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2001/06/07 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第15号
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2001/06/07 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第15号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第15号
平成十三年六月七日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     筆坂 秀世君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                木村  仁君
                中島 啓雄君
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                大門実紀史君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉武 民樹君
       国土交通大臣官
       房長       岩村  敬君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
   参考人
       東日本旅客鉄道
       株式会社代表取
       締役社長     大塚 陸毅君
       日本貨物鉄道株
       式会社代表取締
       役社長      伊藤 直彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁警備局長漆間巌君、厚生労働大臣官房審議官吉武民樹君、国土交通大臣官房長岩村敬君及び国土交通省鉄道局長安富正文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長大塚陸毅君及び日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長伊藤直彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(今泉昭君) 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○野沢太三君 おはようございます。自民党の野沢でございます。
 扇大臣におかれましては、おけがにもめげず御出席をいただき、審議に応じていただきますことをまことに私ども多とするところでございます。どうぞひとつ大事に、一日も早い御回復を願っております。
 さて、国鉄改革の八法案を審議して成立を見た昭和六十一年九月の第百七回国会から既に十五年目を迎えておるわけであります。私は、国鉄改革がより実りあるものになるようにということで国政を志しまして、当選した直後にこの国鉄改革の特別委員会に所属をさせていただきまして、改革の議論に参画することができたわけでございます。
 この八法案の成立によりまして昭和六十二年四月に発足しましたJR各社、特に本州三社は順調に業績を伸ばしまして、今日、完全民営化を目指した、本日の議題にございますJR会社法の一部改正の審議が始まったわけでございます。
 この間、JR発足以来十四年間を経過しておりますが、今ここに昭和六十年七月に総理大臣に提出されました国鉄再建監理委員会の手になります国鉄改革に関する意見書がございます。これは、「鉄道の未来を拓くために」との副題がついておるわけでございます。
 また、ここには国鉄改革特別委員会の、審議しました百七回国会の審議要録がございまして、当時審議に参画されました与野党の先生方の質疑内容、要旨等が載っておりまして、私も一、二の質問をさせていただいたわけでございます。この御質問は多岐にわたっておりますけれども、特に債務の処理あるいは分割・民営化の要否について真摯な議論が尽くされておりますけれども、十四年を経過しました今日ただいま、果たして鉄道の未来がこれによって開かれたかどうか、改めて検討してみたいと思います。
 その意味で、まず最初に、十四年前になりました国鉄改革の趣旨が今日どのような形で成果を上げておるのかどうか、そしてそれに対する評価はどういうふうに考えておられるか、大臣の所感をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
#8
○国務大臣(扇千景君) 今、くしくも野沢先生から、足かけ十五年目になります今日に至って、あの国会で本当に壮絶な論議が闘わされましたこの国鉄の分割問題のときの議論を私も思い出しているわけでございますけれども、その当時、まさに国鉄マンと言ってもいいような野沢先生から大変な御論議があったのを思い出してもおります。
 この少なくとも国鉄改革というもの、全国一社で、そして公社制のあの経営体系のもとで破綻に瀕しておりましたときに、あの国鉄を変動します交通市場の中で激しい今の競争に耐え得る事業体に変革するために、巨額の債務等について適正な処理を行って健全な事業体として、そして経営基盤の確立を図りつつ、分割または民営化して民間的な手法を導入することによって効率的な経営を実現しようとしたあのときの熱意と、また戸惑いというものも、私は、今、先生がお示しになった本の中に記録されていると思います。けれども、その改革の目的それ自体は、私は、国民にとっても少なくともあの当時も決断しなければならなかった重要な輸送手段として、また鉄道の役割を、その責任を十分に果たし得るような、そういう鉄道事業を再生することにあったと思っております。
 そして、JR各社、この国鉄の分割・民営化以降、サービスの向上はもとより、経営の改善、安全対策の充実等に努めているところでありますけれども、私はその陰で多くの職員の血のにじむような努力があって今の国鉄改革が実を結んできた。多くの皆さんに乗っていただいたら、私自身もそうですけれども、こんなに変わったのかという、あいさつ一つとってみても態度が一変しました。私は、こんなに変われるものだったのかと、そう思うくらい感心をし、またその陰で職員の皆さんの努力というものを多としながら、私は今後も国土交通省としましても、国鉄改革によって国鉄の鉄道事業が新たな経営体制のもとで我が国の基幹的な輸送機関として再生を果たしていることを本当に高く評価し、こんなに短期間でこんなにも国民に愛される鉄道になったんだということを実感しております。
#9
○野沢太三君 旧国鉄は昭和三十九年から赤字となりまして、昭和四十六年には償却前赤字ということで、民間会社ならここで破産ですが、これに対するたび重なる経営改善の努力をしたにもかかわらず、改革の前夜にはもう一兆円近い赤字が毎年出ていたわけでございます。これが、この国鉄改革八法案の力によりおおむね各社黒字に転換をしたわけでございますが、この努力によります国の財政に対する貢献というものはどんな形になってあらわれているか、御説明いただきたいと思います。
#10
○国務大臣(扇千景君) このJR各社、本当に今申しましたように、私はこの改革以降、民間的手法を取り入れて、そして今も血のにじむような職員の努力と私申しましたけれども、そういう意味でも、効率的な経営に努めて、大体国鉄時代、御存じのとおり、年間約六千億円から七千億円の補助金を投入して、そしてなお巨額の赤字がそれでもあったという、この苦しさの中から今現在顧みますと、本当に夢のようなといいますか、JR七社、これは約三千億円の国税と地方税、地方税というのは法人税等でありましたらJR七社では千五百億円ですけれども、これを支払う会社になったと。上下、本当にこんな大きなことがあるんだろうかと思いますけれども、先ほども申しましたように、多くの努力というものが、みんなが生まれ変わったつもりで頑張ってくだすったということを私は言わざるを得ないし、またその努力を本当に敬意を持って私は見守ってきました。
 このJR本州三社につきましては、御存じのとおり、平成五年以降、株式の上場を果たしまして、これまでのところJR本州三社の株式の売却益、約二兆七千億円に上っております。また、JR本州三社の未売却株式、これは約二百万株残っておりますけれども、仮に一株約六十万円で売却されるとすると約一兆二千億円の収入になるという、こういうところまで元気が出てきた、そしてこの改革の成果が上がったということは、私は本当に、今になってみれば時期を得た、またこの時期だったからこそ英断ができたんだなと思って、私は今、努力に称賛をしたいつもりでございます。
#11
○野沢太三君 補助金をもらっていた事業主体が逆にしっかり納税ができる会社になった。その差益が結局一兆円近い貢献をしているということと、今の株式売却益、これがまた大変な数字になっているわけですが、まだ残っている株式もこれからひとつタイミングを見て、市場の動向等を見据えた末、効果的な売り出しを図っていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、国鉄改革の特徴、いわばキーワードと言ってもいいんですが、これはやはり全国一本の公社制というものを分割して幾つかの民営会社にした、この分割・民営が一番かぎになっていると思われるわけでございます。そこで、分割・民営化がなぜ必要であったかということと、その効果についてどのようにお考えか、大臣、よろしくお願いします。
#12
○国務大臣(扇千景君) これは、私も考えてみましても、本当に今、世の中不景気で赤字の会社もたくさんございますけれども、これほど効率的に分割されたことによって変わるということであれば、今、国会改革もいろいろ言われておりますけれども、事は違いますけれども、本当にやればできるという、こういう見本を私は今の時代に見せてもらったような気がしておりますし、また国鉄があれほど破綻に瀕していたにもかかわらず、当時その根本に立ち返って、そして検証した結果、少なくとも私は今、先生がおっしゃいましたように、公社制で全国一元的な運営を行ってきたということ自体がやっぱり努力に甘えがあったんだなと、そう思っております。
 具体的には、今、先生がおっしゃいましたように、少なくとも公社であることから、運賃とか予算という経営上の重要事項について、経営の自主性というものを喪失しておりましたし、また経営責任が不明確となっていた。要するに、当時言われました親方日の丸という、そういう甘えがあったということも私は当時あったろうと思います。さらに、全国の今申しました一元的な経営であったために、経営の管理の限界を超えた組織、巨大組織となっておりました。
 そういう意味で、地域の実態から離れた画一的な運営が行われていたということも私は問題が生じていた大きな要因であろうと思いますけれども、少なくともこの結果、モータリゼーションの進展等、鉄道事業を取り巻きます環境の変化にもかかわりませず、これに即応した経営というものが、変革あるいは生産性の向上が立ちおくれるという、その時代の変化に的確に対応できなくなって国鉄の破綻につながったと。
 そういうことで、私は、分割の民営化を断行したその結果、JR各社は民間的な手法の導入によりまして、効率的な経営とかあるいは地域に密着した経営施策の展開を通じてサービスの向上、あるいは事業運営の改善等を図ってこられたところでございますので、国土交通省といたしましても、この分割・民営化による成果としてこの点を本当に高く評価しているところでございます。
#13
○野沢太三君 結果といたしまして、私、分割・民営、当時としては身を切るようにつらい話であったわけではございますけれども、これは民活・民栄という結果になったなと、こう思います。民間の活力により分かれて栄えると、こういう意味に読めるわけでございますが、この結果につきましては、これから始まります小泉改革の構造改革の中で、特殊法人の見直しの際には大きな参考にしてもよいのじゃないかと、かように思うわけでございます。
 そういう意味で、この国鉄改革を分析しますと、さまざまな課題が内蔵され、しかもその克服の経過が明確に出てきておると思いますので、どうぞひとつその辺も含んで取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 それで、もう一つ大事な課題は、安全の確保、安全対策とサービスの改善ということがやはり私は今度の改革の中で相当大きな特徴として挙げていいんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。副大臣、よろしくお願いします。
#14
○副大臣(泉信也君) 御指摘のように、安全の確保は輸送機関にとって最大の課題でございますが、このJR各社におかれても今日まで大変熱心に取り組んでいただいたと思っております。
 運転事故について例えてみますと、改革直後の六十二年度は九百二十七件であったものが、平成十一年度には五百三十一件と四割減少しております。また、踏切事故等につきましても、立体交差化等を進めることによりまして、昭和六十二年度から平成十一年度を比較しますと六割減少しておるという実態でございます。
 また、新大久保駅等の事故がございましたために、その後も安全対策を一層進めていただいておるところでございまして、非常ボタンの整備、あるいはホーム下の退避スペースの確保など、さらにはホームさく等の整備、これは駅の状況によっていろいろ細かい分析をしなければなりませんけれども、そうしたことを進めていただいておるわけでございまして、今後とも安全対策につきましては一層努力をしていただきたいと思いますし、国土交通省といたしましても適切な指導をしてまいりたいと考えております。
#15
○野沢太三君 民営化した直後に駅のトイレが一斉にきれいになったのは非常に印象的でしたが、最近ではさらに民間のレベルも上がっておりますので、どうかもう一度、トイレとか、列車のトイレ、これも含めてもう少し快適なものにしていただくと国民の皆様の御利用もなおふえるんじゃないかと、かように思います。
 それから、昨年十二年度には交通バリアフリー法が成立しておりまして、今後は国、地方協力の上、駅並びにその周辺のバリアフリーを推進しようということになってきておりますが、それでJR各社も大変前向きに取り組みをしていただいておりますが、JR東日本あたりでも、昨日の新聞には三百九十駅というような計画もあるようでございます。私鉄も含め、このバリアフリーに向けての取り組みについてどのような御指導をなさっておりますか。よろしくお願いします。
#16
○国務大臣(扇千景君) 現在の本格的な高齢者社会の到来、また御存じのとおり障害者の社会参加への多くの要請、そしてその高まりというものは、今の現状としては私は大変大事なことであろうと思っておりますし、また、駅のバリアフリー化が強く求められておりますけれども、JR旅客六社におきます利用人員五千人以上、高低差が五メートル以上の駅には、エレベーター、エスカレーターの設置率、これを見ますと、平成十二年三月末現在でエレベーターが二七・八%、エスカレーターが四七・七%となっております。
 完全ではございませんけれども、国土交通省としまして、今、先生がおっしゃいましたように、交通バリアフリー法に基づきます基本方針によりまして、一日当たりの利用者数が五千人以上の駅については、原則としてすべての駅を平成二十二年までにバリアフリー化するということを目標にして整備しているところでありますけれども、先ほど先生にお見舞いをいただいて恐縮ですけれども、たまたま今、私、ひざのお皿にひびが入っていまして車いすを使っておりますので、このバリアフリーの本当の体験を今させていただいておりまして、いかに日本がバリアフリー化を真剣に考えなきゃいけないかというのをつくづく今身をもって体験中でございますので、この体験を、なるべく早く、二十二年と言わないで一年でも前倒しにこのバリアフリー化を私は図らなければならないと、今、心改めて急いでやっていこうと思っておりますので、今後も皆さんの御協力をいただきたいと思っております。
#17
○野沢太三君 改革に当たって一番私ども心配したのは、職員の皆様の就職のお世話でございます。
 二十七万人いた方々を二十万人くらいまで切り込まなきゃいかぬ。じゃ、その皆さんをどうしてお世話するかということにつきまして、時の総理、中曽根さんでありましたが、一人たりとも路頭に迷わせないと固い決意のもとに取り組みまして、官民挙げての御協力もちょうだいしてきたわけでございますが、今日ただいま、国鉄労働組合の皆さんの不採用問題がまだ一部残っているということで心を痛めております。これに対する政府としてのお取り組みはいかがでございましょうか。
#18
○副大臣(泉信也君) 平成二年四月、結果として国鉄清算事業団を解雇されたいわゆる千四十七人問題につきましては、政治の場において人道的観点からの解決に向けて努力が積み重ねられてこられました。昨年五月三十日にいわゆる四党合意が取りまとめられたところでございます。
 現在、この四党合意の基本方針に基づきまして、国労を含めた関係者間において調整が進められているわけでございまして、政府といたしましては、今後とも、与党とも十分連絡をとりながら適切に対処してまいりたいと考えております。
#19
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。
 本日は、おけがの中、大臣、ありがとうございます。私は、野沢議員に続きまして、法文に沿ったような御質問を若干させていただきたいと思います。
 これは、附則でいろいろ細かいことが書いてあるというのが特色でございますが、指針というのが出ております。指針について若干伺いたいと思いますが、本州三社、開業以来幸い黒字でサービスも向上していると。この裏には当然、債務処理とかあるいは職員の再就職支援とかいろいろな面で手厚い御支援があったということでございますが、同時に、JRの社員諸兄が、民間企業として自由な競争のもとで一生懸命、良質、低廉なサービスを提供しようということで頑張ってきたという努力があると思います。
 そういう意味では、やっぱり完全民営化というのは極力規制をなくして自由な活動をするというのが本来の趣旨であろうと思いますし、そういうことによって景気回復にも大いに力を発揮していただきたいと、こう思うわけでございますが、指針を定める理由はどういうところにあるのか。規制の範囲は、国鉄改革の経緯を踏まえた経営を担保するための措置ということでかなり限定的に解釈すべきではないかと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(扇千景君) 今、中島先生おっしゃいましたように、今回の完全な民営化、これによりまして、少なくとも国鉄の分割・民営化に関します効率的な経営の実現、そしてこれによります鉄道事業の再生を目指した国鉄の改革の理念というものを私たちは基本にしていかなければならない。その中でも、これによりまして、各社はもとより、私は、一層自主的かつ機動的な経営が求められている、また、そうしなければならない。
 そういう意味で、一方、私は、この国鉄の改革につきましては、JR各社とも健全な事業経営が行えるように、公的な財産でございました、先生も御存じの事業用の資産の承継等が行われるなどの経緯がございましたし、完全民営化によりますこの本州三社に対しまして、このような経緯を踏まえた事業経営を行う、そういう必要があるし、また求められておりますことから指針を設けるということにしたわけでございますけれども、この指針は、特に私は、「他のJR会社等との連携・協力の確保に関する事項」と、こう書いてございます。これ、それぞれJRがみんな民営化されて、完全民営化されたんだから、でもレールは一つなんですね、そこでつながっているわけですから。この三社の関連というものをどうしてもうまく取り運んでほしいということから、この「指針に定める事項」というのを三点挙げさせていただいたわけでございます。
 今申しましたのが一点の重要な点でございますけれども、あとは、御存じのとおり、二つ目には、路線の適切な維持あるいは利用者の利便の確保、これはどうしてもしなきゃいけない。JR同士、もう会社が違うんだからといって、その連結がうまくいかなければお客様が一番お困りになると。
 そういう意味でこの二つ目をし、三つ目は、中小企業者への配慮をしなさいと。それは、少なくとも関連事業が多々ございますので、それらの下にある中小企業というものに特に私は気を配っていかなきゃいけないと。
 そういう意味でこの三つの指針を決めさせていただいたわけでございますけれども、私たちは、また特に私がお願いしたことは、民営化したことによっていわゆる赤字路線と言われるローカルを経営本位ということで切り捨てないでくださいねということを三社の社長さんに私は篤とお願いをしました。また、そうでなければ、経営本位で、あるいは民営化したことによってもう営利一本やりだということになったのでは意味がないので、特にそれで私は、申しわけなかったんですけれども、国土交通大臣はJR会社に対して指導、助言をすることができると。そしてまた、時には勧告と命令をすることができるということをどうしても入れさせていただきたいということで、これは私は、今の社会上、どうしてもローカルの赤字が出てくるということを念頭に置いて何としてもこれをお願いしたというのが一番大事なことでございますし、JR三社の社長にこぞってこの留意事項というものをぜひ守っていただきたいということを切に要望したということも御披露しておきたいと思います。
#21
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 大臣から総括的に皆お答えをいただいたようなものでございますが、その指針の中の、第二条二項一号で、会社間における運賃、料金の適切な設定、それから鉄道施設の円滑な使用というようなことが書いてあるわけでございますが、利用者利便の確保ということと各会社の健全な経営の維持という意味では、運賃、料金の通算制の問題であるとか、あるいは第二種鉄道事業者としての貨物会社が適切に線路を利用できると、それから線路使用料についても、いわゆるアボイダブルコストというようなことが含まれるというふうに考えておりますが、そういった改革の根幹をなす事項についての考え方をお伺いできればと思います。
#22
○副大臣(泉信也君) 御指摘の運賃あるいは料金制度、さらにはアボイダブルコストルール等は、分割・民営化によって輸送サービスの維持のために不都合が生じてはならないというふうに考えておりまして、JR各社間の連携協力体制の中でその確保を図ることとしたわけでございます。指針の中に盛り込んだのはそういう趣旨でございます。
 また、本州三社を完全民営化することに当たりましては、附則の第二条第一項の規定と、細かくなりますが、規定しておりますとおりに、JR各社間の連携協力の確保を指針に定め、また具体的には御指摘の運賃、料金の通算制やアボイダブルコストルール等についても定めていただくことになっておるわけでございます。
#23
○中島啓雄君 次に、路線の維持の問題、先ほど大臣からもお話しありましたように、確かに経営本位ですぐ切り捨てればいいということではないことは当然の話でございますが、ただ、交通事情からいいますと、十四年間でかなりマイカーの発達で変化をしておりますし、これは地方交通に限らず都市交通の分野でも輸送量は頭打ちないし微減というような状態でございます。
 その中で経営を維持していくというのはやっぱり大変なので、政策的にもいわゆる赤字路線的なものを維持していくような仕組みが必要ではないかと思っておりますが、例えて申しますと、固定資産税の負担の問題でございます。
 交通施設別に見ると、道路の場合は、国、地方公共団体がつくっている道路は非課税は当たり前なんですが、道路公団の高速道路も非課税である。あるいは港湾も非課税である。一方、空港は、公営の空港は非課税でありますが、空港公団とか関空会社の空港は課税であるというふうに聞いておりますが、そういった意味で、鉄道についても、公営の鉄道は非課税、JR、私鉄は課税というのは課税の公平性という原則からいうとやや不統一ではないかなという気もいたします。
 そういうことで、直ちにというのは難しいかもしれませんが、やっぱり今後の方向としては、交通インフラは固定資産税等は非課税という方向でぜひ御検討をいただきたいと思いますし、当面、三島、貨物の本来用事業資産の課税標準特例、二分の一というような特例が十三年度末となっておりますが、これはぜひ延長していただきたいと思いますが、国交省としてその方向で御配慮いただきたいと思いますので、御見解をお聞かせいただければと思います。
#24
○副大臣(泉信也君) 完全民営化後のJR三社に対します固定資産税の問題につきましては、これは民間会社として当然の責務を果たしていただくということが大前提だろうと思っております。その中で、政府としてお手伝いできるものはまた別途に考えていくものであろうと考えております。
 特に、お話しございました平成十三年度で適用期限が切れますもろもろの税の特別措置につきましては、私どもといたしましても何らかの形で応援をさせていただかなきゃならない。特に、三島会社あるいはJR貨物につきましてはなかなか経済環境が厳しい状況でございますので、これからも安定した経営を確保していくために極めて重要な措置であると認識しておりまして、来年度の税制改正要綱の中で適切に対処してまいる所存でございます。
#25
○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。
 次に、三番目の中小企業配慮条項でございますが、駅の中でJRが子会社を通じてショッピングをやったり旅館をやったりということになると、いろいろ駅前に影響があるというお話だろうと思いますが、そもそも今道路の発達によって駅前が非常に衰退しておるというのが実態でありますから、むしろ総合的に活性化させる意味では地元と共存共栄の精神で、大いに駅前にいろいろ総合的なショッピングなり人が集まれる施設をつくるというのは非常にいいことではないかと思っておりますので、この辺の運用によって角を矯めて牛を殺さないようにしていただきたいと思いますが、この辺の運用についてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。
#26
○副大臣(泉信也君) 国鉄の分割・民営化の経緯があって、現在もJR会社法十条によって、いわゆる中小企業等の地元への配慮というものをお願いしてまいりました。しかし、民営化されれば一般的には自由に活動ができるという立場をとられるのがある意味では一つの当然ではございますが、今申し上げましたように、この問題については経緯がございますので、JRの完全民営化後におきましてもJRの非常に大きなことである、あるいは多数のお客様を集める場所であるというような、そうした事情は民営化後も変わらないということから、今般の法律に基づきます指針においても同様の趣旨を規定させていただいたところでございます。
 ぜひ地元等との調和、中小企業等に配慮をした上で、一層JR三社が事業展開が順調にできますように適切に対処していく所存でございます。
#27
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 次に、完全民営化に伴うWTOの政府調達協定に関してお伺いをいたしたいと思います。
 JR各社はWTOの政府調達に関する協定の対象機関となっておりますので、一定額以上の規模の建設工事や物品の発注に当たっては国際一般競争入札を行うという必要があると聞いております。公正、透明な手続というのはもちろん望ましいわけでございますから、完全民営化になっても適切な発注には心がけていただきたいと思いますが、政府調達協定の対象であるということになりますと、資料を英語でつくらなければならないとか、あるいは発注の公告から入札まで四十日以上とか、いろいろ義務づけられております。
 しかし、民間会社としてはやっぱり経営判断で迅速にやるということが必要と思いますので、今回完全民営化される本州三社につきましては特殊会社ではなくなるわけでありますので、このような規制は速やかに撤廃していただくことが肝要であると考えております。
 ということで、今回の法改正により完全民営化される本州三社に対しては、WTO政府調達協定の手続を担保する手段である一般監督権限は撤廃をしていただきたいと思いますが、そのように理解してよろしいか、お答えをいただければと思います。
#28
○政府参考人(安富正文君) 今、先生御指摘のように、WTOの政府調達の規制でございますが、当然、従来はJR三社とも特殊会社ということで規制の対象になっておりました。ただ、今回こういう形で法律を出させていただいて完全民営化ということになりますので、我々としてはこれを外す方向で関係者といろいろ調整してまいりたいというふうに考えております。
#29
○中島啓雄君 ぜひよろしくお願いをいたします。
 それから、この指針でございますが、「当分の間」と書いてございますが、当分の間というのは時間的なものといわゆる定性的なものとあると思いますが、どのようにお考えでございましょうか。
#30
○政府参考人(安富正文君) 指針を設けました趣旨についてはもう先ほどからるる申しておりますので省略いたしますが、いずれにしてもいろいろな経緯から、この指針によって本州三社が国鉄改革の趣旨を踏まえた経営をやっていただきたいということで指針を設けるものでございますので、指針を解除する時期につきましてはなかなか定量的にはいかないなと。我々としては、やはり定性的にいろいろ考えていかなきゃいけない。
 具体的な年数を今ここで言うのはなかなか難しゅうございますが、少なくとも例えば指針制度の運用の実態であるとか、あるいは他のJR会社の完全民営化の状況がどうなっているかとか、あるいはさらに国民の負担になっておりますいろいろな長期債務の償還条件、ここら辺についてどうなっているか。こういうことをいろいろ総合的に判断して、国鉄改革が最終的に完了したと判断されるときにやはり決断すべき問題ではないかと思いますので、そこら辺は明確には言えませんが、定性的にそういう状態が生じたことを具体的に判断して解除していくことになるかと考えております。
#31
○中島啓雄君 次に、東海会社を中心とする過重債務の問題についてお伺いいたしたいと思います。
 平成三年に新幹線の買い取りというのがあったわけでございますが、そのときに再評価額としては東海道新幹線二・九六兆円ということだったんですが、収益調整ということでその上に二・一三兆円上乗せをされたというような経緯があります。
 そこで、特に土地の評価が高いというようなこともあって、東海会社を中心に、ほかの会社も決して債務が軽いというわけではないんですが、非常に過大であるというようなことで、大分大臣の御宸襟を悩ませた経緯があるようでございますが、これに対する今後の考え方はいかがでございましょうか。
