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2001/03/29 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 外交防衛委員会 第6号
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2001/03/29 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 外交防衛委員会 第6号

#1
第151回国会 外交防衛委員会 第6号
平成十三年三月二十九日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任   
     吉田 之久君     藁科 滿治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         服部三男雄君
    理 事
                佐藤 昭郎君
                鈴木 正孝君
                海野  徹君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                須藤良太郎君
                月原 茂皓君
                宮崎 秀樹君
                森山  裕君
                矢野 哲朗君
                依田 智治君
                今井  澄君
                齋藤  勁君
                藁科 滿治君
                高野 博師君
                吉岡 吉典君
                田  英夫君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  斉藤斗志二君
   副大臣
       防衛庁副長官   石破  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       柴田 雅人君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、吉田之久君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(服部三男雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に外務大臣官房長飯村豊君、内閣官房内閣審議官柴田雅人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(服部三男雄君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○齋藤勁君 おはようございます。民主党・新緑風会の齋藤でございます。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、私どもの会派としては賛成でございますが、以下関連をいたしまして幾つか質問させていただきたいと思います。
 最初に、近々退陣をされます総理に関連する質問をするというのも、率直に言うと気が進まない部分もございますが、しかし重要なことでございますので、外務大臣に所感等をひとつ最初にお伺いしたいというふうに思います。
 一昨日のノルウェー国王夫妻主催コンサートレセプション、総理は腰痛のため欠席と、大変つらい体調だったようでございます。これはこれでもう、体調がすぐれなければあらゆる公務というのは、幾ら気持ちがあっても私は不可能だというのは、これはお互い人間ですから理解をしつつも、後の報道を見る限り、それからきょうのまた報道を見る限り、どうも総理としてこれはいかがかなというふうな思いが一つございます。
 これは、報道に関して腹立ち紛れにやるということについてのさまざまな言動は別に置きまして、おなかがすいたから仲間とすし屋さんに行くだの、すし屋さんに行こうがどこに行こうが、これまた御自身の自由かもわかりませんが、欠席をすること自体は失礼にはならないと。これはそうかもわからないんですけれども、少なくとも公務があった、あるいは腰痛は別にしまして体調が不良だったという部分で終わっていれば済むのかもわかりませんけれども、同じ時刻に官邸から出られて若手の議員の方々と食事に行くということについて、これは公人である以上わかるわけです。
 少なくとも欠席をしたという理由と、そして今度若手の方と食事に行くということについては、これはどうも整合性が、やっぱり国民にとって理解できないというのが私は一般的な考え方だと思うんですけれども、これは外交を所管する外務大臣としていかがですか。この所感について。
#7
○国務大臣(河野洋平君) 昨日来いろいろとこの問題について議員の方から私に対するお問い合わせがございますが、どういうふうにお答えをしていいか、実は大変戸惑っているわけでございます。
 官房長官も記者会見で述べておられますように、答礼の宴に総理が出席できなかったという例はそう少なくはございません。これはやはり、いろいろと公務があったり政務があったりする場合には答礼の宴に欠席をするということは過去にもございました。
 それから、総理御自身も今回のノルウェーの国王陛下に対するおもてなしについては、到着翌日の歓迎式典、あるいは総理主催で歓迎式典を総理官邸で行う、あるいはその晩の正式な天皇陛下の招宴にも出席をしておられるということがございますから、こちら側がお呼びをするということにはきちっと対応しておりますし、答礼の宴に出られなかったということは、それ自体は今回が初めてではないという官房長官の記者会見での御説明は、私はそのとおりだと思います。
 外交上の問題ではないかという御指摘もありましたけれども、私も多少こういうことがございましたから、気をつけてノルウェーの新聞その他がこの問題にどういう反応をしているかということについて現地に問い合わせもいたしております。現地に注意深く見るようにということを指示してございますが、少なくとも現在まで来ております報告では、ノルウェー側のマスコミがこれを取り上げているということはほとんどない、国営の放送が事実関係だけを述べた、ほとんど論評は全くしていないということで、それ以外には論評はほとんどノルウェー側にはないと。つまり、日本側で騒いでいることは御承知のとおりですけれども、むしろ非礼ではないか、非礼ではないかと言って日本側で騒いでいるけれども、ノルウェー側ではそれが非礼だと言ってメディアが非常に批判をしているというケースはない、ほとんどないということのようでございます。
 こうした事実関係の上に立って、じゃどう見るかということをお尋ねだと思いますけれども、私といたしましては、総理も十二分にノルウェーの国王陛下に対して対応はしてきておられます。それからノルウェー側の一行も今、日本の政治状況というものは極めて流動化に向かっているようだということについてのそんな気持ちは、認識は持っているようでございまして、このことで日本とノルウェーの外交関係に問題が出るということは私はないだろうというふうに思っているところでございます。
#8
○齋藤勁君 大臣、率直に、体調が悪くて欠席は欠席と。総理は体調が悪いんだし、欠席するなら官邸で食事でもとって静かにしていてくれればいいんだ、この方がよかったなというお気持ちじゃないんですか、率直に。いかがですか。
#9
○国務大臣(河野洋平君) これは、その後で議員の方々とお食事をされたという報道に接しておりますけれども、その議員の方々が総理とどういう話をされたかという中身まで私は承知しておりませんので、そこで重要な経済問題について話をしたかもしれませんし、あるいは議会運営について話をされたかもしれません。その話の内容によってどういう判断をするかということもあろうかと思いますので、まあそこまで立ち入って私の判断はできないと申し上げることで御勘弁をいただきたいと思います。
#10
○齋藤勁君 他の質問内容もありますのでこの程度にさせていただきますけれども、いずれにしろ、体調は体調、私はその後のとった行動については一国のリーダーとして適切ではなかったということを申し上げざるを得ません。多分外務大臣も、心中、ノルウェーの方の報道を気にされているわけですから、外交上どうだったのかということについては気にしているわけですから、胸のうちは察するものがございます。
