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2001/05/24 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第11号
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2001/05/24 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第11号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第11号
平成十三年五月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     八田ひろ子君     筆坂 秀世君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     田村 公平君     山下 善彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                鈴木 政二君
                山内 俊夫君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                木村  仁君
                坂野 重信君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       田中 和徳君
       国土交通大臣政
       務官       木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       国土交通大臣官
       房長       岩村  敬君
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省土地
       ・水資源局長   河崎 広二君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  板倉 英則君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
       国土交通省自動
       車交通局長    高橋 朋敬君
       国土交通省航空
       局長       深谷 憲一君
       国土交通省政策
       統括官      洞   駿君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   白石 博之君
   参考人
       住宅金融公庫理
       事        井上  順君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (公共事業の見直しに関する件)
 (中日本航空機事故に関する件)
 (都市再生の在り方に関する件)
 (道路特定財源の見直しに関する件)
 (羽田空港の再拡張に関する件)
 (建設業退職金共済制度に関する件)
 (バス事業及びタクシー事業の規制緩和に関す
 る件)
 (特殊法人等の見直しに関する件)
 (自動車排出ガス対策に関する件)
○測量法及び水路業務法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、厚生労働省労働基準局長日比徹君、国土交通大臣官房長岩村敬君、国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省土地・水資源局長河崎広二君、国土交通省都市・地域整備局長板倉英則君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省鉄道局長安富正文君、国土交通省自動車交通局長高橋朋敬君、国土交通省航空局長深谷憲一君及び国土交通省政策統括官洞駿君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に住宅金融公庫理事井上順君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(今泉昭君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○野沢太三君 自民党の野沢でございます。
 五月二十二日の大臣発言に関しまして、幾つか御質問をさせていただきます。
 国土交通省が発足して四カ月余り経過いたしましたが、国土交通省は、これまでの建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁の四省庁が担ってまいりました国土保全あるいは社会資本の整備、陸海空の交通政策等を総合的に推進しまして縦割り行政をできるだけ一元化して効果を上げよう、こういう趣旨でつくられたものと理解をいたしております。
 そこでお尋ねしたいのは、現在この四省庁統合の効果をどのような形で実現しようとしているのか、大変リーダーシップを持って御指導いただいております扇大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(扇千景君) 野沢先生から四カ月たちましたねとおっしゃられますと、改めて激動の四カ月であったなと、今実感しております。しかも、四省庁統合ということで、本来であれば四人分を一人でしょっているという気がございまして、私にとっては大変荷が重い役目ではございますけれども、多くの皆さん方、また委員長初め当委員会の委員の皆さん方のこの間の真摯な御論議によりまして、二十一世紀にスタートしましたこの日本の国のあり方について、るる御審議いただいていますことに心から感謝と御礼を申し上げたいと思いますし、なお限られた時間ではございますが、通常国会の最終日まで、我々二十一世紀、四省庁統合したメリットがどう出せるのか、また子供や孫の時代に、我々が新しい世紀を迎えたときにどういう国づくりの指針を出したかということが問われるという大変私は分岐点に来ていると思っております。
 そういう意味におきまして、私は当委員会を通じまして、この御論議いただきました御意見というものをより行政に生かしていきたい、そして何よりも、今、先生がおっしゃいました四省庁統合のメリットというものをどこに出せるかと、そのことを私は一番考えまして、国会の日程の合間ではございますけれども、二月から四月にかけまして全国の地方整備局を一巡してまいりました。
 そして、各地域の皆さん方の大変貴重な御意見をいただきまして、その中であらゆるところで計画から事業までは一体的な行政の展開をしなければならないこと、あるいは総合的な交通体系の整備が必要である、また社会資本の整合性、あるいは効率的整備の推進等々、あらゆる御意見を全国の皆さん方から懇談会を通じ、全国の都道府県知事、政令指定都市の市長、そして財界代表と懇談した結果、そういう御意見も尊重しながら、当面私たちは本年度にかける大きな皆さん方の期待というものを、まず本年度、平成十三年度に早期に取りかかれるものとしては何があるか、短期、中期、長期のこの国土交通省のあり方というものをぜひ実行してまいりたい。
 まず本年度短期にしなければならないことは、御存じのとおり道路と鉄道等々、今までの縦割りと言われたものを、少なくとも交通接点の機能強化、これを連結していって、より国民の皆さん方に鉄道と道路等々の結節点を順調に、スムーズに利用していただけるようにと、これが今十三年度、即できることでございます。
 二つ目は、御存じのとおり慢性的な交通渋滞をいたしておりますあかずの踏切、これを何としても都市部の交通混雑解消のためにしていかなければならないというのが二点目でございます。
 あとは、三点目といたしまして、日本は災害列島と言っても過言ではありません。その日本の災害列島の防災分野のIT化を促進する、これが今すぐしなければいけない大事な三つ目の点でございます。
 四つ目は、航空、港湾、鉄道、道路、あらゆるものの連結を密にして、今まで縦割りであって、それらが少なくとも十分以内で港湾から行けるとか、空港から十分以内で幹線道路に入れるとか、一時間以内に主要都市、その連結が悪かったものを直ちにこれは物流の世界水準に日本を持っていくためにぜひしなければならない、そのように考えておりますし、また一つには小泉内閣におきまして、緊急経済対策というのを森内閣の最後に決めまして、私どもに関係ありますところは都市再生本部というものを立ち上げました。これも五月の六日に本部を設置しまして、十八日にこの第一回の会合を、発足いたしました。これによって、私は小泉内閣の都市再生本部にかける熱意というものが結実することを努力していきたいと思っております。
#10
○野沢太三君 ぜひ、国土交通省ができてよかったなと、こういうイメージを持っていただき、かつこれを実績として実現をしていただきたい。私も昔鉄道におりましたこともありまして、このボトルネック踏切とか駅のバリアフリー化なんというのはすぐやっていただきたい、こういうふうに願っておるものでございます。
 そこで、今、大臣からもお話がありましたが、全国十カ所にわたって地方を回ってこられたと、これもまた非常に結構なお話でして、今まで霞が関で奥深くでんと構えまして地方からのお百度参りを聞いていたということから考えますと、大臣みずから現場へ行かれまして地方の御用聞きをなさると、まことにこれはうれしいことでございます。大変、その意味で御苦労さまではございましたが、敬意を表しているものでございます。
 地方にはいろんな意見が今公共事業に対してあるかと思いますが、地方のリーダーの皆さん方の御意見の主な点について二、三お触れいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。
#11
○国務大臣(扇千景君) 全国の皆さん方の私は一番よかったなと思うことは、全国を十のブロックに分けさせていただきました。地方整備局は全国八つでございますけれども、それにプラス北海道、そして関東が大き過ぎますので北ブロックと南ブロック二つに分けさせていただきまして、全部で十ブロックでございます。
 大体一つのブロックに四知事さん、あるいはその中に政令指定都市の市長さん等々お入りになりますので、大体皆さん方がそれぞれ四人から五人の知事さん、じっくり皆さん方の御意見を聞いていただきまして、お忙しい知事さんたちではございますけれども、あえて予定を組んでいただきまして、二時間半少なくとも御意見を聞くという時間をとりました。そのために、知事さん方から、自分たちは自分の県のことは公約して当選してきたけれども、他県との、ブロックの四知事さんの話をこんなに長時間聞くというのも初めての体験だと。
 そして、御存じのとおり、日本列島狭いものですから、川一つとってみても他県にまたがる、道路一つとってみても他県にまたがる、あらゆることがブロックで考えてみると、知事さんたちに全部地図を差し上げました、いつか皆さん方に差し上げたことあるかもしれませんけれども、現在の空港、道路、港湾等々の現状の国土交通省の計画、何年何月にでき上がる、それが十年後というのもそれにかぶせて見えるようにしました。そうしますと、初めてブロックでの御意見を聞いたことが大変よかったと、自分たちの一つの県益だけではなくて日本全体のためにブロックの感覚を持ってこれを対処できるということ。
 それで、皆さん方に言ったんです、このブロックごとの公共工事も順番は皆さんで決めてください、しかもどこを重点にするかも皆さんで決めてください、上から押しつけるのではなくて皆さんからその御意見を上げていただいて、ブロックの知事さん同士で、ここを早くやったらこのブロック全体がよくなるというそういう御意見をきょうをきっかけにして事務レベルでずっとこれを続けてくださいと申し上げました。大変喜ばれまして、そのお見せした地図も、早速ある政令指定都市の市長さんは、こんないいもの初めて見たと、ぜひこれは我が市でも全員に配ろうというふうに言っていただきました。
 そういうことでは、私は、今までは、さっき先生がおっしゃいましたように皆さんが東京へ陳情に来てくださることではなくて、私から出ていって、そして地元の意見を聞いて、これからは公共工事のあり方も、そしてどれが必要でいつまでにということも皆さんの御意見を聞くということで、私は、国土交通省の地方整備局はワンストップサービスの窓口ですから、あっちの役所行ったりこっちの役所行ったりしないで、どうかこの地方整備局の窓口をワンストップ窓口として御利用いただきたいということを言ってまいりましたし、そういう意味では、地方の声を聞き、また地方の皆さんはお互いの意見を聞くという大変有効な場だと一応感謝していただいたり、またそれが本来のあり方であろうという原点に今立っているというのが実情でございます。
#12
○野沢太三君 公共事業のあり方について、国民の皆様から今いろんな御意見が出てきているわけですが、昨年来、与党三党といたしましてもこれははっきりこたえていこうということで、抜本的な見直しをやろうということで、与党三党の合意として二百三十三件の中止勧告を打ち出したわけでありますが、この大部分が国土交通省関係というふうに心得ておるわけでございます。
 二百件近い中止を決めておられるわけですが、このときの考え方というのは、いわゆる時のアセスメントということでやっていただきまして、一定以上の年月を経過したものを見直して中止もしくは計画の変更を行う、こんなことでとにかく工事の節減とそれからむだな努力がないようにと、こういうことでやっていただきましたが、どのような具体的基準でこれを査定されたのか、それからこれからはどういうふうになさるのか、この点についてひとつ副大臣によろしくお願いしたいと思います。
#13
○副大臣(佐藤静雄君) ただいま野沢先生からお話がありましたとおり、昨年、与党三党で一つの基準をつくってやったわけであります。一つには採択後五年以上経過してもまだ着工していないもの、二つ目には完成予定を二十年以上経過してもまだ完成に至っていないもの、三つ目には現在休止されている事業、そして四つ目には実施計画調査に着手しても十年以上まだ採択されていないもの、この四つの基準を与党三党でつくったわけでありますけれども、当時の建設省としまして、それに加えて、採択後二十年以上経過しても継続中の事業で当面事業の進捗が見込めないもの、それを加えまして、そして基準として百八十七事業を中止したわけであります。
 これからまだ公共事業を進めていく上でいろんなことを考えていかなくちゃならぬわけでありますけれども、ただいま大臣からもお話がありましたとおり、地域として地域開発のために必要なもの、そのことによって地域がよくなるもの、費用対効果を望めるもの、そういうものを中心としながらこれから決めていきたいと、そう思っております。
#14
○野沢太三君 特に昨今の公共事業に対する意見の中で目立つ問題でございますが、ダムを一方的に中止する、長年かけて計画し、一部着工までこぎつけたものをだめだというようなことでやらないというお話が出ておるわけでございますけれども、治水、利水その他いろんな観点から、ダムを頭から計画の中から排除してしまうということについては私は不適切ではないかと。日本の地形や自然条件からしたら、これも一つの候補、選択肢としては生かしながら、それぞれの地域の実情に合った計画を立てるべきだと思いますが、これはいかがでしょうか。これは政府委員、河川局長。
#15
○国務大臣(扇千景君) 政府委員から答弁させます前に、一言、今の野沢先生の公共事業の見直しで経緯はどうかという御質問に私追加して申し上げておきたいと思います。
 それは、百八十七の事業を中止するのも、我々は中止しますよと一方的に言ったのではなくて、全国の少なくとも第三者機関でございます事業評価監視委員会、九月から十二月まで全国で三百回の会議を開いて、地元の皆さん、そして第三者機関の意見を聞いて、そしてそれを待って三百回の審議で上がってきたものに対して中止を決定したということでありまして、国土交通省からいきなり中止ですよと言ったのではなくて、全国で三百回の会議をして御了承いただいて中止に至ったということだけはぜひ御認識賜りたいと存じます。
#16
○政府参考人(竹村公太郎君) ダムについてのお尋ねでございました。
 委員御指摘のように、我が国は大変急峻な地形でございまして、雨も大変偏って降ります。ですから、一気に雨が降り、そして川の水がふえ、大洪水になり、そしてその水が一気にまた海へ戻ってしまう、大体二日間ぐらいでどんな多くの雨も海へ戻ってしまうというような厳しい地形でございます。
 こういう我が国が三百六十五日安定的に、そして洪水から守りながら日本人が暮らしていくためには、どうしても水が豊富なとき水をためて、水が少ないときそれを出す、また洪水を防御するというダムが社会資本整備としての根幹的な施設で、日本人の生活を支えてきたと考えてございます。今現存するものでは、六一六年の大阪の狭山池以降、今現在六万八千個のため池が全国各地で営々としてつくられてきたということを見ても、日本人の生活に切って切り離せないものだと認識してございます。
 近年でも、洪水調節に関しましては、昭和六十二年から平成十一年の十三カ年間でダムで洪水被害を軽減した額はおよそ三兆六千億でございまして、これはほぼ過去のダムの投資額に等しいわけでございます。
 今後、このダム、まだ永続して使っていきますので、この洪水調節効果は非常に大きいと考えております。また、渇水におきましても各地で、平成六年の渇水で名古屋は大被害を受けましたが、社会資本整備としての貯水池がある地域は平成六年も悠々、または安全に乗り切ったという実情がございます。
 このようなことから、私どもダムを頭から否定するということではなく、また逆にダムをどうしてもつくらなきゃいけないというこだわった考えではなく、その川ごとに応じた必要な組み合わせ、河川のさまざまな手法の組み合わせでもって地域を整備していきたいと考えてございます。
#17
○野沢太三君 ダムをつくるときから慎重な配慮が必要ですし、現在あるダムの機能を引き続き維持するためにもメンテナンスの技術というのは極めて重要だと思います。
 私の郷里、天竜川水系でございますが、平岡ダムとか三峰川の美和ダム、これらが土砂で相当埋まってきているということもありますので、これを適切に排除したり、それから必要によって排砂トンネルなどの工事を追加したりと、こんな工夫もしておられるようでございますので、これからはダムの維持管理に関する技術、学問をしっかり打ち立てまして、対応を講じていただきたい、これは御要望を申し上げておきたいと思います。
 それから、公共事業を効果的に行うためには、事前事後それぞれの評価というものが大事ですが、特にしっかり効果的に行うためには、事前に事業評価をしっかりやりまして、投資効果とか費用対効果とか、こういったものが十分見込めると、これが大事だと思いますが、これについての取り組みはいかがでしょうか。
#18
○副大臣(佐藤静雄君) 今、野沢先生おっしゃるとおり、公共事業を実施する前には事前評価をするわけでありますけれども、さらに途中での評価、さらに終わってからの評価、三段階に分けてやっていくわけであります。
 国土交通省といたしまして、平成十年から事前評価は実施しておるわけでありますけれども、さらに十一年からは事後評価も実施に移っております。もちろん事業そのものの評価も大事でありますけれども、そのことが周りにどういう影響を与えていくのか、例えば土地がどのような変動をするのか、中心市街地にどういう影響を与えるのか、環境にどういう影響を与えるのか、そんなことも含めて多面的に評価をしながらするという方向でやっております。
 今後とも、事業評価システムの充実に向けて努力していきたいと考えております。
#19
○野沢太三君 ひとつその辺のところをしっかりやりまして、途中で野ざらしになるようなことがないようにしていただきたい、御一緒に努力をしてまいりたいと思うわけでございます。
 そこで、今、小泉総理からもこれは直接お話がございますが、いわゆる特別会計の見直し問題、特定の財源をできるだけ範囲を広く活用するという御指示も出ておるわけでございます。特に国土交通省は幾つか特別会計をお持ちでございますけれども、これらをできるだけ一元的に運用管理して一番効果の高いところから優先的に仕事をする、こういうことが望ましいと思うわけであります。特に交通関係の特別会計だけを見ても、港湾、航空、道路あるいは鉄道、こういった面が有効に管理されるならば相当効果的な仕事ができるように思うわけでございます。
 常識的に見ても、結婚して世帯が一緒になったら財布も一緒にする、これが常識ではないかと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(扇千景君) 今、野沢先生のおっしゃることが、私は二十一世紀型、国土交通省になった効果というものは、そういうところに出てくるのではないか、そういうふうに認識はいたしております。
 ただ、その中で私たちは今後検討しなければいけない問題としては、特別会計の中で、鉄道、港湾、道路等々、三つに分かれております特別会計を、そのためにということでとったものを果たして一緒の財布にしてどこへどう使ったかわからないということがどの程度国民に開示できるか、一緒になっちゃったら全部どんぶり勘定で、最初にとった金がどこへ行っちゃったかわからないというのでは私は特別会計にした意味がないと思いますので、その辺を情報公開する。そして、どこに入ったものがどこに出ていったかということを明示するというこの制度がなければ、財布を一緒にして、もうどんぶり勘定でどこへ何に使ったかわからないということになってしまったのでは私は本末転倒になると思っていますので、そういう意味では私は、一体的にすると今、野沢先生がおっしゃいましたことは、私たちにとっても大変大事な問題点であると思っております。
 私は、あらゆるところで、今回も国土交通省、こういうことを契機にマルチモーダル交通体系連携整備事業という、名前は難しいんですけれども、要するに一体化して頑張っていこうという、こういう事業の計画も出しておりますので、今後この特定財源につきましては、今までの果たしてきた役割あるいは今後の必要性、また目的や歴史的な果たしてきた意義というものを考慮しながら、今、先生がおっしゃいましたように、二十一世紀型にきちんと私どもは考えていきたいというふうに考えていますので、ただ、不明瞭にならないようにだけはしなければならないと思っています。
#21
○野沢太三君 私どもも大いに期待をいたしておりますので、どうかひとつ国土交通省がよそから言われる前に、自主的にこうしたいというような案が出てくることが一番望まれるんじゃないかと思うわけであります。
 そこで、さはさりながら、私どものこれからの見通しを考えますと、公共事業費全体が相当厳しい査定を受けるんじゃないか、中期展望三十三兆というのが出ておりますけれども、総理おっしゃいますように三十兆で切るとすると三兆円くらいを切り込まにゃいかぬ。そうすると、社会保障費、公共事業費、あるいは地方交付税の問題等々あるんですが、公共事業も例外ではない、聖域はないということになってきております。
 そこでひとつ工夫が要るわけですが、PFIの手法というのが公共事業の進め方にとって大変これは有効であるということで、自由民主党でも勉強会をしまして、イギリスその他発祥の地まで視察団を出して勉強するというようなこともやってきておるわけでございますが、国土交通省としてはこのPFI手法をどのように取り組んでいこうとなさっておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
#22
○副大臣(佐藤静雄君) 野沢先生は自民党のPFIの会長代行をされているわけでありますし、長いこと非常に積極的に勉強されてきているわけであります。
 今お話ありましたとおり、公共投資が非常に厳しくなってくるときにPFI事業というものを何とかしてもっと多くしていきたいと、そういう考えで今取り組んでいるところであります。そのために国土交通省といたしましても、もう今までも相当取り組んでおりますけれども、港湾施設事業ですとかターミナル事業ですとか観光施設ですとかいろいろなことをやってきておるわけでありますけれども、そのために予算の面や、それから無利子融資ですとか財投の面ですとか税制ですとかいろんなことをやりながら、民間の方々がPFI、さらに地方自治体が一緒になって取り組める、そのためにセミナーを開いたりいろんなPR作戦をやったりして、今やっている最中であります。
 今後とも、地方公共団体におけるPFI事業の具体化に向けて一層真剣に取り組んでいきたいと考えております。
#23
○野沢太三君 PFIの手法はおっしゃるとおり、地方の自発性と民間のやっぱり意欲をどう引き出すか、ここがもうかぎになるわけでございますので、ぜひそれらに関するノウハウを十分ひとつ国土交通省の方でリードしていただきたいな、こう思うわけでございます。
 そこで、もう一つ次の問題へ移りますが、衆議院の予算委員会におきまして整備新幹線、今度新たに着工になる区間が北陸、九州等でありますが、これを凍結したらどうかというような趣旨の御質問が一部から出ておるわけでございますが、新幹線こそもう比類なき安全な乗り物であると。開業以来六十二億を運んでもう一人も乗客の死人はない、あるいは毎年三億一千万の人を運んでもこれも無事故でやっておるわけでございます。安全とそして省エネ、それから環境、さらには経済効果等々、大変効果のある事業であると。私は新幹線こそ交通の構造改革ではないかと思うんですが、大臣、この新幹線に対するお考えについてお聞かせいただければ幸いです。
#24
○国務大臣(扇千景君) 整備新幹線についてお尋ねがございましたけれども、野沢先生は特にこの整備新幹線、御出身の御経歴から見ても、一番熱を入れて全国の整備新幹線の強力な牽引者でいらっしゃることはだれも認めるところでございますけれども、少なくとも昨年の十二月、新たに政府・与党申し合わせというのがなされました。十二月十八日のことでございます。
 その一節だけ引用しますと、新たな区間の着工に関しましては「既に着工した区間と同時開業の望ましい区間について新たに着工することを優先する。」、この一言が政府・与党の申し合わせの中に一行あります。
 私は、れは大変重要なことだと思います。そういう意味では、いろんな皆さん方の今までの努力の中から、ある人たちは私にこう言います、扇さん、今残されているところはどうせ開業しても全部赤字路線だよ、それでもやるのかと、赤字路線だってわかっているから今までおくれたんだよと、こうおっしゃる方もあります。ただ、私は、必ずしも収益は開業したとき上がらなくても、開業したことによってその地域の経済効果がどれほど上がったかということを加味して考えるというのが政府なり国会議員の役目であろうと。
 ただ、そこだけが赤字だからといっても、それに附属した経済効果というものもある意味では地方の経済の活性化のためには考えなければいけない。トータルな日本の国土のあり方というものが、私そこが原点だと思っていますので、そういう意味も込めてグランドデザインをつくりたいと言い続けた、これが真意でございますので、その辺は野沢先生は一番よくおわかりだと思います。
#25
○野沢太三君 整備新幹線は赤字になるという誤解、偏見、迷信がございますが、私どもはこれまで十有余年の勉強会の中で、すべて採算がとれる、そして、国費、上下分離という方式を入れまして国が三分の二、地方三分の一、公共事業方式によってインフラをつくって、利用されるJRは受益の範囲の負担だけでいいと。金輪際赤字が出ない仕組みにしてあるわけです。そして、国と地方の負担については、それぞれ発生する経済効果によって十分償還が自力でできるということも検証済みでございます。
 佐藤副大臣も大変御貢献をいただいておりますので、よくおわかりの方が政府側に入られたということで大変期待もいたしておりますので、ぜひひとつ強力に御推進をいただきたいと思います。
 あと一分ありますので、ちょっと御質問をもう一つ追加しますが、先般の五月十九日に発生しました中日本航空の訓練空域におけるヘリコプターとセスナの衝突事故でございますが、あの訓練空域というのは人家密集地帯の上にかぶさっておるんですけれども、三重県の北川知事もどうもこれは心配だと、この見直し変更の必要があると思うがどうかということですが、よろしくこれについてお答えいただきたい。航空局長さん。
#26
○政府参考人(深谷憲一君) お答え申し上げます。
 五月十九日に発生しました事故につきましてのお尋ねでございますけれども、訓練飛行中でございましたが、一般の訓練飛行において行います操縦操作、これは通常の離着陸、あるいは上昇降下、旋回などでございますけれども、訓練飛行がその他の一般の飛行に比べて特に危険なものというふうには考えておりませんけれども、今回の事案の事故原因そのものにつきましては直ちに航空事故調査委員会が現場に赴きまして調査をされておられますが、私どもといたしましては、事案の重大性にかんがみまして、中日本航空におきましては当方からの要請に基づきまして訓練飛行の自粛を現在行っております。
 国土交通省といたしましては、再発を防止するため、訓練空域の中で訓練飛行を行う航空機が一定の時期に一定の場所に集中するというふうなことを避けるための空域管理でございますとか、運用方法などにつきまして種々の検討を加え、鋭意取り組んでおります。成案を得て、速やかに実効ある再発防止のための安全対策を実施してまいりたい、かように考えております。
#27
○野沢太三君 終わります。
#28
○松谷蒼一郎君 国務大臣としての扇大臣に伺います。
 小泉内閣の一員として、重要な閣僚として現在活躍中でいらっしゃいますが、四月六日に緊急経済対策が閣議決定をされました。その後、内閣がかわりました。内閣がかわりましたが、この緊急経済対策につきましては全く変更はありませんか。
#29
○国務大臣(扇千景君) 今まさに先生がおっしゃいましたように、四月の六日に緊急経済対策、これを発表いたしました。
 それは、変更がないどころか、この緊急経済対策をより一層緊急という言葉に即した対応をしようということで、新たに小泉内閣の中では緊急という言葉に対応した行動をとろうということで、御存じのとおり、先ほども申しましたけれども、特に緊急経済対策は内閣に、小泉総理を本部長とし、そして以下関係十五大臣が構成します都市再生本部、これは緊急経済対策の四つ目の都市基盤整備と書いてありましたものの具体化でございましたけれども、その都市再生本部の第一回会合を五月の十八日にいたしました。
 総理が本部長、私とそれから官房長官が副本部長ということで、こういう意味では強力に推進していこうということで、内閣がかわってより一層小泉内閣はこのことに真剣にお取り組みいただき、我々も、また私自身も副本部長として十分にこれを今生かしていかなければ日本の都市再生はないと、それくらい覚悟をしながら頑張りたいと思っています。
#30
○松谷蒼一郎君 変更はないどころか強力に実施をしていくと、こういうお話でございました。
 それで、この中にはいろんな提言がございますが、その中の一つとして、国土交通省に関連があることでありますが、「二十一世紀型都市再生プロジェクトについては、都市再生本部における選定を経て、その立上げ・推進に当たり、必要な資金を適切に確保する。」、こういうことになっております。
 したがいまして、選定がまずあるわけでございますが、二十一世紀型の都市再生プロジェクトの選定について、その選定基準、手続、範囲、あるいはいつまでに選定をし公表するのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(扇千景君) 緊急経済対策につきましては、その緊急経済対策には、特に環境と防災と国際化等の視点から都市の再生を目指す二十一世紀型の都市再生プロジェクトを具体的に選定するというふうに決められております。
