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2001/04/10 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 財政金融委員会 第9号
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2001/04/10 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 財政金融委員会 第9号

#1
第151回国会 財政金融委員会 第9号
平成十三年四月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月五日
    辞任         補欠選任   
     鴻池 祥肇君     田村 公平君
 四月六日
    辞任         補欠選任   
     田村 公平君     末広まきこ君
 四月九日
    辞任         補欠選任   
     末広まきこ君     鴻池 祥肇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊藤 基隆君
    理 事
                林  芳正君
                日出 英輔君
                勝木 健司君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
    委 員
                上杉 光弘君
                河本 英典君
                鴻池 祥肇君
                清水 達雄君
                谷川 秀善君
                野間  赳君
                星野 朋市君
                山下 英利君
                若林 正俊君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                木庭健太郎君
                大門実紀史君
                大渕 絹子君
   国務大臣
       財務大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   村井  仁君
       財務副大臣    若林 正俊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        小林 勇造君
       内閣府政策統括
       官        岩田 一政君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       財務省主税局長  尾原 榮夫君
       国税庁次長    大武健一郎君
       厚生労働省医政
       局長       伊藤 雅治君
       厚生労働省年金
       局長       辻  哲夫君
       厚生労働省政策
       統括官      坂本 哲也君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        杉山 秀二君
       中小企業庁長官  中村 利雄君
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
   参考人
       預金保険機構理
       事長       松田  昇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 税理士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官小林勇造君、内閣府政策統括官岩田一政君、総務省自治行政局長芳山達郎君、財務省主税局長尾原榮夫君、国税庁次長大武健一郎君、厚生労働省医政局長伊藤雅治君、厚生労働省年金局長辻哲夫君、厚生労働省政策統括官坂本哲也君、経済産業大臣官房商務流通審議官杉山秀二君、中小企業庁長官中村利雄君、国土交通省総合政策局長風岡典之君及び国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(伊藤基隆君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 税理士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(伊藤基隆君) 税理士法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○谷川秀善君 皆さん、おはようございます。自由民主党の谷川秀善でございます。
 ただいま議案となっております税理士法の一部を改正する法律につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 この税理士法の改正は五十五年以降ということでございますから、大体二十数年ぶりの改正になろうかと思いますが、全体としては、税理士会の御要望もいろいろお聞きになられて財務省の方でおまとめになっておられますので、大体よくまとめられたなというふうには思っておるところでございまして、余り質問することもないのでございますが、二、三質問させていただきたい。
 その前に、その前が大変大事なんですよ。税金を納めるというのは国民の義務であります。これはもうだれもが異議のないところであろうと思いますが、最近見ていますと、特に大阪なんか中小零細企業が多いですから、まず皆さんおっしゃることは、税金は納めますと、納められるようにしてくれませんかと、こう言うんですよ。これが一番大事だと思うんですね。我々、納めようにも納められませんと。もう会社が倒れかかっている、よろよろしている、赤字でありますと。そうすると、やっぱり納められるようにしてもらいたい。この要望が大変まず強いということ。
 それともう一つは、納めた税金が本当に国のために使われているか。特に、外務省のあの機密費の問題ですね、あれでもう国民が納税に対する気持ちが非常になえてきているというふうに私は思うわけです。あの問題をはっきり処理してください。一役人が競走馬を十何頭も買うている、しかもその競走馬に愛人の名前をつけている、これはどういうことですか。けしからぬですよ、こんなの。それに対する処理が全然できていない。やっと最近どうも捕まったようやと、こういうことなんですね。
 この二つが今本当に国民が政治に対して何とかしてもらいたいという強い要望があるわけでございます。そういう意味で、こういうことに関しまして、財務大臣の御感想をまずお伺いをいたします。
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) まことにごもっともな御指摘でありますが、まず最初に言われました部分、つまり税金が納められるようにしてくれよというのはいかにも、これは全国民ですが、殊に経済というものに明るい大阪の方々が口にされるだろうと思われることでありまして、今の経済政策そのものに対する非常に深刻な御批判だというふうに思っています。
 そのことにこたえていくためには、無論、ただ言葉で済むわけではありませんで、現在の内閣の持っております、あるいは日本の政治が持っております経済政策等々についての反省を求められておるものと承知をいたします。まことにそれはごもっともなお言葉だと、象徴的な表現だと思って伺っております。
 次に、第二の問題は、もう少し納税そのものに関することでございますが、つまり納税者が納められる税金が有用な意味に使われているということが納得されている社会とそうでない社会とでは、おのずから納税者の心持ちが違ってくる、納税についての態度が異なってくるのはもう当然のことであると思います。
 殊に、この点も今、馬のこともお話しになりまして、そこらのところを政府に対して、税金を使わせてもらって仕事をしている政府に対する批判の厳しさあるいは緩さ、これは社会によって違うと思いますが、経済的にさとい方々は殊にその税金が正しく使われておるかということを問われるのは当然のことでございますから、これは経済政策よりもっと規範的な、基本的な政治の姿勢というものに関することだと思っております。
 今言われました二つの基本が備わりましたときに、今度は、国民が持っておる納税への義務をひとつぜひ履行してくださいと、そういうことを政府側が申し得る立場にある。また具体的にそれをどうするかということは、これは納税行政といったようなもう一つ下の次元の話でありますが、そういう上の次元の状況が整わなければ、本当に納税者にきちんと納税をしてくださいということは大変に申しにくいということは、今、谷川委員の言われたとおりだと思います。
#9
○谷川秀善君 政府も緊急経済対策をお決めになって、これから実行しようという段階だろうと思いますので、ぜひともこれを速やかに実行していただいて、景気が一日も早く自律回復に向かうように御努力を賜りたいと思いますし、それから、いわゆる使い方の問題につきましても、やっぱり正すべきことは正して、すぐに国民に見えるような形にしていただきませんと、それはあなた、どう考えても、競走馬買うたりマンション買うたりしているというのはわかっているんだから、これは使い方以前の問題ですね。横領だとか詐欺だとかいろんな話がありますけれども、この辺はやっぱりぴしっと執行上も対応していただくということでないと国民の信頼が離れていくということだろうと思いますので、その辺のところは、今、財務大臣お考えのとおり速やかに実行していただいて国民の目に映るような形にしていただきませんと、だんだんと納税意識が、いろいろ御苦労していただいておりますから納税意識も向上していると思いますけれども、そういう不祥事が起こるたびに今までの努力が水の泡みたいな格好になってしまっては何にもならないというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げておきます。
 それで、三月になりますと確定申告が一斉に始まりまして、税理士さんも大変御協力をしていただいて、御苦労をかけておるわけでございますが、年に一度のことですから、納税者側から言いますとなかなかその書き方も非常にわかりにくいという面もありまして、そういう意味で全国の税理士の皆さん方の御協力を賜っているわけで、私もこの前、確定申告の初日にいろいろと現場を激励に行かせていただきましたが、自書申告というのがここ一、二年奨励をされているというふうに聞いておりますが、自書申告を奨励された理由は何でございましょうか、お伺いいたしたいと思います。
#10
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 やはり税務というのは、納税者みずから税法の規定に従って自己の正しい課税標準と税額等を計算して申告するというのが申告納税制度の本旨でございますので、できるだけ納税者御自身に申告書を記載していただく、今先生の言われました自書申告ということを進めさせていただくということにしているわけでございます。
#11
○谷川秀善君 それは当然だと思うんですね。自主申告ですから、みずからが書いてみずからが申告をすると。
 ところが、なかなか納税者といったってピンからキリまでありますわ。ピンからキリまであると言うたらおかしゅうございますが。私が参りましたときも、年寄りが老眼鏡をかけながら一生懸命書いてはるわけよ。そうすると、あれは非常にわかりにくいですね。我々でも年に一度確定申告をするときは非常にわかりにくいですよ、いろいろ項目がたくさんあったりして。
 だから、そういう意味では、税務署の皆さん方もいろいろ御助言、アドバイスをしておられましたし、また税理士の方々も皆それぞれアドバイスをしておられましたが、書けないという人にはできれば、そこに御本人さんがおられるわけですから、かわって書いてやることも必要かなというような感じがいたしました。
 そういうことはしたらいかぬのですか、どうでしょうか。
#12
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 まさに御指摘いただいたように、例えば御高齢の方など、個々の納税者の態様を十分配慮した無理のない相談方法をとるなど、臨機応変な対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
#13
○谷川秀善君 そのように納税者の方々ができるだけ自分で書くのは大事です。だから、利便を与えてあげていただいて、もし書けないというような人がおったら税理士さんにでもちょっと助けてもらって、所期の目的が達成すればいいわけですから、そういうことで、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それで、次に延滞金ですね。今、超低金利時代に突入していますね、もうゼロ金利みたいな格好でね。ところが、その延滞金が非常に高い。原則的には一四・六ですか、これはいろいろ措置がされていると思いますが、知らぬ人は一四・六やと思っているわけですね、延滞金が。
 それは、税の公平な納税ということから考えますと、期限内に納税をしていただいた人もずっと納税がおくれている人も平等やというのは、これは公平の原則に反すると思いますが、延滞金というのは本来どういう性格のものでございましょうか。
#14
○政府参考人(尾原榮夫君) お答え申し上げます。
 もう既に先生より御指摘がございましたように、この延滞税でございますが、納付すべき国税を納期限まで納付しない場合に、納期限を遵守した方としない方との間の負担の公平、あるいは滞納の防止、三番目には、滞納となった国税というのをできるだけ早く納付していただくということを目的として課される附帯税でございます。
#15
○谷川秀善君 その公平性の原則と、もう一つはちょっとやっぱり懲罰的な部分もあるのかなという感じがいたしますがね。
 それにしても、金利が十年ほど前、そこそこのところは余り乖離が、それでもちょっと私は乖離があると思いますよ、乖離があると思いますけれども、そう目立たなかったのかなと。ところが、こう超低金利時代になりますと非常に乖離が大き過ぎて、一年延滞すると相当な額になる、基本が大きいと。
 私の知っている人で、本税が五億ぐらい、それで本税は納めたんですよ。そのときに、一部営農農地の部分があって、これがペンディングになったんです。それで、納める側からいうと、営農農地の証明書を持ってきなさいと、こう言われたようでございますけれども、やっぱり相続ですから、相続者はずっといまだに田んぼを耕しているわけです。だから、親が営農農地の申請をしてくれているものと思い込んでいたわけですね。実際に耕作しているわけですから、いまだに。
 営農農地の申請を当然していると思っていたところが、自主申告ですから、それで持っていったわけです。そうすると、この田んぼは営農農地ですねと、こう言われたから、そうです、営農農地ですと、こう言って帰ってきたんです。それで本税を納めた。それは相続税免除になっているからというので相続税の計算から除外されていたわけです。それで、当然本税を納めたものですから、もうそれで終わったと、こう思っていたわけですね。
 ところが、一年ほどして、あれは営農農地と違うやないの、こう言われたというんです。それで、もし本当に営農農地なら証明書をもらってきなさいと言うので市役所へ行きますと、営農農地の申請をしていなかったということがわかったわけです。それで、どうも営農農地の申請をおやじさんがしていなかったのでと、そういって言いに行ったんです。それならば、営農農地の申請をしていなければ当然これは相続税の免除にはならないから対象になるということで、その本税の税額が二、三億だったと思うんです。
 そうすると、一年以上、その決着がついた時分にはかれこれ二年近くなった。そうすると、その分はずっと滞納になっておったから延滞利息がつきますということで、税額が三億ぐらいになるとすごい滞納になるんです、この金利が一四・六。そうすると三千万から四千万ぐらいになるんですよ。それで、いや、本税は納めさせてもらいます、延滞料は私は知らなんだんやから何とか堪忍してもらえませんやろかと、こういう話になったわけです。ところが税務当局は、それはまかりならぬ、そんなものはということでいろいろお話し合いをされて、特例だとかいろんな、大分これは金利を下げておられるようですけれども。そういうことで、渋々と言っていました、本人は渋々、本税は即納めると。
 ところが、今みたいな状況になりますと、本税を納めるといっても、今営農しているわけでしょう、買い手がつかぬのですわ。それまでも、税額が五億ほどですから物納もしているわけです。それで、もうこれは大変やというようなことなんで、一応これは決着がついたんですけれども。
 やっぱりそのときに延滞料というのは非常に、税額が小さいときはそうあれなんですけれども、税額が大きくなりますと非常に延滞金が納税者にとって重荷になるというような部分がありますので、最近何かいろいろ措置をしていただいておるようでございますから、どういう措置をしていただいておるのか、お伺いいたしたいと思います。
#16
○政府参考人(尾原榮夫君) 今、先生からお話しございましたように、延滞税の割合でございますが、本法では、納期限の二カ月後までの期間は七・三%、その後の納付の日までは一四・六%の割合とされておるわけでございます。
 しかし、お話がございましたように、低金利の状況がずっと長く続いてまいりました。そういうことを勘案いたしまして、平成十一年度税制改正でこの延滞税等の割合の特例制度を設けました。つまり、七・三%の割合の延滞税につきましては、その年の前年の十一月末日の公定歩合にプラス四%の割合、したがいまして、きょう現在でございますと四・五%ということになるわけでございますが、というふうに軽減されているわけでございます。
 それから、一四・六%の割合の延滞税の問題でございますが、実は充実した免除制度が設けられておりまして、例えば国税が滞納となっている場合でも、税務署に御相談をしていただく、それで分割納付の計画を立てるというふうに、その納付につきまして誠意が有すると認められるような場合には、今申し上げましたような公定歩合プラス四%の割合で済むということになってございます。
 以上のような制度になっていることをぜひ御理解いただきたいと思っております。
#17
○谷川秀善君 外国でも市中金利から二、三%アップをしているようでございますから、それはまあ私はいいんだろうと思いますが、それにしても、もうこれだけ低金利が続いておりますので、これは十二年の一月から適用されたようでございますが、だからやっぱり臨機応変にある程度、一年置きごとぐらいにちょっとやっぱり考えてもらうということにして、それがまた一つは納税の促進にもなるというふうに思いますので、どうぞその辺のところをよく、やっぱり実態に合うように、こんなの、あんた、何かちょっといじったらいいんでしょう、別に法律改正するわけでも何でもないと思いますので、その辺のところは十分よろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは、税理士法の改正、もうあと時間余りございませんが、今回の改正では公認会計士また弁理士と同じように法人制度が実施されるようになっておりますけれども、今、税理士さんの経営実態といいますか、例えば二人で組んではるとか、三人で組んではるとか、私は、税理士さんの性格からいうたら大体一人だろうと思いますけれども、現在の経営実態というのはどういうふうになっておりましょうか。
