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2001/03/29 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 内閣委員会 第5号
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2001/03/29 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 内閣委員会 第5号

#1
第151回国会 内閣委員会 第5号
平成十三年三月二十九日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     尾辻 秀久君
     円 より子君     久保  亘君
     大森 礼子君     山本  保君
     白浜 一良君     魚住裕一郎君
     大沢 辰美君     筆坂 秀世君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     海老原義彦君
     久保  亘君     円 より子君
     魚住裕一郎君     白浜 一良君
     山本  保君     大森 礼子君
     筆坂 秀世君     大沢 辰美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江本 孟紀君
    理 事
                仲道 俊哉君
                森田 次夫君
                小宮山洋子君
                簗瀬  進君
    委 員
                上野 公成君
                海老原義彦君
                鹿熊 安正君
                中原  爽君
                円 より子君
                大森 礼子君
                白浜 一良君
                大沢 辰美君
                照屋 寛徳君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    伊吹 文明君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    麻生 太郎君
       国務大臣
       (科学技術政策
       担当大臣)    笹川  堯君
       国務大臣     橋本龍太郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  安倍 晋三君
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   坂井 隆憲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       加藤 利男君
       宮内庁長官官房
       審議官      折笠竹千代君
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房及び内閣府の基本方針に関する件)
 (警察行政及び危機管理の基本方針に関する件
 )
 (行政改革の基本方針に関する件)
 (経済財政政策及び情報通信技術政策の基本方
 針に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(江本孟紀君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣参事官加藤利男君、宮内庁長官官房審議官折笠竹千代君、警察庁長官官房長石川重明君及び外務大臣官房長飯村豊君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(江本孟紀君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、前回に引き続き、国務大臣の所信に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○大沢辰美君 おはようございます。日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、国家公安委員会委員任命の件について、まず最初にお尋ねしたいと思います。
 また、最近奈良県警察の不祥事件が発生しました。近年の警察不祥事件の続発を受けて警察改革は国民的な要求となって、国家公安委員会制度の改革はそのかなめとなる課題となっています。国家公安委員会委員は内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するとなっています。さきの安崎暁氏の任命では、同意案件の審査のために内閣委員会に私たちは付託をして安崎暁氏に参考人として来ていただいて、国家公安委員会委員就任の適否を判断するための質疑を行うよう要請を求めました。他の野党も同じような希望はありましたけれども、実現しませんでした。これは院の運営の問題でありますけれども、引き続きその実現に努力をしていきたいと思います。
 きょうは、その前段の、内閣が委員を選考する段階でのことについて対応を要請したいと思うんです。
 第一点は、昨年七月に内閣総理大臣に提出された警察刷新会議の警察刷新に関する緊急提言でも、「公安委員会の審議機能の充実のためには、公安委員をより幅広い分野から選任することとし、高い識見に基づいて警察行政の在り方に深くかかわり、国民の視点に立った提言を行うことが必要である。」と言っています。公安委員会の活性化は今日でも内閣の重要課題ではないでしょうか。しかし、このたび内閣から提案されました安崎氏の場合は、警察行政のあり方に深くかかわり、国民の視点に立って提言を行うための高い見識と意欲、意志があると判断できる材料はありませんでした。
 今回提案されました安崎暁氏は、特に緊急課題となっているこの警察不祥事件に対してどのような取り組みをされるのかとか、断固とした姿勢も、もちろん警察行政に関する問題意識や所見も全く明らかにされておりませんでした。明らかにされましたのは、こういう形で国家公安委員会委員という写真入りのいわゆる経歴書だけだったわけですよね。(資料を示す)ですから、これではやっぱり私たちは審査することはできませんでした。本当に国家公安委員会委員の任命に当たっては、その候補者の私は警察行政に臨む所見を両院に知らせる必要があると思います。これが第一点ですね。
 二点目は、安崎氏が常勤の委員としてその職務に専念することが可能かどうかという問題がありました。
 国家公安委員会委員は現行法でも常勤者として扱われています。最近は、委員の皆さんは週のほとんどは出勤し執務していると聞いています。安崎暁氏の場合、二十社の海外生産拠点を持ついわゆる小松製作所代表取締役社長の職にあり、海外出張も相当数の日数に上っていることは警察庁も認めていました。小松製作所代表取締役社長の任務との競合をどうするのか。警察庁は公安委員の任務を第一、優先にしてもらう、海外出張は控えることになっていると説明しているが、これをどう保障されるのか。同意を行う私たち国会議員には何らの説明も示されませんでした。この点の改善も要請したいと思います。
 念のために申し上げますが、私たちは安崎氏が経済人であるとか、その経営のあり方や経営理念が我が党の立場や主張と異なるから国家公安委員会委員に不適だと言っているのではありません。そのことははっきりと申し上げます。その職務にふさわしい意欲や条件を持っているかどうかということなんです。条件の中には、時間的条件が重要であると。当然だと思いますが、この二点について質問したいと思います。
#6
○国務大臣(伊吹文明君) 昨日も各党から同様のお尋ねがございまして私がお答えいたしましたので、お許しをいただきたいと思います。
 まず、先生がおっしゃいました、先生の党のお立場を離れて、公安委員のあり方についての御質問だということを私はよく理解した上で申し上げたいと思います。
 前任の那須委員が二期お務めになりまして御退任の予定になりましたので、実質的な選考というか、その過程に私が携わりました。私は、かねがね、警察刷新の立場からも国民の常識が警察の常識であってもらいたいということを言っておりますので、公安委員会は警察を管理する立場から多様な人材、多様な分野からの人たちを採用するのがいいと思います。
 現在は、言論界、それから法曹界、司法、弁護士さん、それから学界、これは女性の方ですが、それから官界、これは外交官の方です。それから、那須さんが経済界ということでございましたので、私から幾つかの経済団体の方に御推薦をお願いいたしました。それで、はっきりと物をおっしゃる方、御遠慮なく批判をしていただけるような方で、できるだけお若い方をお願いしたいということを私から申し上げて、何人かの候補者の方をいただきました。その中で私ども国家公安委員会の中でいろいろ考えた結果、安崎氏について国会の同意を求めたわけでございます。
 その際には、これは安崎氏の将来の人事のこともございますけれども、現在は社長でございますが、いずれしかるべきお立場におなりになるんではないかと私は推測いたしておりますけれども、今まで国家公安委員会を一度もお休みになったことはございません。そして、海外出張されたことは確かに二度ございます。しかし、それは極めて短期間のものでございまして、国家公安委員会へお見えになって事務局から警察行政その他についての意見、情報等を精力的に聴取をしていただいております。
 専門的知識があるというのは一面では先生おっしゃるとおり非常に私は大切なことだと思いますが、同時に、警察行政について専門的な知識を持ち過ぎているということは国民の常識を必ずしも私は代弁することにならないという面もあると思います。
#7
○大沢辰美君 要請に対しての改善を。
#8
○国務大臣(伊吹文明君) そういう前提で今職についていただいております。ですから、必ずきちっと公安委員会の職務に専念していただけるということを確認してございますし、それから、その他先生が御要請になったような書類をつけるかどうかということについては、これは立法府の御要請があれば、私ども行政府としては、御承認を受けるために必要なことがあるのならばそれに対応させていただきますが、それは私がお答えすることではなくて、議院運営委員会でお決めになることだと思います。
#9
○大沢辰美君 議院運営委員会で決めることは、私たちはやりましょうとこれから要請していきたい。だけれども、皆さんに、内閣府としてやはりこういう内容を明らかにするような資料を提案していただきたいという改善を求めたわけですから、要請があればということですから私たちも要請いたしますけれども、要請がなくても、私たちは賛否しないといけないわけですから、それだけの資料をやはり提案していただきたいということをお願いして私は次の質問に、終わりたいと思います。
 次に、外務省松尾元室長の内閣官房機密費横領詐欺事件の問題について質問をいたします。
 元室長は、総理外国訪問時の随行員の人数や宿泊回数の水増し、宿泊単価の水増しで巨額の機密費を流用していたというものです。問題は、なぜこんな手口が長年まかり通っていたのか。国民の税金を食い物にしたずさんな体制と、それに群がった官僚たちの実態を明らかにしてほしい。こういうふうな世論、そして社説も、この三月の初めでしたけれども、私の地元の神戸新聞も報道していました。他の新聞も報道していました。これは、やはり機密費の使途をめぐる全容解明とともに国民の世論であると思うんです。なぜこんな不正が起きたのか、なぜ多額の横領が可能だったのか。ここを解明しないと私は再発防止といっても絵にかいたもちになります。きょうはここを中心に質問をしたいと思います。
 福田長官は、松尾元室長に支払ったホテルの宿泊代の差額の精算額が九億六千五百万円であること、これだけしか明らかにしていません。総理の外遊にはさまざまの費用がかかる。総理外遊の支援のためには、松尾元室長の在任中、内閣官房報償費から松尾元室長に一体幾ら渡したのか、宿泊差額分以外に報償費から出たものがあるのかないのか、そしてその精算はどうなったのか、まずお聞きしたいと思います。
#10
○国務大臣(福田康夫君) 今回の事件でもって犯罪対象とされるものは、これは宿泊費の差額九億六千五百万円、こういうことでございます。委員お尋ねの、ほかのと、こういうことでございますけれども、これは九億六千五百万は犯罪対象になったということで申し上げたわけでございまして、本来、報償費の使途につきましてはこれは明らかにしないということになっておりますので、その他のことにつきましては御容赦願いたいと思います。
#11
○大沢辰美君 横領で訴えた人物に国民の税金から幾ら渡したのかというのは言えないと。そんなことはいつまでも許されるのかということを、私は本当に国民に対して説明もつかないし、愚弄するものだと思うんですよね。だから、常識では本当に考えられない、こういうふうに私は指摘したいと思います。
 官房長官、松尾元室長の横領の手口は、これまで官房長官等の説明で明らかになっているところでは、ホテル代の差額、それを水増し請求していた、架空請求していた、それで莫大な差額を横領するという手口でありました。水増し請求、架空請求、これは松尾元室長の精算額とホテルの領収書を突き合わせれば私はすぐに判明することだと思うんです。こんなチェックはどこの企業でもやっているし、監査や検査という場合、初歩中の初歩だと思うんです。
