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2001/05/24 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第8号
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2001/05/24 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第8号

#1
第151回国会 経済産業委員会 第8号
平成十三年五月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任   
     林  紀子君     山下 芳生君
 五月二日
    辞任         補欠選任   
     荒木 清寛君     風間  昶君
 五月十日
    辞任         補欠選任   
     加納 時男君     中島 啓雄君
 五月十一日
    辞任         補欠選任   
     中島 啓雄君     加納 時男君
 五月十六日
    辞任         補欠選任   
     直嶋 正行君     小川 勝也君
     本田 良一君     竹村 泰子君
 五月十七日
    辞任         補欠選任   
     小川 勝也君     直嶋 正行君
     竹村 泰子君     本田 良一君
     海野 義孝君     益田 洋介君
 五月十八日
    辞任         補欠選任   
     益田 洋介君     海野 義孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 紀文君
    理 事
                畑   恵君
                保坂 三蔵君
                山下 善彦君
                足立 良平君
                西山登紀子君
    委 員
                魚住 汎英君
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                松田 岩夫君
                吉村剛太郎君
                直嶋 正行君
                本田 良一君
                藁科 滿治君
                海野 義孝君
                風間  昶君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
                水野 誠一君
                渡辺 秀央君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       大村 秀章君
       経済産業大臣政
       務官       西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     鶴田 康則君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       坂本由紀子君
       経済産業省産業
       技術環境局長   日下 一正君
       国土交通省道路
       局次長      峰久 幸義君
       環境省環境管理
       局水環境部長   石原 一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○計量法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十三日、林紀子君が委員を辞任され、その補欠として山下芳生君が選任されました。
 また、去る二日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加藤紀文君) この際、平沼経済産業大臣、松田経済産業副大臣、古屋経済産業副大臣、西川経済産業大臣政務官及び大村経済産業大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。平沼経済産業大臣。
#4
○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。
 このたび、新内閣のもとで再び経済産業大臣を拝命いたしました平沼赳夫でございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。
 小泉内閣のもと、私たちは、二十一世紀にふさわしい経済社会システムを確立すべく、新たな改革に乗り出そうといたしております。改革の道筋は平たんではないかもしれません。しかし、新しい時代を切り開く挑戦の芽は我が国の至るところで生まれ始めており、私たちに求められていることは、痛みを恐れず、強い意志を持って改革を実現していくことであります。私は、昨年七月に通商産業大臣に任命され、さらに本年一月からは初代の経済産業大臣として、経済構造改革の推進等、経済産業行政に全力で取り組んでまいりましたが、今般、決意も新たに、真に豊かで誇りに満ちた自立型の日本経済を構築すべく、全力を傾注する所存でございます。
 まず取り組むべき課題は、日本経済再生のための経済構造改革の断行であります。
 このため、まずは先般取りまとめられた緊急経済対策を速やかに実行に移す必要があります。経済産業省といたしましても、産業再生法の活用等により、不良債権処理とあわせ、企業の前向きな事業再構築による産業再生を進めてまいります。
 また、昨年末に「経済構造の変革と創造のための行動計画」を取りまとめ、二百六十項目に及ぶ具体的な施策の実施に鋭意取り組んできておりますが、この行動計画をさらに重点化・拡大すべく、具体的な提案をしていきたいと考えております。
 産業構造改革・雇用対策本部においては、この提案等を踏まえて、新しい市場や雇用の創出に向けた施策を早急に検討し、迅速に実行してまいります。
 また、不良債権処理や企業再建に伴う影響を最小化するとともに、中小企業の多様で活力のある成長発展を目指して、円滑な資金供給の確保等、中小企業政策の推進に全力で取り組んでまいります。
 さらに、我が国経済の中長期的な成長のためには、新しい市場の創出のためのイノベーションの推進、エネルギー・環境制約の克服と成長要因への転換、IT革命への対応等に取り組むことが必要であります。このため、産業技術力の強化により、イノベーションを促進すべく、産学官連携による重点的、戦略的な研究開発、科学技術システム改革を推進いたします。
 環境政策につきましては、大都市圏エコタウン構想の推進等、効率的な循環型経済システムの形成を目指すとともに、地球温暖化問題については、米国の京都議定書への参加を強く働きかけ、七月に開催されるCOP6再開会合に向けた交渉に全力を尽くしてまいります。
 エネルギー政策については、環境保全、効率化、安定供給といった政策目標を実現するための幅広い検討を進めるとともに、省エネルギー、新エネルギー、原子力立地の推進と原子力安全の確保、プルサーマル計画の実施等を着実に進めてまいります。
 IT革命への対応につきましては、電子商取引の特質に応じたルールの整備、電子政府の実現、IT人材の育成等の施策を推進してまいります。
 一方、世界各国では、国内の制度改革を競う一方、自国に有利な形で各国制度間の調和を追求する動きが活発化しており、我が国といたしましても国内経済政策と表裏一体のものとして、戦略的な対外経済政策を推進する必要があります。
 このため、本年十一月のWTO閣僚会議に向けて、十分に幅広い交渉を行う新ラウンドを立ち上げるべく最大限の努力をするとともに、日シンガポール新時代経済連携協定の年内合意、日米間の新たな経済対話の枠組みの具体化等、多層的なアプローチで政策を展開してまいります。
 以上申し述べた課題への取り組みの一環として、今国会に所要の法案を提出しているところでございまして、よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
 国民各位の御理解のもと、経済産業行政に全力を挙げてまいる所存でございますので、御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
#5
○委員長(加藤紀文君) 松田経済産業副大臣。
#6
○副大臣(松田岩夫君) 経済産業副大臣に再任されました松田岩夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 引き続き平沼大臣を補佐し、経済構造改革をさらに推し進め、日本経済を自立的な回復軌道に一刻も早く乗せるべく、全力で取り組んでまいる考えでございます。
 加藤委員長を初め委員各位の皆様方には、これまで同様御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。
#7
○委員長(加藤紀文君) 古屋経済産業副大臣。
#8
○副大臣(古屋圭司君) このたび新たに経済産業副大臣を拝命いたしました古屋圭司でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 企業の創造的な経済活動を促進し、新規産業を創出するなど、二十一世紀にふさわしい経済並びに社会システムを確立すべく、平沼大臣を支えつつ、経済産業行政に全力を傾注してまいる覚悟でございます。
 加藤委員長を初め委員の皆様方の御指導、御支援をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(加藤紀文君) 西川経済産業大臣政務官。
#10
○大臣政務官(西川太一郎君) 経済産業大臣政務官を再び任命いただきました西川でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 平沼大臣のもと、これまで経済産業行政の推進に取り組んでまいりましたが、時代に即応した行政ニーズに適切に対応すべく、さらに全力を尽くしてまいる所存でございます。
 加藤委員長初め委員の先生方には引き続き法案等の御審議をお願いすることになりますが、これまでにも増して御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。
#11
○委員長(加藤紀文君) 大村経済産業大臣政務官。
#12
○大臣政務官(大村秀章君) このたび経済産業大臣政務官を拝命いたしました大村秀章でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 経済社会を取り巻く環境が内外ともに大きく変化をする中で、平沼大臣を支え、課題の山積する経済産業行政の遂行に一生懸命邁進してまいりたいと考えております。
 加藤委員長初め委員の皆様方には大変にお世話になりますが、特段の御指導、御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。
 よろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#13
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 計量法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長坂本由紀子君、経済産業省産業技術環境局長日下一正君、国土交通省道路局次長峰久幸義君及び環境省環境管理局水環境部長石原一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#15
○委員長(加藤紀文君) 計量法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#16
○本田良一君 本田良一でございます。
 私は、この計量法の質問をするに当たりまして、冒頭、国を初め全国津々浦々、地道な計量行政というものに携わっておられる職員の皆さんあるいはまた計量士の皆さんに、このことにつきまして心から敬意を表してこの質問をさせていただきます。