 さて、本予算が可決をされました。この衆参で、松尾前室長が逮捕されて、いわゆる機密費の減額問題というのがずっと国会の中で、今ももちろんですけれども、議論がされてきました。本予算としては減額修正せずに可決をされています。その後、今の連立政権を組まれている公明党の方の幹部ということで、報道に「二〇〇二年度以降に機密費減額も」ということで、成立した日の報道で、「内閣官房機密費(報償費)と外交機密費の取り扱いを巡って批判が上がったが、原案通りとなった。」、これに対して公明党の幹部の方は、「二〇〇二年度以降は機密費の減額も含めて検討すべきだ」と、こういうことが報道されています。
 これについては大臣、与党三党内部、こういった事実について承知をされたのか、こういう考え方についていかがですか。
#11
○国務大臣(河野洋平君) 国会で御審議をいただきました来年度の予算につきましては、野党の皆様方から、いや野党ばかりでなく与党の中からも大変厳しい御指摘もいただきましたし、国民の皆さんの御批判が非常に多かったことを私は十分承知をいたしております。これに対して、私といたしましては、みずからの責任、これまでの責任、それからこれから先の責任をあわせて十分重く考えなければならぬというふうに思っております。
 来年度予算につきましては、与党三党の御支持をいただいて原案どおり国会において可決をされたわけでございます。この国会での可決は、まさに国権の最高機関たる国会での可決でございますから、これを重く受けとめて、しかし私としては、使用に当たって十分厳正にこれまで以上にしっかりと支出あるいは精算についてチェックをすると、心していかなければならないというふうに思っております。
 二〇〇二年以降についての御発言があったという御指摘でございますが、今、言ってみれば二〇〇一年、来年度の予算についての審議がちょうど終わったところでございまして、再来年度の予算につきましてはまだまだこれから予算要求をどういうふうにするかということから考えていかなければならないわけでございます。
 私といたしましては、繰り返しての御答弁で申しわけないわけでございますが、国際情勢がこういう状況の中で、情報収集というものは国益に直結をする、そしてまた国際関係をいかに円滑に進めていくか、あるいはマルチの会議あるいはバイの会議でいかに我々の主張というものを理解していただくためにその準備をするかということなどが極めて重要になっている昨今でございますだけに、この報償費の重要性、必要性というものは減ってきているというふうには私は個人的に思っておりません。
 もちろん厳しい御批判に対して責任を持たなければなりませんが、そうした情報収集を初めとする必要性というものを考えれば、私はぜひ、再来年の予算についてはこれからの検討事項でございますけれども、願わくば報償費についても御理解をいただきたいというふうに思っている次第でございます。
#12
○齋藤勁君 今回の事件、流用問題に関連しまして、在外公館を含めた外交機密費について外務省として調査に着手をする、そして見直しをしていく、こういうことで行動をとられたと思いますが、これは既に終わって私ども国会の方に報告をされているのか、まだ調査中なのか、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(河野洋平君) 議員の御指摘がどれを指しておっしゃっておられるのかよくわかりませんが、私は、今回の予算委員会での御審議その他を踏まえまして、今申し上げましたように、より一層外務省報償費の使用について厳正、厳格に対応しなければならぬと考えておりまして、本省分あるいは在外公館分、双方ともに厳格なチェックが必要だと考えております。
 今、御指摘の在外公館分につきましては、これまでも査察使によります検査を行ってきたわけですが、この検査も実は百を超える在外公館を検査するのには、一年に何カ所かずつやっていくわけですから、何年かかかって、何年に一度しか査察が回ってこないという状況でございました。こうしたことを考えて、私は査察の頻度をもっと上げなければいけない、それから査察に当たっては、抜き打ち的な査察をやる必要がある、それから査察を行う人にも外部の人を起用する、全部そういうことにできるかどうかわかりませんが、少なくとも外部の人の参加も考えなければならぬ、そういう新しい対応の仕方で在外公館のチェックをしようと。
 それから、本省におきますチェックは、これまで決裁の手順というものがございまして、おおむね官房長、時に事務次官ということもございましたが、官房長レベルの最終決裁で使っていた部分があるわけでございますが、それにつきましても、私は総政局長のチェックもさらに必要になってくるだろうと。
 それからもう一つは、報償費の使用について、ことしの報償費の使い方についてはこういう問題を重点的にやるべきだ、あるいはこういう方向を考えるべきだというようなことを、外務大臣としては年度初めに考える必要があるだろうということを言ってきたわけでございます。
 もし議員のお尋ねが、現在行われている調査についてのお尋ねであるとすれば、荒木調査会という、荒木副大臣にお願いをしております調査会がさまざまなこの松尾問題に付随する問題についての調査は現在続行中でございます。
#14
○齋藤勁君 答弁の中で、在外公館の査察の回数ですね、これはもう前にもお答えになっていると思うんです。これは私の知る限り、外務省のいわゆる機能改革会議ですか、民間の方々の、そこで外務省側が明らかにしたということが報じられているんで私も記憶をしておりますけれども。これは、新年度予算通っているんですけれども、回数をふやすということについては当然予算が伴うわけですけれども、これは新年度から査察の倍増をするということは、新年度の予算が通りましたけれども大丈夫なんですか、そのことについては。
#15
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のように予算がもう既に通っておりますが、若干の工夫の余地があるかと思いますけれども、つまり出張旅費の分野でございますから回数に限度はもちろんあると思いますけれども、可能であろうというふうに私ども考えております。
#16
○齋藤勁君 大臣、それは先ほどの外務省機能改革会議で言われた、十年置きだそうですね、今までは。それが五年に一度と。こういうことは予算のやりくりといいましょうか、執行上問題ないということですか。
#17
○国務大臣(河野洋平君) 機能会議が今まだ御審議中でございまして、四月中には御提言をいただけることを私期待しているわけでございます。機能改革会議の御提言をいただければ、その御提言を踏まえてきちんとしたルールをつくりたいというふうに考えておりまして、そのルール作成に当たって今御指摘のような問題をクリアできるかどうか、つまり新年度からできるのか、翌年度からになるかという問題はあろうかと思いますけれども、できるだけ新年度から行えるように努力したいと思います。
#18
○齋藤勁君 内閣官房見えていますね。
 二月八日の衆議院の予算委員会で、福田官房長官が今回の松尾室長のいわゆる流用問題、ここの質疑の中で、捜査の結果、被害の事実が明確になる、そうすれば、当然、返還請求というものを視野に入れなければならない、このように思っていると。返還請求も行っていくんだという大臣の答弁が行われております。
 ところが、これはそうしてほしいという国民の声は当然だと思うんですが、おとといですか、さらに来月初めにも再逮捕、六千万円詐欺容疑ということで、これはまた小渕前総理のときのロシア、マレーシア訪問のときの宿泊費補てん分を水増し請求と、こういうのも明らかになってきているんですけれども。
 これはどういうふうに考えられますか。捜査の結果をすべて待って返還請求をしていくのか、あるいはもう既に検討されているのかどうか、これからまた新たな事実の問題についてどう受けとめておられるのかを含めてお伺いいたします。
#19
○政府参考人(柴田雅人君) まず資産の保全ということでございますけれども、私ども内閣官房としては、その損害の実態を独自に調査により明らかにするということはなかなか難しい面がありますので、捜査による真相の解明に全面的に協力していくというスタンスで臨んでおります。今後その被害の事実が明らかになれば、まず基本的な考え方ですけれども、当然返還請求をするという考え方でございます。
 では、今後、考え方はそうなんだけれども、どうするのかという話でありますけれども、賠償請求を確実にするために今の時点でどんな法的措置が可能なのか、今外務省と法務省と相談しています。できれば、できるだけ早くこういう措置を講じたいというふうに考えております。