 では、その具体的な選定の中身は何か、重点的な推進を図ることは何かということでございますけれども、この二十一世紀型の都市再生プロジェクトは、私が先ほど申しましたように、全国を歩きまして全国の皆さん方の声を公共団体や民間の英知も結集しながら、まず六月から七月にかけまして緊急課題に対応するプロジェクトの選定を行います。
 それで、こちらで一方的に決めるのではなくて、皆さんの英知と、しかも今度は東京都の副知事さんも組織に入っていただきまして、あらゆる地方自治団体、そして多くの民間も入っていただきます。そういう人たちの英知を集結いたしまして、六月から七月にその選定を決める、プロジェクトの大きな原型をつくるということでございますので、六月から七月までと言っておりますけれども、早いうちには個々のプロジェクトは一つずつ出てくると思います。少なくとも六月から七月じゅうということでございますので、ぜひ御協力も、また松谷先生も御意見があればぜひお寄せいただきたいと思っております。
#32
○松谷蒼一郎君 大体幾つぐらい、そのプロジェクトを選定する方向でございましょうか。
#33
○国務大臣(扇千景君) まだその点では幾つということは言えませんけれども、私がいつも申し上げておりますことは、例えば国際都市というような言葉を使ったときに、果たして国際都市の要件は何なんだろうかと。そういうことも含めて、国際都市というのは、国際空港があり国際港湾があり、そして高速道路があり大都市があり、そこに十分以内に連結できるような整備ができている。そういう国際的な基準というものが、基準というと変ですけれども、欧米先進国ではそれらがすべて九〇%台達成できている、ところが日本は四四%だと。それでは国際的に倍の、あるいは半減の力しか持っていないのをいかに再生させるかというのが原点です。
#34
○松谷蒼一郎君 都市再生については、いろいろな観点からの切り札というんでしょうか、そういうのがあると思いますが、もちろん道路その他、後ほど質疑をいたしますが、ありますが、やはり大都市においては住宅及び都市再開発、これは非常に重要なことではないかというように思います。
 この緊急経済対策の中にもいろんな観点からうたってはあるんですが、例えば(3)の「土地の流動化」、Aの「都市再生、土地の流動化のための規制改革等」とあります。最後のところにこのAで「市街地再開発事業の施行区域要件における経過年数規定の短縮化について検討を行う。」と。何か随分みみっちいような話で、これはもちろん規制緩和の一環ではあるし、経過年数というのは本当に再開発事業を行うときにはいろんな障害になる部分もありますが、もっと大きな、大胆な提言を内閣として打ち出すわけですから、そういうものはないんでしょうかね。
#35
○国務大臣(扇千景君) 今、松谷先生がおっしゃいましたことが大変重要なことでございまして、国土交通省になったからできるということを私はこの中に入れなければならないと思っています。
 それは、住宅と今、先生ちらっと言葉になさいましたけれども、建物の容積率緩和だとか高さ制限の撤廃とか、そういうことをする前に都市整備計画というものができています、そして予定された道路があります。まずその道路を、道路幅を広げるという都市計画があるのに、それが何十年たっても達成できていないんですね。ある一定のところまでできているけれども、そこでもうストップしてまた建物があると。まず道路の都市計画どおりの整備をしなければ容積率の緩和も高さ制限の緩和もできないということになりますので、都市計画を計画いたしますときには、まず今都市計画、いろんな、東京も名古屋も大阪も全部あります、都市計画。その地方の都市計画に予定されております道路整備をまずしなければ、高さ制限を撤廃して高いものを建てても、じゃ消防車が走れるのかと。それでは何にもなりませんので、鉛筆のような建物ばかりをつくることが都市ではなくて、私はまず基本的に、道路整備がきちんと引かれた地図のとおり、今おくれている実行を促進するだけでも私は都市計画の大きな第一歩になると思っています。
#36
○松谷蒼一郎君 ぜひ大胆な提言をやっていただきたいと思いますが、都市再生というのは、都市というのはでは何かと。それは、大都市もあれば中小都市もあります。しかし、やはりこの際一番、最も重要なのは首都としての東京であろうというように思います。東京には国際空港の問題とかいろいろな問題がありますが、やはり都民の生活に大変影響を持っておるのは道路であるというように思います。都市再生に当たって、その根幹となる道路の整備は極めて重要であるというふうに考えておるわけであります。
 こういうようなことで、国土交通省は三環状九放射による自動車専用道路のネットワークの実現が重要であるという政策をきちっと打ち出しております。ところが、放射方向の道路は約九割方整備されておりますが、環状方向の道路の整備率が約二割ぐらいと大変低いわけで、そのために非常に道路の渋滞が現存しているというのが実情であろうかと思います。
 特に東京外郭環状道路の整備がおくれているわけでありますが、埼玉県の区間はもう既に供用されている。千葉県の区間も事業中という状況でありますが、東京都の区間、都内の区間がストップされている。昭和四十一年に都市計画決定をされましたが、地域分断や自動車公害を引き起こすんじゃないかということで大きな反対運動があって、これらを背景に、昭和四十五年に当時の根本建設大臣だと思いますが、建設大臣が地元と話し得る条件が整うまでは強行すべきでない旨の発言をいたしました。それによってこの三十五年間都内における外環状道路の建設が放置をされた、放置状態にあったということで、そのために地域活性化の低迷を初めとして非常に渋滞があったというような状況であります。
 この東京外郭環状道路の都内の区間が整備されますと、関越道路から東名高速まで現在環状八号線を使って、道路を経由しておりますが、現在のところ一時間三十分ぐらいかかると言われておりますが、外環状が完成すればわずかに十二分で行けるというように非常に走行速度の改善が見られるわけであります。走行速度が改善されれば、当然環境に対する改善効果が顕著にあらわれるわけであります。
 したがいまして、何とかこの外環状道路が事業実施されるような環境が醸成できないかというようにかねがね思っておりましたら、平成十一年に石原東京都知事が外環状の現地を視察しまして、それを契機として地元関係者との話し合いを開始されましたというように聞いております。また、本年一月十六日には、昭和四十五年の建設大臣の発言以来初めて、扇大臣が率先をして、まさに快挙でありますが、外環状の現地視察をされました。また、四月十三日には外環状の地下計画のたたき台が公表された。地元への説明を本格的に開始されると聞いております。石原都知事、扇国土交通大臣という二人のすばらしいリーダーシップを持った方があらわれて、初めて外環状道路が長い冬眠から目覚めつつあるような感じがあります。
 そこで伺いますが、やはりこの外郭環状線というのにはいろんな経緯がありました。したがいまして、過去の反省に立った外環都内区間の取り組みについて大臣はどのような見解をお持ちか、伺いたいと思います。
#37
○国務大臣(扇千景君) 大変、松谷先生から適切な御説明と、そしてまた激励をいただいたような気になっておりますけれども、私は何よりも、やっぱり地元の皆さん方のもうそろそろ何とかといういら立ったお気持ちがあることも事実でございます。しかも、今、松谷先生は、私が現地へ行ったことが三十三年ぶりで快挙だと言ってくださいましたけれども、私は快挙ではなくてこれが当然のことだと思っておりますので、快挙でも何でもなくて、私は絶えず皆さん方と私たちとの対話というものがあってしかるべきであったと。また、それが今までなかったこと自体が大変私は残念で遺憾なことだと思っておりますので、あえて現地に行かせていただきましたし、また当然だと思っておりますことをまず御認識賜りたいと思います。
 そして、この二十三区内を、東京都内を走行いたします車の一四%が、この二十三区内に用事のない車が、これがないためにわざわざ二十三区内に入ってきてまた出ていくという、いわゆる二十三区内を通過するだけの車が一四%あるわけですね。ですから、この緩和状況というものは全然改良されない。大変そういう現状に至っておりますし、今、先生がおっしゃいましたように首都圏の三環状九放射線がございますけれども、御存じのとおり三つの環状道路につきましては大体供用延長ができていますけれども、まだその計画延長に対する供用延長が約二割にしか達していないという大変私は残念なことになっていると思いますので、少なくとも私は、今まで当時の三十三年間の凍結されているこの現状はやはり都市計画自体にも手続が一方的であったのではないかなと。
 先ほども、今後の公共工事のあり方で事前協議を重要視するというのが国土交通省の新たな考え方だと言いましたけれども、考えてみればやはりこの都市計画を一方的に住民の話し合いがなくて線引きしたこと自体にも私はやっぱり反省するべき点はあったと思います。けれども、三十年以上こんなに長きにわたりまして、地元の皆さん方も計画されて、その道路で、私も現地に行きましたら、扇さん、これ建てかえるにも建てかえられないんですよ、子供たちと一緒に住みたいから二階建てを三階建てにしたいんだけれども指定されているからできないんですと。
 そういう意味では、大変住民の中にも御不便をおかけしておりますことを本当に私は遺憾なことだと思っておりますので、何とか私は四月十三日、要するに外環の関越道から東名高速までの間について高架構造あるいは地下構造への具体的イメージとなる計画のたたき台を東京都とともに取りまとめて公表したところでございますけれども、これをもとにまた計画を出しまして、住民の皆さん方の御意見を聞いて、これを計画の中に取り入れていきたい。まず住民の皆さん方のいろんな御意見をいただくということが大事なことでございますので、そういう意味では原点に立ち返って私たちは話し合いの場を設置いたしまして努力していきたい。それが私は、今、先生が冒頭におっしゃいました東京の活性、そしてあるいは経済効果、あらゆるものに寄与してくる、また環境を優しくするという二十一世紀型のソフトにも寄与する面があると思っております。
#38
○松谷蒼一郎君 大変きちっとした決意をいただきまして、本当にありがとうございました。私も都内に住んでおりますので、この外環状道路が一日も早く完成することを望んでおります。
 重ねて大変申しわけないんですが、お伺いをいたしますが、これからの計画策定では住民を含めたより多くの方々の参加のもとに新たな取り組みをすべきと考えますが、いかがでございましょうか。
#39
○国務大臣(扇千景君) 先ほどもお答えいたしましたように、やっぱりこの年月がかかったことには最初の話し合いが足りなかったなという反省があると申しましたのは、私は住民の皆さんにそういうお気持ちがあろうと思います。また、私もそういうお声も聞きました。ですから、私は少なくとも今度は原点に立ち戻りまして、皆さん方の、また賛成していらっしゃる方もあるし、いまだにまだ御理解いただいていない方もあるんです、それは現実でございます。
 ですから、私は原点に立ち戻って、少なくともこのためにより多くの皆さん方と話し合いの場を設置しまして、そこで多くの皆さんの御意見を聞いて、そして一日も早く三十年を取り戻すような私は新たな出発点を皆さんのこの話し合いの場から出していただきたい、そう願っております。
#40
○松谷蒼一郎君 ぜひこの三十五年間の空白を取り戻していただきたいというように思います。
 ところで、当然外環状自動車道の建設、これは国費が相当かかるわけであります。これは、道路特定財源をもってその国費は充当をされていたと思います。今、小泉内閣になりまして、道路特定財源の見直しが言われております。
 これにつきまして、道路特定財源の見直しについて国土交通省としてどういうような見解をお持ちか、見直しの方針というものがもしあればお伺いをいたしたいと思います。
#41
○国務大臣(扇千景君) 今、私はこの緊急経済対策の中、あるいは経済の再生等々を考えて、小泉内閣になりましてどうしても聖域なき改革と、また二十一世紀の新たな維新、二十一世紀維新という小泉内閣の言葉がございますので、聖域なきということであれば、私はあらゆることを考えていくというのが国土交通省としても当然のことであろうと思っています。
 特に、道路特定財源という言葉を先生がお使いになりましたけれども、私は道路特定財源、少し誤解の部分もあるんですね。今、道路特定財源も幅広く、あるいは鉄道との結節点にも使っていますし、都市再生、駅前広場、駅前のまちづくりにも使っていることは事実なんですけれども、その概要が改めて国民の皆さんにも知られていない部分もございますけれども、聖域なき構造改革なんですから、当然これは対象にはなると。
 ただ、私が申しておりますのは、国土交通省として、去年の公共事業と同じですけれども、私は五月中に国土交通省として何らかの見直しをする、それは多くの皆さん方が今まで道路特定財源によって二十世紀の今日ができたということは認めていただいている。ですから、歴史的な背景とか、あらゆる今までの経緯を勘案し、その果たしてきた役割を認めつつも、今後はこの都市再生本部というものができましたので、そういうところでどのように方向性として持っていけるのか。
 ただ、目的税という言い方をすれば変ですけれども、これは目的をつくった特定財源ですから、それをどこまで他に転用するというか、範囲を広げるということが国民に理解を得られるかと。これも私は大きな論点であろうと思いますので、少なくとも今月中にそれを国土交通省として取りまとめさせていただくと。しかも、小泉内閣では通常国会六月とおっしゃっていますので、その前に国土交通省としては何らかの独自の原案を出していきたい、そう思って皆さんにそのときにもそれに対しての御意見をいただきたいと思っています。
#42
○松谷蒼一郎君 大変重要な御発言でありまして、道路特定財源の見直しについて国土交通省としての一つの考え方を打ち出していく、それによって内閣でいろいろ検討をしていただく、そういう方向は非常に私はとるべき方向ではないかというように思います。
 そしてまた、最初に大臣がお話しされましたように、答弁されましたように、道路特定財源というのは道路だけやっているというような誤解は確かにあるんですね。ところが、今お話しのあったように駅前広場とかあるいは国際空港へのアクセスの道路であるとか、いろんなものに今はかなり大きな範囲を広げてやっております。そういうことのPRも重要であると思いますし、やっぱりこの道路特定財源の中身について一番御存じなのは扇大臣だと。小泉総理は果たしてどこまできちっとおわかりの上に発言されているのか、あるいは塩川財務大臣がどこまで理解されているのか、その辺私はよくわかりませんが、かなめは国土交通大臣である扇大臣でありますから、ぜひきちっとした提言をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上で、終わります。
#43
○寺崎昭久君 私は、本日、道路特定財源制度と有料道路事業という我が国の道路に係る二つの柱を軸にして、またそれに係る道路行政についてお尋ねしつつ、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 このところ、にわかに道路財源の見直しがクローズアップされております。道路特定財源というのは、道路整備特別措置法が制定されて以来およそ四十年たっているわけでありますから、その功罪を論ずる、あるいは既に私の目から見ますと道路財源の趣旨に反して使われているのではないか、つまり一般財源化されているのではないかとおぼしき使われ方もありますから、そういったことも含めて見直すのは大いに結構だと思います。
 ただ、この際忘れてならないのは、ただいまも指摘がありましたけれども、この道路財源が受益者負担の原則で自動車利用者を納税者として確保されているということ、あるいは道路整備五カ年計画を達成するために暫定税率が適用されているというような事実があること、また二重課税という問題もあり、そういったものを棚上げにして単なる使途の拡大、すなわち一般財源化というような議論に矮小化してはならないのではないかと思います。さらに言えば、本四架橋やアクアラインといった有料道路事業が抱えている巨大な、巨額な債務の問題、これをどうするのかというようなことも見過ごしてはいけないと思います。また、自動車には現行九種類もの税金が課せられております。自動車利用税は既に過重な税金を強要されているということも指摘しておきたいと思います。
 こういった問題はおいおい尋ねるといたしまして、まず国土交通大臣にお尋ねいたしますが、今月の十五日の閣議後の記者会見で、道路特定財源の見直しを含め、私自身の判断で早急に結論を出したいと。ただいまの答弁では、月内に一定の方向を出されるというお考えのようであると伺ったわけでありますけれども、その際の見直しというのは、現行税制の問題点や課題を含めて抜本的な見直しをお考えなのか、あるいは単に使い道について考えをまとめられようとしているのか、そこのところをはっきりさせなければいけない。
 何が現行税制の問題点かということを一、二申し上げてみますと、自動車取得税と消費税との二重課税の問題、あるいは本則に上乗せするような格好で暫定税率が四半世紀もそのままにされているということ、それから自動車重量税は残存期間に応じて還付されるべきなのにそのまま放置されているということ、また車体課税が諸外国、例えばアメリカに比べても三・五倍というように非常に高いというようなことを放置して、道路財源の使途だけを広げるというお考えでもしあるとすれば、これは改革でも何でもない。単なる御都合主義、つまみ食いというそしりは免れないんではないかと私は考えているわけであります。
 したがって、この際、拙速を避ける。一定の検討期間を定めて、その中で道路財源制度が抱えている諸問題を掘り下げて、自動車関係諸税全体の抜本的な見直しをやり結論を出すべきであると思っておりますので、五月に結論を出されるというのは結構な心構えでありますけれども、つまみ食いとか御都合主義の見直しにはしていただきたくない。この辺についての御見解を伺いたい。
#44
○国務大臣(扇千景君) 今、寺崎先生も大変重要なことを指摘されたと思います。
 受益者負担という御理解のもとに今の特定財源が使われ、徴収され、しかも今、先生がおっしゃいましたように、あらゆる面で税を課し、国税三税、地方税五税、そしてなおかつ暫定税率という御存じのとおりの暫定税率を課して、そして二倍強の暫定税率ということも、国民の皆さんが自分たちは通るから仕方がないんだという、やむを得ぬ御理解のもとに今御理解いただいているわけでございます。それを今、先生がおっしゃいましたように、言葉は悪いですけれども、じゃそのために目的として自分たちは払ったんだと、この過重を納得して納めているんだと、それを違うところに使うんだったら僕たちに還元してほしい。私は当然のことだろうと思うんですね。
 ですから、そういう意味も含めまして、私は国土交通省としてどうあるべきかと。ですから、今、先生が、多くのユーザーはそれを受益者負担だから仕方がないんだと、だから暫定税率も二倍も取られているけれども納得しているんだと、まあ納得はしていないでしょうけれども渋々でも我慢しているんだと。そういうことであれば、そういう税のあり方、特定財源の果たす役割、歴史的なもの、確かに今日まで日本をつくってきた、特定財源によりこれだけ便利な日本になったということも私は多くの皆さんが納得していただいてやってきたと思うんですね。
 けれども、先ほど松谷先生がおっしゃいましたように、今は道路以外にもかなり多く使われているということもまた多くの皆さんにまだ知られていない部分が、これは旧建設省か運輸省か、PR不足だったんだろうと思いますけれども、今まで縦割りだったからそういうことを世間にアピールできなかった。でも、今度は国土交通省になって一緒になったんですから、これも四省庁統合の利点で、こんなことにもできています、駅前広場のまちづくりにもということも外に出せるようになった。それもこれも特定財源の活用が円滑にいくようにと多くの皆さんの御理解を得られるということからやってきたわけでございますから、私は今からそれをどこへ転用するとか、新聞に書かれていますように何か一般財源にしてしまうとか、そんなことを私が言ったのではみんな作業できません。私が縛るつもりはありません。
 ですから、先ほど申しました、より多くの皆さんの御意見を聞いて、地方自治団体の皆さんももう既に私のところへいろんな声が来ています。ですから、さっき申しましたように、地方懇談会、あらゆる全国の知事さん、政令指定都市の首長さんの話を聞くのもこういうことでございますので、より多くの皆さんの意見をそれぞれの地方整備局からも聞いていただいて、そしてユーザーの皆さんの声も入れて、私はどういう方向に持っていけるかなということで、最終結論を出すわけではありません、まず国土交通省で現段階でできることはここまでできるというのを取りまとめていきたいということでございます。
#45
○寺崎昭久君 大臣の今の答弁で、私は少し安心いたしました。ぜひ、むだな公共事業の温床になっているというような国民の批判もあるわけですから、そういう批判に耐えられる、そして納税者が納得できる改革を行っていただきたいと、そのように思っております。
 ところで、五月十六日の衆議院の財務金融委員会で財務大臣が、現在の道路五カ年計画では用途拡大で対処するが、新しい計画になるときは必要なら法改正をするという御意見を述べたやの報道がありました。私はこれを聞いていて、果たして道路整備五カ年計画と関係なくそんなことを言ってよろしいんだろうか、あるいは道路整備五カ年計画というのは、現在は社会資本整備審議会等の議を経て閣議決定をされているというような手続が一般的のようでありますけれども、そういったところとの関係は考えずに発言されていいんだろうか。大体、この五カ年計画とかあるいは道路特会の所管部署というのはどこなんだろうかというようなことを大変疑問に思ったわけでございます。
 ということから、見直しの主体はそれじゃだれが主導されるのが適当なのかということにもなるわけなので、改めて道路五計、道路特会の所管部署はどこなのか。それから、このような道路財源の確保だとか使途の拡大だとか法改正だとか税制にかかわる問題について、これは国土交通省が容喙すべき問題ではなくて財務省の専権事項である、余計なことを言いなさるなと、こういうことで議論が進んでいるのか、伺いたいと思います。
#46
○国務大臣(扇千景君) 私は、財務委員会でどういう御発言があったのかはよくわかりません、私も委員会をしておりましたので。
 ただ、今、寺崎先生がおっしゃいますように、予算委員会での財務大臣の発言を聞いておりましても、大体そのような、大ざっぱですけれども、ちょっと真偽をはかりかねるような御答弁があったことは、私もそばで聞いておりまして真意はどこにあるのかなということは考えましたけれども、まだ本格的に私は財務大臣と討議をしたことはございません。まだ小泉内閣が発足してそれぞれ個別の案件に対して論議したことはございませんけれども、今、先生がおっしゃいましたように、道路特定財源の例えば整備緊急措置法の改正に当たって、それは少なくとも私と話をしなければできないことで、財務委員会でするのか国土交通委員会でするのかというと、私はこっちになると思うんですね。ですから、金のことは全部私よということではなくて、旧大蔵省解体のために財務省になったと思っています。
 ですから、私はそういう意味では、話し合いがなくて、それはちょっと乱暴過ぎないかなと。論議することは当然ですけれども、私に相談なくは実行されないと思います。
#47
○寺崎昭久君 平成五年の揮発油税と地方道路譲与税の税率改定を行った際に、これはたまたま例で申し上げるんですが、時の大蔵大臣は、「第十一次道路整備五カ年計画に必要な財源確保等の観点から、」と趣旨説明をされております。こういうことをお聞きする限りは、まず道路整備五カ年計画があって、それに必要な財源の手当てをするということなんですが、昨今言われている見直し論というのはこれのちょうど逆みたいなことになっているんですね。
 まず財源をどうするかというような話が先になって、道路整備との関係というのは無関係に言われているから混乱しているんだと思います。それが今回の論議の焦点が定まらないで混乱している原因ではないかと思うわけでありますが、本来だったら道路整備五カ年計画の見直しがあって、それに対応した財源の見直しが行われる。もし財源に余剰が生じるのであれば、一たん特定財源制度の税率を縮減するとか、あるいは税目自体を廃止するとかいうのが筋道、道理であろうと思います。
 ということであると、今、大臣がおっしゃられたように、財務大臣の御発言というのは、まして国土交通大臣の先に云々されるというのは少しやり過ぎではないか、行き過ぎではないかと私も怒っております。ただ、最近の議論の中で、ひょっとするとこれは財源の分捕り合戦になるんじゃないかというような懸念もしているわけでございます。ぜひ分捕り合戦にならないように、国土交通省としては筋を通した見直しを行っていただきたいと思っているわけでございます。
#48
○国務大臣(扇千景君) 先ほど松谷先生にも申し上げましたけれども、小泉内閣が聖域なきという言葉をお使いになったり、二十一世紀維新というお言葉をお使いになっていますので、私はそういう意味では何を手をつけない、こっちは手をつける、そういう考え方ではないということだけは小泉内閣の一員としては考えなきゃいけないと。
 論議をすることは大いに結構。ただ、結論を出すまでにはお互いの意見交換がなければそれは民主主義じゃありませんし、何のために国会議員の皆さん方と論議するのかわかりませんので、それは私は手順としては議論するというのが原点であるということだけは肝に銘じて、小泉内閣としても私は守っていかなければならないことだと思っています。
 ただ、今、先生がおっしゃいました道路五カ年計画に関しましても、必要な財源についてあらゆることを論議したのは私も承知しております。けれども、そのときに一般財源も含めて検討した上で、なおかつ揮発油税とか自動車重量税の道路特定財源についてなお足らざるところを暫定税率を設定した、こういう経緯がございますから、私は今、先生がおっしゃいましたように、これはわかっているんだろうなと、わかっているからこうしたんですから、私はそれを、何かするときにはやっぱりまた決めたときと同じように論議がなければ、去年の私が公共工事の中止をするときにも中止と一発で決めたんじゃなくて、全国で三百回も会議をして、事業認可するときと同じ、逆の手順をとって決めたと、やっぱり物には順序がございますから。
 そういう意味で、今の五カ年計画は十五年まで達成になっていますけれども、もう少し私は、これを論議することは聖域はありません。けれども、結果を出すまでには経過が必要であると思っております。
#49
○寺崎昭久君 今の点について、もう少し突っ込んで伺いたいと思います。
 小泉総理は五月二十一日の自民党役員会に、道路特定財源の見直しを指示したと報道されております。国土交通大臣も、参議院予算委員会で月内にも具体的な中身の見直しを行うと御発言されているわけでありますが、この限りで言うと、与党の中の議論がどうなっているんだろうか、あるいは与党と政府との関係がどうなっているのかというのは私たちには伝わってまいりません。
 保守党の党首でもあられる国土交通大臣に、ぜひ連立与党内でこの問題をどう扱うべきだと考えているのか、また与党と政府の間ではどのような場で話し合いをされる、調整されるべきだと考えておられるのか、伺います。
#50
○国務大臣(扇千景君) 今、自由民主党の与党内で話されたということと与党三党の関係はどうあるのかという御質問でございまして、またそれと政府の決定していることとはどうするのだというお話ございましたけれども、まずそれぞれの政党は連立しておりましても政党が違います、全部一致ではございません。ですから、それぞれの政党の持っていることを三党でプロジェクトチームをつくっております。そのプロジェクトチームでそれぞれの意見を交換し、そして三党のプロジェクトチームで決まって、それを与党・政府連絡会議というのが毎月ございます。そのときには、与党・政府連絡会議には総理がお出ましになって、官房長官が主宰して、各党党首、各党幹事長、各党政審会長等々が出まして、与党・政府連絡会議というのがございますから、そこで政策の決定と原案の提出がございます。その意見交換をして、上がったものを閣議決定していくという、議員立法はまた別でございますけれども、閣法に関してはそういう手続をとっておりますので、私はそれぞれの場で論議されていることがマスコミにそれぞれ単独で出ていくということはあろうかと思います。
 何も隠すことでもございませんし、各党で論議をし三党のプロジェクトチームをつくって論議することは、情報開示することは全然私はおかしいことでもないと思いますけれども、時として情報開示によってそのことだけがひとり歩きしていくということはあろうと思いますけれども、今の三党連立と政策の決定の、マニュアルというのはオーバーですけれども、手順というものはきちんと確立し、そこで整理されているということだけは御理解賜りたいと思います。
#51
○寺崎昭久君 これから内容が詰められるということでありますから、税制全体についてどうかということを申し上げても国土交通大臣としてお答えになられる範囲というのはおのずからあると思いますから、余りその点については突っ込むべき場ではないと思います。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、これは国土交通大臣は別のお立場で、私は支持しているわけでありますが、使途の拡大というようなところに主眼が置かれ、そこに集中されるというのはぜひとも避けてもらいたいと思っておりますが、したがって仮定のことを言ってもしようがないんですけれども、使途の拡大にはこういう危険性があると思うんです。
 例えば使途が拡大されたとします。そうすると、今の道路財源の中でおさめられるんだろうかという疑問があります。つまり、新しく使途として認めたある事業ができたとして、その事業がさらに膨らんでいく、大きくなっていくということになると、これまでの例でいうと、財源が足りませんから暫定税率だと、こういう話になるわけです。
 ですから、そういうようなことも考えておかないとこの問題というのは焼け太りみたいな話になりかねないと私は大変気にしているんですけれども、その辺はきちんと押さえた議論をされるお考えなのかどうか、少し抽象的かもしれませんが、いかがでございましょうか。
#52
○国務大臣(扇千景君) 寺崎先生の御心配も私もよくわかります。
 私も自分で運転も、免許証も持っておりますので、我々が車を買うときにかかる税金の重さ、しかもそれが安くならない、あるいは消費税は二重課税になっているんじゃないかと、そういう感じを一般国民の皆さんは思いながらも、今の状況ではいたし方なしと。受益者負担という原点がある限りはまあ仕方がないかと思って御理解いただいて、やむなく御了承いただいている部分もたくさんあろうと思います。けれども、我々は自分たちが道路を走るから仕方がない、受益者負担なんだという原点の頭で出しているものが、全然違うところへ行ってしまうんだったら全然違ったところでもらってくださいよと、私はそう思うんです。
 大変例えが悪いかもわからないんですけれども、ちょっとげびた例えでごめんなさいね、簡単ですから。なぜかといいますと、私たち女性ですから一番物がわかりいいのは、例えば私は子供を産んで、私のお乳は子供のために飲ますんです。子供のために私たちは一生懸命健康、赤ちゃんに害のあるものを食べないように、お乳がいいお乳が出るようにと思ってやるんです。自分の子供のために一生懸命するんですけれども、違う子供のためにお乳は上げませんよね。昔はもらい乳というのがありましたけれども、出ない人に。