 まず、今回の法案が、ダイオキシン等の極微量物質にかかわる適正な計量の実施と計量証明の信頼性の向上を図るため計量単位を見直すというものでありますが、この際、この質問に当たり、計量法を広く認識していただくという観点から質問をさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。
 計量制度は古来から国家の骨幹をなす制度でありました。例えばこの分量を一升と定めると統治者が規定をして、それが全国津々浦々にまで浸透して経済活動がなされてきました。そして、その統治者はその国を支配したことになったのであります。
 度量衡というのはまず蒙古のジンギスカンから始まったわけでありますが、国家の権威と財源の確保のために必要な制度でありました。しかし、私は、今日の計量制度の意義は国家権力の存立にあるのではなく、高度消費社会における消費者保護にあるのではないかと考えますが、大臣の御見識をお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のように、計量制度というのは貨幣制度と並びまして古来から社会生活に不可欠なものとして国家の基本となる制度でございまして、経済活動、産業活動、国民生活における計量の信頼性を担保する社会的な基盤だと思っております。
 我が国の計量制度は、古くは千三百年前の大宝律令の制定にその端を発すると、こういうふうに言われておりますけれども、その大宝律令や、また権力者でございました豊臣秀吉の太閤検地に際しては、国家の租税制度に主眼が置かれたものと承知をいたしております。
 これに対しまして、明治二十四年の度量衡法の制定によって近代的な法制度が整えられまして、昭和二十六年には計量法が制定されまして、現在に続く制度の骨幹が整備をされているわけでございます。このような時代の変遷を経て、現在の計量制度におきましては、現代の社会にありまして適正な計量の実施を通じまして経済の発展や文化の向上を図ることを目的とするものとなっております。
 その一環といたしまして、現在の制度は消費者の保護を図る側面といたしましても、精米や食肉、灯油等の商品について一定の公差の範囲内で事業者が販売することを義務づける商品量目制度なども導入されているものとなっておりまして、歴史的に見ますと確かに国の権力というものが統治をしやすい、その一つの目安としてこういういわゆる計量制度というものが設けられましたけれども、明治以降、近代国家になるに従って、やはり消費者の立場に立つというようなそういう側面の中で私は現在計量法がある、このように認識しております。
#18
○本田良一君 大臣も私と同じ消費者の保護の考えを持っておられまして、大変安心をいたしました。
 それでは、これは平成四年五月二十日に改正がなされた計量法ですけれども、ところがこの計量法の中には今日に至りましても条文の中に消費者保護をうたっていないんですね。だから、この条文に消費者保護を一項入れる、このことのお考えはいかがでございますか。
#19
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えを申し上げます。
 計量法の目的というのは、計量の基準を定めまして、適正な計量の実施を確保いたし、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することとなっております。この法目的を実現するため、商品量目制度や各家庭で使用する水道メーター等の検定を行っておりますが、これらは計量における一般消費者の保護に貢献をしているものだ、このように思っております。
 したがって、計量法の条文の中には御指摘のように消費者保護という文言は入っておりませんけれども、消費者保護の趣旨やそのための制度は既に計量制度に盛り込まれている、私どもはこのように認識をいたしているところでございます。
#20
○本田良一君 私は、これを地方議員でありました市会議員のとき、また県会議員のときも、この計量法をずっと扱ってまいりました。その都度今のように申し上げまして、国の方の見解を今初めて聞いたわけですが、地方では国の方でやることなのでという答弁でありましたけれども、きょう大臣から改めて国の御意見を聞きましたが、そのような答えになるのではないかなと、こう思っておりましたが、もう今世紀でございますので、それぞれの計量行政をぴしゃっとやればちゃんと消費者保護につながっていくんだということであっても、やっぱり法は法として明文化をしておくということはこれから重要なことだと思いますので、そのことが軽視をされない、警鐘になると思いますから、ぜひ今後ひとつ御検討をお願いしたいと思います。
 次に、以前に公害問題が騒がれていたころ、ppmという計量単位が我々の耳に懐かしいのでありましたが、ppmは計量単位として百万分率というそうであります。今回、新たにこの法案で定めようとする極微量物質の計量単位は、さらにその百万分の一の一兆分率と、さらにその千分の一、千兆分率であります。
 現在の法律で定められているppmなどの計量単位は昭和四十九年に改定をされました。三十年とたたないうちに今回の見直しでありますから、いつの日かさらにこの基準では対応できない超微量物質の測定が必要になるやもしれません。今回の改正で果たして今後何年ぐらい大丈夫でございましょうか。二十一世紀中とまではいかなくとも、五十年くらいの見直し期間が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
#21
○副大臣(松田岩夫君) 計量法におきましては、我が国の取引または証明に使用される計量単位を定めておるわけでございますが、計量単位を統一いたしますことは経済の発展あるいは学術の振興等の基礎を築く上で必要不可欠なものでございます。過去におきましても、計量単位としてメートル法を統一的に採用することによりまして、工業製品の規格化を通じて生産性の向上に寄与するなど、我が国の産業経済の発展に大きく貢献してきたところであります。
 計量単位にはこのような経済社会の基礎をなすという性質、つまり社会全体に極めて大きな影響を与えるということから軽々に変えられないという、安定性といいますか、そういう性質が求められるのは当然でありますが、また同時に、技術の進展等の時代の要請に的確に対応していくことも求められるものであります。
 今回の法改正によりまして、御指摘のpptとかあるいはppqといった単位を追加するわけでありますが、これはまさにこのような見地から現在や将来に見込まれる単位として新たに加えようとするものであります。昨今のように、技術の進歩が極めて速い時代にありまして、今後どれだけの期間に新たな計量単位のニーズがあらわれるか今見込むことは極めて困難なことであるかと存じますが、いずれにいたしましても、今申しました安定性と時代への対応の双方の要請にいかにうまくともにこたえていくかということが基本かと存じます。
#22
○本田良一君 次に、また二十一世紀に日本が新しい計量単位を生み出し、国際計量単位として採用される可能性はありますか、お伺いをいたします。
#23
○副大臣(松田岩夫君) 今申しましたように、現在の国際社会は極めて技術進歩も著しく、また変化の激しい時代でもあります。このような時代にありまして、新たな技術の開発に伴って新たな計量単位を必要とする場面がないとは決して断ぜられないと思うわけであります。
 計量単位は国際的に共通であることが求められるものでありますが、昨今の技術進歩、今申しましたように目覚ましい時代の中にあって、むしろ我が国で活発な技術開発が見られ、これによって新たな我が国初の計量単位があらわれ、ひいてはこれが国際的にも認知された共通なものとなっていくといったようなことを大いにともども期待したいものだと思うのであります。
#24
○本田良一君 今、松田副大臣の答弁、私もその辺が意図するところでございます。実を言いますと、これは後でその点を具体的にも述べたいと思いますので、次に回させていただきます。
 今回の法案では、計量制度を構成する幾つかの要素、計量器、計量証明事業、計量士、国家計量標準などのうち、計量証明事業にだけ焦点が当てられております。極微量物質の計量ニーズの増大に対応するのであれば、計量士などの資格検定制度について、あるいは計量器などのハード面についても新たな基準を設定するなど、何らかの見直しが必要ではないかと思いますが、そこで以下お伺いをいたします。
 まず、計量制度を支える人的資源として計量士があります。我が国全体で現在有資格者は何人ぐらいでしょうか、また毎年新たに資格を取る人はどのくらいいるでしょうか。
 次に、計量士という存在は一般市民から見ればなかなかその姿が見えない。現在、既に資格を持っている計量士は主にどこにいるのでしょうか。彼らは今回の法案の対象となる極微量物質の測定に対応できるのでしょうか、それとも新たな研修が必要なのでしょうか。もしそうだとしたら、そういう研修を実施する考えはおありでございましょうか。
 次に、現在の計量士認定の基準について、今回の改正に合わせた見直しの必要性はないのでしょうか。
 以上、まず区切ってお聞きします。
#25
○副大臣(松田岩夫君) 幾つかの御質問をいただきまして、順次御答弁させていただきます。
 まず、計量士のことでございますが、計量士制度は、計量に関する専門の知識、技能を有する者に対して資格を与え、計量法に基づく一定分野の職務を分担させることによりまして、計量器の自主的な管理や適正な計量の推進に寄与することを目的に、昭和二十六年の計量法制定時に導入されたものであります。
 計量士には、大きく分けまして、質量分野の専門家である一般計量士と、環境分野の専門家であります環境計量士の二種類がございますが、これまでに一般計量士として約一万二千人が、また環境計量士として約一万人が登録されております。また、毎年新たに計量士資格を取得する者としては、年によってもちろん若干変動がありますけれども、最近の数字を申し上げますと、一般計量士が大体二百人前後、環境計量士が五百人前後となっております。
 次に、計量士は、なかなか市民の立場から見るとその姿が見えない、一体どこにおられるのかという御趣旨の御質問がございました。
 計量士は、計量に関する専門家として幅広く活動しておりまして、具体的には計量器の製造メーカー、計量器のユーザー、指定検定機関あるいは指定定期検査機関、計量証明事業者、各都道府県などにおきまして、その専門家として計量器の検査等の任を担っているわけでございます。また、計量士は、これらの業務以外にも消費者保護の観点からの適正計量の実施において重要な役割を担っていただいておりまして、例えば家庭用計量器の無料診断を各都道府県と協力して全国各地で行うなど、計量器に関する消費者からの相談にも積極的に対応していただいているところでございます。
 次に、今回の法案の対象となる極微量物質の測定に対応できるのかといったような御趣旨の御質問でございます。
 今回の法案の対象となります極微量物質の計量に当たりましては、実際の計量管理の任を担います計量士についても、極微量物質に対応した高い知識、経験が当然のことながら必要となるものであります。このような極微量物質に関しましては、濃度関係の環境計量士が大きく関係することとなりますが、濃度関係の環境計量士は、濃度一般の計量計測に必要な計量管理を既に身につけた方々でございます。したがいまして、それに加えて個別の各極微量物質に応じて必要となる専門的な知識、経験を確保していただくことができれば、極微量物質の計量計測にも対応できるものと考えております。
 なお、こうした専門的な知識、経験としては、極微量物質の計量に関する一定期間の実務経験というものを求めることとしておりますが、このような実務経験を積めるかどうかについては事業者によって対応できるところとできないところがあります。そういう意味で、実務経験を補う研修が期待されている側面もございます。
 こういった点も踏まえまして、今回の法改正に合わせまして、計量士に必要とされる知識、経験の習得に関しまして、この四月一日から発足させていただきました独立行政法人産業技術総合研究所において、専門的知識、経験を教授する研修制度を実施する予定としておりまして、国としても積極的に支援してまいる考えでおります。
