたしっかりと管理させていただく、その間においては本当に役に立つ情報を十二分に発信して納得のいただく融資をする、これは基本的な構えと思っていまして、そういった役割を果たすという前提の中での公庫の公的資金を活用してのあり方ということを申し上げているつもりでございます。
#96
○櫻井充君 今、所得のお話が出ました。しかし、住宅金融公庫の融資を受けられる人の所得制限は全くないんじゃないですか。上限がございません。それは今の説明とは若干違うんじゃないかと思いますが。
#97
○国務大臣(扇千景君) 先ほどから私お話を伺っていまして、櫻井委員、先ほど櫻井委員とか佐藤委員とかの官は民を圧迫しているんじゃないかというお話しございましたので、聞いていただけなかったのは残念なんですけれども、今、年収という話が出まして、それはおかしいんじゃないかとおっしゃいましたけれども、少なくとも公庫の利用者というものは中堅の勤労者が中心でございます。
 御存じのとおり、年収八百万円を下回る利用者の割合というのは八一・九%でございます。なおかつ、年収が一千万円を上回る利用者は七・六でございます。一千万を上回る人たちは、民間の住宅ローンを三二・一%利用していらっしゃいます。しかも、一千万を五百万円超えるものというのは、ごめんなさい、最初の年収八百万円を下回るというのは民間ローンでは五〇・九%しかありません。ですから、一千万を上回る人たちというのはほとんどこの金融公庫を使わないで、八百万以下の人たちがこの金融公庫を利用していただいて、八一・九%の皆さん方に御利用いただいているという、私はそういう意味では今まで大変住宅ローンによってマイホームを持った中堅の所得者の人たちには大いなる貢献をできたと思っておりますし、今までの公庫の融資制度で総額千八百十万戸の皆さん方が御利用いただいています。この数字をもってしても、大体戦後の建設された住宅の約三割になります。
 この数字をもってしても、いかにこれが皆さん方に、しかも中堅所得者に、勤労者の皆さんに御利用いただいたということで、私は公庫というものの皆さんの御利用率等から見れば、今おっしゃったように、それによって公庫がむだであると一言で言えることではないと思います。
#98
○櫻井充君 だれもむだだと言っているわけではなくて、民間を圧迫しているんではないかと……
#99
○国務大臣(扇千景君) していない。
#100
○櫻井充君 いや、していないとおっしゃいますが、しかし、今融資を受けている方の割合が出ましたけれども、それでは、全所得者の方々で年収八百万円以下の方々というのは全所得者の何%ですか。
#101
○国務大臣(扇千景君) 全所得者で八百万円は、勤労世帯の平均年収では八百万円に相当する者が平均年収ですから、これは全く真ん中ですね。五〇%ですね、総世帯数の。だから、八百万円は勤労世帯平均の、八百万円は半数に及んでいます。
#102
○櫻井充君 いや、まあ若干違いまして、これは数字は後で確認させていただきますが、私が調べた範囲では年収八百万円以下の方々で全所得階層の九〇%を占めるということになっておりまして、決して今の数字が特化して多いわけではありません。
 つまり、今、大臣がおっしゃったのは、これだけの人たちが、八百万円以下の人たちが八十数%借りているから非常に多いんだとおっしゃいますけれども、国民の皆さんの大多数が八百万円以下なんですよ。九〇%以下の方が八百万円以下ですから、それは同じように今、住宅金融公庫は貸し出しているわけですから、当然比率としたら変わらなく出てくるというのは私は至極当然のことなんだと思うんです。
 そしてもう一つ、今、利子補給を行っています。国から約四千億円以上のお金が平成十三年度も投入されることになっています。つまりは、こういう国からまた援助を受けているわけですから、当然のことながら民間金融機関はこれら公的金融機関と勝負できないという状況になっているかと思います。いかがでございましょうか。
#103
○参考人(望月薫雄君) ちょっと議論を混乱させることになるかもしれませんが、一言だけ冒頭つけ加えさせていただきますと、我が国の住宅金融というものをどう考えるかという基本問題をざばっと考えたときに、私はまさしく国民の皆さん方、なかんずく我々の立場でいえば中堅勤労者層の方々がどういう金融制度、どういう金融機関の融資を求めるかということは非常に重く受けとめなきゃならぬ部分ではなかろうかと思いますが、そういった中で現在あるのは、御案内のとおり、私ども住宅金融公庫の融資とそれから民間金融機関の融資というものがともどもあるわけです。
 この関係がどういう関係だろうかというと、私どもの金融は、いつも本当に繰り返しになりますけれども、長期で固定金利だというこのスタンスでいく融資と、それから短期で変動というものをむしろ得意とされている、あるいはそれが一般的に主流になる金融機関、民間金融機関の融資というものが両々相まって国民の皆様方には幅広い選択あるいは協調ということができているんじゃないかというふうに思っているわけです。
 そこで、御質問の利子補給金の問題でございます。これは一言で申し上げますと、私ども調達コストとお貸しする金利の差、これが現在七十四兆円くらい融資残高ございますけれども、これについての調達コストと融資金利の差というものがいわば利子補給として国から、一般会計から私ども公庫にいただいているものでございますが、これは一言で言いまして、あくまでも低利融資というものを実現するために必要な、国民の皆様への還元と言っては言葉は失礼かもしれませんけれども、そういった融資制度を実現するためのいわば政策的な補給金であるということはぜひ御理解いただきたいと思います。
#104
○櫻井充君 今、住宅金融のあり方というお話がございましたけれども、もう一つ大きな目で見ていただきたいと思います。それは全体の金融システムをどうするのかということです。そこの視点が欠けているから今の御議論になられるんだと私は思います。
 今、民間の金融機関に公的資金七兆五千億円余りが投入されました。これは柳澤大臣は否定されておりますけれども、私どもは不良債権の直接処理を行えば恐らく公的資金を注入しなければいけないであろうほど財務状況は悪くなるのではないか、そういう判断をしています。仮に一歩譲って公的資金を注入しなかったとしても、今の銀行の利益率の低さを考えたときに、世界が一〇%以上であるのにもかかわらず、日本の銀行を中心とする民間の金融機関の利益率が一〇%以下です。これでは民間の金融機関が成り立っていかないわけですよ。そういう視点から考えてきたときに、果たしてこのまま国が住宅金融政策を行っていかなきゃいけないのかという議論をもう一度やり直さなきゃいけないんだと思います。
 アメリカは今どうしているかといいますと、アメリカはモーゲージローンを組んでいます。モーゲージローンを組んでいて、国は直接個々にお金を融資しているわけではなくて、政府が信用の保証をつけているだけです。ですから、アメリカの住宅政策も、実際のところは昔は民間の金融機関が手を出さなかったために政府が貸し出しをしているという時代もありましたけれども、しかしながら時代はどんどん変わってきているわけです。今この時点で、日本がもう一度考えなければいけないのは、金融システムがどうあるべきなのかということです。民間とそして官はどうあるべきなのかという議論を一回しなければいけないんだろうと思います。
 もう一点ですけれども、今、郵貯の額が二百六十兆円と非常に多い。そして、その郵貯の額が多かったがゆえに、これは宮澤大臣も認めていることですけれども、財投機関が肥大化してしまった、むだな部分も随分広がってしまったんだということは、これはお認めになっていらっしゃいます。
 そして、今度はその財投機関の公的金融部門の中での貸出残高を見たときに、対GDP比で三四・四%です。アメリカが四・四%、ドイツが四・九%、イギリスが一%ということを考えれば、日本の公的金融機関がいかに多く貸し出しているかということがわかるわけです。柳澤大臣は、この数字をもってして必ずしも民間を圧迫するものではないとおっしゃっていますけれども、しかしそのシェアを考えたときには、私は明らかに圧迫しているんだろうと思うんですよ。
 そうすると、今の銀行がこれから立ち直っていったときに、どういうところで利益を上げていくかということになります。これまでは事業金融が主体でした。しかし、これからは消費者金融に向かわなきゃいけないんですよ。消費者金融に向かっていかなければ、利ざやを稼ぐことはできません。
 もう一点申し上げておきますと、いろんな債権がございまして、その債権が危険な債権なのかそれとも大丈夫なのかということでリスクウエートというのがついてまいります。その普通の企業に貸し出したときのリスクウエートは一〇〇%でして、国債などを買い取ったとき、それから国債の場合にはリスクウエートはゼロですし、信用保証がついた場合には一〇%です。では、住宅ローンは幾らかといいますと、住宅ローンは五〇%なんです。
 つまりは、どういうことかというと、一般の貸し出しをするよりもはるかにリスクが少ないということがわかっていて、そのリテール部門に今民間金融機関は移行していきたいという希望を持っているわけです。そういうその社会情勢全体を踏まえた中で、住宅金融がどうあるべきなのかということを議論しなければいけないと思っています。それを踏まえて、どうお考えでしょうか。
#105
○参考人(望月薫雄君) 一言で住宅金融と申し上げさせていただいている中では、当然のようにこれは金融のサイドでの御議論というのは、当然ございます。ところが、もう一つの側面として私どもは、住宅政策を支える金融政策というのはどうあったらいいかという、かなり重い課題があると考えている次第でございます。
 そういった中で、ある金融の側面だけから見て、民間がメリットがあるかないかということだけで公庫融資の優位性というものを決めつけることについては、私はいささかなりとも抵抗せざるを得ないような気分になるわけでございまして、言ってしまえば、公庫というものが果たしている社会的使命、あるいはもっと言うと住宅政策万般にわたる幅広いニーズにどう対応していくかという、実現の手段としての役割、こういったものを考えますと、きょうは申し上げていないんですけれども、やっぱり良質なストックをつくっていかなきゃならぬ、あるいは政策的に、大事な分野を政策的にリードしていかにゃいかぬなどなどのこともあわせやりながら、あくまでも中堅勤労者のニーズにこたえる、こういうことが非常に大事だということを申し上げたいわけです。
 同時に、一つつけ足させていただきますと、私どもやっぱり国民の皆さんがどう受けとめているかということが非常に大事な点だと思いまして、たまたま私ども、住宅展示場なんかにお見えになる住宅購入予定者の皆さん方に、融資についてどうお考えかというふうに伺ってみますと、九割からの方が固定金利、長期であること、固定であることをまず求めていらっしゃる。
 それから、これはちょっと手前みそにとられるかもしれませんけれども、やはり住宅金融公庫融資というものをまず頭に置きますというような方が多いんですね。これは、言ってしまえば、それだけ皆さん方に御信頼され、期待されながらの公庫業務が過去から今日になっていると。この路線は、今後の政策万般を考えながらの上でも、なお大事なことではないか、こう思っている次第でございます。
#106
○櫻井充君 直接貸し出さなきゃいけないという、そういう仕組みだけではないと私は思っています。つまりは、もし民間金融機関との金利差があるんだとすれば、その金利差分だけ減税すればいいわけですよ。利子補給を住宅金融公庫に行うんではなくて、個人個人に利子補給を行えば、住宅金融公庫、私は必要ないんだと思いますよ。いかがですか。
#107
○参考人(望月薫雄君) 先ほど来、先生はアメリカの例なんかもおっしゃっていただきました。確かに、各国それぞれでもって住宅金融のあり方は違います。ただそれは、言うまでもありませんけれども、住宅金融の歴史、経緯あるいはその国におきます住宅事情、ストックの状況等々、総合的にもろもろのものが反映してそれぞれの制度ができておると。アメリカは、たまたまおっしゃるとおり、公的機関の役割はむしろ民間の資金調達をバックアップするという証券化業務が主であることは当然でございますが、私ども申し上げたいことは、やはり現在の、あるいはまだ二十一世紀の当分の間の我が国の住宅政策の柱としては、差別なき金融、公平な金融、こういったことが大事であろうし、もちろんその前提では中堅勤労者に焦点を当てたというものが基本でございますけれども、そういった点を考えますと、私どもはまだまだ直接金融の役割は非常に大きいと、くどいですけれども、加えて質のリードということが大変大事であると、かように確信をさせていただいている次第でございます。
#108
○櫻井充君 もう少しやり方はあるんじゃないかと思っています。例えば、少なくとも、じゃ住宅金融公庫法が一体何のためにあるのかだと思います。
 住宅金融公庫法の第一条に定められている「国民大衆が」といったときに、むしろ先ほど中堅の方々というお話をされるのであれば、私はむしろそこに特化して金利を安くすればいいんだと思うんですよ、もっと。今、上限なしに設定されていますね、だれでも融資が受けられますと。
 そういうことから考えてきたときに、今の方針を貫かれるのであれば、私はむしろ所得制限を行って、そして所得制限を行った上で現在の金利よりも安く融資されるというようなやり方の方が、今のままではばらばらなんです。だれにでも同じような、若干違いますよ、それは。金利が違うのは重々承知しております。十一年度以降違ってくるのまで全部調べておりますけれども。そういうことではなくて、今おっしゃっていることを、施策を実現する、国がそういう施策を持っていらっしゃるのだとすれば、私はそういう方向で整理縮小していくということであれば賛成しますよ。
 しかし、今のように、今までのまま、このままずっと住宅金融公庫がこのような融資の仕方をしていくということに関しては、やはり納得できないところがございます。いかがでしょうか。
#109
○参考人(望月薫雄君) これは余りくだくだと申し上げるのは失礼かと思いますけれども、今までのようなというお言葉の中に、先ほど局長からも御答弁ありましたように、私ども、やっぱりしばしば住宅金融公庫という組織の性格上、機能の性格上、我が国の経済対策の面での出番、役割というものが求められている面もこれは率直に言ってございます。これがいいか悪いかではなくて、私どもに課せられた大きな仕事である、こういったことの中でやらせていただいてきているわけでございますが、そういったものの積み上げといいましょうか、経過も踏まえながら今日があるということでございます。
 今後どうあるべきかということは、当然先生おっしゃるように、私どもの公庫のあり方についても一つの大きな課題は当然あることを十二分に承知いたしております。これを挙げて我が国の住宅政策をどう構築していくかという中で、今までのようなあり方がそのままいいとは私自身も決して思いませんけれども、さらにめり張りのついた重点化、それから今おっしゃったような金融機関との協調関係、もっと言えば補完的関係、こういったことも大事なテーマだと思いますが、ただ、くどうございますけれども、公庫の直接金融の果たしている役割はやはり今後ともまだまだ重いし、大事にしていただきたい、こういうことを申し上げさせていただきます。
#110
○櫻井充君 もう一点、ちょっと違う視点で話をさせておいていただきますが、いつも議論になってくるのは、民間がこういう時期には貸し出すけれども、別な時期には貸し出さなくなるんじゃないかという話があります。
 我々、今、民主党の中で金融アセスメント法案というのをつくっております。これは、ベースラインになっているのはアメリカの地域再投資法ですけれども、銀行の今度は公共性というのを考えたときに、日本における公共性とは一体何なのかというと、やはり低所得者の方々とか中小企業の方々にどれだけ貸し出していくかということが一つの公共性なんじゃないかと思っています。そういう意味で、今住宅ローンをどのぐらい貸し出しているのか、低所得者の方々にどのぐらい貸し出しているのかとか、そういうことを調査して公表するという今法律を我々の政党の中では用意してきています。ですから、先ほど、民間だけに任せればあるときは貸さなくなるんじゃないかというお話がございますけれども、我々は決してそういうことはなくて、そのような法案で担保できるんじゃないかというふうに思っている。
 それからもう一つは、くどいようですけれども、アメリカは先ほどおっしゃったとおり保証だけでやっています。そういう意味では、これから住宅金融公庫のあり方というのは、もう一度考え直さなきゃいけない時期に来ているということだけは申し上げさせていただきたいと思います。
 済みません、時間がありませんので、あと道路公団のことについてだけちょっと質問させていただきます。
 まず、道路公団の経営状況について、今なぜこういう話をするかと申しますと、今いろんな方面から道路公団が第二の国鉄になるんではないか、かなりの多額の債務、負債を抱えてこのままやっていけるのかどうかというような疑問が数多く出てきているわけです。そういう意味で、現在の経営状況について教えていただきたいと思います。
#111
○政府参考人(大石久和君) 日本道路公団の経営状況についてお尋ねでございます。
 道路公団は、高速自動車国道を中心に有料道路の整備を行ってございますが、行っております事業のうち、高速自動車国道の平成十一年度の決算の状況を申し上げますと、収入が一兆八千億に対しまして、管理費及び利払いに要する支出が約九千億でございます。残りの九千億を借入金の償還に充てておりまして、現在のところ償還は順調に推移していると考えてございまして、経営状況に問題はないと考えております。
#112
○櫻井充君 企業会計に当てはめますと減価償却等が必要になってくるかと思いますけれども、そういうものの必要がないというのは一体なぜなんでしょうか。
#113
○政府参考人(大石久和君) 日本道路公団が作成しております財務諸表につきましては、道路資産に対する投下資金の回収状況が明らかになるということが経営上最も重要だという考え方から、道路資産の減価償却は行わず、各年度の料金収入から管理費や利息などの主費用を差し引いて、実際に借入金等の償還に充てた金額を償還準備金として計上する償還準備金積立方式という会計制度を採用いたしております。
 しかしながら、特殊法人等の会計処理につきまして、昨年十二月の閣議で決定されました行政改革大綱に基づき、現在、財政制度審議会において所要の見直しの検討が行われていると聞いているところでございますので、これらの検討結果を踏まえ、今後適切に対応してまいりたいと考えております。
#114
○櫻井充君 それは、ある意味で自分たちの都合のいい会計制度を導入しているだけの話じゃないでしょうか。民間の企業会計を導入してくると利益率もかなり落ちてくるんだろうと思うんですよ。今の道路公団方式ですと償還率が三一%ですけれども、企業会計方式になってしまうとわずか六%、まだ黒字、まだ余裕がございますけれども、そういう状況にあるという指摘もあります。それはどう思われますか。
#115
○政府参考人(大石久和君) 現在、我々が採用いたしております会計といいますか財務諸表、投下資金の回収状況を管理する方式は、これが適切であると考えてございます。
 道路資産の減価償却を行っていない理由といたしまして、道路資産の主体がほとんど土地でございまして、その取得価格は主として土地の買収費及び造成費から成り立っておりますこと、また土地以外の部分、構造物につきましては常に維持管理が良好に行われているという考え方から、道路資産の機能は常に良好に維持され、やがて国に引き継ぐという考え方になってございます。
 このような方式で投下資金の回収状況を明らかにすることが最も重要だという考え方から、この方式を採用いたしておるところでございます。
#116
○櫻井充君 道路が資産だとおっしゃいますけれども、果たしてその道路を今現実に売って、それだけの資産価値があるとお思いですか。
#117
○政府参考人(大石久和君) 道路公団が管理しております資産は極めて膨大な資産でございます。これが直ちに、考え方の上では国に引き継ぐことになるわけでございますので、国が回収するということになるわけでございますが、二十兆を超えるこの資産を国が直ちに回収することは現在は難しいと考えております。
