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2001/06/14 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第14号
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2001/06/14 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第14号

#1
第151回国会 経済産業委員会 第14号
平成十三年六月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任   
     佐々木知子君     魚住 汎英君
     八田ひろ子君     山下 芳生君
     大渕 絹子君     梶原 敬義君
     岩本 荘太君     水野 誠一君
 六月十四日
    辞任         補欠選任   
     松田 岩夫君     鎌田 要人君
     山下 芳生君     吉岡 吉典君
     水野 誠一君     高橋紀世子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         加藤 紀文君
    理 事
                畑   恵君
                保坂 三蔵君
                山下 善彦君
                足立 良平君
                西山登紀子君
    委 員
                加納 時男君
                鎌田 要人君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                松田 岩夫君
                吉村剛太郎君
                直嶋 正行君
                本田 良一君
                藁科 滿治君
                海野 義孝君
                風間  昶君
                吉岡 吉典君
                高橋紀世子君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       大村 秀章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        藤井 秀人君
       文部科学省研究
       振興局長     遠藤 昭雄君
       経済産業省産業
       技術環境局長   日下 一正君
       中小企業庁長官  中村 利雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○商工会法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、大渕絹子君、岩本荘太君、八田ひろ子君及び佐々木知子君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君、水野誠一君、山下芳生君及び魚住汎英君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に財務省主計局次長藤井秀人君、文部科学省研究振興局長遠藤昭雄君、経済産業省産業技術環境局長日下一正君及び中小企業庁長官中村利雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(加藤紀文君) 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○山下善彦君 おはようございます。自由民主党の山下善彦でございます。
 法案の中身に入る前に、若干、大臣に法案に関連しての質問をさせていただきたい、こんなふうに思っております。
 我が国の国際競争力、この現状についてでございますけれども、経済のグローバル化が進んでいる中で、今日ほど国際競争が激化しておる、そういう時代はないのではないかな、そんなふうに認識をしておるわけですけれども、そのような中で我が国の国際競争力というのは非常に低下傾向をたどっている。
 一つは、このデータが、スイスのローザンヌですか、ここにある略称IMDという国際経営開発研究所が公表されました国別の世界競争ランキング、これを見てまいりますと、米国が一九九三年以降ずっと一位を維持しておる。これに対して、本年の四月末に発表されました二〇〇一年のランキングを改めて見てみますと、過去五年間の順位、これは日本の順位ですけれども、一九九七年には十七位、一九九八年二十位、九九年と二〇〇〇年は何と二十四位と順位を下げておるわけでございまして、本年二〇〇一年、これは何と四十九カ国中二十六位に落ち込んでしまっている。
 この総合ランキングの一つの位置づけなんですけれども、国内経済とか国際化、政府、ファイナンス、インフラ、マネジメント、人材、こんな八つの要素で評価をされるということでございます。ただ、この数字を見てみまして、注目されるのは科学技術の分野ですね。この科学技術の分野はずっと二位をキープしておる。そんなような一つの、八つの要素の中でもトップクラスを走っている科学技術力というものは本当に世界に誇れるんじゃないかなということを思うわけです。
 こういう四十九カ国中二十六位に落ち込んでしまった国際競争力の維持強化をこれから図らなければいけないわけですけれども、将来に対して大変心配な状況になっておる。こういう中で、この問題について大臣の御見解をまずお伺いさせていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、スイスの国際経営開発研究所、IMDのデータを山下先生、具体的にお示しになられましてお話しいただきました。本当に近年、日本が非常にそういう意味では低下傾向にあるということは、私どもも大変大きな危機意識を持っております。
 国際競争力の向上をもたらす産業技術力強化、この努力をはかる重要な指標であります我が国の研究開発投資につきましては、一九九〇年代半ば以降も、第一期科学技術基本計画の策定により、政府部門においても増加はしております。民間部門においてもほぼ一貫して増加をしているわけでありますけれども、こういう増加傾向にありながら御指摘のようなそういう事態が生じている、ここに私は大きな問題があると思っております。
 非常に今御指摘の米国がそういう形で総合評価が伸びている。その背景を考えてみますと、米国というのは特に一九九〇年代に向上いたしました。米国が科学技術を新しい製品やプロセス、資産及び仕事に変えていく能力がすぐれている。それをさらに分析してみますと、すぐれた研究基盤、特に研究型大学においての研究と教育の一体的な実施が行われている。また、二つ目として、科学技術に基づき企業を起こしまして成長させることを促進させる財政的あるいは文化的な環境がある。こういったことが日本はいずれも、いわゆる政府のそういった部分の投資もふえている、民間もふえているにもかかわらずおくれをとっているということは、そういったところがやはり米国との大きな差異になっているんじゃないかと。
 少し具体的に言わせていただきますと、大学や政府研究機関が民間企業の重要なパートナーとなるための真の産学官連携を実現している、アメリカなんかでは。それから、研究人材の流動性を通じまして研究者が適材適所で働ける環境整備が行われている。それから、若手の研究者の自立性の向上等の研究人材の育成といった研究開発システム、こういったことが米国においては非常に円滑に機能したと。残念ながら我が国はそういった面でそこにおくれをとり、科学技術という観点ではいずれにしても高い評価をいただいておりますけれども、そういった総合的な形でうまく連携がとれなかった、そのために総合力が落ちてきているんじゃないか。
 我が国は、やはりこれから産業技術力、そして国際競争力、この向上を図っていかなければならない、そういうふうに思っておりまして、第二期科学技術基本計画におきましても、まさにこのような科学技術システム改革が重要政策として掲げられているところであります。経済産業省といたしましても、総合科学技術会議と協力をしまして、この第二期科学技術基本計画の着実な実施を図りまして、ライフサイエンスでありますとか情報通信、環境、そしてナノテクノロジー、さらには材料等の重点分野に対する戦略的な研究開発投資とともに、先ほど申し上げました産学官の連携の強化や研究人材の育成等の科学技術システムの改革の推進に全力で取り組んで、このおくれをとっている我が国の競争力の向上に向けて努力をしていかなければなりません。
 また、私が先般提案をさせていただきました十五の項目の中に、私としてもそのような問題意識を持って最重点の事項の一つに取り上げさせていただいている、こういうことでございまして、本当にそういう意味で、御指摘のような、今総合的に評価が日本の場合には下がっているということは大変大きな問題だと思っておりますので、これから全力を挙げてその向上に努めていかなければいけない、このように思っているところであります。
#8
○山下善彦君 ありがとうございました。
 大臣が今御自身の一つの目標というものもお話しされました。確かに、この産学官一体となった問題というのは、もう十年以上前からこういうものが産業界中心によく言われておりました。
 実は、私ごとで恐縮ですけれども、私の身内になる人間ですけれども、ある大学の研究者でございました。いろいろやって、私にも相談がありました。もちろん役所にもいろいろお話を申し上げたんですが、最後、結論としてはやはりアメリカの研究機関へ移籍をいたしました。
 よく頭脳流出という言葉が言われて久しいわけですけれども、いまだにまだそんなことも私の身の回りで見受けられましたので、今大臣がおっしゃられたように、我が国の基礎研究体制、非常にまだまだ脆弱である、そんな認識のもとにいろいろ政府としてのバックアップをしていただきたい、こんなふうに若干要望申し上げさせていただきます。
 それと、今お話しの国際競争力の問題ですが、我が国の将来を考えたときに、民間による基盤技術研究関係を支援していこうという基盤技術研究円滑化法、今回修正をする、この目的は大変いい意味のものであるなと、こんなふうに理解をしておったんですが、実際にこれを立ち上げてから今日までいろいろのデータを見せていただきますと、なかなかセンターを通じての支援というのがうまくいっていないんじゃないか、そんなことが読み取れるわけですけれども、この辺について何が原因であるかわかればその辺を教えていただきたい、こんなふうに思います。
#9
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきます。
 民間の研究開発に対する支援と我が国の国際競争力等々についての質問、そして基盤センターに関してはどうなのかといった御趣旨の御質問だと思いますけれども、今大臣からも答弁させていただきました、あるいは議員の御指摘にもありますとおり、近年、我が国の国際競争力の低下というものが各方面から指摘されている、これは非常に私どもとしても懸念をいたしております。
 また、民間企業の研究開発に対する政府支援というものを見てみましても、日本では政府の負担の合計が約三兆四千九百億円でありまして、そのうち民間企業に対する支援額が約四千三百億円、大体一二%程度でございます。一方、アメリカにおきましては、政府負担額が大体七兆七千四百億円、これはGDPの比でいきますと大体倍ですから同じようなレベルなのかなという感じですが、一方、民間企業に対する支援が二兆六千四百億円、三四%ということになっておりまして、日本を大きく上回っているというのが現状でございます。
 こういった厳しい状況もございまして、委員御承知と思いますけれども、本年の三月三十日に、科学技術基本計画におきまして、我が国が将来目指すべき姿として、まさしく科学技術創造立国にふさわしい日本の、国際競争力があり、そして持続的な発展ができる国への実現というものがその理念の一つとして明確に位置づけられているわけであります。
 一方、これまでの基盤センターの出資制度というものは、民間の基盤技術研究を促進するために創立をされまして、大変世界的には高い評価を得まして、いろいろな成果を上げてきたということは事実であります。しかしながら、この制度が特許料の収入で金銭的リターンを期待する仕組みとなっていたということがあります。また、近年の企業会計基準が変更されまして、民間企業にとって研究開発費を出資形態で支出するということがいわばメリットがなくなったというか、非常に困難になってきたということがございまして、結果的にこの制度を見直す必要が出てきたわけでございます。
 一方、先ほども申し上げましたとおり、我が国の産業技術力あるいは国際競争力の低下というものが懸念をされておる中で、民間の基盤技術研究のより一層の強化を図るために従来の基盤センターの出資制度を見直しまして、これを委託制度に改めるということにいたしました。知的財産権を受託者に帰属させるいわゆる日本版バイ・ドール方式に変えました。民間のインセンティブをより一層強化するとともに、厳格な評価というものをあらゆる時点で実施していくことによりまして、本制度が産業技術力あるいは国際競争力の強化のための有力な手段になっていくものと期待をいたしておる次第でございます。
#10
○山下善彦君 ありがとうございます。
 今、古屋副大臣からも触れられておりました件なんですが、特許収入の問題です。具体的にちょっと数字を挙げてみたいと思いますけれども、この基盤技術研究促進センターの中心的な事業であります新規設立型出資制度、これまでにエレクトロニクスとかバイオ、電気通信、放送分野等に総額二千七百二十億円という金額が出資されている、こういうことでございますが、特許収入、これは何と二十五億円だけということになりまして、大半は回収困難という状況と伺っておるわけでございます。
 また、共同出資による研究開発の成果を管理する成果管理会社では、これまでに一部の会社を解散、清算処理した結果、累積で百九十六億円という欠損額を生じているわけでございます。今後、これらがすべて解散、清算処理をするとさらに累積欠損額が膨れ上がってしまうと考えられますけれども、最終的な損失額はどのぐらいになるとお考えなのか、その辺について伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 基盤センターの最終的な回収不能額についての御質問でございますが、これまでのところ、先生御指摘のように、既に解散した十五社の成果管理会社の残余財産からの回収等によりまして、センターからの出資金額の二百三億円のうち約七億円が回収されているという状況でございます。
 今後は、研究開発会社を解散させることなどによりまして残余財産の回収を行うこととしております。これまでの研究の成果として得られた特許権を客観的に評価し適切な価格での売却等を行うとともに、保有財産につきましても同様に売却処分を進めるなど、可能な限り的確な資金回収に努めることとしております。その結果につきましては、これまでの実績に照らせば出資金の大半が残念ながら欠損金として計上される可能性も考えられますが、現時点ではその回収率について確定的なことは申し上げられないという状況でございます。
#12
○山下善彦君 この基盤技術センターを今後事業的に継承していく新規産業の創出を目的といたしました研究開発支援、NEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構とか、TAO、通信・放送機構にこの辺が影響をされるんではないかと考えられるんですけれども、この辺についてはいかがでございますか。
#13
