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2001/05/31 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第10号
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2001/05/31 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第10号

#1
第151回国会 経済産業委員会 第10号
平成十三年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任   
     岩佐 恵美君     山下 芳生君
 五月三十日
    辞任         補欠選任   
     藁科 滿治君     小林  元君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任   
     魚住 汎英君     亀井 郁夫君
     小林  元君     藁科 滿治君
     風間  昶君     鶴岡  洋君
     山下 芳生君     大沢 辰美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 紀文君
    理 事
                畑   恵君
                保坂 三蔵君
                山下 善彦君
                足立 良平君
                西山登紀子君
    委 員
                加納 時男君
                亀井 郁夫君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                松田 岩夫君
                吉村剛太郎君
                直嶋 正行君
                本田 良一君
                藁科 滿治君
                海野 義孝君
                風間  昶君
                鶴岡  洋君
                大沢 辰美君
                梶原 敬義君
                水野 誠一君
                渡辺 秀央君
   衆議院議員
       経済産業委員長
       代理       伊藤 達也君
       修正案提出者   田中 慶秋君
       修正案提出者   久保 哲司君
       修正案提出者   達増 拓也君
       修正案提出者   大島 令子君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国務大臣     竹中 平蔵君
   副大臣
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       大村 秀章君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       内閣府国民生活
       局長       池田  実君
       総務大臣官房審
       議官       鈴木 康雄君
       法務大臣官房審
       議官       小池 信行君
       経済産業省商務
       情報政策局長   太田信一郎君
       中小企業庁長官  中村 利雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法
 の特例に関する法律案(内閣提出)
○不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法
 等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十九日、岩佐恵美君が委員を辞任され、その補欠として山下芳生君が選任されました。
 また、昨日、藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府国民生活局長池田実君、総務大臣官房審議官鈴木康雄君、法務大臣官房審議官小池信行君、経済産業省商務情報政策局長太田信一郎君及び中小企業庁長官中村利雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(加藤紀文君) 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○畑恵君 おはようございます。自由民主党の畑恵でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、法案について伺ってまいりたいんですが、今回、いわゆるIT関連二法案でございますけれども、一本が電子契約をめぐるトラブルを回避するための民法の特例を定めたもの、もう一本がドメインネームを、いつも問題になっていますサイバースクワッターという方々がいて困りますけれども、こういう方々から保護するための不正競争防止法の改正と。
 やはりサイバー環境自体がまだまだ無法地帯でございますので、その環境を整備していく上では非常に重要で、かつ時宜を得たものだと理解しております。速やかな成立に賛成であることはもちろんでございますけれども、今回のようにIT関連の法案というのは、一つ一つの法案が多少内容的に細かくなることがありましても、できるところからできるだけ早く正すところは正していっていただきたい、ぜひこのような方向で今後もお願いいたしたいと思っております。
 まず、この二法案の中の特にドメイン名の保護についてきょうは伺ってまいりたいと思います。
 先般のジャックスですとか、大手検索サイト、グーのドメイン名をめぐるさまざまな紛争でも明らかになりましたように、ドメイン名というのは、経済的な価値が最近非常に高まるにつれて、有名な企業ですとか著名人、そうした名称、名前と同じようなあるいは同一のドメイン名というのを取得、使用することによって、その企業や人物に何かしらの経済的な損失を与えたり、あるいは名誉を傷つけたり、さらにはそのドメイン名を高額で売りつけたりする行為、つまりサイバースクワットというのが増加しております。
 今回の法案は、不正競争防止法を適用して、これを改正することによって、企業が保有する商標ですとか商号が絡むドメイン名をサイバースクワッターから保護しようとするもので、ドメイン名の使用差しとめ請求権、それから損害賠償の請求権というのが認められております。これ自体は、大変これによって保護というのはなされると思うんですけれども、ただこの法案を九九年に米国で施行されました反サイバースクワッティング消費者保護法、こちらと比較いたしますと、この法律の中に盛り込まれています権利を侵害された者へのドメイン名の移転、取り戻すというんでしょうか、本来自分の名前あるいは企業の名前であった、そこの申し立てをしている人にドメイン名を戻すという移転が今回規定されておりません。
 米国での統一ドメイン名紛争処理方針、俗にUDRPと言われていますが、これをベースにして日本でもJPドメイン名紛争処理方針というのを日本のドメイン管理団体のJPNICが策定しておりまして、JPNICも今回の法案にこの移転の規定を盛り込むようにかなり力を入れて経済産業省の方に働きかけていたと聞いております。
 やはりドメイン名につきましても、インターネットの問題というのは国際協調、グローバルに同一の基準で進みませんといろいろと問題が起きますので、そういう国際的な法的協調という面も含めまして、移転に関する規定が今回盛り込まれなかったということについて問題はないのか、またなぜ盛り込まれなかったのか、お教え願えますでしょうか。
#7
○政府参考人(太田信一郎君) お答え申し上げます。
 今回の改正法案におきましては、救済措置について現行の不正競争防止法第三条によることになっております。三条二項では、「不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、」「侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。」となっております。いずれにしても、最終的には裁判所の判断となりますが、個別具体的な事案によっては、今申し上げました現行規定の「侵害の停止又は予防に必要な行為」として移転の請求が認められる可能性は必ずしも排除されてはいないと考えております。
 ただ、今、畑委員から御指摘のありました移転に関する明文規定は置いてはおりません。これについては、日本の商標法等におきましても移転に関する規定が置かれていないこととの法的整合性を保たなくてはいかぬ、あるいは常に移転を認めますと、逆に商標権者等被害者の保護に偏り過ぎるという面がないこともないということでそのような規定を設けなかったという次第でございます。
#8
○畑恵君 よくわかりました。
 決して移転ということが排除されているわけではないということ、それから今回はとにかく不正競争防止法をドメイン名保護のために適用するということでございますので、基本的に商標を拡大して大ぐくりに解釈しているということですので、商標であれば全体の整合性から見てこのような規定になったということ。
 まさに今その問題に関するお尋ねなんですけれども、不正競争防止法によってドメイン名の悪用行為を取り締まるとなると、法律が適用されるのは企業名など商取引にかかわる、商標と解釈できるものということになります。こうなると、人名に関するドメイン名というのはどのようになるのかと。これは非常に今大きな問題でございますので、私どもも、例えば政治家ですと、名前というのは商標ではないですけれども、もうこれは看板ですので、これを傷つけられたりあるいは悪用されますと、あるいはこれを使って何か成り済まし的な行為をされるとかいろいろな心配がございますので、この人名のドメイン名の保護というのはどういうことになっておりますでしょうか。
#9
○政府参考人(太田信一郎君) 御指摘がありましたように、現在、ドメイン名に関して主に問題となっているのは、商標など商品または役務の提供の際に用いられる表示と抵触するかどうかという問題でございまして、国際的にもこの分野についてルール整備が進んでいるところでございます。今回の法案は、このようなドメイン名をめぐる紛争の実態及び国際ルールの整備状況を踏まえ、商標等とドメイン名との調整について不正競争防止法の改正により手当てをしたいと考えているところでございます。
 御指摘の人名でございますが、商品または役務の表示以外の表示というのは人名以外にもいろいろございます。これとドメイン名との関係をどのように扱うかについては、御案内のようにWIPOにおいて国際的な検討が始まったところでございます。去年の七月に中間報告がまとめられまして、それに対して今パブリックコメントを求めているところでございます。ことしの夏に報告書がまとめられて、いわゆるICANNでさらに検討が始まると。
 ただ、これについては、例えば個人名といっても同じような名前が幾らでもあると。特に外国人の場合はアルファベットで、日本人の場合ですと漢字でいろいろと違うこともあるかと思いますが、同じ名前があったときにどうするかとか結構難しい問題がいろいろございます。いずれにしても、これから検討を始めて、それを踏まえて私どもも関係省庁と連携をとりながら対応を考えていきたいというふうに考えているところでございます。
#10
○畑恵君 大変悩ましい問題であること、また国際的にどのような協調をしていくのかということでもかなりこれは壮大な課題でございます。
 ただ、アメリカ、アメリカといいましょうか、アルファベットを使った名前の今までの訴訟ですと、例えばアラン・ドロンですとかミック・ジャガーですとかマドンナ、ジュリア・ロバーツ、こうした方々が勝訴をなさって移転の裁定というのが下っているという例もございまして、やはり名前ということについてもぜひ早急に日本の中で、また先ほどICANNの話がありましたけれども、国際的な場での解決策というのをぜひ日本がイニシアチブをとって解決に当たっていただきたいと思っております。
 ただ、私もこういうことを申し上げながらも、実際どうするんだということに関しては非常にこれは難しい問題であると思います。
 というのは、例えばの例でございますけれども、先日、日本語ドメインというのがこれから使用可能になるということで、しかもこのドメイン名の登録というのがいわゆるフライング状態で進んでしまいました。
 御存じの方も多いと思いますけれども、ドットジェーピー、日本語の日本でのドメイン名という管理は、先ほどちょっとお話も出てきましたJPNICというところが管理しておりまして、この管理団体というのは世界で比較しても非常に管理状況というのが良好で、厳正な審査をして、なるべくトラブルがない状況を保っているんですけれども、インターネットはもちろんグローバルでございますから、例えばドットコムですとかドットネット、ドットオーアールジーというのは、これはJPNICというか、日本の中からはどうにもこうにも管理のしようがございません。
 日本語ドメインというのは、例えば私でしたら畑恵という名前を漢字で畑恵と、その後に例えばドットコムですとかドットオーアールジーですとかドットネットをつけて、それでドメイン名を取得できる、使える状況にじきになります。
 アルファベットと違いまして、漢字で畑恵ドットコムという名前でもしどなたかが名前をとる。私でない人間が何か余り送られたくないメールをいろんな方に送ったとする。でも、受け取った方は、やっぱり畑恵ドットコムとかドットネットで来たら、これは畑恵が送ってきたんだろうと思って何てやつだということになりかねないわけですね。これは平沼赳夫ドットコムでも竹中平蔵ドットコムでも、みんなそういうことが起き得ないとも限らない。
 そういうことを考えて、これはかなりドメイン名登録が始まった時点で混乱がありまして、混乱をあおるから政治家はとらない方がいい、そういうことをあおっちゃいけないという方と、やっぱり後から混乱するからそれはとっておけという方と、いろいろおりました。私は、結局ドットコム、ドットオーアールジー、ドットネットというのはとったんです。
 いずれにしましても、このインターネットガバナンスというのは非常に難しい問題でして、今回フライング登録をしたことについて、一体どこが責任をとってくれるのか。ICANNがとってくれるのかといったら、そうでもないと。
 これは本当に大きな命題なんですけれども、両大臣にも国際会議に出る場が多くあると思います。その中で、今クモの巣状といいましょうか、抜け道だらけのこの状況をこうやっていきましょう、日本はこういう貢献をしますということで、ぜひインターネットガバナンスについていろいろなところで御意見を開陳していただきたいんですけれども、どのようなお考えを常にお持ちになっていらっしゃるのか、こちらで御紹介いただければありがたいと思います。
#11
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のように、大変難しい問題をはらんでいると思います。
 ドメイン名に関しましては、利用者のニーズに合わせて自由に取得をして利用できるという利便性を重視した運用を基本とすることで急速な発展が遂げられてきております。日本語ドットコムの導入についても、そのような基本的な方向に沿ったものと私どもは承知をしております。
 もちろん、その利便性のいわゆる今おっしゃられたような副作用として、ドメイン名を悪用されることへの対処が必要となる点はまさに畑委員御指摘のとおりだと思っています。このため、ドメイン名等の国際的な管理を行う、御承知のICANNを中心に我が国も積極的にこれに参加をしておりまして、国際的にドメイン名と商標権等の利益調和を図るためのルールづくりが進められてきているところでございます。
 本法案は、このような国際的な潮流を踏まえて検討されたものでございまして、ドメイン名の悪用により被害を受ける商標権者等を裁判により救済するための具体的な対処策を提供するものだと思っています。
 ドメイン名の問題のほかにもインターネット上のさまざまな問題が指摘されておりまして、e―Japan重点計画におきましても、民事ルールあるいは知的財産保護ルール、消費者保護ルール等の整備を積極的に進めることになっておりまして、経済産業省といたしましても、今後とも国際的な整合性を踏まえまして、また総務省及びその他関係機関とも連携をとりながら、必要な対応をしていかなければならないと思っています。
 御承知のように、e―Japan重点計画に盛り込まれたルール整備項目、ここには民事ルールとしまして電子契約ですとか情報財契約のルールの整備、それから知的財産保護ルール、特許法の見直しなど、それから消費者を保護するルールとして個人情報保護に関する基本法制の整備等、こういったことをやっていかなければならない。
 御指摘のそういう点は非常に大きな問題を惹起する、そういうおそれがございますし、私どもも今御指摘のように国際会議の場にも出る場合もありますし、またそれぞれEUの担当大臣等とも会合する機会も多々ございますので、私どもは機会を見て、この問題については日本がある意味ではイニシアチブをとって進めていきたい、このように思っております。
#12
○国務大臣(竹中平蔵君) 畑先生お尋ねの、まさにインターネットガバナンスをどのように考えていったらいいのかという大問題、インターネットガバナンスをどのように考えるのかというふうに本当に正面から問われましたら、模索しているというふうに答えるしかないのだと思います。これは日本政府だけではなくて、世界じゅうが模索しているということだと思います。
 多分二通りの、しかし当面のことを考えなきゃいけないのかなというふうに私自身は考えております。