 もう一点、現在の計量士認定の基準について、今回の改正に合わせた見直しは必要ではないかという御質問でございました。
 今回の法改正に深く関係する濃度関係の計量士につきましては、今申し述べましたように、濃度一般の計量計測に必要な計量管理を既に身につけておりますので、これに加えまして、今申しました個別の極微量物質に応じた専門的知識、経験を確保できれば対応できると考えております。したがいまして、今回の制度改正に当たりましては、極微量物質の計量証明に係る計量士につきましては、対象物質に係る知識、経験を追加的に求めることが適当であると考えております。これによって新たな資格区分を設けるなどといった複雑さが避けられます。
 御案内のように、規制緩和推進計画におきましても、こういった一般的に資格者の業務範囲等の細分化を避けて、業務範囲の統合、拡大を図れという方向で今規制緩和推進を進めておる考え方にも沿うことと存じます。そういう意味で、今申しましたような対応でまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#26
○本田良一君 どうも詳細にありがとうございました。
 特に、しかし今ユーザーとか、機器製造元とかそういうところに、県庁とか地方自治体にもいるということでありましたが、私どもが端的に知っているのは地方自治体の職員として計量士の免許を持っているということぐらいでありますが、それだけでも一般の市民は知らない方が多いわけでありますので、よければそういう点が今後、広報活動などでそういうある程度の分野に計量士が存在をしているという広報活動などをお願いしたいと思います。
 本当は身分的なこともお聞きしたかったんですが、財政上、計量士だけの免許を持っておって、国家試験を受けて計量士になって計量士だけで生計が立てられる、そういう状態であれば非常により消費者のためになるのではないかと、ここまで私は考えているんですけれども、今説明を聞いた範囲で今回は行きたいと思っております。
 次に、それではこの法案の中身であります計量証明事業についてお尋ねをいたします。
 今回、極微量物質の計量証明に当たっては、新たに工程管理の適切さを検査項目に加えました。そのため、計量証明事業者は、独立行政法人製品評価技術基盤機構または指定民間機関の認定を受けなければならないことになりました。指定民間機関の認定だけでなく、独立行政法人製品評価技術基盤機構もかませる理由は何でありましょうか。これは大臣でございます。
 もう一つ、当面は独立行政法人が主体となって進めるのはやむを得ないと思われます。そこで、民間機関が育つ見込みはあるでしょうか。育てば、独立行政法人は解散をするのでありましょうか。あくまで時限的措置でありましょうか。お尋ねをいたします。
#27
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 極微量物質に係る計量証明システム全体の工程管理が適切に行われていることについて認定するためには、認定する側も技術面や品質システム管理面でより高度な能力を持つ専門的機関であること、統一的、客観的及び継続的に責任を持って認定できる体制であることが必要であると思っております。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構は、従来から工業標準化法、計量法などに基づく同種の認定業務を実施しておりまして、かつそのための体制も有しておりますところから、今般の制度改正においても同機構を活用する、このようにしたところでございます。
 さらに、今般の制度改正においては、指定民間機関制度を導入しておりまして、技術面や品質システム管理面でより高度な能力を有し、かつ統一的、客観的及び継続的に責任を持って認定できる体制を有している民間機関であれば、積極的に指定することといたしております。
 なお、独立行政法人製品評価技術基盤機構は、これまでも国の機関といたしまして、工業標準化法や計量法などに基づく業務、バイオテクノロジー分野や化学分野などにおける各種データベースの構築、整備などの業務を実施しております。今回の認定事業については、機構の既存業務の一部を活用するものであるため、民間機関が育つことによって機構が解散することはない、このように考えておるところでございます。
#28
○本田良一君 独立行政法人を全体的に、この産業省の独立行政法人だけということではなくて、私は以前から大臣にも新産業創出のところで独立行政法人をなくして民に移行と、案外今の小泉首相のおっしゃることと似ておりますけれども、それを以前から主張しておりましたし、こういう点をやっぱり民で行うことによって新しい産業を起こすと。そして、既に民間指定機関になっている、民でやれないことはないという証明として、例えば今回のダイオキシンの測定に当たっても、現在、社団法人の日本化学試験所認定機構があり、財団法人の日本適合性認定協会があります。そして、存在をして現実に民でやっておりますので、これもやれないことはないと、そういうことで私は申し上げております。
 次に、独立行政法人はどの程度の料金で認定を請け負うのでありましょうか。料金は高過ぎないか、どのくらいの需要を想定しているか、年間収支はいかがでございますか。
 次に、製品評価技術基盤機構は、従来から経済産業省内で製品評価技術センターとして業務を行っております。この法案に先立って、この四月一日に独立行政法人としてスタートされたと聞いております。この法案の成立を見越した措置でありましたでしょうか。そもそもこの機構がどういう業務をして、組織はどうか、また年間の収支はどうなっているのか、全体像を教えていただきたい。これは副大臣でございます。
 もう一つ質問を。計量証明事業者認定制度がこの機構の新たな仕事として加わったわけでありますが、経済産業省内にあるときと比べ、担当人員の増加はあったのでありましょうか。このパンフレットの独立行政法人製品評価技術基盤機構、この中にちゃんと計量証明事業者認定制度、仮称とこの中でまだなっておりますが、そこのところまでひとつ御説明をお願いします。
#29
○副大臣(松田岩夫君) 順次お答えさせていただきます。
 最初に、独立行政法人はどの程度の料金で認定を請け負うのかという御質問でございます。
 認定に要します手数料につきましては、本法案が成立いたしました後に認定のために必要となる実費に対応した額を政令で設定することとなりますが、審査手続の合理化、効率化に当然努めさせていただく中で、できるだけ低廉化が図られるよう、具体的に検討してまいりたいと思っております。ちなみに、このような工程全体の審査を行うものの例では、およそ百万円内外を現在要しているようでございます。こういったことも踏まえまして、できるだけ低廉になるように政令で定めていく考えでおります。
 次に、これから決めることでございますが、料金は高過ぎないか、どのくらいの年間収支かとかいう御質問がございました。
 認定の手数料につきましては、今申しましたように、認定を確実に行うための実費を勘案して設定することとなるものでありますが、できるだけ合理化あるいは効率化に努めまして低廉化を図ってまいりたいと考えております。
 現在、ダイオキシン類の計量計測を確実に行っている事業者の状況を踏まえますと、今回新たに導入しようとしております認定制度における申請者数は、当面は全体でおよそ百から百五十程度と想定いたしております。
 年間収支についてでございますが、収入の額は今後定めるまさに手数料の額と年間の申請件数によって決まってくるわけでございます。その具体的な額を見込むことには困難がありますけれども、いずれにせよ実費を勘案いたしました手数料を設定して、収支相償の考え方に立って運営していく考えであります。
 次に、製品評価技術基盤機構、従来から省内に製品評価技術センターとして業務をしておったわけでございますが、この四月一日に御案内のとおり独立行政法人としてスタートしてございます。この法案の成立を見越した措置であるかという御趣旨の御質問でございました。
 御承知のとおり、独立行政法人は、各省庁などの国の機関とは独立した法人格を有するもので、政策の立案機能と実施機能とを分離する考え方のもとで、実施部門における効率性の向上を図ることを目的として創設されたものであります。独立行政法人製品評価技術基盤機構は、その前身であります製品評価技術センターの時代から工業標準化法や計量法などに基づく業務、バイオテクノロジー分野や化学分野などにおきます各種データベースの構築、整備などの業務を実施してきたものであります。
 製品評価技術基盤機構は、こういった実績をもとに独立行政法人として本年四月に、経済産業省といたしましては全体で五つ独立行政法人化が図られたわけでありますが、その一つとして本年四月に設立されたものでありまして、今般の計量法の改正を見越して独立行政法人化したという性格のものとは理解しておりません。
 それから、そもそもこの機構がどういう業務をして、組織はどうか、また年間の収支はどうなのか、全体像を伺いたいという御質問でございました。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構は、その設置法において、工業製品その他の物資に関する技術上の評価、工業製品その他の物資の品質に関する技術上の情報の収集、評価、整理及び提供などを行うこととされております。具体的には、工業標準化法や計量法などに基づく業務、バイオテクノロジー分野や化学分野などにおける各種データベースの構築、整備などの業務を実施しております。
 この機構は常勤四百十七名の役職員を現在有しております。各地方の経済産業局の配置に応じまして全国九カ所に支所を有しております。また、平成十三年度における運営費交付金として約七十五億円を受けておりまして、約八十億円強の事業を実施することとしております。
 最後に、この機構の新たな仕事として計量証明事業者認定制度が加わったわけですが、経済産業省内にあるときと比べて担当人員の増加はあったのかという御質問でございました。
 今申しました独立行政法人製品評価技術基盤機構の本年四月の設立時の常勤役職員数は四百十七名でございます。これは経済産業省の内部機関でありました製品評価技術センターの時代と全く同じでございまして、人員の増加はありません。また、今般の計量法の改正に伴います新たな業務についても、従来の人員の枠内で努力をいたしまして対処することとしております。
 以上でございます。
#30
○本田良一君 とにかく百万というその料金ですね、私も大体それくらいという予想を聞いておりました。これはやっぱり高いという感じを利用者に持たれる、こう思いますので、この辺をなるべく、今後低廉にと言っておられますから、ひとつその辺をお願いしたいと思います。
 次に、時間がありませんので半分ぐらいへし折るようなことになりますから、少し重要なところだけ行きますので、申しわけありません。
 特定計量証明事業の認定制度については、手数料の引き下げや手続の簡素化、認定機関をできるだけ全国に配置するなど、認定を受けようとする事業者の負担軽減に努めていただきたい。
 それから、消費者がデパート、スーパーなどで商品を購入する場合の量目の正確性はどのような形で維持管理されているのでしょうか。立入検査などは随時行っているのでしょうか。
 前回の平成四年の計量法改正では、「型式承認、検定の有効期間及び定期検査の周期の設定に当たっては、計量器の適正な機能の維持、消費者の利益保護に十分配慮すること。」、あるいは「計量法の適正な運用を図るため、立入検査、各種改善命令・適合命令及び報告徴収等適性化措置の積極的な活用に努めること。」という附帯決議が参議院でなされておりますが、これの実施状況はどのようになっておりますか。
 それから、あと二つほどちょっと同時にお願いします。
 また、経済を中心とした国際化、グローバル化の流れも見落とすことはできません。国際的な計量単位の統一は現状どの程度進展しているのでしょうか。また、そのための国際機関設立や国際会議の開催などは考えておられますか。
 次に、今回は極微量物質の環境測定分析のための法改正を目指すものでありますが、その重要性にかんがみ、国家標準物質の開発、供給、測定方法の国際標準化に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、いかがでございますか。
