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2001/04/03 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 文教科学委員会 第7号
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2001/04/03 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 文教科学委員会 第7号

#1
第151回国会 文教科学委員会 第7号
平成十三年四月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     鹿熊 安正君     松村 龍二君
     星野 朋市君     扇  千景君
     森下 博之君     柳川 覺治君
     吉村剛太郎君     阿南 一成君
     岡崎トミ子君     小林  元君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     小林  元君     千葉 景子君
    日下部禧代子君     山本 正和君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         市川 一朗君
    理 事
                亀井 郁夫君
                松村 龍二君
                佐藤 泰介君
                内藤 正光君
                山下 栄一君
    委 員
                有馬 朗人君
                扇  千景君
                佐藤 泰三君
                中曽根弘文君
                水島  裕君
                柳川 覺治君
                石田 美栄君
                千葉 景子君
                本岡 昭次君
                松 あきら君
                阿部 幸代君
                畑野 君枝君
                三重野栄子君
                山本 正和君
                高橋紀世子君
   国務大臣
       文部科学大臣   町村 信孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        遠藤純一郎君
       文化庁次長    銭谷 眞美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合
 センター法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(市川一朗君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十日、星野朋市君、鹿熊安正君、森下博之君、吉村剛太郎君及び岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として扇千景君、松村龍二君、柳川覺治君、阿南一成君及び小林元君が選任されました。
 また、昨日、小林元君及び日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子君及び山本正和君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(市川一朗君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に松村龍二君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(市川一朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君及び文化庁次長銭谷眞美君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(市川一朗君) 独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。
 当文教科学委員会は、きょうは扇大臣を委員にお迎えしまして、またかつての文部大臣もたくさんおられるわけでございます。そのような強力なメンバーの中で質問をさせていただくことを大変光栄に存じます。
 このたびの独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案、この法案について審議するわけですが、一口に言ってきょう審議する内容は、センターの業務に青少年教育に関する団体に対して当該団体が行う次に掲げる活動に必要な資金に充てるための助成金を交付する業務を追加するというようなことで、青少年のうち十八歳以下の者の自然体験活動、社会奉仕体験活動その他の体験活動の振興を図る活動を第一、子供を対象とする読書会の開催その他の子供の読書活動の振興を図る活動が第二、第三はインターネットその他のソフト、子供向けの教材の開発というようなことを業務に追加、またこれに必要な基金をセンター内に設ける、こういう内容と承知するわけであります。
 昨今、私ども地元におりまして、土日になりますと車を走らせて県内を飛び回るわけですけれども、余り子供の姿というのを見たことがないというのが実感であります。道路を走るときに、当然に子供が道路を横切るのではないかというようなことから注意しないといかぬというふうに思うんですが、子供がそもそも横切らない。交差点すら子供の姿を見ることができないというようなことを感じます。過般、三年ほど前ですけれども、エジプトに視察に行きましたときに、大人も子供も道路を勝手気ままに横切ってにぎやかなのに比べて、日本は何と静かなんだろうなというような感じです。
 それから、土曜日、日曜日にしましても、それではグラウンドで野球でもやって遊んでいるのかなというと、そういう子供の姿も見たことがないというふうな感じです。そうしますと、日曜日に子供は何をしているのかなと。塾でも行っているのか、あるいは家に閉じこもってファミコンでもやっているんだろうかなと、こんなような昨今の日本の風景でございます。
 また、受験勉強といいますか、そういう知的なことばかりやっておりますと体を鍛えることがない。先般、松あきら先生から側わん症の子供が多いというお話がございましたけれども、やっぱりこういうのも、青少年がスポーツといいましょうか体育に親しんでいない、自然活動に遠ざかっておるというようなことからくるのかなと、こんな感じもするわけでございます。
 そういう中にありまして、子どもゆめ基金の創設を中心としまして、このような事業がオリンピックセンターに追加されるということは非常に時宜を得たことかなというふうに思います。ただ、子どもゆめ基金というと、余りきれいな名前なので、夢千代日記とかいろいろありますけれども、文部省にしてはえらいでき過ぎた名前だなという感じもするわけでございますが、質問させていただきます。
 今回、基金を設置する国立オリンピック記念青少年総合センターは、昭和四十年に、オリンピックの後だと思いますが、特殊法人として発足しまして、その後、昭和五十五年に国の直轄機関となった経緯を有していると承知しております。平成十三年四月をもって独立行政法人へ移行したと聞くわけでありますが、そこで実施している業務の内容は具体的にどのようなことか、スポーツ・青少年局長に伺います。
#9
○政府参考人(遠藤純一郎君) オリンピック総合センターは一貫しまして青少年教育のナショナルセンターとしての役割を担ってきたところでございます。
 その具体的な業務内容でございますが、一つは国公立の青少年教育施設の職員に対する研修、あるいは子ども工作教室等々の主催事業を実施するというのが一つございます。それからもう一つは、青少年教育関係の団体やグループの自主的な学習・交流活動、スポーツ活動、文化活動等に対します場を提供するということで、平成十一年度の延べの利用者数で約九十五万人が利用している、団体数にいたしまして一万四千余の団体が利用している、こういうふうな状況がございます。
 それから、近年では子ども情報センターや子ども放送局の運営などもしておりますし、そのほか青少年教育に関する専門的な調査研究なども行っている、こういうような状況にございます。
#10
○松村龍二君 この法律でクリアしておかないといけない点がただ一点あると思うんですが、それは子どもゆめ基金の助成事業の一つに子ども向けソフト制作・普及事業というのがあるわけですけれども、営利企業であるIT関係の会社が助成対象団体であるのかどうか、また企業が営利目的で販売するためにソフトを開発する行為がこの基金の助成対象事業となるのかどうか。先ほどのお話を伺いますと、今までそのような色彩のものがなかったように思うわけですけれども、そのような営利目的で販売するためにソフトを開発する行為はこの基金の助成対象事業となるのか。
 こういう時代ですから、当然にノウハウを持って高度なものをつくるということになると営利企業の方がつくるということが必要にもなろうかと思いますが、もしも企業が応募できるとするならば、助成事業の採択に当たっては高い透明性を確保することが不可欠である、特定の方だけがある政治家と仲がいいからこの仕事にありついているということではぐあいが悪いわけでありまして、高い透明性を確保することが不可欠と考えます。
 そこで、オリンピックセンターでは基金の運営に当たって透明性をどのように確保するつもりなのか、見解を伺います。
#11
○政府参考人(遠藤純一郎君) 子ども向けソフト制作・普及事業の助成対象団体でございますが、法文上は青少年教育に関する団体と規定されておりまして、いわゆる青少年団体、NPO法人、あるいはいろんなグループが一緒になって行います実行委員会のような組織、さらには民間企業など、青少年教育に関する事業を行う団体でありますればすべて対象になってくる、こう理解しておるところでございます。
 助成対象として開発されますソフトは社会教育の分野で活用される子供向けのソフトでございまして、この分野では採算ベースに乗らないということもございまして、優秀なソフトが少ないという状況にもあるわけでございます。したがいまして、優良なソフトであれば企業が開発するというものも含まれる、こういうふうに考えるわけでございます。
 ただ、企業が行うソフトの開発も当然この基金による助成対象となるわけでございますが、その際、例えば今私ども学校教育の場面におきまして、文部科学省が企業等に委嘱をしまして教育用コンテンツ開発事業というような事業も行っておりますけれども、そこでの扱いとしましては、開発したコンテンツというのは最低三年間は無償でインターネットで提供する、こういうような条件を付しながら委嘱をしているということがございます。したがいまして、この基金で助成をいたしますソフトにつきましても、同様に無料あるいは実費程度の廉価で利用者に提供するといったような形で助成をするということになろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、透明性についてのお尋ねでございますけれども、審査に当たりましては、学識経験者や経済人など外部の有識者から組織をします審査委員会を設置いたしまして、客観性、透明性の担保をされた厳正な審査体制を整えまして、助成基準に沿いまして適正かつ公平な審査を行うことによりまして、事業を実施するのに真にふさわしい団体を採択していく必要がある、こう考えておるところでございます。
#12
○松村龍二君 平成十三年度予算には、子どもゆめ基金関連予算として、さきの予算が成立しまして百億円の出資金が決まったのかと思いますが、そのほかに二十億円の事業費が計上されているわけであります。本当はこの出資金の果実で運用されなければならないわけですが、昨今の低金利ということで二十億円の事業費が計上されております。日本じゅうの少年の野外になじむ仕事、いろんな団体があると思うんですけれども、これに分配すれば各団体に渡る金額は非常に微細な金額になるんではないかなというふうにも思うわけですが、一方、この二十億円の事業費も、昨今の財政状況を見ますと、二十億円が事業費として将来ずっと確保され、あるいは膨らんでいくというのは難しいんではないか。
 国と民間から資金を出して基金を造成し、社会全体で子供の夢を育てていくという子どもゆめ基金の創設の趣旨にかんがみますれば、本来、そのような年度ごとの事業費の措置に頼るのではなく、基金本体の果実で運営するということで、基金本体の早急な拡充が必要であると考えますが、どのような造成計画を立てているのか、局長に伺います。
#13
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、基金の創設に当たりまして、政府として百億円を出資するということにしてございます。ただ、この金額ではその運用益だけで基金の事業を行うということができないということで、当面、運営費交付金のうち二十億円を基金の事業に充てる、こういうことを予定しているわけでございます。