#18
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 ちょっと古いんですが、平成六年四月に日本税理士会連合会が税理士全員を対象として実施いたしました調査結果で申しますと、事務所の形態につきましては、二人以上の税理士が一つの物理的な場所において業務を行っている場合というのは二%ぐらいで、今先生が言われたように単独経営が九五・五%、大半が単独であるということでございます。
 なお、共同経営の規模につきましても、いわゆる税理士資格を持った方が二人というところが五九・三%と最も多いと、こういう実態かと存じます。
#19
○谷川秀善君 今お答えいただいたとおりだと思います。一番多いのでも六人ぐらいの規模が最高ではなかろうかというふうに思います。
 そういたしますと、公認会計士の方は余り、性格はちょっと違いますが、上限を決めていないようでございますが、この改正法でも上限が決まっていませんね。だから、できたら上限を決める方がいいのではないかなという感じはするんですけれども、いかがでございましょうか。
#20
○政府参考人(尾原榮夫君) 今回の税理士法人の社員数につきましては、二人以上の税理士が共同して設立するということで、上限を設けておりません。この上限を設けていない理由でございますが、一つは、この税理士法人というのは合名会社に準じて法人ができることになっているわけでございますが、この合名会社、社員数の上限がないわけでございます。
 また、今回の税理士法人は、納税者に高度なサービスを安定的、継続的に提供できるようにするということでございまして、その場合、各法人が何人必要となるということは、その法人の判断すべき事項であり、一律の基準にはなじまないであろう。また、先生から今お話しございましたように、特許業務法人やら監査法人、既に認められております法人制度においても上限を設けていないということから、上限は設けていないわけでございます。
#21
○谷川秀善君 まあ心配は私はないと思っていますが、時代の流れによって違いますから、巨大法人ができて、例えば大阪なら大阪を独占支配をする、こんなことは現実問題として起こらぬと思いますが、そういうことが起こるような可能性があれば、これは十分検討をしていただきたいというふうに要望をいたしておきます。
 それと、税理士会の要望では、従たる事務所は認めないということであったように思いますが、この改正案では従たる事務所が認められているようでございます。その辺のところは税理士会とうまく話がついたんでしょうか。なぜこの従たる事務所を認めたのか、お伺いいたしたい。
#22
○政府参考人(尾原榮夫君) 今回、税理士法人について従たる事務所の設置を認めているわけでございます。
 その理由でございますが、今回の法人化のねらいといいますのは、より高度なサービスを納税者に提供するということでございます。そうしますと、そのようなサービスはなるべく幅広く利用できる機会を確保していくということが大切でございますし、制度創設の趣旨にかなうわけでございまして、そういう観点から従たる事務所の設置も認めているわけでございます。なお、監査法人あるいは特許業務法人でございましょうか、そういう法人にございましても従たる事務所の設置を認めているのが通例であるということも勘案したわけでございます。
#23
○谷川秀善君 税理業務についての報酬の規定でございますが、最高限度額を決めてございませんね。これはできたら、納税者にとっても税理士さんにとっても、一応目安として最高限度額を決めておく方が私は双方に安心ができるのではないかなというふうな感じを持っておるわけでございますけれども、これはどうしてこの最高限度額をお決めにならなかったのでございましょうか。
#24
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 規制緩和推進三カ年計画あるいは規制改革についての規制改革委員会の意見、見解というものにおきまして、一つには、資格者団体が個々の資格者の原価計算の要素を考慮せずに一律の基準額を示すことが適当かどうか、あるいは、各資格者が独自に報酬額を算定して事務所に掲示することでも利用者の不安は解消できるのではないか等々の理由から、税理士を含む資格者について、報酬規定を会則記載事項から削除すべきだという御指摘があったことを受けたものでございます。
#25
○谷川秀善君 規制緩和もいいんですけれども、やっぱり納税者の立場を保護するということから考えれば、ある程度の目安といいますか、そういうものも必要ではないかなというふうに私は思います。そういう意味でまた税理士会ともよく御相談をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#26
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 まさに御指摘のとおり、納税者にとりましても何らかの目安というのがあることが必要だということで、今回改正をお認めいただきましたら、日本税理士会におきまして、報酬規定のあり方につきまして見直しする際に、規制緩和委員会の意見も受けて、公正な有効な競争促進とともに、御指摘のような依頼者の保護の観点をも十分に踏まえた算定基準の策定の検討が行われるというふうに承知しているところでございます。
#27
○谷川秀善君 いろいろお伺いをいたしましたが、今、税務職員が全国で大体五万五千人ぐらいと聞いております。税理士さんも年々ふえてまいりまして、現在、六万五千人ぐらいおられるんじゃないかと思っております。この十二万ぐらいの方々で国民の納税に対して大変御努力をいただいているわけでございます。
 そういう意味で、税理士さんも大変御協力をいただき、納税思想の普及なり、また無料税務相談なり、いろいろと税理士会は税理士会として御努力を賜っておりますので、どうぞ国税庁も税理士会とよく相談をしていただいて、今後国民が納得をして納税が快く、なかなか税金ですから快くというわけにはいかぬでしょうけれども、快く税金を納めていただいて、公平の原則が貫かれるように、そのためには我々政治家としても姿勢を正さにゃいかぬ、頑張らにゃいかぬと思います。
 大蔵大臣、最後にどうぞよろしくお願いをいたします。
#28
○国務大臣(宮澤喜一君) 御趣旨はまことにごもっともなことでございます。よく体しまして行政をいたします。
#29
○谷川秀善君 ありがとうございます。質問を終わります。
#30
○峰崎直樹君 また前回に引き続きまして、税理士法改正前に、どうしてもやはり聞いておきたいという点が二点ございますので、きょうは柳澤金融担当大臣にもおいでいただきまして議論させていただきたいと思います。
 最初に財務大臣に。私も、三月の終わりでございましたでしょうか、この財政金融委員会あるいは予算委員会で、今回の日銀の決定に伴ってかなり円安が進むのではないか、その意味でアジアの国々やあるいはアメリカに対してこういった点についての十分な理解がやはり必要なんではないかということを申し上げたことがございます。さらに、こういった大変なデフレ下において、不良債権のオフバランス化といいますか、そういう作業をする以上は、ある意味ではある程度の円安もやむを得ないのではないかというような議論も展開をさせていただいたわけです。
 四月八日にクアラルンプールで開かれた東南アジア諸国連合、いわゆるASEANの財務相会議の共同声明の中で円安に対する懸念の表明があったと聞いたわけでありますが、それについて財務大臣はどのようにお考えになっておられるのか、お聞きしたいと思います。
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) ASEANの財務大臣会合でございますが、参加国の間で共同声明が出ております。ただ、我が国はこの会議には参加をいたしておりませんので、この声明自身についてコメントすることは不要なことであるかもしれませんが、しかし、おっしゃいますように、一般的にASEANの国々が円の動向について関心を持っておりますことは、これは峰崎委員のおっしゃいますように当然のことであると思っておりまして、たまたま我が国は、このASEANの財務大臣会合に引き続いて、ASEANと日中韓三カ国によるプラス3といいますか、財務大臣・中央銀行総裁代理会合がございましたので、その際、我が国として、我が国の景気回復のために何か意識的に円安誘導を行うという意図は全く持っていないということをはっきり申し上げてまいったわけでございます。
 峰崎委員のおっしゃいますことは、政策としてでなく、全体の状況の中から円安が進む環境ではないかとおっしゃっていらっしゃいますわけで、それはごもっともなことでございますけれども、我が国が何か自分の景気回復のために、あるいは輸出増進のために円安の誘導を行うといったようなことは方針として全く持っていない、またそういうことをいたしておりませんということをこの会議にも申し上げたわけでございます。
#32
○峰崎直樹君 今、百二十六円前後だというふうに聞いておりましたけれども、製造業あたりは百九円ぐらいがちょうどいいんじゃないかというような議論をすると、かなりもう既に円安に進んでいるわけです。今ぐらい時点でも円安なんだというふうに認識しているんですが、恐らく財務大臣は、自然体で、それが上がったり下がったりすることに対して意識的に政策としてはとらないというふうに伺ったというふうに判断をしておきたいと思います。
 さて、二点目にちょっと金融担当大臣にもお聞きしたいと思っているんですが、実は先週の金曜日、与党それから政府と合同で緊急経済対策というものをまとめられたわけであります。その経済対策について、森総理大臣もおやめになるということをはっきりさせて、おやめになるということを決意された後にこうして質問するのも何となく力が入らない感じがしないでもないんですが、しかし、そこで決定をされたということは、当然これは政府としての決定になるわけですから、その意味でこの不良債権処理をアメリカまで出向かれて森首相が事実上約束をされたわけですね。公約でしょうというふうに言っても、公約だとはおっしゃらないで決意だとおっしゃっていましたけれども。
 このさきの緊急経済対策、いろいろ載っておるわけでありますが、それによって本当に不良債権処理、アメリカに決意を表明した不良債権処理については大丈夫だと自信を持って両大臣考えておられるのか、その点についてお聞きしたいと思います。
#33
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の処理の問題につきましては、私も就任以来いろいろその考え方について申し述べてまいりましたが、ここではそれを改めて繰り返すことは避けたい、このように思います。
 要は、私は、不良債権の処理、間接的な引当金による処理の段階から、はっきりオフバランス化という段階に進んだ方が、銀行そのものの収益力、体質というものにとっても、日本経済における金融機関の機能といったような面からもその方が適切だ、このように考えまして、私自身といたしましては、金融行政の一つの柱としてこれを推進させてもらおう、こういうことで一月くらいの段階からそのことを申し上げ、そういう方向で準備を進めてきたわけでございます。
 そういう中で、党側の方から、予算がほぼ成立を見た段階から緊急経済対策というような構想が打ち出されたわけでございますが、私どもがかねて準備を進めてきた金融再生と産業再生の両方を一体的に解決する形での不良債権の処理という問題をその中に取り込むということに相なったわけでございます。
 そういうようなことで今回この緊急経済対策の一環になったわけでございますが、私どもとしては、この内容についてはかねてからずっと準備を重ねてきたものでございますので、この盛り込まれたこと、ほとんど私どもの検討結果と変わらない形で盛り込んでいただきましたので、そういう意味で、これをこれから一生懸命やらせていただくことによって何とか日本の金融機関の不良債権の問題というものを、新しい形と申しますか、そういう形でさらに解決を進めてまいりたい、このように考えているということでございます。
#34
○峰崎直樹君 金融担当大臣、要するに、自分たちが考えたことが今回、政府・与党の緊急経済対策の中に実現されたというふうに今おっしゃいましたですね。
 そうすると、今まで不良債権を、オフバランスといいますか、なかなかこれが処理できなかったという背景があって、今度はそれをやるんだということをおっしゃっておられるんですが、新規発生したものは三年とか、あるいは今までの破綻懸念先とか破綻先債権というのは、これは二年以内にやるんですよという、こういうタイムスケジュールを出されたわけですけれども、そういう意味で、時間を設定してそこに追い込んでいくと。これを進めて、国土交通省、金融庁、それからもう一つはどこでしたか、(「経済産業省」と呼ぶ者あり)経済産業省ですね、この三省庁、つまり一番不良債権を抱えているであろうと思われる業種に対して、今まで随分努力をされてきたと思うんですね。金融担当大臣もオフバランスをやりなさいということでやってこられたと思うんですが、これは、その三省庁ともにわかりましたと、その三年以内あるいは二年以内というこの限界というのは政府が決定したことだから、必ずそれは約束を守ってやりますと、こういうことで理解してよろしゅうございますか。
#35
○国務大臣(柳澤伯夫君) オフバランス化というか、そういうことでの一番の問題点というのは、貸出先企業との関係も当然のことですけれども、同時に、債権者間の話し合いがなかなかつかないというようなことも問題であったというふうに我々理解をいたしておりまして、それに対してどのようなトリガーというか引き金を引いて、こちらの方向に見きわめて踏み込んでいくんだということあたりがまず第一に大事だ。
 それからまた、第二番目には、再建計画というものについて本当に信頼が置ける確実性の高いものにしていかなければならない。そういうようなことでは、担当の役所のいろいろな力もかりた方がそういうものが実現する上で資するところが多いだろう。
 こういうような関係で、私ども、この二省との間でいろいろと検討をしてきたわけでございますが、このように今回、経済関係閣僚会議と政府・与党の緊急経済対策本部との合同会議で決定を見たということでございますので、それぞれの関係の役所の大臣も入った上での決定であるということで、今先生の御指摘のように三省庁の意思はここに一致した形で表現されている、このようにおとりいただいて結構でございます。
#36
○峰崎直樹君 質問はこの程度で終えますが、オフバランスに持っていくときの方法で、法的な処理あるいは不良債権の売買、これが進むときは構わないんですが、債権放棄という方法については、国民の中には、税を投入した金融機関がいわゆる債権放棄に応じる、しかしどうもそこが割り切れないなと。しかもそういう銀行は、そういうことをやって一気に赤字を出しても、実は配当はまともに払われていると。
 そうすると、我々の投入した税金というのは、ある意味ではそのまま配当原資になって株主の方にも優先されている。しかもさらに公的資金をいろいろ云々されているとなると、一体モラルハザードはもう本当にどこに行ったんだ、こういう指摘を我々はよく受けるわけでありまして、きょうはこの議論はもうこれ以上進めませんが、いずれにせよ半期ごとに恐らく中間報告をされるのでありましょう。そういう意味で、その中間報告を点検しながら進めていきたいというふうに思っていますし、また、合併をした企業なんかは経営計画を恐らく再度提出し直したりするんでしょうから、そういった点もこれからよく我々野党の立場できちんと監視をしていかなきゃいかぬなと思っているところでございます。
 さてそこで、今度は、この税理士法に関連する中身のちょっと外回りに属することかもしれませんが、国税不服審判所制度というのがございますね。いわゆる税務争訟制度、こう呼んでいるんでしょうか、この国税不服審判所というのはなかなか我々にもなじみがないわけでありますけれども、これは一体どういう法的性格の組織なんだろうかなということをちょっとお聞きしてみたいと思いますし、もしわかれば事務局はどこが担っておられるのかということも明らかにしていただきたい。
#37
○副大臣(若林正俊君) 国税不服審判所につきましては、その設置根拠は財務省設置法二十二条にございます。特別の機関として国税庁に置かれている組織でございます。国税に関する法律に基づく処分について、審査請求に対する裁決を行うことを所掌の事務としております。
 この国税不服審判所は、本部は東京国税庁の中にありますが、十二の支部が置かれておりまして、国税不服審判所長に対してなされた審査請求に係る事件について、国税審判官の職員が、合議体、三人以上でございます、合議体で構成してその事件の調査、審理を行っているところでございます。
#38
○峰崎直樹君 この資料をちょっと読ませていただくと、今おっしゃったように国税庁の附属機関、現在は特別の機関として設置されたと。この特別の機関というのはどういう意味なんですか。
#39
○副大臣(若林正俊君) 国家行政組織法で定められているわけでございまして、いわゆる行政の執行にかかわる行政機関とは別に、法律で決めるわけでございますが、法律に特に定める所掌事務の範囲内で法律で定めるということで、やや一般の行政から独立した判断ができるものとして特別機関を置く、このように理解をし、国税不服審判所を財務省設置法で決めているところでございます。
#40
○峰崎直樹君 ちょっとちなみに聞くんですけれども、所長の任期、それから、私も九年近く国会議員をやっているんですけれども、国会の同意人事でこの国税不服審判所長というのを同意した覚えは一度もないんですが、そういうものはなくてよろしいんでございますか。
#41
○副大臣(若林正俊君) 任期は特段定められておりません。そして、所長などの任命につきましては財務大臣が任命するということで、国会の同意になっておりません。
#42
○峰崎直樹君 いずれにせよ、税で裁判を起こすときに、一番最初に税務署に申請して、そしてそこでいろんなやりとりがあって、不服があればここに申し立てるわけですね。そうすると、国民にとってみると、納税者の権利とさっき谷川議員もおっしゃっていましたけれども、言ってみれば非常に重要な機関だと思うんですよね。それを今聞いていると、何か任期も定まっていなきゃ、財務大臣が任命すればそれで事足れりということで、今はどなたがやられているのか、一体事務局はどうなっていて、ある意味では非常に透明度が要求されるときに、このいわゆる国税不服審判所制度というのは、余り税で訴訟を起こしたという経験がなければないのかもしれませんが、何となく前近代的な雰囲気を漂わせて、前回、IRSの改革でいえば、IRSの一次改革ぐらいのところにしかまだ到達していないんじゃないかなというふうに思えてならないわけですが、そのあたり、今のままの制度でいいんだろうかなという思いを強く持ちます。これは、今ここで改正しろなんということをちょっと私は言っておるわけではありませんけれども。
 そこでもう一点お聞きしたいんですが、この国税不服審判所長が国税庁長官が発した通達とぶつかる、そういう法令の解釈と異なる解釈をとろうとする場合の扱いがありますけれども、過去そういう事例はあったんですか。
#43
○副大臣(若林正俊君) 先ほどお話しいたしましたように、国税不服審判所は特別の機関として設置されているものでございます。その場合の国税不服審判所長の役割として、国税庁長官通達に示された法例解釈と異なる裁決をする場合、または法令の解釈の重要な先例となると認められる裁決をする場合には、税務行政の統一性の観点から、あらかじめその意見を国税庁長官に申し出ることになっておりまして、これまで長官に意見を申し出た審査請求事件は八件ございます。この八件についてはいずれも審査請求人の主張を容認するものでございまして、かつ国税庁長官も審判所長の意見を相当と認めたので、その旨の裁決を行っているところでございます。