 松尾元室長在任中は、四十六回の総理外遊があって、そのうち四十五回に松尾氏は同行したと言われていますが、その都度、見積書が提出されて報償費が支払われ精算されていたはずですけれども、内閣官房ではこの中身をだれがチェックをしていたのですか、それとも一切チェックしていなかったのですか。
#12
○国務大臣(福田康夫君) 宿泊費差額の支出に当たりましては、外務省から内閣官房の担当窓口に宿泊費についての見積書が届けられ、官房長官がこの見積書について首席内閣参事官から説明を受け、官房長官の指示のもとに見積書に基づく積算、照合等の実務的な処理について補助させていたものであります。
#13
○大沢辰美君 訪問先のホテル代の水準がわかる在外公館資料、それから随行員の一覧を宿泊費差額一覧表と照らし合わせてみたら、その段階で私は不正は一目瞭然だったと思うんですよね。だけれどもそれは言えないと言われるわけですが、官邸には精算の際にどんな資料を提出されていたのか。
 外務省の調査報告書でも、総理の外国訪問が決まると在外公館に所要経費の水準を報告させると明記していますね。在外公館資料、随行員の一覧表、宿泊費差額一覧は提出されていたんですかいなかったのですか。提出されていても発見されていなかったんですか。チェックしたが発見できなかったんですか。チェックそのものもなかったでしょうか。
#14
○国務大臣(福田康夫君) 宿泊費差額につきましては外務省から提出された見積書をもとに支出されておりまして、経費の精算につきましては、外務省から内閣官房の担当窓口に領収書を添えて精算書が届けられ、見積書、精算書、領収書を照合して確認を行っておりました。
 なお、この領収書は、内閣官房職員の宿泊費についてはホテルの領収書、外務省等の職員の宿泊費差額については外務省要人外国訪問支援室長名の領収書でございます。今言われた随行員の一覧、これは見積書に記載をされております。
#15
○大沢辰美君 だから、そういう点では一定の資料が整って来ていたわけですね。だけれども、不正があったということは中身のチェックはできていないということになるではありませんか。結局、最小限のことがされていなかったということを私は指摘しているわけです。長期にわたって行われた不正を全く発見できなかった、国民の血税を私的に流用するという重大な事態を長期にわたって見逃してしまった。
 内閣官房では、見積もりと実費をチェックするという初歩的な責任をだれが負っていたんですか。だれも果たすべき責任を果たしていなかったのではないですか。それとも、松尾元室長に渡されたお金は、それが適正に支出されたかどうかまでチェックする責任や義務はだれも負っていなかったんでしょうか。
#16
○国務大臣(福田康夫君) 繰り返しますけれども、宿泊費差額につきましては外務省が作成した見積書に従って支出をしておりまして、精算についてはこの見積書と外務省から提出された精算書、領収書によって確認を行っていました。
 そういう書類は一応整っていたんですよ。ですから、その書類の真贋についてこれをチェックできなかったということにおいてはその問題はあるわけです。しかし、これはもともと外務省とそれから内閣官房の役割分担ということでございまして、外務省のいろいろな現地情報等々を含めまして、費用の見積もりも含めまして外務省に依存しておったということなんですね。そういう書類が矛盾なく届けばそれを信用する、これはしようがないんじゃないかなというようにも思えるわけです。ただ、公金を、公の金をそういうふうな形で詐取されたという原因になったということの責任は感じております。
 宿泊費差額の支出は、先ほども申しました外務省から内閣官房の担当窓口に宿泊費についての見積書が届けられ、官房長官がこの見積書について首席内閣参事官から説明を受けて官房長官の指示でもって積算、照合などの実務を処理していた、こういうことですね。そういうことを補助させていた、こういうことになります。
#17
○大沢辰美君 書類はすべて整っていた、精算もした、だからこの結果起こってもしようがないという、本当に無責任な態度の答弁が今までも繰り返されているわけですけれども……
#18
○国務大臣(福田康夫君) しようがないじゃない。
#19
○大沢辰美君 しようがないと今言われたじゃないですか。私は……
#20
○国務大臣(福田康夫君) 責任があると言っているんです。
#21
○大沢辰美君 責任はあると言われましたけれども、こういう事態になってしまったことは……
#22
○国務大臣(福田康夫君) 結果としては。
#23
○大沢辰美君 しようがないと。
 私は、官房長官が二月十六日に衆議院予算委員会で、元室長が行った経理面での支援については、外務省として責任を持ってチェックすべきであったと思いますという答弁をしておりますね。今も外務省に依存していたということをおっしゃったわけですけれども、これだったらやっぱり内閣官房としてのお金の出入りはチェックはしていなかったと、あとは外務省に依存していたということになるわけですね。
 そこで、私はこんなことが許されるのかと思うんですが、外務省にお尋ねしたいと思うんですが、外務省の調査報告では内閣官房から幾らのお金が元室長に渡されたのかつかめないと言っていますね。これが事実だとしたらとんでもないことであり、外務省は組織を名乗る資格が問われることになると思うんです。
 どんな組織でも、その業務にかかわる資金の流れは把握して、記録をして、外務省官房総務課として元室長に預けられた報償費の、お金の歳入歳出ですね、そのお金の記録は残っていなければならないと思うが、それはどうなのか。また、支援室が総理の外国訪問で扱った全体の資金の歳入歳出金の記録はどうなっているのか、まずお尋ねします。
#24
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。
 松尾元室長は、総理の外国訪問に際しての宿泊費につきましては、その見積もりの作成から支払い、精算までの事務を上司の了解を得ず一人で取りまとめておりました。要人外国訪問支援室を含めて、外務省にはこれら関係書類の写しは一切残されておりません。なぜこういうような事態が起きたかということでございますが、これは外務省のまさにチェック体制の不備によるところであり、まことに残念なことであるというふうに考えております。
 委員御質問の第二点でございますが、外務省の予算そのものにつきましては、例えば外務省として必要となる経費、例えば宿泊費の規定額だとか航空運賃を初めとする旅費だとか、あるいは現地においてロジセンターをつくる経費だとか、あるいは現地職員の超過勤務手当とか、いろいろ外務省として必要となる経費がございますけれども、これはそれぞれの訪問地の主管の部局の予算に計上されておりまして、要人外国訪問支援室の予算としては計上されていないわけでございますが、ここはきちっと外務省の会計上の手続にのっとって処理をしているところでございます。
#25
○大沢辰美君 内閣からお金が室長に預けられているにもかかわらず、その室としてのお金の出し入れは記録としてないと。私は、外務省の重要な組織だと思うんですよね。だから、その任務がやっぱり私は果たせていなかったということも一つの大きな原因だと思うんです。だから、この不正経理を把握できたかできなかったかというその以前の問題として、外務省に預けられたお金をどのように管理したのかが問われていると思うんです。
 なぜ支援室が置かれている官房総務課で収支、記録しなかったのか、また課として把握する責任があったのではないかと、ある部下が不正をしようとしまいとその組織として私は本来やるべきことをやっていなかったのではないかと、この点を聞いているわけですけれども、ちょっと時間の関係で引き続きもう一点聞きたいと思います。
 今、松尾一人、個人がやったということを言われたわけですが、私は、結果として、やはり管理体制に問題があったということの反省では不十分だと思うんです。国民の納得など得られないということを強く申しておきたいと思います。元室長にすべて任せておけというような公然とした指示や暗黙の了解があったのではないかと思えて仕方がないんですね。ここまで調査をしなかったら再発防止は成り立たない。
 要人外国訪問支援室とは私は外務省の正規の機構だと思いますね。要人外国訪問支援とは外務省の正式の業務でありますよね。だから、その正式の業務にかかわる資金の経理だけは外務省の正式の仕事ではないような私は非常識なことがあってはならないと思います。その点について、本当に億単位の金を動かしている部下の仕事を上司が把握していないのはおかしいと、もう一度指摘をしたいと思います。
#26
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。
 まことに遺憾なことでございますけれども、松尾元室長が御指摘のような形に経費の支出を扱うに当たりまして上司の了解を得ておらず、外務省としてだれもチェックする体制になかったのは事実でございます。
 こうした体制の不備が生じました背景としては、同室長に対する指揮系統の不明確さというものがあったのではないかと反省をしております。すなわち、平成二年にこの室は新設されておりますけれども、組織構成上は官房総務課のもとに置かれておりましたけれども、実際のそれぞれの総理の御訪問の支援業務を遂行するに際しましてはその訪問を主管する部局課との緊密な連携のもとに動いているということでございまして、指揮系統が官房総務課長のもとに統一されているという認識が薄かったのではないかという組織論上の問題があるというふうに感じております。
 そういうことで、こういった外務省の組織としての問題を今後どういった形で改革していくかというのは機能改革会議の御議論をもお待ちしたいというふうに思っておりますが、当面、とりあえずこの要人訪問支援室は廃止いたしまして、官房総務課長の直接の指揮のもとに指揮命令系統をはっきりさせて総理の御訪問を処理する体制で臨みたいというふうに考えておりまして、先般の森総理のイルクーツク訪問、それからワシントン訪問についてもそのような体制で臨んだ次第でございます。
#27
○大沢辰美君 犯罪は確かに松尾ですけれども、外務省の組織そのものが機能していない仕組み、外務省の責任はやっぱり果たせていなかったと、私は組織ぐるみで不正を発生させたと言っても言い過ぎでないということをもう一度強く指摘をしたいと思います。
 ところで、一月二十五日の調査報告書では、「通常、総理訪問が決定されると、訪問予定地を所轄する在外公館に対し、所要経費の水準を報告するよう訓令が発出され、これに対する回答に基づいて、主管課が総理府に経費要求を行う他、宿泊費等一部の経費については、松尾前室長が、自ら所要経費見積りを作成して、総理官邸に対して提出していた。」と記しています。これは間違いないですね。
 これは現状の報告でありますけれども、今回の不正事件の出発点とも言える元室長が官邸から宿泊差額を報償費から預かるようになったいきさつについては、これではわからないんですよね。それまではこの差額はだれが受け取り、どのように処理し、経理をしていたのか。いつ、どのような経緯で元室長が受け取るようになったのか。私は考えてみたら、ある日突然、松尾さんが突然官邸に行って、松尾室長があらわれて、宿泊費差額を下さいと言ったって、そんなこと、渡すことはあり得ないですよね。
 だから、外務省と官邸でどのような協議のやりとりがあって、松尾元室長が、外務省の主管課のように、総理府、現内閣府ですが、会計課ではなく官邸に直接行って報償費をもらうようになったのか、まず聞きたいと思います。
#28
○政府参考人(飯村豊君) どの時点からということでございますか。どのような形でと……
#29
○大沢辰美君 そうですね、特別な関係でね。
#30
○政府参考人(飯村豊君) はい。松尾元室長、平成五年に室長に就任しておりますけれども、それ以降こういった形での経費の処理ということが行われているというふうに私ども承知しておりますけれども、その時点でそれでは室長が上司の了承を得て、外務省の組織としての了承を得てそういうことを行うようになったかということにつきましては、了承を得たという形跡はございません。それ以前は、外務省の各地域課なりあるいは別の、総理の御訪問の課、部局が、こういった通常の外務省分の予算以外に官邸からお預かりしている宿泊費の差額についても預かっていたものというふうに承知しております。
#31
○大沢辰美君 官房長官、松尾元室長と官邸との現金授受の始まりについて官邸はどう把握していますか。
#32
○国務大臣(福田康夫君) 当時の担当者に確認したりまた記録を探したりしたんですけれども、そういうことがいつなされたかということ、これは確認ができませんでした。
 そもそもこれは外務省の組織の問題でございまして、外務省の責任と判断のもとで行われておるというように考えております。
#33
○大沢辰美君 内閣としては確認できなかった、それで外務省の中でやられていると思った、外務省はそのことが、特別な協議はあり得なかったと。こういう形で、公金横領を犯す前提である松尾元室長と官邸との関係がいつどのような経緯でできたのか、これもわからないと。調べていない、確認できなかった、これでは国民の理解を得ることは、また再発防止を図るということも言われても何ら国民に対しての説得力はないと思うんです。
 この間ずっと審議、そして答弁をお聞きしていましたら、内閣官房は外務省に任せていると、外務省は組織的な内容でチェックできなかったという、本当に外務省も内閣府もそういう組織的な初歩の初歩、そのことがやられていなかったという、私は本当に組織ぐるみだと言われても仕方がないということを再度指摘をしたいと思うんです。
