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2001/03/15 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 文教科学委員会 第2号
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2001/03/15 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 文教科学委員会 第2号

#1
第151回国会 文教科学委員会 第2号
平成十三年三月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     小林  元君
     三重野栄子君     谷本  巍君
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     谷本  巍君     三重野栄子君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     岩瀬 良三君     柳川 覺治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         市川 一朗君
    理 事
                亀井 郁夫君
                松村 龍二君
                佐藤 泰介君
                内藤 正光君
                山下 栄一君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                中曽根弘文君
                水島  裕君
                小林  元君
                本岡 昭次君
                松 あきら君
                阿部 幸代君
                畑野 君枝君
               日下部禧代子君
                高橋紀世子君
   国務大臣
       文部科学大臣   町村 信孝君
   副大臣
       文部科学副大臣  大野 功統君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       池坊 保子君
       文部科学大臣政
       務官       水島  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (文教科学行政の基本施策に関する件)
 (平成十三年度文部科学省関係予算に関する件
 )

    ─────────────
#2
○委員長(市川一朗君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月十五日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。
 また、去る六日、岩瀬良三君が委員を辞任され、その補欠として柳川覺治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(市川一朗君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 まず、文教科学行政の基本施策について町村文部科学大臣から所信を聴取いたします。町村文部科学大臣。
#4
○国務大臣(町村信孝君) 文部科学大臣の町村でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 第百五十一回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。
 初めに、去る二月十日、愛媛県立宇和島水産高等学校実習船えひめ丸が米海軍原子力潜水艦と衝突、沈没した大変痛ましい事故について御報告しなければなりません。
 事故によって被害を受けられた皆様、御家族、関係者の方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、今なお行方不明となっておられる方々がおられることに心を痛めております。
 文部科学省としては、事故発生後直ちに対策本部を設置するとともに、現地に職員を派遣し、関係機関との連絡、情報収集や生徒、保護者、学校関係者等の支援に努めてきたところですが、今後、引き揚げの問題等についても、関係者の思いを十分に受けとめ、可能な限りの対応を行ってまいります。