 以上、さんざん飛ばしまして済みません。
#31
○副大臣(古屋圭司君) 幾つかの御質問がございましたので、お答えさせていただきます。
 まず、計量の正確さを維持するための検査体制ということでございました。
 計量法におきましては、国民生活や産業界における適切な計量を確保するために、はかりであるとか水道メーター、電力メーター、タクシーメーターといった計量器に関する検定や定期検査を行っております。これらを適切に実行することによりまして、計量に対する国民からの信頼におこたえをしているところであります。
 まず、計量器の検査体制に関しましては、検定と定期検査というものに分かれておりますけれども、水道メーターであるとか電力メーター、タクシーメーターといった計量器の検定は、都道府県、日本電気計器検定所並びに指定検定機関において年間千六百八十万個実施されております。また、はかり等の計量器の定期検査は、都道府県や一部の市町村及び指定定期検査機関において年間約百万個実施されているというところでございます。これらの機関とは合理的で適切な検定や検査が行われますように今後とも引き続き密接に連絡をとってまいりたい、このように考えております。
 それから、附帯決議が参議院で付されているけれども、これらの実施状況はどのようなものか、こういった御趣旨の御質問だったと思います。
 これに関しましては、計量法におきましては、消費者保護の観点、これは委員も強く御指摘でございますが、消費者がスーパーマーケットなどで購入する商品のうち、かつてはいわゆるはかり売りをしていた商品、例えば精米であるとか精肉、灯油、こういった生活必需品などの二十九品目につきましては、一定の公差内で販売することを義務づける商品量目制度というものを導入いたしております。このような商品量目制度が適切に実施をされているかどうかを確認するため、地方公共団体においてはスーパー等に対しまして年間約一万二千件に上る立入検査を既に実施いたしておりまして、消費者が購入する商品の適正計量に向けて着実に処置を行っているところであります。
 また、型式承認、検定の有効期間及び定期検査の周期の設定につきましては、平成四年の法改正に伴う計量法施行令の立案の際に合理的な有効期間の策定のための検討を十分行ったとともに、その後も、平成九年度より五年計画で規制緩和推進計画に基づく見直しを行うなど、社会情勢に対応する適切な周期となるように努めているところであります。
 また、計量器を使用している者や計量器の製造業者に対しましても、地方公共団体において年間約五万九千件に上る立入検査を行っているところでありまして、適正な計量の実施の確保に努めているところであります。
 あと、国際的な計量単位の統一は現状どの程度推進をされているのか、また国際機関の設立や国際会議の開催等々、こんなような御質問だったと思いますけれども、まず国際的な計量単位の統一につきましては、科学技術や経済活動における単位系の確立と国際的な普及を目的とするメートル条約が一八七五年に締結をされております。我が国は一八八六年に加盟をいたしておりまして、このメートル条約に関する国際機関として国際度量衡局がパリに設立をされております。現在、メートル条約は約四十九カ国が加盟をしており、計量単位の国際的な統一を図っているところであります。アメリカあるいはミャンマー、リベリアというような一部の国を除きまして、世界的にもほぼメートル法で計量単位は統一されているということでありまして、計量に関する国際的な調和が進められているというところであります。
 我が国といたしましては、国際的な計量標準の統一に向けて引き続き積極的な対応を図り、計量分野における国際的な調和の推進に努めてまいる所存でございます。
#32
○国務大臣(平沼赳夫君) 国家標準物質につきましては、化学物質の計測、分析における技術的信頼性を確保するための基盤の一つでございまして、当省といたしましては、その重要性にかんがみまして従来から開発、供給に鋭意努めてきたところでございます。
 また、先般、閣議決定されました経済構造の変革と創造のための行動計画、科学技術基本計画に示された方針に基づきまして、二〇一〇年をめどに世界最高の水準、米国並みの約二百五十種類の整備を目指しまして、環境保全対策に必要なもの等に重点化しつつ、さらに強力に推進していく所存でございます。
 一方、環境測定分析、ダイオキシン等でございますけれども、その信頼性確保につきましても、その測定というのが国際的にも認められた方法で行われることが重要でございまして、当該測定方法の国際標準化活動にも、委員御指摘のとおり、積極的に取り組んでまいりたく全力で努力をしてまいりたい、このように思っております。
#33
○本田良一君 今申し上げました、そしてお答えをいただきました件は、足立理事からぜひこれだけは言っておけと言われたくだりでございますので、よろしく。
 それから、非常に幾つも重要なところがあるんですけれども、あと五分ですから。
 皆さんも御存じと思いますが、パブリックスケール、これが最も消費者と密接に関係するところであります。このパブリックスケールの設置状況は全国いかがですか。パブリックスケールは消費者保護の観点から設置を義務づけてはいかがでございますか。今回の法改正に加えることはできないでしょうか。事業者へ正しい量目による商品販売を啓蒙する機会も必要ではないでしょうか。
 それからもう一つ、これが恐らく最後になると思いますが、計量の日というのがありますが、正しい計量についての国民的啓蒙はどのようにされているでしょうか。また、表彰についてはどのような人たちを対象としておられますか。
 以上です。
#34
○副大臣(古屋圭司君) パブリックスケール関係の御質問と計量の日に関しての御質問ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 まず御質問のパブリックスケールについてでございますけれども、パブリックスケールとは計量制度上の用語ではありません。しかし、計量行政における消費者サービスの一環として一部の地方公共団体において行われていると、このように伺っております。これは制度的なものではありませんけれども、地方公共団体のサービス事業ということでありますため、その全体像ははっきりとは私どもは把握はいたしておりませんけれども、例えば千葉県などでは、スーパーやデパートといった販売店の中で消費者が自由に使えるはかりを設置していると、このように伺っておるわけであります。
 また、パブリックスケールの設置を義務づけてはどうか、こういった御質問でございますけれども、パブリックスケールは消費者保護の観点から有益なアイデアの一つというふうに考えております。不特定多数が自由に使用できるために故障が多いということもあります。また、不正確な計量数値を示す場合もあるなど問題点があるということも事実でございまして、設置を義務づけるということは困難ではないか、このように考えているわけであります。
 しかし、計量制度におきましても、消費者保護は、委員御指摘のように極めて重要な要素であることには疑いがございません。今後とも適正な計量制度の実施に向けて、正しい量目による商品販売については、事業者に対し正確な計量販売を義務づける商品量目制度の適切な運営に努め、また適正計量思想については広く普及啓蒙活動を図るなど、地方公共団体とも密接に連携をとりながら、着実な執行に努めてまいる所存でございます。
 最後の御質問でございますが、計量の日に関しての御質問であったと思います。
 正しい計量思想について、国民に対し普及啓蒙を図るということは適切な計量制度を維持するためにも極めて重要なことである、このように思っております。当省といたしましても、このような普及啓蒙活動の一環として、平成四年に改正されました新計量法の施行日である十一月一日を計量記念日と定めまして、地方公共団体や計量関係団体とともに、この計量記念日を中心として適正計量思想の普及啓蒙を図るためのいろいろなイベントを全国各地で実施をしているところであります。
 この計量記念日においては、計量思想の発展に特に貢献のあった事業者であるとか従業員の方々あるいは学識経験者や公務員の方々については計量関係功労者として、計量器の適切な使用に関して顕著な成果をおさめた事業者については優良適正計量管理事業所として、大臣表彰を行っております。これまで計量関係功労者として七百六十七人を、優良適正計量管理事業所として三百七十九事業所を表彰しているところでございます。
 これ以外にも、スーパー等におきまして正しい計量がされているかどうかということを消費者にモニターしてもらう計量モニターの全国的な実施など、正しい計量思想の普及啓蒙活動を積極的に推進をしているところでございまして、今後とも引き続き適正計量思想の啓蒙に努めてまいりたいと考えております。
#35
○本田良一君 先ほどのパブリックスケール、これはデパートなどにおいて自分が買ったものは正しい量目かというのを自分でチェックするというあれでございますから、ぜひこの普及を法的にも実はお願いしたいと思います。
 それで、あと一分でございますけれども、一つだけ。計量によって法的な刑事事件があったかどうか、これをひとつお答えをいただくことと、最後に私は、大臣と松田副大臣が答弁をされました質問をしたくだりですが、このメートルというのはフランス革命の後、直ちに国際的な計量の標準になりました。私がさっき、なぜ新しい産業のためにと言ったのは、日本でも、例えば昔の一升とか何々尺とかそういうのがこの国際標準になっておれば、それがやはり新しい産業を国際的に日本から発信するということになるから、私は、そういう計量のいわゆる単位というのが世界に日本発信で決定をされて、それについて伴って、例えばダイオキシンの新しい純度の高い一〇〇%のダイオキシンをいわゆる検査所では持っておかなければならない。
 ところが、私はこの間、筑波の視察に行かせていただきました。みんな一生懸命やっておられまして尊敬をいたしましたが、そのダイオキシンは、その一〇〇%のをつくる機械はどこのですかと聞いたら、これはイギリスのですと、一億円ぐらいの機械でございました。
 そういうふうで、そういう量目とかそういう単位、量目の単位が決まればまた純度の標準物質をつくる、そのときには機械が発生するんです。それによって新しい産業が起こる。それを私はいつも頭に置いて、いわゆる政府の皆さんや大臣は、そういうところを常に、産業をいかに起こすか、そういうことで、そういうことをいつも心がけていただきたい、それをお願いして、お答えをいただいて終わります。
#36
○副大臣(古屋圭司君) 最近、計量法違反で摘発されたケースはあるかといった御質問だったと思います。
 我が国における最近の具体的な計量法違反の事例といたしましては、平成九年四月に静岡県内のガソリンスタンドで、ガソリンメーターを不正に改造いたしまして、表示量より少ない量でガソリンを販売していたと、こういうことが静岡県の計量検定所の立入検査によって発覚をいたしております。
 本件に関しましては、同年五月に同店の計量法違反行為について検定所から警察に告発状を提出いたしまして、同店の社長が計量法違反容疑で逮捕されております。起訴の後、同年九月には罰金五十万円の命令が出されております。
#37
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変委員からすばらしい御指摘をいただいたと思っています。そういう意味で、やっぱり経済産業省といたしましては、新たなそういう産業創出、また新規産業を生んで、またそこに雇用を吸収する、こういうことが非常に大きな命題だと思っております。
 したがいまして、私どもとしては、御指摘のように常にそのような意識を持って、そしてこれからの新しい分野に果敢に挑戦をいたしてまいりたい、このように思っております。
#38
○本田良一君 ありがとうございました。
#39
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 限られた時間でございますので、御答弁につきましても簡潔にひとつお願い申し上げたいと思います。
 最初に、今回の計量法の改正法案におきましてはいわゆる認定制度を計量証明事業者に課すということでございますけれども、地方自治体、都道府県の行う計量証明事業の登録の要件ということでこれが前置きされるということになったわけでございます。