 それから、新しい事実が後から出てきたときはどうするんだというところでございますけれども、そこのところは今後の進展によりまして、またさらにどうするかということはつけ加えて考えなきゃいけない問題じゃないかなというふうに思っております。
#20
○齋藤勁君 外務大臣、きょうの読売新聞の一面なんですけれども、この松尾室長の後任の室長が在任中の約一年半の間に水増し請求して、少なくとも五百万円の機密費を不正に引き出していたことが警視庁捜査二課の調べでわかったと。警視庁は事情聴取を終わって詐欺として立件を視野にと、こういう報道であります。後任も機密費を五百万円水増し請求をしていたと。
 この後任の室長は読売新聞社の取材に、「外務省や警視庁にすべて話した。個人的な費用に使ったことはない」と取材の結果報道されているんですが、外務省は、こういうすべて話したということですが、この後任の室長に対してのこういったやりとり、御承知なんですか。
#21
○国務大臣(河野洋平君) 松尾室長にかかわる問題を外務省として調査をいたしましたときに、周辺といいますか関係者といいますか、当然前任者であるとか、後任でございますとか、上司でございますとか、そういう人物からは任意で話を聞いております。したがって、この後任からも話は聞いておる次第でございます。
 私どもが話を聞いている範囲で不正はなかったというふうに認識をしておるわけでございまして、現在、この問題を含めて松尾元室長の問題が捜査当局の捜査にゆだねられているわけでございまして、私どもとしては、この問題についてこれ以上のことを申し上げることは控えさせていただきたいというふうに思っております。
#22
○齋藤勁君 この間、政府の方は、松尾個人の犯罪だということをずっと一貫して言われているんですね。最終的に予算の減額について私どもは提案をしましたけれども、これを否決されて、先ほど来の答弁になっているんですが、基本的に私どもは個人ではない、組織ぐるみだと、多くの組織がここには入っているというふうにこれはもう断定をせざるを得ないというふうに思っております。
 少なくとも今捜査中だということで申し上げられないということですが、後任の室長が、これは今もう立件を視野に警視庁が動いていると、警視庁捜査二課が。少なくとも外務省や警視庁にすべて話をしたということで、こういうことになっているのに、私は、外務省が、さっきの機能何とか会議とかいろいろあるんですけれども、やっぱり自分たちで事実の調査をして明らかにしながら改めていくという姿勢は全く感じられない、すべて司法にゆだねていくと。
   〔委員長退席、理事鈴木正孝君着席〕
 言ってみれば、野党は減額すべき、これは断られ、真相究明は司法だ、改善策は民間にと。国会で減額だといろいろなことを言っても、国会の私たちの声を全く聞かない。これでは国民から一体何なんだと、外務省あるいは国会はと、そういう非難になると思うんですが、外務省としての私は主体性を持った取り組みというのが求められると思うんですが、いかがですか。
#23
○国務大臣(河野洋平君) 私としても大変そこは苦悩したところでございます。
 まず最初に申し上げたいと思いますことは、私は終始一貫、今回の問題は松尾元室長の個人的な犯罪、松尾元室長による、彼の私腹を肥やす、彼自身の私的な消費に公金が使われたと、このことは松尾個人の問題だと思っています。ただし一方で、そうした犯罪といいますか事件といいますか、そういうものを六年にもわたってチェックができなかった外務省の組織というものについて大きな責任があると。この責任は私が一番大きな責任を担わなければならないと思いますが、そうした責任について感じながらも、犯罪自身は松尾元室長個人のものだというのが私の御説明を申し上げてきたところでございます。
 今お話しのように、捜査は捜査当局に、改革案は民間に、じゃ外務省は何をやるんだと、こういう御指摘は実は私にとりましても一番つらい御指摘でございます。これは国会でも、もう繰り返し外務省は組織ぐるみでやっているんじゃないかというお疑いをかけられているわけで、私は決してそうではないということを繰り返し申し上げてまいりましたけれども、外務省は組織ぐるみの疑いが濃いと、こういう御認識で先生方いらっしゃるわけです。
 そういうことを言われながら、それじゃ外務省で改革案を出せば組織ぐるみでやったやつが何だということに必ず次はなってくるだろうと。私は、組織ぐるみではございませんということを申し上げてきたわけですけれども、組織ぐるみだと言われている以上は、組織として改革案を出すよりは、外部の方の御意見を聞いて改革案をつくるということの方がいいのではないかということを最後に思わざるを得なくなったわけでございます。
 ただし、先ほど来申し上げておりますように、在外公館に対しますチェックでございますとかそういったことについては確かに、外部の方々の御意見も私どもは聞きながら最終的な判断はしようと思っておりますものの、我々自身としても、こうしたチェックがやっぱり必要だということを考えていることも一方事実でございまして、議員からそういう御指摘があるのは私にとっては、繰り返しでございますが、大変つらいところでございますが、ここは外部から知恵をいただく。そして捜査も、自分でやれとおっしゃられても、自分でやりますと、身内に甘いとか、できていないとかというおしかりをいただくわけで、これはもう捜査当局に捜査をお願いして、きちっと公正な捜査をしていただくということが一番いいであろうというふうに思ったわけでございます。
 ぜひこの点は御理解をいただきたい。
#24
○齋藤勁君 時間の関係でもうそろそろまとめなきゃならないんですが、いずれにしましても、松尾元室長の再逮捕ということは、新たな流用について捜査の手によって明らかになりつつあるということが一つ。それから、後任の室長も同様に水増し請求をしているということがまた明らかになってきているということ。
 こういう中で、先ほど官邸の方、請求問題もあろうと思います、返還請求もあろうと思います。あるいは改善検討委員会ですか、いろいろあろうと思うんですが、少なくとも、政府の主体的な取り組みが求められますが、やっぱり松尾元室長を外務省、あるいは外務省だけでなく官邸もいろいろ調査をしたのかもわかりませんけれども、不十分であったからこそこういう後から出てきているわけですから、後任の室長の問題が、と言わざるを得ない。
 最後に、この改革会議ですけれども、改革会議の検討の中で、機密性の薄いものは可能な限り報償費の枠外、使途を公開すべきだという意見が非常に強いと。外務省の方は使途の一部公開は減額に直結する内容だから非常に困るということです。しかし、四月末にまとめられるこの機能改革会議のまとめで答申に盛り込まれれば外務省はそれを尊重せざるを得ない、こういう評論も含めて報道されています。言ってみれば使途の公開はすべきだと、この改革会議の検討内容だと思うんですけれども、大臣、この検討会議の答申、これは率直に受けとめたら、そのとおり実施をしていくという決意であるということについてはいかがでしょうか。
#25
○国務大臣(河野洋平君) 不十分だったではないかという御指摘が前段ございましたが、私どもも、五千四百万の横領の疑いが非常に濃いということを申し上げたときにも、これは我々が告発をするために事実関係の一つをつかんだということであって、これがすべてではございませんと。しかし、これから先の捜査は捜査当局にとお願いをしたので、私どもとしてもあれがすべてだと思っていたのではないということは繰り返し御説明をしてきたところでございます。
 後段の公開の問題につきましては、機能改革会議が今盛んに御意見を出してくださっているわけでございまして、私は今、予断を持たずに、予見を持たずに機能会議の結論を待っているという段階でございます。私は、機能会議の結論というものが、提言というものがなされれば、でき得る限りその提言に沿って実行をしたいというふうに思っております。
#26
○齋藤勁君 委員長、もう一つだけ済みません。
#27
○理事(鈴木正孝君) では、最後にしてください。
#28
○齋藤勁君 大臣、この答申は私たちにも明らかにしてくれますね、内容について。
#29
○国務大臣(河野洋平君) もちろん、今は議論からすべて公開ということになっております。
#30
○齋藤勁君 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#31