#32
○国務大臣(扇千景君) 中島先生が仰せのとおり、私は、やっぱりこのJR三社それぞれの御意見を聞きましたときに、一番頭を悩ましたのがJR東海でございましたし、またそれをどのように御了解いただけるか、また、最後まで社長もそのことにもこだわっていらしたことは中島先生御存じのとおりでございまして、事実でございます。
 けれども、少なくとも、平成三年の新幹線のあの譲り受けといいますか最初の分割のときに、東海道新幹線の収益性の高さ、御存じのとおり、一番収益性が高いということで、他のJR東、西と比べまして大きな債務をしょうことになりました。現在のJR東海、それにもかかわりませず本当に順調に経営努力をして債務を償還しているところでございますけれども、債務残高が収入の約四・五倍、そういうことになっておりますので、その大きいことから、今後の会社の健全経営に支障が生じかねないという御主張も私はもっともだと思いましたけれども、今も先生が御質問になりましたように、税制面を含めて、そして改めて何らかの処置を国に対して要望していらっしゃいました。
 私もそのお気持ちもよくわかりますし、また他方、東、西に比べてという、この社長のおっしゃることも事実でございますので、それぞれ努力してはいただきましたけれども、今後も国土交通省として私は、JR東海の主張していらっしゃいます問題に対しましては、今後、具体的な制度の検討を行って、でき得る限り私たちとしては最大限の努力もし、また検討もし、省を挙げてもこのJR東海のおっしゃっていることにどのように対処していけるのか、この検討はしていきたいと。そういうことの御了解をいただいての今回の、私は同時出発というのにこだわっておりましたので、同時スタートに立っていただいたということでございます。
#33
○中島啓雄君 ぜひよろしくお願いをいたします。
 時間が参りましたので、年金問題もお伺いしようと思っていたんですが、また別の機会に譲らせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#34
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 扇大臣には、おけがをなされまして、心からお見舞い申し上げたいと思います。きょうは、私のときは気楽に座って答弁いただいて結構でございますから、遠慮なさらないでいただきたいと思います。
 廊下に車いすがきょう置いてあったんですけれども、多分毎日車いすで御不便を感じていらっしゃると思いますし、また車いすの目線は今までの目線と随分違って、ここにこんなものがあったのか、ここをこうすればいいんじゃないかと、随分違ったバリアフリーの目で違った意味の体験もされていらっしゃるのではないかなというふうに思っております。それをぜひまたいろいろな面でバリアフリーに生かしていただきたいということをまずもって心からお願い申し上げたいと思います。
 まず、このJR法で、基本的なことにつきまして二、三点、冒頭、大臣にお尋ねさせていただきたいと思うんです。
 私も、ちょうど昭和六十一年ですか、国鉄改革法のときに特別委員会のメンバーで議論に参加をしておりましたので、違った意味で多くの思いも率直に言ってございます。それ以来十四年たちまして、今度また新たにJR本州三社が一足先に新しい旅立ちをするということでございますので、たまたま私もいい機会に恵まれたなというふうに思っている次第でございます。
 まず国鉄につきまして、分割・民営化されましたのが昭和六十二年でございますので、四月で丸々十四年を過ぎたわけでございます。そういう中で、今回、政府は本州三社の保有株を全部放出をして、そして完全民営化していくということであるわけです。
 せんだっての一日の本会議で私はこの問題について質問させていただきましたら、大臣はその評価につきまして、簡単に申し上げますと、先ほどもお話があったわけでございますが、「国鉄時代には約六千億円から七千億円の補助を投入してなお巨額な赤字を計上していたものが、JR七社合計で千五百億円の法人税を支払う企業になったこと、国鉄改革以降、本州三社については消費税見合い以外の運賃の値上げを行っていないこと、また事故件数も減少を続けていることなど、国鉄の分割・民営化によって経営状況、サービス水準は格段に向上されているものでございますし、また国鉄改革は順調に推移してきているものと私も考えております。」と、大変高い評価の御答弁をいただいております。
 だが私は、もうひとつ真剣に考えますと、本当にそのように推移しているんだろうかという危惧もしているんです。なぜかといいますと、確かに国鉄時代は大借金がございましたし、JR各社も部分的には債務を引き継いだわけでございますが、特に、清算事業団を中心にしまして資産の土地を売却したり、それこそ株の売却をどんどん行ったわけでございます。それにもかかわらず、国の借金はまだ二十八兆円残っている。簡単に言えば金利を払っただけだということを見ますと、このことをしっかりと国民が理解すると、この借金は国民が税金から支払うんですから、本当に成功したんだろうかということについては国民が若干疑問を持っていらっしゃるんじゃないかなというような気がいたしますので、その点についてお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(扇千景君) 山下先生が今述懐されましたように、六十二年のときからの十四年、私、足かけ十五年と申しましたけれども、本当にこの間、あの激論の中から今日まで皆さんが温かい目で見守っていただいた、あのときの会議録を見るときっと隔世の感があるなと山下先生も思っていらっしゃるんだろうと私は思います。
 けれども私は、この国鉄改革、少なくとも皆さん方がおっしゃいますように、やっぱり民間的な手法を導入するということの決断、当時、随分反対もございました。与党の中からも反対された方もいらっしゃいますけれども、それにもかかわらず、私は、あの英断によって現在の効率的な経営を実施できた、またし得たというふうに考えております。
 今、私が本会議場で申し上げましたるるの効果を先生がお読みいただきましたけれども、私は正直に、本当に多くの国民に大変な努力をしていただいたというふうに考えておりますし、また現実的に利用している皆さん方は、変わったなと。旅をするということのやっぱり第一歩が乗ることでございますから、旅の第一歩がすごく快適になったと。あいさつもされないで、切符で通ってもありがとうも言われないで乗っていた当時に比べれば、今はありがとうございましたとかあらゆることを言ってくださるから、本当にそういう意味では旅が楽しくなる。
 最初から、当時の国鉄ですけれども、国鉄に乗りますと何か気分が悪くなるような、旅の気分を阻害されるような、過大ですけれども、それくらいな無愛想さだったんです、本当に。それが余りにも変わって、その影の債務の問題は影の部分としまして、国民の多くの皆さんはこの努力と英断というもの、そして見えないところでは泣いていらっしゃる多くの職員の皆さんにも感謝しながら、多くの人たちは本当に今快適な旅の第一歩を迎えさせていただいているということを私は感謝し、よくぞここまで変わったと賞賛する声が多いのは、私誇っていいんだと思いますよ。
 ですから、今、先生がおっしゃいますように、私も先ほどもお答えしましたけれども、赤字だった、助成金をもらっていたものが税金を払うようになったということは、これは私たちが数字の上でお示しすればいいことであって、現実的に体験しているもの、私もこの間足のひざのお皿にひび入らせましたので、新幹線に乗ってあれしたんですけれども、本当に親切にしていただいて、そういう意味では精神面あるいは現実のサービスも両面を私今実感させていただいておりますので、今後とも、表立った見た目だけの快適さの改革ではなくて、完全民営化することによってより多くの国民の目線に立ったJR会社として出発してほしい、そういう願いを込めて今回は皆さん方に法案を審議していただいていますので、より国民に親しまれるJRとして元気なスタートを切ってほしいというのが私の本意でございます。
#36
○山下八洲夫君 大臣に大変高い評価をしていただいて、きっとJR職員は喜んでいらっしゃることだというふうに思います。
 大臣ですから、それは少々サービスしないと大変なことになろうかと思いますが、その辺は別にいたしまして、先ほどからも出ております、大臣も高く評価されておりますし、確かに駅はきれいになった、トイレはよくなった、電車も速くなった、きれいになった、いいことばっかりなんです、確かに。学者でもそういうことをおっしゃる人はたくさんいらっしゃいます。だけど、現実に、切符を買おう、機械、改札通ろう、機械。ありがとうというのはどこでおっしゃるんですかね、よくわからないんですけれども、そういう実態も一方にあるということです。
 ですから、後ほど触れたいと思っていましたが、大臣もこれを機会に東京駅に、大臣の特別通路で新幹線に乗るのではなくて、あの改札からずっと車いすで行っていただくとどのような状況かということがよくおわかりになろうかと思います。
 そういう中で私が申し上げたいのは、確かに国鉄時代から比べれば職員なんかもそういう点でよくなったと思います。そうしますと、本当に今の民鉄に比べて、じゃJR職員は今お褒めになったぐらいすばらしい職員になったんだろうかということに疑問を持ちますし、そんなに国鉄時代に職員が悪かったんなら、先ほど質問されました先輩の野沢先生、中島先生、本当に悪い指導をしたんだなと思いたくもなる、そんなことはなかったと思うんですけれども。ですから、もう少し私はこの問題というのは冷静に見ていただかないといけないと思うんです。
 いい面は確かにたくさんあるんです。そのことによって、かなり悪い面も生まれてきている。それは何かといいますと、どんどん人を減らして、ですからホームにもほとんど人がいない。だから、改札にも人がいない。あの改札の端にいらっしゃるのは、身障者用に一つ改札がございますね、そこに大体駅員さんがいらっしゃる。そこは何になっているか。インフォメーションになっているんですね。常にだれかがいろいろなことを聞いていらっしゃる。本当に身障者用に機能を十分に果たしていない状況なんです。
 そういう状況がありますので、いいところはいいでいいんです、悪いところは悪いということをやはりしっかりと見ていただかないと、私はこれから先のJRを心配するものですからあえて申し上げているんですが、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(扇千景君) 先生のおっしゃるとおりですけれども、私も今、大臣だからといって大臣の通路を使っておりません。一般のところからいつも入るようにしておりまして、余り大げさなことが嫌いなものですから、いつも駅長室を通らないで、駅長さんもお迎えをいただかないで普通に通っております。
 けれども、そういう意味ではまず変わったということだけは認めないと、せっかく努力していらっしゃる、また私、多くの人を知っているんですけれども、苦しい中から転職をしてパン屋さんになった人もいます。それから、スタンドカレーをやっている旧国鉄職員もいます。みんなが言うんです、人生百八十度変わっちゃったと。私は今申しました、これだけよくなった陰で、多くの職員の皆さんが今の世間の皆さん方よりももっと厳しいリストラに遭って転職なすった方を私たくさん知っています。
 そういう意味では、表立ったサービスの陰で、先ほども申しましたように、多くの職員が努力をし、また人生を変え、そして新しい職業について、しかも私が聞きましたら、職業訓練を受けに行って一から習って、パンをつくったりうどん屋をしたりということも教わってしたんだという人に会いました。そういう意味では、これだけ分割して評価が上がったという陰でそれだけの多くの人が努力して、そして見えないところで苦労しているということをぜひ評価したいと思っていますし、絶えず私それを言っています。
 ですから、そういう意味では今のよくなったと言われ、国民の皆さんに受け入れられた陰でこれだけの職員の皆さんが転職をし、生まれて初めての職業見習い所で一から練習をして、陰でみんなが努力しているということを受けているから今の残った職員は一生懸命やっているんだと思います。そういう相乗効果というものを、私はぜひ今の精神を持っていただきたい。いいことはいい、悪いことは悪いと言い続けますけれども、いいときはみんなで正直に褒めてあげるということがすべからく世の中で当たり前のことだろうと思いますので、そういう相乗効果があるから、陰で苦労した人がいるから今の職員は気持ちが変わったんだと思います。そういう意味では、私はぜひ正当な評価をしたいと思います。
 この間、ある先生が私に言いました。扇さん、東京駅おりて改札出るまでに七回ありがとうございましたと言われて、うるさいぐらいだと。それくらい変わったと言った先生がいらっしゃるんです。ですから、私はそういうことも含めて、過剰だと言われるくらい皆さんがやっているということをやっぱり正直に評価したいと思います。
#38
○山下八洲夫君 正確に評価していただいて結構でございます。私も毎週東京駅使っておりますけれども、新幹線に乗るまで駅員さんと話す、すれ違うことはほとんど皆無なんですけれども、その七回というのはよほど特殊なルートを通ってお乗りになるのかなというふうに思います。この問題はもう結構でございます。多くの方が国鉄を離れて、そしてそういうふうに新しい職業について泣いている、第二の新しい職場で泣き苦しんでいる方もたくさんいらっしゃるということは大臣も御承知のようでございますから、もうこれ以上申し上げません。もうこの問題はこれで結構でございます。
 続きまして、JR三島会社とそれからJR貨物会社、両方一緒にお尋ねさせていただきたいと思いますが、この純民間会社はいつごろどのような手順で行うのか、ぜひ大臣から所見をいただきたいんです。
 この間の私の本会議質問の議事録もしっかり読ませていただきました、改めて。いろいろとおっしゃっていますが、支援措置を講じているところでございますというのがポイントかなと、あるいは税制等の支援措置を行ってまいりますと。このような程度で本当に本州三社と同じように株を放出して、そして完全な民間会社になっていくだろうか、私は大変危惧をいたしております。また、ぜひなっていただきたいというふうに私の気持ちは思っているんです。ですから、その方向性がわかる範囲で結構でございますから、具体的にお願いしたいと思います。
#39
○国務大臣(扇千景君) 先生がおっしゃいますように、JR北海道あるいはJR四国、九州の完全民営化についてのお尋ねでございましたけれども、先日も私、先生にお答えしたと思うんですけれども、これら三社の本当に輸送需要の減退による収入の減、これはもう先生も数字を持っていらっしゃると思いますけれども、現実です。それと、低金利の長期化によります経営安定基金の運用益の減少、これはもうJRだけじゃなくて今全部そうなっていますけれども、この低金利による収入減というもの、また経営環境が厳しいというのは私が申すまでもないと。原因がそこにあるということも、先生は御存じのとおりであろうと思います。
 私も大きな先行き不安、また現状の不安というものの原点はここにあると思っております。その段階におきまして、この完全民営化の具体的なスケジュールというものは、私はこういう状況にあるので未確定であると言わざるを得ないと思いますけれども、できる限り私は早期に民営化していくべきだというふうに思っておりますし、またそうなれるような状況になってほしいと願っていることは同じでございます。
 けれども、現実としては、これから今度三社とそしてJR貨物の完全民営化、少なくとも国鉄改革の総仕上げまで、これでなければ私は総仕上げになったと思えないと思っておりますので、そこへ持っていくまでの過程で今の問題をどうクリアできるか。これまでも私たちは三社の経営基盤の安定化というものに努力はしてきましたけれども、今後も経営安定基金の運用、果たしてこれが今の低金利のままでどうなるのかと、そういうために運用益の確保というものが大きな要因の一つとなってまいりますし、二つ目には固定資産税の軽減措置をどこまでどうするかと。先ほどもちらっと委員会で御質問になりましたけれども、固定資産税の問題、そして各種の助成制度の活用、これもいつまでどのように続けられるかという、こういうあらゆる経営の支援措置というものを継続していきながら、今後とも各社の経営動向を十分に見きわめなければ私は最後の仕上げまで持っていけないと、今のままでは。
 ですから、そういう意味においては、私はいつということが言えないのは残念ですけれども、離してしまえばいい、完全にやってしまえばいいということではなくて、やっぱりもとは本体は国鉄から出発したんだという観念を持って、私たちはいつどのように状況が判断できるか、そこまで見守っていく責任があろうと思っております。
#40
○山下八洲夫君 特に、貨物の場合は連続八期赤字でございますし、相当リストラをしても、またあらゆる企業努力をしても、大変困難な時期にも来ているんではないかなという気がします。今、固定資産税の減免措置等々もお話あったわけでございますが、その程度では追いつかないだろうと。私は、特に二十一世紀は環境の時代でございますし、何といっても鉄道はあらゆる交通網で一番環境に優しいと私は思っておりますから、そういう意味からも、発展させる知恵をぜひこれからも努力していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、何といっても鉄道でございますので、安全対策について若干質問に入らせていただきたいと思います。
 当然、輸送の安全確保はJRにとどまらず交通機関すべての基本的な使命それから同時に責務と私は考えております。そういう中で、先ほどもちょっとこの十四年間、民営化、国鉄改革以後、全体でいいますと一年に大体二千人ぐらいずつ人が減ってきています。六十二年から平成十一年を見ると二万七千人ぐらい全体で職員が少なくなっております。
 確かに、その間にいろいろな機械も発達をし、またITも発達をし、かなりの部分で機械に任せた方がいいというところも当然あると思います。これはいいと思うんです。ただ、余りにも経営を先走って、私はそういう中からある意味ではまたかなりの人減らしが進んでいるんではないかなと。私は東京駅の改札一つ見ても、率直に言ってそう感じます。あんな幅の広いところで片隅に一人しか職員さんいらっしゃいませんからね、あれ一つ見ても感じます。
 そうしますと、やはり安全対策に手抜かりが出てきたんじゃないか。ですから、悲惨な新大久保の転落事故にいたしても、もし昔のようにいつもホームに職員がいらっしゃったら、場合によれば命を落とさずに済んだかもわかりません。最近は、ラッシュ時はたまにいらっしゃっても、ほとんどホーム上にはJR職員の姿を見ないというような状況になってきているんです。
 ですから、特に鉄道というのは人命を預かっている、一番安全に走らなくてはいけないわけですから、そういう意味から余りの、確かに民間企業ならリストラもしなきゃいけません。しなきゃいけませんけれども、やはり保安職員と申しますか、そういう危険なところには人を配置していく、こういうふうに私は思うんですが、その辺、大臣はどのように思いますでしょうか。
#41
○副大臣(泉信也君) 先生御指摘のように、交通機関にとっては安全の確保というのは会社の死命を制することにもなりかねない大変重要なものでございますので、JR各社に限らず、それぞれ努力をしていただいておると考えております。
 御指摘のありましたJRにつきましては、合理化ということでいわゆる保安的な要員が削られておるのではないか、また手薄になっておるのではないかという先生の御心配であろうかと思います。新大久保駅の事故以来、私どもは特に改めてその点について関係者へ注意を喚起させていただいたところでございますが、非常停止ボタンあるいはプラットホーム下の退避スペース、ホームさく等の物理的な安全対策をとらせていただいております。
 また一方で、ホーム要員の配置につきましても、大変効果が大きい、一定の効果があるという認識のもとで、今回の通達におきましても、係員が配置されている駅については、ラッシュ時間とか特に危険性の高い時間帯を中心に、可能な限り巡回をするようにというふうに指示をしたところでございます。
 しかし、実際の要員配置につきましては、駅それぞれ千差万別でございまして、その状況等をにらみながら適切な判断をしてほしいということで、一律に定めるということは実態上できないという考え方で、個々の現場の実情を踏まえて対応する必要があると考えております。
 我々としては、今日までのJR化後の運転事故の減少あるいは踏切事故の減少等から見まして、安全対策にはより一層重点的に取り組んでもらいますが、今日までのところは、JR各社十二分な配慮の中で安全対策が進められているものと考えているところでございます。
#42
○山下八洲夫君 確かに、踏切の事故なんかは昭和六十二年、九百二十七件ですか、それが平成十一年、五百三十一件とかなり減少しております。この減少の背景には、この間のボトルネック法案の審議ではございませんけれども、この間に高架になったり立体化されたり、そういう意味でもかなり安全策は進んでいることは事実なんです。
 今、ホームの安全マットと申しますか、そういうものも大変効果を示すとは思います。また、新大久保事故以来、落ちた方が少しでも早くホームに上がれるステップというんですか、ああいうものを設置したとか、いろいろな努力をなさっていることは私も理解しておりますし、うれしいことなんです。だが、根本は落ちないようにすることの方が大事なんです。落ちた人を上げることじゃなくて、落ちないようにすることがまず大事なんです。私はそう思います。
 このことは後で触れたいと思いますが、そういう中で、表面的な、確かに大きな事故は少なくなっているんですが、もう一方、運休または旅客列車にあっては三十分以上遅延したもの、これは随分ふえているんです。
 在来線で申し上げますと、昭和六十二年、千三百九十八件だったのが、二千七百三十三件。新幹線で言いますと、車両もふえたとおっしゃると思いますけれども、昭和六十二年に四十三件だったのが、平成十一年度、六十五件、これは微増でございますけれども。とにかく在来線は倍ぐらいにふえてしまっているんですね、三十分以上遅延あるいは運休と。そのたびに、特に在来線でございますが通勤通学が大混乱をする。そこで車内放送では、その原因については駅の係員にお聞きくださいと。駅の係員を見たってどこにもいない。こういうのが今の現状ではあるわけでございますが、このように起きているんです。
 そうしますと、この要素を見ますと、部内の原因が六割ぐらいだと言われているんです。それで部外、外の関係ですね、そういうもので四割ぐらいの遅延やら運休になっていると言われているんです。ですから、そういう意味での保安要員というのか、あるいは整備なんかもみんな下請、別会社にしたりして、コスト削減からきているのかと思ったりするわけでございます。
 これは、「実業界」という本に、「「JR東日本」の気になる安全対策とトラブル続出のウラ事情 同一路線が一日に三回もトラブルで遅延」というのがありまして、これを見ていきますと、もう全部読むと大変ですからポイントだけ言いますけれども、JR東日本の事故件数をまとめたデータがある。このデータは同社の組合員がまとめたもので、組合員がまとめたのは、九五年三月から九六年二月の一年間に山手線のホームで発生した事故件数だけを集計して、それが百四十四件もあったと。これは転落事故です。それから、今度は引きずられたりするそういう事故ですね、接触事故、これが百七十件もあったと、こういうことが書かれているんです。これは、運転阻害事故ということで多分上には報告していないと思うんですが、相当の数があるのではないかというふうに思います。ですから私は、それこそ保安要員等をきちっと配置して、そして安全対策により真剣に取り組むように、できれば指導していただきたいなというふうに思うんです。
 きょうの新聞でございますか、出ていましたね、とにかく犯罪がすごくふえたというのが出ておりました。その犯罪にしましても、私は多分、電車内、ホームでの犯罪はこの五年間でもう倍増ですか、物すごくふえたという記事が出ておりましたけれども、やっぱりJR社員が制服を着てホームなんかとか、たまには検札をちらちらすればかなり減るんではないかなというような気がします。全然姿を見ないから、犯罪をする方も安心してやっているんじゃないかなと。だから、いよいよ警察もこの鉄道関係の警備を強化しようかというような記事が出ておりましたが、それぐらい保安要員が私は低下していると思うんですが、その辺について、副大臣で結構でございますが、御感想を。
#43
○副大臣(泉信也君) いわゆる運転阻害事故というものがJRになって以来増加しておるということは、私どもも承知をいたしております。これは、必ずしも事故原因、この阻害事故というものがどうして起きておるかというのが明快ではありませんけれども、一つには、輸送力の増強という、ダイヤの密度が大変高くなってきたというようなそうしたことも一つの要因ではないかというふうに思います。
 しばしば問題になりますJR東日本の中央線のように、市民生活に大変大きな影響を及ぼすような事故につきましては、国土交通省としましても、役人的と言われればそれまでですが、JR東日本に警告書を出しまして、的確迅速な復旧のための対策をとるように、故障原因の究明をということを求めておるわけであります。JR東日本の方も、当然これを受けまして、運行管理システムの強化でありますとか車両設備の整備計画の前倒しというようなこと、あるいは運行指令体制に問題があるのではないかという、ソフトの部分につきましても検討をしていただいておるところでございます。
 どこまで、これからなおやればいいのかというのは、ゼロになるまでやるということではありましょうけれども、なお一層こういう面は努力をしていきたいと思っております。
 なお、先生御指摘の車内の暴力につきましては、警察の力も当然おかりをしなければならないと思いますけれども、事業者としてはガードマン等の巡回強化、駅構内の照明を明るくする、ポスターとか車内放送をするというようないろいろな啓発活動をやっておりますし、警察への連絡体制をより緊密にできるように強化を図っておるということなどをやらせていただいておりまして、事業者としても一層努力をしてほしい、安心した乗り物にしてほしいというふうに考えておるところでございます。
#44
○国務大臣(扇千景君) 今、副大臣が努力をしているという話をしましたけれども、山下先生もお気づきだろうと思いますけれども、このごろのマナーの悪さということも私は大きな要因だと思います。
 いつも駅に立っておりまして、電車が入りますから黄色い線からお下がりください、何回アナウンスしても下がらないし、また、本当にお互いに助け合わないという、あのラッシュのときはいたし方ありませんけれども、私、今ぐあいが悪いから言うわけじゃありませんけれども、たとえ車いすで乗ってあけてくれと言っても、もうそんなことお構いなし、先にお乗りくださいとも言いませんし、また乗ってしまったら、本当に年ごろの女性が電車の中で平気でお化粧して、もうだれも自分を見ていると思っていない、自分の世界に入り込んでいるという。そして、若者同士は、もうとにかく大衆の前でも、よくなったのかもしれませんけれども、平気でキスをしたり、あるいはお互いにもう二人だけの世界がそこの中にできちゃっているんですね。それくらいやっぱり変わってきたんですね。
 ですから、幾らこちら側の体制あるいはみんな職員が努力していても、やっぱり乗る側のマナーというものも悪くなっているということも、ぜひ私たちは国会議員ですから、よく皆さん方にその啓蒙をしなければいけないし、だから事故がふえているとは言いませんよ、けれども無関心であるということも私は大きな要因だと思うんです。全然言っても下がりませんし、席もあけませんし、本当に自分の世界に入っていますから、見えないんですね。そして、この間も、中でマナーが悪いですよ、いすを譲ってあげなさいと言ったら、後で追っかけられて暴力に遭うと。そういうことでは、やっぱりみんなで快適に乗り物に乗り、快適な生活をするという、そして今、警備員がいないとおっしゃいましたけれども、いなくてもいいくらい日本が平和なんだということの象徴でもあるんですね。
 これはなぜかといいますと、長くなって申しわけない。私、アメリカへ行くときに、地下鉄に乗るのにいつも二十ドル持てと言われているんです。なぜ二十ドル紙幣をいつも持っているかというと、地下鉄でいつやられるかわからないから、そのときには手を絶対ポケットへ入れるなと、地下鉄に乗っているときは必ず指を指せと、ポケットを。そこに二十ドル入っているとそれで許してもらえる。多過ぎるともっとあると思ってどんとやられる、少な過ぎるとまた腹立ってどんとやる、二十ドル持っていろと、こう言われるんですね。
 やっぱりそれくらい日本の鉄道というものの外国から見た安心感というものも私は大事にしなきゃいけませんので、すべからく乗る側もマナーを守り、また従業員も最大限の努力をすると、両方相まって初めて私はすばらしい日本の安全だと思いますので、ぜひ国会議員みんなで協力して、新たなマナーというものを、若い者にもやっぱり譲るという心も教えるということも大きな課題の一つだということをつけ加えさせていただきます。
#45
○山下八洲夫君 確かに、十四年前から比べれば随分治安が悪くなったと思います、十四年前から見れば。それだけ日本もどんどん国際化しているんですから、治安が悪くなったから後は自己責任で、もう全部自分で守りなさい、もう保安要員は要りませんよというのではだめなんですよ。そして、民間になったら保安要員は要らないからどんどん稼ぎなさい、ホームで刺されて死のうが殴られて死のうがいいんですよといったら、これは大変な発想になりますから。この間、ホームでたたかれて亡くなった方も、ひょっとして駅員さんが近くにいたらそういうことは起きなかったかもわかりませんよ。ですから、そういう意味では保安要員は必要だということを言っているんです。もうこのことはいいです。
 そして、私はホームさくのことでちょっとお尋ねしたいんですが、その前に、きょう、参考人にJR東会社の大塚社長さんにお願いしたんですが、きょうはまた大変お忙しい中、快く御出席いただきましてありがとうございました。
 ホームさくに入る前に、一つだけ私はお尋ねしたいんです。今現在で申し上げますと、JRの本州三社も、この法案の議論をしておりますが、私は特殊会社だと理解しております。純粋な民間会社であればこういう議論をする必要はありません。特殊会社だと理解をしております。これで間違いないと思うんです。