 私は、昨年十二月五日に文部大臣並びに科学技術庁長官を拝命いたしましたが、本年一月六日、中央省庁再編により、初代の文部科学大臣に就任をいたしました。
 二十一世紀は、経済社会が急速に進展し、人類が克服しなければならない数多くの諸課題に直面する激動の時代になることが予想されます。その中で我が国が目指すべき方向は、主体性を持って国際社会に貢献し、また世界から尊敬される心の豊かな美しい国家の実現であります。また、少子高齢社会においても、国際競争力を維持し、経済社会の持続的発展を達成するための人材の養成、知的資産の創出を進めることこそが我が国の存立基盤であります。
 私は、これまで文部省が担ってきた教育、学術、スポーツ、文化の振興と、科学技術庁が担ってきた科学技術の振興に関する施策を一体的かつ迅速に進め、激動の時代の中、子供たちに夢を与え、我が国の明るい未来を切り開いていくことが、新しい文部科学省の使命であると考えております。
 このような認識のもと、以下に申し述べます事項についての施策を総合的に展開してまいります。
 我が国の教育は、第二次大戦後、機会均等の理念を実現し、国民の教育水準を高め、経済社会の発展の原動力になりました。しかし、現在の教育の状況に目を向けると、国民や社会の教育に対する信頼が大きく揺らぎ、我が国の教育は危機に瀕しています。
 新世紀を迎えた今、国家百年の計である教育を根本に立ち返って見直し、我が国の進路に誤りなきを期す必要があります。
 昨年末、教育改革国民会議が最終報告を取りまとめられました。文部科学省としては、その提言も踏まえ、先ごろ、二十一世紀教育新生プランを策定いたしました。今後、これに基づき、教育の新生を目指し、学校がよくなる、教育が変わるという実感が持てるような教育改革を迅速かつ果断に実行してまいります。
 今国会では、まず緊急に対応すべき事項として、一連の教育改革関連法案や、関連予算を盛り込んだ平成十三年度予算案の成立に全力を尽くしてまいります。
 また、中央教育審議会においては、新しい時代における教養教育のあり方について引き続き御審議いただくほか、社会奉仕体験活動の充実や今後の教員免許制度のあり方等について御検討願いたいと考えております。
 新しい時代にふさわしい教育基本法の見直しについては、教育改革国民会議最終報告を踏まえ、文部科学省内で検討を行った上で、中央教育審議会等で幅広く国民的な議論を深めるなど、しっかりと取り組み、成果を得てまいります。
 初等中等教育については、平成十四年度からの完全学校週五日制のもと、各学校で特色ある教育を展開し、子供たちの基礎学力の向上を図るとともに、みずから学び、みずから考える力などの生きる力がはぐくまれるよう、新しい学習指導要領のねらいの徹底とその実現に努めてまいります。
 また、人間性豊かな日本人を育成するため、社会奉仕体験活動や自然体験活動等の一層の充実を図るための所要の法改正をお願いするなど体験活動の充実に努めるとともに、心のノートを全児童生徒に配付するなど、道徳教育の充実を図ってまいります。さらに、子供たちの問題行動等に対応するため、スクールカウンセラーの配置の拡充など教育相談体制の充実を図るほか、出席停止制度の改善のための所要の法的整備を図る所存であります。
 また、実践的コミュニケーション能力の一層の育成を目指した外国語教育の充実や、二〇〇五年度までに全国の学校のすべての教室にコンピューターを整備しインターネットにアクセスできる環境を実現することなどを目指したミレニアム・プロジェクトの推進を図ってまいります。
 このほか、中高一貫教育校や単位制高等学校、総合学科など特色ある高等学校の設置促進、コミュニティスクール等の新しいタイプの学校についての検討、高等学校入学者選抜の改善、特別支援教育の振興、人権教育、環境教育の推進、読書指導の充実、教育内容・方法の多様化に対応した学校施設の整備等を推進してまいります。また、人間形成の基礎が培われる幼児期の重要性にかんがみ、幼児教育の充実に努めてまいります。
 教職員定数の改善につきましては、平成十三年度から新しい教職員定数改善計画をスタートさせ、基礎学力の向上ときめ細かな指導のため、基本的教科について二十人授業を可能とするなどの改善を行いたいと考えており、そのための所要の法的整備を図ってまいります。
 教員の資質向上につきましては、養成、採用、研修を通じた施策の充実、特に教員の社会体験研修の拡充や、社会人の一層の活用を促進してまいります。児童生徒への指導に当たることが不適切な教員については、分限処分など、迅速かつ適切な人事上の措置が講じられるよう取り組むとともに、教員以外の職に円滑に異動させるための方途についても所要の法的整備を図る所存であります。