 一つは、今、平沼大臣のお話にもありましたように、まず入り口のところで、当面できる、今の私たちの持っている手段でできることというのが幾つかあるわけです。これはe―Japan重点計画でも、二〇〇一年中に紛争処理手続において日本人同士が紛争を起こした場合は日本語で処理できるようにしようよと。これは小さな一歩かもしれないけれども、やっぱりそこで一つのスタンダードが確立されていくんだと思います。そういうことをできるところから、非常にアリの一歩から始めていくというのが一つだと思います。
 しかし、同時に、もう少し大きな仕掛け方も必要で、それは今も話に出ました例えばICANN、これももう本当にインターネットガバナンスの新しい仕組みで、御承知のように、以前は私の大学の同僚であった村井純さんなんかがそれで活躍された。今は富士通のワシントンにおられる加藤さんが活躍しておられる。結果的に見ると、そういうたまたま頑張っておられる人に日本は依存していたという状況なんです。
 もちろん、国がどうこうするというのはインターネットの思想に反するわけですけれども、加藤さんや村井さんのような人がたくさん出てきて、結果的に私たちの、日本の利害が間接的にその中に反映されていくというような戦略が必要なんだと思います。その意味では、やはり非常に幅広いITのパワーを日本社会につけていくということが結局はそのガバナンスになるのではないかと思います。
#13
○畑恵君 どうもありがとうございました。
 竹中大臣の方から村井純先生のお話も、また加藤先生のお話もありましたけれども、そうした先駆者が日本にもいらっしゃったわけです。ただ、残念なことに、村井純先生が本当に世界の先端を切ってこのお仕事をしたときに、日本のそのころのお役所はクレージーだということでほとんどお話を聞かなかったということがかつてございました。
 私はMITを訪ねましたときに、村井純先生と非常に親しい米国の学者の方とお会いしまして、僕は余りにも村井君が気の毒なので、これはこちらの省ではない方の情報通信担当の省でございましたけれども、そちらにメールを打ったら内政干渉だといって逆に怒られちゃったという話をMITで聞きました。そんなこともありますが、今の体制は決してそんなことはないと思いますので、ぜひそういう方々をどんどん登用なさってお話を聞いていただきたいと思います。
 あと若干の時間しかございませんが、先ほど平沼大臣からもe―Japan重点計画の中にこういう問題もということがございました。まさにこれは、これからの日本のIT政策にとりましてバイブルとも言える方針を示したもので、この中で非常に戦略的な絞り込みもなされている。また、具体的な手順ですとか目標達成の期限などの数値も書き込まれておるんですけれども、一点、非常に気になりますのがインターネットのアクセス料金について、これだけが数値を示さない。極めて安価にとしか書かれていないんですね。これは非常にほかのところが具体的なだけに私気になっておりまして、竹中大臣御就任の前にこれが決定されておりますから、大臣はこの極めて安価にというのは、どれぐらいの容量のものをどれぐらいの値段で提供することを極めて安価にと考えていらっしゃるのか。そのスケジュール、もう少し具体性を語っていただきたいというのと、当然そのために公正な競争環境の整備ということについて、かなりこれは思い切った政治的なトライというのが必要だと思うんですけれども、NTTの再々編も含めて聖域を設けないというようなお話をいろいろなところで仄聞しておりますので、この点についても大臣の方からおしまいに伺えればと思います。
#14
○国務大臣(竹中平蔵君) ここに非常に今おくれそうになってやってきたんですけれども、実は平沼大臣も私もIT戦略本部の会合に出ておりました。小泉内閣になってから最初の会合をきょう、けさ開かせていただいていたんですが、今先生言われたような問題意識、我々共有して持っています。
 ただし、具体的な目標数値となると、これはもう容易に御想像いただけると思いますけれども、きょう目標数値を示したら、多分あしたそれはもうオブソリートなものになっているというのがこの世界なんだと思うんです。私は、具体的な数字を示すというよりも、まあこのぐらいにしてもらわなきゃ困るなというふうに国民が自然に思えるようなやはり情報が与えられているということだと思うんですね。
 ある省の説明によると、日本のインターネット料金は、既にもう国際水準並みに低い。ところが、ユーザー方の声から聞くと、ないしはアメリカに住んでいる人との生活時間を比べると、日本の料金はまだまだ高い。これは国際比較というものには必ずこういうものはつきまとうわけですけれども、それにしてもデータが余りに不備だということに気がつきます。
 アメリカでは、九七年に商務省がこのデジタルなEコマースのタスクフォースをつくって、まずやったことはデータの整備でした。それに基づいて翌年からいわゆるデジタル白書を出し始めるわけで、私はやっぱり日本に今求められているのは、データを整備して、そういう意味で、できれば定期的に国民に今こういう状況になっているということを知らしめていくことだと思うんです。その中で、国民が求める、やっぱりこのぐらいじゃないとおかしいんじゃないかという数字が浮かび上がってくるというのが恐らく政策論としての議論の仕方なのかなというふうに思っています。
 私は、今たまたまITの担当と、それと経済財政の担当、つまり白書等々の分析の担当を兼務しておるものですから、そこのリソースをつなぎ合わせて、こういうものがデータと分析という形で、もう少し具体的な形で定義できるようになって、その際も私は目標数値は挙げられないと思いますが、でもまだ高いねとか、もうぼつぼつ国際水準に近づいたなという判断が社会的にできるような基盤をつくっていくのがやはり一番よい方法ではないかと思います。
 NTTの再々編についてという大きな問題も挙げられましたけれども、これも実は要するに競争的かどうかということに私は尽きるんだと思います。その競争政策のあり方というのは、IT戦略本部ではゼロベースでこれから議論するということで、けさの議論のもう中心はそれでありましたので、ぜひそういった競争政策という中で議論をさせていただきたいと思います。
#15
○畑恵君 ありがとうございました。
#16
○直嶋正行君 おはようございます。民主党の直嶋でございます。きょうは大変お忙しい中、竹中大臣にもお願い申し上げまして、どうもありがとうございました。大臣にお伺いする前に、一、二、平沼大臣の方にお伺いしたいと思います。
 きょうは法案審査ということなんですが、その前提になることについて事前に少しお伺いをしたいというふうに思います。
 これは大臣もごらんになっていると思うんですが、先般、OECDのレポートが出ました。それで、私はなかなかおもしろい分析だなと、こう思ったんですが、その中に、国民一人当たりGDPで八〇年代と九〇年代、各国別に成長率を比較しまして、八〇年代より九〇年代の方が成長が高かった国と逆の国、日本の場合は逆になるわけですけれども、それを分析しまして、その差が出た大きな要因として、簡単に言いますと、IT関係の投資だとかあるいはそれによる社会の生産性の向上だとか、そういうことが要因になっていると、こう結論づけたようなレポートが出ているわけですけれども、大臣はこういう分析についてどんなふうに受けとめになっておられますか。先般も、OECDの閣僚会議に御出席になったというふうにお伺いしておりますが。
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、過日パリで開かれましたOECDの閣僚会議に一泊四日で行ってまいりまして、そのレポートもよく承知をいたしているところでございます。
 確かに、今委員御指摘のとおり、そのような分析がなされておりました。我が国の経済というのは、戦後、軽工業から素材型重工業へ移り、さらには加工組み立て型重工業、こういう変遷の中で、時代時代における最先端の戦略分野を開拓して、そしてアメリカに次ぐ世界第二の経済大国、そういう形で成長してきたわけでございます。
 しかし、残念なことでございましたけれども、情報家電あるいは携帯電話などの分野では国際的に見ても、この九〇年代、競争力を持ったわけでありますけれども、インターネットの部分、ITの部分で、あるいはまたそれに伴う電子商取引、そういったものの普及、こういう側面でこのOECDの分析のとおり、欧米、アジアのIT先進国に比べておくれをとったということは否定できないことだと思っています。
 こうした背景というのは、IT先進国というのが近年その重要性というものにいち早く着目をいたしまして、大変集中的な取り組みをいたしました。総合的な集中的な取り組みをいたしました。残念なことでしたけれども、我が国におきましてはさまざまな規制が存在をしている。そしてまた同時に、新たなルールの設定のおくれ、そういうものがこの九〇年代、このインターネットを中心とするITの普及、それを阻害した一因ではないか、私は、OECDの分析、そういう結果が出たということはそのような背景があったのではないかと、このように私なりに分析しています。
 この点に関しましては、昨年、御承知のようにIT基本法が成立をいたしまして、これに基づきまして、本年一月にIT戦略本部が内閣に設置されまして、国家戦略としてe―Japan戦略と、その実行計画でございますe―Japan重点計画が定められました。我が国においてもそういう本当に、別の言葉で言えば失われた九〇年代なんというふうに言われておりますけれども、やはりITの推進、このことが急務だと、こういう形で、もう委員御承知のように、二〇〇五年までにはそのおくれを取り戻して、そして最先端を行くアメリカをキャッチアップして追い抜こうというような形で、今、竹中大臣もお話しになりましたけれども、今朝、小泉内閣において第一回のIT戦略本部の会議が開かれました。ここでも、かんかんがくがくの議論が行われました。
 その中で、やはりいかに競争政策を円滑にして、そしてさらに規制を取っ払って、いかにインセンティブを起こしていくかと、こういうことが議論の中心として出ておりましたけれども、御指摘のそういうおくれがあることは事実でございまして、今それを取り戻すべく鋭意最重点で努力をしているところでございます。
#18
○直嶋正行君 もう今大臣が御答弁なさった内容でかなり問題意識等もお話しになりましたので、私が思っていることとそれほど違いがあるわけじゃないと思います、問題意識は。
 それで、さっき、私タイトルを申し上げなかったんですが、このOECDレポート、「ニューエコノミー・熱狂を超えて」というタイトルになっていますが、この中でも、やはり我が国を暗に指して言っているんじゃないかと、こう受けとめられるようなことを幾つか言われています。
 例えばITに関して言うと、製造産業を幾ら大きいものを持っていてもそれは効果がないんだ、むしろ利用を推進していくことなんだとか、あるいは今大臣も触れられましたが、競争政策でいえば、通信分野において、日本だけではなくて多くの国という言い方でありますが、伝統的事業者が独占的な地位を占めていると、こういうふうに明確に中に、そういうところはやはり効果的な競争が定着していないんだと、こういうふうに触れています。
 今お話しになったように、その部分をこれからということなんですが、もう一つ私が心配なのは、今国家戦略としてと、こういうお話で、それはまことに結構なんですが、ちょっとこのITに関する政府の取り組みをさかのぼってずっと私なりに調べてみまして、時間が余りありませんから簡単に言いますと、この高度情報通信社会推進本部というのができたのは実は平成六年なんですね。一九九四年、村山内閣のときにできているんです。その間いろいろなことがあったんでしょうが、今大臣がおっしゃったe―Japan重点計画という計画ができ上がったのはことしの三月ですか。ですから、ほぼ六年半かかってやっとこさ目に見える計画の形になってきているわけですね。
 そういう意味で言いますと、村山内閣のときにこういう本部がつくられて、もちろん中はいろいろ変わってきていると思うんです、今回、例えばネットワークということを明確にうたわれていますから、違うかもしれませんが、簡単に言うと非常に遅いんですね、物事を進めるのが。
 国家戦略になると、いい面は、情報も資源もいろいろ集中して思い切ったことをやれるというのはメリットなんですけれども、逆に言うと、我が国の欠点なんですが、省庁がそれぞれいろんな権限を持っていますから、なかなかそこを突き崩して思い切ったことができない。こういうことが逆に言うと足を引っ張るんじゃないか。むしろ、だから政府より民間に任せておいた方がうまくいくんじゃないか、こういう声もあることは事実なんですね。
 それで、ちょっと竹中大臣にお伺いしたいんですが、私は、例えば我が国のITの普及が遅れた要因というのは、いろいろあるんですが、大きなものは二つじゃないかというふうに思っています。一つは、やはり今、平沼大臣もお触れになった規制緩和のおくれ、これが一つあると。それからもう一つは、インターネットの話と電話網、音声電話の話がかなりこれは混乱、混乱といいますか、日本のインターネットというのは何か音声電話の上に乗っかって議論されていると。この二つの面がやはり手かせ足かせになっている。特に電話網の話になると、さっきお話に出たNTTの問題とか出てくるわけです。
 それで、竹中大臣にお伺いしたいのは、例えば去年あたりもおもしろい指摘がありました。IT戦略本部の会議でこういうことを発言された方があるようであります。電柱、道路、管路に光ファイバー、ケーブルを引くのは、日本はすべて事前許可制である。一方で、韓国は事後届け出制だと。電柱二千万本に光ファイバーを引くとすれば、事前許可のために二千万回書類を出さなきゃいけない。許可をもらえない。さらに、電柱は道路の上にある、したがって道路占有許可も必要になって、これも二千万回、国道、県道、市道に分けてそれぞれ行政機関に出さなきゃいけないと。
 だから、こんな規制があると、まさにさっきの電話網の上にいかに乗っけるかばっかりで、例えば電線を使うとか、最近ようやくそういう計画が出てきているんですけれども、問題は、戦略本部でもそれをやろうということになっているんですが、どれぐらいのスピードでやれるかなんですよね。それから、そのときに、中央省庁だけじゃなくて地方自治体を含めてどれぐらいそれに対応できるかということが一番問題になってくると思うんですけれども、まずこの点について、竹中大臣の進め方といいますか、お考えをお伺いしたいと思うんです。
#19
○国務大臣(竹中平蔵君) 広い意味での競争政策の進め方ということなんだと思うんですが、このお答えに関連しますので、一点だけ、直嶋先生から言われたことのちょっとコメントを済みませんがさせていただきたいんですが、村山内閣のときから始まって去年結果が出てきたと、ちょっと長くかかり過ぎるじゃないかという御指摘だったと思いますが、ちょっとそこは全く概念が違うものになったんだというふうに私は考えております。
 つまり、高度情報社会云々というのは、やはり一つの業の縦の議論をずっとしてきたんだと思うんですね。実は、森内閣になった去年の七月のときに初めてIT戦略会議というのが官邸、つまり総理のもとにできるわけです。それは省庁的なものではなくて、むしろ縦ではなくて横のものをつくらなきゃいけないということで、そのときからある意味で、大変おくれはしたけれども日本のIT戦略というのが始まったんだと思います。だからこそ、そのときにIT担当大臣というポストもつくられたと。
 そう言うと、遅いか早いかということに関すると、去年の七月から始まったというふうに考えるならば、半年で基本法をつくって目標を立てたということに関しては、まあまあここ半年、一年については結構頑張っているなというような見方も一部の方にはしていただいているのではないかというふうに思います。
 まさにこういう視点に関連するのでありますが、今先生御指摘なさった、電話に偏っているというのも、私はこれはまさに競争政策の話だと思います。先ほど私、村井さんの、同僚の話をさせていただきましたが、村井さんの説明を引用させていただくと、非常に単純明瞭なんですよね。
 要するに、インターネット、今の社会革命というのはデジタル情報をやりとりするんだと。デジタルな情報だと。数値化された情報であると。ところが、専門家が十年前に実験を始めようとしたとき、デジタル情報をやりとりする場所なんかどこにもなかった。だから、専門家はどう考えたかというと、電話線というこれはむしろ古いものであるけれども、仕方がないからこれを使って仮の実験をしてみようという形で始めたわけですね。だから、専門家はこれが本物だとは実は思っていないわけです。ある人は、しかしこれで相当のことができるぞ、電話を使えというふうに思っている。ある人は、いや、そんなものじゃだめで、やっぱり光ファイバーじゃないとだめだと思っている。いやいや、もっと無線というものがいいと思っている。
 これは何かというと、まさに技術体系の競争なんですね。この技術体系の競争を促進していかないとやっぱりだめなんです。電話の中での競争も必要です。しかし、技術同士が競争するという形が実は今まだ十分に実現されていないわけで、その意味で、広い意味での競争政策だと思います。
 先ほど引用された非常におもしろい数値は、これは議事録が載っておりますけれども、孫正義さんの数字ですけれども、これは孫さんの考えで、電柱等々で、つまり電話線を使ってできると言う。いやいや、そんなものじゃできないんだというような技術の評価が一方では多分あるんだと思います。それを、そこまで踏み込んだ競争をぜひやってもらいたいと。
 きょうの午前中にもそういう話が出ましたし、これをゼロベースで、当面の目標を重点項目として今二百幾つ挙げておりますので、その次にゼロベースで競争政策を今議論し始めているというのが現状でございます。
#20
○直嶋正行君 ちょっとNTTの関係の話も御質問したいんですが、その前に、今、竹中大臣の方からお触れになったので、ちょっとそれにかかわって先に質問させていただきたいんです。
 今、村山内閣のときは縦だったんだ、ようやく横になって、横にしてからはまあまあいいスピードで来ているんじゃないかと。私もそういう面はあると思うんです。問題は、縦を横にする話に変わるのに五年も六年もかかっちゃったというところなんですよ。