 これも御指摘のように、基金の事業に必要な経費につきましては、本来、基金の運用益だけで賄うのが望ましいと考えられるわけでございまして、民間からの幅広い協力を求めるという基金創設の趣旨にかんがみまして、基金に関する広報活動や普及啓発活動の充実を図りまして、民間から幅広く寄附を得られるよう粘り強く取り組んでまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 いずれにしましても、基金の事業につきましては、運用益を含めて年間二十億円程度の事業が毎年確保されるよう努めてまいりたい、こう考えております。
#14
○松村龍二君 ちょっと質問の方向を変えまして、スポーツについてお伺いするわけですが、今日、我が国において、経済や科学技術が発展する一方で、青少年の体力の低下、コンビニの前でべたっと座り込んだり、体力の低下という指摘がされます。また、心の健康問題、協調性といいますか社会のためというんでなくて、利己主義というんでしょうか、自分のためというがちがちの青少年が育っておるというふうに心配されるわけであります。このような中で、心豊かでたくましい青少年を育てるために、スポーツを通じて体を動かし、仲間と触れ合いの機会を持つことが大変重要であると思います。
 私は、ラグビーをいたしませんが、総理はラグビーが好きなようでありまして、ラグビーの言葉に、オール・フォー・ワン、ワン・フォー・オール、すべての選手はチームのために心を一つにし、またチームあればこそ選手も生きる、こういう言葉があるそうであります。教場において道徳その他を教えるということも大事かと思いますけれども、そういう自然なスポーツを通じて社会性がはぐくまれ、協調性がはぐくまれる、またいろいろ困難な時代に立ち行く体力を国民が身につけるということが大切だと思います。また、オリンピックなど国際舞台での日本選手の活躍は子供たちに夢や感動を与え、将来に向かって生きる希望を与えるものであります。
 このように、青少年の健全育成にとって極めて重要なスポーツの振興につきまして今後どのように取り組むのか、大臣に御見解を伺います。
#15
○国務大臣(町村信孝君) 今、松村委員から御指摘をいただいたように、スポーツの意義は大変大きなものがあると思っております。
 ちょうど今、折しも選抜高校野球が開会中でございます。ああいうものを見たりいたしますと、やっぱり国民が感動し、子供たちが夢を持てる最高の舞台なんだろうなと、こう思っております。
 また他方、今、委員御指摘のように、子供の体力低下ということを私は大変心配をしております。これだけ豊かになり、栄養もとれるようになり、それでいて体力が年々低下をしていくというのは本当にゆゆしき事態だろう。これにどう対応していくのか、なかなか決め手が見つからないで、実は近々、中央教育審議会の方にも、この子供たちの体力低下問題というのをどうしたらいいかということを諮問したいなと考えているところでございます。
 文部科学省といたしましては、昨年の九月にスポーツ振興基本計画、平成十三年度から二十二年度までの十カ年計画を策定いたしました。今年度からこれに沿いまして、一つは、国民がだれでも身近にスポーツに親しめるように、そうした生涯スポーツ社会の実現をするためにいろいろなことをやっていこうというのが一つ。それからもう一つは、今、委員御指摘になったオリンピック等々の国際競技大会で日本選手が堂々の活躍ができるように、できれば金メダルを一つでも多くとれるようにということで、この二つのことを目的にした基本計画をつくったわけでございまして、特に身近なスポーツに親しむことができるという意味で、市町村ごとに総合地域スポーツクラブというものを整備していきたい。余りとらぬタヌキの皮算用を言ってはまずいのでありますが、今売り出されましたtotoの収益金などがもし予定どおり入ってくれば、こうした地域スポーツクラブの整備等にも充てられればいいなと期待をしているわけでございますが、こうしたことをやると同時に、才能あるジュニアの選手をまだ小さいときからきちんきちんと一貫した指導理念に基づいて育成をしていく、そんなことも始めたい、こう思っております。
 さらに、ことしの秋にスポーツ医学、スポーツ科学の研究推進の中枢機関として国立スポーツ科学センターというものを開設する予定にしてございまして、これは都内の西が丘でございますけれども、ここができますと、これはいわゆるナショナルトレーニングセンターとは違いますけれども、これはこれで別途これから検討していきたいと思っておりますが、まずこのスポーツの医学、科学の成果を活用した科学的なトレーニング方法の開発などをやれるのではないだろうか、こう思っているところでありまして、こうしたことをさまざま組み合わせることによって我が国のスポーツを大いに振興していきたい、かように考えているところでございます。
#16
○松村龍二君 文部科学省を英語に翻訳しますと、エデュケーション・サイエンス・ミニストリーじゃなくてスポーツなんとかと、こうちゃんとわざわざ英訳に言葉があるわけでありまして、文部大臣、そのようにお力を入れていただくということで安心するわけであります。
 ところで、ただいまお話もございましたように、昨年のシドニー・オリンピックは我々とすると大変楽しい成果だったと思います。金メダルを五つとったということで、また団体競技で野球、女子ソフトボールあるいはシンクロナイズドスイミングと、一人だけの成果ではいい成績がおさめられないようなチーム競技においても立派な成績をおさめたということで、非常によかったと思います。
 私、実は、四年前ですか八年前ですか、オリンピックの後、イギリスへ行きましたときに、大使館の方から、イギリスもオリンピックの成績が日本と同様惨たんたるものだったので、イギリスではナショナルトレーニングセンターをつくって今対応し始めましたよ、日本も急がないと最近の世界レベルの成績を出す超高度なアスリートが育ちませんと、こんな話も聞いたことがあります。
 そういう意味におきまして、私は、さっき申しましたように、昨年のオリンピックは思った以上に立派な成績だったのでほっとしたわけですけれども、しかしもう今オリンピックは三年半後に控えているわけですから、本格的なトレーニング拠点というものをやはり先ほどの科学センター的なものとほかにつくる必要があると。そしてまた、昨今不景気で企業がどんどんスポーツから手を引いていくということもありまして、国の方で力を入れるということも必要かと思いますが、トレーニング拠点の整備についてどのようになっているのか、局長にお伺いします。
#17
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、昨年のシドニー・オリンピックにおきましてもメダル獲得数が上位の国のほとんどがナショナルレベルのトレーニング施設を有している、こういう状況にございまして、かねてからその必要性が委員御指摘のように指摘されていたところでございます。
 先ほど大臣から御答弁をいたしましたけれども、我が国におきましても、ナショナルトレーニングセンターそのものではございませんが、平成九年にスポーツ医科学の研究成果を踏まえた科学的トレーニングを行う施設としまして国立スポーツ科学センターの建設に着手をしまして、この秋に開所をするという運びになっているわけでございます。
 この施設は、我が国の国際競技力向上に向けたスポーツ医科学研究推進の中枢機関としての役割を担うとともに、これらの研究成果を踏まえた科学的トレーニング方法の開発やスポーツ障害等に対する医学的サポート、スポーツに関する各種情報の収集、蓄積、提供などを一体的に行うものとして関係者から期待されているところでございます。
 しかしながら、これだけでは本格的なトレーニング拠点としてはまだまだ不十分であるということもございまして、トップレベルの競技者が同一の活動拠点で集中的、継続的にスポーツ医科学に基づいた高度なトレーニングを行う環境を整備するという観点から、昨年九月に策定しましたスポーツ振興基本計画におきましても本格的なトレーニング拠点の整備を行うということが掲げられているわけでございます。この計画に基づきまして、文部科学省としまして、平成十三年度予算にナショナルトレーニングセンターの設置等のあり方に関する調査研究につきまして予算を計上したところでございまして、今後、外部有識者の意見を聞きながら、我が国におけるナショナルトレーニングセンターの設置に向けて必要とする施設及び設置等のあり方について研究を進めてまいりたい、こう考えている次第でございます。
#18
○松村龍二君 その推進するということが非常に重要なわけですが、一面、スポーツをやり過ぎて体を傷めると。昨今、サッカーとか野球、少年野球とか非常に華々しいものがありますけれども、一部の成功者の陰に、死屍累々と言ってはちょっと言葉が過ぎるかと思いますけれども、スポーツで体を傷めてしまうという人、子供たちも大勢いるというようなことをスポーツ医学の詳しい方から聞いたことがあります。
 このようなことがあってはぐあいが悪いので、やはり科学的に、昔はウサギ跳びなんというのはやった方がいいと、こう言ってみんな一生懸命やっていたんですが、あれはよくないということで今はだれもやりませんけれども、そのようにスポーツを医学的、科学的にしっかり導いていくということも大変重要なことかと思いますが、そのことについて局長にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#19
○政府参考人(遠藤純一郎君) 子供のスポーツ活動につきましては、体力の向上のみならず、子供の自主性や連帯感をはぐくむなど大きな教育的意義を有しているわけでございまして、運動部活動の参加率も、平成八年度の調査では中学生で七四%、高校生で四九%と、こうなっておるわけでございます。
 一方で、御指摘のように、一部におきまして、目先の勝敗にとらわれたり、指導者が子供の発達段階に注意が行き届かず、行き過ぎた練習をさせることなどで子供の心身に疲労が蓄積されましてスポーツ障害などの原因となっている状況が見られるわけでございます。
 これも、統計によりますと、例えば中学校の運動部員では一割強の人がスポーツ障害の経験があるというような統計もあるわけでございまして、スポーツ障害で一番多いのはオスグッド病というもので、何かひざのお皿のところに障害が出てくる、こういうようなものとか、あるいは野球ひじとかテニスひじ、そういったようなことも見られるわけでございます。
 こうしたことから、子供がスポーツ活動に極端に偏らず、バランスのとれた生活を送ったり、スポーツ障害を予防するため、指導者が子供の発達段階に深い理解を持ち、年間を通じた練習日数や一日当たりの練習時間を適切に設定するということが重要になってくるわけでございます。
 そういうことでございまして、この学校の運動部活動につきましては、平成十年に体育局長の通知を出しまして教育委員会等に注意を促すというようなことを行いましたり、さらには運動部活動の指導者に対して各種の研修を行うというようなこと、それと、これはもう本年の六月を目途に準備中でございますが、全国の学校にコンピューターネットワークを通じてスポーツ等に関するコンテンツを提供する学校スポーツ・健康教育情報システムにおきましてスポーツ障害等の情報を提供するというような予定にもしているところでございます。
#20
○松村龍二君 あと一分時間がありますのであれですが、今、科学的に、組織的に取り組んでおられるという話ですが、ひざのお皿がおかしくなるとかひじがおかしくなるという程度ならどうということはないと思うんですけれども、例えば剣道なんかでも、面と面でがんとぶつかると背骨、脊椎に障害が起きるとか、剣道の好きな方も政治家でもおられますけれども、そういうようなことで、その後の人生を歩むについての障害になるような重大なことがあろうかと思いますので、十二分に科学的に取り組んでいただきたいということを御要望させていただきます。
 以上で終わります。
#21
○佐藤泰介君 民主党の佐藤泰介です。よろしくお願いします。
 冒頭に、質問通告をしておりませんけれども、私も十分にまだ中身を読んだわけではございませんけれども、けさ、ある紙に「核燃が裏金二百五十四億円」というような記事が載りました。要約しますと、文部科学省の特殊法人核燃料サイクル開発機構が、二十年にわたって社内調整費と呼ばれる裏金を捻出していた。その額は最近五年間だけで二百五十四億円に上り、一部は職員の給与の水増し分に事実上充てられていた疑いがあると報道されています。この報道の中では、二重帳簿ともいえるシステムすらつくり上げて虚偽の報告を国会に提出していたことになるというようなことを私も読ませていただきました。
 事実かどうかとここで聞いても、多分、調査しますという答えになるんだろうと思いますけれども、国民から見ればまたかという、非常にそういう不信を買う。事実でないかもしれませんけれども、国民から見ればまたかという印象を大変強く皆さんは持たれるんではないかと思いますので、文部科学省としてこれに対して今後どのような事実確認をされていくのか、あるいはどのような調査をされていくのか、また大臣もお手元にお持ちのようでございますので、それを読まれてどんな印象、感想を持たれたのか、まず冒頭お伺いをいたします。