○益田洋介君 まず、防衛庁長官と外務大臣、お二人の御意見を伺いたいんですが、十九日の日米首脳会談で森総理は、在沖縄米軍の兵力構成を日米間で協議したいと。このことは暗に兵力の削減を提言してこられたものだというふうに私は感じたわけです。
 一方で、米国の内部にもさまざまなこの問題をめぐっての議論がありまして、例えば、最近になってウェッブ元海軍長官が、中国の潜在的脅威に備えるために駐留米軍の削減には反対である、こういう意見を述べている。他方、リチャード・アーミテージ国務副長官は対日政策文書の中で、米軍はグアムなど近隣地域諸国への分散をすべきであると主張している。加えて、ブルッキングス研究所のオハンロン上級研究員は、現在二万人いる米海兵隊については五千人程度でいいはずなんだと言っております。
 さらには、チェイニー副大統領が国防長官だった一九九二年、同副大統領は議会で、沖縄の米海兵隊の目的は日本防衛ではなく沖縄での訓練にあるんだ、そうして見るならば海兵隊を沖縄に駐留させる方が安上がりに済むんだと、訓練を行うに当たって、こういう証言を議会で行っている。
 私は、この際、日本ももっと正面から堂々と沖縄の米兵力、特に海兵隊の削減についてアメリカの新政権に訴えるべきではないかと考えますが、両大臣の御意見はいかがでしょうか。
#32
○国務大臣(斉藤斗志二君) 御指摘のように、先般の日米首脳会談における森総理の発言がございましたように、在沖縄米軍を含め在日米軍の兵力構成等の軍事体制については確かにさまざまな議論があるという御指摘もございますが、一九九六年の日米安保共同宣言に従いまして、国際的な安全保障情勢に起き得る変化に対応して、引き続き米国政府との間で緊密に協議していく考えということが基本にございます。また、私ども防衛庁としても、国際情勢が肯定的に変化していくよう努力してまいりたいというふうに考えております。
 そして、沖縄での海兵隊を初めとする在日米軍でございますが、緊急事態への第一義的な対処を担当するのは海兵隊でございまして、その海兵隊などから構成される在沖縄米軍については、アジア太平洋地域において引き続き不安定要因が存在する中で、その有する高い機動力、即応性を通じ、在日米軍の重要な一翼を担っておりまして、我が国の安全及びこの地域の平和と安定に寄与しているものと私ども認識しているところでございます。
#33
○益田洋介君 外務大臣に答弁願う前に、今の長官の発言の中で、私が引用したチェイニー副大統領の国務長官時代の議会証言についてどのようにお考えでしょうか。このことはチェイニー長官は間違った発言をしたと、そのように長官はお考えですか。
#34
○国務大臣(斉藤斗志二君) 今、御質問をいただいたわけでございますが、米国内におきまして、在日米軍の削減問題につきまして御指摘のような議論が行われていることは承知しております。オハンロン・ブルッキングス研究所の上級研究員並びにウェッブ元海軍長官らのさまざまな議論があるということは承知いたしておりますが、防衛庁としては、個々の議論にコメントすることについては差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
 それで、在沖縄米軍を含め在日米軍の水準や兵力構成については、日本の防衛及びアジア太平洋地域の平和と安定に対する米国のコミットメントを守るためには、ほぼ現状のものが必要であるとされてきたところでございます。また、米軍のプレゼンスがこの地域の安定にとって引き続き不可欠であるということは、先般の日米首脳会談の共同声明においても改めて確認されたところでもございます。
 いずれにしろ、在沖縄米軍を含め在日米軍の兵力構成等の軍事体制については、一九九六年の日米安保共同宣言に従いまして、国際的な安全保障情勢において起き得る変化に対応して、引き続き米国政府との間で緊密に協議していくという考えは変わりはございませんで、また防衛庁としても、国際情勢が肯定的に変化していくよう努力していきたいということでございます。
#35
○益田洋介君 私は、その防衛庁としてコメントを差し控えたいという意見はどうも納得がいかないんですよ。
   〔理事鈴木正孝君退席、委員長着席〕
 チェイニーさんは国防長官だった時代に、九二年、アメリカの議会で証言をしているんですよ、現在は副大統領になっている。そういう方の発言について、これは間違っているというふうにお考えですかというふうに聞いているんです。それだったらお答えできるでしょう。
#36
○国務大臣(河野洋平君) 防衛庁から御答弁申し上げるのが適当であるかもしれませんが、私から一言コメントをさせていただければ、チェイニー発言というのは確かに我々も承知しておりますが、チェイニーさんの御発言は一九九二年の発言でございます。一九九二年の発言を二〇〇一年に照らして、これが合っているか合っていないか、正しいか正しくないかということを防衛庁がコメントすることは、これはなかなか難しいことだろうというふうに思います。
 とりわけ防衛問題、それから兵力構成の問題は国際情勢に照らして考えるべきであって、およそこの十年近くの間に国際情勢がどういうふうに変化しているかという、そういった認識等が議論の下地になければ、いきなりそういう議論をすることはなかなか難しいのではないかというふうに私は外務大臣としては考えます。
#37
○益田洋介君 十年前の話だから通用しないという御発言のようですが、それでは最近のアーミテージ国務副長官の対日政策文書、それからブルッキングス研究所のオハンロン上級研究員の発言あるいは提言、こういうものについてはどういうふうにお考えですか。
#38
○国務大臣(河野洋平君) アーミテージ発言は、我々にとっても相当関心を持って見なければならないものだと思います。とりわけアーミテージさんが今回しかるべきポストにつかれたということもございますから、これについては我々として十分真剣にかつ慎重にこれまでのアーミテージさんのこうした報告については検討をするといいますか、分析をするといいますか、そういう必要があるだろうと思っております。
 しかし、一方で、ああしたポストにおつきになられれば、ただ単に日米関係だけを議論するのではなくて、国際情勢全般についてのバランスその他を見て考えなければならないということにもなるかもしれません。これは今後のアーミテージ発言をさらに注視する必要があるというふうに考えております。
#39
○益田洋介君 あれだけ沖縄県民の方々が米軍のプレゼンス、特に量的な削減について、兵力の削減について提唱されて強く望まれているんですから、アメリカの国家の内部でもこういう議論がある以上、我が国政府としても、もっと正面からきちっとこの兵力削減を特に海兵隊についてはするべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(河野洋平君) 先般の日米首脳会談におきまして、総理からは、先ほど防衛庁長官が御答弁になりましたけれども、それと同時に、沖縄問題について総理は、ブッシュ大統領には沖縄県民の負担への配慮が重要であって県民の気持ちを酌む必要があるんだということを伝えておられます。
 これ以上具体的なことを言われているわけではございませんが、私が一月末にパウエル長官にお目にかかりましたときに、私はパウエル長官に沖縄県議会の決議その他についてはもう少し具体的に、つまり兵力の削減についての決議が行われておりますということも伝えて、こうした沖縄県民の気持ちというものはやはり非常に重要なものだというふうに考えますということを伝えてあります。
 しかし、それと並行してと申しますか、それはそれとして、在沖縄米軍の存在というものは安全保障上の見地から考えればやはり極めて重要でございまして、安全保障上の問題はやはり国際情勢をいかに認識するかということが重要だというふうに考えております。
 そこで、日米首脳会談では、両国首脳が米軍のプレゼンスというものは韓国及び日本において非常に重要であって、このプレゼンスは維持していこうと考えているというふうに述べて合意をしておられるわけでございまして、現時点におきます両国首脳の認識というものは、現在のアメリカのプレゼンスの重要性というものの認識については一致しているということを申し上げておきます。
#41
○益田洋介君 けさ、一部報道されるところによりますと、昨日、警視庁の捜査二課の捜査の結果がプレスにリリースされ、松尾元室長の後任の室長が九九年八月からことし一月末、支援室が閉鎖されるまでの一年半の間に、九九年九月の小渕総理のニュージーランド訪問、ことし一月の森総理のスイス訪問など計十四回の外国訪問でホテル代の支払いなど流用していたと。