 これは、極微量物質に関する高度な評価の能力とかあるいは計量士等の人的な体制、こういった面がまだまだ地方自治体においてはこういう高度の分野については十分に整っていないという事情であろうかと、こういうふうに理解するわけでございますけれども、そういった点で、今後、地方自治体のこうした能力とか体制の整備が進み、そしてこういった認定事務につきましても地方分権の考え方にのっとって地方自治体が行うようになるということを期待するというか希望したいわけですけれども、こういった点についてはどのようにお考えでございましょうか。
#40
○副大臣(松田岩夫君) お答え申し上げます。
 極微量物質に係ります計量証明システム全体の工程管理が適切に行われていることについて認定いたしますためには、認定する側も、技術面や品質システム管理面でより高度な能力を持つ専門的機関であること、あるいはまた統一的、客観的及び継続的に責任を持って認定できる体制であることが必要であろうかと存じます。
 こういった点を考えますと、極微量物質の計量に関する高度な専門的能力を必要といたします今回の認定制度に関しましては、独立行政法人製品評価技術基盤機構または専門的な民間機関が認定を行うこととしておるわけでございますが、都道府県においてこのような専門的な確認を行うことが可能な体制が構築されていくことになりますれば、認定業務を都道府県が行うことも将来的にはあり得るのではないかと考えております。
#41
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 次に、これは大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、先ほどの委員からの質問の中でもいろいろと御答弁がありましたが、計量につきまして正確さを欠き、要するに誤差の大きい計量がなされると。そうした場合に、これが公表された場合に社会に与える影響というのは当然大きいわけでございます。
 極微量物質というように高度な技術に基づくそういったものの計量ということは今後ますますニーズが高まっていくわけでございますけれども、そうなればなるほどますます計量におけるばらつきというようなものが出てくると。であるから、認定制度を設けて計量のシステムについて十分にチェック、管理するんだということでありますけれども、そうはいいましても、やはり先ほど申し上げたような危惧はあるわけでございまして、それの社会的な影響ということは否めないと、こう思うんです。
 ですから、計量結果というのは正確であるということが何をおいても求められるわけでございまして、信頼性の確保ということが特に重要であると、こう思うわけでございます。
 今回の改正案におきましては、この中にもありましたけれども、百十三条関係のところで、不正の行為をした場合に、計量証明事業者の登録の取り消し等の要件として追加すると、こういう厳しい条文が盛り込まれたわけでございますけれども、一方では、不正を未然に防ぐというために、事業者やそれに従事している計量士、こういった方たちの職業倫理といったものを醸成するということがやはり重要であろうと、こう思うわけでございます。
 さらに、不正な行為には迅速な対応と処分が行われるということが当然必要なわけでございまして、こういった点、今回のこの計量法の改正、大変重要な法の改正でございますけれども、今後大変重要な問題をはらむ計量の問題でございまして、そういった点について、まず大臣はこの法案の改正に当たってどういったお考え、御決意をお持ちであるか、その点お聞きします。
#42
○国務大臣(平沼赳夫君) 社会的技術基盤である計量制度にとりまして、信頼性の高い正確な計量の実施を確保することは不可欠な要素である、このように考えております。これを確実なものとするためには、まず何よりも計量に携わる事業者やその事業に従事する者がみずから率先をして、御指摘のように強い職業倫理観を持ち日々の計量事業に向かうことが私は基本だと思っております。また、当然に求められるものであると、このようにも考えております。
 このような観点から、各都道府県におきまして、立入検査の機会を初め、指導監督等を通じまして、職業倫理観の醸成と計量証明事業者における適正な計量の実施を確保するように努めているところでございます。
 また、今回の計量法改正におきましては、こうした信頼性が損なわれることのないよう、虚偽の証明書を発行するなどといった不正な行為に対しましては、都道府県知事が計量証明事業者の登録の取り消しあるいは事業の一時停止を直ちに命ずることができることとする措置を新たに設けているところでございます。
 今回の法改正を踏まえまして、各都道府県におきまして、法の趣旨を踏まえ、迅速な対応と処分が行われることとなる、このように考えておりまして、委員御指摘のとおりでございますので、この辺はしっかりと厳重にやらせていただきたい、このように思っております。
#43
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。
 法が速やかな効力を発揮するようにひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、ダイオキシン問題につきまして二、三お聞きしたいと思います。
 まず第一点でございますけれども、ダイオキシンの対策特別措置法におきましては、大気であるとか水、土壌中のダイオキシン類が規制対象となっているわけでございますけれども、現実に国民が日ごろ心配しているのはこれにとどまらず、例えば野菜であるとか魚といった食品類、さらには母乳とか血液などの体内中のダイオキシンの汚染、このようなもっと広い範囲内であるわけでございまして、こういう国民の心配事に対しまして正確な数値で示していくということが求められると思うわけでございます。
 これは今回の計量法の改正によってより進むことになるのか、あるいはこの法とは別のものであるのか、私も十分勉強していないものですからちょっとその点をまずお聞きしたいと思ったわけでございますけれども、どうでございましょうか。
#44
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 現行計量制度におきましては、濃度に関する計量証明事業の登録の対象は、政令におきまして大気、水または土壌中の物質の濃度となっておりまして、御指摘の食品類や母乳、体内中の濃度の計量証明は計量証明事業の登録対象となっておりません。
 したがいまして、食品や母乳、体内中のダイオキシン類の濃度につきましては、他の法制度の適用によるものは別としまして、今般の改正によって直ちに新たな計量制度の適用対象になるものではないと承知しております。
#45
○海野義孝君 そういたしますと、厚生労働省、例えば食品衛生法など、そういった法律がございますけれども、そこでさらにこの問題についてちょっとお聞きしたいと思います。
 食品とか母乳のダイオキシン類の計量、これが今の御答弁では、今回の計量制度では対象外ということでございますので、そうしますと、こういう国民の身体に影響するようなものにつきましては当然ながら正確な計量ということが不可欠である、そういった性格のものだろうと思うんです。どういった法体系にて対応するのかといった視点もあるわけでございますけれども、いずれにしましても、正確に計量する、はかる仕組み、こういったものが求められなくてはならない、こういうふうに思うわけでございますが、これにつきましての御担当省の考え方はいかがでございましょうか。
#46
○政府参考人(鶴田康則君) お答えしたいと思います。
 御指摘の血液、母乳、食品のダイオキシン類の測定につきましては、法律的な規制、基準は現在定められていないものの、厚生労働省におきましては、耐容一日摂取量、現在一日体重当たり四ピコグラムとなっているわけなんですが、こういった耐容一日摂取量の検討及び正確な健康影響の評価を行う観点から厳密な測定が必要と認識しております。既に血液、母乳、食品ごとにダイオキシン類測定方法の暫定マニュアル等を作成し、公表しております。
 これらの精度をより高めるために、血液及び母乳中の測定につきましては精度管理された測定方法の確立のため調査研究を継続しており、また食品中の測定につきましては、一日摂取量調査の信頼性の確保、それから風評被害防止の観点から、自治体の食品衛生検査施設等におきます測定を実施するに当たりまして外部精度管理、また分析技術講習会等を実施しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、引き続き人の健康にかかわる測定技術の向上と信頼性確保を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#47
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 次に、もう一点ダイオキシン問題でございますけれども、こういったダイオキシンのような今回の計量法改正のポイントになっている物質でございますけれども、こういうような極微量物質を計量するに当たりましては、実際にはその事業者において計量管理の任に当たる計量士が技術的にも高度な知識、経験を持つということが当然のことながら必要であろう。さらにその果たす役割というのは大変重要になってくる、こう思うわけでございます。
 計量証明事業者、特にこういった極微量物質の特定計量証明事業者におきましては、計量士を初めとして常にその携わる人に対して、必要となる資質であるとか技術的レベルの維持向上を図る、そういったことが絶えず求められるし、必要であろう、こう思うわけでございますけれども、この点に関しましては国としましてはどのように取り組んでいかれるか、お考えをお聞きしたいと思います。
#48
○政府参考人(日下一正君) まさに先生御指摘のとおりでございます。
 このような物質に対応するためには高い知識、経験が必要でございますし、そのため、計量証明事業者がこのような事業を行うに当たりましては、こうした知識、経験を持つ者を配置することが必要でありますし、またその人員に対して、必要となる資質や技術レベルの維持向上を図っていく必要があると考えております。
 なお、計量証明事業者の団体でございます社団法人日本環境測定分析協会におきましても、事業者による自発的な資質や技術レベルの維持向上策を支援する取り組みとして、計量証明事業者に対するさまざまな研修、例えば年四回三日間のコースでダイオキシンのサンプリング研修が現に行われておりますが、このようなさまざまな研修などに取り組んできていると承知しております。
#49
○海野義孝君 もう一点ちょっとお聞きしようと思いましたけれども、今の御答弁につきまして大分踏み込んだお答えがありましたから、その点は理解いたしました。
 時間ももうちょっとありますので、もう一点だけ、これは最後に大臣に、即席で申しわけありませんけれども、お聞きしたいと思います。
 こういった計量法の今回の改正というのは極めて重要なまさに同時進行型の問題でございまして、大変国民の生命に影響するようなダイオキシンを初めとしまして、あるいはまたいろいろと最近のような原子力問題等々におきましてもそうですけれども、これまで知らなかったそういった問題がクローズアップしてくるということで、法の改正もそうでありますけれども、そういった計量等についての正確な測定ということが喫緊の課題になっているわけでございまして、その点では私は、我が国のそういった認定機関の人的にもあるいは質的にもそういった能力の面でどうかという点、これが一点。
 そうした今後の行政に取り組んでいかれる所管大臣として、大変これは今後いろいろな問題がどんどん私はマスコミを通じてもいろいろにぎわしてくるんじゃないか、こういうように思うわけでございまして、そういった面でも現下のいろいろなそういった極微量物質のもたらす生命等への影響というのは大変心配である、こう考えるわけでございまして、そういった点について、最後に大臣としてのこの法案を実行するに当たっての御決意等をひとつお願いしたいと思います。
#50