#118
○櫻井充君 いや、国が回収するとかいうことではなくて、それだけの価値があると判断されているかどうかですよ。
#119
○政府参考人(大石久和君) 価値があるかと言われれば、当然そのような価値があると考えております。
#120
○櫻井充君 まあ、いいでしょう。それじゃもう一点ですけれども、アクアラインの資産価値は幾らですか。そうおっしゃるんなら、じゃ、どうぞ、アクアラインの資産価値は幾らですか。
#121
○政府参考人(大石久和君) アクアラインにつきましては、今、先生の質問通告の中にございませんでしたので、手元に持ち合わせておりません。
#122
○櫻井充君 別に額はわからなくて結構です。その資産の内訳、内訳といいますか、何をもって資産とされていますか。
#123
○政府参考人(大石久和君) アクアラインは橋梁部分及びトンネル部分から構成されておりますが、この橋梁部分、トンネル部分を構成することとなりました建設費、総事業費は一兆四千四百億程度でございますが、これをもって資産といたしております。
#124
○櫻井充君 その資産は減価償却されないんでしょうか。つまり、橋とかそういうふうなものは全く減価償却されないんでしょうか。
#125
○政府参考人(大石久和君) 減価償却というのは、考え方の問題でございますが、良好な管理を行うことによって料金徴収期間が終了いたしましても国の資産等として引き継ぐことができる、そのような管理をいたしておりますものでございますから、当然陳腐化をすることはございますが、減価償却という考え方ではなじまないのではないかと考えております。
#126
○櫻井充君 果たしてそうでしょうか。メンテナンスさえきちんとしていれば減価償却がないということが果たして世の中で通じるのかどうか、私はそこは非常に疑問でなりません。一般常識でそれは成り立つとお思いなんですね、じゃ。
#127
○政府参考人(大石久和君) 普通の国語で申しますところの減価償却という考え方と、それから収入及び支出から利益を生み出すための経理手法としての減価償却という考え方の間には、当然違いがあると考えております。
 今現在、先生が一般的な国語という意味で減価償却ということをお考えですと、私が今先ほど申し上げましたように陳腐化するということはあるわけで、経年変化は行われるということは当然であると思います。
#128
○櫻井充君 そして、今、維持管理費はちょっと額は忘れましたが、今の額より恐らくこれからどんどんふえてくるんだろうと思うんですよ。
 なぜそういうことを申すかといいますと、首都高の今の維持修繕費に充てる割合が一九・六%、費用の部分のうちの一九・六%。本四架橋公団はたった四・三%なんですよ。つまりはどんどん古くなっていくと維持管理費がどんどん増してくるんじゃないか、そう思いますけれども、その考え方は少なくともどう思われますか、それに関しては。
#129
○政府参考人(大石久和君) 道路資産の中で構造物の部分につきましては、経年変化を経るに従いまして維持修繕費がかさんでいっているということは事実でございます。
#130
○櫻井充君 そうしますと、今の料金収入が今後ふえていくというふうにお考えでしょうか。
#131
○政府参考人(大石久和君) 料金収入は種々の経済指標によって支配されていくものと考えてございますが、今後、人口動態あるいはGDPの伸び、あるいは免許人口等々を勘案いたしますと、緩やかながら走行台キロは伸びるというように予測いたしておりまして、したがって、料金収入もふえていくと考えております。
#132
○櫻井充君 それに比較して、建設費というのはもっともっとふえていくんじゃないんですか。
 そして、今後、私の地元なんかも含めてですけれども、決して採算性のいいところをつくっていくわけではありませんから、十分な収入が得られる保証というのはないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#133
○政府参考人(大石久和君) 高速道路、現在整備計画が出ておりますものが九千三百四十二キロでございますが、これにつきましては、現在の料金水準及び償還期間で十分償還し得ると考えてございます。
 しかしながら、これを超える一万一千五百二十キロを高速自動車国道として整備するという計画になってございまして、この残余の部分につきましてどのような方式で建設していくかにつきましては、種々の検討課題があると考えてございます。
 道路公団で設けました経営改善委員会の中でも幾つかの方策が示されております。例えば、もう高速道路は九千三百四十二キロで終わってしまうんだという考え方でありますとか、あるいはゆっくりやることによって、現在一兆八千億の料金収入がございますから、そういう料金収入をにらみながらゆっくり整備していけばいいんだという考え方や、あるいは国が何らかの助成措置等を行うことによって早期にネットワークを完成するんだという考え方等々がございますが、私どもはこれらの選択肢の中から、今後国民の高速道路にかける期待あるいは地域の要望等を踏まえながら、良好な選択肢を選んでいきたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、九千三百四十二キロのみで多くの国民の期待にこたえることはできないと考えてございまして、種々の工夫をしながらネットワークの拡充を図ってまいりたいと考えております。
#134
○櫻井充君 これはもう住宅金融公庫と同じでして、今までは有償資金で道路をつくっていくということ、この方式は決して悪くなかったと思うんですよ、東名とかを初め採算性がいいわけですから。しかも、日本の予算ということを考えたときには、この財投という方式は決して悪くなかったと思うんです。しかし、今の状況をかんがみてきたときに、果たしてこのまま有償資金で続けられるのかどうかという議論は一度しなきゃいけないですし、そこの部分が私は非常に大事なことなんじゃないかというふうに思っています。
 済みません、時間がないのでもう一つ。本来、経営改善を行っていかなきゃいけないんだろうと思いますけれども、そういう意味で、例えば料金の収受業務、それから修繕業務など、入札を行って出費を減らすような方向でというお話を以前されていました。しかし、競争入札の結果を見た限りにおいては、この私がいただいている資料、道路公団からいただいたものを見ても、全く減額されているわけではございません。
 例えば、維持修繕の土木部門は、平成八年度が五百四十五億円で、これは入札が始まってから、六百二十五、七百二十六、七百七十五とどんどんふえてきております。こういうことを見ても、その入札制度が導入されたからといって決して安くなっていないというところ、非常に私はここが不透明なんだと思うんです。
 そこで、資料要求をしたいんですけれども、どういう業者が入札に参加して、落札予定が幾らで、そして幾らで落札されたのか。そして、この業務を委託している全部の企業名を、ぜひ資料を提出していただきたいと思います。
#135
○委員長(今泉昭君) 答弁は必要ないですね。
#136
○櫻井充君 一つだけ。要するに、入札したにもかかわらずむしろその金額がふえている、そのことについての御説明だけお願いします。
#137
○政府参考人(大石久和君) 確かに先生が御指摘になりましたような経緯が、例えば維持修繕業務等でそのような傾向があることは事実でございます。
 しかしながら、この維持修繕等にかかります費用は、入札契約制度のみでその低減を図ることは難しゅうございます。延長は伸びていっているわけでございますし、先ほど申しましたように経年化はしているわけでございます。したがいまして、公団におきましては、経費を節減するためのコスト縮減という目標を掲げまして、そういう目標に従って計画的にコスト縮減に努めているところでございます。
 なお、契約制度が変わりましたことによりますその効果も、できるだけ多くのものが得られますよう、今後とも公団を指導してまいりたいと考えております。
#138
○櫻井充君 終わります。
#139
○委員長(今泉昭君) ただいま資料要求がありました件については、後刻理事会で話し合います。
 当局の方でできるものは、速やかに提供してください。
#140
○森本晃司君 高齢者の居住の安定確保に関する法律についてお伺いさせていただきます。
 私、前回の質問に立たせていただきましたときに大臣にもいろいろお答えいただきましたが、あのときは時間的にも迫っておりましたので、きょうまた改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、公的賃貸住宅の一元化についてお尋ねしたいと思います。公共賃貸住宅で、規模やあるいは性能やあるいは管理等について、所得による差をなくして、一棟の中にあるいは一つの地域の中に、集合住宅の中に多様な所得層、また多様な年齢層がバランスよく居住している、そういうソーシャルミックスが住宅制度自体のバリアフリー化を実現でき、共同体制のあり方として私は理想的だと考えておるわけでございます。
 建物が、最近はいろいろとそれぞれの公共住宅が接近している場合もありますけれども、この棟はどこの住宅であり、この棟はどこの住宅であると、所得によって見た感じからも分かれていくというのは共同社会をつくる上でいまいちだと思っております。そういう面で、今後良好なコミュニティーをつくるという意味で、一つは、公営住宅それから特優賃、それから高齢者向け優良賃貸住宅、公団住宅などの混合建設をやっていくこと、二つ目には、そういったことを適切に維持をする管理体制の一元化、こういう課題を踏まえて中長期的に一元化という住宅政策を推進すべきではないか、このように考えております。
 高齢者向け優良賃貸住宅の供給に当たりまして、高齢者ばかりが集中するのではなく、良好なコミュニティー形成に向けて適当なソーシャルミックスを進めるべきではないかと考えますが、大臣のお考えをお伺いします。
#141
○国務大臣(扇千景君) けさからも各般の御質問の中で、老人だけに偏るのではないかというような御質問も既にございましたけれども、私は今、森本先生がおっしゃいましたソーシャルミックスにするということが老人の活力にもなるし、本当に私はいいことであるし、またそれが二十一世紀には大切なことだというのは朝からも申し上げているとおりでございますけれども、今、先生が御指摘になりましたように、公団住宅と公営住宅と混合供給を進めるということも私は、公団住宅を買い上げて公営住宅として供給する方式の参入ですとか、例えば公団住宅の建てかえに関して公営住宅の併設などを実施するというようなことも私は考えられる一つの方策だろうと思いますし、今、現に実施しているところも現実にはございます。
 先生も御存じのように、阪神・淡路大震災の後の復旧におきましては、復旧・復興工事のときに、公団住宅の建物の一部を借り上げまして、そして三十八団地で三千十三戸のいわゆるソーシャルミックスを実現したという実績も阪神・淡路大震災では実行しておりますし、そういう意味では、今後もこの公団住宅と公営住宅の混合供給を行うということは私は進めてまいらなければいけないし、重要なことであろうと思う。
 また、今、管理体制の一元化が必要ではないかという先生のお話もございましたけれども、まず公団住宅と公営住宅とを含みますすべての公共賃貸住宅に関する募集とそれから情報の一元化、これは現在ネットワーク化のシステムの開発を進めておりますので、ことしの秋ぐらいを目標に、この一元化のネットワークによって私は今、先生がおっしゃいました管理体制の一元化は図れるものと、またそれを現段階では目指しているということが私どもの政策でございますので、そういう意味では、先生がおっしゃいましたソーシャルミックスの推進という観点から、中長期の視点を持って私たちは今後も取り組んでいきたいと思っております。
#142
○森本晃司君 次に、安心居住システムの確立に向けて、国土交通省の住宅部局とそれから厚生労働省の福祉部局、この連携がこれから極めて必要であるというふうに考えておりまして、その角度から質問をさせていただきたいと思います。
 私の手元にいただきました資料では、高齢者世帯が急速に増加しております。朝からの議論、佐藤先生の議論の中にも、お答えの中で局長が答えていらっしゃったかと思いますが、高齢者がいる世帯が、二〇〇〇年で一千五百四十万世帯で、二〇一五年になると二千三十万世帯、四百九十万世帯が増加すると。それから単身あるいは夫婦世帯でいくと、二〇〇〇年で六百八十万世帯、二〇一五年で一千七十万世帯、三百九十万世帯が増加すると、わずか十年の間で三百九十万世帯も急増するようでございまして、これは一日も早く高齢者の安心居住システムの確立が必要ではないかと思っております。
 そのために、住宅行政の国土交通省と、先ほど申し上げましたように、きょうは厚生労働省の副大臣もお見えいただいているようでございますが、それぞれが役割分担を行った上で緊密な連携をとることが必要だと思っております。
 先日の質問で、扇大臣に御質問させていただきましたときに、大臣が、坂口厚生労働大臣としっかりと連携をとっていくという御答弁をちょうだいいたしましたので、私はハード面、ソフト面における具体的な連携についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、ハード面での連携でございますけれども、最初に住宅局長にお伺いいたしますが、ハード対策で施設整備における福祉との連携については、公共賃貸住宅を福祉拠点として整備していくということが極めて重要であると考えております。具体的には、公共賃貸住宅の整備に当たって、デイサービスセンターや特別養護老人ホームなど福祉施設を一体的に整備していくことが大事だと考えます。
 先般、私の手元に参りましたこの「ここに、住む。」という、「アクシス台東」、これは都市公団がつくったものでございますけれども、このパンフレットを見ますと、特別養護老人ホームとか高齢者在宅サービスセンターとか、あるいは子ども家庭支援センター等々が一階から五階までずっと入っているわけでございますが、こういった建物をこれから進めていく必要があるかと思いますが、局長の御意見をお伺いします。
#143
○政府参考人(三沢真君) 住宅施策と福祉施策の連携として、ハード面でこれからどうやっていくのかというお尋ねでございます。
 ハード面で申しますと、やはり公共賃貸住宅の団地を活用いたしまして、建てかえの際に合築とかあるいは併設によりまして福祉施設を一体的に整備するということが非常に有効でございます。今までも、公団とか公営住宅の整備にあわせまして、今、先生お話しのデイサービスセンターなどの合築、併設というのはやってきたわけでございます。さらに、都市部でやはり社会福祉施設の一層の立地を促進する必要があるということで、今回いろいろな形で予算面でも制度改善をさせていただいております。
 具体的に申し上げますと、十二年度の補正予算の中では、公団が社会福祉施設用地を賃貸するという場合に、今まではその相手方が公共団体の場合に限られていたわけでございますけれども、今回は、これから社会福祉法人が整備する社会福祉施設についても、公団が土地を貸す場合の地代を下げられるような措置を講じたということと、それから、やっぱり都心部は地代が高くなりますので、それを郊外部並みに都心部の地代も引き下げられるようにするというような制度改善を行ったところでございます。さらに、来年度予算の中で、こういうことに必要な経費として四十八億円の予算を措置して、公団がこういう社会福祉施設の併設を推進できるような予算を確保しております。
 こういった制度を活用いたしまして、今後とも社会福祉施策の一体的な整備ということに努力していきたいというふうに考えております。
#144
○森本晃司君 厚生労働副大臣にお尋ねをさせていただきます。わざわざ御出席いただいて御苦労さまでございます。
 今、住宅局長から説明がございましたが、高齢者福祉施設等を併設していくということ、これは主に都市部でそのニーズが非常に多いと思うんです。ところが、都市部でそういう福祉施設を新たに建てようとかといろいろなことを思いますと、地価が高くてなかなかそういう問題に取り組めない。したがって、こういうところに併設していくとすると、福祉サイドとしても非常にいいと思うんですが、厚生省はどう考えておられますか。
 またそれを、同時に、一階、二階に福祉用施設を組み込んで、福祉施設サイドが借り上げるような方法、それを借り上げる方法、これが今のところないようでございますけれども、そういうことは考えられるかどうか、お答えいただきたいと思います。
#145
○副大臣(桝屋敬悟君) 都市部における高齢者のさまざまなサービス拠点をどう整備していくかということでの委員の議論でございます。
 おっしゃるように、都市部においては、福祉施設等につきましても、地代等の関係からそれを確保するというのはなかなか大きな課題でありまして、ゴールドプランに沿って順次進めておりますけれども、都市部においては御指摘のとおり大きな課題がございます。そうしたことから、今も住宅サイドからも御説明がありましたけれども、建てかえ等につきましては、できるだけ合築、併設というようなことを努力してきたわけであります。
 今、委員からお尋ねがありましたように、その前に一つは、今御説明がありましたように、厚生労働省といたしましては、国土交通省と連携をしながら取り組みを進めてきたわけでありますけれども、一つは、昨年十二月から、都市基盤整備公団が住宅と施設をあわせて建設する、そのうちの施設部分を社会福祉法人が買い取る、いわゆる買い取り方式でありますが、こうした事例については、厚生労働省が持っております施設整備補助金の対象とまずはさせていただいた、これが一つのパターンとして私どもはあるだろうと思っておるんですが、今、委員からお話がありましたように、これは昨年の十二月から今申し上げたことは改めて明示をさせていただいたわけであります。
 今、委員からお話がありましたように、例えば公共賃貸住宅で、一、二階の部分はデイサービスであるとか特別養護老人ホームを整備して、そしてこれを賃貸しするというような使い方はできないのかということでありますが、これも、都市基盤整備公団から建物を賃借して施設を運営するということについては認めさせていただいておるところでございまして、ただ問題は、その賃借料をどうするかということが一つ課題としてあろうかと思います。
 私ども厚生労働省として賃借を認めたということは、想定しておりますのは、公団から無料でありますとかあるいは低額な借り料ですか、これができる場合を想定したものでございまして、いずれにしても、今、委員から御指摘がありましたような住宅行政と厚生労働行政がしっかり連携をしながら、これからもゴールドプランを進めていく中で研究を進めていきたいというふうに考えております。
#146
○森本晃司君 借り上げ方式についてはよく御検討いただきたいと思います。それが私は一番早くニーズにこたえる方法ではないかと思いますし、整備が整っていくんではないかと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 続いて、ソフト面での連携についてお伺いしたいと思います。ケアサービスでの連携強化、連帯強化ということでございますが、民間賃貸住宅の大家さんにとりましては、高齢者を入居させるということに対しては不安が伴ってくると思います。家賃の滞納はないのかどうか、それから病気などの健康の不安があるということで、なかなか高齢者の皆さんにお貸しいただけないという状況もございます。
 家賃の滞納の点については、今回の法律で国費二十億で基金を設置して債務保証を実施する、これで大家さんの不安を一つは解消していくことができると思います。同時に、病気になって寝たきりになられたとかあるいは亡くなられたときへの対応など、病気と健康不安に対する問題については、今回の法律案では具体的な内容が明確になっていないのではないか、このように思います。
