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2001/05/31 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第13号
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2001/05/31 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第13号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第13号
平成十三年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     中島 啓雄君     世耕 弘成君
     脇  雅史君     釜本 邦茂君
     佐藤 雄平君     羽田雄一郎君
     続  訓弘君     山本  保君
     八田ひろ子君     筆坂 秀世君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     釜本 邦茂君     脇  雅史君
     世耕 弘成君     中島 啓雄君
     羽田雄一郎君     佐藤 雄平君
     山本  保君     続  訓弘君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     田村 公平君     加納 時男君
     筆坂 秀世君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                鈴木 政二君
                山内 俊夫君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                加納 時男君
                木村  仁君
                坂野 重信君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                大門実紀史君
                筆坂 秀世君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省海事
       局長       谷野龍一郎君
       国土交通省政策
       統括官      洞   駿君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○倉庫業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○気象業務法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○水防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十九日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 倉庫業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省海事局長谷野龍一郎君及び国土交通省政策統括官洞駿君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(今泉昭君) 倉庫業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○野沢太三君 自民党の野沢太三でございます。
 きょうは倉庫業法の一部を改正する法案について若干の質問をいたします。時間が限られていますので、端的に伺いますので、簡潔にお答えくださるようお願い申し上げます。
 国土交通省に関係いたしております規制項目は、これまで見直しに努力をされてこられたところでございますが、いまだ相当あるように思います。そのうち、許認可の総件数はどのくらい現在ございますか。よろしくお願いします。
#7
○政府参考人(風岡典之君) 昨年の三月、当時の総務省が実施をしました許認可の調査によりますと、国土交通省関係では全体では二千六百十二件、これは政府全体の約二三%というのが項目数でございます。
#8
○野沢太三君 規制の見直しに当たりましては、自由化によりまして競争を促すということ、さらには企業の活力を呼び起こしまして、コストを下げてその変化する環境に適応して、結果的に消費者の要望にこたえていくことが最終的に期待をされるわけでございますが、そのためには経済的規制というものは原則自由である、そして社会的規制とか安全規制は必要最小限にとどめる、こういう方針でこれまで取り組んできていただいておると思いますが、ことしの三月に閣議決定をされました新しい規制改革三カ年計画に盛り込まれました件数はどのくらいございましょうか。
#9
○政府参考人(風岡典之君) 新たに今年度からスタートいたしました規制改革推進三カ年計画でございますが、国土交通省の関係ではIT関係とかあるいは住宅・土地関係とか運輸関係、全体で九十一件の項目を取り上げているところでございます。
#10
○野沢太三君 二千六百件を超す許認可があり、今度やろうとしておるのは九十一件ということになると、なかなかこれはまだ大変だろうと思います。ですから、毎年やはりできるところから見直して、必要なところは追加し、あるいはこれを解決していくということが大事だと思いますので、何とぞその辺はしっかり取り組んでいただくよう御要望申し上げるわけでございます。
 それでは、倉庫業の関係について質問に入りたいと思いますが、今回のこの業法の改正につきまして、参入をしやすくということで許可制を登録制に改めておるわけでございますが、これによって新規参入がどのくらい見込めるのか、予想されるのか、おわかりでしょうか。
#11
○政府参考人(洞駿君) 今回の法改正によりまして、新規参入がどのぐらいと予想しているかという御質問でございます。
 現行の許可制のもとでも、平成十一年度で約百三十事業者が参入するなど、近年においては毎年百二十から百五十の事業者が参入する状況にございます。現行の許可制において要件としています設備構造基準というのは、今回の登録制への移行に際しましても基本的に維持することとしておりまして、今回の改正によりましてこの新規参入の数が直ちに著しく増加するということはないと考えられております。
#12
○野沢太三君 新規参入がやはりやりやすいということが改正の趣旨ではありますから、ぜひひとつ、倉庫業としてはある程度頭打ちかもしれませんが、いろんな業種の方が今多方面から参入するという傾向も見られますので、その辺についてはひとつ弾力的にやっていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、今回、料金につきまして事前届け出制というのをやめまして、弾力的な料金設定ができるように法律で変更しておりますが、どうも貨物倉庫の料金体系が必ずしもオープンになっていない、相対で決めるという業界の慣習もございますし、競争が非常に厳しいものですから、なかなか一体どのぐらいでやっているのかなと、こういう点が非常にわかりにくいという面がございますが、消費者にとっては料金が公正に開示されることが大事だと思いますが、どんな形でこれを保証していくのかお伺いしたいと思いますが。
#13
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 今回、料金の事前届け出制を廃止することによりまして、倉庫業者は荷主ごとに多様な料金設定を行うことが可能となるわけでございますが、非常に細かいわけでございますけれども、これをすべて掲示するというようなことは事実上なかなか難しいわけでございます。また、営業倉庫の大部分というのは、企業の商品などを保管する、いわばプロ対プロの取引というものを行うものであるということをあわせ考えてみますと、少なくとも企業向けの料金についてはこれをあらかじめ、例えば表口に掲示することなどは要らないとするのが適当じゃないかと考えています。
 また一方、一般消費者を対象とするトランクルームに係る料金については、一般の倉庫の料金とは異なりまして、荷主との相対の交渉によって定められているものではないということのために定型的な料金設定が行える。また、消費者保護の観点から、素人の消費者から不当に高い料金を徴取することがないよう、これをあらかじめ掲示するということが適切であるということが考えられることから、トランクルームにおいては消費者から収受する料金についてはこれを営業所において事業者に見やすいように掲示するなど、義務づけることとしております。
#14
○野沢太三君 規制緩和をしてよくなったということが消費者や利用者、世間にしっかり見えるような形にしていただくことが非常に大事だと思います。そして同時に、日本の物流コストが総じて高い高いとか言われるわけでございますけれども、一体この物流コスト全体の中で倉庫にかかわる部分というのはどの程度のものなのか、コスト低減のために思い切った倉庫業そのものの近代化も必要かと思いますが、このための施策はどういうことをお考えでございましょうか。
#15
○政府参考人(洞駿君) 物流コスト全体の中で倉庫の部分というのはどの程度かと、それからコスト低減のための施策についてのお尋ねでございます。
 営業倉庫のみをとらえた物流コストの数字というのはなかなか把握するのが難しゅうございまして、私ども数字は持ち合わせておりませんけれども、マクロで見た場合に、社団法人日本ロジスティクス協会という、これは荷主と物流業者の団体でございますけれども、そこの調査がございまして、それによりますと、あくまでマクロ的な視点でございますけれども、一九九七年時点で日本における総物流コストはGDPの大体九・六%であって、そのうち保管コストはその約三分の一、したがいましてGDPの約三%を占めるというような数字が出ております。
 倉庫業におきましては、非常に近年の物流ニーズの高度化、多様化というような要請のもとで、物流効率化に非常に取り組んでいるわけでございますけれども、例えば立体自動倉庫など新規倉庫の新設であるとか、いろんな機械化の促進であるとか、パレチゼーションの推進であるとか、あるいはIT等を、情報化を推進しまして、生産性の向上に非常に努めてきております。
 その結果としまして、これも大ざっぱな見方でございますけれども、最近十年間の倉庫の生産性の推移というものを見てみますと、普通の一般倉庫でありますと、一人当たりの所管面積というのは一・三倍に伸びておりますし、冷蔵倉庫につきましても約一・二倍に向上しております。
 こういった状況にかんがみまして、政府といたしましても、倉庫業について税制とかあるいは公的な融資等を活用していろいろ非常に支援しているところでございますけれども、今後はこれらに加えまして、まさしく物流全体の高度化、効率化という観点から、いわゆるIT化等の進展に対応した、例えば人材の育成であるとか、情報システムの整備に必要な支援というものをいろいろ工夫し、検討し、実施していきたい、こういうふうに考えております。
#16
○野沢太三君 今度の法案の中で注目しなくちゃいかぬ点が二つほどあると思うんですが、まず一つは倉庫管理主任者の選任を義務づけているということでありますが、これはどういう人を予想しているのか、資格を必要とするのかどうか。かえって規制強化にならないかという心配がございますが、いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(洞駿君) 倉庫管理主任者の要件につきましては具体的には省令で決めることとしておりますけれども、今の時点では一定の実務経験というものを、例えば管理職にありますれば二年ぐらい、実務経験としてはもしくは三年ぐらいというような、そういう実務経験を有すればそれで足りるということを考えております。
 既存の倉庫業者については、このような方をもう既に相当配置して、倉庫管理指導員という形で配置している倉庫業者も多いわけでございまして、実質的にはこれによって新たな負担を伴うような義務づけにはならないというふうに考えております。
 また、新規参入者にとっては、実務経験にかわるものとして、例えば地方運輸局等が行う講習を受けることで足りることとするなど、新規参入に過重な負担とならないよう資格要件を検討してまいりたいと思っています。
#18
○野沢太三君 保管責任を明確にする面では大変これ結構なことだと思いますが、くれぐれも過重な負担にならないという範囲で工夫をしていただきたい、かように思います。
 それから、もう一つの問題点といいますか特徴としましては、事業改善命令ということで必要な場合には監督ができる、こういう仕組みが導入されておりますけれども、これまでも、これに類する問題として、料金の変更命令をすることができると言っておるわけでございますけれども、今回の事業改善命令を創設する必要というのがこれまでも事例としてあったのかどうか。今回の改善命令の創設の必要性について、これまでの実態と今後の見通しについて、お伺いしたいと思います。
#19
○政府参考人(洞駿君) 現行の倉庫業法におきましては、料金については事前届け出制となっておりまして、その事前届け出制に基づいて届けられた料金が不当な料金、高過ぎたりあるいは不当に安過ぎたり差別的な料金であったりといった場合には、料金の変更命令、変更を命ずることができるというそういう制度になっております。
 従来の届け出料金につきましては、そういう観点に照らして、結果的にはこういう変更命令を出した実績というのはございません。その前に、もしそういう問題があれば窓口で指導していたというのが実態であります。今回の改正におきましては、こういう料金の事前届け出制もなくなりますし、また事前規制は極力縮減するという方針に伴って、事後的なチェックを行うということによって不測の事態に備えるという安全装置を今度規定するわけでございます。
 倉庫業法、中小企業が大半を占めている等、いろいろ特殊な事情等もございます。そういう意味で、こういう全く料金規制についても自由にした場合には、不測の事態に備えて、利用者の利便を結果的に害し、あるいは公共の秩序を害する等、その不測の事態が生じた場合には、国土交通大臣は料金の変更命令を含め、あるいは営業の不適切な部分がありましたら、そこについても改善命令をかけるというような事業改善命令を創設して、万一の事態に備えることとしております。
#20
○野沢太三君 この制度はひとつ伝家の宝刀として大事にとっておいてもらって、余りこれを振りかざしてやるようなことがないように、その必要がないような日ごろからのひとつ行政指導をお願いしたいなと思います。
 それから、最近の倉庫業というのは単なる保管から流通一般の仕事についてもまとめて請け負う、流通加工と言ったらいいんでしょうか、それから需給関係も含めて大変進んだ形へ進歩が始まっておるように見受けられますが、今後の見通しについて、大臣、これ一言御意見を伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(扇千景君) 大変倉庫業が広範囲に利用されるようになりまして、現代の社会をあらわしているような利用方法、そして一般の御家庭ではほとんど利用することがなかったものが、皆さん方が衣料あるいは家庭の不用品等々を倉庫に預けるというような全く今までと違った倉庫の扱い方をまた利用する方がするようになりましたけれども、もともと倉庫業というのは生産活動あるいは国民生活にとっては不可欠なものであるということから、私たちは確実に預かったものを保管する、保障する、そういうことが私は大変大事なことであろうと思いますし、しかも生産から消費までの時間的な調整、あるいは物品の輸送手段、例えばトラックから港湾へ持っていくとか、そういう物の流通に関しては、大変結節点にあって大事な役目を果たしてきた、あるいは大きな公益的な責任を持っているものだと私も認識しておりますし、また現在そうなければならないと思っております。
 けれども、近年において、私が申しましたように、物流のより一層の効率化が求められる、いわゆる物流ニーズの高度化、あるいは御存じのとおり、多くの皆さん方が保管機能に加えて、あるいは包装だとか詰め合わせだとか組み立て等の流通加工機能や配送機能といった流通業、直接皆さんが扱うようになったという点では大変今までと変わってきたと思います。
 さらに、今度は情報化の進展の中で、企業におけるサプライ・チェーン・マネジメント、要するに生産から消費までの物流のトータルでの流動化が求められる、そういうふうに変わってまいりましたので、今後は物流の中核あるいは結節点に位置する倉庫業にあっては、単に保管の機能のみならず流通加工あるいは情報サービスといった付加的なサービスの提供をしなければならない。また、包括して物流業務を受注して、荷主に対しての物流改革を積極的に提案しますサードパーティー・ロジスティクス・サービスという、ドア・ツー・ドアというこの一貫性の流通業を今後は提供しなければならない。
 そういうふうな時代の流れに沿った倉庫業の、特に要注意の部分は一般の皆さんに迷惑がかからないように私たちが倉庫業としての責任を持ってくださいということでの今回の法案でございますので、その点は今の時流に合った今回の法案改正であるということをぜひお願いしたいと思っております。
#22
○野沢太三君 御指摘のとおり、単に物を預かるということから流通にかかわるノウハウそのものを売っていくということがこれから大変必要になるんじゃないかと思いますので、どうか国土交通省、特に今後物流大綱をおまとめになるという中では、そういった点をひとつ大きな柱として国民の皆様に御意向を明示して、開示していただきたい、かように思います。
 それから、今回の法案の中でトランクルームの認定制度というのが大きく取り上げられておるわけでございますが、私もこれ活用しようと思っていろいろやってみると、まだまだちょっと不自由なところもあるんですね。住宅地の余り近くにないとか、あるいは二十四時間使えないとか、土日はやっていませんとか、結構不自由でして、もう一つ工夫が要るんじゃないかと思いますが、しかし一応今後の都市化、それから諸外国への出入りその他考えると、このトランクルームの活用というのは伸びていくように期待がされるんですが、この認定結果をどう活用し、消費者にどうPRするか、それから今後の伸びはどのように予想されるのか、この辺についてまとめてお伺いしたいと思います。
#23
○政府参考人(洞駿君) 御指摘のとおり、今回の優良トランクルームサービスといったものを認定したときは、これを広く国民の皆様方に周知して消費者の利便に供するという観点からこれを公示することとしております。
 具体的には、認定されたトランクルームについては地方運輸局の掲示板に掲示したり、あるいはインターネットのホームページで公開したり、また認定トランクルームの営業所などには消費者にわかりやすい認定マークを掲示することなどを検討しております。さらに、関係団体とも緊密に連携して、こういったトランクルームの適切な利用について、消費者へのPRを積極的に行っていきたいと考えております。
 また、トランクルームの長期的な見通しということでございますけれども、先生の今の御指摘にございましたとおり、家庭生活における物品が豊富になって高級化している、あるいは海外赴任に伴う家財等の貨物が増加している、あるいは書類とか磁気テープ等の新たな保管需要が増加している等々を背景としてトランクルームは非常に伸びておりまして、最近十年間で営業所数で約三倍に増加する等の非常に伸びを示しているわけでございます。
 昨今は、経済状況も反映して、売上高等において若干短期的な伸び悩みの傾向も見受けられますけれども、今後とも経済のグローバル化に伴う企業活動の国際化であるとか、あるいは都心回帰等も含めマンション居住の拡大等が将来にわたって見込まれるようなこともございまして、トランクルームサービスに対する需要は今後とも長期的には増大していくと考えております。
#24
○野沢太三君 あと、港湾荷役の効率化についてお伺いするつもりでございましたが、これにつきましては時間も参りましたので今後の機会に譲ることにいたしまして、私の質問はこれで終わります。
#25
○寺崎昭久君 倉庫業の関係者が物流の効率化という面から日本経済に寄与されていること、そのために努力をされているということについて敬意を表しながらも、幾つかの問題点、疑問について以下質問を進めさせていただきます。
