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2001/06/26 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第21号
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2001/06/26 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国土交通委員会 第21号

#1
第151回国会 国土交通委員会 第21号
平成十三年六月二十六日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     加納 時男君     田村 公平君
     金石 清禅君     泉  信也君
     池田 幹幸君     筆坂 秀世君
     大沢 辰美君     緒方 靖夫君
 六月二十五日
    辞任         補欠選任
     阿南 一成君     長谷川道郎君
     佐々木知子君     中島 啓雄君
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 政二君     山下 善彦君
     筆坂 秀世君     富樫 練三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                緒方 靖夫君
    委 員
                泉  信也君
                木村  仁君
                坂野 重信君
                中島 啓雄君
                松谷蒼一郎君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                山下八洲夫君
                続  訓弘君
                富樫 練三君
                渕上 貞雄君
                田名部匡省君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省土地
       ・水資源局長   河崎 広二君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  板倉 英則君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省鉄道
       局長       安富 正文君
       国土交通省航空
       局長       深谷 憲一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日、金石清禅君、池田幹幸君、大沢辰美君及び加納時男君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君、筆坂秀世君、緒方靖夫君及び田村公平君が選任されました。
 また、昨二十五日、阿南一成君及び佐々木知子君が委員を辞任され、その補欠として長谷川道郎君及び中島啓雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 理事の補欠選任を行います。
 去る十九日の本委員会におきまして、欠員中の一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事に緒方靖夫君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(今泉昭君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 土地収用法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省土地・水資源局長河崎広二君、国土交通省都市・地域整備局長板倉英則君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省鉄道局長安富正文君及び国土交通省航空局長深谷憲一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 土地収用法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十八日午前九時三十分に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(今泉昭君) 土地収用法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○松谷蒼一郎君 自民党の松谷でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 土地収用法の改正は三十年ぶりであるというふうに聞いております。三十年間改正されなかったわけですが、この時期に改正に至りましたその経緯、理由等につきましては既に大臣から提案理由説明のところでお話がありましたが、しかし、かいつまんで重要な改正点等について大臣よりお願いを申し上げます。
#11
○国務大臣(扇千景君) 松谷先生から今おっしゃっていただきましたように、まさにこの土地収用法、昭和四十二年以来抜本的な改正がなされておりません。
 その間の社会経済情勢の変化によりまして、公共事業に対します住民の理解の促進、円滑的かつ効果的な実施の確保、または循環型社会の形成の推進と、随分現行土地収用法が必ずしも想定し得なかった社会状況の変化というものが今起こっておりますので、そういうものに直面し、なおこのような状況から各方面、意見を踏まえまして、現行の土地収用制度の問題点を調査研究しますために、当時の建設省、旧でございますけれども、建設省の建設経済局長の私的研究会といたしまして、各分野の有識者約二十名から構成されました土地収用制度調査研究会を設置いたしました。
 そこで、調査研究会は平成十二年五月二十四日に第一回の会議が開催され、その後小委員会を含めまして合計十一回によります論議を深めまして、被収用者百六十二名及び関係団体百十団体にアンケート調査を実施いたしまして、幅広い意見の聴取を行い、そして、このような検討を重ねた結果、土地収用制度調査研究会としまして平成十二年十二月に本法案の基礎となります報告をいただいたわけでございます。
 その結果、この報告の趣旨を踏まえまして国土交通省では試案を作成いたしまして、平成十三年一月十五日から一月二十九日まで、その間は一般の皆さん方からの意見募集を行いまして、百八十一件の一般の方からの御意見をお寄せいただいたところでございます。それを踏まえまして、政府内部での調査の上、調整をいたしまして、平成十三年三月二日、今回の法案が閣議決定された、これが今国会に提出された順序でございます。
 今回の法案、私が述べましたように、社会経済情勢の変化に対応することも大きな目的としているところでございます。また、少なくとも住民等の理解の促進を図るということと、あるいは事業認定の手続の透明性、あるいは今までも随分言われましたけれども、信頼性の向上を図るために事前説明会の開催、または公聴会の開催等、第三者機関からの意見聴取、そして事業認定理由の公表、これも公表いたします。そして、収用裁決の関連手続の合理化を図るために、収用委員会の審理におきます代表当事者制度の創設、それから土地調書及び物件調書作成の手続、そして並びに補償金の払い渡し方法の合理性、それを合理化する等ということを行うことにしたところでございます。
 これによりまして、少なくとも国民の皆さんの多くの理解を得つつ、本当に必要な事業をよりスピーディーに実行することによりまして、国民から信頼される二十一世紀型の真の公共工事のあり方というもの、その実現に向けて大きな前進を図られるものであるし、二十一世紀の冒頭に、少なくとも昭和四十二年からの三十年ぶりの改正というものをまさに今、皆さんに御論議いただくという時期が来たというふうに判断して御論議をいただくことに供したわけでございます。
#12
○松谷蒼一郎君 今の大臣の御説明はよくわかりました。
 土地収用法は、公共事業の執行に当たりましては大変重要な法律であります。これを三十年ぶりに改正をするということで、その中身を私なりに理解してみましたが、それは二つあって、一つは土地収用法に該当する事業の認定手続、これについて十分関係権利者等の意見を徴するような形に持っていくということ、これが一つであるかと思います。それからもう一つは、収用手続について、収用のあり方をめぐって大変時間のかかる状況が一部に見られるというようなことから、その手続につきまして合理化をし、簡素化を図っていく。事業として収用するに足りる、収用するべき事業であるということが認定されればこれはできるだけ早く事業に着手するということが重要でありますので、その手続について合理化、簡素化を図る。
 この二つがあろうかと思うんですが、一般への告知を十分にしていくということはこれは当然のことでありますが、収用手続が非常に複雑になっておりまして、時間が大変かかっている。このことも大変このたびの改正の大きな理由ではないかというように思いますが、そういうような事例というものが二、三ありましたら担当局長の方から御説明いただければと思います。
#13
○政府参考人(風岡典之君) 今回の法律案につきましては、先生御指摘のように、事業認定の手続につきましては住民の意見を聴取する等慎重な手続で進めていきたい。一たん公益性が判断された場合について、収用委員会の手続につきましてはできるだけ迅速化を図っていく。こういった考え方でお願いをしているわけでございます。
 具体的な事案ということでございますけれども、最近の事案としまして、東京日の出町の廃棄物処分場の事案というものがあるわけでございます。
 この事案につきましては、事業認定の申請から明け渡し裁決、その後、代執行にまで及んだわけでございますけれども、全体の期間として五年という非常に長い期間を要するような事業でありました。この内容としましては、収用委員会の審理は十一回の審理が持たれておりまして、この収用委員会の審理だけで二年十カ月という期間を要したわけでございます。今回の改正によりまして、この期間につきましては大体半年ぐらいの短縮が可能であるというように考えております。
 また、日の出町のケースの場合には、権利者が非常に多数お見えでございまして、また全国に点在をする、こういうような特殊事情もございました。こういった方々に対する補償金の支払いというのは現行法は現金を直接持参する、こういったやり方でございますので、職員の方々が出張するということで、これも全部の払い渡しを終えるまでは半年ぐらい期間がかかる、こういったような状況にありました。
 この点につきましても、今回の改正では郵送方式による補償金の払い渡し方式というものをお認めいただきたいということでお願いしておりまして、これによりますと、この補償金の支払い期間は一カ月程度で完了するのではないかというふうに思っております。
 したがいまして、日の出町の例、これは事業認定から明け渡し裁決まで四年半を要しましたけれども、今回の改正法の手続によると大体二年程度まで短縮できるのではないか、このように考えております。
 それからもう一ついろいろ注目されました事案は、営団地下鉄半蔵門線についての事例でございますが、これも収用委員会の審理はこの日の出町のケースと同じように二年十カ月かかりました。これも今回の措置が適用されるとすれば半年程度で短縮が可能であるというふうに考えております。
 また、この地下鉄半蔵門線につきましては、当初の予定よりも三年ほど開業がおくれました。これに伴う経済的損失というのが、これは二百七十億円の試算というものも指摘をされているわけでございまして、今回の改正ということで手続を進めさせていただくことによって、そういったようなロスというものも省けるのではないかというふうに思っております。
 いずれにしましても、事業認定の段階ではきっちりとして住民の御意見を聞き進めていく、その上で収用裁決の段階ではできるだけ迅速に進めさせていただきたい、このように考えているところであります。
#14
○松谷蒼一郎君 日の出町の事例では、私が伺ったところでは、約百四十坪の土地に二千八百二十九人の権利者、共有者ですかね、がある。そのうち二千四百三十一名、約八六%が地元以外の権利者であるというように聞いております。この二千八百二十九人の共有者については、これは土地収用委員会で審理をする場合、全員に意見の陳述を求める、こういうことになるんでしょうか。
#15
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘のケース、権利者の数、二千八百二十九名ということでございまして、これらの方々も当然権利者という立場であるわけでございますので、収用委員会の審理については当然参加をすることができるということになります。
 ただ、収用委員会の審理におきましては、同じような御意見がある場合には、全員の方というか希望者全員ということではなくて、ある程度まとめて御発言をいただくというようなことをやっておりますので、実際の運用においては、すべての方が発言をするということではなくてある程度意見をまとめてそれを代表するような形の方で発言をしていただく、あるいはそれをもとに審理を行う、こういったようなことを行っているところであります。
#16
○松谷蒼一郎君 しかし、普通、百四十坪ぐらいだったら一人か二人、権利者というのは。多くても四、五人。四、五人であれば収用委員会の審理というのはそれこそ二、三回もあれば大体片づくと思うんですが、三千人近い人が出席を、全員が出席するかどうかわかりませんが、それについて審理をする、グループ別にまとめて意見の陳述を聞くということになるのかもしれませんが、やはりどうしてもこれは長期化するということになるんですが。
 二千八百人だったらば、百四十坪で、はがき一枚分ぐらいの権利関係者になる。これがさらに十倍ぐらいに、二万人も三万人も、これは意図的な組織的運動をやればそれは二万人でも三万人でもできるわけですがね。そういうように権利者がふえていけば、さらに審理は複雑化していく。
 これは、はがき一枚であっても権利の登記はできるわけですね。幾ら小さくてもこれはできるんですか。
#17
○政府参考人(風岡典之君) 今回、日の出町のケースの場合には、御指摘のように約百四十坪の土地に二千八百二十九人の方の権利者ということで、一番少ない補償金の額の方は九円という方がお見えでございます。
 それぞれ権利者でございますので、もちろん手続にのっとって主張はできるわけでございますが、今回、収用委員会の審理に当たりましては、事業認定についての違法というものは収用委員会の審理では主張ができませんというようなルールをしておりますので、主張内容というものは補償金に関することということでありますので、そういったことについては基本的には多分同じような主張の方が多いと思いますので、そういう方々についてはある程度代表者を絞った形で御主張していただく、そういうような運用になろうかなというふうに思っております。
#18
○松谷蒼一郎君 大変な数の人の審理をやるということは非常に事務的に複雑でありますし、その他の、例えば約十円近い補償金の額が決定されたとしても、三千人近い人にずっと補償金を手渡しをしていくという今までの慣例だそうですが、これを今回の法改正ではどんなふうに改めたのでしょうか。
#19
○国務大臣(扇千景君) 今までは相対で、面と向かってそのお金を直接手渡すということになっております。
 例えば、その相手が、失礼ですけれども松谷先生であったとしまして、その一番最低の九円の方でも、もしアメリカにいらっしゃっていればアメリカまで行って直接お渡ししてというのが今までの法の制定された中身でございます。
 また今回、今、日の出町の話になっておりますけれども、この話の中で、少なくとも多くの皆さん方のデータを集めなきゃいけないというようなことで、約二千八百人のデータを集めますのに二億五千七百万円かかったという、データの委託費が高いか安いかは別としまして、高い安いは別としても、データを集めるのに委託しただけでもそれだけかかるということで、九円お渡しするのに、もし外国だったら外国まで行ってでも相対でお渡ししなきゃいけないという、この発達した今の現状とは、やっぱり三十年前ということでありますので、合理性がないと、逆にむだ遣いだと言われるような状況にあるということ。
 また、土地によっては、お亡くなりになって跡をだれが相続していらっしゃるのかと、これも探すのに大変だというところもあることも申し添えておきます。
#20
○松谷蒼一郎君 土地収用法の事業対象の認定というのはこれは大臣または知事が行う。ただ、その土地収用の事業対象としての認定について、これまでの法律では、事業認定の申請があって、国の関係であれば大臣がそれを認定告示をする、こういう手続で、一般権利者に対する公聴会あるいは意見聴取、こういうようなものがなかったわけですね。これはちょっと現在の状況からいって、やはりこれでは土地収用というような非常に重要な事業遂行に当たっては少し無理があるというように私も思います。
 そういう意味で改正になったわけですが、そのために必要な今回の見直しとしては、公聴会の開催とそれから第三者機関の意見聴取と事業認定理由の公表というのが挙げられておりますが、この第三者機関の意見聴取というのは具体的にはどういうような形になりますでしょうか。
#21
○政府参考人(風岡典之君) 今回、事業認定手続の改善ということで四点ほど措置を考えておりまして、事前説明会の開催というのとそれから公聴会の開催の義務づけ、第三者機関の意見聴取、それから事業認定理由の公表という四点をお願いしているわけでございまして、そのうち第三者機関の意見聴取につきましては、国土交通大臣の認定のものにつきましては社会資本整備審議会の意見を聞くと、また、知事の認定のものにつきましては条例で定める第三者機関の意見を聞くということであります。
 従来、事業認定につきましては、大臣または知事が行政の判断として事業認定の判断をしていたわけでございますけれども、事業の公益性に対する評価というものがいろいろ難しい複雑な時代でございますので、住民の意見も聞く、また第三者の意見も聞いて、その上で事業認定を行うと、このようにしているわけでございます。
 私ども、衆議院の修正も含めまして、第三者機関の意見というものを十分尊重して事業認定の判断をしていきたいと、このように考えております。
#22
○松谷蒼一郎君 先ほど、大臣からも御説明をいただきましたが、例えば日の出町で三千人近い権利者があって、それに対していろいろ審理をしていく、こういうことになりますが、土地収用委員会というのは主として補償金の認定であって、土地収用をするかどうかの決定というのはこれは事業認定手続の中で行われる。
 そうしますと、今説明がありました第三者機関の意見聴取等々も含めまして、事業認定手続の中で土地収用法を適用していいかどうかが定まれば、あとは土地収用委員会での審理というのは補償金、お金の問題なんですね。
 やはり一番重要なのは、土地収用法の適用をするかどうかというところにかかっているんですが、そこのところは、逆に言えば、ちょっと前に戻りますが、三千人の関係権利者がいようが一万人いようが、それは関係ないんですね。
#23
○政府参考人(風岡典之君) 事業認定の判断というのは、その事業が土地収用法二十条に定める事業認定事由を満たしているかどうかということを判断するわけでございます。
 それにつきましては、権利者の数が何人であるかということは特段条件にはなっていないわけでして、そこは客観的にその事業の公益性というものを判断するというのが事業認定の手続であります。
#24
○松谷蒼一郎君 そうすると、一坪地主とか云々というような問題については、あくまで補償金額の確定に絡む問題なんですね。例えば、一人に対して、一権利者に対して九円とか十円とか、そういうような金額の確定について大変煩瑣であると、こういうような問題が起こってくる。そうしますと、それを補償基準というものをきちっと法令化をして、これが万般に理解できるものであるということであれば、それを機械的に手続をしていくというわけにはいかないんですか。
#25
○政府参考人(風岡典之君) 補償金の支払いというのは権利者にとって非常に大事なことでございますので、もちろん基準の明確化ということは非常に重要なことだというふうに思います。
 現在は法令に基づく基準ということではなくて、閣議決定に基づく要綱を準用するような形で補償を行っているわけでございますが、今回の法律改正に当たりましては、補償基準の法令化ということを明確にして、法令において補償の細目を規定すると、このようにお願いをしているわけでございます。
 いずれにしましても、基準を明らかに、そういう形で考え方は出されますけれども、個々の土地が幾らであるかというのはやっぱり個別的に評価をもとに判断をすることになりますので、幾ら基準を法令化したとしても、やはり個別には個別の鑑定その他の手続を経て決定をすると、そういった手続が必要になるというふうに考えております。
#26
○松谷蒼一郎君 今まで補償基準は閣議決定で行っていたものを政令で規定をすると、これが一つの今回の法改正の大きな柱である、こういうことですね。
 それから、土地・物件調書作成の特例の創設というのがありますが、これは権利者が多数で補償金額が大変少ない場合には、立ち会い署名押印方式から公告・縦覧方式へ変えるんだということですけれども、その基準というのはあるんですか。
#27
○政府参考人(風岡典之君) 今回、三十六条の二ということで、土地調書、物件調書の作成についての手続についての特例措置というものを入れさせていただいているわけでございますけれども、この特例措置が適用になるケースというのはこの法律で対象を明記しておりまして、一筆の土地の所有者等が多数いる場合であって、この多数というのは百人以上ということで法律で明記をしております。一人当たりの補償金額が著しく低いものと、これは政令でその額を定めるということで、一万円程度というふうに定めたいというふうに思っておりますけれども。いずれにしましても、一筆の土地に百人以上の権利者がいて、一人当たりの権利が、補償額が非常に小さい場合、こういった場合については、調書の作成手続について縦覧方式という新たな方式によってやっていきたいと考えております。
 ただ、縦覧方式におきましても、これは権利者のやっぱり権利を侵害するということは避けなければならないということで、私ども、この新しい手続におきましても、縦覧が行われるんだということは、すべての権利者に個別に通知をして縦覧期間内に異議の申し立てができる、こういうような措置もあわせてやっておりますので、一般の手続と比べてこの特例措置というのが権利者にとって不利益を与えるということは全くない、このように考えております。
#28
○松谷蒼一郎君 異議の申し立てがあった場合には、どういうふうな手続でこれを行っていくんですか。
#29
○政府参考人(風岡典之君) 縦覧期間内に異議の申し立てがある場合には、それを土地調書等に付記をしていただきまして、これを関係機関の方に送付する、こういう手続になるわけでございます。
#30
○松谷蒼一郎君 関係機関に送付するというのはどういうことですか。異議の申し立てがありますね、そうすると主務官庁である例えば国土交通大臣がこれに対してまた第三者機関に審議をゆだねるとか、そういうようなことですか。
#31
○政府参考人(風岡典之君) 異議の申し立てにつきましては、それを調書に付記をしていただきます。これは起業者が作業を行いまして、これを収用委員会の方に送付をすると。収用委員会は、それらをもとにしてその補償額を決めるということでありますので、そういった主張も収用委員会の方には届くと、このようなことになるわけでございます。
#32
○松谷蒼一郎君 まあ、いいんですけれども。ただ、収用委員会は補償金額の裁定が主たる事項であると。ところが、公告・縦覧方式というのは、これはまた別な話ですよね。補償金額とは別な話なんだけれども、これについて異議があった場合に土地収用委員会でやるというのは、またちょっと関連がないような気もするんですが、どうですか。
#33
○政府参考人(風岡典之君) 土地調書、物件調書は、将来、収用委員会において補償額を決める基礎になる資料でございますので、例えばこの面積がおかしいとか、あるいは場所が違うんだとか、そういうようなことについて権利者が異議を述べるということは当然認めるべきであり、それをもとにして収用委員会が判断をするということでありますので、補償金につながるものである、このように理解をしております。
#34
○松谷蒼一郎君 そうすると、公告・縦覧方式を一たんやれば、それを適用すれば、あとはもう補償金額の裁定ということで土地収用委員会でやると、こういうことですか。
#35
○政府参考人(風岡典之君) 土地調書、物件調書を縦覧をします。これについて、先ほど申し上げましたように、異議のある場合については、それを付記した上で収用委員会に送付されます。収用委員会は、当然、権利者の陳述その他をやりまして審理をして補償額を決定するということでありますので、その間に、収用委員会の場において権利者の方々が意見を述べる、そういう機会は当然保障されているわけでございます。
#36
○松谷蒼一郎君 普通、ちょっと考えれば、公告・縦覧方式についての異議があれば、これはもとに戻って、立ち会い署名押印方式の上の検討もまたやらなくちゃいけないのかなとも思うんだけれども、そこはもう一たん公告・縦覧方式に決めれば、あとは土地収用委員会への裁決にゆだねると、こういうことですね。
 それから、収用手続の中で、代表当事者制度の創設とありますが、これについて説明をいただけますか。
#37
○政府参考人(風岡典之君) 今回、代表当事者制度というものにつきましても導入をお願いしているわけでございまして、これは、土地の共有者が多数存在する場合でありましても権利の目的たる土地というのは同一であるわけでございまして、それについては多数の人の中から代表者を選んで審理に臨むと、そういうようなことが権利者の側からとってもそういう選択をしたいという声もありますので、一つは権利者の側の選択によりまして共同の利益を有する者の中から三人以内の代表者を選定する、こういったことができるようにしているわけです。これは、まさに権利者の意思によってそういった代表者を決めることができるという手続です。
 それからもう一つは、収用委員会の方で、共同の利益を有する土地の所有者等が著しく多い場合には、収用委員会におきまして土地所有者等に対して代表者を選定すべき旨を勧告するという制度もあわせて準備をしております。ただ、この勧告につきましてはあくまでも勧告ということで、強制力はないわけでございますので、その勧告に従って代表者を選ぶのか、あるいはそれぞれの方々で主張していくのか、それは地権者の最終的な判断にゆだねるということでございます。
 いずれにしましても、代表当事者制度を導入することによって収用委員会の審理の手続の円滑化が図れるのではないかと。また、そのことは地権者にとっても、早期に補償金が取得できるというようなことでメリットのあることではないかと、このように考えております。
#38
○松谷蒼一郎君 いずれにいたしましても、公共事業が土地収用法の事業認定として必要であるというふうに認定をされれば、これはやはり必要な公共事業でありますから、認定された以上はできるだけ手続を簡素化してスピードアップしていただきたい、そのためのいろいろな改正が今回盛り込まれたことであろうというように思います。
 そういう意味では、一部に言われております時間管理概念というものをやはりこういった事業の執行に当たっては導入すべきだと、尊重すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(扇千景君) 今、松谷先生からるる御質疑いただいておりますけれども、まさに今御指摘の一つ一つが今の時代とそごがあるというふうに私は思ってくださる方も大勢いらっしゃると思いますし、また当事者自身も余り長くかかっていらいらしている方もたくさんいらっしゃいます。また、最初の説明が行き届かなかったという御不満のある方も事実いらっしゃいます。
 ですから、そういう意味では私は、事前説明会、あるいはあらゆる手を尽くして、皆さん方に御審議いただくためには公聴会等々、あらゆることを加味いたしまして皆さん方に御理解をいただく、時間が長くかかってもいいと。むしろその方を長くして御理解をいただいたら、今、松谷先生がおっしゃったように、事業認定したら速やかに工事ができるようにと、そういうふうに二十一世紀型に変えていくということが私は一番大事なことであろうと思いますし、皆さん方からお預かりしている税金で公共事業を行う基本的なことがありますので、いかに皆さん方に納めていただいた税金を有効に使うかと、よりスピーディーにすることによってコストダウンになるのは当たり前のことでございますので、ぜひそういう意味では私はより国民の皆さんに、あるいはこういう土地収用の場合には一番最初に皆さん方に御理解いただくように、事前協議、そして第三者協議、そして公聴会等々、あらゆる手だてを尽くして皆さん方の御理解を得られるということを本当に大事にしていきたい、そのかわり決まった以上は速やかにというつもりで、今回御審議いただいている次第でございます。
#40
○松谷蒼一郎君 まさに大臣のおっしゃったとおりのことであろうかと思います。やっぱり、土地収用法を適用していいかどうかの事業認定については、十分な期間を必要とするのであれば、それは十分に各関係権利者の同意を得る手続はやっていかなきゃいけない。ただし、決定されればこれはやっぱり速やかに補償金額の決定をして土地収用を実施するということではなかろうかと思います。
 そういう意味で、衆議院におきましても修正されたんだろうと思うんですが、ただ、この衆議院の修正の中身が何かえらいわかりにくいんですね。第一はわかります。社会資本整備審議会等の意見の尊重というところは、これは当然であろうと思いますが、第二の「検討」というところを読みますと、「政府は、公共の利益の増進と私有財産との調整を図りつつ公共の利益となる事業を実施するためには、その事業の施行について利害関係を有する者等の理解を得ることが重要であることにかんがみ、事業に関する情報の公開等その事業の施行についてこれらの者の理解を得るための措置について、総合的な見地から検討を加えるものとする。」こと、法律の中で検討を加えるというのも割に珍しい条文じゃないかと思うんですが、これをちょっと簡単にわかりやすく説明していただけますか。
#41
○政府参考人(風岡典之君) 附則の修正規定でございますけれども、今、先生が読み上げられたとおりでございます。
 これは、やはりこれからの公共事業を進めるに当たりましては、公共の利益の増進と私有財産との調整、公益と私益の調整ということを図って進めていく必要がある。その場合に、やはり事業の実施については国民、利害関係者、そういった方の理解を得るということが一番ポイントになるということであります。
 理解を得るための手続については、土地収用法は用地の取得段階からの手続を記載しておりますけれども、この附則の規定というのはそれだけにとどまらず、もう少し計画段階からも含めて広く事業について情報を開示することによって理解を得られるような取り組みが必要である。そのことは収用事業を円滑に進める上でも重要なことだという趣旨でこの規定が挿入されたと、このように理解をしております。
#42
○松谷蒼一郎君 衆議院での修正ですから、政府に聞くのはちょっとおかしいのかもしれませんが、結局、最後なんですよね、「総合的な見地から検討を加えるものとする。」ということは、できるだけ早い時期にこれについての法改正をすべきだと、こういう考え方だったんでしょうか。
#43
○政府参考人(風岡典之君) この点は、総合的な見地から検討するということで、選択肢は多分いろいろあり得るというふうに思います。
 一つ私どもが現実的な問題として検討していきたいというふうに思っておりますのは、例えば計画段階からの住民参加というのは、これは収用法の中ではその手続を規定しておりませんけれども、個別法の運用によってはいろんな取り組みをしているわけでございます。都市計画決定に当たっては、もう原則として公聴会を開催するというような扱いをしておりますし、また河川整備計画についても住民の意見を聞く。それから道路のルートを決めるに当たっても、PI等をやってできるだけ計画段階から御意見をお聞きするというようなことは個別的にはいろいろ取り組んでおります。
 しかしながら、例えば国土交通省というふうに見た場合に、それじゃ個別事業の取り組みが整合を持って同じような取り扱いで進められているかというと必ずしもそういったことは、ややそれぞれの事業の特性に応じて行われている嫌いもあるわけでございますので、第一歩として、私どもとしては国土交通省所管事業について、個別事業はいろいろありますけれども、そういったものについて、例えば公聴会のやり方一つとってみても、どういうようなやり方でやっていったらいいのか、ある程度やっぱり事業の特性というのはあると思いますけれども、基本的に共通的なこともあると思いますので、そういったものをガイドラインとして決めていきたい。