#22
○国務大臣(町村信孝君) 私もけさのこの新聞の詳細をまだ一言一句読んだわけじゃございませんが、まあ大体今斜めに読んでみますと、委員が御指摘のような疑問を私自身も感じております。こういう調査がある新聞社によって行われているということも聞いたものですから、あらかじめこのサイクル機構、特殊法人でございますが、どんなことをやっているのかというのは、あらあらはちょっと聞いてみたところでございますけれども、まだはっきりしたことはよくわかりません。
 要するに、国がこの特殊法人に対して負託をした業務を国が認可した予算と定員の範囲内で責任を持って進めていく、これはどこでもそういうことだろうと思いますので、この予算、定員の管理は基本的にはそこのサイクル機構の裁量の範囲内に属することであろうとは思っております。これはあくまで一般論でございます。
 ただ、こういう指摘もあるわけでございますし、またサイクル機構は大変重要な仕事をやっておる関係上、したがって国民の信頼なくしてこうした重要な仕事をこれからもやっていけなくなりますから、まずきちっとした調査をやる必要があるだろうと、こう思っておりまして、改めてきょうこのサイクル機構に対してしっかりとした厳正な調査をするように指示をしたところでございます。とりあえず二週間程度を目途に調査結果を取りまとめるようにということで指示をいたしまして、その結果を見た上で、さらに問題があれば必要な措置を今後とっていきたいし、また国会にもそうしたことについてきちんと御報告をしてまいりたいし、国民の皆さん方にもきちんと説明ができるようにしなければいけない、かように考えているところでございます。
#23
○佐藤泰介君 非常に積極的な姿勢を示されて、評価をさせていただきます。
 とはいえ、先ほども申し上げましたが、積み重なってきておりますので、国民サイドからすると非常に不信が募ることにつながっていくというふうに思います。二週間程度で何とか十分に、やっぱり調査の期間が長くなりますとなお不信が募りますので、できるだけ短期間で調査をしていただいて事実関係を明らかにして、当然、言われた国民、国会に御報告をいただいて、また疑義があれば取り上げさせていただきたい。
 私もこれはきょうぱっと読んだだけでございまして、質問通告にもありませんので、この問題はこの程度にさせていただいて、オリセン、どうもオリセンという法案の略で呼ばれるようでございますのでオリセンと言わせていただきますけれども、オリセンの方に入らせていただきたいというふうに思います。
 先週の東京は桜が満開の後に雪が降るというあいにくの天候でしたが、日曜日にはようやく晴れて、花見の行楽客もどっと花の名所に繰り出したようです。
 私は、この季節になると、何かの新聞にも書かれておりましたけれども、落語の熊さん、八つぁんが花見に繰り出す「長屋の花見」の話を私自身の生活体験とオーバーラップさせながら思い出すわけでございます。貧しい生活の中でも、何々のつもりという料理であっても、来る春をみんなで楽しむ感性を大人も子供も持つことの必要性が再認識されなければならない、そんな社会になっているのに、そうした感覚がどこかに消えてしまっている。そのことについて寂しさというか悲しさというか、そんなことを感じるときがあるわけでございます。私はそのどこかに消えてしまった感覚が伝統とか文化とも言えるものではないかというふうに思っております。
 しかし、私どもが育った社会状況と今の子供たちの置かれている社会状況とには大きな隔たりがあり、先ほど述べました季節感や家族、地域社会等に接する体験すらなかなか持てない子供たちにさまざまな体験の機会を与える試みがこの法律案であり、今回、基金を設けるとしたと私は理解をさせていただいております。
 今申し上げましたことを含めながら、大臣はどのようにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
#24
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおりでございまして、昔は貧しかったけれどもいろんな体験ができたということはあろうかと思いますが、最近、豊かになったから逆にいろいろな体験ができないという、何か皮肉な、豊かさの中の貧しさみたいなそんな感じすら持つわけでございまして、子供たちがさまざまな体験をすることの重要性はまさに委員が御指摘のとおりだと、私もそう考えております。
 何でもインターネットの画面で、バーチャルリアリティーといいましょうか疑似体験で済ませてしまうというのではなくて、やっぱり実際に体験をすること、それをできるだけ促進するために今回この子どもゆめ基金というものをつくり、さまざまな団体がいろいろな体験活動を推進しておりますが、それのお手伝いをしようというのがこの基金の趣旨でございます。
 自然体験活動のみならず、例えば田植えをしたり、あるいは森林の下刈りをする、そういった農林業の体験でありますとか、あるいは商店街の方に出ていって実際に物を売ってみるという、商売といいましょうかそんな職場体験も大切でしょうし、さらに特別養護老人ホームに行ったりなどなど、そうした社会奉仕体験というものも必要でありましょう。
 いろいろな体験をしてもらうことを促進するために今回のこのゆめ基金をぜひつくりたいということになりまして、委員御指摘のとおりの趣旨でこの基金の構想をつくらせていただいた次第でございます。
#25
○佐藤泰介君 今、大臣がお答えをいただいた点は、私も、今の子供たちにこれから大変必要な部分であり、そしてそのことが今、文部科学省が打ち出してみえる心の教育にもつながっていくというふうに考えておりますので、民主党としてはこの法案には賛成をしておるわけでございます。
 そんな立場をまず申し上げて、次に子どもゆめ基金の内容について一、二伺いたいと思いますけれども、法律案によれば三つの活動に必要な資金を助成することとされています。この三つの助成対象のうち、一つは大臣が今言われた田植えとか森林の下刈り等々さまざまな体験活動、あるいは奉仕活動もつけ加えられたように思います。二つ目は読書活動が重要であることが挙げられております。私は、この体験活動と読書活動については恐らくここにお見えの委員の皆さん方も議論の余地がないものと、そういうふうに思っております。
 しかし、私がちょっと疑問に思いますのは、インターネット用子供向け教材の開発についてはどうでしょうか。松村理事の方からも先ほどちょっと出されましたけれども、教材を開発することはそれはそれで意義のあることかもしれません。しかしながら、これがこの子どもゆめ基金の本来の趣旨に沿うものなんだろうかという疑問を私は持っております。持っておりました。
 そして今、松村理事の質問に対して遠藤局長さんでしたかがお答えになられましたけれども、聞き方が間違っておったら修正をしていただきたいですけれども、営利目的の企業が行うそういうインターネットの教材開発にも助成できる、子どもゆめ基金が営利目的の企業のインターネットの教材開発に助成されていくということが本当に日本のこれからの子供政策拡充に向けて必要なんだろうか。
 必要ないとは言いませんけれども、もっともっと違う部分に重点を移していく。まだまだ欧米その他に比べて日本の子供政策が十分だとは私は言い切れない。例えば、先ほどスポーツの話もございましたけれども、地域にスポーツ活動があって、学校が終わったらそこへ子供たちが行って自由にサッカーをやったりいろんなことをやったりというような状況が欧米等ではある。
 そういう状況を踏まえたときに、そして大臣も今非常に体験活動の重要性を言われました。というときに、この財政事情厳しき折、インターネットのソフトを営利目的にもなる企業に助成していくということが本当にこの子どもゆめ基金の本来的な三つの助成業務の中の一つに加えられた。なぜ加えられたのか。
 私はこれは不必要だというふうに思っておりますけれども、なぜそうなって遠藤局長のような答弁になったのか、局長に聞けばまた同じ答えになるかもしれませんので、大臣の方から今私の言わんとすることについて御答弁がいただければありがたいというふうに思います。
#26
○国務大臣(町村信孝君) この子ども向けソフト制作・普及事業がなぜこのゆめ基金の対象事業としてあるのかということでございますけれども、基本的に、子供向けのいいソフトというものが私は日本ではまだまだ不足をしている、こう思っております。俗悪なソフトはもうどんどん営利ベースでできてくるわけでございますが、本当の意味で良質なものが少ない、こういう実態を見たときに、私どもは、この法律に書いてございますように、青少年団体あるいはNPOあるいはいろいろな実行委員会的なものでつくる組織、さらには民間企業などが行いますこうした子ども向けソフト制作・普及事業は一応全部対象にして考えていいのではないのかなと。
 もちろん、営利のためにやるものをお手伝いする必要はございません。あくまでもこの基金の趣旨に沿った優良なソフト開発でございまして、したがって、先ほどちょっと局長が申し上げましたように、他の例を見ると、やっぱりそれは無料で使わせるとか、あるいはせいぜい実費程度の非常に安い値段で利用者に提供することを義務づけるといったようなことでやっていく必要があるんだろうと。
 その辺をはっきりさせるためにも審査基準というものをあらかじめつくっておいて、そしてその審査基準に沿って外部の有識者などから構成をされます審査委員会を設置して、そこでふさわしい事業であるかどうか、ふさわしいソフトであるかどうかということを判断していただいて採択していくということなんだろうと思います。
 ですから、ある程度日本国内で優良なソフトウエアが開発をされて普及するようになれば、いつまでもこの事業をやる必要があるとは私も率直に言って思っておりません。ある期間、そういったものができ上がる間の事業なのかなという認識を持っているところでございます。
#27
○佐藤泰介君 最後のところでちょっとほっといたしました。ある期間でという部分でちょっとほっといたしました。
 森総理をどうのこうのと言うつもりは私ございませんけれども、今、予算を立てる、あるいは予算の審議の中でもITとかインターネットとか言えばどんどん予算がついちゃって、本当につけなきゃいかぬところが削られていくような感じを私は持っておりましたので、子どもゆめ基金までIT、インターネットを持ってきて体験活動の部分がITで削られていくことを若干心配し、また営利目的に使われたりするとというようなことも考えておりましたのでそんな質問をさせていただきましたけれども、最後の部分で、十分なものがないので、非常に有用な、役に立つ、そういうものを手がけて、それはそう長期間はやらないんだというようなことの答弁をいただいて、最後の部分でちょっとほっとはいたしました。
 国の財政状況が大変厳しい。先回、三十人学級をやったときには、非常に財政事情が厳しくて何にもできぬ、できぬ、できぬ、できぬと、こういう答弁が政府答弁だったように思いますので、これからこの資金の運用益といえどもやっぱり効率的に使われるべき、これは独立行政法人への移行のときにも言われたことでございます。そしてまた、資金の目的を明確化する意味でも、助成事業は政府の審議会等でも、私が記憶する範囲では、その必要性が強調されたのは体験活動を中心にしたものであったように記憶いたしております。
 したがって、できますればそういったものに限定すべきだと、この点は今後の、独立行政法人ですから中期目標を立案されていくんだろうと思いますので、その中でぜひ時期を見ながら検討を加えていっていただきたい、そんな御要望を申し上げておきたいというふうに思います。
 ちょっと話を変えさせていただいて、これまで体験活動の必要性が言われる中、年間三十億の予算をもって平成十一年度より緊急三カ年戦略、全国子どもプランと銘打って、先ほど大臣が言われた文部科学省独自の企画や森林の下刈りというような話、各省連携事業としてさまざまな取り組みがされてきております。
 本年度はその最終年度になっておりますが、これまでどのような実績を上げられたと大臣は認識をされておみえでございましょうか。また、今年度で、十一、十二、十三で終わる、緊急のものは終わるんだろうと思いますけれども、各省と連携した企画を今後はどのように考えられておるのかという点、あわせてお尋ねをしたいというふうに思います。
#28
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、学校週五日制が平成十四年度から始まるわけでございまして、これに向けまして今いろいろな準備をしておりますが、その中の一つの重要な準備が今御指摘のあった全国子どもプラン緊急三カ年戦略でございまして、地域で子供たちを育てる環境をできる限り整備をしておこうという趣旨でございました。もちろん、これは文部科学省だけではできませんので、委員の御指摘になった関係省庁の協力を得ながら推進をしてきたところでございます。
 例えばどういう施策をやってきたかといいますと、親や子供たちにさまざまな体験活動とか家庭教育支援に関する情報提供を地域ごとに行う子どもセンターを全国展開する、あるいは衛星通信により学校休業の土曜日に全国の子供たちにスポーツ選手、有名なオリンピック選手等々やあるいは科学者が直接語りかけるような子ども放送局を設置するというようなことをやってまいりました。また、各省と連携……