 そこで、こうした問題に対して福祉部局と密接に連携して、大家さんの不安を解消するシステムが不可欠であり、また一日も早くそれを確立すべきではないかと思いますが、厚生労働省にお伺いいたしますが、高齢者の住宅問題を解決していく上においても、具体的にシルバーハウジング・プロジェクトでは、福祉部局がライフサポート・アドバイザー等を配置して公営住宅の高齢者の生活相談に当たっておられるわけでございますが、これに準じて、在宅介護支援センターや住宅登録センターなど、ライフサポート・アドバイザーのような人を配置して、これは一般の賃貸住宅の場合においてもですが、登録された賃貸住宅の高齢者の安否を確認するなど対応することが大切でありますし、そうすることによって大家さんも面倒を見られることもありますけれども、必ずしも最近は大家さんはそこに住んでおられるとは限りませんし、そういう住宅の一角に管理者がおられるという形になるわけでございますけれども、こういうのをやっていくと大家さんも安心されますし、高齢者へのサービスも行き届くのではないかなと。
 また、高齢者がある程度まとまって暮らすことを考えますと、介護保険によるサービスについては、例えば有料老人ホームのような効率的なサービス体制を整備すべきだと考えますが、厚生労働省の見解を伺います。
#147
○副大臣(桝屋敬悟君) 今、委員の方から、今度はソフト面での何点かのお尋ねがあったように感じます。
 ちょっと整理をしてお答えを申し上げたいと思いますが、最初に一つはライフサポート・アドバイザーというお話をいただきました。これは委員も御説明がありましたように、シルバーハウジングを当時の建設省と厚生省、この仕組みを考えたときに、いわゆる旧厚生省のソフトの役割として生活援助員というようなものを配置して居住者のサービスに当たったと、こういう制度でありますが、今回の法律改正の中で、高齢者の居住の安定確保に関する法律案、この法律案の中におきます高齢者居住支援センター、これに登録をされているそうした方々についても、こういうライフサポート・アドバイザーというものを活用できないかという御提案といいますか、お尋ねであろうというふうに伺うわけであります。
 これにつきましては、確かに委員お尋ねのように、ありとあらゆる方法を使って安否の確認をしていくということは極めて重要なことだというふうに思っております。今、委員から御提案がありました、例えば私どもの在宅介護支援センター等の中にそういうライフサポート・アドバイザーというようなものを配置して、そして登録された住宅に対してサービスを提供するということが考えられないかという、こういう御提案かと思うんですが、一つは、在宅介護支援センター、今仕掛けておりますけれども、これは委員も御承知のように、二名ほど専門員を配置して、地域全体を対象地域として安否の確認、それからその地域の高齢者の生活実態というものを把握しながら、なおかつ昨年の四月から始まりました介護保険、この介護保険のケアマネジャーのような仕事もあわせてやっておるということでありまして、大変な状況であります。
 したがって、今回の法律で予定をされております高齢者居住支援センター、これに登録をされた方だけを対象に福祉の世界で、厚生労働省の世界のサービスでその方だけを対象にライフサポート・アドバイザーというものを配置する、あるいはそういう機能を付加するということはなかなか難しい御提案だと思うんですが、しかし今申し上げましたように、在宅介護支援センターは地域全体を想定しているわけでありますから、しっかりと国土交通省とも連携をとりながら、委員の御提案も踏まえて、在宅介護支援センターの専門員、その方々と、それから地域のさまざまな見守りの体制、しっかり連携をとっていかなきゃいかぬというふうに思っておりますから、しっかりと連携をしながら、なお研究を続けていきたいと。
 今回の法律の部分だけ私どもで仕掛けをつくるというのはなかなか困難でございますけれども、今までのサービスとあわせながら十分なサービスができるように考えていきたいというふうに思っているところであります。
 それから、もう一点お話をいただいたのが有料老人ホームのような形、包括的なサービスを、今回の法律改正で予定をされております高齢者向け有料賃貸住宅制度、この形を有料老人ホームのように包括的なサービス体制として組み込めないのかという御提案もいただきました。これもまことに有意義な御提案だと思っております。
 高齢者住宅のうち、食事や介護サービスを提供し、そして人員や設備に関する一定の基準を満たすものにつきましては、老人福祉法におきます有料老人ホームとしての届け出を行っていただくということでありまして、私はそれほど難しい基準ではないと思っておりまして、今回の法律で予定をされているそうしたものが有料老人ホームとして届け出をされるというケースもあるのではないかと思っております。そうした形の上で、介護保険の特定施設、入所者生活介護と、この指定施設として指定を受けていただくというふうにすれば私は包括的なサービスもできる、こういう体制は十分できるだろうと、このように考えております。
#148
○森本晃司君 ソフト面での今厚生労働省のお話を伺いました。住宅局長、どういう考え方でいらっしゃいますか。
#149
○政府参考人(三沢真君) 先生御指摘のとおり、やはり高齢者が入居を拒否される理由といたしまして、家賃滞納の不安もございますけれども、病気などの健康面の不安というのが非常に大きい要因でございます。家賃滞納につきましては保証制度を今回創設することとしておりますけれども、高齢者の病気や事故などの不安にどう対応していくかということは、これはやはり福祉部局との連携の強化というのが一番大事なことであるというふうに考えております。
 この法案の中でも、厚生労働大臣と協議の上、国土交通大臣が基本方針というのを定めることになっておりますけれども、特にやはり、一番大事な保健、医療、福祉との連携についてはきちっとその中で位置づけた上で、具体的にどういうことをやっていくかということをいろいろ御相談しながら定めていきたいと思っておりますが、そういうことを踏まえまして、公共団体あるいはさらに現場レベルでの連絡体制といいますか、情報交換体制がきちっと行われる、これも非常に大事なことでございますので、これにつきましても厚生労働省さんといろいろ相談しながら、具体的な環境づくりについて一生懸命やっていきたいというふうに考えております。
#150
○森本晃司君 そこで、こういった問題について大臣にお尋ねをしたいと思っております。
 いずれにいたしましても、国土交通省とそれから厚生労働省の連携、ハード面、ソフト面において両方極めて必要だと思っておりますし、大臣も坂口大臣と連携をとるとおっしゃっていただきました。
 そこで大臣、近く近畿整備局へお見えいただくんですかね。大臣が非常に精力的に今各地を回ってくださって、いろいろ知事さん等々とも懇談をされたりしておりますが、どうぞその中で、ひとつぜひ大臣の方で、地方における、各県における厚生労働の福祉部局とそれから住宅部局との連携が一体どうなっているんだということを御確認いただいて、その上でさらに地方レベルでこれが現場的に進んでいくようにしなければならないと思いますが、その推進を図っていただきたいとぜひ思いますが、大臣の決意のほどをお伺いいたします。
#151
○国務大臣(扇千景君) 今、森本先生がおっしゃいました、国と地方がいかにお互いに助け合って連携をとり、民間の皆さん方がこういうものが欲しい、こういうことをしてほしいとおっしゃる。せっかくつくる限りは、省庁再編ということで厚生省も労働省と一緒になったわけですし、私たちも四省庁が一つになって国土交通省になったわけでございますので、少なくとも私たちは、国レベルと地方レベルのそれぞれの住宅施策と福祉施策をお互いに連携を図るということが重要であるというのは、先日も申し上げましたし、今、森本先生の御質問の中に、その重要性というものは二十一世紀だからこそ余計にそのソフト面というのが大事になってくるというのはおっしゃるとおりでございます。
 私たちはそのために従来から、福祉部局によります生活支援サービスつきの公共の賃貸住宅であります、先ほど先生がおっしゃいましたシルバーハウジング・プロジェクトというのを今までにも四百九団地で行ってまいりまして、数にしますと一万一千八百七十九戸で、既にこれを実施させていただいております。
 今後は、公共の賃貸住宅の建てかえにおきます社会福祉施設等の併設につきましても、予定としては今後六百団地、八百七十二施設での実現を図りたいと思っておりますし、今、先生がおっしゃいました本法案におきましても、新たに高齢者のための住宅施設の全般に関しまして、国レベルとあるいは国土交通省、厚生労働省と協議を行いまして、私は福祉施設と連携の基本方針を定めることというのを先日も申し上げましたし、きょうも改めてこのことを申し上げ、これに基づいて地方レベルでも地域の実情を踏まえた一層の連携が図られるように安心居住のシステムの確立をしていきたいと。
 そして、私は全国を回っておりますので、今、森本先生からいただきましたことで、よく地方との連携を図るように、そのためにも全国回っておりますので、その声を聞いてきて、我々の国政レベルでも厚生労働省と一緒になって頑張っていきたいと思っております。
#152
○森本晃司君 次に、住宅金融公庫法についてお伺いいたします。
 桝屋副大臣、ありがとうございました。御苦労さまでございました。
 性能表示制度とリンクした融資制度創設をということについて質問をさせていただきます。住宅革命を起こしたと言われて、世界に誇れる制度として平成十二年の四月一日に住宅の品質確保の促進に関する法律が施行されました。優良な住宅を安心して取得できる市場の整備が進められております。新築住宅について性能表示制度等の活用状況と、中古住宅市場の活性化を図るためにも、中古住宅にこういった性能表示制度の早期創設が必要と、大切と思われますが、具体的取り組み及びスケジュールについて、お伺いしたいと思います。
#153
○政府参考人(三沢真君) まず、品確法の実施状況でございますが、昨年の十月にこの品確法に基づく性能を評価する性能評価機関というのが指定を始めまして、今現在までに七十六機関指定されております。こういう形で十月から制度運用が開始されましたが、本年一月までの実績は、これは設計段階と建設段階と二つございますけれども、設計段階での評価書の交付の実績が約五千件、それから建設段階はまだ四件でございますけれども、ただ、性能評価機関への事前相談件数が二万三千件程度あるということで、今後この適用戸数がさらに相当増大してくるのではないかというふうに見込んでおります。
 それから、中古住宅の性能表示制度でございます。これはまたちょっと新築と違ったいろいろな技術的な問題も多いということで、昨年二月に、性能表示方法についてどういういいアイデアがあるかということで、アイデア募集ということで提案募集を行いまして、昨年十月には十三、これはなかなかいいアイデアだという優秀な提案を選定させていただきまして、大臣から表彰をしているところでございます。
 こういう具体的な優秀な提案も踏まえながらさらに検討を進めるということでございますけれども、先般閣議決定いたしました五カ年計画の中でも、今後、住宅市場整備の中のアクションプログラムをつくる、その中のやっぱり非常に重要な目玉として中古住宅の性能表示の取り組みを進めるというようなことも位置づけていきたいと思っておりまして、やはりこの制度をできるだけ早期に中古についても整備できるように、引き続き検討を進めていきたいというふうに考えております。
#154
○森本晃司君 次に、その性能表示制度の普及とあわせて、住宅金融公庫についても、住宅資金を供給する政策金融として今後の融資基準の見直しに当たってはどうかと思います。
 先ほど来いろいろと公庫の問題について御議論があったようでございますけれども、私は、むしろ公庫がそういう役割をしっかりと果たしていき、国民の皆さんにいい住宅を供給できるように努力されていけば、私はその存在価値というのは十分にあるのではないかと思うんですが、そういう制度を創設して、金利の優遇や割り増し融資などにより、住宅の質の向上をより強力に推進すべきだと考えておりますが、いかがですか。
#155
○政府参考人(三沢真君) 先生の御指摘のとおり、やはり公庫融資というのは住宅ストックの質の誘導という非常に大きい役割を担っているというふうに考えております。
 そういうことから、従来からも住宅の耐久性あるいはバリアフリーあるいは省エネルギーといった住宅の性能につきましてある一定の誘導すべき水準というのを決めて、金利の優遇とか融資額の割り増しというようなことを行ってきているところでございます。
 そういった基本的な性能、耐久性、バリアフリー、省エネ等の性能につきまして性能表示制度が今回創設されましたので、これとやはりできるだけ整合を図った形にしていきたいということで、公庫の誘導すべき基準、公庫融資において誘導すべき基準として定めているものをできるだけ今回の住宅性能表示制度と整合を図るということで、現在そういう改正の準備を進めているところでございます。
 それで、今後いずれにいたしましても、またいろいろな形で公庫の誘導すべき水準についてもいろんな見直しが行われるわけでございますけれども、そういう住宅性能表示制度の等級、どこの等級に合わせていくかということも含めてやはり適切に見直していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#156
○森本晃司君 急速な経済情勢の変化や厳しい雇用情勢の中で、総務庁の家計調査によりますと、勤労世帯の住宅ローン支出割合が増加している傾向にあります。手元の資料でいきますと、平成元年では一一・八%だったものが、徐々に伸びまして平成十一年で返済負担率が一四・九%になっています。
 このような状況のもとで、住宅金融公庫は、我が党の提案を踏まえまして、ローンの返済が困難になっている方に対する返済負担の軽減措置を講じておられますが、これまでの実施状況及び今後の取り組みはいかがでございましょうか。このことによって何となく、さっきもだまされた云々ということがありましたけれども、そうではなしに、私は十分な役割を果たしているんじゃないかと思っておりますが、御報告を。
#157
○政府参考人(三沢真君) やはり住宅金融公庫融資を活用して住宅を取得された方々が、現在、経済状況の悪化に伴いまして例えば失業される、そういったような事態もございまして、そういうような事態で住宅ローンの返済が困難になった場合でも、できるだけ住み続けていただけるようにするということは大変重要な課題であるというふうに考えております。
 このため、公庫融資について、ローンの返済相談というのをできるだけ親身になって積極的にそれぞれの窓口、現場において行うということも非常に大事でございますが、それとあわせまして、平成十年の閣議決定がございますけれども、これに基づきまして、一つは返済期間、これを最長十年まで延長できるようにする、あるいは元金の据置期間を設定する、あるいはさらに元金の据置期間中の金利を引き下げるというようなこと、これをそれぞれの返済者の方々の実態に応じてきめ細かい御相談をしながらそういう対応策を講じるということにしております。
 これまでのところ、約一万七千件程度貸し付け条件の変更を行ってこの措置を適用しているところでございます。やはりこういう措置をきちっと的確に実施することによりまして、住宅ローンの住み続けながら返済を継続していただくということを応援していくということが非常に大事でございますので、こういうことも含めてできるだけ親身になって返済者の方々の御相談に乗るように公庫を指導していきたいと思っております。
 それから、先ほどのゆとり償還の話がございますが、やっぱりお貸しするに当たっても返済計画なんかについて十分御相談に乗りながら、やはり無理のない形で返済できるような、そういうことについても十分公庫を指導していきたいというふうに考えております。
#158
○森本晃司君 最後に、国土交通大臣にお伺いいたします。
 住宅金融公庫の融資というのは、国民の生活を支える最も基本的な住宅取得の促進を図る上で私は大変重要なものだと。また、その役割も、今日までも果たしてきていますし、今も果たしていると思っているんです。耐久性の向上やバリアフリー化の促進など良質な住宅へ、先ほど来の議論の中でもありましたけれども、政策を誘導していく機能も果たしているのではないかと思っております。
 それから、経済対策云々という御議論がありましたけれども、そうではなしに、私は、経済の波及効果、これは実にこの住宅金融公庫の果たしている役割は大きいんじゃないかなと思っております。これは、もう御承知のようにすそ野が広い、関連産業が相当ありますから、この住宅が進むことによって経済の波及効果は大きいわけでございます。
 引き続いて、私は、長期、固定、低利の資金を安定的に供給することが重要な役割でありますし、これから、いろいろと特殊法人改革の動向を踏まえながらも、耐久性の高い住宅、バリアフリー化された住宅など、二十一世紀において高齢者を含むだれもが住みやすい良質な住宅ストック形成を図るため、その業務を見直し、また重点化を推進していくことが重要だと思いますが、大臣のお考えをお伺いいたします。
#159
○国務大臣(扇千景君) 森本先生は建設大臣経験者でいらっしゃいますから、公団の果たしてきた役割をよく御理解になっていて、今までの役割の成果、そして今後の重要性を御論議いただいていることに感謝申し上げたいと思いますし、少なくとも私たちは住宅の購入、年収の数倍の借入金を必要とするということでは、私は本当に一生の中での大事業だと思うんですね。
 そういう意味で、今、先生がおっしゃいました長期、固定、低利の住宅資金を安定的に供給するということは、私は、特に日本の場合は個人の住宅取得意欲というものが諸外国に比べてはるかに高いわけでございます。これは、限られた国土の中での住宅が欲しいという願望が、アメリカ人なんかはキャンピングカーでいいと、家は要らないなんという人が平気でいます。そういう意味では、日本の民族性も含めて、私は、多くの皆さん方が住宅を取得したいという意欲を促進し、下支えするという意味では大変大事なことだと思っておりますし、また、今、先生が住宅のストックの質の誘導を図るとおっしゃいましたけれども、私たちは良質なストックという大事なことを形成するために、ぜひ質の誘導をしていきたいと。
 本来であれば、住宅金融公庫を借りますときには、民間の場合は大変厳しい、会社だとか役職だとか会社の資本金とかあらゆることを記入しなければなりませんけれども、少なくとも公団におきまして、公庫の入居者に関しましては会社のチェックなどしておりません。そういうことも、私は、多くの皆さんに喜んでいただいて、また住宅の質のチェックというのも相当に厳しくいたしております。入居者のチェックは易しくして、そして住宅のチェックは厳しくする。
 そして、どんなことかとおっしゃいますと、換気も二カ所以上、小屋の裏への換気口をつくっていかなきゃいけないですとか、柱の寸法も決めておりますとか、基礎がどうなっているのか。一般の皆さん方が建築物に対しての、でき上がったものというのは点検できないんですけれども、これは少なくともきちんとそういう基準にはまっているかと、建てますときに既にもう検査をいたしておりますので、先生が今おっしゃいました良質なストックの形成のために私たちは検査をきちんとしているという、そのために昨年からの公庫法の改正によりまして、新築住宅に関しましては耐久性を要件化するというような今の中に入れております。
 そういう意味では、平成十三年度予算におきましても現在の一千万円としている特別の割り増し融資額を八百万とするほか、今回の法改正におきましても、今、先生がおっしゃいました多くの皆さんに望まれているバリアフリー化ですとか、今、私が申しました良質な住宅の提供でありますとか、政策的な意義の大きい分野におきます融資の拡充を図るなど、あらゆる面で私たちは、今国民が何を望んでいるかという、それにおこたえするために今までも努力いたしましたし、今後も私はより連携をとりながら、二十一世紀型の住宅の供給と、そしてまた景気の動向や民間住宅ローンの状況等を踏まえつつ、国民に住宅の取得を促進するための公庫融資が適切に役割を果たせるように努力していきたいと思っております。
#160
○森本晃司君 終わります。
    ─────────────
#161
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