○副大臣(古屋圭司君) 今の御質問はNEDOあるいはTAOに引き継がれる欠損金の処理に関する御質問でございますけれども、基盤センターの解散に伴う事業の清算処理につきましては、国民に対する説明責任というものを十分に果たすことができるよう経理をまず明確にするということ、そしてまた出資会社が保有する特許権等につきましては、それを客観的に評価いたしまして、適切な価格で原則売却することによりまして的確な資金回収に可能な限り努めることといたしております。
 また、こうした売却処分を通じまして、特許権を活用したい関係者への技術移転が促進をされまして有効活用されるよう努めてまいりたいと、このように考えております。
 このような成果管理会社の解散等により生じた欠損金につきましては、基盤センターに対する政府及び政府以外の者からの出資金を減資して処理をするということになっておりまして、したがいまして、NEDOあるいはTAOの財務状況に対しまして悪い影響を及ぼすものではないというふうに考えております。
 また、これらの処理の過程については、当然のことながら、情報公開をすることによって説明責任を果たしていくということは申し上げるまでもないことであります。
#14
○山下善彦君 ありがとうございます。
 今回のこの法案の改正内容についてちょっと触れさせていただきたいと思いますが、基本方針により戦略的に推進すべき技術分野、目標などを提示し、これを受けて個別プロジェクトの採択時、中間時、終了時での評価を実施すると、こういう文言があるわけですけれども、個別のプロジェクトの評価というものは、口で言うのはたやすいわけでございますが、大変難しいことではないのかなと、こんなふうに思うわけです。実用研究ならば、今ある研究内容の改良とか工夫などの要素が大きいので、比較的評価もしやすいと思います。基礎研究では突拍子もない研究テーマから画期的な技術が発見されたりするような話をよく聞きます。
 私の地元は静岡県浜松市でありますが、オートバイ産業、これなんかも、本田さんがよく名前が出るんですけれども、まあ言うなれば突拍子もないというか非常に研究熱心な中で、まさかと考えられるような今日世界的な産業があそこに生まれた。やはり、この辺は非常に注目をするところじゃないかなと思います。
 そういうような画期的な技術、こういうものを冷静に、的確に判断をしていただきたいというわけですが、一体どのような体制でテーマの採択をしたり、中間時、終了時での評価を行っていくのか、この評価の仕方ですね。恣意的な判断が入らないようなまたチェックもしなければいけない、そのためのチェック体制をどのようにつくっていかれるのか。できるだけ具体的に伺いたいと思います。
#15
○副大臣(古屋圭司君) 委員の御指摘、本制度において技術評価はどういうふうに客観的にやっていくのかといった御趣旨の御質問だと思いますけれども、いわゆるこの技術評価に当たりましては、研究開発の目標であるとか技術内容だけにとどまらず、その技術が新たな産業であるとか新たな市場の創造に貢献することができるかどうか、こういうことを重要な要素としてとらえていきたいと思っております。
 そのために、例えば大学教授等の技術開発の専門家はもちろんでありますけれども、そのほかにもいわゆる事業で成功した経験がある、また新規ビジネスに対しても極めて感性がある関係者を指名いたしまして、そういった方々に入っていただいて適切な評価をしていきたいと、このように思っております。
 その評価を適切に行うことを目的といたしまして、今申し上げましたように、目標であるとか内容やその達成度合いのみならず、新規事業の創造の今後の波及効果も含めて、例えば知的財産の形成を的確に評価する基準を定めるであるとか、審査において申請者から実際に説明を受けまして、例えばパネルレビュー方式ですとかパネルディスカッション方式、こういったようなものも活用いたしまして、いろいろな手段を講じることによりまして的確な評価ができるようにしていきたいと思っております。
 また、例えば最初の段階、中間の段階、最終段階での評価を行いますけれども、当初はその評価がよかったけれども途中で中間の評価がどうも変わってくるときもあるのではないかという可能性もあろうかと思います。そういう場合は、その研究目標の達成が困難であると認められる場合、あるいは国として重点的に推進するその意義、政策的な意義が失われたというような場合、あるいは将来の波及効果が余り期待できないと、こんなような場合は、この試験研究プロジェクトの見直しであるとかあるいは場合によっては打ち切るということも含めて的確に評価結果を反映していきたいと、このように思っております。
#16
○山下善彦君 今お話をさせていただいたように、技術の話というのはなかなか個別分野、専門的でありますから、その辺の判断というのは非常に難しいと思いますが、ぜひ体制をしっかりつくってやっていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。
 最後に、基盤技術研究促進センターの事業が先ほどもお話に出ておりましたとおりNEDOに引き継がれるわけですけれども、このNEDOの運営について産業技術審議会で評価をいたしました。結果を見てみますと、技術評価は非常に高いということで評価をされておるわけですが、一方、行政監察の結果を見てみますと、新規産業創出につながる研究開発の成果が明確ではない、もう少し明確にしろと、こういうような指摘があるわけでございます。このことについてはしっかり運営指導を行っていっていただきたい。また、今後、NEDOの規模もますます大きくなってくると思います。重要性もますますまた増してくるだけに、行政監察結果を踏まえてNEDOの改善指導を今後どのように行っていくか、大臣の所見を伺って、質問を終わらせていただきます。
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) NEDOに対する運営指導についてのお尋ねでございますけれども、昨年十月に総務庁が取りまとめました新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOに対する特殊法人に関する調査結果報告書においては、委員が御指摘のような内容になっております。
 経済産業省といたしましては、今般の調査結果も踏まえまして、平成九年度から行っている技術評価指針に基づく研究期間中及び研究開発終了後の技術評価を引き続き確実に行うとともに、本格的な機関評価を導入するため、本年三月に閣議決定されました第二期科学技術基本計画を踏まえまして、これまで国立研究所のみを対象としてきた機関評価をNEDOを初めとした研究開発運営管理機関に拡大をするべく本年五月に技術評価指針を改訂したところであります。
 さらに、NEDOがプロジェクト評価を実施するに当たりましては、厳正かつ中立的な評価を行って国民の皆様方への説明責任を果たすべく、昨年十月にNEDOの内部に技術評価課が設置をされました。さらに、本年十月にはこれを技術評価部として昇格させまして、技術評価体制の整備強化を図っているところでございます。
 また、なお新たな制度におきましては、総務大臣及び経済産業大臣が定める基本方針の中で、本制度の目標、評価の実施、公表等について規定することといたしておりまして、NEDOに対しまして研究期間中及び研究開発終了後の技術評価、研究成果の産業への波及効果についての評価を徹底させることにいたしております。
 いずれにいたしましても、NEDOにおける研究開発の推進に当たりましては、NEDOに対し、評価の徹底、その結果の公表等、適切な運営指導を行うとともに、経済産業省といたしましても、これらの評価結果を踏まえまして研究開発制度の効率的、効果的な企画運営を生かしてまいりたいと、このように思っているところでございます。
#18
○山下善彦君 終わります。
#19
○本田良一君 民主党の本田良一でございます。
 私も基盤技術研究円滑化法改正について質問をさせていただきます。
 しかし、その前に、これもトピックス的な質問になりますけれども、日経新聞、きょうの新聞に、皆さん御存じと思いますが、「石油公団を廃止 特殊法人改革自民が第一弾」と、こういうふうに打ち出しております。
 それで、先般私は、この石油公団につきまして廃止すべきではないかと、こういう質問を大臣にお尋ねしました。大臣も、将来は民営化的な方向というようなニュアンスでお答えもありましたが、また法案は昨日通ったわけでありますが、そうした中で直ちに公団廃止が自民党の方で打ち出されたということです。
 だから、これからその法案の、廃止の準備を年を区切ってやるという方針が出ておりますが、まず自民党の大臣でもあられます、そして政府側として、このことについていかに決意があるのか、お尋ねをしたいと思います。
#20
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、先生御指摘の日本経済新聞のけさの記事を私も読みました。ただ、石油公団を廃止するというこの報道をめぐる事実関係というのは、まだ私は正確に把握をしておりません。
 石油公団の今後のあり方につきましては、先日も御答弁を申し上げましたとおり、昨年十二月一日に閣議決定されました行政改革大綱において、すべての特殊法人等の事業、組織全般を抜本的に見直し一年以内に結論を出すべきと指示を受けておりまして、経済産業省といたしましては、この行革大綱を踏まえまして、今後の事業の組織形態のあり方について検討を進めていく、このように思っているわけでありまして、昨日法案も通させていただきました。
 しかし、そういう中で、責任政党の自由民主党の中でそういう議論が行われたと、こういう新聞記事でございますので、私もよく事実関係を確認いたしまして、そしてよくその内容を把握した上で、しかし行革大綱に基づいて私どもとしては粛々といろいろ検討を加えていきたい、このように思っております。
#21
○本田良一君 質問通告にない質問でございましたのでこれくらいでとどめたいと思いますが、私としましては、民主党の方で質問をいたしました石油公団廃止、この論調というのは私どもも正しかったと、こういうふうに判断をしておりますし、これから公団がなくなることによって民間の石油メジャー、和製メジャーが成長する、そこに我々としても努力をしたい、また大臣にもそうしていただきたいと。大臣も、この自民党の案でございますけれども、これはやっぱり毅然として決断を受ける方でやっていただきたい、そして日本の石油の安定供給と和製メジャー成長にこれから寄与してもらいたいと、そう思います。
 それでは、この基盤技術円滑化法について質問をいたします。
 まず、私も、基盤技術に対しまして国が支援の法案を定めるということは賛成でございます。ただし、経済産業省という一つの省庁にとどまった今回の、まだその領域から出ていない、この点を一つ私は問題視しております。
 それと、一般会計でなくてなぜ特別会計でなさるのか。小泉総理も特別会計などの公会計の見直しに言及をしておられますので、これとの関係も含めますとどうかなという疑念を持っております。堂々と一般会計で、国家戦略である、今、自民党山下先生もおっしゃいましたが、国家戦略としてこれから科学技術をやるためには私は一般会計で堂々とやっていただきたいと思います。特別会計でやることがなぜ問題か。特別会計は全部で三十八あります。その歳出規模は年間三百兆円を超えます。各省庁の隠しポケットとして利権とむだの温床になっていると言われております。
 そこで、まず平成十三年度特別会計予算の総額と平成十二年度末現在の特別会計余剰金の総額をお示しいただきたいと思います。財務省の方にお尋ねをします。
#22
○政府参考人(藤井秀人君) お答えいたします。
 それぞれの特会につきましてはその性格を異にしております。そういう前提のもとで、お尋ねのように、十三年度特別会計の歳出予算総額、これをあえて合計いたしますと、三百七十三兆百五十億円ということでございます。
 また同様に、その剰余金につきましても、それぞれその性格によりましてその発生の事由は異なっているわけでございますけれども、十二年度の剰余金見込み額、その総額を計算いたしますと、二十六兆三千二百九十九億円ということでございます。
#23
○本田良一君 次に、我が国の一般会計予算は約八十兆円、これに対して特別会計予算の三百十兆円という額は大変大きい金額であります。また、これだけ国の台所が厳しいと言われながらも、特別会計の余剰金として三十兆円もあるということは大変な驚きであります。
 それでは、経済産業省に属する、あるいは関係する特別会計すべてについて、それぞれその資金源と使い道、平成十三年度予算、平成十一年度末の余剰金を副大臣にお答えをお願いいたします。
#24
○副大臣(松田岩夫君) お答え申し上げます。
 経済産業省が所管いたしております特別会計は四会計ありますが、まず石特会計につきましては、石油等の安定供給確保を図る石油対策、新エネルギー対策、省エネルギー対策、国内の石炭政策等の施策を実施するため、平成十三年度予算において約七千七百四億円を計上しております。
 後で申し上げますものも含めまして、この四会計ともすべて受益者負担の考え方から財源を確保し、特別会計において施策を実施しておりまして、石特会計は石油消費者等に負担を求める石油税等を財源にしております。
 なお、石特会計におきましては、平成十一年度決算において、翌年度への繰越金、剰余金等から成る歳計剰余金として約四千八百二十四億円が発生しております。
 次に、電源開発促進特別会計、電特会計につきましては、発電用施設等の設置の円滑化を図る電源立地対策及び石油代替エネルギーの発電のための利用の促進を図る電源多様化対策を実施するため、平成十三年度予算におきまして約四千八百六十二億円を計上しております。電気消費者に負担を求める電源開発促進税を財源としております。
 なお、電特会計におきましては、平成十一年度決算におきまして、歳計剰余金として約二千五百八億円が発生しております。
 次に、貿易再保険特会につきましては、貿易再保険業務を実施するため、平成十三年度予算におきまして八百二十億円を計上しております。貿易保険に係る再保険料及び支払い再保険金に係る外国政府からの回収金等を財源にしております。
 なお、貿易再保険特会においては、平成十一年度決算におきまして、歳計剰余金として約九十九億円が発生しております。
 最後に、特許特会、特許特別会計につきましては、特許等工業所有権に関する事務を実施するため、平成十三年度予算におきまして千七十四億円を計上しております。工業所有権に係る特許料、登録料、手数料等を財源にしております。
 なお、特許特会におきましては、平成十一年度決算におきまして剰余金として約八百五十二億円が発生しております。
#25
○本田良一君 経済産業省所管の特別会計については、それが一般会計でなく特別会計でなければならない理由、そしてまたなぜこのような巨額の剰余金があるのか、その理由を簡潔にお示しください。
#26
○副大臣(松田岩夫君) 逐次、各会計ごとにお答え申し上げます。
 石特会計及び電特会計は、環境保全や効率化の要請に対応しつつエネルギーの安定供給を実現するというエネルギー政策の目標を実現するための施策を強力に推進するため、先ほど申しましたとおり、受益者負担の原則のもと、それぞれ石油税等及び電源開発促進税を財源として、一般会計と区分経理して設置しているものであります。
 石特会計におきましては、まず石油備蓄事業において緊急時に備えて計上している予算が執行を要さなかったこと、探鉱投融資事業において当初の見込みよりプロジェクト採択件数が減少したことによるもの、各事業において徹底的な節約を行うなど予算の厳格な執行を行ったこと等によるものを原因として剰余金が発生しておりますが、これは備蓄事業における緊急時の放出、探鉱投融資事業における大型プロジェクトの採択や採択件数の増加等の財政需要の将来の拡大に備えたものでございます。