#29
○佐藤泰介君 その辺、資料をもらって読んでおりますので簡単に。
#30
○国務大臣(町村信孝君) そうですか。では簡単にいたしますが、各省庁と連携するものも、農水省、経済産業省等々もやっておりますし、子どもセンターも、先ほど申し上げましたが、全国千カ所程度を目標に進んでおりましたが、平成十二年度で七百二十五カ所ということで、それなりの整備も進んできたかなと。
 今後どうするかというお尋ねでございましたけれども、さらにこの一年間があるわけでございまして、今この一年の終わりに目がけまして、この三カ年の実績というものを評価し、踏まえながら、私は大変有意義なプロジェクトが次々立ち上がったと思っておりますから、引き続き継続できるような方向で関係省庁とも話し合って、土日の充実といいましょうか、こうしたものあるいは体験活動の充実を今後ともできる限り進めてまいりたいと考えております。
#31
○佐藤泰介君 これもまた最後のところでほっといたしました。
 私もいろんな意味で、これで終わってしまうと非常に限られた子供が体験したというだけで終わってしまうような気がいたしますので、ぜひこれを継続していっていただいて、もっともっとこれが体験できる児童生徒の数がふえていくことがこれからの土日休みに対してもあるいは親子の触れ合いにしても体験学習についても非常にいいことだというふうに思っておりますので、三年できょうは打ち切られるというような答えを想定しておりましたが、継続できるように努力をされるということですと、もう一度文部科学大臣を務めていただかぬといかぬなというふうに思うております。
 私が心配したのは、百億だとしても運用益は多分一億円ぐらいじゃないかなと今では思うわけですよ。そうすると、三十億積んできたのが、事業費二十億入れたって二十一億ということは、どおんと来年度この予算が縮小されるという、間違っておったら指摘してください、私はそう感じたわけでございます。三十億、三十億と来たのが、百億の基金になって二十億の事業費ですから、直接その体験学習に使えるお金が、予算規模が大変縮小すると。そんなことなら、基金を積まずに、百億の基金と事業費を合わせて百二十億ですから、これを三十億で割れば四年間三十億ずつ使っていけるなということも方法としてあるんではないかということを考えたものですから、こんな質問をしました。
 これも松村理事も質問されましたけれども、遠藤局長は努力目標を言われました。しかし、独立法人ではございませんけれども、スポーツ振興基金は政府からの出資金が二百五十億、民間から四十四億でしょう、いただいた資料が間違いなければ。芸術文化振興基金、これも特殊法人ですけれども、政府から五百億、民間から百十二億ということは、努力目標は言われましても、百億を積まれて、民間からこの程度の割合で来れば、ほんのわずかしか民間も今出せないという状況だとすると、非常に予算が縮小されてしまうんではないかということをちょっと心配したわけでございます。
 したがって、継続をされていくということで、体験活動、冒頭に申し上げたように、今の子供たちに欠けている部分、豊かさの中でと大臣も言われましたので、ぜひ継続できるような方向でさらに御努力をいただきたいというふうに思います。時間もなくなってまいりましたので、これは意見だけにさせていただきます。
 次に、全国子どもプランのときは、できたのかもしれませんけれども、地域に根づいた青少年育成を対象としたNPOの活動に援助をすることがなかなか困難であったけれども、今回はかなりできるように法律的にはなるんではないかというふうに考えます。その点は私は大変評価していいんではないかと思っております。
 今後、これらの組織の日常的な活動に対するとはいえ、まだまだいろんなNPOもありますので、今後これらの組織の日常的な活動に対する継続的な援助も必要となり、さまざまでより細かな要望に対しての受け入れ体制についてどのように現時点で考えられているのか、この点について大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。
#32
○国務大臣(町村信孝君) NPOも、本当に小さいローカルな地域に根差したものから、数県にまたがるもの、あるいは全国レベルのもの、いろいろなものがあろうかと思いますので、またそれらのすべてをこの基金で全部把握するということも現実に難しい面もあろうかと思います。しかしながら、いろいろなNPOや市民グループ等がやっておりますこうした体験活動あるいは読書活動支援、こうしたものについてはできる限りの応援をしていきたい、こう思っているところでございます。
 幅広く説明会を開催をしたり、あるいはマスコミを活用した広報でありますとか、あるいは基金のホームページによる広報、さらにはいろいろな体験活動や読書活動を推進する団体もございますので、そうした団体の連合組織を通じてのPR活動などなど、あるいは場合によったら、各自治体の御協力も、余り手間暇かけると自治体も仕事がお忙しいでしょうけれども、できる限り御協力をいただいて、そうした地域の御要望にもできる限りこたえられるような努力はしてまいりたいと考えております。
#33
○佐藤泰介君 私は、大臣が今言われたように、この基金は大きくても多分これから目指していくのは市区町村ぐらいの単位で、現実にはさまざまなグループが中心となるものだと思うし、そうなっていかないと効果は上がっていかないんだろうというふうに私も考えております。そして、この基金がきっかけとなって、これらの単位の活動を呼び起こすことができる可能性も十分にあるというふうに考えております。そのためには、やはり自治体への助成が基金を積むことによって圧迫されるということでは困るわけですし、さらにそうした自治体への、健全育成、体験活動への助成もさらに拡充していくことも大変重要であろうと思います。
 体験活動について、今オリセンで行われようとしているのとは別に、自治体への助成については大臣はどのようにお考えになっておみえになるでしょうか。
#34
○国務大臣(町村信孝君) このゆめ基金のみならず、いろいろな形でのNPOへの支援が実際にはあるわけでございます。例えば、環境関係については環境省がやっております環境関係のNPOへの助成というのが一つ思い浮かぶわけでございますが、いろいろな形があろうと思います。あとはそれぞれの自治体レベルで、自治体としてそうしたNPOの活動が非常に有益であると考えた場合には自治体独自でまたさまざまな支援をする。介護関係でこうしたものも今各地区に生まれつつあります。
 そういう意味で、国もお手伝いをする、自治体もお手伝いをする。そこで余り屋上屋にならないように、重複にならないように一定の交通整理はしておく必要があるんだろうと思いますが、その辺、少しある程度実は動き出してみないとどういう交通整理ができるか、率直に言って頭の中でいろいろ考えても整理し切れない部分があるということを御理解賜ればと思いますが、ある種の仕分けをしながら、やっぱりできるだけ効率的な予算の活用に努めてまいりたいと思っております。
#35
○委員長(市川一朗君) 佐藤泰介君、時間です。
#36
○佐藤泰介君 もう一問聞きたかったですけれども、隣で委員長がにらんで時間ですということでございますので、委員長の指示に従って、これで終わります。
 ありがとうございました。
#37
○松あきら君 独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案の審議に際しまして、このたびセンターに設置する子どもゆめ基金につきまして、その背景と経緯について少しお話をさせていただきたいというふうに思います。
 国際子ども図書館設立推進議員連盟といたしまして、上野公園に子供たちのための国際子ども図書館をつくろうということで活動が推進をされました。本日、扇国土交通大臣も委員として御出席をされておりますけれども、扇大臣、そして中曽根元文部大臣、きょうは御出張ということでございますけれども、河村副大臣ともども、私も事務局次長といたしまして、全党一致でこれを推進させていただいたわけでございます。
 四月二日、アンデルセンの日にちなんだ子どもの本の日の記念をする切手、あるいは国際子ども図書館の開館を記念する切手、これも二年がかりで交渉いたしまして、発行することができました。このかわいらしい切手でございます。
 平成十二年五月にめでたく上野に国際子ども図書館は開館をされました。国内外の子供の本や原資料の収集、データベースの整備・保存、学校図書館や公共図書館とのネットワークの形成、双方向による子供文化の国際交流の実現など、今後の国際子ども図書館の充実に支援をしていこうという活動をいたしているわけでございます。
 このほか、子ども国会の定例化、国際子ども文化基金の設立推進、あるいは民間団体と共同で新生児に絵本を贈るブックスタートの実現に取り組み、また子供の未来に深くかかわることを議連のモットーといたしてまいりました。
 十二年五月五日に国際子ども図書館が開館をいたしまして、平成十四年の春にはすべての完成が予定をされております。こういうことで、めどもつきまして、歴史的な役割を終えましたので、平成十二年三月三十一日の議連の総会で、国際子ども図書館設立推進議員連盟は子どもの未来を考える議員連盟に改組されたわけでございます。
 昨年五月五日の国際子ども図書館の開館に際して、国際子ども文化基金の構想が発表されました。恒久的な子供のための活動と位置づけられました。受け皿法人の検討が進みまして、果たしてどこがいいであろうかと。子どもゆめ基金の名称がすばらしいと松村先生も先ほど言っていただきましたけれども、これも扇大臣、中曽根元大臣、町村文部科学大臣もお出ましだったと思いますけれども、このすばらしいネーミングにされまして、そしていろいろ検討した結果、国立オリンピック記念青少年総合センターに基金を設置することが決まりました。
 二十一世紀の日本はこの国の新しい形が問われているわけでございます。その日本を担うのはまさに子供たちです。しかし、現状ではその子供たちを取り巻く環境は大変厳しいものがございます。二十一世紀の日本を真剣に考えましたときに、心身ともに健全で、主体性と責任感にあふれ、想像力を備え、人類愛と国際性豊かな社会人を育てる環境を整備することは今日の大人の責任でもございます。もちろん、心身ともに健全でということは、障害を持っていらっしゃる方も含めて心の健全性ということでございます。国づくりは人づくりでもあります。子どもゆめ基金は、国と民間が共同で知恵、時間、資金を提供する、将来にわたって子供たちを支援していく機関としてますます大きく充実していってもらいたいと期待をしているところでございます。
 ここで、基金の設立にもかかわってこられた町村文部大臣にこの子どもゆめ基金の将来と子供たちの育成に対する御決意を改めて伺っておきたいと思います。
#38
○国務大臣(町村信孝君) ただいま松あきら委員から議連の活動の経過、そして子どもゆめ基金設立に至るさまざまな活動についてお触れをいただきました。
 最終的に今回このいわゆるオリセンに落ちついたわけでございますけれども、そこに至るまでの間、さまざまな検討をしていただきました松委員を初めとして関係する委員の皆さん方には心から私どもも感謝をしているところでございます。
 百億円の基金といっても、本当に昨今の状況ではまだまだ大変低金利でございます。たしか当初は一千億円という大変気宇壮大な構想もあったわけでございますが、現実はまず百億からと。民間からも相当皆さん方の御寄附をいただけるという、若干絵にかいたもちだったのかもしれませんが、しかしこれから大いに努力をして民間の皆さん方にもお願いをしていきたいし、国も財政のゆとりがだんだんできてくればまたこうしたものの充実も図っていきたい、こう考えておるわけでございまして、この子どもゆめ基金の活動を通じて子供たちのさまざまな体験活動というものがより活発になることを私は大きな期待を持っておりますし、またどうしても家に閉じこもりがち、自然体験等々が不足しがちな子供たちにとって、私はこの基金が非常に将来有益な、有効な機能を果たしてもらえるものと、そう確信をしながら、その発展に向けて皆様方とともに努力をさせていただければありがたい、かように考えているところでございます。
#39
○松あきら君 子どもゆめ基金は、当初、平成十三年度は百億円の基金と二十億円の事業費で出発するわけでございますけれども、今、大臣がおっしゃいましたように、これは十年で基金を一千億くらいにしたいという計画があるんですけれども、実はこれは夢の話ではございません。
 私はちょっと行かれなかったんですけれども、扇大臣もいらっしゃいました、きょう御欠席の河村副大臣もいらっしゃったグレイのコンサート、これなども三十万人の子供たちが観客として見に行ったそうでございます。例えばみんなに、子供たちにグレイが呼びかけると、ちり一つないと。もうきれいに、だれも掃除しなくてもいいくらい、会場は終わった後はちり一つないと。そして、みんなに、自分たちはこうやって健康で明るく楽しくこういうことができるけれども、かわいそうな子供たちもいるし、みんなにボランティアの心というものを彼らが呼びかけると、じゃ私たちもたとえ十円でも二十円でも、あるいはもちろん五十円でも百円でも寄附をしようか、あるいはグッズにそういうものをちょっとプラスして、じゃ私たちもそのことで買いましょうと、こういうことが広がっているそうなんですね。もうその人気というのはすごいもので、私ちょっとわからないんですけれども、インターネットで流しただけでもう何百万人という人がアクセスをしてくるそうでございます。