 まず国土交通省にお尋ねいたしますけれども、倉庫業法の対象となる倉庫の規模、比重といったものについて伺いたいと思います。
 一般的な倉庫として、自家用倉庫、営業倉庫、農業倉庫、協同組合倉庫、上屋、保管庫といったものがあるわけであります。それぞれスペースを占めているわけでありますけれども、ここで言う倉庫業法上の営業倉庫というのはどの程度のウエートを持っているのか、お尋ねします。
#26
○政府参考人(洞駿君) 営業倉庫につきましては、平成十一年度におきましていわゆる一般の普通倉庫の所管面積というのは三千七百万平方メートルでございます。これに対しまして、今御指摘になりました農業倉庫業法に基づく農業倉庫は約三百万平方メートルということでございます。三千七百万平方メートルに対しまして約三百万平方メートルでございます。このほか、冷蔵倉庫は、今度は逆に容積ではかっておりまして、これが二千八百四十四万立方メートルと、こういう数字、統計が出ております。
 それで、実は自家用倉庫についての公式の統計がないのでございます。そういう意味で、自家用倉庫も含めまして全体の庫腹量といいますか、そういう中に占める営業倉庫の割合というのを、先ほど言いました所管面積とかそういったもので見るというのはなかなか難しゅうございますけれども、これも非常に極めてマクロの数字で恐縮でございますけれども、これも先ほどの日本ロジスティクス協会というのが一つの試算をしているわけでございますけれども、平成九年度で日本の総保管コストというのが十四兆円とはじいております。営業倉庫の営業収入というのは約一兆八千億でございますから、この十四兆円のやつが全部、いろんな細かいものがいろいろ入っていて、それを単純に比較するのは極めて乱暴だと思いますけれども、それを比較しても営業倉庫が約一割強、一三%ぐらいを占める、こういうことになるんじゃなかろうかと。これは一つの数字でございます。
#27
○寺崎昭久君 倉庫業について沿革を見ますと、昭和二十八年の改正の理由というのが、専ら倉庫証券の流通のみに着目して制定された倉庫業証券発行取締法にすぎないということ、それから非発券倉庫業者の実態を把握し公共の福祉を確保するために必要な行政措置がとれるようにしたいというようなことがこのときの改正理由になっていたと思います。そのために、実態の把握が大事だということから、免許制あるいは許可制ではなくて届け出制にしましたという説明がなされております。
 当時の運輸委員会の議事録を見ますと、委員からは、倉庫業者に料金等の掲示義務を課すのであれば届け出制ではなくて免許制、許可制にするべきだとか、それにして不当競争排除などの業者保護を講ずるべきだというようなことを述べられた委員もいらっしゃいました。これに対して政府委員の方は、民業に対しては政府はできるだけ容喙しない方がいいと思うということを答える一方で、ここで許可制にしなくても設備や経営に対しては行政指導や措置ができるので実質的な参入規制とか過当競争の排除は可能であるというようなことから、公共性の確保、公信力の確保には支障がないというような答弁をしているわけであります。
 古い業界のことですから、いろいろそのときそのときのニーズだとか必要性に迫られて改正等も行われてきたわけでありますけれども、例えば昭和三十一年には、それまでの届け出制が許可制になりました。このときの理由は何なのか。また、今回、許可制が新規参入の障害になっていないにもかかわらず、参入調整の理由になっていないにもかかわらず、今回登録制にするという理由は何なのか。この登録制にするということで需給調整機能面で何か変化があると考えられるのか。もっと言えば、許可制と登録制では何が違うのか。そういったことを包括的に国土交通省にお尋ねしたいと思います。
#28
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 昭和三十一年の現行の倉庫業法の制定当時におきましては、火災とか盗難などの事故が非常に多発する等、設備の構造が非常に不良なものが多く、また倉庫業者の経営基盤も極めて脆弱であったために、当時の物流といいましょうか、に非常に障害になっていて、そういう倉庫の保管能力とか、そういう点も徹底的に不足しておりましたし、あるものは非常に劣悪でございました。
 そういう中にあって、旧倉庫業法における、先生御指摘のとおり、かつては倉庫業法は、一般の倉庫は届け出制であり倉庫証券を発行する倉庫業者は許可制ということになっていたわけでございますけれども、そういう言ってみれば届け出で済んだ制度を改めまして、倉庫業の参入についてはこれを一般的に禁止して、適切な構造設備や経営の健全性とか経営基盤の安定性を有する場合に限ってこの禁止を解除するというような考え方にのっとって許可制というものを導入したわけでございます。
 その当時と今日ではもう非常に状況は大きく変わっております。倉庫の設備ももう立派なものができておりますし、経営基盤も格段の向上を見ております。また、物流の非常な変革といいますか、こういう荒波の中にあって、倉庫業者もその高度化、多様化のために懸命な努力を重ねなければ生き残っていけないというような状況も一方にあるわけでございまして、そういう中にあって、国が後見的な立場から個々の事業者について細かく関与を行う必要性というのは当時に比べて非常に少なくなってきたんじゃないかという認識に立っております。
 そういう認識に立ちまして、利用者の利便を増大するためには新規事業者の参入を容易化して倉庫業者間で適正な競争が行われることが望ましいし、また今後の倉庫業の参入規制につきましては、倉庫業者が保管責任を果たす上で、要するに倉庫の使命は保管責任でございますから、その保管責任を果たす上で必要最小限度の基準というものをクリアした場合にはだれでも倉庫業を営めるというような、言ってみれば自由と、一定の場合をクリアすればもうだれでも自由なんだと、こういうふうな意味で登録制にするというものでございます。
 現行の許可制については、需給調整は行っておりませんけれども、これまで倉庫業の適確な遂行に支障がないかどうかという基準のもとで、事業者に対して集荷の見通しであるとかあるいは収支見積もりといったものを提出させてその経営の見通しについてまでこれまで審査しておりました。
 そういった、言ってみれば極めて主観的あるいは行政の裁量が大きく働くような、そういう基準というものを今回改めまして、客観的な倉庫の設備構造基準に適合して、また保管責任を全うする体制という意味で倉庫管理主任者をちゃんと選任されている場合には、行政の裁量の余地なく倉庫業を営むことができる制度とするということによって、規制を緩和するものでございます。
 これによって、倉庫業の参入は、非常に基準が客観化されるわけですから、参入の容易化を図って事業者間の競争を促進し、また事業者の創意工夫を生かした多様なサービスの提供や事業の効率化、活性化というものが図られることを期待していると、こういうものでございます。
#29
○寺崎昭久君 運輸交通関係あるいは物流の関係者の中には、実質的に参入規制をやっていない、あるいは料金の届け出制といってもそれほど強い縛りになっていない、倉庫業界がなぜ規制緩和の対象になるのか、バスだとかタクシーだとか鉄道だとか航空に比べればもう既に先行的な倉庫業が他に先んじてさらに規制緩和をする理由というのがあるのかというような不満もあるやに聞いておりますが、こういった問題についてはどう受けとめておられますか。
#30
○政府参考人(洞駿君) おっしゃるとおり、倉庫業者の中には、倉庫業の今回の登録制への移行というのが他の物流業と比べて均衡を失しているんじゃないかという意見があるということはそのとおりでございます。
 物流に係る他の事業法につきましても、御承知のとおり、近年、順次規制緩和を行ってきたところでございまして、それぞれの事業についてはそれぞれの事業の特性から、例えば安全な運行の確保であるとかあるいは港湾の安定性の確保といった独自な観点を含めて総合的にいろいろ勘案した結果、それぞれの規制のあり方というのが定まってきているというふうに考えております。
 したがいまして、それぞれの事業の特性やその置かれている状況を反映して、最低限どういった観点からどういった規制が必要であるかということの検討の結果、その結果が免許制や許可制あるいは届け出制といった制度の差にあらわれることになると考えておりまして、そういう意味で、例えばトラックとか港運が許可であり、倉庫が今度登録になるわけですけれども、単なるその違いをもって、確かに違いはあるんですけれども、均衡を失しているということには直ちにならないんじゃないかと私どもは考えるわけでございます。
 というのは、倉庫業の参入につきましても、ほかの事業者が免許制をとっていたときは既に許可制であり、料金についても認可をとっていたときに届け出制であったわけでございますけれども、そういった倉庫業法についても、現下の置かれている状況に照らして考えてみた場合、過度の規制になっている部分を改めて規制緩和をちゃんと行うものはやらなきゃいけないということで今回の改正案を提出させていただいたと、こういうことでございます。
#31
○寺崎昭久君 倉庫業については既に事実上の規制緩和がされているのでその実態に合わせて文言を変えましたというように私には聞こえたんですけれども、今回、許可制から登録制に変わるという問題をめぐって、例えば業界の中では、それによって過当競争が一層激化するんではないかという懸念があったり、あるいは競争というのは市場原理で決まることだから法律改正によって競争が激化するとか緩和するとかそういうこととは無関係ではないかというような御意見等、いろいろあるようでございます。
 国土交通省としては、今回の規制緩和がマーケットにどういう影響を与えるとお考えなのか、その点について伺います。
#32
○政府参考人(洞駿君) 確かに現行の倉庫業法の運用に当たっては、非常にいろんな規制といいますか、届け出であるとか、あるいは参入に当たっての基準の審査であるとか、いろいろ行っているわけでございますけれども、倉庫業がこの中でいろんな競争あるいは事業展開を図っていく上において、今の規制というのが、例えば料金についても事前の届け出制でございますけれども、実は料金の内容も非常に千差万別、あるいは状況に応じて、あるいは荷物あるいは荷主等によっていろんなのがあるわけでございまして、臨機応変の対応を迫られるというような状況があるわけで、それを事前に全部届け出て細かく対応するというのは現実問題としてなかなか不可能でございます。
 だから、そういう意味では、我々の規制が事業者の創意工夫あるいは事業の活性化の足を引っ張ってはならない。そういった観点から、やはり不必要な規制というのは極力改めるべきであろうと、こういうふうに考えているわけでございます。
#33
○寺崎昭久君 料金の実態は後でまた伺いますけれども、今度の法改正によって倉庫の設備構造要件というのが現行法に比べて何がどういうふうに変わるのか、わかりやすく説明してもらえますか。
#34
○政府参考人(洞駿君) 倉庫業の設備構造基準につきましては、今後とも寄託を受けた物品の安全確実な保管を行うために必要最小限度の規制として維持することとしておりますけれども、現在の省令に定められた内容というのは、言ってみれば非常に古くなっている、あるいは陳腐化している部分もかなりございます。そういう意味で、具体的、客観的な基準が定められていないものであるとか、他の法令と重複しているものであるとか、いろいろ見直すべき点は非常にございます。あるいは、余りに具体的な基準が定められていないということで、具体的にどうしていいかわからないというような基準もございますし、当たり前のもございます。
 そういった意味で、設備構造基準は基本的に維持いたしますけれども、その内容については、現行の実態に照らして、または関係者の意見等も十分踏まえながら、簡素、明確化に努めていきたいと、こういうふうに考えております。
#35
○寺崎昭久君 せっかく登録制に変えるというわけですから、ぜひその基準というのもあらかじめ明示するようにしていただきたいと思います。
 次に、料金について伺います。実は、平成四年三月の運輸委員会で、私は倉庫業の料金が事前届け出制になっている問題についてお尋ねしたことがあります。その根拠というのは、行革審、行政改革審議会が同一地域内同一料金となっている実態にかんがみ多様な料金体系の設定を促進する必要があるということを指摘していたので、実態を伺ったわけであります。
 このときのお答えは、結果として大体同一地域内では八割以上が同一料金になっているかなというお答えでございましたが、この行革審の指摘というのは今日でも生きていると思いますし、まして今後は料金については事後の届け出ということになるんでしょうか。ということだとすれば、多様な料金というものも確保されなければ利用者の利益に反することになるのではないかと思いますが、実態はどうなっていますか。
#36
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘のとおり、かつては画一の料金で、同一地域においてはほとんど同じ料金が届け出られる、こういう実態がございました。
 現在は、料金の届け出の状況は、原価計算の添付を省略できる場合として、地域等の違いも勘案して、国土交通省が品目ごとに従価、値段とか重量等に応じてあらかじめ公示している上限と下限の幅におさめる料金というのを大半の事業者が届け出ておりまして、それで、その幅の中でいろんな品目によってばらつきがあるのでございますけれども、例えば基準となる運賃から上下三割、三〇%前後の範囲内で届けて、その中で交渉等によって決められているというのがほとんどの実態でございます。
 また、これ以外にも、それぞれ原価計算書を添付して、特定の品目等については個別の料金を、確定の料金を定めている事業者もございます。この範囲内で事業者は相対でいろいろ交渉して料金を決めていく、割り増しそれから割引等の多彩な料金の仕組みを組み合わせて、非常に複雑な料金体系になっています。
#37
○寺崎昭久君 これまでの事前届け出制料金がどのように運営されているかということは、やはり一定の調査等があって改善命令を出したり出さなかったりということになるんだと思いますけれども、現行法下における業務監査だとか経営実態の把握というのは、国土交通省はどういう仕組みで把握されていたのか、どの程度の頻度で行ってきたのか。また、現行法の第二十七条には、国土交通大臣は職員に検査をさせることができるということが規定されておりますけれども、立入検査の方法とか頻度、実態、そういったものについて御説明願います。
#38
○政府参考人(洞駿君) 立入検査、監査の実態についてお尋ねがございました。
 本省及び地方運輸局の職員が事業者の事業所内に立ち入って監査を行っている実績でございますけれども、平成十二年度の実績は三百八十四社でございます。
 どういう点を見ているかということでございますが、倉庫の構造、設備がいわゆる設備構造基準に適合されるよう維持されているかどうかを監査する施設検査であるとか、あるいは発券業務の適正な運営を監査する発券監査、あるいは届け出料金の実施や法令の遵守状況について監査する業務監査等を行っているところでございます。
 三百八十四社というのは非常に少ない数と思われるかもしれませんけれども、新免の事業者あるいはなかなか、いろんな報告等がなかなかうまく出してこない事業者等々、できるだけ重点分野といいますか、そういったものを置いて、そういう重点の事業者をねらって、限られた人員、予算等の中で実施しております。
#39
○寺崎昭久君 今の三百八十四社というのは、大体二十年に一回ぐらい立入検査ができるというぐらいの頻度になりましょうか。
#40
○政府参考人(洞駿君) 倉庫事業者が五千社ぐらいでございますから、それで単純に頭割りすると、そういう二十年ということはないと思いますけれども、十数年という数字が出てくるわけでございますけれども、そういうことでそれぞれ各運輸局で工夫等をやっているわけでございますけれども、新規許可あるいは変更認可を行った事業者を優先的に行ったり、先ほど言いましたように、管内にある事業者のうち、自主監査報告とか倉庫業法に基づく報告書等の提出が適切でない事業者を優先的に行ったりとか、あるいは特に問題があるというような事業者の、指摘等を受けた事業者について緊急的に行ったりとか、いろいろ創意工夫をやっておりますし、今後とも、事後チェックの重要性ということにかんがみれば、これらの自己監査といいますか、というのはますます重要になるわけでございますから、各運輸局の創意工夫、ほかの事業と兼業している例もたくさんありますから、できるだけ人員を有効活用して効果的に行うべくいろいろ工夫をしていきたいと考えております。
#41
○寺崎昭久君 営業倉庫というのは、業者の数にして五千社ぐらいあると伺っておりますから、今の数でいうとそんな大ざっぱな数字になるのかなと。果たして、それが料金に反映させるとか、そういうことができるのかなということをちょっと疑問に思うわけであります。
 それから、先ほどは、職員に検査を、立入検査をさせると言っておりますが、委嘱してだれかをしてやらせるというような、そういうことはありませんですか。
#42
○政府参考人(洞駿君) 現在のところはやっておりません。
#43
○寺崎昭久君 それから、現行法の第六条に料金変更命令の規定がございますが、これまで営業倉庫に対して変更命令を出した実績というのはあるんでしょうか。
#44
○政府参考人(洞駿君) ございません。
#45
○寺崎昭久君 ございませんとあっさり言われますと二の句が継げないわけでありますけれども、適正に運営されていたから命令を出さなかったのか、十分把握できなかったから命令を出さなかったのか、その辺はどうなんですか。
#46
○政府参考人(洞駿君) 申しわけございません。
 現行の倉庫業法につきましては、料金については事前届け出制となって、その届けられた料金が不当な料金である場合には料金の変更を命令することができるという、こういう制度になっているわけでございます。
 それで、こういう料金の変更命令制度というのは今までやったことはございませんけれども、先ほど申しましたように、事前に届けるに当たって、窓口で、そういう問題があれば窓口で指導する等によって是正をさせていたというのが実態でございまして、その結果として料金変更命令の発動というのはなかったというふうに考えております。
#47
○寺崎昭久君 窓口で指導されるということなんですけれども、法律では命令するということを書いているわけでありますから、やはり法律にのっとった行政をしないと、裁量権の拡大だとか窓口規制というのはとかく批判のあるところでありますので、法改正を機にきちんとした体制、考え方で臨んでいただきたいと思うんです。
 料金については、今後は事後届け出制を予定されているようでございます。そのように伺っておりますけれども、料金の実態を今後具体的にどういうような頻度で、あるいはどんな体制で把握されようとしているのか。これまでの反省みたいなものを踏まえて何か新しいことをお考えかどうか、その辺を伺います。
#48
○政府参考人(洞駿君) 料金の事前届け出制がなくなるわけでございますから、あらかじめ私どもは料金の制度がどうなり、あるいは実態がどうなっているかというのを把握するすべが全くなくなるわけでございます。
 事後チェックということで、不測の事態に備えてちゃんと行政が介入できる制度というのを設けたわけでございますけれども、これを発動する前提として、事業者の皆さんからは事後的に報告徴収の事項の一つとして料金について報告をしてもらうと同時に、その状況につきましては監査等をさらに充実させること等によって事後チェック機能が十分に発揮できるように創意工夫をこれから図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
 御指摘のとおり、事後チェックがちゃんとできなきゃ何のための制度だということになるわけでございますので、そこは運輸局の業務体制とかを含めまして、あるいは予算の充実等を含めまして、一生懸命取り組んでいきたいと、こういうふうに考えております。
#49
○寺崎昭久君 今後、業務改善命令による料金の変更というものを行うということになるんだと思いますけれども、こういう際には変更命令を出しますよという基準というのは決まっているんでしょうか。どうでしょうか。
#50