 それを実施する中で、さらにどういう措置が必要なのかということは、これは国土交通省だけではなくて、例えば行政手続法でそういうものを制度化するということになりますと、これは政府全体という話になりますので、その辺については私どもがとりあえずやれることをやっていって、その上でどういうことが必要なのかはさらに検討していきたいと、このように考えております。
#44
○松谷蒼一郎君 それでは、速やかな法改正ということにはとどまらないで、広くガイドラインの制定云々というようなことを視野に入れての検討だと、こういうことですね。わかりました。
 ところで、東京の圏央道も事業が難航しているというように聞いておりますが、改正土地収用法の適用については、いかがお考えですか。
#45
○国務大臣(扇千景君) 今、土地収用法の圏央道への事業の進捗についてという、その効果があるかないかというお尋ねだろうと思いますけれども、少なくとも私どもは、東京都の中央連絡自動車道、東京都心への交通の適切な分散ということが必要だと思っておりますし、今、東京都内を車が通過しておりますけれども、そのうちの一四%の車というのはただ通過するだけのために東京へ入ってきているという、東京の混雑ぶりの一四%はいわゆる素通りといいますか、通過点にしかすぎないというのが今の東京都内の交通状況でございまして、その一四%が通るために渋滞もし、なおかつCO2の排出量も多くなり、東京都が何とかしなければいけないということで私どもも長年これに関係してまいりました。
 少なくとも、首都圏の今の交通量の円滑化、あるいは沿道の環境の改善、あらゆる点をとってみましても、都市構造の再編と産業活動の活性化を進めるという意味におきましては極めて重要な役割を果たしている事業でございますので、何とかこれを早くさせていただきたいと思っておりますけれども、このうちの国道二十号から、先生も御存じの東京都と埼玉県境までの都内区間の事業計画説明につきましては、昭和五十九年から平成元年の五年間に都市計画及び環境アセスメントの説明会または公聴会、公聴会は延べ五十七回開催されております。地元では十分な説明を既に私は実施できていると思っております。しかしながら、いまだにまだ一部の皆さん方に、関係者の方々につきましては話し合いに応じていただけないという方があることも事実でございます。
 また、あきる野インターチェンジから青梅インターチェンジ、その区間につきましては平成十一年八月に事業認定を申請し、なお平成十二年の一月に事業認定が告示されましたし、現在、東京都の収用委員会におきまして、この収用手続が進められていると思っておりますけれども、国土交通省としまして、先生も御存じのとおり、今回この御審議の土地収用法の改正が成立することによりまして、私どもは、先ほど御審議いただきまして、御論議いただきましたような補償金の書類の書留郵送、郵便等々につきまして、この迅速化が図られるというようなことで事務手続の簡素化が図られると考えておりますので、これを踏まえまして引き続いて私どもは事業の推進を進めていきたいと、そのように考えております。
#46
○松谷蒼一郎君 土地収用法の改正、施行によって、この首都圏中央連絡自動車道の速やかな竣工を願っております。
 ところで、このたびの小泉内閣の重要施策として都市再生を一つの大きな柱に立てておりますが、こういった都市再生に関連する事業も土地収用法との関係がいろいろあるんだろうと思いますが、具体的にはどういうようなものが考えられますか。
#47
○政府参考人(板倉英則君) 我が国の都市の現状でございますが、職住の遠隔化による長時間通勤、あるいは慢性的な交通渋滞、それから緑とオープンスペースの不足など、多くの課題が山積しているわけでございまして、その結果、都市の生活者に過重な負担を強いている状況にあるのは先生御存じのとおりでございます。
 それからもう一つは、国際的な都市間競争、これがこれから一層激化していくと思われますが、これに伍していくためにも、魅力と活力に満ちた都市に再生することが重要な課題になっているわけでございます。
 先生御指摘のとおり、内閣にこのたび小泉総理を本部長とする都市再生本部が設置されまして、我が国の活力の源泉とも言える都市につきまして、その魅力と国際競争力を高めることが内政上の重要課題であるという認識のもとに、都市再生に関する施策を総合的かつ強力的に推進するということとされたところでございます。
 国土交通省といたしましても、関係省庁はもとより関係地方公共団体、民間事業者等々と緊密な連携を図りながらしっかりと取り組んでまいりたいと思いますが、その際、例示的に幾つか申しますと、土地の高度利用による職住の融合と都心居住の実現、あるいは民間の再開発を促す都市計画道路の整備、さらには消防自動車も満足に入れないような密集市街地の整備改善といったような諸施策を総合的に展開することといたしておりますが、いずれの事業にも共通して言えることは、用地取得が円滑に進むかどうかが事業の成否を握るかぎになっているということが指摘できるかと思います。
 そういった意味におきまして、今回の土地収用法の改正というのは都市再生と密接不可分の関係にあると思っておりまして、大変時宜を得た制度改善であると認識している次第でございます。
#48
○松谷蒼一郎君 都市再生事業の中の一つの大きな柱として経済財政諮問会議でも指摘されておりますが、PFI事業をできるだけ活用していくということが述べられております。
 PFI事業において民間事業主が事業主になるわけですが、この場合も土地収用の事業認定者たり得るのかどうか、その辺の考え方についてお伺いいたしたいと思います。今までは事業認定者というのは公的な機関であったわけですが、PFIであれば今度は事業者は民間事業者になるわけですが、それについていかがでしょうか。
#49
○国務大臣(扇千景君) 松谷先生は旧建設省、特別にこのことに関しては御専門でいらしたと思いますけれども、私は、今回の小泉内閣におきまして都市再生本部等々、まして前森内閣から引き継いでおります緊急経済対策等々、まして重ねて言えば小泉内閣におきまして、今、局長が言いましたように、内閣の中に都市再生本部を設置しましたことからかんがみまして、しかも来年度の十四年度予算は国債の発行を三十兆以下におさめるという公約がございますので、であれば、国土交通省の公共事業というものは基本的にどうあるべきか、ここにかかわってくるのがこのPFIでございます。
 私は、今まで公共事業、しかも公の建物、例えば官庁の建物でありますとか、例えばこの周辺を見ますと、ほとんどが公共工事として、公共に供するものとして建てられたもの。私は、今回は国土交通省としまして何としてもこれを見直そうということで、この間、記者会見もさせていただきましたけれども、新たに、今一番最初にこの霞が関で建て直しの順番が来ておりますのが文部科学省と会計検査院でございます。その二つ、あのエリアを全部私は今回はPFIによって事業を行うというふうに発表いたしました。これも国土交通省、旧建設省から考えてみましても初めての試みでございますけれども、それほど私は今回の公共事業の見直しということに対しては積極的に国土交通省としても対応していくという姿勢をとらせていただきました。
 また、今後いろいろと、今この委員会では私ぜひ重要ですので言わせていただきたいと思いますけれども、我々の衆参の議員会館も手狭であると言われておりますし、四十数平米というものを百平米まで持っていこうという話も出ております。少なくとも私は、これも今余分なことで申しわけないんですけれども、国会見学者が国会議事堂を正面にして記念写真を撮っております。けれども、左側に高い建物が建っておりますために少し右に振らないと国会議事堂がきちんと記念写真に入らない、高い建物が邪魔になるというのが今の現状です。ところが、衆参の議員会館を国会議事堂よりも高いものを建てて、百平米近くにしようという話になっています。けれども、私は少なくとも国会議員である以上、記念写真に国会議事堂より高い議員会館が、正面の横に三本高い建物が建ったのでは、これは国会見学の記念写真にまことに恥ずかしいといいますか、我々の議員会館を、国会の高さより高い建物をにょきにょきと建てるということ自体が、私は少なくとも見学者に対しても、これは議運マター、あるいは国会議員みんなの御意見を聞かなければならないことですけれども。
 それとても、今私が申しました文部科学省、そのままで公共工事で行いますと、計画をして少なくとも七年か十年計画で建て直さなきゃいけませんけれども、PFIによれば、あるいは私は十四年度から公募できるように手続をしようと言っています。そうしますと、うまくいきますと三年でこれでき上がるわけですね。しかも国がお金を使わなくて済む、土地は国のものですけれども。そのように、私はPFI方式を導入すると、できれば議員会館をPFIにすればもっと私は十年かからないで早くできるであろうということも計算できています。
 そのように、私は、PFIというものはまさに公共工事を見直すことの大変大事な方途であることだけは間違いありませんけれども、今、松谷先生がおっしゃいました、PFI事業の形態が特に公共の関与、あるいは行われます事業の公益性の確保についてPFI法の規定のみでは十分ではないと今、先生もおっしゃいましたし、PFIを一律に収用適格事業とすることには、私は現時点では、土地収用制度調査研究会報告におきましても現段階ではまだこれは適切ではないという報告をされておりますので、私どもも現段階では同様の意見を持っております。
 また、事業主体者を明記しているものとする、事業主体を限定せずにその事業の客観面のみを着目して公共性を認めている、いわゆる二種類のもの、これは先生御存じのとおりでございますけれども、そのうちの事業主体を限定しないで収用適格を認めている事業につきましては、私は、各個別の事業法の中でPFI事業を位置づけることが結果としては特定のPFI事業に収用適格事業となることまでを否定するものではないと、いわゆる特別のPFI事業というものも考えがあり得るということの中では考えられますけれども、原則としては土地収用制度調査研究会でPFI事業を一律に収用適格事業であるというふうには認められないというのが現状でございます。
#50
○松谷蒼一郎君 PFI事業を土地再生の切り札として大いに使うということは私も大臣と全く同意見でありますが、土地収用法に関連して申し上げました場合、例えば文部科学省とか会計検査院は、これは公共の国の土地ですからこれは問題ないんですが、例えば空港とか廃棄物処理センターとか、民間の土地が、民有地が入っている場合、これについてPFI事業を実施した場合に、土地収用法の認定事業たり得るのかどうか、あるいは事業主が事業認定者と、民間の企業ですが、できるのかどうか、その辺については、今、大臣からお話があったように、原則としてはそれは難しかろうと、こういうことでありますね。
 特別の場合というのはどういうような場合かはちょっとわかりませんが、特別の場合というのはどういうような場合でしょうか。
#51
○政府参考人(風岡典之君) ただいま大臣から御答弁がありましたように、PFI法に基づく事業ということで収用適格事業ということにはしておりません。
 ただ、収用法におきましては、収用適格事業として事業主体を明記しているのと、していないのがあります。今、先生御指摘をいただきました、例えば空港でございますけれども、これは土地収用法においては、事業主体を限定せずに、空港施設を設置するというものに対して収用適格事業ということを要件を認めているわけです。したがいまして、例えば航空法上、空港事業についてPFIに基づいて実施をするということが認められれば、それはそれを通じて収用適格事業ということになろうかと思います。
 それからまた、廃棄物処理センター、これは廃掃法の中で廃棄物処理センターにつきましては、これはPFI法に基づき選定事業者として指定された業者が廃棄物処理センターとして環境大臣から指定をされるという前提になっておりますので、これにつきましては廃掃法の規定を通じて収用適格事業、そういう扱いがなされると、このように考えております。
 したがいまして、廃掃法のようなもの以外のものにつきましては、個別法令の中でどういうような取り扱いがされるかによって結果的に収用適格性を持つケースも出てくる、こういうことでございます。
#52
○松谷蒼一郎君 いずれにいたしましても、PFI事業というのは新しい事業のあり方であり、土地収用法はそれこそ何十年も前からの法律である、今回改正はありますが。これと、新しい事業とをどうこの土地収用法の中に組み込んでいくかということについては十分お考えをいただきたいと思いますし、やはり関係権利者あるいは周辺住民が十分に納得できる形で事業を実施していく。ただし、事業認定があれば速やかに効率よく事業を行っていっていただきたい。
 最後に、大臣より再度決意のほどをいただきまして、終わりたいと思います。
#53
○国務大臣(扇千景君) 大変重要な点を御指摘賜ったと思っておりますし、松谷先生は特に土地政策に関しましては御専門でいらっしゃいますから、今後我々も公共工事、より効率化を図るためにも、また都市再生本部を設置しました小泉内閣の方針といたしましても、るる私は御示唆をいただきたいと思います。
 この土地収用法、先ほど申しましたように、昭和四十二年以来一度も改正されていないということも含めまして、私は二十一世紀の初頭に、こうして皆さん方にお預かりした税金で公共工事を行う以上はより効率的に、よりスピーディーに、そしてよりコストダウンをしながら行っていくためには、九円の収用額を払うためにアメリカまで行くというような非現実的なものというものは、やはり今の現代の、この二十一世紀の初頭に改正の議論に供したということは、今皆さん方に御論議いただく中身を拳々服膺しながら、我々はこれの改正により効果的に使えるような、この時期に改正してよかったと言われるような私は時宜を得たものにしていきたい、またその決意を持って皆さんに御審議いただいているところでございます。
#54
○松谷蒼一郎君 今、大臣からお話ありましたように、土地収用に関する手続に多大の費用がかかるということは、その費用は結局は国民に税金としてはね返ってくるわけでありますから、その辺のところも踏まえて、今の大臣の御決意のほどをよく理解できますので、的確に事業執行をやっていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#55
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。
 土地収用法に入る前に一点、去る二十四日に起きました京福電鉄の電車の正面衝突事故についてお伺いさせていただきたいと思います。
 率直に申し上げまして、またかというのが率直な気持ちでございます。二十五名の重軽傷された皆さんにはお見舞いを申し上げたいと思いますが、本当に半年ぐらいの間に同じように正面衝突二回も起きるということでございまして、この原因についてはこれからきちっとした解明がなされると思いますので、その原因については触れようと思いませんが、いずれにいたしましても地元の皆さん方はきっと、冬場は大変雪の降るところでございますし、今度はもう一方では廃止、廃線になってしまうのではないかというような心配もなされていると思うんです。
 この事故を防ぐためには、ATSがついていればきっと防げたのではないかなというような気も私はいたしております。また、ATSを設置するのには国と自治体とで三分の二の補助金が出るわけでございますけれども、これも膨大な経費がかかるものですから、収益の上がらないようなところ、特に地方のローカル線のようなところになかなかATSを設置しないというような状況にあろうかと思うんです。
 また同時に、ハインリッヒの法則というのがございまして、一つの大きな事故が起きますと、その前には中事故的なものが二十九ある、そのうちでは本当に小さなのが三百ぐらいあるというような何かそういう法則もあるそうでございますが、この鉄道というのはある意味では交通弱者のそれこそ道路でもあると思うんですね。それから考えていきますと、安全という見地に立ちまして、そろそろそういうところについては、それこそある意味では弱者の公共交通を守る意味から見ましても、このATSの補助金なんかは、場合によってはそのような鉄道については自力でできないような赤字が大幅に見込まれるようなところは逆にもう一〇〇%補助金ぐらいで、安全面で考えていってもいいんではないかというような気も一方ではいたしております。
 そういう意味から、道路特定財源の議論もなされておりますので、ぜひこの辺についての御感想を大臣から伺いたいと思います。
#56
○国務大臣(扇千景君) 私も連絡を受けてびっくりしたんですけれども、今、山下先生御指摘の京福電鉄の越前本線におきまして、これは六月二十四日、日曜日の午後六時八分ごろ列車の正面衝突事故が発生しまして、私にも直ちに連絡がございました。
 今回の事故で少なくとも重傷二名を含めまして二十五名の方が負傷されておりますので、私から改めて心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、本当に残念なことに、今、山下先生御指摘のように昨年の十二月に事故があってわずか六カ月でございますので、本当に残念だといいますか、なぜという言葉を言わざるを得ない連続の事故発生。公共機関の社会的信頼を著しく失墜させたということは今、先生がおっしゃいましたように、それはそれとして、本当に遺憾だというのはだれでも言えることですけれども、その遺憾な中にも何が原因なのかと。
 きょうも、私も朝から連絡を受けておりますけれども、信号機には異常がなかった、何も故障していないということであるならばどこなんだろうということで、私どもも昨年の十二月の事故、あのときの現地調査の結果というものも今取り寄せて見ておりますけれども、昨年の十二月は車両のブレーキ装置のロッド、いわゆるブレーキを引く棒ですね、あのロッドに破損が生じているということが判明していたわけですね、昨年は。けれども、京福電鉄を含めまして、事故の車両と同種のブレーキ構造の車両を有する鉄道事業者に対しましてはブレーキ装置の緊急点検を指示したんです、昨年。
 ですから、まさかそれではないと思っていますし、同種の事故の再発防止は徹底したつもりでございますから、私はロッドの破損とかなんかではないとまだ思っておりますけれども、現段階では調査中でございます。また、京福電鉄に対しましては保安監視を実施して車両の点検、いわゆる管理体制等々あらゆる面で改善の指導をした上での新たな今回の事故でございますので、専門家の知見も要すということで早急に私どもの役所からも現地に昨日派遣をいたしました。
 専門家等々で、昨年とは同一の事故ではないとは思っておりますけれども、原因の追求に改めて調査に入ったという現状でございまして、現段階では車両の停止をしておりますけれども、まさに先生がおっしゃいましたATSの装置がついていれば防げたのではないか。一〇〇%の補助というのは今後の検討課題ではございますけれども、そういうことも私どもも頭の中に入れながら、まず調査の報告を待ちたいと思っております。
#57
○山下八洲夫君 これは委員長にお願いしておきますが、大変重大な事故でございますので、再度起きましたし、国土交通委員会でもできれば調査をされた方がいいんではないかということを要望しておきたいと思います。
 それでは土地収用法の一部を改正する法律案についてお伺いさせていただきたいと思います。
 趣旨説明で、「現行土地収用法は、昭和四十二年以来抜本的な改正がなされておらず、その間に、住民の理解の促進、公共事業のより一層の円滑かつ効率的な実施が要請されてきております。さらには、循環型社会の形成の必要性等も生じてきており、現行土地収用法が必ずしも想定していなかった状況に直面しております。」と、このように述べていらっしゃるんですね。
 この「必ずしも想定していなかった状況」というのはどのようなことを指していらっしゃるのか。例えば一坪運動を指しているのかな、立ち木トラストを指しているのかな、いろいろなのがある。権利者が多数で補償金の僅少の場合を指しているのかなと、いろんなことを想像されるんですが、この辺についてちょっと明確な考えをお聞かせいただきたいと思います。
#58
○国務大臣(扇千景君) 必ずしも十分でないというふうに、現行の土地収用法が必ずしも想定していなかった状況、それは先生も御承知だと思いますけれども、今、先生がおっしゃいましたように昭和二十六年に制定されて、そして四十二年に抜本的な改正、それ以来されておりませんけれども、今日の国民の公共事業に対します意見の高まりとかあるいは議論とかマスコミの情報とか、あらゆる面でかつてよりも公共事業に関係します状況あるいは国民の情報等々、私は大きく変わってきたと思うんですね。皆さんにも認識されるようになりましたし、また事業認定におきます住民の意見の反映、これは私は必ずしもかつては十分ではなかったと言えると思っています。まして情報公開というものも必ずしも十分ではなかったと。こういう状況から、私は必ずしも十分ではないということは、国民の皆さんへの理解あるいは情報公開等々が必ずしも十分でない、今の現状と違っていると。
 我々の感覚は、これからは最初の段階から、事業の最初計画から国民の皆さんに公開していこうというふうに考えているところが必ずしも十分でないということの一部でございます。余り長く言うと悪いですから。
#59
○山下八洲夫君 情報公開をしていなかったというところが一部でまだ多々あるように最後におっしゃいましたが、この辺につきましてはまた後ほどひょっとしたら関連すると思いますので、次へ移っていきたいと思います。
 特に、新世紀になりました、二十一世紀になりましたから、大臣も二十世紀型はもうさよならしたいということを何回か発言なさっていらっしゃるわけですが、今後、我が国の公共事業の目指す方向ですけれども、どのような方向性を目指されるのかなと私もいろいろと考えてみたんです。
 民主党は緑のダム構想というものも打ち出しておりますし、大臣、最近は新しいダムは見直すべきだとか、そのようなちょっと慎重な発言をなされたわけでございますが、ダムというのは、ある意味では治山治水、利水、いろんな多面的な要素もあるわけでございますが、やはりこれからはあらゆる面で、ダム一つとってもこれは建設すべきかあるいはすべきでないか、緑のダムの方がいいかあるいはコンクリートダムの方、そういうことは相当やっぱり議論をしながら進めなきゃいけないと思っております。
 また、道路にいたしましてもそうだろうと思うんです。最近、石原行革大臣は、もう高速道路は余り、そんな赤字になるものはつくらなくていいではないかというような発言もなさっていらっしゃいますし、そのいい例が本四架橋を三本もかけたというのは失敗作の大きな見本ではないかなというような気もいたしております。
 また、これから自治体が合併をしていくわけでございますが、そういう中で私も三年前に選挙で立候補しましたときに、私、岐阜県でございますが、岐阜県じゅう回りました。九十九市町村あるんです。それで、田んぼの中にそれこそホテルオークラのロビーも顔負けするような庁舎がどんと建っていたりするんですね。こういうのも全部土地収用法なんかに一方ではかかって建てられているとは思うんですが、いずれにいたしましても、大きく国民や市民のニーズも変わってきておりますし、これから我が国の公共事業の目指す方向性を披瀝いただければありがたいと思います。
#60
○国務大臣(扇千景君) 私が、御存じのとおり、昨年でございますけれども、七月に初めて建設大臣に任命されました。建設大臣というポストを衆議院が参議院に渡したのも初めてでございました。まして連立の一党でございまして、そこから入るということも初めてでございますし、言いたくないですけれども、女というのも初めてでございます。
 それはさておいて、少なくとも私はその公共事業の見直しをするという一番大事なときに重要な役目をいただいた。私の力ではとてもできないなと思っておりましたけれども、多くの皆さんの御支援等々、昨年、まず与党三党による公共事業の見直し、それを断行させていただいて、しかも与党三党のみならず、私は旧建設省で就任以来、みずから建設省も見直すべきということで三十四の事業を出していただきました。そして年末、九月から十二月までかけまして、全国の事業評価委員会を三百回開きまして、百八十七の事業を中止いたしました。中止したことは恥ずべきだと、褒められるべきではない、中止せざるを得ないようなものを事業認可していること自体も私は恥ずべきことであると申しました。
 まして、今回の公共工事という今の先生のお言葉の中に、私が就任しましたときも、あらゆる野党の先生にもマスコミにも、公共工事というものの上に全部冠がついておりました。丸投げ、談合、ばらまき、むだ遣い、必ず言われまして、公共工事というものは国民に喜ばれる真にありがたいと言われるようなものが公共事業であるはずなのに、私が就任したときにはすべて冠がついて、よくない冠で言い続けられるということが本当に残念だったんですね。
 そして、まず就任で私は調べましたところ、少なくともフランス、ドイツ、イタリーには公共工事の基本法があるんです。悪いと言われるのにその公共工事の基本法すら日本には一度も論議されたことがないということが初めてわかりまして、本来であれば、山下先生御専門で今までここにずっといらっしゃるからおわかりでしょうけれども、閣法で、しかも公共工事はあらゆる省庁がしょっていますから、これ閣法で出そうと思ったら最低五年はかかると私言われました。
 私は就任させていただいて、非力な者がなった以上、私素人ですから、やると言ったらやりたいとわがままを申しましたけれども、その当時の森総理は本当に協力してくださって、総理の命令で全省庁が協力しろと御命令いただいたために、私はわずか三カ月で公共工事の入札と契約に関する適正化法、まさかと思ったのができ上がりまして、皆さんに御論議いただきました。
 そして何よりもありがたかったのは、十二月の最後の臨時国会で、この公共工事の入札と契約に関する適正化法を自民党から共産党まで賛成していただいて、全会一致で法案として成立させて、これ日本で初めてでございます。皆さん方に私は納得いただき、それがこの四月の一日から施行されるようになりました。
 ただ、残念ながら、全国の市町村にこの網がかかるんですけれども、まだ市町村ではこの法案の中身についてきちんと把握していないところがあるものですから、私は、この二月から四月にかけて、全国十ブロックに分けて、この法案の施行に関しての地方の認識と、そして二度と丸投げ、談合、ばらまき、むだ遣いがないというふうにしていきたいと。
 そして、もしそれを見つけた人は必ず通告しなければならないという、法案の中に明記してありますので、これは公取にも全部通知しなければいけないという通知義務も課してございますし、法案の中には先生御論議いただいて御存じのように、電子入札というものも書いてございます。電子入札するようになったら、全く透明性があって、もうそういう丸投げ、談合ができなくなるようなことになってしまう、自動的に。
 ですから、現段階では、四月一日からですから、まだまだ丸投げ、談合が新聞記事に載ることもありますので、徹底はできていない部分はあるかもしれませんけれども、原則的にいえば、この法案によってすべてそういうものを排除するための、あるいは公正中立、そしてだれが、いつ、どこへ、どんな金額で受注したかも明記しなければならないようなものにさせていただいた。これだけで私は公共工事の適正化ができたとは思っていませんけれども、少なくとも根本というものを御審議いただいたことで本当に私は委員会の皆さん方に心から御礼を申し上げておりますし、まさに二十一世紀型の公共工事の基本法を御認識賜って、今後、皆さん方の、先生のお地元でもぜひこの法案の御説明をしていただきたい、できれば私はそれが一番ありがたいと思っております。
 先ほど、先生が私が今までのことを捨ててとおっしゃいましたけれども、私は二十世紀の公共工事を捨てろと言っているわけではありません。二十世紀は公共工事で今日の日本ができたんです。それを二十一世紀にも使えるように品質保持をする、新しいことには着手しないまでも、二十世紀につくった国民の財産は大事に使う方法を考えましょう、それに環境問題とバリアフリーを加味しましょう、そういうふうに申し上げているんで、せっかく税金でつくった公共工事を捨てるという意味ではありません。大事に使おうというふうにぜひ御理解賜りたいと思います。
 今回のこの土地収用法によりまして、先ほども松谷先生の御論議にありましたように、よりスピーディーに、より国民に喜ばれる公共工事をしていきたいというのが基本的な線で、むだを省くというのは当然この法案の趣旨に入っておりますことなので、ぜひ御理解賜り、またいろんな点で、緑のダムというお話がございましたけれども、河川も日本は直流でいくと傾斜が多いので、これは昔のように蛇状と言っちゃ悪いでしょうか、曲がりくねった川にして、それぞれの特徴を大事にしていこうというふうには考えております。
 ただ、問題は、一点だけ申し上げます。昨年、名古屋の集中豪雨がありました。あのときに新川、庄内川のはんらんによってあっという間に名古屋の住宅地が浸水いたしました。これがまさに都市型の浸水でございました。ですから、そういう意味では、先生も治水、利水とおっしゃいましたけれども、利水は工場が開かれなかったので減ったところもありますけれども、治水に関しましては国として万全を期すというのが国民の安全生活のためには大事なことであるので、ただ見直すというだけではなくて、治水だけは私はぜひ大事に考えていきたいと思っております。
 また他のことに関しては、長くなって済みませんけれども、御質問に答えたいと思います。
#61
○山下八洲夫君 忘れていましたけれども、鉄道局長さん、お帰りになっていただいて結構でございます。済みません。ありがとうございます。
 今お聞きしておりまして、二十一世紀の公共工事というのは、お聞きすればするほど、適正化法をきちっとやれば二十一世紀なのかな、あるいはむだを省く、こういうことをやれば二十一世紀型なのかな。治水にしましても、ダムがいいのか、あるいはダムじゃなくて、きちっと治水にたえられる堤防、それもなるべく自然に近いような堤防工事をやった方がいいのか、その辺がまだイメージとして出てきませんが、この辺についてはもうこれ以上お聞きいたしません。
 私は、今回余り勉強してこなかったんです。なぜかといいますと、若いころいろいろと運動したものですから、浅い眠りに入っていまして、これを勉強すれば勉強するほどきっといろんなところでまた目覚めてきて、いろんな問題点が自分自身にかかってくるのでないかというような気がしたから、ですから基本的なことだけ、あと時間がありませんので、一、二点お尋ねしておきたいと思います。
 公共の利益となる事業なんですけれども、土地を収用し、または使用することができる公共の利益となる事業とはどのようなものなのか。本法案では、民間等による公共施設等の整備の増大、リサイクル施設等新規の事業も入ってきているんですね。伝統的公益概念の変更等、概念の変動拡大も見られるんですが、その実情を伺いたいと思います。
 その中で、まず収用適格事業とは、本法案では公共性を有する事業三十五種類に分類されております、枝番まで入れると五十種類ぐらいあるんです。そして、その実施主体については、国、地方公共団体、公団、特殊法人、国及び地方公共団体からの認可、許可等を受けた者等となっているんですね。そして、枝番まで入れて五十種類ぐらいあるんですが、こんな広範囲に現在必要だろうかなというような気もしております。ある意味では整理もし、縮小してもいいんではないか。
 そして、三つ目にもう一つ伺っておきたいと思いますが、公共の利益をはかるバロメーターとは何なのかという気がしているんです。
 私は、その必要条件としては、第一に、行政サービスの受益者以外にもそのサービスの効果が広く及ぶこと、二つ目は、市場メカニズムでは多くの住民が求めるサービスの提供を軽視されるか、あるいは不十分となるおそれがあるため、公的セクターで公共の保障をしなくてはならないものであると考えますが、この点について見解をどのようにお持ちになっているか、まとめて御答弁いただきたいと思います。
#62
○政府参考人(風岡典之君) まず収用適格事業、先生御指摘のように五十種類の事業というのを定めております。それぞれ私どもが社会生活あるいは経済活動を行う上でどうしても必要な施設というのはこういう形で非常に広いのかなというふうに思っておりますので、施設としてはそういう形で決めていく、個々の収用適格事業になるかどうかということについては個別事情で判断をしていく、こういうことかなというふうに思っております。
 それから、公益性についてのバロメーターということでございます。
 先生、二点御指摘をいただいたわけでございますけれども、私どもも特定のものを対象とするということではなくて、一般の需要に応ずるような事業という、そういう意味で、市場メカニズムで供給されないようなものというのは確かに一つ要件としてあるのかなというふうに思います。
 また、その場合、受益の及ぶ範囲というのはそれぞれの施設によっていろいろ異なるわけでございまして、その地域の住民を対象にするものからもっと広域的なところまで及ぶもの、これは施設によっていろいろ幅があるのかなというふうに思っております。
 それからまた、設置主体でございますけれども、国や公共団体というそういう公的なセクター、これ自身はもちろん公共性のある仕事をするということで、そんなものが大きな意味でのバロメーターの要素になるのかなというふうに思っております。
 いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、個別事業で収用適格性を有するかどうかということについては、収用法二十条に定める要件を満たしているかということについて個別に判断をして事業認定を行う、こういうことになろうかと思います。