 国税通則法第九十九条に基づくこのような意見具申の申し出をした事例としては、外国法人が外国人である役員あるいは使用人に支給した休暇帰国のための旅費は、外国法人の業務上必要な旅費に当たるから、賞与等ではなく業務上の経費として認めるのが相当であるといったような事例とか、あるいは土地取得後これを利用することなく譲渡した場合には、その土地の取得に要した借入金の利子は、その土地の原価に算入するのが相当であるといったような事例などでございます。
#44
○峰崎直樹君 恐らくこれからも外国との税をめぐる関係だとかいろんな形で出てくると思うので、そういった意味で、日本のこういうシステムが、国際社会から見ても、日本の納税者の権利というか、そういうものが非常に不十分であるということはやはり早く是正をしておかなきゃいけない点じゃないかと思うんです。
 そこで、次に国税審議会の委員の問題について。国税審議会というのが設置をされ、新しく平成十三年一月に、財務省設置に伴って出てきたんだと思うんですが、これを見ながらつくづくおもしろい組織だなと思って、なぜそうなっているのかなというのがちょっとわからないんですが、この国税審議会の委員の選任をされるときの基準というのはあるんでしょうか。どんな基準で選任されておるのですか。
#45
○副大臣(若林正俊君) 国税審議会の委員につきましては、国税審議会令によりまして、「学識経験のある者のうちから、財務大臣が任命する。」というふうに定められております。
 委員の選任に当たりましては、平成十一年四月二十七日の閣議決定、審議会等の整理合理化に関する基本的計画に基づきまして、国税審議会の法定審議事項に照らして、委員により代表される意見、学識経験等が公正かつ均衡のとれた構成になるように配慮して定めているところでございます。
 国税審議会の審議事項は、不服審査、行政処分及び試験に関する事項など、納税者の側から、国民の側から、基本に関する事項であることでありますので、特に公正な立場で公平、客観的に物を判断できる方を委員としてお願いをいたしておるところでございまして、現在は十九名の委員が任命されております。学界から七名、マスコミ関係から二名、税理士会から二名、酒類業界二名、法曹界から一名、産業界から一名、その他の有識者四名と、幅広く各界各層から学識者をお願いをする、このような構成になっております。
#46
○峰崎直樹君 その十九名の名簿もずっと見させていただいた中で、今度、分科会ごとにちょっと見ていくと、税理士分科会というのがあるんですよね。
 これがわずか三名なんですよ。しかも、各分科会ごとに座長、座長代理、それから委員と。三人だったら、一人が座長をやって、一人が座長代理をやって、一人が委員でと。しかも、その三人の中で何をするかというと、税理士分科会でいうと、税理士試験の執行、税理士の懲戒処分の審議、財務大臣の諮問に基づいて審議されるそうなんですが、試験執行という非常に重要な、今回も大分改正になっていますけれども、そういうことを議論するのに三名だと。しかも、その中に、一人の方は国民生活金融公庫の総裁で、これはもう大蔵省のOBで本当に税のことも詳しい方ですよね。それから、もう一人は武蔵大学の先生ですか、女性の方です、これも税理士。もう一人は日本税理士会連合会の相談役をやっているんですね。
 私、普通は、税理士さんの懲戒とかあるいは税理士の試験とかというときには、基本的には、こういう税理士会連合会の相談役をなさっておられるような方が三名の中に一人入っているというのは、一つは全体に数が少な過ぎやしないかなというのが一点と、三名の中に一人こういう方が入っておられると、その試験というのは大丈夫かな、あるいは懲戒のときもちょっと甘くなりはしないかなというような感じがするんですが、このあたりどんなふうに考えておられますか。
#47
○副大臣(若林正俊君) 実は、この税理士分科会、その前は税理士審査会でございますが、昭和五十六年四月に設置されて以来ずっと三名で行われてきました。
 しかし、今、この税理士分科会でございますが、税理士試験の執行だとか税理士の懲戒処分の審議に当たりましては、委員のほかに、試験委員、現在二十一名ですが、でありますとか、懲戒審査委員、現在六名ですが、そういう委員をお願いいたしておりまして、運用をしてまいったということであります。
 しかし、今御指摘のように、税理士につきまして、資格でありますとかあるいは懲戒処分でありますとか、なかなか重要な役割を担うものでございます。
 そこで、今回改正をお願いしておるわけでございますが、資格につきましては、もう既に御論議いただきましたが、修士論文の学問領域の認定とか、認定、免除の取り消し、あるいは指定研修の指定基準の継続的検証といったようなことが税理士分科会の審議事項として新たに加わることになることもございまして、御指摘がございましたように、この分科会の役割の重要性にかんがみまして、できればこの税理士分科会の委員の人数につきましても、法案の成立をお認めいただきました後、国税審議会において検討をお願いしたいと、このように考えております。
 なお、過日の第一回の国税審議会におきましても、税理士分科会長の方から、同様の趣旨で、税理士分科会の委員の増員を検討していただきたいといったような提案がなされているところでございまして、御指摘の点は十分承知をいたした上で、今後、増員の方向で検討したいと、このように思っております。
#48
○峰崎直樹君 この国税審議会のもとに税理士分科会を置いて、さらに国税審議会の推薦に基づいて財務大臣が任命する試験委員、それから懲戒審査委員を設置すると。
 言ってみると、何段階もいって、我々の知らないところでというと変ですが、なかなかわかりにくいところで一体どういう方々がこういうところに任命されているのかなということがちょっと今の数字だけではわかりません。
 もう一つ、酒類分科会というところにちょっと目を通すと、おもしろいなと思うのは、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律というのはわかるんですが、二番目に、エネルギーの使用の合理化に関する法律及び再生資源の利用の促進に関する法律の規定に基づき審議会の権限に属せられた事項を処理することと。処理すると、法律を処理するというのは、何をどうしようとしているのかというのがこれだけちょっと見たのではわからないのですが、これは具体的に何をやっておられるんでしょうか。
#49
○副大臣(若林正俊君) 国税庁は、財務省設置法に基づきまして、税の執行のみならず、酒類業の業種の所管官庁としての役割を持っておりますので、所管官庁としていえば、経済産業省や農林水産省などと同じように、産業行政の事務を含めまして仕事をしているわけでございまして、その中にはリサイクル関係の仕事もあるわけでございます。
 したがいまして、資源の有効な利用の促進に関する法律に基づきまして、酒類業については財務大臣が主務大臣となっておりまして、その法律に基づいて、業者に対してリサイクルに関する表示義務の遵守命令を行う場合においては、主務大臣の判断の客観性を担保するため、国税審議会の意見を聞くと、こういうふうに定められているわけであります。
 そのようなことから、その事務が、国税審議会、そのもとに置かれます酒類分科会の所掌事務とされているということでございます。
 わかりやすく申し上げますと、例えば缶ビールにつきまして、スチール缶だとかアルミ缶だとかいろいろございます。それの回収の表示だとか回収とか、そのようなことの行政事務にかかわっているわけでございます。
#50
○峰崎直樹君 もう時間が来ましたので、最後に大臣にちょっとお答えいただきたいんですけれども、こういう国税審議会の委員なんか見ていて、税理士さんは納税者の公平な立場に立っておられるというあれがありますから、それはそれで担保されているのかもしれませんが、どうも日本の税制のところには、本当に納税者の立場に立った人的構成といいますか、国税審議会の委員なんか見ているとほとんど入っておられないんじゃないかなと、マスコミだとか学界だとか、そういうところは入っても。そういう意味では、非常に重要なことを審議されている場にぜひきちんと入れるべきではないかなというふうに思っておりますが、もし感想があればお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#51
○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともなお話でありまして、この委員会の委員の構成のときにもいろいろ考えました。
 結局、ここで一般にマスコミと言われている部分は、まずまず特定な分野の利益を代表いたしませんから、恐らく納税者一般ということに近いであろう。あるいはその他の有識者、具体的にはここに何人かの方がおられまして、一人は、これはお菓子屋さんといいますかオリンピックの委員でいらっしゃる、あるいは作家でいらっしゃる、あるいは三菱総合研究所の調査をしていらっしゃるといったような方々が、まず特定の利益を代表されない一般の方々ではないかと考えていたしたわけでございますけれども、御趣旨は十分に心得まして、今後とも考えてまいりたいと思っております。
#52
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井です。
 先週のこの委員会で、柳澤大臣に、不良債権の直接償却をする際に、企業別に分けてやっていったらどうでしょうという話をしましたら大臣に笑われてしまいましたので、自分なりに一応金融業界に話を聞いてみました。金融業界はどうしているかというと、基本的には業種別に分けているわけではないけれども、しかし、現時点で直接償却をやるために幾つかの課題があるんだという話はされておりました。私は、前提としては直接償却をやっていくべきだと思っておりますし、それに伴って構造改革もきちんとやっていかなきゃいけないという立場におります。
 そこの中で、まず一つですけれども、不動産関係のリスク管理債権が非常に多いわけですけれども、金融業界としてみれば、直接償却をしてしまえばその時点で損益が確定してしまうわけです。そういう意味で日銭を稼げるので、これは金融機関側の勝手な判断ということになってしまうのかもしれないけれども、少しでも損を減らすためには、日銭を稼いだ方がいいんだというようなお話もされておりました。
 この点について金融庁はどうお考えなのか、まずその点についてお話しいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何と申しましょうか、日銭というものは、そこにキャッシュフローがあるということでございます。これが非常に大事でございまして、不良債権の処理という場合にも、極めて私は大事な要素であるというふうに思います。
 問題は、キャッシュフローがあるにもかかわらず不良債権になるのはなぜかといいますと、その資産価値が高い、簿価が高いということで、その収益還元のようなことをやった場合には、到底ちゃんとした利回りでの支払いができない、こういうことでございます。では具体的にどうするかということが非常に問題になるわけですけれども、早い話が、だれか持ち主をかえてしまって、そのときに簿価を下げてしまうと、キャッシュフローがある限り実はその債権は健全化するということになります。
 ですから、何と申しますか、金融機関がそういうことを要注意先のようなところでやり得るかという問題なんですが、その要注意先云々の問題を除きますと、こういうキャッシュフローがある資産の場合には、ある意味で簿価を下げてやりさえすればすぐに正常先になるということでございますので、それには持ち主、所有者をかえるということによってそういうことは実現される。そこで損失が生ずるわけですけれども、それをどう処理するかという問題があるんだというふうに、今先生のお話を伺いまして、そういうことを思ったわけでございます。
#54
○櫻井充君 不動産関連に関しての不良債権の直接償却というのは、あるラインを引く、ラインと言ったらおかしいんですけれども、例えば利益率なりなんなりですね。日銭が稼げるといっても、ある利益率以下のものに関してはもう直接償却しなさいとか、それ以上のものはもう少し様子を見ましょうかとか、そういうことというのは、これはもうすべて金融機関にあとは任せるということになるんですか。それとも、金融庁は金融庁なりの判断基準というものを今後つくるというお考えはあるんでしょうか。
#55
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不動産業と言わないまでも、実は私ども、これは常識的なレベルでございますけれども、今回のバブル、あるいは地価のその後における低下というようなものを考えますときに、例えば普通の製造業をやっている業種の場合も、同じような、利益率が薄くなった簿価に対してキャッシュフローの、あるいはキャッシュフローの中に占める収益の比率が非常に低くなるというような、そういう貸出先があることは容易に想像されるわけでございます。
 この製造業の方はちゃんとした収益を持っているけれども、こちら側の、まあちょっとサイドワーク的に投資をしてしまったものの簿価に対する収益力が非常に低くなっているというようなことのために、全体としての債務者先の区分が非常に悪くなっているというようなことがあるわけでございまして、これらについては当然、今回の措置の中で、どのような取り組みが最も経済合理性に合うかということは別にしまして、そういうことが今回オフバランス化の対象になるということは、私ども想定をいたしておるところです。
#56
○櫻井充君 要するに、直接償却をしなさいということを言って、あとはその後どうするかということなんだろうと思うんですよ。
 もう一つ金融機関側からの話があったのは、公共性を持っているものをどうするか、つまり病院や学校に関しての不良債権もあるんだそうなんですけれども、これの処理に非常に困っているんだという話をされておりました。
 今、数字が出せるのかどうかわかりませんけれども、医療機関、それから福祉施設、それから学校の不良債権の額がわかり、リスク管理債権の額がわかりましたら教えていただきたいと思います。
#57
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと、その点、今数字が用意できませんので、また後日に、必要であれば、また可能であればお話し申し上げたいと思いますけれども、私ども、今回の不良債権の直接的な処理に当たって、当然のことながら、学校だとかあるいは病院だとかというような施設、あるいは事業体に対しては社会的な見地からの考慮をしていかなければならない、このように考えております。
 ただ、だからといって、病院である、学校であるというものが、それだけでもう何の検討の対象にもならないかということは考えておりません。
 病院の中にも、経営が失敗して、そういう金融機関との関係で不良債権化しているものがあるわけでございまして、そういう場合には例えば、隣だとかあるいは近くの成功している病院の経営者から、経営は我々の方に任せてくださればうまくいきますよというような話が進行しているようなケースもあるだろうと、このように思いまして、そういう場合には、当然、永続的に地域医療に貢献できるような健全な形にするというようなことにも資するわけでございますので、私どもその処理に当たらせていただきたい、このように考えます。
 学校についても同前でありまして、私は、学校というものが、この少子化の進行する中でなかなか難しい、これからはある程度再編をしなければならないんじゃないかというような感じも持っておりまして、定員割れを物すごく起こしているようなところについて、仮に金融機関との間でそういう問題が生じておるという場合には、これをやっぱりどうするかと。学校だからもう何もかも我々がいろんな検討の俎上にのせないというようなことは、ちょっと私としては考えていないということでございます。
#58
○櫻井充君 私もその点に関しての認識は一致しています。
 そこの中で、厚生労働省が絶えず日本の病院は多過ぎるんだという話をしているわけであって、二年後に抜本的な医療改革を行いたいという政府の考え方もございます。その意味で、この不良債権の処理に伴って、ある部分、病院の統廃合というものを積極的にやはり進めていくべきではないだろうか。ただし大事な点は、その統廃合することによって患者さんたちが御苦労されないような形での統廃合というものを考えていかなきゃいけないんだと思うんですよ。
 最近の報道を見ていると、ゼネコン各社とか不動産業者に関して、流通なんかに関しては国土交通省と随分やりとりをされているということは聞くんですけれども、病院関係に関して、じゃどうしていくのかという話は全く聞いておりません。その点について厚生労働省でどのようなスキームを描かれているのか、その点について御説明願いたいと思います。
#59
○政府参考人(伊藤雅治君) お答えさせていただきます。
 確かに御指摘のように、我が国の医療の提供体制は、非常に病床数が過剰で、医師、看護婦の配置が薄い、平均在院日数が長い、しかし全体としては、人口当たりの医師、看護婦数は欧米先進国に遜色のない状況になっているということを考えますと、今後の医療提供体制の改革の方向としましては、医療機関の機能分化を進め、そしてその機能に合わせて必要な人員配置なり構造、設備を整えていくということが基本だと思っています。そういう観点から、昨年、いわゆる我が国の病院の病床につきまして、一般病床と療養病床に区分をいたしまして、それを、この三月の医療法施行に伴いまして、二年半の間に各病院の開設者が、一般病床を選ぶか療養病床を選ぶかという、そういう決断をしていただくということになっているわけでございます。
 そういうことを踏まえ、医療提供体制の構造改革を進めていくためには、国立病院につきましては国みずから統廃合計画を進めておりますし、例えば自治体病院につきましても、ある程度行政の方におきまして、例えば非常に中小の市町村立病院が林立しているような地域におきましては、交通事情の変化等を踏まえ、今ようやく再編成計画ということについても視野に入れた議論がなされているわけでございます。
 問題は、医療法人立、いわゆる民間の中小病院でございまして、数の上からいきますと、これが我が国の一万弱の病院の中で七割くらいを占めているわけでございまして、こういう中小の民間病院の今後の役割をどのように考えるかということが基本だと思います。
 そういたしますと、民間病院につきましては、それぞれの経営者が自分の病院だという意識が非常に強いわけでございまして、そういう中で、いきなり合併とか吸収というのを上からの押しつけでやるということはなかなか困難でございますので、基本的な視点といたしましては、病院の情報開示と患者の選択によって緩やかな改革を進めていくということが基本ではなかろうかと思っています。
 そういう観点から、先般の医療法改正におきます病床区分の見直しと情報開示の一層の、広告規制の緩和を進めたわけでございまして、今後そのような観点に立って緩やかに構造改革を進めていくということが現実的な対応策ではなかろうかと思っております。
#60