 それで、かなり具体的にこれ調べているんですよね。先ほど外務大臣は、外務省の調査委員会がこの後任者に対しても調査をしたんだ、でも何にも出てこなかったと、こうおっしゃっていました。これだけの容疑がつまびらかにされているのにもかかわらず、一体、じゃ調査というのはどういう調査をされたんですか。それから、ほかの方についても調査をされたとおっしゃっていますが、三百人に対してというようなお話だったように記憶しておりますが、これも何にも出なかったと。これはやっぱり何かあるんでしょう。そう考えるのが常識的じゃないですか。
 それからさらに、業務の引き継ぎをこの後任者が受けたときに、首相の外遊時には随行員が首相らと一緒に飲食をする慣習がある、その代金については機密費から捻出する必要がある、こういう趣旨の説明を受けている、引き継ぎが行われている。ということは、これは一般論として、もう外務省の内部にはこういった手法を用いるんだということは知れ渡っていたんですよ。
 どういう調査をしたのか、また、さらに今後も調査をするおつもりはおありなのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
#42
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども齋藤議員に御答弁を申し上げましたが、松尾元室長にかかわる疑念を晴らすために、あるいは疑念を確認するために、外務省としては相当綿密な調査をしたつもりでございます。ただし、これらはいずれも任意によって事情を聞くということでございますが、任意の事情聴取を松尾周辺についてはいたしております。その結果を私は報告を受けておりますけれども、不正な経理処理が行われていたという事実はないというふうに報告を受けております。
 私としても、松尾以外に不正はなかったというふうに考えておりまして、けさの新聞を見て、私は実は事実関係をもっと知りたいとすら私自身思うわけでございまして、私どもの調査では不正はなかったというふうに思っております。現在は捜査当局が捜査をしておられますから、捜査当局のああした、あれは何というんでしょうか、リークというんですか、何というのかよくわかりませんが、ああいう記事ではなくて、捜査当局の正式な御判断というものを伺いたいというふうに思っております。
#43
○益田洋介君 外務省として調査をしたにもかかわらず、こうした容疑者、容疑の対象になるような人物が出てきたと。さらにまた、これから警視庁の捜査二課が捜査を進めるにつれて、また別の人物が容疑者として出てくるかもしれない。そうなったときには、外務大臣、この外務省の調査というのは問題になりますよ。こんなことでよろしいんですか。
#44
○国務大臣(河野洋平君) 私は、まだ後任の人物について容疑者だというふうに断定をできる段階ではないというふうに思っておりますし、繰り返して申し上げておりますが、外務省として捜査をするに当たっては任意の捜査しかできないわけでございますから、そこで、私どもとしては捜査当局にお願いをして、強制力のある捜査当局による捜査にゆだねる以外にないということを考えて告発をしたわけでございます。強制力のある捜査当局が捜査をしても、なおかつ一月二十五日の告発以来今日まで相当長時間の捜査が続いているという状況を見れば、強制力のない我々が捜査をあのまま続けていてどういう状況になっただろうかと、実は私自身も考えざるを得ないわけでございます。
 私としては、少なくとも現状において、捜査当局の一日も早い全容解明のために、外務省としては全力を挙げてこれに協力をするということを申し上げる以外にございません。
#45
○委員長(服部三男雄君) 時間が経過しておりますから、益田委員。
#46
○益田洋介君 では、あと一問だけお願いします。申しわけありません。
 防衛庁長官、けさ、これは報道で私も初めて耳にしたわけですけれども、事務次官通達「秘密保全体制の見直し・強化について」、また「秘密漏えい防止のための取扱い環境の整備等について」といった通達が有料で、ある野党の衆議院議員の元政策秘書から研究会の会員に配布をされていたことがわかった。これはニュースとしては長官、御存じだと思いますが、この点について防衛庁内で調査をして、来週の二日、月曜日の決算委員会のときに御報告願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#47
○国務大臣(斉藤斗志二君) 御指摘をいただきましたので、しっかりと調査をして報告させていただきたいと思います。
#48
○益田洋介君 ありがとうございます。
 終わります。
#49
○吉岡吉典君 法案の内容は極めて簡単なものですので、私はきょうは在外公館の活動のあり方の問題に関連して質問したいと思います。
 在外公館というのは一体何をやっているかということですが、特に報償費、機密費の問題と関連してその情報活動がいろいろ議論になっております。そこで、在外公館が行う情報活動というのは、国内的なあるいは国際的ないろいろな取り決めというか、その基本になるものがあると思います。その点についてまずお伺いします。
#50
○国務大臣(河野洋平君) 外務省設置法は、第四条第七号において、外務省の「所掌事務」として、「国際情勢に関する情報の収集及び分析並びに外国及び国際機関等に関する調査に関すること。」を掲げております。また、その他の所掌事務を遂行する際にも、付随する事務としての関連情報の収集ということも当然あり得ると考えます。同時に、外務省設置法第七条におきまして、「在外公館は、外国において外務省の所掌事務を行う。」と規定されています。
 以上の法令上の根拠に基づきまして、我が国の在外公館は情報収集活動を行う、行い得るというふうに理解をしております。
#51
○吉岡吉典君 同じく外務省設置法第八条は、海外における情報活動にもかかわるわけですが、条約、確立された国際法及び法律に基づいて行うということも規定されておりました。
 それから、私は、情報活動というのには、例えばウィーン条約等で適法な手段でやるということが取り決められていると思いますが、その点は外務省の認識はどうですか。
#52
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。
 情報収集活動の関連の国際的な枠組みについての御質問と考えますけれども、外交関係に関するウィーン条約は、第三条の1の(d)でございますけれども、「接受国における諸事情をすべての適法な手段によつて確認し、かつ、これらについて派遣国の政府に報告すること。」という条文がございます。さらに、領事関係に関するウィーン条約におきまして、「接受国の通商上、経済上、文化上及び科学上の活動の状況及び進展を適法なすべての手段によつて把握し、当該状況及び進展について派遣国の政府に報告し並びに関心を有する者に情報を提供すること。」という定めがございますので、こういった国際的な枠組みのもとで在外公館も活動しているものと理解しております。
#53
○吉岡吉典君 先ほども外務大臣は、情報収集活動は国益に直結するという答弁がありました。私もそういう面を持っていることは事実だと思いますけれども、しかしそのやり方いかんでは国益を損なうような結果にもなりかねない一面を持っているのが情報活動だと思います。そういう点で、今その説明がありました適法な手段でやらなくちゃいかぬということとの関連での情報活動ということになると思います。
 その点で、私は、こういうルールに沿ってやればなぜそれを機密にしなくちゃいかぬかと。何も国内法律、それから相手の法律、国際条約も守ってきちっとやるということなら、あえて秘密にしなきゃいかぬ部分というのも、それは例外的にはあるかもしれませんけれども、それなら大っぴらにしても少しも構わないものじゃないかという気がするんです。
 そこで考えるのは、やっぱり秘密にしなくちゃいかぬような危ない情報活動というのが行われているのかどうなのか。私は、テレビを見たら、渡辺元インドネシア大使が機密費問題に関連して、その名前を明かしたら大変なことになるからできないということを自分の体験を踏まえて極めて具体的におっしゃっていました。
 そうすると、相手の国法を犯すような情報を、もしばれたら相手が大変な事態に陥るような、犯罪にもなるような情報活動がやられていて、やれないのかどうなのか。そういうのは、やはり国益上やらなくちゃいかぬのかどうなのか。私はそういう点を若干疑問に思いまして、この前の委員会で、戦前、外国で盛んに買収活動をやっていると。時間があれば、こんな資料にもいろいろ出ているんですが、それは置きまして、そこら辺は私はどういうものか。
