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2001/03/26 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 文教科学委員会 第4号
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2001/03/26 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 文教科学委員会 第4号

#1
第151回国会 文教科学委員会 第4号
平成十三年三月二十六日(月曜日)
   午後一時二十九分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         市川 一朗君
    理 事
                亀井 郁夫君
                松村 龍二君
                佐藤 泰介君
                内藤 正光君
                山下 栄一君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                佐藤 泰三君
                中曽根弘文君
                水島  裕君
                小林  元君
                本岡 昭次君
                松 あきら君
                阿部 幸代君
                畑野 君枝君
               日下部禧代子君
                高橋紀世子君
       発議者      本岡 昭次君
       発議者      佐藤 泰介君
       発議者      阿部 幸代君
       発議者     日下部禧代子君
       発議者      高橋紀世子君
   国務大臣
       文部科学大臣   町村 信孝君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律等の一部を改正する法律案
 (本岡昭次君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(市川一朗君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第二〇号)及び公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(参第一五号)の両案を一括して議題といたします。
 政府及び発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。町村文部科学大臣。
#3
○国務大臣(町村信孝君) このたび、政府から提出いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 社会経済や科学技術の急速な発展が予想される二十一世紀を迎え、豊かな人間性と創造性に富み、みずからの能力・適性、興味・関心等に応じて主体的に行動できる人材を育成していくためには、学校教育において、基礎学力の定着の上に児童生徒一人一人の可能性を余すところなく発揮できるよう、個に応じたきめ細かな指導を推進することが不可欠であります。
 この法律案は、児童生徒の基礎学力の向上ときめ細かな学習指導の充実を図るため、平成十三年度から平成十七年度までの五年間で、少人数指導の実施のための教員配置等を主な内容とする教職員定数の改善を図ることとするとともに、教育の地方分権を推進し児童生徒の実態に応じた学校教育の充実を図るため、都道府県教育委員会の判断により、学級編制の基準の弾力的な設定等を特例的に可能とし、また、常勤の教職員定数を活用して非常勤の講師等を配置できるようにするものであります。
 次に、法律案の内容について御説明いたします。
 まず第一は、公立の義務教育諸学校及び公立の高等学校等の教職員定数の改善であります。公立の小中学校の教職員定数の標準について、学級とは異なる学習集団により少人数指導が行われる場合には教職員の数を加算できることとするとともに、公立の高等学校の教職員定数の標準についても、少人数指導を充実するための教職員の数の改善等を行うこととし、あわせて公立学校の教頭及び養護教諭の複数配置基準、公立の小中学校の学校栄養職員の配置基準、公立の特殊教育諸学校の教職員の配置基準の改善等を行うこととしております。
 第二に、公立の義務教育諸学校の学級編制の基準について、都道府県教育委員会の判断により、児童生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合には、国の定める学級編制の標準により定められる数を下回る数を、その場合の基準として特例的に設定できることとするとともに、公立の高等学校等の学級編制については、設置者の判断により、生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合には、国の定める学級編制の標準を下回る数により学級編制を特例的に行うことができるようにすることとしております。
 第三に、公立の義務教育諸学校に非常勤の講師を置く場合には教員の定数を活用できることとし、その報酬等は都道府県が全額を負担し、国がその二分の一を負担することとするとともに、公立学校に再任用短時間勤務職員を置く場合にも教職員の定数を活用できることとする規定を整備することとしております。
 このほか、公立の高等学校の設置主体を都道府県及び一定の基準に該当する市町村に限定する規定を削除するなど所要の改正を行うこととしております。
 最後に、この法律案は、平成十三年四月一日から施行することとしておりますが、その実施については、改正後のこの法律の標準に漸次近づけることを旨として、必要な経過措置を設けることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いを申し上げます。
#4
○委員長(市川一朗君) 発議者本岡昭次君。
#5
○本岡昭次君 ただいま議題となりました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び無所属の会の発議者を代表して、その提案の理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 現行の我が国の公立小学校及び中学校の学級編制の標準は、四十人とされております。この四十人学級を進めた第五次定数改善計画が開始されたのが昭和五十五年でありますから、既に二十年以上が経過いたしております。この間、家庭、社会、そして子供たちは大きく変化しているにもかかわらず、現在でも四十人学級という時代おくれの状況が続いているのであります。
 世界の教室の趨勢は、二十人前後の子供たちが、幾つかのテーブルを中心に活動的で協同的な学びを遂行し、個性的で多様なわかり方を表現し共有し吟味し合う空間へと変容しつつあります。広く浅く学ぶ効率中心の教育から深く学ぶ質の高い教育へと転換しています。