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のように、科学技術というものがどんどん進歩してきまして、従来考えられなかったようなそういう物質、それが大変微細化しまして、それが人体に対して今まで想像できなかったようなそういう悪影響を与える、こういう状況というのは、やはり英知を集めて、そしてこれを解決していかなければならない、このことが、我々、二十一世紀の大きな課題だと思っています。
 そういう意味で、やはり人間の社会生活にとって一つの基礎となりますこの計量法、それも時代に即応して、そういう今までなかったような極微量物質等も含めてしっかりとそれを計測し計量し、それが人類にどういう影響を与えるか、そういうことをしっかりと把握しながら、やはり人間の生活の向上のために資していかなければならない、そういう意味で今回の計量法の改正というのはその私は第一歩だと思っておりまして、さらに日進月歩の科学技術の発展、そして人間社会の変化、それに的確に対応するために、今後とも気を緩めることなく一生懸命に取り組んでまいりたい、このように思っております。
#51
○海野義孝君 終わります。
#52
○山下芳生君 まず、今回の法改正の直接的な目的はダイオキシンなど極微量物質を正確に測定するためであると理解しておりますが、もう少し大きな目的というふうにとらえますと、そういう法改正によってダイオキシンなど有害物質から国民の生命や健康をしっかり守る、そのことに資するための法改正であると、私はこう理解しておりますが、まずその点での大臣の所見を伺いたいと思います。
#53
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの私の答弁でもちょっと触れさせていただきましたけれども、やはり法改正の一つの基本は今御指摘のところに私はあると思っています。経済活動及び国民生活全般にわたりまして常に正確な計量が行われることは、我々人間の社会生活を営むに当たっては必要不可欠なことでございます。計量制度というのはそのための技術的な社会共通の基盤、このように認識しております。
 最近の我が国の社会の状況を顧みますと、今御指摘のダイオキシン類などに関する新たな環境問題の高まり等により、一兆分の一グラムレベルにおいて極微量物質の濃度を正確に計量する必要性というのが非常に増大をしてきております。また、その計量の結果を証明する方法についても、証明される内容に対する外部からの信頼感、これを揺るぎないものとするような制度の整備が急がれているところでございます。
 今回の法改正というのは御指摘の点、そのことも含まれ、このような状況の中で、計量制度に対する国民の常なる信頼を確保するため、ダイオキシン類のような極微量物質の計量証明を行う事業者に対する新たな認定制度や計量単位の追加、また計量証明書に対する信頼性の向上のための措置といった所要の改正を行っているものでございまして、御指摘のそういう非常に今まで想像できなかったような微量な物質が人体に大きな影響を与える、そういうものをやはりしっかりと把握しながら未然にそういう被害を防いでいく、こういうことが大きな目的の一つでございます。
#54
○山下芳生君 そこで、国民の生命、健康ということについて直接具体的な問題が生じておりますので、少し取り上げさせていただきます。
 阪神高速道路公団が大阪市此花区における正蓮寺川の左岸埋立工事を始めようといたしまして、環境基準を超える濃度のPCBに汚染されたヘドロが大量に発見をされました。お手元に資料をお配りしておりますが、上の図をごらんになっていただければ大方のイメージがわくかと思うんですが、正蓮寺川の恩貴島橋下流付近から北港大橋上流付近まで、長さこれ約七百五十メーターあるんですけれども、幅五十メーター、そして川底から一ないし三メーターの深さに横たわってPCBが発見されました。これは、調査を大阪府がしてこういうことだということがわかったわけです。全体の量は七万から八万立方メートルにも達しておりまして、大変大きな量になっております。
 まず環境省に伺いますが、このPCB汚染の実態について報告をいただけますか。
#55
○政府参考人(石原一郎君) 正蓮寺川での底質の汚染につきましては、平成十一年の五月から十月にかけまして、大阪府が道路整備事業が計画されております大阪市内の正蓮寺川での河床の調査、十二カ所でございますが、実施いたしました。この結果、底質の暫定除去基準というのを定めておりますが、それを超える濃度、最高で三七〇ppmでございましたけれども、のPCBが検出されたところでございます。
 大阪府では、汚染範囲の特定を行うためさらに調査範囲を拡大いたしまして、引き続き平成十一年の十一月から十二年の七月にかけてでございますが、詳細な調査を実施いたしました。その結果、底泥層中に広がる暫定除去基準を超えるPCBの範囲を特定したところでございます。
 また、この詳細調査の際に、あわせまして高濃度で検出されました近傍の地下水についても調査を実施しております。
 それから、調査範囲の上下流部において、これは十二年の四月からでございますが、月一回の水質調査を実施いたしましたが、いずれもPCBは検出されなかったというような状況でございます。
#56
○山下芳生君 ダイオキシン類の汚染状況について報告いただけますか。
#57
○政府参考人(石原一郎君) 失礼いたしました。
 平成十一年の五月から十月にかけまして大阪府が河床の調査をしました。その際、ダイオキシン類につきましても、最高の地点でございますけれども、一グラム当たりTEQベースの二十一ナノグラムということで、高濃度のダイオキシン類が検出されたところでございます。
#58
○山下芳生君 そういう汚染状況がわかったわけですが、その汚染ヘドロをどのように処理しながら、実はここ、高速道路を通そうという計画なんですけれども、工事を進めようとしているのか、その工法について具体的なイメージ図を資料の下の方に示しておりますけれども、これはもともと川なんですが、全部水を抜きまして、それで最終的には高速道路を掘り割り式で、これは大気汚染の影響も少ないようにということで通すことにしております。ところが、その高速道路のボックスに位置する部分に、先ほど報告のあったPCBやダイオキシンに汚染されたヘドロが横たわっているということになるわけです。
 どのように処理するかといいますと、この掘り割り部分の汚染ヘドロ、これ量にすると三万七千立方メーターあるわけですが、これ一たん取り出しまして、右岸の陸上でヘドロを脱水する装置にかけて土の塊にする、つまり脱水固化するわけですね。そして、固化されたものを再び今度は左岸の、ここは後で上部が全部埋め立てられて公園になる予定になっているんですが、この左岸の土の中に、川の中に埋め戻して封じ込むという工法になっております。
 そこで伺いますけれども、こういう工法、処理方法はどの法律のどの基準に基づいてやられているんでしょうか。
#59
○政府参考人(石原一郎君) 本件の工事ということではございませんが、底質の処理及び処分に関する暫定指針ということで環境省の方で示しております。これは、PCBなり水銀の有害物質を含む底質についての一般的な指針というものでございます。
 この中で、処理方法といたしましては、締め切った上、底質ですから川の底にあるわけですが、締め切った上、覆土によって封じ込める、ということは乾燥させて封じ込める、あるいは締め切らずに覆土することのみによって封じ込める方法、あるいはしゅんせつまたは掘削した上別途の処分地に輸送して保管、処分する方法等があるということにしておるところでございます。なお、工事の実施に当たりましては、安全性等について配慮するような留意事項もあわせて記載しておるところでございます。
 底質処理の方法そのものがこれに限られるというわけではございませんけれども、この指針におきまして示したような方法で行われる封じ込めあるいはしゅんせつ等の処分の方法は安全であろうというふうに考えております。
#60
○山下芳生君 本件の処理ではないがと、こうおっしゃいましたけれども、これは本件のことを聞いているんですが、それはいかがですか。
#61
○政府参考人(石原一郎君) 指針そのものがあくまで一般的な指針ということで定められておるということでそのように申し上げたところでございます。本件の処理につきましては、大阪府の方におきまして正蓮寺川総合整備事業に係わる環境対策検討委員会ということで検討されているというふうに承知しております。
#62
○山下芳生君 本件の指針に基づいて、恐らく大阪府さんもこういう工法を、処理方法をとったのであろうというふうに思われますが、今報告があったとおりこの指針の中の対象物として挙げられているのは水銀あるいはPCBであります。ダイオキシンの底質処理もこの方法でやっていいんでしょうか。
#63
○政府参考人(石原一郎君) ダイオキシン類につきましては、底質の環境基準というものが定められておりません。平成十一年に中央環境審議会の水質部会でダイオキシン類についての底質の基準について論議をいただいたところでございます。
 ダイオキシン類につきましては、法施行が十二年の一月でございます。既存の測定データ等が少ないということが基本的にあるわけでございますが、既存の測定データ等の科学的知見からは、一つはダイオキシン類について底質と水生生物との関係、ダイオキシン類の人間への影響ということを考えますと、一つは水生生物の摂取ということがあり得るわけですが、そういうこととの関係における底質と水生生物との定量的な関係を導くのが既存の測定データからはなかなか難しい、また水質の利用ということから考えますと底質と水質との濃度の関係になるわけですが、その関係についても既存の測定データ等からはなかなか明確な関係を見出すことができなかったということでございます。
 それと、底質のダイオキシン類の水中への湧出あるいは底質を設置する底生生物を通じた魚介類への移行という機構も明らかでないということで、平成十一年のその時点では底質の環境基準の設定は見送られたところでございます。
 いずれにしましても、今後さらに既存の測定データ等の解析、基準測定データの解析等を行いますことにより、知見を集積することにより、基準の設定等についての検討をしていきたいというふうに思っております。
 ダイオキシン類についての本件の対策工事そのものにつきましても、そういうことも含めて考慮した上で検討委員会の方で検討されたというふうに承知しております。
#64
○山下芳生君 ちょっと答弁が矛盾しているんですよね。まだ知見がないと、ダイオキシンを含む底質の処理方法については。したがって、基準がないという御答弁なんですよ。今これ知見を集積して基準をつくろうとされている、まだ経過段階なんですね。したがって、にもかかわらず最後の御答弁は、本件についてもそれに従ってというけれども、従う基準がないんでしょう、今。どうですか。
#65
○政府参考人(石原一郎君) PCBのような形での暫定的な除去基準というものはつくっていないということでございます。
 ただ、ダイオキシン類そのものの人間への影響ということを考えますと、先ほど申しました底質そのものにつきましては直接底質を人間が摂取するということはないわけですね。魚を経由する、あるいは水質との関係になるわけでございます。除去の工事そのものにつきましては、ダイオキシン類そのものが工事の過程において拡散しないというような形での工事の実施の方法であれば、そこの部分は安全性は確保されるわけでございます。
 そういう意味で、そういうことも含めて検討委員会の方で検討されたというふうに承知しております。
#66
○山下芳生君 基準がまだないのに私はそういうことを了とするというのは、国民の安全に対する責任ある態度とは思えないんです。これ知見がまだ確定されてないわけですからね。これ検討するんでしょう、これから。にもかかわらず、ここはもう既にダイオキシンを含む底質汚泥がこういう従来のPCBの基準でやられようとしているわけです。それに対して、地元の周辺の住民の皆さんが大変な不安をお感じになっているわけですね。私は、これは大阪府さんがそういうふうにしているからということで済ますわけにいかない、環境省としてきちっと責任ある対応をすべきであるというふうに思うわけです。
 今、基準がないということがはっきりしましたけれども、もう一つ角度を変えて聞きたいんですが、ダイオキシン対策法ができて以降、こういうダイオキシン類を含む底質を住宅密集地で脱水固化し現地に封じ込める、そういう例はありますか。