 また、学校の自主性、自律性を確立し、特色ある学校づくりを促す観点から、通学区域の弾力化を進めるとともに、校長の裁量の拡大を図ります。また、学校評議員制度の一層の活用など地域に開かれた学校づくりを推進するとともに、法改正を含め、教育委員会の一層の活性化を促してまいります。
 このほか、三宅島の噴火等により被害を受けた地域の子供たちの教育と心のケア等の支援を引き続き進めてまいります。
 高等教育については、社会の多様な期待や要請にこたえつつ、各大学がその役割を適切に果たし、国際的競争力のある個性輝く大学づくりができるよう、これまでも教育研究システムの柔構造化や、責任ある意思決定と実行を可能とする組織運営体制の整備、第三者評価を含む多元的な評価システムの確立等に努めてきたところであります。
 今後も、競争的環境のもとで、大学の自主性、自律性や国際通用性をさらに高めるため、昨年十一月の大学審議会答申「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」などの提言も踏まえつつ、今国会に、国立大学の講座等の組織編制の柔軟化や大学への十七歳入学、大学院への学部三年修了時からの入学の促進についての関係法律の改正をお願いしたいと考えております。また、教育研究拠点としての大学院の重点的整備、大学評価・学位授与機構による第三者評価の実施を進めるなど、さらなる大学改革に全力で取り組んでまいります。
 なお、大学入学者選抜の改善については、昨年十一月の大学審議会答申「大学入試の改善について」における提言を踏まえつつ、評価尺度の多元化や受験生の能力、適性等の多面的な判定がさらに進むよう、一層の工夫改善に努めてまいります。
 私立学校については、私立学校振興助成法の趣旨にのっとり、教育改革の推進や学術研究基盤の強化に配慮しつつ、私学助成の充実に努めてまいります。また、学生が自立して学べるよう、育英奨学事業の充実を図るとともに、学生生徒の就職指導の充実、インターンシップの拡充などに最大限努力してまいります。
 人々が生涯にわたり自己実現を図っていくためには、生涯のあらゆる時期に学習機会を選択して学ぶことができ、その学習の成果が適切に評価される生涯学習社会を築いていくことが極めて重要です。このため、情報社会に対応した生涯学習の環境整備、大学等への社会人の受け入れの促進、放送大学の充実、専修学校教育の充実等をさらに進めてまいります。
 また、学校教育及び社会教育を通じた男女共同参画社会の形成に向けた施策の推進に努めるとともに、幼稚園における子育て支援など、少子化対策についても積極的に施策を展開してまいります。
 青少年を取り巻く状況が著しく変化する中で、未来への夢や目標を抱き、豊かな社会をつくる営みに積極的に取り組むことのできる青少年を育成するため、子どもセンターの全国展開など全国子どもプラン緊急三ヶ年戦略の推進、今国会で関係法律の改正をお願いしております子供の体験活動等の振興のための子どもゆめ基金の創設、青少年を取り巻く有害環境への対策などに取り組んでまいります。さらに、運動部活動や地域におけるスポーツ活動の充実に努めるとともに、児童生徒への健康相談活動、薬物乱用防止教育、性教育、食に関する指導など、健康教育の一層の充実に取り組む所存です。
 また、すべての教育の出発点である家庭教育の充実を図るため、子育て講座の開設や親の悩みや不安に対する相談体制の整備など、家庭教育の支援を推進してまいります。
 さらに、家庭や地域の教育力向上のための法改正をお願いするとともに、異世代間の交流の推進、PTAや青少年団体の支援などの施策も積極的に展開してまいります。
 科学技術と学術は、我々に新しい発見や知識をもたらし、それをさまざまな問題の解決やより豊かな暮らしのために活用することを可能とします。我が国が国際的な競争環境の中で持続的に発展し、国民の生活水準を向上させていくとともに、その成果を世界に向けて発信し、人類共通の問題解決に貢献していくためには、我が国の最も貴重な資源である頭脳によって世界をリードする科学技術創造立国を目指して、たゆまぬ努力をしていくことが必要であります。
 現在、総合科学技術会議において、二十一世紀における我が国の科学技術振興の基本となる総合戦略が検討されており、三月末には新しい科学技術基本計画が策定される予定であります。文部科学省といたしましては、本計画に基づき、政府における研究開発の主体を担うという立場から、科学技術と学術のそれぞれの長所を生かしつつ、両者の調和と融合を図り、創造性に富んだ世界最高水準の成果を生み出すための研究開発を総合的に推進してまいります。