 また、電特会計につきましては、電源立地の進捗がおくれたこと等により電源立地対策に係る歳出が少なかったこと、当然のことながら、各事業において徹底的な節約を行うなど予算の厳格な執行を行ったことによるものを原因として剰余金が発生しておりますが、これは電源立地の決定等により確実に減少が見込まれるものでございます。
 次に、貿易再保険特会は、貿易保険に関して受益者負担の関係を明確にするため一般会計と区分経理して設置しているものでございますが、本特会におきましては、収入である再保険料、回収金等が支出である支払い再保険金等を上回ることから剰余金が発生しておりますが、これは将来的に支払い再保険金が大幅に増加した場合などに使用されることが見込まれるものでございます。
 最後に、特許特会は、工業所有権事務に関して受益者負担の関係を明確にするため一般会計と区分経理して設置しているものでございますが、本特会におきましては、特許の出願件数や審査請求件数の増大傾向を反映して近年歳入が増加してきていることから剰余金が生じておりますが、これは将来行うこととなる審査・審判事務の原資となることが見込まれるものであります。
 以上でございます。
#27
○本田良一君 さらに、特別会計についてお尋ねをいたします。
 郵貯や簡保の特別会計を除いて財源と使い道の間に直接的な関係がない点であります。したがって、NTT株式の配当益や売却益がふえれば予算規模が増加する産業投資特別会計や、ガソリン、先ほどの説明の揮発油ですね、の消費がふえれば際限なく増加をする、今話題の道路特会のように、もとの財源がふえればふえるだけ予算を使うという弊害があります。また、特別会計は、一般会計に比べて国会審議の対象になることも少ない、情報公開も少ない、年度末に余ったら翌年に繰り越せる、余ったからといって翌年から予算が減らされることはない。
 そこで、大臣にお尋ねをしますが、大臣は聖域なき見直しを主張されている小泉内閣の閣僚の一員であります。経済産業省所管あるいは関係する特会についていかがお考えでございますか。
#28
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 当省所管の四つの特別会計については、特定された公共サービスからの受益と負担との間に密接な対応関係が認められる場合に、受益に対応した負担を求めることに合理性を有するという受益者負担の考え方のもとで成立しているものと考えております。
 こうした受益者負担という制度の趣旨を十分踏まえた上で、負担者の理解が得られる内容であるかということに留意しつつ、経済社会ニーズの変化に適合する歳出内容とすべく、私は不断の取り組みを行っていかなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
#29
○本田良一君 今回の法案は、産業投資特別会計というNTT株式の配当益などを資金源とする特別会計を使って企業の基盤技術を支援しようとするものであります。
 産業投資特別会計は、基礎技術開発などの事業に出融資する産業投資勘定と、公共事業などに無利子貸し付けをする社会資本整備勘定の二つから成り立っております。この特別会計は主にNTT株の配当や売却益を原資としております。
 ところで、財政法の規定によると、特別会計を置くことができるのは、一つが国が特定の事業を行う場合、二つ目が特定の資金を保有して運用を行う場合、その他特定の歳入をもって歳出に充て一般の歳入歳出と区分経理する必要がある場合と規定をされております。しかし、例えば社会資本整備勘定は、公共事業予算そのものであるし、地方に公園などをつくるために使われております。
 NTT株などを原資とする特別会計から支出をする意味は何であるか、財政法の規定、一から三の条件のうちどの項目に適合をするのか、財務省にお尋ねをいたします。
#30
○政府参考人(藤井秀人君) お答えさせていただきます。
 産業投資特別会計の社会資本整備勘定についてのお尋ねでございます。
 この勘定におきましては、限られた財政資金の有効な活用を図るという観点から、御案内のとおり、NTTの株式売却収入、これを原資として社会資本整備のための無利子貸し付けを行っているということでございます。
 その原資となりますNTT株式売却収入、これは国民共有の貴重な資産である、最終的には国民共有の負債である国債の償還に充てるということが制度的に確立されているわけでございます。そして、この国債整理基金の円滑な運営に支障の生じない範囲内において社会資本整備のための無利子の貸付金として運用し、最終的には先ほど申し上げました国債償還財源に充当するということでございます。そういう意味合いにおきまして、一般の公共事業予算とは異なるものでございまして、区分経理の必要があるというように考えております。
 財政法との関係で言いますと、このように、社会資本整備勘定、これは将来国債の償還に充てられることとなるNTT株の売却収入という特定の歳入を原資といたしまして繰り入れあるいは無利子貸し付けという融資事業を行うものでございますので、この法律、財政法第十三条第二項に規定いたします、先生がおっしゃいました中の国が特定の事業を行う場合、これに該当するものというように考えております。
#31
○本田良一君 ずっと今まで特別会計についてお尋ねをしてきました。そして、最後にNTT株というところで、だから国家戦略であるならば一般会計でやっていただきたいということです。
 それから、もう一つNTT株ですけれども、国民共有の財産と、こう収入についておっしゃいました。確かにそれはそれでいいんですが、私はNTT株の売却益を、中には地方の公園などをつくる場合とか、いろんな地方には公共工事の予算とか、そういうものに配分をされてまいりました。その時点から思っておりましたけれども、今日の情報通信の、今回電気通信事業法が改正になって通りましたけれども、このときも問題になったのは、NTTが支配的な事業者ということで、他の通信産業に対して競争体制をするためにNTTをもう少し細分化する、こういう法案提出の中身が当初ありました。
 しかし、そのときも私はずっと疑問を持ってまいりましたのは、今こういうふうにNTTを支配的な事業者として位置づけ、これを細分化する、そしてこれを競争体制に持っていくという考え方がなぜ今ごろ出てくるか。
 NTTの売却益を、本来ならば国民の共有の財産であれば、少し狭義になるかもしれないけれども、他の通信事業参入者に、NTT以外の第一種通信事業者です、NCC、俗に言う、こういう人たちにNTTの回線に水道の管をつなぐように、施設回線を接続する。そういうことをせずに最初からこの売却益を基本にして、新規参入者には資金として貸し付けて、同じくハードの施設、回線、いわゆる光ケーブルを引くとか、そういう回線も独自に持たせる。そういうことをやってお互いに競争させて、施設も持ち、そしてお客も自分たちで確保する。今は電電の回線を使って、お客だけはお互いに分捕り合戦をやっていると。これだったら、いつまでたっても大きな競争体制は生まれません。
 だから、やっぱり施設もちゃんと、市内回線も市外回線も自分たちで光ケーブルを引いて、あるいはまだ光ができなければ今の土中でもいいんだけれども、そういう市内網も自分たちで持っていると。そういうことをするために、資金がなければこのNTT株の売却益をそういう新規参入者には充ててやる。そういうことをやってきたら、もうとっくに、十年たっていますからNTTと対等に競争する通信事業者が成長しておったと思います。そこが根本的に誤っております。
 だから、そういう点を今後さらに、IT国家戦略を目指す五年間であるのだったら、道路に金を使うとかそういうことでなくて、しかし僕はこの基盤技術センターにNTT株の売却益を使われることは賛成ですよ。これは、これから本当に日本が生きていくための、世界の中で確固とした科学技術立国としてやるためにはこれに使ってもらうのはいいんです。しかし、ほかの道路の方に使うとか、そういうことはもう考えないで、そういう情報通信産業をいかに世界的に、IT国家戦略をバックアップするために使うかということを考えれば、そこに使っていただきたい。そして、競争体制を、情報通信のメジャーを成長させるということに立っていただければと思います。
 次に、我が国の科学技術の基礎研究は今までは関係省庁の縦割りで計画が練られ、実行されてきました。そのため、総合性や戦略性に欠けるとかねてから批判をされてきました。産業の基盤技術は通産省、バイオなどの生物科学は農水省、大学などの基礎研究は文部省というぐあいであります。また、通産省の産業基盤技術を実務的に担ってきたのは基盤技術センターという認可法人でありました。米国も、軍需産業からIT、バイオ、さらには最近ではNMD展開により産業基盤技術のかさ上げをねらっていると言われております。まさに米国とはその推進体制において大きな違いがあると思います。
 基盤技術センターという特殊法人を解消してNEDOという特殊法人、TAOという特別認可法人に業務を移管することでは提案理由のような目的を到底達成できないと思いますが、大臣にお伺いします。
#32
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の新たな制度については総合性や戦略性に欠け、産業技術力の強化という目的を達成できないではないかという点についてのお尋ねだと思います。
 今回の新たな制度におきましては、総務大臣及び経済産業大臣が共同で、国として戦略的に推進すべき重点分野や国として達成を期待する目標等を内容とする基本方針を策定いたしまして、これを受けまして新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDO、そして通信・放送機構、TAOが実施計画を作成し、所管大臣の認可を受けることにより、我が国の国家戦略が実施機関である両機関に十分に反映されまして事業の戦略性や効率性を確保する仕組みと相なっております。
 御指摘のとおり、国際競争力強化の源泉である産業技術の向上に向けては、本年一月に発足をいたしました、司令塔でございます総合科学技術会議のイニシアチブのもとで政府一丸となって各省が連携して取り組んでいくべきものと認識をいたしております。したがいまして、この基本方針の策定に当たりましても、総合科学技術会議が科学技術基本計画の具体的な推進を図るために作成する省庁横断的な推進戦略と十分な整合性及び連携を図っていかなければならないと思っております。
 そして、このことによりまして、今回の新たな制度は、総合科学技術会議が、今申し上げましたように司令塔となって省庁を横断的に推進していく我が国の科学技術戦略の一翼を担う制度としての役割を果たすことによりまして、我が国全体の国家戦略が十分に反映され、総合的かつ戦略的なものとなる、このように努めてまいりたいと思っておりまして、先生御指摘のように、そういうおそれがないように万全を期していかなければならない、このように思っております。
#33
○本田良一君 私も、今総合科学技術会議を大臣が申されましたが、この基盤技術のNEDOとTAOをぴしゃっと一元的に管理する、そこがやっぱりここに属するかな、こう思います。この点をしっかりやっておかないと、基盤技術の認可法人からさらに今度はNEDOとTAOのそうした法人に移しかえる、そういうことでなくて、もう直接国家の戦略、そして一省庁でなくて戦略として、やっぱり大きな横断的なこの総合科学技術の直接の組織でやるべきではなかったか、私はそう思うんですけれども、それが今回はそうでないわけでありますから、非常にその点を危惧しております。
 それから、本当に自民党の山下先生も、二年後に廃止をする基盤技術促進センター、これについて余り成果は上がっていない、そういうことも言っておられましたし、私どもも説明を受けたときに成果は上がったという説明を受けておりますけれども、これは決して成果は上がっていないという私どもは位置づけをしておりますし、これからNEDO、TAOの組織に移管をする、そして民間とかそういう中小企業あたりに委託をする、それでうまくいくかなというのをやっぱり思っております。それは私は、もっとアメリカにこれからおくれをとると思います。
 先日もずっと申し上げておりましたブッシュ大統領のあの教書の中には、こういうことがあったわけです。レーガンが今の時代をつくったと。レーガンが軍拡競争で、ソ連を敵とみなしておりますが、敵をレーガンが打ち砕いたと。軍拡競争で打ち砕き、その軍拡競争が終わったことによって一気に軍需産業のIT部門が、人材と技術がアメリカの世の中に出て、今のIT国家の好景気を生んだと。
 先日も示しておりました軍需産業のあの本でも、ずっとアメリカは、戦争、軍拡、そういう中で失業が生まれる、その失業が世の中に飛び散って技術と人材で新しい産業をまた起こしたと。
 だから、今の防衛システムのNMDですか、これも結局は、きのうもNATOで、ベルギーでブッシュはあれだけ演説を、協調を呼びかけておりますが、結果的にはこれは雇用の確保ですね、いわゆる軍拡競争はソ連と終わったわけだからここに失業者が生まれる、だからそのためにあの防衛システムを構築することによって雇用をもう一回そこで失業にならないようにつなぎとめる、これが一つの目的でもあると言われております。
 だから、きのうも小泉総理は検討すると言っておられますけれども、私は、この防衛システムに検討とかそういうことを政府としては考えておるけれども、日本のもっと重要なことは、先日言いました、自由主義貿易、この主義を徹底的に日本が信念を持ってアジアにしっかりとやっていけば、この思想というか経済システム、これを徹底的にアジアに推し進めることによって、中国の共産主義も崩壊するかもしれないし北朝鮮も崩壊するかもしれない。
 経済的な面で日本が自由主義貿易体制の中に組み込む、このことがこれからの日本の役割じゃないでしょうか。アメリカは世界をそうしてずっとその貿易の国の中に巻き込んできたけれども、日本もそうされてきたんだけれども、日本がアジアにおいて徹底的に自由主義貿易・経済体制を推し進めることによってこの体制の中に組み込んで、そして最終的には友好国となると。そうなると、核とかそういうことは無意味になってまいりますね。
 だから、そういう日本は役割を持っているということをここで十分認識していただいて、この産業技術にしっかりと基盤技術センターを確立してもらいたい、そういう意味でこのTAOとNEDOで十分かと、こういうことなんです。
 次に、この法律の提案理由に「民間において行われる基盤技術に関する試験研究を戦略的かつ効率的に促進するため、」とあります。今回の法案では、経済産業省所管のNEDO、総務省所管のTAOに同じ金額の特別会計予算をつけている。
 昭和五十九年末、NTT株の巨額の配当金、その使い道をめぐって郵政省と通産省が分捕り合戦を演じ、当時の橋本行財政調査会長の橋本裁定によりNTT株の配当金を結局それぞれの省庁に分け与えることで決着をした、そして基盤技術センターがつくられたと言われております。その結果、両省は予算と天下り先を確保したと言われております。
 結局、今回の法改正で当初の省庁の分捕り合戦が再現されたにすぎないような気がいたしますが、省庁の縦割りが解消されていないという点についてどうお考えでしょうか、大臣。
#34
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただく前に、この前も先生から御意見を拝聴しました。
 やはり日本というのは自由貿易というものを国家戦略として、そして特に東南アジアの諸国と緊密な連携の中でお互いの繁栄を図っていく。私も先週、APEC二十一カ国の会議に参画をさせていただいていろいろ議論をさせていただきましたけれども、私は先生がおっしゃるとおりだと思っておりまして、また東南アジアの諸国も日本に対してそのことを非常に期待している、そういうことを痛感させていただきました。
 お尋ねの、今回の法案は両省の分捕り合戦になるのではないか、それからまた省庁の縦割りというのが解消されないのではないか、こういう御指摘でございます。