 そこで、内閣府は外務省の方に全面的に委任していたと、そうしたら私たちは国民は、このことを検査するチェックというのは会計検査院しか最後ないわけですけれども、この点について質問をいたします。
 内閣府に最初にお聞きしたいと思うんですが、内閣官房長官が扱う報償費について、会計検査院にはどのような書類が提出されているのか、まず説明をお願いいたします。
 外務省、飯村さん、何か御用件があるようですから。
#34
○説明員(石野秀世君) 報償費に関しまして証拠書類として検査院に提出されているものは、支出の内容を明らかにした支出決議書、それから取扱責任者の領収証書、並びに役務提供者等の領収証書にかえて提出される取扱責任者の支払い明細書がございます。
#35
○大沢辰美君 内容について説明がなかったわけですが、私の方からさせていただきたいと思います。皆さんのところに資料をお配りさせていただいておりますが、一つは支出負担行為決議書ですね。それから支出決定決議書、そして取扱責任者の請求書が内閣官房長官のお名前で、そして取扱責任者からの領収証書もこれも内閣官房長官の名前で出されるわけです。
 この支出負担行為決議書にしても、そして支出決定決議書にいたしましても、報償費という、項、目の目には書かれているわけですけれども、使い道というのは全くわからないわけですから、内容についてはほとんど、ほとんどじゃない絶対にわからないということになっているわけですね。この領収書というのはあくまでも官房長官の領収書です。その点も確認をしておきたいと思うんですが。
 ですから、このホテルの差額だとかまたその経費の全額、そういう金額も確かめようと思ってもこれではわからないわけですね。いわゆるその支出の金額はわかる、全体はわかるけれども、この書面では一切その使い道というのはわからないということですね。もう一度、会計検査院。
#36
○説明員(石野秀世君) 計算証明書類として提出されてきておるものは先ほど申し上げたものでございます。役務提供者等の領収証書等につきましては、その取扱責任者において手元保管を認めているということでございますので、その取扱責任者のところにおきます支払いの状況というものは、実地検査等において説明を受けるなりしてその支払いの中身を見ているということでございます。
#37
○大沢辰美君 そうしたら、この検査の提出の書類は、書面検査して出しているけれども、内容については内閣官房に領収書、いわゆる細かい領収書は保管されているということですね。
#38
○説明員(石野秀世君) 役務提供者等の領収証書等につきましては、取扱責任者の手元の保管をしておるということを認めておるということでございます。
#39
○大沢辰美君 会計検査院が発行した「会計検査のあらまし」というのがありますが、それによると、検査の観点として挙げているのが四点の最初に正確性というのがありますね。そこでは、収入支出の実績がありのまま決算に計上表示されているかということを検査することになっています。
 一九九九年の決算書を見てみますと、内閣官房報償費の歳出予算額は十五億一千八百九十五万四千円です。支出済みの歳出額、十五億一千八百九十五万七百二十一円となっています。そうすると、決算書に表示された十五億一千八百九十五万七百二十一円がありのままの決算に計上されているかどうか、個々の支出の内訳が決算書に合致するかどうか、会計検査院は何の書類を検査して確認しているのですか、お聞きします。
#40
○説明員(石野秀世君) 今は会計検査におきまする観点のうち正確性についてのお尋ねだと思います。
 報償費につきましても他の経費と同様でございまして、支出計算書等に表示されている数値につきまして、その内訳となっている個別の支出がそれぞれ支出決議書あるいは領収書といった証拠書類に基づいているかということを確認します。それをさらに、その支出計算書から個別の支出がさらに決算という形で正確に表示されているかということを確認するということで対処してきております。
#41
○大沢辰美君 よくわからないんですよ、中身が。
 だから、あなたたちは、領収書は、細かい領収書ですね、そんな資料、それは手元保管ですから内閣にあると。だけど、会計検査院には内閣官房報償費の使途がわかる書類が保管されているんですね、それがわかるということは。
#42
○説明員(石野秀世君) ただいまのお尋ねは決算の数字の正確性ということについてのお尋ねだというふうに思いましたので、先ほどの支出決定決議書でありますが、そこに載っかっておる金額、そういったものが積み上がりまして決算という形になろうかと思います。したがいまして、そこのところは、その支出決議書の数字の積み上げというものを行いまして、その決算数字と合っているかどうかということを確認しているということで申し上げたところでございます。
 内容につきましては、先ほどの実地検査ということでその内容の適否を判断するということで対処してきているということでございます。
#43
○大沢辰美君 つまり、内閣官房報償費は、書面検査では、その全額が、収入支出の実績、内容、ありのまま決算に計上表示されているかどうかまでは検査していないということなんですね。
#44
○説明員(石野秀世君) 決算書の数字ということでございますと、報償費として支出されたものがどれだけあるかということを先ほどの支出決議書等で確認をしておるということでございまして、その先の内容については先ほど来申し上げていますように実地検査等で十分見ていくということで対処してきているということでございます。
#45
○大沢辰美君 何回聞いてもその内容が明らかにならないわけですけれども、つまり、決算は照合できるけれども内容は検査していないと、できないということが言えるわけですね。
 松尾元室長に渡された報償費は宿泊差額分として渡したと、正規の旅費分は領収書がそろっておって、ここからの横領はあり得ないのでこの宿泊差額から横領されたと官房長官はずっと説明をしています。
 会計検査院の計算証明規則第二十条で、支出計算書の提出、これは資料の最後のページに載っていますけれども、求めて、二十一条で支出計算書の証拠書類を定めています。領収証書、支出の内容を明らかにした決議書の類また請求書、契約書などが列記してありますね。松尾元室長が報償費の支出に関して取り扱った領収書の書類はこの二十一条で定めた証拠書類に該当しますか。
#46
○説明員(石野秀世君) 本件自体につきましては、現在検査しているというところでございますが、一般論として申し上げますと、今お話しのとおり、取扱責任者の手元に保管されておりまする役務提供者等の領収証書は、今お話しの計算証明規則第二十一条に言います証拠書類に当たるというふうに考えております。
#47
○大沢辰美君 その書類を見ましたか。
#48
○説明員(石野秀世君) 実地検査におきましては、必要と認められる書類というものの提示は受けて検査をしてまいってきておるところでございます。
 ただ、本件自体につきまして、どういう書類の提示を受けていたのか、あるいは説明を受けていたのか、あるいはいなかったのかということにつきましては現在の検査の中で検査中ということでございまして、その中で明らかにしていきたいというふうに思っております。
#49
○大沢辰美君 私は、本当に国民は、会計検査院がしっかりとチェックをしてくれる、こういう不正は摘発してくれる、今後もうあり得ないというようなことが期待されていると思うんですね。
 その期待にこたえるのが会計検査院の任務であるし役割だと思うんですが、もう時間がありませんので、最後この問題について、この資料の最後のページに載せていますけれども、九九年九月の答弁ですけれども、会計検査院は九九年の以前ですね、当初は、「こうした方面にほぼ使われたのだろうという、」、この機密費というのは「いわゆる心証で、もうそれ以上は機密に属することで、検査をする必要もなかろうという考えで」、こういう状況が一九六〇年ごろは答弁に入っているわけですね。でも、九九年になりましたら、「支出目的等について適正に使用されたかという心証が得られるまで検査をしているところでございます。」と、こういうふうに言っていますね。「十分な厳正な検査ができておると考えております。」という答弁しています。また、ちょっと逆になります、時代が戻りますが、一九八二年の宮澤現財務相の、大臣の答弁では、いろんなことがあっても、「会計検査院の検査を受けております。」というのが逃げ道だったわけですね。
 だから、こういう形で、会計検査院をめぐる答弁の変化いろいろとあるわけですけれども、やはり会計検査院がきちっとこの問題についても把握して、徹底した調査で全容を解明して国民の前に明らかにすることが今求められていると考えます。
 本当に、この問題の審議がずっと続けられたわけですけれども、やはり国民の皆さんはわからないというのが現状なんです。本当にこのことが私は、国民に対して、期待が持てるように、政治の浄化、今の内閣そして外務省、検査院のあり方、内閣官房機密費の使途について外務省からの上納問題もありました。そして、機密費が政略的に党略的に使われている実態も明らかにされました。しかし、政府は、そのような政略的、党略的な使われ方に対しても、また報償費の使用目的に反すということも認めもしませんでした。今後、この全容の解明と不正使用の全額を国民に明らかにすること、その内容を明らかにしてこそ再発防止のための対策を講じることができると考えます。
 最後に、一言、官房長官。
#50
○国務大臣(福田康夫君) 報償費の性格でもって使途を説明できないということがこれは一番の問題点であり、また私どもにとりましても問題点なんです。これを公開することが、内政、外交の円滑な推進に支障を来すということがあってはいけないわけでございますので、その点に配慮しながら私どもその厳正なる使用に心がけているというそういうことでございますので、ひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。
#51
○仲道俊哉君 自由民主党の仲道であります。まず、麻生経済財政担当大臣にお伺いいたしたいと思います。
 一問目は、財政構造改革のシナリオを国民の前に明らかにすることの必要性であります。
 積極予算によって景気浮揚を図るか、緊縮予算によって財政再建を進めるか、基本的な政策の分かれるところでありますが、景気が民需を中心とした自律的な回復軌道に乗るまでは、まず景気対策を優先すべきであるというふうに思います。しかし、たび重なる景気対策によって、公的債務の歯どめのない累積が、皮肉にも国民にこの国の将来は一体どうなるんだろうかというような不安心理を植えつけておりますし、それが企業や消費者の投資意欲や消費性向をなえさせ、景気回復の足かせとなっているという事実を否定するわけには私はいかないと思います。
 総理は、一月三十一日の施政方針演説において、財政構造改革に向け議論を進めると述べられておりますが、今、国民や株式市場は、議論を進めることよりも早急に財政構造改革に向けて政府が中長期的なビジョンを明らかにすることを求めているのではないでしょうか。たとえ実際に財政構造改革に着手するのは数年先だとしても、本年末には六百六十六兆にも膨らむ公的債務を今後どのような段取りで減らしていくのかという具体的なシナリオを国民の前に示し、国民の将来に対する不安を一日も早く払拭する必要があると考えますが、経済財政政策担当大臣としての麻生大臣の見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) 財政問題というのは、これは今、仲道議員御指摘になったとおりのところだと思っておりますけれども、極めて厳しい状況にあるというのはもう間違いないところだと思っております。
 それに対してどのような処方せんかというところなんですけれども、これは、御存じのように、今経済というものが極めて厳しい状況にありますので、経済が立て直って景気がよくなって、いわゆる増収によって、企業が景気がよくなるというのは税収がふえるということですから、増収によって賄うのか、もしくは増税によって賄うのかということを申し上げれば、これは基本的には増収で賄ってくるというのが基本的な考え方だと思っております。
 アメリカの場合も、一時の財政赤字というものが多かったときに、結果として今日、その財政赤字があれまで縮小した大きな理由は、やっぱり九〇年代後半の景気の非常に浮揚によって財政赤字を賄ったというのがアメリカの例でもそうですし、今の財政というものも、五百兆に比べて、五百兆というのは、GDPの五百兆に比べて六百兆というところが百二十何%になるので一番問題なところなんですが、もし仮に七百兆あったり八百兆なりの日本のGDPがあれば、それはそれに対して逆に比率は下がることになりますので、そういった意味では、基本的には、日本の経済成長というのを考えていった場合に十分に今後期待ができるところも多々ありますので、私どもとしては、今一番問題は、この財政がずっと九〇年代後半から、財政の状況が悪くなってきた九〇年代後半のところを、今、二〇〇〇年に入りましたけれども、そうなっております。
 このふえ方のスピードが、少なくともこれ以上ふえないようにするところが最大の問題なのであって、そこのところに関してどうするかということで、財政、借入金があること自体が悪いというのではないことははっきりしておりますので、企業でも無借金の経営が善であって借入金のある企業はすべてだめかというと、そんなことはないのであって、そういった意味では、借入金がとめどもなくふえ続けるかのごとき状況というのが最大の問題だと思っておりますので、それに対する対応を考えていかねばならぬと思っております。
