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2001/05/29 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第9号
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2001/05/29 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第9号

#1
第151回国会 経済産業委員会 第9号
平成十三年五月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任   
     山下 善彦君     田村 公平君
     本田 良一君     岡崎トミ子君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任   
     田村 公平君     山下 善彦君
     岡崎トミ子君     本田 良一君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任   
     西山登紀子君     大門実紀史君
     山下 芳生君     岩佐 恵美君
     梶原 敬義君     山本 正和君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任   
     大門実紀史君     西山登紀子君
     山本 正和君     梶原 敬義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 紀文君
    理 事
                畑   恵君
                保坂 三蔵君
                山下 善彦君
                足立 良平君
                西山登紀子君
    委 員
                加納 時男君
                陣内 孝雄君
                松田 岩夫君
                吉村剛太郎君
                直嶋 正行君
                本田 良一君
                藁科 滿治君
                海野 義孝君
                大門実紀史君
                山本 正和君
                水野 誠一君
                渡辺 秀央君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  山名 靖英君
       経済産業大臣政
       務官       大村 秀章君
       経済産業大臣政
       務官       西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       国税庁調査査察
       部長       金井 照久君
       経済産業省製造
       産業局長     岡本  巖君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
       中小企業庁長官  中村 利雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (プルサーマル計画等エネルギー政策に関する
 件)
 (産業構造改革における諸施策に関する件)
 (繊維セーフガード措置の発動に関する件)
 (中小企業対策に関する件)
○電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法
 の特例に関する法律案(内閣提出)
○不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)

    ─────────────
#2
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、梶原敬義君、西山登紀子君及び山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として山本正和君、大門実紀史君及び岩佐恵美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加藤紀文君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山下善彦君を指名いたします。
 なお、あと一名の理事につきましては、後刻これを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に国税庁調査査察部長金井照久君、経済産業省製造産業局長岡本巖君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び中小企業庁長官中村利雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(加藤紀文君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○加納時男君 おはようございます。自由民主党の加納時男でございます。
 平沼経済産業大臣にお伺いいたしたいと思います。
 一昨日、五月二十七日に新潟県の刈羽村でプルサーマルに関する住民投票が行われました。この結果についての大臣の御所感を伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(平沼赳夫君) この二十七日に刈羽村で行われました住民投票の結果に関しましては、国といたしましては、今回のプルサーマルに関するこの住民投票の結果を刈羽村がどのように扱うか注視してまいりたい、まずこのように思っている次第でございます。同時に、御承知のように、事前了解の当事者でございます新潟県及び柏崎市の対応もあわせて見守っていかなければならないと思っています。
 柏崎刈羽原子力発電所におけるプルサーマルは、事業者たる東京電力株式会社がその安全性、必要性について地元の理解を得るための広報活動等を行ってきており、国といたしましても説明会の開催等により努力をしてまいりました。その必要性、そのことを痛感いたしましたので、私も私の署名入りの文書を刈羽村全戸に配付させていただき、また、御承知のように、資源エネルギー庁長官が賛成、反対派、その両者がお集まりの会合にも出席をさせていただき、原子力安全、そして保安の責任者ともども、その必要性、安全性について訴えさせていただいたところでございます。
 しかし、今回の投票では地元の住民の皆様方のプルサーマルへの十分な御理解が得られなかった。国も事業者にもさらなる努力が必要である、このように痛感している次第でございまして、このため、電気事業者に対してはプルサーマルを推進するためのさらなる取り組みを促すとともに、国といたしましても、プルサーマルに関する国民の皆様方の御理解を深めるための体制として、政府部内に連絡協議会を設けまして、取り組みの強化を図っていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、二十一世紀を踏まえた国のエネルギー政策の基幹でございますので、国としてもこれから十分な体制を組んで、国民、そして住民の皆様方の御理解を得るためにさらなる努力を傾注していきたい、このように思っています。
#10
○加納時男君 ありがとうございました。
 今、大臣の御答弁の中で、十分な理解が得られていないということは非常に残念である、これに対して対策を講じていきたい、十分なもっと情報を提供してわかっていただきたいということですが、きょうはこの委員会は実はいろんな方が注目して、国民の中でも注目している方が多うございますので、十分な理解が得られないということに関連しまして経済産業省に若干の事実確認をさせていただきたいと思います。
 一つ目でございますが、全体的に今回の住民投票のバックグラウンドにあったのはプルサーマルに対する漠然たる不安にあったと私は思っております。そこで、その漠然たる不安の一つ一つを、事実だけをまず確認したいと思います。
 第一に伺いたいのは、このプルサーマルというのは初めてではないかという疑問が大分ございましたが、世界で初めてなのか、既に行われているのか。
 第二に伺いたいのは、これまでの軽水炉の中でプルトニウムは仕事をしているのかしていないのか。現実にしているとすれば、何%ぐらいが、一つの燃料棒が仕事をする間にプルトニウムに転換してその核分裂で熱を得ているのか、そういったこと。
 第三点としては、このMOX燃料の使用に当たって事前に刈羽村の了解を正式にとっていたのかどうかということであります。正式にとっていないとすれば、これは問題でありますが、とっていたかどうかということ。
 それから四点目でありますけれども、仮にプルサーマルは嫌いだと、断るという話になったとした場合に一体どんな問題が日本として起こるんだろうか。
 この四点について、事実をまず御説明いただきたいと思います。
#11
○政府参考人(河野博文君) プルサーマルの内外における実施状況でございますけれども、現在、フランス、ドイツ、スイス、ベルギー、インド、この五カ国で合計三十五基の原子炉におきましてプルサーマルは実施をされているところでございます。
 我が国でも、過去に敦賀発電所一号機及び美浜発電所一号機で試験的に導入した実績があるものでございます。
 第二番目に、既存の軽水炉においてウランあるいはプルトニウムがどのように働いているかという御質問でございます。
 我が国の原子力発電所では、現在、ウラン燃料を使っているわけでございますけれども、このウランは、いわゆる燃焼しているうちに一部が原子炉内でプルトニウムに変化するわけでございます。この原子炉の中で生まれましたプルトニウムは原子炉の中で引き続き燃料としての役割を果たすわけでございまして、通常の原子力発電所で生まれる電力のうち、平均しますと三分の一程度はこのプルトニウムが生んでいるというふうに考えられます。
 事前了解についてのお尋ねでございますけれども、柏崎刈羽原子力発電所三号機におきますプルサーマルの実施につきましては、事前了解の当事者としては新潟県、そして刈羽村、柏崎市がございます。新潟県及び刈羽村からは、平成十一年三月三十一日に、また柏崎市につきましては同年の四月一日に、それぞれ東京電力に対しまして安全協定に基づく事前了解が与えられているという状況でございます。これを受けまして、その年の四月一日に、東京電力が原子炉等規制法第二十六条第一項に基づきまして、当省に柏崎刈羽原子力発電所三号機に係ります原子炉設置変更許可を申請いたしまして、平成十二年三月十五日、当省としてこれを許可したという経緯がございます。
 プルサーマルがうまくいかない場合にどういう問題が起こるのかという御指摘でございます。
 プルサーマルは、御案内のとおり、使用済み燃料を再処理いたしましてプルトニウムなどの有用資源を分離、回収して、再び原子力発電所で燃料として利用するというものでございます。
 我が国は、利用目的のないプルトニウムを保有しないという方針を有しておりますので、プルサーマルを実施しない場合は、この使用済み燃料のリサイクルが困難になるという問題が生じます。そして、リサイクルを行わないということになりますと、使用済み燃料を原子力発電所から六ケ所村にございますリサイクル施設に搬出するということができなくなることが考えられます。原子力発電所の中に使用済み燃料がたまり続けるということになります場合には、使用済み燃料の貯蔵施設がいっぱいになってしまう、やがては発電所の運転を停止しなければならなくなるという問題が考えられるのでございます。
 また、我が国の電気事業者は英仏に既に再処理を委託いたしておりまして、得られましたプルトニウムは基本的にはMOX燃料に加工をいたしまして国内の発電所で利用するということとしているわけでございます。プルサーマルが実施できませんと、海外に存在いたします我が国のプルトニウム、海外にありましても我が国のプルトニウムでございまして管理責任がございますけれども、利用目的のない余剰なプルトニウムを保有しないという我が国の政策表明に反することとなると思われます。
 こういった事態になりまして、エネルギーの安定供給に支障が生ずることがないように、このプルサーマルの安全性、必要性について御理解をいただけるよう、引き続きできる限りの努力をしてまいりたいと思っております。
#12
○加納時男君 それでは、この件が実は住民投票にかかったわけでございますけれども、一体全体その住民投票とは何なんだろうかということを総務省にお伺いしたいと思うわけでございます。きょう政務官に御出席いただいております。
 私は、住民投票自体は有効であるし、また必要な場面が多いと思っております。当該地域で完結するような問題、自治体の合併でありますとか町名を決めることでありますとか、さまざまなその地域に固有なもので、地域で完結し、その結果について地域が責任を負えるもの、こういうものは私、住民投票として、まさに住民の意思を確認する直接民主主義の一つとして、間接民主主義の補完として立派に位置づけられると思うのでありますが、今の資源エネルギー庁長官河野さんの御説明を聞いておりますと、これを仮に住民投票どおりにプルサーマルをやめるということになりますと、原子力発電所、原子燃料サイクル、エネルギー政策を根本から修正を迫る、現状までのエネルギー政策を否定するというものになります。
 果たして住民投票は何でもかけられるものだろうか。外交とか防衛とかエネルギー政策というのは一国の安全保障に関するものであります。一国の安全保障、一億二千七百万人の安全保障にかかわる、命にかかわる問題を、一つの特定の地域の特定の住民の方々が決めていいんだろうかというところがどうも一つひっかかるところでございますが、総務省の御見解を伺いたいと思います。
#13
○大臣政務官(山名靖英君) きょうは総務大臣が出席できませんので、かわりに答弁をさせていただきます。政務官を務めております山名でございます。
 今先生がお述べになりましたように、最近とみに地方公共団体が条例で定めまして、その条例に基づき住民投票を行うというケースがふえております。地方公共団体が、住民の皆さんの関心が高く、また地域において影響が大きい、こういう事案に対しましてその意向を住民にお聞きをする、こういうことで任意に住民投票を行うということは、現行制度上規制を受けるものではありませんし、法律上特に禁止されているものではありません。
 本来、御承知のように、我が国の地方自治制度は代表民主制をとっておりまして、議会、そして首長、こういう存在が一方で重い存在としてあるわけでございますが、とみに最近、住民の行政への参加、こういうこともありまして、そういう意味で代表民主制をあくまで補完をするという意味から、直接民主制的な手法としてこういった住民投票が行われておりまして、私はそれなりに意義があることだと思っております。
 ただ、この住民投票につきましては、先ほどもお話がございましたように、住民投票の対象とすべき事項、中身、さらには選挙で選ばれた長あるいは議会の議員、こういう立場、権限との関係性、さらには投票結果の拘束力のあり方、こういった点で、こういったものを今後どう考えるかということが今論点にもなっておるわけでございまして、地方制度調査会等におきましても指摘をされているところでございます。
 今後とも、この住民投票の一般的な制度化を含めまして、委員の御指摘のとおり、そういったものも今後とも十分な議論あるいは研究が必要であろうかと、こういう認識に立っているところでございます。
#14
○加納時男君 質問の時間があと一分ちょっとになりましたので、一言感想だけ述べたいと思います。
 きょうの討論を通じまして、非常に明らかになったことがあると思います。今回の住民投票の結果は、プルサーマルの実施に反対する方が五二、三%ですか、五〇%を超えたということでございますが、この背景にあるものがかなり安全性に関する、プルサーマルに関する漠然とした不安だったと思います。ところが、きょうの質疑で明らかになったことは、このプルサーマルは既に欧米、欧州では日常化されているものであり、また既にプルトニウム利用は原子炉の中で、これまでの軽水炉の中のウラン燃料でも現実に三分の一近くは行われて、プルトニウムが現実に使われているということで、新しい危険を伴うものではないということがかなりはっきりしてきたわけであります。それにもかかわらず、不安を持たれているということは、なお情報提供、理解活動が不十分だったということで、大臣が冒頭にお話しになったように、これの充実が緊急の課題だろうと思っております。
 もう一つは、住民投票について、今政務官からお話ございましたけれども、やはり私は、間接民主主義の補完としての直接民主主義、住民投票というのは私は意味を認めます。
 けれども、これは何にでも適用できるものだろうかと。二つの問題があって、一つは拘束力をどう持たせるのか、持たせないのかということ。私はやはりきちんと法整備して、拘束力を持たせるべきだろうと思っております。それからもう一つは、住民投票の対象を、繰り返しになりますけれども、国の安全保障、セキュリティーにかかわるようなもの、外交、防衛、エネルギーのようなものについては、シングルイシューで単なる賛成か反対か、これは賛成ですか、反対ですかで決めるんじゃなくて、国民から直接選ばれた代表がさまざまな要素を踏まえて総合的に討議して決めていくというのがどうも正しいことではないかと思っております。
 時間が三十秒ぐらいしか残っておりませんが、大臣から一言所感をいただけたらありがたいと思います。
#15
○国務大臣(平沼赳夫君) 今委員御指摘のように、間接民主制のもとでの住民投票の位置づけというのは難しいところがあると私も思っております。
 おっしゃるように、エネルギー政策等、国全体に影響を与える問題についての判断となると、やはり首長や議会が十分な資料やあるいは情報に基づいて専門家の意見をしっかりと聞きながら責任を持って判断される、このことが期待されているのではないか、私はこのように思っています。
 こういったことを踏まえて考えてみますと、こうした問題は、本来、私は住民投票にはおっしゃるようになじまないという印象を持っておりますけれども、御指摘のように、その安全性だとか必要性についてのやはり国として、事業者としてのPRが足らなかった、御説明が足らなかった。したがって、私どもとしては、これから一生懸命に、この国の基幹的なエネルギー政策でございますから、努力を傾注して御理解を高めるように努力をしていきたい、このように思っております。
#16
○加納時男君 わかりました。今後の努力をお願いして質問を終わります。
 ありがとうございました。
#17
○本田良一君 民主党の本田良一でございます。
 私は、構造改革とはスクラップ・アンド・ビルドであると考えております。古い産業、国際競争力を失った産業をただ壊すだけではいけない。それに見合った、あるいはそれ以上の新しい産業を立ち上げなければならないと考えております。
 私は、平成十年九月十七日の経済・産業委員会で、当時の与謝野大臣や堺屋経企庁長官に対して、公共投資に偏った景気対策よりも新産業創出などの産業政策こそこれからの経済政策の本道であると、年来の主張をいたしました。そして、翌年一月の小渕内閣の産業再生計画によって、政府はそれまでの金融再生から経済政策の重点を産業政策に転換をしたのであります。同年三月には産業競争力会議が設置をされ、それは六月には政府の緊急雇用・競争力強化対策に結びつきました。その流れは次の森内閣にも受け継がれ、昨年の臨時国会冒頭の首相所信表明演説でIT国家戦略が示されたところであります。歴代首相の中で初めて、日本の進むべき国家像を、産業政策をその中心に置いて示したのであります。
 しかし、それらの国家戦略が着実に今成果を上げているかといえば大変異論を持っております。日本の首相がやっと、小渕、森と二代にわたって経済政策の中心に産業政策を位置づけたと大変意義深く認識をしております。
 私は、両内閣の政策全般が、景気対策全体について支持するものではありませんが、産業政策の重要性に着目をしたという点において評価をしております。
 そして今回、小泉内閣が成立をいたしました。小泉首相は、大きく構造改革を挙げながら、その具体策についてはまだ明らかになっておりません。所信表明における産業政策への言及もありません。私は、何度も申し上げているように、資源小国の日本が生きる道は産業の活性化しかない、財政再建も産業の活性化による事業税、所得税などの増収によりなし遂げるのが本筋だと考えております。高度経済成長の後、何十年と歴代総理がさしたる産業政策を示さなかったことが今日の日本の経済の衰退につながっていると私は確信をしております。
 私は、小泉首相の挙げる構造改革は、果たしてスクラップ・アンド・ビルドなのか、つくり出すという産業政策はあるのだろうか、そういう点の不安から、以下質問をいたします。
 まず、平沼大臣に、小渕内閣、森内閣と継承をされた産業政策の今日までの実施状況について、特に森内閣では産業再生計画、これを具体的にするものが経済構造の変革と創造のための行動計画、このように御存じのとおり示されておりますが、このものと森内閣のIT国家戦略、この今日までの状況。
 それからもう一つ、産業政策をやる場合に、常にこれはもう我々議員はいろんな、大学教授とか経済界とか、大臣たちもそうだと思いますが、この新しい産業を起こすためにはどういうところを改革しなければならないか、これはもう耳にたこができるほど、その欠点なりアメリカとの比較なり、欧米との比較は聞いて、もう御存じのとおりであります。それを、この行動計画にもあるんですが、初期的な問題点として挙げられておった税制の改革、金融改革、これは投資家が誕生して、投資家が資金を市場で調達できるような改革。
 それから三つ目に、大学の改革。大学の教授は終身雇用的に一つの大学にとどまっているとか、そういうことの改革。
 それから四点目に、知的所有権。特に国際特許を取得するに当たって、迅速なる国際特許の取得とか、そういう特許庁の改革。