○櫻井充君 何か柳澤大臣と若干違うような気がするんですけれども。今のお話ですと、情報公開によって患者さんが選んで統廃合されていくべきではないんだろうかというお話だったと思いますし、金融庁の立場としてみれば、積極的に統廃合を進めていくんだというお話だったような気がするんですけれども、大きな混乱を招かないようにしていくためには、ある程度きちんとしたスキームを描いて、それに合わせていってもらわないといけないんじゃないかという気もするわけですよ。長期間に今おっしゃっているとおりのことができ上がってくれば、それは確かに問題ないんだろうと思いますが、しかしながら、ある短期間においてそれだけの処理をしなければいけないということになれば、この国がどういうありようになっていかなきゃいけないということをきちんと示していくことが必要なんだろうと思うんです。
 もう一点申しておきますと、今の民間の病院というのは大体三割以上が赤字かと思います。今の保険点数のままで言えば、これを黒字にしていくということ自体もまたなかなか難しいわけですよ。そうなると、今の民間病院がどうするかというと、保険点数外のところにその収入を求めていったりとかしているわけであって、もしそういうところに問題があるんだとすれば、今構造改革を積極的に進めていこうとしている中であったとすれば、やはり構造改革をもっと進めるんだという強い意思を厚生労働省が持つべきじゃないだろうか、私はそう思いますけれども、その点に関してもう一度御答弁願いたいと思います。
#61
○政府参考人(伊藤雅治君) 御指摘のように、今後の医療制度の見直しの中で、申し上げましたような、特に民間病院のリストラといいますか、今後の医療提供体制における役割をどのように考えていくかということについては大変重要な問題と認識しておりまして、医療制度全体の改革の中で重点課題として位置づけて取り組んでいきたいと考えております。
 先ほどの柳澤金融大臣のお答えとの関連で申し上げますと、現在、病院の倒産等による事例を見ますと、事例によって違うわけでございますが、中には、借入資金で設備投資を拡大したものの、患者数などの見込みが甘くて負債の返済に行き詰まるケースでございますとか、病院経営者の経営の失敗というものが基本的にある事例が非常に多いわけでございまして、私どもは、それら事例の判断に当たりましては、基本的には医療機関の責任というふうに考えておりますが、しかし、地域医療なり患者さんに与える影響というものを判断して、そして個別に対応を検討していくべき課題であろうかと思っております。
 そのような観点から、従来からも、県が実施主体となりまして、医療施設経営改善支援事業等を実施するとともに、必要があれば社会福祉・医療事業団による経営安定化のための資金の融資なども行ってきておりますので、個別ケースごとに判断していくというのが対応策ではなかろうかと思っております。
#62
○櫻井充君 私個人の考えですけれども、要するに、社会的入院をどうするのか、これが日本の課題なんだろうと思うんですよ。そしてもう一つ言うと、この患者さんが、この間もお話ししましたが、病気で入院されているのか、それとも老化なのかということをもう一度考えなきゃいけないわけですよ。そうすると、今統廃合することによって一つの施設があいたときに、こちらは社会的な入院をするための施設ですよ、こういう施設をつくった場合には、何かインセンティブをかけて誘導するような方法をとっていくことによって病院の統廃合というのはかなり私は進んでいくんじゃないだろうか。そして、医療費のことも考えたときに、それから患者さんがいい医療を受けるという意味で考えたときにも、その辺から考え直していかないといけないんじゃないか。しかも、今、不良債権の処理という中で構造改革を行っていこうとしているわけですから、その辺から改めて考え直していただかないといけないんじゃないだろうかというふうに思っています。
 答弁は結構でございます。
 それからもう一つ、金融機関のあり方の中で前から取り上げてきているんですけれども、公的金融機関のあり方自体を変えていかないと、せっかく不良債権の処理をしたとしても、この先また立ち直っていけないんじゃないだろうかという気がいたします。
 その中で、この間、住宅金融公庫を取り上げましたけれども、住宅ローンは実は住宅金融公庫だけではありませんで、年金からも住宅の融資を行ってきています。しかし、本来この年金福祉事業団は、閣議決定された際に、一応はまずこの住宅資金融資事業から撤退することが決まっていたはずなんですけれども、結果的には、年金福祉事業団は解散されましたけれども、新しい特殊法人に受け継がれることになりました。
 閣議決定を受けて撤退するはずになっていた事業がなぜ継続に変わったのか、その点についてまず教えていただきたいと思います。
#63
○政府参考人(辻哲夫君) その経過でございますが、平成九年六月の特殊法人に関する閣議決定において、「適切な経過措置を講じた上、撤退する。」というふうにされております。その後の議論といたしまして、もとよりこの制度というのは、例えば年金制度の共済年金といったものにつきましてもこういう類似の制度がありまして、官民格差の観点からこの制度が必要だというような声もある中で、結論といたしまして、さきの年金法改正におきまして、これから申し上げるような形として位置づけられております。
 それは、別に法律で定める日まで年金資金運用基金においてこれを実施することということで、逆に言えば、別に法律で定める日にこれは終わるということの意味でもございますが、ただ、この別に定める日につきましては、次々回以降の財政再計算期の後、財政再計算は通常五年に一回ということで、通常であれば次々回というのは平成二十一年に当たりますが、その後、業務の実施状況等を勘案して定めるというふうに法律上規定されている次第でございます。
#64
○櫻井充君 住宅ローンといいますか、その融資をする公的金融機関があるわけです、住宅金融公庫。こちらが多分先にできたんでしょう。
 なぜこの年金で住宅ローンを組まなきゃいけないんですか。
#65
○政府参考人(辻哲夫君) 年金制度は長い長い期間の保険料拠出を求める制度でございますけれども、そのような制度を実施する上で、年金給付以外にも、保険料を納付する現役あるいは受給者の方々に対して福祉的な観点から事業を行うことができるという規定が年金制度にもともとございました。
 そういう中で、ただいま申しましたように、特にこの住宅融資制度が導入されました四十八年でございますけれども、その背景として、共済年金からも同じような趣旨で同じように融資があるという中で、公的年金制度についても欲しいという関係者の要望を受けてこれはできたという経過がございます。そのような観点から、年金制度独自の必要性からこの融資が設けられたといったように認識いたしております。
#66
○櫻井充君 私は、住宅金融公庫で何か不備な点があったのかどうか、そこをお伺いしたいんです。住宅金融公庫では賄い切れないから結果的に年金でもローンを組まなきゃいけなかったんですか。
#67
○政府参考人(辻哲夫君) あくまでも今申しましたように制度の趣旨、目的というのは異にするということで立ち上がったわけでございますけれども、典型的なケースといたしまして、四千万程度の住宅を取得いたしますときに、自己資金一千万、住宅金融公庫から二千万、そしてこの年金融資から一千万というような形がよく典型的なケースで見られるわけでございまして、そのように両々相まって機能しているものと理解いたしております。
#68
○櫻井充君 それじゃ、住宅金融公庫だけその一千万の融資の枠をふやせば、必要ないものじゃないですか。なぜそういう施策をとらないで、年金から住宅の融資を行わなきゃいけないんですか。
 これは国土交通省の方にお伺いしたいと思いますけれども、住宅金融公庫側として、こういう年金の住宅ローンというのは必要でしょうか。
#69
○政府参考人(三沢真君) ただいま厚生労働省の方から御説明ありましたように、住宅金融公庫は広く国民を対象にして住宅政策の観点から行っている融資でございます。一方、年金融資は被保険者向けのいわば年金の独自の必要性から生じた融資でございますので、おのずからその目的を異にしているわけでございます。したがいまして、公庫融資があるから年金融資が必要かどうかというのは、やっぱり年金融資の問題として御判断いただいているというふうに考えております。
#70
○櫻井充君 こういう理由をつけて各省庁が全部住宅ローンを始めるんですか。例えば農水省は、農業経営者の方々がなかなか担保がとれないから低利で融資しましょうとか、それで全部始めるんですか。おかしいじゃないですか。
 私は、金融庁にお伺いしたいのは、金融庁は民間の金融機関を取り締まるところなんだ、管轄するところなんだとおっしゃっていますけれども、しかし、こういう公的金融機関だってどこかの省庁が一つになって管理監督していかなければ、雨後のタケノコのようにぼこぼこぼこぼこ、どんどんふえていくわけですよ。この状況に関して、柳澤大臣、どう思われますか。
#71
○国務大臣(柳澤伯夫君) 所掌でもない役所の領分について私が意見を申し上げるわけには基本的にはまいらないような立場かと思いますけれども、実はこの年金福祉事業団の住宅融資についても、私、行政改革をやっているときには鋭くその廃止を迫ったという経験がございます。経験のみ申し上げます。
 住宅金融公庫と民間の金融機関の住宅ローンとの関係ということについては、これはかねて私申し上げていることでございますけれども、確かに、企業ですら貯蓄過剰の状況になっている、ISバランスでいうと、何と申しますか、専ら投資をするのは政府部門だけだというような状況になっている今の資金循環の状況かと思うんです。
 そういう時代になってくれば、やや再考の必要があるかというように率直に言って思いますけれども、少なくとも今まではどうだったかといえば、私よく言うように、もうかる先があれば民間はやっぱりもうかる先に資金を出すわけでございまして、このごろになると、企業に貸しても余りもうからない、むしろ消費者金融をやった方がもうかると。消費者金融の中でも住宅ローンというのは、日本人の返済に対する律儀な気質というようなこともあって、非常にそれは回収確実性の高いものであるというようなことで、このごろは非常に競合の状況になっているということを認識していますけれども、じゃ民間金融機関が資金がタイトになったときにどうするのかというようなことも、やはりちらっと心配をしているということでございます。
 何回も前からも申し上げますように、民間の金融からは、住宅金融というものをもうちょっとやらせてもらいたいというような要望があることも私の耳には届いているところでございます。
#72
○櫻井充君 柳澤大臣、これは所轄ではないというふうに今おっしゃいましたけれども、今の縦割り行政が私は根本的に間違っていると思うんですよ。これは、民間の金融機関だけを立て直しましょう、金融システム安定化させましょうといって、民間の金融機関だけ指導していってよくなるとお考えですか。私はそう思っていないんですよ。
 そういう意味で、本来であれば、こういう公的金融機関も含めて制度のあり方を考えていくのは、私はこれは金融庁が音頭とってやっていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですよ。大臣、いかがですか。
#73
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も、問題意識をきちっと持って、いろいろ考えて声を上げなければならないと、このように責任を感じますけれども、日本における公的金融というものは非常に範囲の広いものでございますので、公的金融というものがどうあるべきか、これは日本の国のあり方にも関係する非常に根の深い、かつ広範な問題だという認識でございまして、私も政治家としてしっかりした責任を果たさなきゃならないと、こう思いますけれども、さて、金融庁の金融大臣としてそういう声を上げるべき立場にいるかというと、ちょっと違うかなという感じが率直に言っていたします。
#74
○櫻井充君 これは柳澤さんに聞くことじゃないのかもしれませんが、じゃ、どなたがやってくださるんですか。これは総理しかできないということですか。
 要するに、公的金融機関のあり方なりなんなり、今回やらなきゃいけないことというのは国の構造改革ですよね、そのために不良債権の処理ですよね、直接償却ですよね。そうすると、今、私にこういう権限がないとかあるとかいう議論じゃないと思うんですよ。本当に待ったなしで迫られている構造改革を、国を挙げてどうやって取り組んでいくのかという議論をきちんとしなきゃいけないはずなんですよ。
 そうすると、これは結果的には総理のリーダシップでやるしかないと。私は金融庁の大臣だから、私は民間の金融機関だけですよと、そういう立場になっちゃうんでしょうか。悲しくないですか。
#75
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融担当大臣として問題意識は十分持っております。また、政治家としてその問題に取り組まなければならないということも先ほど来申し上げたとおりでございます。
 ただ、今、民間金融の正常化ということを考えるときに、非常に大きい部分がそちらの方との調整から来ているかというと、私の目見当の違いかもしれませんけれども、必ずしもそういうわけでもございません。あえて申しますと、公的金融の問題というのは、郵便貯金等から、非常にそれらが絡む根の深い問題でございまして、それを金融担当大臣として振り回すというのはなかなか難しいかなと思っているという意味でございます。
#76
○櫻井充君 こちらがなぜこれだけのことを言うのかと申しますと、私、大臣に期待しております。ですから、ぜひ頑張っていただきたいという思いでこういう意見を言わせていただいているということだけは御存じおき願いたいと思います。
 年金福祉事業団に関してもう一つだけお伺いしておきますけれども、今、年金を受け取るまでの間に何らかの事業をということですけれども、その事業を行ったことによって相当な赤字を抱えていますよね。私が知っているのは九七年度末で一兆四千四百億円ですけれども、この赤字は一体今幾らあって、これを清算するために税金は幾ら投入されたのか、それについて教えていただきたいと思います。
#77
○政府参考人(辻哲夫君) 赤字そのものについて今手元にございませんが、物の考え方を申させていただきたいと思います。
 まず、年金の融資、年金福祉事業団ということで十三年三月三十一日まで行い、そして相当部分を年金運用基金に継承されておりますが、その事業のうち、大きく申しまして、今御指摘のありました転貸事業、それからもう一つは、グリーンピアと申しておりますけれども、福祉施設事業、いわば保養基地を運営する、それからもう一つは年金資金の自主運用事業と、この大きな三つの柱によって成っておりまして、それについて赤字があるのかどうか、それについてどのような考え方かということについて御説明を申し上げたいと思います。
 グリーンピアにつきましては、資金運用部から借りましたお金で施設を整備したのは事実でございますが、その借りたお金につきまして償却するものを、年金特会から出資金としてそれを出資して償還するということになっております。したがって、出資した形で資産として持つという形になっておりますので、そのような意味で年金資金の運用について赤字があるというわけではございません。
 それから三つ目の自主運用でございますが、自主運用は、確かに資金運用部から借りて、借りたものを運用しているという状況にございまして、その運用した成果が、借りたものに比べてマイナスになるという状態があるという事実がございます。
 それにつきましては、長期的な運用の視点から株をある程度導入していることから、株価のいわばぶれの中で一時的に生じておって、長期的にはこれは解消できるということで、この赤字というのは固定した赤字ではないというふうに理解いたしております。
#78
○櫻井充君 財務状況を教えていただきたいと思います。そして、国庫補助金がどのぐらい入っていたのか、それも教えてください。
 少なくとも、個別の名前を挙げるのも何なんですけれども、ゆうゆうの里などに融資していますよね。百三十五億円焦げついているんじゃないですか。固定したものがないとおっしゃっていますけれども。
 もう一点、何でこんなことを言うかというと、余計なことをしない方がいいんです、事業を。余計なことをしてこうやって赤字をつくっているだけじゃないですか。これは国民の皆さんから集めたお金ですよ。あなた方の小遣いじゃないんですからね。それをふやしますなんて言ったって、結局ふえていないじゃないですか。余計なことに手を出すから失敗するんです。やらなきゃいいんです、本当のことを言えば。ですからこちらは言っているんですよ。納税者の代表として、あなた方にもう仕事はしていただきたくないから言っているんです。そのことだけ申し上げておきます。
 そしてもう一つ、年福事業団の子会社がありますけれども、ここに百億ぐらいの剰余金があるんだと言われています。そのお金が年福事業団に戻ってきたかというと、決してそんなことはございません。
 ここで資料の要求をいたしておきますけれども、年金福祉事業団のこれまでの財務状況を教えていただきたい。それともう一つ、そこにある子会社が五十四だか六十か忘れましたけれども、それだけの子会社がありますから、その子会社の財務状況について、後で私の方に資料を提供していただきたい、そう思います。
 もう一つ、縦割り行政の件に関して。金融商品の販売法に関してですけれども、この中から商品先物が取り除かれました、結果的には。
 その前に、デリバティブというものについてちょっと金融庁にお伺いしたいんですが、基本的に、学問的に、デリバティブというものは一体何を指すのか、それについて教えていただきたいと思います。
#79
○副大臣(村井仁君) なかなか学問的にと仰せになりますと難しいことでございますけれども、常識的には、株式、債券、通貨、金利等を対象とした現物取引から派生いたしまして、先物、あるいは先渡し、あるいはスワップ、オプションと呼ばれるような行為を伴いますいわゆる金融派生商品と呼ばれるものだと、こんなふうに私ども理解しているところでございます。
#80
○櫻井充君 そうなんです。要するに金融派生商品であり、恐らく金融契約であると。実務家の言葉ではこうなっているんですが、派生資産とは、株式、債券、商品などの現物市場の商品価格から導入される金融契約であるとされているという認識なんだそうです。これでいいのかどうかというまず議論になるかと思いますけれども。
 そこで、派生資産というのは要するにイコール金融契約であるということになってくると、今申しましたとおり、この中に商品も加えられているわけです。その観点に立ったときに、前回の金融商品販売法の中から、その商品がただ単純に商品で金融ではないからといって除かれたという御答弁がございましたけれども、このデリバティブという観点から考えてくれば、当然のことながら商品先物も加えられなければいけなかったんじゃないかと思います。この点についていかがでしょうか。
#81
○副大臣(村井仁君) この点につきましては、櫻井委員、金融商品販売法の審議に際しまして、本会議におかれましても、またこの委員会におかれましても重ね重ねのいろいろな御議論がありましたことを私もよく承知しているところでございますが、私ども、商品取引というものに基本を持ちますものと、それから金融商品というものと、やっぱりこれは違うんじゃないかなと。どういう御説明をしたらそのあたりを明確に申し上げられるか、ちょっと私も自信がないところでございますけれども。
 しかし、確かにすべてお金が絡むんですね。商品を買う、これは確かにお金を払って商品を買うに違いないんです。これはあくまで商品を買う商品取引なんですね。それが先になると、それで先物というものが出てくるわけでございますね。それに対しまして、金融取引の金融商品というものは、商品を買うという性格のものとは別のところで起きている、私はそういうものだろうと思うんです。それが先ほども申し上げた株式であり、債券であり、通貨であり、金利であり、こういうものに絡む取引ということになるんだろうと思うわけでございます。