 私どもは、このゆめ基金というものを、初めこういうことをしようと言った最初に、ただ国がやってくれるということではなしに、今の青少年もともどもに、要するに子供だからこれを受けるということではなくて、お互いに考えていこうと。自分たちが楽しくそうやって時間を過ごせるときに、ではその自分たちのアイドルのグッズに例えば五十円でも乗せて、それがまたほかの子供たちの役に立つ、こういうことも勉強してもらおう、こういうことも考えてもらおう、こういうことも考えて、まさにそういうアイドルの方たちとのお話もしながら、自分たちもこれから協力をさせていただきたいというものも伺って実はこのゆめ基金というものになったんですね。
 ですから、これがしっかりと皆様に、そういう芸能界で活動していらっしゃる例えばアイドルの青少年たちもそういう思いがあるんですね。このままでは今の日本のこれからの子供たち、二十一世紀が大変だ、何かそれぞれがお互いに努力したいという気持ちがあるんです。ですから、それをぜひ皆様にわかっていただきたいという思いなんです。
 しかし、このオリンピック記念青少年総合センター、これが行っていた事業費をはるかに超える事業費が今回このいわゆるオリセンに来るわけです。そこで、実はオリセンが天から金が降ってきたということを言ったとか言わないとかという話が聞こえてまいりました。冗談じゃないと、私ども議連はこれは本当に怒りを感じました。本当に私どもの信念、理念というものをわかってくださっていないんじゃないかという、これは後でちょっとお答えもいただきたいんですけれども。
 それは本当にそうかどうかということもさることながら、そういううわさが出るということが、先ほど来各先生方が御質問の中で、例えば一部の業者と癒着をするようなことは絶対にないでしょうねと、まさかこの性格上、丸投げなんということは考えられませんね、この事業の。ですから、そんなことを私たちはゆめゆめ思っていなかったんだけれども、例えばそういうことだって心配するような状況、そういうことがまさか起こらないでしょうねということを私ども本当に心配をいたしております。ですから、実はこの議連でもお呼びをいたしましてお話も伺いましたけれども、審査基準も非常に厳しくしますと。そして、私、あとだれが審査するんですか、どういう方がするんですかということまで厳しく聞きました。
 そして、これはまずは百億ということで、二十億の事業費ですから、そんなに一千億みたいなことはないんですけれども、NGOで一生懸命やっていらっしゃる方、実はこれができてうれしい、例えばパラリンピックのキャラバン隊なんかの方なんかでも、今までは幾ら申請してもなかなかいただけなかったと、こういうところにも下さるという、要するに、伺いましたら、広く薄くというと変なんですけれども、そういうふうに皆さんが実感して喜んでいただける、そして本当に地道に活動していらっしゃるところにきちんといたしますということも言っていただいたんでしょうけれども、ここの場でどのような体制とコンテンツを用意されているのか、お尋ねしたいと思います。
#40
○政府参考人(遠藤純一郎君) お尋ねはこの基金の運用に当たっての実施体制の問題だというふうに理解してございますが、この国立オリンピック記念青少年総合センターはこの四月一日に独立行政法人となりましたが、理事長一、理事一等の役員と部長三人を初めとする六十三名の職員によって管理運営を行うこととしております。
 組織としましては、この法律案が成立をした段階で、総務部、事業部、基金部の三部体制で行うこととしておりまして、そのうち基金部につきましては、管理課、助成課の二課として、部長以下十二名の職員を配置する予定にしております。
 この基金部の主な業務内容は、基金の管理に関すること、基金の広報及び寄附金の募集に関すること、交付要綱、審査基準等の作成、外部有識者による審査委員会を設置するなど助成対象の審査に関すること等でございまして、学識経験者や経済人など外部の有識者から組織する審査委員会を設置しまして、客観性、透明性の担保された厳正な審査体制を整えまして、助成基準に沿いまして適正かつ公平な審査を行うことによりまして、責任を持って運営、運用できるような体制で事業実施に臨む所存でございます。
#41
○松あきら君 今、御答弁になったこと、しっかりとこれからも続けていっていただきたいと思います。先ほど大臣が見直しをすることも含めるというふうに御答弁くださったと思いますけれども、やはりこれは時々見直しをして、これが必要ないと思ったらやっぱりやめていくとか、あるいは必要なところをふやしていく、そういうふうにしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 このオリセンですけれども、東京オリンピックの選手村の施設を青少年用の施設として活用しているということなんですけれども、ほかに一体どういう事業をしているのかなと。この際ですから、これは独立行政法人子どもゆめ基金に改称するようなお考えはあるでしょうか。いかがでございましょうか。
#42
○政府参考人(遠藤純一郎君) この国立オリンピック記念青少年総合センターでございますが、今御指摘のように、昭和三十九年に行われました国民的一大イベントでございました東京オリンピックの選手村として使用しました施設を活用しまして、青少年教育のナショナルセンターとして発足をしたという次第でございます。したがいまして、その施設を活用しまして、青少年教育関係者及び青少年に対する研修や、あるいは青少年教育関係の団体、グループの自主的な学習・交流活動、スポーツ活動、文化活動等に対する場の提供等々の事業を行っているわけでございます。
 名称の問題についてお触れでございますけれども、こういう発足の経緯からオリンピック記念ということになっておるわけでございます。そして、オリンピック記念青少年総合センターという名称になって長年にわたり広く国民に親しまれてきたんではないか、こうも思っておる次第でございます。
 しかしながら、この名称につきましては、もう東京オリンピックから既に相当の期間が経過をして、長野オリンピックなども開催されたことだから、オリンピック記念というのはもういいんじゃないかなという御意見もございますが、ただ一方では、日本にとって歴史的大イベントであったという意義を忘れないようにやはりオリンピック記念を維持すべきといったようないろんな意見があるところでございます。
 加えまして……
#43
○松あきら君 簡単で結構です。
#44
○政府参考人(遠藤純一郎君) そういうことでございまして、センターの名称の変更につきましては、今後、各界各層、特に青少年教育関係者の人の意見も聞きながら幅広く検討していくべき将来の課題である、こう考えている次第でございます。
#45
○松あきら君 先ほどもこの基金につきましていろいろ経緯をお話しさせていただきました。ですから、佐藤委員の先ほどの御質問、基金を募るために自治体の助成が減らされては大変ということをおっしゃいましたけれども、それはないというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 あともう少しなので、次の質問に参りたいと思います。
 私は、全国の公立文化会館が、箱はできたけれども活性化していない、地域の文化の発信がない、こういうことで、芸術文化活動支援員という制度を新設していただきました。四十四名の支援員が全国の文化会館の活性化のために働いていただけることになったわけでございます。
 ところが、この予算を社団法人全国公立文化施設協会に委嘱をするということなんですね。この社団を調べましたら、給与が年間七百五十万円程度ですから、職員が二名くらいでしょう。全国の千三百五十の文化会館から会費が二万円ずつ、二千七百万円ほど入る。そのほかに、文化庁は平成七年の設立から五千万円、八年に六千二百九十万円、九年に六千二百九十万円、十年に七千百四十八万円、十一年に六億五千八百七十七万円と受託料を払っております。職員二名ですから、やれる仕事も限界がございます。
 この資金は芸術情報プラザ特別会計に社団で振りかえられて支出をされているわけです。芸術情報プラザには八名のアドバイザーがおります。どのような事業を文化庁は依頼していたんでしょうか。また、それがどのような活性を文化会館に生んだんでしょうか。職員が少なければ俗に言う丸投げじゃないんでしょうか。この文化芸術活動支援員はちゃんとコンテンツをつくって進めていただけますか。手短に、簡単に御答弁をよろしくお願いします。
#46
○政府参考人(銭谷眞美君) お尋ねの社団法人公立文化施設協会は、お話にございましたように、全国の公立文化施設千三百五十五施設が加入をしております全国的な組織でございます。
 この法人は、ただいまお話がございましたように、事務体制としては、事務局長のほかに常勤職員が二名、それから非常勤職員が六名の体制でございますが、全国の公立文化会館等の館長等が理事あるいは常設の委員会において企画立案等を行って事業を運営している状況にございます。また、お話にございましたように、平成八年度からアドバイザーを同法人の芸術情報プラザに八名配置をいたしまして、公立文化会館の自主事業が円滑、効率的に実施可能となるように助言できる体制を整えて、全国の公立文化施設の運営の支援を行ってきたわけでございます。
 十三年度、大変関係者の御尽力をいただきまして、新たに四十四名の芸術文化活動支援員というものを設置して公立文化会館における創造活動を支援することができるようになりました。事業の実施に当たりましては、文化庁が設置をしました有識者から成る委員会を開きまして、派遣先あるいは支援員の選定を行い、日常的な業務につきましては公立文化施設協会の方で行っていただくということを考えております。
#47
○松あきら君 もう時間がないので、最後です。
 アドバイザーの方たち、ここにもこういうふうにございますけれども、有名な方ばかりですね。はっきり言いまして、なかなか電話で受けるぐらいでどういうアドバイスができているのかと私は甚だ疑問に思うわけでございます。今いろいろ御答弁ありましたけれども、実際に活動ができないような状況では何のために支援員の予算をつけていただいたのかというふうに本当に思っているんです。
 もう御答弁は結構でございますが、今、海外で例えば活躍をしていて日本に帰ってきたと。バレエのダンサーの方もいるし、オペラの方もいるし、いろいろな専門分野を持った方が日本に帰ってきて、それが生かせないと。こういう方たちにも、その力を生かしていただけるこういうアドバイザーなんかになっていただいたらいいんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 ですから、こういう方たちが例えばどういう活動をしてどういうことができるという報告が社団に集まるような方法を考えるとか、そういう機能を持たせていただきたいと思いますので、それを御要望して質問を終わります。
#48
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代です。
 公立図書館と学校図書館の整備及びその対策について質問したいと思うんです。
 法案では子供の読書活動を振興するのを支援するために助成金を交付することができるようになっていますが、私はこのこと自体賛成です。子供の読書活動の振興という意味では、助成金の交付以外にも、本来、公立図書館とか学校図書館を整備していくことが必要なんだと思うんですね。その辺の認識はどのようにお考えでしょうか。
#49
○国務大臣(町村信孝君) 読書活動の意義につきまして、私も阿部委員同様、大変にこれは重要な子供たちの、もちろんスポーツや何かも大切ですけれども、やっぱり本を読むことの大切さというのは何にもかえがたいものがある、こう思っております。
 そういう意味から、その拠点になります公立の図書館あるいは学校図書館を整備していくということは大変重要だと思っておりまして、実は昨年、平成十二年十二月に生涯学習審議会図書館専門委員会の「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準について」という報告書を受け取ったところでございます。
 これは都道府県について図書館未設置の町村がまだ多く存在するといったことを踏まえまして、できるだけこうしたものが設置をされていくように、また図書館の設置、運営に当たっていろいろなサービスができるようにその充実に努めていく必要がある、こういうことでございまして、今この基準をどういう形で周知徹底をするのか、文部省告示といったような形も一つの方法かとも思っておりますけれども、どういう形で皆さん方により認識を深めていただくか、その方法と中身について省内で議論をしているところでございます。
#50
○阿部幸代君 今、大臣から御紹介がありました審議会の報告なんですけれども、そこでは「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準について」ということで、「図書館を設置していない町村がなお多数存在することや、図書館が設置されていても時間的・地理的条件により十分な図書館サービスを享受できない住民も存在する」とあります。