#162
○緒方靖夫君 まず最初に、住宅金融公庫法等の改正案についてお尋ねいたします。
 今回の改正は、生活空間倍増割り増しの見直しが行われております。床面積について、一戸建て住宅は百二十五平米以下、マンションでは七十五平米以下の割り増し融資を廃止して、床面積が広いものへ融資がシフトする、そういうことになっております。これでは従来の面積以下の物件ならば手が届くだろうという勤労者や高齢者の購入機会を奪う、減少させる、そういうことになりやしないか。そう思うんですけれども、その点、いかがですか。
#163
○政府参考人(三沢真君) 今回の公庫融資額の特別割り増しの見直しにつきましては、一つは、民間金融機関が住宅ローンに対してだんだん積極的に取り組むという状況が出てきたということも踏まえて行うものでございます。
 その中で、先生御指摘の生活空間倍増融資につきましては、今回、一定面積以上のものに重点化を図るということにしております。ただ、これも含めまして、今回の見直しの実質的な影響はどのくらいかということでございますけれども、実質的な縮減額は平均で五%くらいというふうに見ております。
 具体的に、首都圏の例えば七十五平米以下のマンションあるいは百二十五平米以下の一戸建てを例にとりますと、平均で融資額で百万円くらいお借りになる金額が減るということでございます。この百万円の分につきましては、したがいまして、民間住宅ローンをあわせてお使い、その分だけまたふやしてお使いいただくということにあるいはなろうかと思いますが、一つは、そのために民間住宅ローンの信用補完を行う住宅融資保険制度の拡充を図りまして、その円滑化を進めるとともに、もう一つ、三大都市圏の、これは共同住宅でございますけれども、一次取得者に対しましては逆に割り増し額の増額を行うこととしておりますので、こういうことと相まちまして、円滑な住宅の取得ができるのではないかというふうに考えております。
#164
○緒方靖夫君 今不況ですから、百万円といえどもやはり非常に重いと思うんですね。住宅を購入する勤労者は自己資金が限られている、低金利で借入ができる公的金融機関の役割、これに期待する。したがって、その役割は非常に大きいということになると思うんですね。
 また、今のような不況だからこそ、床面積の狭い物件について、やはり勤労者の購入意欲をしっかり下支えしていく公的金融機関の役割、これが大きいと思うんですけれども、その点、大臣のお考えをお伺いいたします。
#165
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、先生がおっしゃいましたように、こういうときだからこそというお話を先生がおっしゃいましたことが重要なことだろうと思います。いつの時代でも、時代の経済状況が変わろうと、結婚したり、あるいは住宅取得意欲というものは、経済状況に関係なく、個々の希望というものは私は捨てるものではないと思っております。
 ですから、先生がおっしゃいました、こういうときだからこそというお話は、国の経済状況がこうなったのは住宅を取得したいという希望を持った人のせいではございませんので、そういう意味では私は、先生がおっしゃった、こういう時期にこそ役割を果たすべきであると、おっしゃるとおりで、私たちはその重要性も考えておりますし、先ほどからも先生もおっしゃいましたように、これは長期であるし、固定であるし、また低利であると。低利も、先ほどからのあれで十年までで、十一年目から高いじゃないかなんて話もありましたけれども、相対的に考えれば、多くの皆さんのアンケートをとりましたら、やっぱりこの三つの条件をおっしゃるんですね。少なくとも長期であるし、固定であるし、低利である、だからだという。多くの皆さんのアンケートをとりますと、どうしてもその三要件をアンケートでいただいておりますので、そのことの重要性というのは、経済状況にかかわらず、私たちは堅持し、なおかつ先生がおっしゃった、こういうときだからこそということに関しては、私はぜひ今の姿勢で頑張っていきたいと。
 ただ、要件に関しましては、先生がおっしゃるとおりに、逆に厳しくなるんじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、例えば融資額の重点化ということに関しましても、これは大事なことだと思っておりますから、ちなみに、御存じだと、先生もおっしゃるとおりで、今さら申し上げることはございませんけれども、十二年度では少なくとも私たちは三大都市圏、先ほども局長が申しましたけれども、一次取得者に限っておりました。そしてしかもそれは、初めて取得する人にはマイホーム加算としては三百万円でございました。ところが、十三年度は初めての取得だけに限らないで五百万という、これは二百万かさ上げできたわけですね。
 ですから、一次取得でなくても二次取得でも利用できるということも十二年度と十三年度では大きく違う。大きくと言ってもみんなにしたら、いやわずかじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、今の財政状況の中では精いっぱい私はウイングを広げさせていただいたと思っておりますので、相変わらず皆さんに御愛用いただけるものでなければならないというふうに思っております。
#166
○緒方靖夫君 次に、高齢者の居住確保法について質問いたします。
 私は、この法案が本当に高齢者に喜ばれるようなものにしていくという立場で伺っていきたいわけですけれども、まず、高齢者世帯について見逃すことができない切実な問題を幾つか取り上げたいと思います。
 一つ目、ひとり暮らしの高齢者の方は民間賃貸住宅の新規入居は難しいという問題があります、先ほどから出ておりますね。私の事務所にも相談がたくさん寄せられております。事故、病気、家賃不払いがあると困るなどの理由で入居や居住の継続を不当に拒否されることが多いという、そういう問題です。
 こうした事態をなくしていくためにも、国や地方公共団体が高齢者の居住継続や入居の配慮について不動産業界をもっと指導すべきだ、そういうふうに思いますけれども、大臣の御見解、簡潔で結構ですから、お伺いいたします。
#167
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃったようなことは事実あると思いますので、私どもは今回の法案におきましては、高齢者のための賃貸住宅情報を提供するために、登録制度と家賃の債務の保証制度というものを一体化するという、老人の皆さん方により窓口をワンストップにできるじゃないかというふうに私たちは考えておりますし、登録制度の運用に当たりましても、不動産業の理解とあるいは協力も図りながら制度が十分に活用されるように努力していっているところでございます。
#168
○緒方靖夫君 不動産業界の理解と協力はもちろんなんですけれども、やはり大臣の方から不動産業界に対して強力な指導をそういった点で行っていただきたい。このことを要望したいと思います。
#169
○国務大臣(扇千景君) 失礼いたしました。先ほどので言ったつもりでございましたので。
 おっしゃいますように、私は、少なくとも官が民を圧迫しているということではないということだけは民の皆さん方にも御理解いただきたいし、あくまでも民の補完であるという姿勢のために、私は今後もお互いの調整を図っていきたいと思っております。
#170
○緒方靖夫君 それから二つ目に、高齢者世帯の家賃滞納時の対応についての問題です。
 家賃減免措置がない民間借家に居住を継続している高齢者世帯は、圧倒的に低所得層が多くを占めております。収入源は年金などに限られている。したがって、病気などによって家賃が払えなくなって追い出されるのではないか、そういう不安が絶えずあるわけですね。
 民間借家に住む高齢者世帯についても、家賃が払えなくなった場合などの対応として、福祉や自治体の連携、家賃保証システムの構築など、高齢者世帯が安定して居住を継続できるように、国や自治体のバックアップのシステムについて研究を深めることが求められていると思うんですけれども、その点、局長、いかがですか。
#171
○政府参考人(三沢真君) まさに先生がおっしゃるとおりで、そういう意味で高齢者の方々が民間借家に入居しやすいような環境整備のためにどういうバックアップ体制がとれるかということは非常に大事でございます。
 まさに、そのことのための一つの方策ということで、今回この法案の中で、賃貸住宅の登録制度とあわせまして滞納家賃の債務保証制度というのを創設させていただきまして、大家さんが高齢者の方の家賃の滞納に非常に不安を持つ、そういうことによって入居が敬遠されるということに対して対応策としてそういうことも考えるということと、それから先ほどもいろいろな形で御議論いただいておりますけれども、やはり福祉との連携というのが非常に大事な要素でございますので、今回の法律の中でも基本方針というのを福祉分野の厚生労働省さんと相談しながら決めまして、現場レベルで具体的な福祉との連携が図られるような体制づくりをやっていきたいというふうに考えております。
#172
○緒方靖夫君 局長、例えば川崎市みたいに、自治体としてこういうケースをバックアップするというそういうことも実際始まっているわけで、こういう点も含めてぜひ研究していただいて、これからこういう不安がどんどん大きくなると思いますけれども、それに対応できるようにしていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
 さて、法案についてなんですけれども、まず、法案は必要に応じてという条件がついています。公団や公社の既存のストックの活用もうたわれています。九九年十一月から高優賃制度が制定されましたけれども、都市公団の総裁にお伺いしたいんですけれども、例えば東京都内でこの制度が適用されている公団の団地はどのぐらいあるのか、それからまた、そのうち高齢者向けの住宅の募集は今行われているのかどうか、お尋ねいたします。
#173
○参考人(伴襄君) お答え申し上げます。
 高齢者向け優良賃貸住宅でございますが、今特に東京というふうにおっしゃったと思いますが、現在、昭和四十年代に管理開始された団地のうち、特に規模要件のかなり大きなものにつきまして、医療施設等の周辺施設の状況から高齢者の居住に適しているといった団地を選んでおりまして、当初東京都内では二十八団地を選んでおったわけでございますが、その後、規模要件を例えば千戸を五百戸に下げたり、あるいは管理開始の時期を四十年代のものに限っていたのを五十年代前半まで広げたりいたしまして、団地の数をふやしましてやっているところでございます。
 現在、実績的には東京の方では三百六十戸ほどの供給ができておりまして、毎年、東京の場合ですと六百戸のペースでやりたいと思っておりますが、今の実績では三百六十戸を供給し、それから工事できるものは工事しているといった状況でございます。
#174
○緒方靖夫君 現在、募集しているものはありますか。
#175
○参考人(伴襄君) もちろん随時やっておりまして、高優賃の、略称高優賃と言わせていただきますが、高優賃住宅の住宅戸数につきまして一応登録されておりまして、それについて広く募集しておりまして、今はあけばそこに応募するという順番待ちをさせていただいている状況でございます。
#176
○緒方靖夫君 順番待ちということは、つまり現在のところ満室だということになりますね。
 それで、公団の方では二〇〇一年度の住宅建設計画戸数、全国において三千戸の高齢者向けの賃貸住宅の供給を予定していると伺っていますけれども、例えば東京とかあるいは各地方ごとですね、どういうふうな形で目標を設定されているのか、お伺いします。
#177
○参考人(伴襄君) 先ほど申し上げましたように、適した団地をまず選びまして、しかもその団地の中でエレベーターのないようなものがございますから、それは一階部分を原則、最近は二階まで広げようかとは考えておりますけれども、低層階のもの、それからエレベーターのものでもできる限り低層階、一階、二階、三階、エレベーターがとまる階であっても一、二、三階の中で空き家が、住宅が生じればそれを改装して高優賃、高齢者優良賃貸住宅に改造するということをやっております。
 全国で、例えば来年度は三千戸を供給する予定でございますけれども、これをできる限り拡大していきたいと思っておりますが、とりあえず来年度平成十三年度は三千戸を目標に、そのうちの東京都内は六百戸を供給したいというふうに考えております。大体、公団の賃貸住宅の全国の公団住宅対東京都の公団賃貸住宅の比率が大体二割という、都は二割でございますから、大体その割合になっております。
#178
○緒方靖夫君 その点、国から補助を受けるわけですし、やはりその点で公団の住宅の役割というのは非常に大きいと思いますので、その対策の実行、それからまたさらにその拡大、それを要望しておきたいと思います。
 また、高齢者向けに住宅を供給しようとしても家賃が高ければ借りることができない、こんなことは当たり前ですね。でも、この点からいっても中低所得層の高齢者世帯に入居しやすくする、このことが非常に大事です。
 大臣は、先日、民間活力と地方公共団体と公団、これを三頭立てと言われておりましたけれども、そのうち地方公共団体と公団、この二頭はとりわけ高齢者が住みやすくて家賃が低い賃貸住宅を建設する、あるいはそこに住むという点で、私はその公的責任、非常に重いと思います。その点での大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
#179
○国務大臣(扇千景君) 先日も私が申し上げたことをお取り上げいただきましたけれども、私はお答えしたことと今は変わっておりません。
 ただ、先ほどもちらっと森本先生に申し上げましたように、私全国を歩いておりまして、いろんなところでいろんな御要望を聞き、また公団に対してもいろんなことを申し述べておりますし、今、都市整備公団伴総裁見えておりますけれども、伴総裁にも私はこれからつくるものに対しては保育所も一緒につくりなさいよ、老人に対しても優しいものをつくりなさいと特命をしてございまして、今、伴総裁の頭の中にもあそこをこうしようという構想をもう既に持っていらっしゃると思いますので、お聞きいただいたらわかると思いますけれども、私はあらゆるものと連携しながら、国土交通省になりましたらトータルの面でそれを活用でき、また厚生労働省とともに連携し、国と地域という、トライアングルといいますか、トライアングルだけではないですね、五つになりますか、連携を図っていきたいと思っています。
#180
○緒方靖夫君 公団については先ほど述べられたとおり、そしてまた大臣が特命されているということです。
 私、特に地方公共団体について述べたいんですけれども、一つは深刻な財政難にある、どこでもそうですね。それから、高齢者向けの住宅の建設を要請したくてもできない。あるいは、公社への補助金、これは例えば東京都でいうと前年度予算比で五十三億五千七百万円も大幅な削減をしているわけですよ。したがって、高齢者向けの賃貸住宅の供給、これについてもなかなか前向きな姿勢になっていかない、そういう状況があると思います。
 そうしたときに、国の姿勢として、法律の趣旨を踏まえて地方公共団体が高齢者向けの住宅供給をためらうことがないようにしっかりとした財政的な裏づけを持って取り組む、このことが非常に大事だと思うんですけれども、その点、大臣のお考え、お伺いしておきたいと思います。
#181
○政府参考人(三沢真君) 確かに、この制度につきましては公共団体も国と一緒に補助を出すということでございますので、公共団体側の財政状況というのは非常に大事な要素でございます。
 当然、私どももこれにつきまして、国が助成するときに公共団体とよく相談しながらニーズを確かめて、その上で国からの助成というのをまたいろいろ配分していくということになりますが、ただ、今回のこの高齢者の優良賃貸住宅制度につきましては、民活型というのが一つのポイントでございまして、もちろん先生おっしゃいますように、公共団体が最終的にセーフティーネットとしての役割を果たすことは当然でございますけれども、民活型でやりますと、公共団体が直接供給する場合に比べて相当一つは財政的には効率的な資金の活用が図れるということがございます。
 そういう意味からいいますと、今回の制度というのは、ある意味では公共団体の財政状況、現下の財政状況にも配慮した一つのこれからの方策ではないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、当然のことながら国からの財政措置とあわせまして総務省の方とも十分連携しまして、地方財政計画の中でこれに対する交付税措置等のいわゆる裏負担への財政措置についても適切に配慮していただくようにお願いを申し上げまして、これは総務省の方でもきちっと受けとめて、やるべきことはやるというふうに言っていただいております。
#182
○緒方靖夫君 終身建物賃貸借契約についてお尋ねしたいんですけれども、第一に、終身借家制度というと、借家人が死亡するまで住居が保障される、そう思うわけですけれども、そもそもこの契約というのは民民契約ということになる。したがって、貸し主の倒産や破産による不履行で賃貸借権が解除になった場合、例えばもしも賃貸物件の抵当権が実行されたならば、劣後する終身賃貸契約が消滅してしまう、こういうことになるわけですね。借り主は退去を迫られて路頭に迷う可能性が十分あるわけで、借り主は当然高齢者なわけですから、法案の趣旨から見ても適切な保護措置を考えておく必要があると思うんですけれども、その点いかがですか。
#183
○政府参考人(三沢真君) 終身建物賃貸借の賃貸人が倒産した場合等につきまして、いろいろなケースがあるわけでございます。
 一つは、例えば私的整理の一環として賃貸住宅が売却されたというような場合には、これは賃借人が引き続き居住していれば新たな賃貸住宅の取得者に対抗できるということになりますので、賃借人の保護が図れるわけでございます。ただ一方、先生御承知のように、賃借人が入居する前に抵当権が設定登記がなされた場合、その結果として抵当権が実行されると対抗できないということになります。
 これは、いろいろなケースがあるわけでございますが、いずれにいたしましても、一番大事なことは、その入居される方の法律的な地位についてきちっと契約に際してよく知っておいていただくということが大変大事でございます。これにつきましては、例えば賃貸借の仲介の場合ですと、重要事項説明の中でこの賃貸住宅には抵当権が設定されていますよというようなことを記載する書面を交付して説明するということになっております。これも参考にしながら、仲介によらずに直接の相対の取引で入る場合もあるわけでございますので、やはり事業者の方でこういうことについてきちっとした説明をするように指導していくことを検討していきたいというふうに考えております。
#184
○緒方靖夫君 認可事業者という貸し主の中途解約、これをどのように定めるか、これも大きな問題です。法案の第六十二条第一項、ここには「認可住宅の老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、」適切な規模、構造及び設備を有する「賃貸住宅に回復するのに過分の費用を要するに至ったとき。」と、そのように定めてあります。
 しかし、住宅の老朽、損傷、滅失を防止することは事業認可に当たって最も注意を払われることだと思うんですね。適切な維持管理によってかなりのことを防ぐことができる内容だと思います。事業の公益的意義からいっても、入居した高齢者世帯にいたずらな不安を与えてはならない、そういうふうに思います。
 したがって、貸し主の側からの中途解約は、借家人に対する通知や説明会、明け渡し猶予期間の設定、仮住居の手配、再入居の保障、移転料の補償、新家賃の軽減措置など、公益的意義からいっても借家人の保護規定が必要になってくると思いますけれども、その点の御見解はいかがですか。
#185