 そういう意味で、また原点に返って申し上げますと、金融商品の販売等に関する法律、ことしの四月一日から施行させていただいているわけでございますが、これを必要とした理由というのは、いわゆる金融絡みの商品というものが大変いろいろなタイプのものが出てまいりまして、一般の投資家の方々が、あるいは普通の方々が通常にこういうものに投資をされる。しかしながらその説明が十分じゃない、そのためにいろいろトラブルに巻き込まれて大変苦労なさった。さて、裁判を起こしてみても、なかなかこれが挙証責任の問題とかなんとかで苦労されるというようなことで、この部分については何らかの対応が必要だということになって出てきたんだろうということを考えますと、これは一つの割り切りではないかと思っております。
#82
○櫻井充君 商品を買うと今おっしゃいましたけれども、例えば石油を買ったとして、石油をどこに蓄えているんですか、皆さん。そうじゃないですよ。契約しているだけじゃないですか。紙切れ一枚ですよ。それは金融だって同じじゃないですか。そこにあるものが、後ろは物かもしれません、後ろはただ単純なお金なのかもしれませんけれども、しかしながら、契約しているわけです。契約という点では同じ行為なはずです。
 それともう一点。
 商品先物をやられている方々というのは、大体年間を通して十万人程度ですけれども、新規参入者がいる割にはほとんど伸びてきていません。これは、きちんとした説明を受けないでそのまま商品を買ってしまって、実は被害者の方から今回いろいろ資料をいただきましたけれども、十分な説明を受けていないわけですよ。そういう点から考えてきたときに、かなりのリスクを伴うものであって、金融商品と同じ考えで扱ってもいいんじゃないかと思います。
 そして、ちょっと別な観点からなんですけれども、じゃ、外国は一体どうしているのかということになるんだろうと思います。日本は、商品は、例えば農産物は農水省だとか、それから石油とかそういうものは経済産業省がその市場を開設できるという認可を与えているわけです。そのためにばらばらやらなきゃいけないわけですけれども、海外は、少なくともアメリカはそういう市場ではないんじゃないでしょうか。そして、そういう市場ではないからこそ先物取引というふうなマーケットがどんどん大きくなってきている、そういう現状があるんじゃないか。
 ですから、本来であれば、規制緩和を行っていかなきゃいけないということはこういうところに私はあるんじゃないかと思っていますが、いかがでしょうか。
#83
○副大臣(村井仁君) これは、平成十二年四月十四日、去年の参議院本会議の議事の中からでございますが、櫻井委員の本会議における御質問に関連しまして、当時の深谷通産大臣から、「商品先物取引については、本法案」、この金融商品販売法のことでございますが、「が眼目としております説明不足によるトラブルとか訴訟の実態がほとんどないということ、また商品という実物、物の売買取引であるということからその対象とはならないということで整理されたものと承知しております。」という説明がございます。
 私は、先生御指摘の点は立法論でございますから、それはいろいろな考え方があると思いますけれども、現実に私どもが承知していますところでは、普通の人たちが例えば貸付信託をお求めになる、あるいはいろいろな債券をお求めになるというような金融商品の世界と、いわゆる商品先物とかなんとかいう商品相場の世界とはちょっと、何といいましょうか、一般の方がアプローチされる実態、態様というものに違いがあったのではないだろうか。
 そこで、一番いろいろ対応しなければならない金融商品につきまして、昨年御審議をちょうだいしまして法律を通していただき、ことしの四月からこれを実施するという段取りにした、こんなふうに考えているところでございまして、特段、縦割りとかなんとかいう問題ではなくて、現にある取引をめぐるトラブルの実態というものに着目した整理ではないかと、そんなふうに考えております。
#84
○櫻井充君 海外の件は。
#85
○副大臣(村井仁君) 失礼しました。
 海外につきましては、これはイギリスの場合でございますが、イギリスの場合は金融サービス法というので一応全部カバーするという形になっておりましたり、それからアメリカの場合は、株式、債券等につきましては、証券取引所法、そして証券取引委員会、いわゆるSECが監督をする。それから通貨・為替先物オプション、有価証券先物オプション、商品先物オプション等につきまして、これは商品取引所法というのがございまして、商品先物取引委員会、CFTC、これが対応している。
 イギリスにつきましては、金融サービス法という法律に基づきまして、金融サービス機構、FSAが対応している、こういうような形でございます。
#86
○櫻井充君 済みません。ちょっと質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、アメリカなどは一つの取引所で、いわゆる狭義の金融商品であったりとか、それから先物とか、そういうものの取引ができるはずなんですよ。
 日本というのは、そういうのはできるんですか、今。
#87
○副大臣(村井仁君) 私もそう詳しいわけじゃございませんので恐縮でございますが、日本の場合、確かに商品取引というのと金融取引というのとは分けられているというのが実態だろうと思っております。
#88
○櫻井充君 そこが一つ問題なんじゃないだろうか。つまりは、世界がどういう方向に動いているかといえば、こういうものはすべてが、金融契約と言っておりましたけれども、金融契約であるという概念に基づいて一つの取引所で取引ができるようになってきているはずです。
 そして、そのためにそのマーケットが拡大してきているわけであって、日本の場合には、例えば農業製品であれば農水省の認可が必要であったりとか、それから先ほども言いましたが石油であれば経済産業省の認可が必要であったり、金融であればこれは金融庁の管轄になるんでしょうか、そういうふうにおのおのの役所が認可しない限りは取引所ができてこないという点が問題なのであって、それを一緒に組み合わせていろいろ取引ができるようにしていった方がいいじゃないか、これが世界の流れでありまして、ある意味でいうと、日本の金融政策の今後はやっていかなきゃいけない課題なんじゃないだろうかというふうに私は思っております。いかがでございましょうか。
#89
○副大臣(村井仁君) 一つの御議論だとは存じます。しかしながら、日本の場合、商品取引の一つの今までの流れというものがございますし、一方、私ども金融のサイドからいろいろ見ておりますと、それなりのマーケットというものはでき上がってきている。その間にかなり明確な仕切りがあり、そしてまた、現にそのマーケットでプレーをしているプレーヤーの間に、これもまたそれほど共通したメンバーが登場しているわけでもないというような認識も持っておりまして、これからそういうリスクヘッジなどを行いますマーケットをどのように育てていくべきかという際に、どのようにして今のような何でもトレードできるような場面をつくるのかどうか、その辺も一つの御議論だとは思います。
 ただ、一つ申し上げておかなきゃなりませんのは、申し上げるまでもありませんが、商品ファンドという形で商品と金融が融合したものがございます。これにつきましては現に金融商品販売法の方で対応をしている。これはもう明らかに金融の世界に属するものだという認識を私どもとしてもしたということでございます。
#90
○櫻井充君 要するに、先物市場をどうされるかということなんだろうと思います。今のままで果たしていいのかどうか。それよりも、今リスクをヘッジされるというお話でしたけれども、そのリスクをヘッジするという意味でいえば、例えば為替と商品とを組み合わせた方がリスクはヘッジできる部分というのはかなり出てくるんじゃないかと思うんです、例えばの話ですけれども。
 そういう意味で、もう少し考えていかなきゃいけないのじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#91
○国務大臣(柳澤伯夫君) この問題は、非常にいろいろなところにそういう仕切りが歴史的にできております。
 税の問題でいうと、片方は雑所得というようなことで依然として総合課税の対象になっている、片方は、金融については、証券等もそうですけれども、分離課税というようなことで対象になっているというようなこともございまして、それからまた所管の役所が、証券については、その昔、大蔵省と商工省との間でアルコールと取っかえっこをしまして、大蔵省が証券を持つというようなことから非常に金融的な色彩が強くなってきたというような歴史的な経緯もありまして、金融の仲間に入ってずっと来ているわけですけれども、片方、商品の取引については、それぞれの現物を扱っている役所が先物についても扱う、こういう仕切りになっているというようなことがそのいきさつでございます。
 ちょっとメモが入りまして、商品取引についても今年度改正で総合課税から申告分離に変わったというようなことでございますけれども、源泉分離の方はまだ完全に平仄がそろうところまでは行っていないとかいうようなことで、いろいろと過去において違った取り扱いをしてまいりました。それから、取引そのものも、私の記憶で大変恐縮ですけれども、商品取引所の仲介会員は現物も取り扱う人ということに多分その要件がなっていたと思います。
 それやこれやいろいろと、その末端と言っては恐縮ですけれども、顧客、お客さんとそれを売り買いする人との間だけではなくて、そのヒンターラントというかバックグラウンドのところにまでずっと仕切りがついてこれまでやってきたというのが、日本における商品先物取引というもののいきさつのように私は感じておるわけでございます。
 しかし、アメリカ等ではその仕切りが違う。イギリスでは、先ほど言ったようにFSAが全部ひっくるめて面倒を見てしまうというようなこともありますので、これは非常に難しい問題であるわけですけれども、商品取引の相手方になるお客さんの質を上げたいというのが商品取引の業界の悲願でもありますが、なかなかまだそこまで行っておらないと。しかし、方向性としては今先生がおっしゃっているような方向が大きな流れではないかと、このように観察をしているところです。
#92
○櫻井充君 そういう流れだとすれば、ぜひ日本でも検討いただきたいと、そう思います。
 それから、この間NPO法人の優遇税制について議論いたしました。そこの中で、要するに政治活動の規制というものを、優遇税制が受けられるならこの要件は仕方がないんだというお話がございましたけれども、しかしながら、寄附金の優遇税制を受けている公益法人があるわけです。
 しかし、その公益法人が政治活動を禁止されているかというと、決して禁止されていないんじゃないかと思いますけれども、その点について、どのような法人がNPO法人と同じように優遇税制を受けていて、そして果たして政治活動の禁止が盛り込まれているのかどうか、それについて教えていただきたいと思います。
#93
○政府参考人(尾原榮夫君) 公益法人についてどのような法人が寄附金の優遇税制を受けているかということについては、別途資料を届けさせていただきたいと思っております。
 それで、今回の特定非営利活動法人、NPO法人につきましての寄附金の特例を受けるためには、政治活動を行うことにより特定の立場に偏ることは適切でないということから、政治活動を一切行っていないことを要件としていることはそのとおりでございます。
 さて、公益法人制度についての問題でございますけれども、実はNPO法人というのは、繰り返しになりますけれども、設立も基準に合っていれば認証しなければならない、公の関与からなるべく自由を確保するという仕組みの上に立って寄附金税制が講じられておるわけです。
 他方、公益法人でございますけれども、これは監督から業務運営に至るまで主務官庁の指導監督を受けるという仕組みになっておりまして、したがいまして、NPO法人制度の寄附金の取り扱いと公益法人制度の取り扱いを一概に比較するというのはできないのではないかというふうに考えております。
#94
○櫻井充君 それでは、政治活動の禁止というものを要件として盛り込まない理由は何ですか。
#95
○政府参考人(尾原榮夫君) 公益法人、基本は民法の三十四条にあるわけでございますが、主務官庁が設立から事業活動に至るまで、決算に至るまで適切な指導監督をやっていると。どのような運営であるべきかということは、まさに主務官庁が担保している、適切さを担保している、そういう前提の上に立っているということでございます。
#96
○櫻井充君 そこが担保されていないから問題になっているんじゃないですか。KSDの問題を見てくださいよ。あそこはKSD本体がやっていないと言うかもしれませんけれども、しかし政治活動は一体ですよ。国民の皆さんの前で、もし違うんなら違うと言ってみたらいいですよ。袋だたきに遭いますよ、恐らく。
 そういうふうに、官庁が認可している、そこが担保されていると言っているけれども、そこが担保されていないから大きな問題なんじゃないですか。どうですか。
#97
○政府参考人(尾原榮夫君) 公益法人制度自体いろいろ御批判があることは承知しております。
 私ども、税制上のいわゆる特定公益増進法人制度によって寄附金の優遇措置が適用されるというケースに当たりましては、財務大臣に問い合わせといいましょうか、興味のあるものについては適切に運営がなされているかどうか子細に点検をさせてもらっているところでございます。
#98
○櫻井充君 全然答弁になっていませんよ。
 じゃ、もう一度お伺いさせていただきますが、この場でお伺いさせていただきたいのは、こういう公益法人が政治活動を行っていいのかどうか。そして、そこが政治活動を行うような別の団体をつくって、この間のKSDのような形でつくって、そういうような活動をしていいのかどうか。そういうところに対して、少なくともNPOではだめなんですから、寄附に関しての優遇税制を受けているようなところも、それは認められると判断されるのかどうか、財務省の見解をお願いします。
#99
○政府参考人(尾原榮夫君) 今、公益法人について政治活動が認められるかどうか、私、所管ではございませんのでその点お答えできないわけでございますけれども、私ども、この寄附金の制度、公益法人につきましては、適切な運営がなされているかどうか等、法律に要件が書いてございまして、それに従って適切に審査しているところでございます。
 なお、御指摘の法人についてお話がございましたが、特定公益増進法人にはなっていないものと承知しております。
#100
○櫻井充君 答弁になっていません。
 大臣、最後にお願いしたいんですけれども、大臣はこの間、私の質問に対して、NPO法人として認可するのと、寄附に対しての優遇税制を受けるという要件は違うんだとおっしゃっておりました。そしてしかも、それはなぜかというと、税に対して中立で公正であるからだと、そうおっしゃっておりました。
 その観点から考えたときに、こういう団体が優遇税制を受けておいて選挙活動をやることは、私はおかしいと思うんですよ、政治活動をやっていくこと自体も。どう思われますか。
 最後に大臣の御所見をお伺いして、質問を終わります。
#101
○国務大臣(宮澤喜一君) 制度論としては、NPOは何をやってもよろしいわけですけれども、減税の特典を受けるということになれば、税金そのものが政治活動に使われるということでございますから、それは制度としては認めがたい、制度論としてはそういうふうに申し上げているわけです。
#102
○櫻井充君 じゃ、大臣、公益法人はどうなんですか。
#103
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、現実にそういうことが行われていないではない、どうかということは、これは制度論とはやっぱり違うことで、好ましくないことではあります。
#104
○委員長(伊藤基隆君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#105
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 税理士法の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#106
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 私は、税理士法並びに緊急経済対策について質問したいと思いますが、最初に税理士法について質問をいたします。
 今回の改正は、税理士会の自主性の確立あるいは税理士の立場を尊重するという点では幾つかの改善点が含まれているということはそのとおりだと思います。ただ、第三十五条関係の書面添付に係る改正というのは重大な問題点を含んでいるんではないかと私は思います。ほかの改善点を御破算にしてしまうような問題が含まれているんではないかということを前回指摘させてもらったわけです。
 そもそもこの書類添付制度といいますのは、二十年前にも大議論があったわけですが、二つの問題点があると。一つは、税理士さんが事実上税務署のかわりに納税者を審査といいますか監査をして、書面といいますのは要するに監査証明書みたいなものですね、保証書みたいなものをつけると。ですから、本来、税務署がやるべきことを税理士さんに代行させるというふうな趣旨があるという点で一つ問題だと思いますし、もう一つは、経済的な理由で税理士さんに頼めない方々がたくさんいらっしゃるわけですが、そういう方は書面添付ができないと。
 そこで、もしも税務行政上の差別が生まれた場合、やはりこれは納税者の権利といいますか、不公平、不平等を生むものだという点で二つの問題点がそもそもこの書類添付制度にはあるということを申し上げたいと思いますが、今回の改正点の中の、調査の通知前に書面添付をした税理士さんの意見を聞くと。これは、文面だけ表面的に見ますと、意見を聞くわけですから、地位の向上といいますか、今までよりは尊重しようということに見えるわけで、我が党もそういうふうに最初は承知をしていたわけですが、四月五日の私の質問に対して国税庁の方は、ただ意見を聞いて疑義がなければ調査終了といいますか、すなわち実地調査は省略するというようなことを答弁されたわけです。
 私、変だなと思いまして、その後幾つかの税理士会の方々あるいは関係団体の方々にお聞きいたしましたら、実は今回の改正の目玉というのはこの調査省略なんですよということをざっくばらんにたくさんの方が教えてくださいました。つまり、今回の書面添付制度に係る税理士さんの意見を聞くという部分には、その次に調査の省略というのが実は想定されているんだということをお聞きしましたし、やはり前回の先週の質問で大変疑問を感じたところが実態としてそういうことだというのを確認しました。
 まず、この改正の背景と目的について質問したいと思いますけれども、大武次長は、TKCの書面添付実践研修会の中で講演をされておりますけれども、その中でも、国税庁の職員はこれからふやせない、ところが申告者数はどんどんふえている、したがって国税庁としては重点的な調査をするしかない、ついては、はっきり言ってこの書面添付制度を通じて税理士の皆さんに協力してもらいたい、皆さんが事前にチェックをして審査をしてもらいたいというふうなことを述べておられるわけです。
 ただ、前回の大武さんの答弁の中で、現行の制度というのは〇・六%程度しか実施されていない、つまりほとんど書類添付はされていないと。ですから、ただお願いしても進まないというところで、先ほど言いましたけれども、今回の改正で、意見を聞いて疑義がなければ調査を省略することもにおわせるといいますか、あり得るということをメリットとして、国税庁として書面添付制度を広げたいと。