 これは大臣も御承知だと思いますが、その間我が国は何をやってきたかというと、経済対策だと言って従来型の公共事業だとか景気対策にどんどんお金をつぎ込んできたわけですよね。さっき孫さんの発言ですか、私もちょっと引用させていただきましたが、ああいうふうな、まさに構造を変える、競争の体系を変える、こういうことが置き去りにされてきた。その結果が今来ているんじゃないかと。
 そういう意味で言うと、ちょっと今、竹中大臣もお触れになったんですが、やはり私はこの九〇年代の後半に日本がとってきた経済政策といいますか、これはやはり間違っていたんじゃないかと。方向がかなり違っていたんじゃないか、大事なものに手を触れずに来てしまったんじゃないか、こういうことを考えているんですが、この点どうでしょうね、大臣の御認識は。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 間違いなく、反省すべき点はたくさんあるんだと思います。
 基本的な今の先生の御指摘は、やはり世界の競争条件が変わって、ニューエコノミーという新しい技術のフロンティアが出てきて、まさに経済の供給サイドを見直さなければいけなかった時代に従来型の公共投資という需要追加政策をやってしまったと。私は、結果的に見るとそのとおりなのだと思います。それをこの点で切りかえていこう、この時点で切りかえようというのがまさに小泉内閣の構造改革だと思います。
 ただ、あえて弁護する点も若干あるとすれば、やはり九八年から九九年にかけての日本の経済は一種のクライシスだったんだと思います。経済というのは、一たんクライシスが起きてしまったら政府がやれることというのは一つしかないわけですね。限りなくお金をつぎ込むこと。政府は銀行に対する公的資金の注入、追加的な経済対策ということでお金をつぎ込む、中央銀行はマネーを出し続ける、これしか実はないわけで、そういうことをとらざるを得なかったという厳しい状況はあったんだと思います。
 問題は、それをその次の需要から供給に切りかえていくやはりタイミングの模索がなかなか難しかった。国民は一方で景気景気というふうに言う中でタイミングが難しくて、ベストのタイミングであったかどうか、ベストの政策がとれたかどうかについてはやっぱり御指摘のような御疑問が残っているということだと思います。
#22
○直嶋正行君 今の議論の続きをやるとまたおもしろいんですが、これは緊急経済対策の話になっちゃいますので、ちょっと話題を変えまして、それでさっき二つと言ったもう一つは、やはりNTTを中心にしたNTT問題というんですかね。
 これは、私は結論の賛否はいろいろ意見はあるんですが、とにかく時間がかかり過ぎていると思うんです。NTTの、要は公正競争をどう確保するかとか、あるいはNTTの経営の問題含めて。おとといの委員会でAT&Tの例を大臣引かれて御答弁されましたが、やはりスピードが全然違ったんですよね。ですから、いろんな起きてくるものにうまく対応できたと、アメリカの場合は。日本の場合は、NTTの問題というのは十年以上かけてまだ、がたがたがたがたやっているわけですよね。
 そういう面でいうと、決断するところはやはり政治が決断して、今まさに縦を横にするんだと、そういう中でどうこの通信網を含めてとらえていくんだということを判断しなきゃいかぬと、そういうふうに思っております。
 それで、もう一つちょっとそれにかかわって、これは、この間ちょうどADSLの大手の東京めたりっくが何か経営不振に陥っているというふうな記事が出ていまして、この中に、NTTとの関係でどうも接続の話がうまくいかなくて、結局同じものがNTTで開発できるまでNTTの方が契約をオーケーしなかったというようなことが、これは私は真偽はわかりませんが、報道でいろいろされています。こういう問題についてどういうふうに今お考えになっていますか。要するに、NTTのあり方の問題とこういうことが指摘されていることについてどうなんでしょうか。ちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
#23
○副大臣(古屋圭司君) 今御指摘のございましたADSLの問題につきましては、昨年公正取引委員会等々も俎上に上げまして議論をされました。私も承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、今委員が御指摘になったように、いかに公平な競争政策を推進していくか。これは竹中大臣もたびたび御指摘をいただいているところでございまして、私どもはそういった観点からこの通信政策のあり方というのは取り組んでいくべきだと思っております。
 これは直接経済省が担当ではございませんが、IT戦略会議あるいはそれぞれの機関の中で議論をされておりますので、私どももそういう認識でおります。
#24
○直嶋正行君 あと、続きまして竹中大臣にちょっと、IT担当室といいますか、戦略、いわば事務方のところの問題について幾つかお伺いしたいんです。
 今のIT担当室の体制、ちょっと私も関連資料をいただいたんですが、これを見ていますと、やはり今議論しているような非常に重いといいますか、大きな国家戦略を担う事務局ということで考えると極めて寂しい状況じゃないかなというのは、私は率直に思います。これは、今担当大臣のもとで、事務局は総勢三十二名で、ほとんどは、ほとんどといいますかトップの方は兼任でありますし、兼任の方も多いんですよね。
 それで、理屈の話じゃなくて、私も現実に詳しい人にちょっと取材をしてみました。例えば省庁の側、今既にこういうことを実行を受け持っておる省庁の側の方、あるお役人さんにもちょっと取材をしてみたんですけれども、ちょっと耳が痛いかもしれませんが、黙って聞いていただければありがたいんです。
 今のITの担当室の状況を見ると、ここからいいアイデアが出るとはとても思えない、これははっきりおっしゃっていました。例えばこの平成十三年度の予算も、IT関係で一・九兆円ですか、大体二兆円ぐらい予算を組んでいるわけです。これも実態は全部各省庁に丸投げで数字を集計して、簡単に言えば工程管理をやっているという状況じゃないかと。だから、そのお役人さんの意見としても、やはり専任スタッフをきちっと置くべきじゃないかと思いますと、個人的な意見としては。これは役所としては言えませんということなんです。
 あと、民間の識者の方にもいろいろ聞きましたが、大体似たような話でありまして、特にこれ見ればわかるんですが、各省庁からこの担当室にお入りになっている方というのは、ややもすると省庁の利害をしょって来ているようなところがあって、突然中で本省からの何か話があって別の話が出てきたとか、ちょっと平沼大臣には恐縮なんですが、あえて言いますと、最近はとみに旧郵政省と経済産業省の対立が激しくなっていると、率直にこういう話も聞きました。
 ですから、こういうことで言うと、さっき横の問題にしてスピーディーにやってきているんだと、こういうお話があったんですが、多分これは置かれた機能がそこまで期待していないと思うんですけれども、これからのあり方の問題として、竹中大臣にお伺いしたいんですけれども、今のIT担当室の本部体制というんですかね、もっとIT専門の行政組織をつくったらどうだという御意見もいろいろ出ていますが、こういった点についてどのように今、突然担当になられたばかりで恐縮なんですけれども、お考えがあればお聞かせいただければと思います。
#25
○国務大臣(竹中平蔵君) 先生の方が中心になって、国会で私の部下を十倍にふやしてくれというふうにもし言ってくだされるんだったら、担当大臣としては基本的には大変ありがたいことだというふうに思っています。
 今御指摘になった問題、これは実は官邸、内閣府全体にかかわる問題も含んでいると思います。各省庁からいらっしゃって、もちろん全員は一生懸命やってはくださっていますけれども、それぞれの親元といいますか、そういうところの基本的な考え方を引きずっている、これはもう否定できない、そのような点は非常に強いんだと思います。そうならないようにするのが担当大臣のリーダーシップということなのかもしれませんが。
 私はあえて言うと、確かに数もふやしていただきたいと思いますが、基本的に欲しいのはやっぱり知恵の部分なんだと思うんですね。今の担当者に知恵がないというのではなくて、社会全体に知恵がないというのが私はやっぱり一番の問題なんだと思っているんです。
 例えば、先ほどからNTT等の話がありましたけれども、私、一方でマクロ経済政策をやっています。マクロ経済政策というのは、長年つき合っている、日本を代表するマクロ経済学者が集まって議論すると、大体そんなに違わないんです、言っていることは。もちろん微妙に違って、学者は好きですから微妙な違いだけをおもしろおかしく議論するんですが、大体コンセンサスがあるんです。しかし、このNTTは、通信の上での競争政策のあり方というと、理論的に、政治的な利害に基づいて理論的なコンセンサスすらほとんどないというのが現状なんだと思います。
 まずインフラの部分は物すごく規模の経済性があって、いわゆるネットワークの経済性があると。ところがコンテンツになるとまた事情、いろんな要因が出てくると。それがごっちゃになって、最終的にはNTTをどうしたらいいんだという、ちょっとどちらかというと矮小化された議論になってしまうわけで、私はやはりそこはもうネットワークなんだと思うんですね。それをつなぐ活動としては、私は今の三十二名の部員の方は少ない人数で基本的によくやってくださっているというふうに思います。
 IT戦略本部にはそのほかにも民間の部員の方が入っていただいています。ソニーの出井会長、先ほどの村井さんを初め入っていただいている。それを当面、社会全体でリソースが余りない状況で、当面はそれをいかに活用していく必要があるのか。
 ただ、今の先生の中で、もう一度申し上げますけれども、やっぱりこれをほっておいたら、どちらかというとそれぞれの親元の利害を反映する場で全部親元に投げて、みんなそんなに痛みを出さないようにということになってしまう懸念はありますので、そこのマネジメントは担当者としてはもう十分に心がけていきたいというふうに思っています。
#26
○直嶋正行君 これは、きのうの通告では竹中大臣だけにお伺いすると、こういうふうに申し上げておったんですが、今のこの話、これは国家戦略としてやるということですから、今、竹中大臣から心配な面も含むとちょっとお話がありましたが、これについて経済産業省の方で、大臣なり何か御見解があればお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、直嶋先生から御指摘があって、非常に重大な国家戦略で三十二名という限られた非常に少人数でやっていると。そして、その方々の意識の中にも、自分たちの方からクリエーティブなアイデアもなかなか出にくい。それから、今具体的におっしゃられましたけれども、経済産業省とまた総務省とのいろいろな綱引きがある。
 そういう中で、大変竹中大臣に御苦労いただいていると思うわけでありますけれども、私は感想として、やはり行政改革、それは断行しなければならないというのも国家命題だと思っております。しかし、不要なところの人員はこれはどんどん削減をして、そして国民に対してそういう国家的なむだをなくすということは基本的に大切なことだと思いますけれども、必要なところの人員というものは、やはり行政改革の中でふやすことも私は行政改革だと思っています。
 そういう中で、こういう大切な国のまさに二十一世紀、そういったところを担う今のこのIT関連のところに対しては人員をふやしてもいい、そういう部署だと、私はそういうふうに政治家としても思っております。また、今の御指摘の省益が優先をしてしまって国益が損なわれる、こういうようなことはあってはならないことでございますから、私といたしましてはいい御指摘をいただいたので、そういうことがないように大臣として督励をしていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、このIT戦略というのはこれから日本にとっての本当に本質的な戦略でございますので、今いろいろ御指摘をいただいたことも踏まえまして万全を期していかなければならない、このように思っております。
#28
○直嶋正行君 私は一番のキーワードは、さっき竹中大臣が言われた縦を横にするという話なんです。ですから、やはり組織のあり方も含めて、縦を横にするのはこの戦略なんだという視点に立って、組織や人の問題と今大臣触れられましたが、それを見直すべきだと思うんです。
 もう一つは、お金の問題なんですが、私は、平成十三年度予算はある程度やむを得ないと思う。さっきちょっと悪い言い方をしましたが、確かに省庁から上がってきたものが集計をされて一・九兆円ということになっているんですが、問題は、省庁間のダブりだとかそういうものはもちろんあるんでしょうが、そういうことではなくて、やはり今申し上げたようなことで言うと、縦を横にするという視点で次の予算はつくらなきゃいけないと思うんです。これまた同じことを繰り返すと、やはり縦は縦のままで終わっちゃうというふうになるんじゃないかと思うんです。
 これは担当者としての企画、この役割分担を書くと企画と総合調整と、こういうふうに書いていますが、特に企画力とかあるいはそういうものを実現していく力というのは要求されると思うんですけれども、この点について、竹中大臣に御所見を伺えればと思うんです。
#29
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆるつかさつかさという言葉がありますけれども、単純にそういう形での積み上げをしていくと、本当にIT戦略本部としての機能を果たせないというふうに思っています。その点は私の基本方針として、今の先生の御意見をぜひ実行に移していきたいというふうに思っています。
 実は、予算の問題は、一方でもう一つ私が担当しております経済財政諮問会議の大変重要なテーマにもなってまいります。経済財政諮問会議とそこは私自身の中で連動させるということになるわけですが、まさに今おっしゃったように、やはり重点分野に、総理自身がおっしゃっているように一律ではないんだと、めり張りをつけるんだと。そのまさに重要な分野がこのITであるというふうに考えていますので、ITについてここはもう重点的に、経済財政諮問会議での議論とこのIT戦略本部での活動というのを連動させていこうと思っています。
 一つぜひ来年度予算に関して申し上げておきたいのは、総理の所信表明の中にもe―Japan、IT二〇〇二プログラムの話があります。これは中間目標ですけれども、これの目指すところは、二〇〇二年に例のワールドカップサッカーが日本で行われます。
 考えてみると、人類がインターネットと携帯電話を使うようになってから、世界じゅうの人が日本に集まる初めての機会がこの二〇〇二年のワールドカップサッカーだということになります。このときに日本のIT戦略というのが世界にさらされて世界に評価される。高く評価されるか低く評価されるか。これを一つの求心力として、そこに中間目標を持って再びITに対する求心力を高めたいという一つの意図でありますので、これはそういう趣旨からも予算の中に積極的に前向きに反映させていきたいというふうに思っています。
#30
○直嶋正行君 次にもう一つお伺いしたいのは、今度は電子政府の問題なんですが、e―Japanの中でももちろん大きな柱になっているわけですが、例えば平成十三年度予算を見ますと、IT関係の予算が一兆九千億円強なんですが、そのうち行政の情報化であるとかあるいは公共分野における情報通信技術の活用というところを合わせますと約一・四兆円です。つまり、政府の今回のe―Japan計画といいますかIT計画のお金の七割は、いわゆる電子政府といいますか行政部門の情報化とそれにかかわるものにつぎ込まれる、こういうことになるわけですよね。
 一方で、この重点計画の中で、行政、公共分野の情報化においてこういう表現で課題設定されているんですね。単なるオンライン化ではなく業務改革、省庁横断的な類似業務・事業の整理、制度・法令の見直し等を実施し、行政の効率化を実現する必要があると、こういうふうに触れられております。
 しかし、さっき申し上げたように、七割の予算を使いながら、これは各省庁から出ている項目、経済産業省のやつもいろいろ個別にちょうだいしていますが、押しなべて一言で言いますと、今申し上げたような体系にはなっていないんです。これはさっき申し上げた縦のままなんです。ですから、例えば総合的に事業を整理していこうとか、あるいは似たような制度はそれぞれ考え直していこうとか、あるいは全体としてこれだけ効率化をしていこうとか、そういうものは全く欠落しているわけです。
 竹中大臣に、御担当大臣ということでお伺いしたいんですが、そういう意味での行政の効率化についてのベンチマークをつくるとか、そういうことをきちっと今申し上げたようなことをやっていかないと、また一種の箱物行政的なことに終わるんじゃないかというのが私の心配なんです。ですから、どういうところに目標を置いて、この行政部門の効率化というのをこのIT戦略の中でお考えになっているのか、その点御見解をお伺いできればというふうに思います。
#31
○国務大臣(竹中平蔵君) 直嶋先生の御指摘、実は大変重要な指摘だというふうに思っております。
 IT戦略会議のとき、幾つか、四つぐらいの分野に分けて議論をしてきました。インフラの整備、人々の情報リテラシーを高める、電子商取引、それでもう一つが電子政府だったわけです。
 実は、当時の議論としては、これは私自身を含めての反省になりますけれども、この電子政府の部分というのはインフラの戦略的整備なんかに比べると比較的淡々とやっていける分野ではないかなというふうに思っていました。だから、私の印象では戦略会議では確かにこの部分についての議論はそれほどなされていなかった。
 ところが、改めて気がつくのは、淡々とできる分野であるからこそ淡々とやっちゃいけないんだということなんだと思うんです。まさに現実は御指摘されたようなことにちょっとなりかけている懸念を実は私自身も持っております。
 きょう第一回目の会合で、担当大臣として次の三つの分野を重点的にことしのテーマにしたいという私なりの方針を申し上げました。三つの分野というのは、一つは、インフラの戦略的整備に当たって競争政策を抜本的に見直すというのが第一点。第二点は、人々の、国民のいわゆる情報リテラシーを高めるための思い切った画期的な政策をとる、これが第二点。第三点が、国民から見てIT時代とは何なのか、デジタルライフとは何なのかということをモデルケースのようなものを幾つかつくることによってはっきりと見せること。そういう三つの方針を私自身挙げさせていただきました。