 このため、科学研究費補助金を初めとする競争的資金の拡充などによる競争的研究環境の整備、若手研究者の活躍機会の増大、産学官連携の強化、研究成果の社会還元の推進、研究評価の充実と透明性の確保、大学などの研究施設の重点的整備など、我が国の科学技術システムの改革に努めてまいります。また、基礎研究を推進するとともに、地域の資源やポテンシャルを活用した地域における科学技術の振興のための施策を展開してまいります。
 二十一世紀は生命科学の世紀と言われるように、生命についての理解は、医療、食料、環境等の分野に大きな変革をもたらすものです。我が国がこれらの分野でリーダーシップを発揮し、健康で活力ある社会を実現するため、ゲノム科学、免疫・アレルギー・感染症研究、脳科学等のライフサイエンスを重点的に推進してまいります。なお、生命倫理の問題について、人の尊厳の保持等に重大な影響を与えるクローン人間の産生の防止を初めとして、国民の幅広い意見をくみ上げつつ、慎重に取り組む所存であります。
 また、あらゆる科学技術の基盤となるナノテクノロジー・材料、社会全体のIT革命を先導する情報科学技術、地球温暖化などの環境問題の解決に資する研究開発などを重点的に推進してまいります。さらに、国民の安全な生活の確保にとって重要な地震調査研究などの防災科学技術の研究を積極的に推進してまいります。
 宇宙の研究、開発、利用につきましては、昨年十二月に宇宙開発委員会が策定した我が国の宇宙開発の中長期戦略に基づいて、我が国の次期主力ロケットであるHUAロケットの開発などを着実に進めてまいります。
 原子力につきましては、昨年十一月、原子力委員会が策定した原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画を踏まえ、加速器、レーザー、核融合等の先端的な研究開発、放射線利用、「もんじゅ」による高速増殖炉サイクル技術の研究開発などを、地元住民を初めとする国民の皆様の理解と協力を得つつ、着実に進めてまいります。
 原子力の研究開発及び利用に当たっては、安全の確保が大前提であります。一昨年の臨界事故による教訓を十分踏まえ、厳正な規制と管理の実施、緊急時対応体制の強化、安全研究の推進などにより、所管の施設の安全確保に万全を期してまいります。
 独創的で創造的な研究成果を生み出すためには、将来の科学技術を担う人材の養成を積極的に推進することが重要です。このため、日本科学未来館などの場を積極的に活用し、青少年の科学技術に対する関心の喚起や創造性の涵養、国民の科学技術に対する理解の増進を図ってまいります。また、ITを活用した科学技術、理科教育の推進を図るとともに、若手研究者の流動化の促進等による優秀な研究者の養成確保、一流の技術者を養成するための教育システムの構築などに努めてまいります。
 以上の施策を実行するためには、政府研究開発投資の拡充が必要不可欠であります。昨年十二月に科学技術会議が出した科学技術基本計画に関する答申では、政府研究開発投資の総額について、対GDP比一%を目指し、平成十三年度から五年間で二十四兆円とすることが必要とされています。新しい科学技術基本計画に沿って、投資の重点化、効率化、透明化を図り、研究開発の質の向上に努めつつ、政府研究開発投資の拡充に全力を挙げて取り組んでまいります。
 明るく健全で活力に満ちた社会の形成のためには、スポーツの振興が重要であります。このため、昨年九月に策定したスポーツ振興基本計画に沿って、国民のだれもが日常的にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の早期実現や、本年十月に開所予定の国立スポーツ科学センターの活用などによる競技者の育成、強化など、競技力の向上に取り組んでまいります。また、二〇〇二年ワールドカップサッカー大会の開催、二〇〇八年夏季オリンピックの大阪招致の成功に向け努力してまいります。
 さらに、新たな財源として期待されるスポーツ振興くじについては、今月から全国販売を開始したところでありますが、今後、この制度が健全なものとして社会に定着するよう、十九歳未満の者に対する販売禁止措置の徹底を図りつつ、円滑な実施に努めてまいります。
 文化は国の存立基盤であり、心豊かで活力ある社会を築いていくためには、我が国の特色ある伝統文化を大切にするとともに、文化の一層の振興を図り、文化大国の実現を目指していくことが重要です。このため、地域における個性的な文化の創出を支援するとともに、芸術創造活動の活性化、文化財の保存、活用、国語の改善、普及、文化を支える人材の養成確保、美術館、博物館等の整備充実などに積極的に取り組んでまいります。
 また、著作権制度については、情報通信技術の発達や国際的動向を踏まえつつ、今後ともその充実に努めてまいります。宗教法人制度については、信教の自由に配慮し、今後とも円滑な宗務行政の遂行に努めてまいります。