 全国の市町村の図書館の設置状況がどのようになっているか伺いたいのですが。
#51
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 公立図書館は平成十一年十月現在で全国で二千五百六十二館ございます。その内訳でございますが、都道府県立が六十六館、市あるいは区立の図書館が千五百四十八館、町村立図書館が九百四十八館という状況でございまして、率にいたしますならば、市では九六・五%、町村では約三六%の設置率になっているところでございます。
#52
○阿部幸代君 日本図書館協会の最新のデータによりますと、六百五十九市中、六百四十市で設置、十九市で未設置、設置率は九七・一%。それから、千九百九十町中、八百五十九町で設置、千四百一町で未設置、設置率は四三・二%。村の方になりますと、五百六十八村中、九十二村で設置、四百七十六村で未設置、設置率は一六・二%になっています。
 まだ全市町村の半分にしか設置されていなくて、あってもほとんどが一館だけですし、特に町村部ではそれぞれ四三・二%、一六・二%という設置率ですから、国民全体が図書館サービスを享受できる状況からはまだ遠いと言わざるを得ないと思うんですけれども、そういう認識はおありですよね。
#53
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 委員御指摘のように、確かに町村につきましては設置率がまだまだ低いわけでございますが、これはやはり現下の厳しい財政状況等を反映して図書館の設置が進んでいない、そういう状況にあるんだろうと思っております。
 ただ、図書館が未設置の町村につきましては、例えば公民館における図書室を活用する、あるいは都道府県立図書館から移動図書館車を派遣するなど、当該町村の住民が図書館サービスを受けられるような、そういった努力もなされているんではないか、このように承知をいたしております。
#54
○阿部幸代君 図書館が未設置の町村で、公民館を使って図書館の代替をやっているというのは苦肉の策だと思うんですね。公民館図書室をもって図書館にかえることはできないというふうに文部省は認識しなきゃいけないと思うんですけれども、それはそうですよね。念のために。
#55
○政府参考人(近藤信司君) おっしゃるように、市町村におきまして図書館が整備をされるということは望ましいわけでございますが、現実になかなか厳しい財政状況の中でそれが進んでいない、そのためにそういった公民館の図書室なども活用している、そういう実態にある、こういうことで申し上げたところでございます。
#56
○阿部幸代君 私は、公民館図書室をもって図書館にかえるなどという認識を文部科学省としては絶対持ってはいけないと思うんです。役目が全然違うんですね。公民館は図書館サービスをするところではありませんから。そこはきちっとしていただきたいと思います。
 サミット参加八カ国の図書館に関する指標を比べてみたんですけれども、平均すると大体人口五千人に一つ図書館があるんですね。日本の場合はおよそ五万人に一つの図書館で、十倍の開きがあるんです。日本の図書館の数はやっぱり少な過ぎるんですね。例えば、人口が日本の半分のイギリスでは図書館の数は日本の二倍。それから、人口が日本の四分の一のカナダでは図書館の数は日本の一・五倍。人口の割合に図書館の数が多いんです、ほかの国々は。日本の町や村の図書館というと、さっき言ったような状況で、しかもこういうところは本屋さんなんかもないと思うんですよ。ないか、あっても本当に少しだと思うんですね。
 そういう意味では、図書館の設置が待たれていると私は思います。高齢者や子供、障害者の利用を考えても、身近なところ、少なくとも住んでいる市町村に図書館が設置されることが望ましいと思うんですけれども、そういうふうに思いませんか。
#57
○国務大臣(町村信孝君) 方向としては私も委員と同感でございまして、便宜公民館に本を置いたりしているというところも現実にあるのも実態でございましょうが、願わくは将来的にはどんどん図書館がそれぞれの市町村にできていくということが大変望ましいことだと考えております。
#58
○阿部幸代君 認識を一にすることができて大変うれしいです。
 実は審議会の報告が「図書館を設置していない町村がなお多数存在することや、図書館が設置されていても時間的・地理的条件により十分な図書館サービスを享受できない住民も存在する」と、こういう課題意識を持ちながら、図書館の設置について、「適切な図書館サービスを確保できる場合には、地域の実情により、複数の市町村により共同で設置することを含む。」と、こういうふうに報告の中で言っているんですね。私はこれは公立図書館の健全な発展を図る図書館法の精神や、あらゆる機会、あらゆる場所を利用して進められる社会教育法の精神から見て問題だというふうに思うんです。これは指摘するにとどめます。
 次に、この審議会報告は、コンピューターの整備、インターネットへの接続等の導入と活用で、「図書館サービスの大幅な拡大・高度化が期待される。」としています。
 そこで伺いたいんですけれども、都道府県立図書館並びに市町村立図書館の利用者の直接利用のためのインターネットの接続状況はどのようになっているでしょうか。
#59
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 委員御指摘のような直接の目的での調査はいたしておりませんが、社団法人日本図書館協会の平成十一年四月の調べによりますと、インターネットへの接続状況でございますが、都道府県立図書館では八一・三%、市町村立図書館では二八・四%と、このような状況になっていると承知をいたしております。
#60
○阿部幸代君 私が今質問したのは、図書館利用者が直接利用できるコンピューターの整備、インターネットの接続状況が知りたいんですね。
#61
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 今の調査を少し補足させていただきますと、インターネットの利用でございますが、利用者用のというものでは都道府県立のものはゼロでございます。それから、事務、利用者共用というものが六館、こういうような状況でございまして、トータルとして八一・三、あるいは事務用が三十三館、こういうのが都道府県立の図書館のインターネットの接続状況でございます。それから、市立の図書館でございますと、百五十七が事務用に、専ら利用者用にというのが十五館でございまして、事務、利用者共用というのが二十四館。それから、町村立の図書館につきましては、事務用のものが百五十六館、それから利用者用のものが三十二館、事務、利用者との共用というのが五十館。
 このような状況でございますから、委員おっしゃるように利用者の専らというものは確かに少ないんではなかろうかと、そういったデータになっているかと思っております。
#62
○阿部幸代君 都道府県立は別としても、図書館の職員が使うという意味でも日本ではまだまだ整備が低いですよね。
 私も資料を持ってきましたので言いますと、都道府県立で利用者が直接利用できるという意味では四十七都道府県の図書館のうちただ六カ所、ですから一二・八%です。市町村立の図書館では、利用者が直接インターネットに接続できるという意味での整備を見ると、千五百五十五カ所のうちの百二十一カ所で七・八%です。本当にまだまだなんです、日本の図書館は。
 アメリカでは九六年の通信法で、すべての学校、医療機関、図書館でインターネットを安価で使えるようにすることを義務づけています。ところが、日本では市町村立図書館でたった二八%しか整備されていません。この二八%というのは職員が使うという意味です。利用者が直接利用が可能なのは七・八%です、重ね重ねですが。
 図書館は年齢や職業、階層にかかわらずすべての住民が利用できる公共施設です。ITに接する機会の少ない人たちがそれを活用できる数少ない施設です。すべての公立図書館にコンピューターの整備、インターネットへの接続を進めていくべきではないでしょうか。
#63
○国務大臣(町村信孝君) 御承知のように、今、学校は、コンピューターを設置し、またインターネットに接続できるようにということで、計画的に進めているわけでございますが、今、委員の御指摘の図書館の方が率直に言って少しおくれてきたなというような印象を私も今強く持ったところでございます。
 やっぱり幅広い、大勢の方々が図書館という場所を通じていろいろな情報にアクセスできる、あるいは図書の存在状況とか利用状況がわかるということは大変重要なことだと思いますから、今これだけ政府を挙げてIT化ということを言っているわけでございますので、これから大いにこの分野も進めていかなければいけないと思っておりまして、今後どういうふうに具体的なプログラムを組んでやっていくのか、少々お時間をいただいて検討してまいりたい、こう思っております。
#64
○阿部幸代君 次に、図書館サービスのかぎを握るのは人ということがよく言われます。審議会報告が図書館の職員の問題として、「館長となる者は、司書となる資格を有する者が望ましい。」とし、一般職員についても、「専門的なサービスを実施するに足る必要な数の専門的職員を確保するものとする。」としている部分はぜひ実行に移される必要があるというふうに思います。
 それというのも、日本図書館協会の調べによると、図書館において司書はここ数年、司書有資格者の採用の手控えと現職の配転によってその数が減少しています。二〇〇〇年度に司書は全国平均で五〇・〇三%しか現場に配置されていません。つまり、公立図書館専任職員の総数一万五千百七十五人のうち有資格者の割合は五〇・〇三%なんです。司書のいない図書館が二一%もあります。
 こういう状況はこの審議会の報告も踏まえて解消されていくべきだと思うんですが、どうでしょうか。
#65
○国務大臣(町村信孝君) この「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準について」という、先ほど申し上げました昨年十二月の報告書においても、いろいろな指摘がある中の一つが、例えば館長さんはできるだけ司書となる資格を有する者が望ましいと書いてあるんですが、現実には全体の二四%ということでしかないようであります。もっとも館長さんは、そうした司書としての専門家の識見ということとあわせて全体の管理運営といったようなことも必要なのかもしれません。そういう能力も必要なのかもしれません。
 また、専門職員であります司書の数については、厳しい財政状況でありますけれども年々増加はしていると私ども思っておりまして、昭和六十二年度は五千六百五十四名であった司書の数が平成十一年度は九千八百二十四名ということで、傾向としてはふえているんだろうなと思っておりますが、いずれにしても図書館の館長の研修であるとか司書の専門研修などを充実してまいりまして、この図書館職員の資質の向上というものについて一層施策の充実に努める必要があると考えております。
#66
○阿部幸代君 図書館の数もふえてきますから当然職員もふえていくし、絶対数で比べるとそういう傾向はなきにしもあらずだと思うんですが、この間、特に館長が司書でなくなったり、それから司書の資格のある人が図書館ではなくてほかの部署に配置転換になったり、こういうことが起こってきているんですね。それでこういう今言ったような状況があるので、当然その審議会の報告を踏まえてこれを是正していくような方向をぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、学校図書館についてですけれども、九三年から九七年までの五カ年計画を立てて学校図書館の蔵書冊数を一・五倍にふやす学校図書館図書標準を設定した経緯があったかと思いますが、その到達度と今後の見通しについて伺いたいんですが。
#67
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、文部科学省は平成五年三月に学校図書館図書標準を設定いたしまして、その数は、小学校で約一億七千百万冊、中学校で一億三百万冊、合計で二億七千五百万冊でございます。これを学校図書館標準基準を達成している学校数で見ますと、平成十一年五月一日現在で、小中学校合わせまして九千校であるのに対しまして、その標準を達成していない学校数は約二万五千校でございまして、全体の七三・九%となっておりまして、その不足冊数の合計は約六千六百万冊となっている、こういう状況にあるわけでございます。
 この学校図書館の図書の整備につきましては、平成四年度から九年度までの五年間に合計で約五百億円の地方交付税措置が講じられたところでございまして、また平成十三年度におきましても約百八億円の地方交付税措置が講じられているところでございます。
 文部科学省といたしましては、図書の整備に係ります地方財政措置につきまして、今後とも引き続き総務省と連携を図りますとともに、各都道府県に対しまして、学校図書館の図書整備の充実が図られますように今後とも指導をしてまいりたいと考えているところでございます。
#68