 そこで改めて気がつくのは、この三つに全部共通しているのは電子政府だということなんです。まさにインフラをつくるということになります。これは省庁間で、ないしは都道府県の間でこれを結ぶという、インフラをつくるということになります。
 同時に、これは例えばですけれども、何年か後には住民票というのはインターネットでとれるようになるわけですから、納税もそうなっていくわけですから、これはまさに人々に対してそれをやるきっかけを与える、情報リテラシーを高める。同時に、電子政府の結果、我々の生活はどういうふうに変わるんだというモデルケースを示すことができる。その意味で、位置づけとしては、きょうの私の方針を受けてぜひ電子政府の戦略的進め方というのをちょっと再構築していきたいというふうに思っています。
 同時に、実は先ほども言った経済財政諮問会議でも、この電子政府の重要性というのは一方で骨太の方針ではかなり強調されるというふうに考えておりまして、そこでちょっとこれは仕切り直しということになるかもしれませんけれども、今までの方針を踏まえた上でさらにこれを戦略的にパワーアップするという方向をぜひ考えていきたいと思っております。
#32
○直嶋正行君 今大臣の方から御答弁いただいたんですが、私が申し上げた効率化なんかみたいなことでいいますと、地方自治体なんかで、例えば入札をこれの方式に切りかえたことによって経費がもう一割ぐらい削減されたとかいろいろ出ているんですよね。それで、そういうことにうまく置きかえていけば、置きかえなんですね、これは。置きかえなきゃだめなんです。
 この世界で僕なんかもよく心配するのは、例えば参議院なんかもそうなんですね。パソコンがずっとネットワークできているんですが、やっぱり紙の仕事は紙の仕事で残っているわけです。そうするとどういうことになるかというと、紙の部分は紙の部分、従来型の。これを紙ということで一言で言いますと。それはそれで必要だから置いておきます。そこへ新しい仕事としてこのIT化の話が乗っかってくると仕事としてはふえる、こういうことになるんですね。やはりここら辺が一番注意しなきゃいけないところで、大胆に置きかえていくという発想をとらないといけない。
 そのために何をやるかということが必要だと思うんですが、それで、例えば私が一番そういう面でいうと政府としてやりやすくなると思うのは、いろんなものを買ったりいろいろ調達しますね、行政機関が。そういうものに思い切ってこれを取り入れるとか。
 アメリカなんかではクリントンのときに実はそういうものを法律にしているんです。私が今申し上げたのは、行政調達合理化法という法律をつくって、それによって電子化していって、きちっと目に見えるような形にして推進をしていく。ちょっと私勉強した範囲で言うと、今申し上げた調達合理化法というのとあと行政評価法というのも法律にして、これもIT、要するに電子化なんですよ。それからもう一つ言うと、文書作成業務撤廃のそういうのも法律をつくってきちっとやっている。
 ですから、私は今のこのIT重点計画の中にはこういうところが見えていないんですよ、まだ。これからの課題になるんじゃないかと思いますし、さっきおっしゃった国民にきちっと理解をしていただいてこれを進めていく、あるいは国民の方からいろいろ知恵を集める、こういうことでいえば、やはり目に見える形で法制化をして、そのとおり政府はやるんだよということを示していくというのは大変大事なことだと思うんですが、この点についての大臣の御所見をいただければありがたいんですが。
#33
○国務大臣(竹中平蔵君) 個々の積み上げのプロセスで今御指摘いただいたようなことはそれなりに今まででも考えられてはいるわけです。ただ、その点が必ずしもはっきりとした形で目に見えていないという点も事実だと思いますので、これはもうぜひ今申し上げたような形で少し戦略性を高めるような努力をしていきたいと思います。
 一点だけ、広い意味での電子政府に関連することなのでありますけれども、きょう、IT戦略本部の場で一番最後に総理が特に発言を求められて、平沼大臣は席をお立ちになった後だったかもしれないんですが、総理御自身は電子投票に大変興味を持っているという御発言がありました。多分、きょうの夕刊にはそういうような発言が出るんだと思いますが、これはこれでまた大変重要な一つのメッセージ性を持っているのだと思います。こういうことも含めて、幅広く少し戦略性を高めるということを心がけたいと思います。
#34
○直嶋正行君 ちょっと法案の方に今度はお伺いしていきたいと思います。
 きょうのこの二つの法律案なんですが、その内容に入る前に、例えば民法の特例法案ということを例に挙げて申し上げますと、要は、隔地者間の契約成立の時期の問題を今度は従来の発信時点から到達時点に変えようと、こういう話なんですが、いろいろ経過を調べてみますと、日本の対応というのはこれは一番後ろを走っているんですよね、簡単に言うと。もちろんそれぞれの国、欧米諸国と比べると、法律制度の違いだとかそういう要因はあったんですが、一言で言うと一番後ろを走っている。
 私がいろいろ聞きますと、そのために、例えば国際的にいわゆるBツーBですか、ビジネス同士でやるときに、日本の企業の大体八割ぐらいは契約約款の中で到達主義を採用しますよということをわざわざ記載をしてきたと、これまで。そういう法律がないために記載をして対応してきたというようなことも聞いております。
 したがいまして、これも法政策というのもある意味では重要なインフラなんですね。さっき例を引きましたOECDのレポートの中にもやはり消費者保護のための法律だとかさまざまなことが課題として挙げられていましたけれども、そういう意味でいうと、一言で言うと遅いんじゃないかと。競馬で例えれば馬群の一番後ろを走ってついていっているんじゃないかと、こういう感がしてならなくて、その間、実は目に見えないけれども、日本の企業なんかがいろんな負担をかぶってきたんじゃないか、そういうふうに思えるんですが、こういう姿勢ではやはりちょっと、とても五年後にITの最先端国家にはなれないんじゃないかと思いますが、まず、この点についていかがでございましょうか。
#35
○国務大臣(平沼赳夫君) 電子商取引等に関するルール整備につきましては、各国ともITの浸透に応じまして特に九〇年代の後半に着実にその整備を進めてきた。そのことは、非常にそこと比較して我が国がちょっとおくれているということは事実だと思っています。
 我が国におきましては、政府、民間それぞれにおいて法制度を含めたルール整備の必要性についてある意味で認識が乏しかったと、こういった私は事実があったのではないかと思います。きちんとしたルールを整備するよりも、むしろ問題を個々のケースに応じて相対で処理をする、そういう風潮があって、御指摘のようなそういう状況にあって確かにITについておくれたということは私は御指摘のとおりだと思っています。
 しかし、大変そういうような反省の上に立って、委員も御承知のように、この二、三年は集中的にIT関連法案の整備が進められているところでございまして、よく御承知のことですから一々申し上げる必要はないと思いますけれども、例えば一昨年の不正アクセス禁止法でございますとか、昨年はまさにIT基本法、電子署名法、書面電子化一括法、この今国会においては本日御審議をいただいている二法案、それに加えまして、カード犯罪のための刑法の改正法案、個人情報保護法案でございますとか、また電気通信事業法改正法案などを政府として提出しているところでございまして、こうした取り組みによって国際的にも遜色のないルール整備を実現していかなければならない、こういうふうに思っております。
 いずれにいたしましても、直嶋委員御指摘のように、確かに法整備の問題でもおくれていたということは事実でございます。したがいまして、二〇〇五年のゴールに向かって我々としては必要な法整備というものに鋭意取り組んでいかなければならない、そのように思っています。
#36
○直嶋正行君 ぜひよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 それで、ちょっと内容に今度立ち入って御質問したいんですけれども、今例に挙げました民法の特例の法律案なんですが、到達時点にするということなんですが、ちょっとこれもいろいろ消費者のいろんな苦情を聞いておられる方なんかにお話を聞きますと、消費者サイドから見ていると、到達時点、要はメールを出しちゃったら終わりですから、向こうが受け取ってくれたのかどうかよくわからないんですよね。受けてもらったかどうか心配だから、何か別のところに、また似たようなところに発注したりする。やはり幾つかの事業者にそういう発注をしている人もいらっしゃるみたいですね、消費者の中には。
 ですから、今回これを変えることについては私はいいと思うんですが、やはり一方で、今度は事業者の方から受けたよということを返すようなことを義務化してもらえると、特にこれはBツーCの関係でいうとそういうトラブルが防止できるんじゃないか、こういう御意見もいただいているんですけれども、この点、私もそうかなと思うんですが、そういう義務化ということについてどうなんでしょうか。
#37
○副大臣(松田岩夫君) まさに今おっしゃったことにおこたえする意味でこの法案の改正がなされておるものでございます。
 本法案は、御案内のとおり、電子契約につきましては瞬時に相手に意思表示の通知が到達いたしますものですから、先ほどから出ておりますように国際的なルールとの整合性、国際的なルールはまさにそうなわけでございますが、契約の成立時期を到達主義に転換する、そういうふうに今度改正するわけでございます。したがいまして、事業者が、今おっしゃるように、承諾の通知を行わなかったという場合にはそもそも契約が成立していないわけでございまして、そういう意味で消費者が不安定な立場に立つということはないわけでございます。
 そうしたことから、到達主義でございますから、事業者から消費者に到達したということで初めて契約が成立するわけでございますので、改めてその事業者からまた申し込みの受領通知を義務づけなきゃならぬということはない。まさに到達が契約の成立である、したがって消費者としても安心しておれる、こういうことになると理解しております。
#38
○直嶋正行君 そういうことでよろしいんですか。必ず返すと。
#39
○副大臣(松田岩夫君) はい。
#40
○直嶋正行君 ちょっと私はその点誤解していたんですけれども、要は、発注をしてもう相手方に着いたよと、その時点で契約成立だというふうに私理解したんですが、今の話だと、注文を受けた側がそれを今度は消費者の方に返す、受けましたということを、それで契約が成立する、そういう理解になるわけですか。
#41
○副大臣(松田岩夫君) まさにそのとおりでございます。
#42
○直嶋正行君 そうですか。わかりました。
 それで、もう一つお伺いしたいんですが、これもやはり消費者の錯誤ということなんですが、今回の改正で、画面を見て発注する場合に、確認できるような装置を事業者が自分の、なかなか言葉で言うのは難しいんですが、幾つか例を見ると、要は確認をする、ここを押さないと発注されません、こういう仕組みがない場合に、消費者が誤ってクリックしちゃって発注したとか、そういうケースの場合は無効ということになるんですけれども、業者の方がこういう装置をちゃんとつけていますよ、画面にこういうものを盛り込んでいますよ、だから確認して発注してくださいということになっていて、消費者が間違えて今度はクリックして発注しちゃったという場合はこれは無効にならない、こういうことなんです。
 実はいろいろ調べてみますと、こういう発注画面のつくり方も、そういうことを確認してくださいよというその確認の場所が非常にわかりやすいケースとわかりにくいケースがある。これも意図的にわかりにくくしているというようなこともやはり伺うんですよね。だから、知らないうちに確認をしちゃって発注した、こういうケースもやはりあるようなんです。
 これは法律でなかなか規定するというのは難しいことなんですけれども、経済産業省なんかでも、ある日一日担当の方がばあっとインターネットの画面をチェックして、何かそういうおかしな、おかしなといいますか紛らわしいものがないかどうかいろいろチェックされるようなこともあるというふうに聞いているんですが、やはり何かこれガイドライン的なもの、こういうところにきちっと消費者がわかりやすいような確認装置を入れなさいよとか、そういうものをむしろ示して指導していく方がこういうトラブル防止ということでいうと望ましいんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでございましょうか。
#43
○副大臣(松田岩夫君) 御指摘の確認措置につきましては、御案内のように、法案の第三条におきまして、事業者が電磁的方法によりその映像面を介して消費者の申し込みを行う意思の有無について確認を求める措置と規定されておるわけでございます。
 この規定の意味するところを我々はこう理解しておりまして、ウエブ上の確認画面のように、消費者が申し込みの送信ボタンを押す直前に申し込み内容を確認し訂正できる画面が独立の画面として設定されているケースがまさにこの条文にぴたりだ、そういうことであれば確認措置の解釈をめぐって大きな混乱が生ずるということはないのではなかろうかということで、今おっしゃったような特に政令でまたガイドラインをつくるとか、そんなことまでは想定しておらないわけでございます。
 いずれにしても、現実にそういうことが起こり得るのかどうか、今後、個別具体的なケースについて疑義が生ずるというようなことがあれば、それは当然当省としても対応すべき事柄でございますので、今後の推移を見守るということは当然必要でございますし、必要があればすぐ対応することを検討していかなきゃいけないと思っておりますけれども、現在の法文の規定で明確に具体的な確認措置について、それほどどころか疑義のない対応がとられるのではないかという判断のもとにこの案になっておるわけでございます。
#44
○直嶋正行君 松田副大臣の御答弁は自信満々なんですが、後でトラブルがたくさん出ないように。
 これは要するに、私がこれをいろいろ言っているのではなくて、私なりにちょっといろいろ取材をしてみたんですよ。そういうトラブルを専門にやっておられる方は、やはりよくやられそうな抜け穴も御存じなんです。問題はそこなんですよ。だから、まじめに、今、松田副大臣がお答えになったとおりにみんなが対応してくれればそれはそれでいいんですが、これはもういいです。
 それで、もう一つ、今度はこの電子消費者契約に関して訪問販売法の適用をされるわけですね。通信販売ということになるんですが、これは当然商品だとか役務が指定制になっているんですけれども、このインターネット取引で意外に多いのが実は訪問販売法の指定外のものですね。何か医薬品だとかそれまがいのものであるとか食料品だとか、あるいは旅行だとか、意外にそういうのが多いんですよ。指定されているものもあるんですけれども。
 ですから、むしろここの部分について言うと、法律が違うところで規定しているというのは私も知っているんですが、通信販売に限って言えば、対象商品とか役務の見直しが必要ではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#45
○副大臣(松田岩夫君) 先生がおっしゃったとおり、特定商取引法、今までの訪問販売法では、行政規制を定める法律でありますから、規制は必要最小限にとどめるべきであると、そういった要請もありますし、また、それぞれの分野の規制をしておる他の法律もございますので、その二重規制を避ける必要性もありまして、立法当時から通信販売等の規制の対象につきましては、規制の必要がある商品、役務等を政令で指定するという仕組み、今おっしゃった指定商品制というものをとっておるわけでございます。そのものを廃止するということはいかがかなと考えております。
 ただ、指定の対象につきましては、従来からも必要なものは直ちに追加するということで実際上対応させてきていただいておるわけでございます。取引実態の変化、消費者トラブルの状況等を踏まえまして、機動的に政令改正をして対応してきておりますことは御案内のとおりでございます。
 今回の法律改正を踏まえまして、本年三月にも政令改正を行ったところでございまして、インターネット通販の新しいサービス内容を法規制の対象に加えるべく、例えばプログラムのダウンロードサービスあるいは音楽、スポーツ、写真等を鑑賞させるサービス等を追加指定したところでございます。
 政令改正に当たりましては、各消費者団体、今おっしゃったいろいろな関係者の皆さんからの御意見、消費者トラブル等の実態を十分聴取いたしまして、関係審議会での審議も踏まえまして追加の対象を決定してきたところであります。
 今後も、もう当然のことでございますが、そういう実態に合わせまして必要が生ずればすぐ対応させていただくということで、先生おっしゃる御趣旨に即応していきたいと考えております。
#46
○直嶋正行君 今の御答弁の中で、私は廃止とは言っていませんので、今、後の方で答えられたように、必要なものはどんどん拡大していただきたいということですから、それで結構でございます。
 最後に一つだけお伺いしておきたいんですが、実は最近、この数日、エシュロンについて新聞報道がされています。それで、私はこの委員会がふさわしいのかどうかよくわからないものですから、きのうも通告のときに、時間があればちょっと聞きたいがということを申し上げましたら、いや、これは危機管理の方ですからということで経済産業省の方がおっしゃって、そっちへ問い合わせしましたら、結局ぐるぐると回りまして、四つぐらい、最後にまた、いや、これはやっぱり経済産業省ですよと。だから、それはどこがこういう問題を扱うのかは、平沼大臣、一度検討していただければと思います。
 ただ、これについて、事実関係も含めてよくわからない話なんで、いたずらに騒ぐのはよくないかもしれませんが、かなり確定的なような発言もされておりまして、ちょっと私もホームページから引っ張ったら、オーストラリアの方では実はここに加わっているんだと、必要なデータとして収集を要求しているものの中に日本の通産省の計画というのが実は入っているんですね。