 さきの施政方針演説において、総理が「地球の世紀」と述べられたように、二十一世紀はあらゆる活動のボーダーレス化が進み、ますますグローバルな視点が必要となってまいります。このため、ユネスコやOECDなどの国際機関を通じた協力など、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化の各分野において、国際交流・協力及び国際貢献を積極的に進めてまいります。
 昨年の九州・沖縄サミットにおいては、今後十年間で学生、教員等の交流を倍増する旨がうたわれたところです。これに対応して、未来からの大使である留学生の受け入れ十万人計画の達成に向け、留学生に対する支援や国際研究交流大学村の建設など、留学生の交流のための総合的な施策を推進してまいります。
 また、海外の優秀な研究者の積極的な受け入れや、そのための宿舎の整備などの環境整備を進めるとともに、国際宇宙ステーション計画などの国際協力プロジェクトに積極的に参加し、科学技術・学術分野における国際的な活動を積極的に展開してまいります。
 さらに、海外子女教育、帰国児童生徒教育や外国人児童生徒教育の充実、教職員交流の充実、我が国の文化の海外発信、日本語教育の普及、海外の貴重な文化財の保存修復への協力などに努めてまいります。
 以上、私の所信を述べさせていただきました。
 さきにも申し上げたとおり、教育改革の推進を初めとして、国の将来にかかわる重要課題が山積しております。文部科学省といたしましても最大限の努力を払ってまいりますが、委員各位におかれましても、特段の御理解と御協力を賜りますよう心よりお願いを申し上げます。
 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#5
○委員長(市川一朗君) 次に、平成十三年度文部科学省関係予算について、大野文部科学副大臣から説明を聴取いたします。大野文部科学副大臣。
#6
○副大臣(大野功統君) おはようございます。
 文部科学副大臣の大野功統でございます。御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、引き続きまして、私の方から、平成十三年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 二十一世紀の幕あけを迎えた今日、地球規模での社会変動が展開される中で、我が国が今後とも豊かで活力に富む国家として発展していくためには、我が国の発展基盤となる創造的な人材の育成や世界最高水準の研究成果の確保を目指した科学技術・学術の振興などを重点的に推進していくことが不可欠であります。
 このため、平成十三年度予算の編成に当たりましては、厳しい財政状況のもとではありますが、基礎、基本の確実な習得や生きる力をはぐくむことを目指した教育改革の推進、二十一世紀の我が国を担う人材の育成、科学技術創造立国の実現を目指した科学技術・学術の振興、ゆとりある文化、スポーツの振興など、大きな時代の変化に柔軟かつ的確に対応する施策を積極的に推進することができる予算の確保に努めるとともに、省庁統合を踏まえた融合、連携施策の展開を図ったところであります。
 文部科学省所管の一般会計予算額は六兆五千七百八十三億九千四百万円、国立学校特別会計予算額は二兆七千四百二十七億七千二百万円、電源開発促進対策特別会計予算額は一千五百十億五千三百万円となっております。
 以下、平成十三年度予算におきます主な事項について御説明を申し上げます。
 第一は、基礎、基本の徹底と生きる力をはぐくむ教育の展開についてであります。
 子供たちの基礎学力の向上ときめ細かな指導を目指し、少人数指導等の学校の具体的取り組みに対する支援を行うこと等を内容とした第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画をスタートさせることとし、その初年度分として五千三百八十人の改善を行うことといたしております。
 また、教員の社会体験研修等の充実や学校と社会の相互交流に努め、教員の資質向上を図るとともに、教員の人事管理など学校運営等の改善充実を積極的に進めることとして、約百五十四億円を計上いたしております。
 さらに、新たに児童生徒の学力の評価について調査研究等を実施し、基礎、基本を徹底し、みずから学びみずから考えるなどの生きる力をはぐくむことを目指した教育課程の推進を支援しつつ、特色ある学校づくり、中高一貫教育の推進を図るほか、幼児教育の充実等に積極的に取り組むことといたしております。
 また、IT授業や少人数指導のための新世代型学習空間の整備、PCB対策、学校トイレの改造等を行うこととして、公立学校の施設整備について約一千六百十九億円を計上いたしております。
