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2001/06/14 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第17号
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2001/06/14 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第17号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第17号
平成十三年六月十四日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     井上 美代君     筆坂 秀世君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     畑野 君枝君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     田村 公平君     阿南 一成君
     緒方 靖夫君     小泉 親司君
     渕上 貞雄君    日下部禧代子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                阿南 一成君
                泉  信也君
                木村  仁君
                坂野 重信君
                鈴木 政二君
                中島 啓雄君
                松谷蒼一郎君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                小泉 親司君
                畑野 君枝君
               日下部禧代子君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       総務省自治財政
       局長       香山 充弘君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
       国土交通省自動
       車交通局長    高橋 朋敬君
   参考人
       日本貨物鉄道株
       式会社代表取締
       役社長      伊藤 直彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任
 再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、井上美代君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
 また、昨十三日、筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治財政局長香山充弘君、国土交通省鉄道局長安富正文君及び国土交通省自動車交通局長高橋朋敬君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長伊藤直彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(今泉昭君) 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○野沢太三君 おはようございます。自民党の野沢でございます。
 扇大臣には、大変足元御不自由の中、きょうも一日御審議に御出席賜り、ありがとうございます。
 前回の質問では、私は、国鉄改革の趣旨と成果についてお尋ねをいたしまして、分割・民営化という厳しい方針が大変有効に機能いたしまして行き詰まっていた鉄道経営がJR各社の活躍という形でよみがえったということの一端を確認させていただいた次第でございます。
 本日は、先日の参考人の御意見等を参考にしながら、鉄道の未来を開くためにという観点から若干の質問をさせていただきたいと思います。
 十二日の参考人意見の中で、岡田清参考人が、鉄道が二十一世紀に生き残れる条件と戦略は何かという問題に対しまして、まず第一に、経営基盤確立のために関連事業を拡大することが大事である、また二番目には、交通市場における競争力を強化するということが必要である、三つ目が、情報開示による利用者、投資家の信頼を獲得すること、そして四つ目に、JR関係各社が協力して努力をする、このことを指摘されておるわけでございます。
 今回の法案では、この最も大事な将来部分をどうするかというところがJR各社の工夫と努力に大筋で任されているわけでございますけれども、大臣のお考えとしては、この辺の鉄道の未来に対してどのような方策があるか、お考えがあったら聞かせていただきたいと思います。
#9
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。いろいろと見苦しくて申しわけありません。
 今、野沢先生がおっしゃいましたけれども、本来JRというもの、このJR各社は国鉄改革以降、先日も皆さん方にいろいろサービスの向上とかあるいは体質改善とか、るる御指摘を賜り、またそのように努力していることは皆さん方とともに私は評価していただきたいし、また努力していることも認めてやっていただきたいと、そういうふうにも申し上げました。先日、参考人の岡田先生から、今、野沢先生がおっしゃいました国鉄の経営の今後の課題として四つの提言をいただいて、大変時宜を得た、また我々にとっては大変ありがたい提言をいただいたと思って私も拝見させていただきました。本来、岡田先生の御指摘のように、我が国の基本的なあるいは根幹をなす輸送体系のあり方自体どうあるべきなのかと、これを私は本当にいつも申し上げておりますけれども、きちんとしたグランドデザインをするべきだと思います。
 財政が豊富なときはよろしゅうございますけれども、高速道路もつくり、新幹線もつくり、基幹鉄道もあらゆる二重三重のサービスをしようということ自体が無理になっているという現状もありますけれども、ではその中でどれが一番地元にとって、その地区の皆さんにとって優先順位はどうあるべきかということも、私は今後の交通体系の中では取捨選択をしていかなければならないこともあるし、また一日も早くすることによって、地元の経済効果が、どれを一番先にすればその県だけではなくてその地域のブロック全体の経済効果が上がるか。そういうことで、自動車が先なのかあるいは航空が先なのか、他の輸送機関はどうするのか。また、それらを一体にして競争させるという岡田先生の御提言も私は大変今、時宜を得た、また今後二十一世紀はそうあるべきである。競争原理を導入して、さらなるお互いの経営条件を改善していくと。
 そういうことで、私は、JR各社においても経営の状況を考えますと大変難しい点は多々あろうと思いますけれども、最大限の努力をして、サービスの質の向上とともに、また岡田先生の御指摘のような非常に有用なJRに対します改革を御指摘いただきましたので、今後、国鉄改革の目的でございました鉄道事業の再生を実現するために、これらの御提言を十分に留意しながら、私は、JRがますます二十一世紀型に成長し、より国民に利用される、愛されるJRになることを願ってやみません。
#10
○野沢太三君 そこで、ひとつ国鉄改革のモデルにもなった民鉄各社の経営状況を見ると、大手各社はおおむね三割から五割近い関連事業を経営しまして成果を上げております。これに対しましてJR各社の関連事業収入は、いまだ数パーセントそこそこということの実績にとどまっているわけでございます。これから完全民営化を実現しまして、地域社会と共存共栄をしながら関連事業を伸ばすためには相当な工夫と努力が必要と考えられるわけでございます。
 昨今の新聞を拝見すれば、少子高齢化に備えての子育て支援の保育所を駅に設置するような鉄道もあらわれておりますけれども、今後の雇用拡大の面で最近出されました骨太の基本方針の中でも、サービス部門の拡大というのが最も期待されている分野であるわけでございますが、JRはこれから、単なる輸送産業から、それだけにとどまらずに総合サービス産業に脱皮いたしまして、多種多様な雇用をつくり出していくということも期待されるわけでございますが、これに関するお考えがございましたらお願いしたいと思います。
#11
○副大臣(泉信也君) 先生御指摘のように、JR各社の関連事業は六%前後というのが現実でございます。国鉄改革法の御審議をいただきました際に附帯決議でも、関連事業を積極的に拡大するという御提言をいただいておりまして、現在のJR法においても、そうしたことを踏まえ、地域との共生という、新しい分野への活動に対しましては地域との共生ということがそういう意味から規定されているわけでございます。
 今回の完全民営化後におきましても、先生御指摘のようにいろいろな分野に進出をしていくことが考えられるわけでありますが、その際も地域との共存共栄ということを図っていただくという意味で、今回指針の中にその趣旨を盛り込まさせていただいております。今後、JRがさらに知恵を出して地域の発展のために一層努力をしていただくように我々としても期待をいたしたいと思っておるところでございます。
#12
○野沢太三君 改革の中で、大変大きな問題でありました国の債務をどう軽減するか、国に移換された債務をどう軽減するかという中で、主として不要な用地を売却するというのを大きな柱としてこれまで努力されてきたわけでございます。そして、既にその成果が、例えば大宮の副都心であるとか品川の開発であるとか、あるいは一部もう汐留も成果があらわれてきているわけでございますけれども、梅田などはまだ残っておると拝見をいたしております。
 これまでにどの程度の用地の処分が行われ、まだどのくらい残っているのか、この辺につきましての見通しについてお伺いしたいと思います。
#13
○政府参考人(安富正文君) 今、先生御指摘の旧国鉄用地の売却でございますが、旧国鉄から承継した約九千二百ヘクタールの用地がございます。これにつきましては平成十二年度までに鋭意その売却に努めてまいりましたが、現在九四%に当たります八千七百ヘクタールを既に売却しているところでございます。この結果、平成十三年度の首で残る旧国鉄用地が約五百ヘクタール余りとなっております。
 この残された土地につきましては、先生おっしゃいますように、梅田、吹田の問題とかいろんな問題がございますけれども、現在、鉄建公団において、地方公共団体の購入要請であるとか、あるいは多様な処分方法の活用といったようなことをいろいろ工夫しながら、あらゆる手段を駆使して全力を挙げてこの用地売却の早期処分を図っていきたいというふうに現在考えているところでございます。
#14
○野沢太三君 ヤードで使っていた土地が、目の覚めるような立派な町に生まれ変わっている姿が既に出ているわけでございます。今、内閣におきましても都市再生本部がつくられまして、町づくりを大いにひとつ進めようということになってきておりますが、そういった面での種地という面でもしっかりこれを活用していただけるとありがたいと、かように思っております。
 それから、この民営化から立ちおくれております北海道、四国、九州の三島会社でございますけれども、この間の参考人質疑でも、経営安定基金が利子収入が目減りして大変苦労していること、さらには災害等で長期間不通になるような形で北海道あたりでは綱渡りの経営を続けているような状況でございますが、平成十三年度に予定されておりました株式の放出はいずれも見送りということに相なったわけでございますが、完全民営化へ向けての方針はこれまでどおりと私ども伺っております。
 これからも意欲に満ちた努力を続けてほしいわけでございますが、そのためには何としても輸送需要を喚起する、地域振興をあわせまして、今、中心市街地の活性化なんという施策がありますけれども、四百近いプロジェクトの九割が駅中心に町づくりをひとつしようじゃないかということで、関係方面も今、気合いが入っているところでございます。加えまして、新幹線の早期建設が行われればなお将来の展望が明るいということもあるわけでございますが、この三島会社の今後の経営見通しについて、お伺いをいたしたいと思います。局長さん。
#15
○政府参考人(安富正文君) 今、駅ビル建設あるいは新幹線の整備等による三島会社についての経営安定化というお話がございました。
 御存じのとおり、北海道、四国、九州ともに現在非常に輸送需要が減退しているという問題、さらには長期の低金利ということで経営安定基金の運用益が減っておるというような問題から、非常に厳しい経営環境にございます。
 もちろん各社ともいろいろな努力をしておりまして、その中で、先生御指摘のように、各会社が地域に密着してさらに地域とともに活性化し得るような形で駅ビルの建設等、地域振興に寄与する事業を展開する、例えば北海道でも駅前のビルあるいはJR四国でも高松駅の開発といったようなことをやっておりますけれども、そういうことをきめ細かく実施して増収策を図っていくということが必要かと思います。さらに、JR九州では新たに整備新幹線の整備が現在行われておりますけれども、この整備新幹線についても開業効果が早期に発揮されまして、結果として地域振興あるいは健全な事業運営といったようなことに資するように我々としても今後適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#16
○野沢太三君 同様に、貨物鉄道株式会社もJRから線路を借りて運営するいわゆる二種業者として今日まで来たわけでございますけれども、命綱は、改革のときに考案いたしました線路使用料に関してアボイダブルコストで維持ができるかどうか、ここが大事でございまして、今回は指針の中でもこれについてはしっかり担保していただいておると承知をいたしておるわけでございますが、同時に、線路が災害を受けたような場合に直ちにこれが復旧されること、またそのコスト等についても合理的な範囲で負担が行われるということ、これが非常に重要ではないかと思うわけでございます。そして基本的には、運輸省も既に長年かかって進めておりますモーダルシフトをもっと進めるということが大事だと思いますが、突き詰めて調べてみると、意外に輸送力が硬直化しておりまして、もう有効時間帯における貨物列車の増発余地というものはほとんどないというような状況でございますので、この辺に対してもてこ入れが要るんじゃないかと思うわけでございます。
 その意味で、貨物会社、これは環境に優しく安全であるということも含め、貨物会社の経営見通しと今後の省としておとりになる御方針があればお聞かせいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(安富正文君) JR貨物の経営見通しというお尋ねでございますが、今回の会社法の枠組みの中で、いわゆるJR貨物の経営の根幹になりますアボイダブルコストルール、これについては今回法律改正によって設けることになります指針制度の中で、いわゆる会社間における連携協力の確保という観点からこれをこのまま今後とも続けていくということで、いわゆるJR貨物の経営の前提としてこれを維持していきたいというふうに考えております。
 したがいまして、そういうことを前提としながら、今後JR貨物の経営をどうしていくかということになりますが、我々としては、当然JR貨物に対する税制上あるいはインフラ補助といったような形での近代化、経営改善といったことに対する補助制度の拡充といったようなことを検討していかなきゃいけないというふうに考えておりますが、さらにJR貨物自体も、従来続けておりました新フレイト21という中期の経営努力目標、それを現在進めておりますけれども、これにかえまして、新しい新中期の経営計画というものを現在策定中でございます。その中で増収策あるいは経営改善さらにはコスト低減といったような幾つかの事項について、我々とも力をあわせて、どういう経営体制に持っていくかということでこれから検討していく必要があると思いますが、それらの努力とあわせて、今後の支援策についても我々として検討していきたいというふうに考えております。
#18
○野沢太三君 諸外国の鉄道を見ると、貨物が主体で旅客がむしろサービスという形になっておりますが、日本は国情からしてその逆の形になっておりますけれども、そもそも鉄道の発生とそれからその構造上の特性からすれば貨物輸送に最も適した機関ではないかと、かように思っておりますので、どうかひとつ、物流大綱も昨今策定される予定と聞いておりますが、その中でのしっかりした位置づけをお願いいたしたいと思うわけでございます。
 それからもう一つ、国鉄改革に先立って切り離しました八十三線区、約四千キロのローカル鉄道をどうこれから維持するかということがあるわけでございますが、その中で特に第三セクターとして生き残っております三十八社の経営状況がなかなか厳しい状況にあると伺っておるわけでございます。輸送人員が目減りをしてきているとか諸経費が値上がりしておるとかいろいろございますが、この第三セクター鉄道が生き残るためにどういうふうに施策を展開するか、非常にこれは重要な課題であろうと思います。
 やっぱり、地方にとっては鉄道というものはまさに文明、文化の象徴であるということもございますので、その意味でできる限りの知恵を絞らなければならないかと思いますが、ここで私ども注目すべき点は、三陸鉄道等で採用されております上下分離、一部踏み切っておるようですが、この方式を導入することによりまして経営上の負担が随分軽くなるということも出てきておるわけでございます。これを含めまして、今後の第三セクター鉄道三十八社の経営をどのように持っていけばいいか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
#19
○政府参考人(安富正文君) 第三セクターの鉄道の経営状況でございますが、先生御指摘のように、現在三十八社ございますが、これの平成十一年度の輸送人員が対前年度でも〇・三%減というような形で減少しております。さらに、最近は少子高齢化とかいった形で通勤通学利用者の減少により、非常に輸送人員の減少傾向が続いておるわけでございます。その中で、この三十八社中、黒字会社は五社で、赤字が三十三社という非常に経営状態が厳しい状況でございます。
 これに対しましては、我々としても何とか地方の鉄道の維持を図るという観点から、直接的な運営費補助というのはなかなか難しゅうございますが、安全性の確保であるとか、あるいは利便性の向上といったようなことを目的として、地方鉄道の近代化に対する補助制度というのを設けております。さらには、税制上の特例措置ということを通じて現在その支援を図っているところでございますが、今後とも地方鉄道の経常収支の改善が図られるようにいろいろ対策を考えていきたいというふうに考えております。
 この中で、先生御指摘の上下分離方式という制度がございます。これにつきましては、いわゆる運政審答申でも、今後の鉄道整備のあり方として、需要の増嵩が見込めない地域においては、民間事業者が直接やるということが非常に難しいということから、施設を公的に保有して民間事業者は運営を行うという、いわゆる上下分離方式の採用について今後いろいろ検討していくべきだということが提言されております。
 現に、地下鉄等の都市鉄道については、現在そういう上下分離方式ということを念頭に置いた補助制度を導入したところでございますが、今後さらにいわゆる新幹線の後の並行在来線について、青森において公設民営という形で第三セクターの営業を行うという方式が出てきておりますので、こういったことを参考にしながら、今後第三セクターにおいても、地方公共団体を中心にして公設民営あるいは上下分離といったような方式の採用についていろんな取り組みがなされるのではないかというふうに期待しております。我々もこういう取り組みも含めて、第三セクターの経営改善について今後いろいろ方策を考えていきたいというふうに考えております。
#20
○野沢太三君 上下分離は、EUの鉄道政策として十年ほど前に採用された方式ということになっておりますが、日本では整備新幹線の費用負担について、昔は借金で、財投資金を主体につくって元利償還をしなければいかぬために大赤字になって分割・民営の引き金を引いたというような苦い経験もあり、現在整備新幹線は政府・与党の申し合わせの中で、国が三分の二、地方が三分の一で路盤施設を建設して、ユーザーたるJRは受益の範囲の使用料だけ払えばいい、こういうことで、整備五線、千五百キロ全部黒字の見通しがついて今日順調に動いているわけでございます。
 この方式はもともと新幹線のような大きなものばかりでなく、ローカル線とか線増のような、複線化のような大規模改良、あるいは都市交通の地下鉄あるいは空港連絡のような非常にニーズの高い部分的な鉄道も適切な方策として検討に値するんではないかと思います。そして、今お話のありました新幹線の並行在来線については輸送量が激減するわけでございますので、その面でもこの方式が適切かと思いますが、どうかひとつこの上下分離方式を上手に利用、活用していただければありがたいと思います。
 いわゆる償還型という上下分離は地下鉄で今回採用されておりますが、官設民営の全く下のコストは運営主体にかけないというやり方。それから、さらに踏み込めば、必要に応じて運営費の一部を助成するという形の運営費助成つきの上下分離も外国では既に実績があるわけでありますので、日本でもその点を含め御検討いただければ幸いですが、これについてのお考えがありましたらお聞かせください。
#21