#53
○仲道俊哉君 基本的な考え方はわかったんですが、ただ、国民不安をあおるような今誇張された財政悲観論が随分一部の財界人や民間エコノミスト、また野党の間にもそういうような議論が出ておるわけですね。
 本年末には対GDP比で一二八%、国、地方を合わせて総額六百六十六兆円にも累積する、今の話にもございましたが、総債務ばかりが誇張されて、我が国が債務超過に陥って、今にも国が破産するような財政悲観論がかなり浮上する向きがございます。しかし、我が国が、政府には年金や国民健康保険などで約四百兆を超える金融資産がありますし、また、国民の個人総資産でも千三百兆とか千四百兆とか、こう言われております。
 総債務から金融資産を引いた純債務で見れば、むしろ国の正味資産を上回る資産超過の状況にあるとの一部の識者の指摘もあります。これは先日の予算委員会での菊池参考人の意見でございますが、もしその指摘が正しいとすれば、過度の誇張された財政悲観論はいたずらに国民の不安をあおって景気回復をおくらせるだけで、全くもって的外れな意見であると私は思うわけですが、昨今の誇張され過ぎる財政悲観論に対する大臣の感想をお聞かせいただきたいと思いますし、また、国民の将来に対する不安感を解消するためにも、政府がもっと、財政は総債務でなく純債務を基準にしなければ正しい評価ができないということを国民にアピールする必要があると思うんですが、この点についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#54
○国務大臣(麻生太郎君) 自分の会社を判断するときに、うちは借金幾らというのだけで話をするのはおかしいとやっぱり思っておりますので、多分それと同じような基本的なお考え方なんだと思いますが、やっぱり借金ができるには、そのためにそれに見合う担保というのがあって借金ができるということだと思っておりますので、その意味では、日本という国は、今、日本で正確に対外純資産というのが八十四、五兆円あるんだと思いますが、これはちょっと古い資料で、去年の末か一昨年末ぐらいだったと思いますので、少しまた円が違ってきておりますが、もっとふえておるかもしれません、今百二十幾らになっておりますのでもっとふえているとは思いますけれども、対外純資産がそれだけあります。
 他方、アメリカの場合は約一兆ドルですから、今でいきますと百二十兆円ぐらいの対外純債務、だから、アメリカの場合は赤字がそれだけ立っておるということになりますので、そういったようなことを含めまして、日本の場合は、いろいろ外貨準備高世界一とか、経常収支もアメリカと違って黒とか、そういったいい数字というのは実はいっぱいあるんですけれども、なかなか日本人というのはいい数字好きじゃないんじゃないですかね。
 何となく、会社の一月四日の始業式ですか、仕事始めのときでも、うちの会社は景気いいぞなんと言う社長は一人もいなくて、どんなときでも、うちの会社を取り巻く環境は厳しいというふうなことを言わないと社長の訓示にならぬという不思議な国ですから、そういった意味では、その種の悲観的な数字を言う人の方がインテリに見えるとか立派に見えるというように思い違いをしておられる方が多いんだと思うんですね。私は基本的にそう思うんです。
 ですけれども、悲観的な数字ばかり言ってテンションを高めるだけが正義なのか、正しいのかねと言われると、少々行き過ぎもありますので、いかにも破産するかのごとき話は確かに問題なんでして、日本の場合は、それに見合う対外純債務で比較しますと、現状ではEU諸国とほぼ変わらないような状況になっておりますのが実態ですので、日本だけが総債務だけで言うからえらく大きく見えますけれども、純債権を引きましたものでいきますと、今言われましたように、確かな数字としてはそれほどむちゃくちゃに日本だけが悪いわけではありませんし、よくイタリアと比較されると、何となく日本の方は、イタリアと比較された途端に、もうこの国はいよいよいかぬのじゃないかというように思われる方も多いんですが、アメリカに負けてもしようがない、イギリスに負けてもしようがないと。イタリアよりと言われると、何となくううんとすぐ、一種の人種差別じゃないかと僕はいつもからかうんですけれども、イタリアに負けていると言われると途端に何か、そうかと言われる方がよく多いんです。
 イタリアに比べてもという話をされますが、あのイタリアが、マーストリヒト条約等々の話になりましたら、一九九二年、あのころのイタリアの国債の金利は一三%から一四%、これは、国債というものの量の話も大事ですが、質の話でいきますと、日本の場合は今一・一ぐらいのところだと思いますので一%台の金利、アメリカは四%台だと思いますので、圧倒的に日本の国債というのは、そんなに安い金利でも売れるというのはやっぱり質がいいからだと思っておりますので、そういった意味では、いろんなものを総合的に判断されるべきなんであって、六百六十六兆円の話だけがすべてのごとき単純化されるのは、国力というのを判断するには見誤るということにもなりかねないという危惧が私自身の率直な実感です。
#55
○仲道俊哉君 大変麻生大臣らしい一つの考え方であり、ぜひそういう考え方をもう少し国民の間に知らせていただいて、安心感を持たせることが景気浮揚のためにも非常に大事ではないかというふうに思います。
 そこで、景気の問題ですが、景気後退論と、景気の今の現状についての大臣の認識なんですが、三月十六日の月例経済報告によりますと、景気の現状については、改善に足踏みが見られるとして、景気判断を二カ月連続して下方修正をいたしました。しかし、民間のシンクタンクやエコノミストなどでは、景気は昨年の八月を山に既に後退期に行った可能性があるというような意見もあるわけでして、改善に足踏みがあるとする政府の認識よりも、景気がさらに深刻な状況にあると指摘する声がある、そういうことであるわけです。
 そこで、改めて大臣の景気の現況に対する認識をお伺いいたしたいというように思います。
#56
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、二カ月連続、二月の月例報告、三月の月例報告と、いずれも前月を下回る下方修正というのをしたのは事実であります。特にデフレ論議というのが随分ありましたので、私どもとしては、これはデフレということを明言いたしております。
 理由は、デフレにつきましては、これは学説いろいろありますので、どれを聞いてもなるほどなと、こう思うような理論になっておるんですけれども、少なくとも戦後二年連続消費者物価が前年度を下回ったということは一回もありません。一回だけ、ドッジ・ラインができてハイパーインフレをとめたときにばあんと一回下がったとか、ああいう例は何回かございますけれども、二年連続というのは過去に一回も例がありませんので、少なくともそれはデフレだということで、デフレと正確に事をはっきりしましたというのが三月十六日の月例報告の内容です。
 この四月、ちょっとまだ日にちは決めておりませんが、四月の半ばころ、十三、四、五とかそこらで四月の月例をもう一回出すことにいたしておりますけれども、日銀の短観が四月二日か三日に出ると思いますので、それも見ながら判断をさせていただかねばならぬところだと思っておりますが。
 今、株価というものの影響というのは非常に大きく心理状態にはね返るところですので、株価が御存じのように、三月二十日が休み、二十一日以降日本の株価は九百十何円一挙に上げて、翌日三百円下がって、その翌日三百六十円ぐらいまた上がって、その後百円下がって、またきのう二百九十円上がって、きょう少しは下がるはずですけれども、大体そういった形で、少しずつ一万三千何百円というところまで上がってきておりますので、そういった意味では、心理的には少し日米の首脳会談以後、日銀の政策変更以降、その種の株の点に関してはニューヨークの株安と離れたというところは非常に今回のあれでは大きかったと思っております。
 そういった意味で、気分的には少し変わってきたかなとは思っておりますけれども、まだ数字としては、よく申し上げますように、各個人においても企業においても、バブルの後遺症と言われます一千三百兆と言われております資産デフレ、資産価格の下落を各企業がバランスシートの上で過剰債務になっているようなところを解消するのにまたしばらく時間がかかると思っておりますので、それぐらいあれが大きかったということだと御理解いただいて、今そういったものが、経済成長がマイナスになりますとそれこそ問題なんであって、経済成長がマイナスにならないように注意を払いながら、まだゆっくり運転をしていかにゃいかぬ。少なくともその部分が、民間にシフトしていく部分が出てこないといかぬというところが最大の問題だと思っております。
#57
○仲道俊哉君 デフレ論については、今までの、物価とそれから景気の両方を、これがデフレということの最近の認識があったんですが、政府の場合には、物価の下落だけが下がって景気が上がっておるけれどもこれをデフレと解釈したということについては、またいつかの機会に論議したいと思うんです。
 また今、株価の問題が出ましたけれども、私は、株は将来の景気動向を先取りすると言われておるわけですが、昨今のバブル崩壊後の最安値をあっさり更新したり、たび重なる公定歩合の引き下げ等にも余りにも反応しない日経の平均株価がもし実体経済の行く末を占っているのだとしたら、我が国経済の将来はかなり深刻なものと受けとめなければならないと思うんですね。しかし、まだ倒産もしていない一部上場企業の株価が二けたあるいは額面割れとなるような事態を考えますと、今の株価は明らかに下げ過ぎである、私なりの認識ですが、と思いますし、社会に蔓延する誇張された財政や経済の悲観論に踊らされて株価が実体経済から乖離して勝手に暴走しているのではないかというような見方もできるわけであります。
 現在の低迷する株価が果たして実体経済を映し出しているのか、そうでないのか。株に、先ほどもお話がございましたが、大変造詣の深い大臣の株価と実体経済の関係について御認識をお伺いいたしたいと思います。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) こういう速記の残るところですからよくよく注意しておかにゃいかぬところで、大臣というのは株をやってはいかぬということになっているんですからね、国会議員もみんなそうですよ。そのやってはいかぬ人に株の話を聞いて、株に答えるというのはなかなか、かなり話としては矛盾した話がずっとこの国会の中では行われるという不思議なところなんですけれども。
 基本的には、株というものを考えていただいたときに、まず実態としてぜひ御理解をいただいておきたいところなんですが、日経平均というものがある。この日経平均というものは何年前と比べてどうとかという話をよくみんなされるんですが、これは意味がない。
 なぜなら、一昨年の四月二十四日だったかな、昨年の四月二十四日に日経の中の株の銘柄入れかえをしていますからね。入れかえられているんだから、それから以前のものとそれ以後のものとは連続性は全くないんですね、極端なことを言えば。全くないと言ってはいかぬかもしれませんけれども、比較すると、余り下がり過ぎているということになろうと思いますが。
 ちなみに、もとの銘柄でやりますと、今年の三月二十三日では一万七千十九円なんです。そのときの日本の今の日経平均が一万三千二百十四円、差額が三千八百三円。これだけ、旧来の日経平均でやれば既に一万七千円は超えているというのが実態なんです。この話は、だけれども全然しても受けぬ話でして、なかなか今の数字でしか皆言われませんから、そういった意味ではこの株の話というのは極めて前提を幾つかきっちりした上で話をされないといかぬのだと、私どもはそう思っております。
 実体経済との間はどうかと言われれば、私どもも、株というものはこれは経営者にとりましては自分の一種の成績表みたいなものですから、これはもう非常に大事に、皆経営者の方々は毎日自分の会社の株価だけは見られると思いますが、そういった状況なんですが、投機というものが多々ありますので、外国人の買いというのが日本の全体の中では五%だ、一〇%以下だとよく言われますけれども、それは全発行済み株式総数の話でして、いわゆる持ち合い株みたいになって凍結されている、寝ちゃっている、そういった株以外の動いている株の中でいきますと、この外国人の動く比率というのは五〇%を超えておるという状況になっておりますので、外国人から見た売りとか買いとかいうものの方が非常に大きな影響を与えているというのが今の実態であります。
 そういった意味では、今のところ、株価が今実体経済を正確に反映をしているかと言われれば、反映している部分もあれば反映していない部分もあるというのが正直な実感です。
#59
○仲道俊哉君 私自身が株をやっておるわけじゃございませんけれども、国民経済のために少し株の話を触れておきたいと思うんですが。
 証券広報センターが昨年五月に実施したアンケート調査によりますと、我が国は世界第二位の経済大国でありながら株式投資の経験のない世帯の割合が六九%、個人ですね、にも及んでおると。我々日本人には、今お話もございましたが、依然株はいかがわしいものというような認識、これは私は誤った認識だと思うんですが、認識がありまして、低迷する株価市場を活性化させるためには、株式投資を魅力のあるものにして、個人投資家を市場に呼び戻し参入させる個人株主育成政策が私は何よりもまず必要であるというふうに思うわけですね。
 大臣も御承知のように、株式投資奨励策が進んでいるドイツでは、株式投資の一定額を補助したり、株式譲渡益、キャピタルゲインを原則非課税にするといったような、個人投資家に手厚い優遇措置を講じております。