 ですから、この点について、きょうはもうそんなにこれを詰めるつもりはございません。何か今の時点でお考えになっていることがあればお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#47
○国務大臣(平沼赳夫君) この問題というのは、事実関係というものが必ずしも明らかではない、また事柄の性質上非常に微妙な問題を含むものであると思っておりまして、政府として取り組むとしますれば、やはり内閣を中心に慎重に取り扱うべきものだと思っておりまして、直嶋先生がずっとやられたら回り回ってまた経済産業省に来られたと、こういうことでございますけれども、私どもも問題意識を持ちまして、またこの問題、内閣ともよく相談をしながら、やはり重要な問題ですから、対処していきたい、このように思っております。
#48
○直嶋正行君 終わります。
#49
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 昨年の十一月に、やはり当委員会でIT基本法についても私は質問をさせていただきました。いわゆるIT革命ということなんですけれども、ITについてどのように考えていくかということなんですが、私は、IT、情報通信技術の発展というのは人類の非常に文化、技術の発展の中でも画期的な一段階を切り開く技術であるというふうに考えております。とりわけインターネットの発展と普及、これは多様な情報を入手して発信する、新しいコミュニケーションの手段であると考えています。それだけに、この新技術を、特定の人たちがうまく使うということではなくて、国民の共有の財産にしていくという、そのためのルールというものが今非常に求められているのではないかというふうに思っています。
 そこで、インターネットの電子取引というのは非常に特徴があると思うんですね。だれでも参加ができる。一定の道具が要るわけですけれども。それから、民間主導で市場が形成される。スピードが極めて速い、瞬時に行われる。国境のない市場が形成されるというような、非常に新しい特徴を持っているというふうに思うわけです。
 それだけに、過日、消費者契約法のときでもいろんな議論がありましたけれども、消費者の利益を保護するという点で非常に情報力や交渉能力において弱い立場にある人たち、消費者を保護するという特別のルールが極めて重要になっているということではないかと思います。
 そこで、まず初めに、平沼大臣に、IT、インターネット上での消費者保護はどうあるべきだというふうにお考えなのか、基本的な御認識を伺っておきたいと思います。
#50
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山先生御指摘のように、IT、これはやっぱり画期的なことだと思っております。電子商取引というのは消費者にとっても、家庭から直接さまざまなネット上の店舗、これは国内に限らず御指摘のように世界のそういった店舗にアクセスする、そういうことが可能なわけでございまして、ある意味では非常に大きな利便性があるわけであります。
 しかしながら、御指摘のように、その影の部分として電子商取引に関する消費者トラブルが近年急速に増加をしてきていることも事実でございまして、適切な消費者保護対策を講ずることによりまして、この影の面を減らして、電子商取引に対する消費者の信頼を向上させていく、このことは極めて私ども重要だと認識しております。
 このために、政府が法律や制度の整備によりましてその環境を整えていくことが言うまでもなく重要であるとともに、民間企業や産業団体が電子商取引の健全な発展のためにその責任を自覚いたしまして、自主的な対応策を積極的に講じていくことも同時に極めて重要なことだ、このような認識を持っております。その上で、企業や政府による適切な情報提供を前提に、消費者がトラブルに遭わないようにみずから十分注意することも肝要だと思っております。
 このように、消費者に信頼される電子商取引の健全な発展のためには、政府、民間の各主体がそれぞれの立場から努力をして総合的な対応策が積み重ねられていくことが必要だと思っています。
 経済産業省といたしましては、このため、従来から訪問販売法による通信販売規制の着実な実施に努めているところでございまして、電子商取引では誤操作等による意に反する申し込みという新しい形態の消費者トラブルがふえていることに対応いたしまして、昨年秋の臨時国会で御協力をいただきましたけれども、同法を改正いたしまして、消費者保護規制を強化いたしまして、特定商取引法と改称いたしまして、実は明日から施行することにいたすことにいたしております。
 加えて、このような電子商取引特有の新しい消費者トラブルについて、民事法上の消費者利益の救済を容易にするべく、このたび本法案を提出させていただいているところでございます。
 また、もう西山委員御承知だと思いますけれども、民間団体による取り組みといたしまして、例えば昨年の六月から日本通信販売協会等によるオンライン・トラスト・マーク制度が開始されているところでございまして、当省といたしましても、これを積極的に支援をしているところでございます。平成十二年六月に運営を開始いたしましたけれども、約五百二十社が取得をしているというような現状でございます。
 このように、官民による総合的対策を強力に推進することによりまして、電子商取引の消費者保護の一層の向上を図っていきたい、西山委員御指摘のとおり消費者をいかに保護するか、このことがやはり最終的に画期的なインターネット、電子商取引、それを伸ばしていく一つの私は原点にあると思っておりますので、引き続きこの面で努力をしていかなければならない、このように思っております。
#51
○西山登紀子君 竹中大臣にもお伺いしたいと思いますけれども、この消費者保護についての基本的な見解、それからどのような対策を具体化されていくのか、IT基本法の担当大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(竹中平蔵君) 西山先生の問題意識、大変私も共有して持っているつもりであります。
 インターネットというのは大変自由であって、しかし自由であるからこそ不安がある。自由であるからこそよいこともできるし、悪意を持った人が悪いことをしやすいという意味でも多分あるでしょう。特に、このネットの取引というふうになってきますと、面と向かってやると相手の顔色がわかる、電話だと相手の声ぐらいはわかる、しかしネットだと何も見えない、相手が。その意味でのリスクというのは間違いなくあると。
 平沼大臣今おっしゃったように、そういった意味でのある程度のセーフティーネットとしての消費者保護というのがあって初めて安心して利用者が拡大して本当の意味でのネットワークの経済性が発揮できていくという、そういう問題だと思います。その意味では、消費者保護施策、つまり縦割りではなくて総合的な観点から実施するということは大変重要だというふうに思っております。
 昨年十二月に、総理大臣を議長とする消費者保護会議というのが開かれていますけれども、そこでもIT革命の推進に向けた消費者保護の取り組みを最重点施策というふうに位置づけて行政を進めていくということを申し合わせています。
 具体的には、特定商取引に関する法律、消費者契約法等々ありますけれども、我々のe―Japan戦略も踏まえて、電子取引特例法案、この法案でありますけれども、さらに個人情報の保護法案等々を出させていただいている。つまり、必要な法的措置を講じつつあるということ。
 それともう一つは、やはり消費者に対する情報提供や啓発・啓蒙活動というのが大変重要なんだというふうに思います。今の中間目標の中にも、こういった問題意識をちりばめていって、法の整備、それと啓蒙活動、総合的な観点からの消費者保護というのを行う必要があると思いますし、ぜひその方向に進めたいというふうに思っています。
#53
○西山登紀子君 今までのこの対策は、どちらかというとビジネス上の画期的な技術なんですけれども、どちらかというとビジネス上のメリットを最大限に引き出す、ビジネスチャンスの拡大に非常に関心があったんではないかなというふうに私たちはちょっと懸念をしておりまして、いかにコストをかけずに商品や役務の販売、提供ができるかだとか、代金の回収や決済コストなどの資金を削減できるかだとかいうようなことですね。また、インターネットでの不正行為からいかにビジネス上の利益を守るかというようなことが中心に議論や対策が行われてきたのではないか、消費者保護の視点というのが十分考慮されてこなかったんではないかというふうに私たちは思っております。
 そして、IT基本法、実は最終的には私たちは修正案を出しまして反対をいたしました。それはなぜかといいますと、やはりこの消費者保護について明確に、あるいは具体的な記述が非常に不十分だということからでございます。
 修正案を出しまして、そのときの修正案の中身は、要約的に申し上げますと、個人情報の保護、消費者保護の徹底という部分の修正の部分というのは、総則に高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たっては、国に個人情報の保護及び消費者保護についての責務があることを明記して、具体的な推進計画を策定することを重点計画に追加するというような中身を修正案として出したんですが、これは賛成は多数は得られませんでしたのでもちろん採用されておりませんけれども、しかしこういう法案の審議がさらにその後一歩進めるという形でされておりますので、これは竹中大臣に私はそういう点での御努力をぜひしていただきたいということを御要望しておきたいと思います。
 それで、次に移りたいと思いますけれども、そういう形でIT社会、非常にいろんな機会がふえておりますが、審議の中でイメージを具体化するために、総務省に来ていただいていると思うんですが、パソコンやインターネットの普及状況、今後の普及見通し、目標について、また主婦の方だとかあるいは障害者の方だとか子供たちも随分私なんかよりよほどうまく使っているようですが、そういうふうな利用の特徴などもわかれば、そういう点も含めてお答えをいただきたいと思います。
#54
○政府参考人(鈴木康雄君) お答え申し上げます。
 我が国のインターネットの普及状況につきましては、平成九年以降毎年末の利用人口につきまして推計調査を実施しております。
 その結果によりますと、平成九年末は一千百五十五万人、平成十年末千六百九十四万人、平成十一年末二千七百六万人、十二年末四千七百八万人と順調に普及しております。
 また将来の見通しといたしましては、e―Japan重点計画の終了年でございます平成十七年末に八千七百二十万人まで増加するものと見込んでおります。
 また、個別のデータにつきまして、平成十二年の調査におきまして男女別、職業別等のインターネットの利用状況を調査しておりまして、それによりますと、男女別につきましては男性の四一・八%が、女性の三二・九%が、また職業別につきましては勤務している方の五八・二%、自営業の方の三七・六%、パート、アルバイトの方の三三・八%、専業主婦、これは男性、女性を含みますが、二五・九%、学生は七九・四%、無職の方が一二・八%御利用になっております。
 また今、年齢の件もございましたが、十歳代、これは実は調査は十五歳から上だけやっておりますが、十五歳以上の十歳代の方は六九・七%、それから二十歳代が七九・四%、三十歳代五八・四%、四十歳代四七・五%、五十歳代三三・七%、六十歳代一五%、そして七十歳代も一三・〇%でございます。
 以上でございます。
#55
○西山登紀子君 どうもありがとうございました。
 それでは次に、インターネットによる商取引の規模、現時点でどれぐらいになっていて、将来どのぐらいになると予想されているか。
#56
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。
 私ども、ことし一月に行った電子商取引市場に関する調査結果によりますと、まず、いわゆるBツーB、ビジネスとビジネスの間の取引市場の規模、二〇〇〇年の約二十兆円が、二〇〇五年、五年後には約百十兆円に成長すると見込まれております。また、いわゆるBツーC、ビジネスと消費者、コンシューマーとの間の取引市場の規模は、二〇〇〇年の約八千億円が、二〇〇五年には約十三兆円に成長すると見込まれております。
 こうしますと、両者を合わせますと、電子取引の市場規模、今後の五年間で約六倍と大変大きく拡大するものと予想されておりまして、電子商取引の今後の発展の可能性は我が国の経済の活性化にとっても大変重要な役割を果たすものと考えているところでございます。
#57
○西山登紀子君 非常に急激にふえてきたし、これからも急激に規模が拡大するだろうということは容易に予想されるところでございます。
 そうなった場合のそれでは消費者保護はどのような対策が求められるかという点で、私、ちょっと調査室の方でいただきました資料の中で、ネット通販に対して消費者がどういうことに不安を感じているのかという資料を見ておりまして、なるほどなと思ったところがございます。
 何に不安を感じているのかという、総務省さんが平成十二年に通信に関する現状報告というのをお調べになった。一番が、「自分のデータが他人に漏れる可能性がある」、その心配というのが七三・四%。「注文時に想像していたものと異なる商品が届く可能性がある」、色合いとか手ざわりとか味など、実際、インターネットの画面からは味は出てこないというようなことでですね、それが七二・七%。「商品が届かない可能性がある」、五二・八%。「購入先の店や業者が、信用できない」、四七・八。「間違って注文しても取り消しにくい」、四四・〇。これが今度の法案に関連する部分じゃないかと思います。それから、「自分が注文していない商品が届いて、代金を請求される可能性がある」、四三・八%。以上が大体四割以上のところの不安の要因でございます。
 ですから、非常に何かいいものだなというふうに思いつつも、そういうやや不安を持ちながら、中にはおっかなびっくりそういうことで挑戦してみようかなというふうな部分もあるんじゃないかと思いますけれども、そういうふうな不安がある。
 現実にそれではどのようなトラブルが、苦情が寄せられているかということについて、内閣府さんにお聞きをしたいと思います。
#58
○政府参考人(池田実君) お答え申し上げます。
 国民生活センターと各地の消費生活センターを結ぶ全国消費生活情報ネットワークシステム、私どもPIO―NETと言っておりますが、では年間約五十万件の相談情報が収集されています。
 このうちインターネット関連の苦情件数が、平成七年度の六十三件から平成十一年度には六千六百二十九件、そして平成十二年度には一万五千七百八十件と急増しております。このうち特にインターネット消費者取引に関する苦情件数は、平成八年度では六件であったのに対して平成十一年度には千四十九件、そして平成十二年度には三千三百八十七件、これは前年度に比べて約三倍になっておりますが、の苦情が寄せられております。今後も、インターネット消費者取引が普及するに伴い、こうしたトラブルが増加するものと予想しております。
 それから、インターネット消費者取引に関する苦情の内容を見ますと、申し込みし代金を支払ったにもかかわらず商品が届かないなど、通信販売共通に見られる苦情に加え、本法案に関連すると思われる注文時クリックミスをしたが変更に対応してくれないといった操作ミスに関係するものなど、インターネット特有の苦情も相当数見られます。
#59
○西山登紀子君 大臣、お聞きのように、そういうふうな、実際、不安が現実のものになってトラブルとなって、それも報告されている数字がこれと。報告されていないのはもっとたくさんあるんじゃないかというふうに予想もされるわけです。そういう点で今回の法案が出されていると思うんですけれども、こういうふうなインターネットでの商取引がうんと規模は拡大するけれどもトラブルも拡大してしまったということでは、これはやはり日本経済にとって大変なことになる。だれもが安心できる電子空間、サイバー空間ということが求められているというふうに思うわけでございます。
 そこで、今回こういう法案が出されているわけなんですけれども、改めてお伺いをいたしたいと思います。
 大臣にお伺いしますが、今回のこの通信部分の法案の内容ですね、提出の背景とか理由だとか、それから特に私がお伺いしたいのは、確かに一歩前進だというふうには思うわけですけれども、この法案で契約時のトラブル、操作ミスなどがどれだけ救済されるか、どれだけの効果が期待できるとお考えでしょうか。その点も含めて御説明をいただきたいと思います。
#60
○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきたいと思います。
 今パソコンの家庭への普及率というのは内閣府の調査でも五〇%ということでありまして、こうなりますと、皆さんパソコンを使われてインターネット取引をしてくるという家庭がどんどんふえてくるわけであります。特に昨年は補正予算でITの講習を全国各地区で五百万人で始めましたものですから、これは非常にすばらしいことだと思いますが、一方では、中高年の方でパソコンをほとんどいじったことのない方が講習を受けても、そういう方が実際にBツーCの取引に挑戦をいたしますと、なれていないということで、例えばクリックミスをしてしまったとか、本当は一つ注文したかったんですけれども十一と押してしまったとか、そういったトラブルというのが最近は多く発生している、先ほどの内閣府の報告でも何千件にも及ぶそういう苦情が来ている、こういう実態であります。
 現行の民法では、契約の申し込みに対する承諾の通知が発信された時点で契約が成立をする、こういうふうになっているわけでありますけれども、こういった電子取引の場合、瞬時に到達することが可能であるという一方、不到達、到達しないというリスクがあるわけでありまして、したがいまして現行の法制での対応というのは不十分であると。こういうような状況を踏まえまして、国際的なルールの調和という観点からも、こういった電子取引をする場合は契約の成立の時期というものを到達主義に転換をするということで今回の法案を提出させていただいたということでございます。