#63
○山下八洲夫君 収用適格事業でございますけれども、さっき私、岐阜県で田んぼの中にこんなすばらしい庁舎があるというようなちょっと話をしたんですが、日本に約三千三百、今自治体がございます。いいもの、悪いものは別にして、古いものを別にしまして、すべて庁舎を持っていらっしゃるんですね。また、あちこちで今でもきっと建てかえ計画やら、あるいは建てかえしておるところもあろうかと思うんです。また一方では、特に市のレベルになってきますと、小さな市でありましても、例えば人口三万ぐらいの市であろうと五万であろうと七万であろうと、自分の市のずうたいに似合わないような立派な文化センターなんか随分建っているんですね、正直言いまして。
 あれみんな箱物ですね。けれども収用適格事業に入るんですよね。岐阜県には九十九の市町村がありますから、本当に見ていて、あそこの田んぼの中に立派な庁舎が建っているなと、多分収用適格事業で行ったんだと思うんです。ただ、人間が丸いから、みんな役場の職員に説得されて、土地を供出する、売り渡すということになっていると思うんです。
 だけれども、実際は、もう一方ではそういう箱物なんかについても随分市民なんかのニーズといいますか、考え方は違うんですね。ですから、この収用適格事業というのは、相当今の時代に合った、また今の住民のニーズに合った、そういうふうに思い切って縮小してもいいのではないか、そのように思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
#64
○政府参考人(風岡典之君) 収用適格事業につきましては、先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、まず、私どもの国民生活、社会生活を行う上で公的な施設というのはいろいろあるわけでございまして、五十種類が多いのか少ないのかというのはありますけれども、いろんな形での施設整備というのは必要だと。その意味で、そういった施設につきましては収用法三条で基本的には収用適格事業だという位置づけをする、個々の事業につきましては、個別事業に応じてその事業が収用事業認定に値するかどうかというのを判断するということになろうかと思います。
 したがいまして、先生御指摘のように、例えばその市に、町でもいいんですけれども、とりまして明らかに過大であるような施設、これがもし事業認定の手続になった場合には、それについては収用適格事業としてそこまで認めるかどうかということについては、これは第三者機関の意見もお聞きするようにしているわけですので、そんなこともいろいろ議論にはなるというふうに思っております。実際問題として、任意買収その他でいろいろ協力を求めるというのが一般に多いと思いますけれども、法律的にはそういうことかなというふうに思います。
#65
○山下八洲夫君 こんなことで議論していたら時間がなくなっちゃうんですけれども。例えば、本州四国連絡橋公団が設置する鉄道の用に供する施設、まだこれからも二つ目の橋、三つ目の橋に鉄道を引く考えがあるんですか。ないでしょう、あれ一つでもう終わりでしょう。ですから、これは答弁要りませんけれども、もうちょっと整理できると思いますので、ぜひ検討をいただきたいと思います。
 なぜかといいますと、例えば社会福祉法人、そういうところでお金持ち用の立派な老人ホームを建てると。そして一方では、私みたいなお金のない人は市の公的なささやかな老人ホームを利用する。だけれども、そういう利用のサービスも今日にはあるんですよね。どちらもそれこそ収用適格事業になるということになると、おかしいんですよ、どう考えても。ですから、ぜひそれについては、もう答弁要りませんので、今後御検討をいただきたいと思います。
 時間がないからずっと飛ばしまして、せっかくですから、ちょっと順番を変えて申しわけないんですが、ぜひ質問しておきたいことだけさせていただきます。
 補償金の仲裁制度に関してお尋ねしたいと思いますが、仲裁という法的な性格から見まして、仲裁委員には法律や不動産鑑定に関する専門的な知識が必要だと思うんですね。改正案では、仲裁委員には収用委員会の委員を充てることにしているんですね。
 私は、一方では専門性、一方では公正中立性を言うのなら、収用委員以外の専門家を任命すべきではないかなというふうに考えるんですが、なぜこれは収用委員会の委員を充てるんですか。
#66
○政府参考人(風岡典之君) 収用委員会の委員は、そもそも補償金を、個々の権利者についての補償金が幾らが妥当かということを判断する独立的な機関というふうに考えております。通常は、事業認定の手続を受けて収用裁決申請をして、収用委員会の場で審理をして補償金の額が決まる、これが通常のルールでございます。
 今回のこの仲裁制度というのは、事業認定みたいな公益性自身は異論がないと。ただ、額については客観的に第三者に決めていただきたいという権利者がいる場合に、事業者と権利者が合意をして仲裁人に判断を仰ぐということでありますので、やはりこれは本来補償金を判断すべき立場である収用委員会の委員の方を仲裁人にするということが当然のことかなと、またそのこと自身が的確な判断ができると、そもそもそういうことを専門にする方ですので、そういうことで仲裁委員につきましては収用委員会の委員ということにさせていただいたところであります。
#67
○山下八洲夫君 それから、補償金の払い渡し方法について伺っておきたいと思います。
 先ほども若干議論があったわけでございますが、現行の土地収用法では受け取り拒否や受取人を確認できない場合は補償金の供託を行うことができるようになっているんですが、基本は何といっても、アメリカの話が出ましたけれども、現行は持参払い制度なんですね、それを今度は書留郵便で発送等がいいということになったわけですが、これは供託制度を形骸化する危険性があるなというのが一つ。
 もう一つは、とにかく小さな力しか持っていらっしゃらない声を行政やらいろんなところへ反映させるために一生懸命運動なさっている、簡単にいえば一坪運動とか、立ち木トラストとか、日の出町のあの百四十坪に約三千人ですか、そういうのはどちらかというともう一方では小さな声をぜひ反映させたいと一生懸命運動なさると思うんですが、そういう運動の芽を摘んでしまう、あるいはそれを遮断してしまう、こういうような法改正ではないのかなというような気もいたしておりますが、その辺についてのお考えを再度重ねてお願いします。
#68
○政府参考人(風岡典之君) 今回、趣旨はもちろんそういうことではなくて、従来現金を持参するというやり方をしておりましたけれども、今のようなこういう郵便制度が発達したもとにおいては、当然合理的な郵送手段というのを認めてもいいんじゃないかということで、そういった形のやり方も加えさせていただくと。
 郵送方式をとりましても、通常であればこれは国内を考えれば、当然補償金が相手方に到達をする、弁済の提供というような状況になり、通常はその方が受け取って弁済がなされるというのが一般的でありますので、従来と比べて内容が異なるということではない。仮に、郵送しますと本人が受領しない場合もありますから、そういった方々についての補償金を取得する権利というのは、これは当然消滅しません。それは保護しなければなりませんので、その点については権利取得裁決を債務名義ということで執行力ある形にして、当然補償金については確保できる、そういうことにしているので、この点についてはぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それから、先生御指摘の補償金を受け取らない、受け取ることについていろいろ意見を言って、そこはいろんな住民の声じゃないか、こういうような御指摘がありました。
 私は、その点は今回事業認定の段階においてはこれは事業説明会だとか公聴会の実施だとか、第三者機関の意見とか、そういうような形でいろいろ慎重な手続を経て事業認定というものをさせていただくわけでございます。収用委員会の段階におきましては、これは補償金を受け取るか受け取らないかという答えしかありませんので、その点はどちらかそういうふうに整理をせざるを得ないと。
 もう一つ、先生の方から供託制度が形骸化してしまわないかという御指摘もございました。これはもちろん補償金の受領を拒否した場合には、従来どおりこれは供託ということをやらせていただきますので、その意味では供託制度について形骸化をするという懸念は当たらない、このように考えております。
#69
○山下八洲夫君 仮に山下八洲夫あてに書留郵便で郵送すると、私が受け取らないで例えば家内が受け取っちゃった、あるいは息子が同居していますが、息子が受け取って黙って使っちゃった、本人は知らなんだ、そういうのはどうなるんですか。
#70
○政府参考人(風岡典之君) それは権利者御本人が補償金を受け取っていないという事実になるわけでございます。私どもは、当然補償金は権利者に支払うべき立場にありますので、その場合、受け取っていない場合につきましては、先ほど収用裁決を債務名義ということで、要するに強制執行を与えるというそういう扱いを今回しておりますので、いずれにしましても最終的には権利者の方々が適正な補償金を得る、これはもちろん補償すると、こういうことでございます。
#71
○山下八洲夫君 もう時間になりましたのでこれ以上申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても、この法改正は慎重の上にも慎重に議論をしていただいて、そして進めていただきたいということを要望しまして、終わりたいと思います。
#72
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 午前、午後ということでそれぞれ質問をさせていただきます。
 今、いろいろ午前中から議論を聞いておりますと、土地収用法改正、私は前提として土地に対する認識が、いわゆる役所それから土地所有している人の間の問題もあろうかなと。また、いろんな学者の論文等を読んでみますと、土地はある意味では天から授かったもの、ある意味では公共的なものである、それをたまたま国民が預かっているんだと、そんな実は論文もあります。そういうふうな点からすると、私は、まずこの問題というのは土地に対する認識というのが大前提になるのかなと。
 かつて国土利用計画法がありましたけれども、あれもちょうど一年おくれて、土地の高騰を招いてしまった。本当に一年早くあの法が施行されていれば土地の高騰を招かなかったんじゃないだろうかと、そんな話もありまして、土地に絡む法律というのは物すごく次の時代にわたって大事な法律であるなと、そんな思いがします。そういうふうな前提の中で、まず土地に対する認識を大臣にお伺いしたい。
 それは、土地所有に対して、日本の土地を持っている感覚とそれから諸外国ではこれまた違うと思うんです。それはどういうことかと申しますと、七〇%が日本は平地ではありません。三割のところに一億二千万人の人口が住んでいる。そしてまた、日本民族というんですか、我が方の地域からすれば、これは一坪運動とは違うんですけれども、公共事業をするとき反対する方がおられる。その人の大きな反対の理由というのは、先祖伝来の土地を手放すことは、あれの時代に手放したというような話を子供たち、孫たちに言われるという一つの日本古来の伝統というんですか、土地に対する一つの執着、地域性というんですか、そんなものもあります。そんなことも考えると、土地に対する日本の意識というのは諸外国とは違うのかなと。
 それから、最近地価が下がっております。今までやっぱり土地本位というか、土地というのは本当に私有財産の中でもたしか一番プライオリティーを高くしていた時代もあったと思うんですけれども、地価が下がっている中で、土地に対する執着というものの変化があるかどうか。この二点について、お伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(扇千景君) 佐藤先生の日本国民の土地に対する意識、外国と違うであろうというお話、そのとおりでございまして、七割が山であって三割の平地に住んでいるというお説も今まで論議されてきたとおりでございますし、基本的に一般の土地所有意識というものがどの辺から来たんだろうかということでございますけれども、少なくとも私たちは、一般的に土地を所有するという意識ができたのは明治の初期ですね。ですから、余りまだ土地を持つということの意識というのがそれほど国民の中には、歴史は浅いんです、日本の場合は。
 そして、都市を中心にいわゆる借家に定住する、家を借りるということの意識が私は随分あったと思うんです。けれども、第二次世界大戦後、土地の所有に対する意識はそこでがらっと変わってきたと思うんです。そして、今の持ち家志向の高まり、あるいは土地に対する意識というものがそこで高まってきたということが私は国民の変化だと思います。まして、今、先生がおっしゃったように、日本の国土は三割しか平地がありませんから、ないものは欲しがるというのは当たり前のことです。
 私は、アメリカでずっと移動しながらアメリカのお年寄りの人たちの調査をしたことがございます。キャンピングカーで全部イエローストンから移動いたしました。アメリカ人が私に聞くんです。日本人はなぜ一生働いてもらった退職金であと先行き少ないのに家を建てるんですかと。一生働いたお金をなぜ先行き短い、老い先短い、利用度が少ないのに、全就労退職金を家に使うんですかと質問されたんです。
 じゃ、アメリカの皆さん方はどうするんですかと。簡単ですよ、私たちは家を必要としません。キャンピングカーを千二百万円で買ったら、寝室もバスルームも全部ついています。そして、退職金の一部で千二百万のキャンピングカーを買って、寒いときには南へ行き、暑いときには北へ行き、魚が食べたいなと思ったら川で釣りざおで魚を釣って、落ち葉を集めて焼くんです。孫には一年に一回、キャンピングカーで子供たちに会いに行けばいいじゃありませんか。お小遣いが欲しいなと思ったら庭の水まきの番をします。これが平均的なアメリカのサラリーマンの認識です。それが基本的に日本人と違うところですと。
 そう言われると、私もだんだん心細くなりまして、一生働いたお金で、やっと自分の家が持てたといって立派な家を建てる。日本の一軒の家の価格は高い。アメリカは安い。土地が安い高いじゃなくて、粗末な家をつくって建て売りします。そのかわり、外人は一生懸命日曜大工でペンキを塗りかえて、安い建物、買ったものを維持するのに物すごく努力します。日本人は、高い建物の家を買いますけれども、手入れは日曜大工で余りいたしません。基本的に私はそこで国民性というものが随分違うんだな、また、家に対する意識というものもこれだけ違うんだなということも実感してまいりました。
 少なくとも私は、高度経済成長期以降の地価が継続的に上昇を続けた中で、土地バブルでもうけた人はうらやましいな、しかも自分の住んでいる土地が高くなって、ヘえ住んでいるところこんなに高いのと言っても、かわるところがない、売買しなければ。表を見ただけで喜んでいる。そういうことが、私はこのバブル期に随分皆さんの意識が変わってきたと思います。まして、今二度とあのバブル期を再現するということはもうないとほとんどの方が思っていらっしゃいます。けれども、もう少し土地が何とか高くなってくれないかな、そうすると今のあらゆる不良債権も全部処理できるのになと、全部とは言いません、ある一部が。そういうふうに望んでいる人もなきにしもあらずですけれども、要するに日本にあった土地神話というものが崩れて、この十二年間あらゆる面で私どもは一時の夢を見たと思わざるを得ない状況があったことだけは確かでございます。
 けれども、平成四年以来十年にわたって地価が大幅に下落し続けました。今度の土地改革で、やっと都心部の商業地あるいは住宅地の一部についても横ばいというのも出てまいりました。けれども、佐藤先生は福島の御出身ですけれども、東京で時間があれば銀座の並木通りに行ってみてください、表参道へ行ってみてください、原宿の骨董通り、あらゆるところが日本と思えません。あらゆるヨーロッパのブランドが全部軒を並べています。なぜ出てきたか。それは、日本の地価がそろそろ下げどまりだなと、特に商業地。だから、リサーチをして彼らは出てくるんです。彼らは世界じゅうに店を出しますから、地価の動向に物すごく、日本人よりもリサーチがすごいです。それは、あれだけヨーロッパのブランドの店が出すということは、もう値ごろだなと。今この日本の銀座の一等地を買って店を出すことによって自分たちは採算が合うという計算ができているわけですね。
 ですから、そういう意味では私は、少なくとも日本というのは今まで土地を持つという意識でしたけれども、私は二十一世紀になって考えてみますと、平成五年に土地は預貯金や株式に比べて有利な資産と考えておりますかという調査をいたしました。これが平成五年では六割以上がそのとおりだと言ったんですけれども、近年の調査では、土地を持っている方が株式や預貯金よりも有利かというのには、もう三割しか有利だと思っていません。ですから、今おっしゃいましたように、土地は所有するものという概念から土地は利用するものというふうに、私は二十一世紀、大きな概念の変化が出てきたと思っておりますので、それによって経済の活性化が起こればいいと思っています。
#74
○委員長(今泉昭君) 答弁者にお願いします。できるだけ簡潔にひとつお願いをしたいと思います。
#75
○佐藤雄平君 バブルはやっぱり私は起こしちゃいけないと。あと、大臣からバブルのときの方がうらやましいと、これはもうとんでもない話で実はありまして、それが結果的には今不良債権でこの三代の内閣が一番苦しんでいるわけであります。そういうふうな中で、今度の小泉さんの都市の再生、これはまさに私はその都市政策が大重点になると思うんです。
 土地の高低によってもう本当に人が苦しむというか、この間タクシーに私は乗りました。個人タクシーに乗って、個人タクシーというのはタクシーのドライバーからすれば目標だと思うんです。ところが、今個人タクシーからみんな雇われになった方がいいんだという話を実はしております。その話を聞いておりますと、個人タクシーのドライバーは、まず組合費を払わなきゃいけない、車のローンも払わなきゃいけない、そして無線代も払わなきゃいけない。そうこうしていると、とても三万、四万の売り上げではやっていけないから、今個人タクシーのドライバーの人はみんなタクシーの中に寝泊まりしながらドライブしている、働いていると。そんな話を聞いて、それはどうしたんですかと言ったら、これはまさに土地の問題に絡んで、彼自身が土地で失敗してそういうふうなことになってしまったと。そんな話を聞くと、やっぱりバブルが招いたある意味では悲惨な状況なのかなと、そんな思いがします。
 今度の小泉内閣での都市再生についての都市政策をどういうふうにお考えになっていくのか、まずそれを大臣に、そしてまた、土地収用法の改正を今するわけでありますけれども、今までの土地収用法の中では例えばどんなところに大きな問題点があったのか、その二点についてお伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(扇千景君) 都市再生のお話がございました。
 先ほども少し申し上げましたけれども、今一番大事なことは、緊急経済対策という前森内閣からの四項目がございました。その緊急経済対策の四項目の中の最後、四番目が都市基盤整備と書いてございました。そして、これが小泉内閣になりまして、この都市基盤整備というものを拡大し、なおかつ利用しようということで、小泉内閣の総理が本部長になって都市再生本部というものを内閣府に設置いたしました。
 そういう意味では私は、今なぜこれをしなきゃいけないかというと、国際都市というものの概念が変わってきている。そしてまた、今、東京都内にいっぱい工事中のビルがございますけれども、それがあらゆる情報化に整備されたビルではない。外資系とかあらゆる国際的な仕事をする人は、全部光ファイバーが設置されて、入ったときからすべて情報が設置できるようなビルでないと入らなくなってしまった。そういうニーズが変わってきている。それに東京都が対応できているだろうか、あるいは大阪はどうだろうか、名古屋はどうだろうか。そういう国際的な基準を満たしていないものを幾ら建てても需要と供給のバランスは満たされないと。そういうことも含めて、新たに都市再生というものを考え直さなきゃいけないと。
 そして、今の交通状況も先ほど言ったとおりでございます。渋滞をし、しかも今までも東京都内の例をとりますと、三十キロと書いてあります、標示には。三十キロで走れるところなんてありません。平均十七・八キロでしか走れないんです。それを東京都内、三十キロで走れるようになっただけで少なくとも四兆九千億円の経済効果が上がるという試算まで出ている。
 では、どう直していくかという、これが基本でございますので、昭和二十一年に引かれました都市整備というものがいまだに五五%しか達成されておりません。四五%は達成されていないということから考えましても、私は、東京都を含めました都市の再生というものは、今図らなければ国際的に利用者がなくなるし、あるいは建物を建てても皆さん方に喜ばれないという、それでは何にもならないということから、あらゆる面で考えていかなきゃいけないというふうに考えて、都市再生本部というものは、改めて道路を広くして、そして都市計画どおりの残りの四五%を達成することによって、私は容積率の緩和、高さ制限の見直し等々によってすばらしい都市にできる、空間を緑にするということができると思っております。
 また一方、今の土地収用法は今までとどこが違うかというお話でございますけれども、それは先ほども私は山下先生に申し上げましたけれども、今までは住民の理解の促進が図られていなかった、今度はそれをしよう。また、円滑かつ効率的な実施の確保をしよう。また、環境型の社会の形成の促進などに現行の土地収用法が必ずしも想定し得なかったものが現状の社会ではできていく、それも改めて考えていこうというふうに、今回は法案におきまして、事業の認定手続につきましても、事業認定庁に公聴会等の開催を義務づけるということで住民の理解を促進しようというような、あらゆる面で今回は収用手続の権利者の保護に十分配慮しようというのが主眼の目的でございます。
#77
○佐藤雄平君 都市の再生の中で、大臣の話はわかりましたけれども、その中で土地政策、これはどのようにお考えになっておられますか。
#78
○国務大臣(扇千景君) 例えて言いますと、今、東京都内をお歩きになっても、あらゆるところに空き地ができています。バブルの後遺症でございます。いわゆる未利用地、土地が生かされていない。それをどう生かしていくかということが大きな問題でございまして、先ほど私が申しましたように、昭和二十一年に都市計画を計画されまして、例えば道路幅は広くなりました。途中で狭くなっています。それは二十一年からですから、これだけ年数がたっても五五%しかできていないんですね。途中まで広くなって、先へ行くとまた昔の細い道。この土地政策を実行し残りの四五%を整備しようと思いますと、大体七千ヘクタール立ち退かなきゃいけないんです。ところが、東京の環六の中だけでも、あの飛び地を見ますと、それに並行して約六万八千ヘクタールぐらいあります。ちょうど都市計画を実行して立ち退く方が、お好きなところへ、今空き地がいっぱいありますよと行っていただくとちょうどそれがペイするというのも不思議な数字なんですけれども。
 今、地価が下がっておりますので、そういう未利用地、死んでいる、生かされていない土地を生かすことによって、改めて道路幅が全部広くなって、私は緑の豊かな再生できる都市をつくることができると。まず、昭和二十一年の都市計画の実行すらできていないという現状は是正しなければならないと思っています。
#79
○佐藤雄平君 本当に都市政策の再生の中で私は一番やっぱり危惧するのは、要するに全総の中で、全国の均衡ある日本の発展という中で、今、大臣がいみじくもいろんな今までの答弁の中でどこへ行っても金太郎あめという答弁がありましたけれども、この東京、都市の再生についても、今の話を聞いている限り何かやっぱり金太郎あめ、合理性、利便性だけを追求していくと同じくやっぱり金太郎あめになりそうな危惧なり懸念があります。
 ですから、非常に都市政策というのは私は難しいと思うんですけれども、その中で合理性と利便性と、さらにやっぱり特徴ある、それぞれの東京の、それぞれの区のまた特徴ある、そんな都市の再生をぜひ願っております。
 また、午後から質問をさせていただきます。ありがとうございました。
#80
○委員長(今泉昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#81
○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、土地収用法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#82
○佐藤雄平君 午前中は、土地収用法の前提となる土地についての認識について、それぞれお伺いをさせていただきました。
 今度の土地収用法の改正法案というのは、大きく言って私は二つあるのかなと。まず一つは、事業認定の前の説明と、それからまた土地収用の手続。いろいろ議論を聞いている中で、私は、公共事業を執行するに最も大事な要素というのは土地問題の解決、土地問題が解決すれば、あとはもうほとんど八割方執行できるような体制になるのかなと今までのいろんな事業等を見ながら感じてまいりました。
 その中でも、私は今度のその認定の前の説明、この合議制というかコンセンサスをいかにとるかというのがこれから二十一世紀の公共事業の大前提となる、そういうふうな意味で、改正案の中でまた修正案が出されたということは非常に次の時代を見据えたいい結果であるかなと思うわけであります。
 その中でも、私はその事前の説明をするとき大事なことは、最近高齢者社会を迎える中で土地にまつわる事件がいろいろ起きております。それは、どうしてもその土地が三年後、五年後高くなりそうだという悪意のようなものを持ってそのお年寄りをだましたとかいうような事件がそれぞれ発生している。
 そういうふうなことにかんがみると、私は、その事前の計画段階での説明というものも的を射た時期というのはどういうふうなものか、これはなかなかやっぱり難儀だと思うんですけれども、これについて、いつぐらいの時期にその事業の計画の説明をするか。それと同時に、その範囲をどれぐらい広げるのが適当であるのか。
 さらにまた、公聴会の開催等もあるわけですけれども、なかなかその公聴会も、私も何回か今までの中で出させてもらったことがあるんですけれども、どうしても形骸化して、特定の方しかなかなかお出にならない。事業によっては、それぞれその参加の人数も違うかと思うんですけれども、この公聴会も、場合によっては一回と限らず、要望によっては何回か開催するのも次の時代の公共事業の推進のためにも適当であろうかなと思いますが、その二点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#83
○政府参考人(風岡典之君) 今回の法案におきまして措置する事前説明会でございます。これは時期を、いつ説明するのかということでございますが、法律上は、事業認定を受けようとするときにはあらかじめ事業内容について説明をしなければならない、こういうふうになっております。私どもといたしましては、事業計画が固まった段階におきまして、起業者が事業の認定に利害を有する者に対しまして事業の目的だとかあるいは事業の内容を説明し、その後の収用裁決関連手続の円滑な実施を図る、こういうことを念頭に置いて制度化をしたわけでございます。
 したがいまして、事業の計画はいろんな事業によりまして熟度が違いますので、一概に申請の何カ月前というような形の整理はちょっと難しいかなというふうに思っておりまして、それぞれ事業の固まった段階で適切に対応するということにならざるを得ないなというふうに思っております。
 それから、事前説明を行う対象でございますけれども、これは利害関係者ということでありまして、これは起業地内の土地の所有者など法律上の権利を有する利害関係者だけではなくて、経済的、社会的、そういう意味での利害関係を有する者、広くそういった人を対象にしていきたい、このように思っております。
 当然、事前説明会をするに当たりましては、事前にそういった説明会があるということを周知するということが非常に重要でございますので、これにつきましても、地方紙に周知するほか、利害関係者に対する周知措置というものもいろいろ考えていきたいというふうに思っております。
 それから、公聴会が形骸化している傾向があるというふうに御指摘がございました。もちろん今回、公聴会の義務づけというのは初めてでございまして、私どもとしてはこれを非常に重視しております。公開の場で事業の公益性について広く御意見をいただくということで、これは非常に重要な手続だというふうに思っております。
 それで、何回行うのかというようなことでございますけれども、これはやっぱり公述人の数だとか、あるいは争点がどれぐらいあるかということによっておのずとその必要な時間というのが決まってくるわけでございますので、比較的争点が限られているようなものですとそれは一日で終わるということもあるかと思いますけれども、あるいは公述人とか争点が多数に及ぶということであれば当然複数回の開催ということも考えていかなければならない、このように考えております。
#84
○佐藤雄平君 事前のその説明でありますけれども、例えば高速道路で、路線が決定するというまず最初の段階がありますね、それから箇所の採択、それから五つぐらいの段階がたしかあると思うんですけれども、今度の収用法の中での事前の説明というのは、例えば高速道路の場合の路線決定ということの認識でよろしいでしょうか。
#85
○政府参考人(風岡典之君) 土地収用法の手続でございますので、事業の認定を申請しようとする者が事業説明会を行うということでございます。したがいまして、事業説明をしたものと申請した書類とが基本的に事業計画の内容が一致している必要があるということですので、当然、具体的な事業についての計画が固まった段階ということになろうかと思います。
 それから、収用法の手続を離れましていろんな事業の計画段階からできるだけ住民の御意見をお聞きするというのは、これは収用法とは別に個別法の運用においてそういうことは当然その前の段階として努力をしていかなければならない、このように考えております。
#86
○佐藤雄平君 さよう実行していただきたいと思います。
 次に、今度の法改正で第三者機関の設定とありますね、それで意見の聴取がある。これも午前中も議論がありましたけれども、本当にこの中立性を保つというのは大変なことだと思うんですね。審判とプレーヤーが一緒だったら中立性はある意味では保たれない、これはもう本当に大変なことだと思いますけれども、どのようにしてその中立性を保っていくか、この件についてお伺いしたいと思います。
#87
○副大臣(佐藤静雄君) 今度の第三者機関の意見聴取というのは、先生おっしゃるとおり非常に大事な機関であります。大臣認定の場合には社会資本整備審議会がやり、知事認定の場合には条例で定める機関がやるわけでありますけれども、それだけにこのメンバーというのは非常に大事でして、役人のOBを入れないということはもちろんでありますけれども、本当に幅広くメンバーをここに入れるということが大切でありまして、同時に利害関係のあるメンバー、一つ一つ何かをやるときに、それの利害のある人たち、それはもうメンバーから外してしまう、そのようにして公平公正を保ってしなければならないと思っております。
 そしてさらに、その会議自体は非公開でありますけれども、会議の議事録、出た意見はもう全部公開をする、そして多くの方々がどういう意見が出たのかをしっかりわかるようにする。さらにまた、いろんな意見が出ますから、反対意見、賛成意見が出た場合には、その場合には両論併記もあり得ると。そして、国の場合には大臣へと、こう上がっていくわけであります。
 そして、できるだけだれが見ても公平公正な機関であったと思えるような、一人一人の考え方が大事だと思います。メンバーの方々の考え方が非常に大事だと思います。自分たちが公平公正にするんだという、そういうことをしっかり頭に持ってやってもらう、そういう方向でやっていきたいと思っております。
#88
○佐藤雄平君 公共事業がややもすればいろんなことにさらされているというか、こういう時代ですから、本当にこの第三者機関の、今、佐藤副大臣のお話じゃありませんけれども、公正公平ということを旨にしながら遂行していただければ、本当にまた公益の公共事業であるなという認識も新たになるかなと、そんな思いであります。
 次に、その規模にもいろいろよると思うんですけれども、代表当事者制度、これが創設されるわけでありますけれども、これはまた都市と地方でいろいろ違うところがあるんですけれども、私どもなんかは、入会権なんというのがありますと、一つの事業をするとき、その入会権でそれぞれの財産区の議員がいるんです。そして、そのチャンピオンを選ぶというのは、またその部落の中でのいろいろ、まあそれはそこの問題だといえばそれまででありますけれども、しかしながら地方ではそういうふうなところがあるという認識もしていただいて、その財産権の問題、それから入会権の問題、そういうふうなときに必ずしも三人以下という当事者の代表というのが、場合によってはなかなか説得できないケースも出てくるかもしれません。そのときの運用というのは、多少弾力的な運用をしていただけるのかどうか、その件についてお伺いしたいと思います。