○政府参考人(三沢真君) 賃貸人である認可事業者からの解約の申し入れの件でございますけれども、先生御承知のとおり、この法案では建物の老朽、損傷、一部の滅失によって賃貸住宅の修繕、補修等に過分の費用を要する場合など、真にやむを得ない事由に限って、しかも都道府県知事の承認を受けた場合にのみ申し入れができるとしております。それからさらに、この場合、申し入れして直ちに解約の効果が生じるわけではなくて、これは当然、借地借家法の規定によりまして解約申し入れの日から六カ月を経過したときに初めて契約が終了するという制度でございます。
 したがいまして、これも制度の実施に当たって、解約申し入れに係る承認をするのが知事でございますので、知事がその承認事務の運用に当たってきちっとやはり事業者等を指導できるということが非常に大事でございます。
 当然のことながら、申し入れに際して十分な説明をするとか、それから転居先選定に当たっては、例えば高齢者の円滑入居住宅の登録制度を活用いただくようないろんな情報提供をやるとか、そういうような解約申し入れを受ける入居者に対する配慮が十分に行われること。
 あわせまして、先ほどの真にやむを得ない事由に限定されるということの趣旨は、この運用に当たってきちっとするということが非常に大事でございますので、この点、十分私どもとしても意を用いていろんな指導をしていきたいというふうに考えております。
#186
○緒方靖夫君 今、局長、保証限度期間六カ月という話をされました。私、これについてもこれでいいのかなという気持ちがあるんですね。登録住宅の保証料ということでいうと、一つは高齢者居住支援センターとして指定された法人が家賃保証をするということになっていますよね。この保証料、月々家賃の何%になる見込みになるのか、これをちょっとお伺いしておきたいのと、それからもう一つ、保証期限が六カ月となっているんですけれども、中低所得層の高齢者世帯は収入源が限られているわけで、その点で改善が非常に難しい。したがって、保証期間の延長、これは検討されてしかるべきじゃないかな、そんなふうに思いますけれども、いかがですか。
#187
○政府参考人(三沢真君) 一つは、まず保証料の見込みでございますけれども、保証料につきましては月額家賃の二%程度を想定しております。なお、実務的には月々の二%分を二年間で一括払いをいただくということを想定しております。
 それから、六カ月につきましては、これは通常、家賃滞納をして退去に至るケースの平均的なケースがやっぱり六カ月くらいだということで、今回六カ月という仕組みにしております。当然もっと長くという御議論もいろいろあるわけでございますが、ただこれ一方で長くすれば当然保証料も上がってくると。保証料が上がることによってまた入りにくくなるという要素もありまして、いろいろ公共団体等で行われている事例等もいろいろ参考にしながら、やはり制度の創設に当たってはこの六カ月という形で運用させていただきたいということで、今回、創設をお願いしているものでございます。
#188
○緒方靖夫君 次に、終身賃貸借で前払い家賃を支払う問題があります。
 いろいろ報道が最近ありますけれども、家賃が例えば月に約七万円とする。その場合、二十年分の前払い家賃は千五百万円から二千万円となるとされております。終身賃貸借契約でこうした前払い家賃方式が主流になると、文字どおり低所得層の高齢者世帯はどんどん排除されていく、そういうことになりかねないと思うんですね。やはり、低所得層の高齢者が入居しやすいような月払いの適切な家賃設定のある賃貸借契約物件が量的に確保される、このことが大事だし、このことが政策的にも配慮されていく、このことに重点を置いて考えていく、このことが当然求められていくと思いますが、いかがですか。
#189
○政府参考人(三沢真君) この終身建物賃貸借におきましては、家賃の全部または一部を前払いするニーズがあるということが想定されています。これはまさに月々の所得の収入のフローはそう高くないと。しかし一方で、高齢者の方では貯蓄を持っている方も多いわけですので、月々の支払いはなかなか難しいけれども、あらかじめお金を払っておきたいと、こういうニーズがあるところから今回こういうことも想定しているわけでございます。
 ただ一つ、前払い方式で一括受領する場合には、当然その中身がきちっと明確に、合理的なものじゃないといけませんので、そういう算定の基礎というのをきちっと明示するということとか、それから必要な保全措置をきっちり講ずるということが大事でございますので、こういうことはこの制度の中で適切にやることにしております。
 ただ、先生がおっしゃるように、前払いとするか月払いとするか、そのこと自体はやはり貸し主と借り主の双方が合意の上で契約の中で御決定いただくものだということでございますので、どちらがいいかとかどちらにしろというのはなかなか言いがたい面があるんではないかというふうに考えております。
 それと、現実にはやはり貸し主、借り主にそれぞれ両方のニーズがあり、両方式とも現実の市場の中では十分並立し得るものでございますので、現に、例えば有料老人ホームの例で申し上げましても、前払い方式もございますし月々払いもあると。それはやっぱり、それぞれどういう層をターゲットとしてそういう施設の運営を営むかということでございますので、これは、前払い方式が出てきたので月払い方式が市場の中で排除されるということにはならないんではないかというふうに私どもは見ているところでございます。
#190
○緒方靖夫君 局長が言われることは、市場が決めていくだろうとか、あるいはまた予測として併存していくだろうということなんだけれども、果たしてそうなるかどうか。貸し主の側にいろいろ聞いてみると、やはりまとまってどんと収入が保障される、そちらの方がいいに決まっているという話になってくるわけで、ですからその点は、やはり私が述べたように政策的な誘導、その調整、そのことがやっぱりどうしても必要になるかなと思うんですよ。
 というのは、大臣ちょっとお聞きいただきたいんですが、私ちょっと調べてみますと、日本の年金受給者の五三%、九百六十九万人余りが月々の平均の年金額が三万九千三十円なんですよ。そういう実態のもとでこれらの方々が前払い家賃を払うといったって、百万円単位の金を払うことだって大変なわけですね。とすると、やはりこの法律の実効性を担保するという上でも低所得者層への配慮があってしかるべきではないか、そう思うんですけれども、大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
#191
○国務大臣(扇千景君) 私は、少なくとも前払い制度というものは個々のやっぱり選択でございますから、今の方が払っちゃってあとのんびり過ごしたいという方もございますし、いやいや、もう毎月毎月の方がいいんだということで、選択でございますから私はこれはこれと、制度として前払い制度という、一部を前払いするということも、これは私、選択の方式でむしろいいのではないかと思うんです。
 ただ、中途解約されますとか、例えば今、先生がおっしゃいました精算ルールというものがどこにあるのか、きちんと精算ルールを決めるべきじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、私は、今、先生がおっしゃいました年金受給者の月の平均額が三万九千三十円ですか、そういうことでは大変、前払いにするにしても苦しいし、違った意味での援助というものができないかということは、ただ私のみで言えることではなくて、これは先ほども私、森本先生にお答えしたんですけれども、厚生労働省とお互いに福祉の面からも考えていこうと申し上げまして、基本政策というものをつくろうと言ってありますので、このことも念頭に入れながら今後協議していきたいと思っております。
#192
○緒方靖夫君 ぜひ、違った意味での援助、これが本当に大事だと思うんですね。これはやはり、これがないとなかなかこの法律も生きていかないということになっていくと思いますので、その点は私の方からも要望しておきたいと思います。
 前払い家賃を行った終身賃貸契約で、借り主の債務不履行による契約解除とか借り主が予想外の短期間で死亡した場合、その他の事由による中途解約によって終身賃貸契約を終了させることがあった場合、一括払いの家賃を精算するルール、これを早期に確立する必要があると思います。この点の検討がどうなっているのか。また、精算金の返還の担保となるあかしを借り主に交付する必要があると思うんですけれども、その点、見解をお伺いしておきます。
#193
○政府参考人(三沢真君) 先ほどお話いたしましたように、前払い金の一括受領については、一つは算定の基礎をきちっと明示することとその保全措置を講ずるということにしておりますけれども、今後はさらにそれに加えまして、精算ルールなんかをどう扱うかということにつきましては、一つはやはり一般的、共通的なルールというものがどういうふうにあるべきかという検討がやはり必要だというふうに考えておりまして、私ども終身建物賃貸借の標準契約というものを今後いろいろ考えていきたいと思っておりますが、そういう中で途中解約に際してきちっと公平な形で家賃の精算が行われるようなことについて、そういう標準契約の中にどういうふうに位置づけるかということも含めてひとつ検討させていただきたいと思っております。
 それから、担保の話は、先ほど申し上げましたように、必要な保全措置ということで、必要な保全措置というのは具体的にどういうものかというのがまさに先生の御質問かと思いますが、これについては、学識者とかそれから消費者の代表の方々に入っていただきまして、どういうやり方がいいかというのを研究会を設置して今いろいろ議論を進めようとしているところでございまして、またこの中で十分いろいろ勉強していきたいというふうに考えております。
#194
○緒方靖夫君 終身契約で賃借人が死亡して同居していた配偶者などが使用を継承する場合についてなんですけれども、法案によるとその賃借人の死亡後一カ月以内に居住の継続を申し出なければならないというふうになっておりますけれども、この一カ月以内というのは余りにも短期間ではないかと思うんですね。実際問題を考えても、葬儀を行う、その後片づけとか等々を遺族はやらなきゃいけないわけで、そういう手続がいろいろある中での一カ月以内。これをやはり私はもっと延長する、あるいは借地借家法第三十六条のように、同居者が反対の意思表示をしない限り継承する、そういう形にした方が実際的じゃないかと思いますが、いかがですか。
#195
○政府参考人(三沢真君) この一カ月についてもいろいろ御議論があるところでございますが、この期間は、通常はその賃借人の葬儀とかその他死亡に伴う事務手続も考慮して、一カ月の間に意思表示いただければいいのかなと。これも当然知ったときからということでございますので、知らないで経過すればそれは当然その期間にはカウントされないということがございまして、そういう意味での一カ月でございます。
 先生がおっしゃるとおり、申し出がなければそのまま継続というやり方も確かに法制的にはあり得るかと思いますが、これはただ終身ずっと住み続けるという契約でございますので、これについてはやはりどっちかというと本人の御意思をきちっと確認した上で継続するというやり方がいいのかなというふうに考えておりますのが一つ。
 それから、当然、手を上げて居住を継続した、その後の事情変更というのは当然あり得るわけでございます。この場合、法律はかなりその辺の対応も柔軟にすることになっておりまして、例えば親族との同居とか、老人ホームへの入所とか、あるいは療養のために解約するような場合、通常は六カ月の期間が必要なんですが、これはもう一カ月前に申し出れば解約できるということになっていますので、そういう意味ではその後の解約が割合柔軟になっていることとセットでひとつこの一カ月というものを運用していただければというふうに考えております。
#196
○緒方靖夫君 時間がないので最後になりますけれども、期間つき死亡時終了建物賃貸借契約についてですけれども、このような契約類型のニーズが賃借人に今どれほどあるのかということが一つ疑問としてあるんですね。しかし、高齢者向け賃貸住宅にこのような借家の類型を設定するのであるならば、借り主が明快に理解できる説明と契約書が必要になってくると思います。その点についてお尋ねします。
#197
○政府参考人(三沢真君) おっしゃるとおり、期間つきということと終身賃貸借ということを組み合わせますので、やっぱり制度として複雑になっていることは否めないと思います。したがいまして、やはりここについては、もう先生がおっしゃるとおり、相当きちんとしたわかりやすい説明をする、そのことを周知徹底を図るということが非常に大事でございます。
 具体的にどういう場合にニーズがあるかというのは、なかなか個々のケースで予測しがたい場合もございますが、そういうのを知らないでそういうものを何か契約になっちゃったということはまず絶対ないようにしなきゃいかぬということがございますので、やはりもし活用されるのであれば、十分熟知した上で御活用いただけるような周知徹底を十分これからやっていきたいというふうに考えております。
#198
○緒方靖夫君 終わります。
#199
○渕上貞雄君 社民党の渕上であります。
 高齢者の居住の安定確保に関する法律案について御質問をいたします。
 まず初めに、本法案の借家対象者はどれくらいいるのか。本法案は高齢者の円滑入居を援助することを目的に設けられた制度でありますが、本法案施行後のその対象となる借家単身者または夫婦のみの高齢者世帯はどれくらいになるのか、またその将来の予測についてお伺いいたします。
#200
○政府参考人(三沢真君) この法案の対象としようとしているその借家に居住する高齢者単身・夫婦世帯の数でございます。まず高齢者単身・夫婦世帯全体で申しますと、これは今後十五年間に約六百八十万世帯から一千七十万世帯と、約三百九十万世帯が増加するというふうに見込んでおりますが、この中で特に借家に居住する世帯は二〇〇〇年時点で百七十九万世帯、これが二〇一五年で三百三十万世帯と、百五十一万世帯増加するというふうに推計されております。
#201
○渕上貞雄君 次に、障害者の入居についてお伺いいたします。
 老後を安心して暮らせる住宅や老人ホームなどの整備は重要な政策課題であります。ひとり暮らしや老夫婦の住む住宅のバリアフリー化も進める必要があります。お年寄りが安心して過ごせる住まいづくりを目的に掲げて提案されている本法案は、入居が困難なお年寄りの期待にこたえるものとして評価できると思います。
 一方、障害者も入居が困難な実態にあるのではないかと考えられますが、今回の法案に盛り込まなかった理由はどういう理由でございましょうか。また、障害者等で民間の賃貸し住宅に入居が困難な方々にどのように対応されるのか、国土交通省の見解をお伺いします。
#202
○政府参考人(三沢真君) この法案は先生がおっしゃいますとおり、やはり高齢者の居住の安定を確保するということを目的としておりまして、それで先ほども申し上げました今後高齢者を含む世帯、特に高齢者単身・夫婦世帯が急速に増大していくということを踏まえまして、できるだけ民間活力を活用しながらバリアフリー化も備えた住宅供給促進をしていくという趣旨でございます。
 そういう意味では、一つは高齢化が非常に量的にしかも非常なスピードで進んでいく、しかも高齢者の方々はある意味では共通の何といいますか課題というのがそれぞれある、それに対して制度的にある程度共通的に対応していくという趣旨でございます。
 これに対しまして、障害者の方々の課題につきましては、その障害者の方々のニーズは、高齢者の方々と共通する部分も当然ございますけれども、ただ一般的にはよりいろいろな意味でニーズが高い高度なニーズであり、しかも非常に障害の中身によって個別性が高いということが特徴かと思います。そういう意味では、何といいますか、それぞれの障害者の事情に応じてきめ細かい対応策というのがむしろ大事なのかなというふうに考えておりまして、今回の法案で考えております、どちらかといいますと民間において市場原理を活用して経済合理性のもとにインセンティブを与えてやっていくという方策よりは、個々のニーズに適合した住宅の供給をどうやって進めていくかということからいたしますと、やはり公共団体等が公営住宅等を主体とした対応をしていくということが中心的な方策なのかなというふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、今回、高齢者に限った法案としているということでございます。
 具体的に、したがいまして障害者の方々に対する居住の安定を図るための施策といたしましては、公営住宅においてやはり障害者向けの住宅の整備あるいは優先入居を図っていく、あるいは公営住宅についてグループホーム事業へ活用する、こういったようなことを含めまして、今までも努力してまいりましたけれども、引き続き障害者の居住の安定の確保のために必要な施策の推進に努力してまいりたいというふうに考えております。
#203
○渕上貞雄君 今言われましたように、やはり障害者に対してとりわけ入居困難な状況というのは、一般的に民間の場合、特にいろんなテレビ報道等でも見られますから、最後に言われましたように、整備だとか優先入居だとか、そういうところに対してやはり十分な手当てと補助をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、高齢者居住支援センターは本当に要るかどうか、要らないのじゃないかというふうに思いますが、その見解をお伺いしたいと思います。
 老後を安心して暮らせる住宅や老人ホームなどの整備はやはり重要な課題でありますし、高齢者を受け入れることを可とする申請を賃貸し人は都道府県知事に提出をして、都道府県知事の登録を受けるようになっております。都道府県知事は登録名簿の閲覧を一般に供しなければならないとなっております。その指定登録機関としての高齢者居住支援センターの設立が挙げられております。これに対して、やはりセンターを設立するよりも既存の住宅事情誌や不動産業者のコンピューターなどの利用の提供でよいのではないかというふうに思いますし、そのような意見がありますけれども、なぜ高齢者居住支援センターを設立する必要があるのか、その根拠と、設立について見解をお伺いいたします。
#204
○政府参考人(三沢真君) 今、先生御指摘の指定登録機関はこの法律に基づく高齢者居住支援センターとはちょっと別の組織でございまして、指定登録機関は、ただいま先生がおっしゃいましたように、まさに登録をする、ある意味では高齢者の入居を拒否しない住宅についての情報を一元的に集めて、それを一覧性のある情報として高齢者の方々へ提供できる体制をつくるというところが主眼でございます。したがいまして、これは各都道府県知事が自分でやるなり、あるいは知事が地元にありますいわゆる建築センターとか住宅センターとかそういうものを指定登録機関として活用いただいてやっていくということになろうかと思います。
 当然、そのやり方といたしましていわゆる不動産業の方々の御協力をいただくということはあり得るわけでございますが、ただ、いずれにしてもこの趣旨は、そういう情報について一覧性を持って一元的に見たいと。つまり、個々の不動産屋さんに行けば自分の取り扱い物件を中心にして見られるけれども、そういうものについて全体として物を見たいというニーズにこたえるというものでございます。
 ただ、当然のことながら個々の取引になれば不動産業者の方々が個別に仲介してやっていくということになりますので、まさにそういう不動産業界の方々と指定登録機関と、そういう協力関係のもとにそういう高齢者のための情報提供を行っていくということになろうかと思います。
#205
○渕上貞雄君 次に、滞納家賃保証よりもやはり公的な住宅提供をすべきではないかと思うんですが、登録を受けた賃貸し住宅の家賃にかかわる債務を高齢者居住支援センターが保証することになっておりますね。保証期間は六カ月分ですが、高齢者が家賃滞納した場合、果たして六カ月あればその後の支払いが継続できると思うのでありましょうか。それよりも公的な住宅施設の提供が必要ではないかと思うのでありますが、見解をお伺いいたします。
#206