 ずばり聞きますけれども、今回の改正の目的はここにあるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#107
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 そこにメリットがあるというわけでは全くありません。
 この今回の改正制度自体は、やはり帳簿書類の調査を前提に、日時、場所の通知に先立って行われるもので、税務に関する専門家としての立場を尊重して付与された税理士の権利の一つと考えているわけでございまして、意見を聞いたことによって直ちに帳簿書類の調査を行わないということではございません。
 ただ、先回も申しましたとおり、税理士から意見を聞いたことによって疑問が解決し、必要がないと認められたときにはあえて帳簿書類の調査には至らないこともあり得ると、そう申し上げたわけでございます。
#108
○大門実紀史君 それは前回お聞きしたんですが、要するに、疑義がなければ調査省略しますということなわけです。
 個別のお名前を出すわけにいきませんけれども、幾つかの税理士会の幹部の方にお聞きしますと、今回の改正によってこの書面添付制度というのは、飛躍的にかどうかわかりませんが、普及が進むというふうな認識を持っておられます。既に税理士さんの間では、本当に国会の議論だけがおくれているようなところがありますが、税理士さんの間には、この書面添付制度の中の調査省略ということが想定されているということが一番の今回の目玉なんだ、そういうことなんだというふうにかなり広まっているわけですね、実態として。
 その中で、今申し上げたように、書面添付制度は、今回そういう調査省略というメリットをつけることによって普及する、あるいは今回の改正によって、つける書面の内容を今幾つかの税理士会で検討をされていると。これは、改めてなぜ検討するのかといいますと、調査省略してもらえるような、調査省略にたえ得るようなものを、ですから、今までより相当内容の詳細なものを今準備しているんだということまで、既に実態として税理士会の方々はそういうふうに今とらえられているわけなんですね。
 こういう点でいきますと、もう調査省略を前提に現場は動き始めているというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 先ほども申しましたとおり、今回の制度自体、やはり税務に関する専門家としての立場を尊重して付与された税理士の権利の一つと考えているわけでございます。
 今回の制度で、税理士の申述というのは、申告書作成に関する計算事項、審査事項等について税務に関する専門家としての立場で行うものでございます。したがいまして、税理士に対しては意見を申述する機会が与えられるだけで、その後において帳簿書類を調査するか否か、あくまでも税務当局が判断するということでございます。
#110
○大門実紀史君 全然かみ合った答弁を先週もされていませんけれども、もう少し聞いていることにすぱっと自信を持って、何か隠そうとしないではっきりと答えてもらいたいんですね。
 そうやって、税理士会等がもうその気になって、調査省略があるということで、それにたえる書面までつくろう、これでオーケーしてもらえるようなものを事前にそろえようということで、その内容まで検討に入っていると。こういうふうに考えますと、私は思うんですけれども、あらかじめ国税庁とそういう税理士会なり団体との間で、この意見を聞いた後の調査省略に関する話し合いなり何らかの了解があったとしか思えないんですね。国税庁が言わないのに勝手にそういう準備をするわけないじゃないですか。何か話し合いがあったんじゃないですか。
#111
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 全くそのような事実はございません。
#112
○大門実紀史君 去年の一月の税理士制度に関する勉強会における論点整理メモというのがありますけれども、これは、税理士会の皆さんの要望を国税庁がいろいろ聞いて、今回の改正に向けて意見聴取なり議論をされたということで、内容は別に悪いものばかりじゃありません。いろいろ前進的なものもあります。
 ただ、この中にも、やはり調査省略してもらいたいというふうな要望も確かにあるわけですよね。これについてどうお答えになりましたか。
#113
○政府参考人(大武健一郎君) あくまでも課税権というのは国税庁サイドにありますから、出された資料で、いわゆる我々が調査の過程で収集しておりますものと明らかに突合しないような場合、それは当然のことながら調査をさせていただきますし、先ほども申したように疑問点が解決された場合のみ、いわゆる調査はそれで終わるということもあり得るということかと存じます。
#114
○大門実紀史君 そうすると、疑義がなければ調査省略もあり得るということを述べられたということになりますよね。今の答弁だとそうなりますけれども。
 それで、もう一つは、書面添付を今まで一生懸命やってこられた団体もあるわけです。先ほどから名前を出していますが、TKC全国会というのがございますけれども、ここの会長さんで、今度税調の委員になられるということで会長をおりられるのかどうかわかりませんが、松沢会長がこれはもうインターネットに会長の意見ということでずっと堂々と出しておられるわけです。一つは、昨年六月の会報の中で松沢会長がおっしゃっているんですけれども、税の専門家である税理士が責任を持ってチェックした申告書ならば調査するまでもないというのが書類添付制度の本質であると。書類添付すれば調査するまでもないんだということを意見としておっしゃっています。さらに、ことし三月の会報では、今回の改正で我々の多年の要望がいよいよ実現するというふうにもおっしゃっているんですね。
 私、思うんですけれども、書類添付を税務署の意向に沿って一生懸命やってきた団体というのは、先ほど言いましたけれども、何のメリットもなければ、何でこんなことを一生懸命やらなければいけないんだと。そういう点では、やっぱり何かメリットをつけてほしいという当然の意向があったのではないかというふうに思いますし、大武さんは何度もTKCでは講演されていますけれども、こういう書類添付推進団体の意向が今回の改正に反映されているのではありませんか。
#115
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 我々税務当局としましては、やはり税理士の方々が、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図るという使命に基づいて税理士業務を適正に実施していただくことは重要なことだとまず認識しています。
 税理士の方々がそれぞれの業務を適切に処理していただくことは大切なことで、まさに今回の書面添付なりを通じて申告書の正確性を高めていただくということは、国税庁の立場からは、税務行政の一層の円滑化、簡素化が図れるということで期待をしているということで、我々としても推進したいというふうには思っております。
 さらに、税務行政を執行していく上で調査情報は極めて重要だというところから、帳簿調査に先立って、それらを実際に調整、審査された税務に関する専門家である税理士の方々の意見を聴取することは、調査事務の合理化にもつながり、ひいては適正な税務執行の確保にもつながる、そういうふうに考えているところでございます。
#116
○大門実紀史君 私が聞いているのはイエスかノーかのことばかりですから、ノーならノーとおっしゃってもらえばいいので、もう説明は結構ですから、聞いたことに端的に答えてください。
 もう一つは、私が冒頭言いましたとおり、これは言い方がどうかというのはありますが、税理士さんを税務行政の中に組み込むといいますか、協力機関化といいますか、悪く言えば下請化していくというようなことに、それをさらに進めると。今回の、意見を聞いて、調査省略、書類添付制度を普及させるという意味で、さらに下請化が進むというふうに思います。
 実はこの下請化という問題では、大武さんばかり名指しにするとあれですが、大武さん自身も、今までの書面添付が進まなかった理由の一つとして、これも同じくTKCの講演の中ですけれども、こういうふうな書面添付制度というのは、税理士さんの中には、これは税務署の下請をやらされているんだ、そういう意識もあってなかなか皆さん乗り気になってくれないんだということを大武さん自身も認めておられます。そういう意味では、今回の改正で書面添付が普及するということは、大武さん自身も認められているとおり、税理士さんの下請化をさらに進めるということになるのではありませんか。端的に答えてください。
#117
○政府参考人(大武健一郎君) 下請機関となることにはならないと考えております。
#118
○大門実紀史君 そうはいっても、要するに協力してもらう、さらに協力してもらうことを進めるという点には間違いないというふうに思います。
 次に、納税者間の不公平の問題なんですが、これは前回、先週の質問で私、こういうふうに調査省略が想定されているとすれば、税理士さんに頼んで書面添付をしてもらった納税者と、経済的な理由で、今不況で大変ですから、個人の規模と同じぐらいだったら自分で計算する法人だってあるわけですし、個人の事業主もいるわけですが、税理士さんに経済的な理由で頼めない方との差別がますます生まれませんかというふうに先週お聞きしたら、まともな答弁をなさらないで、税務署側としては同じことだということしか言われませんでしたけれども、納税者にとって差別が生まれるんじゃないですか。納税者にとってどうなんですか。
#119
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 事前に税理士に意見を聞いたとしても、そのことをもって帳簿書類の調査をしないという制度ではありませんので、差別をしたことにはならないと存じます。
#120
○大門実紀史君 どうしてもちゃんと答えていただけないんですけれども、納税者にとっては、調査に来られるということは、何もやましいところがなくても相当の精神的な負担になるわけですよね。あるいは仕事を休まなきゃいけないとか、物理的にも負担になります。まじめに申告している人でも、書類添付をしたからそれを免除されるといいますか、税務署が実地調査に来ないという方と、片や来るわけでしょう、わからないからと言って。これは当然納税者にとっては違いが生まれるんじゃないですか。もうちょっとはっきりと聞いていることに答えてくださいよ。
#121
○政府参考人(大武健一郎君) 税理士に税務代理を依頼した納税者は、直接税務当局に申述する手間や時間を省くことが可能となる場合もありますが、税理士関与の有無によって差別をしているということではないということかと存じます。
#122
○大門実紀史君 よくわかりませんけれども。
 もう一つは、非常に先週から国税庁の答弁を聞いていて感じるんですけれども、税理士のあるべき姿といいますか、また大武さんの講演録の話をして恐縮ですけれども、大武さん自身も、これからの税理士というのは二つの選択を皆さんしなきゃいけないということをおっしゃっていますよね。一つは、公共的使命に沿って生きていく税理士さん。公共的使命が何なのかというと、当然その会議の趣旨からいって書面添付をちゃんとやっていくということになると思います。書面添付の実践会議での講演ですからね。もう一つは、そうではなくて、WTO、規制緩和を含めて外国の会計事務所なり法律家が入ってくる、そういう中で納税者の代理人になっていくという道も二つの選択の一つにはあると。だけれども、皆さんそうしちゃいけないよ、公共的使命に生きてほしいというふうなことを講演でおっしゃっていますけれども、そういう講演をされましたよね、大武さん。確認しますが。
#123
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 現行法一条にそのように書いてあるということかと存じます。
#124
○大門実紀史君 もういいです。
 税理士法に関しては最後の質問ですのでぜひ宮澤財務大臣にお伺いしたいんですけれども、税務署のいろいろ補助なり協力をするのはいいけれども、納税者の立場に立って代理人的な仕事をしてはいけないというふうなことだとすれば、こういう考え方こそ、税理士法の第一条の公正、独立な立場に私は触れると思いますが、大臣としていかがお考えですか。
#125
○副大臣(若林正俊君) お話でございますけれども、第一条にございますように、「独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と、まさにそれに尽きると思うんです。ですから、税理士さんが、納税者の立場のみ、それの便宜、有利になるということで代理人としての仕事をするというわけにはまいらない。そういう中立、公正な立場が税理士自身に要請されているものと、このように考えております。
#126
○大門実紀史君 ですから、私が申し上げているのは、やはり課税官庁のかわりの仕事なんかやるんじゃなくて、課税官庁とも距離を置いて中立にやるべきだと。ところが、そうではなくて、課税官庁の下請といいますか、協力をしてくれということを国税庁の幹部がこうやっていろいろなところでしゃべって回っているわけですから、違うんではないかということを申し上げたまでです。
 もういろいろ何度質問させていただいても疑問点が晴れませんので、この三十五条関連の、意見を聞くけれども疑義がなければ調査を省略するということは否定されないわけですから、これが加わることによって大変な大きな問題になると。つまり、何度も申し上げますが、税理士の下請化と納税者の不平等を生むという問題点を指摘しておきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 緊急経済対策の関係でお聞きをしたいと思いますが、この対策のまず最初に「基本的考え方」というのが述べられております。これは改めて読みませんけれども、要するに、企業部門が復調したんだけれども、個人消費とか家計部門が復調していないというふうなことが冒頭に、最初に「景気の現状」の中で書かれているわけです。
 これは、我が党が前から指摘してきたことではありますけれども、宮澤大臣にお聞きしたいんですが、「景気の現状」の中に書かれている認識という点ですけれども、なぜ企業部門の復調が家計回復につながらなかったのか、そういう点ではどういうふうにお考えでしょうか。
#127
○国務大臣(宮澤喜一君) これは少し時間がたってから検証いたさないと定かにはわからないことでありますけれども、さしずめ私が感じておりますことの一つは、いわゆるIT革命というものが我が国でも進行しております。これは企業側における革命であると同時に労働側における革命でもありますので、アメリカの場合にはレイオフをしてしまうということで片づきますが、我が国はそういうことができません。したがいまして、企業は、ともかく苦しんだ末に、昨年の初めごろから非常に活発な経済活動に入り、設備投資も始めました。普通ならそれが、不況回復時に家計にそれがはね返って国民消費がふえるということですが、大きなIT革命であるがゆえに、労働側はなかなかこの労働の変化というものに簡単に対応できない。雇用関係がやはり変わってくる。終身雇用であるとか年功序列型とかいうようなことが恐らく変わりませんとIT革命というものに即応していけないという問題があります。
 そもそもIT革命とは、人間がやっていることを機械がやることだと、グリーンスパンはそう言うぐらいでございますから、労働にとっては非常に難しい問題である。それでありますがゆえに、企業がもうけましても、それがすぐに賃金増にはつながらない。労働側にむしろ雇用の問題があるものでございますから、思い切った賃金要求ができないといったような、そういう状況が進行しつつある。つまり、簡単に申しましたら、やはりIT革命というものはそれだけ雇用側に非常に大きな変化を要求するに至っておる、それが一つであろうと思います。したがって、これは時間がかかれば必ず、企業側のそういう好調は雇用にも賃金にも反映していくはずであります。ふだんより時間がかかっておるということではないか。
 もう一つは、企業は、確かにビジネス活動が盛んになり、経常利益も恐らく何十%という増収になりつつありますが、普通ですとそれは賃金なりなんなりにかなり反映されるはずですが、企業そのものが過去における古い設備あるいはそれに伴う債務を相当大きく抱えていまして、これもやっぱりその一つの、今までの経済から、ニューエコノミーとは申しませんが、そういうものに伴う、殊に我が国の場合は不況が加わりましたから、したがって、企業はもうけた金で借金を返すということ、当然でございますけれども、しかも労働側がそれを強く要求できないということがありますので、この点からも、企業の好景気というものがなかなか家計に反映しないということがあるのではないか。
 これも時間の問題だとは思いますけれども、従来のパターンとは違って、不況回復のときにまず企業活動が起こり、次に家計が潤うという、そういうパターンが同じスピードでは進行していないのではないかと。
 これはさしずめ私どもが思っていることでございまして、後に何年かたちまして検証しなければ正確なことは申し上げられないかもしれませんが、私はそう考えております。
#128
○大門実紀史君 いろいろ御答弁いただきましたけれども、要するに今三つの過剰論がありましたですよね、またIT革命もあるかもわかりませんが、要するに、リストラ、再編を進めた、それで企業そのものは減収増益に転じたと。ところが、幾ら、特に大手企業だけの利益が上がっても、労働者の失業がふえていますし、全体として賃金が抑え込まれていくという中で、当然企業が、また物が売れなくなるとか、全体として不況から脱出できないと。ですから、デフレに陥って、さらに企業の債務も膨らむ、銀行の新規の不良債権も発生するというような悪循環になっているのではないかというふうに私は思います。
 例えば、中小企業の多くが今倒産していますけれども、中小企業だけではありませんが、倒産の大体七割、八割が不況型倒産なんですよね。つまり、販売不振だとか売り上げが落ち込んでの倒産と。別に不良債権が直接原因して倒産しているわけでもなければ融資だけでもないんですよね。やっぱり販売不振ということが倒産の一番の原因になっているというところから見ますと、今の日本経済の一番の問題点は、やはり消費が落ち込んでいるといいますか、家計が冷え込んでいるために企業も業績が伸びないという中で、いろいろまた悪い循環がめぐっていくというところに私はあるのではないかと。
 ですから、緊急経済対策の「基本的考え方」の認識そのものは、私は、ぴったり合っているのではないか、家計部門に問題があるというふうに思います。ところが、後の「課題」を読ませていただきますと、それじゃこの家計部門をどうするかというところが一つも見えないといいますか、具体的に何も見えないわけですが、「基本的考え方」の中の「景気の現状」の認識どおりとすれば、家計を直接温めるだとか、そこに手当てするという政策が一つも出てこないのは、これはなぜなんでしょうか。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもの考えでは、企業の利益がふえて、そしてそれが労働に分配される、家計がよくなるというパターンは、これはやはり本格的なパターンだと。また、そうならなければならないだろう、時間がかかっても。そう思いますがゆえに、いっとき家計に購買力をつけるというやり方は、いっときの効果はあるかもしれませんが、本格的な政策ではない。かつて金券を配布したということがありますけれども、そういうことでは、それはいっときの効果は生じますけれども、循環する経済活動としてはそれはそこでおしまいになるというふうに考えますから、したがいまして、基本的な経済のプリンシプルに沿って、まず経済そのもののいろんな障害を除いていくといったようなこと、そういったようなもろもろがこの緊急経済対策に書いてございますが、例えばセーフティーネットというような雇用に直接関係いたします部分は、直接に家計にいい影響を及ぼすことはもとよりあろうと思いますけれども、いっときだけ家計に購買力を与えるということだけでは、それでおしまいになってしまうというふうに私どもは考えるわけです。