○阿部幸代君 小学校ですと二九・二%、中学校で一九・三%が達成したようですが、今答弁のように未達成が多くて、特に整備率が五〇%未満の小学校が一四・二%、中学校は二二・四%もあるということで、大変胸が痛むわけです。本というのは古くなったり破損をしますから、廃棄する分も出てくるんですね、毎年毎年。そういう意味では、達成するのは大変だと思うんですが、当面、目標ですから、これを全校で達成できるように引き続きの御奮闘をお願いいたします。
 職員の問題なんですけれども、学校図書館法の改正で、司書教諭の発令が行われることになりましたが、これは担任を持ったり教科指導を持ったりの兼務でやる仕事で、なかなか発令が進んでいないのが実情だと思います。図書館関係者あるいは子ども文庫、それから読み聞かせなどやっている、そういう活動をしている方から常に言われているのは、図書館に専任、専門、そして正規の人を置いてほしいということなんですね。この声にこたえる努力をお願いしたいんですけれども、文部科学省の考えを。
#69
○委員長(市川一朗君) 阿部幸代さん、時間ですよ、いいですか。
#70
○阿部幸代君 一言だけでも。
#71
○委員長(市川一朗君) では、矢野局長、簡単に答えてください。
#72
○政府参考人(矢野重典君) 文部科学省といたしましても、図書館業務の負担軽減につきましては、事務職員が図書館業務を分担できますように、標準法上、一定規模以上の学校に事務職員の複数配置を行っているところでございますし、またこの点につきましては各学校の校務分掌上の配慮や工夫がなされる必要があろうかと思うわけでございます。
#73
○阿部幸代君 時間ですので終わります。
#74
○山本正和君 久しぶりに文教委員会にやってまいりまして、町村大臣にいろいろと御意見を伺いたいんですが、初めに、この法案については私どもは衆議院では反対をいたしましたが、参議院では賛成をいたします。これは別に内部の矛盾ということじゃなしに、よく勉強した結果賛成ということでございますから、ひとつそういうふうに御理解願いたい。
 ただ、大臣、これは先ほどから松村議員、それから佐藤議員、特に松議員が大変懸念されて問題点を御指摘されました。それについてはひとつ全力を挙げて取り組みます、こういう御答弁がありましたから、それが前提ということで私ども賛成いたしますので、十分御理解願いたいと思います。
 きょうは、時間を二十分いただいておりますので、ちょっと日ごろ思っていることも含めてお伺いしていきたいと思うんですが、私が文教委員会、きょうは扇先生、大臣がお見えなのでひょっと思い出したんですけれども、十五年前、扇先生が筆頭理事でそこへ座っていたんですね。筆頭理事だったんです、たしか。委員長があの四国の仲川先生で、小野清子先生がお見えになりまして、それから共産党は吉川先生、我が党は粕谷さんと、女性が四名おる委員会というのは当時は大変希有な委員会だったんですよ。華やかで美女ばかり、美女という言葉は使ったらいかぬですか、すてきな人ばかり四人おるということで、そんな委員会だったことを今思い起こしておりますが、今ここでこういうゆめ基金の話ができると、やっぱり十五年というのは大きな変化だなと、こういうふうなことを思っております。
 それからまた、その十五年前、私も当時はまだ現場でばんばん頑張っていたんですけれども、たしか中曽根総理が随分、当時は政調か政審か忘れたんですけれども、田中角栄総理が、学校の先生というのは、特に義務教育の先生というのはもっと国が大事にせないかぬと。だから、初め一般の公務員よりも三割、五割でしたかな、月給を高くするといって、いわゆる教職調整手当という法案をつくって、実際は二割五分ぐらい義務教育の先生の給料が上がったんですね。そこで教職員に対する魅力がどんとふえて、随分教育の質も上がったというふうなのがその十五年前で、三十年前です。
 そんなことを思い起こしながらお話を聞いておったんですが、ここで私が大臣にお伺いしておきたいのは、大臣も大変若い世代でございますし、戦後の日本の二十世紀を背負って、二十一世紀、いよいよ出発するという重要な役割を背負われる政治家だろうと思うんです。私どもは、二十世紀一生懸命やってきて残りわずか、二十一世紀の皆さんに最後の年寄りのお願いといいますか提言を申し上げるぐらいの立場ですけれども、私は、このゆめ基金というのができたときの経過を、先ほど松先生からお話がありましたけれども、本当にすばらしい発想だと思うんですね。全党派が入ったというのも当然なんです。
 しかし、なぜそうなってきたんだろうかと思うのに、私は実は高等学校の教員になったのが一九四九年、昭和六年生まれの子が高校三年生だったんですね。それから、私が最後に教員で授業を教えたのが昭和十七年生まれの子ですから、どっちかといえば貧しい時代の高校生を教えた教師です。その中で、東大に入ってちゃんとお役所の審議官になった子もいますし、大学の教授もおるし、お医者さんもおるし、実業家で成功した人もおるし、いろいろおるんですよ。それで、私どもを同窓会に呼んでくれるんです、教え子が。このごろ聞いたら、同窓会をやっても余り先生を呼んでくれなくなってきたと。町村先生たちのときはきっと同窓会をやったら呼ばれるだろうと思うんだけれども。
 だから、私らの時代は、あんなに貧しくて、しかもどっちかといったら私も半分暴力教師みたいなもので、ようついてこぬやつはしりをたたきよったですよ。初めは水産高校におったんですけれども、それから後は進学校に行ったわけだけれども、この前のえひめ丸のように、ちょうどそのときに、昭和二十五年にやっぱり難破しまして、校長は責任をとってやめた、そんな学校です。
 そのときに、遠泳訓練というのをやるわけですよ。私は化学の教員だけれども、おまえ水泳できるのか、よしやろうというので、毎日三千メートル泳がすんですよ。私が伴走したんです、全部。十キロ遠泳をやるんですね。みんなふんどしですよ、女性の前で済みませんけれども、当時はふんどしですよ。泳げない子はふんどしを後ろからつかまえて、しりをひっぱたいて泳がすんです。その十キロ訓練をやって、最後は今度は浜島まで十キロ泳がすんですよ。一日三十キロぐらいですね。また、マラソンといっても、これも十キロマラソンをやらせるんです。最後は、漁業科の連中は太平洋の方の黒潮がぶわっと来る物すごい潮のあるところを直線で一里泳がすんです。そんな訓練をしたんですよ。今ならあなた、みんな親が反対して、こらと言って、学校そのものがつぶされる。
 そういう中でやってきた子供たち、それで、私が松阪へ、これは進学校に行ったんだけれども、その子供たちも、先生、大台ケ原を登ろうと私に言うわけです。何でだと言ったら、先生、あんた剣道もやるし体が強そうだから、あなたなら大丈夫だというわけです。そして登った、三日間。校長に言うだけですよ。そうしたら、校長は、ああ山本さんが行ってくれるならどうぞどうぞと。計画書をつくったり、そんなことせぬですよ。生徒が全部計画して、磁石と五万分の一の地図、それで全部調べて、私のところへ来て一緒に登ったんです。
 そういう、何と言ったらいいんですかね、昭和の戦争に負ける前に生まれた子供たち、今は立派な大人ですけれども、森さんもちょうどその年代に入るけれどもね、森総理も。その人たちの小学校、中学校、高等学校という時代の育ちというのは夢がなかったかというと、そうではない、私は夢があったと思うんですね。なにを、こんちくしょうという根性があったですよ、みんな。少々たたかれても、け飛ばされても、なにをと思った。生き抜く力を身につけようとみんな思っておったですよ。
 そこのところが、何か今度はどうやったら育つかしらんといってみんながはらはらばらばらしながら、そしてお父さんもお母さんも子供に何を言うかといったら、小学校へ入る前から勉強してちょうだいよ、勉強してちょうだいよと頼む。学校へ行ってちょうだい、学校へ行ってちょうだいよと、いい学校へ進学してくださいと頼むんですよ。私らの大日本帝国のときは、柳川さんもさっきおられたけれども、我々のときは、我々子供が、お父さん、お母さん、勉強するから学校へやってくれと頼んだんです、旧制中学にね。
 どうも一体、今、何がこうなっているんだろうということを私いつも思うんだけれども、それは余りにも大人が子供の教育のことにああじゃこうじゃと言い過ぎるんじゃないかと。
 昔は文部省というのはもっと怖かったですよ。しかし、つまらぬことを言わなかったですよ。細かいことを言わなかったです。国家の基本にかかわることだけはがちっとやるけれども、あとは言わぬですよ。みんな現場の校長先生に判断を任せていた。
 これもまた大日本帝国の話でしかられますけれども、三重県の津の中学校、いわゆる津中ですよね、各県でいう第一中学、この校長先生の宮中叙位は連隊長より上、知事より上ですよ、三重県津中学校の。それぐらいの人がやっぱり校長先生をしておった。だから、教育というものに対して国がかける思いというものがそういういろいろなところであらわれてくるんですよね。もちろん小学校の先生といったら、師範学校へ行った先生は、ここの東京の永田町小学校は半分ぐらいおったらしいけれども、ほかは師範を出た先生はほとんど一人か二人しかいないんですよ、あとはみんな代用教員。師範の先生の月給は四十五円。当時、大工の日当は一円五十銭。そうして、代用教員は五円ですよ。そういう中でずっと日本の教育が行われてきておったんです、戦前。
 それを反省してどうするかということからいろんな議論をする中で今日の今の教育をつくったんだけれども、みんな親も文句言う、子供も不安だ、そして役所ももう心配でどうしたらいいかというようなことばかり子供のことを話している。おまけに、総理大臣が教育のことを言い始めたらきっとそのときにはもう教育は滅びておると思うんです。総理大臣は教育のことなんか言わぬでいいんですよ。本当に私はそう思う。姿を示せばいい。政治家というのは、最大の教育は自分の政治姿勢を国民の前に見せることです。政治家が子供たちに説教するんじゃないんですよ。私はそう思うんですね。
 その辺のことが何か、子供たちのゆめ基金の問題ですから、私は心配でならないのは、政治の世界におる者が教育はこうあるべきだとか余り説教をぐじゃぐじゃやったらおかしくなると。文部省というのは、何ぼ言っても国が責任を持っている教育ですから、教育の根本の部分、国の共通の部分だけはきちっと押さえにゃいかぬですよね。あとはどうぞ御自由にと、こうやって任せればいいんですよ。その辺のことが私はどうも気になって仕方がないんです。
 そこで、質問を一つしますが、独立行政法人国立オリンピック記念センターの背景に教育改革国民会議がありましたですね。その中での提言というものをもとにしてあります。ところが、この国民会議を私は斜めにしか読んでいないので、ひょっとしたら読み落としがあるかもしれぬのを心配するんだけれども、例えばこのセンターのこっちの方も、センターの業務は自然体験活動、社会奉仕体験、それから読書だけでしょう。何で芸術やスポーツや趣味は載らないんですか。なぜここに入らないのか。
 それからもう一つ、教育改革国民会議の方も子供たちにやらせなければいけないことをいろいろ書いてあるんですよ、いろいろなことが、これからの目標と。なぜ子供たちに、地域でのスポーツだとか地域での趣味、いろんなものがあるんですよ、子供たちの生活というのは。
 例えば、加藤紘一さんなんか、私とよく話したとき彼が言うのは、よく子供のときに山の中で、あの人の小学校は小さい学校だからみんなで一緒に山登りした、木の実拾いしたと。木の実拾いしたら一年生の子はよう拾わぬかった、六年生の子がおいとくれたと。そこで何とも言えないいろいろなものができると。子供たちはやるんです、そういうことを。
 そういう地域における本当の自由な活動というものにもっと目を向ける。教育改革国民会議はどうも何か学者、私は学者を軽蔑するんじゃないですが、学者の皆さん方が本当に実践を、自分も一遍経験されるといいんです。本を読むのが学者の仕事ですけれども、有馬先生みたいな大科学者は別ですよ、そうじゃなしに、教育学者の話なんですね。教育学者はぜひともそうしてほしいと思う。だけれども、なぜそういうことが載っていないんだろうかと。
 韓国は今大変な勢いでコンピューターのソフトの技術者をつくっていますね。それから、中国もそうですよ。インドがそうでしょう。そうしたら、そのソフトをやるのが強い理由をこの前私は中国のある大使館に関係する人ですけれども聞いたら、いや、先生、中国の子供はいいと思ったけれども、韓国の子供にこのごろ負け始めたと。調べてみたら、韓国は義務教育で囲碁を全部教えるんですって、囲碁を。白い石と黒い石だけです。文字は何にも書いていない。中国も教えていますけれども、韓国はもう本当に抽象化して、全く抽象化して白と黒だけですよ。それで、十九路盤で一生懸命やっているんです。いろんなものを考えるようになってきます。
 だって、文部省は昔は省庁対抗したらいつも優勝しておったんですよ。今の文部省はどうも弱くなってきてだめだけれども、昔は加戸さんという愛媛へ行った知事、彼だとか國分さんとか、みんな六段から七段ですよ。このごろどうも弱くなったけれども、余り考えぬものだから。
 私が言うのは、そんなことへも目をつけて子供たちに考える場を与える、じっと物を考える場を。だから、チェスでもいいんですよ、将棋でもいいですよ、考える場を与える。あるいは、遊びの場と書いてあるけれども、私は思うけれども、男の子でも女の子でも子供のとき見ておったらぱっと踊るんですよね、立ち始めたら。踊りというのは人間は本能的にあると思う。なぜ踊りをもっと育てないんですか。扇先生や松先生に負けぬような、もっとすばらしい子ができるかもしれない。