 また、IT基本法を出しましたけれども、それに引き続きまして、いろいろな今回のルールも、法案改正ももちろんでありますけれども、例えば民事ルールあるいは知的財産保護のルールであるとか消費者保護のルール、こういった環境整備を一層進めていく、このことによって、電子商取引というのは安全で、健全に発展をさせていく、こういった基盤をしっかりつくっていきたい、このように思っております。
#61
○西山登紀子君 操作ミスによるトラブル、それがどれぐらい救済されるか、十分な効果が期待できるか、その点の御説明は。
#62
○副大臣(古屋圭司君) お答えいたします。
 とりあえず今度はこの法制を出させていただきましたが、今後とも取引の実態を踏まえまして弾力的に法制度の改正を含めた検討をしてまいりたいと思います。できるだけこういった不正が生じることのないように経済省としても積極的に対応していきたい、このように思っております。
 これによってどれぐらい減るかとか数量的な予測というのは私は現時点ではちょっと難しいんではないかなと思っておりますが、こういう法制を順次充実していくことによって、ほとんどこういった不正あるいは契約に関するトラブルというものは未然に防げるケースが大部分になってくるのではないか、こんなようなことを期待している次第でございます。
#63
○西山登紀子君 ほとんど未然に防げるということで、それほど自信を持っていいのかなというような感じもするんですけれどもね。私たちは、もっといいものにしていきたいなということで実はいろいろと考えて、また法制局の皆さんのお知恵を拝借したり経済産業省の皆さんのお知恵も拝借したりして、いろいろと考えてきたんですけれども、なかなか難しいなというふうな思いもあるんです。
 それで、ちょっとお伺いしたいんですが、法律の第三条のただし書き項の問題についてお伺いいたします。
 わざわざ法律の第三条にただし書きを入れてあるわけですけれども、どのような理由で入れたんでしょうか。また、このただし書きを全部削除してしまうとすれば、消費者や事業者にどのような不利が生まれるんでしょうか。どうなるのか教えてください。
#64
○政府参考人(太田信一郎君) 西山先生御指摘のように、本法案第三条、操作ミスに関する消費者トラブルに関して、消費者が行った操作ミスが民法第九十五条のただし書きの重過失に該当するか否かについての解釈をめぐりまして紛争が生じていることに対応するためのただし書きの規定でございます。
 すなわち、事業者によって確認措置が講じられていない場合に発生した操作ミスについてまでも消費者側に重過失を認定することは、当事者間の利益のバランスを失するものというふうに考えられますことから、本法案において民法九十五条の特例措置を設けることとしたわけでございます。
 他方、確認措置が設けられているにもかかわらず発生した操作ミスについてまでも消費者の重過失を一律に認めないまま契約をすべて無効とすることは、逆に当事者間の利益のバランスを失することとなると考えております。
 このような考え方は、国際的にも取り入れられているグローバルスタンダードなルールとなっているわけでございます。また、確認措置を設けることによって消費者から無効を主張されないという事業者の方のメリットもあるということで、インセンティブも働くという面もあるかと思っております。
 バランスをとった規定のしぶりとしたつもりでございます。
#65
○西山登紀子君 第三条のただし書き項の後段の部分をなぜ入れたのか、削除した場合にどうなるかということもあわせて御説明いただきたいと思います。
#66
○政府参考人(太田信一郎君) 事業者が確認措置を講じている場合、それから消費者がそれで特に確認をしなくてもいいというふうに認められた場合にまで重過失の反証を逆転させるということは必要がないというふうに判断したところでございます。
#67
○西山登紀子君 それをとっちゃったらどうなりますか。そのただし書き部分をとってしまったら。
#68
○政府参考人(太田信一郎君) 恐らく、先ほど申しましたように、事業者の方は確認画面を設けるインセンティブが働かなくなるということもございます。その関係でいろんな形でのトラブルが生じるおそれもございます。
 また、先ほども御答弁申し上げましたように、国際的なルールにおきましても確認画面を設けた場合にまで無効を主張するという形でのルールにはなっていないということで、国際的な整合性を図るという意味でもこういう形が望ましいというふうに考えておるところでございます。
#69
○西山登紀子君 その確認措置ということなんですけれども、この法案には「確認を求める措置を講じた場合」というふうに一般的に一般論でしか書いてございません。これでは、事業者に、いやこれでいいんですよと判断をゆだねることになりまして、措置を講じておりますというふうに事業者が主張すれば消費者は今までどおり裁判で争うしかなくなってしまって、錯誤の主張を認めさせるということがむしろ困難になってしまうんじゃないかと思うんですけれども、その点はどうですか。
#70
○政府参考人(太田信一郎君) 御指摘の確認措置につきましては、法案第三条におきまして四つの要件、事業者が電磁的方法によりその映像面を介して消費者の申し込みを行う意思の有無について確認を求める措置というふうに具体的に規定されているところでございます。
 いわゆるウエブ上の確認画面のように、消費者が申し込みの送信ボタンを押す前に申し込み内容を確認し訂正できる画面が独立の画面として設定されているケースがこれに当たります。確認措置の解釈をめぐって大きな混乱が生ずることはないと考えているところでございます。
#71
○西山登紀子君 もう少し具体的にお伺いします。
 そうなりますと、やっぱり判例を重ねていくというふうなことになってしまって、また裁判で争うということになると、実際上この法律が目指している消費者を守るということが困難になってしまうんじゃないかなというふうに思うんですけれども、もっと確認措置というこの措置をもう少し具体的に明示することはできないものでしょうか、どうでしょうか。
#72
○政府参考人(太田信一郎君) 私どもも、法案を策定する段階で法制局等と十分議論をして、先ほど申しましたようにできる限りわかりやすく規定したところでございます。こういう条件を満たした形での確認画面を事業者として用意していただけると思っております。
 ただ、個別具体的なケースについて本法案の確認措置に当たるかどうか、最終的になかなか疑義があるケースが生じる場合もないとは言えません。そういう場合において、私ども十分消費者の御相談にきめ細かに対応していきたいというふうに考えているところでございます。
#73
○西山登紀子君 その点での知恵を絞るということなんですね。
 それで、やっぱりトラブルが起きて、一つ一つ民法の判例を積み重ねて処理していくというふうなことになりますと、本当に消費者にとっては大変なことでございます。法律でこの確認措置なるものをもう少し明示できないかなと。その方が事業者にとってもトラブルを防止するためのインセンティブが働くでしょうし、消費者保護にもプラスになるのではないかということです。
 これはきょう私たちの方から提案させていただいております修正案ですが、その中身につきましては、とりわけ確認措置の中身について、例えば「特定の電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を意図する場合にはその旨を表明すること。」ということが一点。二つ目には、その「表明に係る意思表示の内容を明確かつ完全に表示すること。」。三つ目には、その「表示に係る意思表示の内容について、必要に応じ訂正を加えた上で誤りがないことを確認する旨を表明することを消費者に求めること。」。そして最後に、その「表明に係る内容の意思表示を行うかどうかについて、明確に消費者の選択を求めること。」など、四つの点でもう少し規定を具体的に細かくするというようなことをやれば、最低限それぐらいのことをきちっと明記すれば、事業者にとっては、ああ、そういうことをきちっと画面でやっておけば無効にされることはないんだなということで、むしろインセンティブが働くんじゃないかと。消費者にとっても好ましいことじゃないかというようなことで、この点はどうでしょうか。
#74
○政府参考人(太田信一郎君) 私が先ほど御答弁申し上げました四つの要件というのは、今、西山先生がおっしゃられたことを意味していると私どもは考えております。法案が制定された暁には、私どもとしてはそういう趣旨の普及徹底を図っていって、消費者のトラブルが起きないように努力していきたいというふうに考えているところでございます。
#75
○西山登紀子君 ということで、いろいろそういうことも含めて検討された上での提案だということなんですが、私たちの方はもう少し法律にきちっとその点を盛り込んでおいた方がお互いにいいルールになるんじゃないかなというふうに考えております。
 それで、続きまして、いわゆるインターネット取引の中にクーリングオフのルールを導入することはできないのか、あるいは検討されていないのかということでお伺いしたいと思うんです。通信販売は指定商品のクーリングオフというのがあるわけですけれども、そういう点はどうでしょうか、検討されているでしょうか。
#76
○政府参考人(太田信一郎君) 御案内のように、クーリングオフ制度は、いわゆる訪問販売のような取引形態におきまして、意思形成の過程で、消費者が販売業者の直接かつ不適切な勧誘等に左右されて意思が不安定なまま契約を結ぶことが多い、これを事後的に救済するために、このような取引形態について一律に無条件の契約解除権を消費者に付与するものでございます。
 他方、今回の措置の対象となる電子商取引におきましては、消費者と事業者は直接対面せずに契約を締結するため、通信販売一般と同様に、基本的には消費者はみずからの自由な意思に基づきまして余裕を持って契約の申し込みを行うことができます。したがって、電子商取引につきましても、通信販売一般と同様にクーリングオフ制度の適用対象とすることは適切ではないと考えております。
 他方、電子商取引特有の操作ミスに関するトラブルにつきましては、今回の法案により必要かつ十分な措置が講じられると判断しているところでございます。
#77
○西山登紀子君 先ほど私が紹介いたしました総務省の調査でも、消費者の不安の二番目に挙がっているのが、注文時に想像していたものと異なる商品が届く可能性があるというようなことが七二%もありますから、これはやっぱり今後こういうことが消費者保護のためには必要になってくるというふうに私は考えておりますので、ぜひよく研究をしていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどのただし書きの後段の部分削除についても、インターネットを利用する人たちがかなり年齢が下がっているというふうなこともあって、消費者といえどもそういう部分も含めて消費者になってくるというふうなこともあります。
 そこで、もういいよというふうに言ったから、そういうのは無効、取り消しはできないんだよというふうにしていいのかということについては、やはり弁護士の皆さん方からもいろんな反論がパブリックコメントで届いているというふうにも思いますが、その点でも私たちは、やはりこういう部分は、いいよと言っても、そのいいよと言うことによってその後どういうふうに自分の権利がなくなってしまうかということまで十分消費者が理解していいよというふうに言うかどうかということは、その点も問題ですので、こういう点はあいまいだから取った方がいいじゃないかというふうに私たちは考えております。
 それで、最後に大臣にお伺いしたいわけですけれども、この電子商取引というのは本当に多様なトラブルというものを起こす、便利であると同時にそういうものもやっぱり伴っているというふうなことで、リアルな取引のときには現物を見て直接事業者にも会っていろいろこういうふうに交渉ができるわけですけれども、画面上の情報ということで、消費者が自己責任によってこういうふうに判断をしていくということになります。そうなりますと、知識やあるいは操作技術あるいは法律上の知識や交渉能力という点でも、一般の消費者というのはやっぱり弱者の立場ではないかというふうに思うわけです。
 今回の法律の改正、もちろん第一歩だというふうに思いますけれども、全般的な電子商取引のトラブルを未然に防いでいくという点では、OECDの電子商取引に関する消費者保護ガイドラインというようなものも出されているわけですが、そういうことも含めて総合的な対策が求められているのではないかと思いますが、その点の対策、大臣に最後にお答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
#78
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 電子商取引に関する消費者トラブルとしては、申し込み段階での錯誤に関するものが特徴的でございますけれども、御指摘のように、その他のものも見られるわけでございます。多様な消費者トラブルに対応して電子商取引に対する消費者の信頼を確立していくためには、官民による総合的な対策が必要であると考えているところでございます。
 このため、経済産業省といたしましては、従来から、訪問販売法に基づき、インターネットサーフデーの実施等によりネット上の広告表示の適正化を図ってきているところでございます。またさらに、誤操作等による意に反する申し込みという新しい形態の消費者トラブルに対応するため、昨年秋の臨時国会での訪問販売法の改正に加えて、今回、本法案を提案したところでございます。さらに、消費者がネット上で信頼できる店舗を選択するのに役立つ情報を提供するために、日本通信販売協会等によるオンライン・トラスト・マーク制度が開始されておりまして、当省といたしましても、これを実は積極的に支援をしているところでございます。
 そして、御指摘のありましたOECDの電子商取引消費者保護ガイドラインにつきましては、一昨年十二月に採択されたものでございまして、電子商取引に参加する消費者が通常の対面取引などリアルの世界を下回らないレベルの消費者保護を受けることを確保する、このことを基本原則としております。具体的には、事業者が広告において取引上の重要な情報を明確に開示すべきこと、消費者が意思に基づかないで契約することを防止するため、事業者が申し込みプロセスを明確に設定すべきこと等を求めております。
 当省といたしましては、本ガイドラインの内容も十分踏まえながら、前述のような各般の対応策を進めてきているところでもございまして、今後も、取引形態の変化や消費者トラブルの実態に対応して、消費者保護の実を上げるべく総合的な対応に一層努力を傾注してまいりたい、このように思っております。
#79
○西山登紀子君 ありがとうございました。
#80
○委員長(加藤紀文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#81
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、風間昶君、山下芳生君及び小林元君が委員を辞任され、その補欠として鶴岡洋君、大沢辰美君及び藁科滿治君が選任されました。
    ─────────────
#82
○委員長(加藤紀文君) 休憩前に引き続き、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案及び不正競争防止法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#83
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 ちょっと欲張って多くの質問を用意したものですから、私も簡単に申し上げますので簡潔に御答弁を賜りたい、このように思います。
 まず第一点でございますけれども、IT社会ということで、これは政府も民間も消費者も大変熱の入れようが高いわけでございますけれども、当然のことながら、IT社会ということで新たな雇用の創造とか消費の拡大、さらに本格的な景気回復の牽引車というようなこと、また豊かで活力のある国民生活というものへの変貌というものが期待されるわけでございます。
 そこで、大臣に御所見をまず最初にお願いしたいんですが、大変、今申し上げたようにはかり知れないプラスの面があるということでございますけれども、しかしながら、例えば高齢社会が進展していくわけでございまして、高齢者の方とかあるいはまた障害者の方であるとか、そういった方々にとってはこういった今後のIT社会の進展の中でその恩典に浴せられないというような方が心配されるわけでございます。
 そういう意味で、IT政策の進展に当たりましては、こういった情報の面でなかなか参加が厳しいような立場にあられる方々も含めて、すべての国民がひとしくIT革命の恩恵を享受できる、そういう環境整備を進めるということが大事な視点ではなかろうか、こう思うわけでございますけれども、経済産業省といたしまして、この点につきましてどのように今後対応なさっていくかといったことについて、まず大臣の御所見をお願いします。
#84
○国務大臣(平沼赳夫君) 海野先生の御指摘は非常に重要な御指摘だと思っております。
 IT化の進展というのは、ITを使いこなせない人と使いこなせる人との格差をもたらすとしばしば指摘をされております。しかしながら、ITをうまく活用して、これを契機として障害者の方々や高齢者の方々がハンディキャップを乗り越えて社会経済に積極的に参画できる、そういう可能性も高まる、このように思われています。このためには、IT革命をデジタル・オポチュニティーとしてすべての国民の方々が前向きにとらえられるように、いわゆるバリアフリー社会を築き上げること、このことが非常に重要であると認識しておりまして、e―Japan重点計画においてもこのことは重要な柱として位置づけております。
 経済産業省におきましては、障害者や高齢者の方々が使いやすいIT機器の開発をメーカーに促すために情報処理機器アクセシビリティ指針を平成二年に策定いたしまして、昨年六月にその後の技術の進展に合わせてそれを改訂したところでございます。また、障害者や高齢者の方々が使いやすいIT機器の開発も支援をいたしております。