 今回の見直しに際しては、我々経済産業省と総務省が合同で審議会を開催するなど共同で見直しを行ってきております。また、本法案におきましては、目標や重点分野、これを定める基本方針を経済産業大臣と総務大臣が共同で策定する、そういうことによりまして戦略的かつ効率的に民間の基盤技術促進施策に取り組むことといたしております。
 この基本方針の策定に当たりましては、繰り返しになりますけれども、我が国の科学技術政策の司令塔でございます総合科学技術会議において議論をされる重点戦略等の方向性を十分に踏まえることといたしておりまして、御指摘のような省庁の縦割りに伴う弊害が生じることのないように、我が国全体としての戦略で、そして総合的な力が発揮できるように取り組んでまいりたい。
 従来は、えてして御指摘のようなそういう状況も私はあったと、そういうことは否定しませんけれども、そういうことがないように担当大臣としてしっかりとやらせていただきたい、このように思っております。
#35
○本田良一君 本当に私も残念だけれども、これだけ基盤技術という大きな戦略的なテーマを作成するときに、常に官僚の天下りとか官僚の発想だとかこういうことの陰をいつもこういう法案でも言わなくちゃいけない、これは非常に残念なんですよ。何かそういうこそくな、それくらいのことのようにしか見えない、そこが残念ですね。
 私は、この間も言いましたけれども、官僚の皆さんは確かに優秀だけれども、官僚は官僚です。それから、昔の官僚は、鉄鋼のことでこの間も言ったように、官でつくってさっと民に渡したと。そういう使命感と正義感が今の官僚にはない。
 この間からずっと私は中国の、これは身体的なことじゃありません、中国の宦官という本を読んでおりました。何か日本の官僚は最近この中国の宦官に似ているなと、ただ存在をしているだけ。中国を崩壊させたときのすべての権力を崩壊させたのは宦官だったわけですけれども、政治が腐敗するよりももっと恐れなくちゃいかぬのは、官が腐敗したとき国は滅ぶと言われております。だから、この点、五十年たって今本当にそういう気がするんですよ。
 だから、三権分立ではあるけれども、あくまでも官をやっぱり政治がシビリアンコントロールする、これは今から問われていると思いますから、この点で大臣に、しっかりとそういう意識を官僚に持ってもらうように私は言いたいわけであります。
 次に行きます。
 NEDOとTAOに同じ金額の特別会計予算をつけていると申しましたが、それぞれ百三十億円。ところが、その内訳が違います。NEDOは、基本財産百億円に対して委託事業費三十億円。TAOは、基本財産六十六億円に対して委託事業費六十四億円であります。
 基本財産は人件費などで、人員体制などから積み上げた数字でありましょう。基本財産が多いということはスタッフなどの体制がより整備しているということでありますから、その扱う委託事業も当然多くなるはずであります。したがって、委託事業費も多くなるのが普通です。しかし、NEDOの委託事業費はTAOの半分以下であります。これはおかしい。
 最初に総額の百三十億円ずつが決まっていて、基本財産も積み上げで決まりますから、残りを委託事業費としてつじつまを合わせた。その結果、基本財産の多い方が委託事業費は半分以下という奇妙な現象になったと思いますが、これは事実でありましょうか。
#36
○副大臣(松田岩夫君) 百三十億円先にありきなのではないかという御質問でございますが、これはTAOが通信・放送分野を対象としておるのに対しまして、NEDOはバイオテクノロジー、エレクトロニクス、情報処理、機械、航空・宇宙等多岐にわたる分野を対象としておりまして、正直、TAOと比較いたしまして、将来にわたりましてより多くの分野についての応募が当然のことながら予想されますと同時に、ノウハウの蓄積や外部評価の体制等におきましても、より広範な分野に対応する必要がございます。このため、TAOよりも多くの所要の諸経費を見込みまして基本財産を積むこととしておることによるものでございます。さらに、この基本財産に加えまして、初年度に見込まれる委託事業費をそれぞれ積み上げて、両機関の新たな制度にかかる総予算額百三十億円が計上されておるわけでございます。
 したがいまして、今般の新たな制度にかかるこのNEDOとTAOの予算額につきましては、それぞれの機関において必要な額として見込んでいるものである、御指摘のように総額が先にあったということではないと理解しております。
#37
○本田良一君 はい、わかりました。
 次に、この研究を、予算を幾らやったから、年次を決めてどれだけの成果をと、そういう形でこの基礎研究分野に目を向けるというのはよくないと。先ほどの答弁でもありましたが、とにかく任せることによって、ただしそれを常に検証はするけれども、途中でだめなときはもうぱっと打ち切る、そういうふうなことでこの研究開発分野に対する目の向け方をしなければならない、そういうふうなことを言われております。
 それで、テーマを選定して何年間かの研究費を支援する仕組みでありますが、私はそういうやり方は必ず失敗をするということで、大臣にこのことの、今度の基盤センターについてどういう態度で臨まれるか、それをお尋ねいたします。
#38
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 本法案における新たな制度において柔軟かつ迅速に対応できないのではないかとのお尋ねでございますけれども、国家戦略的に重要な技術分野への重点化等を定める基本方針の策定及び同方針を踏まえた新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDO及びTAOの実施計画の認可等を通じまして、最新の技術動向を踏まえて委託対象とする技術分野の戦略的重点化を図ることにいたしております。
 以上に加えまして、試験研究プロジェクトにつきましては的確な外部評価を行いまして、中間時の評価におきましては、採択の際に提示された具体的な研究目標達成が困難と認められる場合のほか、技術動向の変化により、研究計画の変更が必要となりましたり、将来の波及効果が期待しがたいと判断される場合には、試験研究費の削減や打ち切りを含む研究計画の変更を指示する等評価結果を的確に反映させることといたしまして、これによりまして、最新の技術動向や環境変化に対応して事業の効率性を確保するように努めてまいります。
 また、中間評価時に限らず、見直すべき事情が個々生じた際には、その都度適切な見直しを行っていかなければならないと思っております。
#39
○本田良一君 大臣がおっしゃったとおりでございます。先端技術の開発に当たってはそのやり方でなければいけないと思っております。
 先般、筑波を見学させてもらいましたときに、ナノチューブがこれからの、産業省としての、有望だということで、その成果を大変喜んだわけであります。ただ、心配をしましたのは、この先端技術がちょうど光ケーブルの製造工程と似ているなという感じがしました。光ケーブルは、アメリカと日本で工程が違ったためにお互いに、アメリカでつくったものは日本には輸出はできない、日本でつくったものはアメリカには輸出できないというしばらく争いがありましたが、それと同じで、ナノチューブも国際特許はとっているけれども、これから早く商品化をして国際標準的な、日本がそれを先にやらないと、何か光ケーブルと同じ結果になるような気がしますから、もうこれだけナノチューブについての発表がなされておりますから、速やかな国際標準化を政府は早くやっぱり働きかけていただきたいと思います。
 次に、基盤センターを使った従来のスキームについて、経済産業省は一定の役割を果たした、それなりの成果を上げたという認識と聞いております。しかし、私が取り寄せた資料では、新規設立型企業出資のプロジェクトとして百九件のプロジェクトがあります。その中に、確かに非酸化物ガラスの研究開発とか、高性能表面金属材料の開発など、素人目にも産業の基盤技術とわかるものがあります。
 ところが、リストの後半に、七十五件目ぐらいから最後の百九件目までには、高崎情報サービスに対する卸団地型情報システムの開発とか、松江情報システムに対するふるさとに活力を与える地域情報システムに関する試験研究など地域の情報システム開発がずらりと並んでおります。私にはこれはどう見ても基盤技術の開発とは思えません。確立をされた技術を使った単なる町おこしにすぎないような気がいたします。
 ここにこの資料を持っておりますが、これについて副大臣の御答弁をお願いします。
#40
○副大臣(松田岩夫君) 基盤技術研究促進センターは、文字どおり基盤技術の研究開発を対象に出資を行っておりまして、今先生おっしゃいましたような確立された技術を用いた町おこしのような事業に対しましては出資を行っておりません。
 一般的に申しますと、同センターが出資の対象としております基盤技術とは、利用分野の広がりが期待できる波及性を有すること、国民経済や国民生活の基盤形成に大きな役割を果たす影響度を有することが必要でございます。こうした点から総合的に勘案いたしまして基盤技術であるか否かを判断してきておるわけでございます。御指摘の、この地域における情報システムの研究開発についても、これも例外ではなく、まさに波及性と影響度の二点について総合的に勘案して基盤技術であるか否かを外部評価により判断してきているところでございます。
 今、具体的に申されました例えば高崎の卸団地型情報システムの研究開発につきましては、異業種の卸売業者が共同で受発注のオンライン化を図り、異業種を結びつける水平的なネットワークという新しい情報システムの開発という点で先端的かつ画期的な情報システムの研究開発であり、全国の事業者の情報化のモデルとしての波及性、企業の合理化、効率化等による収益性の向上等の影響度が期待され、まさに基盤技術性を有していると考えて採択されているものでございます。
 このように、地域における情報システム開発につきましても、基盤技術として外部評価により判断されて適切に採択され、所要の成果を上げてきているものと認識しております。
#41
○本田良一君 確かに、これはお互いに、今のようなのは実験的な実施とか、見解が分かれると思いますけれども、私は、その辺はあくまでももうできたものを実施したぐらいにしか思わない分野です。だから、基礎研究というのはそういうものではないと、そう思っております、副大臣の答弁はそれでいいと思いますけれども。
 それでは、国は政府系の研究所や国立大学などに毎年三兆円の研究助成を行っております。民間企業への助成は四千億円強にすぎない。政府系研究所や国立大学などの研究成果、特許などはどのような形で民間に還元をされますか。
 次に、大学については国のさまざまな助成金を使い切れないというような話を聞きます。コストに見合った成果が生まれるような大学に対する指導が必要ではないでしょうか。
 次に、私は、官が持っている科学技術の成果、すなわち国が助成している政府系研究所や国公立大学などの研究成果をもっと中小企業や個人企業家に開放すべきだと思いますが、また米国のように大学の先生みずから企業を起こすような環境づくりが必要と思いますけれども、お伺いをいたします。三点、済みません。
#42
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えします。
 まず、政府系研究所や国立大学などの研究成果、特許などがどのような形で民間に還元されているかという点でございますが、大学等の公的研究機関から生まれますすぐれた研究成果、こういうものを社会へ還元していくということは我が国の経済の活性化を図っていくという上でも大変極めて重要であると思いまして、文部科学省としても積極的に取り組んでいるところでございます。
 具体的に申し上げますと、大学等の公的研究機関の研究成果につきましては、大学等技術移転促進法、これ平成十年に制定されたものでございますが、これに基づきまして設立、承認されました技術移転機関、TLOといいますが、これ現在二十カ所承認をいたしておりますが、これによりまして大学等の研究成果の特許化や企業へのライセンス化というものを促進しております。
 また、科学技術振興事業団におきましても、大学や国立試験研究機関の研究成果の特許化を図ったり、あるいは企業化しやすくするため、試作品をつくったりして研究成果の育成に努めております。さらには、製品化するための開発というふうなこともこの事業として行っております。
 こうした取り組みによりまして企業等への移転の促進というものを図っているところでございます。今後、TLOの機能強化とか、産学官の連携施策の充実をなお一層図りまして、より一層取り組みを強化していきたいというふうに考えております。
 それから、もう一点御指摘のございました、さまざまな研究費が大学に配分されておるけれども、これがきちんと使っておられるかという趣旨の御質問であったかと思いますが、現在、科学研究費補助金、科研費を初めとするいろんな競争的資金が大学の研究者に配分されております。
 しかし、代表的な競争的資金でございます科研費を見ますと、その新規採択率というのは平成十二年度で二三・九%でございまして、研究者からはその一層の拡充を望む声が強いというふうに承知をしております。
 第二期の科学技術基本計画でも、競争的資金の倍増を目指すということが言われておりますので、私どもとしてもその拡充に努めまして、適正効率な配分に努めたいと思っております。
 なお、一部の研究者に競争的資金が重複して配分されたり、あるいは研究費がダブっているんじゃないかという御指摘の点につきましては、例えば科研費では、規模の大きな種目については、他の競争的資金の受給状況やそれぞれの研究費につきましてどれだけそれに時間を費やすかということを記入させるなどいたしまして、一人の研究者に研究費が過度に集中することのないよう配慮をいたしております。
 さらにつけ加えますと、本年度から、総合科学技術会議が中心となりまして、いろんな制度で採択されます研究の内容とか氏名とか従事時間、研究費、成果等々の情報を一元的にまとめるための政府研究開発データベースというものを整備することといたしておりますので、我々としてもこの整備に全面的に協力をしていきたいと考えておりまして、これによって研究費の適正な配分にも資するだろうというふうに考えております。
#43
○国務大臣(平沼赳夫君) 本田先生御指摘のとおり、新規産業の創出を図る上で、中小企業や個人起業家の果たす役割は大きいことから、政府といたしましても、大企業のみならずベンチャー企業を含む中小企業等に対しましても、国の研究成果が円滑に技術移転される環境整備に一生懸命努めてきたところでもございます。
 具体的には、先ほどの文部科学省の答弁と重複をする部分がありますけれども、平成十年には大学等技術移転促進法を制定いたしまして、現在までに二十のTLOを承認しました。これらのTLOから合計六十九件、うち中小企業向けは四十六件でございましたけれども、それらの成果について実施許諾が行われたところでございます。
 また、先生御指摘の大学教官によるベンチャー企業の設立につきましても、平成十二年の産業技術力強化法によりまして、国立大学の教官等がみずからの研究成果を活用したベンチャー企業等の役員への兼業に係る規制の緩和等の措置も講じておりまして、現在までに、平成十三年五月末現在でございますけれども、三十六名の教官等がベンチャー企業等の役員となりまして、研究成果の実用化に御活躍をいただいているところでございます。
 政府といたしましても、引き続き、産学連携強化に向けて、大学TLOの機能強化、ベンチャーを担う経営面、技術面に精通した人材の育成などを通じまして、大学等の研究成果が円滑に実用化されるよう、今月中にも中間取りまとめが行われる産業構造改革・雇用対策本部の成果をも踏まえまして、施策の充実に全力で取り組んでまいりたいと、このように思っております。
#44
○本田良一君 よろしくお願いします。
 次に、二つほど一気にお尋ねをいたします。