 それからもう一つは、司法改革。国内、国外を問わず、こういう国際特許の取得の問題で、いかにアメリカとかそういう進んだ国と対等にこの取得をするか、その紛争に当たって司法がどれくらい日本人としてこの紛争で勝ち抜いていくか、そういう司法改革、こういう点が挙げられますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(平沼赳夫君) 本田委員御指摘のとおり、小渕内閣、森内閣と引き継がれてまいりまして、私は森内閣の七月から当時の通商産業大臣として参画をさせていただきました。そして、委員御指摘のとおり、この七月からいわゆる産業新生会議、これが立ち上がりました。これは御指摘のとおり、小渕内閣からその流れを継承して、そして日本の産業を再生させるということで産業新生会議というのが立ち上がり、その中でかんかんがくがくたる議論もいたしたわけであります。
 そして同時に、これも同時発進でございましたけれども、IT戦略本部とIT戦略会議、これが開催をされました。これは特に戦略会議の方にはその道の第一人者であるソニーの出井さんが議長になって、そしてこれがe―Japan構想にまとまっていくわけでございますけれども、いろいろ昨年議論を傾けてまいりまして、今御指摘のようにそれが基本行動計画にまとまりました。
 これが、一つは二百六十項目を列挙いたしました。しかし、今時代の進むのが速いわけでございますから、項目だけ挙げてもこれは意味がない。したがって、これは時間を区切ってやるべきだという形で、全体では五年以内というそういうタイムを設定いたしましたけれども、その半分の百三十は三年以内にやってしまおうと。しかも、その百三十のうちの百は一年以内にこれを達成しようということで、おかげさまで皆様方の御協力をいただいて、この百のうちの八十、約八割は既に着手をしておりまして、これは今御指摘の法の改正、この国会にもお願いをしておりますけれども、法改正を含め、税制改正あるいは規制の撤廃等々、これが今円滑に動いている、そういったところでございます。
 また、ITに関しましては、これももう本田先生御承知のとおり、本年の一月、IT基本法に基づきましてIT戦略本部を設置いたしまして、これもちょっと気宇壮大な計画でございますけれども、五年以内に世界最先端のIT国家を目指す、これがe―Japan重点計画、これを三月末に策定いたしました。その中にもろもろの計画が盛り込まれておりまして、それも法律の面あるいは税制の面あるいは制度の面、こういうことで着々とやっているわけであります。
 そういう中で、さらに小泉新内閣が誕生をいたしまして、そして新市場・雇用創出に向けた重点プランというものを、この二十五日に産業構造改革・雇用対策本部に出させていただきました。これは緊急経済対策をやっていくに当たって、どうしても不良債権、不良債務の処理をしなきゃいけない。そのためには、やはり痛みがある程度伴うので、新規産業を創出しながら同時に雇用も確保していこう、こういう考え方でそういう本部が立ち上がりまして、私も今までずっとその担当副本部長として一連の流れの中で汗をかかせてきていただいておりますので、さらにもっとやることがあるんじゃないか。特に、不良債権、不良債務を処理するといろいろなことがある、こういうことで十五の項目にまとめまして、一部報道機関は、大変あれですけれども、平沼プランというようなことで呼んでいただいておりますけれども、特に新規雇用に着目をして重点政策を提唱させていただき、これをたたき台としてこの対策本部でやっていただく、こういう形で今進んでいるわけでございまして、新しい小泉内閣でも、小渕、森と続いたそういう日本の今構造改革をやり、経済の活性化をする、本田先生御指摘のようなそういう側面をさらに力を入れなきゃいかぬということで、一生懸命取り組んでいるところでございます。
 そして、御指摘のこれまでの税制改革だとか金融市場改革だとか、大学改革、特許、知的所有権の問題、司法改革、こういったことはどういうふうになっているか、こういうことでございますけれども、例えば新規産業の創出に関しましては、これもよく御承知だと思いますけれども、エンゼル税制、これの創設と拡充をさせていただいております。また、店頭登録基準の見直しですとか、公開前規制の緩和など、いわゆる金融市場に着目した改革も既に着手をさせていただきました。
 それからもう一つは、大学に関しましてですけれども、国立大学教官等の民間企業の役員兼業などの緩和をして大学改革をして、いわゆる学から産へ力が移行できるような、そういうインセンティブが与えられるような、そういうことも既にさせていただき、さらに大学について言わせていただきますと、大学等の研究成果につきましては、その特許の取得や、その産業界への流通、活用を支援するための技術移転機関、いわゆるTLOを創設させていただきました。こうした施策を着実に実施してきております。
 また、知的所有権、これはこれからが非常に重要に、御指摘のとおり大切なところでございまして、今我が省が管轄をしております特許庁も役所の中では相当IT化が進んでいる役所でございますけれども、しかし物によっては平均二十一カ月もかかる、こういうような状況がございます。ですから、これを一日も早くもっと短期間で処理をしていかないとこういう全体の流れにはついていけない。そこで、やはり三極でイコールフッティングの形をつくろうということで、EUと日本と米国の特許庁の長官の会議の中で、お互いにそういう知的財産、知的所有権、そういうものの登録や認証というものが迅速に行われる、そういう形で定期的にその会合を開きながら、いわゆる大切な知的所有権の問題についても日本としてもできる限り対処していかなきゃいけない。
 また、確かに人員の面もあります。ですから、そういう人員のことも含めて、私は何も行政改革は減らすこと、むだを減らすことは必要ですけれども、必要なところの人員はふやすということも行政改革だと思っておりますので、そういう観点でこれからも一生懸命に取り組んでいきたい、このように思っているわけであります。
#19
○本田良一君 ありがとうございました。
 それで、百から八十、着手をしているということ、それから今大学のそういう改革もやってきた、税金もエンゼル税制の導入とかおっしゃいましたが、直接このことが、今三年たちまして、実施されて一年、新しい産業創出にはまだほど遠い状況ですね。
 これについて、新しい産業がもう既に特徴的なものは芽生えているか、そういうのをひとつ参考までにいただきたいと思います。
#20
○副大臣(松田岩夫君) ただいま大臣から新規産業あるいは産業構造改革のための歴代内閣、とりわけ最近の状況について御説明させていただいたとおりでございましたが、こうした施策、さらに現在も平沼プランということでさらなる追加ということで今一生懸命その充実を考えておるところでございますが、具体的に一体これがどんな成果を生んでおるのかということにつきましては、一概に言いにくい面もございます。経済全体の中でその部分だけ摘出するということはなかなか技術的に難しい面もございますが、経済産業省といいますか、前は通産省でございます、通産省の時代に委託して調査した結果によりますと、今申しましたような施策を含めて経済構造改革が十分に効果を上げた場合、一つの試算でございますけれども、今後十年間で約百四十兆円のGDPの拡大効果があると、そしてそれはおよそ三百万人の雇用機会の創出に相当するといったような試算もございます。
 そんなようなオーダーの改革、せめてぜひ実現していく必要があるというふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、私どもとしてはさらなる努力を積み重ねまして、本田委員御指摘のとおり、いかに新規産業をこの日本経済の中で脈々と力強いものにしていくかということに全力を尽くしていきたいと考えております。
#21
○本田良一君 大臣は先ほども、雇用をまたふやすところはふやす、これも一つの構造改革だとおっしゃいました。その点は私も大変意見を一にするところでございますので、ひとつしっかり勇気を持ってやっていただきたいと思います。
 それから、今申し上げましたように、新しい産業の芽生えというのは具体的にまだ副大臣おっしゃるようにないというような状況ですが、もうそろそろそういうのが出てきていいんではないかと思いますから、ひとつそういう点を積極的に、今ずっと予算がおりているわけですから、その予算を途中でへし折らないで、やっぱり今やっとこうやっているのに、新しい構造改革が出てきた、果たしてもう右往左往とか、地方自治の方では、そういうことがないように。
 私は、ITという、パソコンをそれぞれの住民に徹底させるために、一つの県でも三十億ぐらいの予算がついておりておりますね、パソコン教室とか。これは、国が進めるのに当たって非常にやっぱり効果があったなと思いますのは、私の女房あたりも近くで開かれる公民館のパソコン教室に応募をいたしました。ところが、もうあふれておりまして、たくさんですよ。だから、その講習会に漏れました。それくらい徹底して地域にやっぱりこれは浸透していっていると。これは決してブラックジョークではありませんけれども、森総理がITをイットと言ったのはこれはすごい効果があった、全国に一気にこれで広まった。だから、老若男女だれでも、イットと言っちゃいかぬ、ITだと。これで一気にどういうものかということで浸透して、私はあれだけの応募の効果が地域ではあるのかなと思っております。
 そういうふうで、国がいざ施策を示してやり出すと本当に全国に浸透していく、地域でのそういうのを私自身もつかんでおりますから、今おろしているそれを徹底的に、やっぱり効果を生むように、途中でへし折らないで、ひとつ意気込みを持って検証しながらやっていただきたいと思いますね。
 次に、一番私が心配をしている、小泉内閣は小渕内閣、前森内閣と継承された産業政策を引き継ぐのか、そもそも小泉内閣は産業政策があるのかどうか、この点をただしておきたいと思います。
#22
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、一連の流れの中で、小渕内閣、そして森内閣、こういうふうに日本の経済を再生し、そして経済を安定軌道に乗せる、こういう基本的な政策というのは受け継がれてきたわけでございます。
 ただ、もう委員御承知のように、小泉内閣の中では、一つは基本的には森内閣のときに取りまとめられました緊急経済対策、これをやはり主要のテーマとしてやっていくと。その緊急経済対策の中には、やはり今まで累次にわたって景気浮揚策をやってきたけれども、これはこれなりに効果があったわけですけれども、なかなか安定軌道に乗らない、しかも先行き不透明感、こういうものがございましてGDPの六〇%を占めております個人消費に火がつかない、こういうようなことでなかなか景気が浮揚できなかった。そこで、その緊急経済対策の中に、一つは金融サイドの不良債権、そして産業サイドの不良資産、これを処理していこうと、こういう形が、時間を区切って、既往のものに関しては二年以内、新規のものに関しては三年以内にこれを処理していこう、こういうことが一つ大きな重点項目としてその流れの中で盛り込まれました。
 その中で、やはり小泉内閣として取り組まなければならないのは、不良債権、不良債務を処理していくに当たってはやはりどうしても痛みが伴う、また一時的に雇用の喪失ということも、アメリカの例を見るまでもなく起こってくる。ですから、そういう中で、やはり新規の産業を起こす、そしてそこに雇用を吸収する、このことを力強く打ち出していかなければならない、こういうことに相なりまして、先ほどもちょっと触れましたけれども、この二十五日に産業構造改革・雇用対策本部というものがそこに設置をされ、そこに力点を置いて、今までの政策の流れの中で、ひとつそこの力点の中で新規産業を起こし、そしてそれに対しては規制の緩和でありますとかあるいは法改正ですとか徹底的な構造改革をやっていこう、こういう形になっております。
 私は、その一連の流れの中で、これも繰り返しになりますけれども、新しい一つのプランを出させていただいて、それにさらにインセンティブを与えるようなそういう形を私は今経済産業省を挙げて協力をさせていただく。そして、この本部の場に私はたたき台として出させていただいて、関係省庁が一丸となって、もちろん厚生労働省も国土交通省も総務省も一連となってやはりそこのところに取り組んでいくと。そういう形で、小泉内閣におきましてはそういうところに力点を置きながらやっていくと、こういうことであります。
 また、一連のそういう構造改革をやったために、新規産業というのも、例えばBツーBですとかBツーCという形でインターネットを使ったそういう新規の産業というものは起こってきておりまして、ここは今どんどん拡大をしてきております。そういう中で、それぞれBツーBだとかBツーCというような形の中で新しい芽生えができておりますし、また新しいバイオテクノロジーを使ったそういう技術でも今新しいベンチャー企業がどんどん芽生えてきておりますから、そういうことに対しても我々が力強くバックアップしていかなきゃいけない。
 それからもう一つ、こういうことに関して経済産業省として言わせていただきますと、そういう債権の処理をしていき、新規産業を起こしていかなきゃいけませんけれども、やはり日本の経済の基盤を支えていただいている中小企業に対して非常に悪影響が出るおそれがありますから、それに対してはやはりしっかりとしたセーフティーネットを張って、そしてそれに不当な形で巻き込まれないように、そういう形で、これは中小企業庁が中心となってやっておりますけれども、きめ細かく対応させていただくと。
 こういう形で、一連の小泉内閣の継続した経済政策の中で一生懸命に頑張らせていただいている、このようなことであります。
#23
○本田良一君 ありがとうございます。力強く大臣が方針を出していただいて、それに期待をしております。
 次に、小泉首相は、官から民へという、いわゆる民でやれるものを国でやる必要はないと、こういうふうにおっしゃって、特殊法人改革を今回の本会議でも強調されました。その中の言葉でおっしゃったのは、民がやれば利益を出さなくちゃいかぬ、利益を出せば税金を払う、国がやれば税金を払わないと端的におっしゃいました。この部分に、私は、新しい産業を起こそうという小泉首相の気構えがここにあると。
 だから、さっきから、小泉首相が産業政策を継承していないと、こういうふうなことでなくて、そこにそういう言葉で表現をされておりますから継承されたものと私は既に確信はしておりますけれども、一応この辺を力強くやっていただくために申し上げるわけですが、特殊法人が本当に日本の経済を圧迫していると。皆さん一度、もうお読みになっておると思いますが、この経済同友会の藤澤さんもおっしゃっております。
 私は、既に予算委員会で宮澤大臣に、日本はどういう国ですかと、こういう質問をしたことがあります。それは何を聞かんとしたかといえば、日本は資本主義の国だと。資本主義の国であり、自由主義経済の国であると。そうであれば、私も国会に来て驚いたのは、国が持っている会社が余りにも多過ぎる、これが日本経済を本当に圧迫していると。だから、この藤澤さんが言っておられるのは、資本主義に名をかりた社会主義的な経済構造によって日本経済の成長は保たれてきたと、こういうふうに言っておられる。
 だから、私は、そこをやっぱり小泉総理がこういう特殊法人も含めて改革を、私は本当にもうなくしていく、これに徹してもらいたいと、そういうことでお考えをお聞きしたいわけです。
#24
○副大臣(松田岩夫君) 我が国経済社会システムを二十一世紀にふさわしいものにしていくためには、今おっしゃったとおり、民間にできることは民間にゆだねる、地方にできることは地方でやっていただくと。こういった考え方、本田委員おっしゃるとおりでございまして、小泉内閣のまさに重要課題の一つでございます。
 その中で、今おっしゃいました特殊法人等改革につきましては、現在、石原行政改革担当大臣の指導のもと、内外の社会経済情勢の変化を踏まえ、抜本的な見直しの作業に着手したところでございます。
 個々の特殊法人等の業務につきましては、こうした見直し作業の中で、その政策的必要性や合理性の観点から必要な議論がなされていくものと考えておりますが、民間の創意工夫が最大限に発揮される環境が整備される、新たな産業が創出される素地を生み出すといった観点からも、特殊法人改革を進めることは大変重要だと経済産業省としても考えております。
 こうした点を踏まえまして、我が省といたしましても、当省所管の特殊法人等の事業及び組織につきましてゼロベースからの抜本的な見直しを行ってまいりたいと考えております。
#25
○本田良一君 今ゼロベースからということでございますので、ひとつそのように到達をするようにお願いしたいと思います。
 それから、平沼大臣にお伺いをいたしますが、既に報道された、先ほどお言葉の中にもありました平沼プランというもので、私はこういう形で大臣が堂々とみずからのプランということで、これは新聞が名づけたか知りませんけれども、しかしこういう形で、一つの経済の最も基本的な省である経済産業省の大臣がこういうのを明らかに出していくということは私は立派なことだと思いますから、どんどんひとつ出していただいて、しかし具体性に欠けるというこういう、もう少しその中身について新鮮味がないとかあります。これは報道でございますが、そういう点を懸念もいたします。
 質問をする中でもう一つ、地域を指定されるということですね。雇用を確保する、この信念はありがたいわけです、私どもは。しかし、この中に地域指定、そういうことと産学ということが強調されております。
 しかし、地域の指定は、工業団地の指定から、テクノポリスの指定から、新産都市から、ずっと指定したものは常に失敗をしてきました。テクノポリスといえば、指定をした地域でどこが成功したとぱっと頭に描けるところはあるでしょうか。私は、あるのは一つだけ、熊本だけです。ほかはほとんど失敗している。それから、産学といえば何でしょうか。産学で生まれたものは何があるか、日本では。
 だから、私は、産学というものをもう一回これはぴしゃっと検証すると。地域を指定とかそういうことでなくて、ちゃんとした、特にやっぱり大学の改革によって、そして大学教授が中心になって、その地域で新しい産業とかそういうものを起こしていくと。
 例えば、スタンフォード大学であればフレデリック・ターマンというシリコンバレーの父とかがぱっと思い浮かぶ、地域と人が出てくると。こうなければ日本はだめだと思いますよ。例えば、オースティンのターマンといえば、テキサスのオースティンのジョージ・コズメツキーとかそういう人がおります。
 そういう産学というものでぱっと思い浮かぶ人と地域が出てくるような産業の創出。地域指定というのを国がやらざるを得ないという日本の悲しさ。しかし、これはもう今回仕方がないから、これをやっぱり地域指定をやって、やったらそこでだれが中心になるのか。それはやっぱり大学の教授とかそういう人でなければならない。あるいはまたNTTとか、いろんな企業が持っている閉鎖的な研究機関でなくて、そういう企業の研究機関が一気にそこに行って人材がそこで大きく貢献をすると。だから、そういう人をピックアップして指定する、地域を指定する前に人間のピックアップも必要でないか。
 それから、産学でなくて、必ず産学のほかに住が必要ですよ。シリコンバレーだってオースティンだって、あそこは住めば環境がいい場所だからというところで、住を忘れたらいけませんね。日本は産学だけで住を忘れているんですね。その周りに必ず住みやすい環境があるから研究者はそこに行って自分の夢を達成するわけですから、この住を忘れられていると思いますよ。
 そういうことでひとつお答えをいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は本田先生の言われるとおりだと思います。
 今回、私、繰り返しになりますけれども、やはり不良債権、不良債務の処理をしていくに当たってやっぱり痛みが伴うと。そのためには新規産業をもっと活発に起こしてそこに雇用を吸収して、そして国民の皆さん方の不安を払拭しなければならない、そういう観点で新市場・雇用創出に向けた重点プラン、これは十五の視点から出させていただきました。
 そのポイントというのは、第一に、未来の産業を生み出すイノベーションシステムの構築、これが重要だという認識を持ちまして、具体例でいいますと、アメリカというのは今おっしゃったように非常に優秀なリーダー的な教授なりそういう非常に強い人物がいて、そして大学発で新しいベンチャーが三百も年間出てくる、そういう非常に勢いがあるわけであります。日本も、大学というのは非常にポテンシャリティーがありますから、そこのところの学から産へといういろんな障壁を取り払って、そしてそういう中で日本もアメリカ並みに例えば三年で千ぐらいのこういうベンチャーをつくる技術移転戦略、こういう形で取り組んでおります。
 それからまた、我が国の場合は、非常に残念なんですけれども、一九八〇年代から逆転をいたしまして、廃業率が開業率を上回る、こういう逆転現象が起こってしまっている。アメリカというのは圧倒的に廃業率よりも新規に開業するものが多いわけでございまして、私どもは、今新規に業が起こるのが年間統計をとりますと十八万社ぐらいあるわけですけれども、これを五カ年で、これは目標でございますけれども、倍増の三十六万ぐらいの新規企業が起こるようなそういう目標を立ててやっていこうということ。
   〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕
 それから、どっちかというと今までマイナスに見られていた少子高齢化、これも考えようによっては成長エンジンにできるじゃないかと。昔は人生わずか五十年と言われていたけれども、今は八十年になって、優秀な知識と経験と実績を持っている元気なそういうお年寄りがたくさんいる、そういう方々をどんどん活用しようじゃないか。そういう力も必要だし、また女性も今M字型という形になっておりますけれども、これをもう欧米国並みの体系にして、女性がやっぱり働きやすい、そういう環境をつくっていく、今百三十万円の壁なんというのがありますけれども、こういうものも取っ払ってそこに新たな成長エンジンをつくっていこうと、こういうことを盛り込んでやらせていただきます。
 それで、地域に限定する、こういうことでございますけれども、やはりそこが集積をした、そういったところから起こしていくということが一つのアメリカの例を見ても要素でございますから、これは私は、何も限定をしているということじゃなくて、そういう地域というものがそういうものを、大学なんかを中心に育ってくれれば非常にありがたい、そういう観点で、私そういう形で申し上げておりますけれども、全く先生のお考えにそのところは一緒でございます。