 さらに、障害者や高齢者の方々のIT機器利用を支援するボランティア、教員、御家族の方々に対し、今年度からIT機器の利用方法の講習を行う、こういうふうに多角的に取り組んでいるところでございます。
#85
○海野義孝君 大変重要な御回答をいただきまして、ありがとうございました。そのような方向に向かって御尽力をお願いしたいと思います。
 次に、IT政策の中でもエレクトロニックコマース、つまり電子商取引の促進といった課題でございますけれども、先ほど御指摘のe―Japan重点計画、三月ですか、の中でも重要な柱となっているわけでございます。
 我が国にとりましても大変大きな影響を与えるということになろうかと思いますけれども、経済産業省としまして、この電子商取引市場の今後の市場の規模、これは先ほども御回答ありましたから大体掌握できたわけでございますけれども、その点はそれとしまして、経済成長への有効性という面で、電子商取引市場の拡大といった点につきましてどのように評価されていますかということでございます。
 いろいろ言うなれば、最近のアメリカにおきましてのまさにネットバブルの崩壊というようなことも聞かれるわけでございまして、そういったこと等の頭の痛い問題も抱えながら、こういった電子商取引市場の拡大の中で我が国経済の及ぼす効果、こういった点についてどのように評価されているか、ひとつお願いしたいと思います。
#86
○副大臣(松田岩夫君) 電子商取引が経済成長、経済発展にどんな影響を与えるだろうかという御質問でございます。
 電子商取引を中心といたしましたITの進展は、中長期的に、短期的にももちろんでございますが、短期的には委員御指摘のような変動を伴うこともございますが、中長期的には非常に大きな役割を果たすものと考えております。
 具体的には、電子商取引の拡大がベンチャー企業が活躍する場を提供し、新たな雇用の創出を促進するという雇用面のプラスの効果、第二に、ITの活用が幅広い産業の効率化をもたらすという生産面のプラスの効果、第三に、ITの活用が消費者のニーズに合った製品の開発を促し、潜在的な需要を掘り起こすという需要面でのプラスの効果、こういったことが期待されます。
 先日発表されました産業構造審議会の新成長部会の試算によりますと、ITを軸とした経済構造改革を実行すれば約二%程度の成長率の上昇が期待されるとされております。
#87
○海野義孝君 大変期待の大きな分野でございます。私どもも、党としましても緊急雇用対策の中で二十一世紀成長と目される八分野の中でもそのまさにリーディング的な産業であろうというように評価しておりまして、私どもは向こう二年ぐらいで、雇用を、離職される方等の受け皿としても百万人ぐらいのやはり受け皿をつくる中ではその先陣を切るのがこの分野であろうということで期待しておりますし、先般の経済財政諮問会議におきましても、五百五十万人の新しい雇用を創造していくという中でも大変力を入れていく分野であるということでございまして、円滑にしてしかも順調にこの計画が進んでいくということを御祈念したいと、こう思います。
 次に、今回の法案の中で、第三条におきまして、消費者が確認措置を必要としない旨の意見の表明があった場合、本法案は適用されない、民法の例外ということの適用はされないということですが、この場合に、例えば事業者によりまして事前にほかの契約条項とあわせて包括的に同意をとられると、消費者が確認措置が不要であると選択するように事業者が誘導するような懸念がなきにしもあらずということが考えられるわけでございまして、こういったことについてはどのように対応されるか、お願いします。
#88
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。
 海野先生御指摘の規定は、インターネット取引になれている方で確認措置が煩わしいと感じるような消費者に対応いたしまして、消費者に確認措置の要不要の選択をゆだねる場合があることを考慮して設けたものでございます。したがって、法案第三条に規定する「当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明」となるためには、事業者が個々の契約ごとに確認措置の要不要について消費者に対して明確に問いかけた上で、消費者の方から確認措置は不要である旨を積極的に選択することが必要と考えております。
 他方、御指摘のように、今御指摘がございましたが、事業者が確認措置の要不要について何ら明確に消費者に提示することなく包括的にほかの条項なんかと一緒に合意をとったり、あるいは消費者を欺瞞して合意をとったようなケースは、三条に規定する「当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明」には該当しないものと考えておるところでございます。私どもといたしましても、このような考え方に基づきまして、施策の周知徹底に努めまして、法律が適正に運用されるように努力してまいりたいと考えております。
 また、意思の表明に当たるか否かについて疑義が生ずるような場合もあるかと思います。そうした場合に、消費者からの御相談にきめ細かに応じるなど積極的に対応していきたいと考えているところでございます。
#89
○海野義孝君 今後のやはりそういった取引がさらに拡大進展されていく過程におきましては、私が懸念するような今申し上げたことにつきましては、御答弁の問題につきましても今後またさらに新たな措置が必要であるかもしれないというようにも思いますが、よくわかりました。
 次に、この法律案につきましては、民法の特例措置を定めているわけでございまして、行政の規範というよりも裁判の場合の規範としての性格を持っているように思います。したがいまして、この運用に当たりましては、行政庁の判断よりは裁判所の判例等における紛争解決事例の蓄積、そういったことにまつところが多いんではないか、大きいんではないか、こう思うわけでございます。つまり、善意の消費者及び事業者を不必要なトラブルから救うためには、判例等を収集し、幅広く情報を公開していくということが必要であろうと、このように思うわけでございますけれども、この点についての対策としては、法務省、どのようにお考えになっているか、お願いします。
#90
○政府参考人(小池信行君) 判例情報の提供によりまして裁判所による紛争解決の先例、基準を広く国民に示すということにつきましては、紛争の予防や早期解決を図る上で重要な意味を持つものであると考えております。この点は、先生御指摘のとおりでございます。
 この判例情報につきましては、従来から最高裁判所が編集刊行いたします判例集等によりまして提供をされてきたところでございますが、平成九年以降、最高裁判所におきまして、より迅速かつ容易な判例情報へのアクセスを可能にするために、主要な最高裁判所の判決の全文であるとか、あるいは特に知的財産権関係訴訟の判決等につきまして、先ほど申し上げました最高裁のホームページを利用して公開をしているところでございます。
 さらに、司法制度改革審議会におきましても、判例情報をインターネットホームページ等を通じて広く公開し、提供していくべきであるという議論がなされているところでございまして、裁判所におかれましても、この審議会の最終意見を踏まえまして、幅広い判例情報の提供に努めていかれるものというふうに存じております。
#91
○海野義孝君 次に、消費者がこのIT社会に安心して参加するには、トラブルの発生におきまして簡易で迅速な紛争の処理ということが行える仕組みというのが必要であろうと、こう思うわけでございます。
 昨年来、消費者契約法等におきましてもこの問題がありましたけれども、そこで、電子商取引における消費者紛争に迅速に対応できる裁判外紛争処理、つまりADRの充実を図る必要性があろうと思いますけれども、この点につきまして、ADRの具体的推進方法についてはどのように対応されるお考えになっていますか。
#92
○副大臣(松田岩夫君) 委員御指摘のとおりでございまして、消費者が安心して電子商取引を活用するためには、消費者にとって利用しやすく実効性のある裁判外の苦情紛争処理制度、いわゆるADRが整備されることがまことに重要でございます。こうした観点から、e―Japan重点計画におきましてもADRの整備が重点的な柱として明確に位置づけられているところでございます。
 具体的には、日本通信販売協会と日本商工会議所が昨年六月に運用を開始いたしましたオンライン・トラスト・マーク制度におきましては、マーク取得企業と消費者との間のネット取引に係る苦情紛争処理がなされることになっております。
 経済産業省といたしましては、苦情紛争機能の充実を含めまして、本マーク制度がさらに発展していきますよう、引き続き力強い支援を行ってまいりたいと考えております。
#93
○海野義孝君 もう一つの法案の方でございますけれども、いわゆるドメイン名の登録者と所有権者との間で起きる紛争につきましては、既に欧米におきましては整備がなされているというように聞いているわけでございますけれども、インターネット上の行為につきましては容易に国境を越えてしまうわけでございまして、まさにボーダーレスの社会の中でのやはり代表的な取引ということになるわけですが、インターネット関連のルールは国際的には整合性がとられていなければならないということでございまして、午前中の御質問についても、いささか後追い的ではないかというようなお話がありましたけれども、今回の法案の内容はそういった意味で国際的に整合しているかどうかという点についてお答えいただきたいと思います。
#94
○副大臣(松田岩夫君) 御指摘のとおり、インターネットという国境のない世界に関係するルールにつきましては、国際的な整合性を図ることが極めて重要でございます。本法案は、まさにこのような認識のもとに、ドメイン名紛争に関して国際的に整備が進んでいるルールを十分踏まえて立案をしておりまして、国際的に整合した内容になっているものと考えております。
 具体的に申し上げますと、ドメイン名紛争に関する国際的なルールの整備としては大きく二つの流れがあります。
 一つは、裁判のルールに関し、世界知的所有権機関、いわゆるWIPOが各国政府に勧告をするとともに、欧米主要国では新法の制定または既存法の活用、アメリカでは新法の制定、欧州では既存法の活用によりまして裁判ルールが形成されております。第二に、裁判外の紛争処理手続に関しまして、ドメイン名登録機関がルールを整備しております。そして、以上の裁判のルール及び裁判外紛争処理手続のルールの骨子は、いずれも不正な目的で他人の商品、役務の表示と同一または類似するドメイン名を登録または使用する行為に対して被害者に救済を与えるというものであります。
 一方、本改正法案は、不正の利益を得る目的で、または他人に損害を加える目的で他人の商標等と同一もしくは類似のドメイン名を取得し、もしくは保有し、または使用する行為を新たに不正競争行為の類型とするものでありまして、今申し上げました国際的なルールと整合する内容と考えております。
#95
○海野義孝君 では最後に、もう一問、平沼大臣にお願いしたいと思います。
 今の不正競争問題の法案でございますけれども、電子商取引のルールの整備の一環としまして一定の評価をするということができると思いますけれども、その場しのぎの対策とならないように、対策を講じるに当たりましては基本となる理念をどのように構築していくかということがこれからも非常に重要であろうと、こう思うわけでございます。
 電子商取引の促進のために経済産業大臣として今後どのように取り組んでいかれるかという点について決意をお伺いしたいと同時に、これは私の即席でありますけれども、今回のこの法案等につきましては、特に電子商取引の最初の方の法案では、いわゆる錯誤無効制度及び到達主義という二つの点についての民法の特例を認めるということになっていますけれども、昨年来の訪問販売法であるとか割賦販売法の改正であるとか、こういったことにおきまして、附帯決議にもありましたように、速やかにこういった点についても検討するようにということで、つまり、一般的なルール法を今回のこの法案につきましては提案しなかったかということがちょっと私、やや気にかかるんですが、この点も何かお答えいただければ、踏まえてひとつ御決意をお願いしたいと思います。
#96
○国務大臣(平沼赳夫君) 電子商取引の発展のためには、民間主導で市場が形成されること、また変化のスピードが速い、そして国境のない市場が形成される、こういったサイバー空間の特質に応じた施策を展開することが重要であると思っております。
 私としては、こうした電子市場の特質を踏まえまして、三つの原則を指摘したいと思っております。
 一つは、過剰な規制は排除をいたしまして、市場の創意工夫を最大限引き出すという原則でございます。電子商取引市場においては日々新しい取引モデルが考案されており、こうした市場における創意工夫が過剰な規制によって阻害されてはならない、このように思っております。
 第二は、電子市場においても十分な消費者保護と知的財産保護を図る、こういう原則が必要だと思っています。これによりまして、消費者も事業者も安心して電子市場にも参加できる環境を整備していかなければならないと思っています。
 第三は、国際的に調和したルールを構築するという原則でありまして、電子市場は国境のない市場でありまして、我が国のみ特別なルールを形成することは避けなければならないと思っております。
 今回提案させていただいております二つの法案はこうした三原則に沿ったものでございますけれども、今後とも、御指摘ございましたけれども、電子商取引の動向を見きわめながら、既存の規制や法制度について、この原則に従って不断にかつ機動的に見直して、先生がちょっと最後に御指摘されたようなことも踏まえて検討させていただきたい、このように思っております。
#97
○海野義孝君 終わります。
#98
○梶原敬義君 この前、所信のときにはちょっといなかったものですから、若干景気について最初に平沼経済産業大臣にお尋ねをします。
 私は、地元をずっと回っておりまして、地方の市の商工会議所の皆さんと話をしておったんです。いろんなことを言ったんですが、やっぱりどきっときたのは、何よりもすぐそこの商店街を歩いてみてくださいよって言うんですね。歩いてみましたけれども、これは大きなスーパー等が来た影響だけじゃなくて、やっぱり経済が非常に落ち込んでいる状況ですね。
 そんなところをずっと見て、いろんな人にも会ってきましたが、一体、今の小泉政権、そのもとでの通産大臣は、今の景気、経済の問題というのはどのようにとらえておるのか。それから、何か構造改革をやれば景気がよくなるような話でありますが、どこをどうしようとしているのか。ちょっと難しい話ですが。
#99
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに梶原先生御指摘のように、今、日本の景気の現状というのは非常に厳しいものがあると思います。私は地元が岡山でございますけれども、江戸時代から続いている表町という商店街がございますが、そこに夜七時ごろ行きますともう閑古鳥が鳴いているような現状でございますし、またよく言われているように、閉店をしているそういうところが多くて、店じまいをしちゃったところが多くて、シャッター通りというような形になっております。
 我が国の景気の現状というのは、米国経済の減速などから輸出が減少した。そして、これも先生御承知のように、生産は二カ月連続マイナスが続くなど、低下傾向がはっきり見えてきております。また、求人や残業時間も減少傾向がございまして、企業の業況感も悪化に転じるなど、全体として景気は以前にも増して弱含んでいる、こういうふうに思っています。直近に発表されました失業率も、四・七から、四月は四・八、〇・一ポイント上がる、こういう形で厳しい現状にあります。そしてまた、我が国経済の先行きに関しましても、生産につきましては五月はわずかに増加しますけれども、六月は再び減少するような見通しもあります。
 それから、これももう梶原先生よく御承知のことでありまして、設備投資の先行指標である機械受注というのは、一―三月期では前期比マイナス七・〇と大幅な減少となりまして、四―六月期の見通しはそのまま横ばいにとどまっている、こういう非常に厳しい局面もございます。それから、減速しております米国経済におきましては、四月の鉱工業生産が七カ月連続でマイナスになるなど、今後の回復についても不透明感が高まっていることなど、より深い注意が私どもは必要だと思っています。
 こうした中で、やっぱり我が国経済を自律的な回復軌道に乗せる、そのためには、今構造改革のことをおっしゃいましたけれども、昨年いろいろ努力をしてまいりまして、私ども経済構造改革というものを昨年十二月末に二百六十項目取りまとめて、その百は八割方手がついたところでありますし、また緊急経済対策を最優先でやらなきゃいけない。そうなりますと、どうしても金融サイドの不良債権でありますとか、産業サイドの不良債務、これを処理していくということが、一時的に痛みは伴いますけれども、景気を安定軌道に乗せるやっぱり通らなければならない道である。
 こういう中で、私どもといたしましては、中小企業に対するセーフティーネットというものも十二分に考えながらやっていかなきゃいけない。そういう痛みを伴うことに関して、いわゆる一時的に失業が出る、そういう可能性が非常に大でありますので、やはりそこは新規産業をいかに早く立ち上げて、そしてそこに雇用を吸収していくかと、このことも急務の問題だと思っています。
 アメリカは八〇年代、三つ子の赤字を抱えて大変な不況にありました。その中で、IT関連を中心にしてイノベーションを起こして、そして新規企業を創出する。そのことに対してインセンティブを与え、一時的には雇用が厳しい状況になりましたけれども、結果的には新しく起こったそういうベンチャーを含めた企業というものが雇用を吸収して、そして未曾有の九〇年代の景気回復、こういうことをもたらしたわけでございます。