#89
○政府参考人(風岡典之君) 今回は、法律上は共同の利益を有する多数の土地所有者または関係人がみずからの意思によって三人の代表者を選定すると、こういうことでございます。入会地、入会権のものにつきましては関係人ということになりますので、当然共同の利益を有する入会権者が多数の場合には代表当事者というのを設定することはできます。
 この場合には、共同の利益を有するというグループがあって初めて成立するわけでございますので、ただいま先生御指摘のように、その利害関係が一致しない者が含まれるような場合には、それを全体として共同の利益があるというふうには言えませんので、その場合には、例えばその共同の利益を有する範囲内で、例えば旧入会地の集落間で利害が入り組む場合には、そのそれぞれの集落ごとに代表者を選ぶとか、そういうようなことをして選定をしていただくと。このような形で法律上も予定をしておりますし、運用もそうしていきたい、このように考えております。
#90
○佐藤雄平君 ということは、これは人数にはそうはこだわらないということの認識でよろしいですか。
#91
○政府参考人(風岡典之君) 共同の利益を有する者が多数ということであれば、そこは、そのグループはそれぞれ適切に判断をしていきたいというふうに思います。
#92
○佐藤雄平君 ありがとうございました。
 次に、公共事業のいわゆる公益、何が公益かというのは非常に難しい問題であろうと思うんです。
 昔、私どもの町でし尿処理場の話がありまして、それで町としてはし尿処理場をつくらなきゃいけない。ところが、どこにつくるかといったら、みんなそれぞれの部落は嫌だと、総論賛成各論反対。これは、国と町、県と町、また国と県、さまざまなところから私は出てくるかなと。先般の原発の問題なんかも、ある意味では、国全体からすれば公益だということの理解はあるが、しかし地域にとってはとんでもない話だと、私どもは嫌ですよというふうな一つの結論かなと思うんです。
 そういうふうな中で、法律的には公共事業というのは公共の利益とそれから私有財産との調整を図るということを書いてありますけれども、本当に複雑な今世の中になってきて、しかも環境問題、CO2の問題を初めとして新たな公益の要素というのは含まれてきていると思うんですけれども、今後二十一世紀の公共性というものをどのような位置づけをして公共事業を推進していくのか、この件についてお伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(扇千景君) 国民全体の利益または今、先生がおっしゃる地元の人たちの利益、その辺の公共性というもの、お互いの認識をどう持っていくかと。例えば川一つとっても上流と下流等々ございますし、流域の皆さん方の下の人のためには治水であり利水であり、上の人たちは私たちは全然関係ないと。今の川一つとってみても、両方の公共性、公共という言葉であれば、治水、利水、上流、下流、あらゆる面で私はあろうと思います。
 先ほども私、山下先生もちらっと言っていましたように、東京都内でもそうですね、ただ東京都を通過する車、これが一四%あるというけれども、東京の人にとっては通過するだけの車なんて要りませんと、こう言いたいですよね、例えば。CO2ばかり排出して、込んでいて、私たちは何にも関係ない、早く東京都を通過しないで行けるところをつくってくださいよと。道路一つとってみても、果たしてどこまでが公共なのか。いや、もう丸めて全部公共ですよと。
 その範囲の問題を先生が、事業認定するときには公共性というものを重視してくださいよと。だけれども、その公共性の幅というものはどういうことなんだと。私が今申しましたように、国民全体の利益をもってすることが公共である、しかも国民の利益のみならず国際的にも日本の国の顔として持っていなければならないもの、これも重要な公共の私は一つであろうと思います。
 ですから、少なくとも地元そのものに、事業が国民全体に貢献する事業であると、そうお認めいただくために、先ほども局長が言いましたように、事業認定前の計画段階から地元の皆さんに御理解いただく、そういう説明が今回は確実に明記されていると。今までは事前の説明会が私はやっぱり努力が足りなかった部分が多々あると思っています。
 ですから、今回の場合はきちんとそれを説明する努力をするということを基本にしながら、なおかつそれでも地元の理解が得られないとすれば、そのときにはより高い今私が申しましたような見地からどうあるべきかということを広い視野に立って、私は地元の主張する利益とあるいは国民全体の利益というものを客観的かつ公平に、そしてあらゆる面で比較考量することが必要である、それが公共性の持つ大きな意味であろうと思いますから、私はすべての人に満足していただけることというのはなかなかないと思います。けれども、そこで私は国民全体の利益のためであるという、しかも一方の人だけに苦痛を押しつけないような方法がないものなのか、より多くの皆さんの共感を得られるような話し合いをしていくということ、そして客観的かつ公平な公益性の判断ができるようにあらゆることをする。
 また、今回の法案におきましても、先ほど先生が御質問になりました第三者機関からの意見聴取も義務づける。これも新たな今回の法案によって初めて位置づけられているわけでございますから、そういう意味でも、第三者機関の意見に基づいて、最終的には事業認定庁の責任において適切な判断がなされる。それがなければ、延々と論議するだけで結論が出ないということでは私は公共性は損なわれる点があろうと思いますので、今回のように事業認定の理由の公表、これもあるわけでございますから、より責任の所在というものが明快になる。それだけでも私は、国民の皆さんに理解し得る、また、ああ、あの人のあそこでこういうふうに決まったんだなということが明示できるということで、公共性というものの意味を持ち続けたいと思っています。
#94
○佐藤雄平君 先週、私、尾瀬に行ってきたんです。福島県の檜枝岐村から七入というところがあって、そこまでは実はバスが行くんです。乗用車も行くんです。そこから三池までというのは実はピストン輸送みたくしております。よく尾瀬のハイカーの皆さんが檜枝岐に行くと、何でこんなところにこんな立派な道路があるんだと必ず言うんです。ただ、そこに五百人、六百人がやっぱり住んでいるんです。
 そうなってきたとき、私はこれからの時代の中で、本当に公共性、国民全体のものだというふうなことであれば檜枝岐村はあの細い道路でいいのかなと思うし、また尾瀬の環境というのはこれは国民全体のものだという認識に立てば、あそこはもう歩いてでも結構というふうなことがあると思うんです。ところが、地元の人がそこで生活をする。生活をするにはやっぱりお客さんにいっぱい入ってきてもらいたいということになると、これはハイカーが五万人より十万人、十万人より十五万人の方がいいわけです。
 もう本当にその辺の公共性というのはこの次の時代で、特に私は、環境問題とかそれから自然環境とかそういうふうなことを考えてくると、どこまで選別していくか、非常に難しくなると思いますので、その辺も次の公共事業の中で一つ入れていただきたいと思いますし、頭の中に入れていただきたいと思います。
 となってくると、私は今の土地収用法だけで、そういうふうなことも踏まえたこれから公共事業を進めるに当たって、この法だけで十分対応できるんだろうか、そんな思いをするんです。ですから、極めて多岐にわたったこれからの公共事業を進めるについての要素というのが出てくると思うんですけれども、何かこの法案ではなかなか対応できない場面が出てくることもあろうというような予測もあるわけですから、そういうふうな中で、その次の公共事業の例えば執行法とか、さっきの話のいろんな多面的な要素も加えた中でのそんなことの考え、そんなことは国土交通省の方では考えておられませんか。
#95
○政府参考人(風岡典之君) 今回は、土地収用法の大枠の中でできるだけ事業認定についての透明性の確保あるいは収用手続の合理化ということであるわけでございますが、先ほど法律の附則の修正の話もありましたけれども、要するに事業は計画段階から始まっているわけでございますから、その段階のやはり情報公開とか住民の参加というようなことは、これは非常に大事な手続であります。また、事業を選ぶ場合にはどういう事業が優先順位が高いのか、事業のコスト評価というようなこともやっていかなければなりませんし、最終的に事業が完了した後の管理というようなことについても、これも将来どういうような形で管理をすることがいいのかという、要するに計画から管理あるいは廃棄に至って、また循環するというようなことも含めて全体の流れがあるわけでございます。
 その意味で、今回の土地収用法の改正でカバーできるところというのは非常に限られているというふうに正直言って認めざるを得ないと思いますので、特に国会の御審議で重視をされました計画段階の取り組みというものは、これはいきなり国土交通省として法律というわけにはなかなかいきませんけれども、先ほど申し上げましたような形で、運用面でのまさに取り組みというものをできるだけ早く整合的に行っていくというようなことを通じて、その次に何が必要なのかということはいろいろ議論をしていきたい、このように思っております。
#96
○佐藤雄平君 わかりました。もう本当に計画段階でさまざまな意見を聞いていただいた後で、禍根を残さないような事業執行をお願いしたいと思います。
 次に、損失補償について、これも今度の法案の中で新たな特記すべきところかなと思っておりますけれども、本当にこの損失補償というのは、商売をやっている人はここが一番適地だと思ってやっておられますし、また工場についても、従業員の人が最も通いやすいところというふうなことで立地している例も当然のことながらあります。
 それと、それについてのまず補償は、場合によっては金銭面のお話もあるでしょうし、また代替地ということがあると思うんです。私は、損失補償の中でいろんな問題を聞いていると、やっぱり代替地がなかなか適当なところがない。ということは、国でかわるべき、また公的な機関でかわるべきところがだんだんなくなっているのかなと思うんですけれども、代替地等についての一つの考え方、これをまずお伺いしたいと思います。
 それと同時に、今度マンションの共有地についてはどうするんだという、これも一つの議論になっておりますけれども、この点についてもどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#97
○政府参考人(風岡典之君) 代替地の提供でございますけれども、今回の法案におきましては、公共事業に必要な土地を提供することによって生活の基盤を失う方々、この方々に対しましては当然、財産的な損失に対する補償を行うのは当たり前ですけれども、それに加えまして、移転後の生活とかあるいは営業活動、こういったものが支障なく継続できるように生活再建の措置ということを強化する、こういう取り組みをしているわけでございます。
 具体的に言えば、申し出があった場合に、補償金の支払いにあわせまして、起業者が代替地の取得のあっせんあるいは代替建物の取得のあっせんとかあるいは職業の紹介、指導等も含めた広範な代替措置というものを実施をするようにしております。起業者におきましては、当然地方公共団体とも協力をして、事情の許す限りそういった措置ができるように最大限の努力をするということにしております。
 その場合に、先生御指摘のように、代替地、代替住宅等についての情報というものがきっちりないと、努力しようとしてもなかなか情報提供できないということが現実問題として確かにあります。この点については私どもも問題意識を持っておりまして、やはりこういった情報をネットワーク化しておくということが必要だと。このために、起業者とかあるいは情報を持っておるのは宅地建物取引業者ですので、こういった方の間で情報ネットワークの整備ということを始めております。ことしの秋から一部の県では試行的な実施に入りますけれども、来年以降できるだけその輪を広げていきたいということで、そういう情報を的確に集めて地権者の方のニーズに沿うように努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
 それからもう一点の指摘の、マンションの共有部分についての損失補償、これは用地の取得で非常に大きな問題の一つでございます。特に、任意買収をするときにこの問題というのが非常に大きな問題として、現実問題としてあります。
 これは先生御案内のとおり、現行の法制におきましては、任意買収の際にマンションの一部、例えばマンションの駐車場部分を買収しようとすると、これは共有地の一部を分筆する必要があるわけです。分筆行為というのは、これは法律上は保存行為ではなくて処分行為ということになりますので、こういう扱いになりますから、これは民法の原則からいうと共有物の変更に該当しまして、これは全員の同意がないと共有物の変更ができない、こういうようなことになるわけでございます。その意味で、全員の協力がないと分筆手続ができないということで、それは現実問題として任意買収の非常に大きな課題ということで、この辺は法務省も含めていろいろ私ども勉強しなければならないところだというふうに思っております。
 ただ、それが収用段階に行きますと、裁決申請を行う場合には、収用委員会が裁決手続開始の決定を行う場合には、これは起業者が分筆の代位登記をできるということになっておりまして、この場合は全員の賛成がなくても起業者の責任において代位登記ができる。その結果、分筆をされて、その部分について取得ができるということで、任意の段階とそれから収用手続に乗った段階とがちょっと実際の取り扱いが違っているという、こういう課題があります。
 いずれにしましても、今御指摘の点というのは私どもも非常に悩みの大きいところですので、いろいろな関係者のお知恵をかりて勉強していきたい、このように思っております。
#98
○佐藤雄平君 適当な代替地がなくて商売をやめてしまったなどという例もありますので、最大の努力をお願いしたいと思います。
 次に、収用の手続の中で、兄弟がいっぱいいて地権者が外国に行っているなんという例も大分ありまして、これは結局、一つの例ですと、外国に行って幾ら探しても結果的にいなくて、あれはどうなったんだか私もその後を聞いていなかったんですけれども、こういうふうな例というのは相当あると思うんです。今度の法改正の中で、郵便で送ってしまうというふうなことになるわけでありますけれども、外国に行ってなかなか所在がつかめないという場合どうするのか。
 それともう一つ、所在がつかめなくて最終的にその処置をするときの、いわゆるどこまで一生懸命探して、どれぐらいの期間を置いてまた最終的な決定を下すのか、この件についてお伺いしたい。
#99
○政府参考人(風岡典之君) 確かに、こういったケースも私どもを悩ましているところでございます。海外や国内の遠隔地に相手方がいる場合の交渉でございますけれども、これは、関係権利者が事業用地付近に親族等がいる場合には、その親族の方を交渉の窓口として用地の買収についての手続をとらせていただく。それ以外の場合には、やはり海外の方が適当な親族がいないということになりますと、海外の方と電話だとか手紙とかそういったことでやりとりをするし、また国内の遠隔地にいる方については、やはり出向いていっていろいろ御相談をする、交渉をする、こういうようなことをやっております。
 例えば、相続人なんかが発生しまして関係者が明らかでないというようなケースもあります。こういった場合につきましては、相続人不明ということですので、これは財産管理人の選任をしていただくとか、あるいはそういった手続がない場合には失踪の宣告をしてもらうとかいうようなことによって手続をとりまして、土地調書、物件調書をつくるときには、これは相手方がわかりませんので市町村長に代行署名をしていただいて、あとは裁決が出れば補償金の支払いは供託をする、こういうようなことをやっております。
 いずれにしても、対象者が確定できませんので、手続を経ますけれども、供託というようなことの措置をとっているところであります。当然、安易な供託ということではなくて、地権者がどこにお見えなのかというようなことについては、私ども、当然起業者としてはできるだけの努力をした上で、なおかつ判明できない場合には今のような手続によって供託等の措置をとらせていただく、こういう扱いでございます。
#100
○佐藤雄平君 その期間は、どれぐらい努力をして、いなかったとか、それは特別ないのかな。
#101
○政府参考人(風岡典之君) これもケース・バイ・ケースでございまして、ある程度努力をして本人に行き当たる、本人が把握できるというケースもありますけれども、一般論としては、起業者の立場ではできるだけ努力をした上でということで、ケース・バイ・ケースで最大限努力をするということかと思います。
#102
○佐藤雄平君 わかりました。
 次に、去年、国土調査法、国調の法案が通りましたね。あの国調のとき、日本の国調率がまだ半分にも行っていない、場所によっては二〇%も行っていないというところもあって、そういうふうな中にやっぱり地籍というのがうんとこの土地収用法のときに絡んでくる話かなと思うんですよ。だから、そういう中で、例えば係争中のところがその土地収用の該当する地区だったという場合なんかはどういうふうな処理の仕方をするんですか。
#103
○政府参考人(風岡典之君) 公共事業を行う上で土地の境界についての争いがあるようなケースというのは間々あるわけでございますけれども、この場合には、起業者の立場としましては、自分で測量をするとかあるいは公図を取り寄せるとかということで、関係者の間に立って境界の確定についての努力をするというのがまず取り組みの姿勢だというふうに考えております。
 しかしながら、なかなかそういうことをしても関係者の間で境界の確定についての合意ができないというケースがあるわけでございますが、その場合には、当事者間の解決というのは図れませんので、これは任意買収は実際問題としては不可能になります。そうなると収用手続に移行するということになるわけでございますが、この場合につきましても、土地調書には土地所有者が不明というふうになるケースとか、あるいはAないしBというような形で特定できないような形になりますけれども、そういった土地調書をつくります。その上で土地所有者不明あるいは未確定ということで裁決申請をする。収用委員会はそれを前提にしてその土地についての補償額を決定いたします。
 そうなりますと、起業者は、境界が確定されていなくてどなたにお支払いをすればいいのかということが確定できませんので、これにつきましてもやはり供託という手続になる、こういうことでありまして、なるべく円満に境界確認ができればいいわけでございますけれども、どうしてもできないものについては今のような手続で処理をさせていただいているところであります。
#104
○佐藤雄平君 土地の買収等に先行取得とかそれから代行業務というのがそれぞれあります。国のかわりに県がやったり、県のかわりに町がやったり、取得して、県の場合ですと土地開発公社、市町村にもそれぞれありますけれども、こういうのはやっぱり当然のことながら土地収用法を同時並行的に進めていくという理解でよろしいですか。
#105
○政府参考人(風岡典之君) 国の事業の場合、先行取得を地方公共団体とか公社にお願いするというケースがあるわけでございますが、これはそれぞれそういう方々に用地取得というのをお願いしているわけですが、任意の用地取得に努めている段階でございますので、それと並行して事業認定をするということではなくて、それでうまくいかなかった場合というときには土地収用法の手続に入るということでありますので、ある程度任意買収での見込みというものを見きわめた上で法律上の手続が必要かどうかを判断する、こういうことになろうかと思います。
#106
○佐藤雄平君 いずれにしても、午前午後、それぞれの議論の中で新しい土地収用法の改正、これがやっぱり次の時代にあの改正が実りあるものであったと言われるようなぜひ運用をしていただくことを心からお願いしながら、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#107
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として山下善彦君が選任されました。
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#108
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 土地収用法改正案に先立ちまして、今国会ももうあと日にちがわずかになってまいりましたけれども、私どもの国土交通委員会でこの問題についてやはり議論をしておかなければならない出来事がつい先日ございました。福井県の京福鉄道の正面衝突事故について、私の方から質問をさせていただきたいと思っております。
 去る二十四日の日曜日の十八時八分ごろに、京福電気鉄道越前本線保田駅―発坂駅間で列車が正面衝突事故を起こすという信じられない事故が起きたわけでございます。
 私はきのう、雨降る中でございましたけれども、現地へ行ってまいりまして、その衝突している列車の状況、あるいは住民の声等々伺ってまいりました。現場に着きますと、まず私の印象は、信じることのできない事故が起きているんだなということを実感いたしました。こういった事故で幸い死亡者がなかったものの、二十五名の方々がけがをされた。まず、私はその方々にお見舞いを申し上げるところでございます。昨年の十二月にもブレーキ故障でこの京福電鉄が正面衝突事故を起こしている。わずか半年の間で正面衝突を二回も起こしている。これは一体どういうことなんだという住民の皆さんの怒りの声も聞こえているわけであります。
 単線で駅があって、そしてその駅で通過する特急を待ってから出るという列車の状況ですけれども、たとえ信号が赤に変わろうと何しようと、その駅で列車が通過するのを待ってから出るというのは単線の場合だったらだれが考えたってわかる話なんです。原因は今調査されているというところでございますけれども、この原因についてどのように今の段階でつかんでおられますか。
#109
○政府参考人(安富正文君) 現在、現地の中部運輸局、それから本省からも専門家を派遣して現地調査中でございます。ただ、現在のところまでにわかっている状況を申し上げますと、幾つかの原因が考えられたわけでございますが、一つは、信号についていわゆる故障なりなんなり障害があったのではないか、こういう点について見ておりますが、少なくとも現在までのところ信号についてのふぐあいというのは確認されておりません。
 それからもう一つは、前回の事故でございましたように、ブレーキ等がきかなかったということからいわゆる単線区間に入り込んだということもいろいろ検討してみましたけれども、これについても当該発坂駅で停車しておりますし、かつ、ぶつかる直前にはブレーキ痕があるというようなことも事実も確認されております。
 そういう状況でございますので、まだこれから現地調査での原因究明を図っていかなきゃいけませんけれども、実は運転手の方が重傷でまだ事情聴取できない状況になっておりますので、今後その事情聴取等を踏まえながら原因究明には力を入れて早急に原因究明を図りたいというふうに考えております。
#110
○森本晃司君 恐らく、私は人為的なミスが要因ではないだろうかというふうに現地へ行ってそういう印象を持ちました。先ほど申し上げましたように、たとえ信号機が故障でも大きな列車が通過するんですから通過してから出ていくというのはこんなのは当たり前な話で、何でそんなことができなかったんだろうか。犬や猫が左側、その横を通っていくんだったら見過ごすこともあるけれども、大事な人の命を乗せている列車が大きな列車とすれ違う、それがなかったら動けないということができなかったところに、私は安全という問題に対する認識の欠如が一番大きな原因ではなかったかと思うんです。
 その前日には、勝山駅でこの京福電鉄の存続を求めて、千百人の人たちが存続を求めて決起集会をやっているわけですね。ですから、もう住民の皆さんには、あそこは冬になると雪で交通がいろんな支障を来す地域ですから、バスに切りかえても非常に困難だということも思っておられますし、交通弱者の皆さんにとって一番必要なのは鉄道ではないだろうかと、そういう思いで存続運動を展開されてきた勝山市の市長さんにもお会いいたしましたけれども、大変この問題について危惧をされていたところでございます。
 前回のブレーキ事故から京福電鉄に対してどのような安全面での指導をされたか、お伺いします。
#111
○政府参考人(安富正文君) 前回、いわゆるブレーキ装置について、車両のブレーキ装置のロッドに破断が生じたということが原因で衝突事故を昨年十二月に起こしたわけでございますが、このことを受けまして、京福電鉄については保安監査も実施しまして、いわゆる車両の検査管理体制について改善を指導してきております。
 さらには、京福電鉄と同じように、事故車両と同種のブレーキ構造を有する車両、これは全国に幾つかございますので、こういう事業者に対してもブレーキ装置の緊急点検を指示いたしまして、このようなブレーキのロッド、ワンシリンダーのロッドという、いわゆる二重系になっていないブレーキを持っている車両についての再発防止対策ということで前回の事故に引き続いて各事業者に指導を行ってきたところでございます。
#112
○森本晃司君 伺いますと、ATS装置が導入されていないということでございました。仮に信号とかそういったことがあっても自動制御装置があればとまるわけでございますけれども、これ今考えなければならないのは、この間のJR民営化の問題のときもそういった話がございましたけれども、ローカル線、赤字のところについて要するに存続するかどうかということになってきたときに、その鉄道が安全ということに力を入れることを抜くんじゃないんだろうか。例えば、ATSを投資しようにも資金が豊かでないからなかなか投資できない。現実に、中小企業のこういう事業者で一五%ATS導入が未整備だということがきょうの朝日新聞にも書かれていましたけれども、投資ができない、また投資しても将来存続がどうなるのかということを考えるとまた逆に投資できない、社員の教育も十分にできていかない、こういう問題が起きてくるのではないかと思っております。
 こういったローカル線について、私は今後、京福だけに限らずに、安全第一だということをその存続いかんの前にやるべきだということを、京福電鉄だけじゃなしにそういう全事業者に徹底すべきだと思いますが、どのように考えていますか。
#113
○政府参考人(安富正文君) 今、先生から御指摘を受けましたように、鉄道事業者にとってはまず何よりも安全というものを第一に考えなきゃいけないということはこれは申すまでもないことでございます。
 そういう意味で、いわゆるローカル線が経営が非常に厳しいという中でこういう安全対策について手を抜くんじゃないかという御危惧だと思いますが、我々は絶対そういうことがあってはならないというふうに考えております。そういうことのために、現在でもいわゆる近代化補助という形で安全に対するいわゆる設備投資に対しましては国、地方それぞれ三分の一補助するという形で補助制度を設けております。こういうことを行うことによって、先ほど来出ておりますATSといったような安全対策について、何とか我々としても助成をしていこうということでやっておるわけでございます。
 今後とも、こういう点について十分配慮しながら、ローカル線についても、いわゆる利益だけではなく安全対策ということについて再度万全を期すように、この京福電鉄の事故も契機としながら我々としても再度指導してまいりたいというふうに考えております。
#114
○森本晃司君 中部運輸局から福井県における京福電鉄全線の運行停止を指示されました。きのうから京福バスがその代行運転をやっておりますが、私も見てまいりました。また、それを利用された方の話も伺ってきましたけれども、やはり日常以外の交通渋滞が発生して大体三十分ほど予定よりおくれたりするという状況が出ているわけでございます。会社の方も訪問いたしまして、そういったことについても万全を期するようにと話をしてまいりましたけれども、全線運行停止となりますと県民の足が相当乱れてくると思います。これが雪の季節にまで及んでいくと非常に県民の皆さんの足が大変な状況になってくるかと思っております。
 今の段階で、まず原因の究明と安全第一ということと、それからそれを突き詰めた上で一日も早く再開されることが県民の足にとっても望ましいことではないかと思っております。いつまでかということを今お聞きしてもその結論は出ませんが、そういったことにまず全力を注いでいただきたいと思っております。
 もう信じられない正面衝突、どおんとやっていまして、前がまるでパンを両方押しつぶしたような形になっているのを見たときに、再び、京福電鉄では三たびですけれども、起こしてはいけないと思っております。大臣も御報告を受けられ、安全という問題についてはさきの議論の中でも第一にということをおっしゃっておられましたが、今回の事故について大臣の所感をお伺いいたします。
#115
○国務大臣(扇千景君) 今、森本先生御指摘のように、六月の二十四日午後六時八分ごろに今の京福電鉄の正面衝突という、まさに先生は信じられないとおっしゃいました。私も信じられない事故であると思っておりますけれども、残念ながら重傷者二名、そして二十五名の負傷者を出すという、本当に昨年の十二月からわずか半年の間に二度目の事故を起こしてしまったという信じられない事故ですけれども、重傷の皆さん方あるいは負傷された皆さん方に心からお見舞い申し上げ、一日も早い回復を祈りながらも、今御指摘のように、あらゆる措置をとって、なぜ半年の間に二度の事故が起こったのか。
 また、私も、国土交通省といたしまして、京福電鉄のこの会社に対しまして警告書をあす提出いたします。そして、この警告書によりまして、少なくとも再度の重大な事故が発生したことは遺憾であり、当局として貴社の安全管理体制が極めて憂慮すべき状況にあると認識せざるを得ない、ついては事故原因を詳細に究明するとともに、再発防止を厳に確立するように会社一丸となって云々という警告書を発出いたしますけれども、警告書で済むことではございませんで、これは一つ会社に対しての警告書でございますので、今あらゆる点での事故の解明をしていきたい。
 特に、国土交通省としましても、事故の直後に中部運輸局において運輸局長を本部長とします事故対策本部を設置し、運輸局担当官四名を現地に派遣いたしております。いつまでにどうということは言えませんけれども、少なくとも事故調査検討委員会のメンバーである交通安全環境研究所の専門家一名、そして本省の担当官一名、これも現地に派遣いたしておりますので、あらゆる面での報告を受けたいと思っております。
 現時点では、私は信号機が故障しているんじゃないかとまず最初に思ったんです。ところが、信号機はどうも故障していないらしいというような報告も中間では聞いておりますけれども、今、局長が言いましたように、運転手は重傷のためまだ運転手の事情聴取をされておりませんけれども、私は、先ほどもお話ございましたように、もしもここにATSがついていればこれは防げたのではないかというお話もございまして、そのとおりだと思いますけれども、ATS設置についての助成が国が一〇〇%ではないために、各電車に、電鉄会社におきましてはまだ設置していない部分があるということで、今後も果たしてそれがどこまで国として助成できるかということも私は検討材料になってくると思いますけれども、原因の究明の中で、果たして人的なのか、ヒューマンエラーで終わっているのか、その辺のところも判明した上で、対処方を検討していきたいと思っております。
 そういう意味では、心からこういう正面衝突、見えているものが同じ線路の上で衝突するなんて考えられないんですけれども、これは、考えられないことを起こってしまった後で考えられないと言っていても解決いたしません。何としても原因究明に対処し、なおかつその調査の報告によって対応を考えていきたいと思っております。
#116
○森本晃司君 続いて、私は公共事業の公益性について質問をさせていただきます。
 今回提出された改正案においては、公共性を判断する事業認定のあり方が一つの争点となっています。この公共性について、公共事業全体のあり方と絡めた問題として取り上げることとします。
 公共事業の公益性は、土地収用法改正案の問題にとどまることなく公共事業全体のあり方について議論すべき問題だと思っております。今日、公共事業に対する国民の不信は、さまざまな公共事業の公益性の存続に対する不信感、それが根底にあるのではないかと思います。年間数兆円もの国費を投入して実施されている公共事業について、公共の福祉に貢献すること、すなわち公益性が不可欠であるということは申すまでもありません。
 戦後の復興のときとかあるいは高度経済成長時代であれば、国や地方公共団体が行う道路あるいは河川、港湾の整備について公益性の存続について国民のコンセンサスがあったかもわかりませんし、また同時に、得ることも得やすかったと思うんです。しかし今日、非常に財政が厳しい、それから環境問題等々も考えていかなければならない、これは当然のことでございますが、そういったときに、公益性の存在について国民は決定プロセスのみならず結論においても大いなる疑問を持ち始めているのが現状だと。世の中でむだな公共事業ということが言われるようになってその代名詞にもなっている。