○政府参考人(三沢真君) この六カ月間というのは、まさに高齢者が今現状において家賃の支払いについて大家さんが不安を持つために入居が敬遠されると。それについて、通常予想される滞納期間について要するに債務保証によってこれを保証していくということでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、本当に払えなくなった場合というのは、これはこの家賃債務保証制度によって解決するという性格のものではございません。そこはやはり、もう本当に払えなくなったような場合については、先生おっしゃいますとおり、公的住宅の方にきちんとあっせんするなり、あるいは福祉との連携を図るなりして、そういう方々についてきちんとした対応をやっていく必要があろうかと思います。
 そういう意味で、家賃債務保証は家賃債務保証とし、一方、何といいますか本当に払えなくなった方については福祉ときちんと連携を図ることによって、いろいろな円滑な高齢者の方々がお困りにならないような体制を組んでいく、あわせて行っていくということが必要であろうというふうに考えております。
 それからなお、これはいわゆる民活型の主体でやるわけでございますけれども、当然、公共団体は地域の実情を見て、さらにこういう高齢者向けの住宅が足りないという場合については、自分でどんどん出ていって積極的に公的な住宅を建設するということもこの法案の中に位置づけておりますので、そういうことも相まって高齢者の居住の安定に向けて積極的にやっていきたいというふうに考えております。
#207
○渕上貞雄君 次に、高齢者居住支援センターの基金運用と滞納家賃発生の見込みについて、お伺いをいたします。
 高齢者居住支援センターとして指定された法人が滞納家賃の保証をする基金を国費で二十億円で造成するということになっていますね。以後の基金運用についてはどのように考えているのか。ともすれば、この基金運用というのは、足りなくなったらすぐ国からまた予算でつぎ込んでいくと。本当にこの基金運用というものをやはりきちっとどのようにしていくかというのは、これから先非常に大事なことだろうというふうに思っているんですが、同時にあわせまして、また滞納家賃保証はどれぐらい発生すると見込んでいるのでございましょうか。
#208
○政府参考人(三沢真君) この基金二十億円がどういう意味合いのものかということでございますが、二十億円の基金というのは、この家賃債務保証制度というのは、基本的にはまず保証料で賄っていくと。ただ、やはり異常なリスク、通常のリスクを超える異常なリスクが起こった場合に必要なもの、この差分に当たるものを平たく言いますとこの基金で対応していくというものでございます。
 積算根拠はいろいろ細かくはなりますが、滞納の発生率は、大体平均的には、いろんな過去の実例等を調べますと、二%ぐらいというふうに見込んでおりますので、二%ぐらいの事故率には対応できるような保証料率をまず設定すると。それが、ですから通常の安全率の中でカバーできるようなものだと。さらにそれを超えて非常な、何かインフレが異常な形で起こったとか、あるいは高齢者の方々がもう集中的にかかるような病気が一斉にはやったとか、そういう通常なかなか想定されないリスクが起こった場合に、この基金の運用益を含めて対応していくということを考えております。
 先生の御質問の中で、この基金は将来、追加があり得るのかという御趣旨でございますが、いずれにしましても、これは制度が今回創設されたばかりでございますので、とにかく私どもとしてはこの基金を前提にして、この範囲できちっと運営できるような体制をきちっとつくっていくということが一番大事でございますので、まずそこから始めさせていただきたいというふうに考えております。
#209
○渕上貞雄君 特別なインフレだとか経済事情は別にいたしましても、この基金制度に対する国民の批判というのはちょっと今別な角度から見ても非常に高いわけでございますから、運用に当たってはひとつどうか慎重にやっていただきたいと思います。
 次に、家賃保証委託契約は強制なのか、それから保証料は幾らか、保証料は先ほど御説明があったようでございますけれども、高齢者居住支援センターは、登録簿に登録された登録住宅の賃貸人から要請に基づき当該登録住宅に入居する高齢者の家賃債務を保証することになりますが、賃貸借人は登録賃貸住宅に入居時には必ず家賃保証委託契約を交わさなければならないのかどうか。また、仮に契約を交わさない場合、登録住宅の入居を拒否されることがあるのかどうか、お伺いをいたします。
#210
○政府参考人(三沢真君) まず、保証料は先ほど御説明いたしましたが、月額家賃の二%程度を二年間分一括払いいただくということでございます。
 あと、強制なのかということでございますけれども、これは利用するかどうかは結局大家さんと入居者との意思にゆだねられていると。したがって、この制度を必ず使わないと登録住宅にならないということではございません。
 それで、高齢者の方々は個々のいろんな事情がございますけれども、一般的に保証人のいる高齢者の方々もたくさんいらっしゃいますので、自分はもう保証人を立てるよ、この債務保証制度を使う必要はないよと言われれば、それはそれで別に大家さんも不安に思われないわけでございますので、その賃貸住宅にも入居できるし、またその賃貸住宅を登録するということも可能でございます。
 ただ、やはりそういう、何といいますか身元保証人もいらっしゃらない高齢者の方で、かつ自分はやっぱり保証料を払うのは嫌だから家賃債務保証も嫌だと、こういうふうに言われますと、大家さんの不安はやはりそこで解消しないということになりますので、こういう場合には、大変残念なことですけれども、入居できないというような事態も起こり得るかとは思います。
#211
○渕上貞雄君 入居しない事態が起きるかもしれません。起きるんじゃないかと私は思いますけれども、そこのところはかもしれないじゃないんじゃないかというふうに思うんですが、後ほどで結構です。
 次に、貸し手不安の解消はどうしていくのかということが問題になりますが、高齢者の入居に関する現況調査報告、日本賃貸住宅管理業協会によれば、百四十九社の複数回答の中で、高齢者の入居ができなかった理由で最も多かったのが、体が弱くなったり病気になったりした場合の対応が難しい、これが六二%、次いで貸し手の希望、五四%、それから失火等、住宅の安全管理面での問題があるとなっております。家賃滞納の心配があると答えたのは一八%でありまして、しかも、今後、行政や業界団体に望むことは何であるかとの問いに、二つ以内に対しては、入居中、体が弱ったり病気になった場合の対策、これが八五%、を望む声が最も多く、次いで保証人がいない場合の対策、これが四三%の順となっております。
 いずれにいたしましても、高齢者の入居問題では、家賃滞納保証よりも高齢者の病気対応や保証人が貸し手側の不安材料になっていることがこれで明らかになっていますが、この点に関しましてはどのような対応をされようとしておるのか、お伺いいたします。
#212
○政府参考人(三沢真君) 先生がおっしゃいますとおり、やっぱり実態調査の中でそういう大家さんが何が不安かということを調べたものの中で、滞納家賃の問題と、それから病気や事故への不安が非常に心配であるというような声が出ているのはよく承知しております。
 ここは、やはりどうしても最後は福祉部局と個別のケースに応じてきちっと話し合いができる体制を現場でつくっていくということが非常に大事だろうというふうに考えております。この法案の中で、御承知のとおり、厚生労働大臣とも協議の上で国土交通大臣が基本方針を定めることにいたしておりますけれども、まさにそういう保健、医療、福祉との連携について、そういう基本方針の中で的確に位置づけた上で、各公共団体、それからあるいはその指定登録機関と公共団体の福祉部局、そういった現場レベルでの連携体制がつくられるということが非常に大事でございます。
 先ほども、厚生労働省の副大臣からも、厚生労働省としてもまたそういう体制の整備についていろいろこれから御検討いただくというようなお話ございまして、私ども、今回の法律に基づく基本方針をもとにして、具体的にどういう連携、どういう体制づくりができるかということについて真剣にいろいろ議論させていただいて、いろいろな支援をしていきたいというふうに考えております。
#213
○渕上貞雄君 それはよろしくお願いしておきますけれども、やはり現場における対応ということになるということですね。では、その現場における対応の保障というのはちゃんと保障をいただけるというふうに考えておっていいですね。そのように御確認をさせていただきたいと思います。
 公営住宅使用の入居者資格、それから管理基準についてですが、若干矛盾するかもしれませんけれども、お伺いしておきますが、第五十五条の公営住宅の使用について、国土交通大臣の承認の基準、それから国土交通省令で定めようとしている入居者の資格、管理の基準を明らかにしていただきたい。
#214
○政府参考人(三沢真君) この法律案の五十五条で公営住宅の使用の規定を設けておりますけれども、これはいわゆる高齢者向けの優良賃貸住宅の供給が不足している場合において、公営住宅について本来の施策対象である低所得者の方々の入居を阻害しない、そういう範囲で特例的にいわゆる低所得者以外の高齢者も入居できるような賃貸住宅として活用できるという規定でございます。
 この法案の中でいろいろな入居資格あるいは家賃、入居者の選定方法等について基準を設けているところでございますけれども、入居者の資格につきましては、みずから居住するため住宅を必要とする高齢者で、国土交通省令に定める要件に該当する者というふうにしております。この要件は、具体的には六十歳以上の方でまず単身の方、それから六十歳以上の方で配偶者が同居される方、それからさらに六十歳以上の方であって、かつその同居の親族も六十歳以上の方と、そういったような要件を定める方向で現在検討しております。
 それから、家賃につきましては、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないように定めるということとしております。これは法律に書いてございます。
 それから、入居者の選定方法、これも国土交通省令で定める基準に適合するということを法律で定めておりますけれども、省令におきましては抽せんその他公正な方法による選定を行うこと等を定める方向で現在検討を進めているところでございます。
#215
○渕上貞雄君 最後になりますけれども、大臣にお伺いします。戦後、衣食住、衣と食は大体満足できる状況になってきていると、上を見れば切りがありませんけれども、住宅問題というのはかなり深刻な問題になってきていますね。ちょっと外れるかもしれませんが、日本の住宅政策と労働者の雇用政策、これらが非常に、単身赴任だとか、こうなっている。これはやっぱり住宅問題、今だれでも働くようになっていますから、そういう共働きの問題もありますけれども、やっぱり住宅をどのように供給していくかというのは非常に大事なことでありますし、やはりこれから先の雇用問題を考えていく場合のこういう公的な住宅をどうしていくのかというのは、最もこれから先我が国にとって大事なことではないかというふうに思うんです。
 そこで、この法案が成立しました後、制度内容については周知徹底をしていただくことはもちろんのことでありますけれども、高齢者の方が早く年をとってあの家に入りたいみたいなそういう夢等をあれは与えなきゃいかぬと思いますよ。暗い話ばかり高齢者のときはなりがちですから、できるだけ、そういうことではなくて、やはり高齢者の方々が安心して暮らせるような、そういう住宅の提供というのは最も大事な基本的な事柄ではないかというふうに思っておりますので、今後の住宅政策と政府の決意についてお伺いをして、質問を終わります。
#216
○国務大臣(扇千景君) 今、渕上先生がおっしゃった基本的なことは、私は年をとっても希望の持てる二十一世紀にしなければならないというのは先ほど申し上げましたとおりですけれども、すべからくみんなが通る道でございますし、あすは我が身でございますので、希望と光を持って私は考えていきたいと思っております。
 特に、今後十五年間で高齢者を含みます世帯は四百九十万世帯になると言われておりますし、また高齢者の単身と夫婦世帯は三百九十万世帯増加すると。こういうことになりますと、今、先生がおっしゃいましたように、より福祉と連携をした、またみんなが入りたいという住居はどういうものだというのは、やっぱりこれは私は住宅のバリアフリー化、これが一番大きな問題だろうと思うんです。
 ですから、そういう意味では、民間がまだ手がつけられないところをとにかく公団によってバリアフリー化して、少しでもしばらくの間でも、それによって民間も触発されてそうせざるを得なくなるという時代が来ると思いますので、その間はやっぱり民を圧迫することなく、民の補完的な役目であるということの認識の中で、私はそのバリアフリー化等々、そういうことを誘導措置をしていきたいと思いますし、公共の賃貸住宅、その福祉施設の併設ということも先ほどからも推進しろというお話でございまして、今後も高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給、あるいは高齢者の入居を拒否しないという、そういう意味での私は賃貸住宅の登録制度を整備していきたいと思っています。
 今、先生がおっしゃいました福祉との綿密な連携を図れということで、当然私たちもそのつもりでございますし、この法案を通していただきますことによって、私は少なくとも一日も早く厚生労働大臣とともにこの高齢者の住居の安定の確保に関する基本方針というのを決めていかなければならない。そして、よりこれが法案として生かされるような二十一世紀に希望の持てる住宅づくりを促進していきたいと思っております。
#217
○渕上貞雄君 終わります。
#218
○田名部匡省君 重複することもあろうかと思いますが、最初に、先ほど脇委員もお話ししたんですが、基本方針のところで厚生省のお話も聞いて連携をとってやりますと、こういうことでありましたが、これは相当多様にやらないと、ボランティアの人たちのことも必要だし、あるいはお医者さんも。断る理由にもう何とでも言いようがあるんですね。部屋があいてませんということもあるだろうし、あるいは介護が必要だからだめですと、断ろうと思ったらどんな理屈でもつくんですね。私はこの実効性がどれだけいくのかなと、入居拒否禁止規定があっても。そういうことはどうされるつもりか、まず伺っておきたいと思います。
#219
○政府参考人(三沢真君) 先生おっしゃいますとおり、確かに制度をつくっただけでこれがきちっと生かされないと、高齢者の入居敬遠傾向というのがなかなかなくならないということが一番懸念されるわけでございます。
 私どもは、やっぱりとにかく現場において今回の制度の趣旨が徹底されるということが一番大事だと思っております。そのために、せっかく今回この法案を成立させていただきましたら、やはり早く基本方針の中身というのを、それも現場のニーズをできるだけいろんな形で吸収した上で策定いたしまして、それをまた現場の方で見ていただいて、いろんなお互いにコミュニケーションを図りながら、そういう実態に即したものあるいはそういう体制づくりをしていくというのが一番大事でございますので、私どももせっかく仏つくったのに魂が入らないということになっては困りますので、やはり周知徹底といいますか、それから現場の実態に応じたきめ細かい運用がなされるような、そういう体制の整備が一番大事なことじゃないかというふうに考えております。
#220
○田名部匡省君 そこで、せっかくいろんな恩恵を受けてこれをつくるわけですからね。特にマンション等がそうだと思うんですが、自治体が立ち会ってくれるとか第三者の何かをつくって、やっぱりそこへ行って、そうしてそういう断り方ができない、そんな仕組みなんかも必要だと思うんですね。
 私は、今、扇大臣、国は補完的にと、全くそうだと思う。私は、いつも質問のときに地域の実情ということを無視してはできませんよと。地域のことをわかるのは地方なんですよ。そのために地方分権一括法というのも通っておるわけですから、本来ならば地域はどういうやり方なら私のところはできますよというものをやった上でやるのがより丁寧なやり方でなかったかな、こう思うんです。
 私は、選挙のときも津軽の方へ行きまして、農村が多いものですから、ごめんくださいと案内してくれる人がおってあちこち寄るんですけれども、返事がないんです。でも、向こうの人はもう玄関あけて中へ入っていきますから、それで、ごそごそ音がしているなと思ったら、おじいちゃんとかおばあちゃんが一人で、みんな畑へ行っているものですから、そこからはって出てくる姿を見て、いやあかわいそうだなと。しかし、考えてみると、その村から出たくないし、また子供は親をどこかへ出して預けているというのを言われたくないと思うものですから、なかなか踏ん切れないところがありましてね。
 それから、最近よくお寺さんに行って聞くんですけれども、一人娘が嫁いでもうお墓は要りませんから処分してくださいというのがあるんだそうです。それから、施設に入っても、やっぱり嫁いで東京や関西の方へ行っていると、亡くなりましたと言っても引き取りに来ないと。それがあるから不安がると思うんですね。
 そういうボランティアでも何でも仕組みがあって、そのかわりにやれるようなそういう体制というのは、これは国土交通省だけではできませんから、いろいろ多様にやれるように私はやっていかなきゃならぬと。
 しかも、豊かになってからこの国は自立とか自己責任とか努力しようという気持ちが国民の中になくなって、何か困ると国がやってくれるだろうと、もう依頼心が強くなっちゃっているんですよ。だから、こんなことまで、一々細かいことまでやらなければならなくなっちゃってね。それも高齢化というのはもう大分前から言われているんですね。
 さっきも石本厚生労働省政策統括官が佐藤委員に答弁しておりましたが、高齢者の負担問題で、高齢者と負担する人、受益と負担ですね、という答弁があったんです。それはもう今土地は下がるし、前のままだとやれたこともやれなくなる状況もあるし、これから先はどうなるかわかりませんし。そういうことはこれわかっておるんですよ、少子化で高齢化だということは。今ごろああいう答弁されると、今までは何だったのかという思いがするんですよ。そんなことはわかっていながら、どうあるべきかというのをずっとやってきたというんならわかるんですけれどもね。もう少し責任を持って答弁してほしいと思うんですよ。
 あれ二年前ですか、医療費や何か抜本的な、二年後には改正すると言って、法律の附則に書いてあって法案通ったですよね。それで、二〇〇〇年に抜本改正やるかといったら、あれ津島さんが厚生大臣のときですか、結局これ抜本改正やれないでまた先送りしちゃった。法律の附則に書いてみんなが通したことさえも守れないんですから、私は本当にやっぱり国民に約束したことはやる。
 それから、公平公正ということを私はよく言いますけれども、どんな形であろうと、いいことをしてあげる裏にはだれかが負担しているんだということを考えながら、本会議場でも言いましたよ、金のない人で困っている人はただで結構、ある人はある人に応じて負担したらどうか、これは前から私の持論なんです。医療費でもバス代でも、何でもみんなただにしちゃって、今ごろになってからもう大変だ大変だって大騒ぎやっているでしょう。こんなことわかり切った話ですから。
 ですから、今、今度はそういうことをやろうというようなことを考えておるようですけれども、やっぱりそこは基本なんですよ、政治の考える。そこがちょっと、責任感がないというのか使命感がないというのか、私たち聞いておって本当に歯がゆい思いをするんですが、どうですか。あなたの意見でいいですよ。
#221
○政府参考人(三沢真君) なかなか難しい御指摘でございます。
 ただ、私どもの今回の法案との関連で申し上げますと、私どももやっぱり高齢化社会が到来するということについて前々からいろんな施策を行ってきたわけでございます。例えば、予算制度として今回の高齢者優良賃貸住宅と同じようなものをやるとか、あるいは福祉と連携したシルバーハウジング・プロジェクトとか、いろんな形でやってきたものについて、ある意味では今回そういう教訓を踏まえ、かつそのやってきた結果、地域でもこういう課題があってこういう点を改善するとうまくいくというようないろんな声も踏まえて、こういう法案という形で現在御審議いただいているということを御理解いただきたいと。