 例えば、最近もアメリカとロシアとの間で外交官の追放合戦もありました。国際関係というのは現状はそういうものなのか、これは将来ともそのままでいくしかないのか、やはり将来はそういうことがないような在外公館の活動をお互いにやるようにすべきかどうか。
 これは私は、在外公館の活動の一つの問題点だと思いますので、大臣、どのようにお考えになるか。
#54
○国務大臣(河野洋平君) 私は、情報というものは同じものでも、いかに早くその情報を手にするかということによって情報の価値は相当違ってくるということがあると思うんです。
 その情報を入手するということについて、その情報自体が漏らされるということについて違法でも何でもない情報であっても、その情報が前の日に入手できるか翌日でなければ入手できないかということは、それはやはりもう情報の価値が相当違ってくる。新聞だって、その日の新聞は新聞ですけれども、翌日になればそれは新聞紙になっちゃうわけですから、いかに情報というものは早く正確に入手するかということもまた大事なんです。
 何も違法な活動をして情報を入手するということでなくても、適法に入手するにしても、だれよりも早く入手できるかどうかということが、やはりその情報の価値を高める場合もあるわけですから、これはいろんなケースがあって、私の知らないような情報の価値というものもきっとあるだろうと思いますけれども、例えて申し上げればそういうこともあると思いますから、違法か適法か、どの情報収集活動が違法でどれが違法でないかということもさることながら、適法にしかもいかに早く入手するかということにどれだけの努力をするかということもまたあるのではないかと思います。
#55
○吉岡吉典君 私は、各国が外交官追放合戦なんというような国際関係でない国際関係というのが確立される、そのために世界各国も努力すべきだと思っております。
 その点は大臣にもお考えいただくことにして、もう一つですが、在外公館の活動の一つとして、やはり日本の国益になるかならないかの境目になる問題の一つとして、例えば日本の国益のためということで買収をやるというような問題点というのは、短期間的に見れば成功したように見えても、長期的に見れば、例えばもし国連安保常任理事国の席を日本は経済力に任せて金でかち取ったんだというふうなことが言われるようになれば、常任理事国になったことはプラスであったように見えても、長期的に見て私は非常なマイナスだと思うわけです。
 例えば、韓国で非常に権威のある「梅泉野録」という本ですが、一九〇五年の保護条約のときに伊藤博文は三百万円持ってきて大買収をやったと。これは韓国人の著書です。当時の著書に書かれております。三百万円というのは幾らかちょっと換算してもらったら、八十四億円だと書いてありますから、八十四億円そのまま現ナマで持っていったかどうか、これはわかりませんが、そういうふうに韓国側から見られている。そういうことがあってはならないと思うんです。
 これはもう時間がありませんから、外務大臣、一見国益のようであって国益を損なうようなことになりかねない。不正はもちろんとんでもないことですけれども、しかし正規の活動でもそういう問題があると思うので、そこらはどういうふうな考え方で在外公館の活動が行われているか、これもお伺いしておきたいんです。
#56
○国務大臣(河野洋平君) この情報収集活動というものは、いろんなケースがあると思うんです。
 こういう言い方は適当でないかもしれませんけれども、政治的でないものに、例えばスポーツの大会の誘致なんというのも、それに取り組むときには、これは可能性があるかないかなんということの情報をどうやって手にするかということもあると思います。あるいはまた、誘致が可能であるならば、どういうことをすることがいいかという情報をまたどうやって手にするかということもあると思うんです。あるいは、今議員がおっしゃったように、国際連合にかかわる問題などということもあるかもしれません。それから、国によっては、かなりそれはもう最初から有料で、そうしたことを売り買いという言葉は適当でないかもわかりませんけれども、金を出せばそういう情報を集めてくれる、そういう仕組みがあるという国も中にはあるわけです。
 ですから、それは一概になかなか言えないことがございますけれども、基本的に言えることは、違法なことをやるということは少なくともやってはいけないというのが建前でございましょう。
#57
○吉岡吉典君 もう一問お願いします。
 今の点も、外務大臣、日本外交が短期的な目先の国益ということから大局的な国益を損なうようなことがない活動をやっていただきたいという私の希望を込めての質問ですので、そのようにお考え願いたいと思います。
 最後に、今問題になりました松尾室長の問題に関連して私は内閣官房の方にお伺いしたいんですが、松尾室長は外務省職員でありましたから、この男がやったことについて外務省がいろいろ責任も感じ、その責任、反省の表明、処分等も行われております。それが十分、不十分は今も論議があったとおりです。
 私は不思議でならないのは、この松尾が使い込んだ、横領した金というのは外務省の機密費ではなくて全部官房の機密費だということを言われている。官房の機密費を官房の目的で貫き得なかった点が私は内閣官房にもある。それはもう外務省の職員がやったことだから、処分も反省も責任も全部外務省どまりでいいと、内閣官房としてはこの問題について全く反省も、処分の必要があるかどうかは別として、外務省ではともかく処分もあったわけですけれども、内閣官房の責任、反省、そういう関係のことを余り聞かないので、そこはどうお考えになっているかということをお伺いしておきたいんですが。
#58
○政府参考人(柴田雅人君) 今回の松尾元室長の事件に関連してでございますけれども、総理の外国訪問、これは内閣官房とそれから外務省がそれぞれ役割分担をして支援をしてきているということでございます。
 では、どういう役割分担かと申しますと、在外公館を持って現地の実情に非常に詳しい外務省において、宿舎の確保とか宿泊費の見積もりとかあるいは現地での支払い、そういうものをやっていただくというシステムとして成り立ってきたものでございます。こういうことを前提に、私ども何をやっていたかといいますと、精算時に添付された宿泊先の領収書などの確認によりチェックを行ってきたということでございますけれども、その時点においては私どもとしてはみずからできることはやっていたという考え方でございます。
 しかしながら、先生おっしゃるように今回のような事件が起きてしまいました。私どもとしては、今回のこの不祥事について捜査が進んで真相が解明された段階で、管理面で反省すべき点、あるいは改善すべき点があるか否か、そういうのを確認して適正に対処すべきものだと、そういうふうに考えております。
#59
○吉岡吉典君 委員長、ちょっと今のに関連して。
 外務省は今の段階で処分まで行われているわけですが、処分が出るか出ないかわかりませんけれども、今のだと、現在の段階では外務省では処分も減給等もいろいろ行われたわけですけれども、内閣官房ではそのようなことを今の時点では考えるほどの事態じゃないということなのか、調査結果いかんによっては処分等も起こり得るということを含めて考えているのかどうなのか、ちょっと具体的にお願いします。
#60
○政府参考人(柴田雅人君) 繰り返しになって大変恐縮ですけれども、その当時、その時点においてはみずからできることはきちっとやっていたというのがまず私どものスタンスでございます。
 しかしながら、今回の事件が起きたわけでございますので、捜査が進んで具体的に真相が解明されてきた、捜査当局の手で解明された段階で、もし管理面で反省すべき点とか改善すべき点があるかどうか、これを確認しまして、そして必要なものについては適正に対処すべきと、こういうことを申し上げた次第でございます。
#61
○吉岡吉典君 それは私の答弁になっていませんね。まあいいです。
 終わります。
#62
○田英夫君 私は、去る二十五日に森総理がプーチン大統領と会われた、この日ロ首脳会談の問題に触れていきたいと思うんですが、この会談で成果といいますか、この段階で総理が会われて、日ロ間での平和条約交渉に向かっての一定の前進があったと考えていいのか。つまり、この会談の成果というのは外務省はどういうふうに見ておられますか。
#63
○国務大臣(河野洋平君) イルクーツクで行われた首脳会談では、私はクラスノヤルスク合意で二〇〇〇年までに合意をしようという約束ができなかった、そのことについての何といいますか、総括とでもいいますか、二〇〇〇年末まで頑張ったけれどもこういうこととこういうことしかできなかったということを総括をする。それから、したがって二〇〇一年からはさらにもう一度気を取り直してこういうことを目指してやるという総括をしたということが成果だと思っております。