 私は、それと同じであって、やっぱりその目的というものがあるわけですから、例えが悪くて申しわけないんですけれども、私たち女性ですからそういうことがありますので、ぜひこの目的税、いわゆる特定財源というもののあり方の本質にどう国民の理解を得られるか、私はそこが原点になってくると思います。
#53
○寺崎昭久君 先ほども指摘しましたけれども、道路特定財源というのは道路五計と表裏の関係で生まれた、定着した制度だと思います。ということから考えますと、果たして今道路整備というのはどれぐらいの需要があるんだろうか、緊急性があるんだろうかということも考えておかなければいけないと思うんです。
 道路整備緊急措置法、これは昭和三十三年のものでありますが、この中には緊急措置というのがあえて書いてあります。今日的な目で見て道路需要というのはどの程度あるとお考えか、または緊急措置というのはどういうことなのか。これは副大臣、お答えいただけますか。
#54
○大臣政務官(木村仁君) 道路整備の緊急性の認識についての御質問でございます。
 現在、自動車の保有台数は七千万台、免許保有者が七千四百万人、これがなお将来にわたってどんどんふえていく趨勢にございます。そして、自動車が国民経済あるいは社会活動、日常生活に果たしていく役割もさらに重大なものになっていくと認識をいたしております。
 これに対して道路の整備状況でございますが、首都圏の環状道路ネットワーク、ロンドンやパリではほぼ一〇〇%に近く整備されているのに日本ではなお二割に満たないと、そういう状況でございまして、全国至るところに深刻な交通渋滞あるいは交通事故の危機が迫っております。交通渋滞は、それによってもたらされる経済損失が年間十二兆円と推計されておりますし、また少なくなりつつあるとはいえ、平成十二年の交通事故死者数が九千六十六人、負傷者数は百十五万人を超えると、こういう状況でございますので、なお道路の整備及び道路交通環境の整備には緊急の需要があるものと理解をいたしております。
 これらの課題に加えまして、さらに都市再生という課題の中で環境改善、バリアフリー化等の推進も必要でございます。また、首都圏の問題もさることながら、地方圏におきましても国の骨格をなす主要道路の整備はまだまだ進んでおりませんし、十二兆の交通渋滞による経済的損失、推計でございますが、そのうちの首都圏の分は三・二兆円と推計されておりまして、地方圏でも、地方都市においても深刻な交通渋滞やあるいは首都圏以上の交通事故の危機が迫っているわけでございます。
 そういう意味で、私どもは、なお道路整備の緊急性はまさに緊急なものと認識をいたしております。
#55
○寺崎昭久君 道路特会の決算書を見ますと、毎年のように大体五兆円とか六兆円ぐらいの収納歳入額があるわけでありますけれども、その中のおよそ一割ぐらいが剰余ということで翌年度に繰り越される仕組みになっているようであります。
 はたから見ますと、これは道路特会というのは金余りではないか、道路需要はそんなになくて使い残しているんじゃないかというように見られかねない内容である。剰余ではなくて余剰ではないかと、こういう見方があるんですけれども、なぜこれ一割ぐらいを翌年度に繰り越すような仕組みになっているのか、お答えください。
#56
○政府参考人(大石久和君) 道路整備特別会計において毎年度剰余金が発生しているではないかというお尋ねでございます。
 剰余金という形で計上はいたしておりますが、この中身は、まず第一に事業計画の変更や用地交渉の難航などによりまして年度内における支出が完了できず、翌年度に繰り越して使用する繰越経費、それから道路開発資金で貸し付け等を行っておりますが、これが繰り上げ償還される場合がございます。これの繰り上げ償還費。それから、予備費の未使用分等から成ってございますが、大部分、圧倒的部分は繰越経費でございます。
 今、先生から御指摘ございました、全体として例えば平成十一年度決算剰余金は五千七百四十九億という数字になってございますが、このうち繰越事業に係る経費が五千二十二億でございます。これは繰越明許費、予算要求上でも記載されております繰り越し理由として、事業の性質上その実施に相当の期間を要し、かつ、事業が本年度内に終わらない場合にも引き続いて実施する必要があるものであり、計画または設計に関する諸条件、気象または用地の関係、補償処理の困難、資材の入手難その他やむを得ない事由により、年度内の支出を完了することが期しがたい場合もあることから、このような処理をすることを前提として予算が組まれている、そういう経費でございます。ほとんどの部分がそういう経費でございまして、決して剰余が余剰だというような状況ではございません。
 しかしながら、事業の実施に当たりましては引き続き効率的に事業は進められ、円滑な整備が進みますように努力はしてまいりたいと考えております。
#57
○寺崎昭久君 道路特会が余っているんではないかと疑われるような使い方の例として三つほど申し上げます。
 第一点は、まちづくり補助金を道路特会から支出しているという点でございます。道路財源が誕生した経過に照らして考えますと、このまちづくり補助金というのは使途の範囲は逸脱しているんではないかと私は考えているわけでありますけれども、このまちづくり支援統合補助金を、例えば平成十三年度でいうと、事業費千四百十億円に対して国費六百億円を計上しております。このまちづくり云々というのは、これは市町村がつくる事業計画に基づいて毎年度総額で補助金を交付する、具体的な配分等は市町村の裁量にゆだねる、事業執行の自由度を拡大するというような事業の内容であるわけであります。つまり、道路整備というのは中に含まれているのかもしれませんが、ちょっと使い方としては目的から逸脱しているのではないかと思うんですけれども。
 そこでお尋ねしますが、大体この道路整備特会から幾ら出しているんですか、どのような考え方で出しているのか、特定財源、道路財源の意味合いとどういう整合性をとっておられるのか、この三点についてお答え願いたい。
#58
○政府参考人(大石久和君) 御指摘のように、まちづくり支援統合補助金に道路特会から支弁をいたしております。この考え方は、まちづくりにつきましては、地域の自主性と申しますか、主体性を尊重しながらいろんなメニューの中から事業を選択していただく、こういう考え方に至っているものと考えておりますが、平成十二年度に創設されましたまちづくり統合補助金の予算につきましては、まちづくりに関する施設整備などの事業を総合的に実施する事業でございます。
 道路の拡幅など、道路整備に該当する費用として、平成十三年度予算におきましては国費百五十億円を充当いたしております。この事業に道路特定財源を充当することは、受益者負担の考え方に基づきまして、この事業の中に含まれております道路整備のために道路利用者に負担を求めているという考え方でございまして、道路特定財源の趣旨に沿うものであるというように考えております。
#59
○寺崎昭久君 もう一つの問題として、道路特会から都市モノレールや新交通システムの整備に支出されております。そして、このモノレールというのは、例えば千葉都市モノレールや北九州高速鉄道など、赤字経営が問題になっているところがたくさんあるわけであります。
 平成十三年度道路特会を見ますと、街路事業費七百五十九億円、道路事業費一千七十億円、合計千八百三十億円が予算計上されているわけでありますけれども、これは多分、平成十一年度改正の都市モノレール整備法等によって支出するんだと思いますけれども、どういう使われ方をしているのかと見てみますと、例えば駅前広場、自由通路をつくる、あるいはモノレールをつくるときにはモノレール等の支柱、けた、そういったもののインフラを整備するのに使うということを言っているんですけれども、大体モノレールというのは、例えば千葉のモノレールなんていうのは道路の真ん中に走っているわけであります。道路の整備と言うんだったら広げてもらってこそ整備だと思うんですが、モノレールができたために狭くなっているんですね。にもかかわらず、これに道路の整備だといって補助金を出すというのは少し論理が逆立ちしていませんか。本末転倒ではないかと思うわけであります。
 こういうのをなし崩しと言うんだと思うんですけれども、なぜこういう支出を妥当だとお考えなのか、伺います。
#60
○政府参考人(大石久和君) 都市モノレール、新交通システム等は確かに道路空間の一部を利用して整備をいたしました公共交通機関でございます。しかしながら、これらの施設は都市内の道路交通の円滑化に大きく寄与する、そういう考え方で整備しておるものでございまして、そのため、支柱でありますとかけたなどのインフラ部分につきまして、道路構造の一部として道路事業により整備を行っておるものでございます。
#61
○寺崎昭久君 円滑な道路交通と言いますけれども、道路を狭くしておいてそんなこと言えるわけないじゃないですか。自由通路というんですか、線路をくぐらないで駅の下をくぐるというんでしょうか、ああいう自由通路というのは、あれは駅の設備の、あるいは施設の一部であって、道路財源を特会から持ってくるというのは本当に納得してもらえるとあなたはお思いですか。
#62
○政府参考人(大石久和君) 自由通路は駅の施設と見るべきではないかという御指摘でございますが、駅が存在する、あるいは新幹線等ができ上がることによりまして、駅による東西でありますとか南北の分断がきつくなる、そういうような状況が見られることが多々ございます。大きな駅ですと、その駅のところを迂回して南北、東西に渡るということが歩行者にとって大変負担になる場合があるわけでございまして、こういった歩行者の利便性の観点から、駅の中を通過して南北を結ぶ、あるいは東西を連結するといったような考え方で自由通路を我々歩行者空間の整備の一部として負担させていただいておるわけでございまして、この考え方には我々といたしましては合理性があるのではないかと考えております。
#63
○寺崎昭久君 私は、今のお話は何か風が吹けばおけ屋がもうかるみたいな話をされているように聞こえます。やっぱり、原則はきちっと持って行政をやらないと、何にでも使えますと、何でもちょっと道路という名前がつけば使えますという財源にしては、やっぱり納めている人の気持ちには反するんじゃないか。なし崩しを認めればこれは政治不信のもとになると思います。やっぱり厳密でなければいかぬと思います。
 もう一つ言います。それは、例えば本四架橋に無利子融資をしている問題でございます。本四架橋というのは、言うまでもなく有料道路事業として建設されておりますから、これは償還主義でございます。つまり、料金の収入で一定期間内に建設費、維持管理費、利息等の総費用を賄うという建前、仕組みで発足しているわけでありますけれども、改めて指摘するまでもなく真っ赤っ赤の赤字を抱えているわけであります。先日の新聞報道によりますと、これから国はここに対して二兆四千五百億ぐらいつぎ込まなければいけないと国土交通省は試算をしているというような報道があるぐらいの問題の本四架橋であるわけであります。
 これはなぜかといえば、通行量の過大見積もり、これが災いしてだと思います。何か物をつくるときには必ず需要量が幾らありますか、通行量が幾らありますかというようなことを言うわけでありますけれども、大体赤字になっているところは過大見積もりということだと思います。
 きのうテレビを見ておりましたら、総務省が空港需要も過大見積もりだと指摘しているということを言っておりましたけれども、ここにお金を出しているとは聞いておりませんからこれはやめますけれども、この償還主義というのは事実上破綻している、本四架橋も本来の趣旨に照らしていえば破綻している、そういう事業主体であると思います。
 これに対して政府は、毎年、道路特会から八百億円、十年間無利子で貸し付けるということを言っているわけでありますけれども、これは公団に対する有利子債務の肩がわりと言ってもいいと思うんです。何で道路特会が有料道路事業の肩がわりをしなければいかぬのですか。どこからこの利息を負担するという理屈がついてくるんですか。答えてください。
#64
○政府参考人(大石久和君) 道路整備特別会計から道路事業に対する無利子貸し付けといたしましては、一般有料道路整備資金貸付金、それから沿道整備資金貸付金等がございます。
 本四の収支状況は、今、先生御指摘のとおり、管理費約二百四十億でございますが、これを大幅に上回る料金収入八百七十一億円があるものの、有利子資金の存在から利払いが約一千五百億という状況でございまして、大変厳しい状況にございます。このために早期に有利子資金を圧縮し、償還確実性を高める必要がございます。
 平成十三年度予算におきましては、出資金八百億円の継続に加えまして、無利子貸し付け八百億円を措置することとしたものでございます。これによりまして、有利子資金は五十年以内、それから出資金、これはもう既に国の出資金が約七千五百億ほど入ってございますが、これが無事に償還される必要がございます。もし、本四公団が破産するというようなことになりますればこの資金が返ってこないということにもなりますので、本四公団にきっちり償還させるためにも利払いの負担を小さくしてやるということが必要になったということでございます。
 今回の無利子貸し付けは、本四公団法附則第十四条の規定に基づき行われるものでございまして、道路整備特別会計法附則第二十二項におきまして、本四公団法附則第十四条の規定に基づく無利子貸し付けに関する政府の経理は、道路整備特別会計において行うとされているところに基づいているものでございます。
#65
○寺崎昭久君 私は、そういう肩がわりをしてもいいんですか、道路財源の趣旨に反しませんかということを申し上げているので、これを貸さなかったら本四架橋に貸したお金が返ってこないとか、そういう話をしているわけじゃないんですよ、それは別の問題ですけれども。
 ほかに無利子貸し付けを道路財源からやっている例はあるんですか。
#66
○政府参考人(大石久和君) 先ほどの答弁の冒頭でも申し上げましたように、一般有料道路整備資金貸付金、これは指定都市道路公社のような、そういう有料道路主体に無利子で貸し付けておりますものでありますとか、あるいは沿道整備資金貸付金、これは環境の厳しい沿道におきまして沿道を整備するための資金を無利子で貸し付ける等々の制度がございます。
#67
○寺崎昭久君 今の貸し付けについても、どうも趣旨に照らして私は納得できない内容だと思っております。本四架橋の問題はまた改めてやります、これに突っ込むと時間がなくなりますから。
 今、申し上げてきたように、私は道路特定財源が今回見直しの対象になるというのは悪いことではない、大いにやるべきだと思うんですけれども、単なる使途の拡大というようなことに終わらせてもらいたくない。本来のあるべき姿にもう一回戻して抜本的に、時間をかけてもいいから議論をしていただきたい。そういう意味では、先ほど大臣が御答弁された姿勢をぜひ支持していきたいと思うのでありますけれども、その際に、冒頭でも申し上げたように、あるいは今も触れましたように、この有料道路事業のあり方とも連動しているわけですから、この二つが我が国の道路行政の柱になっているわけですから、これの関係もぜひ視野に入れて考えていただきたいものだと思っているわけであります。
 道路特定財源には、いろんな問題点があるということは先ほども申し上げました。そのほかにも、例えばきちんとした財源があるから公共事業が一向に減らない、中にはむだな公共事業じゃないかと言われるような批判も生まれてくる、それをめぐって土建国家と悪口を言うような話も聞く。そういう悪口も聞きます。利権構造が生まれる。道路特会だとか、空港特会、港湾特会、鉄道整備財源、そういったものがあるけれども、ばらばらに動いている。そのほか、農道とか林道もあるということで、言葉としては総合交通体系の確立というのが昔から聞かれているんですけれども、どこに総合というのがあるのかは国民の目にはなかなか映ってこないというのが実態だろうと思います。そういう問題もあるし、今申し上げたような有料道路事業の財源のあり方、あるいは高速道路のプール制の問題、そういったことにもメスを入れていただきたいと思っております。
 とりわけ、有料道路事業について今のまま放置しておくと、言葉は悪いんですが、第二の国鉄あるいは国有林野事業になりかねない、そういうおそれすらあると思いますけれども、国土交通大臣にお尋ねするんですが、ぜひこの有料道路事業に関しても道路特定財源との関係をにらみながら早急に御検討願いたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#68
○国務大臣(扇千景君) 今、寺崎先生からいろんな例を引いて、現実にどうあるべきか、また今の現実、国会で法案を通したから後はいいんですよということではなくて、絶えず評価制度を利用して、みんなでこれでいいんだろうかということを御検討いただくことが大変私は有意義なことであって、まさにこれが国会であるというふうに、今拝聴していましても重要な問題を御論議いただきました。
 そういう意味におきましても、今、特に有料道路についてというお話でございますけれども、私は少なくとも特定財源ということで、今、道路特定財源が話題になっておりますけれども、少なくとも国税では税収が三兆五千億円、そして地方税では二兆三千億、トータルにいたしまして道路特定財源が五兆八千億円ということになっておりますので、どうも小泉内閣で国債の発行を三十兆円に抑えるということになりますと、平成十四年度、大体このままでいくと三十三兆ぐらい要るんじゃないかと言われております。そうしますと、三十兆におさめるともなりますと、トータル、上下合わせて三兆から五兆は節約しなきゃいけないと。
 そうすると、道路特定財源が、国税、地方税合わせてちょうど五兆八千億だからこれだろうなというふうに安易に目をつけられたのでは、私は、今、寺崎先生がおっしゃいました、本来の道路特定財源の目的から反するという意味では重要な御指摘であろうとも思っていますし、私もその重要性を十分認識しながら、なおかつ少なくとも道路の有料道路につきましても、将来の需要の見通し、あるいは、今、先生あえておっしゃいませんでしたけれども、アクアライン等々有料道路につきましても赤字になっているところもございますので、そういうことも含めて、よりこの道路特定財源の活用と、そして国民の利便性、国民がこれを我慢しながら今の道路特定財源に関する税制を払ってくださって御理解いただいていると、やむなくとはいいながら。それを我々は大きく見直し論議するということを今後も続けていきたいと思います。
#69
○寺崎昭久君 今、大臣がおっしゃったように、どうも最近の見直し論の中には、道路特定財源は余っているんじゃないか、遊ばせておく手はないんじゃないかというようなことが暗黙の了解みたいになっているんじゃないかということをおそれております。つまみ食い、いいとこ取りなんということはやってはいけない。
 それをやれば必ず政治不信、あるいは納税者の不信を買うに違いないし、これから向かおうとしている財政再建にも必ず支障を来すと思いますので、ぜひ筋を通した見直しを行っていただきたい、そのようにお願いしまして、終わります。
#70
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#71
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 このところ連日のように、国土交通省に関する記事が載っていないことがないぐらいにそれぞれ毎日載っておるわけでありますけれども、その中で私は大きな項目で三項目ほどお伺いしていきたい。
 最初は中日本航空の衝突事故、まさにあの事故の知らせを聞いたときに私は唖然としました。こんなことが本当にあるんだろうかと。ヘリコプターそれから小型飛行機が真っ昼間に、しかも視界がすばらしくいいときに衝突をしてしまった。あれが万が一第三者に犠牲者を出したらどんなことになっただろうか、ある意味では不幸中の幸いなところもあるのかなと思っている中で、私は、訓練飛行のときも当然のことながら国土交通省の所管のところに飛行日程とかそういうものはお出しになるであろうと。そのときに私は、どういうふうなものをお出しになっているのかな、行政の中でああいう事故が起きる前の何かチェックはできなかったんであろうか。
 フライト計画というのは、当然のことながら私は、ヘリコプターにしても飛行機にしても、何時から何時まで、何人乗せて、しかもどういうふうなコースでフライトしますということを出していると思うんです。そうなると、やっぱり管制官とかそういうふうなところでは当然その辺のニアミスが起こって衝突が起こるというようなことがある意味では予測できないものだろうかな、そんな思いが一つ。
 それからもう一つは、有視界飛行になったという点があるんですけれども、これは計器から有視界飛行に移るときに、いわゆる管制としては、管制塔というか、いわゆる航空局としてはその辺の連絡網というのはどういうふうになっているのか。本当に連絡しないで、計器から有視界に移るんだと。
 これはこの問題に限らず、私はこの間も質問をさせていただきましたように、日本航空の同じようなことがあって、まさに危機管理については一生懸命これもやってもらわなきゃいけない。その二点についてまずお伺いしたいと思います。
#73
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 五月十九日の午前に発生をいたしました中日本航空の事故に関してお尋ねがございました。お尋ねのように、中日本航空のヘリコプター、それから小型飛行機、セスナ、これが訓練飛行のために飛行中であったわけですが、この訓練飛行につきましては、幾つか種類がございますけれども、有効な操縦技能証明を持っている人が技量の維持でありますとか慣熟ですとか、そういうことで訓練飛行をする、セスナのケースがそうなのでございますが、この場合には特段の訓練飛行のための許可、こういうものは必要ないわけでございます。
 ただ、新たな資格を取得するために操縦練習を行う、こういう場合には大臣の許可が必要という仕組みに相なっているものでございます。ヘリコプターの方につきましては、そういうことで、ヘリコプター機の技能証明を持ってはおりますけれども、当該型式の限定、これを取得するための訓練を行っていた、こういう状況でございまして、これについては航空法上許可が必要と。それで、ヘリコプターの方については手続をとって許可を取得して飛行していたと、こういう状態でございます。
 実際に、訓練の飛行をする場合には、訓練空域の使用計画の連絡というのが出先の現場の事務所に入りまして、その際に必要な情報は提供されると。今回のケースにつきましても、それぞれヘリコプターが十一時二分、小型機の方は十一時十五分に名古屋空港を出発、離陸しておりますけれども、十一時十五分に出る方の飛行機にも当然ヘリコプターが既にその訓練空域に向かって訓練の予定があるということは情報が伝達をされております。
 それで、なおさらに実際に飛行機が飛ぶときには飛行計画というものを出すということになっておりまして、その中で所要の事柄が記入されておるというものでございます。
 なお、先生の御指摘の有視界飛行と計器飛行の関係でございますけれども、この両方、小型機、ヘリコプターとも、当初から有視界飛行を前提に飛び立っておりまして、一般的な制度論としましては、もちろん途中で計器飛行方式から有視界飛行方式に切りかえると、こういうケースもございます。この場合は管制官への通報が必要と、こういうことになっておりますが、今回のこのケースにつきましては、当初よりセスナ、ヘリコプターとも有視界飛行方式で飛行していたというケースでございました。
#74
○佐藤雄平君 これは、桑名市の方からは、きょう、きのう、いろいろ航空局の方にも来ていると思うんですけれども、このコース等、訓練コースというのはどこが決めるんですか。
#75
○政府参考人(深谷憲一君) 訓練空域につきましては、国土交通省の方で設定をしております。
#76
○佐藤雄平君 そうすると、陳情があったと思うんですけれども、そのコース、訓練コースの変更、これは可能なんですか。
#77
○政府参考人(深谷憲一君) 私どもといたしましては、今回の事案を踏まえまして、いろいろ検討に入っておりますけれども、一般的に訓練飛行そのものが、離着陸ですとか上昇、下降、旋回、こういったことを行いますけれども、それ自体がそれ以外の普通の飛行に比べまして特に危険だという認識はいたしておりません。
 また、今回の事案につきましては、航空事故調査委員会の方で既に現地に調査官を派遣して調査をされておりますので、実際上の事故原因そのものについては事故調査の結果を待たないと判明をいたしませんけれども、今回の事案の事柄の大きさにかんがみまして、私どもとしましては、中日本航空に対しましては訓練自粛の要請を行いまして、現在中日本航空では訓練飛行の自粛をしております。
 また、我々といたしましても、再発防止を図らにゃいかぬというふうにも思います。訓練空域の中で訓練飛行を行う航空機が一定時期に一定の場所に集中するというふうなこと、これを避けるような空域管理でございますとか運用方法でございますとか、そういったことなどについて現在既に検討に入っておりまして、いろんな検討をした上で成案を得て、速やかに実効ある再発防止対策をとりたい、かように思っております。
#78
○佐藤雄平君 安全第一ということで、もう万全を尽くしていただきたいと思います。
 次に、午前中もありましたけれども、道路特定財源について御所見をそれぞれお伺いしたいと思います。
 私は、道路特定財源を話す前に、道路についての私は認識が都市と地方では相当乖離があるなと、そんな思いをしております。これも、きのう、きょうのいろんな新聞の中で道路特定財源と同時に交付税の見直し、特に地方については私は一番困るのは過疎債とか特別豪雪地帯債とか、こういうふうなものがなくなってしまうと本当に地方の行政そのものが全く進んでいかないし、さらにまた今、分権をして、財政が伴わない分権というのは本当に自治体にとっては死活問題だということでいろいろ見直し等を求めているわけでありますけれども、まずその道路の認識の違いというのは、これは交通体系全体の相違かなと、かつて私はここで何回かお話をさせていただきました。地方においての道路というのは、ある意味では生活の実はすべてなんです。
 この間、東京の子供たちといろんな話をしたときに、田舎の方ではどうして地下鉄に乗って通勤しないのとか電車に乗って通学しないのと、そんな話がある意味では東京でまかり通る話になっておりますし、そういうふうな点からすると、石原愼太郎知事の、いわゆるむだなとか効率の悪いところに何で道路が必要なんだというふうなこともある意味では助長しているのかなと、そんな思いをすると、私は都市と地方の道路の認識が違う。
 そういう意味で、私は大臣に、都市ももちろんですけれども、地方の道路というのは本当にまさに生活そのものであって、場合によっては救急車、消防自動車、それから通学、通勤、すべてでありますから、単に私は経済効率云々、費用対効果、そんなことではかっていただいたら困ってしまうな、国土交通大臣自身は私はそういうふうな認識は十分お持ちだと思いますけれども、そういうふうな中で残念ながらというか、総理大臣と財務大臣がいわゆる道路特定財源についての使途の拡大という話もしておりますけれども、これについて国土交通大臣としての御所見をお伺いしたいと思います。
#79
○国務大臣(扇千景君) 昨今、この話題が集中しておりまして、マスコミもあらゆるところでこの道路特定財源の有無について論議しておりますけれども、私は、今の段階ではマスコミ等々が書き立てることはむしろ憶測であって、我々は基本的な道路特定財源をどうするということをどこからも決定しているつもりではございませんし、先ほども午前中、私申し上げましたとおり、小泉内閣になりまして、聖域なき改革をしていくんだと、あるいは二十一世紀維新だとおっしゃったように、二十一世紀になったときだから、あらゆるところを、むだをなくすというのは当然のことです。けれども、むだをなくして必要不可欠なところへは一点集中して、そして一点集中して道路とかあるいは工事を仕上げることによってスピードアップが図られると。スピードアップを図ったらコストダウンになるのは当然のことです。
 ですから、そういう意味で、今、先生は道路特定財源を一般財源にするとかなんとかと言っているとおっしゃいますけれども、だれもどこでも私はそれは聞いたことありません。見直すという言葉は確かに聞きましたけれども、今それをどのようにどうするという手順は、私むしろ揣摩憶測であって、国土交通省としてというお尋ねでございますので、けさも申し上げましたように、私たちは、道路特定財源のみならず、あらゆる公共工事、国土交通省として十四年度予算を、概算出しますまでに全部洗い直ししてみようじゃないかと。全局に私は国土交通省としての姿勢を今月中に、どこがどう見直して、どこに集中するべきかというのはその後でございますけれども、まず見直せるところは見直そうと。
 また、昨年、与党三党で公共工事の見直しをしまして、百七十八事業を中止しましたけれども、私は、二十一世紀に入って国土交通省が新規に手をつける工事については、二度と中止をしなきゃいけないようなものに手をつけちゃいけないと。五年、十年たって、二十一世紀初頭に手をつけた新規工事が、二〇一〇年、二〇二〇年、たってまた切ろうなんていうようなことに手を出してはいけない。
 それは、事業に入りますまでに事前評価をきちんとして、地域の皆さんの御理解を得るためには、今までの事業認可するまでの倍の時間かかってもいいからそれを、事前協議というもの、事前評価というものを重点的にしていこうと、そのように考えておりますので、道路特定財源を今どうこうするとか見直しすることに関しては申し上げました、しかも今月中と、これは特定財源だけではありません。すべての国土交通省の事業の中でのむだがないか、あるいは何が、どうするべきかということの問題でございまして、特定財源の行く末を私は今月いっぱいに何らかの形でお互いに知恵を出し合おうということを言っております。
#80
○佐藤雄平君 私は、公共事業とか道路事業にむだはないと思うんです。この間の予算委員会で大臣みずからが今までの事業のむだと、これは全く私はないと思うんです。効率が悪いかもわからないんです。これはもうしようがないんです。
 私はあえて地方から出ている議員の一人として申し上げますけれども、人口一千二百万人のところの効率と人口二百万人のところの効率、強いて挙げれば、私のところなんか、檜枝岐村というところがあります。ここは人口六百四十八人です。この効率を東京ではかられたらたまらないんです。ですから、私はあえて申し上げているのは、東京の交通体系と地方の交通体系は違うんだと。まさにそこは大臣によく認識していただいて、この道路特定財源の意義づけというものをきちっとして、これからそれぞれ見直し、いろんなことはあるんでしょうけれども、財務大臣とか総理大臣と話すときにはきちんと御理解を賜った中で進めていただきたいなと、そんな思いでございます。
 しかしながら、私は、総理と財務大臣が、記事になっているということはどこかでお話しなさっている、午前中の議論にもあったと思うんですけれども、そうなった際、道路、先ほども出ましたけれども、五カ年計画、十二次五カ年計画を今やっているわけでありますけれども、当然のことながらそれも見直しを迫られるのかなと思うんですけれども、局長、仮に、仮にというよりも、やっぱり私は相当の見直しがあるというような気がしてなりません。そうなった際の道路五カ年長期計画の見直し等についてはどのように考えておるか、お考えをお伺いしたいと思います。
#81
○政府参考人(大石久和君) 先生から御指摘がございましたように、道路に関する長期計画として道路整備五カ年計画を持っております。現行の五カ年計画は、平成十年度を初年度といたしまして平成十四年度までという計画となってございます。