 先般、例えて言いますと、二十一世紀環境委員会、これは学者やジャーナリストの皆さんがつくっておられる委員会でございますが、そこの取りまとめた中に、緊急に中止、廃止すべき百の公共事業、こういうリスト、これはダム、河川開発が三十二、道路と港湾がそれぞれ十一、林道が九、それから空港が八事業、これらが挙げられております。私はこれらの百の公共事業すべてがむだだという考え方には立ってはおりません。しかし問題は、このような批判を国民から受けるように至ったこの経緯をやはり私どもは真摯に受けなければならない、行政側も真摯に受けなければならないんではないかというふうに思っております。
 納税者たる国民に対して、その事業の利害損失を踏まえた公益性について事前に十分に情報の開示と説明を行ってきたのかどうか。先ほど申し上げましただけに限らず、公共事業のすべてが国土交通省ではありませんけれども、その大半をやはり所管することとなりますから、その大臣として、この問題の将来のあり方についてまず御意見をお伺いいたします。
#117
○国務大臣(扇千景君) 今、森本先生おっしゃいましたように、公共事業における公益性というものを果たしてどこまで、何が公益性があるのか、先ほども佐藤先生も少しおっしゃいまして、私は山と川とかいろんな話をいたしました。また県を越えた両県にまたがる事業もございます。そのときに、やっぱり国民全体がグローバルな目で物を見ることができる資料を提出するということが私は役所として重要だったと思います。
 二十世紀のように、ただつくればいい、ただ欧米先進国に追いつけ追い越せ、物をつくろう、道路をつくろう、鉄道を走らそう、いや飛行場をつくろうといった二十世紀と違って、私は、今、森本先生がおっしゃいますように、国民の多くの皆さんの中にもうこれだけで十分じゃないの、これ以上採算性のとれないものをつくってどうするの、むだ遣いだ、それこそばらまきだと。
 先ほども私申しましたように、公共工事のすべて丸投げ、談合というこの不適格業者がいること、これは別でございます。これはもともとどの社会でも不適格業者というのは、公共工事の事業者だけではなくて悪い事業者は悪いんですから、これは特別申しませんけれども、私は、そういう意味では公共事業の公益性というものは、私は国民の皆さん方に今まではグランドデザインを示していなかったと。日本全土でどこまで道路をつくるのか、どこまで鉄道をつくるのか、あるいは日本の国に国際飛行場というものがどれだけ要るのか、そういうことが、今まで建設省、運輸省、縦割りで役所があったためにこの連携が悪かったというのは私は認識しておりますし、多くの皆さんがお感じになっていることだろうと思います。
 残念ながら、二十世紀につくったもので、港からあるいは飛行場から主要道路に入れないところがたくさんある。十分以内に主要道路に入り、一時間以内に主要都市に行くというような、そういう物流の系統がすべて連絡なしにつくられている。それは私はやっぱり反省材料であろうと思いますし、これこそむだ遣いだと言われても弁明のしようがない。そのために日本全土のグランドデザインをお示しして、その地域、地域で皆さん方が御検討いただいて、県だけではなくて、例えば関東圏なら関東圏、中部圏なら中部圏、ブロックで公共事業の順番あるいは補助金の配分、駅や空港をどれだけどこの場所につくるかということもこれからは地方に決めていただく、ボトムアップ方式をとるということが一番公共性にあるいは公益性に、公共性が公益性とマッチしたというところが私はそこにあろうと思います。
 言葉の上では地方分権と言われておりますけれども、権限を移譲するだけではなくて、予算も配分をして、公共の選択も地方が決める、そういう時代が来ることが一番私は二十世紀と二十一世紀の差になるであろうと思っていますし、またそうでなければ二十一世紀型とは言えないと思っていますので、あらゆる面でまず国民みんなが認識をするという意味でグランドデザインが必要であるということを言い続けてきたわけでございますので、そのようにしていきたい。六月中にということも考えておりますので、できれば六月二十九日、最終日をもってお示しできればなお幸せだと思っております。
#118
○森本晃司君 公共性の判断、決定プロセス、正しく国民に理解をされなければならないと思っております。今、大臣、情報開示が大事だという問題等々、二十世紀の公共事業のあり方の反省の上に立って新しいビジョンを示したいとおっしゃっていただいたわけですけれども、私は公共性の問題については二つの視点があると思っています。
 その一つは、客観的な公共性の存在、いわば環境問題を含め、国民生活の向上にどのように貢献することができるのかという点。それから二つ目は、公共性の決定プロセスです。行政側が作成した原案を国民に見せて了解を求める、もう私はそういう時代でもなくなったんではないか。むしろ、原案作成のときから住民の皆さんに加わっていただいて、御理解をいただいていかなければならないと思っております。
 きょうは、道路、河川それから航空の各局長にも御出席いただきました。いろいろと現場で具体的な判断もされておられますが、公共性の判断はどのような決定プロセスにおいてなされているのか、三局長からそれぞれお話を伺います。
#119
○政府参考人(大石久和君) 道路行政、道路事業における公共性とは何かという極めて道路行政そのものの哲学を問う大変高いレベルの御質問でございますので、私の説明で十分なものかどうか自信がございませんが、私どもが今考えておりますことを少し申し上げたいと思います。
 例えば、私たちの車の保有台数は七千万台という状況になりましたし、免許を持っておられる方々が七千四百万人という状況でございます。その結果、私たちの国内の旅客の輸送でいいますと七〇%を車が担い、それから日常生活に必要な青果物等、身の回り品ということになりますと九九%を自動車交通が担うという状況になりました。その結果、例えば都市部におきましては、環状道路等が整備されていないことによりまして、交通渋滞、交通事故の増加あるいは環境問題が惹起される等の諸問題が生じております。例えば、交通渋滞におきます国民経済に与えます損失は、全国で約十二兆というような推計値を持っておりますし、交通事故死者数は、やっと一万人を切る状況にはなってまいりましたが、今なお九千人台で低迷しているという状況でございます。
 これらの問題は国民的課題であると認識いたしておりまして、道路行政、道路事業によりまして解決すべき課題という認識になれば、これらに対応する諸施策は公益という概念に該当するのではないかというように考えております。
 また、今、私は車の交通の観点で申し上げましたが、道路は交通機能だけではございませんで、平地が大変少なくて豪雨や降雪が多い我が国の脆弱な国土を有効に利用し、適切に管理するツールとして最大に利用されるべき社会資本であると考えてございますが、これが情報やエネルギーの供給あるいは都市における骨格の形成、緑空間の提供など、都市の空間として大きな役割を担っている、このように考えてございます。これも道路の公益だというように考えております。
 例えば、土木学会が社会資本を定義している言葉がございますが、社会に共通な資本、「私的な動機による投資のみに委ねていると、経済社会の必要性からみて、その存在量が不足するか、著しく不均衡になるなど望ましくない状況におかれるであろうと考えられる資本をいう。」でありますとか、あるいは広辞苑の公共財の定義でございます「その便益を多くの個人が同時に享受でき、しかも対価の支払者だけに限定できないような財やサービス。」というものにまさしく該当するのではないかというように考えております。
 これをどのような手続のもとで公益性を確保するかということでございますが、個々の事業と五カ年計画全体について御説明申し上げたいと思います。まず、五カ年計画でございますが、これは前にも御答弁申し上げたことがございますが、現在の五カ年計画、平成十年から平成十四年までの五カ年計画で進めさせていただいておりますが、この策定過程におきまして、地域経済界等が作成、公表いたしましたビジョンや提言、地域からの要望を通じまして、いろんなやり方で御意見を伺ってまいりましたが、延べ人数で申しますと、約十三万人の方々の御意見をお伺いして五カ年計画を策定するというようなことをやってまいりました。これは便益を享受する多くの個人の意見を反映させる手続である、このように考えてございます。
 また、この五カ年計画に基づきまして個々に事業を実施する場合でございますが、平成九年度から道路事業では先駆的に新規事業の採択時における評価を導入しましたほか、平成十年度より、事業の途中段階における再評価も導入しているところでございます。
 具体的には、道路整備による道路交通が受ける走行時間短縮便益でありますとか、あるいは走行費用の減少便益、交通事故の減少便益等を計測いたしまして費用効果の便益分析を行うとともに、交通の質にも着目いたしまして、地域の競争条件を確保するに資するかどうか、あるいは良好な生活環境の確保に資するかどうかといったような事業の効果や必要性についてもあわせて評価を実施し、今、先生から計画段階からできるだけ住民参加を求めるべきであるという御指摘がございましたが、道路の種類によってさまざまでございますが、一部の道路では、これは直轄道路等もそうでございますが、計画段階から、路線選定の段階から住民の皆様方にお入りいただいて、ルートの決定あるいは道路の規格のあり方、構造、幅員のあり方等について御議論をいただき、ともに決定しているといったようなものも見られているところでございます。
 こういった意味でいろんな公益をいろんな段階で反映させる手続を導入しつつあるところでございまして、今後とも広く国民の御意見を伺いながら公益性についても適切に評価を行い、道路事業の効果的、効率的な実施に努めてまいる所存でございます。
#120
○森本晃司君 道路局長からかなり詳しい御説明をいただきました。あとお二人の局長から同等の答弁をいただいていますと私の持ち時間が終わってしまいそうでございますので、大変恐縮でございますが、それぞれ御準備はいただいていると思いますが、河川局長、航空局長から簡単に答弁をお願いいたします。
#121
○政府参考人(竹村公太郎君) 簡単なということで河川事業の公益性についてお話しさせていただきます。
 突き詰めると、私どもの河川事業は安全というところに行き着くかと思います。国民の安全を守るために河川改修、ダム等をやっておるわけでございますが、特にダムが国民にとってわかりにくいということがございます。
 このために、私どもは平成九年に河川法を変えまして、流域の方々全員が同じ土俵に集まっていただく。ダムで自分のふるさとを失う方々の思い、それと、そのダムによって恩恵を受ける方々、都市の方々が同じ土俵に立って、お互いを認識し合うということが実は公益性そのものではないかということの認識でございます。それがまた逆に情報開示にもなるのではないかという認識のもとに私ども河川法を改正いたしまして、流域の方々全員が集まって議論する、そういう行政をこれから二十一世紀に向かって展開したいと思っておりますので、これが私どもの河川行政における公益性とこれからの決定プロセスだと認識しております。
#122
○政府参考人(深谷憲一君) 航空関係について御説明を申し上げますが、航空につきましては、最近三十年間で相当の利用者がふえております。国内航空につきましては、この三十年間で年平均六・三%、結果的には六倍ぐらいの人たちが利用されるようになった。また、国際旅行につきましても、この三十年間で年平均九・二%ほどずつ伸びまして、十三倍の方が利用されるようになった。
 こういうものを支えるインフラでございます空港、これは我が国の国際化に伴う国際交流の活発化の基礎となる一方、国内につきましては高速交通サービスを提供するということで、地域経済の活性化あるいは地域生活の向上にも寄与するというふうに考えておりまして、空港整備の公益性というのは、そうした成果が公共の福祉の増進に結びつくというふうに考えておるところでございます。
 また手続的には、既にお話がございましたけれども、費用対効果分析、あるいは航空法に基づく飛行場設置の許可申請に伴いましての当省としての公聴会の開催など、そういう場での関係者の意見を聞くと、そういうプロセスを通じまして必要性などの確認をしてきておる、これからもしていきたい、かように思っております。
#123
○森本晃司君 先週六月二十一日に発表になりました公共事業改革への取り組みの内容を見ますと、二十一世紀国土交通デザインの策定、長期計画の総合的見直し、公共事業のできるだけ早い段階からの住民参加の充実、こういった点が挙げられておりまして、フランスのビアンコ通達のような欧米の合意形成プロセスに近づくものであるなというふうに私は高く評価をしているところでございます。
 この取り組みの中で、二十一世紀にふさわしい真に国民のための公共事業を展開するということが書いてあるわけでございますけれども、私は、土地収用事業で有名な歴史的事実を確認しておきたいと思っております。
 それは、これはもう旧建設省でも有名な話になっておりますけれども、昭和三十年代に九州の筑後川上流に当時の建設省が建設した下筌・松原ダムの強制収用に反対して、すべてを犠牲にしながら十三年間にわたって反対闘争を繰り広げられた、いわゆる蜂之巣城の主人公であった故室原知幸さんの言葉でございます。
 ダム協会発行の「ダム日本」第三百号に掲載されておったところでございますが、今、土地収用法を改正するについて、もう一度我々はこの点について確認をしなければならないのではないかというふうな言葉が載っておりました。こういうことでございます。「建設省側の職員の中で、私に対して誰一人として積極的に筑後川の治水政策、松原・下うけダムの占める位置、計画内容、技術上の問題、必要性等々について、信念を以て対決してきた者は一人もいない。」、中略でございます。「如何に土地収用法を改正し、新河川法を制定しても、起業者の根本姿勢が改まらない限り、私の反対闘争を押しつぶす事はできないし、今後の公共事業は進展し得ないであろう。公共事業、それは理に叶い、情に叶い、法に叶うものでなければならない。そうでなければ、どのような公共事業も挫折するか、はたまた、下うけの二の舞を踏むであろうし、第二の蜂の巣城、室原が出てくるであろう。」と、こういう言葉が載っておりました。また、「下流に住む人の感謝の言葉が聞けなかったのが残念であり、それがあれば、変わったかもしれない」、そういった旨のこともおっしゃっておりました。
 私は、公共事業の必要性は理解しておりますし、やらなければならないものはやらなければならないと思っているわけでございますけれども、地域コミュニティーを破壊してきた時代から地域コミュニティーを創造し地域住民とともに共生していく時代をつくっていかなければならないのではないか。この例を引きまして、時間がございません、答弁は結構でございますが、これからの我々のこの収用法改正、さらにその後において大事なことではないかと思っております。
 もう一点だけ、これはまた次の国会でも議論したいと思いますが、道の駅が六百十ございます。私は、その道の駅、関西地域ではもうその八割方、道の駅へ実際に行ってまいりまして、道の駅マニアと自称しておりますけれども。そこでもう一つ思うのは、医療に対する連携をきちんととっておくことが必要ではないか。そこへ行けば安心であり安全であるという道の駅にさらに変えていき、これは厚生労働省とも連携をとる必要があるのではないかと思っております。
 もう一つは、高速道路にも同様にそういった医療、安全、安心できる医療の緊急体制をとれる流れをつくっておくこと。それから、道路問題がいろいろ言われておりますけれども、先般、名阪国道の五月橋サービスエリアのところへ行きますと、そこに身体障害者用のトイレはない、バリアフリーになっていない。それから、その上のレストランへ行こうと思えば、とてもじゃないけれども車いすの人は上がることのできない急な階段でその上に行かなければならない。
 そういった問題等々も、これはすべて公共性があり、また国民の皆さんが理解していただける大事な点ではないだろうかと、そういう思いを申し上げて、大臣の所感を聞きまして、私の質問を終わります。
#124
○国務大臣(扇千景君) 建設大臣経験者でいらっしゃいますから、先生の建設大臣当時のことも含めて御自身の思われるところがあろうと思います。
 また、道の駅の専門家だというかマニアだというふうにおっしゃいました。全国の六百十の駅の中で、少なくとも医療機関に関する情報提供をしていますのは二百四十七駅、大体四〇%程度でございます。また、応急手当ができる医療所の常備してございます駅が百二十三駅、約二〇%、応急手当ができる従業員を配置しているのが十二駅、約二%ということでございます。
 これはこれで、また日を改めて御質問があろうと思いますのでそのときに申し上げたいと思いますけれども、国土交通省二十一世紀、改革なきところに進歩なし、私はこれに尽きると思います。ですから、建設大臣の先輩経験者といたしましても私は今後も御指導いただきたいと思いますし、また、今回の土地収用法の改正には、まず第一に、先ほど申しましたように事前説明会を丹念に行うこと。そして公聴会を活性化してこれを公開すること。また、第三者機関を設置して、中立性あるいは公正性、透明性というもの、第三者機関のあり方というものを私は重要視する。私は、大きく分けてこの三つの点を今回はぜひお約束するということで御審議を賜ればありがたいと思います。また、審議中の御意見を取り入れていきたいと思っております。
 先ほどの京福電鉄への警告書のことでちょっと。あすと言いましたけれども、きょう警告書を発出いたしまして、そして六月二十七日から二十九日までは緊急の監査を実施するということでございますので、間違ったらいけませんので訂正させていただきます。
#125
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 初めに、さきの衆議院で本法案、わずか二日間の審議で強行された、このことに対して多くの市民団体や個人から怒りの声が寄せられております。私のもとだけでも、きょうまでに全国から二百七十の個人、団体からの本法案の廃案を求める要望書が届いております。私は、本委員会で徹底審議を尽くす、このことを最初に求めておきたいと思います。
 そこで、まず事業認定手続の問題でありますけれども、この問題について、私は、大きな問題ですので、大臣にお伺いしたいと思います。改正案は、土地収用を実施する公共事業の事業認定手続で、新たに事前説明会や公聴会の開催、第三者機関による意見の聴取、認定理由の公表を義務づけております。これらは、現行法の運用実態を見れば、これは当然のことだと思います。
 事業認定は昨年度も全国で七百八十三件行われております。事業者が地権者側に説明の限りを尽くした、そういうケースは、しかしその中では私は見受けられないと思います。これが実態だと思うんですね。公聴会にしても、従来、行政主催のものは通過儀礼として受けとめられてきたのが実態ではないか、そう思います。重要なことは、こうした政府の従来の姿勢を根本的に反省し改める、このことが何よりも必要だと思いますけれども、その点について大臣はどうお考えか、御所見をお伺いします。
#126
○国務大臣(扇千景君) いつも紳士的な緒方先生の御発言ですから申し上げたくないですけれども、衆議院で強行採決してはおりません。粛々と御論議いただき、粛々と採決をいたしまして、強行という言葉は当たらないと思いますので、ぜひ緒方先生の御紳士的なことを信用しておりますので、強行ではございませんということを、私は現場にいましたから、あえて一言申し上げておきたいと思います。
 ただ、今、先生がおっしゃいましたように、事前説明会の対象者、利害関係を有するという者はだれを指すのかというお話でございましたけれども、これは起業地内の土地の所有者、これはもう当然のことでございます。まして、法律上の利害関係を有する者のほか、社会的な利害関係者と経済的利害関係者と、こう二つに分けるわけですけれども、法律上の利害関係者、これはもう敷地内ですから、これは完全に当たり前ですね。
 それから、今私が申しました経済的利害関係者というのは、例えば道路工事等々によりまして、店頭への来客が来にくくなって減ったとか、あるいは売り上げが減少した、そういうような損失をこうむる方が経済的利害関係者でございます。またもう一つ、私が今申しました社会的利害関係を有する者、これは少なくとも道路工事等々によりまして騒音があったりあるいは振動があったり、例えば排気ガスによる被害をこうむった人たち、そういう人たちを指して言うことでございます。
 また今、事前説明会ということでの先生の御質問でございましたけれども、先ほどから申し上げておりますように、これはあらかじめ地方紙に掲載することにより、広く利害関係者に知っていただくように周知を徹底する。さらには、把握できる範囲内で地権者へも個別に通知を行うという方法を十分とって周知をさせていただきたいと思っております。また、起業者からの説明の後に起業者と利害関係者との間の質疑応答、これを当事者同士で、利害関係者同士での質疑応答もできるようにするということ。また、事業認定申請者あるいは事前説明会の実施状況を記載した書面を添付させる。そういう意味では、今までと全く違って、多くの皆さん方に御理解賜ったり、御検討いただく機会をふやすということでございます。
#127
○緒方靖夫君 大臣、私の発言をよく聞いていただきたいんですけれども、二日間の審議の強行について市民団体から多くの意見が寄せられていると私申し上げました。だから、それについてはこんなに束がありますので、大臣、見ていただいても結構だと思いますけれども、ですからそう述べたということをきちっと聞いていただきたいと、これは述べておきたいと思います。
 それから、私の質問は、従来の政府のやり方に対して反省することがあるならばそれは何かということをお伺いしたんですけれども、その点についてはいかがですか。
#128
○国務大臣(扇千景君) 先ほどから申し上げていますように、今まで少なくとも事前の説明会、これは私は足りなかったと、先ほどからも申し上げておりますように。また、一番最初に申しましたように、私は、昭和四十二年以来抜本的な改革がされていなかったものを、今の状況と昭和四十二年当時の状況を考えてみますと、少なくとも私は、住民の皆さん方の理解の促進というものをかなり御理解いただいてきたと。皆さんもいろんな社会が見えてきたという、国民の多くの皆さんの目も広がってきたというのが一点言えると思いますし、また、円滑な、効果的な実施の確保ということで、今まではそういうことで手順がきちんと明記されていなかったということも私は反省材料としてはあろうと思います。ですから、今回はきちんとこの法案によって、こういう手順でいきますよ、こういうことをいたしますよということを一つずつ手順を追って明記できたと。それは今までの反省点として、私たちは今度それを反省しながら盛り込んだということ。
 それから、第三者機関によります中立性を確保しようということで、これはあらゆる面で、これは緒方先生よく御存じだと思いますけれども、メンバーの中立性、公平性を保とうということで、これも今まで第三者機関というものを設置していなかったということで、法曹界でありますとか法学界でありますとか、都市計画の専門家あるいは環境など、あらゆる業種の違う皆さん方にバランスよく入っていただいて、まして関係省庁のOBなんというのは入らないことと、これも私は第三者機関の中立性を図る上では、こういうものも置きますよというのも今までの反省の上に立った設置でございます。
    ─────────────
#129
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として富樫練三君が選任されました。
    ─────────────
#130
○緒方靖夫君 反省点はあると。しかし、私はどうそれを反省するのかということがやっぱり非常に大事かなと、そういうことを考えます。
 現行の収用制度の最大の問題点、それは認定された事業が必ずしも住民の理解を得ていない、そこにあると思うんですね。東京日の出町のごみ処分場での強制代執行などはその典型例だと思います。事業の計画段階で十分な住民参加を保障して、理解を得る努力をしていればこうした事態は避けられた、そう思います。
 二〇〇〇年版の建設白書は、日の出町と同じく問題となっております圏央道計画、東京外郭環状道路の整備がなぜこれほどまでにおくれることになったのか、そのように自問して、その要因について、「いずれも、多くの関係者に対して、早期段階からの情報公開や意見聴取等、合意形成を得るための仕組みが必ずしも十分でなかったことが大きい」、このように分析して、そして、「事業の計画段階から情報公開や住民との対話等を一層積極的に進めること」が重要だとしております。
 私はこれは非常に大事な点だと思うんですけれども、今回の法改正に当たってこの教訓は制度的にどのように担保されているのか、なるべく簡潔に御答弁お願いいたします。
#131
○国務大臣(扇千景君) 今、先生から例として日の出町の話も出ました。廃棄物処理場の問題等々もきょうは朝から御論議をいただきましたけれども、どう考えても私どもが不思議だなと思いますこと、大体、約百四十坪の土地でございますけれども、その百四十坪の土地に二千八百二十九名いらっしゃるんですね。そして、私は、なお不思議なのは、二千八百二十九名のうち二千四百三十一名、約八六%の方が地元外の方なんですね。
 そして、午前中にも言いましたけれども、これ計算しまして、土地について一人当たり、補償額は全体で五千七百万円なんですけれども、一番少ない方、最低の補償金額の方は九円という方がいらっしゃるんです。私は金額の問題ではないと思いますから、こういう意味で土地以外の人が八六%を占めているということ自体も、一般の多くの皆さん方がなぜだろうとまず疑問を持たれます。それは支援しようという方の熱意であるとおっしゃるなら、私もそれもそうだろうと思いますけれども、九円のために、今までの土地収用法であると、例えば緒方先生がアメリカにいらっしゃれば、アメリカまで九円持っていって、そして相対で目を合わせて九円をお渡しするという、これでは余りにも、この収用のお金自体も国民の税金なんです。
 そう考えますと、私は、やっぱり昭和四十二年から改正されていないということも今の時局に合わないということ。ですから、手続上、今まで悪かったことは悪かったこととして、今回は、先ほど私が言いましたように、事業の概要等々を事業認定前からお示しするということも、大きな私は反省材料の中から生まれた第一歩であると考えております。
#132
○緒方靖夫君 大臣、私の質問は、建設白書に述べられている、そういう教訓をどのようにしてこの法改正で担保しているのかということなんですが、端的で結構ですから、その一点だけお答えいただけますか。
#133
○国務大臣(扇千景君) いや、それが私が今申しました、事業認定をする前から事業の説明会を必ずする、事前の説明会をする、そして公聴会の活性化も申しましたし、第三者機関を設置するということ、これらすべてが反省の上に立った三点だと申し上げたんです。
#134
○緒方靖夫君 どうも担保が何かわからないということで、そういうふうに理解せざるを得ないと思います。
 今月十三日の衆議院国土交通委員会の審議で総合政策局長は、収用法の段階での事前説明会や公聴会の本来の目的は、事業者が住民に対し事業の内容を説明する、あるいは事業認定庁が住民から広く公益に関する意見を聞くことで、そのレベルで住民合意というものは本来制度の中から出てこない、このように答弁しております。これでは、先ほどから大臣が言われているような事前説明会を何回開いたって、あるいは公聴会を何回開いたって、結局住民合意などは形成されない。なぜなら、住民合意というのはその制度の外にあるということを述べているわけですからね。ですから、私はこれでは結局住民合意ということにはなっていかないと思うんです。そうですよね。いや、局長答えてくださいね、局長の言葉ですからね。
 それで、なぜそうなっていくのかと。私は、せっかく、皆さんの意見を聞く、何するということをさっきから繰り返しているんだけれども、この仕組みでいうと、局長がずばり述べたように、住民合意というものは本来制度の中から出てこないと。ならば事前説明会や公聴会を何度開いたって、住民合意の形成のためではないわけだから、そういうことになってしまうわけですね。ですから、私は、住民合意が図られる、そういうものにしていく必要があると思うんですけれども、いかがですか。
#135
○政府参考人(風岡典之君) 私が衆議院のときに答弁をした趣旨をちょっと改めて申し上げさせていただきたいと思います。
#136
○緒方靖夫君 簡潔でいいです。これ、持ってますから。
#137
○政府参考人(風岡典之君) はい、わかりました。計画段階の住民の合意をとる手続ということが非常に重要だという御指摘がありました。これは当然、私どもも今個別法の運用に当たりましてはそういう努力をしております。ただ、ヨーロッパの法制のように、計画確定手続というような、そういう法制がない段階でそこまでのことについて求めるということについては法制的には難しいと。ただ、私どもは既存の法令の運用に当たりまして、できるだけそういった住民参加、情報開示というのに努めるというふうに申し上げておりますので、その点についてはちょっと誤解のないようにお願いをしたいと思います。
 特に、行政手続法というのでかつて議論になったときに、住民参加というようなことについてもいろんな課題があるということで積み残しになっておりますので、その点については政府全体として今後どういうふうにするかということかと思いますので、収用手続における公聴会とか事前説明会における意味では私は申し上げておりませんので、その点よろしくお願いします。
#138
○緒方靖夫君 しかし、初めから住民合意というものはこの本来の制度から出てこないということになったら、結局、幾ら事前説明会、公聴会を何度やりますといったって、それから先ほどから具体的に何回やった、何年間やったと答弁ありましたけれども、私はこれでは全く住民合意という方向は出てこないし、先ほど大臣が述べられた、やはり住民合意をつくっていくためにこうこうこうしますという趣旨が生きてこない、私はそう思うんですね。
 その点で少し具体的にお伺いしますけれども、旧建設省の一九八九年七月付の通達は、事業認定申請について、用地取得率が八〇%になった段階で事業認定の申請を行うのが適切だと指導しているわけですね。これでは、事業者による事前説明会の開催が用地買収をおおむね終了した時点で実施されることになるわけです。事業計画段階からの住民参加を保障する、大臣はそう言われましたけれども、それならば、私はこうした八〇%段階、用地買収が終わってから云々というんじゃなくて、初めからそういうことを進める必要があるわけですから、したがいまして、当然こうした八九年の通達、これはやはり廃止するのが先ほど大臣が述べられた反省を具体的に生かしていく道じゃないかと思いますが。
#139
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の通達は、用地取得につきましてできるだけ任意買収で努力をしようと、どうしても任意買収で御協力を得られない場合、例えば用地取得率が八割まで来たけれども、どうしても二割は御協力を得られない、そういった場合については収用の手続を考えようということであります。
 したがいまして、先生御指摘のように、早期の段階からその事業認定を申請するということになりますと、これはもう収用手続に移行する、少なくとも今の枠組みでは一年以内に裁決申請をしなければなりませんので、そういう意味ではやはり任意の買収で努力をするという取り組みというのが私はそれなりに合理性があるし、これからもそういう形で進めていきたいというふうに思っております。
#140
○緒方靖夫君 その合理性というのは役所の論理であって、現場でいろんな問題が起きているわけですよ。私はそういうことを一つずつ経験してまいりました。
 認定手続で問題になるのは、事業申請が行われる前に事業計画が策定されるということ、そして、住民の反対で買収できずに残った部分に土地収用をかけるやり方が実際に横行しているわけですよ。これが一番の問題なわけですね。これでは事業の公益性を議論する意味がない、そう思います。
 そして、計画策定の段階から十分な情報公開と住民参加を保障して、事業の必要性や妥当性を問う仕組み、これこそが必要であって、それが私が先ほどから言っていることなんですね。ですから、そのことをやって初めて生きてくるわけで、私はそういった意味で先ほどの通達というのはその点を無視していると思います。
 したがいまして、やはり私は、大臣、先ほどから住民参加、説明を十分する、これまでのやり方について反省点もある、それをやっぱり改善していく、そう言われたわけですけれども、現実に起こっている問題、そうしたことを見て、そうした任意とはいえ八割の土地が買収された時点で云々という、そういうことというのは住民合意をつくっていく点からもやはり問題じゃないかと思うんですね。ですから、その点はぜひ検討していただきたいと思います。
#141
○国務大臣(扇千景君) ちょっと、私、錯覚を起こしそうなので、緒方先生にぜひ申し上げておきたいことは、事業計画をする段階から住民参加というのを申し上げました。事業計画をするときにまず住民の意見を聞いて、事業認定するまでには土地収用法の話はないわけです、これは別の話ですから。ですから、事業計画をするときから、一般の皆さん方、そして地権者あるいは住民参加というものをしていくと。だから、事業認定するまで事業計画の最初から住民に公表して、それに意見をもらうということと、事業認定した後の土地収用法というのは全く別の話なんです。ですけれども、話を聞いていると、その事業認定のことと土地収用法とが一緒に話をされるような錯覚を起こしますので、私はこの際きちんと事業認定をするものと、その後の土地収用法というのは全く別であると。