 その前進をしたかどうかということではなくて、むしろこれまでの総括がきちんと整理されたということが成果だというふうに思っております。
#64
○田英夫君 一九五六年の日ソ共同宣言が、この日ロ間の平和条約交渉のスタートであるというその内容を確認したということが言われていますが、この意義というのはどういうふうに見ておられますか。
#65
○国務大臣(河野洋平君) 五六年の共同宣言というものが、これまでの間に一時期ソ連側によって非常に否定的に扱われたという時期がございました。その後は、もちろん九〇年代に入りましてそういうことはなくて、むしろ四島問題について議論をしていこうということにはなっていたわけですが、ここで改めてプーチン大統領と森総理との間に五六年を文章に書いて、それに署名するということによって、それまでの間の、経過的にソ連側があの五六年はその意味はもう変わったんだといったような発言をしていた、そういうことが全部整理をされたということがございます。
#66
○田英夫君 一九五六年の日ソ共同宣言というのは、まさに戦後の日ソ、今のロシアとの関係を進めていく上のスタートであった。非常に重要な、しかも国交回復ということをやったスタートですから、しかも当時五一年にサンフランシスコ平和条約でアメリカを中心にしたいわゆる西側陣営と平和条約を結んだと。これに対して、冷戦構造になっていた中でむしろソ連から日本との国交正常化を望んだというそういう中で出てきたんです。
 これは私ごとですけれども、実は日ソ国交正常化の発端になった点にちょっとかかわったことがあります、新聞記者でしたけれども。河野さんの父上も大変重要な役割を果たされたわけですが、ソ連が鳩山内閣が発足した一九五四年の十二月ですか、十二月十日に発足しているんですね。その直後に、共同通信の記者がソ連代表部にたまたま行ったら、ドムニツキーという参事官がいて、今度着任したけれども、発足早々の鳩山内閣の首相に会いたいと。国交のない国の一参事官が首相に会いたいということ自体、外交常識からすると異常ですけれども、しかし、私どもはそれを聞いて、私は共同通信の実は外務省記者クラブ、霞クラブのメンバーだったんですが、我々で相談をして、杉原荒太参議院議員にこういうことをソ連が言ってきているということをいわば取り次いだわけです。
 それが実は発端になって、全く意外なことに、翌年の一月二十五日にドムニツキー氏が音羽の鳩山邸を訪ねて、文書で国交回復の話し合いを始めようという申し入れをしたというのが日ソ国交回復正常化に向かっての発端の話なんですね。
 そういういきさつがありますから、その結果として五六年の日ソ共同宣言になっていく。ここのテンポは物すごく速いですね。それは河野一郎さんを中心にして松本俊一さんが専門家として進められた。
 そういう中で、私が申し上げたいのは、私どもが外務省記者クラブでそのソ連代表部からの話を聞いたときに、共同通信のそのときのキャップの先輩は、即座にこれはデスクに話すのはよそうと。デスクの中には吉田派と親しい人もいるから、それをやればすぐに吉田派が妨害に出るだろうと。ということになってはいけないから、我々だけで対応しようと。それで、杉原さんに直接話をしたんです。
 保守合同したばかりの自由民主党ではあったけれども、それにしてもまさに派閥の間でソ連との国交回復を進めるかどうかという意見が全く違う。しかも、外交担当の重光外務大臣は、この日ソ交渉、国交回復を進めるということから全く除外されていた、こういう異常の中で行われたということがその後、後々まで尾を引いているんじゃないか。
 もちろん、ソ連という国は非常に難しい国で、北方領土という非常に解決しにくいテーマを含んでいるということはあったにしても、日中は国交回復から平和条約まで六年でやっていますが、日ソの場合は今四十五年たちますよ、五六年から。そういう難しさをつくった一つの原因は、日本側の、しかも自由民主党の中の派閥の論理が外交の前進を阻害したんじゃないか。
 もちろん、繰り返して言いますけれども、北方領土の問題というのは非常に難しい問題。しかし、原点に返ろうと今度は確認したわけですが、その原点の五六年の日ソ共同宣言は、歯舞、色丹と国後、択捉を初めて分けて考えているんですね。その原点に返るということは、北方領土問題についてそういうふうに考えると。そうすると、ややもすると反対する人は、それじゃ、日本政府は二島返還でもう済ますつもりなのかと、こういうふうに敵側は、反対派側は言うから、それも確認しなくなると。
 そういう意味で最後に外務大臣に、五六年を確認したということは、歯舞、色丹と国後、択捉は分けて考えますよということを確認したというふうに考えていいんですか。
#67
○国務大臣(河野洋平君) 大変もう今や歴史的な五六年前後の問題についてお話をいただいたわけですけれども、私もうっすらとその当時のことを記憶いたしておりますし、文書ではその後何回も読んでおりますが、五六年の共同宣言は本来ならば平和条約を結ぶために努力をしていた。平和条約を結ぶためには、戦争の終結、賠償問題の解決、そして領土問題の解決と、この三つが一番大きな問題で、戦争の終結はできた、賠償問題も片がついたと。しかしどうしても領土問題の片がつかないということで、平和条約は結べずに共同宣言ということになったわけです。
 それは何かといえば、そこはまさに領土問題、四島問題が合意できなかったために平和条約が結べなかったということになっているわけで、もし二島返還でいいのなら、あそこで平和条約が結べていたんですね。二島返還ではだめだという日本側の主張を貫き通すということがあって、平和条約もしたがって先に延ばして、共同宣言で戦争の終結と賠償問題の解決だけはやる。それ以外にも抑留者の問題などもそこで片をつけたわけですけれども。
 とにかく、領土問題は二島ではだめだという日本側のかたい主張で平和条約を結ばなかったという経緯から考えれば、今回の、五六年に戻った、五六年をスタートラインにして、これからもう一度九三年の共同声明を踏まえてやろうと。つまり、九三年というのは四島の帰属をはっきりさせて平和条約を結ぶということの確認もあるわけで、五六年を確認し、九三年を確認したという、そういうことだと思うんです。
 したがって、五六年をスタート台にして九三年を踏まえてやろうという今回のイルクーツク声明は、二島返還でいいということでは全くないと、我々の主張は四島返還だということを明確にしたというふうに私は思っておりますし、外務大臣として、このことは繰り返しロシア側に、明確に日本の主張は四島返還だということだけは繰り返し言っておりますことを申し上げておきます。
#68
○田英夫君 終わります。
#69
○佐藤道夫君 私は、機密費の問題を取り上げようと思っておりましたけれども、先ほど同僚議員がお尋ねしておりました森総理の、重要な公式行事を欠席してすし屋に行っていたという話、これもまた重要といえば重要ですし、機密費の問題はまた時間のあるときにたっぷりとお伺いすることにいたしまして、きょうは森総理の欠席問題を取り上げたいと思います。
 私、先ほどの問答を聞いておりますと、ノルウェーがそんなに騒いでいないからと、何か大臣のお答え、じゃ余り騒ぎなさんなというふうにも聞こえる。そんな大した問題でもないですよ、外交上の問題にはなりませんよと、そんなことを言っているようにも聞こえるわけであります。
 それから、すし屋で何か若手議員との話の中身がよくわかりませんということをおっしゃっていましたけれども、もし重要な話でもしていたら、それはそれで仕方がない、当然なことだと、こういうふうなことをまた言おうとしておられるのかどうなのか、いずれにしろはっきりいたさない。
 私、この問題はそういうことじゃなくて、政治家のモラル、政治家というよりも人間の生き方の問題、人間の常識、道徳の問題がかかわっていると思うんです。
 わかりやすい例を挙げますけれども、自分の非常にお世話になった人の身内の結婚式がある、ぜひ出てくれ、わかりましたと。主賓的立場で出ることになっていたが、当日何か病気だから欠席しますということなんで、まあ病気なら仕方がないかと、こう思っておりましたら、何と何とすし屋に行って仲間と楽しく酒を飲んでいたと。こういうことを聞いたら、日本人は、あいつは人間じゃない、何なんだと、こういうことを言うでしょう。大変重要な問題、人間の生き方そのものが問われている、こう言ってもいいと思うんです。