 もし、仮にでございますが、道路特定財源を見直して他に転用するというようなことになった場合、一般会計、一般財源から補てんしていただければ一番いいのでありますが、厳しい財政状況を勘案すると五カ年計画は未達成ということになるというように考えております。そうなりますと、五カ年計画策定時に国民に五カ年間でこのようなサービスをいたしますとお示しいたしましたものに大きな支障を及ぼすことになると考えてございます。
 現在の整備水準を考えますと、都市におきましても地方におきましても、あるいは種々の世論調査を見させていただきましても、今なお道路整備に対する期待は大きいと考えておりまして、今後とも五カ年計画を策定する必要があると考えてございます。この計画に従って着実な道路整備を推進することが必要でございますが、もし仮にと先ほど申し上げたようなことになりますれば、次の五カ年計画の規模でありますとか内容に大きな影響を与えるというように考えてございまして、国民が求める道路サービスが著しく低下するのではないかと危惧いたしております。
#82
○佐藤雄平君 どうもその政策全体が地方から都市への政策の移行を今お考えになっているのかなと思われてしようがありません。
 その中で、二兆三千億というのは、これ地方に行っているわけですけれども、今の仮説の中でまた質問させていただきますが、そうなった場合、地方に道路財源としての二兆三千億というのは、これは本当にそれぞれの都道府県は県単事業をやったり、またそれが裏負担になったりしているわけですから、全くこれは、道路事業というのは進まなくなってしまうと思うんですけれども、その際、国費と地方分、この辺の考え方はどんなふうに、仮に見直しになってもゼロになるというふうなことはないでしょうけれども、その分担率というか、それはどのようにお考えになっていますか。
#83
○政府参考人(大石久和君) 先生よく御存じのとおり、道路整備の財源は、国分が今、単年度で三兆五千億強、それから地方が二兆三千億の特定財源ということになってございまして、地方におかれましては、これ以外に地方単独のお金もたくさん入れておられる。これは他の社会資本整備に比べて著しい特徴になってございます。しかし、その大宗をなすものは道路特定財源でございまして、この道路特定財源の中で、例えばガソリンにつきましては揮発油税と地方道路税という形で国、地方分、それぞれが課税されておりますし、自動車重量税につきましても国と地方にそれぞれ配分されている、片一方は譲与税の形でございますが、ということで、国の財源と地方の財源が一つの体系として賄われている形になってございます。
 したがいまして、もし国の特定財源の抜本的見直しあるいは転用というような議論がなされる場合には、国の財源のみならず地方の財源についても大きな影響を与えるというように考えております。
#84
○佐藤雄平君 きのう道路利用者会議があって、佐藤副大臣行かれて、例年と違って何となく静かな感じだったんですけれども、あの後それぞれ地元の皆さんが来て、これはもう本当に地方にとっては困ってしまうよなと、そんな話で、あしたまた全国の道路大会があって、全国の市町村長さんから激しい陳情というか要請があると思いますし、本当に私は、今共生という言葉がはやっておりますけれども、都市と地方の共生というのはうんと大事だと思うんです。
 次に移らせていただきます。その前提として、今度、都市の再生ということが、再生本部ができて、先ほども質問がありましたけれども、三大都市を中心にそれぞれ再生していこうという話なんですけれども、私は都市の再生の前にやっぱり日本の再生ということがもっと大事であろうと。先日も質問の中で日本のグランドデザイン、軸をつくろうと。やっぱり均衡ある日本の発展というと、これはやっぱり日本の政治、行政の中でまず大前提になるわけでありますから、そういうふうなことを考えると、私は五全総の四極の軸、昭和三十六年から全国総合開発計画がずっとなされてきている、その成果は一体どうだったのか。その成果を踏まえた中での都市の再生というふうなことなら私は話はわかるんですけれども、そうじゃなくて何か、鳴かず飛ばずのうちに何か都市の再生になってしまった。この辺の背景というのはどういうふうなのか、なかなか私は理解できないんですけれども。
 この間も、国土交通委員会で緑化事業をやったり、また農住組合法をやった。全部もう都市政策の話で、私は緑化事業なんというのは、あれは冷静に考えてみたらヒートアイランドの対策のためで、ヒートアイランドになる前に何か都市政策とか全国の総合計画というのを立てられないのかなと。何か結果に対する対症療法みたいな話で、私はその前にきちんとしたものが必要であろうと。特にこの三大都市圏で日本の人口の半分、六千万人、この形態自身は私は二十一世紀の日本の全体の国土を考えたときにいいのかなと思うんですけれども、その件に関しての御所見をお伺いしたいと思います。
#85
○国務大臣(扇千景君) 今、佐藤先生おっしゃいましたように、私は均衡ある国土の発展という言葉はきれいなんです、しかも二十世紀、そのために我々は欧米先進国に追いつけ追い越せと。例えば東京一つとってみても、焦土と化して何も見えなかった。それが今日までの、あらゆる日本列島を今日までにつくってくれたということは、公共工事の持つ意味、そして均衡ある国土の発展という言葉のもとに今日をつくってきたことだけは私は大きく胸を張って。ですから、公共工事のむだ遣いはやめろやめろとおっしゃいますけれども、私は今日までに果たした役割だけは認めてくださいと、それがあったればこそ今日があるんだということだけはしつこく言っていますし、むだを省かなきゃいけないのは当然ですけれども、果たしてきた役割もやっぱり公平に認めてあげてほしいと、そう思っています。
 佐藤雄平先生の党も公共工事のむだ遣いはやめなさいとおっしゃっていますけれども、私はそれはむだなところは切って必要なところへ持っていこうと言うんですから、全部やめようと言っているわけではありません。それと均衡ある国土の発展の言葉の中に、少なくとも私は今後は金太郎あめではなく、例えば先生のところの福島へ行けば福島のにおいがあるまちづくりをしたい、それぞれの地域の特性を生かしたいと。どこへ行ってもコンクリートの東京砂漠みたいなものが、いろんなところへ行って、例えばどこの県へ行っても商店街は何とか銀座何とか銀座、どこへ行っても銀座という名前があるんですね、商店街に、全国。だから、それでは私はむしろもったいないのではないかと。
 ですから、均衡ある発展の言葉の意味を、私はむしろ二十一世紀型に環境も加味しながらそれぞれの地域の特性を生かした日本づくりをしていきたい、それを今までの二十世紀のハードと二十一世紀のソフトの違いにしたいというのが、この間先生にも、今言っていただきましたグランドデザインのつくり方であると。そのために地域の御意見を聞いたというのが現状でございますので、私はその均衡ある国土の発展はどこもかも金太郎あめの都市をつくるとかそういうことではないと。今度は変えていきたいという、その地方の特性を生かした、それでそこへ行きたいという気持ちができるようなまちづくり、都市づくりがあればありがたいという意味でございます。
#86
○佐藤雄平君 もちろん大臣の仰せのとおりなんです。
 大臣、人口分布、三大都市圏に六千万という人口の集中というのは、これはいかがでございますか。
#87
○国務大臣(扇千景君) 御存じのとおり、戦後今日までの産業の発展ということから考えますと、福島県も随分企業誘致なさいました。それによって、福島県に工場を持っていった会社も企業もたくさんございます。
 けれども、なぜ都市集中するかというのは、すべて就職なんですね、多くの人は。ですから、だんだん過疎地は若者がいなくなって老齢化していく。日本の今日まであらゆるものが国際的になってくればなってくるほど都市に集中しちゃったんですね。地方に本社があった人も、国際的に会社が発展してくると東京に本社を持ってくる。
 そういう意味では、私は少なくとも二十世紀の日本の産業の発展のあり方から考えてみれば、企業はなるべく効率よく利益を上げたいからなるべく便利なところで、単価が要らない、しかも日本は物流コストが高いから、近いところでなるべく、国際的になることが一人前と言えるかどうかわかりませんけれども、効率を上げていきたいというために集中型になったということも否めないものであろうと。
 でも、今はなるべく東京で仕事をして週末は地方へ行って緑に囲まれた環境のいいところで住みたいという、そういう二十一世紀型になっていますから、福島県にもみんな別荘を持つようになるかもしれませんし、そして私はそういう意味ではマンハッタンのような住まい方をして、もっと効率のいい都市と、憩いのある自宅というのは緑のあるところに持った方がいいというように、二十一世紀型の生活環境も変わるのではないかと思います。
#88
○佐藤雄平君 わかりました。
 だから、ほうっておくとやっぱり一極集中になっちゃうんです。ですから、そこで政治と行政は何ができるんだと。この三年間で東京は十五万人ふえているんです。今、大臣は若者が来ると言ったけれども、若者じゃなくて今、年寄りが東京に来ているんです、長男、次男が帰らなくなっちゃって。これはまさに私はもう異常な、バブルはもう再びないと思うけれども、しかしながらバブルの原因というのはやっぱり一極集中。一極集中を排除するためにいろんな今までの行政の連続性がたしかあったと思うんですけれども、この点は、もう本当に二十一世紀は私はある意味では国土交通省の一番やっぱりその役割が大事な役割だと思いますので、この辺の今の私自身が話したことも頭に入れておいてぜひ進めていただきたいと思います。
 それで、都市再生の中でどういうふうにリニューアルするという、開発というふうな言葉は最近は抜けていますから、都市再生というのはどういうふうなことを目的とした、もちろん大臣のさっきの答弁、いろいろあるんですよ、国際化云々いろいろあるんですけれども、商業を中心とした都市にしちゃうのか、居住性も考えた中でのそういうふうな都市を目指すのか、これは私は相反すると思うんです。
 そこで、今の子供たちの生育を考えてくると、とてもやっぱり東京でなんか、何ぼいい子を育てようと思っても環境条件がなかなかいい子を育てるような環境条件じゃないです。それは都市基盤整備の状況をところどころ見ると、もう何というのか、駅前開発もこの間話したけれども、ああいうところに、言葉は悪いんですがたむろをしちゃって、それで地域社会が崩壊している。
 そんなことを考えると、やっぱり教育面でも必ずしも私は、どういうふうな都市再生を目指すかによって教育の面でもいろんな弊害が出てくると思うんですけれども、当座の都市再生の構想というのはどういうふうな構想ですか。その点の御所見をお伺いして、質問を終わります。
#89
○国務大臣(扇千景君) 先生がおっしゃいました、政府が森内閣の最後に緊急経済対策というものを立てました。その四本柱の四つ目に都市基盤整備と書いてございます。その都市基盤整備というものを延長させたのが、今度の小泉内閣で都市再生本部というものをつくったのがつながりでございます。ですから、小泉内閣で五月十八日に第一回の都市再生本部を開きましたのも、その緊急経済対策の一環でつくったものでございます。
 それは何かといいますと、御存じのとおり、環境でありますとかあらゆる防災でありますとか、今、先生が東京の住民がふえたと、十六万とおっしゃいますけれども、それは何でふえたかといいますとバブルが崩壊したからなんです。手が届く値ごろになった、地価も最低限になってきたということで、長距離の通勤はもうたくさんだと、人生の中での一日一時間半かかる通勤時間も、なるべく安くなったらというようなことも大きく私は都市に回帰した原因の一つであろうと思います。
 ただただ帰ってきてふえればいいというのでは都市は住みにくくなるわけです。けれども御存じのとおり、道路が、都市計画が何年も前に引かれておりますけれども、それ一つ達成できないんですね。ですから、御存じのとおり、先生も福島ですけれども、東京にお住まいになっていれば、東京の渋滞あるいは東京の空気の悪さと今おっしゃいました。そういうものが都市として生活の生きる空間に果たしてなり得るかと。
 また、国際的には、さっき先生、東京は空港とか港湾とかむだがないんだとおっしゃいましたけれども、あるんですね。むだという言葉は悪いかもしれませんけれども、港と道路と全部運輸省、建設省でばらばらで使っているからこの結節点がないんですね。
 それが、国土交通省になったらそれをさせていただくということでございますので、都市再生本部というものが新たに都市というもののあり方、また都市というものがどう生き残れるか、ヒートアイランド現象、環境、ごみの処理、あらゆることが都市には問題が残っておりますので、そういうことも含めた都市のあり方を根本的に考えて二十一世紀型にしようというのが都市再生本部の主なる目的であるということを申し上げておきます。
#90
○佐藤雄平君 時間ですから、終わります。
#91
○北澤俊美君 北澤でございます。
 一つ先に個別の質問をしますが、総合政策局長はお見えですね。三月十五日に我が党の前川さんが公共工事の入札契約適正化法について質問をしました。このときに、いろいろあったんですが、要するに一次下請、二次下請の金額を出せと、こういうことで進んでいる中で、それの透明性について、公開についてすれ違ったんです。
 そのすれ違ったことをはっきりさせなければこの法律の趣旨が生かされないということと、もう一つは、零細企業がゼネコンの下請に入ったときにそれなりの経済活動ができるかどうかということで、ある意味では非常に期待をしている部分がある、そういうことをどういうふうに変えていくかということで、省令改正とかパブリックコメントを求めたりというようなことでいろいろやって、ほぼ方向性は出ているというふうに聞いておりますが、私も個人的に私なりの意向を申し上げておきましたが、今現在で考えられる範囲のことをちょっと答弁してください。
#92
○政府参考人(風岡典之君) 施工体制台帳の充実についてでございますが、ちょっとその後の状況につきまして御紹介を最初にさせていただきたいと思います。
 本年三月三十日でございますけれども、建設業法施行規則を改正いたしまして、ことしの十月一日以降でございますが、公共事業につきまして、施工体制台帳の添付資料として発注者の方へ提出する下請契約書がございます。そこに二次下請以下の下請金額も記載をする、こういったことを義務づけるという省令改正を実施したところであります。これによりまして、新しく四月一日から施行されております入札契約適正化法、これと相まって丸投げ等の不正事案の防止とか、あるいは適正な契約を通じて適切な施行を確保する、そういう意味で非常に効果が大きいというふうに私ども思っております。
 御指摘の下請金額について、情報開示をどのように進めるのかということについて御質問をいただいたわけでございまして、いろいろ御指導いただいておりますけれども、私どもの基本的な考え方は、下請契約書による金額というのは、これは民間の企業同士の契約という側面がどうしてもありますので、一般的に公開することについては慎重に対応するということが基本かなというふうに思っております。
 しかしながら、入札契約法におきましても、透明性の確保、契約関係における透明性の確保ということは、これは非常に重要だということでありますので、御指導いただきまして、入札契約の手続や過程について審査を行う入札監視委員会、こういった第三者機関がありますので、二次下請以下の下請契約につきましてもその入札監視委員会等の第三者機関に提示をするということで、第三者のチェックが可能になるようにしていきたいというふうに思っております。
 これは、直轄工事だけではなくて、すべての発注者で同様にやるということが必要でございますので、私どもとしましては各発注機関に対してその旨周知徹底を図っている、こういうところでございます。
#93
○北澤俊美君 今の御答弁でおおよそわかりましたが、国はきちんと入札監視委員会をセットしてあるけれども、都道府県もほぼ整ってきているんでしょう。ただ、市町村はそれはない。その市町村をどういうふうに担保するんですか。手短にやってください。私、ちょっと時間がないから。
#94
○政府参考人(風岡典之君) 市町村への入札監視委員会というか第三者機関の問題ですが、なかなか単独で市町村ごとに置けませんので、例えば複数の市町村で協力してそういう第三者機関を置くとか、あるいは監査委員会という既存の組織もありますので、そういうように第三者機関として位置づけられるようなものをできるだけ早目につくっていただきまして、そこに二次下請以下の契約書を提示する、こういうことで透明性の確保に努めていきたい、このように考えております。
#95
○北澤俊美君 今の件は、これはワンステップですよ、これはワンステップ。民民と言いながらも公共工事を受注しているわけですからね、二次も三次も含めて。そういう意味で、情報公開法に基づいてきちんと処理のできるようにこれから努力してください。一つの成果だというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 次に、きょうはずっと道路特定財源について議論がされております。朝のうちはまだちょっとよかったんですけれども、だんだん昼飯過ぎてからになってきたら、大臣の答弁も、特定財源の一般化なんというものは、そんなものはもう話題にも上っていないというようなところまで入ってきちゃいまして、これは話をもとに戻さないといかぬのですが。要するに、私が少し持論を申し上げますから、答弁の方もまた短くひとつお願いをしたいと思います。時間がないんです。
 そこで、今度の聖域なき構造改革ということを掲げて小泉内閣が誕生して、八〇、九〇の支持率を得たことはどういうことかといいますと、これは六百六十六兆円に上る借金をどうするかという国家の財政の危機を大きく内閣として取り上げて、それをどういうふうにやっていくか、こういうことです。
 おまけに、あの百俵の話も出まして、米百俵、あれは教育ということですけれども、私の、昔一緒にやった大先輩の県会議員が、初めて自分が山の中から旧制中学へ入ったとき、どうやって金をつくったかというと、新聞はとらない、何はとらない、現金出すものは一切やめて、息子、おれは中学へ行った、こういう話です。今まさに我が国はそういうことなんです。ところが、今ここでやっている議論を聞いていると、これは本当はテレビで全国に流したら、かなり違ったイメージが出ると思うんです。
 そこで、聖域なき構造改革ということは、要するに各省庁が少しずつお金を余らせて出さなければ成り立たない。三十兆の国債発行高をぴしゃっとここで決める、こういうわけですから足らなくなるのは当たり前の話なんです。それを、例えば地方交付税はいじっちゃいけない、道路特定財源はいじっちゃいけないといって各省庁でそれをやったら、びた一文出てこない。小泉さんは国民に対してうそをついた、こういうことになるわけですが、基本的に聖域なき構造改革に国土交通省は協力をするのか。基本的に。どうですか。
#96
○国務大臣(扇千景君) 協力するのは当然ですけれども、協力する以前に国土交通省独自の改革をしていこうということです。
#97
○北澤俊美君 小泉さんと同じなんですね。小泉さんはそういうことをやる、こう言いながら、やると言う前に本来なら準備に入って、その目標を国民に与えたときにどういう痛みが国民のところへ来るかということを提示しないままに言い出したんです。だからハチの巣をつついたように、おれのところだけ、よそで金を余らせて出すのはいいよ、だけれども、おれのところはだめだよ、こういうことを今盛んにどこの委員会でもみんなやっています。これで、小泉さんが改革というイメージを打ち出して高い支持率を得たけれども、それは絵にかいたもちに終わる。しかもそれは、間もなく、参議院選の終わった後、概算要求に入るわけです。そこでもう明らかになってくるんです。
 そこで、この道路については、ちょっと国土交通省の方へ資料をお願いすると、もう待っていたようにこんなに立派な色づきのものをいっぱいくれる。さっきのモノレールもみんな出ていた、得々としてモノレールは道路だと、こう言ったけれども、こっけいな話にもなっておる。しかし、地方で要望の高いのは道路というのは、これは私も三十年の政治家生活の中でこんなことはもうよくわかっておる。わかっておるんだけれども、最も要望の多いところを削らなかったら財源は出てこないですね。その辺、どういうふうに思われますか。
#98
○国務大臣(扇千景君) 今、北澤先生がおっしゃいましたように、聖域なき構造改革というのは、これは小泉総理が一番旗を振られましたけれども、我々は二十一世紀を迎えた今の国会議員、そして今の行政に処する人間すべてが二十一世紀型というものを考えないで今までどおりでいいということで済むわけはないというのは、私は一般の常識としてあろうと思います。ですから、それを絵にかいたもちだということは、私はだれの頭にもないと思うんです。ここの委員会でも先ほどからお話のありましたように、特に北澤先生は民主党の幹部でいらっしゃいますから、構造改革しろという、改革という言葉は民主党もずっと言っていらっしゃいましたので、みんな改革しなきゃいけないというのは、私は共通の認識だと思います。
 ただ、それをどういう料理法でできるかというのは、今、まだメニューは出ていないというのも事実でございますけれども、皆さんは六月とおっしゃっていましたけれども、国土交通省は五月にそれを仮メニューでもいいからメニューを出そうと言っているんです。
#99
○北澤俊美君 では、例えばこの道路財源に限って申し上げます。使途を拡大するということで解決するんですか、それとも一般財源化ということも視野に入れて解決するんですか、どちらか。
#100
○国務大臣(扇千景君) 右か左ではなくて、右も左も前後もございます。
#101
○北澤俊美君 初めて聞きました。そうすると、一般財源化も大臣は視野に入れて改革をするというふうに今お答えになったわけですから、それは大変進歩であります。私が一人で納得してもいかぬから、今の私の言ったことでいいですね、両方含めて。
#102
○国務大臣(扇千景君) 限定することは一言も言っておりません。前後左右、あらゆる百八十度の展開を見回してやるといったことで、一定の縛りをかけるということはいたしておりません。
#103
○北澤俊美君 私もここを、席を外したときはなるべくテレビを見ていましたが、一般財源化ということについては徹底的に否定的なことを言っておられました。今、私がこういう質問をすると、ちょっと膨らませた返事をする。やっぱり、大臣は国政についてきちんと責任を持って統一した見解を出してもらわなかったら、議論にならないんだ。ここは国民を代表してきて議論をしているんですから、言葉の遊びではありませんよ。あなたの言っていることを言葉の遊びだなんて失礼なことは言わぬが、少なくとも私が受けている印象は、あっち行ったりこっち行ったりしていますよ。
 そこで申し上げますが、こうやって一、二日の新聞を見たって、みんな、「「道路財源」異論相次ぐ」、「既得権守りたい国土交通省 本音は「維持」に」、「特定財源見直し 経財相らが指摘 経済財政諮問会議議事」と、こうなっています。あなたがさっき言ったように、そんなことはだれも言っていないなんということはないんです。みんな俎上にのっている。しかも、「本音は「維持」」と書いてある。維持ということは守りたいことだ。
 これは新聞だから、そんなことは、最近どこかの大臣が新聞のことについてはコメントしませんなんて言っているけれども、日本のジャーナリズムはそんなに脆弱なものではないはずであります。
 そこで、少なくとも所信の中に、「新世紀維新を目指す新内閣において、」ということで「国土交通大臣として二十一世紀にふさわしい経済・社会システムの確立に努める」と、こう言いながら「本音は「維持」」と、こういうふうに書かれたら大臣のメンツ丸つぶれだ。どうですか。
#104
○国務大臣(扇千景君) 本音もうそ音も何もありません。表も裏もございません。
 きょうも局長が来ておりますから、私が五月中に見直すことを通達していることを、御本人が来ておりますから、見直すように出しなさいと言っていることを、それは違うとおっしゃるんじゃなくて、本音なんてまだだれも聞いていませんから、五月中、まだございますので、そのときに本音は維持ということを、私はまだ全然今から、本音というのは、それは自民党の中での委員会はあったかもしれませんけれども、私は保守党でございまして、私の中では一切そういうことはございません。
 局長が来ておりますので、どういうことを私に言われているか、お聞きいただければわかります。
#105
○北澤俊美君 さあ、そこで局長、今、大臣は、私の質問以前の答弁は別ですよ、私の質問に関しては使途拡大と一般財源化を両方視野に入れて検討する、こう言っていますが、道路特定財源は法律的な縛りはありますよ、一般財源化するにはいろんな手続をしなきゃいかぬことは私も十分承知しているが、大きな流れとして、これは政治としてのイシューの問題ですからね、これは建設省の中の問題じゃないんです。そういうことに、建設省は前向きに検討するんですか。
#106
○政府参考人(大石久和君) 先ほど大臣からおっしゃったとおりでございまして、道路特定財源の活用のあり方について、今後の必要性や制度の目的それから受益者負担という性格を踏まえ現在検討中でございまして、今月中にその方向性を取りまとめよという御指示をいただいております。
#107
○北澤俊美君 今、国民が聞きたいのは、小泉さんが国債発行高を三十兆に抑えると。そうすると、相当な痛みを国民は受けるわけだ。それがどの分野なのかということを知りたいんですよ。
 だから、その中で地方へ配分する分とそれから公共事業のこの二つのうちの、二つというか、あるいはまたどっちかでその財源をつくり出したいと、こういうことでしょう。それは公共事業の大宗を占める道路を所管している局長として、全く耐えられないのか、しかしそれは政治の方向で決まればそういう方向に努力できるのかどうかと、そういうことを聞いているんですよ。どっちかにして、簡単に答えてみてください。
#108
○政府参考人(大石久和君) 道路整備の財源の活用の方向性については先ほど申し上げたとおりでございますが、私の立場から申し上げさせていただきますと、五カ年計画を組むにいたしましても、かなり長期計画の中から絞り込んで必要性の高いところを五カ年計画として計上し、それに対する必要な財源を確保していただいておるところでございまして、私といたしましては、こういう多くの都市や地域、地方からの御要請にこたえるために整備を急ぐというのが私の立場であろうと考えております。
#109
○北澤俊美君 それじゃ答えになっていないんだけれども、少なくとも承知しておいてほしいのは、局長、あなた横を向いちゃだめだよ、国民が全体で日本の国の財政を何とかしなきゃならぬというふうになったら、一番たくさん出ているところを削るというのが一番効果的なんだ。さっきの話じゃないが、新聞をとらなくなったという程度のことで事が済む話じゃない。
 そこでもう一つ、これは今の話から少しずれますが、地方道路交付金、あれはだんだん膨らんできていますね。これは建設省の僕は一つの知恵だと思っているんですよ。これを地方へ道路という特定をつけないで、もっと多くの金を一括して地方に任せる。そうすると地方は、その中でどこへ使いたいか。それは下水道に使いたいのだとか社会福祉の方へ使いたいのだとかとあるけれども、あなた方がとっている大きな統計の中からすれば道路が一番膨らんでいるわけですね。そういうことをやるつもりがあるかどうか。この臨時地方道路交付金、そういうひもをつけたのではなくて、どうですか、そういうことならば耐えられますか。
#110
○政府参考人(大石久和君) なかなか答えづらい御質問でございますが、現在その臨時地方道路交付金の形で、地域の方々が総合的に地域開発に計画された道路事業等に使っていただく制度を用意しております。あわせて、また先ほどの御質問にもございましたが、まちづくり統合補助金のような形で道路にも使っていただく。
 我々としては、道路にその分がきっちり充てられているということをチェックした上で道路特定財源から支弁させていただいているものでございますが、地域の自主性あるいは自由度というものを考えながら、私たちが地域を応援していくという制度の拡充は今後とも検討に値する、そういうテーマだと思っています。
#111
○北澤俊美君 もう時間がなくなりましたので、最後に大臣、一番国民が望んでいるのは道路と、こういうふうに言っていますね。これは当たっている部分もあるけれども、当たっていない部分もあるんです。それはなぜかというと、地方の議員も市町村長も一番有権者に訴えやすいのは、ここの道路を直しましょう、あそこの橋をかけましょうと言うんですよ。これが一番わかりやすい。ところが、国からもう任されちゃっている地方でやらなきゃならない環境だとか衛生という問題はこのデータの中へ上がってこないんですよ、地方自決にされているから。そういう問題をもし全部開いたら、地方の要求というのは今、国土交通省の道路局がつくっている資料とはちょっと違ったものが出てくるんじゃないか、私はそう思っているんです。
 そこで、今議論したことをトータルにして、私は大臣は、言ったことが変わりさえしなければ、元気もいいし感性もいいから、なかなか時代の流れのとらえ方は上手ですよ。どうですか、もう一度聞きますが、使途拡大なんということにとらわれないで、全くとらわれないで、一般財源化も含めて小泉総理の聖域なき構造改革に協力をする、こういうふうにおっしゃるんですか。
#112
○国務大臣(扇千景君) 今、くしくも北澤先生、口になさいました。一般国民、地方へ行けば行くほど道路が大事なんだという陳情がある。私も全国の地方公共団体、全部皆さん方と地方懇談会しました。一番要求が多いのは道路でございます。皆さん持ってきてくれとおっしゃる。そして、今も佐藤雄平先生も、少なくとも公共工事の見直しをしようと旗を上げられますけれども道路だけは持ってきてほしい、地方の格差はまだあるよとおっしゃる。
 ですから、やっぱり改革という言葉の中に、本音で物を語り合って国民の理解を得るということが私は一番大事だと思います。ですから、北澤先生がおっしゃいました六百六十六兆、これをどうするんだということをおっしゃれば、私たちは子孫にツケを残さないという、少しずつでも努力していこうということで小泉内閣で三十兆という枠をはめたわけでございますから、今、ことしは二十八兆使っちゃった。そして、また予備費からも、きのうの大変大事な判決に対して皆さん方にこの予備費を使おうという、そういうことでの私は大事さから考えますと、道路特定財源が一番大きいからそれを目玉に考えているんじゃないかと北澤先生は決めつけられましたけれども、そうではなくて、あらゆるところを使っていこうと。しかも、公共工事と一言に言われても、各省庁にまたがっているのは北澤先生が一番御存じなんです。
 ですから、そういう意味で、私たちは切れるものはあらゆるところで節約していこうと、聖域なきというのはそこにあるわけでございますから、私は今、先生がしつこく、これ一般財源化するのか一般財源化するのかと、それだけがメニューでございませんで、中華料理もイタリア料理も日本料理も全部考えようというのがこの内閣としての、あらゆる知恵を出すというのが内閣の本旨でございます。
#113
○続訓弘君 大臣の先日の所信表明を伺いまして、基本的なことにつきまして二、三点お伺いいたします。
 まず、都市再生への基本的取り組みの姿勢についてでありますけれども、海外から見た我が国の評価は、世界競争力年鑑によりますと、国際競争力世界順位が一九九〇年では第一位でありました。それが二〇〇〇年には何と十七位というところに大幅転落いたしました。また、東京は、一九八〇年代半ばからニューヨークやロンドンに並ぶ世界の三大金融市場となったわけでありますけれども、バブル崩壊後は急速に国際金融市場としての地位を低下させました。一方、香港やシンガポールは成長を続けておりますし、また東京証券取引所での上場外国企業数は減少の一途をたどっております。ニューヨーク証券取引所での上場外国企業数の何と三分の一という状況になっております。