 それから、やっぱり住環境というものが大事だと、こういうことは御指摘のとおりでございまして、一つは、例えば筑波研究学園都市に行きますと、非常に緑が多くて、そしてかつてはああいったところですけれども、今はまだまだ、当初三十万の市をつくるといいましたけれども、そこまでは行っておりませんけれども、非常に住環境を整備することによって世界から研究者が集まる、こういうことも期待できるわけでありますから、もちろん外国からの研究者を含めて、そこの住環境というものもよくしていくことも非常に大きな私は要素だと思っておりますので、そういうことを総合的に私どもは勘案しながら、やっぱり新しい産業を起こすということが日本の命題ですから、一生懸命にそこに力を尽くしていかなければならない、先生の御指摘、私はそのとおりだと思わせていただいています。
#27
○本田良一君 また、例の私の悪い癖でございまして、一つぽんと飛ばさせていただきます。
 まず、メジャーが日本では育ちませんでした。特に、そうした中で日本にただ一つメジャー的な存在が私はNTTではないかと思います、情報通信ですね。この情報通信のグループを分割することによって競争が生まれると、こういう考えをお持ちの方が、今回、電気通信事業法案も今出ておりますが、大変そういう方が多いわけですけれども、本当にこれが国益になるのかと。
 例えば、今アメリカは金融を握り、石油を握り、軍事を握り、最終的に日本が持っている情報通信のNTTを解体すれば、これで完全に世界制覇ができます。それをたくらんでいるのは、この「アメリカの巨大軍需産業」という本にあるんですよ。
   〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕
 だから、そういう点を考えますと、産業大臣は、このNTTグループが国益のために一つの旗手として、これを分割するというよりももっとほかの情報通信産業が伸びるようなことにひとつ目を持っていただいて、分割とかそういうことでなくて、現状の形でアメリカとかそういう国益を考えて国際競争に打ちかつ体制に置いていただきたいわけですけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
#28
○国務大臣(平沼赳夫君) NTTの問題でございますけれども、NTTを監督しておりますのは総務省でございます。ただし、経済産業省といたしましては、経済の活性化、その観点からネットワークサービスというものが、より低廉、そしてより高度な品質で、利用者の多様なニーズを踏まえて提供されるための競争環境が私はある意味では必要だと思っています。ですから、例えばアメリカのメジャーのお話をされました。しかし、同時にAT&Tという巨大な通信網を持っている会社がありまして、アメリカでもそういう競争原理を働かせるということで御承知のようにAT&Tを分割して、そしてそれなりに競争原理が働いて、アメリカの九〇年代のいわゆるIT産業が非常に伸びたと、こういう素地もございます。
 そういう中で、そのアメリカの非常に国家戦略的なものに対抗して、やはりひとつメジャー的にしっかりしたものをつくっておく必要がある、こういう御認識は私は一つの御認識だと思いますけれども、AT&Tの状況を見ながら、日本の中でその一つの競争原理を働かせながら、総体的に力を持って、そして外国からの攻勢に対処をしていくという、そういう道も私は可能ではないかと。
 そういう観点から、本年三月にIT戦略本部で決定されましたe―Japan戦略の重点計画におきましては、公正な競争を促進させる施策によっても十分な競争の進展が見られない場合には、通信主権の確保や国際競争の動向、ここはもう十分視野に入れなければいけませんけれども、速やかに電気通信に係る制度、そしてその中に入っております、もうこれも先生御承知のように、NTTのあり方、こういうことの見直しを行う、こういうことでございますけれども、先生が指摘されたことは十分視点に入れながら、アメリカのAT&Tのような分割の中で競争力が失われなくて、お互いに切磋琢磨して、そして総合的にはそこでポテンシャリティーが出てくる、私はこういう方策も可能だと思っておりますので、これは主体的には総務省の管轄でございますけれども、経済を担当する担当大臣としてはそんな所見も持っていると、こういうことを御理解いただければと思っております。
#29
○本田良一君 今おっしゃいましたが、大臣はそういう私が申しました所見も持っているということでございますので、ひとつそれを十分踏まえていただきたいと思います。
 それで、AT&Tは一回分割しましたけれども、これじゃいかぬということで統合されておりますので、誤解のないように。
 それからもう一つ、私はブッシュ大統領は自由主義市場経済がアメリカの国民にとって最も恩恵を与えるものだという、ブッシュ大統領が一九九九年十一月十九日に大統領選挙に出るに当たって講演をしました。このことを本当はきょう徹底的にこのアジアも含めてお聞きしたかったところですが、きょうは時間がございませんので次回に回すことにいたしまして、これまで御答弁をいただきました大臣と副大臣に心から感謝をいたしまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#30
○足立良平君 民主党の足立でございます。
 私の方は、プルサーマルの問題とセーフガードの問題とそれから緊急経済対策の問題という大体三つぐらいに絞って、ちょっと質問なり質疑を重ねさせていただきたいと思います。
 それで、まず第一点目にプルサーマルの問題、先ほど少し議論がされていたわけでありますが、この投票の結果、私も実は大変残念な結果になったというふうに思っております。
 それで、ちょっと大臣にここでお聞きしたいと思いますのは、先ほど少し議論を聞いておりますと、十分理解がされなかったというところに問題があるというふうに答弁されていたわけですけれども、なぜ十分に理解されなかったというふうにお考えになっているんだろうかということなんです。
 それは、先ほどの同僚議員の方は、たしか、プルサーマルが初めてかどうか、あるいはまた今まで軽水炉の中でプルトニウムが燃えていたのかどうなのか、あるいはMOXというのは事前了解がそれぞれの自治体でされていたではないか、あるいはまたプルサーマルを仮に否定したら結果がどういうことになってくるのかというふうなことを一応順次ずっとされている。これはすべて、そういうプルサーマルというふうなものが外国ではいろんな例があるし、そしてそれは今までの軽水炉でも現実にはプルサーマルはもう既に一応燃焼している、若干比率が違うという問題はあるとしても。
 そうすると、なぜそういうふうに説明してきているにもかかわらず理解がされなかったのかというところを十分考えておかないと、私はこれからもう一歩前へ進んでいくことができないのではないかというふうに実はちょっとお聞きしながら思ったんですが、その点でいかがでしょうか。
#31
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほど加納委員の御質問に対して、十分な理解がされていなかった、したがってこれから政府に連絡協議会も設けてその辺をしっかりやっていかなきゃいけない、こういう答弁をさせていただきました。
 一つは、やはりこの日本の原子力の一連の動きの中で、例えば東海村の臨界を超える事故が起こりました。それから、このプルサーマルに関しては、非常に残念なことでございましたけれどもMOX燃料のデータの改ざんというようなことで、ある意味では反対の立場の方々がその辺を非常に誇大に喧伝され、それが不安感をあおるというようなそういう私は動きもあったと思いますし、また一連の原子力に対するそういう国民の皆様方の、チェルノブイルから始まってスリーマイルアイランドのそういうようなことの中で醸成されていったそういう不安感が私は確かにあったと思うんです。
 ですから、電力事業者としても国としても、その辺は非常に着目をしながら、やはりその必要性、安全性というものは非常に訴えてきたところでございますけれども、例えば、あるマスコミが今回の刈羽村の投票に際して投票者に対するいわゆる聞き取りを行ったときに、反対票に投じたという方々の相当部分が、やっぱり不安だ、心配だと、そういうようなことも実は出口調査というような形で我々も把握をいたしております。
 そういうことを考えますと、一生懸命努力をしたんだけれども、やっぱり現実には世界ではもう三十五基そういうプルサーマルで動いている、そして事故も一つも起きていない、そしてこれは国にとって核燃料サイクルの中でどうしても必要なことだ、そういうことは訴えてきましたけれども、やはりまだそういう意味では、一連の過去のそういう流れの中で一番原子力に協力をしてくださっている刈羽の住民の皆さん方ですらまだそういう漠とした不安を持っておられる。このことは、やっぱり我々としてはまだ十分努力が足らなかった、そしてその必要性というものをまだ皆さん方に理解していただけなかったんだ、こういう反省の上に立って、これからしっかりやっていかなきゃいけない、こういう気持ちで私は御答弁を申し上げた次第でございます。
#32
○足立良平君 私もそういう点や今大臣がおっしゃったような点、あるだろうと思うんですね。
 それで、ちょっと全然話が違うかもしれませんが、大臣、原子力というのは国策ということで今日まで進めてきたと思いますね。一体、国策というのはどういうものなんですか。あるいはどういうことなんでしょうか、国策というのは。これは副大臣でももし何だったら結構ですけれども、どなたからでもいいですが。
#33
○国務大臣(平沼赳夫君) 国策というのは、やっぱり国が国民の皆様方に対してその基幹的な部分で責任を負って進めていかなければならない国の政策、このように私は思っております。
#34
○足立良平君 これ、私は今、先ほど大臣も、いろんな説明が足りなかったとか、国策の問題は別として、見ておりますと、このプルサーマルの推進というのはある面においては本当の意味で国策として進めてきている。その原子力というものも、ずっと振り返ってみますと、たしか昭和三十年だったでしょうか、原子力基本法を提起された、これはたしか中曽根さんだったと思いますけれども、その提案理由の中に、やっぱりこれは原子力というものをこれから国策として進めていかなきゃいけないというふうに提起をされているわけですね。
 そして、私はそのときにこれは本当に大事なことだなというふうにその提案理由の中で読ませていただいたのは、このエネルギーの問題あるいは原子力の問題というのを、二つ目に「超党派性をもってこの政策を運用して、政争の圏外に置くということであります。」と。
 私は、先ほどもちょっと議論がされておりましたけれども、例えばエネルギーの問題であるとかあるいはまた国の防衛、防衛というのは極めて超党派の圏外に置くということは難しいかもしれないけれども、例えば食料の問題であるとか国の基本的な問題に関するセキュリティーをどう確保していくかというふうな点について、私はそういう面からすると、その党派、政争の中に例えばこのエネルギー問題というものを巻き込んでいきますと、これは大変危険な状態になっていく、日本の置かれている状況からすると、というふうに私は実は思っているんです。
 この原子力の問題は、今日まで私は、ちょっとそういう面ではいささか超党派という問題ではなしに政争の具にこのエネルギー問題というものは置かれて、そしてその中で議論をされてきている傾向が大変私は日本としては残念な今までであったんではないかというふうに思っているんです。そういう点が一つ。
 それから二つ目に、私は、この結果が出たときに、経済産業大臣の談話を拝見いたしました。この談話を拝見して、私はあれっというふうに、大臣、一生懸命やられているんだけれども、私は正直言ってこの点は一体どういうことなんだろうかなというふうに思ったんです。これは時間がありませんから全部は読みませんけれども、「刈羽原子力発電所におけるプルサーマルは、東京電力株式会社がその安全性、必要性について地元の理解を得るための広報活動等を行ってきており、国としても説明会の開催等により努力してきた。」と。この文言をずっと読んでおりますと、ニュアンスとして、電力事業者がこれをやってきています、国としてはそれは少しやってきましたよと、こういうふうにおっしゃっている。これは結局、国の責任と民間の責任という、国策の中におけるこの問題をどう考えるかという問題にかかわってくるんだろうというふうに私は実は思うんです。
 それで、国としては一体何をやってきたのか、理解活動をするために。先ほど大臣がおっしゃったように、大臣の署名で各戸に全部入れましたと。エネ庁長官が行って少し議論をしましたと。それから、青森県がちょっと要請されたんでしょう、再処理に関するアピールを一応出しましたと。私は、ひょっとしたら、このプルサーマルの住民投票が行われるということになってから国として行ったのはこの三つだと、極端に言ったら。
 そうすると、国策として一番国の基本にかかわるエネルギー問題に関して一体国は何をしておったんだという感じが私はしないわけではないんですが、大臣、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(平沼赳夫君) 住民投票が決定をいたしまして、今御指摘のように、私の名前で各戸にその必要性、安全性、そしてその内容、こういうことを明記した文書を配布させていただき、またエネルギー庁長官を初め必要に応じてエネ庁の職員が現地に行っていろいろ説明をする。もう一つは、先ほど言いましたけれども、県選出の衆参の議員の皆様方にも御協力をお願いして文書を配布する。
 確かに、投票が決まって、その報道はそういう形と、こういうふうに御指摘されればそうですけれども、その前から、例えばいわゆる事前了解をとるに当たっても、国としては非常に努力をして知事や市長や村長と密接な協議の中で事前了解をいただく、そういうような形の努力は実は不断に行ってまいりました。
 ですから、確かにこの文章は御指摘のとおりちょっと東京電力の方が先に出ているわけでございますけれども、決して国としてその責任を回避しようという形で書いたわけでございませんので、我々としては、やっぱり国の国策でありますから、今までもすべての原子力行政に関しては力いっぱいやってきたつもりでございます。
 しかし、繰り返しになりますけれども、やはり今回の結果を踏まえて、国策と、こういうことを考えてみると、まだまだ御指摘のように国としての努力が足らなかった、そういう反省がございましたので、新たに国の中に連絡協議会を設けて、やっぱり国策らしくぴしっとした対応で反省の上に立ってやらなければならない、こういうことで新しい体制で頑張らせていただきたい、このように思っているわけであります。
#36
○足立良平君 原子力長期計画、原子力委員会の、これを読んでいましても、例えば、「国は長期的観点からエネルギーの安定供給の確保や地球環境問題に係る国際的約束を果たすために必要な対応方針を明確に示して、国民の理解を求めるとともに、民間の自主的な活動に伴う原子力発電の規模が、原子力発電の果たすべき役割を踏まえた目標を達成するものとなるよう、状況に応じて誘導することが必要である。」、「核燃料サイクル事業についても、その円滑な推進が図られるよう所要の措置を講じていくことが必要である。」と。
 その国策というものについて、一方では国策といいながら一方はそれは民間に任せているよとかいう、この截然とした区別というものなり責任の所在というものが時によったらぽっと責任の回避をされるとかいうふうなことになると、本来のこの原子力という大変微妙な国民感情とのずれが出てくるわけでありますから、その点が私は十分考えていかなきゃいけない課題なのではないかというふうに実は思っております。
 したがって、そういう点で、今大臣から、もう一度抜本的に我々としても取り組んでいきたいという答弁がございましたので、一応この程度にいたしたいと思います。
 それから、セーフガードの問題に入らせていただきたいと思うんですが、今既に農産物の三品目については暫定のガードもスタートいたしているわけです。これはもう、内容的にはどうこう言うつもりはありません。
 それで私は、大臣か副大臣でも結構でございますが、お聞きをしておきたいと思うのは、このセーフガードというものの考え方は、輸入が急激にふえた、それが国内産業に大変な影響を与えるということでありますが、今日の世界的なグローバルな経済状況の中である程度やむを得ない一面性がある、そういう面が出てくるのは。そうすると、物の考え方として、二年ないし三年間の暫定期間をちょっと延長するというだけであるのか、あるいはまた、その間に構造改善をきちんとやって、それが国際競争力に耐え得るようにきちんとやるために二年ないし三年セーフガードをやるのかという、私はそこが一番ポイントになってくるだろうと。
 それで、経済産業省として、今からいろんなやつが出ておりますけれども、どういう考え方でこの問題に対処されようとしているのか。単にWTOでこういうことがもう決められておるからいいですよということで淡々とやるというだけではなしに、その点をちょっと明確にひとつしていただきたいと思います。
#37
○副大臣(松田岩夫君) 足立委員御案内のことと存じますけれども、せっかくの御質問でございます。お答えさせていただきます。
 セーフガードは、まさに自由貿易体制のもとで輸入の増加によりまして国内産業に重大な損害を与えた場合等に安全弁として、具体的に申しますと、国内産業に構造調整を行う猶予を与えるための緊急避難的かつ一時的な措置としてWTO協定で認められている措置であります。
 一般セーフガードの確定措置の発動に当たりましては、WTO協定上も、構造調整の見通しを十分検討する必要がありまして、先般、こういった点を一層明確にいたしていただく意味でも、産業構造審議会特殊貿易措置小委員会というところからも御報告をいただいておるわけでございまして、今申しました基本的な考え方を再確認していただいたわけでありますが、ちょっとだけ時間を拝借いたしましてその小委員会の報告の一部を読ませていただきますと、「発動期間中に我が国産業が競争力を回復するか又はその他の態様で国内産業の調整が行われるという見通しの下で、当該品目について確定的なセーフガード措置を発動すべきである。」と、これが小委員会の報告でございますが、経済省としてもあるいは日本政府としても、この考え方のもとに対応していくということにいたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、セーフガード措置の発動または調査開始の是非の検討に当たりましては、今申しました考え方に基づきまして、透明かつ公平かつ厳正に対応してまいりたいと存じております。
#38
○足立良平君 これ、何か聞きますと、セーフガードの申請といいますかなにを出すときに、従来でしたら構造改善の計画を一応あわせて出すことになっていたんですが、何か今回、最近ですか、それを一応不要にするということに決められたようでありますが、今の答弁とちょっと違うんではないかと思うんですが、その点どうですか。
#39
○副大臣(松田岩夫君) ただいまの点でございますが、繊維セーフガードについてでございますが、繊維セーフガードはWTO繊維協定で認められている措置でございますが、この国内規則で、従来は発動を要請されるときに要請者である業界に対しまして構造改善見通しの策定を求めておったわけでございますが、このWTO協定では実はそうなっておりませんでしたわけでございます。国内規則でそういう運用をいたしておったわけでございますが、ここは国際規則並みにいたして、発動要請時には構造改善見通しの策定を求めないということにいたしたわけでございます。
 発動要請は、そういうことでしていただくことができるわけでございますが、しかし今度発動要請を受けまして、実際に発動するかどうかという点になりますと、今申しました考え方に即して対応していく、こういうことにいたしたわけでございまして、基本的な考え方は変わっておりません。手続的な便宜さといいますか、発動要請時にまでそのことを求めるということを差し控えさせていただいた、こういうことでございます。
#40
○足立良平君 一応わかりました。
 それで、もう一点、話を少し前に進めてみたいと思うんですが、セーフガードというのはそういう面ではやはり暫定的なもの、考え方としてはあくまでもこれは国内で構造改善を進めるものという前提に立つわけでありますけれども、しかし現実的に、今例えば中国で物をつくる、あるいは農産品の状況、また日本のそれぞれの商社なり日本の企業が現地へ行って逆に輸入をしてきているというようなこういう状況を考えてみると、私は、実際的にはこれからの我が国の産業なりあるいはまた構造的なものを考えていくと、今農産品の三品なりあるいはタオル業界なり、その他自転車から含めていろんなことが出ようとしておりますけれども、遠からずこれはもうどんどん追い込まれていくことは火を見るよりも明らかではないか。
 そうすると、今日までの日本経済の中心になってきた中小企業の問題においても、あるいはまたこういう点からすると私は実はこれから大変な状況になってくるように思う。これはちょうど振り返ってみると、例えばあの繊維産業で、これはいつごろですか、相当昔ですね、その時代に日米関係というのが大変難しい状況になったときがありましたけれども、私は、日本がその状況に今、かつての米国のような状況に置かれていると。
 そうすると、これからの日本の国家戦略というのは、例えば知的財産の問題であるとか、あるいはまたその種のそういう問題についてこれから一体どういうふうにきちんと対応していくかということをしておかないと、私は将来的にはどうにもならぬ状態になってくるんではないかと。
 それで、ことしの五月九日、米国でアルツハイマー病を研究している日本人二人の経済スパイ法違反の問題が惹起いたしました。私は、アメリカというのは、どんどん製造業は国外に出ていきましたけれども、結果としてそういう国家戦略、先ほど同僚の本田議員がおっしゃっておりましたように、例えばそれは金融の問題であるとかいろんな問題を含めて、国家としての戦略というものをきちんと持ちながら、そしてある程度グローバルな経済関係の中で生き残っていくといいますか、その中を進んでいく考え方を持っている。そうしたら日本は一体どうしているかということになると、私は大変にその点では正直に言っていかがかなという感じを実は受けているんです。