 遅過ぎたと言われればそうかもしれませんが、そういう意味では、私どももいろいろ地域の実情を勉強しながら、一歩一歩進めさせていただいているということでございます。
#222
○田名部匡省君 それから、マンション等を建てたときに、極力お医者さんとかそういう人が下に入れるようにやってあげるとそういう不安がなくなると思うんです。お医者さんも自分で診療所、どこかあっちこっち無理して大変な金を借りて、この人だって亡くなったら大ごとですよ。子供が優秀で後継ぐのがおればいいけれども、成績悪かったらあなた医者になれぬ。あれ自宅にみんな診療所つくっているでしょう。いや、本当に笑い事じゃないですよ。私の友達のお医者さん亡くなって、子供が全然資格ないものですからとうとう廃業しちゃった、借金だけは相当残っちゃったと。
 こういうことがあるんで、そんなことなんかも綿密にやるにはあなたの方ではできませんよね。ですから、地方に、もう大枠のルールを決めたら後はいろいろあなたの方でやりいいようにやってみてくださいと。
 私は、前に聞いたことがあるんだ。スウェーデンへ行くとお年寄りだけ平家ですよ、二階じゃない。それだから、バリアフリーなんて心配ないわけですから、丸くつくって中は芝生にして、お年寄りの人たちがお互いに助け合ってやっているなんというのを聞くといいなと、こう思います。最近よく聞くのは、東京の都心を高いときに売って離れた方へ行ったと、ところがだんだんやっぱりだめになって、こっちへ出てきたくてマンションに住んだりする。それはお年寄りだって便利なところがいいんですよ。
 私もうちを四年ぐらい前に建てまして、年とったら車いすかなと思っていろいろ考えながら下はやったんです。元気なうちはそんなことは余り考えないものですけれども、二階にふろと寝室と全部つくった。今になって、これは階段上がるにどうしようか、広い階段と廊下をつくったから、何か上がるやつをつけたらいいかなと。そのときはそこまで考えなかった。
 だから、私は、建築基準法で、そういう若いときからやがてはお年寄りになるんだからちゃんとやりなさいということを、これはもう確認申請かなんかが来たときにきちっと義務づけるとか、そうでないと、日本は土地高いから二階建てのちっちゃなのをみんな建てるでしょう、それはバリアフリーといったってできっこないですよ。土地は高いし、建築費は高いし。となると、この辺から、それだけ高齢化が進んでいくということをわかっているんですから、今からやっぱりその心構えを国民の皆さんに持って、最初からそういうのをやられたらどうかなと、こう思うんです。これは大臣、ひとつ。
#223
○国務大臣(扇千景君) 田名部先生の御説を聞いておりまして、我々も日ごろから自分の老後のことを考えて準備しなければいけないという教訓を伺ったような気がしますけれども。
 私は少なくとも、先ほども都市整備公団の総裁が見えていましたけれども、今、田名部先生がおっしゃったように、日本の政策の中に、これは厚生労働省に踏み入るかもしれませんけれども、先生が外国の例をおっしゃいましたけれども、私も見に行きましたら、老人ホームという隣に必ず保育所がつくってあるんですね。そして、保育所の人たちが運動場で遊ぶときには老人ホームと一緒の庭で遊ぶんですね。そうしますと、ひなたぼっこしている年寄りも、その子供たちが、保育所の子供たちが遊んでくるのを見てすごく明るくなるし、また転んだりなんかしていてもお年寄りが同じところで接触する。そして、お年寄りは車いすに乗っている人もいるので、子供たちはそういう弱者に対しての思いやりというものも保育所のときから知るという、そういうものも私、見てまいっておりまして、本当にそういうものをしていきたいなと思っておりまして、もう一つは、今、先生がおっしゃいました住宅と医療と、そういうものが安心してできるものができないかと。東京近郊の遠いところにはそういうのができました。みんな回帰しております。もう今、買い取りで行った人、すごい後悔しています。私も何人も知っています。寂しい、芝居見に行くにも遠い。
 そして、私は、そういうことではなくて二十一世紀型の私は住宅供給をするべきだと言って、賃貸に限り、都市基盤整備公団が年間に六百戸建て直しております、中古で。それを私は必ず光ファイバーを入れて、お年寄りでも外に出ないで買い物ができたり全部できるような整備を、光ファイバーを下水道に入れてするようにということも、これも特命してございます。そして、医療も、ボタン一つで医療設備と中継できるようにと。
 そして、個人的な名前を挙げるといけないのかもしれませんけれども、一番わかりやすいので例を挙げさせていただきますと、そこに聖路加というのができています、聖路加国際病院。そして、この建物と病院とが一体になって、そこに入っている人は自分の生涯だけしか入れないんですね、あそこは。死んじゃったら継承はできないんです、子供にも、順番が多いですから。けれども、余りにもあれはお金が高過ぎるので、それの中層世帯用ができないかということも私は都市基盤整備公団に申してあります。
 ですから、新しく建てるものにはすべからく、今、田名部先生がおっしゃったようなことにかてて加えて、情報網を配備したものを建てて私は供することができるようにと、それが値段に上乗せしないでできるようにということも言ってありますので、私はそういう二十一世紀型の政策というものを国としては考えていかなければならないと思っております。
#224
○田名部匡省君 扇大臣得意のインターネット、IT時代、お年寄りに情報がうんと集まらないとどこへ行けばいいのかもわからない、そういう仕組みをきちっとつくってやっていただきたいと、こう思うんです。どんどんこれは、もう何でも今は競争社会ですから、こういうものも情報社会にして、どういうところにどういうのがあって、幾らでどういう設備がされているかというのがお年寄りに集まってこないと、そういうことをひとつしっかりおやりいただきたいと、こう思います。
 三十分というのは、もう本当に余り言ってられないので困るんですけれども、ちょっときょうは住都公団のことでお尋ねしますけれども、皆さんに資料、配付いたしておりますけれども、経常収益が、この間説明受けて、一兆二千六百八億だと、それから経常費用が一兆二千九百六十三億だと、そしてこの一番上の千四十三億、これが政府の補助金、補給金ですね。これは利子なんかの差額の分を国からいただいている分。
 ところが、平成十一年度の損失金というのが二十八億ということを聞いて、そんなに減ったのかなと思っていろいろ聞いてみました。実際は二千六百九十六億あるんですね。帳簿上ではこうなっているけれども、それはどうしてなったかというと、国の補助金収入及び地方公共団体等の補助金収入中の千三百八十四億、これが特別利益の千九百三十四億に入っているわけですね。それから、上の二百四十一億というのが千四十三億の中に入って経常収益になっていると。こういう会計の処理というのは我々民間の会社をやっていて理解できないんですけれども、これはどうなんですか。
#225
○参考人(吉田吉宣君) ただいま先生から御指摘のあった数字について、若干御説明も踏まえましてお答え申し上げたいと存じます。
 今ほどおっしゃられました政府補給金、補助金とお書きになっていますが言い直されたようでございますが、政府補給金でございます、千四十三億。それから、その下に、うち二百四十一億という数字がございますが、この二つにつきましては、いわゆる賃貸住宅の家賃低減を図るための利子収支差に係る支援、こういうことでございます。
 次に、千三百八十四億円という数字がございますが、この数字は、いわゆる再開発や区画整理事業等を実施しておるわけでございますが、これらの事業において公共施設等を整備いたすわけでございますが、これらの公共施設等の整備に係る建設費補助ということでございまして、いわゆる民間事業におきましても、こういう政府の補助金あるいは公共団体を含めた補助金制度の中で一般的に受け入れられ得るという補助金でございます。
 当然のことながら、こういう補助金や補給金は収支の中で処理されて、全体としまして収支の均衡といいますかそういうものを図る、こういうふうな形に必然的になるものと私どもは理解いたしておる次第でございます。
 私どもの千四十三億と二百四十一億、重ねて申し上げますけれども、賃貸住宅の建設あるいは管理段階に至ってからの管理に係る利子に係る収支差を家賃低減に結びつける、こういう趣旨の補助金、補給金をいただいている、こういうことでございます。
#226
○田名部匡省君 きょうこれを議論していると、もう十三分で終わりだそうですので、行政監視委員会の方でやらせていただきますけれども。
 いずれにしても、十一年度末の借入金残高が十四兆八千億ぐらいあるんですね。それから、政府の出資金四千二百九十六億、これをやらないと特殊法人は皆赤字でつぶれちゃうんですよ。一般会計からあれはたしか三兆円ぐらい出資とかなんとかですよ。出資と言ったって資本金みたいなものですから、資本金をふやして維持しているということなんで、言ってみれば赤字を表面化しない、こういう決算を国会へ出されると何が何だかわからないんですよ。もうちょっと分けて、実態がこうですよというのを言ってくれないと。だから結局、補助金とか補助金の合計というのは一兆三千億もいただいておるんですよということをずっとやって、その中身をばらばらあっちへ入れたりこっちへ入れたりすると、素人ですから、専門家でないとわからない。私は税理士に見てもらったんですよ、一遍。税理士がわからぬと言うのですから、これはわかるわけがないんだ、我々に。
 いずれにしても、借入金等の元金償還に七千九百二十四億でしょう、利払いに七千百二十五億ですから。一体、この公団の状況でいつになったらこれがきれいになるというふうに考えていますか。
#227
○参考人(吉田吉宣君) ただいま御指摘の十四兆円を超える借入金があるではないか、これがいつ返せるのかというようなことでございますが、御案内と存じますけれども、私ども、賃貸住宅は土地を買ってから建設し、そして七十年間の償却ということで、七十年間の管理維持を前提としましたものでございます。したがいまして、賃貸住宅を例にとりますれば、その償却自体は七十年間にわたって償却が行われるということを前提としての賃貸住宅の経営、こういうようなことになっております。それから土地区画整理事業等におきましても、期間的にはかなりの長い期間、二十年あるいは二十五年かかるような事業をやっておる次第でございまして、この十四兆円という数字がこれまでの事業の結果として累増しているということにつきましては御指摘のとおりでございます。
 ただ、先生御指摘のとおり、極めて多額の借入金を中心に仕事をやる、業務をやるというふうな仕組みになっておるわけでございますけれども、今の御指摘の御趣旨、これは十分私どもも心得て、今後とも的確な実施を図って、事業収入の確保を図り、効率化を図って、確実に債務の償還を図ってまいりたい、このように考えております。
#228
○田名部匡省君 日本が貧しかったころに公団がつくった団地というのは、国民に約二十八万戸の分譲住宅、七十五万戸の賃貸住宅を供給してきた。これはこれでよかったと思うんです。しかし、バブル崩壊で原価割れして、住宅管理は売り上げが伸びているものの採算が急速に悪化している、あるいは売れない分譲住宅や安価でない賃貸住宅に税金と財投を使う必要があるんだろうかということを感じます。
 住宅管理の項のところでは、賃貸住宅と分譲住宅という異質の事業は一括になっているんですね。何で分譲する方と賃貸でやる方を一緒にしちゃうのかと。経理の方に確認したら損金処理ということだが、財務諸表なら分離して整理すべきではないかというふうに私は感ずるんですね。きょうは時間がありませんから結構です、いずれじっくりやりますから。
 私が言いたいのは、官から民へということをよく言うでしょう、最近。何が官から民だかさっぱりわからない。だから、小泉純一郎さんのようにああいう荒っぽい話が出てきたりと。かつて国民金融公庫の出先と私は話したんです。最近どうだねと言ったら、さっぱり借りに来ませんと。何でだと言ったら、銀行の方が金利が安いからだと。それじゃ君らの維持費はどうしているんだと言えば、国から補助金もらって飯食っていますという話ですよ。
 そういう、今は七十年と言うけれども、そのころは七十年でもよかったかもしれぬけれども、七十年と言ったらまだ生まれていないんですよ、これを最後に払う人たちは。少子化だ高齢化だと、こんなことを審議して大騒ぎしているのに返せますか、子供や孫が。ひ孫だ、我々から見たら。だから、そういう感覚でどうあるべきかということをもっと責任持ってやってくださいよ。しかも、これはどこですか公団の子会社、関連会社というのは今いろいろ聞いたが、これも出資比率が五〇%以上が何ぼあってとかというのは、きょうやっていられないから。
 それで、役員がどうなっていますかと。九名の役員のうち建設省から六名、大蔵省二名、会計検査院から一名。会計検査院が私はこういうところへ入るべきでないと思っているんです。会計検査をやる人たちがそこにいたら、あなた本気でやれますかね。この辺が問題なんですよ。
 そうして、赤字でも給料もらって、ボーナスもらって、退職金もらうでしょう。これは幾らだかわかりませんよ。退職時の本給月額掛ける百分の三十六掛ける在職月数といって、これ二年ぐらい勤めたら、三年勤めたら一体何ぼぐらいになるんですか。わかりますか、退職金が。
#229
○参考人(吉田吉宣君) ちょっと今詳しい説明資料持っておりませんけれども、たしか月額に百分の三十六を掛けた月数分だけということになるかと存じます。──失礼いたしました。退職時の本給に百分の三十六、三六%の在職月数を……
#230
○田名部匡省君 それはわかっている。金額で何ぼになるんですか。
#231
○参考人(吉田吉宣君) 失礼いたしました。それでは役員で申しますと、一年間で四百万近くになるということでございましょうか。
#232
○田名部匡省君 退職金が。
#233
○参考人(吉田吉宣君) はい。
#234
○田名部匡省君 国民と余りかけ離れたことをやっておると政治不信がいよいよ高まりますよ。どうぞしっかり対応をして、どうするかというのを含めてまた回答をいただきたいと思います。
 きょうはもう時間ですので、これで終わらせていただきますけれども、どうぞよろしくお願いして、終わります。
#235
○戸田邦司君 いつものことでありますが、もう大分いろいろな疑問がありましたから、基本的な点について幾つかお伺いすることにしたいと思います。
 まず第一番目の問題ですが、たしか与党で、政府・与党だったか与党だけだったかはっきり記憶しておりませんが、特殊法人の廃止を言っておりまして、大分新聞をにぎわしておりました。五年以内に廃止するとかそういったことだったと思いますが、住宅金融公庫も確かに特殊法人であるということも考えて、その辺についてどういうふうに整理しておられるか、お伺いしたいと思います。
#236
○国務大臣(扇千景君) 先生がおっしゃいますように、少なくとも私は、住宅金融公庫ということでの先生のお尋ねでございますから、全般の与党対策とか今までの政策に関してすべてのというのは今ちょっと時間がなくなって申しわけないので失礼いたしますけれども、住宅金融公庫に限ってということでございますれば、私は先ほどから先生方に御論議いただきましたように、やっぱり住宅を建てるためのローンというのは本当に生涯の上の大事業であると先ほども申しました。私、そのとおりだと思うんですね。
 一生の間に二回も三回も家を持てるなんて人はそうざらにあるわけでございませんで、一回建てる、一回家を持つということだけが私はもう大事業だと思っていますので、そういう意味では先ほどからるる申しましたように、八百万以下の収入の皆さん方に少なくともお役に立ってきたと。中堅層以下ですか、八百万ですから。中層階級以下でしょうね。けれども、ほとんどのサラリーマンがその中に入るものですから、大体九〇%がその枠の中に入りますので、そういう皆さん方に対しては本当に私は利用していただいて、先ほども利用戸数を申し上げましたけれども、私はそういう意味ではお役に立ててきたのではないかということを思っておりますけれども。
 少なくとも、私どもは、先ほどもローンを借りに来る皆さんにアンケートをとりましたら、やっぱり長期にローンが組める、三十五年だと。そして固定金利である、そして少なくとも低利だと。この低利というのもちょっと今の時代になりますといろいろ民間とのあれもございますけれども、皆さん方はその三つを挙げられるんですね。だからここの窓口へ来たのよというアンケートでございますので、私はそういう意味では今までの住宅金融公庫の役割というものは少なくともできてきたと思います。
 今後は、やっぱり先ほどから御論議いただきましたように、ただつくればいいというものではなくて、質の向上、そして少子高齢化社会に適した高齢者に優しい住宅の供給が必要であるというふうに考えておりますので、そういう意味で私どもは、もう要らないんじゃないかとおっしゃった御意見もありましたけれども、そうではなくて、じゃ今すぐやめたら民間で全部それがカバーできるのかといったらそうではないということで、私は今のお話のございましたように、民を圧迫しないとさっき田名部先生には申しましたけれども、田名部先生もそのお考えには変わりはないと思いますけれども、民の補完であるというその意義を失わないように、なおかつお役に立てるように頑張るということでございます。
#237
○戸田邦司君 先ほど、田名部先生が都市基盤整備公団のお話をしておりまして、現在はもうないだろうと思いますが、一昔前には、民間のディベロッパーがいろんなことをやろうとすると、それを特殊法人がやってしまうというようなことを言っていたことがありますが、今、大臣からお話ありましたように、民間ができないというかやらない、そういうところに限っていかないと、やはり民間の仕事を奪っていくところがある。ですから、今の景気状態でなかなか銀行は貸せないというようなこともありますから、そういう意味では非常に貴重な存在だろうと思っております。
 そこで、そういう仕切りをしていただいた上で、これからの問題としては、質の高い住宅もバリアフリーもかなり民間が景気がよくなれば出てこれる分野だということになるかと思っておりますが、そこで問題は資金の調達になろうかと思っております。それで、十三年度予算案を見ますと八兆円政府借入金ということになっておりますが、これが財投債、そのほかに政府保証債で住宅金融公庫債券三千五百億、それに住宅金融公庫債券で資産担保証券、これが二百億、そういったような数字が並んでおります。
 私は、景気がよくなって民間に資金需要がふえてきたときに、果たしてこの財投債、八兆円と言っている財投債が市場でとれるのかどうか、そういうような危険だってあるではないかと。ですから、そういうことになっていきますと、資金上仕事が制限されるというようなことも起こってくるのか、こう思っておりますが、資金上のそういうような制限も考えた上でこれからの仕事の展開を考えなければならない、非常に難しい状況になってくるかと思っております。
 この前の財投の仕組みを変えたときから、こういう今まで財投を利用してきて、これから新たに財投債とかそういったものを利用していく、そういうようなところの仕事のしぶりが変わってくるだろう、こう思いますが、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
#238
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいますように、あらゆる手だてを考えなければならないということで平成十二年度五百億の財投機関債を出させていただきましたときに、これ変な話ですけれども、もう財政のことをおわかりだから先生もびっくりなすったお一人かもしれませんけれども、私も実はびっくりしたんです。トリプルAがとれるという、そんな評価されるなんというのは思いもしなかったんですけれども、これは私は住宅金融公庫なればこそとれたということだろうと思いますので、やっぱりトリプルAの評価をされたということで、しかも昨年の五百億が全部、言葉は悪いですけれども、さばけた、まさかと思っていたことがさばけたということで、十三年度はこれが一挙に四倍の二千億になるということも含めまして、私は世の中の流れが変わってきたと思うんです。ですけれども、ただ、最後に一言、私が心配しておりますことは、冒頭に先生がおっしゃった、これによって民を圧迫しないかということなんですね。