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から上下分離方式のいわゆる効果ということでお話がございました。我々としても、当然第三セクター初め地方鉄道においていわゆる上下分離という形で施設を公的に主体する、特に地方公共団体が中心となってそういう形で負担していただいて、それに対して運営を民間事業者がやればいい、第三セクターがやればいいという方式、これは非常に有効な方式だというふうに考えております。
 ただ、運行費補助、これがどういう意味かでございますが、欠損補助という形でやるということについてはなかなかこれまたいろんな問題がございまして、現在では我々、欠損補助的な運行費補助については行っておりませんけれども、今後三セクが先ほども申しましたように近代化あるいは利便性の向上ということで、いろんな施設的な整備を行っていく際の近代化補助というものをどう拡充していくかという形でのいろんな検討が必要かというふうに考えております。
#22
○野沢太三君 ヨーロッパの鉄道の経営について見ると、既に一九九一年にいわゆるEU指令四四〇という基本的方針が出されまして、ここで民営化、そして上下分離、それから各国それぞれの列車が自由に乗り入れられるオープンアクセスといったような基本方針が打ち出されまして、今日、それによって各国それぞれ民営化の努力を重ねているわけでございます。
 それぞれお国柄に応じて、イギリス、ドイツ、フランスあるいはスウェーデン等さまざまな形態が見受けられるわけでありまして、必ずしも全部うまくいっているかどうか、問題のところもあるようでございますが、この辺について十分研究をされまして、日本のJRもしくは民鉄、地方交通線も含めて、今後とも鉄道の特性が十分残るような形で、この精神、趣旨を生かしてほしいと思いますが、お考えを聞かせてください。
#23
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、EU諸国における国鉄の民営化につきましては、いわゆる共同体の鉄道発展に関する閣僚理事会指令というものがございまして、この中で、鉄道事業者は国から独立した地位を保証され、みずからの責任で民間企業の経営原則により経営を行うということとされております。これが基本となっておりまして、各国においてこの指令に基づきましてそれぞれのやり方で民営化が進められていると承知しております。この指令は関係する加盟国に対して拘束力を持つものであることから、国によってその進捗に差はございますけれども、各国とも現在完全民営化を目指して努力しているところでございます。
 これにつきましては、我々もいろいろ勉強しておりますが、例えばフランスあるいはドイツ等ではいわゆる上下分離方式というような形をとっております。さらにはイギリスにおいてもとっておりますが、例えばイギリスですと、施設会社は一社ということで施設を保有しているわけですが、いわゆる運行会社が二十六社に上るというような形で、また安全上のいろんな問題があるというようなことも指摘されているところでございます。
 そういういろんなケースがございますので、我々としても日本型の今回の完全民営化というものも踏まえて、今後いろいろ各国の実情を調査して、それをどういう形で生かせるかということでさらに検討していきたいというふうに考えております。
#24
○野沢太三君 今も御指摘ありましたように、イギリスは鉄道発祥の国ではございますが、この辺については大分今、苦戦をしているように拝見いたします。特に、フランチャイズ制ということで少し分け過ぎたんじゃないかなと、基本的な体力を維持する投資等を省略して、どうも経営だけに重点が行ってしまったかな、こう思いますので、その辺のところはひとつ十分注意して情報を受け取っていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、期待されております整備新幹線の進め方でございますが、おかげさまで北陸では富山まで、あるいは九州では船小屋―博多間がフル規格での着工ということに相なり、先日、大臣も現地まで起工式にお出ましをいただきまして、まことにありがとうございました。
 その中で、私ども地方の声として非常に切実に思いましたのは、今後十二年もかかるというような話になっておりますけれども、技術的には五、六年で十分できる仕事だと私は理解しております。東海道新幹線五百十五キロ、五年そこそこで立派にやり遂げたことを考えますと、あとは予算さえつけてあげれば現地の協力も十分と思いますので、この辺をしっかり頑張っていただいて工期を短縮していただきたいと思います。
 特に、アセスメントがもうじき終わるという北海道の新幹線、あるいは北陸、長崎の新幹線についても、アセスが終わったら直ちに工事計画を出して、関係の事業が進むように手配をいただきたいと思いますが、この点、大臣からひとついかがでしょうか。お願いしたいと思います。
#25
○国務大臣(扇千景君) 先日も、私は博多―船小屋間の起工式に参りまして、それよりも何よりも、私が二月から四月にかけまして全国の地方整備局の催しをいたしまして、その地域の知事さんあるいは政令指定都市市長さん、財界等々と全国を回って十ブロックに分けて歩きましたけれども、とにかく皆さんの要望の第一は道路をつくり鉄道を敷いてくれと、これがやっぱり一番多い御要望だったんです。少なくとも今、小泉内閣で聖域なき構造改革、しかも来年度も三十兆にとどめるということを宣言しておりますので、限られた予算の中でより効果的なものは何なのかということで私は大変苦慮しております。
 ただ、私はありがたかったのは、九州は一体であるという九州の全県の知事さんのお考えで、例えば熊本の市長さん等々は本当は自分の方へも、あるいは長崎の市長さんも自分の方へと、知事さんも言いたいところなんですけれども、それを我慢して、九州は一体なんだから博多―船小屋間をどうぞよろしくと、この九州一体の知事さんの譲り合いの精神、そういうものが私は今後の交通体系の大きな基礎になっていくと。
 しかも、私が伺いますと、知事さんたちは、他の県の知事さんの話を二時間半も聞いたことがなかったと。みんなが一堂に集まって、二時間半お互いの県の言い分を全部言い合ったと。そういうことでは、知事さん同士も大変今回は勉強になったし、有意義な意見交換であったという御好評をいただきましたので、私はそういう意味でも今後、今、野沢先生がおっしゃいましたように、限られた予算の中にどこに集中投資をしてどう仕上げることが経済効果を上げていくかと、そういう私は公益的な感覚で今後の二十一世紀の国土づくりというものをしていかなければならない、そのように考えております。また、中央がこうしなさいと押しつけるのではなくて、私が先日の全国を歩いた話で経験しましたところは、皆さんが、そのブロックの知事さんが譲り合って、自分の権益だけではない考え方で、どこに重点投資をするかというのも自分たちで選べるんだという、そういう二十一世紀型の考えを持っていただいたことが私は大きな成果であったと思っております。
 今、先生御指摘の、年数を一年でも早めることによってコストダウンができてまた次へ投資できると、そういう二十一世紀型の公共投資の使い方、あるいは利用の仕方、地域の声を吸い上げると、そういう今までと違った逆方向の私はボトムアップ方式というものを取り入れることによって、より地域の発展が図られるものだと思っています。
#26
○野沢太三君 運動を進めてこられました皆様方の切なる願いは、目の黒いうちにこれに乗りたいと、くわ入れはできたが乗れるのはいつかなと、これがもうみんなの共通の願いでございましたので、何とぞこれはよろしくお願いします。
 それから、日本が開発してまいりました本当に大事な技術ですが、超電導による磁気浮上式鉄道の実験が今、山梨で着々と行われているわけでございますが、この実験における現状はどうなっているのか。また昨今、高温超電導材料というものが幾つかまた新しく発見されておりまして、これが実用化すると大幅なコストダウンが見込まれるということも期待されるわけでございます。
 さらには、皆様にもお世話になりまして、私も力を入れて進めてまいりました大深度地下の公的使用に関するルール、これがことしは四月に法が施行になりまして、既にマップも市販されているという状況にございます。ここにおける具体的な設計施工法等の開発も大事な仕事と思いますが、このリニアの実用化見通し等について、お話を伺いたいと思います。
#27
○政府参考人(安富正文君) リニアモーターカーにつきましては、平成九年から山梨のリニア実験線で本格的な走行実験を開始しております。平成十一年四月には、有人による最高速度五百五十二キロを達成いたしましたし、また同年十一月には、二編成によるすれ違い速度千三キロを達成いたしました。五月末現在、その累積走行キロは約十四万キロに達しております。この間、累積の試乗者を含めまして一万九千人が乗っておるという状況でございます。
 現在、このリニアの技術開発につきましては、長期耐久性の確認であるとか、あるいはコスト低減といった幾つかの残された課題を克服するために走行試験を実施しているところでございまして、実用化に向けた技術上のめどを早急に立てたい、技術的にはめどは立っているけれども、こういう長期耐久性あるいはコスト低減ということがまだ必要だということになっております。
 このコスト低減に寄与する問題として、先生から御指摘ありました高温超電導材料の開発ということがございます。現在、この超電導材料につきまして、経済産業省と国土交通省が共同して高温超電導磁石技術検討会というのを設けて、具体的にいろんないわゆる材料を検討しているところでございます。
 また、本年四月に大深度地下の公共的使用に関する特別措置法が施行されましたけれども、このリニアモーターカーによる大深度地下の利用、その可能性につきましても、平成十二年度より実施しております中央リニア調査の中で現在検討を進めているところでございます。
#28
○野沢太三君 それから、四国の社長さんからもお話がありましたように、四国は新幹線が来ないんだと、こういう嘆きがありましたけれども、フリーゲージトレーンが実用化されますと、岡山あたりから分岐して四国各地の県庁所在地くらいまでは全部乗り入れができるということで、山陰地方とかあるいは九州の東側であるとか、西日本の交通体系が一変する可能性のある技術開発ではないかと思いますが、私もプエブロの実験線に最初参りまして現場も拝見したわけでございますが、ことしは下関にこれを持ち帰っての実験をすると伺っております。
 先日もスペインに参りまして、スペインのタルゴ、いわゆる軌間可変の現場も拝見してまいりましたが、既に三十年もこれをやってまいりまして、スペインではこれはもう当たり前の技術であるということで、ごく普通に数分の間にお客が乗ったまま軌間変換をやっておりまして、しかもことしには機関車も可変の機関車を開発したので試験に入るんだと、こんな話もしておりました。
 日本もそれに負けずに、ぜひひとつ実験をさらに深度化し、できればリニアの実験線と同様、人が乗って走れる営業を前提にしたプロトタイプ車をもう開発すべきときが来ているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#29
○政府参考人(安富正文君) フリーゲージトレーンの技術開発についてでございますが、平成九年度から本格的に進めておりまして、平成十一年四月からは試験車両をアメリカのプエブロ試験線に搬送いたしまして高速走行試験を実施したところでございます。この結果、累積の走行キロ約六十万キロを達成いたしました。平成十三年一月にプエブロでの走行試験を終了して、現在は試験車両を日本に持ち帰りまして、国内走行試験の実施に必要となります車両の改造工事等を行っているところでございます。
 この車両につきましては、さらに山陽新幹線の新下関駅付近に保守基地がございますけれども、ここで可変装置を実際に整備しまして、山陽新幹線による高速走行や曲線区間の多い在来線での走り込みといったようなことを、実際の実験をことしの秋ぐらいから行う予定で現在進めているところでございます。
 それから、将来といいますか今後の問題として、プロトタイプ車の導入ということがございますが、これらの国内走行試験の状況を見ながら、どういう形で導入していくか、プロトタイプ車を開発していくかということについては、鉄道事業者とも協議して今後判断してまいりたいというふうに考えております。
 これらの技術によって、いわゆる新幹線が来ない地域の活性化ということが図られるということから、一日も早く我々としても本格的な実用化が図られるよう技術開発を進めていきたいというふうに考えております。
#30
○野沢太三君 大変各地で期待が高くなっております点を配慮しまして、ぜひこういった大事な技術開発並びに投資を重点化していただければありがたいと思うわけでございます。
 そこで、時間もそろそろ参りましたが、公共事業のあり方について骨太の方針の中でもしっかりうたい込まれておるわけでございますが、一番たくさん量的にも質的にも抱えておられる国土交通省のお立場について、お考えを聞かせていただければ幸いです。大臣、ひとつお願いします。
#31
○国務大臣(扇千景君) 先ほども野沢先生の御質問にちらっと私は申しましたけれども、小泉内閣におきまして聖域なき構造改革、そして十四年度の予算における国債の発行額を三十兆にとどめる、これは公約でございますので、少なくともあらゆる歳出分野においての見直しをしていかなければいけないということは言うに及ばずでございます。
 それよりも何よりも、私は小泉内閣ができます前に、一月六日、国土交通大臣に任命されましたときに、既に四省庁を統合して、旧建設省、旧運輸省、旧北海道開発庁、旧国土庁、この四省庁が統合して、一番統合したメリットを目に見える形で出せるのは、まず十四年度予算の編成からですよということを全員に申し渡しました。そして、公共工事の担当部局の局長全部が、どこをどう、切るだけではなくてどこに重点を置くかということを私は提出するようにということで、本来は先月の末にもうグランドデザインもできていたんです。
 けれども、私はそれを延期しましたのは、せっかく森内閣の最後に緊急経済対策というものが発表されました。その最後の四つ目のところに都市基盤整備という項目がございます。それが今度小泉内閣になりまして、この都市基盤整備の中の重点をするということで、小泉内閣におきまして初めて内閣の中に都市再生本部を設置しました。都市再生本部によって、今までと違った、どこに重点を置いてそこで何をするかということが、今夜も第二回目の会合が開かれますけれども、それとの整合性のために私がグランドデザインの発表をおくらせたという事情もございます。
 そういう意味で今後は、先生も御指摘のように、どこがどう変わるのかと。私は大きな点があろうと思いますけれども、それは今申しました都市再生本部を設置しましたとともに、二十一世紀の都市再生のあり方というもの、都市の集中あるいはごみの問題等々、あらゆる都市の問題をどうするか、物流を含めた渋滞の解消もどうするか、これが大きなことでございます。
 もう一つは、今あらゆるところで、最初に先生がおっしゃいました新しい町づくり、あるいは汐留のことも大阪の梅田のこともいろいろ言ってくださいましたけれども、私はPFI、これを利用しながら民間の活力と知恵を私たちも堂々と取り入れていこう。そういうことによって、二十世紀のハード面に二十一世紀のソフトを加味した、あるいは環境、バリアフリー等をPFIを利用して私はやっていくというのが二つ目の大きな目標でございます。
 その後は、私どもも今後ITですとか、昨年皆さんに通していただきました公共工事の入札と契約の適正化法には電子入札ということも入れさせていただきました。これが四月一日から施行になっております。そこまで、電子入札までいきますと、本当に公共工事の明快化、透明性、中立性、公正性、これが国民の目に見えるようになりますので、あらゆる面で私は公共工事の見直しというものがあらわれてくると思いますので、今度は経済財政諮問会議でもいろいろ論議になっておりますけれども、私どもはむだなことは切るけれども必要なところへは集中投資をする、そういう日本の今後の二十一世紀型というものを国土交通省として示していきたいと思っております。
#32
○寺崎昭久君 まず、大臣に伺います。
 今回のJR会社法の改正によりまして、JR本州三社はJR会社法の適用対象外となり、純民間会社になるわけでございますけれども、私の周辺では、何がどういうふうに変わるのかというのがよくわからないという声が少なくありません。
 というのは、株式を全部売ることを純民間会社と言うのか、あるいはJRに対して民間並みの国の関与に近づけていくということにウエートが置かれているのか、その辺がわかりにくいと。国鉄改革から相当の時間もたっておりますので、確かに六十年の国鉄改革の方向を定めたときの基本方針にも「純民間会社とする」という文言は使われておりますけれども、純民間会社というのは何なのか。あるいは類似の言葉として完全民営化という言葉もありますが、これは政府の方は使われていない。違いがあるのかどうか。
 また、純民間会社に求められる条件というのは何なのか。基本方針によりますと、「経営基盤の確立等諸条件」という文言があります。気になるのは、この「等」とか「諸条件」という文言でございます。考え過ぎなのかもしれませんが、「等」というのは往々にして本文よりも重要な場合があるものですから、できれば具体的に例示していただくとイメージがはっきりすると思います。
#33
○国務大臣(扇千景君) 本当は寺崎先生御存じなんだろうと思いますけれども、多くの皆さんに御理解いただくためにこの重要法案を御論議いただいておりますので、その辺のところは私たちも一緒になって頭の整理をさせていただき、多くの皆さん方に御理解賜りたいというのがまず第一に考えることでございます。
 今、先生がおっしゃいました昭和六十年十月の閣議決定というものを、今、先生がお読みになりました「純民間会社とすることとする。」と、こう明記してございますけれども、「純民間会社とすることとする。」という、これは二つの大事な条件があろうと思います。
 純民間会社にするためには、私は特殊会社法でありますJR会社法の適用対象から除外して特殊会社でなくする、これがまず第一の条件だろうと思います。いつまでも特殊会社では、これは純民間会社ではありません。そして二つ目の条件としては、日本鉄道建設公団の保有するJR株式をすべて売却して、その上でその資本構成において一〇〇%の民間の資本体系を持ち得る、これが私は、本来の世間で言われております純民間会社の二つの要件を今のJRは達成しなければ純民間会社とは言えないんであろうと思います。
 それからもう一つお尋ねがありましたのは、この今の私が読みました六十年の閣議決定、この「経営基盤の確立等諸条件」、これは御存じのとおり、良好な経営状況を継承して、そしてこれを継続して行っていく。良好な経営状況、これはもう御存じのとおりでございますし、また国によります後見人的といいますか、国が後見しているんだという、PTAでついているといえばいいのかどうか。いわゆる国が後見人的なそういう助成とかあるいは監督をいつまでもする、そういうことは、私はなくなって初めて純民間会社と言えるのではないかと。これも大きな要件です。
 それから大事なことは、今申しましたように、この六十年の閣議決定にあります経営収支が安定的に推移すること、これも私は大きな要件の一つであろうと思います。また、少なくともこれを、株式を持つ以上は一般の企業並みの安定的な株主に対する配当が行われること、これも民間としては大事な要件だろうと思います。
 そして最後は、例えば株価が売り出し価格を上回って安定的に推移すること、これはもう株主としては当然要求する権利でございますので、私はこの要件がそろって初めて純民間会社と言えるような会社になるのではないかと思いますし、また今、先生がおっしゃいました純民間会社と、あるいは今まで言われているような言葉とどっちがどう違うんだとおっしゃいますけれども、私は純民間会社の条件というものは、今申し上げたようなJRがその条件を整えたときに純民間会社と言えるのだと思います。
#34
○寺崎昭久君 今、大臣のお話にありましたように、良好な経営状態が持続できるというようなことが大事なポイントだとおっしゃられましたけれども、恐らくJR本州三社はそういう状態に達しつつあるという御判断だと思うんですけれども、もう一つの問題として、これには改正法附則第二条第一項に、当分の間配慮すべき指針を定めるということで、民間の鉄道会社とは違う条件を付しているわけですね。これも私は、純民間会社と完全民営化の違いを言う一つのポイントなのかなと思ったような次第でございます。
 そういうことを念頭に置きますと、指針つきの純民間会社というのは過渡的な姿なのかもしれない。つまり、JR各社は完全民営化に向けて努力すべきというような含み、伏線というのがあるのかなということを考えたり、あるいはJR各社というのは一般の民間鉄道と違って国鉄改革の中で誕生したといういきさつもあるから、日本国有鉄道改革法、これは昭和六十一年ですが、これの趣旨を少し膨らませて演繹的に解釈して、国の関与、行政裁量の根拠を与えるために指針を設けた、だから純民間会社という言い方になったんだろうかとも考えております。
 もし、この指針のあることないことが純民間会社、完全民営化とを分けるポイントだとすれば、純というのは純粋の純ではなくて準ずる準にしておいた方がいいんじゃないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
#35
○国務大臣(扇千景君) 寺崎先生の深い読みといいますか、洞察力のなさしむるところだろうと思いますけれども、私の場合、今度指針というのを設けたのはなぜかと。指針があるという間は完全民営化ではないんじゃないか、そういうこともおっしゃいましたけれども、私はこのJRというものの生い立ち、もともと国鉄、これは一元化であるという、全国一社、そういう考え方からこれはスタートしていることでございますから、今回この指針をつくりましたというのも、JR会社は他の鉄道株式会社とは異なる経緯を持っているというのは、もう先生、今私が申しましたように御存じのとおりでございます。