 この問題が起きましたときに、ある大臣、これはだれでしたか、尾身さんでしたでしょうか、経済スパイ防止法を日本でも考えなきゃいけないとかいうふうなことを言われておったように思いますけれども、それ以降ちょっと調べてみますと、政府の中でそういう問題に関してこれから一体どういうふうにするかということを議論された形跡を私は承知いたしておりません。
 したがって、そういう問題を含めて、経済産業省としてこれから一体どういうふうに考えていかれようとするのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#41
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、過日、理化学研究所の研究者が米国の経済スパイ法によりまして起訴された事件がございました。これについては、現在、文部科学省におきまして事実関係を調査中であります。
 当省といたしましてはその調査結果を見守りたい、このように思っておりますけれども、一般論としては、やはり我が国としていわゆる知的財産権、これを強力に保護していくということは、特にこれからIT社会の進展に伴いまして極めて重要な問題である、このように認識をいたしております。
 アメリカでは、御承知のように、一九八〇年前後ですか、いわゆるヤングレポートが公表されまして、知的財産権の保護というものに転換をされてきた、こういうふうに言われております。一方、我が国におきましても、二十一世紀は知恵の時代と呼ばれておりまして、今日において知的財産権の保護というのは一層その重要性を増している、このように認識をいたしております。
 昨年に成立をいたしましたIT基本法は、いわばITに向けてのバイブルでございますが、この中でも知的財産権という言葉をはっきり法律上も明記をいたしまして、その知的財産権の保護というものを重要な柱の一つとしてうたっておるわけでありまして、こういった観点から、米国と同様に知的財産権の保護、強化を図る視点に立って知的財産制度の整備を積極的に進めていきたい、このように思っている次第でございます。
 具体的には、いわゆる知的創造サイクルの構築を目指していくということになると思います。御承知のとおり、知的財産を保護することによって新たな創造活動の源とする仕組みをつくり上げていく、こういうことでありまして、具体的には、例えば損害賠償制度の見直しであるとか、特許権等の権利取得の早期化等を図るための特許法の改正、あるいは大学等技術移転促進法による技術移転の推進などの施策を総合的に講じてきております。また、今国会で提出をさせていただいておりますが、不正競争防止法の改正案を提出させていただいております。そのほかにも、やはり罰則規定の強化等々、たくさんの課題を我々は対処していかなきゃいけない、このように思っております。
 いずれにいたしましても、当省としては、引き続き関係省庁とも密接な連携をとりながら、知的財産を適切に保護、活用するために必要な施策を適切に講じてまいりたい、このように思っております。
#42
○足立良平君 大変丁寧に答弁していただきまして、ありがとうございます。
 けれども、これで本当に国としてきちんとしたものをやっていくということに、ちょっと私はそんな感じにならない。それぞれ各省庁ばらばらにずっといろんなのをやって、そしてそれを適切にやりますよということだったら、これは一体本当にそれでいいのかなという感じを正直言って私は受けますが、ちょっと時間もございませんので、少し進めたいと思います。
 それで、緊急経済対策の問題も、これはほとんど時間がなくなってしまいました。私は、これは少しまた別の機会に改めてやらせていただきたいと思います。
 不良債権の最終処理といいますか、直接償却というか、それをやっていくとなると、私は正直に言ってこれは大変な状態になると、二年から三年にしても。考えてみましたら、不良債権の処理をやるということになってくると、これは相当デフレ要因というのが私は出てくるだろうというふうに思います。そして、小泉内閣は、いわゆる国債の発行は三十兆円が限度という、これも相当デフレ要因を持っている。それからもう一つは、大臣もたびたびおっしゃっているけれども、経済構造改革、いわゆる規制緩和。規制緩和というものも、これは短期的に見たら極めてデフレ要因を持っているというふうに私は実は思っています。
 そういう中で、その三つを今早急にやるというのは小泉内閣なり経済産業省としての平沼プランだと私は思います。特に、その中における中小企業というのは、セーフティーネットをきちんとやるというふうに先ほどおっしゃったけれども、私が見る限りでは、セーフティーネットというのは本当はきちんと整備されていないと私は思うんです。これは後ほどまた別の機会に議論をさせていただきたいと思います。というふうに考えてみると、ここ二、三年の状況というのはそうそう簡単なものじゃないのではないかなというふうに私は実は思っております。
 その中で、大臣、余り時間がありませんから端的にお答え願いたいと思うんですが、平沼プラン、先ほど私の方の本田委員も、これは本当に立派なものだというふうに、提起されたことは立派だというふうに評価されているんですが、労働の流動化というものを促進するというふうにこの中でおっしゃっている。労働の流動化というのは今全然なされていないというふうに逆に認識をされているんでしょうか。
#43
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。
 労働者や企業の雇用についての選択肢をふやしまして、急速な環境変化に対してより柔軟に対応できる雇用環境を構築していくことは非常に私は重要だと思っております。
 こうした多様な雇用形態を整備するという観点から、小泉総理も提唱されておりますけれども、有期雇用契約、これは重要な選択肢の一つになるのではないか、こういうふうに認識をしております。
 現在、有期雇用契約については、契約期間が原則一年とされているわけですけれども、より多様な雇用形態を確保していくため、契約期間を延長するなどの制度の見直しが重要だと、このように認識しておりまして、このため、先日開催されました産業構造改革・雇用対策本部において、私の方から新市場・雇用創出に向けた重点プランを示しまして、有期雇用契約の見直しについても検討すべきとの提案をさせていただきました。
 今後とも、経済産業省といたしましては、御指摘のように不良債権を処理するに当たって大変な痛みが伴うわけでございまして、その中でも雇用という問題が非常に大きなファクターに相なってくるわけでございまして、同本部などの場を活用しながらこういった雇用形態の中で有期雇用契約の見直し、このことを関係省庁に対して積極的に働きかけて、私どもとしては対策を講じていきたい、このように思っているところでございます。
#44
○足立良平君 有期雇用契約、一般的には今までは一年を最高、最高といいますか、そしてその後は期限を定めない労働と、こうなっているわけです。私がちょっと質問申し上げたのは、今、平沼プランというその要旨、これはマスコミにも載っているわけでありますが、労働移動の円滑化というものを進めていくという。労働移動の円滑化を進めるというには、私はその前提条件を整えていかなきゃいけないだろうと。その前提条件がほとんど全くないのではないかというふうに私は実は思っているんです、これはずっと拝見をいたしますと。
 労働移動というのは、その移動を円滑に進めて、新しい産業なりあるいはまたベンチャー企業にどんどん労働者が移動していこうとするなら、移動してもいいようなやはり背景というものをきちんとつくっていかないと、日本の企業制度の中では大変に労働者に対しては不利な条件が全部今ある。単にそれは一年のものを三年に延ばしたらそれでいいというものではないと私は実は思うわけです。
 ですから、そういう面で、いわゆる労働移動というのは、私は逆に言ったら、失業なき移動ということであるなら理解できるんです。けれども、それがちょっとそういう状態にはならない。それは逆に言うなら、前の議論がずっとありましたけれども、今の経済の状況の中で個人消費というものがどうしても火がついてこない。設備投資はついたり消えたり、ちょっと今消えかけているんだけれども、あったとしても、個人消費につかないというのは、やっぱり働いている人たち、国民全体がそういう面では将来に対する不安感がどうしてもぬぐえないというところに問題があるとするなら、私は、そういう面でこの平沼プランについてもその条件整備がまずきちんとはっきりした上で何かされないといささかまずいのではないかという感じを私は実は受けるんです。
 ちょっと時間がございません。最後にもし御意見があればお聞きして、終わりたいと思います。
#45
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに御指摘の点は重要な点だと思っております。したがいまして、例えば労働移動が円滑に行われるためには、今ITを推進している、しかし雇用のミスマッチが行われておりまして、せっかく働きたい人でも、例えばIT分野に非常に大きな雇用需要がある、そういう中でITに習熟していない、こういうような状況もあります。
 そういう中で、経済産業省も率先して講習会を通じたりしてそういうレベルアップを図りながらミスマッチを解消し、移動が容易にできるようなそういうことも私どもは今積極的にやっておるわけでありまして、確かに今御指摘のような重大な点がございますけれども、そういったことを含めて、さらに御指摘を踏まえて、平沼プランを完全にするためにまたお知恵もいただきたいし努力をしていきたい、このように思っています。
#46
○足立良平君 終わります。
#47
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 これまでの各委員の方からの御質問で私が申し上げようという質問が二つほど出ましたけれども、多少ちょっと角度を変えましてその関係の御質問をまずさせていただこうと思います。
 まず、大臣にお聞きしたいんですが、先ほども足立委員から出ておりましたけれども、アメリカの経済スパイ法に抵触するというか、そういった日本人研究者による遺伝子スパイ事件というのが起きているわけでございます。経済スパイ法の違反に問われているというわけでございますけれども、これは具体的には七月二十三日に初公判を開くというような予定になっているようでございますけれども、大分先の長い裁判になろうかと思います。アメリカで経済スパイ法というのは、知的所有権の保護とか外国からの産業スパイ行為の防止、こういったことを目的にしまして九六年にアメリカで制定された、そういう連邦法であるというふうに一応承知しているわけでございます。
 これはアメリカでそういう疑いをかけられている日本人の研究者ということでございますけれども、グローバライゼーション等、世界的な大競争時代にありまして、科学技術の先端分野であるとか戦略的な意図等から経済産業スパイ行為の発生が今後も予想されるわけでございます。我が国としましても、こうした外国から我が国が逆に被害を受けるといった場合に、それを防止するために仮称経済スパイ法、そういったものをやはり早急に制定するということが私は重要ではないかと思います。
 実は、今回のこの事件に絡んだ理化学研究所側の受けとめ方も大変危機管理能力が欠如しているということで、これは個人の問題で関係ないというようなことを何か言っているとかいうようなことも聞くんですけれども、大変そういった面でも我が国のこういったものに対する危機管理とか危機意識とか、あるいは逆に我が国でそういった行為をされた場合の、それに対する我が国としてのこれを防止するためのそういう措置とか、アメリカの経済スパイ法というのは罰則も相当厳しいと。禁固十五年とか罰金三百万ドルとか聞いておりますけれども。
 これが、先ほど足立委員のお話でも、その後問題が起こってからもまだ特に議論されていないようだというようなことも御指摘がありましたけれども、この問題について、我が国として仮称経済スパイ法的なものを制定されるというようなことについての大臣の御意見というか御所見をまずお聞きしたいと思います。
#48
○国務大臣(平沼赳夫君) 米国の経済スパイ法と同様の法律を我が国でも設けるべきではないかとの御指摘でございます。
 これはもう委員御承知のとおりだと思いますけれども、米国の経済スパイ法には、大きく分けて、第一に、研究開発の成果を不正に取得する等の行為を刑罰に処すること、それから第二として、外国政府等を利する目的で研究開発の成果を不正に取得する等の行為が行われた場合にはより重い刑罰を科す、こういう内容になっているところでございます。
 このような米国の経済スパイ法の対象となる行為については、我が国の現行法におきましても窃盗罪あるいは業務上横領罪等によってかなりの部分は処罰可能である。こういう観点から、新たな刑事罰を設けることについてその必要性や現行刑法による処罰との均衡等を踏まえて、幅広い観点から対処すべきだと考えております。
 先ほど足立委員のお話の中にも、我が国の危機管理、そういう担当の所管の大臣からもその必要性、こういう言葉も出ておりまして、まだ政府部内では具体的な検討は始まっておりませんけれども、私はやはりこれからそういう知的な財産権、そして知的なそういう問題に関してはグローバル化の中で非常に大きな問題となる可能性というのが大きくなってまいりますので、我が国としても現行の刑法の中で対処できる、そういう考え方じゃなくて、新たに新しい法体系を構築する、そういう準備を検討していかなければならない段階に来ているんではないかと、このような感想を持っております。
#49
○海野義孝君 大臣の御答弁、ただいまの段階におきましては十分理解できるわけでございますけれども、どうも私は、現下の我が国の経済産業情勢等から見ましても、大変厳しい状況が続いているわけでございます。
 そうした中で、どうもアメリカあたりからは大変我が国の金融問題、産業、経済等につきましても激しい競争を受けているわけでございます。そうした中で、向こう、向こうというかアメリカ側としてはもう数年前にそういった経済スパイ法等をつくるというようなことで、そういった法的にも万全の措置を講じているということは、そうしたことを想定して、またそういうような事件があってかと思います。例の大和銀行の、かつて金融の問題での事件等もありましたけれども、大変な訴訟というか、要求されるというようなことで、どうも我が国の考えている以上にアメリカあたりのそういう問題は厳しいものがあると。
 やはり我が国がいろいろな面で対応がおくれているというように、私は後手後手に回っているんじゃないかという気がしてならないわけでございまして、この問題は時間の関係できょうはこれにとどめますけれども、大臣の御答弁、さらに前向きに取り組んでいただきたいことをお願いします。
 次に、これも足立委員からも先ほどるる御質問がありました新市場・雇用創出に向けた重点プランということについて新聞で拝見しました。
 二十五日の経済財政諮問会議あるいはまた産業構造改革・雇用対策本部会議等の前にこういった構想というか、これが明らかになったということで、私も出張先で読ませていただいて、これまで大臣にはいろいろ御質問してきている、通産省時代からもありますから、大変まとめられたなということでよく拝見しましたけれども、そのこと自体については、一番問題は、一つは時間的な問題ということがやっぱり今の段階におきましては大変重要であろうと。
 私は、画期的な点が多々あるということは認めますけれども、具体的に大臣から十五の政策課題ということを挙げられて、一方では新産業創造の問題、もう一方では雇用の問題等について、大きく二つの中で、片や十一の政策課題、片や四つの政策課題ということでまとめられているわけですけれども、強いてこの中で、大臣が、これはもうまさに画期的というか大臣として何としてもこれはやるということが、まさに小泉改革断行内閣の中の経済産業省としての責務があるというようにおとりになっているものと、その具体的な実効性ということについてどのように考えていらっしゃるか、その点ちょっとお願いしたいと思います。
#50
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、私といたしましては、第一には未来の産業を生み出すイノベーションシステムの構築が重要であると思っています。
 したがいまして、やはり大学のポテンシャリティーというものを生かして、産と学、特に学から発信して産へと、こういう形でやはり雇用の問題を含めて新規のベンチャー企業を育てていく、ここから発出していく、そういうことで、アメリカの例は大体今そういった形態が年三百社ぐらい誕生しておりますから、我が国でもそこのところを整備して、三年で千社ぐらいのそういった力強いベンチャー企業を誕生させる、このことが、先ほど時間ということをおっしゃいましたけれども、非常に重要だと思っておりまして、ここに力を入れていきたいと思っています。
 それから、日本の今の経済の中で、これも先ほども触れましたけれども、廃業率の方が新規開業率を上回っていると。ただ、日本の私はポテンシャリティーというのは諸外国に比べて決して劣っているとは思っておりません。したがって、まだまだそういう形で、やりようによっては非常に大きな潜在能力を持っておりますから、やはりそこのところの活力を出すために、私どもは今新規の開業率というのが十八万ぐらいにとどまっておりますけれども、これを五年ぐらいで倍増していく、そのために徹底的にこのプランの中で重点化をしていかなきゃいけない、これが私の唱えている二つ目です。
 三つ目は、これも先ほども言いましたけれども、どうも今経済評論家だとかあるいはマスコミの話を聞いていると、何か心が暗くなるような沈滞ムードがあります。そこは、先行きが不透明だといろんなことがありますけれども、少子高齢化なんというのは全くマイナスの要因に見ている、あるいは日本の環境、こういった問題もマイナスに見ているわけですけれども、こういったところに実は新しい可能性があるんだと、そういうことを重点的に私どもはやらなきゃいけない。ですから、十五並べておりますけれども、強いて言わせていただくとこの三つぐらいが大きな私の提唱したプランの目玉、そういうふうに私は認識して、頑張らせていただきたいと思っています。
#51
○海野義孝君 時間がありませんので、もう一問だけですが、資源エネルギー庁長官お見えになっていますけれども、ちょっときょうは申しわけありませんが、時間がないので次回によろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、大臣に最後にお聞きしたいんですが、先般、私、地方の方へ行きまして、バイオテクノロジー関係の技術者を養成するするカレッジ、二年制の大学というか、そういったところへ行ってまいりました。国会議員では初めてだという話を聞きました。そこは具体的には、まさに産学協同で八年前からそういう事業を進めておりまして、現在、二年制でしかも定員が二百名、大学を出た人がそこへまた来て勉強をしているというような例もありました。それから留学生もいるということでございました。
 まさに私どもの党としましても、先般、緊急経済対策の翌日、間髪入れず緊急雇用対策を発表しました。そういった中でも、向こう二年間で医療、介護、そういった分野を中心に約二十五万人から三十万人、そしてもう一つは情報通信技術分野で三十五万人ぐらいを含めて、二十一世紀の成長分野と目される八分野で百万人、正式に我々の計画でいくと百十一万人ぐらいになりますけれども、具体的には、それは一方で二兆円の雇用ファンドをつくりまして、片や雇用保険に対する財源的な手当てを万全に期するという点と、もう一つは三十から六十万人の、新しいミスマッチを解消するための職業訓練を行うためにそういったものにお金を使い、一方でそういった産業を受け皿としていく、こういうことなんです。
 私はそういったカレッジに行きまして、将来というか三年先には、単科大学なんですから四年制大学をつくって、具体的には技術屋の上にさらに専門の研究員を養成するそういった大学をつくると。これは滋賀県の長浜というところにつくるということで、そういった話を聞きまして、要するに一方は民間の企業、一方は戦後四十、五十年近い専門というかいわば予備校的な学校で、いずれにしても私学的な面で大変そういう面で新しい大学をつくるにしてもお金がかかると。そういった面でやはり私学補助についてももっと手厚くしてもらえないかという話を聞いてまいりました。
 今の大臣の構想を実現していく上でも、そういうような企業あるいは大学というか、そういった研究機関とかそういったものがあるということをもう少し現場をよくつかんでいただきたい。そして、そういったところからぱっと大きく開くと。それこそ時限を切って三年というような中で、可能性に一番近いのはそういうところをさらに充実していくということが私は大事じゃないかと。
 時間になりましたからこれで終わりますけれども、一言大臣の御意見なり御感想をお願いしたいと思います。
#52
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、バイオテクノロジーを主体として二年制のそういった大学が民間との協力の中で将来の可能性という形で非常に大きなものを展開されているという具体例を聞かせていただいて、私は非常に勇気がわいてきたような気がいたします。
 そういう中で、やはり私の構想自体もそういったところを伸ばしていくことがこの国の経済に大きなインセンティブを与えると、このように認識しておりまして、私ももう少しそういった具体例の現場も行かせていただいて実態も把握をさせていただかなければならないと思っておりますけれども、そういった芽はやっぱり積極的に育てるような施策をしていかなければならない、このように思っております。
#53
○海野義孝君 ありがとうございました。
#54
○山本正和君 きょう、梶原委員にかわりまして私の方から質問いたしますが、梶原委員は私よりも十年ほど若いので、ちょっと私の方は古い話をいたしますが、御容赦いただきたいと思います。
 実は私も四年ほど前に通産省の政務次官をちょこっとやらせてもらいました。そのときに通産省の歴史もちょっと調べてみたんですが、これは新しい省庁で、今日の世界第二位の経済大国になるについて、大変な勢いで、燃える勢いで頑張ってきたすばらしい省庁だったと、こう思うんですね、私は歴史を読んで。
 戦争に負けて何にもなかった日本、そして昔は繊維を輸出するぐらいしかできない、大して。工業国といってもなかなかアメリカやヨーロッパに比べたらレベルが低かったんです。それを何とかしなきゃいけないというので、燃える思いで当時の通産省の若手が、もちろん大体四十歳以上がみんな首になりましたから、戦犯追放で。その当時の若手が物すごい勢いで頑張った歴史が残っておるんです。