 このたび、与党三党も亀井政調会長を中心にして去る三月九日に証券市場活性化策などを柱とする緊急経済対策を取りまとめたところでありますが、大臣の個人株主育成策についてのお考えがあればお聞かせいただきたいというように思います。
#60
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、日本で自分でお金を預けておられる方、よく言われる一千三百九十兆円のうち、現預金というものの比率はほぼ五〇%を超えております、日本の場合は。株式、いわゆる投信を含めまして、投資信託を含めまして約一一%であります。
 これはちなみに、アメリカの場合ですと、アメリカは株の方が四七%、投信が一〇%です。しかし、このアメリカという国は極端な国なんでちょっとなかなか例には当てはまらぬところもいっぱいありますので、今言われましたドイツの例でいきますと、ドイツでは株で二七%です。そしていわゆる預金で三五%ということになっております。
 実は、このドイツの場合は、今御指摘のありましたその法律ができるまではほぼ日本と同じようなものだったんです。この法律ができて、簡単に言えば、株で百万円損したというものは、日本では損金は認められませんから、もうかったら税金は取る、損したときには損金は認めないという日本の取る一方の税金になっておりますので、ドイツも実はそういうような状況だったのを、損金を認めたわけです。そしてそれを、繰越損を認めて、仮に三百万を損する場合、百万円の控除を三年間延長すると。だから、ことし百万円損すれば、千五百万円の所得から千四百万、百万引いた残りの千四百万円を税金の対象にしますというように、百万円の控除を認めているというようなことをドイツとしてはやりました。
 やった結果、初年度でたしか三%ぐらい預金市場からこっちへ移っておりますので、日本の場合は、単純計算しても一千兆を超えるものからいきましても、それでいきますと一挙に四十兆とかそういったオーダーのお金が移ることになりますので、その意味では非常に大きな影響力が出る。それが一点、確かにドイツの場合は成功した例だと思っておりますので、これから間接金融から直接金融ということになるのであれば、それは非常に大きなあれでしょうし、また、個人をということなんであればやっぱり一口当たりの株式のあれを少し小口化しないと、NTTだけで一口二百万とかいうようなことになりますので、ある程度小口化してやるとか、そういったいろいろな個人金融株主というものに対する優遇というものが今後の景気とか株価とかいうものを考えていくときには非常に大きいと思います。
 ただ、今言われましたように、株というと、例えば大分で、仲道さんは株をやっているんだと言ったら途端に何かいかがわしいイメージにがたんとなりますでしょうが。昔から田舎へ行くほど大体そうですよね。だから、ここらのところはやっぱり難しいところでして、だからそういった意味では、株は怪しげなもの、いかがわしいものというイメージじゃなくなるまでにはそこそこの手間はかかる、時間もかかるとは思っておりますけれども、それは証券会社の方も努力してもらわにゃいかぬところなんであって、今までの証券会社の人たちのいわゆる投資の態度というものもこれは考えてもらわにゃいかぬところだと、私どもはそう思っております。
#61
○仲道俊哉君 大変すばらしい株に対する考え方、私はそういうことになれば日本の経済は随分また違った形になると思いますし、ぜひよろしくそういう意味では将来お願いをいたしたいというふうに思います。
 次に、金融政策と日銀のあり方ということについて私の考えをちょっと申し上げたいと思うんですが、九八年の四月に施行されました新しい日銀法によって、日銀は政府からの独立性を獲得し、その見返りとして政策に対する説明責任と結果責任を負うことになったと思うんですね。政府が財政政策での失敗について政治責任をとらなければならないのと同様に、日銀も金融政策の失敗については国民に対して何らかの形で責任をとらなければならないと私は考えております。
 ただ、このたびの三月十九日に発表しました日銀の金融の緩和については、昨年の八月のゼロ金利政策解除を撤回してゼロ金利に事実上復帰と考えてよいと思うのですが、このたびの日銀の政策に対する大臣の見解と評価についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#62
○国務大臣(麻生太郎君) 発表されたタイミングが三月十九日、アメリカ時間で現地時間が午前四時三十分ぐらいだったものですから、その後の会議をやるに当たっては極めてこの決断のタイミングは私どもにとっては助かったというのが正直な実感です。
 何が助かったかといえば、金利は少々下がったとかいったって、ゼロ%台まで下がって、あとちょっと下げてもらっても大した影響はないということになろうかと思いますが、やっぱり一番の大きかったのは例の、オーバーナイトというのわかりますかね、一日物のお金を預けた金利の話から、日本銀行の当座預金というのに幾らあるかという話で、量の方に変えていった、いわゆる質で幾ら、オーバーナイト金利が幾らという話から、それに一体幾らの預金があるかという量の方に切りかえたというところがこれは非常に大きくて、それまで四兆円ぐらいだったものが一挙にこれ五兆円前後のものまでぽっと上がりましたのは、これは物すごく大きかったと思っております。
 もう一点は、いわゆる消費者物価がマイナスになっております分を、少なくともそれがマイナスゼロ、プラスとは言いませんけれども、とにかくマイナスじゃないところまで、いわゆる量的なものを安定的に、一年じゃなくて瞬間じゃなくて安定的にゼロ%以上になるところまでそれを継続するといったところが一番大きかったところでありまして、そういった点においては、私は今回のはタイミングといいその方法といい、最近の日銀の施策の中では日本のものに非常に大きな影響を与えたものだと思っております。
 少なくとも、インフレを抑えるのは日銀だけどデフレを抑えるのは日銀じゃないなんという話は成り立たぬと思っていましたから、そういった意味では今回の決定は時期を得ておったし、その方法もわかりやすく、極めて影響は大きかったと思っております。
#63
○仲道俊哉君 デノミのことについて聞こうと思ったんですが、もうちょっと時間がオーバーしましたので後日に譲りたいと思います。
 次に、橋本行革担当大臣にお伺いをいたしたいというふうに思いますが、まず第一点は、公務員制度における成果主義、業績主義の意味、評価の公平性の担保ということについてであります。
 大臣は、去る一月十七日の日本記者クラブにおける講演において、公務員制度改革の三つのコンセプトを示されました。
 その一つに、民間の知恵を活用した信賞必罰を挙げておられます。すなわち、職務に励み、すぐれた業績を上げた職員には高い処遇をし、反対に組織に安住して努力しない職員には厳しく対処する信賞必罰の給与、昇進システムを民間企業の知恵をかりながら設計していくことが必要であると述べられておるわけですが、総論的、一般論的には全く同感であり、大いに期待するところでありますが、しかし、実際に運用するとなるといろいろな難しい問題が出てくると思うわけでございますので、その点について二、三点お伺いをいたしたいと思うんです。
 まず、公務員は多方面にわたる国民のニーズにこたえるために最大公約数的な結論や判断を選択せざるを得なく、また法律や政省令、要綱、要領等に従って個々の職員の個性をできるだけ殺して画一的に処理しなければならず、かつ民間企業のように商品を幾つ売ったとか、契約を幾つとったというような業績を計量的に把握できない、公務における業績というのは具体的には実際にはどういうことになるんだろうかというような点。
 また、行政組織には業務を扱う部局と内部事務を扱う部局があるわけですが、大臣官房の総務、人事、会計といったような内部事務のみを扱って本来的には業績や成果といった概念を考えにくい部局があるわけですが、そういうところに属する職員の業績評価というのはどのように考えるのか。
 また、採用試験の種類や難易度で評価できない民間企業においては、業績評価の名のもとに実際には管理職などによる恣意的な情実人事が行われやすいわけですが、業績主義を公務員に導入した場合に、評価の公平性をどう担保するのかというような問題が出てまいると思います。
 もしこれらの疑問点をあいまいにしたまま業績主義を導入することは、恣意、情実による評価を生み、かえって公務員にやる気をなくさせるようなおそれもあるわけですが、組織の活性化を著しく損なう問題も出てまいります。
 そこで、大臣が公務員社会における業績の意味をどのように理解しておられるのか、また、恣意的な評価を排除するシステムはどのように構築をするのか、評価に対する不服申し立て制度をどのようにするのかというような点についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#64
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに今回、委員が御指摘いただきましたような公務員制度改革の大枠をお示しいたしましたが、これはあくまでも大枠でありまして、最初から申し上げてまいりましたようにバッティングしている部分、粗削りな部分があることを承知でこれを公表いたしました。これで政府部内の結論を一応出しましたので、今後はこれにのっとって制度の基本的な方向をきちんと見定めていかなければなりません。
 その意味では、今議員から御指摘のありました公務の中の業績というのをどうとらえるか、これをあらかじめその設定された組織の目標とか個々人の業務目標、困難度によって、あるいは達成度によって図るというお答えを今は申し上げなければなりません。民間企業とちょっと違います点、そして、よく公務員の業務はその業績や成果を適切に評価することはできないという御意見もあります。
 しかし、民間企業におきましても、例えば企画あるいは管理業務のように成果、業績というものを数値でとらえることが難しい職種もございますが、その上でこれも運用されていることを考えますと、私どもとしては新たな発想に基づいてその企画立案などを成果、業績としてとらえる、そうした工夫もしていきたいと考えております。
 また、継続性、反復性の強い業務、例えばその業務を確実にこなしている、あるいはその手順を、もっと短い結論の出し方を工夫する、いろんな私はとらえ方はあると思いますので、公務員におきましてもこうした民間の手法を参考としながら、業務の特性に十分配慮して、公平公正で納得性の高い新たな業績評価のあり方について検討していきたいと思っております。
 同時に、その評価の公平性という点もこれは常に議論が出るところです。この基準をどう明確化するか、その明確な基準に基づいて行われたものが、その基準、評価内容、その結果というものが職員に適切に示されるような人事評価システムをつくらなければならないと思います。その上で、人間社会のことでありますから、それに対する問題をおっしゃる方もありましょう。不服の申し立て制度というもの、これは十分検討する必要があると考えておりまして、現在その制度を形として持っているわけではありませんが、基本設計に向けて検討してまいりたい事項の一つです。
 ただ、もう一つの問題として、公務員に業績主義を導入した場合、例えば、ちょっと例えがよくありません、不謹慎でお許しをいただきますけれども、急に警察官が交通違反の取り締まり点数をふやすようなことになるんじゃないかとか、よくそういうことをおっしゃる方々があります。しかし、これは私は、実は業績主義を導入したからとかいうことではなくて、むしろ業績主義を導入した上でその評価の対象となるものがどういうものかを、その行動基準や業務内容、業務目標、評価基準というものをむしろお示しする、そちらの問題だと割り切ってまいりました。
#65
○仲道俊哉君 予告をしておりました二番と三番については多少今の御答弁の中で重複するところがございますので、二番、三番を飛ばして、予告の四番の業績主義の観点から見た給与のあり方ということについて質問をいたしたいと思うんですが、大臣は講演におきまして給与に見合った仕事をしないという意味での仕事の赤字は断固としてなくさなければならないと述べておられます。全く同感であります。
 言うまでもなく、公務員の給与は人ではなく職務に対するものであり、T種、U種、V種などの採用区分や学歴を問わず額に汗して懸命に努力する者が給与面で手厚く報われ、反面、身分や資格の上にあぐらをかいて怠惰を決め込む者は厳しく断罪される給与制度が構築されなければ人はやる気を起こさず組織も停滞するに違いありません。
 我々、与党議員一同、大臣の公務員制度改革の取り組みには大喝采を送りたいと思っておるわけですが、大臣が唱えております業績主義の観点から見た公務員の給与のあり方についてお考えをお聞かせいただきたいというように思います。
#66
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、公務員給与というものは人事院勧告をベースにし、これによって動いております。そして、その給与は職に固定した形が中心であります。しかし、結果としてよく悪平等と言われるような現象も出てまいりますし、そうしたシステムの中では、例えば抜てき人事等をいたしまして年次を大きく引き離して若い方に持っていくといったときにもさまざまな実は抵抗が出てまいります。その意味で私は、この給与制度改革というのを信賞必罰という人事制度を確立するためにその中心になるものと位置づけて考えてまいりました。ですから、ポストと給与が結びついた職務給原則にのっとった給与制度というものは、私はこれは考え方を変えなければならない。そして、民間の事例等も私ども調べさせていただいておりますけれども、能力と職責と業績をバランスよく反映して、その能力向上あるいは業務達成に対するインセンティブを高めるような、そうした給与制度を構築しなければならないと考えております。