 けれども、少なくともJR会社法の今、先生がおっしゃいました規制から適用除外される、そういう完全民営化されることになる本州の三社に対しましても、このJRが生まれた経緯というものを私はみんなで考えていかなきゃいけない。よくぞここまで育ってくれたと私も思っていますよ、正直申し上げて。けれども、この育ってくれたものを、今までの経緯を踏まえながら事業経営を行うことを求めた。それはまだ株を国が持っている部分がある、半民半官といいますか、まだJRは完全に独立していない。嫁に行ったけれどもひもつきであると、悪い言い方をすれば。親の方の荷物をしょってもらっているんですから。
 ですから、そういう意味での新たなJRのあり方というものを考えたときには、どうしても指針というものである程度完全に独立、先ほど申しました諸条件がそろって完全民営化できたときまでは、私は指針の存在期間というものをそこまでにしようと。そして、できれば健全に、一日も早くこれを廃止できるようになっていただきたいと思っております。
#36
○寺崎昭久君 指針に「当分の間」というのをつけたのがよくわかるわけでございますが、ということになりますと、一日も、ひもつきのひもを切るような努力を国もJRもするべきだと思います。それには、具体的にどういう状態になったらひもをとっていいのかというのがお互いの了解事項になっていないとなかなかベクトルが合いませんし、努力方向が定まらないんではないかということも心配しているわけであります。
 改めて伺いますが、国鉄改革の究極の目標というのは、この指針を撤廃することあるいはJR会社法の廃止にあると考えていいかどうか。それからもう一つは、そういう状態をつくるためには、ガイドラインのようなものをつくってお互いに努力をするということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(扇千景君) 先ほども私が申しましたように、JRは御存じのとおり全国一社、そして公社制の経営体制のもとで今日まで、悪い言葉かもしれませんけれども、あの当時を振り返りますと、まさに国鉄は瀕死の状況、もういつお倒れになってもいい、お倒れになるのを、救急車用意しようか、リンゲル用意しようかというような状況であったことは私は間違いないと思うんです。
 そのために、皆さんが苦労なすって何とかこの変動します今の交通市場に対抗し得るようにと。そのことで私は、この世の中の激しい競争に耐え得る事業体に変革するために、あらゆる巨額の債務等々につきましても適切なあるいは適正な処理を行って、健全な事業体として経営基盤の確立を図りながら分離また民営化して、民間的手法を導入することによってこれは効果的な経営を実現し、そして国鉄を新たによみがえらせる、真に国民の足として愛される国鉄になるためのJR化法ということであったろうと思います。
 そういう意味では、私はこの改革の目的というものは、今、先生、目的は何なんだとおっしゃいましたけれども、国民にとってなくてはならないという重要な輸送手段としての鉄道の役割と責任、これを十分に果たし得るような鉄道事業を再生させる、瀕死の重症だったものを生き返らせる。そして、しかも国民のなくてはならない輸送機関としての大きな役割をもう一度認識してほしい。
 中からも外からも国も、全部挙げてこの改革に取り組んだというのが私は原点であったと思いますし、その中で一番苦労をし、またそれを見てきたのも、私は国会の中で国鉄改革のあのすごかった論争のときを考えますと隔世の感はなきにしもあらずですけれども、やっぱり決断するべきときに決断してよかったなと、そのように思っていますし、今日のJRの完全民営化を言えるようになったと。こんなに成長するということを、私は今改めて感慨無量でございますし、参議院であのときの論争を考えたときには、よくぞここまで来たと、私は本当に称賛の言葉を差し上げたいと思っております。
#38
○寺崎昭久君 一言でいいんですが、指針の撤廃、JR会社法の廃止、これは究極の目標と考えてよろしいかどうか。
#39
○国務大臣(扇千景君) 究極の目標でございます。
#40
○寺崎昭久君 それで、完全民営化に向けたガイドラインのようなものはぜひ御検討いただきたい。これは意見を申し上げるだけにとどめます。
 そこで、改めて三項目の指針についてお尋ねしたいのですが、今回指針制度を設けた理由は先ほども御説明がございましたが、この三項目だけが最初から検討の対象になったのか、ほかにも定めるべき事項としてたくさんあったんだけれども切ったのか、その辺の議論の経過というようなものも含めて御説明願いたい。
#41
○政府参考人(安富正文君) 指針の制度につきましては、もう先ほど来大臣からもお話がございますので省略いたしますが、ちょっと一言で申しますと、やはり他の鉄道事業者とはこのJRが基本的に違うと。
 その経緯というのがございますので、その経緯を踏まえた上でこの指針制度等を設けたわけでございますが、あくまで純民間会社化あるいは完全民営化ということでございますので、我々としてはこの指針は最小限にしなきゃいけない。一方、鉄道事業に対する法規制としては鉄道事業法というのがございます。したがいまして、鉄道事業法で担保できるものはこれはやるべきではない。この会社法で改めて二重の規制をするべきではないという考えに立ちまして、一般法である鉄道事業法体系のみによっては担保することが困難なものという観点から、この指針に定める事項を検討してまいりました。
 その際に、今回、三項目という形で、いわゆる各社間の協力体制、連携体制。これはある意味で、国鉄改革という中から分割してできたという経緯がございますので、これはぜひ指針という形で設けるべきであろうと。
 それから、地方路線の維持あるいは駅等の設備につきましても、やはりこれは当初、国鉄改革のときに地方のローカル線も含めた上で国鉄のスキームとして事業経営が成り立つようにやってきたという経緯もございますから、これについては普通の鉄道事業者、民鉄とは違った制度を設けるべきではないか。
 それから、中小企業配慮規定につきましては、これは現行法にございますので、これをなくすという理由はない。JRがいわゆる非常に大きな企業体でございますし、駅という非常に集客力のある施設を持っているということから、今後ともその状態は変わりません、完全民営化しても変わらないものですから、これはやはり指針という形に、中に設けるべきではないかということで、この三項目に絞って指針の中に設けることとしたものでございます。
#42
○寺崎昭久君 冒頭に、完全民間会社の備えるべき条件について大臣からお答えいただきました。良好な経営状態が持続する、あるいは国が助成をしなくても済むような状態にすることというような御説明もございました。
 また、さかのぼって、昭和六十一年のこの国鉄改革にかかわる議論をひもといてみました。昭和六十一年十一月二十八日、参議院の国鉄改革特別委員会で大変長文の附帯決議がつけられております。その第一項目に、「国及び各旅客鉄道株式会社は、経営の安定と活性化に努めることにより、収支の改善を図り、地域鉄道網を健全に保全し、利用者サービスの向上、運賃及び料金の適正な水準維持に努めるとともに、輸送の安全確保のため万全を期すること。」と述べられております。
 言うまでもなく、国鉄改革の出発点になったのは、経営の安定、収支の改善という期待があったと思いますし、そういうことがあったから国鉄の分割・民営化にも踏み切れたんだと思います。こういう考え方を土台にしていわゆる国鉄改革スキームができ上がり、国鉄は解散する、国鉄長期債務は国民にも負担を求める格好で清算する。それから、最終的にはJRは民間の資本による新しい会社に生まれ変わらせる、そして国鉄が持っていた資産と経営については適正な価格で新会社に譲り渡し、自立経営を行わせるということ。それから、新会社というのは、国鉄改革の経緯、趣旨を尊重した運営を行うというようなのを骨格にしてスキームができ上がったんだと思います。こういう経緯に照らして今の指針を考えてみますと、私は、必ずしも十分じゃない、少なくとも必要にして十分とは言えないんではないか。
 というのは、今回の改正法は、JR本州会社を他の三島会社や貨物に先行して民営化の方向に持っていこうとするものでありますから、この措置が国鉄改革の一環であるというならば、この指針も含めて、将来民営化される、純民間会社化される三島会社、貨物にも適用される内容となっていなければいけないと思います。そういう観点から考えますと、私はこの指針に欠落しているものがあると思うんです。それは、はっきり言って、新会社は国から特別の支援を受けてはならないという指針があってもいいんじゃないでしょうか。
 というのは、報道によりますと、国はJR東海対策として、本当かどうかはわかりませんが、民間鉄道にある特特制度など税制面の優遇措置を検討するとか、あるいはJR三島会社には、発足時の経営基盤では今後の安定経営が難しいというようなことから運輸施設整備事業団が事実上利子補給をしております。四・九九%でお金を借りるというようなことで利息を払っているわけです。
 こういう問題に歯どめをしなくていいんだろうか。国鉄改革の出発点の精神に照らして、後で国が補てんをするというようなことは避けなければいけないということが指針としてなければいけないんではないか。経営基盤の安定とか公共性の維持と称してずるずるとJR各社にもし助成、支援するようなことになれば、ひょっとすると第二の国鉄が生まれかねないという心配もしているわけであります。
 とりわけ、先日の参考人招致のときに、JR四国の社長が大変経営の状況について厳しい認識を示されておりましたけれども、これから本当に三島会社がやっていかれるのかということを私は大変懸念しているわけであります。
 もっと厳しく言えば、最初、国鉄改革で考えたグランドデザインは、部分的ではあれ破綻しているのではないか。だとすれば、思い切って見直しをするというようなことをやらないと、また問題の先送りをする、累積債務を膨らますというようなことにならないかということを心配しているわけであります。
 もう一回もとへ戻って伺いますが、指針に、新会社、純民間会社は国から特別の支援を受けてはならないという項目を入れるべきではないかということと、国鉄改革のグランドデザインを描き直す必要があるのではないか、この二点について伺います。
#43
○政府参考人(安富正文君) 国鉄改革は、先ほどからございますように、全国一元の公社制を廃止して適正な規模で分割して、自立的な経営体制のもとに効率的な経営をやっていこうということで行われたものでございます。
 中でもJR北海道、四国、九州、この三島については、その当時から営業損益は赤字であるということが盛り込まれて、いわゆる前提になっておりました。そのために経営安定基金を設けまして、その運用益で収支を相償うというスキームになっているわけでございます。したがいまして、そういうスキームでやってきて、それでもなかなか今現在、経営安定基金の運用益が入らないということで苦しんでおりますけれども、そういう前提でございますので、あくまでJR北海道、四国、九州については、現在は経営環境が非常に厳しゅうございますけれども、今後の運用益の確保等を通じて各社ともそれぞれの努力をしていただいて、国鉄改革の総仕上げである完全民営化に向けて経営基盤の確立を図っているという状況でございますので、このスキームを今直ちに見直さなきゃならないという事態ではないというふうに我々は考えております。
 それからもう一つ、指針について、いわゆる今回の指針の中に国の助成、支援を受けないという旨の規定を設けるべきではないかということでございますが、今回の指針は、あくまで国鉄改革の経緯を踏まえた事業運営の確保をするという観点から、必要最小限に絞って先ほども申しましたように三項目設けたものでございます。したがいまして、国から補助を受けないあるいは支援を受けないという旨の規定を盛り込むことは今回の指針の趣旨にはそぐわないのではないかというふうに考えております。
 ちなみに、例えばほかの鉄道事業者でも鉄道事業の公共性という観点から、一定の税制措置あるいは補助制度といったものも設けておりまして、こういう鉄道一般に認められている税制措置等については民営鉄道も対象となっていますから、このような税制措置等の対象に本州三社がなるとしても、いわゆる完全民営化の趣旨を阻害するものではないというふうに考えております。
#44
○寺崎昭久君 そうはおっしゃいますけれども、鉄道安定基金というのは、今おっしゃられたように、損失があらかじめ予想されるので、これで何とかカバーしようということで設けられたわけです。だけれども、足りないからといって、運輸施設整備事業団がどうして利子の肩がわりをしなくちゃいけないんですか。私がスキームがおかしいと言うのはそういうことなので、むしろやるのだったら、鉄道安定基金がこれで妥当なのかどうかというようなことも見きわめて検討するべきではないかということでございます。
 それから国鉄改革というのは、言うまでもなく、もう国民の皆さんにはこれっきりで迷惑をかけませんということで二十八兆円もの長期債務を国民負担にお願いしたわけです。ですが、今日までの過程の間では、旧国鉄の持っていた資産を売却する過程で、例えば整備新幹線にその一部の資金を回すとか、いろんな使い方をしているわけです。それでお金が足りません、JRで困っておりますということでまた別のところから、財布からお金を出そうというのは国鉄改革の精神に反しているんじゃないか。
 ですから、私は、ずるずるとやるようなことをしないで歯どめを設けるべきだ。そういう中で、条件を整えて努力をするというのでなければ民間会社になんかなれませんよ。どうですか、もう一回答えてください。
#45
○副大臣(泉信也君) 今御指摘の点で、先ほど政府参考人がお答えしましたところ等、先生御理解いただいておると思いますが、安定化基金につきましては、最初七%程度の利率を想定して設けさせていただきました。今日の低金利の中で三島にどのような手だてをするかという方策を検討する際に、施設整備事業団に四%余りの金利で応援をさせていただくというのは、これは一つの考え方であると思います。
 先生おっしゃられますように、基金の積み増しをするという方法ももちろんあるのかもしれません。しかし、最小限の努力で改革の精神を生かす中で三島の経営の安定化を図るという手だてだったと私は思います。
 また、先ほど局長が答えましたように、鉄道事業法一般の事業の安定のために、あるいはもっと言いかえますと、国民の利便性を高める安定した輸送活動をしていく事業形態を整えるために必要な手だては、私どもはJRが民営化後もそれは同じように適用すべきものだというふうに考えておりまして、今この時点でもう一度全体のスキームを見直さなければ国鉄改革の趣旨が損なわれる、そのようには実は考えていないわけでございます。
#46
○寺崎昭久君 三島会社も大事な会社ですし、私はそこに住んでいる人のことを考えればぜひ維持する方向で考えてほしいと思うわけでありますけれども、先ほど野沢先生からも、上下分離方式も、これは第三セクターの例ですが、おっしゃっておりましたけれども、経営が成り立つようなことをきちんと前提を整えてやらないで、一方では三島会社はよくやっている、経営にも精いっぱい努力しているという評価をしているというのは、国のやり方、政策に問題があるという自覚がないとおかしいので、足りなくなったらまた金をつぎ込むというやり方はやめてもらいたい。
 私は先ほど、JR各社は国から特別の支援を受けないということを設けろと言ったのは逆のことでして、本当は国はやってはいかぬということを入れるべきだというぐらいに思っているんです。これは、これ以上言っていても繰り返しになるかもしれませんので。大臣、何か御意見がございますか。
#47
○国務大臣(扇千景君) 今回のJR三社の問題につきまして、大変長い時間がかかりました。それは、世上で言われておりますように、JR東海のしょっている荷物が他の東、西に比べて重過ぎる、自分たちはなぜこんなに重い荷物をしょわなきゃならないんだ、同等にしてほしいというような御意見のために、本来はJR東、西の二社だけで、JR東海は同じスタートラインにつくのを時期をずらすとか、あるいは今、同時スタートというのは我々はしょっている荷物が多過ぎるので荷が重過ぎてとても走れない、同時スタートにはつけないというお気持ちがございました。
 私は、何とか同時スタートをしたいということにとてもこだわりました。それは、一般の国民から見れば、同じ線路の上を走っている電車がある時点では東になり、ある時点では東海になり、ある時点では西になる、けれどもそれはお客様のせいではないんです。同じ線路で、例えば青森から九州まで行く人が三社全部利用して行くというような人もある中で、一社だけが残る、あとの二社は民営化されるということになって、お客様の利便性をまず考えた場合に、民営化ということで経営を順調に行かせるためにあらゆる民間手法を取り入れる。
 そうすると、JR東海だけは民間手法を取り入れないで頑張る。これでは三社の足並みがそろいませんし、お客様にも連携の運賃で連携のサービスで、民営化しても三社はお互いに連絡し合わなければならないという考えのもとで、どうしても三社同時スタートをしていただきたいという希望を三社の社長にたびたび私はお願いをし、何とかみんなで努力できないのかということも申し上げました。
 延々と時間はかかりまして、何回も御足労いただきましたけれども、おかげさまで私が言ったことに対して三社の社長は最後は快く、わかりました、自分たちも重い荷物をしょっていますけれども頑張りますということでやっと同時スタートにつけたというのが現状でございまして、余りこの内容は言いたくはなかったんですけれども、私は国民の側から見ればJR東であり東海であり西であっても同じサービスで同時、電車のレールの上を走るお客様に不安を与えてはならないということが原則でございました。
#48
○寺崎昭久君 この際、大臣にもう一つお尋ねいたしますが、JRの株式売却後、いわゆる天下り問題についてはどのように対処されるつもりなのか、お伺いしておきたいと思います。
#49
○国務大臣(扇千景君) 職員が民間企業に再就職いたします。これはもう先生百も御承知のことでございますけれども、いやしくも私は民官癒着であるということを言われたのでは、これはもう国会議員もしかりでございますけれども、私はあらゆることで国民の皆様方は、今特にマスコミも厳しい目で見ていらっしゃると思います。そういう意味ではいささかも私は疑われることのないように十分な留意をすべきである、それが原則だと考えております。
 一方で、職員が退職後も新たな分野で本人のあるいは見識とか経験とか能力を生かしていく、これは生きる人間としての少なくとも社会的にその能力なり有識なりそういうものを生かしていくということで社会に貢献することも、これもまたその人の人権のしからしむるところと、私はそう考えておりますので、少なくとも私はJR本州三社につきましては、完全民営化後も引き続いて営利企業への再就職については国家公務員法及び人事院規則に基づく制度を適正かつ厳正に運用していくというのは当分見守っていかなければ、もう何でもいいよということにはならないと。
 彼らは、彼らの技術も少なくとも公費によって得た技術である、そういう認識も持っていかなきゃいけませんので、きちんと国民が行政に対する信頼を損ねることのないような、なおかつ彼らがいかに能力を生かせるかというその辺の整合性というものは厳に慎みながら見守っていきたいと思っております。
#50
○寺崎昭久君 次に、中小企業に対する配慮規定の実効性について泉副大臣にお尋ねいたします。
 平成十二年度決算において、JR本州三社は鉄道収入が落ち込んでいる中で物品販売などの関連事業で増収、増益を上げております。しかしながら、民鉄に比べると鉄道収入以外の比率というのは著しく低いように思われます。JR本州三社がもし民間鉄道並みの安定経営を志向するとすれば、当然物販その他の関連事業の拡大に走るのは自然な姿だとも思えます。
 ちなみに、平成十一年度の鉄道各社の売上高を連結ベースで見てみますと、本体の会社と連結会社全体の売り上げの倍率をはじき出しますと、JR東日本は一対一・三、全体の売り上げが一・三倍だと、その中で本体は一だということでございます。東武鉄道は二・八、それから京成電鉄は二・六、京王電鉄三・七、小田急電鉄四・一、東急電鉄三・五となっておりまして、JR東日本の関連事業収入がほかに比べると大変低いということも言えると思います。だからJR三社は平成十三年度事業計画で、例えばJR東日本が生活サービス事業とか、あるいはJR東海がJRセントラルタワーズ事業、あるいはJR西日本が保有経営資源を最大限に活用し、各事業分野ごとに経営体制を整備し、マーケットでの収益性を高めるというような計画を、方針を打ち出しているんだと思います。
 こうしたJRの一連の関連事業展開というのが何らかの格好で中小企業の経営に影響を与えているのは言うまでもないわけでありまして、この点については前回の委員会でもるる議論がされたところでございます。これはJR三社だけではなくて、ほかの地域でも駅ビル構想の一環として商業施設が建つ、オフィスビルが建設されるというようなことから、いわゆる黒船騒ぎみたいなのが地元商店街等の間で起こっているというのは報じられているところでございます。
 そこで、指針に盛られてはいるんですが、本当に実効性が上がるんでしょうかと、中小企業配慮について。どうやって実効性を担保しようとされているのか、それを副大臣に伺います。
#51
○副大臣(泉信也君) これまでJR各社がいわゆる関連事業と申しましょうか、いろいろな分野に手を出しながら経営の安定の一助にしてきたということは事実であります。