 従来の基盤センターのやり方は、出資または融資であった。今回の法改正では、企業には委託研究という形で金は出ていったままである。例えば、中間段階の評価でこの研究はむだだと判定をされた場合、どうするのか。また、事前や中間の評価で問題ないと評価された案件が最終的に成果が得られなかったときはどうするのか。このモラルハザードをどういうふうに防止をするのか、また情報公開をどうするのか、これをお尋ねをし、またもう一つ。
 最後に、大臣に、去る三月二十二日、内閣府の中に設けられた総合科学技術会議が科学技術総合戦略をまとめ、首相に答申をしました。生命科学、情報通信、環境などの分野に、今後五年間で二十四兆円を投入するとしております。五年間をどのようにそれぞれ目標設定をして進めていくのか。また、IT戦略のように五年で世界の最高水準を目指すというような思い切った最終目標を設定すべきではないでしょうか。最後に、総合科学技術会議の一員でもある大臣にお尋ねをいたします。
 以上です。
#45
○副大臣(松田岩夫君) 後ほど大臣に後半の御質問にお答えいただきます前に、私から評価結果がどう反映させられるか、あるいは研究開発の成果が得られないモラルハザードをどう防止するのか、情報公開をどうするのかといった点についてお答えさせていただきます。
 そもそも基盤技術に関する試験研究は、申し上げるまでもなく特にリスクが高いものであります。個々に見れば失敗するものもあるのはある意味で当然でございますが、制度全体として資金投入に見合うだけの研究成果あるいは効果が得られることが重要でございまして、かつその成果や効果について積極的な情報公開を行いまして、国民にわかりやすく説明責任を果たしていくということがとても大事なことだと考えております。
 このため、先ほども御答弁があったかと思いますが、採択時には厳正な外部評価を行います。また、中間段階の評価でその研究開発が効果がないものと判定された場合にはその研究開発を打ち切る等評価結果を的確に反映させるとともに、研究開発終了後に追跡評価を行いましてその研究成果や波及効果を分析し、また成功、失敗の原因分析も行うこととしておりまして、制度全体としての研究成果や効果をより高めていくこととしております。さらに、この評価結果について、その原因分析や実施者も含めて全件を公表いたしまして積極的に情報公開します。
 その原因がいずれにあるのか明らかにしていくことによりまして、透明性を確保してモラルハザードを防止するとともに、国民への説明責任を十分に果たしてまいりたいと考えております。
#46
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えを申し上げます。
 科学技術に関する総合戦略は、本年三月に総合科学技術会議より答申をされ、同戦略を踏まえまして科学技術基本計画が閣議決定されたところでございます。
 科学技術基本計画では、科学技術振興に当たっての基本方針として、研究開発投資の効果を向上させるための重点的な資源配分、世界水準のすぐれた成果の出る仕組みの追求とそのための基盤への投資の拡充、科学技術の成果の社会への一層の還元の徹底、そういったことを示しております。また、こうした基本方針に基づきまして、重要施策としてライフサイエンス、情報通信、環境、材料、ナノテクノロジーといった分野における研究開発への戦略的重点化や科学技術システムの改革の推進を図ることとして、その具体的な方向性を提示しているところであります。
 経済産業省といたしましても、科学技術基本計画に基づきまして、重点分野における研究開発の推進、産学官連携の強化、評価の透明性、公正さの確保等に向けた評価システムの改革等の科学技術システム改革を総合的かつ強力に推進しているところでございまして、科学技術基本計画の着実な実施に全力を挙げてまいりたいと考えております。
 最終的に目指すべきものは世界先端の科学技術の科学技術立国でございまして、肝心なことは、これを実現させるための科学技術システムの改革についておっしゃるように課題を鮮明にいたして具体的に実行に移していくことでございまして、今回の科学技術基本計画はまさにそのようなことでございまして、私どもといたしましては、やはりこの計画というのは年限というのが必要でございますから、そういったことも盛り込んでしっかりとやっていかなければならない、このように思っております。
#47
○本田良一君 ありがとうございました。
#48
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 まず、平沼大臣に冒頭御所見をお聞きしたいと思います。
 一九八〇年代の日米の貿易摩擦を背景にしまして、我が国は基礎研究、基礎技術ただ乗り論というような批判を浴びたことは記憶にあります。応用分野においては我が国は大変すぐれたものがありますけれども、いわゆる基本的な、基礎的な部分においては大変劣勢にあるということが当時の貿易摩擦の背景の中で大変批判を浴びたわけですが、昭和五十九年十一月の産業構造審議会の企画小委員会におきましては、国は民間企業が基礎研究、応用研究に着手しやすくするために必要な支援を行うことが必要との報告を出しているわけでございまして、それを踏まえて、この基盤技術研究円滑化法というのが昭和六十年六月に成立をしたわけでございます。
 それから約十五、六年経過しているわけでございますけれども、先ほど来お二人の方からもいろいろと御質問がありましたとおりで、我が国の研究開発等の投資というのは相当行われておりますけれども、日米あるいは諸外国と比較しましても、我が国が相対的に劣勢になっているという分野が多いというようなことも大変言われているわけでございまして、そういった点で、果たして我が国の基礎研究、基盤技術、こういった面においてのただ乗り論というような見方、こういったものからしまして、その後、これを払拭するようなこういう分野におきまして我が国が成果を上げてきているかどうかといった点についての率直な御所見をまず伺いたいと思います。
#49
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の基盤技術研究円滑化法制定のきっかけとなった基礎研究、基礎技術ただ乗り論について、我が国のこれまでの成果についてのお尋ねでございますけれども、いわゆる基礎研究、基礎技術ただ乗り論は、我が国が御指摘のように応用・開発研究段階においてはすぐれたパフォーマンス、これを示している一方で、基礎研究への投資額が少ない等の状況を踏まえまして、日本は外国の基礎研究の成果を応用することのみ熱心で、科学技術を創出する基礎研究には貢献していないとの指摘が米国を初めとしてその他からなされたものでございまして、これに対して我が国は、基礎研究における世界への貢献という観点からも基礎研究の増強に取り組んでまいりました。目的を持った基礎研究を推進する基盤技術研究促進センター事業もその一翼を担うものであったと思っています。
 その結果、政府の研究費総額に占める基礎研究比率は、基盤技術円滑化法が制定されました一九八五年の三二・一%から一九九八年には三九%に増加をいたしました。そして、我が国の論文発表数は一九八〇年代の前半から一九九八年には約二・五倍の約七万三千件と相なりました。また、ネーチャー等の著名な学術誌への論文の投稿は約二・四倍の五百六十九件にふえております。しかしながら、産業界における基礎研究比率は景気の低迷等により現在は下降傾向に相なっておりまして、その意味で、国際競争力の源泉たる産業技術力の将来についても懸念されるに至っております。
 今回の基盤技術研究円滑化法の改正は、このような実態を踏まえまして、我が国の基礎研究の抜本的な強化、促進を図る上で大きな意味を持つものだと思っております。経済産業省といたしましても、我が国の産業技術力の向上に資する目的を持った基礎研究の格段の強化を図るべく、全力で取り組んでいかなければならないと思っています。
#50
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、我が国の科学技術力につきましては、国際経営開発研究所、先ほどのお話にも出ておりましたIMDの評価によりますれば、世界第二位ということで大変高い評価がなされているわけでありますけれども、その中身に立ち入ってみますと、いわゆる企業と大学の間の技術移転という点では世界第二十四位という評価がされておりまして、大変目に余るというか低いものでございます。
 この点については、TLO等近年積極的な取り組みがなされ、その効果があらわれてきつつあるということはまた後ほど教えていただきたいと思いますけれども、大学から民間に技術移転が円滑になされるようにしていくという観点が重要なことは言うまでもないわけですけれども、平成十年の大学等技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律で措置されました技術移転機関、TLOの現況につきまして、どのような状況かということについて教えていただきたいと思います。
#51
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 平成十年の大学等技術移転促進法で措置されました技術移転機関、いわゆるTLO全般の活動状況につきましては、現在までの三年弱の間に二十のTLOが承認され、平成十二年末現在、特許出願件数七百四十件、実施許諾件数六十九件となっております。
 米国と比較しまして、日本の大学の技術の民間への移転の取り組みはおくれていると言われておりますが、三年弱の歴史しかないにもかかわらず、例えばこの法施行当初の平成十年に設立されました先端科学技術インキュベーションセンター、これは東京大学関連でございますが、このセンターにおきましては、特許出願件数百二十八件、実施許諾件数七件でございまして、関係者の御努力の結果、軌道に乗りつつあると承知しております。
 当省といたしましても、引き続き文部科学省と連携を図りながら、TLOの活動強化による技術移転の加速化を鋭意検討中でございます。
#52
○海野義孝君 今回の改正案のポイントの一つに、経済産業大臣及び総務大臣が民間の基盤技術試験研究の促進に係る基本方針を共同でつくられて、国として達成を期待する目標、重点的に推進すべき技術分野等を明示するということでございまして、この点については先般の衆議院の経済産業委員会においても御答弁がありまして、IT、バイオ、環境、ナノテクノロジー、これが重点分野と、このように理解しておるわけであります。
 民間法人への委託研究をするに当たっては、現行の研究促進センターを廃止してNEDOとTAOが所管すると、こういうことになるわけでございますけれども、具体的にどこがどう取り組むかということはある程度わかるんですけれども、この点について大臣にあわせてお聞きしたいんですが、今後は、重点分野の観点からしますと、NEDOの所管分野に比重がかかってくるんじゃないかというふうに思うんです。新しいスキームにおきましても、産投会計の出資がそのまま二百六十億が使われるわけでありますけれども、一応NEDOもTAOも同額の出資が予定されているということでありますが、重点分野を決めていくということであれば、出資のあり方につきましても検討されていくべきではないかと、こう思うわけでございます。
 そういう意味からしまして、NEDOとTAOに対する出資についての不断の見直しということが当然必要だと思うんですが、中長期的に見まして、この二つの機関に対してのこういった重点分野に対する指導というか、それとそれに対する予算等についてはどういうようにお考えになっているか、その点。
#53
○政府参考人(日下一正君) 先生の御質問の前段のNEDOとTAOの分担のところについて、私の方からお答えさせていただきます。
 新たな業務におきましては、NEDOが鉱工業に関する基盤技術、TAO、通信・放送機構が電気通信業、放送業の技術に関する基盤技術を所掌しておりまして、御指摘のバイオテクノロジー、環境、ナノテクノロジーの分野につきましては主にNEDOが、IT分野につきましてはNEDOとTAOの双方が担う整理となっております。IT分野のうちNEDOが主にコンピューター上の情報処理技術などを担いまして、TAOが主にネットワーク上の通信・放送技術について担うこととなります。
 いずれにしましても、総務大臣と経済産業大臣が共同で基本方針を策定し、重点分野を定め、この共通の指針に基づきましてNEDO及びTAOの両機関が民間の基盤技術促進業務に当たることとなっておりまして、業務の実施に当たりましては、両機関の緊密な連携に努めてまいりたいと考えております。
#54
○国務大臣(平沼赳夫君) 新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOでございます。そのTAOに対する出資についての不断の見直しが必要ではないか、このような御指摘でございます。
 我が国においては、研究開発費の八割を占める我が国の民間の基盤技術研究の促進を図ることは重要でございまして、かつ国際的にも民間の研究への政府負担の割合が低いことから、このための財源を安定的に確保していくことは必要であると思っております。
 他方、先生御指摘のとおり、NEDO及びTAOの業務が我が国の国際競争力の強化に真に貢献するものとなるよう、その実績についての的確な評価を行いつつ不断の検証を行っていくことがあわせて重要だと思っております。
 したがいまして、今般の法改正による基盤技術研究促進に関するNEDO及びTAOへの出資については、今後ともそれぞれの業務の実績や業務の必要性を十分に踏まえまして、それぞれの財政措置について不断の見直しを行っていくことが必要であると考えております。
#55
○海野義孝君 大変危惧していた点について、明快な御答弁をいただきまして大変ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕
 引き続きまして、科学技術開発の推進を図るに当たりましては省庁による縦割りの排除が重要であるという点については、先ほどの委員の方々からの御質問にもあったとおりでございますが、我が国の科学技術開発の司令塔としてその役割が期待されております総合科学技術会議におきまして現在重点化の議論がなされている、このように承っているわけでございますけれども、総合科学技術会議の重点分野と本法案における重点分野とはきちんと連携が図られるべきだ、こう思いますけれども、この両者の関係につきましての御認識をお伺いしたいと思います。
#56
○副大臣(松田岩夫君) 総合科学技術会議における重点分野と今般の法案における基本方針において定める重点分野の関係についてのお尋ねでございますが、現在、総合科学技術会議におきましては、委員御指摘のとおり、各重点分野において重点領域並びに当該領域における研究開発の目標及び推進方策の基本的事項を定めた省庁横断的な推進戦略の作成が行われているところであります。
   〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕
 新しい基盤技術研究支援制度における基本方針の策定におきまして重点分野を定めるに当たりましても、外部の意見を聞きつつ、今申しました総合科学技術会議における推進戦略と十分な整合性及び連携を、当然のことではございますが図ってまいります。
 このように、新しい基盤技術研究促進制度は、総合科学技術会議を司令塔として全省庁一丸となって推進してまいります我が国の科学技術戦略の一翼を担うものとしての役割を果たしていきたいと考えております。
#57
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 先ほど来のIT、バイオ、環境、ナノテクノロジー等の重点四分野、これは二十一世紀の初頭の技術的なブレークスルーを期待するにふさわしいテーマであると思います。
 ただ、こういったいろいろな戦略的というか新しい技術分野につきましては、一般国民からすると、では具体的に生活にどのように直結するのか、豊かになるのかといった点についてはなかなか理解しがたい、実感に乏しいというのが実情じゃないかと思うわけです。産投特別会計の、つまり国民の税金で民間法人の技術開発を行うわけでありますので、やっぱり国民にわかりやすい研究開発といった点を公開していくということが大事だと思うんです。