 我が国の国際競争力を高めるためには、特に東京及び東京圏の魅力を向上させること、すなわち世界都市にふさわしい東京の再生が私は重要ではないかと思います。このようなときに小泉内閣が都市再生本部を設置し、本格的に検討をスタートされたことは高く評価すべきだと思います。
 そこで、以下四点について伺います。
 まず、所信では、大臣は都市再生本部に触れられまして、その目的、位置づけ、積極的な役割を果たすと、こういうお話をされましたけれども、それはどういうことでしょうか。二点目、都市再生本部は既存の計画を書き直せるような権限があるのかないのか、あるいはただ単に調整に終わるだけなのか。三点目、都市というのは大都市をいうのかそれとも地方中小都市をも含むのか。四点目、都市再生について具体的には何を政策手段とされるのか。そのことについて伺いたいと存じます。
#114
○国務大臣(扇千景君) 続先生は東京都の副知事としてその実力を発揮され、東京の現状と今東京が何をしなければ大変なことになるという実情も把握されての御質問だと思います。そういう意味においては、我々が考えている以上にアジアでのあるいは世界じゅうでの東京の位置づけ、これ首都でございますけれども、その位置づけが低下しているというのは今、続先生がおっしゃったとおりでございます。日本の表看板の首都というものの機能はどうあるべきか、また今どれほどおくれているか、先生が事例を挙げて世界の中での東京の位置づけをおっしゃいました。
 そういう意味では、小泉内閣におきまして、先ほど申しましたように、都市再生本部を設置し、しかも内閣府にこれは設置いたしました。しかも、本部長にみずから総理がなる。そして、副本部長には官房長官と不肖私、国土交通大臣がなると。そして、東京のために情報も必要だということで東京都からも副知事さんが参加してくださる。そして、一般の企業の皆さん方のノウハウもということで民間の方にもお入りいただくと。
 こういう体制をつくったということは、まさに今、先生がおっしゃいました東京の今の現状を打破するための必要不可欠なもの。まして先生がおっしゃいましたアジアでの位置づけさえおかしくなっているという東京に今手を入れなければ、日本の表玄関の東京の地盤沈下があらゆるところで起きている、それを正すためには何としても必要なことであるという今の御意見とともに、改めて続先生が御指摘であったればこそ余計私は何とかしなければならない、このままでは世界からおくれていく、だれも日本に来ないということも、ちょっとオーバーですけれども、物流コスト一つ考えてもとても対処していけないなということになっておりますので、私は、この特に都市再生、関係省庁あるいは地方公共団体、経済界、多くの主体が力を合わせていく課題でもございますし、国土交通省におきましても、旧運輸省、旧建設省、四省庁統合したメリットを生かしてぜひ英知をめぐらせて、この都市再生本部で決めますこと、大体六、七月と総理は本部長の立場としておっしゃいました。
 ですから、六、七月、しかも本年度末には大体のガイドライン的なものがつくれたらいいなと、そういうふうにおっしゃいましたので、短期、中期、長期、今すぐ手をつけるもの、私は六月までに今すぐ手をつけるものというのは出てくると思います。その後は中期、長期ということでこの再生本部において都市のあり方、また今何をしなければいけないか、あらゆることが出てくると思いますので、その権限につきましては、みずから総理が本部長となって立てられたこの都市再生本部、しかも緊急経済対策の中の都市再生本部でございますから、私はこれは必ず日本の経済に資するものである、またそうでなければ緊急経済対策の一環ではないと思っていますので、今私が申しましたように、この都市再生本部のために出されますプロジェクト、短期、中期、長期、短期はすぐに手をつけなければ緊急経済対策にならないと思っていますので。
 そういう意味では、まだ個々の御質問があったら個々については改めてお答え申し上げますけれども、総論としてはそういう位置づけの都市再生本部であるということを申し上げておきたいと思います。
#115
○続訓弘君 それでは、東京の再生はすなわち日本の再生だと、こういうことで実は石原東京都知事が提唱しておられます首都圏メガロポリス構想及び同じようにそれに関連をする十兆円プロジェクトというのを打ち出しておられますけれども、これに対する大臣の評価はいかがでしょうか。
#116
○国務大臣(扇千景君) 今、続先生が石原都知事の首都圏メガロポリス構想というのをおっしゃいました。東京都が一都三県にまたがる広域都市圏を対象に長期的な視点に立った都市基盤などの整備方針をまとめたと、こういうことになっております。
 私は、まさに先日、南関東ブロックの懇談会をさせていただきました。そして、神奈川も含めました四県の知事さん、千葉もそうでございます、お入りになりまして懇談会をしましたときに、まさに東京圏というものを考えたときに、この石原都知事がおっしゃっております首都圏メガロポリス構想というものの重要性、首都圏の再生緊急五カ年の十兆円プロジェクトというもの、東京都知事が緊急経済対策としておとりになっているということをまとめられたわけですけれども、私は、その中で我々国土交通省があるいは都市再生本部が目指しております交通渋滞の解消、あるいは広域防災の連帯の推進、あるいはIT化を達成した情報インフラの整備、あらゆるものが、都市再生本部でしようと思っていますことと、この東京都知事が発表なさいました首都圏メガロポリス構想というのがまさに一致する点が多々ございます。
 ですから、例えば、先ほど午前中にお話しございましたけれども、外環状の話も、これも国と地方が一体にならなければできないことでございますので、私は東京都知事のこの石原都知事の発想というものは大変興味深く拝見もしていますし、これは私たち一緒にできるなと、国と地方が一緒になって初めて東京圏というものの、東京都だけではなくて東京圏の広域的なプロジェクトというものはぜひ必要であるなと、そのように考えております。
#117
○続訓弘君 今、扇大臣のお話を伺いながら、大臣が常におっしゃっていることはグランドデザインを早く示そうと、それは国民の皆様にとって、いわば期待といいますか、そういう青写真を示すことがこの国の二十一世紀のためだぞというお話を常にしておられますけれども、その具体的なグランドデザインは、東京圏においてもそういうグランドデザインをお示しいただけるものと思いますけれども、いかがでしょうか。
#118
○国務大臣(扇千景君) 全国を一巡しましたときに、各地方懇談会ごとに今ある公共工事、十年後というのを全部示しました。これは、私は、本来は、今は十年後しかまだございませんけれども、二十一世紀初頭に入りましたので、二十一世紀、十年先、できれば欲張って二十年先、五十年先の日本はどうあるべきかと、それを示さないと皆さん方は、うちの方へは道路が来ていないな、けれども、これを考えればこっちの道路を先につくった方が地域の経済効果が上がるなとか、皆さんが納得していただけるものを示さなければ、何でもうちが先だ、うちが先だという陳情があっては困るので、国民の皆さんに将来の国土づくりはこういうものであるということをお示しすることによって、より地方の皆さんの御理解が得られ、なおかつ経済効果が上がっていくのではないかと。
 むだをなくすということも、そこから出てくるというふうに考えておりますので、できれば私もなるべく早くと、本来は大臣に就任していなければ私はもっと早く出せたんですけれども、たまさか大臣に再任されましたので、大臣の重みということを考えると軽々にお示しできないなというので少しおくれています。
#119
○続訓弘君 それでは、今度は国際交流の基盤となる国際空港の整備について伺います。
 世界主要都市における定期便の就航しておる空港の滑走路数を見てみますと、ニューヨークは九本ございますし、ロンドンには八本あります。東京にはわずかに四本であります。東アジアにおける大規模空港の整備状況を見ますと、香港空港は三千八百メーター滑走路が二本、韓国の仁川空港にも三千七百五十メーター滑走路が二本、既に供用済みであります。一方、我が国の成田空港では、四千メーター滑走路が一本にすぎません。こんな状況のもとで、首都圏空港の処理能力が御案内のように大変不足をしております。
 そこで、昨年の十一月一日に東京都は羽田空港のC滑走路に平行して三千五百メーターの新たな滑走路を整備する羽田空港の再拡張を国に提案申し上げました。また一方、国は、三月二十八日の首都圏第三空港調査検討会におきまして、B滑走路と平行して二千五百メーターの新たな滑走路の整備を提示されました。
 そこで、港湾や航路、河川、騒音等への影響が少なくかつ関係者間の調整が容易な東京都の提案を十分検討し、先日は国が提案をした案がいいというお話でありましたけれども、この東京都が提案をした案を十分検討して、羽田空港の機能拡充について早期に結論を得て首都圏の空港機能の強化を図るべきと思いますけれども、所見を伺います。
#120
○国務大臣(扇千景君) 今、続先生が御指摘になりましたように、東京国際空港羽田、少なくとも二〇一五年、許容範囲が限度である、パンクするということが目に見えているにもかかわらず、今、手を打たなければ政治家は要らないと思います。私たちは、政府も当然ですけれども、政治家も二〇一五年が目に見えているのに手をつけないということでは、私はそれは不幸なことであると、国民にとっても不幸なこと。また、国際的にも、外国に対しても日本は信用されない、経済大国だと言っていたのに何していたんだと。あらゆることで私は日本が信用されなくなる。また、皆さんが日本に来なくなる大きな要因だと思います。
 ですから、私は、今、先生があらゆる周りの国際空港の現状をおっしゃいました。確かにそうです。三月二十九日、仁川では二本の滑走路ができて、やがてこれ、二〇一五年、四本になるんです。韓国に聞きましたら、四本滑走路ができたら一年間に一億人の観光客を誘致するんだと。しかも、この仁川空港は着陸料幾らですかと聞きましたら、三十万でございます。成田は、御存じのとおり、私どもは九十四万八千三百円。関空は幾らか、九十万八千五百円。これではやっぱり対抗できないんですね。ですから、アメリカもフランスも二十九万円前後、大体三十万以下です。イギリスに至っては、イギリスのヒースローは七万八千円ぐらい、約八万です。これではとても対抗できませんし、今、先生がおっしゃいました、羽田、一五年にパンクするとわかっているんですから、早急に手を打たなければならない。
 そして、東京都案と国土交通省の国の案と両方お示しをいたしまして、先生がおっしゃいましたように、東京の滑走路を見ますと、これは一日大体三十五便、便数にしまして三十五・四万回。一応国土交通省の示したものは、四十便で四十・七万回ということで、石原都知事と話し合いましたら、石原都知事は、東京都案にはこだわらない、それよりも国土交通省案でもいいから急いでほしい、とにかく早くしましょうよと。
 そして、国土交通省案では、多摩川の滑走路に面するところは少し工事をしなければいけないけれども、これも国土交通省になったからこそ、河川も道路も一緒になっていますので、これができるということでございますので、私はそういう意味では、東京都が提案していらっしゃいますC滑走路の話、あるいは国土交通省が出していますB滑走路、速やかに私は成案を得たい。なるべく住民の皆さんの御意見も入れながら成案を得たいというのが、今の続先生がおっしゃった、今の東京の空港の情勢から考えても当然するべきことだと思っています。
#121
○続訓弘君 今、東京都案並びに国土交通省案、この二つについて真剣に議論を重ねるというお話でございますので、ぜひそのことを御要望申し上げたい。
 ということは、東京都案の場合は、航路の問題だとか、我々長年、廃棄物処理場の土地の確保だとか、そういうものを勘案した上での案ですので、私どもはこの東京案が一番いいんじゃなかろうかと、こう思いますけれども、いずれにしても真剣な議論をお願い申し上げます。
 そこで、これに関連をして、やはり何といっても羽田空港に行き着くまでの交通アクセス、この問題が大変ネックになると思いますので。例えば京急、京浜急行線の蒲田駅付近、これは今の計画では、せっかくでき上がる羽田空港開港までに間に合わないという状況がございますので、ぜひこのことについては検討して、前倒しでお願いをしたいと御要望申し上げます。
 そこで、次に、首都圏第三空港につきましては、この東京都案やあるいは国土交通省案のほかに、民間から十五の案が提案されていると伺っております。せっかく民間の英知を集めた十五案に対してもやはり真剣に議論を重ねていただいて、結論を出していただくということをお願いしたいと思いますけれども、その辺のところはいかがでしょうか。
#122
○大臣政務官(木村仁君) 御指摘の首都圏第三空港につきましては、お話がありましたように、候補地を募集いたしましたところ、民間団体等から十五件の応募、提案があったところでございます。
 今後、首都圏第三空港調査検討会が設置されておりますので、その意見を参考にいたしまして、各候補地について需要、アクセス、環境など具体的な調査を行いつつ、比較検討、総合評価を行いまして、候補地を複数、まだ二つになるか三つになるか四つになるかわかりませんが、複数の候補地を二〇〇一年度、平成十三年度中には抽出をいたしたいと、こういうふうに考えて作業を進めているところでございます。積極的な調査の進捗を図ってまいります。
#123
○続訓弘君 次に、羽田空域の関連について御質問します。
 現在、一都六県にまたがる広大な羽田空域は米軍が管理しております。羽田から西に向かう民間機のほとんどが横田空域を避けて飛行しているだけでなく、航空路の過密化を招いているのが現状であります。
 このような現状を踏まえまして、石原東京都知事は、自国の中の空域を外国にゆだねているのは独立国として異常だ、日本の空の安全を守り、自主的、効率的な運用の確保のためには空域の返還が不可欠だと主張しておられますけれども、これに対する大臣の所見はいかがでしょうか。
#124
○国務大臣(扇千景君) 続先生がおっしゃるまでもなく、我々は国の独自性、国の独立性というその観点から考えてみましても、民間の航空機の交通が、効果的な運航のためには我が国が一元的に管理行政を行うことが一番私はいいことである、また当然だと思っております。
 けれども、従来からいろんな事情で、米側が実施しております横田空域等の進入管制業務の我が国への移管につきましては、日米合同委員会の民間航空分科委員会において要請をいたしております。それは先生ももうよく御存じのとおりでございます。その結果、現在は沖縄の進入管制業務でございます嘉手納ラプコンについては、我が国への移管について具体的な協議が進展しております。
 また、横田につきましても、米側との協議の結果、これまでにも数次にわたって空域の一部については返還が行われたことは先生も御存じのとおりでございますけれども、まだまだ検討の余地ありということでございますので、今後とも、横田等につきましても進入管制業務の我が国への移管が実現しますように、引き続いて私たちは粘り強く交渉していきたいと思っております。
#125
○続訓弘君 ぜひ粘り強い交渉をお願い申し上げます。
 そこで、次は政策評価に関連して伺います。
 二十一世紀を迎え、我が国の行政は自由かつ公正な社会を形成するにふさわしいシステムへと大きくかじを切りました。この二十一世紀型行政システムは、総合性、戦略性の確保、機動性重視、透明性の確保、効率性の追求を課題とし、国民本位の行政を展開するために中央省庁等の改革が断行され、その一環として新たに政策評価制度が導入されたことは御案内のとおりであります。
 政策評価制度は、何よりも政策の目的やその必要性に対する本質的な問いかけを行い、評価結果の企画立案への反映を確保することを通じて、税金の重みを十分考えた、真に国民のために実効ある評価をすることが求められております。
 そこで、お尋ねでございますけれども、多くの国民の皆様方は、政策評価制度はまさに公共事業の大宗を占める国土交通省のためにできたものだというふうに認識していると思います。したがって、国民の期待にこたえるためには、国土交通大臣として政策評価に関する取り組みの基本姿勢、先ほど百七十八の事業を見直したと、二度と再び見直すようなことは絶対にしないという意気込みでこれから取り組むんだという強い決意を述べられましたけれども、重ねてお伺いいたします。
#126
○国務大臣(扇千景君) 続先生がおっしゃいますように、我々は、二十世紀を振り返りましたときにも、やはりあらゆるところでこの政策に関する評価制度というものが少しぬるかったなと、あのときにもう少し評価制度が早く導入されて、厳重に評価していればこういうことにならなかったなという反省点が多々ございます。
 そして、二十一世紀という世紀になって、国土交通省が改めて行政の改革を目指すということに関しては、この評価制度というものが我々としては一番重要な手段の一つであると、こう自覚しまして、私どもはそれを具体論としてどういうふうにしていくかと。また、これは評価制度を導入しましても、一般の皆さん方みんなに理解されませんと何にもなりません。専門家だけで評価しているのではなくて、多くの皆さんの意見で、わかりやすく明示をしなければ私は意味がないと思っておりますので、その実施に向けた取り組みを総合的に評価する新しい評価体系を全省に導入実施することにいたしました。
 ちょっと小さくて失礼なんですけれども、またこういうものも先生に差し上げますけれども、新たに五月十七日に省議で決定しましたのは、二十一世紀の新たな課題に向けました政策アセスメントをきちんとする。そして、二つ目には目標と成果を示す政策チェックアップをする。三つ目には、効果の検証と改善に向けた政策レビューをする。
 中身の細かいことに関しましては後日に譲りますけれども、それらの新しいものを導入しまして、どこの省庁から見られても国土交通省が政策評価に関しては日本の省庁のトップランナーである、そう言われるくらいな政策評価の実施を国土交通省は実施していくということを五月十七日に省議決定したところでございますので、今後ぜひ二十一世紀型でこの評価の細部にわたって周知徹底をしていきたいと思っています。
#127
○続訓弘君 今、大臣がいみじくも政策評価のトップランナーになるんだと、五月十七日にそのことについて決定をした、こういう力強いお話を伺いながら、たまたまこの法律を、政策評価の法律は私がかつて決定をした関係もございますので、改めて今の力強いお言葉を聞きながら、これまたよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 そこで、先ほど道路特定財源問題についていろいろ議論がございました。私は、違った観点から一つだけ伺いたいと存じます。
 それは、浅野宮城県知事が、新聞報道でございますけれども、道路特定財源の見直しについて反対だと、なぜならば我々地方はこの道路特定財源が一般財源化されることによって大変な痛手をこうむる、道路の需要というのはまだまだたくさんある、そういうことを無視して考えられてはかなわぬというような趣旨の発言があったと報道されておりました。
 また、石原東京都知事は、ガソリン税は一都三県で二五%負担をしている、にもかかわらず一都三県に交付される特定財源はわずかに一三%にすぎない、ついては受益者負担、要するにガソリン税を負担しているような、そういう負担まで引き上げるべきだという意見もございます。この両方の意見に対して、感想をお聞かせください。
#128
○国務大臣(扇千景君) 本当に私、政策の難しさ、片方によければ片方がそれは困るとおっしゃる。我々政治家、先生方一人一人、一国一城のあるじでいらっしゃいますから、それぞれ地元から陳情をお受けになっていると思います。言葉で言うのは一言で済みますけれども、それを実施するときには本音と建前というものが表に出てまいります。片方よければ片方で困るとおっしゃる。その政策判断は、政治家がどう判断するのか、また行政でどういう方向に持っていくのか、私は大事なところであろうと思っています。
 ですから、お一人お一人のお言葉を聞いておりますと、すべてごもっともなんです。おっしゃっていることにだれも間違いはありません。けれども、限られた財源の中で、どこまでどれをいつまでにどうするかと、これが私は政治決断であろうと思います。
 特に、小泉総理はそれをやっていく。いろんな御意見があるのは当然です。けれども、皆さんに御理解をいただきながら、聖域なきというのはそういうことでもありますし、聖域なき行政改革をして、それを全部取っ払うのではなくて、それではなおデフレになりますから、それを必要不可欠のところへ、順番はあなたのところが一番、そのかわり二番はあなたですよというふうに、これを私は考えていくのが大きな役目だろうと思います。そのために、先ほどから私が申しました地方懇談会を開いたのもそれがゆえんなんです。一県の県益だけではなくて、少なくともブロックの目を持っていただきたい。
 そういうことも含めまして、私は、この道路特定財源をどこに持っていくか。私のところへもいろんな声が来ています、岐阜県からも来ています、自動車工業会も、さっき自工連からも来ております。もうあらゆるところからお声をいただいています。でも、私はその声を聞きながら、こういう声が今まで余り出なかった、こういうことが堂々と議論されて、我々の国づくりの根本的な議論ができること自体も、私は国会にとってはこんなすばらしいことはないと思っておりますので、るる道路特定財源については、先ほども、朝から皆さんがお聞きになりますけれども、これだけ集中的に道路特定財源の議題を国会の委員会でしたことないんです、初めてです。それだけでも私は、二十一世紀の国土づくりのためにはどの財源をどこに使うか、大変意義があったと思っております。
#129
○続訓弘君 それでは、住宅問題について私見を述べさせていただいて、感想を後で伺わせていただきます。
 公営住宅の建てかえについてでありますけれども、昭和三十年代、四十年代に建築されました公営、公社、公団の各住宅は約百六十万戸に上り、これらはすべて改築の時期を迎えていると言われておりますが、国や地方の財源不足から改築は遅々として進まないのが現状であります。特に東京都の場合は、都心の一等地に四階ないし五階建ての戸当たり五十平米以下の都営や公社住宅が建っております。
 これらの建てかえに当たってでありますけれども、まず一つは容積率いっぱいに高層化する。二番目に、現在の五十平米以下から百平米にスペースを倍増する。三番目に、分譲希望者には、市価の六割、原価の約二・五倍程度とありますけれども、それを四十年ないし五十年間の定期借地権つき住宅として分譲する。四番目に、賃貸希望者には政策家賃、市価の六割程度で賃貸する。五番目に、建てかえの際は徹底してバリアフリー化住宅とする。六番目に、建てかえ団地内に公園や集会、保育、老健、特別養護ホーム等の福祉関連施設設置にも十分配慮する、そしてこれらにかかる財源の一切は分譲代金で充当する。
 以上のような方法によれば、国や地方の財源負担はゼロで立派な住宅が建ち、福祉のまちづくりもでき上がる。そして、また同時に、今、緊急経済対策としていろいろ叫ばれているような景気対策上からも私は大変有意義であると思いますけれども、この私の議論は暴論であるかどうか、感想を。
#130
○国務大臣(扇千景君) とても暴論だなんて言う勇気はありません。全部おっしゃるとおりでございまして、こうなれば理想だなと私も思っております。
 ただ、申し上げられますことは、先生の御指摘にありますように、容積率いっぱいに高層化するということは今は無理でございます。なぜなれば、私は続先生が一番よく御存じだと思います、東京都の都市計画をつくって全部ここは道路にするという線引きをいたしまして、先生お示しになったのは御存じのとおり。それは何%達成できていますか。まだ、この道路整備だけでも五五%しか東京都区部は達成できていないんです。これをまず達成しなければ、今、先生が一番最初におっしゃった容積率いっぱいに高層化しても、道路の整備をしないで高層化すればするだけ、消防車は通らない、はしご車は通らない。
 私は、一番東京を活性化する大事なことは、都市計画で線引きをしたものは必ず土地をぜひ皆さん方で整備する。そのためには、私は今国会に提出しております土地収用法の改正というものを含めて、先生がおっしゃった容積率のいっぱいというよりも、今都市計画によってはいっぱいじゃなくて倍増しているんです。あそこの全日空とアークヒルズ、あるいは今度六本木のテレビ朝日跡、それから日本橋の明治座等々、全部これは容積率は二・五倍からいろいろしています。それも道路があって初めて容積率が倍増できる。
 私はそういう意味では、今、先生がお示しいただいたこと、また国土交通省だけではなくて民間があらゆるところで二十一世紀型の都市づくりをしてくださっている、その知恵も今度の都市再生本部の中にぜひ民間のノウハウも入れたいということでしておりますので、今御提案のございました七項目につきましては、私は今度の都市再生本部の中にぜひ参考資料として使用させていただきたいと思っております。
#131
○続訓弘君 いや、全くさま変わりですね。というのは、私は同じ質問を平成十年の四月十七日の予算委員会でやったんです、参議院の予算委員会で。時の大臣はこれに余り答えられなかった。
 ただ、こういうことをやろうとすれば、旧建設省住宅局が反対をした。なぜならば、たまたま都営住宅の敷地であった。それを転用するということについては国のお墨つきが必要だ、こういうことなんですね。とんでもないことなんです。今まさに扇大臣ならではという思いをいたします。
 ぜひこのことについて、とにかく税金は一銭もかからないわけです。例えば私の試案では、百平米にしても二千万円かからない、高層化しても。それを四千万ないし四千五百万で売り払う。そうすると、二千万ないし二千五百万は保留財源として残るわけです。その保留財源を使って今の福祉のまちづくりやあるいは政策家賃にはね返っていくといえば、直ちに今の住宅問題は解決するわけです。今なぜ住宅の建てかえができないかといえば、国庫補助金がないがゆえに建てられない。そして、そういう意味では国庫補助金は一切要らないで、しかも自治体の自主性、自主的な判断で建てられるという制度をぜひ再生本部で生かしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#132
○緒方靖夫君 ダム事業の問題について質問いたします。
 一九八七年に国土庁が策定した全国総合水資源計画、ウオータープラン二〇〇〇というわけですけれども、ここではダム建設の根拠となる都市用水、つまり工業用水と水道用水の需要予測を八四年から二〇〇〇年までに一日平均三千四百万立方メートル、これは東京都の水道配水量の約七倍に当たるわけですけれども、その分も増加するとして、暫定水利権の解消や地下水からの転換、農業用水の増加も加えて六千万立方メートル、これは東京都の約十二倍ですが、その水資源開発が必要だとしておりました。
 ところが、続いて策定された九九年のウオータープラン21、これは九五年から二〇一五年までの都市用水の増加量を前回の予測から五分の一縮小して一日平均六百四十万立方メートルに修正しております。同計画で需要予測を下方修正した理由、これは一体何か、簡潔で結構ですからお答えください。
#133
○政府参考人(河崎広二君) ただいま先生御指摘がありましたように、昭和六十二年に策定しましたウオータープラン二〇〇〇では、都市用水の需要量、これを昭和五十八年から平成十二年までの年平均伸び率を二・〇%というふうに推計をいたしておりました。
 これに対しまして、今回のウオータープラン21におきましては、平成七年から平成二十二年までの年平均伸び率を〇・四七、それから平成二十二年から平成二十七年までの五年間の年平均伸び率を〇・〇七%ということで、御指摘のとおり需要の伸びを相当低目に設定いたしております。
 これは、都市用水需要量を推計する場合に特にポイントになります人口の見通し、それから経済、GDP等の見通しでございますが、これらが非常に大きな影響があるわけでございますが、これらの見通しがウオータープラン二〇〇〇が策定された昭和六十二年当時から、十一年に今回のウオータープラン21を策定したわけでございますが、かなり見通しが低く修正をされております。これが大きな要因でございます。
 そういうことで、都市用水需要量の伸びが相当これから鈍化するというふうに見ているわけでございますが、一方で供給面を見てみますと、最近、御承知のとおり、少雨化の傾向にありまして、十年に一回程度の渇水、降雨量というのが従来に比べて相当減っております。
 そういうことから、供給面での不安定性というものも片方においては出てきておりますので、このウオータープラン21におきましては、現在実施中の事業がある程度予定どおり完成して初めて平成二十二年あるいは平成二十七年の需給バランス、これはあくまで全国マクロでございますけれども、確保できるというふうなことを想定しているというところでございます。
#134
○緒方靖夫君 質問に答えていただければ結構ですので、簡潔にお願いします。
 配付資料の一枚目を見ていただきたいと思います。ここです。(資料を示す)建設省が予備調査を開始した一九六六年以降の都市用水の実績と政府による過去三回の需要予測の関係をグラフにしたものがこの一枚の紙なんですけれども、これを見ますと、都市用水は高度成長を契機に急激に拡大し、これを受けて政府も当初は極端な右肩上がりの需要予測を行っておりました。しかし、高度成長の終えん後は増加率が次第に小さくなり、その後はほぼ横ばいの傾向にあります。にもかかわらず、政府は水需要が増加し続けるという予測を崩さず、その結果都市用水の実績との乖離は決定的になった、これがこのグラフに示されていると思うんです。
 ウオータープラン21では需要予測を下方修正したわけですけれども、このことはこれまでの政府の予測が過大であったということ、このことを認めたということになりますね。
#135
○政府参考人(河崎広二君) 先ほども申しましたように、ウオータープラン二〇〇〇の作成時点におきます、例えば第四次全国総合開発計画で想定した経済成長率、これは年平均四・三%だったわけでございます。それから、人口のフレームでございますが、これは現在の国立社会保障・人口問題研究所が想定をいたしておりまして、そのときの伸び率が〇・五五という伸び率を想定しておりました。
 これが今日的な経済の状況あるいは少子高齢化の影響等々によって、人口の見通しもかなり下方修正、その研究所の予測も下方修正されましたし、それから経済成長率についても、御承知のとおりかなり下方修正されたと、それによってこの都市用水需要量も下方修正をするということになったということでございます。
#136
○緒方靖夫君 下方修正されたということは認められましたですね。このグラフを見たって非常にはっきりするわけですよ。まあ予測が過大であったということはなかなか役所としては言いにくいかもしれませんけれども、客観的に見てこの事実は示されているわけですね。そういう要因についても今述べられたとおりだと思います。人口の問題もある、GDPの問題もある、そういうことだと言われました。
 それで、都市用水の需要予測が下方修正されたわけですけれども、そうなれば開発水系に指定された各水系の水資源開発基本計画、全国で七水系ありましてフルプランとこれは呼ばれておりますけれども、その需要予測も当然修正されることになりますね。
#137
○政府参考人(河崎広二君) 基本的にはそういうことになろうかと思いますが、それぞれの水系ごとにそれぞれの事情がございますので、個別にそれは見ていく必要があると思いますが、現在、御承知のとおり、新しいフルプランの作成に向けて各水系ごとに今調整が行われておりますので、その中で明らかにしていきたいというふうに考えております。
#138