 先ほど野沢先生の質問にもございましたように、民間会社が約五〇%弱の関連事業の比率を持っておりますのにJRは六%前後というようなことからも、また今、先生が御指摘いただきましたようにJR東日本をとっても一・三倍、ほかの民間会社に比べると大変低いということでございます。
 今回、私どもは指針にこの事柄に関するようなことを盛り込ませていただいております。本来、完全民営化する以上は当然事業者の判断であらゆる事業に手を出していくということはあり得ることでありますし、あってしかるべきだと思っております。その際、再三申し上げておりますように、JRの過去の経緯からしまして、現在はJR法十条で規定されておりますような事柄をやはり守ってほしいという考え方が当然あるわけでございまして、そのことを指針に盛り込ませていただきました。
 この指針の運用につきましては、今回の御説明でも申し上げておりますように、地元の方との調整等を十分踏まえていただくということは当然でございますし、内容のいかんによっては公にする、さらに命令を発するに当たって運輸審議会等の御意見をいただいた上で命令をするというふうに、できるだけ完全民営化したJR会社の自立性を担保する形で、なおかつ大きな企業でありますし、町の成り立ちが従来の国鉄の駅を中心に発展してきた経緯等もございますので、地域に摩擦を起こさないように努力をしてほしい、その担保もこの今回の法改正の中に盛り込ませていただいておるつもりでございます。
#52
○寺崎昭久君 失礼ながら書けばいいというものじゃないと思うんですよ。現行のJR会社法にだってちゃんとうたわれているんですね。今おっしゃられたように、十条には中小企業への配慮という項目があります。十三条にはそれを監督する規定もあります。監督してないじゃないですか。今だって各地で黒船騒ぎが起きているということは、そういうことじゃないですか。
#53
○副大臣(泉信也君) 書くだけでいいというふうに私どもも思ってはおりませんし、現在のJR法の中でも、具体的な案件についてJRまたは地方自治体、地元の商店街等の皆さんの中でいろんな調整を図られてきたことは事実であります。ホテルをつくっても食事は出さないとか、あるいは周辺地域の名産品を一緒に売っていただくというような調整をこのJR法に基づいてやってきていただいたという事実がございますので、そうした趣旨を踏まえて今回の指針の中に盛り込ませていただいたわけでございます。
#54
○寺崎昭久君 なかなか実効性が上がるような期待が持てない御答弁しかいただけないんですが、ぜひこの際、客観性のある規制値みたいなもの、先ほどもガイドラインの話をしましたけれども、そういったようなものを研究していただかないと、具体的に言葉の上で守りましょうとかと言ったって、それは保証される話にはならないと思います。御検討を願いたいと思います。これは要望にとどめます。
 副大臣にもう一つ伺います。今の関連事業の売り上げをふやすこととの関係で申し上げますが、JR東日本の社長をされておりました住田さんが「官の経営 民の経営」という本を一九九八年に出版されております。その中に、鉄道収入本体とグループ全体売り上げの比率が一対三になれば、JR東日本の経営基盤は盤石なものになると思うと、具体的には鉄道事業は運賃値上げの必要がなくなると言ってもいい、さらに大手私鉄並みに比率を一対五まで上げることができれば、JR東日本は名実ともに日本の優良会社の仲間入りができるであろうと。また、JR東日本グループ全体の売り上げ目標は、できるだけ早く、できれば十年以内に本体とグループ全体の比率を一対三まで引き上げることが大事だというようなことを述べておられます。
 この関連事業をふやそうとすれば、売り上げをふやそうとすれば、地元とのぶつかりというような問題が出てくる。これは上げなければ、ひょっとすると運賃値上げをしなければいけないというような局面にぶつかるかもしれませんね。そういった場合にはどういうふうに指導をされるんですか、監督されるんですか。
#55
○副大臣(泉信也君) JR東の社長、会長をされた方の一つの見方として、今、先生御紹介いただきました事柄は大切な御指摘だと受けとめておきたいと思います。ただ、関連会社の事業によって鉄道本体の収益を抑えるということが鉄道会社にとって避けられないことかどうか、鉄道の本来の輸送という分野においてなお経営努力をいただくというようなことを我々は期待をしたいわけであります。
 ですから、その本に書かれましたように、関連事業によって一層収益を上げる過程では、先生御指摘のように、地元とのいろんな摩擦が想定されることは私にも思い浮かぶわけでありますが、できるだけそういうときに地域に密着した鉄道という本来の使命を忘れないように、経営者が、先ほど申し上げましたように、指針に基づいて一層地元との調整、自治体との意思の疎通を図っていただくことが私は大切だと思っております。とにかく、もうければいいからということで関連事業を大幅にふやすということは、このJRの今日までの経緯からして、私は必ずしも国民は歓迎しないのではないかと思っておるところでございます。
#56
○寺崎昭久君 なかなかわかりづらい御答弁だったと思っておりますが、ローカル線の維持の問題について、これは大臣に伺います。
 鉄道事業者法を昨年の三月に改正したときに、路線の廃止については一年前に届け出ればいいということになりました。これを補足する意味合いでしょうか、課長通達が出されております。それは、「鉄道事業法の一部改正後における鉄道事業の廃止に伴う調整の実施について」という内容でございまして、要は廃止予定事業等について現状を説明するように、説明するということにウエートが置かれております。
 今回の法改正で、指針の中にこのローカル線の維持に係る規定があるわけでありますけれども、その運用に当たってどのように考えておられるのか。というのは、この課長通達と同じような考えで受けとめていいのか。それから、説明するという趣旨は悪いことではありませんが、これが実効性を持つものかどうか、今まで持ったことがあるのか、それを聞かせてください。
#57
○国務大臣(扇千景君) 私は、今回改めて、この指針の別項というものがあるんですけれども、そこで私は指導できるというふうに書いてございます。これは先生お読みいただいていると思います。この三項目の下でございます。
 これは私が、今まさに先生がおっしゃいました民営化すればするだけ、先ほど民営化の条件のときに言いましたように、順調な経営あるいはまた株主に対して配当ができるようにというような民間経営者に対する条件と同じようなものが課せられたときに、赤字のローカル線を切るということがなきにしもあらず、それは民間になったら何でもできるじゃないかということでは、私は本来のJRの出発点からすれば、国民の足である、国民の欠くべからざる必要な公共の輸送機関であるという認識をもとにすれば、私はこの点を特に三社の社長にお願いしたことは、本来であれば大変失礼ですけれども、指針の三項目の以外に、国土交通大臣は上記の指針を踏まえた事業経営を確保する必要があるときにはJR各社に対して指導、助言、そして二つ目には、国土交通大臣は正当な理由がなくして指針に反する事業運営を行うJR会社に対しては勧告、命令と、大変私は厳しいことを書かせていただいたのは、まさに今、先生がおっしゃいました営利ということに一方的に走り、そして本来のJRの役目を忘れるようなことがあってはならないということから、これを入れさせていただいて、私も自分自身でも大変不遜な書き方で皆さんに不愉快な思いをさせたと思うぐらいひどい文言が書いてあります。
 少なくとも、勧告とか命令なんてしなくていいようにしていただきたいというのは、それは本心でございますけれども、念には念を入れてこれをさせていただいたということでございまして、私は少なくともこういう今まで通達あるいは路線の廃止を行う際の手続の細目を定めたものではございましたけれども、私は今、先生がおっしゃった国鉄から継承したという路線に関しましては、私は維持するために今までの国鉄改革の趣旨を踏まえた、他の鉄道事業者以上の説明責任を求めなければいけないし、また多くの人にそれを開示しなければならない、そう思っておりますので、私はこのような説明責任を求めるための根拠として指針を設け、なおかつ別項を設けさせていただいたということでございますので、今までの課長指導よりもはるかに、国務大臣としての言葉でございますから、そういう意味ではこれが少しでも役に立って赤字路線の早期切り捨てをしないということに私は持っていきたいと思っています。
#58
○寺崎昭久君 一年前に届ければ廃止できるという規定は、まだ一年しかたっておりませんから具体的なケースがないのかもしれませんけれども、これまでの経緯に照らしていくと、例えば鉄道事業法の二十三条にある業務改善命令というのは出されたことがないと伺っております。
 もう同じようなことになるんじゃないかということも懸念しているわけで、説明だけで本当に大丈夫でしょうか。説明をすれば、もちろん理解をしてもらうということを前提に説明するんでしょうが、説明すると、それに対してJR本州三社が大臣の言うことを聞かないとか聞くとかという話にはならぬのですね。説明すればもうそれで終わりなんですよ。あとは大臣のパワーで、腕力でねじ伏せるしかないのかなと思っておりますが、具体的な話を聞きます。
 これは、ことしの三月をもって下北交通大畑線と、のと鉄道七尾線が廃止されております。どちらも旧国鉄から引き継いだ路線でございます。また、ことしの九月末には名鉄の揖斐線、八百津線など四線が廃止される予定に挙がっていると。同じく十月には長野電鉄の信州中野―木島間の部分廃止が予定されている。その背景になっているのが今申し上げました鉄道事業法の改正でございます。
 別のケースとして、平成十年にJR西日本が可部線廃止の意向を打ち出した事情があります。これに対して地元は大変熱心な存続運動を展開したわけでございます。その過程で、一年間の試験増便期間というのを設けて、お客は実際にどれだけ乗るのか、ふえるのかというテストもされたようでありますが、その中でJR西日本の南谷昌二郎社長が、試験運転はある意味では消えゆくローカル線に対するさよなら運動が行われた印象だということをマスコミに言ったとかということで物議を醸したのも報道されておりました。地元でこれぐらい一生懸命存続運動をやっても、存続するのか廃止になるのかまだ決まっていないようでありますけれども、大変難しい問題なんだと思うんです。ですから、説明すればいいとか、あるいはこの趣旨を踏まえてとかいうだけでは、こういう問題は解決できないんだと思うんです。
 一つは、こういうような可部線の問題について、どういうふうに解決してもらいたいと国土交通省は考えておられるのか。それから、地元がこれだけ熱心に存続運動をやっているような場合には、例えば三島会社に経営安定基金というようなのがありますが、それに準じたようなものを出すとか、あるいは先ほどの上下分離方式みたいなことを考えるとか、もうちょっと工夫の余地があるんじゃないかと思うんですが、副大臣、いかがですか、大臣ですか。
#59
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がるるローカルのお話をなさいましたけれども、可部線のことも私のところに参りまして、どうしても地元の皆さんが通勤、通学、通院、買い物、あらゆることで延長していただきたい、これは廃止は困るということだったんですけれども、これも一年それでは様子を見ましょうと、皆さんの熱意で何としてもこれが果たして存続でき得るかどうか、一年延長して皆さん方の御熱意と、皆さん方の足をとらないようにということで一年延長したことも大いに皆さん方には、とりあえずは一難だけ去った、まだ二難三難があるということを言われましたけれども、私は、せめて地元の熱意で一年延長したということも大きな皆さん方に対しての希望であったと思いますけれども、じゃ、果たして一年後どうなるのかと。
 これがまた問題になるわけでございますけれども、今、先生がおっしゃいましたように上下分離方式というのも果たしていいのかなと。それは上と下で経営が異なるということで、果たしてうまくいくんだろうかと。これも、上下分離方式というのも一つの案ではありますけれども、実際に場所によっては、それが可能なところと、地域によってはううんというような、首をひねらざるを得ないような、これはやっぱりその箇所箇所によって違うと思うんですね。
 ですけれども、上下分離方式を導入するということも私は経営方式の一つの方策であろうと思うんですけれども、その可能性があると考えられるとはいうものの、実際の導入に当たっては少なくとも、その沿線の自治体の負担への取り組み、これがもう一番今大きな問題でございまして、先生がおっしゃいますように、上下分離方式の導入による収支の改善効果というものを十分に検討した上でないと自治体の同意も得られないという現状でございますので、できればどこも切らないで皆さんに、じゃ足りない分は全部国が補てんしていくかということでもこれは逆方向に向いてしまう、時計を逆に回すことになるので、何とか私は皆さん方で、地域の皆さんの御希望をかなえられるように、それと地方鉄道そのものの近代化とあるいは財政上の支援措置、あるいは先ほどからも先生がおっしゃいました税制上の特例措置をどこまで講じていけるかということは、私も引き続いて助成措置を活用しながら、現在もあるわけですから、それをどこまでどう続けられるかということで、地方鉄道の経営収支の改善等を図るのを見守りながら、最大限にこの制度を利用して見守っていきたいと思っています。
#60
○寺崎昭久君 終わります。
#61
○森本晃司君 大臣、どうも御苦労さまでございます。先日も質問に立たせていただき、さらにまた参考人の皆さん方の御意見も聞かせていただきました。
 完全民営化、本州三社がその方向にいよいよスタートを切るわけでございますが、この十四年間、先日もお話をさせていただきましたが、それぞれの会社にあって大変な努力等々がなされてきたものだと思います。
 ただ、先ほども寺崎委員の質問に対して大臣の御答弁がございましたが、もう一度お伺いする形になるかもわかりません。三社が同時にスタートする。私もたびたび新幹線を利用させていただいているものですから、これは別々の会社でそれぞれになるとどうなるのかなという思いをしていましたが、三社が同時にスタートできるということになったことは私はよかったという思いでおります。
 新聞でもたびたび報道されましたが、この三社が同時スタートするについては、それぞれ三社のお考え方があって、たびたび大臣が社長をお招きになりまして御苦労をいただいたということが報道されておりました。大臣に大変な御苦労をかけたわけでございますが、それぞれの社が懇談の中でどういう思いであったのか、また大臣がどういう点で御苦労されたのか、またどういうところで御納得いただいて同じスタートになったのか、お聞かせいただきたいと思います。
#62
○国務大臣(扇千景君) 森本先生にも先日からもいろいろ御質問いただきましてもう既に御存じの部分であろうと思いますけれども、このJR三社、それぞれもとは一つでございましたけれども、私いつも申し上げております、私なんか素人でございますから、国鉄に関して。一番わかりやすいのは、旧国鉄、そこからそれぞれ嫁に出したと。嫁に出した東、東海、西、みんな本当だったら持参金をつけて嫁にやりたかったんですけれども、あのときの事情で少なくとも持参金をつけるわけにいかなかったので、なおかつ母屋の借金を背中にしょって嫁に出しました。その母屋の借金がいろいろ三社三様でございまして、一番重い母屋の借金をしょってくれて旅立ったのがJR東海でございました。
 けれども、その当時、御存じのとおり少なくとも七千億から八千億等々、毎年国から補助金を出しておりましたものが、今や今日までの努力によりまして、少なくとも私どもに対しては税金を納めるまでになってきたと。けれども、税金を納めるまで一人前になったけれども母屋の借金をしょっていたものはなかなか減らないと。結婚してそれぞれが一人前になりますときに、なるべく親は独立してほしい、一人前になってほしいと願いますけれども、余りにも母屋の借金をしょってくれたのが重荷になっているのであれば、ここのところで少しはやっぱり母屋もそろそろ母屋の財産を処分して、そしてそれぞれの持っていったものも、母屋の財産の処分をしたもので少し持っていった荷物を軽くしてさしあげようと、これは当たり前の話なんですね。
 けれども、その母屋の荷物がなかなかうまくいかないということでもございますけれども、少なくとも私は、この三社の経営状況を見ましたときに、今までと違ってそれぞれ努力はして、しかも数字を今、先日も申し上げましたから重ねては申し上げませんけれども、JR東が二・八倍の荷物をしょい、JR東海は四・七倍、そしてJR西は一・八倍の荷物をしょっていたんだと。その荷物があるためにということで、それぞれ独立してうまくいって、税金も納めるようになって一人前になったにもかかわらず、母屋のしょっていった荷物に差があるものですから、やっぱりおまえのところはまだ荷物が重いな、うちはだからまだ子供を産むわけにいかないよ、夫婦だけで精いっぱいだと。片方は、もうだんだん軽くなってきたから、もう子供も産んで少しは整理しようか、もっと一人前になろうかという、こういう違いであったんですね。
 それは私は、何としても、申しわけないけれども、国民側から見れば、JR三社は同時スタートしていただかなければ国民が不安になる。何よりも我々国土交通省の第一の目的は安全と安心ですから、そういう意味では、JRの三社の社長に、何とか国民が一番不安を起こさないためには、しょった荷物の重さ、それは四・七倍も、一番東海さんは気の毒だと思っていますけれども、何とかそこは足並みをそろえていただいて、国民がJRの信頼をなくさない、本州三社がみんな安心して乗っていただけるように、また連携したサービスが受けられるように、こっちまではサービスよかったけれども、こっち東海になったらサービス悪いよと、こういうことにならないようにということを懇々とお話し合いをしましたところ、社長の皆さん方も、それぞれ苦しいものはある、けれども今日までのこの努力を考えれば今後も克服していけるのではないかと、そういう立場にやっと立っていただいたというのが現状でございまして、国民の立場から考えれば、同時スタートに持ち込めたということが本当に私にとっては、こうして皆さん方に法案の審議をしていただけるようになったということに関しては私は大変ありがたい、また国民の側に立った各社長の御判断であったと私は感謝しております。
#63
○森本晃司君 そこで、スタートをして、当分の間指針を定めるということになって、指針の期間は「当分の間」ということになっています。
 先ほど来、指針について細かな御意見もございましたが、どうもこの「当分の間」というのがわかりにくい話でございまして、当分とはいつまでなのかということになってくるわけでございますが、私はもうこういった指針はできるだけ早く、先ほど究極の目標であると御答弁もございまして、そのとおりだと思います。早く外すべきではないかと思うんですけれども、この「当分の間」というのを「法令用語の常識」というところで見ますと、「法令上よく使われる言葉である。文字どおり、当分の間ということであって、そう遠くない将来にそれが改廃される意味を含んだ臨時的・暫定的な措置であるという趣旨・意図をあらわす場合にふつう使われるものであるが、数字的に、何年ぐらいまでの期間なら、この「当分の間」ということばでカバーできるかということになると、はっきりした限定的なことは、ちょっといえない」と、こういうぐあいに書いてありますし、地方自治法二百五十条、これはよく挙げられる例でございますけれども、地方債制度の問題、ここで「当分の間、」「自治大臣又は都道府県知事」云々ということでございますが、この「当分の間」は、半世紀を経た現在もなおこの許可制度が存続しているという例もございます。
 「当分の間」というのはどれぐらいの間とお考えなのか。ここには、「法令用語の常識」では「はっきりした限定的なことは、ちょっといえない」と書いてありますけれども、これは私はもう早く外さなければならないと思うんですが、いかがでございましょうか。
#64
○国務大臣(扇千景君) 法律をもってしても明記していないということをそれ以上私が言える立場ではございませんけれども、少なくとも私は、先ほど寺崎先生に申し上げたのを森本先生にもお聞きいただいたと思いますけれども、完全民営化というものの条件を先ほど申し上げました。
 重なりますので省きますけれども、その諸条件を達成し、なおかつ私はこの指針を、まだ今の株式状況では株式の売買は市場の混乱を招くということで、これも今まだ見合わせなければいけない。じゃ、その株もいつ売るんだと言われても、これも当分の間市場を見守るとしか言いようがないわけでございまして、あらゆる国鉄改革が最終的に完了したと判断されるときというのが私はこの「当分の間」がとれるときだと思っています。
#65
○森本晃司君 今、あらゆる問題が解決するまで当分の間とおっしゃいましたけれども、そういうことを完全にいくとなればなかなか厳しいんではないだろうかというふうに思っていますが、これは双方大いに努力して早く外していかなければならないと思っております。
 そこで、貨物の線路使用料について、これはその指針についてどのように考えておられるのかお伺いしたいんですが、JR貨物の完全民営化のための基本問題懇談会では、JR貨物の完全民営化が実現されるまでの間は、国鉄改革の基本的枠組みの一つであるアボイダブルコストルール、これを基本とすべきであると、こういうように書かれております。私もそうしていくことが必要ではあるかと思っておりますが、これに対して線路使用料についての指針はどのように考えておられるか。
#66
○政府参考人(安富正文君) いわゆるアボイダブルコストルールにつきましては、JR貨物がJR旅客会社の線路を使用する際の使用条件でございまして、これは国鉄分割・民営化以降、JR会社間で具体的に協定を結んでこのアボイダブルコストをそれぞれ決めておりまして、いわゆるJR会社法の枠組みの中で現在まで維持してきたところでございます。