 そういう中で私は、過日、昨年の十一月七日の参議院の交通・情報通信委員会で、社長さんか、もしくは社長さんにかわり得る方にぜひ参考人で出席いただきたいと。そして、この委員会の理事会でも御了承いただいたわけでございますが、その前日の六日のPM三時十五分に委員部へ、簡単に言いますと出席できませんという内容、それもワープロで、判こも押していない、本当に事務的な、このような回答が来たんですね。なぜこのような態度に出られたのか、私はどうしてもここがわからないんです。ですから、きょうはもう何が何でも来ていただきたいと一つは思ったんです。
 そのとき、理由にこういうことが書いてありますね。「「JR東日本の労使問題について」出席のご要請がありましたが、当社の労使関係については、平和裡に話し合いによる問題解決を基本としてきており、また一会社内の問題でもありますので、出席については控えさせて頂きたいと思います。」と。こういう、私は労使問題だけをお尋ねしようと思っておりませんし、勝手に労使問題一本に絞り込んでおりますし、民間会社でも銀行なんかは参考人を呼びますともう喜んで飛んできますよ。
 特殊会社でありながらなぜそういうことに出られたのか、しっかりと御答弁をいただきたいと思います。
#46
○参考人(大塚陸毅君) ただいま御指摘いただきましたように、当社は今現在特殊会社であることは間違いないところであります。
 十一月に、確かに委員会から参考人として出席するようにという御要請がございましたけれども、今、先生がおっしゃられましたように、私どもといたしましては、当時、JR東日本の労使問題についてということで承っておりましたけれども、こういった問題は、やはり労使の問題というのは、これはあくまで会社の中においてきちっと対応すべき問題であるというふうな認識をしておりましたので、出席については控えさせていただきたいということを申し上げまして、最終的には理事懇談会におきましても御承認をいただけたというふうに理解しているところでございます。
#47
○山下八洲夫君 今、最後に大変なことをおっしゃいましたけれども、理事懇談会の了解をいただいたと。私は、理事懇談会からそのような報告を受けておりません。
 ちょっと委員長、そういう了解をしたのか、ちょっと答弁ください。
#48
○委員長(今泉昭君) 余分な答弁は差し控えてください。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#49
○委員長(今泉昭君) 速記を起こしてください。
#50
○参考人(大塚陸毅君) ただいま私が申し上げました、理事懇談会におきまして御承認をいただいたということは、私の勘違い、間違いであるというふうに思います。私どもの方の意思におきまして、この労使問題というものは会社内の問題であるということで出席を控えさせていただいたということでございます。(発言する者あり)
#51
○委員長(今泉昭君) ちょっと待ってください。
 取り消されるわけですね、先ほどの発言を。
#52
○参考人(大塚陸毅君) ただいま申し上げました、理事懇談会において御承認をいただいたということにつきましては、取り消させていただきます。私どもの方の判断におきまして出席を控えさせていただいたということでございます。
#53
○山下八洲夫君 大変なことを勘違いするんですね。これはもう侮辱の何物でもないと思いますよ。どうも盛んに労使問題、労使問題とおっしゃるけれども、前回の私の質問を読んで、多分きょう読まれてきているとは思うんですよ、前回の質問を。私は労使問題なんか一つもと言っていいぐらい触れておりませんよ。それを何でももう労使問題、自分は凝り固まって、それを理由に、確かに労使問題は一会社内のことでしょう、だけれども仮に百歩譲ってそうであったとしても、特殊会社ですよ。国にいっぱい面倒を見てもらっているんですよ。そういうところが、国会から要請があって、一方的に拒否するというのは本当に、まずそこを改めないと、私は、純民間会社へ、特に東会社を純民間会社とするのは不安を感じますよ。本当にそう思います。その辺については謙虚に本当に反省していただきたいと思います。
 こんなことで時間をつぶしてももったいないものですから、本論に戻りたいと思います。そうはいっても、やっぱりJR東も褒めないといけませんからね。きのうの新聞ですか、すばらしいことが出ていましたね、三百九十駅にエレベーターを設置しますと。すばらしいことが出ておりました。これはぜひ前倒ししてでも頑張っていただきたいなというふうに思います。
 それで、ちょっと横へそれますけれども、大臣、今、東日本の会社案内を見ますと、人に優しい鉄道づくり、バリアフリーを推進と書かれているんですね。確かに、山手線その他いろんなところで工事が進んでいるのは私も承知しております。もうエスカレーターなんか随分ついておりますし、またこう新聞に出たということで、こういうエレベーターを設置しますという発表もあったりして、私はその点については高く評価しているんですが、進捗状況がもしわかれば御報告いただきたいと思います。
#54
○国務大臣(扇千景君) 先ほども申しましたように、本格的な高齢社会を迎えます日本の現状におきまして、私はバリアフリー化というのは本当に大事なことだと切実に思っておりますし、また国土交通省としても、重点施策の一つとして、二十一世紀に入ってバリアフリー化というものを本格的に推進しようということになっております。
 今現在、駅のバリアフリー化、JR旅客六社、これ利用人数が五千人以上、高低差五メートル以上の駅のエレベーター、エスカレーターの設置率、平成十二年三月末現在では、エレベーターが二七・八%、エスカレーターが四七・七%になっております。
 そういう意味で、先ほども申しましたように、これからは、基本方針としまして、一日に利用者数が五千人以上の駅、これにつきましては原則としてすべての駅に平成二十二年までにバリアフリー化するということを目標に今決めておりますし、また本年の、平成十三年度の政府予算で約八十億円を確保しておるところでございますけれども、平成二十二年というよりも、先ほども申しましたように、一年でも二年でも前倒しにしてこれを、こういうことこそ私は緊急経済対策の一つにとれればありがたいなと思って、努力していきたいと思っています。
#55
○山下八洲夫君 ぜひ、できましたらエレベーターの方で御尽力を賜りたいなというふうに要望しておきます。エスカレーターというのは、大変乗降客の多い、混雑している、大量輸送には大変便利なんですね。あれは早くどんどん片づきますから。そういう意味で、本当の血の通ったバリアフリーというと私はエレベーターだというふうに思っておりますので、その旨要望をしておきたいと思います。
 その上に立ちまして、ホームさくのことについてお尋ねしたいんです。
 今、それこそバリアフリーで駅の乗降客が一日五千人以上のところを二十二年までにというような御報告がありました。私はそこまで申し上げませんが、JR東日本会社が管理する駅が、現在、間違っていなければ千七百二十七駅ございます。そのうち有人駅千百二十五駅。その有人駅の中で委託駅、別会社というんですか、下請会社とか関連会社が職員にかわってやっている委託駅が百九十駅あります。無人駅が六百二あるんですね。かなり無人駅があるんですが、多分、無人駅というのは乗降客が五千人以下だろうというふうに私も推測をします。
 それで、見てみますと、一万人以上の駅が、一日の乗降客ですね、一万人以上で見ますと三百六十三駅あるんです。それが、今度は、二万人以上になりますと二百八十五駅に減ります。三万人以上になりますと二百二十九駅に減ります。十万人以上になりますと百六十三に減るんです。
 ですから、私は、できれば一万人とは言わなくても早急に、一日三万人以上ぐらいのところはもう、落下した後ステップをつけたり、落下したときに感知マットを置いたりするのではなくて、落下させないようにする、それこそホームドアとかあるいはホームさくを設置する。先ほど大臣がいみじくも、電車が入るとき、黄色い線より内側に下がってくださいと。言わなくても済んじゃうんですね。あの黄色い線のあたりに逆に言いますとホームさくでもあれば、そんな放送もする必要はないんです。その煩わしい、うるさい放送も一つ減るんですね。そのように思いますが、大臣はその辺についてどう思いますか。
#56
○国務大臣(扇千景君) JRでも超スピードで通過する駅はすべてさくが設置してございます。例えて言えば、新幹線の新横浜がそうでございますね。それから、今、先生がおっしゃいました完全な壁をつくれという、これも京都の東西線ですか、それも私もよく乗って知っております。これも全部電車が入ってから全部ドアがあいて初めて入れるという、これは完全な壁でございます。
 それから、今、先生がおっしゃっていますさくというものも、ラッシュアワーに大変危険性があるということも私聞いております。ですから、さくによって、あれ、角が立っているものですから、ですから、あけた途端に同じところからばあっと行くということも危険だし、さくを全部張りめぐらして、電車が入ってからドアがあく、いわゆる新神戸駅、これはさくがあって、電車が入ってからさくがあいて初めて入れる。それから、今、先生がおっしゃいます、危ないところに、要所要所にさくを置けというこの方法もあります。これも大変、私、聞きましたら、ラッシュどきには逆にこれも危ないんだということも一方で言われる。
 そういう意味では私は、駅駅によって、今、先生が三千人、五千人、一万人という数字をおっしゃいましたけれども、やっぱり乗降客、駅の性質、それぞれの特徴によって私は対策を講じるべきだと思っておりますので、一概にさくがいいとか、あるいは全面がいいですとか、あるいは通過駅のようにあいてからあくのがいいとか、あるいは今決めかねると。それらしい駅にふさわしい対応は今もしていると思いますけれども、先日のような落下事故がありましたことを踏まえますと、やっぱり、もう一段思案しながらそれぞれの駅に合った対策を講じるべきだと思っております。
#57
○山下八洲夫君 大塚社長はどのような考えでしょうか。
#58
○参考人(大塚陸毅君) ただいまお話ございましたように、ホームにおいてさくを設けるということは、転落を防止するという点では確かに有効な策だというふうに思います。思いますが、ただ、これも駅の形状でありますとか、駅を御利用されるお客様の数でありますとか、あるいは列車の運行本数でありますとか、いろんな面から考えていかなければいけないことなのではないかというふうに思います。
 私どもでは、このホームの安全というのは極めて重要な問題でございますし、現実に新大久保駅で三人の方が命を落とされるという大変痛ましい事故もあったということを考えますと、駅の安全対策というのを、ホームの安全対策というのをどう手を打っていくかということについては非常に重要なことだということで、現在は非常停止ボタンでありますとか、あるいは転落検知マットを整備するとか、あるいはまた万が一ホームに転落されたときに直ちにホームに上がりやすいようなホームステップというものを設置するとかいうようなことでいろいろ手を打っておりますし、また駅によりましては時間によってはガードマンの巡回というようなことで対応しております。
 そこで、さくという問題でありますけれども、今申し上げましたように地下鉄等で一部そういうのが見られるということも承知しておりますけれども、私どもの特にこの首都圏の駅というのは大変なお客様の御利用がございます。さくを設けるということによりまして、現実にはお客様の乗降の時間というのが延びることは間違いないだろうというふうに思いますし、そういたしますと、どうしても列車運転本数というものに影響するというケースが出てくるだろうと思います。
 そういったことを考えますと、さくを設けることによってまた新たな別な問題も出てくるということでありますので、ここらを十分検討した上でどうするかということを考えていく必要があるのではないかというふうに判断しております。
 当社では、今の段階ではホームドアあるいはさくの導入ということに対しては非常に課題が多いというふうに判断しておりますが、シミュレーションといいますか、そういったものを少し使って、お客様の動きがどうなるか、そのときにホームの状況がどういう状況になるかというようなことについて少しシミュレーションで勉強をしてみようかなというふうに考えておるところでございます。
#59
○山下八洲夫君 JRは、もともとスタートは鉄道省からスタートしておりますから、民鉄に比べまして、大体駅舎を中心としたその周辺の敷地にしましてもホームにしましても、ホームなんかはもう民鉄の倍ぐらいの立派なホームで幅も広い、そして長い、バリアフリーをやるには物すごく便利になっているんですね。普通の民鉄はもう自前でやっていますから、ホームをなるべく狭く短く、駅舎もなるべく小さくと、こういうことでもう本当にゆとりがないんです。JRはそれを見ますと随分ゆとりがあると思いますね。
 それで、確かに転落事故は乗降客の多いところですから、どうしてもそういう点で今、参考人が指摘されたような問題もあろうかと思います、私も率直に申し上げまして。あろうかと思いますが、例えば東京駅の中央線をやってみようかとか、あるいは今度は蒲田駅なら蒲田駅をやってみようかとか、そういうことをひとつテストしてみて本当にだめなのかどうかやってみていただければいいと思うんですね。
 東京駅の一番、二番線のああいうホームにしたって、民鉄にはあんな立派なものはありませんよ、正直言いまして。これは鉄道省のときにあれだけ土地をがっちり確保したからできているだけでありまして、JR東の努力であれだけになったのではないんですから、ホームさくあたりについてはもうモニター的にシミュレーションでやるんじゃなくて、現実にテストケースにぜひ入っていただきたいということを強く要望したいと思いますが、いかがでしょうか、参考人。
#60
○参考人(大塚陸毅君) 今申し上げましたように、やはり私どもホームの安全というのは、ホームから転落されるということをどうするかという問題と、また別にホームに非常にたくさんのお客様があふれ返ってしまうというような状況になったときにどうするかというようなことを、全体を総合的に見た上でどういう対策が一番効果があるかということをやはり考えていく必要があるのではないかというふうに判断をしておるところでございます。
 もちろん、ホームさくの有効性というものを否定するものではございません。しかし、全体としてホームの安全策というのをいろんな施策の組み合わせによりまして少しでも向上させていくということについては、私どもはこれからもさらに努力をしていきたいというふうに考えております。
#61
○山下八洲夫君 安全問題はこの辺にしまして、バリアフリーはホームさくを含めて、安全問題と絡めてぜひこれからも御尽力いただきたいということを要望しまして、新たな質問に入らせていただきます。
 まず大臣、多分衆議院の国土交通委員会でかなりの議論がなされておりますので十分御承知だと思いますが、革マル派という組織を御存じでしょうか。御存じでしたら、知り得る範囲で御報告いただきたいと思います。
#62
○国務大臣(扇千景君) これはむしろ山下先生、安保闘争の御経験者ですから先生に教えていただいた方がむしろいいかと思いますし、私はそこまで知識がございませんから。
 先日、五月二十五日でしたか、衆議院で西村眞悟先生に言われまして、私は詳しくなかったんですけれども、初めてといいますか、この国会の中で質問を受けたのはあのとき初めてでございまして、今まで自分自身では、私の社会の中では余り経験もございませんし詳しくもございません。
#63
○山下八洲夫君 大塚参考人は御存じですか、どういう組織か。
#64
○参考人(大塚陸毅君) 革マル派という団体が、一般的には過激派集団であるというふうに言われておるということについては承知をいたしております。
#65
○山下八洲夫君 大塚社長、これはまず公安調査庁の平成十一年一月の「内外情勢の回顧と展望」、これはまとめて言いますが、お読みになったことがあるかないか。それから、警察庁発行の平成十一年の「過激派集団革マル派」、この本を見たことがあるかないか。あるいはまた、平成十二年の二月ごろだったと思うんですけれども、「回顧と展望」、これを見たことがあるかないか。今初めてなら初めてでも結構でございます。こんなのはもう御多忙だから見られていないと思いますが、「解放」という新聞、ちょっとコピーをとってあります。
 こういうものを見られたことがあるかなというふうなことについて、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
#66
○参考人(大塚陸毅君) 今、先生が御指摘されたすべてについてはちょっと知っておるということは申し上げられないかと思いますけれども、平成十一年ですか、一月に発行されております「内外情勢の回顧と展望」、あるいは今お手元でおかざしになられました、あれは何でしょうか、「焦点」でしょうか。
#67
○山下八洲夫君 そうです。
#68
○参考人(大塚陸毅君) それにつきましては、一応目を通しております。
#69
○山下八洲夫君 そうしますと、かなりのことを御存じだというふうに思いますので質問を続けていきたいと思うんですが、大臣、私はびっくりしたんですけれども、これは質問通告してありませんので、びっくりしたんですが、「衆議院国土交通委員会における西村真悟議員の質問と政府答弁への見解 二〇〇一年五月二十九日 全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)」と書いた、そういう見解を出されております。
 長文ですからポイントだけちょっと読ませていただきます。「警察庁、公安調査庁は、JR総連に対してばかりか、社会に対しても、答弁の根拠となった事実を説明する責任がある。情報公開法にもとづく手続きを含めて、事実の開示を求める。」、二つ目、「西村議員に対しては、JR総連・JR東労組が列車妨害を行ったかのように発言した根拠、ならびに「単なる説得では解決がつかない」という発言の意味を明らかにするよう求める。」、まだそういうことが書かれているんです。これは国会の中の審議のあれですよ。
 それから、「警察庁長官田中節夫殿 二〇〇一年五月二十九日」、同じ日付です。「全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)執行委員長」の名前でこうやって申し入れ書が出ているんですね。これは警察にも私は質問通告しておりませんから、警察は御存じかどうか知りませんが。
 これは短いからちょっと読ませてもらいます。「去る五月二十五日に開催された衆議院国土交通委員会において、貴庁の漆間警備局長が西村眞悟委員の質問に答え、「JR総連・JR東労組における革マル派組織の実態やその浸透状況についても解明した」「JR総連・JR東労組内において、影響力を行使できうる立場に革マル派系の労働者が相当浸透している」旨の答弁を行った。」云々で、当組合は六月三、四と大会をやるんですが、それまでに、大会が開かれる前の六月一日までに文書で回答しろという申し入れ書を出されたようなんですね。
 社長、東労組というのは多分JR総連の私は下部組織だと思っておりますし、当然そういう中でJR東会社の会社員だ、社員だ、従業員だというふうに理解しております。東労組の一部離籍された役員は別にしまして、全体的には私はそのように理解しておりますが、それで間違いございませんでしょうか。
#70
○参考人(大塚陸毅君) 東労組という組合は、当社に複数ある組合の中の一つでございまして、当社で最大の組合でございます。この東労組は、今御指摘のありましたJR総連の傘下にあるということでございます。
#71
○山下八洲夫君 ですから、もちろん従業員ですね、間違いなく従業員ですね。
#72
○参考人(大塚陸毅君) 東労組を構成する組合員は従業員でございます。
#73
○山下八洲夫君 大臣、今、国会でのやりとりがこのように見解として述べられているんです。これは見解ですからやむを得ないですね、一組織が組織の中で見解を述べるんですから。警察には通告していないんですが、このような申し入れ、承知していますでしょうか。
#74
○政府参考人(漆間巌君) お答えいたします。
 議員御指摘の申し入れ書については承知しております。
#75
○山下八洲夫君 今、その申し入れについて承知をしているとおっしゃったんですね。
 大臣、いかに思いますか。国会の中で大臣を中心に議論したことについて、このように申し入れが来るというのはどのように思いますか。
#76
○国務大臣(扇千景君) その申し入れがあったということも私は存じませんでしたので、今初めて聞きましたけれども、国会の論議に対してはいろんな方がいろんなメールをいただいたりなんかしていますから、正式な申し入れというのはいただいていませんのでそのことに関してはわかりませんけれども、いろんな御意見があるということだけはよくわかっています。うちへはいただいていません。
#77
○山下八洲夫君 警察庁長官田中節夫殿に申し入れがされたんです。ですから、国会の中の委員会での審議のやりとりが簡単に言いますとけしからぬと、そしてそういう答弁した内容の情報がどこから出たのか明らかにしなさいと警察当局へ申し入れしているんですよ。国会の中の議論というのは保障されているんではないでしょうか。その上に立って、このような申し入れをする組織とはいかに思いますかということをお尋ねしているんです。
#78
○国務大臣(扇千景君) 私は、どういう申し入れがあるにしろ、国会審議を妨げるものでもないし、我々は国会はどんな意見があろうと、国会の中の審議というものは本当に国民を代表して審議しているんですから、それに対してけしからぬと言われても、これは言論の自由でお互いに何を言ってもいいというのがこの国会の審議でございますので、それに対してけしからぬという申し入れが、どこに、警察庁長官ですか、警察庁長官にあてて行ったというのは私はよくわかりませんけれども、なぜそこへ行ったのかなというのもわかりません。
 私は、国会審議ぐらい自由なものはない、しかもオープンであるということ。また、それによって国会審議にこれを言っちゃいけない、あれを言っちゃいけないなんて言われること自体、私はむしろ国会に対しては越権行為だと思います。
#79
○山下八洲夫君 私も当然大臣と一緒で、越権行為だと思いますし、この国会の中の議論というのは保障されているわけでございますから、特にこのような申し入れが来たからとわざわざ回答を出す必要もないと私は個人的には認識しますけれども、ある意味では私は言論弾圧をもう早速警察にまでかけているというような印象を持ったからあえてお尋ねしているんです。
 それから、大塚参考人にお尋ねしたいと思います。
 これは二〇〇一年六月一日付の「JR東労組東京」というこのような機関紙が発行されているんですが、東労組がこのような機関紙を発行なさっていることは御存じですね。(資料を示す)
#80
○参考人(大塚陸毅君) いろんな機関紙が出ておるということについては承知しておりますが、その機関紙の一つ一つに目を通しているわけではございませんので、内容につきましては必ずしも承知しているものではございません。
#81
○山下八洲夫君 これは平成二年に第三種をとっていますから、月一回発行で相当定着していると思いますので、中の記事は別にしまして、こういう機関紙があるということぐらいは幾ら、労務担当、労政担当を長い間やっている大塚社長でございますから知らないということはないと思うんです。内容は別ですよ。こういう機関紙が発行されているということぐらいは十分御承知だと思います。それも知らないようじゃ、経営者としての不安を私は感じますので。
 六月一日付なんですね。だから、多分東労組内の東京の組合員全員にこれは配られたんだろうと思います、機関紙でございますから。この「立脚点」というところにいろいろと書いてあるんですよ。長いから全部読みませんけれども、まず五月二十三日の衆議院国土交通委員会で「一部国会議員どもが、」です、「ども」ですよ、「一部国会議員どもが、国会の場やマスコミなどを通じて、またぞろ「JR東労組 革マルキャンペーン」を画策したが、」と。また、途中の方に、もう全部読みません、あと読んでください、どういうことが書いてあるか。「民主党の吉田公一なる議員が「革マル問題を放置して完全民営化して問題ないのか。監督官庁として適切な処置をしていただきたい」と、時間切れで答弁なしの意見を述べたにすぎない。」とあるんですね。それから、「自由党の西村議員がまたぞろ登場し」、「またぞろ」ですよ、「登場し「革マル疑惑」なる八百長発言を繰り返した。」とあるんですね。
 大臣、この東労組の新聞に、西村議員が大臣と議論したことを、今聞いてなかったならもう一回読みます、「「革マル疑惑」なる八百長発言を繰り返した。」と言っているんです。
 それから、情報がすごいんですね、「今後の参議院審議で葛西らの子飼いの山下八洲夫なる者が蠢いていることから、いまだ予断を許さない。」と。私は、いつの間にか、葛西ってどこの葛西か知らないけれども、子飼いの人間らしいんですけれども、びっくりしているんです。
 後で触れますけれども、平和協定を東会社と結んでいる労働組合がこんなに国会議員や国会のことを冒涜しているんですよ。全部読みませんでしたけれども、今ちょっとお聞きになって、この感想をどうですか、大臣。
#82
○国務大臣(扇千景君) 不勉強で申しわけないんですけれども、私は昭和五十二年当選組でございまして、五十三年の成田開港、あの闘争のときに国会議員一年生でございました。成田をつくって、でき上がって十年、成田開港できなくて、あの管制塔を壊しているのをテレビで見まして、テレビに映っている人をどうして捕まえないんだと私は本当に正直に思ったんです。
 ですから、今、先生がおっしゃいましたように、革マル派だとか中核派だとかいろいろおっしゃいますけれども、その区別がつかないんです、不勉強で申しわけないんですけれども。ですから、あのときにしていた人が何派なのか、そういうのもちょっとよくわからないので多くは言えませんけれども、反体制というのはどこの国にもあって、国際的にもいろいろもめておりますけれども、国会の論議に対して言論を封じるような、またそこに書いてある、今、先生お読みになりましたけれども、国会議員の中で山下八洲夫ってだれですか、そういうことをやっぱり名指しで言われるというと国会で物を言えなくなっちゃうということでは私は大変残念だと思いますので、そういうことにめげずにお互いに真実の論議をさせていただきたいと思います。
#83
○山下八洲夫君 いや、そうじゃない。大臣、全然違った答弁しているんですけれども。
 こんなにJR東会社の社員が構成をしている労働組合の、毎月一回、第三種の認可をとった機関紙に、八百長質問をやっているとか、例えば山下八洲夫は葛西らの子飼いだとか、そういうことを書かれる、書いていることについて感想はいかがですか。革マルその他は関係ないです、何にも。社員がですよ、さっき随分社員を褒めていらっしゃったじゃないですか、冒頭のころ。
#84
○国務大臣(扇千景君) 私は、少なくとも社会の、私は生活の公器であると思うくらいなJRの社員であれば、もっと威厳を持って、国民の安全と安心を図るために最大の努力をするというのが社員としてのモラルであろうと思いますから、その人たちが国会のことに対してそういうふうに言われて、私はだれの子飼いか山下先生知りませんけれども、そういうふうなことを言われて、八百長質問と今おっしゃいましたか。
#85
○山下八洲夫君 そうなんです。書いてあるんです。
#86
○国務大臣(扇千景君) そんな失礼なことは、私はむしろ一部の人だと思いますけれども、どれくらいの購買力があるのかわかりませんけれども、だんだんそういうところでは世の中が安全になってくると、組合費も払わなくなるんじゃないでしょうか。そういう意味では、購買力が下がってくると、そういう書く人もなくなるだろうと思いますので、やっぱり健全な社員があって健全な経営があるんですから、私はそういう意味では健全な社員であっていただきたいと思っています。
#87
○山下八洲夫君 これは先ほど参考人もおっしゃったんですが、JR東会社で最大構成員を持っている労働組合の機関紙なんです。第三種の郵便の認可をとっている。毎月出ているんです。だから、当然組合費も集めていらっしゃるでしょうから、多分無料で、購読料なんて取らないですよ、無料で全組合員に配付をしていると思うんです。そういうものだと思うんです。
 それで、後で社長にプレゼントに差し上げますけれども、読んでいただきたいと思いますが、先ほどおっしゃいました最大の構成員のところが、西村議員が質疑をした、これは八百長質問だとか、私なんかいつの間にか、何でこんなことを書かれんといかぬのかよくわからないんだけれども、「今後の参議院審議で葛西らの子飼いの山下八洲夫なる者が蠢いていることから、いまだ予断を許さない。」と。要するに、このJR会社法についてです、その前にあるんですけれども。そういうことが書いてあります。参考人、どう思いますか、これ。
#88
○参考人(大塚陸毅君) ただいま御指摘のございました東労組とのまず労使関係という点についてちょっと申し上げさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても私ども経営者といたしましては、労働組合というのが会社との関係においてどういう対応をしていくのか、いかなる行動をとるのか、会社の発展に向けて協力していくのかどうか、こういった観点が極めて重要な観点だというふうに思っております。そういう点につきましては、これまでの経営実績を上げてきたという背景には、やはり健全で安定した労使関係ということがあったということは否めない事実であるというふうに考えております。
 労働組合でありますし、また私どもの会社の中には実は七つの労働組合がございまして、非常に複数の労働組合があるということから、それぞれの労働組合の運動方針等々が異なるというような中で、いろんな言ってみれば教宣活動みたいなものが非常に活発に行われるという一面も否定はできないわけであります。しかし、労働組合であったとしても、そこはやはりおのずと節度というものが必要であるというふうに考えておりますので、今御指摘のありましたような国会を冒涜するがごときの表現あるいは内容、こういうものにつきましては私としても大変遺憾に存ずるところでございます。
 私どもとしましても、当然こういうことにつきまして、不適切な内容あるいは表現というものにつきましては、労働組合にもきちっと話をし指導をしていくということをしていきたいというふうに考えております。
#89
○山下八洲夫君 特に東会社の幹部の皆さんはどなたもそうでございますが、労働組合とはいつも話し合いをして平和裏に常にきちっとおさめていらっしゃるということもあらゆるところで耳にするわけでございますので、平和協定が結ばれているようでございますので、ぜひこの問題については、委員長、よろしかったら差し上げたいんですけれども、プレゼントに。ちょっと読んでもらって、まだ当分時間がありますから。ちょっとお願いします。
#90
○委員長(今泉昭君) どうぞ。
#91