 あとは、先ほど日本の国策の話が出ましたけれども、国策はいかにあるべきかということも随分議論された。本当に私は、いや、すばらしいところだなと思って勉強した。
 そんなことの中で、本当に大変だったのは石炭産業を切りかえる、石油産業にする。石油化学コンビナートをつくる。公害も起こります。繊維産業を切りかえる、大変な労働者の首切りしなきゃいけない。それを通産省の当時の役人の皆さんが、若手が、必死の思いで取り組んだ。また、貿易をどうするかと。大変なことです。
 そういうことでひとつ、今、小泉さんが総理になられて、改革と言われるけれども、ちょうどあの当時と匹敵するぐらいの改革が必要なんだろう、日本の国の産業はどうあるべきかというようなことについての大変な重責が今ここにあるだろう、そういう意味で、大臣以下頑張っていただきますように、副大臣も、また役所の皆さんもひとつ昔の先輩の苦労を思い出して頑張っていただきたいと思います。
 そこで私は、ちょっと質問に入る前に少し申し上げておきたいんですけれども、森前総理のことをマスコミはぼろくそに言いました。私ども野党も大分攻撃の材料に使ったんですが、実は森さんが通産大臣のときに、私が予算委員会で、当時は野党第一党ですから質問時間がたくさんあったのでやりとりやったんです。
 そのときに、日本の国の経済が大変苦しいとか何とかいうことで新しい産業を起こさなきゃいかぬ、また今のITの前、まだパソコンがどうとかこうとかいう時代。そのときに、パソコンをどんどんつくれば安くなる、それに伴う技術もどんどん進むと。ところが、アメリカと日本と比べると、アメリカは児童生徒に対して一台当たり何人の状況である。日本は何とパソコンなんといったら学校にあるのはほとんど少なかったわけです。どうだというような話をしたんです。
 そうしたら、森さんが、いや研究しておりますと。私の方も一生懸命やっておりますがということで、そこでいろんなやりとりして、今から将来は学校で小学校の子供が全部パソコンを使えるようにしようと思っていますということを彼は言われた。そのことから発して文部省とも随分激しい議論をして、そして今日、大体どうやら二人に一台ぐらいはいったですかね、平均して、都市部では。そういうところまで来たんです。森さんはそういう意味で先見性があったんです。
 ITということは言うけれども、その前にそれだけのパソコンの普及が、あんなにむちゃくちゃ高いパソコンが、今や安いのは十四万円ぐらいで、専門家の藤田さんがいないけれども、それぐらいで買えるようになったんです。ですから、新しい産業に着目してそれをどう普及させるかということによって随分変わると。しかも、恐らく日本の今のパソコンの技術というのは、確かにいろんな特許の部分ではアメリカから借りている部分もありますけれども、先端の部分の技術というのは日本が一番すぐれているんです。そこまで来ている。
 ですから、要するに産業構造についての先見性をどう持つかということが非常に重要なんだろうかということを私は思ったものですから、そういう意味で、大臣にひとつ、これから経産省としてそういう今までのような、とにかく今までこうあったから、これをこうどういうふうに守るかということじゃなしに、これからいろんな新しい立場で若い諸君に、若手職員の皆さんにもあらゆるアイデアを出して頑張れというふうな格好でリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、まずその辺のことについて御所見を伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(平沼赳夫君) 山本先生から通産省の時代からの、通産省が一生懸命経済の構造改革、それに主体的に役割を果たして、そして戦後、世界が瞠目する経済成長を遂げた、こういう御評価をいただいたわけでございまして、まさにここにおられる松田副大臣も若き官僚として頑張られたお一人だと私思っておりますけれども。経済産業省と、こういうことで、この一月六日からの省庁再編に伴って、昭和二十四年、商工省から通商産業省になって、そしてこの経済大国、経済立国の主体的に経済を担っていくその役所と、こういう形で冠に経済がつきました。このことはやはり私はある意味では画期的なことだと思っておりますし、その分経済を中心として発達をしてきた日本、それにとってこの経済産業省の役割というのは非常に重大な、さらに重大なものがあると思っています。
 そういう意味で、今委員から新しい発想で、そして森通産大臣の例もお引きになられ、パソコンの例もお引きになられましたけれども、やはり新規の企業を起こす、あるいは産業を起こす、こういったことに対して我々はもっともっと積極的に発想を新たにして御指摘のとおりやらなければならない。そのことを、今御指摘のことも肝に銘じて担当大臣として汗をかかさせていただきたい、このように思っております。
#56
○山本正和君 そこで、実は石油ショックがありましたね。そのときも通産省は大変な苦労をされて、サンシャイン計画というのをその中からつくられた。そうしたら、堺屋前大臣が、彼が小説にも書いたりしておりますけれども、そのサンシャイン計画というものをつくるときに、彼はその下っ端だったというんですね。そして、見てください、絶対日本は世界でどの国にも負けぬようにこのエネルギー問題に対する解決のために取り組みますということを高らかに宣言したのがあのサンシャイン計画だと。
 ところが、その計画が、石油がまたどんと下がったり、それから経済界もいろいろな要求がありますから、そういう状況の中であのとおりになかなか進んでいないんですね、ずっと。これはもう恐らくあれをつくられた方々が想定してから、あれからもう随分時間がたっているわけですから、年数がたっている。だから、もしもあのとおりにいっておったら大分日本の国の形は変わっているだろうと私は思うんです。なっていないんですね。
 その中で、特に私は心配しておりますのは、エネルギー問題が今議論されております。先ほどから原子力発電所の問題が出ていますね。プルサーマルも出ました。私は、原子力発電は必要だと思うんです。これは我が党の中で絶対あんなのなくせと言う人もおるけどね。私は必要だと思っておるんです。
 ただし、原子力発電は、大前提は安全性なんですね。絶対大丈夫ですよ、世界じゅうで日本ぐらい安全なところはないんですよと、口だけじゃなしに実質をもって示さなきゃいけませんね。ところが、その安全部分に対する予算というのが割合に少ないんですよ、見てみると。立地対策の方はどんとあるんですね。大体、立地対策が二千四百ぐらいですか。それから、その他の安全も含めた、新エネルギー問題も含めたエネルギー関連のやつが二千四百。半々になっている。それで、この半分のうちのごくわずかに安全のところがある。
 なぜ立地対策のところをどんとやって、しかもこの立地対策のところは大変不用部分、不用として使っていないんですね。例えば百億積んだとしても、実際は十億しか使わぬ。立地対策というのは、原発を新しくつくる場合には大変な抵抗がありますからね。抵抗があるのは安全性に対する懸念なんですね。本当いえば、安全性の部分にしっかり金をほうり込んで、私は浜岡も見ましたけれども、相当やっていますよね。やっているけれども、もっともっとしっかり、こんなに安全ですよと、どの国と比べてもこういうところに金をしっかりほうり込んだらいいんだけれども、正直言ってその部分は、余り啓発運動とかなんとかというのは少ないんですよ。ところが、新しくつくろうというところにはどんとお金を出しますよと。
 それから、こういうのを出して、立地のためにこういうのを出すんですね。これはエネルギー庁が出すんですけれども。(資料を示す)そうすると、原子力発電を誘致されたら道路はこうよくなります、税金はこうなりますよ。また、今度うんといろいろなものが、例えば新しく企業が来ても、うんと安くやります、融資しますよと、そういうことで一生懸命金を使っておるんです、これに。だから、なかなかこっち側の方が進まないんです。進まない原因は、現在ある原子力発電所が大事だからと、こういうのがあるんですね。
 私は、うんと若いときに中部電力の芦浜原発の設置責任者である支店長と、割合年も近かったものだから、酒を飲んだりしていろいろな話をしたんです。そんなことでいろいろ話をして、本当に原子力を一生懸命やっている連中がまじめに、安全性のためにエネルギーを使ってやっているのはよくわかるんだけれども、その部分の金は少ないんですよね。そして、とにかく早く企業誘致をどんどん持っていかなきゃいかぬというところに予算がどんと行ってしまっている。この辺の立地対策という部分と、それから安全という部分との予算の配分についてやっぱり見直していただくべきじゃないかと。それがプルサーマルを乗せていく道にもなるんでしょうし、新しい意味での原子力に対することになると思うんですね。
 その辺のことについての、予算の見直し等についてお考えの余地はございませんか。副大臣、専門家ということでひとつ。
#57
○国務大臣(平沼赳夫君) 先生御指摘のように、私は原子力というのは安全ということが何としてでも一番最優先しなければならないと思っています。
 今、具体的な数字をお示しいただいて、この安全対策上の予算というのが少ないのではないかという御指摘ですけれども、やはり経済産業省といたしましては、通産省時代から資源エネルギー庁を中心にこの安全ということに関しては常に第一義に置いて頑張ってまいりました。したがいまして、予算の面でもでき得る限りのことはしてきたと、このように思っておりますけれども、現実、そのような数字で立地対策等のそういう比重が大きいと、そういう御指摘は私はある意味では謙虚に受けとめなければならないと思っております。
 ただ、今までも我々は決してその辺はないがしろにはしてこなかったと、できる限りのことはやってまいりましたので、これからやっぱり安全を旨として、今御指摘の点も踏まえまして、私どもは予算をつくるに当たってそういうことも十分考慮しながら、やはりプルサーマルの今の御指摘の現状もございます。そういった形で、先生の御意見もよく参考にさせていただきながら予算というものも構築させていただければと、こういうふうに思っております。
#58
○山本正和君 ちょっと数字でいいますと、電源地域振興策、この中に立地なんかも入っておるんです。これは立地がかなり大きいんですけれどもね。これは千七百億使っていますよね。ところが、何と原子力発電の安全性、信頼性の向上等、二百六十二億なんです。これは余りにも極端だと思うんですね。地域振興策というのはまだできていないところに出す金なんですよ。できていないところに金を積んで、しかも不用率でもって、実行率は三割から四割ぐらいしか使っていないんですよね。ひどい場合は一割しか使っていない。こういうふうなことがこの電源開発促進対策特別会計でやられていると。
 この特別会計の見直しはぜひ必要だと私は思うんで、これはもうこれ以上はお答え要りませんけれども、皆さんの中で御検討いただきたいと、こう思っています。
 それで、私は、まず既存の、現在ある原子力発電所、これに対する安全を徹底的にやるということ、これが大前提です。それがなければ、次へ進んだら国民は信用できないですよ。石原さんが、けさの新聞に載っていたけれども、原子力発電所というのは安全なんだから東京湾に持ってきても構わぬと、こう言っておったですよね。本当に東京湾に持ってきてやったらみんな安心だから、田舎の方も、私どもの芦浜も場合によっては、持ってこいと言うかもしれぬですよね。
 そういうところに最大の問題があるんだから、まず既設原発の安全にすべての力を入れるというのがこの原発関係の中での重点だろうということを特に今申し上げておきたいと思います。
 そこで次は、日本の国が世界の中でもっと胸を張って言える部分が実はエネルギー問題であるんですね。調べてみると、新エネルギーの中で太陽光発電というのが世界のトップです。大変なものですね、太陽光発電というのは。風力はちょっともうヨーロッパやアメリカからも追い越されていますね。
 ただしバイオマスも、先ほど話がありましたけれども、バイオマスもこれも非常に重要で、特にアメリカが、二年前ですか三年前でしたか、クリントンが大統領令を出して、そしていわゆる間伐材、それから一年生のいろいろな草木、それから生ごみ等のいわゆる生活廃棄物、そういうものを全部バイオマスで転換していくと。そして将来は、将来といいますか何年、十年くらいだったかちょっと忘れたけれども、アメリカの必要電力量の一〇%まではバイオマスでやるなんということを言っているんですよね。私はびっくりしたんです。一〇%、えらいことをすると思ったけれども。そうやってアメリカのような石油のある国でも新エネルギーへ取り組んでいる。バイオマスはもうちょっと、日本も取り組んでいますけれども大分おくれている。
 ところが、その太陽光が大変な勢いで伸びていると。これもちょっと調べてみたんです、私、なぜこう伸びてきたかと。そうすると、先ほどのパソコンの話じゃないんですけれども、モニター事業、平成六年から始めた。モニター事業でやって、最初は五百件しか申し込みがなかったんですね。それがだんだんふえていって、昨年は二万何千件というところまでふえてきたんです。ふえていくにつれて企業も、それじゃひとつ太陽光発電に取り組もうかというので、当初は企業の数も少なかったのがどんどんふえてきたんですね。
 実は、私も四、五年前に国の補助を受けて屋根をふいたんですよ、太陽光に。そのときは、当時はこういうきらきら光るガラスのやつを屋根に載せるから格好悪かったんですけれども、私がそのときに初めて板で、屋根の板がそのまま転換できて電力になる、それの新しいやつをふいたんです。その部分だけでいくと三百万のうちで三割、百万ぐらい国から私はもらったんです。大変なサービスするなとは思ったけれども、百万円もらったんですね。それで屋根ふいて四、五年これでやっていますけれども。そうすると、余り効率がよくなくても、それでも太陽のエネルギーでうちの電気やっているよと、こういう安心感がある。
 そうすると、なぜこんなにどんどんふえていったんだろうかと聞くと、住宅を建てる人が関心が非常に高いそうですよ。私は三重県という小さな県ですから、田舎ですから、建設業界もよく知っておる。あの田村元という衆議院議長の弟が、これはケンちゃんケンちゃんと私がいつも言っている、年も下ですから、碁を教えている子なんですけれども、子と言ったら悪いけれども、会長さんですけれども。そうしたら、何と先生、このごろ家を建てるときに太陽光発電でやりたいというのがどんどんふえているんだと。ところが、そうすると屋根屋さんが、隣の愛知県へ行ったらかわら屋さんが非常に多いんですが、昔は三州がわらというけれども、かわら屋さんも新しいものをどんどん始めている。
 そうすると、ちょっとこれも経産省からこっそり聞いたんですけれども、随分企業が進んでいって、屋根の形状をそのままにして太陽光発電できるようにできる、そういうのがどんどん進んでいるというんですね。発電でいくと、国の計画では四百八十万キロワットですかな、平成十年ですね。四百八十万キロワットまでにすると言っているんだけれども、本当に国民にこれをもっと普及してみんながやれば、そしてこれの今度はよさを宣伝すれば新しく住宅を建てる人はみんな喜ぶんですよ。
 それからもう一つ、私がこれも時々は総務省にも言うし、それから財務省に言っているんだけれども、なかなかやってくれないんだけれども、議員会館のところ、国会はちょっと、とんがり帽子はやるわけにいきませんからね、衆議院の第一、第二と参議院の上だけでも、あれ遊んでいるんですから、全部屋根に太陽光をやれと。そうすると、夜まで電気がついているのが大分助かりますよ、電気代ほとんど。役所もそうです。経産省もまず上から直すとかね。(「一部はやっているね」と呼ぶ者あり)ちょっとやったんだね。だから、そういうことを一斉にやるということによって僕は普及ができるんだろうと思うんです。
 そこで、ただし住宅の人に聞いていったら、あんたのときは三分の一もお金をもらったけれども、今は少ないんだと言うんです。今は、去年、平成十二年度の当初は二十七万円まで補助してくれたのに、平成十三年は十二万円しか補助くれぬと言うんです。ところが、平成十二年のときは二十七万円補助しますと言ったらぱっと申し込みが殺到して、上半期の五月か六月でもういっぱいになっちゃって、だめですと言われたと。何とかせいとわさわさ陳情して、我々も陳情したし、これは今、橋本龍太郎さんが会長ですけれども、それで公明党の加藤さんが事務局長で頑張っているんだけれども、そこでわさわさ政府に言ったら、何とかしましょうと補正予算三十三億円つけてくれたんです。十五万補助してくれると。そんなけちなことをせずに補正をせいぜい百億ぐらい積んだら二十七万できるし、もっとみんなふえるんです。
 だから、何とかその辺できるんだろうと思うので、そういうことを含めてどうでしょうか、その辺、太陽光について。これは世界で一番日本が進んでおるんです。普及も一番しやすい。太陽の国日本なんですよ。恐らく世界じゅうの、OECDの加盟国で、太陽が当たる、日照の度数の一番大きいのは日本だろうと私は思うんだけれども、そんなことを含めていかがでしょうか、お考えは。
#59
○政府参考人(河野博文君) 太陽光発電は、我が国が世界一の発電規模を持っているのは御指摘のとおりでございますし、また御指摘のありましたサンシャイン計画以来の、当時の通産省としても大変力を入れてきたプロジェクトでございます。
 ただ、先ほどモニター制度というお話がございまして、当時、たしか私の記憶が正しければ一件当たり六百万円ぐらいのコストでございまして、それを三分の一国が補助をし、電力会社が自主的な買い上げで三分の一ぐらいをある種補てんをし、残りを各御家庭が電気代として払うものとを相殺するというようなことで発足してきたものでございます。
 近年、御指摘のように非常に単価も下がってきておりまして、最近では一番安いメーカーでは一キロワット当たり五十万円ぐらいということで下がってきておりますので、これにつれまして補助金額も比較的下げてきているというのは実は御指摘のとおりでございます。
 昨年は、予算もオーバーフローいたしましたので、途中で御指摘のような工面をいたしまして二万六千件の方に応募をしていただきました。ことしは単価十二万円パーキロワットということでございますけれども、予算的には二百三十億円余りを計上するということで、四万件ないし五万件の方々の応募にこたえられるように準備をさせていただいているという状況でございます。
#60
○山本正和君 去年の二万何千件というやつは切っちゃったんですよね。もっと本当はあったんですけれどもね。
 私は、ことしは十二万円見るというように安くしてしまってももっとふえると思うんです。そのときは堂々とちゃんと補正で、これ値切らずに組むと。これは大臣、いかがですか。
#61
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、やっぱり新しいエネルギーの比重を高めるということは非常に必要なことだと思っています。
 現在は新エネルギーというのが全体の一%というようなことでございまして、これを二〇一〇年には三倍の三%、こういう計画ですけれども、私は担当大臣としてこれでは少ないと思っています。やっぱりもっとその比重を高めるということが、先ほど先生のお話、例えばバイオマスとかいろいろお出しになられましたけれども、この比率を私は高めることがエネルギーの安定供給、それから環境等の問題を考えても必要なことだと思っています。
 そういう意味で、御指摘の太陽光発電、これは今世界で一番実績を持っております。そういう意味で私どもは積極的にここのところは、例えば補正のそういう時期が来たりそういう状況になったときには私は積極的に要求をして、そしてこの新エネルギーの拡大のために努力をしていかなければならない、このように思っています。
#62
○山本正和君 それで、私は実は、ネパールだったと思うんですけれども、日本が太陽光発電の屋根を寄附して、初めて電気が使えたというんで、何も燃やさずに、物すごい喜ばれていると。あるいは、モンゴルでやっぱり同様に日本のある企業がやったとか、大変なんですよ。
 かつてトランジスタが出されて、ソニーが世界じゅうでやるときに、何であんなものをと言われたのが、何と今やそのソニーが世界の企業というふうになっているんですね。そういう新しく物をつくるというときにはいろいろの抵抗があるし、そんなものはだめだというふうなことがあると思うんです。しかし、これこそまさにさっきの国策で、太陽のエネルギーをそのまま電力に切りかえようと。これができたら世界じゅうが随分平和になるんですよ、本当の話が、日本が真剣になってこれを世界じゅうに広げると。お隣の中国は砂漠が物すごい広いですよね。
 それから、日本の国内でも、実は農業問題というけれども、農業の基礎は電力で、エネルギーなんですよね。だから、あらゆるそういうエネルギー問題の中で、我が国が世界に先進的にこれはいいですよということをやっぱり主張できるものを持っているんですよ、これ。正直言って、風力はまだ技術がちょっと、日本は向こうから輸入した方が安いんです、機械を持ってくる方が。それから、バイオマスもちょっとまだアメリカに学ばにゃいかぬし、日本も今からやらにゃいかぬ。
 しかし、せっかく今ここでサンシャイン計画に取り組んできた、企業の技術もある、我が国の研究所でも随分進んでいると。これをひとつ広めよう、世界じゅうに広めようということで、もし国策として太陽のエネルギーをこのまま電力に切りかえましょうということに取り組むんだったら、正直言って原子力発電所に、経産省だけじゃなしに全部入れたら、私は、過去三十年間の間に平均一兆円出していると思うんですよ、多いとき少ないときもあるけれども。三十兆以上ほうり込んでおるんですよ。
 しかし、そんなにせぬでもいいけれども、せめて一年間に一千億、太陽光の発電のために、あるいは二千億ほうり込むと。こうすれば、日本の国はぐっとその問題に対して世界の先進的な形でいろんなことに貢献できると思うんです。そうすると、若い諸君がヨーロッパへ行って、あなたたち日本人ですね、日本とはどんな国ですか、何か自慢できるものはありますかと言ったら、こうだと、みんなに自慢できるものはないんですよ、せいぜいこの前、高橋尚子がマラソンで優勝したぐらいで。