 ただ、今回の完全民営化によって本州三社が会社法から除外されるということになりましたので、この指針の中で、一項めにございますように、会社間における連携、協力の確保に関する事項というのを定めることにしておりまして、この中でいわゆるこのアボイダブルコストルールについて盛り込んで、少なくともJR貨物が営業がちゃんとできるように、先ほどの懇談会の意見にもございますように、JR貨物が完全民営化されるまではこれがいわゆる旅客会社との間のいわゆる線路使用料のあり方として維持されるように、我々は指針の中に盛り込んでいきたいというふうに考えております。
#67
○森本晃司君 あと地方ローカル線の問題等々も通告しておりましたけれども、先ほど寺崎委員からお話がございまして、私も聞かせていただきましたので、各論については略させていただきたいと思います。
 先ほどの大臣のお答えの中に、安心、安全ということがございました。先般も、私は最大のサービスは安全であるということでお話をさせていただきましたが、新幹線の安全問題について最近気になる記事が報道されておりましたので、その後どうなっているのかという点について、お尋ねします。
 これは、五月二十九日の新聞を参考にさせていただきたいと思うんですが、「新幹線のナット民家直撃」、「ブレーキ部品折損」ということで新聞に載っておりました。ナットが走行中折れて飛んで、そのナット二百グラム、防音壁、相当高い防音壁でございますが、それを越えて十メーター、そしてその直撃した部分が五センチへこみ、周囲約十七センチがすり鉢状態にへこんでいたと。これは、一つは列車の運行にも私は影響をしてくるものだと思います。
 私も構造の詳しいことはわかりませんけれども、ボルト一つ外れても運行に差し支えないという構造のものなのか。さらにまた、このボルトが折れる事故は、一九九八年から約三年半の間に五十件も発生しているということなんですね。これはどういう状況で起きてくるのか。それから、これに対する安全という問題について考えられたのか。これはまだ民家の雨戸に当たったということでございますけれども、万一飛んでいって人に当たったり、あるいは走っている車に当たったりすると、これはまた大変な事故につながってくるかと思います。この点について、お伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(安富正文君) 先生、今御指摘のように、去る五月二十七日の東海道新幹線において、走行中の車両のブレーキディスクの方の取りつけボルトが毀損しまして、ナット部分が民家の雨戸に当たるという事故が発生しました。これは非常に我々としても深刻に考えておりまして、早速JR東海等に指示しているところでございますが、この毀損したブレーキディスクはいわゆる十二本のボルトで固定されておりまして、そのうちの一本がナット部分が飛んで民家に当たったということでございますので、一本外れただけでは直ちに走行上は問題はないというふうに理解しております。
 ただ、いずれにしましても、これはなかなか大変な問題でございますが、実はこれまでもボルトの毀損が例えば車両の定期検査を行う際に幾つか発見されておりまして、先ほど先生から御指摘がありましたように、この三年間で例えば五十件ぐらい発生しているという実態もございます。
 こういう問題がございますので、JR東海、それから西日本でも同じようなナットの毀損がございましたので、従来からボルトの腐食対策であるとか、それからボルトの強度向上ということで対策を講じてまいりました。ただ、今回毀損したボルトは、さらにJR東海で調査したところ、もうボルトの強度向上であるとかボルトの腐食対策を講じた後のボルトであったわけで、また別の原因があるということがはっきりしました。具体的には、ディスクとナットの間の座金、締めるときに間に入れる座金がございますが、この座金の取りつけに問題があったということで、現在この同種の車両について座金の取りつけ状況についてチェックをして、その改善を現在図っているところでございます。
#69
○森本晃司君 その前に、これは三月十一日のことでございますけれども、「新幹線台車部品を破損」で、「気づかず走行五〇〇キロ」ということでございます。この台車事故は初めてのケースなのか。それは、台車部分と言われると、何となく我々乗っていたら外れてしまうんじゃないかというふうな思いがございますが、気づかず五百キロも走っているわけですけれども、幸い大事には至らなかったんですけれども、この部分についてはどうなっていますか。
#70
○政府参考人(安富正文君) 三月十一日に発生した台車の問題でございますが、現在具体的に調査を進めているところでございますけれども、主電動機に取りつけられました継手、継ぎ手のところにゴム製のOリングがございまして、そのねじれがあったために時間の経過によりOリングが浮き上がって取りつけ時に油切りと筒の間に挟まったというようなことで原因が一応想定されておりますので、現在、油切りのOリング装着時に潤滑油を塗布することでねじれが生じないように措置していて、装着後においてもねじれによる浮き上がりがないような確認を徹底するということで対策を講じているところでございます。
 もちろん、いわゆる台車の異常というか傷等については過去にもございますが、それぞれまた原因が違いますので、それぞれに応じて現在対策をそれぞれJR各社においてとられているというふうに認識しておりますし、我々もその状況については逐一把握しながら今後とも指導していきたいというふうに考えております。
#71
○森本晃司君 やはりこれから鉄道あるいは陸海空については、安心、安全が極めて大事だと思いますし、事故調査委員会も設置されましたので、大きな事故になったときだけじゃなしに、その直前のものもということがこの間もいろいろ議論されてまいりました。
 ぜひ、安全という面に全力を挙げていただきたいと同時に、ただ新聞で見て我々は不安に思うわけでございますけれども、できる限り情報公開をこれからも安全という問題についてはやっていかなければならないのではないか、そういうことを最後に申し上げ、大臣の安全に対する思いを述べていただいて、質問を終えさせていただきます。
#72
○国務大臣(扇千景君) 私が担当させていただきまして、この国土交通省、初めて四省庁を統合した。しかも、四省庁のみならず海上保安庁、気象庁と、かてて加えてこの二つを抱えている役所でございますので、少なくとも職員に私は年初の冒頭にもとにかく安全を第一にということを申しましたけれども、あらゆるところで、この間も海上保安庁等々、外国の漁船を追いかけて相手の漁船が当たって沈没したとか、もう日常あらゆるところで陸海空の情報が入ってまいります。けれども私はそのたびに、少なくとも人命が失われることのないように、たとえ外国の船であろうと何であろうと、その原因調査の前に人命救助をまずして、そしてその後できちんと状況を把握し、その事故調査をするべきであると。
 そういうことで今、皆さん方に安心して、やっぱり日本の鉄道は、あるいは日本の空は、日本の道は安心して通れるよと、世界じゅうからお客様が押し寄せてくるぐらいなそういう日本でありたい。日本の安全と安心は国土交通省の第一義的な使命であると認識しております。
#73
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#74
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、渕上貞雄君が委員を辞任され、その補欠として日下部禧代子君が選任されました。
    ─────────────
#75
○委員長(今泉昭君) 休憩前に引き続き、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#76
○緒方靖夫君 JRになってすべてがうまくいっている、万々歳だという、そういう風潮が非常に強いと思うんですね。例えば国民負担が大幅に減少したとか、そういうのがいろいろ挙げ連ねられます。しかし、私はJR本州三社の完全民営化に当たって、分割・民営化され、この十年間に何が起きたのかということを検証するのが非常に大事だということを痛感しております。
 そこで、考えてみますと、JR貨物、JR北海道、四国、九州の三社、ともに厳しい経営を強いられております。前回の参考人質疑でも、その話を具体的にJR四国の方から伺いました。この三社は、経営安定基金を運用して、その運用益で経営が成り立つ仕組みをつくったわけですね。運用益は三社合計でどうなっているのか。私は資料をいただきました。これを見ますと、当初の八七年、これは九百三十二億円、九九年、三百六億円、二〇〇〇年、二百三十七億円、そしてこれは予算ベースでありますけれども、今年度百七十三億円と、こう激減してきているわけですね。
 利回り七・三%を前提としたことに、私たちは何度も警鐘を乱打いたしました。あの当時、既に市中金利は四、五%、そういう状況でした。しかし、あなた方は胸を張って、十年先を見ているから大丈夫だ、そう述べて我々の指摘に耳を傾けなかった、そういう経過がありました。それどころか、経営は万全だ、新たな補助も必要がない、国会でそう約束されました。
 そこで、お聞きしますけれども、一つ、基金の利子補てんをしている実績額、これは幾らか。二つ、JRになって新たに措置された優遇税制は何か。三つ目、幹線鉄道活性化補助の実績額、三社の合計はどうなっているかをお聞きいたします。
#77
○政府参考人(安富正文君) まず、経営安定基金の運用益でございますが、これは先ほど先生がおっしゃいましたように、平成十二年度までの運用益、各年度ございますが、三社合計で一兆六百七十億円になっております。さらに、平成九年度から平成十三年度までのいわゆる運輸施設整備事業団への貸し付けによる経営安定基金の運用益でございますが、JR北海道がこの貸し付け……
#78
○緒方靖夫君 いいですよ。私の言うことが正確ならばそれでいいですから、質問に答えてください。
#79
○政府参考人(安富正文君) わかりました。では簡単に申します。平成九年度から十三年度の合計見込み額、三社合計で運用益千百六十六億円となっております。
 それから、三島に対する減税措置でございますが、これについては三島のいわゆる三島特例という減税措置、それから承継特例という減税措置がございますが、これにつきましては平成十一年度までの過去五年間の減税額の合計が四百十八億円というふうになっております。
 それから、もう一点ございます。幹線鉄道等活性化事業費補助でございますが、これについては高速化のための施設改良を行う第三セクターに対して補助を行うというスキームでございますので、直接JRに対して行っているわけではございませんが、JR北海道及びJR九州管内の路線にかかわる高速化事業に対する第三セクターへのこれまでの補助金合計は、平成十三年度の予算額を含めまして約三十七億円となっております。
#80
○緒方靖夫君 最後のところでは三十七億円、自治体を含めればその倍額になるという、そういうことになりますよね。それで、経営は万全だ、新たな助成措置は必要ない、そう言って分割・民営化したわけですけれども、どんどん新たな補助が今、局長が述べられたような形でつくられている、そういう事態があります。
 利子の補てん、この五年間で、私もちょっと計算してみました。今のを敷衍すればそうなりますけれども、千百六十六億円新たにつぎ込んでいるわけですね。それから、税制上の特例優遇措置もされております。そしてまた、今述べられた幹線鉄道活性化補助、これも相当額行われている。こういう状況で、以前国会で答弁されていた万全だということが果たしてそう言えるのかどうか、そしてまた、分割・民営化は大成功と言えるのかどうかが非常に大きな問題になってまいります。
 私はやはり、もともと懸念されていたわけですけれども、JR北海道、四国、九州とJR貨物の赤字構造は私たちも指摘したし、それからまた旧運輸委員会でも指摘された懸念どおりになっていると思います。その点で私は政府の責任が厳しく問われている、どうするのか、ここが非常に大事になっていると思います。
 その点で、私はこの間も参考人質疑のときにお伺いしましたけれども、やはり本州三社も必要な協力をする、これは経過から見ても動機で見ても非常に大事な点だと思います。私は何も財政援助をしろというだけで言っているわけじゃなくて、例えば貨物は線路を借りて実際のコスト以下で使用していることをさらに検討するとか、あるいは乗り入れをしているそのコストを調整するとか、そういうことで本州三社がやはりこういう問題について必要な協力を検討する、このことが必要だと思います。
 私はこの間、JR四国の南谷社長にこの点をお伺いしました。南谷社長は、営業施策やダイヤなどさまざまなことがあるので積極的に協力したい、そう参考人として答えられましたけれども、私はこういうことが大事になっていると思うんですけれども、その点いかがということについてお伺いしたいと思います。大臣でも局長でも。
#81
○国務大臣(扇千景君) 前回に引き続いて緒方先生から、このJR北海道、四国そして九州及び貨物についての御質問でございますけれども、私は今、先生がおっしゃいましたように、少なくともこれらの会社が今までどおり、また今まで以上に連携をとらなきゃいけないというのは当然のことで、今、先生がおっしゃったように各社長も協力するということでございますし、何よりも私は今日まで、特にJR貨物についての、この間も私は申し上げたと思いますけれども、今の日本の中の貨物の取扱量、これがほとんどもう民間が主流をなして、JR貨物に行くというのはあらゆる面で民間が取り扱わない部分しか、昔のような小包とか、そういうものがほとんどもう貨物まで行かないんですね。
 要するに、民間で、宅急便でドア・ツー・ドアということになってしまって、小さな小包等々もわざわざ昔のように駅へ持っていってお預けするというようなことがなくなったこの社会情勢の変化等々にも、私はある程度JRというものの価値観のあり方も考えていかなきゃいけない。基本的な輸送の形態のあり方、こういうものも、今の時代に即した経営方針も、私は変わっていくべきであろうと思いますし、また変わらざるを得ない。
 それからもう一つ、私はいつも言っている、これはもう国土交通省も大きな責任があるんですけれども、貨物に載せますコンテナ、このコンテナも、少なくとも外国のコンテナの大きさと日本のコンテナの大きさが違うんですね、サイズが。ですから、これも私は知らなかったんですけれども、外国のコンテナの大きさは、貨物からトラックに載せかえて日本の道を歩きますと、外国のコンテナは大きくてトンネルの高さが通れない道がある。これも私、自分自身がこういう立場にならないと知らなかったことなんですけれども、そのようにあらゆる面で今の時代に即したものに変えていき、またそれで指導できることがあればする。
 そしてまた、同じ路線を使っているんですけれども、それぞれのサービスを共有し合う、譲り合う、そして共存共栄であるというその基本的な考え方は、私は今後大きな経営改善の中にも生かされていかなければいけないと、そう思っておりますので、今、先生御指摘のように、各社長が協力するとおっしゃっているのであれば、より私は元気を出して、この残された三島とJR貨物、元気を出して前向きに経営改善等々、サービスの向上も図っていってほしいと願っています。
#82
○緒方靖夫君 生まれも育ちもやはり国民の共有財産から生まれているわけですから、その点で兄弟が助け合うというのは当たり前だ、そういうふうに思います。
 私は同じ問題として、やはりJRバスの問題があると思います。
 これも参考人質疑で随分出されました。JR全体の一般乗り合いバスの廃止された営業キロ数がどのぐらいかということを私は見てみました。すると、八八年には一万四千二百五十九キロあった、それが今日、直近の数字でいうと六千八百五十九キロ、半分になっているわけですよね。例えば、東日本関係でいうと実に六割が廃止されている、あるいは西日本関係でも五四%廃止されている、そういう状況です。JRバスの収支比率は、東北を除いて一〇〇以下であります。分割・民営化に当たってあなた方が主張した事態、予想とはまるで違っているわけですね。九州を除いてはすべて八七年の移行期から黒字が出ると、そういう予想だったわけです。しかし、これが狂った。
 そういう中で、私は今非常に大事なことは、これは当時、橋本大臣が答弁されたことですけれども、バス事業も含めて、旅客会社の事業が健全かつ円滑運営できるような安定的な事業基盤を整備させて発足させた、こう述べておりますね。あるいはまた、地方バス補助制度に基づく補助を受ける事態というものは考えていない、そう述べているわけです。
 とすると、私は、バス会社を子会社として全部分割するというやり方でなくて、やはりそれぞれのJRが責任を持って、その責任のもとで運営していく、これが国会の審議の経過から見ても、それからまた道義的に見ても当然のことだと思うんですけれども、その点、大臣にお伺いいたします。簡潔にお願いいたします。
#83
○国務大臣(扇千景君) これはJRバス、国鉄改革のときに完全にJR会社のバス事業というものは原則として分社化するという、これは輸送のニーズの柔軟なかつ効率的に対応するということでは、私はこれでやっぱり正しかったんだろうと思います、そのもの自体の体系が違うわけですから。
 けれども、今、先生がおっしゃいますように、JR会社がJRバス会社の面倒を見るべきという御指摘でございますけれども、兄弟だから今さっきの貨物と同じようにこれももう当然だとおっしゃいますけれども、少なくとも国鉄改革の趣旨でございます独立しましたJR各社の健全かつ自立的な事業運営の確保がまさに重要であるという点から考えますと、子会社であっても、経営者の責任があいまいで、なおかつ不徹底なものとならないようにするべきだ、私はそう思います。
 ですから、少なくとも子会社であってもきちんと責任を持ち、そしてかつての国鉄の内部で補助に類した収益の調整を無原則に行うということは適切でないということと考えていますので、私どもも今後このことに関しましては、JRのバスを分社化する際に十分な経営基盤が確立できるように適切な配慮をすると、そういうことになっていたわけでございますから、先生がおっしゃるように、今後もこれを図っていかなきゃいけない。例えば連結のダイヤを、向こうのダイヤがこうだからバスの出発もこうすると、絶えず連携をとるというのが必要だと思っています。
#84
○緒方靖夫君 今、大臣は連結のダイヤの話をされましたけれども、バス事業を含めた連結決算ですね。これを見ても、やはり大幅な赤字を出しているわけですよ。私、調べてみて改めて驚きましたけれども、バス事業を含めて東日本は千三百十七億、西日本は四百七十六億、東海は六百七十億。それは当然のことなんですね。もともとそういうことができるようなシステムをつくったわけです、仕組みをつくったわけですから。
 ですから、私はバスについてこれだけどんどん路線を廃止していく、そういう形でなく、今、大臣も言われましたけれども、やはりきちっとした形でJRの責任のもとでそれをきちっとしていく、そして国民の足を確保していく、このことを進めていく、このことが非常に大事だということを指摘しておきたいと思います。
 それから、自治体のJRへの支援措置の問題なんですが、分割・民営化以降の変化として、自治体負担が大変多くなっているということです。
 先ほどから述べております税制の優遇措置は、固定資産税など自治体の主要財源なわけですけれども、そのほか、設備投資などの支援措置、エレベーター、エスカレーターなどのバリアフリー化での自治体の負担額、連続立体事業等の負担額の増大、整備新幹線などの地方負担など、どんどんこれがエスカレートしている。地方財政は赤字で大変なのに何でそういうことになるのか。これは非常に大きな問題だと思います。
 そこで、伺いますけれども、地方自治体のJRへの寄附、十四年間とこの五年間の実績がどうなっているか、お尋ねいたします。
#85
○政府参考人(香山充弘君) お答えを申し上げます。
 地方団体がJR等に対して寄附を行った実績でございますけれども、国鉄改革法が成立いたしました昭和六十二年度から平成十二年度までの十四年間で申しますと、三百九件、二千四十八億円となっております。また、これは最近の五カ年で見ますと、百八十九件、千百四十七億円となっております。
#86
○緒方靖夫君 この十四年間で二千四十八億ということで、これは大変な負担を自治体が負っているということになるわけですね。この直近の五年間で見ても、今言われたような額がありました。
 特に、本州三社は異常な額になっているわけです。東日本は五年間で五百六十八億円と巨額の寄附を受けている。特に、九六年には二百二十四億円、二〇〇〇年も百八十一億二千四百万と、それだけの寄附になっているわけですね。旧国鉄時代、これは八六年の数字ですけれども、二十五億九千四百万円ですから東日本だけで十倍に達しているわけです。西日本は三百四十八億八千二百万円、東海は七十九億三百万円となっております。そういう大変な寄附が分割・民営化以降急速に大きくなっている。そういう状況にあるわけですけれども、今度の法改正、これによって、完全民営化に伴ってJR本州三社への寄附は自由になることになると思うんです。
 そうすると、地方財政の秩序を保つという点でも、地方財政再建促進特別措置法二十四条二項や国会質疑に基づいて長年規制されてきた寄附の禁止、この規制が取っ払われることになると思います。このことは地方に対して大変な大きな影響を与えることになると思います。今度、寄附が自由になる、そうするとさらにこうした寄附行為が増大していく。大変な問題だと思いますけれども、その点でどういうふうにしてこれを歯どめしていくのか。少なくとも国会で、地方団体が大きな負担を押しつけられることがないように対処していく、そういう約束があったわけです、国会答弁が。それをどう担保していくのか、その点、お伺いいたします。