 ですから、私はその辺のところはぜひ、私も頭が混乱するといけませんので、よく皆さん方にも御理解いただきたいことは、事業認定するまでの計画段階で住民参加ということは原則として今回は必ずある。今まではそれも抜けていたというのは私申し上げました。ですから、事業認定することと土地収用法することは第二段階でございますから、これは別であるということだけは確認しておきたいと思います。
#142
○緒方靖夫君 大臣のお言葉でこれまでは抜けていたと認められたことは、私は非常に率直な御答弁だと高く評価したいと思います。それをやはり抜けないようにしっかりやっていただきたい、そうお願いしたいと思うんですね。
 私が先ほど言ったのは別に混乱していない、全然。大臣は錯覚しそうかもしれませんけれども。私は、やはり先ほど言った八九年の通達、これは事業認定申請についての用地取得率が八〇%。先ほど局長は任意と言われたけれども、それはわかっていますよ。その時点でということが一体どうなのかという問題提起をしているわけで、大臣、今御答弁の用意がなければ後でぜひ吟味していただいて、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 事前説明会なんですけれども、改正案は事前説明会の具体的な持ち方について省令で定めるとしているんです。内容は、しかし依然として不明確です。
 現行法における収用法の最大の問題点が事業そのものの公益性の有無にある、このことからも説明会が形式的な開催にとどまることなく、より多くの利害関係者が事業実態を正確に把握できる制度にする必要があると思います。その点で、説明会の対象者を土地所有者に限定するのではなく、当該事業によって社会生活上の影響を受ける者すべて対象にする、その点は先ほどから大臣が言われている公開性とか参加とか、その点に即していると思うんですけれども、私はそういう点で、先ほど大臣が反省点に立って言われている話に沿った形で建設的な提案をこういう形でしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(風岡典之君) 対象となります利害関係者の範囲を具体的に省令等で明定をしろという趣旨かと思いますけれども、これは利害関係者という言葉は一般に使われている言葉で、その範囲を具体的に法令で書いているというのはちょっと私は承知しておりません。
 ただ、私どもは、先ほど大臣が御答弁されましたように、この利害関係者の範囲というのは広くとりたいということは明らかに方針として持っております。したがいまして、これは省令等でそういうものを定義するというのはちょっとふさわしくないなというふうに思っておりますが、実際の運用段階においてはこういった考え方を十分指導していく、そういうことはお約束をさせていただきたい、このように思います。
#144
○緒方靖夫君 私は省令で定めると言っているんじゃないんですよ。省令では何を指しているか不明確だと。ですから、今の局長の答弁でなるべく広くというふうに言われたことはその省令の中身になっていく、そう理解しますので、ぜひそういう方向で、やはり社会生活上影響を受ける部分、これは具体的な事例によっていろんなとり方があると思います。しかし、今言われたように広くとる、そして広く意見を求めていくという、そういう方向でぜひやっていただきたい、このことを述べておきたいと思います。
 次に、事業目的や事業内容がどの程度開示されるのか、これも問題だと思います。一体どの程度の説明内容を想定しているのか。少なくとも現行法に規定させた申請書の添付書類をすべてオープンにさせる、そのことはやはり必要ではないかと思いますが、いかがですか。
#145
○政府参考人(風岡典之君) 事業説明会についてどういった資料を住民に提供して説明をするかということについては、現時点ではまだ具体的な方針を定めておりません。ただ、今回の趣旨は、いずれにしても、事業の内容、目的について利害関係者に広く周知をする、また御意見をいただくという趣旨でございますので、そういったことにふさわしいような資料提供というものは当然考えていきたい、このように思います。
#146
○緒方靖夫君 次に、公聴会についてなんですけれども、公聴会の開催についても形式的な開催に流れることなく、公正で信頼できる制度にする必要があると思います。公聴会が単に意見を聞きおく程度のものにならないように、討論形式を導入した双方向の議論を十分に認める、これが必要だと思うんですね。今、インタラクティブと言いますよね、双方向。これはやはり合意をつくっていく上でも不可欠な方法だと思いますけれども、その点についてお伺いいたします。
#147
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからも私申しましたように、今回は法改正によりまして、申し上げた三つの中の公聴会の活性化、これは私は大事なことだと思っております。
 ましてや、公聴会の対象者である利害関係者を有するというのは、先ほども私が申しましたように、敷地内、これは当然のことでございますけれども、先生も今御注文をつけられまして、なるべく広範囲にしてくださいねとおっしゃいましたけれども、公聴会の運営方法につきましては、私は先ほども申しましたように、あらかじめ地方紙等々によりまして、少なくとも皆さんに周知徹底を図るということが私は大事なことだと思っております。
 また、公聴会において意見を述べる公述人、これも私は、一方的に意見を述べるだけではなくて、少なくとも主宰者の許可を得て他の公述人に直接質疑ができるようにと。まあ国会の公聴会も、これも改革の余地ありかもしれませんけれども、そういうことも私は、この公聴会においてはそういうふうにしていきたい。お互いが質疑応答できるようにする、これも私は大きな一つの要素であろうと思います。
 また、公聴会で出されました意見につきましては、第三者機関の審議に活用されるように原則としてそのままの形で提供する。今、先生がおっしゃったとおりでございますので、原則のまま提供することとして、さらに事業認定の理由の中で、意見に対する考え方をできる限り明確化するということで、私は、公聴会としての基本姿勢というもの、そして公聴会が十分に実のあるものになるように、事業認定手続の透明性、公正性が図られるものということで、公聴会の重要性と公聴会のあり方を明示したわけでございます。
#148
○緒方靖夫君 改正案は、公聴会開催を請求できる者を利害関係人と規定しております。利害関係者の範囲はどの程度を想定しているのか。事前説明会と同じく、当該事業により社会生活上の影響を受ける者すべてを対象とすべきではないかと考えますが、その点いかがでしょうか。
#149
○国務大臣(扇千景君) さっき私お答えしたつもりだったんですけれども、法律上の利害関係者は当然のことでございますけれども、経済的な利害関係者についても私は説明申し上げました。
 それは、道路工事等々によってお店への来客が少なくなって売り上げが減ったというような、そういう損失をこうむる者。あるいは社会的な利害関係者としましては、先ほども申しましたように、道路工事等々によりまして振動があったり、あるいは騒音があったり、あらゆることで、また車が迂回してくるということで排気ガス等々の被害を受けるというような、そういう意味で幅広く経済的あるいは社会的利害関係者も含むということでございます。
#150
○緒方靖夫君 国土交通省の当初試案では、公聴会の主宰者について、職能分離の見地から独立性のある審査官的な者が望ましい、そういうことが書かれていたわけですけれども、公聴会の実施の公正性、信頼性の確保の観点からこれは当然だと思います。このことは省令で生かされていくべきだと思いますが、その点いかがですか。
#151
○政府参考人(風岡典之君) 公聴会の主宰につきましては、職能分離的な権能を有する方が主宰をするということにつきましては、確かに研究会で御意見としてあったのは事実でございます。
 最終的には、私どもとしましては、やはり公聴会につきましては、これは事業認定庁として実施をするということでありますので、これは事業認定庁の職員がするということについてはこれは当然のことかなというふうに思っております。
 ただ、公聴会の実施主体が、例えば私どもの国土交通省の場合ですと、事業所管部局で実施するということについては、これはやはり確かに事業の実施と公益性の判断ということで、その辺についてはけじめをつける必要があるということで私どものような事業を所管していない総合政策局の担当官がそういった立場で実施をする、こういうようにさせていただきたいというふうに思っております。
#152
○緒方靖夫君 第三者機関からの意見聴取についてなんですけれども、少し具体的に見てみますと、現在の審議会の委員を見ますと、元建設総務審議官とかゼネコン関係者など、あるいは官庁のOB、事業者側の人間、これが複数就任しているわけです。これらは当然、先ほどの趣旨からすると、ちょっとこれでいいのかな、公正性、中立性を担保できるのかなと、そう思うわけですので、その点、解任されるのかどうか。
 また、大臣は六月十三日の衆議院での審議の際に、意見を聴取する場は公開でございますと答弁されていますけれども、これはそういうことですよね。
#153
○政府参考人(風岡典之君) これは既に大臣の方から御答弁もあったと思いますけれども、第三者機関のメンバーの人選ということは極めて重要だというふうに思っております。
 先生御指摘のように、役所のOBというものについての取り扱いでございますが、私どもは、これは事業の推進の官庁のOBというのはこれは完全に排除するという考え方を既に明確にしているところでありますので、当然その考え方に基づいて実施をしていきたいというように思っております。
 それから、大臣の御答弁の関係ですけれども、ちょっと……
#154
○緒方靖夫君 それは大臣に、いいです。
#155
○政府参考人(風岡典之君) 私の方からちょっと事務的な考え方を……
#156
○緒方靖夫君 いいです。もう時間がないから要らない。大臣に。
#157
○国務大臣(扇千景君) 先ほど私申し上げたと思っておりますけれども、今、局長が言いましたように、OBを入れないということは当然言ってございますし、そしてメンバーの中立性、公平性、先ほども申しました法学界あるいは法曹界、そして都市計画専門家あるいは環境等々、今の時世に合った各界のメンバーをバランスよく人選するということが大事だろうと思っております。
 そして公聴会は基本的に私たちは審議状況を公表すると言ってあるんです。ですから、必ず議事の要旨を公表いたします。このことによって少なくとも意見の尊重をし、そして法律によってこれを義務づけるんですから当然尊重するということで、私は審議会状況をすべて公表させていただきます。
#158
○緒方靖夫君 一つは役所のOB等々ですね、これについてはもうそういうことは任じないということですから、現在ついている人は直ちに解任される、そういうふうに理解いたします。それでよろしいですね。
 それから、今、大臣が言われたことですけれども、私、議事録を見ましたけれども、公開でございますとおっしゃられています。議事録の要旨、これは当たり前の話なんですけれども、透明性、公開性ということを大っぴらに言うんでしたら、やはり大臣が衆議院で答弁されているように公開されたらいかがですか。
#159
○国務大臣(扇千景君) 私は、少なくとも専門家の皆さん方の人権と、あるいはより有効な御意見をいただくために、だれの何べえが何をしゃべったということよりも、Aさん、Bさんといっても真摯な御意見があったという方が、むしろ専門家が言いやすい方も中にはいらっしゃると思うんですね。
 ですから、法曹界の人たちというのは特に大事な御意見を言うときに、全部公開してどうこうということではなくて、例えば緒方という偉い法曹界の方がいらっしゃれば、緒方というのはOさんとして、こういう意見をいただいたということも私は大事なことだろうと。より公正性があるということで中身に関してはすべて公表させていただきますけれども、審議会自体を公開するということではなくて、公表するということで御理解を賜ればと思います。
#160
○緒方靖夫君 私は公開が原則ということがやはりふさわしいという意見を持っておりますし、そういう方向が先ほど大臣が最初に言われた住民参加で公開性でそして透明性という、そういう意味合いになってくるだろうと確信しておりますけれども、大臣が今言われた説明についてはそういうことだったのかなと思います。
 今回、認定手続における一番大きな問題と思うのは、これは本会議質問でも行った件ですけれども、事業認定庁が国土交通大臣または都道府県知事である現行法を改めようとせずに、本来分離すべき事業者と事業認定庁が同一だと、このことだと思うんですね。事業者が国土交通大臣の場合、大臣みずからが申請も認定も行う、そういう仕組みになっているわけですね。これでは事業認定の公正性など確保できない、私はそう思うんですけれども、率直に思っているんです、あるいは常識的に言ってもそうだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(扇千景君) 今、緒方先生がおっしゃいました事業認定の判断ということですけれども、事業認定の判断をするときに、事業に関する技術的、専門的な知見というものは必要なことですね。ですから、そういう意味においては、諸外国においても、私は調べてみましたけれども、事業所管大臣が事業認定を実施することが通例になっておりまして、そこで緒方先生がおっしゃるには、正確な判断ができないとおっしゃったのか、同じ人ではだめとおっしゃったのか、何かそういうふうな言い方をなさいましたけれども、私はそういう意味では全然不思議ではないと思います。
 ただ、その中で必要なことは、先ほどから申し上げておりますように、中立性でありますとかあるいは公正に事業認定がされるというのは当然のことでございまして、今回の法律におきましても、事業認定に当たっては、先ほど私第三者機関ということを申し上げましたけれども、第三者機関である社会資本整備審議会の意見を聞いて、なおかつ公聴会を開催して、そして事業の認定理由の公表を義務づけて処置するというのですから、これ以上公平性と中立性を担保できることはないというぐらい私は二重三重の今回は国民の皆さんに見えるところに配慮してあると思います。
 そういう意味では、特に第三者機関の意見に関して事業認定庁に尊重義務を課す、これは尊重義務ですから、そういう意味では私はこれまで以上に中立性と公正性が、今回の改正によってより国民の目に見えるというふうに思っておりますから、これはおかしくないことだと思います。
#162
○緒方靖夫君 事実を見ればいかに今述べられたことが常識的におかしいかということが浮かび上がってくると思うんですが、大臣はさきの本会議で、私が過去五年間の大臣認定の事業申請件数と認定件数、これを確認した際に、申請件数八百十八件のうち申請者自身が取り下げた三件以外はすべて認定したと答弁されましたね。つまり、大臣の認定がすべて一〇〇%、みずから取り下げたものを除くわけですから、その三件を除いてすべて認定されているわけですよ。つまり、これでは、自分で問題をつくって自分で解答して、さらに採点から合格までしてしまうという、そういう話になってしまう。ですから、そこになぜそういうより中立性が確保されるということが言えるのかどうか、率直にそう思うんですね。
 それから、大臣、先ほど諸外国では云々と言われました。しかし、そもそも収用制度の仕組みがまるっきり違うわけですよ。例えば、私がよく知っているフランスの場合と日本の場合は収用制度の仕組みがまるっきり違う、あるいは事業の認定する際の基準も違うわけですよ。ですから、私は外国の例をここで挙げてこうこうという説明にはならないと思います。
 特に、一月の省庁再編で国直轄の公共事業の大部分が国土交通省所管下に入ったことで、事業者と事業認定庁の同一性の弊害がさらに大きくなる、そういう状況になると思うんですね。事業官庁の長が事業認定を行う、これはちょっと言い方をかえれば、世間でわかりやすい言い方をすれば、お手盛り、私は、そういうふうに言うのが、またそう考えるのが常識だと思うんですね。
 ですから、そうした意味で、やっぱりこういうやり方を見直して、事業認定は事業官庁から独立させ、住民も参加した第三者機関で行う制度、そこで検討するというのが、先ほど大臣が言われる中立性、公正性を担保する、そういう方向になるんじゃないですか。
#163
○政府参考人(風岡典之君) 事業認定の判断につきましては、これはやはり公共事業について技術的知見、専門的な知識、こういったものが必要でありますので、私は、行政の部局においてやるということは、これは認められることではないだろうかというふうに思っております。これは諸外国におきましても、いろんなケースはありますけれども、基本的には事業部局で行われているということで、その上でより中立性を担保するために、今回、第三者機関の意見を聴取するということにしているわけでございます。
 なお、先ほど緒方先生の御質問の中で、社会資本整備審議会と役所OBとの関係でございますが、ちょっと不正確なお答えをさせていただきましたので、訂正をさせていただきたいと思いますが、社会資本整備審議会は、実は四省庁が統合しまして、九つの審議会が統合された一つの大きな審議会というのが社会資本整備審議会でございます。したがいまして、今回、社会資本整備審議会の意見を聞くというときに、全体の、三十名の委員がお見えなんですけれども、そこで直接的に御意見を聞くというのは必ずしも審議会の構成から適切ではないというふうに考えております。私どもとしましては、社会資本整備審議会の下にというか、そのもとに分科会とか部会とかいうことで、この問題を専門に検討していただくメンバーをつくりたい。そこにおきましては、先ほど御指摘がありました役所の事業官庁の人は入れない。そういう意味でございますので、ちょっと改めて訂正させていただきたいと思います。
#164
○緒方靖夫君 局長のお答えも、結局、事業認定権が国土交通大臣あるいは都道府県知事にある、このことを前提としているわけですね。
 私が言っているのは、そういうところで、申請して、そこを認定する、それが同一人物だというところに非常に大きな問題があって、そこが動かない限り、これまでもそうだったけれども、今後もそうなるわけですね。ですから、私は、言葉ではいろいろ言われるけれども、そこには中立性も公平性も担保できる仕組みはない、ここがやはり一番大きな問題だということを痛感するわけですね。ですから、そこをいじらないで云々ということはやはり非常に大きな問題だと、そのことを指摘して、時間が参りましたので質問を終わります。
#165
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 大臣、土地収用をめぐっては、これまで多くの事業においていろんな、さまざまな問題が起きていますが、大臣はなぜこのような問題、とりわけ混乱が生じたものと考えておられるのか、混乱の原因は何と思っているか、お伺いいたします。
#166
○国務大臣(扇千景君) けさからいろいろと御論議をいただいておりますので、渕上先生もお聞き及びだろうと思いますけれども、あらゆる点で私は、事情が変わってきたこともしかりでございますけれども、改めて申し上げますと、冒頭に申しましたように、昭和四十二年以来改正されておりませんので、少なくとも二十一世紀を迎えたときに、やっぱりこれは改めなければならない部分も確かにある。では、改めるについては、今までどこに何が欠けていたのか、また、どこがいけなかったのか、そういうものを勘案しながら今回の改正案を作成したというのが基本でございます。
 ですから、先ほども申しましたように、大方の皆さんが、情報時代になりまして、世の中のことを大局的に見る目を既に国民の皆さんがお持ちになった、昭和四十二年あたりと現段階では変わってきたことも一つ。
 また、私たちは、円滑なあるいは効率的な実施を目的として、中立性とか公正性とか透明性というようなことがかつては必ずしも行われていなかった。今のようにあらゆる情報によって公開するということも昭和四十二年と今では随分違ってまいりました。ですから、皆さんに伝達する方式というのも、いわばインターネットも使えるようになったし、また公聴会がありますよということも新聞あるいはテレビ等々によって呼びかけるとか、あらゆる情勢が昭和四十二年状況と今と変わってきたということで、今までできなかった、また手が行き届いていない反省も含めて、今回はあらゆることでの改正をしていこうということで、先ほども申しましたように、事前説明会あるいは公聴会あるいは第三者機関の設置等々、あらゆる今までの反省の上に立って、こうすれば少しは皆さん方に御理解いただき、工事が順調に進み、しかも国民の税金をむだなく使えるような方法はないかと思って今回は法案を提出させていただいた次第でございます。
#167
○渕上貞雄君 午前中ちょっとおりませんでしたものですから、申しわけない。
 事業認定前の事前の相談についてお伺いいたしますが、現行法では土地収用法などの通達、それから例規及び裁決例により事業認定事前相談の活用という項目があり、大規模、長期的な事業などについて、事業着手前に公益性、合理性等についての事業認定庁の意見をあらかじめ求めることができるものとするもので、「その活用を図ること」とあります。
 聞くところによれば、これは認定できる条件を整えるためのものであり、条件が整って初めて正式申請を行わせるものということです。つまり、正式な申請と認定は実は仮の姿であって、すべては通達による事前相談で決まっていると言えます。
 したがって、この通達が本法改正後も生きるとすれば、今後、改正は意味がないものとなってしまいますが、このような通達は成立後は廃止されるものと理解いたしますが、いかがでしょうか。
#168
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘をいただきました通達、これは平成四年の事業認定事務処理要領というものでございますけれども、これは事業認定に関する事務処理の円滑化あるいは迅速化を図るということで、準備作業の進め方について定めたものでありまして、その中に事前相談とか事前審査とかいうような取り扱いがあるわけでございます。
 このうち事前相談につきましては、これは行政手続法に基づいて私ども義務としてやらなきゃならない部分がありますので、これはそういう範囲では当然残る部分があるわけでございますが、事前審査ということで実質的な審査ということだとすると、これは今回の法律におきまして、公聴会の開催の義務づけだとか、あるいは事業認定に当たっての第三者機関の意見を聞くというような改正項目を入れておりますので、その意味では、事前審査というものについては、そういう実質的に事前に中身をチェックするようなことは、私どもとしては、そういう今回の改正の趣旨にかんがみ、今後はそういったものは行わないということで、その点につきましては通達の取り扱いを変更していきたい、このように思います。
#169
○渕上貞雄君 では、通達が廃止されるということは、事前の相談的なものは行わない、こういうことになるんですか。
#170
○政府参考人(風岡典之君) 通達につきましては、いろんな項目が書いてありますので、これを私は、通達自身は引き続き全体としては残したいというふうに考えております。ただ、実質的な事業認定に関して、公益性の判断をするようなものを事前相談とか事前審査という過程の中で行っていた、そういうふうに誤解を受けるということだとすれば、今後は、そういったことはやはり今回の法律の改正で事業認定の手続についてはいろいろな形で慎重な手続で実施をすることにしておりますので、その点については通達の見直しを行っていきたいと思います。
 ただ、事前相談というのは、これは行政手続法に基づいて起業者の方からそういった申請がある場合には、申請書の記載だとか添付書類をどうするか、そういうことについての相談でございますので、これは私どもとしては当然行政庁として行政手続法に基づく義務としてやらなければなりませんので、その点は引き続き実施をしていきたい、このように考えております。
#171
○渕上貞雄君 では、事前相談と今回義務づけられる事前説明会、これはどちらが先になるんですか。
#172
○政府参考人(風岡典之君) 事前相談があるかどうかというのは、これは行政手続法に基づいて起業者が行政庁にどういうような書類を準備しなければならないのかという形式的な相談に来るわけでございます。したがいまして、起業者においてそういったことを相談しなくても自分で判断できるという方については、これは別に事前相談というのはないわけでございます。
 一方、事前説明会の方は、これは事業認定を申請しようとする場合にはあらかじめ事業の目的、内容について利害関係人に説明をしなければならないということですので、それは法律に基づく手続として事業認定を申請する以上は当然実施をすべきものだというものだということでありますので、ちょっと単純に両者を比較することはできない、このように思います。
#173
○渕上貞雄君 先ほども問題になっておりました認定の判断についてお伺いいたしますが、国土交通省が事業者の場合でも、同じ省の総合政策局の収用管理室が認定庁となりますね。国土交通大臣の部下である収用管理室長が公益性の判断を独自にできるのかというと、そこは問題があるのかなというふうにも思います。事業者である国土交通大臣の意向に背いて、言うならば官僚の方が認定を退けるというようなことができるかどうか、その点いかがでございますか。
#174
○政府参考人(風岡典之君) 事業主体が国、公団あるいは事業の区域が二都道府県以上にまたがるものにつきましては、国土交通大臣が事業認定を行うということになります。
 この場合の国土交通大臣はどういう立場から事業認定を行うのかということにつきましては、これは事業大臣としての国土交通大臣ではなくて、その事業について公益性を判断するという、そういう土地収用法に基づく権能を行使するという大臣でございますので、事業大臣という大臣が土地収用管理室長をコントロールするということではなくて、まさに事業認定の立場で、いろんな指導があることはありますけれども、そこは分けて考えるべき性格のものだ、このように考えております。
#175
○渕上貞雄君 では、左手で申請して右手で許可すると、わかりやすく言えば。そのときに認定庁がイエスとかノーとか言う。それは大臣の意向と違うというようなことになるわけでしょう。どういうことなのでしょうか。だから、先ほどお手盛りとかということになるんじゃないかと同僚の議員が言ったわけですよ、ではないかと私は思うんですが、その点いかがなんですか。
#176
○政府参考人(風岡典之君) 事業認定につきましては、これはまず申請されたものについて、収用適格事業かどうかとか、あるいはその人が事業を遂行する能力があるかどうかとか、その計画自身が適正なものであるかどうか、あるいは公益性があるかという、土地収用法二十条に定める要件に該当するかどうかの判断をすると。これは事業大臣がやる判断ではなくて、まさに事業認定大臣が行う判断だということでありますので、その点はそういった法律に基づいた権能を行使すると。
 ただ、今回の改正は、しかしそれは行政がやっていることではないかという御批判があるのは事実です。その意味で、第三者機関として社会資本整備審議会、そこの意見を聞く、その意見については原則的にはそれを尊重するというようなことを通じまして少しでも公平性、透明性を高めていこう、そういう努力をしているということでございます。
#177
○渕上貞雄君 では次に、住民の合意という要件についてお伺いいたします。
 静岡空港事業については、住民投票が行われるのではないかと聞いております。工事は既に着工しております。しかし、滑走路のど真ん中にある地権者は同意をしておりません。トラスト運動もあります。このような状態で工事を着工してしまうのは、成田空港と何ら変わりはない、成田空港の反省が生かされていないというふうに思うんですが、このような事業者から事前相談が持ちかけられた場合、従来ならどのような指導をなされてきたのでしょうか。
 結局、認定庁といいながら、事前の相談によって事業を進めることに加担しただけになるのではないですか、その点は。その見解についてお伺いをします。今後、住民の合意という要件は、この場合どういうところに入ってくるのか、どのように変わったのか、お伺いいたします。
#178
○政府参考人(風岡典之君) 事前相談でございますけれども、これは先ほど来御説明をさせていただきましたように、行政手続法九条二項に基づきまして、そういった申し出がある場合には私ども行政庁の義務としてそれに応じなければならないと。
 具体的にそれでは事前相談というのはどういうことをするのかということでございますけれども、これは事業認定申請書とかあるいはその添付書類、こういったものについて不備がないか、どういう書類を準備すべきかということでありまして、ある意味では形式的な、どういう書類が必要だということについての相談ということでありまして、中身に具体的にタッチするということではないということであります。
 それから、静岡空港の例を引かれまして住民合意と事業認定の関係ということでございますけれども、これは土地収用法の事業認定は、収用権を付与するに十分な公益性を有するかどうかを判断するということでありまして、その判断の基本的な考え方は、その事業を実施することによって得られる公益と、またその事業を実施することによって失われる公益あるいは私益、土地の所有者の権利も損失しますからそういった私益も失われるわけですが、それを総合的に評価しまして、比較考量いたしまして、前者が後者に優越しているときに公益性がありと、こう判断をするものであります。その意味では、この公益性の判断というのは、住民の合意の有無ということは直接前提にはしていないわけでございます。
 ただ、私どもとしましては、やはり事業を進めていく上では住民の理解、協力というのが当然必要でありますので、先ほど来お話が出ておりますように、事業の計画段階からもできるだけそういう姿勢でやっていきたいというふうに思いますし、また土地収用法の段階でもできるだけ理解を得ていただくように、事前説明会を義務づけるだとかあるいは公聴会の開催とか、そういった努力をしているわけでございまして、その意味で、そういった住民の理解、協力を得られる取り組みというのはこれは私どもとしても真剣に努力をしていきたい、このように思っております。
#179
○渕上貞雄君 結果として、例えば静岡空港の場合はこの法を適用した場合どのような形になるか、ちょっと質問通告はしていませんが。
#180
○政府参考人(風岡典之君) 具体的に事業認定の申請もございませんし、まだ関係書類も添付書類も見たことがございませんので、それは具体の申請があった段階で検討してお答えをするというのが筋かなと思いますので、感想的なことは差し控えさせていただきたいと思います。
#181
○渕上貞雄君 その場合、公益上の必要とは何を指すかということをお伺いいたしますが、法第二十条は事業の認定要件でありますが、第四号に「公益上の必要」という文言があります。公益上の必要とは一体何を指すのか、お伺いをいたします。事業認定の最終判断を収用管理室長が行うのであれば、事業を申請している立場の国土交通大臣の決定を覆すための決定的な要件が明らかにならなければならないと考えますが、その見解はいかがでございましょうか。
#182
○政府参考人(風岡典之君) 土地収用法二十条の第四号、これは申請に係る事業が土地を使用しまたは収用する公益上の必要があるというのを要件として、これをクリアすることが事業認定の要件ということになります。
 これは具体的な事業の、例えば道路事業ということで申し上げますと、公益上の必要があるということは、その事業が交通事故の発生の増大とかあるいは渋滞の悪化、こういうことで今用地を取得して事業を実施しなければならない緊急性があるかどうかということをこの四号要件というのは見るものでありまして、個別事案に即してその辺については検討すべきものというふうに考えております。
 それともう一点、事業を進めるという大臣の判断を事業認定の場で覆すための要件は何かということでございますけれども、土地収用の事業認定は収用権を付与するのに十分な公益性を有することを認定するわけですので、その判断に際しましては、今申し上げましたように、事業によって得られる公益と失われる公益、私益を総合比較考量して、前者が後者を優越する場合に公益性があるというふうに判断をするわけでございます。
 したがいまして、仮に総合的な比較考量の結果、公益性が認められないということになれば、これは同じ大臣が進める事業でありましてもその事業が覆るということになるわけで、いずれにしましても、公益性についての比較考量の結果、事業を進めるか認めないのかということになろうかと思います。
#183
○国務大臣(扇千景君) 今の、同じ大臣が進める事業であっても覆すべきがあるというこの要件の中には、これまでその判断の過程について必ずしも十分でなかった点は私はあろうと思うんです。ですけれども、今回は、この法案によって少なくとも事前の説明会、そして公聴会の開催の義務づけ、それによりまして住民の意見の把握に努めることができるとともに、公正あるいは中立的な第三者機関の意見の聴取あるいは事業認定の理由の公表、そういうものを行えますので、情報公開の徹底を行うことによって判断の過程がより透明、より明確になるので、大臣がこういう理由によってこうしたというのがきちんと国民に見えるということが言えると思います。