 だから、やっぱり日本の国は世界にこういう貢献ができますよと。ODAの額が一番多いというけれども、これは余り庶民は関心ないですよね。しかし、皆さんが今使っている電気は日本がこうやって太陽をそのままかえることで世界じゅうに貢献していますよと、こうやって言えたら若い者は元気が出るんですよ。だから、日本人にプライドを与える役割もこのエネルギー問題にあるような気がしてならないんです。
 これは、副大臣いかがですか。ずっと長い御経験の中で経産省の役割たるや極めて大きいと思うけれども、その辺でひとつ決意を聞かせていただいて、私は終わりたいと思うんです。
#63
○副大臣(松田岩夫君) せっかくの御指名、光栄でございます。
 山本委員のお話を本当にしみじみと感服しながら拝聴させていただきまして、私どもとしても、もちろんのことでございますけれども、新エネルギー、その中でも今の太陽光発電というのは、本当に長い歴史の中で、通産省、そして現在の経済省とやってまいった大政策の一つだと思います。お褒めもいただいたわけですし、またこうしてお話を伺いまして非常に励みをいただきまして、また今ちょうど総合エネルギー政策ということで、御案内のとおり長期見通しをつくっている最中でございます。
 一層、先生のお話を踏まえまして、もう一回、私自身も含めまして再考させていただいて、もっともっとという思いを今非常に強く持ちました。さらに努力を積み重ねたいと思います。
 ありがとうございました。
#64
○山本正和君 ありがとうございました。
#65
○委員長(加藤紀文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#66
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本正和君及び大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君及び西山登紀子君が選任されました。
    ─────────────
#67
○委員長(加藤紀文君) 理事の補欠選任を行います。
 先ほど、欠員中の一名の理事につきましては、後刻、委員長が指名することとなっておりましたので、理事に西山登紀子君を指名いたします。
    ─────────────
#68
○委員長(加藤紀文君) 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#69
○渡辺秀央君 大臣以下、御苦労さまです。午前中の質疑をじっくりと承っておりました。
 私は、きょうは幾つかの質問、せっかくの機会なので大臣の考えをただしたいなという気もいたしましたが、大ざっぱに二つか三つぐらいに絞って考え方を聴取したいというふうに思います。
 その前に、午前中の質疑で柏崎刈羽の東電の原発にかかわる刈羽村のプルサーマルに対する住民投票の件ですが、実は私のかつての選挙区であります。一番私が大事にしてきた選挙区でありまして、また地域でありまして、田中角栄先生、そして私が御指名をいただいて政治家になる契機をいただいた、当時新潟県知事の亘四郎という非常に清廉潔白な、しかもまた国会議員として大臣を求めず、終戦直後第一回目からの当選で見事に新潟県知事を二期おやりになった、このお二人の、言うならば合作みたいなことで、そして地域の人たちの理解と協力で東電の原発が誘致されたということであります。
 一番肝心なことは、私は今、比例区でありますが、この柏崎、刈羽にも今なお私の後援会は実在をし、かつ活動をいたしております。私の政治活動を一緒にやっているわけであります。かつまた、このプルサーマルに関しては、私の刈羽村の後援会長以下、最前線に立って推進をやってきたというわけでありまして、私もことしの一月以来、村長とも話をしながら進めてまいりました。
 これは、私の衆議院時代から、さっき同僚議員からも話もありましたが、いわゆる二十一世紀のエネルギーニューパワーという意味で、NP21という研究会を私自身が超党派で主宰をしてやった経緯もありました。残念ながら共産党は入ることはなかったのでありますが、しかし当時の公明党、民社党、社会党の、まあそれを代表するとかという意味じゃなくて、仲間意識でやってきた。参議院の足立さんはもちろん、参議院の皆さんから一緒に協力もいただいて、十年以上続いた研究会だったと思います。そういう下積みを我々が実際にやってきている。
 この核燃料に対する理解を深め、かつ推進をしよう、でなければ日本の将来はないねと。すなわち、日本は産業立国であり、かつ貿易立国であると。資源のない、資源すべてを海外に依存しているわけですからこれ以外にないというのが、私が昭和五十一年の初当選のときから柏崎に出かけていって、当時は田中先生が健在でしたが、原発の話はなさらないで私がほとんどやったというような経緯もありまして、私は何も使命感だのひとりよがりを考えているわけじゃなくて、実際にまたそういうことを自分の政治の柱としてやってきたものでありますから、今回の問題はとりわけ関心を持ち、かつまたいろいろ内々のこともやっておりました。
 しかし、ある政党は極めて表立って、この刈羽村の住民とは言い得ない。私なんかは、本当は入っていってとにかく座談会でも開いたりあるいはまた積極的にPRをやりたいという方ですけれども、しかし余り政治が介入してはなと。むしろ、そういう騒音の中でやるのではなくて、静かな中で自分たちの村のこと、それから生活のいろんな条件、原発の誘致によってなされた諸整備、そういうことも全部いろいろ考えながら、かつ将来の日本のエネルギー政策、こういうものを考えて冷静な判断をすべきだと。さっき足立委員が言われたように、政治の介入とかということよりも、行政と政治はまた別だから政治の介入ということは余りやらぬ方がいいのかなということで手控えもしておった。
 しかし、さっき大臣がちょっと間違っているのは、地元選出国会議員が文書を出したというのは、私はちゃんと渡辺秀央の名前で、あれは連名でただ名前を出しただけであって、連名で出した諸君たちがしっかりやればこんなことにならぬのだ、はっきり言うけれども。だから、私は私の個人名で、自由党渡辺秀央で村民の皆さんに全部手紙を出した、そういう報告が大臣に行っていないということは極めてけしからぬ話である。私は、何もPRするつもりはないが、そういう下積みな地道な努力をしていることを見誤るから、だからこういう結果になっているということですよ、一つは。
 私は、新しい形で内閣にそういう連絡会議つくったという大臣のさっきの話ではあるが、それはそれで多としますよ。多としますけれども、しかし正直に言うと、いつも後追いではないかねということをまず一つは指摘しておかなきゃならぬ。やらぬよりはやる方がいいということもありますけれども、実際にこれは千九百二十五票、そして千五百三十三票、保留は百三十一。考え方によると、投票した人の過半数は行っている。しかしながら、住民の、有権者数の過半数は行っているとは言えない、厳密に言うなら、あるいは三百代言的に言うならば。だけれども、しかし、投票した人はそのことに対して意識を持った人たちでしょうから、その人たちが投票した結果がそうだったと。これはこのまま謙虚に受けとめなきゃいかぬでしょう。しかし、あえてもう一つ言うなら、有権者全体の過半数には行っていませんよということもあるんです。
 もう一つは、先ほども議論が出ておりましたが、この核燃料サイクル計画ということは、日本の資源輸入国である現況から考えてみてこれからこのサイクルの中核をなすのがプルサーマル計画だということであるわけですが、さっきも若干同僚議員の話があった、国策とは何だと。国の、国民のセキュリティーに関してこれは一体、セキュリティーというのは防衛ばかりじゃないわけで、さっきから出ているように、国民生活、それから経済活動、言うならば産業の血液が金融であるなんていう言葉を言った人もいるし、私もそれはそう思う。しかし、産業の血液はまさにエネルギーじゃないですか、本当は。そういうことを本当に真剣に政治家が考えてやっているのかなということだと思うんですよ。
 私は、とりわけ自分の地元のことだから少し真剣にとらえているのかもわかりません。これを言っておけばいい、あるいはまた、今回この結論が出た、内閣でそういうことをやってくれたから当分村長も様子を見ようということだからこれ以外にないねというようなことで済ますならまた同じだよと。同じどころかむしろマイナスだねと。私は当事者である東電に対しても、あるいはまた他の電力会社に対しても、御自分たちの責任と使命はさることながら、それは当然やってもらわなければ困ると、あるいはもっともっと丁寧にやるべきことをやってもらうと、地域に対して。
 だけれども、もう一方において、国がこれ国策だと言うならば、ある段階で、きょうも新聞に出ていますよ。きょうの新聞、二十九日。これはあえて新聞の名前言いませんが、社説に「原子力の場合、国策という言葉を安易に使いすぎた傾向がある。実施するのは民間企業である電力会社であり、立地地域の住民も利害関係者になる。プルサーマルを国策として行うなら国が推進について全面的に責任を持つべきだが、時として電力会社を矢面に立たせてきた。」という指摘をしていますよ。これは私は前から言っている。しかも、一方においては電力自由化だ。一体こういうちぐはぐな政策というのはいつまでやっていって、連絡会議やろうと何やろうと、これは大臣、同じことだと思う。
 幸いにして、これは私が深谷大臣のときに、エネルギー政策どうするんだということも言いました。彼は全面的見直しの検討に入るということで、今やっているのがさっきの副大臣の御答弁だ。だから、それはそれで結構ですが、その機会に、エネルギー量の問題とかそういうことも大事ですよ、大事だけれども、その根本、岩盤を少し考えたらどうかなと。このままで、片一方は国の行政で責任があるみたいなないみたいな、片一方は今度は地方の自治体に責任があるみたいな、それでもう片一方は今度は電力会社に責任があるみたいなないみたいな。これで一体本当に安心した二十一世紀、というのはこれ百年のことですよ、百年間のエネルギー政策というのは本当に心配ないのかという感じ。
 小泉さんが改革やると言うんだから、抜本的にやったらどうなんだ、むしろ。ちょっと不謹慎な話をすれば、例えば発電に関しては国がやる、電力会社は送電と、そういうサービスをやっていくと、この核燃料に関しては。それぐらいのことを考えなかったら我が国でもうやれませんよ、核燃料による発電政策なんていうのは。
 だって、たった東海のあの問題で、当時の梶山静六さんがエネルギー庁を出入り禁止にした。それは私わかります、その気持ち。私、今でも半分ぐらいその気持ちですよ、本当は、半分ぐらいは。本当に二人で長年一緒にやってまいりましたが、彼の気持ちは、あのときに自分の選挙区であの問題を惹起されて、とにかく原子力は心配ないといって彼は二十五年、三十年の国会活動をやってきたわけだ。それがいきなりああいう監督とそれからそれぞれの人たちの無責任なそういうことであれだけの大きな問題を起こして、もうこれはナベさん、原子力、核エネルギーに関してはこれで終わりだねと彼言ったんですよ、僕に。
 長年二人でやってきて、本当にテーブルをたたいて大蔵省に予算の関係でも何でも特別会計でやる、後でこの特別会計の話も聞きたいが、そういうことでやりまくってきた。だけれども、今考えてみるとまさにそういう感じが、お互いこの政策に関してはもっと緻密な丁寧な、そして行き届いた、しかもそれに対して行政もそれから当事者も、やる方も地域のそれを受けとめる地域住民も一体になって今までやってきたから、反対派の人たちが多少はいても、これは世の中には反対があるから緊張があるんで、かえっていいことだねというぐらいに、なめてかかって言うわけじゃありませんよ、ばかにして言う意味じゃありませんよ、だけれども、そういうことで緊張して行政がなされている、あるいは管理がなされている、そういうことがプラスだったわけです。
 あの一事によって、確かに大変な問題であった、しかし、また余りしゃべっていると長くなってしまうんで、百歩譲って、あの問題とこういう問題は別だというPRが余りにも足りない、エネ庁は、正直に言って。何かすれば原子力発電というのはああいう問題を起こすんですよと。原子力発電とあの燃料の関係、別なんでしょう、全く関係ないでしょう。でも、それが定着してしまった、全国に。
 いわゆる通産省の、私は通産の官僚諸君というのを信用してこれまで二十五年政治活動やってきました。だけれども、しかしそういうところに対する一歩の努力と、それに追われたと言えばそれまででしょうけれども、後の収拾とPRとそれに対する政治のありようということがやっぱり足りていなかったんじゃないか。しかも、これは外人部隊が来てどんどん反対の運動を展開する。我々地元の国会議員、新潟県人である政治家、そういう連中は全然遠慮して行かない。そういう結果になっているわけだ。
 だから、私はこれは多としなきゃいかぬとは思いますけれども、しかし現状はそういう現状だということを踏まえて、これからほかの地域にもあることですよ、ぜひしっかりした対策を考え、それから対応を考えて、やっぱり根本的なことをもう少し話し合ったらどうでしょうか。いかがですか。
#70
○国務大臣(平沼赳夫君) 渡辺先生が大変長年にわたる御経験、そして原子力に対するいろいろな御苦労、こういうお話を交えて今の問題点について鋭い御指摘をいただいたと思っています。
 確かに国策、こういう観点から考えますと、私どもといたしましては、御指摘のとおり、十分国として住民の皆様方やあるいは国民の皆様方に向かってその必要性や安全性について本当に理解が行き届くようにやったかというと、それは今回の結果にあらわれているとおり、不足をしていたと思っております。
 そういう意味で、やはり国の安全、そしてエネルギー、特に国民の安定生活に一番重要な国の基幹的な政策でございますので、今先生御指摘のそういう問題点ということを我々しっかりと踏まえて、そして連絡協議会、これを設置いたしましたけれども、これだけでもまだ十分ではない、住民の皆様方やあるいは国民の皆様方に納得していただくためにどういった方策がこれからもっともっと効果が上がるか、こういうことも連絡協議会の中で十分議論をしながら、また経験深い渡辺先生を初め、皆様方のいろいろお知恵もいただきながら、大切なエネルギーの問題、その推進に努力をしていかなければならない、このように思っています。
#71
○渡辺秀央君 大臣、御性格もそれから手腕、力量もよく承知しておりますし、期待もいたしておりますから、とにかく今までの連絡会議とかそんなところで茶を濁してもだめ、はっきり申し上げて。県も動かない、地方の自治体も動きません。それをまたまともに受けて、それを頼りにして、言うならそれを担保にして何をやるかなんというとこれはいかない。私が地方自治体の長でもだめです。だから、もう少し何か工夫をしなさい、すべきじゃないのと。新潟県の刈羽の問題じゃありませんよということを申し上げている。どうぞ検討していただきたいと思うんです。
 ついでのことですが、やっぱり都会の人たちはわからないんですよ。さっきも同僚議員の質問、将来のロマンの話も聞いた。しかし、それも僕は尊敬する同僚議員だから、その悪口じゃないですよ、批判でもない。しかし、それの予算の背景というのはまさに電源特別会計なんです、本当は。新エネルギーの問題にしても。
 だから、電源特別会計というのは何かといったら、それは原子力発電も入るわけなんで、だからとにかく将来のことと今現在、これ例えばもし原子力発電全部やめたらどうなるのか。都会の生活どうなるんですか、東京の人たちは。だから、私は石原知事に東京で原子力発電一つつくってくれと言いたくなるぐらいだ、本当に。またそれぐらいお考えになられていいと思う、あの知事なら。全く安心できて何もないというなら、東京湾の方にでも考えられたらいいと思う、僕は。そうなるじゃないですか、実際。
 だから、それぞれがそれぞれの地域でみんなが努力をしてここまで培ってきたということを、それをどういうふうにお互いが認識して、そしてその継続性と、そして言うならば国民生活を安心してやっていける体制をしっかりするかということだろうと思うんです。
 ぜひひとつそういうことも踏まえてお願いをしたい、これからの対応をしていただきたいと思います。
 もう一つは、時間がなくなってしまいましたが、特定財源の問題についてですけれども、道路財源ということを言うんだが、これも私がかつて単価を引き上げてきた、そのたびに石油業界に文句言われて、説得してやってきましたよ。道路財源というのは、その当時、建設部会でもってやっている話じゃないぞと。おまえら、こっちがいただいて無理してお願いしたやつを配分しているだけだなんといって、私は当時建設部会長なんかに言ったものですが、これもわかっておられないんじゃないですか。平沼大臣はわかっていても小泉大臣は知らないですよ、恐らく。知っていたらあんな簡単に言えることじゃない。もし知っていて言っているんだったら、じゃ今言っているこれらの石特会計だの電特会計というのはどうなるの。
 しかも、あなたから注意したらいい、広瀬次官、何だあの記者会見は。これはだれも指摘していないけれども、私はおかしいと思うね。特定財源をつくったら変えられないというものではないと、新しい考え方やニーズが出てきたら考えると。じゃ考えたらいい。それで電力の特別会計全部減税して、国民に安い電力を提供し、あるいは石油を提供してもらったらいい。白紙から考えてもらったらいい。
 我々が、我々がとは言いません、みんながとにかく積み上げてきたものをそんなに、総理大臣の発言だからそれはわかるけれども、そんなに簡単に迎合して、それで後やっていけるんならやっていってもらっていいと思うんです、それは本当に。道路財源を言っているんじゃないですよ。特別会計あるいは特定財源という発言をするから、僕はあえてこの場で、それはちょっとおかしいんじゃないのと。
 あなたたち、小泉内閣のもとで、あなたは、国務大臣は陛下からもらっても、通産大臣は総理からもらうんだから、それはもうわからぬじゃないが、しかし余り、私は別に今野党だから、そんな選挙のためにどうのこうのとけちなことを言うわけじゃない。国民が惑いますよ、それは。私が石油税の問題をもしやるんだったら、道路財源をやるんだったら、私は十何年間言われてきた石油業界、これはやめたらいいと思うね、やめるべきだ。そうしたら、日本のガソリンの料金は百十円だ百円だなんて、安いところで九十八円なんというのも私全国歩いていると出ている。半値以下になるんだから。どんなにか国民が、ああ通産省しっかりやっているなと拍手喝采やるよ。平沼大臣、国民投票で総理に当選するわ。いや本当だ。やれるんならということですよ。
 それがまた今度は、石特会計から電特会計に至るまでのことを、これはちょっとエネルギー政策上、片一方じゃ核燃料サイクルをやってくれと、原子力発電を理解してくれと言っておいて、その振興策である財源のもとに対しては見直しをやれというのなら、やってみたらいいじゃないか、やれるんだったら。それで国策が遂行できるんだったら、自民党連立政権がやれるんだったらやってもらおうじゃないの。開き直りたくなるね、私は。
 そういう国民をだますような、迷わすような発言をしちゃいけませんよ。それは厳重におやりになったらいい。いや担当大臣としておやりになるべきだ、言うべきだ、私はそう思いますが、どうですか。もうこれをもって質問を終わります。
#72
○国務大臣(平沼赳夫君) 特別会計についてのお話でございましたけれども、先生御指摘のとおり、エネルギー関係の特別会計としては、今言われました石特会計とそれから電特会計がございます。
 これらエネルギーの特別会計というのは、もうこれは大変よく御承知で、まさに釈迦に説法になってしまうんですけれども、環境保全や効率化の要請に対応して、エネルギーの安定供給を実現する、そういうエネルギー政策の目標を実現するための施策を強力に実施するため、受益者負担の原則のもと、石油税、電源開発促進税等を財源として設置されています。
 したがいまして、エネルギー特別会計においては、社会経済情勢の変化を踏まえまして、例えばこれも御承知のことですけれども、平成五年度に省エネルギー対策等を追加させていただき、制度的な見直しを行ってまいりました。また、歳出内容につきましても、近年のエネルギー環境制約の高まりを踏まえまして、省エネルギー対策、新エネルギー対策等のエネルギー環境対策の拡充を図るなど、見直しを行ってきております。
 したがいまして、現在、総合資源エネルギー調査会で検討されている新エネルギー対策、省エネルギー対策や、技術開発などの地球環境保全のための新たな対策を実施しまして、エネルギー特別会計の歳出のグリーン化を図るべく、エネルギー特別会計の歳出項目の見直しを行うことにしております。
 あくまでも皆様方が積み上げてくれたそういう一つの特別会計の趣旨にのっとって、そしてそのエネルギーがいかに効率よく国民の皆様方の生活に利便性をもたらせるか、そういう観点でこの特別会計もやっていかなければならない、このように思っています。
#73
○渡辺秀央君 そういう答弁だろうと思うし、そういうふうにやらざるを得なくなると思うんですね。だから、それはそういうセンセーショナルな言い方じゃなくとも、そんなことは今までやってきていることなんで、ちょっと私も余りそういうことを続けていくと、こっちは少人数で予算委員会で質問する時間もないものだから、こういうところでしか言う機会がないんですが、何かの機会に私も、このまま続くのなら具体的な例を挙げて幾らでも僕は総理に対して言いたいというふうに思いますよ、このままなら。
 それからもう一つ、時間がないので申し上げておきますが、中小企業問題でやっぱり倒産ふえていますよ、大臣、本当に。あの例の制度、この三月で終わったでしょう。終わった後も倒産件数はふえている。そこへもってきて不況は続いている。不良債権はふえる。そうすると金融機関は、それは副大臣専門だ。それはよく見ておいてもらって、それは不良債権がふえるから、まさに金融機関は資本比率の問題で貸し渋りになっている。もう本当にそれは全く如実にあらわれていますよ。
 そういうところをぜひ、政府三機関、経済産業省が掌握しているとは言わないが、しかし言うならばOBの諸君たちも行っているわけだし、責任者にもなっているところもあるわけだし、一々言いません。もう少し原点に戻った、この金融機関がなぜできたのかということをこういうときこそやっぱり考えるべきじゃないかというふうに中小企業の問題についてはお願いを申し上げておき、またきめの細かな政策をお願いしたい。
 もう一つは、セーフガードの問題なんです。