#87
○政府参考人(香山充弘君) ただいま御指摘がありましたように、今回の法律改正によりましてJR本州三社は完全民営化ということに相なります。そういう意味で、従来から行っておりました財政再建法の趣旨に沿ったような寄附制限の対象からは除外するということに相なろうと思います。
 ただいま御指摘がありましたけれども、これは民営化したから急にということではなくて、最近におきましては例えば秋田ミニだとか山形ミニだとか結構大きな事業、それから都市部におきましては立体交差化、あるいは最近の要請としては駅舎のバリアフリー化、そういうようなことで地域にとって大変必要性が高い事業というのが出てまいったということで、実績として地方団体の寄附がふえてきたんだと思っております。
 今後の取り扱いでございますけれども、これは基本的に民と公共団体との取引ということになりまして、従前のように国あるいは国に準ずる団体としてのJRと地方団体との関係ということについて法的規制をしておったわけでありますけれども、基本的に今後はJRの方が民間ということに相なるわけでありますから、法的な規制はしないということにせざるを得ないというふうに思っております。
 一方で、JRの方に対しましては、今回の法律改正によりまして、国土交通大臣の方から路線の適切な維持を求める、こういうようなことが指針として求められることになっているということを踏まえておりますし、また一方、地方団体の財政的な制約がありますし、議会の方もその財政的な支出に対しては関与するわけであります。そういう意味で、地方団体が負担に値するような、それだけの事業であるかどうかにつきまして十分な審議がなされるという前提でございます。
 そういう意味で、相互に安易な負担を求め、あるいは安易な負担をするということはないもの、それぞれ節度ある対応がなされるものというふうに我々は考えておる次第でございます。
#88
○緒方靖夫君 節度ある対応が、これまでも私は非常に怪しいものだということを痛感しているんです。
 大臣、よくお聞きいただきたいんですが、今、駅のバリアフリー化ということを進めていますね。これは大臣も音頭をとってやられている。しかし、そのときの負担がどうなっているか調べてみました。吉祥寺駅、エスカレーター三基設置されました。東京都と武蔵野市の負担が七五%、JRの負担がわずか二五%。同様に立川駅では六四%、池袋駅では五四%、これが自治体の負担になっているわけです。ですから、JRの負担が非常に私は軽いと思うんです。もちろん、みんなが利用する。
 ですから、やはりこういう問題が起きているわけで、これから一斉に高齢化社会に向けてバリアフリー化が進められるときにJRがこういう対応でいいのか、七五%も自治体に負担させていくようなことがどんどん起きていったらどういうことになるのか。バリアフリー化は結局進まないということになってくると思うんです。ですから、その点でも大臣の御指導をきちっとお願いしたいんですが、その点、短くて結構ですけれども、伺っておきたいと思います。
#89
○国務大臣(扇千景君) 今、緒方先生がおっしゃいましたように、また今、総務省から答弁がございましたのでお聞きのように、少なくともJR本州三社につきましては、今回の法案によりまして完全に民営化が行われますことから、今、総務省からお返事がございましたように、私どもは個別の事案ごとに総務省への協議を要する取り扱いはしないと。そういうふうに今、総務省がおっしゃいましたけれども、私たちはそのように総務省からも聞いております。
 ただ、今、先生がおっしゃいましたように、地方自治体において、地方振興に寄与するものがあるということであるならば、その地方自治体が費用負担することによるメリット等を踏まえて、各地域の実情に応じた私は判断を行うべきであろうと思います。駅の大きさにもよります。
 そういう意味で、JRにおきましても地方自治体に対して安易に負担を求めることがないように、なお二十一世紀型の駅のあり方というものを考えれば、今後なるべく負担をかけないようにということを私たちは期待していきたいと思っています。
#90
○緒方靖夫君 ぜひ自治体に安易な負担をかけないように、今、大臣が答弁されたようにぜひ進めていただくことをお願いしたいと思います。
 もう一つ大きな問題で、一千四十七人の問題があります。この問題についてはこの間参考人質疑でも私は聞きましたけれども、政府の責任で早急に解決する、このことが経緯から見ても当然の問題だと思います。
 この点で、ILOが政府に勧告を出しております。この勧告の三百八十三の(a)で、この目的について、関係する労働者が公正に補償される解決に早急に到達するという目的が指摘されております。つまり、ここでは二つの目的を指摘しております。一つは、公正に補償される。これは適正にと言ってもいいと思いますけれども、公正に補償されること。もう一つは、早急に解決すること。この目的を達成することを政府に求めている、そういうことになると思いますけれども、その点、確認したいと思います。
#91
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいましたとおりでございますけれども、先生が今おっしゃいました千四十七人の話に関しましては、私もこのILOの勧告を見ておりますけれども、これは(a)で、二〇〇〇年五月三十日に採択された四党合意を受け入れるように強く要請する、そうなっておりますので、私はこの要請というものをぜひ受け入れていただきたいと思いますし、政府に対してもこのような問題解決に対する進展等の情報提供を要請する内容になっておりますので、私はその趣旨にぜひ合わせていただきたいと思っております。
#92
○緒方靖夫君 大臣、私はこの間ジュネーブに何度も通ってまいりました。国連人権委員会に出て発言もしてまいりました。そのときにILOにもよく行きました。そこで、ILOの委員がこの問題について何を考え、日本政府に対してどういう思いを持っているかということも伺ってまいりました。今、大臣が言われたように、この勧告の目的、これを達成するということが非常に大事だと思うんです。今、大臣も言われたとおりだと思うんです。
 そこで、ILO勧告が、公正に補償される、そして早急に解決する、このことを目的にしていることは間違いないわけです。ですから、それに沿った形でこの問題をやはり早急に解決する。もう一刻も待てません。もう時間がたっております。そして、これ以上引き延ばすというのはまさに私は人の道、人道に反することだと思うんです。
 ですから、その点で、大臣の強力なイニシアチブを発揮してこの問題を解決する、そういうことを進めていただくことを改めて求めたいと思います。
#93
○副大臣(泉信也君) 今、緒方先生から、ILOの文言をお読みになりましたけれども、これは素直に読めば、適正に、早急に到達するという目的でJRと組合間の交渉を促進することとなる条件を示しておる。これは形容句であって、ILOの言いたい点は、四党合意を受け入れるよう強く要請するというところに私はこの案文の主眼があって、さらに政府は情報をきちんと提供しろということであると。これは素直に読めば私はそうだと思うんです。この四党合意というところは、適正に、早急にということを盛り込んだ四党合意だというふうに私は読むべきだと思っておりまして、先生の今示されました見解とはちょっと違うんではないか。
 ですから、先ほど大臣がお答えをしましたように、四党合意が速やかに受け入れられるように、政府としてはその状況を見守るという言葉は適切かどうかわかりませんが、推移を見ておるということが今日の政府の立場であると理解しております。
#94
○緒方靖夫君 その英文の解釈しているわけじゃなくて、何が修飾だとかじゃなくて、私は原文も見ましたけれども、要するに非常にはっきりしているんです、何を言わんとしているか。いいですか、原文を読むと、関係する労働者が公正に補償される解決に早急に到達するという目的でということがはっきりしているわけですね。私はそれをさっき確認したわけで、大臣もその目的は間違いないと言われたと思います。そして、四党合意を受け取るよう強く要請するとあるわけです。
 ですから、私は、泉副大臣が言われたことの意味がよくわからないんだけれども、この目的を到達するように努力をお願いしたいと、そのことを求めているのであって、そのことを大臣に要求したわけです。お願いしたわけです。ですから、それをきちっとやっていただきたい。このことを要請して、時間が参りましたので質問を終わります。
#95
○田名部匡省君 きょうは日本貨物鉄道の社長さん、おいでいただいてありがとうございました。
 きょうお伺いしたいのは、この前、参考人の方々にお話を伺ったときに、私は料金の一律というのは困難ではありませんかというお尋ねをしたんですが、もうそれは全く困難になっていくだろうと、こういうお話をされたんです。特に四国の鉄道の社長さんのお話を伺っていると、えらい苦労をして、これからも補修にお金がかかる、あるいはフリーゲージトレーンを導入したい、固定資産税についても、いろんなインフラ整備、そういうものについてもこれからどんどんお金がかかるしというお話を伺って、鉄道会社というのは本当に三島問題は大変なんだなというのを感じました。
 ところで、社長さんの鉄道会社は三島に比べてどんな状況なんでしょうか。
#96
○参考人(伊藤直彦君) 先生御案内だと思いますが、鉄道の貨物が、国鉄末期でございますが、大変厳しい状況にございまして、鉄道貨物輸送をやめるやめないの議論まで行ったことがございます。しかしながら、当時の有識者の中で、鉄道貨物は日本からなくしてはならないということでJR貨物ができました。
 私自身も当時からおりますけれども、当時、結果的にはバブル景気があったということになるんでしょうけれども、景気がよかったこともあって、六年間、黒字経営を続けることができました。これは、やはり今から考えますとそういうことになるのでありますが、その後、昨年度の十二年度を入れますと八年間赤字経営でございます。
 この原因が、いろんな見方があるのでありますけれども、我々は、言うまでもなく旅客会社も同じでありますけれども、効率的経営へ向けて頑張ってきたわけでありますが、一言で言えばコストダウンしてきた以上に運賃収入が上がらなかったということになります。運賃収入が上がらなかった二つの要素は、一つは、厳しいトラック等との競争場裏にございますものですから、いわゆる価格破壊とよく言われておりますけれども、荷主企業からの要請を受けて熾烈な価格を下げる競争になっていったという中で、JR貨物もそれとの関係で運賃を下げざるを得なかったというのが一つございます。
 それからもう一つは、これは日本経済から見ればいいことでありますが、いわゆる物流効率化という、荷主企業が、素材型産業に多いのでありますが、セメントとか石灰石とか石油等のそういう産業界における物流ルートを集約して短くするとか、または鉄道を船に切りかえるとかで、いろんな形で企業としての物流効率化の関係でうちの仕事がなくなったというような要素もございます。
 それからもう一つは、これは経営の問題というよりも、まさに自然災害なんですが、あの阪神・淡路大震災それから昨年の有珠山噴火のように、まさに予期せぬ大規模な災害による被害というのは相当JR貨物にはこたえております。旅客輸送の場合も大変ですけれども、バスの代行という形で切りかえることができますが、貨物鉄道の場合には、切れるということによって代行がそう簡単にはできない、トラック等の代行手配はいたしますけれども大変難しいという中でその二年間があったという、これらの要素が複合的に重なって今日の状況にございます。
 ただ、一言加えさせていただきますが、昨年度二十六億の経常赤字の中で、今現在、新フレイト21という再建計画をやっておりまして、実は国鉄から承継したときには一万二千人社員がおりました。これは、当時の貨物充当人員で我々が承継したものでございますが、その方々が全部ほとんど鉄道に従事していたわけですが、その後効率化を上げて、現在七千名を切るところまで来ています。半分近くまで来ています。
 そういうことの中で、全部が全部余剰人員ではございませんが、約二千人の方々に出向という形で他の会社で働いていただいている形をとっております。その辺のことについては、出向先から人件費がフルに回収できないような要素があって、これは経営的にはマイナスになりますけれども、これは過渡的なものであると考えております。
 それらを踏まえて、今後、まずことし平成十三年度も何としても黒字になることが先でありますが、来年度以降についても、まず自助努力ということで新しい三カ年計画をつくり、黒字体質の定着に向けて頑張ろうと、こういう今状況にございます。
#97
○田名部匡省君 ありがとうございます。
 私は、基本的には国全体が、すべての計画を立てるときに、高齢化社会あるいは少子化時代ということを想定して、今からそれに対応できるようなものにするべきだということをもう再三この委員会でも申し上げてまいりました。そういうことから考えると、将来にたえ得るのはやっぱり長距離輸送をするこの貨物鉄道、環境にも優しいし、そういうことでは、これはもう頑張って何としても維持をしていかなきゃならぬところだと、こう思うんです。
 一方、貨物運送との競争ということを考えると、長距離はいいんでしょうけれども、貨物が輸送できる範囲の競争というのはなかなか大変なのではないかなという気がしているんです。一方では、四国の話で感じましたことは、税制であれ補助金であれいろんなことがある。一方では国民の税の負担によってやれる。例えば貨物自動車なんというのはどの程度の特例、そういうものがあるかわかりませんけれども、片一方はなしで競争するという、公平、公正という観点から見るとこれは一体どういうものかなと思ってこの間の四国の話を聞いておったんですが、その辺のところは、これは大臣の答弁の範囲だと思うんですが。いずれにしても、どうぞそういうことも念頭に置きながら、規制緩和が行われて、同じような条件のもとで競争できるということに留意をして頑張っていただきたい、こう思います。
 たくさんあったんですが、何か時間が五十一分までということで、他にも残っておりますので、大変お忙しいところをわざわざおいでいただいて恐縮でありますけれども、どうぞ今私が申し上げたような観点で会社の経営に当たっていただきたい、こう思います。特に、自己責任、自助努力、受益と負担、そんなことを念頭に置いて、もう民間ですから、民間だけれどもどうもこの間の話を聞いてもまだ民間の会社になり切っていない部分があるなと思ってお話を伺っておったんですが、どうぞその決意のほどを伺って、終わりたいと思います。
#98
○参考人(伊藤直彦君) 言うまでもなく国鉄改革、私自身は、本州三社だけではなくて、三島、貨物も含めて完全民営化して初めて終わるものと思っております、私自身ももちろん国鉄の出身でございますから。そういう面で、貨物が今日こういう状況にあることについては極めて私自身、経営の責任者として遺憾に思っておりまして、何としても早く、一日も早く黒字の定着化を図るとともに、完全民営化への見通しをつけたいと、こういう決意でおります。
 以上でございます。
#99
○田名部匡省君 伊藤さん、もう結構ですので。
 そこで、ローカル鉄道とかバスとかいろいろありますけれども、私は、地域の実情というのが相当ある、こう思っているんですね。
 私の地元でもそうですけれども、例えば大畑線がこの前廃止になりました。それから、黒石線も廃止になったのかな。それから、十和田観光電鉄というのは三沢―十和田間を走っていますけれども、大変な人数が減っちゃって、年間百六十万人乗っていたのが七十八万人に減っているんです。乗っている人は、私も道路と並行して走っているから時々見ているんですけれども、お年寄りと学生しか乗っていないんですね。そんなことで、こうして見ておるとバスにしても何にしても、例えば青森市と八戸市は市でバスを経営しているんです。ところが、弘前とか黒石とかほかの市ではバスの事業をやっていない。
 その辺で、私は、今度の規制緩和で国の補助がなくなった場合に、民間の自治体以外のバス事業者は一体どうするのかなと。これはなくなるおそれというのはあるんですか、規制緩和、競争させるということの中で、民間のバス事業者に対する。
#100
○副大臣(泉信也君) 民間のバス事業者が地域の足を確保しておられる中で、先生おっしゃいましたように、高齢化が進んだりあるいは少子化ということでいわゆるお客が減っておるというわけでございます。
 今回のバスへの補助ということについては、今まではバス会社全体に対して赤字か黒字かというようなことで助成をさせていただくということでございましたけれども、これからは路線ごとに赤字か黒字かを判断して路線ごとに助成をさせていただくということになっておるわけでございまして、地域にとってどうしても必要かどうかというような判断は、県、市町村、あるいは国等の関係者が一堂に会して議論をさせていただく地域協議会というのを設けまして、その議論の中で、地域のバスをどうやって守っていくか、必要な助成をどうするかという議論をさせていただくことになっておるわけでございます。
#101
○田名部匡省君 対象事業者の中で、経常損失を生じておるところが対象になる。それから、全事業で経常損失を生じている事業者については固定資産税云々というのがあるんですね。
 この全事業というのは何だとさっきお伺いしたら、不動産業とかいろんなのをやってそれで赤字になっていると。不動産をやって赤字になったからといって経常損失が生じているとみなすことが妥当なのかどうなのかなと。この事業そのもので比較するのならいいですけれども、例えば不動産ばかりでなくて、何かお店もやっていました、宿泊所もやっていました、そんなものを対象に入れるというのはどういうことかなと思ったんですが、いかがですか。
#102
○副大臣(泉信也君) 今、先ほどちょっとお答えを申し上げたところでございますけれども、需給調整規制の廃止ということで、地域の生活の足となるバスの補助制度につきましては、事業者ごとに補助する制度がこれまでございました。それを、必要な路線であればどういう事業者であってもということになっておるわけでございまして、今、先生おっしゃいましたのは不動産も何も含めてというような、いわゆる会社の事業全体を見てというよりも、基本的にはその路線を見せていただく、そしてまたその地域にとってその路線が必要かどうかという判断をさせていただくということが一番のベースであると考えておるところでございます。
#103
○田名部匡省君 そのとおりなんですよね。だから、そのバス事業の部分でどうかというのを見て対象にするというのならいいけれども、ほかの仕事もいろいろやっている会社ですからね。そっちも赤字だから助けてやろうなんというのは、これは通告しないで質問しているから結構です。これやっているともうこれで終わっちゃいますから。後でしっかりと検討していただきたい、こう思います。
 それで、今、各県であるいは市で、地域協議会というのをやっているんですね。県の協議会もあります。そこで、八戸市の場合は地域協議会の会長が八戸の議長さんなんです。で、市営バスは大赤字が出ていると。民間の方はそれほどではないんですが、特に南部バスというのは五戸町というところが本社なんですけれども、八戸から隣はもう岩手県ですから、軽米、大野村、二戸の方までバスやっているわけですね。そうすると、協議会、もう今度は岩手県にも入らなきゃならない。あとは大体県内でやっていますから、そういう非常に県内でも温度差があって、八戸市との関係もあって値上げができない。片方は交通部のバスですから、赤字は市民が負担しているというのと、競争競争といったって限界があるんですね。
 それから、いま一つは、東北線の鉄道、今の在来線ですけれども、三戸という駅までが青森県で、そこまでバスをやっているわけですね。そこだけがこの鉄道と競争になっているわけです。したがって、料金上げようにも、上げると今度は人が乗らなくなる。そういうので、結局この会社も赤字を抱えながらやらざるを得ない。そんな状況なんです。
 ですから、地域によって、特に青森県なんというのは雪の降るところで、大変で、冬行くと。あの狭いところを除雪しないともう歩くのも歩かれないという状況がある中で苦労しておるところもあれば、雪の降らない沖縄や九州の方との違い、そういうものもあって、ただ私は、基本的にはさっき冒頭に申し上げた受益とか負担とか、そういう中でどうしても廃止することができないというのには自治体が援助をしておりますけれども、これとてさっき申し上げた高齢化、少子化の中でこれからそれにたえ得る鉄道であれ、貨物輸送であれ、やっぱり考えていかなきゃならぬ。
 特に便利なのは、確かに大臣もさっき言ったドア・ツー・ドア、ゴルフへ行くにしてもうちまでとりに来てゴルフ場へ持っていってくれて、帰りも同じのを使うと安いというのでやってみたり、それはもう鉄道とはとても競争にならぬということで、やっぱり近距離というのは非常に難しくなってきている。
 それから、きょうも地元の町長、道路が欲しいといって、十和田湖町の町長ですけれども、道路ばかりつくってどうするのと。結局は、この間も話になったように、道路が便利になると町や村の商店で買わなくなって、市に来るんですよ、皆、買い物に。今、市だけではなくて、私のところ、八戸から、これもよくわからないんですけれども、八戸から高速道路ができた、下田という隣の町まで。こっちは道路公団ですよ、その先は県の道路公社、三沢まで。何で公団と公社と二つ並んで、料金を二回取られて。その最初の高速道路をおりたところが下田町というところなんです。そこにジャスコができた。遊ぶのはある、映画館はある。うちの孫もこの間エレクトーンを弾いてくれと頼まれたといって、そっちの方までエレクトーンを弾きに行っているんですから。食べるものも売っている。そこに今度、十和田市とかいろんなところから集中して、十和田市のデパートはつぶれちゃった。