○政府参考人(洞駿君) 事業改善命令の対象となる料金についてでございますけれども、基本的には経済社会情勢に照らしまして、荷主に対して不当に高過ぎる料金でありますとか、あるいは特定の荷主に対しまして不当に差別的な料金を課している場合、あるいは他の倉庫業者との間に不当な競争をもたらす、引き起こすおそれがある料金というものが想定されるほかに、例えばトランクルーム等につきましては、一般消費者に非常にわかりにくい、例えば基本料金を極めて低く設定した上で過度の追加料金を設定しているようなものなど等が考えられると思います。
 そういう意味で、事業改善命令の厳正な運用を図るために、事業改善命令の対象となる事項とか、あるいは発出すべき状況等についての考え方、あるいは発出の前段としてその前に必要とすべき報告の徴収、監査のあり方、その他必要とすべきいろんな諸手続等について今後十分検討して、地方運輸局に対して十分指導することとしてまいりたいと思っています。
#51
○寺崎昭久君 政府備蓄米というのがございます。これは当然営業倉庫でも保管されているわけでありますけれども、この政府備蓄米を営業倉庫が預かるときの料金というのは、事前届け出料金とはどういう関係になっているのか。
 私は農水省の関係者から聞きましたところ、相対で契約をする、農水省としては安いところから入れますというそんなお答えをいただいているんですが、事前届け出料金あるいは今後の事後届け出料金というのは本当に意味があるんですか。
#52
○政府参考人(洞駿君) 政府備蓄米の保管料金については、これは一般の貨物と同じように相対で交渉して決められているわけでございますけれども、先ほども申しましたように、事業者は一定の幅を持った料金の中で届け出ておりますけれども、その届け出の中でさらに割り増しとか割引というものがなされる。そういう仕組みになっているわけでございますけれども、私どもが政府備蓄米について監査等によって把握している限りにおきましては、その料金というのはおおむねその届けられた料金の範囲内におさまっているというふうに承知しているところでございます。
#53
○寺崎昭久君 今の料金問題について、これまでは事前届け出料金というのを法文の中にうたっておりました。今回は事後届け出という文言はどこにもないわけであります。どうして取ってしまったのかなという疑問があるわけでありますけれども、国土交通省の某幹部が業界の会合でこんなあいさつをされているようでございます。
 参入規制あるいは料金規制については大きく変わった印象を受けられるかもしれませんが、一方で、先ほど紹介があったとおり事業改善命令というものが加わりましたと。倉庫業界に対する行政の介入という面から見れば、今までは事前にしかあるいは申請のときにしか指導できなかったけれども、今後は事後的にいろんな面において逆に行政が介入できるということでございますと。よって、倉庫の公共性という役割を損なうことなく、また業界の全体の秩序に悪い影響が出ないように是正指導もできますから御心配なくと。
 こういうことを言っているんですけれども、余り窓口規制とかそういうことにウエートを置かれたやり方というのは感心できませんし、やはり事後届け出制にするというのであれば、それを法文にうたうべき。また、もう料金については、結局のところ相対で決まっているよ、需給関係で決まっているよというのであれば、届け出とかいうこと自体もなくしたっていいんじゃないかと思うわけでありますけれども。
 一つは、今回なぜ事後届け出という規定を設けなかったのか。それから、今読み上げました内容というのは、行政権、裁量権というんですかね、窓口指導のチャンスを無限に広げていく可能性があるんではないかと心配しているんですが、いかがでしょうか。
#54
○政府参考人(洞駿君) 後半の御指摘について申します。
 今回、言ってみれば料金の事前届け出制もなくなっていわば自由化されるわけでございます。それから、あるいは参入につきましても、設備構造基準と客観的な要件に合致すれば、客観的な基準に合致すれば参入が容易になるというような面があるわけでございますけれども、そうすると、倉庫業の持っている例えば中小企業が非常に多いとかそういう特性を考えますと、例えば不当なダンピングであるとか、非常に公共の利益を害しあるいは利用者の利便を害する事態というのが発生した場合には何もそれを是正する手段がなくなるということになるわけでございまして、果たしてそれでいいのかという非常な懸念といいますか心配があるわけでございまして、そういう意味で、事業改善命令というのを今回つくったわけでございます。
 だからといって、それで何でもかんでも事業改善命令で、先ほどの野沢先生のように、これは伝家の宝刀であって、要するに何でもかんでもこれでやっていったらかえって規制の強化になるではないかという御指摘はごもっともでございまして、その発動については極めて慎重にやらなきゃいけないというふうに考えております。
 それから、最初の御質問の、料金の事後届け出制というのをなぜ法文で規定しなかったのかということでございますが、これは非常に技術的な説明になって恐縮でございますけれども、現在の料金の事前届け出制というのは法文で決まっておりますけれども、事前に料金を届けさせた上で不適当なものについてはその変更を命令できるという、そういう二段のリンクになっているわけでございます。
 今回は、事業改善命令の中に料金の変更と並べて不適切な運営管理等幅広い是正措置が可能になる、こういう包括的な事業改善命令制度というのをつくっているわけでございまして、そういう意味で、料金の事後届け出制については特段法律上の規定を置かず、事業改善命令の前提となる法二十七条の一般的な報告事項の中に、料金も含めて実態を把握した上で、そこで必要なものについて、問題があるものについて事業改善命令を出すと、こういう仕組みになっているわけでございます。
 そういう意味で、料金だけの事後届け出というのを特に書くということになると、そこだけを特記してそれについてどうするんだという規定を別途置かなきゃならないというような御指摘もございまして、その二十七条の報告事項の中にあわせて料金のあれも報告をいただくということにしています。
 もちろん、報告事項、何でもかんでもとるのも問題だということもございまして、その実施省令におきましてはどういう範囲内で報告をお願いするかということも明らかにしたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#55
○寺崎昭久君 ぜひ外から見てわかりやすい行政をやっていただきたいと思います。
 料金というのは言うまでもなく経営の根幹でありますから、大事な問題でございます。しかしながら、実態ということで見てみますと、これまで適正な原価プラス利潤という考え方のもとに多様な料金を設定するという建前をとっておりましたが、実態は幅の中で考えるという料金になっていると。
 それから、届け出料金については変更命令があるけれども、一度も発動したことはない。第一、一度二十年前でも三十年前でも出してしまえば、後で変更届を出す必要もないというようなことも言われているわけでございます。
 それから、政府の備蓄米については、全体の七〇%の米を営業倉庫が預かっていると聞いておりますが、これについては条件のいいところに預けるというのが実態のようであると。
 あるいは、改正案には、今御説明ありましたけれども、届け出について法文から落としてしまったというようなことで、料金の扱われ方というのがどうも私はどこまで関与されようとしているのか関与されまいとしているのかというのがよくわからないんですね。中途半端になっているような感じがいたします。制度の裏づけだとか担保がない、実効性に問題があるというような状況で中途半端にしておいていいのかなという、そういう問題意識だけ申し上げて、次の問題に移ります。
 次は、倉庫業に係る税制特例の問題でございます。日本倉庫協会が発行したパンフレットによりますと、倉庫業に対する税制面の特例措置は参入の許可制が前提になっていると理解しているようでございまして、許可制がなくなると税制上の優遇措置に対する国土交通省の支援もなくなるのではないかということを心配される発言が載っております。
 そこで、伺うわけですが、税制上の特例措置と許認可制というのは密接不可分な関係にあるのかないのか、伺います。
#56
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 倉庫業につきましては、法人税や固定資産税などにつきまして各種の税制特例措置が講じられております。
 今回の法改正に当たりましては、関係の税務担当部局とも協議を行ったところでございますけれども、許可制を登録制に移行するからといって、倉庫業の公益性といいますか、重要性といいますか、役割というものがこれによって変更になるということでは全くいささかもないわけでございまして、今回の改正によっても税制の特例措置は従来どおり維持されているところでございます。
 むしろ、そういう倉庫の税制を認める政策的な必要性とかそういったものというのは、その時点時点において意味を持っているかどうかという、そういう視点から認められる、あるいは要求していく、そういったものではないかというふうに考えておりまして、許可だからどうだ、免許だから税制が認められるとか、そういったことではないと思います。また、登録であっても税制の特例措置が認められる業種というのはたくさんございます。
#57
○寺崎昭久君 今もお答えにありましたけれども、国土交通大臣にもこの際伺っておきたいと思います。
 特定の企業とか産業に対して税制上の優遇措置を講ずる場合にはそれなりの理由がなければならないと思いますし、倉庫業法で言う倉庫業に対して国は、国税では、昭和四十一年度の耐火建築物割り増し償却、昭和四十九年度の特定備蓄設備等の割り増し特別償却等々を行って、今日でもそれは続いています。また、地方税についても、昭和三十九年の固定資産税、都市計画税の軽減措置、あるいは五十四年の軽油取引税の課税免除等が行われているわけであります。こういう税目はたくさんございまして、今日まで続いているのも少なくありません。
 そこで伺うのは、税制上の特例措置を講じる際の一般的な原則、基本的な考え方、今も少しお話を伺いましたけれども、それについてお尋ねするのと、もう一つは、倉庫業に対して今日なお税制上の特例措置を認める理由、私が聞いているところでは諸外国では余り倉庫業に対して特例措置を講じているという例は聞かないものですから、その辺を踏まえて見解を伺いたい。
#58
○国務大臣(扇千景君) 今もお話を伺っておりまして、少なくとも寺崎先生も御承知のとおり、倉庫業というものが物流の中核に位置するというのは、今、日本の中では大変重要視されているものであると思います。
 倉庫業の概要で、少なくとも事業者数五千九十一社、従業員数十万七千人、そして中小企業の割合は、これは八四%なんですね、この五千九十一社の中の。そういう意味では、倉庫というのは多額の投資を必要とする、倉庫をつくるためにはいい場所でそして大きなものが要るという、そういう意味では投資をすることの回収率が大変長期にわたるということから考えますと、収益性の低いこの倉庫業というものの必要性と収益率の悪さ、悪さというといけませんけれども、長期にかかるというこの相関性から考えて、大体新規投資がなされにくい業界なんです、場所もございますし、そして多額の投資ということから。
 そういう意味では、私は、税制の特例措置あるいは公的な融資による支援措置がどうしても必要であるというのは、この辺の理由を寺崎先生にも御説明申し上げ、一般の皆さん方にもこの特例措置が必要であるということは御理解いただけるものと思っておりますけれども、少なくとも私は、現行のいわゆる倉庫税制と言われます法人税の割り増し償却、あるいは固定資産税、そして今、先生がおっしゃいました都市計画税の軽減措置は、特に輸入の拡大や流通の効率化の促進に資する倉庫につきましては、大体今申しましたような初期の負担を軽減しようと、そういう目的で事業者の投資意欲を強化するために現在も特例措置を講じているということで、私は今の状況をかんがみましてこれは必要であるというふうに考えております。
#59
○寺崎昭久君 国土交通省に具体的に伺います。
 例えば、国税について、税制を創設後長期にわたる企業関連租税特別措置という例として、三十五年以上という欄に倉庫用建物等の割り増し償却というのがほかのケースと一緒に並んでおります。毎年出てきますから、恐らく毎年国土交通省と税務当局、財務省とですか、交渉、折衝をやられているんだと思いますけれども、双方の主張というのはどういうやりとりになって落ちついているんでしょうか。
#60
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘のとおり、倉庫用建物の割り増し償却制度につきましては昭和四十一年に設けられたものでございますけれども、二年ごとの延長につきまして、その必要性につきまして税務当局といろいろ調整を図っているところでございます。
 こうした中で、要するに当面の政策課題に対応して整備が急がれるものを対象とするよういろいろ要件の見直しを行っております。現在の制度は平成八年度に変わったものでございますけれども、現下の物流情勢に照らしまして、輸入対応型あるいは流通効率化の対応型の倉庫、場所あるいはその場所に対応した近代的な倉庫、大型の倉庫等に限定を行ってこの制度を認めてもらっているところでございます。
 その理由は、やっぱり倉庫業は、先ほど大臣のお話にもございましたように、物流の中核に位置する重要な産業でございまして、一般的に多額の投資を必要とする一方で、投資回収に非常に時間がかかる、収益性が低い事業であって、なかなか新規投資がなされにくいというような基本的な性格は変わらないわけでございまして、今後ともすべて、一たん認められたら同じものをずっと今後とも認めなきゃならないということではなくても、今後とも必要な見直しを行った上で、割り増し償却制度というのは今後とも維持していただきたいというふうに私どもは考えているところでございます。
#61
○寺崎昭久君 今の国税ですが、割り増し償却の割り増し率というのは、例えば平成元年は二二%でした。それが二年ごとに二%ぐらいずつ減っておりまして、今日では一六%になっているわけであります。減ったことに対して、これは妥当だと思うんですか、今後どうなるんですか。
#62
○政府参考人(洞駿君) 難しい質問で、数字は調整の結果でございまして、私どもは精いっぱい頑張って、その必要性について税務当局と議論をさせていただいて、その数字に決まったということだと思います。
#63
○寺崎昭久君 いや、というのは平成元年から二年ごとに二%ずつ削られているんですね。ということは、今後も二%ずつ削られていくというような何か約束みたいなものはあるのかどうかと思って伺ったんですが、どうですか。
#64
○政府参考人(洞駿君) 二%ずつ確実に減らされているということではございませんで、一六から二〇に上った、戻ったときもございまして、それはその時々のやはり必要性の結果であろうと思っております。
#65
○寺崎昭久君 平成八年度のときですね。ただ、これは仕組みが変わりましたね。つまり、従来との適用範囲が変わって、特定の港湾地区、または物流流通拠点区域内の一定の倉庫に限定ということがあって、つまり対象が小さくなったから上げましょうと言ったので、今までの同じ条件のもとに上がったわけではないですね。その辺は余りごまかさないでいただきたいんですけれども。
 ところで、今の国税、地方税の優遇措置、特例措置によって、本来この措置がなければ営業倉庫業者が納税すべき国税、地方税というのは年間幾らになるのか、直近の数字で結構ですから。また、この税の軽減措置というのが経営上どういう意味を持っているとお考えか。この二つについて伺っておきます。
#66
○国務大臣(扇千景君) 今の寺崎先生の、平成八年のお話が出ましたけれども、平成八年のときには、これは少なくとも今まで一六%だったものが二〇%にいきなり上がったわけですね。その中で、私もこれを見ておりますと、倉庫税制を抜本的に見直すということで覚書を大蔵省と交わしておりますけれども、その中で、平成八年は特に輸入対応型の物流施設、そして流通システム、効率的に資する物流施設、この二つについて対象を絞り込む、そして危険品倉庫、タンクを除外する、こういうお互いに覚書を交わして、この八年に、今、先生がおっしゃった、平成八年にだけは上がったということでございますけれども、その後は、今、御承知のとおりだんだんと一八%、そして一六%と。今度は、平成十四年に見直すことが、二年ごとでございますから今度は十四年ということになるんですけれども、少なくとも私は、現在の特別措置というものが多くの皆さん方に利用されて、このことによって皆さん方が活力ある、あるいは苦しい中でも頑張ってきたというこの証拠がその数字になっていると思うんですね。
 ですから、固定資産税という、今、先生がそのようにおっしゃいましたけれども、倉庫税と言われる法人税の割り増し償却、固定資産税、それから都市計画税の軽減措置について御質問がございましたけれども、平成十年度におきます営業倉庫に対する国税の減税額は六千八百万円でございます。そして地方税の減税額は三億一千三百万円、そしてまた、平成十一年におきます営業倉庫に対する国税の減税額は一億二千七百万円、地方税においては減税額が二億八千二百万円でございます。平成十一年度の新設倉庫一件当たりの年平均の減税額は約一千七百万円程度になっておるんですね。
 ですから、平成十一年度の普通倉庫業における倉庫部門の一社の平均の租税公課は五千六百万円程度でございますから、大体経常費用の三・八%、そうなっていますので、一方、平成十一年度における一社平均の経常収支率は九八・三%でございますから、それを考え合わせますと、固定資産税等の減免措置は事業活動の維持に大変寄与しているというのが現実でございますので、私は、これは十四年度どうなるかわかりませんけれども、少なくとも今一六%、だんだん減ってきたではないかと。二%ずつ減るのではないかとおっしゃいましたけれども、現状でも私は、これは中小企業が多い倉庫業に対しては、これだけの措置をとることによって皆さんが苦しい中でも元気に仕事をしていただいている、私は大変効果的になっていると思っております。
#67
○寺崎昭久君 年間の減免額というのは計算すればもちろん出るんでしょうけれども、今私が伺った数字は少し少ないのかなという印象を持っております。これは税務当局から聞いた話との差で申し上げております。
 ところで、今の税金の減免に関して、平成十二年十二月に運輸省の倉庫業の規制のあり方に関する懇談会というのが倉庫業の規制のあり方についてという報告書を発表されております。これに対して日本倉庫協会の方から、税制特例措置というのは経営に必要不可欠な措置である、またそのメリットは倉庫業者を通じて利用者に還元されるので今後とも維持してもらいたいという考え方が述べられております。
 恐らくそういう減免を受けている立場からいえばそういうことなのかもしれませんが、この際、メリットは倉庫業者を通じて利用者に還元されるので云々ということを考えてみますと、先ほど、倉庫業が全体に占めるスペースというのはおよそ一割ぐらいということですから、このメリットを受けさせるということで考えるのであれば、自家用倉庫も含めて減免措置を考えた方がいいんじゃないかと思うんですが、なぜ考えないのかなと。この優遇措置を講じない理由について伺いたいと思います。
 なおもう一つ、時間がありませんから申し上げますが、日本倉庫協会が一九九九年の三月に発表した欧州における倉庫業の規制に関する実態調査報告書というのがございます。これを拝見しますと、調査に行ったイギリス、イタリア、フランスでは倉庫業に関しての税制上の特例措置はないということを報告されておりますし、とりわけイタリアについては、倉庫に対する税制については特別の措置をしていない、優遇措置は存在しないと。この背景について、自家用倉庫とのバランスの問題がある、すなわち、普通倉庫に優遇措置を設定した場合に自家用倉庫だけが不利な取り扱いを受けるのを防止するのが目的であると、こんなことも書いてあるんですね。
 メリットをユーザーに、利用者に還元するということであれば、営業倉庫に限らず自家用倉庫、農業倉庫等々にも全部均てんした方がいいし、ここだけ本当に特別扱いしておく必要があるのかという疑問があるわけですが、いかがでしょうか。
#68
○政府参考人(洞駿君) いろいろ議論があろうところであろうかと思います。ただ、営業倉庫と自家用倉庫の大きな違いは、営業倉庫は不特定多数、特定多数かもしれませんけれども、そういう荷主さんを相手として商売を行っているということで、そういう意味では、倉庫の営業の形態としても極めて効率的でございますし、片や一般の自家用倉庫は特定の事業者のための倉庫でございますし、そこのところを同様にとらまえて、位置づけて同様の優遇措置を与えるのが適当かどうかと、そういう判断の問題であろうかと思います。