 私どもといたしましても、るる申し上げましたけれども、大変厳しい経済状況でありますけれども、日本の経済というのは私はポテンシャリティーはまだ失われていない、そういう意味ではやっぱりそのポテンシャリティーを十分活用して新規産業を起こし雇用を吸収し、そして新しい企業の、産業の活力を出すためにやはり最大限の努力をしていかなければならないということで、この二十五日に立ち上がりました、新しい構造改革に伴う対策として産業構造改革・雇用対策本部に私としては十五の項目を提案させていただいて、そしてこれをたたき台として六月の半ばまでにいわゆる中間の取りまとめをして、具体化をして、この国の経済に活力を与える、こういう形で経済産業省として全力を尽くして頑張らさせていただきたい、このように思っているところでございます。
#100
○梶原敬義君 意欲はよく伝わるんですが、構造改革の中身が何度聞いてもなかなかわからない。ですから、不良債権の問題でいうならば、ゼネコンがもう百円切っている株のところがいっぱいありますね、幾つか大きいところが。こういうものをもう切り落としていくというのか、それを温存しながらやっていくというのか、その辺は総理も内閣もどこまで腹を決めているのかよくわからないんですが、そこの点はどうなんですか。
#101
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもはことしの一月から、実は金融担当大臣と私ども経済産業省と、それから今お話があったゼネコンを抱えている国土交通省、この三つの省庁の中で、まず審議官クラスによって一つの連絡協議会を立ち上げまして、そしていろいろ検討をしてまいったところであります。
 そういう中で、私どもといたしましては、産業サイドの構造改革、不良債権を進めるに当たっては、やはり産業再生法というものをこの四月二十七日でございましたけれども、省令と告示の改正によって対応する。そういう中で、やはり痛みを伴わないようなそういう形の中で処理をしていかなきゃいけない。
 しかし、今御指摘のあった、そういう厳しい状況に置かれている大手建設会社等々、ここのところの不良資産というものもやはり手をつけざるを得ない、そういう状況にあるわけであります。その中で、それを進めるに当たってはやはり大きな痛みが伴って、そしてその傘下の一生懸命まじめに業をやっている中小零細企業、こういう方々に対しては、その本業を支援する意味できめ細かいセーフティーネットをつくっていかなきゃいけない。ですから、大きく言えば、いわゆる聖域なき構造改革、そして改革断行内閣、こういう小泉内閣におきましては、一時的には痛みが伴うけれども、アメリカがやったように新しい、繰り返しになりますけれども、経済活力を生み出すためには、そういったところもメスを入れるべきところは思い切ってメスを入れていかなきゃいけない、これが私どもの構造改革の基本姿勢だと、こういうふうに思っております。
#102
○梶原敬義君 私は、アメリカやヨーロッパの先進諸国は比較的景気がよくて、日本だけなぜ悪いのかという問題に突き当たると思うんですね。それは、バブルを日本は放置し過ぎた、そしてバブルをつぶした後の後遺症が治らぬまま、あれやこれや下手な外科医が切るようにいろんなところを手がけてきたが、なかなか効果が出ない。そういうところに問題がありまして、かつて我が国は第一次オイルショック、狂乱インフレ、これは一九七三、四年ごろでしたね、よく覚えていますが。それからプラザ合意のちょっと後まで長い不況が続いたんですね。十一年ぐらいかかっております、景気がよくなるまで。今度のバブルが芽を出すまで十一年ぐらい。
 だから、今の不良債権の状況とか、そういう後遺症が非常に残っていることを考えると、これはバブルがはじけた後の十年や十一年や十二年というのはかかるんじゃないか、かかっているんではないか、むしろそう見るべきで、アメリカの経済やヨーロッパと比較してなぜ日本は悪いのかというのは、そこに最大の問題があるわけですから、それを一体どうするのかということを抜きにはそういい答えは出ないんじゃないかと思うんです。
 私は、失業率も四・八%ですから、いろいろ聞いて就職の話が来るとどこも物すごい競争率、ちょっといいところは。それから中小企業の倒産あるいはもう私の地元の別府の旅館、ホテルは大変厳しいです。だから、そういう状況の中で景気対策をやるというのかやらぬというのか、辛抱せいというのか、内閣の方針がなかなかわかりにくい。悪いけれどももう二、三年辛抱せいというのか。いや、もう少し本格的な景気対策をやるというのか、そこはもう全くわかりにくいんです。
 私は、個人消費が落ち込んでいますから、景気をよくするためには個人消費をどのように高めていくかというところに焦点を当てながらやらないと、きょう出ております法案、IT関連を何とかすれば景気がどうこうという問題だけじゃない、日本の場合は。もっと底が深いような気がしておるんです。
 私は、民間の会社で働いておりましたときに、小さな会社で、親会社から社長が来るんです。来た社長は、もう必ず前の社長の悪口を言うわけですよ。力のない人に限って、経営能力のない人に限って前の人のやったことを否定していくんです。私は今の内閣のやり方というのは、過去を理解しながらいいところと悪いところを選別していくのならいいけれども、過去を切りまくっていって、そして自分は身を浮かばせていくというようなやり方は、どう考えてもこれは正常ではない。私はそのように思うんです。
 通産大臣に私は期待するのは、これは前からずっとやっておられて継続しておられますから、経済担当大臣として、もう少し変わった発想で内閣に景気対策を言うなり、あるいは何も同じことをせにゃならぬということでもないわけですから、もう少し思い切った、評論家がするんじゃなくて、生きた経済の実態というのは御存じなんですから、やっぱりどんどん言って、今の景気を本格的によくするように努力をしてもらいたいと期待をするんですけれども、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(平沼赳夫君) 梶原先生の御指摘で、今の小泉内閣がすべて前内閣のことを否定してやっているということでは私はないと思っています。それは、やはり小泉内閣の今主要な一つのテーマというのは、前内閣のときにつくりました緊急経済対策、これは大きく分けて四つの柱になっておりますけれども、これを着実に実行して景気を浮揚させようと、こういうことでございますので、一概に全部を否定しているということではないと思います。
 したがって、今御指摘のように、経済産業省としてやはり経済に対して責任を負っているので、ひとつ頑張れという御激励をいただきました。ですから、これも繰り返しになりますけれども、私どもは各省庁と連絡を取り合いまして、昨年の七月、産業新生会議、これは民間の方々や学識経験者の方々にも入っていただいて、かんかんがくがく議論をしました。そして、IT戦略本部、戦略会議も七月からたび重なる会議の中で、それが今e―Japan構想というのに結びついています。これも二〇〇五年までの大変大きな計画で、そして先進国のアメリカをキャッチアップしようということですけれども、この政策に関しても小泉内閣では二〇〇二年に中間的に、二〇〇五年までの間の中間的な、ひとつもう少しめり張りのきいた、そういうe―Japan計画もやろうと、こういうことで、これも継続性があります。
 そういう中で、特に産業新生会議等、IT戦略会議でずっと議論してきたことを当時の通産省、今の経済産業省が中心となって、各省横の連絡のもとに二百六十項目のいわゆる経済構造改革、これのプランをつくりました。そして、その二百六十のうち百は一年以内にやろう、こういうことで、おかげさまでその百のうち八十はもう手がついて、今進行いたしております。
 さらに、この緊急経済対策を進めていきますと、いろいろ痛みを伴う面が出てまいりますので、私どもといたしましては、さらに産業構造改革・雇用対策本部というものが設置をされまして、私もその主要メンバーにならせていただきましたので、これも全省挙げて、今、梶原先生御指摘のように、やはり経済を預かっている役所として、この国の経済、私は決してこの国の経済はポテンシャリティーはないとは思っていません。
 あの戦後の荒廃から、本当に無のところから世界が瞠目するような経済成長を達してきたという我々は経験を持っています。あの終戦直後に比ぶれば、今の日本というのはもう全然比較にならないぐらいの大きなポテンシャリティーを持っています。よく言われるように、個人金融資産も千四百兆になんなんとあるわけですし、外貨の準備高もありますし、あるいは産業技術というものもこれは世界に冠たるものがあるわけでありますから、そういう中で今度、十五項目の新たな一つのメニューをつくって時間を区切ってやっていく、こういう形で、今、梶原先生からも御激励を受けましたけれども、そういうことを通じてこの国の経済の浮揚に汗をかかせていただきたい、このように思っているわけであります。
#104
○梶原敬義君 時間がなくなりましたが、私、この大都市をじっと上から見てみますと、住宅がやっぱり依然として狭隘なんですね。だから、住宅取得に対する消費税をここ三年ぐらい景気がよくなるまで取らぬとかなんとか、何かやっぱり生きた話をしないと、なかなかじゃないでしょうか。大臣の決意は伝わりました。
 もう時間ですから、一つだけ。
 さっきから議論を聞いておりまして私も質問しようと思っていたんですが、情報通信の関係でかつての郵政省と通産省と分かれていまして、いろいろありましたですね。だから、もうこの段階では情報通信は総務省に置くんじゃなくて、通産通信省か何かにして一緒にして、戦略会議で横でといったってこれは限界がありますから、やっぱりラインで走るようにそこは発想を変えた方がいいんじゃないでしょうか。
 それも申し上げまして、時間が来ましたので、終わらせていただきます。
    ─────────────
#105
○委員長(加藤紀文君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、魚住汎英君が委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫君が選任されました。
    ─────────────
#106
○委員長(加藤紀文君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案の修正について西山登紀子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西山登紀子君。
#107
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案に対する修正案について、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 本法案は、消費者が行う電子消費者契約において特定の錯誤があった場合のみに民法の特例を定めています。
 リアル取引における消費者保護は、広告、勧誘等の契約成立前の情報提供、契約の申し込み、承諾など契約の各局面に対応して措置がとられています。サーバー空間における契約に関しても、多くの消費者が安心して参加することができる条件、だれもが安心してネット市場に参入、活用できる環境整備を図ることが求められています。
 しかしながら、本法案では、意思確認の措置をとった場合、また再確認の措置を放棄した場合には、民法の錯誤の特例を適用しないことにしています。このままでは、法案が意図した消費者の錯誤無効の範囲を制限するおそれもあります。
 本修正案は、消費者保護を明確にするため、消費者が錯誤無効を主張できる場合を拡大するものであります。
 一つは、消費者から事業者に対して確認措置を講ずる必要がない旨の意思表示があった場合について、政府案では、消費者に重過失があれば消費者は錯誤無効の主張ができないこととされているのを、消費者の重過失の有無を問わず錯誤無効の主張ができるようにします。
 二つは、事業者が確認措置を講じた場合について、本法律案では、確認措置の内容について特に要件を設けず、消費者に重過失があれば消費者は錯誤無効の主張をすることができないこととされているところを、事業者が映像面に表示した手続、消費者の購入意図の表示、意思表示の内容の訂正措置、意思表示の明確な確認措置などが行われた場合に限ることにより、消費者が錯誤無効を主張できる範囲を拡大するものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますことをお願いしまして、提案理由の説明といたします。
#108
○委員長(加藤紀文君) これより両案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律案について採決に入ります。
 まず、西山君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(加藤紀文君) 少数と認めます。よって、西山君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、不正競争防止法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#111
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#113
○委員長(加藤紀文君) 次に、石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。平沼経済産業大臣。
#114
○国務大臣(平沼赳夫君) 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国のエネルギー供給の大宗を占める石油は、国内供給のほぼ全量を輸入に依存しており、その安定的な供給の確保は我が国のエネルギー政策の根幹をなすものであります。しかるに今日、国際石油市場の一層の発達等、石油の供給をめぐる経済的、社会的環境に新たな変化が生じております。
 このような状況の中で、引き続き石油の安定的な供給を確保するため、石油産業の需給調整規制を撤廃するとともに、緊急時における石油供給の確保の基盤である石油備蓄制度の強化及びより効率的かつ確実な自主開発原油の確保を図ることが必要であります。
 こうしたことから、政府といたしましては、このたび、石油業法を廃止するとともに、石油備蓄法及び石油公団法を改正するため、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、石油業法の廃止であります。
 これは、需給調整規制を廃止し、市場原理を一層導入することにより、石油の安定的な供給という重要な役割を担う石油精製業者等がみずからの創意工夫により強靱な経営基盤を確立することを促進するものであります。
 第二に、石油備蓄法の改正であります。
 その改正の第一点は、同法の題名を石油の備蓄の確保等に関する法律とすることであります。
 第二点は、石油精製業者等による石油備蓄義務の履行の確保の強化等を図るため、石油精製業、石油ガス輸入業、石油販売業を届け出の対象とするとともに、石油輸入業を登録の対象とすることであります。
 第三点は、石油公団が保有する国家備蓄の的確な放出を確保するため、経済産業大臣は、石油の供給が不足する等の事態が生ずる場合において、石油公団に対してその備蓄に係る石油を譲り渡すことを命ずることができるものとすることであります。
 第四点は、石油備蓄の放出の実効性をより確実なものとするため、経済産業大臣は、基準備蓄量を減少し、または石油公団に対し備蓄の譲り渡し命令を行う等の場合に、石油精製業者、石油輸入業者及び石油販売業者等に対し、指定石油製品の生産予定量等の報告をさせ、当該報告に基づき生産予定量の増加等の措置をとるべきことを勧告し、正当な理由なく勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすることであります。あわせて、経済産業大臣は、緊急時に国民が的確に対応できるよう、必要な情報を国民に提供するものとすることであります。
 第五点は、石油備蓄義務の履行の確保の強化を図るため、罰則に係る規定の整備を行うことであります。
 第三に、石油公団法の改正であります。
 その改正の第一点は、より効率的かつ確実な自主開発原油の確保を図るため、石油及び本邦周辺の海域における可燃性天然ガスの採取をする権利等を譲り受けて採取を行うために必要な資金を供給するための出資を行うことを石油公団の業務に加えることであります。
 第二点は、石油公団が保有する国家備蓄の的確な放出を確保するため、経済産業大臣の命令に基づいて石油備蓄の譲り渡しを行うことを石油公団の業務に加えることであります。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようによろしくお願いを申し上げます。
#115
○委員長(加藤紀文君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員田中慶秋君から説明を聴取いたします。田中慶秋君。
#116
○衆議院議員(田中慶秋君) ただいま議題となりました石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案に対する衆議院における修正につきまして、その趣旨の御説明を申し上げます。
 本法律案の衆議院における審査におきましては、石油業法を廃止するとともに石油備蓄法及び石油公団法について所要の改正を行うことについて、参考人から意見の聴取を行うなど、慎重な審査を行いました。
 その中におきまして、本案施行後、施行状況及び内外の石油事情その他の経済事情を勘案して、石油輸入業の登録制度や石油公団による出資に係る制度等に関して迅速に見直しを行うことが極めて重要であるとの認識が一層深まったところであります。
 衆議院においては、こうした経過を踏まえ、本法の見直し時期を施行の五年後から三年後に短縮する修正を行った次第であります。
 以上が本法律案に対する衆議院における修正の趣旨であります。
 以上、よろしくお願いいたします。
#117
○委員長(加藤紀文君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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