 これは国税庁にわざわざ来てもらって恐縮でしたが、本当は、中国を中心としたアジアから入ってくる、僕はそれは決して悪いことだと思いません、私も日中友好親善派でありますから。しかし、その一番の要をなしているのは、一つは日本の商社なんですよ。それで、日本向けの製品をつくらせて、開発させて、技術開発も含めて。そして、ネギだ、タマネギだ、何だというような日本向きのやつを開発させている。日本の商品をつくらせているんです。だから、それで今度はたくさん来るからとストップをかけたら、中国の国内問題じゃないですか。だから、けさのニュースを私聞いておったら、木箱の何とかなんという話まで出てくるんじゃないでしょうか。
 だから、決して自由主義経済、それから貿易立国、この基本的な原点はしっかりしてなきゃいかぬと思いますが、とにかく何でもかんでも手を出すのは商社だ。そして、何でもかんでもやってみたいわけね。それは少し長期的に、私のところの地元のニットなんというのは、昨年の十二月に一カ月の間に五人も自殺ですよ、経営者が、私の知っている人が。私のふるさとで私の後援者の一人も自殺ですよ。それは経営が悪いといえばそれまでだ。だけれどもしかし、その技術はまた日本が持っていったことも事実だ。あるいは、機械の古いのをまた輸出したのも事実です。だから、それはそうなんだが、そこで輸出、輸入のバランスは、少しは自由といったってモラルが必要じゃないでしょうかね。
 経営の感覚というのは、数字の上で必ずしも自分たちがプラスになることだけが経営の感覚として大事なことでしょうか。これから先、非常に大事な時期だと思うんですね、グローバルの時代を迎えて。日本の憲法がああいう憲法だから、だれが何をやってもどうやっても平気だという憲法だからしようがないけれども、しかしながら少しそういう点は貿易の問題として考えるべきではないかなということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ぜひ、もし参考になるところがありましたら、大臣の手腕を期待して、私は質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#74
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 まず最初に、中小企業分野の女性の地位の向上の問題について質問をさせていただきます。
 小泉内閣は五人の女性閣僚を擁立いたしました。これはやはり二十一世紀の新しい時代の流れではないかと思います。ただ、表紙は非常にカラフルになったと、しかし中身はいかがということで国民が見詰めているわけでございますので、その点も、平沼大臣、どのようにお考えかということでお聞きをしたいと思います。
 中小零細企業で家族従業者として身を粉にして営業を支えている婦人のことを業者婦人というふうに呼んでいるわけですけれども、こういう人たちは全事業所の中で、九人以下、統計的に見ますと九人以下の小規模事業所数、全体で八一・七%ございますけれども、そのうち女性の家族従業者の数、約百九十万人というふうに出ているわけでございます。この女性の家族従業者の方々というのは、共同経営者としても非常に大きな役割を果たしていると同時に、いろいろ家族の問題なども支えて頑張っているわけです。
 私は、この問題を九五年、九八年、業者婦人の地位の向上のための実態調査を求めまして、橋本元通産大臣、与謝野元通産大臣に質問をしてまいりました、求めてまいりました。業者婦人の役割の評価についても聞いてまいりましたので、まず最初に平沼大臣に、重要な役割を果たしていると私は思いますけれども、業者婦人の役割の評価についてお伺いをしておきたいと思います。
#75
○国務大臣(平沼赳夫君) 中小企業で経営に携わる女性の方々というのは、我が国の企業の大部分を占める中小企業の中で本人が経営者である場合また経営者の伴侶である場合を含めて、家庭そして経営、さらには労働、こういった各面で非常に大きな役割を果たされている、このように私どもは認識をしております。また、こういった業者婦人、こういうふうに言われている方々というのは、地域にあっては地域の美化運動やまた地域の奉仕活動、そういう地域と密着した活動にも大変積極的に参画をしてくださって、地域の活性化、その中で非常に大きな役割を果たしていただいている、このように私は思っております。
#76
○西山登紀子君 その業者婦人の置かれている実態はどうかということでございます。この業者婦人の皆さんは、営業と暮らし両方支えて、そして今大臣もおっしゃったように、地域でも非常に重要な役割を果たしているんですけれども、しかしその暮らしぶり、営業の実態というのは非常に大変な、深刻な状態がございます。
 ここに全国商工団体連合会婦人部協議会さんが大学関係者の協力も得まして三年に一回やっております実態調査がございます。こういう小さな冊子なんですけれども、中身は非常に濃厚でございます。この二〇〇〇年の実態調査なんですけれども、会員は約十八万女性部員さんがいらっしゃいまして、二万三千人からの回答を専門家にゆだねて分析をされたものでございます。それによりますと、一九九一年のバブル崩壊以降、やっぱり売り上げが急速に減少しておりまして、売り上げが減少していると答えた業者さんは九一年の二二・八%から九八年には七八%に激増をしている。廃業も非常にふえております。
 そこで、営業所得だけでは生活が成り立たないので、二十代で二四・三%、三十代で二五・三%、四十代で二一・九%が何らかのパート、アルバイトに出ているということなんです。自分のところの営業所得だけでは生活はできないという、生活が成り立たないという名目的には自営業者だという方が約六割に上っている。
 高齢化も大変進んでいるということから健康問題も非常にこれは深刻になってきておりまして、いつも国保のことが問題になるわけですけれども、例えば国保の正規保険証の取り上げですね。これはバブル崩壊後急速にふえておりまして、九一年の三万二千七十世帯から九九年には四十万六千九百五十世帯、ふえているわけでございます。
 さらに、女性でございますのでやはり出産ということもあるわけですが、病気や出産に対しては休業補償がございません。とことん悪くなるまで病院に行かないということから、初診から死亡までの期間が一年以内というのが六三・一%、そういう数が出ているわけですね。ぎりぎりまで病院に行かない、行かれないという実態があるわけでございます。傷病手当や出産手当がないためになかなか休めない、こういう状態でございます。
 これは中小企業の家族従業者でございますので、政府の中小企業政策とやはり非常に密接な関係があるということでございます。このような民間団体が三年に一度、一回約四百万円ほどかかるそうでございますけれども、膨大なお金をかけまして、しかしやはりみずからの地位の向上のために、暮らしと営業の向上のために一生懸命努力していらっしゃるこの実態調査は非常に私は重大だと思いますし、政府の施策にもしっかりと生かしていく、こういう観点が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#77
○副大臣(古屋圭司君) お答えをいたします。
 委員御指摘のように、中小企業政策の一環として、民間の調査機関を通じて中小企業で経営に携わってこられている女性の方々の実態を把握するということは非常に重要であるというふうに私どもも考えております。例えば、これまでも民間の信用調査会社等が女性社長等に関する調査を実は実施いたしておりまして、その実態把握に私どもも努めております。
 今後とも、これらの成果を活用しながら、実態に配慮しつつ政策に生かせるよう、今後とも努めてまいります。
#78
○西山登紀子君 私の地元は京都ですけれども、京都独自でもこういう実態調査をずっとやっているということ、非常に熱心でございますので、ぜひ中小企業政策に生かすというふうにしていただきたいと思います。
 さらに、この業者婦人の実態調査について、九九年百四十六国会で初めてですが、業者婦人の健康と母性を守り、社会的・経済的地位向上を求める請願というのが採択をされました。その項目としては、男女共同参画社会基本法に基づいて、政府のこの参画計画に業者婦人対策の施策を盛り込むことが一点。二点目は、自営中小業者の労働と健康の実態調査を行うこと。三つ目が、女性事業主、起業家が女性であることで不利益を受けることがないよう施策を充実するというこの三つの項目なんですけれども、これは実に二十五年来の運動の積み重ねがあって初めて採択されたわけなんですね。これは非常に歓迎されているところでございまして、私たちも一緒に努力してきた者として大変うれしく思っているわけです。
 そのことが男女共同参画、昨年の十二月に基本計画ということに、こういうふうにこういうパンフレットが発行されておりますけれども、男女共同参画基本計画、昨年の十二月に出されたものでございます。その中に実は盛り込まれております。大臣ももちろんこの中で一緒になってお決めになったんじゃないかと思いますけれども、その点のこの御評価はどうでしょうか。
#79
○副大臣(古屋圭司君) まず、平成十二年の十一月に男女共同参画社会基本法に基づく業者婦人に対する施策の充実に関する請願に対する処理意見として、「中小企業政策の観点から、必要に応じて、自営中小業者の家族の労働と健康の実態把握に努めてまいりたい。」と、こういう考え方を示させていただいております。
 女性を含めた中小企業の労働実態については、これまでも全国商工会連合会による中小企業の実態とその経営課題及びニーズに関する調査等の各種調査により把握をしているところでございますけれども、今後とも関係省庁とも連携をとりながら調査の必要性を含めて検討を行い、施策に生かしてまいりたいと思います。
 また、もう一つのいわゆる女性起業家、家族従業者への支援が入っているのか、こういう点につきましては、女性起業家、家庭従業者等に対する支援につきましては、女性の社会参画意識の高まりの中で、女性のさまざまな能力の一層の発揮に向けた環境整備が極めて重要であると、このように認識をいたしております。
 当省といたしましても、女性起業家向けの低利融資制度を設けまして、女性が新たに事業を開始するという場合に、中小企業金融公庫等政府系金融機関において一般よりも条件を優遇した貸し付けを行っております。今までの利用実績としては四千六百件、三百億円という形になっております。
 家族従業者に対しましても実態把握に努めておりまして、女性が家族従業者として果たしている役割の重要性が正当に評価されるよう努力をしてまいります。
#80
○西山登紀子君 ちょっと聞いていないことまで御答弁されているので、こっちの方が戸惑ってしまうんですけれども、大臣にお伺いしましたのは、この基本計画の中にいわゆる業者婦人の実態調査をするんだということが具体的に盛り込まれたということの意義、評価、そのことをお聞きしているわけです。二十五年も運動をやってきて、やっとここに盛り込まれたという意義ですね。
 ちょっと時間がないので次、急ぎますが、このテーマの最後に大臣にお伺いしますけれども、この基本計画に盛り込まれたんですけれども、実はこの実態調査についてどこが担当するのかと、あるいはどれぐらい予算がつくのかと期待して見守っておりましたところ、何もないということで、これは政府の怠慢じゃないかといって怒りが起こっているわけでございます。
 それで、去年の請願処理要領には、「中小企業政策の観点から、必要に応じて、自営中小業者の家族の労働と健康の実態把握に努めてまいりたい。」というふうに書いているわけですけれども、これはまさに私は中小企業を所管していらっしゃる経済産業省がイニシアチブを発揮して、関係省庁の協力ももちろんお願いをしてですけれども、これはやっぱりやるべきだと。過去に、私も九五年に質問取り上げましたが、八〇年のときには中小企業庁が全国商工会連合会に委託をいたしまして、業者婦人の就労と生活実態調査をまとめているんですね。もうあれから二十年もたっているわけです。
 当時、五百四十二万円の委託費を出して行っております。ぜひこの深刻な不況の中で実態を、さらに深刻化しているわけですからきちっと調査もしていく、二十一世紀の女性の時代と言われているこの時代に業者婦人の地位向上に積極的に貢献していくということで、大臣の御努力、実態調査をやっていくという点でのイニシアチブと、それに向けての予算がちゃんとつくように決意を述べていただきたいと思います。
#81
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもといたしましても、日本の経済大国、経済立国の基盤を支えてくださっているのが中小企業であります。そのまた中小企業を大変陰で非常に厳しい条件の中で支えてくださっているいわゆる女性の経営者やまたその経営者の伴侶の皆様方、先ほど先生が御指摘のように、今の不況の中でパートに出たり本業以外の仕事についてさらに頑張っておられると、こういうような実態、それもあるわけでございますので、私どもといたしましては、やはり中小企業が頑張っていただくことが日本の経済の回復につながると、こういう観点で、請願の趣旨も生かしながら、私どもはこれからの施策に一生懸命に盛り込まさせていただくように努力をさせていただきたい、このように思います。
#82
○西山登紀子君 大臣のイニシアチブをぜひ発揮していただきますように求めておきたいと思います。
 次に、テーマをネクタイの問題に質問していきたいと思います。
 今ネクタイ業界が非常な窮状でございますが、私も出身は京都でございますので、いろいろと西陣織工業組合の方々、ネクタイの部門の方々ともお会いをしてお話を伺ってまいりましたが、しかしやはりそれは思っていた以上に深刻な事態であるということがわかりました。
 これは、輸入が非常に急増しておりまして、中国製品の割合は実は六八・二%に上っております。一九九八年の三六・四%に比べましてほぼ倍増でございます。京都ネクタイ協会の会員企業が、昨年七月の定時総会の後、わずか四カ月のうちに五社が消滅するという激減でございます。本社工場で十台の機械のうち半分がとまっているというようなこともございます。産地は、本当に今のままこんな輸入状況が続きますとひとたまりもございません。
 そこで皆さんは、中国製のネクタイに対するセーフガードの発動をという強い願いも持っていらっしゃるわけですね。それだけではなくて、企業努力も一生懸命していらっしゃるんですけれども、人件費が何しろ日本の十五分の一というような中国と価格競争しても本当に勝ち目はございません。大体単価はどれぐらい違いがあるかといえば、中国が二百五十円、一本につき二百五十円とすると、日本のものは五百円ぐらいかかっちゃうというふうなことを言っておられました。
 やっぱり一刻も早くセーフガードの発動をしてほしいというような願い、切実な願いがございます。これは、今手を打たないと産地が本当に壊滅してしまうという、こういう危機感を持っておりますが、大臣は日本のネクタイ業界のこうした窮状についてどのように把握をしていらっしゃいますか。
#83
○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。
 お問い合わせのネクタイの製品に限らず、繊維製品全体としてもう長期にわたり個人消費というのが今低迷をいたしておりますので、またそれに加えまして消費者の低価格嗜好というのがありまして、二次製品の輸入の増大等に伴いまして大変厳しい状況が続いている、こういうふうに認識をいたしております。
 特に、ネクタイにつきましては、委員御指摘のように、平成十一年秋以降、中国からの安い製品が大幅に増加をしている、データからも承知をいたしておりまして、例えば国内のネクタイ用生地のシェアの約四割を占める西陣の産地におきましては、平成十年から十二年までの二年間で生産量が二一%落ち込んでいると、こういうことでありまして、国内生産量が著しい減少を見せているということも十分に承知をいたしております。
 こういった影響もありまして、産地によっては幾つかの企業が民事再生法を申請するなど厳しい状況にあるということは委員御指摘のように十分に承知をいたしております。
#84
○西山登紀子君 こういう産地の窮状を何とかしようということで、全日本ネクタイ工業連盟が四月十九日に総会を開かれて、セーフガードの発動を政府に申請していこうという申請のための予備調査を始めていらっしゃるという状況でございます。
 五月に京都の市議会でも、私たちの党の議員がセーフガードのネクタイへの適用を国に求めるべきではないかという質問に対しまして、発動を期待して国と協議をしているというふうに答弁をしているんですけれども、こうした京都市側と国はどのように協議をし、対応しているのか、それ御報告してください。
#85
○政府参考人(岡本巖君) 私ども産地の業界の問題については、それぞれの地元の自治体と密接な意見交換をやってきているわけでございますが、西陣のネクタイ産地につきましても、京都府及び京都市と、産地の今の現状や業界の方々の取り組み、それについての要望について意見交換をやっておりまして、最近におきましても京都府及び京都市と西陣ネクタイ産地における構造改善に向けた新しい動きということについて意見交換を行ったところでございます。
 今後ともこうした密な地元との意見交換というものをやって、業界の適切な対応というものを私どもも応援してまいりたいと考えております。
#86
○西山登紀子君 やっぱり産地の人はセーフガードを発動して輸入の急増に対して歯どめをかけてほしいという、そういう切実な願いを持っているわけですよね。そこで、全体のネクタイの輸入が急増しているということもあるんですが、中でもその特徴的なのはやっぱり中国からの安いネクタイの輸入でございます、問題になっておりますのは。
 これは、調べてみますと、中国産の安い絹製のネクタイの輸入量というのは、全体のネクタイが例えば九三年から二〇〇〇年までの七年間に千六百六十三万六千九百九十二本から千九百二十五万五千十一本、一一五・七%、この七年間で全体はふえているんですね、ネクタイは。九三年から二〇〇〇年の七年間に。その中で、中国産のネクタイはどうかといえば、九三年に五十九万四千八百四十万本だったものが、二〇〇〇年には千三百三万二千百七十六本と、実に二十一・九倍にぐんとふえているわけでございます。
 中国ではどんなふうに生産をしているかというと、一台二千万円するような最新鋭の幅広の織機でもって百台を例えば三交代二十四時間操業するということですから、非常に単価自身が先ほど言いましたように安くなると、こういう状態でございます。しかも、問題は開発輸入でございます。そういう安い労働力を使ってだれが生産を促進しているかといえば、日本の商社だということなんですね。そこにやっぱり問題があるわけでございます。
 そういうことをやられますと、西陣織のネクタイの出荷量といいますと、ピーク時には、一九七〇年代がピーク時だったんですけれども、千六百万本つくっていたのが、二〇〇〇年では七百十四万本という形で半分に減ってしまっているということです。
 これは、三月十四日、我が党の吉井議員が衆議院の財務金融委員会で質問したんですけれども、外国為替及び外国貿易法第二十三条四項一号を適用して開発輸入に早く手を打っていればこういう状態にならなかったのに、それが放置された結果、こういうふうに今壊滅的な状態になっている。つまり、やはりこれは結果としては政府の責任ではないかと私は思います。
 したがって、漠然としたセーフガード、数からいってそんなに総量がふえていないんだからだめだよとか、そういうことじゃなくて、もっと真剣に、中小企業基本法第二十二条では、中小企業の事業活動に支障が生じたり、そのおそれがある場合は、経営の安定化のために必要な施策を講ずることがうたわれておりますし、政府がこういう法律上もやらなければならないという責任もあるわけですから、ぜひこれについて、今の窮状を何としても救うという意味で、きちっとした対応をとるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#87
○政府参考人(岡本巖君) セーフガードの点につきましては、ネクタイの場合には、繊維のセーフガード、いわゆるTSGというそういう枠組みの対象ではございませんで、一般のセーフガードの対象ということになります。
 それから、業界がセーフガードについて一時希望を持って考えた時期ございますが、私ども、先生の先ほどの御指摘の中にもございましたが、輸入の総量で見るということでこれを見ることになりますので、それで見ますと、三%強の輸入の伸び率ということで、これでもって今の西陣を初めとする我が国のネクタイ産業が壊滅的な打撃を受けているというところに結びつけるのはどうしても難しい面があるのではないかと考えております。
 他方で、先ほど御指摘の中国の非常にコストの安いネクタイとの関係で、国内で西陣を初めとするネクタイ業界の方々にぜひとも私どもも頑張って十分伍していけるようなそういう業界、企業になっていただきたいということを強く期待を申し上げているわけですが、その際に決め手になるのは、デザインの面での開発、工夫を中心とした業界の構造改善ということかと思いますので、今早急にこの点について業界との間で私ども話し合いをし、そういう話し合いの進捗をにらみながら、地元の京都市なり京都府とも密な意見交換をやらせていただいているところでございます。
#88
○西山登紀子君 ネクタイというようなものは、本当に何本でも何本でもたくさんむやみやたらに買うものじゃないと思うんですよね。そうすると、やっぱり総量は大体こういうふうに枠が決まっていますと、一年ごとというふうに見ると、そうたくさん、急増というふうにならないということかもしれませんけれども、七〇年代に西陣で千六百万本織っていたのが、今七百十四万本だということになりますと、これはやっぱり輸入の安いネクタイの影響をシビアに受けているというふうに見なきゃ対策はとれませんよ。
 このテーマの最後に大臣にお伺いしますけれども、この帝国データバンクの産地における転休廃業・倒産動向調査というのを見ますと、とりわけこの繊維業の転業、廃業、倒産というのは本当に多くて、全体の七割を超えています。多くは個人経営や零細企業でございますけれども、やはりこの不況、それから輸入の増加、こういうところであえいでいる繊維業界、伝統産業、地場産業、こういうところに対する対策を総合的にどのように進めていかれるか、この点をお伺いします。
#89
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、西陣のネクタイをおつくりになっている方々にもお目にかかりまして、じかに今の大変厳しい状況も承りました。そういう中で、先生御指摘のように、中国からの大変な猛攻勢があって、そして特に価格的な面で大変な打撃をこうむっている。そのことは本当に厳しい局面に直面されている西陣の皆様方に対して本当にお気の毒なことだと思っているわけであります。