#184
○渕上貞雄君 大臣、その場合、今言われたような要件というものを情報公開をすることによって理解が得られる。そのときに下した判断についても情報公開するというふうに考えておっていいわけですか。はい、わかりました。
 それでは、審査の過程の公開についてお伺いいたしますが、事業認定の審査過程については、これまでのところ余り明らかにされておりません。今後はこの審査過程についても明らかにすべきである。今、審査の過程についても明らかにするというふうに言われましたので、意見はわかりましたが、いろんな方が寄せられた意見についても公開するかどうか。それから、対応の仕方についても公開すべきだと思うんですが、その点、いかがでございましょうか。
#185
○政府参考人(風岡典之君) 今回の改正案におきましては、事業認定をした場合にその理由というものを公表することにしております。これは当然、事業認定をしたわけですから、これは先ほど来申し上げておりますように、収用法二十条の一号から四号までの要件を満たしているということですので、具体的にどういう理由でそれをクリアしているのかということを理由の中で明らかにしていきたいということを考えております。
 それから、事業認定の判断をする上で大きな影響を与えます第三者機関の意見でございますが、これにつきましても、先ほど大臣の御答弁がありましたように、その議事要旨というものは公表する、第三者機関の意見自身はもちろん公表するわけですけれども、それについての議事要旨というのも公表するわけでございますので、そういった中で、例えば公聴会等で出てきた意見はどういうように整理をしたのかというようなことも含めて、ある程度そういった関係がわかるのではないかというように思っております。
#186
○渕上貞雄君 次に、第三者機関の意見の尊重についてお伺いしますが、認定前に第三者機関の意見の聴取が義務づけられましたが、第三者機関とされる社会資本整備審議会は大臣の諮問機関であります。しかも、中央建設業審議会や道路審議会、河川審議会など九つの審議会が省庁再編で合体したものでありますし、これらの審議会は事業にゴーサインを出す役目を負う審議会だと思います。
 このような審議会が第三者機関となり、一体どのようなルールで、先ほど何回も聞いてはおりますが、公益性を判断するんでしょうか。全く違う反対の方向の意見がまとまるとお考えになりますか。もし仮にあり得るとしたら、最初の判断が何であったかという問題が出てまいります。事業の公益性を見込んでゴーサインを出した審議会が、土地収用の段階で急に国民の立場や地権者の立場や環境保全の立場で違う意見を持ち得るのでしょうか。
 第三者機関の意見の尊重といいますが、第三者機関とは言いがたく、先ほども質問がありましたように、お手盛りと批判されると思うんですが、その点は絶対ないと言えるかどうか、御質問いたします。
#187
○政府参考人(風岡典之君) 今回、国土交通大臣が事業認定をするに当たりましては社会資本整備審議会の御意見をお伺いするということにしておりますが、この社会資本整備審議会というのは、先ほどもちょっと御説明をさせていただきましたが、省庁再編によりまして九つの審議会が統合された、ある意味では非常に大きないろんなことをやるような審議会でございます。したがいまして、事業認定の当否について御意見をお伺いするには、やはりそれにふさわしいメンバーの新たな会議を設置する必要があるということで、社会資本整備審議会のもとに分科会あるいは部会等を設けて、そこで実質審議をしていただくというふうに考えております。
 そこのメンバーにつきましては、できるだけいろんな分野の方々から、法曹界あるいは法学界あるいは環境関係の先生方とか都市計画の専門家とか、いろんな分野の方からバランスよく人選をしていただいて、そういうことを審議するにふさわしいメンバーで御審議をいただく。その中には役所のOBは入れないということでありますので、そういう形を通じて客観的な意見が得られるし、またその結果につきましてはオープンになるわけでございますので、意見はオープンになりますし、また議事要旨も公開されるというので、これは当然それにふさわしい審議をしていただける、このように思っております。
#188
○渕上貞雄君 これは今までにない大変いいことだと思います。したがって、透明性、公開性、それから説明の責任といったような問題について大臣も先ほどから答弁されておりますし、そこで出された意見については恐らく要約して公開される、同時に、そのことは発言者の署名もあると思います。ですからその点については、恐らく公開といった場合は傍聴も認めることであろうというふうに理解しておりますので、そのような運営をひとつ期待をしておきたいと思います。
#189
○政府参考人(風岡典之君) 社会資本整備審議会のもとに分科会あるいは部会を設けるというふうに申し上げました。そこで実質的な審議をもちろんお願いするわけでございますが、この審議につきましては公開ということは私どもは避けさせていただきたい。その会議自身を公開するということは避けさせていただきたいと。
 それは、専門の先生方に自由に御意見をいただくということでありますので、公開は行わない。ただ、内容につきまして、どういう結論が出たかはもちろん公表しますし、そこでどういうような質疑があったかということにつきましては、これは固有名詞を伏せた形でオープンにする、こういうような扱いをさせていただきたい、このように考えております。
#190
○渕上貞雄君 そうでしたね。何回も、公開じゃなくて公表と大臣は答弁されておりましたね。
 次に、附則にある経過措置についてお伺いをいたします。環境アセスメント法ができたときの経過措置も同様でしたが、どうもこの経過措置というのはおかしいのではないかと思います。大規模公共事業で環境への影響が心配されるものに関しては、さかのぼって行うのが経過措置ではないでしょうか。
 例えば諫早の干拓事業のように、大規模公共事業には環境へはかり知れない影響を与えることがあるわけです。それらの教訓を顧みれば、当然、川辺川ダムについても環境アセスメントを行うべきだと考えるのが自然であり、国民の感覚でもあります。この川辺川ダムの治水の対象地域となっている中流地域の人吉市の議会から、環境アセスメントを実施してほしいという決議がなされましたが、これは事業認定の取り消しが行われる事態といえるのではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
 今回の土地収用法の改正は、事業認定段階を膨らませることから、その限りにおいては収用手続を簡素化してもよろしいという研究会の報告に基づいてつくられたものだと理解をしていますし、研究会の報告では、公聴会の前例もないような現行法で手続が始まった事業についてはそのまま最後まで旧法を適用させることを求めております。公聴会もやらないで事業認定手続を終え、収用裁決手続からは簡素化された新法のやり方で行うというのでは、国民感覚からかけ離れた、行政の都合のいいものでしかないと思われます。そこで、大臣、どのようにお考えでございましょうか。
#191
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいました公聴会等あらゆる面で事業認定に関する手続規定、これは御存じのとおり、現に旧法の規定に基づいた手続が進行している中で、その流れとは別に新たな措置を適切な時期に行うということでございますので、それは先生もおわかりになると思いますけれども、新法の施行前に少なくとも事業認定の申請がされた事業については新法を適用しないと。これはもうどこかで線を引かざるを得ないわけでございますので、それは御理解賜れると思いますけれども、一方、収用裁決に関する手続につきましては、土地の所有者等の権利に十分今までも配慮してきておりますし、また権利の侵害をすることはならないということになっておりますので、新法の施行前に事業認定の申請があった事業に関しましても新法を適用することとしたものでございます。
 ですから、法律的な整理をして改正案のような経過措置としたことに関しては、事業の認定判断の透明性、公明性、中立性、もうずっと言っておりますとおりでございますので、これを図るという意味で、今回の法案の趣旨を踏まえまして、改正法の公布後に事業の認定の申請がなされた事業に関しては、公聴会の開催を求める旨の意見書の提出があった場合、公聴会開催の実施を行うなど、法律の趣旨を踏まえてこれを運用していく、そういうふうにしてまいりたいと考えておりますので、今、先生がおっしゃいました事例に関しては、これは新法を適用しないということを申し上げておきたいと思います。
#192
○渕上貞雄君 終わります。
#193
○田名部匡省君 先ほども京福電鉄の交通事故の問題が取り上げられました。ちょっと私も、大臣さっき答弁しておったんですが、ATSの補助を出したらどうかとかいろんなことがありましたけれども、私はそれ以前の問題だなと、これは。自動車が事故を起こしたとか飛行機がニアミスをやったというのと違って、レールを走っている鉄道が何でぶつかるんだろうなと。
 この資料を見ましたら、待ち合わせる予定が何かちょっと早く発車したと。それは早く発車すれば途中でぶつかるのは当たり前ですよ。何時にどこに来るかというのは、ダイヤが決まっているわけですから。どうしてこんな考えられないことが起きたんだろうなと、毎日そこを運転しているわけですから。だから、これは何をつけてみたって、それを守って走ってもらわぬと、単線でしょう、それはぶつかるのは当たり前の話ですよ。
 私は、こういう問題が時々起きて、責任問題というのはその後どうなったのか一遍も聞いたことがない。したがって、ミスを犯した人たちの責任というのは、今までいろんな事故があったけれども、起きたときは大騒ぎしますけれども、後にこういうふうな責任をとりましたという報告は一遍も聞いたことがないんです。
 これは、通告していないことばかり僕は言うものですから、やっぱり副大臣が一番詳しいですかね。
#194
○副大臣(泉信也君) 交通事故に関する責任のあり方については、いわゆる刑事責任等の追及は別の体系でそれぞれなされてきておるわけでございますが、それ以外の、法律の規定上責任が明確になされない事態があったことは私も事実ではないかと思います。
 今回の件につきましても、先生御指摘のように、出発時刻より早く出たのではないかというようなことも聞いておりますが、そのことと、その運転士の方の責任というのがどういうふうになるかというのは、ちょっと私ここではつまびらかにすることはできません。運転士の方が今まだ重傷であるということで、どんな状態でスタートされたのか、あるいは信号がどうであったかというような原因究明がなされた上で、必要な責任のあり方について論じさせていただきたいと思います。
#195
○田名部匡省君 資料によると、普通列車は発坂駅というんですか、急行列車の通過を待ち合わせる予定であったが、実際は待ち合わせないまま走りましたと。これじゃ事故が起きるのは当たり前で、待っていればよかったんですよ。そういうこともちゃんと決まりがあるのに、待つべきものを待たないで走ったら途中でぶつかるのはこれは当たり前のことです。ですから、あの機械があればいい、この機械があればいいという以前の問題だと私は思っている。以上で、これは終わらせていただきます。
 それから、昭和四十二年以来抜本的な改正がなされていなかったと。しかし、考えてみると、私の地元でも、恐らく全国的に問題があちこちであったと思うんですね。何で今ごろまでこれをほったらかしておいたのかよくわかりませんが、それはいよいよ大変だということになったからといえばそれまでですけれども、何かやるべきことをやっていなかったのじゃないのかなという気がするんです。局長、どうですか、これ。
#196
○政府参考人(風岡典之君) 事業を進める上で、ともするとできるだけ任意の話し合いによって事業を進めていこうという風潮が、ある意味でいい意味でのそういう風潮があったのではないかというふうに思っておりまして、その意味で、収用法を活用するというのが非常に事業として限られている傾向があったということであります。
 しかしながら、こういう状況の中で、やはりある程度事業を迅速に進めていくというような、事業の効率性というようなことを求められる時代になってきておりますので、そういう意味で、必要なものはそういった手続を活用していこうという機運も高まってきたということで、そんな中で、従来やや、そういう意味では収用手続を活用することについて若干避けていた嫌いがあったことで手続の見直しが必ずしも十分進まなかったと、このように考えております。
#197
○田名部匡省君 私のところにも、平成九年に新しい橋を古い橋の隣につくったんですね。十一年まで、できてから二年も渡れないんです。なぜかというと、その先のおりていくところが買収できないものですから。どうしてそういうこと全体をやってから着工しないんだろうかなと。さっきの静岡空港もそうだと思うんですね。もう工事が始まって、真ん中辺が買収できませんというものを、工事を進めるというのが私は理解できない。大臣さっき非常に私と考え方が、いいことをおっしゃったなと思って、事前にやっぱり全体像を住民に示してと、こういう答弁をされておった。私も全くそのとおりだと思う。全体像が見えないんですよ。
 ですから、ここの道路を拡張したいとかこうしたいとか言ったって、今も審議会とか委員会やると言うけれども、この人たちは買収に遭ったことないんでしょう。収用法かけられたことない人ばっかり集まって、それでかけられる立場というものをどの程度わかってこれ審議しているのか。私はいつもそう思うんですけれども、こういう問題というのはこの中立性、公正性というのもさっきお話ありました、適用を受ける住民にやっぱり十分配慮をした決め方でなければ、中立だから公正だからいいというわけにいきませんよ。
 そこら辺のところはもう少し、収用法かけられる、そういう人たちの気持ちに立ってやっぱりやれるような仕組みとか、それから委員にしてもそういう人たちを入れる。ややもすると、今までもそうでしたでしょう、何か審議会の委員になると叙勲のときにえらい高いのもらえるとか、余り中で反対していると任期になるとかえちゃうとか、そうするとだんだん賛成する人ばっかりになっていくという嫌いはなきにしもあらずだったですよ。そのことを今度はもう本気で排除をしておやりになれるかどうか、これは大臣ひとつ。
#198
○国務大臣(扇千景君) 田名部先生がおっしゃったように、今まで公共工事のむだ遣い、ばらまき等々あらゆることで私は御批判があった中には、今、先生が例を挙げられましたことが私は必ずあったであろうと思います。また、私は丸投げとか談合というのは、これはもう業者間の、これはもう不良不適格業者ですから、これはもう問題は別でございますけれども、今、先生がおっしゃった公共性と公益性、このバランス、そして公益性があるものはこれは公共的には必要なんですよということが多くの皆さん、それはもう百人いらっしゃれば百人全部にすぐ御理解いただけるということは人間ですからなかなか難しゅうございますけれども、なるべく私は一人でも多くの皆さんの御賛同を得られるように事前に事業計画というものをきちんと御説明申し上げると。私は今まで行き届いていなかった部分が多々ある、むだなものもあったなと。
 例えば、アクアラインというのを先生一兆円かけて、今四千円を三千円にしましたけれども、依然として予定の走行量がありません。なぜ走っていないか。渡った向こうに渡らなければならない理由がないからなんです。ですから、アクアラインをつくるときに一兆円かけたなら、向こうから成田まで高速がつながっているよとか、そうすると横浜、横須賀の人はわざわざ回らないでもアクアライン通って成田にも行くでしょう。そういうことが今までの公共工事の中でやはり欠落していた部分が多々あるのではないかと。
 だから、私が申し上げましたように、グランドデザインをつくって多くの皆さんが、ああ、この公共工事、一兆円かけてもこれは必要なんだと思ってくださることを手続を丁寧にしていきたいというふうに考えて、今回はやっと、先生に遅きに失したではないかと言われますけれども、何も土地収用法かけなくてもお互いに話し合って御理解いただければわざわざ収用法を使う必要もないと、それが本来の私は公共工事のあり方であろうと思いますけれども、先ほど言ったように日の出町のように百四十坪に少なくとも二千三百人近い人がいるというような、そういうことのためにはやっぱりある程度きちんとした規則を改正しておかなければならないなということが今回の改正に至った経緯でございます。
#199
○田名部匡省君 この前も大臣に、私は自民党におるころからもう長いこと一極集中排除というのを、これは自民党の政策だったんですね、今もって変わらないんだろうと思うんですが。具体的に何をやるのかというと中身がない。一極集中排除だと、こう言われてきました。それが行き詰まってきたと思うんですね。地方はだんだん寂れてくる、都会には人が集まってくる、さらにまたこの収用法かけてでもいろんなことをやらなきゃならない事業がこれから出てくると思います。
 私は、農林水産大臣のときによく答弁したのは、欧米との違い、これは都市政策に基本的な違いがありますよと。例えば、パリでもどこでもそうですけれども、一定の人はもうそこに入れないようにしているんですね、人口がこのぐらいと決めると。だから高いマンションなんというのは建ってないでしょう、パリに。ロンドンもそうなんだ、ヨーロッパとか、これはロシアでもアメリカでもそうですけれども、土地が広いところから、そこに入ってこないためにデカップリングという所得補償をやるから農業をやってくださいという政策、都市政策なんです。ところが、アジアとか日本というのはそういうのがないんですね。何でも申請すれば何十階建てでもどんどん建っちゃうと。この違いというのがやっぱり今になってから基本的なことをやっていなかったためにこの行き詰まりが出てきて、大深度に道路を通すとかいろんなことを考えざるを得なくなっているのが現状だろうと思うんですね。
 したがって、この日本の国をどうつくり上げていくのかという基本をしっかり持っていないと私はだめだと、こういうふうに思うんですけれども、これについてはどうですか。
#200
○国務大臣(扇千景君) 今、田名部先生がおっしゃったことがまさに私が大臣就任以来申し上げてきたことでございますし、私がグランドデザイン、グランドデザインと言うものですから、皆さんがいつ出すんだ、いつ出すんだとおっしゃって、本来は五月期限をもってグランドデザインをお示ししたかったんですけれども、それは森内閣から小泉内閣にかわり、なおかつ小泉内閣の中で都市再生本部をつくり、そして経済財政諮問会議というものをおつくりになりまして、あらゆることで改革をしていこう、また都市政策をこうしていこうということをお考えになったものですから、小泉内閣の中の国土交通大臣なものですから、そこでお出しになることと私の間にそごがあっては余りにもおかしいので、私は五月にお出しするのを今月いっぱいまでというふうに延ばしたという原因もそこにあるわけでございます。
 私は、田名部先生がおっしゃるように、先ほども申しましたけれども、日本じゅうに、じゃ国際空港が幾つ要るのか、あるいは国際港湾が幾つ要るのか、あるいは道路はどこまでするのか、道路をつくった方がいいのか、いや新幹線が欲しいのか、一般国道を拡張する方がいいのか、これはその土地の人の皆さんの選択なんですね。
 財政難ですから、道路もつくり、一般国道もつくり、高速道路もつくり、新幹線もつくりと、それはできない状況になってしまったんですから、ですからそういう意味でグランドデザインをつくって国民の皆さん方にここまでしよう、これは赤字だけれども、赤字だから公共でしなさいと。そのかわり、その地域の経済効果が上がればこれはペイではないか。黒字になったらそれを民間にしなさい、民活で今度は民間が経営しなさい、赤字の間は国が皆さんの税金で公共工事をして、黒字になるようだったらこれを民間にしなさい、私は当然の流れであろうと思うんですね。
 ですから、そういう意味で私は、二十一世紀の初頭ですから、ことしじゅうに何としても二十一世紀、この百年かけた国づくりの基本というものをぜひ私は皆さんに、A案だけではなくてB案と二つ並べてもいい、C案があってもいい、そして皆さんにいろいろな御意見をもらって、そしてみんなで二十一世紀の国づくりをするという基本姿勢を、国土交通省になったからできる、また国土交通省だからしなければならない、そういう原点に今立っているというふうに御理解いただきたいと思います。
#201
○田名部匡省君 道路財源が大変問題になっていますけれども、さっきも大臣言っていた、これは私と同じ考えだなと思って、予算はもう地方に財源を与えなさい、何をやるかはそこで考えなさい、そのかわり失敗したら責任はそこに及びますよというやり方をしないと、無責任なんですよ。新幹線も欲しい、高速道路も持ってこい、飛行場も持ってこいといって全部これ全国につくったって、もう採算とれない空港いっぱいあるでしょう。
 ですから、よくみんなが考えて、そのかわり失敗したときはそれは県民が負担すりゃいい。そういう責任というものをやれば、道路財源だって、そこへやったものは、例えば介護施設が必要だったらそっちへやればいいし、道路が悪けりゃ道路をやればいいし、そういう選択肢を与える、いわゆるボトムアップ方式だと私は思うんですよ。責任というのを地方でも持つ時代だと、こう思うのでぜひその方向に進んでやっていただきたい、こう思います。
 ただ道路整備、私も、県会議員ですからもう二十何年も前ですけれども、もう随分これ頼まれまして、用地買収、道路はやることになった、さあ売ってくれない、夜行ってみんな集めて説得して、そうして農家のところへ行ったときには、農業をやる倉庫があるわけですよ、それがひっかかっちゃうんです。それがなきゃ困るというので、隣はがけでしたけれども、その家はだれだと言ったら、いやあの人だ、じゃ呼べと、あそこを少し削って土どめしてやるから、それで土地が広くなった分こっちへやってやるからどうだ、そんなことばっかり僕はもう何回もやりました。
 卸団地やるときも、国道のときも、それから新産都市の道路のときも、皆支持者がおるものですから引っぱり出されて、ひどいときはもう市会議員、後から市会議員になったやつですけれども、土地をいっぱい持っているものですから、おれの農地がなくなると困ると言うから、じゃ、あれのやつをおまえにやるからと。それで彼に電話して、役所へ判こ持ってこい、お金やるからと。それで知らないで来て、今になってまた恨まれている、あのとき持っていれば相当高くなったのになんていって。そんなことを、あなたたちは買収やったことないでしょう。だから、苦労を知らないんですよ。
 それから、実情によって違うんですね。例えば、国道やるときも、どこか工場から店を移らなきゃならないと。そうしたら、それをどうやって手当てするかとかなんとかといって一人一人説得したんですから。それで出てきちゃった。そのぐらいの人がおってこれを進めてやらないと、ただ委員会で決めたから、ああ、それはそうだというようなわけには私はいかないと思うんですが、どうですか、局長。
#202
○政府参考人(風岡典之君) 確かに、用地問題が解決すると事業が終わったと言われるぐらい用地の問題というのは多分重要なことで、御苦労も非常に多いと思います。
 そういう意味で、用地がうまく進むように、そのためには住民との対話、そういったこと、あるいは必要な情報を開示するというそういうような取り組みが、やっぱり初期の段階が非常に大切だというふうに思いますので、その点は、円満な話し合いによって用地を取得し、どうしても御協力を得られない場合に法的な手続ということになるわけですので、前段階の声も非常に重要なものということで進めていきたいというふうに思います。
#203
○田名部匡省君 前段階というのは本当に大事だと思うんですね。
 例えば、日の出町の問題でも、それはみんなが捨てる場所としては適当だと思ったって、そっちから見りゃ何でそんなものが来るんだと。その理解というのは、例えばかつて大臣の安倍さんのもとでお互いに仕えたんですが、上海に日本のごみを持っていって、あそこに埋め立てて港湾をつくってやろうじゃないかという話が出てきたんで、私はごみまで外国に持っていっちゃだめじゃないでしょうかと言って、あれは結局だめになったんですが。
 ごみ問題というのは、これは本当に厄介な問題ですよ。ですから、この間も三越へ買い物に行って、私は包むのと袋は要らないから、あなたたちはそれ要らないと言ったら五百円安くしてやればいいじゃないかと。包みたいという人から五百円高く取りなさいと。そのぐらいやらないと、宿舎へ帰って捨てるだけでしょう。ですから、もっとこれ徹底して国民の意識を変えていかなきゃならぬ、こう思うんです。
 特に、道路整備をして今何と言われているかというと、夜中、道路の車の音がうるさくて寝られませんというような話だ、今度は。それでバイパス、バイパスと言うでしょう。で、バイパスを通すとバイパスの方に今度は店ができる。それで商店街ががらがらになっちゃうんです。ですから、事前にこれをつくった場合にはどうなるんだというのまで住民に説明すると、ああ、そうかということで理解してくると思うんで、これがないとわかりませんから。
 特に私の方は、今は引っ越したけれども、町の真ん中に住んでいたから駐車場がある。夜中、冬、青森、八戸あたりは寒いでしょう。夜、車に乗ろうとしたら、ぶんぶんぶんぶんしばらくアイドリングしないと走らないですから。それはうちの前でそれやられると寝てられないんですよ、本当に。ですから、いろんな意味で、この収用法をもし適用しようとすると、事情が皆違うということを認識した上で本当にやってやらないと、後からどういう問題が起きるか。これをやることで市はどれだけよくなっていくかということまでを説明して説得に当たらないと、ただ自分たちだけが損するんだと思っていますから、広い意味でのそういう説得が私は必要だと、こう思います。
 それから、私のところは、親戚は全部農家なものですから遺産相続するとほったらかしておくんですよ。別に、何も農業やるのに長男が田んぼやってて、次男、三男はどこかへ行って働いている。その子供はどんどん生まれていく、東京へ来て。ところが、区画整理が始まったと。さあ、今度は売るとなったらだんだん欲しくなってくるんです。それは、すぐ兄弟ぐらいはいいけれども、その子供や嫁に行った先は今度は亭主がおりますから、おまえ行ってもらってこいと、こうなると、そこからややこしくなって、さっき言ったアメリカへ行っているのもおる。それの後追っかけて、私はあれは本当にそんなに金かけてまでやる必要はないんで、そういう意識がないんですよ。そういう人を相手にしてこの事業をやるんだということをしっかり認識に持っていただきたい、どう思いますか。
#204
○政府参考人(風岡典之君) 用地の仕事に直接タッチしたことがないものですから、先生の今貴重なお話をお聞きしまして、用地問題というのは重要だという意識はあったんですけれども、それぞれ事業ごとに全部違うんだということで、そういう意味では相手の立場を踏まえながらやっていく必要がある。
 そういう意味で、今回単に用地買収に応じた方に金銭を補償するだけではなくて、生活再建という立場で相手の立場に立った取り組みをやろうということで、代替地のあっせんとか代替住宅とか、場合によると就職のあっせん、職業訓練までということを考えているわけでございまして、そういう意味で、いずれにしましても貴重な公共用地に御協力をいただいている方については、そういう意味で単に補償するというだけではなくて、もっと生活も含めた取り組みをやっていかなければならない、このように思います。
#205
○田名部匡省君 私は、国道を拡幅するときに、お願いして、酒屋さんももう小さな店になっちゃう、お豆腐屋さんは工場を移さなきゃならぬというんで隣の町の方の広いところを借りて工場をつくったと。この間来まして、もうだんだん事業厳しくなった、何とか融資を頼んでくれないかと言って、そんなことばかりやっているんですからね。結局、移った後にそういう事業が、そこにおればうまくいったんでしょうけれども、うまくいかなくなったというそんな事情から何から、まあいろいろ来ますよ。これは先生方みんな相談受けると思うんですよ。それで、今度は金融機関に行くと、いや、それはちょっと出せませんと、こう言われると、何か私も責任感じているのも実はあります。時間が余りないんで申し上げませんけれども。
 この間、東津軽郡という、青函トンネルのあそこも道路が狭くて、バス一台来たらもうすれ違いできないんですよ。それで、上の方に道路をつくった。これでがらっと変わっちゃったんですね。それで、どんどん道路をつくれつくれと、全部広い道路、青森まですぐつながっちゃったものですから、みんな青森へ買い物に行っちゃって今度はお店がおかしくなっちゃっている。大臣、私の家を知っていますか、市内の真ん中に。私の家のあの辺は昔は荷車と馬車でしたから、道路がそれが通る分あればよかったんだ。そんなのいっぱいあるんです、いまだに。
 ですから、本当に何回も言うようですけれども、一人一人の事情が違うんだということで、その人がそれへ移った、あるいはそこへ買収されたおかげで後からおかしくなったということのないような配慮までして、私は値段を上げろとかなんとか言いません、買収費をどうこうとか補償費を言いませんけれども、いろんな実情に応じて、都会は都会らしくやればいいし、地方は地方らしくという、もう少し心の通った、多くの人の便利のために協力をしてもらうんだ、こういうことですから。ですから、そのことを忘れてこの委員会をつくってみたって、何してみたって、私は本末転倒なことになりはせぬかということだけが心配ですので、大臣、その辺のところは協力していただける人たちが快くわかりましたと、全体もわかったし、それでよくなるんなら協力しましょうと、そのかわり私は住む家がありませんからどこかに建てると言ったら、そのアフターケアまでちゃんとやるのが私はこの委員会の重要な任務だ、こう思っております。
 最後に大臣の決意を伺って、終わりたいと思います。
#206
○国務大臣(扇千景君) 今、田名部先生がおっしゃいましたように、公共性というものがどうあるべきか、つくった後はどうだったかといういろんな事例をおっしゃいました。
 私は先日も四国へ行きまして、四国の皆さんに聞きました。四知事さんに集まっていただいて懇談会を開きました。四国に橋が三本かかりました。みんなは大喜びをして四国が活性化すると思いました。ところが、四国の皆さん方は橋ができたおかげで、今、田名部先生のお話のように、みんな大阪や京都まで行っちゃって日帰りで帰ってきちゃう、そしてまた四国へ来る人は日帰りで帰れるから泊まってくれない、そういうこともある。また、今、先生がおっしゃいました高速道路をつくったけれども、高速道路をつくったために通過しちゃって町が寂れる。新幹線をつくったけれども、駅にとまらないからだめになる。あらゆることでのそごが出てくる。また、地域によってはいろんな問題が起こると。
 ですから、本当に公共工事と公益性あるいは地域の要望にこたえて先の計算までするということがいかに大事であり、またいかに難しいか。そういうことも含めて私たちは公共工事のあり方というものをきちんと精査しなければいけないと思いますけれども、二十一世紀になって改めて私たちは環境というものを考え、またそして今、先生がおっしゃった土地収用をかけられた人たちの精神的なケア、そして彼らの先行き、彼女たちの補償等々も、私たちは今後も二十一世紀型にしていかなければいけないなということをつくづく考えさせられて、今後の活用に関しては国民の皆さんに本当に収用法をかけなくても公共工事が順調にいくと言われるようなやり方をまず心がけたいと思っております。
#207
○戸田邦司君 私の方から質問の通告をしておりましたが、今までの議論を聞いておりまして大体どういう回答が来るか理解できますので、通告した質問については質問をいたしません。
 それで、私の方から二、三お話ししておきたいことがあります。一つは、大臣にもたびたび申し上げてまいりましたが、公共事業、特に公共事業関係が主体になると思いますが、地方自治体への補助金を一括交付してくれというようなお話をしてまいりました。一部そういうような運用を緩やかにするような措置もあったかと思いますが、全体としてはまだまだ地方の自由になるようにはなっていない。
 この間の経済財政諮問会議の中でも、「事業主体としての国と地方」というところにそういう指摘がありますが、まだはっきりとそういうことをやるんだ、こうは書いていない。これは非常に抽象的でありまして、「国の関与する事業は限定し、地方の主体性を生かした社会資本整備に転換していく。」、こういうような表現になっておりまして、では具体的に何をやるんですかといえばああいうことだろうと思いますが、これは小泉さんに聞きましてもやるとは言わないんです、全然違う答弁をしておられる。ですから、そういうところを一つ一つ目鼻をつけていかないと具体的な政策にならないと私は思っておりますので、その点十分配慮していただきたいと思います。
#208
○国務大臣(扇千景君) 私は、かつて戸田先生と御一緒に政策をさせていただいたので、先生がおっしゃっている地方分権のあり方、権限を移譲するだけではなくて、財源も持って地方分権の真のあり方をするべきだという、私はその政策に関しては今も共有した考え方を持っているつもりでございます。