 それから、諸外国の事例につきましては、先生がおっしゃったとおり、倉庫協会がいろいろ調査してまいりましたけれども、税制特例措置について、アメリカははっきりいたしませんけれども、ヨーロッパについてそういったものを認めている事例はございません。
 また、倉庫業に対する認識というものが日本と、アメリカはもちろんでございますけれども、ヨーロッパについては、なかなか土地のスペースの確保でありますとか、気候の問題であるとか、そういったいろんなものがございまして、例えばアメリカに至っては倉庫業そのものの概念というものがないようでございます。日本においては、非常に土地も狭隘でございますし、あるいは高温多湿等、いろいろ特殊な気候条件等もあって営業倉庫が力を発揮する場面というのがいろいろあって、それに対するいろいろ支援とかそういったものが論じられやすいのでございますけれども、欧米においては一般的にそういうふうな風潮というのは日本とは大分違うんじゃなかろうかというふうに考える次第でございます。
#69
○寺崎昭久君 最後になりますが、大臣に伺います。
 大臣も、先ほど税制特例については必要であるという見解を示されましたけれども、それと同じ発言が例えば倉庫時報というところにも大臣のごあいさつということで載っております。また、同じ時報には、倉庫業法の改正に際して、関係方面に対して倉庫税制は絶対に死守しなければならないものでありますとおっしゃっている幹部もいらっしゃるわけです。私は、死守するというのはちょっと違うんじゃないか、言うのであれば物流の円滑を死守するとかいうことであって、税制を死守するのが先になってはおかしいんではないかと思うんです。
 私は、必要なところには税制上の措置を講ずるということに反対しているわけではありませんけれども、とかく十何種類も税制上の特例措置がついている。金額でいうとそれほど大きい金額ではないかもしれません。あるいは、こういうものに頼っているような、頼っていないと思いますけれども、それを当てにするような経営をやっていたのでは今後生き残れないというようなことではないかと思いますので、今後の行政のあり方、税制特例のあり方について、最後に大臣の見解を伺って、終わります。
#70
○国務大臣(扇千景君) 先ほども最後に野沢先生からお話がございまして申し上げたところですけれども、私、けさも官邸でIT戦略本部の会議をしてまいりました。特に、今後二十一世紀になって倉庫業界もやはりITを導入し、どこに何がどのようにあるか、そして運ぶためにはどういうルートを使えば一番物流が効率的に運べるかと、そういうことも含めて、今後倉庫業界も二十一世紀型に、だんだん新しいものを導入しなければいけませんし、またそれをきちんと操作できる人材も倉庫業界も育成していかなきゃいけない。
 そういう意味では、今後ますます倉庫業界がこの国民のニーズにこたえ、なおかつ物流コストを低下させるためにはいろんなことを、新しい形に倉庫業界も変わっていかなければいけない。そういう意味では、今後、二十一世紀の倉庫業界に対する国民の期待、そして業界の物流コストの低減化、そして倉庫のあるべき本来の姿勢、そういうものから考えまして私は何としても二十一世紀型に、今度は国土交通省、陸海空でございますので、陸海空に倉庫があるわけでございますので、いかにそれを世界の物流コストの水準に持っていけるかということに関しては、倉庫の持つ役割が大変重要でございますので、二十一世紀型に転換するためにも、業績を考えながらではありますけれども、ぜひ大いに頑張っていただいて、自分たちの、倉庫業界の位置の重要性というものを自覚して、私たちもできるだけのことはしていかなければいけない、より発展していただきたいと願ってこの法案を提出した次第です。
#71
○寺崎昭久君 ありがとうございました。
#72
○続訓弘君 今回の倉庫業法の一部を改正する法律案は、昨年の三月三十一日に閣議決定されました規制改革三カ年計画に基づくものであり、政府の規制緩和政策は、経済的規制は原則自由、社会的規制は必要最小限を基本にするものと承知しております。
 そこで伺います。まず第一点、本法律の改正は経済的規制と社会的規制のいずれに重点を置いているのか。二点目、また、今回許可制から登録制に改善されることによって従来の制度がどのように改善されるのか。三点目、そのことによって国民の皆様に対してどのようなメリットを与えるのか。この点について伺います。
#73
○国務大臣(扇千景君) 今回の倉庫業法の改正に関しましては規制緩和推進三カ年計画、もうこれ今、続先生がおっしゃったとおりでございますけれども、事前規制型の行政から事後チェック型の行政への転換、これを目的といたしております。これが第一点。
 そして、経済的規制を極力調和する観点から行うというのが第二点目でございます。
 そして、私たちは、今回の参入規制の登録制への移行につきましては、政府の規制を必要最小限にとどめるということの考えのもとで、一定の客観的な基準を満たせばだれでも倉庫業を営める制度として参入の容易化を図る、なるべく参入できるようにすると、そういうことが三点目でございます。
 今、先生の御質問のとおり、現行の許可制におきましては、要件としている構造設備基準が登録制に移行しても基本的に維持するというのは、これはもうもちろん必要ではございますけれども、今回の改正によりまして直ちに新規参入が著しく増加するということはちょっと今の現段階では考えにくいところではございますけれども、広い分野からの新規参入が推進されて倉庫業が活発化されるということも、私たちの法案を提出した根幹にはそういう希望的な要望もあります。
#74
○続訓弘君 昨年十月から、当時の運輸省は学識経験者等から成る倉庫業の規制のあり方に関する懇談会を設けまして、その報告のもとに今回の法案を取りまとめられたと承知しておりますが、この懇談会でどのような問題点が議論されたのかをお示しいただきたいと思います。
#75
○副大臣(泉信也君) 今、先生お話しのように、学識経験者、倉庫業界団体、荷主、組合等の方々にお集まりいただきまして議論を重ねさせていただきました。基本的には倉庫業の今後のあり方を基本にしまして議論を展開していただきました。
 先ほど来の質疑にございますように、倉庫業が物流の中核的な役割を担う立場にあるという認識の中であらゆる面から議論をいただきましたが、考え方としましては、事業活動の活性化を図る、規制を最小にし、事前規制から事後規制へ移行する。また、不特定多数の方の荷物をお預かりするということから、利用者の便益に資するように考える。さらに、行政の裁量の幅を極力狭める。トランクルームサービスという最近一般市民の方に活用をいただいておりますものにつきまして、質の高いサービスを適切に提供する。最後に、中小企業が中心でございますので、過当競争に陥ることのないような、そしてまた、そのことが労働条件の低下につながることのないような、そうした視点から議論をいただきまして今回の法案の作成の参考にさせていただいた次第でございます。
#76
○続訓弘君 今回の法改正で、参入規制が許可制から登録制に移行されましたが、いずれの規制におきましても参入要件として構造設備基準が重要視されております。
 そこで伺いますが、構造設備基準は、倉庫業が一般消費者を含む不特定多数の者から寄託を受けた物品の安全確実な保管を行うために設けられたもので、現行法での基準と改正後の基準の相違点があれば、お伺いしたいと存じます。
#77
○大臣政務官(木村仁君) 法律改正後の構造基準につきましては現在検討中でございますが、現行の省令に定められた内容は具体的客観性に欠くものがありましたり、あるいは建築基準法等ほかの法律とダブって書かれていたり、あるいははっきりしない面があったりいたしますので、今後、業界等の意見も聞き、あるいはパブリックコメントの手続も加えながら、倉庫業の活性化を促すため、そして先生御指摘のありましたような公共的な役割を十分果たせるように必要不可欠な独自の基準が何であるかということを見きわめました上で、簡素かつ明確なものを省令で定めたい、こういう所存でございます。
#78
○続訓弘君 この法案の審議を容易にするために、参議院国土交通委員会調査室の資料をいただきました。その資料によりますと、最近、倉庫業における新しい業態として、個人消費者を主要の対象としたトランクルーム事業が、平成七年度、事業所数二百十六、営業所数八百二十。平成十一年度は事業所数が二百七十二、営業所数が千九十九。また、売上高から見ますと、平成六年度は二百九十八億円、平成十年度は三百四十九億円と、昨今の不況にもかかわりませず需要に伸びを見せております。
 このような実態を踏まえて、今回の法改正で優良トランクルーム認定制度を創設し消費者保護を図られたことは、まさに時宜にかなったものと評価したいと存じます。
 そこで伺いますが、せっかくの認定制度を国民の皆様にお知らせする方策はどのように考えておられるのか、この点について伺います。
#79
○副大臣(泉信也君) 御指摘いただきましたように、大変国民生活の変化の中でトランクルームの活用がなされておることを私どもも認識いたしております。
 中には、同じトランクルームという名称を掲げながら、本来のお荷物をお預かりするという、除湿でありますとかあるいは低温で品質を確保するというような機能を持たないまま、名称のみでお客様の荷物をお預かりするというようなものも出てきております。そうしたことから、今回、優良トランクルームという認定制度を設けたわけでございますが、どうやって一般の方々に知っていただくかということが確かに大きな問題でございます。
 したがって、このことにつきましては地方運輸局等の掲示板に掲示するというような役所流のやり方もやりますし、インターネットのホームページ上で公開するということもやらせていただきたいと思いますが、こうした制度を設けたということを関係団体に周知徹底させ、このトランクルームの適切な利用を図っていただけるように消費者の皆さんにできる限りのアピールをしたい、新聞広告等も考えてまいりたいと思っておるところでございます。
#80
○続訓弘君 せっかくのいい制度でございますので、ぜひ国民の皆様にPRをお願いします。
 そこで、現行法におきましては通達による倉庫管理指導員が設置されておりますけれども、必ずしも全業者において行われているのではなく、通達に従っていない業者がおりまして、不適正な管理が見られるとのうわさも聞いております。
 そこで伺いますが、このため、今回の改正に伴い一定要件を備える倉庫管理主任者が選任されることになったわけでありますけれども、その資格要件とはいかなるものでしょうか。そして、その資格の取得は難しいのか易しいのか、その点について伺います。
#81
○大臣政務官(木村仁君) 今、委員御指摘のように、効率的かつ安全な物品の管理、特に火災、盗難等のおそれもありますので、従来は通達をもって倉庫管理指導員を設け、その認定を国土交通省で行うというような制度がとられておりました。
 このたびは、登録制の手続の中で倉庫管理主任者を設けることが条件とされております。したがって、適正な倉庫管理主任者を配置していただく必要があります。そこで、そういうものについてどのような基準を設けるかということでございますが、特に、従来の倉庫管理指導員よりも難しい職員を配置せよということを申し上げるつもりは全くございませんで、従来の方々はほとんどそのまま管理主任者になれるような体制をとってまいりたいと考えております。二年ないし三年の責任的な地位で倉庫管理をやっている人は当然認められますし、また新規参入の方については地方運輸局で認定の講習等を行い、その講習を受ければそれでよろしいだろう、こういう形にいたしたいと考えております。
 いずれにいたしましても、この人たちの活躍で盗難もほとんど営業倉庫の場合にはございませんし、火災も非常に事務の倉庫に比べて少ないのでございますから、この体制を実施してまいりたいと考えております。
#82
○続訓弘君 最後に、大臣にお伺いいたします。
 今回の法改正では、倉庫業者の事業について倉庫の利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認められるとき、国土交通大臣が当該倉庫業者に対し、料金の変更その他の事業運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができるとされております。
 そこで伺いますが、この制度の運用によっては事業者の自由な活動を不当に制限するおそれがあるため、命令の発動を極力限定的なものにとどめ、せっかくの規制改革の実効が上がり、国民の皆様から喜ばれるようにすべきではないかと考えますけれども、この点について大臣の所見を伺いまして最後の質問とさせていただきます。
#83
○国務大臣(扇千景君) 今、先生から事業改善命令制度をなるべく抑えるべきである、当然のことでございまして、国土交通大臣として事業改善命令を出すというのは制限されるべきであると当然思っています。
 御不安があろうと思いますので、一つ例を挙げておきます。どういうときに改善命令を出すのかと。例えば料金の変更、これはどういうときに出すのかといいますと、四つございます。社会経済情勢に照らして荷主に対して不当に高過ぎる料金を課した人。例えば、災害時に荷主の困窮に乗じて不当に高い料金を課した、それが一つ。二つ目には、特定の荷主に対して不当に差別的な料金を決めた人、業者。三つ目には、他の倉庫業者との間に不当な競争を引き起こすようなダンピング料金を行っている業者。四つ目には、先生が今おっしゃいましたトランクルームですけれども、一般の消費者にわかりにくい料金、例えば基本料金を低く設定しておいて、そして実際には過度の追加料金をすると、こういうのは私は一般消費者の目をごまかすものであるということで料金の変更、例えば、例を挙げますと今の以上四つのようなときには事業改善命令を出せるというふうにしておりますので、このような違反があった場合はやむなく改善命令を出さざるを得ない、一般の皆さんのためにはそうしなきゃいけないということでございます。
 その他には、必要な措置としては、保管貨物の管理が不良のもの、これは荷主から預かっておきながら不測の障害を生じさせる場合は、当然これは改善命令を出さなきゃいけません。例えば、冷蔵倉庫の冷却装置のメンテナンスが不良なもの、例えばアンモニアが周辺に漏れ出している場合等々、そういうような限られたときにのみ私が事業改善命令制度を適用できるということでございますので、一般の利用者に対してのむしろこれを出せるということによって保護になると。皆さんが安心して預けていただけるということへの担保であるというふうにお考えいただいて、安心して倉庫を利用していただくということの私たちが担保をとっているというふうにお考えいただくのが一番わかりやすいんではないかと思いますので、より安心して預けていただけるように私たちも奨励していきたいと思っております。
#84
○続訓弘君 今、大臣のお答えを聞いて安心いたしました。そのようにぜひ御配慮を願いたいと存じます。
 以上で終わります。
#85
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 倉庫業は我が国の産業活動や国民生活に不可欠な公益性の高い事業であり、物流業の中核を担っていることは言うまでもありません。
 九七年四月に閣議決定された総合物流施策大綱では、こう書かれております。「世界経済のグローバル化が一層進展する中、企業が立地する国を自由に選ぶという国際的な大競争時代が到来しており、我が国経済の新たな発展の可能性を拓いていくためには、高コスト構造を是正」する必要がある。高コスト構造を是正すると。つまり、日本の物流はコストが高いので、安くしなきゃならないと書かれているんですね、ここには。
 私、ここに一昨年六月に旧運輸省が発表した物流サービスに係る内外価格差調査結果というのを持っております。トラック、宅配便、貨物鉄道などについて、日本、アメリカ、欧州など六カ国を調査したものなわけですけれども、結果として、「トラック 少量・短距離輸送の分野は日本の方が安いが、大量・長距離輸送の分野は、欧米の方が安くなる傾向にある。」、「宅配便 アメリカでは、日本の宅配便と同じレベルのサービスであるネクストデイエアと比較すると、日本の方が安い。ヨーロッパではドイツを除き日本の方が安い。」、「貨物鉄道 アメリカは日本より安い。また、ヨーロッパでは、イギリス、ドイツより日本の方が安く、オランダ、フランスでは輸送距離が長くなるほど、日本の方が安い傾向にある。」、こうなっているわけです。すると、日本の方が安いということが旧運輸省のわずか二年前の調査でそうなっているわけで、これは事実ですね。
#86
○政府参考人(洞駿君) 旧運輸省はこれまで二回にわたって、先生御指摘のとおり、運賃につきまして欧米との内外価格差調査をやりまして、その結果では、先生御指摘のとおり安い分野もあるし高い分野もあると。これはあくまで運賃だけでございます。
#87
○緒方靖夫君 確かにそうですけれども、しかし安い分野の方が多いんですよ、私が今紹介したように。もっと詳しく紹介してもいいんだけれども。
 そうすると、高コスト構造ということ、これがどういう意味かということが問われるわけですね。ところで大臣、私、衆議院の議事録を読ませていただきました。大臣は、物流業はすべての分野で外国に比べて日本の方がコストが高い、そう言われているんですね。これ、事実ですか。
#88
○国務大臣(扇千景君) そのとおりでございまして、現段階では、今、先生が御指摘になりましたこのかつての調査でございますけれども、一度目は平成七年から八年、二度目は平成十一年にこれを調査しておりますけれども、これは少なくとも為替レートの動向等々、必ずしも世界と比べるときにこれが正しいかどうか、これはまた別でございまして、私は昨今の日本の経済状況とかあるいは円レート、そしてドルレート等々を考えますと、必ずしも、今もう既にこれが古くなっていると言わざるを得ないと思います。また、事実、衆議院のときにも私申し上げましたけれども、例えば日本が物流コストが高いというのはもう常識になっています。
 私、いつも言うんですけれども、先生に私前に言ったことがあると思いますけれども、同じ百キロの物を岩手から横浜へ陸送しますと千四百九十円かかったと。その同じ百キロを横浜から北米に送ったらこれが千百円だと。これではやっぱり日本は国際競争に立ち行かないんじゃないかということも私は申し上げました。
 一事が万事そうとは思いませんけれども、少なくともなぜ物流コストが高いかというのは、今まで運輸省と建設省がばらばらに縦割りになっていたものですから、港と空港と道路とそして主要都市、この連携が、トータルな政策ができていなかったと。港はつくったけれども主要道路に入るのには連結していない、空港から主要道路に入るのには時間がかかると。あらゆることで私は日本と世界の現状とが違っていると。少なくとも、空港に関しても港に関しても、欧米先進国は九十数%が十分以内にインターに入れる。けれども日本は四四%だと。それ一つとってみても、コストが高いのは当然のことなんですから、私はそういう意味で、日本が二十一世紀型になって国土交通省になったら今までのような縦割りがなくなるんだから全部を見直す必要があるというのが私がグランドデザインという言葉を使った基本でございますので、高いことだけは間違いないと思います。
#89
○緒方靖夫君 大臣、ちょっと苦しいんじゃないかと思うんですが。やっぱり二年前の運輸省の調査について、今、局長は間違いないと答弁されたわけで、状況は変わっていないですよ、そんなに、為替も。ですから、確かに日本は島国ですからその関係の条件はありますし、もちろん大臣が言われたような例もあると思います。また少なくなく幾らでも挙がると思います。
 同時に、全体をならして見れば、これはやはり私は旧運輸省の調査は非常に正確だと思うんです、出した結論も。例えば日本物流団体連合会があります。「日本の物流コストは本当に高いのでしょうか?」と、このパンフレットを私読みましたけれども、そこでも、欧米諸国に比べて高い部分もあるが、これ事実ですね、高い部分ある、確かに。しかし、割安な部分も少なくないわけで。
 ですから、大臣、この法案を出すときの根底になっているわけですよ、したがって規制緩和が必要で云々という形で論が展開するわけですから。その一番基礎になる事実のところで、やはり今運輸省の局長が述べたことと大臣が述べられたこと。断言された、断言されながらも必ずしもと、そうでもないとも言われたような気がしましたけれども、やっぱりその事実は非常に重いものだと思うんです。その事実を出発点にしてやはりどうするかという施策を考える必要がある。