 例えばアメリカなんかでは、技術開発を考えますと、月に人類を送り込むとか、破壊されない通信ネットワークをつくるとか、東京―ニューヨーク間を二時間で飛ぶ飛行機をつくるとか、ミサイルを撃ち落とすミサイルをつくるとか、大変わかりやすいわけです、もちろんアメリカの場合の技術開発では軍事予算の割合が非常に高いということですが。
 我が国の場合では人類の幸福のために使っていくということで、例えば肺がんの早期発見、これは非常に難しいわけで、多くの人が手おくれになっている。こういう肺がんとかスキルス性の胃がん、こういったものを早期に発見できる装置が開発できれば大変な普及になる、国民が喝采するということでありまして、そういった点からも、この四つの重点分野に関して、国民のお金で研究開発を行うという観点から、大臣の御所見というか、何か明るいようなそういう話題なりテーマというものをお聞かせいただければありがたいと思うんですが。
#58
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに今、先生御指摘のように、アメリカの場合はアポロ計画というような形で明確に何年以内に人類を月に到達させるとか、そういう明確な国民にわかりやすいメッセージを出して、そしてインセンティブを与える、そのことは私は非常に重要だと思っております。
 本年三月に閣議決定されました科学技術基本計画においては、国家的・社会的課題の解決に向けて、四分野でございますけれども、一つは、少子高齢化社会における疾病の予防、治療や食料問題の解決に資するライフサイエンス、この分野をしっかりとやっていこう。二つ目は、高度情報社会の構築と情報通信産業やハイテク産業の拡大に直結する情報通信分野。三つ目は、今先生も御指摘になられましたけれども、人の健康の維持や生活環境の保全に加えて人類の生存基盤の維持に不可欠な環境分野。四つ目は、広範な分野に大きな波及効果を及ぼす基盤となる材料・ナノテクノロジー分野といった重点分野における研究開発を戦略的に推進していくこと、こういうことになっているわけでございます。
 そういう中で、私は、まだ工業技術院の時代でございましたけれども筑波に参りまして、そしてその研究状況を、先生も御視察になられたと思いますけれども見てまいりました。その中で、この技術を本当にもう一歩完成させればノーベル賞がとれるような、そういう非常にポテンシャリティーを持った技術の開発が現実に行われていました。
 その一つが、先生もごらんになったと思いますけれども、ちょうど我々が海外旅行をするときに持っていくようなトランクがございまして、そこにコードがついていて、それをコンセントに差し込んでふたをあけるとそこで非常にナノ技術、そこに旋盤もありフライス盤もありプレスもあって、非常に微小な、機械の持ち運びができる、そういうナノファクトリーでできる、こういう技術ももう一歩のところまで来ております。
 また、日本の場合にはヒトゲノムの解析なんというようなことで、アメリカが最先端というようなことでございますけれども、そのいわゆるヒトゲノムの解析に当たりましては、それを取り巻いて絡まっている糖鎖という物質の解明なんかは日本が一段進んでいる。こういうような非常に先端的な開発も行われておりまして、私どもはそういった今ずっと培ってきたものをやっぱり国民にわかりやすい形で提示して、これをいつまでにちゃんとやるんだということを御指摘のようにやることが、非常に国民の理解を得る上でも、また国民の皆様方が夢を持つ意味でも必要なことだと思いますので、我々といたしましては、このNEDOにかかわってそういう問題についてもそういう視点からやってまいりたい、このように思っております。
#59
○海野義孝君 これは、副大臣にまた一つお聞きしたいと思うんです。
 本法案の研究委託制度の運用につきましては、民間法人が行う研究開発を国が支援するという位置づけになっているわけでございます。官が過剰に介入して民間の創意を損なうことのないように、その採択や運営管理に当たっては研究開発プロセスの柔軟性に配慮すべきであると、先ほどの委員からもそのような御質問がありましたけれども、やっぱりそういった点が私は大事ではないかと、こう思うわけでございます。
 研究開発者が失敗したら再び立ち上がれないというようなことでなくて柔軟的に対応していくという、そういう無限の発想というものが駆使できるようなそういうことをやはり行政としてはバックアップすべきじゃないかと、こう思うんですが、その点についてはいかがでございますか。
#60
○副大臣(松田岩夫君) 新たな制度の運営に当たりまして、特に民間の創意を損なわないようにと、委員御指摘のとおりと存じます。
 試験研究プロジェクトの柔軟な運営が認められるべきではないかというお尋ねでございます。私もそのとおりだと考えておりまして、今度の制度の運営に当たりましては、そういう意味でこの制度が民間支援のための制度であるという趣旨も十分に踏まえまして、具体的研究テーマを民間から広く公募することはもちろんのこと、あらかじめ提示されました目標の達成状況等の結果を中間時、終了時に外部評価によりまして厳しく検証はいたしますけれども、しかし研究開発を行う過程におきましては柔軟に研究計画の変更を認めるとか、そういったことを通じまして、民間の創意が損なわれるどころか大いに発揮されるように極力柔軟に運営していくということがとても大事だというふうに考えております。
#61
○海野義孝君 では、もう一問だけお願いいたします。
 これは大臣にぜひともお聞きしたいと思うんですが、今回この二年間の経過措置をもって促進センターは終わるわけでございますけれども、これの成果としては、私はやっぱり見るべきものがあると思います。
 例えば、国際電気通信基礎技術研究所、ATR、これなどは聞くところによりますと研究者の三分の一は外国人であるということでございますし、また生物分子工学研究所なども世界的に高い評価を受けた研究所であるということを聞いておりまして、大変喜ばしいことだと思うんです。
 そこで、よく世界的な評価という点では、そのメジャーとしてノーベル賞というのがあるんですけれども、我が国の場合は頭脳が流出して海外の研究所においてノーベル賞を取得するというような例が多いわけですけれども、私は余り国籍にとらわれないで、日本の研究機関からもノーベル賞受賞者を出すんだという発想が必要じゃないかと、そう思うわけでございまして、例えば日本の研究機関が抱えている問題点、研究テーマの修正が難しいとか研究者が雑事に追われるとか、そういったことが浮き彫りになるわけでございますけれども、そういったことで、この改正案を契機にしまして、今後ますます世界から優秀な人材が我が国の研究機関に集まってくる、そういうような機関を育てていくということに政府としても力を注いでいただいたらいかがかと思うんですが、最後に大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
#62
○国務大臣(平沼赳夫君) もう先生御指摘のとおりだと思っております。世界から優秀な人材が集まってくるような立派な研究機関をつくるべきではないか、つくるだけじゃなくて輩出すべきではないか、こういう御指摘でございましたけれども、我が国において世界から優秀な研究人材が集まってくる中核的研究機関を輩出していくということは、非常に私も重要だと認識しております。
 これまで基盤技術研究促進センター出資制度につきまして、御指摘のありました生物分子工学研究所、これはBERIと言っておりますけれども、これまで外国人研究員二十六名受け入れました。また御指摘の、評価をしていただきましたけれども、国際電気通信基礎技術研究所、ATR、これは五百六十名もの受け入れをしているところでございまして、中核的研究機関を輩出してきた、このことは事実だと思います。
 これは、一つは、その研究開発テーマが御指摘のように世界の最先端である、それに加えまして二つ目として、研究開発を行うに際しまして柔軟に研究計画を見直すことが可能でありまして、また民間企業が研究開発の運営を効率的に担っているために研究者が研究に専念できるなど非常に良好な研究環境が存在していることによりまして、諸外国からも優秀な研究者が集まって中核的な研究機関となっている、そのように認識しております。
 今般の新たな制度につきましても、その制度の趣旨が民間支援であることを十分に踏まえまして、研究テーマを広く民間から公募しまして、的確な外部評価によって従来にも増して世界最先端の、いわばトップランナー型の研究開発テーマの採択に努めていくことが必要だと思います。
 外部評価によりまして、あらかじめ提示された研究目標の達成状況を厳しく評価する一方、研究開発プロセスについて民間の創意を損なわないように研究計画を柔軟に見直すことを可能にする等柔軟なものとしまして、また民間企業が研究開発の運営を引き続き効率的に担っていくこと等によりまして良好な研究環境の形成に引き続き努めていくこと等を通じまして、おっしゃるように国籍を問わず優秀な研究者を引きつけられるような世界的レベルの中核的研究機関の輩出に努めてまいりたい、このように思っております。
#63
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#64
○委員長(加藤紀文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#65
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として吉岡吉典君が選任されました。
    ─────────────
#66
○委員長(加藤紀文君) 休憩前に引き続き、基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#67
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 今回の法案は、一九八五年に制定をいたしました基盤技術研究円滑化法によってつくられた基盤技術研究促進センターを解散していこう、こういう中身になっていると思いますので、まず最初にお伺いをしておきたいと思いますが、この基盤技術センターを設立した目的は何だったんでしょうか。
#68
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 基盤技術研究促進センターの設立目的についてのお尋ねでありますけれども、従来、基盤技術ただ乗り論という米国からの批判や、またアジア諸国からの激しい追い上げがございまして、将来の我が国の国際競争力について懸念をされる中、我が国の研究開発の大宗を占める民間の活力を活用いたしまして我が国の基盤技術の向上を図ることをその設立の趣旨といたしまして、昭和六十年に基盤技術研究円滑化法によって設立をされました。
 そのような目的があったわけでございます。
#69
○西山登紀子君 それから十五年が経過をいたしまして、今回は廃止をしていこうということでございます。
 そこで、当時、基盤技術研究のためのこのセンターの設立に対しまして日本共産党が実は反対をしております。当時の議事録を見てみますと、昭和六十年四月三日ですけれども、我が党の工藤晃、経済の専門家でございますが、工藤晃委員が日本共産党・革新共同を代表いたしましてその法案に反対を行っているんです。ですから、今回、十五年たってこのセンターを廃止していこうということですから、当時の私たちの立場を少し御披露させていただきたいと思います。
 この法案に反対いたしました第一の理由というのは、大企業への国からの多角的な支援であって、事実上の大企業支援だからということで第一の反対の理由は示しております。それから第二の理由は、国民本位の行政改革に逆行するものだというのが二つ目の理由でございます。NTT株の配当収入などを大企業の思いのままに配分するということになるので、これは国民が願う行政改革に全く無縁であるばかりか、政官財の癒着構造を一層拡大することだというのが二つ目の反対理由でございました。さらには、三つ目ですけれども、反対理由の第三は、基礎的研究、創造的研究を前進させるために、我が国の科学技術政策全般を改めて、その方向で確立していかなければならないときに、この法案はその方向に全く沿わないからでありますと述べております。その国民が願う方向というのは、我が国の基礎的研究のおくれを克服するためには、中心的な役割を果たすべき大学、国立研究機関の基礎的研究費を減らしたりすることをまず改めるべきである、そこをうんと充実するべきなんだということから、十五年前でしたけれども、この技術センターの設立について実は反対をしてまいりました。
 以来、十五年が経過してきて、その私たちが反対をいたしました理由も含めて、それではこのセンターの経過なり実態というのはどうであったのかということを次にお伺いしていきたいと思います。
 まず、センターの実態を明らかにしていきたいと思うんですけれども、今までセンターに幾ら国費を投入してきたのでしょうか。
#70
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 産業投資特別会計から基盤技術研究促進センターに対する投入額についてお答え申し上げます。
 基盤技術研究促進センターに対して産業投資特別会計から累計三千三百七十九億円の出資及び貸し付けがなされております。これを財源といたしまして行われた基盤技術研究促進センターからの、幾つかの制度がございますが、各制度別の出融資額の累計は、新規設立型企業出資制度が二千七百二十億円、研究開発型企業出融資制度が約四十一億円、条件つき無利子融資制度が約七百八十一億円となっております。
#71
○西山登紀子君 この新規設立出資制度に百九件、二千七百二十億円もが投入をされたということでございます。
 それでは、この十五年間の間に配当等におけるセンターへの収入、それからセンターの出資事業の欠損金は幾らになっているでしょうか。
#72
○政府参考人(日下一正君) 基盤技術研究促進センターの新規設立型出資制度についてのお尋ねでございますが、十五年間配当収入はゼロでございまして、残余財産回収額は約七億円、回収不能金、欠損金でございますが、は約百九十六億円が計上されているところでございます。
#73
○西山登紀子君 百九十六億円の欠損金が出ているということですけれども、今回の法律改正に合わせまして、十五社既に解散をして処理をしてきたということなんですが、残りの九十四件も順次解散、売却などのいろんな形で処理をしていくと言うんですけれども、出資金は幾ら戻ってくるのでしょうか。
#74
○政府参考人(日下一正君) 出資金見込み回収額についてのお尋ねでございますが、これまで解散しました十五社につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、成果管理会社の残余財産からの回収等によりまして、センターからの出資額の二百三億円のうち約七億円が回収されているという状況でございます。
 さて、今後でございますが、今後は研究開発会社を解散させること等によりまして残余財産の回収を行うこととしております。これまでの成果として得られました特許権を客観的に評価し、適切な価格での売却等を行うとともに、保有資産につきましても同様に売却処分等を進めるなど、的確な資金回収に可能な限り努めることとしております。
 その結果につきましては、これまでの実績に照らせば出資金の大半が欠損金として計上される可能性も考えられますが、現時点におきましてはその回収額について確定的なことは申し上げられないという状況でございます。
#75
○西山登紀子君 十五件整理をして百九十六億円の欠損金が出たということですから、将来の回収の見込みというのは、ほとんどこれを、額は出ないと言ったんですけれども、おおよそ、大まかに推定しても二千億円以上出るんじゃないですか。