○山下八洲夫君 実はこの問題についてはきちっと整理をしていただいて、訂正するなら訂正する、謝罪するなら謝罪する、それぐらいのことを労働組合と話し合いをしていただいて、結論を出していただきたいと思いますが、いかがですか。
#92
○参考人(大塚陸毅君) 今申し上げましたように、節度を持ってきちっと対応するということが必要であるというふうに思いますので、既に話もしておりますし反省も促しておりますので、今後こういうことが起こらないように私としても努力をしてまいりたいというふうに思います。
#93
○山下八洲夫君 私は、JR純民間会社法が成立をすれば、ああこれでまた縛りが一つ解けたと、ますますそんなような記事が出るんじゃないかな、そのような気がして、記事だけじゃなくて、ひょっとしたら盗聴やら、ひょっとしたら放火まで出るんじゃないかなと思ったりしていますから、きちっとした労働組合との整理をしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。私は、前回質問しましたときもそのようなかすったような経験をいたしておりますことをあえてこの国会の場で申し上げておきたいと思います。それぐらい決意をして私はこの質問に立っているわけでございます。
 そこで、警察庁へお尋ねしたいと思います。
 去る五月二十五日の衆議院の国土交通委員会の質疑の中で、JR総連・JR東労組内に影響力を行使し得る立場にある革マル派系の労働者が相当浸透している、それからまた、JR東日本という公共交通機関の労組内における革マル派の動向については重大な関心を払っている、このような答弁がなされているわけでございます。
 そこで、過激派組織であります革マル派がJR東労組内で本当に暗躍をしているのか、もしそういう事実があれば放置することは大変危険なことでございますし、何とかしないといかぬと思うんですが、警察としては、多分こういうことに対する重大な関心を抱くようになった原因を可能な限り御報告いただければ幸いに存じます。
#94
○政府参考人(漆間巌君) 警察としましては、従来から革マル派の動向については重大な関心を有していたわけではございますが、平成八年以降摘発した革マル派非公然アジトの一部から押収した資料の分析によりまして、革マル派が国労役員宅やJR連合傘下のJR西労組役員宅に侵入した事件等を検挙したところであります。
 このような捜査活動等を通じまして、JR総連・JR東労組内における革マル派組織、いわゆるフラクションの実態やその浸透状況についても解明したところでありまして、公益性の強い公共輸送機関の労働組合に革マル派が相当浸透していることに対しまして、さらに重大な関心を有するに至ったからであります。
#95
○山下八洲夫君 今、フラクションというお話が出ましたけれども、衆議院での委員会でもフラクションの中の質疑で、何か革マル派にはJRを担当する委員会、トラジャと呼ばれる組織があるようでございますね、会議録を見ますと。そして、そのJR内の労働者を指導しているように答弁をなされているわけですが、その下に、下部組織にマングローブというまた組織があるようでございますけれども、その実態やら具体的な内容について限りないまた御報告をいただければと思います。
 それからもう一つ、私は、これだけトラジャやマングローブが有名になってくれば、今度はメジャーとマイナーぐらいにひょっとしたらまた組織内で変わるのかなと思ったりもしますけれども、冗談は別にしまして、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。
#96
○政府参考人(漆間巌君) お答えいたします。
 革マル派の労働者組織としましては、党中央に中央労働者組織委員会がございまして、各産別ごとに労働者委員会を設け、その中にJR労組出身者から成る通称トラジャと呼ばれる組織が存在していることが確認されております。
 一方、JR内には、トラジャの指導のもと、通称マングローブと呼ばれる組織の存在が確認され、同組織がJR内革マル派の指導に当たっていると見ております。
#97
○山下八洲夫君 私は、この「回顧と展望」あるいは革マル派の特集みたいな「焦点」、こういう警察庁が出された冊子に、革マル派の関係あるいはJR総連につながっているような関係等々が記載されておりますから、そういう意味では、こういうものに記載されるということは、もう相当私は警察は自信を持っていらっしゃるというふうに理解しております。
 そこで、大塚参考人にお尋ねしたいんですが、この間の衆議院の多分国土交通委員会の、きょうこの参考人で出席するに当たりまして、会議録は少なくとも読まれたと思うんですが、そういう上へ立ちまして、今、私と大臣あるいは警備局長さんとのやりとり等々をお聞きしまして、それこそJR東会社には警察が言っているような事実があるのかないのか。大塚参考人の御答弁をお願いしたいと思います。
#98
○参考人(大塚陸毅君) ただいまのような御指摘、あるいはそうした議論が国会の場において行われたということは承知しておりますが、私どもやはり会社経営の責任者といたしましては、何といいましても会社が発展するためには一人一人の社員の把握というものをどうするかということ、そしてその社員の集合体であります労働組合との関係をどうするかということが極めて重要なことであるというふうに認識をしているところでございます。
 そういう点からいいまして、一人一人の社員の把握ということに関して申し上げれば、これはやはりきちっとした管理者が個人把握をしていく、そしてそれぞれの社員の能力を引き出し、仕事の意欲を持たせて、そしてまた社員の努力というのが報われるような制度の構築というのをしていくということは極めて重要であるというふうに思っておりますし、またそういう努力をしてきておるところでございます。
 労働組合との関係で申し上げますと、やはり健全で安定した労使関係というのをきちっと構築する、それによりまして労使双方が会社の発展ということに向けてやっぱり努力できるような体制をつくっていくということが極めて大事でありまして、こうしたことに関しまして労働組合としていかなる行動をとるかということが最も大事な点ではないかというふうに思っております。
 そういう観点から申し上げますと、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、会社発足以来最大組合であります東労組との間には労使共同宣言というのを結んでおりまして、この労使共同宣言の中には、労使が協力して会社の発展を目指すということを明記いたしておりますし、また労使間に生じるいろんな問題、課題につきましても、これも平和裏に話し合いで解決をするということを言っておるわけであります。その基本的な労使共同宣言の精神に基づいて今日まで来ておりますし、安全対策あるいはサービスの問題、あるいは業務の効率化の問題、こういった問題についても協力をしておりますし、またこの間、ストライキにつきましても一度も実施していないという状況であります。
 そういう点から考えますと、私どもは、この東労組というのは会社の発展に協力をしてきており、かつ順調な経営成績を上げる背景にこの安定した労使関係があるという判断をしておりまして、労働組合として特に問題があるというふうには思っておりません。
#99
○山下八洲夫君 私はそんなことをお尋ねしたいんじゃなくて、もっとずばっと申し上げます。
 JR東会社の中に革マル派に所属していると思われる職員がいらっしゃると思うかいないか、それをお尋ねしたいんです。
 といいますのは、大臣もこの間の衆議院の委員会でこのようなことをおっしゃっているんですね。革マル派が全国で四千名いるということが先ほどの公安の資料に書いてございます。残念なのは、その革マル派の組織員約四千名のうち、千名程度がJR関係者である。だれが鉄塔を倒したり、あるいはレールにチェーンを巻いたりしたのか、いまだに判明していないというところが恐ろしいことだと思いますけれども云々と。これは書いてあるということをおっしゃっているんですが、大臣もこういうことを発言しているんです。
 JR東会社には、こういう社員は一人もいらっしゃいませんね。
#100
○参考人(大塚陸毅君) 私ども、先ほど申しましたように、一人一人の社員をきちっと個人把握をして、そして業務の運営に支障がないようにしていくということに努めているところでございます。
 当社には七万四千人の社員がおりますので、いろんな考え方の社員もいるとは思いますが、問題はやはりこうした業務の面というところで、彼らがあるいは社員がきちっと仕事をしていかないとか、大変な問題を起こすとかいうことになればこれは放置できない問題でありますけれども、そういった事象はございませんし、そういった事象がなくこれまでみんなが努力をしておるということが現実の予想以上の順調な経営実績というものに結びついておるというふうに考えているところでございます。
#101
○山下八洲夫君 私は、警察庁や公安調査庁がここまでこう表へ出すということは、かなりの自信を持っているから出されているというふうに思うんですよ。それを、もう私の聞いていることには触れないで全然違ったことばかり答弁なさっているけれども、それは七万二千人ですか、社員がいらっしゃれば、いろんな方もいらっしゃると思うんです。
 ただ、その中で私が心配しておりますのは、その中の例えば八割ぐらいの組合員を構成しているのが東労組ですよね。七割か八割か正確には知りませんが、かなりの大部分を構成しているのが東労組なんです。その役員のところにかなりこういう影響力を持った人が指導をしているということがよく聞こえてくるものですから、私はあえて伺っているんです。そういうこともあり得ませんね。
#102
○参考人(大塚陸毅君) そういうことが現実に会社の経営にどういう影響を及ぼしてくるかということが大事でありまして、私どもは労働組合としてどういう行動をするか、そして会社の発展ということに向けてどういう対応をするかということが極めて重要であるということを申し上げているわけでございます。
#103
○山下八洲夫君 そうしますと、社長の考え方は、会社には影響を与えなくて、社会にはどんな悪い影響を与えても会社さえよくなればいいんだというふうに私には聞こえてきます。株主がどうなろうと、それから一般利用者が危険な思いをしようとそんなの関係ないんだ、会社さえよくなればいいんだというふうに聞こえてきます。
 答弁を聞く前に警備局長さんにお尋ねしたいんですが、何か千人くらいの方がどうもJR東労組の中で主導的立場にあるというようなことが叫ばれているわけですが、御答弁できる範囲で結構でございますから、御答弁いただきたいと思います。
#104
○政府参考人(漆間巌君) 革マル派につきましては、現在その数は約五千人と見ておりますが、その内訳については答弁を控えさせていただきます。
#105
○山下八洲夫君 捜査上の事情がありますから、そこについては理解をさせていただきたいと思いますが、しっかり捜査をしていただいて、国を守っていただくように御尽力いただきたいと思います。
 大臣にお尋ねしますけれども、もう時間がないものですから感想的に、ぜひ。今のやりとりをお聞きしまして、私はある意味では東会社も本当に、後ほど触れようと思っているんですけれども、日本一のすばらしい鉄道会社だから、もっともっと立派になってもらいたいと思っているんです。そういう中でこのような問題を抱えているというふうに思いますし、そういう中で、いたって大塚参考人は会社さえよくなればあとはいいんだと、社会不安が起きようが何が起きようがいいんだというふうに私の耳には聞こえてきます。
 ぜひ大臣の御感想と、そして東会社をより一層御指導していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(扇千景君) 私は、山下先生にこのJR三社完全民営化法を審議していただく中で、必ずしもだれも触れたがらない部分があったということをあえてこの委員会で御審議いただいたことに感謝を申し上げたいと思いますし、私も不勉強で知らない部分もたくさんございますけれども、少なくとも今回の完全民営化法を御審議いただきます中で、JR東、一番職員の人数の大きい七万五千人、そしてJR西が四万人、そしてJR東海二万二千人、この多くの職員の中で特に一番人数の多いこのJR東、少なくとも七万五千といいますと国土交通省より職員が多いんです、国土交通省六万八千ですから。ですから、そういう意味では、このJR東の七万五千の中に、本当に自分たちは過去の国鉄時代のるるのことを引きずっているのではなくて、完全民営化すればするほど国民と密着した公共の機関であるという認識を持っていただいて、何よりも安全、安心を国民に与えなければ自分たちもつぶれるんだと、そういう危機感を、今回の法案審議の中でぜひこの七万五千の職員が一致して、国民と密着した安全、安心のJR東だという誇りを持てるような私は活動をしていただきたい。ただ会社が、経営がよくなればいい、そんな単純なことではありません。
 私は、先ほど褒めたように、国民と密着しているんだという意識をぜひ持っていただいて、皆さんどうか安心してJR東に乗ってくださいと言えるような民営会社になっていただきたいということを、重ねてその気持ちを今の御審議の中で深くしましたので、ぜひきょうの審議を改めてそういう新聞があるのなら載せていただいて、みんなで協力して国民に愛されるJR東になっていただきたいと思います。
#107
○山下八洲夫君 もう時間が五分しかありませんので話題は終わらせていただきまして、まだたくさん質問したいのがあるんですけれども、最後になろうかと思いますので、気にかかっていることについてまとめて質問いたしますので、最後に大臣とそれから大塚参考人にまとめて御答弁をいただきたいと思います。
 私は、新東京国際空港、成田ですね、ここと東京駅、ここは少なくとも日本の玄関口だと思っております。特に、JR東の一東京駅という認識ではなくて、世界から向かってくる日本の玄関口だと、そのように理解をしております。それと同時に、先ほどちょっと触れたんですが、JR東会社というのは、私は世界一すぐれたすばらしい鉄道事業会社と理解をしております。また、二兆円からの売り上げがあるわけでございますし、大変なすばらしい会社だと思います。この氷河期あたりに、相当エリートがJR東の採用試験を受けてもなかなか合格しないんじゃないかな、それぐらいまた人気のある会社だというふうに思っております。
 そういう会社でありながら、私はどうもJRの駅を歩きますと実に歩きづらいんですね。便利は便利なんですよ、違った意味で。東京駅へ入りますと、もう何でもあります。コンビニどころじゃない、回転ずしまであるんですからね、回転ずしまで。これは東京駅だけじゃないですね、上野駅にもありますよね、最近は。そうやって見ますと、あの東京駅の構内とかあるいは上野駅の構内とか、そういうところは私はデパートと一緒なんだなと思っているんです。確かに私も宿舎へ帰るのに、あそこで夜遅くラーメンを食べて帰るのは便利ですよ。だけど、現在の現行法ですら中小企業者に配慮という第十条がございますね。この十条というのは、この十四年間のうち一度ぐらい発動されたのかなということも聞きたいと思います。
 それからもう一点。大体、この鉄道事業以外で何か六千億円ぐらい年間売り上げがあり、ぐんぐん東会社だけでも伸びているようでございますけれども、とにかく十条にかなり私は抵触するんじゃないか。駅前でやっていました、私は本会議でも触れました、おやじさんと奥さんが必死になってラーメン屋をやっていたら、中に立派なラーメン屋ができちゃったと。やめざるを得ない。赤羽には、本屋さんをやっていたら、もっといいところで、構内ですばらしい本屋さんができちゃった。そして、何とかそこでやらせてくれと、もう一つ下請に話をしてそれで終わった。そういう記事も出ております。
 もうあちこちで駅周辺の業者は泣いているんです。確かにJRは人材もありますし、資金力もありますし、ノウハウもありますし、これを民営化させて放置したら、私は、駅前は駅を中心にした、駅にくっついているところ以外はもうペンぺン草が生えるような気がして心配で仕方がないんですが、このJR商法を大臣はどうお思いになるか。そしてまた、このような姿勢でどんどん大塚参考人はこれからも突っ走るのか、その辺をお聞きしてきょうは終わっておきます。また次があろうかと思いますので、きょうは終わっておきます。
#108
○国務大臣(扇千景君) 私も、ほとんど毎週といっていいくらい東京駅を利用しております。本来でありますと、先ほども申しましたように、駅長室から駅長が重々しく先導するんですけれども、私は今でもそれは嫌ですから八重洲口から一般の通路を使って、SPさんには迷惑をかけながら乗降しております。また、今、先生がおっしゃいましたように、成田へ行くのに成田エクスプレスを私は利用しますので、地下五階から成田へ行くのも使っております。
 そういう意味では、今、先生がおっしゃいましたように、駅は一つのデパートではないかと、特に先生は御存じありませんけれども、私は女でございますので、時々電車の中で靴下が引っかかって、エスカレーター、エレベーターというのかな、破れることがございます。それが、あの駅の構内の売店でパンティーストッキングを売っているんです。これほど便利なんですね。
 ですから、そういう意味では、私は多くの皆さん方がいろんなときに応急的に御利用なさるということに対してはすばらしい設備を誇っていると思いますけれども、今、先生がおっしゃいましたように、私たちはJR会社関連事業の推進に当たりましては、先生が御指摘のように、現行法の第十条の趣旨を踏まえて、そしてまたその第十条の趣旨を遵守するという意味において、先ほど私はお答えしましたけれども、今回もJR完全民営化の中での指針を設けましたのも、そのために、私は、この現行法の十条を守る、周囲の皆さん方に迷惑をかけない、共存共栄であるということをぜひ守ってほしいというためにこの指針をわざわざ設けたということも御理解いただきたいと思います。
 また時間が長くなりますから御遠慮申し上げますけれども、完全にこの現行法の十条というものを守ったために、ホテルメッツ北上ですとか、あるいはホテル長岡ですとか、JRがしておりますところも、地元の業者を配慮して、食堂には入れないとか、入れるなら地元のレストランを入れるとか、あらゆる工夫もしているということも幾つか、例示を挙げていると遅くなりますのでやめますけれども、そのように少なくとも民営化された上は特に共存共栄しなければお互いに利用されなくなる、またそれによって、現行の十条を守って近隣の商店街に影響を及ぼさないように、客の利便性を考えればもっともっとデパート化してもいいということもありますけれども、そういう意味では共存共栄のために、この現行十条の遵守をしていくために私たちも指導していきたいと思っております。
#109
○参考人(大塚陸毅君) 駅につきましては、これは申すまでもなく、列車を利用されるお客様にとりましてやはり利用しやすい設備にできるだけ整備をしていくということは非常に重要な観点だというふうに思っております。
 そういった考え方のもとに、バリアフリーの整備でありますとか、あるいはまた、これから徹底的にやろうと思っておりますのは、いろんな案内表示、こういったものも非常に見にくいというお客様の声もございますので、このあたりも十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
 また、国鉄改革の際に、そもそも鉄道事業だけではなかなか健全経営ができないんではないかというお考えのもとに、鉄道事業以外の事業につきましても原則自由になったという経緯がございまして、それに基づきましていろんな事業を展開しているのは事実でありますが、その際には、これは当然周辺の中小事業を営んでおられる方々への配慮というのは、これは十条で決められているわけであります。この配慮義務というのをきちっと守ってやるということは当然大事なことでございますし、私どもといたしましても事業を展開するに当たりましては、地元との調和とか、あるいは地元との協力だとか、あるいは地元の理解だとかいうものをできるだけ求めながら進めていくということでこれまでやってきておりますし、これは仮に完全民営化ということが実施された場合でも、こういう考え方で進めない限りは実際の事業としてなかなかうまくいかないというのが私は現実だろうというふうに思います。
 いろんな意味で周辺の事業者への配慮というものをしながら、そしてむしろ地元にお役に立てるような形でこれからも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#110
○山下八洲夫君 時間になりましたから終わりたいと思いますが、一言だけ。
 中小企業者に配慮、この第十条というのは現行でも私は一つも守られているというふうには理解していないということだけ最後に申し上げて、終わります。
#111
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ─────・─────
   午後二時三十分開会
#112
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#113
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 大臣が衆議院の方にいらっしゃいまして、まだこちらへお見えいただいておりませんが、足をけがされているようなことでもございますし、ゆっくりとお見えいただいても結構かと思っておりまして、定刻どおり始めさせていただきたいと思います。その間、副大臣ひとつよろしくお願い申し上げます。
 それから、大塚参考人、午前中から大変御苦労さまでございます。ちょうど大臣がお見えになる時間を大塚参考人にもいろいろとお答えいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 いよいよ十四年前から国民の念願でもございました国鉄の民営化がこの参議院の審議をもって成立し、完全民営化へ向かっていくわけでございますが、私は今日まで多くの皆さんの御尽力と御努力があったのではないだろうかと思っております。
 十四年前の議論の中で、国鉄改革をやる、その精神は一体何なのかということもよく問われたわけでございますけれども、これは何といっても鉄道事業の再生というところに着眼点があったのではないだろうかと思っております。当時、そういう再生という議論と同時に、民営化されるとローカル線はどんどんぶった切られるのではないだろうかとか、あるいはまた安全性が脅かされるという、こういったことも懸念されたことは事実でございまして、国会の議論の中でもその点がたくさんございました。
 その辺については、私は後にまたいろいろと議論をさせていただきたいと思いますが、総じて考えてみますと、朝からいろいろと、野沢先生のお話の中にもございました、民営化されてよかったと。大臣の答弁もそのようでございました。一部まだ御心配の向きもあるかもわかりませんが、御心配があるからといってとどまっておれば、いつまでたっても民営化はやっぱり進んでいかない。今がちょうどそのときを迎えているんではないだろうかと思っております。
 野沢委員の話に、トイレが非常にきれいになった、だけれどもさらにトイレをもう少し美しくしていただきたいという話もございましたが、私は駅構内一つ見ても、以前の国鉄時代と違って随分美化されたなというふうにも思っております。ホームを歩くのも楽しいという思いになるときが多々ございます。
 また同時に、経営状況から見ましても、六千億の補助金でそれでもなおかつ赤字であったというところから、今度は約二千億ほど全体で納税いただいているという形に変わっただけでも、上下合わせてすごい大きな経営状況に変化があり、成果があったなと思っております。また、サービスについても以前と違って随分向上したというふうに思っております。
 いろいろ御心配の向きはありますが、十四年間を振り返りまして、JRの経営努力について、副大臣として、大臣のお話はけさからもう随分伺っておりますので、副大臣からその評価について伺わせていただくと同時に、きょうは参考人としてわざわざおいでいただきました経営者でございます大塚参考人からも、東日本の経営努力についてはどうであったかということをお話しいただきたいと思います。
#114
○副大臣(泉信也君) 森本先生には大臣の留守をお許しいただきましてありがとうございました。委員長以下ほかの先生方にも感謝を申し上げます。
 お尋ねの分割・民営化の成果、JRの努力についてでございますが、まず国鉄改革そのものは、民間的手法によりまして、破綻に瀕しておりました鉄道事業の、先生おっしゃいました再生を願ってなされたものだというふうに考えております。そういう意味におきましては、これまた先生御発言いただきましたように、六千億から七千億といった毎年の補助を出さなければならなかったものが、税金を納めてもらえるところまで経営がしっかりしてきたということ、あるいはまた、本州三社におきましては、消費税という問題はございましたけれども、毎年と言っていいほど、あるいは定例化しておったと言っていいほどの運賃値上げが全くなされないまま今日まで推移しておる。さらに事故の発生件数も減少しておる。そして、車両も近代化し、あるいは快適化し、サービスの面でも予想以上にと言ってもいいくらい向上してきておる。私どもとしましては、この成果は十二分に評価をできるというふうに考えておるところでございます。
 しかし、一方では、多くの国民に多額な負債を背負っていただいておるということは、これからも忘れてはならない重大な問題だと思っております。
#115
○参考人(大塚陸毅君) JRが発足いたしましてから丸十四年たったわけでありますけれども、思い返してみますと、昭和六十二年の四月にスタートしたわけであります。そのときには、今でも大変な不安と緊張の中でスタートしたことを記憶しております。
 会社としては当然のことではあるのでありますけれども、当社の最初の、初年度の目標が何とか黒字を出そうという目標であったと。こんな当たり前のことを目標に掲げないと、まだどうなるかわからないという状況であったということであります。この間、スタート以降、比較的経済環境にも恵まれましたし、また大変多くの皆様方の御支援もちょうだいいたしまして、おかげさまでここまで順調な経営を続けることができたということであります。
 これはどういうことが原因かということでございますけれども、国鉄ではどうしてもいわゆる親方日の丸という気持ちが社員の中にあったということは、これは否定できない事実であっただろうというふうに思います。民営化するということは、ある意味ではすべてが自分の責任において処理をしなければいけないという気持ちになると。そういう意味では社員一人一人が非常に意識が変わったということがあったというふうに思います。
 また、民間会社でございますから、社員の努力というものが具体的に報われるという形になるということも非常に大きな意義があったのではないか。つまり、社員からいいますと、ある意味では気持ち、心の改革といいますか、精神的な改革あるいは人間性の回復というようなところが非常に大きな要素であったのではないかというふうに思います。
 そういう中で、例えば安全の問題にいたしましても、発足当初から比べますと、事故が現実に六〇%減っております。また、サービスの問題にいたしましても、いろんな面でサービスの向上ということに努力してまいっております。現実にはこの十四年間、消費税の値上げのときを除きまして運賃を値上げしないで済んできておるというような形にもなっておりますし、そういう意味では、この国鉄改革によってスタートしたJR、これまで順調に、総体的に言えば順調に来たのではないかというふうに考えております。
 ただ、まだまだ私ども道は半ばであるという気持ちをもって、今後ともやらなければいけないことがまだまだたくさんあるという認識をしております。完全民営化された後にありましてもさらなる努力をして、お客様あるいは株主の皆様、あるいはまた地域社会の皆様方からの信頼をかち取れるような努力をさらにしてまいりたいというふうに考えております。
#116
○森本晃司君 私は、民営化が総じて成功している要因の中に、各社の経営陣の皆さんの大変な、殊に今度の三社の皆さんの大変な御努力、御尽力があったと思います。債務を受けてその上で、国鉄債務を引き受けて闘う、経営を行うという中で御苦労いただいたかと思うんですが、民営化がうまく成功したもう一つの要因は何だったかと申し上げますと、やっぱりそこに働いておられる社員の皆さん、それから組合員の皆さんの大変な御協力と御理解があったんではないかと思うんです。JR東日本の一番大きな組合でございます総連の皆さんも含めまして、私はその努力があったんではないかなというふうにも思っております。
 先ほど社長みずからおっしゃいましたように、それまで国鉄といえば、鬼の何とかといって、組合の皆さんはそういう武名を名づけられるほどにまで大変強い力を持っておられまして、ストライキも絶えなかったわけでございますが、ほとんどストライキもなくなってきたというぐあいになっております。
 私は、鉄道を愛する大多数の国鉄職員の皆さんの苦労とまたその協力を抜きにして今日はなかったと思うんです。朝の答弁の中で大臣がおっしゃっていましたけれども、広域に異動しなければならないということ、それからハンドルを握っておられた方が今度はうどんを握るという転職までいろいろされながら、私は大変な苦労をされてきたと思うんです。
 とりわけ、そのスタートの段階で国鉄改革労働組合協議会、ここに集まった人たちの協力が私はこれまた不可欠ではなかったのではないだろうかと思っております。協議会は、その後鉄道労連、その後JR総連等々に名前を変えておられますが、こういった組合員の皆さん、社員の皆さんの今日までの協力、尽力についてどのようにお考えなのか、大臣あるいは副大臣でも結構でございます、また参考人からもお答えいただきたいと思います。
#117
○副大臣(泉信也君) 国鉄改革は、国民の理解と協力が必要であったことは当然でございますが、今、先生の御指摘のように、職員の皆さんあるいは組合員の皆さん、そうした御協力、御理解がなければなし得なかったものだと私どもも思っております。
 二十八万人の職員の皆さんが、この改革の過程で二十万人の方がJRに採用されるということがございましたが、その間にありましては、お話のように、広域異動に応じていただく、あるいは一般企業、地方公共団体といった職場へお移りをいただくという御協力をいただきました。
 これは恐らく、当時の国鉄というのは本当に日本を代表する大企業でございまして、そこに就職をされた方々は誇りであった、あるいは親子ともども誇りであったというそうした方々であったにもかかわりませず、今申し上げましたように、住みなれた地域を離れる、全く想定をしていなかったような職場に移っていただくというような御協力をいただきました。こうした方々の御努力、生活の変化をいとわず、また御苦労を重ねていただいたおかげであったことは、これは本当に高く評価をしなければならないと思っております。