 大臣は、高コストだという、コストが高いというところから出発して物流コストを下げる政策を国土交通省でやっていくんだと述べられているわけですね。ですから、大臣が施策のもととされている高いというその事実について、私は、きちっとした形でこれが事実ですという調査、これは直近のもので、去年か一昨年ぐらいのものかもしれませんけれども、やはりそれをもとにしてきちっとした調査、これをしていく必要があると思いますので、大臣のお気持ちはよくわかりますけれども、やはり事実がどうかということについてはきちっと押さえていただきたい、このことをお願いしたいと思います。
#90
○国務大臣(扇千景君) 時間がありませんから、すべて例示を出していると緒方先生の時間を食いますので申しわけないと思いますけれども、例えば私はなぜそれを申しますかといいますと、私たちは運輸省と建設省が一緒になりましたから、例えば空港一つとってみても成田の空港の離着陸のときの着陸料というのは九十四万八千円でございます。関空も九十万八千円でございます。けれども、アメリカもフランスも少なくとも私はその半分の大体三十万円以下、二十八万五千……
#91
○緒方靖夫君 倉庫の話ですので。
#92
○国務大臣(扇千景君) だけれども、物流の話ですから。ですから、そういう意味では、物流は広いものですから、総体的な日本の物流が国際水準から見ると高いところはいっぱいある。それを私は国土交通省になったから是正しようというのが基本でございまして、倉庫だけとってみるとまたこれは話は別になりますけれども、今物流とおっしゃいましたので、日本の現状は高いと認識しているということでございます。
#93
○緒方靖夫君 大臣の言われるように物流高いんですよ、例えば空港使用料なんて、飛行場使用料なんて高くて、我々これを安くしろということを提起している。国際空港と言う以上、それは必要なわけで。ここで議論しているのは、大臣、倉庫の問題ですから、物流の中の倉庫の問題に限って言えば、やはり今、局長が言われたようなそういう現状があるわけです。ですから、やっぱりそこを踏まえて施策を進めていくということがどうしても必要なので、ぜひ大臣もそこをしっかりと押さえていただきたいということを要望しておきたいと思うんです。
 また、旧運輸省の調査を見ましたけれども、調査対象はトラック、宅配便、貨物鉄道、海運・内陸水運、航空とあるんですけれども、倉庫業がないんです。倉庫業について調査したものありますか。
#94
○政府参考人(洞駿君) 今、例示に挙がったモードというのは非常に比較がしやすいものでございます。倉庫について調査した結果があるかということでございますけれども、結論は、ございません。
 倉庫業というのは、例えばアメリカにおいては、先ほども申しましたように、そもそも倉庫業という業態が確立しておりませんで、多くの事業者が物流業の一環としてそういう倉庫による保管といったものを行っているというのが一般的なために、倉庫業のうちの保管料金をどうのこうのととらえて比較するというのは非常に難しい、そういう事情等もございまして、そういう意味で、運輸省が過去行った調査は、非常にわかりやすい運賃について為替レートとかそういう時々の状況等を勘案して比較をしたというものでございまして、倉庫にはございません。
#95
○緒方靖夫君 物流全体についてどうこうという議論はまたちょっと別にしたいんです、ここでは倉庫業の問題を議論しているので。
 そうすると、大臣、結局調べたことがないわけですね、倉庫業についてどういう価格かということについては。そうですね、今答弁がありました。そして、実際にこういう分野について調べていないから、したがって倉庫業についての値段の比較はできない、高いか安いかということも、これについて事実を根拠にして言うのは難しいという、そういう状況があるわけで、私は、コストが高いから規制緩和の対象にするんだという、そういう議論はやはり成り立たないだろうと、そういうふうに改めて今の答弁を聞きながらそう思いました。
 そこで、さらにちょっとお伺いしたいんですけれども、それでは経営基盤がどうか、経営状況はどうかということなんですけれども、衆議院の審議の議事録の中で泉副大臣は、倉庫業法ができたときには経営の健全化ということも視野に入れた規制が必要だった、しかし経営基盤もしっかりしてきたのが今日の状況でありまして、国が必要以上の関与をすべきじゃないと、そういう答弁をされていますね。経営基盤がしっかりしてきたので国が必要以上の関与をすべきじゃないというわけですけれども、これについても、私は政府の認識は倉庫業者の経営の実態とかけ離れているのではないか、そういうふうな気がするんですね。多くの業者が、お話を聞くと大変苦しんでおります。それについての実態をどう把握されていますか。
#96
○副大臣(泉信也君) 三十一年当時、倉庫業法をつくりました時代、それはまさに構造基準も含めまして大変な状況であったから法律をつくらせていただきました。その後、倉庫業については経営が落ちついてきておると申しますか、収益率は低うございますけれども、いわゆる経営基盤としては強化をされてきたので、競争場裏の中でよりよいサービスをするということで今回の法案を提出させていただいておることでございます。
 細かい数字については政府参考人から説明させます。
#97
○緒方靖夫君 いいです、時間がないから。私も普通倉庫も冷蔵倉庫も見ましたけれども、赤字なんですよ、全体として。それで、今いみじくも言われたように、倉庫業というのは公益性が極めて高いけれども収益性が低いわけですね。そうなんですよ。だから、やはり施策としてもこの経営をどうするのかということについての配慮が私は政府として非常に重要な課題だということを改めて痛感するわけです。
 倉庫業法の第一条の「目的」には、「倉庫業の適正な運営」を確保するとあるわけで、この文言は改正後も残るわけで、私はこれに沿った形でやはり施策を進めるということが非常に重要だということを指摘しておきたいと思います。
 次に、法案の趣旨説明で、規制緩和を行うことで、事業者間の競争を促進するとともに、事業者の創意工夫を生かした多様なサービスの提供、事業の効率化、活性化を図る、このように言われているわけです。多様なサービスとは何かと思うわけですけれども、それについては扇大臣から御答弁がありまして、保管機能だけではなく、流通加工機能、例えば包装、詰め合わせ、組み立て、配送、そういう機能拡大をしていくとか、また事業の効率化、活性化を図るということについては、立体自動倉庫等の新規装置の新設とか、自動仕分け機とか、荷役機械等の整備とか、パレット化とか、IT等を活用した情報化の促進とか、そういうことがずらっと並ぶわけですね。規制緩和によって倉庫業者が求められるものは、こういうことになるんですか。
#98
○政府参考人(洞駿君) 今回の改正は、倉庫業に係る参入規制と料金規制についての規制緩和を行うことによりまして、いわゆる物流の高度化、多様化というのが非常に今強く求められている中で、倉庫事業者の競争を促進しつつ、事業者の創意工夫を生かした、まさしく大臣がおっしゃいましたいろんな多種多様なサービスの展開とか、事業の効率化、活性化を図っていかなければならない。まさしくそういうことをしていかなければ倉庫業者はなかなかこれから生き残っていけないというような厳しい状況になっているわけでございまして、そういった環境を側面的に支援するという意味から、政府の規制をできるだけ不必要なものは下げていくという趣旨で行うものでございます。
#99
○緒方靖夫君 今答弁ありましたけれども、倉庫業というのは、もう言うまでもないんだけれども、ほとんどが中小零細業者なんですね。そこにそういうことを求めるとしたら私は、収益性がただでさえも低いわけですから、多額の投資を、今言われたような、夢のような話のように感じますけれども、実態から照らし合わせると、それをやったとしても、その投資、投資ができるかどうか問題ですけれども、その回収の見込みは果たしてあるのかどうかと、そういうことが問題になると思います。私は、これでは中小零細業者につぶれろと言っているのと等しいような気がするわけです。
 倉庫業の経営のもう一つの点をお聞きしたい。倉庫業の八〇%以上が中小零細業者です。そのために力が弱く、荷主から無理やり安い料金を押しつけられる、ダンピングが行われている、そしてそれがまた経営の悪化を招く、そうしたこと、それが原因の一つだということも伺っております。
 国土交通省としては、あるいは旧運輸省として、ダンピングなどの実態調査をしたことがありますか、現状について。
#100
○政府参考人(洞駿君) その前に、倉庫の経営状況でございますけれども、私どもの経営事情調査によりますと、事業者の八割ぐらいがトータルとしては黒字でございます。ただ、この事業者はいろんな事業を兼業しておりまして、そのうち普通倉庫部門だけをとってみますと、経常収支率は九八・三%、冷蔵倉庫だけでも六七%が黒字でございますけれども、冷蔵倉庫部門だけとってみますと九九・六%と、こういうことで、若干収支率が一〇〇を切っている、こういう状況になっているということでございます。
 それから、ダンピング調査を実施したことがあるかというお尋ねでございますけれども、これまでダンピングの実態調査を目的とした調査というのは行ったことはございません。現行におきましては、先ほども申しましたように、事前届け出制のもとで必要な指導等を行っているということでございます。
#101
○緒方靖夫君 今、局長が言われたことでいうと、確かに今、局長は倉庫業における経常収支率については述べられたんですよ。確かにそうなんですよ、今言われたやつは。でも、倉庫業の経営状態、それは冷蔵倉庫について言うと三三・九%ですね。これはあなた方が出した数字なんですよ。だから、いい数字だけ言わないで、これが実態なんですよ。だから、もしそんなことであなたが仕事をしているのならえらいことになると私は思いますよ。
 ダンピングについては調査していないと。これはやっぱり非常に私はさっきのことといい、怠慢だと思いますよ。倉庫業の実態について調べていない。その理由というのは、比較しにくい。ダンピングについては大きな問題になっている、それなのに調べていない。
 大臣、こういう問題について、はっきり言って国土交通省それから旧運輸省は怠慢ではないかと思いますが、いかがですか。
#102
○国務大臣(扇千景君) 怠慢であるというようなことよりも、私はこれを検査する人員が、七十何人ですか、少なくとも資料が少し先ほどありましたけれども、さっき何年に一度ですかという御質問がございましたけれども、業界に対してこれを検査する人員というのが余りにも手薄であると。届け出制ですから、皆さんのお届けになることを信用しているというのが私、今までの実情であったんだろうと思うんですね。また七十一人、業界が五千九十七社、その中で立入検査をする国土交通省の業務体制の人数は定員が七十一名でございます。
 そういう意味で、今後どうなるかわかりませんけれども、少なくとも私は、今までは一度も改善命令を出したこともなかったというんですから、うまくお互いに信用し合って、私はトラブルもなかったんだろうと思いますけれども、今後、今申しましたように、先ほども御審議いただきましたように、あらゆるトランクルームとか新しい業界が入って、直接、今までは専門業者のみの倉庫でしたけれども、一般の人たちもそこへ行くようになったという、いわゆる広域的なサービスを要求されるようになったので、より安心をしてもらうためにはこういうことが必要であると、そのための改正も加味しているということをお含みおきいただきたいと思います。
#103
○緒方靖夫君 ダンピングの問題については、日本倉庫協会の会長が、生産性が乏しく経営の健全化を維持し、成長というよりも維持するということが大変なんだと述べていて、その中で今回の料金の問題、料金の事前届け出制の廃止、これが行われたら大変なことになる、そう言っているわけです。これにかわるものが欲しいと言っている。あるいは、荷主側の代表として経団連の物流効率化グループの座長が、ダンピングと言われると困惑するけれども、倉庫の選択肢がふえているので、そういう面で厳しくやっていきたいと。実際上そういうダンピングすれすれに近い発言もあるわけですよ、活字になっているもので。
 ですから私は、大臣、これからが問題と前向きに言われたと思うんですけれども、七十数名いるそういう方々を大臣の御指示で、やっぱりそういう実態について、全面調査しなくたって幾つかのところをやっていけばそれで幾つかのことはわかるわけですから、あるいは実態に近いことがわかってくるわけですから、ぜひそうした調査を行っていただきたい。このことを要望しておきたいと思うんです。
 次に、法改正が倉庫業で働く労働者にどう影響するか、これがやっぱり非常に重大だと思うんです。規制緩和によって業者間の競争が促進された場合、労働者に対するしわ寄せ、これはまず一番に来ることですよ。そこで伺いますけれども、倉庫業の賃金は他産業と比べてどうなっていますか。産業全体の賃金と倉庫業の比較で答えていただきたいと思います。
#104
○国務大臣(扇千景君) 私の手元に運輸産業の労働条件という表がございます。先生もきっとお持ちではないかと思うんですけれども。この中で、倉庫業、民間、公営等合わせましても、平均給与三十五万七千六百円、そして年間の労働時間二千二百八時間。これは、全産業の平均給与三十六万七千九百円に対して倉庫業は三十五万七千六百円。そして全産業の労働時間の平均が二千百九十六時間でございます。それに対して倉庫業は二千二百八時間と、こうなっておりますので、私は必ずしも現段階の労働条件、これは他産業に比べまして、勤務年数も大体十三年と皆さん長い間お勤めでございまして、そういう意味ではかなり、皆さん方はこれを他産業と比べてどうかとおっしゃいましたけれども、うんと高いところはもちろんございますけれども、私は必ずしもこれは低い方ではないと。
 あるいは、観光バスガイドなんというのはもっと女性が低いのもございますし、またタクシーの運転手さんでももっと低いのもございますから、他産業と比較してという御指摘でございますけれども、運輸産業全体としてはほとんど平均に近いというのが現状でございます。この数字をごらんになれば緒方先生もおわかりいただけると思いますけれども。
 ただ、少なくともこれが、条件が今回の改正によって悪化する事態が起こらないようにと。これはもう当然私たち気をつけなきゃいけないことでございますけれども、今度の改正によって直ちに私は労働条件が悪化するということにはならないと。むしろそれよりも、いろんな皆さん方に入っていただいて雇用情勢が拡大していくのではないかと。新規参入はなかなかできない業界ですけれども、少しでも雇用が多くなればいいなというふうに考えております。
#105
○緒方靖夫君 旧労働大臣の官房政策調査部が作成した九九年度の賃金構造調査報告、これによると、今、大臣が数字は言われましたけれども、決して高い状況ではない、むしろ長時間でやはり賃金が低いという、そういうことが指摘されていると思います。
 私は、その中で特に考えるのは、収益性が低い業種ということが先ほど出ておりますけれども、その中で倉庫事業経営指標によりますと、倉庫業の主要原価構成は人件費が半分ぐらいを占めているわけです。普通倉庫業でおよそ五〇%、冷蔵倉庫業で四五%となっております。コスト削減のためには人件費の削減が当然予想されるわけです。社団法人日本物流団体連合会のパンフレット、「日本の物流コストは本当に高いのでしょうか?」には、物流業界はさまざまな努力を行っています、企業体質を強化するためのリストラに取り組んでいますと記されております。
 法律の改定によって賃金の切り下げが起こるかどうかということ、これはよくわかりませんけれども、しかし私はそれよりもっと大きな差し迫った問題というのはリストラ、これが横行していくという、そういう問題があると思います。つまり、リストラが横行する、それによって賃金が下げられる、ただでさえも高くない賃金が一層下げられていく、そういう心配があると思うんです。
 私は、こうしたことが規制緩和の名のもとに、あるいは大臣が先ほど時流に合った法案がこれなんだと言われましたけれども、私はこういうことは起こってはならないことだと思うんですけれども、政府のこれからとっていく対策と、その点でどのようにお考えなのかということについてお伺いしておきたいと思います。
#106
○国務大臣(扇千景君) この法案に対して先ほども、税制で今まで見たのは甘過ぎるんじゃないかという御指摘もございます。他産業に比べていつまで税制面で面倒を見ているのだというお話もございましたけれども、私はそういう面では労働者に対する賃金の圧縮がないようにと。
 そして、なおかつこの倉庫産業がきちんと立ち行くように、なお二十一世紀型になるようにということから考えれば、私は、税制面でも今までどおり続けるということを言っておりますので、政府としてでき得ることはすると。そして皆さん方に希望を持って働いていけるような倉庫産業というものが二十一世紀型に、さっき申しましたように新しい機械もITも入れなきゃいけないということにも大変私は苦しいところもあろうと思いますけれども、それを入れることによってより二十一世紀の発展性が見えてくるわけですから、ぜひそういうものが、労働の賃金が圧縮されないようにということは注目して見守っていきたいと思います。
#107
○緒方靖夫君 きょうの質問で、一つはやっぱり倉庫業について実態を担当部局が把握していないということ、それからまたダンピングについても具体的な調査ですね、これは大臣の方から人員が少ないんだという御答弁はありましたけれども、私は少ないなりにそういうことがある、それすれすれのことがあるということ、活字になってあらわれているものがあるわけですから、やはりそういうことについては緊急の問題としてぜひお調べいただきたい、このことを要望したいと思います。
#108
○国務大臣(扇千景君) 今、この法案に対して委員会で御審議いただきますことすべてが、今後の倉庫業界にとって、私たちも立場としてよく皆さん方の御審議を勘案しながら見守っていき、また改善命令をなるべく私が出さなくて済むような、そういう業界に育ってほしいと思っています。
#109
○緒方靖夫君 終わります。
#110
○田名部匡省君 質問に入ります前に、先日の新聞に、泉副大臣が、新幹線に反対の人は新幹線に乗るなという記事が載っていまして、その理論でいくと、原発に反対する人は電気を使うなというのと一緒だと思うんですよ。
 意見というのはいろいろありまして、ちょっと暴論だなと思って僕は見ておりました。何もかにも反対だというのでなくて、今こういう財政状況の中でいつも私が言うのは、それは今やられなきゃならぬことと、待ってもらうものと、やめるものぐらいは分けてやっていかないと、何でも要求されたものを皆つくったんじゃこれは国民の負担になりますからという考えを持っていますので、何かコメントがあればどうぞ。
#111
○副大臣(泉信也君) 私の発言について今、先生から御指摘がございました。大変今後の政治活動の中で注意をしてまいりたいと思います。
 ただ、私が申し上げましたのは、新幹線の効用、それは御承知のように東北新幹線、秋田・山形新幹線を含めまして地域の方々に歓迎され、また地域の発展に尽くしておるという実態、一方で北陸新幹線が昭和四十八以来待ち続けてきたのがようやく着工にこぎつけたという喜び、そうした中で第二の国鉄をつくらないという基本的なルールの上に今整備をしようということを進めさせていただいておるわけでございます。
 私が申し上げましたのは、そうした物事の上で、成田空港で一坪地主として反対を唱えていた政治家が成田空港をその後利用しておられる。そんなことを考えるときに、新幹線の問題について発言をするということであれば、乗らないというようなことも覚悟の上で発言をしなければならないという、政治家の発言の重みを私は申し上げたわけでございます。
#112
○田名部匡省君 これは議題ではありませんから、反対の人だって、原発反対でも電気は皆使っているわけですから。そういうことを、私もあなたと同じことを言ったんだ、昔、成田のときに。それは気持ちとしてはあるけれども、副大臣として発言することはいかがかと、こういう思いできのうは新聞を見ていました。これは議題でないので。
 大型の倉庫は、物流あるいはそれ以外の利便性の高い倉庫だと。倉庫というのは千差万別なんですね。私のところは、八戸は水産基地ですから、魚の冷蔵庫、いっぱい冷凍庫をつくりましたよ。ところが、不漁のときがあるんですね、とれないときがある。がらがらしているんですよ。ひところ、毛皮を入れたり、何かリポビタンとかそんなものまで預かって入れているというときもあった。そうでないのもありますよね。