 こうした考え方を前提にしてこれから基本設計に向けて具体的な制度内容を煮詰めてまいりたいと、今そのように考えております。
#67
○仲道俊哉君 大臣のお考えはよくわかったんですが、この質問は私自身もどうしようかと思って随分迷ったんですが、思い切ってこの改革の時期ですから質問を取り上げたんですが。
 と申しますのは、今回の省庁編成でほとんど手つかずであったところの法務省や外務省には、特に法律専門家でない大臣官房の会計課長や秘書課長または人事課長として一般行政職に従事して、また儀典長とか大蔵担当大使とか査察担当大使とかいった、在外公館にも勤務せず、外交官としての職務に従事しないにもかかわらず、検事または判事あるいは大使として一般行政職よりもはるかに高額な検事としてのまた大臣に準ずる認証官としての給与体系の恩恵を受けている実態が実はあるわけです。
 ですから、こうした職務ではなく人や資格に対して支払われる給与実態に対する大臣の、基本的な考えは今お聞きしたわけですが、こういう実態に対して、すぐには結論が出ないと思いますが、こういうことに対しての大臣のまず御感想があればお聞きをいたしたいというふうに思います。
#68
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員からこういう御質問をいただくということがわかりましたときにちょっと本当に、はたと、どういうふうにお答えをすべきか困りました。そして、あるいはその御指摘を受けるようなものがその中にあるのかもしれません。
 同時に、私は特定の人間、職をかばうつもりはございませんけれども、例えば査察担当大使がアフリカ等の勤務条件の悪いところに来てくれることを現地の職員たちは待っているという現実を私は見せられたことがございました。あるいは旧ソ連時代、モスクワに勤務することの非常に厳しさ、さらに、例えば、小さなことでありますけれども、冷蔵庫が一つしかないために一度買った野菜を使い切ってしまうまで次のが買えないとか、そういう意味では査察担当大使というものが目配りをきちんと行いますとどれだけ職員の立場がよくなるかという実例を私は存じております。その上で、今挙げられました中には、さて何をしているんだろうと私自身が迷うケースもございます。
 今回の大枠をお示しした、これは国家公務員のうちで主に一般の行政職員を頭に置いてその方向を示してまいりました。同時に、個別の職種の検討を行ったわけではございませんし、同時に、これがもし認めていただけた場合のことでありますけれども、各省に総定員、総人件費を割り当てて弾力的な運用が可能なようにしております。そうした中で私はそれぞれの省庁が適切に対応されるべき性格のものではないか、そのような感じを持ちました。
#69
○仲道俊哉君 時間がありませんので、今、安倍官房副長官がせっかくおいででございますので有事法制のことについて質問をいたしたいと思うんですが、オウムによる地下鉄のサリン事件や阪神・淡路の大震災、テポドンの発射等々、いろいろな外敵の侵入等は、多数の集団による無差別テロ、大災害等はいつ起こるかわからないわけですが、昨年の十二月四日に、昭和二十九年に締結された防衛庁と国家公安委員会の治安出動の際における治安の維持に関する協定が実は四十六年ぶりに改定されたようですが、本来これは行政機関間の申し合わせで決めるような性質のものでは私はないと思うんですね。
 今後とも、この侵入工作員による武装ゲリラの蜂起や化学兵器による無差別テロなど、治安出動が必要な事態における指揮権の所在や任務を明確にして混乱を生じないようにするためにも、早急に国法をもって律する性質のものであるというふうに思います。
 そうしますと、先日も、森総理もその施政方針演説において、有事法制の検討のあり方について、多数の省庁にかかわり検討内容も多岐にわたる重要な課題なので官房長官を中心に関係省庁で鋭意検討していくとして積極的な姿勢を見せておられるわけですが、有事法制の問題は昨今持ち上がったような問題ではなくて、今日でも相当に議論を尽くされ、法案の骨格は既に共通の認識を持つに至っているというふうに考えられるわけです。そういう意味では、議論や検討を繰り返すよりも、一日も早く立法に着手して国民を安心させるのが政府の役目だと考えますが、御所見をお伺いいたしたいというふうに思います。
#70
○内閣官房副長官(安倍晋三君) ただいま仲道先生が御指摘されましたように、有事法制というのは、自衛隊がシビリアンコントロールのもとで我が国の国民の生命と財産を守るためにぜひとも必要であると、このように考えております。そして、平時のときにおいてこそこの検討が進められていかなければいけないと、このように考えているわけでございまして、政府といたしましては、昨年、政府・与党の考え方を十分に受けとめまして検討を開始していくところとしてきたところでございます。どのような法制が必要であるか、また、どのような枠組みで取り組むべきかについて所要の検討を進めていきたいと、このように考えております。
 この検討につきましては、多数の省庁にかかわり、検討内容も多岐にわたるわけでございます。相当の期間を要するわけでございますが、今委員が御指摘のように、我が党におきましても今までかなりの年数をかけて検討をしてきたことでございます。検討に今後遅滞があってはならないと、このように考えているわけでございまして、内閣官房を中心に関係省庁で近々検討を開始していきたいと、このように考えております。
#71
○仲道俊哉君 ちょうど福田官房長官、お帰りの早々でございますが、待っておりましたので、早速質問に移りたいと思いますが、官邸主導による教育基本法の見直しの必要性ということでございますが、教育は将来の国づくりのための大いなる先行投資でありまして、教育の基本方針を誤ることは国の将来を誤ることにつながります。
 総理の私的諮問機関、教育改革国民会議は、教育基本法の見直しについて積極的な提言を行い、総理も施政方針演説において、教育基本法の見直しは国民的な議論を深め成果を得ると述べられておるわけです。前向きな姿勢が示されておりますが、昨今の目を覆いたくなるような教育の荒廃や国民全体に蔓延する伝統、文化、道徳を軽視する風潮の一因が現行の教育基本法に基づく戦後教育にあることを考えますと、総理の強力なリーダーシップによる官邸主導の早急な教育基本法の見直しが私は望まれると思うわけです。
 目下、文部科学省では、中教審に諮問する案を検討中とのことですが、森内閣が教育改革を国民的課題と位置づけている以上、教育基本法の見直し作業も、単に文部科学省や中教審の問題ではなく国家の基本政策の問題として、むしろ総理のリーダーシップのもと、官邸が中心になって、より多くの国民の意見を吸い上げ早急に国民の合意形成を得るなど、政治主導で強力に推し進めるべきだと考えるわけですが、長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(福田康夫君) 記者会見でちょっと中座をしまして申しわけございませんでした。
 教育全般につきましては、さまざまな問題が生じております今日、人間としてのルールを身につけた創造性豊かな立派な人間を育てるというこのことのために、基本法制定以来半世紀を経た抜本的見直しということを行いまして、そして教育の根本にさかのぼった改革を進めていくという必要があると考えております。
 総理大臣がイニシアチブを持って設置しました先般の教育改革国民会議、この最終報告におきましては、新しい時代の教育基本法を考える際の観点として、まず、新しい時代を生きる日本人の育成、次に、伝統、文化など次代に継承すべきものの尊重、そして、教育振興基本計画の策定などを規定すると、この三点が示されております。
 私といたしましては、教育基本法の見直しにつきましては、総理がイニシアチブをとっております、また内閣官房に事務局を置きますこの教育改革国民会議、この最終報告を踏まえまして、中央教育審議会などで幅広く国民的な議論を深めて、しっかりと取り組んで成果を挙げてまいりたいと、このように思っております。
#73
○仲道俊哉君 今お話も出ました、その教育改革国民会議の今後のあり方についてちょっと質問をいたしたいと思うんですが、今お話がございました、昨年十二月に最終報告を森総理に提出されました。
 この報告では、二十一世紀の日本の教育を、これまでの反省に立って進むべき方向を大胆に提言されたということで高く評価しておるわけですが、実際、これで教育改革国民会議がすべての役目を終えてしまったのか、そうでないのか。そうでなければ、今後どういった役割を担うことが予定されているのか。今後の同会議のあり方について、長官の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(福田康夫君) 教育改革国民会議はこれでおしまいになったわけではございませんで、昨年の三月発足以来、精力的に御審議をいただきまして、御指摘のとおり昨年十二月に最終報告を取りまとめていただいたところでございます。政府の教育改革の実行を見守っていただくというために、引き続いて御協力をお願い申し上げております。
 去る三月十三日までに最終報告の提言を実行するための教育改革関連六法案、これを提出いたしましたことを踏まえまして、来る四月二日に、来週でございますけれども、教育改革国民会議を開催し、政府の教育改革の取り組みについてフォローアップをしていただく、こういうことになっております。国民会議の委員の皆様方には、今後ともこの教育改革の実行を見守っていただく、こういうふうなお願いをいたしたいと思っております。
#75
○仲道俊哉君 四月二日ということをお聞きしまして、一部の報道関係ではかなりの批判的な記事等も出ておりましたので、今の御答弁をお聞きしまして大変安心をいたしたわけでありますし、また期待もいたしているところでございます。
 次に、青少年の健全な育成に有害な社会環境の除去の必要性についての政府の認識ということについてお伺いいたしたいと思います。
 最近の我が国の急激な情報化の進展や過度の商業主義的な風潮は、過激な暴力描写や性的描写を内容とする映像や出版物のはんらんといった、将来の日本を担うべき青少年の健全な育成に著しく有害な社会環境をもたらしております。これを速やかに除去、是正することが我が国の将来の発展を図る上で極めて重要な課題となっております。
 私たち参議院自民党は、こうした認識に基づいて、目下、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境から青少年を保護することを目的とした青少年社会環境基本法、仮称ですが、を議員立法として提案したく、着々と今準備を進めておるところであります。
 こうした取り組みに対しては、一部に憲法二十一条の表現の自由や検閲の禁止に抵触するおそれがあるなどとする反論もないわけではありませんが、表現の自由も絶対のものではなく、将来の日本を担う青少年を有害な社会環境から守り、指導、助言、勧告、公表といった必要にして最小限の極めて緩やかな制限方法をとる私たちの考えは、憲法問題を十分にクリアできると信じておるわけであります。
 道しるべとなる基本法を早急に制定して、日本の将来を担う青少年の健全な育成に有害な社会環境を除去することは、政府、自治体、地域社会、家庭、職場などが手を携えて、全国民を挙げての国民運動として取り組まなければならない重要な課題であるというように思うわけですが、長官の御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
#76
○国務大臣(福田康夫君) 青少年をめぐります環境の問題、これはもう大変深刻な問題だというように思っておりますので、その早急な対策というものも必要であると、こういうように認識をまずいたしておることを申し上げます。
 そして、青少年の健全育成に有害な社会環境の問題は、申すまでもなく大人の社会の問題である、大人の責任であると、このように思っております。
 これらの社会環境の改善のために、社会が一体となった取り組みを進めるということは、これは極めて重要でございまして、政府も、これまで青少年育成推進要綱に、関係業界の自主規制の一層の充実の促進とか、地域の住民、団体などによる地域活動の促進などの対応策を盛り込むなど、取り組みを行ってまいりました。
 なお、青少年を有害環境から守るための法律の制定につきましては、青少年をめぐる環境の浄化の基本的なあり方や表現の自由とのかかわりがございまして、国民的な合意の形成がさらに必要であると考えられまして、関係各方面の幅広い議論を重ねる必要があるというように認識いたしております。
#77
○仲道俊哉君 以上で終わります。
 ありがとうございました。
#78
○照屋寛徳君 私は、きょうは、森総理のノルウェー国王主催の答礼宴欠席問題、それからえひめ丸事故と政府の対応、さらには官房機密費の問題、そして警察不祥事と警察改革について、官房長官と国家公安委員長に質問をさせていただきたいと思います。
 最初に官房長官にお伺いをいたしますが、去る三月二十七日の夜、元赤坂の迎賓館で開催をされましたノルウェー国王ハラルド五世御夫妻主催の訪日記念コンサートレセプションに森総理が欠席をした、このことが今大きな問題になっております。