 私どもは、そうした方々はきっと、国鉄の再生を図るというか鉄道の再生を図りたいという一心であり、鉄道を愛する気持ちがそうした厳しい条件に応じていただいたものと考えておりまして、御指摘のとおりに、国鉄改革に当たりましては、そうした組合員の方々の御努力なくしてはできなかったものと思っておるところでございます。
#118
○参考人(大塚陸毅君) 国鉄時代の労使関係という点を顧みてみますと、やはりこれは労使とも言えることであるかもしれませんが、いわゆる親方日の丸意識というのが強くございまして、非常にストも多発しておりましたし、そういう意味ではお客様不在の不毛の労使関係であったという反省がございます。
 こういう中で、新しく国鉄改革という形でJRがスタートするという、つまり民間会社になるということは、ある意味では労使が同じ船に乗るということにもなるわけでありまして、当然労使の協力というものがなければ会社の発展というのはあり得ないという考え方のもとに、私どもでは、分割・民営化直後に主要な組合とは労使共同宣言というものを締結して、会社の発展にお互いに努力していこうということを取り決めております。
 この十四年間の中で労使の意識で一番変化した点は何かといいますと、まさに経営というものが成り立たない限りは労も使もないんだということでもありますし、労使で協力してやはり会社を守り立てていくという必要があるという点についての考え方が定着してきたということではなかろうかというふうに思っております。
 もちろん、労使関係の構築、特に健全なあるいは安定した労使関係の構築というためには、これでよいということはないわけでございまして、これからもやはり労使双方の不断の努力というものが必要かというふうに考えております。そういう面につきましては、私といたしましてはこれからもさらにそういう面の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#119
○森本晃司君 大塚参考人の話で、労使の意識が随分変わってきたというところが一つの大きなまた前進であって、また今日の改革をなし遂げてきたということでございますし、今の御答弁の中でも、安定した話し合い、またいろいろと労使間の問題をやっていかなければならない、それについては不断の努力をしていくというお話でございました。
 ちょっと朝の議論を私、ここに山下先生いらっしゃいますが、聞いておる中に、革マルの問題が取り上げられておりました。何かJR東日本全体が革マルに侵されているんではないだろうかという不安感を抱くようなお話もありまして、私はそういうことは持たしてはいかぬと思っています。革マルについては、これは革マルに限らず、反社会的な行為を起こす人々は、これは我々は社会として許すことはできないと思うんです。
 私は、今JR東日本を民営化されるについて、この革マルという問題も含めまして、今日までの労使関係で民営化について何か差しさわり的なものがあったのか、あるいは民営化されるとそういったものがもっと大きくなって民営化した後、東日本に何か起きてくるというふうにお考えなのか、その辺の社長のまたそういった問題に取り組む決意も含めまして、お尋ねを申し上げたいと思います。
#120
○参考人(大塚陸毅君) 会社を健全に経営していくためには労使関係というのが非常に重要でございます。したがいまして、私ども会社発足以来、その点については大変な力を注いで、労使関係、安定したあるいは健全な労使関係の構築ということに努めてまいりましたし、現実に毎年毎年予想を上回る実績が上げられたということにつきましては、こうした安定した労使関係というのが背景にあるということは明らかであるというふうに考えております。
 そういう意味では、これからもこの安定した労使関係を構築していくというのは極めて重要なことでございますし、完全民営化された後につきましても、これは民営化されればお客様あるいは株主の皆様、こういった方々の見る目というのは恐らくさらに厳しくなるし、さらにいろんな高い目標に向かって努力するようなことを求められるだろうというふうに思います。
 したがいまして、完全民営化されました暁には、我々はまさにこの労使ともに自己責任というものをきちっと自覚して自主自立の経営をきちっとやり、そして企業としての実績を上げると同時に、企業の持つ社会的な責任ということも含めまして十分な成果を出していくということをしていかなければいけないというふうに考えております。
 労使関係につきましては、会社側の責任においてきちっとやってまいる所存でおりますし、これから、今心配な点の御指摘がありましたけれども、そのようなことは万が一にもないというふうに思っております。
#121
○森本晃司君 ぜひ引き続き、労使間よき御関係であっていただきたいと思っております。
 これはJR東日本だけに限らずにどこの会社もそうでありましょうし、そしてその会社の中にいろいろと、組合のそれぞれよって立った歴史が異なるのでいろいろと勢力的な問題があって、ときにはお互いが牽制をし合うというようなことも起きてくるかもわかりませんが、実態は私は組合に直接関与したわけではございませんのでわかりませんが、組織というのはともすればそういうぐあいになっていくものでございますけれども、そういったことをどの組合とでもしっかりと労使関係をよき関係にしていっていただきながら、またこれは直接社長に言う問題ではございませんけれども、組合との間も私はそうなっていっていただいて、国民の、やはり鉄道というのは安全という問題がございますので、ぜひお取り組みいただければと思うところでございます。
 そこで、やはり鉄道の大事な使命というのは安全ではないだろうか、むしろそれに尽きるんではないだろうかというふうに思っておりまして、安全全般についてお尋ねを申し上げたいわけでございますけれども、JRが民営化すると利益追求する余りに安全がおろそかになるんではないかなと、そういう懸念を持っておられる方々もいらっしゃいます。今日まで特殊会社としての取り組みもされてまいりましたけれども、安全についてどのように取り組んでこられたのか。先ほど社長は、参考人は、事故については六〇%減ったというふうにおっしゃっておられました。しかし、これからもさらに、完全民営化後、安全に対しては重々取り組んでいただかなければならないと思うところでございます。
 大臣及び参考人から、この安全という問題について今後どのような取り組みをするのか、お答えいただければと思います。
#122
○参考人(大塚陸毅君) 申すまでもなく、鉄道事業におきまして安全の確保というのは最も経営の根幹をなす重要な課題でございます。したがいまして、この点につきましては、会社発足以来、会社の最優先課題として取り組んでまいりました。
 少し具体的なことを申し上げさせていただきますが、まず、毎年の設備投資というもののほぼ四割近くを安全投資に振り向けております。年間金額にして約八百から九百億ぐらいでございますが、これまでの安全投資に振り向けました設備投資の総額は一兆二千億を超える規模になっております。また、当然、社員の訓練、研修ということにつきましても力を入れておりますし、社員の自主活動、私どもではチャレンジ・セイフティ運動というのを展開しておりますが、こういった自主活動というのも活発に展開しているところでございます。こうした取り組みの結果というのが、この運転事故件数の六割減というところにあらわれているのではないかというふうに思います。
 ただ、午前中の質疑にもちょっと出ておりましたけれども、運転の阻害という、阻害事故というのがございまして、こちらの方は増加をしております。私ども、これからこうした阻害についても徹底的に取り組んでいくということが必要だろうという認識をしているところであります。
 いずれにしましても、今後とも、こういった安全設備の整備でありますとか、あるいは社員の訓練でありますとか、またこの十二月には私ども独自の研究開発センターというのをスタートさせますので、そこの研究開発センターにおきまして、こういった安全に対するいろんな技術開発というようなことにも力を入れていきたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、安全なくしてやはり経営というのは成り立たないというふうに考えて、これからもこの安全問題というのには全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
#123
○国務大臣(扇千景君) 森本先生、衆議院の本会議で遅くなりまして申しわけありません。御配慮ありがとうございました。
 今お尋ねございましたように、この安全というものは、まさに国土交通省、陸海空すべからく安全が第一でございまして、JRはもとより、すべての国民の安全、安心というものを私たちは国土交通省の第一義的な基本姿勢として取り計らっておりますので、その意味におきましては、今JR東の社長からお話しございましたけれども、私どもは、このJR、今まで各社におきます事故数が減ったことは、御審議があったのかどうか今私入ってきたのでわかりませんけれども、今御説明がございましたように、私たちは、JRがすべからく各社において運転事故件数が四割減ったということ。また、御存じのとおり、踏切事故等々も多数ございましたけれども、この踏切事故も緩和しようということで、昭和六十二年は六百四十二件、踏切事故がございましたけれども、なるべく私たちは立体交差をしようということによりまして、これも、立体交差等によります踏切の除去、あるいは保安施設の整備などによりまして、平成十一年にはかつて六百四十二件あったものが二百七十二件となって、これ六割減少しております。
 そういうことも含めて、今後も、先ほどはちらっと入ってまいりまして、労使のお話もございましたけれども、私たちは少なくとも、JR東のみならず、各乗り物、日本全土におきまして私は何としても国民に安心して乗っていただきたい。そして、我々は日常あらゆるところで処置できるものはしておりますけれども、それにもかかわらず事故件数というものは皆無ではございません、起こっております。
 そういうことの反省に立って、あらゆる面で私たちは、陸海空の安全というものを国土交通省は基本にしておりますので、今回の法案でJR各社、完全民営化ということになれば、なお責任が重くなりますので、それぞれのJRはお互いに、私は、責任を持ってこの安全確保が図られるもの、またそれでなければお客様は乗ってくれない、この原則に立ってしてくれるものと確信しております。
#124
○森本晃司君 次に、鉄道の社会的責任、使命という問題についてお伺いしたいわけでございますけれども、殊に今度民営化される三社、これはもう民間の企業に完全になるわけでございますけれども、それにつけても私は、社会的地位、それから社会的責任というのは、他の企業と比べても遜色のないだけの大きなものがあるのではないだろうかと思っております。
 社会的地位、あるいは地域社会への貢献、さらにまた日本全体の国民の生活のレベルアップ、向上、こういったことにもこれからも御尽力をいただかなければならないと思っておりますが、とりわけ、今、大臣が足を痛められて御経験されておられますバリアフリーの問題については、私はけさから山下委員のお話も聞きまして、また大臣の御答弁も聞かせていただきました。このバリアフリーの問題については、我が党は早くからこの問題に取り組んでまいりましたし、小泉内閣発足のときにも、所信表明の中でもこの問題が出てまいりました。また、大臣の所信の中にもそういったことがございます。
 先ほどの議論の中で、参考人に、JR東日本を、自分の会社さえよければそれでいいのではないかなんというような議論がさっきちょっとなされたわけでございますが、私は、参考人は決してそんなことを思っておられないし、会社の皆さんもそのように思ってはおられない。むしろ、社会的責任はますます民営化されて重くなっていくんだろうと思って、決意を新たにされているようでございます。
 その中で、とりわけバリアフリーについては、きのういろいろとJRの方から報告があったようでございますが、せっかくのきょうの委員会でございますので、バリアフリーについてJR東日本としてどう取り組んでこられたのか。また、環境問題もございますし、こういったことについてはどうするのか。さらにまた、大臣の、もう一度重ねてのバリアフリーの問題に対する決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#125
○参考人(大塚陸毅君) 今、先生から御指摘いただきましたとおり、いかなる企業といえども社会的な存在である以上、その社会的な責任をきちっと果たすということは必要なことだと思っておりますし、またそういうことがなければ、企業として存続する意義もなくなるというふうに考えているところでございます。
 そこで、バリアフリーについての御質問がございましたので、ちょっと当社の取り組みについて申し上げてみたいと思います。
 これまで私どもでは、高齢者の方あるいはお体の御不自由な方、こういった皆様方にできるだけ鉄道を利用していただくという観点から、利用しやすい設備にしていこうということで、我が社独自の取り組みといいますか、当社の取り組みといたしまして、一九九八年度から四年間の計画で東京五十キロ圏の駅の八〇%の駅にエスカレーターをつけようという計画を推進してまいりました。二〇〇一年度、今年度末がその目標年度になるのでございますけれども、ほぼこの目標は達成することができます。
 そこで、昨年施行されました交通バリアフリー法、これを踏まえまして、新たなこの問題への取り組みが必要であろうということで議論をいたしまして、これからはやはりエレベーターというものをバリアフリーの基本設備として位置づけて整備していくということが重要であろうということで、基本的な考え方といたしましては、二〇一〇年までに交通バリアフリー法の対象になっている駅、当社では三百九十駅ございます。この三百九十駅のすべてのホームにエレベーターを整備する。そしてまた、エスカレーターにつきましても、二〇一〇年までに原則として乗降人員一万人以上、高低差五メートル以上、こういった駅につきまして、すべてホームにエスカレーターを設置する。この対象駅は約三百駅ございます、という大きな目標を立てまして進めていきたいというふうに考えてございます。
 現時点では、エレベーターにつきましては、バリアフリー法対象駅の五十駅に現在整備されております。また、エスカレーターにつきましては約百九十の駅に整備をされておるところでございますが、これからまず、とりあえずの計画といたしましては、二〇〇五年度を目標にいたしまして、エレベーターについておよそ百九十の駅、エスカレーターにつきまして約二百四十の駅に整備をするということを進めてまいりたいというふうに思っております。
 そのほか、車いすなどが動けるようなスロープをつけるとか、あるいは列車内におけるいろんな設備の改良だとかいうこともあわせて進めていきたいというふうに考えております。
 環境問題でございますけれども、環境問題につきましては、もともと鉄道というのは環境に優しい乗り物ということが言われておりますけれども、単にそういったことに甘んじることなく、環境問題にも積極的にいろんな取り組みをしていきたいというふうに考えております。
 いろんな数値目標を決めて取り組んでおりますけれども、とりあえず一例を挙げて御説明いたしたいと思いますが、例えばCO2の総排出量、これにつきましては、実は一九九六年度に二〇〇一年度、つまり今年度末の目標で対一九九〇年度比で一〇%削減しようという目標を進めてまいりました。これは今年度末にほぼ達成されるという見通しが立ちましたので、この目標のハードルをさらに高めようということで、二〇〇五年度までにCO2の総排出量を一九九〇年度比で二〇%削減という新たな目標を立てて、これから取り組んでいきたいと考えております。また、当社の駅、列車から出るごみというのが年間五万トンを超えるごみが出てまいります。このごみにつきましても、分別回収をすることによりまして、そのうちの三六%ぐらいはリサイクルをするという目標を立てて、これから努力してまいりたいというふうに考えております。
 そのほかにも、文化活動あるいはスポーツ活動の支援等々も行っておりますし、これからもそういった取り組みをしてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、これからの企業というのは、こういった社会貢献をきっちりとできるという企業でなければいけないというふうに考えておりますし、お客様、株主あるいは地域の皆様方、こういった地域社会、こういったところからの信頼が得られるような企業でなければいけないというふうに考えておりますので、そういう目標に向けてさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#126
○国務大臣(扇千景君) 森本先生がおっしゃいますように、二十一世紀を迎えまして、今日まで二十世紀につくったあらゆるもの、それを大事に品質保持をするのは当然のことですけれども、かてて加えて、つくったものをつくりっ放しでは何にもなりません。少子高齢化社会、今、先生がおっしゃいますように、二十世紀につくったものにも新たに二十一世紀型を加味する、これが我々国土交通省に対して多くの皆さん方から要望される、また政府として対応する大事なことでございます。
 ですから、二十世紀につくった駅もバリアフリー化される、それもエレベーター、エスカレーターを加味する、そしてできる限り予算も計上する、それが緊急経済対策のうちの一つの大きな柱である。これが新たな私は二十一世紀型の公共工事の重要な点であろうと思いますので、そういう意味で、細かいことは申しませんけれども、少なくとも私たちは、今まで二十世紀の公共工事として、また公益性を重視したものをつくってきた。そのつくったものを今度は二十一世紀型、二十世紀はハードだったけれども二十一世紀はソフトを加味するんだ、そういうことで、私どもは着実にこの目標どおり、二十一世紀型のソフトを加味した、また環境とバリアフリーというものを重点化した施策を次々に目標を立てて実行してまいりたいと思っております。
#127
○森本晃司君 バリアフリー、安全対策についてお話を伺いました。極めて大事な点でございますので、安全対策についてもさらに、先ほど社長からの決意がございましたが、取り組んでいっていただきたいと思うところでございます。
 そこで、最後に一問。新大久保駅でございます。非常に悲しい思いでございました。私も、翌日すぐに駅の状況を見させていただきました。その後、新大久保駅のあの事故についてどういう対策を講じてこられたのか、その点についてお伺いして、質問を終わります。
#128
○参考人(大塚陸毅君) 新大久保の事故は、転落したお客様を救おうということで、お客様がさらに二人線路におりられたということで、結果的には三人の方が死亡するという大変痛ましい事故でありまして、私ども会社といたしましても、亡くなられたお三方に哀悼の意を表するという意味でも、新大久保駅に顕彰碑を掲示しているというようなこともやっております。
 そこで、その後のいろんな安全対策でございますけれども、これまでも列車非常停止ボタンの設置でありますとか、あるいは警告・誘導ブロックの設置でありますとか、あるいは転落検知マットの設置でありますとか、いろんな形での安全策というのを講じてまいりましたけれども、今回のこの新大久保の事故にかんがみまして、さらにいろんな対策を強化しております。
 一つは、列車非常停止ボタンの設置駅をさらに拡大するということをやっておりますし、またこの設置場所の案内表示がなかなかわかりにくいというお話もございましたので、この案内表示をわかりやすくするというようなこともやっております。
 また、運転間隔の短い駅におきましては、できるだけホーム下に退避スペースがあるといいわけでありますけれども、すべてに退避スペースが備わっているわけではございませんので、退避スペースのない百六十五駅に対しまして、ホームに上がりやすくするためのステップを設置するというようなことをやっております。これは、ことしの九月末にはすべて設置完了になる予定でございます。そのほか、転落検知マットにつきましても、新たな駅に設備をしております。また、一部の駅には新たにホーム下に退避スペースを設けるというような対策もとっております。
 いずれにしましても、安全対策というのは鉄道事業者にとりまして極めて大事なことでありますので、こうしたことでよしとしないで、さらにいろんな面から安全策の向上ということにつきましては努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#129
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 扇大臣には初めて質問をさせていただきますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方は二つの柱で質問したいと思いますが、一つはJRの関連事業と財産の譲渡のこと、もう一つは中小企業への配慮義務の二つの柱で質問をさせてもらいたいと思います。
 まず第一に、今回の完全民営化によって本州三社が国の監督規制から基本的に外れることになる、関連事業についても今後この三社は新しい事業分野へ進出することなどを含めて自由にいろいろやれるようになるということだと思います。ただ、この三社が関連事業を行う場合、当然駅などの今まで持っている一等地の資産を活用して事業を展開するということになると思いますが、もともとこの三社が持っているそういう資産というのは、国民の財産といいますか、国民の資産をほぼ無料で承継したものというふうに言えると思います。
 その点で、これからその財産を処分する、いろいろ活用するために処分する場合、今までは大臣の認可が必要だったわけですけれども、今回の改正以降何らそういう認可が必要なくなるのかどうか、教えていただきたいというふうに思います。
#130
○政府参考人(安富正文君) 今、財産の処分について何らかの規制なり認可なりがあるのかという話でございますが、今回の会社法の改正によりまして、いわば従来この本州三社につきましては特殊会社ということで規制を加えておりました。これは人事面とか財務面とかいろんな面で規制を加えておったわけですが、その中に重要財産の処分の認可というのが従来JR会社法の第八条でございまして、これについてはJR各社が重要な財産を譲渡する際には国土交通大臣の認可を受けなければならないということになっておりましたが、今回の法改正によりましてこの規定は当然本州三社については適用が除外されることになりますから、当然この認可の対象からも除外されるということになってまいります。
#131
○大門実紀史君 今、説明していただきましたその八条が設けられた理由ですけれども、もともと国鉄の分割・民営化のときに、この財産の問題でいえば一つは清算事業団、一つはJRというふうに分けられて、清算事業団の方は長期債務、その膨大な借金を返済するために、国民に負担をかけないために売却すると、そちらが持っている資産なり土地は。しかし、JRの方は、今申し上げたとおり、できるだけ国民の借金、負担を減らすために土地は売りたいということがあったものですから、JRの方は必要最低限といいますか、事業に最小限必要なものだけになったというふうに思います。
 その点では、JRが持っている土地をそもそも売却していくということはその分割・民営化の議論ではほとんど想定されていなかったというふうに私記憶しておりますし、承継した金額もほとんど明治、大正時代の帳簿価額のままだったというふうに思います。
 こうした経過からいきますと、当然、万が一、万が一といいますかほとんど売却することを想定していなかったわけですから、特別の場合ということで八条における大臣の認可が必要だった、規定を設けたという経過だったというふうに思いますが、その点の経過といいますか、八条の位置づけについてはそういうことで間違いございませんか。
#132
○政府参考人(安富正文君) 当然、JR会社法ができた経緯からいきまして、国鉄改革の趣旨にのっとって、JR会社が特殊会社として旧国鉄から引き継いだ事業資産をちゃんと管理し運営していかなきゃいけないという責務を負っているわけでございます。
 そういう意味で、これを従来、JR会社法の中では重要財産について、特に省令上では三億円以上の重要財産ということになっておりますが、そういう大きな財産については、国鉄改革の趣旨からいって、当然会社法の中で規制をかけて、それを大臣の認可にかけるということにしてきたわけでございまして、ただ、もともとこの国鉄改革の趣旨からいって、今回新たにJR本州三社については、そういう特殊法人としての規制のいろんな財務面、人事面もございますが、こういう重要財産の処分についても、もはや純民間会社という形でいわば卒業できるという形になりましたので、そういう形になったものについては一々これを認可ということに係らしめないで、いわゆる自主的な経営判断に基づいて実施できるようにしようということで今回の法律改正を出させていただいているところでございます。
#133
○大門実紀史君 私がお尋ねしたのは、この会社法における八条の位置づけについてお伺いしているわけですけれども、ですから、そもそも国鉄からJRに承継された土地というのは、資産といいますのは、その売却を想定していなかったということは言えると思います。
 これは国会答弁でも明らかでして、当時、橋本運輸大臣もこういうふうに答えておられるんですけれども、事業に必要最小限の用地を承継させることにしておりますと、なおかつ、国鉄の長期債務を返済して最終的に残る国民の負担を少しでも減らすためにできるだけ売却したいんだと、だけれども、JRに引き継ぐのはですから事業用、事業に必要な最小限のものなんだと、それで、売却の対象にする予定は全くございませんということを当時の橋本運輸大臣は明確に答弁をされているわけです。
 ところが、実際にはこうした経過を全く無視するといいますか、欺くといいますか、JRは次々と売る対象にしていなかったはずの資産をこの間売却しているのが実態だということなんです。
 ここでお聞きしますけれども、数字だけ簡潔にお答えいただきたいんですが、JR各社がこの五年間でどれだけの資産を売却したか、JR七社それぞれの売却額と承継したときの帳簿額を数字だけで結構ですので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#134
○政府参考人(安富正文君) JR会社全体としての土地売却の内訳については、実は詳細には把握しておりません。もうあくまで先ほどから議論になっております現行法の八条による重要な財産の処分で、大臣の方から認可をしたものについてお答えしたいと思います。
 ちょっと長くなりますが、まず、JR北海道は土地売却面積で三百二十一万平米、売却額が九十五億円、簿価が三十六億円でございます。それからJR東日本、百六十三万平米、売却額四百六十五億円、簿価は百三十七億円でございます。JR東海が一万平米、売却額二十億円、簿価は十七億円でございます。それからJR西日本、二十万平米、売却額三百四十七億円、簿価が五億円でございます。JR四国が一千平米で、売却額七億円、簿価は五十二万でございます。JR九州が七万平米、売却額四十三億円、簿価が二十億円でございます。JR貨物が四十万平米、売却額八百五十九億円、簿価が十三億円という数字になっております。
#135
○大門実紀史君 そうしますと、七社合計でいいますと、面積で五百五十一万四千平米、これは物すごい広大な土地といいますか用地でして、東京ドームでカウントしますと百十八個分なんですね。東京ドーム百十八個分の土地が、売ることを想定していなかったと言われている土地が売られていると。金額が、今おっしゃっていただきましたけれども、合計でいきますと千八百三十五億一千七百万で売却されていると。承継されたときは二百二十八億二千二百九十一万円のものが千八百三十五億一千七百万で売られているわけですから、一千六百七億円もこれでJRはもうけたといいますか、収入を得たということになります。
 先ほど経過で申し上げましたが、これはもともと国民の財産ですから、それをJRが安く手に入れて、売ることを想定していないと言われたにもかかわらず売って大変なもうけの材料にしたと言わざるを得ないというふうに思います。
 これは、もちろん一つ一つは八条に基づいて大臣の認可を得られたかもわかりませんが、そうしますと、その国会答弁、経過からいって、大臣がこれを認可してきた、歴代の運輸大臣が認可してきたそのことも私は非常に問題があるというふうに思います。
 ところが、今回の法改正ではそういう最低限の八条のチェックもないと。さらに、自由にどんどん売っていける、もうけのために、会社の利益のために売れるということになるわけですから、大変この点が今回の改正の重大な問題点だと私は思います。これは大臣、どういうふうにお考えですか。大臣にお聞きしたいと思います。
#136
○政府参考人(安富正文君) 今、先生から御指摘を受けました土地の売却額及びその今までの面積について御説明申しましたけれども、我々がこの八条に基づいて認可を行う際には当然、個別事業ごとに適法性であるとか合理性であるとか妥当性というのを判断してやってきているわけでございます。
 具体的に申しますと、例えば鉄道事業、駅を中心としていろんな鉄道施設を持っておりますが、町づくりと密接に関係しております。そういう関係から、例えば各種の土地区画整理事業であるとか土地再開発事業である、あるいは立体交差化事業といったような点について、そのために必要な土地等についてこれを公共的、公益的な観点から地方自治体等の要請に基づいて売っているというものがございます。
 それからもう一つは、JR各社が従来、経営的に使っていたものを集約化、高度化することによって余ったものというのがございますが、そういう土地の有効活用により生み出された用地について、例えば工場であるとか指令所の集約化、あるいは保養所といったようなものについてこれを売却するといったようなことで、それぞれの合理的な理由がございます。ちなみに、譲渡相手は約九割が地方公共団体であるとか土地開発公社、日本道路公団といったような公的主体になっているところでございます。
#137
○国務大臣(扇千景君) 今、大門先生がおっしゃいましたけれども、これはやっぱり時代の変化に即応したというのが一番適した言葉ではないかと思います。JRといえども時代に即して変わっていかなければならない。そのために、先ほどから、午前中からるる御意見がございましたように、職員も苦しみ、そしてみんなで協力して、より国民に愛される、利用していただく、そういうJRの本体というものの意識改革とあるいは経営改革というものが断行されてきた。