 第二は、心の教育の充実について、子供たちの問題行動に適切に対処するためのスクールカウンセラーの拡充や心の教室相談員の配置、不登校児童生徒の適応指導のための調査研究など生徒指導の充実として約八十一億円を計上いたしております。また、体験的活動を重視するなど道徳教育を推進するとともに、子供たちの感染症対策、薬物乱用防止教育及び食生活に関する教育等に積極的に取り組むことといたしております。
 第三は、地域、家庭の教育力の再生等生涯学習の推進について、平成十四年度の完全学校週五日制の実施に向けて、子供の地域活動の振興や子育てに夢を持てる家庭教育の支援を図る全国子どもプランの計画的推進として約二十五億円を計上するほか、子育て講座を全国的に展開するなど家庭の教育力の再生を図るとともに、学校の余裕教室等を活用して地域の大人と子供の触れ合い交流を推進することといたしております。
 第四は、特色ある教育研究の推進等私学助成の充実について、教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減などを図るため、学術研究基盤の強化や教育改革の推進などに配慮しつつ、私立大学等経常費に対する補助については三千百四十二億五千万円を、私立高等学校等経常費助成費に対する補助については九百二十二億五千万円を計上するなど、経常費補助を中心に、引き続き充実を図ることといたしております。
 第五は、大学改革の推進と次代を担う人材の育成についてであります。
 大学改革の推進や大学の教育研究の高度化等の要請にこたえるため、大学院の教育研究の高度化、多様化等を推進するとともに、国立大学等の教育研究施設を重点的に整備するために約一千十三億円を計上するなど、教育研究基盤の整備充実を図ることといたしております。
 また、育英奨学事業については、次代を担う学生が経済的に自立し、安心して学べるようにするため、六万二千人の貸与人員の増員を図るなど、一層の充実を図ることといたしております。
 第六は、留学生交流などの国際教育協力の推進として、諸外国との間で、留学生交流のため約五百五十八億円を計上するとともに、ユネスコを通じた開発途上国へのIT教育支援を推進することといたしております。
 第七は、未来を開く学術研究の振興として、科学研究費補助金に間接経費制度を導入する等大幅な拡充を図ることとして約一千五百八十億円を計上するとともに、加速器科学や天文学研究などの基礎研究の推進に努めることといたしております。また、地球環境問題の解決に向けて、総合地球環境学研究所、これは仮称でございますけれども、を創設することといたしております。
 第八は、経済、社会ニーズに対応した先端科学技術の研究開発の推進であります。
 特に、重要戦略分野として、超高速インターネット衛星の開発等情報科学技術の研究開発のため約三百六十六億円を、たんぱく質の構造・機能解析等ライフサイエンスの研究開発のため約九百八億円を、地球温暖化防止等に資する環境変動の予測及び環境対策等の研究開発のため約八百三十二億円をそれぞれ計上したほか、ナノテクノロジーを駆使した先進的材料の開発などの施策を強力に進めていくことといたしております。
 また、宇宙開発につきましては、我が国の次期主力ロケットであるHUAロケットの確実な開発を推進するとともに、宇宙関係三機関による共同研究等の推進や品質保証活動の強化を図るなど、信頼性の高い宇宙開発の推進に努めてまいります。
 さらに、原子力の分野につきましては、安全確保と国民の理解を大前提として、核融合等の先端的な原子力科学技術や高速増殖炉サイクル技術の研究開発等を進めることといたしております。
 第九は、新たな研究開発システムの構築として、科学技術振興調整費や戦略的基礎研究推進事業等の競争的資金を大幅に拡充することとして約八百八十四億円を計上するとともに、研究評価の充実など研究開発活動の透明性の向上を図ることといたしております。
 第十は、研究成果の社会還元を目指す施策の推進として、研究成果活用プラザの整備などを通じた研究成果の特許化、企業化開発やベンチャー創業支援などの技術移転施策を抜本的に強化するため約百八十三億円を計上したほか、地域結集型共同研究などの施策を通じて地域における科学技術活動の振興を図ることといたしております。
 第十一は、世界的レベルの研究者、技術者の養成確保として、ポストドクター等若手研究者の積極的な登用による独創的な基礎研究の推進や若手研究者の流動化の促進等のために約二百五十五億円を計上したほか、産学官連携のための人材の養成、技術者の能力開発・再教育システムの構築にも力を入れてまいります。