 また、国土交通省としては、今後も二十一世紀型にしようということで、なぜ国土交通省になったのか、四省庁統合したことと、海上保安庁、気象庁等々と一緒になった大世帯でございますけれども、少なくとも公共事業の予算の一括配分というものは国土交通省としていきたいということで、私が二月から四月まで地方整備局を全国十に分けて回ってまいりました。それで、少なくともさっきここで御論議出ましたように、そのブロックの中での公共工事の順位性、順番は地方がつくる、そして公共工事の補助金の配分もそこでやるというふうにするべきであろう、そういう意味でいわゆる箇所づけ等の権限をできるだけ地方の皆さん方にお任せする、地方の首長さんとあるいは政令指定都市の市長、そして財界と公共工事の責任者であります地方整備局、運輸局等々で絶えず私が出なくても懇談会を持続するというふうに制度をつくってまいりまして、また各地域の単位で社会資本整備を総合的にここで展開していくというルールをつくってまいりました。
 そして平成十三年度、今年度の事業費ベースで四兆一千億円余り、国土交通省関係の予算全体の三五%を一括配分することに決めまして、この三五%に及びます四兆一千億円を地方整備局でそれぞれの配分ができるという、これが第一歩だと思っておりますので、今、先生が御指摘のように、完全に地方の地方らしい、この間大変いい言葉がありまして、一流の地方という言葉がございました。私は、一流の地方になっていただくためのそれぞれの地域の特性を生かした公共工事というものをやっていただくように、なお今後も努力していきたいと思っております。
#209
○戸田邦司君 私は、地方整備局に一括交付するという方式は、あくまでもこれは国がやっているので、国の出先機関がやるのであって、地方自治体の主体性に基づいてやるということにはならないと思っているんです。ですから、そこの考え方はきちっと整理していただかなければ先ほど私が申し上げたようなことはできないんじゃないか、こう思いますので、念のためにひとつ申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点は、この間の経済財政諮問会議、私もこの案というのを読んでみました。今、案というのは出ておりますが、これを読んでみまして、まことに確かにいいことがいっぱい書いてある。しかし、これは一体具体的には何をやるんだろうというのは、先ほどのグランドデザインを早く決めて発表しますという点に期待するしかないのかな、こう思っております。
 この中に「重点的に推進すべき分野」というのが書いてあります。これはそういう点に重点配分するということは必要だろうと思いますが、やはりこういう点だけじゃなくて、通常の生活に必要な、あるいは都市の再生なら都市の再生を考えた場合に必要な分野、基本的にあるかと思いますので、その辺を早く見せていただければと私は思っております。これは具体化して、そのグランドデザインを書く場合に具体的に書いていくというのは非常に難しいんじゃないかと思います。ですから、その点、私の方からは希望を申し上げておきたい、こう思います。
#210
○国務大臣(扇千景君) 戸田先生がおっしゃいます地方分権というものの基本は、私も戸田先生がおっしゃるとおりだと思います。
 私は、一手順として、国土交通省として補助金の一括配分をするということが第一歩だということを申し上げたので、地方分権をする場合には地方の受け皿がまだ地方でできていないということも勘案しなければならないし、地方は地方としてその受け皿をきちんとできるような整備が二十一世紀じゅうに、少なくとも早い時点で地方もその受け皿を、そしてまた一県だけではなくて四、五県、さっき十のブロックと言いましたけれども、そのブロックにおいて、九州なら九州一つと皆さんがおっしゃるものですから、知事さんが、九州を一つとして考えて、それの受け皿をどうするかということをきちんと整備してくださることが、今の地方分権の権限と財源を伴った本当の地方の独自性を出せるというのが私は成熟していくんだと思いますので、その一助だという道筋を申し上げたので、基本的には先生と同じ意見だと思っております。
 それから、経済財政諮問会議の答申の骨太の案というものを先生今御指摘になったんだと思いますけれども、経済財政諮問会議というもの自体は総理がお示しになったものであって、私もきょう閣議決定いたして、まだサインしておりませんけれども、経済財政諮問会議は総理が諮問なさるんです。そして、総理がその諮問をどのように各閣僚に、これによってこうしろああしろという御下問があるのであろうと私は思っております。
 ですから、経済財政諮問会議も私は三度ぐらい出ましたでしょうか、それは参考人という立場で出たにすぎませんので、経済財政諮問会議の答申によって今後のあり方、先生が今おっしゃいました、細かいことは明記していないとおっしゃいましたけれども、それぞれのあの骨太の七つの大きな枠の中から、私どもに対して今後ここはこうしろとかああしろとかという総理から改めて各閣僚に対して違った、それぞれの役所に合った御命令があるのではないかなと思っております。今週で、国会が二十九日で終わりますので、これは十四年度の予算編成までに私はある程度細かいことが出てくるのであろうと思っておりますので、私どもも総理のお気持ちを聞きながら作業を進めていくようになると思います。
#211
○戸田邦司君 今お答えいただきました前者の点につきまして、私は、国が自分で進める事業、それから国が調整しなければならない事業、地方が単独でできる事業、こういうようなことになっていくんじゃないかと思います。二番目の国が調整する必要がある事業につきましても、地方自治体そのものが実行主体になるということではないかと思いますので、そこの整理がつけば私は地方はそれなりにこなしていくんじゃないかと。地方に今そのまま投げてやってもなかなか受けられないんじゃないかという考え方もおありだろうと思いますが、これは地方の人に言わせればそんなことありませんよと、こう言うに違いないので、その辺はやらせてみなければやれるようにならないということもあるんじゃないかと、こう思っております。この辺は、この程度にしたいと思います。
 もう一点は地価問題。土地の値段が依然として下がっている。一時期、東京都の値段などは若干上がり始めて、今また上がらなくなってきているんじゃないかと思いますが、しかし地価の問題については土地に関する税制が非常に大きな影響を与えていると思います。
 それで、緊急経済対策の中にも土地関連税制がありましたが、これの実現がいつになるかというのは私自身は定かに記憶しておりませんが、いずれにしましても、例えば遊休土地にかかわる特別土地保有税などというのは、これはやっぱりバブル時代にやたらに土地を買って遊ばせておく、そういうのには税金をかけておけ、こういうことだったんじゃないかと思いますから、その考え方が今の土地の値段を考えたときに本当に適正なんだろうかということはあると思います。
 基本的に土地税制をどうするかというのは、土地の保有に関する考え方、これはけさほど来議論されておりまして、日本と外国で全く違っているわけですが、そういったところにもかかわるんじゃないかと思います。うがった見方をすれば、土地の私有を認めているのは税金を集めるためだとさえ言えるのかなと、こう思います。
 しかし、それにしましても土地にかかる税金というのはたくさん種類がありまして、国、地方でいろんな税金があります。今、土地が動くかと。土地の値段が下がらないで、金があるから土地をちょっと所有しておくかと思ったって、税金のことを考えると土地は取得しない、そういうことに相なるんじゃないかと思いますが、土地の税制もやはりそういった動向を見ながら整理していかなければならない。
 基本的になぜこういう税金をかけるのか。税金をかければ払ってくれるから税金をかけるんじゃなくて、考え方としてきちっとした原則をつくってそういうものを適用していかないと土地の税制もきちっとしない、土地の値段も下がりっぱなしになってしまうというところがあるんじゃないかと思いますから、私は、国土交通省はやはり土地についての一番大きなかかわりを持っているわけですから、そういう点をひとつ整理していただければと、こう思っております。
#212
○国務大臣(扇千景君) 私は土地税制のことに対してお答えする資格がないといいますか、越権行為ですから、税に関しては私はお答えいたしかねます。
 それは、与党の税調もあれば政府税調もある、また財務省で、あらゆるところで論議されるべきものであろうと思いますけれども、問題は、今、先生がおっしゃった中で一番重要なことは遊休地、遊んでいる地、遊休というよりもあるいは死活状態の土地と言った方が正しいかもしれませんけれども、戸田先生もごらんになったように、東京を歩いて、まあ車でお走りになっても、あらゆるところで空き地があるわけですね。こんなこと考えられないんですね、大都市と言われる東京で、しょっちゅうそこら辺に空き地があるというのは考えられないことなんですけれども、これは御存じのとおりのバブルの後遺症で、いまだに東京が、まあコマーシャルで東京砂漠という言葉があったので、砂漠とまでは言いませんけれども、本当に私は都市としての形をなしていないと言いたいぐらいな、土地が利用されていない未利用地というのがあり過ぎると思うんですね。
 それで、先ほども私ちらっとどなたかの論議の中で申しましたけれども、例えば東京の中で二十三区内で未利用地、利用されていない土地がどれくらいあるかということも含めて、それはたまたま利用されていない未利用地というのが約七百二十ヘクタールあるんですね。そして、昭和二十一年に東京の都市計画で、ここに道路をこれだけの幅でつくりましょうと言われて、まだ都市計画が実行されていないところが四五%あります。五五%しか都市計画が実行されていない。その残りの四五%、今実行したらどうだろうというこの未解決地、道路が急に狭くなっている、旧道になっているところを計算しますと、未買収地が七百二十、そして今利用されていない土地が七百ヘクタールと、ちょうどほとんど同じぐらいの率であるわけですね。
 そうしたら、この四五%すべて都市計画を実行するには幾らお金がかかるかということで計算もしたり、また道路が広くなることによって両側の建造物に容積率緩和、高さ制限等々の緩和をしたらどれくらいできるかということなんですけれども、これをたまたま計算してもらいましたら、道路が広くなって両側にビルを建ててこれを利用することができたら、ビルに換算しますと霞が関ビル四百棟分が建つんです、道路整備するだけで。しかも、これを住宅で計算しますと六十万戸、約百二十万人が住めるだけの居住ができる。それくらい大きくなって、約八兆円の公共投資なんですね、この道路整備をするのに。そうしますと、八兆円の公共投資によって約二十兆円の民間の建設投資が行われる、そしてその波及効果として、経済効果としてはまた倍の四十兆円になる。
 このように遊休地というより、遊んでいるというより死活になっている土地というものの活用をしなければ、先生が土地の値段のことをおっしゃいましたけれども、土地は動くものである、利用するものである、空き地のまま置いておいたのではどうにもならないということで、私はこれは活用するべきである。そうして、土地の値段が上がるわけじゃないんです。ちょうどあいているところへこちらを選んでいただくというだけでございますから、それが八兆円で済むわけですから、そういう意味では最後的にあらゆる日本の限られた、しかも先ほど佐藤先生おっしゃった、日本の土地は七〇%山、三〇%の平地、それをいかに利用するかということが私は大きな課題になっていると思いますので、ぜひそういう意味では、税制もさることながらまず土地利用をする、限られた土地をいかに有効に、また住みやすい土地にして、建物が高くなれば緑の空間をつくることもできるという、美しい景観の、しかも環境を加味した二十一世紀型の町づくりの大きな役に立つということを私は理想とし、また現実に近づけようとしています。
#213
○戸田邦司君 私は、そういうときに、この土地収用法で収用する場合もそうだろうと思うんですが、やはり税制上のインセンティブとかそういうことをしなければ、新しい土地を取得して、等価交換の場合というのはありますけれども、等価交換にだっていろんな条件がありますから、一概に可能だと言えない。
 新しい土地を取得すれば、土地取得税、登録免許税、そういったものが新たにかかってくる。ですから、そういったところも配慮して、税制上の優遇措置をすることによってインセンティブを与えなければ、大臣おっしゃられるようなこともなかなか、皆さんがそれじゃやってやろうかという気になってくれないんじゃないかと、こう思いますので、その点も十分御配慮いただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#214
○島袋宗康君 平成十一年度の事業認定件数は七百八十三件とのことでありますけれども、直近十年間の認定件数の推移はどのようになっておるか、お尋ねいたします。
#215
○政府参考人(風岡典之君) 平成三年から十二年の十年間ということで、大臣認定、都道府県知事、あるいはその両者の合計ということで推移をお示しさせていただきたいと思います。
 まず大臣認定についてでございますが、平成三年から十二年の十年間におきまして、平均は年間百六十九件になっております。最も多い年は平成四年でありまして百九十四件であります。最も少ない年が平成十二年度でありまして百二十件であります。
 一方、都道府県知事の認定についてでありますが、やはり平成三年から十二年の十年間で申し上げますと、年間の平均は八百九十三件でございます。最多は平成五年の千百二十一件、最少は平成十二年の五百六十七件であります。両者を合計しますと、十年間の平均は一千六十三件でありまして、最も多い年は平成五年の一千三百件、最も少ない年は平成十二年度の六百八十七件となっております。
#216
○島袋宗康君 収用委員会の権利取得裁決及び明け渡し裁決の件数及び直近十年間の件数の推移は、どのようになっておりますか。
#217
○政府参考人(風岡典之君) 権利取得裁決でございますけれども、これも平成三年から平成十二年度の十年間で見ますと、年平均では百二十二件であります。最も多い年は平成十二年度の百七十四件です。最も少ない年は平成九年度の八十件であります。
 一方、明け渡し裁決でございますけれども、これも十年間の平均は年百二十五件であります。最も多い年、平成十二年度百八十一件、最も少ないのは平成九年度の八十五件となっております。
#218
○島袋宗康君 事業認定後、収用委員会における裁決までの所要期間はどのくらいの期間になっておりますか。そして、その期間は長過ぎるのか、それとも適切な期間なのか、お伺いいたします。
#219
○政府参考人(風岡典之君) 十二年度の調査によりますと、事業認定の告示から権利取得裁決までの平均所要期間は約十四カ月になっております。それは、内容としましては、事業認定の告示から裁決申請までが約七カ月、それから裁決申請から裁決が出るまでが約七カ月ということで、全体が十四カ月ということで、全体としては速やかに処理をされているというように考えておりますが、ただ平均七カ月で処理をされている裁決申請から裁決までで事案によっては三十カ月以上も要した案件も見られておりますので、そういう意味では極めて長い案件もあります。ただ、今回の改正によりまして、こういった案件につきましても相当期間の短縮は図られると、このように考えております。
#220
○島袋宗康君 これは、県収用委員会にその手続を依頼するんですか。
#221
○政府参考人(風岡典之君) 収用委員会につきましては、これは都道府県にも置かれている収用委員会で審理をしていただくと、こういうことになります。
#222
○島袋宗康君 今非常にばらつきがありますけれども、都道府県の収用委員会で全国平均して一番期間が長過ぎだとか短いとかというふうなあれがありますか。
#223
○政府参考人(風岡典之君) 特に長期間を要した案件ということで、平成十一年度はこれは東京都の日の出町の二ツ塚廃棄物処分場でありまして、これは三十四カ月かかりました。それから十二年度でいきますと、これは東京都の都市計画道路のケースで三十カ月というケースがあります。これが長期間を要した個別案件であります。
#224
○島袋宗康君 土地収用法は昭和四十二年以降大きな改正はなされなかったわけでありますけれども、それはどうしてなのか、その理由をお尋ねいたします。
#225
○国務大臣(扇千景君) 島袋先生ももう既に御存じのことだろうと思いますけれども、先ほどから申しておりますように、この土地収用法というのは昭和二十六年に制定され、しかももう約半世紀が経過しておりますけれども、昭和四十二年以来抜本的な改正がされておりません。
 その理由としては、事業認定におきます住民の意見の反映あるいは情報公開が必ずしも十分でないと認識されるようになった、こういう社会情勢等としても私は変わってきたと思うんです。
 そしてまた、厳しい財政事情を踏まえまして、公共事業のより一層の効率化とかあるいは迅速化の要請が強まっております。そういう意味では、今、局長から言いましたように、一つのところで余りにも長くかかり過ぎた。いろんな事例がございます。幾ら損失したかというような、半蔵門の地下鉄線のことで二百四十億の損失があったとか等々数字はありますけれども、公共である限りは多くの皆さんに御理解いただいて、そしてより迅速に、そしてコストの縮減をしていくという、こういう時代に来て、また今それが国民の皆さんに御理解いただけるようにしていこうということ。
 また、公共事業に関しまして、生活再建補償ですね。先ほどからも議題になっておりますように、皆さん方の生活の再建補償、あるいは補償の充実ということから考えますと、どうしても生活再建支援ということまでも配慮した状況をしなければいけないということが時代とともに変わってきたと。
 また、収用対象事業につきましても、先ほどからお話に出ておりますように、循環型社会形成の見地からその見直しが必要になった。ごみ処理も含めまして、今の二十一世紀型の循環型社会をつくらなければならないというような、大きな二十一世紀型の、この日本のあり方の基本にかかわることということで公共事業の見直しがされ、また国民の皆さんの認識にも多く周知していただく徹底方法、周知徹底する方法というものが多岐にわたった方法が選べるようになったということも、私は大きな時代の流れとともにこの法案をお出しして、皆さんに御理解いただこうということでございます。
#226
○島袋宗康君 土地収用制度調査研究会の報告の趣旨を踏まえて試案ができ、そして今回の改正案ができたわけですけれども、この調査研究会のメンバー構成の公平性、公正性は確保されているのか、その辺についてお伺いいたします。
#227
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の土地収用制度調査研究会でございますけれども、これは収用制度の抜本的見直しにつきまして調査研究を行うということで、昨年五月に旧建設省の建設経済局長の私的諮問機関として設置をしたものでございます。
 メンバーでございますけれども、全体二十名で構成されておりまして、それぞれ専門の分野としましては、法律あるいは環境とか都市計画とか行政とかNPOの方も含めて、多様な分野の有識者の方から成っております。そういう意味で、収用制度を見直すに当たりましてふさわしい人選がされ、また中立的な立場での検討がなされたというように考えております。
 また、この研究会の検討と並行的に、各都道府県あるいは起業者、環境団体、NPO等各種団体、これが百十団体、またそれのほかに被収用者、これは百六十二名ですけれども、そういった方々にもアンケート調査をするということで、そういった結果を踏まえながらこの研究会で御議論していただいたと、こういうことでございます。
#228
○島袋宗康君 その調査研究会の報告においては、「事業認定に関する手続において、情報公開と住民参加の手続を保障することなどにより、その透明性・公正性・合理性を確保することが必要である。」というふうに述べております。これを受けて、改正案には事業説明会や公聴会などの開催を義務づける規定が設けられております。
 この事業説明会に関し、日弁連意見書は、「現行における土地収用法の最大の問題点が「事業そのものの合理性の有無」にあることを勘案すると、事前説明会が形式的な手続の採用に止まることなく、実質的に機能する制度に高める必要がある。」との観点から、省令の策定に当たり考慮すべきことの一つに、「説明会の対象者を土地所有者に限定することなく、当該事業により社会生活上の影響を受ける者すべてを網羅することを考慮」すべきであると言っておりますけれども、その点についてはどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
#229
○政府参考人(風岡典之君) この事前説明会の参加者でございますけれども、条文上は土地所有者及び関係人という表現ではなくて、「事業の認定について利害関係を有する者」と、こういうようにしております。
 この利害関係を有する者の考え方については、先ほど来御答弁させていただいておりますけれども、起業地内の土地の所有者など法律上の利害関係を有する者だけではなくて、経済的あるいは社会的な利害関係を有する者も含めて利害関係者というようにしておりますので、御指摘の日弁連の意見書には私ども沿ったものだというふうに理解をしております。
#230
○島袋宗康君 日弁連意見書は、事業説明会の周知方法についても、官報によるだけでなく、地方紙、全国紙、インターネットのホームページ等を利用して国民がいつでも知り得る状態にすべきであると言っておりますけれども、その辺についてはどのようにお考えなのか。
#231
○政府参考人(風岡典之君) 事前説明会の開催の周知というのは、これは非常に大切なことだと思っております。私ども、事前説明会の開催に当たりましては、利害関係者への周知を徹底するということが重要だというふうに思っております。このことは、円滑な事業の実施のみならず、結果としてそれ以降の事業認定手続とか収用委員会の審理の円滑化を図るという意味でも重要であります。
 具体的には、当該起業地の地方紙に周知をするとともに、把握できる範囲内で土地所有者の方にも個別に通知をするというようなことをやり、できるだけ十分な周知を図っていきたいというふうに思います。また、運用としましては、ホームページを活用するというようなことも含めて、いろんな手段をとっていきたいと、このように考えております。
#232
○島袋宗康君 それで、公聴会については、形式的開催に流れることなく、公正で信頼できる制度として設計されるべきである、そのためには討論形式を導入した対審型構造を考慮したらどうかというふうに述べております。これについてはいかにお考えですか。
#233
○政府参考人(風岡典之君) 公聴会は、公共の場で事業の公益性について広く利害関係者から意見を求めるものであります。事業認定庁は、公聴会で出された意見も積極的に考慮に入れた上で事業の公益性について判断をするということになります。
 公聴会の開催の手続でございますけれども、公述人相互間で質疑を行うことが事業について住民の理解の促進にもつながるということもありますし、また欧米の公聴会の例を見ますと、起業者とそれから地域住民との質疑を認めているような例もありますので、私どもとしましては、公述人は公聴会の主催者の許可を得て他の公述人に質疑をすることができるような措置、こういったものを省令等で明らかにしていきたいというふうに思っております。
#234
○島袋宗康君 公聴会の開催請求をできる者として利害関係人の範囲が不明である、狭く解すると公聴会が形式に流れる危険があるので、当該事業により社会生活上の影響を受ける者すべてを含む旨を省令等に織り込んだらどうかとの意見が出されておりますけれども、これについてはどうお考えですか。
#235
○政府参考人(風岡典之君) 公聴会の利害関係者につきましても、事業説明会の利害関係者と同様、権利者だけではなくて、経済的、社会的に利害関係を有する者も包含しているということであります。したがいまして、事業により社会生活上の影響を受ける者、これも含んだものでございます。
 この内容につきましては、改めて定義を省令でするということは現在考えておりませんが、今のような考え方をいろんな機会に周知を図って考え方の徹底を図りたいと、このように考えております。
#236
○島袋宗康君 第三者機関による意見聴取についても、例えば第三者機関が事業認定不可の判断をしたときに、再度の公聴会開催を義務づける等の制度を考慮すべきであるとの意見も述べておられますけれども、この点についてはどうお考えですか。
#237
○政府参考人(風岡典之君) 欧米の制度を見ますと、確かにそういうような形で再度公聴会を開くというような、そういう国もございます。私どもは、今回の公聴会につきましては、事業認定庁が事業認定の判断をするに当たっての参考ということで一般の御意見をいただくわけでございまして、認定庁はそれを踏まえて総合判断をするということになります。
 また、それに当たっては、第三者機関の意見というものを聴取してそれを尊重するということになりますので、第三者機関の意見を踏まえることができない特別な事情がある場合以外は第三者機関の意見に従って事業認定を行うということになりますので、私どもとしましては改めてそういった公聴会等を開く必要はないと、このように考えております。
#238
○島袋宗康君 日弁連意見書は、事業認定の違法を収用委員会審理で主張することを制限する規定を置いていることは、取り消し訴訟においてその主張を許す裁判例があることからも、違法性の承継を行政段階で排除する規定の実効性は疑問だと言っております。
 この点についてはどのようにお考えですか、お尋ねいたします。
#239
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘の裁判例、確かにそういった事例もあるわけですけれども、逆に行政手続の安定性を図る見地からそういったものを認めないという裁判例も学説もあるわけでございまして、その意味では両方の考え方があるということであります。ただ、御指摘の裁判例を見ましても、そこにおきましては、収用委員会の審理において事業認定の違法についての主張を認めているということではないというふうに理解をしております。
 私どもとしましては、これは事業認定についての機関とそれから収用委員会の補償金を確定する機関というのをそれぞれ別々に設けて役割分担をするという考え方でございますので、収用委員会の段階においては、事業認定についての違法という主張は、これはもう役割分担の考え方から見てもそこは整理をさせていただく必要があるのではないかというふうに思います。
 ただ、事業認定につきましては、これは今回の手続におきましては、事前説明会、公聴会の開催、第三者機関の意見聴取、理由説明ということで、そこは住民の御意見あるいは第三者の意見も入れて慎重な手続で判断をしておりますので、そのことも踏まえて、収用委員会におきましての主張についてはおのずと限界を設けさせていただくことも認められるのではないかと、このように思っております。
#240
○島袋宗康君 大臣にお尋ねいたしますけれども、土地収用制度に関するアンケートの実施をされましたが、調査項目の総論二の「自然環境の保全及び良好な環境の創造の見地からの問題点」に対して、環境団体、NPOなどから事業認定等において環境への配慮が不十分であることを問題とする意見が多く出されたとのことであります。
 そして、収用法の目的に自然環境保全との調整を加えることや事業認定の要件に自然環境保全に反しないことを加えること等の意見が出されたとのことでありますけれども、今回の改正案においては、これらの問題点についてはどのように考慮が払われておるか、お尋ねいたします。
#241
○国務大臣(扇千景君) 島袋先生がおっしゃいますように、事業認定の公益性の判断、これは対象となる事業から得られる公益またはそれを失われる公益と両方ございます。また、私益の総合的な比較考量によりまして、現行法においても比較考量の要素として、今、先生がお読みになりました自然環境への影響、これは当然に私は考慮されていると思っておりますし、また考慮しなければならない。そして、環境アセスの実施から長期間、これは長期間といっても十年程度でございますけれども、経過したような場合におきましては、改めて起業者に対して事業認定申請時における最新のデータを提出することを求めることができるようになっております。
 そういう意味では、今回の改正によりまして、少なくとも国土交通省の認定を行うに当たっての意見を聴取することとなります基本的な社会資本整備審議会におきましても、委員として自然環境の専門家を加えること、これも私は大事なことだと思っております。委員会になりますか分科会になりますかわかりませんけれども、それに対しても少なくとも自然環境の専門家を加えるということで、私は環境アセス、また今、先生がお読みになりました収用法の目的に自然環境保全との調整を加えることということに対しても、メンバーの中にそういう方をお入れすることによってこれは担保されるものであると、そういうふうに考えております。
#242
○島袋宗康君 先ほども昭和四十二年以来の初めての改正であるということを御説明いただいたわけでありますけれども、抜本的な改正がなされていないで、その後の社会情勢の変化を踏まえて公共事業の抱える課題に的確に対応していくためにその見直しが必要であるというふうに言われておりますけれども、公共事業の抱える課題と言っているのは、先ほども説明がありましたけれども、どういうふうなことがこれから、最大の、この改正の理由をもう少し説明してくれませんか。
#243
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほど申しましたように、公共工事、そういうものに対する多くの住民の理解、あるいは情報化時代によって国民の皆さんがあらゆることに総合的に目を向けてくださるような、こういう環境整備もできてきたというのが大きな一つの要件だと思います。
 また、円滑かつ効率的な実施の確保という、少なくとも公共工事が真に国民に喜ばれるものでなければならない、よくこういうのができたなと感謝されるというのが、私は本当は公共事業だと思うんですね。その公共という意味の今歓迎されない理由はどこにあるかと。それが先ほどからお話ししておりますように、ある意味では事業の一番最初から住民参加という手続に手が届かなかった部分があるのではないかと。そういう反省において、これからは少なくとも事業を計画したときから住民に参加していただく。二十一世紀なんですから、いけなかったことはいけなかったこととして今の時代に合ったように改めていこうということも、大きな私は要素の一つであろうと思います。
 また、先ほど申しましたように、環境というものをいかに二十一世紀は大事にしなきゃいけないかと。昭和四十二年ごろと今とはもう全然違う、あらゆるところで環境破壊が起こっていると。それを改めて二十一世紀型の環境を加味した公共工事をしなければいけないんじゃないか。そのためにも、皆さん方の御意見を聞くということを私は大事にしなければいけないと。今回の基本的な考え方によって、二十一世紀だからこそ皆さん方の参加型で、なおかつ大事な要点を押さえながらこの収用法の改正というものにぜひ御理解を賜りたい。そういう意味で、今回これを提出したというのが大きな意味であるというふうに御理解賜りたいと思います。
 重ねて三つの大事なことを言いたいと思いますのは、事前説明会を大事にする、これは基本的なことである、事業内容を周知徹底するということが大事なこと。また、公聴会をつくり、その公聴会の内容を皆さん方に公表すると、内容を。そういう意味でも、公聴会のあり方というものを多くの皆さん方に公表することによって知っていただくということが二つ目でございます。改めて第三者機関というものをつくり、あらゆる専門家にお入りいただき、なおかつ所管庁のOBは入れないと、これも新たな第三者機関でございます。
 そういう意味で、二重三重の担保をつけて、皆さん方に真に土地収用法をかけないでも公共工事に御賛同いただけるというのは基本ですけれども、なおかつ皆さんから預かった税金の工事がむだのないようにするためにこの法案を改正させていただくという、多くの趣旨を持った改正案であるということを申し上げたいと思います。
#244
○島袋宗康君 先ほど、都内のいわゆる都市計画の五五%は完成しているけれども四五%はまだ未完成だと。この土地収用法ができることによってそれが本当にうまくいくのか、あるいはまたどうなのか、その辺は見守っていきたいと思いますけれども、その辺についてはどういうふうなお考えですか。
#245
○国務大臣(扇千景君) 都市計画はもともと東京都のことでございまして、各県に土地収用委員会ができております。ですから、その県その県での土地収用委員会がそれぞれ決断されることでございますから、私が国としてこうしろよという、そういうおこがましいことを言うつもりはございませんので、それぞれの県の知事さんのもとに土地収用委員会が設置されたところで、いろんな御意見が出てきて、御判断されることだと認識しております。
#246
○島袋宗康君 終わります。
#247
○委員長(今泉昭君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は、来る二十八日午前九時三十分に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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