 だから、道路整備というのは、やっぱり相当地域の経済を変えていくということがあるんですね。ですから、いろんなことを考えてこれからの事業というものは展開していかなきゃならぬと、こう思うので、書いてあるのではわかりましたけれども、どうぞ地域の実情というものと、将来の交通というものはどこまでが国家としての責任があるかということを、ルールをつくって明確にした上でやっていただかないと、あっちをやったりこっちをやったりすると不公平が出てきますから。そういうことを、しっかりと扇大臣のうちに確立してやっていただきたいと思います。
#104
○国務大臣(扇千景君) 田名部先生いろいろ御指摘いただき、また私が常々言っております国土交通省としての二十一世紀の国土のあり方、基本のグランドデザインをつくりたいと言っていることを御示唆いただいて、頑張れよと言っていただいたんだと理解します。
 私は、そのグランドデザインをつくりますのも、今、先生がおっしゃいましたように、地域性、あるいは道路をつくれ、鉄道をつくれ、あるいは空港をつくれと、いろんな御要望がありますけれども、今おっしゃったように、片方つくれば片方がだめになるという、そういうバランスをどこでどうとるか、その地域にとっては一番利便性の高いものは何なのか。また、その中で国民の生活の安全と安心を得るのは一番どれが適しているか。私は、それぞれ地域性があろうと思います。
 そういう意味では、国土交通省、今までと違って四省庁統合したわけでございますから、この四省庁統合のワンストップサービスと私は言っておりますけれども、今までは運輸省に行ったり建設省に行ったり、みんなうろうろしていらっしゃいましたけれども、今度、国土交通省でワンストップサービスができるということで、ぜひ先生方の御意見をいただいて、今後の二十一世紀の国のあり方の基本として交通体系をどうするか、私も考えさせていただいて、皆さんの御意見を参考にさせていただきたい。ぜひ早目にグランドデザインをつくりたいと思っております。
#105
○田名部匡省君 時間ですから終わりますけれども、一遍補助金を出す、支援をするということになると、もう後からこれやめたと言うわけにいかぬのですね。それで、それが出るともうそれに頼ってのんびりしちゃうということもあって、これは国土交通省だけでなくていろんな分野で、余り手とり足とりやったために今もう財政もこんなになってきた。ところが、長いことそうやってやってもらった癖というのは抜けませんから、困れば何とかしてくれるんだろうと思っているんですよ、まだ、みんな。それをどうやって変えるかというので、小泉総理は今苦労しているんでしょう。
 だから、私は、この間も石原伸晃大臣に、地元に地域公団が今度工場を建てて、賃料で入ってもらうと。株式会社に建物を建ててやって賃料取ってやるというのは、これはもういよいよこの国は社会主義の国になってきたなと。
 そう思ったら、今度、県でも、むつ小川原は土地が余っているものですから困っちゃっているんですよ。そこで八十何億か借りて、やっぱりそこに液晶の工場を建てる、それで家賃を取ると。固定資産税はどうなんだと言ったら、いや、固定資産税は六ケ所村が五年間免除だと。それは村民に入る固定資産税、もらえる分がもらえなくなるんですから。そうして、倒産したらどうなんだと言ったら、いや、八十何億はみちのく銀行と青森銀行が保証することになったと。それで、この液晶というのは中国でつくる可能性はないのかと言ったら、ありますと言うんだ。そうしたら競争にならなくなるだろうと。倒産したらどうするんだと言ったら、その入る会社が責任を持ってと。そこが倒産するんですから。そうすると、結局、自治体が、県が金を出してつくったのは倒産すれば県民の税金で負担ですね。
 こういうことが余りにも、やるなと言うんじゃないですよ、やってもいいけれども、後々にだれが責任とるのかというのが明確でないといいかげんになっちゃうんです。だから、この間も大臣、言いましたね、法律をつくるとき、だれがつくったかというのを名前を書いておいてくれと。十年、十五年たったとき、あんなばかなのをあれがつくったのかというようなのを残しておくと責任感が出てしっかりやるようになると私は言っているんですけれども、どうぞ今申し上げたように、大変な時期ですから、みんなが不公平感を感ずるようなことはやってはいかぬ、こう思います。
 それから、千四十何名かの問題、この間から出ていましたけれども、率直に申し上げて、失業した、職をなくした人は大変だろうなと思っている。ただ、私は民間で事業経営をしていました。民間は倒産すると、あるいはリストラかけられて、倒産なんかすると女房子供を連れて夜逃げして、どうにもならぬで自殺しているのが一万何人いるでしょう。ああいうのから見ると、何でこんなに何十年もこんなことになってきたのかなというのは、率直に言って、民間で事業をやっている我々から見ると、なかなか理解しにくいことですよ。どうぞ四党のあれで決着すると、こういうことですから、いいように持っていかれるのは結構ですけれども、やっぱり感覚的には民間も役所も同じような感覚でやってくれないと、民間の人たちから見たら、とてもこの不公平感というのはますます強く感ずるのかなと、こう思って見ておりました。
 最後にまとめてお答えいただければ、終わります。
#106
○委員長(今泉昭君) 時間オーバーしているから必要ありません。
#107
○田名部匡省君 済みません。
    ─────────────
#108
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として小泉親司君が選任されました。
    ─────────────
#109
○戸田邦司君 議論も大分進んでまいりましたので、最後に幾つか確認といいますか、そういうようなことで三、四点についてお伺いしておきたいと思います。
 まず第一に、先ほど来議論のありました指針の問題です。それで、これは「当分の間」と、こういうことになっているということですが、私の今までの考え方というか経験から申しますと、「当分の間」というのは永久にという感じがありますね、役所側から見ますと。その辺は、実際にやってみて、もう必要がなくなったということになったらおやめになられるということではないかと思います。
 完全民営化して、なぜ指針が残るか。この指針の部分というのは今回の改正の一つの核心的なところではないかと思いますが、私は今までの歴史的経緯、それから場合によってはバス、高速道路、そういったところと競争があるといいながら独占的というようなところもないわけではない、歴然と残っていくところもある。そういったことから考えますと、指針があるということはやはり一般の事業者のサイドから考えて一つのよりどころではないかと思っておりますが、大臣、この辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#110
○国務大臣(扇千景君) 戸田先生も運輸省御在任中から、るるこの国鉄問題についてはお詳しいと思いますけれども、本来もともと国鉄を民営化するときのあの大きなことから考えますと、JR各社とも健全な事業経営を行っていく、それが大きな目標でございますし、また少なくともスタートが公的な財産でありました国鉄、これは国民全部の財産でございました。そういう意味では私は、事業用の資産の承継を受けたJRであると。その基本をJRはしっかり構えておかなきゃいけない、また基本の頭に持っておかなければいけないことだと思います。
 今回の完全民営化には、その基本問題をより自覚してもらうためには完全民営化できるまで指針を定めて、ある程度、あなたはやっぱり国民の財産からスタートしたんですよということをどうしても、当分の間というのはいつまでだとさっきもお尋ねがございましたけれども、私は、いろいろな諸条件、株の売買あるいは経営の持続的な好調、あるいは株主への継続的な配当等々、あらゆる面で完全民営化するまで、やっぱりこの基本的な指針で、こういう経緯であるんですよということの確認の意味も含めているというふうに御認識いただいた方がむしろいいのではないかと思います。
#111
○戸田邦司君 おっしゃられるとおりだろうと思いまして、私は、株を完全に売却した後については株主側からの強い要請もあると。この指針の運用についても、やはりそういった面からの制約が出てくる。ですから、非常に微妙なところでの運営になっていくのかなと。ですから、何でも役所側から言えるというようなことではないんじゃないか、そこに自律的な運営がなされるんじゃないかということを大きく期待しております。
 それから、けさほど来いろいろ議論があったところでありますが、運輸政策審議会の第十九号の答申、この中で、鉄道整備方式に関する基本的な考え方として上下分離方式の検討が述べられております。
 上下分離方式といいましても、突き詰めて考えますと、上と下とを別会社にするという単純なものではないような気がしますね。例えば、線路を別の会社が持っている、それに対して公的な援助もあり得ると。例えば地方自治体あたりがそれに補助を出していくとかいうようなことになっていきますと、かなり下の部分について公的なものもある。ですから、上下分離といいながら、実際の運用についてはいろんなバリエーションがあるのかなと。
 ですから、その上下分離を実際に適用していく際にも、事業種別にそれにかなったような形での運営ということになっていきはしないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#112
○政府参考人(安富正文君) 今、上下分離方式の問題についてお尋ねがございましたが、御承知のように、従来、民間で鉄道事業をいろいろ整備していくということがなかなか難しくなってきている、あるいは地方公営企業、地下鉄による整備もなかなか難しいという場合に、一つの整備支援方策として上下分離方式の採用ということを運政審の答申でも言われているわけでございます。
 これは、上下分離方式を採用するについては、おっしゃるように事業の種別によって違います。例えば都市鉄道で採用する場合、あるいは地方鉄道で採用する場合、いろいろあるかと思います。例えば、地下鉄等の都市鉄道整備については、平成十三年度の予算で、この上下分離方式の一つのあり方として京阪中之島新線であるとか阪神西大阪線、これは大阪市等が出資している第三セクターが鉄道施設、インフラを整備して、この上を運行事業者である京阪とか阪神電鉄が有償で貸し付けを受けて運行するといういわゆる上下分離方式をとっておりますが、こういうやり方も一つあるかと思います。
 それからまた、例えば地方では、並行在来線で、東北新幹線の盛岡―八戸開業に伴いまして、青森県が第三セクターで地方鉄道をやるわけですけれども、いわゆる青森県自体がインフラを持って、これを三セクの運行業者に貸し与えるというかほとんど無償に近い形で貸し与えるという方式の採用も検討しているようでございますので、そういうやり方もあるということで、それぞれその地域あるいは事業の業種、形態、そういうものに沿った形でいろんな上下分離方式のバリエーションが出てくるんじゃないか。そういうことを、これから個別事業ごとにそれぞれ収支採算性あるいは沿線自治体との関係も含めながら総合的に検証して、具体的な対応を図っていく問題であろうと考えております。
#113
○戸田邦司君 一つ一つ考えていきますとなかなか難しいことになっていくかなと思いますが、その鉄道を維持していく目的、そういったことに照らして考えれば一つの道筋が出てくるんじゃないかと、こういう気がしております。
 次に、これも既に議論のあったところでありますが、地方交通線です。国鉄民営化のときに地方交通線、十幾つあったのかな、もっとあったのか、ありまして、これを分離して、それで大体第三セクターに引き受けてもらったというようなことになっておりましたが、これを第三セクターに引き受けてもらう段階では、できるだけ路盤整備とか線路の整備とか、そういうところはきちっとした上で引き受けてもらったということがあったと思います。これは当然のことだろうと思います。
 ただ、非常に困っている点は、今の上下分離方式を敷衍して考えるということではありませんが、経営が非常に苦しいところが多いわけですが、若干の赤字については地方自治体が補てんしている、そういうような現状になっていると思いますが、一たん災害があると復旧が非常に難しいんですね、相当費用もかかりますし。それから、この災害関係の問題については、災害が起こる前にいろんな手だてをしておく、補修しておくとか予防的な措置をとるとかいうこともあるだろうと思いますが、これは災害復旧と違いますので、なかなか第三セクターが実際に事前にそういうような措置がとれない、そのために災害が大きくなっていくというような点もあるかと思います。
 こういった点については、やはり公的に見てやらないと第三セクター化した地方交通線の維持は非常に難しいんじゃないかと私は思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
#114
○政府参考人(安富正文君) 大規模な自然災害を受けた場合に、鉄道線路等の施設を復旧するということにつきましては、災害復旧事業について国民生活に障害が生じないように速やかに実施するという建前から、鉄道軌道整備法に基づいて現在補助を行ってきたところでございます。
 これまでも台風や集中豪雨によって被害を受けましたくま川鉄道であるとか長良川鉄道等の第三セクターに対して補助を行ってきておりますし、そういう意味で、今後とも第三セクター鉄道が自己の資力でなかなか復旧できないような災害に見舞われた場合に、この災害復旧事業費補助を活用しまして、適切な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
#115
○戸田邦司君 そういうような危険が考えられるところについて事前の措置も含めて考えていただければと、こう思います。
 それから、JRの貨物会社、非常に経営が難しくなってきていたと思いますが、最近お伺いするところでは、赤字の拡大がとまったというようなところまで努力してやってきておりますと。しかし、それじゃ将来黒字化することが可能かというと、これも非常に難しいと。そういった状況にあると思いますから、これは三島の経営とは全く違った様相を持っているわけですが、どこかの時点できちっとした対応を迫られることが来やしないかと、こう私は危惧しております。
 それで、例えば整備新幹線の並行在来線、これの経営分離などによってJR貨物のこれからの線路使用料負担が大きくなるんじゃないかと、大きくなると貨物はますます苦しくなるというようなことが心配されておりますが、この辺はどんなふうに見通しておられますか。
#116
○政府参考人(安富正文君) 新幹線の後の並行在来線の際のJR貨物の線路使用料の問題でございますが、具体的に言うと東北新幹線の盛岡―八戸間で並行在来線の経営分離がございまして、その際に、当然第三セクターを運営する三セク側としてはフルコストとして線路使用料をいただきたいと、こういう話がございました。
 ただ、それをやりますとJR貨物が非常に受損する、損を受けるということがございますので、この問題につきまして関係者間で調整を行った結果、貨物列車の走行比率が相当程度高い、今までと違って旅客と貨物が同じぐらいの走行比率になるということもございますので、昨年の十二月の政府・与党申し合わせで、線路使用実態に応じた適切な線路使用料を確保することとし、これに伴ってJR貨物がこうむる損失については、必要に応じこれに係る新幹線貸付料収入の一部を活用して調整する措置を講ずるという旨の了承がされたところでございます。
 これを受けまして、第三セクターにとってはJR貨物から線路使用実態を反映した合理的な線路使用料を収受することができるという形になりまして、ただ、JR貨物にとりましては、その三セクに払う部分と従来負担していたアボイダブルコストの差額をこの貸付料の中から新たに補てんするという形で調整措置を講ずることにしております。
 そういう形で、新しい線路使用料のルールについて、青森県、岩手県それからJR貨物との間で合意を見て、現在その方向で進めているところでございます。
#117
○戸田邦司君 これも動かしてみないとわからない部分もあるかと思いますから、JR貨物の運営についてはこれからも注意深く見ていかなければならない問題だなと、こういう思いをしております。
 次に、おけがをされた大臣を前にしてこういうお話をするのもどうかとも思いますが、大臣もバリアフリーについて相当真剣に考える機会になったのかなと、こう思っておるんです。
 私自身も身障者ですから、いつもそういう点についていろいろ考えさせられる点がありますが、私の友達がこの間骨折してけがしたんです。かなり回復して、ギブスをして松葉づえで公共の交通機関を利用する。そうすると、あそこの階段は手すりがあったかな、なかったかなと、どっちにあったかなとか、そういうことさえ非常に重要になってくるわけです。
 この間、バリアフリー関係の法案も通りまして、それで整備がかなり進んできているというような状況で、第一段階としては相当積極的に取り組んでおられると思いますが、あれより規模の小さいところでも、そういう身障者あるいは御老人、そういった人たちのことを考えますと、やはりエスカレーターなりエレベーターなり整備すると、どこで階段を上がらないで済むかとか、そういうことを皆さん真剣に考えておられるわけですから、第一段階の整備が終わったら、第二段階でもう少し利用者数の少ないところもそういったことを考えてやれば、鉄道の公共交通機関としての利用の利便度、これが大きくなっていきやしないか。特に階段、それから乗りかえのときにホームを渡らなければならないようなところというのは多いと思いますが、そういった点についてひとつ先のことまで考えていてほしいという希望を申し上げます。大臣、もし御感想がありましたら。
#118
○国務大臣(扇千景君) 私の不注意でテレビ局でひざのお皿にひびを入れまして、大変みっともない格好で皆さんに御迷惑をかけておりますけれども、改めて自分が車いすというものに生まれて初めて乗ってみまして、いかに国会の中も不便であったかと。特に官邸の中が一番不便でございまして、早く官邸を立ち上げないと、これはとても閣僚で車いすなんというのは無理だなと、諸外国からいらした方に対しても失礼だなというふうに感じてはおります。
 少なくとも一般の皆さん、今、戸田先生の御指摘のように、一応バリアフリー化を通していただきまして、一日の乗降客が五千人以上の駅に関しましては原則としてすべての駅に平成二十二年まで、こういうことになっておりまして、二十二年でもほとんど先が長過ぎると私は思っておりますので、現段階では十三年度予算で約八十億でございますけれども、こういうことこそ私は経済効果として集中投資するべきである。しかも、五千人以上のところが平成二十二年までというと、もうとても私も生きているかどうかわからないぐらい長いと思いますので、ぜひこういうところでは、私は緊急経済対策という面から考えても、この緊急経済対策の中にバリアフリー化というものはぜひ集中していきたいと、そのように思っておりますので、皆さんの御声援があればなお私も申し上げたいと思いますので、ぜひ先生方の御支援と、そして実現を図っていくという、御努力いただきたいことをお願いして、逆にお願い申し上げておきます。
#119
○戸田邦司君 大変積極的な御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 駅によって、それから線によって、また違うんですね。東京駅をごらんになられればわかると思います。それから、あれほど多くの人が乗りおりする横浜駅、これはエスカレーターがありませんね、今整備中なのかもしれませんが。そういったことで、ぜひ期間も短縮して、それから乗降の規模ももっと縮小して考えていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#120
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田村公平君が委員を辞任され、その補欠として阿南一成君が選任されました。
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#121
○島袋宗康君 私は、鉄道の技術開発についてお尋ねしたいと思っております。
 安全性、快適性の問題、そして高速化の問題等、特に力を入れている研究開発分野はどういった点なのか、諸外国に比較して我が国の技術水準及び研究開発の現状、その辺について御説明願いたいと思います。
#122
○政府参考人(安富正文君) 我が国の鉄道、新幹線に代表されますように、世界最高速度で、あるいは時速三百キロの営業運転を行うとか、あるいは開業以来新幹線乗客の死亡事故がほとんどないといったようなこと、そういうことから、こういう新幹線以外の在来線や都市鉄道についても高速、高密度でこういう形で運転しているという状況につきましては、我が国特有の環境の中で、それぞれの安全性、定時性の確保というのがかなり世界じゅうの人から評価されているんではないかと我々は考えております。
 そういう意味で、それを支える鉄道技術の水準というのも、世界の中で私どもとしては最高水準にあるというふうな自負を持っているところでございます。
 現在、この技術開発については、我が国の鉄道について運輸技術審議会の方で平成六年に「二十一世紀に向けての鉄道技術開発のあり方について」という答申をいただいておりますが、その中で重点に置いておりますのは、一つは高速化、一つは快適化、それから安全性向上、それから効率化、この四点を重点課題という形で今後の技術開発を推進しようということで考えております。