 第十二は、独創的な研究開発活動の展開等のための基盤の整備であります。
 日本科学未来館の整備、運用、情報技術を活用した革新的な科学技術、理科教育の展開、ロボット創造国際競技大会の実施等に約百二億円を計上し、次世代を担う青少年の独創性の涵養、国民の科学技術に対する理解の増進を図ることといたしております。
 また、国際的な科学技術・学術活動に積極的な展開を図ることとし、研究者の海外派遣や外国人研究者の受け入れ等の国際交流活動、国際協力プロジェクトを推進することといたしております。
 第十三は、スポーツの振興と青少年健全育成の総合的な推進についてであります。
 スポーツ振興基本計画に基づき、生涯スポーツ社会の実現、国際競技力の向上、学校体育、スポーツの充実を図るための各種施策を総合的に推進していくことといたしております。
 また、青少年健全育成の推進を図るため、民間団体が実施するさまざまな体験活動等への支援を行う子どもゆめ基金、これは仮称でございますけれども、の創設等として百二十億円を計上いたしております。
 第十四は、文化による心豊かな社会の実現として、アーツプラン21や地域文化の振興など芸術創造活動の推進として約百六十五億円を計上するほか、文化財の次世代への継承発展、新たな文化拠点の整備など文化振興のための基盤整備や、日中、日韓を初めとする国際文化交流の推進を図ることといたしております。
 第十五は、情報化への対応として、高度情報通信ネットワーク社会の形成を目指し、情報化の影の部分にも配慮しつつ、学校の授業において教員及び生徒がコンピューターやインターネットを活用できる環境の整備を進めるとともに、専門的かつ創造的な人材の育成や世界最速の研究ネットワークの構築等による研究分野の情報化、情報通信分野の研究開発等を積極的に推進してまいります。
 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 なお、これらの具体的な内容につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、説明を省略させていただきます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(市川一朗君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#8
○委員長(市川一朗君) この際、河村文部科学副大臣、水島文部科学大臣政務官及び池坊文部科学大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。河村文部科学副大臣。
#9
○副大臣(河村建夫君) このたび文部科学副大臣を拝命いたしました河村建夫でございます。
 私は、一昨年の十一月から昨年の七月まで文部総括政務次官を務めさせていただきました。その体験を生かしながら、町村文部大臣を補佐し、教育改革を初めとする文部科学行政の推進に全力を尽くしてまいりたいと思います。委員長を初め委員の皆さんの御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
#10
○委員長(市川一朗君) 水島文部科学大臣政務官。
#11
○大臣政務官(水島裕君) 地元の参議院の水島でございます。
 このたびの国会は教育改革国会と言われているだけに、そういう質疑が非常に多くなると思いますし、ぜひ有意義な質疑が行われることを期待しております。
 しかし、一方、文部科学省には科学技術研究関連の局が三つございますので、ぜひ科学技術あるいは、特にライフサイエンス関係の質疑もやっていただきますと私の答弁の場もできるのではないかと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。(拍手)
#12
○委員長(市川一朗君) 池坊文部科学大臣政務官。
#13
○大臣政務官(池坊保子君) 文部科学大臣政務官の任をいただきました池坊保子でございます。
 二十一世紀の日本の展望は、二十一世紀にどのような教育制度のもとにどのような教育理念のもとで子供たちをはぐくんでいくかにかかっていると思っております。そういう意味では、先を歩む人間の、特に政治家の任は大きいのではないかと思います。この委員会で皆様方の英知と御支援をいただきながら、本来の教育改革国会にしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#14
○委員長(市川一朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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