 そういう意味で、みんなの協力があって、ただ必要なく売りさばくわけでもございませんし、何としても私は多くの皆さん方が、それらを売った金額ということとは別に、経営をみずから立て直そうということで今まで国の助成金をもらっていたものを逆に税金を納める側に回ったという、この変わりようというものはあらゆる面で私は時代に即した努力を全員が一致団結してやったという、その結果だというふうに御理解賜りたいと存じます。
#138
○大門実紀史君 JRが経営努力されて、いろいろやっていかれることは何も否定しているわけじゃないんです。私が申し上げているのは、約三十兆円の国民負担が、長期債務が残っているというところで、こういう本来売るべきではない、売ることを想定していなかった土地を売却して会社の利益になっていると。この国民負担とのバランスを考えますと非常に問題があるというふうに申し上げているわけです。
 先ほど、不用になったといいますか、もう使わなくなったところを集約したりして売っているケースもあるというふうにおっしゃいましたけれども、そうしますと、私、ちょっとどうかなと思うんですけれども、橋本運輸大臣が当時、事業に必要な必要最小限のものを承継したんだという答弁でいきますと、そうしたらそのときに既にわずか十何年で不用になることがわかっていた土地まで承継したということになりかねませんから、非常に不用意な発言だなと私は思います。
 もう一つは、自治体という点でいきますと、これは調べてみますと、これこそ非常に問題点があるなというふうに私は思っているんです。なぜかといいますと、自治体にどういう金額で売却しているかというところを調べてみますと、もう結論だけ申し上げますけれども、要するに自治体には市場価格といいますか時価で売っているんですね。手に入れたときは、承継したときはほとんど明治、大正時代の簿価で手に入れたものを、売るときは時価で売っている。もう何百倍の金額で自治体に売っているということなんです。私、これは非常に問題があると思うんです。
 なぜかといいますと、もともと国民の財産だったものをJRが安く手に入れて、自治体には高い金額で売る、市場価格で売ると。自治体というのは当然住民なり国民の税金で賄われるわけですから、つまり国民の財産を安く手に入れてまた国民に高く売りつけているのと同じことになるわけですね、仕組みからいって。そういうことでしょう、どう思われますか。
#139
○国務大臣(扇千景君) 今、大門先生のおっしゃた意味はよくわかりましたけれども、私は、必ずしもそういう感覚では国民も見ていないし、国鉄というものを、先生御存じのとおり、あの当時、再生不能の危機に瀕しているというのは多くの国民の共通した認識だったし、また国会の論議の中でも本当に瀕死の国鉄をどうするかという大事な決断をなすった、この国会論議も覚えていらっしゃると思います。
 そのように、私は、もう再生不能ではないか、国鉄はどうなっちゃうんだろうと、本当に瀕死の国鉄を再度国民の公共の足としてどう利用していくかという、あの当時のせっぱ詰まったあの認識からすれば、こういうものを皆さん方に持てるものをなるべくスリムにするということがなければ、従業員ももっともっと私は多くの皆さんが失業もし、今の再生というものもほど遠かったと。これは隔世の感があると。そういう意味では私はできるだけ、少なくとも職員の保養所などは私は整理されたものは随分あると思います。
 ですから、あの瀕死の国鉄をより国民の公共性のある利用できるものとするための再生を図って、あらゆるものを整理統合し、そしてリストラもしながら今日を迎えたためには、持てるものはなるべく私は時代に即してスリムにしていくというのは、今の時代、どこの企業もすべて、個人個人のうちもやってきていることですから、私はそれは先生がおっしゃるように国民のものをだまって安く受けたものを高く売ったということとはまた話が別だと思います。
#140
○大門実紀史君 大臣、ちょっと混同されてお話しされていると思うんです。JRが経営努力して、例えば運賃収入できちっとした経営に立て直していく、それは何も否定していないわけです。私が言っているのは、資産の問題を土地の問題に絞って言えば、もともと国民の財産だったものを、しかも地方自治体ですよ、公共の目的に使うわけですよ、せめて簿価で、もともとの簿価で譲るぐらいは当たり前のことで、何で高く売らなきゃいけないのか。
 もう一つ申し上げますと、そうしたらJRバスにはどうしているかといいますと、同じ身内のJRバスには簿価で売っているんですよ。自分たちの一〇〇%出資したJRバスには簿価で売って、公共の目的に使う地方自治体には時価で売っていると、これはおかしいじゃありませんか。これだけ判断してちょっと答えてください。
#141
○国務大臣(扇千景君) JRバスにはそれだけの体力がございませんから、これは簿価でなければJRバスは買い得ません。また、地方自治体には時価で売ったとおっしゃいますけれども、地方自治体は一番欲しいものを今の値段で買うということを地方議会できちんと了承されてこれは成り立った商談でございまして、勝手に売り買いしたのではなくて、国民のものだからこそ、より公共に即する地方公共団体に議会を通して交渉して手放すというのは、私は両方の納得がなければトップ同士でできるわけでもないし、国民の財産だからこそ今活用するために地方公共団体に今の値段で議会を通して売買するということは私は全然国民の期待にも反しませんし、より国民の財産だから有効活用するために時代の変化とともに活用方法を変えたという考え方で、私はおかしくないと思います。
#142
○大門実紀史君 私はおかしいと思います。
 これは、例えば住民の皆さんがその事実を知って、うちの何々市はJRから、もともとJRがただ同然で手に入れたものを買わされているということが広がれば、皆さん怒りますよ、住民の皆さん。議会でもどこまでそれが説明されたのか私は知りませんけれども、この事実が明らかになれば、それは住民の皆さんに今こんな話は通用しませんよ。物すごく怒りは広がるというふうに思いますし、体力がないのは今自治体ですよね。地方自治体は赤字を抱えていて大変なわけだから、JRバスどころじゃないわけですよ。そういう点では、そういうことをきちっと判断した、しかも長い経過があるわけですから、明確な経過があるわけですから、やっぱりそういう資産の譲渡をすべきだということを意見として申し上げておきたいと思います。
 いずれにせよ、今回の八条の条項がなくなって、引き続き、もともと国民の資産を安く手に入れたもので、これからはどんどん、もう完全民間会社だということで、さらに何のチェックもなしにやっていけるというところに今回の法改正の重大な問題点の一つがあるということをこの問題では指摘して、次の点に入りたいと思います。
 二つ目は、中小企業への配慮義務ですけれども、午前中に山下議員の質問で、最後のところで答弁がありました。もう一度確認をしたいんですけれども、これは十条ですね、十条が今度は指針になるというところで、文言が若干、いろいろ削られている部分があるわけですが、要するに今までと何も変わらないのか、引き続き中小企業への配慮義務というのは重く置かれているのかどうか、確認のためにもう一度答弁をいただきたいと思います。
#143
○政府参考人(安富正文君) 現在の会社法の第十条の規定でございますが、現在は、「会社は、その営む事業が地域における経済活動に与える影響にかんがみ、その地域において当該会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、又はその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮しなければならない。」と、こう規定しております。今回、指針制度の中にこれを盛り込むに際しましては、指針に掲げる事項ということで、法案の中にございますように、「中小企業者への配慮に関する事項」ということで、こういう書き方をしておりますけれども、実際上、我々、この新しい改正法の規定に基づいて指針をつくる際には、現在の十条と同等の内容及び効力を有する趣旨ということで指針に盛り込むことを現在検討しております。
#144
○大門実紀史君 では、もう一つ別の角度から確認をしたいと思いますが、八六年の参議院の国鉄問題の特別委員会のときに、中曽根元総理が明確にこの点は非常に力強く答えておられるんです。JRと中小企業との関係は非常に大事な問題だ、だから法律に配慮を示しているんだ、大きな組織や資本の力を持つ者は自制力を持って、みずから抑える自制力を持って地域と密着して良好な関係をつくっていくべきなんだということを答弁されておりますが、そういう国会答弁の趣旨も、今後、この改正によっても、その指針の中にきちんと盛り込んで、変わらないというふうに解釈してよろしいわけですか。
#145
○政府参考人(安富正文君) 当然、十条の趣旨は、先生今おっしゃいましたように、JRが非常に大きな企業であるということ、それから特に駅という非常にお客が、たくさんの利用者が集積する場所を持っているというふうなこと、そういうことを配慮して、やはり大企業であるということから、地元の中小企業者に対して十分配慮して、いわゆる地元地域と共生して、さらには地域経済の発展、活性化に寄与するんだという意気込みでやっていただきたいということで十条の趣旨を盛り込んだわけでございますので、今回の新しい指針の中にも同じような趣旨でこの規定を盛り込むことを考えております。
#146
○大門実紀史君 そうすると、同じだと、今までと同じように重い義務があるというふうに解釈をしたいと思います。
 具体的にお聞きいたしますけれども、JR貨物の小名木川駅というのがございます。ここで今再開発の計画が出ておりまして、時間の関係で私の方からどんな計画かかいつまんで申し上げておきたいと思うんですが、これはJR貨物の小名木川駅を廃止してその後に大規模な開発を行うという計画です。江東区です。敷地面積は十ヘクタール。JR貨物とマイカル、明和地所の共同開発というふうになっております。中身はといいますと、高層マンションをまず一つ建てると。これは、JR貨物が明和地所に五千坪の用地を売って、そこに二十三階建ての六百戸の分譲マンションを建てるという計画が一つです。
 問題になっておりますのは、もう一つの巨大商業施設でして、これはJR貨物が用地売却をして、その費用で巨大店舗を建設して、マイカルとサティに賃貸するというふうな計画です。この巨大商業施設といいますのは、地上七階で、延べ面積が十一万六千平方メートル、駐車場が二千六百台というふうな巨大な商業施設です。
 このほんの歩いて三、四分のところに、五分もかからないところに、御存じの方も多いと思いますが、砂町銀座商店街というのがあるんですね。私も何度も行ったことがありますが、非常に下町らしい、安くておいしい物を売ったりいい物を売っているというようなところで、いつも人がにぎやかに通っているというような、何といいますか、こういう町は本当に東京の宝だというふうに思いますが、そういう地元の商店街がこの巨大開発、大型開発計画に対して今非常に心配といいますか、こんなものができたらもう砂町の商店街はだめになるということで、この間、江東区長あてに陳情も出されております。もう絶対反対と。このJR貨物の開発計画をやめさせてほしいという、江東区長さんあてに地元の商店街振興会の皆さんが陳情を出されたりしているところです。
 まさに今この法改正のときに、先ほどから確認させていただいています中小企業への配慮義務が改めて問われているときに、具体的に今東京の足元で起きているこの問題にどういうふうに対応するかというのが本当に突きつけられていると。JRにとってはこれは試金石で、これからも守っていくのか、中小企業に対する配慮義務を本当に守っていくのかということが問われているような事案だというふうに思います。
 実はこの開発の背景には、私はJR貨物の赤字経営、きょう午前中から指摘されておりますが、赤字経営の問題が背景にあるというふうに思います。これも時間の関係で私の方で幾つか、国土交通省からいただいた資料を含めて申し上げますけれども、JR貨物というのは九二年から七年間連続経常損益赤字ということで大変な状況になっているわけですけれども、そのJR貨物に対する国の補助の実績というのは、これは我が党の方で集計いたしましたけれども、民営化された後、JR貨物にどれぐらい国と地方の補助が出ているかといいますと、幹線鉄道等活性化事業などを合わせて大体数十億円ぐらいになると思います。
 また、税制上、JR貨物にどれぐらい優遇措置がとられているかといいますと、これは国土交通省からいただいた資料をただ合計しただけですが、約百二十六億円JR貨物に対して税制の優遇が行われていると。さらに、きょう最初に御答弁いただきましたが、JR貨物がこの間、売却したのが八百五十九億というふうに先ほど答弁していただきましたけれども、約八百六十億、この五年間で土地を売って、もともと国民のものであった土地を売って収入を得ていると。
 ですから、JR貨物そのものは今でも非常に国民のツケが回っているといいますか、補助を受けたり税制優遇を受けて、しかも土地を売って、それでも赤字で大変だというふうなJR貨物そのものの背景がある中で、さらにこの江東区の小名木川のところでまた土地を売って開発をやって何とか収入を得たいというのがこの問題の背景に私はあるという気がいたしております。
 そこでお尋ねしますけれども、この小名木川駅の用地売却の帳簿価格は十ヘクタールで幾らになりますか。
#147
○政府参考人(安富正文君) 小名木川貨物駅の面積約十万平米、十ヘクタールの帳簿価格でございますが、約七千八百万円でございます。
#148
○大門実紀史君 十ヘクタールで七千八百万ということは、坪にすると二千五百円ぐらいになるんじゃないですか。大体そんなものだと思いますけれども。その十ヘクタール、一坪二千五、六百円だと思うんですが、それを幾らでJR貨物は今売ろうとしているのか、わかりますか。
#149
○政府参考人(安富正文君) 具体的に売ろうとしている場所でございますが、明和地所の第三街区だと思いますが、その部分について幾らで売ろうとしているかということは、まだ私ども具体的にJR貨物の方から正式に聞いておりませんけれども、現在その数字を今持ち合わせておりません。
#150
○大門実紀史君 とにかく、何百倍の金額で売ると。ちょっとその辺の場所わかりませんけれども、坪百万するか七、八十万なのかわかりませんけれども、いずれにせよもう何百倍の数字で売って、またJR貨物が四苦八苦していますから、とにかくそこを売ってというふうなことを今考えていると。
 こういうことが背景にあって、非常に大事な、東京の大事な、非常に活気のある商店街がこれによって壊滅的な打撃を受けるというようなことは私は到底許されないと思うんですね、JRの社会的責任からいっても。この辺について、中小企業に対する配慮義務と、しかもそういう背景を持つJR貨物ということからいって、この開発そのものについてどういうふうな御指導をこれからされるか、お聞きしたいと思います。
#151
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方からいろいろお話がございましたように、小名木川駅、従来コンテナの取り扱いを行っておりましたけれども、隅田川への機能移転に伴いましてことしの三月に駅の廃止をいたしました。その跡地を有効に利用するため、JR貨物において現在再開発事業に取り組んでいるところでございます。この問題につきましては、当然、小名木川貨物駅再開発事業について、現在JR貨物において地元自治体や地元商店街と事業実施についての調整を行っているところでございます。
 具体的に申しますと、ことしの三月十五日に第一回まちづくり協議会というものを発足させまして、さらに個別に北砂一丁目の町会であるとか、先生からもお話しありました砂町銀座の地元の方々でありますとかあるいは北砂二丁目の地元の方々でありますとか、そういう方々と説明会を持って、現在、地元自治体、さらには各商店街の方々とも調整をしているところでございます。
 そういう意味で、我々としてはこのJR法十条の趣旨にのっとりまして、やはり地元中小企業者、さらには地元の自治体と十分調整を図って、何とか再開発事業が円滑に実施されるように我々としても指導していきたいというふうに考えております。
#152
○大門実紀史君 有効利用ということでしたら、何もそんな巨大な商業施設をつくらなくても、地元の皆さんに喜ばれるような公園をつくるとか緑地施設にするとか、いろんなことが考えられるはずなんですね。何で有効利用がすぐ商業施設とかお金になることにばっと行くのか。私は、やっぱりそこが、最初の出発点が間違っているというふうに思います。
 まちづくり協議会等を設けられているのは承知しておりますけれども、十条の趣旨というのはあくまで中小企業ですね。ですから、地元の商店街の皆さん、この人たちとまず、大きいJRの方は自制力を持って、こういう計画があるんだけれどもどうかといって、合意が得られないものはやるべきじゃありませんよね、十条の趣旨からいって。
 ですから、自治体とかいろいろ言われましたけれども、私は、地元の商店街がこれだけ、こんなものができたら困るということで、あれだけ活気のある商店街がなくなってしまうということで不安を感じておられるわけですから、あれこれ自治体とか調整とか言わないで、地元の商店街の皆さんの意見をまず聞いて、尊重して、どこが合意点なのか、見直すなら見直すということも含めて、そういう地元商店街の皆さんを中心として意見を聞くことを十条の趣旨でいくならばまずやられるべきだと思いますが、いかがですか。
#153
○政府参考人(安富正文君) 地元の中小企業者の皆さん、あるいは商店街の皆さんとお話することは当然でございますが、やはりこれだけの再開発をするということになりますと、全体のいわゆるその地域との関係、特に環境問題であるとか道路の問題であるとか、いろんな点で関係してまいりますので、当然地元の自治体とも協議を重ねながらこれは進めていかなきゃいけないというふうに考えております。
 ある意味で、両方ともちゃんとそれぞれ協議しながら、お互いこの再開発事業が、いかに地元にとってプラスになるように円滑に実施できるかということの着地点を見つけていく必要があるのではないかというふうに考えております。
#154
○大門実紀史君 それは違うと思います。JR会社ですからJR会社法にまず拘束されて、まずそれにのっとってやるべきですから、あれこれを先に言わないで、あれとこれとは両方並行とか言わないで、JR会社法にきちっと明記している十条の中小企業に対する配慮義務、これをまず最初にやって、合意が得られなければ余り進めるべきじゃありませんし、先に周辺自治体とかいろんなところとかいう話じゃないと思うんです、これはJR主体の開発でありますので。ちゃんと法にのっとって、いろんな、あれこれ言わないで、まず地元の商店街、中小企業の皆さんと話し合うということを進めてもらいたいというふうに思います。
 最後に、JR貨物の問題点といいますのは、これは既に国鉄の分割・民営化の前から、やっぱり貨物が一番赤字を生むということで既に昔から問題になってきたことであります。そういう点でいきますと、このJR貨物の問題を放置して、非常に企業利潤の上がっている三社だけが独立していくということではありませんで、やっぱりJR各社がこの貨物の問題を協力して解決していくということを求めて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#155
○渕上貞雄君 社民党の渕上であります。
 国鉄分割・民営化についてお伺いをいたします。国鉄分割・民営化から十四年が経過をいたしまして、今、本州三社の完全民営化に向けて法案の審議が行われておるところですが、改めて分割・民営化が何であったかというのを総括すべきであろうというふうに思っています。
 さきの衆議院の国土交通委員会における同僚議員の質問で、大臣は大変サービスがよくなったと。二つ目には、法人税を払うようになったと答えておりますけれども、なぜ国鉄の当時そのことができなかったか、なぜ分割・民営化されたらそのことがよくなったのか、大臣の見解を聞きたいと思うんです。
 その上で、改めてこの十四年間というものをどのように総括されて新たに民営化になっていくJRに対してどのような会社をつくっていこうとしているのか、我が国における公共交通のあり方の問題も含めて大臣の見解をお伺いいたします。
#156
○国務大臣(扇千景君) 大変大きな問題でもございますし、きょう、朝から委員会で御審議いただきましたように、今から振り返って十四年前の国鉄というものの当時の状況、渕上先生も大変この審議には加わっていらっしゃいましたからよく覚えていらっしゃると思いますけれども、十四年前のいわゆる国鉄のありようというものは、本当にどうしていったらいいのかという、まあ言い方は悪いですけれども、お先真っ暗という、本当に国鉄が瀕死の状況にあって、そして、この委員会にも国鉄経験者の方が大勢いらっしゃいますけれども、みんなで知恵を絞り、そして、いやあくまでこれは絶対に民営化することは反対だというふうにおっしゃった方ももちろんございます。けれども、当時の国鉄の十四年前のありようとすれば、やっぱりあらゆる状況から考えて、しょっちゅうストライキはある、賃金の値上げ要求はある、それによってダイヤも変更する、走るべきダイヤが走らなかったと。あの当時考えますと、多くの国民に国民の足として愛されながらも、国民に疑惑を持たれるような状況にあったことだけは確かでございます。
 そういう意味で、何とかこの国鉄というものをある程度みんなで、公共の国民のいわゆる日本を代表する国民の足としていかに国鉄改革を行っていくかというあの審議が、当時の衆参の委員会で大変論議をされ、そしてみんなで考えて、そしてみんなで痛い面もあるけれども痛みを我慢しながら新たに国民の日本における代表的な足としてJRというものを誕生させようというあの大胆な決意と、そして多くの協力があって初めて私は今日を迎えることができたと、そう思っております。
 この十四年間のあらゆる面での努力、そしてJRになったという従業員の意識改革、責任を持ってみんなで、同じ職場にいた人が、職をかえて努力している人もいる、けれども自分たちは残った、けれども転職した彼ら同僚のためにも残った者は頑張ろう、そして新たに国民の信頼を得ようと、そういう意識を持って一丸となって、旧国鉄の国民に評判の悪かったこと、あるいは自分たちは親方日の丸といって態度も悪かったと言われていました。けれども、それもみんな変わってきた。駅を通るときに切符を切って、ありがとうございますなんて昔は言われたことない。今は、自動ですけれども、私たちがあの改札を通るときにはありがとうございますという言葉までかけてくれるようになった。
 そういう意味でも、すべてのことで多くのみんなが、一人一人が意識を持って、自分たちがやるんだと、再建するんだと、そして多くの同僚をなくしたけれどもそれに負けないように残って頑張る、そういう私は高い見識を持って立ち直ってくれた、それが私は今日のかつて心配される国鉄から愛されるJRに変わった大きな原点だと思っております。
#157
○渕上貞雄君 民営化して会社がもうかるようになってよかったと、その評価はそれでいいと思いますよ。しかし、やっぱり我が国の動脈としての公共交通のあり方という視点をもう少しきちっと持った上で、国民の財産としてJRをどう考えていくのかという視点をどうかひとつ今後なお大臣豊富化していただきたいと思います。ただ、私まだ国会議員になって十年ちょっとでございますので、この審議のときに入っておりませんから、大変失礼をいたしました。
 次に、JR東日本にお伺いをいたしますが、大変きょうは御苦労さまでございました。現行法においてどこが不都合で完全民間会社への転換を求める理由についてお伺いをいたしますが、JR本州三社は、現行の旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の枠組みについてどのような点が不都合であったのでございましょうか。また、特殊会社から完全民営会社への転換を求めている理由というのは何でございましょうか。
 これから先、北海道それから四国、九州、貨物、それぞれまだまだ完全民営化されていないことを考えると、今議論していることは非常にその後の会社の民営化に向けて非常に重要なことだと思いますので、お答えをいただきたいと思います。
#158
○参考人(大塚陸毅君) もともとこの国鉄改革というものは、JR各社が極めて競争の激しい交通市場におきましていろいろ多様化してまいりますお客様のニーズ、こういったものにできるだけ弾力的に対応できる、そして健全な経営が行えるというためにはほかの民間企業と同じような経営の自主性というものが必要だということで国鉄改革が行われたというふうに理解をしております。
 したがいまして、現在のこのJR会社法という中には幾つかの規制がございまして、例えば社債の発行あるいは長期の借り入れを行う際、あるいは代表取締役の選任あるいはまた毎年の事業計画についての認可、こういった重要事項につきまして幾つか規制がございます。もちろんこうした規制があるためにこれまで具体的に何か不都合があったといいますか、会社の経営上非常に問題があったということはおかげさまで具体的なものとしてあるわけではございませんが、こういうものが残されておるということによりまして、どうしてもスピード感といいますか、弾力性でありますとか機動的な経営をしていくという点にはやはり問題があるというふうに考えております。
 したがいまして、これからは非常にますます厳しい環境になっていくという中で、こうした規制を撤廃していただくことによって、これまで以上に機動的な弾力的なあるいはスピード感のある経営を行えるということによりまして会社の健全経営というものがさらに進んでいくんではないかというふうに思いますし、逆に、こうした規制が撤廃されるということは、同時に会社の自己責任というものがまた一段と重くなるという面もあるわけであります。こういった自己責任、会社の責任が重くなるということも十分認識しながら、より弾力的な経営をしていくということが必要であろうというふうに考えておるところでございます。
#159
○渕上貞雄君 とにかく経営安定のためには安全が一番ですから、なお一層ひとつ安全について会社も努力をしていただきたいことをお願い申し上げておきます。きょうは参考人、ありがとうございました。私、質問今後ありませんから、どうぞお引き取り願えればと思っています。
 次に、民営化は安全を軽視するのではないか、この委員会でもかなり山陽新幹線のトンネル、コンクリートの落下問題について議論をした経過がございます。そのときに、旧国鉄であれば、半日運休をしてきちっと路線の点検をして、そういうトンネルの点検をして運行をしたものでありますけれども、当時はかたくなにそのことを拒みましたね、質問した経過がありますからわかっておりますけれども。したがって、より民間になることを通して利潤追求、それからコストの削減が徹底されれば、結果として利用者、乗客に対するサービスの切り下げになってくるし、安全面の不安というのが出てくることはやむを得ないと思います。しかし、民営化になればなるほど、やはりもうけというのは第一主義になるわけでありまして、ただただそのもうけの手段としてだけ考えるというようなことになりはしないかというふうに思うのでありますが、その点、ただ危惧というふうになればそれで結構ですけれども、やはり以前国鉄のときにはあれだけきちっとやっておったことが民間ではやらないようになってくることに対してどのようにお考えでしょうか。
#160
○国務大臣(扇千景君) 私は逆だと今認識しています。それは、民営化になればなるほど、私は責任の重さというものは経営者あるいは従事した職員にかかってくると思います。
 ただ、先生が今御指摘のトンネルの壁の落下というのがいろいろございまして、どれを指しておっしゃっているか、私、今ちょっとはかりかねますけれども、私は国土交通省で言ったんです。トンネルの壁の落下等々があるのであれば、これからはそういう工事をした工事者を公表しなさいと。それくらい責任を持たなければ、いろんなトンネルがございましたからあれですけれども、私が聞いたときには、点検をした後また起こった、こう聞いたものですから、点検したら安心だと思ってするのに、またその点検の後で壁が落ちたと聞いたものですから、私は、そういうのは許せない、そういう工事をするのは工事者名を公表するべきであるとまで私、国土交通省内で言ったことがございますけれども。
 先生がおっしゃいましたように、少なくとも民営化になったから、あるいは安心ができなくなったというのでは、私はもう元も子もないというのが、民営化にした意味がない、そう思っております。民営化すればするほど責任が重くなる、そういうふうに私は考えていますし、またそういう自覚を持っていただきたいと思っております。
#161
○渕上貞雄君 大臣の思いどおり経営陣が考えて、責任を持ってやることを期待を申し上げておきます。
 同時に、公表だけではいかぬですね。やっぱり経営者をきちっと処罰していくということがないとだめですよ。ただ公表して悪かっただけでは世間から批判を浴びるだけでだめだと思うので、そこのところもひとつ厳しくやっていただきたいと思います。
 そこで、鉄道技術の安全、保全の継承の問題についてお伺いをいたしますが、国鉄時代における鉄道技術については、さきの先端技術の開発のみならず、現場レベルにおける技術の保全の継承というものがなされていたと思います。しかし、完全民営化によってこれまで営々と築き上げられてきた鉄道技術というものが利益優先の前に崩れ去ってしまうのではないかというふうに危惧をいたしますが、技術の保全、継承について、今後どのように対応されようとしておるのか、お考えをお伺いいたします。
#162
○政府参考人(安富正文君) 国鉄時代の技術、鉄道技術、これをどう継承していくかということで、六十二年四月の当時も、国鉄の分割・民営化に伴って、それまでの鉄道技術に関する試験研究業務等を引き継ぐためどうしようかというさまざまな議論がなされたところでございます。
 そういう中で、もちろんJR自身が、七社に分割することによって、それぞれの現場において鉄道技術の継承という形でそれぞれの保線、電気等についての継承を行っていくことは当然でございますが、さらにもっと基礎的な面でいいますと、国鉄の抱えておりました鉄道技術研究所であるとか労働科学研究所といったような機能を統合しまして、鉄道総研という形で新しく、財団法人でございますけれども、一体化した組織において総合的に研究開発を進めていこうということで、現在、JR各社が共通して活用するという形でこの鉄道総合技術研究所というのができております。
 この鉄道総合技術研究所では、今後、将来にわたって鉄道が国民の期待にこたえるというその安全性、あるいはサービス面、あるいはスピードといったようなそういう点についての役割を果たしていくために極めて重要な試験研究を行っております。現に、車両構造、あるいは土木構造物、軌道、電力、信号通信といったような鉄道の各技術の基本的分野、さらには環境工学であるとか人間科学といったような横断的な技術分野、もっといいますとリニアといったような本当に先端的な技術開発も含めまして、基礎から応用まで幅広い研究を現在行っているところでございまして、こういう鉄道総合技術研究所を活用しながら、全体としての鉄道、全体の技術の進展というものについて我々としても今後意を尽くしていきたいというふうに考えております。