 ですから、これだけいろんな差があって、しかも固定資産税減免措置を、税の特例措置もやっていると。そんなに外国よりも高くて商売にならないというのなら、私は国民の負担で、国が倉庫をつくって、それを業者の人たちに利用料を払ってもらってやった方がいいのではないのかなという気がするんですね。
 しかし、大臣、この法律にも、倉庫業に係る参入規制及び料金規制について規制緩和を行うことにより事業者間の競争を促進するというんでしょう。ところが一方では、さっきから議論を聞いていますと、競争しないようなシステムを一生懸命何かやろうとしているような気がしてならないんですよ。
 例えば、もうからない、それはもうからない業というのはほかにもいっぱいありますよ。じゃ、固定資産なんか減免措置があるのか。そんなことはないでしょう。だから、私もさっきから言っているんですけれども、ルールというのは余り違うといつも試合にならないと言うでしょう。結局、いろんな保護をしてあると、その負担は国民が全部やるんだ。
 例えば、倉庫業に勤めている人たち。それはやってもらえればありがたいですよ。しかし、うちへ帰れば税の負担を求められているんですからね、いろんな形で負担を。だから、そういうことを考えると、やってあげることの方が多くの国民の負担がより少なくて済むのか。あるいは、したおかげで、こればかりじゃない、いろんなものがありますよね。私もやりました、電話帳で毎年暮れになると。だから、これも一貫性がないんですな。同じ公平にやるのならいいけれども、特定のところだけよくやっちゃうものですから、このバランスが崩れてくるという考えを持っていますので、これについて局長、どう思いますか。
#113
○国務大臣(扇千景君) 田名部先生がおっしゃいましたように、それだったらもう全部国がやって賃貸料を取って貸したらどうだというお話がございましたけれども、私は、もともと……
#114
○田名部匡省君 全部ではない。
#115
○国務大臣(扇千景君) 使用料を取ってでしょう。
#116
○田名部匡省君 全部ではなくて。
#117
○国務大臣(扇千景君) そういう一例をお挙げになりましたけれども、私たちは、小泉内閣としては、なるべく民は民ということで、なるべく民営化しようという方向に入っておりますし、また私は、倉庫業というものは、各港、空港、あらゆるところで、国民に対してはむしろ半公共性というものを持って物流の拠点として大きな役割を果たしてくださっていると。それぞれに、今おっしゃった先生のところは魚を保管する、片方では余剰米のお米を保管する、まして町中では、私もそうですけれども、トランクルームを利用しております。
 そういうふうに、倉庫と一言で言ってもあらゆる面で、私は日本の国民の需要性に応じた倉庫が今だんだんふえつつあると。けれども、そこには一貫して何かというものがないので、多くの皆さんに利用していただくのに、安心していただけるような何かをしなきゃいけない。
 そういう意味では、あらゆる面で利用者の利便性、あるいは今申しました公共性等々を勘案して、私たちはその利益を阻害している事例があるというときには、少なくとも最小限の注意、勧告等々をできるようにして、皆さんの業界が発展をする。そして、ニーズがあるんですから、トランクルームでもドア・ツー・ドアみたいなものがふえていくのも今の御時世だなと思っていますので、そこで一定の安心料をきちんと明示していただきたい、幾ら取られるかわからないというのでは困るということでございますので。その辺は今回の改正の大きな幅広さというものを、田名部先生、御理解いただきたいと思います。
#118
○田名部匡省君 私は、いろんな税制の特例をやるのであれば、多額の投資をしている、あるいは大きく社会に寄与しているということでこれをやっているわけですね。それであれば、決算書をちゃんと調べて公表するとかいうことをやって国民の判断を仰ぐということは必要なんだろうと思うんです。何がどうなっているか、仕組みが全然わからぬということではいけないと思うし、それから倉庫業の立場がすごく先ほど来強調されて、利用者の立場、これに立った考え方というのはもっと強調されていいんだろうと思うんですね。
 一つ申し上げますけれども、最近、青森県の商店街もシャッターをおろすところが非常に多くなってきた。一等地ですから、ここは固定資産税が高いですよね。そうすると、料金を決められても、高いところ。例えば最近区画整理事業があって、農地をつぶして区画整理をやる。そこは固定資産税が安いんですよ。そうすると、農家はもともと大きな米を入れる倉庫とか、野菜を入れる、いろいろ持っています。商店街でも、私は、もう駐車場のない商店街はだめだから、余り売れていないところは駐車場にして駐車料金もらった方が商売やるよりいいんだからつくれと、こういって今やっているんですね。そういうところも物を売るために倉庫を持っているんですよ、店の奥の方に。
 そういうものがトランクルームとしてどんどん活用されたら、企業として新たなシステムというものが生まれてくる。しかも、便利なところにないと利用者が不便。特に、最近は住宅だってそんなに大きいのを建てませんから、もうだんだん古くなると置くところがない。あるいは、私が衆議院の高輪におったとき吹田先生が隣の部屋で、夏になると奥さんと自分の冬物を全部質屋かどこかに預けて、ちゃんとやってもらっているんだそうです。今はやりのトランクルームだと思うんだが。
 そういう余りうるさいことを言わずに、どんどん多様に事業展開できるようにしてやらぬと、壊して何かやるといったら金がかかりますから、そういうことでいってみて、いやこの程度であればおやりいただいて結構ですということなんかもっとやったらどうかなと思うんですが、局長、どうですか、これ。
#119
○国務大臣(扇千景君) 今、どんどんふやしたらどうだという田名部先生の御指摘でしたけれども、やっぱり預かったものの安全性、預かったものの責任という、そして今、先生が冬物を預けるとか夏物を預けるとおっしゃいましたけれども、そういう毛皮なんかを預かっても全然毛皮の管理ができないようなものがどんどんふえても困りますし、この倉庫業者五千九十一社ある中で、少なくとも八四%が中小企業なんですね。
 ですから、そういう人たちから見れば、どんどんふえていいと。そして、どんどんふえても品質保証ができるか、これは住宅と一緒ですけれども、そういう意味ではただふえればいいというものではないということも、ぜひお考えいただきたいと思います。
#120
○田名部匡省君 そういう話を言っているんではなくて、それはだれも、毛皮を預けて、そんなところに持っていったって、これは危ないと思えばお客の方は持っていきませんから。それは余り国が口出すことではなくて、そこそこでやればいいんですよ。それで高ければ安いところを見つける。そのためにインターネットでも何でもやってこういうのがありますと。高いところへなんか行きませんよ、今。評判になって、あそこへ行くといいよいいよというと、そこへ行くようになるんですから。それで競争が起きてくるんでしょう。
 ですから、無理なものまでやりなさいと私は言っているのではなくて、可能な限りやれるものでそういうことをやりたいという人は、規制緩和をするというんですから、こういうものを認めてやったらどうかと、こういうことを申し上げているんですよ。局長、答弁してください。
#121
○政府参考人(洞駿君) そういう意味で、きちっとした、どういう設備構造基準を満たせばいいか。今の設備構造基準というのははっきり言って非常にわかりづらい。外から見てどういうことをきちっとやればいいのか。それから、非常に古くさい基準も残っている。そういったものを今回、簡素合理化、見直しをして非常にわかりやすいものにしていく。
 そうすると、先生がおっしゃるとおり、今、自家用倉庫を持っている人たちが営業倉庫に転換しようという人たちもいます。あるいは、トラック事業者が新しく倉庫業界に入ってこようとしている人もたくさんいらっしゃいます。そういう参入、入るためにはどういうふうなことをカバーすればいいかというのはだれでもわかるようにしてあげる。そうすることによって参入の容易化を図って、意欲と能力を持っている人がどんどん入ってくるように、そして業界が活性化すると、こういうことを期待しております。
#122
○田名部匡省君 料金もダンピングも、ダンピングは調べていないというのですから、構造とか内容とか場所、そういうところによって値段が違って僕は当たり前だと思うんですよ、不便なところは安くなって。ですから、商店街でやった場合には、行ってみて、ああこれはいいなと思ったら高くても便利なところへ預けるということでいいんじゃないんですか。
 ですから、余りあれだこれだといろいろやると、何か、さっき寺崎委員も言ったが、監査はどこがやるんだという話がありましたけれども、私は固定資産税を払うときに思った。一人の人が全部回ってくれればいい。あそこはこうやったからここはこのぐらいというのがわかるけれども、ばらばらに来られるとどこがどうなっているかわからない人がここへ来て課税をしていくと。これはもう本当にあのとき僕はそう思いましたよ。ですから、難しいんですね。こういう行って調べるという人も全部が同じ基準ではないですから、そういうことも考えて人員の有効活用だと。
 何かこれだけ見ていると、また役所は数をどんどん人をふやして、国の方針と違っていく方向へこれは進んでいくんではないかなという、でなければ結構ですが。さっきから議論を聞いていると、また人をふやして何かやるような感じを受けたんです、僕は。そういうのはないですか。
#123
○政府参考人(洞駿君) 決してそういう意図を持っているものではございません。
 ただ、事後チェック型の行政ということになりますれば、そのためのしかるべき体制というのをちゃんとしかないとかえって無責任なものになるという意味において、必要な限度において人員の確保とかあるいは業務の効率化等いろんな工夫をやってその辺の責任にこたえていかなければならないということを申し上げているところであります。
#124
○田名部匡省君 いずれにしても、参入規制とかなんとか規制緩和をやるんだと。それは国民のためになる規制緩和であって、そこの基本を忘れてもらっては困る。
 それから、私は、かつてボウリングが国体種目になったときに、税金を払って強化練習させるのはやめてくれというので、法律を改正したんですよ。ところが、最近、ゴルフも何もみんな国体種目になって、本当に困っているんですが。私は、子供たちにアイスホッケーを盛んにやってもらいたいと思って、札幌オリンピックの監督をやめたときにスケートリンクをつくりました。民間でやるというのは大変ですよ。一般の人は東京と違って来ませんから。朝四時から小学校の子供、中学校の子供、そして学校を終わった四時ごろから十二時ぐらいまで。その間はもう全然ない。最近、もうやめようかと。私のところはたくさんありますけれども、鳥取とか沖縄とかというところは一つしかないんです。これはやめたというんです、最近。強化できなくなる、娯楽利用税を払っていますから。
 ですから、そういうことを考えて、私はこれを倉庫にしたらどうだろうと。長芋でもリンゴでも、氷を凍らせる設備がついているんですから。これなら大きいし、体育館みたいなやつだし、どうだろうかなと最近思い始めていることがあるんですけれども、恐らくあれの規制、この規制というのはあるんだろうと思う。
 ただ私は、子供たちを育てたいという、これだけで、もうからなくていいと始めたものですけれども、余りにも費用がかかるとやっぱり撤退せざるを得なくなるかなと。アジア大会もあるので、それまではもたせようというので今頑張っていますけれどもね。
 だから、さっき申し上げたように、多様にこれからこれだけの事業展開が変わったり貿易がふえたりするといろんな変化が出てくると思うんです。どうぞ、最後は国民の負担をできるだけさせないという努力が大事だと。
 どうぞ、泉副大臣。私は亀井善之さんが大臣のときに質問したことがあるんですよ。さっきのアメリカから運ぶ船の運賃、一カ月以上かかるものがおかへ上がって六百メートルのところへ運ぶ運賃と比べたら一カ月の方が安くて六百メートルの方が高いのはどういうわけだという質問をしています。船腹調整制度からおかと海をやったんですから。あれを見て、どこがどう変わったかというのを一遍私にお答えをいただければ次のときには相当いい質問になるかなと、こう思っていますので、このことを最後に要望して、終わります。
 ありがとうございました。
#125
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
     ─────・─────
   午後二時二分開会
#126
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、倉庫業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#127
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 まず、倉庫業の施設の整備についてお伺いをいたします。
 九割以上が、先ほどのお話でもありましたように、中小零細の倉庫業というふうに言われておりますし、これまで地域における地域経済の発展、それから地域における重要な役割を果たし、同時に住民の生活安定に寄与してきたと言うことができます。物流と国民経済全体との整合性を図るために、中小企業倉庫の近代化を重要なテーマとして、今日まで国が税制上の特別措置を講じるなどして倉庫建設への設備投資、貢献を喚起して、倉庫の長期整備計画を進めてきた国の政策があったからこそ今日まで順調に発展してきたのではないかと思っております。
 経済社会の要請に応じて、倉庫の近代化、それから施設整備の推進には企業基盤が脆弱である中小零細企業への政策誘導が不可欠だと思われます。今状況の変化は余りありませんけれども、国の備蓄政策を含めて、国民の生活物資の安全保管と安定供給はますます重要なものとなってきておりますし、物流機能の整備が求められている中で、今までに増しても倉庫業の施設整備が必要とされますし、基本的な、今回の法案改正に伴って、国土交通省として、倉庫業に対する認識、見解についてまず大臣にお伺いをします。
#128
○国務大臣(扇千景君) 今、渕上先生がおっしゃいましたように、少なくとも中小企業というのが八四%に至っているというのはもう先生も御指摘になったとおりでございますけれども、少なくとも倉庫業、我々産業活動あるいは国民生活にとっても本当に不可欠な物資を安全にそしてまた確実に保管するということを通じて、生産から消費までの時間的な調整、あるいは物品の輸送手段間の連絡網の整備というような、調整というようなものを物流の中核組織として、少なくとも、その結節点に当たっては私は大事なまた重要な公益的機能を有しているというのは先ほどからもお話し申し上げたとおりでございますし、渕上先生もその認識を同じくしていただいているものと思っております。
 そこで、近年において、先ほどもお話がございましたように、物流によりましては一層効率化が求められております一方、物流のニーズ、それの少なくとも高度化あるいは多様化が進みつつあるというのはきょう御論議いただいた中でもるる出てまいりましたけれども、少なくともこういう倉庫業に関して、保管の機能に加えて、先ほども私が申しましたように包装でありますとかあるいは詰め合わせとか組み立て等の物流の加工機能、あるいは配送機能といった流通機能の業務が大変拡大しております。
 また、先生もおっしゃいましたように、保管から消費までの物流トータルでの効率化が図られておりますので、少なくとも私たちは、この物流の中核の結節点に対する倉庫業の重要性というものにかんがみまして、私たちは、今後もこの業界が、倉庫業については施設の整備の促進を図っていきたい、またそして、税制の特例措置も施していかなければ、公的な融資によってこの支援を行うということで、物流団地等につきましても、流通業務市街地の整備に関する法律に基づきまして、これは計画的な造成あるいは整備が促進されるように税制の特例措置を、公的融資を行ってきたところでございますけれども、今後も、この倉庫を含む流通業務の施設の集約的なあるいは整備が達成されますように、また推進されますように今後も必要な支援をしてまいりたいと思っております。
#129
○渕上貞雄君 次に、危険物、毒劇物保管についてお伺いをいたします。
 営業倉庫には、消防法、薬物法等によって取り扱いをする規制がされていますし、危険物、準危険物、特殊可燃物、高圧ガス、毒劇物、薬物が保管をされております。このほか、化学薬品、化学製品などは組成が複雑で、思わぬ化学反応を起こして事故を誘発する危険性が絶えず存在していると思います。
 危険物を含むさまざまな物資を保管する営業倉庫に対して、消防法、それから建築基準法による一般的な安全保持規制のほか、物資保管に対応した倉庫施設の構造、整備、薬品、薫蒸などへの管理、耐火・防火性能等に関する特別規制が必要ではないかと考えられますが、その特別規制を設けることについての見解はいかがでございましょうか。
 また、相次ぐ震災などを考えますと、耐震構造などさらに強化する事態になっていると思います。新しい化学製品が次々とつくり出される現状のもとで、荷主、利用者、寄託品の化学組成など明らかにさせて、適切な施設において安全保管体制をとることを初め、施設構造基準については、より明確な基準を設定することが必要と考えますが、いかがでございましょうか。
#130
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 危険物、毒劇物等の保管につきましては、先生御指摘のとおり、消防法、毒物及び劇物取締法により所要の規制が行われているところでございまして、現行の倉庫業法におきましても、危険物倉庫の構造基準等においては消防法等関係法令を遵守した施設、構造とするよう求めておりますし、危険物等の適正な保管、取り扱いが徹底されるよう指導しているところでございます。
 今回の改正に伴う構造基準についての必要な見直しに当たっても、危険物等の保管、取り扱いについてこのような安全が十分確保されるよう配慮いたしますとともに、倉庫管理主任者制度というのが義務づけられるわけでございますけれども、そういった倉庫管理主任者制度の適切な運用や、倉庫業者に対する監査などを通じまして、危険物等の保管、取り扱いに遺漏のないよう努めてまいります。
 補足でございますけれども、倉庫管理主任者の前任であります倉庫管理指導員というのは、昭和五十年代後半に多発しました危険物倉庫等のいろんな事故にかんがみ、こういう保管責任体制をきちっと、自主的な監査体制をしくということが必要だということで営業倉庫等について指導をしたところでございまして、今度これを制度化するわけでございますから、そういう意味での危険物あるいは安全体制というのがさらに強化されるということを期待しているところでございます。
#131
○渕上貞雄君 私は、やはり防火性等に係る特別の規制が必要ではないかということに対して人的な強化をしていく、こういうふうにお答えになったんですな、そのように理解しておっていいですか。
#132
○政府参考人(洞駿君) さようでございます。
#133
○渕上貞雄君 次に、倉庫の証券についてお伺いしますが、倉庫証券の社会的信用は、倉庫業者全体が発券業者と相手の資格を具備する能力を持つことによって維持されているものでありますよね。倉庫業の許可制を維持して業者の資質向上を図るようにしなければ、倉庫証券の社会的な信用は希薄なものになってしまうと考えますが、社会的信用確保のためにどう考えられておるのか、お伺いいたします。
#134
○政府参考人(洞駿君) 倉庫証券の発行に際しまして、社会的信用の減少を招くことないよう措置しろという御質問でございますけれども、倉庫証券の発行につきましては、倉庫業法の十三条によりまして、国土交通大臣の許可を受けた倉庫業者でなければならないとされておりまして、倉庫証券の発給業務を適確に遂行するに必要な経験、能力、それから、何といっても資力信用といったものがこの場合は極めて必要でございまして、これらの許可要件は引き続き堅持していくということでございまして、参入の許可制が登録制に変わるということでございますけれども、倉庫証券の発給に対しましてはこれまでどおりその信用をきちっと保持していく、担保するという意味から、発券業者の能力あるいは資力信用というものをきちっと今後とも見てまいりたいと思っております。
#135
○渕上貞雄君 次に、倉庫料金の事前届け出制について、お伺いいたします。