#76
○政府参考人(日下一正君) これは、先ほど申し上げましたとおり、これから残余財産の評価、売却に入るところでございますので、なかなか数字については申し上げにくいところでございます。
 また、先般十五社解散いたしましたのも、成果が技術的に陳腐化したりして、これ以上成果管理会社を残しておいても見込みがないものから解散をしておりますので、必ずしも十五社の分をその比率で当てはめていいものかどうかという点もございます。
 ただ、申し上げましたように、大半がやはり欠損金として計上される可能性も考えられ、懸念しているところでございます。
#77
○西山登紀子君 今、大半が欠損金というふうにおっしゃったわけですよね。大変な額でございます。
 個別事例について少しお伺いしたいと思いますが、非常に成功した例だという御説明がございますATR、国際電気通信基礎技術研究所とBERI、生物分子工学研究所、こういう二つがございますけれども、これらの二つのプロジェクト、これからの特許料の収入の実績、それはどれくらいありますか。
#78
○政府参考人(日下一正君) 特許料収入についてのお尋ねでございます。
 ATR、国際電気通信基礎技術研究所の特許料収入は約三億円、生物分子工学研究所、BERIと申していますが、その前身で蛋白工学研究所というのがございまして、この両方を合わせまして、BERI関係が約一億円でございます。既に終わっているプロジェクトとしましては、日本電子化辞書研究所、これは日本語の辞書などになっているものでございますが、これにつきましては特許料収入三億円を過去上げております。また、有線放送、WOWOWなどの受信にかかわる暗号化、スクランブルの技術につきましては特許料収入約六億円と、これらが先生御指摘になられました中の特許料収入が上がったケースでございます。
#79
○西山登紀子君 その特許料収入が上がったところからもセンターに配当というのは入っているんでしょうか。
#80
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 特許料収入が上がりましても、いろいろ費用がかかっているところがございます。その中で、それぞれ清算をしていく中で残余財産がセンターの方に、センターの方の出資金とそれに見合う回収された金額の差額ということでございますので、出資金の方は研究費という形で、実態上、経済的には使われてしまっておりますので、使ってしまった研究費を賄い切れないという面で、この回収金が配当金に回るところまでは至っていないという状況でございます。
#81
○西山登紀子君 いただきました法案のこの説明のペーパーを見ておりますと、こんなふうに書いてありますよね。「特許料等収入により出資金を回収することを期待する前提。」になっている、このセンターの制度設計というのは。だから、「特許料等収入により出資金を回収することを期待する前提。」と書いてあるのに配当はゼロだと。これはなぜこういうふうになるんでしょうか。理解できないんですけれども、説明してください。
#82
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 先ほど先生の方からも、昭和六十年における国会審議のときの経緯についてお話がございました。私ども、当時の審議経緯、改めてお勉強してみたところでございます。
 これはなかなか短期的には、その審議の中での政府委員からの説明でも、当面、短期的に収益を上げることはまず難しいと。これは基盤センターがどの程度の財政状況になれば配当を払う、あるいは利益を分配することが可能かという問いに対する答えでございますが、そういう中で、これは非常にうまくいきましたら、その結果として、結果的に収益が出たときの対応策を書いてあるわけでございます、というような答弁になっているところでございます。
 私どもとしては、そういう形でやはり民間からも出資を募り、政府も基盤センターを通じて出資をしているものでございますから、当然その研究によって研究開発の成果ができ、その成果に基づいてそれが事業化され、あるいはほかの人によって、第三者によって事業化されることによって特許料収入が入って、最終的にはその収入によって出資に対して配当がなされることを望んだわけでございますが、当初もなかなかのチャレンジであると懸念していたところでございまして、結果としてこの特許料収入は限られたものになっているという状況でございます。
#83
○西山登紀子君 今になって、十五年前だってうまくいかないということを見通していたんだというようなことは、これはやっぱり国民を愚弄するものだと思うんですよ。当時から、特許料収入によって出資金を回収するんだと、そういうことで設計をされたこの基盤技術センターの制度設計だったわけですよね。その証拠に、九二年、総務庁の行政監察の資料出ておりますけれども、ここの報告を見ておりますと、総務庁の科学技術に関する行政監察結果報告書というのが出ているんですけれども、そこに何て書いてあるかというと、そのときはまあ通産省ですけれども、資金回収についての考え方というのは載っているんですよ。そこでどういうふうに述べていらっしゃるかといえば、
 研究開発会社による試験研究の対象は、いずれも当該技術分野への影響度及び他分野への波及性の高い技術であり、長期的には研究成果のライセンス等により相当程度の資金の回収が見込み得るものである。
 仮に、個々の研究開発会社において資金の回収ができない場合が生じても、あくまでも基盤研究センター出資事業全体として、長期的観点に立って資金の回収を目指すべきものと考える。
と、こういうふうに、あくまでも特許なんかが入ってきて資金の回収が見込み得るんだと、それから個々のプロジェクトは資金の回収ができない場合でも、あくまでも全体としては資金の回収を目指していくんだ、こういう決意もちゃんと述べていらっしゃるわけですよね。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、やっぱりそういうことで総務省の行政監察も資金の回収に努力をするべきだというふうに指摘をされてきているわけですけれども、出資金の回収の努力をどのように行ってこられたのでしょうか。
#84
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 行政監察指摘後の出資金回収についてのお尋ねでございますけれども、平成四年の総務庁による科学技術に関する行政監察結果に基づく勧告は、出資期間が終了した研究開発会社の研究成果について総合評価を速やかに実施する等、研究開発会社の運営の適正化を求めるものでありました。これを受けまして、外部評価制の導入による経済的観点からの評価の強化、評価回数の増加等によりプロジェクトの効率性を確保するとともに、研究開発終了後の研究開発会社の評価を実施いたしまして、存続の意義が認められないものについては解散させることとする等の見直しを行ったところであります。
 この結果、平成十一年度末までに御指摘のように十五件の成果管理会社の解散を行った、このような経緯でございます。
#85
○西山登紀子君 二千七百二十億円もの出資をしながら、配当はゼロだし、ほとんど回収はできないという、結果的に十五年間の、最終的にはそういう結論を、結末ですね、それを招いていると。それを今まで特許料収入等で回収するんだという出資制度のもとで運営をしてきました。これは事ここに至ってといいますか、失敗をした、破綻をしたんだということは、これは事実としてお認めになるべきだと思うんですね。その点はどうかということ。
 それから、このように大量のお金を、公金を使って、そして初めは回収をするんだということでスタートをさせておいて、そして今になると、いや、もうそんなのはできないんだという、これは余りにも無責任じゃないんでしょうか。その責任はどのようにおとりになるんでしょうか。
#86
○国務大臣(平沼赳夫君) 基盤センターの新規設立型出資制度につきまして、その資金回収がなされなかったとすることに対する責任についてのお尋ねであります。
 基盤センターの出資制度は、これまで国際電気通信基礎技術研究所、ATRや生物分子工学研究所、BERIなどの世界的に評価の高い研究所を輩出するようなそういう効果もございました。また、それに伴って、約二万件の論文、さらには二千件の特許登録などの知的資産の形成もすることができました。また、プロジェクトに参加した研究者によるいわゆるベンチャー企業の創業、こういった側面もあります。また、ポスドク、ポストドクターの受け入れ等による人材の育成、産学連携の促進、これまで約二百四十名受け入れたわけでございますけれども、そういう面もありましたし、また特許権の実施許諾等を通じた製品化があり、例えばさっきの電子辞書という例がございましたけれども、これは約一千五百億の市場を形成するというようなことで、ある意味では成果を上げている部分も非常に大きいものがあると思います。そういう意味では我が国の産業技術力の強化に重要な役割を果たしてまいりました。そういう意味で、この基盤センターの出資制度は、御指摘でございますけれども、私どもとしては総体的には成功をしたものと評価しています。
 また、当省、総務省とも、これまで基盤センターに対して外部評価の強化を指示するとともに、研究開発終了後の研究開発会社の評価を実施いたしまして、存続の意義が認められないものについては解散させることにするなど、基盤センターの制度についてこれまで所要の指導監督をしてきたものと思っております。
 さらに今般、より効率的に民間の基盤技術研究を促進する制度に見直すことによりまして、産業技術力の強化を任務とする当省の責任を果たしてまいりたい、このように思っております。
#87
○西山登紀子君 十五年間でそれこそ三千億以上のお金を投入して、全く何の研究成果も上がっていないというふうに私たちも言っているわけではありません。それを問題にしているのではなくて、特許料収入で回収できるという出資制度、そういう制度の仕組みそのものが破綻したんじゃないか、そして多額の国費が戻ってこない、そしてだれも責任をとろうとしない、それが問題だというふうに言っているわけでございます。
 局長にお伺いしますけれども、先ほどちょっと言葉を濁されたんですけれども、もともと、十五年前こういう制度をスタートさせたときに、正直なところ、この制度では株の配当などリターンというのは予定できない、それが本音だったんじゃないですか。
#88
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 基盤センターの出資制度におきまして特許料収入等により資金回収を図ることはそもそも無理であったのではないかとのお尋ねでございますが、基盤技術研究はリスクが大きく、かつその成果が製品化されるまで長期間を要する性格のものでございます。
 このため、本法制定時の昭和六十年の国会審議におきましても、先ほど少し御紹介申し上げましたが、リスクの大きい事業の性格上、センターが利益を分配することがあるのかとの質問に対しまして、政府委員から、確かにリスクが大きいものでございますけれども、ある程度これが成功のめどがつきますれば事業の収益性ということにつながってくることもありますと申し上げながら、基盤センターはどの程度の財政状況になれば配当を払う、利益を分配することができるであろうかとの御質問に対しまして、当面、短期的には収益を上げることは難しいと御答弁申し上げておりまして、特許料収入等により金銭的リターンを期待することを制度の前提としながらも、早期回収については困難であるとの認識があったのは御指摘されているところと重なったところがあるところでございます。
 その当時には、民間の企業におきましても、欧米あるいは日本におきましても、社内に中央研究所あるいは基礎研究所という形で基盤研究、基礎研究を企業みずからのお金も費やしてやっていこう、それは必ず企業収益、製品化につながるということで試みがなされていた時期でございまして、決してその当時としては基盤技術、基盤研究に対する投資が将来の配当につながらないと考えていたわけではないわけでございます。
 しかしながら、近年の技術進歩の加速化によりまして成果の陳腐化が早まってきているという大きな技術の面での環境の変化があったこと、あるいは近年における経済の低迷、これらも出資金の早期回収が現実的に困難になってきた新たな要因でございます。これらを受けましていろいろな諸制度の見直しに至った次第でございます。
#89
○西山登紀子君 言いわけというのも大変難しいものだなと思いながら聞いていたわけでございますけれども。
 もともと、この基礎研究というのはそんなにもうかるものではなくて、リターンは期待できるものでもないわけです。それを、いかにも期待できるということで出資制度という形の設計に持っていったというところにそもそもの問題があるわけですね。だから、マスコミなんかからも基礎研究からの配当というのは建前だというふうに痛烈な批判がされているところでございます。
 そこで、もう少し背景的に、なぜこんな違った看板、説明をつけたこういう制度設計をしたのかといえば、これは当時、八二年の中曽根臨調行政改革の中で補助金の削減が強調されていたわけですね。ですから、新たに大企業の補助金を打ち出すことはできませんでした。ところが、そこに電電公社の民営化によるNTT株の売却益を配当金という形で受け取るという新たな財源が出てきました。そこで、このNTT株の配当金を使って研究開発会社、研究所を支援しようじゃないかということで、八四年に政府と自民党で合意の文書が公表されているんですけれども、基盤センターの設立をスタートさせたわけでございます。当時、八四年十二月二十一日の文書なんですけれども、NTT株の三分の一の株を特別認可法人というものをつくって、そして研究開発に使おうじゃないかという、こういう合意の文書が交わされている。
 私、この文書を大変興味深く見せていただきました。自由民主党の幹部の名前がずらっと並んでいて、一方、政府の代表の名前が入っています。自由民主党の中には、幹事長は金丸信さん、それから総務会長は宮澤喜一さん、それから行財政調査会長は橋本龍太郎さん、こういうお名前がずらっと並んでいるわけです。十一名の名前です。それからこっち側には、内閣官房長官藤波孝生さん、大蔵大臣竹下登さん、以下五人ぐらい大臣の名前が載っています。
 そういう方々が集まってこうやって合意をして、新しく入ってくることになったNTT株の配当金をひとつこういうふうにして使おうじゃないかという形で基盤センターを新たに設立したのではないのかと思います。
 つまり、一方で中曽根臨調行革の中で補助金削減を非常に強調している中で、新たに出てきたこのお金をどうやって使おうか。補助金にはしたいけれども補助金にはできないというところから、非常に無理な説明なんですけれども、特許料収入などで回収するという出資制度としてスタートをさせようと、こういうことになったんじゃないかと思いますが、大臣の御見解をお伺いします。
#90
○政府参考人(日下一正君) 制度の経緯でございますので、私の方から御説明させていただきます。
 従来の制度を出資制度としました理由についてのお尋ねでございますが、産業投資特別会計は、産業投資特別会計法第一条を見ますと、産業の開発及び貿易の振興のために国の財政資金をもって投資──これは出資及び貸し付けでございますが、投資を行うことにより、国民経済の発展と国民生活の向上に資することを目的とするものでございまして、我が国の将来の産業の種となる基盤技術に関する研究開発を推進し、知的資産を形成する本制度は、まさにこの趣旨と合致するものでございます。
 また、出資制度は、民間企業のマネジメントのもと、比較的自由で柔軟な研究活動を可能にするものとして当時採用されたものでございまして、民間企業におきましてもリスクの高い基盤技術研究を行うに当たりまして、出資額を限度にリスクを負担するという出資制度は、リスクマネジメントの視点からも評価されていたところでございます。