#163
○渕上貞雄君 分割され民営化されていく、そして先ほど御質問いたしましたコンクリート剥離の問題が起きる。そのとき私は質問したんですが、そのときの鉄道の技術の総合的な研究の高さというのは物すごくあったと思うんですよ。そして、当時コンクリートが落下することについても予見をしておった。しかし、七社に分割をしていった結果、技術的な統合が私は失われているんじゃないかというふうに危惧しているわけです。
 そこのところを総合的にやっていくということについて、大臣、そういうことをきちっと今からやっていきますかね。これ、どうですか。やっぱり、会社が分割したら技術が統合できなくだんだんなっていくんじゃないですか。おれのところの方が技術は進んでおるというような競争が始まると、よそに一般化しないということは起こらないですかね。その点、どんなふうですかね。これは、予告はしていないけれども。やっぱり一社でやっていたときは一般化されるけれども、七社になれば競争、競争になれば隠すということが出てくると思うんですよ。その点いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(扇千景君) このことは私も大変心配しまして、今までは国鉄の当時の技術研究所というものが確立されておりましたけれども、分割されることによって研究はどうなっていくんだということも随分心配もしまして聞きました。今度は財団法人鉄道総合技術研究所としてきちんと技術を保持し、また今後新しい研究をするということに関しても、レールは一つですから、そこで一緒に乗り入れるわけですから、お互いが技術提携をしていなければできないということから、この研究所は今までどんなにJRが民営化されて独立していっても、この研究所だけは統一の研究として残すということで、戦後今日まで日本の国鉄の果たしてきた研究というものは、私は、今世界一のスピードと世界一の安全性を誇っているからこそ、改めて私は台湾高鉄に、日本の新幹線が初めて海外に出るということも実現し得たんだと思いますので、今後この技術を保持し、なおかつ統合で技術だけは一緒にお互いにやっていくということで、私は世界に冠たる技術の維持ができると思っておりますので、ぜひ私からも、このことは先生にも今後も御指摘、御注目いただいて、統合的な研究開発がされ、また研究技術を維持するということに努力をしていってほしいと願い、また見ていただきたいと思っています。
#165
○渕上貞雄君 よろしくひとつお願いしておきます。
 次に、指針制度についてお伺いをいたします。午前中も議論があったと思うんですが、本法案が成立すると完全民営化になってまいりますが、その後も指針が導入をされますけれども、政府の介入の余地が少し残るわけですね。完全民営化とは少し矛盾するのではないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
 指針の中で言われている「当分の間配慮すべき」とありますけれども、この「当分の間」、当分の間にもいろいろありますね、いろいろある。非常に短いのもあれば、長いのもある。「当分の間」というのはどういうことかということを改めて質問をいたしますので、明確に大体どの程度というふうに言っていただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
#166
○副大臣(泉信也君) 今回の完全民営化は、JR株式をすべて売却して、その資本構成において一〇〇%民間資本化するということでございますので、本来であれば本当にフリーにするという考え方が一つあり得ると私どもも思います。
 しかし、再三御説明をさせていただいておりますように、このJRが背負ってまいりました歴史的な経緯からして、先ほど来御議論いただきましたJR法十条の考え方というものは、なおまさに当分の間、ある意味ではJRに守ってもらうべきことだと、このように考えてこの指針制度を設けさせていただきました。この制度は、必要な事項を限定した事後的措置でございまして、勧告、命令に至る手順を明確にしておる。そして、運用に当たってはJRの運営等に過度に介入することがないように、国土交通省としましては十分に留意しながら対処してまいりたいと考えておるところでございます。
 「当分の間」というのは、先生御指摘のように、長いのもあれば短いのもあるということでございまして、私どもは、できるだけ早くこの完全民営化がまさになされるようにお互いに努力してまいりたいと思っておりますが、具体的には、事業運営の実態でありますとか長期債務の返還の状況でありますとか、あるいは民間会社としての歩みの実態等をよく見せていただきまして、多くの皆さん方からも、本当に民間会社として独立できる、そうした評価をいただきますまでは、事後的措置でありますが、この指針に基づいて見守らせていただきたい。
 したがって、具体的に何年というふうに答えろという先生のお話でございますが、できるだけ早くという思いは持っておりますが、もうしばらく実情を見させていただきたいと思います。
#167
○渕上貞雄君 わかりました。「当分の間」というのは非常にあいまいだということがわかりました。
 特例措置の継続の問題についてお伺いいたしますけれども、本法案によってJRの本州三社が完全民営化されることになるんですが、地方税の特例措置が引き続き継続をされます。これは他の民営鉄道との公平性ということを考えると少し矛盾するのではないかと思います。もちろん北海道、四国、九州、それに貨物の会社は別といたしましても、完全民営化になるとするならば、やはり税の特例も同じにしなきゃならない。それは民営鉄道であれJRであれ同じにしなきゃならないと思うんですが、引き続き特例を受けるというようなことでは不公平ではないかと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
#168
○政府参考人(安富正文君) 今、先生御指摘の点でございますが、JRの三島、貨物会社については、経営基盤の安定ということで、財政的支援措置とともに税金の特例措置を設けております。一方、JR本州三社については、公共性の高い鉄道輸送に着目して鉄道一般、民鉄も含めた鉄道一般に認められている税制措置はもちろん適用になりますが、特段、JR本州三社であるからといって特別の措置はございません。
 ただ、今回、御指摘のように、この会社法の中で税制関連法の改正の中にそれらしいものが見受けられるというふうにちょっと思われているのではないかと思いますが、一つは、例えば皇室専用車両に対する特例措置といったもの、これはJR独特のものですから、これは民間になったとしてもそのまま認めようというもの、あるいはJRが、もちろん現在本州三社が、三セクですね、特定地方交通線の、つくる際に三セクに譲渡した特定地方交通線、あるいは新幹線の並行在来線の三セクの鉄道施設に関する特例措置といったもの、さらには鉄建公団から有償で借り受けた市街地トンネルに対する特例措置といったような形で、昔からの、JRから三セクなりに譲渡されたものに対する特例措置については同じようにその特例措置を認めるというものでございまして、それぞれ地方鉄道交通の確保といった特別の政策目的からそれぞれ引き継いでいるものでございます。
 そういう意味では、民鉄事業者と基本的には全く同じだというふうに我々は理解しておりまして、JR会社であるからということで組織形態に着目して継続しているというものについては、この本州三社については特段ないというふうに理解しております。
#169
○渕上貞雄君 中小企業者への配慮の問題について、地元商店街への影響配慮の問題については先ほど御質問があったとおりでございますから。ただ単に地元商店街だけの問題ではなくて、やはり中小鉄道それからバス事業、これは民間、公営を問わず、バス事業とのかかわり、やはりそこにも配慮しなければならないと思うのであります。同時に、その配慮があってこそだと思うのでありますけれども、全国各地いろんな問題、きょうはその問題は触れませんけれども、起きております。ですから、その点はやはり商店街だけの問題ではなくて、同じ同業他社としての中小私鉄の問題、バスの問題についてもひとつ十分対象に入れて考えていただきたいと思うんですが、その見解はいかがでしょうか。
 それから、JRと私鉄の並行区間における特定運賃については、これは十分にひとつ検討をしていただきたいというふうに思うのでありますが、その見解はいかがでございましょうか。
#170
○政府参考人(安富正文君) まず、十条に関連します中小企業配慮規定の関係で、中小の鉄道あるいは中小のバス、場合によっては中小のタクシーも含めて考えるべきではないかというお話でございますが、今回の会社法で、現行法十条の趣旨を指針という形で、新しく指針制度によって担保していこうということを現在考えておるところでございますが、先生御指摘の業種につきましては、我々としては競争関係という面ももちろんあると思いますが、ある部分では相互に補完する関係にある、いわゆる地域の交通機関を維持していくという観点から駅前広場も含めまして補完していく関係にもあるかと思います。そういうことも含めて、いずれにしても現行法第十条の趣旨を勘案して、いわゆる地域の交通、生活交通の足の確保をお互いに協力して維持していくんだという観点から相互に連携していくということが必要になるかと思いますので、その趣旨を体して我々も指導していきたいというふうに考えております。
 それから、もう一点の私鉄と並行する区間についてのJRの特定運賃でございますが、これは先生御承知のように、国鉄時代には、国鉄の運賃が非常に高いということから、私鉄との競争関係上、そのある区間について非常に競争関係が国鉄が弱いということがございましたので、私鉄との運賃格差を是正するということを目的として特定運賃というのが設定されました。その後、国鉄からJRになってその特定運賃が継続しているわけですが、現在、平成九年一月に、いわゆる事業者の自主性、主体性を尊重するという観点から、新しい旅客鉄道運賃制度、いわゆる上限価格認可制といいますか、上限価格制による新しい運賃制度になりまして、この制度のもとで現在の特定運賃についてもその当時の運賃を上限として認可を行っております。
 我々としては、この新しい旅客運賃制度のもとでは、上限運賃の中で、その下であれば自由に届け出をして運賃が設定できるということになっておりますが、そういう形で、いわば事業者間の適正な競争を促進させるという形で、現在この運賃規制の緩和という形での制度を導入しているところでございます。
 ただ、私鉄との関係でいろいろ競争関係、過当競争になっているんじゃないかというような指摘も一部ではあるかと思いますが、我々としては現在のところ、鉄道事業法の十六条の第五項二号で運賃設定がほかの鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがある場合には変更を命ずることができるというような規定がございますけれども、現在の実態、JRの特定運賃と私鉄の運賃実態を踏まえると、直ちにこのような不当な競争を引き起こすおそれがある事態だというふうにはまだ認識しておりませんけれども、ただ今後とも不当なこういういろんな競争を引き起こすことのないように十分配慮していく、見ていく必要があるかなというふうに考えております。
#171
○渕上貞雄君 罰則についてお伺いいたしますけれども、指針に基づく命令違反に対して、新会社の取締役となっていますね。この取締役とはだれを指すのか、お伺いいたします。
#172
○政府参考人(安富正文君) 取締役と申しますのは、当然、この新会社の何といいますか取締役でございまして、当該命令違反の行為、実質的には、その行為を行うあるいは決断をした取締役ということになるかと思います。
#173
○渕上貞雄君 それは新会社または事業者ということではなくて、それを担当する取締役を処罰するということ。それはちょっと……。
#174
○政府参考人(安富正文君) 私の理解が十分ではございませんでした。代表取締役だそうでございます。
#175
○渕上貞雄君 よくわかりました。
 最後の質問になりますが、JRの北海道、四国、九州、それに貨物、政府としてどう今後考えられておるのか御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
#176
○国務大臣(扇千景君) 今回も、JR三社、完全民営化、今回の法案を出しますまでに、東、西、東海、この三社、本当によく協力してくださり、また三社の社長も本当に腹を割った話をしてくださいました。その努力、またJR三社、同時に私はスタートしてほしいという願いがかなって、また皆さん方も御理解をいただき努力していただいたことには私は心から感謝を申し上げております。
 今、先生がおっしゃいました残るJRの三島会社とJR貨物、私はJR貨物については一番心配していると言うとオーバーかもしれませんけれども、今の日本の現状の貨物の状況を見ておりますと、本当に便利になりまして、ドア・ツー・ドアということで民間会社があらゆるところで物事を処理するようになりました。
 そのために、自分で一々荷物をJRの駅まで持っていかなきゃいけないとか、うちまで荷物の収集に来てくれないとか、そういう今の民間の物流の状況を見ておりますときに、果たして今後、少なくとも今でもJR貨物は御存じのとおり八期連続赤字が続いておりますね、そういう意味では私は大変心配もしておりますけれども、今後も輸送の注文の減り、いわゆる減退で今後どうなっていくだろうということも、余計なことかもわかりませんけれども、私の心配が徒労に終わればよろしいんですけれども、心配していることは事実でございます。
 また、あるいは料金を上げられないということによって、今の低金利だから長期にわたる経営安定基金の運用益の減少、これはやっぱり金利が上がってくれませんと、今の金利のままではとても経営安定基金の増が望めません。
 そういうことでは、一々取り上げると不安材料が残りますけれども、私は、今後できる限り、現段階におきましては、JR三島会社とJR貨物に関しては、本当に早く今日のような国会審議をしていただけるような、民営化になる立場になってほしいなと。そういう願いも込めながら、できる限り私たちは国土交通省として、早期に完全民営化が図られるように希望を持ちながら見守っていきたいと思っています。
#177
○田名部匡省君 JRになって、完全に民営化をするということになっていくわけですけれども、私は見た感じで、会社の皆さんは努力をされて相当よくなっているなという感じは受けます。
 そこでお尋ねしたいのは、よくなっても、競争といっても並行して競争しているわけでないですから、本当の意味の競争というのは、東と西での競争ということはあっても、普通の競争は一緒になって競争をするという部分があると思うんですね。そういう中で非常に効率的になった部分もあると思うんですが、非効率な部分というのはどうですか、まだあると思いますか。
#178
○政府参考人(安富正文君) おかげさまで、JRが国鉄分割・民営化して非常に効率性がよくなったということは言われておりまして、現にそうなったと思います。
 その非効率な部分、具体的にどこかと言われると私もまだ現実に一つ一つの事項で指摘することはできないかと思いますが、民鉄事業者のように、ある意味では長い間いろんな形で関連事業も含め、もちろん鉄道事業も含めてやってきているものがございますので、これからJR各社が本当の民鉄事業者並みの完全民営化ということになるわけでございますから、他の民鉄事業者のような効率性というものも含めて、これからいろいろ新しい展開が図られるのではないかというふうに期待しているところでございます。
#179
○田名部匡省君 私は、政府でいろいろやられたもので非効率な部分というのは結構あると思うんです。例えば今の特殊法人なんかを見ておると、子会社をつくる、孫会社をつくる、その中で本当の競争をしていないという部分はありますね。
 そういう意味で、JRにもそういうことがあるんでないかという気がするんです。そうでなければ、先ほど来、例えば駅舎でいろんなことをやりたいということなんかが起きて、地元の中小企業となかなか、決まった方があるとこっちをやりますから、外からの人たちを入れないという仕組みなんかが残っているのかな、そんな感じがするので、これはあなたからお答えいただくといっても、調べているわけでないんですから、そこが問題なんです。
 私は行政監視委員会でいろんな質問をするけれども、会計検査院は会計検査、こっちはこっち、総務省の何、これはばらばらなんですね。ですから、本当にどうなっているのかという実態を調べて、ここは是正しなさいというのがないんです。ですから、そういうシステムというか、内部監査が多いですね、みんな。内部監査ぐらいうまくいかないのは、これはわかり切っているんですから、私はぜひこれを完全民営化する、そしていろいろ勧告したり命令したりということも、これはまだ独占企業みたいなものですから、必要かと思う。これは何もJRばかりじゃなくて、いろんなところがありますよね、例えばアクアラインにしても、本四架橋にしても、空港にしても。そういうことを、経理と運営の仕方をやる仕組みというのはどこかになければならない、こう思うんですが、これは大臣、どうですか。
#180
○国務大臣(扇千景君) 大変矛盾した点があると思うんです。
 それは、田名部先生がおっしゃいますように、少なくとも本体はもともと国鉄として出発しておりますから。わかりやすく言えば、変な話ですけれども、夫婦で子供を産んで、子供たちが一人前になってそれぞれ独立していった。独立していったけれども、縁戚関係、親子であるという関係だけは抜けないんですね。けれども、独立した子供たちは、それぞれ独立して個性ある家庭をつくっていってほしい。そういう意味では、国鉄もJRになって、例えば今回の三社が民営化したのは、みんな嫁にやった、子供たちが独立した、そういう感覚でいていいと思うんです。
 ですから、今後JR三社が民営化したらそれぞれの個性を持った、JR東であり西であり東海であり、それぞれ個性のあるJRに育っていってほしいと思うんですけれども、少なくとも先ほど申しましたようにお互いが連結しているものですから、サービスの面でもお客さんに、線路は一緒でここからここは、あなたは東だから料金が違うのよと、これでは困ると。
 ですから、統一的なJRの基本線という、国鉄から出発したというものだけは切り離し得ない、また切り離して国民に迷惑をかけちゃいけない。そういう部分と、今言いましたそれぞれの個性ある民営として発展してほしいという、この相反する部分があるものですから大変私も難しいなと思っておりますけれども、そこはそれ、やはり時代の流れでございますし、今回、こうして三社が完全民営化してくれるわけですから、私はお互いに国民の足としての公共性を維持しながら個性ある発展をしていって、その中で創意工夫があってしかるべきである、そういうふうに考えておりますので、相反する部分はありますけれども最大限の努力を指導していきたいと思っています。
#181
○田名部匡省君 そこで、私は、鉄道はそれでわかりましたが、三島の問題それから第三セクターでこれからやろうとしているところ、私の青森県もそうですがね。こういうのを見ると、いろんな計画、予測を立てていますよ。ところが、国の立てた予測で当たったことがない、そうですよね。例えば本四架橋だって、最近の交通量は七割も減っていると。アクアラインも、この間資料を見せてもらって初年度は四万台、一日。ところが実際には一万台。次年度は四万幾らが逆に九千台。だんだん下がってきているんですね。
 この間、役所の名前を言うとあんたら怒っちゃいかぬから、これはどういうことでこんなに食い違いが出るんだ、この計画はどうして立てたんだと聞いたら、そうなることを期待した結果の数字だと、こう言うんです。それじゃ、どうにでも、つくるために数字は何ぼでも設定できますよね。
 だから、私は前々から思っているんですけれども、いろんな事業をやる上で、だれが計画を立ててどこで決まったかという名前を残しておいてくれやと。そうでないとこれは責任ないんですよ。後から見て、あああの人がやったのかというのがわかればこれは一番いいんで、(「名前を残しちゃ困るんです」と呼ぶ者あり)いや、困るぐらいの無責任な計画だったら立てない方が私はいいと思う。
 空港もそうです。十年間で新設滑走路を延長して業務を始めた十五空港のうち、九空港は利用実績が下回っていた。四空港は予測の半分以下だったと。つくるときは、もう空港つくれつくれと言ってきて、そうして、いやこのぐらい実績はもうちゃんとあるんだ、もうかるんだ、こういう話だ皆。ここはもうかりませんからつくってくれというところはない。ところがやってみると皆この調子ですよね。ですから、この問題をきちっとしておかないと、後のツケは国民や県民が負担しますから。これについてどう思いますか。
#182
○国務大臣(扇千景君) 今、田名部先生が二十一世紀の国土づくりの基本的なことをおっしゃったと思っております。
 例えば、今アクアライン一つおっしゃいました。四千円の通行料を千円下げて三千円。けれども、今あそこが込むのは土曜、日曜、祭日で、こっちから行って海ほたるへ行って、アベックがサンセットを見たらまた帰ってくる。向こうへ行かないんです。なぜ行かないか。渡った先に夢がないからです。だから言うんです、私、基本的な国土づくりのグランドデザインがないと。
 空港の話もなさいました。空港をつくって、あるいは港をつくって、あらゆるところをつくってきましたけれども、これは私、本当に政治家も責任があると思います。田名部先生は私と一緒だったからよく御存じでしょう。一県一空港と国会議員は言い続けたんです。この狭い日本で四十七の空港をつくってどうするんですか。これは国会議員が言ってきたんですよ。
 そしてまた、港をつくっても空港をつくっても、十分以内に主要道路に入り一時間以内に主要都市に行くというアクセスを考えないで、全国の地図を見て、港を見てください、港と道路と連結していないところがあるんです。これが私はやっぱり公共工事がむだだと言われる大きなゆえんである、それはグランドデザインを示していないからだと。
 だから、この間、千葉の知事さんとも会いまして、アクアラインの先渡ったら、あそこから成田へ行く道もつくりましょう、千葉県も協力してください、わかりましたとおっしゃる。アクアラインをつくるときに最初から成田空港まで行けるようにしていればいいんです。成田空港をつくったときにも、羽田まで、国際線と国内線とを区別するのなら三十分で行けるようにすればいいんです。今になって、私の代になって、今一生懸命、これまた国鉄を延ばして、そして京成を延ばして、そして上野から東京へ持ってきて、そして地下鉄の浅草線を通して八重洲で二またに分かれて乗り込もうとか。空港ができてこれだけたって今ごろつなごうなんて話をしなきゃいけないという、やっぱり私は政治も責任があると思っていますし、こういうことを、今、田名部先生がおっしゃるようにむだがあったと言われるのであれば、日本全体のグランドデザインがないから、どこに集中的に投資するかという連携がなかったんです。
 ですから私は、そういう意味では、よくマスコミで言われる公共事業のむだ遣い、ばらまき、そういうことがなかったとは言えないし、今の事業を一つ一つ、先生がアクアラインも本四架橋も言われました。そういうことを私は本当に見直さなければいけないと思っています。
 もう一つ言わせていただければ、本四架橋、私一年生、国会議員になって自民党の部会のときに、本四架橋、橋は二本でいいじゃないですか、一本真ん中を減らして、その費用で四国に連結した高速道路をつくったらどうですかと言ったら、先輩にすごく怒られました、余計なことを言うなと。それが今現在、橋を渡っても四国の中で一巡できる道がない。これでは渡らないんですね。
 ですから、やっぱりつくるときには、その先までどの程度つくれるか、年数はずれるかもしれませんけれども、そういうグランドデザインを国土交通省としては二十一世紀ですからつくっていきたい。反省を込めて、新たな出発のためにはつくりたいと思っています。
#183
○田名部匡省君 先日、新聞で、政府は物流の効率化や環境配慮の目標を定めた新たな総合物流施策大綱の骨格を固めた。自動車輸送に比べCO2の排出量が少ない鉄道と海運の長距離輸送に占める割合を二〇一〇年に五〇%まで高めるという、六月に閣議決定し、今後の交通網の整備にしたいと。
 私も、これだけ高齢化が進んで少子化が進むと、いつも言う、稚内の方から東京の方に車を運転してくる人はもう生まれていませんよということを考えると、環境とその将来を見ると、大量にやっぱり輸送するのは鉄道だと思うんです。ただ、それを今、まあいつからやるのかわかりませんが、やろうとすると、自動車でやっている人たちに相当の影響が出るんだろうと思うんですね。
 私は昔、鉄道で運ぶそこの拠点から、運送業者の人たちと一体になって仕組みをつくってやったらどうかということを言ったことはありますけれども、いかにしてこの問題を、こっちは一方的に皆さんやっているわけですから、そっちのことはどうするのかということを考えながらやっていかないと、また後ろにいて反対、賛成というのがあってなかなか進まぬだろうと思うのですが、これは、局長。
#184
○政府参考人(安富正文君) 物流の関係でモーダルシフトということで、貨物につきまして、海運それから鉄道を含めて、これをトラックからモーダルシフトにやっていこうということで、今国土交通省でいろいろやっておりますけれども、その中でJR貨物の果たす役割というのは非常に大きいと思っています。先生からもありますように、今後のいろんな環境問題、日本の将来を考えますと非常に省エネルギーでもあるし環境にも非常に優しいということで、鉄道貨物についてこれをどう確保していくかということは非常に重要だと考えております。
 ただ、残念なことに、先生御承知のように、JR貨物は八期連続赤字という形で、体力的になかなか新しい設備投資といった、新しい近代化といったことのできる力がない状態でございますので、我々としては、従来からインフラ補助という形で、いわゆる貨物拠点整備事業であるとかあるいは短絡ルートの整備といったようなことについて助成措置を講じておるところでございます。
 さらに、JR貨物自体も、サービス面も含めて、経費節減というコスト低減だけじゃなくてサービス面も含めて、新しくトラックなんかに対抗できるようなサービスを今後どうしていったらいいのかということで、実は今までも新フレイト21というようなことでやってきたわけですけれども、なかなか所期の成果を得ておりません。
 したがいまして、今後、中期計画という形でさらに新しい、新フレイト21にかわる新しい営業戦略というものを今JR貨物、我々も含めてちょっといろいろ検討しているところでございますので、そういう点を含めて、これからどういう営業戦略、経営戦略でやっていったらいいかということを我々国土交通省もJR貨物も一緒になって考えていきたいというふうに考えております。
#185
○田名部匡省君 この内容を見ると、燃費効率の高い船の建造に対する支援をするんだと、こういうのが載っていましたが、そのとおりかどうかわかりませんが、私は、競争する相手がいるのに片一方にはそういう支援をしてどんどんやらせる、これはやっぱり公平でないなと。
 固定資産税の話なんかもありましたけれども、固定資産税を払って民間の運送業者なんかは一生懸命利益を出して税金を納めるというときに、それなしで。だから私は、やっぱり納めるものはちゃんと納める、税を、ということにしないと競争せいといったって競争になりませんよ、普通。税金をまけてもらっているところと普通に取られているところとを競争せいというんですからね。
 ですから、この問題でどんな支援をするのかわかりませんので、どんな支援を考えているのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#186
○政府参考人(安富正文君) JR貨物については現在でも、先ほども言いましたように、いわゆる経営近代化という形で新しいコンテナ貨物拠点駅を整備する、さらには京葉線、武蔵野線の直通短絡路線ということで整備事業をやっておりましたけれども、そういうものに対して国の方で三割の補助という形でいろいろそういう新しい合理化、近代化をするためにいろんなインフラ補助をやってきております。
 これは、今後、我々としてもさらにトラックとの関係での競争力を高めるために、例えば山陽方面の貨物輸送のスピードアップをどうやって図っていくか、あるいは東海道自体の貨物輸送のスピードをどうやって図っていくかというようなことをJR貨物としてもいろいろ考えておりますので、そういうものに何らかの形で助成的な制度ができないかということを検討していきたいなというふうに思っております。
 それから、税金の話がございましたけれども、正直言いまして、今JR貨物はもう八期連続赤字というような状態ですから、税金を払い出したらもうとんでもないことになります。そういう意味で、特にJR貨物の場合にはいろんな、特にJR旅客会社からのアボイダブルコストルールというような形で、最低限の線路使用料というような形で現在払っているわけですけれども、そういうことをも含めまして、今回の会社法の中でもそれは何とか継続してやっていただいて、さらにその上で各種助成措置としてどんなことがあり得るかということでJR貨物の支援策についていろいろ検討していきたいというふうに我々考えております。
#187
○田名部匡省君 この前も大臣にお伺いしたんですが、例えば三島問題がある、今度完全に民営化する鉄道がある。その中で、第三セクターでおやりになっているところ、しなの鉄道なんかも相当経営状態悪いですね。第三セクターというのは、大体もともと自治体とその地域の企業が出資してつくって、倒産したって心配ないんですよ。青森県で今、弘前がやった第三セクターもバンザイしちゃった。それから大鰐のスキー場、第三セクター、これもどうにもならぬ。結局、計画がもう相当甘いものですから、しかもやるときには、だめになりゃ税金でやりゃいいんだと。これは民間になったらそうはいきませんよね。
 そういう鉄道をまだ今、三戸、あそこは何十キロもないですよ、八戸が開業すると、この間は第三セクターでやれと、こういう話になっているんです。どうしても私は、もう何か青い森鉄道というのをつくって社長まで決まったけれども、本当にこれでいいのかなと。一・四九倍という運賃でおさまったんですけれども、これもJRが何か寝台特急の線路使用料を払うと、要するに寝台特急を走らせてくれと、新幹線ができても。それが走るかわりにその使用料も払いますと、こんなことで負担を軽減しようとして地元は努力しているんですね。