○緒方靖夫君 局長の方で基本的にそうなるだろうと言われました。当然そうですよね。全国でそうなっているならば、当然です。全国の水系についても、それぞれアンバランスがいろいろあるかもしれませんけれども、当然の道理ですよね。
 そこで、大臣にお伺いしたいと思います。水資源開発推進の最大の根拠であった都市用水の大幅な増加が見込めない以上、今、局長述べられたとおり、そうである以上、従来のダム計画をそのまま続けるということについては無理があるのではないかなと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#139
○国務大臣(扇千景君) 緒方先生がおっしゃいます中で、私は二通りに分けなければいけないと思うんですね。ダムをつくります場合には治水面と利水面、私は当然両方考えなければならないと思います。
 今、先生がおっしゃいましたこの表も、私も今いただいて拝見しているんですけれども、なるほどそういう意味ではウオータープランというものを修正しなければならない。これは、私は利水だと思うんですね。例えば農業用地と言っていても、農業用地でもう水が要らなくなった、減反してきた、あるいはこの川辺のあたりに工場誘致をするはずだった、工業団地もつくるはずだった、ところがバブルに遭って工業誘致ができない。ですから、そういう意味で、あらゆるところで利水と治水の両面の分担の分析が必要で、一点だけで表をつくるということは、私は、間違ってないですけれども、もう少し細かいものが欲しいな、もうちょっと細かいものが欲しいなと。
 ですから、そういう意味では、治水の面では、この間の、先生も名古屋のあの集中豪雨であっという間にというのは御存じのとおりで、私たちはやっぱり治水という面からもある程度多くの皆さんの御意見を聞き、では一たび何かがあったときにはだれが責任を持つのかといつもおっしゃいます。責任を持つのは国土交通大臣なんです。何をしていたんだと言われるんです。ですから、少なくともこの場合は治水と利水両面でダムの必要性というものも今後、利水の面で少し減ったんだからダムの数も少し減らしたらいいじゃないかという御意見も多々ございますけれども、私は両面を考えていくべきであろうと思います。
#140
○緒方靖夫君 大臣の仰せのとおりだと思うんですね。やっぱりダムというのは、治水もあるし利水もあるし渇水もあります。ですから、私、渇水とそれからまた治水の問題もちょっとこれから見ていきたいと思うんですね。
 今、大臣言われたように、このグラフが端的に示しているように、利水の面ではこういう問題があるということがまず明らかになりました。それが第一点です。
 では、その次に渇水対策、これもダム事業の上で非常に有力な理由のまた根拠にもなっている問題ですね。実は、渇水時におけるダムの役割、これが極めて小さいのではないか、その問題提起を私はしたいと思うんです。資料の二枚目をごらんください。これは木曽川水系を例に、一九九四年に発生した異常渇水時におけるダムの役割を検証したものなんです。木曽川からの全流出量と岩屋、牧尾、阿木川ダム、それぞれのダムからの補給量を九四年六月から八月、その渇水期、そこにかけて比較した結果、ダム補給量が平均して毎秒約二十立方メートルであるのに対して、これは下のグラフがそうですね、それに対して、全流出量は最大に落ち込んだときでも毎秒百立方メートル維持されているわけですね。そうすると、この間、つまり残りの八十立方メートルは結局森林などの自然が生み出した水量であった、このことがこの例から示されるわけですね。
 そうすると、渇水対策として最も重要なことは、ダム建設よりもこの八割に当たる、要するに自然の森林等々の役割、それが大きいということになると思うんですね。つまり、ダム建設よりも広葉樹林を中心とした森林の保全そしてまた育成、これを図るということがやはり渇水対策の上でも大事ということになるんではないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#141
○政府参考人(竹村公太郎君) この木曽川の平成六年の渇水のお話が出ました。当時、私は中部地建の河川部長をやっておりまして、渇水対策の最高責任者で大変苦労した覚えがございます。
 今、委員御指摘の全流出量を言われましたが、実はこの全流出量に隠れている、一番河口から二十四キロにある木曽大堰という堰がございます。その堰から下流に何トン水が流れたかということでございますが、本来は魚の関係者、漁業関係者や流域の関係者で五十トン流さなきゃいけないというルールになっていたんですが、このときは二トンを割りました。つまり、あの木曽川においてすべての水を人間が飲み尽くしたと、ほとんどの堰から下流に一滴も流さないというところまで川を追い詰めたということでございます。
 木曽大堰で私は二トンを割ったときは、もう本当に心が震えた覚えがございます。漁業関係者は私どもを問い詰めまして、一体おれたちはどうしたらいいんだというようなことで、農業関係者、都市の水の需要者みんなが頭をうなだれた覚えがございます。
 ですから、この木曽川におきましていかに大変な渇水だったかということを私は今まず御説明させていただきまして、この全流出量がこれだけあったからあの当時は渇水が大丈夫だったんじゃないかということではなくて、大変な渇水だったということの一点、御説明をさせていただきます。
 次に、森林の件でございますけれども、今さまざまな森林の役目が言われておりますが、大渇水になったときには森林は非常に水を食うというのが学会の定説になってございます。一般的なときにはいいんですけれども、非常に水が少なくなったとき、その森林の葉っぱの水を食う量というのが大変多くて、これは東京大学のモデル実験の森林でもございますが、普通のときはいいんですけれども、渇水になると逆にその森林が多ければ多いほど川に出てくる水が少なくなってしまうという実験がございます。
 よく半島部とか島の方々が木を切ってしまいます。木を切ると、水をとられてしまうからということがございますが、ですから、まだその大渇水のときの森林の定説はないわけでございますが、私ども人間が自然を最小限にいたぶらないで、そして私どもの文明をやるためにはどうしても水が多いときに水をためさせていただくダム、ため池が私どもの生活にとっては必要なんじゃないか、そういう考え方で私ども行政を進めております。
#142
○緒方靖夫君 大変な渇水だったということはもうだれもが承知していることで、問題は、じゃそのときにダムの役割と森林の役割、それがどうかということが問われているわけですね。
 今、局長は学説でそうだと断言されましたけれども、そういうことはないんですよ。私も日本でどういう学者がどう言っているかということを調べました、質問する以上。それだけじゃなくて、国際学会があるわけです、この問題では。アメリカのダム学者等々あるいは自然学者、それが一緒になったそういうシンポジウムがあるわけですけれども、そこでの結論というのは、アメリカはダムをやめていますからそうなると言われるかもしれませんけれども、そこでの結論も、自然を生かした渇水対策ということが強調されている。ですから、今の局長言われたこと、そういう学者いるかもしれないけれども、それは定説とは言えないということをはっきり述べておきたいと思うんです。
 隠れた事実と言われましたけれども、私は、こういう場ですから詳しくは議論できませんが、図に落としたここにやはり私は一つの事実があると思うんですよ。ですから、これをやっぱりしっかり見ていただくことが大事だと思います。
 私は、森林を育成するということに加えてもう一つの渇水対策として提起したいのは、農業用水からの一時的な融通があるという問題です。農業用水はかつて渇水時のとき番水という時間給水を行っておりました。ところが、最近の農業用水は、大きな取水堰から取水するようになって渇水時にも取水量が安定した結果、番水を実施しなくなりました。しかし、この番水を行えば農業用水の取水量を一時期、一時的に大幅に減らすことができるわけです。農業用水の取水量は大きく、それを少し減らして都市用水に回せば渇水の状態は大きく改善できる、そういうことになるわけですね。実際、愛知県の知多半島では、水道の十九時間の断水が始まった後、農業水利団体が自主的に節水を強化したことによって断水は解除されたということがあるわけですね。
 都市用水がそれなりの代償、これが大事ですけれども、それなりの代償を農業用水側に払う必要が当然あるわけですけれども、巨費を投じるダム事業よりは、こういうことを工夫していくとはるかに有効な渇水対策になっていくのではないかと、そういうふうに私は思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#143
○国務大臣(扇千景君) 緒方先生のおっしゃることも、私はそれもそれだろうと思うんですね。いろんな意見がございます。
 実際、御存じのとおり、私は福岡へ行きますときに、来ないでくれと言われたんです。なぜですかと言ったら、覚えていらっしゃると思いますけれども、福岡が渇水でホテルが全部お客を迎えられない、それくらい福岡のあの大都市の中で渇水になってしまったんですね。そういうことで、緒方先生も東京でいらっしゃいますから、東京都の必要な水というものも東京だけではだめ、群馬県からいただいたり、あらゆるところからいただいています。
 そういう意味では、日本は諸外国と違いまして、日本のこの地形、七割が山である、しかも私たちは三割の平地に住んでいて、それだけに急流なんですね。勾配の斜傾が急なんですね。ですから、少なくとも信濃川と欧州のライン川、いろんなことを比べてみますと、勾配が河口から二百メートルの高さに達するまでの河川の延長、あるいは信濃川が百十キロメートル、ところがライン川は七百七十キロメートル、これはライン川の七倍、信濃川の方が急流なんですね。
 ですから、今、先生がおっしゃいますように、自然の木があればそれでいいんじゃないかと、ダムが必要ないんじゃ、必要がないとはおっしゃいませんけれども、減らしていけるんではないかというふうにおっしゃいましたけれども、私はあえて渇水ということから考えますと、今、世の中では、アメリカはダムを減らしているじゃないかというふうにおっしゃいますけれども、アメリカのフーバーダム、アメリカのフーバーダム一つで日本じゅうのダム全部合わせただけの貯水量なんですね。ですから、アメリカのフーバーダムが約四百億トンあるんです。ところが日本の場合は二百四億トン、約半分ですね。ですから、少なくともアメリカがダムをなくしていっているというのは、日本はあれはダムと言わないで堰なんですね。そういう小さいものをなくしていっていることをダムをなくしていると言うんですけれども、そういう意味でも私はやっぱり最小限むだなものはとらなきゃいけませんけれども、治水という面からは、あるいは先生もおっしゃいましたいわゆる渇水対策という面からもどうしてもこれは必要であると。
 それと私は、日本は緑がなくなった緑がなくなったと言われるんですけれども、私は、これも先生お持ちかどうかわかりませんけれども、世界じゅうの森林面積の国際比較というのがあるんです。一番あるのはフィンランドです。そして、何と日本は四番目なんですね。しかも、日本の森林、よく緑のダムとだれかさんがおっしゃいますけれども、森林は国土の面積の日本は六七%なんです。しかも、明治、大正のときから全然減っていないんです。しかも、今私が言っていますけれども、ドイツの二倍あるんですね、森林が。これは七割が山であるということからして、そうなるんだと思いますけれども。
 ですから、緑のダムと、それから日本は緑が少なくなったからということでは、現実的にこの表をもってすれば日本の緑は少なくはないと。だけれども東京は東京砂漠だと、こういうことはありますけれどもね。
#144
○緒方靖夫君 いろいろお答えいただいたんですけれども、私の質問にはお答えがなかったんですがね、肝心の。農業用水からの融通というのは渇水対策になるだろうと、そういう質問で。
 ちょっと時間もあれなもので、やっぱり大臣の言わんとするところは、ダムは必要だということを言わんがためにいろいろ言われたと思うんですけれども、私は、農業用水からの融通もできるだろうし、それからまた否定されているわけじゃないと思いますが、やっぱり自然を生かした、森林を生かした、そうした面もこれも大事だということを述べたい。
 それから、先ほど大臣が言われた治水の問題にかかわって、その一つの局面かもしれませんけれども、述べたいと思うんです。やっぱり渇水対策とあわせて大事なのは洪水対策ですね、これが治水ということになるわけですけれども。しかし、現存のダムの管理状況、これを見ますととても機能を果たせる状況にはほど遠いという実態もあるわけです。
 国土交通省が提出した管理中の直轄ダムと水資源公団ダムの計八十三カ所の土砂堆積、これは堆砂と言いますけれども、その状況を調べてみました。その結果、既に堆砂容量を超えたもの、つまり一〇〇%以上が二ダムある。そのうち愛媛県の柳瀬ダムは堆砂容量の一・七倍、総貯水量で見ても六%が土砂で埋まっている。そういう状況ですね。
 また、この配付した資料の三ページを見ていただきたいんですけれども、ここにリストがありますけれども、ダムの堆砂容量は耐用年数を考慮しておおむね百年で満杯になる設計になっているわけです。したがって、年間平均堆砂量が堆砂容量の一%未満ならばいいわけですが、調べた結果、そうしたダムは全体の四一%、三十四ダムしかないわけです。あとは百年ももたないという状況です。二倍以上の速度で堆砂が進行しているダムが十六ダム、三倍以上のダムも九カ所ある。北海道の二風谷ダム、これは管理開始後一年足らずで三十倍のスピード。これは信じられないですがね。そういう形で堆砂が進んでいるわけです。
 この堆砂問題を見ても、ダムの有効性が問われるんではないですか。簡潔にお願いします。
#145
○政府参考人(竹村公太郎君) はい。今、ただいま先生にお渡しした資料のうち、先生は大変堆砂が進んでいる事例をお話しされましたが、私ども先生に提出した資料のうち分析しましたところ、計画を上回って堆砂が進んでいるダムが四六%、ほぼ計画どおりで進んでいるのが一四%、計画を下回るダムが四〇%ということで、五四%が私どもの計画におさまっている、またそれ以下だと考えてございます。
 確かに計画を上回るダムがございますが、そのダム等につきましては、排砂バイパス、そして土砂を吐き出すゲートの開発がもう既に技術的に確立されつつございます。実際その事例が出つつございます。このようなことで、その分野についてこれから全面的に私ども技術を結集していきたいと考えてございます。
#146
○緒方靖夫君 総務庁の行政監察局の出したダム問題についての勧告があります。そこには堆砂問題について、非常に大きな問題ということが指摘されているんですね、平成二年の九月ですけれども。また、以前に私がこの問題を質問したときに、河川局長、尾田さんだったと思いますけれども、堆砂問題というのは非常に重大な深刻な問題だということを認めております。ですから、いい面ばかり言わないで、私は別に悪い面ばかり言っているんじゃないんで。やっぱりダムとしてそういう機能がきちっと果たせないものが治水の面でも半分あるということは、局長の計算だって半分近くあるわけですからね。やっぱりそれが問題だということを私は指摘しているわけです。
 大臣、最後にこの問題でお伺いしたいのは、昨年末に出された河川審議会の答申、これは従来のダムや堤防に頼らず、川はあふれるという前提に流域全体で治水対策を講ずるべきだと提言しております。私がしているんじゃなくて、河川審議会がそう提言しているわけですね。危険地域を盛り土でかさ上げし、住宅地や田畑を堤で囲む輪中を復活させる、昔から伝わる水害防止林の整備を進め、河川への雨水の急激な流入を防ぐ調整池や洪水被害を受ける地区の対策も検討する、そういう内容です。ここでもやはり水害防止林、森林をしっかりつくれということが書かれているわけですね。
 ですから私は、これかあれかじゃなくて、河川審議会が言っていることの方が局長の答弁よりはるかにましだと私は思うんですね。ですから、こういったことを踏まえて私は、これまでのダム計画全体を見直して総合的な治水対策を充実させていくべきだと、そういうふうに考えるわけですけれども、大臣の御所見をお伺いします。
#147
○国務大臣(扇千景君) 緒方先生もダムが必要ないとはおっしゃっていなくて、なるべく必要最小限のダムにしなさいよとおっしゃっているのは御提言いただいたことと同じことでございますので、拳々服膺させていただきたいと思います。
 ただ、先ほど先生がおっしゃいました中に、ダムの環境が悪過ぎるというお言葉がございました。私は、それは国土交通省になりましてからみんなに言ってあります。
 私もダムは行きました。宮ヶ瀬も行きました。周りの環境がすばらしいんです。ダムをつくるために道路が全部できているんです。ですから私は、ダムの周りにマラソンコース、練習コースをつくりなさい、皆さんがハイキングに来て、ダムのそばはすばらしい景観なんです。そこでみんなが利用できるように、ただ山の上へ行ったらダムだけあるよというのではなくて、ダムをつくるために道路までつくったんですから、住民の皆さんが十分私は自然に、沐浴でも何でもいい、皆さんが楽しんでいただけるものを一緒につくってほしいと今もう既に言ってあります。また、それに手をつけるように言ってあることが一つ。
 もう一つは、自然回帰ということで、先ほど私は日本の川が急流だと、勾配がと言いました。それも、急流だからどっと水が出るので、私は自然回帰ということで、先生が今、森林をつくるとかいろんな提言のことをおっしゃいましたけれども、私も今回は川は自然に回帰するべきだと。ヨーロッパのように、いわゆる直流にならないように蛇行するべきだと。こういう蛇行することによってそれぞれのところに木が植わり、藻ができ、魚が回帰するというので、直線ではなくてなるべく蛇行する自然回帰をしようということにも努力をするようにと言ってありますので、今、河川審議会の御答申もありましたように、緒方先生もおっしゃいましたように、改めて二十一世紀型の公共工事の中の一つとして、私は改めて二十一世紀型をするべきだというふうに指導してまいりたいと思います。
#148
○緒方靖夫君 この問題の最後に、私の提出した資料の三ページ目にあります堆砂速度が三倍以上のダム、私はこれは何でこうなるのか、非常に不思議に思うんですよ。大臣もそうと言われましたね。私は、地形とか地質、いろんな要素があると思います。
 専門的にわたっても構わないわけですけれども、なぜこうなっているのかということについて、大臣の手で直接指示していただいて、そして報告いただきたいと思います。
#149
○国務大臣(扇千景君) これも、私も今、表を見て、わずか年数が、これは一九九八年ですから、管理開始が。それで、三倍というのは何か理由があるんだろうと思います。それは周りが何か木を植えていないのか、あるいは余りにもダムを開始したときにそういう自然状況を甘く見たのか、何か原因があると思いますから、少なくともこんなむだがないようにしたいと思います。
#150
○緒方靖夫君 それでは、その調査結果を御報告いただきたいと大臣にお願いしておきたいと思います。
 もう一つの問題、私は建設業の退職金共済制度について質問したいと思います。
 この制度は、職場や雇い主を転々とする建設労働者の退職金を共済手帳に貼付する証紙をもとにして計算していくという、そういう点で非常にこれは大事な制度だと思います。私も以前、九九年三月に質問させていただいております。この問題で、その当時もこれが旧建設省の直轄事業で十分に行われていない、このことについて質問したわけですけれども、引き続きそうした事態が続いているということが改めてわかりました。
 国土交通省に提出していただいた特定多目的ダムの十五カ所の本体工事の資料をもとに調べたところ、積算された証紙額と実際の証紙購入額の差が合計約一億円食い違っております。こうしたことはこれまでもたびたび指摘してきたわけですけれども、こういうことはあってはならないと思うんですね。
 なぜこうなるのかということについて、私は大手ゼネコン関係者などからいろいろ聞き取りいたしました。すると、こう言うんですね。発注官庁に掛金収納書を提出する際、少ない証紙購入額をまず報告して、追加購入を少しずつ行っていく、発注官庁は全くチェックしないから、こうした形で問題にならないんだと。そういう形でその額というのは積算されているわけですから、その証紙が張られないということは、結局、施工側がそれをポケットに入れるという、そういう結果になっていくわけですね。
 この問題については以前も建設経済局長と議論いたしまして、そのときに、こういう事態というのはあってはならないし、また発注者や元請、下請など関係者を巻き込んだ対策をきちっと打つ必要がある、そういう真摯な答弁をいただいているわけですね。
 そこで、大臣、こういうことについて実態を詳しく調べられているという現状にはないと思いますけれども、しかし、やはりこういうことが少なくとも公共工事で、また国の直轄の工事で行われるということはゆゆしき事態だと思うんですけれども、その点についての御所見をお伺いしておきたいと思います。
#151
○国務大臣(扇千景君) 大変私も、緒方先生の質問をいただきますまでこういう制度があるのを知らなくて不勉強で申しわけなかったんですけれども、私は改めてこんないい制度があるとびっくりしたんです。私は見本をもらってきました。これが今、先生がおっしゃいました建退共制度の手帳なんですね。それで、日雇いで働いている人たちが、今、先生がおっしゃいましたように、いろんなところへ働きに出るものですから、働くたびに三百円、共済証紙を貼付してもらうんですね。それで、これで十五年働いたら六百五十万円程度の退職金がもらえる。
 私は、主人を入れたいと言ったんです。うちは申しわけないけれども、役者なんというのは、働かざれば食うべからずとは言いませんけれども、一銭も入らないものですから、うちもこんなのがあったらいいなと言って笑ったんです。それくらいこれはすごくいい制度で、これを知らなかったというのは、私も初めてこういう経験をさせていただいてわかったことですから、本当にいいことだと思っておりますけれども、今、先生がおっしゃいましたように、当然張られるべきものを張ってなくて、それなのに収支が合わない、張ったのと出すお金とが合わない、そんな不思議なことはないなと私も思いました。
 ですから、そういう意味で、今度共済証紙の建設労働者への配付状況、これをチェックするための受け払い簿というのをつくったそうでございます。これを様式化しまして、張ってあるか張っていないかという受け払い簿をつくって、その様式の策定と普及を図る等の処置を講じた、こう申しておりましたので、私も不勉強で今度初めてこれを勉強させていただいたものでございますので、今、先生がおっしゃいましたように、建退共済制度、本当に私はいいことだと思って感心しましたので、ぜひ今後もそういうことが十分に活用され、あるいは不正があるとするならば厳重注意するべきであると思いますので、ぜひこういうことは一緒になって、まして緒方先生の方でこういうことは不正だったよという事例がありましたら、いつでもおっしゃっていただきたいと思います。
#152
○緒方靖夫君 大臣が言われるようにとてもいい制度なんですよね。中小企業退職金共済法に基づいてこの制度はつくられているわけで、これが、大臣、きちっと運用されていない、これが非常に大きな問題なんですね。
 ですから、もらうべき退職金を受け取り損なっている人が相当数いるということなんですね。その分、積算に入っているから、それが施工側にどんどんポケットに入っていくという関係になっている、これが見逃されているという、そういう関係の問題なんですね。ですから、これは国土交通大臣が先頭になって、今、力強い答弁をいただきましたけれども、やはりチェックしていただく、これが非常に大事だと思います。
 その点で、これは足元の旧建設省の例えば科学警察研究所の場合、二千万円の差があった。今回、十五のダム、これは直轄ですから一億円ある。これは大臣の手で直接、今の問題、私が無責任に述べているわけじゃないわけですけれども、やはり他党から言われて、ましてや野党から言われてそうかと思えないと思います、大臣として。ですから、これについてはきちっと手のひらに乗せていただくことをお約束いただけますか。
#153
○国務大臣(扇千景君) こういうことは与党とか野党とか全然関係ございませんで、ぜひそういうことがあるのであれば、私はこれを聞いてびっくりしたいい制度というぐらいいい制度なんですから、それが適正に適用されないなんというのは許せないと思いますから、厳重に調べられるところは調べます。
#154
○緒方靖夫君 その点で、私、国のところできちっとやると同時に、公共事業というのは自治体があるわけですね。自治体で幾つか大変進んだ例があるので、私は二つ紹介したいと思います。
 一つは函館市です。私は調べてまいりましたけれども、函館市は土木部長の名前で、元請業者の責任で未加入の下請業者に建退共に加入させるよう明記しているんですね。そして、元請業者が市へ提出する下請選定通知書で二次以下の下請が建退共に加入しているかどうかの記載がない場合、それをチェックして記載がない場合受理しないという徹底した措置をとっているわけですね。私は、大臣、函館で行われているこの例はとてもいい例だと思うんですけれども、どのようにお考えですか。
#155
○国務大臣(扇千景君) 失礼しました。ちょっとだれか答えてください、聞いていなかったので。済みません。
#156
○緒方靖夫君 いいです。函館の場合は、大臣、土木部長の名前で、元請業者の責任で未加入の下請業者を建退共に加入させると明記しているわけです。そして、元請業者が市へ提出する下請選定通知書で、二次以下の下請が建退共に加入しているかどうか、それをチェックする。その記載がない場合は受理しない。これは完全に防げますね。そういう制度をとって、厳正にこの建退共の制度、つまり証紙張りが行われないということがないようにしているわけですけれども、こういう制度をどのように思われますか。
#157
○国務大臣(扇千景君) 先ほどもお話ございましたけれども、下請の場合、一次下請、二次下請、孫請といろいろ言葉を使っていますけれども、そういうことも情報開示しろというふうにみんな言っております。そういう意味において、今、函館ですか、大変いい制度で、二次下請も全部これがないとという、これも私は当然のことだろうと思うので、ぜひ皆さんにそういう例を、いい例があるのであれば皆さんに奨励して、こういうふうにしなさいよという指導をしていくというのも私は一助であろうと思います。
#158
○緒方靖夫君 特に、今、大臣が言われたように、下請ですね、下層に行くほどこの制度が適用されないという問題があるわけですね。ですから、私はこの函館の制度というのは、やっていることというのは非常に大事なものだなということを痛感いたしました。
 もう一つの例として、帯広市の例があります。発注者の帯広市は、完成時に工事完了届けとともに、これも大臣に聞きますからよろしく、発注者の帯広市は、完成時に工事完了届けとともに証紙貼付実績書といって、末端の労働者に至るまで氏名と証紙貼付の実績を元請が責任を持って記載させ、帯広市に報告を義務づけている、そういう制度なわけですね。つまり、これらの文書を市に提出したら、これは公文書になるわけですから、万が一虚偽申告があれば公文書偽造で罰せられる、そして後日、労働者から貼付がなかったとの訴えがあれば名前で確認できるという利点があるわけですね。
 私は、この例も非常に大事だと思うんですけれども、国も大いに発注者と元請の責任を明確化したシステムづくり、こういうものを進めるということは非常に大事だと思うんですけれども、その点でも大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#159
○国務大臣(扇千景君) 今、後ろを向いて聞いていて済みません。何を聞いたかと。外国労働者はもらえるのか、もらえないのかをちょっと聞いていましたので、済みません。
 少なくとも、私、今、先生がおっしゃいましたように、そういうふうにあらゆる地域でこの建退共済制度、いろんなところで皆さんが最大限に一〇〇%利用しようと思ってしていらっしゃるところがあって、さっきも私が言ったのは、このお金をピンはねしてどうして業者に入るんですか、そんなはずないでしょうと。この手帳は本人の名前が書いてあって、そして証紙を貼っていくのにどうしてそれがピンはねできるのと、私、今聞いていたので済みませんけれども、そういう私たちに考えられないことが起こるという、何のための。例えば、私たち、これは健康保険制度だと思いますね。これが私の健康保険だったら人は使えないわけですね。だから、なぜそんなことできるのと、今。それと、外国人がどうしてこれは使えないのとかというので、私もちょっと今まだ初めて見たものですから。
#160
○緒方靖夫君 委員長のお許しを得て、ちょっと時間なんですけれども、せっかく大臣から御質問がありましたので、私の方からちょっと実情を述べさせていただいて、最後に質問とさせていただきます。
 これは、結局、工事費の積算の中に入れてこれをあらかじめ取るわけですね。しかし、証紙を実際に買うかどうかというのは、小出しに買うとかそういう形にして、それを実際積算はしているけれども、しかし証紙は買わない。その差額があるわけですね。その差がさっき言ったダムの十五で一億円、そしてまた科学警察研究所、これはもう建ちましたけれども二千万円あったわけですよね。ですから、結構な額になるわけですよ。その分だけ実際に現場の労働者がもらい損ねているという、そういう深刻な事態があるわけですね。それが仕組みなわけです。
 ですから、大臣、きょうそういうことについてここで議論できたわけですので、私はやはり大臣に強力なリーダーシップを発揮していただいて、こういう今、不正常な事態がある、国土交通省の足元でも、その直轄事業でも営繕の事業でもこれが完全に実施されていないという現状があるわけですから、やはりこの問題について、国のことについてはもちろん、そして先ほど述べた自治体についていい例があるわけですから、そういう問題についてやはり大臣が率先してこういう例があるよということで広めていただいて、このすばらしい制度が本当に生きるように御尽力いただきたい、そのことをお願いしたいんですが、最後に大臣の御決意を伺いたいと思います。
#161
○国務大臣(扇千景君) この建退共制度というものを私は初めて知りまして、おかげさまでいいものを見せていただいたと思うんですけれども、これは建設省と書いてございますので国土交通省になったらどうなったのかということも、これは名前が変わるのかどうかも含めまして、今言ったように日本人だけしか適用されないのか、外国人だったらどうなるのか、そういうことも含めて今後勉強させていただいて、なおいいことがあれば奨励するというのは当然のことでございます。
#162
○緒方靖夫君 ありがとうございます。終わります。
    ─────────────
#163
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田村公平君が委員を辞任され、その補欠として山下善彦君が選任されました。
    ─────────────
#164
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 公共事業の見直しによる予算の編成についてお伺いをいたします。
 国土交通省は、公共事業の抜本的見直しについてそれぞれの事業分野ごとに改革の大枠をまとめる方針を明らかにいたしました。その結果、来年度の予算編成はどのように変わるのか、また変えようとしているのか、お伺いいたします。
#165