#67
○政府参考人(石原一郎君) PCBにつきましては現在までのところ七十八水域、この水域の中には人口密集地等の東京の芝浦あるいは香川県の高松港における工事等がございます。
 お尋ねのダイオキシン類そのものに直接してのことがあったかということにつきましては、今この場でお答えできる資料を持ち合わせておりませんので、また追って御説明させていただきたいと思います。
#68
○山下芳生君 ないんですよ。ないならないとお答えくれますか。
#69
○政府参考人(石原一郎君) 底質類に関連してのダイオキシン類について処理、処分なりがなされたということはございません。
#70
○山下芳生君 ないんですよね、経験として。しかも、住宅密集地の中でやられようとしているわけです。これ本当に住民の皆さんの不安は当然なんですが、三万七千立方メートルものPCB汚染ヘドロを一たん引き出すわけですよね。今は川底の中に比較的安定的な形で沈殿している、それを高速道路をつくるために一回しゅんせつして引き上げてそれで脱水固化する、住宅密集地の中でやられようとしているわけです。
 ですから、大気中にPCBあるいはダイオキシンの汚染ヘドロを長時間さらして脱水固化がやられることによって、その工程でどれだけのPCBやダイオキシンが揮発、飛散するのか、これ本当に経験もありませんし、保証がない、安全の。あるいはその脱水する際の余水が出てまいりますけれども、それをどう処理するのか、その安全性はどうなのかということについて住民の皆さんは大変心配されているわけですが、前例がないことを知見もないのにゴーサイン出したら、これが前例になるんですよ。これは環境省としてよしとできないんじゃないですか。
#71
○政府参考人(石原一郎君) 基準そのものにつきましては、先ほども申しましたように、底質の暫定除去基準としてのダイオキシンのものがないと申し上げたわけでございます。
 ただ、ダイオキシン類そのものがまじったものの処理方法として基準がないということそのものと、工事方法、工事方法で先ほども申しましたように拡散あるいは周りへの影響がないような形での工法がとられれば、それの部分はいいわけでございますので、必ずしも基準の設定がないことと工事が実施できないというようなこととは関係するとは考えておりません。
#72
○山下芳生君 それは何で基準がないかというと知見がないからだと説明されているのに、方法について問題ないと言うのはこれは無責任ですよ。私はそう感じます。
 それで、住民の方々はやはり非常に不安をお感じでして、署名運動、署名も広がっておりまして、これまともにまだ住民の皆さんに説明がされていないんです、大阪府や阪神高速道路公団から。少なくとも住民に説明し、合意のないままこの工事を進めないでいただきたいと。しっかりとした調査をし、アセスメントを行ってほしいと。これ当然の声ですけれども、周辺住民の八割、約四千名の方が署名に賛同されております。
 私は、これは当然そういう声を聞いて住民に対する説明をやるべきだと思いますが、これはどこがお答えになるんでしょうか、国土交通省さんでしょうか。
#73
○政府参考人(峰久幸義君) 御指摘がありました阪神高速公団の関連で高濃度のPCBとかダイオキシンが確認されていろんな調査が大阪府において行われたということは、環境省の方からあったとおりでございます。
 それで、またどうするかにつきまして、大阪府が正蓮寺川総合整備事業に係わる環境対策検討委員会でいろんなことを検討されながら、後の監視も含めて検討されて、一応の方針的なことが承認されていると聞いております。そういうことで、阪神高速公団におきましてはこの間いろんな工事等については行っておりませんけれども、委員会が策定された処理方針に従っていろんなPCB等の処理対策あるいは工事を進めるということで、三月でございますけれども、一応発注の工事契約自体は行っております。
 ただ、その処理方針に従って今後どういう形で進めていくかということについて施工計画をいろいろ検討しているところでございますので、これについてはいろいろ試験等も行ってきてやっているところでございますが、今後、施工計画を詰めるということで、それに従いまして沿道の住民の方々にも十分な説明をさせていただきながら工事に着手させていただきたいと思っております。
#74
○山下芳生君 説明のやり方も町会長さんや議員さんに説明するだけじゃなくて、関係住民全体へ公開の説明をする必要がある。すべての方々にこれ直接健康にかかわる問題ですから、それをお約束いただけますか。
#75
○政府参考人(峰久幸義君) そこは公害対策協議会とかいろいろなところといろいろ話をさせていただいているとふうにお聞きしておりますので、大阪府だとか関連のところともいろいろ協議しながら検討させていただきたいと思います。
#76
○山下芳生君 しっかり検討いただきたいと思います。必ず実施をしなければこれは大変な問題になります、前例がないことですから。
 次に、そもそも大阪府や阪神公団がこれを廃棄したわけじゃありません。だれが捨てたのかという問題がやはり生じてまいります。御承知のとおり、PCBというのは一九七二年、製造、使用が法律で禁止をされ、使われなくなった廃PCB等については今でも各企業などに台帳を整備して保管することが義務づけられております。
 正蓮寺川のPCBにつきましては、昭和三十年代あるいは四十年代に、処分に困った企業が何らかの方法でこの恩貴島橋下流の共同荷揚げ場というところがあるんですが、ここから不法に捨てたものと大阪府は考えております。その量は、一〇〇%のPCBに換算いたしますと、ドラム缶四、五本分になるであろうということなんです。捨てた企業が特定されるのであれば、本来は排出者の責任でこの環境汚染を処理させなければならないわけですが、大阪府河川課は、調査をしているけれども原因者は不明だということになっているわけです。
 いずれにいたしましても、高度成長期に利益優先で、住民、人間の生命や健康に対する責任を負わない、こういう企業の犯したこれは私は重大な犯罪行為であろうというふうに認識しております。どこの企業かはわからないんですが、私は、やっぱり企業の行動とそれから環境への責任というものが鋭く問われた一つの事例ではないかと思うんですが、その点での大臣の御認識を伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、いろいろな具体的な大阪の河川のPCB汚染、しかもそれはダイオキシンまで含まれていると。この事例を伺って、大変事の深刻さ、こういうことで私も非常に憂慮を持って聞かせていただきました。
 御指摘の有害物質の不法投棄など、こういった悪質な行為というのは絶対にあってはならないことだと思っています。
 産業活動におきまして、当然関連法規の遵守というものは当たり前のことでありますけれども、近年、環境汚染物質の発生や排出の抑制、産業廃棄物のいわゆる発生抑制、部品等の再使用、それから材料等としての再利用、三つのR、こういうふうに言っておりまして、リデュース、リユース、リサイクル、さまざまな面での環境負荷の低減を目的とした積極的な取り組みが求められておりまして、企業の信用にとっても産業経済の健全な発展にとってもこれはますます重要な課題である、このように思っております。
 産業サイドを所管する経済産業省といたしましては、二度とこういうことがないように、私どもとしては十分監督をし、また企業のモラル向上のためにも一生懸命に努力をさせていただきたい、このように思っております。
#78
○山下芳生君 アメリカには、一九八〇年にスーパーファンド法というものがつくられました。これは、原因者負担が原則ではありますけれども、原因者が不明の場合、汚染物のもともとのメーカーである石油化学業界から拠出金を出すことによってこういうものを処理しようという仕掛けであります。その後、汚染が大変広範囲であることがわかって、産業界全体が負担するというふうに法改正がされて今日に至っているというふうに聞いておりますけれども、私は、こういうやり方も一つの具体的な対策の手だてではないかと。
 工場跡地にいろんな有害物質がそのまま放置されていて、工場跡地の場合は比較的その責任者がわかるでしょうけれども、こういう河川でありますとか海でありますとか、そういう問題については特定しにくい、しかしそういうときにもしっかりと対応できるようにアメリカではやっているわけですが、私はこれは政府としてぜひ検討すべきではないかと思うんですが、いかがですか。
#79
○国務大臣(平沼赳夫君) これは人間の生命だとか健康にかかわる重要な問題でございます。そういった形で今アメリカが取り組んでいる事例もお示しになられましたけれども、我が国としても、これは当然検討課題、このように思っております。
#80
○山下芳生君 あと残りわずかなんですけれども、もう一つ具体的な別の事例について質問したいと思います。
 企業責任がまさに大臣おっしゃるように問われているわけですが、大阪の高石市にあります三井化学大阪工場が、排水処理設備を無許可で改造し、有害性物質ホルムアルデヒドを含む汚水を十四年間違法に大阪湾に垂れ流していたという事件がございます。
 この事件の概要について説明いただけますか。
#81
○政府参考人(石原一郎君) お尋ねの件につきましては、三井化学の大阪工場が、排水の処理方法の変更につきまして瀬戸内海環境保全特別措置法に基づきまして変更の許可を受ける必要があるわけでございますが、その変更の許可を受けずに行うなど、瀬戸内法に違反していたと大阪府より報告を受けております。
 その後、大阪府は三井化学大阪工場に対しまして、文書にて必要な改善措置を行う等の指導を行ったというふうに承知しております。
#82
○山下芳生君 えらいあっさりと終わったんですけれども、中身は大変深刻なんです。
 具体的に言いますと、この処理施設というのは活性汚泥処理設備ということなんですが、微生物によって尿素などを分解して排出できるようにするということなんですが、この三井化学大阪工場では当初の計画が途中で変わっていくわけです。尿素以外にも、例えばパラホルム、メラミン、亜硫酸ソーダ、プラスチック類等が扱い品目として入ってまいりまして、ふえまして、そしてその当初の報告していた設備ではパイプが詰まってしまうとかあるいは微生物が死んでしまうということになるので、そのパイプをもう処理施設に通さずに直接大阪湾に垂れ流すようにその配管を変えたというんです。それが十四年間ずっとわからないまま、そのまま放置されていた。
 何でわかったかというのが問題でして、実はその処理施設で下請、孫請、ひ孫請の会社の労働者の方が、余りにもこれはひどいということで良心にかけて告発をされたわけです。大阪府と高石市に内部告発をされた。内部告発といっても、この方は、そういうことをやれば自分だけではなくて同僚にも迷惑がかかるんではないかという配慮をいたしまして、そのひ孫請会社をみずからおやめになって、その上で告発をされました。そういう労働者の職を賭した告発があって初めてこういう大企業の違法な行為が発見されたという経過になったわけです。
 私は、これも大変重大な問題。労働者の告発、勇気ある告発がもしなければ今でもずっと続いていた可能性が大なんですね。こういうことについて大臣の所見を伺いたいと思います。
#83
○国務大臣(平沼赳夫君) こういった三井化学の垂れ流しという、そういうことがあったということは承知をしておりますけれども、私は、内部告発によってそれが明らかになったかどうかというのは、今お伺いして承知をしたところでございます。
 本当に日本を代表する企業の一つがそういう形で、今詳しい御説明を聞きましたけれども、本来はいわゆるその処理を微生物を使って浄化をしてそれを排水しなければならないのに、新たにいろいろな物質が加わる、それによってパイプが詰まる、そこで処理ができなくなるのでそれを外してじかに流したということは、ある意味では非常に許されない私は行為だったと思っています。
 そういう意味で、内部告発ということはよく承知しておりませんけれども、私は、本当にこういう事例というものが現実に起こったと、こういうことは大変今お話を伺って憤りを持っているところでございます。
#84
○山下芳生君 大臣のそのお気持ちというのは当然だと思います。
 私、もう一つ憤っていただかなければならないことを紹介しなければなりません。