 ただ、いずれにしても、地元で大学の先生みんな集まってやっているようですが、第三セク会社の赤字は開業五年目で年間ざっと一億二千万を超えると。県が毎年一定の公費を投入し、補てんしなければならぬ。これは何も青森だけじゃない。今度は八戸から青森まで開業になるとこれも第三セクターでやる。それから、県境から盛岡までは岩手県がやると。
 これは新幹線をやるときに、野沢さんいないけれども、あのときはつくりたいばっかりにもう何でもかんでものまざるを得なくてやったんですよ、それでなきゃつくらないというんですから。今までは盛岡―博多はずっと順調につくっておいて、盛岡から先はもう地元で負担しなきゃつくりませんよと。もうつくりたい一心で何でもはいはいと言ったんですよ。
 しかし、今の経済状況下でこの負担は地元には相当重いものになる。これをこのまま、それを鉄道が今度は走るわけですから、もし青森県が、いや要らないと、バスで代替でやるからあの線路を青森から三戸までもう取っ払ってくださいと言ったらどうしますか。そうはいかないでしょう。一割は青森にとまる貨物ですよ、あとは通過するだけなんですから。
 そこを私が逆に、貨物鉄道が持って青森県が使う都度お金を払った方がいいじゃないか、こう言っているんだが、どうしてそこだけ切り離して岩手県と青森県がとっちゃったのか。これは決まったからもうしようがないと言われればそれまでですけれども、それは同じだろうと思うんだ、こっち持たせるもそっちやるも。しなの鉄道だってもう相当おかしくなっているんでしょう。東北本線ですよ、これが枝線ならいいというの、僕は。八戸から種市の方に行く線路なら。本線をここだけ、鹿児島の方まで行っている鉄道のここだけを、その県が持つというこの発想というのは、泉副大臣、頭いい人がおって何でこんなことがわからないのかなと思っているんですが、どうですか、泉副大臣。
#188
○副大臣(泉信也君) 第三セクターで運営する鉄道会社は、新幹線の整備に伴ういわゆる三セクに移った部分その他を含めまして、大変厳しい経営状況にあることは私どもも承知をいたしております。中には列車の本数をふやす、駅を新設するというようなことで経営をやっていただいておるところも数社でございますがあるわけでございまして、三セク全体について一層の経営努力をしていただかなきゃならない、こう思っております。
 今、田名部先生がおっしゃいましたように、東北本線のいわゆる幹線部分の一部を三セクに渡すというこの仕組みが、これは新幹線をつくらせていただく、つくっていただくときの条件でありましたので、そのことにまでさかのぼって議論するということは今の段階では大変難しいところがあると思います。ただ、我々としては第二の国鉄をつくらないということで新幹線整備を進めさせていただいておるわけでございますので、これから問題となります三セクの運営については、できるだけ地域の足を確保していただくということで、国としてできる税制上あるいは財政上の応援はさせていただかなければならない。
 もちろん、運営補助等を考えているわけではございません。そういうことではありませんが、地域の足であるということ、そしてまた御指摘の路線はJR貨物が走る大動脈でもありますので、これは大切に守っていかなきゃならぬということは我々としても十分考えておるところでございます。
#189
○田名部匡省君 自治体や、最近うるさく言うんですけれども、第三セクであれ何であれ、シーガイアなんかもそうですよね。つくったはいいけれども、あれを民間の会社にやらせておったら今ごろはもう担保は全部とられる、経営責任は追及される、大変なことになっていたと思うんですね。この種のものは、困れば国なり県が金を出す、この安易な気持ちがあるんですね。だから私は、民営だ民営だと言ったって、こんな第三セクターなんかやらせたって、もうはなからうまくいかぬことをわかっているものを持たせるというのはどうも納得いかぬ。
 鉄道がつながってなきゃいいけれども、北海道からずっと、北海道の人はだれも負担していないんですから、鉄道が走ってくる。青函トンネルを抜けた途端にここは青森県でここは岩手県、それで盛岡から先は鹿児島までだれも負担しない鉄道、それは新幹線の約束だと。だから私、あのとき言ったんですよ。いや、そんなことをやるというのなら、在来線広げて、あの山形、秋田式ね、これでいった方がいいと。もうあと何時間もかからないですよ。特急で一時間ですから。十五分か何ぼ違うのに、こんなに一千億も新幹線に負担させられて第三セクターも持たされて。豊かな県ならいいですよ。全国でも下から何番目かのあなた、豊かでない県なんですから。
 そういうことなんかも含め、そうしてこの日本の交通政策というものを将来の少子化時代に、貨物鉄道もそうですよ、だんだん減っていくんですから。そういうことを考えた上で慎重に、国民に負担させない、そういうことを責任持って僕らは考えるべきだと思うんです。
 時間のようですから終わりますけれども、ぜひひとつ、特定の人に負担させるということのないようにしっかりやってほしいと思います。
 終わります。
#190
○島袋宗康君 事故のない安全運行というものがいかに確保されるのかということが大きな課題だというふうに思います。
 そこで、分割・民営化の後、運転事故件数及び列車百万キロ当たりの運転事故件数は減少傾向にあるとのことであります。これはまことに結構なことでありますが、それはどのような事情によるものか、また最近の運転事故の状況はどのようになっているか、お尋ねいたします。
#191
○政府参考人(安富正文君) JRにおける運転事故件数、先生御指摘のように、国鉄改革直後の昭和六十二年が九百二十七件ございましたが、平成十一年度で五百三十一件と四割減少していると、既にもう何回か言っていることでございます。
 その理由としましては、この事故の中身をいろいろ分析してみますと、踏切事故が約六割ほど減っております。そういう意味で、立体交差化による踏切の除去といったような施策、あるいは保安設備の整備などによって踏切事故の防止対策がかなり進んだということがあるかと思います。
 それからもう一つは、鉄道係員等を原因とした事故というものが大幅に減少しておりますので、こういう点では乗務員等の鉄道係員に対する教育の充実というようなことも挙げられるのではないかと思っております。そういう意味で、幾つかの要因が重なっているかと思いますが、今後とも、この事故件数、ここまで下がってきますとこれ以上下げるのはなかなか難しいと思いますが、さらなる安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#192
○島袋宗康君 JR本州三社については純民間会社にするとの条件整備がなされたということでありますけれども、それはどのような条件の整備がなされたか、その辺について大臣の御所見を賜りたいと思います。
#193
○国務大臣(扇千景君) 島袋先生も御認識がもう既にあろうと思いますけれども、今回のJR本州三社、本当に努力してくださいましたことも先ほどから申し上げましたけれども、昭和六十二年開業以来十四年間、足かけもう十五年に入りましたけれども、連続で経常黒字を達成しております。それが大きな一つでございます。続きまして、この黒字によりまして継続的に一割配当を実施しております。そして、長期債務も着実に減少を図っております。また、株価も御存じのとおり安定的に推移している。
 そのような、あらゆるものが全部良好な経営状況を維持しておりますので、少なくとも他の優良一般企業と比較しましても何の遜色もないという状況でございますので、安定的な経営実績が積み重ねられ、そして現状で、今私が申しましたような、一般の今の世の中の企業と比べましても私はもはや、JR会社法によります事業計画の代表取締役の選任など認可制をとっておりましたから、そういう意味では後見的な監督を行う必要がなくなったと、本当に一人前でもう巣立つんだと、そういう段階に入ったということで、私は今回こういうことを先生方にお願いし、JR会社法の適用対象から除外するという措置を講じることになったということでございます。
#194
○島袋宗康君 JR本州三社の株式の売却処分はどれだけあって、全株数に対する比率はどれぐらいか。また、それは順次売却の方針とのことでありますけれども、いつごろまでに完了する見通しなのか、お伺いいたします。
#195
○政府参考人(安富正文君) JR本州三社の株式につきまして、これまで数回にわたって既に売却してまいりまして、総計六百二十二万株を売却しております。売却総額は約二兆七千億円でございました。その結果、現在、日本鉄建公団が保有する未売却株式は二百二万株となっておりまして、これは本州三社の株式全体の約二五%に当たります。
 今後、この法律の施行に伴いまして、施行されました後、順次この未売却株式について売却していく方針でございますが、具体的な売却の日程等についてはまだ未定でございます。やはり株式市場の状況であるとか、あるいは現在の売却しているJRの株価がどうなっているかというような点を踏まえまして、関係者と調整してできるだけ早期に順次売却していきたいというふうに考えております。
#196
○島袋宗康君 JR各社の従業員の労働条件及び賃金は、他の民鉄会社と比較してどのようになっているのか、御説明願いたいと思います。
#197
○政府参考人(安富正文君) JR各社の労働条件、賃金条件についてのお尋ねでございますが、これはなかなか一概に比較するのは非常に難しいと思いますけれども、これはそういう意味でちょっと非常に単純な計算でございますが、例えば平均年間賃金ということで平成十一年度の実績をはじいてみますと、大手民鉄十五社平均で四十・一歳で約七百九万円でございます。これに対しまして、JR東日本は四十二・四歳で六百九十四万円、JR東海が四十一・四歳で約七百十七万円、JR西日本が四十三・二歳で六百七十九万円となっております。
 そういう意味で、そう遜色ないという感じがありますが、ただ、もちろんJR東あるいはJR西なんかは都会だけじゃなくて地方も含んでいますので、そこら辺をどう判断するかという問題がございますけれども、現在のところ単純に比較しますとそういう状況になっております。
#198
○島袋宗康君 そうすると、賃金は民鉄とそう変わりはないということで、それほど問題にならないというふうな見解ですか。
#199
○政府参考人(安富正文君) 今申しましたように、単純に比較するのは非常に難しいと思います。例えば、大手民鉄というのはどうしても首都圏あるいは近畿圏というような都市圏に住んでいる職員が多いと思います。そういうところと、JR東みたいに東北から始まって首都圏にわたっている部分もございますので、一人当たりの平均年齢あるいは平均賃金で比較するとそう遜色はないということでございますので、一概にじゃJRの方が民鉄に比べて低いとか遜色ないのかというのはなかなか比較が難しいかというふうに考えておりますが、平均するとそういうことだということでございます。
#200
○島袋宗康君 JR本社の社長さんたちは、それぞれ今回の改正案における指針の策定に関して御意見を述べておられるようであります。他の純民間会社以上の規制措置が残されている点については御不満のように見受けられますけれども、御意見の中には、完全民営化で株主から赤字ローカル線を切れと要求が出ても、指針のせいで廃止できないと主張できると、指針を盾にするという考え方もあるようでありますけれども、指針の策定がねらいとするのはどういうことなのか、お伺いいたします。
#201
○政府参考人(安富正文君) 指針の制度を今回設けましたのは、国鉄改革においてJR各社が健全な事業経営ができるようにということで、いわゆる公的な財産であった国鉄の事業資産を承継する、さらには長期債務についての処理を行うといったようないろんな経緯がございます。そういう観点から、いわばJR各社というのは民鉄のような他の鉄道事業者とは基本的に異なる経緯を有しておるということから、今回民営化する本州三社につきまして、このような国鉄改革の趣旨、経緯を踏まえた事業経営を行うということを担保するということもありまして、指針制度を設けているものでございます。
 もちろん社長さん方のコメントの中にいろいろ意見はあるかと思いますが、こういう指針制度を設けていわゆる民営化をするということについては、基本的にそれぞれ本州三社の社長さん方にも十分御理解いただいているものというふうに考えております。したがいまして、今後、完全民営化後においても、この指針に沿って適切な事業運営を行っていけるものというふうに期待しているところでございます。
#202
○島袋宗康君 先ほども議論がありましたけれども、指針によって規制を受けることはまだ純然たる民間会社になったとは言えない部分が残されているというふうに思いますけれども、この指針による規制はどの程度の期間続くものか、その辺について御説明願いたいと思います。
#203
○政府参考人(安富正文君) この指針の制度の期間でございますが、法律上は「当分の間」ということで言っております。
 この「当分の間」については、先ほど来話がございますように、なかなか特定するということは難しいかと思います。我々としては具体的な年数を言うことがなかなか難しゅうございますけれども、基本的には、この指針の運営の実態であるとか、さらには今回本州三社だけが完全民営化になりますけれども、ほかのJR各社、三島、貨物も含めた完全民営化の状況であるとか、あるいは長期債務の償還条件がどうなっているかといったようなことを全部総合的に判断しまして、だれが見ても国鉄改革というのは完全に終わったなというような状況になるような時点でこの指針制度というものは廃止されるということになるんではないかというふうに考えております。
 そういう意味で、定性的でございますが、そういう点をいろいろ考慮しながらこれから検討していきたいというふうに考えております。
#204
○島袋宗康君 JR各社は民鉄とともに鉄道事業法による規制、監督を受けているわけでありますけれども、この鉄道事業法のみの規制、監督で十分でない理由は何でしょうか。
#205
○政府参考人(安富正文君) 今回の指針制度の中では、先ほど申しました経緯がございますので、具体的には、一つはJR各社間の運賃・料金の通算制といったようなそれぞれの会社間の協定によって現在確保されている事項、これを引き続き維持していただきたい、そうしないと利用者に非常に不便になってくるというようなことがございます。
 それからもう一つは、旅客会社と貨物会社との間で決めておりますアボイダブルコストルール、こういうものもいわば協定、取り決めで決めておるわけですけれども、これを維持していきたい。
 それからさらには、地方ローカル線といった地元の足についてもこれを適切に維持し、かつ十分な説明責任を果たしつつ、もし廃止ということになってもそういうちゃんとした義務を果たすべきだというようなことを求めていきたいというふうに考えておりますけれども、鉄道事業法では現在なかなかこういう点を担保することはできません。もちろんJR各社間の協定の維持あるいはアボイダブルコストルールということについては協定の認可等はございますけれども、ただ中身をこうしろああしろということはできないわけでございますし、運賃の認可等もございますけれども、これを併算で従来どおりの考え方でやるということになっても、それを阻止する、それをやめさせるということはできないわけでございます。
 あるいは、地方ローカル線の廃止についても、今の事業法の規定の中では廃止の届け出をすれば一年たてばできるという規定になっておりますので、これをもう少しいろいろ地元協議をやらせるというようなこともなかなか難しい問題がございます。
 そういう意味で、鉄道事業法のみによってはこの国鉄改革の趣旨に沿った事業運営、先ほど申しましたいろんなことを確保するということが難しいということから、今回、指針制度という形で新たに設けたものでございます。
#206
○島袋宗康君 平成十一年五月の鉄道事業法の改正により、鉄道事業の廃止については運輸大臣の許可制から一年前の事前届け出制に改められたとのことでありますけれども、JR各社に対しては路線の廃止を行う場合には分割民営化後の状況変化等について地元に対する説明責任が課されております。
 今回のJR法の改正で、指針に定めることとしたこととの関係及び優先関係はどのようになるのか、また指針記載事項として扱うことで説明責任の担保としては十分なのか、その辺について説明願います。
#207
○政府参考人(安富正文君) 今回の指針におきまして、一つの柱としてローカル線の維持という問題、いわゆる「路線の適切な維持」ということで事項に書いてございますが、この指針にございますように、国鉄改革後の輸送需要の動向その他新たな事情の変化を踏まえた路線の適切な維持に関する事項ということを定めることにしております。
 そういう意味で、路線の廃止に当たりましては、国鉄改革後の状況変化について、やはり地元に対して地元協議会等も含めて十分な説明責任を果たさなきゃならないということをこの指針の中に盛り込んでいきたいというふうに考えております。この指針の中で盛り込んだ内容については、当然本州三社について適切な形でこれは確保していただけるものと期待しておりますけれども、もし万が一いろいろ問題が生じるというようなことになりますと、我々として指導、助言といったようなことでやっていきたいというふうに考えております。
 ただ、その際に、勧告、命令というようなことになりますと、余りにも過度に介入するということは問題でございますので、いろんな勧告、命令を行う際の透明性の確保ということには十分留意していきたいというふうに考えておりますけれども、こういう勧告、命令措置も踏まえ、あるいは指導、助言といったような形で適切にこの指針の措置が担保できるように、我々としてもJR各社と適切な対処をしていきたいというふうに考えております。
#208
○島袋宗康君 一九八〇年以降の国鉄営業廃止線、一九八七年以降のJR鉄道廃止線が数多くあります。廃止後、バスあるいは第三セクターに転換されていますが、地元利用者に対する利便性の低下はないかどうか、その辺について御説明願いたいと思います。
#209
○政府参考人(安富正文君) 国鉄改革の際に、いわゆる特定地方交通線ということでJRから経営分離されました路線、それからバス転換された路線がございますが、このうちバス転換された路線が四十五路線、それから鉄道として存続し、第三セクターや民間の鉄道事業者に経営が移管された路線が三十八路線ございます。
 このうち、バス路線に転換された四十五路線については、平成八年度までは事業運営費補助によりましてバス路線の維持に努めるという形をとっておりますし、その後は、いわゆる通常の地方バス路線維持費補助金、この補助制度の対象としてその維持、確保を図るということで、地元利用者の利便性の確保に努めているところでございます。
 一方、鉄道として存続し、第三セクターあるいは民間の鉄道事業者に経営が移管された路線がございますが、この路線のうち二路線が廃止されております。ただ、これについても、いずれもバスによる代替輸送ということで確保しておりまして、地元利用者の利便性の低下ということにはなっていないというふうに我々は承知しております。
 また、これ以外の第三セクター鉄道については、確かになかなか厳しい経営環境がございますけれども、経営努力等により、一部の会社等では転換時の運行本数を大幅に上回る運行本数というのを確保して輸送サービスを提供しているという例もございますし、おおむね今、経営的には厳しいものがございますけれども、地元利用者の利便性の確保という点では図られているのではないかというふうに考えております。
#210
○島袋宗康君 バス路線の維持をするために補助をするというふうなことが今説明がありましたけれども、そういうふうなことはいつごろまで続けるのか、あるいはまたずっと続行していかれるのか、その辺について。あるいはまた、三十八路線については第三セクターでされているというふうなことでありますけれども、第三セクターについても補助をしているのかどうか、その辺について御説明願います。
#211
○政府参考人(安富正文君) 先ほど、バスに転換された路線についての補助制度、これは当初、国鉄改革のときに特定地方交通線の転換バス事業運営費補助金ということで、事業開始から五年間ということでやってきたものでございます。ただ、その五年間を過ぎた後でも、やはり地元の足として必要だということになりますと、現在でもございます一般的な制度として、地方バス路線維持費補助というのがございますから、その補助制度を受けて存続することが可能だということでございます。
 ただ、第三セクター鉄道とか、そういう地方鉄道についてのいわゆる運営費補助、赤字補てん的な補助は現在ございません。したがいまして、我々としては、第三セクターがいろんな安全性の設備投資をする際に、近代化補助という形で国、地方あわせて補助をするという仕組みがございまして、そういういわゆる安全対策あるいはサービス向上対策というような形で近代化を図っていく場合に、それを補てんするというような形での補助を行っているところでございます。
#212
○島袋宗康君 民鉄、JR会社においても、これから廃止される予定の路線があると思います。JR西日本の可部線、可部―三段峡区間四十六・二キロメートルも廃止を検討している路線になっているようであります。それはどのような事情によるものか、御説明願いたいと思います。
#213
○政府参考人(安富正文君) JR西日本の可部線の廃止についてのお尋ねでございますが、JR西日本は可部線の一部、可部―三段峡間四十六・二キロをバス転換したいということで、これは当然輸送密度が、要するに乗車人員が非常に少なくなっているという状況から、これをバス転換したいということを地元に提案したわけでございますが、平成十年九月に地元の方に表明しておりました。
 ただ、その後、地元との協議を重ねておりました結果、JR西日本は、昨年十一月から約三カ月間にわたって増便等の試行運行を行ったところでございます。その結果、当初、輸送密度八百人ということを目標にしてやっておったわけですが、八百人には至らなかったわけですが、過去三年間ですと輸送密度が約四百人強ぐらいでしたので、八百人ということを目標にしていたわけですが、七百五十九人の輸送密度になったというようなことで、これはこれでJR西としてもそれなりの評価をしまして、さらに本年四月から一年間、通年での利用状況を見きわめようということで、現在、増便等も図りながら試行運転を実施中でございまして、この結果を見ながら、またJR西として地元と協議していくことになるというふうに考えております。
#214
○島袋宗康君 現行法では、旅客会社及び貨物会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、またはその利益を不当に侵害することのないようにとする配慮規定がありますが、改正法では新会社に対しては指針において定めることとなっておりますが、その効果に違いがありませんか、お伺いいたします。
#215
○政府参考人(安富正文君) 現行のJR会社法第十条の中小企業配慮規定と今後新会社に適用される指針の効力に違いがあるかどうかということでございますが、我々としてはこの十条の趣旨を今回指針の中で十分反映していきたいと。
 具体的には、現行法第十条と同じような規定をこの指針の中に盛り込んでいくこととしておりますので、基本的に今回の法律に基づく指針においては現行法第十条と同等の効力を有する同様の趣旨の規定を盛り込むという考え方でやっております。それに基づきまして、したがいまして、地元との調和に配慮した事業展開が十分図られるのではないかというふうに考えております。
#216
○島袋宗康君 JR三島会社についても、経営基盤の確立等諸条件が整い次第、純民営化を行う方針に変わりはありませんか。また、それは可能だと考えておられるのか、可能だとすればいつ実現するのか、その時期の見通しについて御説明願います。
#217
○政府参考人(安富正文君) JR北海道、四国、九州の完全民営化の可能性と時期の見通しということでございますが、残念ながら現在の状況は、輸送需要の減退といったようなことから収入の減少、さらには三島会社の場合、経営安定基金の運用益が減少しているという、そういう厳しい環境にあるという状況でございますが、今後どうしていくかということでございますが、我々としては、当然この三島会社の完全民営化については十分まだ可能性があるというふうに考えております。
 もちろん、この前提としては、固定資産税の減免措置あるいはこの経営安定基金の運用益の確保がある程度図られるということが前提になってくるわけでございますが、こういうものについて今後どうしていったらいいのかと。特に固定資産税の減免措置については、十三年度で特例措置が切れるということもございますので、この継続をどうしていくか。我々としてはぜひ税制改正要望の中でこれは確保していきたいというふうに考えておりますけれども、そういう税制措置あるいは経営安定基金の運用益の確保といったようなことについてこれから十分検討して、このJR三島の経営基盤の確立が十分図られるように何とかしていきたい。さらには、三島自身の経営努力ということも含めて、いろんな増収策あるいは経費節減策というようなことをあわせてやることによって、十分完全民営化ということが達成できるのではないかというふうに考えております。
 ただ、実際上のその時期等については、非常にまだ不確定要素がございますのでなかなか難しゅうございますが、我々としてはできる限り早期の完全民営化が図られるよう、さまざまな検討を行って、引き続き所要の支援を行っていきたいというふうに考えております。
#218
○島袋宗康君 そこで、JR三島各社の経営安定基金運用益は平成四、五年ごろから徐々に減少しているようでありますけれども、その理由及び改善の見通し、今後の対策についてお伺いいたします。
#219
○政府参考人(安富正文君) 今、先生御指摘のとおり、この三島の会社の経営安定基金、低金利が非常に長期化しているということもございまして、平成四、五年ごろから減少傾向にございます。そういうことがございますので、今後この経営安定基金の運用益の改善の見通しということでございますが、こういう低金利の長期化というのは、言ってみれば各会社の経営努力の及ばない要因でございますので、なかなか難しい面がございます。
 そういう意味で、国土交通省としても、従来この経営安定基金の運用益の確保ということで、運輸施設事業団を通じたいわゆる借り上げ措置というようなことも行いまして、支援を図ってまいりました。ただ、今後これをどうしていくかという問題はまだ残るわけでございますが、何とかそういう経営安定基金の運用益の確保に向けての支援策というものができないかどうかということで、これからも必要に応じていろいろ検討していきたいというふうに考えております。
 具体的に、我々の方も、鉄道局の中に、北海道、四国、九州、貨物の完全民営化のための環境整備方策の検討会というのを設けて、いろいろ各社とも話し合って現在詰めておるところでございますので、今後税制措置も含めた支援措置の検討をさらに深めていきたいというふうに考えております。
#220
○島袋宗康君 最後に、大臣。実は、私沖縄出身でありますから、唯一沖縄県は鉄道のない県であります。日本全国どこへ行ってもありますけれども、沖縄に鉄道はないと。それで、那覇市の都市モノレールというものをもう二十年前から手がけておりまして、ようやく再来年あたり運行が開始されるわけであります。そのおくれた理由というのは非常に、先ほど来問題がありましたように、採算性があるのかというふうなことが問われて、なかなか地元のいわゆる沖縄開発金融公庫が首を縦に振らない点があって、大変おくれて、それでもなおかつ那覇市や沖縄県は多少の税を負担してでもやっぱり交通渋滞というのをもっと緩和しなくちゃいけないというふうなことで、ようやく着工し、申し上げましたように再来年あたり運行することになっております。そのことがやはり起爆剤となって、これ中部まで延長したらどうかというふうなことがありますし、また最近は、この前も申し上げましたように縦貫鉄道をぜひ敷設してほしいというふうないろいろ要望があります。
 そこで、私、なぜ赤字路線について赤字補てんを継続しているのかということを問い合わせておることは、モノレールも赤字が出るんじゃないかという懸念があります。ですから、私としては、これは質問でも何でもないんですけれども、要望としてお聞きいただきたいことは、そういうモノレールあるいは鉄道敷設という問題がありますけれども、やはり国土交通省としては全国に、それだけにいろいろもう交通体系の整備でやっておりますから、唯一沖縄県が鉄道の恩恵を受けていないということからいたしますと、モノレールの問題あるいは縦貫鉄道敷設の問題、多々ありますけれども、そういうことがもし、国土交通省にいろいろ御要望がこれからあると思いますので、その節は本当に県民の願いとしてぜひ慎重にお受けとめいただきまして、交通体系のいわゆる、これから二十一世紀に向けての沖縄県内におけるいろいろな問題を、要望があるはずですから、その点についてまた機会があれば御配慮いただきたいというふうに思います。
#221
○国務大臣(扇千景君) 今、島袋先生からお話しございました。先日、私、沖縄へ公園のテープカットに参りまして、皇太子殿下と御一緒させていただきまして、そのときにも沖縄の皆さん方から要望書をいただきました。また、モノレールの問題、そして延長線の要望等々を要望として受け取ってまいりました。
 そういう意味では、沖縄県の皆さんの、今日までの大きな負担をしていただいた沖縄県民に対する私どもの気持ち、また国として沖縄県に対する感謝の気持ち等々、そのためにも、沖縄のことに関しましては特別に担当大臣まで、今回も行政改革をしましたけれども、担当大臣を置いて沖縄を見ていこうという今の小泉内閣の姿勢もそこにあらわれているところでございますので、私は先日も島袋先生にお答えいたしましたけれども、なるべく一カ月でも、少しでも前倒しにして、モノレールが皆さん方に少なくとも寄与できるように、また沖縄の交通体系、行くたびに車の渋滞というのはもう慢性的になっておりますので、それを緩和するということを考えても、私は沖縄の皆さんの御要望をなるべく早く、より確実に実施できるように最大限の努力をしていきたいと思っております。
#222
○島袋宗康君 誠意ある御答弁、よろしくお願い申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
#223
○委員長(今泉昭君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、次回は来る十二日午前十時に開会することとし、これにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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