 したがいまして、私どもといたしましても、もともと日本のいわゆる絹織物、絹製品というものはデザインを含めてレベルが高いものを持っているわけでありますから、そういう中で、やはりこの製品的な付加価値、それからまた魅力的な製品づくり、こういうことをして、こういう安値攻勢に対抗する、そういう措置もやっていく。そのために、まだ微々たるものでございますけれども、これからそういう面でもお手助けを私どもはさせていただかなければならないと思っています。
 例えば、イタリアのネクタイなんかが非常に競争力が強くて、ネクタイ産業自体は繁栄をしています。それは、やはり非常にブランド化をして高級イメージを出して、イタリアの北部のコモ湖周辺に絹の産地がありますけれども、ちょうど京都と同じようなそういうような立地、そして歴史的な背景がありますが、そういう一つのデザインですとか、あるいは品質、イメージ、ブランド、そういうことで競争力を持っているわけでありまして、ぜひ京都の西陣もそういう形で、もともと千二百年続いた都の中で培ってきた繊維産業ですから、そういう面で私どもも、力を発揮していただくようにいろんな展示会を開くだとか海外に対するPRですとか、あるいはデザインの向上とか、そういう形でもお手助けをさせていただかなければならないと思っています。
 そして、我が国の消費者が価格を重視してきていること、これも背景にあると思いますし、また御指摘の中国の繊維産業の技術水準の向上など、これは今商社のお話もされましたけれども、そういった背景のもとに繊維産業の生産拠点の海外移転が加速をしておりまして、これが輸入の増加という形で地場の、例えば西陣の繊維中小企業の経営に大変な影響を与えているわけでございまして、これは担当大臣としては深刻に受けとめていることでございます。
 このような深刻な状況の繊維産地を再生していくために、対策への着手に私どもは一刻の猶予も許されない、こういうふうに思っておりまして、平成十三年度予算においては、御承知だと思いますけれども、地場産業等活性化補助金のうち、事業費ベースで約六億円を繊維中小企業特別対策枠として確保させていただきました。これは地場産業の活性化のために組合や中小企業のグループが行う、先ほども触れました新商品開発あるいは人材育成、販路開拓等の事業に対して、国と地方自治体が事業費の二分の一ずつを出し合って原則として全額を補助する、こういう仕組みでございます。この補助金につきましては、繊維産地のための特別枠を確保したのは初めてのことでございまして、各産地においてこの補助金を有効に使っていただけるように願っておりますし、またさらにこの拡大も図っていかなければならない、このように思っております。
 また、このほか、国と県の共同負担により設けられております繊維産地活性化基金の活用を初めとした従前からの繊維産地活性化対策、不透明な商慣行の是正、アジアなど海外消費市場への展開の支援、物づくりと消費者のニーズの双方に目配りのできる人材の育成など、繊維産地の競争力を強化する対策を引き続き行ってまいらなければならないと思っております。
 非常に厳しい状況に立たされている、そういう繊維産業の産地の皆様方に対しまして、私どもは今後ともきめ細かく対応をさせていただく所存でございますけれども、特に若い後継者の方々に夢を持って繊維産業を支えていただけるような環境をつくるために、経済産業省としても全力を挙げて頑張っていかなければならない、このように思っています。
#90
○西山登紀子君 それでは、次のテーマに移りたいと思います。
 小泉内閣、小泉総理は、施政方針演説の中で、内閣の第一の仕事は緊急経済対策を行うこと、従来の需要追加型の政策から、不良債権の処理や資本市場の構造改革を重視する政策へかじ取りを行うということで、それも二年から三年以内に不良債権の最終処理を行うというふうに表明をしたわけです。
 私、それをお聞きしておりまして、さらに小泉総理も平沼大臣もその所信で痛みを恐れずということをよくお使いになります。痛みという言葉を非常によくお使いになる。しかも、それを強い意思を持って改革を実現するというふうにもおっしゃるわけでございます。
 痛みを恐れず構造改革を実施するということは一体どういうことなのかな、あるいは非効率な部門の淘汰が生じまして、社会の中に痛みを伴う事態が生ずることもあるというふうなことを小泉総理が述べられ、この痛み、これはやっぱり国民が痛みを感じるということなんですけれども、大臣はこの不良債権の最終処理によって、国民、中小企業、労働者にどのような影響が出ると試算をしているのか、それをお伺いします。
#91
○国務大臣(平沼赳夫君) 小泉内閣は、委員御承知のように、改革断行内閣、そして聖域なき構造改革を達成する、そして今御指摘のように、緊急経済対策を果敢に行う、こういうことで発足をいたしました。
 そういう緊急経済対策の中で、一つは今までずっと経済拡大のためにいろいろな手当てをしてきました。それはそれなりに一定の成果が上がったと思いますけれども、しかし本格的に景気というのが持続的な安定軌道に乗らない、それはやはり幾つか解決しなければならない問題があるのではないか。
 その中で、緊急経済対策の中で盛り込まれました今御指摘の、例えば金融サイドの不良債権、産業サイドの不良債務、これを小泉内閣では、既往のものに関しましては二年、新規のものに関しましては三年以内に処理する。そうしますと、やはりこれは痛みが伴う、必ずそういう処理をいたしますと、そういう中で一時的に例えば倒産に追い込まれる、そういう企業も出てくるに違いない。また、整理合理化というような形の中で、不本意なことでありますけれども、失業者も生まれてくる。
 しかし、アメリカも八〇年代、大変な三つ子の赤字を抱えて大変厳しい状況でありました。しかしその中で、アメリカも果敢に経済再生に挑戦をいたしまして、一時的には失業者の増大でありますとかもろもろの痛みが生じたわけでありますけれども、しかし同時にそういうSアンドLに代表されるようないわゆる不良債権の処理をする、そういう形によって、一時的に痛みが出ましたけれども、別途例えばITを中心に新規産業を起こしてそこにうまくそれを吸収して、結果的には九〇年代は未曾有の経済発展を遂げることができた。
 したがいまして、こういう痛みを恐れずという意味は、そういう経験にも照らして、やはり一時的には確かに国民の皆様方にその痛みをお与えする部分もあるかもしれないけれども、しかしそれをやることによって最終的には大きな経済が発展をして持続的な安定軌道に乗せることができる、そのためのいわゆる改革断行であり、痛みを恐れない、そういう一つの対策だと。
 そこでお尋ねの、それではこういう不良債権や不良債務を処理するに当たってはどのぐらいの失業者が出るのか、こういうことでございますけれども、これを定量的にとらえるということはなかなか難しいわけであります。その債権の処理の方法でありますとか、あるいはその対応する企業の対応の仕方等々いろいろ不確定な要素があります。ただ、これはもう西山先生も御指摘のように、民間のシンクタンク等ではいろいろシミュレーションをいたしまして、少ない部分では五十万というようなデータがあります。また、一番大きいのでも百三十万、そういう痛みの部分が民間のシンクタンクのデータとしては出ているわけでありますけれども、私どもとしてはいずれにしてもそういう痛みが伴うと。
 しかし、先ほどのお話にもありましたけれども、やっぱり日本の企業のいわゆる大宗を支えていただいているのは中小企業でございます。したがって、その中小企業の方々がまじめに業をやっていて、不良債権、不良債務の処理の中で巻き込まれてしまって、そして不当な形にならない、そのためのセーフティーネットは構築をしていかなければならない。
 ですから、経済産業省といたしましては、中小企業庁を中心に、そういう痛みを伴う、しかし将来的にやはり安定的な、持続的な軌道に経済を乗せる、そういう一つの目標の中で、皆様方の痛みが最小限になるように最大限の対策をきめ細かくやっていかなければならない、こういうふうに思っております。
 ただ、データ的には幾つかございまして、これはもうよく御承知だと思いますけれども、例えば今銀行が中小企業向けに融資をしている残高、これは平成十二年九月現在でございますけれども、二百三十五兆二千億ございます。そして、金融機関の総貸し付けというのは全体で四百五十六兆ありますから中小企業向けの割合というのは五一・六%と、こういうことで、五割以上が中小向けのいわゆる融資残高であります。したがって、これが全部不良債権だとか、そういうことではありませんけれども、非常に巨額なものがあり、そしてその中で非常に大きな影響を受けるのが中小企業であるということがこの数字から言えると思います。
 したがって、こういったことを最小限に防ぐために我々としてはいろいろセーフティーネットを構築して、そして皆様方に安心していただける、そういう体制をつくっていく、こういうことで努力をしているところでございます。
#92
○西山登紀子君 時間が迫ってきましたのでちょっと先に走りますけれども、大臣もこの影響が非常に出るということ、量的には数はおっしゃらなかったわけですけれども、これは相当大きな数でございます、予想されるのは。私は京都の二信金の破綻の問題、質問もずっとさせていただいておりましたし、本当に悲惨な事態になるということは、取り組んできた中からも容易にこれは予想ができるので、こういうことが大規模に全国的に行われるということになれば、これはもうとんでもないことになるというふうに思います。
 大臣にお伺いしますけれども、対策をとらなきゃいけない、セーフティーネットをつくらなきゃいけないと口ではおっしゃっているんですけれども、それでは本当にそういうのはあるのかということなんですが、四月六日の緊急経済対策でも、それから平沼大臣の五月二十五日のいわゆる重点プランでも、中小企業対策というのは言葉だけなんですね。予算措置というのは全くありません。これで新たな事態に対応できるのかというのを一つお聞きします。
 それから、続けて質問しますが、同じく私が疑問に思います平沼新市場・雇用創出重点プランについてですけれども、本当に新規事業がふえるのかということでございます。
 総務省の統計局がつくっている統計をちょっと見てみますと、開業率と廃業率というのがグラフになって出ておりますが、中小企業白書に載っているわけですけれども、これは企業の開業率が廃業率を実は上回っていた時代もあるわけですが、八五年のプラザ合意以降、実は廃業率の方が上に行って開業率がうんと減ってきております。ずっとその状態は現在も変わらずに、しかもこのグラフを見てみますと、廃業率の方がうんと上に行って開業率との差がだんだん開いてきているというのがこの平成十一年の状態ですよね。
 こういう状態に、今、目の前の実態はそうなっているにもかかわらず、これも新しくやります、これもやります、そして雇用はふえますよというふうなことを言っても、これは余りにも科学的な根拠のないバラ色の見通しじゃないかなというふうに私は思えてなりません。
 こういう状態のときには、むしろ廃業を促進するようなことはやるべきでありませんし、廃業をできるだけ控えるという防止措置をきっちりととるということが必要だと思いますけれども、その点はいかがかということをお伺いしたいと思います。
 さらに私が心配いたしますのはセーフティーネットの話なんですけれども、先ほどもちょっと御紹介しましたけれども、地域の転業、廃業の実態なんかを見ますと、やっぱり地域の地場産業のところで本当にひどい状態が起こっていっております。また、その地場産業だけではなくて、私たちが東京の大田区というところで、新規雇用の大目玉になっているIT産業を担っていらっしゃる中小業者の皆さん、社長さんなんかにお話を聞きますと、むしろそういう先端企業・産業の中でも、政府が不良債権の最終処理のかけ声をどんどんかけるものですから、きちっと返済していても経営が赤字だと将来不良債権になるということで、どんどん過酷な回収を図ってきている、もうそれが目に余るんだというお話を聞きました。
 ですから、こういう地場産業の非常に深刻な実態、それから先端IT産業の部分でも、不良債権のそれこそかけ声がこういう中小業者の皆さんを苦しめて痛みを増しているという、こういう状態について、一つの対策ではありますけれども、例えばこの春に中止になりました特別保証制度の復活、こういうことをぜひ今の時期だからこそやらなければならないんじゃないかということで、三点お伺いをいたしまして、答弁をいただいて終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(平沼赳夫君) 緊急経済対策におきましては、今申し上げましたけれども、不良債権の最終処理を進めるに伴って中小企業への悪影響が生じないように最大限の努力をしなければならない、また連鎖倒産の危険など経営の安定に不測の支障が生じないように金融面で適切に対応することが私は必要だと思っています。
 そのために、政府系金融機関や信用保証協会等を通じて中小企業への円滑な資金供給を図るとともに、昨年末に拡充した信用保証制度の特例あるいは倒産防止共済等といったセーフティーネット対策、これを活用していこうと思っているわけであります。
 全くこの対策がないという、そういう御指摘でございましたけれども、一つの具体例では、確かにこの貸し渋り対策としては、ことしの三月三十一日をもって三十兆の大枠で、そして百八十七万件御利用いただいて二十九兆の保証をさせていただいたこの特別保証は、貸し渋り対策の使命が終わったという形で新たな一般保証制度、これは従来五千万円でしたのを八千万円に拡充して、また連鎖倒産とかそういう状況に遭った方々に対してはさらに八千万上乗せをして一億六千万円にする、こういった形で、決して何もしていないということじゃなくて、我々としてはそういうセーフティーネット対策も活用しております。
 また、構造改革の過程におきましても、技術と経営にすぐれた企業が生き残って伸びられる環境を整備することも重要だと考えておりまして、そのためには中小企業の経営革新対策に万全を期しているところでございます。
 こういった支援策というのは、委員も御承知のとおり、平成十二年度の補正予算及び平成十三年度の予算において、まさに中小企業対策として予算措置等を充実させてきたところでありまして、今後ともその適切な実施に最大限の努力を払っていきたいと思っております。
 また、私のこのプラン、それに対して実効性がないじゃないかと。
 御指摘のように、確かに八〇年代からいわゆる廃業率が開業率を上回る、この傾向はずっと続いてきています。これは、私は非常に憂慮しているところでございまして、アメリカなどはその逆でございまして、開業率が廃業率を大幅に上回っている。それが経済の活力の源泉になっています。
 そういう中で、私どもとしては、一つの目標ですけれども、これは五年以内に、今、開業率が、十八万社にしかすぎませんけれども、これを倍増の三十六万社ぐらいが開業できるような状況をつくっていこうと。
 そのまず誘い水としては、アメリカなんかでは大学発のベンチャー企業というのが年に三百件ぐらいあるわけでありますから、日本も、規制の問題がありますし、そしてまた学から産へと、そういううまい一つのインセンティブを与える政策が必要ですけれども、私は、日本のポテンシャリティーからいって、三年間で大学発のベンチャーなんかが千社誕生できるようなそういう環境だってやろうと思えばつくれると、こういうふうに思っておりまして、日本のポテンシャリティーを生かしながら、御指摘の廃業率を新規、いわゆる新しく業を起こすことが上回る、そういった体制を力強く私はやらなければいけない。
 そのために、私どもとしてはこの十五の一つのプランというのを出させていただいて、その中で、なかなか具体性がないという御指摘ですけれども、これを着実にまずやるということが私は必要なことだと思っておりまして、これに全力を尽くして頑張っていきたいと思っています。
 それから、最後の、実効性のある一つの対策として、特別保証制度、これをさらに延長ないしは復活させるべきだと、こういう御指摘でございます。
 しかし、これは冒頭触れさせていただきましたように、非常に大きな貸し渋りの中で、それを救済するために異例、特例の措置として一年延長してやって、それなりの大きな効果があらわれたわけでございますから、私どもとしては、新たなそういう一般保証の中で、それからまた倒産をいかに防止するかという、そういうセーフティーネットの構築の中で私どもは考えていきたいと思っています。
 また、大田区の例をお示しになられて、大田区の中では最先端のITをやっておられる方々も非常に金融機関というものがいわゆる資金を引き揚げるというようなことで苦境に立っておられるということですけれども、少なくとも、私どもとしては、こういう一生懸命業をやっておられる方々にはやっぱり金融機関というのは前向きに対応しなきゃいけない。
 ですから、私どもは、中小の民間の金融機関にも、大銀行を含めて申し上げていることは、赤字の部分だけ着目をするんじゃなくて、その事業者の姿勢ですとかあるいはやっている業態の将来性だとか、そういったところに着目をしてやはり融資を行うべきだと。少なくとも政府系金融機関というものはそういう姿勢で、困った日本の中小企業、経済の大宗を支えてくださっている中小企業に対しては、土地の担保だとかそういうことだけじゃなくて、いいところに着目をして、積極的に支援をしていく。このことがやはり痛みを最小限にする、こういうことにつながると思っておりまして、私どもとしてはこれからも一生懸命頑張らせていただきたいと思っておりまして、特別保証制度に関しましては今申し上げたような形で、新しいそういう制度の構築で対応させていただきたい、このように思っております。
#94
○委員長(加藤紀文君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#95
○委員長(加藤紀文君) 次に、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。平沼経済産業大臣。
#96
○国務大臣(平沼赳夫君) 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年のITの進展に伴い、パソコンのマウスやキーボードを用いるのみで契約を締結する機会が増加してきております。しかしながら、このように電子的な方法を用いた契約は、単純な操作で容易に成立してしまうことから、特に操作になれていない一般消費者と事業者との契約においては、操作ミスによって意図しない契約の申し込みを行ってしまった場合の契約の効力をめぐってトラブルが増加しております。
 また、隔地者間の契約は、現行の民法では意思表示の通知が到達するまでに相当の時間を必要とする郵便等を前提としているため、契約の申し込みに対する承諾の通知が発信された時点で契約が成立することとされております。しかしながら、電子的な方法を用いた契約の場合には、意思表示の通知を契約の相手方に瞬時に到達させることが可能である一方、不到達のリスクがあるため、契約の申し込みに対する承諾の通知の発信時点で契約を成立させると申込者にとって契約の成立が不明確になるという不都合が生じております。
 このような状況を踏まえ、電子的な方法を用いる契約の特徴を十分に踏まえた取引ルールを策定するため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、電子的な方法を用いた場合の消費者の操作ミスに関する民法第九十五条の特例措置を講じます。これは、ウエブサイト等を活用する電子的な方法を用いる契約において、消費者が操作ミスにより契約の申し込みまたはその承諾をしてしまった場合には、事業者がその意思の有無について確認を求める措置を講じた場合等を除き、消費者の意思表示の無効主張に対し、事業者が消費者に重過失があった旨の反論ができないようにするものであります。
 第二に、隔地者間の契約において電子的な方法を用いた場合の契約の成立時期について民法第五百二十六条等の特例措置を講じます。これは、隔地者間の契約において、瞬時に意思表示の通知を契約の相手方に到達させることが可能な電子的な方法を用いた契約の場合においては、申し込みの承諾の通知が到達した時点を契約の成立時期とするものであります。
 以上が本法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 続きまして、不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年のITの進展に伴い、インターネット上の住所であるドメイン名は、消費者を特定のウエブサイトに引き寄せる上で重要な機能を果たしております。しかしながら、ドメイン名が実質的な審査もなく先着順に取得できることを利用して、他人の商標等と同一または類似のドメイン名を取得し、商標権者等に対して不当に高い額での転売を図ったり、商標権者等の信用を傷つけるようなウエブサイトを開設する等の不正な行為が我が国でも問題となっております。
 また、本法では、平成十一年に発効した国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の確実な実施を図るため、外国公務員等への贈賄を禁止しておりますが、国際的な法整備の進展を踏まえ、この条約のより効果的な実施を図るため、禁止行為の要件を国際的に一層整合的なものとする必要があります。
 このような要請に対応するため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、不正の利益を得る目的で、または他人に損害を加える目的で、他人の商標等と同一または類似のドメイン名を取得する等の行為を本法における不正競争行為と位置づけ、差しとめ請求等の対象といたします。
 第二に、外国公務員等への贈賄に関して、贈賄側の事業者と収賄側の外国公務員等の属する国が同一である場合には本法の適用除外としていた規定の削除等を行うことといたします。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。
#97
○委員長(加藤紀文君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は来る三十一日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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