 ですから、今の金融状況の、この低利で景気が悪いというときに、これなら保証がついていて間違いないだろうというのでトリプルAでいきなり二千億がふえる、四倍にふえたと、十二年と十三年。そうしますと、最初に返りますけれども、これによってむしろ圧迫してはいけないなという警告も感じながら、でもトリプルAがとれたということは、私は健全な仕事を見ていただいたというふうに考えております。
#239
○戸田邦司君 私は、将来の問題として政府保証債というのはなるべく制限していくべきではないかと考えておりますが、この政府保証債の扱いもさることながら、財投債そのものが非常に難しくなっていく、そういうような経済状況になっていくようなことも予想されるということを考えておりまして、その点、非常に注意深くこれから住宅金融公庫の運営をしていかなければならない。同じような並びで幾つかの金融機関がありますが、そういったもの、押しなべて運営を注意深くしなければならない時代に入ってきているのかと思っております。
 それだけ申し上げて、質問を終わります。
#240
○島袋宗康君 最後の質問者になりましたけれども、重複するかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について、一点だけお尋ねいたしたいと思います。
 高齢者に対する融資について、貸付対象者の死亡時に一括償還するという特別な償還方法を導入することとされておりますが、この制度の普及と定着についてはどのような見通しでおられますか、お尋ねいたします。
#241
○政府参考人(三沢真君) 死亡時一括償還制度でございますが、二つございまして、一つはマンション建てかえに関するもの、それからもう一つは既存の持ち家のバリアフリー改良に対するものでございます。いずれも定期的な収入の少ない高齢者の方々が月々の返済負担をできるだけ軽くして、その間に亡くなられたときに元本を返していただくという一つの返済方法の特例を設けるものでございます。
 これにつきましては、基本的にはこれをお使いになるかどうかというのはそれぞれの選択によるものでございまして、通常の償還方法がいいという方もあるいはいらっしゃるかとは思いますけれども、ただ、高齢者の方々は、大体フローの所得は少ないけれども、しかしストックとしての貯金はお持ちだという、そういう方もいますし、そういう意味では、月々の返済額を減らすということについては相当のニーズがあるんじゃないかなというふうに考えております。
 私どもも、この制度が積極的に使われるように、しかも使われる場合にきちっと誤解のないように、何か後でトラブルがないような使われ方が非常に大事でございますので、そういうことにつきまして、公庫とか、それからこれを債務保証いたします保証機関を指導しながら制度の普及、定着に努めてまいりたいというふうに考えております。
#242
○島袋宗康君 次に、高齢者の居住安定確保に関する法律案に対して若干お尋ねいたします。
 少子高齢化の急速な進展に伴い、我が国の六十五歳以上の高齢者人口は、二〇〇〇年四月現在で二千百六十二万人、高齢化率は一七・一%でありますが、二〇一五年の高齢化率は二五%、二〇五〇年のそれは三二%になり、イタリアに次いで高率になるとの試算がなされております。また、高齢化世帯も、現時点で全世帯の約三割、一千五百四十万世帯、二〇一五年には約四割で、二千三十万世帯に達すると見込まれております。
 我が国の人口構成に関し、高齢化社会に突入するということはかなり以前から指摘されていることであったわけでありますけれども、今、本法案を提出されているということは、我が国における高齢化に対応する住宅施策はかなり立ちおくれているのではないかというふうに考えておりますけれども、この点についてお伺いいたします。
#243
○政府参考人(三沢真君) 御指摘のとおり、高齢化社会が進展するということについてはかなり前の段階からいろいろな予測、見通しがあったわけでございます。私どもも、住宅政策においては、こういう見通しを踏まえまして今までもいろいろな形で政策努力をさせていただいたわけでございます。
 具体的には、例えば、平成三年ぐらいから、これからは公営住宅とか公団住宅とか、公共住宅についてはもうすべて新築住宅はバリアフリー化しようということを決めたり、それから、公庫融資の中でもバリアフリー住宅については一番安い金利でお貸しするというような誘導方策をとるとか、あるいはさらに、福祉との連携が非常に大事だということで、モデル的な事業として、バリアフリー化された公営住宅と、それから生活援助員による日常生活支援サービス、これを組み合わせたいわゆるシルバーハウジング・プロジェクトというのを実施するなど、いろんな形でもう既に政策を先行してやってきたわけでございます。
 ただ、今回、やはり二十一世紀を新たに迎えまして、これまでのいろんな政策の取り組みの経験を踏まえ、かつその過程でいろいろ得られた教訓も生かしながら、ひとつ法案として総合的な政策を進めていく必要があろうということで、今回こういう法案として取りまとめて御審議をいただいているものでございます。
#244
○島袋宗康君 現在、皆さんが計画しておりますバリアフリー化について、今おくれているんじゃないかということを指摘しましたけれども、現在の状況でどの程度、何%ぐらいの達成率なのか、その辺をお聞かせください。
#245
○政府参考人(三沢真君) 現在、バリアフリー化率は全体の住宅ストックの中で三%くらいがバリアフリー化されているというふうな推計でございますが、このバリアフリー化というのは、一つは、手すりがきちっと設置されている、それから、廊下の幅が車いすが通れる広い幅がある、それから段差がない、その三つを備えたものを一応集計いたしますと三%ぐらいという数字でございます。
#246
○島袋宗康君 高齢者の住居の安定を阻害する要因はいろいろあると思います。その一つに高齢者の居住を敬遠する民間賃貸住宅の問題があります。日本賃貸住宅管理業協会の高齢者の入居に関する現況調査、平成十二年によれば、高齢者が入居できなかった理由で高い比率を占めているのは、一つに、「保証人がいない」三七・六%、二つ目に、「高齢者にあった構造、設備の物件が少ない」二九・五%、三番目に、「家賃滞納の心配がある」一八・八%があります。
 これらの理由による入居拒否に対しては今回の法案で対策が講じられております。しかし、「体が弱くなったり病気になった場合の対応が難しい」六二・四%や、「失火等、住宅の安全管理面で問題がある」四五・六%とする入居拒否が高い比率を占めておりますが、これらの理由による入居拒否対策は本法案には回答が示されておりませんけれども、この点についてはどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。
#247
○政府参考人(三沢真君) まず、高齢者の方々が病気や事故になった場合、こういう不安などについてどう対応するかということでございます。
 これにつきましては、やはり福祉部局との連携というのが一番大事でございます。この法案の中で、厚生労働大臣とも協議の上で国土交通大臣が基本方針を定めることになっておりますが、その中でやはりそういう福祉との連携についての基本的な物の考え方をきちっと定めまして、これに基づきまして公共団体の福祉部局、住宅部局、あるいはいろんな実務を行います指定登録機関がきちっとお互いに協議し連絡し情報交換を行いながら、きめ細かい対応が行えるような体制づくりというのをやっていく必要があろうと思いますので、これをきちんとやっていきたいというふうに考えております。
 それから火事、いわゆる失火の問題でございます。この失火の問題につきましても、これは今度、いわゆる消防庁との連携施策ということで、私どもかなり住宅防火対策というものについて、これは本省庁レベルでもきめ細かい連絡体制をとっております。消防庁といろいろ議論しまして、いわゆる住宅防火対策の基本方針というものを定めておりまして、この中でも住宅用の火災警報器の普及を促進するとか、それから一番大事なのは高齢者がどこにおられるかというその所在を地域の中できちっと確認して、そういう中で防火対策を打っていくということが大事でございますので、これも本省レベルの連携を踏まえて、それぞれの地域の中できちっとした連携が図れるような体制づくりをやっていきたいというふうに考えております。
 なお、高齢者向けの優良賃貸住宅制度、この中では、高齢者向けの設備といたしまして、緊急通報装置だけでなくて、火災警報器等も補助の対象にするということにしております。
#248
○島袋宗康君 縦割り行政が非常に長く言われている中で、こういった制度を設けて本当に横のつながりがちゃんとできるのかどうかというふうなことが非常に心配されますけれども、その辺についての御努力を、そしてこれからどういうふうな対応でこの問題を解決していかれるというのか。その辺、御説明願いたいと思います。
#249
○政府参考人(三沢真君) いずれにいたしましても、私どもは今までも福祉については厚生労働省さん、それから防火対策については消防庁さんといろいろな形で連携を図っておりますけれども、やはり今回の法律ができたということが非常に、これもし成立いただければ、できるということが非常に大きいきっかけになろうかと思いますので、これを機会に、一つは基本方針というものの中でいろいろな議論、できるだけ連携を緊密にするような方向での議論をしながら、さらに一層施策を推進していくということが大変大事かと思いますので、その覚悟でやってまいりたいと思っております。
#250
○島袋宗康君 その辺は非常に大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、終身建物賃貸借制度を創設されることとなっておりますけれども、今述べた日本賃貸住宅管理業協会の調査によれば、高齢者が入居できなかった理由に、「入居が長期化する傾向がある」六・七%というものがあります。長期の制度は社会的に受け入れられ、機能を発揮する制度となり得るか懸念されておりますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
#251
○政府参考人(三沢真君) 一つは、終身建物賃貸借制度というのを今回設けましたその趣旨ということになるわけでございますけれども、これは借地借家法の特例といたしまして、死亡時に確定的にいわゆる賃貸借契約が終了するということでございます。これによりまして、事業者から見ますと、ある意味では必ずここで契約が終わると。ある意味では、全然今まで予期しないような相続人の方が出てきて、またここで引き続き住むんだということになりますと、その先の見通しがなかなか立たないということがございますが、むしろ、この終身契約によりまして安心して高齢者に住宅をお貸しすることができると、そういうメリットが一つあるのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今後は、こういう制度の趣旨が十分周知されて、この制度のよさ、メリットが生かされるような、そういう方向で制度の普及、定着を図っていく必要がありますので、私ども、いろいろな形の、政府広報を初めとした広報はもとより、いろいろな関係業界への説明会等々も通じまして、積極的なPR、周知徹底に努めていきたいというふうに考えております。
#252
○島袋宗康君 高齢化社会の進展の中、増大する高齢者単身・夫婦世帯等の居住の安定を図るため、民間賃貸住宅を活用し、高齢者の身体機能に対応した設計、設備など高齢者に配慮した良質な賃貸住宅ストックの早急な形成を促進することを目的として、高齢者向け優良賃貸住宅制度を法律制度として創設するとされているわけでありますが、その良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅の供給促進のための支援措置の中で、地方公共団体等による供給を促進するため、公団、公社に対する地方公共団体の要請制度を導入することとされ、その際の建設費等補助の補助率で、建設の場合は、公社、公団ともに国六分の一、地方六分の一となっておりますが、改良の場合には、公社改良は、住宅の共用部分等、加齢対応構造等の整備費に対し、国三分の一、地方三分の一に対し、公団改良は、同様な場合、国二分の一、地方も二分の一となっておりますが、これを区別している理由はどういうふうになっておるのか、お伺いします。
#253
○政府参考人(三沢真君) まず公団のケースでございますけれども、地方公共団体が都市基盤整備公団の既存ストックを活用して高齢者向けの優良賃貸住宅の供給を要請するというケース、これがどういう場合にあるかということでございますけれども、これはやはり民間とかそれから、さらには公共団体でもなかなか供給が行えないというのが一つございます。しかも、多分、立地といたしまして一番想定されますのは、例えば公社とかそういう普通のいわゆる既存賃貸住宅ストックの改良で供給も困難な都心部に立地しているような公団住宅、これについて公共団体の方から要請して、ぜひここを高齢者向けの優良賃貸住宅にしてくださいと、そういうケースが想定されるということでございます。
 こういう公団住宅というのは既存のいろいろな形の周りの公益施設なんかも有効活用でき、かつ、入居する高齢者にとっても大変立地の便もいいところでございます。したがいまして、こういう都心部の非常にいい場所の公団ストックの有効活用をできるだけ積極的に進めるということからいいますと、そういう意味でのインセンティブを厚くするということから、国及び地方公共団体が二分の一ずつ負担するということにしております。
 なお、一方、公社の方は、これは民間事業者とのバランスも勘案しながら、改良費用について国、公共団体が三分の一ずつ負担して、あとの三分の一は事業者として公社がみずから負担するという仕組みにしたところでございます。
#254
○島袋宗康君 平成十三年度住宅建設計画戸数を見てみますと、特定優良賃貸住宅は、前年度の四万二千戸に対し十三年度は三万戸と、一万二千戸のマイナスとなっている。これはどういう理由なのか。また、都市基盤整備公団住宅も、前年度一万八千戸に対し十三年度一万六千戸と、マイナス二千戸となっているのはなぜなのか。その辺について、御説明願いたいと思います。
#255
○政府参考人(三沢真君) まず特定優良賃貸住宅の方でございますけれども、低所得者向け、それから中堅所得者向け、それから高齢者向け、それぞれ入居の特性に応じた住宅として、いわゆる公営住宅等予算と、こうくくっておりますけれども、その中で公営住宅、それから今も申し上げました特定優良賃貸住宅、それから高齢者向けの優良賃貸住宅、そういう三つの住宅があるわけでございますけれども、これが全体として、平成十二年度九万四千戸に対して平成十三年度はちょっと若干数は減りますけれども、ほぼ同数の九万三千戸を予算計上しております。
 この中で、ある意味では今回高齢者向けの優良賃貸住宅にかなりウエートをシフトさせたというのが一つございます。十三年度予算では、今申し上げました高齢者向け優良賃貸住宅については、戸数を十二年度七千戸から十三年度一万六千戸にしたということでございます。ただ、一方こういう高齢者向けへの重点化とあわせまして、特定優良賃貸住宅については一つはやっぱり市場動向というのも踏まえながら一万二千戸の減の三万戸ということにさせていただいております。
 それから今度公団の方でございますけれども、これは一昨年新公団に変わりましたときに業務内容をかなり重点化するということで、基本的には分譲住宅等の民間で供給可能な住宅からは撤退するということで、賃貸住宅を含む都市の基盤整備に業務を重点化、スリム化するということをしたことでございます。そういうスリム化という観点から、平成十三年度の住宅建設戸数は対前年度二千戸減の一万六千戸というふうにしているものでございます。
#256
○島袋宗康君 最後に大臣にお尋ねしたいと思います。
 平成十二年六月二十一日の住宅宅地審議会答申の中で、「少子・高齢化の急速な進行と居住に関する不安」という一項目があります。その中で、「我が国においては、少子・高齢化が急速に進行しつつあるが、この人口構成の変化は子育て等をめぐる居住に関する不安を背景としているとともに、老後の住まい方等居住に関する新たな不安をもたらしている側面がある。」と述べております。
 本法案は、高齢者の住居に関する不安に対処しようとするものであるが、もう一方の若い世代の子育てなどをめぐる住居に関する不安にはどのように対処するおつもりなのか、大臣にお答え願いたいと思います。
#257
○国務大臣(扇千景君) 各先生方からるる御審議をいただきましたけれども、少なくとも高齢者の入居に関する現況調査というのをいたしております。それは、なぜ老人が入居できないかとアンケートをとりました一番の大きなものは、高齢者のひとり暮らしで入居できなかった事例が百四十一社で調査しまして百二十九社、九一%が入居を拒否されたと。高齢者のひとり暮らしがこれだけ拒否を受けているということは、私は日本の社会で考えてみればまことに寂しい限りでございまして、また一方、入居ができなかった理由で一番多いのは「体が弱くなったり病気になった場合の対応が難しい」と、面倒を見る人がないということで、これが百四十九社中九十三社で六二%と。
 こういうふうに、一番弱者である人たちが入居を拒否されるという実態から、私どもは今回のこの高齢者の居住の安定確保というものは今必要であると。これだけ豊かになった日本の中で一番弱者が救われない、入居を拒否されると、そうしたらどこに寝ろというのかということになりますので、私は民を圧迫しない程度に少なくとも我々がそういう弱者、しかも先生が冒頭におっしゃいました高齢社会を迎えるという日本の現状において、こういうことを私ども政府としては、今民を圧迫しない程度にしていかなければいけないという、その基本があるということは御理解いただけることであろうと思います。
 また、先生が今子育てについてはどうだというお話がございましたけれども、子育てにつきましても、私どもは今後ゆとりのある良質な住宅の取得を促進するということで、今回は御存じのとおり、私、先ほどどなたかの先生にお答えいたしましたけれども、新住宅ローンの減税制度の創設や住宅取得資金に係る贈与税の特例の税制をお願いいたしました。これもすべからく私は親と子供が一体になれるようにと。一番お金を持っている、少なくとも個人貯蓄の半数以上が六十歳、六十五歳以上ということですから、老後の安心のためにも親子二世帯住宅が可能になるようにということでの、子育てというよりもむしろ老後の安心のためにと言った方がいいかもしれませんけれども、そういうことで今回の法案を御論議いただいて、先生方から貴重な御意見を聞いたものを私は今後行政の面におきましても生かしていきたいと思っております。
#258
○島袋宗康君 終わります。
    ─────────────
#259
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として久世公堯君が選任されました。
    ─────────────
#260
○委員長(今泉昭君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより順次両案の採決に入ります。
 まず、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#261
○委員長(今泉昭君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、高齢者の居住の安定確保に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(今泉昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#263
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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