 倉庫業の料金制度は、各事業者が定めた料金を事前に届け出て、合理的なものと承認をされて初めて届け出料金として機能するものでありますが、また、幅料金制度も導入され、極めて穏やかな規制によって営業倉庫の公共性が担保されていると思います。
 そこで、料金の届け出制度がなくなれば価格競争だけが激化するのではないか。その結果、倉庫設備の整備や安全保持がおざなりになり、営業倉庫への社会的信頼を失墜するのではないかと危惧されますが、その点、料金の届け出制問題とのかかわりについてどのような御認識をお持ちでしょうか。
#136
○副大臣(泉信也君) 今、先生御指摘のように、行き過ぎた料金設定の結果が安全性を損なう、あるいは信用等を失墜させるという可能性が全くないということにはならないと思います。その点につきましては、倉庫業の問題に関します、規制のあり方に関する懇談会という、当時の運輸省が設けました懇談会の中でもそうしたことに対する対応措置を求められておりまして、そのことが今回の法改正におきましては、いわゆる事業改善命令制度ということを創設して対応していこうということにしたわけでございます。
 先ほど来お答えを申し上げておりますように、不当な競争を引き起こす、あるいは公共の利益を害するというような料金設定がなされております場合には改善命令を出させていただく。もちろん、そこに至りますまでに実勢料金がどのようになっているかを把握するとか、あるいは事業者から報告を求める、適切な監査の実施を通じて実態を把握してまいるなどの努力を積み重ねながら、御懸念の点がないように一層努力してまいるつもりでございます。
#137
○渕上貞雄君 次に、雇用の問題についてお伺いいたします。
 中小零細の倉庫業者は、倉庫機能の維持向上と労働者の雇用保障で精いっぱいの経営状態にあるとお伺いをしております。このために、一時は三K職場と呼ばれるなど、倉庫労働者の賃金は世間水準よりも低位にあり、労働時間も長く、国の施策である労働時間の短縮や定年延長の実施も停滞していると伺っております。
 こうした状況のもとで、規制緩和によって企業間競争が激化をすれば中小零細企業は経営危機に陥り、人員整理、倒産による雇用問題が深刻化することは確実でありまして、国土交通省は雇用の問題についてどのように考えてどう対応されようとしておるのか、お伺いいたします。
#138
○国務大臣(扇千景君) 今、渕上先生がおっしゃいましたように、とにかく五千九十一社の中で十万七千人の従業員がいるという、先ほども冒頭におっしゃいましたように、その中で中小企業が八四%占めているという、先生も御理解いただいておりますけれども、今回の倉庫業法の改正に当たりまして、不良な事業者を参入しないようにするということがむしろ登録に当たって構造基準に適合することを要件とする、そういうことについて、私は逆に、料金についても不当なダンピングが行われないように料金の変更を求めた事業改善命令制度を設けたところでございますので、私は、御懸念のような、逆に、中小企業を倒産等に、まして雇用問題が発生するということをむしろ避けるためにこれらの要件をし、不良な業者が入らないようにしたという点で、私は、従業員の皆さん方にむしろそういう失業の事態を恐れさすということがないように逆にしたと、そういうふうにお考え賜りたいと存じます。
#139
○渕上貞雄君 やはり倉庫ばっかり建って人間が大事にされぬというようなことはいかぬわけですから、とりわけ、経営の健全化を通して、雇用の安定のためにひとつ国土交通省としても努力をしていただきますようお願いをまず申し上げておきます。
 最後になりますけれども、規制緩和がこれ以上進めば、倉庫料金の引き下げ競争による犠牲が私は、今は心配ないというお話でございましたけれども、寄せられることはまず間違いないところでございまして、倉庫労働者の労働条件の全般的な低下が人材確保等を大変難しくしていくのではないかと。物流産業における重要な部門の一端を担う倉庫労働者の質的向上を妨げることにもなりますから、しかも港湾、港地区における倉庫労働者は港湾労働者と直結をしているわけでございますから、港湾の安定運営化方策を阻害することにもなりはしないかと心配をするところであります。
 したがいまして、物流産業における重要な部門を担う労働者にふさわしい労働条件を倉庫労働者にも保障するためにも、現行の営業の許可制、料金の事前届け出制を維持して、届け出料金の体制を強化すること等を通して、事業の近代化、倉庫業者に正当な対価を保障する実効性のある国の施策というものが必要であると考えます。
 したがって、これから先、恐らく多くの経済界における物流関係の変化というものが倉庫業に与えることは間違いないわけでございますから、やはり私は倉庫業の集約化なども考えていかなくてはならないのではないかというふうに思っているところでございまして、これから先の倉庫業の近代化と健全な発展の指導をお願いをして、私の質問を終わります。
    ─────────────
#140
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田村公平君が委員を辞任され、その補欠として加納時男君が選任されました。
    ─────────────
#141
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。
 私も倉庫業関係、相当見てまいっておりますので、質問の方も簡単にいたしますので、答弁の方も簡潔にお願いしたいということを申し上げておきます。
 それから、私はこの法案については、基本的には、今回の規制緩和に従って残すべきところは残したのかな、あるいは改めるべきところは改めたのかな、当面この辺でやっていくということについてはそういうことではないかと、こういう基本的な考え方をしておりますが、ひとつ議論ですので若干の問題点を投げかけてみたいと思います。
 まず第一に、小泉総理、民ができることは民にということを強く強調しておられまして、あの持論でいきますとこの法案は要らないんじゃないかということになりはしないかなという気がしておりますが、この点はいかがでしょうか。
#142
○国務大臣(扇千景君) 小泉総理の御発言でございますので、内閣の一員として、少なくとも民は民にというのは今の時流にのっとって、また二十一世紀の国のあり方にとっては、これは先生も私も御一緒に政党に存しましたときから同じ意見で来たと思いますし、今も私は民は民と、民でできることを公が圧迫してはいけないという思いは今も同じでございます。
 ですから、小泉内閣において、民営化できるところはなるべく民営化するという、そのことによってより二十一世紀型の日本の産業あるいは経済の発展に資するというのは当然のことでございますけれども、私は今まだこの倉庫業というものは脆弱な面が多々あり、また先ほどの中小が八四%を業界の中に占めているという、この苦しさの中から少なくとも公共性を加味しますと、あえて今これによって守らなければならないところを守って、より二十一世紀型の日本にするためには、IT等々を入れたこの倉庫業界の改編といいますか、改革といいますか、前進といいますか、そういうものに私たちは国としてできる限り協力していくということでございます。
#143
○戸田邦司君 私、ある法律について紹介しますと、ある法律である業界の資格を設定した。ところが、民間がそれよりはるかに高いレベルの適合をしてしまった、それで法律が空文化したと。そういう実態があることをひとつ申し上げておきますが、今回のこの法律の実効的な部分といいますか、そこを例えば倉庫業界が自分たちでそこはきちっとしますよと、こういうことになると国でやっていかなくてもできちゃうなという感じがしますが、いかがでしょうか。
#144
○政府参考人(洞駿君) 戸田先生の今の御指摘は、具体的には、例えば本法律で取り上げられております優良トランクルーム制度の認定といったところがそういう点にどういうふうにこたえているんだということではないかと推察するわけでございますけれども、私どももそういった問題についていろいろ考えました。
 例えば、こういう認定を国が、地方運輸局が行うのではなくて、例えば地方の倉庫協会にやらせるというようなことはどうだろうかということも考えました。その場合は、どうしても業界団体でございますからお手盛りになる可能性もございますし、またその業界に加盟していないアウトサイダーの方々もいらっしゃいます。また、それがために新たな公益法人等をつくるというのもこれもまた行革の趣旨に反するのではなかろうか。じゃ、地方公共団体はどうだというふうになると、地方公共団体は、倉庫業に対するノウハウといいますか、これは全く何らの事務も行っておりませんから、これを新たに行う体制を整備するというのはなかなか無理ではないかと。
 また、トランクルームについては、一種の設備構造基準というものを見るわけでございますから、そういう意味では、倉庫の登録というのは設備構造基準は地方の運輸局がやっている。それならば地方運輸局が一緒にやった方が行政コストとかいろんな面においては一番合理的じゃないかというような、先生が御指摘のようないろんな方策を含めて考えた結果、地方運輸局にやらせるのが現時点では一番よろしいんではないかということで、こういう結論になった次第でございます。
#145
○戸田邦司君 新たな規制をかけようとするときにいつも問題になるのは、それは国がやるんですかあるいは認定機関にやらせるんですかと、そういうところが問題になりますので、そういう意味も含めて考えますと、わざわざ地方運輸局がやらなくてもいいんじゃないかと私は思っております。
 そこで、最近の倉庫業ですが、先ほどもお話ありましたように、零細から大手まで随分あります。特に零細の運営というのは非常に難しくなってきている。一つの要因は、倉庫業者が最近倉庫業だけをやっているわけではなくなってきている。運送業も兼ねているとか、あるいは最近の動き、大分前からの動きですが、NVOCCなんというのがありますね、そういったコモンキャリアがいると。そういうような中での倉庫業ですから、倉庫業だけを見て流通の合理化というようなことを考えるわけにいかないような状況になってきているわけですが、そこで、料金について考える場合に、倉庫だけを見ては料金の判断ができないというようなケースがあろうかと思いますが、その辺はどういうふうに考えておられますか。
#146
○政府参考人(洞駿君) 戸田先生御指摘のとおり、今倉庫事業者、いろんな事業を兼業している事業者というのが非常に多いわけでございまして、そういう事業者においては一貫料金のような、そういういろんなさまざまな通しの料金を設定したり、さまざまな料金体系があるわけでございます。
 しかしながら、片一方において、やはり倉庫、そういう兼業者にあっても倉庫の保管だけを商売としてやっている事業者もまだ地方にはかなりございます。また、そういう一貫料金においても、それぞれのトラックはトラックの分の運賃、倉庫は倉庫の運賃、そういったものを合算して、結局そしてそのトータルとしてどれくらい割り引いていくかと、そういうものでございますから、個々の輸送モードごとの運賃というのはやっぱりある程度基礎にあるというようなこと等を考えますと、まだ倉庫業だけの料金を議論しても意味がないんじゃないかということもございますけれども、まだ意味がある状況にあると思います。将来は、もう話として、例えば総合物流業というようなそういう新しいトータルのとらえ方というのをする必要が出てくるかもしれませんけれども、今の時点においてはまだそこまで、すべてそこで全部ひっくるめるというのはまだ早いんではないかと考えております。
#147
○戸田邦司君 私は、世の中大分進んできていますから、なかなか難しい点じゃないかと思います。
 そこで、事業改善命令というのを出せることになっております。それで、先ほど料金などでばか高い、あるいはダンピングしている、そういうものについて改善命令を出すということですが、改善命令を出すのに調査しないとならない、全部を見ているわけにいかない。そうすると、どこからか入ってくる情報でそういうようなきっかけが出てくるのかなと、こう思いますが、その辺はいかがですか。
#148
○政府参考人(洞駿君) おっしゃるとおりでございます。
 ですから、事業改善命令を発動するに当たっては、やっぱりその事実の確認等々をきちっと行う必要があるわけでございまして、それは定期的な監査もございますが、周囲の状況のそういう情報というのは、今、そういう問題というのは地域的にほかの事業者にいろいろ迷惑を及ぼすという効果が必ず伴うものでございますから、そういうことというのは運輸局当方に寄せられると。そういった機会をとらえて調査に入り、報告徴収等をもらい、そして事実の有無を確認し、必要な場合には事業改善命令をとる。また、事業改善命令を出した場合には、それに従わない場合にはこの法律においても五十万円という罰金を科しておりますし、またその命令に従わない場合には、場合によっては営業の停止、また場合によっては事業の登録の取り消しといったことまでできるように措置しているところでございます。
#149
○戸田邦司君 独禁法の、公取との関係はどういう整理になりますか。
#150
○政府参考人(洞駿君) 独禁法の不当廉売の考え方と、基本的にはダンピングでございますから、安い部分については重なる部分があろうかと思います。
 ただ、この事業改善命令の対象になりますのは、先ほども大臣の方からお話がございましたとおり、例えば非常に相手につけ込んで法外に高い料金を取るとか、あるいは利用者をだますような、基本料金は安くして、そして過度の追加料金を取るとか、独禁法がそもそも予定していないような、そういう料金体系もこの料金の是正命令といいますか、その対象に加えることと考えておりますので、独禁法のダンピング料金よりは少し広い範囲をカバーできると考えております。
#151
○戸田邦司君 運営の非常に難しい点かなと、こう思っております。
 それから、倉庫管理主任者というのを今度置くことになりますが、この資格認定はどんなふうに考えておられますか。
#152
○政府参考人(洞駿君) 倉庫管理主任者の選任の要件でございますが、事業者に過度の負担を生じさせることのないよう、一定の経験年数等を考慮して、例えば管理職等のポストにある者は二年、その他の現場の職に従事する者は三年といった経験年数等を基準として選任するというようなことを考えておりますし、また新しく事業を始める事業者にとってはそういう従業員がいないわけですから、そういう場合は地方運輸局等が行う講習を受ければ足りるというようなぐあいに、新たなあるいは過重な負担とならないよう配慮してまいりたいと考えております。
#153
○戸田邦司君 新たに登録する場合にはその認定のためのチェックをすることになっておりますね。それで、現在のチェック体制といいますか、チェックの仕方が実際にはどうなってきたか。
 それからもう一点は、今現に倉庫業を営んでいて、それでしばらくチェックしない、先ほどの話じゃないですが、チェックしたことがないような話もありますが、現存の事業者でそういう基準に合っていないことがあるかもしれませんが、それは現存の業者についてはチェックはしないと、そういうようなことでよろしいんですか。
#154
○政府参考人(洞駿君) 設備構造基準のチェックは具体的に基準等が決まっておりますので、これに基づいて審査をするということでございます。
 事業者は、一たんそれに適合すれば後はもうどう変えてもいいというものではなくて、常に設備構造基準に合致するよう、それに合わせる義務があるわけでございまして、もしそういう違反するような状態になっていることが判明した場合には、その是正命令といいますか、そういったことを今でもできるというふうになっております。
#155
○戸田邦司君 できることとやることは全然別の話でありまして、そこはしっかりと考えていただかないとならない、こう思っております。
 ちょっと資料を見ていまして、非常に気になった文言がありました。トランクルームの約款で「消費者に有利な内容」というのが書かれております。これは相対の、一種の契約ですから、これを読むと消費者だけに有利な内容と、こういうふうに読めるのかなと思いますが、これはいかがなんですか。
#156
○政府参考人(洞駿君) 具体的にどういうことを考えているんだということでございますけれども、例えば損害等が起こった場合に、その損害の責任はどこにあるかという挙証責任は、普通の倉庫業者と利用者の関係でいえば利用者の方にあるわけでございます。ところが、トランクルームについては、相手が何も知らない一般の消費者でございまして、プロではないわけですから、この挙証責任を転換して、倉庫業者側が自分には何ら過失がなかったということを証明しなければその損害賠償の責めを負わなきゃならないというふうに、そういう意味では契約の内容が消費者側に不利にならないように、むしろ負担を軽くするように、そういったふうに約款等で決めなさいというようなことを見たいと考えております。
#157
○戸田邦司君 そうならそういうことがわかるように書かれた方がよろしいんじゃないかと思うんです。これはあくまでも契約ですから、約款というのは。
 最後に、時間がありませんから一言だけ申し上げますが、税制の問題があります。私、この税制を見まして、随分古いものもあるなと。例えば不動産取得税なんてありますが、こんな税が何で今ごろまで残っているんだろう、だれに聞いてもわからない。これだけ話をするつもりはありませんが、私は、この税制の優遇措置というのはやめたらいいと思います。
 どういうやめ方をするかというと、これは誤解があってはいけませんから申し上げておきますが、私はこういうような特例措置というのをできるだけやめて、この特例で認めているものは一般的な基準として認めてやったらどうかと。例えば、特別償却、割り増し償却です。日本の償却制度というのは非常にきちきちと定められていて融通がない。国によっては自由償却を認めている国だってあるわけです。ですから、そういう観点から、私はこのような税制は一遍全部見直して、特別措置などはできるだけ簡素にしたらいいと思っておりますので、最後に意見を申し上げまして、私の質問を終わります。
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#158
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
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#159
○島袋宗康君 二院クラブ・自由連合の島袋です。
 最後の質問者でありますので、重複があちこちあると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 倉庫業にかかわる参入規制を許可制から登録制に改めることとし、登録を拒否できる場合、いわゆる登録拒否要件を限定している。その登録拒否要件の一つに、「申請者が一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であるとき。」としているが、その二年の経過したことを要件とする根拠は何なのか。次号の登録の取り消しの日から二年を経過しない者という場合は一定期間の不利益を科す合理的理由があるから理解できますけれども、前者の場合は、一年でもなく三年でもなく、二年とした合理的理由は何なのか、理解しにくい点であります。
 また、刑事事件の被疑者であっても、有罪が確定するまでは無罪の推定を受けるのが刑事法の鉄則であることと比べても、刑の執行を終わった者にさらに二年間の不利益な期間を設定することは正義に反するのではないかというふうに思います。
 刑の執行を終わった者は直ちに登録できるようなシステムでなければいけないと考えますが、その点について、いかがですか。
#160
○政府参考人(洞駿君) 倉庫業の登録拒否の要件についてのお尋ねでございますが、倉庫業の参入に当たっての登録におきましては、まさしく「申請者が一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であるとき。」というのが登録拒否要件の一つに掲げられております。
 そもそも、刑の執行中あるいは刑の執行猶予期間中の者、それから刑の執行を終えたばかりの者について登録の申請を認めないというのは、倉庫業の公益性あるいは経済社会への影響力にかんがみ、重大な犯罪を犯した者には事業の運営を認めるべきではないという判断に基づくものでありまして、このような規定というのは、貨物自動車運送事業法であるとか海上運送法であるとかあるいは鉄道事業法など事業規制法に広く共通して見られるものでございます。