 もとより森総理は、昨日のマスコミとのやりとりの中で、私が必ずしも出なければいけないものでもないと、こういうふうに弁解をされたようですが、私は、これはもう本当に失礼な弁解というか強弁にすぎないなというふうに思っておるわけです。
 多くの国民が率直に、森さんが欠席したことについて、しかも欠席した上で、派閥の議員と一緒にすし屋ですしを食べておった、こういうことですから、これは私は、特別緊急な事態が起こったとか、御本人がもう急に病気になられたとか、そういう特別理由もないのに、国賓としてお招きをした上で、しかもそのノルウェー国王が主催をした答礼宴を直前になって欠席をすると。これはもう外交儀礼上も実に非礼な行為ではないのか、こういうふうに思うわけですね。
 官房長官、本当は私は森総理御自身に直接確かめたいのでありますが、残念ながらこの委員会においでじゃございませんので、官房長官、この森さんの答礼宴を欠席した、この行為については率直にどういうように思っていらっしゃるんですか。
#79
○国務大臣(福田康夫君) 欠席をするということは、それなりの理由があり、事情があるわけでございまして、理由なくして欠席したというわけではございません。
 当初、ノルウェー側から、答礼行事に出席するという予定はもちろん持っておりました。同行事の中で行われるコンサートがございまして、私も行っていないので、聞いたところでございますけれども、コンサートがあって、その後立食のレセプション、食事つきのレセプションと、こういうことであったようでございます。そのときに、その日に、コンサートなどでずっと座っているというのが難しいような腰痛、これ持病なんですけれども、腰痛がひどくなりまして、最終的に同行事を欠席するということといたしまして、実はその日、医者に診てもらうということになっておりました、公邸に医者を呼んで。ところが、その医者が夜、多分八時かな、そのぐらいの時間でなきゃ来れないということがありまして、その間、どっちにしても食事はしなければいけないということもございまして、一時間ちょっとでしょうか、すし屋さんに行ったと。こういうことでもって、非礼ではないか、事情がすし屋に行ったというんじゃこれは理由にもならぬ、こういうおしかりをこうむっているところでございます。
 もちろん、八時ごろには公邸に帰って、そして治療を受けておるわけでございまして、これはその週、その前の週から八日間で六日も外国に行っておりまして、それで二日間しか東京にいなかったと、こういうこともございまして、その疲れも出たんだろうと思いますけれども、また、ロシアに行った帰りに腰痛が出てきたというようなこともあったというふうに聞いておりますんですけれども、そんなような事情でもって失礼をしたと。
 例えば、コンサートの途中でもって失礼をするということになりますと、これの方が失礼だろうというような感じがしますし、このことは外務省を通じましてノルウェー側に、これはこの会合の二時間前に通知をいたして了承を得ておるところでございます。そういうような経緯でございまして、これはひとつ御勘弁を願いたい問題ではないのかなというように私は思っております。
 この国賓の答礼行事というのは、国賓としておもてなしをした天皇陛下に対する答礼のために行われるものでございまして、賓客側の自由意思によって主催される行事でございます。したがいまして、政府関係者は答礼行事の主賓ではなくて、必ず出席しなければならないというものではないんです。過去においても、何回もそのように出席をしないというそういうこともございました。
 なお、申し上げれば、その前日は、森総理は総理夫妻主催の午さんをいたしましたほかに、朝の歓迎行事、また夜の天皇陛下の宮中晩さん会がございまして、これにも出席をいたしまして、国王、王妃両殿下にはお会いをしておるわけでございます。
 そういうことでございます。
#80
○照屋寛徳君 とても私は納得できるような答弁じゃないと思うんですね。
 一点聞きますけれども、森総理は、ノルウェー国王からお招きを受けて、一たんは出席をすると、こういう返事をしているわけでしょう。今、官房長官がおっしゃった過去にもあったというのは、私が今申し上げたように、一たん出席をするという返事をして、直前になってどたばたとキャンセルをしちゃうと、こういうケースだったんでしょうか。
#81
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど委員御自身が、急病の場合とかいうようなことをおっしゃいましたね。そういう事情があれば許されるというような趣旨のことを申されましたけれども、この腰痛もそのうちの一つではないのかなというように私は思います。
 過去において、どういう招待を受けて、そしてそれに対して出席の返事をして、急に欠席したのかどうかとか、そういう事実関係は私は存じ上げません。
#82
○照屋寛徳君 そうでしょう。だから、過去にあるからということで正当化できるようなたぐいの問題じゃないと思うんですよ、私は。
 今、官房長官、腰痛のことを何かあたかも、森さんが二十七日の答礼宴を欠席する正当な理由だとか、釈明に当たるかのような御答弁ですが、そうじゃないと思うんですよ。
 それは、腰痛でも重症でもう立ってもおれない、座ることもできない、こういう激しい腰痛もありましょう。ところが森さんは、腰痛だ腰痛だと言いながらこの迎賓館の近くのすし屋ですしを食っているんでしょう。これじゃ幾ら何でも私は、これで率直に正当化できないと思うんですよ。
 もう一度御答弁ください。
#83
○国務大臣(福田康夫君) 人間ですからね、そんな、体格はいいかもしれぬけれども、しかし持病もあることはあるんですよ。その辺はやっぱりごしんしゃくいただきたいと思います。
#84
○照屋寛徳君 私は、体格云々とか、人間だからそれは急病もありましょう。しかし、急病じゃないんだから。しかも森さんは、私は国会に対しても国民に対してもやめるなんとも言っていないんだという強い意思表示を、メッセージを送っているわけでしょう。そうであれば、私は少なくとも総理大臣として外交上お招きをした国賓に失礼にならないように、非礼にならないように一生懸命努力するというのが、これが総理の役目じゃないんでしょうか。それを、体は大きく見えても腰痛もあるし、そういうことで国民が本当に納得するんでしょうか、官房長官。
 そもそも、国賓というのはだれが招いておられるんですか。だれの名前でお招きをしているんですか。
#85
○国務大臣(福田康夫君) 天皇陛下のお招きが国賓だと思います。
#86
○照屋寛徳君 そうでしょうね。
 そうすると、それは日本国がお招きをする国賓です、まさに国家の賓客ですからね。そうすると、日本国の象徴としての天皇の名前でお招きをするんでしょう。そして招かれた国王がその答礼宴をやる。天皇陛下に対する答礼行事ということは、要するに招いていただいた日本国に対する答礼宴じゃないんですか。どうなんです、それは。
#87
○国務大臣(福田康夫君) 国民の象徴である天皇陛下のお招きになった国賓であるということです。
#88
○照屋寛徳君 いや、私が言うのは、当日、二十七日夜のこの元赤坂の迎賓館で開かれたノルウェー国王主催の答礼宴というのは、日本国の国家として、国家の賓客としてお招きをするわけですよね。それは憲法上我が日本の象徴である天皇の名前で御招待するわけですよ。そして、招かれた国王が答礼行事、答礼宴を行うというのは、そういう意味で、天皇陛下に対する答礼行事というんだけれども日本国に対する答礼なんでしょう。それを私は、今のような理由で欠席をして、そしてそれが答礼宴だから必ずしも総理が出る必要はないんだ、こういうことで一体、国際社会の中で外交儀礼としてそんなことが通用するんでしょうか。
 もう一度答弁してください。
#89
○国務大臣(福田康夫君) ですから、前に、さきに申しましたように、それなりの事情があって、別に好きこのんで欠席したわけじゃないわけですよ。そのことはお考えいただきたいと思います。
 照屋委員だって、気分の悪いときあるでしょう。出席したくないというように思うときもあるんじゃないでしょうか。
#90
○照屋寛徳君 腰痛だといって、あるいは緊急に……
#91
○国務大臣(福田康夫君) 腰痛にも程度がありますよ。
#92
○照屋寛徳君 それは程度がありますよ。程度がありましょう。どの程度の腰痛だったんですか。すし屋で飯食べられるぐらいの腰痛でしょう。そうでなければ、当然緊急に治療行為を受けるべきでしょうが。そんな、程度がありましょうなんて言っている問題じゃないと思いますよ、私は。
 それは行く予定だったけれども、欠礼をします、欠席をします、そういう連絡はやっておるんですか。
#93
○国務大臣(福田康夫君) ですから、これはもう先ほど申しましたように、二時間以上前にノルウェー側に外務省を通じて連絡をいたしました。
#94
○照屋寛徳君 きょうは宮内庁長官官房審議官もおいででございますが、天皇陛下を含めて宮内庁から何名の者が当日は参加をしたんですか。
#95
○政府参考人(折笠竹千代君) ノルウェーから、ノルウェーの国王、王妃両陛下からお招きをいただきまして、皇族方につきましては、御都合のつく方々が御出席ということで出席になっています。
 具体的な人数につきましては差し控えさせていただきたいと思います。
#96
○照屋寛徳君 私は、昨日のこの問題についてのマスコミに対する総理の弁解というのは、とてもこれは常識的な弁解、そして答礼宴を欠席した行為を正当化できるような内容じゃないと思うんですね。はりの先生を呼んでおったので、その治療に間に合わないから欠席をしたんだ、こういったことも言っているようですけれども、それは私は、出席をした上で、その治療行為をどうしても緊急に必要としているんであればそれに間に合わして戻るというようなことをすべきであって、答礼宴を欠席して、しかも派閥の議員と一緒にすしを食べておった、こういうようなことが明るみになると、これは私はやっぱり外交儀礼上もう国際社会での信用を落とすことになると思うんですね。やっぱり総理としての職務を全うできないんであれば、私はもう一刻も早くやめるべきだ、こういうことを強く申し上げておきたいというふうに思っております。
 宮内庁の審議官にもいろいろお聞きをしたかったのでありますが、この種問題にまた宮内庁がいろいろと論評を加えるといささか波紋が大きいと思いますので、この程度でこれ終わりますけれども、いずれにしろ、私はこれはもう宮内庁にとっても迷惑な話だし、国民にとっても甚だ迷惑な話。総理のこの非常識な行為が正当化できる、されるものだというふうには到底思えません。
 それでは、次に、えひめ丸の事故と政府の対応についてお伺いをいたします。
 官房長官は、所信表明の中でえひめ丸事故の問題に触れて、「政府においては、外務省等に対策本部を設けるほか、私を長とするえひめ丸事故対策官邸調整室を設置し、関係省庁を挙げ、御家族の御意向を踏まえて対処できるよう努めてまいります。」、こういうふうなことを述べております。私は、えひめ丸がアメリカの潜水艦グリーンビルによって衝突をされ、いまだに九名の者が行方不明である、このことに非常に心を痛めておるものであります。
 同時に、このグリーンビルが緊急浮上訓練を実施する際に、民間人を案内して、一種の緊急浮上訓練そのものが見せ物というかショーと化しておったということに、さらに腹立たしい思いをするわけであります。
 御承知のように、グリーンビルは横須賀や佐世保やそれから沖縄のホワイトビーチにも過去入港しておる原子力潜水艦であります。同時に私は、このグリーンビルの緊急浮上訓練に民間人を操舵室等にも入室させておった、一部、かじをとる操舵行為などにも関与しておったという疑いが出てきた中で、すぐに思い出したのは、これまで沖縄の県道一〇四号線を封鎖してアメリカ海兵隊が百五十五ミリりゅう弾砲の実弾射撃演習をやっておりました。今はキャンプ・ハンセンでやらないで、本土の自衛隊の五カ所の演習場でやっておりますが、日出生台で過日海兵隊が百五十五ミリりゅう弾砲の実射訓練をやったときに、公開訓練というのをやって、民間人を訓練場の中に招き入れているんですね。そして、その際に、玖珠町の町会議員を含む民間人にこの百五十五ミリりゅう弾砲の引き金を引かせた。こういうことが明らかになっているわけです。
 百五十五ミリりゅう弾砲というのは、私も沖縄で海兵隊が実弾演習をやっておるときに着弾地点あるいは発射地点の近くで目撃をしたことがありますけれども、核、非核両用の原子砲と呼ばれる兵器なんですね。そういう公開訓練にも海兵隊が民間人に引き金を引かせる。こういう形で、どうもアメリカの潜水艦といい、海兵隊の実弾砲撃訓練といい、訓練といいながら民間人にそれを見せ物にする、こういうところが今度のえひめ丸の悲劇に私はつながったんではないか、こういうふうに思っております。
 そこで、お伺いをしたいのは、政府がアメリカに対して、もちろん船体の早期引き揚げあるいは被害者に対する十分な補償等を要求しているんでしょうけれども、これまでにとってきたアメリカに対する対応、それから今私が指摘をした、アメリカの潜水艦が寄港する際に、あるいは訓練をする際に、その訓練そのものを民間人を巻き込んだ見せ物にしないように、そういうことをやめるようにという要求もあわせて日本政府からアメリカにやるべきだと思いますが、官房長官の所見をお伺いいたします。
#97
○国務大臣(福田康夫君) まずは第一点でございますけれども、これまでにやってきたことですね、それからどのような対応をとるか。船体の引き揚げに関しましては、十三日に米国政府は、詳細な計画及び環境及びその他技術的諸問題の解決は依然残されておりますが、引き揚げに取り組むとの決定は行いました。政府としては、御家族の御要望も踏まえ、引き続き米側に対して引き揚げについてあらゆる手だてを尽くすよう求めていく考えでございます。補償につきましては、今後本格的に議論されることになると思いますけれども、米側が誠意ある対応を示すことが重要であるというように考えております。