 具体的には、例えば高速化についてはリニアモーターカーやフリーゲージトレーン、さらには安全性というような観点ではユレダスといったような地震を感知するシステム、さらには今後の環境問題を考えますと、リサイクル車両の開発といったような環境負荷の低減に配慮した技術開発といった幾つかの点がございますが、こういったそれぞれの鉄道の発展に必要な分野について、今後とも重点的な技術開発を行っていきたいというふうに考えております。
#123
○島袋宗康君 日本の鉄道は世界的にも絶対劣らないというふうな点では評価していきたいと思います。
 ところで、新幹線については事故が全くないというふうなことでありますけれども、最近、都市部において人身事故が相次いでいるというふうなことについては、その辺の対策は、もっと事故が起きないような方策はないのかどうか、その辺についてお尋ねします。
#124
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘の、多分ホーム転落事故等のことを指しておられると思いますが、この問題につきましては、平成十三年二月十九日付で緊急に実施すべき安全対策ということで全国の鉄軌道事業者に指示したところでございます。
 この中身としては、具体的には、運転本数の多いプラットホームにつきまして、非常停止押しボタンであるとか、あるいは転落検知マットの整備を図る。さらには、逃げる場所がないということが問題でございましたので、プラットホームの下の退避スペースの確保といったような指示。さらには、今後の抜本的な解決策としてはホームさくといったようなこともございますが、これについては幾つか問題がございますので、これらのホームさく等についての設置の検討を行うということを指導いたしました。さらには、ホームにおける危険防止やマナー向上といったことでのいろんな案内放送、ポスターといったような注意喚起、さらには係員のラッシュ時における巡回対策といったようなことも指示しているところでございます。
 現在、各鉄道事業者において可能なものから順次整備を進めておりまして、また我々としても各社の整備計画の具体的な内容について現在取りまとめを進めているところでございますので、これらの安全対策が今後さらに着実に実施されるよう、我々としても指導してまいりたいというふうに考えております。
#125
○島袋宗康君 先ほどから議論がありますように、第三セクターの鉄道が非常に経営難であるというふうなことが議論の中にありましたけれども、国の方として、そういった第三セクターのいわゆる経営困難という面でどういった支援をしていくのか。あるいは、これをずっと継続していかなければならない課題があると思いますけれども、その辺についての国としての積極的な改善策というふうなものがあるのかどうか、お尋ねします。
#126
○国務大臣(扇千景君) きょうもいろいろこの第三セクターに対しての御質問もございましたし、また、果たして第三セクターでこのままどうなるかということですけれども、今、島袋先生お尋ねございましたように、第三セクターの鉄道会社、三十八社ございます。これが大体、平成十一年度の経営状況につきましては、少子高齢化によるいわゆる通勤、通学の利用者の減、あるいは各社とも厳しい状況であるのは、きょうの委員会でるるお話のあったとおりでございますけれども、この三十八社中、黒字会社が五社、そして赤字会社が三十三社、そういう状況でございます。
 国としても、先ほども私がお答えいたしましたように、通勤、通学あるいは通院、買い物、そういう意味での皆さん方の、地元の住民の日常的な生活に直結しておりますので、何としてもこれは不可欠な重要な足である。そういうことで、地方鉄道につきましては可能な限り維持するということが望ましいのは当然のことですけれども、我々として、地方鉄道の安全性の確保だとか、あるいは利便性の向上等を図ることを目的として、地方鉄道の、先ほども申しました近代化とそしてそれの財政上の支援措置、あるいは税制上の私たちの特例措置をどのように講じていけるか。今でもそうしておりますけれども、今後引き続いて、これらの助成措置を活用して地方鉄道の利用を惹起して、私たちは地方鉄道の経営収支の改善策を図るように最大限の支援をし、また見守ってまいりたいと思っています。
#127
○島袋宗康君 私は、こういった日本の鉄道が、全国津々浦々まで鉄道が敷かれているという面で、やっぱり国民から見ると公正な、いわゆる公平な立場で鉄道が敷かれて、そして交通機関において格差が出ないようにというふうなことが国民の願いだというふうに思っております。そういった僻地交通問題については、ぜひ今、大臣おっしゃるような面でこれが継続できるような形で、第三セクターでもうこれは経営困難だからだめだというふうなことにならないように、積極的に支援していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 それから、清算事業団及び日本鉄道建設公団、そして国鉄清算事業本部の土地売却実績の推移を昭和六十二年度から平成十二年度について見てまいりますと、平成十年度以降は件数、面積、金額ともに減少しているようであります。それはどのような理由によるものなのか、そして当初の土地保有面積はどれだけあったのか、現在の残面積はどれだけあるのか、今後の処分方針についてどういうふうなお考えなのか、お伺いいたします。
#128
○政府参考人(安富正文君) まず、当初の国鉄清算事業団が引き継いだ旧国鉄用地の保有面積でございますが、事業団が約九千二百ヘクタールを承継いたしました。このうち、十二年度までにその九四%に当たります八千七百ヘクタールを既に売却しております。この結果、平成十三年度の首で残る旧国鉄用地が約五百ヘクタールになっているところでございます。
 先生御指摘のように、この処分の件数は平成十年ぐらいからだんだん減少してきております。これは確かに御指摘のとおりでございますが、一つは、事業本部の保有する売却可能な残りの土地がだんだん減ってきているということから、ある意味では当然のことに次第に減少してきているというのが一つございます。それからもう一つは、残った土地というのはやはりなかなか処分が難しい。例えば、都市計画等の設定のために地方自治体との調整がいろいろ必要になるというような形で、処分に時間がかかる案件が残ってきているというようなこともその理由に挙げられるかと思います。
 そういう意味で、これからまた難しい土地、五百ヘクタールございますけれども、何とかこれを地方公共団体に購入を要請するとか、あるいはなかなか普通の売却が難しければ多様な処分方法を考えて活用していくというような形で、あらゆる手段を駆使して全力を挙げて早期処分を図っていきたいというふうに考えています。
#129
○島袋宗康君 鉄道事業法第二十三条第一項の事業改善命令の内容の中に「列車の運行計画を変更すること。」という項目がありますけれども、運行計画の変更を具体的に命ずるのはどのような場合なのか、お尋ねいたします。
#130
○政府参考人(安富正文君) 鉄道事業法の二十三条におきまして、「利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、」事業改善命令を発することができるとなっていまして、運行計画もその中身になっております。
 実は、この事業改善命令、今まで発動された例はございません。そういう意味で、運行計画の具体例という意味では想定せざるを得ませんが、例えば駅周辺の宅地開発で駅の利用者が非常に急増したと。ただ、それにもかかわらず適切なダイヤ設定を行わないということで非常な積み残しがあるとか、あるいはこの運行計画の中には最高速度というのも規定しておるんですが、そんなことはないと思いますが、最高速度に違反して列車を運行しているとか、あるいはダイヤが非常に常時乱れていると。日本の国鉄などはダイヤは正確なんですけれども、ダイヤが非常に乱れて利用者が非常に不便をこうむると。余り想定はできないんですが、そんなことがいろいろ考えられるのではないかと思っております。
#131
○島袋宗康君 それから、諸外国における鉄道建設工事の請負契約の発注に向けた取り組み、そういった問題が非常に今うわさされておりますけれども、これは現在どのようになっているのか、その辺御説明願えますか。
#132
○政府参考人(安富正文君) 諸外国におきまして、高速鉄道システムの受注に対する取り組み状況でございますが、まず中国の北京―上海の高速鉄道プロジェクトがございまして、これにつきましては、輸送需要等から見て大量高速輸送の実績を持つ我が国の新幹線システムが非常に適しているのではないかということから、昨年の十月に行われました日中首脳会談において森前総理からも、中国からの要請があれば新幹線システムにかかわる最新技術の移転に関して積極的に協力していく用意がある、このプロジェクトが二十一世紀の日中友好のシンボルになることを強く期待しているというような形で、我々としては中国側に働きかけて、トップレベルで働きかけて行っているところでございます。
 現に、向こう側の鉄道の実務者と年間百人規模程度の技術者の交流を図っておりまして、我が国の新幹線システムについての理解を深める努力をしているところでございますが、まだ中国側として、リニアも含めてどういう方式をとるかということについて結論が出ていない状況でございます。
 一方、台湾の台北―高雄間の高速鉄道でございますが、これは既に昨年末、日本企業連合が車両や運行システムの受注に成功いたしました。ただ、我が国と台湾はあくまで非政府間の実務関係でございますので、本件はあくまで民間企業間の商取引という位置づけで行っております。このため、高速列車の運行を行うためには相当の専門的職員が必要でございますので、国土交通省としても鉄道産業の輸出競争力の強化という観点から、国内の民間グループに働きかけるとともに必要な助言を行っているところでございます。
 それから、まだこれははっきりしませんが、現在アメリカがカリフォルニア州において高速鉄道導入の検討というのが進められております。これについても、我が国としまして専門家を派遣しまして我が国の新幹線システムの優位性ということについて直接説明を行いますとともに、カリフォルニア州政府に対しても、技術的なコンサルタント業務を実施している海外鉄道技術協力協会というのがございますが、これに対しても必要な助言を行っているところでございます。
 そういう意味で、これからまたいろいろあるかと思いますが、我が国の新幹線が三十六年間にわたりさまざまな面で培ってきた実績、こういうものを踏まえた上で海外においてこういう新幹線システムが採用されるということは、相手国の発展にも大いに寄与すると同時に我が国の鉄道産業界の発展にも資するという観点から、これからも引き続き努力していきたいというふうに考えております。
#133
○島袋宗康君 台湾の新幹線ですか、それは民間サイドで契約済みですか。それの窓口はこれから国土交通省になるのか経済産業省になるのか、その辺はいろいろあると思うんですが、これを主体的にはどういうふうな、外国からの実際の取引条件とかいろんな窓口というのはどこになるんですか。
#134
○国務大臣(扇千景君) 国土交通省でございます。
#135
○島袋宗康君 それで今、北京と上海の間の問題ですけれども、これは非常に私たち国民としても大きな関心を持っております。ぜひ中国に日本の鉄道が採用されて走ることを念願しております。その辺について、国土交通相の決意のほどをお願いしたいと思います。
#136
○国務大臣(扇千景君) 先日も中国からお見えになりまして、私はお目にかかってぜひということを話しましたら、新幹線はわかっているけれどもどうしてもリニアに乗りたいと、こうおっしゃいまして山梨県へいらっしゃいましたので、私、新幹線よりリニアとおっしゃるんじゃないかと思って心配をしておりますけれども、最大限の努力をしていきたいと思っています。
#137
○島袋宗康君 台湾が新幹線を導入するということを決定しておると。また、北京―上海間もそういうふうな意気込みでぜひ頑張っていただきたいということを要望して、終わります。
#138
○委員長(今泉昭君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#139
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案の反対討論をいたします。
 反対の理由の第一は、国鉄解体後十四年、分割・民営化でJRが国等の財政に大きく貢献したどころか、国民負担を増大させてきたからであります。
 まず、長期債務約三十兆円を国民負担で処理することになりました。また、本来、鉄道事業者の義務である鉄道施設建設やバリアフリー化、駅舎新改築を自治体の負担として押しつけるなどのJRへの支援措置、寄付行為が十四年間で約二千億円に上っています。
 第二に、今度の完全民営化は、JR各社が営利最優先で国民財産の切り売り、安全や利便の切り下げ、中小企業経営の圧迫など、国民と労働者にツケ回しに一層の拍車をかけることが明白だからであります。
 JR各社は、必要最低限の鉄道事業用資産としてただ同然で手に入れた国民の土地の売りさばきで、この五年間で約千六百億円もぼろもうけをいたしました。そして、土地売却に伴う開発行為や関連事業の展開で商店街や中小企業の経営を圧迫しております。また、安全軽視の人員削減、地方ローカル線やバス路線の切り捨てなどを進め、地方では生活の足の確保もままなりません。
 第三は、本州三社が経営黒字の一方、経営が破綻した貨物会社や北海道、四国、九州旅客会社を立て直す展望がないまま、国民の税金をつぎ込み続けることになるからであります。
 当初から不採算が明白な北海道、四国、九州の各社に経営安定基金を引き渡してこれで経営は万全と言っていたのに、低金利で運用益が上がらず、不足分を国の補助で補っています。また、これら三つの会社を支援するために次々に創設され継続されてきた固定資産税、都市計画税の減免措置による国民負担は、累計で数千億円に上っています。
 第四は、ILO勧告が正当な補償を求めているいわゆる千四十七人問題等の重要な課題が未解決のまま残されているということであります。
 こうした状況のもとで、本州三社の完全民営化は容認することができません。
 なお、附帯決議案のJRの不採用問題の項目については賛成であります。しかし、他の項目について同意できない部分があるので、反対の態度といたします。
 以上、反対討論を終わります。
#140
○委員長(今泉昭君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(今泉昭君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。
#142
○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、無所属の会、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、JR東日本、JR東海及びJR西日本は、旅客需要に対応した輸送力の確保、利用者サービスの向上、鉄道施設のバリアフリー化、及び輸送の安全確保等に資する体系的、計画的、重点的な設備投資に努めるとともに、運賃・料金については、適正な水準を維持するよう心掛けること。
 二、JR東日本、JR東海及びJR西日本は、本法施行後にあっても、需要を積極的に開拓するなど、できる限り経営努力によりローカル線の維持に努めること。
   また、全国の各地域における住民の足である地方鉄道について、支援方策の見直し等によりがたい場合には、いわゆる「上下分離方式」の導入も検討すること。
 三、JR各社の営業エリアにおいて整備が進められている高速道路の延伸等により参入する他の交通機関との競合の激化という経営環境の変化を踏まえ、各社は自らの責任を果たすべき経営の効率化、重点化等を推進することとし、あわせて地方交通の維持のため、政府はJRバスについても補助制度の導入を速やかに図ること。
 四、JR北海道、JR四国及びJR九州は、早期の純民間会社化に道筋をつけるため、安定した経営基盤の確立に努力するとともに、国は、現下の厳しい鉄道経営環境にかんがみ、各社の経営動向を踏まえつつ、経営改善に資する所要の支援措置を講じること。
   また、JR貨物は、あらゆる経営改善のための努力を行うとともに、国は、環境等に配慮した交通体系を構築する観点から、JR貨物の経営動向を踏まえつつ、その経営改善に資する所要の支援措置を講じること。
 五、本法附則第二条第一項の指針は、JR東日本、JR東海及びJR西日本が純民間会社とされることにかんがみ、その運用基準の明確化、及び透明性を確保するとともに、本法附則第三条及び第四条の措置は必要な場合に限り発動することとし、これら規制については、適宜必要な見直しを行うこと。
 六、将来の金利や景気の動向の次第では、JR各社の健全な経営に影響を及ぼしかねない程の巨額に達する長期債務の返済について、その支援に資する所要の措置を講ずること。
 七、社会政策的見地から各種交通機関において実施される運賃割引による減収分については、内部補助によることなく、国等が今後別途財源手当てを行うことも含めて検討すること。
 八、先の省庁統合の成果を遺憾なく活かし、陸海空にわたる総合的な交通体系の構築を推進するとともに、交通政策にかかる予算、税制について広くその在り方を検討すること。
 九、いわゆるJR不採用問題については、現在、人道的な見地から関係者間で努力が続けられているところであるが、政党間協議等の今後の対応を見守りつつ適切に対処すること。
 十、JR各社は、関連事業分野における事業展開に際して、適切な労働力の確保に努めるとともに、当該進出地域の振興及び中小企業者への影響等に配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#143
○委員長(今泉昭君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#144
○委員長(今泉昭君) 多数と認めます。よって、寺崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
#145
○国務大臣(扇千景君) 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におきまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における各委員の御高見、またただいまの附帯決議において提起されました地方鉄道路線の適切な維持など、そういう課題につきましてはその趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め各委員の皆さん方の御指導、御協力に深く感謝の意を表し、ごあいさつとしたいと思います。
 ありがとう存じました。
#146
○委員長(今泉昭君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#148
○委員長(今泉昭君) 次に、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#149
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 自動車事故件数及び死傷者数は残念ながら一貫して増加傾向にありますが、自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責保険は、交通事故の被害者に対する基本補償を担保するため重要な役割を果たしてきており、政府は、この自賠責保険を再保険することによって保険会社等のリスクヘッジを図るとともに、自賠責保険の支払いに関する審査を行うことにより保険金の適正な支払いを確保してきたところでございます。
 しかしながら、最近においては政府再保険制度のリスクヘッジの必要性は乏しくなってきたことから、規制緩和を実施するため、政府再保険を廃止するとともに、被害者保護の充実、政府保障事業の維持、政府再保険の運用益を活用した政策のうち必要な事業の継続、自動車ユーザー等へのメリット等が求められているところでございます。
 このような状況を踏まえ、このたびこの法律案を提出することとした次第でございます。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、規制緩和を実施するため、自賠責保険の政府再保険制度を廃止することとしております。
 第二に、政府再保険における支払い審査にかわる措置として、保険金の支払いを保険会社が行う際には、保険会社は、支払い請求者に対して保険金の支払いに関する情報を提供しなければならないこととし、また、死亡事案等に係る支払いについては国に届け出ること等保険金支払いの適正化のための措置を講ずることとしております。
 第三に、保険金の支払いに係る紛争の公正かつ的確な解決のため、保険金の支払いに関する紛争処理の仕組みを整備することとしております。
 第四に、被害者救済対策事業等について計画に基づき財政上の措置を実施することとするとともに、保険契約者の保険料等負担の軽減のための交付金を交付することとしております。
 第五に、自動車損害賠償責任再保険特別会計の名称を自動車損害賠償保障事業特別会計に改め、保障勘定以外の二勘定を廃止するとともに、被害者救済等のための勘定及び保険契約者の保険料等負担の軽減のための勘定を設け、特別会計の運用益をそれぞれ帰属させることとしております。
 以上が、この法律案を提出する理由でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 ありがとう存じました。
#150
○委員長(今泉昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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