 他方、従来の制度におきます特許料等収入による金銭的リターンを期待していたこと、先生御指摘の点でございますが、また平成十一年度の企業会計基準の変更によりまして、民間企業にとって出資制度という形での研究開発制度の利用が困難となったことから今回の制度の見直しと、こういう経緯になったわけでございまして、産業投資特別会計のねらいからすれば、これを出資制度にしたというのには大変理由があったというふうに考えております。
#91
○西山登紀子君 いろいろな理由をつけて当時のことも正当化しようということなんですけれども、それで納得するわけにはいきませんね。
 さらに、当時国民には、臨調行革で補助金カットで痛みを押しつけている一方で、結局このNTT株で新たな財源が入った、じゃ、それを年間二百六十億円ものお金をそういう自分たちの権益の中で使っていこうということで工夫をした制度だと思います。これは非常にひどい話です。
 その基盤技術研究センターの役員を見ますと、さらにその目的がはっきりしてまいります。会長は歴代経団連の会長がずっと十五年間務めております。歴代の理事長はずっと通産省のOBです。副理事長は郵政省のOBという形で、ずっと指定のポストが、これは私たちが経済産業省からいただきましてつくった資料なんですけれども、これは衆議院で配付させてもらったんですけれども、大蔵省のOBも専務理事でずっとついているわけですよ、十五年間。ですから、もう一緒になってやってきたということなんです。
 ですから、私たちが財界の財界による財界のための研究支援策だというふうに酷評したのは、こういう体制上の問題からも私は指摘できるんじゃないかというふうに思います。
 さらに言えば、この中身なんですけれども、これも私たちいろいろ分析をしてみましたけれども、出資事業を行っているこの上位五社、四十二件のプロジェクトの中にNECとか日立製作所、富士通、東芝、NTT、こういうのが上位五社でずらっと並んでいるわけですね。そのプロジェクトへのセンターの出資額というのは千八百五十六億円。センターの全出資額の三分の二を占めている、こういう上位五社だけで。私は、センターの研究研究とおっしゃいますけれども、結局は大企業中心の研究開発に国民の大切なお金が使われたんじゃないか。そういうことが言えるのではないかなと思います。
 ちょっと時間が迫ってきましたのでお伺いしますけれども、そういうことを指摘させていただいて、中小企業の対策、この科学技術関係費というのは、調べてみますとわずか百六十五億円でございます。六百二十万社の中小企業がございますけれども、年間の科学技術関係予算はわずか百六十五億円ということなのでございます。いかにこういう大企業優遇かということがおわかりいただけると思うんです。
 今度、経済産業省のNEDOとそれから総務省のTAOに百三十億円ずつ分けるんですけれども、これはなぜ百三十、百三十というふうになっているんでしょうか。その理由は何なんでしょうか。省益の最たるものだと思うんですけれども、御説明をしていただきます。
#92
○政府参考人(日下一正君) 新たな制度におきまして、NEDO及びTAOの予算額がそれぞれ百三十億円となっている点についてのお尋ねでございますが、NEDO及びTAOの新たな制度に係るそれぞれの予算額百三十億円の内訳を見ますと、今後その運用益によりまして、新たな制度に係る諸経費に充てるための基本財産相当分、これがNEDOについては百億円、TAOについては六十六億円となっております。
 これは、TAOの方におきましては通信・放送分野を対象にしているのに対しまして、NEDOはバイオ、エレクトロニクス、情報処理その他の多岐にわたる分野を対象としておりますので、TAOに比べまして将来にわたってより多くの分野についての応募が予想されるとともに、ノウハウの蓄積や外部評価の体制等におきまして、より広範な分野に対応する必要がございます。このため、TAOよりも多くの所要の諸経費を見込みまして、これに対応した基本財産を積むこととしているところでございます。つまり、人件費でありましたり制度の維持、評価に関する費用は基本財産から出すことになっているわけでございます。この基本財産に加えまして、初年度に見込まれます委託事業費をそれぞれ積み上げたところ、それぞれの新たな予算額になったところでございます。
 したがいまして、NEDO及びTAOの予算額につきましては、それぞれの機関におきまして必要な額として見込んだものでございまして、省益による予算の分け方という指摘には当たらないと認識しております。
#93
○西山登紀子君 この二百六十億をちょうど半分に折半しているということなんですけれども、これはやっぱり今までの基盤技術研究センターの役職の配分を見ましても、理事長には通産省、副理事長には郵政省という形で役割を、指定席をきちっと配分している。それから今度は半分半分だと。これにはやっぱり合理的な説明はつけようがない。
 いろいろ言いわけをされておりますけれども、やっぱりこれは自分たちの私的な権益を守る。国民の共有財産であるはずの株の配当というものを、まるで自分たちのお金のように考えて、今度新しいシステムに移行するに当たっても、じゃ折半でいこうか、こういう山分けをしているということは許せないと思います。
 最後に、大臣にお伺いしますけれども、やっぱりこれは国民の共有財産でありますNTT株の利益を、私はそれぞれの省庁の省益、つまりその背景にはやはり日本の大企業の利益があると思いますが、その基礎研究の開発に使うという事実上の特定財源化だというふうに思います。こういうことはやっぱりもうきっぱりとおやめになって、もう十五年たってシステムの破綻も、それからいろいろ言い繕ってきたことも破綻をしているわけですから、ここでもうきっぱりとおやめになる、そしてきちっと国庫にお返しする。そうして、この財政難の折から、こういうお手盛りの私物化、国民の国費のむだ遣いは許されないと思いますが、最後に大臣のそういうことについての御見解を伺いまして、終わりたいと思います。
#94
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 国民の共有財産であるNTT株式配当益をいわば既得権として充てることはやめるべきではないかとの御指摘であります。
 NTT株式については、政府保有義務分を産業投資特別会計に帰属させ、産業開発、貿易振興という産業投資特別会計の目的にのっとりまして、これまで基盤センターでは民間の基盤技術研究に対する支援を行ってきたところであります。もちろん、この民間の基盤技術研究に対する支援事業に係る財源措置については事業の実績等を踏まえて不断の見直しが必要であるとは考えますが、これまで基盤センターの出資制度においては、先ほども申し上げましたようにATRやBERI等の世界的に評価の高い研究所を輩出するとともに、これも先ほど申し上げましたが、約二万件の論文、約二千件の特許登録等の知的資産の形成、プロジェクトに参加した研究者によるベンチャー企業の創業等、我が国の基盤技術の向上の観点から有形無形の成果を上げてきており、着実な実績を上げてきたものと認識をいたしております。
 また、科学技術白書によりますと、民間企業の試験研究費に対する基礎研究費の占める割合は低下傾向にある等、将来の我が国の産業技術力の低下が懸念されているところでもあり、このため、我が国における研究開発費の大宗を占める民間企業の研究開発に対するより一層の支援が必要となっていると思っております。
 他方で、特許料等収入によりまして資金回収を期待する仕組みが結果的に困難となったこと、平成十一年度からの企業会計基準の変更によりまして民間企業の出資が困難となったことを背景といたしまして、出資制度を廃止して本来の目的であります産業技術力の強化に資する知的資産の形成を目指した制度に改めまして、より効率的に民間の基盤技術研究を促進することが可能な制度へと見直したものであります。
 したがいまして、もとよりその財源措置については不断の見直しが必要であると考えますが、今回の法改正による見直しは我が国の産業技術力の強化を通じて広く国民に資するものでありまして、この民間の基盤技術研究に対する支援は強化する必要こそあれいささかの後退も許されない、そのように認識をしておりまして、こういった形で今回お願いをさせていただいている次第でございます。
    ─────────────
#95
○委員長(加藤紀文君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水野誠一君及び松田岩夫君が委員を辞任され、その補欠として高橋紀世子君及び鎌田要人君が選任されました。
    ─────────────
#96
○委員長(加藤紀文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#97
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、基盤技術研究円滑化法一部改正案に対する反対討論を行います。
 本法案は、センター経由の大企業への技術開発投資が回収不能であるため、センターの権利、義務を承継するTAO、NEDOの資本金を減資するというものであり、国民の財産を食いつぶし、センター方式破綻のツケを国民に押しつけるものです。
 破綻したセンター方式の基本設計は、政府保有のNTT株配当金を産業投資特別会計に入れて財界の意のままに民間技術開発支援に使うという一九八四年十二月の政府・自民党合意であります。
 基盤技術研究に対する出資が回収困難であることは当初から明らかであったのに、出資金回収が可能だとしてセンターを設立し、事実上の補助金として運営してきた政府・与党と財界の責任は厳しく問われなければなりません。ところが、本法案は、この政官財の癒着の責任を全く追及することなく、免罪しようとするものです。
 さらに、本法案は、センターの出資事業の特定の大企業への優遇策に加え、企業の自己負担なしに成果を一〇〇%企業に帰属させるという一層の大企業優遇の仕組みをつくるものです。これは、国民の共有財産を一部の大企業に無償で譲渡するという現代版官業払い下げとも言うべきものであり、断じて認めることはできません。
 産業の土台を支える技術開発を国が支援するのは当然です。そのためには、一部大企業の支援策でなく、現に日本の技術を支えている中小企業に対する支援、基礎研究の現場である大学や政府系研究機関などの国公立の基礎研究環境の充実と予算の拡充こそが求められていることを改めて強調して、討論を終わります。
#98
○委員長(加藤紀文君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(加藤紀文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 足立良平君から発言を求められておりますので、これを許します。足立良平君。
#100
○足立良平君 私は、ただいま可決されました基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 我が国の基礎研究及び産業技術力の維持強化の必要性が増大していることにかんがみ、今後とも民間の創意を活かした基盤技術研究の一層の促進に努めるとともに、研究開発費の政府負担の増加を図ること。
 二 基本方針については、省庁の所管を超えた学際的、融合的な研究開発に配意し、新たな科学技術基本計画と有機的に連携した整合性のあるものとすること。
   また、研究開発の成果の実用化を促進する必要性及び近年の加速度的な技術革新に迅速に対応するため、柔軟に見直しを行うこと。
 三 新エネルギー・産業技術総合開発機構及び通信・放送機構が行う新たな委託事業の案件の採択、評価の実施等に当たっては、今日までの基盤技術研究促進センターの出融資事業等の採択案件の評価・反省を踏まえた上で、技術・経営等の外部の専門家からなる機関等に評価を委ね、評価のルールとプロセス、結果を公表すること。
   また、新エネルギー・産業技術総合開発機構の組織・業務が、近年逐次拡大してきている実態にかんがみ、同機構の業務を厳正に見直し、その合理化・効率化の徹底に努めること。
 四 中小・ベンチャー企業が、両機構が行う新たな委託事業を十分に活用できるよう、その運用に万全を期すること。
 五 現下の厳しい財政事情から、産業投資特別会計に帰属するNTT株式の配当益の有効利用の在り方について不断の見直しを行うことが必要であり、その結果等を踏まえ、両機構の民間基盤技術研究促進事業の財源措置の在り方についても、所要の検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#101
○委員長(加藤紀文君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#102
○委員長(加藤紀文君) 多数と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平沼経済産業大臣。
#103
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#104
○委員長(加藤紀文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#106
○委員長(加藤紀文君) 次に、商工会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。平沼経済産業大臣。
#107
○国務大臣(平沼赳夫君) 商工会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 商工会は、四十年余にわたり、地域の総合的な経済団体として商工業の改善発達と社会福祉の増進に寄与するとともに、経営改善普及事業の担い手として小規模事業者の経営の改善発達を支援する事業を実施し、関係者の努力により成果を上げてまいりました。
 しかしながら、近年の開廃業率の逆転、情報通信技術の発達や地域経済活動の広域化等に伴って、創業、経営革新や情報化への支援、広域的な地域経済の活性化等の新たな課題への対応が求められるなど、商工会に求められる役割が多様化する一方で、商工会は、規模が小さいことから、新たな要請に十分に対応していくことが困難な場合も出てきております。
 このため、合併による規模の拡大を通じて、商工会の事業の効率的かつ効果的な実施を図るため、商工会の合併に関する規定等を整備するための法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、商工会の合併に関する規定の整備を行うこととしております。現行の商工会法には合併に関する規定が設けられていないため、複数の商工会が統合し組織を拡大するためには、商工会を解散し清算の手続を経ることを要しており、このような手続のもとでの民事法上、税法上の負担を軽減するため、商工会の合併に関して所要の規定の整備を行うこととしております。
 第二に、商工会の設立後に市町村の廃置分合、すなわち合併等があった場合における商工会の地区の特例を設けることとしております。現行の商工会法においては、商工会の設立後に市町村の廃置分合があった場合、商工会は廃置分合前の市町村の区域を地区とすることが認められておりますが、廃置分合後の市町村の区域に存続する商工会の一部が統合し、廃置分合後の市町村の区域の一部を地区とすることは認められておりません。このため、こうした場合であっても、合併を認める特例を設けることとしております。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。
#108
○委員長(加藤紀文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は来る十九日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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