 いろいろ御議論はあろうところと思いますが、従来の考え方はこういった考え方にのっとって一応共通的に二年ということで、大体そういうものが多いと承知しております。
#161
○島袋宗康君 ということは、他の法令とも整合性を持たせた考え方であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#162
○政府参考人(洞駿君) さようでございます。
#163
○島袋宗康君 倉庫業を営む者に対する報告及び検査に関してお尋ねいたします。
 現行倉庫業法第二十七条は、倉庫業者とは倉庫業の許可を受けた者と定義しているため、無許可で倉庫業を営む者についてはこの報告及び検査の規定を適用することはできない。そこで、改正案は、無登録で倉庫業を営む者にも報告及び検査の規定を適用できるようになっている。報告及び検査の対象を倉庫業者ではなく倉庫業を営む者に改めることとしているとのことであり、当然の規定であるとは思いますが、疑問に感ずるのは、法は無登録で倉庫業を営む者を公認することになるのではないかとも考えられますが、その点についていかがですか。
#164
○政府参考人(洞駿君) おっしゃるとおり、現行法におきましては、国土交通大臣は、法の目的を達成するために必要な限度において、倉庫業の許可を受けた倉庫業者に対して、報告をさせ、またはその職員に営業所などに立ち入り、検査をさせることができることとされております一方で、無許可業者につきましては報告徴収等はできないことになっております。
 したがって、無許可の営業をしている者については、第三条違反、要するに「許可を受けなければならない。」という第三条の違反として罰則の対象とすることによって抑制を図っているところでございますけれども、最近は、トランクルーム事業の進展等により、一見すると倉庫業と区別がつきにくい営業形態が多く行われるようになるなど、警察権による取り締まりだけでは十分な対応ができなくなりつつございます。さらに、特にトランクルームなどにおける消費者保護の要請等からは、行政による機動的な対応が求められているところでございます。このため、現実に倉庫業を営む者に対しては、登録の有無にかかわらず報告徴収の対象といたします。
 このように、無登録業者につきましては、従来の罰則の適用に加え、さらに立入検査等の対象にも加えるものでありまして、むしろ取り締まりの徹底というものに資するものであると考えております。
#165
○島袋宗康君 本改正案は、倉庫業者はその名義を他人に倉庫業のため利用させ、または倉庫業を他人にその名において経営させてはならないこととしております。これは、このようなことを認めることは登録制度の趣旨を没却することになるからこれを禁止することにしているとされております。そして、これに違反した者には一年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することとしている。
 まことにもっともなことでありますけれども、これでは、登録制度の趣旨を没却するとして倉庫業者に対し厳しく対処することとしながら、今さっき申し上げた無登録で倉庫業を営む者に対しても報告及び検査の規定を適用するという規定を置いて無登録で倉庫業を営む者の存在を容認することは、一方には刑罰をもって厳しく対処しながら、他方には寛大な処遇をするという点で、法的正義に反するのではないかというふうに思いますけれども、その辺についていかがですか。
#166
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 倉庫業法の第十六条は、倉庫業者がその名義を他人に利用させること及び倉庫業を他人にその名において経営させることを禁止する規定でございまして、参入に当たって登録を義務づけた趣旨を没却しないようにするために設けられた規定でございます。これに対しまして、倉庫業法の第二十七条の報告及び検査の規定は、無登録で倉庫業を営む者への取り締まりを強化するために、倉庫業を営む者についても倉庫業法の対象とするものであります。
 両者はいずれも倉庫業法上の参入に当たって登録を義務づけている趣旨を担保するための規定でございまして、名義を利用させ、もしくは倉庫業を他人にその名において経営させた者または無登録で倉庫業を営んだ者については同等の罰則が科せられることになります。
 なお、これらの行為につきましては、その違法性の重大性にかんがみ、倉庫業法第二十八条において、同法上最も重い刑罰、すなわち一年以下の懲役または百万円以下の罰金が科せられることになります。
#167
○島袋宗康君 わかりましたけれども、結果として、倉庫業を営む登録をしないでも倉庫業を営めるというふうに理解できますか。
#168
○政府参考人(洞駿君) 登録を受けないで倉庫業を営んでいる者に対しては最も重い刑罰を科しておりまして、そしてまたそういうことを行っているんではないかということで報告徴収の対象となって、その実態を行政としてチェックして、そしてそれを告発できるという意味で、繰り返しになりますけれども、無登録業者の取り締まりの強化、徹底につながると考えております。
#169
○島袋宗康君 わかりました。倉庫業者の自主管理に関する懇談会報告の中で、「今回参入規制と料金規制を緩和することに併せ、全ての倉庫業者において一定の要件を備える倉庫管理の責任者を選任することとして、自主的な管理体制を整備することが適切である。」として、「倉庫管理主任者は一定の知識及び能力を有する必要があるが、この制度が倉庫業を営む上で円滑に機能するとともに、過重な規制とならないよう資格や配置の要件の検討にあたって留意すべきであり、特に従来通達による指導が行われていない冷蔵倉庫業者や中小の事業者にとって大きな負担とならないよう十分配慮することが必要である。」と述べております。
 この中で、冷蔵倉庫業者や中小の事業者に対しては従来通達による指導が行われていないと言っているが、その理由はなぜですか。そして、これらの者に対してはどのような管理がなされているのか、お伺いします。
#170
○政府参考人(洞駿君) 倉庫業につきましては、昭和五十八年の通達によりまして倉庫管理指導員を配置して自主監査を行うことを要請してきたところでございますけれども、これは、先ほど申しました、当時、昭和五十年代後半に相次いで起きました普通倉庫の火災、非常に多大な被害あるいは迷惑をかけた事故が続いたわけでございますけれども、を防止することが問題になっていたことから、普通倉庫を専ら対象としたものとして発出したものでございます。冷蔵倉庫についてはそういう意味で対象外としておりました。また、中小企業については、この対象外にあえてしたわけではございませんけれども、自主的な措置としていたために、実際上選任しない事業者がいたということは事実でございます。従来、これらの業者につきましては、報告徴収や監査によりましてその業務の適正な運営の確保を別途図ってきたということでございます。
 倉庫管理主任者の要件につきましては、過重な負担にならないように、今度一般化するわけでございますけれども、先ほども申しましたとおり、現時点では一定の実務経験を有すればそれで足りることとすることを考えておりまして、実質的に新たな重い負担にならないように配慮していきたいと考えております。
#171
○島袋宗康君 過重な負担にならないようにやっていくということでありますけれども、その管理主任者というものは、一定のやっぱりテストみたいなものがあって、それに合格しないと主任者になれないということもありますか。
#172
○政府参考人(洞駿君) 一定の経験年数、例えば管理的なポストにある者にとっては二年、それ以外の現場業務にある者にとっては三年の実務経験を有すればこれで足りるとしておりますし、またそういう新規事業者にとってそういう事業者が、従業員がいない場合もございますので、そういう場合は運輸局等の行う講習を受ければ足りるというふうなことを今考えているところでございます。
#173
○島袋宗康君 この倉庫管理主任者というのは、例えば大企業の場合はたくさんの倉庫があって、そして中小の場合はそれぞれのちょっとした経営というふうなことに、非常に大きいのと小さいのと分かれると思いますけれども、その場合の倉庫管理主任者というのは大きくても一人あるいは小さくて一人というふうな状況になるのか、その辺を御説明ください。
#174
○政府参考人(洞駿君) おっしゃるとおり、倉庫管理主任者の目の届く範囲というのがあるわけでございますので、それは一定の営業エリアというもの、それから所管の面積等々を加味して、例えば一万平米に一人とか、そういった基準等を今後検討してまいりたいと考えております。
#175
○島袋宗康君 事業改善命令についてお尋ねいたします。「国土交通大臣は、倉庫業者の事業について倉庫の利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、当該倉庫業者に対し、」「料金の変更その他の事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。」こととしております。
 利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実は、客観的にはどのような認定で決められるのか、お尋ねいたします。
#176
○国務大臣(扇千景君) 事業改善命令、今、先生がお読みになったとおりでございますけれども、問題が生じた際に個別に対処するための手段であるというのはおわかりいただけるところでございますし、また個別の手段である以上、あらかじめその発動要件を具体的に網羅的に示すということは、むしろ現時点では困難ではございますけれども、その中でも、先ほど私がちらっと申しましたように、あらゆる面で不当に高過ぎる料金をしていたり、あるいは何かの災害のときにその災害に乗じて値段をつり上げたり、または特定の荷主に対して不当に差別的な扱いをしたりとか、またダンピング料金が発覚したとか、それによって安全性を阻害した、預かった荷物をきちんと預かれなかったという、保証できなかったという事例、あるいは一般の消費者にはとてもこれはどういう料金の計算をしたのかなとわからないような料金の設定をしたものとか、そういうあらゆる面を想定しております。
 今、私が申しましたように、料金についてそういう設定も範囲としては例示として挙げられますけれども、私は少なくとも、もっと大きな面では、倉庫としての本来の倉庫業としての使命、そういうものを果たさないで管理が不十分であったと。これはもう完全に私は、少なくとも事業改善命令を出さなければならない要件に入ると思いますので、そういう意味では今後、事後的ではございますけれども、倉庫業法の実態に当たっては報告を求め、そして監査を行うという地方運輸局の監査というのは、先ほども局長から申しましたけれども、そのようなことをしながら実態の把握に努めてまいると。
 そういうことは、今後、私たちはこの事業改善命令を出すまでに実態の把握に努めていきたいと思っておりますし、またその上で総合的に判断して公共の利害が害される事例があると認められた場合には、これは事業改善命令をきちんと出して指導していき、またこの法案の厳正な運用を図っていきたいと思っております。少なくとも、対象となるべき事項あるいは発すべき状況についての考え方、あるいはこの事業改善命令を出した後の必要な手続等々、少なくとも地方運輸局に対して私たちも十分この実態を把握するように指導してまいりたいと思っております。
#177
○島袋宗康君 いろいろ先ほどもお話がありましたけれども、規制緩和によって現場で働く労働者がいわゆる過当競争によってリストラが始まったり、あるいはまた賃金に大きな差が出てくる、いわゆる引き下げられるというふうな面が非常に心配されるところがあります。そういうふうなものが、やはり規制緩和といってもいいところもあるし、またある面で悪い面もあるというふうなことがよく言われますけれども、そういった現場の労働者がやはり損失を受けないような形でどういうふうに皆さんが指導していくのかというふうな点について、何かお答えがあればお願いします。
#178
○国務大臣(扇千景君) 先ほども戸田先生から民間にするべきではないかと、もう終わったのではないかというお話もいただきましたけれども、今この倉庫業者、先ほども申しましたように、八四%の中小業者がある中で、今民間に一斉開放しますともっとダンピングをして民間の激しい競争にさらされて、その余波は私は労働者にはね返ってくると、過重労働であり賃金のダンピングであり、あらゆるところに私は出てまいると思います。
 そういう面で、あくまで今はまだ税制面でもこれを措置していこうというのが、今、先生が御指摘のように、それによって、今度の法律によって従業者の皆さん方が影響を受けることのないように、あるいは規制緩和したからといって全部一括民営にして、そして一挙にということには倉庫業界という体質から、あるいは今の状況からかんがみてまだ時期尚早であろうということで、今回は改正にとどめさせていただいたというところでございます。
#179
○島袋宗康君 終わります。
#180
○委員長(今泉昭君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#181
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、倉庫業法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対理由を申し上げます。
 第一は、料金の事前届け出制の廃止は価格競争を一層激化させるということです。そして、現在でも荷主の圧力によって業者が強いられている低料金や料金のダンピングにも拍車がかかることは明らかです。
 厳しい経営を余儀なくされている業者、とりわけ八割以上を占める中小零細業者の経営に大きな影響を与え、ひいては国民生活にも影響を与えることが明らかであります。
 第二に、参入規制を許可制から登録制にするということも一層の新規参入を促し、業者間の競争に拍車をかけるということです。
 第三に、倉庫業に働く労働者の労働条件が切り下げられるということです。
 倉庫業者が労働者の賃金の引き下げとリストラを進めてきた結果、政府の調査でも倉庫業の賃金は全産業の中で平均以下です。しかも、長時間労働です。労働者数も減少を続けています。規制緩和による競争激化で労働者に一層のしわ寄せが行われることは明らかであります。
 第四に、政府は規制緩和による競争の促進で、詰め合わせなどの多様なサービス提供やIT化などによる事業の効率化を業者に促すとしております。しかし、ほとんどが経営に苦しむ中小零細業者です。倉庫業は設備産業であり、投資の回収には何十年もかかります。多様化や効率化ができない多くの業者が法改正により淘汰されていくことになりかねません。
 以上の理由により、本改正案に反対であることを表明して討論を終わります。
#182
○委員長(今泉昭君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 倉庫業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(今泉昭君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#185
○委員長(今泉昭君) 次に、気象業務法の一部を改正する法律案及び水防法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#186
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました気象業務法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
 温度計、風速計等の気象の観測に用いられる測器のうち、防災目的等公益性の高い観測に用いられるものについては、現在国がみずから検定を行っているところであります。
 しかしながら、近年の気象測器に関する民間の製造技術の向上に伴い、気象測器の検定合格率は非常に高いレベルで推移いたしており、測器の種類によっては最初の検定後検定を行わなくとも観測の精度が維持されるものもあらわれるなど、気象測器製造事業者の能力の底上げが図られてきております。また、検定対象気象測器について標準化が図られてきたところを受けて、気象測器検定での検査方法もその定型化が進んでおり、日々の検定実務を国の検定員がみずから実施しなくとも安定的に検定制度を運営できるようになってきております。
 このような状況に的確に対応するには、民間の能力の一層の活用を図るため、検定の有効期間の見直しに加えて、気象測器製造事業者の能力を活用するための制度及び気象庁長官にかわって一定の能力を有する民間の法人が検定を行うことができる制度の創設等の所要の施策を講じることが必要であり、そのため、この法律案を提案するものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、気象測器の有効期間については、その構造等から見て有効期間を定めることが適当であると認められるものについてのみ国土交通省令で定めることとしております。
 第二に、型式証明を受けた型式の気象測器の検定における器差の検査については、気象庁長官の認定を受けた者が器差の測定を行ったときは、その測定の結果を記載した書類によってこれを行うことができることとしております。
 第三に、気象庁長官は、営利法人を含む民間の法人に、気象測器の検定の実施に関する事務の全部または一部を行わせることができることとしております。
 なお、この法律案の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮し、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案を提案する理由でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 次に、水防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、河川整備の着実な進捗により、かつてのような大河川のはんらんの頻度は減少してきているものの、都市化の進展に伴う人口及び資産の集積を背景に、一たびはんらんが発生したときは被害が甚大なものとなるおそれがあります。また、特に住民の生活と密着した中小河川の水災対策の推進の必要性が指摘されているところであります。
 この法律案は、このような近年の水災の状況を踏まえ、水災による被害の軽減を図るため、洪水予報河川の拡充、河川の浸水想定区域の公表、浸水想定区域に応じた円滑かつ迅速な避難の確保を図るための措置等を講ずるものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、国土交通大臣に加え、新たに都道府県知事が、洪水により相当な損害を生じるおそれがある河川を洪水予報を行う河川に指定し、気象庁長官と共同して、洪水予報を行うこととしております。
 第二に、国土交通大臣または都道府県知事は、洪水予報を行う河川について、洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、河川整備の基本となる降雨により河川がはんらんした場合に浸水が想定される区域を浸水想定区域として指定し、指定の区域及び想定される水深を明らかにして公表することとしております。
 第三に、市町村防災会議は、市町村地域防災計画において、浸水想定区域ごとに、洪水予報の伝達方法、避難場所その他円滑かつ迅速な避難を図るために必要な事項を定めることとしております。また、浸水想定区域内に地下街等の不特定かつ多数の者が利用する地下の施設がある場合には、同計画に利用者の円滑かつ迅速な避難の確保が図られるよう洪水予報の伝達方法を定めることとしております。
 第四に、市町村長は、市町村地域防災計画において定められた洪水予報の伝達方法、避難場所等を住民に周知させるように努めることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#187
○委員長(今泉昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は来る六月五日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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