 そういうもっと斬新な発想で文部省は国民に訴えていくということが私は教育への国民の信頼の回復じゃないかと。説教することじゃないと思うんですよ。奉仕活動というのは大切ですよ。しかし、それは自分でやろうと思ってやっていく、ただしそれを強いて言うならばもっと小さいときから。
 例えば昔はおぜんがあって、おぜんの前に子供は座って御飯を食べた、やっと座れるようになったら。そのときにいただきますとやって、ごちそうさまとやった。手を合わせてこうやってやっていた。それは生まれながらの体験でやるわけですよ。ところが、中学生だとか高校生だとか理屈を言って親の言うことを聞かぬような子に強制的にばっと奉仕活動やれと、単位やるからと、こうやってやったら、それは本物にならぬ。もっと小さいときに、三つ子の魂ですよ、三つ子の魂百までというところに置くんならいいけれども、そんな反抗期の子にやったら全部だめになっちゃう。大日本帝国であれだけ優秀な軍隊をつくっても反乱軍が出るんですよ。そういうことも含めて考えていただきたい。
 あと三分ぐらいあるんですが、ひとつ大臣の方で残り時間、いかがですか。
#75
○国務大臣(町村信孝君) 山本先生の長い教員としての御経験、さらには国会での御活動に基づく貴重なお話を承らせていただきまして、どうもありがとうございました。いろいろ今教えられ、また考えさせられることも多々ございました。
 一つだけあえて申し上げますと、確かに大人が余り子供のやることに細々細々言い過ぎる、同じように文部省が学校現場のことを余り細かく言い過ぎる、確かにそういう点は反省をしなければならない点だなと、こう思います。
 ややもすると、文部科学省はそれこそ学校現場のはしの上げおろしまであれこれ口を出すというイメージが大変強うございますし、またそういう現実も一定程度あったのかと率直に反省し、先ほど山本委員がおっしゃったように、文部科学省がやるべきことは非常に重要な全国で共通することにできるだけ限っていくと。指導要領の大綱であるその基本でありますとか、あるいは教員の給与を半分ぐらいは基本的に持つとか、あるいは教員の資格というのは共通であった方がいいとか、そういうことにある程度重点化をして、その他のことはできるだけ都道府県あるいは市町村の教育委員会、さらには学校現場にゆだねていくということが大切だろうと思います。
 また、何よりも、今小さいころからの教育の重要性、特に家庭教育のお話がありました。やっぱり学校でできることというのは率直に言って限界があるということをわかった上で学校教育というものを考えないと、何でもかんでも学校でやれると思うのも、これはある意味では期待が多過ぎるし、また先生たちも過重負担になると思います。やはり家庭でやるべきことをしっかりいかにやっていただくか。
 ただ、これも余り私どもが説教をすると、余り説教しちゃいかぬとか山本先生からまたおしかりをいただくのでありますが、やっぱり家庭教育をもう一度みんなで見直すような、そういうことをやっていければいいなと、こう思っております。
 いずれにしても、ここに今御提案をしております子どもゆめ基金、幅広いいろいろな体験活動を支援していこうと。スポーツ、芸術関係もそういう意味の体験の中に含めていいんだろうと私は思っておりまして、決して奉仕体験とか自然体験に限らないで、幅広い体験活動の支援をこの基金の中でやっていければいいのではなかろうかと、かように考えております。
#76
○山本正和君 ありがとうございました。
#77
○高橋紀世子君 センター法改正案について質問いたします。
 私は文部科学関係の法令集を恥ずかしいんですけれども初めて見ました。その多さに本当にびっくりしました。一人一人の人間の教育のされ方を細かく細かく規定しています。だれも教育行政全体を把握している人はいないでしょう。しかし、法制度が人間を支配しているように書いてあります。私たちに自由を与えてくれる道具であるはずの法律がひとり歩きして、人間を支配しているように思えました。手段であるはずのものがゴールになっているように思いました。私はこれはどうも本末転倒の感じがあるなと思いました。人間がシステムにがんじがらめになっているような感じがしたんです。
 自主的な創造力あふれる人間育成のあり方を考えるとき、国家主導の上からの改革は本当は役に立たないんじゃないでしょうか。人間の生まれ持った創造性は国家に指導されることで逆に抑圧されることになってしまうのではないでしょうか。個人が抑圧されれば、社会はハーモニーを失ってしまいます。近年見られる学校崩壊や少年犯罪の増加は国家の個人に対する抑圧が強まった結果ではないでしょうか。
 人間は抑圧されると反発します。子供たちの社会に対する反発は当然のことです。私の子供たちだって、私がぎゅうぎゅう怒るとすごい勢いで反発します。その自然な子供たちの反発を国家の指導を強化することで対処すれば、より大きな反発を招くことは必至のような気がします。
 文部科学省の策定した二十一世紀教育新生プランは、その内容ではなく、実践のされ方に私は問題があると思います。心のゆとりやボランティア精神まで国家が指導をするようになれば、子供たちの無気力感が拡大すると思うんです。社会への反発も大きくなると思うんです。国家が指導する立場を、放棄と言うとおかしいですけれども、放棄することによって、じっと我慢して子供たちの成長を見ることによって初めて子供の自立心が生まれる環境が整うのではないでしょうか。一言、親が子供に注意したいところをもうちょっと待ってみようと思うときと同じだと思います。そして、心のゆとりが生まれてくるんじゃないでしょうか。ボランティアの精神が生まれてくるのではないでしょうか。
 それらは人間に生まれつき備わった精神であり、指導されたから生まれるものではないような気がするんです。指導によって生まれるものは、指導されることのみであるように思います。それは模倣であって、学びではないように思うんです。それを見ているのはつらいことですけれども、やはり子供たちが気づいていくまで見ていなければいけないのではないでしょうか。
 子供のボランティア精神をはぐくむ唯一の道は大人が心から喜びを感じながらボランティアを行うことであるように思います。親の背中を見て子は真実を学ぶ、この言葉こそやはり真実であると思います。
 このセンター法改正案についても同じことを感じます。私はよく考えたんですけれども、先ほど委員長に賛成と言ったんですけれども、この私の言葉を考えますと、反対の方に近いような気がします。国家が子供に、子供はこう育つべきという理想型を最初に決め、そう育つよう助成金によって方向づけるという姿勢がやっぱり見てとれるんです。裏を返せば、国家が指導的な立場であることをお金によって誇示しているようにも思えます。
 本当にゆめ基金が必要なのは子供ではない。子供は夢とともに生きている存在なんだと思うんです。夢を持つために基金を創設する必要はあるのでしょうか。ゆめ基金が必要なのは子供ではなくて大人の方だと思います。
 私たち政治家はビジョンと行動力が問われますが、実際、私たちは夢やビジョンを持っているでしょうか。それを実行しているでしょうか。そうして、ビジョンが明確になったり、行動力がついていっているでしょうか。私自身は時々自信がなくなります。私たちに夢がないからゆめ基金がなどという発想しか出てこないように思うんです。ゆめ基金が必要なのは私たち大人のような気がするんです。
 私たちがなすべきことは、子どもゆめ基金を創設したり子供を指導するということではなく、子供と大人が手を携えて真のパートナーシップを確立することであると思うんです。子供と真正面から向き合う情熱を大人が持つことは大変難しいことですけれども、それが必要だと思うんです。
 大変生意気なことを言いましたが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#78
○国務大臣(町村信孝君) 大人が子供と真っ正面から向き合っていわば格闘をしながら、そして大きく見守りながら子供の成長を願っていく、その基本姿勢において私は委員のおっしゃることはよくわかります。
 ただ、今回の子どもゆめ基金は決して委員が言っておられるように、何かあらかじめ理想型、子供はこうあるべしということを決めて、それに沿うような形で助成金をお渡しするというのが目的ではないかというお問い合わせでございましたが、私どもは決して今回のゆめ基金でそういうことを考えているわけではございません。
 私どもが小さいころ、本当にあり余るほどの自然もあったし、いろいろなことで経験が自然自然にできておりました。私の家は農家ではございませんでしたけれども、それこそ農業の体験も親の背中に背負われることによって体験できたようなところがあったわけであります。
 しかし、今、現実に大部分の人がサラリーマンになり、そうしたもろもろの自然体験、職場体験というものをするチャンスがございません。それは子供にとってはある意味では不幸なことだと僕は思います。だから、そうした体験をできるだけするチャンスをつくってみようじゃないかという趣旨でこのゆめ基金というものがある。
 本当に昔はテレビゲームもなく、さして遊ぶものもなかったので、せいぜいラジオを聞くか、あるいは本を読むぐらいしか子供の楽しみというのは少のうございました、もちろん山野で駆けめぐるというのもございましたけれども。しかし、最近、子供が本を読まなくなった。高校生に至っては半分が一カ月に一冊の本も読んでいないという大変寂しい実態がある。そういうときに、もう少し本を読み聞かせする運動をみんなでやろうじゃないか、子供たちに本を読む楽しみをみんなで教えるというか感じてもらおうじゃないかということで、そうした活動をする団体にささやかですが助成をしてみるというようなことで、私は、今の子供たちが大人になるための基礎をはぐくむためのいろいろな経験というものをさまざまな活動で支援していくという趣旨が今回の子どもゆめ基金の目的である、かように考えております。
 高橋委員の御意見はわかりますが、ぜひ願わくはこの法案に賛成をしていただくことを心からお願い申し上げまして、私のお答えにさせていただきます。
#79
○委員長(市川一朗君) 先生、そろそろ時間ですが、よろしいですか。
#80
○高橋紀世子君 一言。
 そういう実体験を子どもにさせるというのは私は賛成なんです。それはずっと今まで言ってきたんですけれども、それはゆめ基金がなくても、やはり大人が受け入れるという精神が町々、村々にあると思うし、それが必要だと思うし、基金がなくてもそういう風習がこれから一般的になればと私は思います。
#81
○委員長(市川一朗君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(市川一朗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤泰介君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤泰介君。
#84
○佐藤泰介君 私は、ただいま可決されました独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、子どもの健全な育成の推進を図るため、この法律の実施に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、基金による助成金の交付に当たっては、青少年教育に関する団体の規模に関わらず地域に密着した草の根的な団体に対して格別の配慮をすること。また、制度の認知度や利用に地域格差が生じないよう努めること。
 二、インターネット用子ども向け教材等の開発などの基金による助成金交付対象事業の審査については、公正かつ厳正な審査体制を整備するとともに、審査に当たる組織、審査基準の公表などの透明性の確保、助成した事業についての活動状況の公開などに努めること。
 三、基金については、官民一体となってその拡充に努めるとともに、民間の幅広い賛同が得られるよう情報公開を充実すること。
 四、基金の設立が地方の自主性を阻害することがないように配慮するとともに、地方自治体における子どもの健全育成関係予算が一層充実されるよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#85
○委員長(市川一朗君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(市川一朗君) 多数と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、町村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。町村文部科学大臣。
#87
○国務大臣(町村信孝君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいります。
#88
○委員長(市川一朗君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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