 こうした点に関しましては、十九日に行われました日米首脳会談におきましても、森総理からブッシュ大統領に対しまして、原因の究明、引き揚げ及び補償等について努力をしてくれるように申し入れたのに対し、大統領から、できることはすべて行う、御家族のために努力をしたい、こういう前向きの発言がございました。
 日本政府としては、これらの点について米側がきちんと対処していくものと考えておりまして、米側の誠意ある対応を引き続き求めていく、そういう考えでおります。
 それから、第二点でございますけれども、在日米軍は従来から、その活動に対する日本国民の理解を深めてもらう、こういうことを目的として、民間人による訓練の視察、艦船への乗艦を行ってきている、このように承知をいたしております。
 その際、米軍が安全面への配慮を払っているということでございまして、えひめ丸の事故を受けて先般二月にファロン特使が来日した際に、河野外務大臣から、米軍艦船の我が国への入港に際し改めて安全を徹底するよう指導願いたい旨の申し入れをいたしたところでございまして、ファロン特使からも再発防止のために必要な処置をとるという発言がございました。
 さらに、今回の事故発生の後、民間人の乗船の実態を把握すべく、日米合同委員会において提議をいたしましたほか、また八日の日米合同委員会におきましても、我が方より相模湾潜水艦行動区域における航行安全について要請をいたしました。それに対して米側からは、二十二日に、日本の領海内における潜水艦の行動の安全は引き続き米海軍の最重要事項でありまして、日本近海においてその安全確保のために今後ともあらゆる努力が払われ、またその行動及び安全に適用される関係法令は遵守するという旨の回答があったところでございます。
 また、二十三日に、訪日中のブレア太平洋軍司令官に対しまして、河野外務大臣から改めて原因の究明、再発防止を要請するとともに、日本における米潜水艦の安全確認が非常に大切であり、二月二十三日にラムズフェルド国防長官が発出しました軍事機器の操作を民間人に許可することを停止するモラトリアムに着目していることを伝えたところでございます。
 いずれにしましても、政府としては、米側に対して今後とも艦船の航行安全に万全を期すように求めていく考えでございます。
#98
○照屋寛徳君 えひめ丸の事故と関連して、昨日一部マスコミが、救出をされた家族のところに治療費だとかいろんな費用の請求書が送り込まれてきて困惑をしているのだという報道がございました。もとより、受け取った側は、それはアメリカ政府がきちんと支払うという約束だからということで請求書そのものは送り返したようでありますが、私は、こういう事故で失意のどん底にあるというか、悲しんでおられる関係家族にそういう治療費の請求書が送られてくること自体が問題で、これはもう被害感情を踏みにじる、逆なでするような行為だというふうに思うんです。
 小さな問題かもしれませんが、私はそういうことについても政府の方からアメリカ政府に対してきちんとそんなことをやめるようにというふうにやらないと、複数回送り込まれた家族もおるやに聞いておりますので、そういう細かな政府の方からのアメリカに対する要請もしていただきたいということと、それから、関係家族が査問会議を傍聴したり、それからえひめ丸の沈没地点を自分の目で確かめたいということでハワイへ何度か渡航しておるようでございますが、そういう費用の負担などは一体どうなっているのかということも心配をするわけでありますが、ぜひお教えいただけたらありがたいなと思います。
#99
○国務大臣(福田康夫君) 委員おっしゃいますとおり、えひめ丸事故で救出されました乗組員の一部の方々に現地ホノルルの病院から請求書が送られてきたということは事実でございまして、その一部の乗組員の方々のさらにまた一部の方には複数回送られてきたというようなことでございます。
 これは、在ホノルル総領事館より現地の病院関係者に確認いたしましたところ、その病院のコンピューターシステムの、その修正がきかなかったかインプットを忘れたのか、そういう関係から自動的にその請求書が患者側である本人に確認のために送られてきたと、こういう事情があったそうでございます。
 そういうことでございますので、これは関係者のお気持ちのことを考えますと、こういうことは適切であるとはもちろん思っていないわけでございますので、今後十分な配慮が払われますように、米側関係者に対しまして引き続き注意を促してまいりたいと、このように思っております。
 また、渡航費用等につきましてのお尋ねでございますけれども、被害者の御家族が現地ホノルル入りする費用については、航空運賃、そして宿泊代、日当──日当もついております、につきまして、基本的に行方不明者一家族二名まで米側にて経費を負担しているというように承知いたしております。同じ家族で複数回行っておられる方もいらっしゃいますが、これは回数は今のところは問わないということで米側が負担してくれるというように承知いたしております。
#100
○照屋寛徳君 ぜひしっかりした対策をとっていただきたいというふうに要望を申し上げておきたいと思います。
 それでは、機密費問題について一点お伺いをいたします。
 松尾元室長が逮捕され、近々起訴、そしてまた再逮捕されるのではないか、こういうふうな報道もなされているわけでありますが、私ども予算委員会等を通して、この報償費、機密費問題、これは何といっても国民の血税がどう使われたかということにかかわる大変重大な問題だということで取り上げてまいりました。残念ながら野党が要求をした来年度予算からの機密費の減額は通りませんでしたけれども、私は、さりとて多くの国民がこの機密費、報償費の問題について、政府・与党が考えているような従来のような予算編成、それは予算額を含めて、これでいいとはだれ一人思っていないと思うんですね。
 そこら辺が大変大きな問題で、それできょうお聞きをしたいのは、マスコミ報道で申しわけありませんが、松尾元室長が、そもそもの犯行の動機として、機密費から総理の外遊時のお土産代、それから外遊先の在外公館への慰労金にも充てておったんだと、この辺は犯行の動機として松尾室長が自供しておると、こういう報道がなされているわけです。御承知のように、これはいずれ起訴されて公判が開かれますと、犯行の動機というのは最も大事なことですから、いずれ私は公になるだろうと思うんですね。
 そこで官房長官にお伺いをいたしますが、この機密費から、従来、外遊時の総理のお土産代だとかあるいは外遊先の公館への慰労金、こういうものにも支出をされておったんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(福田康夫君) まず最初に申し上げておきますけれども、この松尾元室長の犯した犯罪については、現在捜査を行っているところでありまして、実際の被害がどのような方法でどのぐらいあったかということについては、これから解明をされるということでございますので、そういうものがすべて解明されて明らかになった段階でもって、私どもとしてもその対応を考えさせていただかなければいけないと、このように基本的に考えております。
 今回犯罪対象になりましたのは、総理大臣の外国訪問に際しての見積もり、支払い、領収書の受領、精算をこの松尾元室長が一人で一貫して行ったというこの宿泊費であると、こういうことが考えられておりますので、内閣官房から支払ったのは訪問団全体の宿泊費差額と内閣官房職員についての規定分の宿泊費ということで、九億六千万円何がしかの金額が明らかにされたわけでございます。
 また、その他の支出につきましては、これは報償費の性格上、その使途を明らかにできないということで御了承願いたいと思います。
#102
○照屋寛徳君 そうおっしゃるだろうと思っていました。私は、恐らくそれは、言い方は悪いんですけれども、官房長官の方から、いやいや、報償費から総理の外遊時の土産代が出ておったとかあるいは在外公館への慰労金が出ておったなどというのは、それはようおっしゃらぬだろうと思うんですね。
 ただ、松尾さんが逮捕されたその被疑事実については、もちろん司直の手で明らかにされるでしょうけれども、これだけ問題になって、しかも直接の犯行動機というのはいずれ公判で明らかになりますからね。そのときになって、政治の責任で何も事実を解明しないで、土産代も入っておったとか慰労金も入っておったということになると、これは私は国民から強い批判を受けるだろうということを申し上げておきたいと思います。
 時間が少なくなってまいりましたが、国家公安委員長おいででございますので、最初に警察庁に、調布警察署の警部補が、捜査の便宜を図ってやるんだと、こういうことで二百五十万円収賄をしていた疑いが報道されました。お聞きをしますと、もう既に逮捕されたという話もありますけれども、私はあれやこれや警察の不祥事をあげつらうつもりは毛頭ありませんが、ただ非常に残念なのは、その警部補が、しかも職務に最もかかわるというんでしょうかね、捜査上の便宜を図ってやるんだということでお金を受け取るなんという、しかも二百五十万円という多額なことなんで、これは一体どうなっているんだというふうに率直思わざるを得ないわけですね。
 その概要をお聞かせいただきたいことと、それからそのことを踏まえて国家公安委員長、どういう御感想をお持ちなのか、同時に再発防止というか綱紀粛正というか、警察改革の課題を含めてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#103
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘の事案でございますが、ことしの三月八日に警視庁におきまして調布警察署の警部補を収賄罪により逮捕いたしまして、同月十四日に懲戒免職処分に付したものでございます。
 事案の概要につきましては、平成十一年の十一月でございますが、警視庁の多摩中央署に公正証書原本不実記載、同行使等の事件を告発した者から、この告発事件の処理につきまして、今御指摘の、有利かつ便宜な取り計らいを受けたいといった趣旨で供与されるものであることを知りながら、平成十二年の三月に三回にわたりまして東京都の渋谷区内の関係者のビル内におきまして現金合計二百五十万円を収受したということで、職務に関してわいろを収受したという事案であると、こういう報告を受けているものでございます。
 この警部補とこの贈賄の被疑者とは過去の捜査を通じて知り合ったと、こういう経緯があったわけでございます。
 この事案につきましては、職務に関して今御指摘のように多額の現金を収受するという重大な犯罪である、深刻に受けとめなければならないと私ども考えておるわけでございます。
 警視庁におきましては、個々のこうした捜査に携わる捜査員に対しまして、部外者との接触をするときの方法を具体的に問題がないような形で指導するといったような業務管理を徹底する、また不祥事案防止研修会といったようなものを開催する、あるいは個別面接によりまして生活指導とか身上実態を把握するといったような、こうした事案の再発防止対策を、今会議等を開催いたしまして推進をしているところでございます。
 警察庁といたしましても、こういった問題に加えまして、こうした不祥事の根源がどこにあるのか、これを点検を行いまして、今御指摘の警察改革の理念を第一線の隅々にまで浸透させるように各都道府県警察に対して指導、監督をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#104
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま参考人が申し述べましたような事案でございますが、先生御指摘のように、警察官が職務に関して収賄をするなどということは、警察に対する信頼はもちろんでありますが、職務執行の公平さということに対して大変な疑念を抱かせるまことに遺憾な事案だと思っております。
 昨年以来、警察の不祥事が続きまして、国会等にも警察法の改正あるいは国家公安委員会の立場その他についていろいろなお力添えをいただきましたにもかかわらず、依然としてこういう事案が頻発をしているということはまことに申しわけなく、私も責任を感じております。
 この件を含めまして、きょうも、委員長のお許しを得て、国家公安委員会がございまして中座をいたしましたが、国家公安委員会でもいろいろ話がございまして、本件はどちらかというと今参考人が申しましたように個人的な犯罪、そしてその個人的な犯罪をとめるための研修、部内の監察等に不十分さがあったということだと思うんですが、それ以外に、やや奈良県警のように構造的な問題があるように私どもは思いますので、単に国家公務員法上の監察とかそのための調査ということにとどまらず、組織のあり方、それから人事、特に地方の警察官の方と中央採用の人たちの行くポストが常に固定しておって、都道府県県警において、何というんでしょうかね、ヒエラルキーの二重構造のようなことになっている、こういうことを抜本的にひとつ見直すという指示を管理権の一環としてお願いをしているところでございますので、先生の御注意を拳々服膺して、間違いのないように信頼性を取り戻したいと思っております。
#105
○照屋寛徳君 終わります。
#106
○委員長(江本孟紀君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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