 それから、会社や役所で重要な公式行事があって、彼は地位が高いので当然出席して一言二言あいさつもする、そういう立場におったが、やっぱり病気なので行けませんということになって、まあ仕方がないかと思ったら、何と何と料理屋に行って酒を飲んでいたと。一体何なんだと、会社の仕事をどういうふうに考えているんだと、役所の重要な公務というものをこんなにないがしろにしていいんだろうかと、もう本当に全社員から、全公務員からひどい非難を受けることは間違いないと思うんです。
 我々はこうやって公式行事、つまらなくとも一生懸命ここに集い合っていろんな話をしている。これが仕事なんだと皆そう思っているわけです。それをすし屋に行っていると。何なんだと、みんなそう思うでしょう。あいつはもう公務員の資格はない、だれだってそう言うと思いますよ。
 ところが、何か理屈が通れば許されるというふうな、すし屋に行って、腹が減ったから仕方がないと、そう言えばそうかなというふうな議論にもなっていくのかどうなのか。一体議論をする問題なんだろうか、こういうことが。
 子供だって、学校で重要な公式行事がある、ところがその子供はちょっと体調が悪いわといってきょうは休むわといって行かない。ところが、すぐ元気になった、ちょっと遊びに行ってくる、こう言えば、親がしかり飛ばすでしょう。みんなが学校に行ってきちっと行事に参加しているのに、病気が治ったからすぐ遊びに行く、けしからぬと。その時間ぐらいはうちできちっと勉強していなさいと、普通の親なら皆そう言います。こんなことは議論の余地がない。
 ところが子供は、病気が治った以上は行ったっていいじゃないかと、今の子供はすぐそういうへ理屈を言うかもしれませんが、議論するような問題じゃないんであって、親が教えるまでもなく、みんなが学校に行っているうちは病気が治ったからといって遊びに行くことは許されませんよと言うことは、当然といえば当然なんでありまして、こういうことを議論して、へ理屈をつけて、じゃ行かなくてもいいのかと。
 今の子供たちはすぐそういうことを、悪知恵が発達していますから、今の私が言ったようなケースで、じゃおれも、病気だから行けなかったけれども、治ったから遊びに行くよと。親がとめると、うるさい、つべこべ言うな、病気が治って遊びに行って何が悪いと、すぐそういうへ理屈を今の子供たちは言うんですよ。
 このことは大臣も御存じだと思いますけれども、教育者の集まりがありまして、今の子供たちの学校教育に対する意見も聞きましょうということになって、そこに何人か子供たちを呼びまして意見を聞いていたら、中の一人が人殺しはなぜいけないんですかと、こういう質問をしたというんです。そこで、先生方あるいは教育関係者が飛び上がって驚いて、なるほど人殺しはなぜいけないのか、そうだ、徹底して議論しようということで議論したけれども、結論は出ない。
 そこでまた日を改めて、全国の有識者、学者、教育者、新聞記者、そういう人たちを集めて、なぜ人殺しがいけないのか子供たちが真剣な疑問を提起しております、どう答えたらよろしいのか教えてくださいと。学者、先生方もいろいろ考えていろんなことを言ったけれども、ずばり結論は出てこない。本当に難しい問題だということで、それはおしまいになってしまった。
 これは議論する問題なんですか、こんなことは。わかり切った話なので、昔からそんなことは親に教わるまでもなく、人殺しは我々がもう身をもってわかっていることなんですよ。もう何百年も前からお互い協力し合って、助け合って生きてきている。それから、もう自然に相手の立場を考え、相手の命を尊重することは身をもってもう自分たちがわかっていることなんです。改めて議論する問題じゃないんですよ。そんなことを議論しようという今の教育者の方がよっぽどおかしい。
 私、森総理の問題も大変これと似通っていることなんです。どうしても出なきゃいかぬような重要な会議がある、しかし病気である、仕方がない。それならば、その期間はうちにいて静かにして会議の終わるのを待つ。うちにいたら病気が治った、ああそれじゃ遊びに行くかと。そういう問題ではない。こんなことを議論するとか考えるとか、そういう問題でもない。政治家の基本的な問題でもあり、政治家以前の人間の問題でもあると、私はこう思うんですけれども。
 何か外務大臣、大変歯切れがよろしくない。こういう大事なことは政治家のありようが問われている、いや人間の問題だということで、もう少し自民党の中で、大臣さんたちが集まったときに、一体どうなんだろうか、やっぱりこれは総理大臣に反省してもらわねばいかぬ、教育上よろしくないようなことになるかもしらぬということが出てきてもいいんじゃないかという気もいたします。
 日ごろ勇ましいことを言っている自民党の若手議員たちも、こういう問題で集まって、一体何だろうかとお互い議論をして、やっぱり総理に反省してもらいましょうと。教育上よろしくないこともあるしと、いろんなことを議論し合うということも私は大切なことだと思う。それをまた国民は受けとめて、なるほどね、そういうことだねということで国民も考えていく。それが本当の政治というものではないんだろうかと、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(河野洋平君) どうも佐藤先生の御議論は、御経歴とお人柄と話術が私どもにとって大変考え方をややこしくさせることがよくあるんです。
 私は、総理のそのおとといの問題は、別に子供が病気でいて遊びに行ったから母親が怒るだろうとかということとは全く次元の違う、つまり例示としては余り私はいい例示じゃないと思っているわけです。
 それはなぜかといいますと、少なくとも先ほど私が申し上げたように、総理は体調が悪くて、腰痛だったそうですが、腰が痛くて、正装をしてそうした席に出ることは体調上なかなかつらいということで欠席をされたと。しかし、欠席をしたけれども、自民党の議員の中でおれたちの話を少し聞けという呼びかけがあって、これは仲間内ですから、多少行儀の悪い姿勢をしようが格好をしようが、そこは許される。しかし、そこでの話は、私はその話がどういう話だったかわからないので、そこは論評できませんと申し上げたんです。
 そこでの話が経済改革の話であったかもしれないし、行政改革の話であったかもしれないし、あるいは総理の政治姿勢にかかわる問題であったかもしれない。そういう話が、政治家が何人か集まって議論をされるという席に出ているということは、別に病気と偽って学校を休んで遊びに行っちゃったという例とは少し違うのではないかと私は思っているわけです。
 それは、子供ではなくて総理大臣というやはり責任がある立場の人でありますから、もし正式の場に出ようとすれば、きちんとタキシードを着て、ブラックタイで正装をして、そうだらしのない姿勢もとれない、格好もできない、そんな格好をすればかえって御無礼だ、だからそこは休むと。しかし、そうして休もうと思っていたら、他の政治家から政治的な話を聞けと言われて、そしてそこへ出ていって政治的な話を聞いたかもしれない、そこは中身がわかりませんから、政治的な話を聞いたかもしれない。とするならば、それはそれで一つの意味があるのであって、そんなに糾弾をされなければならないようなことではなかったのではないかと。
 そこを余り言い立てる、言い募ることによって、むしろ大した波風がなかったところへ大きな波風を立てる結果になると、そのことがむしろ問題になりはしないかということも気の弱い外務大臣としてはちょっと心配をしたものですから、そこでいろいろと調べてみたりしていたということなんでございます。
#71
○佐藤道夫君 一言だけ。
 政治というのは形が大事なんですね。重要な公式行事が行われている、それに出ることができないというならば、若手議員と集まるのは、官邸で意見を聞くこともできるわけですよ。何ですし屋に行かなきゃいかぬのですか。すし屋で大変重要な話をした、だれも信じませんよ。いいかげんコップ酒を飲んでわあわあ言っていたんだろうと、それぐらいしか思えない。政治の形というのをあなた、しっかり考えてくださいよ。何年政治をやっているんですか。芸者をはべらして大事な話をした、だれも信じないです、そんなことは。これは大事なことですよ。
 以上で終わります。
#72
○委員長(服部三男雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(服部三男雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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