 この学級規模縮小による教育改革は、経済のグローバリゼーションとポスト産業主義社会への移行という新しい時代への対応であります。我が国も、教育内容の知的文化的水準を高め、複合的で総合的な知的能力を発達させる改革から立ちおくれてはなりません。そのために、二十一世紀にふさわしい教室の環境と学びの質の転換を図る四十人学級から三十人学級への改革こそが不可欠であります。
 公立の小学校、中学校、高等学校の学級規模を四十人から三十人に縮小することにより、生活集団と学習集団が結びついた学級の役割を尊重しつつ、個別学習などを可能とする学習環境も創出されます。また、十三万人を超えた不登校や大量に学びから逃走する子供たち、深刻な校内暴力、いじめと自殺、授業が成立しない学級崩壊、高校中退等の教育の危機的状況を解消していく条件が整備されます。さらに、保護者と教職員の連帯のもとで、子供の学びを質の高い探求的な活動へと転換し、教員が教職の専門家として育ち磨き合う研修を学校運営の中心に設定することを可能にします。
 また、より基本的な教育改革の課題として教育の地方分権化の推進があります。学校運営や学級編制等についても、硬直化した官僚主義を排除し、地方自治体の自主性、教育現場の要請を十分反映させ、地域に根差した教育環境の整備を可能にしなければなりません。
 教育は未来への先行投資であります。現在を将来につなぐ営みであり、未来への希望と期待の具体化であります。
 二十一世紀を迎え、我が国は今一大転換点に立っております。
 このようなときであればこそなお、未来を担う子供たちのために教育改革を最優先政策課題とし、一つの教室に四十人の子供がひしめく学級編制を三十人学級とする施策は、国の責任において早急に実施していかなければならないのであります。
 ここで、政府が提案された義務標準法等の一部改正案について一言申し述べておきます。
 今や、先進諸国では見ることのできない四十人という大規模学級をそのままにして、国語、算数、理科等一部の特定教科の学習については、学級の子供を分割して授業を行うことも可能とするという政府案の対応は、教育改革に値しない全く小手先の対応と言わねばなりません。しかも、非常勤講師を定数内に繰り入れて実施しようとしているのです。こうした措置を二十人授業とか二十人学級への改善と称することは、国民への欺瞞であり、子供たちと学校を混乱に陥れるだけであることを申し述べておきたいと思います。
 以上のような認識に立って、公立の小学校、中学校及び高等学校に関して、三十人以下学級の実現と教職員配置の適正化を図るために本案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部の改正についてであります。
 第一に、学級編制の改善であります。
 公立小中学校の同学年の児童生徒で編制する一学級の児童生徒の数の標準を四十人から三十人に引き下げる等の改善を行うことといたしております。
 また、特殊教育諸学校小中学部の学級は、重複障害児童生徒のみでは編制しないものとするとともに、その学級編制の標準を六人から五人に引き下げることといたしております。
 なお、都道府県教育委員会は、児童生徒の実態を考慮して必要があると認める場合には、標準を下回る数を一学級の児童生徒の数の基準として定めることができるものとするとともに、設置者が弾力的な学級編制を行うことができるよう、一学級の児童生徒の数に幅を設けることができるものといたしております。
 第二に、教職員定数の改善であります。
 教頭及び教諭について、教頭の複数配置基準及び寄宿舎を置く学校に係る配置基準を改善することといたしております。
 また、現行の複数指導及び選択教科に係る加配に加えて、授業方法の改善または特色ある教育課程の編制が行われる場合に加配を行うものとするとともに、通常の学級に障害を持つ児童生徒が在籍する場合に加配を行うものといたしております。
 養護教諭等及び学校栄養職員、事務職員につきましても所要の配置基準の改善を行うものといたしております。
 第三に、特殊教育諸学校小中学部の教職員定数の改善であります。
 教頭の複数配置基準の改善等所要の配置基準の改善を行うとともに、重複障害児童生徒の数に応じて加配を行うものといたしております。
 第四に、再任用短時間勤務職員を置く場合には、教職員の定数を活用できるものといたしております。
 次に、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部改正についてであります。
 第一に、公立高等学校の設置主体を、都道府県及び政令で定める基準に該当する市町村に限定している規定を削除するとともに、本校の学校規模について、生徒の収容定員を二百四十人以上から百八十人以上に引き下げることといたしております。
 第二に、学級編制の改善であります。
 現在四十人とされている公立高等学校の学級編制の標準を、全日制の課程については三十人に、定時制の課程については二十人にそれぞれ引き下げるとともに、設置者が、生徒の実態を考慮して必要があると認める場合には、標準を下回る数で学級編制を行うことができるものといたしております。
 第三に、教職員定数の改善であります。
 教諭等について、通信制の課程に係る配置基準及び生徒指導担当の配置基準の改善を行うとともに、学級に障害を持つ生徒が在籍する場合等に加配を行うものとしております。
 また、養護教諭等及び実習助手、事務職員につきましても所要の配置基準の改善を行うものといたしております。
 第四に、特殊教育諸学校高等部の学級編制及び教職員定数の改善であります。
 特殊教育諸学校高等部の学級は、重複障害生徒のみでは編制しないものとするとともに、その学級編制の標準を八人から六人に引き下げるものといたしております。また、設置者が、生徒の実態を考慮して必要があると認める場合には、標準を下回る数で学級編制を行うことができるものといたしております。
 教職員定数の改善につきましては、重複障害生徒の数に応じて教諭等を加配するとともに、所要の配置基準の改善を行うことといたしております。
 第五に、再任用短時間勤務職員を置く場合には、教職員の定数を活用できるものといたしております。
 なお、この法律は、平成十三年四月一日から施行することとし、平成二十二年三月三十一日までの経過措置を定め、今後十年間の年次計画で実施することといたしております。
 現今の財政状態はまことに厳しいものがあります。だからこそ、公共事業のばらまきや、官房機密費に見られた不適切、不透明な予算は大幅に削減することを私どもは強く求めているところであります。しかし、子供たちの教育費の確保は、日本のあすへの先行投資として最優先されるべきだと考えております。そして、これは圧倒的多数の国民の理解するところであります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#6
○委員長(市川一朗君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は明二十七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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