○国務大臣(扇千景君) 今、渕上先生御指摘のように、来年度予算、まだ全然手がついておりません。三月の二十六日に本年度予算を通していただきまして、それを今いかに執行するかということで、まだ概算的なことは当然時期的にも論議しておりませんけれども、小泉総理がおっしゃいましたように、十四年度予算における国債の発行額を三十兆円以下に抑えるという目標を公約としてお出しになりましたので、我々としては小泉内閣で、小泉総理が御発言になりましたように、聖域なき構造改革、そういう意味で私ども国土交通省としましても、先ほども申し上げましたように、私は十四年度予算になるまでに現段階でも見直すところはないのかということで、今月いっぱいという期限を切って、国土交通省として来年度予算に向けて少しでも国民の皆さんの預かった税金を有効に使えるような政策に目を向けて提出してほしいと。
 どこをどう切って、ここはどうしても足さなきゃいけないところというのは出てくると思うんですけれども、まず削減できるところはないかという、そういう意味で指令を出しておりますので、今月中に国土交通省としては、必要な事業、あるいは今しなければいけない緊急経済対策上必要なもの、あるいは中期のもの、あらゆる面で見直していきたいと思っております。
#166
○渕上貞雄君 緊急なもの、必要なものについてはわかりますけれども、やはりせっかく見直したら、見直した結果がどこにあらわれてくるかというのは予算しかないわけですが、大臣として、見直したものについては明らかに予算上変更する、積むところにはきちっと積む、切るところはきちっと切る、そういう姿勢でございましょうか。
#167
○国務大臣(扇千景君) それはもう渕上先生のおっしゃるとおりでございまして、私、先ほどから二十一世紀になってしなければならないことというのを言いました。それは、二十世紀がハードの世紀であらゆることをつくってきたけれども、二十一世紀は今までつくったものをいかに品質を保持し、なおかつその上に環境問題、バリアフリー問題、あらゆるものを加味すると。
 先ほどもおっしゃいましたけれども、うちのところは下りのエスカレーターはないよとかというお話が出ましたけれども、そういうバリアフリーも加味した公共工事にしなきゃいけないというところはふやしていく、そういう点でめり張りをつけたいと思っております。
#168
○渕上貞雄君 改革の問題については大いに期待をしておりますから、御努力いただきたいと思います。
 次に、先ほども議論になっておりましたけれども、道路特定財源の見直しについてお伺いをいたしますが、小泉首相の掲げる財政構造改革の柱の一つとして道路特定財源の見直しが言われておりますし、七月の参議院選挙前には方向性を打ち出すと言明されております。
 私ども社民党は、この道路財源の問題については早くから特定財源の見直しについてやるべきだということを主張しておりまして、とりわけ公共交通の確保やバリアフリー対策などを初めとして、総合交通体系の確立、同時に生活交通の確立のために、その財源とすべきだということをずっと主張してきました。
 もちろん、環境対策も必要でありますけれども、今言われておる見直しが、何でもあり、聖域なきと、こういうふうに言われておるんですが、国土交通大臣の見解はいかがでございましょうか。
#169
○国務大臣(扇千景君) 聖域なきというのは言葉どおりでございますけれども、聖域というものはどこで線引きをするかと。これは線引きがないというふうに言っていいと思うんですね、私。
 けれども、その中でも、今申しましたように、やっぱり重点的にしなければいけないものは、あくまで国家ですから、皆さんの税金ですから、必要不可欠なもののところへは集中的に投資して、そして今建設中のものであれば工事をスピードアップして、スピードアップすることによってコストダウンができるという当然の理でございますので、私は先ほどもそういうめり張りをつけると言った意味はそういう意味でございまして、すべてをチャラにしてしまうということではなくて、国土交通省としては、今までの継続性もございますから、例えば道路を中止しろといってそこですとんと切って、ここからは先なしでがけで落っこっちゃうような、そんなこともこれは国民の安全性でできるわけありませんから、ですから、切るといっても少しずつなだらかに、それは国民の安全を加味して手を入れていかなきゃいけないと。
 一遍に切るということはできないと思いますけれども、なるべく不必要なものは切るというのは当然のことでございます。
#170
○渕上貞雄君 何か今まで不必要なものまでやっておったように聞こえますけれども、その点はひとつ不必要なものは切っていただくことはまずお願いしておきますけれども、いわゆる道路財源という目的税で持ってきて、先ほどもいろいろお話ありました、納税者の立場との関係もございますし、それを使用しているところもございますが、私は、この道路財源の持っている目的からすると、やはり道路にかかわる、とりわけそういうところにお金を使うというのは必要なことだと。したがって、総合交通体系のところに金をきちっと使っていくようなことにすべきだと思うが、大臣はどうでございましょうか。
#171
○国務大臣(扇千景君) 先生のおっしゃることも一つだと思いますけれども、それが聖域だと言われてしまえばそれまででございまして、私は、聖域なきという言葉の理解、あるいは現実に聖域なきとはどこまでなのかとおっしゃられれば、先ほど申しましたようにゼロだと言わざるを得ないというふうに考えますけれども、今おっしゃいましたように、ある程度それは今までの国民の利便さから考えますとどうしても継続しなければいけないものは当然あると思います。けれども、その継続の仕方が、私がさっき申しましたように、どれとどれとどれを重点にするか、これも私は大事な選択だと思っております。
#172
○渕上貞雄君 質問を変えますけれども、輸送の安全を確保するのには何が必要か、大臣はどう考えているのかお聞きしますが、先ほども空の航空機事故の問題が議論になっておりましたけれども、とりわけさきの航空事故調査委員会の法案一部改正のときにも議論になりました。私は、大臣に対して安全に対する決意をお伺いをいたしました。その節、大臣は、安全対策というものに万全を期したいと思っていますと、こういう力強い答弁をいただきました。
 そこで、輸送の安全を確保するということは、大臣、どのように認識して考えておられるのか、またどのようにしようとしているか、お伺いいたします。
#173
○国務大臣(扇千景君) 国土交通省、御存じのとおり陸海空、この陸海空にかてて加えて海上保安庁、気象庁、もうすべてが安全が第一であるという役所でございます。
 陸海空、何があっても国土交通省、これが関連してまいりますから、いつも私は年頭の職員のごあいさつのときにも安全第一ということを国土交通省は特に注意するべきだというふうに言いましたけれども、今の日本の現状、いわゆる安全が基本の第一だというのは当然のことですけれども、あらゆるところの今の日本の交通状況を見ておりますと、陸海空の中には、働く人たちが労働時間が過重になっているものもある。あるいは、ついていらっしゃる職業によっては、定時で交代できない、ずっと自分が専念していらっしゃるところもある。そういう意味でそれぞれ、私は、陸海空でございますので、職場によってはいろいろ過重になっている部分もあろうかと思います。
 そういう意味で、特に国土交通省はそういう意味での安全性ということには、人というもの、人間性というものの限度があります。ですから、そういうものを考えていくときには特に心しなければなりませんし、まずは精神的に自分はこれをするんだという責任感というものがおのおのになければ口で言っても、自分の能力以上にその責任感というもので対処してくださる方もいらっしゃいますので、そういう意味では、長時間労働になるときもあります、そういう職種もあります。けれども、私は、事業者に対して運行管理の徹底、そういうものも図りながら安全性を期していくのは国土交通省の一番大事な原点だと思っています。
#174
○渕上貞雄君 ひとつ、言われるとおり国土交通省の持つ安全第一は原則でありますから、なお個々の確保ができますように日ごろの御努力をお願いをしておきたいと思います。
 次に、タクシーの問題についてお伺いいたしますが、タクシーの需給調整規制撤廃後の対応についてお伺いをします。
 まず一つは、改正道運法による新制度の早期提示の問題についてでありますが、明年二月に施行されるということになっていますハイヤー、タクシー業界は新たな輸送秩序の形成のための対応を迫られておりまして、国土交通省といたしましても省令や運用基準の策定を進めていると承知をいたしております。新制度へ移行するのに伴い、業界の混乱は避けなければならないと思いますが、できるだけ早期にやはり具体的な制度を提示する必要があると思います。
 そこで、タクシーは現状でも依然として深刻な供給過剰状態に実はあります。省の認識はその点いかがでございましょうか。特に需給調整が廃止されることを前提に考えるならば、今年度の需給動向判断に基づく新規参入、それから増車の可否判断を行う場合は不必要でやってはならないというふうに考えておりまして、それよりも、新たな制度を早急に提示をして、スムーズに移行するための行政の努力をひとつお願いをしたいというふうに考えるのでございますが、その点いかがでございましょうか。
#175
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 タクシーの需給調整関係についてお尋ねがございました。
 平成九年三月の規制緩和推進計画に基づきまして、平成九年度以降需給調整規制の弾力化措置というのを行ってきておりまして、それによりまして各事業者は、それぞれの経営判断によりますけれども、増車をしてきたわけでありますが、その後の輸送需要の低迷によりまして、今日厳しい経営状況としてあらわれているというふうに認識をいたしております。
 御指摘のございました今年度の需給調整規制の弾力化措置の件でございますが、御指摘のとおり、十四年の二月から改正道路運送法が施行されるわけでございますので、その必要性が薄いのではないかという意見がございます。このため、このような御意見なども踏まえながら、今年度の需給調整規制の弾力化措置の取り扱いにつきまして今現在検討を行っております。
 また、新たな運用基準とのことでございますけれども、新制度へのスムーズな移行を念頭に置きまして、新制度の施行までに十分な時間的余裕を持ちまして関係者にお示しできるよう、現在鋭意検討を進めているところでございます。
#176
○渕上貞雄君 今、最後の方で時間的余裕というふうに言われましたが、どれぐらいの時間を想定されていますか。
#177
○政府参考人(高橋朋敬君) 今、まさに現在鋭意事務的に詰めておりますが、大体夏ぐらいにはお示しできるのではないかと、こう思いつつ検討を進めております。
#178
○渕上貞雄君 できるだけそのように努力していただくように要望を申し上げておきたいと思います。
 次に、私どもこの道運法改正に伴って附帯事項を十三項目ほどつけました。その中で、やはりタクシーの場合問題になってきますのは、乗務キロの問題になってくるわけでございまして、その点は最高乗務キロを定める指定地域というものを考えていると。ですから、どういう地域を考えておられるのか、大体どういうことを想定をして、どういうふうに考えられるのか、これは労働条件とかかわる問題でもございますので、その地域の指定というのは非常に関心のあるところでございますが、いかがでございましょうか。
#179
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 最高乗務距離規制の関係についてのお尋ねがございました。
 現在、タクシーにつきまして、交通の状況を考慮しまして、地方運輸局長が指定する地域におきまして、過労運転等を防止いたしまして輸送の安全を確保するという観点から、事業者に対して運転者の乗務距離の最高限度を定めるように義務づけております。この現在のタクシーの最高乗務距離の指定地域でございますが、昭和三十年代に指定されたわけでございまして、その後、交通の状況や業務の実態が変化しているというふうに思っておりまして、この指定地域の拡大や最高乗務距離のあり方について今見直しをし、検討を行っているところでございます。
#180
○渕上貞雄君 これもひとつできるだけ早急に検討をいただいて、お示しいただきたいと思います。
 次に、同じく附帯決議の中で求めておりました協議機構の設置の問題についてお伺いいたしますが、附帯決議で求めましたタクシー関係者による協議機構の設置について、国土交通省ではその設置のためのガイドラインづくりを進めていると聞いております。どのような進捗状況かお知らせ願いたい。
 そこで、この協議機構は、運賃水準問題や需給、労働条件、利用者のサービスなど、タクシー全般に対する社会的なコンセンサスを得られるような権威ある機構にすることが、構成にすることが最も望ましいと思われます。そのためには、やはり利用者や自治体の代表を入れるべきだと考えますが、その点いかがでございましょうか。
#181
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 タクシー関係の協議機構の設置についてのお尋ねでございます。
 ただいま御指摘いただきましたように、昨年の附帯決議の御趣旨を踏まえまして、今後、タクシー業務の適正化ということにつきまして地域の関係者が話し合いの場を持つということは、タクシー業務の適正化を推進していく観点から必要なことだと思っております。この話し合いの場につきましては、改正法の施行までのなるべく早い時期にそのあり方等につきまして本省からその考え方を示すことを考えておりますが、現在、各地域でもその発足に向けて議論が行われているというふうに思っております。
 そのメンバーでございますが、行政、タクシー事業者、労働者の代表が基本だと思っておりますが、関係者のコンセンサスが得られれば、利用者やそれから自治体の代表が加わることを妨げるものではないと思っております。
#182
○渕上貞雄君 できるだけそういう地域の、機構の設定については、そういう要望にこたえていただきたいと思います。
 次に、やはりこの大きな改革の中の一つで非常に問題になってくるところは賃金の問題でございますけれども、累進歩合制度と年間収入に対する見解をお伺いしたいと思いますが、累進歩合制が禁止されている理由は、非常に刺激性が強い賃金制度のために過剰な労働を誘発し、ひいては安全運行にも影響を及ぼすおそれがあるものなのです。
 タクシーの運送収入に占める人件費率は八〇%近くに達していますけれども、タクシー運転者の年間所得は、全国平均三百三十八万円にすぎない低水準にあります。これは、一九九一年の四百三十万円からすれば約九十万円も実は下落を現在しておりまして、異常な状態と言えます。他の産業との格差は、全産業男子労働者の平均と比較しますと二百二十二万円にも及びますし、累進歩合制の拡大、それから年収の低下など、輸送の安全確保の観点からしてもゆゆしき状況にあると思いますが、この累進歩合制度についての見解をお伺いいたします。
#183
○副大臣(泉信也君) 今、渕上委員から御指摘ございましたように、タクシーの従業員の皆さん方の給与は大変、景気を反映しているということも言えると思いますが、全産業の中で低いということは事実でございます。
 そういう中で、いわゆる歩合制を基本としている部分がございまして、さらに累進歩合制を導入しておるのではないか、そういう御指摘をいただいたわけでございますが、このことは、さきの道路運送法の改正のときの当院の附帯決議の中でも、そうしたことがないように、安全確保のためにも十二分に注意をするようにという決議をちょうだいしておるところでございます。
 こうしたことがドライバーに無理を強いることによって安全が損なわれることがあってはならないというふうに考えておりまして、厚生労働省ともよく相談をしながら、万が一にもこういう仕組みが現実に生かされることがないように今後も注意をしていきたいと思っております。
#184
○渕上貞雄君 これは厚生労働省にもお伺いをしまして、できるだけそういうことのないようにということで調査もお願いをしていますので、国土交通省としてもひとつ業者に対する御指導をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、新たな運賃の設定でございますけれども、運賃の上限はどのような方式で定めるのか。とりわけ不当競争を排除するための措置としては、人件費比率が、先ほども申し上げましたように、八〇%という非常に高い実態を考えますと、タクシーにおける原価構成を踏まえれば大幅な運賃の格差が生じる余地はないと思うのでありますが、どうお考えなんでしょうか。
#185
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 運賃の設定というのは、事業経営上最も基本的な事項でございます。できる限り事業者の自主性や創意工夫が尊重される制度とし、事業の活性化を図るということが必要だというふうに考えております。
 しかし一方、タクシーにおきましては、先生今御指摘のとおり、人件費がコストの八割を占めておりまして、運転者の賃金が基本的に歩合制であることを考えますと、ダンピング競争が起こった場合に、過労運転が常態化し、輸送の安全の確保等が困難となるおそれがあるといった心配もございます。このため、タクシーにおきましては、今度の改正におきまして、引き続き運賃を認可制とすることといたしまして、運賃を認可するに当たりましては、人件費を含む標準的な原価といった基準を設定しまして、不当な競争を引き起こすようなダンピング運賃につきましては、これを認可しないことにいたしているわけでございます。
 そこで、この原価の算出方法などを含めました新制度における運賃認可の具体的な基準につきましては、また同じような御答弁で恐縮でございますけれども、法の施行までに十分な時間的余裕を持って関係者にお示ししたいと考えて、現在検討を進めております。
#186
○渕上貞雄君 これもまたよろしくひとつお願い申し上げておきます。
 次に、バス関係についてお伺いいたしますけれども、バス運行対策費の補助金の交付要綱についてでございますが、一つは、地域協議会についてお伺いをしたいと思います。
 需給調整規制撤廃後の生活路線の維持対策のための運行対策費補助交付要綱が五月十五日付で出されておりますけれども、幾つかの点について考え方を明らかにしていただきたいし、直すところは直していただきたいと思っておるところです。
 まず初めに、交付要綱の第一章の第二条、定義にある地域協議会において審議する事項として、生活交通の確保に関する地域における枠組みづくりその他の生活交通のあり方一般に関する審議として、具体的な路線としては、退出意向が示された路線、単独維持が困難とされた路線、それから自主運行の申し出があった路線と聞いておりますけれども、現在運行されている四十二条、八十条の自主運行路線は審議の対象とならないと思いますが、その点はいかがでしょうか。
 また、地域協議会設置前に整理がついた地域については、運行事業者の運行遂行能力への疑義、それから運行主体である自治体からの廃止申し出などがない限り審議の対象から除外すべきだと考えますが、その点いかがでございましょうか。
#187
○政府参考人(高橋朋敬君) 地域協議会の審議内容についてのお尋ねがございました。
 生活交通の確保につきまして、県を初めとする地方公共団体や関係事業者、国などによります地域協議会におきまして地域における生活交通のあるべき姿を協議いたしまして、それとともに、その結果に基づきまして国と地方がそれぞれの役割分担のもと地域が必要とする生活交通の確保を図る、こういう考え方で地域協議会を設置させていただくことにしておるわけでございます。
 なお、御指摘の道路運送法四十二条の二、つまり貸し切りバスの乗り合い許可のケース、それから八十条の自主運行路線、つまり自家用車による有償運送の許可でやっている路線のこと、また地域協議会設置前に整理がついた地域における生活交通、こういったことにつきましては、さらによりよい生活交通の確保を図るという観点から、それぞれの地域協議会の判断におきまして地域協議会の審議事項として取り上げることを妨げるものではないのではないかというふうに思っているところでございます。
#188
○渕上貞雄君 次に、生活交通路線の要件についてお伺いいたしますけれども、単一自治体が広域である場合、市街地中心へのアクセスキロが二十キロ、三十キロなどの生活路線が存在しているのも実態でございまして、これから先ますます自治体の統廃合なんかができるとすれば、このようなことが多く起こるのではないかと思うんですが、必ずしも要件を満たさなくてもよいと考えますが、その点いかがですか。
#189
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 需給調整規制廃止後におきまして、国と地方の適切な役割分担のもとに乗り合いバス事業を含む生活交通の確保を図っていくということが肝要と思っております。
 したがいまして、生活交通路線として必要なバス路線のうち、国は複数市町村にまたがる広域的、幹線的なバス路線の運行の維持を図るということにいたしまして、単一自治体内の路線につきましては県及び市町村といった地方公共団体がその路線の確保を図るということにいたしまして、これにつきましてはそのための地方財政措置を図ることにいたしたところでございます。
 今後、具体的に地域協議会におきまして地域の実情に応じた生活交通の確保策が議論されることになりますが、国としてもこれに支援をしていきたい、こう思っております。
#190
○渕上貞雄君 次に、地域協議会、それから補助要綱と業者のギャップの問題でございますけれども、補助金の交付を受けて路線維持や経営の存続を考えますと、旅客を無視した系統整理に業者を走らせる可能性が十分考えられます。そこで、生活確保対策のための地域協議会の設置と補助要綱が現実の業者の動きの間でギャップが出てくるんではないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#191
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 御指摘のような事業者と地方自治体や住民との間に大きなずれ、乖離が生じないようにするために、まさに地域協議会におきまして協議をしていただくように期待をいたしておりますし、そのような考え方で私どもとしても対応してまいりたいと思っております。
#192
○渕上貞雄君 よろしく。最後の質問になりますけれども、補助対象事業者の選定要件についてお伺いいたします。
 安全輸送の確保の観点からお伺いいたしますが、要綱第二章の第七条第三項では、都道府県知事は、乗り合いバス事業者であって、地域協議会の結果に基づいて、都道府県の定める一定の要件のもとで、最も少ない補助金で生活路線を運行する者を補助対象事業者として選定するものとする、となっておりますけれども、安全輸送を確保するには必要最小限度条件を満たすことが私は大切だと思うのでありますが、一律に最も少ない補助金とするのは安全をないがしろにするのではないかと思われますし、危険を温存させることになるのではないかというふうに思うのでありますが、補助金が少なければ少なくていいという問題ではないと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#193
○副大臣(泉信也君) 先ほど扇大臣からお答えをいたしましたように、私どもにとっては安全は第一の課題でございます。当然、地域協議会を通じ都道府県知事が事業者を選定するわけですが、今のこの文言が生きてくるところは、ある路線で複数のバス事業者が競合する、そういう場合には最も安い補助金で事業運行ができる業者を選定するということは、これはある意味では当然のことだというふうに考えております。
 なお、先生の御指摘のように、そのことによって安全が損なわれるようなことがあるとすれば、これはまた地域協議会等で十二分に御検討いただいて対処してまいりたいと思います。
#194
○渕上貞雄君 終わります。
#195
○田名部匡省君 大臣の所信表明の中で、従来の縦割りを排し統合の発揮をするんだ、国民の視点に立ったより質の高い行政、より低いコストで、スピーディーにと。具体的に、統合のあたりはわかるんですが、質の高い行政とより低いコストというのはどういう考え方でおられるか、まずお伺いをしたいと思います。
#196
○国務大臣(扇千景君) 今、田名部先生おっしゃいましたように、より質の高い行政、これはもう当然私どもは、国土交通省になったからという意味だけではなくて、役所としては当然していかなければいけない、行政としては当然質の高いものでなければならないというのは原則でございます。
 ただ、今、先生がおっしゃいましたように、国土交通省になって、だったら今までの建設省、運輸省、北海道開発庁、国土庁、四省庁と国土交通省になってどこが変わってきたのかというお話をなさいましたけれども、私は、少なくとも計画から事業まで今までと違って一貫した政策を提供できる、また提出できる、また作案できると。そういうことでは、今までは建設省で計画しましたことも、また今度は運輸省からも出してもらって、両方で合わせてみなければ総合的なものがわからないという、大変手間暇かかったといいますか、そういう面からいえば、私は皆さん方に言っているのはワンストップサービスなんだと。今まであっちの役所へ行きこっちの役所へ行ってくださったことも、国土交通省はワンストップサービスができるようになったと申しておりますので、そういう意味では、より国土交通省になってお互いの事業計画の策定も最初から共同作業ができる、そして総合的な交通体系もできる、そして御存じのとおり、私がきょうも申し上げましたけれども、政策の融合性を推進します場合に、ハードとソフトが一緒になってこれは二十一世紀型にできるということも私は大きな統合のメリットであったと思っております。
 そういう意味では今後の細かい、十三年度予算を通していただきまして執行状況に入っておりますので、私は、より国土交通省としてめり張りのきいた、国土交通省だからできるという予算の執行というものを図っていきたいと思っております。
#197
○田名部匡省君 例えば、新幹線、高速道路、空港もそうですけれども、ばらばらにやってきたんじゃないかな、そんな気がするんですね。それが今はもう大変な競争になって、例えば大阪、私は前にも申し上げたかと思うんですが、運輸委員長のときに、伊丹空港が、もう騒音で移転してくれというので今の関空に移ったと。ところが、できたら移転しないでくれ、残してくれと。二つあったんじゃこれはもうかるわけがないですね。そこへもってきて新幹線が通る、高速道路も行く。こういうばらばらなことをやってきたものが今度はなくなっていくんだろう。
 私の八戸市も、新幹線がもう来年ですか、開通します。そうすると、三沢空港は一体どうなるのかというので、地元で話を聞くと、ストレートに、真っすぐ東京まで新幹線が来れば余り差がないんですよ、時間的に。例えば、私の宿舎から羽田空港まで行くのにまず一時間、乗っている時間が一時間、着いてから五十分。すぐそこから乗れる、二十分前に行かなくてもいい、こういうことを考えると、三沢空港がおかしくなっちゃうんじゃないかなという感じがしているんですね。ですから、いずれにしても、今後おやりになるときにはむだのないやり方をやっていただきたい、そんなふうに実は考えておるわけであります。
 それから、せっかく会計検査院においでいただいているのでお尋ねしますが、きのう、質問すると言ったら、こんなに資料を持ってこられて、これ読めるわけがないんですね。
 行政改革推進事務局というのが、公益法人、いいか悪いかと、全部まず丸以外ないんですよ。調べてみると、ちゃんとやっているかやっていないかということだけを調べているんですね。給料を高く払っていないかとかどうだとかということだけの資料なんです。
 私は、行政監視委員会のときもいろいろ聞くと、総務庁、会計検査院、大蔵省、その担当省を呼ばないと話がよくわからない。ばらばらなものですから、どこかがまとめて全部を評価してちゃんとやる方法ができないものかなということをそのとき話をしたんです。
 そこでお尋ねしますが、会計検査院の十一年度の決算報告を見ると、随分よく苦労されてお調べになったと思います。特に、先般もアクアラインの、私はここで質問をしましたよね。私が初めて通ったら、私の前を三台走っていて、後ろ振り向いたら一台しか来なかったと。しかも、三千円と安い料金になっていましたが。これ当初、計画したときは一日二万五千四百六十八台通るという計画が一万一千八百七十六台しか通っていない。それで、それがだんだん落ちてきているわけです。ところが、計画は上がっていっているわけですね。十一年には三万一千五百何十台通るという、こういう計画というものを立てられて、会計検査院の方では検査をして、「本院の所見」ということで、これからも「社会経済情勢に大きな変化が生ずることも予想される」という程度の言い方をされて終わっているんですね。
 もう少しどうですか、会計検査院がもっともっと、やっぱりおかしなことは、これはもうこうしなきゃならぬ、ああしなきゃならぬという、そこまで突っ込んだことはできないものでしょうか。
#198
○説明員(白石博之君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、今いろいろ先生お話にございましたけれども、基本的には国の会計経理の執行状況を見るということがその任務の基本でございまして、したがって、予算の執行状況、業務執行状況等につきまして、いわばその実績について私どもの見地からの検査を行い、それについて検査報告に掲記すべき事項があれば掲記をさせていただくということで見させていただいているということでございます。
 そういう中で、今お話がございましたようなアクアラインの問題でございますとか、あるいは平成十年度決算検査報告になりますが、本四架橋の問題とか、そういったような問題も取り上げさせていただきまして、これは過去の実績の問題を踏まえながら、将来の計画の見通しの問題ということについても一定の見通しを持ちながら言及をしていくということで検査報告に掲記をさせていただいたということでございます。
 しかしながら、やはり最初に申し上げましたとおり、私どもとしては、基本的には過去の実績の特に会計経理について検査をするという役割を、これはいわば憲法上の役割として与えられているということでもございます。したがいまして、そういう点を踏まえながら、なおさらにそれぞれの政策効果なり政策目標なりというものの問題につきましての有効性、政策評価の問題等についても、そういった実績の評価を踏まえながらできる限り見てまいりたいということでやってきているところでございまして、そういうことで、本四架橋の問題あるいはアクアラインの問題についても、問題提起をして出させていただいたということで御理解をいただきたいと存じます。
#199
○田名部匡省君 これは大臣の出番だと思うんですが、これだと何やってもだれも責任とらない体制だし、これから計画立てたのも、ああそうですかという程度でどんどん進んでいった結果こうなったでしょう。だから、だれかこれは民間でもいいからやっぱり組織をつくって、こういうものはもう徹底的にやるというのがなければ、これから質問しようと思っていることも、全部大変な国債発行して、財投資金をつぎ込んで、もう大変だろうと思うんです。どうぞお考えを。
#200
○国務大臣(扇千景君) 田名部先生は、根幹にかかわることをおっしゃっていると思います。これは私は二十世紀、少なくとも政治家の責任でもあります。少なくとも本四架橋もアクアラインもすべて法律を通して、そして一時は一県一空港、全国の都道府県、一県一空港をつくるべきだと政治家は声高に言いました。あらゆることで、二十世紀というものはどんどん上向きに行っているときはそれでよかった。