#130
○大門実紀史君 とにかく、この緊急経済対策の現状の認識と課題のところに、私は、そうはいっても相当の乖離といいますか、ギャップがあるというふうに思います。
 ですから、申し上げたいのは、家計を一時的に何かで刺激するということではなくて、家計が冷え込んで物が売れなくて販売不振、倒産が起きたりということになっている部分も、そちらから経済を見るということもあり得るわけですから、そこで何らかの手当ても、当然この緊急経済対策ということでしたら含まれるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に、この緊急経済対策の中身そのもので幾つか御質問したいと思いますが、これは内閣府の方にお聞きしたいんですが、朝日新聞だったと思うんですけれども、内閣府の見通しではこの緊急経済対策で十万から二十万人失業者がふえるという報道がありましたけれども、そういう認識でしょうか。
#131
○政府参考人(小林勇造君) お答えいたします。
 先生御指摘の記事の件でございますが、内閣府におきましてこの御指摘の記事のような試算を行った事実はございません。
 不良債権問題に関しましては、先ほど宮澤大臣からもお答えがございましたが、今回の対策の中で、この不良債権問題がやはり日本経済再生の障害になっている、そしてこの問題の積極的な取り組みを行うことによって、基本的には創造的な経済活動を促進すること、そして経済成長を促す、そのことによって……(「関係ないでしょう」と呼ぶ者あり)はい。失礼いたしました。
#132
○大門実紀史君 そうしますと、この朝日の記事というのは、かなり誤報といいますか、言った覚えがないことを書いた割にはかなり詳しく展開しておりますので、朝日の記者が勝手にでっち上げたということではないと思うんですが、こういうことを言っているんです。
 大手行の十二・七兆の不良債権処理を進めれば、貸出先の企業倒産とかリストラで失業が十万から二十万ふえると。その中身の計算まで出しているわけですけれども、大手行がバブルの後、約五十兆円不良債権を処理した。うち直接償却が二十九兆円。このことで、九四年から九九年までに約五十万人の非自発的失業者がふえた。今回は十二・七兆、あるいは全国銀行入れても二十四兆ですから、その半分か半分以下だということで、十二・七兆だと十万から二十万だろうと。これは書いていませんが、全国行でいえば二十万から四十万ということになるわけですけれども、具体的にこうやって計算してこう出したというのを出していますけれども、そうしたらこれは朝日新聞が勝手につくったんですか。
#133
○政府参考人(岩田一政君) ただいまの御質問にお答えいたしたいと思います。
 企業の雇用過剰感ということにつきまして、これまで経済白書等でもたびたび試算をいたしておりまして、今回も二〇〇〇年第三・四半期の時点で百九万人ほどの過剰雇用があるのではないかという試算をしております。その中で、業種別に見ますと、建設、不動産、卸・小売の三業種で過剰雇用の分が五十六万人程度あるという試算をいたしております。そして、この企業の過剰雇用は、九三年の時点ではゼロだったのでありますが、一九九九年の第二・四半期には二百四十二万人ございました。それから比べますとかなり減っているということでございます。
#134
○大門実紀史君 全然聞いていないことを次々と出てきて答えられているようですけれども、何も聞いていないんです、そういうこと。この朝日の記事については全くあずかり知らないということですか。
#135
○国務大臣(宮澤喜一君) それは朝日新聞に聞いてもらわないと。
#136
○大門実紀史君 わかりました。
 そうしたら、今、岩田さん出てこられましたので、経済財政諮問会議で岩田さんが説明されているところに、私はその朝日の記事が非常に関係するんじゃないかなと実は思っているんですが、そういうことでしたら別に朝日に聞いたっていいと思いますが。私が知りたいのは、こういうことを詰めてみたいわけじゃないんです。要するに、内閣府として、今回の対策でどれぐらい失業者がふえるかを試算されているのか、あるいは想定されているのか、これをお聞きしたいということなんです。
 岩田政策統括官が、諮問会議の中で、よくわからないんですけれども、資料二というものに沿って説明されている。この資料二は公表いただけないわけですか。
#137
○政府参考人(岩田一政君) この資料につきましては既に公表されているというふうに承っております。
#138
○大門実紀史君 ちょっと要求したけれども、このときの資料というのは出せないんだというふうに伺いましたけれども、出せるならば後でもいただきたいと思います。
 この中でも、岩田さんの説明ですと、過剰雇用とかいろいろありますが、つまり直接償却に直接減額を加えたオフバランス化された金額四十五兆に対して、その間、五十万人非自発的失業者がふえたというふうに言われておりますよね。そうですよね、ここで言われているのは。これは諮問会議の文章ですけれども、そうですね。
 要するに、四十五兆円不良債権の処理をやると五十万人ぐらい非自発的失業者がふえるんじゃないかということを一つ言われているんだと思いますが、こういうことも含めて、今回の緊急経済対策で政府としてどれぐらいの失業者がふえると見込んでいるのか、お答えいただきたいと思います。
#139
○政府参考人(小林勇造君) 不良債権処理に伴います失業の問題でございますが、私どもとしては、定量的に把握するのは困難だということで試算をいたしてございません。
#140
○大門実紀史君 大変無責任だなと思うんです。これだけ失業がふえるんじゃないかということで心配が広がっている中で、対策を打ち出したときにも試算も何もされていないということでは本当に無責任だと思います。
 この間、シンクタンクがいろいろ数字を発表しております。ニッセイ基礎研究所の予測では、二十二・二兆の不良債権を処理すると百三十万人ふえると。これはちょっと試算がかなり大胆ですので、百三十万人というのがどうかというのはありますけれども。
 いずれにせよ、先ほどの岩田さんの資料説明、あるいは全国行の二十四兆を処理するというレベルとか、さらにそれがデフレ圧力として波及するということを考えますと、やはりこの二年、三年で不良債権を処理するということでいきますと数十万人の失業者が出るということは、おおむねそれほど違わないのではないかと思いますが、その点ではいかがですか。
#141
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私からむしろお答えした方がいいんじゃないかと思いますが、先ほど参考人が言われましたように、これを定量的に把握することが実際上なかなか簡単でないということを申し上げようとしたんだと思います。
 しかし、大門委員がお尋ねになっていらっしゃることは私はごもっとものお尋ねだと思って伺っているんです。ただ、これから不良債権の処理を二年なり三年なりやって実態が一体どういうふうになるのか、あるいはむしろ今、そういう不良債権の処理を受けるような企業が現にどういう状況にあるのかというようなことの把握は実際困難なものですから、新しくぽんとここでこういう政策をやったらこれだけ失業が出ちゃうといったようなことがとてもなかなか想定できない。
 片一方で、政府はもう三年近く前からジョブクリエーションをやったりミスマッチの改善をしたりしておるものですから、そういう中で今度こういう政策がとられた、これも全く新規に新しいことをやられるわけではない、今までのをもう少し計画的にきちんとやっていこうとするわけですから、何がしかのそこから失業が出てくるということは、むしろそう考えるのが当然だと思いますが、それを計数的に述べてみよと言われますときに、それを計量するだけの正確な見通しというものは立ちにくいということを私は正直に申し上げておくべきだろうと思うのです。したがって、ある新聞がこういうことであるという予測をしました。それは私も読んでおりますが、どうしてそういう答えに到達したかはあれを読みましてもわかりませんでしたが、ただ、こういう不良債権の処理をしていきますと、そういう失業あるいは雇用状況の悪化というものは出ると考えるのが普通でございますから、それを計数的に実は申し上げられないんだと。正直な私はお答えだと思います。
#142
○大門実紀史君 具体的に試算するのが難しいのはよくわかります。岩田さんは、その資料二というのがよくわからないんですが、とにかく諮問会議の中で、四十五兆の場合は五十万人ぐらいふえた例があるという意味かもわかりませんけれども、とにかくそういう一つの指標をお示しになりましたし、私は、与党の公明党の皆さんもやはり危機感を抱かれて百万人雇用創出というような大きなものを出されているわけですから、相当の失業者が出るという危機感が政府や与党の中にもあるんじゃないかというふうに思いますし、やっぱり数十万人以上の失業者が出るのではないかというふうに思います。
 御存じのとおり今でも最悪の失業率なわけですけれども、私よくわからないんですが、今回の緊急経済対策でさらに失業者がたくさんふえると。失業者をふやすような経済対策というのは世界でも例がないんじゃないですか。これをやったら失業者がふえてしまうなんという経済対策というのは聞いたことがないんですけれども、こんなことはあり得るんですか。
#143
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、事態は既に何年か前に発生していて、それに対応していろいろやってまいりましたが、この最後の段階において、柳澤大臣の言っておられるような、こういうことが必要になってくる。
 ですから、今急に新しい政策をとって失業を生もうとしているのではありませんで、そういう事態は既に生まれてきていて、三年の間に我々がそれを改善してきた、その最後の段階。最後の段階ということは、触れずにおけばもっともっと事態は悪くなるだけのことでございますから、そこは決心をして最後の段階に入っているということであって、そのために失業を発生させる仕組みを考えているのではございません。
#144
○大門実紀史君 私はそうではないというふうに思います。二年や三年で一気に不良債権の最終処理をやるということで、それだったら大変なことになるということで予想されているのが先ほどから申し上げている失業問題ですから、何かずっとやってきて最後にばっと出る、こういうことじゃないと思うんですね。一気にこの不良債権処理をやろうというところで出てきた話だというふうに思いますので、宮澤大臣とは認識が違うわけです。
 このセーフティーネット、雇用対策がこの中にも載っておりますけれども、例えば十ページの「雇用の創出とセーフティーネット」のところで、(1)のところに「新市場開拓に資する規制・制度改革」云々とあります。これは要するに新規雇用をここで創出しようというふうなことだと思いますが、ここに四点、ITから医療システムから保育・介護、循環型社会という四つの分野で規制緩和とかをやりながら新規雇用の創出というふうに書いてありますが、ここで何万人の新規雇用創出を想定されているんですか。
#145
○政府参考人(小林勇造君) 対策に書かれているような分野、創造的な企業活動を促進することを通じて経済成長を促し新規雇用を創出したいということでございますが、計数的な整理はしてございません。
#146
○大門実紀史君 非常に無責任な、内容も既に出しているような内容をここに持ってきて並べただけのような、しかもこのITにしろ、保育・介護のところだって新規雇用はふえていませんよね、実際問題。そういうところに何で持ってきて、ここで新規雇用だと言うのは、何か当面非常にごまかしといいますか、そういうものを感じるんですね。本当にここでこれから出てくる失業者を引き受けるんだというふうなものは何もないと。
 しかも、計量的にも、計量的にといったって厳密には難しいと思いますが、先ほどの話にもありましたけれども、少なくとも相当の失業者を受け入れるだけの新規雇用を想定するような施策にもなっていないし、非常にやることだけはっきりしていて、不良債権を二年、三年で処理すると。それによって出てくる失業者のことについては、どれだけ出るかも試算もしないし、受け入れる方も試算もしないと。非常に無責任なようになっているんではないかというふうに思います。
 時間が少しなくなってきましたので、次に中小企業の倒産の関係も幾つかお伺いしておきたいというふうに思うんですけれども、中小企業の倒産といいますと、大変今心配されているわけですけれども、非常に少ししか書いてない。六ページのところに、よくわかりませんけれども対応はするんだというふうなことしか書かれておりませんが、具体的に、連鎖倒産の危険防止などはどういう対策を考えておられるんですか。
#147
○政府参考人(中村利雄君) 御指摘のように、六ページに「中小企業への対応」ということがうたわれておりますが、その中で中小企業における影響といいますのは、オフバランス化の対象となる企業と取引関係のある中小企業について、例えば連鎖倒産の危険があるということで、こうした不測の事態に対応するためにいろんな施策を講じているわけでございます。
 具体的には、倒産企業に売掛金債権等を有する中小企業の連鎖倒産防止対策としまして、政府系金融機関による運転資金の別枠かつ低利の融資がございます。第二に、中小企業信用保険法の別枠化等の特例措置がございまして、これにつきましては昨年の法改正によりまして無担保等の措置がございます。それからさらに共済の貸付制度もございます。
#148
○大門実紀史君 時間がなくなりましたので、今おっしゃったことも既にある制度でして、今後予想される中小企業の連鎖倒産、たくさんふえると言われているものに対する新たなといいますか、大きな措置というのは見えないわけですが、私は一つだけ最後にこの点で要求させていただきたいのは、今回の不良債権処理でやっぱり、前回に柳澤大臣にいろいろお尋ねしましたが、ゼネコン関連の不良債権処理が非常にウエートを占めると。この分野だけではありませんけれども、流通でもそうですが、下請の連鎖倒産を防止するといいますか、なぜ倒産が下請に一番起きるかといいますと、下請債権ですね、元請が倒産した場合、下請がもらうべき代金がもらえないとか、持ち込んだ材料を返してもらえないという、いわゆる下請債権が保護されていないというのが非常に今現場では問題になっています。流通でも建設でも問題になっています。
 つまり、銀行や国が先に倒産した企業の差し押さえをやって担保物件を取っていく、税金の肩がわり、いろんな社会保険料の肩がわり等々で銀行と国が先に取っていく、下請はそれを取れない、それで連鎖倒産するという例が非常に多くなっておりますので、この下請債権、特にその中に含まれる労働者部分の労働債権というものをぜひこの機会に優先債権にさせるということをやらないと、幾ら今までのようなことをやられても連鎖倒産はなくならないということを申し上げて、私の質問を終わります。
#149
○大渕絹子君 昭和二十四年に来日をしたシャウプの税制使節団は、税務代理士の状況を認識した上で、納税者の代理人としてあるべき姿として、税法の専門家として納税者の代理を立派に務めること、納税者が税務官吏に対抗するときの専門家群として位置づける、税務代理士階級の水準を相当程度引き上げることが必要である旨、勧告をいたしました。
 この勧告を受けて、昭和二十六年、今回改正されます税理士法が議員立法で制定をされたわけですけれども、それまで税務代理人は大蔵大臣の認可制であったものを、改めて試験制度が導入をされたと認識しています。
 その後、昭和五十五年の改正で、税理士使命の明確化や税目範囲の拡大、あるいは登録即入会制度への移行、特別税理士試験制度の見直し等の改正がなされました。それ以来の二十年ぶりの大改革が今回の改正案だと思うのです。
 経済取引の急速な国際化や情報通信技術の進展、納税者ニーズの複雑化、多様化に伴い、税理士業務もますます高度化してきていますが、こうした時代の変化に応じて業務の改革を行い、その資質の向上を図ることが大変重要な課題になっている時代だというふうに思っております。
 平成十二年九月の日本税理士会連合会の要望書を受ける形で今回の法改正を行っておりますけれども、私は、今度の改正は評価すべきものも多々あると思いますけれども、試験制度の免除制度などはもっと踏み込んで抜本的な改正が行われてしかるべきであったのではないかなというふうに思っている一人ですけれども、財務大臣は今回の改正をどのように評価されておられますでしょうか。
#150
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はごもっともな質問だと思って承っております。
 今、大渕委員が言われました最初の税務代理士法、大蔵大臣の許可でできました。ちょうどこの前ごろに私は税務署長をしておりました。そのときの税務代理士というのは、今と随分世の中全部違いましたけれども、やはり税務署に長く勤めていた人が少しずつ税務代理士というものをやっておりまして、職業として非常にはっきり法のもとに確立されたという時代ではありませんで、また納税そのものも申告納税でございませんでしたので、所得委員という人を選挙しまして、その人たちが税務署の課税の案を査定いたしまして、それで決めておったようなことでございます。
 その後、シャウプが二十四年に参りまして勧告があり、翌年もう一遍勧告がございまして、二十六年に税理士法というのができたわけでございます。このころから片方で申告納税になってまいりましたことと、伴いまして、税務というものが相当シャウプ勧告で近代化されましたし、税務代理士の仕事も近代化され、他方で、ちょうど同じころ、少し前ですが、公認会計士法ができました。そういうことが手伝いましてかなり近代化された職業になってきまして、それから後、今回の三十何年ぶりの改正と。
 お尋ねの中に、ですから沿革的に、何となく税務署に長いこと勤めた人たちの後半生の職業という時代がありまして、それがずっと近代化はしてきたんですし、試験にもなりましたし、そういう実務を重んじるという、ある程度試験免除制度がありましたり、いろんなことはそれなりの沿革もあるし理由もあるのだと思いますが、かといって、そういうところに少し配慮が重過ぎて職業としての、プロフェッションとしてのきつさというのはどうなのかしらと、そういうお尋ねが背景に私はあると思うんです。ですから、その背景は私も自分でわかる気がしますが、それでもまあこのごろは随分厳しくなりまして、すぐ税務代理士になれて云々というようなわけにはまいりません。
 他方で、そういう税務に関係ない人からもどんどん入ってくるわけでございますから、両方の間でどうしても知っていなければならない学問としての知識と、それからある程度経験というものを生かしてよろしい、生かすことができる部分とが合体したような制度になっておりますから、ともしましたら、そういう体験的なものを余り過度に重んじることのないように十分気をつけておるつもりですし、他方でしかし、大学の何とか科、何とか科を二つ取るとそれだけで資格があるというのもまたおかしな話でございますから、両方から詰めていかなきゃならない問題だと思います。
#151
○大渕絹子君 大臣がそういう認識でいてくださってほっといたしました。