 私、この告発された方に直接お会いいたしました。そうすると、三井化学に対する大阪府やあるいは高石市の立入検査の際、これは事前になぜかその情報が漏れていたようでございまして、大体わかっていたと。その検査が入るときには、あらかじめ検査にひっかかるようなものは洗浄するなという指示が出されて、黒板にそれが書かれていた、従業員に徹底されていたと。そういうひ孫請の労働者は、検査に来る検査官の方々に直接接しないように別の部屋に検査のときはいなさいという指示を受けていたと。私は、確信犯だと言わなければならないと思うんです。にもかかわらず、残念ながら、これは法律上、勧告を受けて是正されるということで終わっているんですね。
 私、そこまで確信犯的に十四年間環境への大変な犯罪行為をやっていた企業が、見つかったら、申しわけございません、是正しましたで終わっていていいのか。そんなことで私は企業の環境に対する責任が本当に真剣に果たそうというものにならないんじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#85
○国務大臣(平沼赳夫君) この御指摘の、今言った環境問題に限らず、法律の遵守は企業や国民の重要な義務だと私は思っております。法律を遵守するということは企業や国民の本当に重要な義務だと、このように認識しております。
 今回問題となっている瀬戸内海環境保全特別措置法は、瀬戸内海が閉鎖性水域であることを考慮して、沿岸での排水処理施設の設置や変更に関して特に許可制をとっているものでありまして、そこで立地する企業が地域の特徴を認識して関係法令をよく理解して遵守することが私は求められているんだと思っています。
 経済産業省といたしましても、環境問題に関する法令について情報提供を積極的に行って、また必要に応じて環境対策に対する企業の取り組みを指導するなどして、今後とも企業が法令を正しく理解して遵守するように努めていかなければならないと思っています。
 そういうことで、私どもとしても、きょう伺ったことに関して正確な事実関係ということをまだ把握しておりません。私どもなりにやはりこれは、御指摘がございましたから、よく調査をさせていただきながら、そして我々としてもこの問題、よく検討させていただきたいと思っております。
#86
○山下芳生君 終わります。
#87
○梶原敬義君 社会民主党の梶原ですが、もう時間が短いので、また、さきの同僚委員の質問に答えた部分も質問通告しておりましたが省かせていただいて、少し簡単なことをお聞きしたいと思います。
 今回のこの計量法の改正案の趣旨にはもう基本的に賛成でありますから、その点についてはお聞きしません。ただ、ppmの世界からppt、一兆分の一。これはもう我々想像ができない神の領域というか世界に近いような話でありまして、なかなか難しいのでありますが、問題は、この証明をしたその数値が非常に社会的な影響力があるわけですね。だから、この出た結論というのは非常に大きな問題を醸し出しますから、これをどうするかというのを少しお尋ねしたいのであります。
 大分県の日田市というところに筑後川の上流の川があるんです。山紫水明なところなんですが。そこの河川の調査をやって、汚染度の調査をやったときに、建設省の方の河川の方のダイオキシンの数値というのが割合高く出ておりまして、高く出るときは、大水が出た後の測定のときに高く出るんだそうですね、大体。高く出て、それで市が調査をした場合では低く出るんですね。高く出た、それを発表をそのままされたら市の観光事業とか、きれいな水を売り出して、サッポロビールも来て、これは市はもう大変困るといって非常に相談もあったんです。
 そこは、原因はどうもサンプルをとる容器の汚染があったんじゃないかと。それは原因はよくわからない。いずれにしてもそういうことがあるものですから、証明事業者のサンプルのとり方とかあるいはそういう容器の汚染の問題とか、少しそのもとが変わってくると全体に大きな影響を及ぼしますから、数値の差がやっぱりどの業者がやっても出ないようにするということが非常に大事じゃないかと思うんですね。そこのところをもう一回念を押して答弁をいただきたいと思います。
 それから二番目に、もう先に聞きますが、二番目は、発注業者と証明業者の間の癒着関係です。これは、なかなか一兆分の一なんという数字は、そこを一般の市民というのはわからぬのです。どこがどうなっておるかわからぬ。だから、癒着の状況がやっぱり生じる可能性というのは非常にあると思う、心配が。そこのところは一体どう考えておられるのか、それが二点。
 それから三番目に、異なった結論があっちやこっちで出た場合に、一つのことに二つか三つのところでやって結論が出た場合に、何か県かあるいは経済産業省かどこかが調整をするような機能を持つのかどうなのか。なかなか一般市民というのは、要するに信頼するか信頼しないかだけですね。
 ですから、その三点について、少し通告をしていなかった部分もあるかもわかりませんが、お尋ねします。
#88
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の、やはり正確で信頼性の高い計量証明の実施の重要性というのは、梶原先生御指摘のように非常に大切なことだと思っております。特に極微量物質の計量証明、それであってもその重要性というのは私はいささかも変わるものではないと思っています。このために、計量証明システム全体の工程管理が適切に行われなければ正確な結果が期待しにくい極微量物質の計量証明においては、そこが特に私は強調されることだと思っております。
 したがって、今具体的に日田市の例もお出しになられて、そしてそれを採取するいわゆる容器、そういったところも汚染されていてデータに影響があると、こういうような御指摘がございましたけれども、今般の制度改正によりまして、やはりそういうことがあってはならない、こういう形でそこのところを厳密にやる、こういうことも私どもは徹底をしていかなければならないと思っておりまして、今般の制度改正の着実な実施を通じまして、信頼性の高い計量証明が行われるように努めていかなければならない、このように思っております。
 また、ともすると起こりがちな発注する側とそれを証明する側の癒着の問題で、やはり自己に都合のいいような証明をしてもらおうと、こういうようなことが起こりがちであって、過去にもほかの分野でそういう例が数限りなくあったということも私は承知をしているわけでありまして、特に人体に影響がある極微量物質、こういうことを考えますと、そういった癒着というのは絶対許されないことでありまして、私どもとしては、地方自治体を含めてそのことを厳正に徹底をして、そういうことがないように私どもとしてはしていかなければならないと思っています。
 また、検査というものが極微量物質でございまして、やっぱり検査によって異なったデータが出る、こういうおそれも御指摘のように当然可能性としては考えられるわけでございますけれども、やはりそこのところはしっかりとした検査ができるということを十分に担保する。そして、それを管理監督する我々サイドも、そういう異なったデータが出ない、また出た場合には再度それを検査をし直してどれが正しいデータかと、こういうことを厳重にすることによってそこを担保していかなければならない、そのように思っておりまして、御指摘の、そういうこれから正しい検査体制、計量体制を進めるときに当たって非常に重要な御指摘だと思っておりますので、そういうことが起こらないように、我々としてはこの法改正を機にそのことも十分含んで徹底してまいりたい、このように思っております。
#89
○梶原敬義君 もう一つ聞きますが、登録するときには県知事のもとでやるという、その専門家ですね。これは役所の答弁でいいんですが、大体近ごろは、専門家を置いていたけれども、その専門家を一般職をくるくる回すような形の人事というのが多いんですね、感じられるんです。県にこういう極微量物質の検査等の専門家というか技術者というのか、そこは定年退職してどこかから技術者を持ってきてもいいんだけれども、やっぱり一人の人が長く仕事をしていないとわからないと思うんです。そこら辺は県にどういう指導をしようとしているのか、それが一つ。
 それから最後に、情報公開の仕方ですね。これは極微量物質については、出た数字だけ見てどうこうというより、やっぱりその過程も大事だし、情報公開のことをどのように考えておられるのか、その点について、二点、それで終わります。
#90
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 計量関係の事務は、現在、御承知のように都道府県の業務ということになっております。したがいまして、それぞれのところでの県での計量行政への対応のあり方は少しずつ差異があるところでございます。
 御指摘のように、都道府県ではなかなか環境関係、化学関係の専門家を配し得ないということもございますので、今回の場合も、能力があるかどうかの確認のところは国の方で確認をするという仕掛けになったような経緯でございます。
 県における行政への対応の能力アップという問題につきましては、私どもの方、計量研究所というのが工業技術院のときにございました。あるいは計量教習所というのがございました。これが独立法人の産業技術総合研究所に統合されておりますが、その中における研修プログラムを今までもやっておりますけれども、さらに充実いたしまして、都道府県で行政に当たられている方あるいは計量士の方、その他関係の方に十分な情報提供、能力アップのための研修の機会を設けていきたいと考えております。そのような関係で、いろいろ都道府県の計量行政関係者とはよく連携をする連絡会を設けてきているところでございます。
 情報公開につきましても、これは都道府県における法施行でございますが、そのような連絡会の場を通じて、今の情報公開についての考え方などについても理解を深めるような努力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
#91
○委員長(加藤紀文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですので、これより直ちに採決に入ります。
 計量法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 足立良平君から発言を求められておりますので、これを許します。足立良平君。
#93
○足立良平君 私は、ただいま可決されました計量法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、無所属の会及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    計量法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 極微量物質の計量計測における高度な技術的水準の確保の必要性等にかんがみ、特定計量証明事業の認定等の制度運用に当たっては、その技術進歩への対応に十分配慮するなど、制度の信頼性保持に努めること。
 二 極微量物質の的確な計量計測に対応するため、計量管理や測定技術に関して、計量士等の研修制度を整備するなど、特定計量証明事業者の技術的能力の維持向上に努めること。
 三 特定計量証明事業の認定制度に関しては、手数料の低廉化、認定手続の効率化等により特定計量証明事業者の負担の軽減に配慮するとともに、計量証明の依頼者等による制度理解の促進を図ること。
 四 極微量物質に係る環境測定分析の重要性にかんがみ、国家標準物質の開発・供給、測定方法の国際標準化等に積極的に取り組むこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#94
○委員長(加藤紀文君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平沼経済産業大臣。
#96
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
#97
○委員長(加藤紀文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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