 けれども、今アクアラインの例を挙げられましたけれども、私が今言っています、全国のグランドデザインがないからああいうことになるんです。アクアライン渡った先にいいものがあったら行くんです。渡ってしまった先に成田にも続いていないんですね。じゃ、千葉県に渡ってしまって、四千円を三千円に一千円引き下げました。ところが、アベックのスポットになっていて、海ほたるへ行って景色眺めて帰ってきちゃうんですね。向こうまで行かないんです。ですから、そういう意味では、やっぱりアクアラインをつくったら、千葉県に渡ったら千葉県から今度それが成田まで行っているよとか、そういうグランドデザインがあって初めて私は有効になると思っております。
 私が、これ言ったらしかられるかもしれませんけれども、当選しましたときに、四国に対して三本の橋は要らないと自民党の部会で発言しました。物すごく先輩に怒られました。何を言っているんだと、おまえは新米のくせに。私は両方二本でいいじゃないかと、三本目をつくるときにそのお金で四国一巡の高速道路をつくって連結すべきだと、私は正論だったと思います。けれども一年生だったから物すごく自民党の部会で怒られました、余計なこと言うなと。
 けれども、私はやっぱりこれ、政治だったんですね。ですから、私は、二十世紀は高度成長期、それでよくて日本はこんなになったんですけれども、やっぱりそれを改めるときには、政治家が決めたんであれば政治判断でこれを切るということを、小泉総理がおっしゃったとおり、聖域なき行政改革というものも私はここへ来ると思うんです。ですから、政治主導で、行政と、お役人の話をしちゃ悪いですけれども、役人というのは一遍つくったことをやめるということは絶対言いません、みずからは。
 ですから、私は政治判断で、二十一世紀のこういう委員会で皆さんとともに政治判断したことを政治家の決断によって英断を持って議題にすると、私はこれが大事な今の国会の重要性だと思っています。
#201
○田名部匡省君 全くそのとおりで、高度成長時代に我々もそうでしたが、国土の均衡ある発展と、こう言って何でもかんでも、受益と負担というものを考えないんですね。何かただでやってくれるものだと。
 私は若い連中に地元で話をすると、借金が幾らあるといっても、何かお金を払いなさいという紙でも来ればびっくりするけれども、何にもないし、ぴんとこないと言うんですね、六百六十六兆円。
 私は、六百六十六兆円じゃないよと。バランスシートでやると、二年後に年金も含めて国だけで七百兆円の借金がある。そこへ持ってきて、財投の貸した先の不良債権が百五十兆ぐらいあるんじゃないかと。そこへ総理が三十兆円以上はもう絶対国債を発行しないんだと言ってみたって、三年も借りれば百兆円になりますよ。そうすると、一千兆円ですよ。一千兆円ということは、今金利が安いからいいけれども、六%ぐらいの金利になったら六十兆円の利払いでしょう、毎年。五十兆しか税収がないのに六十兆円の利息を払うなんというのはできっこないことはわかっているんですよ。
 だから、私は、もっと大臣を初めこの受益と負担、これをつくるのはいいがあなたはこれだけ負担するんですよというのがわかれば、考えますよ、みんな、国民が。今どうなっているか全然わかっていないでしょう。だから、何か頼めばただでできるんじゃないかなと、こんな感覚でいるから、もっとやっぱり国民に情報公開をして、そして国民と一緒になってこの国をどうするかということを考える時代だと思うんです。
 これはいつの新聞ですか、「地方空港建設に「警鐘」」と、高松空港も北海道もみんな思ったよりも客は乗っていない、このまま行くと大変になりますよということが載っていました。また、道路公団も財務内容は旧国鉄並みだと、「「膨大な累積債務」警告」、これはPHP総合研究所が発表しておりますけれども。このとおりになるかならぬか私もわかりませんけれども、しかし、こんなことをやっていると本当に大変だと思う。
 それから、総理がかねてから、国が各省ごとに金融機関を持つというのはこれは必要ないと、こう随分言っていました。私も何回もこの演説を聞いていまして、あの持論というものは今回の改革の中にこれは入っておるんですか。各公庫があるでしょう、住宅金融公庫から農林から何から沖縄から。これは全部でどのぐらいあるんですかね。まあわかりませんが、いずれにしても、これは改革の中に入っているんですか、入っていないんですか。わかりますか。
#202
○国務大臣(扇千景君) 聖域なきというのは、特に特殊法人も公益法人もすべて見直し対象に入っておりますし、またこの間の予算委員会でも総理もそのことを特に公言なさっていらっしゃいます。
#203
○田名部匡省君 私は、かつて皆さんの方におったころに、公益法人の中で、例えば農協でも文部省でも、何か学校法人でも法人関係、あるいは宗教法人もあったし、事業をやる収益部門というのがあるんですね。これは猛烈に反対されましてね。でも、考えてみると、税金を納めないお店と納めるお店が並んで商売やったんじゃ、これはできませんよということを言ってきたんですね。ですから、収益の二割は公益部門に損金算入できる仕組みになっているものですから、もう税金は極力安くて済むわけですね。
 ですから、この辺のことをどうするのか。もともとこれは特別の法律はなくて、営利を目的としない、しかし公益の部門はあると、収益部門があると、これは人のために存在するんだと、世のため人のためにやるんだと、こう言いつつも、だからあのKSDなんというのは全くこの分野じゃないんですか。あんなにもうかっていれば、掛金を千円にしたってやれるわけですから。もうそういうことが行われている一番の私は今メスを入れなきゃならぬのは公益法人、特殊法人。もう徹底的にやっぱり今苦しいときは節約をするんだと国が率先して、そうしてやることをやったら、国民の皆さん、ここまでやりましたので税負担はぜひお願いしたいと言わなかったら、これ絶対私は将来にわたってのことはできないと思うんです。大臣、どう思いますか、このことを。
#204
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、田名部先生がおっしゃったことは国民皆さんが感じていらっしゃる声だと思います。その声が小泉内閣を誕生させたのではないでしょうか。
 ですから、私は、その国民の今の閉塞感というものは、田名部先生がおっしゃったとおりのことを多くの国民が認識をし、そしてこれだけの情報化時代、みんなこれわかるようになりました。知るようになりました。それだけに閉塞感があるので、私は何とか二十一世紀変えてくれるのではないか、また変えてもらいたいという願望とともに、公選ではないにしろ、自由民主党の総裁予備選であったとはいいながらも、それに国民の多くの支持が、自分も一票あるような錯覚を起こすぐらいに閉塞感を爆発させたということで小泉内閣は誕生したと思っております。
 ですから、今、先生がおっしゃいましたようなこと、それが小泉総理の所信の聖域なき構造改革に私は言葉として出てきたと思いますので、これから何をするかというのが国民の厳しい目、期待が大きいだけに私は何をするのか、何ができるのかと、その辺のところは多くの国民の皆さんがまた厳しい目でより監視していらっしゃると思いますので、そういう意味では聖域なきという言葉を私たちは重視しながら頑張りたいと思っています。
#205
○田名部匡省君 住宅公庫、貸出金利は今幾らですか。
#206
○参考人(井上順君) いろいろございますけれども、基本となっている基準金利は二・四五%でございます。これは当初十年の金利でございまして、十一年目から四%になります。
#207
○田名部匡省君 財投の金利は幾らですか。
#208
○参考人(井上順君) 現在、財投金利というのは、二十三年イールドカーブが入った金利というふうなことで、二十三年で借りている金利から申し上げますと一・四%でございますが、これは既に上がっておりまして、私どもの金利は二・四五でございますけれども財投金利は一・七になってございます。
#209
○田名部匡省君 いずれにしても、融資残高が七十七兆ぐらいあるんですか。
#210
○参考人(井上順君) 現在、七十五兆というふうに申し上げております。
#211
○田名部匡省君 そして、この七十四兆ぐらいが財投で恐らく調達をしているということになるんでしょう。これは、私は、皆さんの住宅公庫というのは、昔はそれなりに存在があったと思うんですね。それを我々も、あのときはセカンドハウスとか別荘まで融資しろやなんて、自民党にいるころは何か次々と新たなことをやったんですけれども。しかし、これは相当の欠損金を抱えているんでしょう。欠損金はどうなっていますか。
#212
○参考人(井上順君) いわゆる欠損金というのをどういうふうに見るかということもあろうかと思いますが、利子補給金で申し上げますと、平成十一年度でいいますと、補給金四千三百五十、補正で千八百六十というふうなことでいただいて、押さえておりますけれども、十一年度末での特別損失金という意味での累積と特損を申し上げますと、四千六百三十一億でございます。
#213
○田名部匡省君 時間が余りないので、いずれにしても、国から補助金や何やという形で出してもらわぬとやっていけないですね。これは特殊法人も全部そうなんですよ。それは国民が税で負担していることになるんですね。私は何回もここで言うんだが、私は民間で事業経営しているものだから、国民の税金をもらって商売して、そして赤字はこの程度で済んでいるんですということが、本当にこれ、この先もずっとやっていいんだろうかというのがどうしても私の頭から離れないんですよ。
 ですから、そのことを今後どうやられるつもりか、それがなかったら。だから、この間も住宅公団に聞きましたよね。そんなものも収益に入れて、二十八億の赤字でございますと。それなかったらあんたもう大赤字ですよ。恐らく、公団だって同じようなことだろうと思うんです。そうでしょう。
#214
○参考人(井上順君) ただいま申し上げました欠損の中にございます利子補給金と申しますのは、公庫が財投から借り入れた借入金利と、それから貸付金利との差が主なものでございまして、これは国民の皆様方により低利で安定的に長期の固定金利で融資をするというふうな意味合いでの補給金をいただいているというふうなことでございます。
 先ほど先生のお話にございましたように、現状では財投で一・七で貸しているのは二・四五というふうなことで、今いただいているのは過去のストック部分につきましての補給金をいただいているというふうな状況でございます。
#215
○田名部匡省君 特別損失金を計上しているとかいろいろな説明、この帳簿見て私も、難しいなこの決算はと、こう思って見ていました。ただこの間も、例えば住宅に関してソフトバンク・ファイナンス、これが新しく五月から新生銀行と組んでグッドローン社を設立したと。こういうものができてきたら、競争になりますか。
#216
○参考人(井上順君) グッドローンみたいなシステムというのは、アメリカで発達しているシステムだと存じ上げておるわけでございますけれども、ただいま私どもの方でホームページで知り得たことで申し上げますと、グッドローンに予定しているものは特定の業者の分譲住宅と提携した形で、つまり一部分についてその事業を行うということ。それからもう一つは、いわゆる長期資本市場が日本でどれぐらい発達しているかというふうなところとつながるかと思いますが、本当に一・七%で市場から調達できるか。逆に、資産担保証券としてそれを販売できるかというふうなところがまだ未確定なところがかなりあろうかと思っております。現実にまだ一件も融資は行われておりませんので、もちろん私どもはそれも注視しながらやっていきたいというふうに思っております。
#217
○田名部匡省君 これで終わりますけれども、結局、低利でやるためにこういうものをいただいてきてやっているんだと。終戦直後の住むうちがない時代ならいざ知らず、もうここまで、もうそう不足はないんでしょう、住宅については、恐らく。それをいつまでもやるということはいいのか。それはだれかが出したお金でその人は低利で使っているわけですから、本当に金融機関でこれやり切れないのかなという気がするんです。むしろ、制度として民間にやれるような仕組みを国がつくってやった方がいいと。私は、かつて商工中金か何か、床屋さんか何かの会合を地元でやって、どうなっていると言ったら、いやさっぱり借り手ありません。何でと言ったら、金利が高いものですから、銀行の方が安い。あなたたちの、じゃこのいろいろな経費はどうなっているんだ。いや、国から補助金もらって、今給料で生活しているんだ、こんなことでしたよ。そういうむだ、国として、これいつまでもやる必要があるのかないのか。
 次の世代と、僕はいつも言うでしょう。生まれてないんですから、返す子供たちは。どうぞ、本当に政治家というのは、いつも言うけれども、信念と志、これを持ってやらなかったら、後に本当に泣かせるようなことになりますよということを僕は言い続けてきました。
 どうぞ、大臣、信念を持って、本当に国民のために一生懸命やろうと、こういうことはもう何回も聞いておりますので、最後にその決意を伺って終わりたいと思います。
#218
○国務大臣(扇千景君) 我々が、今二十一世紀を迎えて心しなければならないことは、総論賛成、各論反対、本音と建前、こういう政治家の今や常識になっていること、これは政治家の中では常識的ですけれども、世間では非常識。これを我々は心して、総論賛成、各論反対、本音と建前を使い分けないように、今や情報化時代ですから、国民に正直にいけなかったことはいけなかったことと、今直さなければ二十一世紀の日本はあり得ないというつもりで頑張っていきたいと思います。
#219
○田名部匡省君 終わります。
#220
○戸田邦司君 最後になりますが、自由党の戸田でございます。
 四点ほどお伺いしたいと思っております。
 まず第一の問題ですが、運輸省、今国土交通省になっておりますが、運輸省、相当早い時期からいろいろな部門での規制緩和をやってきております。これは相当の決断があったと思っています。つまり、参入について需給を基本的には見ないんだと。ですから、いろんな部門がありますが、バス、ハイタク、倉庫、トラックと、あるいは港湾運送などもそういう方向で動いている。
 そこで、そういうような規制緩和をやっていく場合に、一番問題になるのは競争の健全化といいますか、市場の健全化、そういうことが問題になってくると思います。そこがきちっと担保されないと、需給を見ないで参入を認めていくと、そういうような市場がめちゃくちゃになってしまうんじゃないかと思っております。
 そこで、まず国土交通省にお伺いしたいと思いますが、今そういったことで運賃でダンピングが起こっているとか、そういう業種をどういうふうに把握しておられるか、お伺いしたいと思います。
#221
○政府参考人(高橋朋敬君) お答え申し上げます。
 トラックの分野でございますけれども、トラック事業におきましては、運賃につきましては一応事前届け出制になっているわけでございます。それで、この運賃には上下の幅がございます。それから、割引制度もできることになっております。この範囲におきまして、トラック運送事業者が機動的な対応と申しますか、いろいろと創意工夫をして事業活動を展開しているというふうに思っているところでございます。
 この運賃につきまして、不当な競争になるようなものであるかどうかという点について申し上げますと、この届け出られた運賃につきましてそのような不当競争を引き起こすような場合には変更命令ができる、こういうことになっております。
 私どもとしましては、いろいろと事業の監査、重点的な監査をしていますが、そういったことだとか、あるいは地域にトラック協会が適正化実施機関というのになっておりますけれども、そこの活動を通じまして届け出られた運賃とそれから実際の運賃との関係についてもチェックをしまして、もし差異が認められた場合には変更届け出をするというふうにするのか、あるいは届け出どおりの運賃を収受するようにするのかについて指導を行っているということでございます。
#222
○戸田邦司君 地域によっていろいろ格差があるかもしれません。輸送する品目にもよるかもしれません。トラックだけではなくて貸し切りバスなんかの問題もあろうかと思います。
 そこで、特に最近地方で聞きますのは、相当の値引きを要求されてきていると。それで、私はその場合に、届け出運賃はそういうような仕組みで守るべきことになっているかもしれませんが、基本的にコストに見合わない、そういうような運賃を要求されているケースがふえてきている、そういうふうに私は聞いております。
 最近の不況ですから、それは当然のことだろうと思いますが、荷主は概して大手のところがそういうような要求をしてくると、そういうことだそうですが、大手が荷物を出すか出さないかであちこちの業者を引き合いに出しながら二割引きとか、そういうようなことを言ってくると。そうなりますと、トラック輸送を例にとった場合に、大手はしばらくはしのげるかもしれない、そういうコストを割っての輸送であってもしばらくやれるかもしれませんが、小企業、中小のうちの小、そういったところは体力がありませんからもうとてももたない。
 そういったところにメスを入れるために国土交通省で今のような仕組みでやられると、こう言っていますが、やっぱり業界内部のことですからお互いにそういうことは言わない、ですから役所の方には聞こえてこない、そういうようなことになると思います。私は、この部分は、運輸省もさることながら、公正取引委員会が厳正に対応すべきじゃないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
#223
○政府参考人(楢崎憲安君) 先生御指摘のようなダンピング受注の背景には荷主による値下げ圧力があるということでございますけれども、独占禁止法上は、取引上優越した地位にある荷主が倉庫業者に対しまして、あるいは運送業者に対しまして、一方的に著しい対価での取引を要請することによってそういったダンピング受注を余儀なくさせる行為は、優越的地位の乱用の観点から問題となり得るところでございます。ただし、それが対価にかかわる交渉の一環として需給関係を反映したものであるかどうかという難しい問題はございますけれども、優越的地位の乱用の観点から問題となり得ることでございます。
 私ども、この優越的地位の乱用の問題につきましては、事業者の方から私ども公正取引委員会の方になかなか情報が提供されにくいということもございまして、平成十年三月に役務の委託取引、倉庫とか運輸、トラックの取引等につきまして、どのような行為が優越的地位の乱用として独占禁止法上問題となるかどうかということについて、ガイドラインを作成したところでございます。
 現在、そのガイドラインの周知徹底を図っているところでございますし、また昨年十二月にも調査結果を公表いたしましたけれども、例えばトラック業界における取引の実態等を調査いたしまして、問題がある行為が認められましたので、改善指導等を行っているところでございます。
 こういうふうに、業界全体を調査して、一つ一つ改善をしていく努力を今後とも続けていきたいというふうに考えているところでございます。
#224
○戸田邦司君 前にお酒の不当廉売なども問題になったことがあります。それで、公正取引委員会、今まで割合不当廉売についてアクションをとっていなかった、これは人員の問題もあるというようなことはあったかと思いますが。しかし、これからはそういう点をきちっとしていかないと、規制緩和を何のためにやったか、そんなことをやるんなら、やっぱり国土交通省が需給を見た方がいいんじゃないかと。ある程度の需給を見れば値崩れというのはそんなに往々にして起こるわけではありませんから。その需給を見なくなったというところには、やはりダンピング、明らかなダンピングは防いでいかなければならないという前提があったと思います。
 ですから、公正取引委員会も、人員不足の中でなかなか大変なことだろうと思いますが、その点、ひとつ国土交通省とも連携をとりながらきちっと対応していただきたい、こう思います。その点をよろしくお願いします。公正取引委員会、結構です。
 それから、二番目の問題ですが、地域振興整備公団、あるいは都市基盤整備公団、こういうところでの宅地造成の問題がありまして、今、民間業者も非常に不況で悩んでいる。そうすると、そういうところの事業が民業を圧迫するケースが出てきていると、そういうようなことで幾つかお話を聞いておりますが、その辺の実態を国土交通省の方では把握しておられますか。
#225
○政府参考人(板倉英則君) 地域振興整備公団の宅地造成事業、私ども、これ地方都市開発整備事業と申しておりますが、これは大都市からの人口、産業の地方分散を図ることを目的としまして地域社会の中心としてふさわしい魅力ある都市を育成、整備するということで、住宅宅地供給にとどまらず、高等教育機関とか公益的な福祉施設等の各種都市機能が立地する総合的なまちづくりを行っているものでございます。
 地方都市開発整備事業につきましては、民間が行う開発に比しまして比較的その規模が大きく多額の資金を必要とする、あるいは中長期にわたるものが多いということで、私ども、民間事業者が実施することはこういった大型のプロジェクトでございますと通常困難でございますので、一般的には両者が競合するということは想定しにくいんではないかというふうに考えているわけでございます。
 ただ、公団が事業を実施するに際しましては、先生御案内のとおり、公団が根幹的な基盤整備と粗造成まで行って、あとは民間に街区のままおろしまして、民間がさらに細かい造成をした上分譲するいわゆる民おろし事業、あるいは公団が基盤整備と造成を完了した上に民間事業者が住宅を建設、分譲する共同分譲というような方式を導入いたしまして、民間事業者ともできるだけ連携して事業を進めているところでございます。
 今後とも、民間事業者が行う事業と適切な連携と役割分担のもとで、ともに地域の振興、発展に努めるよう公団を指導してまいりたいと考えております。
#226
○戸田邦司君 この部分は、地方自治体などがそういう公団にお願いして開発をやってもらってきたという経緯もあると思います。ですから、一概に公団のそういうような事業が悪いとか何とかいうことにはならないと思いますが、しかし当初の計画で見ますと、もっと伸びるはずであった、もっとさばけるはずであったというのがなかなかそういかない。そうなってきますと民間も相当圧迫される、現実の問題としてそういう問題が発生してきているというようなことではないかと思いますから、やはりその地域地域できめ細かくその辺をよくチェックしながら、今おっしゃられたような協力してやるとか、あるいはPFI的なものをもっと大幅に導入するとか、そういうような手法もあるかと思いますので、その点、ひとつよく地域ごとにきめ細かく見て事業を推進していただきたい、そう思います。
 それからもう一点ですが、これは環境問題で例の石原都知事がトラックの排ガスについていろいろ言った結果、環境省も重い腰を上げて、それで規制することになってきていると。この規制自身が非常におくれたことは確かだろうと思います。ヨーロッパあるいは北欧、そういったところではもう相当の規制がなされていると聞いておりますし、そういうことに対応できるような車も実際に使用されているというようなことだそうですが、いずれにしましても、輸送事業者が今からそれなりの負担をしなければならない、そういうようなことになるかと思います。
 技術的な開発については、いろいろ国が関与してとか国が手伝ってやることも可能かと思いますが、それを実際に業者が適合するような装置をつけるとかいうことをやっていきますと、それなりに相当の負担もある。こういうようなことですから、この辺について国土交通省としてどういうような対応を考えておられるか。
#227
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 自動車からの排出ガスによります都市部の大気汚染は依然として深刻な状況にございます。このため今国会に自動車NOx法の改正法案、環境省とともに共管で審議をお願いしておりますが、提出させていただきまして、現に使用されているディーゼル車の排出ガス規制の強化及び事業者に対する指導の強化を行うことにいたしているわけでございます。
 国土交通省といたしましては、規制強化とあわせまして自動車NOx法の規制対象地域内、大都市になるわけでありますが、において最新の規制に適合する自動車への買いかえを支援、促進するということのために自動車取得税を二・三%軽減いたしております。それから、日本政策投資銀行等による低利融資制度も創設いたしました。また、使用中の車でありましても、黒煙等の微粒子を除去する装置、DPFと言っておりますが、を装着する車に対しましては地方公共団体とともに補助する制度をこの十三年度より創設することにいたしたところでございます。
 また、このほか自動車税のグリーン化ということに伴いまして、天然ガス自動車などの低公害車の普及促進、それから交通需要マネジメントの推進とか、あるいは一層の物流の効率化とか、あるいはトラック業界が自動車排出ガス対策に積極的に取り組めるようその対策の充実に取り組んでおりまして、今後ともそのようにしてまいりたいと思っております。
#228
○戸田邦司君 おおむね国土交通省としてはやるべきことはやっておりますということかもしれませんが、いろいろな、技術的にはいろんな可能性があると思います。その辺もひとつ突っ込んで研究開発なども進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 最後のお話になりますが、大臣に質問しないと、大臣つまらなそうな顔をしているとあれですから。こういうような話は常日ごろお話し申し上げておいた方がよろしいかと思っておりますが、大臣、よくテレビで国際港湾あるいは国際空港からの高速道路へのアプローチのパーセンテージをもっと上げなければいけないと、こう言っておられますね。これは私もそのとおりだと思います。
 ただ、一つ問題がありますのは、都市部ですと高速道路があると高速道路に乗りますが、混雑地域を離れるとできるだけ既存の道路を走る、高速道路を避ける。これは地方から東京に集まってくるトラックなどもそうでありまして、幹線道路ですが、高速道路じゃない一般道路ですね、これをトラックが相当走っているんですよ、長距離トラック。
 それで、なぜそういうことになるかというと、言うまでもないことですが、料金が高い。運賃は先ほどのような状況があって相当厳しいというようなことで、なかなか高速道路を走らないですね。そこが一番問題だと思っておりまして、これ、いい方法ってないんだろうと思うんですが、ひとつ大臣、御所見をお伺いしておきたいと思います。
#229
○国務大臣(扇千景君) 戸田先生、運輸省の長い御経験の中からいい案がないと先生に言われちゃうと、私もいい案がないのかなと自信がなくなりますけれども、私はそうではなくて、少なくとも一般道路、高速道路が高いから一般道路におりて、そして一般道路が渋滞しているというのは確かにございます。高速道路が高過ぎるということ、いつになったら安くなるのだと。一番最初、私が東京オリンピックのときに初めて百円で東京で高速道路に乗ったときに、やがてはただになるよと言われて私は乗り続けて、今七百円払っています。一度も下がりませんでした。
 ですから、トラックが一般道路に入って、しかも猛スピードで走る、時間を稼ごうと思って、そこで事故が起きる、もう悪循環なんですね。ですけれども、私、今国土交通省としてはロードプライシングという政策を行っておりまして、高速道路の横に湾岸に向けてもう一本道路をつくりまして、ロードプライシングでなるべくトラックは海岸線に回ってください、そういうふうに指導しているんですけれども、私はそれを利用するために、このロードプライシングのこっちへ回るのはもっと安くしなさいと、そしてこの高速道路は乗用車だけで、トラックは全部こっちへ回りなさいと、そのかわり安くするよとすごく言っているんですけれども、今の高速道路を乗用車だけにするということはできないと言うんです。
 私は、それをしなきゃだれも行かないよと、ロードプライシングをつくったって行かないじゃないですかと、トラックは全部こっちへ回るようにして安くしてあげればいいじゃないですかと言うのに、どういうわけか、それは大臣が言うようにここだけ乗用車だけこっちで、トラックは全部こっちに回れというのは今のところできないんですと、こう言うんですね。
 けれども、私はやがてそうしなければならない。それは尼崎の公害訴訟、名古屋の公害訴訟等々、二十一世紀になれば、環境の影響を考えたときに余計、今、先生がおっしゃったように、高速道路が高いから一般道路へみんな行くと。そうすると、もう排気ガスでCO2がどんどん多くなる。これは訴訟が起こるたびに問題になりますから、私はそうせざるを得なくなると思うんですね。ですから、何か知恵をもうちょっと、せっかくロードプライシングというんだったら、本当はただにしたいぐらい、気持ちはですよ、私は。
 ですから、そういう意味では、ぜひこれが活用できるような二十一世紀型の交通網を改めて研究しなければいけないというのが我々に課せられた大きな課題であると認識しています。
#230
○戸田邦司君 ひとつお願いしたい、御検討をお願いしたいところでありますが、要するに幹線道路、最近よく整備されてきていまして、そうしますとトラックでいっぱいになっていますね。ただ、それで混雑しているかといえば、混雑するところもあるけれども、大体スムーズに流れるものですからみんなおりてきてしまう。私の地元といいますか、そちらの方ですと、福島県の海岸ですが、青森、岩手、宮城のナンバーの車が非常に多いんです。要するに、高速道路はあるけれども高速道路にはできるだけ乗らない、そういうようなことになっているようでして、それが悪いとかなんとかいう話ではありませんが、高速道路の活用についてはもう少し高速道路側でも考える必要があるのかな、こう思っておりますので、ひとつ御検討をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#231
○委員長(今泉昭君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#232
○委員長(今泉昭君) 次に、測量法及び水路業務法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#233
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました測量法及び水路業務法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 測量法及び水路業務法におきましては、測量及び水路測量の成果をそれぞれ統一させる観点から測量及び水路測量の基準を定めており、現在、このうち経緯度の測定についての基準は、我が国独自の基準となっております。
 しかしながら、近年、測量及び水路測量の基準に関しては、世界標準化が進展するとともに、地球規模の測位システムの普及等の測位技術をめぐる国内及び国際の環境が大きく変化しつつあり、経緯度の測定についての基準を世界標準に適合させる必要がございます。
 このため、測量法及び水路業務法が規定する測量及び水路測量の基準のうち、経緯度の測定についての基準を、世界標準である世界測地系に変更する必要がございます。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、測量法において、基本測量及び公共測量における経緯度は、世界測地系に従って測定しなければならないこととしております。
 第二に、水路業務法において、水路測量は、経緯度については世界測地系に、その他の事項については政令で定める基準に、それぞれ従って行わなければならないこととしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#234
○委員長(今泉昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る二十九日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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