 実は、税理士さんの中にもそういうことを指摘している方がいらっしゃるんですよね。例えば、税務官公署の職員の皆さん方は、今度の改正では三年を勤めるとだれもが税理士試験を受けることができるようになったわけでございますから、もし税理士になりたいならば、その三年を経過したところで税理士試験を受けて堂々と税理士さんになればいいわけでございまして、二十三年を経たら自動的に税理士になれる、今度は研修制度も入れたので不足の部分は補えるというようなことが言われているわけですけれども、しかしこれは、長く勤めればノウハウが全部身につく、税理士として間違いのない仕事ができるということとは別だと思いますので、こうした特権制度はおかしいわけでございますよね、実際に。
 それから、さっきおっしゃいました大学の修士につきましても、会計学と税法ですか、そこをきわめて二つの資格が取れれば税理士になれるというようなこともおかしいわけでございまして、あるレポートを読んだんですけれども、お父さんが税理士事務所を経営していらっしゃる方が、その息子さんが大学を卒業されて税理士試験に挑戦するんですけれども、何回やっても受からないと。そういう中で、大学院の修士を二課程取ってそして税理士さんになったと。そしてそこの税理士事務所を後継したということですから、これは本当に税理士試験制度そのものがおかしいじゃないかと言われて当たり前だというふうに思うんですよね。
 それから、まだありますね。いろいろありますね。税務署長を経験した税理士は大企業の顧問税理士として抱えられると。そしてそのポストは、二、三年後にまた次の税務署長さんがかわって来られるときには、そのポストはちゃんと明け渡していくということで、税務署と大企業の癒着の温床になっているんじゃないかというようなことも指摘をされている。
 そういう形で、税務署長までお務めになった税理士さんというのは、全く税理士としての仕事に携わることはないけれども、そして税務署と企業との関係の円滑化というんでしょうか、潤滑油というんでしょうか、よく言えばそうですよ。しかし、悪く言えば癒着というような構図の中にしっかりはまりこんでいて、本当に一生懸命頑張っている税理士さんから見るとおかしいということの声が税理士さんの仲間の中からも出ている状況なんですよ。
 私はさっきも言いましたように、これだけ複雑・多様化してくる経済社会の中で、資格試験も通らないで自動的に税理士になれるような方たちは淘汰をされていくと思うんですね。そして、コンピューターの発達等々で、税理士の仕事も相対的に、総量は決まっているわけですから、税理士の仕事の奪い合いというようなことで、能力のない税理士は淘汰をされていく時代が必ず来るというふうに思っているんですよ。そのときに、こんなに大量に税理士をつくった国会は一体何をしていたんだというような議論になりやしないかというふうに思うのですけれども、ここら辺の認識はいかがでしょうか。
#152
○国務大臣(宮澤喜一君) 五十年ぐらいの間の経緯を見ていますと、今おっしゃることもわかるし、しかし随分だんだん世の中も世知辛くなって、署長さんを抱えていた会社が二年ぐらいでまた次の署長さんに入れかえるなんということも、どうも今節はだんだん難しくなったようでございますし、随分それは近代化されたし、他方で、そういう道でない方から税理士になられた人は、そういう今までの一種の、簡単に癒着と申し上げますけれども、そういうことには非常に批判的で、したがって、随分世の中が厳しくなってかなりいろんなことがきつくなってまいったと思っておりますけれども、十分注意はいたさなきゃなりません。
#153
○大渕絹子君 本当に現場で頑張っていらっしゃる税理士さんの質が落ちているとか、質的なことで文句をもし納税者の方たちが言われるようなことがある場合、こういう法案をつくって税理士制度というものをつくってきた国会の責任というのが私は問われると思っておりまして、ぜひよろしくお願いをします。
 先ほど大門議員が触れました三十五条のところなんですけれども、ここ通告していないんですけれども、私は、国税通則法の中で、納税者の権利で事前調査の扱い方についてということを宮澤大臣にも質問をしたことがかつてございます。そのときに、大臣からはまだその時期でないというふうなお答えがあったわけでございますけれども、先ほど事務方の方の御答弁ですと、納税者が直接申告をした場合と、税理士を介して三十五条の書類を添付して出した場合と差別は全くしていないという答弁がございました。差別をしていないならば、国税通則法の中の当該納税者の税務調査の事前調査について国税通則法を改正する必要があると思いますけれども、いかがでございましょうか。事務方で答えられますか。
#154
○政府参考人(尾原榮夫君) 今回の調査前の事前聴取の件は、税理士の先生の専門性により配意をしたということでございます。
 一般的に通則法で事前通知をせよという先生からのお尋ねでございますが、通則法でそのような規定を設けるということはなじまないのではないかと思っております。ただ、国税庁の方から御答弁があるかと思いますけれども、この事前通知というのはなるべくやりなさいということを既に通達であらわしておりまして、そういう意味では実質的にそのようになっているのではないかと考えます。
#155
○大渕絹子君 実質的にそうなっていることは十分承知をしています。しかし、法的な裏づけのない中で通達業務の中で行われているので、税理士法の中で明快に法文化をしたのならば、国税通則法の方でも明確に法文化をして納税者の権利を守らなければ均衡が保てないですよ。こんな法案ではいけないというふうに思うんですよ。大臣、いかがでしょうか、ここは。
#156
○政府参考人(尾原榮夫君) これまでも先生の方から納税者の権利についての憲章のような御提言もございました。実は、この納税者の一種の権利とでもいいましょうか、これは私ども、この国税通則法を初め各税法で守られているのであろうというふうに考えております。
 それで、それを法律で書いたらどうか、事前通知の義務づけを書いたらどうかということでございますけれども、私どもは納税者の権利は今の法律で守られていると思っておりますけれども、実はその背景には、諸外国を比較してみますと、例えば日本の場合は、納税の立証責任というのは課税当局側にございます。つまり、非違が仮にあるとすれば、課税当局側がそれを納税者側に示していかなきゃならない。ところが、例えばアメリカでございますと、立証責任は納税者側にございまして、非違が、こういう言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、問題があるということだけを課税当局者の方が言えば、問題がないことを納税者側が立証しなきゃならぬというような法体系になっております。そのような各国の比較をしてみますと、国税通則法でそこまで規定するのは適当ではないのではないかと考えております。
#157
○大渕絹子君 実際の業務を通達で行っているんですよ、皆さんは。そうでしょう。通達で行っている税務調査の事前通告制度を、税理士法では、その税理士の関与をしたことについては、税理士が事前調査を受けて、それで正当性が認められれば税務調査は入らないということを言っているわけでしょう。同じ申告納税者である納税者自身が申告をしたものについては、そういう手続が法文上は認められていないです、大臣。通達でそういうふうにしなさいよ、この法案のような形にしなさいよということで、できるだけ事前通知をして、相手方の承諾も得ながら、日程調整もしながら税務調査に入っていることは私は十分承知しています。しかし、全部法文化されていないがために、全部がそういうふうな手続が踏まれているとは限らないし、もしそれを踏まれなかったときに、当該納税者がそのことに対して不服を申し入れても、法文化をされていないから守られないんですよね。その言い分は通らないんですよ。そういうことが起こってきておりまして、今回の改正の一番の問題点は、前回も言いましたけれどもここの問題なんですよ。
 ですから、ここはこれで税理士法で認めたいと思いますし、いいと思いますね。事前調査をすることでオーケーが出るなら、お互いに、税務署も税理士さんもあるいは当該納税者にとってもプラスですから、それはいいのですけれども、当該の納税者が自分で申告をした分についても同じように法的裏づけの権利が認められなければ、法律のアンバランス化ができるということなんです。いかがでしょうか、大臣、このことは。私、もう前にも大臣に予算委員会で何度も言っていますが、いかがですか。
#158
○政府参考人(大武健一郎君) 今般のお願いしている改正の方の理解の観点ですので、ちょっと補足させていただきたいと存じます。
 今回の事前通知の改正は、あくまでも税理士の権利の一つとして、申告書作成に係る計算事項、審査事項等について税理士の立場で意見を述べるものでございます。したがいまして、今回の三十五条には四項というのがございまして、「前三項の規定による措置の有無は、これらの規定に規定する調査に係る処分、更正又は不服申立てについての決定若しくは裁決の効力に影響を及ぼすものと解してはならない。」ということで、ある意味では、こういうものであっても、明らかに不正が見込まれる、査察事案を含めまして、ものについては、当然のことながら事前通知しないで入るということも留保しているということでございます。
#159
○大渕絹子君 税理士さんの書類添付がされて、事前通告しないで調査に入った場合、税理士さんから告訴を受けた場合、負けますよ、この法律はそうできるとなっているんだから。そんなことができるはずないでしょう。どうしてそんなことを言うんですか。あなた、さっき、当該の納税者と税理士が関与をした申告者との間に全く差別はないと言ったでしょう。差別がないなら、自主申告をした納税者に対しても同じ手法でやらなければならない。
 現実に通達で行われていることが法文化できないわけはございませんので、ここは国税通則法の改正を直ちにやっていただきたいことを申し上げておいて、次に移りたいと思います。
 平成九年度の地方自治法の改正案の中で、いわゆる地方自治体の外部監査制度導入のときに、当初内閣から出された法案の中には、税理士を外部監査人としては認めないという法案になっていました。ところが、法案の国会審議の中でこれは税理士も入れるべきだということで議論になりまして、そして議員提案で修正をして、弁護士、それから公認会計士、それから「国の行政機関において会計検査に関する行政事務に従事した者又は地方公共団体において監査若しくは財務に関する行政事務に従事した者であつて、監査に関する実務に精通しているものとして政令で定めるもの」の三号に加えて税理士というものを入れるようになったわけでございますけれども、現在、私たちが国会で修正をして通した法案ですけれども、外部監査人の中で税理士が適用されているようなところがあるのかどうなのか、総務省に答えてもらいたいと思います。
#160
○政府参考人(芳山達郎君) ただいま先生から御指摘がありましたように、平成九年に外部監査制度が導入されました。それで、現在の状況でございますが、平成十二年度においては、包括外部監査の実施が義務づけられている団体が、都道府県四十七、指定都市十二、中核市二十七団体の八十六団体でありまして、このほか四市の市区を加えまして、合計九十団体において包括外部監査が実施されております。
 その中で、公認会計士と契約している団体が多いわけですが、九十団体のうち、県と市それぞれ一団体について税理士と契約を結んでおります。
#161
○大渕絹子君 税理士が担当している外部監査人についても特別問題がなく順調にやられているということだろうと思いまして、修正をした当事者としては安心をしているところでございますけれども、こういうぐあいに税理士の地位が高まっていく方向で物事が変わっていくということは極めていいことだというふうに思っておりまして、ぜひこれからもこの外部監査の行方というのを私たちは法案を修正した立場から見守っていきたいというふうに思っております。
 それから、もう一点聞かせていただきたいことがございます。これは、国税審議会の税理士審査会ではどのような審査がされているのかということです。
 きょう午前中、同僚委員の中にもこのあり方について問題が指摘をされ、私も三人で本当にできるのかということを質問取りに来られた方に申し上げましたけれども、この税理士審査会ではどのようなことが審査をされているのか。平成十二年六月十二日に六件の審査が行われているというふうに御報告を受けていますけれども、具体的にはどういう内容を話し合われるのでしょうか。
#162
○政府参考人(大武健一郎君) 現税理士法におきまして、懲戒処分の対象となる行為につきましては第四十五条と四十六条に規定されておりまして、一つは、税理士が、故意または相当の注意を怠り、真正の事実に反して税務代理もしくは税務書類の作成をしたとき、それから脱税相談等を行ったとき、それから税理士法三十三条の二の規定で添付する書面に虚偽の記載をしたとき、さらに、税理士法または国税等に関する法令の規定に違反したとき、その四つがございます。
 今、先生が言われました六件のうち、昨年の懲戒処分は、税理士業務の禁止にしました内容が一件と、一年の税理士業務の停止五件ということにしております。中身はと申しますと、故意による不正書類の作成が一件、それから脱税相談が一件、それから自己脱税、御自身の脱税、これが四件でございます。
#163
○大渕絹子君 税理士さんが自分で脱税をしたんでしょうか。そういうことですね。その方は免職になるわけですね。
#164
○政府参考人(大武健一郎君) 個別にはお答えしにくいんですが、自己脱税四件、基本的にはそれぞれ懲戒処分の規定がございまして、一年の税理士業務の停止というようなことになっているのかと存じます。
#165
○大渕絹子君 そういう事案はどこから持ち込まれてくるんでしょうか。この税理士審査会の委員の方たちが御自分で見つけてくるということではないと思いますが、どういうところから申し入れがあって審査をすることになるのでしょうか。
#166
○政府参考人(大武健一郎君) 申し立て自体は国民ならだれでもできますので、いわゆる被害に遭った方等からの申し出ということになっているかと存じます。
#167
○大渕絹子君 被害に遭った方が税務署に申し出をするんでしょうか。どこに行ったらよろしいんでしょうか。
#168
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 一義的には財務大臣に申し出るということになります。
#169
○大渕絹子君 私、なぜこんな細かいことまで聞いたかというと、納税者が税理士の仕事について疑義を感じたときに、もう少し身近に、どこへ訴えて出ていったらいいのかというようなことは全然広報されていないと思うんですよね。よく周知徹底が行われていないというふうに思いますので、ぜひそうした広報活動についても力を入れていただいて、本当に自主申告制度が有効に生かされて、だれもが気持ちよく税が納められる体系をつくっていただきたいと思います。
 大臣、お考えがあればお聞きをして、終わります。
#170
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私も十分行き届きませんでした。よく調べさせていただきます。
#171
○委員長(伊藤基隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#172
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、税理士法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 反対する理由は、本法案が、これまでも重大な問題を持っていた書類添付制度をさらに拡充し、税理士制度を根幹からゆがめるものだからであります。
 そもそもこの書類添付制度には、税理士に頼んで書類を添付した納税者と、経済的理由などで税理士に頼めなかった納税者の間に税務行政上の差別を生むという重大な問題があります。
 さらに、本法案によって、この書面添付制度が拡充され、本来、税務署がやるべき仕事を税理士に肩がわりさせる税理士の下請化、税理士制度の補助機関化が一層進められることになります。当委員会の質疑で、通知前の意見陳述で疑義が生じなかった場合、その後の調査は省略すると国税庁が答えたように、実地調査の省略というあめを与えることによって、税理士を納税者の権利を擁護する立場ではなく、いや応なしに国税庁や税務署の側に立たせようとするもので、税理士法第一条の税理士の独立性から見ても問題があり、反対です。
 以上の理由から、本法案には、受験資格要件の緩和、補佐人制度の創設と税理士の出廷陳述権、試験制度の見直しなど、個々には一定の改善が見られますが、全体として反対であります。
 最後に、税理士が納税者の代弁者として、納税者の権利を守る立場に立つこと、さらに、我が党が以前から提案してきた納税者の権利憲章の速やかな制定を求めて、私の討論を終わります。
#173
○委員長(伊藤基隆君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 税理士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#174
○委員長(伊藤基隆君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、勝木君から発言を求められておりますので、これを許します。勝木健司君。
#175
○勝木健司君 私は、ただいま可決されました税理士法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    税理士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 経済社会情勢の変化等に対応して高度化・複雑化する税理士業務の実態にかんがみ、その資質の維持・向上のため、研修制度の一層の充実を図り、その受講率の向上に努めるとともに、懲戒処分を受けた税理士の安易な再登録を防止する観点から、処分の実効性を確保するよう努めること。
 一 税務官公署職員の試験免除に係る指定研修については、一般試験との均衡に配意し、その指定、運営、実施、全般にわたって適正性・公正性を確保すること。
 一 会員の業務に係る紛議についての税理士会の調停に関する規定が新設されることにかんがみ、紛争解決手段としての実効性を確保する観点から、税理士会の会則等調停に際して適用されるルールの明確化を図ること。
 一 税理士業務に係る報酬の最高限度額に関する規定が撤廃されることに伴い、規制改革委員会の指摘を踏まえ、不適切な報酬設定が行われることのないよう特段の努力を払うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#176
○委員長(伊藤基隆君) ただいま勝木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#177
○委員長(伊藤基隆君) 全会一致と認めます。よって、勝木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮澤財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮澤財務大臣。
#178
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#179
○委員長(伊藤基隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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